(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-13
(54)【発明の名称】単一の分子分析物を検出及び定量化するための脱保護計数プローブ
(51)【国際特許分類】
C12Q 1/682 20180101AFI20240805BHJP
C12Q 1/6876 20180101ALI20240805BHJP
【FI】
C12Q1/682 Z
C12Q1/6876 Z ZNA
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503889
(86)(22)【出願日】2022-07-14
(85)【翻訳文提出日】2024-03-21
(86)【国際出願番号】 US2022073707
(87)【国際公開番号】W WO2023004248
(87)【国際公開日】2023-01-26
(32)【優先日】2021-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】511000957
【氏名又は名称】ザ・リージェンツ・オブ・ザ・ユニバーシティ・オブ・ミシガン
【氏名又は名称原語表記】THE REGENTS OF THE UNIVERSITY OF MICHIGAN
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン-バック,アレグザンダー・エドマンド
【テーマコード(参考)】
4B063
【Fターム(参考)】
4B063QA01
4B063QA18
4B063QQ42
4B063QQ52
4B063QR32
4B063QR35
4B063QR55
4B063QS34
4B063QX02
(57)【要約】
分析物(例えば、核酸、タンパク質又は他の生体分子)の高感度、高特異度検出を可能にする、同じ分析物分子へのプローブの反復した結合の内部記録を保有する分子プローブを使用して、特異的及び非特異的結合事象の間をより良く識別するための分子アーキテクチャ及び方法が提供される。同じ分析物分子への(又は分析物分子に結合したプローブへの)プローブの反復した結合は、プローブ結合事象の数及び動態に依存するシグナル(例えば、蛍光又はケミルミネッセンス)の蓄積をもたらし、独立した結合事象の数が増加するにつれて、分析物分子の存在下での信頼増加を生じる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料中の分析物を検出するための分析物検出システムであって、
複数の第1のプローブであって、各第1のプローブが、シグナル領域を含み、シグナル領域が、複数のサプレッサー結合領域を含む、複数の第1のプローブ、
複数のサプレッサーであって、サプレッサーが、第1のプローブのサプレッサー結合領域と会合するように、各サプレッサーが、第1のプローブのサプレッサー結合領域に結合することができる第1のプローブ結合領域を含む、複数のサプレッサー、
複数の分析物結合パートナーであって、各分析物結合パートナーが、分析物に対する親和性を有する第1の分析物結合領域を含み、分析物結合パートナーのそれぞれが、第1のプローブのうち少なくとも1個と直接的に又は間接的に会合している、複数の分析物結合パートナー、
複数の第2のプローブであって、各第2のプローブが、第2の分析物結合領域及びサプレッサー相互作用領域を含み、第2の分析物結合領域が、分析物に対する親和性を有し、サプレッサー相互作用領域が、サプレッサーのうち1個以上に結合することができ、
分析物が、分析物結合パートナーの第1の分析物結合領域に結合している間に、第2のプローブの第2の分析物結合領域が、分析物に結合することができ、
分析物への第1の分析物結合領域の相互作用が、第2の分析物結合領域と分析物との間の解離の速度定数よりも遅い解離の速度定数を有し、
分析物が、分析物結合パートナーのうち1個に結合している間に、第2のプローブのうち1個が、分析物に結合する場合、第2のプローブに結合されたそのような1個以上のサプレッサーが、分析物からの第2のプローブの脱会合後に第1のプローブから除去されることになるように、そのような第2のプローブはまた、サプレッサーのうち1個以上に結合する、複数の第2のプローブ、並びに
複数の標識プローブであって、各標識プローブが、第1のプローブのシグナル領域に対する親和性を有し、1個以上のサプレッサーの除去後に、1個以上の標識プローブが、第1のプローブのシグナル領域に結合することができ、これにより、分析物の検出を可能にする、複数の標識プローブ
を含むシステム。
【請求項2】
分析物結合パートナーの少なくとも一部分が、固体支持体に固定化された第1のプローブのうち少なくとも1個のおよそ100ナノメートル以内で固体支持体において固定化されるように、分析物結合パートナーが、固体支持体への固定化によって第1のプローブと間接的に会合している、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
分析物結合パートナーのそれぞれが、固体支持体に固定化された第1のプローブのうち少なくとも1個のおよそ20ナノメートル以内で固体支持体において固定化されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
各分析物結合パートナーが、第1のプローブのうち1個に物理的に連結されるように、分析物結合パートナーのそれぞれが、第1のプローブのうち1個と直接的に会合している、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
第1の分析物結合領域と分析物との間の親和性が、第2の分析物結合領域と分析物との間よりも少なくとも10倍遅い解離の速度定数を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
シグナル領域が、第1のプローブオリゴヌクレオチドを含み、サプレッサー結合領域がそれぞれ、共通配列を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
共通配列が、約10ヌクレオチド~約50ヌクレオチドである、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
第1のプローブ相補配列が、共通配列と同じ長さである、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
サプレッサーがそれぞれ、第1のプローブ相補配列及び足場配列を含むサプレッサーオリゴヌクレオチドを含み、第1のプローブ相補配列が、第1のプローブオリゴヌクレオチドの共通配列に相補的であり、足場配列が、第1のプローブ相補配列から3’又は5’に位置し、サプレッサーオリゴヌクレオチドが、第1のプローブオリゴヌクレオチドにハイブリダイズされるときに、足場配列が、第1のプローブオリゴヌクレオチドにハイブリダイズしないように、足場配列が、第1のプローブオリゴヌクレオチドにおける共通配列の3’又は5’にある配列に相補的ではない、請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
各第2のプローブのサプレッサー相互作用領域が、サプレッサーオリゴヌクレオチドの第1のプローブ相補配列及び足場配列に相補的であるサプレッサー相補配列を含む第2のプローブオリゴヌクレオチドを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
足場領域が、約1ヌクレオチド~約6ヌクレオチドである、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
標識プローブが、オリゴヌクレオチドに連結されたシグナル伝達構成成分を含み、オリゴヌクレオチドが、第1のプローブ相補配列又はその部分配列を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
シグナル伝達構成成分が、フルオロフォア、蛍光発生化合物、蛍光タンパク質、小分子有機フルオロフォア又はケミルミネッセンス生成酵素からなる群から選択される、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
シグナル伝達構成成分が、小分子有機フルオロフォアであり、Cy3、Cy5、Cy5.5、Cy7、ATTO 647N、DyLight 550、DyLight 650、Alexa Fluor 488、Alexa Fluor 555及びAlexa Fluor 647からなる群から選択される、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
分析物結合パートナー及び第1のプローブのそれぞれが、1個以上のマイクロ粒子に結合され、第1のプローブのうち少なくとも1個が、各マイクロ粒子における分析物結合パートナーのうち少なくとも1個からおよそ100nm以内にある、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
マイクロ粒子が、約1ミクロン~約10ミクロンの直径を有する、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
マイクロ粒子が、ビーズである、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
分析物結合パートナー及び第1のプローブのそれぞれが、1個以上のナノ粒子に結合され、第1のプローブのうち少なくとも1個が、各ナノ粒子における分析物結合パートナーのうち少なくとも1個からおよそ100nm以内にある、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
ナノ粒子が、金ナノ粒子である、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
ナノ粒子が、液体試料における溶解又は懸濁された状態にとどまるのに十分な直径のものである、請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
固体支持体に固定化された多価捕捉用オリゴヌクレオチドプローブをさらに含むシステムであって、標識プローブが、オリゴヌクレオチドに連結されたシグナル伝達構成成分を含み、オリゴヌクレオチドが、第1のプローブ相補配列又はその部分配列及び多価捕捉用プローブ配列を含み、多価捕捉用オリゴヌクレオチドプローブが、標識プローブにおける多価捕捉用プローブ配列に相補的である1個以上の配列を含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
固体支持体に固定化された多価捕捉用オリゴヌクレオチドプローブをさらに含むシステムであって、標識プローブが、オリゴヌクレオチドに連結されたシグナル伝達構成成分を含み、オリゴヌクレオチドが、第1のプローブ相補配列又はその部分配列及び多価捕捉用プローブ配列を含み、多価捕捉用オリゴヌクレオチドプローブが、標識プローブにおける多価捕捉用プローブ配列に相補的である1個以上の配列を含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項23】
分析物が、核酸であり、第1の分析物結合領域が、第1の捕捉用オリゴヌクレオチドを含み、第1の捕捉用オリゴヌクレオチドが、分析物の第1の配列に相補的である配列を保有し、第2の分析物結合領域が、検出用オリゴヌクレオチドを含み、検出用オリゴヌクレオチドが、分析物の第2の配列に相補的である配列を保有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項24】
分析物が、核酸であり、第1のプローブ及び分析物結合パートナーが、第1のプローブオリゴヌクレオチドのドメインであり、第1の分析物結合領域が、分析物の第1の配列に相補的である第1のプローブオリゴヌクレオチドの配列を含み、第1のプローブのサプレッサー結合領域がそれぞれ、第1のプローブオリゴヌクレオチド内の共通配列を含み、
サプレッサーがそれぞれ、第1のプローブ相補配列及び足場配列を含むサプレッサーオリゴヌクレオチドを含み、第1のプローブ相補配列が、第1のプローブオリゴヌクレオチドの共通配列に相補的であり、足場配列が、第1のプローブ相補配列から3’又は5’に位置し、サプレッサーオリゴヌクレオチドが、第1のプローブオリゴヌクレオチドにハイブリダイズされるときに、足場配列が、第1のプローブオリゴヌクレオチドにハイブリダイズしないように、足場配列が、第1のプローブオリゴヌクレオチドにおける共通配列の3’又は5’にある配列に相補的ではなく、
第2のプローブが、第2のプローブオリゴヌクレオチドを含み、第2の分析物結合領域が、分析物の第2の配列に相補的である第2のプローブオリゴヌクレオチドにおける配列を含み、各第2のプローブのサプレッサー相互作用領域が、サプレッサーオリゴヌクレオチドの第1のプローブ相補配列及び足場配列又はそれぞれの部分の両方に相補的である第2のプローブオリゴヌクレオチド内のサプレッサー相補配列を含み、
標識プローブのそれぞれが、標識オリゴヌクレオチドに連結されたシグナル伝達構成成分を含み、標識オリゴヌクレオチドが、第1のプローブ相補配列又はその部分配列を含み、
システムが、表面に結合された捕捉用オリゴヌクレオチドをさらに含み、捕捉用オリゴヌクレオチドが、分析物の第3の配列に相補的である配列を含み、第2のプローブが、第1のプローブからサプレッサーを除去しており、標識プローブが、第1のプローブに結合していて、第1のプローブ-標識プローブ-分析物複合体を形成する場合、第1のプローブ-標識プローブ-分析物複合体は、捕捉用オリゴヌクレオチドを介して表面に結合されることになる、請求項4に記載のシステム。
【請求項25】
第3の配列が、第2の配列と同じである、又は第2の配列の部分と重複する、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
多重の第1のプローブオリゴヌクレオチドが、分析物にハイブリダイズすることができるように、分析物が、多重の第1の配列を保有する、請求項24に記載のシステム。
【請求項27】
第1の配列のそれぞれが異なる、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
競合用オリゴヌクレオチドをさらに含むシステムであって、試料が、分析物とは単一のヌクレオチドのみが異なる非標的分析物を含み、非標的分析物における単一のヌクレオチド差が、分析物の第2の配列に対応する領域にあり、競合用オリゴヌクレオチドが、分析物とよりも効率的に非標的分析物とハイブリダイズするように、競合用オリゴヌクレオチドが、分析物の第2の配列に対応する領域にある非標的分析物における配列に相補的である配列を含む、請求項24に記載のシステム。
【請求項29】
分析物が、約1フェムトモル濃度~約1000フェムトモル濃度の濃度で試料中に存在し、非標的分析物が、同じ又はより高い濃度で存在し、分析物が、非標的分析物よりも優先的に検出される、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
分析物が、ペプチド、ポリペプチド又はタンパク質を含み、分析物結合パートナーが、分析物の第1の抗体若しくはその断片、第1のアプタマー又は第1のリガンドである、請求項2に記載のシステム。
【請求項31】
第2のプローブの第2の分析物結合領域が、分析物に対する親和性を有する第2の結合パートナーを含み、サプレッサー相互作用領域が、第2の結合パートナーに連結され、第2の結合パートナーが、分析物の第2の抗体若しくはその断片、第2のアプタマー又は第2のリガンドである、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
分析物結合パートナーが、第1の抗体であり、固体支持体が、ナノ粒子又はマイクロ粒子である、請求項30に記載のシステム。
【請求項33】
ナノ粒子又はマイクロ粒子が、ストレプトアビジン、アビジン又はニュートラアビジンでコーティングされており、第1の抗体が、ストレプトアビジン(又はアビジン又はニュートラアビジン)-ビオチン相互作用を介してナノ粒子又はマイクロ粒子に結合されるように、第1の抗体が、ビオチン化されており、第1のプローブが、ストレプトアビジン(又はアビジン又はニュートラアビジン)-ビオチン相互作用を介してナノ粒子又はマイクロ粒子に結合されるように、第1のプローブが、ビオチン化されている、請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
第2のプローブの数が、サプレッサーの数を超える、請求項1~34のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項35】
第2のプローブの数が、第1のプローブの数を超える、請求項1~34のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項36】
標識プローブの数が、第2のプローブの数を超える、請求項1~34のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項37】
試料中の分析物を検出するためのキットであって、
複数の第1のプローブを含む第1の構成成分であって、各第1のプローブが、第1の分析物結合領域及びシグナル領域を含み、第1の分析物結合領域が、分析物に対する親和性を有し、第1の分析物結合領域及びシグナル領域が、共通分子の一部として直接的に会合している、又は2個の別個の分子として間接的に会合している、第1の構成成分、
複数の標識プローブを含む第2の構成成分であって、各標識プローブが、シグナル領域と会合することができる、第2の構成成分、
複数のサプレッサーを含む第3の構成成分であって、各サプレッサーが、シグナル領域と会合することができ、サプレッサー及び標識プローブが両者共に、シグナル領域と会合している場合、サプレッサーが、標識プローブの検出を防止する、又はサプレッサーが、標識プローブとシグナル領域との会合を防止する、第3の構成成分、並びに
複数の第2のプローブを含む第4の構成成分であって、各第2のプローブが、第2の分析物結合領域及びサプレッサー相互作用領域を含み、第2の分析物結合領域が、分析物に対する親和性を有し、サプレッサー相互作用領域が、間接的に又は直接的に、サプレッサーのうち1個以上に結合する、それを除去する又はそれを分解することができ、分析物への第1の分析物結合領域の相互作用が、第2の分析物結合領域と分析物との間の解離の速度定数よりも遅い解離の速度定数を有する、第4の構成成分
を含むキット。
【請求項38】
第1の分析物結合領域と分析物との間の親和性が、第2の分析物結合領域と分析物との間よりも少なくとも10倍遅い解離の速度定数を含む、請求項37に記載のキット。
【請求項39】
シグナル領域が、共通配列をそれぞれ含む複数の第1のプローブオリゴヌクレオチドを含む、請求項37~38のいずれか一項に記載のキット。
【請求項40】
共通配列が、約10ヌクレオチド~約50ヌクレオチドである、請求項39に記載のキット。
【請求項41】
サプレッサーがそれぞれ、第1のプローブ相補領域及び足場領域を含むサプレッサーオリゴヌクレオチドを含み、第1のプローブ相補領域が、第1のプローブオリゴヌクレオチドの共通配列に相補的である配列を含み、足場領域が、第1のプローブ相補領域からすぐ3’又は5’に位置し、サプレッサーオリゴヌクレオチドが、第1のプローブオリゴヌクレオチドにハイブリダイズされるときに、足場領域が、第1のプローブオリゴヌクレオチドにハイブリダイズしないように、足場領域が、第1のプローブオリゴヌクレオチドにおける共通配列のすぐ3’又は5’にある配列に相補的ではない配列を含む、請求項38~39のいずれか一項に記載のキット。
【請求項42】
第1のプローブ相補領域が、共通配列と同じ長さである、請求項41に記載のキット。
【請求項43】
各第2のプローブのサプレッサー相互作用領域が、サプレッサーオリゴヌクレオチドの第1のプローブ相補領域及び足場領域の両方に相補的である配列を含むサプレッサー相補領域を含む第2のプローブオリゴヌクレオチドを含む、請求項41~42のいずれか一項に記載のキット。
【請求項44】
足場領域が、約1ヌクレオチド~約6ヌクレオチドである、請求項41~43のいずれか一項に記載のキット。
【請求項45】
標識プローブが、シグナル伝達構成成分と、サプレッサーの第1のプローブ相補領域と同一の配列又はそのような配列の部分を含むオリゴヌクレオチド構成成分とを含む、請求項41~44のいずれか一項に記載のキット。
【請求項46】
シグナル伝達構成成分が、フルオロフォア、蛍光発生化合物、蛍光タンパク質又はケミルミネッセンス生成酵素からなる群から選択される、請求項45に記載のキット。
【請求項47】
シグナル伝達構成成分が、Cy3、Cy5、Cy5.5、Cy7、ATTO 647N、DyLight 550、DyLight 650、Alexa Fluor 488、Alexa Fluor 555及びAlexa Fluor 647からなる群から選択される小分子有機フルオロフォアである、請求項45に記載のキット。
【請求項48】
分析物が、核酸であり、第1の分析物結合領域が、第1の捕捉用オリゴヌクレオチドを含み、第1の捕捉用オリゴヌクレオチドが、分析物の第1の配列に相補的である配列を保有し、第2の分析物結合領域が、検出用オリゴヌクレオチドを含み、検出用オリゴヌクレオチドが、分析物の第2の配列に相補的である配列を保有する、請求項37~47のいずれか一項に記載のキット。
【請求項49】
分析物が、核酸であり、第1の分析物結合領域が、第1の捕捉用オリゴヌクレオチドを含み、第1の捕捉用オリゴヌクレオチドが、分析物の配列に相補的である配列を保有する、請求項37~47のいずれか一項に記載のキット。
【請求項50】
第2の分析物結合領域が、検出用オリゴヌクレオチドを含み、検出用オリゴヌクレオチドが、分析物の配列に相補的である配列を保有する、請求項37~47に記載のキット。
【請求項51】
各第1のプローブの第1の分析物結合領域が、分析物の第1の抗体若しくはその断片、第1のアプタマー又は第1のリガンドを含む、請求項37~47のいずれか一項に記載のキット。
【請求項52】
第2のプローブの第2の分析物結合領域が、分析物の第2の抗体若しくはその断片、第2のアプタマー又は第2のリガンドを含む、請求項37~47及び51のいずれか一項に記載のキット。
【請求項53】
第1の分析物結合領域及びシグナル領域が、2個の別個の分子であり、第1の分析物結合領域が、固体支持体に結合されている、請求項37~52のいずれか一項に記載のキット。
【請求項54】
第1の構成成分が、第1の分析物結合領域とは別個の追加の分析物結合領域を含む、請求項53に記載のキット。
【請求項55】
シグナル領域が、第1の分析物結合領域の100ナノメートル以内の部位において固体支持体に結合されている、請求項53に記載のキット。
【請求項56】
固体支持体が、ナノ粒子又はマイクロ粒子である、請求項53~55のいずれか一項に記載のキット。
【請求項57】
シグナル領域が、ストレプトアビジン(又はアビジン又はニュートラアビジン)-ビオチン相互作用を介してナノ粒子又はマイクロ粒子に結合されるように、ナノ粒子又はマイクロ粒子が、ストレプトアビジン、アビジン又はニュートラアビジンでコーティングされており、第1の分析物結合領域が、ビオチン化されている、請求項56に記載のキット。
【請求項58】
第1の構成成分及び第3の構成成分が、第1の反応混合物において提供される、請求項37~57のいずれか一項に記載のキット。
【請求項59】
第2の構成成分及び第4の構成成分がそれぞれ、別々の反応混合物において提供され、第1の反応混合物の一部ではない、請求項58に記載のキット。
【請求項60】
第2の構成成分及び第4の構成成分が、第1の反応混合物とは別々のものである第2の反応混合物において提供される、請求項58に記載のキット。
【請求項61】
第1の構成成分、第2の構成成分及び第3の構成成分が、第1の反応混合物において提供される、請求項37~57のいずれか一項に記載のキット。
【請求項62】
請求項37~57に記載のキットのうちいずれか1種を使用して試料中の分析物を検出する方法であって、
(a)試料の部分を第1の構成成分及び第3の構成成分と混合して、第1の反応混合物を形成するステップであって、第3の構成成分のサプレッサーが、第1の構成成分の複数の第1のプローブのシグナル領域に結合される、ステップ、
(b)分析物が第1の分析物結合領域に結合するのに十分な条件下で、第1の反応混合物をインキュベートするステップ、
(c)ステップ(b)の後の第1の反応混合物を第4の構成成分と混合して、第2の反応混合物を得るステップ、
(d)第2のプローブが分析物に結合しそれから解離し、複数の第1のプローブのシグナル領域から1個以上のサプレッサーを除去する又は1個以上のサプレッサーを分解するのに十分な条件下で、第2の反応混合物をインキュベートするステップ、
(e)ステップ(d)の後の第2の反応混合物を第2の構成成分と混合して、第3の反応混合物を得るステップ、
(f)標識プローブが、ステップ(d)において1個以上のサプレッサーが除去又は分解された第1のプローブのシグナル領域と会合することを可能にするのに十分な条件下で、第3の反応混合物をインキュベートするステップ、並びに
(g)第1のプローブのシグナル領域と会合している標識プローブから生成されたシグナルを測定して、試料中の分析物の存在を決定するステップ
を含む方法。
【請求項63】
第4の構成成分における第2のプローブの数が、第1の構成成分における第1のプローブの数を超える、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
請求項58又は59に記載のキットを使用して試料中の分析物を検出する方法であって、
(a)試料の部分を第1の反応混合物と混合するステップであって、第3の構成成分のサプレッサーが、第1の構成成分の複数の第1のプローブのシグナル領域に結合される、ステップ、
(b)分析物が第1の分析物結合領域に結合するのに十分な条件下で、第1の反応混合物をインキュベートするステップ、
(c)ステップ(b)の後の第1の反応混合物を第4の構成成分と混合して、第2の反応混合物を得るステップ、
(d)第2のプローブが分析物に結合しそれから解離し、複数の第1のプローブのシグナル領域から1個以上のサプレッサーを除去する又は1個以上のサプレッサーを分解するのに十分な条件下で、第2の反応混合物をインキュベートするステップ、
(e)ステップ(d)の後の第2の反応混合物を第2の構成成分と混合して、第3の反応混合物を得るステップ、
(f)標識プローブが、ステップ(d)において1個以上のサプレッサーが除去又は分解された第1のプローブのシグナル領域と会合することを可能にするのに十分な条件下で、第3の反応混合物をインキュベートするステップ、及び
(g)第1のプローブのシグナル領域と会合している標識プローブから生成されたシグナルを測定して、試料中の分析物の存在を決定するステップ
を含む方法。
【請求項65】
第4の構成成分における第2のプローブの数が、第1の構成成分における第1のプローブの数を超える、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
請求項60に記載のキットを使用して試料中の分析物を検出する方法であって、
(a)試料の部分を第1の反応混合物と混合するステップであって、第3の構成成分のサプレッサーが、第1の構成成分の複数の第1のプローブのシグナル領域に結合される、ステップ、
(b)分析物が第1の分析物結合領域に結合するのに十分な条件下で、第1の反応混合物をインキュベートするステップ、
(c)ステップ(b)の後の第1の反応混合物を第2の反応混合物と混合して、第3の反応混合物を得るステップ、
(d)第2のプローブが、分析物に結合しそれから解離し、複数の第1のプローブのシグナル領域から1個以上のサプレッサーを除去する又は1個以上のサプレッサーを分解し、標識プローブが、1個以上のサプレッサーが除去された第1のプローブのシグナル領域と会合することを可能にするのに十分な条件下で、第3の反応混合物をインキュベートするステップ、
(e)第1のプローブのシグナル領域と会合している標識プローブから生成されたシグナルを測定して、試料中の分析物の存在を決定するステップ
を含む方法。
【請求項67】
第4の構成成分における第2のプローブの数が、第1の構成成分における第1のプローブの数を超える、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
請求項61に記載のキットを使用して試料中の分析物を検出する方法であって、
(a)試料の部分を第1の反応混合物と混合するステップであって、第3の構成成分のサプレッサーが、第1の構成成分の複数の第1のプローブのシグナル領域に結合される、ステップ、
(b)分析物が第1の分析物結合領域に結合するのに十分な条件下で、第1の反応混合物をインキュベートするステップ、
(c)ステップ(b)の後の第1の反応混合物を第4の構成成分と混合して、第2の反応混合物を得るステップ、
(d)第2のプローブが、分析物に結合しそれから解離し、複数の第1のプローブのシグナル領域から1個以上のサプレッサーを除去する又は1個以上のサプレッサーを分解するのに十分な条件下で、第2の反応混合物をインキュベートするステップ、
(e)第1のプローブのシグナル領域と会合している標識プローブから生成されたシグナルを測定して、試料中の分析物の存在を決定するステップ
を含む方法。
【請求項69】
標識プローブが、第1の反応混合物におけるシグナル領域と会合している、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
標識プローブが、第1の反応混合物のシグナル領域と会合しておらず、ステップ(d)が、標識プローブが1個以上のサプレッサーが除去された第1のプローブのシグナル領域と会合することを可能にするのに十分な条件を含む、請求項68に記載の方法。
【請求項71】
第4の構成成分における第2のプローブの数が、第1の構成成分における第1のプローブの数を超える、請求項68~70のいずれか一項に記載の方法。
【請求項72】
複数の第1のプローブであって、各第1のプローブが、分析物結合領域及びシグナル領域を含み、分析物結合領域が、分析物に対する親和性を有し、シグナル領域が、複数のサプレッサー及び複数の標識プローブと会合しており、サプレッサー及び標識プローブが両者共に、シグナル領域と会合している場合、サプレッサーが、標識プローブの検出を防止する、複数の第1のプローブ、
複数の第2のプローブであって、各第2のプローブが、第1のプローブ結合領域及びサプレッサー相互作用領域を含み、分析物が、第1のプローブの分析物結合領域に結合している間に、第1のプローブ結合領域が、第1のプローブに結合することができ、サプレッサー相互作用領域が、間接的に又は直接的に、サプレッサーのうち1個以上に結合する、それを除去する又はそれを分解することができ、
分析物への分析物結合領域の相互作用が、第1のプローブ結合領域と第1のプローブとの間の解離の速度定数よりも遅い解離の速度定数を有し、
第2のプローブのうち1個が、第1のプローブに結合する場合、サプレッサーのうち1個以上が、第1のプローブから除去され得る又は分解され得、
十分な数のサプレッサーの除去又は分解後に、複数の標識プローブから生じるシグナルが、分析物の非存在下で第1のプローブから生じるシグナルから識別可能となる、複数の第2のプローブ
を含む分析物検出システム。
【請求項73】
複数の第1のプローブであって、各第1のプローブが、分析物結合領域及びシグナル領域を含み、分析物結合領域が、分析物に対する親和性を有し、シグナル領域が、複数のサプレッサーと会合している、複数の第1のプローブ、
複数の第2のプローブであって、各第2のプローブが、第1のプローブ結合領域及びサプレッサー相互作用領域を含み、分析物が、第1のプローブの分析物結合領域に結合している間に、第1のプローブ結合領域が、第1のプローブに結合することができ、サプレッサー相互作用領域が、間接的に又は直接的に、サプレッサーのうち1個以上に結合する、それを除去する又はそれを分解することができ、
分析物への第1の分析物結合領域の相互作用が、第1のプローブ結合領域と第1のプローブとの間の解離の速度定数よりも遅い解離の速度定数を有し、
第2のプローブのうち1個が、分析物に結合している間の第1のプローブのうち1個に結合する場合、サプレッサーのうち1個以上が、第1のプローブから除去され得る又は分解され得る、複数の第2のプローブ、並びに
複数の標識プローブであって、各標識プローブが、第1のプローブのシグナル領域に対する親和性を有し、1個以上のサプレッサーの除去又は分解後に、1個以上の標識プローブが、第1のプローブのシグナル領域に結合することができる、複数の標識プローブ
を含む分析物検出システム。
【請求項74】
第1の分析物結合領域と分析物との間の親和性が、第1のプローブ結合領域と第1のプローブとの間よりも少なくとも10倍遅い解離の速度定数を含む、請求項72又は73に記載のシステム。
【請求項75】
シグナル領域が、共通配列をそれぞれ含む複数の第1のプローブオリゴヌクレオチドを含む、請求項72~74のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項76】
共通配列が、約10ヌクレオチド~約50ヌクレオチドである、請求項75に記載のシステム。
【請求項77】
サプレッサーがそれぞれ、第1のプローブ相補領域及び足場領域を含むサプレッサーオリゴヌクレオチドを含み、第1のプローブ相補領域が、第1のプローブオリゴヌクレオチドの共通配列に相補的である配列を含み、足場領域が、第1のプローブ相補領域からすぐ3’又は5’に位置し、サプレッサーオリゴヌクレオチドが、第1のプローブオリゴヌクレオチドにハイブリダイズされるときに、足場領域が、第1のプローブオリゴヌクレオチドにハイブリダイズしないように、足場領域が、第1のプローブオリゴヌクレオチドにおける共通配列のすぐ3’又は5’にある配列に相補的ではない配列を含む、請求項75又は76のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項78】
第1のプローブ相補領域が、共通配列と同じ長さである、請求項77に記載のシステム。
【請求項79】
各第2のプローブのサプレッサー相互作用領域が、サプレッサーオリゴヌクレオチドの第1のプローブ相補領域及び足場領域に相補的である配列を含むサプレッサー相補領域を含む第2のプローブオリゴヌクレオチドを含む、請求項77又は78のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項80】
足場領域が、約1ヌクレオチド~約6ヌクレオチドである、請求項77~79のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項81】
標識プローブが、シグナル伝達構成成分と、サプレッサーの第1のプローブ相補領域と同一の配列又はそのような配列の部分を含むオリゴヌクレオチド構成成分とを含む、請求項77~80のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項82】
シグナル伝達構成成分が、フルオロフォア、蛍光発生化合物、蛍光タンパク質又はケミルミネッセンス生成酵素からなる群から選択される、請求項81に記載のシステム。
【請求項83】
シグナル伝達構成成分が、Cy3、Cy5、Cy5.5、Cy7、ATTO 647N、DyLight 550、DyLight 650、Alexa Fluor 488、Alexa Fluor 555、Alexa Fluor 64からなる群から選択される小分子有機フルオロフォアである、請求項81に記載のシステム。
【請求項84】
複数の第1のプローブが、固体支持体に結合されている、請求項72~83のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項85】
第1のプローブの第1の分析物結合領域及びシグナル領域が、ストレプトアビジン、アビジン、ニュートラアビジン又は別のタンパク質の分子における隣接部位に結合されている、請求項72~83のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項86】
第1のプローブの第1の分析物結合領域及びシグナル領域が、ナノ粒子又はマイクロ粒子における隣接部位に結合されている、請求項72~83のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項87】
ナノ粒子が、金ナノ粒子である、請求項86に記載のシステム。
【請求項88】
分析物が、核酸であり、第1の分析物結合領域が、ナノ粒子又はマイクロ粒子に結合された第1の捕捉用オリゴヌクレオチドを含み、第1の捕捉用オリゴヌクレオチドが、分析物の第1の配列に相補的である配列を保有する、請求項72~83のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項89】
第1のプローブの第1の分析物結合領域及びシグナル領域が、ナノ粒子又はマイクロ粒子における隣接部位に結合され、捕捉用オリゴヌクレオチドが、ストレプトアビジン(又はアビジン又はニュートラアビジン)-ビオチン相互作用を介してナノ粒子又はマイクロ粒子に結合されるように、ナノ粒子又はマイクロ粒子が、ストレプトアビジン、アビジン又はニュートラアビジンでコーティングされており、捕捉用オリゴヌクレオチドが、ビオチン化されている、請求項72~83のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項90】
第1のプローブのシグナル領域が、ナノ粒子又はマイクロ粒子に結合されている、請求項72~83のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項91】
シグナル領域が、ストレプトアビジン-ビオチン相互作用を介してナノ粒子又はマイクロ粒子に結合されるように、第1のプローブのシグナル領域が、ビオチン化されている、請求項90に記載のシステム。
【請求項92】
分析物が、核酸であり、第1の分析物結合領域が、第1の捕捉用オリゴヌクレオチドを含み、第1の捕捉用オリゴヌクレオチドが、分析物の配列に相補的である配列を保有する、請求項72~83のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項93】
第2のプローブの数が、第1のプローブの数を超える、請求項72~92のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項94】
第2のプローブの数が、分析物と会合した第1のプローブの数よりも大きい、請求項72~92のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項95】
分析物が、結合パートナーに連結された核酸であり、結合パートナーが、第1の分析物結合領域に対する親和性を有する、請求項72~83のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項96】
結合パートナーが、ビオチンであり、第1の分析物結合領域が、ストレプトアビジンを含む、請求項95に記載のシステム。
【請求項97】
第1の分析物結合領域が、ナノ粒子又はマイクロ粒子の表面にある、請求項96に記載のシステム。
【請求項98】
シグナル領域が、ナノ粒子又はマイクロ粒子における隣接部位に結合されている、請求項97に記載のシステム。
【請求項99】
分析物が、分析物結合領域に結合していない場合、第1のプローブ結合領域が、第1のプローブに結合することができない、請求項72~98のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項100】
分析物結合領域への分析物の結合が、第1のプローブに対し第2のプローブの第1のプローブ結合領域のための結合部位を露出又は創出する、請求項72~99のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項101】
第1のプローブが、アプタマーを含む、請求項72~100のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項102】
分析物結合領域が、アプタマーを含む、請求項101に記載のシステム。
【請求項103】
試料中の分析物を検出するためのキットであって、
複数の第1のプローブを含む第1の構成成分であって、各第1のプローブが、第1の分析物結合領域及びシグナル領域を含み、第1の分析物結合領域が、分析物に対する親和性を有する、第1の構成成分、
複数の標識プローブを含む第2の構成成分であって、各標識プローブが、シグナル領域と会合することができる、第2の構成成分、
複数のサプレッサーを含む第3の構成成分であって、各サプレッサーが、シグナル領域と会合することができ、サプレッサー及び標識プローブが両者共に、シグナル領域と会合している場合、サプレッサーが、標識プローブの検出を防止する、又はサプレッサーが、標識プローブとシグナル領域との会合を防止する、第3の構成成分、並びに
複数の第2のプローブを含む第4の構成成分であって、各第2のプローブが、第1のプローブ結合領域及びサプレッサー相互作用領域を含み、分析物が、第1のプローブの分析物結合領域に結合している間に、第1のプローブ結合領域が、第1のプローブに結合することができ、サプレッサー相互作用領域が、間接的に又は直接的に、サプレッサーのうち1個以上に結合する、それを除去する又はそれを分解することができ、分析物への第1の分析物結合領域の相互作用が、第1のプローブ結合領域と第1のプローブとの間の解離の速度定数よりも遅い解離の速度定数を有する、第4の構成成分
を含むキット。
【請求項104】
第1の分析物結合領域と分析物との間の親和性が、第1のプローブ結合領域と第1のプローブとの間よりも少なくとも10倍遅い解離の速度定数を含む、請求項103に記載のキット。
【請求項105】
シグナル領域が、共通配列をそれぞれ含む複数の第1のプローブオリゴヌクレオチドを含む、請求項103~104のいずれか一項に記載のキット。
【請求項106】
共通配列が、約10ヌクレオチド~約50ヌクレオチドである、請求項105に記載のキット。
【請求項107】
サプレッサーがそれぞれ、第1のプローブ相補領域及び足場領域を含むサプレッサーオリゴヌクレオチドを含み、第1のプローブ相補領域が、第1のプローブオリゴヌクレオチドの共通配列に相補的である配列を含み、足場領域が、第1のプローブ相補領域からすぐ3’又は5’に位置し、サプレッサーオリゴヌクレオチドが、第1のプローブオリゴヌクレオチドにハイブリダイズされるときに、足場領域が、第1のプローブオリゴヌクレオチドにハイブリダイズしないように、足場領域が、第1のプローブオリゴヌクレオチドにおける共通配列のすぐ3’又は5’にある配列に相補的ではない配列を含む、請求項104~105のいずれか一項に記載のキット。
【請求項108】
第1のプローブ相補領域が、共通配列と同じ長さである、請求項107に記載のキット。
【請求項109】
各第2のプローブのサプレッサー相互作用領域が、サプレッサーオリゴヌクレオチドの第1のプローブ相補領域及び足場領域の両方に相補的である配列を含むサプレッサー相補領域を含む第2のプローブオリゴヌクレオチドを含む、請求項107~108のいずれか一項に記載のキット。
【請求項110】
足場領域が、約1ヌクレオチド~約6ヌクレオチドである、請求項107~109のいずれか一項に記載のキット。
【請求項111】
標識プローブが、シグナル伝達構成成分と、サプレッサーの第1のプローブ相補領域と同一の配列又はそのような配列の部分を含むオリゴヌクレオチド構成成分とを含む、請求項107~110のいずれか一項に記載のキット。
【請求項112】
シグナル伝達構成成分が、フルオロフォア、蛍光発生化合物、蛍光タンパク質又はケミルミネッセンス生成酵素からなる群から選択される、請求項111に記載のキット。
【請求項113】
シグナル伝達構成成分が、Cy3、Cy5、Cy5.5、Cy7、ATTO 647N、DyLight 550、DyLight 650、Alexa Fluor 488、Alexa Fluor 555及びAlexa Fluor 647からなる群から選択される小分子有機フルオロフォアである、請求項111に記載のキット。
【請求項114】
分析物が、核酸であり、第1の分析物結合領域が、第1の捕捉用オリゴヌクレオチドを含み、第1の捕捉用オリゴヌクレオチドが、分析物の第1の配列に相補的である配列を保有する、請求項103~113のいずれか一項に記載のキット。
【請求項115】
第1の構成成分が、固体支持体をさらに含み、第1の分析物結合領域が、固体支持体の表面に結合されている、請求項103~114のいずれか一項に記載のキット。
【請求項116】
シグナル領域が、第1の分析物結合領域に隣接する部位において固体支持体に結合されている、請求項115に記載のキット。
【請求項117】
固体支持体が、ナノ粒子又はマイクロ粒子である、請求項115又は116に記載のキット。
【請求項118】
第1の分析物結合領域が、ストレプトアビジン(又はアビジン又はニュートラアビジン)-ビオチン相互作用を介してナノ粒子又はマイクロ粒子に結合されるように、ナノ粒子又はマイクロ粒子が、ストレプトアビジン、アビジン又はニュートラアビジンでコーティングされており、第1の分析物結合領域が、ビオチン化されている、請求項117に記載のキット。
【請求項119】
シグナル領域が、ストレプトアビジン(又はアビジン又はニュートラアビジン)-ビオチン相互作用を介してナノ粒子又はマイクロ粒子に結合されるように、ナノ粒子又はマイクロ粒子が、ストレプトアビジン、アビジン又はニュートラアビジンでコーティングされており、第1のプローブのシグナル領域が、ビオチン化されている、請求項117~118のいずれか一項に記載のキット。
【請求項120】
分析物が、分析物結合領域に結合していない場合、第1のプローブ結合領域が、第1のプローブに結合することができない、請求項103~119のいずれか一項に記載のキット。
【請求項121】
分析物結合領域への分析物の結合が、第1のプローブに対し第2のプローブの第1のプローブ結合領域のための結合部位を露出又は創出する、請求項103~120のいずれか一項に記載のキット。
【請求項122】
第1のプローブが、アプタマーを含む、請求項103~121のいずれか一項に記載のキット。
【請求項123】
分析物結合領域が、アプタマーを含む、請求項122に記載のキット。
【請求項124】
第1の構成成分及び第3の構成成分が、第1の反応混合物において提供される、請求項103~123のいずれか一項に記載のキット。
【請求項125】
第2の構成成分及び第4の構成成分がそれぞれ、別々の反応混合物において提供され、第1の反応混合物の一部ではない、請求項124に記載のキット。
【請求項126】
第2の構成成分及び第4の構成成分が、第1の反応混合物とは別々のものである第2の反応混合物において提供される、請求項124に記載のキット。
【請求項127】
第1の構成成分、第2の構成成分及び第3の構成成分が、第1の反応混合物において提供される、請求項103~123のいずれか一項に記載のキット。
【請求項128】
請求項103~123に記載のキットのうちいずれか1種を使用して試料中の分析物を検出する方法であって、
(a)試料の部分を第1の構成成分及び第3の構成成分と混合して、第1の反応混合物を形成するステップであって、第3の構成成分のサプレッサーが、第1の構成成分の複数の第1のプローブのシグナル領域に結合される、ステップ、
(b)分析物が第1の分析物結合領域に結合するのに十分な条件下で、第1の反応混合物をインキュベートするステップ、
(c)ステップ(b)の後の第1の反応混合物を第4の構成成分と混合して、第2の反応混合物を得るステップ、
(d)第2のプローブが、分析物に結合した第1のプローブに結合しそれから解離し、複数の第1のプローブのシグナル領域から1個以上のサプレッサーを除去する又は1個以上のサプレッサーを分解するのに十分な条件下で、第2の反応混合物をインキュベートするステップ、
(e)ステップ(d)の後の第2の反応混合物を第2の構成成分と混合して、第3の反応混合物を得るステップ、
(f)標識プローブが、ステップ(d)において1個以上のサプレッサーが除去又は分解された第1のプローブのシグナル領域と会合することを可能にするのに十分な条件下で、第3の反応混合物をインキュベートするステップ、並びに
(g)第1のプローブのシグナル領域と会合している標識プローブから生成されたシグナルを測定して、試料中の分析物の存在を決定するステップ
を含む方法。
【請求項129】
第4の構成成分における第2のプローブの数が、第1の構成成分における第1のプローブの数を超える、請求項128に記載の方法。
【請求項130】
請求項124又は125に記載のキットを使用して試料中の分析物を検出する方法であって、
(a)試料の部分を第1の反応混合物と混合するステップであって、第3の構成成分のサプレッサーが、第1の構成成分の複数の第1のプローブのシグナル領域に結合される、ステップ、
(b)分析物が第1の分析物結合領域に結合するのに十分な条件下で、第1の反応混合物をインキュベートするステップ、
(c)ステップ(b)の後の第1の反応混合物を第4の構成成分と混合して、第2の反応混合物を得るステップ、
(d)第2のプローブが、分析物に結合した第1のプローブに結合しそれから解離し、複数の第1のプローブのシグナル領域から1個以上のサプレッサーを除去する又は1個以上のサプレッサーを分解するのに十分な条件下で、第2の反応混合物をインキュベートするステップ、
(e)ステップ(d)の後の第2の反応混合物を第2の構成成分と混合して、第3の反応混合物を得るステップ、
(f)標識プローブが、ステップ(d)において1個以上のサプレッサーが除去又は分解された第1のプローブのシグナル領域と会合することを可能にするのに十分な条件下で、第3の反応混合物をインキュベートするステップ、及び
(g)第1のプローブのシグナル領域と会合している標識プローブから生成されたシグナルを測定して、試料中の分析物の存在を決定するステップ
を含む方法。
【請求項131】
第4の構成成分における第2のプローブの数が、第1の構成成分における第1のプローブの数を超える、請求項130に記載の方法。
【請求項132】
請求項126に記載のキットを使用して試料中の分析物を検出する方法であって、
(a)試料の部分を第1の反応混合物と混合するステップであって、第3の構成成分のサプレッサーが、第1の構成成分の複数の第1のプローブのシグナル領域に結合される、ステップ、
(b)分析物が第1の分析物結合領域に結合するのに十分な条件下で、第1の反応混合物をインキュベートするステップ、
(c)ステップ(b)の後の第1の反応混合物を第2の反応混合物と混合して、第3の反応混合物を得るステップ、
(d)第2のプローブが、分析物に結合した第1のプローブに結合しそれから解離し、複数の第1のプローブのシグナル領域から1個以上のサプレッサーを除去する又は1個以上のサプレッサーを分解し、標識プローブが、1個以上のサプレッサーが除去された第1のプローブのシグナル領域と会合することを可能にするのに十分な条件下で、第3の反応混合物をインキュベートするステップ、
(e)第1のプローブのシグナル領域と会合している標識プローブから生成されたシグナルを測定して、試料中の分析物の存在を決定するステップ
を含む方法。
【請求項133】
第4の構成成分における第2のプローブの数が、第1の構成成分における第1のプローブの数を超える、請求項132に記載の方法。
【請求項134】
請求項127に記載のキットを使用して試料中の分析物を検出する方法であって、
(a)試料の部分を第1の反応混合物と混合するステップであって、第3の構成成分のサプレッサーが、第1の構成成分の複数の第1のプローブのシグナル領域に結合される、ステップ、
(b)分析物が第1の分析物結合領域に結合するのに十分な条件下で、第1の反応混合物をインキュベートするステップ、
(c)ステップ(b)の後の第1の反応混合物を第4の構成成分と混合して、第2の反応混合物を得るステップ、
(d)第2のプローブが、分析物に結合した第1のプローブに結合しそれから解離し、複数の第1のプローブのシグナル領域から1個以上のサプレッサーを除去する又は1個以上のサプレッサーを分解するのに十分な条件下で、第2の反応混合物をインキュベートするステップ、
(e)第1のプローブのシグナル領域と会合している標識プローブから生成されたシグナルを測定して、試料中の分析物の存在を決定するステップ
を含む方法。
【請求項135】
標識プローブが、第1の反応混合物におけるシグナル領域と会合している、請求項134に記載の方法。
【請求項136】
標識プローブが、第1の反応混合物のシグナル領域と会合しておらず、ステップ(d)が、標識プローブが1個以上のサプレッサーが除去された第1のプローブのシグナル領域と会合することを可能にするのに十分な条件を含む、請求項134に記載の方法。
【請求項137】
第4の構成成分における第2のプローブの数が、第1の構成成分における第1のプローブの数を超える、請求項134~136のいずれか一項に記載の方法。
【請求項138】
分析物が、分析物結合領域に結合していない場合、第1のプローブ結合領域が、第1のプローブに結合することができない、請求項128~137のいずれか一項に記載の方法。
【請求項139】
分析物結合領域への分析物の結合が、第1のプローブに対し第2のプローブの第1のプローブ結合領域のための結合部位を露出又は創出する、請求項128~138のいずれか一項に記載の方法。
【請求項140】
第1のプローブが、アプタマーを含む、請求項128~139のいずれか一項に記載の方法。
【請求項141】
分析物結合領域が、アプタマーを含む、請求項140に記載の方法。
【請求項142】
試料中の分析物を検出するための組成物であって、
複数の第1のプローブを含む第1の構成成分であって、各第1のプローブが、第1の分析物結合領域及びシグナル領域を含み、第1の分析物結合領域が、分析物に対する親和性を有する、第1の構成成分、
複数の標識プローブを含む第2の構成成分であって、各標識プローブが、シグナル領域と会合することができる、第2の構成成分、
複数のサプレッサーを含む第3の構成成分であって、各サプレッサーが、シグナル領域と会合することができ、サプレッサー及び標識プローブが両者共に、シグナル領域と会合している場合、サプレッサーが、標識プローブの検出を防止する、又はサプレッサーが、標識プローブとシグナル領域との会合を防止する、第3の構成成分、並びに
複数の第2のプローブを含む第4の構成成分であって、各第2のプローブが、第2の分析物結合領域及びサプレッサー相互作用領域を含み、第2の分析物結合領域が、分析物に対する親和性を有し、サプレッサー相互作用領域が、間接的に又は直接的に、サプレッサーのうち1個以上に結合する、それを除去する又はそれを分解することができ、分析物への第1の分析物結合領域の相互作用が、第2の分析物結合領域と分析物との間の解離の速度定数よりも遅い解離の速度定数を有する、第4の構成成分
を含む組成物。
【請求項143】
第1の分析物結合領域と分析物との間の親和性が、第2の分析物結合領域と分析物との間よりも少なくとも10倍遅い解離の速度定数を含む、請求項142に記載の組成物。
【請求項144】
シグナル領域が、共通配列をそれぞれ含む複数の第1のプローブオリゴヌクレオチドを含む、請求項142~143のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項145】
共通配列が、約10ヌクレオチド~約50ヌクレオチドである、請求項144に記載の組成物。
【請求項146】
サプレッサーがそれぞれ、第1のプローブ相補領域及び足場領域を含むサプレッサーオリゴヌクレオチドを含み、第1のプローブ相補領域が、第1のプローブオリゴヌクレオチドの共通配列に相補的である配列を含み、足場領域が、第1のプローブ相補領域からすぐ3’又は5’に位置し、サプレッサーオリゴヌクレオチドが、第1のプローブオリゴヌクレオチドにハイブリダイズされるときに、足場領域が、第1のプローブオリゴヌクレオチドにハイブリダイズしないように、足場領域が、第1のプローブオリゴヌクレオチドにおける共通配列のすぐ3’又は5’にある配列に相補的ではない配列を含む、請求項143~144のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項147】
第1のプローブ相補領域が、共通配列と同じ長さである、請求項146に記載の組成物。
【請求項148】
各第2のプローブのサプレッサー相互作用領域が、サプレッサーオリゴヌクレオチドの第1のプローブ相補領域及び足場領域の両方に相補的である配列を含むサプレッサー相補領域を含む第2のプローブオリゴヌクレオチドを含む、請求項146~147のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項149】
足場領域が、約1ヌクレオチド~約6ヌクレオチドである、請求項146~148のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項150】
標識プローブが、シグナル伝達構成成分と、サプレッサーの第1のプローブ相補領域と同一の配列又はそのような配列の部分を含むオリゴヌクレオチド構成成分とを含む、請求項146~149のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項151】
シグナル伝達構成成分が、フルオロフォア、蛍光発生化合物、蛍光タンパク質又はケミルミネッセンス生成酵素からなる群から選択される、請求項150に記載の組成物。
【請求項152】
シグナル伝達構成成分が、Cy3、Cy5、Cy5.5、Cy7、ATTO 647N、DyLight 550、DyLight 650、Alexa Fluor 488、Alexa Fluor 555及びAlexa Fluor 647からなる群から選択される小分子有機フルオロフォアである、請求項150に記載の組成物。
【請求項153】
分析物が、核酸であり、第1の分析物結合領域が、第1の捕捉用オリゴヌクレオチドを含み、第1の捕捉用オリゴヌクレオチドが、分析物の第1の配列に相補的である配列を保有し、第2の分析物結合領域が、検出用オリゴヌクレオチドを含み、検出用オリゴヌクレオチドが、分析物の第2の配列に相補的である配列を保有する、請求項142~152のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項154】
分析物が、核酸であり、第1の分析物結合領域が、第1の捕捉用オリゴヌクレオチドを含み、第1の捕捉用オリゴヌクレオチドが、分析物の配列に相補的である配列を保有する、請求項142~152のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項155】
第2の分析物結合領域が、検出用オリゴヌクレオチドを含み、検出用オリゴヌクレオチドが、分析物の配列に相補的である配列を保有する、請求項142~152に記載の組成物。
【請求項156】
各第1のプローブの第1の分析物結合領域が、分析物の第1の抗体若しくはその断片、第1のアプタマー又は第1のリガンドを含む、請求項142~152のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項157】
第2のプローブの第2の分析物結合領域が、分析物の第2の抗体若しくはその断片、第2のアプタマー又は第2のリガンドを含む、請求項142~152及び156のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項158】
第1の構成成分が、固体支持体をさらに含み、第1の分析物結合領域が、固体支持体の表面に結合されている、請求項142~157のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項159】
シグナル領域が、第1の分析物結合領域に隣接する部位において固体支持体に結合されている、請求項158に記載の組成物。
【請求項160】
固体支持体が、ナノ粒子又はマイクロ粒子である、請求項158又は159に記載の組成物。
【請求項161】
第1の分析物結合領域が、ストレプトアビジン(又はアビジン又はニュートラアビジン)-ビオチン相互作用を介してナノ粒子又はマイクロ粒子に結合されるように、ナノ粒子又はマイクロ粒子が、ストレプトアビジン、アビジン又はニュートラアビジンでコーティングされており、第1の分析物結合領域が、ビオチン化されている、請求項160に記載の組成物。
【請求項162】
シグナル領域が、ストレプトアビジン(又はアビジン又はニュートラアビジン)-ビオチン相互作用を介してナノ粒子又はマイクロ粒子に結合されるように、ナノ粒子又はマイクロ粒子が、ストレプトアビジン、アビジン又はニュートラアビジンでコーティングされており、第1のプローブのシグナル領域が、ビオチン化されている、請求項160~161のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項163】
複数の第1のプローブであって、各第1のプローブが、第1の分析物結合領域及びシグナル領域を含み、第1の分析物結合領域が、分析物に対する親和性を有する、複数の第1のプローブ、並びに
複数のサプレッサーであって、各サプレッサーが、シグナル領域と会合することができ、サプレッサー及び標識プローブが両者共に、シグナル領域と会合している場合、サプレッサーが、標識プローブの検出を防止する、又はサプレッサーが、標識プローブとシグナル領域との会合を防止する、複数のサプレッサー
を含む組成物。
【請求項164】
複数の標識プローブであって、各標識プローブが、シグナル領域と会合することができる、複数の標識プローブ、並びに
複数の第2のプローブであって、各第2のプローブが、第2の分析物結合領域及びサプレッサー相互作用領域を含み、第2の分析物結合領域が、分析物に対する親和性を有し、サプレッサー相互作用領域が、間接的に又は直接的に、1個以上のサプレッサーに結合する、それを除去する又はそれを分解することができる、複数の第2のプローブ
を含む組成物。
【請求項165】
複数の第1のプローブであって、各第1のプローブが、第1の分析物結合領域及びシグナル領域を含み、第1の分析物結合領域が、分析物に対する親和性を有する、複数の第1のプローブ、
複数の標識プローブであって、各標識プローブが、シグナル領域と会合することができる、複数の標識プローブ、並びに
複数のサプレッサーであって、各サプレッサーが、シグナル領域と会合することができ、サプレッサー及び標識プローブが両者共に、シグナル領域と会合している場合、サプレッサーが、標識プローブの検出を防止する、又はサプレッサーが、標識プローブとシグナル領域との会合を防止する、複数のサプレッサー
を含む組成物。
【請求項166】
第1の分析物結合領域及びシグナル領域を含む第1のプローブであって、第1の分析物結合領域が、分析物に対する親和性を有し、シグナル領域が、複数のサプレッサー及び標識プローブと会合しており、サプレッサー及び標識プローブが両者共に、シグナル領域と会合している場合、サプレッサーが、標識プローブの検出を防止する、第1のプローブ、
第2の分析物結合領域及びサプレッサー相互作用領域を含む第2のプローブであって、第2の分析物結合領域が、分析物に対する親和性を有し、サプレッサー相互作用領域が、間接的に又は直接的に、サプレッサーのうち1個以上に結合する、それを除去する又はそれを分解することができ、
分析物が、第1のプローブの第1の分析物結合領域に結合している間に、第2のプローブの第2の分析物結合領域が、分析物に結合することができ、
分析物への第1の分析物結合領域の相互作用が、第2の分析物結合領域と分析物との間の解離の速度定数よりも遅い解離の速度定数を有し、
第2のプローブが、第1のプローブに結合した分析物に結合する場合、サプレッサーのうち1個以上が、第1のプローブから除去され得る又は分解され得、
十分な数のサプレッサーの除去又は分解後に、標識プローブから生じるシグナルが、分析物の非存在下で第1のプローブから生じるシグナルから識別可能になる、第2のプローブ
を含む分析物検出システム。
【請求項167】
第1の分析物結合領域及びシグナル領域を含む第1のプローブであって、第1の分析物結合領域が、分析物に対する親和性を有し、シグナル領域が、複数のサプレッサーと会合している、第1のプローブ、
第2の分析物結合領域及びサプレッサー相互作用領域を含む第2のプローブであって、第2の分析物結合領域が、分析物に対する親和性を有し、サプレッサー相互作用領域が、間接的に又は直接的に、サプレッサーのうち1個以上に結合する、それを除去する又はそれを分解することができ、
分析物が、第1のプローブの第1の分析物結合領域に結合している間に、第2のプローブの第2の分析物結合領域が、分析物に結合することができ、
分析物への第1の分析物結合領域の相互作用が、第2の分析物結合領域と分析物との間の解離の速度定数よりも遅い解離の速度定数を有し、
第2のプローブが、第1のプローブに結合している間の分析物に結合する場合、サプレッサーのうち1個以上が、第1のプローブから除去され得る又は分解され得る、第2のプローブ、並びに
第1のプローブのシグナル領域に対する親和性を有する標識プローブであって、1個以上のサプレッサーの除去又は分解後に、標識プローブが、第1のプローブのシグナル領域に結合することができる、標識プローブ
を含む分析物検出システム。
【請求項168】
複数の第1のプローブであって、各第1のプローブが、第1の分析物結合領域及びシグナル領域を含み、第1の分析物結合領域が、分析物に対する親和性を有し、シグナル領域が、複数のサプレッサー及び複数の標識プローブと会合しており、サプレッサー及び標識プローブが両者共に、シグナル領域と会合している場合、サプレッサーが、標識プローブの検出を防止する、複数の第1のプローブ、
複数の第2のプローブであって、各第2のプローブが、第2の分析物結合領域及びサプレッサー相互作用領域を含み、第2の分析物結合領域が、分析物に対する親和性を有し、サプレッサー相互作用領域が、間接的に又は直接的に、サプレッサーのうち1個以上に結合する、それを除去する又はそれを分解することができ、
分析物が、第1のプローブの第1の分析物結合領域に結合している間に、第2のプローブの第2の分析物結合領域が、分析物に結合することができ、
分析物への第1の分析物結合領域の相互作用が、第2の分析物結合領域と分析物との間の解離の速度定数よりも遅い解離の速度定数を有し、
第2のプローブのうち1個が、第1のプローブのうち1個に結合した分析物に結合する場合、サプレッサーのうち1個以上が、第1のプローブから除去され得る又は分解され得、
十分な数のサプレッサーの除去又は分解後に、複数の標識プローブから生じるシグナルが、分析物の非存在下で第1のプローブから生じるシグナルから識別可能となる、複数の第2のプローブ
を含む分析物検出システム。
【請求項169】
複数の第1のプローブであって、各第1のプローブが、第1の分析物結合領域及びシグナル領域を含み、第1の分析物結合領域が、分析物に対する親和性を有し、シグナル領域が、複数のサプレッサーと会合している、複数の第1のプローブ、
複数の第2のプローブであって、各第2のプローブが、第2の分析物結合領域及びサプレッサー相互作用領域を含み、第2の分析物結合領域が、分析物に対する親和性を有し、サプレッサー相互作用領域が、間接的に又は直接的に、サプレッサーのうち1個以上に結合する、それを除去する又はそれを分解することができ、
分析物が、第1のプローブの第1の分析物結合領域に結合している間に、第2のプローブの第2の分析物結合領域が、分析物に結合することができ、
分析物への第1の分析物結合領域の相互作用が、第2の分析物結合領域と分析物との間の解離の速度定数よりも遅い解離の速度定数を有し、
第2のプローブのうち1個が、第1のプローブのうち1個に結合している間の分析物に結合する場合、サプレッサーのうち1個以上が、第1のプローブから除去され得る又は分解され得る、複数の第2のプローブ、並びに
複数の標識プローブであって、各標識プローブが、第1のプローブのシグナル領域に対する親和性を有し、1個以上のサプレッサーの除去又は分解後に、1個以上の標識プローブが、第1のプローブのシグナル領域に結合することができる、複数の標識プローブ
を含む分析物検出システム。
【請求項170】
第1の分析物結合領域と分析物との間の親和性が、第2の分析物結合領域と分析物との間よりも少なくとも10倍遅い解離の速度定数を含む、請求項168又は169に記載のシステム。
【請求項171】
シグナル領域が、共通配列をそれぞれ含む複数の第1のプローブオリゴヌクレオチドを含む、請求項168~170のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項172】
共通配列が、約10ヌクレオチド~約50ヌクレオチドである、請求項171に記載のシステム。
【請求項173】
サプレッサーがそれぞれ、第1のプローブ相補領域及び足場領域を含むサプレッサーオリゴヌクレオチドを含み、第1のプローブ相補領域が、第1のプローブオリゴヌクレオチドの共通配列に相補的である配列を含み、足場領域が、第1のプローブ相補領域からすぐ3’又は5’に位置し、サプレッサーオリゴヌクレオチドが、第1のプローブオリゴヌクレオチドにハイブリダイズされるときに、足場領域が、第1のプローブオリゴヌクレオチドにハイブリダイズしないように、足場領域が、第1のプローブオリゴヌクレオチドにおける共通配列のすぐ3’又は5’にある配列に相補的ではない配列を含む、請求項171又は172のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項174】
第1のプローブ相補領域が、共通配列と同じ長さである、請求項173に記載のシステム。
【請求項175】
各第2のプローブのサプレッサー相互作用領域が、サプレッサーオリゴヌクレオチドの第1のプローブ相補領域及び足場領域に相補的である配列を含むサプレッサー相補領域を含む第2のプローブオリゴヌクレオチドを含む、請求項173又は174のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項176】
足場領域が、約1ヌクレオチド~約6ヌクレオチドである、請求項173~175のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項177】
標識プローブが、シグナル伝達構成成分と、サプレッサーの第1のプローブ相補領域と同一の配列又はそのような配列の部分を含むオリゴヌクレオチド構成成分とを含む、請求項173~176のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項178】
シグナル伝達構成成分が、フルオロフォア、蛍光発生化合物、蛍光タンパク質又はケミルミネッセンス生成酵素からなる群から選択される、請求項177に記載のシステム。
【請求項179】
シグナル伝達構成成分が、Cy3、Cy5、Cy5.5、Cy7、ATTO 647N、DyLight 550、DyLight 650、Alexa Fluor 488、Alexa Fluor 555及びAlexa Fluor 647からなる群から選択される小分子有機フルオロフォアである、請求項177に記載のシステム。
【請求項180】
複数の第1のプローブが、固体支持体に結合されている、請求項168~179のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項181】
第1のプローブの第1の分析物結合領域及びシグナル領域が、ストレプトアビジン、アビジン、ニュートラアビジン又は別のタンパク質の分子における隣接部位に結合されている、請求項168~179のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項182】
第1のプローブの第1の分析物結合領域及びシグナル領域が、ナノ粒子又はマイクロ粒子における隣接部位に結合されている、請求項168~179のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項183】
ナノ粒子が、金ナノ粒子である、請求項182に記載のシステム。
【請求項184】
分析物が、核酸であり、第1の分析物結合領域が、第1の捕捉用オリゴヌクレオチドを含み、第1の捕捉用オリゴヌクレオチドが、分析物の第1の配列に相補的である配列を保有し、第2の分析物結合領域が、検出用オリゴヌクレオチドを含み、検出用オリゴヌクレオチドが、分析物の第2の配列に相補的である配列を保有する、請求項168~179のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項185】
分析物が、核酸であり、第1の分析物結合領域が、ナノ粒子又はマイクロ粒子に結合された第1の捕捉用オリゴヌクレオチドを含み、第1の捕捉用オリゴヌクレオチドが、分析物の第1の配列に相補的である配列を保有し、第2の分析物結合領域が、検出用オリゴヌクレオチドを含み、検出用オリゴヌクレオチドが、分析物の第2の配列に相補的である配列を保有する、請求項168~179のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項186】
第1のプローブの第1の分析物結合領域及びシグナル領域が、ナノ粒子又はマイクロ粒子における隣接部位に結合され、第1の分析物結合領域が、ストレプトアビジン(又はアビジン又はニュートラアビジン)-ビオチン相互作用を介してナノ粒子又はマイクロ粒子に結合されるように、ナノ粒子又はマイクロ粒子が、ストレプトアビジン、アビジン又はニュートラアビジンでコーティングされており、第1の分析物結合領域が、ビオチン化されている、請求項168~179のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項187】
第1のプローブのシグナル領域が、ナノ粒子又はマイクロ粒子に結合されている、請求項168~179のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項188】
シグナル領域が、ストレプトアビジン(又はアビジン又はニュートラアビジン)-ビオチン相互作用を介してナノ粒子又はマイクロ粒子に結合されるように、第1のプローブのシグナル領域が、ビオチン化されている、請求項187に記載のシステム。
【請求項189】
分析物が、核酸であり、第1の分析物結合領域が、第1の捕捉用オリゴヌクレオチドを含み、第1の捕捉用オリゴヌクレオチドが、分析物の配列に相補的である配列を保有する、請求項168~179のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項190】
第2の分析物結合領域が、検出用オリゴヌクレオチドを含み、検出用オリゴヌクレオチドが、分析物の配列に相補的である配列を保有する、請求項168~179のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項191】
分析物が、ペプチド、ポリペプチド又はタンパク質を含み、各第1のプローブの第1の分析物結合領域が、分析物に対する親和性を有する第1の結合パートナーを含む、請求項168~179のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項192】
第2のプローブの第2の分析物結合領域が、分析物に対する親和性を有する第2の結合パートナーを含み、サプレッサー相互作用領域が、第2の結合パートナーに連結されている、請求項191に記載のシステム。
【請求項193】
第1の結合パートナーが、分析物の第1の抗体若しくはその断片、第1のアプタマー又は第1のリガンドである、請求項191~192のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項194】
第2の結合パートナーが、分析物の第2の抗体若しくはその断片、第2のアプタマー又は第2のリガンドである、請求項191~193のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項195】
第1の抗体が、ナノ粒子又はマイクロ粒子に結合されており、第1のプローブのシグナル領域が、隣接部位においてナノ粒子又はマイクロ粒子に結合されている、請求項193に記載のシステム。
【請求項196】
第1の抗体が、ストレプトアビジン(又はアビジン又はニュートラアビジン)-ビオチン相互作用を介してナノ粒子又はマイクロ粒子に結合されるように、ナノ粒子又はマイクロ粒子が、ストレプトアビジン、アビジン又はニュートラアビジンでコーティングされており、第1の抗体が、ビオチン化されている、請求項195に記載のシステム。
【請求項197】
シグナル領域が、ストレプトアビジン(又はアビジン又はニュートラアビジン)-ビオチン相互作用を介してナノ粒子又はマイクロ粒子に結合されるように、第1のプローブのシグナル領域が、ビオチン化されている、請求項196に記載のシステム。
【請求項198】
第2のプローブの数が、第1のプローブの数を超える、請求項168~197のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項199】
第2のプローブの数が、分析物と会合した第1のプローブの数よりも大きい、請求項168~197のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項200】
分析物が、結合パートナーに連結された核酸であり、結合パートナーが、第1の分析物結合領域に対する親和性を有する、請求項168~179のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項201】
結合パートナーが、ビオチンであり、第1の分析物結合領域が、ストレプトアビジン、アビジン又はニュートラアビジンを含む、請求項200に記載のシステム。
【請求項202】
第1の分析物結合領域が、ナノ粒子又はマイクロ粒子の表面にある、請求項201に記載のシステム。
【請求項203】
シグナル領域が、ナノ粒子又はマイクロ粒子における隣接部位に結合されている、請求項202に記載のシステム。
【請求項204】
試料中の分析物を検出するための分析物検出システムであって、
複数の第1のプローブであって、各第1のプローブが、シグナル領域及び第1のプローブ分析物結合領域を含み、シグナル領域が、サプレッサー結合領域を含み、第1のプローブ分析物結合領域が、分析物に結合することができ、多重の第1のプローブが、分析物の単一のコピーと相互作用することができるように、第1のプローブの部分のための第1のプローブ分析物結合領域が、同一ではない、複数の第1のプローブ、
複数のサプレッサーであって、少なくとも1個のサプレッサーが、第1のプローブのサプレッサー結合領域の実質的に全てと会合するように、各サプレッサーが、第1のプローブのサプレッサー結合領域に結合することができる第1のプローブ結合領域を含む、複数のサプレッサー、
複数の分析物結合パートナーであって、各分析物結合パートナーが、分析物に対する親和性を有する第1の分析物結合領域を含み、分析物結合パートナーのそれぞれが、第1のプローブのうち少なくとも1個と直接的に又は間接的に会合している、複数の分析物結合パートナー、
複数の第2のプローブであって、各第2のプローブが、第2の分析物結合領域及びサプレッサー相互作用領域を含み、第2の分析物結合領域が、分析物に対する親和性を有し、サプレッサー相互作用領域が、サプレッサーのうち1個以上に結合することができ、
分析物が、分析物結合パートナーの第1の分析物結合領域に結合している間に、また、第1のプローブの第1のプローブ分析物結合領域が、分析物に結合している間に、第2のプローブの第2の分析物結合領域が、分析物に結合することができ、
分析物への第1の分析物結合領域の相互作用が、第2の分析物結合領域と分析物との間の解離の速度定数よりも遅い解離の速度定数を有し、分析物への第1のプローブ分析物結合領域の相互作用が、第2の分析物結合領域と分析物との間の解離の速度定数よりも遅い解離の速度定数を有し、
分析物が、分析物結合パートナーのうち1個に結合している間に、第2のプローブのうち1個が、分析物に結合する場合、第2のプローブに結合されたそのような1個以上のサプレッサーが、分析物からの第2のプローブの脱会合後に第1のプローブから除去されることになるように、そのような第2のプローブはまた、サプレッサーのうち1個以上に結合する、複数の第2のプローブ、並びに
複数の標識プローブであって、各標識プローブが、第1のプローブのシグナル領域に対する親和性を有し、1個以上のサプレッサーの除去後に、1個以上の標識プローブが、第1のプローブのシグナル領域に結合することができ、これにより、分析物の検出を可能にする、複数の標識プローブ
を含むシステム。
【請求項205】
各シグナル領域が、第1のプローブオリゴヌクレオチドにおける第1の配列であり、第1のプローブ分析物結合領域が、第1のプローブオリゴヌクレオチドにおける第2の配列であり、第2の配列が、分析物における第1の分析物配列に相補的であり、第1のプローブオリゴヌクレオチドの第1の配列が、分析物のいずれの配列にも相補的ではない、請求項204に記載のシステム。
【請求項206】
試料中の分析物を検出するための分析物検出システムであって、
複数の第1のプローブであって、各第1のプローブが、シグナル領域及びアンカー領域を含み、シグナル領域が、サプレッサー結合領域を含む、複数の第1のプローブ、
複数のサプレッサーであって、少なくとも1個のサプレッサーが、第1のプローブのサプレッサー結合領域の実質的に全てと会合するように、各サプレッサーが、第1のプローブのサプレッサー結合領域に結合することができる第1のプローブ結合領域を含む、複数のサプレッサー、
複数の分析物結合パートナーであって、各分析物結合パートナーが、分析物に対する親和性を有する第1の分析物結合領域を含み、分析物結合パートナーのそれぞれが、アンカー領域を介して第1のプローブのうち少なくとも1個と直接的に又は間接的に会合している、複数の分析物結合パートナー、
複数の第2のプローブであって、各第2のプローブが、第2の分析物結合領域及びサプレッサー相互作用領域を含み、第2の分析物結合領域が、分析物に対する親和性を有し、サプレッサー相互作用領域が、サプレッサーのうち1個以上に結合することができ、
分析物が、分析物結合パートナーの第1の分析物結合領域に結合している間に、また、第1のプローブの第1のプローブ分析物結合領域が、分析物に結合している間に、第2のプローブの第2の分析物結合領域が、分析物に結合することができ、
分析物への第1の分析物結合領域の相互作用が、第2の分析物結合領域と分析物との間の解離の速度定数よりも遅い解離の速度定数を有し、分析物への第1のプローブ分析物結合領域の相互作用が、第2の分析物結合領域と分析物との間の解離の速度定数よりも遅い解離の速度定数を有し、
分析物が、分析物結合パートナーのうち1個に結合している間に、第2のプローブのうち1個が、分析物に結合する場合、第2のプローブに結合されたそのような1個以上のサプレッサーが、分析物からの第2のプローブの脱会合後に第1のプローブから除去されることになるように、そのような第2のプローブはまた、サプレッサーのうち1個以上に結合する、複数の第2のプローブ、並びに
複数の標識プローブであって、各標識プローブが、第1のプローブのシグナル領域に対する親和性を有し、1個以上のサプレッサーの除去後に、1個以上の標識プローブが、第1のプローブのシグナル領域に結合することができ、これにより、分析物の検出を可能にする、複数の標識プローブ
を含むシステム。
【請求項207】
分析物結合パートナーのそれぞれが、固体支持体に固定化された第1のプローブのうち少なくとも1個のおよそ100ナノメートル以内で固体支持体において固定化されるように、分析物結合パートナーのそれぞれが、固体支持体への固定化によって第1のプローブのうち少なくとも1個と間接的に会合しており、第1のプローブが、アンカー領域を介して固体支持体に固定化されている、請求項206に記載のシステム。
【請求項208】
第1のプローブのアンカー領域が、第1のオリゴヌクレオチドであり、第1のプローブのシグナル領域が、第1のオリゴヌクレオチドとは別々のものである第2のオリゴヌクレオチドであり、第2のオリゴヌクレオチドが、アンカー相補配列を含み、サプレッサー結合領域が、アンカー相補配列とは別々のものでありかつ第1のオリゴヌクレオチドのいずれの配列にも相補的ではない、第2のオリゴヌクレオチドにおけるサプレッサー結合配列であり、多重の第2のオリゴヌクレオチドが、第1のオリゴヌクレオチドにハイブリダイズされるように、第1のオリゴヌクレオチドが、アンカー相補配列に相補的な複数の配列を含む、請求項207に記載のシステム。
【請求項209】
各分析物結合パートナーが、第1のプローブのうち1個に物理的に連結されるように、分析物結合パートナーのそれぞれが、第1のプローブのうち1個と直接的に会合している、請求項206に記載のシステム。
【請求項210】
分析物が、核酸であり、第1のプローブの分析物結合パートナー及びアンカー領域が、それぞれ第1のプローブ第1のオリゴヌクレオチドの第1の配列及び複数の第2の配列を含み、シグナル領域が、複数の第1のプローブ第2のオリゴヌクレオチドを含み、第1のプローブ第2のオリゴヌクレオチドのそれぞれが、第3の配列及び第4の配列を含み、多重の第1のプローブ第2のオリゴヌクレオチドが、各第1のプローブ第1のオリゴヌクレオチドと会合するように、第3の配列が、複数の第2の配列のうち1個以上に相補的であり、第4の配列が、サプレッサー結合領域を含む、請求項209に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2021年7月23日に出願された米国特許仮出願第63/224,984号明細書に基づく優先権を主張する。
【0002】
配列表
46,117バイトのファイルサイズを有する、2022年7月13日に作成された「UM-39715-601_SQL」という表題の、本明細書と共に出願されたコンピュータ可読配列表は、これによりその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
分子親和性プローブ、例えば、核酸オリゴヌクレオチド、アプタマー、抗体及び抗体断片は、生物学的混合物中の目的の標的バイオマーカー、例えば、DNA配列、RNA配列、タンパク質、又はそれらの共有結合による修飾の同定及び定量化に使用されることが多い。しかし、そのようなプローブの使用の弱点は、これが典型的に、生物学的混合物中の表面及び他の構成成分への相当量の意図されない(又は非特異的な)結合を示すことである。これにより、意図される(特異的な)結合から生じる少量のシグナルを、意図されない(非特異的な)結合から生じる顕著なシグナルから識別することが極めて困難又は技術的に非実用的になるため、低(例えば、ピコモル濃度を下回る又はフェムトモル濃度を下回る)濃度の目的の標的を検出することを困難又は不可能にするバックグラウンドシグナルが産生される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
よって、特に低濃度の分析物の高感度及び高特異度検出を提供するための、改善されたシステム、方法及びキットの必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(要旨)
本開示は、分析物(例えば、核酸、タンパク質又は他の生体分子)の高感度、高特異度検出を可能にする、同じ分析物分子への(又は分析物分子に結合したプローブへの)プローブの反復した結合の内部記録を保有する分子プローブを使用して、特異的及び非特異的結合の間をより良く識別するための一般化された分子アーキテクチャ及び方法を提供する。同じ分析物分子への(又は分析物分子に結合したプローブへの)プローブの反復した結合は、プローブ結合事象の数及び動態に依存するシグナル(例えば、蛍光又はケミルミネッセンス)の蓄積をもたらし、独立した結合事象の数が増加するにつれて、分析物分子の存在下での信頼増加を生じる。非特異的結合は、特異的結合と同じ親和性又は動態で同じ場所に反復して起こる可能性が低いため、同じ分析物分子への(又は分析物分子に結合したプローブへの)反復したプローブ結合から生じるシグナルの蓄積は、分析物分子の存在の特徴的なシグネチャーを構成する。
【0006】
本開示は、分子分析物の検出及び定量化のためのシステム、キット及び方法を提供する。一実施形態では、本開示は、試料中の分析物を検出するシステムを提供する。システムは、複数の第1のプローブであって、各第1のプローブが、シグナル領域を含み、シグナル領域が、複数のサプレッサー結合領域を含む、複数の第1のプローブ;複数のサプレッサーであって、少なくとも1個のサプレッサーが、第1のプローブのサプレッサー結合領域の実質的に全てと会合するように、各サプレッサーが、第1のプローブのサプレッサー結合領域に結合することができる第1のプローブ結合領域を含む、複数のサプレッサー;複数の分析物結合パートナーであって、各分析物結合パートナーが、分析物に対する親和性を有する第1の分析物結合領域を含み、分析物結合パートナーのそれぞれが、第1のプローブのうち少なくとも1個と直接的に又は間接的に会合している、複数の分析物結合パートナー;複数の第2のプローブであって、各第2のプローブが、第2の分析物結合領域及びサプレッサー相互作用領域を含み、第2の分析物結合領域が、分析物に対する親和性を有し、サプレッサー相互作用領域が、サプレッサーのうち1個以上に結合することができ、分析物が、分析物結合パートナーの第1の分析物結合領域に結合している間に、第2のプローブの第2の分析物結合領域が、分析物に結合することができ、分析物への第1の分析物結合領域の相互作用が、第2の分析物結合領域と分析物との間の解離の速度定数よりも遅い解離の速度定数を有し、分析物が、分析物結合パートナーのうち1個に結合している間に、第2のプローブのうち1個が、分析物に結合する場合、第2のプローブに結合されたそのような1個以上のサプレッサーが、分析物からの第2のプローブの脱会合後に第1のプローブから除去されることになるように、そのような第2のプローブはまた、サプレッサーのうち1個以上に結合する、複数の第2のプローブ;並びに複数の標識プローブであって、各標識プローブが、第1のプローブのシグナル領域に対する親和性を有し、1個以上のサプレッサーの除去後に、1個以上の標識プローブが、第1のプローブのシグナル領域に結合することができ、これにより、分析物の検出を可能にする、複数の標識プローブを含む。
【0007】
別の実施形態では、上に記載されているシステムを使用するための構成成分を含むキットが提供される。キットは、複数の第1のプローブを含む第1の構成成分であって、各第1のプローブが、第1の分析物結合領域及びシグナル領域を含み、第1の分析物結合領域が、分析物に対する親和性を有し、第1の分析物結合領域及びシグナル領域が、共通分子の一部として直接的に会合している、又は2個の別個の分子として間接的に会合している、第1の構成成分;複数の標識プローブを含む第2の構成成分であって、各標識プローブが、シグナル領域と会合することができる、第2の構成成分;複数のサプレッサーを含む第3の構成成分であって、各サプレッサーが、シグナル領域と会合することができ、サプレッサー及び標識プローブが両者共に、シグナル領域と会合している場合、サプレッサーが、標識プローブの検出を防止する、又はサプレッサーが、標識プローブとシグナル領域との会合を防止する、第3の構成成分;並びに複数の第2のプローブを含む第4の構成成分であって、各第2のプローブが、第2の分析物結合領域及びサプレッサー相互作用領域を含み、第2の分析物結合領域が、分析物に対する親和性を有し、サプレッサー相互作用領域が、間接的に又は直接的に、サプレッサーのうち1個以上に結合する、それを除去する又はそれを分解することができ、分析物への第1の分析物結合領域の相互作用が、第2の分析物結合領域と分析物との間の解離の速度定数よりも遅い解離の速度定数を有する、第4の構成成分を含む。
【0008】
さらに別の実施形態では、上に記載されているキットを使用して試料中の分析物を検出するための方法が提供される。方法は、試料の部分を第1の構成成分及び第3の構成成分と混合して、第1の反応混合物を形成するステップであって、第3の構成成分のサプレッサーが、第1の構成成分の複数の第1のプローブのシグナル領域に結合される、ステップ;分析物が第1の分析物結合領域に結合するのに十分な条件下で、第1の反応混合物をインキュベートするステップ;ステップ(b)の後の第1の反応混合物を第4の構成成分と混合して、第2の反応混合物を得るステップ;第2のプローブが分析物に結合しそれから解離し、複数の第1のプローブのシグナル領域から1個以上のサプレッサーを除去する又は1個以上のサプレッサーを分解するのに十分な条件下で、第2の反応混合物をインキュベートするステップ;ステップ(d)の後の第2の反応混合物を第2の構成成分と混合して、第3の反応混合物を得るステップ;標識プローブが、ステップ(d)において1個以上のサプレッサーが除去又は分解された第1のプローブのシグナル領域と会合することを可能にするのに十分な条件下で、第3の反応混合物をインキュベートするステップ;並びに第1のプローブのシグナル領域と会合している標識プローブから生成されたシグナルを測定して、試料中の分析物の存在を決定するステップを含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図3-1】
図3は、実施例1の例示的な分析物検出システムを表す。
図3は、出現の順に、配列番号1(5コピーの配列番号2を含む)、配列番号3(配列番号4を含む)、配列番号6(5’から3’に、配列番号7、配列番号8及び配列番号9を含む)、配列番号10、配列番号5、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3及び配列番号1を開示する。
【
図3-2】
図3は、実施例1の例示的な分析物検出システムを表す。
図3は、出現の順に、配列番号1(5コピーの配列番号2を含む)、配列番号3(配列番号4を含む)、配列番号6(5’から3’に、配列番号7、配列番号8及び配列番号9を含む)、配列番号10、配列番号5、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3及び配列番号1を開示する。
【
図4-1】
図4は、実施例1の分析物検出のための例示的な方法を表す。この例示的な実施形態において、第1のプローブがビオチン化カバースリップ表面に結合している場合のストレプトアビジン-金ナノ粒子を含む第1のプローブを使用するビオチン化DNA配列の検出が示される。1個の金ナノ粒子及び1個のシグナル領域を有する第1のプローブ複合体が示されるが、各金ナノ粒子は、ビオチン標識化DNAオリゴヌクレオチド111のための多重の結合部位に起因する、1個以上、例えば、10個以上のシグナル領域を含む第1のプローブの部分であり得ることに留意されたい。
図4は、出現の順に、配列番号5、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号1、配列番号6、配列番号5、配列番号6、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号1、配列番号6、配列番号3、配列番号5、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号1、配列番号5、配列番号1、配列番号10、配列番号5、配列番号10、配列番号10、配列番号1、配列番号10、配列番号10及び配列番号10を開示する。
【
図4-2】
図4は、実施例1の分析物検出のための例示的な方法を表す。この例示的な実施形態において、第1のプローブがビオチン化カバースリップ表面に結合している場合のストレプトアビジン-金ナノ粒子を含む第1のプローブを使用するビオチン化DNA配列の検出が示される。1個の金ナノ粒子及び1個のシグナル領域を有する第1のプローブ複合体が示されるが、各金ナノ粒子は、ビオチン標識化DNAオリゴヌクレオチド111のための多重の結合部位に起因する、1個以上、例えば、10個以上のシグナル領域を含む第1のプローブの部分であり得ることに留意されたい。
図4は、出現の順に、配列番号5、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号1、配列番号6、配列番号5、配列番号6、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号1、配列番号6、配列番号3、配列番号5、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号1、配列番号5、配列番号1、配列番号10、配列番号5、配列番号10、配列番号10、配列番号1、配列番号10、配列番号10及び配列番号10を開示する。
【
図5】
図5は、分析物オリゴヌクレオチドの存在下での実施例1からのカバースリップのTIRF顕微鏡画像(左)及び分析物オリゴヌクレオチドの非存在下でのカバースリップのTIRF顕微鏡画像(右)を表す。
【
図6】
図6は、分析物オリゴヌクレオチドの存在下で実施例1についての個々の第1のプローブから生じる蛍光点から分析データを光退色するステップ(左)及び分析物オリゴヌクレオチドの非存在下で実施例1についての個々の第1のプローブから生じる蛍光点から分析データを光退色するステップ(右)を表す。
【
図7】
図7は、実施例2において分析物あり又はなしでの第2のプローブのさまざまなインキュベーション時間後のTIRF顕微鏡画像を表す。
【
図8A】
図8Aは、異なるインキュベーション時間で種々の閾値を使用する、実施例2における実験についての定量化を表す。エラーバーは、同じ試料ウェルにおける別々の視野からの3個の測定値についての1標準偏差を表す。
【
図8B】
図8Bは、異なるインキュベーション時間で単一の30,000任意単位の閾値を使用する、実施例2における実験についての定量化を表す。エラーバーは、同じ試料ウェルにおける別々の視野からの3個の測定値についての1標準偏差を表す。
【
図9】
図9は、実施例3についての視野ごとの許容される粒子の数を表す。各データポイントは、25視野の平均である。エラーバーは、1標準偏差を表す。
【
図10-1】
図10は、実施例4の分析物検出のための例示的な方法を表す。この例示的な実施形態において、第1のプローブがビオチン化カバースリップ表面に結合している場合の、ストレプトアビジン-金ナノ粒子を含む第1のプローブを使用するタンパク質の検出が示される。1個の金ナノ粒子及び1個のシグナル領域を有する第1のプローブ複合体が示されるが、各金ナノ粒子は、ビオチン標識化DNAオリゴヌクレオチド111のための多重の結合部位に起因する、1個以上、例えば、10個以上のシグナル領域を含む第1のプローブの部分であり得ることに留意されたい。1個の第1の分析物結合領域を有する第1のプローブ複合体が示されるが、各金ナノ粒子は、ビオチン標識化捕捉抗体のための多重の結合部位に起因する、1個以上、例えば、10個以上の第1の分析物結合領域を含む第1のプローブの部分であり得ることにも留意されたい。
図10は、出現の順に、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号1、配列番号11(5’から3’に、配列番号8及び配列番号9を含む)、配列番号11、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号1、配列番号11、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号1、配列番号1、配列番号10、配列番号10、配列番号10、配列番号10、配列番号1、配列番号10及び配列番号10を開示する。
【
図10-2】
図10は、実施例4の分析物検出のための例示的な方法を表す。この例示的な実施形態において、第1のプローブがビオチン化カバースリップ表面に結合している場合の、ストレプトアビジン-金ナノ粒子を含む第1のプローブを使用するタンパク質の検出が示される。1個の金ナノ粒子及び1個のシグナル領域を有する第1のプローブ複合体が示されるが、各金ナノ粒子は、ビオチン標識化DNAオリゴヌクレオチド111のための多重の結合部位に起因する、1個以上、例えば、10個以上のシグナル領域を含む第1のプローブの部分であり得ることに留意されたい。1個の第1の分析物結合領域を有する第1のプローブ複合体が示されるが、各金ナノ粒子は、ビオチン標識化捕捉抗体のための多重の結合部位に起因する、1個以上、例えば、10個以上の第1の分析物結合領域を含む第1のプローブの部分であり得ることにも留意されたい。
図10は、出現の順に、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号1、配列番号11(5’から3’に、配列番号8及び配列番号9を含む)、配列番号11、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号1、配列番号11、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号1、配列番号1、配列番号10、配列番号10、配列番号10、配列番号10、配列番号1、配列番号10及び配列番号10を開示する。
【
図11A】
図11Aは、PAI-1分析物の存在下でのカバースリップのTIRF顕微鏡画像(左)及びPAI-1分析物の非存在下でのカバースリップのTIRF顕微鏡画像(右)を表す。
【
図11B】
図11Bは、実施例4における実験についての定量化を表す。エラーバーは、同じ試料ウェルにおける5視野の5つの独立した群の1標準偏差を表す。
【
図11C】
図11Cは、TNF-アルファ分析物の存在下でのカバースリップのTIRF顕微鏡画像(左)及びTNF-アルファ分析物の非存在下でのカバースリップのTIRF顕微鏡画像(右)を表す。
【
図12】
図12は、捕捉オリゴヌクレオチドを使用して、ビオチン化されていない核酸分析物を捕捉することができる、例示的なシステムを表す。
図12は、出現の順に、配列番号12、配列番号6、配列番号12、配列番号13、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3及び配列番号1を開示する。
【
図13】
図13は、ストレプトアビジン-ビオチン相互作用が、固体支持体及び金ナノ粒子の間、並びに金ナノ粒子及びシグナル領域と捕捉オリゴヌクレオチド両方の間の金-チオール相互作用で置き換えられた、
図12の例示的なシステムを表す。
図13は、出現の順に、配列番号6、配列番号12、配列番号14、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3及び配列番号15を開示する。
【
図14】
図14は、捕捉抗体が、シグナル領域にコンジュゲートされ、固体支持体にさらに連結されているシリカナノ粒子にコンジュゲートされている、例示的な実施形態を表す。
図14は、出現の順に、配列番号11、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3及び配列番号15を開示する。
【
図15】
図15は、シグナル領域及び捕捉オリゴヌクレオチドを介して、第1の分析物結合領域に結合するDNAオリガミ(DNAオリゴヌクレオチドにコンジュゲートされた捕捉抗体)を使用する本開示の例示的な実施形態を表す。
図15は、出現の順に、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号1、配列番号14、配列番号14、配列番号11、配列番号15、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3及び配列番号3を開示する。
【
図16】
図16は、捕捉抗体(第1の分析物結合領域)が、ストレプトアビジン-ビオチン相互作用を介して固体支持体に直接的に固定化されている、本開示の例示的な実施形態を表す。
図16は、出現の順に、配列番号11、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3及び配列番号15を開示する。
【
図17-1】
図17は、シグナル領域が、次いで反応して、標識を反応性基にコンジュゲートすることができる反応性基をブロックする嵩高いポリマーサプレッサーを分解する酵素を含む、サプレッサー相互作用領域によってカバーできない反応性基(アジド)を含む、本開示の例示的な実施形態を表す。
【
図17-2】
図17は、シグナル領域が、次いで反応して、標識を反応性基にコンジュゲートすることができる反応性基をブロックする嵩高いポリマーサプレッサーを分解する酵素を含む、サプレッサー相互作用領域によってカバーできない反応性基(アジド)を含む、本開示の例示的な実施形態を表す。
【
図18-1】
図18は、第1のプローブが固体支持体にカップリングされず、検出が非顕微鏡法を含み得る、本開示の例示的な実施形態を表す。
図18は、出現の順に、配列番号12、配列番号14、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号15、配列番号6、配列番号12、配列番号6、配列番号14、配列番号15、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号6、配列番号3、配列番号6、配列番号12、配列番号14、配列番号15、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号6、配列番号12、配列番号14、配列番号15、配列番号10、配列番号6、配列番号12、配列番号14、配列番号15、配列番号10、配列番号10、配列番号10、配列番号10及び配列番号10を開示する。
【
図18-2】
図18は、第1のプローブが固体支持体にカップリングされず、検出が非顕微鏡法を含み得る、本開示の例示的な実施形態を表す。
図18は、出現の順に、配列番号12、配列番号14、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号15、配列番号6、配列番号12、配列番号6、配列番号14、配列番号15、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号6、配列番号3、配列番号6、配列番号12、配列番号14、配列番号15、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号6、配列番号12、配列番号14、配列番号15、配列番号10、配列番号6、配列番号12、配列番号14、配列番号15、配列番号10、配列番号10、配列番号10、配列番号10及び配列番号10を開示する。
【
図19-1】
図19は、サプレッサーの除去が、シグナル領域と会合しているフルオロフォアを発光させて、シグナルを生成する、本開示の例示的な実施形態を表す。
図19は、出現の順に、配列番号5、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号1、配列番号6、配列番号6、配列番号5、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号1、配列番号6、配列番号3、配列番号5、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号1、配列番号5、配列番号1を開示する。
【
図19-2】
図19は、サプレッサーの除去が、シグナル領域と会合しているフルオロフォアを発光させて、シグナルを生成する、本開示の例示的な実施形態を表す。
図19は、出現の順に、配列番号5、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号1、配列番号6、配列番号6、配列番号5、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号1、配列番号6、配列番号3、配列番号5、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号1、配列番号5、配列番号1を開示する。
【
図20】
図20は、ナノ粒子が第1のプローブに含まれず、ビオチン化分析物がストレプトアビジンに結合することができ、シグナル領域がストレプトアビジンに結合することができる、本開示の例示的な実施形態を表す。
図20は、出現の順に、配列番号6、配列番号5、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3及び配列番号16を開示する。
【
図21】
図21は、
図20に図示される実施形態に従って行われた実験における、分析物の存在下でのカバースリップのTIRF顕微鏡画像(左)及び分析物の非存在下でのカバースリップのTIRF顕微鏡画像(右)を表す。
【
図22】
図22は、第2のプローブが、それが分析物に結合するときに、第1のプローブに結合することができる、本開示の例示的なシステム及び方法を表す。
【
図23-1】
図23は、第1の分析物結合領域が、分析物の結合の際にコンフォメーションを変化させて、第1のプローブへの第2のプローブの結合を可能にし得るアプタマーを含む、例示的なシステム及び方法を表す。
図23は、出現の順に、配列番号18、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号1、配列番号18、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号1、配列番号19、配列番号18、配列番号19、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号1、配列番号19、配列番号3、配列番号18、配列番号19、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号1、配列番号18、配列番号19、配列番号1、配列番号10、配列番号18、配列番号19、配列番号10、配列番号10、配列番号1、配列番号10、配列番号10、配列番号10を開示する。
【
図23-2】
図23は、第1の分析物結合領域が、分析物の結合の際にコンフォメーションを変化させて、第1のプローブへの第2のプローブの結合を可能にし得るアプタマーを含む、例示的なシステム及び方法を表す。
図23は、出現の順に、配列番号18、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号1、配列番号18、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号1、配列番号19、配列番号18、配列番号19、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号1、配列番号19、配列番号3、配列番号18、配列番号19、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号1、配列番号18、配列番号19、配列番号1、配列番号10、配列番号18、配列番号19、配列番号10、配列番号10、配列番号1、配列番号10、配列番号10、配列番号10を開示する。
【
図23-3】
図23は、第1の分析物結合領域が、分析物の結合の際にコンフォメーションを変化させて、第1のプローブへの第2のプローブの結合を可能にし得るアプタマーを含む、例示的なシステム及び方法を表す。
図23は、出現の順に、配列番号18、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号1、配列番号18、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号1、配列番号19、配列番号18、配列番号19、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号1、配列番号19、配列番号3、配列番号18、配列番号19、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号1、配列番号18、配列番号19、配列番号1、配列番号10、配列番号18、配列番号19、配列番号10、配列番号10、配列番号1、配列番号10、配列番号10、配列番号10を開示する。
【
図23-4】
図23は、第1の分析物結合領域が、分析物の結合の際にコンフォメーションを変化させて、第1のプローブへの第2のプローブの結合を可能にし得るアプタマーを含む、例示的なシステム及び方法を表す。
図23は、出現の順に、配列番号18、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号1、配列番号18、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号1、配列番号19、配列番号18、配列番号19、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号1、配列番号19、配列番号3、配列番号18、配列番号19、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号3、配列番号1、配列番号18、配列番号19、配列番号1、配列番号10、配列番号18、配列番号19、配列番号10、配列番号10、配列番号1、配列番号10、配列番号10、配列番号10を開示する。
【
図24】
図24は、固定化された多価プローブを使用する標識された第1のプローブの選択的捕捉のための例示的なシステム及び方法を表す。
【
図25A】
図25は、
図24に示されるシステム及び方法の作業実施例である。パネルAは、シグナル領域111の例示的な配列(配列番号20)、多価相互作用プローブ(親和性構成成分)に対して相補的である追加配列を含むように改変された標識プローブ(各標識プローブは配列番号21)、及び多価標識相互作用プローブ(配列番号22)である、を示す。パネルBは、分析物が添加された(左パネル)及び分析物が添加されていない(右パネル)、パネルAに示される例示的なシステムを使用して、チャンバーの全反射照明蛍光顕微鏡を使用して記録された画像を表す。各画像の下は、それぞれ、分析物チャンバー及びブランクチャンバーにおいて測定された蛍光強度を定量化するその対応するヒストグラムである。
【
図25B】
図25は、
図24に示されるシステム及び方法の作業実施例である。パネルAは、シグナル領域111の例示的な配列(配列番号20)、多価相互作用プローブ(親和性構成成分)に対して相補的である追加配列を含むように改変された標識プローブ(各標識プローブは配列番号21)、及び多価標識相互作用プローブ(配列番号22)である、を示す。パネルBは、分析物が添加された(左パネル)及び分析物が添加されていない(右パネル)、パネルAに示される例示的なシステムを使用して、チャンバーの全反射照明蛍光顕微鏡を使用して記録された画像を表す。各画像の下は、それぞれ、分析物チャンバー及びブランクチャンバーにおいて測定された蛍光強度を定量化するその対応するヒストグラムである。
【
図26A】
図26は、第1のプローブにおける分岐状シグナル領域対線状シグナル領域を使用する、本システム及び方法の実施形態の作業実施例である。パネルAは、例示的なシグナル領域オリゴヌクレオチド111(配列番号23)及び例示的なサプレッサーオリゴヌクレオチド(配列番号3)を表す。パネルBは、第1のオリゴヌクレオチドに相補的な領域及びサプレッサーオリゴヌクレオチドに相補的な領域を含む、第1のオリゴヌクレオチド(配列番号24)及び一連の第2のオリゴヌクレオチド(配列番号25)を含む分岐状シグナル領域を表す(配列番号3)。パネルC及びDは、異なる長さ線状シグナル領域対分岐状シグナル領域の蛍光強度を定量化するヒストグラムを提供する(上パネルは分析物ありであり、下パネルは分析物なしの対照である)。
【
図26B】
図26は、第1のプローブにおける分岐状シグナル領域対線状シグナル領域を使用する、本システム及び方法の実施形態の作業実施例である。パネルAは、例示的なシグナル領域オリゴヌクレオチド111(配列番号23)及び例示的なサプレッサーオリゴヌクレオチド(配列番号3)を表す。パネルBは、第1のオリゴヌクレオチドに相補的な領域及びサプレッサーオリゴヌクレオチドに相補的な領域を含む、第1のオリゴヌクレオチド(配列番号24)及び一連の第2のオリゴヌクレオチド(配列番号25)を含む分岐状シグナル領域を表す(配列番号3)。パネルC及びDは、異なる長さ線状シグナル領域対分岐状シグナル領域の蛍光強度を定量化するヒストグラムを提供する(上パネルは分析物ありであり、下パネルは分析物なしの対照である)。
【
図26C】
図26は、第1のプローブにおける分岐状シグナル領域対線状シグナル領域を使用する、本システム及び方法の実施形態の作業実施例である。パネルAは、例示的なシグナル領域オリゴヌクレオチド111(配列番号23)及び例示的なサプレッサーオリゴヌクレオチド(配列番号3)を表す。パネルBは、第1のオリゴヌクレオチドに相補的な領域及びサプレッサーオリゴヌクレオチドに相補的な領域を含む、第1のオリゴヌクレオチド(配列番号24)及び一連の第2のオリゴヌクレオチド(配列番号25)を含む分岐状シグナル領域を表す(配列番号3)。パネルC及びDは、異なる長さ線状シグナル領域対分岐状シグナル領域の蛍光強度を定量化するヒストグラムを提供する(上パネルは分析物ありであり、下パネルは分析物なしの対照である)。
【
図26D】
図26は、第1のプローブにおける分岐状シグナル領域対線状シグナル領域を使用する、本システム及び方法の実施形態の作業実施例である。パネルAは、例示的なシグナル領域オリゴヌクレオチド111(配列番号23)及び例示的なサプレッサーオリゴヌクレオチド(配列番号3)を表す。パネルBは、第1のオリゴヌクレオチドに相補的な領域及びサプレッサーオリゴヌクレオチドに相補的な領域を含む、第1のオリゴヌクレオチド(配列番号24)及び一連の第2のオリゴヌクレオチド(配列番号25)を含む分岐状シグナル領域を表す(配列番号3)。パネルC及びDは、異なる長さ線状シグナル領域対分岐状シグナル領域の蛍光強度を定量化するヒストグラムを提供する(上パネルは分析物ありであり、下パネルは分析物なしの対照である)。
【
図27】
図27は、比較が、標的分析物及び単一ヌクレオチド置換のみによって異なる非標的分析物の間で行われることを除いて、実施例6に記載される分析物検出システムを使用する作業実施例である。標的分析物(標的DNA)、非標的分析物(単一ヌクレオチド置換(A-T)及び分析物なしの対照(ブランク)を用いて、試料から測定された定量化された強度を示すヒストグラム。パネルの一番上の行は、競合用プローブが試料に添加された場合対競合用プローブなし(下の行)の強度を示す。競合用プローブは、非標的分析物に対して相補的である10bpのオリゴヌクレオチドである。
【
図28-1】
図28は、第1のプローブオリゴヌクレオチド(シグナル領域)が、分析物に直接的に結合し、かつ多重の部位で分析物に結合することができる分析物結合配列を含む、核酸分析物を含む作業実施例である。上パネルは、4個のサプレッサーオリゴヌクレオチド(配列番号3)にもそれぞれハイブリダイズされた、2個のシグナルプローブ(配列番号27)にハイブリダイズされた分析物(配列番号26)を表す。分析物上の配列(第1の配列)に相補的な領域(検出オリゴヌクレオチド)を介して分析物にハイブリダイズされ、サプレッサー相補領域を有する、第2のプローブオリゴヌクレオチド(配列番号6)も示される。下パネルは、濃度の関数としてプロットされたFOVあたりの強度閾値をパスするスポットの数を定量化するグラフを示す。
【
図28-2】
図28は、第1のプローブオリゴヌクレオチド(シグナル領域)が、分析物に直接的に結合し、かつ多重の部位で分析物に結合することができる分析物結合配列を含む、核酸分析物を含む作業実施例である。上パネルは、4個のサプレッサーオリゴヌクレオチド(配列番号3)にもそれぞれハイブリダイズされた、2個のシグナルプローブ(配列番号27)にハイブリダイズされた分析物(配列番号26)を表す。分析物上の配列(第1の配列)に相補的な領域(検出オリゴヌクレオチド)を介して分析物にハイブリダイズされ、サプレッサー相補領域を有する、第2のプローブオリゴヌクレオチド(配列番号6)も示される。下パネルは、濃度の関数としてプロットされたFOVあたりの強度閾値をパスするスポットの数を定量化するグラフを示す。
【
図29】
図29は、標的分析物(配列番号28)がストレプトアビジンコーティングマイクロ粒子の表面上で捕捉され、標的分析物と比較して単一ヌクレオチド置換を有する非標的分析物(配列番号29)を使用して、アッセイ感度が決定されたことを除いて、
図28に記載されるシステムを使用する作業実施例である。表面結合ビーズは、標的(上側パネル)対非標的(下側パネル)のさまざまな濃度、並びにまた標的及び過剰の非標的分析物の両方を含む試料(下側パネル、右側)で、対物レンズ型薄層斜光照明(HILO)顕微鏡法(蛍光)及び明視野顕微鏡法(明視野)によって画像化された。標的及び非標的分析物の濃度の関数として平均ビーズ蛍光強度を示すグラフィック表現も提供される。右下グラフは、混合された試料と標的及び非標的分析物の両方を含む試料についての平均蛍光強度を提供する。
【
図30】
図30は、第2のプローブを用いるインキュベーションステップが25%のウマ血清中で行われたことを除いて、実施例6に記載されるアッセイを使用する作業実施例である。グラフは、明るい蛍光点(スポット)の数、並びに分析物あり又はなし(左対右)及びウマ血清あり又はなし(下対上)の試料におけるそれぞれの相対強度を表す。
【
図31-1】
図31は、ビオチン化捕捉オリゴヌクレオチドを使用して、分析物を表面に局在化させることを除いて、
図28に記載されるものと類似する検出システムを使用する作業実施例である。ビオチン化捕捉オリゴヌクレオチド(配列番号30)は、分析物(配列番号31)にハイブリダイズされていることを示す。その検出オリゴヌクレオチドを介するシグナル領域(配列番号32)及び第2のプローブ(配列番号33)は、分析物に直接的にハイブリダイズされていることが示される。サプレッサー(配列番号3)も、シグナル領域にハイブリダイズされていることが示され、第2のプローブのサプレッサー相補領域は、サプレッサーオリゴヌクレオチドと近接して示される。下側の画像は、分析物が存在した場合(左パネル)及び分析物が存在しなかった場合(右パネル)のチャンバーの全反射照明蛍光顕微鏡法を使用して記録された。
【
図31-2】
図31は、ビオチン化捕捉オリゴヌクレオチドを使用して、分析物を表面に局在化させることを除いて、
図28に記載されるものと類似する検出システムを使用する作業実施例である。ビオチン化捕捉オリゴヌクレオチド(配列番号30)は、分析物(配列番号31)にハイブリダイズされていることを示す。その検出オリゴヌクレオチドを介するシグナル領域(配列番号32)及び第2のプローブ(配列番号33)は、分析物に直接的にハイブリダイズされていることが示される。サプレッサー(配列番号3)も、シグナル領域にハイブリダイズされていることが示され、第2のプローブのサプレッサー相補領域は、サプレッサーオリゴヌクレオチドと近接して示される。下側の画像は、分析物が存在した場合(左パネル)及び分析物が存在しなかった場合(右パネル)のチャンバーの全反射照明蛍光顕微鏡法を使用して記録された。
【
図32A】
図32は、パネルAに示されるタンパク質分析物検出システムを使用する作業実施例である。パネルは、抗原(A)の存在下でビオチン-ストレプトアビジン相互作用(分析物結合パートナーを表す)を介して平面に付着した捕捉抗体を表す。サプレッサー相補領域を持つオリゴヌクレオチド(配列番号11)にコンジュゲートされた抗原(A)に対する親和性を有する検出抗体を含む第2のプローブが示される。シグナル領域(第1のプローブ)は、捕捉抗体に隣接する表面に付着され、
図26に示される分岐状オリゴヌクレオチド配置を含む。シグナル領域(第1のプローブ)は、第1のオリゴヌクレオチド(配列番号24)及び第1のオリゴヌクレオチドにハイブリダイズされた一連の第2のオリゴヌクレオチド(配列番号3)を含み、ここで、第2のオリゴヌクレオチドは、第1のオリゴヌクレオチドに相補的な領域及びシグナル領域にここでハイブリダイズされたことが示されるサプレッサーオリゴヌクレオチド(配列番号25)に相補的な領域を含む。パネルBは、抗原が存在した場合(左パネル)及び抗原が存在しなかった場合(右パネル)のチャンバーの全反射照明蛍光顕微鏡法を使用して記録された画像を提供する。
【
図32B】
図32は、パネルAに示されるタンパク質分析物検出システムを使用する作業実施例である。パネルは、抗原(A)の存在下でビオチン-ストレプトアビジン相互作用(分析物結合パートナーを表す)を介して平面に付着した捕捉抗体を表す。サプレッサー相補領域を持つオリゴヌクレオチド(配列番号11)にコンジュゲートされた抗原(A)に対する親和性を有する検出抗体を含む第2のプローブが示される。シグナル領域(第1のプローブ)は、捕捉抗体に隣接する表面に付着され、
図26に示される分岐状オリゴヌクレオチド配置を含む。シグナル領域(第1のプローブ)は、第1のオリゴヌクレオチド(配列番号24)及び第1のオリゴヌクレオチドにハイブリダイズされた一連の第2のオリゴヌクレオチド(配列番号3)を含み、ここで、第2のオリゴヌクレオチドは、第1のオリゴヌクレオチドに相補的な領域及びシグナル領域にここでハイブリダイズされたことが示されるサプレッサーオリゴヌクレオチド(配列番号25)に相補的な領域を含む。パネルBは、抗原が存在した場合(左パネル)及び抗原が存在しなかった場合(右パネル)のチャンバーの全反射照明蛍光顕微鏡法を使用して記録された画像を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示は、ある特定の図面を参照しつつ特定の実施形態について記載するが、主題はそれに限定されない。記載されている図面は、単なる概略図であり、限定を目的としない。図面において、要素のいくつかのサイズは、誇張又は歪曲されている場合があり、説明目的のため縮尺通りに描かれていない。
【0011】
本開示は、本開示の主題の一部の(ただし全てのではない)実施形態が示されている、添付の図面に関する記載を提供するであろう。実際に、主題は、多くの異なる形態で具体化され得、本明細書に示されている実施形態に限定されると解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が全ての法的要件を満たすことができるように提供される。
【0012】
ある特定の用語法は、次の記載において単に便宜上使用されており、限定するものではない。
【0013】
定義
他の事柄が特に記述されない限り、本開示の要素は、1回目の出現の際に「ある(a)」又は「ある(an)」として指定され、2回目の又はその後の出現について「その(the)」又は「前記」として指定される。本明細書に特に示されない限り、用語「ある」、「ある」及び「その」は、1つの要素に限定されないが、その代わりに、「少なくとも1つ」又は「1つ以上」を意味すると読み取られるべきである。本明細書で使用される場合、「別の」は、少なくとも第2以上のものを意味する。用語法は、上に記される単語、その派生語及び同様の重要性の単語を含む。
【0014】
特許請求の範囲における用語「又は」の使用は、選択肢のみを指すこと又は選択肢が相互排他的であることが明確に指し示されない限り、「及び/又は」を意味するように使用される。
【0015】
用語「約」の使用は、数値と共に使用される場合、+/-10%を含むことが意図される。例えば、アミノ酸の数が、約200個として同定される場合、これは、180~220個(プラスマイナス10%)を含むであろう。
【0016】
他に定義がなければ、本明細書に使用されているあらゆる技術及び科学用語は、当業者によって一般的に理解されるものと同じ意義を有する。
【0017】
本明細書で使用される場合、「ある分析物に対する親和性」及び「その分析物に対する親和性」は、分析物それ自体に対する親和性を含むのみならず、分析物と会合した構成成分に対する親和性を含むこともできることが理解されるべきである。限定ではなく例として、分析物は、本開示のシステム及び方法への適用に先立ち結合パートナーに連結されてよい(結合パートナーが、第1のプローブの第1の分析物結合領域に対する親和性を有する場合)。よって、システムの一部又は構成成分が、「ある分析物に対する親和性」又は「その分析物に対する親和性」を有すると言われる場合、これは、分析物への結合パートナーに対する親和性を意味し得ることが理解されるべきである。換言すると、親和性は、分析物それ自体又は分析物と会合した構成成分のいずれかに対する親和性を含むことが理解されるべきである。
【0018】
本明細書で使用される場合、用語「ペプチド」、「ポリペプチド」及び「タンパク質」は、互換的に使用され、いずれかの長さのアミノ酸配列を指す。
【0019】
本明細書で使用される場合、「相補的ではない」は、所与の配列が、別の配列に完全に相補的という訳ではないものの延長された時間及び低い温度のものであるアニーリング条件下でハイブリダイズすることができるが、標準条件下でアニール又はハイブリダイズするとは予想されないであろうことを意味する。例えば、標準条件は、約25℃の温度、約7のpHの水溶液中の約150mMのナトリウムイオン濃度と、他の配列を超えた約50nMの濃度のオリゴヌクレオチド配列であり得る。
【0020】
本明細書で使用される場合、「相補的」は、所与の配列が、完全にではないとしても、少なくとも部分的に、別の配列に相補的であり、延長された時間及び低い温度のものであるアニーリング条件下でハイブリダイズすることができ、標準条件下でアニール又はハイブリダイズすることが予想されるであろうことを意味する。例えば、標準条件は、約25℃の温度、約7のpHの水溶液中の約150mMのナトリウムイオン濃度と、他の配列を超えた約50nMの濃度のオリゴヌクレオチド配列であり得る。
【0021】
本開示のシステム及び方法の一般原則は、第1の分析物結合領域を介して分析物に安定的に結合することができ、複数のサプレッサーを含むシグナル領域を含む、第1のプローブを含む。第2のプローブは、分析物が第1のプローブに結合している場合、分析物に(又は第1のプローブに)一過的に結合することができ、サプレッサーのうち1個以上を直接的に又は間接的に除去又は分解することができる。ある特定の態様では、シグナル領域は、標識プローブをさらに含むことができ、標識プローブのシグナルは、結合されたサプレッサーによって防止され、サプレッサーの除去又は分解は、標識プローブの検出を可能にすることができる。限定ではなく例として、サプレッサーの除去又は分解は、フルオロフォアを脱クエンチング(dequenching)することにより、標識プローブの検出を可能にすることができる。ある特定の他の態様では、サプレッサーの除去又は分解は、シグナル領域への標識プローブの結合を可能にし、第1のプローブに結合した標識プローブの検出を可能にすることができる。この状況下であっても、サプレッサーは、同じ第1のプローブに結合する標識からの蛍光を抑制するためのクエンチャーで標識されていてよく、これにより、全て(又はほぼ全て)のサプレッサーの除去が、第1のプローブに結合する蛍光標識からの最大限に明るいシグナルのために要求される。換言すると、サプレッサー除去は、1個以上のクエンチャーを除去すると共に、1個以上の標識プローブのその後の結合を可能にすることができ、これらは両者共に、蛍光シグナルの蓄積に寄与するであろう。よって、システム及び方法は、分析物への又は分析物に結合した第1のプローブ(複数可)への第2のプローブの反復した結合によるシグナル増幅を達成する。この増幅は、必ずしも酵素によるものではないが、標識プローブと併せて又はその一部として、限定ではなく例として、サプレッサーの分解若しくは除去又はシグナルの生成などの特異的な機能のための酵素を任意選択的に組み込むことができる。
【0022】
図1に示す通り、本開示の例示的なシステムは、少なくとも1個の分析物16と安定的に結合することができる第1の分析物結合領域12及び複数のサプレッサー18と会合するシグナル領域14を含む、第1のプローブ10を含むことができる。第2のプローブ20は、分析物16に一過的に結合することができる第2の分析物結合領域22、及び1個以上のサプレッサー18を直接的に又は間接的に除去又は分解することができるサプレッサー相互作用領域24を含む。標識プローブ30は、シグナルを生成することができ、1個以上のサプレッサー18の除去若しくは分解後にシグナル領域14と会合することができる、又はシグナル領域に存在することができ、シグナル領域において、サプレッサー18は、除去又は分解されるまで、標識プローブ30からのシグナルを防止する。いくつかのサプレッサー18が除去された場合であっても、残っているサプレッサー18は、第1のプローブと会合したいかなる標識プローブ30からのシグナルも防止又は低減することができる。
【0023】
図2のケース1は、第1のプローブ10が、少なくとも1個の分析物16に結合するための第1の分析物結合領域12及び複数のサプレッサー18と会合するシグナル領域14を含む、本開示の例示的なシステム及び方法をさらに描写する。第2の分析物結合領域22及びサプレッサー相互作用領域24を含む第2のプローブ20は、第1の分析物結合領域12からの分析物16の解離と比べて迅速に、第2の分析物結合領域22を介して分析物に結合し、サプレッサー18のうち1個以上を直接的に又は間接的に除去又は分解することができる。この結合は、有意に第2のプローブ20の局所的濃度を増加させ、第1のプローブと会合した分析物に結合していない第2のプローブによるサプレッサー除去又は分解の速度と比べて、第1のプローブと会合した分析物に結合した第2のプローブによるサプレッサー除去又は分解の速度を増加させることができる。第1の分析物結合領域と分析物との間よりも一過的な、第2の分析物結合領域と分析物との間の相互作用を有することにより、サプレッサーの多重のコピーが、第1のプローブと会合した分析物への多重の第2のプローブの連続的結合によって迅速に除去され得、これにより、後述する通り分析物の非存在下よりも激しいシグナルがもたらされ得る。1個以上のサプレッサー18を除去することにより、結合部位が、標識プローブ30のために露出され、次いで標識プローブ30は、サプレッサーが除去された箇所に結合することができ、次いでシグナル検出のために使用され得る。
図2のケース2に示す通り、分析物の非存在下では、第2のプローブ20の局所的濃度が、第2の分析物結合領域22を介した分析物16へのその結合によって増強されないため、第2のプローブ20によるサプレッサー18の除去は遅く、これにより、低強度シグナルを生じる遅く非効率的な反応がもたらされる。各第2のプローブは、1個以上のサプレッサーを除去又は分解することができるが、分析物への反復した第2のプローブ結合及び分析物に結合していない第1のプローブへの第2のプローブの非効率的な結合の間の最良の区別を確実にするために、第2のプローブの異なるコピーの多重の連続的結合事象が、最大限に激しいシグナルのために要求されるように、各第2のプローブは、第1のプローブ上に存在する少数のサプレッサーのみを除去するべきである。
【0024】
したがって、分析物の検出は、第1のプローブが、ある特定の最小数のサプレッサーが除去されたかについて決定することにより達成され得る。さらに、分析物と会合した第1のプローブのコピーの数は、分析物の濃度に比例することが予想され、第1のプローブが、分析物と比べて過剰に存在すると仮定するため、ある特定の最小のサプレッサーが除去された第1のプローブのコピーの数を計数する又は他の仕方で定量化することは、分析物を定量化するための機構を提供することができる。
【0025】
図2のケース1及びケース2の両方は、各第1のプローブから除去されたサプレッサーの数に関して分布(例えば、ポアソン若しくは二項分布又は他の分布)をもたらすであろうが、第1のプローブから除去されたサプレッサーの平均数は、ケース1及びケース2で別個のものとなるであろう。例えば、ケース1が、各第1のプローブからの平均で20コピーのサプレッサーの除去又は分解をもたらすが、ケース2が、各第1のプローブからの平均で僅か2コピーのサプレッサーの除去又は分解をもたらし、両方のケースが、除去又は分解されたサプレッサーのコピー数に関してポアソン統計を示す場合、1コピーの第1のプローブからの少なくとも20コピーのサプレッサーの除去が、分析物の非存在下では僅か6.4×10
-12%の確率で起こるが、分析物の存在下では>50%の確率で起こることが予測される。したがって、20コピーのサプレッサーが除去された1コピーの第1のプローブの検出は、ケース2(分析物の非存在)から生じた可能性が低く、ケース1(分析物の存在)から生じた非常に可能性が高い。
【0026】
よって、本開示の一般原則は、第1の分析物結合領域、及び多重のサプレッサーを有するシグナル領域を含む第1のプローブを含むシステムとして記載され得、第1の分析物結合領域は、分析物(又は分析物に結合した場合の第1のプローブ)と一過的に会合することができる第2のプローブよりも安定的に分析物と会合することができ、第2のプローブは、分析物(又は分析物に結合した場合の第1のプローブ)に結合し、十分な長さの時間後にサプレッサーのうち1個以上を直接的に又は間接的に除去又は分解することができ、それに続いて、好適な検出方法によるサプレッサーの除去の検出が為され、例えば、限定ではなく例として、シグナル領域と会合したフルオロフォアシグナルを検出させるための第1のプローブのシグナル領域からのクエンチャー(サプレッサー)の除去など、1個以上のサプレッサーを除去し、1個以上のサプレッサーが除去された箇所に結合することができる標識を加えた後に、第1のプローブのシグナル領域からのシグナルを識別可能にすること、又は1個以上のサプレッサーの除去を検出するための他の好適な方法、又は例えば、ゲル電気泳動若しくはカラムクロマトグラフィー(例えば、イオン交換、サイズ排除、ゲル濾過、逆相、HPLC又はFPLC)によって検出可能な移動度シフトによって又は動的光散乱によって測定される正味電荷、質量、電荷/質量比又は流体力学半径の変化などの第1のプローブの特性の変化を検出するための他の好適な方法、又は上述の特性の1種以上の変化を検出することができる他のいずれかの技法が為される。例えば、各サプレッサーが、大きい分子量(例えば、分子量>1,000ダルトンを有するポリエチレングリコール又は他のポリマー)又は大きい流体力学半径(例えば、強固な二本鎖DNA>10ナノメートルの長さ)又は第1のプローブの残りと有意に異なる電荷/質量比(例えば、複合体が全体的な負又は中性電荷を有する同じpHで正味の正電荷を有するポリヒスチジンなどのポリマー)を有する部分に連結された場合、各サプレッサーの除去は、第1のプローブ複合体の全体的な質量及び/若しくは流体力学半径を低減させる、又はその正味電荷若しくは電荷/質量比を有意に変更するであろう;この変化は、サプレッサーの除去後に第1のプローブの電気泳動移動度の変化をもたらし、これは、アガロースゲル電気泳動又はポリアクリルアミドゲル電気泳動によって検出され得る。限定ではなく例として、約2,000ダルトンの分子量を有するポリエチレングリコールスペーサーに連結された約20コピーの標識プローブに結合した第1のプローブ(すなわち、以前のインキュベーションステップにおいて分析物に結合した第1のプローブ)は、約2コピーの同じ標識プローブに結合した第1のプローブ(すなわち、以前のインキュベーションステップにおいて分析物に結合していない第1のプローブ)よりも約36,000ダルトン大きい全体的なモル質量を有するであろう。分子量のそのような差は、トリス-ホウ酸塩-EDTAなどの好適なランニング緩衝剤中で約10V/cmで20~30分間泳動された5~10%ポリアクリルアミドゲルにおける第1のプローブの移動度の差によって検出され得る。そのような実験において、多重のコピーのポリエチレングリコールスペーサーを有するシフトしたバンドの存在(したがって、分析物の存在)は、例えば、フルオロフォア又は放射性同位元素、例えば、リン-32又はイオウ-35を有する標識プローブの使用によって、また、適切な蛍光測定(fluorometric)、放射測定又はリン光測定(phosphorometric)イメージャ又はスキャナを使用して高感度に検出して、分析物の非存在下である以外は同一の又はほぼ同一の条件下でインキュベートされた第1のプローブを表す対照バンドと比べてシフトしたバンドを検出することができる。一般に、第1のプローブの移動度はまた、混合物中に存在し得る個々の過剰な標識プローブの移動度とも異なるであろうが、多重の標識プローブに結合した第1のプローブよりもはるかに低い分子量のものであろう。その代わりに、1個以上のサプレッサーの除去は、大きい分子量、大きい流体力学半径又は第1のプローブとは有意に異なる電荷/質量比を有する部分に連結された標識プローブのために1個以上の結合部位を露出することができる;共通の第1のプローブへの多重のそのような標識プローブの結合は、第1のプローブ複合体の質量及び/若しくは流体力学半径の有意な増加をもたらし、又は第1のプローブ複合体の正味電荷若しくは電荷/質量比を有意に変更し、標識の結合後の第1のプローブの電気泳動移動度の変化をもたらすであろう。
【0027】
本開示のシステム及び方法のための一般設計検討事項は、シグナル領域からの多重のコピーのサプレッサーの除去又は分解が、分析物の存在下で、その非存在下よりも効率的であることの要求であり得る。この効率差を達成するために、次の(follow)条件が満たされ得る:(1)第2のプローブ及び分析物(又は第2のプローブ及び分析物に結合した場合の第1のプローブ)の間の相互作用は、多重のコピーの第2のプローブが、実験の時間枠内で各コピーの分析物(又は分析物に結合した第1のプローブ)に結合しそれから解離することができる、十分に速い結合及び解離の速度定数を有するべきである;(2)第2のプローブが、分析物に(又は分析物に結合した場合の第1のプローブに)結合している場合、シグナル領域からの1個以上のサプレッサーの除去は、第2のプローブが、分析物に(又は第1のプローブに)結合していない場合よりもはるかに効率的となるべきであり、例えば、分析物(又は第1のプローブ)と第2のプローブとの会合は、シグナル領域からのサプレッサーの除去を加速することができる、第2のプローブのバルク濃度よりも>10、>100又は>1000倍高い、会合しているシグナル領域に近接した第2のプローブの局所的有効濃度を産生することができる;(3)分析物(又は分析物に結合した場合の第1のプローブ)への第2のプローブの結合は、第2のプローブが解離前に高い確率で1個以上のサプレッサーを除去又は分解するのに十分な時間がある、十分に高い親和性で起こるべきである;並びに(4)分析物が第1の分析物結合領域から解離する前に、多重の逐次コピーの第2のプローブが、分析物及び第1のプローブの同じ複合体に結合することが可能となるように、第1の分析物結合領域からの分析物の解離の速度定数は、分析物(又は分析物に結合した場合の第1のプローブ)からの第2のプローブの解離の速度定数よりも有意に遅くあるべきである。
【0028】
システム
一部の実施形態では、複数の第1のプローブであって、各第1のプローブが、第1の分析物結合領域及びシグナル領域を含み、第1の分析物結合領域が、分析物に対する親和性を有し、シグナル領域が、複数のサプレッサー及び複数の標識プローブと会合しており、サプレッサー及び標識プローブが両者共に、シグナル領域と会合している場合、サプレッサーが、標識プローブの検出を防止する、複数の第1のプローブ;並びに複数の第2のプローブであって、各第2のプローブが、第2の分析物結合領域及びサプレッサー相互作用領域を含み、第2の分析物結合領域が、分析物に対する親和性を有し、サプレッサー相互作用領域が、間接的に又は直接的に、サプレッサーのうち1個以上に結合する、それを除去する又はそれを分解することができ;分析物が、第1のプローブの第1の分析物結合領域に結合している間に、第2のプローブの第2の分析物結合領域が、分析物に結合することができ、分析物への第1の分析物結合領域の相互作用が、第2の分析物結合領域と分析物との間の解離の速度定数よりも遅い解離の速度定数を有し、第2のプローブのうち1個が、第1のプローブのうち1個に結合した分析物に結合する場合、サプレッサーのうち1個以上が、第1のプローブから除去され得る又は分解され得、十分な数のサプレッサーの除去又は分解後に、複数の標識プローブから生じるシグナルが、分析物の非存在下で第1のプローブから生じるシグナルから識別可能となる、複数の第2のプローブを含むことができる分析物検出システムが提供される。
【0029】
一部の実施形態では、複数の第1のプローブであって、各第1のプローブが、第1の分析物結合領域及びシグナル領域を含み、第1の分析物結合領域が、分析物に対する親和性を有し、シグナル領域が、複数のサプレッサーと会合している、複数の第1のプローブ;複数の第2のプローブであって、各第2のプローブが、第2の分析物結合領域及びサプレッサー相互作用領域を含み、第2の分析物結合領域が、分析物に対する親和性を有し、サプレッサー相互作用領域が、間接的に又は直接的に、サプレッサーのうち1個以上に結合する、それを除去する又はそれを分解することができ、分析物が、第1のプローブの第1の分析物結合領域に結合している間に、第2のプローブの第2の分析物結合領域が、分析物に結合することができ、分析物への第1の分析物結合領域の相互作用が、第2の分析物結合領域と分析物との間の解離の速度定数よりも遅い解離の速度定数を有し、第2のプローブのうち1個が、第1のプローブのうち1個に結合している間の分析物に結合する場合、サプレッサーのうち1個以上が、第1のプローブから除去され得る又は分解され得る、複数の第2のプローブ;並びに複数の標識プローブであって、各標識プローブが、第1のプローブのシグナル領域に対する親和性を有し、1個以上のサプレッサーの除去又は分解後に、1個以上の標識プローブが、第1のプローブのシグナル領域に結合することができる、複数の標識プローブを含むことができる分析物検出システムが提供される。
【0030】
上述の実施形態のいずれかでは、第1のプローブの分析物結合領域及びシグナル領域が、平面の表面、マイクロ粒子又はナノ粒子などの固体支持体におけるそれらの近接により互いと間接的に会合していた別個の分子実体であり得ることが理解されるべきである。例えば、分析物結合領域は、ストレプトアビジンコーティングされた表面に結合されたビオチン化捕捉用オリゴヌクレオチドを含むことができ、シグナル領域は、サプレッサーオリゴヌクレオチドにおける配列に相補的である複数のサプレッサー結合配列を含む別々のビオチン化オリゴヌクレオチドを含むことができる。この例では、第2のプローブが、捕捉用オリゴヌクレオチドに結合した分析物と会合する際に、第1のプローブのシグナル領域に結合されたサプレッサーと相互作用するのに十分に近近接することができるように、捕捉用オリゴヌクレオチド及びシグナルオリゴヌクレオチドのための結合部位は、互いの100ナノメートル以内、より好ましくは、互いの20ナノメートル以内となるべきである。
【0031】
一部の実施形態では、分枝状シグナル領域構造が使用され得る。上述の例を参照すると、別々のビオチン化オリゴヌクレオチドは、代わりに、複数の第3のオリゴヌクレオチドに存在する配列に相補的である複数の配列を含むことができる。この例では、第3のオリゴヌクレオチドは、別々のビオチン化オリゴヌクレオチドに相補的な第1の配列、及びサプレッサー結合領域(この例では、サプレッサーは、オリゴヌクレオチドである)を表す第2の配列を含み、第2の配列は、別々のビオチン化オリゴヌクレオチドに相補的ではない。このようにして、
図26のパネルBに示す通り、別々のビオチン化オリゴヌクレオチドと会合している多重の第3のオリゴヌクレオチドが存在する。
【0032】
本技術の実施形態は、分析物を検出するためのシステムに関する。例えば、一部の実施形態では、本技術は、本明細書に記載されている1種以上の標的分析物を定量化するためのシステムであって、本明細書に記載されている分析物結合領域、シグナル伝達領域、サプレッサー及び任意選択的な標識プローブを含む第1のプローブ、並びに本明細書に記載されているサプレッサー相互作用領域を含む第2のプローブを含むシステムを提供する。さらに、一部のシステム実施形態は、存在するのであれば分析物を含む試料と第1のプローブ及び第2のプローブのインキュベーション後に、第1のプローブからのシグナルを記録する検出構成成分を含む。例えば、一部の実施形態では、検出構成成分は、例えば、分析物と第1のプローブ及び第2のプローブとの相互作用後に、第1のプローブから産生されたシグナルを記録する。一部の実施形態では、検出構成成分は、複数の標識プローブを含む第1のプローブによって提供されるシグナルの強度を記録する。
【0033】
システム実施形態は、シグナル(例えば、複数の標識プローブを含む第1のプローブからの)を処理し、分析物を含む試料として試料を同定するための分析プロセス(例えば、マイクロプロセッサーに分析プロセスを実行するように指示する、例えば、ソフトウェアにおいてコードされた、命令のセットにおいて具体化された)を含むことができる。一部の実施形態では、分析プロセスは、複数の標識プローブを含む第1のプローブによって産生されたシグナルの強度を入力データとして使用する。一部の実施形態では、分析プロセス、例えば、限定ではなく例として、正規化又は平坦化アルゴリズムは、測定器具における公知バイアスによって引き起こされるシグナルレベルの体系的変動、例えば、限定ではなく例として、顕微鏡視野にわたる蛍光励起の強度の変動を補正する。一部の実施形態では、システムは、分析物を含む。システムの実施形態は、検出される分析物に限定されない。例えば、一部の実施形態では、分析物は、ポリペプチド、例えば、タンパク質又はペプチドである。一部の実施形態では、標的分析物は、核酸である。一部の実施形態では、標的分析物は、本明細書に記載されている小分子、代謝物、金属イオン、生体分子、又は他の分子若しくは実体である。
【0034】
本技術の一部のシステム実施形態は、分析物の検出及び定量化のための構成成分を含む。一部のシステム実施形態は、第1のプローブのシグナル領域と会合した標識プローブのシグナル伝達構成成分を励起するための照明構成を含む蛍光顕微鏡である検出構成成分を含む。一部の実施形態は、蛍光検出器、例えば、強化電荷結合素子(ICCD)、電子増倍電荷結合素子(EM-CCD)、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)、光電子増倍管(PMT)、アバランシェフォトダイオード(APD)を含む検出器、及び/又は単一の発色団からの蛍光放出を検出することができる別の検出器を含む。一部の特定の実施形態は、レンズのないイメージングのために構成された構成成分、例えば、レンズのない顕微鏡、例えば、レンズを使用することなく検出器(例えば、CMOS)において直接的にイメージングするための検出及び/又はイメージング構成成分を含む。
【0035】
一部の実施形態は、コンピュータ、並びにコンピュータが、データ取得及び/又はデータを処理するための分析プロセスを実行する、例えば、制御するための命令をコードするソフトウェアを含む。
【0036】
一部の実施形態は、例えば、波長の特異的な範囲又は波長の多重の範囲内で選択的に蛍光を検出するための、光学、例えば、レンズ、鏡、ダイクロイックミラー、光学フィルターなどを含む。
【0037】
例えば、一部の実施形態では、コンピュータに基づく分析ソフトウェアは、検出アッセイによって生成された生データ(例えば、1種以上の分析物の存在、非存在又は量)を臨床医のために予測値のデータへと翻訳するために使用される。臨床医は、いずれか好適な手段を使用して予測データにアクセスすることができる。
【0038】
一部のシステム実施形態は、それにより本技術の実施形態が実施され得る、コンピュータシステムを含む。様々な実施形態では、コンピュータシステムは、情報を通信するためのバス又は他の通信機構、及び情報を処理するためのバスと繋がれたプロセッサーを含む。様々な実施形態では、コンピュータシステムは、バスに繋がれた、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は他の動的記憶デバイスであり得るメモリ、及びプロセッサーによって実行されるべき命令を含む。メモリはまた、プロセッサーによって実行されるべき命令の実行中にテンポラリ変数又は他の中間情報を記憶するために使用され得る。様々な実施形態では、コンピュータシステムは、プロセッサーのための静的情報及び命令を記憶するための、バスに繋がれたリードオンリーメモリ(ROM)又は他の静的記憶デバイスをさらに含むことができる。情報及び命令を記憶するために、記憶デバイス、例えば、磁気ディスク又は光ディスクが提供され、バスに繋がれてよい。
【0039】
様々な実施形態では、コンピュータシステムは、バスを介して、コンピュータ使用者に情報をディスプレイするためのディスプレイ、例えば、陰極線管(CRT)又は液晶ディスプレイ(LCD)に繋がれる。英数字及び他のキーを含む入力デバイスは、プロセッサーに情報及びコマンド選択を通信するためのバスに繋がれてよい。別の種類の使用者入力デバイスは、プロセッサーに指示情報及びコマンド選択を通信し、ディスプレイにおけるカーソル動作を制御するための、カーソル制御、例えば、マウス、トラックボール又はカーソル指示キーである。この入力デバイスは典型的に、第1の軸(例えば、x)及び第2の軸(例えば、y)である2つの軸における2つの自由度を有し、これは、デバイスが平面における位置を指定することを可能にする。
【0040】
コンピュータシステムは、本技術の実施形態を実行することができる。本技術のある特定のインプリメンテーションと一致して、結果は、メモリに含有される1個以上の命令の1個以上のシーケンスを実行するプロセッサーに応答してコンピュータシステムによって提供され得る。そのような命令は、別のコンピュータ可読媒体、例えば、記憶デバイスからメモリへと読み込まれ得る。メモリに含有される命令のシーケンスの実行は、プロセッサーに、本明細書に記載されている方法を実行させることができる。その代わりに、ハードワイヤード回路が、本教示を実施するために、ソフトウェア命令の代わりに又はそれと組み合わせて使用され得る。よって、本技術のインプリメンテーションは、ハードウェア回路及びソフトウェアのいかなる特異的な組合せにも限定されない。
【0041】
用語「コンピュータ可読媒体」は、本明細書で使用される場合、実行のためにプロセッサーへの命令の提供に関与するいずれかの媒体を指す。そのような媒体は、不揮発性媒体、揮発性媒体及び伝送媒体を含むがこれらに限定されない多くの形態を取ることができる。不揮発性媒体の例は、光又は磁気ディスク、例えば、記憶デバイスを含むことができるがこれらに限定されない。揮発性媒体の例は、動的メモリを含むことができるがこれらに限定されない。伝送媒体の例は、バスを含むワイヤを含む同軸ケーブル、銅線及び光ファイバーを含むことができるがこれらに限定されない。
【0042】
コンピュータ可読媒体の一般的な形態は、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、フラッシュ媒体、磁気テープ又は他のいずれかの磁気媒体、CD-ROM、他のいずれかの光媒体、パンチカード、ペーパーテープ、孔のパターンを有する他のいずれかの物理的媒体、RAM、PROM及びEPROM、FLASH-EPROM、他のいずれかのメモリチップ若しくはカートリッジ、又はコンピュータが読み取ることができる他のいずれかの有形媒体を含む。
【0043】
コンピュータ可読媒体の様々な形態は、実行のためにプロセッサーに1個以上の命令の1個以上のシーケンスを運ぶことに関与し得る。例えば、命令は最初に、リモートコンピュータの磁気ディスクにおいて運ばれ得る。リモートコンピュータは、その動的メモリへと命令をロードし、ネットワーク接続(例えば、LAN、WAN、インターネット、電話回線)にわたり命令を送ることができる。ローカルコンピュータシステムは、データを受け取り、それをバスに伝送することができる。バスは、データをメモリに運ぶことができ、そこから、プロセッサーは、命令を回収及び実行する。メモリによって受け取られた命令は、任意選択的に、プロセッサーによる実行の前又は後のいずれかで、記憶デバイスにおいて記憶され得る。
【0044】
様々な実施形態に従って、方法を実行するプロセッサーによって実行されるように構成された命令は、コンピュータ可読媒体において記憶される。コンピュータ可読媒体は、デジタル情報を記憶するデバイスであり得る。例えば、コンピュータ可読媒体は、ソフトウェアを記憶するための、当技術分野で公知の通りのコンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)を含む。コンピュータ可読媒体は、実行されるように構成された命令の実行に好適なプロセッサーによってアクセスされる。
【0045】
そのようなコンピュータシステムに従って、本明細書に提供される本技術の一部の実施形態は、データ(例えば、分析物の存在、非存在、濃度)を収集、記憶及び/又は分析するための機能性をさらに含む。例えば、一部の実施形態は、例えば、命令を記憶及び実行し、標識シグナル、シグナル強度及び/又は検出データを分析し、データを使用して計算を実行し、データを転換し、データを記憶するための、プロセッサー、メモリ及び/又はデータベースを含むシステムを考慮する。一部の実施形態では、アルゴリズムは、統計モデルをデータに適用する。
【0046】
多くの診断法は、1種以上の核酸の存在又はそのヌクレオチド配列の決定を伴う。
【0047】
一部の実施形態では、1種以上の分析物の存在、非存在、濃度、量又は配列特性を表す変数を含む方程式は、診断を下す又は分析物の存在若しくは品質を評価することにおける用途を見出す値を産生する。したがって、一部の実施形態では、この値は、デバイスによって、例えば、結果に関する指標(例えば、LED、ディスプレイ上のアイコン、音その他)によって提示される。一部の実施形態では、デバイスは、値を記憶する、値を伝送する、又は追加の計算のために値を使用する。一部の実施形態では、方程式は、1種以上の分析物の存在、非存在、濃度、量又は特性を表す変数を含む。
【0048】
よって、一部の実施形態では、本技術は、分析的アッセイにおいて訓練された可能性が低い臨床医が、生データを理解する必要がないという、さらなる利益を提供する。データは、その最も有用な形態で臨床医に直接的に提示される。一部の実施形態では、次いで臨床医は、対象のケアを最適化するために情報を利用することができる。本技術は、アッセイを行う研究室、情報提供者、医療関係者(personal)及び/又は対象の間で、情報を受け取り、処理し、伝送することができるいずれかの方法を考慮する。例えば、本技術の一部の実施形態では、試料は、対象から得られ、世界のいずれかの一部(例えば、対象が住んでいる又は情報が最終的に使用される国とは異なる国)に位置するプロファイリングサービス(例えば、医療施設における臨床研究室、ゲノムプロファイリング事業など)に提出されて、生データが生成される。試料が、組織又は他の生体試料を含む場合、対象は、医療センターを訪問して、試料を得て、プロファイリングセンターに送ることができる、又は対象は、自身で試料を収集し、それをプロファイリングセンターに直接送ることができる。試料が、以前に決定された生物学的情報を含む場合、情報は、対象によってプロファイリングサービスに直接送られてよい(例えば、情報を含有する情報カードが、コンピュータによってスキャンされ、データが、電子通信システムを使用してプロファイリングセンターのコンピュータに伝送され得る)。プロファイリングサービスによって受け取られたら、試料が処理され、対象に望まれる診断又は予後情報に特異的なプロファイルが産生される。次いで、プロファイルデータが、処置担当の臨床医による解釈に好適なフォーマットで用意される。例えば、生データを提供するよりもむしろ、用意されたフォーマットは、特定の処置選択肢の推奨と共に、対象の診断又はリスク評価を表すことができる。データは、いずれか好適な方法によって臨床医にディスプレイされ得る。例えば、一部の実施形態では、プロファイリングサービスは、臨床医のために印刷されても(例えば、ポイントオブケアにおいて)、コンピュータモニタにおいて臨床医にディスプレイされてもよい報告を生成する。一部の実施形態では、情報は先ず、ポイントオブケア又は地域の施設において分析される。次いで生データは、さらなる分析のために及び/又は生データを臨床医若しくは患者に有用な情報に変換するために、中央処理施設に送られる。中央処理施設は、データ分析のプライバシー(全データは、均一なセキュリティープロトコールで中央施設において記憶される)、スピード及び均一性の利点を提供する。次いで中央処理施設は、対象の処置後のデータの運命を制御することができる。例えば、電子通信システムを使用して、中央施設は、臨床医、対象又は研究者にデータを提供することができる。一部の実施形態では、対象は、電子通信システムを使用してデータにアクセスすることができる。対象は、結果に基づきさらなる介入又はカウンセリングを選ぶことができる。一部の実施形態では、データは、研究用途に使用される。例えば、データは、疾患に関連する特定の状態の有用な指標としてのマーカーの包含又は排除をさらに最適化するために使用され得る。
【0049】
分析物
前述の実施形態のいずれかにおいて、分析物は、本開示のシステム及び方法を使用する検出のための任意の好適な分子であり得る。例として、限定されるものではないが、分析物は、DNAオリゴヌクレオチド、生物学的に誘導されたDNA配列若しくはDNA断片、RNAオリゴヌクレオチド、生物学的に誘導されたRNA配列若しくはRNA断片、タンパク質、ポリペプチド、オリゴペプチド、炭水化物、例えば、多糖若しくはオリゴ糖、低分子若しくは代謝産物、又はそれらの組合せであり得る。さらなる例として、限定されるものではないが、分析物は、リボヌクレオタンパク質、リボソーム、ウイルス粒子、DNA配列に結合したDNA結合タンパク質、タンパク質及び脂質(リポタンパク質)、又はタンパク質及び炭水化物(プロテオグリカン、糖タンパク質)を含むことができる。前述の実施形態のいずれかにおいて、分析物が核酸である場合、分析物は、例として、限定されるものではないが、単一ヌクレオチド多型、単一ヌクレオチド突然変異、1個以上のヌクレオチドを含む挿入突然変異、1個以上のヌクレオチドを含む欠失突然変異、1個以上のヌクレオチドを含む置換突然変異、脱塩基部位、一本鎖若しくは二本鎖破壊、又は5-メチルシトシン、N6-メチルアデノシン若しくは他の化学的改変などの化学的改変を保持する1個以上のヌクレオチドなどの配列バリアントを含み得る。前述の実施形態のいずれかにおいて、分析物が、例として、限定されるものではないが、DNAオリゴヌクレオチド、生物学的に誘導されたDNA配列若しくはDNA断片、RNAオリゴヌクレオチド、生物学的に誘導されたRNA配列若しくはRNA断片などの核酸である又は核酸を含む場合、分析物は、任意の好適な長さを有することができる。例として、限定されるものではないが、そのような実施形態において、分析物の核酸構成成分は、約1~約500ヌクレオチド、約1~約400ヌクレオチド、約1~約300ヌクレオチド、約1~約300ヌクレオチド、約1~約200ヌクレオチド、約1~約100ヌクレオチド、約1~約50ヌクレオチド、約1~約40ヌクレオチド、約1~約30ヌクレオチド、約1~約25ヌクレオチド、約1~約20ヌクレオチド、約1~約10ヌクレオチド、約5~約500ヌクレオチド、約5~約400ヌクレオチド、約5~約300ヌクレオチド、約5~約200ヌクレオチド、約5~約100ヌクレオチド、約5~約50ヌクレオチド、約5~約40ヌクレオチド、約5~約30ヌクレオチド、約5~約25ヌクレオチド、約5~約20ヌクレオチド、約5~約10ヌクレオチド、約10~約500ヌクレオチド、約10~約400ヌクレオチド、約10~約300ヌクレオチド、約10~約200ヌクレオチド、約10~約100ヌクレオチド、約10~約50ヌクレオチド、約10~約40ヌクレオチド、約10~約30ヌクレオチド、約10~約25ヌクレオチド、約10~約20ヌクレオチド、約20~約500ヌクレオチド、約20~約400ヌクレオチド、約20~約300ヌクレオチド、約20~約200ヌクレオチド、約20~約100ヌクレオチド、約20~約50ヌクレオチド、約20~約40ヌクレオチド、約20~約30ヌクレオチド、約20~約25ヌクレオチド、約25~約500ヌクレオチド、約25~約400ヌクレオチド、約25~約300ヌクレオチド、約25~約200ヌクレオチド、約25~約100ヌクレオチド、約25~約50ヌクレオチド、約25~約40ヌクレオチド、約25~約30ヌクレオチド、約30~約500ヌクレオチド、約30~約400ヌクレオチド、約30~約300ヌクレオチド、約30~約200ヌクレオチド、約30~約100ヌクレオチド、約30~約50ヌクレオチド、約30~約40ヌクレオチド、約40~約500ヌクレオチド、約40~約400ヌクレオチド、約40~約300ヌクレオチド、約40~約200ヌクレオチド、約40~約100ヌクレオチド、約40~約50ヌクレオチド、約50~約500ヌクレオチド、約50~約400ヌクレオチド、約50~約300ヌクレオチド、約50~約200ヌクレオチド、約50~約100ヌクレオチド、約100~約500ヌクレオチド、約100~約400ヌクレオチド、約100~約300ヌクレオチド、約100~約200ヌクレオチド、約200~約500ヌクレオチド、約200~約400ヌクレオチド、約200~約300ヌクレオチド、約300~約500ヌクレオチド、約300~約400ヌクレオチド、約400~約500ヌクレオチド、約1、5、10、20、25、30、40、50、100、200、300、400、500以上のヌクレオチドの長さを有することができる。さらなる例として、限定されるものではないが、分析物は、メッセンジャーRNA、プレ-メッセンジャーRNA、リボソームRNA、トランスファーRNA、ノンコーディングRNA、核小体低分子RNA、核内低分子RNA、細胞外RNA、マイクロRNA、プライマリーマイクロRNA、プレ-マイクロRNA、長鎖ノンコーディングRNA、長鎖介在性ノンコーディングRNA、環状RNA、piwi相互作用RNA、トランス-腎RNA、ウイルスRNA、無細胞DNA、ミトコンドリアDNA、細胞外DNA、循環腫瘍DNA、トランス-腎DNA又はウイルスDNAであり得る。
【0050】
本明細書に開示される実施形態のいずれかにおいて、分析物は、1フェムトモル濃度程度の低い濃度で試料中に存在してよい。分析物が核酸である実施形態において、分析物は、1フェムトモル濃度程度の低い濃度で混合試料中に存在してよく、ここで、試料は、1フェムトモル濃度過剰、一部の実施形態において、1ミリリットルあたり1ピコグラム過剰の濃度の非標的分析物を含み、分析物及び非標的分析物は、単一ヌクレオチド置換によってのみ異なる。この実施形態において、本システム、方法及びキットを使用して、そのような試料中の分析物の存在を選択的に決定することができる。
【0051】
分析物が、第1の分析物結合領域及び/又は第2の分析物結合領域が結合することができる別の構成成分にカップリングされ得ることが理解されるべきである。例として、限定されるものではないが、分析物は、ストレプトアビジンとのカップリングのために、ビオチンにコンジュゲートされ得る。あるいは、例として、限定されるものではないが、分析物がオリゴヌクレオチドを含む場合、本明細書に開示される捕捉オリゴヌクレオチドは、分析物に直接的に結合し得る。あるいは、例として、限定されるものではないが、分析物が、ペプチド、炭水化物、エピジェネティック改変若しくは翻訳後改変を含む又はそれらである場合、本明細書に開示される捕捉抗体は、分析物に直接的に結合し得る。一部の例は、ビオチン化又はそうでなければ表面と相互作用を可能にするように改変された分析物を実証したが、上記で論じられたように、本発明によって必要とされず、分析物が核酸である例において、マイクロ粒子、ナノ粒子若しくは平面と会合する又は会合することができる捕捉オリゴヌクレオチドが使用されてよいことが理解されるべきである。
【0052】
分析物を含有する試料が、標的分析物よりかなり過剰の濃度の多くの非標的分析物を含んでいてよいことが理解されるべきである。本開示のシステム、方法及びキットを、唾液、血液、尿、精液、細胞抽出物及び他の体液などの生体試料を含むこれらの混合試料中の分析物を検出するために使用することができることも理解されるべきである。
【0053】
この開示全体を通して、本開示のシステム及び方法の要素をカップリングするためにさまざまな化学が使用され得ることが理解されるべきである。例として、限定されるものではないが、これらとしては、ストレプトアビジン-ビオチン相互作用、金-チオール相互作用、クリックケミストリー試薬対、例えば、アジド+アルキン及びトランス-シクロオクテン+テトラジン、カルボン酸及びアミンの間のEDC-NHSカップリング、チオール-マレイミドカップリング、アミン-NHSエステルカップリング、静電相互作用、核酸二重鎖の同軸スタッキング、水素結合相互作用、疎水性相互作用、ファンデルワールス力などが挙げられ得る。そのような化学及び標準的なカップリング技法は、例として、限定されるものではないが、第1の分析物結合領域、シグナル領域、第1のプローブ、第2のプローブ、標識及び標識プローブ、ナノ粒子並びに固体支持体のカップリングに適用され得る。
【0054】
第1のプローブ
本開示のシステム、キット及び方法は、本明細書に記載される第1のプローブを利用することができる。本開示の実施形態のいずれかにおいて、第1のプローブ又はその複数は、第1の分析物結合領域及びシグナル領域を含むことができる。第1のプローブが、1個以上のシグナル領域及び/又は1個以上の第1の分析物結合領域を含むことができることが理解されるべきである。一例において、各第1のプローブは、単一の第1の分析物結合領域及び複数のシグナル領域を含む。例として、限定されるものではないが、第1のプローブは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、又はそれらの間の任意の範囲の、シグナル領域及び/又は第1の分析物結合領域を含むことができる。さらなる例として、限定されるものではないが、第1のプローブは、10個以上のシグナル領域及び/又は第1の分析物結合領域を含むことができる。
【0055】
本開示の実施形態のいずれかにおいて、第1のプローブは、コロイド粒子、金ナノ粒子などのナノ粒子、脂質ベシクル、表面、表面の領域、水性二相系の相、1個以上のDNAオリゴヌクレオチド、1個以上のRNAオリゴヌクレオチド、1個以上のロックド核酸(LNA)オリゴヌクレオチド、1個以上のペプチド核酸(PNA)オリゴヌクレオチド、1個以上の抗体若しくは抗体断片、1個以上のアプタマー、1個以上のフルオロフォア若しくは他の発色団、1個以上の反応性化学官能基、又はそれらの組合せを含むことができる。例として、限定されるものではないが、金ナノ粒子は、10~40nmの直径を有することができる。さらなる例として、限定されるものではないが、フルオロフォア又は発色団は、Cy3、Cy5、Cy5.5、Cy7、ATTO 647N、DyLight 550、DyLight 650、Alexa Fluor 488、Alexa Fluor 555又はAlexa Fluor 647であり得る。またさらなる例として、限定されるものではないが、1個以上の反応性化学官能基は、NHSエステル、アミン、アルキン、アジド、トランス-シクロオクテン又はテトラジンを含むことができる。前述の構成成分が、第1の分析物結合領域、シグナル領域、その両方、若しくは第1のプローブと会合している標識プローブであり得る又はその一部であり得ることが理解されるべきである。
【0056】
本開示の実施形態のいずれかにおいて、第1のプローブ又はその複数は、固体支持体に結合することができる。ある特定の態様において、固体支持体は、ナノ粒子又はマイクロ粒子である。
【0057】
本開示の実施形態のいずれかにおいて、第1のプローブ又はその複数は、溶液又はコロイド懸濁液中に存在し得る。
【0058】
ナノ粒子、マイクロ粒子又は平面
本開示の実施形態のいずれかにおいて、第1の分析物結合領域、シグナル領域又は各第1のプローブの両方は、ナノ粒子、マイクロ粒子又は平面(まとめて「支持体」)に結合することができる。第1の分析物結合領域及びシグナル領域の両方が支持体に結合されるそのような実施形態において、各第1のプローブの第1の分析物結合領域及びシグナル領域は、支持体上の隣接部位に結合することができる。例として、限定されるものではないが、第1の分析物結合領域及びシグナル領域は、互いの約100nm以内にあり得る。さらなる例として、限定されるものではないが、第1の分析物結合領域及びシグナル領域は、ナノ粒子上で互いの約100nm、約90nm、約80nm、約70nm、約60nm、約50nm、約40nm、約30nm、約25nm、約20nm、約10nm以下以内にあり得る。第1の分析物結合領域及びシグナル領域の間の距離が、第2のプローブが分析物(又は第1のプローブ)及びシグナル領域と同時に相互作用することができるのに十分に小さくなければならないことが理解されるべきである。本開示全体を通して使用される場合、隣接が、前述の意味及び範囲を有し得ることが理解されるべきである。例として、限定されるものではないが、支持体は、ナノ粒子、金ナノ粒子、銀ナノ粒子、金属酸化物ナノ粒子、磁気ナノ粒子、シリカナノ粒子、リポソーム、脂質ナノディスク、ポリスチレンナノ粒子などのポリマー系ナノ粒子、ビーズなどのマイクロ粒子であり得、ここで、マイクロ粒子は、約1マイクロメートル~約10マイクロメートル、より好ましくは、約5~10マイクロメートルの直径を有する。各種類の支持体は、所望の構成成分、例えば、本開示のプローブの共有結合性又は非共有結合性固定化のための異なる表面基を用いて容易に合成することができる。またさらなる例として、限定されるものではないが、支持体は、DNA又はRNAナノ構造、例えば、DNAオリガミ、DNAナノキューブ、DNAバレル、DNAタイル、DNAブリック、RNAオリガミ、又はそれらの所望の配列によってガイドされる様式での複雑な二次元若しくは三次元形状へのDNA若しくはRNA鎖の自己アセンブリーによって形成される他の類似のナノスケールの構造であり得る。理論に拘束されないが、そのような支持体が、構造への異なる構成成分の部位特異的アンカリングを可能にすること、それが多重の機能的構成成分の相対位置を制御するのを可能にすることによって、本開示のシステム及び方法において特に有利であり得ると予想される。
【0059】
またさらなる例として、限定されるものではないが、第1のプローブのシグナル領域は、シグナル領域がストレプトアビジン-ビオチン相互作用を介して支持体に結合されるように、ビオチン化され得る。
【0060】
またさらなる例として、限定されるものではないが、第1の分析物結合領域は、捕捉オリゴヌクレオチドの形態であり得る。この例において、捕捉オリゴヌクレオチドがストレプトアビジン-ビオチン相互作用を介して支持体に結合されるように、捕捉オリゴヌクレオチドはビオチン化され、ここで、第1のプローブのシグナル領域は、支持体上の隣接部位に結合され得る。
【0061】
第1のプローブが、ナノ粒子を介して固体支持体に又は固体支持体に直接的に、さらに結合され得ることが理解されるべきである。例として、限定されるものではないが、そのような連結は、ストレプトアビジン-ビオチン相互作用を介してであり得る。
【0062】
第1の分析物結合領域
本開示の前述の実施形態のいずれかにおいて、第1のプローブは、第1の分析物結合領域及びシグナル領域を含むことができる。一部の実例において、第1の分析物結合領域は、第1のプローブから分離され得る。例えば、第1の分析物結合領域は、支持体と会合している捕捉オリゴヌクレオチドであり得、シグナル領域は、上記で論じられたように、近接して、支持体に付着された別々のオリゴヌクレオチドであり得る。別の例において、捕捉オリゴヌクレオチドは、分析物に対して相補的である第1の配列(分析物が核酸である場合)、及び別々のオリゴヌクレオチド上の配列に対して相補的な配列を有する第2の配列(又は複数の第2の配列)を含み得、ここで、別々のオリゴヌクレオチドは、シグナル領域を含む。
【0063】
好ましくは、第2のプローブ及び分析物の間の相互作用は、実験のタイムフレームの間に、第2のプローブの多重のコピーが分析物の各コピーに結合しそれから解離するための十分に速い結合及び解離の速度定数を有していなければならない。
【0064】
第1の分析物結合領域は、分析物に対する親和性を有することができる。第1の分析物結合領域と分析物との間の相互作用は、式:
【0065】
【数1】
に従って、複合体の現在の濃度Cに対する、時間に関する分子複合体の濃度の変化の瞬間的な速度のdC/dtに関する比例定数k
dissocを指す解離の速度定数によって特徴付けられ得、均質な一次化学反応について、2つ以上の構成に解離する前の個々の複合体の平均滞留時間の逆数に等しい。この速度定数は、バイオレイヤー干渉法、表面プラズモン共鳴及び単分子全反射照明蛍光(TIRF)顕微鏡法を含むいくつかの確立されたアプローチを使用して測定され得る。TIRF顕微鏡法において、例として、限定されるものではないが、最初に、第1の分析物結合領域を、ビオチン-ストレプトアビジン相互作用などの好適な固定化化学を介して、カバースリップなどの好適な固体支持体に固定化することができる。次に、Cy5などの好適なフルオロフォアで標識された分析物は、固体支持体と接触している水溶液に導入され得、好適なインキュベーション期間(例えば、1時間)、第1の分析物結合領域に結合させることができる。次に、分析物溶液が除去され得、好適な緩衝液、例えば、50μg/mLのプロトカテキュ酸-3,4-ジオキシゲナーゼ及び5mMの3,4-ジヒドロキシ安息香酸を含有するものなどの好適な酸素スカベンジャー系を含有するリン酸緩衝生理食塩水が、一定流下で導入され得る。インキュベーション時間の関数としての表面からの分析物の消失は、好適なレーザー源(例えば、640nmの連続波レーザー)からの照射下で、好適な検出器(例えば、科学的相補型酸化膜半導体、sCMOS、センサー)を用いるTIRF顕微鏡法によって測定され得、時間の関数としての表面結合分析物からの残ったシグナルは、単一指数関数的減衰関数の形式
【0066】
【数2】
(式中、Aは、定数であり、yは、表面結合分析物からの蛍光シグナルの量であり、eは、自然対数の底であり、tは、時間である)にフィッティングされ得る。上記の式は、低いバックグラウンドシグナルを伴う一次反応の測定のために好適であるが、当業者には、多重の速度定数(すなわち、多指数方程式)を示す動態学の場合において、又は著しいバックグラウンドシグナルが存在する場合において(すなわち、指数項に追加された定数項を有する方程式)、他の関連する指数方程式が、使用されてよいことが認識される。同じ速度定数が、任意の速度定数が表面化学(例えば、どの結合パートナーが固定化されるかを変更する)又は標識化化学に対する変化によって乱され得るという警告を伴って、表面上の蛍光標識されていない分析物を提示すること、及び代わりに表面からの蛍光標識された第1の分析物結合領域の解離をモニタリングすることによって測定され得ることも理解されるべきである。結合パートナーの組成、緩衝液条件及び温度を含む、可能な限り近い最終アッセイ条件と似ている条件下で任意の関連する速度定数を測定することが好ましい。
【0067】
ある特定の態様において、第1の分析物結合領域への分析物の結合は、安定として特徴付けられ得る。この「安定性」が、第1の分析物結合領域と分析物との間対第2の分析物結合領域と分析物との間の解離のより遅い速度を指すことが理解されるべきである。前述の実施形態のいずれかにおいて、第1の分析物結合領域と分析物との間の親和性は、第2の分析物結合領域と分析物との間よりも10倍遅い解離の速度定数を含むことができる。例として、限定されるものではないが、第1の分析物結合領域と分析物との間の親和性は、第2の分析物結合領域と分析物との間よりも少なくとも10倍、15倍、20倍、25倍、50倍又は100倍遅い解離の速度定数を含むことができる。
【0068】
本開示の実施形態のいずれかにおいて、第1の分析物結合領域が、分析物に十分に結合することができる任意の領域であり得ることが理解されるべきである。例として、限定されるものではないが、分析物が核酸である場合、第1の分析物結合領域は、分析物のオリゴヌクレオチド又はDNA若しくはRNA断片に対して相補的である核酸配列を含むことができ、あるいはジンクフィンガードメイン、デッドCas9酵素(dCas9)、リボヌクレオタンパク質複合体又はメチル化DNA結合タンパク質ドメインなどのDNA又はRNA結合タンパク質を含むことができる。さらなる例として、限定されるものではないが、分析物が、タンパク質、ペプチド又はオリゴペプチドである場合、第1の分析物結合領域は、第1の抗体若しくはその断片、核酸若しくはペプチドアプタマー、又は分析物に対する親和性を有する分析物のリガンドなどの第1の結合パートナーを含むことができる。そのような実施形態において、第1の分析物結合領域は、支持体に結合され得、第1のプローブのシグナル領域は、隣接部位で支持体に結合され得る。さらなる例として、限定されるものではないが、分析物がビオチンなどの別の構成成分と会合している場合、第1の分析物結合領域は、分析物、例えば、ビオチン化分析物の場合において、ストレプトアビジンと会合している構成成分と会合することができる。あるいは、第1の分析物結合ドメインは、ビオチン化されているビオチン化捕捉オリゴヌクレオチドを含み得る。この捕捉オリゴヌクレオチドは、第1のプローブのシグナル領域、又はシグナル領域を持つ別々のオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションを可能にする配列をさらに含み得る。ストレプトアビジン-ビオチン相互作用を用いる本開示の任意の実施形態において、高い親和性及び特異性でビオチンと相互作用する他の関連タンパク質、例えば、アビジン及びニュートラアビジンが、ストレプトアビジンの代わりに置換され得ることが理解されるべきである。例として、限定されるものではないが、第1の分析物結合領域は、ストレプトアビジン-ビオチン相互作用を介してナノ粒子に結合され得、ここで、第1の分析物結合領域はビオチン化され、ナノ粒子はストレプトアビジンでコーティングされている。さらなる例として、限定されるものではないが、分析物が、低分子、例えば、多糖又はオリゴ糖などの炭水化物である場合、第1の分析物結合領域は、分析物に結合することができる捕捉抗体又はアプタマーを含むことができ、同様に、第2の分析物結合領域は、分析物に結合することができる抗体又はアプタマーを含むことができる。
【0069】
前述の実施形態のいずれかにおいて、分析物が核酸である場合、第1の分析物結合領域は、分析物の配列に対して相補的である配列を含むことができる第1の捕捉オリゴヌクレオチドを含むことができる。第1の分析物結合領域が第1の捕捉オリゴヌクレオチドを含む実施形態において、第1のプローブの第1の分析物結合領域及びシグナル領域は、本明細書に記載される支持体上の隣接部位に結合され得、ここで、例えば、支持体は、ストレプトアビジンでコーティングされ、第1の捕捉オリゴヌクレオチドがストレプトアビジン-ビオチン相互作用を介して支持体に結合されるように、第1の捕捉オリゴヌクレオチドは、ビオチン化され得る。あるいは、分析物が、結合パートナーに連結された核酸である場合、結合パートナーは、第1の分析物結合領域に対する親和性を有することができる。
【0070】
前述の実施形態のいずれかにおいて、第1の捕捉オリゴヌクレオチドは、約8ヌクレオチド~約50ヌクレオチドの長さを有することができる。例として、限定されるものではないが、第1の捕捉オリゴヌクレオチドは、約8ヌクレオチド~約50ヌクレオチド、約8ヌクレオチド~約40ヌクレオチド、約8ヌクレオチド~約30ヌクレオチド、約8ヌクレオチド~約25ヌクレオチド、約8ヌクレオチド~約20ヌクレオチド、約8ヌクレオチド~約15ヌクレオチド、約8ヌクレオチド~約10ヌクレオチド、約10ヌクレオチド~約50ヌクレオチド、約10ヌクレオチド~約40ヌクレオチド、約10ヌクレオチド~約30ヌクレオチド、約10ヌクレオチド~約25ヌクレオチド、約10ヌクレオチド~約20ヌクレオチド、約10ヌクレオチド~約15ヌクレオチド、約15ヌクレオチド~約50ヌクレオチド、約15ヌクレオチド~約40ヌクレオチド、約15ヌクレオチド~約30ヌクレオチド、約15ヌクレオチド~約25ヌクレオチド、約15ヌクレオチド~約20ヌクレオチド、約20ヌクレオチド~約50ヌクレオチド、約20ヌクレオチド~約40ヌクレオチド、約20ヌクレオチド~約30ヌクレオチド、約20ヌクレオチド~約25ヌクレオチド、約25ヌクレオチド~約50ヌクレオチド、約25ヌクレオチド~約40ヌクレオチド、約25ヌクレオチド~約30ヌクレオチド、約30ヌクレオチド~約50ヌクレオチド、約30ヌクレオチド~約40ヌクレオチド、約40ヌクレオチド~約50ヌクレオチド、約8、10、15、20、25、30、40又は50ヌクレオチドの長さを有することができる。
【0071】
前述の実施形態のいずれかにおいて、分析物が、結合パートナーに連結された核酸である場合、結合パートナーは、第1の分析物結合領域についての親和性を有することができる。例として、限定されるものではないが、結合パートナーは、ビオチンであり得、第1の分析物結合領域は、ストレプトアビジンを含み得る。
【0072】
前述の実施形態のいずれかにおいて、第1の分析物結合領域は、支持体の表面上にあり得る。そのような実施形態において、シグナル領域は、ナノ粒子上の隣接部位に結合され得る。
【0073】
本開示の実施形態のいずれかにおいて、捕捉オリゴヌクレオチドが、第1のプローブに含まれる場合、捕捉オリゴヌクレオチドは、捕捉オリゴヌクレオチドの安定性若しくは特異性を増加させる、又は分析物についての捕捉オリゴヌクレオチドの親和性を増加させる若しくは減少させる、改変を含むことができる。例として、限定されるものではないが、改変は、LNAヌクレオチド、UNAヌクレオチド、PNAヌクレオチド、2’-O-メチル-RNAヌクレオチド、2’-フルオロリボヌクレオチド、ホスホロチオエート改変、及びそれらの組合せを含むことができる。
【0074】
前述の実施形態のいずれかにおいて、第1のプローブは、1個以上の第1の分析物結合領域をそれぞれ含むことができる。
【0075】
前述の実施形態のいずれかにおいて、第1の分析物結合領域は、1個以上の分析物に結合することができる。
シグナル領域
本開示の前述の実施形態のいずれかにおいて、第1のプローブは、第1の分析物結合領域及びシグナル領域を含むことができる。
【0076】
前述の実施形態のいずれかにおいて、シグナル領域は、複数のサプレッサーと会合している可能性がある。ある特定の態様において、シグナル領域は、サプレッサーに加えて、複数の標識プローブと会合している可能性があり、ここで、サプレッサーは、両方がシグナル領域と会合しているときに、標識プローブの検出を防止する。例として、限定されるものではないが、標識プローブは、フルオロフォアで標識され得、サプレッサーは、サプレッサー及び標識プローブが両方ともシグナル領域と会合しているときに、フルオロフォアからの蛍光シグナルの生成を低減する又は防止する消光剤で標識され得る。あるいは、複数の標識プローブは、1個以上のサプレッサーの除去又は分解後に、シグナル領域と会合している可能性がある。各標識プローブが、一価又は二価の結合様式を介して、例えば、そのそれぞれが独立して又は共同的な方法でシグナル領域と相互作用する1個、2個、又はそれよりも多くの別個の部分を介して、シグナル領域と会合することができることが理解されるべきである。例として、限定されるものではないが、標識オリゴヌクレオチドなどの標識プローブは、シグナル領域のオリゴヌクレオチド構成成分、例えば、第1のプローブオリゴヌクレオチドなどの1個以上の構成成分と、1つ、2つ、又はそれよりも多くの別個の二本鎖相互作用を形成することができる。さらなる例として、限定されるものではないが、1個のサプレッサーの除去は、標識プローブの結合のために必要であり得る。さらなる例として、限定されるものではないが、2個以上のサプレッサーが、標識プローブの結合のために必要であり得る。またさらなる例として、限定されるものではないが、2個以上の隣接サプレッサーが、標識プローブの結合のために必要であり得る。
【0077】
前述の実施形態のいずれかにおいて、第1のプローブは、1個以上のシグナル領域を含むことができる。一部の実施形態において、第1のプローブは、約1~約20個のシグナル領域を含んでいてよい。一部の実施形態において、第1のプローブは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18又は19個のシグナル領域を含んでいてよい。
【0078】
一部の実施形態において、シグナル領域は、アンカーオリゴヌクレオチド及び複数のシグナルオリゴヌクレオチドを含んでいてよく、ここで、各シグナルオリゴヌクレオチドは、アンカーオリゴヌクレオチド上の配列に対して相補的である第1の配列、及びサプレッサーオリゴヌクレオチドの配列に対して相補的である(しかし、アンカーオリゴヌクレオチド上の任意の配列に対して相補的ではない)第2の配列を含む。この方法において、多重のシグナルオリゴヌクレオチド(又はシグナル領域)が、アンカーオリゴヌクレオチドと会合していてよい。一部の実施形態において、アンカーオリゴヌクレオチドは、捕捉オリゴヌクレオチド上の配列であり得る。一部の実例において、アンカーオリゴヌクレオチドは、必要ではなく、シグナルオリゴヌクレオチドは、分析物上の配列に対して相補的である配列を含む。この方法において、多重のシグナル領域(第1のプローブ)が、分析物の単一コピーと直接的に会合していてよい。
【0079】
一部の実施形態において、シグナル領域は、サプレッサーによってブロックされ得る、及びその後、サプレッサーの除去又は分解後に反応され得る、反応性基を含むことができる。例として、限定されるものではないが、反応性基は、アジド、アルキン、ジベンゾシクロオクチン若しくは他のアジド反応性クリックケミストリー部分、トランス-シクロオクテン、テトラジン、メチルテトラジン、チオール又はアミンであり得る。好ましくは、反応性基は、中性pH付近の水溶液中で高い安定性を有する。
【0080】
一部の実施形態において、シグナル領域は、共通配列をそれぞれ含む複数の第1のプローブオリゴヌクレオチドを含むことができる。そのような実施形態において、共通配列は、約10ヌクレオチド~約50ヌクレオチドであり得る。ロックド核酸(LNA)又はペプチド核酸(PNA)などの改変ヌクレオチドが配列に組み込まれる場合、10程度の少ないヌクレオチドが使用され得る。一般に、典型的なヌクレオチド存在量(約25~75%のGC含有量)を有するDNAについて、より小さい実現可能な配列は、一般に、室温及び一般的に使用される緩衝液において、少なくとも15~20ヌクレオチドの長さである。例として、限定されるものではないが、共通配列は、約10ヌクレオチド~約50ヌクレオチド、約14ヌクレオチド~約50ヌクレオチド、約15ヌクレオチド~約50ヌクレオチド、約20ヌクレオチド~約50ヌクレオチド、約30ヌクレオチド~約50ヌクレオチド、約40ヌクレオチド~約50ヌクレオチド、約10ヌクレオチド~約40ヌクレオチド、約10ヌクレオチド~約30ヌクレオチド、約10ヌクレオチド~約25ヌクレオチド、約10ヌクレオチド~約20ヌクレオチド、約14ヌクレオチド~約40ヌクレオチド、約14ヌクレオチド~約25ヌクレオチド、約14ヌクレオチド~約20ヌクレオチド、約15ヌクレオチド~約40ヌクレオチド、約15ヌクレオチド~約30ヌクレオチド、約15ヌクレオチド~約25ヌクレオチド、約15ヌクレオチド~約20ヌクレオチド、約20ヌクレオチド~約40オリゴヌクレオチド、約20ヌクレオチド~約30ヌクレオチド、約20ヌクレオチド~約25ヌクレオチド、約25ヌクレオチド~約40ヌクレオチド、約25ヌクレオチド~約30ヌクレオチド、約30ヌクレオチド~約40ヌクレオチド、約10、14、15、20、25、30、40又は50ヌクレオチドであり得る。例として、限定されるものではないが、シグナル領域は、約1~約50個の第1のプローブオリゴヌクレオチドを含むことができる。さらなる例として、限定されるものではないが、シグナル領域は、好ましくは、20個以下の第1のプローブオリゴヌクレオチドを含む。またさらなる例として、限定されるものではないが、シグナル領域は、約1~約50個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約1~約40個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約1~約30個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約1~約25個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約1~約20個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約1~約15個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約1~約10個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約1~約5個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約2~約50個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約2~約40個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約2~約30個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約2~約25個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約2~約20個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約2~約15個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約2~約10個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約2~約5個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約3~約50個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約3~約40個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約3~約30個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約3~約25個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約3~約20個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約3~約15個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約3~約10個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約3~約5個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約4~約50個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約4~約40個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約4~約30個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約4~約25個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約4~約20個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約4~約15個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約4~約10個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約4~約5個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約5~約50個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約5~約40個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約5~約30個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約5~約25個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約5~約20個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約5~約15個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約5~約10個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約6~約50個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約6~約40個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約6~約30個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約6~約25個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約6~約20個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約6~約15個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約6~約10個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約7~約50個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約7~約40個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約7~約30個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約7~約25個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約7~約20個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約7~約15個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約7~約10個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約8~約50個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約8~約40個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約8~約30個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約8~約25個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約8~約20個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約8~約15個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約8~約10個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約9~約50個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約9~約40個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約9~約30個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約9~約25個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約9~約20個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約9~約15個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約9~約10個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約10~約50個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約10~約40個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約10~約30個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約10~約25個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約10~約20個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約10~約15個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約15~約20個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約20~約50個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約20~約40個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約20~約30個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約20~約25個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約25~約50個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約25~約40個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約25~約30個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約30~約50個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約30~約40個の第1のプローブオリゴヌクレオチド、約40~約40個の第1のプローブヌクレオチド、又は約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、40、50個若しくはそれよりも多くの第1のプローブオリゴヌクレオチドを含むことができる。
【0081】
前述の実施形態のいずれかにおいて、シグナル領域が核酸を含む場合、例えば、例として、限定されるものではないが、シグナル領域が複数の第1のプローブオリゴヌクレオチドを含む場合、シグナル領域は、任意の好適な長さを有することができ、好ましくは、シグナル領域内の任意の連続する核酸分子の長さは、200ヌクレオチド又はそれよりも短い。例として、限定されるものではないが、そのような実施形態において、シグナル領域は、約10~約200ヌクレオチド、約10~約150ヌクレオチド、約10~約100ヌクレオチド、約10~約50ヌクレオチド、約10~約40ヌクレオチド、約10~約30ヌクレオチド、約10~約25ヌクレオチド、約10~約20ヌクレオチド、約20~約200ヌクレオチド、約20~約150ヌクレオチド、約20~約100ヌクレオチド、約20~約50ヌクレオチド、約20~約40ヌクレオチド、約20~約30ヌクレオチド、約20~約25ヌクレオチド、約25~約200ヌクレオチド、約25~約150ヌクレオチド、約25~約100ヌクレオチド、約25~約50ヌクレオチド、約25~約40ヌクレオチド、約25~約30ヌクレオチド、約30~約200ヌクレオチド、約30~約150ヌクレオチド、約30~約100ヌクレオチド、約30~約50ヌクレオチド、約30~約40ヌクレオチド、約40~約200ヌクレオチド、約40~約150ヌクレオチド、約40~約100ヌクレオチド、約40~約50ヌクレオチド、約50~約200ヌクレオチド、約50~約150ヌクレオチド、約50~約100ヌクレオチド、約100~約200ヌクレオチド、約100~約150ヌクレオチド、約150~約200ヌクレオチド、約10、20、25、30、40、50、100、150、200、又はそれよりも長いヌクレオチドであり得る。
【0082】
サプレッサー
前述の実施形態のいずれかにおいて、シグナル領域は、複数のサプレッサーと会合している可能性がある。
【0083】
例として、限定されるものではないが、各サプレッサーは、DNAオリゴヌクレオチド、ロックド核酸(LNA)オリゴヌクレオチド、ペプチド核酸(PNA)オリゴヌクレオチド、RNAオリゴヌクレオチド、シグナル領域上の化学基の反応性を抑制するtert-ブトキシカルボニル(Boc)若しくはフルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)などの化学保護基、エンドヌクレアーゼ切断部位、ペプチド配列、プロテアーゼ切断部位、タンパク質サブユニット、酵素阻害剤、又はBlack Hole Quencher若しくはIowa Black Quencherなどの蛍光消光剤を含むことができる。一部の実施形態において、サプレッサーは、酵素のための基質であり得る嵩高いポリマー置換基であり得る。
【0084】
前述の実施形態のいずれかにおいて、シグナル領域が、共通配列をそれぞれ含む複数の第1のプローブオリゴヌクレオチドを含む場合、サプレッサーは、第1のプローブ相補領域、及び任意選択的に足場(toehold)領域を含むことができるサプレッサーオリゴヌクレオチドをそれぞれ含むことができ、第1のプローブ相補領域は、第1のプローブオリゴヌクレオチドの共通配列に対して相補的である配列を含み、足場領域は、第1のプローブ相補領域からすぐ3’又は5’に位置し、サプレッサーオリゴヌクレオチドが、第1のプローブオリゴヌクレオチドにハイブリダイズされるときに、足場領域が、第1のプローブオリゴヌクレオチドにハイブリダイズしないように、第1のプローブオリゴヌクレオチドにおける共通配列のすぐ3’又は5’にある配列に相補的ではない。そのような実施形態において、第1のプローブ相補領域は、共通配列と同じ長さを有することができる。そのような実施形態において、足場領域は、存在する場合、約1ヌクレオチド~約6ヌクレオチドを含むことができる。例として、限定されるものではないが、足場領域は、約1ヌクレオチド~約6ヌクレオチド、約2ヌクレオチド~約5ヌクレオチド、約2ヌクレオチド~約4ヌクレオチド、約3ヌクレオチド~約6ヌクレオチド、約3ヌクレオチド~約5ヌクレオチド、約3ヌクレオチド~約4ヌクレオチド、約4ヌクレオチド~約6ヌクレオチド、約4ヌクレオチド~約5ヌクレオチド、約5ヌクレオチド~約6ヌクレオチド、約1、2、3、4、5又は6ヌクレオチドを含むことができる。一部の実施形態において、足場の長さ、配列及び/又は結合の自由エネルギーは、その全体が参照により本明細書に組み込まれるZhang及びWinfree、「Control of DNA Strand Displacement Kinetics Using Toehold Exchange」、J.Am.Chem.Soc.131(47):7303~17314頁(2009)によって教示される原理に従って、約1M-1秒-1~約1000M-1秒-1の足場媒介鎖交換の測定速度定数が得られるように選択される。
【0085】
第2のプローブ
本開示の実施形態のいずれかにおいて、第2のプローブは、サプレッサー相互作用領域を介して、間接的に又は直接的に、サプレッサーのうち1個に結合する、それを除去する又はそれを分解することが可能であり得る。例として、限定されるものではないが、第2のプローブは、1個以上のDNAオリゴヌクレオチド、1個以上のRNAオリゴヌクレオチド、1個以上のロックド核酸(LNA)オリゴヌクレオチド、1個以上のペプチド核酸(PNA)オリゴヌクレオチド、1個以上の抗体若しくは抗体断片、1個以上のアプタマー、酵素、ヌクレアーゼ、制限エンドヌクレアーゼ、RNase、RNase H、Cas9ファミリーヌクレアーゼ、プロテアーゼ、トランスフェラーゼ酵素、西洋ワサビペルオキシダーゼ若しくはその突然変異体、又はそれらの組合せを含むことができる。これらの要素のそれぞれが、第2の分析物結合領域若しくはサプレッサー相互作用領域であり得る又はその一部であり得ることが理解されるべきである。
【0086】
ある特定の態様において、第2のプローブは、サプレッサー相互作用領域を介して、直接的に、サプレッサーのうち1個に結合する、それを除去する又はそれを分解することが可能であり得る。例として、限定されるものではないが、サプレッサー相互作用領域は、相補性又は酵素作用を介して、サプレッサーのうち1個に結合する、それを除去する又はそれを分解することが可能であり得る。
【0087】
ある特定の態様において、第2のプローブは、分析物に結合することによって、サプレッサーの除去を完了させることができる第3のプローブのための結合部位を創出することができ、ここで、第3のプローブは、第2のプローブが局所的に高濃度で存在する場合に高い確率で、サプレッサーのみ除去することができる。第3のプローブのための結合部位は、サプレッサー上にある又は第1のプローブそれ自身上にあり得るが、いずれかの場合においても、シグナル領域からのサプレッサーの消失を引き起こす。第3のプローブがシグナル領域に結合する場合において、第3のプローブそれ自身は、標識プローブ又は標識プローブ結合部位を含むことができる。
【0088】
ある特定の態様において、第2のプローブは、第3のプローブとして作用する酵素のための活性部位を創出する様式でサプレッサーに結合することができ、酵素は、次いで、サプレッサーを分解することができる。例として、限定されるものではないが、酵素は、RNase H又は制限エンドヌクレアーゼであり得る。
【0089】
ある特定の態様において、第2のプローブは、第3のプローブとして、サプレッサーを分解又は除去することができる、酵素のための必要な補因子又は補酵素を含むことができる。第2のプローブの近くでの高い局所濃度の補因子又は補酵素の存在は、酵素が、サプレッサーの近くで分解するのを可能にする。例として、限定されるものではないが、補酵素は、NAD+/NADHを可撓性リンカーにテザリングすることができ、次に、Fuら、「Multi-enzyme complexes on DNA scaffolds capable of substrate channeling with an artificial swinging arm」、Nature Nanotech.9:531~536頁(2014)に記載されるものなどの近くの酵素の活性を有効にし得る。
【0090】
本開示の実施形態のいずれかにおいて、第2のプローブの数は、第1のプローブの数よりも過剰であり得る。本開示の実施形態のいずれかにおいて、第2のプローブの数は、分析物と会合している第1のプローブの数よりも多いことがある。
【0091】
第2の分析物結合領域
本開示の実施形態のいずれかにおいて、各第1のプローブの第1の分析物結合領域が、分析物に対する親和性を有する第1の結合パートナーを含む場合、第2の分析物結合領域は、分析物に対する親和性を有する第2の結合パートナーを含むことができ、ここで、サプレッサー相互作用領域は、第2の結合パートナーに連結される。例として、限定されるものではないが、第2の結合パートナーは、抗体若しくはその断片、一本鎖可変断片、ナノボディ、ペプチドアプタマー、核酸アプタマー、低分子、代謝産物、オリゴペプチド配列、ポリペプチド、核酸、又は分析物についての親和性を有する任意の他のリガンドであり得る。
【0092】
前述の実施形態のいずれかにおいて、分析物が核酸であり、第1の分析物結合領域が、分析物の第1の配列に対して相補的である配列を含むことができる第1の捕捉オリゴヌクレオチドを含むことができる場合、第2の分析物結合領域は、分析物の第2の配列に対して相補的である配列を有する検出オリゴヌクレオチドを含むことができる。検出オリゴヌクレオチドの代わりに、第2の分析物結合領域が、検出部分、例えば、例として、限定されるものではないが、DNA若しくはRNA結合タンパク質、触媒的デッドCas9酵素(dCas9)-ガイドRNA複合体、RNA誘導サイレンシング複合体(RISC)、リボヌクレオタンパク質複合体、抗体、アプタマー又はメチル化DNA結合タンパク質ドメイン(MBD)を含むことができることが理解されるべきである。理論に拘束されないが、アプローチの動態学的性質は、突然変異DNA又はRNA配列及び野生型配列などの関連配列の間の区別を容易にする。前述の実施形態のいずれかにおいて、分析物が核酸である場合、第2の分析物結合領域は、1個以上のヌクレオチドによって、又は分析物配列に存在する若しくは存在しないもとは別個の、化学改変、例えば、例として、限定されるものではないが、5-メチルシトシン若しくはN6-メチルアデノシンの存在若しくは非存在によって、分析物と異なる類似の配列に結合するときと比較して、分析物に結合するときに別個の結合又は解離動態を示し得る。例として、限定されるものではないが、第2の分析物結合領域は、分析物配列から、類似の配列からよりもゆっくりと(例えば、約2倍超、約5倍又は約10倍超ゆっくりと)解離し得る。例として、限定されるものではないが、第2の分析物結合領域は、分析物配列から、関連配列からよりも迅速に(例えば、約2倍超、約5倍又は約10倍超迅速に)解離し得る。そのような実施形態において、第2の分析物結合領域は、分析物から、関連配列からとは異なる解離の動態を示すことによって、分析物及び関連配列の間を識別し得、結果として、分析物の存在下で、関連配列の存在下よりも、第1のプローブからのサプレッサー除去の異なる程度を与え得る。そのような実施形態において、分析物の存在は、したがって、サプレッサーの除去後の十分に明るい点の存在又は非存在によって、関連配列の存在から識別され得る。前述の実施形態のいずれかにおいて、第2の分析物結合領域が検出オリゴヌクレオチドを含む場合、検出オリゴヌクレオチドの長さ及び配列は、その両方が、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる、Hayward,S.L.ら「Ultraspecific and Amplification-Free Quantification of Mutant DNA by Single-Molecule Kinetic Fingerprinting」、J.Am.Chem.Soc.140、11755~11762頁(2018)及びJohnson-Buck,A.ら、「A guide to nucleic acid detection by single-molecule kinetic fingerprinting」、Methods 153、3~12頁(2019)における技法のクエリープローブについて概説されるものなどの原理に従って、関連配列と比較して、分析物との結合又は解離の動態の有意な相違を達成するように設計され得る。前述の実施形態のいずれかにおいて、分析物が核酸である場合、第2の分析物結合領域が、検出オリゴヌクレオチドを含む場合に、関連配列に対して相補的であるが関連配列よりも分析物にあまり相補的ではない核酸配列を含む1個以上の競合用プローブは、第2のプローブとのインキュベーションステップの間に添加されて、関連配列への第2の分析物結合領域の結合の程度を低減し得る。そのような競合用プローブの設計及び使用は、例えば、Hayward,S.L.ら 「Ultraspecific and Amplification-Free Quantification of Mutant DNA by Single-Molecule Kinetic Fingerprinting」、J.Am.Chem.Soc.140、11755~11762頁(2018)によって教示されている。
【0093】
サプレッサー相互作用領域
前述の実施形態のいずれかにおいて、サプレッサー相互作用領域は、直接的に又は間接的に、サプレッサーのうち1個以上に結合する、それを除去する又はそれを分解することができる任意の領域であり得る。
【0094】
前述の実施形態のいずれかにおいて、サプレッサーが、第1のプローブ相補領域、及び任意選択的に足場領域を含むことができるサプレッサーオリゴヌクレオチドをそれぞれ含む場合、第2のプローブのサプレッサー相互作用領域は、第1のプローブ相補領域の全部ではないにしても少なくとも一部分に相補的であり、及び存在する場合、サプレッサーオリゴヌクレオチドの足場領域の全部ではないにしても少なくとも一部分に相補的である配列を含むサプレッサー相補領域を含む第2のプローブオリゴヌクレオチドを含むことができる。サプレッサー相補領域のサプレッサーオリゴヌクレオチドに対する相補性に起因して、サプレッサー相互作用領域は、サプレッサーと会合することができ、第1のプローブのシグナル領域からそれを除去することができる。一部の実施形態において、サプレッサー相互作用領域の長さ、配列及び/又はサプレッサーオリゴヌクレオチドへの結合の自由エネルギーは、Zhang及びWinfree、「Control of DNA Strand Displacement Kinetics Using Toehold Exchange」、J.Am.Chem.Soc.131(47):7303~17314頁(2009)によって教示される原理に従って、約1M-1秒-1~約1000M-1秒-1の鎖交換の測定速度定数が得られるように選択される。
【0095】
シグナル領域からのサプレッサーの除去又は分解のメカニズムが、さまざまなメカニズムによって起こり得ることが理解されるべきである。例として、限定されるものではないが、シグナル領域からの1個以上のサプレッサーの除去又は分解のメカニズムは、ワトソン-クリック型塩基対合、非古典的塩基対合、足場媒介鎖交換(TMSD)、足場交換、エンドヌクレアーゼ若しくはエキソヌクレアーゼによる分解若しくは部分的分解、RNA若しくはDNAヘリックス活性、求核置換(酵素的又は非酵素的)、加水分解(酵素的又は非酵素的)、アミノ交換(酵素的又は非酵素的)又はジスルフィド交換(酵素的又は非酵素的)であり得る。
【0096】
本開示は、一般に、第2のプローブが、第2の分析物結合領域及びサプレッサー相互作用領域を含むことができるシステムを開示するが、代替の実施形態において、第1のプローブがアプタマーを含む場合、第2のプローブが、第2の分析物結合領域及びサプレッサー相互作用領域よりもむしろ、第1のプローブ結合領域及びサプレッサー相互作用領域を含むことができることが理解されるべきである。そのような実施形態において、第1のプローブの第1の分析物結合領域への分析物の結合の際に、第1のプローブは、第1のプローブ結合領域のための結合部位を露出又は創出するコンフォメーション変化を受け得る。例として、限定されるものではないが、第1のプローブは、分析物の結合の際に、そのようなコンフォメーション変化を受け得るアプタマーを含むことができる。さらなる例として、限定されるものではないが、第1の分析物結合領域は、アプタマー、例えば、例として、限定されるものではないが、核酸アプタマーを含むことができる。本開示のキット及び方法が、このシステムを組み込むように改変され得ること、並びに分析物への第1のプローブ結合及び分析物への第2のプローブ結合の間の動態学的関係が、例えば、それが分析物に結合しているときに、第1のプローブに対する第1のプローブ結合領域を介して、分析物への第1のプローブ結合及び第1のプローブへの第2のプローブ結合に適用され得ることが理解されるべきである。またさらなる例として、限定されるものではないが、第1のプローブ、例えば、第1の分析物結合領域が、アプタマーを含む場合、アプタマーは、可撓性ループを含むヌクレオチド配列を含むことができ、ここで、アプタマーへの分析物の結合は、ループを開いて、第2のプローブの第1のプローブ結合領域のための結合部位を露出させることができる。本開示のシステム及び方法の第1のプローブ、第2のプローブ及び他の要素に関する開示が、そのような代替の実施形態に適用され得ることが理解されるべきである。
【0097】
またさらなる例として、限定されるものではないが、第1の分析物結合領域は、分析物、例えば、例として、限定されるものではないが、金属イオン、有機低分子、単糖、多糖若しくはオリゴ糖、モノヌクレオチド、ジヌクレオチド、オリゴヌクレオチド若しくはポリヌクレオチド、アミノ酸、ペプチド又はタンパク質の結合の際にコンフォメーションが変化し得るアプタマーを含むことができ、第2のプローブの第1のプローブ結合領域のための結合部位、例として、限定されるものではないが、分析物の結合の際に創出される結合部位に対して相補的であるヌクレオチド配列の創出又は改変をもたらす。相補的プローブによって検出が可能になるようにコンフォメーションが変化し得る例示的なアプタマーに基づくプローブは、その全体が、参照により本明細書に組み込まれるWengら、「Single-Molecule Kinetic Fingerprinting for the Ultrasensitive Detection of Small Molecules with Aptasensors」、Anal.Chem.2019、91、2、1424~1431頁に詳細に記載されている。これらの代替の実施形態のいずれかにおいて、アプタマーは、核酸アプタマーであり得る。
【0098】
第2のプローブが、それが分析物に結合しているときに第1のプローブに結合することができる例示的なシステムは、
図22に表される。
図22のケース1は、第1のプローブ10が、少なくとも1個の分析物16に結合するための第1の分析物結合領域12、及び複数のサプレッサー18と会合しているシグナル領域14を含む、例示的なシステムを表す。第1のプローブ結合領域25及びサプレッサー相互作用領域24を含む第2のプローブ20は、第1の分析物結合領域12からの分析物16の解離と比べて迅速に、第1のプローブ結合領域25を介して、第1のプローブに結合し、直接的に又は間接的に、サプレッサー18のうち1個以上を除去又は分解することができる。この結合は、有意に第2のプローブ20の局所濃度を増加させ、第1のプローブ結合領域を介して結合していない第2のプローブによるサプレッサーの除去又は分解の速度と比べて、第1のプローブ結合領域を介して第1のプローブに結合した第2のプローブによるサプレッサーの除去又は分解の速度を増加させることができる。第1の分析物結合領域と分析物との間よりも、第1のプローブ結合領域25及び第1のプローブ10の間のより一過的な相互作用を有することによって、サプレッサー18の多重のコピーは、第1のプローブへの第2のプローブの多重の連続的な結合事象によって迅速に除去され得、下記で論じられるように、分析物の非存在下よりも強いシグナルをもたらし得る。1個以上のサプレッサー18を除去することによって、結合部位は、サプレッサーが除去された場合に次いで結合することができ、シグナル検出のために次いで使用され得る、標識プローブ30のために露出される。
図22のケース2に示されるように、分析物の非存在下で、第1の分析物結合領域12は、第1のプローブ結合領域25のための十分に形成された結合部位を欠く。結果として、第2のプローブ20の局所濃度が、第1のプローブ結合領域25を介する第1の分析物結合領域へのその結合によって増強されないため、第2のプローブ20によるサプレッサー18の除去は遅く、これにより、低強度のシグナルを生じる遅く非効率的な反応がもたらされる。
【0099】
第1の分析物結合領域が、分析物の結合の際にコンフォメーションを変化させ、第2のプローブが第1のプローブに結合するのを可能にし得るアプタマーを含む、さらなる例示的な実施形態が、
図23に表される。
図23は、低分子分析物(アデノシン)116が、第1の分析物結合領域112内でDNAアプタマー配列(第1の結合パートナー、126)とのその相互作用を介して検出されるシステムを表す。アプタマー126への分析物116の結合は、ワトソン-クリック型塩基対合を介して、第2のプローブ120の第1のプローブ結合領域125のための結合部位を露出させる。第1の分析物結合領域112への第1のプローブ結合領域125の結合の際に、第2のプローブ120は、高い局所濃度で存在し、サプレッサー相補領域124を介した足場媒介鎖交換による、第1のプローブのシグナル領域からのサプレッサー118(第1のプローブ110のシグナル領域111の第1のプローブオリゴヌクレオチド114に対して相補的である第1のプローブ相補領域118aを含む)及び足場領域118b)の効率的な除去をもたらす。第1の分析物結合領域112への第2のプローブ120の結合の一過的な性質に起因して、第2のプローブ120は、第1のプローブ110から迅速に解離する。第2のプローブ120の多重のコピーによるサプレッサー118の逐次的な結合及び除去の後、多重の第1のプローブオリゴヌクレオチド114は、標識プローブ130(オリゴヌクレオチド構成成分132及びシグナル伝達構成成分134を含む)が結合するのに利用可能なる。第1のプローブ110のシグナル領域111への多重の標識プローブ130の結合は、分析物の存在を示す明るいシグナルを生じる。アプタマー及び第1のプローブ結合領域のための結合部位を含む第1の分析物結合領域の配列は、Wengら、「Single-Molecule Kinetic Fingerprinting for the Ultrasensitive Detection of Small Molecules with Aptasensors」、Anal.Chem.2019、91、2、1424~1431頁から得られる。この例示的な実施形態において、シグナル領域及び第1の分析物結合領域は、ストレプトアビジン-ビオチン相互作用によって金ナノ粒子112bに結合され、第1のプローブは、ストレプトアビジン-ビオチン相互作用を介して固体支持体112aに結合される。
【0100】
標識プローブ
本開示の実施形態のいずれかにおいて、標識プローブは、シグナル伝達構成成分を含むことができる。標識プローブは、シグナル領域と会合している可能性があり、ここで、サプレッサーは、標識プローブからのシグナルを防止することができ、又は標識プローブは、1個以上のサプレッサーが除去又は分解されたら、シグナル領域に結合することが可能であり得る。
【0101】
本開示の実施形態のいずれかにおいて、サプレッサーが第1のプローブ相補領域を含む場合、標識プローブは、シグナル伝達構成成分及びオリゴヌクレオチド構成成分を含むことができ、ここで、オリゴヌクレオチド構成成分は、サプレッサーの第1のプローブ相補領域又はそのような配列の一部分と同一の配列を含む。
【0102】
本開示の実施形態のいずれかにおいて、シグナル伝達構成成分は、任意の好適なシグナル伝達構成成分であり得る。例として、限定されるものではないが、シグナル伝達構成成分は、フルオロフォア、蛍光発生化合物、蛍光発生酵素基質、蛍光タンパク質又は化学発光生成酵素であり得る。さらなる例として、限定されるものではないが、シグナル伝達構成成分は、Cy3、Cy5、Cy5.5、Cy7、ATTO 647N、DyLight 550、DyLight 650、Alexa Fluor 488、Alexa Fluor 555及びAlexa Fluor 647からなる群から選択される低分子フルオロフォアであり得る。
【0103】
本開示の実施形態のいずれかにおいて、標識プローブは、親和性捕捉構成成分に対する特異的親和性を有する又はシグナル伝達構成成分の代わりにそのような親和性構成成分を含むことができる親和性構成成分をさらに含むことができる。一部の実施形態において、親和性構成成分及び親和性捕捉構成成分の間の相互作用は、周囲温度で一過的又は不安定であるが、同じシグナル伝達領域上に存在する多重の標識が、同じ表面又は他の物体、例えば、コロイド粒子、ナノ粒子又はタンパク質上の多重の親和性捕捉構成成分に結合する場合、アビディティー効果を介して安定になる。そのような状況下で、標識の多重のコピーを保持するシグナル伝達領域のみが、表面で親和性捕捉構成成分に安定に結合される可能性がある。一部の実施形態において、親和性捕捉構成成分は、顕微鏡スライド、カバースリップ、マルチウェルプレート又はマイクロ流体チップなどのアッセイ表面上に提示される。一部の実施形態において、親和性捕捉構成成分は、マイクロ粒子、コロイド粒子、ビーズ、ナノ構造又は生体部分上に提示される。一部の実施形態において、親和性構成成分は、表面捕捉構成成分の相補配列又は部分的相補配列と相互作用するオリゴヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態において、親和性構成成分及び親和性捕捉構成成分は、3~12塩基対を介して相互作用する。一部の実施形態において、親和性構成成分及び親和性捕捉構成成分は、DNA若しくはRNA二重鎖の平滑末端、付着末端又は同軸スタッキングを介して相互作用する。親和性構成成分/親和性捕捉構成成分系を使用することによって、第1のプローブは、標識プローブがシグナル伝達領域に結合した後に、表面で捕捉され得る。例示的な一実施形態において、多価結合が、多重のサプレッサーが、分析物の存在に起因して除去又は分解された第1のプローブを選択的に捕捉するために使用される(
図24)。ケース1において、少数(例えば、0又は1)のサプレッサー18のみが、分析物の非存在下での第2のプローブと第1のプローブとの非効率的な相互作用に起因して、第1のプローブ10のシグナル領域11から除去され、第1のプローブと会合している少数(例えば、0又は1)の標識プローブ30のみの存在又はアクセス性をもたらした。1個又は複数の標識プローブは親和性構成成分を依然として保持するが、固体支持体12a又は他の構成成分とのそれらの会合は、多価標識相互作用プローブ上に存在する個々の親和性構成成分と個々の親和性捕捉構成成分42との低親和性相互作用によって非効率的になる。結果として、少数の標識を保持する第1のプローブはほとんど又は全く、多価標識相互作用プローブ40と会合しない。対照的に、ケース2は、多重のサプレッサー18が、分析物16の存在に起因して除去又は分解され、第1のプローブ10のシグナル領域11への多くの標識プローブ30の結合をもたらす、第1のプローブ10を表す。結果として、第1のプローブ10は、親和性構成成分の多重のコピーを提示し、多価標識相互作用プローブの親和性捕捉構成成分42との多価相互作用をもたらし、これにより、ケース1と比較して、効率的な、迅速な、又は高親和性の捕捉をもたらす。多価標識相互作用プローブを捕捉のために使用することができるが、第1のプローブと会合している標識プローブへの多価標識相互作用プローブの結合が、本開示に記載されるシグナルの検出を可能にし得るように、シグナル伝達構成成分とも会合させ得ることが理解されるべきである。多価標識相互作用プローブが、溶液又は懸濁液中で行われるシステムの構成成分間の反応を可能にするのに有用であり得ることが理解されるべきである。これは、下記の実施例7においてさらに例示される。再び、上記に暗示されるように、標識プローブは、多価標識相互作用プローブとの相互作用を可能にする追加の配列又は領域を含んでいなければならない。第2のプローブが、サプレッサープローブより過剰、好ましくは、少なくとも2倍過剰であることが、(本明細書に記載される全ての実施形態において重要であるが)多価捕捉の文脈において特に重要である。さらにまた、第2のプローブは、第1のプローブより過剰でなければならず、標識プローブは、第2のプローブより過剰でなければならない。
【0104】
キット
本開示の方法を行うために十分な構成成分を有するキットが、本開示内に包含され、関連する方法を実施するために必要な構成成分を含むことができることが理解されるべきである。
【0105】
一部の実施形態において、試料中の分析物を検出するためのキットであって、複数の第1のプローブを含む第1の構成成分であって、各第1のプローブが、第1の分析物結合領域及びシグナル領域を含み、第1の分析物結合領域が、分析物に対する親和性を有する、第1の構成成分、複数の標識プローブを含む第2の構成成分であって、各標識プローブが、シグナル領域と会合することができる、第2の構成成分、複数のサプレッサーを含む第3の構成成分であって、各サプレッサーが、シグナル領域と会合することができ、サプレッサー及び標識プローブが両者共に、シグナル領域と会合している場合、サプレッサーが、標識プローブの検出を防止する、又はサプレッサーが、標識プローブとシグナル領域との会合を防止する、第3の構成成分、並びに複数の第2のプローブを含む第4の構成成分であって、各第2のプローブが、第2の分析物結合領域及びサプレッサー相互作用領域を含み、第2の分析物結合領域が、分析物に対する親和性を有し、サプレッサー相互作用領域が、間接的に又は直接的に、サプレッサーのうち1個以上に結合する、それを除去する又はそれを分解することができ、分析物への第1の分析物結合領域の相互作用が、第2の分析物結合領域と分析物との間の解離の速度定数よりも遅い解離の速度定数を有する、第4の構成成分を含むキットが提供される。
【0106】
前述のキットのいずれかにおいて、第1の構成成分、第2の構成成分、第3の構成成分及び第4の構成成分は、個々に又は様々な組合せで提供され得る。例として、限定されるものではないが、第1の構成成分及び第3の構成成分は、第1の反応混合物において提供され得る。そのような実施形態において、第2の構成成分及び第4の構成成分は、別々の反応混合物において提供され得、第1の反応混合物の一部ではない。あるいは、第2の構成成分及び第4の構成成分は、第2の反応混合物として提供され得る。さらなる例として、限定されるものではないが、第1の構成成分、第2の構成成分及び第3の構成成分は、第1の反応混合物において提供され得る。そのような実施形態において、第4の構成成分は、第1の反応混合物の一部ではあり得ない。
【0107】
前述のキットの実施形態のいずれかにおいて、キットは、第5の構成成分として又は本明細書に開示されるキットの構成成分の他の反応混合物のいずれかの構成成分として、多価相互作用プローブをさらに含むことができる。
【0108】
本開示のキットの構成成分が、本明細書に記載される構成成分のそれぞれについて記載されるさまざまな代替の配置を含む、本開示の実施形態のいずれかの対応する要素の特徴及び特性を有することができることが理解されるべきである。
【0109】
方法
一部の実施形態において、試料中の分析物を検出するための方法は、(a)試料の少なくとも一部分を、複数の第1のプローブ及び複数のサプレッサーと混合して、第1の反応混合物を形成するステップであって、各第1のプローブが、第1の分析物結合領域及びシグナル領域を含み、第1の分析物結合領域が、分析物に対する親和性を有し、各サプレッサーが、シグナル領域と会合することができ、サプレッサー及び標識プローブが両者共に、シグナル領域と会合している場合、サプレッサーが、標識プローブの検出を防止することができ、又はサプレッサーが、標識プローブとシグナル領域との会合を防止することができ、サプレッサーが、複数の第1のプローブのシグナル領域に結合している、ステップ、(b)分析物が第1の分析物結合領域に結合するのに十分な条件下で、第1の反応混合物をインキュベートするステップ、(c)ステップ(b)の後の第1の反応混合物を複数の第2のプローブと混合して、第2の反応混合物を得るステップであって、各第2のプローブが、第2の分析物結合領域及びサプレッサー相互作用領域を含み、第2の分析物結合領域が、分析物に対する親和性を有し、サプレッサー相互作用領域が、間接的に又は直接的に、サプレッサーのうち1個以上に結合する、それを除去する又はそれを分解することができ、分析物への第1の分析物結合領域の相互作用が、第2の分析物結合領域と分析物との間の解離の速度定数よりも遅い解離の速度定数を有する、ステップ、(d)第2のプローブが、分析物に結合しそれから解離し、複数の第1のプローブのシグナル領域から1個以上のサプレッサーを除去する又は1個以上のサプレッサーを分解するのに十分な条件下で、第2の反応混合物をインキュベートするステップ、(e)ステップ(d)の後の第2の反応混合物を複数の標識プローブと混合して、第3の反応混合物を得るステップであって、各標識プローブが、シグナル領域と会合することができる、ステップ、(f)標識プローブが、ステップ(d)において1個以上のサプレッサーが除去又は分解された第1のプローブのシグナル領域と会合することを可能にするのに十分な条件下で、第3の反応混合物をインキュベートするステップ、並びに(g)第1のプローブのシグナル領域と会合している標識プローブから生成されたシグナルを測定して、試料中の分析物の存在を決定するステップを含むことができる。
【0110】
前述の方法において、ステップ(a)の前に、サプレッサーが、試料に添加される前に複数の第1のプローブのシグナル領域に結合されるように、複数の第1のプローブ及び複数のサプレッサーが、混合され得ることが理解されるべきである。前述の方法において、複数の第1のプローブが、複数のサプレッサー及び/又は標識プローブを添加する前に、分析物が第1の分析物結合領域に結合するのに十分な条件下で、分析物とインキュベートされ得ることも理解されるべきである。複数の標識プローブ及び複数の第2のプローブが、同時に添加され得、別々のステップにおいて添加及びインキュベートされる必要がないこともさらに理解されるべきである。
【0111】
一部の実施形態において、試料中の分析物を検出するための方法は、(a)試料の少なくとも一部分を、複数の第1のプローブと混合して、第1の反応混合物を形成するステップであって、各第1のプローブが、第1の分析物結合領域及びシグナル領域を含み、第1の分析物結合領域が、分析物に対する親和性を有し、各シグナル領域が、複数のサプレッサーと会合しており、各サプレッサーが、シグナル領域と会合することができ、サプレッサー及び標識プローブが両者共に、シグナル領域と会合している場合、サプレッサーが、標識プローブの検出を防止することができ、又はサプレッサーが、標識プローブとシグナル領域との会合を防止することができ、サプレッサーが、複数の第1のプローブのシグナル領域に結合している、ステップ、(b)分析物が第1の分析物結合領域に結合するのに十分な条件下で、第1の反応混合物をインキュベートするステップ、(c)ステップ(b)の後の第1の反応混合物を複数の第2のプローブと混合して、第2の反応混合物を得るステップであって、各第2のプローブが、第2の分析物結合領域及びサプレッサー相互作用領域を含み、第2の分析物結合領域が、分析物に対する親和性を有し、サプレッサー相互作用領域が、間接的に又は直接的に、サプレッサーのうち1個以上に結合する、それを除去する又はそれを分解することができ、分析物への第1の分析物結合領域の相互作用が、第2の分析物結合領域と分析物との間の解離の速度定数よりも遅い解離の速度定数を有する、ステップ、(d)第2のプローブが、分析物に結合しそれから解離し、複数の第1のプローブのシグナル領域から1個以上のサプレッサーを除去する又は1個以上のサプレッサーを分解するのに十分な条件下で、第2の反応混合物をインキュベートするステップ、(e)ステップ(d)の後の第2の反応混合物を複数の標識プローブと混合して、第3の反応混合物を得るステップであって、各標識プローブが、シグナル領域と会合することができる、ステップ、(f)標識プローブが、ステップ(d)において1個以上のサプレッサーが除去又は分解された第1のプローブのシグナル領域と会合することを可能にするのに十分な条件下で、第3の反応混合物をインキュベートするステップ、並びに(g)第1のプローブのシグナル領域と会合している標識プローブから生成されたシグナルを測定して、試料中の分析物の存在を決定するステップを含むことができる。
【0112】
一部の実施形態において、試料中の分析物を検出するための方法は、(a)試料の少なくとも一部分を、複数の第1のプローブと混合して、第1の反応混合物を形成するステップであって、各第1のプローブが、第1の分析物結合領域及びシグナル領域を含み、第1の分析物結合領域が、分析物に対する親和性を有し、各シグナル領域が、複数のサプレッサーを会合しており、各サプレッサーが、シグナル領域と会合することができ、サプレッサー及び標識プローブが両者共に、シグナル領域と会合している場合、サプレッサーが、標識プローブの検出を防止することができ、又はサプレッサーが、標識プローブとシグナル領域との会合を防止することができ、サプレッサーが、複数の第1のプローブのシグナル領域に結合している、ステップ、(b)分析物が第1の分析物結合領域に結合するのに十分な条件下で、第1の反応混合物をインキュベートするステップ、(c)ステップ(b)の後の第1の反応混合物を、複数の第2のプローブ及び複数の標識プローブと混合して、第2の反応混合物を得るステップであって、各第2のプローブが、第2の分析物結合領域及びサプレッサー相互作用領域を含み、第2の分析物結合領域が、分析物に対する親和性を有し、サプレッサー相互作用領域が、間接的に又は直接的に、サプレッサーのうち1個以上に結合し、それを除去する又はそれを分解することができ、分析物への第1の分析物結合領域の相互作用が、第2の分析物結合領域と分析物との間の解離の速度定数よりも遅い解離の速度定数を有し、各標識プローブが、シグナル領域と会合することができる、ステップ、(d)第2のプローブが、分析物に結合しそれから解離し、複数の第1のプローブのシグナル領域から1個以上のサプレッサーを除去する又は1個以上のサプレッサーを分解し、かつ標識プローブが、1個以上のサプレッサーが除去又は分解された第1のプローブのシグナル領域と会合することを可能にするのに十分な条件下で、第2の反応混合物をインキュベートするステップ、並びに(e)第1のプローブのシグナル領域と会合している標識プローブから生成されたシグナルを測定して、試料中の分析物の存在を決定するステップを含むことができる。
【0113】
一部の実施形態において、試料中の分析物を検出するための方法は、(a)試料の少なくとも一部分を、複数の第1のプローブ及び複数の標識プローブと混合して、第1の反応混合物を形成するステップであって、各第1のプローブが、第1の分析物結合領域及びシグナル領域を含み、第1の分析物結合領域が、分析物に対する親和性を有し、各シグナル領域が、複数のサプレッサーを会合しており、各サプレッサーが、シグナル領域と会合することができ、サプレッサー及び標識プローブが両者共に、シグナル領域と会合している場合、サプレッサーが、標識プローブの検出を防止することができ、又はサプレッサーが、標識プローブとシグナル領域との会合を防止することができ、各標識プローブが、シグナル領域と会合することができ、サプレッサー及び標識プローブが、複数の第1のプローブのシグナル領域に結合している、ステップ、(b)分析物が第1の分析物結合領域に結合するのに十分な条件下で、第1の反応混合物をインキュベートするステップ、(c)ステップ(b)の後の第1の反応混合物を、複数の第2のプローブと混合して、第2の反応混合物を得るステップであって、各第2のプローブが、第2の分析物結合領域及びサプレッサー相互作用領域を含み、第2の分析物結合領域が、分析物に対する親和性を有し、サプレッサー相互作用領域が、間接的に又は直接的に、サプレッサーのうち1個以上に結合し、それを除去する又はそれを分解することができ、分析物への第1の分析物結合領域の相互作用が、第2の分析物結合領域と分析物との間の解離の速度定数よりも遅い解離の速度定数を有する、ステップ、(d)第2のプローブが、分析物に結合しそれから解離し、複数の第1のプローブのシグナル領域から1個以上のサプレッサーを除去する又は1個以上のサプレッサーを分解するのに十分な条件下で、第2の反応混合物をインキュベートするステップ、並びに(e)第1のプローブのシグナル領域と会合している標識プローブから生成されたシグナルを測定して、試料中の分析物の存在を決定するステップを含むことができる。そのような実施形態において、標識プローブは、第1の反応混合物のシグナル領域と会合していない可能性があり、ステップ(d)は、標識プローブが1個以上のサプレッサーが除去された第1のプローブのシグナル領域と会合することを可能にするのに十分な条件を含む。あるいは、そのような実施形態において、標識プローブは、第1の反応混合物においてシグナル領域と会合している可能性がある。
【0114】
前述の方法のいずれかにおいて、方法は、標識プローブに会合した第1のプローブを、標識プローブの親和性構成成分に結合することができる親和性捕捉構成成分を含む多価標識相互作用プローブとインキュベートするステップをさらに含むことができ、存在する場合、十分な数の標識プローブによる第1のプローブの捕捉のため又は検出のためのいずれかで、多価標識相互作用プローブは、シグナル伝達成分を含むことができる。
【0115】
前述の方法のいずれかにおいて、第2のプローブの数は、第1のプローブの数より過剰であり得る。
【0116】
前述の方法において、第1のプローブのシグナル領域と会合している標識プローブから生成されたシグナルを測定して、試料中の分析物の存在を決定するステップが、標識プローブの直接的な又は間接的な検出を含むさまざまなメカニズムによって行われ得ることが理解されるべきである。例として、限定されるものではないが、各第1のプローブから除去されたサプレッサーのコピーの数の測定及び/又は定量化は、蛍光顕微鏡法、全反射照明蛍光(TIRF)顕微鏡法、エピ蛍光顕微鏡法、共焦点蛍光顕微鏡法、フローサイトメトリー、化学発光、ゲル電気泳動、サイズ排除クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、カバースリップ、顕微鏡スライド若しくはアッセイプレートの表面への第1のプローブの吸着、結合若しくはコンジュゲーションによって行われ得、前記吸着、結合又はコンジュゲーションは、サプレッサーの除去によって増強又は阻害される。さらなる例として、シグナル領域が、サプレッサーによってブロックされるシグナル領域上の反応性基を含むことができる場合、1個以上のサプレッサーの除去又は分解の際に、反応性基は、対応する反応性基及びフルオロフォアなどのシグナル伝達構成成分を保持する試薬と反応することができる。またさらなる例として、限定されるものではないが、サプレッサー単独の除去は、例えば、第1のプローブの質量又は流体力学半径が、例えば、電気泳動移動度の変化によって測定するのに十分に変化する場合、シグナル領域と会合している標識プローブを必要とすることなく、検出可能なシグナルとして作用することができる。
【0117】
前述の方法のいずれかにおいて、第1のプローブのシグナル領域と会合している標識プローブから生成されたシグナルを測定して、試料中の分析物の存在を決定するステップは、シグナルを測定するのに好適な任意の時間、例えば、例として、限定されるものではないが、約1ミリ秒~約10分であり得る。例として、限定されるものではないが、第1のプローブのシグナル領域と会合している標識プローブから生成されたシグナルを測定して、試料中の分析物の存在を決定するステップは、約1ミリ秒~約10分、約1ミリ秒~約5分、約1ミリ秒~約1分、約1ミリ秒~約30秒、約1ミリ秒~約15秒、約1ミリ秒~約10秒、約1ミリ秒~約10秒、約1ミリ秒~約5秒、約1ミリ秒~約1秒、約1ミリ秒~約500ミリ秒、約1ミリ秒~約400ミリ秒、約1ミリ秒~約300ミリ秒、約1ミリ秒~約200ミリ秒、約1ミリ秒~約100ミリ秒、約1ミリ秒~約50ミリ秒、約1ミリ秒~約30ミリ秒、約1ミリ秒~約20ミリ秒、約1ミリ秒~約10ミリ秒、約10ミリ秒~約10分、約10ミリ秒~約5分、約10ミリ秒~約1分、約10ミリ秒~約30秒、約10ミリ秒~約15秒、約10ミリ秒~約10秒、約10ミリ秒~約10秒、約10ミリ秒~約5秒、約10ミリ秒~約1秒、約10ミリ秒~約500ミリ秒、約10ミリ秒~約400ミリ秒、約10ミリ秒~約300ミリ秒、約10ミリ秒~約200ミリ秒、約10ミリ秒~約100ミリ秒、約10ミリ秒~約50ミリ秒、約10ミリ秒~約30ミリ秒、約10ミリ秒~約20ミリ秒、約20ミリ秒~約10分、約20ミリ秒~約5分、約20ミリ秒~約1分、約20ミリ秒~約30秒、約20ミリ秒~約15秒、約20ミリ秒~約10秒、約20ミリ秒~約10秒、約20ミリ秒~約5秒、約20ミリ秒~約1秒、約20ミリ秒~約500ミリ秒、約20ミリ秒~約400ミリ秒、約20ミリ秒~約300ミリ秒、約20ミリ秒~約200ミリ秒、約20ミリ秒~約100ミリ秒、約20ミリ秒~約50ミリ秒、約20ミリ秒~約30ミリ秒、約30ミリ秒~約10分、約30ミリ秒~約5分、約30ミリ秒~約1分、約30ミリ秒~約30秒、約30ミリ秒~約15秒、約30ミリ秒~約10秒、約30ミリ秒~約10秒、約30ミリ秒~約5秒、約30ミリ秒~約1秒、約30ミリ秒~約500ミリ秒、約30ミリ秒~約400ミリ秒、約30ミリ秒~約300ミリ秒、約30ミリ秒~約200ミリ秒、約30ミリ秒~約100ミリ秒、約30ミリ秒~約50ミリ秒、約50ミリ秒~約10分、約50ミリ秒~約5分、約50ミリ秒~約1分、約50ミリ秒~約30秒、約50ミリ秒~約15秒、約50ミリ秒~約10秒、約50ミリ秒~約10秒、約50ミリ秒~約5秒、約50ミリ秒~約1秒、約50ミリ秒~約500ミリ秒、約50ミリ秒~約400ミリ秒、約50ミリ秒~約300ミリ秒、約50ミリ秒~約200ミリ秒、約50ミリ秒~約100ミリ秒、約100ミリ秒~約10分、約100ミリ秒~約5分、約100ミリ秒~約1分、約100ミリ秒~約30秒、約100ミリ秒~約15秒、約100ミリ秒~約10秒、約100ミリ秒~約10秒、約100ミリ秒~約5秒、約100ミリ秒~約1秒、約100ミリ秒~約500ミリ秒、約100ミリ秒~約400ミリ秒、約100ミリ秒~約300ミリ秒、約100ミリ秒~約200ミリ秒、約200ミリ秒~約10分、約200ミリ秒~約5分、約200ミリ秒~約1分、約200ミリ秒~約30秒、約200ミリ秒~約15秒、約200ミリ秒~約10秒、約200ミリ秒~約10秒、約200ミリ秒~約5秒、約200ミリ秒~約1秒、約200ミリ秒~約500ミリ秒、約200ミリ秒~約400ミリ秒、約200ミリ秒~約300ミリ秒、約300ミリ秒~約10分、約300ミリ秒~約5分、約300ミリ秒~約1分、約300ミリ秒~約30秒、約300ミリ秒~約15秒、約300ミリ秒~約10秒、約300ミリ秒~約10秒、約300ミリ秒~約5秒、約300ミリ秒~約1秒、約300ミリ秒~約500ミリ秒、約300ミリ秒~約400ミリ秒、約400ミリ秒~約10分、約400ミリ秒~約5分、約400ミリ秒~約1分、約400ミリ秒~約30秒、約400ミリ秒~約15秒、約400ミリ秒~約10秒、約400ミリ秒~約10秒、約400ミリ秒~約5秒、約400ミリ秒~約1秒、約400ミリ秒~約500ミリ秒、約500ミリ秒~約10分、約500ミリ秒~約5分、約500ミリ秒~約1分、約500ミリ秒~約30秒、約500ミリ秒~約15秒、約500ミリ秒~約10秒、約500ミリ秒~約10秒、約500ミリ秒~約5秒、約500ミリ秒~約1秒、約1秒~約10分、約1秒~約5分、約1秒~約1分、約1秒~約30秒、約1秒~約15秒、約1秒~約10秒、約1秒~約10秒、約1秒~約5秒、約5秒~約10分、約5秒~約5分、約5秒~約1分、約5秒~約30秒、約5秒~約15秒、約5秒~約10秒、約5秒~約10秒、約10秒~約10分、約10秒~約5分、約10秒~約1分、約10秒~約30秒、約10秒~約15秒、約15秒~約10分、約15秒~約5分、約15秒~約1分、約15秒~約30秒、約30秒~約10分、約30秒~約5分、約30秒~約1分、約1分~約10分、約1分~約5分、約5分~約10分又は約1ミリ秒、10ミリ秒、20ミリ秒、30ミリ秒、50ミリ秒、100ミリ秒、200ミリ秒、300ミリ秒、400ミリ秒、500ミリ秒、1秒、5秒、10秒、15秒、30秒、1分、5分又は10分であり得る。
【0118】
前述の実施形態のいずれかにおいて、分析物の量は、少なくとも1コピー(1.66×10-24モル)であり得る。前述の実施形態のいずれかにおいて、分析物の量は、約1コピー(1.66×10-24モル)~約6×1020コピー(1ミリモル)であり得る。例として、限定されるものではないが、分析物の量は、約1000~100,000,000コピーであり得る。前述の実施形態のいずれかにおいて、分析物の量は、約1アトモル~約100ピコモルであり得る。例として、限定されるものではないが、分析物の量は、約1アトモル~約1フェムトモルであり得る。前述の実施形態のいずれかにおいて、試料中の分析物の濃度は、少なくとも1ゼプトモル濃度、少なくとも1アトモル濃度又は少なくとも1フェムトモル濃度であり得る。例として、限定されるものではないが、試料中の分析物の濃度は、約1アトモル濃度~約1ナノモル濃度であり得る。前述の実施形態のいずれかにおいて、試料中の分析物の濃度は、1ミリリットルあたり少なくとも1フェムトグラム、1ミリリットルあたり少なくとも1ピコグラム又は1ミリリットルあたり少なくとも1ナノグラムであり得る。例として、限定されるものではないが、試料中の分析物の濃度は、1ミリリットルあたり約1フェムトグラム~1ミリリットルあたり約100ナノグラムであり得る。例として、限定されるものではないが、試料中の分析物の濃度は、1ミリリットルあたり約10フェムトグラム~1ミリリットルあたり約1ナノグラムであり得る。
【0119】
前述の方法のいずれかにおいて、十分な条件は、核酸検出について、第1のプローブへの分析物の添加後の全てのステップの間、少なくとも10mM、好ましくは、少なくとも100mMの緩衝液のイオン強度、約5~約9の緩衝液のpH、及び約4℃~約50℃の温度であり得る。アッセイの任意の必須の構成成分(分析物、プローブなど)が、2’-O-メチル、2’-フルオロ又はホスホロチオエート改変なしのRNAヌクレオチドを含む場合、少なくとも1ミリモル濃度若しくは少なくとも10ミリモル濃度の最終濃度、又は混合物中の全ての二価及び三価金属カチオンの合計濃度よりも高い濃度までエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を添加することが好ましいことがある。RNasesが、混合物中に存在することが公知であり、アッセイの意図されるメカニズム(例えば、サプレッサー分解)の一部ではない場合、アッセイにおけるRNA構成成分の望まない分解を阻害するために、十分な濃度のRNase阻害剤を添加することが有利であり得る。前述の方法のいずれかにおいて、条件は、タンパク質について、第1のプローブへの分析物の添加後、約10mM~約500mMの緩衝液のイオン強度、約5~約9の緩衝液のpH、及び約4℃~約50℃の温度であり得る。前述の方法のいずれかにおいて、分析物が第1のプローブの第1の分析物結合領域に結合するステップは、約10分~約24時間行うことが可能であり得る。前述の方法のいずれかにおいて、第2のプローブを第1のプローブ及び分析物を含有する混合物とインキュベートするステップは、約1分~約24時間行うことが可能であり得る。
【0120】
前述の方法のいずれかにおいて、構成成分、例えば、第1のプローブ及び第2のプローブが、本開示の実施形態のいずれかからの特徴及び特性を有することができることが理解されるべきである。本開示は、本明細書に記載されるシステム及びキットの構成成分部分(第1のプローブ、分析物結合領域、シグナル領域、サプレッサー、第2のプローブ、標識プローブ、多価捕捉プローブ、捕捉プローブなど)のさまざまな配置の組合せのそれぞれについて別々の方法を記載しないが、当業者は、過度の実験なく、本明細書に記載されるさまざまな代替の構成成分の配置及び実施形態により本明細書に記載される方法を改変することができることも理解されるべきである。
【実施例】
【0121】
[実施例1] DNA配列の検出
この実施例及びその関連データを
図3~6に表す。
【0122】
ストレプトアビジンコーティング金ナノ粒子(20nmの名目直径、112b)を、ビオチンコーティング顕微鏡カバースリップ(固体支持体、112a)に結合させた。相補的サプレッサーDNAオリゴヌクレオチド118(配列番号3)のための5当量の結合部位(第1のプローブオリゴヌクレオチド、114(配列番号2))を含むビオチン標識化DNAオリゴヌクレオチド111(シグナル領域)(配列番号1)を、1×リン酸緩衝生理食塩水(PBS)緩衝液中の10倍モル過剰の相補的サプレッサーDNAオリゴヌクレオチド118(配列番号3)と混ぜ合わせ、70℃に加熱すること及び次いで5分間室温(およそ22℃)に冷却することによって、熱的にアニールした。各サプレッサーDNAオリゴヌクレオチド118は、第1のプローブ相補領域118a(配列番号4)及びGATを含む5’足場領域118bを含んでいた。ビオチン標識化分析物DNAオリゴヌクレオチド116(配列番号5)を、100倍モル過剰のビオチン標識化DNAオリゴヌクレオチド111(配列番号1)及び相補的サプレッサーDNAオリゴヌクレオチド118(配列番号3)の混合物と混ぜ合わせ、次いでストレプトアビジンコーティング金ナノ粒子を含有するカバースリップ表面に添加して、ビオチン標識化分析物DNAオリゴヌクレオチド116(配列番号5)及びビオチン標識化DNAオリゴヌクレオチド111/サプレッサーDNAオリゴヌクレオチド118複合体を金ナノ粒子に結合させて、第1の分析物結合領域112、この場合においてストレプトアビジンを含む第1のプローブ110を得た。約10個のビオチン化オリゴヌクレオチドのみが、これらの条件下で各金ナノ粒子に結合することができると推定され、よって、およそ10%の金ナノ粒子が、1コピー以上のビオチン標識化分析物DNAオリゴヌクレオチド116を含有すると予想され、大部分が、ビオチン標識化分析物DNAオリゴヌクレオチド116のコピーを含有しないと予想されるが、しかしながら、全てのナノ粒子が、ビオチン標識化DNAオリゴヌクレオチド111及びサプレッサーDNAオリゴヌクレオチド118の約9~10コピーの複合体を含有すると予想される。対応する陰性対照において、ビオチン標識化分析物DNAオリゴヌクレオチド116は除外され、ビオチン標識化DNAオリゴヌクレオチド111/サプレッサーDNAオリゴヌクレオチド118複合体のみが、金ナノ粒子とともにインキュベートされた。20分後、過剰のオリゴヌクレオチド溶液を除去し、表面を4×PBS緩衝液で2回洗浄した。
【0123】
次に、第2のプローブ120(配列番号6)を、4×PBS緩衝液中の25ナノモル濃度(nM)の濃度でカバースリップ表面に添加した。第2のプローブ120は、ビオチン標識化分析物DNAオリゴヌクレオチド116と10個の相補的塩基対を形成する検出オリゴヌクレオチド部分122(配列番号7)、並びに不活性ポリ(デオキシチミジン)リンカー(配列番号8)、及び足場媒介鎖置換(TMSD)によって、ビオチン標識化DNAオリゴヌクレオチド111からサプレッサーオリゴヌクレオチド118を除去することができるサプレッサー相補領域124(配列番号9)を含んでいた。各サプレッサーオリゴヌクレオチド118が、サプレッサーオリゴヌクレオチド118が第1のプローブ110に結合される場合、3個のヌクレオチドのみの足場配列を含有するので、ビオチン標識化分析物DNAオリゴヌクレオチド116も存在する限り(例えば、これは陰性対照実験に存在しない)、サプレッサーオリゴヌクレオチド118の除去は、25nMの第2のプローブ120の存在下で非効率的である。しかしながら、第2のプローブ120がビオチン標識化分析物DNAオリゴヌクレオチド116に結合している場合、3ヌクレオチドの足場は、第2のプローブ120について、TMSDによって近位の第1のプローブ110からサプレッサーオリゴヌクレオチド118の正確に1コピーを迅速に除去するために、十分である。さらにまた、第2のプローブ120が、10塩基対の長さについて、ビオチン標識化分析物DNAオリゴヌクレオチド116とのみ相補的であるので、第2のプローブ120は、25℃のインキュベーション温度でビオチン標識化分析物DNAオリゴヌクレオチド116から迅速に解離し、第2のプローブ120の別のコピーがビオチン標識化分析物DNAオリゴヌクレオチドに結合し、TMSDによってサプレッサーオリゴヌクレオチド118の別のコピーを除去し、解離するのを可能にする。そのような結合の多くのサイクル後、サプレッサーオリゴヌクレオチド118の多くのコピーが、同じナノ粒子(ナノ粒子及びビオチン標識化DNAオリゴヌクレオチド111のうち1個以上のコピーの複合体が、それ自身が第1のプローブ110と考えられ得ることに留意されたい)に付着した1個以上のシグナル領域111から除去された。
【0124】
30~130分(この場合において45分)のインキュベーション期間後、第2のプローブ120の溶液を除去し、10nMの蛍光標識された標識オリゴヌクレオチド130(配列番号10)を含有する新たな溶液を添加した。標識オリゴヌクレオチド130は、シグナル伝達構成成分134、この場合においてCy5フルオロフォア、及びサプレッサーオリゴヌクレオチド118のための結合部位に対して相補的な、したがって、サプレッサーオリゴヌクレオチド118のコピーが除去されたこれらの部位に結合するDNA配列を有するオリゴヌクレオチド構成成分132を含んでいた。室温で10分のインキュベーション期間後、蛍光標識された標識オリゴヌクレオチド130の溶液を除去し、4×PBS中の酸素スカベンジャー系(プロトカテキュ酸ジオキシゲナーゼ、3,4-ジヒドロキシ安息香酸及びトロロクス)を含む溶液を添加した。表面結合ナノ粒子複合体の蛍光強度を、640nmの連続波レーザーからの励起を用いる対物レンズ型全反射照明蛍光(TIRF)顕微鏡及び約500ミリ秒の露出時間を用いる科学的相補型金属酸化膜半導体(sCMOS)カメラを使用する検出によって測定した。
【0125】
図5に示されるように、測定は、ビオチン標識化分析物DNAオリゴヌクレオチド116の存在下(「1:100分析物:カウンター混合物」)の実験について多くの明るい点を明らかにしたがビオチン標識化分析物DNAオリゴヌクレオチド116の非存在下(「0:100分析物:カウンター混合物」)で行われた実験における同じように明るい点の欠如は、単一の第1のプローブ110の部分として単一の金ナノ粒子に結合したビオチン化シグナル領域オリゴヌクレオチド111からのサプレッサーオリゴヌクレオチド118の多くのコピー数の除去が、ビオチン標識化分析物DNAオリゴヌクレオチド116の存在下で、その非存在下よりも効率的であることを示した。
図5における画像のコントラストが、二量体スポットを不可視にするように調整されたことに留意すべきであるが、しかしながら、両画像は、同じコントラスト範囲に調整され、同一の照明及び検出条件下で収集された。さらにまた、試料の高強度のレーザー励起光への曝露の延長は、
図6に示されるように、粒子あたりの光退色ステップの数の分析を可能にし、>10の光退色ステップを示す(蛍光標識された標識オリゴヌクレオチド130の>10コピーの存在、したがって、サプレッサーオリゴヌクレオチド118の>10コピーの除去を示す)粒子は、ビオチン標識化分析物DNAオリゴヌクレオチド116が存在する実験(「1:100分析物:カウンター混合物」)において一般的であるが、ビオチン標識化分析物DNAオリゴヌクレオチド116が除外された陰性対照実験(「0:100分析物:カウンター混合物」)において、まれ又は存在しない。ビオチン標識化分析物DNAオリゴヌクレオチド116の非存在下では、大部分の粒子が、わずか1~5つの光退色ステップを示し、>10の光退色ステップを示さなかった。
【0126】
総合すれば、これらの結果は、第2のプローブ120及びビオチン標識化分析物DNAオリゴヌクレオチド116の相互作用が、ビオチン標識化分析物DNAオリゴヌクレオチド116の非存在下で可能であるよりも高い効率で、第1のプローブ110の各コピーからのサプレッサーオリゴヌクレオチド118ノ数コピーの除去をもたらし、したがって、明るい点の存在を、混合物中のビオチン標識化分析物DNAオリゴヌクレオチド116の存在を推論するために使用することができることを示す。
【0127】
[実施例2] 第2のプローブのインキュベーション時間の効果の評価
別々の実験において、第2のプローブ120を除去し、蛍光標識された標識オリゴヌクレオチド130の添加による処理の前に、第2のプローブ120を、15、30、60又は86分の種々の時間量でロードされたナノ粒子とともにインキュベートさせたことを除いて、実施例1の方法論に従った。分析物あり(+標的)又は分析物なし(-標的)での様々な時点についてのTIRF顕微鏡画像を提供する
図7に示されるように、より長いインキュベーション時間により増加した点の数及び蛍光強度は、より長いインキュベーション時間が、同じ分析物がロードされた粒子へのより多くの第2のプローブ120の結合事象を可能にし、このようにして、より多くのサプレッサーが除去され、個々の第1のプローブからのより強いシグナルを生成するという予想と一致する。
【0128】
図8A~8Bは、異なるインキュベーション時間についての種々の閾値(
図8A)又は30,000任意単位の単一閾値の使用(
図8B)のいずれかによる、
図7における結果の定量化を表す。FOVあたりの許容されるスポット(又は許容されるカウント)は、最小強度閾値を満たす点を含む。この実験における種々の閾値の場合において(
図8A)、閾値を、陰性対照測定における視野(FOV)あたり10よりも少ない許容されるカウントを維持しながら、各実験条件について(すなわち、各インキュベーション時間について)、陽性対照(+標的)測定における許容されるスポットの数及び陰性対照(-標的)測定における許容されるスポットの数の間の相違を最大化するように手作業で選択した。単一の閾値を用いる分析の場合において(
図8B)、最も長いインキュベーション時間(86分)について選択された閾値を、全ての実験条件に適用した。異なる閾値を異なるインキュベーション時間のために使用する場合、分析物あり及びなし(それぞれ、+標的及び-標的)での実験間の類似の区別を、30、60及び86分のインキュベーションを用いる実験について達成することができる。30,000任意単位の単一強度閾値が全てのインキュベーション時間について使用される場合、非常に明るい点の数が、時間経過を通して増加し続けることが明らかである。
【0129】
[実施例3] 種々の分析物濃度の効果の評価
別々の実験において、
図3に示されるもの(この実験についての分析物の配列は、5’-ビオチン-TTTTTTTTTTTTTTTTTTATGTACATCAAG(配列番号17)であった)と類似する標的DNAオリゴヌクレオチド(分析物)を、種々の濃度(10nM、1nM、100pM、10pM、1pM、100フェムトモル濃度(fM)、10fM、1fM又は0fM)で、ストレプトアビジン改変金ナノ粒子でコーティングされた顕微鏡カバースリップに導入し、30分間インキュベートして、ビオチン化標的DNAオリゴヌクレオチド(分析物)の捕捉を可能にした。次いで、サプレッサーオリゴヌクレオチドに結合したシグナル領域を、50nMで導入し、20分間インキュベートして、それを同じナノ粒子に結合させた。次いで、22.5℃で、第2のプローブの存在下、60分のインキュベーションを使用したが、実施例1に記載されるようにして実験を行った。シグナル領域上の露出部位への蛍光標識された標識オリゴヌクレオチドの結合後、明るい点を再び観察し、明るい点の数は、粒子とともにインキュベートされた標的オリゴヌクレオチド(分析物)の濃度に依存した。それぞれ、25,000及び100,000任意単位の最小閾値及び最大閾値の間の蛍光強度を有する粒子の数の定量化を、
図9に示し、標的(分析物)の濃度をこのアプローチを使用して定量化できることを示す。
【0130】
10fM以上の全ての濃度は、陰性対照実験の平均シグナルよりも少なくとも3標準偏差大きい強度閾値(許容されるカウント)を満たす視野あたりの明るい点のカウントを与え、およそ10fMの検出限界を示唆した。これは、わずか12.5秒の測定時間(視野あたり0.5秒×25視野)のみを必要とした。
【0131】
[実施例4] タンパク質の検出
この実施例及びその関連データを
図10~11Cに表す。
【0132】
この実験は、DNAオリゴヌクレオチド検出のために使用された同じアプローチを、タンパク質などの他の種類の生体分子分析物の検出のために適用することができることを実証するために実施した。
【0133】
図10に示されるシステムを、タンパク質分析物PAI-1(プラスミノーゲン活性化因子阻害因子-1)(分析物、116)を検出するために設計された実験において実証した。この実験において、ストレプトアビジンコーティング金ナノ粒子(20nmの名目直径)を、ビオチンコーティング顕微鏡カバースリップに結合させた。次に、第1のプローブ相補領域118a(配列番号4)及び配列GATを有する足場領域118bを含む相補的サプレッサーDNAオリゴヌクレオチド118(配列番号3)のための5当量の結合部位(第1のプローブオリゴヌクレオチド114(配列番号2))を含むビオチン標識化DNAオリゴヌクレオチド(シグナル領域、111)(配列番号1)を、1×PBS緩衝液中の10倍モル過剰のサプレッサーオリゴヌクレオチド118と混ぜ合わせ、70℃に加熱すること及び次いで5分間室温に冷却することによって、熱的にアニールした。PAI-1に対するビオチン標識化捕捉抗体(第1の結合パートナー、126)を、1×PBS中の4倍モル過剰のビオチン標識化DNAオリゴヌクレオチド111/サプレッサーオリゴヌクレオチド118混合物と混ぜ合わせ、次いで、ストレプトアビジンコーティング金ナノ粒子112bを含有するスライド表面112aに添加して、捕捉抗体及びビオチン標識化DNAオリゴヌクレオチド111/サプレッサーオリゴヌクレオチド118複合体を金ナノ粒子112bに、室温で20分間結合させて、第1の分析物結合領域112を含む第1のプローブ110を形成した。溶液を除去し、表面を1×PBSで4回洗浄した。
【0134】
次に、10mg/mLのウシ血清アルブミン(BSA)及び1×PBS中の4ng/mLの濃度の分析物PAI-1 116(Bio-Plex Pro Human Diabetes Standards、P/N 171D70001、Bio-Rad Laboratoriesから調製)を含有する混合物を、表面に添加した。対応する陰性対照において、PAI-1分析物標準混合物を除外し、10mg/mLのBSAの1×PBS中溶液を代わりに添加した。任意の分析物の存在の捕捉を可能にする30分後、溶液を除去し、表面を1×PBSで2回洗浄した。
【0135】
次に、第2のプローブ120を得るためにジベンゾシクロオクチン/アジドクリックケミストリーを使用して、第2のプローブオリゴヌクレオチドに共有結合的にコンジュゲートされたPAI-1(第2の結合パートナー、128)に対するFab(抗体)断片、すなわち、Fab-第2のプローブオリゴヌクレオチドコンジュゲートを、0.1%のTween 20を含有する1×Tris緩衝食塩水(TBS)中24nMの濃度で、表面に添加した。第2のプローブ120が分析物116に結合されている場合、各第2のプローブ120の3ヌクレオチドの足場は、第2のプローブについて、第2のプローブ120が、第1のプローブ110の近傍に局所的に高濃度で存在するので、TMSDによって近位の第1のプローブ110からサプレッサーオリゴヌクレオチド118の1コピーを迅速に除去するために、十分である。さらにまた、Fabが分析物116と一過的にのみ結合するので、第2のプローブ120は、25℃のインキュベーション温度でPAI-1から迅速に解離し、第2のプローブ120の別のコピーがPAI-1の同じコピーに結合し、TMSDによって、サプレッサーオリゴヌクレオチド118の別のコピーを除去し、解離するのを可能にする。そのような結合の多くのサイクル後、サプレッサーオリゴヌクレオチドの多くのコピーが、同じナノ粒子(ナノ粒子及びビオチン標識化DNAオリゴヌクレオチド111の複合体が、それ自身が第1のプローブ110と考えられ得ることに留意されたい)に付着したオリゴヌクレオチド111の1つ以上のコピーを含むシグナル領域から除去された。
【0136】
45分のインキュベーション期間後、第2のプローブ120の溶液を除去し、10nMの蛍光標識された標識プローブ130を含有する新たな溶液を添加した。室温で10分のインキュベーション期間後、蛍光標識された標識プローブの溶液を除去し、4×PBS中の酸素スカベンジャー系(プロトカテキュ酸ジオキシゲナーゼ、3,4-ジヒドロキシ安息香酸及びトロロクス)を含む溶液を添加した。表面結合ナノ粒子複合体の蛍光強度を、640nmの連続波レーザーからの励起を用いる対物レンズ型全反射照明蛍光(TIRF)顕微鏡法及び科学的金属酸化膜半導体(sCMOS)カメラを使用する検出によって測定した。
【0137】
測定は、PAI-1の存在下での実験について多くの明るい点を明らかにしたが、対応する陰性対照において行われた実験でいくつかの同じように明るい点を明らかにし(
図11A~11Bを参照されたい)、第1のプローブ110からのサプレッサーオリゴヌクレオチド118の多くのコピー数の除去が、PAI-1の存在下で、その非存在下よりも効率的であること、並びにPAI-1の存在及び濃度が、取得した画像における明るい点の数(すなわち、対応する陰性対照におけるナノ粒子の大部分よりもそれらを明るくするのに十分な標識を保持するナノ粒子の数)から推論することができることを示した。
図11Bは、25視野からの結果の定量化を提供し、最小及び最大強度閾値を満たす粒子の数が、分析物PAI-1の存在下で、その非存在下よりもはるかに多いことを示す。
【0138】
PAI-1に加えて、別のタンパク質である腫瘍壊死因子アルファ(TNF-アルファ)の検出を、
図10に示されるアプローチを使用して実証した。この場合において、第2のプローブは、トランス-シクロオクテン/テトラジンクリックケミストリーを使用して検出抗体にコンジュゲートされたオリゴヌクレオチドを含んでおり、第1の分析物結合領域(捕捉抗体)及び第2の結合パートナー(検出抗体)は、TNF-アルファに特異的であった。しかしながら、オリゴヌクレオチド配列、金ナノ粒子及びアッセイプロトコールは、PAI-1検出のために使用されたものと同一であった。PAI-1のように、第2のプローブとそれに続く蛍光標識オリゴヌクレオチドとのインキュベーション後、TIRF顕微鏡法は、分析物TNF-アルファの存在下(左)で、その非存在下(右)よりも多数の明るい点を明らかにし(
図11C)、このアプローチを使用して抗原TNF-アルファを検出する能力を示した。
【0139】
[実施例5] 追加システム及び方法の設計
本開示の別の例示的なシステムを
図12に表す。
【0140】
ビオチン改変核酸分析物を検出する代わりに、ビオチン化されていない核酸分析物は、分析物の配列の一部分に対して相補的であり、アッセイのためのシグナル領域の近くの分析物を安定に捕捉する配列を保持するビオチン化捕捉オリゴヌクレオチドを代わりに用いることによって検出することができる。
【0141】
図12に示されるように、第1のプローブオリゴヌクレオチド114を含むビオチン化シグナル領域111を、ビオチン化固体支持体112aに連結されているストレプトアビジンコーティング金ナノ粒子112bに連結することができる。第1の分析物結合領域112(捕捉オリゴヌクレオチド)を含むビオチン化捕捉オリゴヌクレオチドを、ビオチン-ストレプトアビジン相互作用を介して、同じ金ナノ粒子に連結して、第1のプローブ110を形成することができる。捕捉オリゴヌクレオチドは、第2の配列116bを有し得る分析物の少なくとも第1の配列116aに対して相補的である任意の配列を含むことができる。サプレッサーオリゴヌクレオチドは、第1のプローブ相補領域118a及び足場領域118bを含むことができる。その第1の配列116aによって捕捉オリゴヌクレオチド112にハイブリダイズされた分析物の第2の配列116bとハイブリダイズする、検出オリゴヌクレオチド122及びサプレッサー相補領域124を含む第2のプローブ120を添加することができる。次いで、サプレッサー相補領域124は、TMSDによってサプレッサーオリゴヌクレオチド118を除去することができる。1個以上のサプレッサーが除去されると、シグナル伝達構成成分134及びオリゴヌクレオチド構成成分132を含み、第1のプローブオリゴヌクレオチドに対して相補的である、標識130を添加し、1個以上のサプレッサーが除去されて、シグナルを生成するシグナル領域111と会合することができる。Nと称するヌクレオチドが、任意のヌクレオチドであり得、使用される温度及び緩衝液条件で、安定な捕捉のために、捕捉オリゴヌクレオチド及び分析物の間で十分に相補的でなければならないことが理解されるべきである。第2の配列116b及び検出オリゴヌクレオチド122が、検出オリゴヌクレオチド122が、分析物の第2の配列116bに対して相補的であり、第2の配列116bからの検出オリゴヌクレオチド122の解離が、分析物116が捕捉オリゴヌクレオチド112から解離する前に、分析物116の同じコピーへの多重の第2のプローブ120の結合及びそれからの解離を可能にするのに十分に迅速であるという条件で、任意の天然に存在する又は合成の核酸配列を含むことができることも理解されるべきである。
【0142】
図13は、固体支持体及び金ナノ粒子の間、並びに金ナノ粒子及び捕捉オリゴヌクレオチドとシグナル領域両方の間のストレプトアビジン-ビオチン相互作用が、金-チオール相互作用で置き換えられている、類似のシステムを表す。多くの他の共有結合性及び非共有結合性カップリング化学を、システムの他の構成成分の機能に重大な影響なく、ストレプトアビジン-ビオチン又は金-チオール相互作用の代わりに置換することができることが理解されるべきである。
【0143】
図14に示されるように、第1のプローブ110及び第2のプローブ120を含む例示的なタンパク質アッセイシステムは、捕捉抗体(第1の分析物結合領域、112)にコンジュゲートされているカルボン酸改変シリカナノ粒子112b、及びEDC-NHSカップリングを介して第1のプローブオリゴヌクレオチド114を含むアミン改変シグナル領域111を含むことができる。この実施例において、ナノ粒子は、非共有結合性相互作用を介して、表面(固体支持体、112a)に結合することができるが、アッセイ表面に共有結合的にカップリングすることもできる(例えば、アミン改変表面へのEDC-NHSカップリングを介して)。示されるように、分析物116の存在下で、サプレッサー相補領域124、並びに第2の結合パートナー128、例えば、抗体又はその断片を含む第2のプローブ120は、分析物に結合することができ、サプレッサー相補領域を介して、第1のプローブ相補領域118a及び足場領域118bを含むサプレッサーオリゴヌクレオチド118のうち1個以上を除去することができる。その後の検出は、本明細書に記載されるようにして行うことができる。
【0144】
図15に示されるように、例示的なタンパク質アッセイシステムは、第1の分析物結合領域及びシグナル領域を、2個の間の化学量論だけでなく、アッセイ表面から離れて溶液への他の機能的構成成分の突出の制御を用いて、互いに近接して位置させるためにDNAオリガミを使用する。構成成分の溶液への突出は、DNAオリガミ上の1個、2個、又はそれよりも多くの表面テザリングリガンド又は官能基(この実施例ではビオチン)を部位特異的に位置させて、構造が、アッセイ表面に対して特定の配向で固定されるのを確実にする能力によって容易にされる。このシステムにおいて、捕捉抗体126(第1の結合パートナー)及びシグナル領域111は、ハニカム格子構成に基づくDNAオリガミ構造112bに結合し、DNAオリガミ112bは、次に、ストレプトアビジン-ビオチン相互作用を介して、表面112aに結合する。DNAナノテクノロジーの当業者は、当技術分野における通常の技能内で、
図15に示される様式で、シグナル領域オリゴヌクレオチド111、DNA-抗体コンジュゲート及びビオチン基又は他の親和性タグを有するDNAオリガミを部位特異的に装飾することだけでなく、シグナル領域オリゴヌクレオチド及び捕捉プローブ、並びに/又は分析物の多くの他の配置を実現し、多種多様な他の二次元又は三次元構造を有するDNAオリガミを作成することを認識する。上記に記載されるナノ粒子構成とは異なって、相対位置、化学量論及びアッセイ表面に対する位置は全て、このDNAオリガミスキャフォールドを使用して制御することができる。
図15の例において、分析物116は、捕捉抗体126に結合し、捕捉抗体126は、次に、捕捉抗体に付着したオリゴヌクレオチド配列及びDNAオリガミ112bにおいて表面から離れて突出するオリゴヌクレオチド配列の間の相補性によってDNAオリガミにテザリングされる。第2の結合パートナー128及びサプレッサー相補領域124を含む第2のプローブ120は、次いで、分析物に結合し、サプレッサーオリゴヌクレオチド118を第1のプローブ110上のシグナル領域111から除去することができる。Nと称するヌクレオチドが、任意のヌクレオチドであり得、使用される温度及び緩衝液条件で、安定な捕捉のために、捕捉オリゴヌクレオチド112及び捕捉抗体126にコンジュゲートされたオリゴヌクレオチドの間で十分に相補的でなければならないことが理解されるべきである。
【0145】
さらにまた、システムは、中間ナノ粒子の使用なしで構築することができる。例えば、1個以上のシグナル領域は、捕捉プローブ(第1の分析物結合領域)又は分析物に、共有結合的に又は非共有結合的に、直接的に結合してよい。例えば、
図16は、シグナル領域111が捕捉抗体126(第1の分析物結合領域)に直接的にコンジュゲートされ、これが、次に、ビオチン-ストレプトアビジン相互作用を介して、アッセイ表面112aに固定される、第1のプローブ110を含むシステムを図示する。共有結合性化学(例えば、DBCO/アジドクリックケミストリー、NHSエステル/アミン化学)又は非共有結合性化学(例えば、ビオチン-ストレプトアビジン相互作用)を使用するものを含む、生物学的コンジュゲーション化学の分野における当業者に認識される、オリゴヌクレオチド又は他のカウンタープローブを抗体にコンジュゲートするための多くの手段がある。あるいは、表面との相互作用は、シグナル領域それ自身によって、又は分析物によって媒介され得る。核酸分析物の場合において、シグナル領域は、第2のプローブに結合する部位の近位の部位で分析物に直接的にハイブリダイズすることができ、この実例において、シグナル領域は、分析物と安定に相互作用する捕捉オリゴヌクレオチド配列と近接している。
図16の例において、分析物116は、捕捉抗体126に結合することができる。分析物への第2の結合パートナー128及びサプレッサー相補領域124を含む第2のプローブ120の結合の際に、第2のプローブは、シグナル領域111及び足場領域118bの第1のプローブオリゴヌクレオチド114に対して相補的である第1のプローブ相補領域118aをそれぞれ含む、1個以上のサプレッサーオリゴヌクレオチド118を除去することができる。第2のプローブは、TMSDによって1個以上のサプレッサーを除去することができる。
【0146】
アッセイシステムは、核酸を含まないが、代わりにタンパク質、ペプチド、他のバイオポリマー又は他の化学基を含むシグナル領域及び/又はサプレッサーを使用して構築することもできる。生化学及び生物工学の分野における当業者は、多種多様な天然に存在する及び操作された酵素及び酵素基質の両方が存在すること、並びにそれらの基質に対するこれらの酵素の特異性が、多くの場合に、生化学アッセイ又はバイオマーカーアッセイにおいて有用であるのに十分に高いことを認識する。当業者は、ペプチド及び他の有機ポリマーを、部位特異的な様式で、他の構成成分のその後の付着に使用することができるモノマー単位の特異的配列及び/又は部位特異的化学官能基を保持するように操作することができる(例えば、固相合成及び/又は酵素改変のような方法を介して)ことも認識する。したがって、本アプローチの一部の実施形態が、核酸を含まない、第1のプローブ、サプレッサー及び/又は第2のプローブを利用することが期待される。
図17は、酵素がコンジュゲートされた第2のプローブ220、並びに酵素のための基質としての役割を果たすことができ、シグナル領域211の長さに沿って分布する反応性化学基(例えば、N
3)を覆い隠すサプレッサー218として嵩高いポリマー置換基を保持するシグナル領域211を用いるそのような一実施形態の例を図示する。分析物216は、固体支持体221a、この場合においてストレプトアビジン-ビオチン相互作用に結合する、次に、金ナノ粒子212bに結合する第1の結合パートナー226(第1の分析物結合領域)に結合することができる。この実施形態において、第2の結合パートナー228(第2の分析物結合領域)及びサプレッサー相互作用領域(酵素、224)を含む第2のプローブ220の結合は、酵素224をシグナル領域211に近接して位置させ、酵素によるサプレッサー218の分解及び/又は除去を加速させる。サプレッサーが除去されると、1個以上の反応性化学基(この場合においてアジド官能性)が露出する。第2のプローブの結合及び解離の多くのサイクル後、多重のサプレッサーが、分解及び/又は除去され、反応性基の多くのコピーが露出する。反応性基は、次いで、対応する反応性基(標識プローブ、230)(この場合において、銅不含クリックケミストリーのための、ジベンゾシクロオクチン基、DBCO)及び検出可能な標識、例えば、フルオロフォアの両方を保持する試薬と反応し得、カウンタープローブ上の露出した部位への多くの標識の結合をもたらし、強いシグナルを生じる。これらの実施形態では、標識を保持する試薬は、サプレッサーによって覆い隠される部位と相対的に非反応性でなければならず、例えば、標識は、サプレッサーがシグナル領域上の隣接部位に存在する場合に、シグナル領域上の対応する反応性基と反応する反応性基について、立体障害がそれを不可能にする(又は非常に遅くする)嵩高いポリマーを含んでいてよい。各酵素について、解離する前に、限定的な数(例えば、1個又は2個)のサプレッサーをプロセシングすることができることも好ましい。これは、シングルターンオーバー酵素、第2のプローブが標的から解離するよりもゆっくりとそのプロセシングされた基質から解離する酵素、又は酵素によってプロセシングされる際に酵素を不活性化するいわゆる「自殺基質」のいずれかを使用することによって成し遂げられてよい。各第2のプローブの結合事象による制御された限定的なプロセシングを確実にするために、単一の部位特異的プロセシング部位を有するサプレッサー、例えば、特異的プロテアーゼ基質配列を保持するペプチド又はヌクレアーゼ基質配列を保持する核酸を使用することも有益である。
【0147】
除去される多重のサプレッサープローブを有する第1のプローブを感度良く検出するために(例えば、蛍光顕微鏡法によって)安定なアンカリング点としてアッセイ表面を用いることが有益であることが多いが、これは、ここに開示される方法及びシステムのために必要ではない。例えば、第1のプローブからのサプレッサーの喪失、及び/又は第1のプローブへの多重の標識のその後の結合は、溶液又はコロイド懸濁液を生じさせることができ、次いで、ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)、アガロースゲル電気泳動(AGE)、質量分析、フローサイトメトリー、側方流動アッセイ、あるいは多重のサプレッサーの喪失又は多重のサプレッサーの喪失から生じるシグナル若しくは親和性基の獲得に感受性である他の方法などの方法によって検出することができる(
図18)。一部の実施形態において、標識は、電気泳動アッセイにおいて大きな移動度シフトをもたらす高分子量の構成成分を含む。
図18に示されるように、第1のプローブは、分析物116に結合する第1の分析物結合領域として作用することができる捕捉オリゴヌクレオチド112を含むことができる。捕捉オリゴヌクレオチドは足場領域118b及び第1のプローブ相補領域118aを含み得るサプレッサーオリゴヌクレオチド118に対して相補的である第1のプローブオリゴヌクレオチドを有し得るシグナル領域111に連結され得る。第1のプローブに結合した分析物に結合し得る第2のプローブ120を添加する際に、第2のプローブ120は、1個以上のサプレッサー118を除去することができる。いくつかのサプレッサーの除去後、サプレッサーの除去は、非顕微鏡法、例えば、電気泳動、フローサイトメトリー、側方流動アッセイなどによって測定することができる。あるいは、非顕微鏡法、例えば、電気泳動、フローサイトメトリー、側方流動アッセイなどによって、又は第1のプローブを表面に結合させ、蛍光顕微鏡法などの可視化法を介して検出することによって同様に検出され得る、サプレッサー118が除去されたシグナル領域111に結合する標識プローブ130を添加することができる。
【0148】
一部の実施形態において、標識は、サプレッサーの除去後に添加されない。代わりに、第1のプローブそれ自身からの多重のサプレッサーの除去は、分析物が、シグナル領域と会合する、又は会合していたシグナルとしての役割を果たす。例えば、多重のサプレッサーの除去は、質量の変化、及び/又は例えば、電気泳動移動度の変化として検出することができる流体力学半径をもたらす。あるいは、シグナル領域は、例えば、蛍光消光剤を保持する隣接サプレッサーの除去の際に検出可能になる、検出可能な標識(例えば、フルオロフォア)を保持し得る。多重のサプレッサーの除去の際に、カウンタープローブの多重のフルオロフォアは、発光し、明るい蛍光シグナルをもたらす(
図19)。
図19に示されるように、第1のプローブは、結合した標識、この場合ではフルオロフォア(F)を有するシグナル領域311を含むことができるが、サプレッサー318は、サプレッサーが第1のプローブ310のシグナル領域311に結合されると、フルオロフォアの蛍光をブロックする消光剤(Q)を含むことができる。この例において、分析物316は、ストレプトアビジン-ビオチン相互作用によって表面312aに付着することができる金ナノ粒子312b上のストレプトアビジンに結合することができるビオチン化オリゴヌクレオチドであり、サプレッサー318は、第1のプローブ相補領域318a及び足場領域118bを含む。検出オリゴヌクレオチド322(第2の分析物結合領域)及びサプレッサー相補領域324を含む第2のプローブ320は、次いで、分析物316に結合し、この場合ではTMSDによって、サプレッサー318のうち1個以上を除去することができる。1個以上のサプレッサーが除去されると、フルオロフォアからのシグナルは、消光剤がもはやフルオロフォアに近接していないので、検出することができる。
【0149】
当業者は、分析物捕捉の安定性及び/若しくは特異性を増加又は減少させるために、あるいは、ヌクレアーゼ及び他の潜在的に干渉するマトリックス基質に対する耐性を付与するために、捕捉オリゴヌクレオチドに追加することができる多くの改変並びに特性が存在することを認識する。これらの可能性がある改変としては、限定されるものではないが、ロックド核酸(LNA)ヌクレオチド、アンロックド(UNA)ヌクレオチド、ペプチド核酸(PNA)ヌクレオチド、2’-O-メチル-RNAヌクレオチド、2’-フルオロ-RNAヌクレオチド及びホスホロチオエート改変が挙げられる。例えば、オリゴヌクレオチドプローブ中のいくつかのDNAヌクレオチドのLNA残基による置き換えが、分析物とのハイブリダイゼーションの安定性、及び分析物から競合する核酸を取り換えるプローブの能力を増加させることができることが本分野において十分に認識される。
【0150】
さらに、システムは、捕捉プローブ、捕捉抗体及び/又は第1のプローブが、多くの他の種類の共有結合性及び非共有結合性相互作用を介して、互いに直接的に又はナノ粒子に接合され得るので、ビオチン-ストレプトアビジン相互作用を含むことを必要としない。例えば、
図13に示されるシステムは、ナノ粒子を捕捉オリゴヌクレオチド及び1個以上のシグナル領域に、並びにアッセイ表面に結合する、金-チオール相互作用を用いる。
【0151】
[実施例6] ナノ粒子なしのシステム及び方法
アッセイを、ビオチン-PEGコーティングガラスカバースリップ112aの表面上に固定化されたストレプトアビジン結合シグナル領域111を使用して、ビオチン化オリゴヌクレオチド分析物を検出するために設計した(
図20)。このシステムにおいて、ストレプトアビジン112、シグナル領域111及びサプレッサーオリゴヌクレオチド118の複合体は、第1のプローブの役割を果たし、第1の配列116a及び第2の配列116bを含む分析物116は、ストレプトアビジン-ビオチン相互作用によって第1のプローブに結合し、第2のプローブ120は、サプレッサー相補領域124に連結された検出オリゴヌクレオチド122を含む。
【0152】
最初に、相補的サプレッサーDNAオリゴヌクレオチド118のための9当量の結合部位を含むビオチン標識化シグナル領域111を、1×PBS緩衝液中の20倍モル過剰のサプレッサー118と混ぜ合わせ、70℃に加熱すること及び次いで5分間室温に冷却することによって、熱的にアニールした。シグナル領域111及びサプレッサー118の複合体を、次いで、PBS中の1当量(シグナル領域111の濃度に関して)の濃度のストレプトアビジン、及びPBS中の1当量の濃度のビオチン標識化分析物DNAオリゴヌクレオチド116又はブランクPBS緩衝溶液のいずれかと混ぜ合わせた。これらの条件下、大部分のストレプトアビジン分子は、ストレプトアビジン複合体あたり9又は18個のサプレッサー部位に対応するシグナル領域111の1又は2コピーのいずれかに結合すると予想される。10分間インキュベーションした後、試料を、PBS緩衝液中で100pM(ストレプトアビジンに関して)に希釈し、ビオチン-PEGコーティングカバースリップの表面に添加し、10分間インキュベートした。溶液を除去し、第2のプローブ120を、4×PBS中の25ナノモル濃度(nM)の表面に添加し、およそ22℃の温度で30分間インキュベートした。インキュベーション期間後、第2のプローブ120の溶液を除去し、100nMの蛍光標識されたプローブオリゴヌクレオチド130を含有する新たな溶液を添加した。標識プローブ130は、サプレッサー118のための結合部位に対して相補的なDNA配列を含み、したがって、サプレッサー118のコピーが除去されたそれらの部位に結合する。室温で7分のインキュベーション期間後、標識プローブ130の溶液を除去し、4×PBS中の酸素スカベンジャー系(プロトカテキュ酸ジオキシゲナーゼ、3,4-ジヒドロキシ安息香酸及びトロロクス)を含む溶液を添加した。表面結合ストレプトアビジン複合体の蛍光強度を、640nmの連続波レーザーからの励起を用いる対物レンズ型全反射照明蛍光(TIRF)顕微鏡法及び科学的相補型金属酸化膜半導体(sCMOS)カメラを使用する検出によって測定した。測定は、分析物の存在下での実験について多くの明るい点を明らかにしたが、分析物の非存在下で行われた実験で同じように明るい点の欠如を明らかにし(
図21)、単一ストレプトアビジン分子に結合したシグナル領域からのサプレッサーの多くのコピー数の除去が、分析物の存在下で、その非存在下よりも効率的であることを示した。並行して、同じ実験を、混合物中のシグナル領域及びサプレッサーの量を一定に保ちながら、0.1:1及び0.01:1を含む分析物のストレプトアビジンに対する比の減少を使用して行った。より低い分析物の濃度は、分析物の濃度が減少するにつれてより少ない明るい点の数を生じたが、分析物の非存在下よりも多くの明るい点を生じ、本技法が、分析物を定量化するための方法としての役割を果たすことができることを示唆した。
【0153】
当業者は、ストレプトアビジン-ビオチン及び金-チオール相互作用に加えて、さまざまなクリックケミストリー試薬の対(例えば、アジド+アルキン又はトランス-シクロオクテン+テトラジン)、カルボン酸及びアミンの間のEDC-NHSカップリング、チオール-マレイミドカップリング、アミン-NHSエステルカップリング、静電相互作用、核酸二重鎖の同軸スタッキング、水素結合相互作用などを含む、同じカップリングを成し遂げることができる多くの代替が存在することを認識する。
【0154】
[実施例7] 多価捕捉プローブを使用する溶液に基づくアッセイ
図24は、多価標識相互作用プローブを用いることによる、固体支持体に対する第1のプローブのシグナル領域の多価捕捉の使用を記載する。実験を実施して、実施例6に記載されるストレプトアビジン架橋によって接続されたDNA分析物116(DNA標的)及びシグナル領域111を使用するこのアプローチを実証した。しかしながら、実施例6と異なって、サプレッサーオリゴヌクレオチドの除去及び標識プローブの結合を含むインキュベーションステップを、溶液中で行った。これらの実験(
図25、パネルA)における標識プローブは、フルオロフォア(F、例えば、Alexa Fluor 647)、及び多価標識相互作用プローブ(MP)において相補配列と相互作用する5ヌクレオチドモチーフ(CTTGG)を含む親和性構成成分を含んでいた。個々の親和性構成成分とMPの相互作用は、周囲条件(およそ25℃、およそ150~600mMのNa
+)下で安定な複合体を生じるのに十分に強くないが、単一シグナル領域上の多重のLAプローブの存在は、周囲条件下で安定であるMPとの多価相互作用を生じ、蛍光顕微鏡法による検出のために、固体支持体(例えば、ビオチン化、ストレプトアビジン改変ガラスカバースリップ)へのシグナル領域の固定化を可能にした。
【0155】
最初に、ビオチン-PEGコーティングカバースリップを、1mg/mLのストレプトアビジンで10分間コーティングし、1×PBS緩衝液で3回洗浄し、100nMの多価標識相互作用プローブ(MP)で30分間コーティングし、1×PBS緩衝液で3回洗浄した。これにより、シグナル領域の多価捕捉のためのMPでコーティングされた固体支持体を与えた。相補的サプレッサーオリゴヌクレオチド118のための9当量の結合部位を含むビオチン標識化シグナル領域111を、1×PBS緩衝液中の20倍モル過剰のサプレッサー118と混ぜ合わせ、70℃に加熱すること及び次いで5分間室温に冷却することによって、熱的にアニールした。シグナル領域111及びサプレッサー118の複合体を、次いで、PBS中の3倍低い(シグナル領域111の濃度に関して)モル濃度のストレプトアビジンと混ぜ合わせ、10分間インキュベートし、次いで、200pMのビオチン標識化分析物オリゴヌクレオチド116を含有する又は任意のオリゴヌクレオチドを含有しない(ブランク)4×PBS中で1nM(ストレプトアビジンに関して)に希釈した。次に、シグナル領域、サプレッサー、分析物の複合体を含有する溶液又はブランク溶液、及びストレプトアビジンを、4×PBS中の等体積の50nMの第2のプローブ120と混ぜ合わせ、25nMの第2のプローブ、0.5nMのストレプトアビジン複合体及び100又は0nMの分析物オリゴヌクレオチドの濃度を得た。これらの溶液を、およそ25℃で2時間インキュベートした。インキュベーション期間後、各溶液を、1×PBS中の50nMの親和性構成成分(LA)を有する蛍光標識されたプローブオリゴヌクレオチドを含有する等体積の別の溶液と混ぜ合わせた(すなわち、LAは120に対して2倍モル過剰で存在する)。各溶液を、MPでコーティングされたカバースリップが露出した別々のチャンバーに添加し、室温で30分間インキュベートし、光から保護して、LAの多重のコピーを保持する複合体の多価捕捉を可能にした。溶液を除去し、4×PBS中の酸素スカベンジャー系(プロトカテキュ酸ジオキシゲナーゼ、3,4-ジヒドロキシ安息香酸及びトロロクス)を含む溶液によって置き換えた。表面結合ストレプトアビジン複合体の蛍光強度を、640nmの連続波レーザーからの励起を用いる対物レンズ型全反射照明蛍光(TIRF)顕微鏡法及び科学的相補型金属酸化膜半導体(sCMOS)カメラを使用する検出によって測定した。測定は、DNA分析物を含有する反応における多くの明るい点を明らかにしたが、分析物なしのブランクPBS溶液を含有する反応においていくつかの明るい点又は明るい点がないことを明らかにした(
図25、パネルB)。そのため、溶液中で第2のプローブとの反応を行うことによる分析物の検出とそれに続くイメージング表面での多価捕捉は実現可能である。
【0156】
[実施例8] 18個の標識プローブ部位を有する分岐状シグナル領域は、9個の標識プローブ部位を有する線状シグナル領域よりも明るい陽性シグナルを提供する
実験を実施して、線状構造ではなく分岐状核酸構造を含むシグナル領域の有用性を実証した。すなわち、サプレッサーオリゴヌクレオチド結合部位の線形配置の代わりに、第1のプローブは、サプレッサーオリゴヌクレオチド結合部位が構造の異なる分岐の間に分布している核酸の分岐状構造を含み得る。例示的な一実験を、一部の測定において、線状シグナル領域111を、
図26に示されるように分岐状構造Bで置き換えたことを除いて、実施例6と同じように行った。分岐状構造の使用は、サプレッサー部位を比較的近くに、かつ分析物又は分析物結合部位にアクセス可能に保ちながら、各標的(分析物)分子が、複数の第2のプローブとのその相互作用を介して、線状の第1のプローブ(最大で9)の場合におけるよりも多数のサプレッサーオリゴヌクレオチド(最大で18)を除去する機会を提供する。分岐状の第1のプローブBの使用は、分析物オリゴヌクレオチド116の存在下で実施された実験において、線状シグナル領域111(
図26、パネルC)と比較して、蛍光点の平均明るさのおよそ1.5倍の増加(
図26、パネルD)をもたらしたが、ブランク溶液の存在下での点の明るさは十分に増加しなかった。
【0157】
[実施例9] ≧99.99%の特異性での単一ヌクレオチド置換の検出
アッセイを、単一のアデノシン-チミン(AからT)置換を除いて標的配列と同一である非標的配列の存在下で標的DNA配列を検出するために設計した。標的配列T1(配列番号17)は、
図20に開示される分析物116(5’ビオチン-TTTTTTTTTTTTTTTTTTATGTAC
ATCAAG)と同一であり、非標的配列T2は、5’ビオチン-TTTTTTTTTTTTTTTTTTATGTAC
TTCAAG(配列番号35)であり、ここで、単一ヌクレオチド置換の位置は、両配列において、太字及び下線付きで示される。実験を、下記で論じられる相違を除いて実施例6と同じように実施した。
【0158】
標的DNA T1及び非DNA対照条件(ブランク、標的DNAが除外される場合)に加えて、反復測定を行い、ここで、標的DNAは、非標的DNA T2によって置き換えられた。T1及びT2を、それらの個々の試料中で同じ濃度(200ピコモル濃度)で使用し、これらの2オリゴヌクレオチドを含有する試料の測定間の直接比較を可能にした。
【0159】
一部の反復において、T2の一部分に対して完全に相補的であるが、T1の対応する部分との単一ヌクレオチドミスマッチを有するように設計された競合用配列C(5’-CTTGAAGTAC)(配列番号36)を、25ナノモル濃度の第2のプローブ120とのインキュベーションステップの間に、およそ100ナノモル濃度の濃度で添加した。
【0160】
図27に示されるように、蛍光顕微鏡法によって観察された蛍光点の強度のヒストグラムは、予想される結果と一致する:すなわち、T2の存在下又はブランク試料で観察された点よりも非常に(およそ4~10倍)明るかった点の集団が、T1の存在下で観察され、競合因子Cの添加は、T2の存在下で点の平均強度をさらに低減し、その結果、ヒストグラムは、ブランク試料に非常に近く似ていた。この強度の相違は、閾値(
図27における垂直の破線)を使用して、T1の存在下でT1の検出事象として大部分の明るいスポットをカウントしながら(又は許容しながら)、ブランク及びT2データセットにおけるほぼ全てのスポットを除くのに十分に大きかった。競合因子の存在下で、T1の存在下でその強度が閾値を超える点(視野、FOVあたりおよそ5000)のT2の存在下でその強度が閾値を超える点(FFOVあたりおよそ0.3)に対する比は、99.99%超の単一ヌクレオチド選択性を示唆する。
【0161】
[実施例10] シグナル領域が分析物配列への直接ハイブリダイゼーションによって分析物と会合している標的核酸分析物のアッセイ
アッセイを、分析物に直接的にハイブリダイズされたシグナル領域を使用してビオチン化オリゴヌクレオチド分析物を検出するために設計し(
図28)、ここで、シグナル領域及び分析物の複合体は、ストレプトアビジンコーティングガラスカバースリップの表面上に固定化された。最初に、ビオチン-PEGコーティングカバースリップを、1mg/mLのストレプトアビジンとともに10分間インキュベートし、次いで、1×PBSで3回洗浄して、カバースリップをストレプトアビジンでコーティングした。次に、1×PBS中の0~1000フェムトモル濃度(fM)の分析物、10nMの2個のシグナル領域オリゴヌクレオチド配列のそれぞれ(
図28)及び100nMのサプレッサーオリゴヌクレオチド(
図28)を含有する溶液を、70℃に1分間加熱し、次いで室温(約22℃)に10分間置いた。0~1000fMの分析物の溶液を、ストレプトアビジンコーティングカバースリップと接触させて、25℃でおよそ30分間、別々のチャンバー中でインキュベートして、カバースリップ表面での分析物複合体の捕捉を可能にした。次に、分析物溶液を除去し、4×PBS中の25nMの第2のプローブを含有する溶液によって置き換え、カバースリップアセンブリーを、25℃で1時間30分間インキュベートした。第2のプローブ溶液を除去し、4×PBS中の100nMの標識プローブ130を含有する溶液によって置き換え、およそ22℃で5分間インキュベートした。標識プローブ溶液を除去し、4×PBS中の酸素スカベンジャー系(プロトカテキュ酸ジオキシゲナーゼ、3,4-ジヒドロキシ安息香酸及びトロロクス)を含む溶液によって置き換えた。表面結合シグナル領域複合体の蛍光強度を、640nmの連続波レーザーからの励起を用いる対物レンズ型全反射照明蛍光(TIRF)顕微鏡法及び科学的相補型金属酸化膜半導体(sCMOS)カメラを使用する検出によって測定した。ブランクにおいて最小カウントの偽陽性であるが分析物の存在下で最大カウントの真陽性を選択する閾値である、10,000AU~50,000AUの蛍光強度での顕微鏡の視野あたりの点の数を、0~1000fMの分析物の範囲の各条件について定量化した。これらのFOVあたりの強度閾値(許容されるカウント)を通過したスポットの数を、濃度の関数としてプロットした(
図28)。ブランクシグナルに等しい~3標準偏差上回る許容されるカウントの数を与えると予測される濃度として決定されるこのアッセイの検出限界は、2fMであった。そのため、アッセイは、核酸分析物の検出について、少なくとも低フェムトモル濃度の感度を与える。
【0162】
[実施例11] ストレプトアビジンコーティングマイクロ粒子が捕捉表面として使用されるアッセイにおけるビオチン化核酸分析物の検出及び単一ヌクレオチドの区別
アッセイを、非標的オリゴヌクレオチド(非標的)ではなく、ビオチン化標的オリゴヌクレオチド(標的)を検出するために設計し、ここで、標的及び非標的は、単一ヌクレオチド置換によって異なり(
図29における下線付きヌクレオチド)、すなわち、標的及び非標的は、単一ヌクレオチドバリアント又は互いの点突然変異体であり、ここで、標的及び/又は非標的は、顕微鏡カバースリップではなく、ストレプトアビジンコーティングマイクロ粒子の表面で固定化される。アッセイは、実施例10におけるように、同じシグナル領域、サプレッサー及び第2のプローブオリゴヌクレオチドを使用し(
図28)、標的オリゴヌクレオチドは、実施例10における分析物と同じである(
図28)。加えて、競合用オリゴヌクレオチドC(5’-CTTGAAGTAC)(配列番号36)を使用した。最初に、1×PBS中の0~1000フェムトモル濃度(fM)の標的及び/又は非標的、10nMの2個のシグナル領域オリゴヌクレオチド配列のそれぞれ(
図28)及び100nMのサプレッサーオリゴヌクレオチド(
図28)を含有する溶液を、70℃に1分間加熱し、次いで室温(約22℃)に10分間置いた。次に、試料を、DynaBeads MyOne T1磁気ストレプトアビジンコーティングビーズ(マイクロ粒子)の懸濁液に添加して、1時間30分間、ビオチン化オリゴヌクレオチドを、ビーズに結合させた。管を、磁気ラック上において、磁気ビーズをプルダウンし、上清を各管から除去し、ビーズを管に残した。ビーズを、4×PBS中の25nMの第2のプローブを含有する溶液に再懸濁し、25℃で1時間30分間インキュベートした。ビーズを、磁気管ラック上でプルダウンした。第2のプローブ溶液を除去し、ビーズを4×PBS中の100nMの標識プローブ130を含有する溶液に再懸濁し、次いで、およそ22℃で10分間インキュベートした。ビーズを、磁気管ラック上でプルダウンした。標識プローブ溶液を除去し、ビーズを4×PBS中の酸素スカベンジャー系(プロトカテキュ酸ジオキシゲナーゼ、3,4-ジヒドロキシ安息香酸及びトロロクス)を含む溶液に再懸濁した。ビーズの懸濁液を、ビオチン-PEGコーティングカバースリップ上の磁石を介してプルダウンし、これにより、非占有ストレプトアビジン部位を介してビーズを固定化した。表面結合ビーズを、640nmの連続波レーザーからの励起を用いる対物レンズ型薄層斜光照明(HILO)顕微鏡法及び科学的相補型金属酸化膜半導体(sCMOS)カメラを使用する検出によって画像化した。ビーズの各セットも、明視野顕微鏡法を使用して画像化して、蛍光強度から独立して、ビーズの位置を決定した。各ビーズの蛍光強度を、ImageJにおいて20ピクセルのローリングボール半径を使用して任意のバックグラウンド蛍光を減算した後、ビーズ領域全体にわたって蛍光を合計することによって決定し、各視野内の平均ビーズ強度を算出した。
図29に示されるように、蛍光シグナルは、10fM程度の少ない標的を含有する試料において検出可能であったが、10~1000fMの非標的を含有する試料において、バックグラウンドを上回るわずかなシグナルが検出され、又はシグナルは検出されなかった。加えて、10fMの標的は、1000fMの非標的も含有する溶液中で容易に検出可能であった。ブランクシグナルを3標準偏差上回るシグナルを生じると予想される標的の濃度として検出される検出限界は、およそ1fMであった。したがって、低フェムトモル濃度の標的核酸の検出、及び高い特異性で単一ヌクレオチドバリアント又は突然変異体間を識別する能力を、ビーズに基づくアッセイを使用して実証した。
【0163】
[実施例12] 25%の血清中のビオチン化オリゴヌクレオチドの検出
アッセイを、25%の血清中でビオチン化標的オリゴヌクレオチド(分析物)を検出するために設計した。アッセイは、第2のプローブとのインキュベーションを、25%のウマ血清あり又はなしの2×TBS中で行った以外は、実施例6のものと同一であった。ここに
図30を参照して、アッセイは、25%の血清の存在下(+分析物:1198+/-16、ブランク:0.8+/-0.3、エラーバー=1s.d.)及び非存在下(+分析物:1202+/-21、ブランク:0.5+/-0.3、エラーバー=1s.d.)で、20,000AUの閾値を超える明るい蛍光点の統計学的に区別できない数を与え、すなわち、結果は、血清の存在下及び非存在下で1標準偏差以内であり、アッセイが複雑な生物学的マトリックスに対してロバストであることを示した。
【0164】
[実施例13] 天然のEGFR T790M突然変異を持つ標的オリゴヌクレオチドの検出
アッセイを、がんのためのバイオマーカーである天然に存在するEGFR T790M突然変異を含む標的オリゴヌクレオチド分析物を検出するために設計した。アッセイを、
図31に示されるオリゴヌクレオチド配列の異なるセットを用いるが、実施例10に類似する様式で行った。加えて、ビオチン標識を介して標的オリゴヌクレオチド配列を捕捉する代わりに、分析物配列は、いくつかのロックド核酸(LNA)改変(Capにおける下線付きのオリゴヌクレオチド、
図31)を含むビオチン化捕捉オリゴヌクレオチド(Cap)を使用して捕捉される。最初に、ビオチン-PEGコーティングカバースリップを、1mg/mLのストレプトアビジンとともに10分間インキュベートし、次いで、1×PBSで3回洗浄して、カバースリップをストレプトアビジンでコーティングした。ストレプトアビジン改変表面を、1×PBS中の100nMのCapの溶液とともに30分間インキュベートし、それに続いて1×PBS中で3回洗浄することによって、Capでさらにコーティングした。次に、1×PBS中の0又は10pMの分析物(T790M)のいずれか、10nMの2個のシグナル領域オリゴヌクレオチド配列のそれぞれ(実施例10及び
図28を参照されたい)及び100nMのサプレッサーオリゴヌクレオチド(実施例10及び
図28を参照されたい)を含有する溶液を、70℃に1分間加熱し、次いで室温(約22℃)に10分間置いた。0又は10pMの分析物の溶液を、Capコーティングカバースリップと接触させて、25℃でおよそ30分間、別々のチャンバー中でインキュベートして、カバースリップ表面での分析物複合体の捕捉を可能にした。次に、分析物溶液を除去し、4×PBS中の25nMの第2のプローブを含有する溶液によって置き換え、カバースリップアセンブリーを、25℃で1時間30分間インキュベートした。第2のプローブ溶液を除去し、4×PBS中の100nMの標識プローブ(5’-Alexa Fluor 647-AATGGTGTGTGAG-3’)(配列番号38)を含有する溶液によって置き換え、およそ22℃で10分間インキュベートした。標識プローブ溶液を除去し、4×PBS中の酸素スカベンジャー系(プロトカテキュ酸ジオキシゲナーゼ、3,4-ジヒドロキシ安息香酸及びトロロクス)を含む溶液によって置き換えた。表面結合シグナル領域複合体の蛍光強度を、640nmの連続波レーザーからの励起を用いる対物レンズ型全反射照明蛍光(TIRF)顕微鏡法及び科学的相補型金属酸化膜半導体(sCMOS)カメラを使用する検出によって測定した。ここに
図31を参照して、視野あたり数百の明るい点が、10pMの分析物の存在下で目に見えたが、分析物を欠くブランク測定において、明るい点ほとんど又は全く明らかでなかった。したがって、アッセイは、EGFR T790M突然変異を含む配列を検出することができる。
【0165】
[実施例14] 捕捉抗体を含む第1のプローブ並びにストレプトアビジン-ビオチン及び平面によって接合されたシグナル領域を使用する標的タンパク質分析物(抗原)の検出
アッセイを、TNF-アルファに対する親和性を有するビオチン化捕捉抗体、ビオチン化された分岐状シグナル領域、並びに捕捉抗体及びシグナル領域に連結されたビオチン化されたストレプトアビジンコーティング表面を含む第1のプローブを使用して、標的タンパク質分析物(抗原、A)であるTNF-アルファを検出するために設計した(
図32)。第2のプローブは、サプレッサー相補領域を含むDNAオリゴヌクレオチドにコンジュゲートされた検出抗体を含む。最初に、ビオチン-PEGコーティングカバースリップを、1mg/mLのストレプトアビジンとともに10分間インキュベートし、次いで、1×PBSで3回洗浄して、カバースリップをストレプトアビジンでコーティングした。次に、カバースリップを、ビオチン化捕捉抗体のビオチン化シグナル領域に対する1:10、1:100、1:1000又は1:10,000モル比を含有する混合物とともにインキュベートし、各溶液は、およそ100ナノモル濃度のビオチン化捕捉抗体を含む。30分のインキュベーション後、溶液を除去し、表面を1×PBSで3回洗浄した。次に、10mg/mL及び1×PBS中の10又は0ng/mLのTNF-アルファのいずれかを含有する溶液を、表面に添加し、25℃で1時間インキュベートした。これらの溶液を除去し、1×TBS(1×Tris緩衝食塩水、pH8.0)中の25ナノモル濃度の第2のプローブを含有する溶液によって置き換え、湿潤環境下、25℃で1時間30分間インキュベートした。第2のプローブ溶液を除去し、4×PBS緩衝液中の100ナノモル濃度の標識プローブ130を含有する溶液によって置き換え、およそ22℃で10分間インキュベートした。標識プローブ溶液を除去し、4×PBS中の酸素スカベンジャー系(プロトカテキュ酸ジオキシゲナーゼ、3,4-ジヒドロキシ安息香酸及びトロロクス)を含む溶液によって置き換えた。表面結合シグナル領域複合体の蛍光強度を、640nmの連続波レーザーからの励起を用いる対物レンズ型全反射照明蛍光(TIRF)顕微鏡法及び科学的相補型金属酸化膜半導体(sCMOS)カメラを使用する検出によって測定した。数百の明るい点が、TNF-アルファの存在下で行われたアッセイについて各視野内で観察されたが、分析物の非存在下では、同じように明るい点はほとんど又は全く観察されず(
図32)、この第1のプローブ配置を使用して分析物を検出する実現可能性を実証した。
【0166】
したがって、本発明は、挙げられた目的及び利点、並びにそれらに固有であるものを実現するために十分に適応される。多数の変更が当業者によって行われ得るが、そのような変更は、一部分では、添付の特許請求の範囲によって示される本発明の精神内に包含される。
【0167】
本開示の具体的な実施形態の前述の記載は、説明及び記載の目的のために提示された。例示的な実施形態は、本開示の原理及びその実際の適用を最も良く説明し、それによって、当業者が、主題を最も良く利用することを可能にするために選択及び記載され、さまざまな改変を有するさまざまな実施形態は、企図される特定の使用に適している。本開示内のさまざまな実施形態の異なる特性及び開示は、本開示の範囲内で組み合わされてよい。
【0168】
開示される第1のプローブが、1個以上のシグナル領域及び1個以上の第1の分析物結合領域を有することができることが、この開示全体を通して理解されるべきである。例として、限定されるものではないが、ナノ粒子は、多重のシグナル領域及び/又は多重の第1の分析物結合領域に結合され得る。さらにまた、第1の分析物結合領域及びシグナル領域は、共通分子の部分であり得、又は第1の分析物結合領域及び第2の分析物結合領域の両方が分析物と会合している、第2のプローブと第1のプローブに結合したサプレッサーとの会合を可能にするのに十分に近接している別々の分子であり得る。
【0169】
上記に記載及び説明された実施形態は、共有される材料からさまざまなシステムを構築する利便性及び経済性に起因して共通の要素を用いたが、本明細書に記載されるアプローチは、これらの特定の材料を用いる必要はない。
【0170】
【配列表】
【国際調査報告】