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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-08
(54)【発明の名称】シールドケーブル接続構造
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/6592 20110101AFI20240801BHJP
【FI】
H01R13/6592
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508979
(86)(22)【出願日】2022-08-19
(85)【翻訳文提出日】2024-02-14
(86)【国際出願番号】 CN2022113497
(87)【国際公開番号】W WO2023025047
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】202110964139.8
(32)【優先日】2021-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202121972383.0
(32)【優先日】2021-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522388383
【氏名又は名称】長春捷翼汽車科技股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Changchun JETTY Automotive Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】No. 957, Shunda Road, High-tech Development Zone, Chaoyang District Changchun City, Jilin Province, 130000, China
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】王 超
【テーマコード(参考)】
5E021
【Fターム(参考)】
5E021FA02
5E021FA08
5E021FA14
5E021FB07
5E021FC21
5E021LA09
(57)【要約】
本発明は、シールドケーブル接続構造を提供する。シールドケーブル接続構造は、コネクタとシールドケーブルとを備え、前記シールドケーブルは、導電性コアとシールド層とを有し、前記コネクタの内部に前記シールドケーブルを収容する第1キャビティが設けられており、前記コネクタは、前記第1キャビティの内面に設けられており、前記シールド層に電気的に接続されている導電層を有する。本発明によれば、シールドケーブルの接続箇所における電磁干渉が深刻であるという技術的問題が緩和される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタとシールドケーブルとを備え、
前記シールドケーブルは、導電性コアとシールド層とを有し、
前記コネクタの内部に前記シールドケーブルを収容する第1キャビティが設けられており、
前記コネクタは、前記第1キャビティの内面に設けられており、前記シールド層に電気的に接続されている導電層を有する、
シールドケーブル接続構造。
【請求項2】
前記導電層は、前記シールド層の外周の少なくとも一部を被覆している、
請求項1に記載のシールドケーブル接続構造。
【請求項3】
端子と絶縁ハウジングとをさらに備え、
前記端子は、前記導電性コアに電気的に接続されている接続端を有し、
前記絶縁ハウジングには、前記端子を収容する第2キャビティが設けられており、
前記導電層は、前記絶縁ハウジングの外周の少なくとも一部を取り囲んでいる、
請求項1に記載のシールドケーブル接続構造。
【請求項4】
前記コネクタは、前記導電層の外周の少なくとも一部に設けられている絶縁保護層を有する、
請求項1に記載のシールドケーブル接続構造。
【請求項5】
前記シールドケーブルは、内絶縁層をさらに有し、
前記導電性コアは、前記内絶縁層の内側に設けられており、
前記シールド層は、前記内絶縁層の外周の少なくとも一部を被覆している、
請求項1に記載のシールドケーブル接続構造。
【請求項6】
前記シールドケーブルは、外絶縁層をさらに有し、
前記シールド層は、前記外絶縁層の内側に設けられており、
前記第1キャビティ内に位置する前記シールド層の端部は、前記外絶縁層の外周の少なくとも一部を被覆するように外側に折り返されている、
請求項1に記載のシールドケーブル接続構造。
【請求項7】
前記シールドケーブルは、シールド装置をさらに有し、
前記シールド装置は、前記シールド層の外周の少なくとも一部に設けられており、
前記シールド層は、前記シールド装置を介して前記導電層に電気的に接続されている、
請求項1に記載のシールドケーブル接続構造。
【請求項8】
前記シールド装置と前記シールド層とは、圧着又は溶接又は接着により接続されている、
請求項7に記載のシールドケーブル接続構造。
【請求項9】
前記シールド装置は、縦方向に配置されている第1嵌着リング及び第2嵌着リングを有し、
前記第1嵌着リングの内径は、前記第2嵌着リングの内径より小さく、
前記シールド層は、前記第1嵌着リングの外周の少なくとも一部を被覆するように外側に折り返されており、
前記シールド層と前記第1嵌着リングとが固接されており、前記第2嵌着リングと前記導電層とが電気的に接続されている、
請求項7に記載のシールドケーブル接続構造。
【請求項10】
前記第1キャビティの内面に設けられている導電性弾性片をさらに備え、
前記導電性弾性片は、前記シールド層に接触して接続されており、
前記導電性弾性片によって前記シールド層に圧力が加えられる、
請求項1に記載のシールドケーブル接続構造。
【請求項11】
前記第1キャビティの内面に設けられている導電性弾性片をさらに備え、
前記導電性弾性片は、前記シールド装置に接触して接続されており、
前記導電性弾性片によって前記シールド装置に圧力が加えられる、
請求項7に記載のシールドケーブル接続構造。
【請求項12】
前記導電性弾性片によって加えられる圧力の範囲は、0.3N~95Nである、
請求項10又は11に記載のシールドケーブル接続構造。
【請求項13】
前記導電性弾性片は、一端が前記第1キャビティの内面に固定されており、他端の自由状態における最小内径が前記シールド層の外径以下である、
請求項10に記載のシールドケーブル接続構造。
【請求項14】
前記導電性弾性片は、一端が前記第1キャビティの内面に固定されており、他端の自由状態における最小内径が前記シールド装置の外径以下である、
請求項11に記載のシールドケーブル接続構造。
【請求項15】
前記導電性弾性片の両端は、いずれも前記第1キャビティの内面に固定されており、前記導電性弾性片の中央部の自由状態における最小内径は、前記シールド層の外径以下である、
請求項10に記載のシールドケーブル接続構造。
【請求項16】
前記導電性弾性片の両端は、いずれも前記第1キャビティの内面に固定されており、前記導電性弾性片の中央部の自由状態における最小内径は、前記シールド装置の外径以下である、
請求項11に記載のシールドケーブル接続構造。
【請求項17】
前記導電性弾性片は、ベースベルトと、複数の弾性片とを有し、
前記ベースベルトは、前記第1キャビティの内面に固定されており、
複数の前記弾性片の一端は、前記ベースベルトに固定されている、
請求項13又は14に記載のシールドケーブル接続構造。
【請求項18】
前記ベースベルトの数は2つであり、2つの前記ベースベルトはいずれも前記第1キャビティの内面に固定されており、
複数の前記弾性片の両端はそれぞれ2つの前記ベースベルトに固定されている、
請求項17に記載のシールドケーブル接続構造。
【請求項19】
前記ベースベルトと前記第1キャビティの内面とは、溶接方式、接着方式、一体射出成形方式、嵌め込み方式又は係合方式により接続されている、
請求項18に記載のシールドケーブル接続構造。
【請求項20】
前記導電層と前記シールド層との間のインピーダンスは80mΩ未満である、
請求項1に記載のシールドケーブル接続構造。
【請求項21】
前記導電層は、金属インサート、導電めっき層、導電コーティング層、導電性非金属インサート、導電性非金属プラスチック部材の1種又は複数種である、
請求項1に記載のシールドケーブル接続構造。
【請求項22】
前記導電層の伝達インピーダンスは100mΩ未満である、
請求項1に記載のシールドケーブル接続構造。
【請求項23】
前記金属インサートの材質は、ニッケル、カドミウム、ジルコニウム、クロム、コバルト、マンガン、アルミニウム、錫、チタン、亜鉛、銅、銀、金、リン、テルル、ベリリウムのうちの1種又は複数種を含む、
請求項21に記載のシールドケーブル接続構造。
【請求項24】
前記導電めっき層の材質は、金、銀、銅、ニッケル、チタン、錫、アルミニウム、カドミウム、ジルコニウム、クロム、コバルト、マンガン、亜鉛、リン、テルル、ベリリウム、錫鉛合金、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀及び銀金ジルコニウム合金のうちの1種又は複数種を含む、
請求項21に記載のシールドケーブル接続構造。
【請求項25】
前記導電コーティング層の材質は、金、銀、銅、ニッケル、チタン、錫、アルミニウム、カドミウム、ジルコニウム、クロム、コバルト、マンガン、亜鉛、リン、テルル、ベリリウム、錫鉛合金、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀及び銀金ジルコニウム合金のうちの1種又は複数種を含む、
請求項21に記載のシールドケーブル接続構造。
【請求項26】
前記導電性非金属インサートの材質は、導電性セラミックス、炭素含有導体、固体電解質、混合導体、導電性高分子材料のうちの1種又は複数種の組み合わせを含む、
請求項21に記載のシールドケーブル接続構造。
【請求項27】
前記炭素含有導体は、グラファイト粉、カーボンナノチューブ材料、グラフェン材料のうちの1種又は複数種を含む、
請求項26に記載のシールドケーブル接続構造。
【請求項28】
前記導電性非金属プラスチック部材は、金属粒子含有の高分子材料であり、前記金属粒子の材質は、ニッケル、カドミウム、ジルコニウム、クロム、コバルト、マンガン、アルミニウム、錫、チタン、亜鉛、銅、銀、金、リン、テルル、ベリリウムのうちの1種又は複数種を含み、
前記高分子材料の材質は、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリウレタン、ポリテレフタル酸、ポリウレタンエラストマー、スチレンブロック共重合体、パーフルオロアルコキシアルカン、塩素化ポリエチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリスチレン、シリコーンゴム、架橋ポリオレフィン、エチレンプロピレンゴム、エチレン/酢酸ビニル共重合体、クロロプレンゴム、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ニトリルゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、フッ素ゴム、ポリウレタンゴム、ポリアクリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、エピクロロヒドリンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、クロロスルフィドゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、水素化ニトリルゴム、ポリスルフィドゴム、架橋ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリエステル、フェノール樹脂、尿素ホルムアルデヒド、スチレン-アクリロニトリル共重合体、ポリメタクリレート、ポリオキシメチレン樹脂のうちの1種又は複数種である、
請求項21に記載のシールドケーブル接続構造。
【請求項29】
前記導電性非金属プラスチック部材は、押出工程、射出工程、ディップ工程、ブロー工程、発泡工程、スプレー塗布工程、印刷工程、3D印刷工程のうちの1種又は複数種の工程によって加工されたものである、
請求項21に記載のシールドケーブル接続構造。
【請求項30】
前記絶縁ハウジングの材質は、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリウレタン、ポリテレフタル酸、ポリウレタンエラストマー、スチレンブロック共重合体、パーフルオロアルコキシアルカン、塩素化ポリエチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリスチレン、シリコーンゴム、架橋ポリオレフィン、エチレンプロピレンゴム、エチレン/酢酸ビニル共重合体、クロロプレンゴム、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ニトリルゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、フッ素ゴム、ポリウレタンゴム、ポリアクリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、エピクロロヒドリンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、クロロスルフィドゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、水素化ニトリルゴム、ポリスルフィドゴム、架橋ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリエステル、フェノール樹脂、尿素ホルムアルデヒド、スチレン-アクリロニトリル共重合体、ポリメタクリレート、ポリオキシメチレン樹脂のうちの1種又は複数種を含む、
請求項3に記載のシールドケーブル接続構造。
【請求項31】
前記絶縁保護層の材質は、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリウレタン、ポリテレフタル酸、ポリウレタンエラストマー、スチレンブロック共重合体、パーフルオロアルコキシアルカン、塩素化ポリエチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリスチレン、シリコーンゴム、架橋ポリオレフィン、エチレンプロピレンゴム、エチレン/酢酸ビニル共重合体、クロロプレンゴム、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ニトリルゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、フッ素ゴム、ポリウレタンゴム、ポリアクリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、エピクロロヒドリンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、クロロスルフィドゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、水素化ニトリルゴム、ポリスルフィドゴム、架橋ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリエステル、フェノール樹脂、尿素ホルムアルデヒド、スチレン-アクリロニトリル共重合体、ポリメタクリレート、ポリオキシメチレン樹脂のうちの1種又は複数種を含む、
請求項4に記載のシールドケーブル接続構造。
【請求項32】
前記シールド装置の材質は、ニッケル、カドミウム、ジルコニウム、クロム、コバルト、マンガン、アルミニウム、錫、チタン、亜鉛、銅、銀、金、リン、テルル、ベリリウムのうちの1種又は複数種を含む、
請求項7に記載のシールドケーブル接続構造。
【請求項33】
前記導電性弾性片の材質は、ニッケル、カドミウム、ジルコニウム、クロム、コバルト、マンガン、アルミニウム、錫、チタン、亜鉛、銅、銀、金、リン、テルル、ベリリウムのうちの1種又は複数種を含む、
請求項10又は11に記載のシールドケーブル接続構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
【0002】
本願は、2021年7月23日に提出された出願番号が202110839634.6である中国特許出願の優先権を主張し、当該特許出願に開示された内容を本願の一部として援用する。
【0003】
本願は、特許出願番号が202110964139.8であり、出願日が2021年08月21日であり、発明名称が「シールドケーブル接続構造」である中国特許出願の優先権を主張するとともに、特許出願番号が202121972383.0であり、出願日が2021年08月21日であり、発明名称が「シールドケーブル接続構造」である中国実用新案出願の優先権を主張する。
【0004】
本発明は、電気接続部品の技術分野に関し、特にシールドケーブル接続構造に関する。
【背景技術】
【0005】
高電圧ケーブル及びデータ通信ケーブルは、電流及び信号の導通に用いられる。電磁干渉の影響を低減するために、高電圧ケーブル及びデータ通信ケーブルは、通常、シールドケーブルを採用する。ケーブルの両端において、シールドケーブルのシールド層は、シールド装置に接続されて接地される。
【0006】
シールドケーブルは、通常、内側から外側に向かって順に配置された導電性コア及びシールド層を有する。相手方ケーブル又は電気機器との接続を容易にするために、ケーブルの端部は通常、コネクタに接続される。コネクタは一般的にシールド装置によるシールドがなされていないため、コネクタにおいて大きな電磁干渉が発生してしまう。
【0007】
コネクタの内部又は外部に金属カバーを設けることで、シールド効果を奏することができるが、金属カバーの加工が困難であり、コストが高く、金属カバーとコネクタとの装着にも手間がかかり、装着工数が増加する。また、金属カバーがコネクタの内部に設けられた場合、導電性コアと短絡しやすく、シールド層の損傷、ひいてはケーブルの焼損等の深刻な事故の発生を招いてしまう。
【0008】
従って、電気接続部品の技術分野において、シールドケーブルの接続箇所における深刻な電磁干渉を緩和するためのシールドケーブルの接続構造が急務となっている。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、シールドケーブルの接続箇所における深刻な電磁干渉を緩和するためのシールドケーブル接続構造を提供することを目的とする。
【0010】
本発明の上記目的は、以下の技術的手段によって実現され得る。
【0011】
本発明はシールドケーブル接続構造を提供する。シールドケーブル接続構造は、コネクタとシールドケーブルとを備え、前記シールドケーブルは、導電性コアとシールド層とを有し、前記コネクタの内部に前記シールドケーブルを収容する第1キャビティが設けられており、前記コネクタは、前記第1キャビティの内面に設けられており、前記シールド層に電気的に接続されている導電層を有する。
【0012】
本発明の特徴及び利点は以下の通りである。
【0013】
1.上記のシールドケーブル接続構造では、コネクタがケーブルの端部及び端子を包み、導電層がケーブルのシールド層と電気的に接続され、導電層及びケーブルのシールド層がケーブルの導電性コアを包む。これにより、ケーブル及びその端部に接続された端子を安全にシールドし、電磁干渉の影響を低減させることができる。上記のシールドケーブル接続構造は、金属カバーを省略したため、装着しやすく、加工工数を節約し、シールドケーブル接続構造のコストを低減することができる。
【0014】
2.上記のシールドケーブルの接続構造において、シールド装置が設けられることにより、コネクタの導電層とシールドケーブルのシールド層との接続をより安定させ、より良いシールド効果を得ることができる。
【0015】
3.上記のシールドケーブルの接続構造において、導電性弾性片が設けられることにより、シールド層又はシールド装置に圧力を加えることが可能となり、より良い導電効果を得ることができる。また、ケーブルと導電層とを容易に挿着させることができ、装着時間を節約し、生産効率を向上させることができる。
【0016】
4.上記のシールドケーブル接続構造において、接続箇所におけるインピーダンス及び導電層自体の伝達インピーダンスの範囲が設定されていることにより、導電層の材料の選択及び接続箇所についての設計をより確実に行うようにすることができる。
【0017】
5.上記のシールドケーブル接続構造において、導電層、シールド装置、導電性弾性片、絶縁ハウジング及び絶縁保護層はいずれも多種の材質で加工可能とすることにより、設計者の選択範囲を広くし、使用環境ごとの多くの材料選択の実施方法を増加可能となる。
【0018】
以下の図面は、本発明を模式的に説明及び解釈することを意図するものに過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本発明に係るシールドケーブル接続構造の構造模式図である。
図2図2は、本発明に係るシールドケーブル接続構造の構造模式図である。
図3図3は、本発明に係るシールドケーブル接続構造の構造模式図である。
図4図4は、本発明に係るシールドケーブル接続構造の構造模式図である。
図5図5は、本発明に係るシールドケーブル接続構造の構造模式図である。
図6図6は、本発明に係るシールドケーブル接続構造の構造模式図である。
図7図7は、本発明に係るシールドケーブル接続構造の構造模式図である。
図8図8は、本発明に係るシールドケーブル接続構造の構造模式図である。
図9図9は、本発明に係るシールドケーブル接続構造の構造模式図である。
図10図10は、本発明に係るシールドケーブル接続構造の構造模式図である。
図11図11は、本発明に係るシールドケーブル接続構造における導電性弾性片の構造模式図である。
図12図12は、本発明に係るシールドケーブル接続構造における導電性弾性片の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の技術的特徴、目的及び効果をより明確に理解するために、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。本発明の説明において、特に断りのない限り、「複数」は2つ以上を意味するものである。
【0021】
実施形態1
本発明は、シールドケーブル接続構造を提供する。図1図3に示すように、該シールドケーブル接続構造は、コネクタ5とシールドケーブルとを備え、シールドケーブルが導電性コア11とシールド層13とを有し、コネクタ5の内部にシールドケーブルを収容する第1キャビティ21が設けられ、コネクタ5が導電層22を有し、導電層22が第1キャビティ21の内面に設けられ、且つシールド層13に電気的に接続されている。
【0022】
高電圧ケーブルは、内部に大電流が伝送されるため、電流が流れると大きな電磁界が発生し、大電流による電磁界が周囲環境における電気機器に対して電磁干渉し、他の電気機器の正常動作に影響を与えることを防止するために、大電流により発生した電磁界を電磁シールドする必要がある。データ通信ケーブルの場合、その逆となり、つまり、その内部で電磁信号を伝送し、該電磁信号が外部の電磁界により干渉されるため、電磁信号が歪んでしまい、信号を効果的に伝送できないことにより、外部の電磁界干渉をシールドするために電磁シールドが必要である。
【0023】
電磁シールドとは、主にシールド体を用いて高周波電磁界の影響を防止し、ある領域から別の領域への電磁波の放射伝搬を効果的に制御することをいう。その基本原理としては、低抵抗値の導体材料を用いてシールド体を作製し、電磁波のシールド体の表面での反射やシールド体の内部での吸収及び伝送過程における損失によりシールド作用を発揮させることである。
【0024】
いくつかの実施例では、図1に示すように、コネクタ5の全体は導電層22で構成されている。これにより、構造が簡単であり、良好なシールド効果を実現できる。
【0025】
本実施例において、シールドケーブル接続構造は、コネクタ5がケーブルの端部及び端子3を囲み、導電層22がシールドケーブルのシールド層13に電気的に接続されており、導電層22とシールドケーブルのシールド層13がケーブルの導電性コア11を囲む。これにより、導電性コア11及びその端部に接続された端子3に対して安全にシールドし、電磁干渉の影響を低減することができる。このシールドケーブル接続構造は、金属カバーを省略したため、装着しやすく、加工工数を節約し、シールドケーブル接続構造のコストを低減することができる。
【0026】
一実施形態において、導電層22がシールド層13の外周の少なくとも一部を被覆し、導電層22とシールド層13とが360°周方向に接触して電気的に接続されていることにより、内部において導電性コア11及び端子3を密閉する電磁シールド構造とすることができ、電磁シールドの効果を最適にすることができる。電磁シールド構造において様々な隙間が生じると、電磁シールドの完全性に対し異なる大きさの影響を与え、電磁波が隙間から放射又は進入して、電磁干渉を発生させてしまうおそれがある。従来技術において、通常、織網によって形成されたシールド層を分散させてから、1本の配線を形成して金属シールドシェルに溶接することにより、電磁干渉が分散されたシールド層の隙間から放射又は進入して、信号の伝達に影響を与えてしまう。また、導電層22とシールド層13とが単一箇所で接続される場合、接続箇所に大きな電流が流れて磁界が発生し、さらに、この磁界が導電性コア11によって発生された磁界と結合することにより、ケーブル全体の接続箇所に大きな放射が発生し、他の電気機器の動作状態に深刻な影響を与えてしまう。本実施例において、導電層22がシールド層13の外周の少なくとも一部を被覆するようにして、密閉された電磁シールド構造を形成することにより、電磁波の放射を効果的に制御し、良好なシールド効果を奏することができる。
【0027】
一実施形態において、端子3と絶縁ハウジング24とをさらに備え、端子3は、導電性コア11に電気的に接続される接続端31を有し、絶縁ハウジング24には、端子3を収容する第2キャビティ23が設けられ、導電層22は、絶縁ハウジング24の外周の少なくとも一部を被覆する。
【0028】
本実施例に係るシールドケーブルの接続構造は、一般的にケーブルの終端であり、電気回路を形成するために、電気装置又は他のコネクタとの嵌合を行う必要があり、この場合、絶縁ハウジング24の第2キャビティ23内に端子3を取り付け、電気装置又は他のコネクタの相手方端子を端子3と電気的に接続するようにしてもよい。また、コネクタ5を電気装置又は他のコネクタと嵌合するようにしてもよい。絶縁ハウジング24が導電層22の内部に設けられるのは、導電層22と端子3とを遮断し、両者の接触による短絡を回避するためである。上記のシールドケーブル接続構造は、端子3と相手方端子との接続箇所の安全なシールド効果を確保し、電磁干渉の影響を大幅に低減することができる。図1に示すように、ケーブル挿通方向Aは、第1キャビティ21から第2キャビティ23に向かう方向であってもよい。
【0029】
コネクタ5は、全体として筒状である。一実施形態において、コネクタ5は絶縁保護層25を有し、図3に示すように、絶縁保護層25が導電層22の外周の少なくとも一部に設けられる。導電層22がシールド機能を有し、導電層22の外側は絶縁保護層25により保護されることで、外部との導電を避け、シールド効果を確保できる。
【0030】
一実施形態では、図1に示すように、シールドケーブルは内絶縁層12をさらに有し、導電性コア11が内絶縁層12の内側に設けられ、シールド層13は、内絶縁層12の外周の少なくとも一部を被覆する。内絶縁層12の役割としては、導電性コア11とシールドケーブルとを絶縁し、両者の接触による短絡を回避することである。
【0031】
一実施形態において、シールドケーブルは外絶縁層14をさらに有し、図4に示すように、シールド層13が外絶縁層14の内側に設けられ、且つシールド層13の第1キャビティ21内に位置する端部が外絶縁層14の外周の少なくとも一部を被覆するように外側に折り返されている。シールド層13は、シールドメッシュであってもよく、導電箔が内絶縁層12に巻き付けられたものであってもよい。シールド層13が切断又は剥離されると、金属線が露出し、金属線が導電性コア11に接触すると、短絡又はシールド不良が発生し得るため、一般的なシールドケーブルの接続構造の加工時に、シールド層13を、外絶縁層14の外周の少なくとも一部に被覆するように外側へ折り返して、導電層22と電気的に接続することで、シールド層13と導電性コア11との接触を回避できる。
【0032】
一実施形態では、シールドケーブルは、シールド層13の外周の少なくとも一部に設けられているシールド装置15をさらに有し、シールド層13がシールド層15を介して導電層22に電気的に接続されている。シールド層13は、シールドメッシュであってもよく、内絶縁層12に巻き付けられた導電箔であってもよい。シールド層13は柔軟な構造となっており、導電層22は一般的に硬い構造であり、両者が接触する場合、シールド層13の変形により、導電層22とシールド層13とが一時的に離間し、接触箇所におけるインピーダンスが変化し、シールドケーブル接続構造によるシールド効果が不安定になり、信号の伝達に影響を与えてしまう。従って、シールド装置15を用いてシールドメッシュと安定して接続する必要があり、シールド装置15は一般的に硬い構造であり、導電層22と良好な電気的接続を形成しやすく、安定したシールド効果を実現できる。
【0033】
さらに、シールド装置15とシールド層13とは、圧着又は溶接又は接着により接続される。本実施例において、シールド装置15は金属リングであり、図5に示すように、シールド装置15はシールド層13に嵌着されており、圧着又は溶接又は接着により接続されている。
【0034】
圧着とは、圧着クランプ又は圧着設備を用いて、シールド装置15に一定の作用力を加えて、シールド装置15を内側に変形させてシールド層13に圧着することで、シールドメッシュ13とシールド装置15とを相対的に固定させて大きな接触面積を形成し、良好な電気的接続を確保することである。
【0035】
溶接方式とは、レーザー溶接、超音波溶接、抵抗溶接、圧力拡散溶接又はろう付けなどの方式を含み、熱エネルギー又は圧力を集中させることにより、シールドメッシュ13とシールド装置15との接触箇所に溶融接続を発生させることである。溶接方式による接続が安定し、異種材料の接続も実現でき、接触箇所が溶融するため、導電効果がより良くなる。
【0036】
接着方式とは、導電性接着剤を用い、シールドメッシュ13とシールド装置15とを接着することである。このような方式は、設備の使用を要しなく、シールドメッシュ13とシールド装置15とを加熱したり変形させたりすることもなく、導電性接着剤により、シールドメッシュ13とシールド装置15とを十分に電気的に接続させる。この場合、導電効果が良いが、接続強度が低いため、接続強度に対する要求が高くなく、シールドメッシュ13とシールド装置15との融点又は強度が低い使用環境に適用されるのは好適である。
【0037】
さらに、図6に示すように、シールド装置15は、縦方向に配置される第1嵌着リングと第2嵌着リングとを有し、第1嵌着リングの内径が第2嵌着リングの内径より小さく、シールド層13は、第1嵌着リングの外周の少なくとも一部を被覆するように外側に折り返されて第1嵌着リングに固接されており、第2嵌着リングは、導電層22に電気的に接続されている。上記のように、一般的なシールドケーブル接続構造の加工時に、シールド層13を、外絶縁層14の外周の少なくとも一部を被覆するように外側に折り返してから導電層22と電気的に接続することにより、シールド層13と導電性コア11との接触を回避可能である。本実施例において、段付きの嵌着リングを用いて、シールド層13を第1嵌着リングの外周の少なくとも一部に被覆するように外側に折り返すことで、シールド層13と導電性コア11との接触を回避可能であり、第2嵌着リングと導電層22との良好な電気的接続を形成し、安定したシールド効果を実現できる。
【0038】
第2嵌着リング及び第1嵌着リングはケーブル挿通方向Aに沿って順に接続され、第2嵌着リングが、外絶縁層14の外周の少なくとも一部に外嵌し、第2嵌着リングの外壁が導電層22の内壁と接触して係合する。
【0039】
シールド層13と第1嵌着リングとは、圧着又は溶接又は接着により固接するようにしてもよく、接続方式は上記の通りである。
【0040】
一実施形態において、第1キャビティ21の内面に設けられている導電性弾性片4をさらに有し、図7及び図8に示すように、導電性弾性片4は、シールド層13に接触して接続されている。導電性弾性片4によってシールド層13に圧力が加えられ、導電層22が導電性弾性片4を介してシールド層13に電気的に接続されている。導電性弾性片4の少なくとも一部は、弾性を有し、当該部分は、シールドケーブルを押し付けるように内側に収縮する傾向があり、導電層22とシールド層13との間の電気的接続の安定性を確保する一方、シールドケーブルをケーブル挿通方向Aに沿って第1キャビティ21に挿通する場合、導電性弾性片4に接触して接続することができ、シールドケーブルとコネクタ5との組み立てを容易にし、装着及び加工の手間を節約できる。
【0041】
一実施形態において、第1キャビティ21の内面に設けられている導電性弾性片4をさらに有し、図9及び図10に示すように、導電性弾性片4は、シールドケーブルのシールド装置15に接触して接続されており、導電性弾性片4によってシールド装置15に圧力が加えられ、導電層22が導電性弾性片4を介してシールド装置15に電気的に接続されている。導電性弾性片4の少なくとも一部は、弾性を有し、当該部分は、シールド装置15を押し付けるように内側に収縮する傾向があり、導電層22とシールド装置15との間の電気的接続の安定性を確保する一方、シールドケーブルをケーブル挿通方向に沿って第1キャビティ21に挿通する場合、導電性弾性片4に接触して接続することができ、シールドケーブルとコネクタ5との組み立てを容易にし、装着及び加工の手間を節約できる。
【0042】
さらに、導電性弾性片4によって加えられる圧力の範囲は0.3N~95Nである。好ましくは、導電性弾性片4によって加えられる圧力の範囲は0.5N~50Nである。
【0043】
導電性弾性片4によってシールド層13に加えられる圧力が導電性弾性片4とシールド層13との間の接触抵抗に与える影響を検証するために、発明者は、導電性弾性片4によってシールド層13に加えられる圧力を例として、同じ形状、同じサイズの導電性弾性片4とシールド層13を選択し、導電性弾性片4とシールド層13との間の圧力を異なるものとし、導電性弾性片4とシールド層13との間の接触抵抗を観察し、テストを実施した。
【0044】
表1:異なる導電性弾性片とシールド層との間の圧力による接触抵抗への影響
【0045】
【表1】
【0046】
接触抵抗の検出方式として、マイクロ抵抗測定器を用いて、導電性弾性片4とシールド層13との接触箇所で抵抗測定し、マイクロ抵抗測定器の数値を読み取った。本実施例において、接触抵抗が50μΩ未満の場合に理想値であるとする。
【0047】
表1から分かるように、導電性弾性片4とシールド層13との間の圧力が0.3Nより小さい場合、結合力が小さすぎるため、両者の間の接触抵抗が理想値より高くなり、要求を満たさない。導電性弾性片4とシールド層13との間の圧力が95Nより大きい場合、接触抵抗が著しく低下せず、材料の選択及び加工がより困難であり、圧力が大きすぎるとシールド層13に損傷を与えてしまう。そこで、発明者は、導電性弾性片4が加える圧力を0.3N~95Nとした。
【0048】
また、発明者は、導電性弾性片4とシールド層13との間の圧力が0.5Nより大きい場合、導電性弾性片4とシールド層13との間の接触抵抗値が比較的良好であり、低下の傾向が速く、導電性弾性片4とシールド層13との間の圧力が50Nより小さい場合、導電性弾性片の製造、取り付け、使用が便利であり、コストも低いことを見出した。そこで、導電性弾性片4が加える圧力の範囲は0.5N~50Nであることが好ましい。
【0049】
導電性弾性片4によってシールド装置15に加えられる圧力が導電性弾性片4とシールド装置15との間の接触抵抗に与える影響を検証するために、発明者は、導電性弾性片4によってシールド装置15に加えられる圧力を例として、同じ形状、同じサイズの導電性弾性片4とシールド装置15を選択し、導電性弾性片4とシールド装置15との間の圧力を異なるものとし、導電性弾性片4とシールド装置15との間の接触抵抗を観察し、テストを実施した。
【0050】
表2:異なる導電性弾性片とシールド装置との間の圧力による接触抵抗への影響
【0051】
【表2】
【0052】
接触抵抗の検出方式として、マイクロ抵抗測定器を用いて、導電性弾性片4とシールド装置15との接触箇所で抵抗測定し、マイクロ抵抗測定器の数値を読み取った。本実施例において、接触抵抗が50μΩ未満の場合に理想値であるとする。
【0053】
表2から分かるように、導電性弾性片4とシールド装置15との間の圧力が0.3Nより小さい場合、結合力が小さすぎるため、両者の間の接触抵抗が理想値より高くなり、要求を満たさない。導電性弾性片4とシールド装置15との間の圧力が95Nより大きい場合、接触抵抗が著しく低下せず、材料の選択及び加工がより困難であり、圧力が大きすぎるとシールド装置15に損傷を与えてしまう。そこで、発明者は、導電性弾性片4が加える圧力を0.3N~95Nとした。
【0054】
また、発明者は、導電性弾性片4とシールド装置15との間の圧力が0.5Nより大きい場合、導電性弾性片4とシールド装置15との間の接触抵抗値が比較的良好であり、低下の傾向が速く、導電性弾性片4とシールド装置15との間の圧力が50Nより小さい場合、導電性弾性片の製造、取り付け、使用が便利であり、コストも低いことを見出した。そこで、導電性弾性片4が加える圧力の範囲は0.5N~50Nであることが好ましい。
【0055】
一実施形態において、図7に示すように、導電性弾性片4の一端が第1キャビティ21の内面に固定されており、他端の自由状態における最小内径がシールド層13の外径以下である。このように、導電層22とシールド層13とは、導電性弾性片4を介して電気的に接続されている。
【0056】
一実施形態において、図9に示すように、導電性弾性片4の一端が第1キャビティ21の内面に固定されており、他端の自由状態における最小内径がシールド装置15の外径以下である。導電層22とシールド装置15とは、導電性弾性片4を介して電気的に接続されている。
【0057】
導電性弾性片4は、少なくとも部分的に弾性を有し、シールド層13に圧着される導電性弾性片4の一端の自由状態における最小内径がシールド層13又はシールド装置15の外径以下となるようにすることにより、導電性弾性片4をシールド層13又はシールド装置15に接触して接続する時、導電性弾性片4が内側に圧力を加え、該圧力がシールド層13又はシールド装置15に作用するようにすることができる。
【0058】
導電性弾性片4の内径は、ケーブル挿通方向に沿って徐々に小さくなり、導電性弾性片4の内径が小さい一端がシールド層13又はシールド装置15に圧着され、導電性弾性片4の内径が大きい一端が第1キャビティ21の内面に固定されている。これにより、ケーブル挿通方向に沿って第1キャビティ21に対しケーブルを進入させやすくなる。
【0059】
図7及び図9に示すように、導電性弾性片4は、ケーブル挿通方向に沿って内径が徐々に小さくなる収縮部45を有し、収縮部45の両端には、シールド層13又はシールド装置15に接触して接続される第1筒部と、第1キャビティ21の内面に固定される第2筒部とがそれぞれ設けられており、第1筒部の内径は、第2筒部の内径よりも小さい。
【0060】
一実施形態において、図8に示すように、導電性弾性片4の両端はいずれも第1キャビティの内面に固定されており、導電性弾性片4の中央部の自由状態における最小内径はシールド層13の外径以下である。
【0061】
一実施形態において、図10に示すように、導電性弾性片4の両端はいずれも第1キャビティの内面に固定されており、導電性弾性片4の中央部の自由状態における最小内径はシールド装置15の外径以下である。
【0062】
図8及び図10に示すように、導電性弾性片4の両端は、いずれも第1キャビティ21の内面に固定されており、導電性弾性片4の中央部は、シールド層13又はシールド装置15に接触接続されるように内側に収縮する。
【0063】
導電性弾性片4は、少なくとも部分的に弾性を有し、導電性弾性片4の中央部の自由状態における最小内径は、シールド層13又はシールド装置15の外径以下となるようにすることにより、導電性弾性片4の中央部が内側に圧力を加えて、該圧力がシールド層13又はシールド装置15に作用するようにすることができる。
【0064】
一実施形態において、導電性弾性片4は、ベースベルト41と複数の弾性片42とを有し、図7図9及び図11に示すように、ベースベルト41は、第1キャビティ21の内面に固定されており、複数の弾性片42は、一端がベースベルト41に固定されており、他端が自由端であり且つシールド層13又はシールド装置15に接触して接続されている。弾性片42は弾性を有し、シールド層13又はシールド装置15に接触して接続される導電性弾性片4の一端の自由状態における最小内径はシールド層13又はシールド装置15の外径以下となるようにしている。これにより、導電性弾性片4をシールド層13に圧着させる時、導電性弾性片4が内側に圧力を加え、該圧力はシールド層13又はシールド装置15に作用するようにすることができる。
【0065】
一実施形態において、ベースベルト41の数は2つであり、2つのベースベルト41はいずれも第1キャビティの内面に固定されており、複数の弾性片42の両端はそれぞれ2つのベースベルト41に固定されている。ベースベルト41は、第1ベースベルト43と、第2ベースベルト44とを有し、図8図10及び図12に示すように、第1ベースベルト43及び第2ベースベルト44は、いずれも第1キャビティ21の内面に固定されており、弾性片42の一端が第1ベースベルト43に固定され、弾性片42の他端が第2ベースベルト44に固定され、弾性片42の中央部が、シールド層13又はシールド装置15に接触して接続されるように内側に収縮する。
【0066】
一実施形態では、図7に示すように、ベースベルト41と第1キャビティ21の内面とは、溶接方式、接着方式、一体射出成形方式、嵌め込み方式又は係合方式により接続されている。図8に示すように、第1ベースベルト43と第1キャビティ21の内面とは、溶接方式、接着方式、一体射出成形方式、嵌め込み方式又は係合方式により接続されている。第2ベースベルト44と第1キャビティ21の内面とは、溶接方式、接着方式、一体射出成形方式、嵌め込み方式又は係合方式により接続されている。
【0067】
溶接方式とは、レーザー溶接、超音波溶接、抵抗溶接、圧力拡散溶接又はろう付けなどの方式を含み、熱エネルギー又は圧力を集中させることにより、ベースベルト41と第1キャビティ21の内面との接触箇所に溶融接続を発生させることである。溶接方式による接続が安定し、異種材料の接続も実現でき、接触箇所が溶融するため、導電効果がより良くなる。
【0068】
接着方式とは、導電性接着剤を用いて、ベースベルト41と第1キャビティ21の内面とを接着することである。このような方式は、設備の使用を要しなく、ベースベルト41と第1キャビティ21の内面を加熱したり変形させたりすることもなく、導電性接着剤により、ベースベルト41と第1キャビティ21の内面とを十分に電気的に接続させる。この場合、導電効果が良好であるが、接続強度が低いため、接続強度に対する要求が高くなく、ベースベルト41と第1キャビティ21の内面との融点又は強度が低い使用環境に適用されるのは好適である。
【0069】
一体射出成形方式とは、導電性弾性片4を射出成形金型に入れ、コネクタを加工する際に、第1キャビティ21の内面に直接一体射出成形することである。この場合、加工が簡単で迅速であり、他の装着工程を要しなく、装着時間を節約可能である。
【0070】
嵌め込み方式とは、第1キャビティ21の内面に凹溝を設けて、導電性弾性片4の第1ベースベルト43及び/又は第2ベースベルト44を凹溝内に嵌め込むことで、導電性弾性片4を第1キャビティ21の内面に固定させることである。
【0071】
係合方式とは、第1キャビティ21の内面に係合爪又は係合溝を設け、ベースベルト41に対応する係合溝又は係合爪を設けて、係合爪と係合溝とを係合させることで、導電性弾性片4を第1キャビティ21の内面に固定させることである。
【0072】
一実施形態において、導電層22とシールド層13との間のインピーダンスは80mΩ未満である。シールド層13によって生成された電流は、エネルギー源又は接地位置へ阻害されずに還流するように、導電層22とシールド層13との間のインピーダンスはできるだけ小さくすることが好ましい。導電層22とシールド層13との間のインピーダンスが大きいと、導電層22とシールド層13との間に大きな電流が生じ、ケーブルの接続箇所に大きな放射を発生させることになる。
【0073】
導電層22とシールド層13との間のインピーダンス値によるシールドケーブル接続構造のシールド効果への影響を検証するために、発明者は、同じ仕様のコネクタ5、ケーブル及び端子3を選択し、導電層22とシールド層13との間のインピーダンスを異なるものとし、一連のシールドケーブル接続構造のサンプルを製造し、シールドケーブル接続構造のシールド効果をそれぞれテストした。実験結果は以下の表3に示す。本実施例において、シールドケーブル接続構造のシールド性能値が40dBより大きい場合に理想値であるとする。
【0074】
シールド性能値のテスト方法として、テスト機器によりシールドケーブルに1つの信号値(この数値は第2テスト値である)を出力し、シールドケーブルの外側に検知装置を設置し、この検知装置により1つの信号値(この数値は第1テスト値である)を検知する。この場合、シールド性能値=第2テスト値-第1テスト値。
【0075】
表3:導電層22とシールド層13との間のインピーダンスによるシールド性能への影響
【0076】
【表3】
【0077】
表3から分かるように、導電層22とシールド層13との間のインピーダンス値が80mΩよりも大きい場合、シールドケーブル接続構造のシールド性能値が40dBよりも小さくなり、理想値の要求を満たさず、一方、導電層22とシールド層13との間のインピーダンス値が80mΩよりも小さい場合、シールドケーブル接続構造のシールド性能値が全て理想値の要求を満たしつつ、傾向がますます良くなる。そこで、発明者は、導電層22とシールド層13との間のインピーダンス値を80mΩよりも小さくなるようにした。
【0078】
一実施形態では、導電層22は、金属インサート、導電めっき層、導電コーティング層、導電性非金属インサート、導電性非金属プラスチック部材のうちの1種又は複数種である。複数の材質で導電層22を製造する場合、使用環境、コネクタ材質、及びシールド効果の要求に応じて選択することができ、設計者がより多くの方式でシールドケーブル接続構造の設計作業を行うことができるようになる。
【0079】
一実施形態において、導電層22の伝達インピーダンスは100mΩ未満である。シールド材料は、通常、伝達インピーダンスで導電層22のシールド効果を表し、伝達インピーダンスが小さいほど、シールド効果が良好である。導電層22の伝達インピーダンスは、単位長さ当たりのシールド体に誘導される差動モード電圧Uとシールド体の表面を通過する電流ISとの比、即ちZT=U/ISとして定義されるものである。よって、導電層22の伝達インピーダンスは、導電層22の電流を差動モード干渉に変換すると理解できる。伝達インピーダンスが小さいほど好ましく、即ち、差動モード干渉の変換を低減することで、良好なシールド性能を得ることができる。
【0080】
異なる伝達インピーダンス値の導電層22によるシールドケーブル接続構造のシールド効果への影響を検証するために、発明者は、同じ仕様のコネクタ5、ケーブル及び端子3を選択し、異なる伝達インピーダンス値の導電層22を使用して、一連のシールドケーブル接続構造のサンプルを製造し、シールドケーブル接続構造のシールド効果をそれぞれテストした。実験結果は、下記の表4に示す。本実施例において、シールドケーブル接続構造のシールド性能値が40dBより大きい場合に理想値であるとする。
【0081】
シールド性能値のテスト方法として、テスト機器によりシールドケーブルに1つの信号値(この数値は第2テスト値である)を出力し、シールドケーブルの外側に検知装置を設置し、この検知装置により1つの信号値(この数値は第1テスト値である)を検知する。この場合、シールド性能値=第2テスト値-第1テスト値。
【0082】
表4:導電層22の伝達インピーダンスによるシールド性能への影響
【0083】
【表4】
【0084】
上記表4から分かるように、導電層22の伝達インピーダンス値が100mΩより大きい場合、シールドケーブル接続構造のシールド性能値は40dBより小さく、理想値の要求を満たさず、一方、導電層22の伝達インピーダンス値が100mΩより小さい場合、シールドケーブル接続構造のシールド性能値は全て理想値の要求を満たしつつ、傾向がますます良くなる。そこで、発明者は、導電層22の伝達インピーダンスを100mΩより小さくなるようにした。
【0085】
さらに、金属インサートの材質は、ニッケル、カドミウム、ジルコニウム、クロム、コバルト、マンガン、アルミニウム、錫、チタン、亜鉛、銅、銀、金、リン、テルル、ベリリウムのうちの1種又は複数種を含む。
【0086】
異なる金属インサートの材質による導電層22の導電率への影響を検証するために、発明者は、同じ仕様サイズ、異なる材質の材料を用いて金属インサートのサンプルを作製し、金属インサートの導電率をそれぞれテストした。実験結果は表5に示す。本実施例において、金属インサートの導電率は99%より大きい場合に理想値であるとする。
【0087】
表5:異なる材質の金属インサートによる導電層22の導電率への影響
【0088】
【表5】
【0089】
表5から分かるように、選択された金属材質で製造された金属インサートは、導電率が理想値の範囲内にあり、一方、リンは非金属材料であり、金属インサートの材質として直接使用することができないが、他の金属に添加して合金を形成することで、金属自体の導電と機械的特性を向上させることができる。そこで、発明者は、金属インサートの材質を、ニッケル、カドミウム、ジルコニウム、クロム、コバルト、マンガン、アルミニウム、錫、チタン、亜鉛、銅、銀、金、リン、テルル、ベリリウムのうちの1種又は複数種を含むものとした。
【0090】
さらに、導電コーティング層の材質は、金、銀、銅、ニッケル、チタン、錫、アルミニウム、カドミウム、ジルコニウム、クロム、コバルト、マンガン、亜鉛、リン、テルル、ベリリウム、錫鉛合金、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀及び銀金ジルコニウム合金のうちの1種又は複数種を含む。
【0091】
異なる導電コーティング層の材質による導電層22の導電率への影響を検証するために、発明者は、同じ仕様サイズ、異なる材質の材料を用いて導電コーティング層のサンプルを作製し、導電コーティング層の導電率をそれぞれテストした。実験結果は表6に示す。本実施例では、導電コーティング層の導電率が99%より大きい場合に理想値であるとする。
【0092】
表6:異なる材質の導電コーティング層による導電層22の導電率への影響
【0093】
【表6】
【0094】
表6から分かるように、選択された金属材質で製造された導電コーティング層は、導電率が理想値の範囲内にあり、一方、リンは非金属材料であり、導電コーティング層の材質として直接使用することができないが、他の金属に添加して合金を形成することで、金属自体の導電と機械的特性を向上させることができる。そこで、発明者は、導電コーティング層の材質を、ニッケル、カドミウム、ジルコニウム、クロム、コバルト、マンガン、アルミニウム、錫、チタン、亜鉛、銅、銀、金、リン、テルル、ベリリウムのうちの1種又は複数種を含むものとした。
【0095】
さらに、導電めっき層の材質は、金、銀、銅、ニッケル、チタン、錫、アルミニウム、カドミウム、ジルコニウム、クロム、コバルト、マンガン、亜鉛、リン、テルル、ベリリウム、錫鉛合金、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀及び銀金ジルコニウム合金のうちの1種又は複数種を含む。
【0096】
異なる導電めっき層の材質による導電層22の導電率への影響を検証するために、発明者は、同じ仕様サイズ、異なる材質の材料を用いて導電めっき層付きのコネクタサンプルを作製し、導電めっき層の導電率をそれぞれテストした。実験結果は表7に示す。本実施例において、導電めっき層の導電率は99%より大きい場合に理想値であるとする。
【0097】
表7:異なる材質の導電めっき層による導電層22の導電率への影響
【0098】
【表7】
【0099】
表7から分かるように、選択された金属材質で製造された導電めっき層は、導電率がいずれも理想値の範囲内にあり、一方、リンは非金属材料であり、導電めっき層の材質として直接使用することができないが、他の金属に添加して合金を形成することで、金属自体の導電と機械的特性を向上させることができる。そこで、発明者は、金、銀、銅、ニッケル、チタン、錫、アルミニウム、カドミウム、ジルコニウム、クロム、コバルト、マンガン、亜鉛、錫鉛合金、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀及び銀金ジルコニウム合金のうちの1種又は複数種を含むものとした。
【0100】
さらに、導電性非金属インサートの材質は、導電性セラミックス、炭素含有導体、固体電解質、混合導体、導電性高分子材料のうちの1種又は複数種の組み合わせである。さらに、炭素含有導体は、グラファイト粉、カーボンナノチューブ材料、グラフェン材料のうちの1種又は複数種である。
【0101】
異なる導電性非金属インサートの材質による導電層22の導電率への影響を検証するために、発明者は、同じ仕様サイズ、異なる材質の材料を用いて導電性非金属インサートのコネクタサンプルを作製し、導電性非金属インサートの導電率をそれぞれテストした。実験結果は下記の表8に示す。本実施例において、導電性非金属インサートの導電率が99%より大きい場合に理想値であるとする。
【0102】
表8:異なる材質の導電性非金属インサートによる導電層22の導電率への影響
【0103】
【表8】
【0104】
上記表8から分かるように、選択された材料材質で製造された導電性非金属インサートは、導電率がいずれも理想値の範囲内にあるため、発明者は、導電性非金属インサートの材質を導電性セラミックス、炭素含有導体、固体電解質、混合導体、導電性高分子材料のうちの1種又は複数種の組み合わせとした。さらに、炭素含有導体は、グラファイト粉、カーボンナノチューブ材料、グラフェン材料のうちの1種又は複数種である。
【0105】
さらに、導電性非金属プラスチック部材は、金属粒子含有の高分子材料であり、金属粒子の材質は、ニッケル、カドミウム、ジルコニウム、クロム、コバルト、マンガン、アルミニウム、錫、チタン、亜鉛、銅、銀、金、リン、テルル、ベリリウムのうちの1種又は複数種を含み、高分子材料の材質は、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリウレタン、ポリテレフタル酸、ポリウレタンエラストマー、スチレンブロック共重合体、パーフルオロアルコキシアルカン、塩素化ポリエチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリスチレン、シリコーンゴム、架橋ポリオレフィン、エチレンプロピレンゴム、エチレン/酢酸ビニル共重合体、クロロプレンゴム、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ニトリルゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、フッ素ゴム、ポリウレタンゴム、ポリアクリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、エピクロロヒドリンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、クロロスルフィドゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、水素化ニトリルゴム、ポリスルフィドゴム、架橋ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリエステル、フェノール樹脂、尿素ホルムアルデヒド、スチレン-アクリロニトリル共重合体、ポリメタクリレート、ポリオキシメチレン樹脂のうちの1種又は複数種である。
【0106】
さらに、導電性非金属プラスチック部材は、押出工程、射出工程、ディップ工程、ブロー工程、発泡工程、スプレー塗布工程、印刷工程、3D印刷工程のうちの1種又は複数種の工程によって加工されたものである。
【0107】
射出工程とは、溶融した原料を加圧、注入、冷却、脱離などの操作によって所定形状の半製品を製造する工程である。
【0108】
ディップ工程とは、ワークピースを一定の温度に達するまで電気的に加熱し、その後、ディップ液に浸漬して、ディップ液をワークピースに硬化させる工程である。
【0109】
ブロー工程は、押出機で管状パリソンを押出し、熱いうちに金型に入れ、圧縮空気を導入してブローアップしてキャビティ形状にし、冷却して成形することで製品を得る工程である。ブロー工程の利点としては、例えば、多種のプラスチックへの適用や大型製品の生産が可能であり、生産効率が高く、パリソンの温度が比較的均一であり、設備のコストが少ない。
【0110】
発泡工程とは、発泡成形工程又は発泡ポリマー材料において、物理発泡剤又は化学発泡剤の添加と反応により、ハニカム状又は多孔質状の構造を形成する工程である。発泡成形は、基本的に、泡核を形成するステップと、泡核を成長又は拡大させるステップと、泡核を安定化するステップとを含む。所定の温度及び圧力条件下では、気体の溶解度が低下して飽和状態になり、余分な気体を排除して気泡を形成し、核の生成を実現する。
【0111】
スプレー塗布工程は、スプレーガンやディスク式アトマイザーを利用して、圧力や遠心力により、スプレー材を均一で微細な霧滴に分散させて被塗物の表面に塗布する塗装方法である。スプレー塗布は、エアスプレー、エアレススプレー、静電スプレー、及び上記の基本スプレー形式の様々な派生的な方式に分けられる。
【0112】
印刷工程とは、スクリーン印刷、凸版印刷、フレキソ印刷、凹版印刷又は平板印刷を含み、印刷版を用いてインク又は他の粘性流体材料を被塗物の表面に転写する方式である。
【0113】
3D印刷工程は、高速成形技術の一種であり、付加製造とも呼ばれ、デジタルモデルファイルに基づいて、粉末状の金属又はプラスチックなどの接着可能な材料を用いて、一層ずつ印刷する方式で物体を構成する技術である。
【0114】
一実施形態において、絶縁ハウジング24の材質は、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリウレタン、ポリテレフタル酸、ポリウレタンエラストマー、スチレンブロック共重合体、パーフルオロアルコキシアルカン、塩素化ポリエチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリスチレン、シリコーンゴム、架橋ポリオレフィン、エチレンプロピレンゴム、エチレン/酢酸ビニル共重合体、クロロプレンゴム、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ニトリルゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、フッ素ゴム、ポリウレタンゴム、ポリアクリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、エピクロロヒドリンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、クロロスルフィドゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、水素化ニトリルゴム、ポリスルフィドゴム、架橋ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリエステル、フェノール樹脂、尿素ホルムアルデヒド、スチレン-アクリロニトリル共重合体、ポリメタクリレート、ポリオキシメチレン樹脂のうちの1種又は複数種を含む。
【0115】
一実施形態において、絶縁保護層25の材質は、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリウレタン、ポリテレフタル酸、ポリウレタンエラストマー、スチレンブロック共重合体、パーフルオロアルコキシアルカン、塩素化ポリエチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリスチレン、シリコーンゴム、架橋ポリオレフィン、エチレンプロピレンゴム、エチレン/酢酸ビニル共重合体、クロロプレンゴム、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ニトリルゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、フッ素ゴム、ポリウレタンゴム、ポリアクリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、エピクロロヒドリンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、クロロスルフィドゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、水素化ニトリルゴム、ポリスルフィドゴム、架橋ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリエステル、フェノール樹脂、尿素ホルムアルデヒド、スチレン-アクリロニトリル共重合体、ポリメタクリレート、ポリオキシメチレン樹脂のうちの1種又は複数種を含む。
【0116】
一実施形態において、シールド装置15の材質は、ニッケル、カドミウム、ジルコニウム、クロム、コバルト、マンガン、アルミニウム、錫、チタン、亜鉛、銅、銀、金、リン、テルル、ベリリウムのうちの1種又は複数種を含む。
【0117】
一実施形態において、導電性弾性片4の材質は、ニッケル、カドミウム、ジルコニウム、クロム、コバルト、マンガン、アルミニウム、錫、チタン、亜鉛、銅、銀、金、リン、テルル、ベリリウムのうちの1種又は複数種を含む。
【0118】
以上の実験から分かるように、選択された金属材料は、それぞれ対応する導電率がいずれも理想値に該当するため、それら全てシールド装置15及び導電性弾性片4の材質としてもよい。
【0119】
第2キャビティ23に設けられている導電層22が露出して設けられ、該シールドケーブル接続構造が相手方端子に接続される場合、第2キャビティ23に露出して設けられる導電層22が相手方端子の露出した導電層22に接触して電気的に接続されることにより、相手方端子のケーブルのシールドメッシュに接続され、相手方端子とシールドケーブルのシールド層13との円滑な接続を確保でき、接地される回路を減少させることができ、接続がより便利になり、加工及び装着工数を節約できる。導電性弾性片4は、筒状であるようにしてもよい。
【0120】
コネクタ5は、導電層22をハウジングとする単層構造であってもよく、導電層22と絶縁保護層25とを有する多層構造であってもよい。
【0121】
以上は、本発明の例示的な実施形態に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。本発明の要旨及び原則から逸脱することなく行われる同等の変形及び修正はいずれも本発明の保護範囲に属するのは当業者にとって明らかである。
図1
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【国際調査報告】