(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-08
(54)【発明の名称】複数のノードデバイスを含むネットワークを構成する方法、そのように構成されるネットワークにおいてメッセージを送信する方法、及びそのように構成される照明システム
(51)【国際特許分類】
H04W 84/18 20090101AFI20240801BHJP
H04W 88/04 20090101ALI20240801BHJP
H04W 88/06 20090101ALI20240801BHJP
H04L 67/104 20220101ALI20240801BHJP
H04L 67/52 20220101ALI20240801BHJP
H04L 67/61 20220101ALI20240801BHJP
H04L 67/563 20220101ALI20240801BHJP
【FI】
H04W84/18
H04W88/04
H04W88/06
H04L67/104
H04L67/52
H04L67/61
H04L67/563
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024509392
(86)(22)【出願日】2022-07-20
(85)【翻訳文提出日】2024-02-16
(86)【国際出願番号】 EP2022070359
(87)【国際公開番号】W WO2023020774
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2021/113024
(32)【優先日】2021-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(32)【優先日】2021-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】フェン レイ
(72)【発明者】
【氏名】カーシック ジャヤ ヴァラサー
(72)【発明者】
【氏名】ワン チャンジェ
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067EE02
5K067EE25
(57)【要約】
複数のノードデバイスを含むネットワークを構成する方法及びそのようなネットワークにおいてメッセージを送信する方法が開示される。各ノードデバイスは、長距離通信インターフェース及び短距離通信インターフェースを含み、方法は、同じネットワーククレデンシャル及び通信リソースを共有する単一のフラットなネットワークを形成するように複数のノードデバイスのすべてをコミッショニングするステップと、複数のノードデバイスを複数のグループに分割するステップと、各グループから1つ以上のノードデバイスを、その長距離通信インターフェースを用いて他のノードデバイスからのメッセージを代理するための代理ノードデバイスとして選択するステップと、代理ノードデバイスの長距離通信インターフェースをアクティブにするステップとを含む。斯かるネットワークにおいてノードデバイスによってメッセージが受信される場合、まずメッセージがタイムクリティカルなメッセージであるかどうかが判断される。メッセージがタイムクリティカルである場合、メッセージは直ちに送信される。そうではなく、メッセージが非タイムクリティカルである場合、メッセージは、隣接するノードデバイスのグループからのメッセージに割り当てられるタイムスロットとは異なる特定のタイムスロットで送信される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のノードデバイスを含むネットワークを構成する方法であって、各ノードデバイスは、長距離通信インターフェース及び短距離通信インターフェースを含み、当該方法は、コミッショニングデバイスによって実行され、
短距離通信インターフェースを介して同じネットワーククレデンシャル及び通信リソースを共有する単一のフラットなネットワークを形成するように前記複数のノードデバイスのすべてをコミッショニングするステップと、
前記複数のノードデバイスを複数のグループに分割するステップと、
各グループから1つ以上のノードデバイスを、前記1つ以上のノードデバイスの長距離通信インターフェースを用いて他のノードデバイスからのメッセージを代理するための代理ノードデバイスとして選択するステップと、
前記代理ノードデバイスの長距離通信インターフェース及び短距離通信インターフェースが同時に働くことができるように、前記代理ノードデバイスの長距離通信インターフェースをアクティブにするステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記選択するステップは、前記フラットなネットワークにおける前記複数のノードデバイスの地理的ロケーションに基づいて実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記アクティブにするステップは、前記代理ノードデバイスに又は前記代理ノードデバイスのマネージメントコンソールに命令を送信することにより長距離通信インターフェースをアクティブにすることを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
当該方法は、前記フラットなネットワークにおけるランタイム条件に基づいて前記選択された代理ノードデバイスのうちの1つ以上を更新又は最適化するステップを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記フラットなネットワークにおけランタイム条件は、ネットワーク内のノードデバイス間又はリモートデバイスとの通信チャネルで測定されるサービス品質、及び選択された代理ノードデバイスのメンテナンス要件のうちの少なくとも一方を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
当該方法は、隣接するグループのノードデバイスによってメッセージを送信するために異なるタイムスロットを割り当てるステップを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項7】
前記割り当てるステップは、隣接するグループにおけるノードデバイスの地理的ロケーションに基づく、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
タイムスロットの割り当ては、ノードデバイスによって隣接するグループにおけるノードデバイスから受ける、リアルタイムで測定される信号強度に基づいて最適化される、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法を使用して構成されるネットワークにおいてメッセージを送信する方法であって、前記ネットワークは、複数の動作可能に相互接続されるノードデバイスを含み、各ノードデバイスは、長距離通信インターフェース及び短距離通信インターフェースを含み、当該方法は、ノードデバイスのグループにおける受信ノードデバイスによって実行され、
受信したメッセージがタイムクリティカルなメッセージであるかどうかを判断するステップと、
前記受信したメッセージがタイムクリティカルなメッセージであると判断される場合、前記受信したメッセージを直ちに送信するステップと、
前記受信したメッセージが非タイムクリティカルなメッセージであると判断される場合、前記受信したメッセージを特定のタイムスロットで送信するステップであって、前記タイムスロットは、隣接するノードデバイスのグループからのメッセージに割り当てられるタイムスロットとは異なる、ステップと、
を含む、方法。
【請求項10】
受信したメッセージがタイムクリティカルなメッセージであるかどうかを判断することは、前記受信したメッセージに含まれる特定のインジケータをチェックすることを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記受信したメッセージを直ちに送信することは、前記受信したメッセージが前記ネットワーク内のノードデバイス宛である場合、短距離通信インターフェースを用いて前記受信したメッセージを送信することを含む、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記受信したメッセージを直ちに送信することは、前記受信したメッセージが前記ネットワークの外部のデバイス宛である場合、長距離通信インターフェースを使用する代理ノードデバイスを介す代理によって前記受信したメッセージを送信することを含む、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項13】
複数の照明器具を含む照明システムであって、各照明器具は、長距離通信インターフェース及び短距離通信インターフェースを含み、前記複数の照明器具は、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法によってネットワークに構成され、当該照明システムにおけるメッセージは、請求項9乃至12のいずれか一項に記載の方法によって送信される、照明システム。
【請求項14】
少なくとも1つのプロセッサで実行された場合、前記少なくとも1つのプロセッサに請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法を実行させる命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体を含む、コンピュータプログラムプロダクト。
【請求項15】
少なくとも1つのプロセッサで実行された場合、前記少なくとも1つのプロセッサに請求項9乃至12のいずれか一項に記載の方法を実行させる命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体を含む、コンピュータプログラムプロダクト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、ネットワークにおけるメッセージの送信の分野に関し、より具体的には、複数のノードデバイスを含むネットワークを構成する方法、そのように構成されるネットワークにおいてメッセージを送信する方法、及びそのように構成される照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、データ通信ケイパビリティを有する、照明デバイス及びIoT(Internet of Things)デバイス、並びにeMTC(enhanced Machine-Type Communication)をサポートするデバイス等、電気又は電子デバイスが、複数の相互接続されるデバイスから成るネットワークに展開されることが多くなっている。
【0003】
一般にノードデバイス又は端末デバイスと呼ばれる、これらのデバイスは、典型的には、バックエンドサーバ等、リモートデバイスとのデータ交換のための、ネットワークアダプタ又はトランシーバモジュール等、長距離通信インターフェース(long range communication interface)、及び、ノードデバイス間通信(inter-node device communication)とも呼ばれる、ノードデバイス間のみの通信のための、トランシーバモジュール等、近距離通信インターフェース(short range communication interface)を動作させる。
【0004】
長距離通信インターフェースは、例えば、狭帯域IoT(Narrowband IoT:NB-IoT)を含む、指定された2G/3G/4G/5Gセルラー通信等、ワイヤレスモバイル通信規格、並びに、長距離ワイドエリアネットワーク(Long Range Wide Area Network:LoRaWAN)、又は独自の通信技術等、他の長距離ワイヤレス通信技術に従って動作してもよい。
【0005】
短距離通信インターフェースは、例えば、ワイヤレスネットワークのための指定されたZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、及びWiFiベースのプロトコル、並びにDALI(登録商標)(Digital Addressable Lighting Interface)、DSI(Digital Serial Interface)、DMX(Digital Multiplex)、KNX(及びKNXベースのシステム)等の有線バスネットワーク、並びに独自の(proprietary)通信技術及びプロトコル等、ネットワーク化されたデバイス又はノードによってデータを交換するためのネットワークプロトコルに従って動作してもよい。
【0006】
さらに、多くの場合、ノードデバイスは、センサによって収集されるデータ及び情報の送信又は通信を含むより高度なアプリケーションを可能にするセンサを備える、又は斯かるセンサに接続される。
【0007】
例えば、照明システム、とりわけ、街路照明システム等の屋外照明システムは、例えば、様々なセンサを含む又は斯かるセンサに動作可能に接続される照明器具として配置される、及び、メッシュネットワーク又はスター型トポロジを有するネットワーク等、ネットワークにおいて動作するように配置される多数のノードデバイスを含み得る。
【0008】
このような照明システムにおいて交換される典型的な情報は、ノードデバイス間で交換されるタイムクリティカルな(time-critical)メッセージ、並びに、ノードデバイス間で、及びノードデバイスを管理及び制御するために配置されるバックエンドサーバ等のリモートデバイスと交換される非タイムクリティカルな(non-time-critical)メッセージを含み得る。
【0009】
一例として、タイムクリティカルなメッセージは、例えば、存在センサ又はモーションセンサによる検出に応じて歩行者及び車両に最適化された照明サービスを提供するためのライトオンデマンド(light on demand)メッセージを含み得、これは、低レイテンシのデバイストゥデバイス通信(device to device communication)を必要とする。
【0010】
一方、非タイムクリティカルなメッセージは、例えば、バックエンドサーバにノードデバイスのエネルギ消費を報告するための及びバックエンドサーバからノードデバイスにソフトウェア更新を提供するためのライト管理(light management)メッセージを含み得る。
【0011】
しかしながら、上記のような現在利用可能なネットワークは、同時に同じネットワークにおいてタイムクリティカルなメッセージ及び非タイムクリティカルなメッセージの両方によって課される異なる要件に対処することは困難である。
【0012】
既知の方法によれば、多数のノードデバイスは、多くの互いに孤立した(mutually isolated)小ネットワークに構成され、これは、境界ノードデバイス(boundary node device)間のメッセージの直接中継を実行不可能にする。その結果、2つの小ネットワーク間の境界を越えて送信されるべきメッセージは、各小ネットワークにおける長距離通信インターフェースを有するノードデバイスを用いて、例えばリモートデバイスを介して送信される必要がある。これは、歩行者又は車両に対する適切な照明サービスをトリガするためのアラートメッセージ等のタイムクリティカルなメッセージに望ましくない遅延を生じさせる。
【0013】
US2016100474A1は、機能的な照明グループを作成するための装置を開示している。複数のワイヤレスデバイスは、ゲートウェイによってワイヤレスネットワークを介して送られるコマンドに応答してグルーピングモードに入り、1つ以上のグループを形成するように構成される。
【0014】
他の従来の方法は、例えば、各ノードデバイス毎に長距離通信インターフェースをアクティブにすることによって高い通信コストを伴う、又は、各小ネットワークのためのセグメントコントローラ等の余分なハードウェアを必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
それゆえ、ネットワーク構成プロシージャ(network configuration procedure)をシンプルに且つ通信コストを合理的に低く保つ一方、タイムクリティカルであることが非常に多いネットワーク内(intra-network)メッセージ及び外部デバイス宛のメッセージの両方が扱われ、それぞれの宛先にリライアブル且つ効率的に送信されることを可能にする、多数の動作可能に相互接続されるノードデバイスを含むネットワークを構成する方法、及びそのようなネットワークにおいてメッセージを送信する方法が真に必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本開示の一態様では、複数のノードデバイスを含むネットワークを構成する(configure)方法であって、各ノードデバイスは、長距離通信インターフェース及び短距離通信インターフェースを含み、当該方法は、コミッショニングデバイス(commissioning device)によって実行され、
短距離通信インターフェースを介して同じネットワーククレデンシャル(network credential)及び通信リソースを共有する単一のフラットなネットワーク(single flat network)を形成するように複数のノードデバイスのすべてをコミッショニングするステップと、
複数のノードデバイスを複数のグループに分割するステップと、
各グループから1つ以上のノードデバイスを、その長距離通信インターフェースを用いて他のノードデバイスからのメッセージを代理するための代理ノードデバイス(delegating node device)として選択するステップと、
代理ノードデバイスの長距離通信インターフェースをアクティブにする(activate)ステップと、
を含む、方法が提示される。
【0017】
本開示は、長距離通信インターフェース及び短距離通信インターフェースの両方を有する多数のノードデバイスを単一のフラットなネットワークとして組織化することが、ネットワークにおけるノードデバイス間で、及び、クラウド上に配備されるバックエンドサーバ等、ネットワークの外部の他のデバイスとリライアブル且つ効率的にメッセージを送信及び交換することを可能にするという洞察に基づく。
【0018】
多数のノードデバイスを単一のフラットなネットワークとして構成することにより、すべてのノードデバイスは、ノードデバイスの短距離通信インターフェースを用いて任意の他のノードデバイスと通信する可能性(possibility)を有することができる。さらに、代理ノードデバイスとして機能するように選択される、ノードデバイスのグループにおけるノードデバイスは、他のノードデバイス及びリモートデバイス間のメッセージが、代理ノードデバイスの長距離通信インターフェースを介して代理されることを可能にする。
【0019】
本方法は、サーバ、モバイルコミッショニングデバイス(mobile commissioning device)、又はすでにコミッショニングされているネットワーク内のノードデバイスであることができる、コミッショナデバイス(commissioner device)によって実行される。
【0020】
本方法は、メッシュネットワーク等、単一のフラットなネットワークにノードデバイスをコミッショニングする通常ステップ(regular step)を含み、これにより、すべてのノードデバイスは、その短距離通信インターフェースを介して他のノードデバイスと通信する潜在性(potential)を有することができる。ノードデバイスを複数のグループにグルーピングする、各グループから少なくとも1つの代理ノードデバイスを選択する、及び、選択された代理ノードデバイスの長距離通信インターフェースをアクティブにするさらなるステップは、複雑なオペレーションを伴わず、追加のハードウェアデバイスも必要としない。
【0021】
ネットワークを他のトポロジに構成する又は小ネットワークを使用する従来の方法と比較して、本開示の構成方法は、シンプルで、実施が容易なままである。さらに、ネットワーク内のメッセージ送信は、利用可能なメッセージルーティング技術を用いて行われ、通信プロトコルの修正を必要としない。小ネットワーク間通信(inter small network communication)が必要ないため、ノードトゥノード通信レイテンシ(node to node communication latency)は低い。さらに、限られた数の代理ノードデバイスだけが長距離通信を行うため、通信コストは合理的に低く保たれる。
【0022】
本開示の一例において、選択するステップは、フラットなネットワークにおける複数のノードデバイスの地理的ロケーションに基づいて実行される。
【0023】
当業者であれば、ノードデバイスのグループ及び各グループにおけるそれぞれの代理ノードデバイスは、フラットなネットワークにおけるノードデバイスの地理的ロケーションに基づいて判断及び選択され得ることを考えることができる。これは、ノードデバイスの適切なグルーピング及び適切な代理ノードデバイスが使用されるようにすることに役立ち、ネットワークにおけるメッセージの効果的な伝送に有益である。
【0024】
ここでのグループは、選択された代理ノードと疎結合である(loosely coupled)ことに留意されたい。一例として、ノードデバイスからバックエンドサーバへのアップリンクメッセージは、代理機能を実行するために利用可能な任意の代理デバイスによって代理されてもよい。ダウンリンクメッセージに関して、バックエンドサーバは、宛先ノードデバイスにメッセージを送信するための代理デバイスを選択してもよい。
【0025】
フラットなネットワークにおけるノードデバイスの地理的ロケーションは、例えば、バックエンド管理サーバ(backend management server)で簡単に入手でき、ネットワークのコミッショニングを行うコミッショニングデバイスに容易にダウンロードされるできる。それゆえ、グルーピング及び代理ノードデバイスの選択は容易に行われることができる。
【0026】
本開示の一例において、アクティブにするステップは、代理ノードデバイスに又は代理ノードデバイスのマネージメントコンソール(management console)に命令を送信することにより長距離通信インターフェースをアクティブにすることを含む。
【0027】
代理ノードデバイスは、受けた命令に基づいて自身の長距離通信インターフェースをアクティブにしてもよい。これはシンプルなオペレーションであり、少数のノードデバイスだけが代理ノードデバイスとして選択されるため、通信リソースのコストが限られる。
【0028】
代理ノードデバイスの長距離通信インターフェースをアクティブにすることに加え、当該ノードデバイスのSIMカードもアクティブにされるべきである。例えば、モバイルネットワーク事業者は、通常、SIMカードをアクティブ又は非アクティブにする(de-active)ためのAPIを提供する。
【0029】
本開示の一例において、方法はさらに、フラットなネットワークにおけるランタイム条件(runtime condition)に基づいて選択された代理ノードデバイスのうちの1つ以上を更新又は最適化するステップを含む。
【0030】
更新又は最適化は、ネットワークにおける実際のランタイム環境に基づく代理ノードデバイスの選択の適応(adaption)を可能にする。それゆえ、本開示によって開示される方法は、よりフレキシブルであり、必要に応じて変化するネットワーク条件に適応することができる。
【0031】
ネットワークノードデバイスのランタイム条件のオーバービューを有する、バックエンドサーバは、ネットワークの変化した条件に基づいて必要に応じて代理ノードデバイスの選択を更新又は最適化することができる。
【0032】
限られた数のノードデバイスのみが代理ノードデバイスとして選択されるため、更新及び最適化は、通信リソース及び時間のコストをほとんどかけずに、不良(faulty)デバイスに起因して発生し得る通信障害を防ぐのに役立つ。
【0033】
本開示の一例において、フラットなネットワークにおけランタイム条件は、ネットワーク内のノードデバイス間又はリモートデバイスとの通信チャネルで測定されるサービス品質、及び選択された代理ノードデバイスのメンテナンス要件のうちの少なくとも一方を含む。
【0034】
当業者であれば、このようなランタイム条件はネットワークにおけるメッセージの通信に影響を与え得、代理ノードデバイスの更新及び最適化のための指標として容易に使用されてもよいことを考えることができる。
【0035】
本開示の一例において、方法はさらに、隣接するグループのノードデバイスによってメッセージを送信するために異なるタイムスロットを割り当てるステップを含む。
【0036】
これは、直接又はそれぞれの代理ノードデバイスによって送信される必要がある、あるグループにおけるノードデバイスからのメッセージが、異なるタイムスロットで送信されることが保証される。これは、ネットワークにおけるトラフィックのバランスをとり、メッセージ間の望ましくない干渉を減らすのに役立つ。
【0037】
本開示の一例において、割り当てるステップは、隣接するグループにおけるノードデバイスの地理的ロケーションに基づく。
【0038】
割り当ては、実際には、ノードデバイスのグルーピングに基づいて行われ、これは、簡単であり、さらなる情報を必要としない。これは、ノードデバイスがグループ化される及び/又は代理ノードデバイスが選択される際に同時に行われることができる。
【0039】
さらに、タイムスロットの割り当ては、ノードデバイスによって隣接するグループにおけるノードデバイスから受ける、リアルタイムで測定される信号強度に基づいて最適化される。
【0040】
タイムスロットの割り当てを更新することは、リアルタイム測定に基づいて行われるため、よりフレキシビリティを可能にする。それゆえ、より良好にネットワークの条件に応じたタイムスロットの割り当てを行うことができる。
【0041】
本開示の第2の態様は、本開示の第1の態様による方法を使用して構成されるネットワークにおいてメッセージを送信する方法を提供する。ネットワークは、複数の動作可能に相互接続されるノードデバイスを含み、各ノードデバイスは、長距離通信インターフェース及び短距離通信インターフェースを含み、当該方法は、ノードデバイスのグループにおける受信ノードデバイスによって実行され、
受信したメッセージがタイムクリティカルなメッセージであるかどうかを判断するステップと、
受信したメッセージがタイムクリティカルなメッセージであると判断される場合、受信したメッセージを直ちに(immediately)送信するステップと、
受信したメッセージが非タイムクリティカルなメッセージであると判断される場合、受信したメッセージを特定のタイムスロットで送信するステップであって、タイムスロットは、隣接するノードデバイスのグループからのメッセージに割り当てられるタイムスロットとは異なる、ステップと、
を含む。
【0042】
本開示の第1の態様で述べられるように構成されるネットワークにおいて、いずれもタイムクリティカル又は非タイムクリティカルであってもよい、ネットワーク内通信、及び、ネットワークの外部のデバイスとの通信が、効率的且つリライアブルに扱われる。
【0043】
ライトオンデマンドメッセージ又は障害報告(failure report)メッセージ等、タイムクリティカルなメッセージは、送信に短いレイテンシを必要とし、それゆえ、すぐに(right away)送信される必要がある。メッセージがタイムクリティカルなメッセージであると判断される場合、ノードデバイスは、受信したメッセージを直ちに送信する。受信したメッセージが非タイムクリティカルであると判断される場合、これは、受信ノードデバイスを含むグループからのメッセージに具体的に割り当てられるタイムスロットで送信される。この特定のタイムスロットは、隣接するノードデバイスのグループからのメッセージに割り当てられるタイムスロットとは異なる。
【0044】
隣接するグループのノードデバイスが異なるタイムスロットでメッセージを送信することは、隣接するグループからのノードデバイスの非タイムクリティカルなメッセージが同時に送信されるのを防止し、それゆえ、隣接するグループのノードデバイスによって送信されるメッセージ間の干渉を減らすのに役立つため、有益である。
【0045】
それゆえ、大きなノードデバイスのネットワークに含まれる別個の又は孤立した小ネットワークの従来のアーキテクチャと比較して、特にタイムクリティカルなライトオンデマンドメッセージにとって、タイムクリティカルなメッセージに必要とされる低レイテンシが保証される。
【0046】
一方、受信ノードデバイスを含むグループからのメッセージに具体的に割り当てられるタイムスロットで非タイムクリティカルなメッセージを送信することにより、ネットワークにおけるトラフィックのバランスがとられ、メッセージ間の望ましくない干渉が低減される。
【0047】
本開示の一例において、受信したメッセージがタイムクリティカルなメッセージであるかどうかを判断することは、受信したメッセージに含まれる特定のインジケータをチェックすることを含む。
【0048】
当業者であれば、メッセージがタイムクリティカルであるか否かに関するインジケータが、メッセージを含むデータフレームに加えられてもよいことを考えることができる。使用されるプロトコルに依存して、インジケータは、例えば、MACフレームのMACヘッダ若しくはアプリケーションデータ、又はネットワークレイヤフレームの予約フィールドに加えられてもよい。インジケータは1ビットであることができ、これは、余分なペイロードをほとんど又はまったく導入せず、効率的に処理されることができる。
【0049】
本開示の一例において、受信したメッセージを直ちに送信することは、受信したメッセージがネットワーク内のノードデバイス宛である場合、短距離通信インターフェースを用いて受信したメッセージを送信することを含む。
【0050】
受信したメッセージの宛先がネットワーク内のノードデバイスであるか、ネットワークの外部であるかは、受信したメッセージの宛先フィールド(destination field)に基づいて判断されてもよい。メッセージがネットワーク内メッセージ又はノード間メッセージである場合、メッセージは、受信側のノードデバイスの短距離通信インターフェースを使用して送信され、これは、ネットワークにおけるノードデバイス間の中継機能が使用されることを可能にする。
【0051】
本開示の一例において、受信したメッセージを直ちに送信することは、受信したメッセージがネットワークの外部のデバイス宛である場合、長距離通信インターフェースを使用する代理ノードデバイスを介す代理によって受信したメッセージを送信することを含む。
【0052】
受信したメッセージがネットワークの外部のデバイス宛である場合、対照的に、受信したメッセージは、代理ノードデバイスを介して、その長距離通信インターフェースを経て送信される。
【0053】
このようなメッセージは、メッセージを受信するノードデバイスと同じグループにおける代理ノードデバイスによって、又は隣接するグループにおける代理ノードデバイスによって代理されてもよいことに留意されたい。これは、外部デバイスへのメッセージがリライアブルに(reliably)送信されるのに役立つ。
【0054】
上述した方法は、例えばオフィスビル又は高速道路における、多くの照明デバイスを伴う照明システムに適用される場合に特に有益である。照明デバイスは、タイムクリティカルであることが多い車両又は歩行者の検出によってトリガされるライトオンデマンドメッセージ等、ネットワーク内メッセージ、及び、エネルギ使用量を報告するための照明使用量管理メッセージ等、外部デバイス宛のメッセージの両方を送信する必要がある。いずれのタイプのメッセージも、本方法によって、効率的、リライアブル且つコスト効果の高いやり方で送信されることができる。
【0055】
本開示の第3の態様は、複数の照明器具を含む照明システムであって、各照明器具は、長距離通信インターフェース及び短距離通信インターフェースを含み、複数の照明器具は、本開示の第1の態様による方法によってネットワークに構成され、照明システムにおけるメッセージは、本開示の第2の態様による方法によって送信される、照明システムを提供する。
【0056】
本開示の第4の態様は、少なくとも1つのプロセッサで実行された場合、少なくとも1つのプロセッサに本開示の第1の態様による方法を実行させる命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体を含む、コンピュータプログラムプロダクトを提供する。
【0057】
本開示の第5の態様は、少なくとも1つのプロセッサで実行された場合、少なくとも1つのプロセッサに本開示の第2の態様による方法を実行させる命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体を含む、コンピュータプログラムプロダクトを提供する。
【0058】
本開示の上述の及び他の特徴及び利点は、添付の図面を参照する以下の説明から最も良く理解されるであろう。図面において、同様の参照数字は、同一の部品又は同一の若しくは同等の機能若しくは動作を実行する部品を示す。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【
図1】本開示による、フラットなネットワークとして展開される複数のノードデバイスを含むネットワークを概略的に示す。
【
図2】本開示による、
図1に示されるフラットなネットワークに複数のノードデバイスを構成する方法の一実施形態をフローチャートタイプの図で概略的に示す。
【
図3】本開示による、隣接するグループにおける非タイムクリティカルな通信を異なるタイムスロットに割り当てることを概略的に示す。
【
図4】本開示による動作可能に相互接続されるノードデバイスのフラットなネットワークにおいてメッセージを送信する方法の一実施形態をフローチャートタイプの図で概略的に示す。
【
図5】本開示による、動作可能に相互接続されるノードデバイスのネットワークにおいて動作するように構成されるノードデバイスの一実施形態を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0060】
ここで、本開示によって企図される実施形態が、添付の図面を参照してより詳細に述べられる。開示される主題は、本明細書に記載の実施形態のみに限定されると解釈されるべきではない。むしろ、図示される実施形態は、主題の範囲を当業者に伝えるために例示として提供される。
【0061】
本開示は、ネットワークのノードデバイスとして機能する複数の照明デバイスのネットワークを参照して、以下に詳述される。当業者であれば、本開示が照明デバイスのネットワークに限定されず、背景技術のパートに示されるように、ネットワーク通信接続性が可能な多種多様なノードデバイスのネットワークに適用可能であることを理解するであろう。
【0062】
「ノードデバイス(node device)」、「照明デバイス(lighting device)」及び「照明器具(lighting fixture)」という用語は、以下の説明において互換的に(interchangeably)使用される。
【0063】
図1は、本開示による、フラットなネットワークとして展開される複数のノードデバイスを含むネットワーク100を概略的に示している。
【0064】
ネットワーク100は、ネットワーク100のノードデバイスとして機能する、複数の照明デバイス又は照明器具a~pを含む照明システムであってもよい。各照明デバイスは、長距離通信インターフェース及び短距離通信インターフェースを含む、又は、長距離通信インターフェース及び短距離通信インターフェースを動作させるように構成される。長距離通信インターフェースは、クラウド102上に配備されるバックエンドサーバ101等、リモートデバイスとの通信のために構成される。短距離通信インターフェースは、ノード間通信とも呼ばれる、ネットワークにおけるノードデバイス間の通信のために配置される。
【0065】
図1には照明デバイスa~pのみが図示されているが、実生活のアプリケーションシナリオは、高速道路沿い又はオフィス若しくは工場ビルに配備される、数千個、又はそれ以上の照明器具等、多数の照明デバイスを含む照明システムを含んでもよい。
【0066】
照明デバイスa~pは、ライトオンデマンドサービス又は監視サービス等のインテリジェントサービスを提供するために、モーションセンサ、画像デバイス等、1つ以上のセンシングデバイスを含んでもよく、又は、斯かるセンシングデバイスに動作可能に接続されてもよい。
【0067】
ネットワーク100におけるすべてのノードデバイスは、フラットなネットワークとして構成又は組織化される。本開示で使用されるフラットなネットワークは、ネットワークに含まれるノードデバイスが階層的に接続されない、又は、セグメント化されない、又は、異なる通信エリア若しくは小ネットワークに分離されないネットワークトポロジを指す。代わりに、すべてのノードデバイスは、例えばその短距離通信インターフェースを使用することにより、同じ通信プロトコルに基づいて、互いに通信する潜在性を有する。フラットなネットワークの例としては、Bluetooth(登録商標)メッシュ又はZigBee(登録商標)ネットワークがある。
【0068】
以下では、フラットなネットワーク100におけるノードデバイスが、
図1に図示されるグループ110及び120等、複数のグループに分割され、ネットワーク100内及びクラウド102上に配備されるバックエンドサーバ101等の外部デバイスとのメッセージの効率的な通信を容易にすることが述べられる。
【0069】
図2は、本開示による、
図1に示されるフラットなネットワーク100に複数のノードデバイスを構成する方法20の一実施形態をフローチャートタイプの図で概略的に示している。
【0070】
方法は、コミッショナデバイスによって実行される。コミッショナデバイスは、モバイルデバイス等のスタンドアロンデバイスであってもよく、又は、リモートコントロール若しくは管理サーバ上のソフトウェアモジュールとして実装されてもよい。
【0071】
ステップ21において、例えば建設計画図に基づいて、すべてのノードデバイスが設置され、必要なハードウェア設備と接続される。
【0072】
ステップ22において、ノードデバイスは、フラットなネットワークにコミッショニングされる。
図1に示されるようなフラットなネットワーク100へのノードデバイスのコミッショニングは、当業者に既知の従来の方法に従って実行されてもよい。
【0073】
一例として、コミッショナデバイスは、短距離通信インターフェースを介して直接ノードデバイスと通信する、又は、長距離通信がアクティブにされている1つ以上の既にコミッショニングされたノードデバイスの代理を介してリモートでノードデバイスと通信することにより、各ノードデバイスをフラットなネットワークに参加させてもよい。
【0074】
このようにしてコミッショニングされるすべてのノードデバイスは、同じネットワークキー及び同じ通信チャネル等、同じネットワーククレデンシャル及び通信リソースを共有し、これは、各ノードデバイスが、短距離ワイヤレス通信を使用して、ネットワークにおける任意の選択されたノードデバイスと通信する潜在性を有することを可能にする。
【0075】
ステップ23において、ノードデバイスは複数のグループに分割され、各グループは、例えば、数十個のノードデバイスを含む。
【0076】
ステップ24において、各グループから、リモートデバイスと他のノードデバイスとの間のメッセージを代理するための代理ノードデバイスとしてノードデバイスが選択される。
【0077】
当業者であれば、ノードデバイスのグルーピング及び各グループにおける代理ノードデバイスの選択は、必ずしも2つの別個のステップ及び/又は特定の順序で実行されなくてもよいことを考えることができる。
【0078】
一例として、
図1に一点鎖線の四角で示されるノードデバイスの2つのグループ110及び120が形成され、それぞれグループ110及び120におけるノードd及びkが、例えばリモートデバイスと情報を交換するために、同じグループにおける又は隣接するグループにおける他のノードデバイスのための代理ノードデバイスとして動作又は機能するように選択される。このグルーピングは例示目的のために過ぎないことに留意されたい。当業者であれば、フラットなネットワークに展開されるすべてのノードデバイスをカバーするために、多数のグループが必要とされる場合があることを理解するであろう。
【0079】
実際には、まずグループ110及び120が決定され、その後、各グループ110及び120からノードd及びkが、グループ110及び120の代理ノードデバイスとして選択されてもよい。代替的に、まずノードデバイスd及びkが代理ノードデバイスとして指定され、その後、各代理ノードデバイスの近傍のある数のノードデバイスが、グループ110及び120に仮想的にグルーピングされてもよい。
【0080】
いずれの場合も、フラットなネットワーク100におけるノードデバイスがグルーピングされ、各グループ内のノードデバイスが、選択されたノードデバイスの通信範囲内にある他のノードデバイスから発信される又は斯かる他のノードデバイス宛のメッセージを代理するために選択される。
【0081】
当業者であれば、各グループにおけるノードデバイスの数等の条件に依存して、各グループにおける2つ以上のノードデバイスが代理ノードデバイスとして選択されてもよいことを考えることができる。
【0082】
当業者であれば、グループは仮想グループであってもよいことを考えることができる。この意味で、
図1から分かるように、あるノードは、必ずしもただ1つの代理ノードデバイスに束縛されるわけではない。
図1において、ノードデバイスf、g、h及びiによって送信されるメッセージは、ノードd又はkのいずれかによって代理されることができる。これは、システムリライアビリティ(system reliability)を高めるのに役立つ。
【0083】
上記の説明から、代理ノードデバイスd及びkは、コミッショナデバイスによって、ネットワークのコミッショニング及び構成フェーズ中に選択されることが分かる。選択は、ネットワーク100におけるノードデバイスa~pの地理的ロケーションに基づいて行われてもよい。互いに地理的又は通信的に隣接又は近接して位置するノードデバイスがグループに割り当てられ、それらのうちの、比較的中心のロケーションに位置する又は同じグループにおける他のノードデバイスに通信的によりアクセスしやすいノードデバイスが、代理ノードデバイスとして選択されてもよい。
【0084】
ステップ25において、選択されたノードデバイスの長距離通信インターフェースがアクティブにされ、これは、ネットワークの動作フェーズ中に、選択されたノードデバイスが、他のノードデバイスへの及び他のノードデバイスからのメッセージを代理することを可能にする。
【0085】
アクティベーションは、選択されたノードデバイスに又は代理ノードデバイスのマネージメントコンソールにアクティベーション命令又はコマンドを送信することによって行われてもよい。
【0086】
当業者であれば、アクティベーションステップ25は、必ずしも分割ステップ23及び選択ステップ24の後に実行されるとは限らないことを考えることができる。実際には、すべてのノードがすでに初期的に長距離通信インターフェースをまずアクティブにしている場合があり得る。その後、長距離通信機能を必要としないノードデバイスは、コミッショニング及び構成(configuration)後に長距離通信インターフェースを閉じる(close)又は無効にする(disactivate)ことができる。
【0087】
任意選択的に、ステップ26において、ノードデバイスの選択が、ネットワークのランタイム又は動作フェーズにおける変化するネットワーク条件に基づいてバックエンドサーバによって更新又は最適化される。ネットワーク条件は、例えば、1つ以上のノードデバイスのメンテナンス又はリペアリング要件(maintenance or repairing requirement)、接続障害(connectivity failure)、ノードデバイス間及びリモートデバイスとの通信リンクについて測定されるサービス品質(quality of service)を指してもよい。このような更新及び最適化は、望ましくない通信途絶(communication disruption)を減らし、通信のより良い効率性を確保するのに役立つ。
【0088】
上述の方法20に従って構成される、
図1のフラットなネットワーク100において、すべてのノードデバイスは、同じネットワークキー及び同じアプリケーションキー等、同じクレデンシャルを共有する、及び、少なくとも1つの同じ通信プロトコルに従って同じ周波数で動作する。それゆえ、すべてのノードデバイスは、例えば、短距離通信インターフェースを使用するある数の中継ノードデバイスの中継によって、バックエンドサーバがそれらの間をブリッジする必要なく、互いにトークする(talk)ことができる。
【0089】
それゆえ、フラットなネットワーク100としてのすべてのノードデバイスa~pの構成は、短いレイテンシ又は遅延を必要とするライトオンデマンドトリガメッセージ等、タイムクリティカルであることが非常に多い、いわゆるネットワーク内メッセージのタイムリーな伝送が、不必要な遅延なしにネットワーク100全体で実行されることを可能にする。
【0090】
一方、各グループにおける代理ノードデバイスは、長距離通信インターフェースを介して、例えばバックエンドサーバ101への及びバックエンドサーバ101からの、照明管理アプリケーションによって要求されるメッセージ等、ネットワークの外部のデバイスへの及び斯かるデバイスからのメッセージを送信するように動作する。
【0091】
限られた数のノードデバイスだけが長距離通信インターフェースを動作させるため、各ノードデバイスと外部エンティティとの通信が依然確保される一方、通信コストは低く抑えられることができる。
【0092】
ネットワーク100は、短距離ワイヤレス通信という点でフラットなネットワークであるため、ノードa~gを含むグループ110及びノードh~nを含むグループ120等の異なるグループは孤立しない。
【0093】
システムのロバスト性を向上させる目的で、
図1の破線の楕円160及び180で示されるように、異なるグループにおける代理ノードデバイスd及びkの物理的な通信カバレッジは、通常、それらの仮想スコープ110及び120よりも大きい。その結果、フラットなネットワーク100におけるグループは、通常、それらの物理的な通信カバレッジの点で重複する。
【0094】
この冗長性は、外部デバイスに送信されるべきメッセージがリライアブルに代理されることができるようにすることに役立つため、有益である。一方、隣接するグループ間の重複は、特にノードデバイスのグループが多い状況において、及び送信されるべきメッセージの数が比較的多い場合、隣接するグループにおける通信に影響を与え得る。
【0095】
図1のグループ110及び120を例にとると、通常、ノードデバイスdは、グループ110のノードデバイスa~gへの/からのメッセージを代理するために設計され、ノードデバイスkは、グループ120におけるノードデバイスh~nへの/からのメッセージを代理するために設計される。しかしながら、同じグループ120におけるノードデバイスkからノードデバイスhへのメッセージは、ノードデバイスdによって面倒が見られる隣接するグループ110におけるノードデバイスfにも到達し得る。これは、ノードデバイスdによって扱われるトラフィックが大きい場合望ましくない。
【0096】
オーバーラップしたグループの影響を緩和するために、異なるグループにおけるノードデバイスからの非タイムクリティカルな通信は、
図3に示される、異なるタイムスロットに割り当てられる。
【0097】
4つのグループ201~204が
図3に示され、各グループは、3つのノードデバイスを含み、各グループの中央のデバイスb、e、h及びkは、グループの代理ノードデバイスとして選択されている。
【0098】
隣接するグループからのメッセージが互いに干渉するのを防止するために、隣接するグループにおけるノードデバイスによって送信されるメッセージは、異なるタイムスロットに割り当てられる。
【0099】
図3に示されるように、グループ201からの非タイムクリティカルなメッセージは、タイムスロット210及び230に割り当てられる一方、グループ202からの非タイムクリティカルなメッセージは、タイムスロット220及び240に割り当てられる。
【0100】
グループ201及び203は互いに隣接していないため、ノードデバイスb及びhによって送信されるべき非タイムクリティカルなメッセージは、同じタイムスロット210及び230に割り当てられてもよい。グループ202及び204についても同様である。
【0101】
当業者であれば、異なるグループからのメッセージのためのタイムスロットは、ノードデバイスがグループ化される場合及び/又は代理ノードデバイスが選択される場合に容易に割り当てられ得ることを考えることができる。この意味で、重複する又は隣接するグループは、ノードデバイスの地理的位置を参照して決定されることができる。
【0102】
タイムスロットの割り当ては、ランタイム中に実行される測定に基づいて行われてもよい。さらに、割り当てられたタイムスロットは、ランタイム中に最適化されてもよい。
【0103】
具体的には、ネットワークにおけるノードデバイスは、異なるメッセージイニシエータ(message initiator)から受信するメッセージで統計を実行し、メッセージイニシエータのリストをバックエンドサーバに送ってもよい。照明システムにおける一部の又はすべてのノードデバイスからの情報に基づいて、バックエンドサーバは、どのグループが重複しているかについての決定を下し、相応に重複した又は隣接しているグループに異なるタイムスロットを割り当てることができる。
【0104】
一方、グループAにおけるノードデバイスがグループBにおけるノードデバイスからのメッセージを検出又は受信することが多い場合、これは、グループA及びグループB間でかなりの干渉があることを示している。それゆえ、異なるタイムスロットが、2つのグループA及びBに割り当てられるべきである。
【0105】
このようなタイムスロットの割り当ては、隣接するグループからのノードデバイスによって送信される非タイムクリティカルなメッセージが同時に送信されるのを防止し、それゆえ、隣接するグループのノードデバイスによって送信されるメッセージ間の干渉を減らすのに役立つ。
【0106】
異なるグループにおけるノードデバイスによって送信されるメッセージのための上述したタイムスロットの割り当ては、フラットなネットワークを構成する方法の補助的なステップと見なされてもよい。これは、ネットワークにおける通信トラフィックのバランスをとり、結果としてメッセージ衝突を緩和するのに役立つ。
【0107】
タイムスロット割り当ては、非タイムクリティカルなメッセージに対してのみである。それゆえ、障害報告メッセージ又はセンサによって検出される歩行者によってトリガされるライトオンデマンドメッセージ等のタイムクリティカルなメッセージは、依然としてフラットなネットワークの恩恵を受け、バックエンドサーバ又は他のノードデバイスといつでも(at any time)交換されることができる。
【0108】
図4は、本開示による動作可能に相互接続されるノードデバイスのフラットなネットワークにおいてメッセージを送信する方法30の一実施形態をフローチャートタイプの図で概略的に示している。フラットなネットワークは、上述したように、ネットワーク内メッセージ及び外部デバイスと交換されるメッセージの両方が、効率的且つリライアブルにネットワーク全域で及びリモートデバイスへ/から通信されることができるように構成される。
【0109】
本方法は、ノードデバイスのグループにおける非代理ノードデバイス(non-delegating node device)又は代理ノードデバイスであることができる、ネットワークにおけるノードデバイスのうちのいずれかによって実行される。
【0110】
ステップ31において、ノードデバイスはメッセージを受信する。一例として、メッセージは、別のノードデバイスから受信されてもよく、例えば、近づいてくる移動中の歩行者又は車両に適した照明レベルをトリガする目的にかなってもよい。別の例として、メッセージは、バックエンドサーバに送信されるべきエネルギ使用量メッセージを含んでもよい。
【0111】
当業者であれば、メッセージのソースデバイスに依存して、メッセージは、ノードデバイスによって、短距離通信インターフェース又は長距離通信インターフェースを介して受信されてもよいことを考えることができる。
【0112】
また、ノードデバイスが移動体を検出するものであり、それゆえ、他のノードデバイスの点灯をトリガするためのメッセージを「用意する(prepare)」シナリオもある。これは、本開示の目的上、メッセージを「受信する(receiving)」と見なされてもよい。
【0113】
ステップ32において、ノードデバイスは、受信したメッセージがタイムクリティカルであるか否かを判断する。
【0114】
メッセージがタイムクリティカルであるか否かに関するインディケーションが、例えば、メッセージを含むデータフレームに含まれてもよい。メッセージを送信するために使用される通信プロトコルに依存して、インジケータが、対応するデータフレームに都合よく(conveniently)加えられてもよい。
【0115】
一例として、ZigBee(登録商標)ネットワークレイヤフレームのフレーム制御フィールドの予約ビットが、メッセージがタイムクリティカルであるか否かについて示すために使用されてもよい。また、インジケータは、ネットワークコマンドのネットワークコマンド識別子リストに都合よく挿入されてもよい。
【0116】
代替的に、インジケータは、例えば、MACフレームのMACヘッダ又はアプリケーションデータに加えられてもよい。この場合、メッセージがタイムクリティカルであるか否かについての判断は、さらに効率的に行われる。
【0117】
受信ノードデバイスは、受信したデータフレームに含まれるインジケータをチェックし、メッセージが直ちに送信又は中継されるべきかを決定する。
【0118】
ステップ32において、受信したメッセージが非タイムクリティカルであると判断される場合、ステップ33において、受信したメッセージは、代理ノードデバイスを含むグループに割り当てられるタイムスロットで送信される。これは、通常、受信ノードデバイスを含むグループに具体的に割り当てられるタイムスロットを待つことを伴う。
【0119】
それゆえ、互いに隣接するグループのノードデバイスは、異なるタイムスロットで非タイムクリティカルなメッセージを送信するようにスケジュールされる。これは、ネットワーク上のトラフィックのバランスをとるだけでなく、利用可能なネットワークリソースが限られることに起因して起こり得る望ましくないパケットロスを減らすことにも役立つ。
【0120】
ステップ32において、受信したメッセージが、電源障害(power failure)又はすぐに対処される必要がある任意の他の状況を報告するメッセージ等、タイムクリティカルであると判断される場合、メッセージは、遅延なく直ちに送信される必要がある。それゆえ、例えば、不良状況(faulty situation)が時間内に(in time)対処されることが保証される。
【0121】
タイムクリティカルなメッセージは、当該メッセージが、ネットワーク内又はノード間メッセージとも呼ばれる、ネットワークにおけるさらなるノードデバイス宛であるか、ネットワークの外部のデバイス宛であるかに依存して、異なるように送信される。
【0122】
それゆえ、ステップ32において、受信したメッセージがタイムクリティカルであると判断した後、ステップ34において、受信したメッセージがネットワーク内メッセージであるかどうかが判断される。
【0123】
ネットワーク内メッセージであるか、フラットなネットワークの外部のデバイスへのメッセージであるかについてのインディケーションは、従来の方法に従って、例えば、メッセージを含むデータフレームの特定のフィールドを参照することにより判断されてもよい。
【0124】
ステップ34において、受信したタイムクリティカルなメッセージがネットワーク内メッセージである、又はフラットなネットワーク内のノードデバイス宛であると判断される場合、ステップ35において、受信したメッセージは、ノードデバイスによって、短距離通信インターフェースを用いて送信される。
【0125】
当業者であれば、送信は、ここでは詳しく述べない、フラッディング又はルーティング技術を使用して行われてもよいことを考えることができる。
【0126】
一方、ステップ34において、受信したタイムクリティカルなメッセージがフラットなネットワークの外部のデバイス宛であると判断される場合、ステップ36において、受信したメッセージは、ノードデバイスと同じグループにおける又は例えば隣接するグループにおける代理ノードデバイスであってもよい、代理ノードデバイスを介す代理によって(by way of delegation)送信される。
【0127】
当業者であれば、代理ノードデバイスを介す代理によってタイムクリティカルなメッセージを送信することは、受信ノードデバイスが代理ノードデバイスの1つではない場合、その短距離通信インターフェースを使用してネットワークの外部を宛先とするタイムクリティカルなメッセージを代理ノードデバイスに送信することを含んでもよいことを考えることができる。
【0128】
受信ノードデバイス自体が代理ノードデバイスである場合、受信ノードデバイスは、その長距離通信インターフェースを介してネットワークの外部を宛先とするタイムクリティカルなメッセージを直接送信することができる。
【0129】
図5は、本開示に従って構成される、動作可能に相互接続されるノードデバイスのネットワークにおいて動作するように構成されるノードデバイス40の一実施形態を概略的に示している。
【0130】
ノードデバイス40は、制御部又は制御デバイス410と、照明モジュール421、好ましくは、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)照明モジュール又は複数のLED照明モジュールを含む、照明器具又は照明デバイス420等の負荷とを含む。負荷の動作は、例えば、リモート又はバックエンドサーバ(図示せず)等、リモートコントロールデバイスから又はリモートコントロールデバイスを介して制御デバイス410によって制御されてもよい。
【0131】
制御デバイス410は、リモートコントロールデバイス又はバックエンドサーバとの直接ワイヤレスメッセージ又はデータパケット交換442のために構成される、第1のネットワークアダプタ又はトランシーバ(Tx/Rx 1)モジュール等、長距離通信インターフェース441を動作させる。長距離通信インターフェース441は、典型的には、例えば、2G/3G/4G/5Gセルラー通信等、認可周波数帯におけるモバイル通信システム技術、並びに長距離ワイドエリアネットワーク(Long Range Wide Area Network:LoRaWAN)、及び狭帯域IoT(Narrowband IoT:NB-IoT)通信等として知られる等、他の長距離ワイヤレス通信技術に従って動作する。しかしながら、長距離通信インターフェース441は、独自のワイヤレス通信プロトコル又は技術に従って動作してもよい。
【0132】
長距離通信インターフェース441は、Ethernet(登録商標)接続及びインターネット等を介したデータ交換等、有線メッセージ交換443のために構成されてもよい。
【0133】
さらに、制御デバイス410は、ネットワークにおける別のノードデバイスとのメッセージ又はデータパケットの短距離ワイヤレス(452)又は有線(453)交換、すなわち、いわゆるノード間デバイス通信のために構成される、第2のネットワークアダプタ又はトランシーバ(Tx/Rx 2)モジュール等、短距離通信インターフェース451を動作させる。ネットワーク化されたデバイス又はノードによってデータを交換するためのネットワークプロトコルは、ワイヤレスネットワークのためのZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、及びWiFi(登録商標)ベースのプロトコル、並びにDALI(登録商標)(Digital Addressable Lighting Interface)、DSI(Digital Serial Interface)、DMX(Digital Multiplex)、及びKNX(又はKNXベースのシステム)等の有線バスネットワーク、並びに他の独自のプロトコル等を含んでもよい。
【0134】
さらに、制御デバイス410は、少なくとも1つのマイクロプロセッサ(μP)、又はコントローラ445、及び、とりわけ、ノードデバイスの識別子(ID)447、MAC(Media Access Control)アドレス、及び加入者情報等、他のノードデバイス及びノードデバイス自身のアドレス情報を記憶するための、少なくとも1つのデータリポジトリ又はストレージ又はメモリ446を含む。また、リポジトリ446は、ノードデバイス40を含むネットワークのためのネットワーククレデンシャルも記憶する。リポジトリ446の代わりに、少なくとも1つのプロセッサ又はコントローラ445にアクセス可能な別のメモリ又はストレージが設けられてもよい。
【0135】
少なくとも1つのマイクロプロセッサ又はコントローラ445は、制御デバイス410の内部データ通信及び制御バス448を介して、長距離通信インターフェース441、短距離通信インターフェース451、及び少なくとも1つのリポジトリ又はストレージ446と通信可能にインタラクトし(interact)、制御する。
【0136】
本開示を参照して述べられるように、ノードデバイス40がフラットなネットワークに展開される場合、少なくとも1つのマイクロプロセッサ又はコントローラ445は、上述したフラットなネットワークにおいてメッセージを送信する方法を実行するように動作してもよい。
【0137】
照明器具又は照明デバイス420は、データ通信及び制御バス448に接続し(444)、少なくとも1つのマイクロプロセッサ又はコントローラ410によってデータ通信及び制御バス448から制御される。
【0138】
当業者であれば、照明器具又は照明デバイス420以外に又はそれに加えて、アクセスポイントデバイス又は地理的ルーティングデバイス(geographic routing device)等、任意の電気的負荷が制御バスに接続され(444)てもよいことを理解するであろう。
【0139】
本開示は、上記で開示される例に限定されず、任意のデータ通信、データ交換及びデータ処理環境、システム又はネットワークで使用するために、発明的技能を適用する必要なしに、添付の特許請求の範囲に開示される本開示の範囲を越えて当業者によって変更及び拡張されることができる。
【国際調査報告】