(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-08
(54)【発明の名称】冷暖房が同時に運転可能なマルチ型中央空気調和システム
(51)【国際特許分類】
F24F 11/54 20180101AFI20240801BHJP
F24F 11/84 20180101ALI20240801BHJP
【FI】
F24F11/54
F24F11/84
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024512196
(86)(22)【出願日】2022-10-28
(85)【翻訳文提出日】2024-02-22
(86)【国際出願番号】 CN2022128154
(87)【国際公開番号】W WO2023088066
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】202111361573.3
(32)【優先日】2021-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521464477
【氏名又は名称】ジンケルン レフリッジレーション イクイップメント カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】弁理士法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、 ジャングオ
(72)【発明者】
【氏名】チョウ、 チェンジュン
(72)【発明者】
【氏名】カン、 ジアンフィ
(72)【発明者】
【氏名】ワン、 クォンジョン
(72)【発明者】
【氏名】シエ、 ウェイボ
(72)【発明者】
【氏名】チャン、 チーロン
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260AB03
3L260BA03
3L260BA04
3L260BA14
3L260CB13
3L260CB17
3L260FB08
(57)【要約】
本発明は、冷暖房が同時に運転可能なマルチ型中央空気調和システムに係わり、凝縮モジュール、複数の室内ファンコイル、高圧流通管、中圧流通管、低圧流通管及び蒸発モジュールを含み、室内ファンコイルは、第1分岐管によって高圧流通管に接続され、第2分岐管によって低圧流通管に接続され、第3分岐管によって中圧流通管に接続され、第1分岐管及び第2分岐管には、電磁弁がそれぞれ設けられている。
その有益な効果は、夏の場合、一部の範囲が暖房する時、又は、冬の場合、一部の部屋が冷房する時、電磁弁の切替及び中圧流通管によって冷媒の流通を実現して、マルチ型中央空気調和システムに複数の動作モード(独立冷房/独立暖房/局所冷房・局所暖房同時運転)を具備させ、複雑な冷媒切替管路を追加しない状況で、マルチ型中央空気調和システムの全体的な運転状況の多様性を増やす。
凝縮モジュール及び蒸発モジュールは、さらにマルチ型中央空気調和システムのバランサーとして機能でき、マルチ型中央空気調和システムの効率且つ安定な運転を確保する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
凝縮モジュール、複数の室内ファンコイル、高圧流通管、中圧流通管、低圧流通管、及び、蒸発モジュールを含む、冷暖房が同時に運転可能なマルチ型中央空気調和システムであって、
前記凝縮モジュールは、順に接続されている圧縮機、凝縮器、及び、液体貯蔵タンクを含み、
前記高圧流通管は、前記圧縮機の排気端に接続され、
前記中圧流通管は、前記液体貯蔵タンク及び前記蒸発モジュールに接続され、
前記低圧流通管は、前記圧縮機の吸気端及び前記蒸発モジュールに接続され、
前記室内ファンコイルは、第1分岐管によって前記高圧流通管に接続され、第2分岐管によって前記低圧流通管に接続され、第3分岐管によって前記中圧流通管に接続され、
前記第1分岐管には、第1電磁弁が設けられ、
前記第2分岐管には、第2電磁弁が設けられていることを特徴とする、冷暖房が同時に運転可能なマルチ型中央空気調和システム。
【請求項2】
前記第3分岐管には、電子膨張弁が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の、冷暖房が同時に運転可能なマルチ型中央空気調和システム。
【請求項3】
一部の室内ファンコイルは、冷房する必要がある場合、冷房室内ファンコイルの前記第1電磁弁が閉じて、前記液体貯蔵タンク内の冷媒が順に前記中圧流通管、電子膨張弁、前記室内ファンコイル、前記第2電磁弁、及び、前記低圧流通管を通過して冷房循環を完成し、
他の一部の室内ファンコイルは、暖房する必要がある場合、暖房室内ファンコイルの第2電磁弁が閉じて、前記圧縮機の排気端の高温冷媒が、順に前記高圧流通管、第1電磁弁、室内ファンコイル、電子膨張弁、蒸発モジュール、及び、低圧流通管を通過して暖房循環を完成することを特徴とする請求項1に記載の、冷暖房が同時に運転可能なマルチ型中央空気調和システム。
【請求項4】
前記圧縮機の排気端には、温度センサー及び圧力センサーが設けられ、
前記圧縮機の吸気端には、温度センサーが設けられ、
前記凝縮器と前記液体貯蔵タンクとの間の管路には、温度センサーが設けられ、
前記液体貯蔵タンクと前記圧縮機との間の管路には、電磁弁及び毛細管がさらに設けられ、
前記室内ファンコイルの入口端及び出口端には、何れも温度センサーが設けられ、
前記中圧流通管及び前記低圧流通管には、圧力センサーがそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1に記載の、冷暖房が同時に運転可能なマルチ型中央空気調和システム。
【請求項5】
前記凝縮モジュールの前記圧縮機の排気端と前記凝縮器との接続管路には、第1定圧弁が設けられ、
前記凝縮器と前記液体貯蔵タンクとの間の管路には、第2定圧弁が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の、冷暖房が同時に運転可能なマルチ型中央空気調和システム。
【請求項6】
前記マルチ型中央空気調和システムは、床暖房配管及び/又は、給湯用配管をさらに含み、
前記床暖房配管は、前記高圧流通管及び前記中圧流通管にそれぞれ接続され、
前記床暖房配管と前記中圧流通管との接続管路には、電子膨張弁が設けられ、
前記床暖房配管と前記高圧流通管との接続管路には、手動遮断弁が設けられ、
前記給湯用配管は、前記高圧流通管及び前記中圧流通管にそれぞれ接続され、
前記給湯用配管と前記中圧流通管との接続管路には、電子膨張弁が設けられ、
前記給湯用配管と前記高圧流通管との接続管路には、手動遮断弁が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の、冷暖房が同時に運転可能なマルチ型中央空気調和システム。
【請求項7】
前記蒸発モジュールは、凍結融解循環型蒸発器であり、
前記凍結融解循環型蒸発器は、赤外線集熱器、集熱端、エネルギータンク及び熱交換器を含み、
前記エネルギータンク内には、凍結融解媒体が貯蔵され、
前記集熱端及び熱交換器は、前記エネルギータンク内に設けられ、
熱交換器の両端は、冷媒循環管路にそれぞれ接続されることを特徴とする請求項1に記載の、冷暖房が同時に運転可能なマルチ型中央空気調和システム。
【請求項8】
前記中圧流通管は、赤外線集熱板に接続され、
前記中圧流通管と前記赤外線集熱板との間には、第4制御弁が設けられ、
前記赤外線集熱板は、前記集熱端に接続され、
前記集熱端の他端は、低圧流通管に接続され、
前記高圧流通管は、第1制御弁に接続され、
前記第1制御弁は、熱交換器及び第2制御弁にそれぞれ接続され、
前記第2制御弁の他端は、前記低圧流通管に接続され、
前記熱交換器の他端は、第3制御弁に接続され、
前記第3制御弁は、前記中圧流通管に接続されることを特徴とする請求項7に記載の、冷暖房が同時に運転可能なマルチ型中央空気調和システム。
【請求項9】
冷媒に対してフロン、アンモニア又は、二酸化炭素を選択することを特徴とする請求項1に記載の、冷暖房が同時に運転可能なマルチ型中央空気調和システム。
【請求項10】
冷媒は、単一循環材料として二酸化炭素を選択し、前記凝縮器は、フラッシュ蒸発器であり、
前記フラッシュ蒸発器は、密閉ハウジング、負圧ファン及び熱交換手段を含み、
前記負圧ファンは、前記密閉ハウジングの天井部に設けられ、前記密閉ハウジング内で負圧を形成するためのものであり、
複数の熱交換手段は、重畳されるように前記密閉ハウジング内に設けられ、
前記熱交換手段は、水霧化器、冷媒を流通させる多排コイルパイプ、及び、多排コイルパイプを固定するフィンを含み、
前記多排コイルパイプとフィンとは、固定金具によって固定され、
前記二酸化炭素は、入口端から流入して、出口端から排出され、
前記水霧化器は、水源に接続されて、水を霧化させることを特徴とする請求項1に記載の、冷暖房が同時に運転可能なマルチ型中央空気調和システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機の分野に関わり、特に、冷暖房が同時に運転可能なマルチ型中央空気調和システムに関わっている。
【背景技術】
【0002】
中央空気調和機は、冷房循環によって室内空間を冷房し、又は、暖房し、夏は、統一に冷房し、冬は、統一に暖房し、これは、空気調和機の基礎機能である。
ところが、1つの欠陥が存在し、即ち、冷房を起動させると、全ての空気調和機は、何れも冷房モードになり、暖房を起動させると、全ての空気調和機は、何れも暖房モードになる。
季節の移り変わりの期間、例えば、中国南部の天気であれば、寒くなったり暑くなったりして、人々の、快適な温度に対するニーズが異なっている。
例えば、体格の良い中年や若者は、暑く感じて、空気調和機の冷房を起動させ、高齢者や幼児は、寒く感じて、暖房を必要とする。
現在、市販上の普通のマルチ型ユニットは、一般的に、単一の冷房又は暖房モードのみを実現できる。
1セットのシステムにより異なる部屋の冷房と暖房を同時に行うという要求を満たすために、2セットの独立する空気調和システムを取り付ける必要があるので、建設コストを増やす。
【0003】
エネルギー不足という問題が、ますます明らかになっていることに連れて、中国は、ダブルカーボン目標国家将来発展戦略を提出する。
省エネ、環境にやさしく、低炭素は、現在社会の発展の主流方向となり、各業界の技術応用の発展方向をガイドする。
冷房材料の将来選択では、天然材料であるCO2は、圧力差が大きく、粘度が小さく、化学的性質が安定であり、熱物性がよいなどの特徴を具備するため、冷房業界の技術者の注目を再び集めて、近年、CO2関連製品の市場占有率は、ますます高くなっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明の研究動機は、1セットのマルチ型中央空気調和システムを使用すれば、一部の独立空間の冷房、他の一部の独立空間の暖房を同時に行うことができ、冷房・暖房の切替が便利である冷暖房が同時に運転可能なマルチ型中央空気調和システムを提供することにある。
【0005】
従来技術の欠陥を克服するために、本発明の目的は、1セットのマルチ型中央空気調和システムを使用すれば、一部の独立空間の冷房、他の一部の独立空間の暖房を同時に行うことができ、冷房・暖房の切替が便利である冷暖房が同時に運転可能なマルチ型中央空気調和システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の通り、
凝縮モジュール、複数の室内ファンコイル、高圧流通管、中圧流通管、低圧流通管及び蒸発モジュールを含む冷暖房が同時に運転可能なマルチ型中央空気調和システムであって、凝縮モジュールは、順に接続されている圧縮機、凝縮器及び液体貯蔵タンクを含み、高圧流通管は、圧縮機の排気端に接続され、中圧流通管は、液体貯蔵タンク及び蒸発モジュールに接続され、低圧流通管は、圧縮機の吸気端及び蒸発モジュールに接続され、室内ファンコイルは、第1分岐管によって高圧流通管に接続され、第2分岐管によって低圧流通管に接続され、第3分岐管によって中圧流通管に接続され、第1分岐管には、第1電磁弁が設けられ、第2分岐管には、第2電磁弁が設けられている。
【0007】
さらに、第3分岐管には、電子膨張弁が設けられている。
【0008】
さらに、一部の室内ンコイルは、冷房する必要がある場合、冷房室内ファンコイルの第1電磁弁が閉じて、液体貯蔵タンク内の冷媒が順に中圧流通管、電子膨張弁、室内ファンコイル、第2電磁弁、及び、低圧流通管を通過して冷房循環を完成し、
他の一部の室内ファンコイルは、暖房する必要がある場合、暖房室内ファンコイルの第2電磁弁が閉じて、圧縮機の排気端の高温冷媒が順に高圧流通管、第1電磁弁、室内ファンコイル、電子膨張弁、蒸発モジュール、及び、低圧流通管を通過して暖房循環を完成する。
【0009】
さらに、圧縮機の排気端には、温度センサー及び圧力センサーが設けられ、圧縮機の吸気端には、温度センサーが設けられ、凝縮器と液体貯蔵タンクとの間の管路には、温度センサーが設けられ、液体貯蔵タンクと圧縮機との間の管路には、電磁弁及び毛細管がさらに設けられ、室内ファンコイルの入口端及び出口端には、何れも温度センサーが設けられ、中圧流通管及び低圧流通管には、圧力センサーがそれぞれ設けられている。
【0010】
さらに、凝縮モジュールの圧縮機の排気端と凝縮器との接続管路には、第1定圧弁が設けられ、凝縮器と液体貯蔵タンクとの間の管路には、第2定圧弁が設けられている。
【0011】
さらに、マルチ型中央空気調和システムは、床暖房配管及び/又は、給湯用配管をさらに含み、
床暖房配管は、高圧流通管及び中圧流通管にそれぞれ接続され、床暖房配管と中圧流通管との接続管路には、電子膨張弁が設けられ、床暖房配管と高圧流通管との接続管路には、手動遮断弁が設けられており、
給湯用配管は、高圧流通管及び中圧流通管にそれぞれ接続され、給湯用配管と中圧流通管との接続管路には、電子膨張弁が設けられ、給湯用配管と高圧流通管との接続管路には、手動遮断弁が設けられている。
【0012】
さらに、前記蒸発モジュールは、凍結融解循環型蒸発器であり、この凍結融解循環型蒸発器は、赤外線集熱器、集熱端、エネルギータンク及び熱交換器を含む。
そして、このエネルギータンク内には、凍結融解媒体が貯蔵され、集熱端及び熱交換器は、エネルギータンク内に設けられ、この熱交換器の両端は、冷媒循環管路にそれぞれ接続される。
【0013】
さらに、中圧流通管は、赤外線集熱板に接続され、中圧流通管と赤外線集熱板との間には、第4制御弁が設けられ、赤外線集熱板は、集熱端に接続され、この集熱端の他端は、低圧流通管に接続され、高圧流通管は、第1制御弁に接続され、第1制御弁は、熱交換器及び第2制御弁にそれぞれ接続され、第2制御弁の他端は、低圧流通管に接続され、熱交換器の他端は、第3制御弁に接続され、第3制御弁は、中圧流通管に接続される。
【0014】
さらに、冷媒に対して、フロン、アンモニア又は二酸化炭素を選択する。
【0015】
さらに、冷媒は、単一循環材料として二酸化炭素を選択し、凝縮器は、フラッシュ蒸発器であり、フラッシュ蒸発器は、密閉ハウジング、負圧ファン及び熱交換手段を含む。
そして、この負圧ファンは、密閉ハウジングの天井部に設けられ、密閉ハウジング内で負圧を形成するためのものであり、複数の熱交換手段は、重畳されるように密閉ハウジング内に設けられ、熱交換手段は、水霧化器、冷媒を流通させる多排コイルパイプ、及び多排コイルパイプを固定するフィンを含み、多排コイルパイプとフィンとは、固定金具によって固定され、二酸化炭素は、入口端から流入して、出口端から排出され、水霧化器は、水源に接続されて、水を霧化させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、以下の効果を含み、
本発明のマルチ型中央空気調和システム全体は、凝縮器によって放熱し、赤外線放射集熱器によって吸熱し、夏の場合、一部の範囲が暖房する時、又は、冬の場合、一部の部屋が冷房する時、電磁弁の切替及び中圧流通管によって冷媒の流通を実現して、本発明のマルチ型中央空気調和システムに複数の動作モード(独立冷房/独立暖房/局所冷房・局所暖房同時運転)を具備させ、複雑な冷媒切替管路を追加しない状況で、マルチ型中央空気調和システムの全体的な運転状況の多様性を増やす。
本発明のマルチ型中央空気調和システムは、冷房しながら、暖房することができ、人々の、快適さに対する異なるニーズを同時に解決し、1セットのマルチ型中央空気調和システムにおいて、異なる室内機のそれぞれの冷房及び暖房を実現する。
【0017】
さらに、凝縮モジュール及び蒸発モジュールは、マルチ型中央空気調和システム全体のバランサーとして機能でき、空気調和機の運転過程中の運転圧力などのパラメータを均衡させ、マルチ型中央空気調和システムの効率且つ安定な運転を保証し、これも、本発明の重要な効果である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施例の冷暖房が同時に運転可能なマルチ型中央空気調和システムの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、実施例及び図面によって本発明をさらに詳しく説明し、ここで、この実施例は、単に、本発明を理解するためのものである。
【0020】
図1を参照し、本実施例が提供する冷暖房が同時に運転可能なマルチ型中央空気調和システムは、凝縮モジュール1、複数の室内ファンコイル2、高圧流通管3、中圧流通管4、低圧流通管5及び蒸発モジュール6を含む。
そして、この凝縮モジュール1は、順に接続されている圧縮機10、凝縮器11及び液体貯蔵タンク12を含む。
そして、高圧流通管3は、圧縮機10の排気端及び蒸発モジュール6に接続されて、圧縮機10から排出された高圧高温の冷媒を流通させ、中圧流通管4は、液体貯蔵タンク12及び蒸発モジュール6に接続されて、複数の室内ファンコイル2から排出された中圧冷媒を流通させ、低圧流通管5は、圧縮機10の吸気端及び蒸発モジュール6に接続されて、低圧冷媒を流通させ、室内ファンコイル2は、第1分岐管23によって高圧流通管3に接続され、第2分岐管24によって低圧流通管5に接続され、第3分岐管25によって中圧流通管4に接続され、第1分岐管23には、第1電磁弁20が設けられ、第2分岐管24には、第2電磁弁21が設けられ、第3分岐管25には、電子膨張弁22が設けられている。
【0021】
図1を参照し、同一時間帯で、A1-An室内ファンコイル2が冷房し、B1-Bn室内ファンコイル2が暖房する必要がある場合、A1-An室内ファンコイル2の第1電磁弁20が閉じて、液体貯蔵タンク12内の冷媒は、順に中圧流通管4、電子膨張弁22、室内ファンコイル2、第2電磁弁21、及び低圧流通管5を通過して冷房循環を完成し、この場合、B1-Bn室内ファンコイル2の第2電磁弁21が閉じて、圧縮機10の排気端の高温冷媒は、順に高圧流通管3、第1電磁弁20、室内ファンコイル2、電子膨張弁22、蒸発モジュール6、及び、低圧流通管5を通過して暖房循環を完成する。
【0022】
本発明のマルチ型中央空気調和システム全体は、凝縮器11によって放熱し、凍結融解循環型蒸発器によって吸熱し、夏の場合、一部の範囲が暖房し、又は、冬の場合、一部の部屋が冷房する時、電磁弁の切替及び中圧流通管4によって冷媒の流通を実現し、本発明のマルチ型中央空気調和システムに複数の動作モード(独立冷房/独立暖房/局所冷房・局所暖房同時運転)を具備させ、複雑な冷媒切替管路を追加しない状況で、マルチ型中央空気調和システムの全体的な運転状況の多様性を増やす。
本発明のマルチ型中央空気調和システムは、冷房しながら、暖房することができ、人々の、快適さに対する異なるニーズを同時に解決し、1セットのシステムにおいて、異なる室内機のそれぞれの冷房及び暖房を実現する。
【0023】
図1を参照し、凝縮モジュール1の圧縮機10の排気端と凝縮器11との接続管路には、第1定圧弁14が設けられ、圧縮機10とフラッシュ蒸発器との間の定圧弁は、冬に運転する時、作用して、排気圧力を常に最大COPに対応する圧力に一定させ、夏の場合、全て開いて、管路保護の作用を発揮する。
凝縮器11と液体貯蔵タンク12との間の管路には、第2定圧弁15が設けられ、フラッシュ蒸発器と液体貯蔵タンク12との間の定圧弁によって液体貯蔵タンク12の圧力を所定範囲、例えば、60~65barに一定させる。
圧縮機10の排気端には、温度センサー13及び圧力センサー16が設けられ、圧縮機10の吸気端には、温度センサー13が設けられ、凝縮器11と液体貯蔵タンク12との間の管路には、温度センサー13が設けられ、液体貯蔵タンク12と圧縮機10との間の管路には、電磁弁及び毛細管17がさらに設けられ、室内ファンコイル2の入口端及び出口端には、何れも温度センサー13が設けられ、中圧流通管4及び低圧流通管5には、圧力センサー16がそれぞれ設けられている。
毛細管17は、絞り・降圧の作用を備え、液体貯蔵タンク12内の液体冷媒が蒸発しすぎることを回避する。
温度センサー13及び圧力センサー16によって各主要ノードの温度データ及び圧力データを収集して、圧縮機、ファン、電磁弁及び電子膨張弁の開度を制御する根拠として用いて、マルチ型中央空気調和システムの運転效率を向上する。
【0024】
図1を参照し、マルチ型中央空気調和システムは、床暖房配管7をさらに含む。
そして、この床暖房配管7は、高圧流通管3及び中圧流通管4にそれぞれ接続され、床暖房配管7と中圧流通管4との接続管路には、電子膨張弁22が設けられ、床暖房配管7と高圧流通管3との接続管路には、手動遮断弁9が設けられている。
マルチ型中央空気調和システムは、給湯用配管8をさらに含む。
そして、この給湯用配管8は、高圧流通管3及び中圧流通管4にそれぞれ接続され、給湯用配管8と中圧流通管4との接続管路には、電子膨張弁22が設けられ、給湯用配管8と高圧流通管3との接続管路には、手動遮断弁9が設けられている。
床暖房を行ってお湯を作る場合、手動遮断弁9を開けて、圧縮機10の排気端の高温冷媒は、順に高圧流通管3、手動遮断弁9、床暖房配管7/給湯用配管8、電子膨張弁22、蒸発モジュール6、及び、低圧流通管5を通過して暖房循環を完成する。
【0025】
図1を参照し、蒸発モジュールは、凍結融解循環型蒸発器であり、この凍結融解循環型蒸発器は、赤外線集熱器60、集熱端61、エネルギータンク62及び熱交換器63を含む。
そして、このエネルギータンク62内には、凍結融解媒体が貯蔵され、集熱端61及び熱交換器63は、エネルギータンク62内に設けられ、熱交換器63の両端は、冷媒循環管路にそれぞれ接続され、低温冷媒が熱交換器63を通過した後、凍結融解媒体と熱交換を行う。
赤外線集熱器60は、吸収された太陽エネルギーをエネルギータンク62に貯蔵し、ニーズに応じて、熱を凍結融解媒体から抽出する。
凍結融解媒体は、相変化エネルギー貯蔵材料、例えば、水である。
0℃の水を0℃の氷に変えるには、大量の熱を放出しなければならなく、水は、安価で環境に優しい物質であり、コストをさらに低減する。
【0026】
具体的に、中圧流通管4は、赤外線集熱器60に接続され、中圧流通管4と赤外線集熱器60との間には、第4制御弁67が設けられ、赤外線集熱器60は、集熱端61に接続され、集熱端61の他端は、低圧流通管5に接続され、高圧流通管3は、第1制御弁64に接続されている。
そして、この第1制御弁64は、熱交換器63及び第2制御弁65にそれぞれ接続され、第2制御弁65の他端は、低圧流通管5に接続され、熱交換器63の他端は、第3制御弁66に接続され、第3制御弁66は、中圧流通管4に接続される。
【0027】
暖房モードを主とする場合、夜、まず、第2制御弁65、第3制御弁66、第4制御弁67を開けて、第1制御弁64を閉じ、冷房モードによって、昼間でエネルギータンク62内に貯蔵された熱を抽出して部屋の暖房に用いて、エネルギータンク62内の媒体が相変化温度に達した場合、第1制御弁64を開けて、第2制御弁65を閉じ、第3制御弁66、第4制御弁67は、依然的に開いた状態にあり、エネルギータンク62内の媒体を介して高温排気した熱を吸気端に移動させることで、マルチ型中央空気調和システムの安定な運転を保持する。
昼、第1制御弁64、第2制御弁65、第3制御弁66を閉じて、第4制御弁67を開け、過熱した還気は、エネルギータンク62を介してタンク内の低温媒体を加熱し、還気温度が所定値よりも高くなった場合、第2制御弁65を開けて、第3制御弁66は、還気を降温させる。
【0028】
本発明において、相変化エネルギー貯蔵材料によって光エネルギー、空気エネルギーを相変化の態様でエネルギータンク62に貯蔵し、十分な日光がある時、太陽エネルギーを使用して暖房し、エコで環境にやさしく、日光が十分では、ない時でも、集熱器は、熱放射の方式で一部の熱を収集し、さらに、空気エネルギー集熱器を使用して熱を収集してもよく、暖房のニーズを保証する。
【0029】
冷媒に対してフロン、アンモニア、二酸化炭素などの媒体を選択してもよく、本実施例において、好ましくは、中央空気調和機の冷房媒体として二酸化炭素を選択し、この二酸化炭素を循環材料とすれば、圧力差が大きく、流動性がよく、密度が小さく、超臨界相転移という優勢を備え、高層建物に適用すれば、その効果がより著しい。
冷媒循環管路は、二酸化炭素を単一循環材料とする単段二酸化炭素循環システムに接続され、単段の意味は、カスケードシステムと区別して、カスケードを必要とせず、二酸化炭素だけで循環する。
本実施例のマルチ型中央空気調和システムは、二酸化炭素を材料とし、垂直高さでより高いフロアの冷房または、暖房を行うことができ、平面フロアに適用すれば、より遠く循環可能になり、より多くの室内機を動作させることができる。
【0030】
二酸化炭素を冷媒とする場合、
図2を参照し、凝縮器11に対して、フラッシュ蒸発器は、好ましく、フラッシュ蒸発器は、密閉ハウジング110、負圧ファン111及び熱交換手段112を含む。
そして、この負圧ファン111は、密閉ハウジング110の天井部に設けられ、密閉ハウジング110内で負圧を形成し、複数の熱交換手段112は、重畳されるように密閉ハウジング110内に設けられ、熱交換手段112は、水霧化器113、冷媒を流通させる多排コイルパイプ、及び、多排コイルパイプを固定するフィンを含み、多排コイルパイプとフィンとは、固定金具によって固定され、二酸化炭素は、入口端から流入して、出口端から排出され、複数の熱交換手段112の多排コイルパイプは、互いに直列接続され、水霧化器113は、水源に接続されて、水を霧化させる。
霧化水は、密閉ハウジング110のキャビティ内で立ちこめて、負圧の作用で、液体ミセルと多排コイルパイプ内の二酸化炭素とが放射・熱交換を完成した後、負圧ファン111によって密閉ハウジング110から抽出される。
冷房する時、キャビティ内の水ミセルは、多排コイルパイプ内で流通する二酸化炭素の放射熱を吸収した場合、大きいミセルから徐々に小さいミセルに分解して、熱を奪って、二酸化炭素の冷媒を凝縮させて液化させる。
水ミセルは、動的且つ連続的に小さい水ミセルに分解して、熱を奪う。
超音波霧化水自体は、スケール除去機能を備え、熱交換管及びフィンの表面にスケールを形成することを回避する。
熱交換が完成した水蒸気は、循環していなく、回収されず、直接的に大気に排出され、水ミセルの分解過程で、主に熱を内部エネルギーに変換し、排出された水蒸気の温度が高くないため、ヒートアイランド現象が生じていない。
複数の熱交換手段112を重畳すれば、取り付け及び修理が容易になり、ある熱交換手段112が壊れると、壊れた手段を個別に取り外して修理し、又は、交換すればよい。
従来の風冷熱交換器に対して、当該フラッシュ蒸発器は、密閉ハウジング110内で熱交換を行って、風がほとんど入ることがなく、外部の温度及び湿度が何れも高い場合、熱交換効果は、外部の自然風の温度、湿度からの影響を受けていない。
【0031】
最後、以上の実施例は、本発明の保護範囲を限定していなく、本発明を説明するためのものに過ぎず、実施例を参照して本発明を詳しく説明したが、当業者であれば理解できるように、本発明の実質及び範囲から逸脱しない場合、本発明に対して補正又は、等価差替を行うことができる。
【符号の説明】
【0032】
1 ・・・凝縮モジュール
10 ・・・圧縮機
11 ・・・凝縮器
110 ・・・密閉ハウジング
111 ・・・負圧ファン
112 ・・・熱交換手段
113 ・・・水霧化器
12 ・・・液体貯蔵タンク
13 ・・・温度センサー
14 ・・・第1定圧弁
15 ・・・第2定圧弁
16 ・・・圧力センサー
17 ・・・毛細管
2 ・・・室内ファンコイル
20 ・・・第1電磁弁
21 ・・・第2電磁弁
22 ・・・電子膨張弁
23 ・・・第1分岐管
24 ・・・第2分岐管
25 ・・・第3分岐管
3 ・・・高圧流通管
4 ・・・中圧流通管
5 ・・・低圧流通管
6 ・・・蒸発モジュール
60 ・・・赤外線集熱器
61 ・・・集熱端
62 ・・・エネルギータンク
63 ・・・熱交換器
64 ・・・第1制御弁
65 ・・・第2制御弁
66 ・・・第3制御弁
67 ・・・第4制御弁
7 ・・・床暖房配管
8 ・・・給湯用配管
9 ・・・手動遮断弁
【国際調査報告】