(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-08
(54)【発明の名称】コーティング・現像装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20240801BHJP
【FI】
H01L21/68 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024510522
(86)(22)【出願日】2021-08-20
(85)【翻訳文提出日】2024-04-15
(86)【国際出願番号】 CN2021113899
(87)【国際公開番号】W WO2023019590
(87)【国際公開日】2023-02-23
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510005650
【氏名又は名称】エーシーエム リサーチ (シャンハイ) インコーポレーテッド
(71)【出願人】
【識別番号】523404767
【氏名又は名称】エーシーエム リサーチ コリア カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ACM RESEARCH KOREA CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】#402, Hyundai City Plaza, 2106 Gyeongchung-daero, Bubal-eup, Icheon-si, Gyeonggi-do REPUBLIC OF KOREA
(71)【出願人】
【識別番号】523404778
【氏名又は名称】クリーンチップ テクノロジーズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CLEANCHIP TECHNOLOGIES LIMITED
【住所又は居所原語表記】Flat/Rm K 15/F, Mg Tower, 133 Hoi Bun Road, Kwun Tong Kl Hong Kong China
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】リー マーク
(72)【発明者】
【氏名】ウー ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ホイ
(72)【発明者】
【氏名】チョン チョン
(72)【発明者】
【氏名】ジュン アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ソン ブルース
(72)【発明者】
【氏名】ワン ウェンジュン
(72)【発明者】
【氏名】シャオ チェン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ダユン
(72)【発明者】
【氏名】キム ワイワイ
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131BA11
5F131BA12
5F131BA13
5F131BA14
5F131BA37
5F131BB02
5F131BB03
5F131CA12
5F131CA34
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5F131DA32
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5F131DB62
5F131DB72
5F131DB76
5F131HA24
5F131HA35
5F131HA36
5F131HA37
(57)【要約】
コーティング・現像装置は、順次接続された前端モジュール(100)と、プロセスステーション(200)と、インターフェースステーション(300)とを有し、前記プロセスステーション(200)はコーティングユニット(210)と、現像ユニット(220)と、少なくとも一つの横移動する移動搬送部(230)と、少なくとも一台のサイドロボット(R0)とを有する。コーティングユニット(210)で処理された後、基板は少なくとも一台のサイドロボット(R0)によって移動搬送部(230)に移動され、さらに移動搬送部(230)によってインターフェースステーション(300)に転送される。現像ユニット(220)で処理された後、基板は少なくとも一台のサイドロボット(R0)によって移動搬送部(230)に移動され、さらに移動搬送部(230)によって前端モジュール(100)に転送される。移動搬送部(230)とサイドロボット(R0)は、基板を前端モジュール(100)とインターフェースステーション(300)との間で転送して、コーティングユニット(210)または現像ユニット(220)内のロボットの動作負荷を減らし、コーティング・現像装置のスループットを向上するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前端モジュールと、プロセスステーションと、インターフェースステーションとが順次接続されたコーティング・現像装置であって、前記プロセスステーションは、
基板に対してコーティング処理を行うための、少なくとも一列の垂直に積み重ねられたコーティングモジュールを含むコーティングユニットと、
基板に対して現像処理を行うための、少なくとも一列の垂直に積み重ねられた現像モジュールを含む現像ユニットと、
少なくとも一つの横移動する移動搬送部と、
少なくとも一台の垂直移動するサイドロボットとを有し、
前記コーティングユニットで処理された後、基板は前記少なくとも一台のサイドロボットによって前記移動搬送部に転送され、前記移動搬送部は基板を前記インターフェースステーションに転送し、基板が前記現像ユニットで処理された後、前記少なくとも一つのサイドロボットによって基板が前記移動搬送部に転送され、前記移動搬送部が基板を前記前端モジュールに転送する、コーティング・現像装置。
【請求項2】
前記コーティングユニットは、前記コーティングモジュールとは反対側に配置された、基板をコーティング処理の前後に加熱および冷却するための少なくとも一列の垂直に積み重ねられた加熱処理モジュールをさらに有し、
前記現像ユニットは、前記現像モジュールとは反対側に配置された、基板を現像処理の前後に加熱および冷却するための少なくとも一列の垂直に積み重ねられた加熱処理モジュールをさらに有する、請求項1に記載のコーティング・現像装置。
【請求項3】
少なくとも一つの移動搬送部が前記コーティングユニットと前記現像ユニットの上端または下端に配置される、請求項2に記載のコーティング・現像装置。
【請求項4】
前記コーティングユニットは、前記コーティングユニットのコーティングモジュールと加熱処理モジュールとの間で基板を転送するための少なくとも一台のコーティングロボットをさらに有し、
前記現像ユニットは、前記現像ユニットの現像モジュールと加熱処理モジュールとの間で基板を転送するための少なくとも一台の現像ロボットをさらに有する、請求項3に記載のコーティング・現像装置。
【請求項5】
少なくとも一つの移動搬送部が前記コーティングユニットと前記現像ユニットの上端と下端との間に配置される、請求項2に記載のコーティング・現像装置。
【請求項6】
前記コーティングユニットは、基板を前記コーティングユニットのコーティングモジュールと加熱処理モジュールとの間で転送するために、前記コーティングユニットと前記現像ユニットの上端と下端との間に位置する前記移動搬送部の上側に配置された少なくとも一台のコーティングロボットと、前記コーティングユニットと前記現像ユニットの上端と下端との間に位置する前記移動搬送部の下側に配置された少なくとも一台のコーティングロボットとを有し、
前記現像ユニットは、基板を前記現像ユニットの現像モジュールと加熱処理モジュールとの間で転送するために、前記コーティングユニットと前記現像ユニットの上端と下端との間に位置する前記移動搬送部の上側に配置された少なくとも一台の現像ロボットと、前記コーティングユニットと前記現像ユニットの上端と下端との間に位置する前記移動搬送部の下側に配置された少なくとも一台の現像ロボットとを有する、請求項5に記載のコーティング・現像装置。
【請求項7】
前記コーティングユニットで処理された後の基板を前記移動搬送部に転送するために、または前記現像ユニットで処理された後の基板を前記移動搬送部に転送するために、少なくとも一台のサイドロボットが前記コーティングユニットと前記現像ユニットとの間に設けられる、請求項1に記載のコーティング・現像装置。
【請求項8】
前記プロセスステーションは少なくとも二台のサイドロボットを備えており、前記少なくとも二台のサイドロボットのうちの少なくとも一台は、前記コーティングユニットで処理された基板を前記移動搬送部から取り出すか、または前記現像ユニットで処理された基板を前記移動搬送部から取り出すために、前記コーティングユニットと前記前端モジュールの間に配置され、
前記少なくとも二台のサイドロボットのうちの少なくとも一台は、前記現像ユニットで処理された基板を前記移動搬送部に転送するか、または前記コーティングユニットで処理された基板を前記移動搬送部から取り出すために、前記現像ユニットと前記インターフェースステーションの間に配置される、請求項1に記載のコーティング・現像装置。
【請求項9】
前記プロセスステーションは少なくとも三台のサイドロボットを備えており、前記少なくとも三台のサイドロボットのうちの少なくとも一台は、前記現像ユニットで処理された基板を前記移動搬送部から取り出すために、前記コーティングユニットと前記前端モジュールの間に配置され、
前記少なくとも三台のサイドロボットのうちの少なくとも一台は、前記コーティングユニットで処理された基板を前記移動搬送部に転送するか、または前記現像ユニットで処理された基板を前記移動搬送部に転送するために、前記コーティングユニットと前記現像ユニットの間に配置され、
前記少なくとも三台のサイドロボットのうちの少なくとも一台は、前記コーティングユニットで処理された基板を前記移動搬送部から取り出すために、前記現像ユニットと前記インターフェースステーションの間に配置される、請求項1に記載のコーティング・現像装置。
【請求項10】
前記前端モジュールは前端モジュールロボットを有し、前記前端モジュールロボットは、前記現像ユニットで処理された基板を前記移動搬送部から取り出し、
前記インターフェースステーションはインターフェースロボットを有し、前記インターフェースロボットは前記コーティングユニットで処理された基板を前記移動搬送部から取り出す、請求項1に記載のコーティング・現像装置。
【請求項11】
前記プロセスステーションは、
基板表面に接着用フィルムを形成するための垂直に積み重ねられた複数の接着モジュールと、
接着処理後に基板を冷却するための垂直に積み重ねられた複数の予冷却モジュールとをさらに有し、
前記複数の接着モジュールと前記複数の予冷却モジュールとは、前記コーティングユニットと前記前端モジュールとの間に配置され、
基板が処理のために前記コーティングユニットに転送される前に、少なくとも一台のサイドロボットが基板を前記接着モジュールに転送し、続いて接着処理を終えた基板を前記予冷却モジュールに転送する、請求項1に記載のコーティング・現像装置。
【請求項12】
前記プロセスステーションは、
前記コーティングユニットで処理された基板をエッジ露光処理するための、垂直に積み重ねられた複数のエッジ露光モジュールをさらに有し、
前記複数のエッジ露光モジュールが、前記コーティングユニットと前記現像ユニットとの間、前記コーティングユニットと前記前端モジュールとの間、または前記現像ユニットと前記インターフェースステーションとの間に配置され、
前記コーティングユニットで処理された後の基板が前記インターフェースステーションに転送される前に、少なくとも一台のサイドロボットがエッジ露光処理を行うために基板を前記エッジ露光モジュールに転送する、請求項1に記載のコーティング・現像装置。
【請求項13】
前記プロセスステーションは、
エッジ露光処理後の基板を洗浄するための垂直に積み重ねられた複数の予備洗浄モジュールをさらに有し、
前記複数の予備洗浄モジュールが、前記コーティングユニットと前記現像ユニットとの間、前記コーティングユニットと前記前端モジュールとの間、または前記現像ユニットと前記インターフェースステーションとの間に配置され、
前記エッジ露光モジュールで処理された後の基板が前記インターフェースステーションに転送される前に、少なくとも一台のサイドロボットが予備洗浄を行うために基板を前記予備洗浄モジュールに転送する、請求項12に記載のコーティング・現像装置。
【請求項14】
前記プロセスステーションは、
予備洗浄後に基板を冷却するための垂直に積み重ねられた複数の後冷却モジュールをさらに有し、
前記複数の後冷却モジュールは、前記現像ユニットと前記インターフェースステーションとの間に配置され、
予備洗浄された後の基板が前記インターフェースステーションに転送される前に、少なくとも一台のサイドロボットが冷却を行うために基板を前記後冷却モジュールに転送する、請求項13に記載のコーティング・現像装置。
【請求項15】
前記プロセスステーションは、
液浸露光処理後に基板を前記現像ユニットに転送する前に、基板を後洗浄するための垂直に積み重ねられた複数の後洗浄モジュールをさらに有し、
前記複数の後洗浄モジュールは、前記現像ユニットと前記インターフェースステーションとの間に配置され、
少なくとも一台のサイドロボットが、現像処理された後の基板の洗浄のために前記後洗浄モジュールに転送し、後洗浄が行われた基板を現像処理のために前記現像ユニットに転送する、請求項1に記載のコーティング・現像装置。
【請求項16】
前記プロセスステーションは、
露光処理用に露光機に入るのを待つために、前記コーティングユニットで処理された基板を一時的に収納するのに使用される、少なくとも一つの第1一時収納部と、
処理用に前記現像ユニットに入るのを待つために、露光処理された基板を一時的に収納するのに使用される、少なくとも一つの第2一時収納部とをさらに有し、
前記第1一時収納部と前記第2一時収納部とは前記現像ユニットと前記インターフェースステーションとの間に配置される、請求項1に記載のコーティング・現像装置。
【請求項17】
前記プロセスステーションは、
前記前端モジュールと前記コーティングユニットとの間に設けられた複数のフォトレジストポンプと、
移動搬送部の一方側に配置され、フォトレジストを保管し、前記複数のフォトレジストポンプを介して前記コーティングモジュールにフォトレジストを供給する、複数のフォトレジストタンクとを有する、請求項1に記載のコーティング・現像装置。
【請求項18】
コーティング・現像装置の基板転送方法であって、
前端モジュールから基板を取り出してプロセスステーションに転送する、前端モジュールロボットが前記前端モジュールに設けられ、
基板をコーティングユニットに転送し、前記コーティングユニットにおいてコーティング処理と加熱処理を基板に行うコーティングロボットが、前記プロセスステーションの前記コーティングユニットに設けられ、
前記コーティングユニットで基板が処理された後、前記コーティングロボットが基板を前記コーティングユニットから取り出し、
前記コーティングユニットから取り出された基板をサイドロボットが移動搬送部に転送し、
前記コーティングユニットで処理された基板を前記移動搬送部が前記インターフェースステーションに転送し、
前記インターフェースステーションにインターフェースロボットが設けられ、前記インターフェースロボットは前記コーティングユニットで処理された基板を前記移動搬送部から取り出して前記インターフェースステーションに転送し、または別のサイドロボットが前記コーティングユニットで処理された基板を前記移動搬送部から取り出して、前記インターフェースロボットが基板を前記インターフェースステーションに転送し、
基板の露光処理を完了した後、前記インターフェースロボットは前記インターフェースステーションから基板を取り出して前記プロセスステーションに転送し、
基板を現像ユニットに転送し、前記現像ユニットにおいて現像処理と加熱処理を基板に行う現像ロボットが、前記プロセスステーションの前記現像ユニットに設けられ、
前記現像ユニットで基板が処理された後、前記現像ロボットが基板を前記現像ユニットから取り出し、
基板が前記現像ユニットから取り出された後、前記サイドロボットが基板を前記移動搬送部に転送し、
前記移動搬送部が、前記現像ユニットで処理された基板を前記前端モジュールに転送し、
前記前端モジュールロボットが前記現像ユニットで処理された基板を前記移動搬送部から取り出して前記前端モジュールに転送する、または別のサイドロボットが前記現像ユニットで処理された基板を前記移動搬送部から取り出して、前記前端モジュールロボットが基板を前記前端モジュールに転送する、コーティング・現像装置の基板転送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体製造設備の分野一般に関し、より詳細にはコーティング・現像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、フォトリソグラフィプロセスを実現するためのインラインマシンは、コーティング・現像装置と露光機とで構成されている。フォトリソグラフィプロセスの一般的な工程を以下に示す。基板がコーティング・現像装置によってコーティングされた後、露光処理のために露光機に送られ、露光された基板はコーティング・現像装置に戻されて、現像処理が完了する。
【0003】
引用特許文献1(CN104465460B)に記載の従来のコーティング・現像装置では、キャリアブロック、処理ブロック、およびインターフェースブロックがこの順で設けられている。処理ブロックは、重ね合わされた四つのコーティングユニットブロックの層と、コーティングユニットブロックの上に積み重ねられた現像ユニットブロックとによって構成されている。各ユニットブロックの層には、中央の取扱エリアを水平に移動するロボットに配置されている。装置の総高さの設計要件により、各ユニットブロックの層ごとにファンフィルタユニット(FFU)を配置するための十分なスペースがない場合がある。この場合、ユニットブロック各層内におけるプロセス環境の清潔さが確保されず、最終的には基板表面の粒子汚染のリスクが増加してしまう。
【0004】
さらに、各層のユニットブロック内のロボットは、ユニットブロック内の処理モジュール(コーティングモジュール、現像モジュール、加熱処理モジュールなど)間での基板の転送に忙しいだけでなく、キャリアブロックとインターフェースブロック間で基板を転送することにも忙しい。これによりロボットが極めて多忙となって、装置の運転効率が低下する。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、基板粒子汚染のリスクを低減し、装置の全体的な運用効率を向上することができる、コーティング・現像装置および基板転送方法を開示する。
【0006】
本発明のコーティング・現像装置は、順次接続された前端モジュールと、プロセスステーションと、インターフェースステーションとを有し、前記プロセスステーションは、
基板に対してコーティング処理を行うための、少なくとも一列の垂直に積み重ねられたコーティングモジュールを含むコーティングユニットと、
基板に対して現像処理を行うための、少なくとも一列の垂直に積み重ねられた現像モジュールを含む現像ユニットと、
少なくとも一つの横移動する移動搬送部と、
少なくとも一台の垂直移動するサイドロボットとを有し、
前記コーティングユニットで処理された後、基板は前記少なくとも一台のサイドロボットによって前記移動搬送部に転送され、前記移動搬送部によって前記インターフェースステーションに転送され、基板が前記現像ユニットで処理された後、前記少なくとも一台のサイドロボットによって基板が前記移動搬送部に転送され、前記移動搬送部が基板を前記前端モジュールに転送する。
【0007】
コーティングユニット内の複数のコーティングモジュールが垂直に配置されていることにより、複数のコーティングモジュールが同じコーティングロボットを共有することができる。これにより、コーティングユニットに設置されるFFUの数が減少し、プロセス環境の制御が容易になる。現像ユニットは、少数のFFUによってユニット全体の内部環境の清潔さを確保することができる。
【0008】
横方向に移動する移動搬送部と垂直方向に移動するサイドロボットとが効果的に連携することで、コーティングユニットまたは現像ユニットで処理された基板が迅速にインターフェースステーションまたは前端モジュールに転送されるため、デバイスの運用効率の向上が可能となる。
【0009】
本発明の選択的な解決策として、コーティングユニットは、コーティングモジュールとは反対側に配置された、基板をコーティング処理の前後に加熱および冷却するための少なくとも一列の垂直に積み重ねられた加熱処理モジュールをさらに有し、
前記現像ユニットは、前記現像モジュールとは反対側に配置された、基板を現像処理の前後に加熱および冷却するための少なくとも一列の垂直に積み重ねられた加熱処理モジュールをさらに有する。
【0010】
本発明の選択的な解決策として、少なくとも一つの移動搬送部が前記コーティングユニットと前記現像ユニットの上端または下端に配置される。
【0011】
本発明の選択的な解決策として、前記コーティングユニットは、前記コーティングユニットのコーティングモジュールと加熱処理モジュールとの間で基板を転送するための少なくとも一台のコーティングロボットをさらに有し、
前記現像ユニットは、前記現像ユニットの現像モジュールと加熱処理モジュールとの間で基板を転送するための少なくとも一台の現像ロボットをさらに有する。
【0012】
コーティングユニット内の垂直に積み重ねられた複数列のコーティングモジュールが同じコーティングロボットを共有することができるので、コーティングユニットにファンフィルタユニット(FFU)を一つだけ配置するだけで、清潔なプロセス環境を確保して基板の環境粒子汚染を減らすことができる。同様に現像ユニットも、一つのFFUだけで清潔な内部環境を実現し、粒子汚染を減らすことができる。したがって、コーティングモジュールと現像モジュールを垂直に配置することで、コーティングや現像処理の環境をより簡単に制御することができる。
【0013】
本発明の選択的な解決策として、少なくとも一つの移動搬送部が前記コーティングユニットと前記現像ユニットの上端と下端との間に配置される。
【0014】
本発明の選択的な解決策として、前記コーティングユニットは、基板を前記コーティングユニットのコーティングモジュールと加熱処理モジュールとの間で転送するために、前記コーティングユニットと前記現像ユニットの上端と下端との間に位置する前記移動搬送部の上側に配置された少なくとも一台のコーティングロボットと、前記コーティングユニットと前記現像ユニットの上端と下端との間に位置する前記移動搬送部の下側に配置された少なくとも一台のコーティングロボットとを有し、
前記現像ユニットは、基板を前記現像ユニットの現像モジュールと加熱処理モジュールとの間で転送するために、前記コーティングユニットと前記現像ユニットの上端と下端との間に位置する前記移動搬送部の上側に配置された少なくとも一台の現像ロボットと、前記コーティングユニットと前記現像ユニットの上端と下端との間に位置する前記移動搬送部の下側に配置された少なくとも一台の現像ロボットとを有する。
【0015】
移動搬送部がコーティングユニットと現像ユニットの上端と下端の間に配置される場合、横方向に設けられた移動搬送部が、コーティングユニットと現像ユニットの内部空間を、いくつかの相対的に独立したサブスペースに分割する。例えば、一対の移動搬送部がコーティングユニットと現像ユニットの上端と下端との間に設けられている場合、横方向に設けられた前記一対の移動搬送部は、コーティングユニットと現像ユニットを互いに対して相対的に独立した上部空間と下部空間とに分割する。この時点では、上部空間と下部空間にはそれぞれコーティングロボットと現像ロボットとが設けられる。同様に、清潔なプロセス環境を確保するために、上部空間と下部空間にはそれぞれのユニットの内部環境を制御するためにFFUが設けられる。
【0016】
本発明の選択的な解決策として、前記コーティングユニットで処理された後の基板を前記移動搬送部に転送するために、または前記現像ユニットで処理された後の基板を前記移動搬送部に転送するために、少なくとも一台のサイドロボットが前記コーティングユニットと前記現像ユニットとの間に設けられる。
【0017】
本発明の選択的な解決策として、前記プロセスステーションは少なくとも二台のサイドロボットを備えており、前記少なくとも二台のサイドロボットのうちの少なくとも一台は、前記コーティングユニットで処理された基板を前記移動搬送部から取り出すか、または前記現像ユニットで処理された基板を前記移動搬送部から取り出すために、前記コーティングユニットと前記前端モジュールの間に配置され、
前記少なくとも二台のサイドロボットのうちの少なくとも一台は、前記現像ユニットで処理された基板を前記移動搬送部に転送するか、または前記コーティングユニットで処理された基板を前記移動搬送部から取り出すために、前記現像ユニットと前記インターフェースステーションの間に配置される。
【0018】
プロセスステーションの両側にはそれぞれサイドロボットが配置されており、コーティングユニットと現像ユニットの間のサイドロボットは取り外し可能である。一方で、装置の長さを短くすることができ、接地面積を小さくすることができる。他方で、移動搬送部の動作距離の短縮により、転送効率が向上し、よって装置全体の運用効率が向上する。
【0019】
本発明の選択的な解決策として、前記プロセスステーションは少なくとも三台のサイドロボットを備えており、前記少なくとも三台のサイドロボットのうちの少なくとも一台は、前記現像ユニットで処理された基板を前記移動搬送部から取り出すために、前記コーティングユニットと前記前端モジュールの間に配置され、
前記少なくとも三台のサイドロボットのうちの少なくとも一台は、前記コーティングユニットで処理された基板を前記移動搬送部に転送するか、または前記現像ユニットで処理された基板を前記移動搬送部に転送するために、前記コーティングユニットと前記現像ユニットの間に配置され、
前記少なくとも三台のサイドロボットのうちの少なくとも一台は、前記コーティングユニットで処理された基板を前記移動搬送部から取り出すために、前記現像ユニットと前記インターフェースステーションの間に配置される。
【0020】
本発明の選択的な解決策として、前記前端モジュールは前端モジュールロボットを有し、前記前端モジュールロボットは、前記現像ユニットで処理された基板を前記移動搬送部から取り出し、
前記インターフェースステーションはインターフェースロボットを有し、前記インターフェースロボットは前記コーティングユニットで処理された基板を前記移動搬送部から取り出す。
【0021】
本発明は、コーティング・現像装置の基板転送方法も提供する。
前端モジュールから基板を取り出してプロセスステーションに転送する、前端モジュールロボットが前記前端モジュールに設けられ、
基板をコーティングユニットに転送し、前記コーティングユニットにおいてコーティング処理と加熱処理を基板に行うコーティングロボットが、前記プロセスステーションの前記コーティングユニットに設けられ、
前記コーティングユニットで基板が処理された後、前記コーティングロボットが基板を前記コーティングユニットから取り出し、
前記コーティングユニットから取り出された基板をサイドロボットが移動搬送部に転送し、
前記コーティングユニットで処理された基板を前記移動搬送部が前記インターフェースステーションに転送し、
前記インターフェースステーションにインターフェースロボットが設けられ、前記インターフェースロボットは前記コーティングユニットで処理された基板を前記移動搬送部から取り出して前記インターフェースステーションに転送し、または別のサイドロボットが前記コーティングユニットで処理された基板を前記移動搬送部から取り出して、前記インターフェースロボットが基板を前記インターフェースステーションに転送し、
基板の露光処理を完了した後、前記インターフェースロボットは前記インターフェースステーションから基板を取り出して前記プロセスステーションに転送し、
基板を現像ユニットに転送し、前記現像ユニットにおいて現像処理と加熱処理を基板に行う現像ロボットが、前記プロセスステーションの前記現像ユニットに設けられ、
前記現像ユニットで基板が処理された後、前記現像ロボットが基板を前記現像ユニットから取り出し、
基板が前記現像ユニットから取り出された後、前記サイドロボットが基板を前記移動搬送部に転送し、
前記移動搬送部が、前記現像ユニットで処理された基板を前記前端モジュールに転送し、
前記前端モジュールロボットが前記現像ユニットで処理された基板を前記移動搬送部から取り出して前記前端モジュールに転送する、または別のサイドロボットが前記現像ユニットで処理された基板を前記移動搬送部から取り出して、前記前端モジュールロボットが基板を前記前端モジュールに転送する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態1のコーティング・現像装置の正面斜視図を示す。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態1のコーティング・現像装置の背面斜視図を示す。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態1のコーティング・現像装置の断面図を示す。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態1のコーティング・現像装置の長手方向断面図を示す。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態1のコーティング・現像装置の別の断面図を示す。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態1のコーティング・現像装置の別の長手方向断面図を示す。
【
図7】
図7は、本発明の実施形態1のコーティング・現像装置の別の長手方向断面図を示す。
【
図8a】
図8aは、本発明の実施形態1における露光処理前のコーティング・現像装置内での基板の輸送経路を示す。
【
図8b】
図8bは、本発明の実施形態1における露光処理後のコーティング・現像装置内での基板の輸送経路を示す。
【
図9】
図9は、本発明の実施形態2のコーティング・現像装置の断面図を示す。
【
図10】
図10は、本発明の実施形態2のコーティング・現像装置の長手方向断面図を示す。
【
図11】
図11は、本発明の実施形態2のコーティング・現像装置の別の断面図を示す。
【
図12a】
図12aは、本発明の実施形態2における露光処理前のコーティング・現像装置内での基板の輸送経路を示す。
【
図12b】
図12bは、本発明の実施形態2における露光処理後のコーティング・現像装置内での基板の輸送経路を示す。
【
図13】
図13は、本発明の実施形態3のコーティング・現像装置の断面図を示す。
【
図14】
図14は、本発明の実施形態3のコーティング・現像装置の長手方向断面図を示す。
【
図15】
図15は、本発明の実施形態3のコーティング・現像装置の別の断面図を示す。
【
図16a】
図16aは、本発明の実施形態3における露光処理前のコーティング・現像装置内での基板の輸送経路を示す。
【
図16b】
図16bは、本発明の実施形態3における露光処理後のコーティング・現像装置内での基板の輸送経路を示す。
【
図17】
図17は、本発明の実施形態4のコーティング・現像装置の断面図を示す。
【
図18】
図18は、本発明の実施形態4のコーティング・現像装置の別の断面図を示す。
【
図19】
図19は、本発明の実施形態4のコーティング・現像装置における、コーティングモジュールと現像モジュールとを隠したプロセスステーションの斜視図である。
【
図20a】
図20aは、本発明の実施形態4における露光処理前のコーティング・現像装置内での基板の輸送経路を示す。
【
図20b】
図20bは、本発明の実施形態4における露光処理後のコーティング・現像装置内での基板の輸送経路を示す。
【
図21】
図21は、本発明の実施形態5のコーティング・現像装置の断面図を示す。
【
図22】
図22は、本発明の実施形態5のコーティング・現像装置の別の断面図を示す。
【
図23a】
図23aは、本発明の実施形態5における露光処理前のコーティング・現像装置内での基板の輸送経路を示す。
【
図23b】
図23bは、本発明の実施形態5における露光処理後のコーティング・現像装置内での基板の輸送経路を示す。
【
図24】
図24は、本発明の実施形態6のコーティング・現像装置の断面図を示す。
【
図25a】
図25aは、コーティングユニット内のコーティングモジュールと加熱モジュールの長手方向の配置図を示す。
【
図25b】
図25bは、コーティングユニット内のコーティングモジュールと加熱モジュールの長手方向の配置図を示す。
【
図25c】
図25cは、コーティングユニット内のコーティングモジュールと加熱モジュールの長手方向の配置図を示す。
【
図26a】
図26aは、現像ユニット内の現像モジュールと加熱モジュールの長手方向の配置図を示す。
【
図26b】
図26bは、現像ユニット内の現像モジュールと加熱モジュールの長手方向の配置図を示す。
【
図26c】
図26cは、現像ユニット内の現像モジュールと加熱モジュールの長手方向の配置図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の技術内容、構造的特徴、目的および効果を詳細に説明するため、以下で実施形態および図面を詳細に説明する。
【0024】
本発明は、前端モジュール(EFEM)と、プロセスステーションと、インターフェースステーションとが順次接続されたコーティング・現像装置を開示する。前端モジュールには前端モジュールロボット(EFEMロボット)が配置され、インターフェースステーションにはインターフェースロボットが配置されている。
【0025】
プロセスステーションは、コーティングユニットと、現像ユニットと、少なくとも一つの横移動可能な移動搬送部と、少なくとも一つの垂直移動可能なサイドロボットとを有する。コーティングユニットで処理された後、基板はサイドロボットによって移動搬送部に移動され、さらに移動搬送部によってインターフェースステーションに転送される。現像ユニットで処理された後、基板はサイドロボットによって移動搬送部に移動され、さらに移動搬送部によって前端モジュールに転送される。
【0026】
コーティングユニットは、少なくとも一列の垂直に積み重ねられたコーティングモジュールと、少なくとも一列の垂直に積み重ねられた加熱処理モジュールと、少なくとも一つのコーティングロボットとを有する。基板に対してコーティング処理を行うために、コーティングモジュールが使用される。加熱処理モジュールは、コーティング処理の前後に基板を加熱および冷却するために使用される。加熱処理モジュールはコーティングモジュールの反対側に配置される。コーティングロボットは、コーティングユニットのコーティングモジュールと加熱処理モジュールとの間で基板を転送するために使用される。
【0027】
現像ユニットは、少なくとも一列の垂直に積み重ねられた現像モジュールと、少なくとも一列の垂直に積み重ねられた加熱処理モジュールと、少なくとも一つの現像ロボットとを有する。基板に対して現像処理を行うために、現像モジュールが使用される。加熱処理モジュールは、現像処理の前後に基板を加熱および冷却するために使用される。加熱処理モジュールは現像モジュールの反対側に配置される。現像ロボットは、現像ユニットの現像モジュールと加熱処理モジュールとの間で基板を転送するために使用される。
【0028】
コーティングユニットと現像ユニットの上端または下端には、少なくとも一つの横方向に移動する移動搬送部が配置される。または、コーティングユニットと現像ユニットの上端と下端の間には、少なくとも一つの横方向に移動する移動搬送部が配置される。少なくとも一つの横方向に移動する移動搬送部がコーティングユニットと現像ユニットとの上端と下端の間に配置される場合、コーティングユニットは、移動搬送部の上側に位置する少なくとも一つのコーティングロボットと、移動搬送部の下側に位置する少なくとも一つのコーティングロボットとを有し、基板がコーティングユニットのコーティングモジュールと加熱処理モジュールとの間で転送される。現像ユニットは、移動搬送部の上側に位置する少なくとも一つの現像ロボットと、移動搬送部の下側に位置する少なくとも一つの現像ロボットとを有し、基板が現像ユニットの現像モジュールと加熱処理モジュールとの間で転送される。
【0029】
サイドロボットは、前端モジュールとコーティングユニットとの間、コーティングユニットと現像ユニットとの間、または現像ユニットとインターフェースステーションとの間に配置される。
【0030】
以下では、具体的な実施形態と組み合わせて、サイドロボットの設定の位置と数、および対応する基板の転送方法について詳しく説明する。
【0031】
実施形態1
図1~
図7は、本発明の実施形態によるコーティング・現像装置を示す。
図1、
図2は、本発明のコーティング・現像装置の斜視図である。コーティング・現像装置は、主に前端モジュール(EFEM)100と、プロセスステーション200と、インターフェースステーション300とを有する。
図3は、この実施形態におけるコーティング・現像装置の断面図である。前端モジュール100は、複数の基板を含む一つ以上の基板カセット120を保持するための複数の装着ポート110を有する。EFEMロボットR10は、基板をEFEM100とプロセスステーション200との間で転送するために、前端モジュール100に設置されている。インターフェースステーション300は、コーティングユニット210で処理された後の基板を露光するべく、露光機などの外部機器を接続するために使用される。インターフェースステーション300には、基板をプロセスステーション200とインターフェースステーション300の間で転送するためのインターフェースロボットR30が設けられている。
【0032】
プロセスステーション200は、コーティングユニット210と、現像ユニット220と、少なくとも一つの横移動(例えば
図4に示す水平方向の移動)可能な移動搬送部230と、少なくとも一つの垂直移動(例えば
図4に示す垂直方向の移動)可能なサイドロボットR0とを有する。コーティングユニット210は基板にコーティングおよび加熱処理を行うのに用いられ、少なくとも一列の垂直に積み重ねられたコーティングモジュール211と、少なくとも一列の垂直に積み重ねられた加熱処理モジュール212と、少なくとも一つのコーティングロボットR21とを有する。コーティングモジュール211と加熱処理モジュール212は、互いに対して相対的に配置されている。
図25a~
図25cは、コーティングモジュール211と加熱処理モジュール212とが互いに対して相対的に配置された、様々なレイアウトを示している。コーティングモジュール211は基板に対してコーティング処理を行うのに用いられ、加熱処理モジュール212は基板に対して加熱及び冷却処理を行うのに用いられ、コーティングロボットR21はコーティングユニット210のコーティングモジュール211と加熱処理モジュール212との間で基板を転送するために用いられる。現像ユニット220は基板に現像および加熱処理を行うのに用いられ、少なくとも一列の垂直に積み重ねられた現像モジュール221と、少なくとも一列の垂直に積み重ねられた加熱処理モジュール222と、少なくとも一つの現像ロボットR22とを有する。現像モジュール221と加熱処理モジュール222とは、互いに対して相対的に配置されている。
図26a~
図26cは、現像モジュール221と加熱処理モジュール222とが互いに対して相対的に配置された、様々なレイアウトを示している。現像モジュール221は基板に対して現像処理を行うのに用いられ、加熱処理モジュール222は基板に対して加熱及び冷却処理を行うのに用いられる。現像ロボットR22は、現像ユニット220の現像モジュール221と加熱処理モジュール222との間で基板を転送するために使用される。コーティングユニット210で処理された後、基板はサイドロボットR0によって移動搬送部230に移動され、さらに移動搬送部230によってインターフェースステーション300に転送される。現像ユニット220で処理された後、基板はサイドロボットR0によって移動搬送部230に移動され、さらに移動搬送部230によって前端モジュール100に転送される。
【0033】
EFEMとインターフェースステーションとの間での基板の転送のためにコーティングユニットまたは現像ユニット内にロボットが設けられる従来技術と比較して、本発明の実施形態においては、独立した移動搬送部とサイドロボットとが、EFEMとインターフェースステーションとの間でコーティングされたまたは現像された基板を転送するので、コーティングユニットまたは現像ユニット内に設けられたロボットの動作負荷を減らすことができる。したがって、ロボットの運用効率がコーティング・現像装置のスループットに与える影響が低減され、コーティング・現像装置のスループットが向上する。
【0034】
図1に示すように、本実施形態では、コーティングユニット210は、それぞれ四つのコーティングモジュール211が垂直に積み重ねられた、三列のコーティングモジュールC1~C3からなり、現像ユニット220は、それぞれ四つの現像モジュール221が垂直に積み重ねられた、三列の現像モジュールD1~D3からなる。コーティング・現像ユニットのライン数や、コーティングモジュール、現像モジュール、加熱処理モジュールの数は、特定の処理能力とデバイスサイズの要件に応じて調整可能である。
【0035】
ここで、本発明の実施形態において言及されるコーティングモジュールは、三種類のコーティングモジュール、すなわちフォトレジストコーティングを形成するためのコーティングモジュールと、上端アンチリフレクティブコーティングを形成するためのコーティングモジュールと、下端アンチリフレクティブコーティングを形成するためのコーティングモジュールとからなっていてもよい。コーティングユニットは、特定の処理要件に応じて対応するコーティングモジュールによって構成されている。これらのコーティングモジュールのうち、同じ種類のコーティングモジュールは液体供給ノズルを共有するか、あるいは別々の液体供給ノズルをそれぞれ有する。異なる種類のコーティングモジュールは別々の液体供給ノズルをそれぞれ有する。
【0036】
図4と
図5を参照すると、横移動する移動搬送部230が、コーティングユニット210と現像ユニット220の上端と下端との間に配置されている。移動搬送部230は、EFEM100とインターフェースステーション300とを接続する直線転送路上で横方向に移動可能である。コーティングユニット210は二台のコーティングロボットR21を有する。一台のコーティングロボットR21は、基板を移動搬送部230の上側に設けられたコーティングモジュール211と加熱処理モジュール212との間で転送するための移動搬送部230の上側に配置されており、もう一台のコーティングロボットR21は、基板を移動搬送部230の下側に設けられたコーティングモジュール211と加熱処理モジュール212との間で移動するための移動搬送部230の下側に配置されている。現像ユニット220は二台の現像ロボットR22を有する。一台の現像ロボットR22は、基板を移動搬送部230の上側に設けられた現像モジュール221と加熱処理モジュール222との間で転送するための移動搬送部230の上側に配置されており、もう一台の現像ロボットR22は、基板を移動搬送部230の下側に設けられた現像モジュール221と加熱処理モジュール222との間で移動するための移動搬送部230の下側に配置されている。別の実施形態では、複数の横方向に移動する移動搬送部がコーティングユニットと現像ユニットとの上端と下端の間に配置され、コーティングユニットは、コーティングユニットと現像ユニットの上端と下端との間に設けられた移動搬送部の上側と下側とに別々に設けられた少なくとも一つのコーティングロボットを有し、これにより基板がコーティングユニットのコーティングモジュールと加熱処理モジュールとの間で転送されてもよい。現像ユニットは、コーティングユニットと現像ユニットの上端と下端との間に設けられた移動搬送部の上側と下側とに別々に設けられた少なくとも一つの現像ロボットを有し、これにより基板が現像ユニットの現像モジュールと加熱処理モジュールとの間で転送される。
【0037】
他の実施形態において、それぞれ
図6および
図7に示すように、移動搬送部230をコーティングユニット210および現像ユニット220の上端や下端に配置してもよい。移動搬送部230がコーティングユニット210と現像ユニット220の上端または下端に配置される場合、コーティングユニット210は少なくとも一つ、例えば
図6、7のように二つのコーティングロボットを備え、コーティングユニット210は上部空間と下部空間とに分割される。一台のコーティングロボットR21が、コーティングユニット210の上部空間に位置するコーティングモジュール211と加熱処理モジュール212との間で基板を転送するのに用いられる。別のコーティングロボットR21が、コーティングユニット210の下部空間に位置するコーティングモジュール211と加熱処理モジュール212との間で基板を転送するのに用いられる。この時点で、コーティングユニット210の上部空間とコーティングユニット210の下部空間には、ファンフィルタユニット(FFU)が設けられ、コーティングユニット210の上部空間と下部空間において清潔なプロセス環境が確保される。無論、コーティングユニット210が、コーティングユニット210の全空間内のコーティングモジュール211と加熱処理モジュール212との間で基板を転送するのに用いられるコーティングロボットR21を一台のみ備えていてもよい。この場合、コーティングユニット210は、コーティングユニット210の清潔なプロセス環境を実現して装置のプロセス環境の制御をより簡単に操作できるようにするために、ファンフィルタユニット(FFU)を一つ有するだけでよい。同様に、現像ユニット220は、一台のみの現像ロボットR22、または複数台の現像ロボットR22を有していてもよい。
【0038】
実施形態1では、コーティングユニット210と現像ユニット220との間に設けられたサイドロボットR0が、コーティングユニット210または現像ユニット220で処理された基板を移動搬送部230に移動する。異なるロボット間での基板の転送を容易にするために、EFEM100とコーティングユニット210との間に第1バッファ部(241、242)が配置され、コーティングユニット210と現像ユニット220との間に第2バッファ部(251、252)が配置され、現像ユニット220とインターフェースステーション300との間に第3バッファ部(261、262)が配置されている。バッファ部は複数の基板を収容、保持することができる。また、サイドロボットR0は、コーティング・現像装置の高さ方向に沿って垂直に移動して、異なる高さのバッファ部にアクセスすることができる。
【0039】
図8aは、実施形態1における露光処理前にコーティング・現像装置内で基板を転送する転送方法を示す。処理対象の基板は、EFEMロボットR10によって前端モジュール100から取り出されて第1バッファ部241に転送され、続いて基板はコーティングロボットR21によって第1バッファ部241から取り出されてコーティングユニット210に転送される。基板は、コーティングユニット210においてコーティングおよび熱処理される。コーティングユニット210で処理された後、基板はコーティングロボットR21によってコーティングユニット210から取り出されて第2バッファ部251に転送される。その後、基板は第2バッファ部251からサイドロボットR0によって取り出され、移動搬送部230に転送される。基板は移動搬送部230によってインターフェースステーション300に転送される。基板は、インターフェースステーション300に位置するインターフェースロボットR30によって、移動搬送部230から取り出されて露光処理のために露光機に送られる。
【0040】
図8bは、実施形態1における露光処理後にコーティング・現像装置内で基板を転送する転送方法を示す。基板の露光処理が完了した後、インターフェースロボットR30は露光機から基板を受け取り、基板を第3バッファ部262に転送する。続いて、現像ロボットR22は第3バッファ部262から基板を取り出し、現像ユニット220に基板を転送する。基板は現像ユニット220で現像および熱処理される。現像ユニット220での処理後、基板は現像ロボットR22によって現像ユニット220から取り出され、第2バッファ部252に転送される。基板はサイドロボットR0によって第2バッファ部252から取り出されて移動搬送部230に転送され、続いて基板は移動搬送部230によってEFEM100に転送される。基板は、EFEM100に設けられたEFEMロボットR10によって、移動搬送部230から取り出され、装着ポート110に設けられた基板カセット120に転送される。
【0041】
実施形態2
図9~
図11を参照すると、実施形態2と実施形態1との違いは次のとおりである。1)コーティングユニット210と現像ユニット220の間に、二つのサイドロボット、すなわち第1サイドロボットR1と第2サイドロボットR2とが設けられる。2) コーティングユニット210と現像ユニット220の上端と下端の間には、一対の移動搬送部、すなわち第1移動搬送部231と第2移動搬送部232が設けられる。第1サイドロボットR1は、コーティングユニット210で処理された基板を第1移動搬送部231に転送するために使用される。第2サイドロボットR2は、現像ユニット220で処理された基板を第2移動搬送部232に転送するために使用される。実施形態2で提案されるコーティング・現像装置の他の構造は実施形態1とほぼ同じであり、以下では説明しない。
【0042】
図12aは、実施形態2における露光処理前にコーティング・現像装置内で基板を転送する転送方法を示す。処理対象の基板は、EFEMロボットR10によってEFEM100から取り出されて第1バッファ部241に転送され、続いて基板はコーティングロボットR21によって第1バッファ部241から取り出されてコーティングユニット210に転送される。基板はコーティングユニット210でコーティングおよび熱処理される。コーティングユニット210での処理後、基板はコーティングロボットR21によってコーティングユニット210から取り出され、第2バッファ部251に転送される。基板は第1サイドロボットR1によって第2バッファ部251から取り出されて第1移動搬送部231に転送され、続いて基板は第1移動搬送部231によってインターフェースステーション300に転送される。基板は、インターフェースステーション300に位置するインターフェースロボットR30によって、第1移動搬送部231から取り出されて露光処理のために露光機に送られる。
【0043】
図12bは、実施形態2における露光処理後にコーティング・現像装置内で基板を転送する転送方法を示す。基板の露光処理が完了した後、インターフェースロボットR30は露光機から基板を受け取り、基板を第3バッファ部262に転送する。続いて、現像ロボットR22は第3バッファ部262から基板を取り出し、現像ユニット220に基板を転送する。基板は、現像ユニット220において現像および熱処理される。基板が現像ユニット220で処理された後、現像ロボットR22は基板を現像ユニット220から取り出して第2バッファ部252に転送する。続いて、基板は第2サイドロボットR2によって第2バッファ部252から取り出されて第2移動搬送部232に転送される。第2移動搬送部232は基板をEFEM100に転送する。続いて基板はEFEMに設けられたEFEMロボットR10によって、第2移動搬送部232から取り出され、装着ポート110に設けられた基板カセット120に転送される。
【0044】
装置の接地面積を変更することなく、2つのサイドロボットと一対の移動搬送部とが、コーティングユニットと現像ユニットで処理された後の基板の転送経路が重複しないように設けられる。これにより、サイドロボットと移動搬送部とを共有することによるクロスコンタミネーションを避けることができ、デバイスの転送効率が向上する。
【0045】
実施形態3
図13~
図15を参照すると、実施形態3と実施形態1との違いは次のとおりである。1)コーティングユニット210と現像ユニット220の間に、サイドロボットR0と第2バッファ部(251、252)が設けられず、代わりに、サイドロボットがEFEM100とコーティングユニット210との間に設けられ、また別のサイドロボットが現像ユニット220とインターフェースステーション300との間に設けられる。これらのサイドロボットは第3サイドロボットR3および第4サイドロボットR4とそれぞれ定義される。2)コーティングユニット210と現像ユニット220の上端と下端の間には、一対の移動搬送部、すなわち第1移動搬送部231と第2移動搬送部232が設けられる。第3サイドロボットR3は、コーティングユニット210で処理された基板を第1移動搬送部231に転送するために、または現像ユニット220で処理された基板を第2移動搬送部232から取り出すために使用される。第4サイドロボットR4は、現像ユニット220で処理された基板を第2移動搬送部232に転送するために、またはコーティングユニット210で処理された基板を第1移動搬送部231から取り出すために使用される。実施形態3で提案されるコーティング・現像装置の他の構造は実施形態1とほぼ同じであり、以下では説明しない。
【0046】
実施形態3では、コーティングユニット210と現像ユニット220の間のサイドロボットの取り外しにより、コーティング・現像装置の長さを短縮し、装置の接地面積を減らすことができる。同時に、移動搬送部の移動距離を短縮して転送効率を向上させ、装置全体の運用効率を向上させることができる。
【0047】
図16aは、実施形態3における露光処理前にコーティング・現像装置内で基板を転送する転送方法を示す。処理対象の基板は、EFEMロボットR10によって前端モジュール100から取り出されて第1バッファ部241に転送され、続いて基板はコーティングロボットR21によって第1バッファ部241から取り出されてコーティングユニット210に転送される。基板はコーティングユニット210でコーティングおよび熱処理される。コーティングユニット210での処理後、基板はコーティングロボットR21によってコーティングユニット210から取り出され、第1バッファ部241に転送される。基板は第3サイドロボットR3によって第1バッファ部241から取り出されて第1移動搬送部231に転送され、続いて基板は第1移動搬送部231によってインターフェースステーション300に転送される。基板はインターフェースステーション300に位置するインターフェースロボットR30によって、第1移動搬送部231から直接取り出されて露光処理のために露光機に送られる。または、基板は第4サイドロボットR4によって第1移動搬送部231から取り出されて第3バッファ部261に転送され、続いて基板はインターフェースロボットR30によって第3バッファ部261から取り出されて露光処理のために露光機に送られる。
【0048】
図16bは、実施形態3における露光処理後にコーティング・現像装置内で基板を転送する転送方法を示す。基板の露光処理が完了した後、インターフェースロボットR30は露光機から基板を受け取り、基板を第3バッファ部262に転送する。現像ロボットR22は第3バッファ部262から基板を取り出し、現像ユニット220に転送する。基板は現像ユニット220で現像および熱処理される。続いて、基板は現像ロボット220によって現像ユニット220から取り出され、第3バッファ部262に転送される。基板は第4サイドロボットR4によって第3バッファ部262から取り出されて第2移動搬送部232に転送され、続いて基板は第2移動搬送部232によってEFEM100に転送される。基板はEFEMに設けられたEFEMロボットR10によって、第2移動搬送部232から取り出され、装着ポート110に設けられた基板カセット120に転送される。または、第3サイドロボットR3によって基板は第2移動搬送部232から取り出され、第1バッファ部242に転送され、続いてEFEMロボットR10によって、基板は第1バッファ部242から取り出されて装着ポート110に設けられた基板カセット120に転送される。
【0049】
実施形態4
図17~
図19を参照すると、実施形態4と実施形態1との違いは次のとおりである。1)二つのサイドロボット、すなわち第1サイドロボットR1と第2サイドロボットR2とがコーティングユニット210と現像ユニット220との間に設けられ、二つのサイドロボット、すなわち第3サイドロボットR3と第5サイドロボットR5とがEFEM100とコーティングユニット210との間に設けられ、サイドロボット、すなわち第4サイドロボットR4が現像ユニット220とインターフェースステーション300との間に設けられる。複数のサイドロボットの動作フローは基板の転送処理に関連して後で詳述する。2) コーティングユニット210と現像ユニット220の上端と下端の間には、一対の移動搬送部、すなわち第1移動搬送部231と第2移動搬送部232とが設けられる。第1サイドロボットR1は、コーティングユニット210で処理された基板を第1移動搬送部231に転送するのに用いられる。第2サイドロボットR2は、現像ユニット220で処理された基板を第2移動搬送部232に転送するのに用いられる。第3サイドロボットR3は、現像ユニット220で処理された基板を第2移動搬送部232から取り出すのに用いられる。第4サイドロボットR4は、コーティングユニット210で処理された基板を第1移動搬送部231から取り出すのに用いられる。3)複数の機能モジュールや、機能モジュールの特定のレイアウト及び機能については、以下で詳述する。実施形態4で提案されたコーティング・現像装置の他の構造は、実施形態1とほぼ同じであり、以下では説明しない。
【0050】
機能モジュールは、接着モジュール271と、予冷却モジュール272と、エッジ露光モジュール273と、予備洗浄モジュール274と、後冷却モジュール275と、後洗浄モジュール276とを含む。
【0051】
この実施形態では、EFEM100とコーティングユニット210との間に、複数の垂直に積み重ねられた接着モジュール271と複数の垂直に積み重ねられた予冷却モジュール272とが配置されている。基板が処理のためにコーティングユニット210に送られる前に基板表面に接着用フィルムを形成するために、接着モジュール271が使用される。例えば、HMDSガスを基板表面に吹き付けることで、導電性の基板表面の疎水性を向上させて、フォトレジストと基板の接着性を高めることができる。接着処理後の基板温度は摂氏120~130度と高い。基板は第5サイドロボットR5によって接着モジュール271から予冷却モジュール272に転送され、高温から摂氏22~23度まで冷却される。
【0052】
コーティングユニットで処理された基板をエッジ露光処理するために、複数の垂直に積み重ねられたエッジ露光モジュール273がコーティングユニット210と現像ユニット220との間に配置される。インターフェースステーション300が液浸露光機に接続されている場合、露光処理中の焦点ずれ現象を軽減するために、基板が液浸露光のために露光機に転送される前に、一般的に基板に対して予備洗浄処理を行う必要がある。したがって、実施形態では、コーティングユニット210と現像ユニット220との間に、エッジ露光処理後に基板を洗浄するための、複数の垂直に積み重ねられた予備洗浄モジュール274が配置されている。
【0053】
現像ユニット220とインターフェースステーション300との間には、基板の予備洗浄後に基板を冷却するための複数の後冷却モジュール275が配置されている。さらに、液浸露光処理後の基板は、液浸露光処理後に基板表面に残った液浸液が加熱されることによるフォトレジストの破損を避けるために、現像ユニット220での処理に入る前に洗浄される必要がある。したがって、本実施形態では、現像ユニット220とインターフェースステーション300の間に、液浸露光処理後に基板を洗浄するための複数の垂直に積み重ねられた後洗浄モジュール276が配置されている。
【0054】
図20aは、実施形態4における露光処理前にコーティング・現像装置内で基板を転送する転送方法を示す。EFEMロボットR10は処理対象の基板を第1バッファ部241に転送する。第5サイドロボットR5は第1バッファ部241から基板を取り出して接着モジュール271に転送し、接着処理後に基板を予冷却モジュール272に転送する。コーティングロボットR21は、基板を予冷却モジュール272から取り出し、コーティングユニット210に転送する。基板はコーティングユニット210でコーティングおよび熱処理される。コーティングユニット210で処理された後、コーティングロボットR21は基板を第2バッファ部251に転送する。第1サイドロボットR1は、第2バッファ部251から基板を取り出して、エッジ露光モジュール273に転送し、続いてエッジ露光処理後の基板を予備洗浄モジュール274に転送し、さらに、予備洗浄された基板を第1移動搬送部231に転送する。第1移動搬送部231は基板をインターフェースステーション300に転送する。第4サイドロボットR4は、第1移動搬送部232から基板を取り出し、第3バッファ部261または後冷却モジュール275に転送する。インターフェースロボットR30は、基板を第3バッファ部261または後冷却モジュール275から取り出し、露光処理のために基板を露光機に転送する。
【0055】
図20bは、本実施形態における露光処理後にコーティング・現像装置内で基板を転送する転送方法を示す。インターフェースロボットR30は露光機から露光後の基板を受け取り、第3バッファ部262に転送する。第4サイドロボットR4は、第3バッファ部262から基板を取り出し、露光後の後洗浄のために後洗浄モジュール276に基板を転送し、続いて洗浄された基板を第3バッファ部262に転送する。現像ロボットR22は第3バッファ部262から基板を取り出し、現像ユニット220に転送する。基板は現像ユニット220で現像および熱処理され、その後、現像ロボットR22が現像ユニットで処理された基板を第2バッファ部252に転送する。第2サイドロボットR2は、基板を第2バッファ部252から取り出し、第2移動搬送部232に転送する。第2移動搬送部232は基板をEFEM100に転送する。第3サイドロボットR3は、基板を第2移動搬送部232から取り出し、第1バッファ部242に転送する。EFEMロボットR10は、第1バッファ部242から基板を取り出し、装着ポート110に設けられた基板カセット120に転送する。
【0056】
実施形態1と比較して、実施形態4は、現像ユニット220とインターフェースステーション300の間に積み重ねて設置された二つの一時収納部、すなわち第1一時収納部281と第2一時収納部282とをさらに有する場合がある。第1一時収納部281は、露光処理用に露光機に入るのを待つために、コーティングユニット210で処理された基板を一時的に収納するのに使用される。露光機に利用可能なステーションがある場合、基板は好ましくは第1一時収納部281から取得されて、露光処理のために露光機に送られる。このように、コーティングユニット210で処理された基板を露光機に入る前に一時的に保管することができるので、露光処理のために露光機に入るのを待機する基板を充足でき、これによって露光機の待ち時間を減らして露光機の効率を向上できる。
【0057】
第2一時収納部282は、処理用に現像ユニットに入るのを待つために、露光処理された基板を一時的に収納するのに使用される。現像ユニットに使用されていないステーションがある場合、基板は好ましくは第2一時収納部282から取得されて、処理のために現像ユニットに送られる。よって、露光処理された基板を現像ユニット220に入る前に一時的に保管することができるので、露光処理が完了した基板を露光機から時間通りに送り出すことができ、これによって露光機内での基板の滞留や待ち時間を減らして露光機の効率を向上できる。
【0058】
実施形態5
図21、
図22を参照すると、実施形態5と実施形態1との違いは次のとおりである。1)サイドロボットR0と第2バッファ部(251、252)とがコーティングユニット210と現像ユニット220との間に設けられないが、二つのサイドロボット、すなわち第3サイドロボットR3と第5サイドロボットR5とがEFEM100とコーティングユニット210との間に設けられ、二つのサイドロボット、すなわち第4サイドロボットR4と第6サイドロボットR6とが現像ユニット220とインターフェースステーション300との間に設けられる。複数のサイドロボットの動作フローは基板の転送処理に関連して後で詳述する。2)コーティングユニット210と現像ユニット220の上端と下端の間には、一対の移動搬送部、すなわち第1移動搬送部231と第2移動搬送部232が設けられる。第5サイドロボットR5は、コーティングユニット210で処理された基板を第1移動搬送部231に転送するのに用いられる。第6サイドロボットR6は、コーティングユニット210で処理された基板を第1移動搬送部231から取り出すのに用いられる。第4サイドロボットR4は、現像ユニット220で処理された基板を第2移動搬送部232に転送するのに用いられる。第3サイドロボットR3は、現像ユニット220で処理された基板を第2移動搬送部232から取り出すのに用いられる。3)複数の機能モジュールや、機能モジュールの特定のレイアウト及び機能については、以下で詳述する。実施形態5で提案されるコーティング・現像装置の他の構造は実施形態1とほぼ同じであり、以下では説明しない。
【0059】
機能モジュールは、接着モジュール271と、予冷却モジュール272と、エッジ露光モジュール273と、予備洗浄モジュール274と、後冷却モジュール275と、後洗浄モジュール276とを含み、各機能モジュールの機能は実施形態4と同じである。この実施形態では、EFEM100とコーティングユニット210との間に、複数の垂直に積み重ねられた接着モジュール271と複数の垂直に積み重ねられた予冷却モジュール272とが配置されている。現像ユニット220とインターフェースステーション300との間に、複数の垂直に積み重ねられたエッジ露光モジュール273と、複数の垂直に積み重ねられた予備洗浄モジュール274と、複数の垂直に積み重ねられた後冷却モジュール275と、複数の垂直に積み重ねられた後洗浄モジュール276とが配置されている。他の実施形態では、EFEM100とコーティングユニット210の間に、複数の垂直に積み重ねられたエッジ露光モジュール273と複数の垂直に積み重ねられた予備洗浄モジュール274とが配置されてもよい。
【0060】
図23aは、実施形態5における露光処理前にコーティング・現像装置内で基板を転送する転送方法を示す。EFEMロボットR10は、処理対象の基板を第1バッファ部241に転送する。第5サイドロボットR5は第1バッファ部241から基板を取り出して接着モジュール271に転送し、接着処理後に基板を予冷却モジュール272に転送する。コーティングロボットR21は、基板を予冷却モジュール272から取り出し、コーティングユニット210に転送する。基板はコーティングユニット210でコーティングおよび熱処理される。コーティングロボットR21は、コーティングユニット210で処理された基板を第1バッファ部241に転送する。第5サイドロボットR5は、基板を第1バッファ部241から取り出し、第1移動搬送部231に転送する。第1移動搬送部231は基板をインターフェースステーション300に転送する。第6サイドロボットR6は、第1移動搬送部231から基板を取り出して、エッジ露光モジュール273に転送し、続いてエッジ露光処理後の基板を予備洗浄モジュール274に転送し、さらに、予備洗浄された基板を第3バッファ部261または後冷却モジュール275に転送する。インターフェースロボットR30は、基板を第3バッファ部261または後冷却モジュール275から取り出し、露光処理のために基板を露光機に転送する。
【0061】
図23bは、実施形態5における露光処理後にコーティング・現像装置内で基板を転送する転送方法を示す。基板の露光処理が完了した後、インターフェースロボットR30は露光機から基板を受け取り、基板を第3バッファ部262に転送する。第4サイドロボットR4は、第3バッファ部262から基板を取り出し、露光後の後洗浄のために後洗浄モジュール276に基板を転送し、続いて洗浄された基板を第3バッファ部262に転送する。現像ロボットR22は、基板を第3バッファ部262から取り出し、現像ユニット220に転送する。基板は現像ユニット220で現像および熱処理される。現像ロボットR22は、現像ユニット220で処理された基板を第3バッファ部262に転送する。第4サイドロボットR4は、基板を第3バッファ部262から取り出し、第2移動搬送部232に転送する。第2移動搬送部232は基板をEFEM100に転送する。第3サイドロボットR3は、基板を第2移動搬送部232から取り出し、第1バッファ部242に転送する。EFEMロボットR10は、第1バッファ部242から基板を取り出し、装着ポート110に設けられた基板カセット120に転送する。
【0062】
第1一時収納部281と第2一時収納部282とは実施形態5に同様に適用可能である。
【0063】
実施形態6
図24は、本発明の実施形態6のコーティング・現像装置の断面図を示す。実施形態6と実施形態5との違いは次のとおりである。1)コーティングユニット210は二列の垂直に積み重ねられたコーティングモジュール211を有し、各列には五つのコーティングモジュール211が設けられ、現像ユニット220は二列の垂直に積み重ねられた現像モジュール221を有し、各列には五つの現像モジュール221が設けられている。2)複数のフォトレジストタンク280と複数のフォトレジストポンプ(図示せず)とがさらにコーティング・現像装置に統合されており、フォトレジストタンク280はフォトレジストを貯蔵し、フォトレジストタンク280からフォトレジストポンプを通じてフォトレジストがコーティングモジュール211に供給される。フォトレジストタンク280は移動搬送部(231, 232)の転送方向の一方側に配置されており、フォトレジストポンプはEFEM100とコーティングユニット210との間に配置されている(図示せず)。実施形態6で提案されるコーティング・現像装置の他の構造や部材の番号は実施形態5とほぼ同じであり、以下では説明しない。
【0064】
実施形態6の機能モジュールは
図24には示されない。実施形態6の機能モジュールの具体的なレイアウト及び機能については実施形態5を参照されたい。
【0065】
他の実施形態では、フォトレジストタンクとフォトレジストポンプが、例えば外部キャビネットなど、コーティング・現像装置の外側に配置されてもよい。
【0066】
本発明のコーティング・現像装置と基板転送方法は、コーティングモジュールと現像モジュールとをそれぞれ垂直方向に並べるレイアウトを採用しており、コーティングと現像の処理雰囲気は互いに対して完全に独立なので、環境雰囲気の清潔さの制御がより容易であり、基板の粒子汚染のリスクを低減することができる。一方、横移動を行う移動搬送部が縦移動を行うサイドロボットと協働して、コーティングユニットまたは現像ユニットで処理された基板をインターフェースステーションまたは前端モジュールに転送するので、コーティングユニットまたは現像ユニットにおけるロボットの運用効率が向上し、よって装置全体の運用効率が向上する。
【0067】
上述した実施形態は当業者が本発明を実現又は使用するためのものであり、本発明の本旨及び原理から外れることなく当業者は様々な変更又は修正を行うことができるものであり、上述した実施形態は様々な変更又及び修正がされてよい。したがって、本発明の保護範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の特徴の最大範囲は特許請求の範囲にしたがうべきである。
【国際調査報告】