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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-09
(54)【発明の名称】入口ノズル組立体
(51)【国際特許分類】
   F23G 7/06 20060101AFI20240802BHJP
   B01D 53/70 20060101ALI20240802BHJP
【FI】
F23G7/06 D ZAB
B01D53/70
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501172
(86)(22)【出願日】2022-07-07
(85)【翻訳文提出日】2024-01-10
(86)【国際出願番号】 GB2022051746
(87)【国際公開番号】W WO2023285780
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】2110049.0
(32)【優先日】2021-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507261364
【氏名又は名称】エドワーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100170634
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 航介
(72)【発明者】
【氏名】シーリー アンドリュー ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】ベンゼヴァル イアン デヴィッド
【テーマコード(参考)】
3K078
4D002
【Fターム(参考)】
3K078AA03
3K078AA06
3K078BA20
3K078BA26
3K078CA01
4D002AA22
4D002AC10
4D002BA05
4D002CA20
(57)【要約】
入口ノズル組立体、除害装置、及び方法が開示される。入口ノズル組立体は、半導体処理ツールからの排出流を処理する除害装置用であり、入口ノズル組立体は、排出流を除害室の中へ送給するように構成された送給ノズルと、除害室を画定する筐体と結合するように構成された取り付け台とを備え、取り付け台は、排出流を除害室の中へ送給する送給ノズルを受け入れるようにさらに構成され、送給ノズルは、除害室から遠位の取り付け台から延びるように構成されている。このようにして、異なる長さの送給ノズルに対して、取り付け台の高さ又は排害室の位置を変える必要があるのではなく、代わりに、取り付け台の高さ及び排害室の位置は、異なる長さの送給ノズルに対して固定されたままとすることができ、送給ノズルの異なる量は、そのノズルの長さに応じて、取り付け台から延びる。これは、異なる長さの送給ノズルに対して異なる取り付け台、ハウジング及び他の関連部品がもはや必要とされないので、これらの異なる部品の在庫を低減するのを助ける。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体処理ツールからの排出流を処理する除害装置のための入口ノズル組立体であって、
前記排出流を除害室の中に送給するように構成された送給ノズルと、
前記除害室を画定する筐体と結合するように構成された取り付け台であって、前記取り付け台は、前記除害室の中への前記排出流の送給のために前記送給ノズルを受け入れるようにさらに構成され、前記送給ノズルは、前記除害室から遠位の前記取り付け台から延びるように構成されている、取り付け台と、
を備える、入口ノズル組立体。
【請求項2】
前記送給ノズルは、前記除害室から遠位の前記取り付け台の表面から延びるように寸法決めされている、請求項1に記載の入口ノズル組立体。
【請求項3】
前記送給ノズルは、前記取り付け台の前記表面から直立するように寸法決めされている、請求項2に記載の入口ノズル組立体。
【請求項4】
前記取り付け台は、前記除害室を画定する前記筐体と結合する下流側表面と、前記送給ズルが延びる上流側表面とを有する、請求項1から3のいずれかに記載の入口ノズル組立体。
【請求項5】
前記送給ノズルは、前記排出流を受け入れる入口室を画定する上流側入口部分と、前記除害室の中への前記排出流の送給のための送給室を画定する下流側送給部分とを備え、前記送給部分の少なくとも一部は、前記取り付け台から延びるように寸法決めされている、請求項1から4のいずれかに記載入口ノズル組立体。
【請求項6】
前記送給部分の少なくとも一部は、前記上流側表面から直立するように寸法決めされている、請求項4又は5に記載の入口ノズル組立体。
【請求項7】
前記取り付け台は、前記送給部分の残りの部分の少なくとも一部を内部に受け入れるように構成されている、請求項5又は6に記載の入口ノズル組立体。
【請求項8】
前記送給部分は、前記上流側表面の上流側から前記除害室まで延びるように寸法決めされている、請求項5から7のいずれかに記載の入口ノズル組立体。
【請求項9】
前記送給ノズルは、前記入口室を前記送給室と結合する開口を画定する仕切り板を備え、前記送給ノズルは、前記取り付け台の前記上流側表面の上流側に前記仕切り板を位置決めするように寸法決めされている、請求項5から8のいずれかに記載の入口ノズル組立体。
【請求項10】
前記送給ノズルは、前記入口部分と前記送給部分の前記少なくとも一部とを備える上流側本体と、前記送給部分の残りの部分を備える下流側本体とを備える、請求項5から9のいずれかに記載の入口ノズル組立体。
【請求項11】
前記下流側本体は、前記上流側表面から、前記取り付け台及び前記筐体を貫通して前記除害室まで延びるように寸法決めされている、請求項10に記載の入口ノズル組立体。
【請求項12】
前記上流側本体は、前記送給部分の前記少なくとも一部の複数の異なる長さのうちの1つを提供するように寸法決めされている、請求項10又は11に記載の入口ノズル組立体。
【請求項13】
前記上流側本体は、前記排出流の選択された流れプロファイルを前記除害室に送給する前記送給部分の長さを提供するように寸法決めされている、請求項10から12のいずれかに記載の入口ノズル組立体。
【請求項14】
前記上流側本体は、前記除害室からの前記排出流の逆流を回避する前記送給部分の長さを提供するように寸法決めされている、請求項10から13のいずれかに記載の入口ノズル組立体。
【請求項15】
前記排出流を少なくとも一対の渦流に分離するように成形された不連続部を備え、前記上流側本体は、前記一対の渦流が前記除害室の中に延びるのを防止する前記送給部分の長さを提供するように寸法決めされている、請求項10から13のいずれかに記載の入口ノズル組立体。
【請求項16】
前記上流側本体は、前記下流側本体を形成する材料よりも低い使用温度及び低い耐酸化性のうちの少なくとも一方を有する材料で形成される、請求項10から15のいずれかに記載の入口ノズル組立体。
【請求項17】
請求項1から16のいずれかに記載の少なくとも1つの入口ノズル組立体を備える、除害装置。
【請求項18】
各々が異なる長さを有する、複数の前記入口ノズル組立体を備える、請求項17に記載の除害装置。
【請求項19】
排出流を除害室の中に送給するように送給ノズルを構成するステップと、
取り付け台を、前記除害室を画定する筐体と結合するステップと、
前記送給ノズルを前記取り付け台で受け入れるステップであって、前記送給ノズルは、前記除害室から遠位の前記取り付け台から延びる、ステップと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、入口ノズル組立体、除害装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
放射バーナー又は他の形式の除害装置などの除害装置が知られており、典型的には、例えば、半導体業界又はフラットパネルディスプレイ製造業界において使用される製造処理ツールからの排出ガス流を処理するために使用される。このような製造中、残留ペルフルオロ化合物(PFC)及び他の化合物が、処理ツールから圧送された排出ガス流に存在する。PFCは、排出ガスから除去し難く、環境への放出は、比較的高い温室効果作用を有することが知られているために望ましくない。
【0003】
公知の放射バーナーは、欧州公開第0,694,735号に記載されているものなど、燃焼を使用して、PFC及び他の化合物を排出ガス流から除去する。典型的には、排出ガス流は、PFC及び他の化合物を含有する窒素流である。排出ガス流は、有孔ガスバーナーの出口面によって横方向に取り囲まれた燃焼室へ運ばれる。場合によっては、燃料ガスなどの処理材料は、燃焼室に入る前に排出ガス流と混合させることができる。燃料ガス及び空気は、出口面で燃焼に影響を与えるために有孔バーナーに同時に供給される。有孔バーナーからの燃焼生成物は、排出流の化合物を燃焼させるために排出流混合物と反応する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州公開第0,694,735号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
除害装置の構成は存在するが、各々がそれ自体の欠点を有する。従って、除害装置用の改良された構成を提供することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様によれば、半導体処理ツールからの排出流を処理する除害装置用の入口ノズル組立体が提供され、入口ノズル組立体は、排出流を除害室の中へ送給するように構成された送給ノズルと、除害室を画定する筐体と結合するように構成された取り付け台であって、取り付け台は、排出流を除害室の中へ送給する送給ノズルを受け入れるようにさらに構成され、送給ノズルは、除害室から遠位の取り付け台から延びるように構成されている、取り付け台と、を備える。
【0007】
第1の態様は、除害装置の問題が、適切な除害を保証するために、各燃焼室を排出流の流量及びタイプに適合するように慎重に構成する必要がある点であることを認識している。これは、様々な異なる条件下で動作するのに適切な除害装置を提供するために、様々な、多くの場合、特注の部品を製造する必要があることを意味する。例えば、排出流を除害室へ送給する送給ノズルの長さは、排出流及び/又はその流量に応じて変わる可能性がある。異なる長さの送給ノズルを有することは、送給ノズルを受け入れるプレート又は取り付け台のサイズ、並びに、関連部品又は構成要素のサイズ決めに結果的に影響する除害装置内の燃焼室の位置に影響する可能性があるので、問題になる可能性がある。このことは、異なる高さのプレート又は取り付け台、燃焼室及び他の関連部品のための異なる高さのハウジングの必要性につながる可能性があり、これにより、当該除害装置を製造及び維持するのに必要な部品の在庫が増える。
【0008】
従って、入口ノズル組立体が提供される。入口ノズル組立体は、除害装置用とすることができる。除害装置は、半導体処理ツールからの排出流を処理することができる。入口ノズル組立体は、送給ノズルを備えることができる。送給ノズルは、排出流を除害室の中に送給することができる。入口ノズル組立体は、取り付け台又はプレートを備えることができる。取り付け台は、除害室と結合する、除害室を保持する又は支持するように構成することができる。取り付け台は、排出流を除害室の中へ送給するために送給ノズルを受け入れるように構成することができる。送給ノズルは、除害室から遠位の又は除害室から離れる方向の取り付け台から延びるように構成することができる。このように、異なる長さの送給ノズルに対して、取り付け台の高さ又は除害室の位置を変える必要があるのではなく、代わりに、取り付け台の高さ及び除害室の位置は、異なる長さの送給ノズルに対して固定されたままとすることができ、送給ノズルの異なる量は、そのノズルの長さに応じて、取り付け台から延びる。これは、異なる長さの送給ノズルに対して異なる取り付け台、ハウジング及び他の関連部品がもはや必要とされないので、これらの異なる部品の在庫を低減するのを助ける。
【0009】
取り付け台は、ヘッドプレートの少なくとも一部を備えることができる。
【0010】
取り付け台は、送給ノズルを受け入れるように構成された受け入れ開口を画定することができる。従って、送給ノズルは、取り付け台の開口を貫通して延びることができる。
【0011】
送給ノズルは、除害室から遠位の取り付け台の表面から延びるように寸法決めすることができる。従って、送給ノズルは、除害室から外方に面する取り付け台の上流側表面より上方に延びることができる。
【0012】
送給ノズルは、取り付け台の表面から直立するように寸法決めすることができる。
【0013】
取り付け台は、除害室を画定する筐体と結合するか又はこれを受け取る下流側表面を有することができる。また、取り付け台は、送給ノズルが延びる上流側表面を有することができる。
【0014】
送給ノズルは、排出流を受け入れる入口室を画定する上流側入口部分を含むことができる。また、送給ノズルは、排出流を除害室の中へ送給する送給室を画定する下流側送給部分を含むことができる。送給部分の少なくとも一部又は部分は、取り付け台から延びるように寸法決めすることができる。
【0015】
入口部分は、排出流の供給部と結合するか又はこれに接続するように構成することができる。従って、入口部分は、排出流を入口部分に供給するパイプなどの供給部と結合する結合部を備えることができる。
【0016】
入口部分は、排出流の供給部の断面形状から送給部分の断面形状に移行するように構成することができる。この移行部は、ロフト式(lofted)移行部とすることができる。
【0017】
送給部分の少なくとも一部又は部分は、上流側表面から直立するように寸法決めすることができる。
【0018】
取り付け台は、送給部分の残りの部分又は残余長さをその中に受け入れるように構成することができる。すなわち、上流側表面から延びていない送給部分の部分は、取り付け台内に収容される。また、残りの部分は、少なくとも部分的に取り付け台から除害室の中へ延びることができる。
【0019】
送給部分は、上流側表面の上流側から除害室まで延びるか又は突出するように寸法決めすることができる。
【0020】
送給ノズルは、仕切り板を含むことができる。仕切り板は開口を画定することができる。開口は、入口室を送給室と結合することができる。送給ノズルは、仕切り板を取り付け台の上流側表面の上流側に位置決めするように寸法決めとすることができる。
【0021】
送給ノズルは、上流側本体を備えることができる。上流側本体は、入口部分及び送給部分の少なくとも一部を備えることができる。送給ノズルは、下流側本体を備えることができる。下流側本体は、送給部分の残りの部分を備えることができる。従って、送給ノズルは、2つの本体又は構成要素から作ることができる。下流側本体は、取り付け台を貫通して除害室の中へ延びるように固定長とすることができる。上流側本体は、送給ノズルに必要とされる全長に応じて可変長とすることができる。
【0022】
下流側本体は、上流側表面から延びるように寸法決めすることができる。下流側本体は、取り付け台及び筐体を貫通して除害室まで延びることができる。これによって、下流側本体を標準長さにすることができ、これは、部品の在庫を低減するのを助ける。
【0023】
上流側本体は、送給部分の少なくとも一部の複数の異なる長さのうちの1つを提供するように寸法決めすることができる。従って、送給ノズルに対して必要とされる全長に応じて、異なる長さの上流側本体を設けることができる。
【0024】
上流側本体は、排出流の成長した又は選択された流れプロファイルを除害室の中に送給する送給部分の組み合わせ長さを提供するように寸法決めすることができる。従って、送給ノズルは、除害室への排出流の所要のタイプの流れを提供する全長を有するように寸法決めされている。
【0025】
上流側本体は、除害室から送給ノズルへの排出流の逆流を回避又は防止する送給部分の組み合わせ長さを提供するように寸法決めすることができる。
【0026】
入口ノズルは、排出流を少なくとも一対の渦流に分離するように成形された不連続部を備えることができ、上流側本体は、一対の渦流が除害室の中へ延びるのを防止する送給部の長さを提供するように寸法決めすることができる。従って、排出流が、典型的には環状プレートなどの不連続部によって、少なくとも一対の渦流に形成された場合、上流側本体及び下流側本体によって提供される送給部分の組み合わせ長さは、それらの渦流の長さよりも長いように選択することができる。渦流が燃焼室の中に延びるようになっていた場合、このことは、より低い圧力領域をもたらす可能性があり、このより低い圧力領域は、除害室の中からのガスを送給ノズル内に引き戻すようにさせる可能性があり、これは、送給ノズルの中の粒子状物質の蓄積につながり、閉塞につながる。換言すると、組み合わせ長さは、渦流が送給ノズルから延びないように選択することができる。これは、除害室に流入するより高い速度の分割された(燕尾状の)乱流排出流(開示内容全体が引用によって本明細書に組み込まれている英国特許第2550382号に記載されている)につながり、このより高い速度の分割された排出流は、除害室に流入する際に閾値量よりも大きい剪断混合を示し、これは破壊率効率を改善する。
【0027】
上流側本体は、下流側本体を形成する材料よりも低い使用温度及び/又は低い耐酸化性を有する材料で形成することができる。
【0028】
上流側本体は、排出流の流れと化学的に適合性のある材料で形成することができる。下流側本体は、除害副生成物と化学的に適合性のある材料で形成することができる。別個の上流側本体及び下流側本体を設けることによって、適切な材料を両方の部品に使用することができる。
【0029】
入口ノズルは、長円断面を有することができる。
【0030】
開口は、長円断面を有することができる。
【0031】
開口は、入口ノズルの中で対称に位置決めすることができる。
【0032】
第2の態様によれば、第1の態様の少なくとも1つの入口ノズル組立体を備える除害装置が提供される。
【0033】
除害装置は、各々が異なる長さを有する複数の入口ノズル組立体を備えることができる。
【0034】
除害装置は、上記の入口ノズル組立体の特徴を備えることができる。
【0035】
第3の態様によれば、排出流を除害室の中へ送給するように送給ノズルを構成するステップと、取り付け台を、除害室を画定する筐体と結合するステップと、取り付け台で送給ノズルを受け入れるステップであって、送給ノズルは、除害室から遠位の取り付け台から延びる、ステップとを含む、方法が提供される。
【0036】
本方法は、取り付け台をヘッドプレートの少なくとも一部として準備するステップを含むことができる。
【0037】
本方法は、送給ノズルを取り付け台の受け入れ開口に受け入れるステップを含むことができる。
【0038】
本方法は、送給ノズルを除害室から遠位の取り付け台の表面から延びるように寸法決めするステップを含むことができる。
【0039】
本方法は、送給ノズルを取り付け台の表面から直立するように寸法決めするステップを含むことができる。
【0040】
本方法は、筐体を取り付け台の下流側表面と結合し、有孔スリーブを取り付け台の上流側表面から延ばすステップを含むことができる。
【0041】
本方法は、送給ノズルを、排出流を受け入れる入口室を画定する上流側入口部分と、除害室の中への排出流の送給のための送給室を画定する下流側送給部分とから形成するステップと、送給部分の少なくとも一部を取り付け台から延びるように寸法決めするステップとを含むことができる。
【0042】
本方法は、入口部分を排出流の供給部と結合するステップを含むことができる。
【0043】
本方法は、送給部分の少なくとも一部を上流側表面から直立するように寸法決めするステップを含むことができる。
【0044】
本方法は、取り付け台を、送給部分の残りの部分の少なくとも一部を内部に受け入れるように構成するステップを含むことができる。
【0045】
本方法は、送給部分を、上流側表面の上流側から除害室まで延びるように寸法決めするステップを含むことができる。
【0046】
本方法は、送給ノズルに、入口室を送給室と結合する開口を画定する仕切り板を準備するステップと、送給ノズルを、仕切り板を取り付け台の上流側表面の上流側に位置決めするように寸法決めするステップとを含むことができる。
【0047】
本方法は、送給ノズルに、入口部分及び送給部分の少なくとも一部を備える上流側本体と、送給部分の残りの部分を備える下流側本体とを準備するステップを含むことができる。
【0048】
本方法は、下流側本体を、上流側表面から、取り付け台及びスリーブを貫通して除害室まで延びるように寸法決めするステップを含むことができる。
【0049】
本方法は、上流側本体を、送給部分の少なくとも一部の複数の異なる長さのうちの1つを提供するように寸法決めするステップを含むことができる。
【0050】
本方法は、上流側本体を、排出流の成長し選択された流れプロファイルを除害室の中に送給する送給部分の組み合わせ長さを提供するように寸法決めするステップを含むことができる。
【0051】
本方法は、上流側本体を、除害室からの排出流の逆流を回避する送給部分の組み合わせ長さを提供するように寸法決めするステップを含むことができる。
【0052】
本方法は、排出流を一対の渦流に分離するステップと、上流側本体を、一対の渦流が除害室の中へ延びるのを防止する送給部分の長さを提供するように寸法決めするステップを含むことができる。従って、排出流が、典型的には環状プレートなどの不連続部によって、少なくとも一対の渦流に形成された場合、上流側本体及び下流側本体によってもたられた送給部分の組み合わせ長さは、それらの渦流の長さよりも長いように選択することができる。渦流が燃焼室内へ延びるようになっていた場合、このことは、より低い圧力領域をもたらす可能性があり、このより低い圧力領域は、除害室の中からのガスを送給ノズル内に引き戻すようにさせる可能性があり、これは、送給ノズルの中の粒子状物質の蓄積につながり、閉塞につながる。換言すると、組み合わせ長さは、渦流が送給ノズルから延びないように選択することができる。これは、除害室に流入するより高い速度の分割された排出流につながり、そのより高い速度の分割された排出流は、除害室に流入する際に閾値量よりも大きい剪断混合を示し、これは、破壊率効率を改善する。
【0053】
本方法は、下流側本体を形成する材料よりも低い使用温度及び低い耐酸化性のうちの少なくとも一方を有する材料で上流側本体を形成するステップを含むことができる。
【0054】
本方法は、上流側本体を排出流の流れと化学的に適合性のある材料で形成するステップを含むことができ、下流側本体は、除害副生成物と化学的に適合性のある材料で形成される。
【0055】
本方法は、入口ノズルに長円断面を準備するステップを含むことができる。
【0056】
本方法は、開口に長円断面を準備するステップを含むことができる。
【0057】
本方法は、入口ノズルの中に対称に配置された開口を位置決めするステップを含むことができる。
【0058】
本方法は、複数の入口ノズル組立体を準備するステップと、各入口ノズルを、異なる長さを有するように寸法決めするステップとを含むことができる。
【0059】
さらなる特定の好ましい態様は、添付の独立請求項及び従属請求項に記載されている。従属請求項の特徴は、適宜、及び、特許請求の範囲に明示的に記載される以外の組み合わせで独立請求項の特徴と組み合わせることができる。
【0060】
装置の特徴が、ある機能をもたらすように動作可能であると記載される場合、これは、その機能をもたらすか、又は、その機能をもたらすように適合又は構成されている装置の特徴を含むことを理解されたい。
【0061】
ここで、本発明の実施形態を、添付図面を参照しながらさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0062】
図1】実施形態による入口組立体を示す除害装置の断面図である。
図2A】入口組立体の上流側から見た図である。
図2B】入口組立体の斜視図である。
図2C】入口組立体の下流側から見た図である。
図3】燃焼室の下流側から見た図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0063】
実施形態をさらに詳細に説明する前に、まず概要を説明する。実施形態は、異なる排出流の状態に適合すると同時に、異なる送給ノズルの長さをサポートするのに必要な部品の在庫の不必要な増加を回避するように、異なる長さの送給ノズルを提供することを可能にする構成を提供する。異なる長さの送給ノズルに適合する、異なる高さの取り付け台を有するのではなく、及び/又は、他の異なる寸法の関連部品とともに、異なる長さの送給ノズルに対して正しい位置に除害室の筐体を配置できるように、異なる長さのハウジングを有するのではなく、代わりに、標準高さの取り付け台及び標準高さのハウジングが提供され、異なる長さの送給ノズルは、取り付け台から異なる高さで突出する。一部の実施形態において、送給ノズルは、2つの要素又は構成要素から形成される。これらの実施形態において、送給ノズルの標準高さの第1の要素は、取り付け台に嵌合されて除害室の中に延びる。可変高さの第2の要素は、第1の要素と結合する。このことは、部品在庫の観点から、送給ノズルの長さに関係なく、除害室を画定する筐体用のハウジング、取り付け台及び送給ノズルの第1の要素の全ては、標準サイズとすることができ、寸法を変える唯一の要素は、送給ノズルの第2の要素であることを意味する。これによって、在庫サイズ及び除害装置を組み立てる複雑さが大幅に低減される。
【0064】
入口組立体
図1は、1つの実施形態による除害装置10の入口組立体600A、600Bを示す。除害装置10は、燃焼室120を画定する有孔スリーブ90を備える。この実施例において、有孔スリーブ90は、燃焼室120の下流側からの図を示す図3に示すように、テーパー付けされた立方体状の燃焼室120を画定する。有孔スリーブ90は、平面の上流側天井200を有し、上流側天井200からは、燃焼室120の吐出端で丸みを帯びた肩部140で終端する4つの末広壁180が垂下する。これによって、略台形の構成を有する燃焼室120が形成される。パイロットモジュール20は、有孔スリーブ90の肩部140に当接する下流側吐出面130を有する。しかしながら、燃焼室の他の形状及び構成が可能であることを理解されたい。また、この実施形態において、除害装置は、放射バーナーの除害装置であるが、異なる形式の燃焼室120を有する他の形式の除害装置が可能であることを理解されたい。有孔スリーブ90は、ハウジング610内に保持される。プレナム620は、ハウジング610の内側を向く表面と、有孔スリーブ90の外側を向く表面との間に画定される。
【0065】
ハウジング610及び有孔スリーブ90は、取り付け台50によって保持される。この実施例において、取り付け台50は、プレナム620と流体連通するプレナム630を画定する。しかしながら、他の構成も可能であり、必要であればプレナム630を省略することができることを理解されたい。これが該当する場合、取り付け台50の高さは、著しく小さくなる。取り付け台50及び有孔スリーブ90の天井の両方は、以下により詳細に説明するように、入口組立体600の一部を受け入れるように成形される開口60を備える。
【0066】
入口組立体600Aは、下流側本体640A及び上流側本体650Aを備える。下流側本体640Aは、取り付け台50の上流側表面660間に、取り付け台50及び有孔スリーブ90の天井を貫通して燃焼室120の中に延びる。上流側本体650Aは、取り付け台50の上流側表面660から、排出流の供給部(図示せず)と結合する結合入口670Aまで延びる。
【0067】
図2から最もよく分かるように、結合部670Aは、排出流の供給部の形状に適合するように円形の断面を有する。従って、供給部の形状に合うように他の形状の結合部670Aが可能である。結合部670Aの下流側には、開口690Aを画定する仕切り板680Aがある。
【0068】
上流側本体650Aは、送給室710Aの形状に適合するように結合部670Aでの円形断面と仕切り板680Aでの長円形断面との間を移行する入口部分700Aを画定する。従って、送給室710Aの形状に適合するように他の形状が可能である。上流側本体650Aは、仕切り板680Aから下流側に延びる送給室710Aの部分720Aを画定する。下流側本体640Aは、その送給室710Aの別の部分730Aを提供する。別個の上流側本体650A及び下流側本体640Aを設けることによって、これらの本体が受ける条件がこれらの本体間で異なるので、これらの本体を形成することができる材料の範囲が拡大される。動作中、開口690Aを通って流れる排出流は、送給室710A内の仕切り板680Aの下流側に延びる一対の渦流を形成する。従って、排出流は、典型的にはわずかに拡大及び膨張する一対の分割流に分割され、これは送給室710Aの中の仕切り板680Aの下流側で扇状に広がり、燃焼室120の中に流れる。典型的には、入口ノズル組立体の全長は、何らかの渦流がその送給室の長さの中で保持されるのを保証するように選択される。上述したように、渦流が燃焼室120の中に延びるようになっていた場合、このことは、より低い圧力領域をもたらす可能性があり、このより低い圧力領域は、燃焼室120の中からのガスを入口ノズルに引き戻すようにさせる可能性があり、これは送給ノズルの中の粒子状物質の蓄積につながり、閉塞をもたらす。燃焼室120に入る分割流は、排出流が仕切り板680Aの作用によって分割されなかった場合に起こらないと考えられる速度よりも高い速度を有し、従って、そのようにより高い速度の分割された排出流は、除害室に入る際に閾値量よりも大きい剪断混合を示し、これは破壊率効率を改善する。しかしながら、他の流れ構成は、異なる全長を必要とする場合がある他の構成の入口組立体で可能であることを理解されたい。
【0069】
図1から分かるように、入口ノズル組立体600Bは、入口ノズル組立体600Aよりも長い全長を有するが、追加の長さは、上流側本体650Bによって与えられる送給室710Bのより長い部分720Bを提供することによって対応される。
【0070】
従って、所要の流れ特性を有する排出流を燃焼室120に送給するためにどのような長さの入口ノズル組立体が必要であっても、これは、取り付け台50、ハウジング610、燃焼室120を画定する有孔スリーブ90、又は、他の関連部品のいずれかの寸法又は構成を変更する必要なく達成することができることが分かる。その代わりに、異なる長さは、入口組立体の長さを変更するだけで、及び、これが複数の部品から形成される実施形態ではそれらの部品のうちの1つの長さを変更するだけで達成することができ、共通の下流側本体640Aを使用することができる。これによって、このような除害装置を製造及び維持するための部品在庫が簡素化される。
【0071】
一部の実施形態は、除害システムのための極限流量(>1000l/min)ノズルの構成方法を提供し、これは、これらのノズルを、モジュール式バーナー機構上に構築された除害システムのより低い流量の入口に「混合及び適合」方式で配備することを可能にする。いわゆるスロットノズルは、従来の円形ノズルと比較して高い流量で優れた除害性能を発揮することが実証されている。200から600l/minの流量に最適化された1つの設計は、中心50mm上で幅16mm、長さ75mmの長円形状のノズルを備える。この入口は、半導体化学気相成長プロセス、特に3次元NOT-AND(3D NAND)メモリデバイスの製造に使用されるような高成膜速度のプロセスに適する。例えばフラットパネルディスプレイ業界で見られるような、さらに高い流量の場合、より高い能力/より大きなサイズの入口が必要とされる。計算流体力学の解析は、断面75×24mmの長円ノズルで1000から1200l/minの流量において、従来(50×116×75mmのノズルでの300から600l/min)と同等の流れ挙動を予測する。流れがノズル内へ発達するときにスリット開口の下に形成される渦流を収容するためには、典型的には、長さを75mmから113mmに比例して増大させることが必要である。この渦流の形成と流れの分割が、これらの高い流量の入口の除害性能の向上に寄与することが実証されている。上記で詳述した構造技術によって、ノズルの長さの一部が入口に収容され、スリット開口の後縁からノズルの吐出端までの必要な距離が得られると同時に、バーナー取り付け台の共通基準面が維持される。これによって、低流量モジュール及び高流量モジュールを一緒に配備することができる。これは、モジュール式システムを構築する際に、最大限の柔軟性及び最小限の在庫数を可能にする。また、これは、最小数の構成部品を変更することによるモジュール式システムの構成及び再構成を可能にする。
【0072】
本明細書では、添付の図面を参照して本発明の例示的な実施形態を詳細に開示してきたが、本発明は、正確な実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲及びその均等物によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、当業者によって様々な変更及び修正を行なうことができることが理解される。
【符号の説明】
【0073】
10 除害装置
20 パイロットモジュール
40 ハウジング
50 取り付け台
90 有孔スリーブ
120 燃焼室
130 吐出面
180 壁部
200 天井
600A; 600B 入口組立体
610 ハウジング
620;630 プレナム
640A 下流側本体
650A 上流側本体
660 上流側表面
670A 結合入口
680A 仕切り板
690A 開口
700A 入口部分
710A 送給室
720A;730A 部分
図1
図2(A)】
図2(B)】
図2(C)】
図3
【手続補正書】
【提出日】2024-01-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体処理ツールからの排出流を処理する除害装置のための入口ノズル組立体であって、
前記排出流を除害室の中に送給するように構成された送給ノズルと、
前記除害室を画定する筐体と結合するように構成された取り付け台であって、前記取り付け台は、前記除害室の中への前記排出流の送給のために前記送給ノズルを受け入れるようにさらに構成され、前記送給ノズルは、前記除害室から遠位の前記取り付け台から延びるように構成されている、取り付け台と、
を備える、入口ノズル組立体。
【請求項2】
前記送給ノズルは、前記除害室から遠位の前記取り付け台の表面から延びるように寸法決めされている、請求項1に記載の入口ノズル組立体。
【請求項3】
前記送給ノズルは、前記取り付け台の前記表面から直立するように寸法決めされている、請求項2に記載の入口ノズル組立体。
【請求項4】
前記取り付け台は、前記除害室を画定する前記筐体と結合する下流側表面と、前記送給ノズルが延びる上流側表面とを有する、請求項1に記載の入口ノズル組立体。
【請求項5】
前記送給ノズルは、前記排出流を受け入れる入口室を画定する上流側入口部分と、前記除害室の中への前記排出流の送給のための送給室を画定する下流側送給部分とを備え、前記送給部分の少なくとも一部は、前記取り付け台から延びるように寸法決めされている、請求項1に記載の入口ノズル組立体。
【請求項6】
前記送給部分の少なくとも一部は、前記上流側表面から直立するように寸法決めされている、請求項4に記載の入口ノズル組立体。
【請求項7】
前記取り付け台は、前記送給部分の残りの部分の少なくとも一部を内部に受け入れるように構成されている、請求項5に記載の入口ノズル組立体。
【請求項8】
前記送給部分は、前記上流側表面の上流側から前記除害室まで延びるように寸法決めされている、請求項5に記載の入口ノズル組立体。
【請求項9】
前記送給ノズルは、前記入口室を前記送給室と結合する開口を画定する仕切り板を備え、前記送給ノズルは、前記取り付け台の前記上流側表面の上流側に前記仕切り板を位置決めするように寸法決めされている、請求項5に記載の入口ノズル組立体。
【請求項10】
前記送給ノズルは、前記入口部分と前記送給部分の前記少なくとも一部とを備える上流側本体と、前記送給部分の残りの部分を備える下流側本体とを備える、請求項5に記載の入口ノズル組立体。
【請求項11】
前記下流側本体は、前記上流側表面から、前記取り付け台及び前記筐体を貫通して前記除害室まで延びるように寸法決めされている、請求項10に記載の入口ノズル組立体。
【請求項12】
前記上流側本体は、前記送給部分の前記少なくとも一部の複数の異なる長さのうちの1つを提供するように寸法決めされている、請求項10に記載の入口ノズル組立体。
【請求項13】
前記上流側本体は、前記排出流の選択された流れプロファイルを前記除害室に送給する前記送給部分の長さを提供するように寸法決めされている、請求項10に記載の入口ノズル組立体。
【請求項14】
前記上流側本体は、前記除害室からの前記排出流の逆流を回避する前記送給部分の長さを提供するように寸法決めされている、請求項10に記載の入口ノズル組立体。
【請求項15】
前記排出流を少なくとも一対の渦流に分離するように成形された不連続部を備え、前記上流側本体は、前記一対の渦流が前記除害室の中に延びるのを防止する前記送給部分の長さを提供するように寸法決めされている、請求項10に記載の入口ノズル組立体。
【請求項16】
前記上流側本体は、前記下流側本体を形成する材料よりも低い使用温度及び低い耐酸化性のうちの少なくとも一方を有する材料で形成される、請求項10に記載の入口ノズル組立体。
【請求項17】
請求項1に記載の少なくとも1つの入口ノズル組立体を備える、除害装置。
【請求項18】
各々が異なる長さを有する、複数の前記入口ノズル組立体を備える、請求項17に記載の除害装置。
【請求項19】
排出流を除害室の中に送給するように送給ノズルを構成するステップと、
取り付け台を、前記除害室を画定する筐体と結合するステップと、
前記送給ノズルを前記取り付け台で受け入れるステップであって、前記送給ノズルは、前記除害室から遠位の前記取り付け台から延びる、ステップと、
を含む、方法。
【国際調査報告】