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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-08
(54)【発明の名称】燃料電池膜加湿器
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04119 20160101AFI20240801BHJP
   H01M 8/04 20160101ALI20240801BHJP
   H01M 8/10 20160101ALN20240801BHJP
【FI】
H01M8/04119
H01M8/04 N
H01M8/10 101
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024509515
(86)(22)【出願日】2022-06-09
(85)【翻訳文提出日】2024-03-26
(86)【国際出願番号】 KR2022008160
(87)【国際公開番号】W WO2023022343
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】10-2021-0108698
(32)【優先日】2021-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524060740
【氏名又は名称】エヌブイエイチ コリア インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003085
【氏名又は名称】弁理士法人森特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ チョルヒ
(72)【発明者】
【氏名】リュ ジョンヒョン
【テーマコード(参考)】
5H126
5H127
【Fターム(参考)】
5H126BB06
5H127AA06
5H127AC02
5H127BA02
5H127BB02
5H127BB34
5H127EE17
(57)【要約】
本明細書に開示された内容は、メインハウジング;カートリッジハウジングの端部に突設されたシールマウントと、多数のメンブレンを本体の両側端部にポッティングさせる固定層と、を備え、前記メインハウジングの内部に設置される中空糸膜カートリッジ;前記メインハウジングのインレット連結部に装着されるカップリング部と、前記カップリング部の内側に形成されるシール接地部と、クーラーを介して乾燥空気が内部に供給されるメインチャンバとを備えるインレットハウジング;前記メインハウジングのアウトレット連結部に装着されるカップリング部と、水素燃料電池スタックからガスが供給されるガス流入口と、前記メンブレンを介して形成される多湿空気が流動する第2チャンバと、前記カートリッジハウジングの一方側の端部が結合されるカートリッジ挿入部とを備えるアウトレットハウジング;前記シールマウントの外周面に弾性的に接地されるボディと、前記ボディ部に対して弾性変形し、前記シール接地部に密着されるリブとを備える可変シール;および前記メインチャンバと前記シール接地部との間に連通する背圧通路;を含み、前記乾燥空気の供給時に前記背圧通路を介して導入される前記メインチャンバの乾燥空気圧力に相応して前記シール接地部に対する前記リブの接地圧力が増加するように形成される、燃料電池膜加湿器に関する。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体の一端部に形成されたインレット連結部と、本体の他端部に形成されたアウトレット連結部と、本体の一側に形成されるガス排出口とを備えたメインハウジング;
カートリッジハウジングの端部に突設されたシールマウントと、多数のメンブレンを本体の両側端部にポッティングさせる固定層とを備え、前記メインハウジングの内部に設置される中空糸膜カートリッジ;
前記メインハウジングのインレット連結部に装着されるカップリング部と、前記カップリング部の内側に形成されるシール接地部と、クーラーを介して乾燥空気が内部に供給されるメインチャンバとを備えるインレットハウジング;
前記メインハウジングのアウトレット連結部に装着されるカップリング部と、水素燃料電池スタックからガスが提供されるガス流入口と、前記メンブレンを介して形成される多湿空気が流動する第2チャンバと、前記カートリッジハウジングの一側端部が結合されるカートリッジ挿入部とを備えるアウトレットハウジング;
前記シールマウントの外周面に弾性的に接地されるボディと、前記ボディ部に対して弾性的に変形し、前記シール接地部に密着されるリブとを備える可変シール;および
前記メインチャンバと前記シール接地部との間に連通する背圧通路;を含み、
前記乾燥空気の供給時に前記背圧通路を介して導入される前記メインチャンバの乾燥空気圧力に相応して前記シール接地部に対する前記リブの接地圧力が増加するように形成されることを特徴とする、燃料電池膜加湿器。
【請求項2】
前記可変シールは、
前記ボディの一側に凹設された第1グルーブと、前記第1グルーブから離隔して形成され、前記乾燥空気圧力を収容する第2グルーブとを備え、
前記リブは、
所定の可変角度を有し、前記第2グルーブから外側に広がって延設されることを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池膜加湿器。
【請求項3】
前記可変シールは、
前記ボディ部の一側に凹設された第1グルーブと、前記第1グルーブから離隔して形成され、前記乾燥空気圧力を収容する第2グルーブとを備え、
前記リブは、
所定の可変角度を有し、前記第2グルーブから外側に広がって延設されることを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池膜加湿器。
【請求項4】
前記可変シールが、ゴム材を含む弾性部材から構成されることを特徴とする、請求項3に記載の燃料電池膜加湿器。
【請求項5】
前記中空糸膜カートリッジは、
前記カートリッジハウジングの一側側壁に形成される上流分配口、中流分配口および下流分配口の配列と、
前記カートリッジハウジングの他側側壁に形成される上流吐出口、中流吐出口および下流吐出口の配列を備え、
前記分配口は、上流から下流へ行くほど漸進的に開口面積が増加するように多数の複層配列で形成され、
前記吐出口は、下流から上流へ行くほど漸進的に開口面積が増加するように多数の複層配列で形成されることを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池膜加湿器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される内容は、燃料電池膜加湿器に係り、膜加湿器の製造時にインレットハウジングとカートリッジとの間の気密性を保つことができ、乾燥空気の供給時には気密性およびシール圧力が増加して乾燥空気の供給および燃料電池の発電効率を安定的に維持することができるように改良された燃料電池膜加湿器に関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書に別段の表示がない限り、このセクションに説明される内容は、本出願の請求の範囲に対する従来技術ではなく、このセクションに記載されているという理由で従来技術として認められるものではない。
【0003】
一般に、水素燃料と酸素との反応時に発生する電気を活用する水素燃料電池は、高分子電解質型燃料電池、高分子電解質型燃料電池(Polymer Electrolyte Membrane Fuel Cell:PEMFC)、リン酸型燃料電池(PAFC)、二重交換膜燃料電池などの様々なタイプで開発されている。
【0004】
特に、膜加湿方式に用いられる選択的透過膜は、モジュールを形成する場合、単位体積当たりの透過面積が大きい中空糸膜が好ましい。中空糸膜を用いて加湿器を製造する場合、接触表面積の広い中空糸膜の高集積化が可能であって、小容量でも燃料電池の加湿が十分に行われることができ、低価素材の使用が可能であり、燃料電池から排出される高温のガス(或いはoff-gas)に含まれた水分と熱を回収して加湿器を介して再使用することができるという利点を有する。
【0005】
従来技術の一つとして、韓国登録特許第10-2265021号には、キャップケースとミドルケースとの端部同士の間に組立部材が備えられた燃料電池膜加湿器が開示されている。
【0006】
より具体的に、前述した従来の燃料電池膜加湿器は、複数の中空糸膜が収容されるミドルケースと、前記ミドルケースに結合されるキャップケースと、前記複数の中空糸膜の端部に形成され、前記ミドルケースの内面から離隔するように配置されたポッティング部と、前記キャップケースと前記ミドルケースとの端部同士の間に配置され、その間を気密に結合する組立部材と、前記キャップケースの内側から前記ポッティング部の縁部側に延び、前記キャップケースと前記ポッティング部とを気密に結合する突出部と、を含み、前記ポッティング部の縁部は前記突出部によって所定深さだけ収縮している、燃料電池膜加湿器を開示している。
【0007】
前記燃料電池膜加湿器は、パッキン部材がキャップケースとミドルケースそれぞれの端部同士が互いに直接接触するように構成されることにより、中空糸膜内への加湿のための乾燥空気供給過程で中空糸膜カートリッジに対する気密が保たれる設計構造として提示された。
【0008】
しかし、前述した従来の膜加湿器は、加湿モジュールの端部に対するパッキンを提供するものの、長期間の使用時に高圧の乾燥空気が供給されるキャップケースとミドルケースと中空糸膜カートリッジとの間に対する気密性が低下して乾燥空気の漏れが発生し、これにより加湿空気の供給効率を下げるのはもとより、連結電池の発電効率に悪影響を及ぼすという問題点がある。
【0009】
かかる問題点を解決するために、膜加湿器用カートリッジおよびメインハウジングの組立構造およびパッキン設計分野において様々な研究開発が多様に試みられている実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】韓国登録特許第10-2265021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
開示された発明は、乾燥空気の供給時にインレットハウジングのメインチャンバに導入される空圧が背圧通路を介して可変シールに作用することにより、カートリッジハウジングとインレットハウジングとの間に気密性を増加させ、メンブレンに対する乾燥空気の加湿流れを安定的に維持することができる燃料電池膜加湿器を提供することを目的とする。
【0012】
また、開示された発明は、中空糸膜カートリッジの内部でデッドゾーンなしにガスの循環流れまたは渦流を形成させながらメンブレンに対する乾燥空気の加湿流れを安定的に維持させることにより、燃料電池の発電効率を安定的に維持することができる燃料電池膜加湿器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
開示された内容による発明の一特徴は、本体の一端部に形成されたインレット連結部と、本体の他端部に形成されたアウトレット連結部と、本体の一側に形成されるガス排出口とを備えたメインハウジング;カートリッジハウジングの端部に突設されたシールマウントと、多数のメンブレンを本体の両側端部にポッティングさせる固定層とを備え、前記メインハウジングの内部に設置される中空糸膜カートリッジ;前記メインハウジングのインレット連結部に装着されるカップリング部と、前記カップリング部の内側に形成されるシール接地部と、クーラーを介して乾燥空気が内部に供給されるメインチャンバとを備えるインレットハウジング;前記メインハウジングのアウトレット連結部に装着されるカップリング部と、水素燃料電池スタックからガスが提供されるガス流入口と、前記メンブレンを介して形成される多湿空気が流動する第2チャンバと、前記カートリッジハウジングの一側端部が結合されるカートリッジ挿入部とを備えるアウトレットハウジング;前記シールマウントの外周面に弾性的に接地されるボディと、前記ボディ部に対して弾性的に変形し、前記シール接地部に密着されるリブとを備える可変シール;および前記メインチャンバと前記シール接地部との間に連通する背圧通路;を含み、前記乾燥空気の供給時に前記背圧通路を介して導入される前記メインチャンバの乾燥空気圧力に相応して前記シール接地部に対する前記リブの接地圧力が増加するように形成される、燃料電池膜加湿器を提供することにある。
【0014】
一実施形態による発明の他の特徴は、前記可変シールが、前記ボディの一側に凹設された第1グルーブと、前記第1グルーブから離隔して形成され、前記乾燥空気圧力を収容する第2グルーブとを備えた、燃料電池膜加湿器を提供することにある。
【0015】
一実施形態による発明の別の特徴は、前記リブが、所定の可変角度を有し、前記第2グルーブから外側に広がって延設される、燃料電池膜加湿器を提供することにある。
【0016】
一実施形態による発明の別の特徴は、前記可変シールが前記アウトレンハウジングのカートリッジ挿入部に構成される、燃料電池膜加湿器を提供することにある。
【0017】
一実施形態による発明の別の特徴は、前記可変シールが、ゴム材を含む弾性部材から構成される、燃料電池膜加湿器を提供することにある。
【0018】
一実施形態による発明の別の特徴は、前記中空糸膜カートリッジが、前記カートリッジハウジングの一側側壁に形成される上流分配口、中流分配口および下流分配口の配列と、前記カートリッジハウジングの他側側壁に形成される上流吐出口、中流吐出口および下流吐出口の配列を備え、前記分配口は、上流から下流へ行くほど漸進的に開口面積が増加するように多数の複層配列で形成され、前記吐出口は、下流から上流へ行くほど漸進的に開口面積が増加するように多数の複層配列で形成される、燃料電池膜加湿器を提供することにある。
【発明の効果】
【0019】
本明細書に開示された一実施形態によれば、膜加湿器用可変シールは自らの弾性力と共にインレットハウジングのメインチャンバに形成される空気圧力により発生する背圧によって接地圧力或いはシール圧力が増加することにより、インレットハウジングと中空糸膜カートリッジとの間の気密およびシール性能を堅固に維持するのはもとより、乾燥空気の流れを安定的に維持することができるという利点がある。
【0020】
また、本明細書に開示された一実施形態によれば、カートリッジハウジングの上流側、中流側および下流側でそれぞれ異なる開口面積を有する分配口および吐出口の配列構造によって、多湿ガスは中空糸膜モジュール内で循環流動することにより、カートリッジの内部および中空糸膜を通過する乾燥圧縮空気に対してデッドゾーンなしに極大化された加湿効率を提供するという利点がある。
【0021】
また、このように記載された本発明の効果は、発明者が認知するか否かを問わずに、記載された内容の構成により当然に発揮されるものなので、上述した効果は、記載された内容による幾つかの効果に過ぎず、発明者が把握する或いは実在する全ての効果を記載したものと認められてはならない。
【0022】
また、本発明の効果は、明細書の全体的な記載によってさらに把握されるべきであり、たとえ明示的な文章で記載されていなくても、記載された内容の属する技術分野における通常の知識を有する者が本明細書を介してそのような効果があると認めることができる効果であれば、本明細書に記載された効果と見なすべきである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本明細書に開示された発明の一実施形態による燃料電池膜加湿器の断面図である。
図2図1に示された燃料電池膜加湿器の要部拡大図である。
図3】本発明の一実施形態による可変シールの概略的な斜視図である。
図4】本発明の一実施形態による燃料電池膜加湿器用可変シールの初期状態を示す概略図である。
図5】本発明の一実施形態による燃料電池膜加湿器の乾燥空気供給時の可変シールの作用状態を示す概略図である。
図6】本発明の一実施形態による燃料電池膜加湿器の概略的な分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付図面を参照して好適な実施形態による燃料電池膜加湿器の構成、動作および作用効果について説明する。ちなみに、以下の図面において、各構成要素は、便宜および明確性のために省略されているか或いは概略的に示されており、各構成要素の大きさは、実際の大きさを反映するものではない。また、明細書全体にわたって、同一の参照符号は同一の構成要素を指し、個別図面における、同一構成に対する図面符号は省略する。
【0025】
図1は、本明細書に開示された発明の一実施形態による燃料電池膜加湿器の断面図であり、図2は、図1に示された燃料電池膜加湿器の要部拡大図であり、図3は、本発明の一実施形態による可変シールの概略的な斜視図であり、図4は、本発明の一実施形態による燃料電池膜加湿器用可変シールの初期状態を示す概略図であり、図5は、本発明の一実施形態による燃料電池膜加湿器の乾燥空気供給時の可変シールの作用状態を示す概略図であり、図6は、本発明の一実施形態による燃料電池膜加湿器の概略的な分解斜視図である。
【0026】
図1および図2を参照すると、本発明の一実施形態による燃料電池膜加湿器は、メインハウジング10と、前記メインハウジング10の内部に設置される中空糸膜カートリッジ20と、前記メインハウジング10の両側にそれぞれ装着されるインレットハウジング30およびアウトレットハウジング40を含んで構成される。
【0027】
前記メインハウジング10は、本体の一端部に形成されたインレット連結部11と、本体の他端部に形成されたアウトレット連結部12と、本体の一側に形成されるガス排出口16と、を備える。
【0028】
前記中空糸膜カートリッジ20は、カートリッジハウジング21の端部に突設されたシールマウント22と、多数のメンブレンMを本体の両側端部にポッティングさせる固定層23と、を備え、前記メインハウジング10の内部に設置される。
【0029】
より具体的に、前記メインハウジング10は、燃料電池から排出されるガスの流入部を形成するフローインセクション13と、前記ガスの排出部を形成するフローアウトセクション15と、前記フローインセクション13とフローアウトセクション15との間の本体内壁に形成される少なくとも一つのカートリッジ支持部14(14a、14b)と、を含んで構成される。
【0030】
前記中空糸膜カートリッジ20は、前記メインハウジング10の内部で前記カートリッジ支持部14(14a、14b)に装着させるための少なくとも一つの支持部24(24a、24b)を備える。
【0031】
前記インレットハウジング30は、前記メインハウジング10のインレット連結部11に装着されるカップリング部31と、前記カップリング部31の内側に形成されるシール接地部32と、クーラー36を介して乾燥空気が内部に供給されるメインチャンバ33と、を備える。前記インレットハウジング30は、特定の形態に限定されず、一つの例として、図示されているように、カップリング部31の外側が開放された四角函体構造を有することができ、前記インレットハウジング30のカップリング部31の他側にエア流入口37が形成される。
【0032】
前記アウトレットハウジング40は、前記メインハウジング10のアウトレット連結部12に装着されるカップリング部41と、水素燃料電池スタックからガスが提供されるガス流入部42と、前記メンブレンMを介して形成される多湿の空気が流動する第2チャンバ43と、前記カートリッジハウジング21の一側端部が結合されるカートリッジ挿入部44と、を備える。前記アウトレットハウジング40は、従来技術のようにガス流入口45とエア排出口46を備えることができる。
【0033】
組立の際に、前記メインハウジング10のフローインセクション13は、水素燃料電池で形成される高圧の高い湿度を有するガス或いは水蒸気が前記アウトレットハウジング40のガス流入部42を介して流入する流動空間を形成し、前記フローアウトセクション15は、前記ガスが前記カートリッジハウジング21の内部を循環し、前記メンブレンM或いは中空糸膜に対してデッドゾーンなしに十分に接触した後、前記カートリッジハウジング21の外部へ排出される流動空間を形成する。
【0034】
前記インレットハウジング30および前記アウトレットハウジング40は、カートリッジの組立および膜加湿器の製造過程で、前記メインハウジング10のインレット連結部11およびアウトレット連結部12にそれぞれボルティングまたはガイドピン組立工程を介して固定され得る。
【0035】
図2図4を参照すると、本発明による膜加湿器は、前記シールマウント21の外周面に弾性的に接地されるボディ51と、前記ボディ部51に対して弾性的に変形し、前記シール接地部32に密着されるリブ52とを備える可変シール50;および前記メインチャンバ33と前記シール接地部32との間に連通する背圧通路34;を備え、前記乾燥空気の供給時に前記背圧通路34を介して導入される前記メインチャンバ33の乾燥空気圧力に相応して前記シール接地部32に対する前記リブ52の接地圧力が増加するように形成される。
【0036】
前記可変シール50は、前記ボディ51の一側に凹設された第1グルーブ53と、前記第1グルーブ53から離隔して形成され、前記乾燥空気圧力を収容する第2グルーブ54と、を備え、前記リブ52は、所定の可変角度を有し、前記第2グルーブ54から外側に延設される。
【0037】
好ましくは、前記可変シール50は、ゴム材を含む弾性部材で構成され、前記リブ52は、背圧通路34を介して加えられる空気圧力に相応するように折曲可能に前記ボディ51に一体に形成される。
【0038】
図5を参照すると、インレットハウジング30内のメインチャンバ33に乾燥空気が所定の圧力で供給される場合、例えば、前記メインチャンバ33にカートリッジハウジング21の内部圧力に対して相対的に高い高圧の乾燥空気が供給される場合、乾燥空気の一部が背圧通路34に沿って前記第2グルーブ54上で背圧を形成する。
【0039】
前記背圧は、第2グルーブ54の表面上にぶつかって前記リブ52に対して前記インレットハウジング30のシール接地部32側に押し出す力として作用する。それにより、前記リブ52は、自身の弾性力と共に、前述した背圧によって増加した接地圧力を有することにより、気密およびシール性能を堅固に維持する。
【0040】
図6を参照すると、本発明の他の実施形態によれば、前記メインハウジング10に装着される中空糸膜カートリッジ20とインレットハウジング30との間に空気の流れを誘導して中空糸膜カートリッジのメンブレンMの入口上に案内するアダプタ60をさらに含むことができ、この場合、前述したような可変シール50が前記中空糸膜カートリッジ20の端部に構成できるのはもとよりである。
【0041】
一方、本発明による中空糸膜カートリッジ20は、カートリッジハウジング21の一側側壁に形成される上流分配口25a、中流分配口25bおよび下流分配口25cを含む分配口配列25と、前記カートリッジハウジング10の他側側壁に形成される上流吐出口26a、中流吐出口26bおよび下流吐出口26cを含む吐出口配列26と、を含んで構成される。
【0042】
前記分配口25(25a、25b、25c)は、上流から下流に行くほど漸進的に開口面積が増加するように多数の複層配列で形成される。例えば、図示の如く、上流分配口25aに比べて下流分配口25c側に行くほど漸進的に増加する個数の貫通ホール構造を有することができる。
【0043】
前記分配口配列25は、前記フローインセクション13から遠くなるほど開口面積が大きくなる貫通ホールを含んで構成される。
【0044】
たとえ図示してはいないが、他の変形実施形態として、前記上流分配口25a、中流分配口25bおよび下流分配口25cは、それぞれ異なる開口面積を有する貫通ホール構造を備えることができ、円形ホールや三角形ホール、長方形ホールなどを含む様々な幾何学的変形を有することができる。
【0045】
一方、前記吐出口26(26a、26b、26c)は、上流から下流に行くほど漸進的に開口面積が増加するように多数の複層配列で形成される。例えば、図示の如く、上流吐出口26aに比べて下流吐出口26c側に行くほど漸進的に増加する個数の貫通ホール構造を有することができる。
【0046】
前記吐出口配列26(26a、26b、26c)は、前記フローアウトセクション15から遠くなるほど開口面積が少なくなる貫通ホールを含んで構成される。
【0047】
たとえ図示してはいないが、他の変形実施形態として、前記上流吐出口26a、中流吐出口26bおよび下流吐出口26cは、それぞれ異なる開口面積を有する貫通ホール構造を備えることができ、円形ホールや三角形ホール、長方形ホールなどを含む様々な幾何学的変形を有することができる。
【実施例
【0048】
乾燥空気に対する加湿作動において、水素燃料電池スタック(図示せず)で生成されたガスは、通常、予め設定された高圧の水蒸気形態で提供されるので、前記アウトレットハウジング40のガス流入部42を介して供給され、前記メインハウジング10のフローインセクション13に一次的に充填される。
【0049】
次いで、前記フローインセクション13に充填されたガスは、カートリッジハウジング21の一側壁に順次備えられた上流分配口25a、中流分配口25bおよび下流分配口25cを介してカートリッジハウジング21の内部に流入する。
【0050】
この過程で、前記ガスは、カートリッジハウジング20内の中空糸膜モジュールの上部、中部および下部領域の間で所定の循環気流および渦流(図1の螺旋形の矢印を参照)を形成しながらデッドゾーンなしにメンブレンMおよび中空糸膜モジュールを循環して湿気を形成した後、吐出口26a、26b、26cを介してメインハウジング10のフローアウトセクション15に進出する。
【0051】
一方、加湿が要求される外部の乾燥空気は、インレットハウジング30のメインチャンバ33内に所定の圧力で充填されるとともに、背圧通路34に沿って可変シール50の第2グルーブ54上に導入される。
【0052】
前記可変シール50の第2グルーブ54上に導入された背圧は、リブ54を外側或いはインレットハウジング30の接地部42側に押し出す力として作用する。例えば、可変シール50に与えられる背圧は、ボディ51およびリブ52を介して図面上の水平方向および垂直方向の力Fとして作用して、気密性が堅固に保たれることにより、インレットハウジング30およびメンブレンモジュールMを通過する乾燥空気の流れが安定的に維持される。
【0053】
前述したように、インレットハウジング30のメインチャンバ33からメンブレン或いは中空糸膜Mの内部を流動する乾燥空気は、安定した流れで十分に加湿された後、アウトレットハウジング40の第2チャンバ43およびエア排出口46を介して水素燃料電池スタックに提供される。
【0054】
このように、本発明による燃料電池膜加湿器は、水素燃料電池スタックから供給されるガスに対してメンブレンモジュールM或いは中空糸膜モジュールの上・中・下配列全体的に均一な接触が形成されて加湿効率が向上するとともに、インレットハウジング30のメインチャンバ33の気密が堅固に保たれて乾燥空気の供給効率が増加することにより、膜加湿器の性能を大きく向上させる。
【0055】
本発明の説明において、前述したガスおよび乾燥空気の流動過程における、メンブレン領域の水分濾過作用は、公知であるので、詳細な説明は省略する。
【0056】
以上、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明したが、本明細書に記載された実施形態と図面に示された構成は、本発明の最も好適な一実施形態に過ぎず、本発明の技術的思想をすべて体弁するものではないので、本出願時点においてこれらを代替することができる多様な均等物と変形例があり得ることを理解すべきである。したがって、以上で記述した実施形態は、あらゆる面で例示的なものであり、限定的なものではないものと理解されるべきであり、本発明の範囲は、詳細な説明よりは、後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味および範囲、そしてその等価概念から導き出されるあらゆる変更または変形形態が本発明の範囲に含まれると解釈されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明による燃料電池膜加湿器は、インレットハウジングとカートリッジとの間の気密性を保つことができ、乾燥空気の供給時に気密性およびシール圧力が増加して乾燥空気の供給および燃料電池の発電効率を安定的に維持するのに有用である。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2024-03-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体の一端部に形成されたインレット連結部と、本体の他端部に形成されたアウトレット連結部と、本体の一側に形成されるガス排出口とを備えたメインハウジング;
カートリッジハウジングの端部に突設されたシールマウントと、多数のメンブレンを本体の両側端部にポッティングさせる固定層とを備え、前記メインハウジングの内部に設置される中空糸膜カートリッジ;
前記メインハウジングのインレット連結部に装着されるカップリング部と、前記カップリング部の内側に形成されるシール接地部と、クーラーを介して乾燥空気が内部に供給されるメインチャンバとを備えるインレットハウジング;
前記メインハウジングのアウトレット連結部に装着されるカップリング部と、水素燃料電池スタックからガスが提供されるガス流入口と、前記メンブレンを介して形成される多湿空気が流動する第2チャンバと、前記カートリッジハウジングの一側端部が結合されるカートリッジ挿入部とを備えるアウトレットハウジング;
前記シールマウントの外周面に弾性的に接地されるボディと、前記ボディ部に対して弾性的に変形し、前記シール接地部に密着されるリブとを備える可変シール;および
前記メインチャンバと前記シール接地部との間に連通する背圧通路;を含み、
前記乾燥空気の供給時に前記背圧通路を介して導入される前記メインチャンバの乾燥空気圧力に相応して前記シール接地部に対する前記リブの接地圧力が増加するように形成されることを特徴とする、燃料電池膜加湿器。
【請求項2】
前記可変シールは、
前記ボディの一側に凹設された第1グルーブと、前記第1グルーブから離隔して形成され、前記乾燥空気圧力を収容する第2グルーブとを備え、
前記リブは、
所定の可変角度を有し、前記第2グルーブから外側に広がって延設されることを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池膜加湿器。
【請求項3】
前記可変シールが、ゴム材を含む弾性部材から構成されることを特徴とする、請求項に記載の燃料電池膜加湿器。
【請求項4】
前記中空糸膜カートリッジは、
前記カートリッジハウジングの一側側壁に形成される上流分配口、中流分配口および下流分配口の配列と、
前記カートリッジハウジングの他側側壁に形成される上流吐出口、中流吐出口および下流吐出口の配列を備え、
前記分配口は、上流から下流へ行くほど漸進的に開口面積が増加するように多数の複層配列で形成され、
前記吐出口は、下流から上流へ行くほど漸進的に開口面積が増加するように多数の複層配列で形成されることを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池膜加湿器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0003】
一般に、水素燃料と酸素との反応時に発生する電気を活用する水素燃料電池は、高分子電解質型燃料電池(Polymer Electrolyte Membrane Fuel Cell:PEMFC)、リン酸型燃料電池(PAFC)、二重交換膜燃料電池などの様々なタイプで開発されている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
開示された内容による発明の一特徴は、本体の一端部に形成されたインレット連結部と、本体の他端部に形成されたアウトレット連結部と、本体の一側に形成されるガス排出口とを備えたメインハウジング;カートリッジハウジングの端部に突設されたシールマウントと、多数のメンブレンを本体の両側端部にポッティングさせる固定層とを備え、前記メインハウジングの内部に設置される中空糸膜カートリッジ;前記メインハウジングのインレット連結部に装着されるカップリング部と、前記カップリング部の内側に形成されるシール接地部と、クーラーを介して乾燥空気が内部に供給されるメインチャンバとを備えるインレットハウジング;前記メインハウジングのアウトレット連結部に装着されるカップリング部と、水素燃料電池スタックからガスが提供されるガス流入口と、前記メンブレンを介して形成される多湿空気が流動する第2チャンバと、前記カートリッジハウジングの一側端部が結合されるカートリッジ挿入部とを備えるアウトレットハウジング;前記シールマウントの外周面に弾性的に接地されるボディと、前記ボディ部に対して弾性的に変形し、前記シール接地部に密着されるリブとを備える可変シール;および前記メインチャンバと前記シール接地部との間に連通する背圧通路;を含み、前記乾燥空気の供給時に前記背圧通路を介して導入される前記メインチャンバの乾燥空気圧力に相応して前記シール接地部に対する前記リブの接地圧力が増加するように形成される、燃料電池膜加湿器を提供することにある。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
一実施形態による発明の他の特徴は、前記可変シールが、前記ボディの一側に凹設された第1グルーブと、前記第1グルーブから離隔して形成され、前記乾燥空気圧力を収容する第2グルーブとを備えた、燃料電池膜加湿器を提供することにある。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0035】
図2図4を参照すると、本発明による膜加湿器は、前記シールマウント22の外周面に弾性的に接地されるボディ51と、前記ボディ部51に対して弾性的に変形し、前記シール接地部32に密着されるリブ52とを備える可変シール50;および前記メインチャンバ33と前記シール接地部32との間に連通する背圧通路34;を備え、前記乾燥空気の供給時に前記背圧通路34を介して導入される前記メインチャンバ33の乾燥空気圧力に相応して前記シール接地部32に対する前記リブ52の接地圧力が増加するように形成される。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
前記可変シール50は、前記ボディ51の一側に凹設された第1グルーブ53と、前記第1グルーブ53から離隔して形成され、前記乾燥空気圧力を収容する第2グルーブ54と、を備え、前記リブ52は、所定の可変角度を有し、前記第2グルーブ54から外側に延設される。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0037】
好ましくは、前記可変シール50は、ゴム材を含む弾性部材で構成され、前記リブ52は、背圧通路34を介して加えられる空気圧力に相応するように折曲可能に前記ボディ51に一体に形成される。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0041】
一方、本発明による中空糸膜カートリッジ20は、カートリッジハウジング21の一側側壁に形成される上流分配口25a、中流分配口25bおよび下流分配口25cを含む分配口配列25と、前記カートリッジハウジング21の他側側壁に形成される上流吐出口26a、中流吐出口26bおよび下流吐出口26cを含む吐出口配列26と、を含んで構成される。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0050】
この過程で、前記ガスは、カートリッジハウジング21内の中空糸膜モジュールの上部、中部および下部領域の間で所定の循環気流および渦流(図1の螺旋形の矢印を参照)を形成しながらデッドゾーンなしにメンブレンMおよび中空糸膜モジュールを循環して湿気を形成した後、吐出口26a、26b、26cを介してメインハウジング10のフローアウトセクション15に進出する。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0052】
前記可変シール50の第2グルーブ54上に導入された背圧は、リブ52を外側或いはインレットハウジング30の接地部32側に押し出す力として作用する。例えば、可変シール50に与えられる背圧は、ボディ51およびリブ52を介して図面上の水平方向および垂直方向の力Fとして作用して、気密性が堅固に保たれることにより、インレットハウジング30およびメンブレンモジュールMを通過する乾燥空気の流れが安定的に維持される。
【国際調査報告】