(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-08
(54)【発明の名称】改善された冷却を有する電気スイッチギア
(51)【国際特許分類】
H02B 1/28 20060101AFI20240801BHJP
H02B 1/56 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
H02B1/28 D
H02B1/56 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024509110
(86)(22)【出願日】2022-09-01
(85)【翻訳文提出日】2024-02-15
(86)【国際出願番号】 EP2022025408
(87)【国際公開番号】W WO2023036462
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】202111040505
(32)【優先日】2021-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(32)【優先日】2021-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518042280
【氏名又は名称】イートン インテリジェント パワー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Eaton Intelligent Power Limited
【住所又は居所原語表記】30 Pembroke Road, Dublin 4 D04 Y0C2, Ireland
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ミシュラ、シャシャンク
(72)【発明者】
【氏名】パルマー、ビノド クマール
(72)【発明者】
【氏名】バンカル、アクシャイ
(72)【発明者】
【氏名】ゲウゼンダム、ポール
(72)【発明者】
【氏名】ハイラーシグ、ディナン ヨハン
(72)【発明者】
【氏名】ガグ、バベシュ
【テーマコード(参考)】
5G016
【Fターム(参考)】
5G016CG03
5G016CG08
5G016CG21
(57)【要約】
スイッチギアハウジング(2)と、複数の母線(L1.L3)と、スイッチギアハウジング(2)内の複数の断路器(3a..3c)とを備え、断路器(3a..3c)が母線(L1..L3)の途中に配置されているスイッチギア(1)が開示される。更に、スイッチギア(1)は断路器ハウジング(4)を備え、断路器ハウジング(4)はスイッチギアハウジング(2)内に配置され、少なくとも断路器(3a..3c)を包囲する。断路器ハウジング(4)は、少なくとも1つの底部開口(A..’’)と少なくとも1つの上部開口(D..F)とを有し、少なくとも1つの底部開口(A..C’’)から少なくとも1つの上部開口(D..F)への空気流(G)が断路器(3a..3c)を介して流れることを可能にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチギア(1)であって、
-スイッチギアハウジング(2)であって、少なくとも1メートルの深さまで沈められたときに防塵及び防水であるスイッチギアハウジング(2)と、
-前記スイッチギアハウジング(2)内の複数の母線(L1..L3)と、
-前記スイッチギアハウジング(2)内の複数の断路器(3a..3c)であって、前記母線(L1..L3)の経路内に配置された複数の断路器と、
以下を特徴とし
-前記スイッチギアハウジング(2)内に配置され、少なくとも前記断路器(3a..3c)を取り囲む断路器ハウジング(4)であって、少なくとも1つの底部開口(A..C.’’)及び少なくとも1つの上部開口(D..F)を有し、前記断路器(3a..3c)を介して前記少なくとも1つの底部開口(A..C’’)から前記少なくとも1つの上部開口(D..F)への空気流(G)を可能にする、断路器ハウジング(4)と、を含む、スイッチギア(1)。
【請求項2】
前記断路器ハウジング(4)が、下向きの第1の底部開口(A)及び第2の底部開口(B)と、上向きの第1の上部開口(D)及び第2の上部開口(E)と、下向きの第3の上部開口(F)とを有することを特徴とする、請求項1に記載のスイッチギア(1)。
【請求項3】
前記断路器ハウジング(4)は、その垂直延長部である高さ(h)と、前記断路器(3a..3c)のブレードの長手延長部に平行な方向におけるその水平延長部である長さ(l)と、前記断路器(3a..3c)の前記ブレードの前記長手延長部に垂直な方向におけるその水平延長部である幅(w)とを有し、
-前記第1の底部開口(A)及び前記第2の底部開口(B)の全幅(w
1)は、前記断路器ハウジング(4)の前記幅(w)の0.85~0.95倍の範囲内にあり、及び/又は
-前記第1の底部開口(A)及び前記第2の底部開口(B)の全長(l
1)が、前記断路器ハウジング(4)の前記長さ(l)の0.4~0.6倍の範囲内にあり、及び/又は
-前記第1の上部開口(D)及び前記第2の上部開口(E)の全幅(w
2)は、前記断路器ハウジング(4)の前記幅(w)の0.85~0.95倍の範囲内にあり、及び/又は
前記第1の上部開口(D)の長さ(l
2a)に前記第2の上部開口(E)の長さ(l
2b)を加えたものが、前記断路器ハウジング(4)の長さの0.4~0.6倍の範囲内であり、及び/又は
-前記第3の上部開口(F)の全長(l
3)は、断路器ハウジング(4)の前記長さ(l)の0.05~0.15倍の範囲にあることを特徴とする、請求項2に記載のスイッチギア(1)。
【請求項4】
前記第3の上部(F)開口は、下方に面しており、前記断路器ハウジング(4)の前記上部から測定された前記断路器ハウジング(4)の前記高さ(h)の0.15倍~0.25倍の距離(h
1)に配置されていることを特徴とする、請求項3に記載のスイッチギア(1)。
【請求項5】
前記上部開口(D..F)の総面積と前記下部開口(A..C’’)の総面積との比が0.5~0.7の範囲内であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のスイッチギア(1)。
【請求項6】
前記断路器ハウジング(4)の少なくとも1つの側壁(8)が、垂直線に対して測定して少なくとも5°の角度(α)で傾斜していることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のスイッチギア(1)。
【請求項7】
-前記母線(L1..L3)は、互いに重なり合って配置され、それらの長手方向に互いに平行に延びる第1の母線部分(P)を有し、
-第2の母線部分(Q)は、互いに隣接して水平に配置され、それらの長手方向に互いに平行に延び、
-前記第1の母線部分(P)の前記長手方向延長部は、前記第2の母線部分(Q)の前記長手方向延長部に対して垂直に配向されており、
-第1の母線部分(P)が、最下部の母線の前記第1の母線部分(P)の端部から開始して、第2の母線部分(R)に次々に接続されることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のスイッチギア(1)。
【請求項8】
-前記第1の母線部分(P)は、前記断路器ハウジング(4)の外に配置され、
-前記第2の母線部分(Q)は、前記断路器ハウジング(4)の壁を通過し、前記第1の母線部分(P)及び前記断路器(3a..3c)にそれぞれ接続され、
-前記断路器(3a..3c)は、互いに隣接して水平に配置され、それらの長手方向に互いに平行に延びることを特徴とする、請求項7に記載のスイッチギア(1)。
【請求項9】
-真空遮断器(5)が前記断路器ハウジング(4)内に配置され、前記断路器(3a..3c)にそれぞれ接続され、
-前記真空遮断器(5)は、互いに隣接して垂直に配置され、それらの長手方向に互いに平行に延び、
-前記第3の母線部分(R)は、それぞれ前記真空遮断器(5)に接続されていることを特徴とする、請求項8に記載のスイッチギア。
【請求項10】
前記断路器ハウジング(4)が、前記真空遮断器(5)の領域に配置された少なくとも1つの第3の底部開口(C..C’’)を有することを特徴とする、請求項9に記載のスイッチギア(1)。
【請求項11】
前記断路器ハウジング(4)がプラスチック製であることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載のスイッチギア。
【請求項12】
前記スイッチギアハウジング(2)が、ISO 20653によるIP68の絶縁を提供することを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載のスイッチギア。
【請求項13】
複数の断路器ハウジング(4)を取り囲む外側断路器ハウジング(6)を特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載のスイッチギア。
【請求項14】
前記外側断路器ハウジング(6)が金属から作られていることを特徴とする、請求項13に記載のスイッチギア。
【請求項15】
前記外側断路器ハウジング(6)が、ISO 20653によるIP67の絶縁を提供することを特徴とする、請求項13又は14に記載のスイッチギア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチギアハウジングと、スイッチギアハウジング内の複数の母線と、スイッチギアハウジング内の複数の断路器とを備え、断路器が母線の途中に配置されているスイッチギアに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、上記の種類のスイッチギアは、電気を分配し、電気回路をオン及びオフに切り替えるための従来技術において知られている。部品密度がますます増大しているため、スイッチギアの部品の冷却はますます重要になっている。これは、特に、スイッチギアが気密及び/又は水密であり、当該部品を冷却するための外部空気流を制限又は更に抑制する場合に当てはまる。
【発明の概要】
【0003】
したがって、本発明の目的は、改良されたスイッチギアを提供することである。特に、スイッチギアの部品の冷却が改善される。
【0004】
本発明の目的は、スイッチギアハウジング内に配置され、少なくとも断路器を包含する断路器ハウジングを更に備え、断路器ハウジングが、少なくとも1つの底部開口及び少なくとも1つの上部開口を有し、少なくとも1つの底部開口から少なくとも1つの上部開口への当該断路器を介した空気流を可能にする、冒頭の段落で定義されたスイッチギアによって解決される。
【0005】
これらの手段によって、断路器を介した空気流(特に熱対流に基づく)は、断路器に集束されるので改善され得、同時に、絶縁要件が満たされ得る。断路器ハウジングの開口は、断路器ハウジングによって囲まれた断路器及び他の任意の部品の冷却を改善する。特に、断路器ハウジングはプラスチックから作製することができる。このようにして、断路器ハウジングによって囲まれた断路器及び他の部品の良好な電気絶縁を提供することができる。それにもかかわらず、断路器ハウジングは、異なる材料、例えば金属から作製することもできる。断路器ハウジングが金属製である場合、有利には、断路器ハウジングを接地することができる。
【0006】
有利なことに、スイッチギアハウジングは、ISO 20653によるIP68の絶縁を提供することができ、これは、スイッチギアハウジングが少なくとも1メートルの深さまで防塵及び防水であることを意味する。このようにして、スイッチギアは、高湿度及び大雨のような好ましくない環境条件に問題なく曝され得る。この場合、外部空気流は不可能であるが、断路器ハウジングによって囲まれた断路器及び他の任意の部品の冷却は、断路器ハウジング及び提案された手段によって保証される。
【0007】
更なる有利な実施形態は、特許請求の範囲及び本明細書、並びに図に開示されている。
【0008】
有利には、断路器ハウジングは、下方に面する第1の底部開口及び第2の底部開口と、上方に面する第1の上部開口及び第2の上部開口と、下方に面する第3の上部開口とを有することができる。このようにして、垂直空気流、又は少なくとも垂直成分を有する空気流、したがって熱対流が可能になる。第3の上部開口を使用することによって、空気流は、断路器ハウジングの上方に配置されたスイッチギア内の部品の周りに方向付けることができる。
【0009】
一般に、断路器ハウジングは、その垂直延長部である高さと、断路器のブレードの長手方向延長部に平行な方向におけるその水平延長部である長さと、断路器のブレードの長手方向延長部に垂直な方向におけるその水平延長部である幅とを有することができる。有利には
-第1の底部開口及び第2の底部開口の全幅は、断路器ハウジングの幅の0.85~0.95倍の範囲内であり、及び/又は
-第1の底部開口及び第2の底部開口の全長は、断路器ハウジングの長さの0.4~0.6倍の範囲内であり、及び/又は
-第1の上部開口及び第2の上部開口の全幅は、断路器ハウジングの幅の0.85~0.95倍の範囲内であり、及び/又は
-第1の上部開口及び第2の上部開口の全長は、断路器ハウジングの長さの0.4~0.6倍の範囲内であり、及び/又は
-第3の上部開口の全長は、断路器ハウジングの長さの0.05~0.15倍の範囲内である。
このようにして、熱対流に基づく比較的強い空気流を達成することができる。
【0010】
有利には、第3の上部開口は、下方を向くことができ、断路器ハウジングの上部から測定した断路器ハウジングの高さの0.15~0.25倍の距離に配置することができる。このようにして、空気流は、空気流をあまり減少させることなく、断路器ハウジングの上方に配置されたスイッチギア内の部品の周りに方向付けることができる。
【0011】
スイッチギアの非常に有利な実施形態では、上部開口の総面積と下部開口の総面積との間の比は、0.5~0.7の範囲である。このようにして、強い煙突効果を達成することができる。
【0012】
スイッチギアの別の非常に有利な実施形態では、断路器ハウジングの少なくとも1つの側壁が、垂直線に対して測定して少なくとも5°の角度で傾斜している。このようにして、強い煙突効果も達成することができる。
【0013】
更に、以下の場合に有利である。
-母線は、互いの上に配置され、それらの長手方向に互いに平行に延びる第1の母線部分を有し
-互いに隣接して水平に配置され、それらの長手方向に互いに平行に延びる第2の母線部と
-第1の母線部分の長手方向延長部は、第2の母線部分の長手方向延長部に対して垂直に配向されており
-第1の母線部分は、最下部の母線の第1の母線部分の端部から始まって、第2の母線部分に次々に接続される。
このようにして、空気流に曝される異なる母線の第1の母線部分は、異なる長さを有する。最も長い第1の母線部分を有する母線は底部に配置され、最も短い第1の母線部分を有する母線は上部に配置される。したがって、最も長い第1の母線部分を有する母線は、垂直方向の空気流のために、最も短い第1の母線部分を有する母線よりも冷たい空気に曝され、母線装置の全体的な温度低下を達成することができる。
【0014】
上記に関連して、
-第1の母線部分は、断路器ハウジングの外に配置され、
-第2の母線部分は、断路器ハウジングの壁を通過し、第1の母線部分及び断路器にそれぞれ接続され、
-断路器は、互いに隣接して水平に配置され、それらの長手方向に互いに平行に延びる場合も有利である。
【0015】
更に、上記の文脈では、
-真空遮断器が、断路器ハウジング内に配置され、断路器にそれぞれ接続され、
-真空遮断器は、互いに隣接して垂直に配置され、それらの長手方向に互いに平行に延び、
-第3の母線部分が、真空遮断器の各々に接続される場合に有利である。
【0016】
有利には、断路器ハウジングは、真空遮断器の領域に配置された少なくとも1つの第3の底部開口を有する。このようにして、断路器ハウジング内部の部品の冷却を更に改善することができる。
【0017】
有利には、スイッチギアは、複数の断路器ハウジング(及び場合によっては他の構成要素)を囲む外側断路器ハウジングを備える。このようにして、外側断路器ハウジングからのスイッチギアの他の部分に対する電気絶縁を改善することができる。
【0018】
特に、外側断路器ハウジングは金属から作製することができる。このようにして、特に外側断路器ハウジングが接地されている場合に、外側断路器ハウジングからのスイッチギアの他の部分に対する電気絶縁を更に改善することができる。
【0019】
更に、外側断路器ハウジングは、ISO 20653によるIP67の絶縁を提供することができ、これは、外側断路器ハウジングが1メートルの深さまで防塵及び防水であることを意味する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本発明は、特定の実施形態を参照して以下により詳細に記載されるが、本発明はこれらに限定されない。
【
図2】断路器ハウジングを含む装置のより詳細な図を示す。
【
図3】
図2と同様であるが、前部断路器ハウジングが取り外されている。
【
図5】母線、断路器及び真空遮断器を分離して示す図である。
【
図6】断路器ハウジングを上から見た斜視図である。
【
図7】断路器ハウジングを下から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
一般に、同じ部品又は類似の部品は、同じ/類似の名称及び参照符号で示される。本明細書に開示される特徴は、それぞれ同じ/類似の名称及び参照符号を有する部品に適用される。向き及び相対位置を示すことは、関連付けられた図に関連し、向き及び/又は相対位置の表示は、場合によっては、それに応じて異なる図において修正される必要がある。
【0022】
図1は、スイッチギアハウジング2と、スイッチギアハウジング2内の複数の母線L1..L3と、スイッチギアハウジング2内に配置された複数の断路器ハウジング4とを有する例示的なスイッチギア1を示す。断路器ハウジング4はそれぞれ、母線L1..L3の経路に配置された断路器3a..3cを含む(これに関しては
図2~
図5参照)。
図1の左側領域には、スイッチギア1全体が示されており、右側領域には、スイッチギア1の一部、すなわち断路器ハウジング4及び母線L1..L3の詳細図が示されている。
【0023】
特に、スイッチギアハウジング2は、ISO 20653によるIP68の絶縁を提供することができ、これは、スイッチギアハウジング2が少なくとも1メートルの深さまで防塵及び防水であることを意味する。このようにして、スイッチギア1は、高湿度及び大雨のような好ましくない環境条件に問題なく曝され得る。しかしながら、これは、この場合、外部空気流が不可能であることも意味する。
【0024】
図2及び
図3は、断路器ハウジング4を備える装置のより詳細な図を示す。母線L1..L3及び断路器ハウジング4に加えて、
図2は、電流路内の真空遮断器5と、複数の断路器ハウジング4(及び母線L1..L3の一部)を囲む外側断路器ハウジング6とを示す。
図2では、外側断路器ハウジング6の内部を見ることができるように、外側断路器ハウジング6の側壁が除去されている。加えて、
図3では、断路器ハウジング4の内部を見ることができるように、断路器ハウジング4の一方が取り外されている。詳細には、断路器3a..3cのうちの断路器3aが見える。
【0025】
特に、外側断路器ハウジング6は、ISO 20653によるIP67の絶縁を提供することができ、これは、外側断路器ハウジング6が1メートルの深さまで防塵及び防水であることを意味する。
【0026】
図4は、断路器ハウジング4を通る断面を示し、したがって、断路器3a、断路器ハウジング4、真空遮断器5、及び母線L3のより詳細な図を示す。詳細には、
図4は、断路器3aを作動させるためのレバー7も示す。
【0027】
更に、
図4は、この実施形態における断路器ハウジング4が、下向きの第1の底部開口A及び第2の底部開口Bと、真空遮断器5の領域に配置された任意選択の第3の底部開口Cと、上向きの第1の上部開口D及び第2の上部開口Eと、下向きの第3の上部開口Fとを有することを示している。底部開口A..C及び上部開口D..Fは、断路器3aを介して底部開口A..Cから上部開口D..Fへの空気流Gを可能にする。
【0028】
図5は、母線L1..L3、断路器3a..3c及び真空遮断器5を分離して示している。この実施形態では、母線L1..L3は、上下に配置され、それらの長手方向に互いに平行に延びる任意の第1の母線部分Pと、互いに水平に隣接して配置され、それらの長手方向に互いに平行に延びる任意の第2の母線部分Qとを含む。第1の母線部分Pの長手方向延長部は、第2の母線部分Qの長手方向延長部に対して垂直に配向されている。更に、第1の母線部分Pは、最下部の母線の第1の母線部分Pの下流端部から始まって、第2の母線部分Rに次々に接続されている。これは、母線L3の第1の母線部分Pと第2の母線部分Rとの接続が最も低く、母線L1の第1の母線部分Pと第2の母線部分Rとの接続が最も高いことを意味する。このようにして、最も長い第1の母線部分Pを有する母線L1は、垂直方向の空気流のために、最も短い第1の母線部分Pを有する母線L3よりも冷たい空気に曝され、母線装置の全体的な温度低下を達成することができる。
【0029】
更に、この実施形態では、第1の母線部分Pは断路器ハウジング4の外に配置され、第2の母線部分Qは断路器ハウジング4の壁を通過し、第1の母線部分P及び断路器3a..3cにそれぞれ接続される。断路器3a..3cは、互いに隣接して水平に配置され、それらの長手方向に互いに平行に延びる。
【0030】
更に、真空遮断器5は、断路器ハウジング4内に配置され、この実施形態ではそれぞれ断路器3a..3cに接続される。真空遮断器5は、互いに隣接して垂直に配置され、それらの長手方向に互いに平行に延びており、第3の母線部分Rは、それぞれ真空遮断器5に接続されている。
【0031】
次に、
図6及び
図7は、断路器ハウジング4の斜視図を示し、
図6は上から見た図であり、
図7は下から見た図である。詳細には、開口A、B、D、E、F及び母線開口Hが見える。
【0032】
一般に、断路器ハウジング4は、その垂直延長部である高さhと、断路器3a..3cのブレードの長手方向延長部に平行な方向におけるその水平延長部である長さlと、断路器3a..3cのブレードの長手方向延長部に垂直な方向におけるその水平延長部である幅wとを有する(断路器ハウジング4の外側寸法を示す
図8及び
図10参照)。
【0033】
好ましい実施形態において
-第1の底部開口A及び第2の底部開口Bの全幅w1は、断路器ハウジング4の幅wの0.85~0.95倍の範囲内であり、及び/又は
-第1の底部開口A及び第2の底部開口Bの全長l1は、断路器ハウジング4の長さlの0.4~0.6倍の範囲内であり、及び/又は
-第1の上部開口D及び第2の上部開口Eの合計幅w2は、断路器ハウジング4の幅wの0.85~0.95倍の範囲内であり、及び/又は
-第1の上部開口D及び第2の上部開口Eの全長l2a+l2bは、断路器ハウジング4の長さの0.4~0.6倍の範囲内であり、及び/又は
-第3の上部開口Fの全長l3は、断路器ハウジング4の長さlの0.05~0.15倍の範囲内である。
【0034】
更に、この実施形態の場合のように、第3の上部開口Fが下向きであり、断路器ハウジング4の上部から測定された断路器ハウジング4の高さhの0.15~0.25倍の距離hlに配置される場合、有利である。
【0035】
図8は、断路器ハウジング4の上面図を示し、第1の上部開口D及び第2の上部開口Eは、それらの領域を示すハッチングが施されている。
図9は、断路器ハウジング4の底面図を示しており、真空遮断器5の領域における第3の底部開口C..C’’は、それらの領域を示すハッチングが施されている。好ましい実施形態では、上部開口D..Fの総面積と底部開口A..C’’の総面積との比は、0.5~0.7の範囲である。このようにして、強い煙突効果を達成することができる。
【0036】
最後に、
図10は、断路器ハウジング4の背面図を示す。この実施形態では、断路器ハウジング4の側壁8は、垂直線に対して測定して少なくとも5°の角度αで傾斜している。このようにして、強い煙突効果も達成することができる。
【0037】
有利な実施形態では、断路器ハウジング4はプラスチックから作られる。このようにして、断路器3a..3c(及び断路器ハウジング4によって囲まれた他の部品)の良好な電気絶縁を確実にすることができる。
【0038】
有利には、外側断路器ハウジング6は金属から作製することができる。このようにして、特に外側断路器ハウジング6が接地されている場合に、外側断路器ハウジング6からのスイッチギア2の他の部分に対する電気絶縁を更に改善することができる。
【0039】
本発明は、これまでに開示された実施形態に限定されないが、異なる変形の組み合わせが可能であることに留意されたい。実際には、スイッチギア1は、図に示されているよりも多い又は少ない部品を有し得る。更に、本明細書は、更なる独立した発明の主題を含み得る。
【0040】
用語「含む(comprising)」は他の要素を除外しないこと、及び冠詞「a」又は「an」の使用は複数を除外しないことにも留意されるべきである。また、異なる実施形態に関連して記載される要素が組み合わされ得る。特許請求の範囲における参照符号は、特許請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないことにも留意されるべきである。
【符号の説明】
【0041】
1 スイッチギア
2 スイッチギアハウジング
3a..3c 断路器
4 断路器ハウジング
5 真空遮断器
6 外側断路器ハウジング
7 レバー
8 側壁
A..C 底部開口
D..F’’ 上部開口
G 空気流
H 母線開口
L1..L3 母線
P..R 母線部
α 側壁角度
h 断路器ハウジングの高さ
l 断路器ハウジングの長さ
l1 第1及び第2の底部開口の全長
l2a 第1の上部開口の長さ
l2b 第2の上部開口の長さ
l3 第3の上部開口の全長
w 断路器ハウジングの幅
w1 第1及び第2の底部開口の全幅
w2 第1及び第2の上部開口の全幅
【手続補正書】
【提出日】2024-03-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチギア(1)であって、
-スイッチギアハウジング(2)であって、少なくとも1メートルの深さまで沈められたときに防塵及び防水であるスイッチギアハウジング(2)と、
-前記スイッチギアハウジング(2)内の複数の母線(L1..L3)と、
-前記スイッチギアハウジング(2)内の複数の断路器(3a..3c)であって、前記母線(L1..L3)の経路内に配置された複数の断路器と、
以下を特徴とし
-前記スイッチギアハウジング(2)内に配置され、少なくとも前記断路器(3a..3c)を取り囲む断路器ハウジング(4)であって、少なくとも1つの底部開口(A..C.’’)及び少なくとも1つの上部開口(D..F)を有し、前記断路器(3a..3c)を介して前記少なくとも1つの底部開口(A..C’’)から前記少なくとも1つの上部開口(D..F)への空気流(G)を可能にする、断路器ハウジング(4)と、を含む、スイッチギア(1)。
【請求項2】
前記断路器ハウジング(4)が、下向きの第1の底部開口(A)及び第2の底部開口(B)と、上向きの第1の上部開口(D)及び第2の上部開口(E)と、下向きの第3の上部開口(F)とを有することを特徴とする、請求項1に記載のスイッチギア(1)。
【請求項3】
前記断路器ハウジング(4)は、その垂直延長部である高さ(h)と、前記断路器(3a..3c)のブレードの長手延長部に平行な方向におけるその水平延長部である長さ(l)と、前記断路器(3a..3c)の前記ブレードの前記長手延長部に垂直な方向におけるその水平延長部である幅(w)とを有し、
-前記第1の底部開口(A)及び前記第2の底部開口(B)の全幅(w
1)は、前記断路器ハウジング(4)の前記幅(w)の0.85~0.95倍の範囲内にあり、及び/又は
-前記第1の底部開口(A)及び前記第2の底部開口(B)の全長(l
1)が、前記断路器ハウジング(4)の前記長さ(l)の0.4~0.6倍の範囲内にあり、及び/又は
-前記第1の上部開口(D)及び前記第2の上部開口(E)の全幅(w
2)は、前記断路器ハウジング(4)の前記幅(w)の0.85~0.95倍の範囲内にあり、及び/又は
前記第1の上部開口(D)の長さ(l
2a)に前記第2の上部開口(E)の長さ(l
2b)を加えたものが、前記断路器ハウジング(4)の長さの0.4~0.6倍の範囲内であり、及び/又は
-前記第3の上部開口(F)の全長(l
3)は、断路器ハウジング(4)の前記長さ(l)の0.05~0.15倍の範囲にあることを特徴とする、請求項2に記載のスイッチギア(1)。
【請求項4】
前記第3の上部(F)開口は、下方に面しており、前記断路器ハウジング(4)の前記上部から測定された前記断路器ハウジング(4)の前記高さ(h)の0.15倍~0.25倍の距離(h
1)に配置されていることを特徴とする、請求項3に記載のスイッチギア(1)。
【請求項5】
前記上部開口(D..F)の総面積と前記下部開口(A..C’’)の総面積との比が0.5~0.7の範囲内であることを特徴とする、請求項1
または2に記載のスイッチギア(1)。
【請求項6】
前記断路器ハウジング(4)の少なくとも1つの側壁(8)が、垂直線に対して測定して少なくとも5°の角度(α)で傾斜していることを特徴とする、請求項1
または2に記載のスイッチギア(1)。
【請求項7】
-前記母線(L1..L3)は、互いに重なり合って配置され、それらの長手方向に互いに平行に延びる第1の母線部分(P)を有し、
-第2の母線部分(Q)は、互いに隣接して水平に配置され、それらの長手方向に互いに平行に延び、
-前記第1の母線部分(P)の前記長手方向延長部は、前記第2の母線部分(Q)の前記長手方向延長部に対して垂直に配向されており、
-第1の母線部分(P)が、最下部の母線の前記第1の母線部分(P)の端部から開始して、第2の母線部分(R)に次々に接続されることを特徴とする、請求項1
または2に記載のスイッチギア(1)。
【請求項8】
-前記第1の母線部分(P)は、前記断路器ハウジング(4)の外に配置され、
-前記第2の母線部分(Q)は、前記断路器ハウジング(4)の壁を通過し、前記第1の母線部分(P)及び前記断路器(3a..3c)にそれぞれ接続され、
-前記断路器(3a..3c)は、互いに隣接して水平に配置され、それらの長手方向に互いに平行に延びることを特徴とする、請求項7に記載のスイッチギア(1)。
【請求項9】
-真空遮断器(5)が前記断路器ハウジング(4)内に配置され、前記断路器(3a..3c)にそれぞれ接続され、
-前記真空遮断器(5)は、互いに隣接して垂直に配置され、それらの長手方向に互いに平行に延び、
-前記第3の母線部分(R)は、それぞれ前記真空遮断器(5)に接続されていることを特徴とする、請求項8に記載のスイッチギア。
【請求項10】
前記断路器ハウジング(4)が、前記真空遮断器(5)の領域に配置された少なくとも1つの第3の底部開口(C..C’’)を有することを特徴とする、請求項9に記載のスイッチギア(1)。
【請求項11】
前記断路器ハウジング(4)がプラスチック製であることを特徴とする、請求項1
または2に記載のスイッチギア。
【請求項12】
前記スイッチギアハウジング(2)が、ISO 20653によるIP68の絶縁を提供することを特徴とする、請求項1
または2に記載のスイッチギア。
【請求項13】
複数の断路器ハウジング(4)を取り囲む外側断路器ハウジング(6)を特徴とする、請求項1
または2に記載のスイッチギア。
【請求項14】
前記外側断路器ハウジング(6)が金属から作られていることを特徴とする、請求項13に記載のスイッチギア。
【請求項15】
前記外側断路器ハウジング(6)が、ISO 20653によるIP67の絶縁を提供することを特徴とする、請求項1
3に記載のスイッチギア。
【国際調査報告】