(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-08
(54)【発明の名称】軸方向磁束機械のための低損失平面巻線構成
(51)【国際特許分類】
H02K 3/26 20060101AFI20240801BHJP
H02K 3/04 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
H02K3/26 D
H02K3/04 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508955
(86)(22)【出願日】2022-01-27
(85)【翻訳文提出日】2024-02-14
(86)【国際出願番号】 US2022013965
(87)【国際公開番号】W WO2023022751
(87)【国際公開日】2023-02-23
(32)【優先日】2021-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518109826
【氏名又は名称】イー-サーキット モーターズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ショー, スティーブン ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ミルハイム, ジョージ ハーダー
【テーマコード(参考)】
5H603
【Fターム(参考)】
5H603AA07
5H603BB01
5H603BB09
5H603BB14
5H603CA05
5H603CB02
5H603CC14
5H603CC19
5H603CD25
5H603CE06
(57)【要約】
平面ステータは、極のための巻線を形成する伝導性トレースと、第1の伝導性層と第2の伝導性層との間に延在する少なくとも第1および第2の伝導性ビアとを含み、第1および第2の伝導性ビアは、軸方向磁束機械の環状伝導性領域の第1の側において半径方向に位置するように位置付けられる。伝導性トレースは、第1の伝導性層内の第1の伝導性トレースと、第2の伝導性層内の第2の伝導性トレースとを含む。第1の伝導性トレースは、環状有効領域の第2の側において半径方向に位置するように位置付けられる、第1の座巻を含み、第2の側は、第1の側に対向する。第2の伝導性トレースは、環状有効領域の第1の側において半径方向に位置するように位置付けられる、第2の座巻を含む。第1および第2の伝導性トレースを相互接続する、伝導性ビアの全ては、環状伝導性領域の第1の側において半径方向に位置するように位置付けられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面ステータであって、
回転軸を中心として回転するように構成されるロータを含む、軸方向磁束機械の環状有効領域内に位置付けられるように適合される、1つ以上の誘電性基板と、
前記1つ以上の誘電性基板によって画定される少なくとも第1および第2の伝導性層内に含まれる、伝導性トレースであって、前記伝導性トレースは、前記ステータの極のための巻線を形成する、伝導性トレースと、
前記第1および第2の伝導性層内の前記伝導性トレース間に延在し、その一部を相互接続する、少なくとも第1および第2の伝導性ビアであって、前記第1および第2の伝導性ビアは、前記環状有効領域の第1の側において半径方向に位置するように位置付けられる、少なくとも第1および第2の伝導性ビアと
を備え、
前記伝導性トレースは、前記第1の伝導性層内に第1の伝導性トレースを含み、
前記第1の伝導性トレースは、前記環状有効領域の第2の側において半径方向に位置するように位置付けられる、第1の座巻を含み、前記第2の側は、前記第1の側に対向し、
前記第1の伝導性トレースは、前記第1の伝導性ビアから開始し、前記第1の座巻を通して通過し、前記第2の伝導性ビアにおいて終了する、第1の経路に沿って延在し、
前記伝導性トレースは、前記第2の伝導性層内に第2の伝導性トレースを含み、
前記第2の伝導性トレースは、前記環状有効領域の前記第1の側において半径方向に位置するように位置付けられる、第2の座巻を含み、
前記第2の伝導性トレースは、前記第2の伝導性ビアから開始し、前記第2の座巻を通して通過する、第2の経路に沿って延在し、
前記第2の伝導性トレースは、前記第1および第2の経路が直列に接続されるように、前記第2の伝導性ビアを通して前記第1の伝導性トレースに接続され、
前記第1および第2の伝導性トレースを相互接続する全ての伝導性ビアが、前記環状有効領域の前記第1の側において半径方向に位置するように位置付けられる、平面ステータ。
【請求項2】
前記第1の伝導性層と前記第2の伝導性層との間に延在し、前記環状有効領域の前記第1の側において半径方向に位置するように位置付けられる、第3の伝導性ビアをさらに備え、それに沿って前記第2の伝導性トレースが延在する、前記第2の経路は、前記第2の伝導性ビアから開始し、前記第2の座巻を通して通過し、前記第3の伝導性ビアにおいて終了する、請求項1に記載の平面ステータ。
【請求項3】
前記第3の伝導性ビアは、前記第1の伝導性トレースおよび前記第2の伝導性トレースが蛇行形状巻線の一部を形成するように位置付けられる、請求項2に記載の平面ステータ。
【請求項4】
前記第3の伝導性ビアは、前記第1の伝導性トレースおよび前記第2の伝導性トレースが螺旋形状巻線の一部を形成するように位置付けられる、請求項2に記載の平面ステータ。
【請求項5】
前記第1の伝導性層と前記第2の伝導性層との間に延在し、前記環状有効領域の前記第1の側において半径方向に位置するように位置付けられる、第4の伝導性ビアと、
前記第2の伝導性層内の第3の伝導性トレースであって、前記第3の伝導性トレースは、前記環状有効領域の前記第2の側において半径方向に位置するように位置付けられる、第3の座巻を含み、前記第3の伝導性トレースは、前記第3の伝導性ビアから開始し、前記第3の座巻を通して通過し、前記第4の伝導性ビアにおいて終了する、第3の経路に沿って延在する、第3の伝導性トレースと
をさらに備える、請求項2-4のいずれかに記載の平面ステータ。
【請求項6】
前記1つ以上の誘電性基板はさらに、第3の伝導性層を画定し、前記第3の伝導性ビアは、前記第3の伝導性層を通して延在し、
前記ステータはさらに、前記第3の伝導性層内の第4の伝導性トレースをさらに備え、前記第4の伝導性トレースは、前記環状有効領域の前記第2の側において半径方向に位置するように位置付けられる、第4の座巻を含み、前記第4の伝導性トレースは、前記第3の伝導性ビアから開始し、前記第4の座巻を通して通過し、前記第4の伝導性ビアにおいて終了する、第4の経路に沿って延在する、請求項5に記載の平面ステータ。
【請求項7】
前記第3および第4の伝導性トレースを相互接続する、全ての伝導性ビアは、前記環状有効領域の前記第1の側において半径方向に位置するように位置付けられる、請求項6に記載の平面ステータ。
【請求項8】
前記第1の伝導性層と前記第2の伝導性層との間に延在し、前記環状有効領域の前記第1の側において半径方向に位置するように位置付けられる、付加的ビアをさらに備え、前記第2の伝導性トレースはさらに、前記付加的伝導性ビアを通して前記第1の伝導性トレースに接続される、請求項1-7のいずれかに記載の平面ステータ。
【請求項9】
前記第1の座巻は、内側座巻であり、前記第2の座巻は、外側座巻である、請求項1-8のいずれかに記載の平面ステータ。
【請求項10】
前記第1の座巻は、外側座巻であり、前記第2の座巻は、内側座巻である、請求項1-8のいずれかに記載の平面ステータ。
【請求項11】
請求項1-10のいずれかに記載の前記平面ステータを備える、軸方向磁束モータまたは発電機。
【請求項12】
平面ステータであって、
回転軸を中心として回転するように構成されるロータを含む、軸方向磁束機械の環状有効領域内に位置付けられるように適合される、1つ以上の誘電性基板と、
前記1つ以上の誘電性基板によって画定される少なくとも第1および第2の伝導性層内に含まれる、伝導性トレースであって、前記伝導性トレースは、前記ステータの極のための巻線を形成する、伝導性トレースと、
前記第1の伝導性層と前記第2の伝導性層との間に延在する、少なくとも第1および第2の伝導性ビアであって、前記第1および第2の伝導性ビアは、前記環状有効領域の前記第1の側において半径方向に位置するように位置付けられる、少なくとも第1および第2の伝導性ビアと
を備え、
前記伝導性トレースは、前記第1の伝導性層内に第1の伝導性トレースを含み、
前記第1の伝導性トレースは、前記環状有効領域の前記第2の側において半径方向に位置するように位置付けられる、第1の座巻を含み、前記第2の側は、前記第1の側に対向し、
前記第1の伝導性トレースは、前記第1の伝導性ビアから開始し、前記第1の座巻を通して延在し、前記第2の伝導性ビアにおいて終了する、第1の経路を辿り、
前記伝導性トレースは、前記第2の伝導性層内に第2の伝導性トレースを含み、
前記第2の伝導性トレースは、前記環状有効領域の前記第2の側において半径方向に位置するように位置付けられる、第2の座巻を含み、
前記第2の伝導性トレースは、前記第1の伝導性ビアから開始し、前記第2の座巻を通して延在し、前記第2の伝導性ビアにおいて終了する、第2の経路を辿り、
前記第1および第2の伝導性トレースを相互接続する全ての伝導性ビアは、前記環状有効領域の前記第1の側において半径方向に位置するように位置付けられる、平面ステータ。
【請求項13】
前記第1の経路は、前記第2の経路と同一のサイズと、形状とを有する、請求項12に記載の平面ステータ。
【請求項14】
前記第1および第2の座巻は、内側座巻である、請求項12または13に記載の平面ステータ。
【請求項15】
前記第1および第2の座巻は、外側座巻である、請求項12または13に記載の平面ステータ。
【請求項16】
前記第1の伝導性層と前記第2の伝導性層との間に延在する、第3の伝導性ビアであって、前記第3の伝導性ビアは、前記環状有効領域の前記第1の側において半径方向に位置するように位置付けられる、第3の伝導性ビアと、
前記第2の伝導性層内の第3の伝導性トレースであって、前記第3の伝導性トレースは、前記環状有効領域の前記第1の側において半径方向に位置するように位置付けられる、第3の座巻を含み、前記第3の伝導性トレースは、前記第2の伝導性ビアから開始し、前記第3の座巻を通して通過し、前記第3の伝導性ビアにおいて終了する、第3の経路に沿って延在する、第3の伝導性トレースと
をさらに備える、請求項12-15のいずれかに記載の平面ステータ。
【請求項17】
前記1つ以上の誘電性基板はさらに、第3の伝導性層を画定し、前記第3の伝導性ビアは、前記第3の伝導性層を通して延在し、
前記ステータはさらに、
前記第1、第2、および第3の伝導性層を通して延在する、第4の伝導性ビアであって、前記第4の伝導性ビアは、前記環状有効領域の前記第1の側において半径方向に位置するように位置付けられる、第4の伝導性ビアと、
前記第3の伝導性層内の第4の伝導性トレースであって、前記第4の伝導性トレースは、前記環状有効領域の前記第2の側において半径方向に位置するように位置付けられる、第4の座巻を含み、前記第4の伝導性トレースは、前記第3の伝導性ビアから開始し、前記第4の座巻を通して通過し、前記第4の伝導性ビアにおいて終了する、第4の経路に沿って延在する、第4の伝導性トレースと
を備える、請求項16に記載の平面ステータ。
【請求項18】
請求項12-17のいずれかに記載の前記平面ステータを備える、軸方向磁束モータまたは発電機。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(背景)
永久磁石軸方向磁束モータおよび発電機が、米国特許第7,109,625号と、第10,170,953号と、第9,859,763号と、第10,211,694号と、第10,256,690号とを含む、いくつかの特許によって説明されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
(要約)
本概要は、詳細な説明において下記にさらに説明される一連の概念を、単純化された形態で導入するために提供される。本概要は、重要となる特徴または本質的な特徴を識別することを意図しているわけでも、本明細書に含まれる請求項の範囲を限定することを意図しているわけでもない。
【0003】
開示される実施形態のうちのいくつかでは、ステータは、回転軸を中心として回転するように構成されるロータを含む、軸方向磁束機械の環状有効領域内に位置付けられるように適合される、1つ以上の誘電性基板と、1つ以上の誘電性基板によって画定される少なくとも第1および第2の伝導性層内に含まれる、伝導性トレースであって、伝導性トレースは、ステータの極のための巻線を形成する、伝導性トレースと、第1の伝導性層と第2の伝導性層との間に延在する、少なくとも第1および第2の伝導性ビアであって、第1および第2の伝導性ビアは、環状有効領域の第1の側において半径方向に位置するように位置付けられる、少なくとも第1および第2の伝導性ビアとを備える。伝導性トレースは、第1の伝導性層内の第1の伝導性トレースと、第2の伝導性層内の第2の伝導性トレースとを含む。第1の伝導性トレースは、環状有効領域の第2の側において半径方向に位置するように位置付けられる、第1の座巻を含み、第2の側は、第1の側に対向する。第1の伝導性トレースは、第1の伝導性ビアから開始し、第1の座巻を通して通過し、第2の伝導性ビアにおいて終了する、第1の経路に沿って延在する。第2の伝導性トレースは、環状有効領域の第1の側において半径方向に位置するように位置付けられる、第2の座巻を含む。第2の伝導性トレースは、第2の伝導性ビアから開始し、第2の座巻を通して通過する、第2の経路に沿って延在する。第2の伝導性トレースは、第1および第2の経路が直列に接続されるように、第2の伝導性ビアを通して第1の伝導性トレースに接続される。第1および第2の伝導性トレースを相互接続する全ての伝導性ビアは、環状有効領域の第1の側において半径方向に位置するように位置付けられる。
【0004】
いくつかの実施形態では、ステータは、回転軸を中心として回転するように構成されるロータを含む、軸方向磁束機械の環状有効領域内に位置付けられるように適合される、1つ以上の誘電性基板と、1つ以上の誘電性基板によって画定される少なくとも第1および第2の伝導性層内に含まれる、伝導性トレースであって、伝導性トレースは、ステータの極のための巻線を形成する、伝導性トレースと、第1の伝導性層と第2の伝導性層との間に延在する、少なくとも第1および第2の伝導性ビアであって、第1および第2の伝導性ビアは、環状有効領域の第1の側において半径方向に位置するように位置付けられる、少なくとも第1および第2の伝導性ビアとを備える。伝導性トレースは、第1の伝導性層内の第1の伝導性トレースと、第2の伝導性層内の第2の伝導性トレースとを含む。第1の伝導性トレースは、環状有効領域の第2の側において半径方向に位置するように位置付けられる、第1の座巻を含み、第2の側は、第1の側に対向する。第1の伝導性トレースは、第1の伝導性ビアから開始し、第1の座巻を通して延在し、第2の伝導性ビアにおいて終了する、第1の経路を辿る。第2の伝導性トレースは、環状有効領域の第2の側において半径方向に位置するように位置付けられる、第2の座巻を含む。第2の伝導性トレースは、第1の伝導性ビアから開始し、第2の座巻を通して延在し、第2の伝導性ビアにおいて終了する、第2の経路を辿る。第1および第2の伝導性トレースを相互接続する全ての伝導性ビアは、環状有効領域の第1の側において半径方向に位置するように位置付けられる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】
図1は、先行技術特許の教示に従って構成された、ステータの部分切取内部斜視図を示す。
【0006】
【0007】
【
図3】
図3は、交互に入れ替わる極幾何学形状を有する、軸方向磁束機械のための間隙内磁束解を示す。
【0008】
【
図4A】
図4Aは、ステータのある構成要素がステータ内に配向される際に、内側ビアを含む、それらの構成要素を示す。
【0009】
【
図4B】
図4Bは、
図4Aに示される構造を、これが巻着解除され、平面状に描かれるように見えるであろうように示し、θ指向性磁束に起因する、その構造内の渦電流経路を図示する。
【0010】
【
図5A】
図5Aは、ステータのある構成要素がステータ内に配向される際に、内側ビアが本開示のある側面に従って省略される、それらの構成要素を示す。
【0011】
【
図5B】
図5Bは、
図5Aに示される構造を、これが巻着解除され、平面状に描かれるように見えるであろうように示し、θ指向性磁束に起因する、その構造内の渦電流経路を図示する。
【0012】
【
図6】
図6は、本開示のある教示に従って構成される、ステータの第1の層を示す。
【0013】
【
図7】
図7は、
図6に示される第1の層に相補的である、本開示のある教示に従って構成される、ステータの第2の層を示す。
【0014】
【
図8】
図8は、2つの層(または2つの層の複数のもの)を用いて、本構築物を伴うステータに、半径方向トレースが均一に取り込まれ得ることを示す、
図6および7の層のオーバーレイを示す。
【0015】
【
図9】
図9は、
図6および7の構造が、実践的な18層ステータまで拡張され得る方法を図示する。
【0016】
【
図10】
図10は、
図6および7に示されるもの等の3つの層を重畳することによって確立され得る、内側座巻と、他の位相と関連付けられる全ての他の特徴とを省略する、16極3巻巻線のための完全な単相接続を示す。
【0017】
【0018】
【
図12】
図12は、
図10および11に示される、ステータ内に具現化される、第1の例示的構造を示す。
【0019】
【
図13】
図13は、
図10および11に示される、ステータ内に具現化される、第2の例示的構造を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(詳細な説明)
米国特許第7,109,625号と、第10,170,953号と、第9,859,763号と、第10,211,694号と、第10,256,690号とを含む、いくつかの特許(その全内容が参照することによって本明細書に組み込まれる)によって説明されている、永久磁石軸方向磁束モータおよび発電機は、平面ステータアセンブリ、典型的には、永久磁石を支持するロータ間のプリント回路基板を特徴とする。ステータ内の巻線内の電流は、磁石によって確立される間隙内の磁束密度と相互作用し、モータ動作においてトルクを生産する。同様に、機械が機械的に駆動されると、これは、発電機として機能することができる。
【0021】
動作のいずれかのモードにおいて、機械のステータは、時変磁気束を受ける。本時変磁束は、ステータ内の銅と相互作用し、ループ内および銅充填面積内で循環する、電流を誘発する。これらの効果は、動作の効率の喪失を引き起こす。これらの損失を駆り立てる磁束の多くのものが、軸方向、すなわち、z指向性であるが、θおよび半径方向指向性である、補助成分も、存在する。これらの成分の大きさは、間隙内の変位量zの関数として変動する。
【0022】
ここで開示されるステータ構築物は、平面複合ステータに適用され、θと関連付けられる損失、すなわち、平面ステータ内の指向性磁束漏出を軽減させ、付加的恩恵を提供し得る、新規の特徴を組み込む。
【0023】
上記に記載される特許内で説明されるタイプの電気機械は、概して、交互に入れ替わる磁極のパターンおよび間隙内の対応する磁束密度を提示する、磁気構造(「ロータ」)の間隙内に配置される平面ステータ(「ステータ」)を備える。ステータが、外部駆動回路によって通電されると、ステータ内の電流と間隙内の磁束の相互作用は、有効面積内に、ロータの運動をもたらし得る、力密度を生成する。同様に、ロータが、外部機械源によって運動するように設定されると、巻線によって捕捉される、結果として生じる時変磁束が、ステータ内の巻線にわたって電圧をもたらす。
【0024】
電気機械のための動作のこれらの一次モードは、抽象的には、磁気回路によって構築される、軸方向磁束のみに依存する。したがって、上記に記載される特許に提示されるタイプの機械は、「軸方向磁束」機械と呼ばれ、そのような機械内の磁気回路は、磁束を、主にz方向、すなわち、ステータの平面に対して直角に支持するように設計される。
【0025】
図1および2は、それぞれ、上記に記載される特許に従って構成される、ステータのある実施例の部分切取内部斜視図および上面図を示す。示されるように、そのような軸方向磁束機械のステータ内の巻線構造は、軸方向磁束と相互作用するための(半径方向トレース106によって搬送される)半径方向電流密度を提示するように編成される。そのような半径方向特徴を伴うステータの一部、すなわち、半径方向距離r1(機械のロータの回転軸と一致する、ステータの中心点116から測定される)と半径方向距離r2(また、中心点116から測定される)との間に延在する、環状領域が、主として、機械内でのトルクの生産に関わる意味において、機械の「有効」領域内に位置する。機械のロータに取り付けられる磁石の内径および外径は、典型的には、それぞれ、半径方向距離r1(ステータの回転軸から測定される)および半径方向距離r2(また、ステータの回転軸から測定される)またはその近傍に位置付けられ、したがって、環状有効領域内に軸方向に指向される磁気束を生成する。残りの特徴、例えば、ステータの環状有効領域に半径方向に隣接する、「座巻」102、104は、半径方向部分を直列および並列の組み合わせに接続し、関連付けられる電流および電圧を機械の端子112に伝達するためにのみ存在する。
【0026】
機械の動作は、間隙内の軸方向磁束に依存するが、間隙の全体を通して、磁束が半径方向および角度方向における有意な成分を有し得る領域が、存在する。とりわけ、ロータ上の極間での遷移から結果として生じるθ指向性漏出は、非常に有意であり得、隣接する半径方向トレース106と相互作用し得る。θ成分は、磁石の間隔に依存し、大きさが間隙の正および負のz範囲に向かって増加する。間隙の(半径方向におよび軸方向に)中心では、および極の中心では、磁束解は、主として、軸方向である。下記により詳細に説明される、
図3は、対向磁石306間の間隙304内のθ指向性漏出磁束成分302が、容易に明白である、間隙内磁束解を示す。
【0027】
モータまたは発電機の性能に及ぼす、これらの非軸方向成分の影響は、伝導性ループまたは表面を形成する、ステータ構造とのそれらの相互作用から生じる。これに数学的にアプローチするために、ループまたは伝導性構造の「石鹸フィルム表面」、すなわち、それにわたって磁束密度が、伝導性構造によって連結される、磁束を見出すように統合され得る、表面を可視化することが、役立つ。表面を貫通する磁束が、時変的であるとき、電位が、ループ内に誘発される。ループが、閉鎖される場合、電流は、ループの抵抗に関連する大きさを伴って流動するであろう。電流の方向は、Lenzの法則に従って、連結された磁束の変化に対抗するために要求されるであろう電流として直観的に理解されることができる。具体的には、時変磁束密度に暴露されるステータ内のループが、課される場を「解消」するように試みる、電流を確立する。結果として生じる電流は、トルクを生産しているモータ構造内の電流を低減させ得、それらは、ループの経路に応じて、磁束の任意の直角成分と相互作用し、抗力を生成し得、最終的に、これらの電流は、巻線と関連付けられる電流と組み合わせられ、具体的ステータ構造内に、予期せずに高電流密度および局所的加熱をもたらし得る。要するに、これらの捕捉された漏出磁束成分の効果は、機械の効率を低減させ、損失を増加させ、熱性能を減少させる等である。これらの効果の大きさは、機械の動作の速度に比例して増加する。
【0028】
米国特許第7,109,625号(「第‘625号特許」)の教示の原理部分は、規定される角度における、ステータの半径方向部分が、伝導性経路またはビアによって内径および外径において並列に接続され得ることである。ビアは、ステータの平面に対して直角の伝導性経路を形成する。
図1および2に示されるように、例えば、異なる角度における半径方向トレース106のセットが、内側ビア108および外側ビア110を使用して相互接続されてもよい。そのようなビア108、110の使用は、ステータを中心とした接続を確立するための設計柔軟性をもたらす。例えば、ビア108、110を使用すると、半径方向トレース106の具体的なセットのための内側座巻102は、対応する外側座巻104と異なる層上にあることができる。ビア108、110は、内半径および外半径において、全ての半径方向トレース106への接続点を提供し、そうではない場合には実現可能ではないであろう、層に対する機能の構築および配分を可能にする。事実上、ビア108、110は、それらが干渉しないように異なる層への巻線を形成するために必要とされる、伝導性構造の配分を可能にする。
【0029】
米国特許第10,170,953号(「第‘953号特許」)では、対応する観察は、外半径における異なる層上での機能性が、ステータの外縁への熱経路を含み得ることである。さらに、これらの熱経路は、層を横断した熱相互作用ならびに半径方向熱経路を含むことができる。半径方向熱経路114は、
図1および2では、巻線構造の外縁において明白であり、それらは、ケースまたは他のヒートシンクに効果的に結合されることができる。
【0030】
米国特許第10,256,690号(「第‘690号特許」)では、軸方向ならびにθ方向における、平面ステータ内の巻の蓄積を可能にする、構造が、開示される。この重要となる側面は、ビアが隣接する層の亜集合にわたって導電性である、構築物である。第‘690号特許では、そこで開示される実施形態に対して重要であるものとして、より高密度の内側座巻が、各層上で可能な限り緊密に、座巻を充塞することによって達成され得ることが観察される。これは、所与の位相と関連付けられる内側および外側座巻が、他の位相のための内側および外側座巻を除外して、特定の層に配分された、以前の設計とは明確に異なる。内側座巻が、最大密度に配分されるとき、3相機械に関して、2つの一意のパターンが、存在する。ともに、それらの2つのパターンは、2つのみの層内の内側座巻の完全な接続をもたらし得る。第‘625号特許内の巻線スキームは、最初に、隣接する極の巻にわたって巻線を反復すること、次いで、極対、すなわち、最初に巻を、次いで、極を連結することを支援する。
図6は、第‘625号特許に説明され、
図1および2に示されるような低密度座巻と対比され得る、高密度内側座巻602の実施例を示す。
【0031】
第‘625号特許の構築に戻ると、
図1および2を参照して、外半径上の単一の半径方向トレース106から始まり、半径方向に内半径まで継続し、内側座巻102の経路を辿り、外半径に戻る、経路を考慮されたい。平面図では、本経路は、「U」字形である。いくつかのそのような経路が、
図4Aに図示される構造400a内で明白である。図示される経路は、第1の外側ビア110aと第1の内側ビア108aとの間に延在する、半径方向トレース106aの第1のセットと、第1の内側ビア108aと第2の内側ビア108bとの間に延在する、内側座巻102のセットと、第2の内側ビア108bと第2の外側ビア110bとの間に延在する、半径方向トレース106bの第2のセットとを含む。
図1が可視化することに役立ち得る、本経路に対応する、平行な軸方向に変位される層が、考慮される場合、結果は、ビア108、110を用いて穿刺される、トレースの「リボン」となる。これは、
図4AのU字形状構造400aが、巻着解除され、対応する平面構造400bとして平面状に描かれている、
図4B内に図示される。
【0032】
以下において、最初に、
図4Bに図示される「巻着解除リボン」構造400bと併せて、
図3に示されるような、極間漏出磁束302の効果を考慮されたい。
図4Bに示されるように、本漏出磁束302a-dは、ビア108、110によって境界される「区分」に対して直角である。
図4Bでは、漏出磁束302を表す、円のサイズは、描写される磁束ベクトルの相対的大きさを示し、円の内側における記号は、磁束ベクトルの相対的方向を表し、「X」記号は、ページの中に向かう磁束ベクトルを示し、ドット記号は、ページの外に向かう磁束ベクトルを示す。これらの区分内のビア108、110および半径方向トレース106は、その中で渦電流が、ロータが旋回するにつれて個別の区分「(r,z表面)」にわたって統合される、時変θ指向性磁束に応答して循環するであろう、メッシュを形成する。
【数1】
特に、メッシュ内の所与のループは、以下の誘発電圧を有する。
【数2】
式中、
【数3】
は、回転の速度であり、λは、θ指向性磁束鎖交を示す。ループ内の誘発電圧の結果として、ループ抵抗によって判定される、対応するメッシュ電流が、存在するであろう。
【0033】
前述の式は、本効果に関するものであり、ここでは、生じ得る任意の電機子反応が無視される、重要な考慮点が、ループにわたる磁束鎖交のθ変化率、すなわち、
【数4】
であることを示す。また、磁束漏出B
θ(z,θ)が、対称性によって、間隙の中心において(例えば、
図4Bに示される点402において)ゼロまで減少するため、(
図4Bに矢印404によって示される)分岐電流を形成するためのメッシュ電流の追加が、上部および底部半径方向トレース106が一方向(
図4Bでは右向き)における電流流動を有する一方、内部トレースが、反対方向(
図4Bでは左向き)における電流の均等な総和を搬送するような方法において生じるであろう。軸方向磁束成分が、zの関数として一定であった場合、これらの循環電流からの正味トルクは、ゼロであろう。代わりに、構造400b内での電流の分布は、軸方向磁束成分B
⊥(z,θ)の変化をzの関数として効果的に探査する。概して、軸方向磁束成分は、ステータの縁において幾分より大きく、中心に向かって減少し、そのため、運動の方向に対向するトルク、すなわち、抗力トルクが、優勢である。重要なこととして、
図4Bに示される構造400bに関して、左および右半径方向区分は、内半径におけるビア108a、108bに起因して、事実上、独立的である。区分は、したがって、その区分のための速度、すなわち、局所的な
【数5】
と、各トレース内の電流が制動トルクを形成するためにB
⊥と相互作用する際のB
⊥の変化とに依存する、渦電流制動効果を生成する。
【0034】
記載されるように、内側ビア108を伴う構造400内で循環する電流は、
図4Bに矢印404によって示される。内側ビア108a-bが、構造400を3つの領域に分割する方法に留意されたい。内側ビア108a-bの存在に起因して、それらの3つの領域は、局所的な
【数6】
のみによって駆動されるという意味において、相互から独立している。メッシュ電流は、隣接するループのための半径方向トレース106内の電流の解内で、ある程度まで解消される。実際には、磁束のθ指向性成分が、zと一様であった場合、解消は、最内電流をゼロまで低減させ、上部「レール」内の電流は、底部レール内の電流の反対方向にあるであろう。しかしながら、間隙304(
図3参照)では、θ指向性成分の符号は、zの関数として変化する。したがって、上部レール内の電流は、底部レール内の電流と同一の方向にある。これは、
図4Bに矢印404によって示される。上部および底部分岐電流は、大きさが内側電流より大きい。
【0035】
図5A-Bは、
図4-Bに類似するが、内側ビア108a-bが省略される、構造500を示す。この場合には、電流(矢印504によって示される)は、連結される正味磁束の変化によって判定される。
【0036】
ステータ構造内の電流の分布と関連付けられる抗力を便宜的に説明するために、以下の表記のような内積が、導入される。
【数7】
【0037】
ここでの解釈は、α(ベクトル)が、ステータ構造内の個々のトレースのz座標におけるB⊥(z)成分のベクトルを発生させ(ステータ内の磁束密度のz変動を捕捉する)、γ(ベクトル)が、対応するz値における、メッシュ内の個々のトレース内に電流を発生させることである。各トレースにおける相対的成分は、したがって、ステータの特定のθおよび正のz範囲におけるスカラーB⊥および誘発電流に線形に依存する。最後に、個別の力密度が出現する半径を考慮する、トルクを提供するための幾何学的因子k0が、存在する。電流から結果として生じる、半径方向指向性磁束漏出および電機子反応が、無視される。本枠組では、焦点は、θ指向性磁束鎖交および直角磁束密度の関数としての、トルク寄与の比較である。
【0038】
図4A-B内の構造400に関して、上記の表記定義を使用すると、トルクは、第1の角度(下付き文字1)におけるメッシュおよび第2の角度(下付き文字2)におけるメッシュの組み合わせられた効果であり、すなわち、以下となる。
【数8】
【0039】
代替として、第1の角度における第1のループλ
1および第2の角度における第2のループλ
2に連結される、θ依存磁束の項を書き換えると、以下となる。
【数9】
式中、r
1は、関連付けられる電流を計算するための第1の抵抗であり、r
2は、第2の抵抗である。両側におけるステータの縁に関して、λが、対向しているが、ステータの極端において同一の電流をもたらすことに留意されたい。構造400全体を伴う方程式に関して符号を一貫した状態に保つために、
【数10】
項が、ステータの正のz範囲における電流を意味すると解釈されたい。構造内のオーム損失は、以下に比例するであろう。
【数11】
式中、rは、関連付けられる抵抗である。
【0040】
z>0に関して
図3を考慮すると、τ
αに関して構造400のいずれかの「端部」において、考慮するべき、4つの場合が、存在する。これらの場合は、ロータ極遷移部を横断して移動し、以下となる。
【数12】
【0041】
ここで、B
⊥>>0表記は、考察中の場所が、強力な軸方向成分を有する、すなわち、極の中央にあることを示す。より弱い不等式は、極間の遷移が、中央点の両側にあることを示す。あらゆる実現可能な組み合わせに関して、
図4A-Bの構造400の両端部において、τ
αトルクに追加された成分は、負、すなわち、抗力である。2つの中央の場合、すなわち、極間での遷移に近接する角度に関して、抗力は、構造400が遷移を通して通過するにつれて変動し、θ指向性漏出に関連する抗力の大部分は、これらの相互作用から生じる。
図4A-Bの構造400内の効果を駆動する項は、
図5A-Bの構造500内の重要なものと比較されることができる。
【0042】
これらの条件は、構造400の両端部において、および「端部」の間隔およびロータの位置に依存する組み合わせにおいて、以下のように生じることができる。
【表1】
【0043】
上記の表では、表記τα<0は、τα内の項のうちの1つが実質的に寄与していることを示し、tα<<0は、2つのそのような抗力項が寄与していることを示す。
【0044】
内側ビア108a-bが、
図5A-Bにおけるように省略される場合、構造500は、非常に異なるように挙動する。誘発される電圧は、構造500の全ての「面」によって連結される磁束に依存し、すなわち、以下となる。
【数13】
【0045】
以下において、半径方向からのλ
3磁束は、幾何学的理由(rにおける、変位された内側座巻)のために小さいものとして無視されるであろう。本仮定の下で、
図4A-Bの構造400のための第1の式に匹敵する、
図5A-Bの構造500のための抗力項は、以下のように記述されることができる。
【数14】
【0046】
B
⊥1およびB
⊥2(第1および第2の場所における軸方向成分)が、組み込まれる方法は、それらが等しい場合を考慮することによって、理解されることができる。座巻は、いかなる電流も、ループ内で誘発され、個別の場所において反対方向に流動させ、トルクの解消をもたらす。これに加えて、構造500の片側から他側への
【数15】
の解消の可能性が、存在する。
【0047】
前述において行われたように、この場合では、一端において連結される磁束が、ここで、他端における抗力を変化させ得るため、構造500の両端を考慮して、相互作用が、列挙されることができる。下記の状況の全てが、半径方向部分間の所与の角度分離を伴う、1つの構造500内で実現可能であるわけではないが、これらが、実現可能な全ての組み合わせを表すことに留意されたい。ロータが、旋回するにつれて、ステータ内に固定される所与の構造500が、磁気構造に対して変化する角度を有し、下記に列挙される場合間を遷移するであろう。
図3は、これらの組み合わせを考慮することに役立ち得る。
【表2】
【0048】
上記の表では、中央の4つのエントリが、解消挙動を示す。これらのエントリは、構造500の両側が、極と結合θ指向性磁束との間の遷移領域内にある状況に対応する。λ1、λ2が、示される場合には、ロータが構造500に対して移動するにつれて、λの変化率の部分的解消の可能性が、存在する。これは、漏出が、片側において増加しながら、他側において減少するように、θの関数として、トレースの間隔のために生じるであろう。相補的場合には、B⊥が、表内に示される場合、B⊥に基づく、トルクの完全または部分的な解消が、存在する。これらの場合には、誘発電流に基づくトルクは、低くあり得るが、比較的に高電流が、流動する。表の4つの角において、θ指向性損失項は、両側からの最小のθ指向性磁束が存在するため、小さい。
【0049】
8つの残りの場合は、構造500の一端に有意な
【数16】
が認められ、他端が、強力な軸方向磁束密度の領域内にある、状況に対応する。これらの場合には、
【数17】
は、ロータが遷移部を通して移動するにつれて、符号を変化させ、構造500の他側における対応する電流は、運動の方向に対向して、または運動の方向においてのいずれかでトルクを提供することができる。これらのエントリと関連付けられる負のトルク項は、正のトルクエントリを超過し、そのため、ロータが旋回する際のこれらの体制における隣接するトレースの平均的影響は、抗力である。しかしながら、関連付けられる項の対称性は、正味抗力効果が、個々の抗力項が示唆するであろうものより小さいことを示唆する。
【0050】
要約すると、第‘625号特許の教示に従う、典型的ステータの内側ビア構成は、ロータ上での極間漏出によって誘発される渦電流を限局化する。これらの渦電流は、抗力を生産するように磁束の軸方向磁束成分と相互作用し、また、ここでは考慮されない電機子反応を生産し得る。内側ビアが、除去される場合、これらの電流は、2つの極と関連付けられる半径方向巻線間に分散される。これはまた、認められる抵抗、およびそれにわたって漏出磁束が統合され、EMFをループ状に形成する面積を増加させ得、そうではない場合には同等の設計にある。しかしながら、内側ビアを伴わないステータによって形成される、拡張されたループにわたる磁束の統合は、結合された磁束、極間、より低い渦電流、およびより低い正味抗力の変化率の解消の可能性をもたらす。
【0051】
最後に、ここで提供される説明が、シャフトがステータに内蔵される、「内部ランナ」タイプの機械のためのものであることに留意されたい。機械が、「外部ランナ」構築物である場合、すなわち、ステータが内半径において支持され、位相接続部、熱的接続部、および類似物が、内半径に配置される場合、ここで提供される説明は、同様に、逆転されることができる。具体的には、外部ランナ構築物の機械内の外側座巻は、ここで説明される内側座巻に類似し、ビアは、同様に、内半径に配置され、外半径において省略されるであろう。
【0052】
図5A-Bの構造500におけるように内側ビア108を排除するが、外半径における層を横断した座巻および熱機能の分布を温存する、ステータの開発は、第‘625号特許が説明するタイプのステータ内での内側ビア108の役割を考慮して進められる。本質的には、内側ビア構築物は、2つの機能を提供する。第1に、半径方向トレース106は、明示的に並列に接続され、第2に、内側座巻102は、任意の層上に、多種多様な方法において配置されることができる。第‘625号特許は、内側座巻102の具体的配分、すなわち、内側座巻102が単相と関連付けられる層上に位置する、構築物を開示する。必要な条件は、単に、「短絡回路」をもたらすであろう競合経路を伴わない、完全に接続される巻線を形成することである。内側ビア108が、省略される場合、所与の層上に存在する内側座巻102に対応する半径方向トレース106のみを用いて巻線を形成することが依然として可能である。内側座巻102の同一のセットを伴う2つ以上の層上に存在する、半径方向トレース106は、依然として、並列に接続されるが、その並列接続は、第1の角度における外側ビア110から第2の角度における外側ビア110まで延在する。対応する内側座巻102を伴わない、所与の層上の半径方向トレース106は、いかなる目的も果たさず、そのため、それらは、軸方向場成分に起因して、渦電流損失を低減させるために排除されてもよい。
【0053】
図6は、上記に説明されるように、内側ビア108を省略する構築物を伴う、ステータの単層600のある実施例を示す。示されるように、層600は、半径方向トレース606と、内側座巻602と、外側座巻604と、熱特徴608とを含んでもよい。層600では、半径方向トレース606はそれぞれ、対応する内側座巻602に接続されてもよく、内側座巻602を伴わない半径方向トレース606は、省略されてもよい。内側座巻602は、可能な限り密に充塞されてもよい。
図6の層600内で省略される半径方向トレース606が、異なる層上に出現することを確実にするために、その新しい層は、その内側座巻602を、それらが
図6に示されるものに相補的であるように回転または偏移させてもよい。そのような相補的層(半径方向トレース706と、内側座巻702と、外側座巻704と、熱特徴708とを含む)のある実施例が、
図7に示される。
図7はまた、ステータ上の極に対応する角度αを描写する。ここから、ステータ極は、ロータの角度に応じて、示されるステータの層上の巻の1つまたは2つの群に跨架してもよい。任意の角度において、ロータは、全ての角度におけるトレースが、他の層上に存在し得るため、全体として、ステータと均一に相互作用し得る。
【0054】
2つの層(または2つの層の複数のもの)を用いて、本構築物を伴うステータに、半径方向トレース606、706が均一に取り込まれ得ることを示す、
図6および7の層のオーバーレイが、
図8に提供される。第1の半径方向距離r1(機械のロータの回転軸と一致する、ステータの中心点802から測定される)と第2の半径方向距離r2(また、中心点802から測定される)との間に延在する、図示されるステータの環状領域は、機械の環状有効領域内に位置してもよい。機械のロータ(図示せず)に取り付けられる磁石の内径および外径は、それぞれ、半径方向距離r1(ロータの回転軸から測定される)および半径方向距離r2(また、ロータの回転軸から測定される)またはそれに近接して位置付けられ、したがって、環状有効領域内の軸方向に指向される磁気束を生成し得る。磁束密度測定値は、本領域内の磁束密度が、典型的には、機械の間隙内のピーク軸方向磁束密度の約40パーセントを上回る一方、本領域の外側における磁束密度が、典型的には、間隙内のピーク磁束密度の40パーセントを下回ることを実証する。
【0055】
図6および7では、外側座巻604、704は、第1の相(
図6)および第2の相(
図7)と関連付けられ、外側座巻の完全なセットを達成するために、3つの層を要求する。内側座巻602、702の完全なセットは、2つの層内で達成されることができる。外側座巻604、705は、より高い密度で配分され得るが、これらの接続を少なくとも3つの層にわたって分散させることは、熱特徴608、708、位相接続、および中性点接続のための余地を可能にする。外側ビア110は、熱、座巻、中性点、および接続構造が、複数の層にわたって分散されることを可能にする。外側ビア110はまた、類似の層が並列に接続されることも可能にする。
図9は、これが、実践的な18層ステータ900まで拡張されることを示す。外側ビアから内向きに、本構造内の全ての層は、交互に入れ替わる順序において、
図6または
図7のいずれかに対応する。
【0056】
ここで説明される巻線スキームを通した単相の軌跡は、第‘625号特許に対応する平面ステータ内の位相よりも幾分複雑である。
図6-9に示されるものと同一のステータを使用して、
図10および11は、内側座巻602、702および他の位相と関連付けられる全ての他の特徴を省略する、完全な単相接続1000を示す。
図11は、本巻線が、外側座巻604の配分の選択を原因として、3つの層にわたって分散され得ることを示す。ビア110の半径の内側において、半径方向トレース606、706および内側座巻602、702の2つのみの一意の編成が、存在し、そのうちの一方は、複数の2つのもの(すなわち、
図11に示される上部層および中央層上)を伴う、図示される構造内に生じる。
図11に表される2つの同じ内側部分のうち、外側機能性が、外側座巻604と熱特徴608、708との間で分裂される。熱特徴608、708が、省略される場合、完全なステータが、例えば、外側座巻604、704を再構成することによって、2つのみの層(例えば、
図11に示される上部および底部層)に作製されることができる。
【0057】
ここで説明される巻線の配列は、前述に説明される座巻に優る、いくつかの利点を有する。第1に、高速動作下で、ステータ内の渦電流損失が、従来の設計のステータと比較すると、低減される。これは、所与の効率レベルおよび類似物における、より高効率、より高速動作を達成するために、損失関連のトレードオフを促進する。第2に、ここで説明される設計内で持続する損失が、従来の構築のステータと比較して、機械の内半径から外半径に移動される。例えば、内半径ビア108には、循環電流のいかなる損失も、存在しない。第3に、ステータの製造に関して、内側ビア108は、多くの場合、トレースの製造から別個の動作において「穿孔」される。これは、平面ステータの層が、穿孔のために整合および精密に位置決めされることを要求する。実践では、これは、内側ビアの周囲に銅のクリアランスが要求されることを意味する。これは、所与の全体的サイズ内に収容され得る、半径方向特徴の数および組み合わせを制御する、内半径における特徴間の最小間隔を限定する。言い換えると、より高いトレース密度は、多くの場合、従来的設計のステータと比較して、内側ビア108を伴わないステータ上で可能である。
【0058】
本明細書に説明される設計は、20,000rpmを超過して効率的に動作する、機械の構築を可能にしている。同様に、これは、直径が2センチメートル未満の機械の構築も可能にしている。
【0059】
図1は、その中で内側座巻102および外側座巻104の機能が複数の層にわたって分散される、第‘625号特許に従って設計される、ステータ100の層の部分切取内部斜視図を示す。半径方向トレース106は、全ての層にわたって内側ビア108および外側ビア110の両方によって並列に接続される。
【0060】
図2は、
図1のステータの単層を示す。(
図1に示される)ビアは、特定の層上の内側座巻102または外側座巻104によって接続されていない半径方向トレース106が、並列接続によって半径方向トレース106の低減された抵抗に寄与することを可能にする。
【0061】
図3は、特定の幾何学形状のための空隙磁束密度の数値解を示す。特に、
図3は、定数rにおける、zおよびθ方向にある区分を表す。主な成分は、磁石306と、地鉄308と、対向極性の磁石306間の間隙304内の主として軸方向の解とを含む。極間での磁束漏出は、ステータ特徴と相互作用し、損失を引き起こし得る、θ指向性成分302を示す。
【0062】
図4Aは、
図1の構造に示されるもののような、従来のステータ内の略U字形状構造400aを示す。垂直軸が、明確化のために誇張される。
【0063】
図4Bは、
図4AのU字形状構造400aが、これが巻着解除され、平面状に描かれるように見えるであろう方法を表す、平面構造400bを示す。
図4Aと同様に、垂直軸は、明確化のために誇張される。
図4Bは、内側座巻102によって接続される、一対の半径方向トレース106a、106b内で駆動される電流の分布を図示する。示されるように、全体的構造は、外側ビア110aから始まり、半径方向トレース106aの第1のセットに沿って進行し、第1の内側ビア108aに遭遇し、内側座巻102のセットを横断し、第2の内側ビア108bに遭遇し、半径方向トレース106bの第2のセットに沿って進行し、第2の外側ビア110b上で終了する。構造は、
図3に示される複数の層を含み、示される間隙304内で公称上心合される。構造が、(
図3および4に示される)漏出磁束302に遭遇すると、これは、
図4Bに矢印404によって示される電流によって応答する。
図4Bは、間隙の中心線からのオフセットが減少するにつれて、構造の窓によって連結される漏出磁束302a-dが減少する方法を図式的に示す。明確化のために、矢印404によって示される応答電流は、構造400のその部分内に連結される磁束に対して、
図4Bの右側のみに示される。構造400の残部におけるいかなる応答も、それらの場所において連結される磁束に対するものであり、ビア108a、108bを原因として、応答電流404とは無関係であろう。
【0064】
図5Aは、略U字形状構造500aに類似するが、その中で内側ビア108a、108bが省略される、略U字形状構造500aを示す。垂直軸が、明確化のために誇張される。
【0065】
図5Bは、
図5AのU字形状構造500aが、これが巻着解除され、平面状に描かれるように見えるであろう方法を表す、平面構造500bを示す。
図5Aと同様に、垂直軸は、明確化のために誇張される。
図5Bは、漏出磁束302の課された時間変化率に対する本構造の電流応答(矢印504によって示される)を図示する。図示されるように、応答電流は、構造500の両側において流動する。
【0066】
図6は、内側座巻602が可能な限り高い密度を伴って存在し、内側座巻602に対応する半径方向トレース606のみが、層上に存在する、ステータの第1の層600を示す。本層上には、別の層上の内側座巻によって連結される必要がある、いかなる半径方向トレース606も存在しないため、内側ビア108の必要性は、存在しない。層600上の外側座巻604は、対応する半径方向トレース606がその層上に存在するかどうかにかかわらず、外側ビア110上で終端する。
【0067】
図7は、
図6に描写されるステータの第2の層700を示す。示されるように、内側座巻702および関連付けられる半径方向トレース706は、
図6に示される内側座巻602および半径方向トレース606に相補的である。
【0068】
図8は、層600が強調され、層700が陰影付けられる、
図6に示される層600と、
図7に示される層700との組み合わせ800を示す。
図8は、個々の層からの内側座巻602、702および半径方向トレース606、706が集合的に、2つの層にわたって半径方向トレースおよび内側座巻の完全な補完を提供することを示す。
【0069】
図9は、内側座巻602、702および半径方向トレース606、706が、
図8において確立されたパターンを辿り、外側ビア110が、複数の層にわたって座巻、熱、および接続特徴を分散させるために使用される、いくつかの層のアセンブリおよび組み合わせを示す。
【0070】
図10は、
図6および7に示される層600および700のように3つの層を重畳することによって確立され得る、内側座巻602、702と、他の位相と関連付けられる全ての他の特徴とを省略する、16極3巻巻線のための完全な単相接続1000を示す。図示される経路は、位相接続部1002から開始し、半径方向トレース606a、606b、706a、706bと、内側座巻602、702と、外側座巻604a、604bと、外側ビア110とを含む。図示されるように、中性点接続部1004の一部が、示される位相を他のものに接続し、中性点を形成してもよい。特に、他の位相化のための類似の特徴が考慮される場合、
図10の全ての特徴が、単層上に設置されることができるわけではない。
【0071】
図11は、斜視図において
図10の3つの層を図示する。
図10の単相は、
図6および7に示される両方のタイプの層600および700によって支持される。図示される実施例では、それらのタイプの層のうちの一方が、スタックにおいて、上部層および中央層の両方内で採用され、他方のタイプの層が、底部層内で採用される。その位相のための外側座巻604は、上部層上に出現する。その位相のための熱特徴は、それらが別の位相の座巻に干渉しない、底部層上に出現する。また、底部層上にあるものは、電力コネクタ1002である。中央層は、中性点接続部1004を含む。
【0072】
図12および13は、それぞれ、
図10および11に示されるステータ1000内に具現化され、本明細書において概説されるように、軸方向磁束機械のための種々の性能恩恵を提供し得る、第1の例示的構造1200および第2の例示的構造1300を示す。本点について、構造1200、1300が、ステータ1000以外の構造に対する可用性を有し、類似の恩恵を提供し得ることを理解されたい。故に、
図10および11に示される特定の構成の付加的特徴および/または微妙な差異は、限定するものとして見なされるべきではない。
【0073】
最初に
図12を参照すると、半径方向トレース706a、706bおよび内側座巻702aは、第1の伝導性層内に含まれてもよく、外側座巻604aは、第2の伝導性層内に含まれてもよい。具体的に図示されないが、構造1200が、加えて、そのような伝導性層を支持する、1つ以上の誘電性基板を含み得ることを理解されたい。そのような誘電性基板は、回転軸を中心として回転するように構成されるロータを含む、軸方向磁束機械の環状有効領域内に位置付けられるように適合されてもよい。上記に記載されるように、半径方向トレース706a、706bが配置される、ステータの環状部分は、それが主として、機械内でのトルクの生産に関わる領域であるため、機械の「有効」領域内に位置付けられてもよい。
【0074】
図12に示されるように、構造1200はまた、第1の伝導性層と第2の伝導性層との間に延在する、少なくとも第1の伝導性ビア110aと、第2の伝導性ビア110cとを含んでもよい。第1の伝導性ビア110aおよび第2の伝導性ビア110dは、環状有効領域の第1の側において半径方向に位置するように位置付けられてもよい。いくつかの実装では、付加的伝導性ビア110b、110dも、同様に、第1の伝導性層と第2の伝導性層との間に(例えば、それぞれ、第1および第2の伝導性ビア110a、110cと並列に)延在してもよく、また、環状有効領域の第1の側において半径方向に位置するように位置付けられてもよい。半径方向トレース706a、706bおよび内側座巻702aは、ともに、第1の伝導性層内に第1の伝導性トレースを形成してもよい。内側座巻702aは、環状有効領域の第2の側において半径方向に位置するように位置付けられてもよく、第2の側は、第1の側に対向する。示されるように、その第1の伝導性トレースは、第1の伝導性ビア110aから開始し、内側座巻702aを通して通過し、第2の伝導性ビア110cにおいて終了する、第1の経路に沿って延在してもよい。
【0075】
外側座巻604aは、第2の伝導性層内に第2の伝導性トレースを形成してもよい。外側座巻604aは、環状有効領域の第1の側において半径方向に位置するように位置付けられてもよい。示されるように、その第2の伝導性トレースは、第2の伝導性ビア110cから開始し、外側座巻604aを通して通過する、第2の経路に沿って延在してもよい。第2の伝導性トレース(例えば、外側座巻604aを含む)は、第1および第2の経路が直列に接続されるように、第2の伝導性ビア110cを通して、第1の伝導性トレース(例えば、半径方向トレース706a、706bと、内側座巻702とを含む)に接続されてもよい。いくつかの実装では、第2の伝導性トレース(例えば、外側座巻604aを含む)は、第1の伝導性層と第2の伝導性層との間に延在し、環状有効領域の第1の側において半径方向に位置するように位置付けられ得る、付加的伝導性ビア(
図12に図示せず)上で終端し、したがって、付加的伝導性ビアから別の半径方向トレース(また、
図12に図示せず)への接続を可能にしてもよい。そのような付加的伝導性ビアの場所は、ステータの巻線が、蛇行パターンまたはコイルパターンにおいて配列されるかどうかに依存し得る。
【0076】
図12に見られ得るように、構造1200では、第1の伝導性トレース(例えば、半径方向トレース706a、706bと、内側座巻702とを含む)および第2の伝導性トレース(例えば、外側座巻604aを含む)を相互接続する、全ての伝導性ビアが、環状有効領域の第1の側において半径方向に位置するように位置付けられる。環状有効領域の第2の側ならびに他の場所における伝導性ビアの省略は、上記に概説されるように、θ指向性磁束によって引き起こされる渦電流に起因して、損失を低減させること等の多数の利点を提供し得る。
【0077】
次に
図13を参照すると、半径方向トレース606c、606dおよび内側座巻602aが、第1の伝導性層内に含まれてもよく、半径方向トレース606e、606fおよび内側座巻602bが、第2の伝導性層内に含まれてもよい。具体的に図示されないが、構造1300が、加えて、そのような伝導性層を支持する、1つ以上の誘電性基板を含み得ることを理解されたい。そのような誘電性基板は、回転軸を中心として回転するように構成されるロータを含む、軸方向磁束機械の環状有効領域内に位置付けられるように適合されてもよい。上記に記載されるように、半径方向トレース606c、606d、606e、606fが配置される、ステータの環状部分は、それが主として、機械内でのトルクの生産に関わる領域であるため、機械の「有効」領域内に位置付けられてもよい。
【0078】
図13に示されるように、構造1300はまた、第1の伝導性層と第2の伝導性層との間に延在する、少なくとも第1の伝導性ビア110eと、第2の伝導性ビア110gとを含んでもよい。第1の伝導性ビア110eおよび第2の伝導性ビア110gは、環状有効領域の第1の側において半径方向に位置するように位置付けられてもよい。いくつかの実装では、付加的伝導性ビア110f、110hも、同様に、第1の伝導性層と第2の伝導性層との間に(例えば、それぞれ、第1および第2の伝導性ビア110e、110gと並列に)延在してもよく、また、環状有効領域の第1の側において半径方向に位置するように位置付けられてもよい。
【0079】
半径方向トレース606c、606dおよび内側座巻602aは、ともに、第1の伝導性層内に第1の伝導性トレースを形成してもよい。内側座巻602aは、環状有効領域の第2の側において半径方向に位置するように位置付けられてもよく、第2の側は、第1の側に対向する。示されるように、その第1の伝導性トレースは、第1の伝導性ビア110eから開始し、内側座巻602aを通して通過し、第2の伝導性ビア110gにおいて終了する、第1の経路に沿って延在してもよい。同様に、半径方向トレース606e、606fおよび内側座巻602bは、ともに、第2の伝導性層内に第2の伝導性トレースを形成してもよい。内側座巻602bは、環状有効領域の第2の側において半径方向に位置するように位置付けられてもよい。示されるように、その第2の伝導性トレースは、第1の伝導性ビア110eから開始し、内側座巻602bを通して通過し、第2の伝導性ビア110gにおいて終了する、第2の経路に沿って延在してもよい。
【0080】
図13に見られ得るように、構造1300では、第1の伝導性トレース(例えば、半径方向トレース606c、606dと、内側座巻602aとを含む)および第2の伝導性トレース(例えば、半径方向トレース606e、606fと、内側座巻602bとを含む)を相互接続する、全ての伝導性ビアが、環状有効領域の第1の側において半径方向に位置するように位置付けられる。環状有効領域の第2の側ならびに他の場所における伝導性ビアの省略は、上記に概説されるように、θ指向性磁束によって引き起こされる渦電流に起因して、損失を低減させること等の多数の利点を提供し得る。
【0081】
少なくとも一実施形態のいくつかの側面を上記のように説明したが、種々の改変、修正、および改良が、当業者に容易に想起されるであろうことを理解されたい。そのような改変、修正、および改良は、本開示の一部であることが意図され、本開示の精神および範囲内であることが意図される。故に、前述の説明および図面は、実施例にすぎない。
【0082】
本開示の種々の側面は、単独で、組み合わせにおいて、または前述に説明される実施形態内で具体的に議論されていない様々な配列において使用され得、したがって、本願では、前述の説明に記載または図面内に図示される構成要素の詳細および配列に限定されない。例えば、一実施形態において説明される側面は、任意の様式において、他の実施形態において説明される側面と組み合わせられてもよい。
【0083】
また、開示される側面は、その実施例が提供されている方法として具現化され得る。方法の一部として実施される行為は、任意の好適な方法で順序付けられてもよい。故に、例証的実施形態では順次行為として示されたとしても、いくつかの行為を同時に実施することを含み得る、図示されるものと異なる順序で行為が実施される実施形態が、構築されてもよい。
【0084】
請求項要素を修飾するための請求項内での「第1」、「第2」、「第3」等の序数用語の使用は、それ自体で一請求項要素の、別のものに優るいかなる優先順位、優先権、または順序、もしくは方法の行為が実施される時間的順序も暗示せず、単に、ある名称を有する1つの請求される要素を(序数用語の使用がなければ)同一の名称を有する別の要素から区別し、請求項要素を区別するための標識として使用される。
【0085】
また、本明細書に使用される語法および専門用語は、説明の目的のために使用され、限定するものとして見なされるべきではない。「including(~を含む)」、「comprising(~を備える)」、または「having(~を有する)」、「containing(~を含有する)」、「involving(~を伴う)」、およびそれらの変形例の使用は、本明細書では、その後に列挙される物品、およびその均等物、ならびに付加的な物品を包含することを意味する。
【0086】
請求されるものは、以下の通りである。
【国際調査報告】