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特表2024-529751リチウムイオンバッテリにおける使用のための高純度微粒子グラファイト材料を精製及び生成するためのプロセス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-08
(54)【発明の名称】リチウムイオンバッテリにおける使用のための高純度微粒子グラファイト材料を精製及び生成するためのプロセス
(51)【国際特許分類】
   C01B 32/196 20170101AFI20240801BHJP
   H01M 4/587 20100101ALI20240801BHJP
   H01M 4/36 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
C01B32/196
H01M4/587
H01M4/36 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024510268
(86)(22)【出願日】2022-08-18
(85)【翻訳文提出日】2024-04-04
(86)【国際出願番号】 CA2022051255
(87)【国際公開番号】W WO2023019361
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】63/260,370
(32)【優先日】2021-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524062180
【氏名又は名称】グリーン・グラファイト・テクノロジーズ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ケヴィン・ワトソン
(72)【発明者】
【氏名】バラジ・ヴェンカテシュ
(72)【発明者】
【氏名】ボイド・デイヴィス
(72)【発明者】
【氏名】アライン・ロイ
【テーマコード(参考)】
4G146
5H050
【Fターム(参考)】
4G146AA01
4G146AB01
4G146AC02A
4G146AC02B
4G146AC27A
4G146AC27B
4G146AD23
4G146AD25
4G146BA01
4G146BA21
4G146BA42
4G146BB05
4G146BB13
4G146CA08
4G146CA10
4G146CA17
5H050AA19
5H050BA17
5H050CB08
5H050HA01
5H050HA05
(57)【要約】
リチウムイオンバッテリ(LiB)において使用するのに好適なコーティングされた高純度微粒子グラファイト材料を精製及び生成するためのプロセスが、本明細書に記載される。より具体的には、プロセスは、グラファイト供給物を凝集させるか、又は凝集剤でグラファイト供給物を処理して凝集した微粒子グラファイト供給物を生成することと、塩素含有ガスの存在下で、凝集した微粒子グラファイト供給物を反応させて、精製された凝集した微粒子グラファイト材料と、塩素化された不純物を多く含む塩素含有ガスと、を含む混合物を生成することと、を含む。本プロセスは、アルカリ浸出工程を更に含むことができる。99.95重量%Cを超える純度を含むコーティングされた微粒子グラファイト材料、及び充電式LiBにおけるアノード材料としてのその使用も開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グラファイトを精製するためのプロセスであって、前記プロセスは、
塩素含有ガスの存在下で、微粒子グラファイト供給物を反応させて、精製された微粒子グラファイト材料と、塩素化された不純物を多く含む塩素含有ガスと、を含む混合物を生成することと、
前記精製された微粒子グラファイト材料を前記混合物から分離することと、を含む、プロセス。
【請求項2】
アルカリ浸出溶液を使用して前記微粒子グラファイト供給物を浸出させて、スラリーを生成することと、前記スラリーを分離工程に供することと、を更に含み、前記浸出させることは、前記塩素含有ガスと反応させる前に予め形成される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記微粒子グラファイト供給物を凝集剤で処理することを更に含む、請求項1又は2に記載のプロセス。
【請求項4】
塩素化された不純物を多く含む前記塩素含有ガスは、急冷されて、前記不純物が除去される、請求項1~3のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項5】
前記塩素化された不純物は、金属塩化物を含む、請求項4に記載のプロセス。
【請求項6】
前記浸出させることは、NaOH水溶液又はKOH水溶液を使用して実施される、請求項2に記載のプロセス。
【請求項7】
前記NaOH水溶液は、約10重量%~約50重量%のNaOHを含む、請求項6に記載のプロセス。
【請求項8】
前記浸出させることは、約50℃~約150℃の範囲の温度で実施される、請求項6又は7に記載のプロセス。
【請求項9】
前記浸出させることは、約15分~約16時間の範囲の期間にわたって実施される、請求項6~8のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項10】
前記凝集剤は、炭素質結合剤を含む、請求項3に記載のプロセス。
【請求項11】
前記炭素質結合剤は、リグニン、デンプン、化工デンプン、アミロペクチン、変性アミロペクチン、アミロース、変性アミロース、キトサン、キチン、グアーガム、変性グアーガム、セルロース、変性セルロース、及びポリ酢酸ビニル(PVA)のうちの少なくとも1つである、請求項10に記載のプロセス。
【請求項12】
前記凝集剤は、有機樹脂結合材料を含む、請求項3に記載のプロセス。
【請求項13】
前記有機樹脂結合材料は、石油又はコールタールピッチのうちの少なくとも1つである、請求項12に記載のプロセス。
【請求項14】
前記塩素含有ガスとの前記反応は、約800℃~約1800℃の範囲の温度で実施される、請求項1~13のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項15】
前記塩素含有ガスとの前記反応は、約10分~約8時間の範囲の期間にわたって実施される、請求項1~14のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項16】
前記微粒子グラファイト供給物は、合成グラファイト、採掘された天然リン片状グラファイト(NFG)、又は使用済みLiBから回収されたグラファイトのうちの少なくとも1つである、請求項1~15のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項17】
前記精製された微粒子グラファイト材料を、約5~約30マイクロメートルの範囲の粒径に粉砕することを更に含む、請求項1~16のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項18】
前記精製された微粒子グラファイト材料は、炭化コーティングを含む、請求項1~17のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項19】
前記精製された微粒子グラファイト材料は、99.95重量%Cを超える純度を含む、請求項1~18のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項20】
前記急冷された塩素含有ガスを再循環させて、前記プロセスに戻すことを更に含む、請求項4に記載のプロセス。
【請求項21】
前記NaOH又はKOHの値を再循環させて、前記プロセスに戻すことを更に含む、請求項6に記載のプロセス。
【請求項22】
前記NaOH又はKOH溶液は、中和されて、NaCl又はKCl溶液を生成する、請求項21に記載のプロセス。
【請求項23】
前記再循環させることは、クロロアルカリ系の使用を含む、請求項20~22のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項24】
グラファイトを精製するためのプロセスであって、前記プロセスは、
微粒子グラファイト供給物を、凝集した微粒子グラファイト供給物を生成する凝集剤で処理することと、
塩素含有ガスの存在下で、前記凝集した微粒子グラファイト供給物を反応させて、精製された凝集した微粒子グラファイト材料と、塩素化された不純物を多く含む塩素含有ガスと、を含む混合物を生成することと、
前記精製された凝集した微粒子グラファイト材料を前記混合物から分離することと、を含む、プロセス。
【請求項25】
アルカリ浸出溶液を使用して前記微粒子グラファイト供給物を浸出させてスラリーを生成することと、前記スラリーを分離工程に供することと、を更に含み、前記浸出させることは、前記凝集剤で処理する前に実施される、請求項24に記載のプロセス。
【請求項26】
塩素化された不純物を多く含む前記塩素含有ガスは、急冷されて、前記不純物が除去される、請求項24又は25に記載のプロセス。
【請求項27】
前記塩素化された不純物は、金属塩化物を含む、請求項26に記載のプロセス。
【請求項28】
前記浸出させることは、NaOH水溶液又はKOH水溶液を使用して実施される、請求項25に記載のプロセス。
【請求項29】
前記NaOH水溶液は、約10重量%~約50重量%のNaOHを含む、請求項28に記載のプロセス。
【請求項30】
前記浸出させることは、約50℃~約150℃の範囲の温度で実施される、請求項25、28、又は29に記載のプロセス。
【請求項31】
前記浸出させることは、約15分~約16時間の範囲の期間にわたって実施される、請求項25、28、29、又は30に記載のプロセス。
【請求項32】
前記凝集剤は、炭素質結合剤を含む、請求項24~31のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項33】
前記炭素質結合剤は、リグニン、デンプン、化工デンプン、アミロペクチン、変性アミロペクチン、アミロース、変性アミロース、キトサン、キチン、グアーガム、変性グアーガム、セルロース、変性セルロース、及びポリ酢酸ビニル(PVA)のうちの少なくとも1つである、請求項32に記載のプロセス。
【請求項34】
前記凝集剤は、有機樹脂材料を含む、請求項24~31のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項35】
前記有機樹脂材料は、石油又はコールタールピッチのうちの少なくとも1つである、請求項34に記載のプロセス。
【請求項36】
前記塩素含有ガスとの前記反応は、約800℃~約1800℃の範囲の温度で実施される、請求項24~35のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項37】
前記塩素含有ガスとの前記反応は、約10分~約8時間の範囲の期間にわたって実施される、請求項24~36のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項38】
前記微粒子グラファイト供給物は、合成グラファイト、採掘された天然リン片状グラファイト(NFG)、又は使用済みLiBから回収されたグラファイトのうちの少なくとも1つである、請求項24~37のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項39】
前記精製された凝集した微粒子グラファイト材料を、約5~約30マイクロメートルの範囲の粒径に粉砕することを更に含む、請求項24~38のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項40】
前記精製された凝集した微粒子グラファイト材料は、炭化コーティングを含む、請求項24~39のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項41】
前記精製された凝集した微粒子グラファイト材料は、99.95重量%Cを超える純度を含む、請求項24~40のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項42】
前記急冷された塩素含有ガスを再循環させて、前記プロセスに戻すことを更に含む、請求項26又は27に記載のプロセス。
【請求項43】
前記NaOH又はKOHの値を再循環させて、前記プロセスに戻すことを更に含む、請求項28に記載のプロセス。
【請求項44】
前記NaOH又はKOH溶液は、中和されて、NaCl又はKCl溶液を生成する、請求項43に記載のプロセス。
【請求項45】
前記再循環させることは、クロロアルカリ系の使用を含む、請求項42~44のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項46】
グラファイトを精製するためのプロセスであって、前記プロセスは、
アルカリ浸出溶液を使用して微粒子グラファイト供給物を浸出させて、浸出したグラファイト供給物材料を生成することと、
前記浸出したグラファイト供給物を凝集剤で処理して、凝集した微粒子グラファイト供給物を生成することと、
塩素含有ガスの存在下で、前記凝集した微粒子グラファイト供給物を反応させて、精製された凝集した微粒子グラファイト材料と、塩素化された不純物を多く含む塩素含有ガスと、を含む混合物を生成することと、
前記精製された凝集した微粒子グラファイト材料を前記混合物から分離することと、を含む、プロセス。
【請求項47】
塩素化された不純物を多く含む前記塩素含有ガスは、急冷されて、前記不純物が除去される、請求項46に記載のプロセス。
【請求項48】
前記塩素化された不純物は、金属塩化物を含む、請求項47に記載のプロセス。
【請求項49】
前記浸出させることは、NaOH水溶液又はKOH水溶液を使用して実施される、請求項45~48のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項50】
前記NaOH水溶液は、約10重量%~約50重量%のNaOHを含む、請求項49に記載のプロセス。
【請求項51】
前記浸出させることは、約50℃~約150℃の範囲の温度で実施される、請求項46~50のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項52】
前記浸出させることは、約15分~約16時間の範囲の期間にわたって実施される、請求項46~51のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項53】
前記凝集剤は、炭素質結合剤を含む、請求項46~52のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項54】
前記炭素質結合剤は、リグニン、デンプン、化工デンプン、アミロペクチン、変性アミロペクチン、アミロース、変性アミロース、キトサン、キチン、グアーガム、変性グアーガム、セルロース、変性セルロース、及びポリ酢酸ビニル(PVA)のうちの少なくとも1つである、請求項53に記載のプロセス。
【請求項55】
前記凝集剤は、有機樹脂材料を含む、請求項46~52のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項56】
前記有機樹脂材料は、石油又はコールタールピッチのうちの少なくとも1つである、請求項55に記載のプロセス。
【請求項57】
前記塩素含有ガスとの前記反応は、約800℃~約1800℃の範囲の温度で実施される、請求項46~56のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項58】
前記塩素含有ガスとの前記反応は、約10分~約8時間の範囲の期間にわたって実施される、請求項46~57のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項59】
前記微粒子グラファイト供給物は、合成グラファイト、採掘された天然リン片状グラファイト(NFG)、又は使用済みLiBから回収されたグラファイトのうちの少なくとも1つである、請求項46~58のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項60】
前記精製された凝集した微粒子グラファイト材料を、約5~約30マイクロメートルの範囲の粒径に粉砕することを更に含む、請求項46~59のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項61】
前記精製された凝集した微粒子グラファイト材料は、炭化コーティングを含む、請求項46~60のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項62】
前記精製された凝集した微粒子グラファイト材料は、99.95重量%Cを超える純度を含む、請求項46~61のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項63】
前記急冷された塩素含有ガスを再循環させて、前記プロセスに戻すことを更に含む、請求項47又は48に記載のプロセス。
【請求項64】
前記NaOH又はKOHの値を再循環させて、前記プロセスに戻すことを更に含む、請求項49に記載のプロセス。
【請求項65】
前記NaOH又はKOH溶液は、中和されて、NaCl又はKCl溶液を生成する、請求項64に記載のプロセス。
【請求項66】
前記再循環させることは、クロロアルカリ系の使用を含む、請求項63~65のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項67】
グラファイトを精製するためのプロセスであって、前記プロセスは、
塩素含有ガスの存在下で、微粒子グラファイト供給物を反応させて、精製された微粒子グラファイト材料と、塩素化された不純物を多く含む塩素含有ガスと、を含む混合物を生成することと、
前記精製された微粒子グラファイト材料を前記混合物から分離することと、を含む、プロセス。
【請求項68】
アルカリ浸出溶液を使用して前記微粒子グラファイト供給物を浸出させて、スラリーを生成することと、前記スラリーを分離工程に供することと、を更に含み、前記浸出させることは、前記塩素含有ガスと反応させる前に予め形成される、請求項67に記載のプロセス。
【請求項69】
前記微粒子グラファイト供給物を、機械的手段を使用して凝集させることを更に含む、請求項67又は68に記載のプロセス。
【請求項70】
塩素化された不純物を多く含む前記塩素含有ガスは、急冷されて、前記不純物が除去される、請求項67~69のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項71】
前記塩素化された不純物は、金属塩化物を含む、請求項70に記載のプロセス。
【請求項72】
前記浸出させることは、NaOH水溶液又はKOH水溶液を使用して実施される、請求項68に記載のプロセス。
【請求項73】
前記NaOH水溶液は、約10重量%~約50重量%のNaOHを含む、請求項72に記載のプロセス。
【請求項74】
前記浸出させることは、約50℃~約150℃の範囲の温度で実施される、請求項72又は73に記載のプロセス。
【請求項75】
前記浸出させることは、約15分~約16時間の範囲の期間にわたって実施される、請求項72~74のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項76】
前記機械的手段は、機械的ブリケッティングを含む、請求項69に記載のプロセス。
【請求項77】
前記塩素含有ガスとの前記反応は、約800℃~約1800℃の範囲の温度で実施される、請求項67~76のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項78】
前記塩素含有ガスとの前記反応は、約10分~約8時間の範囲の期間にわたって実施される、請求項67~77のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項79】
前記微粒子グラファイト供給物は、合成グラファイト、採掘された天然リン片状グラファイト(NFG)、又は使用済みLiBから回収されたグラファイトのうちの少なくとも1つである、請求項67~78のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項80】
前記精製された微粒子グラファイト材料を、約5~約30マイクロメートルの範囲の粒径に粉砕することを更に含む、請求項67~79のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項81】
前記精製された微粒子グラファイト材料は、99.95重量%Cを超える純度を含む、請求項67~80のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項82】
前記急冷された塩素含有ガスを再循環させて、前記プロセスに戻すことを更に含む、請求項70に記載のプロセス。
【請求項83】
前記NaOH又はKOHの値を再循環させて、前記プロセスに戻すことを更に含む、請求項72に記載のプロセス。
【請求項84】
前記NaOH又はKOH溶液は、中和されて、NaCl又はKCl溶液を生成する、請求項83に記載のプロセス。
【請求項85】
前記再循環させることは、クロロアルカリ系の使用を含む、請求項82~84のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項86】
前記精製された微粒子グラファイト材料を炭素コーティングすることを更に含む、請求項67~85のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項87】
グラファイトを精製するためのプロセスであって、前記プロセスは、
凝集した微粒子グラファイト供給物を生成する機械的手段を使用して、微粒子グラファイト供給物を凝集させることと、
塩素含有ガスの存在下で、前記凝集した微粒子グラファイト供給物を反応させて、精製された凝集した微粒子グラファイト材料と、塩素化された不純物を多く含む塩素含有ガスと、を含む混合物を生成することと、
前記精製された凝集した微粒子グラファイト材料を前記混合物から分離することと、を含む、プロセス。
【請求項88】
アルカリ浸出溶液を使用して前記微粒子グラファイト供給物を浸出させてスラリーを生成することと、前記スラリーを分離工程に供することと、を更に含み、前記浸出させることは、凝集工程前に実施される、請求項87に記載のプロセス。
【請求項89】
塩素化された不純物を多く含む前記塩素含有ガスは、急冷されて、前記不純物が除去される、請求項87又は88に記載のプロセス。
【請求項90】
前記塩素化された不純物は、金属塩化物を含む、請求項89に記載のプロセス。
【請求項91】
前記浸出させることは、NaOH水溶液又はKOH水溶液を使用して実施される、請求項88に記載のプロセス。
【請求項92】
前記NaOH水溶液は、約10重量%~約50重量%のNaOHを含む、請求項91に記載のプロセス。
【請求項93】
前記浸出させることは、約50℃~約150℃の範囲の温度で実施される、請求項88、91、又は92に記載のプロセス。
【請求項94】
前記浸出させることは、約15分~約16時間の範囲の期間にわたって実施される、請求項88、91、92、又は93に記載のプロセス。
【請求項95】
前記機械的手段は、機械的ブリケッティングを含む、請求項87~94のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項96】
前記塩素含有ガスとの前記反応は、約800℃~約1800℃の範囲の温度で実施される、請求項87~95のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項97】
前記塩素含有ガスとの前記反応は、約10分~約8時間の範囲の期間にわたって実施される、請求項87~96のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項98】
前記微粒子グラファイト供給物は、合成グラファイト、採掘された天然リン片状グラファイト(NFG)、又は使用済みLiBから回収されたグラファイトのうちの少なくとも1つである、請求項87~97のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項99】
前記精製された凝集した微粒子グラファイト材料を、約5~約30マイクロメートルの範囲の粒径に粉砕することを更に含む、請求項87~98のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項100】
前記精製された凝集した微粒子グラファイト材料は、99.95重量%Cを超える純度を含む、請求項87~99のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項101】
前記急冷された塩素含有ガスを再循環させて、前記プロセスに戻すことを更に含む、請求項89又は90に記載のプロセス。
【請求項102】
前記NaOH又はKOHの値を再循環させて、前記プロセスに戻すことを更に含む、請求項91に記載のプロセス。
【請求項103】
前記NaOH又はKOH溶液は、中和されて、NaCl又はKCl溶液を生成する、請求項102に記載のプロセス。
【請求項104】
前記再循環させることは、クロロアルカリ系の使用を含む、請求項101~103のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項105】
前記精製された微粒子グラファイト材料を炭素コーティングすることを更に含む、請求項87~104のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項106】
グラファイトを精製するためのプロセスであって、前記プロセスは、
アルカリ浸出溶液を使用して微粒子グラファイト供給物を浸出させて、浸出したグラファイト供給物材料を生成することと、
凝集した微粒子グラファイト供給物を生成する機械的手段を使用して、前記浸出したグラファイト供給物を凝集させることと、
塩素含有ガスの存在下で、前記凝集した微粒子グラファイト供給物を反応させて、精製された凝集した微粒子グラファイト材料と、塩素化された不純物を多く含む塩素含有ガスと、を含む混合物を生成することと、
前記精製された凝集した微粒子グラファイト材料を前記混合物から分離することと、を含む、プロセス。
【請求項107】
塩素化された不純物を多く含む前記塩素含有ガスは、急冷されて、前記不純物が除去される、請求項106に記載のプロセス。
【請求項108】
前記塩素化された不純物は、金属塩化物を含む、請求項107に記載のプロセス。
【請求項109】
前記浸出させることは、NaOH水溶液又はKOH水溶液を使用して実施される、請求項106~108のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項110】
前記NaOH水溶液は、約10重量%~約50重量%のNaOHを含む、請求項109に記載のプロセス。
【請求項111】
前記浸出させることは、約50℃~約150℃の範囲の温度で実施される、請求項106~110のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項112】
前記浸出させることは、約15分~約16時間の範囲の期間にわたって実施される、請求項106~111のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項113】
前記塩素含有ガスとの前記反応は、約800℃~約1800℃の範囲の温度で実施される、請求項106~112のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項114】
前記塩素含有ガスとの前記反応は、約10分~約8時間の範囲の期間にわたって実施される、請求項106~113のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項115】
前記微粒子グラファイト供給物は、合成グラファイト、採掘された天然リン片状グラファイト(NFG)、又は使用済みLiBから回収されたグラファイトのうちの少なくとも1つである、請求項106~114のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項116】
前記精製された凝集した微粒子グラファイト材料を、約5~約30マイクロメートルの範囲の粒径に粉砕することを更に含む、請求項106~115のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項117】
前記精製された凝集した微粒子グラファイト材料は、99.95重量%Cを超える純度を含む、請求項106~116のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項118】
前記急冷された塩素含有ガスを再循環させて、前記プロセスに戻すことを更に含む、請求項107又は108に記載のプロセス。
【請求項119】
前記NaOH又はKOHの値を再循環させて、前記プロセスに戻すことを更に含む、請求項109に記載のプロセス。
【請求項120】
前記NaOH又はKOH溶液は、中和されて、NaCl又はKCl溶液を生成する、請求項119に記載のプロセス。
【請求項121】
前記再循環させることは、クロロアルカリ系の使用を含む、請求項118~120のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項122】
前記精製された微粒子グラファイト材料を炭素コーティングすることを更に含む、請求項106~121のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項123】
前記機械的手段は、機械的ブリケッティングを含む、請求項106~122のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項124】
99.95重量%Cを超える純度を含む、微粒子グラファイト材料。
【請求項125】
コーティングされた表面を含む、請求項124に記載の微粒子グラファイト材料。
【請求項126】
前記コーティングは、炭化コーティングである、請求項125に記載の微粒子グラファイト材料。
【請求項127】
前記炭化コーティングは、結合剤材料から生成される、請求項126に記載の微粒子グラファイト材料。
【請求項128】
前記結合剤材料は、炭素質結合剤又は有機樹脂材料のうちの少なくとも1つである、請求項127に記載の微粒子グラファイト材料。
【請求項129】
前記炭素質結合剤は、リグニン、デンプン、化工デンプン、アミロペクチン、変性アミロペクチン、アミロース、変性アミロース、キトサン、キチン、グアーガム、変性グアーガム、セルロース、変性セルロース、及びポリ酢酸ビニル(PVA)のうちの少なくとも1つである、請求項128に記載の微粒子グラファイト材料。
【請求項130】
前記有機樹脂材料は、石油又はコールタールピッチのうちの少なくとも1つである、請求項128に記載の微粒子グラファイト材料。
【請求項131】
約5~約30マイクロメートルの範囲の粒径を含む、請求項124~130のいずれか一項に記載の微粒子グラファイト材料。
【請求項132】
前記グラファイト材料は、合成グラファイト又は採掘された天然リン片状グラファイト(NFG)のうちの少なくとも1つから供給される、請求項124~131のいずれか一項に記載の微粒子グラファイト材料。
【請求項133】
請求項1~66のいずれか一項に記載のプロセスによって取得されるか又は取得可能である、請求項124~132のいずれか一項に記載の微粒子グラファイト材料。
【請求項134】
請求項67~123のいずれか一項に記載のプロセスによって取得されるか又は取得可能である、請求項124に記載の微粒子グラファイト材料。
【請求項135】
前記材料は、球状化された材料を含む、請求項124~134のいずれか一項に記載の微粒子グラファイト材料。
【請求項136】
99.95重量%Cを超える純度の微粒子グラファイト材料を含む、リチウムイオンバッテリ(LiB)のためのアノード材料。
【請求項137】
前記微粒子グラファイト材料は、炭化コーティング材料を含む、請求項136に記載のアノード材料。
【請求項138】
前記炭化コーティングは、結合剤材料から生成される、請求項137に記載のアノード材料。
【請求項139】
前記結合剤材料は、炭素質結合剤又は有機樹脂材料のうちの少なくとも1つである、請求項138に記載のアノード材料。
【請求項140】
前記炭素質結合剤は、リグニン、デンプン、化工デンプン、アミロペクチン、変性アミロペクチン、アミロース、変性アミロース、キトサン、キチン、グアーガム、変性グアーガム、セルロース、変性セルロース、及びポリ酢酸ビニル(PVA)のうちの少なくとも1つである、請求項139に記載のアノード材料。
【請求項141】
前記有機樹脂材料は、石油又はコールタールピッチのうちの少なくとも1つである、請求項139に記載のアノード材料。
【請求項142】
約5~約30マイクロメートルの範囲の粒径を含む、請求項136~141のいずれか一項に記載のアノード材料。
【請求項143】
前記グラファイト材料は、合成グラファイト又は採掘された天然リン片状グラファイト(NFG)のうちの少なくとも1つから供給される、請求項136~142のいずれか一項に記載のアノード材料。
【請求項144】
請求項1~66のいずれか一項に記載のプロセスによって取得されるか又は取得可能である、請求項136~143のいずれか一項に記載のアノード材料。
【請求項145】
リチウムイオンバッテリ(LiB)のためのグラファイト粒子であって、前記グラファイト粒子が、99.95重量%Cを超える純度を有しており、焼成された結合剤材料が、前記グラファイト粒子の表面の少なくとも一部に接続する、グラファイト粒子。
【請求項146】
前記結合剤材料は、炭素質結合剤又は有機樹脂材料のうちの少なくとも1つである、請求項145に記載のグラファイト粒子。
【請求項147】
前記炭素質結合剤は、リグニン、デンプン、化工デンプン、アミロペクチン、変性アミロペクチン、アミロース、変性アミロース、キトサン、キチン、グアーガム、変性グアーガム、セルロース、変性セルロース、及びポリ酢酸ビニル(PVA)のうちの少なくとも1つである、請求項146に記載のグラファイト粒子。
【請求項148】
前記有機樹脂材料は、石油又はコールタールピッチのうちの少なくとも1つである、請求項146に記載のグラファイト粒子。
【請求項149】
約5~約30マイクロメートルの範囲の粒径を含む、請求項145~148のいずれか一項に記載のグラファイト粒子。
【請求項150】
前記グラファイトは、合成グラファイト又は採掘された天然リン片状グラファイト(NFG)のうちの少なくとも1つから供給される、請求項145~149のいずれか一項に記載のグラファイト粒子。
【請求項151】
請求項1~66のいずれか一項に記載のプロセスによって取得されるか又は取得可能である、請求項145~150のいずれか一項に記載のグラファイト粒子。
【請求項152】
請求項124~132のいずれか一項に記載の微粒子グラファイト材料を含む、電極又は電気化学貯蔵装置。
【請求項153】
請求項136~143のいずれか一項に記載のアノード材料を含む、電極又は電気化学貯蔵装置。
【請求項154】
請求項145~150のいずれか一項に記載のグラファイト粒子を含む、電極又は電気化学貯蔵装置。
【請求項155】
前記電気化学貯蔵装置は、リチウムイオンバッテリ(LiB)を含む、請求項152~154のいずれか一項に記載の電極又は電気化学貯蔵装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2021年8月18日に出願された米国仮出願第63/260,370号の利益を主張するものである。参照される出願の内容は、参照により本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
1.技術分野
この開示は、物理的及び化学的な精製の分野に関する。より具体的には、本開示は、概して、グラファイトの物理的及び化学的な精製に関するものであるが、他を排するものではない。更により具体的には、本開示は、概して、バッテリにおいて使用するのに好適な高純度微粒子グラファイト材料を精製及び生成するためのプロセスに関するものであるが、他を排するものではない。更により具体的には、本開示は、概して、バッテリにおいて使用するのに好適なコーティングされた高純度グラファイト粒子を精製及び生成するためのプロセスに関するものであるが、他を排するものではない。本開示はまた、高純度微粒子グラファイト粒子及びコーティングされた高純度微粒子グラファイト粒子、並びに充電式リチウムイオンバッテリ(LiB)におけるアノード材料としてのそれらの使用にも関するものである。
【0003】
2.背景
全てのLiBは、アノード電極材料として微粒子グラファイトを使用する。このグラファイトの粒径の範囲は、通常、5~30マイクロメートルである。グラファイトの重要な要件は、それが低い不純物含有率を有しなければならないことであり、典型的な業界標準の総不純物は、重量ベースで、≦500ppmである。
【0004】
LiBのための一般的なグラファイト供給源には2つあり、合成グラファイト及び採掘された天然リン片状グラファイト(NFG)である。標準的な採掘されたNFG生成物は、純度が92~98重量%の範囲の炭素を有する濃縮物であり、したがって、LiBにおいて使用され得る前に精製されなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在、LIBで使用するためのNFGを精製するための、商業規模で実践されている2つの方法がある。第1の方法は、フッ化水素酸(HF)及び他の酸を組み合わせて使用して、不純物を可溶化することによってその不純物を除去する方法であり、例えば、参照により本明細書に組み込まれるCN101367517Bに記載されている。その方法は、NFGを99.95重量%C超の仕様に精製することができる。しかしながら、この方法には、重大な欠点がある。第一に、HFは、液体又は蒸気の形態で極めて危険な物質であり、かつその使用は、重大な健康、安全、及び環境問題を管理することを必然的に伴う。第二に、HFは、高価な試薬であり、一般的に必要な量を想定すると、この精製方法は、高い処理コストがかかる。そして、第三に、この方法は、環境的に許容され得る方法で処分されなければならない、大量のフッ化物汚染された液体及び固形廃棄物を生成する。
【0006】
LiBにおいて使用するためのNFGを精製するために商業規模で実践される第2の方法は、極めて高い温度(例えば、2,500℃超)を使用して、気相中の揮発性物質として不純物を除去する。この方法には、重大な技術的課題がある。第一に、酸化を防ぎながらグラファイトの大規模な処理を可能とするシステムにおいて、2,500℃を超える温度を達成するという課題がある。第二に、第1の問題と関連して、反応炉の寿命が短いこと、及びその後の運用コストが高いことである。第三に、制御可能でかつ効率的な方法で非常に微細なグラファイト粒子を処理するという課題がある。これらの課題の意味合いは、この方法のために使用する加熱炉のコストが非常に高くなり、特定の処理能力が限定されることである。
【0007】
したがって、LiBにおいて使用するのに好適な、合成グラファイト又はNFGから高純度微粒子グラファイト材料を精製及び生成し、かつ既存の商業プロセスの技術的及び経済的制約を克服するための改善されたプロセスが、商業上の関心事である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、概して、バッテリにおいて使用するのに好適な高純度微粒子グラファイト材料を精製及び生成するためのプロセスに関する。本開示はまた、概して、バッテリにおいて使用するのに好適なコーティングされた高純度グラファイト粒子を精製及び生成するためのプロセスに関する。本開示の一態様では、コーティングは、炭素コーティングを含む。本開示はまた、高純度微粒子グラファイト粒子、及び充電式リチウムイオンバッテリ(LiB)におけるアノード材料としてのそれらの使用に関する。本開示はまた、コーティングされた高純度微粒子グラファイト粒子、及び充電式リチウムイオンバッテリ(LiB)におけるアノード材料としてのそれらの使用に関する。本開示の一態様では、コーティングは、炭素コーティングを含む。本開示の更なる態様では、高純度微粒子グラファイト粒子は、99.95重量%Cを超える純度を提示する。
【0009】
一態様では、本開示は、グラファイトを精製するためのプロセスに関し、このプロセスは、塩素含有ガスの存在下で、微粒子グラファイト供給物を反応させて、精製された微粒子グラファイト材料と、塩素化された不純物を多く含む塩素含有ガスと、を含む混合物を生成することと、精製された微粒子グラファイト材料を混合物から分離することと、を含む。
【0010】
一態様では、本開示は、グラファイトを精製するためのプロセスに関し、このプロセスは、微粒子グラファイト供給物を、凝集した微粒子グラファイト供給物を生成する凝集剤で処理することと、塩素含有ガスの存在下で、凝集した微粒子グラファイト供給物を反応させて、精製された凝集した微粒子グラファイト材料と、塩素化された不純物を多く含む塩素含有ガスと、を含む、混合物を生成することと、精製された凝集した微粒子グラファイト材料を混合物から分離することと、を含む。
【0011】
一態様では、本開示は、グラファイトを精製するためのプロセスに関し、このプロセスは、アルカリ浸出溶液を使用して微粒子グラファイト供給物を浸出させて、浸出されたグラファイト供給物材料を生成することと、浸出されたグラファイト供給物を凝集剤で処理して、凝集した微粒子グラファイト供給物を生成することと、塩素含有ガスの存在下で、凝集した微粒子グラファイト供給物を反応させて、精製された凝集した微粒子グラファイト材料と、塩素化された不純物を多く含む塩素含有ガスと、を含む混合物を生成することと、精製された凝集した微粒子グラファイト材料を混合物から分離することと、を含む。
【0012】
一態様では、本開示は、グラファイトを精製するためのプロセスに関し、このプロセスは、凝集した微粒子グラファイト供給物を生成する機械的手段を使用して、微粒子グラファイト供給物を凝集させることと、塩素含有ガスの存在下で、凝集した微粒子グラファイト供給物を反応させて、精製された凝集した微粒子グラファイト材料と、塩素化された不純物を多く含む塩素含有ガスと、を含む混合物を生成することと、精製された凝集した微粒子グラファイト材料を混合物から分離することと、を含む。
【0013】
一態様では、本開示は、グラファイトを精製するためのプロセスに関し、このプロセスは、アルカリ浸出溶液を使用して微粒子グラファイト供給物を浸出させて、浸出したグラファイト供給物材料を生成することと、凝集した微粒子グラファイト供給物を生成する機械的手段を使用して、浸出したグラファイト供給物を凝集させることと、塩素含有ガスの存在下で、凝集した微粒子グラファイト供給物を反応させて、精製された凝集した微粒子グラファイト材料と、塩素化された不純物を多く含む塩素含有ガスと、を含む混合物を生成することと、精製された凝集した微粒子グラファイト材料を混合物から分離することと、を含む。
【0014】
一態様では、本開示は、グラファイトを精製するためのプロセスに関し、このプロセスは、凝集剤の有無にかかわらず、機械的ブリケッティングを使用して微粒子グラファイト供給物を凝集させて、凝集した微粒子グラファイト供給物を生成することと、塩素含有ガスの存在下で、凝集した微粒子グラファイト供給物を反応させて、精製された凝集した微粒子グラファイト材料と、塩素化された不純物を多く含む塩素含有ガスと、を含む混合物を生成することと、精製された凝集した微粒子グラファイト材料を混合物から分離することと、を含む。
【0015】
一態様では、本開示は、グラファイトを精製するためのプロセスに関し、このプロセスは、アルカリ浸出溶液を使用して微粒子グラファイト供給物を浸出させて、浸出したグラファイト供給物材料を生成することと、凝集剤の有無にかかわらず、機械的ブリケッティングを使用して微粒子グラファイト供給物を凝集させて、凝集した微粒子グラファイト供給物を生成することと、塩素含有ガスの存在下で、凝集した微粒子グラファイト供給物を反応させて、精製された凝集した微粒子グラファイト材料と、塩素化された不純物を多く含む塩素含有ガスと、を含む混合物を生成することと、精製された凝集した微粒子グラファイト材料を混合物から分離することと、を含む。
【0016】
一態様では、本開示は、99.95重量%Cを超える純度を含む微粒子グラファイト材料に関する。
【0017】
一態様では、本開示は、99.95重量%Cを超える純度の微粒子グラファイト材料を含む、リチウムイオンバッテリ(LiB)のためのアノード材料に関する。
【0018】
一態様では、本開示は、リチウムイオンバッテリ(LiB)のためのグラファイト粒子に関し、そのグラファイト粒子は、99.95重量%Cを超える純度を有する。
【0019】
一態様では、本開示は、リチウムイオンバッテリ(LiB)のためのグラファイト粒子に関し、そのグラファイト粒子は、99.95重量%Cを超える純度を有し、焼成された結合剤材料は、グラファイト粒子の表面の少なくとも一部に接続する。
【0020】
一態様では、本開示は、リチウムイオンバッテリ(LiB)のためのグラファイト粒子に関し、そのグラファイト粒子は、99.95重量%Cを超える純度を有し、そのグラファイト粒子は、炭素コーティングを含む。
【0021】
また、本開示の文脈において開示されるのは、実施形態1~155である。実施形態1は、グラファイトを精製するためのプロセスであり、このプロセスは、塩素含有ガスの存在下で、微粒子グラファイト供給物を反応させて、精製された微粒子グラファイト材料と、塩素化された不純物を多く含む塩素含有ガスと、を含む混合物を生成することと、精製された微粒子グラファイト材料を混合物から分離することと、を含む。実施形態2は、実施形態1に記載のプロセスであり、アルカリ浸出溶液を使用して微粒子グラファイト供給物を浸出させて、スラリーを生成することと、スラリーを分離工程に供することと、を更に含み、浸出させることは、塩素含有ガスと反応させる前に予め形成される。実施形態3は、実施形態1又は2に記載のプロセスであり、微粒子グラファイト供給物を凝集剤で処理することを更に含む。実施形態4は、実施形態1~3のいずれか1つに記載のプロセスであり、塩素化された不純物を多く含む塩素含有ガスは、急冷されて、不純物が除去される。実施形態5は、実施形態4に記載のプロセスであり、塩素化された不純物は、金属塩化物を含む。実施形態6は、実施形態2に記載のプロセスであり、浸出させることは、NaOH水溶液又はKOH水溶液を使用して実施される。実施形態7は、実施形態6に記載のプロセスであり、NaOH水溶液は、約10重量%~約50重量%のNaOHを含む。実施形態8は、実施形態6又は7に記載のプロセスであり、浸出させることは、約50℃~約150℃の範囲の温度で実施される。実施形態9は、実施形態6~8のいずれか1つに記載のプロセスであり、浸出させることは、約15分~約16時間の範囲の期間にわたって実施される。実施形態10は、実施形態3に記載のプロセスであり、凝集剤は、炭素質結合剤を含む。実施形態11は、実施形態10に記載のプロセスであり、炭素質結合剤は、リグニン、デンプン、化工デンプン、アミロペクチン、変性アミロペクチン、アミロース、変性アミロース、キトサン、キチン、グアーガム、変性グアーガム、セルロース、変性セルロース、及びポリ酢酸ビニル(PVA)のうちの少なくとも1つである。実施形態12は、実施形態3に記載のプロセスであり、凝集剤は、有機樹脂結合材料を含む。実施形態13は、実施形態12に記載のプロセスであり、有機樹脂結合材料は、石油又はコールタールピッチのうちの少なくとも1つである。実施形態14は、実施形態1~13のいずれか1つに記載のプロセスであり、塩素含有ガスとの反応は、約800℃~約1800℃の範囲の温度で実施される。実施形態15は、実施形態1~14のいずれか1つに記載のプロセスであり、塩素含有ガスとの反応は、約10分~約8時間の範囲の期間にわたって実施される。実施形態16は、実施形態1~15のいずれか1つに記載のプロセスであり、微粒子グラファイト供給物は、合成グラファイト、採掘された天然リン片状グラファイト(NFG)、又は使用済みLiBから回収されたグラファイトのうちの少なくとも1つである。実施形態17は、実施形態1~16のいずれか1つに記載のプロセスであり、精製された微粒子グラファイト材料を、約5~約30マイクロメートルの範囲の粒径に粉砕することを更に含む。実施形態18は、実施形態1~17のいずれか1つに記載のプロセスであり、精製された微粒子グラファイト材料は、炭化コーティングを含む。実施形態19は、実施形態1~18のいずれか1つに記載のプロセスであり、精製された微粒子グラファイト材料は、99.95重量%Cを超える純度を含む。実施形態20は、実施形態4に記載のプロセスであり、急冷された塩素含有ガスを再循環させて、プロセスに戻すことを更に含む。実施形態21は、実施形態6に記載のプロセスであり、NaOH又はKOHの値を再循環させて、プロセスに戻すことを更に含む。実施形態22は、実施形態21に記載のプロセスであり、NaOH又はKOH溶液は、中和されて、NaCl又はKCl溶液を生成する。実施形態23は、実施形態20~22のいずれか1つに記載のプロセスであり、再循環させることは、クロロアルカリ系の使用を含む。
【0022】
実施形態24は、グラファイトを精製するためのプロセスであり、このプロセスは、微粒子グラファイト供給物を、凝集した微粒子グラファイト供給物を生成する凝集剤で処理することと、塩素含有ガスの存在下で、凝集した微粒子グラファイト供給物を反応させて、精製された凝集した微粒子グラファイト材料と、塩素化された不純物を多く含む塩素含有ガスと、を含む混合物を生成することと、精製された凝集した微粒子グラファイト材料を混合物から分離することと、を含む。実施形態25は、実施形態24に記載のプロセスであり、アルカリ浸出溶液を使用して微粒子グラファイト供給物を浸出させてスラリーを生成することと、スラリーを分離工程に供することと、を更に含み、浸出させることは、凝集剤で処理する前に実施される。実施形態26は、実施形態24又は25に記載のプロセスであり、塩素化された不純物を多く含む塩素含有ガスは、急冷されて、不純物が除去される。実施形態27は、実施形態26に記載のプロセスであり、塩素化された不純物は、金属塩化物を含む。実施形態28は、実施形態25に記載のプロセスであり、浸出させることは、NaOH水溶液又はKOH水溶液を使用して実施される。実施形態29は、実施形態28に記載のプロセスであり、NaOH水溶液は、約10重量%~約50重量%のNaOHを含む。実施形態30は、実施形態25、28、又は29に記載のプロセスであり、浸出させることは、約50℃~約150℃の範囲の温度で実施される。実施形態31は、実施形態25、28、29、又は30に記載のプロセスであり、浸出させることは、約15分~約16時間の範囲の期間にわたって実施される。実施形態32は、実施形態24~31のいずれか1つに記載のプロセスであり、凝集剤は、炭素質結合剤を含む。実施形態33は、実施形態32に記載のプロセスであり、炭素質結合剤は、リグニン、デンプン、化工デンプン、アミロペクチン、変性アミロペクチン、アミロース、変性アミロース、キトサン、キチン、グアーガム、変性グアーガム、セルロース、変性セルロース、及びポリ酢酸ビニル(PVA)のうちの少なくとも1つである。実施形態34は、実施形態24~31のいずれか1つに記載のプロセスであり、凝集剤は、有機樹脂材料を含む。実施形態35は、実施形態34に記載のプロセスであり、有機樹脂材料は、石油又はコールタールピッチのうちの少なくとも1つである。実施形態36は、実施形態24~35のいずれか1つに記載のプロセスであり、塩素含有ガスとの反応は、約800℃~約1800℃の範囲の温度で実施される。実施形態37は、実施形態24~36のいずれか1つに記載のプロセスであり、塩素含有ガスとの反応は、約10分~約8時間の範囲の期間にわたって実施される。実施形態38は、実施形態24~37のいずれか1つに記載のプロセスであり、微粒子グラファイト供給物は、合成グラファイト、採掘された天然リン片状グラファイト(NFG)、又は使用済みLiBから回収されたグラファイトのうちの少なくとも1つである。実施形態39は、実施形態24~38のいずれか1つに記載のプロセスであり、精製された凝集した微粒子グラファイト材料を、約5~約30マイクロメートルの範囲の粒径に粉砕することを更に含む。実施形態40は、実施形態24~39のいずれか1つに記載のプロセスであり、精製された凝集した微粒子グラファイト材料は、炭化コーティングを含む。実施形態41は、実施形態24~40のいずれか1つに記載のプロセスであり、精製された凝集した微粒子グラファイト材料は、99.95重量%Cを超える純度を含む。実施形態42は、実施形態26又は27に記載のプロセスであり、急冷された塩素含有ガスを再循環させて、プロセスに戻すことを更に含む。実施形態43は、実施形態28に記載のプロセスであり、NaOH又はKOHの値を再循環させて、プロセスに戻すことを更に含む。実施形態44は、実施形態43に記載のプロセスであり、NaOH又はKOH溶液は、中和されて、NaCl又はKCl溶液を生成する。実施形態45は、実施形態42~44のいずれか1つに記載のプロセスであり、再循環させることは、クロロアルカリ系の使用を含む。
【0023】
実施形態46は、グラファイトを精製するためのプロセスであり、このプロセスは、アルカリ浸出溶液を使用して微粒子グラファイト供給物を浸出させて、浸出したグラファイト供給物材料を生成することと、浸出したグラファイト供給物を凝集剤で処理して、凝集した微粒子グラファイト供給物を生成することと、塩素含有ガスの存在下で、凝集した微粒子グラファイト供給物を反応させて、精製された凝集した微粒子グラファイト材料と、塩素化された不純物を多く含む塩素含有ガスと、を含む混合物を生成することと、精製された凝集した微粒子グラファイト材料を混合物から分離することと、を含む。実施形態47は、実施形態46に記載のプロセスであり、塩素化された不純物を多く含む塩素含有ガスは、急冷されて、不純物が除去される。実施形態48は、実施形態47に記載のプロセスであり、塩素化された不純物は、金属塩化物を含む。実施形態49は、実施形態45~48のいずれか1つに記載のプロセスであり、浸出させることは、NaOH水溶液又はKOH水溶液を使用して実施される。実施形態50は、実施形態49に記載のプロセスであり、NaOH水溶液は、約10重量%~約50重量%のNaOHを含む。実施形態51は、実施形態46~50のいずれか1つに記載のプロセスであり、浸出させることは、約50℃~約150℃の範囲の温度で実施される。実施形態52は、実施形態46~51のいずれか1つに記載のプロセスであり、浸出させることは、約15分~約16時間の範囲の期間にわたって実施される。実施形態53は、実施形態46~52のいずれか1つに記載のプロセスであり、凝集剤は、炭素質結合剤を含む。実施形態54は、実施形態53に記載のプロセスであり、炭素質結合剤は、リグニン、デンプン、化工デンプン、アミロペクチン、変性アミロペクチン、アミロース、変性アミロース、キトサン、キチン、グアーガム、変性グアーガム、セルロース、変性セルロース、及びポリ酢酸ビニル(PVA)のうちの少なくとも1つである。実施形態55は、実施形態46~52のいずれか1つに記載のプロセスであり、凝集剤は、有機樹脂材料を含む。実施形態56は、実施形態55に記載のプロセスであり、有機樹脂材料は、石油又はコールタールピッチのうちの少なくとも1つである。実施形態57は、実施形態46~56のいずれか1つに記載のプロセスであり、塩素含有ガスとの反応は、約800℃~約1800℃の範囲の温度で実施される。実施形態58は、実施形態46~57のいずれか1つに記載のプロセスであり、塩素含有ガスとの反応は、約10分~約8時間の範囲の期間にわたって実施される。実施形態59は、実施形態46~58のいずれか1つに記載のプロセスであり、微粒子グラファイト供給物は、合成グラファイト、採掘された天然リン片状グラファイト(NFG)、又は使用済みLiBから回収されたグラファイトのうちの少なくとも1つである。実施形態60は、実施形態46~59のいずれか1つに記載のプロセスであり、精製された凝集した微粒子グラファイト材料を、約5~約30マイクロメートルの範囲の粒径に粉砕することを更に含む。実施形態61は、実施形態46~60のいずれか1つに記載のプロセスであり、精製された凝集した微粒子グラファイト材料は、炭化コーティングを含む。実施形態62は、実施形態46~61のいずれか1つに記載のプロセスであり、精製された凝集した微粒子グラファイト材料は、99.95重量%Cを超える純度を含む。実施形態63は、実施形態47又は48に記載のプロセスであり、急冷された塩素含有ガスを再循環させて、プロセスに戻すことを更に含む。実施形態64は、実施形態49に記載のプロセスであり、NaOH又はKOHの値を再循環させて、プロセスに戻すことを更に含む。実施形態65は、実施形態64に記載のプロセスであり、NaOH又はKOH溶液は、中和されて、NaCl又はKCl溶液を生成する。実施形態66は、実施形態63~65のいずれか1つに記載のプロセスであり、再循環させることは、クロロアルカリ系の使用を含む。
【0024】
実施形態67は、グラファイトを精製するためのプロセスであり、このプロセスは、塩素含有ガスの存在下で、微粒子グラファイト供給物を反応させて、精製された微粒子グラファイト材料と、塩素化された不純物を多く含む塩素含有ガスと、を含む混合物を生成することと、精製された微粒子グラファイト材料を混合物から分離することと、を含む。実施形態68は、実施形態67に記載のプロセスであり、アルカリ浸出溶液を使用して微粒子グラファイト供給物を浸出させて、スラリーを生成することと、スラリーを分離工程に供することと、を更に含み、浸出させることは、塩素含有ガスと反応させる前に予め形成される。実施形態69は、実施形態67又は68に記載のプロセスであり、微粒子グラファイト供給物を、機械的手段を使用して凝集させることを更に含む。実施形態70は、実施形態67~69のいずれか1つに記載のプロセスであり、塩素化された不純物を多く含む塩素含有ガスは、急冷されて、不純物が除去される。実施形態71は、実施形態70に記載のプロセスであり、塩素化された不純物は、金属塩化物を含む。実施形態72は、実施形態68に記載のプロセスであり、浸出させることは、NaOH水溶液又はKOH水溶液を使用して実施される。実施形態73は、実施形態72に記載のプロセスであり、NaOH水溶液は、約10重量%~約50重量%のNaOHを含む。実施形態74は、実施形態72又は73に記載のプロセスであり、浸出させることは、約50℃~約150℃の範囲の温度で実施される。実施形態75は、実施形態72~74のいずれか1つに記載のプロセスであり、浸出させることは、約15分~約16時間の範囲の期間にわたって実施される。実施形態76は、実施形態69に記載のプロセスであり、機械的手段は、機械的ブリケッティングを含む。実施形態77は、実施形態67~76のいずれか1つに記載のプロセスであり、塩素含有ガスとの反応は、約800℃~約1800℃の範囲の温度で実施される。実施形態78は、実施形態67~77のいずれか1つに記載のプロセスであり、塩素含有ガスとの反応は、約10分~約8時間の範囲の期間にわたって実施される。実施形態79は、実施形態67~78のいずれか1つに記載のプロセスであり、微粒子グラファイト供給物は、合成グラファイト、採掘された天然リン片状グラファイト(NFG)、又は使用済みLiBから回収されたグラファイトのうちの少なくとも1つである。実施形態80は、実施形態67~79のいずれか1つに記載のプロセスであり、精製された微粒子グラファイト材料を、約5~約30マイクロメートルの範囲の粒径に粉砕することを更に含む。実施形態81は、実施形態67~80のいずれか1つに記載のプロセスであり、精製された微粒子グラファイト材料は、99.95重量%Cを超える純度を含む。実施形態82は、実施形態70に記載のプロセスであり、急冷された塩素含有ガスを再循環させて、プロセスに戻すことを更に含む。実施形態83は、実施形態72に記載のプロセスであり、NaOH又はKOHの値を再循環させて、プロセスに戻すことを更に含む。実施形態84は、実施形態83に記載のプロセスであり、NaOH又はKOH溶液は、中和されて、NaCl又はKCl溶液を生成する。実施形態85は、実施形態82~84のいずれか1つに記載のプロセスであり、再循環させることは、クロロアルカリ系の使用を含む。実施形態86は、実施形態67~85のいずれか1つに記載のプロセスであり、精製された微粒子グラファイト材料を炭素コーティングすることを更に含む。
【0025】
実施形態87は、グラファイトを精製するためのプロセスであり、このプロセスは、凝集した微粒子グラファイト供給物を生成する機械的手段を使用して、微粒子グラファイト供給物を凝集させることと、塩素含有ガスの存在下で、凝集した微粒子グラファイト供給物を反応させて、精製された凝集した微粒子グラファイト材料と、塩素化された不純物を多く含む塩素含有ガスと、を含む混合物を生成することと、精製された凝集した微粒子グラファイト材料を混合物から分離することと、を含む。実施形態88は、実施形態87に記載のプロセスであり、アルカリ浸出溶液を使用して微粒子グラファイト供給物を浸出させてスラリーを生成することと、スラリーを分離工程に供することと、を更に含み、浸出させることは、凝集工程前に実施される。実施形態89は、実施形態87又は88に記載のプロセスであり、塩素化された不純物を多く含む塩素含有ガスは、急冷されて、不純物が除去される。実施形態90は、実施形態89に記載のプロセスであり、塩素化された不純物は、金属塩化物を含む。実施形態91は、実施形態88に記載のプロセスであり、浸出させることは、NaOH水溶液又はKOH水溶液を使用して実施される。実施形態92は、実施形態91に記載のプロセスであり、NaOH水溶液は、約10重量%~約50重量%のNaOHを含む。実施形態93は、実施形態88、91、又は92に記載のプロセスであり、浸出させることは、約50℃~約150℃の範囲の温度で実施される。実施形態94は、実施形態88、91、92、又は93に記載のプロセスであり、浸出させることは、約15分~約16時間の範囲の期間にわたって実施される。実施形態95は、実施形態87~94のいずれか1つに記載のプロセスであり、機械的手段は、機械的ブリケッティングを含む。実施形態96は、実施形態87~95のいずれか1つに記載のプロセスであり、塩素含有ガスとの反応は、約800℃~約1800℃の範囲の温度で実施される。実施形態97は、実施形態87~96のいずれか1つに記載のプロセスであり、塩素含有ガスとの反応は、約10分~約8時間の範囲の期間にわたって実施される。実施形態98は、実施形態87~97のいずれか1つに記載のプロセスであり、微粒子グラファイト供給物は、合成グラファイト、採掘された天然リン片状グラファイト(NFG)、又は使用済みLiBから回収されたグラファイトのうちの少なくとも1つである。実施形態99は、実施形態87~98のいずれか1つに記載のプロセスであり、精製された凝集した微粒子グラファイト材料を、約5~約30マイクロメートルの範囲の粒径に粉砕することを更に含む。実施形態100は、実施形態87~99のいずれか1つに記載のプロセスであり、精製された凝集した微粒子グラファイト材料は、99.95重量%Cを超える純度を含む。実施形態101は、実施形態89又は90に記載のプロセスであり、急冷された塩素含有ガスを再循環させて、プロセスに戻すことを更に含む。実施形態102は、実施形態91に記載のプロセスであり、NaOH又はKOHの値を再循環させて、プロセスに戻すことを更に含む。実施形態103は、実施形態102に記載のプロセスであり、NaOH又はKOH溶液は、中和されて、NaCl又はKCl溶液を生成する。実施形態104は、実施形態101~103のいずれか1つに記載のプロセスであり、再循環させることは、クロロアルカリ系の使用を含む。実施形態105は、実施形態87~104のいずれか1つに記載のプロセスであり、精製された微粒子グラファイト材料を炭素コーティングすることを更に含む。
【0026】
実施形態106は、グラファイトを精製するためのプロセスであり、このプロセスは、アルカリ浸出溶液を使用して微粒子グラファイト供給物を浸出させて、浸出したグラファイト供給物材料を生成することと、凝集した微粒子グラファイト供給物を生成する機械的手段を使用して、浸出したグラファイト供給物を凝集させることと、塩素含有ガスの存在下で、凝集した微粒子グラファイト供給物を反応させて、精製された凝集した微粒子グラファイト材料と、塩素化された不純物を多く含む塩素含有ガスと、を含む混合物を生成することと、精製された凝集した微粒子グラファイト材料を混合物から分離することと、を含む。実施形態107は、実施形態106に記載のプロセスであり、塩素化された不純物を多く含む塩素含有ガスは、急冷されて、不純物が除去される。実施形態108は、実施形態107に記載のプロセスであり、塩素化された不純物は、金属塩化物を含む。実施形態109は、実施形態106~108のいずれか1つに記載のプロセスであり、浸出させることは、NaOH水溶液又はKOH水溶液を使用して実施される。実施形態110は、実施形態109に記載のプロセスであり、NaOH水溶液は、約10重量%~約50重量%のNaOHを含む。実施形態111は、実施形態106~110のいずれか1つに記載のプロセスであり、浸出させることは、約50℃~約150℃の範囲の温度で実施される。実施形態112は、実施形態106~111のいずれか1つに記載のプロセスであり、浸出させることは、約15分~約16時間の範囲の期間にわたって実施される。実施形態113は、実施形態106~112のいずれか1つに記載のプロセスであり、塩素含有ガスとの反応は、約800℃~約1800℃の範囲の温度で実施される。実施形態114は、実施形態106~113のいずれか1つに記載のプロセスであり、塩素含有ガスとの反応は、約10分~約8時間の範囲の期間にわたって実施される。実施形態115は、実施形態106~114のいずれか1つに記載のプロセスであり、微粒子グラファイト供給物は、合成グラファイト、採掘された天然リン片状グラファイト(NFG)、又は使用済みLiBから回収されたグラファイトのうちの少なくとも1つである。実施形態116は、実施形態106~115のいずれか1つに記載のプロセスであり、精製された凝集した微粒子グラファイト材料を、約5~約30マイクロメートルの範囲の粒径に粉砕することを更に含む。実施形態117は、実施形態106~116のいずれか1つに記載のプロセスであり、精製された凝集した微粒子グラファイト材料は、99.95重量%Cを超える純度を含む。実施形態118は、実施形態107又は108に記載のプロセスであり、急冷された塩素含有ガスを再循環させて、プロセスに戻すことを更に含む。実施形態119は、実施形態109に記載のプロセスであり、NaOH又はKOHの値を再循環させて、プロセスに戻すことを更に含む。実施形態120は、実施形態119に記載のプロセスであり、NaOH又はKOH溶液は、中和されて、NaCl又はKCl溶液を生成する。実施形態121は、実施形態118~120のいずれか1つに記載のプロセスであり、再循環させることは、クロロアルカリ系の使用を含む。実施形態122は、実施形態106~121のいずれか1つに記載のプロセスであり、精製された微粒子グラファイト材料を炭素コーティングすることを更に含む。実施形態123は、実施形態106~122のいずれか1つに記載のプロセスであり、機械的手段は、機械的ブリケッティングを含む。
【0027】
実施形態124は、99.95重量%Cを超える純度を含む、微粒子グラファイト材料である。実施形態125は、実施形態124に記載の微粒子グラファイト材料であり、コーティングされた表面を含む。実施形態126は、実施形態125に記載の微粒子グラファイト材料であり、コーティングは、炭化コーティングである。実施形態127は、実施形態126に記載の微粒子グラファイト材料であり、炭化コーティングは、結合剤材料から生成される。実施形態128は、実施形態127に記載の微粒子グラファイト材料であり、結合剤材料は、炭素質結合剤又は有機樹脂材料のうちの少なくとも1つである。実施形態129は、実施形態128に記載の微粒子グラファイト材料であり、炭素質結合剤は、リグニン、デンプン、化工デンプン、アミロペクチン、変性アミロペクチン、アミロース、変性アミロース、キトサン、キチン、グアーガム、変性グアーガム、セルロース、変性セルロース、及びポリ酢酸ビニル(PVA)のうちの少なくとも1つである。実施形態130は、実施形態128に記載の微粒子グラファイト材料であり、有機樹脂材料は、石油又はコールタールピッチのうちの少なくとも1つである。実施形態131は、実施形態124~130のいずれか1つに記載の微粒子グラファイト材料であり、約5~約30マイクロメートルの範囲の粒径を含む。実施形態132は、実施形態124~131のいずれか1つに記載の微粒子グラファイト材料であり、グラファイト材料は、合成グラファイト又は採掘された天然リン片状グラファイト(NFG)のうちの少なくとも1つから供給される。実施形態133は、実施形態124~132のいずれか1つに記載の微粒子グラファイト材料であり、実施形態1~66のいずれか1つに記載のプロセスによって取得されるか又は取得可能である。実施形態134は、実施形態124に記載の微粒子グラファイト材料であり、実施形態67~123のいずれか1つに記載のプロセスによって取得されるか又は取得可能である。実施形態135は、実施形態124~134のいずれか1つに記載の微粒子グラファイト材料であり、材料は、球状化された材料を含む。
【0028】
実施形態136は、99.95重量%Cを超える純度の微粒子グラファイト材料を含む、リチウムイオンバッテリ(LiB)のためのアノード材料である。実施形態137は、実施形態136に記載のアノード材料であり、微粒子グラファイト材料は、炭化コーティング材料を含む。実施形態138は、実施形態137に記載のアノード材料であり、炭化コーティングは、結合剤材料から生成される。実施形態139は、実施形態138に記載のアノード材料であり、結合剤材料は、炭素質結合剤又は有機樹脂材料のうちの少なくとも1つである。実施形態140は、実施形態139に記載のアノード材料であり、炭素質結合剤は、リグニン、デンプン、化工デンプン、アミロペクチン、変性アミロペクチン、アミロース、変性アミロース、キトサン、キチン、グアーガム、変性グアーガム、セルロース、変性セルロース、及びポリ酢酸ビニル(PVA)のうちの少なくとも1つである。実施形態141は、実施形態139に記載のアノード材料であり、有機樹脂材料は、石油又はコールタールピッチのうちの少なくとも1である。実施形態142は、実施形態136~141のいずれか1つに記載のアノード材料であり、約5~約30マイクロメートルの範囲の粒径を含む。実施形態143は、実施形態136~142のいずれか1つに記載のアノード材料であり、グラファイト材料は、合成グラファイト又は採掘された天然リン片状グラファイト(NFG)のうちの少なくとも1つから供給される。実施形態144は、実施形態136~143のいずれか1つに記載のアノード材料であり、実施形態1~66のいずれか1つに記載のプロセスによって取得されるか又は取得可能である。
【0029】
実施形態145は、リチウムイオンバッテリ(LiB)のためのグラファイト粒子であり、このグラファイト粒子は、99.95重量%Cを超える純度を有しており、焼成された結合剤材料が、グラファイト粒子の表面の少なくとも一部に接続する。実施形態146は、実施形態145に記載のグラファイト粒子であり、結合剤材料は、炭素質結合剤又は有機樹脂材料のうちの少なくとも1つである。実施形態147は、実施形態146に記載のグラファイト粒子であり、炭素質結合剤は、リグニン、デンプン、化工デンプン、アミロペクチン、変性アミロペクチン、アミロース、変性アミロース、キトサン、キチン、グアーガム、変性グアーガム、セルロース、変性セルロース、及びポリ酢酸ビニル(PVA)のうちの少なくとも1つである。実施形態148は、実施形態146に記載のグラファイト粒子であり、有機樹脂材料は、石油又はコールタールピッチのうちの少なくとも1つである。実施形態148は、実施形態145~148のいずれか1つに記載のグラファイト粒子であり、約5~約30マイクロメートルの範囲の粒径を含む。実施形態150は、実施形態145~149のいずれか1つに記載のグラファイト粒子であり、このグラファイトは、合成グラファイト又は採掘された天然リン片状グラファイト(NFG)のうちの少なくとも1つから供給される。実施形態151は、実施形態145~150のいずれか1つに記載のグラファイト粒子であり、実施形態1~66のいずれか1つに記載のプロセスによって取得されるか又は取得可能である。
【0030】
実施形態152は、実施形態124~132のいずれか1つに記載の微粒子グラファイト材料を含む、電極又は電気化学貯蔵装置である。
【0031】
実施形態153は、実施形態136~143のいずれか1つに記載のアノード材料を含む、電極又は電気化学貯蔵装置である。
【0032】
実施形態154は、実施形態145~150のいずれか1つに記載のグラファイト粒子を含む、電極又は電気化学貯蔵装置である。実施形態155は、実施形態152~154のいずれか1つに記載の電極又は電気化学貯蔵装置であり、その電気化学貯蔵装置は、リチウムイオンバッテリ(LiB)を含む。
【0033】
「a」又は「an」という単語は、特許請求の範囲及び/又は明細書において「含む」という用語とともに使用される場合、「1つ」を意味し得るが、それは、その内容が別途明確に指示しない限り、「1つ以上」、「少なくとも1つ」、及び「1つ又は2つ以上」の意味とも合致する。同様に、「別の」という単語は、その内容が別途明確に指示しない限り、少なくとも第2又はそれ以上を意味し得る。
【0034】
本明細書及び特許請求の範囲(複数可)で使用される場合、「含む(comprising)」(並びに「含む(comprise)」及び「含む(comprises)」などの任意の形態の含むこと)、「有する(having)」(並びに「有する(have)」及び「有する(has)」などの任意の形態の有すること)、「含む(including)」(並びに「含む(include)」及び「含む(includes)」などの任意の形態の含むこと)、又は「含有する(containing)」(並びに「含有する(contain)」及び「含有する(contains)」などの任意の形態の含有すること)という単語は、包括的又はオープンエンドであり、追加の、記載されていない要素若しくはプロセス工程を排除しない。
【0035】
本明細書及び特許請求の範囲(複数可)で使用される場合、「からなる(consisting)」という単語、及びその派生語は、記載された特徴、要素、構成要素、グループ、要素、及び/又は工程の存在を特定し、また、他の記載されていない特徴、要素、構成要素、グループ、要素、及び/又は工程の存在を排除する、クローズエンド用語であることが意図される。
【0036】
本明細書で使用される場合、「本質的に~からなる」という用語は、記載された特徴、要素、構成要素、グループ、要素、及び/又は工程、並びにこれらの特徴、要素、構成要素、グループ、要素、及び/又は工程の基本的かつ新規の特性(複数可)に実質的に影響を及ぼさないものの存在を特定することが意図される。
【0037】
本明細書で使用される場合、「約」、「実質的に」、及び「およそ」という用語は、最終結果が有意に変化しないように、修正された用語の合理的な量の逸脱を意味する。これらの程度の用語は、この逸脱が、それが修正する単語の意味を否定しない場合、修正された用語の少なくとも±5%の逸脱を含むものと解釈されるべきである。
【0038】
本開示の前述の、並びに他の利点及び特徴は、添付の図面/図を参照して、その例示的な実施形態の以下の非限定的で詳細な説明を読むと、より明らかになるであろう。しかしながら、詳細な説明及び例示的な実施形態は、本開示の特定の実施形態を示すが、本開示の趣旨及び範囲内での様々な変更及び修正が、この説明から当業者には明らかになるので、例示を目的としてのみ与えられることを理解されたい。
【0039】
以下の図/図面は、本明細書の一部を形成し、本明細書の特定の態様を更に実証するために含まれる。本明細書は、詳細な説明と組み合わせて、これらの図/図面のうちの1つ以上を参照することによって、よりよく理解され得る。添付の図面/図は、以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】本開示の一実施形態による、グラファイト供給物材料から高純度微粒子グラファイト材料を精製及び生成するためのプロセスを例示するフローチャートの説明図である。
図2】本開示の一実施形態による、グラファイト供給物材料から高純度微粒子グラファイト材料を精製及び生成するためのプロセスを例示するフローチャートの説明図である。
図3】本開示の一実施形態による、グラファイト供給物材料から高純度微粒子グラファイト材料を精製及び生成するためのプロセスを例示するフローチャートの説明図である。
図4】本開示の一実施形態による、グラファイト供給物材料から高純度微粒子グラファイト材料を精製及び生成するためのプロセスを例示するフローチャートの説明図である。
図5】本開示の一実施形態による、グラファイト供給物材料から高純度微粒子グラファイト材料を精製及び生成するためのプロセスを例示するフローチャートの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本開示は、バッテリにおいて使用するのに好適な高純度グラファイト粒子を精製及び生成するためのプロセスに関する。本開示はまた、バッテリにおいて使用するのに好適なコーティングされた高純度グラファイト粒子を精製及び生成するためのプロセスに関する。本開示の一態様では、コーティングは、炭素コーティングを含む。本開示はまた、高純度微粒子グラファイト粒子、及び充電式リチウムイオンバッテリ(LiB)におけるアノード材料としてのそれらの使用に関する。本開示はまた、コーティングされた高純度微粒子グラファイト粒子、及び充電式リチウムイオンバッテリ(LiB)におけるアノード材料としてのそれらの使用に関する。本開示の一態様では、コーティングは、炭素コーティングを含む。本開示の一態様では、高純度グラファイト粒子は、99.95重量%Cを超える純度を提示する。本開示のこれら及び他の態様は、以下で更に詳細に説明される。
【0042】
図1を参照すると、本開示の実施形態による、グラファイト供給物材料からコーティングされた高純度微粒子グラファイト材料を精製及び生成するためのプロセスの選択された工程が、そこに例示されている。このプロセスは、非純粋なグラファイト供給物を凝集剤で処理して、凝集した微粒子グラファイト供給物を生成することと、塩素含有ガスの存在下で、凝集した微粒子グラファイト供給物を反応させて、精製された凝集した微粒子グラファイト材料と、塩素化された不純物を多く含む塩素含有ガスと、を含む混合物を生成することと、精製された凝集した微粒子グラファイト材料をガス状混合物から分離することと、ガス状混合物を急冷して、塩素ガスから不純物を金属塩化物溶液として凝縮及び分離することと、塩素ガスを水素と反応させて、塩酸を形成することと、凝集体を粉砕して、コーティングされた精製された微粒子グラファイト材料を取得することと、を含む。本開示の一態様では、コーティングは、炭素コーティングを含む。
【0043】
図2を参照すると、本開示の実施形態による、グラファイト供給物材料からコーティングされた高純度微粒子グラファイト材料を精製及び生成するためのプロセスの選択された工程が、そこに例示されている。このプロセスは、非純粋なグラファイト供給物を凝集剤で処理して、凝集した微粒子グラファイト供給物を生成することと、塩素含有ガスの存在下で、凝集した微粒子グラファイト供給物を反応させて、精製された凝集した微粒子グラファイト材料と、塩素化された不純物を多く含む塩素含有ガスと、を含む混合物を生成することと、酸素を使用して塩素化された不純物を酸化させて(顔料産業における酸化チタンの生成で実践されているように)、固体微粒子酸化物を生成することと、固体酸化物を塩素ガスから分離することと、再循環させて塩素化反応炉に戻すことに先んじて、塩素ガスを洗浄し、乾燥し、そして圧縮することと、凝集体を粉砕して、コーティングされた精製された微粒子グラファイト材料を取得することと、を含む。本開示の一態様では、コーティングは、炭素コーティングを含む。
【0044】
図3を参照すると、本開示の実施形態による、グラファイト供給物材料からコーティングされた高純度微粒子グラファイト材料を精製及び生成するためのプロセスの選択された工程が、そこに例示されている。このプロセスは、アルカリ浸出溶液を使用して非純粋な微粒子グラファイト供給物を浸出させて、部分的に精製された浸出した微粒子グラファイト供給物材料を生成することと、部分的に精製された浸出した微粒子グラファイト供給物を凝集剤で処理して、凝集微粒子グラファイト供給物を生成することと、塩素含有ガスの存在下で、凝集した微粒子グラファイト供給物を反応させて、精製された凝集した微粒子グラファイト材料と、塩素化された不純物を多く含む塩素含有ガスと、を含む混合物を生成することと、精製された凝集した微粒子グラファイト材料をガス状混合物から分離することと、ガス状混合物を急冷して、塩素ガスから不純物を金属塩化物溶液として凝縮及び分離することと、塩素ガスを水素と反応させて、塩酸を形成することと、凝集体を粉砕して、コーティングされた精製された微粒子グラファイト材料を取得することと、を含む。本開示の一態様では、コーティングは、炭素コーティングを含む。
【0045】
図4を参照すると、本開示の実施形態による、グラファイト供給物材料からコーティングされた高純度微粒子グラファイト材料を精製及び生成するためのプロセスの選択された工程が、そこに例示されている。このプロセスは、アルカリ浸出溶液を使用して非純粋な微粒子グラファイト供給物を浸出させて、部分的に精製された浸出した微粒子グラファイト供給物材料を生成することと、部分的に精製された浸出した微粒子グラファイト供給物を凝集剤で処理して、凝集した微粒子グラファイト供給物を生成することと、塩素含有ガスの存在下で、凝集した微粒子グラファイト供給物を反応させて、精製された凝集した微粒子グラファイト材料と、塩素化された不純物を多く含む塩素含有ガスと、を含む混合物を生成することと、精製された凝集した微粒子グラファイト材料をガス状混合物から分離することと、ガス状混合物を急冷して、塩素ガスから不純物を金属塩化物溶液として凝縮及び分離することと、塩素ガスを水素と反応させて、塩酸を形成することと、塩酸を使用済みアルカリ浸出溶液と中和させて、アルカリ金属塩溶液を生成することと、沈澱試薬を使用して、アルカリ金属塩溶液を精製することと、業界標準のクロロアルカリ法を使用して、アルカリ浸出溶液及び塩素を生成することと、凝集体を粉砕して、コーティングされた精製された微粒子グラファイト材料を取得することと、を含む。本開示の一態様では、コーティングは、炭素コーティングを含む。
【0046】
図5を参照すると、本開示の実施形態による、グラファイト供給物材料からコーティングされた高純度微粒子グラファイト材料を精製及び生成するためのプロセスの選択された工程が、そこに例示されている。このプロセスは、アルカリ浸出溶液を使用して非純粋な微粒子グラファイト供給物を浸出させて、部分的に精製された浸出した微粒子グラファイト供給物材料を生成することと、機械的ブリケッティングを使用して、凝集剤の有無にかかわらず、部分的に精製された浸出した微粒子グラファイト供給物を凝集させて、凝集した微粒子グラファイト供給物を生成することと、塩素含有ガスの存在下で、凝集した微粒子グラファイト供給物を反応させて、精製された凝集した微粒子グラファイト材料と、塩素化された不純物を多く含む塩素含有ガスと、を含む混合物を生成することと、精製された凝集した微粒子グラファイト材料をガス状混合物から分離することと、ガス状混合物を急冷して、塩素ガスから不純物を金属塩化物溶液として凝縮及び分離することと、塩素ガスを水素と反応させて、塩酸を形成することと、塩酸を使用済みアルカリ浸出溶液で中和させて、アルカリ金属塩溶液を生成することと、沈澱試薬を使用して、アルカリ金属塩溶液を精製することと、業界標準のクロロアルカリ法を使用して、アルカリ浸出溶液及び塩素を生成することと、凝集体を粉砕して、コーティングされた精製された微粒子グラファイト材料を取得することと、を含む。本開示の一態様では、機械的ブリケッティングが凝集剤の非存在下で実施される場合、精製された微粒子グラファイト材料は、コーティングされない。本開示の一態様では、機械的ブリケッティングが凝集剤の存在下で実施される場合、精製された微粒子グラファイト材料は、コーティングされる。本開示の更なる一態様では、コーティングは、炭素コーティングを含む。
【0047】
本明細書で説明されるプロセス及びプロセス工程は、リチウムイオンバッテリ(LiB)において使用するための高純度微粒子グラファイト材料を生成するように設計されているが、そのプロセス及びプロセス工程は、非限定的な例として合成グラファイト及びアモルファス炭素を含む、任意の炭素質材料を精製することにも使用できることを理解されたい。本開示の一実施形態では、そのような炭素質材料は、使用済みLiBから回収されたグラファイトである。
【0048】
本開示の一実施形態では、グラファイト供給物材料は、天然リン片状グラファイト(NFG)からなる。NFGに含有される不純物は、典型的には、2つの広いグループ、すなわち、NaOH水溶液又はKOH水溶液を用いた処理などによるアルカリ性条件下でより容易に反応する種(例えば、珪酸塩)、及び塩素ガスとより容易に反応して、揮発性塩化物を形成する種(例えば、金属酸化物)に分類される。したがって、高純度微粒子グラファイト材料を生成するためのプロセスは、グラファイト供給物材料の不純物組成に応じて調整することができる。グラファイト供給物材料が珪酸塩不純物及び金属酸化物不純物の両方を含む実施形態では、プロセスは、有利にも、浸出工程及び塩素化工程の両方を含み得る。グラファイト供給物材料が実質的に金属酸化物不純物を含む実施形態では、図1及び2に例示されているように、浸出工程は、省略されてもよく、グラファイト供給物材料は、塩素化工程のみに供される。
【0049】
本開示の一態様では、グラファイト供給物材料は、図3及び4に例示されているように、アルカリ浸出溶液を使用して浸出工程に供されてもよい。本開示の一実施形態では、アルカリ浸出溶液は、NaOH水溶液又はKOH水溶液を含む。アルカリ浸出は、グラファイト供給物材料中に存在する不純物のいくつかを浸出液中に溶解して除去し、その非限定的な例としては、珪酸塩が挙げられる。浸出液は、その後、デカンテーション及び/又は濾過を介して浸出したグラファイト供給物材料から分離され、かつ中和されて、部分的に精製された微粒子グラファイト供給物材料がもたらされ得る。いくつかの実施形態では、析出物は、1回以上の洗浄(例えば、水を用いて)に更に供され得る。いくつかの実施形態では、浸出液は、塩酸を使用して中和され得る。中和により、元のグラファイト供給物材料(例えば、珪酸塩)に含有されていた不純物から実質的に構成される固体残留物の形成(例えば、沈澱)がもたらされる。固体残留物は、その後、デカンテーション及び/又は濾過を介して、中和された液から分離され得る。いくつかの実施形態では、固体残留物は、処分される。本開示の一態様では、主に塩化ナトリウム(NaCl)又は塩化カリウム(KCl)を含む中和された液は、クロロアルカリ法業界に標準的な沈澱技術を使用して精製され得、NaOH又はKOH溶液、及びClガスの更なる生成のためのクロロアルカリ系への供給物として再循環され得る。
【0050】
本開示の実施形態では、アルカリ浸出溶液は、約10重量%~約50重量%のNaOH、更なる実施形態では、約15重量%~約45重量%のNaOH、更なる実施形態では、約20重量%~約40重量%のNaOH、更なる実施形態では、約25重量%~約35重量%のNaOH、更なる実施形態では、約10重量%~約45重量%のNaOH、更なる実施形態では、約10重量%~約40重量%のNaOH、更なる実施形態では、約10重量%~約35重量%のNaOH、更なる実施形態では、約10重量%~約30重量%のNaOH、更なる実施形態では、約10重量%~約25重量%のNaOH、更なる実施形態では、約10重量%~約20重量%のNaOH、更なる実施形態では、約10重量%~約15重量%のNaOH、更なる実施形態では、約15重量%~約50重量%のNaOH、更なる実施形態では、約20重量%~約50重量%のNaOH、更なる実施形態では、約25重量%~約50重量%のNaOH、更なる実施形態では、約30重量%~約50重量%のNaOH、更なる実施形態では、約35重量%~約50重量%のNaOH、更なる実施形態では、約40重量%~約50重量%のNaOH、約10重量%のNaOH、約11重量%のNaOH、約12重量%のNaOH、約13重量%のNaOH、約14重量%のNaOH、約15重量%のNaOH、約16重量%のNaOH、約17重量%のNaOH、約18重量%のNaOH、約19重量%のNaOH、約20重量%のNaOH、約21重量%のNaOH、約22重量%のNaOH、約23重量%のNaOH、約24重量%のNaOH、約25重量%のNaOH、約26重量%のNaOH、約27重量%のNaOH、約28重量%のNaOH、約29重量%のNaOH、約30重量%のNaOH、約31重量%のNaOH、約32重量%のNaOH、約33重量%のNaOH、約34重量%のNaOH、約35重量%のNaOH、約36重量%のNaOH、約37重量%のNaOH、約38重量%のNaOH、約39重量%のNaOH、約40重量%のNaOH、約41重量%のNaOH、約42重量%のNaOH、約43重量%のNaOH、約44重量%のNaOH、約45重量%のNaOH、約46重量%のNaOH、約47重量%のNaOH、約48重量%のNaOH、約49重量%のNaOH、又は約50重量%のNaOHを含む。
【0051】
本開示の実施形態では、アルカリ浸出溶液は、約10重量%~約50重量%のKOH、更なる実施形態では、約15重量%~約45重量%のKOH、更なる実施形態では、約20重量%~約40重量%のKOH、更なる実施形態では、約25重量%~約35重量%のKOH、更なる実施形態では、約10重量%~約45重量%のKOH、更なる実施形態では、約10重量%~約40重量%のKOH、更なる実施形態では、約10重量%~約35重量%のKOH、更なる実施形態では、約10重量%~約30重量%のKOH、更なる実施形態では、約10重量%~約25重量%のKOH、更なる実施形態では、約10重量%~約20重量%のKOH、更なる実施形態では、約10重量%~約15重量%のKOH、更なる実施形態では、約15重量%~約50重量%のKOH、更なる実施形態では、約20重量%~約50重量%のKOH、更なる実施形態では、約25重量%~約50重量%のKOH、更なる実施形態では、約30重量%~約50重量%のKOH、更なる実施形態では、約35重量%~約50重量%のKOH、更なる実施形態では、約40重量%~約50重量%のKOH、約10重量%のKOH、約11重量%のKOH、約12重量%のKOH、約13重量%のKOH、約14重量%のKOH、約15重量%のKOH、約16重量%のKOH、約17重量%のKOH、約18重量%のKOH、約19重量%のKOH、約20重量%のKOH、約21重量%のKOH、約22重量%のKOH、約23重量%のKOH、約24重量%のKOH、約25重量%のKOH、約26重量%のKOH、約27重量%のKOH、約28重量%のKOH、約29重量%のKOH、約30重量%のKOH、約31重量%のKOH、約32重量%のKOH、約33重量%のKOH、約34重量%のKOH、約35重量%のKOH、約36重量%のKOH、約37重量%のKOH、約38重量%のKOH、約39重量%のKOH、約40重量%のKOH、約41重量%のKOH、約42重量%のKOH、約43重量%のKOH、約44重量%のKOH、約45重量%のKOH、約46重量%のKOH、約47重量%のKOH、約48重量%のKOH、約49重量%のKOH、又は約50重量%のKOHを含む。
【0052】
本開示の実施形態では、アルカリ浸出は、約50℃~約150℃、更なる実施形態では、約55℃~約145℃、更なる実施形態では、約60℃~約140℃、更なる実施形態では、約65℃~約135℃、更なる実施形態では、約70℃~約130℃、更なる実施形態では、約75℃~約125℃、更なる実施形態では、約80℃~約120℃、更なる実施形態では、約85℃~約115℃、更なる実施形態では、約90℃~約110℃、更なる実施形態では、約95℃~約105℃、更なる実施形態では、約55℃~約150℃、更なる実施形態では、約60℃~約150℃、更なる実施形態では、約65℃~約150℃、更なる実施形態では、約70℃~約150℃、更なる実施形態では、約75℃~約150℃、更なる実施形態では、約80℃~約150℃、更なる実施形態では、約85℃~約150℃、更なる実施形態では、約90℃~約150℃、更なる実施形態では、約95℃~約150℃、更なる実施形態では、約100℃~約150℃、更なる実施形態では、約105℃~約150℃、更なる実施形態では、約110℃~約150℃、更なる実施形態では、約115℃~約150℃、更なる実施形態では、約120℃~約150℃、更なる実施形態では、約125℃~約150℃、更なる実施形態では、約130℃~約150℃、更なる実施形態では、約135℃~約150℃、更なる実施形態では、約140℃~約150℃、更なる実施形態では、約145℃~約150℃、約50℃、約55℃、約60℃、約65℃、約70℃、約75℃、約80℃、約85℃、約90℃、約95℃、約100℃、約105℃、約110℃、約115℃、約120℃、約125℃、約130℃、約135℃、約140℃、約145℃、又は約150℃の温度の範囲で実施され得る。
【0053】
本開示の実施形態では、アルカリ浸出は、約15分~約16時間、更なる実施形態では、約30分~約16時間、更なる実施形態では、約45分~約16時間、更なる実施形態では、約1時間~約16時間、更なる実施形態では、約1.5時間~約16時間、更なる実施形態では、約2時間~約16時間、更なる実施形態では、約2.5時間~約16時間、更なる実施形態では、約3時間~約16時間、更なる実施形態では、約3.5時間~約16時間、更なる実施形態では、約4時間~約16時間、更なる実施形態では、約4.5時間~約16時間、更なる実施形態では、約5時間~約16時間、更なる実施形態では、約5.5時間~約16時間、更なる実施形態では、約6時間~約16時間、更なる実施形態では、約6.5時間~約16時間、更なる実施形態では、約7時間~約16時間、更なる実施形態では、約7.5時間~約16時間、更なる実施形態では、約8時間~約16時間、更なる実施形態では、約8.5時間~約16時間、更なる実施形態では、約9時間~約16時間、更なる実施形態では、約9.5時間~約16時間、更なる実施形態では、約10時間~約16時間、更なる実施形態では、約10.5時間~約16時間、更なる実施形態では、約11時間~約16時間、更なる実施形態では、約11.5時間~約16時間、更なる実施形態では、約12時間~約16時間、更なる実施形態では、約12.5時間~約16時間、更なる実施形態では、約13時間~約16時間、更なる実施形態では、約13.5時間~約16時間、更なる実施形態では、約14時間~約16時間、更なる実施形態では、約14.5時間~約16時間、更なる実施形態では、約15時間~約16時間、更なる実施形態では、約15分~約15.5時間、更なる実施形態では、約15分~約14時間、更なる実施形態では、約15分~約13.5時間、更なる実施形態では、約15分~約13時間、更なる実施形態では、約15分~約12.5時間、更なる実施形態では、約15分~約12時間、更なる実施形態では、約15分~約11.5時間、更なる実施形態では、約15分~約11時間、更なる実施形態では、約15分~約10.5時間、更なる実施形態では、約15分~約10時間、更なる実施形態では、約15分~約9.5時間、更なる実施形態では、約15分~約9時間、更なる実施形態では、約15分~約8.5時間、更なる実施形態では、約15分~約8時間、更なる実施形態では、約15分~約7.5時間、更なる実施形態では、約15分~約7時間、更なる実施形態では、約15分~約6.5時間、更なる実施形態では、約15分~約6時間、更なる実施形態では、約15分~約5.5時間、更なる実施形態では、約15分~約5時間、更なる実施形態では、約15分~約4.5時間、更なる実施形態では、約15分~約4時間、更なる実施形態では、約15分~約3.5時間、更なる実施形態では、約15分~約3時間、更なる実施形態では、約15分~約2.5時間、更なる実施形態では、約15分~約2時間、更なる実施形態では、約15分~約1.5時間、更なる実施形態では、約15分~約1時間、更なる実施形態では、約15分~約45分、更なる実施形態では、約15分~約30分、約15分、約30分、約45分、約1時間、約1.5時間、約2時間、約2.5時間、約3時間、約3.5時間、約4時間、約4.5時間、約5時間、約5.5時間、約6時間、約6.5時間、約7時間、約7.5時間、約8時間、約8.5時間、約9時間、約9.5時間、約10時間、約10.5時間、約11時間、約11.5時間、約12時間、約12.5時間、約13時間、約13.5時間、約14時間、約14.5時間、約15時間、約15.5時間、又は約16時間の範囲の期間にわたって実施され得る。
【0054】
本開示の一態様では、部分的に精製された浸出した微粒子グラファイト供給物は、塩素含有ガスを使用して塩素化工程に供され得る。本開示の一実施形態では、塩素化工程は、塩素化された不純物の形態で、部分的に精製されたグラファイト供給物材料から追加の不純物を有利に除去し、その非限定的な例としては、金属塩化物が挙げられる。金属塩化物は、FeClなどの揮発性金属塩化物を含む。塩素化された不純物(例えば、金属塩化物)は、その後、流動するClガスによって、グラファイト材料から除去される。本開示の一実施形態では、塩素化された不純物を多く含む塩素含有ガスは、水中で急冷され得、塩素化された不純物は、急冷水溶液の濾過及び/又は蒸発によってClガスから分離される。急冷は、湿式スクラバなどの接触装置を使用して実施することができる。本開示の一実施形態では、塩素化された不純物を含まないClガスは、その後、水素ガス(H)を使用して燃焼させて、塩酸水溶液を形成し得、その塩酸水溶液は、浸出工程からの浸出液を中和するために使用され得る。塩素化工程は、直立炉、回転窯、アチソン炉、又は流動床反応器を含むが、これらに限定されない、標準的な高温冶金反応炉を使用して実行することができる。塩素化反応炉を出る精製されたグラファイト材料は冷却され、凝集した形態の場合には、軽く粉砕されて、適切な粒径の微粒子材料を再構成する。
【0055】
本開示の実施形態では、塩素化工程は、約800℃~約1800℃、更なる実施形態では、約850℃~約1750℃、更なる実施形態では、約900℃~約1700℃、更なる実施形態では、約950℃~約1650℃、更なる実施形態では、約1000℃~約1600℃、更なる実施形態では、約1050℃~約1550℃、更なる実施形態では、約1100℃~約1500℃、更なる実施形態では、約1150℃~約1450℃、更なる実施形態では、約1200℃~約1400℃、更なる実施形態では、約1250℃~約1350℃、更なる実施形態では、約1275℃~約1325℃、更なる実施形態では、約850℃~約1800℃、更なる実施形態では、約900℃~約1800℃、更なる実施形態では、約950℃~約1800℃、更なる実施形態では、約1000℃~約1800℃、更なる実施形態では、約1050℃~約1800℃、更なる実施形態では、約1100℃~約1800℃、更なる実施形態では、約1150℃~約1800℃、更なる実施形態では、約1200℃~約1800℃、更なる実施形態では、約1250℃~約1800℃、更なる実施形態では、約1300℃~約1800℃、更なる実施形態では、約1350℃~約1800℃、更なる実施形態では、約1400℃~約1800℃、更なる実施形態では、約1450℃~約1800℃、更なる実施形態では、約1500℃~約1800℃、更なる実施形態では、約1550℃~約1800℃、更なる実施形態では、約1600℃~約1800℃、更なる実施形態では、約1650℃~約1800℃、更なる実施形態では、約1700℃~約1800℃、更なる実施形態では、約1750℃~約1800℃、約800℃、約850℃、約900℃、約950℃、約1000℃、約1050℃、約1100℃、約1150℃、約1200℃、約1250℃、約1300℃、約1350℃、約1400℃、約1450℃、約1500℃、約1550℃、約1600℃、約1650℃、約1700℃、約1750℃、又は約1800℃の温度の範囲で実施されてもよい。
【0056】
本開示の実施形態では、塩素化工程は、約10分~約8時間、更なる実施形態では、約20分~約8時間、更なる実施形態では、約30分~約8時間、更なる実施形態では、約40分~約8時間、更なる実施形態では、約50分~約8時間、更なる実施形態では、約1時間~約8時間、更なる実施形態では、約1.5時間~約8時間、更なる実施形態では、約2時間~約8時間、更なる実施形態では、約2.5時間~約8時間、更なる実施形態では、約3時間~約8時間、更なる実施形態では、約3.5時間~約8時間、更なる実施形態では、約4時間~約8時間、更なる実施形態では、約4.5時間~約8時間、更なる実施形態では、約5時間~約8時間、更なる実施形態では、約5.5時間~約8時間、更なる実施形態では、約6時間~約8時間、更なる実施形態では、約6.5時間~約8時間、更なる実施形態では、約7時間~約8時間、更なる実施形態では、約7.5時間~約8時間、更なる実施形態では、約10分~約7.5時間、更なる実施形態では、約10分~約7時間、更なる実施形態では、約10分~約6.5時間、更なる実施形態では、約10分~約6時間、更なる実施形態では、約10分~約5.5時間、更なる実施形態では、約10分~約5時間、更なる実施形態では、約10分~約4.5時間、更なる実施形態では、約10分~約4時間、更なる実施形態では、約10分~約3.5時間、更なる実施形態では、約10分~約3時間、更なる実施形態では、約10分~約2.5時間、更なる実施形態では、約10分~約2時間、更なる実施形態では、約10分~約1.5時間、更なる実施形態では、約10分~約1時間、更なる実施形態では、約10分~約50分、更なる実施形態では、約10分~約40分、更なる実施形態では、約10分~約30分、更なる実施形態では、約10分~約20分、約10分、約20分、約30分、約40分、約50分、約1時間、約1.5時間、約2時間、約2.5時間、約3時間、約3.5時間、約4時間、約4.5時間、約5時間、約5.5時間、約6時間、約6.5時間、約7時間、約7.5時間、又は約8時間の範囲の期間にわたって実施されてもよい。
【0057】
本開示の一態様では、アルカリ浸出工程及び/又は塩素化工程のための反応条件は、グラファイト供給物材料中の不純物の組成に基づいて、有利に調整され得る。本開示の実施形態では、より高い比率の珪酸塩、すなわち、金属酸化物を含むグラファイト供給物材料は、より高い濃度のNaOH又はKOH、及び任意選択的により長い浸出時間を使用して、浸出条件に供されてもよい。本開示の実施形態では、より低い比率の珪酸塩、すなわち、金属酸化物を含むグラファイト供給物材料は、より低い濃度のNaOH又はKOH、及び任意選択的により短い浸出時間を使用して、浸出条件に供されてもよい。本開示のまた更なる実施形態では、グラファイト供給物材料中の不純物の組成は、アルカリ浸出工程が省略されてもよく、グラファイト供給物材料が任意の事前のアルカリ浸出なしに塩素化工程に供されるように、そのよう(例えば、十分に低い含有率の珪酸塩)であってもよい。当業者ならば、例えば、処理時間、処理温度、及び/又はアルカリ材料の濃度などのアルカリ浸出工程及び/又は塩素化工程を参照して、全ての処理条件を変更し、所望の生成物の収率を最適化することができ、そうすることは、当業者のスキルの範囲内であることを理解するであろう。
【0058】
本開示の一態様では、図1及び2に例示されているように、塩素化工程のみを用いて微粒子グラファイト材料に必要な純度を達成することは可能であり得る。そのような実施形態では、アルカリ浸出工程は、省略されてもよい。塩素化された不純物を多く含む塩素含有ガスは、その後、処理されて、不純物は、除去され得る。一実施形態では、塩素化された不純物を多く含む塩素含有ガスは、水中で急冷され、塩素化された不純物(例えば、金属塩化物)は、急冷水溶液の濾過及び/又は蒸発によって、Clガスから分離される。急冷は、湿式スクラバなどの接触装置を使用して実施されてもよい。塩素化された不純物を含まないClガスは、その後、水素ガス(H)を使用して燃焼されて、塩酸水溶液を形成することができ、これは、販売されてもよい。一実施形態では、酸化チタン顔料業界によって実践されているように、塩素化された不純物を多く含む塩素含有ガスを酸素(O)と反応させて、塩素化された不純物(例えば、金属塩化物)を固体金属酸化物に変換することができ、これは、その後、静電集塵器又はバッグフィルタなどの標準的な集塵装置を使用して収集することができる。
【0059】
本開示の一態様では、塩素ガス(Cl)は、有利にも、再循環されて、グラファイト供給物材料の更なる処理のためのプロセスに戻すことができる。本開示の一実施形態では、金属不純物を含まない塩素ガスは、再循環されてプロセスに戻される前に精製することができる(図2)。本開示の実施形態では、精製は、塩素化された不純物の除去後の塩素ガス中に存在し得る任意のH及び/又はHClを除去することを含む。系の中に存在する任意の水素は、塩素ガスと反応しやすく、結果として、HClの形成を引き起こすことに留意されたい。水素と塩素との間の反応は、250℃超の温度で容易に起こり、水分の存在によって加速される。本開示の一実施形態では、そのような任意のHClは、凝縮によって塩素ガスから除去することができる。次いで、硫酸(HSO)を使用して、塩素ガスを乾燥させ、任意の残留Hの除去がもたらされる。次いで、その結果得られた精製された塩素ガスは、圧縮され、グラファイト供給物材料の更なる処理のためのプロセスに、再循環されて戻される。
【0060】
高温塩素化工程に伴う技術的な課題のうちの1つは、グラファイト供給物材料の任意の過剰な酸化を回避しながら、金属酸化物不純物が効果的に塩素化される最適な温度範囲を取得及び維持することである。一態様では、本開示は、グラファイト供給物材料の任意の過剰な酸化を回避しながら、塩素ガスを使用してグラファイト供給物材料中に存在する金属酸化物不純物の塩素化を行うことに関する。
【0061】
本開示の一実施形態では、最適な温度範囲は、燃料(例えば、天然ガス若しくは燃料油)又は電気のいずれかを用いた間接加熱を使用して取得することができる。本開示の更なる実施形態では、雰囲気の最適な温度及び制御は、プラズマトーチを使用して得ることができる。この場合、塩素は、塩素化を介して、プラズマイオン化及び精製のための両方のガスを提供するであろう。本開示の一態様では、プラズマトーチは、回転窯と併せて使用されてもよい。
【0062】
本開示の更なる実施形態では、最適な温度範囲は、制御されたレベルの酸素を塩素ガスに添加することによって取得することができ、その結果、少量のグラファイト供給物材料の酸化、及び金属酸化物不純物の効率的な塩素化を提供するために必要な温度範囲を維持するのに十分な熱エネルギーの生成がもたらされる。本開示の一実施形態では、95重量%のCl及び5重量%のOを含むCl/Oガス混合物は、約1100℃のプロセス温度に使用することができる。当業者ならば、Cl/Oガス混合物のバランスが温度に依存し、所望の生成物の収率を最適化するために変更することができ、そうすることは、当業者のスキルの範囲内であることを理解するであろう。プロセス温度がより高くなれば、通常、O含有率がより高くなることを意味する。一実施形態では、塩素化工程は、約800℃~約1800℃の温度範囲で実施され得る。
【0063】
本開示の一態様では、微粒子グラファイト供給物材料は、天然リン片状グラファイトである。本開示の一実施形態では、天然リン片状グラファイト供給物材料は、約45マイクロメートル~約800マイクロメートルの粒径を有する浮揚濃縮物である。本開示の更なる実施形態では、天然リン片状グラファイト供給物材料は、約5マイクロメートル~約30マイクロメートル、又は約10マイクロメートル~約30マイクロメートルの大きさに低減(「微粒子化」)された浮揚濃縮物である。本開示のまた更なる実施形態では、天然リン片状グラファイト供給物材料は、約5マイクロメートル~約30マイクロメートル、又は約10マイクロメートル~約30マイクロメートルの大きさに低減(「微粒子化」)され、かつ形状改変(球状化)された浮揚濃縮物である。
【0064】
直立炉、回転窯、アチソン炉、又は流動床反応器などの標準的な高温冶金反応炉を介して、商業規模で、非常に細かい微粒子(例えば、≦200マイクロメートル)を処理することは、困難であり得、具体的には、気相への材料の重大な飛沫同伴及び損失をもたらし得る。一態様では、本開示は、(例えば、機械的ブリケッティングを使用することによって、又は凝集剤を使用することによって)凝集した微粒子グラファイト供給物を生成するための微粒子グラファイト供給物材料の凝集に関する。簡素化された材料の取り扱い及び貯蔵の利点に加えて、微粒子グラファイト供給物の凝集は、気相への損失(例えば、塩素化工程中の塩素ガスによる飛沫同伴)を最小化しながら、効率的な連続プロセスを提供する。微粒子グラファイト供給物材料の凝集は、機械的練炭機、ディスク及びドラムペレット製造機、ピンミキサー及び高強度ミキサー/凝集装置を含むが、これらに限定されない標準的な工業技術を使用して実施することができる。本開示の一実施形態では、凝集は、凝集剤の使用を含む。本開示の更なる実施形態では、凝集剤は、結合剤、より具体的には、炭素質結合剤を含む。本開示のまた更なる実施形態では、炭素質結合剤は、リグニン、デンプン、化工デンプン、アミロペクチン、変性アミロペクチン、アミロース、変性アミロース、キトサン、キチン、グアーガム、変性グアーガム、セルロース、変性セルロース(カルボキシアルキル化セルロース及びカルボキシメチルセルロース)、及びポリ酢酸ビニル(PVA)のうちの少なくとも1つである。本開示のまた更なる実施形態では、炭素質結合剤は、有機樹脂結合材料を含む。本開示のまた更なる実施形態では、有機樹脂結合材料は、石油又はコールタールピッチのうちの少なくとも1つである。炭素質結合剤は、不純物を含んでもよく、したがって、精製プロセスによって除去される全体的な非純粋負荷に寄与する。本開示の一実施形態では、精製プロセス及び様々な動作条件は、結合剤組成物を考慮しながら調整することができる。本開示の更なる実施形態では、凝集体は、不活性雰囲気下の高温(例えば、400~1200℃)で熱処理されて、有機揮発性物質を除去し、結合剤を炭化する。
【0065】
炭素コーティングは、LiBで使用するための高純度微粒子グラファイト粒子を生成するときに不可欠である。そのために、炭素質結合剤の使用は、ブルナウアーエメットテラー(BET)吸着法によって測定されるときに、微粒子グラファイト供給物材料の比表面積を低減する追加の利点を有利に提供し、これは、LiB性能に有利である。この比表面積(BET)は、精製された微粒子グラファイト材料の重要な特性である。NFGのBET表面積は、一般に、LiB使用には大きすぎるため、低減されなければならず、したがって、ここに、何故に、LiBに使用されるNFGが通常、非晶質炭素層でコーティングされているかの根拠がある。本開示の一態様では、気相への材料の損失を軽減するために炭素質結合剤を使用することはまた、精製された微粒子グラファイト材料をコーティングするという予想外の利点も提供する。微粒子グラファイト供給物材料の凝集は、US8,491,677などに記載されている、当技術分野において既知の方法で実行することができ、それは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0066】
本開示の一態様では、微粒子グラファイト供給物材料は、凝集剤の使用の有無にかかわらず、機械的ブリケッティングを使用して凝集することができる。ドラムペレット製造機又はディスクペレット製造機などの低強度ペレット化装置を使用する凝集と比較して、機械的ブリケッティングは、凝集体の大きさ分布及び個々の凝集体の密度などの、凝集体の物理的特性を制御するためのより大きな柔軟性を提供する。これにより、凝集プロセスは、調整されて、精製プロセスを最適化するのに必要な凝集体の特性を取得することができる。そのために、個々の凝集体のガスの透過性は、ブリケッティング圧力を制御することによって有利に制御することができ、凝集体床のガス透過性は、凝集体の大きさ分布を制御することによって有利に制御することができる。組み合わせると、これらは、凝集体床を通る塩素ガスの大部分の流れ、及び塩素化プロセス中に個々の凝集体を通る塩素ガスの拡散を制御することに寄与する。更に、電気抵抗率などの個々の凝集体の電気的特性は、ブリケッティング圧力を制御することによって有利に制御することができ、電気抵抗率などの凝集体床の電気的特性は、凝集体の大きさ分布を制御することによって有利に制御することができる。組み合わせると、これらは、アチソン炉で実践されているように、塩素化反応炉が電流を床に通すことによって加熱される場合の、塩素化中の発熱を制御することに寄与する。
【0067】
本開示の一態様では、微粒子グラファイト供給物材料は、凝集剤を使用せずに、機械的ブリケッティングを使用して凝集することができる。凝集剤又は結合剤を添加せずに凝集することには、重要な潜在的利点がある特定の事情が存在し得る。そのため、結合剤を購入しないことからの単純な費用節約がある。別個の凝集体加熱処理工程の必要性を排除して、塩素化前に結合剤から有機揮発物を除去することからの更なる費用節約がある。更に、それは、塩素化前に凝集体を乾燥させる必要性が排除されるため、凝集中に水を追加する必要性が排除されて、付随的な費用を節約する。また更に、それは、結合剤からの不純物の添加を防止し、したがって、精製プロセスにおける負担を軽減する。また更に、それは、結合剤から生じる非晶質炭素が適切でないことに起因する、製品グラファイトの電気化学的性能に対する任意の潜在的な悪い影響を防止する。コーティングされていない精製された微粒子グラファイト材料が生成されるいくつかの実施形態では、その材料は、それがLiBで使用される前に、別個の炭素コーティング工程に供されるであろう。当業者ならば、結合剤の有無にかかわらず凝集する能力を有することによって提供される柔軟性は、グラファイト精製プロセスの操作者が、特定の非純粋なグラファイト供給物の特性、所望の精製された生成物、及び特定の経済的な事情を考慮に入れ、特定の事情に応じて、プロセスを最適化することが可能であろうことを理解するであろう。
【0068】
タップ密度(g/cm)は、精製された微粒子グラファイト材料の重要な特性である。このタップ密度は、有効なグラファイトをどれくらいバッテリ中に詰め込むことができるかを決定する。タップ密度が高いほど、より良好なバッテリ性能を提供し、ここに、何故に「リン片状」グラファイトが機械的に処理(球状化)されて、より良好な詰め込みのために、粒子のアスペクト比をより球形に変化させるかの根拠がある。本開示の高純度微粒子グラファイト材料を精製及び生成するためのプロセスは、形態にかかわらず、任意のタイプのグラファイト供給物材料を処理することに影響を受けやすい。一実施形態では、グラファイト供給物材料は、球状化されてもよい。
【0069】
本開示の一態様では、グラファイト供給物材料から高純度微粒子グラファイト材料を精製及び生成するためのプロセスは、浸出剤及び/又は塩素ガスのその場での回収及び再循環を含む。これらの回収及び再循環工程は、廃棄物の生成を最小化しながら、試薬の使用を最適化する。本開示の一実施形態では、グラファイト供給物材料から高純度微粒子グラファイト材料を精製及び生成するためのプロセスは、浸出工程に必要なNaOH又はKOH溶液を生成するための業界標準のクロロアルカリ系の使用と、塩素化工程に必要なClガスと、を含む。本開示の実施形態では、高純度微粒子グラファイト材料を精製及び生成するためのプロセスを実装するためのシステムは、1つ以上のクロロアルカリ系を含むことができる。2つ以上のクロロアルカリ系が存在する実施形態では、NaOH及びKOHの両方とも、それぞれ、生成することができる。本開示の更なる実施形態では、プロセスは、新鮮なNaCl又はKClをプロセスにもたらしながら、中和装置操作から再循環されたNaCl又はKClを供給して、固形廃棄物中で失われたものを取り戻すことができる。
【0070】
本開示の一態様では、グラファイト供給物材料から高純度微粒子グラファイト材料を精製及び生成するためのプロセスは、浸出工程に必要なアルカリ溶液を生成するための業界標準のクロロアルカリ系の使用と、塩素化工程に必要なClガスと、を含む。本開示の実施形態では、プロセス工場は、クロロアルカリ工場によって生成されたアルカリ溶液及びClガスのための緩衝貯蔵庫を有利に装備して、試薬生成を精製プロセスから効果的に切り離すことができる。これにより、工場が、スポット電気料金に基づいてクロロアルカリの運転を管理する(例えば、ピーク電気需要期間中に生成を停止する)ことができ、したがって、工場の財務収入を最大化することが可能になる。このことは、再生可能エネルギー源の割合が高い電力市場など、電力市場が不安定な地域にとって特に魅力的である。
【実施例
【0071】
以下の実施例は、本開示の好ましい実施形態を実証するために含まれる。当業者は、以下に従う実施例に開示された技術が、本発明の実践においてうまく機能するために、本発明者によって発見された技術を表し、したがって、その実践のための好ましい様式を構成するとみなすことができることを理解されたい。しかしながら、当業者は、本開示の観点から、開示される特定の実施形態において多くの変更を行うことができ、また、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、同じ又は同様の結果を依然として取得することができることを理解すべきである。
【0072】
実施例1
本開示の一実施形態によって、粒径が150マイクロメートル未満で、総純度が96.22重量%の炭素の、強熱減量(LOI)法によって測定された天然リン片状グラファイト浮揚濃縮物のサンプルを、固定床条件下において、1400℃で、120分間、流れる塩素ガスと反応させた。試験後、グラファイトのLOI純度は、99.98重量%の炭素(LOI)であると測定された。
【0073】
実施例2
150マイクロメートル未満の粒径、及び96.22重量%の炭素の、強熱減量(LOI)法によって測定された、総純度を有する天然リン片状グラファイト浮揚濃縮物を、10%のパルプ密度で、140℃、50重量%の水酸化ナトリウム溶液で8時間浸出した。浸出後、グラファイトのLOI純度は、99.23重量%の炭素であると測定された。次いで、部分的に精製されたグラファイトを、デンプンペースト結合剤を使用して、15重量%の添加速度で凝集させて、公称直径1mmのマイクロペレットを形成した。次いで、マイクロペレットを、流れるアルゴン下の管状炉内で、5℃/分で1000℃まで加熱し、揮発性化合物を除去し、結合剤を炭化した。次いで、炭化されたマイクロペレットのサンプルを、流動床条件下において、1200℃で、30分間、流れる塩素ガスと反応させた。試験後、グラファイトのLOI純度は、99.99重量%の炭素であると測定された。
【0074】
実施例3
実施例2からの精製されたグラファイトのサンプルを、公称20マイクロメートルの粒径に粉砕した。得られたグラファイトのタップ密度は、0.91g/cmであり、BET比表面積は、3.21m/gであり、これらは、市販のLiB級のグラファイトに対する許容値である。次いで、グラファイトの電気化学的性能を、以下のように測定した。アノードスラリーを、二フッ化ポリビニリデン結合剤及びN-メチル-2-ピロリドン溶媒を使用して、作製した。アノードスラリーを銅箔にキャストして、カレンダーロールを使用して加圧した。2032形式のコイン電池を、キャストアノード、リチウム金属カソード、及び、エチレンカーボネート:エチルメチルカーボネート:ジメチルカーボネート(25:5:70体積%)からなる、1.2Mのヘキサフルオロリン酸リチウムの電解質を使用して構築した。これらの電池を、以下のサイクルによって試験した。定電流充電C/20~0.005V。電流がC/50に低下するまで、定電圧を0.005Vに保持する。定電流放電C/20~1.5V。1回繰り返す。そして、C/10で、0.005~1.5Vの定電流サイクル。充電容量は、417mAh/gと測定され、可逆充電容量は、350mAh/gと測定され、これらは、市販のLiB級のグラファイトに対する許容値である。
【0075】
実施例4
45マイクロメートル未満の粒径、及び強熱減量(LOI)法で測定した総純度が97.36重量%の炭素を有する球状化された天然リン片状グラファイトのサンプルを、140℃、パルプ密度10%で、50重量%の水酸化ナトリウム溶液で8時間浸出した。浸出後、グラファイトのLOI純度は、99.33重量%であると測定された。部分的に浸出したグラファイトを、凝集剤なしで、直径8mmの回転楕円体中にブリケットした。回転楕円体の平均強度は、700グラムの力であると測定された。参考までに、カーボンブラック業界では、通常、一般的な工業用の取り扱い/搬送/貯蔵に耐えられるように、凝集体が150グラムの力を超える強度を必要とすると規定する。回転楕円体は、固定床条件下において、1400℃で、60分間、流れる塩素ガスと反応させた。試験後、グラファイトのLOI純度は、99.97重量%の炭素(LOI)であると測定された。
【0076】
本開示は、特定の例を参照して説明されてきたが、本開示は、開示された例に限定されないことを理解されたい。逆に、本開示は、添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲内に含まれる様々な修正及び同等の構成を包含することが意図されている。
【0077】
全ての刊行物、特許、及び特許出願は、各個々の刊行物、特許、又は特許出願が、あたかも、具体的かつ個別に、その全体が参照により組み込まれることが示されているかのように、同じ程度にそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】