(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-08
(54)【発明の名称】ステロイド化合物の、飛蚊症を予防及び/又は治療する薬物の調製における応用
(51)【国際特許分類】
A61K 31/575 20060101AFI20240801BHJP
A61P 27/02 20060101ALI20240801BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20240801BHJP
A61K 31/58 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
A61K31/575
A61P27/02
A61K9/08
A61K31/58
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024509379
(86)(22)【出願日】2022-08-17
(85)【翻訳文提出日】2024-04-11
(86)【国際出願番号】 CN2022113024
(87)【国際公開番号】W WO2023020535
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】202110951369.0
(32)【優先日】2021-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521556440
【氏名又は名称】コアンチョウ オキュサン オフサルミック バイオテクノロジー カンパニー リミテッド
【住所又は居所原語表記】Room 402, No. 223 West Huanshi Road, Nansha District, Guangzhou, Guangdong 511400 China
(71)【出願人】
【識別番号】523236744
【氏名又は名称】オキュサン・オフサルミック・ファーマスーティカル(コアンチョウ)・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】OCUSUN OPHTHALMIC PHARMACEUTICAL(GUANGZHOU)CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Floor 1-3,Block A,Building 203,Tongfa Road 2,Wanqingsha Town,Nansha District,Guangzhou,Guangdong 511400 China
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】ワン, イェンドン
(72)【発明者】
【氏名】スー, インシュエ
(72)【発明者】
【氏名】ツァオ, チェン
(72)【発明者】
【氏名】ウー, メイロン
(72)【発明者】
【氏名】シュエ, ヤーピン
(72)【発明者】
【氏名】ユー, チュイリャン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA11
4C076BB24
4C076CC10
4C076CC42
4C076CC43
4C076CC44
4C076EE23F
4C076FF11
4C076FF15
4C076FF16
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086DA11
4C086DA12
4C086GA13
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA16
4C086MA58
4C086NA14
4C086NA15
4C086ZA33
(57)【要約】
ステロイド化合物の、飛蚊症を予防及び/又は治療する薬物の調製における応用である。前記ステロイド化合物は、飛蚊症を治療、緩和及び予防する優れた効果を有し、飛蚊症を大幅に軽減及び/又は治癒させ、視力明瞭度を向上させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステロイド化合物の、飛蚊症を予防及び/又は治療する薬物の調製における応用であって、
前記ステロイド化合物は、式Iで表される構造を有するか、又は式Iで表される構造の化合物の立体異性体、互変異性体、酸窒化物、溶媒和物、代謝産物、薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグであることを特徴とする応用。
【化1】
(式中、Xは、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、ヘテロアルキル基、置換又は非置換のアルキル基から選ばれ、前記置換基は、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、アリール基、ヘテロアリール基、カルボキシル基、R
1R
2NC(=O)-又はR
1R
2NC(=NH)-NR
3-から選ばれ、
n個のQは、それぞれ独立に、-H、-D、ハロゲン、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシ基、アルキルカルボニル基、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロ環基、アリール基又はヘテロアリール基から選ばれ、
nは、0、1、2又は3であり、
R
1、R
2及びR
3は、それぞれ独立に、-H、-D又はアルキル基から選ばれる。)
【請求項2】
前記Xは、C
6-10アリール基、C
2-9ヘテロアリール基、C
3-8シクロアルキル基、C
2-10ヘテロシクロアルキル基、C
1-6ヘテロアルキル基、置換又は非置換のC
1-6アルキル基から選ばれ、前記C
1-6アルキル基が置換基を有する場合、前記置換基は、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、C
6-10アリール基、C
2-9ヘテロアリール基、カルボキシ基、R
1R
2NC(=O)-又はR
1R
2NC(=NH)-NR
3-から選ばれ、
R
1、R
2及びR
3は、それぞれ独立に、-H、-D又はC
1-6アルキル基から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の応用。
【請求項3】
前記Xは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、メルカプトメチル基、メルカプトエチル基、アミノメチル基、アミノエチル基、アミノプロピル基、フェニルメチル基、フェニルエチル基、イミダゾリルメチル基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、メチルチオメチル基、メチルチオエチル基、フェニル基、ナフチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、テトラヒドロフリル基、ジヒドロフリル基、テトラヒドロチエニル基、ジヒドロチエニル基、1,3-ジオキソラニル基、ジチオラニル基、テトラヒドロピラニル基、ジヒドロピラニル基、2H-ピラニル基、4H-ピラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、ピペリジニル基、モルホリニル基、チオモルホリニル基、ピペラジニル基、ジオキサニル基、ジチアニル基、チオキサニル基、ホモピペラジニル基、ホモピペリジニル基、オキセパニル基、チエパニル基、オキサアザ基、ジアザ基、チオアザ基、インドリニル基、1,2,3,4-テトラヒドロキノリニル基、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニル基、フラニル基、イミダゾリル基、3-イソオキサゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサゾリル基、ピロリル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピリダジル基、チアゾリル基、テトラゾリル基、トリアゾリル基、2-チエニル基、3-チエニル基、ピラゾリル基、イソチアゾリル基、1,2,3-オキサジアゾリル基、1,2,5-オキサジアゾリル基、1,2,4-オキサジアゾリル基、1,2,3-トリアゾリル基、1,2,3-チオジアゾリル基、1,3,4-チオジアゾリル基、1,2,5-チオジアゾリル基、ピラジニル基、1,3,5-トリアジニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、プリニル基、キノリル基、イソキノリル基、イミダゾ[1,2-a]ピリジル基、ピラゾロ[1,5-a]ピリジル基、ピラゾロ[1,5-a]ピリミジル基、イミダゾ[1,2-b]ピリダジル基、[1,2,4]トリアゾロ[4,3-b]ピリダジル基、[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジル基、[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジル基、
【化2】
、
【化3】
、
【化4】
、
【化5】
、H
2NC(=O)-置換基を有するC
1-3アルキル基又はH
2NC(=NH)-NH-置換基を有するC
1-3アルキル基から選ばれることを特徴とする請求項2に記載の応用。
【請求項4】
n個のQは、それぞれ独立に、-H、-D、ハロゲン、ヒドロキシル基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、C
1-6アルキルカルボニル基、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-8シクロアルキル基、C
2-9ヘテロ環基、C
6-10アリール基又はC
2-9ヘテロアリール基から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の応用。
【請求項5】
n個のQは、それぞれ独立に、-H、-D、-F、-Cl、-Br、ヒドロキシル基、アミノ基、シアノ基、カルボキシル基、ホルミル基、アセチル基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、フェニル基、ナフチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、テトラヒドロフリル基、ジヒドロフリル基、テトラヒドロチエニル基、ジヒドロチエニル基、1,3-ジオキソラニル基、ジチオラニル基、テトラヒドロピラニル基、ジヒドロピラニル基、2H-ピラニル基、4H-ピラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、ピペリジニル基、モルホリニル基、チオモルホリニル基、ピペラジニル基、ジオキサニル基、ジチアニル基、チオキサニル基、ホモピペラジニル基、ホモピペリジニル基、オキセパニル基、チエパニル基、オキサアザ基、ジアザ基、チオアザ基、インドリニル基、1,2,3,4-テトラヒドロキノリニル基、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニル基、フラニル基、イミダゾリル基、3-イソオキサゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサゾリル基、ピロリル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピリダジル基、チアゾリル基、テトラゾリル基、トリアゾリル基、2-チエニル基、3-チエニル基、ピラゾリル基、イソチアゾリル基、1,2,3-オキサジアゾリル基、1,2,5-オキサジアゾリル基、1,2,4-オキサジアゾリル基、1,2,3-トリアゾリル基、1,2,3-チオジアゾリル基、1,3,4-チオジアゾリル基、1,2,5-チオジアゾリル基、ピラジニル基、1,3,5-トリアジニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、プリニル基、キノリル基、イソキノリル基、イミダゾ[1,2-a]ピリジル基、ピラゾロ[1,5-a]ピリジル基、ピラゾロ[1,5-a]ピリミジル基、イミダゾ[1,2-b]ピリダジル基、[1,2,4]トリアゾロ[4,3-b]ピリダジル基、[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジル基又は[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジル基から選ばれることを特徴とする請求項4に記載の応用。
【請求項6】
前記式Iで表される構造の化合物は、
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
から選ばれるいずれか1種であることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の応用。
【請求項7】
組成物の、飛蚊症を予防及び/又は治療する薬物の調製における応用であって、前記組成物は、請求項1~5のいずれか1項に記載のステロイド化合物、及び薬学的に許容される担体、賦形剤、希釈剤、補助剤又はビヒクルのうちの1種又は複数種を含むことを特徴とする応用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学医薬の技術分野に属し、ステロイド化合物の、飛蚊症を予防及び/又は治療する薬物の調製における応用に関する。
【背景技術】
【0002】
飛蚊症(floaters)は、一般的に硝子体の変性によるものであり、自然な老化現象であり、老朽化に伴い硝子体は「液化」し、一部の混濁物が発生する。したがって、飛蚊症の正式な名称は、「硝子体混濁」又は「硝子体浮遊物」と呼ばれる。目の前に黒い点が飛んでおり、あたかも蚊が飛んでいるように見えるため飛蚊症と呼ばれる。飛蚊症は、硝子体内の不透明な物体が網膜に投影されることによって生成され、光が明るい又は白い背景の下において、より顕著となり、敏感な人は、それらの様々な形状を描くこともできる。多く場合、飛蚊症が長時間に存在し、終年不変であり、視力に影響を与えず、検査を経ても眼部器官の病変がなく、治療する必要がなく、有効な治療方法もない。
【0003】
一部の高齢者では目の前に一つや二つの黒い影が突然現れ、他の症状を伴わず、一般的に硝子体の後境界膜が離脱したためであり、一般的に大きな危害がない。しかし、大量の黒い点が突然現れた場合、網膜血管の破裂出血や網膜裂孔の形成が考えられ、網膜剥離の前兆である可能性があり、さらに詳細に眼底を検査すべきである。脈絡膜炎の時に多くの炎症性細胞又は滲出物が硝子体内に入ることができ、病理的な飛蚊症の一般的な原因でもあるが、同時に視力障害があるため気づきにくい。近視眼患者が感じる飛蚊症は、常に硝子体の液化変性が関与するものである。
【0004】
飛蚊症は目の病の中でも特別であり、非常に一般的なものである。その中でも少数の飛蚊症は眼球に深刻な脅威を与えるが、ほとんどの飛蚊症は良性であり、又は「生理的飛蚊症」と呼ばれ、一般的に治療する必要がないが、それでも患者の心身の健康に深刻な影響を与えている。いくつかの市販薬物は症状を緩和することができるが、副作用が大きく、現在、この疾患に対する確実な治療効果のある薬物がないため、臨床効果が高く、副作用が小さい飛蚊症を治療する薬物は、現在解決すべき課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術に存在する欠点に対して、本発明の目的は、ステロイド化合物の、飛蚊症を予防及び/又は治療する薬物の調製における応用を提供することにあり、本発明により提供されるステロイド化合物は、飛蚊症を治療、緩和及び予防する優れた効果を有し、飛蚊症を大幅に軽減及び/又は治癒させ、視力明瞭度を向上させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、本発明は以下の技術案を採用する。
【0007】
第1の態様において、本発明は、式Iで表される構造を有するか、又は式Iで表される構造の化合物の立体異性体、互変異性体、酸窒化物、溶媒和物、代謝産物、薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグであるステロイド化合物の、飛蚊症を予防及び/又は治療する薬物の調製における応用を提供する。
【化1】
ただし、Xは、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、ヘテロアルキル基、置換又は非置換のアルキル基から選ばれ、前記置換基は、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、アリール基、ヘテロアリール基、カルボキシル基、R
1R
2NC(=O)-又はR
1R
2NC(=NH)-NR
3-から選ばれる。
本発明に記載のR
1R
2NC(=O)-又はR
1R
2NC(=NH)-NR
3-に含まれるR
1、R
2は、いずれもNに連結する2つの基である。
n個のQは、それぞれ独立に、-H、-D、ハロゲン、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシ基、アルキルカルボニル基、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロ環基、アリール基又はヘテロアリール基から選ばれる。
本発明に記載のアルキルカルボニル基とは、R-C(=O)-を意味し、ただし、Rはアルキル基であり、Xに連結するのはカルボニル炭素である。
nは、0、1、2又は3である。
R
1、R
2及びR
3は、それぞれ独立に、-H、-D又はアルキル基から選ばれる。
【0008】
本発明の好ましい技術案として、前記Xは、C6-10アリール基、C2-9ヘテロアリール基、C3-8シクロアルキル基、C2-10ヘテロシクロアルキル基、C1-6ヘテロアルキル基、置換又は非置換のC1-6アルキル基から選ばれ、前記C1-6アルキル基が置換基を有する場合、前記置換基は、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、C6-10アリール基、C2-9ヘテロアリール基、カルボキシ基、R1R2NC(=O)-又はR1R2NC(=NH)-NR3-から選ばれる。
R1、R2及びR3は、それぞれ独立に、-H、-D又はC1-6アルキル基から選ばれる。
【0009】
前記C6-10は、C6、C7、C8、C9、C10であってもよい。前記C2-9は、C3、C4、C5、C6、C7、C8であってもよい。前記C3-8は、C4、C5、C6、C7であってもよい。前記C2-10は、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9であってもよい。前記C1-6は、C2、C3、C4、C5であってもよい。
【0010】
本発明の好ましい技術案として、前記Xは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、メルカプトメチル基、メルカプトエチル基、アミノメチル基、アミノエチル基、アミノプロピル基、フェニルメチル基、フェニルエチル基、イミダゾリルメチル基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、メチルチオメチル基、メチルチオエチル基、フェニル基、ナフチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、テトラヒドロフリル基、ジヒドロフリル基、テトラヒドロチエニル基、ジヒドロチエニル基、1,3-ジオキソラニル基、ジチオラニル基、テトラヒドロピラニル基、ジヒドロピラニル基、2H-ピラニル基、4H-ピラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、ピペリジニル基、モルホリニル基、チオモルホリニル基、ピペラジニル基、ジオキサニル基、ジチアニル基、チオキサニル基、ホモピペラジニル基、ホモピペリジニル基、オキセパニル基、チエパニル基、オキサアザ基、ジアザ基、チオアザ基、インドリニル基、1,2,3,4-テトラヒドロキノリニル基、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニル基、フラニル基、イミダゾリル基、3-イソオキサゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサゾリル基、ピロリル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピリダジル基、チアゾリル基、テトラゾリル基、トリアゾリル基、2-チエニル基、3-チエニル基、ピラゾリル基、イソチアゾリル基、1,2,3-オキサジアゾリル基、1,2,5-オキサジアゾリル基、1,2,4-オキサジアゾリル基、1,2,3-トリアゾリル基、1,2,3-チオジアゾリル基、1,3,4-チオジアゾリル基、1,2,5-チオジアゾリル基、ピラジニル基、1,3,5-トリアジニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、プリニル基、キノリル基、イソキノリル基、イミダゾ[1,2-a]ピリジル基、ピラゾロ[1,5-a]ピリジル基、ピラゾロ[1,5-a]ピリミジル基、イミダゾ[1,2-b]ピリダジル基、[1,2,4]トリアゾロ[4,3-b]ピリダジル基、[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジル基、[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジル基、
【化2】
、
【化3】
、
【化4】
、
【化5】
、H
2NC(=O)-置換基を有するC
1-3アルキル基又はH
2NC(=NH)-NH-置換基を有するC
1-3アルキル基から選ばれる。
【0011】
本発明の好ましい技術案として、n個のQは、それぞれ独立に、-H、-D、ハロゲン、ヒドロキシル基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、C1-6アルキルカルボニル基、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-8シクロアルキル基、C2-9ヘテロ環基、C6-10アリール基又はC2-9ヘテロアリール基から選ばれる。
【0012】
前記C1-6は、C2、C3、C4、C5であってもよい。前記C3-8は、C4、C5、C6、C7であってもよい。前記C2-9は、C3、C4、C5、C6、C7、C8であってもよい。前記C6-10は、C6、C7、C8、C9、C10であってもよい。
【0013】
本発明の好ましい技術案として、n個のQは、それぞれ独立に、-H、-D、-F、-Cl、-Br、ヒドロキシル基、アミノ基、シアノ基、カルボキシル基、ホルミル基、アセチル基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、フェニル基、ナフチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、テトラヒドロフリル基、ジヒドロフリル基、テトラヒドロチエニル基、ジヒドロチエニル基、1,3-ジオキソラニル基、ジチオラニル基、テトラヒドロピラニル基、ジヒドロピラニル基、2H-ピラニル基、4H-ピラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、ピペリジニル基、モルホリニル基、チオモルホリニル基、ピペラジニル基、ジオキサニル基、ジチアニル基、チオキサニル基、ホモピペラジニル基、ホモピペリジニル基、オキセパニル基、チエパニル基、オキサアザ基、ジアザ基、チオアザ基、インドリニル基、1,2,3,4-テトラヒドロキノリニル基、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニル基、フラニル基、イミダゾリル基、3-イソオキサゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサゾリル基、ピロリル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピリダジル基、チアゾリル基、テトラゾリル基、トリアゾリル基、2-チエニル基、3-チエニル基、ピラゾリル基、イソチアゾリル基、1,2,3-オキサジアゾリル基、1,2,5-オキサジアゾリル基、1,2,4-オキサジアゾリル基、1,2,3-トリアゾリル基、1,2,3-チオジアゾリル基、1,3,4-チオジアゾリル基、1,2,5-チオジアゾリル基、ピラジニル基、1,3,5-トリアジニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、プリニル基、キノリル基、イソキノリル基、イミダゾ[1,2-a]ピリジル基、ピラゾロ[1,5-a]ピリジル基、ピラゾロ[1,5-a]ピリミジル基、イミダゾ[1,2-b]ピリダジル基、[1,2,4]トリアゾロ[4,3-b]ピリダジル基、[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジル基又は[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジル基から選ばれる。
【0014】
本発明の具体的な実施形態として、前記式Iで表される構造の化合物は、以下の化合物から選ばれるいずれか1種である。
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【0015】
本発明により提供されるステロイド化合物は、未加工の化学薬品として治療に用いることができ、薬物組成物の活性成分として提供することもできる。
【0016】
第2の態様において、本発明は、第1の態様に記載のステロイド化合物、及び薬学的に許容される担体、賦形剤、希釈剤、補助剤又はビヒクルのうちの1種又は複数種を含む組成物の、飛蚊症を予防及び/又は治療する薬物の調製における応用を提供する。
【0017】
薬学的に許容される担体として使用可能な物質としては、以下に限定されないが、イオン交換剤;アルミニウム;ステアリン酸アルミニウム;レシチン;血清タンパク質、例えばヒト血清タンパク質;緩衝物質、例えばリン酸塩;グリシン;ソルビン酸;ソルビン酸カリウム;飽和植物脂肪酸の一部グリセリド混合物;水;塩;電解質、例えば硫酸プロタミン;リン酸水素二ナトリウム;リン酸水素カリウム;塩化ナトリウム;亜鉛塩;コロイドシリコン;三ケイ酸マグネシウム;ポリビニルピロリドン;ポリアクリル酸エステル;ワックス;ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックポリマー;ラノリン;糖、例えば乳糖、グルコース及びショ糖;デンプン、例えばトウモロコシデンプン及びジャガイモデンプン;セルロース及びその誘導体、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース及び酢酸セルロース;ガム粉末;麦芽;ゼラチン;滑石粉末;補助材料、例えばカカオ脂及び坐剤ワックス;油、例えば落花生油、綿実油、べに花油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油及び大豆油;グリコール類化合物、例えばプロピレングリコール及びポリエチレングリコール;エステル類、例えばオレイン酸エチルエステル及びラウリン酸エチルエステル;寒天;緩衝剤、例えば水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウム;アルギン酸;パイロジェンフリー水;等張塩;リンゲル溶液;エタノール、リン酸緩衝溶液、及び他の無毒の適切な潤滑剤、例えばラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウム、着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味料、調味料及び香料、防腐剤及び酸化防止剤が挙げられる。
【0018】
従来技術に比べて、本発明は以下の有益な効果を有する。
本発明は、本発明により提供されるステロイド化合物が患者の飛蚊症の予防、処置、治療又は軽減に有用であり、副作用が極めて小さく、ほとんどないことを見出した。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、具体的な実施形態により本発明の技術案をさらに説明する。当業者であれば、前記具体的な実施形態は本発明を理解するためのものに過ぎず、本発明に対する具体的な制限と見なされるべきではないことを理解すべきである。
【0020】
特に説明しない限り、本発明に使用される全ての科学用語は、本発明が属する当業者の一般的な理解と同じ意味を有する。
【0021】
本発明に記載の「立体異性体」とは、同じ化学構造を有するが、原子又は基の空間的な配列方式が異なる化合物を意味する。立体異性体には、エナンチオマー、ジアステレオマー、配座異性体(回転異性体)、幾何異性体(シス/トランス)異性体、アトロプ異性体等が含まれる。
【0022】
出発物質及び方法の選択に応じて、本発明の化合物は、可能な異性体のうちの1つ又はそれらの混合物、例えばラセミ体及びジアステレオマーの混合物(これは不斉炭素原子の数に依存する)の形態で存在することができる。光学活性な(R)-又は(S)-異性体は、キラル合成子又はキラル剤を用いて調製してもよく、又は従来技術を用いて分離してもよい。化合物が二重結合を1つ含む場合、置換基はE又はZ配置であってもよく、化合物が二置換シクロアルキル基を含む場合、シクロアルキル基の置換基はシス又はトランス配置であってもよい。
【0023】
得られた任意の立体異性体の混合物は、成分の物理化学的性質の差異に応じて、例えば、クロマトグラフィー及び/又はステップ結晶化法によって、純粋な又はほぼ純粋な幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマーに分離することができる。
【0024】
他の態様で示されない限り、本発明に記載の構造式は、すべての異性体、例えば、エナンチオマー、ジアステレオマー、及び幾何異性(又は配座異性)、例えば、不斉中心のR、S配置、二重結合を含む(Z)、(E)異性体、及び(Z)、(E)の配座異性体を含むため、本発明の化合物の単一の立体化学異性体又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、又は幾何異性体(又は配座異性体)の混合物がいずれも本発明の範囲に属する。
【0025】
本発明で使用される用語「プロドラッグ」は、1つの化合物が体内で式Iで表される化合物に変換されることを表す。このような変換は、プロドラッグが血液中で加水分解されたり、血液や組織中で酵素的に母体構造に変換されたりすることに影響される。本発明のプロドラッグ系化合物はエステルであってもよく、従来の発明においてエステルはプロドラッグとしてフェニルエステル類、脂肪族(C1-24)エステル類、アシロキシメチルエステル類、炭酸エステル、カルバメート類及びアミノ酸エステル類を有する。例えば、本発明における一つの化合物は水酸基を含み、それをアシル化してプロドラッグ形態の化合物を得ることができる。他のプロドラッグの形態は、リン酸エステルを含み、例えば、これらのリン酸エステル類化合物は母体上のヒドロキシ基をリン酸化して得られる。プロドラッグの完全な議論については、以下の文献を参照することができる。T. Higuchi and V. Stella, Pro-drugs as Novel Delivery Systems, Vol. 14 of the A.C.S. Symposium Series, Edward B. Roche, ed., Bioreversible Carriers in Drug Design, American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987, J. Rautio et al, Prodrugs:Design and Clinical Applications, Nature Review Drug Discovery, 2008, 7, 255-270, and S. J. Hecker et al, Prodrugs of Phosphates and Phosphonates, Journal of Medicinal Chemistry, 2008, 51,2328-2345。
【0026】
既知の方法で、得られた最終産物又は中間体のラセミ体を、いずれも当業者によく知られた方法により、光学的鏡像異性体に分離することができ、例えば、得られたそのジアステレオマーの塩を単離することが挙げられる。ラセミ体の産物は、キラルクロマトグラフィーによって単離することもでき、例えば、キラル吸着剤を用いた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)が挙げられる。特に、エナンチオマーは、不斉合成によって調製することができ、例えば、以下の文献を参照することができる。Jacques, et al., Enantiomers, Racemates and Resolutions (Wiley Interscience, New York, 1981);Principles of Asymmetric Synthesis (2nd Ed. Robert E. Gawley, Jeffrey Aube, Elsevier, Oxford, UK, 2012); Eliel, E.L. Stereochemistry of Carbon Compounds (McGraw-Hill, NY, 1962); Wilen, S.H. Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions p. 268 (E.L. Eliel, Ed., Univ. of Notre Dame Press, Notre Dame, IN 1972);Chiral Separation Techniques: A Practical Approach (Subramanian, G. Ed., Wiley-VCH Verlag GmbH & Co. KGaA, Weinheim, Germany, 2007)。
【0027】
用語「互変異性体」又は「互変異性形態」とは、異なるエネルギーを有し、低エネルギー障壁(low energy barrier)により互いに変換可能な構造異性体を意味する。互変異性が可能であれば(例えば溶液中)、互変異性体の化学平衡を達成することができる。例えば、プロトン互変異性体(proton tautomer)(プロトン移動互変異性体(prototropic tautomer)とも呼ばれる)は、プロトン移動によって行われる相互変換、例えば、ケト-エノール異性化及びイミン-エナミン異性化を含む。原子価互変異性体(valence tautomer)は、いくつかの結合電子の組み換えによって行われる相互変換を含む。ケト-エノール互変異性の具体的な例としては、ペンタン-2,4-ジオン及び4-ヒドロキシペンタ-3-エン-2-オン互変異性体の相互変換が挙げられる。互変異性の別の例は、フェノール-ケト互変異性である。フェノール-ケト互変異性の一つの具体的な例としては、ピリジン-4-オール及びピリジン-4(1H)-オン互変異性体の相互変換が挙げられる。別途に指摘されない限り、本発明の化合物の全ての互変異性体の形態が本発明の範囲内である。
【0028】
本発明に係る塩は、薬学的に許容される塩であり、そのうち、「薬学的に許容される塩」は、文献:Berge et al., describe pharmaceutically acceptable salts in detail in J. Pharmacol Sci, 1997, 66, 1-19に記載されるように、当業者によく知られている。薬学的に許容される非限定的な塩の例としては、アミノ基と反応して形成される無機酸塩、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、メタリン酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、及び有機酸塩、例えば、カルボン酸塩、スルホン酸塩、スルフィン酸塩、チオカルボン酸塩などが挙げられ、具体的には、以下に限定されないが、例えば、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、ブタン二酸塩、安息香酸塩、コハク酸塩、ジヒドロキシナフトエ酸塩、サリチル酸塩、ガラクタル酸、グルコヘプトン酸塩、マンデル酸塩、1,2-エタンジスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、炭酸塩、トリフルオロ酢酸塩、ヒドロキシ酢酸塩、イセチオン酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、リンゴ酸塩、フマル酸塩、乳酸塩、乳糖酸塩又はシュウ酸が挙げられ、又はイオン交換法のような書籍文献に記載の他の方法によってそれらの塩が得られる。その他の薬学的に許容される塩としては、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、カンファー酸塩、カンファースルホン酸塩、シクロペンチルプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、チオシアン酸塩、ウンデカン酸塩、ペンタン酸塩等が含まれる。また、薬学的に許容される塩には、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム及びN+(C1-4アルキル)4の塩のような適切な塩基により得られる塩も含まれる。本発明は、Nを含む基を有する任意の化合物によって形成される第4級アンモニウム塩も意図している。水溶性又は油溶性又は分散生成物は、四級化作用により得ることができる。アルカリ金属又はアルカリ土類金属塩は、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどを含む。薬学的に許容される塩は、適切な、無毒のアンモニウム、第4級アンモニウム塩及び抗平衡イオンから形成されるアミンカチオン、例えば、ハロゲン化物、カルボキシレート、硫酸化物、リン酸化物、硝酸化物、C1-8スルホン酸化物及び芳香族スルホン酸化物をさらに含む。
【0029】
薬品に使用可能な塩は、無機酸及び有機酸と形成することができ、例えば、酢酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、臭化物/臭化水素酸塩、炭酸水素塩/炭酸塩、硫酸水素塩/硫酸塩、カンファースルホン酸塩、塩化物/塩酸塩、クロロテオフィリン塩、クエン酸塩、エタンジスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、馬尿酸塩、ヨウ化水素酸塩/ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、メチル硫酸塩、ナフトエ酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オクタデカン酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸塩/リン酸水素塩/リン酸二水素塩、ポリガラクツロン酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、スルホサリチル酸塩、酒石酸塩、トルエンスルホン酸塩及びトリフルオロ酢酸塩が挙げられる。
【0030】
塩を誘導できる無機酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等が含まれる。
【0031】
塩を誘導できる有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、ヒドロキシ酢酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、スルホサリチル酸等が含まれる。
【0032】
本発明の「溶媒和物」とは、1つ又は複数の溶媒分子と本発明の化合物とが形成する会合体をいう。溶媒和物を形成する溶媒は、以下に限定されないが、水、イソプロパノール、エタノール、メタノール、ジメチルスルホキシド、酢酸エチル、酢酸、アミノエタノールを含む。用語「水和物」は、溶媒分子が水で形成された会合体を意味する。
【0033】
「薬物組成物」とは、1種又は複数種の本明細書に記載の化合物、塩又はその生理学的/薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグと他の化学成分との混合物を意味し、他の成分は例えば生理学的/薬学的に許容される担体若しくは賦形剤である。薬物組成物の目的は、化合物の生物への投与を促進することである。
【0034】
如何なる疾患又は病症を「治療」するという本発明で使用される用語は、いくつかの実施形態では、疾患又は病症を改善すること(すなわち、疾患又はその少なくとも1つの臨床症状の進行を緩和又は阻害又は軽減すること)を意味する。いくつかの他の実施形態では、「治療」とは、患者に知覚されない可能性のある身体パラメータを含む少なくとも1つの身体パラメータを緩和又は改善することを意味する。いくつかの他の実施形態では、「治療」とは、身体的に(例えば、安定して知覚され得る症状)、又は生理学的(例えば、安定した身体パラメータ)、又は上記の2点から疾患又は病症を調節することを意味する。いくつかの他の実施形態では、「治療」とは、疾患又は病症の発症、発生又は悪化を予防又は遅延することを意味する。
【0035】
本発明で使用される「アルキル基」という用語は、1~20個の炭素原子、又は1~10個の炭素原子、又は1~8個の炭素原子、又は1~6個の炭素原子、又は1~4個の炭素原子、又は1~3個の炭素原子の飽和直鎖又は分岐鎖の一価炭化水素基を表し、ただしアルキル基は、独立に、任意に1つ又は複数の本発明に記載の置換基で置換されていてもよい。また、アルキル基の例としては、以下に限定されないが、メチル基(Me、-CH3)、エチル基(Et、-CH2CH3)、n-プロピル基(n-Pr、-CH2CH2CH3)、イソプロピル基(i-Pr、-CH(CH3)2)、n-ブチル基(n-Bu、-CH2CH2CH2CH3)、イソブチル基(i-Bu、-CH2CH(CH3)2)、sec-ブチル基(s-Bu、-CH(CH3)CH2CH3)、tert-ブチル基(t-Bu、-C(CH3)3)、n-ペンチル基(-CH2CH2CH2CH2CH3)、2-ペンチル基(-CH(CH3)CH2CH2CH3)、3-ペンチル基(-CH(CH2CH3)2)、2-メチル-2-ブチル基(-C(CH3)2CH2CH3)、3-メチル-2-ブチル基(-CH(CH3)CH(CH3)2)、3-メチル-1-ブチル基(-CH2CH2CH(CH3)2)、2-メチル-1-ブチル基(-CH2CH(CH3)CH2CH3)、n-ヘキシル基(-CH2CH2CH2CH2CH2CH3)、2-ヘキシル基(-CH(CH3)CH2CH2CH2CH3)、3-ヘキシル基(-CH(CH2CH3)(CH2CH2CH3))、2-メチル-2-ペンチル基(-C(CH3)2CH2CH2CH3)、3-メチル-2-ペンチル基(-CH(CH3)CH(CH3)CH2CH3)、4-メチル-2-ペンチル基(-CH(CH3)CH2CH(CH3)2)、3-メチル-3-ペンチル基(-C(CH3)(CH2CH3)2)、2-メチル-3-ペンチル基(-CH(CH2CH3)CH(CH3)2)、2,3-ジメチル-2-ブチル基(-C(CH3)2CH(CH3)2)、3,3-ジメチル-2-ブチル基(-CH(CH3)C(CH3)3)、n-ヘプチル基、n-オクチル基などが挙げられる。用語「アルキル基」及びその接頭語「アルキル」は、本明細書で使用される場合、いずれも直鎖及び分岐鎖の飽和炭素鎖を含む。用語「アルキレン」は、本明細書で使用される場合、直鎖又は分岐鎖飽和炭化水素から2つの水素原子を除去して得られる飽和二価炭化水素基を表し、このような例は、以下に限定されないが、メチレン基、エチリデン基、イソプロピリデン基などを含む。
【0036】
用語「シクロアルキル基」とは、一価又は多価、非芳香族、飽和又は部分不飽和の環を意味し、ヘテロ原子を含まず、そのうち、炭素原子3~12個の単環又は炭素原子7~12個の二環を含む。7~12個の原子を有する二環式炭素環は二環式[4,5]、[5,5]、[5,6]又は[6,6]系であってもよく、同時に9又は10個の原子を有する二環式炭素環は二環式[5,6]又は[6,6]系であってもよい。好適な環状脂肪族基は、以下に限定されないが、シクロアルキル基、シクロアルケニル基及びシクロアルキニル基を含む。環状脂肪族基の例は、以下に限定されないが、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロペンタ-1-エン-1-イル基、シクロペンタ-2-エン-1-イル基、シクロペンタ-3-エン-1-イル基、シクロヘキシル基、シクロヘキサ-1-エン-1-イル基、シクロヘキサ-2-エン-1-イル基、シクロヘキサ-3-エン-1-イル基、シクロヘキサジエニル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロウンデシル基、シクロドデシル基などを含む。また、前記「環状脂肪族基」又は「炭素環」、「炭素環基」、「シクロアルキル基」は、置換又は非置換であってもよく、そのうち、置換基は、以下に限定されないが、ヒドロキシ基、アミノ基、ハロゲン、シアノ基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、ヘテロ環基、メルカプト基、ニトロ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ置換アルコキシ基、ヒドロキシ置換アルキル-C(=O)、アルキル-C(=O)、アルキル-S(=O)、アルキル-S(=O)2-、ヒドロキシ置換アルキル-S(=O)、ヒドロキシ置換アルキル-S(=O)2、カルボキシアルコキシ基などであってもよい。
【0037】
用語「ヘテロ環」、「ヘテロ環基」、「ヘテロ脂環族」又は「ヘテロ環の」は、本明細書で交換可能に使用され、いずれも単環、二環、又は三環系を意味し、そのうち、環上の1つ又は複数の炭素原子は、独立に、任意にヘテロ原子で置換されてもよく、前記ヘテロ原子は本発明に記載の意味を有し、環は完全に飽和してもよく、又は1つ又は複数の不飽和度を含んでもよいが、決して芳香族系ではなく、1つの連結点のみが他の分子に連結されている。1つ又は複数の環上の水素原子は、独立に、任意に1つ又は複数の本発明に記載の置換基で置換されていてもよい。いくつかの実施形態では、「ヘテロ環」、「ヘテロ環基」、「ヘテロ脂環族」又は「ヘテロ環の」基は、3~7員環の単環(1~6個の炭素原子及びN、O、P、Sから選ばれる1~3個のヘテロ原子であり、ここで、S又はPは、任意に1つ又は複数の酸素原子で置換されて、例えばSO、SO2、PO、PO2の基を得る。前記環が三員環である場合、1つのヘテロ原子のみ)、又は7~10員の二環(4~9個の炭素原子及びN、O、P、Sから選ばれる1~3個のヘテロ原子であり、ここで、S又はPは、任意に1つ又は複数の酸素原子で置換されて、例えばSO、SO2、PO、PO2の基を得る)である。
【0038】
ヘテロ環基は、炭素原子基又はヘテロ原子基であってもよい。「ヘテロ環基」も同様に、ヘテロ環基が飽和又は部分的不飽和環又はヘテロ環と結合して形成される基を含む。ヘテロ環の例は、以下に限定されないが、ピロリジニル基、テトラヒドロフリル基、ジヒドロフリル基、テトラヒドロチエニル基、テトラヒドロピラニル基、ジヒドロピラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、ピペリジニル基、モルホリニル基、チオモルホリニル基、チオキサニル基、チアゾリジニル基、オキサゾリジニル基、ピペラジニル基、ホモピペラジニル基、アゼチジニル基、オキセタニル基、チエタニル基、ピペリジニル基、ホモピペリジニル基、グリシジル基、アザシクロヘプチル基、オキソシクロヘプチル基、チオシクロヘプチル基、4-メトキシ-ピペリジニル-1-イル基、1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-1-イル基、オキサゼピニル基、ジアザゼピニル基、チオアザゼピニル基、ピロリン-1-イル基、2-ピロリニル基、3-ピロリニル基、ジヒドロインドリル基、2H-ピラニル基、4H-ピラニル基、ジオキサニル基、1,3-ジオキソラニル基、ピラゾリニル基、ジチアニル基、ジチオラニル基、ジヒドロチエニル基、ピラゾリジニル基イミダゾリニル基、イミダゾリジニル基、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリル基、1,2,6-チアジアジン-1,1-ジオキソ-2-イル基、4-ヒドロキシ-1,4-アザホスホラン-4-オキシド-1-イル基、2-ヒドロキシ-1-(ピペラジン-1-イル)エタノン-4-イル基、2-ヒドロキシ-1-(5,6-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-1(4H)-イル)エタノン-4-イル基、5,6-ジヒドロ-4H-1,2,4-オキサジアジン-4-イル基、2-ヒドロキシ-1-(5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-イル)エタノン-4-イル基、3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキシル基、3-アザビシクロ[4.1.0]ヘプチル基、アザビシクロ[2.2.2]ヘキシル基、2-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾール[1,5-c]ピリミジン-6-イル基、4,5,6,7-テトラヒドロイソキサゾール[4,3-c]ピリジン-5-イル基、3H-インドリル2-オキソ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-5-イル基、2-オキソ-5-アザビシクロ[2.2.2]オクタン-5-イル基、キノリジニル基及びN-ピリジル尿素を含む。ヘテロ環基の例は、さらに、1,1-ジオキソチオモルホリル基、及び、その環上の2つの炭素原子が酸素原子で置換されたピリミジンジオン基等を含む。また、前記ヘテロ環基は、置換又は非置換であってもよく、そのうち、置換基は、以下に限定されないが、オキソ(=O)、ヒドロキシ基、アミノ基、ハロゲン、シアノ基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロ環基、メルカプト基、ニトロ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ置換アルコキシ基、ヒドロキシ置換アルキル-C(=O)、アルキル-C(=O)、アルキル-S(=O)、アルキル-S(=O)2-、ヒドロキシ置換アルキル-S(=O)、ヒドロキシ置換アルキル-S(=O)2、カルボキシアルコキシ基などであってもよい。
【0039】
用語「アリール基」は、単独で使用されてもよく、又は「アラルキル基」、「アラルキルオキシ基」又は「アリールオキシアルキル基」の大部分として使用されてもよく、合計で6~14員環の単環、二環、及び三環の炭素環系を含み、ただし、少なくとも1つの環系は芳香族であり、各環系は3~7員環を含み、且つ1つの付着点のみが分子の残りの部分に連結されることを表す。用語「アリール」は、用語「芳香環」と交換して使用することができ、例えば、芳香環はフェニル、ナフチル及びアントリルを含むことができる。また、前記アリール基は、置換又は非置換であってもよく、そのうち、置換基は、以下に限定されないが、ヒドロキシ基、アミノ基、ハロゲン、シアノ基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロ環基、メルカプト基、ニトロ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ置換アルコキシ基、ヒドロキシ置換アルキル-C(=O)、アルキル-C(=O)、アルキル-S(=O)、アルキル-S(=O)2-、ヒドロキシ置換アルキル-S(=O)、ヒドロキシ置換アルキル-S(=O)2、カルボキシアルコキシ基などであってもよい。
【0040】
用語「ヘテロアリール基」は、合計で5-14員環を含む単環、二環、及び三環系を表し、ただし、少なくとも1つの環系は芳香族であり、且つ少なくとも1つの環系は1つ又は複数のヘテロ原子を含み、そのうち、ヘテロ原子は本発明に記載の意味を有し、そのうち、各環系は3~7員環を含み、且つ1つの付着点のみが分子の残りの部分に連結される。用語「ヘテロアリール基」は、用語「芳香族ヘテロ環」又は「ヘテロ芳香族化合物」と交換して使用することができる。また、前記ヘテロアリール基は、置換又は非置換であってもよく、そのうち、置換基は、以下に限定されないが、ヒドロキシ基、アミノ基、ハロゲン、シアノ基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、ヘテロ環基、メルカプト基、ニトロ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ置換アルコキシ基、ヒドロキシ置換アルキル-C(=O)-、アルキル-C(=O)-、アルキル-S(=O)-、アルキル-S(=O)2-、ヒドロキシ置換アルキル-S(=O)-、ヒドロキシ置換アルキル-S(=O)2-、カルボキシアルコキシ基などであってもよい。
【0041】
他のいくつかの実施形態では、ヘテロアリール基は、以下に限定されないが、2-フリル基、3-フリル基、N-イミダゾリル基、2-イミダゾリル基、4-イミダゾリル基、5-イミダゾリル基、3-イソオキサゾリル基、4-イソオキサゾリル基、5-イソオキサゾリル基、2-オキサゾリル基、4-オキサゾリル基、5-オキサゾリル基、4-メチルイソキサゾール-5-イル基、N-ピロリル基、2-ピロリル基、3-ピロリル基、2-ピリジル基、3-ピリジル基、4-ピリジル基、2-ピリミジニル基、4-ピリミジニル基、ピリミジン-5-イル基、ピリダジニル基(例えば3-ピリダジニル基)、2-チアゾリル基、4-チアゾリル基、5-チアゾリル基、テトラゾリル基(例えば5-テトラゾリル基)、トリアゾリル基(例えば2-トリアゾリル基及び5-トリアゾリル基)、2-チエニル基、3-チエニル基、ピラゾリル基(例えば2-ピラゾリル基等)、イソチアゾリル基、1,2,3-オキサジアゾリル基、1,2,5-オキサジアゾリル基、1,2,4-オキサジアゾリル基、1,2,3-トリアゾリル基、1,2,3-チオジアゾリル基、1,3,4-チオジアゾリル基、1,2,5-チオジアゾリル基、1,3,4-チアジアゾール-2-イル基、ピラジニル基、ピラジン-2-イル基、1,3,5-トリアジニル基の単環を含み、以下に限定されないが、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インドリル基(例えば2-インドリル基)、プリニル基、キノリル基(例えば2-キノリル基、3-キノリル基、4-キノリル基)、及びイソキノリル基(例えば1-イソキノリル基,3-イソキノリル基又は4-イソキノリル基)、ベンゾ[d]チアゾール-2-イル基、イミダゾ[1,5-a]ピリジン-6-イル基の二環も含む。
【0042】
用語「ヘテロ原子」は、1つ又は複数のO、S、N、P及びSi原子を表し、N、S及びPの任意の酸化状態の形態、第1級、第2級、第3級アミン及び第4級アンモニウム塩の形態、又はヘテロ環における窒素原子上の水素が置換された形態、例えば、N(例えば、3,4-ジヒドロ-2H-ピロリル基におけるN)、NH(例えば、ピロリジニル基におけるNH)又はNR(例えば、N-置換ピロリジニル基におけるNR)を含む。
【0043】
用語「ヘテロアルキル基」は、アルキル鎖の中間に1つ又は複数のヘテロ原子が挿入されてもよいことを表し、ただし、アルキル基及びヘテロ原子は本発明に記載の意味を有する。別に詳細に説明しない限り、ヘテロアルキル基は1~10個の炭素原子を含み、他のいくつかの実施形態では、ヘテロアルキル基は1~8個の炭素原子を含み、他のいくつかの実施形態では、ヘテロアルキル基は1~6個の炭素原子を含み、他のいくつかの実施形態では、ヘテロアルキル基は1~4個の炭素原子を含み、他のいくつかの実施形態では、ヘテロアルキル基は1~3個の炭素原子を含む。このような例としては、以下に限定されないが、CH3OCH2-、CH3CH2OCH2-、CH3SCH2-、CH3SCH2CH2-、(CH3)2NCH2-、(CH3)2CH2OCH2-、CH3OCH2CH2-、CH3CH2OCH2CH2-等が挙げられる。
【0044】
用語「ハロゲン」は、F、Cl、Br又はIを意味する。
【0045】
本発明に記載の「ハロゲン化」とは、ハロゲンでその後に続く基を置換することを示し、置換の数は1つ又は複数であってもよい。
【0046】
本発明に記載の「ヒドロキシ置換」とは、ヒドロキシ基でその後に続く基を置換することを示し、置換の数は1つ又は複数であってもよい。
【0047】
本発明に記載の「置換の」が2つの基の間に用いられる場合、その前は置換基であり、例えば、「アリール置換のアルキル基」はアルキル基にアリール置換基を有し、「アルコキシカルボニル置換のアルキル基」はアルキル基にアルコキシカルボニル置換基を有することを表す。
【0048】
本発明の複数の基が併用される場合、左から右へ順に置換関係となり、例えば、「アリールアルキル基」はアリール置換のアルキル基を表し、「アルコキシアルコキシ基」はアルコキシ置換のアルコキシ基を表す。
【0049】
実施例1
本発明は、以下の成分からなる点眼液を提供する。
【表0】
【0050】
調製方法は以下の通りである。
無菌操作下で、上記成分を混合し、2~8℃で一晩撹拌し、均一混合液を得た後、目薬瓶に保存した。
【0051】
実施例2
本実施例は、実施例1により提供された目薬の使用方法を提供する。
毎日、実施例1により提供された目薬を使用し、1日4回、毎回1~2滴使用した。
【0052】
効果試験
飛蚊症を有する患者10名を選択して臨床効果評価を行い、確定診断日から、患者は毎日実施例1により提供された目薬を4回使用し、毎回1~2滴使用し、15日目、30日目に再診し、その治療効果は下記表1に示す。
【0053】
【0054】
表1から分かるように、臨床使用効果において、投与15日頃に目の前の黒い点又は帯状物を明らかに浅くし、コントラスト感度を向上させることができ、天井、壁などの白い背景を観察する際の視覚的な障害を軽減させ、投与30日頃に飛蚊症を基本的に治癒させることができ、漂っている黒い点又は帯状物がほとんどなくなり、天井、壁などの白い背景を観察する際に視覚的な障害がなく、コントラスト感度などの視覚的品質が明らかに改善され、且つ他の副作用がない。
【0055】
以上、一般的な説明、具体的な実施形態及び試験を用いて本発明を詳細に説明したが、本発明に基づいて、いくつかの修正又は改良を行うことができ、これは当業者にとって明らかである。従って、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で行われたこれらの修正又は改良はいずれも本発明の保護範囲に属する。
【国際調査報告】