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特表2024-529793平面トランス用のプリント回路基板の集積共振能力
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  • 特表-平面トランス用のプリント回路基板の集積共振能力 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-09
(54)【発明の名称】平面トランス用のプリント回路基板の集積共振能力
(51)【国際特許分類】
   H01F 38/08 20060101AFI20240802BHJP
   H01F 30/10 20060101ALI20240802BHJP
   H01F 27/28 20060101ALI20240802BHJP
   H02M 3/28 20060101ALI20240802BHJP
【FI】
H01F38/08 C
H01F30/10 A
H01F30/10 D
H01F27/28 104
H02M3/28 Y
H01F38/08 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501113
(86)(22)【出願日】2022-07-13
(85)【翻訳文提出日】2024-01-10
(86)【国際出願番号】 US2022036896
(87)【国際公開番号】W WO2023287843
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】17/375,494
(32)【優先日】2021-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503455363
【氏名又は名称】レイセオン カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【弁理士】
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】シムベック,サラ ローレン
【テーマコード(参考)】
5E043
5H730
【Fターム(参考)】
5E043AA08
5E043BA01
5H730AA14
5H730AA15
5H730BB21
5H730ZZ01
5H730ZZ04
5H730ZZ11
5H730ZZ12
5H730ZZ16
(57)【要約】
プリント回路基板と、プリント回路基板内に配置された一次平面巻線と、プリント回路基板内に配置された二次平面巻線と、一次平面巻線と二次平面巻線との間のプリント回路基板内に配置された磁性材料であって、二次磁束経路を生成するように構成された磁性材料と、プリント回路基板の周囲全体に配置され、一次平面巻線及び二次平面巻線に磁気的に結合された磁気コアであって、一次磁束経路を生成するように構成された磁気コアとを備える、平面トランス。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面トランスであって、
第1の層と、前記第1の層に近接する第2の層とを有するプリント回路基板と、
前記プリント回路基板の前記第1の層内に配置された第1の平面巻線と、
前記プリント回路基板の前記第2の層内に配置された第2の平面巻線と、
前記プリント回路基板内の前記第1の平面巻線と前記第2の平面巻線との間に配置された磁性材料と、
前記プリント回路基板を覆って全体に配置され、前記第1の平面巻線及び前記第2の平面巻線に磁気的に結合されている磁気コアと、
を備える、前記平面トランス。
【請求項2】
前記プリント回路基板が、窓高さを含み、前記第1の平面巻線及び前記第2の平面巻線が、巻線幅を含み、前記窓高さと前記巻線幅との比は少なくとも1:1を含む、請求項1に記載の平面トランス。
【請求項3】
前記第1の平面巻線が、一次平面巻線を含み、前記第2の平面巻線が、二次平面巻線を含む、請求項1に記載の平面トランス。
【請求項4】
前記第1の平面巻線が、第1の巻き回された巻線の代わりに用いられる、請求項3に記載の平面トランス。
【請求項5】
前記第1の平面巻線の反対側の前記二次平面巻線に近接して、前記プリント回路基板に配置された追加の一次平面巻線と、
前記第2の平面巻線と前記追加の一次平面巻線との間の前記プリント回路基板内に配置された追加の磁性材料と、
をさらに備える、請求項3に記載の平面トランス。
【請求項6】
前記第1の平面巻線が、二次平面巻線を含み、前記第2の平面巻線が、一次平面巻線を含み、前記平面トランスが、
前記第1の平面巻線の反対側の前記一次平面巻線に近接して、前記プリント回路基板に配置された追加の二次平面巻線と、
前記一次平面巻線と前記追加の二次平面巻線との間の前記プリント回路基板内に配置された追加の磁性材料と、
をさらに備える、請求項1に記載の平面トランス。
【請求項7】
請求項1に記載の前記平面トランスが、超高密度電子機器用のコンバータ回路に組み込まれる、請求項1に記載の平面トランス。
【請求項8】
平面トランスであって、
プリント回路基板と、
前記プリント回路基板内に配置された一次平面巻線と、
前記プリント回路基板内に配置された二次平面巻線と、
前記一次平面巻線と前記二次平面巻線との間の前記プリント回路基板内に配置された磁性材料であって、二次磁束経路を生成するように構成された前記磁性材料と、
前記プリント回路基板の周囲全体に配置され、かつ前記一次平面巻線及び前記二次平面巻線に磁気的に結合される磁気コアであって、一次磁束経路を生成するように構成される前記磁気コアと、
を備える、前記平面トランス。
【請求項9】
前記二次磁束経路が、前記磁気コアの一次磁束経路からの漏れインダクタンスよりも大きく漏れインダクタンスを増加させるように構成される、請求項8に記載の平面トランス。
【請求項10】
前記一次平面巻線及び前記二次平面巻線が、インターリーブされる、請求項9に記載の平面トランス。
【請求項11】
請求項8に記載の前記平面トランスが、超高密度電子機器用のコンバータ回路に組み込まれる、請求項9に記載の平面トランス。
【請求項12】
前記一次平面巻線の反対側の前記二次平面巻線に近接して、前記プリント回路基板に配置された追加の一次平面巻線と、
前記第2の平面巻線と前記追加の一次平面巻線との間の前記プリント回路基板内に配置された追加の磁性材料と、
をさらに備える、請求項8に記載の平面トランス。
【請求項13】
前記プリント回路基板が、窓高さを含み、前記第1の平面巻線及び前記第2の平面巻線が、巻線幅を含み、前記窓高さと前記巻線幅との比は少なくとも1:1を含む、請求項8に記載の平面トランス。
【請求項14】
平面トランスにおける漏れインダクタンスを増加させる工程であって、
プリント回路基板と、
前記プリント回路基板内に一次平面巻線を配置することと、
前記プリント回路基板内に前記一次平面巻線に近接して二次平面巻線を配置することと、
前記一次平面巻線と前記二次平面巻線との間の前記プリント回路基板内に磁性材料を配置することと、
前記磁性材料を用いて二次磁束経路を生成することと、
前記プリント回路基板の周囲全体に磁気コアを配置することと、
前記磁気コアを前記一次平面巻線及び前記二次平面巻線に磁気的に結合することと、
前記磁気コアを用いて一次磁束経路を生成することと、
前記平面トランスにおける前記漏れインダクタンスを増加させることと、
を含む、工程。
【請求項15】
前記一次平面巻線の反対側の前記二次平面巻線に近接して、前記プリント回路基板に追加の一次平面巻線を配置することと、
前記第2の平面巻線と前記追加の一次平面巻線との間の前記プリント回路基板内に追加の磁性材料を配置することと、
をさらに含む、請求項14に記載の工程。
【請求項16】
前記漏れインダクタンスを増加させるステップが、前記二次磁束経路と前記磁気コアの一次磁束経路との組み合わせを含む、請求項14に記載の工程。
【請求項17】
請求項14に記載の前記平面トランスを、超高密度電子機器用のコンバータ回路に統合することをさらに含む、請求項14に記載の工程。
【請求項18】
前記一次平面巻線及び前記二次平面巻線をインターリーブすること、
をさらに含む、請求項14に記載の工程。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、択一的な磁束経路を提供し、かつ漏れインダクタンスを増加させるようにプリント回路基板巻線内に直接積層された磁気材料を有する平面電源トランスに関する。
【背景技術】
【0002】
平面トランスは、基本的に、通常はプリント回路基板(PCB)上で平面巻線を使用するトランスである。コイルを形成するために巻かれた銅線の代わりに、平面巻線を利用する。プリント回路基板構造は、いくつかの固有の利点及び少しのトレードオフを提供するフォームファクタを作成する。
【0003】
パワーエレクトロニクスでは、より高い効率及び電力密度に対する需要がますます高まっている。さらに、高周波磁性体はできる限り小さく、電子回路及びデバイスと統合されることが望ましい。このように、平面トランスは、従来の巻線型トランスを使用してきた産業において使用が増え続けている。共振スイッチングによる電力変換は、データセンタから自動車用途まで、多くの用途で使用されている。平面トランスに対する最終用途の例としては、AC/DC及びDC/DC両方のスイッチモード電源(SMPS)、航空宇宙、アビオニクス、家電製品、産業用電力システム、レーダ電力変換、パワーエレクトロニクスにおけるワイドバンドギャップ(WBG)デバイスの使用、ならびに共振もしくは準共振電力変換器が挙げられる。
【0004】
しかしながら、平面トランスにおける本質的に低い漏れインダクタンスは、ゼロボルトまたは共振スイッチング技術の使用を制限する。プリント回路基板集積共振能力により、トランジスタのソフトスイッチングが可能となり、これによって、電力システムの効率及びサイズ、重量及び電力改善が強化される。
【0005】
必要なのは、漏れインダクタンスを増加させる平面トランスである。
【発明の概要】
【0006】
本開示によれば、第1の層と第1の層に近接する第2の層とを有するプリント基板と、プリント基板の第1の層内に配置された第1の平面巻線と、プリント基板の第2の層内に配置された第2の平面巻線と、プリント基板内の第1の平面巻線と第2の平面巻線との間に配置された磁性材料と、プリント基板を覆って全体に配置され、第1の平面巻線と第2の平面巻線とに磁気的に結合された磁気コアとを備える。
【0007】
上記実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、追加的及び/または代替的に、プリント回路基板が窓高さを含み、第1及び第2の平面巻線が巻線幅を含み、窓高さと巻線幅との比が少なくとも1:1を含むことを含み得る。
【0008】
上記実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、追加的及び/または代替的に、第1の平面巻線が一次平面巻線を含み、第2の平面巻線が二次平面巻線を含むことを含み得る。
【0009】
上記実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、追加的に及び/または代替的に、第1の巻き回された巻線の代わりに第1の平面巻線が用いられることを含み得る。
【0010】
上記実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、追加的に及び/または代替的に、平面トランスが、第1の平面巻線とは反対側の第2の平面巻線に近接してプリント回路基板内に配置された追加の一次平面巻線と、第2の平面巻線と追加の一次平面巻線との間のプリント回路基板内に配置された追加の磁性材料とをさらに備えることを含み得る。
【0011】
上記実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、追加的及び/または代替的に、第1の平面巻線が二次平面巻線を含み、第2の平面巻線が一次平面巻線を含み、平面トランスが、第1の平面巻線の反対側の一次平面巻線に近接してプリント回路基板に配置された追加の二次平面巻線と、一次平面巻線と追加の二次平面巻線との間のプリント回路基板内に配置された追加の磁性材料とをさらに備えることを含み得る。
【0012】
上記実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、追加的及び/または代替的に、請求項1に記載の平面トランスを超高密度電子機器用のコンバータ回路に組み込むことを含み得る。
【0013】
本開示によれば、プリント回路基板と、プリント回路基板内に配置された一次平面巻線と、プリント回路基板内に配置された二次平面巻線と、一次平面巻線と二次平面巻線との間のプリント回路基板内に配置された磁性材料であって、二次磁束経路を生成するように構成された磁性材料と、プリント回路基板の周囲全体に配置され、一次平面巻線及び二次平面巻線に磁気的に結合された磁気コアであって、一次磁束経路を生成するように構成された磁気コアとを備える平面トランスが提供される。
【0014】
上記実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、追加的及び/または代替的に、二次磁束経路が、磁気コア一次磁束経路からの漏れインダクタンスよりも大きく漏れインダクタンスを増加させるように構成されることを含み得る。
【0015】
上記実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、追加的及び/または代替的に、一次平面巻線と二次平面巻線とがインターリーブされることを含み得る。
【0016】
上記実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、追加的及び/または代替的に、平面トランスが、超高密度電子機器用のコンバータ回路に組み込まれることを含み得る。
【0017】
上記実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、追加的に及び/または代替的に、平面トランスが、一次平面巻線とは反対側の二次平面巻線に近接してプリント回路基板に配置された追加の一次平面巻線と、第2の平面巻線と追加の一次平面巻線との間のプリント回路基板内に配置された追加の磁性材料とをさらに備えることを含み得る。
【0018】
上記実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、追加的及び/または代替的に、プリント回路基板が窓高さを含み、第1及び第2の平面巻線が巻線幅を含み、窓高さと巻線幅との比が少なくとも1:1を含むことを含み得る。
【0019】
本開示によれば、平面トランスの漏れインダクタンスを増加させる工程が提供され、この工程は、プリント回路基板と、プリント回路基板内に一次平面巻線を配置することと、一次平面巻線に近接してプリント回路基板内に二次平面巻線を配置することと、一次平面巻線と二次平面巻線との間のプリント回路基板内に磁性材料を配置することと、磁性材料を用いて二次磁束経路を生成することと、プリント回路基板の周囲全体に磁気コアを配置することと、磁気コアを一次平面巻線及び二次平面巻線に磁気的に結合することと、磁気コアを用いて一次磁束経路を生成することと、平面トランスの漏れインダクタンスを増加させることとを含む。
【0020】
上記実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、追加的及び/または代替的に、工程が、一次平面巻線の反対側の二次平面巻線に近接して、プリント回路基板に追加の一次平面巻線を配置することと、第2の平面巻線と追加の一次平面巻線との間のプリント回路基板内に追加の磁性材料を配置することとをさらに含むことを含み得る。
【0021】
上述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、追加的及び/または代替的に、漏れインダクタンスを増加させるステップが、二次磁束経路と磁気コア一次磁束経路との組み合わせを含むことを含み得る。
【0022】
上記実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、追加的及び/または代替的に、工程が、超高密度電子機器用のコンバータ回路に平面トランスを統合することをさらに含むことを含み得る。
【0023】
上記実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、付加的及び/または代替的に、工程、一次平面巻線及び二次平面巻線をインターリーブすることをさらに含むことを含み得る。
【0024】
平面トランスの他の詳細は、以下の詳細な説明と添付図面に記載しており、図面中、類似の参照番号は、類似の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】例示的な平面トランスの等角図である。
図2】例示的な平面トランスの分解図である。
図3】例示的な平面トランスの断面図である。
図4】代替の例示的な平面トランスの断面図である。
図5】代替の例示的な平面トランスの断面図である。
図6】代替の例示的な平面トランスの断面図である。
図7】超高密度電子機器用のコンバータ回路に組み込まれた代替の例示的な平面トランスの等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
ここで図1及び2を参照すると、平面トランス10が示されている。平面トランス10は、プリント回路基板12を含む。プリント回路基板12は平面巻線14を含む。平面巻線14は、図2に示すように、薄い銅シートまたはエッチング渦巻パターンから形成することができる。プリント回路基板12は、回路基板12に積層される層16を含む。プリント回路基板12の層16の間には、磁性材料18が積層されている。磁性材料18は、プリント回路基板12の材料と一体的に統合されてよい。磁性材料18は、プリント回路基板12の材料全体に散在させることができる。磁性材料18は、低損失の高抵抗セラミックフィラー熱可塑性マトリックス材料などの磁性熱可塑性積層材料を含み得る。このような磁性材料18の例は、MAGTREX555(商標)を含み得る。磁気コア20は、プリント回路基板12を覆って全体に、平面巻線14に近接して配置されており、これにより、磁気コア20は、一次平面巻線28及び二次平面巻線32に磁気的に結合される。
【0027】
図1に示すように、巻線ターン22の平均長さは、漏れインダクタンス(Llk)に関連する概略図として示されている。図3も参照すると、平面トランス10の断面図が示されている。漏れインダクタンスは、窓高さ24に直接関係し、プリント回路基板12の幅26に逆相関する。この関係は、Llkαlh/wとして表すことができ、Llk=漏れインダクタンス、l=巻線ターンの平均長、h=窓高さ、w=巻線幅である。プリント回路基板12と共に小さい窓高さ24、広い巻線幅26で使用される平面磁気コア20は、漏れインダクタンスを低減することができる。窓高さ24に対するコア巻線幅26の例示的な比は、1:1以上を含むことができ、特に2:1またはさらに3:1の比は、技術的な利点を提供することができる。
【0028】
図3は、第1の層30に近接する一次巻線28と、第2の層34に近接する二次巻線32とを反対側に有するプリント回路基板12を示す。磁性材料18は、プリント回路基板12の材料内で一次巻線28と二次巻線32との間に配置される。
【0029】
プリント回路基板12の性能は、プリント回路基板12に集積された磁性材料18対、バルクの磁気コア20の磁性材料の比パーミアンスP∝μAに依存し得る。μは透磁率であり、Aは磁束の経路に垂直な磁性材料の断面積である。磁束は、より高いパーミアンスの経路をたどる。したがって、漏れ経路(複数可)のパーミアンスは、パーミアンスが磁気性能に有効な影響を与えないほど低くなることなく、バルクコアのパーミアンスよりはるかに低くなければならない。図3に示す例示的な実施形態では、妥当なパーミアンス範囲は、Pcore>5倍~100倍Plkであってよい。しかしながら、巻線及びコア形状の影響を含む効果的なパーミアンスは、分析的に決定することが困難であり、有限要素分析やプロトタイピングなどの方法が通常、漏れインダクタンスを直接評価するために使用される。
【0030】
プリント回路基板12を取り囲む磁気コア20は、図3に示すように、一次磁束経路36を提供する。一次巻線28と二次巻線32との間に磁性材料18を導入することにより、追加的/二次磁束経路38が、プリント回路基板12内の磁性材料18によって形成される。追加的/二次磁束経路38は、漏れインダクタンスを増加させるように作用する。結果として生じる漏れは、低い電磁干渉(EMI)を有し、磁気コア20の内部にある。追加的な磁束経路38は、ベースプレート、エンクロージャまたは近くの電子機器(図示せず)などの追加の構造への有害な結合を回避することも助ける。
【0031】
図4も参照すると、平面トランス10の例示的な実施形態が示されている。プリント回路基板12は、インターリーブ/交互平面巻線40の配列を含み得る。図4に示すように、第1の一次巻線42は、二次巻線44に隣接して設置され、図に示すように、第2の一次巻線46は第1の一次巻線42の反対側にある。磁性材料の第1の層48は、第1の一次巻線43と二次巻線44との間に配置することができる。磁性材料の第2の層50は、二次巻線44と第2の一次巻線46との間に配置することができる。
【0032】
図5も参照すると、平面トランス10の例示的な実施形態が示されている。プリント回路基板12は、インターリーブ/交互平面巻線40の配列を含み得る。図5に示すように、第1の二次巻線52は、一次巻線54に隣接して設置することができ、図に示すように、第2の二次巻線56は、第1の二次巻線52の反対側にある。磁性材料の第1の層48は、第1の二次巻線52と一次巻線54との間に配置することができる。磁性材料の第2の層50は、一次巻線54と第2の二次巻線56との間に配置することができる。インターリーブ配列40は、高周波数により生じる効果により、巻線損失を低減し、巻線間の結合を改善することができる。
【0033】
図6も参照すると、ハイブリッド平面トランス60を用いる例示的な実施形態が示されている。ハイブリッド平面トランス60は、巻き回された巻線として構成された一次巻線62と平面巻線として構成された二次巻線64との配列を有するプリント回路基板12を含む。磁性材料層66は、一次巻線62と二次巻線64との間にあってよい。別のハイブリッド平面トランス60の実施形態(図示せず)では、一次巻線62は平面巻線、二次巻線64は巻き回された巻線で、一次巻線62と二次巻線64との間に磁性材料層66を備えてよい。別の代替的な実施形態は、マルチタップ平面トランスまたはマルチ二次平面トランス(図示せず)を含み得る。
【0034】
代替的な実施形態では、巻線28と32との間のプリント回路基板12と一体に積層された磁性材料18を有する開示された平面トランス10は、図7に示すように、平面トランス10を超高密度電子機器用のコンバータ回路に組み込むことを含む。例えば、例示的な平面トランス10は、平面トランスが追加的なコンバータ回路と一体化されるように、コンバータ内に組み込むことができる。
【0035】
開示された平面トランスの技術的な利点は、より低い周波数で材料を使用することを可能にする開示の磁気構造において低い透磁率が利用されるので、回路基板に埋め込むことができる磁気材料を使用することを含む。
【0036】
開示された平面トランスの別の技術的な利点は、1MHz未満の周波数で回路基板に埋め込むことができる磁性材料を利用する能力を含む。
【0037】
開示された平面トランスの別の技術的な利点は、バルク磁気コアに対する積層磁性材料の透磁率が0.25以下であることを含む。
【0038】
開示された平面トランスの別の技術的な利点は、巻線間のプリント回路基板に磁性材料積層が無い平面トランスの約10倍の漏れインダクタンスのパーセンテージの増加を含む。
【0039】
平面トランスを提供した。平面トランスを、その特定の実施形態の文脈で説明してきたが、他の予期せぬ代替形態、修正形態、及び変形形態が、上記の説明を読んだ当業者には明らかになろう。したがって、添付の特許請求の範囲の広い範囲に含まれる代替形態、修正形態、及び変形形態を包含することが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】