(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-08
(54)【発明の名称】交換可能な挿入体を伴うフィッシングルアー
(51)【国際特許分類】
A01K 85/00 20060101AFI20240801BHJP
【FI】
A01K85/00 A
A01K85/00 G
A01K85/00 J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024509143
(86)(22)【出願日】2022-08-22
(85)【翻訳文提出日】2024-03-15
(86)【国際出願番号】 US2022041114
(87)【国際公開番号】W WO2023028013
(87)【国際公開日】2023-03-02
(32)【優先日】2021-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524059146
【氏名又は名称】ノー ロンガ- ネイキッド ルアーズ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ケルツ,マイケル ウォード
【テーマコード(参考)】
2B307
【Fターム(参考)】
2B307BA42
2B307BA46
2B307BA47
2B307BA66
2B307BA69
2B307BA70
2B307BB01
2B307BB08
2B307BB10
(57)【要約】
交換可能な挿入体を有するフィッシングルアーは、前端部、後端部、左側、右側、上側、及び底側、を有するルアー本体を含む。少なくとも左側、しかしいくつかの実施形態では右側も、後端部に隣接した開口部を伴う挿入スロットを含む。挿入スロットは、少なくとも1対の対向したフランジを有する。挿入体は挿入スロットに係合し、かつその前方端部に、ルアー本体のスナップアパーチャに係合するよう適合されたキャッチ部を有する。自然な誘引物を伴う挿入体の外面は、フランジ間の挿入スロットを通して視認できる。好ましくは挿入体は、全てが色、パターン、手触り、装着具など、様々な外側の特徴を有する、多くの利用可能な挿入体の1つである。挿入体と協働するフィッシングルアー装着具は、既存のフィッシングルアーと共に使用される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィッシングルアー装着具であって、
前端部、後端部、左側、右側、上側、及び底側を有する、ルアー本体装着具を備え、
前記ルアー本体装着具の前記左側は、前記ルアー本体装着具の前記後端部に隣接した開口部を伴う挿入スロットを含み、前記挿入スロットはスナップアパーチャにおいて前記前端部で終端し、前記挿入スロットは少なくとも1対の対向したフランジを有し、
前記挿入スロットに係合するための挿入体であって、前記ルアー本体装着具の前記スナップアパーチャに係合するための、前方端部におけるキャッチ部、手動操作のために適合された、前記挿入体の前記前方端部に隣接したハンドル、及び少なくとも1対の対向した前記フランジ間における前記挿入スロットを通して視認可能な外面、を有する、挿入体を備え、
前記ルアー本体装着具の前記右側は、フィッシングルアーへの装着具のために適合され、
前記ルアー本体装着具は、前記フィッシングルアーに装着され、前記挿入体は、前記キャッチ部が、前記挿入体の前記前方端部において前記ルアー本体装着具の前記スナップアパーチャに係合するまで、前記ルアー本体装着具の前記後端部に隣接した前記挿入スロット開口部において、前記挿入スロットの中に挿入され、それによって前記挿入体は前記挿入スロット内に包含され、前記挿入体は、前記スナップアパーチャから前記キャッチ部を引抜くために、前記挿入体の前記前方端部において前記キャッチ部を押し下げることによって、前記ルアー本体から取り外され、それによって前記挿入体を前記ルアー本体装着具から解放し、前記挿入体が、前記挿入スロット開口部を通して前記ルアー本体装着具から摺動して外れるのを可能にする、
フィッシングルアー装着具。
【請求項2】
前記ルアー本体装着具は、接着剤を用いて前記フィッシングルアーに添加される、請求項1に記載のフィッシングルアー装着具。
【請求項3】
フィッシングルアーであって、
前端部、後端部、左側、右側、上側、及び底側、を有するルアー本体を備え、
前記ルアー本体の前記左側は、前記ルアー本体の前記後端部に隣接した開口部を伴う挿入スロットを含み、前記挿入スロットは、スナップアパーチャにおいて前記前端部に隣接して終端し、前記挿入スロットは少なくとも1対の対向したフランジを有し、
前記挿入スロットに係合するための挿入体であって、前記ルアー本体の前記スナップアパーチャに係合するための、前方端部におけるキャッチ部、手動操作のために適合された、前記挿入体の前記前方端部に隣接したハンドル、及び少なくとも1対の対向した前記フランジ間における前記挿入スロットを通して視認可能な外面、を有する、挿入体を備え、
前記ルアー本体の前記前端部は、貫通したフィッシングライン用アパーチャを有し、前記ルアー本体の前記後端部は、貫通したフィッシングフック用アパーチャを有し、フィッシングフックはそこに装着され、
前記挿入体は、前記キャッチ部が、前記挿入体の前記前方端部において前記ルアー本体の前記スナップアパーチャに係合するまで、前記ルアー本体の前記後端部に隣接した前記挿入スロット開口部において、前記挿入スロットの中に挿入され、それによって前記挿入体は前記挿入スロット内に包含され、前記挿入体は、前記スナップアパーチャから前記キャッチ部を引抜くために、前記挿入体の前記前方端部において前記キャッチ部を押し下げることによって、前記ルアー本体から取り外され、それによって前記挿入体を前記ルアー本体から解放し、前記挿入体が、前記挿入スロット開口部を通して前記ルアー本体から摺動して外れるのを可能にする、
フィッシングルアー。
【請求項4】
各挿入体は、そこに固定された自然な誘引物を含み、それは少なくとも1対の対向した前記フランジ間で前記挿入スロットを通して視認できる、請求項3に記載のフィッシングルアー。
【請求項5】
前記挿入スロットは、前記挿入体の前方端部と前記ルアー本体との間に空隙を含み、前記キャッチ部を押し下げて前記キャッチ部を解放するとき、挿入体を内側に変形させるための空間を作る、請求項3に記載のフィッシングルアー。
【請求項6】
フィッシングルアーであって、
前端部、後端部、左側、右側、上側、及び底側、を有し、全ては中で内部ボリュームを画定する、ルアー本体を備え、
前記ルアー本体の前記左側及び前記ルアー本体の前記右側は各々、前記ルアー本体の前記後端部に隣接した開口部を伴う挿入スロットを含み、前記挿入スロットは前記ルアー本体に沿って延びて、スナップアパーチャにおいて前記前端部に隣接して終端し、前記挿入スロットは少なくとも1対の対向したフランジを有し、
前記ルアー本体の各側で前記挿入スロットに係合するための1対の挿入体であって、各挿入体は、前記ルアー本体の前記スナップアパーチャに係合するよう適合された、前記前方端部におけるキャッチ部、1対の前記挿入体の前記前方端部に隣接して手動操作のために適合されたハンドル、及び少なくとも1対の対向した前記フランジ間における前記挿入スロットを通して視認可能な外面、を有する、1対の挿入体を備え、
前記ルアー本体の前記前端部は、貫通したフィッシングライン用アパーチャを有し、前記ルアー本体の前記後端部は、貫通したフィッシングフック用アパーチャを有し、フィッシングフックはそこに装着され、
各挿入体は、前記キャッチ部が、前記挿入体の前記前方端部において前記ルアー本体の前記スナップアパーチャに係合するまで、前記ルアー本体の前記後端部に隣接した前記挿入スロット開口部において、前記挿入スロットの中に挿入され、それによって前記挿入体は前記挿入スロット内に包含され、前記挿入体は、前記スナップアパーチャから前記キャッチ部を引抜くために、前記挿入体の前記前方端部において前記キャッチ部を押し下げることによって、前記ルアー本体から取り外され、それによって前記挿入体を前記ルアー本体から解放し、前記挿入体が、前記挿入スロット開口部を通して前記ルアー本体から摺動して外れるのを可能にする、
フィッシングルアー。
【請求項7】
各挿入体は、そこに固定された自然な誘引物を含み、それは少なくとも1対の対向した前記フランジ間で前記挿入スロットを通して視認できる、請求項6に記載のフィッシングルアー。
【請求項8】
複数の音を出す要素は、前記ルアー本体の内部ボリューム内に包含される、請求項6に記載のフィッシングルアー。
【請求項9】
前記ルアー本体の前記前端部に隣接して固定された、1つまたは複数のルアーアイをさらに含む、請求項6に記載のフィッシングルアー。
【請求項10】
前記ルアー本体は、射出成形されたプラスチック材料から一体化して形成される、請求項6に記載のフィッシングルアー。
【請求項11】
前記ルアー本体は、共に固定される2つの半体を備える、請求項6に記載のフィッシングルアー。
【請求項12】
前記2つの半体は、超音波接合法で共に固定される、請求項11に記載のフィッシングルアー。
【請求項13】
前記2つの半体は、接合剤で固定される、請求項11に記載のフィッシングルアー。
【請求項14】
各挿入スロットは、前記挿入体の前方端部と前記ルアー本体との間に空隙を含み、前記キャッチ部を押し下げて前記キャッチ部を解放するとき、挿入体を内側に変形させるための空間を作る、請求項6に記載のフィッシングルアー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年8月22日に出願された米国仮特許出願第63/235,783号明細書、及び2022年8月22日に出願された米国実用特許出願第17/893,020号明細書の利益を主張し、その両方は本明細書で参照として組み込まれる。
【0002】
本発明はフィッシングに関し、より詳細には交換可能な挿入体を伴うフィッシングルアーに関する。
【背景技術】
【0003】
現在、魚を誘引するために設計された、人工の硬質体のフィッシングルアー及びスプーンタイプのフィッシングルアーに対する、いくつかの視覚的な解決策が存在する。これらの解決策は、様々な魚の種類が好むよう企図するが、これらの解決策は、過去の硬質体のフィッシングルアー及びスポーンタイプのフィッシングルアーにおける視覚的設計と、実質的に異ならないために、当産業における要望のいくつかを満たさない。硬質体のフィッシングルアー及びスプーンタイプのフィッシングルアーの、現在の外観は、自然に生じる鮮やかな色、自然に生じる形状、及び自然の生じるパターンを、十分に活用していない。したがって、硬質体のフィッシングルアー及びスプーンタイプのフィッシングルアーの市場は、自然現象を呈し、かつ表現を変化させる試みを簡略化する、自然ベースのルアーに対する選択が不足している。
【0004】
硬質体のフィッシングルアー及びスプーンタイプのフィッシングルアーは、それらの市場における他の基本的要望を満たすことができない。それらの解決策が、転用性を変える提案、及び簡易さを変える提案に欠けるためである。現在の市場における、硬質体のフィッシングルアー及びスプーンタイプのフィッシングルアーは、それらの表現を変える必要があるとき、釣り人に:1)クラスプまたは類似の締結デバイスを開き、ルアーを取り外し、ルアーを再装着して締結デバイスを閉じるよう要求するか、または2)ラインを切断し、ルアーを取り外し、別のルアーを装着し、次にラインを結び直す、のいずれかを要求する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
硬質体のフィッシングルアー及びスプーンタイプのフィッシングルアーの製造者は、交換可能である、自然な誘引物を使用するルアーを開発していない。したがって、好適な硬質体のフィッシングルアーまたはスプーンタイプのフィッシングルアーに、天然産物またはそれらの合成代替物を提示する、交換可能なスナップロック式の挿入体を使用する選択を、釣り人に可能にするフィッシングルアーに対する要望が存在する。このような、必要とされる発明は、ルアーをフィッシングラインから取り外す必要なく、迅速な挿入体の交換を可能にするであろう。このような挿入体は、好ましくは広範なルアーのタイプ、形状、及びサイズに使用可能となるであろう。本発明は、これらの目的を実現する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本デバイスは、交換可能な挿入体を有するフィッシングルアーである。フィッシングルアーのスプーンタイプの実施形態は、前端部、後端部、左側、右側、上側、及び底側、を有するルアー本体を含む。ルアー本体の左側は、ルアー本体の後端部に隣接した開口部を伴う、挿入スロットを含む。この挿入スロットは、スナップアパーチャにおいて前端部に隣接して終端する。挿入スロットは、少なくとも1対の対向したフランジを有する。平面対称のフィッシングルアーである、代替の実施形態において、挿入スロットは、ルアー本体の右側に位置される。
【0007】
挿入体は、挿入スロットに係合し、挿入体の前方端部にキャッチ部を有する。このキャッチ部は、ルアー本体のスナップアパーチャに係合するよう適合される。好ましくは挿入体の前方端部に近接したハンドルは、手動操作のために適合され、挿入体を挿入スロットに挿入すること、及び挿入体から取り外すことを容易にする。挿入体の外側は、挿入体が挿入スロットに係合されたときに、フランジ間の挿入スロットを通して視認できる。好ましくは挿入体は、全てが色、パターン、手触り、装着具など、様々な外側の特徴を有する、多くの利用可能な挿入体の1つである。したがって、効果的な挿入体が、フィッシングルアーと共に使用するために利用可能である場合、フィッシングルアーをフィッシングラインから取り外す必要はない。好ましくは、全てのこのような挿入体は、様々なタイプの硬質体のルアー、スプーンタイプのルアー、または1つまたは複数の挿入スロットを有する他のルアー、と共に使用するよう適合される。
【0008】
ルアー本体の前端部は、貫通したフィッシングライン用アパーチャを有し、フィッシングラインなどを受け入れる。ルアー本体の後端部は、貫通したフィッシングフック用アパーチャを含み、スピナー製品、クラスプ、フィッシングポールからのフィッシングラインを装着する。フィッシングフックは、当技術分野で公知である、スプリットリングなどの装着リングを伴うフィッシングフック用アパーチャに、装着される。
【0009】
使用中、挿入体は、ルアー本体の後端部に隣接した挿入スロット開口部において、挿入スロットの中に挿入される。挿入体の前方端部におけるキャッチ部は、ルアー本体のスナップアパーチャに係合し、それによって挿入スロット内に挿入体を包含する。マイナスドライバまたはナイフなどの平坦なツールを用いて、キャッチ部をスナップアパーチャから引抜くために、挿入体は、キャッチ部を挿入体の前方端部で押し下げることによってルアー本体から取り外される。それによって挿入体は、ルアー本体から解放され、挿入スロット開口部を通してルアー本体から摺動させて外すことができる。挿入体の前方端部とルアー本体との間の空隙は、キャッチ部をスナップアパーチャから解放するために、キャッチ部が押し下げられたときに、挿入体が内側に変形されるボリュームを提供する。
【0010】
好ましくは、自然な誘引物は挿入体と共に固定され、挿入体がルアー本体の挿入スロットに係合されたとき、少なくとも1対のフランジ間の挿入スロットを通して視認できる。
【0011】
本発明の代替の実施形態において、ルアー本体は2つの半体を含み、それらは各々共に固定され、その中で内部ボリュームを形成する。各半体は、挿入スロットの内1つを含み、それによってこのような実施形態は、ルアー本体における左側の1つ、及びルアー本体の右側の1つ、である2つの挿入体を保持する。
【0012】
好ましくは、このような実施形態は、ルアー本体の前端部と共に固定されたダイバーリップを含む。ダイバーリップは、貫通したフィッシングライン用アパーチャを含む。いくつかの実施形態において、クレビスピンは、ダイバーリップのフィッシングライン用アパーチャを通して固定され、このクレビスピンは、上側に隣接した、貫通した別のフィッシングライン用アパーチャを提供し、水塊を通してルアー本体を引張るために、フィッシングラインに接続する。ルアー本体の前端部におけるダイバーリップスロットは、その中にダイバーリップを受け入れるよう適合される。
【0013】
本発明の簡略化された実施形態において、ルアー本体装着具は、既存のフィッシングルアーに装着されるよう適合される。ルアー本体装着具は、前端部、後端部、左側、右側、上側、及び底側、を有する。ルアー本体装着具の左側は、ルアー本体装着具の後端部に隣接した開口部を伴う、挿入スロットを含む。この挿入スロットは、スナップアパーチャにおいて、ルアー本体装着具の前端部に隣接して終端する。挿入スロットは、少なくとも1対の対向したフランジを有する。挿入体は、フィッシングルアーの挿入スロットについての説明と同じ方法で、ルアー本体装着具の挿入スロットに係合する。ルアー本体装着具の右側は、フィッシングルアーの、好ましくは実質的に平坦であるか、またはフィッシングルアーの僅かに湾曲した側に、通常は防水エポキシ接着剤などの接着剤を用いて定着する。
【0014】
本発明は、好適な硬質体のフィッシングルアーまたはスプーンタイプのフィッシングルアーに、天然産物または合成代替物を提示する、交換可能なスナップロック式の挿入体を使用する選択肢を、釣り人に可能にするフィッシングルアーである。このフィッシングルアーは、ルアーをフィッシングラインから取り外す必要なく、迅速な挿入体の交換を可能にする。このような挿入体は、広範なルアーのタイプ、形状、及びサイズに使用可能となる。本発明の、他の特徴及び利点は、本発明の原理を例として示す添付の図面を共に用いて、以下のより詳細な説明から明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】交換可能な挿入体が付いていない挿入スロットと共に例示した、本発明の第1の実施形態における左側斜視図である。
【
図2】挿入スロットに係合された挿入体と共に例示した、本発明の第1の実施形態における左側正面図である。
【
図4】全体に
図2のライン4-4に沿った拡大部分断面図である。
【
図5】本発明の第2の実施形態における正面上部斜視図である。
【
図6】本発明の第2の実施形態における上面図である。
【
図7】
図6のライン7-7に沿った、本発明の第2の実施形態における断面図である。
【
図8】本発明の第2の実施形態における正面図である。
【
図9】挿入体の1つの実施形態における正面上部斜視図である。
【
図10】本発明の代替の実施形態における正面上部斜視図である。
【
図11】挿入体の第2の実施形態における正面上部斜視図である。
【
図12】本発明のさらに別の実施形態における左側正面図である。
【
図14】既存のフィッシングルアーに添加できるルアー本体装着具を含んだ、本発明の簡略化された実施形態における分解組立斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の例示的な実施形態を、以下で説明する。以下の説明は、これらの実施形態の記載を完全に理解するため、及びこれらの実施形態の説明を使用可能するために、特定の詳細を提供する。当業者は、このような詳細なしに、本発明を実施し得ることを理解するであろう。他の例において、公知の構造及び機能は、実施形態の記述を不必要に曖昧にするのを避けるために、詳細には示さず、または説明しない。
【0017】
そうではないことを文脈が明確に要求しない限り、説明及び「特許請求の範囲」の全体で、用語「備える、含む(comprise)」、「備えている、含んでいる(comprising)」などは、排他的または排他的観念とは反対で、包括的観念にあること、すなわち「含んでいるが、限定ではない」と解釈するべきである。単数または複数を使用した用語は、それぞれ複数または単数も含む。追加として、用語「本明細書で」、「上記の」、「下記の」、及び類似の趣旨の用語は、本出願で使用するとき、本出願の全体を指すものであり、本出願の任意の特定の部分を指すものではない。「特許請求の範囲」が、2つ以上のアイテムのリストを指す際に、用語「または(or)」を使用するとき、この用語は、以下の用語の説明を全て:リストにおける任意のアイテム、リストにおける全てのアイテム、及びリストにおけるアイテムの任意の組み合わせ、を網羅する。少なくとも1つの数として事前に提起された要素を指すために、用語「各々の(each)」が使用されるとき、用語「各々の」は、必ずしも複数の要素を含意せず、単一の要素も意味することができる。
【0018】
図1~
図4は、フィッシングルアー10のスプーンタイプの実施形態を例示し、前端部22、後端部28、左側24、右側26、上側29、及び底側21、を有するルアー本体20を含む。このようなスプーンタイプの実施形態は、好ましくは金属製の楕円形であり、反射光で魚を誘引するために、食器のスプーンのように窪んでいてもよい。
【0019】
ルアー本体20の左側24は、ルアー本体20の後端部28に隣接した開口部32を伴う、挿入スロット30を含む。挿入スロット30は、スナップアパーチャ40において、前端部22に隣接して終端する。挿入スロット30は、少なくとも1対の対向したフランジ50を有する。
【0020】
挿入体60は、挿入スロット30に係合し、挿入体60の前方端部68にキャッチ部70を有する。キャッチ部70は、ルアー本体20のスナップアパーチャ40に係合するよう適合される。好ましくは挿入体60の前方端部68に近接したハンドル80は、挿入体60を挿入スロット30に挿入すること、及び挿入スロット30から取り外すこと、を容易にするよう、手動操作のために適合される。挿入体60の外側90は、挿入体60が挿入スロット30に係合されたときに、フランジ50間の挿入スロット30を通して視認できる。
【0021】
挿入体60及び挿入スリット30の間などにおける、摩擦係合の形態でもある戻り止め(図示せず)と、挿入スロット30における1つまたは複数の凹部(図示せず)に係合するために、挿入体60から離れるよう突出した1つまたは複数のこぶ(図示せず)と、を伴う摩擦嵌合装置など、挿入体60を挿入スロット30に、選択的に係合するための代替の機構が利用され得る。挿入スロット30の中に促された、バネで留められた1つまたは複数のプランジャ(図示せず)も使用され得る。このようなバネで留められたプランジャは、挿入体60が挿入スロット30の中に挿入されたとき、挿入スロット30から離れるよう動かされ、完全に係合された位置に到達すると直ぐに、このようなバネで留められたプランジャは、挿入体60の保持用アパーチャ(図示せず)の中に移動して、挿入体60を挿入スロット30内に固定する。代替として、挿入体60は、1つまたは複数の磁石(図示せず)、吸入カップ(図示せず)、機械式スナップファスナー(図示せず)、面ファスナー(図示せず)、インターロッキングマッシュルームタイプのファスナー(図示せず)、を使用することによって、挿入スロット30内に保持され得る。
【0022】
好ましくは挿入体60は、全てが色、パターン、手触り、装着具など、様々な外側90の特徴を有する、多くの利用可能な挿入体60の1つである。例えばトラウトなどの特定のタイプの魚のために、鮭の卵に似せた自然な誘引物120を有する挿入体60は、魚をフィッシングルアー10に誘引するために、非常に効果的となり得る。
【0023】
他の自然な誘引物120として、羽毛、ジェムストーン、動物の皮膚、爬虫類の皮膚、昆虫の羽根などが挙げられ、挿入体60に接着されるか、または装着され得る。いくつかの羽毛タイプなど、特定の自然な誘引物120は、自然な誘引物120を挿入体60に接着するのを促進させるために、溝または他の特色のある表面特性を必要とし得る。羽毛121(
図12)の好適なタイプの例として、シリコーンベースもしくはポリエーテルベールの防水シーリング材、及び/または接着剤が、挿入体60の外面90における溝220に適用される。羽毛121のシャフト225は、溝220の中に配置され、羽毛121のシャフト225が挿入体60の溝220に接合するまで、羽毛121のシャフト225に圧力が加えられる。挿入体60が、挿入スロット30の中に、及び挿入スロット30の外へ摺動されるときに、フランジ50に干渉しないよう、自然な誘引物120は、外側90に位置付けられる。
【0024】
したがって、効果的な挿入体60が、フィッシングルアー10と共に使用するために利用可能である場合、フィッシングルアー10をフィッシングラインから取り外す必要はない。このような挿入体60は、ジェル、ペースト、ソース、オイル、または任意の他のベイト製品(死んだ物または活きた物)から作られた香りを受け入れるための、吸収性のベイトセントレシーバ(図示せず)を組み込み得る。このような挿入体60は、ベイトセント製品、またはフィッシングルアー10の重量に追加するタングステンパテ(図示せず)などの可鍛性製品、を受け入れるための凹部210(
図11)をさらに含む。好ましくは、このような全ての挿入体60は、様々なタイプの硬質体のルアー10(
図5)、スプーンタイプのルアー10(
図1)、または1つまたは複数の挿入スロット30を有する他のルアー10、と共に使用するよう適合される。
【0025】
ルアー本体20の前端部22は、貫通したフィッシングライン用アパーチャ100を有し、フィッシングライン(図示せず)などを受け入れる。ルアー本体30の後端部28は、貫通したフィッシングフック用アパーチャ110を含み、例えばスピナー製品、クラスプ、フィッシングポールからのフィッシングライン(全て図示せず)を装着する。フィッシングフック15は、当技術分野で公知である、スプリットリングなどの装着リング200を有するフィッシングフック用アパーチャ110を伴って装着される。
【0026】
使用中、挿入体60は、ルアー本体20の後端部28に隣接した挿入スロット開口部32において、挿入スロット30の中に挿入される。挿入体60の前方端部68におけるキャッチ部70は、ルアー本体20のスナップアパーチャ40に係合し、それによって挿入スロット30内に挿入体60を包含する。キャッチ部70をスナップアパーチャ40から引抜くために、挿入体60の前方端部68においてキャッチ部70を押し下げることによって、挿入体60はルアー本体20から取り外される。それは一般にハンドル80を掴むことで容易にされる。指の爪または平坦なツール(図示せず)を使用して、キャッチ部70を押し下げることができる。それによって挿入体60は、ルアー本体20から解放され、挿入スロット開口部32を通してルアー本体20から摺動させて外すことができる。挿入体60の前方端部68とルアー本体20との間の空隙130(
図4)は、キャッチ部70をスナップアパーチャ40から解放するために、キャッチ部70が押し下げられたときに、挿入体60が内側に変形されるボリュームを提供する。
【0027】
好ましくは、自然な誘引物120は挿入体60と共に固定され、挿入体60がルアー本体20の挿入スロット30に係合されたとき、少なくとも1対のフランジ50間で挿入スロット30を通して視認できる。
【0028】
図5~
図8、
図10、
図12、及び
図13で例示される、本発明の代替の実施形態において、ルアー本体20は2つの半体180を含み、それらは各々共に固定され、その中で内部ボリューム25を形成する。各半体180は、挿入スロット30の内1つを含み、それによってこのような実施形態の各々は、ルアー本体20における左側24の1つ、及びルアー本体20における右側26の1つ、である2つの挿入体60を保持する。ルアー本体20が熱可撓性材料で作られる実施形態では、2つの半体180は、超音波接合法、接合剤、接着剤などを用いて、共に固定される。協働して連動する機械的ファスナーポスト及び凹部27も、超音波接合などで、または単独のいずれかで使用され、このようなファスナーポストと凹部との間の摩擦嵌合が提供されてもよく、当技術分野で公知のように、2つの半体180を共に保持するために十分である。
【0029】
このような実施形態は、ルアー本体20の内部ボリューム25内に包含された、ボールベアリングなどの音を出す要素140(
図7)を含み得る。このようなフィッシングルアー10が水塊(図示せず)を通して引張られたとき、ルアー本体20は前後に振動して、音を出す要素140を互いに、かつ各半体180の内面にぶつけて、様々なタイプの魚を誘引することができる音を生成する。
【0030】
好ましくは、このような実施形態は、ルアー本体20の前端部22と共に固定されたダイバーリップ150を含む。ダイバーリップ150は、貫通したフィッシングライン用アパーチャ100を含む。ルアー本体20の前端部22におけるダイバーリップスロット155は、その中にダイバーリップ150を受け入れるよう適合される。いくつかの実施形態において、クレビスピン160が、ダイバーリップ150のフィッシングライン用アパーチャ100を通して固定される。クレビスピン160は、貫通した別のフィッシングライン用アパーチャ100を上側168に隣接して提供し、水塊を通してルアー本体20を引張るために、フィッシングライン(図示せず)に接続する。ダイバーリップ150には複数のフィッシングライン用アパーチャ100が存在してよく、それによって釣り人は、ダイバーリップ150のどこにクレビスピン160を装着すべきかを判断し、それは、フィッシングルアー100が水塊を通して引張られる際に、フィッシングルアー100の動きを変化させ得る。
【0031】
好ましくは、このような実施形態は、ルアー本体20の前端部22に隣接して固定された1つまたは複数のルアーアイ170も含む。このようなルアーアイ170は、カットガラス、石英ガラス、クリスタルガラス、ジェムストーン、シリカ、石英砂、それらの任意の組み合わせなど、または釣り餌もしくは魚の目を模倣するために好適な任意の他の材料もしくは製品、を含み得る。ルアーアイ170は、接着剤、超音波接合技術、ルアー本体20の中に形成されたレセプタクル(図示せず)の中への圧入など、を用いてルアー本体20に機械的に接合される。さらに、装飾的な外層(図示せず)が、塗装またはアップリケなどのいずれかによって、ルアー本体20に適用され得る。
【0032】
代替の実施形態において、ルアー本体20は2つの挿入スロット30を含むが、それは射出成形されたプラスチック材料から一体化して形成される。したがって、内部ボリューム25は、射出成形されたプラスチック材料で充填される。任意の構成要素は、所望または好適なように、熱硬化性プラスチック、熱可撓性プラスチック、セルロースプラスチック、木材、金属もしくは合金、アルミニウムもしくはアルミニウム合金、スチールもしくはステンレススチール合金、ビニール、ゴムもしくはゴム類似材料(限定ではないが、スチレンブタジエンゴム、ポリブタジエンゴム、EPDMゴム、シリコーンゴム、ネオプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、ティンプレーン、合成ゴム、気泡ゴム、スポンジゴムを含む)、ナイロン、コーク、ネオプレン、粗布、複合型材料、射出成形処理に使用される任意の材料、または任意のフック15を含んだこのフィッシングルアー10における1つまたは複数の構成要素のための、上記の材料の任意の組み合わせ、で作られ得る。
【0033】
本発明の簡略化された実施形態において、ルアー本体装着具11(
図14)は、既存のフィッシングルアー12に装着されるよう適合される。ルアー本体装着具11は、前端部22、後端部28、左側24、右側26、上側29、及び底側21、を有する。ルアー本体装着具11は、好ましくは上記で言及した、射出成形されたプラスチックから作られる。
【0034】
ルアー本体装着具11の左側24は、ルアー本体装着具11の後端部28に隣接した開口部32を伴う、挿入スロット30を含む。挿入スロット30は、スナップアパーチャ40において、ルアー本体装着具11の前端部22に隣接して終端する。挿入スロット30は、少なくとも1対の対向したフランジ50を有する。挿入体60は、フィッシングルアー10の挿入スロットについての説明と同じ方法で、ルアー本体装着具11の挿入スロット30に係合する。ルアー本体装着具11の右側26は、フィッシングルアー12に、好ましくはフィッシングルアー12の、実質的に平坦または僅かに湾曲した側に、通常は防水エポキシ接着剤などの接着剤を用いて定着する。
【0035】
本発明の特定の形態を例示して説明したが、様々な変更を、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく成すことができることは、明らかである。例えば、ルアー本体20の形状は大きく変化し得るが、やはり挿入スロット30、キャッチ部70、及び挿入体60の重要要素を含む。したがって、添付の「特許請求の範囲」によるもの以外、本発明を限定することは意図されない。
【0036】
本発明の特定の特徴または態様を説明するときに使用される、特定の専門用語を、この専門用語に関連付けられた本発明の任意の特性、特徴、または態様に限定するために、本明細書で再定義されるものと意味するよう捉えるべきではない。一般的に、以下の「特許請求の範囲」で使用される用語は、上記の「発明を実施するための形態」でこのような用語を明示的に定義しない限り、本明細書で開示される特定の実施形態に本発明を限定するよう解釈するべきではない。したがって、本発明の実際の範囲は、開示する実施形態のみではなく、本発明の実施または実現する全ての同等の方法も、包含する。
【0037】
本発明の実施形態における上記の「発明を実施するための形態」は、網羅的であること、上記で開示したものと正確な形態または本開示で言及した使用の特定の分野に、本発明を限定すること、を意図しない。本発明の特定の実施形態及び例を、例示目的で上記において説明したが、当業者は理解するように、様々な同等の変更が、本発明の範囲内で可能である。さらに、本明細書で提供された本発明の教示を、必ずしも上記で説明したシステムではなく、他のシステムに適用することができる。上記で説明した様々な実施形態の要素及び動作を、別の実施形態を提供するために組み合わせることができる。
【0038】
添付の出願書類に列挙され得る任意のものを含んだ、上記の特許及び出願の全て、ならびに他の参照は、参照として本明細書に組み込まれる。本発明の態様は、上記で説明した様々な参照におけるシステム、機能、及びコンセプトを利用して、必要に応じて変更することができ、本発明のさらなる別の実施形態を提供する。
【0039】
上記の「発明を実施するための形態」に照らして、本発明を変更することができる。上記の説明は、本発明の特定の実施形態を詳述し、かつ企図された最良のモードを説明するが、いかなる詳細が上記で文脈において現出するかに関わらず、本発明は多くの方法で実施することができる。したがって、実現の詳細はかなり変化し、その一方で、本明細書で開示する本発明によって、やはり包含され得る。上記で言及したように、本発明の特定の特徴または態様を説明するときに使用される、特定の専門用語を、この専門用語に関連付けられた本発明の任意の特性、特徴、または態様に限定するために、本明細書で再定義されるものと意味するよう捉えるべきではない。
【0040】
本発明の特定の態様は、以下で特定の特許請求項の形態で示されるが、本発明者は、任意の数の特許請求項における形態で、本発明の様々な態様を企図する。したがって、本発明者は、本発明の他の態様について、追加の特許請求項の形態を追及するために、本出願を提出後にこのような追加の特許請求の範囲を追加する権利を保持する。
【国際調査報告】