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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-08
(54)【発明の名称】遠心分離機
(51)【国際特許分類】
   B04B 5/02 20060101AFI20240801BHJP
【FI】
B04B5/02 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024509317
(86)(22)【出願日】2022-08-16
(85)【翻訳文提出日】2024-04-15
(86)【国際出願番号】 EP2022072820
(87)【国際公開番号】W WO2023021017
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】102021121259.6
(32)【優先日】2021-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508291836
【氏名又は名称】アンドレアス ヘティック ゲーエムベーハー アンド カンパニー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】ホルネク マティアス
(72)【発明者】
【氏名】ヘルダーレ アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】キッツマン オイゲン
(72)【発明者】
【氏名】エベレー クラウス-ギュンター
【テーマコード(参考)】
4D057
【Fターム(参考)】
4D057AC01
4D057AC05
4D057AD01
4D057AE11
4D057BA21
(57)【要約】
本発明は遠心分離機に関するものであり、回転軸(24)まわりに回転可能な駆動軸部(14)と、駆動軸部(14)に接続され、又は駆動軸部(14)の一部を構成するアダプタ(12)と、アダプタ(12)に軸受けされ、軸方向に取出方向に取り出し可能なロータ(10)と、ロータ(10)とアダプタ(12)との間で働くクイックリリース締結具(22)であって、ロータ(10)を取出方向においてアダプタ(12)に対して固定し、必要に応じて取り外し可能なクイックリリース締結具(22)と、アダプタ(12)に接続されたアバットメント(40a)と、ロータ(10)に接続されたロックベアリング(44)と、クイックリリース締結具(22)の一部である少なくとも1つのロック部材(32)であって、当該ロック部材(32)の作動時にアダプタ(12)に対してロータ(10)を相対的に固定することにより駆動軸部(14)に対してロータ(10)を相対的に固定し、ロータ(10)のロックベアリング(44)と駆動軸部(14)のアバットメント(40a)との間で働くロック部材(32)と、を備えており、クイックリリース締結具(22)は操作部材(26)を備えており、操作部材(26)がロック解除位置とロック位置との間で駆動軸部(14)の回転軸(24)に対して直線移動可能に、とりわけ回転軸(24)に対して平行に移動可能に取り付けられるように、ロック部材(32)が操作部材(26)と動作結合されており、操作部材(26)が移動するとロック部材(32)はアダプタ(12)に対して直線移動を行い、ロック部材(32)は回転軸(24)に対して第1の角度(α)でロック位置とロック解除位置との間で移動可能であり、ロックベアリング(44)の向きは回転軸(24)に対して第2の角度(β)となっており、ただし第2の角度(β)は第1の角度(α)とは異なる。本発明は、両角度(α,β)が回転軸(24)を基準として操作部材(26)側から時計回りに測定される角度であり、0°~90°であることを特徴とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸(24)まわりに回転可能な駆動軸部(14)と、
前記駆動軸部(14)に接続され、又は前記駆動軸部(14)の一部を構成するアダプタ(12)と、
前記アダプタ(12)に軸受けされ、軸方向に取出方向に取り出し可能なロータ(10)と、
前記ロータ(10)と前記アダプタ(12)との間で働くクイックリリース締結具(22)であって、前記ロータ(10)を取出方向において前記アダプタ(12)に対して固定し、必要に応じて取り外し可能なクイックリリース締結具(22)と、
前記アダプタ(12)に接続されたアバットメント(40a)と、
前記ロータ(10)に接続されたロックベアリング(44)と、
前記クイックリリース締結具(22)の一部である少なくとも1つのロック部材(32)であって、当該ロック部材(32)の作動時に前記アダプタ(12)に対して前記ロータ(10)を相対的に固定することにより前記駆動軸部(14)に対して前記ロータ(10)を相対的に固定し、前記ロータ(10)の前記ロックベアリング(44)と前記駆動軸部(14)の前記アバットメント(40a)との間で働くロック部材(32)と、
を備えた遠心分離機であって、
前記クイックリリース締結具(22)は操作部材(26)を備えており、
前記操作部材(26)がロック解除位置とロック位置との間で前記駆動軸部(14)の回転軸(24)に対して直線移動可能に、とりわけ前記回転軸(24)に対して平行に移動可能に取り付けられるように、前記ロック部材(32)が前記操作部材(26)と動作結合されており、
前記操作部材(26)が移動すると前記ロック部材(32)は前記アダプタ(12)に対して直線移動を行い、
前記ロック部材(32)は前記回転軸(24)に対して第1の角度(α)で前記ロック位置と前記ロック解除位置との間で移動可能であり、前記ロックベアリング(44)の向きは前記回転軸(24)に対して第2の角度(β)となっており、ただし前記第2の角度(β)は第1の角度(α)とは異なり、
前記両角度(α,β)は、前記回転軸(24)を基準として前記操作部材(26)側から時計回りに測定して0°~90°である
ことを特徴とする遠心分離機。
【請求項2】
前記第1の角度(α)は20°~75°の範囲内であり、前記第2の角度(β)は10°~70°の範囲内である、
請求項1記載の遠心分離機。
【請求項3】
前記第1の角度(α)は前記第2の角度(β)より大きい、
請求項1又は2記載の遠心分離機。
【請求項4】
前記ロックベアリング(44)は、前記ロック位置にあるときに前記アダプタ(12)まで及ぶ面(44a)を形成し、
前記ロックベアリング(44)の前記面(44a)は、前記ロック位置にあるときに前記アダプタ(12)において、当該アダプタ(12)から突出するロック部材(32)に対して高さオフセット(H)を有することにより、前記ロック部材(32)が前記アダプタ(12)から径方向に距離をおいて前記ロックベアリング(44)に当接する、
請求項1から3までのいずれか1項記載の遠心分離機。
【請求項5】
前記高さオフセット(H)は、前記回転軸(24)に対して平行な方向において前記アダプタ(12)及び前記ロータ(10)の当接し合う面の最大可能な製造公差より大きい、
請求項4記載の遠心分離機。
【請求項6】
前記操作部材(26)は円柱状のピンであると共に、下部分に1つ又は複数の前記ロック部材(32)を受けるための受け部を有する、
請求項1から5までのいずれか1項記載の遠心分離機。
【請求項7】
前記操作部材(26)は側方に、前記ロック部材(32)に対する1つ又は複数のU字状の切欠部(34)を有し、
前記切欠部(34)は、ロック位置とロック解除位置との間における前記各ロック部材(32)に対する前記操作部材(26)の相対移動を可能にするものである、
請求項6記載の遠心分離機。
【請求項8】
U字状の前記切欠部(34)は横方向延在部分(34a)に、前記回転軸(24)に対して前記第1の角度(α)で延在する斜行孔として形成されている、
請求項7記載の遠心分離機。
【請求項9】
前記操作部材(26)における前記駆動軸部(14)側に押圧プレート(36)が設けられており、
前記押圧プレート(36)の一方の面に、前記各ロック部材(32)を当接させるための第1の当接面(36a)が設けられていると共に、前記押圧プレート(36)の他方の面に、バネ(38)を当接させるための第2の当接面が設けられている、
請求項1から8までのいずれか1項記載の遠心分離機。
【請求項10】
前記各ロック部材(32)を当接させるための前記押圧プレート(36)の前記第1の当接面(36a)の向きは、それぞれ前記第1の角度(α)に対して垂直な角度になっている、
請求項9記載の遠心分離機。
【請求項11】
前記アダプタ(12)は、前記ロック部材(32)を案内するための案内面を有し、
前記案内面はとりわけ前記第1の角度(α)に傾いている、
請求項1から10までのいずれか1項記載の遠心分離機。
【請求項12】
前記アバットメント(40a)は前記アダプタ(12)の一部であり、前記アバットメント(40a)の向きはとりわけ前記第1の角度(α)となっている、
請求項1から11までのいずれか1項記載の遠心分離機。
【請求項13】
前記操作部材(26)及び/又は前記ロック部材(32)はロック位置の方向にバネ付勢されている、
請求項1から12までのいずれか1項記載の遠心分離機。
【請求項14】
前記ロック部材(32)は複数、少なくとも2つ、好適には3つ設けられており、前記各ロック部材(32)は他の前記ロック部材(32)と同一構成である、
請求項1から13までのいずれか1項記載の遠心分離機。
【請求項15】
前記各ロック部材(32)は互いに等間隔に配置されている、
請求項14記載の遠心分離機。
【請求項16】
前記ロック部材(32)は全体として細長いピンとして形成されており、
とりわけ、前記ピンの基本形状は円柱状である、
請求項1から15までのいずれか1項記載の遠心分離機。
【請求項17】
前記ロック部材(32)は、前記ロック位置から前記ロック解除位置へ移動する間に前記アダプタ(12)の突起(34b)と共に回転防止として協働する切欠部(32b,32e)を有する、
請求項16記載の遠心分離機。
【請求項18】
前記ロック部材(32)の前端に、当該ロック部材(32)の長手軸に対するスロープ(32d)が設けられており、
前記ロック位置にあるとき、前記スロープ(32d)は前記ロックベアリング(44)に当接する、
請求項1から17までのいずれか1項記載の遠心分離機。
【請求項19】
前記ロック部材(32)の長手軸が前記回転軸(24)と交差するように前記ロック部材は前記アダプタに支持されている、
請求項1から18までのいずれか1項記載の遠心分離機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに記載された分野の遠心分離機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
取り出し可能なロータを備えた遠心分離機であって、当該ロータを駆動軸部に、又は駆動軸部に取り付けられたアダプタの駆動軸部に軸方向にロックして相対回転不能に接続するための装置を備えており、当該ロックのために高コストな取り付けや特殊な工具を要しない遠心分離機が既に公知となっている。
【0003】
独国特許出願公開第102018114289号明細書に遠心分離機が記載されている。遠心分離機は、回転軸まわりに回転可能な駆動軸部を備え、駆動軸部にはアダプタが相対回転不能に接続されている。アダプタは必要に応じて駆動軸部から取り外すことができる。これに代えて、アダプタは駆動軸部の一部とすることもできる。アダプタには、軸方向に取出方向に取り出し可能なロータが設けられ、ロータは、当該ロータとアダプタとの間で働くクイックリリース締結具を介してアダプタに接続され、このクイックリリース締結具は片手で操作可能なものである。例えば、遠心分離機の外部でロータにサンプルを装着し、又は他のサンプル容器のための他のロータを遠心分離機に挿入するため、上記のクイックリリース締結具を介してロータを取出方向においてアダプタに対して固定し、ひいては駆動軸部に対して固定し、必要に応じて取り外し可能となっている。アダプタにはアバットメントが設けられてると共に、ロータにはロックベアリングが設けられている。さらに、少なくとも1つのロック部材がクイックリリース締結具の一部として設けられ、このロック部材は、作動されるとロータをアダプタに対して相対的に固定し、ひいては駆動軸部に対して相対的に固定して、当該ロータのロックベアリングと駆動軸部のアバットメントとの間で働く。さらに、クイックリリース締結具は操作部材も備えており、この操作部材を介してロック部材をロック解除位置からロック位置へ、またその逆方向に移動できるようになっている。ロック部材は、操作部材がロック解除位置とロック位置との間で駆動軸部の回転軸に対して直線移動可能に、とりわけ回転軸に対して平行に移動可能に取り付けられるように、操作部材と動作結合されている。操作部材が移動すると、ロック部材はロック解除位置とロック位置との間でアダプタに対して直線移動を行う。ロータの食い込み(Verklemmen)を長期間にわたって防止し、ロータを滞りなく交換できるようにするためには、かかる構成を実現するために非常に高い製造精度を実現する必要がある。かかる高い製造精度により、確実で遊びの無いロックが保証される。
【0004】
独国特許出願公開第102014008219号明細書にも遠心分離機が記載されているが、この遠心分離機は、駆動軸部の回転軸に対して平行な軸まわりにロック部材がロック解除位置からロック位置へ回転するものである。この遠心分離機の欠点は、ロック部材が回転することにある。システムに公差があり、とりわけ軸方向に高さ公差が存在すると、ロック部材はロックベアリングに面で当接することができなくなり、点でしか当接することができない。これによって、局所的に材料に負荷がかかる。また上記の構造については、回転中にロック部材に高い荷重がかかるという問題もある。ロック部材は水平方向に配置され、水平面上で移動可能となっているため、遠心力はほぼ妨げられることなくロック部材にかかる。ロック部材がロータに食い込んでクイックリリース締結具を取り外すことができなくなり、これによりロック部材を取り外すことができなくなることが多い。そうすると、ロータを容易にアダプタや駆動軸部から取り外すことができなくなる。
【0005】
独国特許出願公開第102014002126号明細書に、プリアンブルに記載の遠心分離機が記載されている。この遠心分離機は、ベアリング軸が設けられたロータのクイックリリース締結具を備えており、ロック部材はこのベアリング軸上で軸方向にスライド可能に取り付けられている。バネがロック部材を取り出し位置に、ロック位置に押し付ける。ここで、ロックベアリングのロック面の向きは水平方向であり、当該ロック面と回転軸との間の角度は90°である。ロック部材が移動するベアリング軸の角度は95°~120°、好適には100°~110°、とりわけ100°~107°である。ロック部材の下向きの前側部分であってロータのロック面に対応する前側部分がロック解除時及びロック時に水平方向に移動するようにロック部材は形成されている。この構成の欠点は、遠心分離動作時に生じる力によって、ロック部材の食い込みが生じ得ることである。食い込みが生じると、クイックリリース締結具がブロックされて操作不能となる。その上、ロック部材、ベアリング軸及びロック面の面を正確に加工する必要がある。ロック部材の形状は非常に複雑であり、公差の補償を行うことができない。その上、正確に仕上げないとロータ及びアダプタが遊びを伴って取り付けられてしまうことがある。
【発明の概要】
【0006】
本発明の基礎となっている課題は、上記の欠点を回避しつつロック部材を用いてロータとアダプタとの遊びのないロックを可能にし、なおかつ製造に起因する公差を確実に補償するように、請求項1のプリアンブルに記載された分野の遠心分離機を改良することである。
【0007】
遠心分離機については上記の課題は、請求項1のプリアンブルに記載された構成との組み合わせにおいて同請求項の特徴部分に記載の構成により解決される。
【0008】
本発明の基礎となっている認識は、ロック部材を駆動軸部の回転軸に対して第1の角度で配置すると共に、ロータのロックベアリングを当該回転軸に対して第2の角度に形成することによって、ロータ、アダプタ及び駆動軸部の製造に起因する公差を補償することができ、なおかつ、アダプタ及び駆動軸部に対するロータの遊び無しのロックが実現されるというものである。これにより、ロック部材は例えば多かれ少なかれ径方向においてロックベアリングに当接する。
【0009】
これにより、本発明ではロック部材は回転軸に対して第1の角度でロック位置とロック解除位置との間で直線移動可能となる。ロックベアリングの向きは、前記回転軸に対して第1の角度とは異なる第2の角度となっている。ここで、第1の角度及び第2の角度はとりわけ、駆動軸部の回転軸を基準として操作部材側から時計回りに測定して0°~90°である。これら2つの角度を上記のように異なる角度とすることによってロック部材の食い込みが防止され、さらに、クイックリリース締結具がロック位置からロック解除位置に簡単に取り外されることが保証される。これによって、とりわけ回転軸の方向において駆動軸部、アダプタ及びロータの製造公差を補償する前提条件が簡単に成立する。例えば、ロック部材は製造公差に応じて多かれ少なかれロックベアリングに係合されるので、製造公差が存在するにもかかわらず、遊びの無いロックを実現することができる。
【0010】
好適には、第1の角度は20°~75°の範囲内であり、第2の角度は10°~70°の範囲内である。第1の角度によってとりわけ、遠心分離機の動作中つまり回転中にロック部材にかかる力が調整され、角度が大きいほど、ロック部材にかかる遠心力が大きくなる。第2の角度によって、公差を補償するためのロック部材の取出位置が調整される。
【0011】
第1の角度は第2の角度より大きい。第2の角度が小さいほど、特定の公差の場合、ロック位置にあるときの公差の無い構成に対するロック部材の位置の差が小さくなり、第2の角度が大きいほど、特定の公差の場合、ロック位置にあるときの公差の無い構成に対するロック部材の位置の差が大きくなる。
【0012】
好適には、ロックベアリングは、ロック位置にあるときにアダプタまで及ぶ面を形成し、ロックベアリングの面は、ロック位置にあるときにアダプタにおいて、当該アダプタから突出するロック部材に対して高さオフセットを有することにより、ロック位置においてロック部材がアダプタから径方向に距離をおいてロックベアリングに当接する。
【0013】
ここで高さオフセットは、回転軸に対して平行な方向においてアダプタ及びロータの当接し合う面の最大可能な製造公差より大きい。かかる構成により、特定の公差状況の場合にロータがアダプタとロックした状態においてロック部材がロックベアリングに十分侵入できなくなることや、最悪の場合にはロック部材がブロックされてロックベアリングに全く侵入できなくなることが防止される。
【0014】
とりわけ、操作部材は円柱状のピンとして形成される。操作部材は、下部分に1つ又は複数のロック部材を受けるための受け部を有する。かかる構成により、操作部材の運動を簡単にロック部材に伝達することができる。
【0015】
本発明の一実施形態では、操作部材は側方に、ロック部材に対する1つ又は複数のU字状の切欠部を有し、切欠部は、ロック位置とロック解除位置との間における各ロック部材に対する操作部材の相対移動を可能にするものである。
【0016】
U字状の切欠部は横方向延在部分に、回転軸に対して第1の角度で延在する斜行孔として形成することができる。
【0017】
操作部材における駆動軸部側に押圧プレートを設け、押圧プレートの一方の面に、各ロック部材を当接させるための第1の当接面を設けると共に、押圧プレートの他方の面に、バネを当接させるための第2の当接面を設けることにより、バネから操作部材及びロック部材への力伝達の可能性が高まる。ロック部材がロック位置とロック解除位置との間で移動する際には第1の当接面上でこれに沿って摺動することにより、操作部材に対する相対位置が補償される。
【0018】
その際には、各ロック部材を当接させるための押圧プレートの第1の当接面の向きは、それぞれ第1の角度に対して垂直な角度とすることができる。
【0019】
ロック部材の構成に応じて、ロック部材は点状に、とりわけ2点、線状又は面状で、ロックベアリングに当接することができる。
【0020】
本発明の一実施形態では、アダプタはロック部材を案内するための案内面を有し、この案内面は第1の角度に傾いている。かかる案内面によってロック部材はアダプタに対して直線状に出入りすることができ、つまりロック位置とロック解除位置との間でロック部材が移動することが可能になる。
【0021】
その際には、アバットメントをアダプタの一部とすることができ、とりわけ、アバットメントの向きを第1の角度とすることもできる。とりわけ、案内面とアバットメントとを同一とすることができる。
【0022】
操作性を向上し、とりわけロータがアダプタから意図せずに外れることを防止し、ひいては駆動軸部から意図せずに外れることを防止するため、操作部材及び/又はロック部材がロック位置の方向にバネ付勢されている。
【0023】
ロック部材を複数設けることにより、意図しないロック解除の防止を向上することができる。さらに、動作中に生じる力をこれら複数のロック部材に分散させ、ロック部材の摩耗又は破損を原因とする故障を低減することができる。有利には、ロック部材は少なくとも2つ、好適には3つである。その際には、各ロック部材は他のロック部材と同一構成であり、これにより製造コストが削減される。
【0024】
クイックリリース締結具によってアンバランスが生じるのを予備的に防止するため、複数のロック部材は互いに等間隔に配置される。
【0025】
本発明の一実施形態では、ロック部材は細長いピンとして形成されており、とりわけ、ピンの基本形状は略全体的に円柱状である。かかる構成により、旋削加工によるロック部材の簡単、低コストかつ高信頼性の製造を実現しつつ、僅かな公差の中で高い寸法精度を実現することが保証される。なおかつこれによって、アダプタ及びロータの対応する面同士を簡単かつ低コストで作製することもできる。
【0026】
ロック位置からロック解除位置へ移動する際のロック部材の誤回転及びロック解除位置からロック位置へ移動する際のロック部材の誤回転を防止するため、ロック部材は、アダプタの突起と共に回転防止として協働する切欠部を有する。
【0027】
一実施形態では、ロック部材の前端に、ロック位置にあるときにロックベアリングに当接するスロープが設けられている。かかる構成により、ロック部材ごとに載置ポイントが2つずつ存在することとなり、これにより、ロック部材に対して載置ポイントにかかる力が半分になる。これによって食い込みのおそれがさらに低減し、スロープを介して、特定の製造公差の場合におけるロック部材の位置を調整することもできる。
【0028】
他の一実施形態では、ロック位置にあるときに、アダプタに取り付けられたロータと共にロックベアリングに対して平行に延在するように形成された面取り部がロック部材の前端に設けられる。ロック部材は簡単な旋削部品として構成することができる。線形の当接が実現される。また、上記の構成によって食い込みのおそれを簡単に低減することができる。
【0029】
好適には、スロープはロックベアリングの円錐面と同一に形成される。これにより、様々な高さ公差の場合においてロック部材がロックベアリングに面で当接することができ、これにより食い込みのおそれがさらに低減する。このようなロックベアリングの円錐面は、旋削加工によって簡単、低コストかつ高信頼性で製造することができると共に、僅かな公差の中で高い寸法精度を実現することができる。
【0030】
好適には、ロック部材の長手軸が回転軸と交差するようにロック部材はアダプタに支持される。
【0031】
本発明の一実施形態ではロック部材は3つ設けられ、これにより、動作中に生じる力が良好に分散し、アダプタとロータとが確実に接続されることとなる。
【0032】
本発明の上記のような構成により、ロック部材はアダプタ内で案内される。ロック部材の案内の調整は僅かな公差の中でなされるので、食い込みが簡単に回避される。
【0033】
図面に示された実施形態例と併せて以下の説明を読めば、本発明の他の利点、構成及び用途が明らかとなる。
【0034】
以下の説明、特許請求の範囲及び図面では、後述する符号の説明に記載された用語と、これらに対応する符号とを使用している。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明の一実施形態の駆動モータを備えた遠心分離機のアダプタ及び駆動軸部に取り付けられたロータの斜視図であるが、実験用遠心分離機の安全容器(Sicherheitskessel)、ハウジングその他の機能部品は示されていない。
図2図1の側面図であり、ロータの部分断面を示すと共に、ロック部材はロック解除位置にある。
図3図1の側面図であり、ロータの部分断面を示すと共に、ロック部材はロック位置にある。
図4図3の円で囲まれた領域Aの拡大細部図である。
図5】遠心分離機から取り出された状態のロータの斜視図である。
図6図5のロータの断面図である。
図7】操作部材の斜視図である。
図8a】操作部材を下から見た図である。
図8b】操作部材の側面図である。
図9】操作部材の側面断面図である。
図10】アダプタの斜視図である。
図11】アダプタの側面図である。
図12】アダプタの側面断面図である。
図13】アダプタの上面図である。
図14】ロック部材の斜視図である。
図15】ロック部材の第1の側面図である。
図16図15の状態から90°回転したロック部材の第2の側面図である。
図17】ロック部材を下から見た図である。
図18】ロック部材の他の一実施形態の斜視図である。
図19図18のロック部材の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1~17には、第1の実施形態の実験用遠心分離機が複数の異なる観察面から示されている。遠心分離機はロータ10を備えており、ロータ10はアダプタ12を介して駆動軸部14に軸受けされている。駆動モータ18が駆動軸部14とアダプタ12とを介してロータ10を駆動する。
【0037】
アダプタ12は駆動軸部14と相対回動不能に接続されていると共に、軸方向において駆動軸部14に対して固定されている。
【0038】
ロータ10は従来のロータ10であり、不図示のサンプル容器を入れるための斜めに形成されたサンプル容器受容部20が設けられている。
【0039】
ロータ10はクイックリリース締結具22を介してアダプタ12に接続されている。クイックリリース締結具22によって、ロータ10は軸方向及び駆動軸部14の回転軸24まわりの両方向において相対回転不能となるようにアダプタ12に固定される。
【0040】
クイックリリース締結具22によって、アダプタ12からロータ10を取り出すための工具や、ロータ10を遠心分離機に挿入するための、すなわち駆動軸部14に取り付けられたアダプタ12に挿入するための工具が不要となる。
【0041】
クイックリリース締結具22は、アダプタ12及びロータ10から上方に突出する操作部材26を備えており、この操作部材26は押しボタン26aとなっている。こうするために、アダプタ12には駆動軸部14の回転軸24と同心に配置された孔28が設けられており、この孔28の中に当接リング30がアダプタの上端に入れられている。この当接リング30によって操作部材26の軸方向における上方への移動が規制される。図2~4を参照されたい。
【0042】
操作部材26の上部分26bはピン状に円柱状に形成されている。この部分に、拡幅した円柱状の下部分26cが繋がっており、この下部分26cは、下方に開口している同心の孔26dを有する。図7~9を参照されたい。下部分26cの側方にはU字状の切欠部34が3つ設けられており、これらの切欠部34に対応して3つのロック部材32が設けられている。U字状の切欠部34の横方向延在部分34aは斜行孔として形成されている。ここで、斜行孔の角度は第1の角度αに相当する。U字状の切欠部34の下部分には、側方にそれぞれ突起34bが1つずつ設けられている。両側の突起34bがそれぞれの側からロック部材32の切欠部32bに係合する。図14及び図15を参照されたい。ここでロック部材32の切欠部32bは、当該ロック部材32と操作部材26とが相対移動できるように、また、その際に切欠部32bが当該相対移動の案内部として機能するように形成されている。
【0043】
操作部材26の下方には押圧プレート36が当接しており、押圧プレート36は孔26d側に、ロック部材32と下部分とが当接する円錐面36aを有する。円錐面36a、すなわちこれによって形成される円錐は、ロック部材32の長手軸に対して垂直に延在し、ひいては第1の角度αに対して垂直に延在する。ロック部材32は、ロック位置からロック解除位置に移動する際、及びその逆方向に移動する際に、上記の円錐面に沿って移動する。ロック部材32とは反対側においてバネ38が、押圧プレート36における第1の当接面とは反対側にある第2の当接面に当接しており、このバネ38はアダプタ12の孔28の中の段部28aで支持されており、操作部材26とロック部材32とをロック位置の方向に上方に向かって付勢する。
【0044】
アダプタ12は旋削部品の形式で形成されたもの、すなわち回転対称性である。アダプタ12には3つの斜行孔40が設けられており、これらの孔40は第1の角度αでアダプタ12に形成され、互いに等間隔になっている。各孔40によって、円柱状に形成されたロック部材32がそれぞれ1つずつ案内され、ロック部材32は孔40の長手軸42に沿ってロック解除位置(図2参照)とロック位置(図3参照)との間で直線状に移動可能となるように孔40に合わせて形成されており、孔40の上記の長手軸42の向きは第1の角度αとなっている。こうするためには、アダプタ12の孔40の内面が案内面として供される。それと同時に、この案内面はロック位置におけるロック部材32に対するアバットメント40aにもなる。
【0045】
アダプタ12の下部分の外側には、ロータ10に対する台部12aとして供される円錐状部分が設けられている。この台部12aによってロータ10は軸方向において下方に移動しないように固定される。
【0046】
図14~17を参照すると、ロック部材32は円柱状のピンとして形成されている。ロック部材の下端に円錐状部32aが設けられている。ロック部材32の円錐状部32aの両面にはそれぞれ、平坦な四角形となるように切欠部32bが形成されており、これら2つの四角形は、互いに平行な2つの案内面32cが形成されている。
【0047】
ロック部材32の上部分は丸め加工されていて、案内面32cから90°回転した面に、円錐状に形成された上部の挟み込み面32dを有し、この挟み込み面32dは、ロータ10のロックベアリング44における対応する面に面状に当接する。ロック部材32の上部分の他の部分は丸め加工されている。ロック部材の基本形状は円柱状であり、回転対称性である。
【0048】
他の代替態様のロック部材32が図18及び図19に示されている。同図では、ロック部材の長手軸に対して同心に形成された回転対称性の切欠部32eが円錐状部32bに隣接して形成され、例えば旋削加工により形成されている。切欠部32eの高さは本態様では切欠部32bの高さと一致する。
【0049】
とりわけ図2に示されているように、ロックベアリング44は第2の角度βに延在する。第1の角度αは第2の角度βより大きい。さらに、図4を参照するとロックベアリング44の面44aはアダプタ12の孔40の下方まで及ぶ。図4を参照すると高さオフセットHが生じており、この高さオフセットHによって、駆動軸部14の回転軸24に沿った製造公差(高さ公差。これは主に、ロータ10とアダプタ12との間の第1の円錐状部52と、アダプタ12とロータ10との間の第2の円錐状部54と、の2つの円錐状部52,54によって生じる)を補償することができる。ロックベアリング44は、向きが第2の角度βとなっている円錐面44aである。ここで、高さオフセットHは常に、回転軸に対して平行な方向において駆動軸部14、アダプタ12及びロータ10の当接し合う面の最大可能な製造公差より大きい。上記の高さオフセットHによって、ロック位置にあるときにロック部材32はアダプタ12から径方向に離隔した位置でロックベアリング44に当接する。
【0050】
例えば案内面及び孔40のアバットメント40aの向きの角度である第1の角度α、及び、ロックベアリング44の向きの角度である第2の角度βは両方とも、回転軸24上方から時計回りにアバットメント40aまで、ロックベアリング44までの間で測定される角度である。ここで、第1の角度αは第2の角度βより大きく、第1の角度αは0°~90°、とりわけ30°であり、第2の角度βも同様に0°~90°、とりわけ20°である。
【0051】
ロック部材32は互いに等間隔に配置されている。その点については孔40も互いに等間隔に配置されていると共に、U字状の切欠部34も互いに等間隔に配置されている。各ロック部材32はそれぞれ、アダプタ12に形成された1つのU字状の切欠部34と1つの孔40とに対応して設けられている。その際には、ロック部材32の切欠部32bに1つのU字状の切欠部34の側方の両突起34bが侵入する。
【0052】
切欠部32cはU字状の切欠部34内の側方の両突起34bと協働してロック部材32の誤回転防止部を構成する。これによりロック部材32はロック解除位置からロック位置に直線移動する際に回転することがなくなる。
【0053】
図5及び図6を参照すると、ロータは、回転軸24に対して同心に配されたロータ孔46を有し、このロータ孔46はその自由端に円錐状部分48を有する。円錐状部分48は、アダプタ12の台部12aに対するロータ側の対向ベアリングである。ロータ10をアダプタ12に取り付けることができるように、またアダプタ12をロータ10に係合させることができるように、ロータ孔46は下方向に開口している。上部には貫通孔50が回転軸24に対して同心に設けられており、ロータ10が取り付けられる際には、この貫通孔50から操作部材26の押しボタン26aが突出する。その他の点では、ロータ10には従来のように、不図示のサンプル容器を入れるためのサンプル容器受容部20が設けられている。
【0054】
好適には、それぞれ異なる形状のサンプル容器を入れることができる複数の異なるロータ10のセットが設けられる。しかし、ロータ孔46における貫通孔50及びロックベアリング44が設けられた部分は常に同一構成となっている。
【0055】
ここで、ロータ10を遠心分離機から取り出そうとする場合、すなわちアダプタ12及び駆動軸部14からロータ10を取出方向すなわち上方向に持ち上げようとする場合には、操作部材26の押しボタン26aをロック位置(図3及び図4参照)から下方向にロック解除位置に向かって押下する(図2参照)。すると、操作部材26及び押圧プレート36がバネ38の力に抗して下方向に向かって直線移動し、これによりロック部材32も下方向に向かって直線移動する。各ロック部材32がアダプタ12内に完全に収まって当該ロック部材の上部分が孔40の中に入るまで、各ロック部材32はそれぞれ第1の角度αで斜め下に直線移動する。これにより、ロック部材32はロータ10がアダプタ12から上方向に引き抜かれるのをブロックしなくなる。ロック部材32の移動中、当該ロック部材32がアダプタ12から出るか又はアダプタ12に入るかに応じて、押圧プレート36の円錐面36a上における当該ロック部材32の当接ポイントが一方向又は他方向に直線移動する。
【0056】
例えばロータ10の交換後に、ロータ10の円錐状部分48がアダプタ12の台部12aに載るまで、ロータ10におけるアダプタ12に合わせて形成された中央のロータ孔46がアダプタ12に嵌められる。その際には、ロータ10の円錐状部分48が台部12aに載るまで、ロック部材32が円錐状部分48によって下方向に向かってアダプタ12内に押し付けられて、ロータ孔46によりこの位置に保持される。すると、ロックベアリング44はアダプタ12の孔40の若干下方に位置することとなり、バネ38の力がかかることにより、ロック部材32の挟み込み面32dがロックベアリング44に載るまでロック部材32は妨げられることなくロックベアリング44内に直線移動できるようになる。このようにしてロータ10は再びアダプタ12としっかり接続され、これを介して駆動軸部14としっかり接続される。製造公差が生じた場合には、ロックベアリング44は高くなったり低くなったりする。これにより、ロック部材32がロックベアリング44に侵入する程度が増減する。いかなる場合であっても、アダプタ12の孔40の中でロックベアリング44とロック部材32とアバットメント40aとが遊び無しで摩擦結合することとなる。これによりロータ10がアダプタ12に確実に取り付けられ、ひいては駆動軸部14に確実に取り付けられることが保証される。
【0057】
このようにして、ロータ10が遊びを伴ってロックされることなく、簡単に製造公差を補償することができる。上記のような斜めのポジションにより、回転時に生じる遠心力がロック部材32に及ぼす影響も部分的のみとなり、これにより、高い遠心力に起因する食い込みも回避される。上記のようにして、本発明により公差を簡単に補償することができるので、各部品をより簡単に製造することが可能になる。
【符号の説明】
【0058】
10 ロータ
12 アダプタ
12a ロータ10に対するアダプタ12の台部
14 駆動軸部
18 駆動モータ
20 サンプル容器受容部
22 クイックリリース締結部
24 駆動軸部の回転軸
26 操作部材
26a 操作部材26の押しボタン
26b 操作部材26の上部分
26c 操作部材26の下部分
26d 操作部材26の下向きに開口した孔
28 アダプタ12の孔
28a アダプタ12の孔28内の段部
30 当接リング
32 ロック部材
32a ロック部材32の下端の円錐状部
32b ロック部材32の円錐状部32aに隣接する切欠部
32c ロック部材32の案内面
32d ロック部材32の挟み込み面(第1の実施形態)
32e ロック部材32の切欠部(第2の実施形態)
34 U字状の切欠部
34a U字状の切欠部34の横方向延在部分
34b U字状の切欠部34内の側方突起
36 押圧プレート
36a 押圧プレート36の円錐面
38 操作部材26に作用するバネ
40 孔
40a アバットメント
42 孔40の長手軸
44 ロータ10のロックベアリング
44a ロックベアリング44の面
46 ロータ同心孔
48 ロータ10の下部自由端の円錐状部分
50 操作部材26に対するロータ10の貫通孔
52 ロータ10/アダプタ12の第1の円錐状部
54 アダプタ12/駆動軸部14の第2の円錐状部
α 第1の角度
β 第2の角度
H 高さオフセット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8a
図8b
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
【国際調査報告】