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特表2024-529700ヒアルロン酸の組成物並びに皮膚を改善するための単独使用及びレチノイドと組み合わせた使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-08
(54)【発明の名称】ヒアルロン酸の組成物並びに皮膚を改善するための単独使用及びレチノイドと組み合わせた使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/73 20060101AFI20240801BHJP
   A61K 8/67 20060101ALI20240801BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20240801BHJP
   A61Q 19/08 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
A61K8/73
A61K8/67
A61Q19/00
A61Q19/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508696
(86)(22)【出願日】2022-08-12
(85)【翻訳文提出日】2024-03-07
(86)【国際出願番号】 US2022040201
(87)【国際公開番号】W WO2023018959
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】63/232,561
(32)【優先日】2021-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523437813
【氏名又は名称】ロック オプコ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 七重
(72)【発明者】
【氏名】ペレグリノ アーサー
(72)【発明者】
【氏名】デライル エレン
(72)【発明者】
【氏名】ベンコスキ リー
(72)【発明者】
【氏名】コーリー フレッド
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA122
4C083AC172
4C083AC302
4C083AC342
4C083AC352
4C083AC422
4C083AC442
4C083AC472
4C083AC642
4C083AD022
4C083AD072
4C083AD152
4C083AD162
4C083AD172
4C083AD211
4C083AD212
4C083AD331
4C083AD332
4C083AD621
4C083AD622
4C083CC01
4C083CC03
4C083DD28
4C083DD31
4C083DD47
4C083EE12
(57)【要約】
本発明は、対象の皮膚におけるコラーゲン、エラスチン、フィブロネクチン、及びヒアルロン酸のうちの1種又は複数種の遺伝子発現を増加させる方法であって、1種又は複数種の組成物中のヒアルロン酸化合物及びレチノイドを対象に局所投与することを含む、方法に関する。この方法により、皮膚の外見、感触及び/又は外観を改善し、皮膚に水分補給し、皮膚をふっくらさせ、皮膚の弾力性を改善し、小じわ及びしわの外観を改善し、小じわ及びしわの深さ、長さ、又は幅を低減させ、皮膚を滑らかにする。本発明はまた、ヒアルロン酸化合物を含む化粧品組成物であって、無水である、組成物に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒアルロン酸(HA)化合物を含む化粧品組成物であって、無水である前記組成物。
【請求項2】
前記HA化合物が遊離HA又はその塩である、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項3】
コンニャクグルコマンナンをさらに含む、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項4】
前記HA化合物が、前記コンニャクグルコマンナンで架橋されている、請求項3に記載の化粧品組成物。
【請求項5】
レチノイドをさらに含む、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項6】
約0.001質量%~約5.000質量%の前記レチノイドを含む、請求項5に記載の化粧品組成物。
【請求項7】
約0.1質量%~約0.5質量%の前記レチノイドを含む、請求項5に記載の化粧品組成物。
【請求項8】
前記レチノイドが、レチノール、レチナール、トレチノイン、イソトレチノイン、アリトレチノイン、エトレチネート アシトレチン、アダパレン、ベキサロテン、及びタザロテン、及びトリファロテンからなる群から選択される、請求項5に記載の化粧品組成物。
【請求項9】
前記レチノイドがレチノールである、請求項5に記載の化粧品組成物。
【請求項10】
約0.001質量%~約3.000質量%の前記HA化合物を含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の化粧品組成物。
【請求項11】
約0.006質量%の前記HA化合物を含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の化粧品組成物。
【請求項12】
前記HA化合物が約1kDa~約10000kDaの分子量を有する、請求項1~9のいずれか1項に記載の化粧品組成物。
【請求項13】
前記HA化合物が、約10kDa~約40kDaの分子量を有するHAを含む、請求項12に記載の化粧品組成物。
【請求項14】
前記HA化合物が、約25kDa~100kDaの分子量を有するHAを含む、請求項12に記載の化粧品組成物。
【請求項15】
前記HA化合物が、約1kDa~約20kDaの分子量を有するHAを含む、請求項12に記載の化粧品組成物。
【請求項16】
1種又は複数種の組成物中のヒアルロン酸(HA)化合物及びレチノイドを対象の皮膚に局所投与することを含む皮膚を改善する方法であって、前記皮膚の改善が、(a)対象の皮膚におけるコラーゲン、エラスチン、フィブロネクチン、及びヒアルロン酸のうちの1種又は複数種の遺伝子発現の増加、並びに/又は(b)前記皮膚に水分補給すること;前記皮膚をふっくらさせること;皮膚の弾力性を改善すること;小じわ及びしわの外観を改善すること;小じわ及びしわの深さ、長さ、又は幅を低減させること;及び/若しくは前記皮膚を滑らかにすることによる、前記皮膚の外見、感触及び/若しくは外観の改善、並びに/又は(c)前記皮膚の表面及び/若しくは前記皮膚内のヒアルロン酸のレベルの増加及び/若しくは補充若しくはその産生の増加を含む、方法。
【請求項17】
前記HA化合物が遊離HA又はその塩である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記レチノイドが、レチノール、レチナール、トレチノイン、イソトレチノイン、アリトレチノイン、エトレチネート、アシトレチン、アダパレン、ベキサロテン、タザロテン、及びトリファロテンからなる群から選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記レチノイドがレチノールである、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
コンニャクグルコマンナンを投与することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記HA化合物が前記コンニャクグルコマンナンで架橋されている、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記1種又は複数種の組成物が無水である、請求項16に記載の方法。
【請求項23】
前記皮膚の小じわ及びしわを改善し、皮膚のハリを増大させ、前記皮膚のふっくら感を増大させ、前記皮膚の滑らかさを増大させ、及び/又は前記皮膚の弾力性を増大させる、請求項16に記載の方法。
【請求項24】
前記皮膚内の水分補給を増加させ、及び/又は前記皮膚の表面及び/又は前記皮膚内のヒアルロン酸のレベルを増加させる、請求項16に記載の方法。
【請求項25】
前記コラーゲン、エラスチン、フィブロネクチン、及びヒアルロン酸遺伝子発現が、ヒアルロン酸シンターゼ1(HAS1)、ヒアルロン酸シンターゼ2(HAS2)、I型コラーゲン(COL1A1)、III型コラーゲン(COL3A1)、及びIV型コラーゲン(COL4A1)、エラスチン(ELN)、並びにフィブロネクチン(FN1)の遺伝子発現のうちの1種又は複数種から選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項26】
前記HA化合物及び前記レチノイドを別個の組成物で投与する、請求項16~25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記HA化合物及び前記レチノイドを同じ組成物で投与する、請求項16~25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記1種又は複数種の組成物のうちの1種が、約0.001質量%~約5.000質量%の前記レチノイドを含む、請求項16~25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記1種又は複数種の組成物のうちの1種が、約0.1質量%~約0.5質量%の前記レチノイドを含む、請求項16~25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記1種又は複数種の組成物のうちの1種が、約0.2質量%の前記レチノイドを含む、請求項16~25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記1種又は複数種の組成物のうちの1種が、約0.001質量%~約3.000質量%の前記HA化合物を含む、請求項16~25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
前記1種又は複数種の組成物のうちの1種が、約0.006質量%の前記HA化合物を含む、請求項16~25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
前記HA化合物が約1kDa~約10000kDaの分子量を有する、請求項16~25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
前記HA化合物が、約25kDa~100kDaの分子量を有するHA化合物を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記HA化合物が、約1kDa~約20kDaの分子量を有するHA化合物を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記HA化合物が、約40kDa以下の分子量を有するHA化合物を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
前記HA化合物が、約10kDa~約40kDaの分子量を有するHA化合物を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
前記レチノイドの前に前記HA化合物を投与することを含む、請求項16~25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
前記HA化合物及び前記レチノイドを同時に投与することを含む、請求項16~25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
前記1種又は複数種の組成物を晩に投与する、請求項16~25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項41】
前記1種又は複数種の組成物のうちの第1の組成物を朝に投与し、前記1種又は複数種の組成物のうちの第2の組成物を晩に投与する、請求項16~25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項42】
前記1種又は複数種の組成物を毎日投与する、請求項16~25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項43】
前記皮膚が、顔の皮膚、首の皮膚、又は顔と首の両方の皮膚である、請求項16~25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項44】
前記ヒアルロン酸及び前記レチノイドの投与前に前記皮膚を洗浄する、請求項16~25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項45】
前記皮膚の外見、感触及び/又は外観を改善するために、請求項1~9のいずれか1項に記載の組成物を投与することを含む、皮膚を改善する方法。
【請求項46】
前記皮膚の外見、感触及び/又は外観を改善するために、ヒアルロン酸及びレチノイドを前記皮膚に局所投与することを含む、皮膚を改善する方法。
【請求項47】
前記皮膚の外見、感触及び/又は外観を改善することが、前記皮膚に水分補給すること、前記皮膚をふっくらさせること、皮膚の弾力性を改善すること、小じわ及びしわの外観を改善すること、小じわ及びしわの深さ、長さ、又は幅を低減させること、及び前記皮膚を滑らかにすることのうちの1種又は複数種を含む、請求項43又は44に記載の方法。
【請求項48】
組成物中のヒアルロン酸(HA)化合物を対象の皮膚に局所投与することを含む皮膚を改善する方法であって、前記皮膚の改善は、(a)対象の皮膚におけるコラーゲン、エラスチン、フィブロネクチン、及びヒアルロン酸のうちの1種又は複数種の遺伝子発現の増加、並びに/又は(b)前記皮膚に水分補給すること;前記皮膚をふっくらさせること;皮膚の弾力性を改善すること;小じわ及びしわの外観を改善すること;小じわ及びしわの深さ、長さ、又は幅を低減させること;及び/若しくは前記皮膚を滑らかにすることによる、前記皮膚の外見、感触及び/又は外観の改善、並びに/又は(c)前記皮膚の表面及び/若しくは前記皮膚内のヒアルロン酸のレベルの増加及び/若しくは補充若しくはその産生の増加を含む、方法。
【請求項49】
前記組成物が、クリーム、ゲル、ローション、エマルジョン、又はセラムである、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記組成物が無水である、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
前記HA化合物が約1kDa~約10000kDaの分子量を有する、請求項48~50のいずれか1項に記載の方法。
【請求項52】
前記HA化合物が、約25kDa~100kDaの分子量を有するHA化合物を含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記HA化合物が、約1kDa~約20kDaの分子量を有するHA化合物を含む、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
前記HA化合物が、約40kDa以下の分子量を有するHA化合物を含む、請求項51に記載の方法。
【請求項55】
前記HA化合物が、約10kDa~約40kDaの分子量を有するHA化合物を含む、請求項51に記載の方法。
【請求項56】
レチノイドを投与することをさらに含み、前記HA化合物及び前記レチノイドが1種又は複数種の組成物中に存在する、請求項48に記載の方法。
【請求項57】
前記組成物が、請求項1~15のいずれか1項に記載の組成物である、請求項48に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は2021年8月12日出願の米国特許仮出願第63/232,561号に対する優先権を主張し、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
ヒアルロン酸及びレチノイドは、過去数十年において広範囲に研究され、スキンケアに利用されてきた。しかし、広く使用されているにもかかわらず、皮膚におけるヒアルロン酸の補充及び/又は生成の刺激に対する個別又は組み合わせたヒアルロン酸及びレチノイドの効果、並びに小じわ及びしわの軽減、及び皮膚のハリ及びふっくら感の改善などの、水分補給作用及び老化防止作用への対応する影響についてはほとんど知られていない。本発明は、ヒアルロン酸及びレチノールなどのレチノイドのこれらの未解明の有益な効果を利用して皮膚に送達する、改善された化粧品製剤及び処置方法を対象とする。
【発明の概要】
【0003】
本発明の一態様は、ヒアルロン酸の化粧品組成物を含み、この組成物は無水である。
本発明の別の態様は、1種又は複数種の組成物中のヒアルロン酸(HA)化合物及びレチノイドを対象の皮膚に局所投与することを含む皮膚を改善する方法であって、皮膚の改善は、(a)対象の皮膚におけるコラーゲン、エラスチン、フィブロネクチン、及びヒアルロン酸のうちの1つ又は複数の遺伝子発現の増加、並びに/又は(b)皮膚に水分補給すること;皮膚をふっくらさせること、皮膚の弾力性を改善すること;小じわ及びしわの外観を改善すること;小じわ及びしわの深さ、長さ、又は幅を低減させること;及び/若しくは皮膚を滑らかにすることによる、皮膚の外見、感触及び/若しくは外観の改善、並びに/又は(c)皮膚の表面及び/若しくは皮膚内のヒアルロン酸のレベルの増加及び/若しくは補充を含み、ここで、HA化合物はヒアルロン酸又はその塩である。
本発明の別の態様は、皮膚の外見、感触及び/又は外観を改善するために化粧品組成物を投与することによって皮膚を改善する方法を含む。
本発明の別の態様は、皮膚の外見、感触及び/又は外観を改善するために、ヒアルロン酸及びレチノイドを皮膚に局所投与することによって皮膚を改善する方法を含む。
【発明を実施するための形態】
【0004】
本発明の実施形態について以下に詳細に説明する。実施形態を説明する際、明確にするために特定の用語を使用する。しかし、本発明は、そのように選択された特定の用語に限定されることを意図するものではない。特定の例示的な実施形態について考察するが、これは例示のみを目的としてなされることを理解すべきである。当業者であれば、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の構成成分及び構成を使用することができることを認識するであろう。本明細書で引用されるすべての参考文献は、あたかもそれぞれが個別に組み込まれたものであるかのように、参照により組み込まれる。
特に指示がない限り、すべての部分及びパーセンテージは、質量による。本発明で使用される場合、「約」という用語は、示された値のプラス又はマイナス10%を指す。特に記載がない限り、又は文脈により明らかでない限り、質量パーセンテージは、それらが記載されている組成物の総量に基づいて提供される。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈上別段の明確な指示がない限り、複数の指示対象を含む。
ヒアルロン酸及びレチノイドを局所投与するステップを含む、対象の皮膚を処置する方法が本明細書に記載される。ヒアルロン酸を含む化粧品組成物もまた、本明細書に記載されている。レチノールなどのレチノイドを含む化粧品組成物もまた、本明細書に記載されている。ヒアルロン酸とレチノイドを互いに組み合わせて含む化粧品組成物もまた、本明細書に記載されている。
【0005】
ヒアルロン酸
本明細書では、「ヒアルロン酸化合物」及び「HA化合物」という用語は交換可能に使用され、遊離ヒアルロン酸、遊離酸と同様の活性を有するヒアルロン酸誘導体(例えば架橋ヒアルロン酸)、及び遊離酸の塩又はその誘導体を指す。文脈により別段の必要がない限り、「ヒアルロン酸」及び「HA」という用語は、遊離酸又はその許容される塩の一方又は両方を指すために交換可能に使用される。許容可能な塩としては、ヒアルロン酸カリウム及びヒアルロン酸ナトリウムなどのアルカリ金属塩が挙げられるが、これらに限定されない。例示的な実施形態では、HAはヒアルロン酸ナトリウムである。
本発明によれば、HA化合物は、合成源及び天然源を含むがこれらに限定されないあらゆる源に由来することができる。伝統的には、HAはオンドリのトサカから抽出されていた。しかし、この伝統的な方法は、生物医学、医薬、及び化粧品用途における動物由来の成分の使用に対する懸念の高まりに直面している。HAは、連鎖球菌発酵によって製造することもでき、これは製造コストが低く、環境汚染が少なく、異なる分子量のHAの混合物を製造する。他の最近のHA製造プロセスとしては、バチルス(Bacillus)属、ラクトコッカス・ラクティス(Lactococcos lactis)、アグロバクテリウム(Agrobacterium)属、及び大腸菌(Escherichia coli)などのグラム陽性細菌及びグラム陰性細菌からの組換え製造が挙げられる。さらに、バチリ(Bacilli)及び大腸菌などの組換え微生物はエンドトキシンを含まないため、より安全な代替HA製造源となる。
【0006】
本発明によれば、特定の分子量を有する1種又は複数種のHA化合物を本発明の方法及び組成物に使用することができ、直鎖状、架橋型であってもよく、又は他の構成成分と架橋されていてもよい。典型的には、HAは、約1kDa~約20,000kDaの分子量を有する。本発明の一実施形態では、HA化合物は、約1kDa~約20,000kDa、例えば、約1kDa~約10,000、約1kDa~約5,000kDa、約1kDa~約1,000kDa、約1kDa~約100kDa、約25kDa~約100kDa、約25kDa~約50kDa、又は約50kDa以下の分子量を有する。本発明の他の実施形態では、HA化合物は、約10kDa~約40kDa、例えば、約1kDa~約20kDa、又は約3kDa~約10kDaの分子量を有する。本発明の別の実施形態では、HA化合物は、約500kDa~約2000kDa、例えば約600kDa~約1000kDaの分子量を有する。好ましい実施形態では、HA化合物は10kDa~40kDaの分子量を有する。異なる分子量のHAは、特定の分子量範囲を生成する選択的製造方法によって、又は高分子量のHAの制御された加水分解によって得ることができる。
【0007】
HA組成物
本発明のHA組成物は、クリーム、ゲル、ローション、エマルジョン、又はセラムとして製剤化することができ、そのいずれも無水、水性、水中油型、又は油中水型製剤であり得る。したがって、いくつかの実施形態によれば、HA組成物は、追加の化粧品成分又は賦形剤、例として防腐剤、保湿剤、界面活性剤及び他のポリマーを含むことができる。
好ましくは、HA組成物は無水である。最も好ましくは、無水組成物は、製剤の無水性を維持するために使い捨てカプセルに保存される。
HAは、大量の水を吸収し、十分な水と接触すると体積が最大1000倍に膨張することがよく知られている。本明細書に開示される製剤の無水の性質は、HA化合物が皮膚に接触するまで、HA化合物が活性化し、水分を保持することを妨げる。無水製剤を適用することにより、HA化合物は、活性化して膨張する時間がまだないため、皮膚へより良好に浸透する。皮膚に入ると、無水製剤中のHA化合物分子が活性化され、空気中と皮膚自体のより深い層内部の両方から水を皮膚内に引き込む。これにより、公知の水性HA製剤と比較して有意に少ない量のHA化合物の投与が可能になるが、それでもなお、本明細書に開示される方法と同等の及び/又は増大した有効性が達成される。
本発明の実施形態では、HA組成物は、約0.001質量%~約3.00質量%のHA化合物を含有する。本発明の実施形態では、HA組成物は、約0.001質量%のHA化合物、約0.005質量%のHA化合物、約0.010質量%のHA化合物、約0.015質量%のHA化合物、約0.2質量%のHA化合物、約0.3質量%のHA化合物、約0.4質量%のHA化合物、約0.5質量%のHA化合物、約0.6質量%のHA化合物、約0.7質量%のHA化合物、約0.8質量%のHA化合物、約0.9質量%のHA化合物、約1.0質量%のHA化合物、約1.5質量%のHA化合物、約2.0質量%のHA化合物、約2.5質量%のHA化合物、又は約3.0質量%のHA化合物を含有する。例示的な実施形態では、HA組成物は約0.006質量%のHA化合物を含有する。
【0008】
レチノイド
レチノイドは、ビタミンAの誘導体及び類似体である化合物のクラスであり、上皮細胞の成長を調節して光老化及び皮膚のしわを処置するために化粧品及び医薬品に使用される。レチノイドには4世代が存在する。
第1世代レチノイドには、レチノール、レチナール、トレチノイン(すなわち、レチノイン酸又はレチン-A)、イソトレチノイン、及びアリトレチノインが含まれる。
第2世代レチノイドには、エトレチネート及びその代謝産物アシトレチンが含まれる。
第3世代レチノイドには、アダパレン、ベキサロテン、及びタザロテンが含まれる。
第4世代レチノイドには、トリファロテンが含まれる。
レチノールは、皮膚の老化の兆候を遅らせ、若々しい外観を維持するのを助けるために皮膚科医によって最も頻繁に推奨されるレチノイドである。レチノールは、人間の皮膚に天然に存在するビタミンAの形態である。局所処置に定期的に使用すると、皮膚のハリが改善され、小じわ及び深いしわの外観が目に見えて軽減され、目尻のしわ及び目の周りのクマの外見を最小限に抑えることもできる。
【0009】
開示された方法及び組成物ではあらゆるレチノイドを使用することができるが、レチノールが好ましい。
本発明によれば、レチノイドは、別個のレチノイド組成物で投与することができ、又はHA組成物中に(すなわち、組合せ組成物として)存在することができる。
本発明の実施形態では、本発明のレチノール組成物(すなわち、別個のヒアルロン酸組成物と組み合わせた、又は本発明の組合せ組成物の一部としての、本発明の方法を実施するためのレチノール組成物)は、約0.001質量%~約5.0質量%のレチノイドを含有する。本発明の実施形態では、組成物は、約0.001質量%のレチノイド、約0.005質量%のレチノイド、約0.010質量%のレチノイド、約0.015質量%のレチノイド、約0.2質量%のレチノイド、約0.3質量%のレチノイド、約0.4質量%のレチノイド、約0.5質量%のレチノイド、約0.6質量%のレチノイド、約0.7質量%のレチノイド、約0.8質量%のレチノイド、約0.9質量%のレチノイド、約1.0質量%のレチノイド、約1.5質量%のレチノイド、約2.0質量%のレチノイド、約2.5質量%のレチノイド、約3.0質量%のレチノイド、約3.5質量%のレチノイド、約4.0質量%のレチノイド、約4.5質量%のレチノイド、又は約5.0質量%のレチノイドを含有する。好ましくは、組成物は、約0.15質量%又は約0.20質量%を含有する。好ましくは、レチノイドはレチノールである。
【0010】
レチノイドの例示的な商業的供給源は、大豆油中10.0質量%のレチノール及び0.1質量%のBHTを含有するレチノール10S(BASF)である。他のレチノイド源を本発明で使用することができる。
レチノイド組成物
本発明のレチノイド組成物は、クリーム、ゲル、ローション、又はセラムとして配合することができ、そのいずれも無水、水性、水中油型、又は油中水型製剤であり得る。
好ましくは、レチノイド組成物は、無水セラム組成物である。最も好ましくは、無水セラム組成物は、製剤の無水性を維持するために使い捨てカプセルに保存される。さらに、レチノールセラムを使い捨てカプセルに保存することで空気から密閉し、レチノールの酸化を防ぎ効果を維持する。
【0011】
コンニャクグルコマンナン
コンニャクグルコマンナンは、典型的には200kDa~2000kDaの範囲の高分子量を有する植物性多糖であり、その質量の最大200倍の水を吸収できる優れた吸湿性を有する。コンニャクグルコマンナンは、タイ、ベトナム、及び中国南部の森林に自生するサトイモ科の植物であるアモルフォファルス・コンニャク(Amorphophallus konjac)の根の粉末由来である。伝統的な中国医学及びアジアの薬草学では、コンニャクは、その解毒作用及び鎮静作用のために、「悪魔の舌」として知られている。
例示的な実施形態では、その全内容が参照により組み込まれる、米国特許出願公開第2015/0283055号に開示されているように、HA化合物、例えば遊離ヒアルロン酸又はその塩は、無水Ultra Filling Spheres(商標)(BASF製)の形態でコンニャクグルコマンナンと架橋される。Ultra Filling Spheres(商標)は表皮に浸透し、水分を吸収して小じわ及び深いしわを滑らかにし、弾力性改善させ、長期的な水分補給を提供することが示されている。
【0012】
Ultra Filling Spheres(商標)は、パルミチン酸エチルヘキシル(Ultra Filling Spheres(商標)製剤全体の約97.8質量%)及びトリヒドロキシステアリン(Ultra Filling Spheres(商標)製剤全体の約2.0質量%)中に約0.2質量%の濃度で分散された、約97.5質量%のHAと約2.5質量%のコンニャクグルコマンナンの組合せとしてHAを含有する。Ultra Filling Spheres(商標)中に存在するヒアルロン酸ナトリウムは、典型的には10kDa~40kDaの分子量を有する。
本発明の実施形態では、本発明のHA組成物は、約1.0質量%~約10.0質量%のUltra Filling Spheres(商標)を含有する。本発明の実施形態では、HA組成物は、約1.0質量%、約2.0質量%、約3.0質量%、約4.0質量%、約5.0質量%、約6.0質量%、約7.0質量%、約8.0質量%、約9.0質量%、又は約10.0質量%のUltra Filling Spheres(商標)を含有する。好ましい実施形態では、HA組成物は、約3.0質量%のUltra Filling Spheres(商標)を含有する。
Ultra Filling Spheres(商標)を使用することができるが、他のHAミクロスフェアも本発明による方法及び組成物での使用に好適である。代替のHAミクロスフェアとしては、これに限定されないが、同様にBASFによって供給されるHyaluronic Filling Spheres(登録商標)が挙げられ、これは球体を作製するために吸湿性材料を使用するが、コンニャクグルコマンナンは含まない。他のヒアルロン酸充填球体技術は、架橋球体の使用に基づいている。
【0013】
方法
ヒアルロン酸は、結合組織、上皮組織、及び神経組織全体に広く分布するアニオン性の非硫酸化グリコサミノグリカンであり、皮膚の主要成分である。皮膚が老化するにつれて、皮膚の化学成分の最も劇的な変化は、水分子の結合及び保持に関与する主要な分子である表皮HAの顕著な消失である。これにより、皮膚の水分量の大幅な喪失がもたらされる。HAは真皮に残るが、加齢に伴い皮膚内のHAポリマーのサイズは漸進的に減少する。さらに、加齢に伴い細胞外空間へのHAの抽出能が著しく低下するため、組織構造内のHAの量を増加させる必要性が高まっている。これは、コラーゲンの漸進的架橋、及び加齢に伴うコラーゲンの抽出性の着実な喪失に関連して起こる。HAとコラーゲンの喪失が重なると、皮膚の脱水、萎縮、皮膚の弾力性の低下が生じ、小じわ及びしわなどの明らかな老化の兆候が生じる。
HAは、ヒアルロン酸シンターゼ又はHASと呼ばれる特定の酵素によって合成され、3つの異なる哺乳動物HAS酵素:HAS1、HAS2、及びHAS3が存在する。これらは膜結合型酵素であり、原形質膜の内面でHAを合成し、その後HAは細孔様構造を通って細胞外空間に押し出される。成人及び若年患者の光保護皮膚組織標本を評価した研究では、固有の皮膚老化がHA含有量の大幅な減少だけでなく、HAS-1及びHAS-2の下方制御にも関連していることが示されている。
【0014】
皮膚の老化の兆候に効果的に対抗するために、1つの戦略は、皮膚が高分子量のHAを生成するのを促進し、皮膚の細胞外マトリックスへのその押し出しを促進するために、まずHASの発現に関与する遺伝子をオンにすることである。
本発明の実施形態によれば、本明細書に開示される方法は、皮膚を改善するために、ヒアルロン酸化合物を単独で、又はレチノイドと組み合わせて対象の皮膚に局所投与することを伴い、改善は以下の1つ又は複数の利点を達成する:
i.コラーゲン遺伝子発現の増加。コラーゲン遺伝子発現の増加は、I型コラーゲン(COL1A1)、III型コラーゲン(COL3A1)、及びIV型コラーゲン(COL4A1)の1つ又は複数から選択することができる。
ii.エラスチン(すなわち、ELN)遺伝子発現の増加。
iii.フィブロネクチン(すなわち、FN1)遺伝子発現の増加。
iv.ヒアルロン酸遺伝子発現の増加。ヒアルロン酸遺伝子発現の増加は、ヒアルロン酸シンターゼ1(すなわちHAS1)及びヒアルロン酸シンターゼ2(すなわちHAS2)のうちの1つ又は複数から選択することができる。
【0015】
本発明の他の実施形態では、皮膚におけるこれらの特定の遺伝子発現を上方制御することにより、ヒアルロン酸を単独で、又はレチノイドと組み合わせて対象の皮膚に局所投与することによって、皮膚における以下の利点のうちの1つ又は複数も達成される:
i.皮膚内の水分補給の増加。
ii.皮膚表面のヒアルロン酸レベルの増加及び補充。
iii.皮膚内のヒアルロン酸レベルの増加及び補充。
【0016】
本発明の他の実施形態では、レチノイドと組み合わせたヒアルロン酸の局所投与は、皮膚の外見、感触、及び外観において以下の1つ又は複数の改善をもたらす:
i.皮膚のハリの増大。皮膚のハリの増大には、外観/外見がよりハリのある皮膚に、目に見えて1.5倍向上することが含まれる。外観/外見がよりハリのある皮膚に目に見えて向上することには、皮膚内のコラーゲン支持の1.5倍の向上が含まれる。
ii.皮膚のふっくら感の増大。皮膚のふっくら感の増大には、外観/外見がよりふっくら感のある、より満ちたりた皮膚に、目に見えて7倍向上することが含まれる。外観がよりふっくら感のある、より満ちたりた皮膚に目に見えて向上することには、皮膚内のヒアルロン酸レベルの7倍の向上が含まれる。
iii.皮膚の小じわ及びしわの改善。皮膚の小じわ及びしわの改善には、小じわ及び/又はしわの長さ、深さ、及び/又は幅を減少させること、及び/又は小じわ及び/又はしわの外観を軽減することが含まれる。
iv.皮膚の滑らかさの増大。
v.皮膚の弾力性の増大。
【0017】
本発明によれば、ヒアルロン酸及びレチノイドは、1種又は複数種の組成物で投与することができる。投与は、ヒアルロン酸とレチノイドを同時に投与するために、別個の組成物、すなわち、HA組成物及びレチノイド組成物で、又は1つの組成物(組合せ組成物)で行うことができる。2つの別個の組成物で投与する場合、ヒアルロン酸組成物は、レチノイド組成物の前に、又はレチノイド組成物の後に投与することができる。2つの別個の組成物で投与する場合、好ましくは、ヒアルロン酸組成物を、レチノイド組成物の前に投与し、好ましくは、レチノイド組成物を、ヒアルロン酸組成物を皮膚に投与した直後に投与する。好ましくは、レチノイド組成物は、レチノール組成物である。
本発明によれば、この方法は、朝、午後、及び晩を含む一日のあらゆる時間における投与を含む。本発明のいくつかの実施形態では、HA及びレチノイド組成物又は組合せ組成物は、朝及び/又は晩に投与される。例示的な実施形態では、HA及びレチノイド組成物又は組合せ組成物は、対象の就寝時などの晩に投与される。他の例示的な実施形態では、HA組成物又はレチノイド組成物の一方は朝に投与され、レチノイド組成物又はHA組成物の他方は晩に投与される。
【0018】
方法のいくつかの実施形態では、投与される組成物を、カプセルに含める。このような組成物では、この方法には以下のステップが含まれる:
1)カプセルをひねって開けるステップ;
2)ヒアルロン酸組成物をカプセルから皮膚に投与(又は適用)するステップ;
3)レチノール組成物をカプセルから皮膚に投与(又は適用)するステップ。
或いは、ヒアルロン酸カプセルからのヒアルロン酸組成物及びレチノールカプセルからのレチノール組成物は、例えば対象の手のひらで一緒に混合し、同時に適用することによって、又はHA組成物を適用した直後にレチノール組成物を適用することによって、同時に投与することができる。
実施形態では、初回投与において、皮膚が製品に慣れるまで、対象は組成物を隔夜で適用する。投与頻度は、必要に応じて、好ましくは毎晩/毎夜組成物を投与することができるまで増加させることができる。日中に組成物を適用する場合、対象は、レチノール含有組成物を適用した後、SPF15以上の日焼け止めを適用することもできる。
本発明によれば、処置される皮膚は、HA及びレチノイド組成物又は組合せ組成物の投与前に洗浄することができる。
本発明によれば、皮膚のあらゆる領域を処置することができる。本発明の例示的な実施形態では、処置される皮膚は、顔の皮膚、首の皮膚、又は顔と首の両方の皮膚である。本発明の他の例示的な実施形態では、皮膚は胸部/デコルテの皮膚である。
【0019】
その他の構成成分
ココナッツアルカン
ココナッツアルカンは、ココナッツ油由来の脂肪酸の混合物の完全な還元及び水素化から得られる天然産物であり、皮膚及びヘアケア用途において皮膚軟化剤として機能する。
本発明の実施形態では、HA組成物は、約30.0質量%~約45.0質量%のココナッツアルカンを含有する。好ましい実施形態では、HA組成物は、約37.4質量%のココナッツアルカンを含有する。
ココ-カプリレート/カプレート
ココ-カプリレート/カプレートは、ココナッツから得られる皮膚との生体相溶性のレベルが高い植物成分である。ココ-カプリレート/カプレートは、深く浸透して、皮膚による皮膚自体の修復を助け、皮膚軟化剤として作用し、皮膚に柔らかさを与える能力を有する。
【0020】
本発明の実施形態では、HA組成物は、約1.0質量%~約5.0質量%のココ-カプリレート/カプレートを含有する。好ましい実施形態では、HA組成物は、約2.4質量%のココ-カプリレート/カプレートを含有する。
ココ-カプリレート/カプレートの例示的な商業的供給源は、植物油を原料とする揮発性で低臭のアルカンであるVegelight 1214LCである。これは、石油由来のイソドデカン及び合成由来のシクロメチコンと同様の揮発性特性を有する、透明無色の皮膚軟化剤である。これは、スキンケア、カラー化粧品、サンケア、消臭剤、及びヘアケア製剤への用途に理想的である。Vegelight 1214LCは、ココナッツアルカン中に6.0質量%のココ-カプリレート/カプレートを含有し、Grant Industriesによって供給される。ココ-カプリレート/カプレートの他の供給源も許容される。
【0021】
ホホバ種子油
ホホバ種子油は、多年生低木の種子から抽出された皮膚軟化剤、無香料油である。ホホバ油は、皮膚の修復作用を高めることが示されている。ホホバ油は、多数の脂肪酸が豊富な供給源であり、局所的な皮膚の鎮静効果も提供することができる。
本発明の実施形態では、本発明のHA組成物は、約20.0質量%~約25.0質量%のホホバ種子油を含有する。好ましい実施形態では、HA組成物は、約22.0質量%のホホバ種子油を含有する。
エチレン/プロピレン/スチレンコポリマー及びブチレン/エチレン/プロピレンコポリマー
エチレン/プロピレン/スチレンコポリマーは、関連化合物のブチレン/エチレン/スチレンコポリマーとともに油ゲル化剤として使用される補助成分である。これら2つを異なるタイプの炭化水素(例えば、鉱油又は異なる皮膚軟化エステル)と組み合わせて、異なる感覚特性及び物理特性を備えたゲルを形成することができる。得られた炭化水素ゲルは、皮膚の閉塞性を改善し、表皮を通った水分の喪失を低減し、懸濁液を形成することもできる。
【0022】
本発明の実施形態では、本発明のHA組成物は、約1.0質量%~約5.0質量%のエチレン/プロピレン/スチレンコポリマーを含有する。好ましい実施形態では、HA組成物は、約2.5質量%のエチレン/プロピレン/スチレンコポリマーを含有する。
本発明の実施形態では、本発明のHA組成物は、約0.1質量%~約1.0質量%のブチレン/エチレン/スチレンコポリマーを含有する。好ましい実施形態では、HA組成物は、約0.5質量%のブチレン/エチレン/スチレンコポリマーを含有する。
ブチレン/エチレン/スチレンコポリマーと組み合わせたエチレン/プロピレン/スチレンコポリマーの例示的な商業的供給源は、Jojoba Glaze HV BFであり、これは、ほぼ完全にホホバ油で構成された透明な高粘度のゲルであり、実質的な皮膚軟化効果をもたらしながら、皮膚及び髪に光沢及び輝きを与える。グリッター、砂糖、及び他の粒子に対して優れた懸濁特性を提供する。Jojoba Glaze HV BFは、i)9.9質量%のエチレン/プロピレン/スチレンコポリマー、ii)2.0質量%のブチレン/エチレン/プロピレンコポリマー、及びiii)ホホバ種子油中の0.10質量%のブチル化ヒドロキシトルエン(すなわちBHT)を含有し、Vantage Personal Careによって供給される。エチレン/プロピレン/スチレンコポリマー及びブチレン/エチレン/スチレンの他の商業的供給源も許容される。
【0023】
ポリウレタン-79
ポリウレタン-79は、水素化ポリブタンジオール、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、水素化ジリノレイルアルコール、及び1,4-ブタンジオールを反応させることによって形成されるコポリマーである。ポリマーはステアリルアルコールでキャップされている。ポリウレタン-79は、皮膚、髪、及び爪上のフィルム形成剤として、また粘度調整剤として化粧品に利用されている。
本発明の実施形態では、HA組成物は、約0.5質量%~約2.5質量%のポリウレタン-79を含有する。好ましい実施形態では、HA組成物は、約1.2質量%のポリウレタン-79を含有する。
ポリウレタン-79の例示的な商業的供給源は、Oilkemia 5Sポリマーであり、これは油溶性レオロジー調整剤であり、優れた増粘効率、透明性、懸濁性、及び安定性を提供するとともに、心地よい非粘着性の感触により、スキンケア、サンケア、及びカラー化粧品の用途全体で魅惑的な質感を作出する。ポリウレタン-79の例示的な供給源は、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド中に30.0質量%のポリウレタン-79を含有し、Lubrizolによって供給されるOilkemia 5Sポリマーである。ポリウレタン-79の他の供給源も許容される。
【0024】
カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド
カプリル酸/カプリン酸トリグリセリドは、現代の化粧品用途のための伝統的な中程度に拡がる皮膚軟化剤である。カプリル酸/カプリン酸トリグリセリドは、透明でわずかに黄色がかった極性の無臭の油であり、拡がり量(spreading value)はおよそ550mm2/10分である。カプリル酸/カプリン酸トリグリセリドは、屈折率(20℃)が1.448~1.450、密度(20℃)が0.943~0.950g/ml、及びケン化価は330~340である。カプリル酸/カプリン酸トリグリセリドの例示的な商業的供給源は、BASFによって供給されるMyritol 312である。カプリル酸/カプリン酸トリグリセリドの他の供給源も許容される。
本発明の実施形態では、HA組成物は、約15.0質量%~約25.0質量%のカプリル酸/カプリン酸トリグリセリドを含有する。好ましい実施形態では、HA組成物は、約19.0質量%のカプリル酸/カプリン酸トリグリセリドを含有する。
【0025】
ココナッツ油
ココナッツ油は、ココナッツの果肉に由来する。この油は、抽出、精製、漂白、及び脱臭され、とりわけ、石鹸、皮膚保湿剤、及び日焼けローションの成分として化粧品業界における用途を有する。ココナッツ油の例示的な商業供給源は、Brenntagである。ココナッツ油の他の供給源も許容される。
本発明の実施形態では、HA組成物は、約5.0質量%~約15.0質量%のココナッツ油を含有する。好ましい実施形態では、HA組成物は、約10.0質量%のココナッツ油を含有する。
ジカプリル酸イソソルビド
ジカプリル酸イソソルビドは、天然の優れた親油性保湿剤及び皮膚バリアビルダーである。ジカプリル酸イソソルビドは、アクアポリン-3を刺激し、長時間持続する水分補給(>48時間)を提供し、タイトジャンクション、デスモソーム、及びセラミドシンターゼを上方制御することにより健康なバリア機能の維持に寄与する。ジカプリル酸イソソルビドの例示的な商業的供給源は、Syntheonによって供給されるHydra Synol DOIである。ジカプリル酸イソソルビドの他の供給源も許容される。
本発明の実施形態では、HA組成物は、約1.0質量%~約3.0質量%のジカプリル酸イソソルビドを含有する。好ましい実施形態では、HA組成物は、約2.0質量%のジカプリル酸イソソルビドを含有する。
【0026】
シクロペンタシロキサン
シクロペンタシロキサンは、多種多様の皮膚、髪、及び色のパーソナルケア用途に使用することができる環状の揮発性シリコーン流体である。シクロペンタシロキサンは、優れた一時的な皮膚軟化性を有し、現在最も広く使用されている重要な化粧品用溶剤の1つである。シクロペンタシロキサンは、制汗剤及び消臭剤、スキンローション、ヘアスプレー、ネールポリッシュ、シェービングローション、香水及びコロン、並びにメイクアップへの使用が推奨される。ディフューザーなどのエアケア気化用途にも使用することができる。
本発明の実施形態では、本発明のレチノール組成物(すなわち、別個のヒアルロン酸組成物と組み合わせた、又は本発明の組合せ組成物の一部としての、本発明の方法を実施するためのレチノール組成物)は、約55.0質量%~約70.0質量%のシクロペンタシロキサンを含有する。好ましい実施形態では、レチノール組成物は約61.2質量%のシクロペンタシロキサンを含有する。
【0027】
ジメチコノール
ジメチコノールは、シリコーンガムとも称され、ジメチコンに類似したポリマーである。ジメチコノールは、スキンケア製品及びヘアケア製品に使用されるシリコーンの1タイプである。ジメチコノールは、シリコーンとして、製品の外観、質感、及び感触を改善し、皮膚からの水分喪失を防ぎ、製品の有効性を高めるのに役立つ。
本発明の実施形態では、本発明のレチノール組成物(すなわち、別個のヒアルロン酸組成物と組み合わせた、又は本発明の組合せ組成物の一部としての、本発明の方法を実施するためのレチノール組成物)は、約5.0質量%~約15.0質量%のジメチコノールを含有する。好ましい実施形態では、レチノール組成物は約10.8質量%のジメチコノールを含有する。
ジメチコノールの例示的な商業的供給源は、シクロペンタシロキサン中の超高粘度ジメチコノールのブレンドであるXiameter PMX-1501 Fluidである。この膜を形成する透明な粘稠流体は持続性があり、洗い流されにくいため、耐久性のある化粧品に好適である。ジメチコノールは、ヘアケア製品では、髪、特に枝毛(split end)の状態を整える。ジメチコノールは、スキンケア製品では、柔らかくビロードのような皮膚感触を与える。この製品は、スキンケア、カラー化粧品、サンケア、ヘアケア、シャワージェル、制汗剤、及び消臭剤などの幅広い化粧品及びトイレタリー用途に使用することができる。Xiameter PMX-1501 Fluidは、シクロペンタシロキサン中に15.0質量%のジメチコノールを含有しており、Univar Solutionsによって供給される。ジメチコノール及びシクロペンタシロキサンの他の供給源も許容される。
【0028】
ヤシ脂肪酸エチルヘキシル
ヤシ脂肪酸エチルヘキシルは、製剤中のシリコーンの濃度を制限するために使用することができるエステルであり、より自然であると知覚される表面感触の代替物を提供する。また、ヤシ脂肪酸エチルヘキシルによって、特にフェイシャルケア及びボディケアのフォーミュラで知覚可能な柔らかな仕上がりが生じる。
本発明の実施形態では、本発明のレチノール組成物(すなわち、別個のヒアルロン酸組成物と組み合わせた、又は本発明の組合せ組成物の一部としての、本発明の方法を実施するためのレチノール組成物)は、約15.0質量%~約25.0質量%のヤシ脂肪酸エチルヘキシルを含有する。好ましい実施形態では、レチノール組成物は約20.0質量%のヤシ脂肪酸エチルヘキシルを含有する。
【0029】
大豆油
大豆油(グリシン・ソヤ(glycine soja )油)は、不飽和脂肪酸、大豆レシチン、及び化粧品、食品、及び医薬品で使用される必須のα-リノレン酸も含有する油である。大豆油の例示的な商業的供給源は、Gustav Heessによって供給される精製大豆油IPである。大豆油の他の供給源も許容される。
本発明の実施形態では、レチノール組成物は約1.0質量%~約10.0質量%の大豆油を含有する。好ましい実施形態では、レチノール組成物は、約7.0質量%の大豆油を含有する。
フェノキシエタノール
フェノキシエタノールは、抗菌防腐剤である。フェノキシエタノールは、シャンプー、泡風呂、シャワージェル、又は液体洗剤などの化粧品、トイレタリー、及び医薬品用途の抗菌防腐剤として広く使用されている。この製品は化学的に不活性であるため、大多数のタイプの化合物と相溶性がある。フェノキシエタノールの例示的な商業供給源は、Clariantによって供給されるPhenoxetolである。フェノキシエタノールの他の供給源も許容される。
本発明の実施形態では、本発明のレチノール組成物(すなわち、別個のヒアルロン酸組成物と組み合わせた、又は本発明の組合せ組成物の一部としての、本発明の方法を実施するためのレチノール組成物)は、約0.5質量%~約1.5質量%のフェノキシエタノールを含有する。好ましい実施形態では、レチノール組成物は約0.8質量%のフェノキシエタノールを含有する。
【0030】
ジメチルメトキシクロマノール
ジメチルメトキシクロマノールは、反応性種(ROS、RNS、RCS)から三重の保護を与え、解毒に役立ち得るγ-トコフェロールの類似体である抗酸化剤である。皮膚に適用すると、抗酸化作用及び老化に関連するパラメーターが改善され、一方、色素脱失活性も測定された。ジメチルメトキシクロマノールの例示的な商業供給源は、Lipotecによって供給されるLipochroman分子である。ジメチルメトキシクロマノールの他の供給源も許容される。
本発明の実施形態では、本発明のレチノール組成物(すなわち、別個のヒアルロン酸組成物と組み合わせた、又は本発明の組合せ組成物の一部としての、本発明の方法を実施するためのレチノール組成物)は、約0.005質量%~約0.015質量%のジメチルメトキシクロマノールを含有する。好ましい実施形態では、レチノール組成物は約0.01質量%のジメチルメトキシクロマノールを含有する。
【0031】
セラミドIII
セラミドIIIは、皮膚の天然の保護脂質バリアを強化するセラミドである。セラミドIIIは、飽和脂肪酸(ステアリン酸)でアシル化されたフィトスフィンゴシン主鎖から構成されている。セラミドIII及びセラミドIIIBは、皮膚の天然保護層の再生を支持し、水分喪失に対する効果的なバリアを形成する。したがって、これらのヒトの皮膚と同一の分子は、敏感肌及び乾燥肌の長期的な保護及び修復に特に好適である。ヘアケア製剤では、セラミドIII及びセラミドIIIBが損傷を受けた髪を修復し、化学的損傷やUVによる損傷から髪を保護することができる。セラミドIIIの例示的な商業供給源は、Evonikである。セラミドIIIの他の供給源も許容される。
本発明の実施形態では、本発明のレチノール組成物(すなわち、別個のヒアルロン酸組成物と組み合わせた、又は本発明の組合せ組成物の一部としての、本発明の方法を実施するためのレチノール組成物)は、約0.00005質量%~約0.00015質量%のセラミドIIIを含有する。好ましい実施形態では、レチノール組成物は約0.0001質量%のセラミドIIIを含有する。
【0032】
例示的な組成物
本発明による例示的なHA組成物を、以下の表Aに開示する。
【表1】

【0033】
本発明によるHA組成物の具体例を、以下の表Bに開示する。
【表2】

【0034】
表Bの上記組成物において、成分は以下のように提供することができる:ココナッツアルカン及びココ-カプリレート/カプレートは、Vegelight 1214LCによって提供することができる;シモンドシア・キネンシス(Simmondsia chinensis)(ホホバ)種子油、エチレン/プロピレン/スチレンコポリマー、ブチレン/エチレン/プロピレンコポリマー、及びBHTは、Jojoba Glaze HVとして提供することができる;カプリル酸/カプリン酸トリグリセリドは、Myritol 312として提供することができる;ココス・ヌシフェラ(Cocos Nucifera)油は、Olio DI COCCO Raffinateとして提供することができる;カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド及びポリウレタン-79は、Oilkemia 5Sポリマーとして提供することができる;パルミチン酸エチルヘキシル、トリヒドロキシステアリン、ヒアルロン酸ナトリウム、及びコンニャクグルコマンナンは、Ultra Filling Spheresとして提供することができる;またジカプリル酸イソソルビドは、HydraSynol DOIとして提供することができる。
【0035】
本明細書に開示される0.006質量%のHA化合物を含有する無水HAセラムカプセルを、1.5質量%のHAを含有する市販の水性HAセラム製剤に対して試験した(以下の実施例2)。25,000%以上のHAを含有する1.5質量%のHA水性製剤にもかかわらず、培地と組織溶解物の両方でHAレベルを測定した場合、無水カプセルは水性製剤よりも有意に良好な結果を達成した。さらに、無水HA製剤は、HAS1及びFN1の発現を誘導することに成功したが、これは水性HA製剤では観察されなかった。レチノイドと組み合わせると、無水HAセラムは予想外にさらに優れた性能を発揮した。
注目すべきことに、HA無水製剤をレチノールと組み合わせると、COL1A1(48%)、COL3A1(58%)、及びCOL4A1(79%)に有意な増加が見られたが、これは製品単独でも、比較用の1.5質量%のHA水性製剤又は市販の0.3質量%の水性レチノール製剤いずれでも、観察されなかった。実際、COL4A1の場合、両方の水性製剤で遺伝子発現が有意に減少した。さらに、対応する水性製剤中のHA及びレチノール濃度が有意に低いにもかかわらず、ELN及びFN1の発現レベルは、本発明による組合せの場合に顕著に高かった。
【0036】
個々の水性製剤ではHAS2について298%及び233%の増加が観察されたが、本発明による組合せによって、24時間後にHAS2発現レベルの予想外の638%の増加がもたらされた。試験した0.3質量%レチノール水性セラムは、レチノールよりもさらに高いレベルでヒアルロン酸ナトリウムとして存在するヒアルロン酸も含有していることに注目することも重要である。したがって、水性レチノール製品もまた、HA/レチノールの組合せを含有するにもかかわらず、水性レチノール製品では、発現レベルは本発明の組合せで観察された増加の3分の1しか増加しなかった。
一実施形態では、HA組成物は、コンニャクグルコマンナン、及びココナッツアルカン、ココ-カプリレート/カプレート、ホホバ種子油、エチレン/プロピレン/スチレンコポリマー及びブチレン/エチレン/プロピレンコポリマー、BHT、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ココナッツ油、ポリウレタン-79、パルミチン酸エチルヘキシル、トリヒドロキシステアリン、及びジカプリル酸イソソルビド、から選択される1種又は複数種の追加の構成成分で架橋されたHA化合物を含む。
上記組成物のいずれかにおいて、コンニャクグルコマンナン、ココナッツアルカン、ココ-カプリレート/カプレート、ホホバ種子油、エチレン/プロピレン/スチレンコポリマー及びブチレン/エチレン/プロピレンコポリマー、BHT、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ココナッツ油、ポリウレタン-79、パルミチン酸エチルヘキシル、トリヒドロキシステアリン、及びジカプリル酸イソソルビドで架橋されたHA化合物は、市販製品であるUltra Filling Spheres(商標)、Vegelight 1214LC、Jojoba Glaze HV BF、Myritol 312、ココナッツ油、Oilkemia 5S ポリマー、及びHydraSynol DOIを使用して提供することができる。
【0037】
本発明によるレチノイド組成物を、以下の表Cに開示する。
【表3】

【0038】
本発明によるレチノイド組成物の具体例を、以下の表Dに開示する。
【表4】


表Dの上記組成物において、成分は以下のように提供することができる:シクロペンタシロキサン及びジメチコノールは、Xiameter PMX-1501 Fluidとして提供することができる;ヤシ脂肪酸エチルヘキシルは、あらゆる好適な商業供給源から提供することができる;グリシン・ソヤ油は、精製大豆油IPとして提供することができる;グリシン・ソヤ油、レチノール及び、BHTは、レチノール10Sとして提供することができる;フェノキシエタノールは、Phenoxetolとして提供することができる;ジメチルメトキシクロマノールは、Liopchroman分子として提供することができる;セラミドNPは、セラミドIIIとして提供することができる。
【0039】
一実施形態では、レチノイド組成物は、レチノールと、シクロペンタシロキサン、ジメチコノール、ヤシ脂肪酸エチルヘキシル、大豆油、フェノキシエタノール、ジメチルメトキシクロマノール、及びセラミドから選択される1種又は複数種の追加成分とを含む。
上記の組成物のいずれにおいても、レチノール、シクロペンタシロキサン、ジメチコノール、ヤシ脂肪酸エチルヘキシル、大豆油、フェノキシエタノール、ジメチルメトキシクロマノール、及びセラミドは、市販製品であるレチノール10S、Xiameter PMX-1501 Fluid、ヤシ脂肪酸エチルヘキシル、精製大豆油IP、Phenoxetol、Lipochroman分子、及びセラミドIIIを使用して提供することができる。
【0040】
組合せ組成物
上述したように、本発明の利点は、HA及びレチノイドを別個の組成物で、又は単一の組合せHA/レチノイド組成物で適用することによって得ることができる。組合せHA/レチノイド組成物は、クリーム、ゲル、ローション、又はセラムとして配合することができ、そのいずれも無水、水性、水中油型、又は油中水型製剤であり得る。好ましくは、組合せHA/レチノイド組成物は、無水セラム組成物である。最も好ましくは、無水セラム組成物は、製剤の無水性を維持するために使い捨てカプセルに保存される。HA化合物とレチノイドを単一の無水製剤に組み合わせ、密封された使い捨てカプセルに保存することで、皮膚に投与する前にHA化合物の活性化を防ぎ、同時にレチノイドの酸化及び分解を防ぐことができる。この理想的な配合及び保存戦略によって、本発明の製品及び方法の有効性、並びに製品の安定性を著しく高めることができる。
【0041】
一実施形態では、組合せ組成物は、コンニャクグルコマンナン、レチノイド、及びココナッツアルカン、ココ-カプリレート/カプレート、ホホバ種子油、エチレン/プロピレン/スチレンコポリマー及びブチレン/エチレン/プロピレンコポリマー、BHT、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ココナッツ油、ポリウレタン-79、パルミチン酸エチルヘキシル、トリヒドロキシステアリン、及びジカプリル酸イソソルビド、から選択される1種又は複数種の追加の構成成分で架橋されたHA化合物を含む。好ましい実施形態では、レチノイドは、レチノールである。
上記組成物のいずれかにおいて、コンニャクグルコマンナン、レチノイド、ココナッツアルカン、ココ-カプリレート/カプレート、ホホバ種子油、エチレン/プロピレン/スチレンコポリマー及びブチレン/エチレン/プロピレンコポリマー、BHT、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ココナッツ油、ポリウレタン-79、パルミチン酸エチルヘキシル、トリヒドロキシステアリン、及びジカプリル酸イソソルビドで架橋されたHA化合物は、市販製品であるUltra Filling Spheres(商標)、レチノール10S、Vegelight 1214LC、Jojoba Glaze HV BF、Myritol 312、ココナッツ油、Oilkemia 5S ポリマー、及びHydraSynol DOIを使用して提供することができる。
【0042】
クロメノン
ある特定のクロメノン誘導体は、老化防止効果を呈することが示されている。その全内容が参照により組み込まれる米国特許第8,518,986号は、式(I)のクロメノン誘導体:
【化1】
又はその塩、を教示している。
(式中、
1及びR2は同一又は異なっており、H、-(C=O)-R7、-C(=O)-OR7、直鎖又は分岐鎖C1-~C20-アルキル基であり、ここで、アルキルは、酸素、直鎖若しくは分岐鎖C3-~C20-アルケニル基、直鎖若しくは分岐鎖C1-~C20-ヒドロキシアルキル基、又はジ-若しくはポリヒドロキシアルキル基によって少なくとも一回中断されていてもよく、ここで、ヒドロキシル基は、アルキルの第一級又は第二級炭素原子に結合しており、アルキルは、酸素、C3-~C10-シクロアルキル基及びC3-~C12-シクロアルケニル基によって少なくとも1回中断されていてもよく(ここで、環状基は、-(CH2n-基(ここでn=1~3)により架橋されていてもよい);
3は、H、又は直鎖若しくは分岐鎖C1-~C20-アルキル基であり;
4はH又は-OR8であり;
5及びR6は、同一又は異なっており、H又はヒドロキシル(OH)、直鎖若しくは分岐鎖C1-~C20-アルキル基(ここで、アルキルは少なくとも一回酸素によって中断されていてもよい)、直鎖若しくは分岐鎖C3-~C20-アルケニル基、及び直鎖若しくは分岐鎖C1-~C20-ヒドロキシアルキル基、からなる群から選択され、ここで、ヒドロキシル基は、アルキルの第一級又は第二級炭素原子に結合しており、ここで、アルキルは、酸素によって少なくとも一回中断されていてもよく;
7は、H、直鎖又は分枝鎖C1-~C20-アルキル基からなる群から選択され、ここで、アルキルは、酸素、直鎖若しくは分岐鎖C3-~C20-アルケニル基、及び直鎖若しくは分岐鎖C1-~C20-ヒドロキシアルキル基、又はジ-若しくはポリヒドロキシアルキル基によって少なくとも一回中断されていてもよく、ここで、ヒドロキシル基は、アルキルの第一級又は第二級炭素原子に結合しており、ここで、アルキルは、酸素によって少なくとも一回中断されていてもよく、
8は、H、又は直鎖若しくは分岐鎖C1-~C20-アルキル基である)
【0043】
式(I)のクロメノンは、レチノイドの局所効果を効果的に増強する。本発明の方法、HA組成物、又はレチノイド組成物に使用するための好ましい式(I)の化合物には、以下に示す化合物1~11が含まれる。
【化2】

【0044】
ある特定の実施形態では、HA又はレチノイド組成物は、約0.1質量%~約2質量%の少なくとも1種の式(I)のクロメノン化合物を含有することができる。HA組成物がレチノイドも含有する場合、好ましくは、HA組成物はクロメノン化合物のみを含有する。レチノールは、式(I)の化合物と組み合わせて使用するのに好ましいレチノイドである。
【実施例
【0045】
臨床有効性研究
表Bのヒアルロン酸セラムカプセル製剤を、以下の臨床有効性研究に利用した。
この研究は、最初の使用直後、及び1日1回使用した場合の1、4及び8週間の製品使用後に、製剤が全体的な小じわ及びしわ、皮膚の水分、皮膚のハリ、皮膚の弾力性及び皮膚のバリア機能を改善するかどうかを決定するために、33人の女性対象について実行した。
【0046】
(実施例1.1)
全体的な小じわ及びしわ-画像分析
ベースライン時、及び製品使用の1、4及び8週間後に、訓練を受けた技術者が各対象の顔のデジタル画像を撮影した。ImagePro(登録商標)ソフトウェアを使用して画像を分析し、全体的なしわの外観の変化を判定した。スコアの減少は改善を表す。増加は悪化を表した。表1.1は、小じわ及びしわの分析の概要を示す。
【表5】


製品の1、4及び8週間後に撮影された画像をベースライン画像と比較した場合、画像分析に基づいて、それぞれ11.8%、15.8及び21.4%の平均改善があった。観察された改善は、ベースラインと比較して非常に有意であった。対象の合計100%、97%、及び100%が、製品使用のそれぞれ1週間、4週間、及び8週間後に、改善を示した。
【0047】
(実施例1.2)
Corneometer(登録商標)測定値-顔
ベースライン、最初の使用直後、及び製品使用の1、4、8週間後に、訓練を受けた技術者が、各対象の顔についてCorneometer(登録商標)測定値を得て、皮膚の含水量を測定した。Corneometer(登録商標)測定値の増加は、改善を示している。表1.2は、Corneometer(登録商標)測定値の概要を示す。
【表6】


Corneometer(登録商標)測定値に基づいて、適用直後及び製品使用の1、4及び8週間後に得られた測定値をベースライン測定値と比較した場合、それぞれ73.6%、118%、117%及び92.7%の平均改善があった。観察された改善は、ベースラインと比較して非常に有意であった。すべての対象は、適用直後、及び製品使用の1、4、及び8週間後に改善を示した。
【0048】
(実施例1.3)
Corneometer(登録商標)測定値-腕
ベースライン、適用直後、及び適用後24、48、及び72時間後に、訓練を受けた技術者が、各対象の掌側腕についてCorneometer(登録商標)測定値を得て、皮膚の含水量を測定した。Corneometer(登録商標)測定値の増加は、改善を示している。表1.3は、Corneometer(登録商標)測定値の概要を示す。
【表7】


Corneometer(登録商標)測定値に基づいて、適用直後及び24、48及び72時間後に得られた測定値をベースライン測定値と比較した場合、それぞれ63.9%、55.1%、65.6%及び49.8%の平均改善があった。観察された改善は、ベースラインと比較して非常に有意であった。合計100%、100%、97%、及び100%の対象が、適用直後、24時間後、48時間後、72時間後に改善を示した。
【0049】
(実施例1.4)
Cutometer(登録商標)RO測定値
ベースライン時、及び製品使用の1、4及び8週間後に、訓練を受けた技術者が、各対象についてCutometer(登録商標)測定値を得て、皮膚のハリを測定した。測定値の減少は改善を示す。表1.4は、Cutometer(登録商標)測定値の概要を示す。
【表8】


Cutometer(登録商標)RO測定値に基づいて、使用の1、4及び8週間後に得られた測定値をベースライン測定値と比較した場合、それぞれ45.5%、50.8%及び36.6%の平均改善があった。製品使用の1週間、4週間、及び8週間後に観察された改善は、ベースラインと比較して非常に有意であった。対象の合計82%、91%、及び79%が、使用のそれぞれ1週間、4週間、及び8週間後に、改善を示した。
【0050】
(実施例1.5)
Cutometer(登録商標)R2測定値
ベースライン時、及び製品使用の1、4及び8週間後に、訓練を受けた技術者が、各対象についてCutometer(登録商標)測定値を得て、皮膚の弾力性を測定した。測定値の増加は改善を示す。表1.5は、Cutometer(登録商標)測定値の概要を示す。
【表9】


Cutometer(登録商標)測定値に基づいて、製品使用の1、4及び8週間後に得られた測定値をベースライン測定と比較した場合、それぞれ20.5%、14.4%及び25.6%の平均改善があった。製品使用の1週間、4週間、及び8週間後に観察された改善は、ベースラインと比較して統計的に有意であった。対象の合計85%、64%、及び85%が、製品使用のそれぞれ1週間、4週間、及び8週間後に、改善を示した。
【0051】
(実施例1.6)
Tewameter(登録商標)測定値
ベースライン時、及び製品使用の1、4及び8週間後に、訓練を受けた技術者が、各対象の顔についてTewameter(登録商標)測定値を得て、皮膚バリア機能を測定した。Tewameter(登録商標)測定値の減少は、改善を示す。表2.6は、Tewameter(登録商標)測定値の概要を示す。
【表10】


Tewameter(登録商標)測定に基づいて、製品使用の1、4及び8週間後に得られた測定値をベースライン測定と比較した場合、それぞれ17.2%、14.3%及び26.4%の平均改善があった。製品使用の1週間、4週間、及び8週間後に観察された改善は、ベースラインと比較して非常に有意であった。対象の合計88%、76%、及び85%が、製品使用のそれぞれ1週間、4週間、及び8週間後に、改善を示した。
【0052】
(実施例1.7)
皮膚刺激性-技術者の評価
各訪問時に、訓練を受けた技術者が、以下の尺度に従って各対象の顔の刺激性を評価した。この評価は安全性のみを目的としており、有効性の判定には使用されなかった。
刺激性スコアリング用の尺度
0=刺激性は存在しない
+=かろうじて知覚可能な刺激性が存在する
1=軽度の刺激性が存在する
2=中程度の刺激性が存在する
3=顕著な刺激性が存在する
4=重度の刺激性が存在する
【0053】
表1.7は、刺激性の評価の概要を示す。
【表11】


研究過程中、どの対象にも刺激性は観察されなかった。
【0054】
結論
画像分析に基づいて、全体的な小じわ及びしわは、使用の1週間、4週間及び8週間後に有意に改善された。
顔及び腕の皮膚水分は、Corneometer測定値に基づいて、最初の使用直後、最初の使用の24、48及び72時間後、及び使用の1、4及び8週間後に有意に改善された。
皮膚バリア機能は、Tewameter測定値に基づいて、使用の1週間、4週間、及び8週間後に有意に改善された。
わずか一晩で、皮膚は100%が目に見えてよりふっくらし、目に見えるすじ(lines)及びしわが減少した。4週間で皮膚は91%が目に見えてよりハリが出て、100%が目に見えるしわの減少を示し続けた。
【0055】
(実施例2)
インビトロ組合せ処理研究
この研究の目的は、培養ヒト表皮/真皮皮膚組織(EpiDerm-FT(商標))において、0.15%レチノール処理組織と比較して、RoC(登録商標)HAセラムカプセル(すなわち、実施例2.0)、RoC(登録商標)レチノールセラムカプセル(すなわち、実施例1.0)、市販のHAセラム(1.5質量%のHA)及び市販のレチノールセラム(0.3質量%のレチノール)のヒアルロン酸(HA)発現変化活性を評価することであった。培地、組織溶解物、HA組織学、及び真皮の老化防止効果に関連する遺伝子発現からのHAレベルを、試験材料と24時間及び72時間インキュベートした後、qPCR法を使用して定量した。
【0056】
(実施例2.1)
皮膚の水分補給
インキュベーション後、組織を固定し、組織学的分析のための組織調製の通常のステップ、すなわち脱水、パラフィン包埋、切片作成及びアルシアンブルーによる染色に供した。組織学的活性は、真皮層の断面積あたりの青色デコンボリューション及び輝度を含む画像分析を使用して分析した。各処理のパーセント変化効果を、ビヒクルのみで処理した組織群と比較して計算した。各処理に対するデンシトメトリーの変化について画像解析により得られた結果は、すべての試験材料がHA染色活性において異なるスペクトルを生成することを示した。
【0057】
【表12】

【0058】
ELISA法によって得られたヒアルロン酸(HA)レベルの結果は、DMSO中に配合された0.15%レチノールによって、24時間後に培地(34%)及び組織溶解物(52%)の両方におけるHAレベルが有意に増加したことを示した。RoC(登録商標)レチノールカプセルによって、24時間後には培地(81%)及び組織溶解物(61%)のHAレベルが、72時間後には培地(49%)のHAレベルが有意に増加した。市販のレチノールセラムによっては、24時間後に培地中のHA(19%)が有意に増加しただけであった。逆に、RoC(登録商標)HAカプセルによって、24時間後には培地(66%)及び組織溶解物(97%)のHAレベルが、72時間後には培地(52%)のHAレベルが有意に増加した。市販のHAセラムによっては、24時間後に培地(48%)と組織溶解物(44%)の両方でHAレベルが有意に増加しただけであった。RoC(登録商標)HAカプセルを0.15%レチノールと組み合わせてブレンドすると、この処理により、それらの個々の処理よりも、72時間後に組織溶解物中のHAレベルが84%ほど有意に増加した。加えて、RoC(登録商標)HAカプセルをRoC(登録商標)レチノールカプセルと組み合わせてブレンドすると、この処理によっては、それらの個々の処理よりもHAレベルが有意に増加することはなかった。
RoC(登録商標)レチノールカプセル及び市販のレチノールセラム製品によって、24時間後の真皮層の染色強度がそれぞれ143%及び124%ほど有意に増加した。加えて、RoC(登録商標)HAカプセルを0.15%レチノール又はRoC(登録商標)レチノールカプセルと組み合わせてブレンドすると、どちらの処理でも組織溶解物中のHAレベルがそれぞれ121%及び111%ほど有意に増加した。対照的に、72時間の処理後には、有意な変化は得られなかった。
【0059】
(実施例2.2)
遺伝子発現
RT-PCR法により生成された遺伝子発現は、DMSO中に配合された0.15%レチノールによって、72時間後にフィブロネクチン(FN1、45%)遺伝子が有意に増加することを示した。RoC(登録商標)レチノールカプセルによって、24時間後にヒアルロン酸シンターゼ2(HAS2、125%)及びFN1(30%)が、有意に増加した。市販のレチノールセラムによって、24時間後にHAS2(233%)、72時間後にエラスチン(ELN、40%)が有意に増加した。逆に、RoC(登録商標)HAカプセルによって、24時間後にヒアルロン酸シンターゼ-1(HAS1、463%)が、72時間後にELN(78%)が有意に増加した。市販のHAセラムによって、24時間後にHAS2(298%)、72時間後にELN(37%)が有意に増加した。興味深いことに、RoC(登録商標)HAカプセルを0.15%レチノールと組み合わせてブレンドすると、この処理により、I型コラーゲン(COL1A1、48%)、III型コラーゲン(COL3A1、58%)、IV型コラーゲン(COL4A1、79%)、ELN(52%)、及びFN1(108%)が、72時間後に、これらの遺伝子に対するそれらの個々の処理よりも優れて有意に増加した。加えて、RoC(登録商標)HAカプセルをRoC(登録商標)レチノールカプセルと組み合わせてブレンドすると、この処理により24時間後にHAS2(638%)、COL3A1(58%)、及び72時間後にFN1(59%)が、やはりこれらの遺伝子に対するそれらの個々の処理よりも優れて有意に増加した。
【0060】
【表13】

【0061】
結論
このデータに基づいて、RoC(登録商標)レチノールとHAカプセルの両方によって、培養皮膚組織モデル(EpiDerm-FTTM)におけるHA製造において最良の応答が生じた。加えて、RoC(登録商標)レチノール及びHAカプセルによって、フィブロネクチン及びヒアルロン酸シンターゼ1遺伝子の増加において最良の応答が生じた。市販のHA及びレチノールセラムによって、エラスチン及びヒアルロン酸シンターゼ2遺伝子の増加において最良の応答が生じた。RoC(登録商標)HAカプセルと0.15%レチノールカプセル又はRoC(登録商標)レチノールカプセルの組合せは、それらの個々の処理と比較した場合のコラーゲン、エラスチン、及びヒアルロン酸シンターゼ-2の遺伝子発現増加を上回った。
本明細書で図示及び考察した実施形態は、発明者に既知の本発明を製造及び使用するための最良の方法を当業者に教示することのみ意図している。この明細書のいかなるものも、本発明の範囲を限定するものとして考えるべきではない。提示されたすべての例は代表的なものであり、非限定的なものである。当業者であれば上記の教示に照らして理解されるように、本発明の上述の実施形態は、本発明から逸脱することなく改変又は変更することができる。したがって、特許請求の範囲及びその均等物の範囲内で、本発明は、具体的に説明した以外の方法で実行することができることが理解されるべきである。
【0062】
さらなる態様は、以下の条項の主題によって提供される。
ヒアルロン酸(HA)化合物を含む化粧品組成物であって、無水である組成物。
HA化合物が、遊離ヒアルロン酸又はその塩である、先行条項に記載の化粧品組成物。
コンニャクグルコマンナンをさらに含む、いずれかの先行条項に記載の化粧品組成物。
HA化合物がコンニャクグルコマンナンで架橋されている、いずれかの先行条項に記載の化粧品組成物。
レチノイドをさらに含む、いずれかの先行条項に記載の化粧品組成物。
約0.001質量%~約5.000質量%のレチノイドを含む、いずれかの先行条項に記載の化粧品組成物。
約0.1質量%~約0.5質量%のレチノイドを含む、いずれかの先行条項に記載の化粧品組成物。
【0063】
レチノイドが、レチノール、レチナール、トレチノイン、イソトレチノイン、アリトレチノイン、エトレチネート アシトレチン、アダパレン、ベキサロテン、及びタザロテン、及びトリファロテンから選択される、いずれかの先行条項に記載の化粧品組成物。
レチノイドがレチノールである、いずれかの先行条項に記載の化粧品組成物。
約0.001質量%~約3.000質量%のHA化合物を含む、いずれかの先行条項に記載の化粧品組成物。
約0.006質量%のHA化合物を含む、先行条項のいずれか1項に記載の化粧品組成物。
【0064】
HAが約1kDa~約10000kDaの分子量を有する、いずれかの先行条項に記載の化粧品組成物。
HA化合物が、約10kDa~約40kDaの分子量を有するHAを含む、いずれかの先行条項に記載の化粧品組成物。
HA化合物が、約25kDa~100kDaの分子量を有するHAを含む、いずれかの先行条項に記載の化粧品組成物。
HA化合物が、約1kDa~約20kDaの分子量を有するHAを含む、いずれかの先行条項に記載の化粧品組成物。
1種又は複数種の組成物中のヒアルロン酸(HA)化合物及びレチノイドを対象の皮膚に局所投与することを含む皮膚を改善する方法であって、皮膚を改善するステップは、(a)対象の皮膚におけるコラーゲン、エラスチン、フィブロネクチン、及びヒアルロン酸のうちの1種又は複数種の遺伝子発現の増加、並びに/又は(b)皮膚に水分補給すること;皮膚をふっくらさせること、皮膚の弾力性を改善すること;小じわ及びしわの外観を改善すること;小じわ及びしわの深さ、長さ、又は幅を低減させること;及び/若しくは皮膚を滑らかにすることによる、皮膚の外見、感触及び/若しくは外観の改善、並びに/又は(c)皮膚の表面及び/若しくは皮膚内のヒアルロン酸のレベルの増加及び/若しくは補充若しくはその産生の増加を含む、方法。
【0065】
HA化合物がヒアルロン酸又はその塩である、先行条項に記載の方法。
レチノイドが、レチノール、レチナール、トレチノイン、イソトレチノイン、アリトレチノイン、エトレチネート、アシトレチン、アダパレン、ベキサロテン、タザロテン、及びトリファロテンから選択される、いずれかの先行条項に記載の方法。
レチノイドがレチノールである、いずれかの先行条項に記載の方法。
コンニャクグルコマンナンを投与することをさらに含む、いずれかの先行条項に記載の方法。
HA化合物がコンニャクグルコマンナンで架橋されている、いずれかの先行条項に記載の方法。
1種又は複数種の組成物が無水である、いずれかの先行条項に記載の方法。
皮膚の小じわ及びしわを改善し、皮膚のハリを増大させ、皮膚のふっくら感を増大させ、皮膚の滑らかさを増大させ、及び/又は皮膚の弾力性を増大させる、いずれかの先行条項に記載の方法。
【0066】
皮膚内の水分補給を増加させ、及び/又は皮膚上の表面及び/又は皮膚内のヒアルロン酸のレベルを増加させる、いずれかの先行条項に記載の方法。
コラーゲン、エラスチン、フィブロネクチン、及びヒアルロン酸遺伝子発現が、ヒアルロン酸シンターゼ1(HAS1)、ヒアルロン酸シンターゼ2(HAS2)、I型コラーゲン(COL1A1)、III型コラーゲン(COL3A1)、及びIV型コラーゲン(COL4A1)、エラスチン(ELN)、並びにフィブロネクチン(FN1)の遺伝子発現のうちの1種又は複数種から選択される、いずれかの先行条項に記載の方法。
HA化合物及びレチノイドを別個の組成物で投与する、いずれかの先行条項に記載の方法。
HA化合物及びレチノイドを同じ組成物で投与する、いずれかの先行条項に記載の方法。
1種又は複数種の組成物のうちの1種が、約0.001質量%~約5.000質量%のレチノイドを含む、いずれかの先行条項に記載の方法。
1種又は複数種の組成物のうちの1種が、約0.1質量%~約0.5質量%のレチノイドを含む、いずれかの先行条項に記載の方法。
【0067】
1種又は複数種の組成物のうちの1種が、約0.2質量%のレチノイドを含む、いずれかの先行条項に記載の方法。
1種又は複数種の組成物のうちの1種が、約0.001質量%~約3.000質量%のHA化合物を含む、いずれかの先行条項に記載の方法。
1種又は複数種の組成物のうちの1種が、約0.006質量%のHA化合物を含む、いずれかの先行条項に記載の方法。
HA化合物が、約1kDa~約10000kDaの分子量を有する、いずれかの先行条項に記載の方法。
HA化合物が、約25kDa~100kDaの分子量を有するHA化合物を含む、いずれかの先行条項に記載の方法。
HA化合物が、約1kDa~約20kDaの分子量を有するHA化合物を含む、いずれかの先行条項に記載の方法。
HA化合物が、約40kDa以下の分子量を有するHA化合物を含む、いずれかの先行条項に記載の方法。
【0068】
HA化合物が、約10kDa~約40kDaの分子量を有するHA化合物を含む、いずれかの先行条項に記載の方法。
レチノイドの前にHA化合物を投与する、いずれかの先行条項に記載の方法。
HA化合物及びレチノイドを同時に投与する、いずれかの先行条項に記載の方法。
1種又は複数種の組成物を晩に投与する、いずれかの先行条項に記載の方法。
1種又は複数種の組成物のうちの第1の組成物を朝に投与し、1種又は複数種の組成物のうちの第2の組成物を晩に投与する、いずれかの先行条項に記載の方法。
1種又は複数種の組成物を毎日投与する、いずれかの先行条項に記載の方法。
皮膚が、顔の皮膚、首の皮膚、又は顔と首の両方の皮膚である、いずれかの先行条項に記載の方法。
ヒアルロン酸及びレチノイドの投与前に皮膚を洗浄する、いずれかの先行条項に記載の方法。
皮膚の外見、感触及び/又は外観を改善するために、いずれかの先行条項に記載の組成物を投与することを含む、皮膚を改善する方法。
皮膚の外見、感触及び/又は外観を改善するために、ヒアルロン酸及びレチノイドを皮膚に局所投与することを含む、皮膚を改善する方法。
【0069】
皮膚の外見、感触及び/又は外観を改善することが、皮膚に水分補給すること、皮膚をふっくらさせること、皮膚の弾力性を改善すること、小じわ及びしわの外観を改善すること、小じわ及びしわの深さ、長さ、又は幅を低減させること、及び皮膚を滑らかにすることのうちの1種又は複数種を含む、いずれかの先行条項に記載の方法。
組成物中のヒアルロン酸(HA)化合物を対象の皮膚に局所投与することを含む皮膚を改善する方法であって、皮膚の改善は、(a)対象の皮膚におけるコラーゲン、エラスチン、フィブロネクチン、及びヒアルロン酸のうちの1種又は複数種の遺伝子発現の増加、並びに/又は(b)皮膚に水分補給すること;皮膚をふっくらさせること、皮膚の弾力性を改善すること;小じわ及びしわの外観を改善すること;小じわ及びしわの深さ、長さ、又は幅を低減させること;及び/若しくは皮膚を滑らかにすることによる、皮膚の外見、感触及び/又は外観の改善、並びに/又は(c)皮膚の表面及び/若しくは皮膚内のヒアルロン酸のレベルの増加及び/若しくは補充若しくはその産生の増加を含む、方法。
組成物が、クリーム、ゲル、ローション、エマルジョン、又はセラムである、先行条項に記載の方法。
組成物が無水である、いずれかの先行条項に記載の方法。
HA化合物が、約1kDa~約10000kDaの分子量を有する、いずれかの先行条項に記載の方法。
【0070】
HA化合物が、約25kDa~100kDaの分子量を有するHA化合物を含む、いずれかの先行条項に記載の方法。
HA化合物が、約1kDa~約20kDaの分子量を有するHA化合物を含む、いずれかの先行条項に記載の方法。
HA化合物が、約40kDa以下の分子量を有するHA化合物を含む、いずれかの先行条項に記載の方法。
HA化合物が、約10kDa~約40kDaの分子量を有するHA化合物を含む、いずれかの先行条項に記載の方法。
【0071】
組成物が、いずれかの先行条項に記載の組成物である、いずれかの先行条項に記載の方法。
レチノイドを投与することをさらに含み、HA化合物及びレチノイドが1種又は複数種の組成物中に存在する、いずれかの先行条項に記載の方法。
【国際調査報告】