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特表2024-529716伝動構造、伝動接続機構、及びエアコンプレッサ
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  • 特表-伝動構造、伝動接続機構、及びエアコンプレッサ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-08
(54)【発明の名称】伝動構造、伝動接続機構、及びエアコンプレッサ
(51)【国際特許分類】
   F04B 41/06 20060101AFI20240801BHJP
【FI】
F04B41/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508988
(86)(22)【出願日】2022-07-15
(85)【翻訳文提出日】2024-02-14
(86)【国際出願番号】 CN2022106072
(87)【国際公開番号】W WO2023024757
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】202110976599.2
(32)【優先日】2021-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524027330
【氏名又は名称】浙江千機智能科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】フー,ココ
(72)【発明者】
【氏名】リー,ジン
【テーマコード(参考)】
3H076
【Fターム(参考)】
3H076AA05
3H076BB21
3H076BB43
3H076CC15
3H076CC28
3H076CC31
(57)【要約】
伝動構造、伝動接続機構及びエアコンプレッサである。伝動構造は、回転軸(1)及び伝動体(2)を含み、回転軸(1)の一端には、ストッパレール(11)が設けられ、回転軸(1)の他端は、駆動機構(5)に接続されるように構成され、伝動体(2)の一端は、ストッパレール(11)と可動嵌合されることで、回転軸(1)が回転すると、伝動体(2)は、ストッパレール(11)による位置制限で回転軸(1)の軸線に沿って往復運動し、伝動体(2)の他端は、直線往復運動を必要とする機器に接続されるように構成される。駆動機構(5)は回転軸(1)を駆動して回転させると、伝動体(2)は、ストッパレール(11)による位置制限で回転軸(1)の軸線に沿って往復運動することで、伝動体(2)に接続される機器は、直線往復運動を行い、偏向力を減少し、パワー損失を低下させ、伝動効率を向上させることに有利である。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
伝動構造であって、
回転軸及び伝動体を含み、前記回転軸の一端には、ストッパレールが設けられ、回転軸の他端は、駆動機構に接続されるように構成され、前記伝動体の一端は、ストッパレールと可動嵌合されることで、回転軸が回転すると、伝動体は、ストッパレールによる位置制限で、回転軸の軸線に沿って往復運動し、伝動体の他端は、直線往復運動を必要とする機器に接続されるように構成される、ことを特徴とする伝動構造。
【請求項2】
前記伝動体の一端には、伝動部材が対称に設けられ、前記ストッパレールは、回転軸の周方向に沿って延在し、且つストッパレールは、回転軸の軸方向に沿って往復延在して設けられ、前記伝動部材は、ストッパレールに可動嵌合されている、ことを特徴とする請求項1に記載の伝動構造。
【請求項3】
前記伝動体は、回転軸が貫通するためのキャビティと、伝動部材を配置するためのチャンネルとを有し、前記チャンネルは、キャビティに連通し、前記伝動部材は、チャンネルと緊密に嵌合され、前記チャンネルの頂部は、締結部材で覆われており、前記締結部材は、箍部と、箍部に接続される押さえ板とを含み、前記箍部は、伝動体の外面に外嵌され、前記押さえ板は、チャンネルの頂部を覆う、ことを特徴とする請求項2に記載の伝動構造。
【請求項4】
ガイドアセンブリをさらに含み、前記ガイドアセンブリは、第1ガイド部材と、第1ガイド部材に摺動又は転がり嵌合される第2ガイド部材とを含み、前記第1ガイド部材は、回転軸と平行に設けられ、前記第2ガイド部材は、伝動体に設けられ、前記箍部は、第2ガイド部材と嵌合する係止溝又は係止孔を有する、ことを特徴とする請求項3に記載の伝動構造。
【請求項5】
前記第1ガイド部材は、第2ガイド部材と摺動可能に嵌合され、前記第1ガイド部材は、ガイド板、ガイド溝又はガイド管であり、第1ガイド板がガイド板である場合、第2ガイド板は、ガイド板に嵌合するガイド溝又はガイド管であり、第2ガイド板がガイド板である場合、第1ガイド板は、ガイド板に嵌合するガイド溝又はガイド管である、ことを特徴とする請求項4に記載の伝動構造。
【請求項6】
前記第1ガイド部材は、第2ガイド部材と転がり嵌合され、前記第1ガイド部材は、スライドレールであり、前記第2ガイド部材は、スライドレールと合わせるボールである、ことを特徴とする請求項4に記載の伝動構造。
【請求項7】
伝動接続機構であって、
本体、ピストン、及び請求項4~6のいずれか1項に記載の伝動構造を含み、前記第1ガイド部材は、前記本体に設けられ、前記ピストンの一端は、前記本体の内部に設けられ、前記ピストンの他端は、伝動体に接続されることで、前記伝動体は、前記ピストンを駆動して前記本体の内部で直線往復運動させる、ことを特徴とする伝動接続機構。
【請求項8】
エアコンプレッサであって、
駆動機構と、請求項7に記載の伝動接続機構とを含み、前記伝動接続機構は、1つ又は複数あり、前記駆動機構は、1つ又は複数の回転軸を駆動して回転させ、前記本体には、キャビティ、第1空気通路及び第2空気通路が設けられ、前記第1空気通路と前記第2空気通路が、いずれも前記キャビティに連通し、前記ピストンの一端は、伝動体に接続され、ピストンの他端は、キャビティに摺動可能に嵌合されることで、前記ピストンは、空気を前記第1空気通路からキャビティ内に吸入させるとともに、キャビティ内の空気を前記第2空気通路から排出させる、ことを特徴とするエアコンプレッサ。
【請求項9】
前記ピストンの外周には、シールリングが外嵌され、前記シールリングは、前記キャビティの内壁に緊密に嵌合されている、ことを特徴とする請求項8に記載のエアコンプレッサ。
【請求項10】
前記駆動機構は、減速ボックス及び駆動部材を含み、前記駆動部材は、前記減速ボックスに駆動接続され、前記減速ボックスは、前記回転軸に接続されている、ことを特徴とする請求項8に記載のエアコンプレッサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械伝動の技術分野に関し、具体的に伝動構造、伝動接続機構、及びエアコンプレッサに関する。
【背景技術】
【0002】
オイルレスエアコンプレッサは、マイクロ往復ピストン式コンプレッサに属し、モータは、コンプレッサのクランク軸を駆動して回転させると、リンクによる伝動により、自己潤滑性を有していかなる潤滑剤が添加されないピストンは、往復運動し、シリンダの内壁、シリンダ蓋及びピストンの頂面から構成される作動容積は、周期的に変化する。クランク軸のリンクに偏心力が存在し、且つスイングアームに偏心角が存在するため、伝動効率は高くなく、全体の作動効率は低く、損失は大きい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
オイルレスエアコンプレッサのスイングアームに偏心角が存在する技術的問題に対して、本発明は、偏向力を減少し、パワー損失を低下させ、伝動効率を向上させることに有利である伝動構造、伝動接続機構、及びエアコンプレッサを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記問題を解決するために、本発明の提供する技術案は、伝動構造であって、回転軸及び伝動体を含み、前記回転軸の一端には、ストッパレールが設けられ、回転軸の他端は、駆動機構に接続されるように構成され、前記伝動体の一端は、ストッパレールと可動嵌合されることで、回転軸が回転すると、伝動体は、ストッパレールによる位置制限で、回転軸の軸線に沿って往復運動し、伝動体の他端は、直線往復運動を必要とする機器に接続されるように構成される。
【0005】
選択可能に、前記伝動体の一端には、伝動部材が対称に設けられ、前記ストッパレールは、回転軸の周方向に沿って延在し、且つストッパレールは、回転軸の軸方向に沿って往復延在して設けられ、前記伝動部材は、ストッパレールに可動嵌合されている。
【0006】
選択可能に、前記伝動体は、回転軸が貫通するためのキャビティと、伝動部材を配置するためのチャンネルとを有し、前記チャンネルは、キャビティに連通し、前記伝動部材は、チャンネルと緊密に嵌合され、前記チャンネルの頂部は、締結部材で覆われており、前記締結部材は、箍部と、箍部に接続される押さえ板とを含み、前記箍部は、伝動体の外面に外嵌され、前記押さえ板は、チャンネルの頂部を覆う。
【0007】
選択可能に、前記伝動構造は、ガイドアセンブリをさらに含み、前記ガイドアセンブリは、第1ガイド部材と、第1ガイド部材に摺動又は転がり嵌合される第2ガイド部材とを含み、前記第1ガイド部材は、回転軸と平行に設けられ、前記第2ガイド部材は、伝動体に設けられ、前記箍部は、第2ガイド部材と嵌合する係止溝又は係止孔を有する。
【0008】
選択可能に、前記第1ガイド部材は、第2ガイド部材と摺動可能に嵌合され、前記第1ガイド部材は、ガイド板、ガイド溝又はガイド管であり、第1ガイド板がガイド板である場合、第2ガイド板は、ガイド板に嵌合するガイド溝又はガイド管であり、第2ガイド板がガイド板である場合、第1ガイド板は、ガイド板に嵌合するガイド溝又はガイド管である。
【0009】
選択可能に、前記第1ガイド部材は、第2ガイド部材と転がり嵌合され、前記第1ガイド部材は、スライドレールであり、前記第2ガイド部材は、スライドレールと合わせるボールである。
【0010】
本発明は、さらに伝動接続機構を開示する。当該伝動接続機構は、本体、ピストン、及び上述した伝動構造を含み、前記第1ガイド部材は、前記本体に設けられ、前記ピストンの一端は、前記本体の内部に設けられ、前記ピストンの他端は、伝動体に接続されることで、前記伝動体は、前記ピストンを駆動して前記本体の内部で直線往復運動させる。
【0011】
本発明は、さらにエアコンプレッサを開示する。当該エアコンプレッサは、駆動機構と、上述した伝動接続機構とを含み、前記伝動接続機構は、1つ又は複数あり、前記駆動機構は、1つ又は複数の回転軸を駆動して回転させ、前記本体には、キャビティ、第1空気通路及び第2空気通路が設けられ、前記第1空気通路と前記第2空気通路が、いずれも前記キャビティに連通し、前記ピストンの一端は、伝動体に接続され、ピストンの他端は、キャビティに摺動可能に嵌合されることで、前記ピストンは、空気を前記第1空気通路からキャビティ内に吸入させるとともに、キャビティ内の空気を前記第2空気通路から排出させる。
【0012】
選択可能に、前前記ピストンの外周には、シールリングが外嵌され、前記シールリングは、前記キャビティの内壁に緊密に嵌合されている。
【0013】
選択可能に、前記駆動機構は、減速ボックス及び駆動部材を含み、前記駆動部材は、前記減速ボックスに駆動接続され、前記減速ボックスは、前記回転軸に接続されている。
【発明の効果】
【0014】
本発明の提供する技術案を採用すると、従来技術に比べて以下の有益な効果を有する。
(1)本願の実施例が提案する伝動構造によれば、駆動機構は回転軸を駆動して回転させ、回転軸が回転すると、伝動体は、ストッパレールによる位置制限で回転軸の軸線に沿って往復運動し、それにより、伝動体に接続される機器は、直線に沿って往復運動し、偏向力を減少し、パワー損失を低下させ、伝動効率を向上させることに有利である。
(2)本願の実施例が提案する伝動構造によれば、締結部材は伝動部材をチャンネル内に強固に固定し、伝動部材が伝動体を駆動して往復直線運動させることを確保する。
(3)本願の実施例が提案する伝動構造によれば、伝動体は第2ガイド部材を介して第1ガイド部材とのガイド嵌合を実現し、伝動体の往復運動に大幅な軌跡の偏移が発生することを避け、伝動構造の伝動効率を向上させることに有利である。
(4)本願の実施例が提案するエアコンプレッサによれば、駆動機構は回転軸を駆動して回転させ、回転軸が回転すると、伝動体は、ストッパレールによる位置制限で回転軸の軸線に沿って往復運動し、それにより、伝動体に接続されるピストンは、直線に沿って往復運動を行い、ピストンは、空気を前記第1空気通路からキャビティ内に吸入させるとともに、キャビティ内の空気を前記第2空気通路から排出させる。ピストンは、往復過程において、偏向力がなく、且つ往復して双方向に仕事し、伝動効率を向上させるとともに、複数の本体が同時に回転軸の軸線に沿って往復運動することを実現し、エアコンプレッサの作動効率を向上させる。
(5)本願の実施例が提案するエアコンプレッサによれば、シールリング41がヨー角の解消によって水平に設けられ、キャビティ31の内壁とより緊密な貼り合わせることができ、それにより、密封効果がよりよく、シールリング41の使用寿命がより長くなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施例が提案するエアコンプレッサの全体図である。
図2】本発明の実施例が提案するエアコンプレッサの分解図である。
図3】本発明の実施例が提案するエアコンプレッサの断面図である。
図4】本発明の実施例が提案する伝動構造の締結部材と伝動体との嵌合の模式図である。
図5】本発明の実施例が提案する伝動構造の伝動体とストッパレールの模式図である。
図6】本発明の実施例が提案する伝動構造の第1ガイド部材と第2ガイド部材との転がり嵌合の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の内容を更に理解するために、図面及び実施例を参照しながら本発明に対して詳細に説明する。
【0017】
以下、図面及び実施例を参照しながら本願に対して更に詳しく説明する。ここで説明する具体的な実施例は、関連する発明を解釈するためのものだけであり、本発明を限定するものではない。なお、説明を便利にするために、図面に発明と関連する部分だけが示されている。本発明中において記載される「第1」、「第2」などの用語は、本発明の技術案を容易に説明するために用いられ、特定の限定作用がなく、いずれも一般的な意味であり、本発明の技術案に対して限定作用を構成しない。矛盾しない限り、本願の実施例および実施例の特徴は互いに組み合わせることができる。本発明の説明において、用語「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「内」、「外」などが指す方位または位置関係は添付図面が示す方位または位置関係に基づくものであり、本発明を説明しやすく且つ説明を簡略化するためのものだけであり、言及される装置又は素子が必ず特定の方位を有し、特定の方位で構成及び操作しなければならないことを意味又は示唆するものではなく、本発明を限定するものと解釈されるべきではない。また、用語「第1」、「第2」、「第3」は説明の目的だけに用いられ、相対的な重要度を意味又は示唆すると理解されるものではない特に明示的な規定及び限定がない限り、用語「取り付ける」、「繋がる」、「接続」は、広義に理解すべきであり、例えば、固定接続であってもよいし、着脱可能な接続であってもよいし、一体になってもよい。また、機械的に接続されていてもよいし、電気的に接続されていてもよい。また、直接的に接続されていてもよいし、中間媒体を介して間接的に接続されていてもよいし、2つの素子の内部の連通であってもよい。本発明における上記用語の具体的な意味は、特定の状況に応じて当業者には理解されるであろう。同一の実施例における複数の技術案、および異なる実施例における複数の技術案の間は、組み合わせて矛盾または衝突のない新たな技術案を形成することができ、すべて本発明の保護範囲内にある。
【0018】
実施例1
図1~6を参照すると、本実施例の伝動構造は、回転軸1及び伝動体2を含み、前記回転軸1の一端には、ストッパレール11が設けられ、回転軸1の他端は、駆動機構5に接続されるように構成され、前記伝動体2の一端は、ストッパレール11に可動に嵌合されることで、回転軸1が回転すると、伝動体2は、ストッパレール11による位置制限で回転軸1の軸線に沿って往復運動し、伝動体2の他端は、直線往復運動を必要とする機器に接続されるように構成される。駆動機構5は、回転軸1を駆動して回転させ、回転軸1が回転すると、伝動体2は、ストッパレール11による位置制限で回転軸1の軸線に沿って往復運動し、それにより、伝動体2に接続される機器は、直線に沿って往復運動し、偏向力を減少し、パワー損失を低下させ、伝動効率を向上させることに有利である。本実施例の伝動構造は、直線往復運動を必要とする複数の機器、例えば、コンプレッサ、洗浄機、振動機、スラッジポンプ、塗装装置などに適用できる。
【0019】
実施例2
図1~6を参照すると、本実施例の伝動構造は、実施例1の技術案に比べて、以下のように改善することができる。前記伝動体2の一端に伝動部材21が対称に設けられ、前記ストッパレール11は、回転軸1の周方向に沿って延在し、且つストッパレール11は、回転軸1の軸方向に沿って往復延在して設けられ、前記伝動部材21は、ストッパレール11に可動に嵌合されている。回転軸1が回転すると、対称に設けられることで、伝動部材21は、互いに偏向力を相殺し、それにより、伝動体2を駆動して回転軸1の軸線に沿って往復運動させる。伝動部材21は、複数対を有してもよく、伝動部材21に可動に嵌合されるストッパレール11は、複数本あってもよく、ストッパレール11が複数本ある場合、複数本のストッパレール11は、2つのグループに分けられ、各グループは、複数本のストッパレール11を含み、1つのグループの前記ストッパレール11は、前記往復軸の一端に設けられ、当該グループの前記ストッパレール11のうち、1本の前記ストッパレール11は、前記回転軸1の軸線周りに予め設定された角度回転した後、もう1本のストッパレール11に重ね合わせ、対応する複数の前記伝動部材21の中心連結線が位置する平面は、前記回転軸1の軸線に垂直である。もう1つのグループの前記ストッパレール11は、前記回転軸1の他端に設けられ、当該グループの前記ストッパレール11のうち、複数の前記ストッパレール11は、平行に間隔をあけて分布し、対応する複数の前記伝動部材21の中心連結線は、前記回転軸1の軸線に平行である。
【0020】
前記ストッパレール11は、ストッパ摺動溝、ストッパ管又は他のストッパ構造であってもよく、伝動部材21は、第1転動部材211及び接続ベース212を含み、第1転動部材211は、接続ベース212を介して伝動体2に接続され、第1転動部材211は、ストッパレール11と転がり嵌合されている。このように、転がり嵌合により、摩擦の減少に有利であり、パワー損失を低下させ、直線往復伝動構造の伝動効率を向上させる。
【0021】
第1転動部材211は、ボールである。接続ベース212は、固定鋼球受けである。接続ベース212は、伝動体2とネジ接続されている。或いは、接続ベース212は、サークリップによって伝動体2内に固定されている。これにより、第1転動部材211の転動の順調性の向上に有利であり、さらにパワー損失を低下させ、伝動機構の伝動効率を向上させる。或いは、第1転動部材211は、接続ベース212と一体になる自在ボール又は牛眼軸受である。このように、伝動部材21の構造の安定性を向上させることに有利であり、負荷を保証するとともに、自在ボール又は牛眼軸受と回転軸1は、転動摩擦を形成し、パワー損失の低下に有利であり、伝動効率を向上させる。
【0022】
実施例3
図1~6を参照すると、本実施例の伝動構造は、実施例1又は2の技術案に比べて、以下のように改善することができる。前記伝動体2は、回転軸1が貫通するためのキャビティ31と、伝動部材21を配置するためのチャンネル23を有し、前記チャンネル23は、キャビティ31に連通し、前記伝動部材21は、チャンネル23と緊密に嵌合され、前記チャンネル23の頂部は、締結部材6で覆われている。締結部材6は、伝動部材21をチャンネル23内に強固に固定し、伝動部材21が伝動体2を駆動して往復直線運動させることを確保する。前記締結部材6は、箍部61と箍部61に接続される押さえ板62とを含み、前記箍部61は、伝動体2の外面に外嵌され、前記押さえ板62は、チャンネル23の頂部を覆う。箍部61と押さえ板62は、一体成形され、よりよい締結作用を果たす。他の実施例では、箍部61と押さえ板62は、ネジ又は溶接などで一体に接続されてもよい。
【0023】
実施例4
図1~6を参照すると、本実施例の伝動構造は、実施例1~3のいずれかの技術案に比べて、以下のように改善することができる。ガイドアセンブリ7をさらに含み、前記ガイドアセンブリ7は、第1ガイド部材71と、第1ガイド部材71に摺動又は転がり嵌合される第2ガイド部材72とを含み、前記第1ガイド部材71は、回転軸1と平行に設けられ、前記第2ガイド部材72は、伝動体2に設けられ、前記箍部61は、第2ガイド部材72と嵌合する係止溝63を有する。伝動体2は、第2ガイド部材72を介して第1ガイド部材71とのガイド嵌合を実現し、伝動体2の往復運動に大幅な軌跡の偏移が発生することを避け、伝動構造の伝動効率を向上させることに有利であり、係止溝63の設置により、締結部材6と伝動体2との間の接続をより強固にする。他の実施例では、締結部材6には、第2ガイド部材72と嵌合する係止孔が設けられてもよい。
【0024】
実施例5
図1~6を参照すると、本実施例の伝動構造は、実施例1~4のいずれかの技術案に比べて、以下のように改善することができる。前記第1ガイド部材71は、第2ガイド部材72と摺動可能に嵌合され、前記第1ガイド部材71は、ガイド板、ガイド溝又はガイド管であり、第1ガイド板がガイド板である場合、第2ガイド板は、ガイド板に嵌合するガイド溝又はガイド管であり、第2ガイド板がガイド板である場合、第1ガイド板は、ガイド板に嵌合するガイド溝又はガイド管である。第1ガイド部材71又は第2ガイド部材71がガイド板である場合、第1ガイド部材71又は第2ガイド部材71の外周には、耐摩耗パッドが外嵌されてもよく、それにより、第1ガイド部材71又は第2ガイド部材72の摩耗を防止する。
【0025】
実施例6
図1~6を参照すると、本実施例の伝動構造は、実施例1~5のいずれかの技術案に比べて、以下のように改善することができる。前記第1ガイド部材71は、第2ガイド部材72と転がり嵌合され、前記第1ガイド部材71は、スライドレールであり、前記第2ガイド部材72は、スライドレールと合わせるボールである。転がり嵌合により転動摩擦を形成し、それにより、パワー損失の低下に有利であり、伝動効率を向上させる。
【0026】
実施例7
図1~6を参照すると、本実施例の伝動構造は、実施例1~6のいずれかの技術案に比べて、以下のように改善することができる。図1~6を参照すると、本実施例の伝動接続機構は、本体3、ピストン4及び実施例1~5のいずれかの技術案に記載の伝動構造を含み、前記第1ガイド部材71は、本体3に設けられ、前記ピストン4の一端が本体3の内部に設けられ、ピストン4の他端が伝動体2に接続されることで、伝動体2は、ピストン4を駆動して本体3の内部で直線往復運動させる。直線往復伝動構造は、伝動ハウジング8をさらに含む。回転軸1、伝動体2、伝動部材21及び締結部材6は、いずれも伝動ハウジング8内に設けられ、伝動ハウジング8は、ガイドレールを介して本体3に接続されている。このように、伝動ハウジング8と伝動接続機構は、一体構造を形成し、構造のコンパクト性及び伝達効率の向上に有利である。
【0027】
実施例8
図1~6を参照すると、本実施例のエアコンプレッサは、駆動機構5と、実施例8に記載の技術案の伝動接続機構とを含み、前記伝動接続機構は、1つ又は複数あり、前記駆動機構5は、1つ又は複数の回転軸1を駆動して回転させ、前記本体3には、キャビティ31、第1空気通路32及び第2空気通路33が設けられ、前記第1空気通路32と前記第2空気通路33は、いずれも前記キャビティ31に連通し、前記ピストン4の一端は、伝動体2に接続され、ピストン4の他端は、キャビティ31に摺動可能に嵌合されることで、ピストン4は、空気を前記第1空気通路32からキャビティ31内に吸入させるとともに、キャビティ31内の空気を前記第2空気通路33から排出させる。
【0028】
駆動機構5は、回転軸1を駆動して回転させ、回転軸1が回転すると、伝動体2は、ストッパレール11による位置制限で回転軸1の軸線に沿って往復運動し、それにより、伝動体2に接続されるピストン4は、直線に沿って往復運動を行い、前記第1空気通路32には、第1バルブ及び第2バルブが設けられ、前記第2空気通路には、第3バルブ及び第4バルブが設けられ、ピストン4が回転軸1に近づく方向に向かって運動すると、ピストン4は、空気を前記第1空気通路32の第1バルブからキャビティ31内に吸入させるとともに、キャビティ31内の空気を前記第2空気通路33の第3バルブから排出させ、ピストン4が回転軸1から離れる方向に向かって運動すると、ピストン4は、空気を前記第1空気通路32の第2バルブからキャビティ31内に吸入させるとともに、キャビティ31内の空気を前記第2空気通路33の第4バルブから排出させる。ピストン4は、往復過程において偏向力がなく、且つ往復して双方向に仕事し、パワー損失を低下させ、伝動効率を向上させ、双方向の運動を実現するとともに、複数の本体3が同時に回転軸1の軸線に沿って往復運動することを実現し、エアコンプレッサの作動効率を向上させる。本発明では、本体3の形状が限定されず、本体3は、プロセスの需要に応じてユーザが必要とする具体的な形状に設計されてもよい。
【0029】
実施例9
図1~6を参照すると、本実施例のエアコンプレッサは、実施例8の技術案に比べて、以下のように改善することができる。前記ピストン4の外周には、シールリング41が外嵌され、前記シールリング41は、キャビティ31の内壁に緊密に嵌合され、シールリング41は、ピストンが往復運動中にロックされることを防止し、摩耗を減少させるために用いられる。従来技術では、クランク構造のヨー角の存在のため、ピストンの往復直線運動過程においてヨーが存在し、シールリングの寿命も長くない。本実施例におけるシールリング41は、ヨー角が解消されるため、水平に設けられ、それにより、キャビティ31の内壁により緊密に貼り合わせることができ、密封効果をより良くし、シールリング41の使用寿命をより長くする。
【0030】
実施例10
図1~6を参照すると、本実施例のエアコンプレッサは、実施例8又は9の技術案に比べて、以下のように改善することができる。前記駆動機構5は、減速ボックス52及び駆動部材51を含み、前記駆動部材51は、前記減速ボックス52に駆動接続され、前記減速ボックス52は、前記回転軸1に接続されている。駆動部材51は、減速ボックス52を駆動して運動させ、それにより、回転軸1を駆動して回転させ、回転軸1の回転数を調整することに有利であり、ピストン4の運動速度を調整し、エアコンプレッサの気圧と流量を調整し、エアコンプレッサの安定性及び使用品質の向上に有利である。駆動部材51は、モータであってもよく、駆動部材51の携帯性の向上に有利であり、駆動部材51と減速ボックス52との間に伝動機器が設けられてもよく、駆動部材51は、伝動機器を駆動して運動させ、それにより、減速ボックス52を駆動して運動させ、駆動部材51の駆動効果及び駆動部材51の使用寿命を向上させることに有利である。他の実施例では、駆動機構5は、直接的に駆動部材51とされてもよく、減速ボックス52の設置は、不要である。
【0031】
以上、本発明およびその実施形態を概略的に説明したが、この説明は制限性がなく、図面に示されたのも本発明の実施形態の1つにすぎず、実際の構造はこれに限られない。従って、当業者がその示唆を受け、本発明の創造主旨を逸脱しない状況で、創造なしで設計した、前記技術案と類似する構造形態及び実施例は、すべて本発明の保護範囲にある。
【符号の説明】
【0032】
1 回転軸、11 ストッパレール、2 伝動体、21 伝動部材、211 第1転動部材、212 接続ベース、22 キャビティ、23 チャンネル、3 本体、31 キャビティ、32 第1空気通路、33 第2空気通路、4 ピストン、41 シールリング、5 駆動機構、52 減速ボックス、51 駆動部材、6 締結部材、61 箍部、62 押さえ板、63 係止溝、7 ガイドアセンブリ、71 第1ガイド部材、72 第2ガイド部材、8 伝動ハウジング

図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】