(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-08
(54)【発明の名称】折り畳み可能なタッチスクリーンを備えた医用画像診断システム
(51)【国際特許分類】
A61B 8/00 20060101AFI20240801BHJP
【FI】
A61B8/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024512998
(86)(22)【出願日】2022-08-19
(85)【翻訳文提出日】2024-04-25
(86)【国際出願番号】 EP2022073239
(87)【国際公開番号】W WO2023025692
(87)【国際公開日】2023-03-02
(32)【優先日】2021-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508291928
【氏名又は名称】スーパー ソニック イマジン
【氏名又は名称原語表記】SUPER SONIC IMAGINE
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【氏名又は名称】岡部 英隆
(74)【代理人】
【識別番号】100227927
【氏名又は名称】中村 拓
(72)【発明者】
【氏名】ルソー,エティエンヌ
(72)【発明者】
【氏名】マジョレル,ダミアン
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601EE11
4C601EE17
4C601KK45
4C601LL17
4C601LL27
(57)【要約】
本開示は、医用撮像システムに関し、システムは、システムを制御するように構成された制御モジュールを備え、制御モジュールは、少なくとも第1のタッチスクリーン部分と、第1のタッチスクリーン部分から延びて、第1のタッチスクリーン部分に対して傾斜可能な第2のタッチスクリーン部分とを有する折り畳み可能なタッチスクリーンを含み、制御モジュールは、第1及び第2の部分上かつ2つの部分間に、消毒液によって洗浄可能であるように構成された液体に対して耐性のある漏れ止め面を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用撮像システムであって、
前記システムを制御するように構成された制御モジュールを備え、前記制御モジュールは、少なくとも第1のタッチスクリーン部分と、前記第1のタッチスクリーン部分から延びて、前記第1のタッチスクリーン部分に対して傾斜可能な第2のタッチスクリーン部分とを有する折り畳み可能なタッチスクリーンを含み、
前記制御モジュールは、前記第1及び第2の部分上、かつ前記2つの部分間に、消毒液によって洗浄可能であるように構成された液体に対して耐性のある漏れ止め面を有する
医用撮像システム。
【請求項2】
前記第1の部分及び/又は前記第2の部分は、前記システムを制御及び/又は調整するための要素として機能するように構成されている
請求項1に記載の撮像システム。
【請求項3】
前記タッチスクリーンの前記少なくとも1つの部分はユーザインタフェースを表示するように構成され、前記ユーザインタフェースが、任意に
追加の調整オプション、及び/又は、
制御手段、及び/又は、
患者ファイル及び/又は検査レポートの全部又は一部を備える
請求項1又は2に記載の撮像システム。
【請求項4】
前記ユーザインタフェースは、
前記ユーザインタフェースがユーザのジェスチャに応じて前記制御手段を配置するように構成される適応モードを備え、及び/又は、
前記ユーザインタフェースが事前定義された態様において前記制御手段を配置するように構成される事前定義モードを具備する、
請求項3に記載の撮像システム。
【請求項5】
前記ユーザのジェスチャは、手の全部又は一部、及び/又は外部制御装置を前記タッチスクリーン上に置くことからなる
請求項4に記載の撮像システム。
【請求項6】
前記タッチスクリーンが、触覚効果、特に機械的ボタン及び/又はトラックボール及び/又はタッチパッド及び/又は制御手段の形状をシミュレートするように構成されている
請求項1から5のいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項7】
前記制御手段は、前記タッチスクリーン上で前記制御手段の触覚的、及び/又は構造的形態をシミュレートすることによって定義される
請求項6に記載の撮像システム。
【請求項8】
前記適応モードにおいて、前記ユーザインタフェースは、前記タッチスクリーン上又はその近傍の指の位置に関連付けられた位置に制御手段を配置するように構成されている
請求項4から7のいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項9】
前記適応モードにおいて、制御手段の選択が配置され、前記制御手段は前記システムの動作モードの関数として選択される
請求項4から8のいずれか1項に記載の撮像システム。
【請求項10】
前記折り畳み可能なタッチスクリーンは、前記第2の部分から延びて前記第2の部分に対して傾斜可能な第3のタッチスクリーン部分を備える
請求項1から9のいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項11】
前記第1、第2、及び第3の部分は、「S」字形状及び/又は螺旋形状に折り畳まれ、及び/又は
前記折り畳み可能なタッチスクリーンは、前記システムから取り外し可能である
請求項1から10のいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項12】
前記システムは、超音波撮像システムである
請求項1から11のいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項13】
前記制御モジュールは、側面にも液体に対して耐性のある漏れ止め面を有し、及び/又は、前記折り畳み可能なタッチスクリーンの少なくとも上面及び任意にその側面も同じ材料で作られている
請求項1から12のいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項14】
前記折り畳み可能なタッチスクリーンの少なくとも上面及び任意にその側面、又は前記制御モジュールの表面が、全体として折り畳み可能なガラスで作られている
請求項1から13のいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項15】
前記制御モジュールが、滑らかな表面を有し、及び/又は機構を有しない
請求項1から14のいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項16】
前記モジュールの側面の少なくとも一方が、前記第1の部分と前記第2の部分との間、及び/又は前記第2の部分と前記第3の部分との間に、密閉されたヒンジを形成するように構成されたエラストマーからなる、
請求項1から15のいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項17】
前記撮像システムによって生成された第1の画像を、前記第3の部分、及び/又は前記システムの外部スクリーンに表示するように構成され、
前記撮像システムは、前記第1の画像を複製し、任意に事前定義されたイベントに応答して、前記第1の部分及び/又は前記第2の部分に前記第1の複製された画像を表示するように構成された複製手段も備える
請求項1から16のいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項18】
前記第1の複製された画像は、前記第3の部分又は前記外部スクリーンから、前記第1の部分又は前記第2の部分にドラッグ及び/又はドロップすることにより得られる
請求項11に記載の撮像システム。
【請求項19】
第1の事前定義されたアルゴリズムを使用して前記第1の画像内の関心領域を決定するように構成された処理手段であって、前記関心領域は任意に前記第1の複製された画像の一部を構成するか又は形成する、処理手段をさらに備える
請求項17及び18の少なくとも一方に記載の撮像システム。
【請求項20】
前記第1の複製された画像は、
ユーザが前記第1の複製された画像上の領域をマークできるように、及び/又は
注釈オプションを有するように表示され、応答して、前記処理手段は、前記事前定義されたアルゴリズムまたは事前定義された第2のアルゴリズムの機能を使用して前記第1の画像を処理するように構成される
請求項17から19の少なくとも一項に記載の撮像システム。
【請求項21】
前記処理手段は、前記第1の処理された画像を、前記第1及び/又は前記第2の部分に表示するように構成され、及び/又は、
前記処理手段は、前記第1の処理された画像を前記第3の部分及び/又は前記システムの外部スクリーンに表示するように構成されている
請求項20に記載の撮像システム。
【請求項22】
前記事前定義されたイベントが、
ユーザコマンドと、
前記システムのセンサからの信号と、
アルゴリズムによってトリガされるコマンドであって、前記アルゴリズムは特に、
検査手順のための事前定義された及び/又はカスタマイズ可能なアルゴリズム、及び/又は
人工知能アルゴリズム
を含む、コマンドと
のうちの少なくとも1つの要素を備える、
請求項17から21のいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項23】
システムを用いた医用撮像のための方法であって、
少なくとも第1のスクリーン部分と第2のスクリーン部分、及び/又は前記第2のスクリーン部分から延びる第3のスクリーン部分を有する折り畳み可能なタッチスクリーンを備え、
前記方法は、
前記撮像システムによって生成された第1の画像を前記第3の部分に表示して、前記第1の画像を複製すること、
前記第1の部分及び/又は前記第2の部分上に前記第1の複製された画像を表示して、ユーザが前記第1の複製された画像上の領域をマークできるようにし、かつ/または注釈オプションを有するようにすること、及び
応答して、事前定義されたアルゴリズムを使用して前記第1の画像を処理すること
を含む、医用撮像のための方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
医用撮像システムは通常、電子的手段、例えば患者からデータを取得するためのセンサ及び/又はプローブと、収集されたデータを処理するためのプロセッサとを含む。また、特にユーザインタフェースに関連付けられたシステムを制御するための制御モジュールが含まれることもある。
【0002】
より詳細には、ユーザインタフェースは、情報入力手段および/または出力手段を含み得る。入力手段の例は、例えばタッチスクリーンのような触覚的または機械的入力手段(1つまたは複数のボタン、専用画面領域、スイッチ、回転つまみなど)および電子的入力手段を含む。出力手段は、例えば光出力手段(スクリーン、ディスプレイ、LED、または特にタッチスクリーンなど)、スピーカ、触覚出力手段(振動装置など)を含む。
【0003】
特に、医療システムが、検査される媒体、例えば、人体又は動物体を撮像するために使用される場合には、システムを制御するためのスクリーン及び複数のタッチ入力手段又はタッチスクリーンを備えたシステムを販売し、供給することが適切である。このようなイメージングシステムの例としては、光学イメージングシステム、超音波イメージングシステム、X線撮影システム、コンピュータ断層撮影システム、マンモグラフィシステムなどがある。
【発明の概要】
【0004】
発明の開示
本開示の目的は、より確実で迅速な消毒、特にシステムの制御モジュールの消毒を可能にする医療検査システムおよびそのようなシステムを用いた医療検査方法を提供することである。
【0005】
本開示は、医用撮像システムに関し、このシステムは、
少なくとも第1のタッチスクリーン部分(section)と、第1のタッチスクリーン部分から延び、第1のタッチスクリーン部分に対して傾斜可能な第2のタッチスクリーン部分とを有する、任意に折り畳み可能なタッチスクリーンを含むシステムを制御するように構成された制御モジュールを含み、
制御モジュールは、第1および第2の部分、2つの部分の間、および側面に、消毒液で洗浄できるように構成された液体に対する耐漏出性表面を有する。
【0006】
このシステムにより、ユーザは、折り畳み可能なタッチスクリーンに触れた部分、またはこの部分に近接する部分を、消毒液(例えば、アルコール、過酸化水素、第4級アンモニウム、次亜塩素酸ナトリウム、またはこれらの組み合わせを含む)で、効果的かつ徹底的に洗浄および/または消毒できる。その結果、消毒に必要な時間を短縮でき、同じシステムを使用してより多くの検査を実施できるため、2回の検査間の時間が大幅に短縮され、検査手順の時間とコストを間接的に削減することもできる。さらに、効果的な洗浄と消毒の信頼性が高まるため、任意の汚染の予防が可能になる。
【0007】
特に、その表面は、液体が内部に浸透してシステム内部にダメージを与えることを防ぐことから。ユーザは折り畳み可能なタッチスクリーンに十分な量の消毒液を塗布できる。
【0008】
さらに、折り畳み可能なタッチスクリーンを介してシステムを全体的に制御できるため、ユーザは操作中、例えば検査手順中にシステムの他の部分に触れることを避けることができる。
【0009】
さらに、2つ(またはオプションで3つ)の部分を境界線なしで接続できるため、異なる視覚効果および/または制御機能が可能になり、システムをより使いやすくできる。その結果、検査手順は、ユーザにとってより直感的で、より設定しやすく、より適応性の高いものとなり、したがって、より迅速なものとなる。
【0010】
消毒液は、スプレーおよび/またはゲルおよび/または気化したミストを含み得る。さらに、液体は様々な異なる粘度を含むことができる。
【0011】
第1および/または第2の部分は、システムの制御および/または調整要素として機能するように構成できる。
【0012】
図の文脈でも説明したように、第1の部分と第2の部分は交換可能な機能を有し得る。従って、各部分は状況に応じて使い分けることができる。
【0013】
タッチスクリーン部の少なくとも1つは、ユーザインタフェースを表示するように構成される場合があり、ユーザインタフェースは、任意選択で以下を含む:
-設定オプション(例えば補完)、および/または
-制御手段、および/または
-患者ファイル及び/又は検査報告書の全部又は一部である。例えば、この検査報告には、進行中の検査報告だけでなく、以前の古い検査報告や類似のプロフィールを持つ他の患者も含まれる。
【0014】
ユーザインタフェースは、適応モードを含むことができ、このモードでは、ユーザインタフェースは、ユーザの1つまたは複数のジェスチャ(例えば、事前定義された、またはユーザによって設定された)に従って制御手段を配置するように構成される。
【0015】
その結果、適応モードでは、ユーザインタフェースは、制御手段の事前定義された配置を持たないことがある。このモードでは、制御手段は、ユーザのジェスチャに従って配置できる。言い換えれば、制御手段の位置は事前定義されたり固定されたりせず、ユーザのジェスチャに依ることができる。
【0016】
これにより、ユーザがインターフェースに合わせるのではなく、ユーザに合わせるようにユーザインタフェースを有利に配置できる。有利な態様では、以下に詳述するように、ユーザがインターフェースを直接見る必要のない操作、いわゆるユーザインタフェースの「ブラインド」モード操作が可能になる。
【0017】
例えば、ユーザのジェスチャは、手(例えば、掌および/または1本以上の指または手全体)をタッチスクリーン上に置くか、または少なくとも手をタッチスクリーンに近づけることから構成され得る。一般に、「手、掌、または指をタッチスクリーン上に置く」ことは、「手、掌、または指でタッチスクリーンに直接または間接的に接触する」ことを意味できる。また、タッチスクリーンは、例えば、ユーザの手が手袋で覆われているときに動作するように構成されることもある。したがって、間接的な接触は手袋によるものかもしれない。
【0018】
代替的または追加的に、ユーザのジェスチャは、外部制御デバイスをタッチスクリーン上に配置する(および/または少なくとも接近させる)ことからなる場合がある。例えば、制御装置は、機械的ボタン、および/または制御ホイール(またはクリック可能なローラー)、および/またはジョイスティックであってもよい。
【0019】
その結果、制御手段の配置は、ユーザがタッチスクリーン上に手および/または外部制御装置を置いた位置に依存する可能性がある。従って、制御手段は、常に、ユーザの手の位置に合わせるように配置され得る。
【0020】
そのため、ユーザはタッチスクリーン上のどこにでも手を置くことができ、タッチスクリーンを見ることなく、つまり「ブラインド」方式でシステムを操作できる。
【0021】
特定の制御手段(すなわち特定のコマンド)を特定の指に割り当てることができる。こうすることで、ユーザはタッチスクリーンを見ることなく、この制御手段を使用できる(例えば、親指に関連付けられた「フリーズ」ボタン)。
【0022】
オプションとして、デフォルトで又はユーザの要求に応じて、タッチスクリーンは、ユーザに追加のフィードバックを提供するために、様々な制御手段の機能を表示できる。音のフィードバックもユーザをガイドできる(例えばクリック)。
【0023】
また、ユーザインタフェースは、事前定義モードを含むことができ、このモードでは、ユーザインタフェースは、事前定義された方法で制御手段を配置するように構成される。
【0024】
その結果、事前定義モードでは、制御手段の位置を、例えばキーボードの形態で事前定義できる。このモードは、システムの用途および/またはユーザの好みに応じて、一時的または恒久的に使用できる。また、例えば、システムが起動され、動作モードまたは検査手順がまだ開始されていないときに、デフォルトモードで作動させることもできる。なお、既定モードにおける制御手段は、必ずしも適応モードにおける制御手段と同じである必要はない。例えば、適応モードでは、以下に説明するように、制御手段の選択のみを使用できる。
【0025】
タッチスクリーンは、触覚効果、特に機械的ボタン(例えばクリックコントロール)、トラックボール、トラックパッド、および/または制御手段の形態をシミュレートするように構成できる。
【0026】
例えば、制御手段は、ボタン、ホイール及びトラックボールを含み得る。制御手段は、その構造的および/または触覚的特性(視覚的外観に加えて)がタッチスクリーンによって仮想的に提供されるが、別個の物理的デバイスを構成しないため、仮想的またはシミュレートされた手段であると理解できる。
【0027】
制御手段は、タッチスクリーン上の制御手段の触覚的および/または構造的形態、例えば制御手段の開始/終了を示す境界線をシミュレートすることによって定義できる。例えば、制御手段が触覚ボタンである場合、シミュレートされた境界線は、シミュレートされたボタンを隠し、ユーザがどこにボタンがあるかを感じるのを助けることができる。このように、制御モジュールのブラインド使用は、より簡単で信頼性が高くなり、これは、特に、生成された画像の分析を容易にするために暗いことが非常に多い検査室において、非常に有利である。ユーザをさらに支援するために、タッチスクリーンの他の部分とは異なるボタンのテクスチャーをシミュレートすることも可能である。こうすることで、ユーザはボタンを見なくてもタッチで認識できる。さらに、触覚シミュレーションを使えば、ボタンが押される場所の動き、例えば押し下げる感覚をユーザに感じさせることもできる。トラックボールの場合は、それ自体がオンになる感覚をシミュレートする。
【0028】
適応モードでは、システムおよび/または制御モジュールは、ユーザが行ったジェスチャに従って指(または特に指の先端またはパッド)の位置を決定し、ユーザインタフェース上の決定された位置に制御手段を配置するように構成され得る。
【0029】
その結果、ユーザインタフェースは、指(または特に指のパッド)がタッチスクリーンに触れている(または近づいている)と判断される位置に制御手段を配置するように構成できる。
【0030】
したがって、位置は、有利には、手がタッチスクリーン上またはタッチスクリーンの近くに置かれる位置、特に掌および/または1本以上の指についての関数として決定できる。例えば、掌が触れる面の関数として、手の大きさ、したがって指(または指の各々)の位置を、システムまたは制御モジュールによって推定できる。これは手の大きさ、形、位置に自動的に適応するものである。従って、4本の指しかない手は、自動的に適応されたインターフェースの恩恵を受けることになる。また、ユーザの手が左手か右手かを検出し、提案されたインターフェースを調整することも有利に可能である。さらに、タッチスクリーンに触れている掌および/または他の指の位置に応じて、タッチスクリーンに触れている指の種類(例えば、人差し指または親指)を識別できる。これにより、特定の種類の指に特定の制御手段または特定のコマンドを割り当てることが可能になり、例えば、この手の親指に「画像フリーズ」機能を割り当てることができる。
【0031】
適応モードでは、システムの選択された動作モード(検査手順)に応じて、選択またはグループまたは制御手段を選択されたものとして位置付けることができる。
【0032】
その結果、システムおよび/または制御モジュールは、現在の動作モードで頻繁に使用される特定の制御手段(すなわち、特定のコマンド)のみを選択できる。これらの選択された制御手段(例えば、ジェスチャの組み合わせの場合、最大5つ、またはそれ以上)は、1本の指の位置に対応するように配置できるため、ユーザは、タッチスクリーン上の任意の場所に手を置くだけで、ブラインドでシステムを制御できる。
【0033】
折り畳み可能なタッチスクリーンは、第2の部分から延び、第2の部分に対して傾斜可能(tiltable)な第3のタッチスクリーン部分を含むことができる。
【0034】
第1の部分は、ユーザの快適性を向上させるため、例えばシステム使用時に実質的に水平にできる。
【0035】
第2および/または第3の部分は、実質的に傾斜してもよく、および/または垂直であってもよい。
【0036】
第1、第2および第3の部分は、「S」字形状および/またはらせん形状に折り畳むことができる。
【0037】
折り畳み可能なタッチスクリーンは、システムに取り付けられ、システムに関連付けられ、および/またはシステムから取り外し可能である。
【0038】
折り畳み可能なタッチスクリーンの少なくとも上面と、任意でその側面は、同じ材料で作ることができる。
【0039】
折り畳み可能なタッチスクリーンの少なくとも上面、任意でその側面、または制御モジュールの表面は、全体として折り畳み可能なガラスから作られる可能性がある。
【0040】
制御モジュールは、平滑な表面を有し、かつ/または何の機構もなく、特に起伏および/または開口部を有しないことがある。
【0041】
モジュールの側面は、第1の部分と第2の部分、および/または第2の部分と第3の部分の間にヒンジを形成するように構成されたエラストマーおよび/または水密シールで構成できる。
【0042】
システムは、超音波画像処理システムによって作成された第1の超音波画像を、第3の部分および/またはシステムの外部のスクリーンに表示するように構成される場合がある。
【0043】
システムは、第1の超音波画像を複製するように構成された複製手段をさらに含むことができる。
【0044】
複製手段は、オプションとして事前定義されたイベント又はイベントの連鎖に応答して、第1の部分及び/又は第2の部分に複製された第1の超音波画像を表示するように構成され得る。
【0045】
複製手段はまた、オプションとして事前定義されたイベントに応答して、第1の超音波画像を第3の部分から及び/又は外部スクリーンから第1の部分及び/又は第2の部分にドラッグ及び/又はドロップし、第1の複製された超音波画像の表示を可能にするように構成され得る。
【0046】
このように、各部分がつながっていることを利用して、視覚的で直感的な効果を持つ複製が可能になる。
【0047】
システムは、第1の事前定義されたアルゴリズムを使用することによって第1の超音波画像内の関心領域を決定するように構成された処理手段を備えることができ、関心領域は、任意に、第1の複製された超音波画像の一部を構成するか又は形成する。
【0048】
第1の複製された超音波画像は、ユーザがその上の領域(a region on the latter)をマークできるように、及び/又はタッチスクリーン入力、例えばタッチジェスチャを介して注釈オプションを有するように表示できる。
【0049】
このように、複製された画像は、例えばスタイラスやタッチインターフェース(1本以上の指を使用)を用いて、当該画像に直接メモを取るために使用できる。
【0050】
これに応答して、処理手段は、事前定義されたアルゴリズムまたは第2の事前定義されたアルゴリズムの特徴を使用することにより、タッチスクリーン入力に従って第1の超音波画像を処理するように構成され得る。
【0051】
処理手段は、第1の処理された超音波画像を第1及び/又は第2の部分に表示するように構成できる。
【0052】
処理手段は、第1の処理された超音波画像を第3の部分及び/又はシステムの外部のスクリーンに表示するように構成できる。
【0053】
事前定義されたイベントは、以下の要素の少なくとも1つを含み得る:
-ユーザの音声、ジェスチャ、またはタッチコマンド、
-システムのセンサからの信号、
-特に以下を含むアルゴリズムによりトリガされるコマンド:
-定義済みおよび/またはカスタマイズ可能な検査手順アルゴリズム、および
-人工知能アルゴリズム。
【0054】
第1及び/又は第2の事前定義されたアルゴリズムは、以下の要素の少なくとも1つを含み得る:
事前定義されたおよび/またはカスタマイズ可能な画像処理アルゴリズム、および/または
人工知能アルゴリズム。
【0055】
本開示はまた、システムを用いた医用撮像方法に関する:
上記システムは、少なくとも第1のスクリーン部分と第2のスクリーン部分、及び/又は第2のスクリーン部分から延びる第3のスクリーン部分を有する折り畳み可能なタッチスクリーンを備え、
上記方法は、
超音波イメージングシステムによって生成された第1の超音波画像を、第3の部分および/またはシステムの外部スクリーンに表示すること、
第1の超音波画像を複製すること、
ユーザがタッチスクリーン入力を介して、またはスタイラスもしくは音声コマンドを使用して、後者の領域に(a region on the latter)マークすることができ、かつ/または注釈オプションを有するように、第1の部分および/または第2の部分に第1の複製された超音波画像を表示するステップと
これに応答して、事前定義されたアルゴリズムを使用して、タッチスクリーン入力の関数として第1の超音波画像を処理することを含む。
【0056】
例えば、画像および/または注釈は、現在の検査に関連する報告書に含めることができる。
【0057】
本開示の特徴および利点は、非限定的な例によってのみ与えられ、添付の図を参照した以下の説明から明らかになるであろう。特に、図に示された実施例は、明らかな矛盾がない限り、組み合わせることができる。
【0058】
本開示の他の特徴及び利点は、添付の
図1~
図12を参照して、以下の本開示の非限定的な実施形態の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【
図1A】本開示による折り畳み可能なタッチスクリーンデバイスを備えるシステムの一例として挙げた第1の実施形態を側面図で概略的に示す。
【
図1B】折り畳み可能なタッチスクリーンが取り外された、
図1Aのシステムの第1実施形態を概略的に示す。
【
図2A】本開示による折り畳み可能なタッチスクリーンデバイスを備えたシステムの第2の実施形態を側面図で概略的に示す。
【
図2B】折り畳み可能なタッチスクリーンが取り外された、
図2Aのシステムの第2実施形態を概略的に示す。
【
図3A】本開示による折り畳み可能なタッチスクリーン装置の表面構造の一例による第1の実施形態を概略的に示す。
【
図3B】本開示による折り畳み可能なタッチスクリーン装置の表面構造の第2の例を概略的に示す。
【
図4A】メカニカルキーとタッチパッドを含む従来の制御モジュールを概略的に示す。
【
図4B】本開示による、事前定義モードのユーザインタフェースを備えた折り畳み可能なタッチスクリーンを概略的に示す。
【
図5A】本開示による、適応モードにあるユーザインタフェースを有する折り畳み可能なタッチスクリーンと、第1の位置にあるユーザの手とを概略的に示す。
【
図5B】本開示による、適応モードにあるユーザインタフェースを有する折り畳み可能なタッチスクリーンと、第2の位置にあるユーザの手とを概略的に示す。
【
図6A】本開示による、適応モードと事前定義モードとを組み合わせたユーザインタフェースを有する折り畳み可能なタッチスクリーンと、第1の位置にあるユーザの手とを概略的に示す。
【
図6B】本開示による、適応モードと事前定義モードが組み合わされたユーザインタフェースを有する折り畳み可能なタッチスクリーンと、第2の位置にあるユーザの手とを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0060】
説明のために示した異なる図において、同じ参照番号は同一または類似の要素を示す。
【0061】
撮像システムは、例えば超音波の場合、典型的には、検査される媒体の画像を提供することを意図した撮像装置である。医用アプリケーションの場合、この媒体は一般的にヒトまたは動物の体であり、例えば患者の体の一部(筋肉、胚または胎児、乳房、肝臓、腹部など)である。
【0062】
例えばスマートフォンやラップトップ、タブレットで使用されているような最近のユーザインタフェース技術はまた、折り畳み可能なタッチスクリーンを含み得る。その一例が、米国特許10318042号明細書(US 10,318,042 B2)に記載されている。
【0063】
医療検査中および医療分野全般において重要なことは、衛生、特に、検査対象者および/またはシステムのユーザの汚染を避けるために、使用される材料、道具および装置の消毒である。このため、検査を担当するチーム(例えば、1人以上の超音波専門医(ultrasound specialist)、超音波検査士、医師、技術者、アシスタント等からなる)、及び/又は、洗浄及び/又は保守を担当するチームは、特に、各検査又は介入の後、特に、各患者が退出した後又は新しい患者が到着する前に、検査システムを消毒しなければならないことが多い。
【0064】
従って、システムのユーザは、例えば、検査を担当するチーム(例えば、1人以上の超音波専門医、超音波検査士、医師、技術者、アシスタント等からなる)のメンバー、又はシステムの洗浄及び/又は保守を担当するチームを含むことができる。
【0065】
典型的な消毒手段は液体を含み、例えばボトルに入っていたり、スプレーや蒸気の形態になっていたりする。消毒液としては、例えばアルコールが使用される。他の例としては、過酸化水素、第四級アンモニウム、次亜塩素酸ナトリウム、またはこれらの要素の組み合わせがある。
【0066】
この文脈において、使用される検査が、その様々な部分の全てにおいて、消毒剤に対して、特にそれらが液体又は粘性の形態で使用される場合に、耐性がないことが問題となり得る。関係する部分は、特に、患者または操作者(例えば、プローブ、制御モジュール、ハンドル、ボタン、ユーザインタフェースなど)と直接または間接的に接触する可能性のあるシステムの各部分を含む。より詳細には、例えばアルコール(および/または過酸化水素、第4級アンモニウム、次亜塩素酸ナトリウム、またはこれらの要素の組み合わせである)のような消毒液は、一部の材料を損傷、摩滅、劣化させる可能性があるため、場合によっては、またはシステムの特定の部位には使用すべきではない。一方、液体による消毒が可能な領域があっても、その特殊な形状のために(例えば、間隙、特徴、異なる厚さ、異なる材料、...などを含む)、確実な消毒が困難な場合がある。
【0067】
例えば、ボタン、スイッチ及び/又は回転つまみ等からなるシステムユーザインタフェースの入力手段は、ユーザによって定期的に操作されるため、検査後に消毒が必要となる場合がある。しかし、これらの領域は、液体(特にアルコール)に対して耐性がないか、または、例えばボタンとシステムハウジングの隣接する表面との間の空洞のために洗浄が困難でありうる。その結果、検査担当者、および/またはメンテナンス担当者、および/またはサービス担当者は、非常に注意深く慎重である必要があるため、影響を受ける可能性のある部分の消毒に多くの時間を費やさなければならない。同時に、その担当者は、例えばユーザインタフェースに多量の液体を付着させ、システムハウジングに浸透して当該システムを損傷しないように注意する必要がある。
【0068】
さらに、システムが例えば超音波イメージングシステムである場合、ユーザは一般に、検査される表面および/または使用されるプローブの表面にゲルを塗布しなければならない。このゲルは、多かれ少なかれ粘性のある液体から構成され、場合によっては様々な異なる粘性を有する。このゲルはまた、システムまたはシステムのいくつかの部分を汚染または腐食する可能性があり、あるいは少なくとも消毒プロセスを複雑化または混乱させる可能性がある。検査の責任者および/またはシステムの保守の責任者は、ゲルおよび消毒液が正しく塗布された後に除去され、システムのハウジングに浸透しないようにする必要があるからである。ゲルはまた、患者間汚染のリスクを増大させる可能性があり、この理由からも正しく除去されなければならない。ゲルが汚れとともに蓄積することは、バクテリアやその他の病原性要素の増殖に適した基質となりうる。特に、複数の臨床試験によると、超音波ゲルが感染を媒介し、拡大することが示されている。ゲルは院内感染の増加、すなわち院内感染の拡大に寄与する可能性がある:例えば、Esteban C. Nannini, Adriana Ponessa, Rosa Muratori, Patricia Marchiaro, Viviana Ballerini, Luis Flynn, Adriana S. Limansky “Polyclonal outbreak of bacteremia caused by Burkholderia cepacia complex and the presumptive role of ultrasound gel” The Brazilian Journal of Infectious Diseases 2015;19(5); 543-545.参照。
【0069】
さらに、患者の快適性を向上させ、関連コストを削減するために、各検査手順の時間を最適化することが望ましい。システムの準備と洗浄の段階も、システムのより良い使用を保証するために、安全で最適化されたものでなければならない。
【0070】
本開示は、医用画像システムおよびそのようなシステムを用いる方法に関する。このようなシステムは、医療検査システムで構成できる。より詳細には、超音波イメージングシステムで構成できる。
【0071】
図1Aは、本開示による折り畳み可能なタッチスクリーンデバイスを備えたシステムの第1の実施形態を側面図で概略的に示している。
【0072】
システム100は、医用画像診断システム(例えば、患者の検査や獣医学的用途、その他の画像処理用途に使用する)、特に超音波診断システムでありうる。しかし、本システムは、液体による洗浄および/または消毒が必要または望ましい他の分野でも使用できる。本システムは、折り畳み可能なタッチスクリーン装置の形態の制御モジュール10を備えることができる。以下の説明では、「制御モジュール」および「折り畳み可能なタッチスクリーン装置」という用語は、互換的に使用できる。折り畳み可能なタッチスクリーン装置によって、例えば、その動作中に使用可能な各機能に関して、システム全体を制御できることが望ましい。このようにして、ユーザ(すなわち、検査実施者)は、単に折り畳み可能なタッチスクリーン装置に触れるだけでよく、システム10の他の部分に触れる必要はない。その結果、検査後に折り畳み可能なタッチスクリーン装置を消毒するだけで十分な場合がある。
【0073】
システム100はまた、例えば電子手段および/またはコンピュータ手段からなるメインステーション12を含み得る。この例には、処理ユニットおよび/または1つ以上のメモリ領域が含まれる。コンピュータ手段は、検査データを処理するために使用できる。しかしながら、折り畳み可能なタッチスクリーン装置10がこのようなコンピュータ手段から構成されること、またはこれらの手段が遠隔(例えばワークステーション、クラウド、...)にあることも可能である。
【0074】
メインステーション12は、1つまたは複数のセンサおよび/またはプローブ(
図1Aには図示せず)に接続でき、またはこれらで構成できる。一例として、超音波プローブがある。センサ及び/又はプローブは、被検者から検査情報を取得し、及び/又は介入を実行するように構成できる。
【0075】
折り畳み可能なタッチスクリーンデバイスは、ケーブルを介してメインステーション12と通信できるが、例えばWIFI(登録商標)、BLUETOOTH(登録商標)などのプロトコルを使用した無線インターフェースを介して通信することもできる。メインステーションはまた、折り畳み可能なタッチスクリーンデバイスに電力を供給でき、これもワイヤレスまたはコネクタを介して行うことができる。
【0076】
メインステーションは、スタンドまたはベース13(
図1Aには完全には示されていない)上に配置できる。特に、スタンドまたはベース13は、ユーザの身長に適合した、または適合可能な高さを有し得、すなわち、折り畳み可能なタッチスクリーン装置がユーザにとって適切な高さにあるように、および/または実施される検査のタイプに適合可能であるようにできる。
【0077】
システム100、特にメインステーション12はまた、外部スクリーン11を含み得、および/または外部スクリーン11と関連付けることができる。当該外部スクリーン11は、折り畳み可能なタッチスクリーン装置の上方に配置できる。しかしながら、外部スクリーン11は、システムから遠隔であることも可能であり、例えば、システムから遠隔の別の部屋、別の建物または別の場所に配置される。その結果、外部スクリーンは、第2のユーザのために提供することもできる。言い換えれば、第一のユーザがシステムを操作し、第二のユーザが外部スクリーン上で取得されたデータを調べることができる。
【0078】
折り畳み可能なタッチスクリーンデバイスは、第1の部分1と第2の部分2から構成される。第1の部分1は、実質的に水平になるように配置できる。例えば、メインステーション12またはシステム100の対応するベースプレート14上に、特に取り外し可能に配置できる。ベースプレートは、特に無線通信および/または無線給電のための通信および/または電力手段を構成できる。さらに、折り畳み可能なタッチスクリーン装置を固定するための機械的取り付け手段、および/または必要に応じて任意にそこから機械的に取り外すための機械的取り付け手段を備えることができる。
【0079】
ベースプレート14は、消毒液に対しても耐性があることが望ましい。その結果、ユーザが誤ってプレート14に液体をかけたり、折り畳み可能なタッチスクリーン装置から液体がこぼれたりしても、システムを損傷することはない。このため、ベースプレート14は、それぞれ保護面を有し得、および/または、システム内部の電子部品に対して開口部を有しないことができる。
【0080】
第2部分2は、第1部分1から折り畳み可能に延びる。操作位置では、例えば傾斜させることができる。オプションとして、傾斜角度はユーザが自由に選択することも、あらかじめ決めておくこともできる。
【0081】
以下により詳細に説明するように、折り畳み可能なタッチスクリーン装置は、例えばアルコールのような消毒液に対して耐性を有する表面を備えることができる。当該表面は、特に、折り畳み可能なタッチ装置のタッチ側に配置されるが、任意に、第1部分と第2部分との間(すなわち、第1部分及び第2部分のタッチ面が接する部分)及びそれらの側面にも配置される。その結果、検査を実施する人または他のユーザが消毒液でタッチ面を洗浄する際、液体が折り畳み可能なタッチスクリーン装置の側面または第1部分と第2部分の間に位置する領域に到達する可能性があるにもかかわらず、折り畳み可能なタッチスクリーン装置が損傷することはない。
【0082】
加えて、折り畳み可能なタッチスクリーンのタッチ面および任意選択で側面は実質的に平坦であるため、折り畳み可能なタッチスクリーンは、容易に、迅速に、かつ信頼できる方法で洗浄できる。これは、第1の部分と第2の部分との間の領域にも適用できる。その結果、本システムは、完全かつ信頼性の高い消毒プロセスを、より迅速に、より確実に、および/またはより徹底的に促進できる。
【0083】
代替案として、折り畳み可能なタッチスクリーン装置の表面全体は、例えばアルコールなどの消毒液に対して耐性がある。言い換えれば、第1および第2の部分の後面(タッチ面にはなり得ない)もこの表面を含むことができる。
【0084】
さらに、折り畳み可能なタッチスクリーン装置の側面の、第1の部分と第2の部分が接続される領域には、エラストマーまたはシール4を設けることができる。このエラストマーまたはシールは、特に、第1の部分と第2の部分との間のヒンジまたはシールを覆い、かつ/または保護できる。このヒンジまたは関節は、第1の部分に対する第2の部分の折り畳みを可能にするように構成できる。同じ特徴が、第二の部分と第三の部分の間の交差部にも適用できる(
図2A参照)。折り畳み角度は、あらかじめ定義したり、制約を設けたり、あるいはユーザが自由に選択できる。
【0085】
さらに、折り畳み可能なスクリーン上に配置できる機械的なボタン(例えば、1つ以上のクリック可能なホイール)と一緒に使用できる(または含むことができる)ようにシステムを構成することもできる。これは、例えばBluetoothを介して無線システムと通信できる。これらのボタンは、消毒時にスクリーンから取り外すことができる。ボタンはまた、液体に対して耐性のある漏れのない表面を削ってもよく、したがって消毒液で洗浄できるように構成することもできる。
【0086】
図1Bは、折り畳み可能なタッチスクリーン装置が取り外された、
図1Aのシステムの第1の実施形態を概略的に示す。図示されているように、折り畳み可能なタッチスクリーン装置は、第1および第2の部分のタッチ面が互いに隣接し、かつ閉じられた折り畳み可能なタッチスクリーン装置内にあるように、それ自体で閉じることができ、有利には装置に「機械的」保護を提供する。代替的または追加的に、折り畳み可能なタッチスクリーンは、第1および第2の部分のタッチ面が閉じた折り畳み可能なタッチスクリーン装置の外側にあるような、再び閉じられる(reclosable)ようにすることもできる。
【0087】
その結果、メインステーションから機械的に切り離された折り畳み可能なタッチスクリーン装置は、例えばシステム100をより自由に駆動および/または制御するため、および/または他の安全機能、人間工学的機能のために、メインステーション12から遠隔的に使用することもできる。さらに、一度取り外したベースプレート14は、必要に応じてその上面を消毒できる。
【0088】
【0089】
また、図示の例は、
図2Cの文脈でも詳述される可能性のある表示機能を示している。これらの機能および特徴は、2つの実施形態にも適用できることに留意すべきである。その結果、
図1Cのオプションの外部スクリーン11を、折り畳み可能なタッチスクリーン装置10のオプションの第3の部分3に置き換えることができ、あるいはそれもまた提供することもできる。
【0090】
外部スクリーン11は、システムによって取得された検査画像データ及び/又は検査画像21を表示できる。折り畳み可能なタッチスクリーン装置の第2の部分2(第1の部分と外部スクリーンの間に配置できる)は、追加の設定オプション、すなわち検査手順を制御するように構成できる制御手段22(例えば、ボタン、スイッチ、回転つまみ、カーソルの形で)を表示することを可能にできる。検査手順は、例えば、検査データおよび/または処理データの取得を含むことができる。
【0091】
第1の部分1は、外部スクリーン11の画像および/または画像データ21の複製部分23を表示できる。当該部分は、例えば画像21の関心領域とできる。関心領域は、ユーザによって手動で、及び/又はシステムによって実行される手順によって自動的に選択できる。例えば、より大きな画像に含まれる特定の画像データを有する関心領域であり得る。例えば、画像21はBモード画像データ(輝度モード)から構成でき、その中の領域はShearWave(商標)又はSWE(せん断波エラストグラフィ)画像データから構成できる(その代わりに又は追加して)。追加的または代替的に、関心領域はシステムのアルゴリズムによって自動的に選択できる。このようなアルゴリズムの例としては、AI(人工知能)ベースのアルゴリズム、及び/又は、事前定義された及び/又はパラメータ化若しくは調整可能な検査手順の管理に関与するアルゴリズムが挙げられる。
【0092】
一実施例による表示情報の構成は、ユーザが制御手段22を用いて検査を容易に制御できるという利点を有する。これらの制御手段22は、ユーザが例えば外部スクリーン11に集中しているとき、および/または、例えばプローブおよび/またはセンサを用いてデータを取得しているときに、ユーザが容易にアクセスでき、はっきりと見える。さらに、第1の部分に表示された画像23の部分により、ユーザは必要に応じて画像23に近づき、非常に近くで見ることができる。ユーザは、例えば、電子ペンまたは1本以上の指を用いて注釈を付けることができる。これらの注釈は、例えば
図2Cの文脈で説明したように、システムが他のデータ処理ステップを準備、パラメータ化および/または実行するために使用できる。言い換えれば、第1の部分は任意に実質的に水平に配置されるため、ユーザによって描画テーブルとして使用でき、注釈および/またはマーク領域などを作成しやすくなる。
【0093】
しかし、表示される情報は、異なる画面上で別の方法で整理することもできることに留意すべきである。例えば、実施中の検査(ユーザープロファイル)、検査期間全体、または検査の特定のステップについて、どの情報をどの領域に表示するかをユーザが自由に選択できるようにシステムを構成できる。少なくとも折り畳み可能なタッチスクリーン装置では、「ドラッグ&ドロップ」ジェスチャによってこれを実行できる。さらに、少なくとも第1の部分に表示される情報は、第2の部分に表示される情報と交換可能である。言い換えれば、第1の部分と第2の部分の機能は交換可能である。
【0094】
折り畳み可能なタッチスクリーンデバイス10の図示された実施例は、境界線を含む。しかしながら、スクリーンは、例えば
図3A及び
図3Bの文脈で説明されるように、境界線なしとすることもできる。
【0095】
図2Aは、本開示による折り畳み可能なタッチスクリーン装置を備えたシステム100の第2の実施形態を側面図で概略的に表している。
【0096】
第2の実施形態は、
図1A~
図1Cの第1の実施形態に対応するが、主な相違点を以下に説明する。第2の実施形態では、折り畳み可能なタッチスクリーン装置は、3つの折り畳み可能な部分1、2、3を備えることができる。その結果、第3の部分3は、第2の部分2から延びることができ、第2の部分に対して折り畳み可能および/または湾曲できる。
【0097】
前記第3の部分3は、第1の実施形態に示された外部スクリーン11を置き換えることができ、または前記スクリーンに加えて設けることができる。システム100が外部スクリーン11を含まない場合には、メインステーション12の形状を適合させることもできる。例えば、電子手段及び/又はコンピュータ手段をスタンド及び/又はベース13に一体化できる。また、メインステーションは、ベース14をその上側に配置した実質的に机の形状にすることもできる。
【0098】
図2Bは、
図2Aのシステムの第2の実施形態を概略的に示しており、折り畳み可能なタッチスクリーンデバイスは取り外されている/切断されている。
【0099】
折り畳み可能なタッチスクリーン装置は、メインステーション12から、すなわちベースプレート14から取り外すことができる。図示されているように、折り畳み可能なタッチスクリーン装置の3つの部分は、ジグザグ形状またはS字形状に折り畳む(すなわち折り曲げる)ことができる。あるいは、追加的に、螺旋状に折り畳むこともできる。
【0100】
図2Cは、
図2Aおよび
図2Bのシステムの第2の実施形態を透視図で概略的に示している。表示される情報は、
図1Cに示されるものに対応する組織を有し得る。その結果、表示される情報の機能および特徴は、
図2Cのものに対応できる。
図2Cの例では、第3の部分が外部ディスプレイ(スクリーン、プロジェクター、...)に取って代わるか、あるいはそれを補完する。
【0101】
3つの部分が境界線なしにつながっているため、様々な視覚効果および/または制御機能が可能になり、システムの使用が容易になり、ユーザの作業が最適化される。
【0102】
例えば、ユーザは表示された情報(または表示された情報の項目)を任意の位置から別の位置に移動できるようにシステムを構成できる。これは、部分内だけでなく、ある部分から他の部分への移動も可能である。このような移動は、例えば「ドラッグ・アンド・ドロップ」のように、ユーザによるタッチジェスチャで制御できる。
【0103】
別の例では、画像23の部分を第3の部分から第1の部分(例えば、第2の部分を経由する)へドラッグまたは切り替えることができる。部分間の境界のない継ぎ目により、このような視覚効果は、画像23の部分の表示を中断することなく達成できる。オプションとして、画像はドラッグ中に透過的に表示され、他の表示情報(例えば、制御手段22)は完全に隠されることなく、常に少なくとも部分的に見えるようにできる。このような視覚効果は、複製された画像23、すなわち(元の)画像21がどこから来たのかをユーザが容易に理解できるという利点がある。その結果、より直感的な検査手順が可能になる。
【0104】
このような視覚効果は、例えば、
図1Cの文脈で説明したように、システムによって実行されるプロセスによって自動的にトリガできる。しかし、ユーザが手動でトリガすることもできる。例えば、ユーザは画像21の特定の領域をマークしたり、所定の関心領域(例えば、Bモード画像の中のSWE画像など)を選択したりできる。部分1から部分3までが境界線なし(borderless)に接続されているため、ユーザがタッチジェスチャ/機能(例えば、“ドラッグ・アンド・ドロップ”)を用いて画像の選択部分(あるいは、完全な画像21)を別の部分、例えば部分1に移動させることが可能になる。さらに、システムは、複製された画像23の部分を画像21内の元の画像部分に対して拡大できるように構成できる。このようなズーム機能は、システムによって自動的に実行でき、および/または、システムは、手動ズーム用の手段を提供できる。
【0105】
ユーザは、複製された画像23に注釈を付けたり、複製された画像の領域にマークしたりできる。例えば、ユーザは、システムの電子ペン及び/又は指を用いてこれを行うことができる。オプションとして、ユーザは、例えば制御手段22の1つを使用して、他の制御ジェスチャを行うことができる。一例では、ユーザは、スライドコントローラ22または仮想ボタンを使用してパラメータを設定できる。別の例では、ユーザは、例えばボタン22に触れることによって、コマンドを選択できる。これに応答して、システム(特に、そのコンピューター手段)は、画像23及び/又は21を処理するように構成され得る。例えば、画像23におけるユーザのジェスチャに応答して、特定の特徴または領域をより良く強調するように画像21を処理できる。この処理により、ユーザは、システム(例えば、第1の部分で表示された増加した関心領域の重複を用いて)によって取得された画像データを用いてより容易に作業できる。したがって、より信頼性が高く、より迅速なデータ分析が可能になる(例えば、第3の部分に表示された処理画像21を使用する)。
【0106】
図3Aは、本開示による折り畳み可能なタッチデバイスの表面構造の一例による第1の実施形態を概略的に示す。より詳細には、
図3Aは、折り畳み可能なタッチデバイスを側面図で概略的に示す。折り畳み可能なタッチデバイスの図示は非常に概略的であり、2つの部分間の折り畳み可能な接合部は図示されていない。この図は、例えば、単一の部分に対応でき、例えば、第1の部分の下側を示す。
【0107】
折り畳み可能なタッチスクリーン装置は、保護面8を有するタッチスクリーン5を含み得る。スクリーン5の下方には、折り畳み可能なタッチスクリーン装置の内部に電子機器収納部6を配置できる。電子機器収納部6は、電子部品および/またはコンピュータ手段を含み得る。例えば、処理装置及び/又はメモリ及び/又は充電式電池である。
【0108】
折り畳み可能なタッチスクリーンデバイスは、その側面と底面、例えばタッチスクリーン5が配置されている面を除く全ての面に保護カバーを設けることができる。
【0109】
タッチスクリーン5は、折り畳み可能なタッチスクリーンデバイスの上面全体に境界なく配置できる。その結果、上面全体をスクリーンのように使用できる。この上面もタッチ面とみなすことができる。保護面8は、折り畳み可能なタッチデバイスの側面や、場合によっては保護カバー7の表面にも配置できる。
【0110】
保護面8は、任意に、液体、特に消毒液、例えばアルコールに耐性のある材料から作られる。このような材料の例としては、ガラスが挙げられる。他の例としては、プラスチック材料(例えばプレキシガラス、透明PVCフィルム)またはサファイアガラスからなり、消毒液、例えばアルコールによって損傷されないように構成されている。少なくとも2つの部分間の折り畳み可能な領域では、表面材料は、対応する折り曲げまたは屈曲運動を可能にする望ましい特性を有する。例えば、使用されるガラス材料は、少なくともこれらの領域において、そのような屈曲を可能にするのに十分な薄さを有し得る。
【0111】
このようにして、折り畳み可能なタッチスクリーンは、有利なことに、その表面、特にタッチ面に消毒液を塗布することにより、液体で洗浄および/または消毒できる。
【0112】
言い換えれば、スクリーン5および/または少なくとも表面8が上面全体を覆っていることから、液体が浸透して電子部品を損傷する可能性のある開口部や空間は存在しない。
【0113】
図3Bは、一例による、本開示による折り畳み可能なタッチデバイスの表面構造の第2の実施形態を概略的に示す。
【0114】
一般論として、一例による第2の実施形態は、
図3Aの第1の実施形態に対応できる。しかしながら、タッチスクリーン5は、折り畳み可能なタッチデバイスの上面全体だけでなく、少なくとも部分的にその側面にも配置できる。言い換えれば、タッチスクリーン5は、電子機器収納部6の周囲でその側面に折り畳むことができる。保護面はタッチスクリーン5の少なくとも1つの外面に配置できる。この実施形態でも、タッチスクリーン5の保護が達成される。
【0115】
図4Aは、機械式キー31とタッチパッド33を含む従来の制御モジュール30を概略的に示している。制御モジュールは、回転ボタン32のような他の既知の入力手段を含むことができる。図示されているように、ユーザは一般に、一方の手でプローブ35を患者に接触させて保持し、他方の手でシステムすなわち制御モジュールを制御する。通常、ユーザはプローブと画面34に同時に集中しなければならない。その結果、ユーザは可能な限りブラインドで(すなわち、見ることなく)制御モードを制御しようとする。さらに、ユーザは一般的に、スクリーンに表示された画像の分析を行いやすい暗い部屋にいる。このような状況では、キーが物理的なキーであるため、ユーザに触覚的なフィードバックを直感的に与え、触覚を使ってボタンを操作するよう導くことができるという利点がある。しかし、従来のタッチスクリーンを制御モジュールとして使用する場合、ユーザは、触覚フィードバックというこの利点を得られない可能性があり、したがって、制御モジュールに視覚的に集中することが追加的に要求される可能性がある。このため、本開示は、ユーザの要求に応じて、ユーザがシステマティックに、タッチスクリーンを見ることなく、すなわちブラインド方式でタッチスクリーンを使用できる解決策を提供する。
【0116】
図4Bは、本開示による所定のモードのユーザインタフェースを有する折り畳み可能なタッチスクリーンを概略的に示す。折り畳み可能なタッチスクリーンは、上述したタッチスクリーンに対応でき、特に、複数の部分1、2、および3から構成できる。部分の少なくとも1つは、複数の制御手段を含むユーザインタフェース40を有し得る。本実施例では、第1の部分1がユーザインタフェースを含み得る。しかし、ユーザインタフェースは、他の部分または部分の組み合わせに表現されることもできる。また、システムのブラインド制御を可能にする図示の技術では、タッチスクリーンが折り畳み可能であったり、複数の部分で構成されていたりする必要はないことに留意されたい。
【0117】
ユーザインタフェース40は、事前定義モードを含むことができ、ユーザインタフェースは、事前定義された方法で制御手段を配置するように構成される。従って、このモードでは、制御手段の位置は、例えばキーボード、一連のキー、ボタンの形で事前定義できる。このモードは、例えば、システムが起動され、機能モードまたは検査手順がまだ開始されていない場合に、標準モードとして使用できる。事前定義モードにおける制御手段は、必ずしも適応モードと同じである必要はないことに留意すべきである。例えば、適応モードでは、以下に説明するように、制御手段の選択のみを使用できる。
【0118】
例えば、事前定義モードのユーザインタフェースは、
図4Aに示されるように、主に従来の制御モジュールに対応できる。ユーザは、本開示に関連する多くの利点を提供しつつ、既知の作業環境を再現するように、使い慣れた機械で通常使用されるボタン/キーパッド構成に近い構成を選択でき、デフォルトで、または要求に応じて提供できる。したがって、タッチスクリーンは、例えば、1つまたは複数のボタン41、タッチパッドおよび/またはトラックボール43、ホイール(図示せず)、および1つまたは複数の回転ボタン42など、従来の手段に対応し得る制御手段を有し得る。
【0119】
制御手段は物理的なボタンではないので、タッチスクリーンは、触覚効果、すなわちユーザの手および/または指に知覚可能な触覚刺激をシミュレートするように、学習またはパラメータ化によって構成および/またはユーザに適合させることができる。特に、機械的なボタン(例えばクリックコマンド)および/または制御手段の形状をこの方法でシミュレートできる。例えば、触覚効果により、表面摩擦を増加または減少させることが可能である。この目的のために、高周波音波または電気パルスを使用できる。別の例では、マイクロ流体入力を使用できる。
【0120】
したがって、制御手段は、タッチスクリーンによって提供されるため、仮想またはシミュレートされた手段であると理解できるが、別個の物理的装置ではない。これはまた、インターフェースの清掃が非常に簡単であるという利点もある。
【0121】
制御手段は、タッチスクリーン上の制御手段の触覚的および/または構造的形状、例えば境界線、ボタンの縁をシミュレートすることによって定義できる。例えば、制御手段がタッチボタンである場合、シミュレートされた境界は、ボタンがどこにあるかをユーザが感じるのを助けることができる。これにより、制御モジュールのブラインド操作が容易になり、信頼性が高まる。
【0122】
図5Aは、本開示による、適応モードにあるユーザインタフェースを有する折り畳み可能なタッチスクリーンと第1の位置にあるユーザの手とを概略的に示す。
図5Aの例は、
図4Bの例に実質的に対応できる。ただし、ここでは、事前定義モードの代わりに、ユーザインタフェース50は適応モードを有する。
【0123】
適応モードでは、ユーザインタフェースは、ユーザのジェスチャに従って制御手段51~55を配置するように構成できる。例えば、ユーザのジェスチャは、手(例えば、掌および/または1本以上の指または手全体)をタッチスクリーン上に置くこと、または少なくとも手でタッチスクリーンに近づくことから構成できる。
【0124】
代替的または追加的に、ユーザのジェスチャは、タッチスクリーン上に外部制御装置を配置する(および/または少なくとも接近する)ことからなる場合がある。例えば、制御装置は、機械的なボタン、制御ホイール、またはジョイスティックとできる。タッチスクリーンは、様々な異なる制御手段の機能を表示することもできる。
【0125】
その結果、制御手段の位置は、ユーザが手を置いた場所またはタッチスクリーン上の外部制御装置に依ることができる。従って、
図5Aと
図5Bの比較でわかるように、制御手段は常に手の位置に対応するように配置できる。したがって、ユーザは、タッチスクリーン上のどこにでも手を置くことができ、タッチスクリーンを見ることなく、すなわちブラインドでシステムを制御できる。
【0126】
例えば、ユーザインタフェースは、ユーザの認識されたジェスチャに基づいて、例えば、ユーザが手全体または少なくとも掌をタッチスクリーン上に置いたときに、事前定義モードから適応モードに切り替えることができる。このようにして、システムおよび/または制御モデルは、ユーザが事前定義モード(すなわち、事前定義された制御手段)に注意を払っていないこと、およびこの適応モードがユーザによって好まれていること、および/またはこの使用段階においてより適切であることを認識できる。
【0127】
オプションとして、コマンドは、ユーザが意図的に制御手段をクリックまたは作動させた場合にのみ、制御手段によってトリガされる。つまり、タッチスクリーンに触れただけではコマンドはトリガされないことが望ましい。その結果、意図せずにタップまたはタッチされた制御手段は、制御をトリガしない。これにより、制御モジュールのブラインド使用がさらに改善される。例えば、タッチスクリーンは、1つ以上の圧力センサを備えたタッチパネルで構成できる。これらのセンサを用いて、タッチスクリーンは、単純なタッチと、例えばクリックのような意図的な選択とを区別するように構成できる。
【0128】
図5Aに示されるように、適応モードでは、ユーザインタフェースは、指(特に指の付け根や指先である)がタッチスクリーンに触れる(または近づく)と判定される位置に制御手段を配置するように構成できる。その結果、位置は、手がタッチスクリーン上に置かれる位置、特に、掌および/または指についての関数として決定され得る。例えば、掌によってタッチされる領域に応じて、手のサイズ、したがって指の位置を制御システムまたはモジュールによって推定できる。さらに、タッチスクリーンに触れている掌および/または他の指の位置に応じて、タッチスクリーンに触れている指の種類(例えば人差し指や親指)を識別できる。この文脈において、これが左手の指であるか右手の指であるかを検出することも可能である。これにより、特定の種類の指に特定の制御手段または特定のコマンドを割り当てることが可能になり、例えば親指に「画像フリーズ」を割り当てることができる。
【0129】
したがって、システムおよび/または制御モジュールは、ユーザのジェスチャに従って指(または特に指のパッド)の位置を決定し、決定された位置に制御手段を配置するように構成できる。従って、手の大きさ及び/又は指の大きさも、有利にはシステムによって考慮され得る。
【0130】
さらに、適応モードにおいて、制御手段の選択は、システム動作モードおよび/またはワークフロー、例えば事前定義されたおよび/またはユーザ適応された検査手順またはアルゴリズムの関数として選択されることに位置付けられる。このアルゴリズムは、特に、定義済みおよび/またはカスタマイズ可能な医療ワークフローアルゴリズム、および人工知能アルゴリズムを含み得る。したがって、システムおよび/または制御モジュールは、現在の動作モードにおいて頻繁に使用される特定の制御手段(すなわち、特定のコマンド)のみを選択できる。これらの選択された制御手段(例えば最大5つ)は、1本の指の位置に対応するように配置できるため、ユーザは、タッチスクリーン上の任意の場所に手を置くだけで、ブラインドでシステムを制御できる。
【0131】
例えば、特定の制御手段(すなわち特定のコマンド)を特定の指に帰属させることができる。このようにして、ユーザは、タッチスクリーンを見ることなく、この制御手段を回復できる。例えば、親指の位置には、取得した画像をフリーズさせる「フリーズ」ボタン55を配置できる。別の例では、人差し指の位置に、現在利用可能なオプション(例えば、タッチスクリーン上に同時に表示される)を選択する「選択」ボタン54を配置できる。別の例では、中指と薬指の位置に、トラックボール53および/またはタッチパッド52の形態の制御手段を配置できる。さらに別の例では、自由に選択可能な機能を有する制御手段51を小指の位置に配置できる。
【0132】
さらに、2本以上の指を一緒に使って制御手段を制御するように構成することもできる。さらに、複数の制御手段を1本の指に割り当てることもできる。例えば、プロトコルシーケンス中、ユーザに対するパーソナライゼーション実行(exercise)中、またはシステムの使用訓練中に連続して行うことができる。
【0133】
一般に、単純なクリック以外の操作ジェスチャも可能である。例えば、ダブルクリック、複数の指を一緒に使ったクリック、1本または複数の指を使ったスクロールおよび/またはスキャン、ズームイン/アウトのジェスチャなどが使用できる。
【0134】
位置と制御スキャンの種類もまた、異なってもよく、および/または、機械がその用途に応じて設定できてもよく、および/または、ユーザが好みに応じて設定できてもよいことに留意すべきである。特に、ユーザ自身が配置を選択することが可能である。したがって、適応モードは、各ユーザが自分自身の適応モードを持つことができるように、ユーザに固有のものとできる。さらに、適応モードおよび/または制御手段の選択は、上述のように、ユーザに固有であるだけでなく、システムの現在の動作モードに固有であることも可能である。
【0135】
特定の指に割り当てられた制御手段に関連する機能が、事前定義されたワークフローに従って動作モード中に自動的に進化するように、システムおよび/または制御モジュールが構成されることも可能である。このようにすることで、ユーザが1本の指で一連のコマンドをトリガすることが可能となり、各コマンドは動作モード中の所定の動作で適用可能である。このようにして、ユーザのワークフローをシステムによって半自動化できる。ワークフローの例は、以下に示されれる。
【0136】
また、制御手段を指に帰属させ、ユーザがワークフロー中に特定のシーケンスでそれらをトリガできるようにすることも可能である。これは、ピアノでメロディーを演奏するときなど、ユーザがシーケンスを簡単に記憶するのに役立つ。
【0137】
超音波システムにおける異なる動作モードの例としては、Bモード(輝度モード)、ShearWaveモード(せん断波エラストグラフィ)、ドップラーモード、これらのモードの組み合わせ、および/または他のタイプの超音波収集モードがある。
【0138】
超音波撮影時のワークフローの一例を以下に示す:
【0139】
第1の操作において、ユーザは特定の超音波収集モードを選択できる。この操作において、異なる種類の超音波収集モードを選択するためのそれぞれの制御手段を指に割り当てることができ、例えばモードBを人差し指に割り当てることができる。ユーザは指、例えば人差し指でクリックすることによってモードを選択できる。その結果、選択されたモードで超音波収集が開始される。
【0140】
第2の操作では、ユーザは1つ以上の超音波収集パラメータを設定する。設定のためのそれぞれの制御手段は、この操作において指に割り当てることができる。一例では、人差し指を「ゲイン」オフセットコントローラに割り当てることができ、及び/又は親指を超音波取得を停止するための「フリーズ」操作に割り当てることができる。
【0141】
第3の操作では、ユーザはビデオを開始したり、スクリーンショットを撮ったりできる。この操作では、それぞれの操作手段を指に割り当てることができ、例えば、スクリーンショットの撮影は人差し指に、ビデオの開始は中指に割り当てることができる。
【0142】
ビデオ録画の場合、第4の操作として、ユーザはそれぞれ割り当てられた操作手段、例えば中指で再びビデオを停止できる。
【0143】
ユーザが選択した内容に応じて、第五の操作で、ユーザはビデオを表示したり、スクリーンショットを表示したりできる。この操作において、動画やスクリーンショットを保存したり、動画やスクリーンショットを削除したりする他の操作手段を他の指に割り当てることができる。
【0144】
その結果、ユーザは、ワークフローの各ステップにおいて、適用可能なおよび/または関連するコマンドのみを提案され、一方、適用不可能なまたは無関係なコマンドは消えてしまう可能性がある。しかし、いくつかのコマンドは、いくつかの、あるいはすべての利用可能な操作に残り、同じ指に割り当てられることが望ましい場合がある。これにより、ユーザは最も重要なコマンドの概要を把握しやすくなり、システムの最適な使用順序を直感的に設定しやすくなる。これにより、見落としを防ぎ、検査時間を大幅に短縮できる。
【0145】
図5Bは、本開示による、適応モードにあるユーザインタフェースを有する折り畳み可能なタッチスクリーンと、第2の位置にあるユーザの手とを概略的に示す。
【0146】
【0147】
しかし、制御手段51~55は、タッチスクリーン上の手の位置に応じて再配置される。したがって、
図5Bの例では、ユーザは
図5Aの例とは別の位置に手を動かした(またはタッチスクリーンから離れた後、タッチスクリーンに向かって移動するか、タッチスクリーン上に静止した)ので、制御手段は結果として自動的に再配置された。ユーザは、タッチスクリーンに集中することなく、例えば、手を持ち上げてタッチスクリーン上の任意の位置に戻すことができる。タッチスクリーン上の任意の位置は、(例えば、プローブの必要な動きにより)位置、向き、...の点で前の位置とは大きく異なる可能性がある。したがって、有利なことに、ユーザは以前と同じ方法で(つまり、ユーザが前の手の位置で行ったのと同じように)タッチスクリーンを操作し続けることができる。言い換えれば、タッチスクリーン、特にコントロールの位置は、ユーザに合わせて調整される。
【0148】
ユーザが適応モードでタッチスクリーンから手を離すと(任意で、少なくとも事前に定義された最小期間)、タッチスクリーンは適応モードから事前定義モードに自動的に切り替えることもできる。モード間の切り替えは、ユーザが明確にトリガすることもできる。
【0149】
別の例では、ユーザはタッチスクリーン上で手を第1の位置(例えば、
図5Aの位置)から第2の位置(例えば、
図5Bの位置)へドラッグまたはドロップでき、制御手段51~55はその指に追従できる。このような動きは、例えば、ユーザのもう一方の手に保持されているプローブの必要な動きや、ユーザの他の動きによる場合がある。この例では、システムおよび/または制御モジュールは、第1の位置から第2の位置に移動するときに、手の少なくともいくつかの部分、例えば掌および/または少なくとも1本の指(あるいは2本またはすべての指を使う)がタッチスクリーンと接触したままであると判定するように構成され得る。この判定に基づいて、手の動きは、したがって制御手段51~55のそれぞれの再調整を必要とする動き、例えば意図しない動きとして解釈できる。同様に、ユーザは、制御手段に接触したまま、制御手段51~55を別の位置、例えばより快適な位置に移動させることにより、制御手段51~55の位置を再配置することが可能であり得る。
【0150】
図6Aは、本開示による、適応モードおよび事前定義モードにおけるユーザインタフェースを有する折り畳み可能なタッチスクリーンと、第1の位置にあるユーザの手とを概略的に示す。
図6Bは、本開示による、適応モードと事前定義モードとを組み合わせたユーザインタフェースを有する折り畳み可能なタッチスクリーンと、第2の位置にあるユーザの手とを概略的に示す。
【0151】
図6Aおよび
図6Bの例は、それぞれ
図5Aおよび
図5Bの例に実質的に対応する。しかし、適応モードと事前定義モードを組み合わせたモードでは、ユーザインタフェースは、ユーザのジェスチャー(例えば手の位置)に応じて配置される制御手段51~57の第1のセットだけでなく、事前定義された位置にある制御手段42の第2のセットも含んでいる。従って、第1のセットはユーザのジェスチャに応じて位置が変わるが、第2のセットは常にその所定の位置に留まる。このようにして、頻繁に使用される機能を第1のセット51~55に割り当てることができ、タッチスクリーンの少なくとも1つの周辺領域を依然として第2のセットに使用できる。その結果、ユーザはタッチスクリーンを見ることなく第1のセットを操作でき、他の機能も使用できる。
【0152】
上述したこれらの実施形態および他の例はすべて、非限定的な例としてのみ与えられたものであり、以下の特許請求の範囲内で組み合わせおよび/または変更できる。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用撮像システムであって、
前記システムを制御するように構成された制御モジュールを備え、前記制御モジュールは、少なくとも第1のタッチスクリーン部分と、前記第1のタッチスクリーン部分から延びて、前記第1のタッチスクリーン部分に対して傾斜可能な第2のタッチスクリーン部分とを有する折り畳み可能なタッチスクリーンを含み、
前記制御モジュールは、前記第1及び第2の部分上、かつ前記2つの部分間に、消毒液によって洗浄可能であるように構成された液体に対して耐性のある漏れ止め面を有する
医用撮像システム。
【請求項2】
前記第1の部分及び/又は前記第2の部分は、前記システムを制御及び/又は調整するための要素として機能するように構成されている
請求項1に記載の撮像システム。
【請求項3】
前記タッチスクリーンの前記少なくとも1つの部分はユーザインタフェースを表示するように構成され、前記ユーザインタフェースが、任意に
追加の調整オプション、及び/又は、
制御手段、及び/又は、
患者ファイル及び/又は検査レポートの全部又は一部を備える
請求項1又は2に記載の撮像システム。
【請求項4】
前記ユーザインタフェースは、
前記ユーザインタフェースがユーザのジェスチャに応じて前記制御手段を配置するように構成される適応モードを備え、及び/又は、
前記ユーザインタフェースが事前定義された態様において前記制御手段を配置するように構成される事前定義モードを具備する、
請求項3に記載の撮像システム。
【請求項5】
前記ユーザのジェスチャは、手の全部又は一部、及び/又は外部制御装置を前記タッチスクリーン上に置くことからなる
請求項4に記載の撮像システム。
【請求項6】
前記タッチスクリーンが、触覚効果、特に機械的ボタン及び/又はトラックボール及び/又はタッチパッド及び/又は制御手段の形状をシミュレートするように構成されている
請求項
1に記載の撮像システム。
【請求項7】
前記制御手段は、前記タッチスクリーン上で前記制御手段の触覚的、及び/又は構造的形態をシミュレートすることによって定義される
請求項6に記載の撮像システム。
【請求項8】
前記適応モードにおいて、前記ユーザインタフェースは、前記タッチスクリーン上又はその近傍の指の位置に関連付けられた位置に
前記制御手段を配置するように構成されている
請求項
4に記載の撮像システム。
【請求項9】
前記適応モードにおいて、
前記制御手段の選択が配置され、前記制御手段は前記システムの動作モードの関数として選択される
請求項
4に記載の撮像システム。
【請求項10】
前記折り畳み可能なタッチスクリーンは、前記第2の部分から延びて前記第2の部分に対して傾斜可能な第3のタッチスクリーン部分を備える
請求項
1に記載の撮像システム。
【請求項11】
前記第1、第2、及び第3の部分は、「S」字形状及び/又は螺旋形状に折り畳まれ、及び/又は
前記折り畳み可能なタッチスクリーンは、前記システムから取り外し可能である
請求項
10に記載の撮像システム。
【請求項12】
前記システムは、超音波撮像システムである
請求項
1に記載の撮像システム。
【請求項13】
前記制御モジュールは、側面にも液体に対して耐性のある漏れ止め面を有し、及び/又は、前記折り畳み可能なタッチスクリーンの少なくとも上面及び任意にその側面も同じ材料で作られている
請求項
1に記載の撮像システム。
【請求項14】
前記折り畳み可能なタッチスクリーンの少なくとも上面及び任意にその側面、又は前記制御モジュールの表面が、全体として折り畳み可能なガラスで作られている
請求項
1に記載の撮像システム。
【請求項15】
前記制御モジュールが、滑らかな表面を有し、及び/又は機構を有しない
請求項
1に記載の撮像システム。
【請求項16】
前記
制御モジュールの側面の少なくとも一方が、前記第1の部分と前記第2の部分との間、及び/又は前記第2の部分と前記第3の部分との間に、密閉されたヒンジを形成するように構成されたエラストマーからなる、
請求項
10に記載の撮像システム。
【請求項17】
前記撮像システムによって生成された第1の画像を、前記第3の部分、及び/又は前記システムの外部スクリーンに表示するように構成され、
前記撮像システムは、前記第1の画像を複製し、任意に事前定義されたイベントに応答して、前記第1の部分及び/又は前記第2の部分に前記第1の複製された画像を表示するように構成された複製手段も備える
請求項
10に記載の撮像システム。
【請求項18】
前記第1の複製された画像は、前記第3の部分又は前記外部スクリーンから、前記第1の部分又は前記第2の部分にドラッグ及び/又はドロップすることにより得られる
請求項
17に記載の撮像システム。
【請求項19】
第1の事前定義されたアルゴリズムを使用して前記第1の画像内の関心領域を決定するように構成された処理手段であって、前記関心領域は任意に前記第1の複製された画像の一部を構成するか又は形成する、処理手段をさらに備える
請求項
17に記載の撮像システム。
【請求項20】
前記第1の複製された画像は、
ユーザが前記第1の複製された画像上の領域をマークできるように、及び/又は
注釈オプションを有するように表示され、応答して、前記処理手段は、前記事前定義されたアルゴリズムまたは事前定義された第2のアルゴリズムの機能を使用して前記第1の画像を処理するように構成される
請求項
19に記載の撮像システム。
【請求項21】
前記処理手段は、前記第1の処理された画像を、前記第1及び/又は前記第2の部分に表示するように構成され、及び/又は、
前記処理手段は、前記第1の処理された画像を前記第3の部分及び/又は前記システムの外部スクリーンに表示するように構成されている
請求項20に記載の撮像システム。
【請求項22】
前記事前定義されたイベントが、
ユーザコマンドと、
前記システムのセンサからの信号と、
アルゴリズムによってトリガされるコマンドであって、前記アルゴリズムは特に、
検査手順のための事前定義された及び/又はカスタマイズ可能なアルゴリズム、及び/又は
人工知能アルゴリズム
を含む、コマンドと
のうちの少なくとも1つの要素を備える、
請求項
17に記載の撮像システム。
【請求項23】
撮像システムを用いた医用撮像のための方法であって、
少なくとも第1のスクリーン部分と第2のスクリーン部分、及び/又は前記第2のスクリーン部分から延びる第3のスクリーン部分を有する折り畳み可能なタッチスクリーンを備え、
前記方法は、
前記撮像システムによって生成された第1の画像を前記第3の部分に表示して、前記第1の画像を複製すること、
前記第1の部分及び/又は前記第2の部分上に前記第1の複製された画像を表示して、ユーザが前記第1の複製された画像上の領域をマークできるようにし、かつ/または注釈オプションを有するようにすること、及び
応答して、事前定義されたアルゴリズムを使用して前記第1の画像を処理すること
を含む、医用撮像のための方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
医用撮像システムは通常、電子的手段、例えば患者からデータを取得するためのセンサ及び/又はプローブと、収集されたデータを処理するためのプロセッサとを含む。また、特にユーザインタフェースに関連付けられたシステムを制御するための制御モジュールが含まれることもある。
【0002】
より詳細には、ユーザインタフェースは、情報入力手段および/または出力手段を含み得る。入力手段の例は、例えばタッチスクリーンのような触覚的または機械的入力手段(1つまたは複数のボタン、専用画面領域、スイッチ、回転つまみなど)および電子的入力手段を含む。出力手段は、例えば光出力手段(スクリーン、ディスプレイ、LED、または特にタッチスクリーンなど)、スピーカ、触覚出力手段(振動装置など)を含む。
【0003】
特に、医療システムが、検査される媒体、例えば、人体又は動物体を撮像するために使用される場合には、システムを制御するためのスクリーン及び複数のタッチ入力手段又はタッチスクリーンを備えたシステムを販売し、供給することが適切である。このようなイメージングシステムの例としては、光学イメージングシステム、超音波イメージングシステム、X線撮影システム、コンピュータ断層撮影システム、マンモグラフィシステムなどがある。
【発明の概要】
【0004】
発明の開示
本開示の目的は、より確実で迅速な消毒、特にシステムの制御モジュールの消毒を可能にする医療検査システムおよびそのようなシステムを用いた医療検査方法を提供することである。
【0005】
本開示は、医用撮像システムに関し、このシステムは、
少なくとも第1のタッチスクリーン部分(section)と、第1のタッチスクリーン部分から延び、第1のタッチスクリーン部分に対して傾斜可能な第2のタッチスクリーン部分とを有する、任意に折り畳み可能なタッチスクリーンを含むシステムを制御するように構成された制御モジュールを含み、
制御モジュールは、第1および第2の部分、2つの部分の間、および側面に、消毒液で洗浄できるように構成された液体に対する耐漏出性表面を有する。
【0006】
このシステムにより、ユーザは、折り畳み可能なタッチスクリーンに触れた部分、またはこの部分に近接する部分を、消毒液(例えば、アルコール、過酸化水素、第4級アンモニウム、次亜塩素酸ナトリウム、またはこれらの組み合わせを含む)で、効果的かつ徹底的に洗浄および/または消毒できる。その結果、消毒に必要な時間を短縮でき、同じシステムを使用してより多くの検査を実施できるため、2回の検査間の時間が大幅に短縮され、検査手順の時間とコストを間接的に削減することもできる。さらに、効果的な洗浄と消毒の信頼性が高まるため、任意の汚染の予防が可能になる。
【0007】
特に、その表面は、液体が内部に浸透してシステム内部にダメージを与えることを防ぐことから。ユーザは折り畳み可能なタッチスクリーンに十分な量の消毒液を塗布できる。
【0008】
さらに、折り畳み可能なタッチスクリーンを介してシステムを全体的に制御できるため、ユーザは操作中、例えば検査手順中にシステムの他の部分に触れることを避けることができる。
【0009】
さらに、2つ(またはオプションで3つ)の部分を境界線なしで接続できるため、異なる視覚効果および/または制御機能が可能になり、システムをより使いやすくできる。その結果、検査手順は、ユーザにとってより直感的で、より設定しやすく、より適応性の高いものとなり、したがって、より迅速なものとなる。
【0010】
消毒液は、スプレーおよび/またはゲルおよび/または気化したミストを含み得る。さらに、液体は様々な異なる粘度を含むことができる。
【0011】
第1および/または第2の部分は、システムの制御および/または調整要素として機能するように構成できる。
【0012】
図の文脈でも説明したように、第1の部分と第2の部分は交換可能な機能を有し得る。従って、各部分は状況に応じて使い分けることができる。
【0013】
タッチスクリーン部の少なくとも1つは、ユーザインタフェースを表示するように構成される場合があり、ユーザインタフェースは、任意選択で以下を含む:
-設定オプション(例えば補完)、および/または
-制御手段、および/または
-患者ファイル及び/又は検査報告書の全部又は一部である。例えば、この検査報告には、進行中の検査報告だけでなく、以前の古い検査報告や類似のプロフィールを持つ他の患者も含まれる。
【0014】
ユーザインタフェースは、適応モードを含むことができ、このモードでは、ユーザインタフェースは、ユーザの1つまたは複数のジェスチャ(例えば、事前定義された、またはユーザによって設定された)に従って制御手段を配置するように構成される。
【0015】
その結果、適応モードでは、ユーザインタフェースは、制御手段の事前定義された配置を持たないことがある。このモードでは、制御手段は、ユーザのジェスチャに従って配置できる。言い換えれば、制御手段の位置は事前定義されたり固定されたりせず、ユーザのジェスチャに依ることができる。
【0016】
これにより、ユーザがインターフェースに合わせるのではなく、ユーザに合わせるようにユーザインタフェースを有利に配置できる。有利な態様では、以下に詳述するように、ユーザがインターフェースを直接見る必要のない操作、いわゆるユーザインタフェースの「ブラインド」モード操作が可能になる。
【0017】
例えば、ユーザのジェスチャは、手(例えば、掌および/または1本以上の指または手全体)をタッチスクリーン上に置くか、または少なくとも手をタッチスクリーンに近づけることから構成され得る。一般に、「手、掌、または指をタッチスクリーン上に置く」ことは、「手、掌、または指でタッチスクリーンに直接または間接的に接触する」ことを意味できる。また、タッチスクリーンは、例えば、ユーザの手が手袋で覆われているときに動作するように構成されることもある。したがって、間接的な接触は手袋によるものかもしれない。
【0018】
代替的または追加的に、ユーザのジェスチャは、外部制御デバイスをタッチスクリーン上に配置する(および/または少なくとも接近させる)ことからなる場合がある。例えば、制御装置は、機械的ボタン、および/または制御ホイール(またはクリック可能なローラー)、および/またはジョイスティックであってもよい。
【0019】
その結果、制御手段の配置は、ユーザがタッチスクリーン上に手および/または外部制御装置を置いた位置に依存する可能性がある。従って、制御手段は、常に、ユーザの手の位置に合わせるように配置され得る。
【0020】
そのため、ユーザはタッチスクリーン上のどこにでも手を置くことができ、タッチスクリーンを見ることなく、つまり「ブラインド」方式でシステムを操作できる。
【0021】
特定の制御手段(すなわち特定のコマンド)を特定の指に割り当てることができる。こうすることで、ユーザはタッチスクリーンを見ることなく、この制御手段を使用できる(例えば、親指に関連付けられた「フリーズ」ボタン)。
【0022】
オプションとして、デフォルトで又はユーザの要求に応じて、タッチスクリーンは、ユーザに追加のフィードバックを提供するために、様々な制御手段の機能を表示できる。音のフィードバックもユーザをガイドできる(例えばクリック)。
【0023】
また、ユーザインタフェースは、事前定義モードを含むことができ、このモードでは、ユーザインタフェースは、事前定義された方法で制御手段を配置するように構成される。
【0024】
その結果、事前定義モードでは、制御手段の位置を、例えばキーボードの形態で事前定義できる。このモードは、システムの用途および/またはユーザの好みに応じて、一時的または恒久的に使用できる。また、例えば、システムが起動され、動作モードまたは検査手順がまだ開始されていないときに、デフォルトモードで作動させることもできる。なお、既定モードにおける制御手段は、必ずしも適応モードにおける制御手段と同じである必要はない。例えば、適応モードでは、以下に説明するように、制御手段の選択のみを使用できる。
【0025】
タッチスクリーンは、触覚効果、特に機械的ボタン(例えばクリックコントロール)、トラックボール、トラックパッド、および/または制御手段の形態をシミュレートするように構成できる。
【0026】
例えば、制御手段は、ボタン、ホイール及びトラックボールを含み得る。制御手段は、その構造的および/または触覚的特性(視覚的外観に加えて)がタッチスクリーンによって仮想的に提供されるが、別個の物理的デバイスを構成しないため、仮想的またはシミュレートされた手段であると理解できる。
【0027】
制御手段は、タッチスクリーン上の制御手段の触覚的および/または構造的形態、例えば制御手段の開始/終了を示す境界線をシミュレートすることによって定義できる。例えば、制御手段が触覚ボタンである場合、シミュレートされた境界線は、シミュレートされたボタンを隠し、ユーザがどこにボタンがあるかを感じるのを助けることができる。このように、制御モジュールのブラインド使用は、より簡単で信頼性が高くなり、これは、特に、生成された画像の分析を容易にするために暗いことが非常に多い検査室において、非常に有利である。ユーザをさらに支援するために、タッチスクリーンの他の部分とは異なるボタンのテクスチャーをシミュレートすることも可能である。こうすることで、ユーザはボタンを見なくてもタッチで認識できる。さらに、触覚シミュレーションを使えば、ボタンが押される場所の動き、例えば押し下げる感覚をユーザに感じさせることもできる。トラックボールの場合は、それ自体がオンになる感覚をシミュレートする。
【0028】
適応モードでは、システムおよび/または制御モジュールは、ユーザが行ったジェスチャに従って指(または特に指の先端またはパッド)の位置を決定し、ユーザインタフェース上の決定された位置に制御手段を配置するように構成され得る。
【0029】
その結果、ユーザインタフェースは、指(または特に指のパッド)がタッチスクリーンに触れている(または近づいている)と判断される位置に制御手段を配置するように構成できる。
【0030】
したがって、位置は、有利には、手がタッチスクリーン上またはタッチスクリーンの近くに置かれる位置、特に掌および/または1本以上の指についての関数として決定できる。例えば、掌が触れる面の関数として、手の大きさ、したがって指(または指の各々)の位置を、システムまたは制御モジュールによって推定できる。これは手の大きさ、形、位置に自動的に適応するものである。従って、4本の指しかない手は、自動的に適応されたインターフェースの恩恵を受けることになる。また、ユーザの手が左手か右手かを検出し、提案されたインターフェースを調整することも有利に可能である。さらに、タッチスクリーンに触れている掌および/または他の指の位置に応じて、タッチスクリーンに触れている指の種類(例えば、人差し指または親指)を識別できる。これにより、特定の種類の指に特定の制御手段または特定のコマンドを割り当てることが可能になり、例えば、この手の親指に「画像フリーズ」機能を割り当てることができる。
【0031】
適応モードでは、システムの選択された動作モード(検査手順)に応じて、選択またはグループまたは制御手段を選択されたものとして位置付けることができる。
【0032】
その結果、システムおよび/または制御モジュールは、現在の動作モードで頻繁に使用される特定の制御手段(すなわち、特定のコマンド)のみを選択できる。これらの選択された制御手段(例えば、ジェスチャの組み合わせの場合、最大5つ、またはそれ以上)は、1本の指の位置に対応するように配置できるため、ユーザは、タッチスクリーン上の任意の場所に手を置くだけで、ブラインドでシステムを制御できる。
【0033】
折り畳み可能なタッチスクリーンは、第2の部分から延び、第2の部分に対して傾斜可能(tiltable)な第3のタッチスクリーン部分を含むことができる。
【0034】
第1の部分は、ユーザの快適性を向上させるため、例えばシステム使用時に実質的に水平にできる。
【0035】
第2および/または第3の部分は、実質的に傾斜してもよく、および/または垂直であってもよい。
【0036】
第1、第2および第3の部分は、「S」字形状および/またはらせん形状に折り畳むことができる。
【0037】
折り畳み可能なタッチスクリーンは、システムに取り付けられ、システムに関連付けられ、および/またはシステムから取り外し可能である。
【0038】
折り畳み可能なタッチスクリーンの少なくとも上面と、任意でその側面は、同じ材料で作ることができる。
【0039】
折り畳み可能なタッチスクリーンの少なくとも上面、任意でその側面、または制御モジュールの表面は、全体として折り畳み可能なガラスから作られる可能性がある。
【0040】
制御モジュールは、平滑な表面を有し、かつ/または何の機構もなく、特に起伏および/または開口部を有しないことがある。
【0041】
モジュールの側面は、第1の部分と第2の部分、および/または第2の部分と第3の部分の間にヒンジを形成するように構成されたエラストマーおよび/または水密シールで構成できる。
【0042】
システムは、超音波画像処理システムによって作成された第1の超音波画像を、第3の部分および/またはシステムの外部のスクリーンに表示するように構成される場合がある。
【0043】
システムは、第1の超音波画像を複製するように構成された複製手段をさらに含むことができる。
【0044】
複製手段は、オプションとして事前定義されたイベント又はイベントの連鎖に応答して、第1の部分及び/又は第2の部分に複製された第1の超音波画像を表示するように構成され得る。
【0045】
複製手段はまた、オプションとして事前定義されたイベントに応答して、第1の超音波画像を第3の部分から及び/又は外部スクリーンから第1の部分及び/又は第2の部分にドラッグ及び/又はドロップし、第1の複製された超音波画像の表示を可能にするように構成され得る。
【0046】
このように、各部分がつながっていることを利用して、視覚的で直感的な効果を持つ複製が可能になる。
【0047】
システムは、第1の事前定義されたアルゴリズムを使用することによって第1の超音波画像内の関心領域を決定するように構成された処理手段を備えることができ、関心領域は、任意に、第1の複製された超音波画像の一部を構成するか又は形成する。
【0048】
第1の複製された超音波画像は、ユーザがその上の領域(a region on the latter)をマークできるように、及び/又はタッチスクリーン入力、例えばタッチジェスチャを介して注釈オプションを有するように表示できる。
【0049】
このように、複製された画像は、例えばスタイラスやタッチインターフェース(1本以上の指を使用)を用いて、当該画像に直接メモを取るために使用できる。
【0050】
これに応答して、処理手段は、事前定義されたアルゴリズムまたは第2の事前定義されたアルゴリズムの特徴を使用することにより、タッチスクリーン入力に従って第1の超音波画像を処理するように構成され得る。
【0051】
処理手段は、第1の処理された超音波画像を第1及び/又は第2の部分に表示するように構成できる。
【0052】
処理手段は、第1の処理された超音波画像を第3の部分及び/又はシステムの外部のスクリーンに表示するように構成できる。
【0053】
事前定義されたイベントは、以下の要素の少なくとも1つを含み得る:
-ユーザの音声、ジェスチャ、またはタッチコマンド、
-システムのセンサからの信号、
-特に以下を含むアルゴリズムによりトリガされるコマンド:
-定義済みおよび/またはカスタマイズ可能な検査手順アルゴリズム、および
-人工知能アルゴリズム。
【0054】
第1及び/又は第2の事前定義されたアルゴリズムは、以下の要素の少なくとも1つを含み得る:
事前定義されたおよび/またはカスタマイズ可能な画像処理アルゴリズム、および/または
人工知能アルゴリズム。
【0055】
本開示はまた、システムを用いた医用撮像方法に関する:
上記システムは、少なくとも第1のスクリーン部分と第2のスクリーン部分、及び/又は第2のスクリーン部分から延びる第3のスクリーン部分を有する折り畳み可能なタッチスクリーンを備え、
上記方法は、
超音波イメージングシステムによって生成された第1の超音波画像を、第3の部分および/またはシステムの外部スクリーンに表示すること、
第1の超音波画像を複製すること、
ユーザがタッチスクリーン入力を介して、またはスタイラスもしくは音声コマンドを使用して、後者の領域に(a region on the latter)マークすることができ、かつ/または注釈オプションを有するように、第1の部分および/または第2の部分に第1の複製された超音波画像を表示するステップと
これに応答して、事前定義されたアルゴリズムを使用して、タッチスクリーン入力の関数として第1の超音波画像を処理することを含む。
【0056】
例えば、画像および/または注釈は、現在の検査に関連する報告書に含めることができる。
【0057】
本開示の特徴および利点は、非限定的な例によってのみ与えられ、添付の図を参照した以下の説明から明らかになるであろう。特に、図に示された実施例は、明らかな矛盾がない限り、組み合わせることができる。
【0058】
本開示の他の特徴及び利点は、添付の
図1~
図12を参照して、以下の本開示の非限定的な実施形態の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【
図1A】本開示による折り畳み可能なタッチスクリーンデバイスを備えるシステムの一例として挙げた第1の実施形態を側面図で概略的に示す。
【
図1B】折り畳み可能なタッチスクリーンが取り外された、
図1Aのシステムの第1実施形態を概略的に示す。
【
図2A】本開示による折り畳み可能なタッチスクリーンデバイスを備えたシステムの第2の実施形態を側面図で概略的に示す。
【
図2B】折り畳み可能なタッチスクリーンが取り外された、
図2Aのシステムの第2実施形態を概略的に示す。
【
図3A】本開示による折り畳み可能なタッチスクリーン装置の表面構造の一例による第1の実施形態を概略的に示す。
【
図3B】本開示による折り畳み可能なタッチスクリーン装置の表面構造の第2の例を概略的に示す。
【
図4A】メカニカルキーとタッチパッドを含む従来の制御モジュールを概略的に示す。
【
図4B】本開示による、事前定義モードのユーザインタフェースを備えた折り畳み可能なタッチスクリーンを概略的に示す。
【
図5A】本開示による、適応モードにあるユーザインタフェースを有する折り畳み可能なタッチスクリーンと、第1の位置にあるユーザの手とを概略的に示す。
【
図5B】本開示による、適応モードにあるユーザインタフェースを有する折り畳み可能なタッチスクリーンと、第2の位置にあるユーザの手とを概略的に示す。
【
図6A】本開示による、適応モードと事前定義モードとを組み合わせたユーザインタフェースを有する折り畳み可能なタッチスクリーンと、第1の位置にあるユーザの手とを概略的に示す。
【
図6B】本開示による、適応モードと事前定義モードが組み合わされたユーザインタフェースを有する折り畳み可能なタッチスクリーンと、第2の位置にあるユーザの手とを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0060】
説明のために示した異なる図において、同じ参照番号は同一または類似の要素を示す。
【0061】
撮像システムは、例えば超音波の場合、典型的には、検査される媒体の画像を提供することを意図した撮像装置である。医用アプリケーションの場合、この媒体は一般的にヒトまたは動物の体であり、例えば患者の体の一部(筋肉、胚または胎児、乳房、肝臓、腹部など)である。
【0062】
例えばスマートフォンやラップトップ、タブレットで使用されているような最近のユーザインタフェース技術はまた、折り畳み可能なタッチスクリーンを含み得る。その一例が、米国特許10318042号明細書(US 10,318,042 B2)に記載されている。
【0063】
医療検査中および医療分野全般において重要なことは、衛生、特に、検査対象者および/またはシステムのユーザの汚染を避けるために、使用される材料、道具および装置の消毒である。このため、検査を担当するチーム(例えば、1人以上の超音波専門医(ultrasound specialist)、超音波検査士、医師、技術者、アシスタント等からなる)、及び/又は、洗浄及び/又は保守を担当するチームは、特に、各検査又は介入の後、特に、各患者が退出した後又は新しい患者が到着する前に、検査システムを消毒しなければならないことが多い。
【0064】
従って、システムのユーザは、例えば、検査を担当するチーム(例えば、1人以上の超音波専門医、超音波検査士、医師、技術者、アシスタント等からなる)のメンバー、又はシステムの洗浄及び/又は保守を担当するチームを含むことができる。
【0065】
典型的な消毒手段は液体を含み、例えばボトルに入っていたり、スプレーや蒸気の形態になっていたりする。消毒液としては、例えばアルコールが使用される。他の例としては、過酸化水素、第四級アンモニウム、次亜塩素酸ナトリウム、またはこれらの要素の組み合わせがある。
【0066】
この文脈において、使用される検査が、その様々な部分の全てにおいて、消毒剤に対して、特にそれらが液体又は粘性の形態で使用される場合に、耐性がないことが問題となり得る。関係する部分は、特に、患者または操作者(例えば、プローブ、制御モジュール、ハンドル、ボタン、ユーザインタフェースなど)と直接または間接的に接触する可能性のあるシステムの各部分を含む。より詳細には、例えばアルコール(および/または過酸化水素、第4級アンモニウム、次亜塩素酸ナトリウム、またはこれらの要素の組み合わせである)のような消毒液は、一部の材料を損傷、摩滅、劣化させる可能性があるため、場合によっては、またはシステムの特定の部位には使用すべきではない。一方、液体による消毒が可能な領域があっても、その特殊な形状のために(例えば、間隙、特徴、異なる厚さ、異なる材料、...などを含む)、確実な消毒が困難な場合がある。
【0067】
例えば、ボタン、スイッチ及び/又は回転つまみ等からなるシステムユーザインタフェースの入力手段は、ユーザによって定期的に操作されるため、検査後に消毒が必要となる場合がある。しかし、これらの領域は、液体(特にアルコール)に対して耐性がないか、または、例えばボタンとシステムハウジングの隣接する表面との間の空洞のために洗浄が困難でありうる。その結果、検査担当者、および/またはメンテナンス担当者、および/またはサービス担当者は、非常に注意深く慎重である必要があるため、影響を受ける可能性のある部分の消毒に多くの時間を費やさなければならない。同時に、その担当者は、例えばユーザインタフェースに多量の液体を付着させ、システムハウジングに浸透して当該システムを損傷しないように注意する必要がある。
【0068】
さらに、システムが例えば超音波イメージングシステムである場合、ユーザは一般に、検査される表面および/または使用されるプローブの表面にゲルを塗布しなければならない。このゲルは、多かれ少なかれ粘性のある液体から構成され、場合によっては様々な異なる粘性を有する。このゲルはまた、システムまたはシステムのいくつかの部分を汚染または腐食する可能性があり、あるいは少なくとも消毒プロセスを複雑化または混乱させる可能性がある。検査の責任者および/またはシステムの保守の責任者は、ゲルおよび消毒液が正しく塗布された後に除去され、システムのハウジングに浸透しないようにする必要があるからである。ゲルはまた、患者間汚染のリスクを増大させる可能性があり、この理由からも正しく除去されなければならない。ゲルが汚れとともに蓄積することは、バクテリアやその他の病原性要素の増殖に適した基質となりうる。特に、複数の臨床試験によると、超音波ゲルが感染を媒介し、拡大することが示されている。ゲルは院内感染の増加、すなわち院内感染の拡大に寄与する可能性がある:例えば、Esteban C. Nannini, Adriana Ponessa, Rosa Muratori, Patricia Marchiaro, Viviana Ballerini, Luis Flynn, Adriana S. Limansky “Polyclonal outbreak of bacteremia caused by Burkholderia cepacia complex and the presumptive role of ultrasound gel” The Brazilian Journal of Infectious Diseases 2015;19(5); 543-545.参照。
【0069】
さらに、患者の快適性を向上させ、関連コストを削減するために、各検査手順の時間を最適化することが望ましい。システムの準備と洗浄の段階も、システムのより良い使用を保証するために、安全で最適化されたものでなければならない。
【0070】
本開示は、医用画像システムおよびそのようなシステムを用いる方法に関する。このようなシステムは、医療検査システムで構成できる。より詳細には、超音波イメージングシステムで構成できる。
【0071】
図1Aは、本開示による折り畳み可能なタッチスクリーンデバイスを備えたシステムの第1の実施形態を側面図で概略的に示している。
【0072】
システム100は、医用画像診断システム(例えば、患者の検査や獣医学的用途、その他の画像処理用途に使用する)、特に超音波診断システムでありうる。しかし、本システムは、液体による洗浄および/または消毒が必要または望ましい他の分野でも使用できる。本システムは、折り畳み可能なタッチスクリーン装置の形態の制御モジュール10を備えることができる。以下の説明では、「制御モジュール」および「折り畳み可能なタッチスクリーン装置」という用語は、互換的に使用できる。折り畳み可能なタッチスクリーン装置によって、例えば、その動作中に使用可能な各機能に関して、システム全体を制御できることが望ましい。このようにして、ユーザ(すなわち、検査実施者)は、単に折り畳み可能なタッチスクリーン装置に触れるだけでよく、システム10の他の部分に触れる必要はない。その結果、検査後に折り畳み可能なタッチスクリーン装置を消毒するだけで十分な場合がある。
【0073】
システム100はまた、例えば電子手段および/またはコンピュータ手段からなるメインステーション12を含み得る。この例には、処理ユニットおよび/または1つ以上のメモリ領域が含まれる。コンピュータ手段は、検査データを処理するために使用できる。しかしながら、折り畳み可能なタッチスクリーン装置10がこのようなコンピュータ手段から構成されること、またはこれらの手段が遠隔(例えばワークステーション、クラウド、...)にあることも可能である。
【0074】
メインステーション12は、1つまたは複数のセンサおよび/またはプローブ(
図1Aには図示せず)に接続でき、またはこれらで構成できる。一例として、超音波プローブがある。センサ及び/又はプローブは、被検者から検査情報を取得し、及び/又は介入を実行するように構成できる。
【0075】
折り畳み可能なタッチスクリーンデバイスは、ケーブルを介してメインステーション12と通信できるが、例えばWIFI(登録商標)、BLUETOOTH(登録商標)などのプロトコルを使用した無線インターフェースを介して通信することもできる。メインステーションはまた、折り畳み可能なタッチスクリーンデバイスに電力を供給でき、これもワイヤレスまたはコネクタを介して行うことができる。
【0076】
メインステーションは、スタンドまたはベース13(
図1Aには完全には示されていない)上に配置できる。特に、スタンドまたはベース13は、ユーザの身長に適合した、または適合可能な高さを有し得、すなわち、折り畳み可能なタッチスクリーン装置がユーザにとって適切な高さにあるように、および/または実施される検査のタイプに適合可能であるようにできる。
【0077】
システム100、特にメインステーション12はまた、外部スクリーン11を含み得、および/または外部スクリーン11と関連付けることができる。当該外部スクリーン11は、折り畳み可能なタッチスクリーン装置の上方に配置できる。しかしながら、外部スクリーン11は、システムから遠隔であることも可能であり、例えば、システムから遠隔の別の部屋、別の建物または別の場所に配置される。その結果、外部スクリーンは、第2のユーザのために提供することもできる。言い換えれば、第一のユーザがシステムを操作し、第二のユーザが外部スクリーン上で取得されたデータを調べることができる。
【0078】
折り畳み可能なタッチスクリーンデバイスは、第1の部分1と第2の部分2から構成される。第1の部分1は、実質的に水平になるように配置できる。例えば、メインステーション12またはシステム100の対応するベースプレート14上に、特に取り外し可能に配置できる。ベースプレートは、特に無線通信および/または無線給電のための通信および/または電力手段を構成できる。さらに、折り畳み可能なタッチスクリーン装置を固定するための機械的取り付け手段、および/または必要に応じて任意にそこから機械的に取り外すための機械的取り付け手段を備えることができる。
【0079】
ベースプレート14は、消毒液に対しても耐性があることが望ましい。その結果、ユーザが誤ってプレート14に液体をかけたり、折り畳み可能なタッチスクリーン装置から液体がこぼれたりしても、システムを損傷することはない。このため、ベースプレート14は、それぞれ保護面を有し得、および/または、システム内部の電子部品に対して開口部を有しないことができる。
【0080】
第2部分2は、第1部分1から折り畳み可能に延びる。操作位置では、例えば傾斜させることができる。オプションとして、傾斜角度はユーザが自由に選択することも、あらかじめ決めておくこともできる。
【0081】
以下により詳細に説明するように、折り畳み可能なタッチスクリーン装置は、例えばアルコールのような消毒液に対して耐性を有する表面を備えることができる。当該表面は、特に、折り畳み可能なタッチ装置のタッチ側に配置されるが、任意に、第1部分と第2部分との間(すなわち、第1部分及び第2部分のタッチ面が接する部分)及びそれらの側面にも配置される。その結果、検査を実施する人または他のユーザが消毒液でタッチ面を洗浄する際、液体が折り畳み可能なタッチスクリーン装置の側面または第1部分と第2部分の間に位置する領域に到達する可能性があるにもかかわらず、折り畳み可能なタッチスクリーン装置が損傷することはない。
【0082】
加えて、折り畳み可能なタッチスクリーンのタッチ面および任意選択で側面は実質的に平坦であるため、折り畳み可能なタッチスクリーンは、容易に、迅速に、かつ信頼できる方法で洗浄できる。これは、第1の部分と第2の部分との間の領域にも適用できる。その結果、本システムは、完全かつ信頼性の高い消毒プロセスを、より迅速に、より確実に、および/またはより徹底的に促進できる。
【0083】
代替案として、折り畳み可能なタッチスクリーン装置の表面全体は、例えばアルコールなどの消毒液に対して耐性がある。言い換えれば、第1および第2の部分の後面(タッチ面にはなり得ない)もこの表面を含むことができる。
【0084】
さらに、折り畳み可能なタッチスクリーン装置の側面の、第1の部分と第2の部分が接続される領域には、エラストマーまたはシール4を設けることができる。このエラストマーまたはシールは、特に、第1の部分と第2の部分との間のヒンジまたはシールを覆い、かつ/または保護できる。このヒンジまたは関節は、第1の部分に対する第2の部分の折り畳みを可能にするように構成できる。同じ特徴が、第二の部分と第三の部分の間の交差部にも適用できる(
図2A参照)。折り畳み角度は、あらかじめ定義したり、制約を設けたり、あるいはユーザが自由に選択できる。
【0085】
さらに、折り畳み可能なスクリーン上に配置できる機械的なボタン(例えば、1つ以上のクリック可能なホイール)と一緒に使用できる(または含むことができる)ようにシステムを構成することもできる。これは、例えばBluetoothを介して無線システムと通信できる。これらのボタンは、消毒時にスクリーンから取り外すことができる。ボタンはまた、液体に対して耐性のある漏れのない表面を削ってもよく、したがって消毒液で洗浄できるように構成することもできる。
【0086】
図1Bは、折り畳み可能なタッチスクリーン装置が取り外された、
図1Aのシステムの第1の実施形態を概略的に示す。図示されているように、折り畳み可能なタッチスクリーン装置は、第1および第2の部分のタッチ面が互いに隣接し、かつ閉じられた折り畳み可能なタッチスクリーン装置内にあるように、それ自体で閉じることができ、有利には装置に「機械的」保護を提供する。代替的または追加的に、折り畳み可能なタッチスクリーンは、第1および第2の部分のタッチ面が閉じた折り畳み可能なタッチスクリーン装置の外側にあるような、再び閉じられる(reclosable)ようにすることもできる。
【0087】
その結果、メインステーションから機械的に切り離された折り畳み可能なタッチスクリーン装置は、例えばシステム100をより自由に駆動および/または制御するため、および/または他の安全機能、人間工学的機能のために、メインステーション12から遠隔的に使用することもできる。さらに、一度取り外したベースプレート14は、必要に応じてその上面を消毒できる。
【0088】
【0089】
また、図示の例は、
図2Cの文脈でも詳述される可能性のある表示機能を示している。これらの機能および特徴は、2つの実施形態にも適用できることに留意すべきである。その結果、
図1Cのオプションの外部スクリーン11を、折り畳み可能なタッチスクリーン装置10のオプションの第3の部分3に置き換えることができ、あるいはそれもまた提供することもできる。
【0090】
外部スクリーン11は、システムによって取得された検査画像データ及び/又は検査画像21を表示できる。折り畳み可能なタッチスクリーン装置の第2の部分2(第1の部分と外部スクリーンの間に配置できる)は、追加の設定オプション、すなわち検査手順を制御するように構成できる制御手段22(例えば、ボタン、スイッチ、回転つまみ、カーソルの形で)を表示することを可能にできる。検査手順は、例えば、検査データおよび/または処理データの取得を含むことができる。
【0091】
第1の部分1は、外部スクリーン11の画像および/または画像データ21の複製部分23を表示できる。当該部分は、例えば画像21の関心領域とできる。関心領域は、ユーザによって手動で、及び/又はシステムによって実行される手順によって自動的に選択できる。例えば、より大きな画像に含まれる特定の画像データを有する関心領域であり得る。例えば、画像21はBモード画像データ(輝度モード)から構成でき、その中の領域はShearWave(商標)又はSWE(せん断波エラストグラフィ)画像データから構成できる(その代わりに又は追加して)。追加的または代替的に、関心領域はシステムのアルゴリズムによって自動的に選択できる。このようなアルゴリズムの例としては、AI(人工知能)ベースのアルゴリズム、及び/又は、事前定義された及び/又はパラメータ化若しくは調整可能な検査手順の管理に関与するアルゴリズムが挙げられる。
【0092】
一実施例による表示情報の構成は、ユーザが制御手段22を用いて検査を容易に制御できるという利点を有する。これらの制御手段22は、ユーザが例えば外部スクリーン11に集中しているとき、および/または、例えばプローブおよび/またはセンサを用いてデータを取得しているときに、ユーザが容易にアクセスでき、はっきりと見える。さらに、第1の部分に表示された画像23の部分により、ユーザは必要に応じて画像23に近づき、非常に近くで見ることができる。ユーザは、例えば、電子ペンまたは1本以上の指を用いて注釈を付けることができる。これらの注釈は、例えば
図2Cの文脈で説明したように、システムが他のデータ処理ステップを準備、パラメータ化および/または実行するために使用できる。言い換えれば、第1の部分は任意に実質的に水平に配置されるため、ユーザによって描画テーブルとして使用でき、注釈および/またはマーク領域などを作成しやすくなる。
【0093】
しかし、表示される情報は、異なる画面上で別の方法で整理することもできることに留意すべきである。例えば、実施中の検査(ユーザープロファイル)、検査期間全体、または検査の特定のステップについて、どの情報をどの領域に表示するかをユーザが自由に選択できるようにシステムを構成できる。少なくとも折り畳み可能なタッチスクリーン装置では、「ドラッグ&ドロップ」ジェスチャによってこれを実行できる。さらに、少なくとも第1の部分に表示される情報は、第2の部分に表示される情報と交換可能である。言い換えれば、第1の部分と第2の部分の機能は交換可能である。
【0094】
折り畳み可能なタッチスクリーンデバイス10の図示された実施例は、境界線を含む。しかしながら、スクリーンは、例えば
図3A及び
図3Bの文脈で説明されるように、境界線なしとすることもできる。
【0095】
図2Aは、本開示による折り畳み可能なタッチスクリーン装置を備えたシステム100の第2の実施形態を側面図で概略的に表している。
【0096】
第2の実施形態は、
図1A~
図1Cの第1の実施形態に対応するが、主な相違点を以下に説明する。第2の実施形態では、折り畳み可能なタッチスクリーン装置は、3つの折り畳み可能な部分1、2、3を備えることができる。その結果、第3の部分3は、第2の部分2から延びることができ、第2の部分に対して折り畳み可能および/または湾曲できる。
【0097】
前記第3の部分3は、第1の実施形態に示された外部スクリーン11を置き換えることができ、または前記スクリーンに加えて設けることができる。システム100が外部スクリーン11を含まない場合には、メインステーション12の形状を適合させることもできる。例えば、電子手段及び/又はコンピュータ手段をスタンド及び/又はベース13に一体化できる。また、メインステーションは、ベース14をその上側に配置した実質的に机の形状にすることもできる。
【0098】
図2Bは、
図2Aのシステムの第2の実施形態を概略的に示しており、折り畳み可能なタッチスクリーンデバイスは取り外されている/切断されている。
【0099】
折り畳み可能なタッチスクリーン装置は、メインステーション12から、すなわちベースプレート14から取り外すことができる。図示されているように、折り畳み可能なタッチスクリーン装置の3つの部分は、ジグザグ形状またはS字形状に折り畳む(すなわち折り曲げる)ことができる。あるいは、追加的に、螺旋状に折り畳むこともできる。
【0100】
図2Cは、
図2Aおよび
図2Bのシステムの第2の実施形態を透視図で概略的に示している。表示される情報は、
図1Cに示されるものに対応する組織を有し得る。その結果、表示される情報の機能および特徴は、
図2Cのものに対応できる。
図2Cの例では、第3の部分が外部ディスプレイ(スクリーン、プロジェクター、...)に取って代わるか、あるいはそれを補完する。
【0101】
3つの部分が境界線なしにつながっているため、様々な視覚効果および/または制御機能が可能になり、システムの使用が容易になり、ユーザの作業が最適化される。
【0102】
例えば、ユーザは表示された情報(または表示された情報の項目)を任意の位置から別の位置に移動できるようにシステムを構成できる。これは、部分内だけでなく、ある部分から他の部分への移動も可能である。このような移動は、例えば「ドラッグ・アンド・ドロップ」のように、ユーザによるタッチジェスチャで制御できる。
【0103】
別の例では、画像23の部分を第3の部分から第1の部分(例えば、第2の部分を経由する)へドラッグまたは切り替えることができる。部分間の境界のない継ぎ目により、このような視覚効果は、画像23の部分の表示を中断することなく達成できる。オプションとして、画像はドラッグ中に透過的に表示され、他の表示情報(例えば、制御手段22)は完全に隠されることなく、常に少なくとも部分的に見えるようにできる。このような視覚効果は、複製された画像23、すなわち(元の)画像21がどこから来たのかをユーザが容易に理解できるという利点がある。その結果、より直感的な検査手順が可能になる。
【0104】
このような視覚効果は、例えば、
図1Cの文脈で説明したように、システムによって実行されるプロセスによって自動的にトリガできる。しかし、ユーザが手動でトリガすることもできる。例えば、ユーザは画像21の特定の領域をマークしたり、所定の関心領域(例えば、Bモード画像の中のSWE画像など)を選択したりできる。部分1から部分3までが境界線なし(borderless)に接続されているため、ユーザがタッチジェスチャ/機能(例えば、“ドラッグ・アンド・ドロップ”)を用いて画像の選択部分(あるいは、完全な画像21)を別の部分、例えば部分1に移動させることが可能になる。さらに、システムは、複製された画像23の部分を画像21内の元の画像部分に対して拡大できるように構成できる。このようなズーム機能は、システムによって自動的に実行でき、および/または、システムは、手動ズーム用の手段を提供できる。
【0105】
ユーザは、複製された画像23に注釈を付けたり、複製された画像の領域にマークしたりできる。例えば、ユーザは、システムの電子ペン及び/又は指を用いてこれを行うことができる。オプションとして、ユーザは、例えば制御手段22の1つを使用して、他の制御ジェスチャを行うことができる。一例では、ユーザは、スライドコントローラ22または仮想ボタンを使用してパラメータを設定できる。別の例では、ユーザは、例えばボタン22に触れることによって、コマンドを選択できる。これに応答して、システム(特に、そのコンピューター手段)は、画像23及び/又は21を処理するように構成され得る。例えば、画像23におけるユーザのジェスチャに応答して、特定の特徴または領域をより良く強調するように画像21を処理できる。この処理により、ユーザは、システム(例えば、第1の部分で表示された増加した関心領域の重複を用いて)によって取得された画像データを用いてより容易に作業できる。したがって、より信頼性が高く、より迅速なデータ分析が可能になる(例えば、第3の部分に表示された処理画像21を使用する)。
【0106】
図3Aは、本開示による折り畳み可能なタッチデバイスの表面構造の一例による第1の実施形態を概略的に示す。より詳細には、
図3Aは、折り畳み可能なタッチデバイスを側面図で概略的に示す。折り畳み可能なタッチデバイスの図示は非常に概略的であり、2つの部分間の折り畳み可能な接合部は図示されていない。この図は、例えば、単一の部分に対応でき、例えば、第1の部分の下側を示す。
【0107】
折り畳み可能なタッチスクリーン装置は、保護面8を有するタッチスクリーン5を含み得る。スクリーン5の下方には、折り畳み可能なタッチスクリーン装置の内部に電子機器収納部6を配置できる。電子機器収納部6は、電子部品および/またはコンピュータ手段を含み得る。例えば、処理装置及び/又はメモリ及び/又は充電式電池である。
【0108】
折り畳み可能なタッチスクリーンデバイスは、その側面と底面、例えばタッチスクリーン5が配置されている面を除く全ての面に保護カバーを設けることができる。
【0109】
タッチスクリーン5は、折り畳み可能なタッチスクリーンデバイスの上面全体に境界なく配置できる。その結果、上面全体をスクリーンのように使用できる。この上面もタッチ面とみなすことができる。保護面8は、折り畳み可能なタッチデバイスの側面や、場合によっては保護カバー7の表面にも配置できる。
【0110】
保護面8は、任意に、液体、特に消毒液、例えばアルコールに耐性のある材料から作られる。このような材料の例としては、ガラスが挙げられる。他の例としては、プラスチック材料(例えばプレキシガラス、透明PVCフィルム)またはサファイアガラスからなり、消毒液、例えばアルコールによって損傷されないように構成されている。少なくとも2つの部分間の折り畳み可能な領域では、表面材料は、対応する折り曲げまたは屈曲運動を可能にする望ましい特性を有する。例えば、使用されるガラス材料は、少なくともこれらの領域において、そのような屈曲を可能にするのに十分な薄さを有し得る。
【0111】
このようにして、折り畳み可能なタッチスクリーンは、有利なことに、その表面、特にタッチ面に消毒液を塗布することにより、液体で洗浄および/または消毒できる。
【0112】
言い換えれば、スクリーン5および/または少なくとも表面8が上面全体を覆っていることから、液体が浸透して電子部品を損傷する可能性のある開口部や空間は存在しない。
【0113】
図3Bは、一例による、本開示による折り畳み可能なタッチデバイスの表面構造の第2の実施形態を概略的に示す。
【0114】
一般論として、一例による第2の実施形態は、
図3Aの第1の実施形態に対応できる。しかしながら、タッチスクリーン5は、折り畳み可能なタッチデバイスの上面全体だけでなく、少なくとも部分的にその側面にも配置できる。言い換えれば、タッチスクリーン5は、電子機器収納部6の周囲でその側面に折り畳むことができる。保護面はタッチスクリーン5の少なくとも1つの外面に配置できる。この実施形態でも、タッチスクリーン5の保護が達成される。
【0115】
図4Aは、機械式キー31とタッチパッド33を含む従来の制御モジュール30を概略的に示している。制御モジュールは、回転ボタン32のような他の既知の入力手段を含むことができる。図示されているように、ユーザは一般に、一方の手でプローブ35を患者に接触させて保持し、他方の手でシステムすなわち制御モジュールを制御する。通常、ユーザはプローブと画面34に同時に集中しなければならない。その結果、ユーザは可能な限りブラインドで(すなわち、見ることなく)制御モードを制御しようとする。さらに、ユーザは一般的に、スクリーンに表示された画像の分析を行いやすい暗い部屋にいる。このような状況では、キーが物理的なキーであるため、ユーザに触覚的なフィードバックを直感的に与え、触覚を使ってボタンを操作するよう導くことができるという利点がある。しかし、従来のタッチスクリーンを制御モジュールとして使用する場合、ユーザは、触覚フィードバックというこの利点を得られない可能性があり、したがって、制御モジュールに視覚的に集中することが追加的に要求される可能性がある。このため、本開示は、ユーザの要求に応じて、ユーザがシステマティックに、タッチスクリーンを見ることなく、すなわちブラインド方式でタッチスクリーンを使用できる解決策を提供する。
【0116】
図4Bは、本開示による所定のモードのユーザインタフェースを有する折り畳み可能なタッチスクリーンを概略的に示す。折り畳み可能なタッチスクリーンは、上述したタッチスクリーンに対応でき、特に、複数の部分1、2、および3から構成できる。部分の少なくとも1つは、複数の制御手段を含むユーザインタフェース40を有し得る。本実施例では、第1の部分1がユーザインタフェースを含み得る。しかし、ユーザインタフェースは、他の部分または部分の組み合わせに表現されることもできる。また、システムのブラインド制御を可能にする図示の技術では、タッチスクリーンが折り畳み可能であったり、複数の部分で構成されていたりする必要はないことに留意されたい。
【0117】
ユーザインタフェース40は、事前定義モードを含むことができ、ユーザインタフェースは、事前定義された方法で制御手段を配置するように構成される。従って、このモードでは、制御手段の位置は、例えばキーボード、一連のキー、ボタンの形で事前定義できる。このモードは、例えば、システムが起動され、機能モードまたは検査手順がまだ開始されていない場合に、標準モードとして使用できる。事前定義モードにおける制御手段は、必ずしも適応モードと同じである必要はないことに留意すべきである。例えば、適応モードでは、以下に説明するように、制御手段の選択のみを使用できる。
【0118】
例えば、事前定義モードのユーザインタフェースは、
図4Aに示されるように、主に従来の制御モジュールに対応できる。ユーザは、本開示に関連する多くの利点を提供しつつ、既知の作業環境を再現するように、使い慣れた機械で通常使用されるボタン/キーパッド構成に近い構成を選択でき、デフォルトで、または要求に応じて提供できる。したがって、タッチスクリーンは、例えば、1つまたは複数のボタン41、タッチパッドおよび/またはトラックボール43、ホイール(図示せず)、および1つまたは複数の回転ボタン42など、従来の手段に対応し得る制御手段を有し得る。
【0119】
制御手段は物理的なボタンではないので、タッチスクリーンは、触覚効果、すなわちユーザの手および/または指に知覚可能な触覚刺激をシミュレートするように、学習またはパラメータ化によって構成および/またはユーザに適合させることができる。特に、機械的なボタン(例えばクリックコマンド)および/または制御手段の形状をこの方法でシミュレートできる。例えば、触覚効果により、表面摩擦を増加または減少させることが可能である。この目的のために、高周波音波または電気パルスを使用できる。別の例では、マイクロ流体入力を使用できる。
【0120】
したがって、制御手段は、タッチスクリーンによって提供されるため、仮想またはシミュレートされた手段であると理解できるが、別個の物理的装置ではない。これはまた、インターフェースの清掃が非常に簡単であるという利点もある。
【0121】
制御手段は、タッチスクリーン上の制御手段の触覚的および/または構造的形状、例えば境界線、ボタンの縁をシミュレートすることによって定義できる。例えば、制御手段がタッチボタンである場合、シミュレートされた境界は、ボタンがどこにあるかをユーザが感じるのを助けることができる。これにより、制御モジュールのブラインド操作が容易になり、信頼性が高まる。
【0122】
図5Aは、本開示による、適応モードにあるユーザインタフェースを有する折り畳み可能なタッチスクリーンと第1の位置にあるユーザの手とを概略的に示す。
図5Aの例は、
図4Bの例に実質的に対応できる。ただし、ここでは、事前定義モードの代わりに、ユーザインタフェース50は適応モードを有する。
【0123】
適応モードでは、ユーザインタフェースは、ユーザのジェスチャに従って制御手段51~55を配置するように構成できる。例えば、ユーザのジェスチャは、手(例えば、掌および/または1本以上の指または手全体)をタッチスクリーン上に置くこと、または少なくとも手でタッチスクリーンに近づくことから構成できる。
【0124】
代替的または追加的に、ユーザのジェスチャは、タッチスクリーン上に外部制御装置を配置する(および/または少なくとも接近する)ことからなる場合がある。例えば、制御装置は、機械的なボタン、制御ホイール、またはジョイスティックとできる。タッチスクリーンは、様々な異なる制御手段の機能を表示することもできる。
【0125】
その結果、制御手段の位置は、ユーザが手を置いた場所またはタッチスクリーン上の外部制御装置に依ることができる。従って、
図5Aと
図5Bの比較でわかるように、制御手段は常に手の位置に対応するように配置できる。したがって、ユーザは、タッチスクリーン上のどこにでも手を置くことができ、タッチスクリーンを見ることなく、すなわちブラインドでシステムを制御できる。
【0126】
例えば、ユーザインタフェースは、ユーザの認識されたジェスチャに基づいて、例えば、ユーザが手全体または少なくとも掌をタッチスクリーン上に置いたときに、事前定義モードから適応モードに切り替えることができる。このようにして、システムおよび/または制御モデルは、ユーザが事前定義モード(すなわち、事前定義された制御手段)に注意を払っていないこと、およびこの適応モードがユーザによって好まれていること、および/またはこの使用段階においてより適切であることを認識できる。
【0127】
オプションとして、コマンドは、ユーザが意図的に制御手段をクリックまたは作動させた場合にのみ、制御手段によってトリガされる。つまり、タッチスクリーンに触れただけではコマンドはトリガされないことが望ましい。その結果、意図せずにタップまたはタッチされた制御手段は、制御をトリガしない。これにより、制御モジュールのブラインド使用がさらに改善される。例えば、タッチスクリーンは、1つ以上の圧力センサを備えたタッチパネルで構成できる。これらのセンサを用いて、タッチスクリーンは、単純なタッチと、例えばクリックのような意図的な選択とを区別するように構成できる。
【0128】
図5Aに示されるように、適応モードでは、ユーザインタフェースは、指(特に指の付け根や指先である)がタッチスクリーンに触れる(または近づく)と判定される位置に制御手段を配置するように構成できる。その結果、位置は、手がタッチスクリーン上に置かれる位置、特に、掌および/または指についての関数として決定され得る。例えば、掌によってタッチされる領域に応じて、手のサイズ、したがって指の位置を制御システムまたはモジュールによって推定できる。さらに、タッチスクリーンに触れている掌および/または他の指の位置に応じて、タッチスクリーンに触れている指の種類(例えば人差し指や親指)を識別できる。この文脈において、これが左手の指であるか右手の指であるかを検出することも可能である。これにより、特定の種類の指に特定の制御手段または特定のコマンドを割り当てることが可能になり、例えば親指に「画像フリーズ」を割り当てることができる。
【0129】
したがって、システムおよび/または制御モジュールは、ユーザのジェスチャに従って指(または特に指のパッド)の位置を決定し、決定された位置に制御手段を配置するように構成できる。従って、手の大きさ及び/又は指の大きさも、有利にはシステムによって考慮され得る。
【0130】
さらに、適応モードにおいて、制御手段の選択は、システム動作モードおよび/またはワークフロー、例えば事前定義されたおよび/またはユーザ適応された検査手順またはアルゴリズムの関数として選択されることに位置付けられる。このアルゴリズムは、特に、定義済みおよび/またはカスタマイズ可能な医療ワークフローアルゴリズム、および人工知能アルゴリズムを含み得る。したがって、システムおよび/または制御モジュールは、現在の動作モードにおいて頻繁に使用される特定の制御手段(すなわち、特定のコマンド)のみを選択できる。これらの選択された制御手段(例えば最大5つ)は、1本の指の位置に対応するように配置できるため、ユーザは、タッチスクリーン上の任意の場所に手を置くだけで、ブラインドでシステムを制御できる。
【0131】
例えば、特定の制御手段(すなわち特定のコマンド)を特定の指に帰属させることができる。このようにして、ユーザは、タッチスクリーンを見ることなく、この制御手段を回復できる。例えば、親指の位置には、取得した画像をフリーズさせる「フリーズ」ボタン55を配置できる。別の例では、人差し指の位置に、現在利用可能なオプション(例えば、タッチスクリーン上に同時に表示される)を選択する「選択」ボタン54を配置できる。別の例では、中指と薬指の位置に、トラックボール53および/またはタッチパッド52の形態の制御手段を配置できる。さらに別の例では、自由に選択可能な機能を有する制御手段51を小指の位置に配置できる。
【0132】
さらに、2本以上の指を一緒に使って制御手段を制御するように構成することもできる。さらに、複数の制御手段を1本の指に割り当てることもできる。例えば、プロトコルシーケンス中、ユーザに対するパーソナライゼーション実行(exercise)中、またはシステムの使用訓練中に連続して行うことができる。
【0133】
一般に、単純なクリック以外の操作ジェスチャも可能である。例えば、ダブルクリック、複数の指を一緒に使ったクリック、1本または複数の指を使ったスクロールおよび/またはスキャン、ズームイン/アウトのジェスチャなどが使用できる。
【0134】
位置と制御スキャンの種類もまた、異なってもよく、および/または、機械がその用途に応じて設定できてもよく、および/または、ユーザが好みに応じて設定できてもよいことに留意すべきである。特に、ユーザ自身が配置を選択することが可能である。したがって、適応モードは、各ユーザが自分自身の適応モードを持つことができるように、ユーザに固有のものとできる。さらに、適応モードおよび/または制御手段の選択は、上述のように、ユーザに固有であるだけでなく、システムの現在の動作モードに固有であることも可能である。
【0135】
特定の指に割り当てられた制御手段に関連する機能が、事前定義されたワークフローに従って動作モード中に自動的に進化するように、システムおよび/または制御モジュールが構成されることも可能である。このようにすることで、ユーザが1本の指で一連のコマンドをトリガすることが可能となり、各コマンドは動作モード中の所定の動作で適用可能である。このようにして、ユーザのワークフローをシステムによって半自動化できる。ワークフローの例は、以下に示されれる。
【0136】
また、制御手段を指に帰属させ、ユーザがワークフロー中に特定のシーケンスでそれらをトリガできるようにすることも可能である。これは、ピアノでメロディーを演奏するときなど、ユーザがシーケンスを簡単に記憶するのに役立つ。
【0137】
超音波システムにおける異なる動作モードの例としては、Bモード(輝度モード)、ShearWaveモード(せん断波エラストグラフィ)、ドップラーモード、これらのモードの組み合わせ、および/または他のタイプの超音波収集モードがある。
【0138】
超音波撮影時のワークフローの一例を以下に示す:
【0139】
第1の操作において、ユーザは特定の超音波収集モードを選択できる。この操作において、異なる種類の超音波収集モードを選択するためのそれぞれの制御手段を指に割り当てることができ、例えばモードBを人差し指に割り当てることができる。ユーザは指、例えば人差し指でクリックすることによってモードを選択できる。その結果、選択されたモードで超音波収集が開始される。
【0140】
第2の操作では、ユーザは1つ以上の超音波収集パラメータを設定する。設定のためのそれぞれの制御手段は、この操作において指に割り当てることができる。一例では、人差し指を「ゲイン」オフセットコントローラに割り当てることができ、及び/又は親指を超音波取得を停止するための「フリーズ」操作に割り当てることができる。
【0141】
第3の操作では、ユーザはビデオを開始したり、スクリーンショットを撮ったりできる。この操作では、それぞれの操作手段を指に割り当てることができ、例えば、スクリーンショットの撮影は人差し指に、ビデオの開始は中指に割り当てることができる。
【0142】
ビデオ録画の場合、第4の操作として、ユーザはそれぞれ割り当てられた操作手段、例えば中指で再びビデオを停止できる。
【0143】
ユーザが選択した内容に応じて、第五の操作で、ユーザはビデオを表示したり、スクリーンショットを表示したりできる。この操作において、動画やスクリーンショットを保存したり、動画やスクリーンショットを削除したりする他の操作手段を他の指に割り当てることができる。
【0144】
その結果、ユーザは、ワークフローの各ステップにおいて、適用可能なおよび/または関連するコマンドのみを提案され、一方、適用不可能なまたは無関係なコマンドは消えてしまう可能性がある。しかし、いくつかのコマンドは、いくつかの、あるいはすべての利用可能な操作に残り、同じ指に割り当てられることが望ましい場合がある。これにより、ユーザは最も重要なコマンドの概要を把握しやすくなり、システムの最適な使用順序を直感的に設定しやすくなる。これにより、見落としを防ぎ、検査時間を大幅に短縮できる。
【0145】
図5Bは、本開示による、適応モードにあるユーザインタフェースを有する折り畳み可能なタッチスクリーンと、第2の位置にあるユーザの手とを概略的に示す。
【0146】
【0147】
しかし、制御手段51~55は、タッチスクリーン上の手の位置に応じて再配置される。したがって、
図5Bの例では、ユーザは
図5Aの例とは別の位置に手を動かした(またはタッチスクリーンから離れた後、タッチスクリーンに向かって移動するか、タッチスクリーン上に静止した)ので、制御手段は結果として自動的に再配置された。ユーザは、タッチスクリーンに集中することなく、例えば、手を持ち上げてタッチスクリーン上の任意の位置に戻すことができる。タッチスクリーン上の任意の位置は、(例えば、プローブの必要な動きにより)位置、向き、...の点で前の位置とは大きく異なる可能性がある。したがって、有利なことに、ユーザは以前と同じ方法で(つまり、ユーザが前の手の位置で行ったのと同じように)タッチスクリーンを操作し続けることができる。言い換えれば、タッチスクリーン、特にコントロールの位置は、ユーザに合わせて調整される。
【0148】
ユーザが適応モードでタッチスクリーンから手を離すと(任意で、少なくとも事前に定義された最小期間)、タッチスクリーンは適応モードから事前定義モードに自動的に切り替えることもできる。モード間の切り替えは、ユーザが明確にトリガすることもできる。
【0149】
別の例では、ユーザはタッチスクリーン上で手を第1の位置(例えば、
図5Aの位置)から第2の位置(例えば、
図5Bの位置)へドラッグまたはドロップでき、制御手段51~55はその指に追従できる。このような動きは、例えば、ユーザのもう一方の手に保持されているプローブの必要な動きや、ユーザの他の動きによる場合がある。この例では、システムおよび/または制御モジュールは、第1の位置から第2の位置に移動するときに、手の少なくともいくつかの部分、例えば掌および/または少なくとも1本の指(あるいは2本またはすべての指を使う)がタッチスクリーンと接触したままであると判定するように構成され得る。この判定に基づいて、手の動きは、したがって制御手段51~55のそれぞれの再調整を必要とする動き、例えば意図しない動きとして解釈できる。同様に、ユーザは、制御手段に接触したまま、制御手段51~55を別の位置、例えばより快適な位置に移動させることにより、制御手段51~55の位置を再配置することが可能であり得る。
【0150】
図6Aは、本開示による、適応モードおよび事前定義モードにおけるユーザインタフェースを有する折り畳み可能なタッチスクリーンと、第1の位置にあるユーザの手とを概略的に示す。
図6Bは、本開示による、適応モードと事前定義モードとを組み合わせたユーザインタフェースを有する折り畳み可能なタッチスクリーンと、第2の位置にあるユーザの手とを概略的に示す。
【0151】
図6Aおよび
図6Bの例は、それぞれ
図5Aおよび
図5Bの例に実質的に対応する。しかし、適応モードと事前定義モードを組み合わせたモードでは、ユーザインタフェースは、ユーザのジェスチャー(例えば手の位置)に応じて配置される制御手段51~57の第1のセットだけでなく、事前定義された位置にある制御手段42の第2のセットも含んでいる。従って、第1のセットはユーザのジェスチャに応じて位置が変わるが、第2のセットは常にその所定の位置に留まる。このようにして、頻繁に使用される機能を第1のセット51~55に割り当てることができ、タッチスクリーンの少なくとも1つの周辺領域を依然として第2のセットに使用できる。その結果、ユーザはタッチスクリーンを見ることなく第1のセットを操作でき、他の機能も使用できる。
【0152】
以下、本開示の態様を例示する。
(態様1)
医用撮像システムであって、
前記システムを制御するように構成された制御モジュールを備え、前記制御モジュールは、少なくとも第1のタッチスクリーン部分と、前記第1のタッチスクリーン部分から延びて、前記第1のタッチスクリーン部分に対して傾斜可能な第2のタッチスクリーン部分とを有する折り畳み可能なタッチスクリーンを含み、
前記制御モジュールは、前記第1及び第2の部分上、かつ前記2つの部分間に、消毒液によって洗浄可能であるように構成された液体に対して耐性のある漏れ止め面を有する
医用撮像システム。
(態様2)
前記第1の部分及び/又は前記第2の部分は、前記システムを制御及び/又は調整するための要素として機能するように構成されている
態様1に記載の撮像システム。
(態様3)
前記タッチスクリーンの前記少なくとも1つの部分はユーザインタフェースを表示するように構成され、前記ユーザインタフェースが、任意に
追加の調整オプション、及び/又は、
制御手段、及び/又は、
患者ファイル及び/又は検査レポートの全部又は一部を備える
態様1又は2に記載の撮像システム。
(態様4)
前記ユーザインタフェースは、
前記ユーザインタフェースがユーザのジェスチャに応じて前記制御手段を配置するように構成される適応モードを備え、及び/又は、
前記ユーザインタフェースが事前定義された態様において前記制御手段を配置するように構成される事前定義モードを具備する、
態様3に記載の撮像システム。
(態様5)
前記ユーザのジェスチャは、手の全部又は一部、及び/又は外部制御装置を前記タッチスクリーン上に置くことからなる
態様4に記載の撮像システム。
(態様6)
前記タッチスクリーンが、触覚効果、特に機械的ボタン及び/又はトラックボール及び/又はタッチパッド及び/又は制御手段の形状をシミュレートするように構成されている
態様1から5のいずれか一つに記載の撮像システム。
(態様7)
前記制御手段は、前記タッチスクリーン上で前記制御手段の触覚的、及び/又は構造的形態をシミュレートすることによって定義される
態様6に記載の撮像システム。
(態様8)
前記適応モードにおいて、前記ユーザインタフェースは、前記タッチスクリーン上又はその近傍の指の位置に関連付けられた位置に制御手段を配置するように構成されている
態様4から7のいずれか一つに記載の撮像システム。
(態様9)
前記適応モードにおいて、制御手段の選択が配置され、前記制御手段は前記システムの動作モードの関数として選択される
態様4から8のいずれか1項に記載の撮像システム。
(態様10)
前記折り畳み可能なタッチスクリーンは、前記第2の部分から延びて前記第2の部分に対して傾斜可能な第3のタッチスクリーン部分を備える
態様1から9のいずれか一つに記載の撮像システム。
(態様11)
前記第1、第2、及び第3の部分は、「S」字形状及び/又は螺旋形状に折り畳まれ、及び/又は
前記折り畳み可能なタッチスクリーンは、前記システムから取り外し可能である
態様1から10のいずれか一つに記載の撮像システム。
(態様12)
前記システムは、超音波撮像システムである
態様1から11のいずれか一つに記載の撮像システム。
(態様13)
前記制御モジュールは、側面にも液体に対して耐性のある漏れ止め面を有し、及び/又は、前記折り畳み可能なタッチスクリーンの少なくとも上面及び任意にその側面も同じ材料で作られている
態様1から12のいずれか一つに記載の撮像システム。
(態様14)
前記折り畳み可能なタッチスクリーンの少なくとも上面及び任意にその側面、又は前記制御モジュールの表面が、全体として折り畳み可能なガラスで作られている
態様1から13のいずれか一つに記載の撮像システム。
(態様15)
前記制御モジュールが、滑らかな表面を有し、及び/又は機構を有しない
態様1から14のいずれか一つに記載の撮像システム。
(態様16)
前記モジュールの側面の少なくとも一方が、前記第1の部分と前記第2の部分との間、及び/又は前記第2の部分と前記第3の部分との間に、密閉されたヒンジを形成するように構成されたエラストマーからなる、
態様1から15のいずれか一つに記載の撮像システム。
(態様17)
前記撮像システムによって生成された第1の画像を、前記第3の部分、及び/又は前記システムの外部スクリーンに表示するように構成され、
前記撮像システムは、前記第1の画像を複製し、任意に事前定義されたイベントに応答して、前記第1の部分及び/又は前記第2の部分に前記第1の複製された画像を表示するように構成された複製手段も備える
態様1から16のいずれか一つに記載の撮像システム。
(態様18)
前記第1の複製された画像は、前記第3の部分又は前記外部スクリーンから、前記第1の部分又は前記第2の部分にドラッグ及び/又はドロップすることにより得られる
態様11に記載の撮像システム。
(態様19)
第1の事前定義されたアルゴリズムを使用して前記第1の画像内の関心領域を決定するように構成された処理手段であって、前記関心領域は任意に前記第1の複製された画像の一部を構成するか又は形成する、処理手段をさらに備える
態様17及び18の少なくとも一方に記載の撮像システム。
(態様20)
前記第1の複製された画像は、
ユーザが前記第1の複製された画像上の領域をマークできるように、及び/又は
注釈オプションを有するように表示され、応答して、前記処理手段は、前記事前定義されたアルゴリズムまたは事前定義された第2のアルゴリズムの機能を使用して前記第1の画像を処理するように構成される
態様17から19の少なくとも一つに記載の撮像システム。
(態様21)
前記処理手段は、前記第1の処理された画像を、前記第1及び/又は前記第2の部分に表示するように構成され、及び/又は、
前記処理手段は、前記第1の処理された画像を前記第3の部分及び/又は前記システムの外部スクリーンに表示するように構成されている
態様20に記載の撮像システム。
(態様22)
前記事前定義されたイベントが、
ユーザコマンドと、
前記システムのセンサからの信号と、
アルゴリズムによってトリガされるコマンドであって、前記アルゴリズムは特に、
検査手順のための事前定義された及び/又はカスタマイズ可能なアルゴリズム、及び/又は
人工知能アルゴリズム
を含む、コマンドと
のうちの少なくとも1つの要素を備える、
態様17から21のいずれか一つに記載の撮像システム。
(態様23)
システムを用いた医用撮像のための方法であって、
少なくとも第1のスクリーン部分と第2のスクリーン部分、及び/又は前記第2のスクリーン部分から延びる第3のスクリーン部分を有する折り畳み可能なタッチスクリーンを備え、
前記方法は、
前記撮像システムによって生成された第1の画像を前記第3の部分に表示して、前記第1の画像を複製すること、
前記第1の部分及び/又は前記第2の部分上に前記第1の複製された画像を表示して、ユーザが前記第1の複製された画像上の領域をマークできるようにし、かつ/または注釈オプションを有するようにすること、及び
応答して、事前定義されたアルゴリズムを使用して前記第1の画像を処理すること
を含む、医用撮像のための方法。
【0153】
上述したこれらの実施形態および他の例はすべて、非限定的な例としてのみ与えられたものであり、以下の特許請求の範囲内で組み合わせおよび/または変更できる。
【国際調査報告】