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特表2024-529707流体流制御デバイス及びシステム、並びに流体を流す方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-08
(54)【発明の名称】流体流制御デバイス及びシステム、並びに流体を流す方法
(51)【国際特許分類】
   F16L 55/02 20060101AFI20240801BHJP
   F16K 47/12 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
F16L55/02
F16K47/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508801
(86)(22)【出願日】2022-07-16
(85)【翻訳文提出日】2024-03-18
(86)【国際出願番号】 US2022037400
(87)【国際公開番号】W WO2023018520
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】17/401,300
(32)【優先日】2021-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524055702
【氏名又は名称】フロウサーブ プライベート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パリッシュ、ジェフ
(72)【発明者】
【氏名】バーソロミュー、デビッド
(72)【発明者】
【氏名】デイビス、ジェイムス
(72)【発明者】
【氏名】ガオ、シャンウェイ
(72)【発明者】
【氏名】アソカン、カウシク
【テーマコード(参考)】
3H025
3H066
【Fターム(参考)】
3H025CA03
3H025CB16
3H066EA15
(57)【要約】
流体流制御デバイス、システム、及び方法が、長手方向軸線に沿って延びる本体を含み得る。本体は、本体の第1の軸方向端部における流体入口と、本体の第2の軸方向端部における流体出口とを有する。チャネルが、第1の軸方向端部における流体入口と第2の軸方向端部における流体出口との間で本体の内部部分を通って延び得る。チャネルは、本体を通る流体通路を全体で画定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向軸線に沿って延びる略円筒形の本体であって、前記略円筒形の本体の第1の軸方向端部に流体入口と、前記略円筒形の本体の第2の軸方向端部に流体出口とを有する、略円筒形の本体と、
前記第1の軸方向端部における前記流体入口から前記第2の軸方向端部における前記流体出口にかけて前記略円筒形の本体の内部部分を通って延びるチャネルであって、前記チャネルは、前記略円筒形の本体を通る流体通路を全体で画定して、前記流体通路を通る流体の圧力を低減し、前記チャネルのそれぞれは、前記チャネルが前記チャネルの少なくとも1つの他のチャネルと交差する、チャネルと、
を備える、流体流制御デバイス。
【請求項2】
前記チャネルは、前記長手方向軸線に対して斜角で前記略円筒形の本体を通って延びる、請求項1に記載の流体流制御デバイス。
【請求項3】
前記チャネルは、前記略円筒形の本体に対して延びる螺旋パターンを画定する、請求項2に記載の流体流制御デバイス。
【請求項4】
前記チャネルのそれぞれは、前記チャネルの2つ以上の他のチャネルと交差する、請求項1から3までのいずれか一項に記載の流体流制御デバイス。
【請求項5】
前記第1の軸方向端部における前記流体入口と前記第2の軸方向端部における前記流体出口との間に延びる前記チャネルの全体は、前記略円筒形の本体の内部にある、請求項1から3までのいずれか一項に記載の流体流制御デバイス。
【請求項6】
前記チャネルのうちの少なくともいくつかは、前記流体出口の近くで前記略円筒形の本体を通って半径方向内側に延びる、請求項1から3までのいずれか一項に記載の流体流制御デバイス。
【請求項7】
前記チャネルのうちの少なくともいくつかは、前記流体入口における前記チャネルの間隔と比較すると前記流体出口において互いに対して比較的近くに配置される、請求項1から3までのいずれか一項に記載の流体流制御デバイス。
【請求項8】
前記チャネルは、前記チャネルからの流体流が前記流体出口における前記チャネルのうちの少なくとも1つの隣り合うチャネルからの流体流に衝突するように配置及び構成される、請求項7に記載の流体流制御デバイス。
【請求項9】
前記略円筒形の本体は、前記略円筒形の本体の中に延在するとともに前記略円筒形の本体によって半径方向に囲まれる軸方向延在キャビティを前記第2の軸方向端部に含み、前記流体出口の少なくとも一部は、前記軸方向延在キャビティ内に画定される、請求項1から3までのいずれか一項に記載の流体流制御デバイス。
【請求項10】
前記略円筒形の本体は、前記流体出口で前記流体流を方向付けるように前記軸方向延在キャビティ内に略円錐形状の突出位置を含む、請求項9に記載の流体流制御デバイス。
【請求項11】
前記略円筒形の本体は、単一品のモノリシック構造を含み、前記チャネルが前記単一品のモノリシック構造内に画定されている、請求項1から3までのいずれか一項に記載の流体流制御デバイス。
【請求項12】
前記略円筒形の本体は、付加製造プロセスによって成形される、請求項1から3までのいずれか一項に記載の流体流制御デバイス。
【請求項13】
前記略円筒形の本体は、前記流体通路の全体を画定する単一構造を含む、請求項1から3までのいずれか一項に記載の流体流制御デバイス。
【請求項14】
流体処理構成要素であって、前記流体処理構成要素を通る流体流路を画定する流体処理構成要素と、
前記流体処理構成要素の前記流体流路における流れ制御デバイスであって、
長手方向軸線に沿って延びる細長い本体であって、前記細長い本体の第1の長手方向端部に流体入口と、前記細長い本体の第2の長手方向端部に流体出口とを有する、細長い本体を備える、流れ制御デバイスと、
前記細長い本体内に画定されるとともに前記第1の長手方向端部における流体入口から前記第2の長手方向端部における前記流体出口にかけて延びるチャネルであって、前記チャネルは、前記細長い本体を通る流体通路を全体で画定して、前記流体入口から前記流体出口にかけて前記流体通路を通る流体の圧力を低減し、前記チャネルは、前記チャネルからの流体流が前記流体出口の近くの前記チャネルのうちの少なくとも1つの隣り合うチャネルからの流体流に衝突するように配置及び構成される、チャネルと、
を備える、流体流システム。
【請求項15】
前記第1の長手方向端部における前記流体入口と前記第2の長手方向端部における前記流体出口との間に延びる前記チャネルの全体は、前記細長い本体内に配置される、請求項14に記載の流体流システム。
【請求項16】
前記チャネルからの前記流体流は、前記第2の長手方向端部において前記細長い本体内に画定されたキャビティ内に配置されている前記流体出口における前記チャネルのうちの少なくとも1つの隣り合うチャネルからの流体流に衝突する、請求項14に記載の流体流システム。
【請求項17】
前記略円筒形の本体及び前記チャネルは、付加製造プロセスにより同時に成形され、前記流体処理構成要素は、弁又は接続パイプの一部を含む、請求項14から16までのいずれか一項に記載の流体流システム。
【請求項18】
流体流制御デバイスにより流体における圧力を低減させる方法であって、
本体の第1の軸方向端部における前記本体の流体入口に高圧流体を受け入れることと、
前記高圧流体における圧力を下げるように、前記本体内に画定されたチャネルを通る前記高圧流体を低圧流体に導くことと、
前記本体の第2の軸方向端部における前記本体の流体出口において前記低圧流体を出すことと、
を含む、方法。
【請求項19】
前記流体出口において前記本体の前記チャネルを出る前記低圧流体の流体ストリームを、前記チャネルの隣り合うチャネルの流体ストリームに衝突するように方向付けることをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
付加製造プロセスにより請求項1の前記流体流制御デバイスの前記略円筒形の本体を造形することと、
前記付加製造プロセス中に前記略円筒形の本体内に前記チャネルを同時に画定することと、
を含む、流体流制御デバイスを成形する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年8月12日に出願された、「FLUID FLOW CONTROL DEVICES AND SYSTEMS,AND METHODS OF FLOWING FLUIDS」の米国特許出願シリアル番号第17/401,300号の利益を主張し、その開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は一般に、流体流制御デバイス、システム、及び方法に関する。より詳細には、本開示の実施例は、流体制御デバイスを通る流体の特性を変更するように構成された流体流制御デバイスに関し得る。例えば、流体制御デバイスは、流体が流体制御デバイスを通る際に流体の力及び/又はエネルギー(例えば、流体の圧力)を方向変更及び/又は低減し得る。
【背景技術】
【0003】
多くの産業分野において、多くの場合、パイプライン、弁、又は別の流体処理アセンブリ若しくはデバイス内で流体(例えば、液体及び/又はガス)の力又はエネルギー(例えば、圧力)を低減する必要がある。このために1つ又は複数の流体制御デバイスが用いられることがある。制御デバイスの様々な設計が当該技術分野において提示されてきた。例えば、デバイスを通る流体を、デバイス内に1つ又は複数の蛇行流体流路として構成される1つ又は複数のストリームに分割するデバイスが用いられ得る。流体は、蛇行流体流路を通る際、何度も方向を変える。さらに、流体が蛇行流体流路を通る際、流体流路の横断面積全体が増加して、流体流路内での流体の速度の減少をもたらす可能性がある。流体の流体圧力及びエネルギーは、流体流路の壁間の摩擦、流体指向の急な変化、及び拡張又は収縮チャンバによって引き起こされる損失の結果として、そのような経路に沿って部分的に散逸する。これらのデバイスは、「蛇行経路トリム・デバイス」と一般に呼ばれるものを含み得る。
【0004】
流体流制御デバイスは多くの場合、弁の本体内又はその近く(例えば、弁トリム)に設けられる。流体流制御デバイスはまた、流体流システムの他の部分内に設けられ得る。例えば、流体流制御デバイスは、様々な流体流通路(例えば、チョーク管又はトリム)内に配置されて、システム内の望ましい所に流体圧力の低減をもたらし得る。例として、多段で圧力を低減させる圧力破壊を生じさせるために多段チョーク管又はトリムが使用され得る。慣例的に設計及び製造されるトリムは、チョーク管を画定するためにスリーブの内側に収容された加工トリムを有する。そのような流れデバイスは、例えば、フローサーブ・マネージメント・カンパニー(Flowserve Management Company)に対して2021年3月9日に発行された米国特許第10,941,878号に開示されており、そのそれぞれの開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0005】
加圧流体が、蓄えられた機械的ポテンシャル・エネルギーを含む。流体流制御デバイスは、流体の圧力及び速度を低減させることによってこのエネルギーを散逸させる。流体が流体通路を通って流れる際、流体流は乱流となり得る。乱流流体は、流体が流れているパイプ及び流体制御デバイスの構造要素に作用する関連の圧力変動及び速度変動を有する。これらの圧力変動及び速度変動は一般に、浸食、ノイズ、振動、及びキャビテーションなどの他の問題が付随する。多くの用途において、これらの付随する問題は、流体流制御デバイスの望ましくない又は容認できない特性である。
【0006】
従来のチョーク・トリムは複数のピンを使用してともに保持され、これが潜在的な漏れ経路をもたらし、複数のOリング・シールにより封止され、これにより組み立てが複雑となり、望ましくない故障を引き起こす可能性がある。例えば、複数のシールなしでは、従来の設計はこれまで、高速、キャビテーション、並びに、ピンの周りでの及びチョーク・トリムの出口におけるスリーブの外側での漏れ経路からの浸食摩耗に起因して、圧力を含む本体に損傷を引き起こしてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第10,941,878号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の様々な実施例は、従来の流体流制御デバイスの課題の多くを解消する流体流制御デバイスを含む。本開示は、キャビテーション、振動、及び流体流制御に関連する他の問題を良好に制御するように構成された流体経路を含む流体制御デバイスの実施例を記載する。
【0009】
1つ又は複数の実施例では、流体流制御デバイスが、長手方向軸線に沿って延びる略円筒形の本体を含み得る。略円筒形の本体は、略円筒形の本体の第1の軸方向端部に流体入口と、略円筒形の本体の第2の軸方向端部に流体出口とを有する。チャネルが、第1の軸方向端部における流体入口から第2の軸方向端部における流体出口にかけて略円筒形の本体の内部部分を通って延びる。チャネルは、略円筒形の本体を通る流体通路を全体で画定して、流体通路を通る流体の圧力を低減し、チャネルのそれぞれは、チャネルのうちの少なくとも1つの他のチャネルと交差する。
【0010】
さらなる実施例では、流体流システムは、流体処理構成要素であって、流体処理構成要素を通る流体流路を画定する流体処理構成要素と、流体処理構成要素の流体流路内に流れ制御デバイスとを含み得る。流れ制御デバイスは、長手方向軸線に沿って延びる細長い本体を含み得る。細長い本体は、細長い本体の第1の長手方向端部に流体入口と、細長い本体の第2の長手方向端部に流体出口とを有する。チャネルが、細長い本体内に画定され、第1の長手方向端部における流体入口から第2の長手方向端部における流体出口にかけて延びる。チャネルは、細長い本体を通る流体通路を全体で画定して、流体入口から流体出口にかけて流体通路を通る流体の圧力を低減させる。チャネルは、チャネルからの流体流が流体出口の近くのチャネルのうちの少なくとも1つの隣り合うチャネルからの流体流に衝突するように配置及び構成され得る。
【0011】
さらなる実施例では、流体流制御デバイスにより流体における圧力を低減させる方法が、本体の第1の軸方向端部における本体の流体入口に高圧流体を受け入れることと、高圧流体における圧力を下げるように、本体内に画定されたチャネルを通る高圧流体を低圧流体に導くことと、本体の第2の軸方向端部における本体の流体出口において低圧流体を出すことと、を含み得る。
【0012】
さらなる実施例は、付加製造プロセスにより流体流制御デバイスの本体を造形する(building up)ことと、付加製造プロセス中に本体内に1つ又は複数のチャネルを同時に画定することと、を含む、流体流制御デバイスを成形する方法を含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本開示の実施例による流体流制御デバイスの斜視図である。
図2】本開示の実施例による流体流制御デバイスの断面図である。
図3】本開示の実施例による流体流制御デバイスの端面斜視図である。
図4】本開示の実施例による流体流制御デバイスを含む流体流制御システムの一部の部分断面図である。
図5】本開示の実施例による流体流制御デバイスを含む流体流制御システムの一部の部分断面図である。
図6】本開示の実施例による流体流制御デバイスを含む流体流制御システムの一部の部分断面図である。
図7図6の流体流制御デバイスの端面図である。
図8図6の流体流制御デバイスの端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書全体を通して、「1つの実施例」、「一実施例」又は同様の文言への言及は、実施例に関して説明する特定の特徴、構造又は特性が本開示の少なくとも1つの実施例に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通して、「1つの実施例では」、「いくつかの実施例では」という語句、及び同様の文言の出現はすべて、必ずしもそうとは限らないが同じ実施例に言及する。
【0015】
本明細書において提示する説明図は、場合によって、任意の特定のデバイス、装置、システム、又は方法の実際の図ではなく、本開示を説明するために用いられる単に理想化した表現にすぎない。以下の詳細な説明において、説明の一部を形成するとともに、本開示を実施することができる特定の実施例を例示として示す添付の図面の参照を行う。これらの実施例は、当業者が本開示を実施することを可能にするのに十分詳細に説明される。しかしながら、他の実施例を用いてもよく、本開示の範囲から逸脱することなく、構造上、論理上、及び他の変更を行ってもよい。本明細書において提示する説明図は、任意の特定のデバイス又はシステムの実際の図であることを意味するのではなく、本開示の実施例を説明するために用いられる単に理想化された表現にすぎない。本明細書において提示する図面は、必ずしも縮尺通りに描かれていない。加えて、図面間で共通する要素は、同じ数字表示を保持しても同様の数字表示を有してもよい。
【0016】
本明細書において使用される場合、「第1の」、「第2の」、「上部」、「下部」などのような関係用語は一般に、本開示及び添付の図面を理解する際の明確性及び利便性のために使用され、文脈がそうでないことを明示する場合を除き、いかなる特定の選考、向き若しくは順序も含意するものではなく、又はそれらに依存するものではない。
【0017】
本明細書において使用される場合、「及び/又は」という用語は、関連する列挙された事項のうちの1つ又は複数のありとあらゆる組み合わせを意味し、含む。
【0018】
本明細書において使用される場合、「垂直の」及び「横の」という用語は、図に示すような向きを指す。
【0019】
本明細書において使用される場合、所与のパラメータに関する「実質的に、略(substantially)」又は「約(about)」という用語は、所与のパラメータ、特性又は条件が許容可能な製造公差内などの僅かな変動で満たされることを当業者が理解する程度まで意味し、含む。例えば、実質的に満たされるパラメータは、少なくとも90%満たされてもよく、少なくとも95%満たされてもよく、少なくとも99%満たされてもよく、又はさらには100%満たされてもよい。
【0020】
本開示の様々な実施例は、流体流制御デバイスを含む。いくつかの実施例では、流体流制御デバイスは、構成要素を通る流体流を方向付ける、実質的にワンピースの構成要素として形成され得る。例えば、流体流制御デバイスは、単一構造(例えば、モノリシック構造、連続構造など)で流体流路を画定する、弁内若しくは弁の近くに及び/又は流体流システムの他の部分において使用されるチョーク管又はトリムを含み得る。
【0021】
いくつかの実施例では、単一構造で流体流路を画定する構成要素を提供するとともに、従来の複数部品アセンブリをモノリシック・ユニットに転換することにより部品点数全体を減らすことができる流体流制御デバイスが、付加製造プロセスで成形され得る。そのような流体流制御デバイスは、取り付けのために従来の複数のピン及びさらなるOリング・シールを必要としないものとすることができ、組み立てを簡単にしつつ、漏れ経路及び/又は浸食経路の可能性を減らすことができる。
【0022】
いくつかの実施例では、流体流制御デバイスは、出口において又は出口の近くでチョーク・トリムの中心に向けて出て行く流体ストリームを互いに衝突させ、これにより、本体及びパイプ壁下流における浸食を低減させることができる、出力特徴部(output features)を含み得る。流れを衝突させるそのような出力特徴部は他の場合、従来の減法製造手段によって製造することは不可能ではないにしても困難だったことであろう。実施される場合、チョーク・トリムを製造するために付加製造を使用して成形される流体流制御デバイスは、生産リード・タイムを短縮させること、追加コストがほとんど乃至全くかからずに、チャネル形状、サイズ及び複雑な交差部の組み合わせでの複数のバリエーション(例えば、多品種、少量)でチョーク・トリムを製造することができること、及び、チョーク・トリムの構成に使用される可能な材料の範囲を拡大することのうちの1つ又は複数の追加利点を有する。さらに、付加製造は、他の場合では従来の製造方法により可能ではないであろう設計及び機能性能でのバリエーションを可能にし得る。
【0023】
図1は、長手方向軸線104に沿って延びる細長い本体(例えば、略円筒形の本体102)を有する流体流制御デバイス100の一実施例の斜視図を示す。さらなる実施例では、流体流制御デバイス100の本体102は、他の形状(例えば、細長い又はその他)を有してもよい。
【0024】
図1において、また、本開示の他の図面において、明確にするため、流体流制御デバイス100の内部特徴部(例えば、チャネル、キャビティなど)は、関連の説明のためにこれら特徴部が見えるように破線で示され得ることが留意される。
【0025】
図2は、流体流制御デバイス(例えば、内部チャネル部分が破線で示されている流体流制御デバイス100)の断面図であり、図3は、流体流制御デバイス(例えば、流体流制御デバイス100)の端面斜視図であり、流体流制御デバイス100の出口端部が示されている。
【0026】
図1図3に示すように、略円筒形の本体102が長手方向軸線104に沿って延びている。略円筒形の本体102内にチャネル106が(例えば、チャネル106の境界線を示す破線で示すように)画定されている。チャネル106は、略円筒形の本体102を通る流体通路を全体で画定するように、略円筒形の本体102の第1の長手方向(例えば、軸方向)部分又は第1の軸方向端部110における流体入口108から、第1の軸方向端部110とは反対側の第2の長手方向(例えば、軸方向)部分又は第2の軸方向端部114の近くの又はそこにおける流体出口112に延びている。
【0027】
チャネル106は、実質的に単一品のモノリシック構造として形成され得る、略円筒形の本体102の内部部分内に画定され得る。例えば、チャネル106は、略円筒形の本体102内に実質的に(例えば、略円筒形の本体102内に完全に)画定され、第1の軸方向端部110における流体入口108及び第2の軸方向端部114における流体出口112における、チャネル106の開口を除き、すべての側面において、略円筒形の本体102によって囲まれる。そのようなチャネル106は、部分チャネルと、又は、そのようなチャネルの1つの部分又は側面がチャネルの別の部分を画定する別の構造と対になっていない限り開いている、本体の側壁(例えば、本体の外側側壁又は内側側壁)に形成される溝と区別され得る。部分チャネルの嵌合要素との2つ以上の本体の組み合わせによって形成される溝又は対になっていない溝に比べ、略円筒形の本体102を通って延びるチャネル106の大部分(例えば、実質的に全体)は、2つ以上の別個の構成要素間にチャネルを画定するように一斉にともに実施される複数の構成要素によってではなく、単一の略円筒形の本体102によってのみ画定される。
【0028】
チャネル106は、流体(例えば、液体及び/又はガス)の少なくとも1つの特性(例えば、力、エネルギー、流れ方向)を変更するために略円筒形の本体102を通って延びるものとすることができる。例えば、略円筒形の本体102を通って延びるチャネル106は、流体処理システムの1つ又は複数の部分(例えば、制御弁、管、フィッティングなど)のためのエネルギー低減要素(例えば、圧力減少要素)として働き得る。いくつかの実施例では、チャネル106の幾何学形状は、流体中のキャビテーションを制御してノイズを低減するように働くことができる。例えば、チャネル106の様々なパターンが、流体のキャビテーションを低減又は実質的に防止する及び/又はさもなければチャネル106を通る流体の流れを改善するように流体経路を画定する。円筒形の本体102の比較的長い長さを用いて、乱流、剪断、及び流体速度を低下させることができる。いくつかの実施例では、本体102におけるチャネル106は、単一又は多相プロセス流体及びスラリー中の同伴固体を処理するようにサイズ決め及び構成され得る。
【0029】
いくつかの実施例では、描かれているように、チャネル106のうちの1つ又は複数はそれぞれ、(例えば、交差部107において)1つ又は複数の隣り合うチャネル106と交差することができる。チャネル106は、交差部107の効果(例えば、選択されるエネルギー低減量)をカスタマイズするためにチャネル106間に選択される交差角度を有して構成され得る。例えば、チャネル106は、少なくとも1つの他のチャネル106と交差するように構成され得、交差部107がエネルギー低減段を画定する。段の数は、交差部107の数によって決定され得、特定の用途に基づいて選択され得る。限定ではなく、例として、各チャネル106は、選択される実施例では1~20個の段又はさらに多くの段を含み得る。
【0030】
さらなる実施例では、チャネル106は、交差部を含まなくてもよく、流体入口108から流体出口112にかけて略円筒形の本体102を通って連続的に(例えば、中断なく)延びてもよい。
【0031】
さらなる実施例では、略円筒形の本体102は、下流のブローダウン及び/又はチョーク管或いはトリム要素として使用され得る。下流要素として、略円筒形の本体102は、オン/オフ構成のどちらかにおいて、或いは、直線式又は回転式のどちらかの弁、マニホールド又はプラグを含み得る、上流でのスロットリング要素と併せて、圧力降下制御をもたらすのに使用され得る。このようにして、流体流制御デバイス100は、所望の流体流制御特性をもたらすように実施され得る。
【0032】
描かれているように、チャネル106は、略円筒形の本体102の長手方向軸線104に対して斜角で長手方向に延びる。弓形形状を有し得るチャネル106が、円筒形の本体102内に螺旋を形成する(例えば、実質的に螺旋形成を画定する)。チャネル106は、他のチャネル106に対して種々の角度(例えば、対角)で延びることができる。チャネル106の数及びチャネル106の構成は、各所望の用途により様々であってもよい。チャネル106は、形状が弓形であってもよく、或いは、他の湾曲、直線、及び/又は多角形構成を有してもよい。
【0033】
いくつかの実施例では、チャネル106は、チャネル106が略円筒形の本体102の周りに延びる際に、1つ又は複数のさらなるチャネル106と交差する。流体通路の組み合わせがチャネル106のチャネル経路と交差部107とによるものであることが、略円筒形の本体102内におけるチャネル106のパターンを画定する。チャネル106のパターンは、チャネル106を通って流れる流体の流れ特性を規定する際に役立ち得る。いくつかの実施例では、チャネル106のパターン化が、チャネル106を通る流体のキャビテーションを低減させるように選択され得る。描かれている実施例では、チャネル106によって略円筒形の本体102中に菱形パターンが画定されている。さらなる実施例では、オフセット・レンガ・パターン、格子パターン、ジグザグ・パターン、歯型パターン、再循環パターンなど、及びそれらの組み合わせを含め、他のパターンが実施されてもよい。さらに、パターン化は、チャネル間隔が略円筒形の本体102の長さに沿って一定のままであるよう、一定の間隔を有するように構成されてもよく、又は、いくつかの実施例では、チャネル間隔が略円筒形の本体102の長さに沿って変わる若しくは様々であるよう、拡張する間隔を有するように構成されてもよい。
【0034】
いくつかの実施例では、チャネル106は、略円筒形の本体102の実質的に全体の長さを通ってもよい。さらなる実施例では、チャネル106は、略円筒形の本体102の長さの一部のみを通ってもよい。例えば、略円筒形の本体102は、略円筒形の本体102の長手方向端部のうちの1つ又は複数に(例えば、第2の軸方向端部114に)キャビティ116を含み得る。描かれているように、キャビティ116は、長手方向軸線104に沿って略円筒形の本体102の中に軸方向に延在し得る。キャビティ116は、略円筒形の本体102の末端端部118においてキャビティ116が広がっているため、漸次拡大する断面積を有するテーパ(例えば、円錐台)形状を有し得る。
【0035】
キャビティ116を有する場合、チャネル106の流体出口112は、略円筒形の本体102内にキャビティ116の最も奥の部分に配置され得、この部分が第2の軸方向端部114とみなされ得る。そのような実施例では、略円筒形の本体102は、キャビティ116の最も手前の部分における(例えば、円筒形の本体102の全体の流体出口における)、第2の軸方向端部114の下流の位置である末端軸方向端部118を含み得る。キャビティ116を有しない実施例では、本体102のチャネル106及び末端端部の両方に関して、第2の軸方向端部114が一致し得る。
【0036】
いくつかの実施例では、チャネル106間の間隔(例えば、半径方向間隔)は、略円筒形の本体102に沿って様々であってもよい。描かれているように、チャネル106間の間隔は、チャネル106が流体出口112に向かって収束し始めるようにチャネル106が流体出口112に近づく及び達するにつれて減少し得る。そのような実施例では、収束するチャネル106は、流体通路であって、流体通路を通る流体ストリームを、流体出口112を通って出た後で交差させるように方向付ける流体通路を画定し得る。例えば、収束するチャネル106は、流体ストリームが略円筒形の本体102を出た後で衝突するように互いの方へ角度付けられている(例えば、半径方向内側に延びる)流体通路を画定し得る。上述したように、流体ストリームの衝突は、本体102及び/又は、例えばパイプ若しくは管壁などの下流構成要素の浸食を低減させ得る。
【0037】
いくつかの実施例では、チャネル106は、流体入口108において、流体出口112において、又は流体入口108及び流体出口112の両方において、1つ又は複数の隣り合うチャネル106と収束する。チャネル106は、流体を略円筒形の本体102の中心部分(例えば、キャビティ116の中心部分)に向けて方向付けるために、互いの方へ方向付けられ得る。
【0038】
いくつかの実施例では、略円筒形の本体102は、流体流が流体出口112からチャネル106を出る際に流体流をガイドするように流体指向構造(例えば、キャビティ116内に配置された円錐120)を含み得る。例えば、円錐120は、流体出口112において形成する逆流領域の可能性を減らすように働き得る。
【0039】
いくつかの実施例では、流体流制御デバイス100の1つ又は複数の部分は、流体流制御デバイス100が流体流システム内に取り付けられると少なくとも部分シールを画定する封止特徴部を含み得る。例えば、略円筒形の本体102は、1つ又は複数のシール(例えば、Oリング)を溝122内に収容し得る1つ又は複数の溝(例えば、溝122)を含み得る。
【0040】
略円筒形の本体102は、セラミック、金属(例えば、合金、鋼、ステンレス鋼)、焼結材料(例えば、金属及び/又はセラミック)、ポリマー、比較的高い硬度又は耐浸食性を有する他の材料、及びそれらの組み合わせ(例えば、サーメット)などの材料を使用して形成され得る。当然のことながら、用途に応じて他の材料も使用してもよいことが考えられる。上述したように、いくつかの実施例では、付加製造強化プロセスにおいて、略円筒形の本体102及びチャネルは、選択される材料及びプロセスで使用される材料にかかわらず同時に成形される。いくつかの実施例では、付加製造と従来の製造との組み合わせが実施されてもよい。
【0041】
いくつかの実施例では、対応するチャネル106を通る流体の流れに影響する様々な特質及び特性に基づいてチャネルタイプが選択され得る。チャネル106の幾何学形状及び配置は、チャネルの所望の機能性を達成するために用途に応じて選択され得る。いくつかの実施例では、チャネル106は、一定の内寸(例えば、直径又は幅)に限定されてもよいが、チャネル106の長さに沿って様々であってもよい。いくつかの実施例では、チャネル106の直径は、略円筒形の本体102の長さに沿ってチャネル106が延びるにつれて増大又は減少してもよい。他の実施例では、チャネル106の直径は、各チャネル106に対する流れ特性をさらに規定するようにチャネル経路に沿って変動してもよい。チャネル106の直径及び/又は長さは、略円筒形の本体102の特定の用途並びにサイズ及び幾何学形状に応じて様々であってもよい。
【0042】
図4は、流体流制御デバイス201を含む流体流制御システム200の一部の部分断面図である。いくつかの実施例では、流体流制御デバイス201は、上述した流体流制御デバイス100と同様であってもよく、流体流制御デバイス100の同じ又は同様の構成要素又は構成を含んでもよい。上記のように、流体流制御デバイス201の内部特徴部(例えば、チャネル、キャビティなど)は、関連の説明のためにこれら特徴部が見えるように破線で示され得る。描かれているように、流体流制御デバイス201は、内部特徴部が破線で示されている側面図であるのに対し、流体流制御システム200の残りの部分は断面で示されている。
【0043】
図4に示すように、流体流制御デバイス201は、略円筒形の本体202を有し、チョーク管として構成され得、パイプ204(管とも呼ばれる)内に収容される。上述したチャネルと同様に又は同じく、チャネル206が、略円筒形の本体202内に画定されている。チャネル206は、流体入口208から流体出口212にかけて延びている。上記のように、チャネル206は、略円筒形の本体202の内部部分内に画定され得、実質的に単一品のモノリシック構造として形成され得る。
【0044】
描かれているように、パイプ204は、パイプ204を流体流制御システム200の他の部分に接続する端部(例えば、フランジ付き端部210)を含み得る。流体流制御デバイス201は、任意の適切な方法(例えば、機械的締結、溶接、締まり嵌め、接着など)によって、パイプ204内に固定され得る。例えば、パイプ204の縮小寸法部分214(例えば、縮径を有するくびれ部分)内に流体流制御デバイス201の(例えば、流体出口212に近い)端部又は部分が収容され得る。描かれているように、流体流制御デバイス201は、下流方向へのさらなる移動を防止する棚を有する、パイプ204の縮小寸法部分214内に嵌まる相補的な縮径部分215を含み得る。流体流制御デバイス201の(例えば、流体入口208に近い)別の端部又は部分が、取り外し可能な特徴部により保持され得る。例えば、パイプ204は、リテーナ・リング220によりパイプ204内に固定されるリテーナ・スリーブ218を含み得る。リテーナ・スリーブ218及びリテーナ・リング220の取り外し及び取り付けは、流体流制御デバイス201が所望に応じて(例えば、整備、交換、及び/又はエネルギー低減特性の変更などのために)パイプ204に対して取り外される及び取り付けられることを可能にし得る。
【0045】
上述したように、流体流制御デバイス201は、流体流制御システム200内においてパイプ204と流体流制御デバイス201との間で意図しない流れを最小限にする又は実質的に防止するようにパイプ204と流体流制御デバイス201との間にシールを画定する1つ又は複数の封止要素224(例えば、1つ又は複数のバックアップ・リングを有するOリング)を収容する溝222を含み得る。
【0046】
動作時、流体がパイプ204の上流部分226から供給され、流体流制御デバイス201を通って方向付けられ得る。パイプ204の上流部分226からの流体が流体入口208に入り、流体流制御デバイス201を通る際、流体が流体出口212において排出されてパイプ204の下流部分228に入る前に、流体におけるエネルギー(例えば、圧力)の量が低減され得る。上記のように、流体流制御デバイス201のチャネル206は、パイプ204の下流部分228の中心部分に向けて流体を方向付けるために、流体出口212において(例えば、キャビティ216内で)互いに衝突し始め得る。いくつかの実施例では、流れのそのような方向変更は、(例えば、流体出口212において出る流体のジェットによるパイプ204の壁の摩耗又は浸食を低減するために)流体出口212においてパイプ204にかけられる流体力の量を低減し得る。
【0047】
図5は、流体流制御デバイス301を含む流体流制御システム300の一部の部分断面図である。いくつかの実施例では、流体流制御デバイス301及び/又は流体流制御システム300は、上述した流体流制御デバイス100、201及び流体流制御システム200と同様であってもよく、流体流制御デバイス100、201及び流体流制御システム200の同じ又は同様の構成要素又は構成を含んでもよい。上記のように、流体流制御デバイス301の内部特徴部(例えば、チャネル、キャビティなど)は、関連の説明のためにこれら特徴部が見えるように破線で示され得る。描かれているように、流体流制御デバイス301は、内部特徴部が破線で示されている側面図であるのに対し、流体流制御システム300の残りの部分は断面で示されている。
【0048】
図5に示すように、流体流制御デバイス301は、チョーク管として構成され得、パイプ304内に収容(例えば、上述したようにパイプ304内に固定及び封止)され得る。上述したチャネルと同様に又は同じく、チャネル306が、略円筒形の本体302内に画定されている。チャネル306は、流体入口308から流体出口312にかけて延びている。上記のように、チャネル306は、略円筒形の本体302の内部部分内に画定され得、実質的に単一品のモノリシック構造として形成され得る。
【0049】
描かれているように、流体入口308及び流体出口312は両方とも、略円筒形の本体302の末端端部に配置され得る。流体流制御デバイス301は、流体出口312においてキャビティ316を画定する別個の出口リング330を含み得る。そのような実施例では、円錐320が、略円筒形の本体302又は別個の出口リング330の一部であってもよく、流体出口312において略円筒形の本体302の末端端部を越えて延びてもよい。
【0050】
上述したように、チャネル306は任意選択で、流体出口312の近くで収束してから、チャネル306が流体出口312において終端することで、流体が別個のシート・リング330のキャビティ316を通ることを可能にしてもよい。
【0051】
図6は、流体流制御デバイス401を含む流体流制御システム400の一部の部分断面図である。いくつかの実施例では、流体流制御デバイス401及び/又は流体流制御システム400は、上述した流体流制御デバイス100、201、301及び流体流制御システム200、300と同様であってもよく、流体流制御デバイス100、201、301及び流体流制御システム200、300の同じ又は同様の構成要素又は構成を含んでもよい。上記のように、流体流制御デバイス401の内部特徴部(例えば、チャネル、キャビティなど)は、関連の説明のためにこれら特徴部が見えるように破線で示され得る。描かれているように、流体流制御デバイス401は、内部特徴部が破線で示されている側面図であるのに対し、流体流制御システム400の残りの部分は断面で示されている。
【0052】
図6に示すように、流体流制御デバイス401は、チョーク管として構成され得、パイプ404内に収容(例えば、上述したようにパイプ404内に固定及び封止)され得る。上述したチャネルと同様に又は同じく、チャネル406が、略円筒形の本体402内に画定されている。チャネル406は、流体入口408から流体出口412にかけて延びている。上記のように、チャネル406は、実質的に単一品のモノリシック構造として形成され得る、略円筒形の本体402の内部部分内に画定され得る。
【0053】
描かれているように、流体流制御デバイス401は、さらなるチャネル406を含み得る。例えば、チャネル406の螺旋構造は、各弓形チャネル406が繰り返されるように実質的に二重にされ得、そのため、同様の形状の2つのチャネル306が、略円筒形の本体402を通って実質的に平行に延びる。言い換えると、流体流制御デバイス401は、チャネル406の2つ(又はそれよりも多くの)螺旋構造(例えば、チャネル406の第1の螺旋構造がチャネル406の別の螺旋構造内に受け入れられる)を含み得る。
【0054】
図7及び図8は、図6の流体流制御デバイス401の端面図である。図7及び図8に示すように、チャネル406の複数の螺旋構造が、(例えば、図3に示す流体入口108及び出口112と比較すると)さらなる流体入口408において開始するとともにさらなる流体出口412において終端し得る。例えば、チャネル406の各螺旋構造の流体入口408及び流体出口412は、同心円内にあってもよく、チャネル406の隣り合う螺旋構造の出口に対して位置合わせされても又はずらされてもよい。
【0055】
特定の実施例を説明し、添付の図面において示してきたが、そのような実施例は単に提示にすぎず、本開示の範囲を限定するものではなく、説明する実施例に対する様々な他の追加及び修正並びに削減は、当業者には明らかとなるため、本開示は、図示及び説明する特定の構成及び配置に限定されない。したがって、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲の、文字通りの文言、法的均等物によってのみ限定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2022-12-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向軸線に沿って延びる略円筒形の本体であって、前記略円筒形の本体の第1の軸方向端部に流体入口と、前記略円筒形の本体の第2の軸方向端部に流体出口とを有する、略円筒形の本体と、
前記第1の軸方向端部における前記流体入口から前記第2の軸方向端部における前記流体出口にかけて前記略円筒形の本体の内部部分を通って延びるチャネルであって、前記チャネルは、前記略円筒形の本体を通る流体通路を全体で画定して、前記流体通路を通る流体の圧力を低減し、前記チャネルのそれぞれは、前記チャネルが前記流体入口と前記流体出口との間で前記略円筒形の本体を通って延びる際に多段で前記チャネルのさらなるチャネルと交差する、チャネルと、
を備える、流体流制御デバイス。
【請求項2】
前記チャネルは、前記長手方向軸線に対して斜角で前記略円筒形の本体を通って延びる、請求項1に記載の流体流制御デバイス。
【請求項3】
前記チャネルは、前記略円筒形の本体に対して延びる螺旋パターンを画定し、前記チャネルはそれぞれ、前記略円筒形の本体内に螺旋を形成する弓形チャネルを含む、請求項2に記載の流体流制御デバイス。
【請求項4】
前記チャネルのそれぞれは、前記チャネルの2つ以上の他のチャネルと交差する、請求項1から3までのいずれか一項に記載の流体流制御デバイス。
【請求項5】
前記第1の軸方向端部における前記流体入口と前記第2の軸方向端部における前記流体出口との間に延びる前記チャネルの全体は、前記略円筒形の本体の内部にある、請求項1から3までのいずれか一項に記載の流体流制御デバイス。
【請求項6】
前記チャネルのうちの少なくともいくつかは、前記流体出口の近くで前記略円筒形の本体を通って半径方向内側に延びる、請求項1から3までのいずれか一項に記載の流体流制御デバイス。
【請求項7】
前記チャネルのうちの少なくともいくつかは、前記流体入口における前記チャネルの間隔と比較すると前記流体出口において互いに対して比較的近くに配置される、請求項1から3までのいずれか一項に記載の流体流制御デバイス。
【請求項8】
前記チャネルは、前記チャネルからの流体流が前記流体出口における前記チャネルのうちの少なくとも1つの隣り合うチャネルからの流体流に衝突するように配置及び構成される、請求項7に記載の流体流制御デバイス。
【請求項9】
前記略円筒形の本体は、前記略円筒形の本体の中に延在するとともに前記略円筒形の本体によって半径方向に囲まれる軸方向延在キャビティを前記第2の軸方向端部に含み、前記流体出口の少なくとも一部は、前記軸方向延在キャビティ内に画定される、請求項1から3までのいずれか一項に記載の流体流制御デバイス。
【請求項10】
前記略円筒形の本体は、前記流体出口で前記流体流を方向付けるように前記軸方向延在キャビティ内に略円錐形状の突出位置を含む、請求項9に記載の流体流制御デバイス。
【請求項11】
前記略円筒形の本体は、単一品のモノリシック構造を含み、前記チャネルが前記単一品のモノリシック構造内に画定されている、請求項1から3までのいずれか一項に記載の流体流制御デバイス。
【請求項12】
前記略円筒形の本体は、付加製造プロセスによって成形される、請求項1から3までのいずれか一項に記載の流体流制御デバイス。
【請求項13】
前記略円筒形の本体は、前記流体通路の全体を画定する単一構造を含む、請求項1から3までのいずれか一項に記載の流体流制御デバイス。
【請求項14】
流体処理構成要素であって、前記流体処理構成要素を通る流体流路を画定する流体処理構成要素と、
前記流体処理構成要素の前記流体流路における流れ制御デバイスであって、
長手方向軸線に沿って延びる細長い本体であって、前記細長い本体の第1の長手方向端部に流体入口と、前記細長い本体の第2の長手方向端部に流体出口とを有する、細長い本体を備える、流れ制御デバイスと、
前記細長い本体内に画定されるとともに前記第1の長手方向端部における流体入口から前記第2の長手方向端部における前記流体出口にかけて延びるチャネルであって、前記チャネルは、前記細長い本体を通る流体通路を全体で画定して、前記流体入口から前記流体出口にかけて前記流体通路を通る流体の圧力を低減し、前記チャネルは、前記チャネルからの流体流が前記流体出口の近くの前記チャネルのうちの少なくとも1つの隣り合うチャネルからの流体流に衝突するように配置及び構成される、チャネルと、
を備える、流体流システム。
【請求項15】
前記第1の長手方向端部における前記流体入口と前記第2の長手方向端部における前記流体出口との間に延びる前記チャネルの全体は、前記細長い本体内に配置される、請求項14に記載の流体流システム。
【請求項16】
前記チャネルからの前記流体流は、前記第2の長手方向端部において前記細長い本体内に画定されたキャビティ内に配置されている前記流体出口における前記チャネルのうちの少なくとも1つの隣り合うチャネルからの流体流に衝突する、請求項14に記載の流体流システム。
【請求項17】
前記略円筒形の本体及び前記チャネルは、付加製造プロセスにより同時に成形され、前記流体処理構成要素は、弁又は接続パイプの一部を含む、請求項14から16までのいずれか一項に記載の流体流システム。
【請求項18】
流体流制御デバイスにより流体における圧力を低減させる方法であって、
本体の第1の軸方向端部における前記本体の流体入口に高圧流体を受け入れることと、
前記高圧流体における圧力を下げるように、前記本体内に画定されたチャネルを通る前記高圧流体を低圧流体に導くことと、
前記本体の第2の軸方向端部における前記本体の流体出口において前記低圧流体を出すことと、
前記流体出口において前記本体の前記チャネルを出る前記低圧流体の流体ストリームを、前記チャネルの隣り合うチャネルの流体ストリームに衝突するように方向付けることと、
を含む、方法。
【請求項19】
前記流体が前記略円筒形の本体の前記流体出口から前記チャネルを出る際、円錐形状の流体指向構造により流体流をガイドすることをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
付加製造プロセスにより請求項1の前記流体流制御デバイスの前記略円筒形の本体を造形することと、
前記付加製造プロセス中に前記略円筒形の本体内に前記チャネルを同時に画定することと、
を含む、流体流制御デバイスを成形する方法。
【国際調査報告】