(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-08
(54)【発明の名称】強化分岐ポリ(ヒドロキシ酸)組成物
(51)【国際特許分類】
C08G 63/02 20060101AFI20240801BHJP
C08L 67/04 20060101ALI20240801BHJP
C08L 63/00 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
C08G63/02
C08L67/04
C08L63/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024512080
(86)(22)【出願日】2022-08-22
(85)【翻訳文提出日】2024-04-22
(86)【国際出願番号】 EP2022073316
(87)【国際公開番号】W WO2023025718
(87)【国際公開日】2023-03-02
(32)【優先日】2021-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512323929
【氏名又は名称】ソルベイ スペシャルティ ポリマーズ ユーエスエー, エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】パウエル, チャド
(72)【発明者】
【氏名】アニム-ダンソ, エマニュエル
(72)【発明者】
【氏名】ベンソン, ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】ブランハム, ケリー ディー.
【テーマコード(参考)】
4J002
4J029
【Fターム(参考)】
4J002BG072
4J002CD012
4J002CD082
4J002CD192
4J002CF181
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4J029FC14
4J029FC29
4J029HA01
4J029HB01
4J029JE152
(57)【要約】
本発明は、機械的特性の改善されたバランスを備えた分岐ポリ(ヒドロキシ酸)ポリマーに関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物であって、
(i)ただ1つのヒドロキシル基及びただ1つのカルボン酸基を有する少なくとも1種のヒドロキシ酸[ヒドロキシ酸(A)]と;
(ii)任意選択的に、1つ又は2つのカルボン酸基を有し、ヒドロキシル基を含まない少なくとも1種のカルボン酸[酸(C)]と、
(iii)
- 少なくとも1つのエポキシ官能基を含有する化合物、好ましくはエポキシシラン及びポリエポキシドからなる群から選択される化合物;並びに
- 少なくとも3つのヒドロキシル基を含み、カルボン酸基を含まない少なくとも1種のポリオール[ポリオール(H)]、及び少なくとも2つのカルボン酸基を含み、ヒドロキシル基を含まない少なくとも1種のポリ酸[ポリ酸(O)]を含む混合物;並びに
- 少なくとも3つのヒドロキシル基を含み、カルボン酸基を含まない少なくとも1種のポリオール[ポリオール(H)]、及び1つ又は2つのヒドロキシル基を含み、カルボン酸基を含まない少なくとも1種のアルコール[アルコール(AO)]を含む混合物
からなる群から選択される、ヒドロキシ酸(A)及び酸(C)とは異なる少なくとも1種の多官能性反応物質[反応物質(F)]と
を含むモノマー混合物の重縮合反応から得られる分岐ポリ(ヒドロキシ酸)ポリマー[ポリマー(HAP)]と、
ポリマー(HAP)及び試剤(CE)の総合重量に対して0.01~1.00重量%未満の量での、エポキシ官能基を含み、2以上の数平均官能価を有する鎖延長剤[試剤(CE)]と
を含む組成物。
【請求項2】
ポリマー(HAP)は、グリコール酸である少なくとも1種のヒドロキシ酸(A)と、少なくとも3つのヒドロキシル基を含む少なくとも1種のポリオール(H)及び少なくとも3つのカルボン酸基を含む少なくとも1種のポリ酸(O)を含む混合物である反応物質(F)とを含むモノマー混合物の重縮合反応から得られる、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
ポリマー(HAP)は、グリコール酸である少なくとも1種のヒドロキシ酸(A)と;任意選択的に少なくとも1種の酸(C)と;少なくとも3つのヒドロキシル基を含む少なくとも1種のポリオール(H)、少なくとも3つのカルボン酸基を含む少なくとも1種のポリ酸(O)を含む混合物から選択される少なくとも1種の反応物質(F)とを含むモノマー混合物の重縮合反応から得られ、且つ、存在する場合、酸(C)の量は、そのカルボン酸基の数がヒドロキシ酸(A)のヒドロキシル基の数に対して0.0001~0.010%に含まれるようなものである、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
ポリマー(HAP)は、グリコール酸と;任意選択的に、グリコール酸とは異なる、グリコール酸及びヒドロキシ酸(A)のモルの合計に対して、最大でも5モル%の量での少なくとも1種のヒドロキシ酸(A)と;任意選択的に、1つのカルボン酸基を有する少なくとも1種のカルボン酸(C)と;少なくとも3つのヒドロキシル基を含む少なくとも1種のポリオール(H)及び2つの芳香族カルボン酸基を含む芳香族酸から選択される少なくとも1種のポリ酸(O)を含む混合物から選択される少なくとも1種の反応物質(F)とを含むモノマー混合物の重縮合反応から得られ、且つ:ポリオール(H)の量は、そのヒドロキシル基の数が、グリコール酸及び、存在する場合、前記ヒドロキシ酸(A)のカルボキシル基の総数に対して0.050~1.200%に含まれるようなものであり;ポリ酸(O)の量は、そのカルボン酸基の数が、グリコール酸の及び、存在する場合、前記ヒドロキシ酸(A)のヒドロキシル基の総数に対して0.050~0.750%に含まれるようなものであり;存在する場合、酸(C)の量は、そのカルボン酸基の数が、グリコール酸の及び、存在する場合、前記ヒドロキシ酸(A)のヒドロキシル基の総数に対して0.0001~0.010%に含まれるようなものである、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
ポリマー(HAP)は、グリコール酸と;任意選択的に、グリコール酸とは異なる少なくとも1種のヒドロキシ酸(A)(ここで、ヒドロキシ酸(A)のモル量は、グリコール酸及びヒドロキシ酸(A)のモルの合計に対して最大でも5モル%である)と;任意選択的に、少なくとも1種のカルボン酸(C)と;任意選択的に、少なくとも1種のポリ酸(O)と;少なくとも1種のポリオール(H)及び少なくとも1種のアルコール(AO)を含む混合物から選択される少なくとも1種の反応物質(F)との重縮合反応から得られる組成物であって、ポリ酸(O)の量が、そのカルボン酸基の数が、グリコール酸の及び、存在する場合、前記ヒドロキシ酸(A)のヒドロキシル基の総数に対して0.025~1.200%に含まれるようなものである、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
試剤(CE)は、ジ-若しくはポリカルボン酸のジ-若しくはポリグリシジルエステル、ジ-若しくはポリオールのジ-若しくはポリグリシジルエーテル、ポリ(エチレン-co-グリシジルメタクリレート)コポリマー、ポリ(エチレン-co-メチル(メタ)アクリレート-co-グリシジルアクリレート)コポリマー、ポリ(エチレン-co-n-ブチルアクリレート-co-グリシジルアクリレート)コポリマー、スチレンとグリシジル(メタ)アクリレートとのコポリマーからなる群から選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
試剤(CE)は、(i)少なくとも1種のエポキシ官能性(メタ)アクリルモノマーと;(ii)少なくとも1種のスチレン系及び/又は(メタ)アクリルモノマーとの重合生成物からなる群から選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
ポリマー(HAP)及び試剤(CE)の総合重量に対して0.05~0.95重量%の試剤(CE)を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に定義されたような、試剤(CE)に由来する単位に共有結合したポリマー(HAP)を含む骨格を含む、鎖延長ポリマー[ポリマー(CEHAP)]であって、試剤(CE)に由来する単位の量が、ポリマー(CEHAP)の重量を基準として0.01~1.00重量%未満であるポリマー(CEHAP)。
【請求項10】
溶融ポリマー(HAP)と、ポリマー(HAP)及び試剤(CE)の総合重量に対して0.01~1.00重量%未満の試剤(CE)とを反応させることを含むポリマー(CEHAP)の調製方法。
【請求項11】
押出機において行われ、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物を前記押出機に供給することか、又はポリマー(HAP)及び試剤(CE)を別々に前記押出機に供給することかのいずれかを含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
請求項1に定義されたような、(i)少なくとも1種のヒドロキシ酸(A)と、(ii)任意選択的に少なくとも1種の酸(C)と、(iii)少なくとも1種の多官能性反応物質(F)とを溶融状態で重縮合させてプレポリマーを形成する第1のステップと、固相重合(SSP)の第2のステップとを含むポリマー(CEHAP)の調製方法であって、試剤(CE)が、第1の重縮合ステップ中か、又は第2の固相重合ステップ中かのいずれかでポリマー(HAP)及び試剤(CE)の総合重量に対して0.01~1.0重量%未満の量で添加される方法。
【請求項13】
請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物又は請求項9に記載のポリマー(CEHAP)を含む物品。
【請求項14】
ボトル、炭化水素資源回収用の物品、好ましくはダウンホールツール若しくはダウンホールツール部材、包装用フィルム、生理用品、使い捨てポッド、電子用途向け構造用部品又は生物医学物品である、請求項13に記載の物品。
【請求項15】
請求項13~14のいずれか一項に記載の物品の製造方法であって、前記方法が、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物又は請求項9に定義されるようなポリマー(CEHAP)の溶融加工及び射出成形又は押出加工を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年8月25日出願の米国仮特許出願第63/236825号に対する優先権を主張するものであり、この出願の全内容は、あらゆる目的のために参照により本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、高い弾性率及び高い延性に恵まれた、ポリ(ヒドロキシ酸)(PHA)組成物、具体的にはポリ(グリコール酸)(PGA)に関する。
【背景技術】
【0003】
ポリ(グリコール酸)(PGA)は、生分解性と相まってその優れた機械的特性及びバリア性のために消費者、石油ガス、及び生物医学用途における多数の用途向けに高い関心のあるポリマーである。
【0004】
石油ガス用途において、PGAは、典型的には、掘削及びフラッキング操作中にダウンホールツール又はダウンホールツール部材として用いられている。強度及び分解性により、材料がプロセスにおいて一時的な役割を果たし、ドリルアウトの必要なしに分解してなくなることを可能にする。
【0005】
しかしながら、PGAの主な欠点の一つは、その低い延性であり、したがって、これらの要求の厳しい用途でのその使用の可能性が制限される。
【0006】
欧州特許出願公開第3088657A1号明細書(株式会社クレハ)は、厳しい条件下での十分な機械的強度並びに高度の耐衝撃性を有するダウンホールツール又はダウンホールツール部材を開示しており、前記ダウンホールツール又はダウンホールツール部材は、PGA、PLA、及びグリコール酸-乳酸コポリマー(PGLA)からなる群から好ましくは選択される、分解性樹脂と、強靱性向上剤とを含む組成物でできている。この組成物は、鎖延長剤をさらに含んでもよく、そのような場合、組成物は、60~98.8質量%の分解性樹脂と、1~37質量%の強靭性向上剤と、0.2~3質量%の鎖延長剤とを含有し、分解性樹脂と、強靭性向上剤と鎖延長剤との合計は100質量%である。鎖延長剤は、オキサゾリン化合物、イソシアネート化合物、カルボジイミド化合物、カルボジイミド変性イソシアネート化合物、脂肪酸ビスアミド化合物、アルキル置換脂肪酸モノアミド化合物、トリアジン骨格を有する1~3官能性グリシジル変性化合物、エポキシ化合物、酸無水物、オキサジン化合物、ケテン化合物等であり得;オキサゾリン化合物及びイソシアネート化合物が好ましい。欧州特許出願公開第3088657A1号明細書は、分岐PGA又は分岐PGAコポリマーを含む組成物を開示していない。
【0007】
国際公開第2020087205A1号パンフレット(Pujing Chemical Ind Co Ltd)は、異なる性質の共有結合によって一緒に結合している、1~1500単位の長さを有するPGAのブロックと、脂肪族及び/又は芳香族ポリマーのブロックとを含むポリグリコリドコポリマーに関する。前記コポリマーは、グリコリドを開環重合すること及びそれを、イソシアネート、酸塩化物、オキサゾリル、オキサゾリン、酸無水物、エポキシ基又はアミン基を有する添加物と共に押し出す/粒状化することによって調製され得る。ポリグリコリドブロックの構造は線状であると考えられている。
【0008】
ある種の分岐ポリ(ヒドロキシ酸)ポリマーの延性並びに引張破断点伸びは、少ない量の選り抜きの鎖延長剤の組み入れによって未変性樹脂の高い引張及び曲げ弾性率を維持しながら成功裏に高めることができることが今見いだされた。結果として生じる組成物は、先行技術の線状鎖延長ポリマーよりもそれらを有利なものにする、機械的特性並びに溶解特性の良好なバランスを有する。
【発明の概要】
【0009】
本発明の目的は、分岐ポリ(ヒドロキシ酸)ポリマー、本明細書では以下[ポリマー(HAP)]と、エポキシ官能基を有し、2以上の数平均官能価を有する0.01~1.00重量%未満の鎖延長剤[試剤CE]]とを含む組成物である。
【0010】
分岐ポリ(ヒドロキシ酸)ポリマーは、
(i)ただ1つのヒドロキシル基及びただ1つのカルボン酸基を有する少なくとも1種のヒドロキシ酸[ヒドロキシ酸(A)]と;
(ii)任意選択的に、1つ又は2つのカルボン酸基を有し、ヒドロキシル基を含まない少なくとも1種のカルボン酸[酸(C)]と、
(iii)
- 少なくとも1つのエポキシ官能基を含有する化合物、好ましくはエポキシシラン及びポリエポキシドからなる群から選択される化合物;
- 少なくとも3つのヒドロキシル基を含み、カルボン酸基を含まない少なくとも1種のポリオール[ポリオール(H)]、及び少なくとも2つのカルボン酸基を含み、ヒドロキシル基を含まない少なくとも1種のポリ酸[ポリ酸(O)]を含む混合物;並びに
- 少なくとも3つのヒドロキシル基を含み、カルボン酸基を含まない少なくとも1種のポリオール[ポリオール(H)]、及び1つ又は2つのヒドロキシル基を含み、カルボン酸基を含まない少なくとも1種のアルコール[アルコール(AO)]を含む混合物
からなる群から選択される、ヒドロキシ酸(A)及び酸(C)とは異なる少なくとも1種の多官能性反応物質[反応物質(F)]と
を含むモノマー混合物の重縮合反応から得られる。
【0011】
本発明のさらなる目的は、鎖延長剤、試剤(CE)に由来する単位に共有結合した、分岐ポリ(ヒドロキシ酸)ポリマー、ポリマー(HAP)の骨格を含む、鎖延長ポリマー[ポリマー(CEHAP)]である。試剤(CE)に由来する単位の量は、ポリマー(CEHAP)の総重量を基準として0.01~1.00重量%未満である。
【0012】
鎖延長ポリマー(CEHAP)は、典型的には、ポリマー(HAP)と試剤(CE)との反応によって得られる。反応は、典型的には、ポリマー(HAP)の溶融相で行われる。典型的には、反応は押出機中で行われる。
【0013】
鎖延長ポリマー(CEHAP)は、ボトル、炭化水素資源回収用の物品、例えばダウンホールツール若しくはダウンホールツール部材など、包装用フィルム、生理用品、使い捨てポッド、電子用途向け構造用部品又は生物医学物品などの、物品へと成形され得る。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本説明の目的のためには:
- 化合物、化学式又は式の一部を特定する記号又は数字の前後の括弧の使用は、それらの記号又は数字を本文の残りの部分からより良く区別する目的を有するにすぎず、これ故に、前記括弧は省略することもでき;
- 数値範囲が示されている場合、範囲の端点は含まれる。
【0015】
分岐ポリ(ヒドロキシ酸)ポリマー、ポリマー(HAP)
ヒドロキシ酸(A)
重縮合することができる、すなわち、縮合、すなわち、水を除去しながらのモノマーの鎖付加によって高分子を形成することができる任意のヒドロキシ酸を、ヒドロキシ酸(A)として使用することができる。例としては、グリコール酸、乳酸、3-ヒドロキシ酪酸、4-ヒドロキシ酪酸、4-ヒドロキシ吉草酸、5-ヒドロキシ吉草酸、6-ヒドロキシカプロン酸が挙げられる。一般に、第一級アルコールを有するヒドロキシ酸が、それらがより反応性が高いので好ましい。
【0016】
好ましくは、ヒドロキシ酸(A)は、グリコール酸、乳酸(L若しくはD異性体、ラセミ混合物でか、又は単一異性体としてかのどちらかでの)、及びそれらの混合物からなる群から選択される。グリコール酸が特に好ましい。
【0017】
ヒドロキシ酸(A)は、グリコール酸からなってもよい。或いは、ヒドロキシ酸(A)は、グリコール酸と、グリコール酸とは異なる少なくとも1種のヒドロキシ酸(A)とを含んでもよい。前記の代替の変形において、グリコール酸は、好ましくは、ヒドロキシ酸(A)の総量の少なくとも50モル%、好ましくは少なくとも70モル%、さらには少なくとも95モル%である。存在する場合、グリコール酸とは異なるヒドロキシ酸(A)の量は、グリコール酸及びヒドロキシ酸(A)のモルの合計に対して、最大でも5モル%、一般的には最大でも4モル%、好ましくは最大でも3モル%であり;及び/又は前記量は、0.1モル%程度の低量であることができる。
【0018】
酸(C)
酸(C)は、1つ又は2つのカルボン酸基を有し、ヒドロキシル基を含まないカルボン酸の中から選択される。炭素原子の総数が少なくとも4つ、好ましくは少なくとも5つ、より好ましくは少なくとも6つである酸(C)を使って、より良好な結果が得られることは一般に理解されている。一般に、酸(C)は、4~36個の炭素原子、好ましくは6~24個の炭素原子を有する。
【0019】
酸(C)として有利に使用することができる、1つのカルボン酸基を有するカルボン酸の中で、とりわけ、カプリル酸[CH3(CH2)6-COOH]、カプリン酸[CH3(CH2)8-COOH]、ウンデカン酸[CH3(CH2)9-COOH]、ドデカン酸つまりラウリン酸[CH3(CH2)10-COOH]、トリデカン酸[CH3(CH2)11-COOH]、テトラデカン酸つまりミリスチン酸[CH3(CH2)12-COOH]、ペンタデカン酸[CH3(CH2)13-COOH]、ヘキサデカン酸つまりパルミチン酸[CH3(CH2)14-COOH]、オクタデカン酸つまりステアリン酸[CH3(CH2)16-COOH]、アラキジン酸[CH3(CH2)18-COOH]、ベヘン酸[CH3(CH2)20-COOH]などの脂肪酸を挙げることができる。特に良好な結果をもたらすことが示されている脂肪酸(C)はステアリン酸であり、これ故にステアリン酸が特に好ましい。
【0020】
酸(C)が芳香族モノカルボン酸である場合、それは、有利には、安息香酸、ナフトエ酸及びフェニル酢酸からなる群から選択される。
【0021】
酸(C)として有利に使用することができるジカルボン酸の中で、コハク酸[HOOC-(CH2)2-COOH]、グルタル酸[HOOC-(CH2)3-COOH]、2,2-ジメチル-グルタル酸[HOOC-C(CH3)2-(CH2)2-COOH]、アジピン酸[HOOC-(CH2)4-COOH]、2,4,4-トリメチル-アジピン酸[HOOC-CH(CH3)-CH2-C(CH3)2-CH2-COOH]、ピメリン酸[HOOC-(CH2)5-COOH]、スベリン酸[HOOC-(CH2)6-COOH]、アゼライン酸[HOOC-(CH2)7-COOH]、セバシン酸[HOOC-(CH2)8-COOH]、ウンデカン二酸[HOOC-(CH2)9-COOH]、ドデカン二酸[HOOC-(CH2)10-COOH]、テトラドデカン二酸[HOOC-(CH2)11-COOH]、オクタドデカン二酸[HOOC-(CH2)16-COOH]を挙げることができる。
【0022】
多官能性反応物質(F)
少なくとも1つのエポキシ官能基を含有する化合物
少なくとも1つのエポキシ官能基を含有する好適な化合物の注目に値する非限定的な例は、エポキシシラン、特に、グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン又はポリエポキシドからなる群から選択される。ポリエポキシドの中で、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(BADGE)又はエポキシ化大豆油若しくはエポキシ化アマニ油などのエポキシ化油が挙げられ得る。
【0023】
少なくとも1種のポリオール(H)及び少なくとも1種のポリ酸(O)を含む混合物
ポリオール(H)
ポリオール(H)の選択は、特に限定されない:少なくとも3つのヒドロキシル基を含み、且つカルボン酸基を含まない任意のポリオールが、分岐ポリ(ヒドロキシ酸)の調製に使用され得る。
【0024】
ポリオール(H)は、
- 特に、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、2,3-ジ(2’-ヒドロキシエチル)-シクロヘキサン-1-オール、ヘキサン-1,2,6-トリオール、1,1,1-トリス(ヒドロキシメチル)エタン、3-(2’-ヒドロキシエトキシ)プロパン-1,2-ジオール、3-(2’-ヒドロキシプロポキシ)-プロパン-1,2-ジオール、2-(2’-ヒドロキシエトキシ)-ヘキサン-1,2-ジオール、6-(2’ヒドロキシプロポキシ)-ヘキサン-1,2-ジオール、1,1,1-トリス-[(2’-ヒドロキシエトキシ)-メチルエタン、1,1,1-トリス-[(2’-ヒドロキシプロポキシ)-メチル-プロパン、1,1,1-トリス-(4’-ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1-トリス-(ヒドロキシフェニル)-プロパン、1,1,5-トリス-(ヒドロキシフェニル)-3-メチルペンタン、トリメチロールプロパンエトキシレート、トリメチロールプロパンプロポキシレート、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンからなる群から選択される、トリオール;
- 特に、ジグリセロール、ジ(トリメチロールプロパン)、ペンタエリスリトール、1,1,4-トリス-(ジヒドロキシフェニル)-ブタンからなる群から選択される、テトラオール;
- 5つのヒドロキシル基を含むポリオール、特にトリグリセロール;
- 6つのヒドロキシル基を含むポリオール、特にジペンタエリスリトール;及び
- 8つのヒドロキシル基を含むポリオール、特にトリペンタエリスリトール
からなる群から選択することができる。
【0025】
好ましいポリオール(H)は、トリオール及びテトラオールである。本発明の枠内で特に良好な結果をもたらすことが分かっているポリオール(H)は、トリメチロールプロパンである。
【0026】
ポリ酸(O)
ポリ酸(O)は、少なくとも2つのカルボン酸基を含み、ヒドロキシル基を含まない任意のポリ酸であることができる。ポリ酸(O)は、酸(C)が存在する場合、これとは異なる。
【0027】
ポリ酸(O)は、少なくとも2つのカルボン酸基、特に2、3又は4つのカルボン酸基を含む。
【0028】
ポリ酸(O)は、脂肪族ポリカルボン酸、脂環式ポリカルボン酸及び芳香族ポリカルボン酸の中から選択することができる。
【0029】
脂肪族ポリカルボン酸の例は、プロパン1,2,3-トリカルボン酸(トリカルバリル酸としても知られる);エタン-1,1,2,2テトラカルボン酸;ブタン-1,2,3,4テトラカルボン酸;ペンタン-1,2,4,5-テトラカルボン酸である。それらの中で、ブタン-1,2,3,4テトラカルボン酸が好ましい。
【0030】
脂環式ポリカルボン酸の例は、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸;2,2,6,6-テトラ-(カルボキシエチル)シクロヘキサノン;(+)-(18-クラウン-6)-2,3,11,12-テトラカルボン酸;シクロペンタン-1,2,3,4テトラカルボン酸;シクロヘキサン-1,2,4,5テトラカルボン酸;シクロヘキサン-2,3,5,6テトラカルボン酸;3-エチルシクロヘキサン-1,2,4,5テトラカルボン酸;1-メチル-3-エチルシクロヘキサン-3-(1,2)5,6テトラカルボン酸;1-エチルシクロヘキサン-1-(1,2),3,4テトラカルボン酸;1-プロピルシクロヘキサン-1-(2,3),3,4テトラカルボン酸;1,3-ジプロピルシクロヘキサン-1-(2,3),3-(2,3)テトラカルボン酸;ジシクロヘキシル-3,4,3’,4’テトラカルボン酸である。
【0031】
芳香族ポリカルボン酸の例は、イソフタル酸及びテレフタル酸などの、フタル酸、2,5-ピリジンジカルボン酸、2,4-ピリジンジカルボン酸、3,5-ピリジンジカルボン酸、2,2-ビス(4-カルボキシフェニル)プロパン、ビス(4-カルボキシフェニル)メタン、2,2-ビス(4-カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(4-カルボキシフェニル)ケトン、4,4’-ビス(4-カルボキシフェニル)スルホン、2,2-ビス(3-カルボキシフェニル)プロパン、ビス(3-カルボキシフェニル)メタン、2,2-ビス(3-カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(3-カルボキシフェニル)ケトン、ビス(3-カルボキシフェノキシ)ベンゼン、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、2,3-ナフタレンジカルボン酸、1,8-ナフタレンジカルボン酸などの、ナフタレンジカルボン酸である。
【0032】
3つ以上のカルボン酸基を有する芳香族カルボン酸の中で、ピロメリット酸(1,2,4,5-ベンゼンテトラカルボン酸);トリメシン酸(1,3,5-ベンゼントリカルボン酸);トリメリット酸(1,3,4-ベンゼントリカルボン酸);ベンゾフェノン-3,3’,4,4’-テトラカルボン酸;テトラヒドロフラン-2,3,4,5-テトラカルボン酸;4,4’-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸;4,4’-オキシジフタル酸無水物;4,4’-(4,4’-イソプロピリデンジフェノキシ)ビス(フタル酸);3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸;2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸;2,2’,3,3’-ビフェニルテトラカルボン酸;1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボン酸;2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸;ペリレン-3,4,9,10テトラカルボン酸;プロパン-2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)酸;エタン1,1-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)酸;エタン1,1-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)酸;フェナンスレン-1,8,9,10-テトラカルボン酸;テトラヒドロフラン-2,3,4,5-テトラカルボン酸;3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸;2,2’,3,3’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸;2,3,5,6-ピリジンテトラカルボン酸;3,3’,4,4’-テトラフェニルシランテトラカルボン酸;2,2’-ビス-(3,4-ビカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンテトラカルボン酸;2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン酸;4,4’-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸;3,3’,4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸;エチレングリコールビストリメリット酸;ヒドロキノンジフタル酸;ピラジン-2,3,5,6-テトラカルボン酸;チオフェン-2,3,4,5-テトラカルボン酸が挙げられ得る。
【0033】
本発明の枠内で特に良好な結果をもたらすことが分かっているポリ酸(O)は、フタル酸、特にイソフタル酸、トリカルバリル酸、1,2,4,5-ベンゼンテトラカルボン酸及びブタン-1,2,3,4テトラカルボン酸である。トリカルバリル酸及びイソフタル酸が特に好ましい。
【0034】
少なくとも1種のポリオール(H)及び少なくとも1種のアルコール(AO)を含む混合物
ポリオール(H)は、上に詳述された通りである。
【0035】
アルコール(AO)
アルコール(AO)は、1つのヒドロキシル基を含むモノアルコール(MO)、2つのヒドロキシル基を含むジオール(D)、又はモノアルコール(MO)とジオール(D)との混合物であることができる。
【0036】
アルコール(AO)がモノアルコール(MO)である場合、それは、脂肪族又は芳香族モノアルコールから選択することができる。
【0037】
モノアルコール(MO)は、有利には少なくとも90℃の、好ましくは少なくとも100℃、より好ましくは少なくとも125℃の、最も好ましくは少なくとも150℃の、大気圧での沸点で特徴付けられる。
【0038】
脂肪族モノアルコール(MO)は、有利には、下式:
RHm-OH
(式中、RHmは、1個若しくは2個以上の炭素原子を有する、特に3個以上の炭素原子を有する一価の脂肪族基である)
の脂肪族モノアルコールである。
【0039】
長鎖脂肪族モノアルコール、すなわち、炭素原子の総数が有利には少なくとも6である脂肪族モノアルコール(MO)を使ってより良好な結果が得られることは一般に理解されている。脂肪族モノアルコール(MO)は、好ましくは6~36個の炭素原子、より好ましくは6~24個の炭素原子を有する。
【0040】
本発明において有利に使用することができる脂肪族モノアルコール(MO)の中で、とりわけ、1-ヘキサノール[CH3(CH2)5-OH]、1-ドデカノール[CH3(CH2)11-OH]、1-ヘキサデカノールつまりセチルアルコール[CH3(CH2)15-OH]、1-オクタデカノールつまりステアリルアルコールCH3(CH2)17-OH]、アラキジルアルコールCH3(CH2)18-OH]、1-ドコサノールつまりベヘニルアルコール[CH3(CH2)21-OH]、シクロヘキサノール及びメントールを挙げることができる。
【0041】
モノアルコール(MO)が芳香族モノアルコールである場合、それは、有利には、フェノール、クレゾール、ナフトール、ベンジルアルコール、2-フェニルエタノール及び3-フェニルプロパノールからなる群から選択される。
【0042】
モノアルコール(MO)は、好ましくは、ドデカノール、ベンジルアルコール、メントール及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0043】
アルコール(AO)がジオール(D)である場合、ジオール(D)は、有利には少なくとも100℃の、好ましくは少なくとも150℃の、より好ましくは少なくとも200℃の、最も好ましくは少なくとも230℃の、大気圧での沸点で特徴付けられる。
【0044】
好適なジオール(D)の非限定的な例は、とりわけ、エチレングリコール、2,2-ジメチルプロパン-1,3-ジオール、ペンタン-1,2-ジオール、ペンタン-1,5-ジオール、ヘキサン-1,2-ジオール、ヘプタン-1,2-ジオール、ジエチレングリコール、ヘキサン-1,6-ジオール、ヘプタン-1,7-ジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、シス1,2-シクロヘキサンジオール、トランス1,2-シクロヘキサンジオール、ポリエーテルポリオールジオール Dianol(登録商標)220、1,4-シクロヘキサンジメタノール、イソソルビド、イソイジド、ドデカン1,12ジオール、及びそれらの混合物である。
【0045】
ジオール(D)は、好ましくは、ジエチレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、イソソルビド、イソイジド、ドデカン1,12-ジオール、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0046】
ジオール(D)は、より好ましくは、ジエチレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0047】
特に良好な結果をもたらすことが示されているジオール(D)は、1,4-シクロヘキサンジメタノールであり、これ故にそれが最も特に好ましく、1,4-シクロヘキサンジメタノールのシス/トランス異性体混合物(CAS番号105-08-8)が非常に特に好ましい。
【0048】
アルコール(AO)は、好ましくは、ジエチレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、イソソルビド、イソイジド、ドデカン1,12-ジオール、ドデカノール、ベンジルアルコール、メントール及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0049】
本発明の組成物に使用される分岐ポリ(ヒドロキシ酸)ポリマーは、
(i)ただ1つのヒドロキシル基及びただ1つのカルボン酸基を有する少なくとも1種のヒドロキシ酸[ヒドロキシ酸(A)]と;
(ii)任意選択的に、1つ又は2つのカルボン酸基を有し、ヒドロキシル基を含まない少なくとも1種のカルボン酸[酸(C)]と、
(iii)上で詳述されたような少なくとも1種の多官能性反応物質[反応物質(F)]と
を含むモノマー混合物の重縮合反応から得られる。
【0050】
「分岐ポリマー」という表現は、本明細書では、IUPACによって提供されている意味で、すなわち、その分子が分岐鎖であるポリマーを識別するために使用されている。これに関連して、分岐は、少なくとも1種の多官能性反応物質、反応物質(F)の存在によってポリマー鎖に導入される。
【0051】
本発明の第1の実施形態において、分岐ポリ(ヒドロキシ酸)ポリマーは、少なくとも1種のヒドロキシ酸(A)と、少なくとも1つのエポキシ官能基を含有する化合物、好ましくはエポキシシラン及びポリエポキシドからなる群から選択される化合物からなる群から選択される少なくとも1種の反応物質(F)とを含むモノマー混合物の重縮合反応から誘導される繰り返し単位を含むそれらのポリマーの中から選択され得る。
【0052】
第1の実施形態のポリマーは、例えば、国際公開第2010/112602A1号パンフレットに記載されているものであり、そこに記載されている方法に従って調製することができる。
【0053】
本発明の第2の実施形態において、分岐ポリ(ヒドロキシ酸)ポリマーは、少なくとも1種のヒドロキシ酸(A)と、少なくとも3つのヒドロキシル基を有する少なくとも1種のポリオール(H)及び少なくとも3つのカルボン酸基を有する少なくとも1種のポリ酸(O)を含む混合物から選択される少なくとも1種の反応物質(F)とを含むモノマー混合物の重縮合反応から誘導される繰り返し単位を含むそれらのポリマーの中から選択される。
【0054】
この第2の実施形態において、ヒドロキシ酸(A)は、好ましくは、グリコール酸、乳酸及びそれらの混合物から選択される。より好ましくは、ヒドロキシ酸(A)はグリコール酸である。
【0055】
有利には、少なくとも1種のポリオール(H)と少なくとも1種のポリ酸(O)とを含む混合物は、ペンタエリスリトールとブタンテトラカルボン酸との混合物又はトリメチロールプロパンとトリカルバリル酸との混合物から選択される。
【0056】
第2の実施形態のポリマーは、例えば、国際公開第2010/112602A1号パンフレットに記載されているものであり、そこに記載されている方法に従って調製することができる。
【0057】
本発明の第3の実施形態において、分岐ポリ(ヒドロキシ酸)ポリマーは、少なくとも1種のヒドロキシ酸(A)と、任意選択的に少なくとも1種の酸(C)と、少なくとも3つのヒドロキシル基を含む少なくとも1種のポリオール(H)及び少なくとも3つのカルボン酸基を含む少なくとも1種のポリ酸(O)を含む混合物から選択される少なくとも1種の反応物質(F)とを含むモノマー混合物の重縮合反応から得られるそれらのポリマーの中から選択され得る。特に、分岐ポリ(ヒドロキシ酸)ポリマーは、酸(C)の量が、そのカルボン酸基の数がヒドロキシ酸(A)のヒドロキシル基の数に対して0.0001~0.010%に含まれるようなものであるそれらのポリマーの中から選択され得る。
【0058】
好ましくは、ヒドロキシ酸(A)は、グリコール酸、乳酸及びそれらの混合物から選択される。より好ましくは、ヒドロキシ酸(A)はグリコール酸である。
【0059】
ポリオール(H)は、典型的には、トリオール(特に、トリメチロールプロパン)及びテトラオール(特に、ペンタエリスリトール)の中から選択される。特に良好な結果をもたらすことが分かっているポリオール(H)はトリメチロールプロパンである。
【0060】
特に良好な結果をもたらすことが分かっているポリ酸(O)は、トリカルバリル酸、1,2,4,5-ベンゼンテトラカルボン酸、及びブタン-1,2,3,4テトラカルボン酸であり、トリカルバリル酸が特に好ましい。
【0061】
一般に、第3の実施形態の分岐ポリ(ヒドロキシ酸)ポリマー中のポリ酸(O)の及びポリオール(H)の量は、ヒドロキシ酸(A)1モル当たりのモル数で表される場合、実質的に同様である。ポリ酸(O):ポリオール(H)のモル比は、1.5:1~0.5:1の範囲に、好ましくは1.25:1~0.75:1の範囲に、より好ましくは1.10:1~0.9:1の範囲にある。
【0062】
存在する場合、酸(C)の量は、そのカルボン酸基の数がヒドロキシ酸(A)のヒドロキシル基の数に対して0.0001~0.010%に含まれるようなものである。好ましくは、前記量は、前記酸(C)のカルボン酸基の数がヒドロキシ酸(A)のヒドロキシル基の数に対して少なくとも0.0005%、好ましくは少なくとも0.001%、及び/又はヒドロキシ酸(A)のヒドロキシル基の数に対して最大でも0.010%、好ましくは最大でも0.008%、最も好ましくは最大でも0.007%、さらにより好ましくは最大でも0.006%であるようなものである。
【0063】
酸(C)は、好ましくは、モノカルボン酸である。ステアリン酸が特に好ましい。
【0064】
第3の実施形態のポリマーは、例えば、国際公開第2016173640A1号パンフレットに記載されているものであり、そこに記載されている方法に従って調製することができる。
【0065】
本発明の第4の実施形態において、分岐ポリ(ヒドロキシ酸)ポリマーは、グリコール酸と;任意選択的に、グリコール酸とは異なる、グリコール酸及びヒドロキシ酸(A)のモルの合計に対して、最大でも5モル%の量での、少なくとも1種のヒドロキシ酸(A)と;任意選択的に、1つのカルボン酸基を有する少なくとも1種の酸(C)と;少なくとも3つのヒドロキシル基を含む少なくとも1種のポリオール(H)及び2つの芳香族カルボン酸基を含む芳香族酸から選択される少なくとも1種のポリ酸(O)を含む混合物から選択される少なくとも1種の反応物質(F)とを含むモノマー混合物の重縮合反応から得られるそれらのポリマーの中から選択され得る。特に、ポリオール(H)の量は、そのヒドロキシル基の数がグリコール酸及び、存在する場合、ヒドロキシ酸(A)のカルボキシル基の総数に対して0.050~1.200%に含まれるようなものであり;ポリ酸(O)の量は、そのカルボン酸基の数がグリコール酸の及び、存在する場合、ヒドロキシ酸(A)のヒドロキシル基の総数に対して0.050~0.750%に含まれるようなものであり;存在する場合、酸(C)の量は、そのカルボン酸基の数がグリコール酸の及び、存在する場合、ヒドロキシ酸(A)のヒドロキシル基の総数に対して0.0001~0.010%に含まれるようなものであるそれらのポリマー。
【0066】
ポリオール(H)は、典型的には、トリオール(特に、トリメチロールプロパン)及びテトラオール(特に、ペンタエリスリトール)の中から選択される。好ましくは、ポリオール(H)はトリメチロールプロパンである。
【0067】
2つの芳香族カルボン酸基を含む好適なポリ酸(O)の非限定的な例は、イソフタル酸及びテレフタル酸などの、フタル酸、2,5-ピリジンジカルボン酸、2,4-ピリジンジカルボン酸、3,5-ピリジンジカルボン酸、2,2-ビス(4-カルボキシフェニル)プロパン、ビス(4-カルボキシフェニル)メタン、2,2-ビス(4-カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(4-カルボキシフェニル)ケトン、4,4’-ビス(4-カルボキシフェニル)スルホン、2,2-ビス(3-カルボキシフェニル)プロパン、ビス(3-カルボキシフェニル)メタン、2,2-ビス(3-カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(3-カルボキシフェニル)ケトン、ビス(3-カルボキシフェノキシ)ベンゼン、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、2,3-ナフタレンジカルボン酸、1,8-ナフタレンジカルボン酸などの、ナフタレンジカルボン酸である。フタル酸が一般に好ましい。イソフタル酸は、特に良好な結果をもたらすことが示されている。
【0068】
酸(C)はモノカルボン酸である。ステアリン酸が特に好ましい。
【0069】
第4の実施形態のポリマーは、例えば、国際公開第2018115008A1号パンフレットに記載されているものであり、そこに記載されている方法に従って調製することができる。
【0070】
本発明の第5の実施形態において、分岐ポリ(ヒドロキシ酸)ポリマーは、グリコール酸と;任意選択的に、グリコール酸とは異なる少なくとも1種のヒドロキシ酸(A)(ここで、ヒドロキシ酸(A)のモル量は、グリコール酸及びヒドロキシ酸(A)のモルの合計に対して最大でも5モル%のものである)と;任意選択的に、少なくとも1つの酸(C)(前記酸(C)は1つのカルボン酸基を有する)と;任意選択的に、少なくとも1種のポリ酸(O)と;少なくとも1種のポリオール(H)及び少なくとも1種のアルコール(AO)を含む混合物から選択される少なくとも1種の反応物質(F)とを含むモノマー混合物の重縮合反応から得られるそれらのポリマーの中から選択される。
【0071】
好ましくは、分岐ポリ(ヒドロキシ酸)ポリマーは、グリコール酸と;任意選択的に、グリコール酸とは異なる少なくとも1種のヒドロキシ酸(A)(ここで、ヒドロキシ酸(A)のモル量は、グリコール酸及びヒドロキシ酸(A)のモルの合計に対して最大でも5モル%である)と、少なくとも1種のポリオール(H)と;少なくとも1種のアルコール(AO)、好ましくは、少なくとも1種のジオール(D)とからなるモノマー混合物の重縮合反応から得られる。
【0072】
最も好ましくは、分岐ポリ(ヒドロキシ酸)ポリマーは、グリコール酸と;任意選択的に、グリコール酸とは異なる少なくとも1種のヒドロキシ酸(A)(ここで、ヒドロキシ酸(A)のモル量は、グリコール酸及びヒドロキシ酸(A)のモルの合計に対して最大でも5モル%である)と;少なくとも1種のポリオール(H)と;少なくとも1種のジオール(D)とからなるモノマー混合物の重縮合反応から得られる。
【0073】
ヒドロキシ酸(A)は、有利には、乳酸、3-ヒドロキシ酪酸、4-ヒドロキシ酪酸、4-ヒドロキシ吉草酸、5-ヒドロキシ吉草酸、6-ヒドロキシカプロン酸からなる群から選択され、好ましくは乳酸である。
【0074】
好ましいポリオール(H)は、上記で詳述されたような、トリオール、特にグリセロール、トリメチロールプロパン及びトリメチロールブタンからなる群から選択されるトリオール、並びにテトラオール、特にペンタエリスリトールである。
【0075】
特に良好な結果をもたらすことが分かっているポリオール(H)は、トリメチロールプロパンである。
【0076】
ポリオール(H)は、そのヒドロキシル基の数が、有利には、グリコール酸の及び、存在する場合、ヒドロキシ酸(A)のカルボキシル基の総数に対して0.050~1.200%に含まれるような量で使用される。有利には、ポリオール(H)は、そのヒドロキシル基の数が、グリコール酸の及び、存在する場合、ヒドロキシ酸(A)のカルボキシル基の総数に対して少なくとも0.075%、さらには少なくとも0.100%、好ましくは少なくとも0.120%であるような量で存在する。ポリオール(H)は、そのヒドロキシル基の数が、グリコール酸の及び、存在する場合、ヒドロキシ酸(A)のカルボキシル基の総数に対して最大でも1.000%、さらには最大でも0.750%、好ましくは最大でも0.600%であるような量で存在する。
【0077】
アルコール(AO)がモノアルコール(MO)である場合、それは、好ましくは、ドデカノール、ベンジルアルコール、メントール及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0078】
アルコール(AO)がジオール(D)である場合、ジオール(D)は、好ましくは、ジエチレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、イソソルビド、イソイジド、ドデカン1,12-ジオール及びそれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくはジエチレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0079】
特に良好な結果をもたらすことが示されているジオール(D)は、1,4-シクロヘキサンジメタノールであり、これ故にそれが最も特に好ましく、1,4-シクロヘキサンジメタノールのシス/トランス異性体混合物(CAS番号105-08-8)が非常に特に好ましい。
【0080】
アルコール(AO)は、好ましくは、ジエチレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、イソソルビド、イソイジド、ドデカン1,12-ジオール、ドデカノール、ベンジルアルコール、メントール及びそれらの混合物から選択される。
【0081】
アルコール(AO)は、より好ましくはジオール(D)であり、それは、好ましくは少なくとも100℃の大気圧での沸点で特徴付けられる及び/又はそれは、好ましくは以下に明示されるような量で使用される。
【0082】
アルコール(AO)は、そのヒドロキシル基の数が、有利には、グリコール酸の及び、存在する場合、ヒドロキシ酸(A)のカルボン酸基の総数に対して0.010~1.200%に含まれるような量で使用される。
【0083】
アルコール(AO)は、そのヒドロキシル基の数が、グリコール酸の及び、存在する場合、ヒドロキシ酸(A)のカルボン酸基の総数に対して、有利には少なくとも0.010%の、好ましくは少なくとも0.050%の、より好ましくは少なくとも0.080%の、最も好ましくは少なくとも0.100%のものであり、及び/又は有利には最大でも1.200%の、さらには最大でも1.000%、好ましくは最大でも0.750%の、より好ましくは最大でも0.700%の、最も好ましくは最大でも0.650%のものであるような量で使用される。
【0084】
有利には、アルコール(AO)は、そのヒドロキシル基の数がグリコール酸の及びヒドロキシ酸(A)のカルボン酸基の総数に対して0.010~0.650%のものであるような量である。
【0085】
ポリオール(H)及びアルコール(AO)は、グリコール酸の及び、存在する場合、ヒドロキシ酸(A)のカルボン酸基のモルの総数で割られたそれらのヒドロキシル基のモルの総数が、有利には、0.0~1.0%、好ましくは0.1~1.0%、より好ましくは0.3~0.9%に含まれるような量で使用される。
【0086】
酸(C)はモノカルボン酸である。脂肪族一酸の中で、ステアリン酸が特に好ましい。酸(C)が芳香族一酸である場合、それは、有利には、安息香酸、ナフトエ酸及びフェニル酢酸からなる群から選択される。
【0087】
存在する場合、酸(C)は、好ましくは芳香族一酸である。
【0088】
存在する場合、酸(C)は一酸であり、そのカルボン酸基の数が、有利には、グリコール酸の及び、存在する場合、ヒドロキシ酸(A)のヒドロキシル基の総数に対して0.010~2.0%に含まれるような量で使用される。酸(C)は、そのカルボン酸基の数が、グリコール酸の及び、存在する場合、ヒドロキシ酸(A)のヒドロキシル基の総数に対して、有利には少なくとも0.010%の、好ましくは少なくとも0.030%の、より好ましくは少なくとも0.075%のものであり;及び/又は、グリコール酸の及びヒドロキシ酸(A)のヒドロキシル基の総数に対して、有利には最大でも2.0%の、好ましくは最大でも1.50%の、より好ましくは最大でも1.20%の、最も好ましくは最大でも1.00%の、さらに最も好ましくは最大でも0.75%のものであるような量で使用される。
【0089】
この第5の実施形態による分岐ポリ(ヒドロキシ酸)ポリマーは、任意選択的に、上で定義されたような少なくとも1種のポリ酸(O)に由来する繰り返し単位を含み得る。ポリ酸(O)は、2つのカルボン酸基又は3つ以上のカルボン酸基、特に3つ又は4つのカルボン酸基を含むことができる。
【0090】
好適なポリ酸(O)の中で、フタル酸、トリカルバリル酸、ブタン-1,2,3,4テトラカルボン酸、1,2,4,5-ベンゼンテトラカルボン酸(ピロメリット酸)が挙げられ得る。ポリ酸(O)は、好ましくは芳香族二酸、より好ましくはフタル酸、最も好ましくはイソフタル酸である。
【0091】
存在する場合、ポリ酸(O)は、そのカルボン酸基の数が、グリコール酸の及び、存在する場合、ヒドロキシ酸(A)のヒドロキシル基の総数に対して0.025~1.200%に含まれるような量で使用される。存在する場合、ポリ酸(O)は、そのカルボン酸基の数が、グリコール酸の及び、存在する場合、ヒドロキシ酸(A)のヒドロキシル基の総数に対して、有利には少なくとも0.025%、好ましくは少なくとも0.050%、より好ましくは少なくとも0.100%のものであり、及び/又は有利には最大でも1.200%、好ましくは最大でも1.000%、より好ましくは最大でも0.900%、最も好ましくは最大でも0.750%、特に最も好ましくは最大でも0.650%のものであるような量で使用される。存在する場合、そのカルボキシル基の数が、グリコール酸の及び、存在する場合、ヒドロキシ酸(A)のヒドロキシル基の総数に対して0.150~0.550%のものであるような量のポリ酸(O)が、特に有用であることが分かっている。
【0092】
上で詳述されたような分岐ポリ(ヒドロキシ酸)ポリマーは、グリコール酸、任意選択的に少なくとも1種のヒドロキシ酸(A)、少なくとも1種のポリオール(H)、少なくとも1種のアルコール(AO)、任意選択的に少なくとも1種の酸(C)及び任意選択的に少なくとも1種のポリ酸(O)を重縮合させることを含む方法によって得られ得る。前記方法において、重縮合触媒が、任意選択的に、モノマー混合物に添加され得る。そのような重縮合触媒は、当業者に周知であり、例えば、塩化スズ(II)、オクタン酸第一スズ、酢酸亜鉛、乳酸亜鉛、三酸化アンチモン、ベンゼンスルホン酸、パラ-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、オルトリン酸及びそれらの混合物から選択され得る。メタンスルホン酸、及びメタンスルホン酸と他の触媒、上で開示したもの又は他のものとの混合物が特に好ましい。
【0093】
添加される場合、そのような触媒は、通常、モノマー混合物のモノマーの全モルに対して約0.001~2モル%の、特に約0.002~0.1モル%の量で添加される。
【0094】
好ましくは、重縮合のステップは、モノマーの混合物及び形成される成長中のポリマーが溶融相にあるような温度で少なくとも部分的に実施される。一般に、未反応のグリコール酸と、ヒドロキシ酸(A)(存在する場合)と、ポリオール(H)と、アルコール(AO)と、一酸(C)(存在する場合)と、ポリ酸(O)(存在する場合)とを場合により含むプレポリマーを提供する、溶融状態での重縮合のステップ後に、重縮合が、次いで、プレポリマーが固体状態にあるような温度で続行される(このステップは、本明細書では以下、固相重合又はSSPと言われるであろう)。
【0095】
これ故に、本方法は、一般に、プレポリマーを形成するための溶融状態での重合の第1のステップと、プレポリマーの分子量を増大させるための固相重合(SSP)の第2のステップとを含む。
【0096】
第1のステップにおいて、温度は、モノマー混合物と、反応の進行とともに、形成されるプレポリマーとを溶融状態に維持するように選択される。
【0097】
一般に、溶融状態での重縮合の第1のステップは、撹拌しながら、反応混合物を160~240℃の範囲の温度に維持することによって達成される。
【0098】
溶融状態での重合の第1のステップから得られる、上で詳述されたような、残留モノマーを場合により含むプレポリマーは、ばらばらになった粒子形態の微粒子状プレポリマー材料を提供するように、固化及び小型化のステップを受ける。
【0099】
微粒子状プレポリマーは、ペレット化及び/若しくはパステル化の標準的な技法により、パール若しくはペレットの形態下で溶融状態から加工され得るか、又は固化した小片として回収し、粉末を提供するためにミリングすることができる。
【0100】
上に詳述されたように、残留モノマーを場合により含む、プレポリマーを、小片の形態下での固化により回収する場合、ミリングステップが必要とされる。そのようなミリングステップは、当業者に公知の任意の手段によって、例えば高速グラインダーでの又はロータリーミルでのミリングによって実施され得る。
【0101】
SSPステップは、上で詳述されたような、残留モノマーを場合により含む、プレポリマーを、その固体状態において、真空下か若しくは不活性ガス雰囲気下(例えば、窒素下)かのいずれか又はその両方において、1時間以上又はさらには数日間、上で詳述されたような、残留モノマーを場合により含む、前記プレポリマーのガラス転移温度よりも高いが、その溶融温度よりも低い温度に曝すことによって行われ得る。典型的には、そのようなSSPステップは、140~240℃の、特に150~230℃の温度で、例えば約170~220℃で及び5kPa未満の圧力で実施され得る。
【0102】
プレポリマー中の残留モノマーの性質に、それらの割合に及び目標の最終粘度/分子量に、全体重縮合ステップ中の温度に及び圧力に応じて、SSPステップの継続時間は、数時間~1週間、特に6~200h、例えば約10~150hのものであり得る。
【0103】
好ましくは、溶融相での重縮合反応は、反応の水を蒸発させ、形成されつつあるポリマー鎖を水が加水分解することを防ぐために真空下で行われる。非常に特に好ましくは、溶融相での重縮合反応は、大気圧で開始され、数kPaの程度、特に5kPa未満、好ましくは2kPa未満の圧力が達成されるまで減圧が徐々にかけられる。SSPステップは、典型的には、約0.01~5kPaの、好ましくは約0.01~2kPaの圧力で実施される。
【0104】
鎖延長剤、試剤(CE)
本発明の組成物に使用される鎖延長剤、試剤(CE)は、エポキシ官能基を含み、2以上の数平均官能価を有する。
【0105】
好適な試剤(CE)には、1分子当たり平均2つ以上のエポキシ官能基を含むオリゴマー又はポリマー化合物が含まれる。
【0106】
好適な試剤(CE)の注目に値する非限定的な例は、例えば、ジ-若しくはポリカルボン酸のジ-若しくはポリグリシジルエステル、又はジ-若しくはポリオールのジ-若しくはポリグリシジルエーテル、ポリ(エチレン-co-グリシジルメタクリレート)コポリマー、ポリ(エチレン-co-メチル(メタ)アクリレート-co-グリシジルアクリレート)コポリマー、ポリ(エチレン-co-n-ブチルアクリレート-co-グリシジルアクリレート)コポリマー並びにスチレンとグリシジル(メタ)アクリレートとのコポリマーである。
【0107】
有利には、上で定義されたような、本発明の組成物を形成するのに有用な試剤(CE)は、エポキシ官能基を含む低分子量スチレン-アクリレートコポリマーである。
【0108】
特に、試剤(CE)は、(i)少なくとも1種のエポキシ-官能性(メタ)アクリルモノマーと;(ii)少なくとも1種のスチレン系及び/又は(メタ)アクリルモノマーとの重合生成物であり、ここで、この重合生成物は、少なくとも2の数平均官能価を有する。
【0109】
試剤(CE)は、好都合には、(i)少なくとも1種のエポキシ-官能性(メタ)アクリルモノマーと;(ii)約180~約2800のエポキシ当量、少なくとも2及び約30未満の数平均エポキシ官能価、最大で約140までの重量平均エポキシ官能価、並びに6000未満の数平均分子量(Mn)を有する少なくとも1種のスチレン系及び/又は(メタ)アクリルモノマーとのそれらの重合生成物の中から選択され得る。試剤(CE)は、1.5~5.0の多分散指数を有し得る。
【0110】
好ましくは、試剤(CE)は、スチレンとグリシジル(メタ)アクリレートとのコポリマーである。注目に値する例は、例えば、BASFによって販売されるJoncryl(登録商標)ADR4368及びJoncryl(登録商標)ADR4468である。
【0111】
試剤(CE)は、ポリマー(HAP)と試剤(CE)との総合重量に対して、0.01~1.00重量%未満の量で本発明の組成物中に存在する。
【0112】
試剤(CE)は、有利には、0.05~0.95重量%、好ましくは0.08~0.90重量%の量で、さらには0.10~0.85重量%、より好ましくは0.10~0.80重量%の量で存在し得る。
【0113】
特性の良好なバランスは、ポリマー(HAP)と試剤(CE)との総合重量に対して0.10~0.75重量%の試剤(CE)を含む組成物を使って得られた。
【0114】
鎖延長ポリマー、ポリマー(CEHAP)
本発明のさらなる目的は、鎖延長剤、試剤(CE)に由来する単位に共有結合した、分岐ポリ(ヒドロキシ酸)ポリマー、ポリマー(HAP)の骨格を含む、鎖延長ポリマー[ポリマー(CEHAP)]である。試剤(CE)に由来する単位の量は、ポリマー(CEHAP)の総重量を基準として、0.01~1.00重量%未満である。試剤(CE)に由来する単位の量は、ポリマー(CEHAP)の総重量を基準として0.05~0.95重量%、好ましくは0.08~0.90重量%、さらには0.10~0.85重量%、より好ましくは0.10~0.80重量%、さらに0.10~0.75重量%である。
【0115】
有利には、ポリマー(CEHAP)は、ジ-若しくはポリカルボン酸のジ-若しくはポリグリシジルエステル、ジ-若しくはポリオールのジ-若しくはポリグリシジルエーテル、ポリ(エチレン-co-グリシジルメタクリレート)コポリマー、ポリ(エチレン-co-メチル(メタ)アクリレート-co-グリシジルアクリレート)コポリマー、ポリ(エチレン-co-n-ブチルアクリレート-co-グリシジルアクリレート)コポリマー、スチレンとグリシジル(メタ)アクリレートとのコポリマーからなる群から選択される少なくとも1種の化合物に由来する単位に共有結合した、分岐ポリ(ヒドロキシ酸)ポリマー、ポリマー(HAP)の骨格を含む。
【0116】
より有利には、ポリマー(CEHAP)は、(i)少なくとも1種のエポキシ-官能性(メタ)アクリルモノマーと;(ii)少なくとも1種のスチレン系及び/又は(メタ)アクリルモノマーとの重合生成物(ここで、重合生成物は、少なくとも2の数平均官能価を有する)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物に由来する単位に共有結合した、分岐ポリ(ヒドロキシ酸)ポリマー、ポリマー(HAP)の骨格を含む。
【0117】
本発明の有利な実施形態において、ポリマー(CEHAP)は、(i)少なくとも1種のエポキシ-官能性(メタ)アクリルモノマーと;(ii)少なくとも1種のスチレン系及び/又は(メタ)アクリルモノマーとの重合生成物(ここで、重合生成物は、少なくとも2の数平均官能価を有する)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物に由来する単位に共有結合したポリマー(HAP)の骨格を含む。共有結合した単位は、ポリマー(CEHAP)の総重量を基準として0.01~1.00重量%未満、0.05~0.95重量%、0.08~0.90重量%、0.10~0.85重量%、0.10~0.80重量%、0.10~0.75重量%の量で存在する。
【0118】
ポリマー(CEHAP)は、ポリマー(HAP)と試剤(CE)との反応によって得られ得る。反応は、好ましくは、当技術分野において公知の任意の方法に従って、ポリマー(HAP)の溶融相で、すなわち、バルク溶媒の不在下で行われる。
【0119】
第1の実施形態において、鎖延長ポリマー(CEHAP)は、ポリマー(HAP)と試剤(CE)とを含む本発明の組成物から調製され得る。有利には、ポリマー(HAP)と試剤(CE)とを混合した後に、組成物は、押出機又はポリマーの溶融相で反応を行うための任意の他の好適なデバイスに供給される。
【0120】
或いは、ポリマー(HAP)及び試剤(CE)は、異なる時間に、別々に押出機に供給されてもよい。
【0121】
試剤(CE)中のエポキシ官能基とポリマー(HAP)との間の反応を達成するのに十分な長さの押出後に、ポリマー(CEHAP)は、典型的にはペレットの形態で、押出機から得られる。
【0122】
好適な押出機は、高強度分配及び分散混合を提供することが知られている、共回転の、二軸スクリュー押出機であり得る。
【0123】
第2の実施形態において、試剤(CE)は、上で詳述されたような固相重合ステップ(SSP)中に又は同ステップの終わりにポリマー(HAP)と反応させることができよう。
【0124】
これ故に、この実施形態において、ポリマー(CEHAP)の調製方法は、上で詳述されたような、(i)少なくとも1種のヒドロキシ酸(A)と、(ii)任意選択的に少なくとも1種の酸(C)と、(iii)少なくとも1種の多官能性反応物質(F)とを溶融状態で重縮合させてプレポリマーを形成する第1のステップと、モノマーの総重量に対して0.01~1.0重量%未満の量の試剤(CE)の存在下での固相重合(SSP)の第2のステップとを含む。
【0125】
さらなる実施形態において、試剤(CE)は、溶融状態での第1の重縮合ステップ中にモノマー混合物に添加することができよう。
【0126】
そのような実施形態において、本方法は、したがって、(i)少なくとも1種のヒドロキシ酸(A)と、(ii)任意選択的に少なくとも1種の酸(C)と、(iii)少なくとも1種の多官能性反応物質(F)と、モノマーの総重量に対して0.01~1.0重量%未満の試剤(CE)とを、溶融状態で重縮合させてプレポリマーを形成する第1のステップと、固相重合(SSP)の第2のステップとを含む。
【0127】
結果として生じたポリマー(CEHAP)は、次いで、所定の形状へとダイを通して押し出される、射出成形される又はブロー成形されるなどの、多数の方法で加工することができる。
【0128】
本発明の組成物又は鎖延長ポリマー(CEHAP)は、さらに、充填剤及び当技術分野において公知の他の添加剤を含んでもよい。
【0129】
充填剤の性質は特に限定されず、繊維形状又はウィスカー形状の任意の充填剤が使用され得る。シート様(層状)、粉末状、又は粒状の充填剤などの、繊維状又はウィスカー様充填剤以外の充填剤も使用され得る。さらに、炭素系、金属系、又はケイ素系の充填剤などの、様々な組成の充填剤が使用され得る。
【0130】
本発明の鎖延長ポリマー(CEHAP)は、射出成形、押出又は任意の他の成形又は熱成形技法などの、公知の溶融加工技法を用いて物品へと加工され得る。
【0131】
本発明のさらなる目的は、したがって、ポリマー(CEHAP)でできた物品である。好適な物品の注目に値する非限定的な例は、例えば、ボトル、炭化水素資源回収用の物品、包装用フィルム、生理用品、使い捨てポッド、電子用途向け構造用部品又は生物医学的物品である。
【0132】
ポリマー(CEHAP)は、低い温度でさえも地面中へ好適にも分解する炭化水素資源回収用の物品の製造においてそれを特に有用なものにする、特に有利な分解挙動を有する。物品は、好ましくは、ダウンホールツール、ダウンホールツール部材又はダウンホールツール部材の要素である。
【0133】
「ダウンホールツール」とは、本発明によれば、地上(水上を含む)から、石油、g.シェールオイル、及びシェールガスなどの天然ガスなどの炭化水素資源を取得するための産出貯留層の方への油井掘削時に提供される、及び油井の完成後に炭化水素資源を回収するための炭化水素資源の流路として役立つウェルボア又はボアホールにおいて使用されるツールを意味する。ダウンホールツール又はダウンホールツール部材又はダウンホールツール部材の要素は、有利には、ボアホールの閉塞及び破砕を行うために用いられるツールを含めて、掘削、ダウンホールの完成又は修復中に用いられる油田設備の部品を言う。
【0134】
ダウンホールツール又はダウンホールツール部材又はダウンホールツール部材の要素は、好ましくは、フラックプラグ又は分解可能なプラグ、ブリッジプラグ、セメントリテーナ、穿孔ガム、ボールシーラー、フラックボール、ダイバーティングボール、ボールシート、マンドレル、スリップ、くさび、リング、シーリングプラグ、フラックスリーブ、破砕スリーブピストン(「ピストン」又は「ピストンプラグ」としても知られる)及びパッカーからなる群から選択される。
【0135】
本発明のダウンホールツール又はダウンホールツール部材又はダウンホールツール部材の要素は、射出成形、キャスト成形、押出、又は任意の他の成形若しくは熱成形技法などの、公知の溶融加工技法を用いて製造され得る。切断又は穿孔などの、溶融加工後のダウンホールツールの形状を変更するための追加の製造プロセスが適用されてもよい。さらに、ダウンホールツールは、任意の数の前述の溶融加工技法を用いる成形品と、必要に応じてその後の製造プロセスとの組合せを含み得る。
【0136】
参照により本明細書に援用される任意の特許、特許出願、及び刊行物の開示が、用語を不明確にし得る程度まで本出願の記載と矛盾する場合、本記載が優先するものとする。
【0137】
本発明は、以下の実施例に関連してより詳細に今から説明されるが、その目的は単に例示的であるにすぎず、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0138】
参照により本明細書に援用される任意の特許、特許出願、及び刊行物の開示が、用語を不明確にし得る程度まで本出願の記載と矛盾する場合、本記載が優先するものとする。
【実施例】
【0139】
実施例1
ヒーター、コンデンサー、温度及び圧力センサー並びに機械撹拌機を備えた、7.5Lのステンレス鋼ダブルジャケット付き反応器に、70重量%のグリコール酸水溶液4500g(41.420モル、1.0000モル基準とする)、トリメチロールプロパン10.004g(0.075モル、グリコール酸1モル当たり0.0018モル)、シクロヘキサンジメタノール3.584g(0.025モル、グリコール酸1モル当たり0.0006モル)及びメタンスルホン酸0.536g(0.006モル、グリコール酸1モル当たり0.00014モル)を装入した。
【0140】
次いで、反応器を閉じ、真空及び窒素を交互に使用して3回パージした。反応溶液を機械撹拌下で50℃に急速に加熱した。圧力を60kPaに下げ、加熱を30分にわたって50℃から100℃まで続行した。水蒸留を開始した。温度を60分間にわたって130℃までゆっくりと上昇させて水蒸留を穏やかに続行した。大部分の水が除去されたとき、温度を30分にわたって220℃までより速く上昇させた。
【0141】
220℃に達したら、圧力を30分にわたって3kPaまで徐々に低下させた。次いで、温度を最終的に230℃まで上昇させ、残りの合成の間、安定した状態に保った。グリコール酸転化率を高めるために、真空をさらに270分間適用した。
【0142】
次いで、窒素を使用して反応混合物を大気圧に戻した。ポリマーをケトルから底部バルブを通して取り出し、ドライアイス上のステンレス鋼(SS)トレイに回収した。硬く固化したポリマー塊を取り出し、秤量した。粗収量は:2.10kg(約88%)であった。
【0143】
ポリマーを、高速粉砕機を用いて直径2mm未満の小さな粒子へと粉砕し、2mm篩を通して分級し、さらに真空オーブン中、90℃で一晩乾燥させた。
【0144】
均一な粒度分布及び稠度を得るために、3:1の圧縮比を有する25L/Dモノスクリューを備えた、直径19mmのBRABENDER押出機で粉末をペレット化した。ダイは、1ストランドダイ(2mm孔)であり、ストランドを乾燥条件で「ダイフェースカット」した。使用したスクリュー速度は60rpmであり、温度プロフィールを低く保って(195℃の平坦な温度プロフィール、押出機内の4つの加熱ゾーン;ダイ内の1つの加熱ゾーン)、溶融重合プレポリマーの低粘度に対処した。典型的な押出量は約2.1kg/hであった。得られたペレットサイズは、直径およそ2mm、長さおよそ3mmであった。
【0145】
そのようにして得られたペレットを、一様な混合のための二重壁ロータリータンブラーユニットに導入し、加熱し真空に引くことによって固相でさらに重合させた。使用したタンブラーは、総体積15L/有効体積6Lを有した。1バッチ当たり約2kgのポリマーを使用した。
【0146】
タンブラーを閉じた後、8rpmで回転を開始した。真空ポンプをスタートさせてタンブラー中で0.5~1kPa真空に達した。同時に、タンブラーを窒素(50L/hに設定した流量)でフラッシュした。温度を室温から214℃に16時間で上昇させるために、二重壁内を循環する油を加熱した。
【0147】
タンブラーは、サンプリングバルブを備えており、その結果、ポリマーの量が減少した検体を注意深く取り出して、溶融粘度を、固相重合(SSP)の様々な時点で、平行板レオメーターを用いて分析することができた。所望の溶融粘度を達成した後に、加熱を止め、SSPを停止させ、生成物を冷却した。
【0148】
214℃で66時間のSSP後に、10秒-1の剪断速度で647Pa×秒の溶融粘度を有する、1.8kgの分岐ポリ(グリコール酸)ポリマー、ポリマーHAP-1が得られた。
【0149】
SSP後の最終ポリマー中の残留メタンスルホン酸を、記載された方法に従って滴定し、グリコール酸単位に関して0.005モル%であることが分かった。
【0150】
実施例2
実施例1のポリマー(HAP-1;9.053kg)及びJoncryl(登録商標)ADR 4468(CE-1;0.01814kg、0.2重量%)を、プラスチック容器に添加し、密封し、室温で3分間激しく振盪することによって混合してプレブレンドを生成した。次いで、プレブレンドを、15h.乾燥オーブン(露点-40℃)中、80℃で乾燥させた。プレブレンドを、26mmのCoperion(登録商標)ZSK-26、12バレルセクション及び48の全体L/D比を有する二軸スクリュー共回転、部分噛合押出機へ窒素で覆う減量供給機によって供給した。バレルセクション2~12を、以下の通りの設定点温度に加熱した:2~9 240~250℃、10~12 220℃、ダイ温度250℃。押出機スクリュー速度は、11kg/hの処理量及び3.3kPa適用真空で、200rpmで運転した。結果として生じたストランドを水で冷却し、ペレット化して8.392kgのCEHAP-1を得た。CEHAP-1のペレットを70℃で1.5h、次いで90~110℃で、水分レベルが電量カールフィッシャー滴定によって測定されるように100ppm未満になるまで乾燥させた。次いで、CEHAP-1の乾燥ペレットを、260℃の射出温度及び130℃の金型温度で動作する射出成形機を用いて試験検体(ASTM D638 Type I引張試験片及びASTMD790曲げ試験片)へと成形した。次いで、試料を、窒素雰囲気下に80℃で4hの熱処理後に、オーブン中、窒素雰囲気下に150℃で1hアニールした。
【0151】
実施例3
実施例2の手順に従ったが、9.026kgのポリマーHAP-1及び0.04536kg(0.5重量%)のCE-1から調製したプレブレンドを使用した。ポリマーCEHAP-2が得られた。
【0152】
比較例1
実施例2の手順に従ったが、HAP-1のみで調製したプレブレンドを使用した。
【0153】
比較例2
実施例2の手順に従ったが、8.9811kgのHAP-1及び0.0907kg(1.0重量%)のCE-1から調製したプレブレンドを使用した。この組成物は、押出機圧力の変動を引き起こし、ダイを通しての不規則な流れ及び不溶融物をもたらした。したがって、適切なペレットを形成することができず、検体が試験用に成形されなかった。
【0154】
機械的特性の測定
ASTM D638に提示された手順に従って引張特性を測定し、ASTM D790に提示された手順に従って曲げ特性を測定した。引張試験は、50.8mm/分の試験速度で行った。データを、5~6つの検体の平均値±標準偏差として報告する。特性を表1にまとめる。
【0155】
【0156】
それぞれ、CE-1に由来する0.2及び0.5重量%の単位を有する、ポリマーCEHAP-1及びCEHAP-2は、分岐ポリマーHAP-1の高い弾性率を保ちながら、延性(破断点伸びの観点から測定される)の増加を示す。
【0157】
1.0重量%の試剤CE-1に由来する単位を含有する、比較例2のポリマーは、試験に好適な仕上げ部品へと成形することができなかった。
【0158】
実施例4
分解挙動の評価
射出成形したASTM D790曲げ試験片PGAを5gにカットした。500mLのエルレンマイヤーフラスコに、5gの曲げ試験片PGA試料、磁気撹拌棒、及びDI水(250ml)を装入した。フラスコをセットして60rpmで撹拌し、水を65℃に加熱した。実験中に、温度及び水レベルを監視し、一定の条件を維持するために必要に応じて調整した。65℃で7日の撹拌後に、ブフナー漏斗(2mm細孔径)を通して水混合物を濾過し、残っているPGA部分を、一定質量まで真空オーブン中、30℃で乾燥させた。残っている質量を、曲げ試験片の元の質量の百分率として報告する。実験を3通り行い、平均残留質量を表2に報告する。
【0159】
【0160】
それぞれ、CE-1に由来する0.2及び0.5重量%の単位を有する、ポリマーCEHAP-1及びCEHAP-2は、増加した延性及び高い弾性率を示しながら、高い分解性を示し、ダウンホールツールなどの、地面中へ好適にも分解する炭化水素資源回収用の物品の製造にそれらを特に有用であるものにする。
【国際調査報告】