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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-09
(54)【発明の名称】画像内での臓器分割
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/03 20060101AFI20240802BHJP
【FI】
A61B6/03 560J
A61B6/03 560G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575366
(86)(22)【出願日】2022-06-06
(85)【翻訳文提出日】2024-02-01
(86)【国際出願番号】 US2022032360
(87)【国際公開番号】W WO2022261006
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】63/197,877
(32)【優先日】2021-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503455363
【氏名又は名称】レイセオン カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】トラン,チュアン ティー.
(72)【発明者】
【氏名】サマニエゴ,レイモンド
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA22
4C093AA26
4C093CA18
4C093CA23
4C093FD09
4C093FD11
4C093FF12
4C093FF13
4C093FF16
4C093FF23
(57)【要約】
本明細書では、臓器マスク生成のためのデバイス、システム、及び方法が説明される。合成重心マスクを生成することと、第1及び第2の強度閾値を識別することと、第1の分割パスで、(i)第1の閾値未満の強度を有する画像のピクセルをゼロに設定し、(ii)合成重心マスクの外に重心があるオブジェクトに対応する前記画像のピクセルをゼロに設定し、結果的に初期臓器マスクを生じさせることと、第2の分割パスで、第1の閾値に満たない第2の閾値未満の強度を有するピクセル(i)をゼロに設定し、(ii)初期臓器マスクの外に重心があるオブジェクトに対応するピクセルをゼロに設定し、結果的に第2の臓器マスクを生じさせることと、第2の臓器マスクを拡大及び充填して、臓器マスクを生成することとを含む臓器マスク生成のためのデバイス、システム、及び方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
臓器分割のためのコンピュータ実装方法であって、
合成重心マスクを生成することと、
第1及び第2の強度閾値を識別することと、
第1の分割パスで、(i)前記第1の閾値未満の強度を有する画像のピクセルをゼロに設定し、(ii)前記合成重心マスクの外に重心があるオブジェクトに対応する前記画像のピクセルをゼロに設定し、結果的に初期臓器マスクを生じさせることと、
第2の分割パスで、前記第1の閾値に満たない前記第2の閾値未満の強度を有するピクセル(i)をゼロに設定し、(ii)前記初期臓器マスクの外に重心があるオブジェクトに対応するピクセルをゼロに設定し、結果的に第2の臓器マスクを生じさせることと、
前記第2の臓器マスクを拡大及び充填して、臓器マスクを生成することと
を含む、前記コンピュータ実装方法。
【請求項2】
スキャンのアレイのフレームごとに前記臓器マスクを生成し、前記生成された臓器マスクを組み合わせて三次元臓器マスクを生成することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の分割パスが、前記合成重心マスク内に重心があるオブジェクトの平均ピクセル強度よりも大きい平均ピクセル強度を含むフレーム内のオブジェクトを削除することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の分割パスが、前記合成重心マスクの外にあるオブジェクトを削除することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の分割パスが、最大でも指定された数のピクセル分、結合されたオブジェクトを分離し、結果的に分離されたオブジェクトを生じさせることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の分割パスが、前記合成重心マスクの外に重心がある前記分離されたオブジェクトのうちのオブジェクトを削除することをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1及び前記第2の分割パスが、前記画像内での臓器のサイズ及び位置を正規化することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
マシンによる実行時に、前記マシンに臓器分割のための操作を実行させる命令を含む非一時的なマシン可読媒体であって、前記操作が、
合成重心マスクを生成することと、
第1及び第2の強度閾値を識別することと、
第1の分割パスで、(i)前記第1の閾値未満の強度を有する画像のピクセルをゼロに設定し、(ii)前記合成重心マスクの外に重心があるオブジェクトに対応する前記画像のピクセルをゼロに設定し、結果的に初期臓器マスクを生じさせることと、
第2の分割パスで、前記第1の閾値に満たない前記第2の閾値未満の強度を有するピクセル(i)をゼロに設定し、(ii)前記初期臓器マスクの外に重心があるオブジェクトに対応するピクセルをゼロに設定し、結果的に第2の臓器マスクを生じさせることと、
前記第2の臓器マスクを拡大及び充填して、臓器マスクを生成することと
を含む、前記非一時的なマシン可読媒体。
【請求項9】
前記操作が、スキャンのアレイのフレームごとに前記臓器マスクを生成し、前記生成された臓器マスクを組み合わせて三次元臓器マスクを生成することをさらに含む、請求項8に記載の非一時的なマシン可読媒体。
【請求項10】
前記第1の分割パスが、前記合成重心マスク内に重心があるオブジェクトの平均ピクセル強度よりも大きい平均ピクセル強度を含むフレーム内のオブジェクトを削除することをさらに含む、請求項8に記載の非一時的なマシン可読媒体。
【請求項11】
前記第1の分割パスが、前記合成重心マスクの外にあるオブジェクトを削除することをさらに含む、請求項8に記載の非一時的なマシン可読媒体。
【請求項12】
前記第2の分割パス及び前記操作が、最大でも指定された数のピクセル分、結合されたオブジェクトを分離し、結果的に分離されたオブジェクトを生じさせることをさらに含む、請求項8に記載の非一時的なマシン可読媒体。
【請求項13】
前記第2の分割パスが、前記合成重心マスクの外に重心がある前記分離されたオブジェクトのうちのオブジェクトを削除することをさらに含む、請求項12に記載の非一時的なマシン可読媒体。
【請求項14】
前記第1及び前記第2の分割パスが、前記画像内での臓器のサイズ及び位置を正規化することをさらに含む、請求項8に記載の非一時的なマシン可読媒体。
【請求項15】
システムであって、
処理回路と、
マシンによる実行時に、前記マシンに臓器マスク生成のための操作を実行させる命令が格納されたメモリデバイスと
を備え、前記操作が、
合成重心マスクを生成することと、
第1及び第2の強度閾値を識別することと、
第1の分割パスで、(i)前記第1の閾値未満の強度を有する画像のピクセルをゼロに設定し、(ii)前記合成重心マスクの外に重心があるオブジェクトに対応する前記画像のピクセルをゼロに設定し、結果的に初期臓器マスクを生じさせることと、
第2の分割パスで、前記第1の閾値に満たない前記第2の閾値未満の強度を有するピクセル(i)をゼロに設定し、(ii)前記初期臓器マスクの外に重心があるオブジェクトに対応するピクセルをゼロに設定し、結果的に第2の臓器マスクを生じさせることと、
前記第2の臓器マスクを拡大及び充填して、臓器マスクを生成することと
を含む、前記システム。
【請求項16】
前記操作が、スキャンのアレイのフレームごとに前記臓器マスクを生成し、前記生成された臓器マスクを組み合わせて三次元臓器マスクを生成することをさらに含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1の分割パスが、前記合成重心マスク内に重心があるオブジェクトの平均ピクセル強度よりも大きい平均ピクセル強度を含むフレーム内のオブジェクトを削除することをさらに含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記第1の分割パスが、前記合成重心マスクの外にあるオブジェクトを削除することをさらに含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記第2の分割パス及び前記操作が、最大でも指定された数のピクセル分、結合されたオブジェクトを分離し、結果的に分離されたオブジェクトを生じさせることをさらに含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項20】
前記第2の分割パスが、前記合成重心マスクの外に重心がある前記分離されたオブジェクトのうちのオブジェクトを削除することをさらに含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記第1及び前記第2の分割パスが、前記画像内での臓器のサイズ及び位置を正規化することをさらに含む、請求項15に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、2021年6月7日に出願された米国仮特許出願第63/197,877号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書で説明される実施形態は、医用画像及び医用画像内で臓器を孤立させるためのデバイス、システム、方法、及びマシン可読媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
磁気共鳴映像法(MRI)スキャン及びX線体軸断層撮影(CTまたはCAT)スキャンなどの医用画像スキャンは、患者などのオブジェクトの内部構造に関する情報を取得するために使用し得る処置である。医用画像スキャンは、がんの兆候を検出するために使用し得る。膵臓などの一部の臓器におけるがんは、体内での臓器の位置及び周囲組織の均質性のため、医用画像スキャンで検出するのが困難である場合がある。
【0004】
医用画像スキャンにおいて膵臓などの臓器を見つけることは、その健康を評価するためのプロセスの一部である場合がある。臓器を見つけるプロセスは、スキャンを見る放射線科医などの人にとっては時間を要する場合があり、放射線科医が臓器の境界を確実に見つけることは困難である場合がある。したがって、医用画像スキャンにおいて臓器を孤立させるためのシステム及び方法が必要である。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】1つ以上の実施形態による、スキャンを実行し、結果を処理及び表示するためのシステムのブロック図である。
図2】例として、臓器分割のための方法の一実施形態のブロック図である。
図3】例として、フレーム前処理の態様の図である。
図4】例として、フレームを正規化するための方法の一実施形態のブロック図である。
図5】例として、合成重心マスクを生成する方法の一実施形態の図である。
図6】例として、分割マスク閾値を見つけるための方法の一実施形態の図である。
図7】例として、図2の第1の分割パス操作を実行するための方法のブロック図である。
図8】例として、図2の第2の分割パス操作を実行するための方法のブロック図である。
図9図7の操作の一部の前後の例示的なフレームの一連の画像である。
図10図8の操作の一部の前後の例示的なフレームの一連の画像である。
図11】例として、3Dマスクの様々な画像である。
図12】例として、マシンに本明細書に説明される方法の任意の1つ以上を実行させるための命令が実行され得るコンピュータシステムの例示的な形式のマシンの一実施形態のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
CATスキャンは、オブジェクト(例えば、患者)が放射源からの透過する(例えば、X線)放射線でいくつかの方向から照射され、各インスタンスで検出器によって透過した放射線のスキャン画像が形成されて、それぞれが二次元アレイとして表現され得る複数のスキャン画像を形成する処置である。放射線は、異なる種類の物質内で異なる速度で減衰し得るため、各画像内の各点は、放射線がそれに沿って放射源から検出器に移動する経路上にある物質の組成物の減衰速度に応じて透過放射強度に対応する場合がある。スキャン画像の組み合わせから、未処理スキャンデータ(例えば、オブジェクトの「密度」の三次元モデル)が形成され得る。本明細書で使用される場合、オブジェクト内の「密度」は、オブジェクト内で変化し、医用画像スキャンで測定される任意の特性である。例えば、CATスキャンに関しては、「密度」は、透過する放射線の局所的な減衰速度を指す場合があり、MRIスキャンに関しては、「密度」は、印加されている磁場の存在下で、プローブ無線周波数(RF)信号の周波数での核共鳴を有する原子の密度を指す場合がある。
【0007】
いくつかの例は、本開示ではヒト患者のCATスキャンまたはMRIスキャンの文脈で説明されているが、本発明はこれに限定されず、いくつかの実施形態では、ポジトロン断層法スキャンなどの三次元密度データを提供する他の種類のスキャン、またはヒト患者以外のオブジェクトのスキャンは、同様に処理され得る。他の種類のスキャンの場合、密度は相応に定義され得、例えばポジトロン断層法スキャンの場合、密度は、ベータプラス放出によって減衰する核の密度である場合がある。本明細書で使用される場合、用語「オブジェクト」は、走査し得るあらゆるものを含み、無制限に、ヒト患者、動物、植物、無生物のオブジェクト、及びそれらの組み合わせを包含する。
【0008】
撮像されているオブジェクトがヒト患者(または他の生きている実体)である場合、一部の組織の密度を選択的に変更するために、造影剤が使用される(例えば、患者に注入されるまたは患者によって経口摂取される)場合がある。造影剤は、例えば、比較的に不透明な物質(つまり、透過する放射線に対して比較的に不透明)を含む場合がある。造影剤を含む組織の密度は、結果的に増加する場合があり、組織内での造影剤の濃度に応じた程度まで増加する場合がある。
【0009】
従来の分割手法は、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)またはなんらかの種類のラベルフュージョンなどの機械学習(ML)技術で行われている。これらの分割方式は、より大きい臓器の分割(例えば、肝臓または腎臓)では成功しているが、少なくとも部分的には、小さいサイズ、形状、強度、及びより小さい臓器でのデータ統計の変動のために、より小さい臓器の分割ではあまり成功していない。より大きい臓器とは異なり、膵臓のようなより小さい臓器は、より容易に変形しやすい。これは、少なくとも部分的には、膵臓を形成する軟組織が周辺の表面に適合するように押される場合があるためである。この変形によって、境界は(多くの場合)ぼやけ、他の隣接する臓器に紛れてしまう。さらに、膵臓のようなより小さい臓器は、限られた数のスキャン/スライスで表示される可能性がある。膵臓が表示されるスキャン/スライスでは、他の臓器が膵臓に重なり合っている可能性がある。他の臓器のこの重なり合いよって、より小さい臓器の一部しか所与のスキャン/スライスで示されない。
【0010】
実施形態は、MLベースではなく、むしろヒューリスティックベースの分割に関する。実施形態は、画像から小さい臓器を分割する際に複数のスキャンパス/閾値を使用することができる。実施形態は、ピクセルのグループの区分化または再グループ化を支援するために合成重心との3D相関を使用することができる。
【0011】
実施形態は、スキャン/スライスから体外の部分(複数可)を除外するフレーム正規化を含むことができる。用語フレーム、スキャン、スライス、画像は、すべて本明細書で同義で使用されている。実施形態は、単一の重心点ではなく、合成重心の周りの重心を含む合成重心マスクを使用することができる。実施形態は、MRI強度の変動を考慮するスキャン/スライスごとの閾値を見つける反復的な方式を含むことができる。実施形態は、フレームの位置及び画像サイズに対してフレームのピクセルを正規化する別の正規化操作を含むことができる。実施形態は、フレーム内の1つ以上のオブジェクトを保持または削除するために重心マスクを使用することができる。実施形態は、小さい臓器と、フレーム内の他の部分とを区別するために役立つ境界テストを含むことができる。実施形態は、例えば検出スライスを相関させて中心基準フレームを見つけることによって、「中心スライス」を識別することを含むことができる。実施形態は、静脈、骨、またはフレーム内の他の高強度のオブジェクトを削除するために、高い平均のオブジェクトを削除することを含むことができる。実施形態は、近傍臓器または他のオブジェクトへの境界を分離するためにエッジを分離することを含む場合がある。実施形態は、例えば破損した臓器部分を(三次元(3D)相関から)再結合するために、臓器マスク部分を充填し、結合することを含むことができる。
【0012】
図1は、1つ以上の実施形態による、スキャンを実行し、結果を処理及び表示するためのシステム100のブロック図を示す。システム100は、スキャナ110と、処理回路115と、画像または画像のシーケンスを映画(または「ビデオ」)の形で表示するためのディスプレイ120と、オペレータ(または、例えば放射線科医)がシステム100を操作するために使用し得るキーボードまたはマウスなどの1つ以上の入力装置125とを含む。入力装置125は、表示される画像の処理に影響を与えるためにオペレータによって使用することができる。処理回路115、ディスプレイ120、及び入力装置125は、一体化したシステムの一部である場合もあれば、例えば別個であり、かつディスプレイ120及び入力装置125に通信可能に結合された処理回路115を有する分散システムである場合もある。いくつかの実施形態では、サーバは画像を格納し、クライアントは画像を呼び出し、画像処理は、サーバもしくはクライアント上で、または両方で実行される。
【0013】
スキャナ110は、エンティティの内側部分のスキャンを生成することができる。エンティティのスキャンは、スキャンのグループとしてともに提供及び分析することができる。例えば、オブジェクト(例えば、患者)第1のスキャンは、造影剤が注入される前に実行され得、オブジェクトのいくつかの後続のスキャンは、造影剤の濃度が変化するにつれて、造影剤の注入後の様々なときに(例えば、定期的な間隔で)実行され得る。造影剤の濃度が最初に増す速度、到達したピーク濃度、及び造影剤の濃度がその後に減少する速度はすべて、造影剤が注入される組織、または対象となる組織の種類に依存する場合がある。
【0014】
いくつかの実施形態では、医用画像スキャンデータから画像を生成して、医用画像スキャンを診断ツールとして使用するのを支援するために様々な方法が用いられ得る。一連のステップ、つまり図2に示され、以下にさらに詳細に説明される「動作」は、例えば、対象となる臓器(例えば、腫瘍を有すると疑われる臓器)を孤立させ、対象の孤立した臓器が未処理のスキャンデータにおいてよりもより容易に明らかとなるビデオまたは一連の画像を形成するために使用され得る。
【0015】
処理回路115は、方法200の操作を実行するように構成されたハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの組み合わせを含むことができる。ハードウェアは、1つ以上のトランジスタ、抵抗器、コンデンサ、ダイオード、インダクタ、スイッチ、電源、メモリデバイス、発振器、マルチプレクサ、論理ゲート(例えば、AND、OR、XOR、ネゲート、バッファなど)、増幅器、アナログーデジタル変換器、デジタルーアナログ変換器、処理ユニット(例えば中央処理装置(CPU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)など)などの電気部品または電子部品を含むことができる。
【0016】
ディスプレイ120は、オペレータに画像データを視覚的な形で提示するように構成されたモニタ、テレビ、プロジェクタ、画面(例えば、タッチスクリーンもしくは非タッチスクリーン)などを含むことができる。ディスプレイ120は、処理回路115から画像データを受信し、画像データの表示を提供することができる。
【0017】
図2は、例として、臓器分割のための方法200の一実施形態のブロック図を示す。示されている方法200は、操作222でフレーム220を前処理し、結果的に前処理されたフレーム224を生じさせることと、操作226で、処理されたフレーム224上に対して第1の分割パスを実行して、結果的に初期分割フレーム228を生じさせることと、操作230で、初期分割フレーム228に対して第2の分割パスを実行して、結果的に臓器マスク232を生じさせることとを含む。
【0018】
方法200は、所与のエンティティの連続スライスのフレームごとに実行することができる。いくつかの実施形態では、操作222及び操作226は、各フレームで実行することができ、次に、操作230は初期分割フレームに対して実行することができる。
【0019】
前処理操作222の態様は、図3に関して説明される。第1の分割操作226の態様は、図7に関して説明される。第2の分割操作230の態様は、図8に関して説明される。
【0020】
方法200の結果は、臓器マスク232である。臓器マスク232は、フレーム220を通る臓器の3Dマスクである場合がある。3Dマスクは、方法200を実行することから提供される2Dマスクの複合体である場合がある。マスク232の例は、図11に提供される。
【0021】
図3は、例として、操作222の態様の図を示す。操作222は、フレーム220を受け取ることを含む場合がある。操作330で、フレーム220は正規化することができる。操作330は、前処理されたフレーム224を生じさせる。操作330は、図4に関してより詳細に説明される。
【0022】
前処理されたフレーム224は、関心領域334を識別する操作332に提供される。関心領域334は、対象の臓器を含む場合がある。膵臓の関心領域334は、患者の脊柱近くである場合がある。関心領域334は、対象の臓器(例えば、膵臓)を含むことを保証することができる。関心領域334は、体内の中心領域に近い領域を含む場合がある。
【0023】
合成重心マスク338は、操作336で生成することができる。操作336は、図5に関してより詳細に説明される。第1及び第2の分割操作226、230で使用される閾値342は、操作340で決定することができる。操作340は、図6に関してより詳細に説明される。
【0024】
図4は、例として、図3の操作330を実行するための方法の一実施形態のブロック図を示す。示される操作330は、基準フレーム440を識別することを含む。基準フレーム440は、フレームのアレイのうちのフレームである。基準フレーム440は、フレームのアレイの無作為なフレームであるか 、または基準に従って選択されるフレームである場合がある。基準フレーム440は、画像分析器が、視覚的に検査し、対象の臓器の中心基準点を手動で近似させるために使用できるフレームを含む場合がある。
【0025】
操作442で、ボディフレームの幅及び体格の長さを含むボディフレームの寸法を決定することができる。ボディフレームの幅及び長さは(X、Y)444として示される。ボディフレームの寸法は、基準フレーム440のヘッダ内の解像度情報に基づいて決定することができる。ボディフレームは、体の内部の部分の表示が拡張する、基準フレーム440内の空間的な場所である。
【0026】
操作446で、臓器の中心位置448を予測することができる。臓器の中心位置448は、(X0、Y0)として示される。中心位置448及びボディフレームの寸法444は、操作460でフレームのアレイのうちのフレームを拡大/縮小するために使用することができる。
【0027】
異なるフレーム450を受け取るまたは取り出すことができる。操作452で、第2のフレーム450内のボディフレーム454のエッジを識別することができる。この情報は、フレーム450のヘッダ情報に基づいて決定することができる。ボディフレーム454のエッジは、フレーム450内で矩形を画定する4つの点によって画定することができる。ボディフレーム454は、対象の臓器を含むことを保証することができる。
【0028】
ボディフレーム454のエッジは、操作456でボディフレーム寸法458を決定するために使用できる。ボディフレームの寸法458は、[XMIN、XMAX、YMIN、YMAX]に基づいて決定することができる。
【0029】
操作460で、ボディフレーム寸法458及び基準フレーム440のボディフレーム寸法444は、第2のフレーム450を拡大/縮小するために使用することができる。第2のフレーム450は、基準フレーム440の縮尺に一致するように拡大/縮小することができる。操作460で、臓器の中心を決定することができる。臓器の中心は、臓器の先端の中心として推定することができる。臓器の中心は、操作446と同様にであるが、基準フレーム440内での臓器の中心位置を示す追加情報を用いて推定することができる。
【0030】
操作460で決定された臓器の中心の場所、及び操作456で決定されたボディフレーム寸法458に基づいて、操作462で、臓器の回転角度を示す角度464を決定することができる。臓器角度464は、(軸方向視での)体の幅と長さの比の関数として決定することができる。
【0031】
図5は、例として、操作336を実行する方法の一実施形態の図を示す。操作336の結果は、合成重心マスク562を含むことができる。合成重心マスク562は、臓器に関連付けられたフレーム450内のピクセルを識別するために使用できる外形を提供する。
【0032】
操作336は、操作556で合成臓器先端564を生成することと、操作558で合成臓器本体566を生成することとを含むことができる。臓器は、多くの場合、所与のフレーム内に2つのチャンクとして表示されるため、合成臓器先端564は、合成臓器本体566とは別に生成することができる。また、これによって臓器の異なる部分を別々に曲げること、または回転させることが可能になる。先端564は、本体566とは異なって曲がるまたは回転することができる。
【0033】
操作556は、それぞれ操作462、456、及び460で決定された臓器角度464、フレーム寸法458、及び中心位置466に基づいて実行することができる。これによって、臓器マスクをMRIスキャンパラメータの関数として配向し、MRIスキャンパラメータの関数としての大きさに作り、成形することができる。
【0034】
同様にして、操作558は、それぞれ操作462、456、及び460で決定された臓器角度464、フレーム寸法458、及び中心位置466に基づいて実行することができる。これによって、臓器マスクをMRIスキャンパラメータの関数として配向し、MRIスキャンパラメータの関数としての大きさに作り、成形することができる。合成重心マスク562は、操作560で、臓器の先端564及び本体566を組み合わせることによって生成することができる。合成重心マスク562は、次に、分割中に臓器と関連付けられたピクセルを識別するのを支援するために使用することができる。
【0035】
図6は、例として、操作340を実行するための方法の一実施形態の図を示す。操作340は、第1のピクセル強度閾値678及び第2のピクセル強度閾値680を識別することができる。操作340は、前処理されたフレーム224を受け取ることまたは取り出すことを含むことができる。次に、操作340は、フレーム224のそれぞれについて閾値678、680を決定するために進むことができる。
【0036】
操作660で、ボディフレーム内部の最大強度値662を識別することができる。最大強度値662は、最高の値である。複数の最大強度値は、所与のフレーム内に、または複数の異なるフレーム内に存在する場合がある。最大強度値662は、すべての正規化されたフレーム224にわたって決定することができる。操作664で、所与のフレームのピクセル強度値は、最大強度値に基づいて正規化する(例えば、拡大/縮小する)ことができる。すべてのフレームを最大強度値662に正規化すると、検出閾値678及び第2の閾値680は、正規化されたフレーム224のすべてについて実行可能となることができる。異なる最大強度値は、患者スキャンアレイごとに決定することができる。
【0037】
操作666で、合成重心マスク562内部の最小領域検出(MAD)を決定することができる。操作666で、初期試験検出閾値を設定することができる。本明細書の技術のより良好な性能のために、試験検出閾値は、高すぎるように設定され、MADが満たされるまで繰り返し低減される。
【0038】
操作668で、合成重心マスク562は、マスクが中心位置466を覆うようにフレーム682上に配置することができる。検出閾値よりも大きいマスク562内のピクセル数は、操作670で合計し、MADと比較することができる。拡大/縮小され、正規化されたフレーム682ごとにこれを繰り返すことができる。MADよりも大きいピクセル強度の数を含む拡大/縮小された正規化されたフレーム682の数672は、操作670で決定することができる。
【0039】
拡大/縮小された正規化されたフレーム682の数672は、操作674でフレームの最小数と比較することができる。フレームの最小数は、実験によって決定することができる。フレームの最小数は、臓器分割が正確に機能することを保証するのに役立つことができる。十分な数のフレームがない場合、生成されるマスクが不正確になる、分離される、またはそれらの組み合わせとなる可能性がある。
【0040】
拡大/縮小された、正規化されたフレーム682の数672が、MADを超えていない、検出閾値よりも大きい重心マスク内のピクセル強度値の数を含む場合、検出閾値は、操作682で低減することができる。拡大/縮小された、正規化されたフレーム682の数672が、MADを超えている、検出閾値よりも大きい重心マスク内のピクセル強度値の数を含む場合、検出閾値678は、操作682でフレームに設定することができる。第2の閾値680は、操作676で設定することができる。第2の閾値680は、検出閾値678のスカラー値になるように設定することができる。第2の閾値680は第2の分割パスで使用され、一方、検出閾値678は第1の分割パスで使用される。第1の分割パスと第2の分割パスの両方とも、図7及び図8に関して説明される。
【0041】
フレーム450は、操作770で受け取り、結合することができる。フレーム450に境界を定めることは、関心領域内のピクセル強度値をその現在値に保ち、フレーム450の他のすべてのピクセル強度値を指定された値(例えば、ゼロ(0))に設定することを含むことができる。操作770は、全体的な処理を低減するためにフレームの検索空間を低減することができる。操作770は、脊柱の周辺のフレーム内に体の中心部分を保持することができる。これが、対象の臓器が通常常駐する場所である。
【0042】
操作772で、境界が定められたフレーム794は正規化され、結果的に境界が定められた正規化されたフレーム796を生じさせる場合がある。操作772は、関心領域をよりうまく中心に置くために、列またはピクセル行分、フレーム794内で関心領域を移動させることを含む場合がある。操作774で、境界が定められた、正規化されたフレームのピクセルは、検出閾値678と比較することができる。検出閾値未満の強度値を有するあらゆるピクセルは、境界が定められた、正規化されたフレーム796から削除することができる(例えば、強度値は0に設定される)。操作774の結果は、部分的に分割されたフレーム798である。それは、フレームが、おそらく、対象の臓器だけではなく、フレーム798内の視界の他の構造に対応するピクセルを含むため、部分的に分割されている。
【0043】
操作776で、小さいオブジェクトを削除することができ、結果的に小さいオブジェクトが削除された部分的に分割されたフレーム702が生じる。操作776で小さいオブジェクトを削除することは、指定された値(例えば、ゼロ(0))よりも大きい強度を有する隣接するピクセルの数を数えることを含む場合がある。隣接するピクセルの数が指定されたピクセル数閾値(例えば、5、10、15、20、より大きいまたはより小さい数、またはそれらの間のなんらかの数)未満である場合、それらのピクセルを削除することができる(例えば、それらのピクセルの強度値は、ゼロ((0))に設定することができる)。
【0044】
操作778で、十分な数の隣接するピクセル(操作776で削除されなかった)を含むオブジェクトは、その平均強度をチェックされる場合がある。平均強度チェックは、オブジェクトを構成するピクセルのピクセル強度の平均を決定することを含む場合がある。ピクセル強度の平均が、対象の臓器のピクセルの平均ピクセル強度よりも高い場合、次に、それらのピクセルを削除することができる。いくつかの実施形態では、平均は、対象の臓器のピクセルの平均ピクセル強度より大きい閾値を超えている必要がある。さらなる分割されたフレーム702が、操作778の結果である。
【0045】
重心マスク562は、おそらく対象の臓器の一部である、さらなる分割されたフレーム702内のオブジェクトを識別するために操作780で使用することができる。操作780は、合成重心マスク562内にある重心(中心ピクセル)を有するオブジェクトを識別及び保持することを含むことができる。重心マスク562外に重心があるあらゆるオブジェクトは、操作782で削除することができる。保持されたオブジェクトは、オブジェクトに関連付けられたビットを設定することによってなど、「削除しない」とマークすることができる。
【0046】
操作782は、重心マスク562の4つの側面すべての外側のオブジェクトを試験することを含むことができる。重心マスク562の側面ごとに仮のマスクを生成することができる。オブジェクトが保持されたとして示されず、仮のマスクの1つ内にピクセルを含む場合、オブジェクトを削除することができる。操作の結果は、初期に分割されたフレーム228である。
【0047】
臓器マスクは、初期分割フレーム338の保持されたオブジェクトの周辺ピクセルを含むように画定することができる。臓器マスクは、操作786で拡大することができる。操作786は、指定されたピクセル数(例えば、1、2、3、または他のピクセル数)分、すべての方向に臓器マスクを拡張することを含むことができる。臓器マスク内のあらゆる穴は操作788で充填することができ、結果的にフレーム228の初期臓器マスク790を生じさせる。
【0048】
操作792で、中心スライスを識別することができる。中心スライスは、対象の臓器が目に見えるフレームの中央にあるフレームのアレイ内のスライスである。操作792は、非ゼロの初期臓器マスク790を含むフレームのそれぞれを識別することと、識別されたフレームの中央にあるフレームを決定することとを含むことができる。
【0049】
図8は、例として、操作230を実行するための方法のブロック図を示す。操作230は、操作226と同様に開始することができる。操作770及び操作772は、図7の操作と同じであるが、実行される。
【0050】
操作884で、第2の閾値680未満の強度を有する、境界が定められた正規化されたフレームのピクセルが削除され、結果的に部分的に分割されたフレーム880を生じさせる。3Dマスク802(フレーム450を通る2D臓器マスク790の集合体)は、操作886で決定され、操作888で部分的に分割されたフレーム880に適用することができる。3Dマスク802を適用することは、3Dマスク802内に重心を含む部分的に分割されたフレーム880内にオブジェクトのピクセルだけを保持し、オブジェクトの残りを削除することを含むことができる。
【0051】
(操作778と同様に)操作890で、高い平均強度を有するオブジェクトを削除することができる。操作230で、操作890は、腫瘍、静脈、または臓器マスク802内部にあるが、臓器の一部ではないか可能性がある他の部分を削除するのに役立つことができる。
【0052】
操作892で、細長い結合部を有するあらゆるオブジェクトは分離することができる。ピクセルの行ごとに、指定された閾値(例えば、ゼロ)よりも大きい強度値を有するピクセル数が指定された数(例えば、1、2、3、またはより大きい値)未満である場合、それらのピクセルはオブジェクトを分離するためにゼロに設定することができる。操作892は、対象の臓器と接触しているオブジェクトを削除するのに役立つ。
【0053】
操作894で、合成重心マスク562内に重心があるオブジェクトを識別することができる。操作894は、識別されたオブジェクトを保持し、(操作892でエッジを分離した結果として)重心マスク562の外の重心を含むあらゆるオブジェクトを削除することを含むことができる。
【0054】
臓器マスク802は、操作896で拡大することができる。操作896は、操作786と同様である。操作898で、拡大された臓器マスク804内の穴は、フレーム450用の臓器マスク232を生成するために充填することができる。3Dマスクは、所与の患者用の一連の2D臓器マスクを含むことができる。3Dマスクは、人員が対象の臓器を分析するのを支援するために一連のスライスの上に表示することができる。
【0055】
図9は、図7の操作のいくつかの前後の例示的なフレーム450の一連の画像900を示す。フレーム796は、フレーム450に対して操作770及び操作772を実行した結果を示す。フレーム798は、操作774の後に生成された初期の臓器マスクを含む。検出閾値678よりも大きい初期の臓器マスク内の各ピクセルは1に設定することができ、残りはゼロに設定することができる。
【0056】
小さいオブジェクトが削除された部分的に分割されたフレーム702は、部分的に分割されたフレーム798に対して操作776を実行した結果である。さらなる分割されたフレーム704は、小さいオブジェクトが削除された部分的に分割されたフレーム702に対して操作778を実行した結果である。初期分割フレーム228は、操作782の結果として生成される。初期分割フレーム228は、臓器マスクを生成するための基礎として使用できる。臓器マスクは、0よりも大きい強度を含む初期分割フレーム228のピクセルを含むことができる。
【0057】
拡大された臓器マスク706は、操作786の結果である。初期臓器マスク790は、操作788の結果である。画像990は、フレーム450上に表示された臓器マスク790の周囲を示す。
【0058】
図10は、図8の操作のいくつかの前後の例示的なフレーム1010の一連の画像1000を示す。フレーム1010は、破線の識別された関心領域を含む。フレーム796は、フレーム1010に対して操作770及び操作772を実行した結果を示す。フレーム880は、操作884の後に生成された初期の臓器マスクを含む。第2の検出閾値680よりも大きいフレーム880内の各ピクセルは、1に設定することができ、残りはゼロに設定することができる。
【0059】
臓器マスク882は、操作888の結果として生成することができる。操作886は、アレイ内のスキャンごとに臓器マスク790に基づいて実行することができる。フレーム806は、操作890の結果として生成することができる。操作892及び操作894は、臓器マスク808を生成するためにフレーム806に適用することができる。臓器マスク808は、拡大された臓器マスク804を生成するために操作896で拡大することができる。拡大された臓器マスク804は、操作898で穴を充填させて(分離されていたオブジェクトを結合して)、臓器マスク232を生成することができる。画像1012は、臓器マスク232の周囲がその上に示されているフレーム1010を含む。
【0060】
図11は、例として、3D臓器マスクの様々な画像1100を示す。3D臓器マスクは、フレーム450ごとに生成された2D臓器マスクの組み合わせを含む。3D臓器マスクの異なる陰影は、2D臓器マスクがそこから生成された異なるフレーム450を示す。
【0061】
図12は、例として、マシンに本明細書に説明される方法の任意の1つ以上を実行させるための命令が実行され得るコンピュータシステムの例示的な形式のマシンの一実施形態のブロック図を示す。スキャナ110、処理回路115、ディスプレイ120、入力装置125、または他のコンポーネントは、マシン1200の1つ以上のコンポーネントを含む場合があるか、またはマシン1200の1つ以上のコンポーネントを使用して実装することができる。ネットワーク化された配置では、マシンは、サーバ-クライアントのネットワーク環境においてサーバまたはクライアントマシンという立場で、またはピアツーピア(もしくは分散)ネットワーク環境においてはピア-マシンとして動作し得る。マシンは、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、セットトップボックス(STB)、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、携帯電話、ウェブアプライアンス、ネットワークルータ、ネットワークスイッチ、もしくはネットワークブリッジ、またはそのマシンが取るべき行動を指定する命令(順次またはそれ以外の方法で)を実行することが可能な任意のマシンであってよい。さらに、単一のマシンのみが示されるが、用語「マシン」はまた、本明細書で説明される方法の任意の1つ以上を実行するための命令の1つのセット(または複数のセット)を個別にまたは共同で実行するマシンの任意の集合体を含むと解釈されるものとする。
【0062】
例示的なコンピュータシステム1200は、バス1208を介して互いと通信するプロセッサ1202(例えば、中央処理装置(CPU)、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)、または両方)、メインメモリ1204、及びスタティックメモリ1206を含む。コンピュータシステム1200は、ビデオディスプレイユニット1210(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)または陰極線管(CRT))をさらに含み得る。コンピュータシステム1200はまた、英数字入力装置1212(例えば、キーボード)、ユーザーインターフェース(UI)ナビゲーションデバイス1214(例えば、マウス)、大量記憶装置1216、信号発生装置1218(例えば、スピーカ)、ネットワークインターフェースデバイス1220、ならびにブルートゥース(登録商標)、WWAN、WLAN、及びNFCなどの無線1230を含み、そのようなプロトコルに対するセキュリティ管理の適用を可能にする。
【0063】
示されるコンピュータシステム1200は、エネルギーをある形から別の形のエネルギーに変換するセンサ1221を含む。センサ221は、熱エネルギー、音エネルギー、光エネルギー、機械エネルギー、または他のエネルギーを電気信号に変換できる変換器である。センサ1221は、一般に、センサ1221が位置する環境の特性を示すデータを提供することができる。
【0064】
大量記憶装置1216は、本明細書に説明される方法または機能の任意の1つ以上を具現化するまたはそれらによって利用される命令及びデータ構造(例えば、ソフトウェア)1224の1つ以上のセットが格納されるマシン可読媒体1222を含む。命令1224はまた、コンピュータシステム1200によるその実行中に、メインメモリ1204内に、及び/またはプロセッサ1202内に、完全にまたは少なくとも部分的に常駐し得、メインメモリ1204及びプロセッサ1202はまた、マシン可読媒体を構成する。
【0065】
マシン可読媒体1222は単一の媒体であると例示的な実施形態には示されているが、用語「マシン可読媒体」は、1つ以上の命令またはデータ構造を格納する単一の媒体または複数の媒体(例えば、集中型または分散型データベース、及び/または関連するキャッシュ及びサーバ)を含み得る。用語「マシン可読媒体」はまた、マシンによる実行のための命令を格納、符号化、または搬送することができ、マシンに本発明の方法の任意の1つ以上を実行させるか、そのような命令によって利用されるか、もしくはそのような命令に関連するデータ構造を格納、符号化、または搬送することができる任意の有形媒体を含むと解釈されるものとする。用語「マシン可読媒体」は、相応して、ソリッドステートメモリ、ならびに光媒体及び磁気媒体を含むが、これらに限定されないと解釈されるものとする。マシン可読媒体の具体的な例は、例として、例えば消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的に消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(EEPROM)、及びフラッシュメモリデバイスなどの半導体メモリデバイスを含む不揮発性メモリ、内蔵ハードディスク及びリムーバブルディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、ならびにCD-ROM及びDVD-ROMディスクを含む。
【0066】
命令1224は、さらに、伝送媒体を使用して通信ネットワーク1226を介して送信または受信され得る。命令1224は、ネットワークインターフェースデバイス1220及びいくつかの周知の転送プロトコル(例えば、HTTP)のいずれか1つを使用して伝送され得る。通信ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)、広域ネットワーク(「WAN」)、インターネット、携帯電話網、従来型の電話サービス(POTS)ネットワーク、及び無線データネットワーク(例えば、WiFiネットワーク及びWiMaxネットワーク)を含む。用語「伝送媒体」は、マシンによる実行のための命令を格納、符号化、または搬送できる任意の無形媒体を含むとして解釈されるものとし、デジタル通信信号もしくはアナログ通信信号またはそのようなソフトウェアの通信を容易にするための他の無形媒体を含む。
【0067】
追加の注記及び実施例
実施例1は、臓器分割のためのコンピュータ実装方法を含むことができ、前記方法は、合成重心マスクを生成することと、第1及び第2の強度閾値を識別することと、第1の分割パスで、(i)前記第1の閾値未満の強度を有する画像のピクセルをゼロに設定し、(ii)前記合成重心マスクの外に重心があるオブジェクトに対応する前記画像のピクセルをゼロに設定し、結果的に初期臓器マスクを生じさせることと、第2の分割パスで、前記第1の閾値に満たない前記第2の閾値未満の強度を有するピクセル(i)をゼロに設定し、(ii)前記初期臓器マスクの外に重心があるオブジェクトに対応するピクセルをゼロに設定し、結果的に第2の臓器マスクを生じさせることと、前記第2の臓器マスクを拡大及び充填して、臓器マスクを生成することとを含む。
【0068】
実施例2では、実施例1が、スキャンのアレイのフレームごとに前記臓器マスクを生成し、前記生成された臓器マスクを組み合わせて三次元臓器マスクを生成することをさらに含むことができる。
【0069】
実施例3では、実施例1~2の少なくとも1つが、前記第1の分割パスが前記合成重心マスク内に重心があるオブジェクトの平均ピクセル強度よりも大きい平均ピクセル強度を含む前記フレーム内のオブジェクトを削除することをさらに含むことをさらに含むことができる。
【0070】
実施例4では、実施例1~3の少なくとも1つが、前記第1の分割パスが前記重心マスクの外にあるオブジェクトを削除することをさらに含むことをさらに含むことができる。
【0071】
実施例5では、実施例1~4の少なくとも1つが、前記第2の分割パスが、最大でも指定された数のピクセル分、結合されたオブジェクトを分離し、結果的に分離されたオブジェクトを生じさせることをさらに含むことをさらに含むことができる。
【0072】
実施例6では、実施例5は、前記第2の分割パスが、前記合成重心マスクの外に重心がある前記分離されたオブジェクトのうちのオブジェクトを削除することをさらに含むことをさらに含むことができる。
【0073】
実施例7では、実施例1~6の少なくとも1つが、前記第1及び前記第2の分割パスが、前記画像内での前記臓器のサイズ及び位置を正規化することをさらに含むことをさらに含むことができる。
【0074】
実施例8は、マシンによる実行時に、前記マシンに臓器分割のための操作を実行させる命令を含む非一時的なマシン可読媒体を含むことができ、前記操作が、合成重心マスクを生成することと、第1及び第2の強度閾値を識別することと、第1の分割パスで、(i)前記第1の閾値未満の強度を有する画像のピクセルをゼロに設定し、(ii)前記合成重心マスクの外に重心があるオブジェクトに対応する前記画像のピクセルをゼロに設定し、結果的に初期臓器マスクを生じさせることと、第2の分割パスで、前記第1の閾値に満たない前記第2の閾値未満の強度を有するピクセル(i)をゼロに設定し、(ii)前記初期臓器マスクの外に重心があるオブジェクトに対応するピクセルをゼロに設定し、結果的に第2の臓器マスクを生じさせることと、前記第2の臓器マスクを拡大及び充填して、臓器マスクを生成することとを含む。
【0075】
実施例9では、実施例8が、前記操作が、スキャンのアレイのフレームごとに前記臓器マスクを生成し、前記生成された臓器マスクを組み合わせて三次元臓器マスクを生成することをさらに含むことをさらに含むことができる。
【0076】
実施例10では、実施例8~9の少なくとも1つが、前記第1の分割パスが前記合成重心マスク内に重心があるオブジェクトの平均ピクセル強度よりも大きい平均ピクセル強度を含む前記フレーム内のオブジェクトを削除することをさらに含むことをさらに含むことができる。
【0077】
実施例11では、実施例8~10の少なくとも1つが、前記第1の分割パスが前記重心マスクの外にあるオブジェクトを削除することをさらに含むことをさらに含むことができる。
【0078】
実施例12では、実施例8~11の少なくとも1つが、前記第2の分割パス及び前記操作が、最大でも指定された数のピクセル分、結合されたオブジェクトを分離し、結果的に分離されたオブジェクトを生じさせることをさらに含むことをさらに含むことができる。
【0079】
実施例13では、実施例12が、前記第2の分割パスが、前記合成重心マスクの外に重心がある前記分離されたオブジェクトのうちのオブジェクトを削除することをさらに含むことをさらに含むことができる。
【0080】
実施例14では、実施例8~13の少なくとも1つが、前記第1及び前記第2の分割パスが、前記画像内での前記臓器のサイズ及び位置を正規化することをさらに含むことをさらに含むことができる。
【0081】
実施例15は、処理回路と、前記処理回路による実行時に、前記処理回路に臓器マスク生成のための操作を実行させる命令が格納されたメモリデバイスとを備えるシステムを含むことができ、前記操作が、合成重心マスクを生成することと、第1及び第2の強度閾値を識別することと、第1の分割パスで、(i)前記第1の閾値未満の強度を有する画像のピクセルをゼロに設定し、(ii)前記合成重心マスクの外に重心があるオブジェクトに対応する前記画像のピクセルをゼロに設定し、結果的に初期臓器マスクを生じさせることと、第2の分割パスで、前記第1の閾値に満たない前記第2の閾値未満の強度を有するピクセル(i)をゼロに設定し、(ii)前記初期臓器マスクの外に重心があるオブジェクトに対応するピクセルをゼロに設定し、結果的に第2の臓器マスクを生じさせることと、前記第2の臓器マスクを拡大及び充填して、臓器マスクを生成することとを含む。
【0082】
実施例16では、実施例15が、前記操作が、スキャンのアレイのフレームごとに前記臓器マスクを生成し、前記生成された臓器マスクを組み合わせて三次元臓器マスクを生成することをさらに含むことをさらに含むことができる。
【0083】
実施例17では、実施例15~16の少なくとも1つが、前記第1の分割パスが前記合成重心マスク内に重心があるオブジェクトの平均ピクセル強度よりも大きい平均ピクセル強度を含む前記フレーム内のオブジェクトを削除することをさらに含むことをさらに含むことができる。
【0084】
実施例18では、実施例15~17の少なくとも1つが、前記第1の分割パスが前記重心マスクの外にあるオブジェクトを削除することをさらに含むことをさらに含むことができる。
【0085】
実施例19では、実施例15~18の少なくとも1つが、前記第2の分割パス及び前記操作が、最大でも指定された数のピクセル分、結合されたオブジェクトを分離し、結果的に分離されたオブジェクトを生じさせることをさらに含むことをさらに含むことができる。
【0086】
実施例20では、実施例19が、前記第2の分割パスが、前記合成重心マスクの外に重心がある前記分離されたオブジェクトのうちのオブジェクトを削除することをさらに含むことをさらに含むことができる。
【0087】
実施例21では、実施例15~20の少なくとも1つが、前記第1及び前記第2の分割パスが、前記画像内での前記臓器のサイズ及び位置を正規化することをさらに含むことをさらに含むことができる。
【0088】
付録は、本明細書の実施形態とともに全体または一部で使用することができる他の臓器分割技術の開示を提供する。
【0089】
実施形態は、特定の例示的な実施形態を参照して説明されてきたが、本発明のより広い趣旨及び範囲から逸脱することなく、これらの実施形態に対して様々な修正及び変更を加え得ることが明らかとなるであろう。したがって、明細書及び図面は、限定する意味ではなく例示的と見なされるべきである。本明細書の一部を形成する添付の図面は、本主題が実施され得る特定の実施形態を限定ではなく例示として示す。図示の実施形態は、当業者が本明細書に開示された本開示の態様を実践することを可能にするために十分に詳細に説明されている。他の実施形態が利用され、そこから導き出され得るため、構造的及び論理的な置換及び変更が本開示の範囲から逸脱することなく加えられ得る。したがって、本発明を実施するための形態は、限定的な意味で解釈されるべきではなく、様々な実施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ定義され、そのような特許請求の範囲が権利を与えられている均等物の全範囲とともに定義される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】