(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-14
(54)【発明の名称】アレイ基板及びその製造方法、発光装置、及びタイルドディスプレイ
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20240806BHJP
G09F 9/33 20060101ALI20240806BHJP
G09F 9/40 20060101ALI20240806BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240806BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20240806BHJP
H01L 33/60 20100101ALI20240806BHJP
H01L 33/54 20100101ALI20240806BHJP
H01L 33/62 20100101ALI20240806BHJP
H01L 33/58 20100101ALI20240806BHJP
H01L 33/50 20100101ALI20240806BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20240806BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20240806BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240806BHJP
F21Y 105/10 20160101ALN20240806BHJP
【FI】
G09F9/30 349D
G09F9/33
G09F9/30 309
G09F9/30 348A
G09F9/40 301
G09F9/00 338
G09F9/00 313
H01L33/00 L
H01L33/60
H01L33/54
H01L33/62
H01L33/58
H01L33/50
F21S2/00 482
F21V19/00 170
F21V19/00 150
F21S2/00 484
F21Y115:10
F21Y105:10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561030
(86)(22)【出願日】2022-07-01
(85)【翻訳文提出日】2023-09-29
(86)【国際出願番号】 CN2022103454
(87)【国際公開番号】W WO2023005609
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】202110883921.7
(32)【優先日】2021-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】523374806
【氏名又は名称】合肥京▲東▼方星宇科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】HEFEI BOE PIXEY TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 668 Longzihu Road, Xinzhan District, Hefei, Anhui 230012, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】高 ▲亮▼
(72)【発明者】
【氏名】▲湯▼ ▲海▼
【テーマコード(参考)】
3K013
3K244
5C094
5F142
5G435
【Fターム(参考)】
3K013AA01
3K013BA01
3K013CA05
3K244AA04
3K244BA22
3K244BA31
3K244CA02
3K244DA01
3K244DA17
3K244DA19
3K244FA12
3K244GA02
3K244GA04
3K244HA03
5C094AA03
5C094AA42
5C094BA23
5C094CA19
5C094DA01
5C094DA07
5C094DA12
5C094DA15
5C094DB01
5C094EC10
5C094ED11
5C094FA01
5C094FA02
5C094FB16
5F142AA04
5F142BA32
5F142CA11
5F142CA13
5F142CB14
5F142CB23
5F142CD02
5F142CD44
5F142CE03
5F142CE16
5F142CE32
5F142CG23
5F142DA13
5F142DB16
5F142FA21
5F142GA02
5F142GA11
5G435AA01
5G435AA17
5G435BB04
5G435CC09
5G435EE25
5G435FF06
5G435KK05
5G435KK07
5G435KK10
(57)【要約】
本願はアレイ基板及びその製造方法、発光装置、及びタイルドディスプレイを提供している。アレイ基板は、デバイス区域と、デバイス区域に隣接する周辺区域とを含み、デバイス区域と周辺区域はいずれもベースと、ベースに位置する反射層とを含み、デバイス区域は層間誘電体層と複数のデバイスとをさらに含み、層間誘電体層は少なくともベースと反射層との間に位置する。反射層はベースに垂直な方向に沿う複数の透かし区域を有し、デバイスは透かし区域内に位置し、デバイス区域に位置する反射層の一部のベースへの正投影は、層間誘電体層のベースへの正投影と部分的に重なっており、周辺区域に位置する反射層の一部は周辺区域に位置するベースの一部を被覆し、且つベースの外側輪郭はアレイ基板の周辺区域の外側輪郭と一致する。該アレイ基板の周辺区域は光線を反射でき、それによりアレイ基板に存在する、異なる区域の光学輝度差異が大きいという問題を改善し、アレイ基板で製造されたタイルドディスプレイの表示効果を向上させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アレイ基板であって、
デバイス区域と、
前記デバイス区域に隣接する周辺区域と、を含み、
前記デバイス区域及び前記周辺区域はいずれもベースと、前記ベースに位置する反射層とを含み、
前記デバイス区域は層間誘電体層と複数のデバイスとをさらに含み、前記層間誘電体層が少なくとも前記ベースと前記反射層との間に位置し、前記反射層が前記ベースに垂直な方向に沿う複数の透かし区域を有し、前記デバイスが前記透かし区域内に位置し、
前記デバイス区域に位置する前記反射層の一部の前記ベースへの正投影は前記層間誘電体層の前記ベースへの正投影と部分的に重なっており、前記周辺区域に位置する前記反射層の一部は、前記周辺区域に位置する前記ベースの一部を被覆し、且つ前記ベースの外側輪郭は前記周辺区域の外側輪郭と一致し、
前記デバイスは少なくとも発光デバイスを含むアレイ基板。
【請求項2】
前記反射層は第1サブ反射層と第2サブ反射層とを含み、前記第2サブ反射層は前記第1サブ反射層の前記ベースから離れる側に位置し、前記第1サブ反射層の前記ベースへの正投影は前記デバイス区域及び前記周辺区域に位置し、
前記デバイス区域に位置する前記第1サブ反射層の一部の前記ベースへの正投影は前記層間誘電体層の前記ベースへの正投影と部分的に重なっており、且つ前記第1サブ反射層はさらに前記周辺区域に位置する前記ベースの一部を被覆し、
前記第2サブ反射層の前記ベースへの正投影は前記第1サブ反射層の前記ベースへの正投影内に位置する請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項3】
前記第2サブ反射層の前記ベースへの正投影は前記デバイス区域に位置し、
前記第2サブ反射層の前記ベースへの正投影は前記周辺区域に位置する前記第1サブ反射層の一部の前記ベースへの正投影と互いに重なっていない請求項2に記載のアレイ基板。
【請求項4】
前記第2サブ反射層の前記ベースへの正投影は前記周辺区域及び前記デバイス区域に位置し、
前記周辺区域に位置する前記第2サブ反射層の一部の前記ベースへの正投影は前記周辺区域に位置する前記第1サブ反射層の一部の前記ベースへの正投影と重なっている請求項2に記載のアレイ基板。
【請求項5】
前記第1サブ反射層及び前記第2サブ反射層は、前記ベースに垂直な方向における厚さが同じである請求項2に記載のアレイ基板。
【請求項6】
前記アレイ基板は、前記層間誘電体層に位置し、且つ前記反射層と接続される補助反射部をさらに含む請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項7】
前記補助反射部は第1反射部と第2反射部とを含み、前記第1反射部と前記第2反射部は一体構造であり、
前記透かし区域は、前記層間誘電体層の一部の区域を露出させ、前記第1反射部は、前記ベースへの正投影が前記透かし区域に位置し、且つ前記層間誘電体層と直接接触し、
前記第2反射部は前記反射層の前記ベースから離れる表面に直接接触し、且前記ベースへの正投影が前記反射層の前記ベースへの正投影と重なっている請求項6に記載のアレイ基板。
【請求項8】
前記アレイ基板は前記デバイスに対応する複数の封止部をさらに含み、
前記封止部は、前記ベースへの正投影が前記デバイスの前記ベースへの正投影を被覆し、かつ、前記反射層の前記ベースへの正投影と部分的に重なっている請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項9】
前記アレイ基板の前記デバイス区域は、前記ベースに位置されて順に設置されたバッファ層及び第1導電層をさらに含み、前記層間誘電体層は前記第1導電層の前記ベースから離れる側に位置し、
前記層間誘電体層は、第1絶縁層と、少なくとも前記第1絶縁層と前記反射層との間に位置する第1平坦層とを含む請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項10】
前記アレイ基板の前記デバイス区域は前記バッファ層に位置されて順に積層設置された第2導電層、第2絶縁層、第2平坦層、及び第3絶縁層をさらに含み、前記第3絶縁層は前記第1導電層の前記第1絶縁層から離れる側に位置する請求項9に記載のアレイ基板。
【請求項11】
前記第1導電層は少なくとも1つの第1パッドと少なくとも1つの第2パッドとを含み、前記層間誘電体層は前記ベースに垂直な方向に沿う複数の第1開口部及び複数の第2開口部を有し、前記第1開口部は前記第1パッドが位置する区域を露出し、前記第2開口部は前記第2パッドが位置する区域を露出し、
前記第1パッドは前記第1開口部を介して前記デバイスの第1半田フィレットと電気的に接続され、前記第2パッドは前記第2開口部を介して前記デバイスの第2半田フィレットと電気的に接続される請求項9に記載のアレイ基板。
【請求項12】
前記アレイ基板は複数の支持柱をさらに含み、
前記支持柱は前記反射層の前記ベースから離れる側に位置し、且つ前記ベースへの正投影が前記デバイスの前記ベースへの正投影と重なっていない請求項11に記載のアレイ基板。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1項に記載のアレイ基板を含む発光装置。
【請求項14】
前記発光装置は、順に積層設置された拡散板、量子ドットフィルム、拡散シート、及び複合フィルムをさらに含み、
前記拡散板は前記アレイ基板の光出射側に位置する請求項13に記載の発光装置。
【請求項15】
少なくとも2つの請求項13又は14に記載の発光装置を含むタイルドディスプレイ。
【請求項16】
アレイ基板の製造方法であって、請求項1~12のいずれか1項に記載のアレイ基板を製造することに適用され、前記方法は、
少なくとも1つのデバイス区域と前記デバイス区域に隣接する切断区域とに区画されるマザーベース板を提供するステップと、
前記マザーベース板の前記デバイス区域に層間誘電体層を形成するステップと、
前記マザーベース板の前記デバイス区域及び前記切断区域に反射層を形成するステップであって、前記反射層は前記マザーベース板に垂直な方向に沿う複数の透かし区域を有し、前記層間誘電体層は少なくとも前記マザーベース板と前記反射層との間に位置し、前記デバイス区域に位置する前記反射層の一部の前記マザーベース板への正投影は前記層間誘電体層の前記マザーベース板への正投影と部分的に重なっており、前記切断区域に位置する前記反射層の一部は前記マザーベース板の前記切断区域を被覆するステップと、
前記前記マザーベース板の前記デバイス区域において、透かし区域内に位置する複数のデバイスを結びつけるステップと、
前記マザーベース板の前記デバイスから離れる表面である裏面から、前記切断区域に位置するカットラインに沿って切断して、少なくとも1つの前記アレイ基板を得るステップと、を含むアレイ基板の製造方法。
【請求項17】
前記マザーベース板の裏面からカットラインに沿って切断して、少なくとも1つの前記アレイ基板を得る前記ステップの後、前記方法は、
垂直研削プロセスで前記アレイ基板のエッジを研削するステップをさらに含む請求項16に記載のアレイ基板の製造方法。
【請求項18】
垂直研削プロセスで前記アレイ基板のエッジを研削する前記ステップは、
前記アレイ基板に垂直な方向に、同一面に位置する前記アレイ基板のベースの側面と前記反射層の側面とを同時に研削するステップを含む請求項17に記載のアレイ基板の製造方法。
【請求項19】
前記マザーベース板の前記デバイス区域及び前記切断区域に反射層を形成する前記ステップは、
前記マザーベース板への正投影が前記デバイス区域及び前記切断区域内に位置する第1サブ反射層を形成するステップと、
前記マザーベース板への正投影が前記デバイス区域内に位置する第2サブ反射層を形成するステップと、を含むか、
又は、前記マザーベース板への正投影が前記デバイス区域及び前記切断区域内に位置する第1サブ反射層を形成するステップと、
前記マザーベース板への正投影が前記デバイス区域及び前記切断区域内に位置する第2サブ反射層を形成するステップと、を含む請求項16に記載のアレイ基板の製造方法。
【請求項20】
前記マザーベース板の前記デバイス区域に複数のデバイスを結びつける前記ステップの後、且つ前記マザーベース板の裏面からカットラインに沿って切断して、少なくとも1つの前記アレイ基板を得る前記ステップの前、前記方法は、
前記層間誘電体層に、前記反射層と接続される補助反射部を形成するステップをさらに含む請求項16に記載のアレイ基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2021年07月30日に中国特許庁に提出され、出願番号が202110883921.7であり、名称が「アレイ基板及びその製造方法、発光装置、及びタイルドディスプレイ」である中国特許出願の優先権を主張しており、その全内容は援用により本願に組み込まれる。
【0002】
本願は表示技術分野に関し、特にアレイ基板及びその製造方法、発光装置、及びタイルドディスプレイに関する。
【背景技術】
【0003】
表示技術の急速な発展に伴い、Mini LED(Mini Light Emitting Diode、サブミリメートル発光ダイオード)とMicro LED(Micro Light Emitting Diode、マイクロ発光ダイオード)の表示製品は人々に幅広く注目されている。Micro/mini LED表示製品の利点の一つは、大面積の接合、すなわち複数のアレイ基板を用いた接合を実現することで、超大サイズの表示製品を取得することである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願の実施例は以下の技術的解決手段を用いる。
【0005】
一態様では、アレイ基板を提供し、
デバイス区域と、
前記デバイス区域に隣接する周辺区域と、を含み、
前記デバイス区域と前記周辺区域はいずれもベースと、前記ベースに位置する反射層とを含み、
前記デバイス区域は層間誘電体層と複数のデバイスとをさらに含み、前記層間誘電体層は少なくとも前記ベースと前記反射層との間に位置し、前記反射層は前記ベースに垂直な方向に沿う複数の透かし区域を有し、前記デバイスは前記透かし区域内に位置し、
前記デバイス区域に位置する前記反射層の一部の前記ベースへの正投影は前記層間誘電体層の前記ベースへの正投影と部分的に重なっており、前記周辺区域に位置する前記反射層の一部は、前記周辺区域に位置する前記ベースの一部を被覆し、且つ前記ベースの外側輪郭は前記周辺区域の外側輪郭と一致し、
前記デバイスは少なくとも発光デバイスを含む。
【0006】
本願のいくつかの実施例では、前記反射層は第1サブ反射層と第2サブ反射層とを含み、前記第2サブ反射層は前記第1サブ反射層の前記ベースから離れる側に位置し、前記第1サブ反射層の前記ベースへの正投影は前記デバイス区域及び前記周辺区域に位置し、
前記デバイス区域に位置する前記第1サブ反射層の一部の前記ベースへの正投影は前記層間誘電体層の前記ベースへの正投影と部分的に重なっており、且つ前記第1サブ反射層はさらに前記周辺区域に位置する前記ベースの一部を被覆し、
前記第2サブ反射層の前記ベースへの正投影は前記第1サブ反射層の前記ベースへの正投影内に位置する。
【0007】
本願のいくつかの実施例では、前記第2サブ反射層の前記ベースへの正投影は前記デバイス区域に位置し、
前記第2サブ反射層の前記ベースへの正投影は前記周辺区域に位置する前記第1サブ反射層の一部の前記ベースへの正投影と互いに重なっていない。
【0008】
本願のいくつかの実施例では、前記第2サブ反射層の前記ベースへの正投影は前記周辺区域及び前記デバイス区域に位置し、
前記周辺区域に位置する前記第2サブ反射層の一部の前記ベースへの正投影は前記周辺区域に位置する前記第1サブ反射層の一部の前記ベースへの正投影と重なっている。
【0009】
本願のいくつかの実施例では、前記第1サブ反射層及び前記第2サブ反射層は、前記ベースに垂直な方向における厚さが同じである。
【0010】
本願のいくつかの実施例では、前記アレイ基板は、前記アレイ基板は、前記層間誘電体層に位置し、且つ前記反射層と接続される補助反射部をさらに含む。
【0011】
本願のいくつかの実施例では、前記補助反射部は第1反射部と第2反射部とを含み、前記第1反射部と前記第2反射部は一体構造であり、
前記透かし区域は、前記層間誘電体層の一部の区域を露出させ、前記第1反射部は、前記ベースへの正投影が前記透かし区域に位置し、且つ前記層間誘電体層と直接接触し、
前記第2反射部は前記反射層の前記ベースから離れる表面に直接接触し、且前記ベースへの正投影が前記反射層の前記ベースへの正投影と重なっている。
【0012】
本願のいくつかの実施例では、前記アレイ基板は前記デバイスに対応する複数の封止部をさらに含み、
前記封止部は、前記ベースへの正投影が前記デバイスの前記ベースへの正投影を被覆し、かつ、前記反射層の前記ベースへの正投影と部分的に重なっている。
【0013】
本願のいくつかの実施例では、前記アレイ基板の前記デバイス区域は、前記ベースに位置されて順に設置されたバッファ層及び第1導電層をさらに含み、前記層間誘電体層は前記第1導電層の前記ベースから離れる側に位置し、
前記層間誘電体層は、第1絶縁層と、少なくとも前記第1絶縁層と前記反射層との間に位置する第1平坦層とを含む。
【0014】
本願のいくつかの実施例では、前記アレイ基板の前記デバイス区域は前記バッファ層に位置して順に積層して設置された第2導電層、第2絶縁層、第2平坦層、及び第3絶縁層をさらに含み、前記第3絶縁層は前記第1導電層の前記第1絶縁層から離れる側に位置する。
【0015】
本願のいくつかの実施例では、前記第1導電層は少なくとも1つの第1パッドと少なくとも1つの第2パッドとを含み、前記層間誘電体層は前記ベースに垂直な方向に沿う複数の第1開口部及び複数の第2開口部を有し、前記第1開口部は前記第1パッドが位置する区域を露出し、前記第2開口部は前記第2パッドが位置する区域を露出し、
前記第1パッドは前記第1開口部を介して前記デバイスの第1半田フィレットと電気的に接続され、前記第2パッドは前記第2開口部を介して前記デバイスの第2半田フィレットと電気的に接続される。
【0016】
本願のいくつかの実施例では、前記アレイ基板は複数の支持柱をさらに含み、
前記支持柱は前記反射層の前記ベースから離れる側に位置し、且つ前記ベースへの正投影が前記デバイスの前記ベースへの正投影と重なっていない。
【0017】
本願の実施例は、上記アレイ基板を含む発光装置をさらに提供する。
【0018】
本願のいくつかの実施例では、前記発光装置は、順に積層設置された拡散板、量子ドットフィルム、拡散シート、及び複合フィルムをさらに含み、
前記拡散板は前記アレイ基板の光出射側に位置する。
【0019】
本願の実施例は、少なくとも2つの上記発光装置を含むタイルドディスプレイをさらに提供する。
【0020】
本願の実施例は、上記アレイ基板の製造に適用されるアレイ基板の製造方法をさらに提供し、前記方法は、
少なくとも1つのデバイス区域と前記デバイス区域に隣接する切断区域とに区画されるマザーベース板を提供するステップと、
前記マザーベース板の前記デバイス区域に層間誘電体層を形成するステップと、
前記マザーベース板の前記デバイス区域及び前記切断区域に反射層を形成するステップであって、前記反射層は前記マザーベース板に垂直な方向に沿う複数の透かし区域を有し、前記層間誘電体層は少なくとも前記マザーベース板と前記反射層との間に位置し、前記デバイス区域に位置する前記反射層の一部の前記マザーベース板への正投影は前記層間誘電体層の前記マザーベース板への正投影と部分的に重なっており、前記切断区域に位置する前記反射層の一部は前記マザーベース板の前記切断区域を被覆するステップと、
前記前記マザーベース板の前記デバイス区域において、透かし区域内に位置する複数のデバイスを結びつけるステップと、
前記マザーベース板の前記デバイスから離れる表面である裏面から、前記切断区域に位置するカットラインに沿って切断して、少なくとも1つの前記アレイ基板を得るステップと、を含む。
【0021】
本願のいくつかの実施例では、前記マザーベース板の裏面からカットラインに沿って切断して、少なくとも1つの前記アレイ基板を得る前記ステップの後、前記方法は、
垂直研削プロセスで前記アレイ基板のエッジを研削するステップをさらに含む。
【0022】
本願のいくつかの実施例では、垂直研削プロセスで前記アレイ基板のエッジを研削する前記ステップは、
前記アレイ基板に垂直な方向に、同一面に位置する前記アレイ基板のベースの側面と前記反射層の側面とを同時に研削するステップを含む。
【0023】
本願のいくつかの実施例では、前記マザーベース板の前記デバイス区域及び前記切断区域に反射層を形成する前記ステップは、
前記マザーベース板への正投影が前記デバイス区域及び前記切断区域内に位置する第1サブ反射層を形成するステップと、
前記マザーベース板への正投影が前記デバイス区域内に位置する第2サブ反射層を形成するステップと、を含むか、
又は、前記マザーベース板への正投影が前記デバイス区域及び前記切断区域内に位置する第1サブ反射層を形成するステップと、
前記マザーベース板への正投影が前記デバイス区域及び前記切断区域内に位置する第2サブ反射層を形成するステップと、を含む。
【0024】
本願のいくつかの実施例では、前記マザーベース板の前記デバイス区域に複数のデバイスを結びつける前記ステップの後、且つ前記マザーベース板の裏面からカットラインに沿って切断して、少なくとも1つの前記アレイ基板を得る前記ステップの前、前記方法は、
前記層間誘電体層に、前記反射層と接続される補助反射部を形成するステップをさらに含む。
【0025】
上記説明は本願の技術的解決手段の概略にすぎず、本願の技術手段をより明確に理解するために、明細書の内容に従って実施することができ、且つ本願の上記及び他の目的、特徴及び利点をより明確に理解するために、以下、本願の具体的な実施形態を挙げる。
【0026】
本願の実施例又は関連技術における技術的解決手段を明瞭に説明するために、以下、実施例又は関連技術の説明において使用される必要がある図面を簡単に紹介し、明らかに、以下の説明における図面は本願のいくつかの実施例であり、当業者にとって、創造的な労働を行うことなく、それらの図面に基づき、他の図面を取得することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1a】
図1aは本願実施例により提供される9種のアレイ基板の構造模式図である。
【
図1b】
図1bは本願実施例により提供される9種のアレイ基板の構造模式図である。
【
図2a】
図2aは本願実施例により提供される9種のアレイ基板の構造模式図である。
【
図2b】
図2bは本願実施例により提供される9種のアレイ基板の構造模式図である。
【
図2c】
図2cは本願実施例により提供される9種のアレイ基板の構造模式図である。
【
図2d】
図2dは本願実施例により提供される9種のアレイ基板の構造模式図である。
【
図3】
図3は本願実施例により提供される9種のアレイ基板の構造模式図である。
【
図4】
図4は本願実施例により提供される9種のアレイ基板の構造模式図である。
【
図5】
図5は本願実施例により提供される9種のアレイ基板の構造模式図である。
【
図6】
図6は本願実施例により提供される発光装置の構造模式図である。
【
図7】
図7は本願実施例により提供されるタイルドディスプレイの構造模式図である。
【
図8a】
図8aは本願実施例により提供される関連技術におけるアレイ基板の封止部のかき傷及び反射層のカッターマークの顕微鏡干渉図である。
【
図8b】
図8bは本願実施例により提供される関連技術におけるアレイ基板の反射層のカッターマークの顕微鏡図である。
【
図8c】
図8cは本願実施例により提供される切断カッターホイールの構造模式図である。
【
図8d】
図8dは本願実施例により提供されるカッターホイール正面切断プロセスの模式図である。
【
図9】
図9は本願実施例により提供されるアレイ基板の製造方法フローチャートである。
【
図10】
図10は本願実施例により提供されるアレイ基板のマザー板の構造模式図である。
【
図11】
図11は本願実施例により提供される別のアレイ基板のマザー板の構造模式図である。
【
図12a】
図12aは本願実施例により提供される3つの裏面切断プロセスの模式図である。
【
図13a】
図13aは本願実施例により提供される3つの裏面切断プロセスの模式図である。
【
図14】
図14は本願実施例により提供される3つの裏面切断プロセスの模式図である。
【
図15a】
図15aは本願実施例により提供される関連技術におけるアレイ基板の研削プロセスの模式図である。
【
図15b】
図15bは
図15aの研削プロセスで製造されたアレイ基板の研削区域の2種の構造模式図である。
【
図15c】
図15cは
図15aの研削プロセスで製造されたアレイ基板の研削区域の2種の構造模式図である。
【
図16】
図16は本願実施例により提供されるアレイ基板の研削プロセスの模式図である。
【
図17a】
図17aは本願実施例により提供される関連技術におけるタイルドディスプレイの構造模式図である。
【
図17b】
図17bは本願実施例により提供されるタイルドディスプレイの構造模式図である。
【
図18】
図18は本願実施例により提供される真空チャックの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本願の実施例における図面を組み合わせて、本願の実施例における技術的解決手段を明瞭且つ完全に説明し、明らかに、説明される実施例は単に本願の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではない。本願における実施例に基づき、当業者は創造的な労働を行うことなく取得したすべての他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0029】
文脈上別段の要求がない限り、明細書及び特許請求の範囲全体では、「含む」という用語は、開放かつ包括的な意味、すなわち「含むがそれらに制限されない」と解釈される。明細書の説明では、「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例示的な実施例」、「例」、「特定の例」又は「いくつかの例」等の用語は該実施例又は例に関連する特定の特徴、構造、材料又は特性が本開示の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを表すことを目的とする。上記用語の概略表現は必ずしも同一の実施例又は例を指すことではない。また、前記特定の特徴、構造、材料又は特徴はいかなる適切な方式で任意の1つ又は複数の実施例又は例に含まれてもよい。
【0030】
本願の実施例では、特に説明しない限り、「複数」の意味は2つ又は2つ以上であり、用語「上」等で示される方位又は位置関係は、図面に示される方位又は位置関係に基づくものであり、本願の説明及び説明の簡略化のために過ぎず、示される構造又は素子は特定の方位を有したり、特定の方位で構成や操作されたりすることを指示又は示唆するものではなく、従って、本願に対する制限として理解することはできない。
【0031】
本願の実施例の技術的解決手段を明瞭に説明するために、「第1」、「第2」等のような用語は基本的に同じ機能及び目的を有している同じ項目又は類似した項目同士を区別するために本願の実施例で使用される。当業者であれば、「第1」、「第2」等のような用語は数量を限定しないことを理解することができる。
【0032】
本明細書は理想化された例示的な図面とする断面図及び/又は上面図を参照して例示的な実施形態を説明する。図面において、明瞭の便宜上、層及び区域の厚さを増加させる。従って、例えば、製造技術及び/又は公差による図面に対する形状の変化が考慮される。従って、例示的な実施形態は本文に示される区域の形状に制限されるものとして解釈されるべきではなく、例えば製造による形状の偏差を含む。例えば、長方形として示されるエッチング区域は、通常、湾曲した特徴を持っている。従って、図面において示される区域は本質的に概略的なものであり、且つそれらの形状は機器の区域の実際の形状を示すことを意図したものではなく、且つ例示的な実施形態の範囲を制限することを意図したものではない。
【0033】
本願の実施例はアレイ基板を提供し、
図1a又は
図2aに示すように、
デバイス区域Aと、
図2dに示すように、デバイス区域Aに隣接する周辺区域Bとを含み、デバイス区域Aと周辺区域Bはいずれもベース1と、ベース1に位置する反射層20とを含み、
デバイス区域Aは層間誘電体層30と複数のデバイス12とをさらに含み、層間誘電体層30は少なくともベース1と反射層20との間に位置し、反射層20はベース1に垂直な方向に沿う複数の透かし区域Lを有し、デバイス12は透かし区域L内に位置し、
デバイス区域Aに位置する反射層20の一部のベースへの正投影は層間誘電体層30のベースへの正投影と部分的に重なっており、周辺区域Bに位置する反射層20の一部は周辺区域Bに位置するベース1の一部を被覆し、且つベース1の外側輪郭はアレイ基板の周辺区域Bの外側輪郭と一致する。
【0034】
アレイ基板におけるデバイス区域Aにはアレイ状に配置された複数種デバイス12が設置され、デバイス12は少なくとも発光デバイスを含み、且つセンサデバイス、コンパクト駆動チップ又は他のタイプのデバイスのうちのいずれか1つをさらに含んでもよく、理解できるように、異なるタイプのデバイスの数は異なり、又は、異なるタイプのデバイスのアレイ状に配置された密度は異なる。
【0035】
周辺区域Bはデバイス区域Aとアレイ基板の境界との間の区域であり、実際の生産過程において、各アレイ基板はマザー板により切断して形成され、すなわち周辺区域Bのサイズは実際の切断プロセスに基づいて決定することができる。
【0036】
説明する必要がある点として、周辺区域Bの幅はアレイ基板の境界とデバイス区域Aとの間の間隔であり、周辺区域Bの各箇所の幅の値範囲は0.2mm~2mmであり、例えば、0.2mm、1mm、1.2mm、1.5mm又は2mmであってもよい。
【0037】
アレイ基板では、
図1a又は
図2aに示すように、バインディング区域を考慮しない場合、周辺区域B以外の区域はデバイス区域Aである。
【0038】
アレイ基板の境界に最も近いデバイス12のいずれか1つは、ベース1が位置する平面に平行な方向において、ベースへの正投影の幾何中心から、アレイ基板のエッジ(周辺区域Bの外側輪郭)までの距離範囲は1mm~5mmであり、例えば、その距離は、1mm、1.2mm、1.5mm、2mm、3mm、4mm、5mmであってもよい。
【0039】
例示的に、
図2dに示すように、アレイ基板における、左上隅に位置するデバイス12のベースへの正投影の幾何中心と、アレイ基板のエッジとの間のX方向における距離は4mmであり、デバイス区域Aの外側輪郭と、周辺区域Bの外側輪郭との間のX方向における距離は0.7mmであり、アレイ基板における、左上隅に位置するデバイス12のベースへの正投影の幾何中心と、アレイ基板のエッジとの間のY方向における距離は2mm又は3mmであり、デバイス区域Aの外側輪郭と、周辺区域Bの外側輪郭との間のY方向における距離は0.7mmである。すなわち、アレイ基板におけるあらゆるデバイスはいずれもデバイス区域Aが位置する範囲に位置する。
【0040】
ベース1は剛性ベースであってもよく、剛性ベースの材料はガラス、セキエイ、PET、プラスチックのうちのいずれか1つであってもよく、剛性ベースの厚さは0.2mm~1mmであってもよく、例示的に、剛性ベースの厚さは0.2mm、0.4mm、0.5mm、0.7mm又は1mmである。
【0041】
発光デバイスはサブミリメートル発光ダイオード(Mini Light Emitting Diode、Mini LEDと略される)又はコンパクト発光ダイオード(Micro Light Emitting Diode、Micro LEDと略される)であってもよく、ここで限定しない。
【0042】
例示的に、複数のデバイス12はいずれも青色の光を発光するするサブミリメートル発光ダイオード又はコンパクト発光ダイオードであってもよく、又は、複数のデバイス12は赤色、緑色、及び青色の光を発光する3つの発光ダイオード又はコンパクト発光ダイオードを同時に含んでもよい。
【0043】
発光デバイスが発した光は周囲に放射されるため、反射層20は発光デバイスが発した光をアレイ基板の発光面に反射することで、発光デバイスの光利用率を向上させる。
【0044】
例示的に、反射層20の色は白色であり、それにより、反射層20は比較的高い反射率を有する。
【0045】
いくつかの実施例では、反射層20は複数の透かし区域Lを有するシート状構造であってもよく、又は、反射層20はスパッタリング、メッキ、コーティング等のプロセスによってアレイ基板に製造されてもよい。
【0046】
例示的に、反射層20の材料は白色インクを含んでもよく、白色インクの成分は樹脂(例えば、エポキシ樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂)、二酸化チタン(化学式TiO2)及び有機溶剤(例えば、ジプロピレングリコールメチルエーテル)等を含む。
【0047】
反射層20の材料はシリコンベースの白色接着剤をさらに含んでもよい。反射層20の材料は白色インクを含むか、又はシリコンベースの白色接着剤を含む場合、スクリーン印刷プロセスで、印刷によって反射層20を形成してもよく、又は接着剤バルブスプレープロセスで、噴射してコーティングすることによって反射層20を形成してもよい。
【0048】
例示的に、
図2bに示すように、反射層20の層間誘電体層30に接触する表面と、層間誘電体層30から離れる表面との間の距離T1の範囲は10μm~300μmであってもよく、例えば、厚さは10μm、50μm、55μm、60μm、80μm、155μm、200μm又は300μmであってもよい。
【0049】
例示的に、反射層20は一回又は複数回のスクリーン印刷プロセスによって形成することができる。
【0050】
複数回スクリーン印刷プロセスで反射層20を製造する場合、反射層20の透かし区域Lのエッジに位置する一部は階段状であってもよい。
【0051】
例示的に、透かし区域Lのベースへの正投影の形状は円形、三角形又は長方形等であってもよい。
【0052】
反射層20における透かし区域Lによって露出されたベース1における導電パターンの一部は、デバイス12に接続することに用いられ、反射層20によって被覆される導電パターンの一部は、外部信号源回路と接続されて、それにより電気信号を受信しかつデバイス12に伝送することに用いられる。
【0053】
層間誘電体層30が少なくともベース1と反射層20との間に位置するとは、
図1aに示すように、デバイス12が設置されていないアレイ基板の区域では、層間誘電体層30はベース1と反射層20との間に位置し、透かし区域Lでは、導電パターンの間(例えば導電性パッド71と72との間)の一部の区域には一部の層間誘電体層30が設置され、且つ該一部の層間誘電体層30はベース1とデバイス12との間に位置する。
【0054】
図1aに示すように、層間誘電体層30はベース1に垂直な方向に沿う複数の第1開口部K1及び複数の第2開口部K2を有する。第1開口部K1及び/又は第2開口部K2のベース1への正投影は透かし区域Lのベース1への正投影範囲内に位置する。
【0055】
層間誘電体層30における第1開口部K1はベース1に設置された一部の導電パターンを露出し、層間誘電体層30における第2開口部K2はベース1に設置された他部の導電パターンを露出し、それにより、デバイス12は導電パターンと接続され、導電パターンは外部信号源回路と接続され、それにより電気信号を受信する。
【0056】
いくつかの実施例では、デバイス区域A及び周辺区域Bにはいずれも反射層20が設置され、例示的に、
図1a又は
図2aに示すように、反射層20のアレイ基板への正投影は透かし区域Lと重なっていない。
【0057】
例示的に、デバイス区域Aに設置される反射層20の一部は層間誘電体層30のベース1から離れる側に位置し、且つ反射層20を製造する材料、及び/又は、製造プロセスの異なりによって、反射層20のベースへの正投影と層間誘電体層30のベースへの正投影の重なることも異なる。
【0058】
例えば、複数回のスクリーン印刷プロセスで反射層20を製造する場合、透かし区域Lに位置する反射層20の境界は階段状であり、透かし区域Lに位置する一部の層間誘電体層30は反射層20に被覆されていない。
【0059】
図3は反射層20がベース1の周辺区域Bに設置されていない場合でのアレイ基板の構造模式図を示す。
図3に示すように、反射層20はアレイ基板のデバイス区域Aにおける、透かし区域L以外のほぼすべての区域を被覆するが、ベース1の周辺区域Bを被覆しない。
図3に示されたアレイ基板が発光する場合、周辺区域Bにはデバイス12がなく、光線を反射する反射層20もなく、それにより、比較的暗い視覚効果を呈し、すなわち発光効果が良くない。
【0060】
本願の実施例により提供された、
図1a又は
図2aに示されたアレイ基板において、アレイ基板の周辺区域Bの外側輪郭はベース1の外側輪郭であり、且つ周辺区域Bに位置する反射層20の一部がベース1の周辺区域Bを被覆するため、周辺区域Bに位置する反射層20の一部はベース1の外側輪郭まで延伸することができ、それにより、アレイ基板が発光する場合、周辺区域Bの反射層20はデバイス区域Aから発せられ且つその表面に入射する光線を反射することができ、アレイ基板の周辺区域Bがデバイス区域Aに比べて比較的大きな光学輝度差異を有するという問題を最大限に改善し、また、ベース1が位置する平面に垂直な方向に沿うアレイ基板の光出射量を増加させることができ、それにより、アレイ基板の光出射効率を向上させる。
【0061】
本願のいくつかの実施例では、
図1a又は
図2aに示すように、反射層20は第1サブ反射層10と第2サブ反射層11とを含み、第2サブ反射層11は第1サブ反射層10のベース1から離れる側に位置し、第1サブ反射層10のベースへの正投影はデバイス区域A及び周辺区域Bに位置する。
【0062】
デバイス区域Aに位置する第1サブ反射層10の一部のベースへの正投影は層間誘電体層30のベースへの正投影と部分的に重なっており、第1サブ反射層10は周辺区域Bのベース1をさらに被覆する。
【0063】
第2サブ反射層11のベースへの正投影は第1サブ反射層10のベースへの正投影内に位置する。
【0064】
いくつかの実施例では、
図1aに示すように、デバイス12とベース1との間の一部の層間誘電体層30において、反射層20を設置する必要がなく、デバイス12が位置する区域以外の層間誘電体層30に反射層20を設置することで、反射層20のベースへの正投影と層間誘電体層30のベースへの正投影とを部分的に重ねるようにする。
【0065】
いくつかの実施例では、デバイス区域Aに位置する第1サブ反射層10の一部のベースへの正投影は層間誘電体層30のベースへの正投影と部分的に重なっており、しかしながら、実際の製造過程において、プロセス誤差により、アレイ基板の一部の区域では、反射層20における第1サブ反射層10は第1サブ反射層10からデバイス12へ指向する方向へ延伸することで、第1サブ反射層10に
図1aに示された、層間誘電体層30の、透かし区域Lのうちデバイス12のベースへの正投影と重なっていない一部を被覆させることができる。
【0066】
いくつかの実施例では、第2サブ反射層11のベースへの正投影は第1サブ反射層10のベースへの正投影内に位置する。
【0067】
例示的に、
図1aに示すように、第2サブ反射層11のベースへの正投影はデバイス区域A及び周辺区域Bに位置し、デバイス区域Aに設置される第2サブ反射層11の一部のベースへの正投影はデバイス区域Aに設置される第1サブ反射層10の一部のベースへの正投影内に位置し、周辺区域Bに位置する第2サブ反射層11の一部のベースへの正投影は周辺区域Bに位置する第1サブ反射層10の一部のベースへの正投影と重なっている。
【0068】
又は、第2サブ反射層11のベースへの正投影はデバイス区域A及び周辺区域Bに位置し、デバイス区域Aに設置される第2サブ反射層11の一部のベースへの正投影はデバイス区域Aに設置される第1サブ反射層10の一部のベースへの正投影内に位置し、且つ周辺区域Bに設置される第2サブ反射層11の一部のベースへの正投影は周辺区域Bに設置される第1サブ反射層10の一部のベースへの正投影内に位置する。
【0069】
又は、
図2aに示すように、第2サブ反射層11のベースへの正投影はデバイス区域Aに位置し、周辺区域Bには第2サブ反射層11が設置されておらず、第2サブ反射層11のベースへの正投影はデバイス区域Aに設置される第1サブ反射層10の一部のベースへの正投影内に位置する。
【0070】
いくつかの実施例では、第1サブ反射層10のベースへの正投影は第2サブ反射層11のベースへの正投影内に位置してもよい。本願の実施例により提供される図面において、第2サブ反射層11のベースへの正投影は第1サブ反射層10のベースへの正投影内に位置することを例として作成される。
【0071】
いくつかの実施例では、
図2aに示すように、第1サブ反射層10はベース1のエッジを被覆し、第2サブ反射層11はデバイス区域A内へ後退し、それにより、第2サブ反射層11のエッジとベース1のエッジとの間の距離H1の範囲を0.2~2mmの間に制御する。
【0072】
例示的に、第2サブ反射層11のエッジとベース1のエッジとの間の距離H1は0.2mm、0.4mm、0.5mm、0.8mm、1mm、1.5mm、1.8mm又は2mmであってもよく、第2サブ反射層11のエッジとベース1のエッジとの間の距離H1の具体的な値はアレイ基板の設計の異なり、アレイ基板製造プロセス又は切断プロセスの異なりによって決定されてもよい。
【0073】
いくつかの実施例では、
図2dを参照し、アレイ基板の上面図を示し、
図2aは
図2dのM1M2方向に沿った断面図である。
図2dに示すように、複数のデバイス12はデバイス区域A中にアレイ状に配置され、デバイス区域Aにおける反射層20は第1サブ反射層10と第2サブ反射層11とを含み、周辺区域Bの反射層20は第1サブ反射層10を含む。
図2dにおいてデバイス区域Aの表層に位置する第2サブ反射層11のみが見られ、第1サブ反射層10は周辺区域Bに位置するベース1のエッジを被覆し、第2サブ反射層11はデバイス区域A内へ後退し、それにより第2サブ反射層11のエッジとベース1のエッジとの間の距離H1の範囲を0.2~2mmの間に制御する。
図2dにおいて作成されたデバイス12は発光デバイスである。
【0074】
いくつかの実施例では、第1サブ反射層10と第2サブ反射層11が含む材料は異なってもよく、例えば、第1サブ反射層10の材料は白色インクを含んでもよく、第2サブ反射層11の材料はシリコンベースの白色接着剤を含んでもよく、又は、第1サブ反射層10の材料は白色インクを含んでもよく、第2サブ反射層11の材料は反射シートを含んでもよい。
【0075】
又は、第1サブ反射層10と第2サブ反射層11が含む材料は同じであってもよく、例えば、第1サブ反射層10と第2サブ反射層11の材料はいずれも白色インクを含む。第1サブ反射層10と第2サブ反射層11の材料は白色インク又はシリコンベースの白色接着剤を含む場合、スクリーン印刷プロセスで、それぞれ第1サブ反射層10及び第2サブ反射層11を印刷して形成することができる。
【0076】
例示的に、第1サブ反射層10のベース1に垂直な方向に沿う厚さ範囲は25μm~35μmであってもよく、例えば、25μm、28μm、30μm、32μm又は35μmである。
【0077】
例示的に、第2サブ反射層11のベース1に垂直な方向に沿う厚さ範囲は25μm~35μmであってもよく、例えば、25μm、28μm、30μm、32μm又は35μmである。
【0078】
本願のいくつかの実施例では、
図2aに示すように、第2サブ反射層11はデバイス区域Aに位置し、第2サブ反射層11のベースへの正投影は周辺区域Bと重なっていない。説明する必要がある点として、周辺区域Bとは、アレイ基板製造過程において、デバイス区域Aとアレイ基板境界(カットライン)との間の区域を指すため、周辺区域Bのベース1に第1サブ反射層10を設置するが、第2サブ反射層11を設置しないと、一方では、マザー板からアレイ基板に切断するとき、切断プロセスによる反射層20のフィルムピーリング(Peeling)問題を改善でき、他方では、周辺区域Bのベース1に第1サブ反射層10が設置され、第1サブ反射層10がベース1の外側輪郭を被覆するため、アレイ基板が発光する場合、周辺区域Bの第1サブ反射層10はアレイ基板から発せられた光線を反射でき、アレイ基板の周辺区域Bがデバイス区域Aに比べて比較的大きな光学輝度差異を有するという問題を改善し、アレイ基板のベース1が位置する平面に垂直な方向に沿う光出射量を最大限に増加させ、それによりアレイ基板の光出射効率を向上させる。
【0079】
いくつかの実施例では、第1サブ反射層10と第2サブ反射層11の材料はいずれも白色インクを含み、第1サブ反射層10と第2サブ反射層11の厚さ範囲はいずれも25~35μmである場合、
図2aに示されたアレイ基板において、デバイス区域Aの反射層20と周辺区域Bの反射層20の光線に対する反射率の値の差は5%内であり、デバイス区域Aと周辺区域Bの著しい光学差異をもたらさない。
【0080】
本願のいくつかの実施例では、
図1aに示すように、第1サブ反射層10と第2サブ反射層11のベースへの正投影はいずれも延伸しかつ周辺区域Bを被覆し、さらに、第1サブ反射層10と第2サブ反射層11の境界はベース1の外側輪郭と基本的に重なっており、それによりアレイ基板が発光する場合、周辺区域Bの第1サブ反射層10及び第2サブ反射層11はアレイ基板から発せられた光線を反射でき、第1サブ反射層10及び第2サブ反射層11の2重作用で、アレイ基板の周辺区域Bがデバイス区域Aに比べて比較的大きな光学輝度差異を有するという問題を改善し、また、アレイ基板のベース1が位置する平面に垂直な方向に沿う光出射量を最大限に増加させ、それによりアレイ基板の光出射効率を向上させる。
【0081】
いくつかの実施例では、
図2dに示すように、アレイ基板は一側に位置するバインディング区域Dをさらに含み、バインディング区域Dには反射層20が設置されておらず、バインディング区域Dは複数のバインディング端子群107を含み、バインディング端子群107の一端は外部回路(回路ベース又は集積回路)のゴールドフィンガー構造と接続して電気信号を受信することに用いられ、他端はアレイ基板における導電パターン、例えば信号線と接続して電気信号を伝送する。
【0082】
本願のいくつかの実施例では、第1サブ反射層10と第2サブ反射層11のベース1に垂直な方向に沿う厚さは同じである。
【0083】
例示的に、第1サブ反射層10と第2サブ反射層11のベース1に垂直な方向に沿う厚さはいずれも25μm、又はいずれも30μm、又はいずれも35μmである。
【0084】
本願のいくつかの実施例では、
図1a又は
図2aに示すように、アレイ基板は補助反射部13をさらに含み、補助反射部13は層間誘電体層30に位置し、且つ補助反射部13は反射層20と接続される。
【0085】
プロセスの安定性が十分に高い場合、デバイス区域Aにおいて、反射層20のベースへの正投影は層間誘電体層30の透かし区域L以外の一部を被覆する。しかしながら、プロセス精度及び製造誤差を考慮すると、実際の製造過程において、デバイス区域Aにおける透かし区域L以外の一部の区域において、反射層20のベースへの正投影は層間誘電体層30のベースへの正投影内にあり、従って、反射効果を確保するために、反射層30を設置した後、補助反射部13を設置することで、反射効果を強化する。
【0086】
いくつかの実施例では、複数回のスクリーン印刷プロセスで反射層20を製造する場合、
図1aに示すように、透かし区域Lのエッジにある反射層20は階段状を呈することができ、透かし区域Lのエッジ近傍の反射層20が透かし区域Lに位置する層間誘電体層30の一部を露出し、このとき、該一部の層間誘電体層30に補助反射部13を設置することで、透かし区域Lのエッジにある反射層20によって露出された層間誘電体層30の一部の表面を被覆し、それにより、アレイ基板のベース1が位置する平面に垂直な方向に沿う光出射量を更に増加し、それにより、アレイ基板の光出射効率を向上させる。
【0087】
いくつかの実施例では、反射層20の透かし区域Lの側壁に補助反射部13を設置すると、透かし区域Lの半径方向サイズを縮小して、透かし区域Lのサイズ精度を向上させることができる。図面においていずれも透かし区域Lの半径方向サイズが縮小していない状況でマークする。
【0088】
いくつかの実施例では、
図2bに示すように、補助反射部13の層間誘電体層30に接触する表面と、補助反射部13の層間誘電体層30から離れる表面との間の距離T2は、反射層20の層間誘電体層30に接触する表面と、反射層20の層間誘電体層30から離れる表面との間の距離T1よりも大きい。
【0089】
例示的に、補助反射部13の層間誘電体層30に接触する表面と、補助反射部13の層間誘電体層30から離れる表面との間の距離T2の範囲は50μm~80μmであってもよく、反射層20の層間誘電体層30に接触する表面と、反射層20の層間誘電体層30から離れる表面との間の距離T1の範囲は30μm~50μmであってもよい。
【0090】
説明する必要がある点として、スプレー塗装プロセスによって透かし区域Lを取り囲むエッジに補助反射部13を設置することを実現できる。
【0091】
いくつかの実施例では、補助反射部13の材料はシリコンベースの白色接着剤を含み、シリコンベースの白色接着剤の色は白色であり、それにより、補助反射部13の色が反射層20の色とほぼ同じであり、その結果、補助反射部13の光線に対する反射率が反射層20の光線に対する反射率に近いことを確保できる。
【0092】
本願のいくつかの実施例では、
図1a又は
図2aに示すように、補助反射部13は第1反射部132と第2反射部131とを含み、第1反射部132と第2反射部131が一体構造である。
【0093】
反射層20における透かし区域Lから層間誘電体層30の一部の区域が露出され、第1反射部132のベースへの正投影は透かし区域Lに位置し、且つ第1反射部132が層間誘電体層30に直接接触し、第2反射部131が反射層20のベース1から離れる表面に直接接触し、且つ第2反射部131のベースへの正投影は反射層20のベースへの正投影と重なっている。
【0094】
いくつかの実施例では、
図2aに示すように、第2反射部131は第1サブ反射層10のベース1から離れる表面の一部を被覆し、且つベース1が位置する平面に平行な方向に、第2反射部131と第2サブ反射層11との間に隙間Zが存在する。又は、
図2bに示すように、第2反射部131は第1サブ反射層10のベース1から離れる表面の一部を被覆し、且つ第2反射部131はベース1が位置する平面に平行な方向に第2サブ反射層11と接続される。又は、
図2cに示すように、第2反射部131は第1サブ反射層10のベース1から離れる表面の一部を被覆し、且つ第2反射部131はさらに第2サブ反射層11のベース1から離れる表面の一部を被覆する。
【0095】
本願のいくつかの実施例では、
図1a又は
図2aに示すように、アレイ基板はデバイス12に対応する複数の封止部14をさらに含み、封止部14のベースへの正投影はデバイス12のベースへの正投影を被覆し、且つ封止部14のベースへの正投影は反射層20のベースへの正投影と部分的に重なっている。
【0096】
例示的に、
図1a又は
図2aに示すように、各封止部14は1つのデバイス12を包む。封止部14はデバイス12に対して封止保護作用を果たすと同時に、ベース1から離れる表面の形状を設計し、例えば凸レンズと類似する表面を有するようにすることにより、デバイス12に含まれた発光デバイスの発光角度をさらに調整することができる。
【0097】
いくつかの実施例では、アレイ基板はデバイス12のベース1から離れる側に設置され、デバイス12を保護する封止層をさらに含むことができる。
【0098】
例示的に、封止層は層全体で複数のデバイス12に被覆されてもよい。
【0099】
図4はアレイ基板のデバイス区域Aの構造模式図を示す。
図4に示すように、アレイ基板のデバイス区域Aはベース1に位置して順に設置されたバッファ層2及び第1導電層7を含み、層間誘電体層30は第1導電層7のベース1から離れる側に位置し、層間誘電体層30は第1絶縁層8と第1平坦層9とを含み、第1平坦層9は少なくとも第1絶縁層8と反射層20との間に位置する。
【0100】
第1導電層7は導電パターンを形成することに用いられる。
【0101】
例示的に、
図4に示すように、アレイ基板には第1導電層7が設置され、第1導電層7の第1絶縁層8により被覆される一部は導電パターンにおける配線73を構成し、電気信号を伝送することに用いられ、第1絶縁層8によって被覆されておらず、且つベース1の表面から離れる第1導電層7の一部は導電性パッドを構成し、配線73において伝送された電気信号をデバイス12に送信するように、デバイス12と電気的に接続される。
【0102】
例示的に、ベース1にすべての導電パターンを配置するのに十分な空間がある場合、アレイ基板は一層のみの導電層を含んでもよい。
【0103】
いくつかの実施例では、第1導電層7の材料は銅、アルミニウム、ニッケル、モリブデン、及びチタンのうちのいずれか1つ又は積層して設置された複数種の金属の組み合わせを含んでもよい。
【0104】
例示的に、第1導電層7は順に積層して設置されたモリブデンニッケルチタン合金(MoNiTi)層、銅金属層、及びモリブデンニオブ合金(MoNb)層を含んでもよく、モリブデンニッケルチタン合金層は電気めっきプロセスにおける銅金属結晶粒子の核生成密度を高めることができ、モリブデンニオブ合金層は銅金属酸化を防止する作用を果たす。第1導電層7におけるモリブデンニッケルチタン合金層の厚さ範囲は290Å~310Åであってもよく、例えば、厚さは290Å、296Å、300Å、305Å又は310Åであってもよい。
【0105】
いくつかの実施例では、第1導電層7の厚さ範囲は1.5μm~7μmであってもよく、例えば、厚さは1.5μm、2μm、4μm、6.5μm又は7μmであってもよい。
【0106】
図5はアレイ基板のデバイス区域Aの別の構造模式図を示す。
図5に示すように、アレイ基板のデバイス区域Aは、バッファ層2に位置して順に積層して設置された第2導電層3、第2絶縁層4、第2平坦層5、及び第3絶縁層6をさらに含み、第3絶縁層6は第1導電層7の第1絶縁層8から離れる側に位置する。
【0107】
いくつかの実施例では、
図5に示すように、第1導電層7と第2導電層3は共同で導電パターンを構成する。第1導電層7は第2導電層3よりもベース1から離れて設置され、従って、第1導電層7のベース1から離れる表面の層間誘電体層30によって被覆されていない一部は導電性パッドを構成し、デバイス12と電気的に接続され、第1導電層7の他のフィルム層によって被覆された一部及び第2導電層3は導電パターンにおける信号線及び接続線を構成し、外部信号源回路からの電気信号を受信しかつデバイス12に伝送することに用いられる。本願の実施例により提供された図面において、第2導電層3の導電パターンが具体的に作成されておらず、そのパターン化された構造はアレイ基板の回路レイアウト設計に基づいて決定される。
【0108】
いくつかの実施例では、第2導電層3の材料は銅、アルミニウム、ニッケル、モリブデン、及びチタンのうちのいずれか1つ又は積層して設置された複数種の金属の組み合わせを含んでもよい。
【0109】
いくつかの実施例では、第2導電層3は順に積層して設置されたモリブデンニオブ合金層、銅金属層、及び保護層を含んでもよく、保護層は銅ニッケル合金(CuNi)、ニッケル又はインジウムスズ酸化物(Indium Tin Oxide、略称ITO)のうちのいずれかを含んでもよい。モリブデンニオブ合金層は銅金属と、ベースに近い側のフィルム層との密着性を高める作用を果たし、保護層は銅金属酸化を防止する作用を果たす。
【0110】
例示的に、第2導電層3の厚さ範囲は0.5~10μmであってもよく、例えば、厚さは0.5μm、1μm、1.8μm、2.7μm又は10μmであってもよい。
【0111】
本願のいくつかの実施例では、
図1a又は
図2aに示すように、第1導電層7のベース1から離れる表面の露出された一部は導電性パッドを構成し、導電性パッドは、例えば、少なくとも1つの第1パッド71と少なくとも1つの第2パッド72とを含み、層間誘電体層30はベース1に垂直な方向に沿う複数の第1開口部K1及び複数の第2開口部K2を有し、第1開口部K1は第1パッド71が位置する区域を露出し、第2開口部K2は第2パッド72が位置する区域を露出する。
【0112】
第1パッド71は第1開口部によってデバイス12の第1半田フィレット151と電気的に接続され、第2パッド72は第2開口部K2によってデバイス12の第2半田フィレット152と電気的に接続される。
【0113】
いくつかの実施例では、第1パッド71と第1半田フィレット151との間は第1開口部K1中に位置する溶接材料(例えば半田、図示せず)によって電気的に接続され、第2パッド72と第2半田フィレット152との間は第2開口部K2中に位置する溶接材料によって電気的に接続され、それにより、第1溶接71及び第2パッド72によって電気信号をデバイス12に伝送する。
【0114】
いくつかの実施例では、溶接材料は第1パッド71及び第2パッド72に予め印刷されてもよく、又は、第1半田フィレット151及び第2半田フィレット152に予め製造されてもよい。
【0115】
本願のいくつかの実施例では、アレイ基板は複数の支持柱102をさらに含み、支持柱102は反射層20のベース1から離れる側に位置し、且つ支持柱102のベースへの正投影はデバイス12のベースへの正投影と重なっていない。
【0116】
説明する必要がある点として、支持柱102の色は需要に応じて選択でき、例えば、支持柱102の色は白色であってもよく、それにより、支持柱102の反射率が反射層20の反射率に近い。また、例えば、支持柱102は透明であってもよい。
【0117】
いくつかの実施例では、
図1bに示すように、周辺区域Bはさらにバッファ層2、第2導電層3、第2絶縁層4、第2平坦層5、第3絶縁層6、第1導電層7、第1絶縁層8、及び第1平坦層9のうちの少なくとも1つ又は複数のフィルム層を含んでもよい。周辺区域Bの反射層20以外の他のフィルム層構造は実際の設計に基づいて決定され、ここで制限しない。
【0118】
本願の実施例は発光装置をさらに提供し、
図6に示すように、上記アレイ基板100を含む。
【0119】
図1aにおけるベース1及びベース1と反射層20との間のすべてのフィルム層は
図6に示されたベース101を構成し、例示的に、ベース101はベース1及びベース1に位置する積層して設置されたバッファ層2、第2導電層3、第2絶縁層4、第2平坦層5、第3絶縁層6、第1導電層7、第1絶縁層8及び第1平坦層9を含む。
【0120】
アレイ基板100に具体的に含まれたフィルム層及び部材は前文説明を参照すればよく、ここでは詳しい説明は省略する。
【0121】
いくつかの実施例では、発光装置を提供し、該発光装置は本願の実施例により提供されるアレイ基板を含む。
【0122】
いくつかの実施例では、該発光装置は該アレイ基板を被覆する保護基板(又はカバープレート)をさらに含むことができる。
【0123】
該発光装置はバックライト装置として使用されてもよく、又は、表示装置として使用されてもよい。具体的に、発光装置における複数のデバイス12はいずれも単一の色の光を発光する発光デバイスである場合、上記発光装置はバックライト装置として使用することができ、発光装置における複数のデバイス12はそれぞれ異なる色の光を発光する発光デバイス、例えば赤色、緑色及び青色の光を発光する3つの発光デバイスを含む場合、上記発光装置は表示装置として使用することができる。
【0124】
いくつかの実施例では、上記アレイ基板100は表示装置に使用される場合、アレイ基板100には支持柱102が設置されなくてもよい。
【0125】
本願のいくつかの実施例では、
図6に示すように、発光装置は順に積層して設置された拡散板103、量子ドットフィルム104、拡散シート105、及び複合フィルム106をさらに含み、拡散板103はアレイ基板100の光出射側に位置する。
【0126】
複数の支持柱102は複数の光学フィルムシート(拡散板103、量子ドットフィルム104、拡散シート105、及び複合フィルム106を含む)を支持することに用いられ、それにより、アレイ基板100における反射層20と光学フィルムシートとの間に光混合距離が存在し、アレイ基板による影を改善し、発光装置の表示画質を向上させることができる。
【0127】
いくつかの実施例では、拡散板103の材料は、ガラス、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、アクリル樹脂(PMMA)、アクリル酸(MMA)のうちのいずれか1つを含んでもよい。
【0128】
具体的に、量子ドットフィルム(QD Enhancement Films、略称QDEF)は量子ドット蛍光体とポリマーを均一に混合した後にフィルムシートを製造する技術であり、例示的に、量子ドットフィルム104の材料はペロブスカイト量子ドット材料を含むことができ、その厚さは一般的に約100umである。
【0129】
いくつかの実施例では、拡散シート105の材料は拡散板103の材料と同じであってもよい。
【0130】
いくつかの実施例では、複合フィルム106は光効率を向上させると同時に、拡散板103、量子ドットフィルム104、及び拡散シート105の保護フィルムとして使用され、それに対して保護作用を果たし、すり傷又は破損を防止する。
【0131】
本願の実施例により提供された発光装置において、ベース1の外側輪郭はアレイ基板の周辺区域Bの外側輪郭と一致し、且つ周辺区域Bに位置する反射層20は周辺区域Bに位置するベース1を被覆するため、周辺区域Bに位置する反射層20はベース1の外側輪郭を被覆し、その結果、周辺区域Bのベース1に非反射区域が存在せず、それにより、発光装置が発光するとき、周辺区域Bの反射層20が発光装置から発せられた光線を反射でき、発光装置の周辺区域Bがデバイス区域Aに比べて比較的大きな光学輝度差異を有するという問題を最大限に改善し、発光装置のベース1が位置する平面に垂直な方向に沿う光出射量を最大限に増加し、それにより、発光装置の光出射効率を向上させる。
【0132】
本願の実施例はタイルドディスプレイをさらに提供し、
図7に示すように、少なくとも2つの上記発光装置を含む。
【0133】
説明する必要がある点として、タイルドディスプレイにおける発光装置として使用され、複数のデバイス12は赤色、緑色、及び青色の光を発光する3つの発光デバイスを同時に含む。
【0134】
いくつかの実施例では、タイルドディスプレイはマルチポートトランスポンダ、給電装置、第1フレーム、及び第2フレームをさらに含むことができる。
【0135】
各発光装置の発光面はいずれも共通平面に位置し、且つ各発光装置はいずれも第1フレームと固定され、第1フレームは第2フレームと固定され、且つ第2フレームは第1フレームの発光装置から離れる側に位置し、マルチポートトランスポンダ及び給電装置はいずれも第2フレームと固定され、マルチポートトランスポンダは給電装置と電気的に接続され、各発光装置のバインディング端子群107はそれぞれマルチポートトランスポンダと電気的に接続される。
【0136】
説明する必要がある点として、
図7に示されたタイルドディスプレイは
図2dに示されたアレイ基板からなる発光装置で接合されて得られる。
【0137】
本願の実施例により提供されたタイルドディスプレイにおいて、タイルドディスプレイにおける発光装置として使用される周辺区域Bには反射層20も設置される(
図7では、周辺区域Bには第1サブ反射層10が設置される)ため、発光装置から発せられた光線を反射でき、発光装置の周辺区域Bがデバイス区域Aに比べて比較的大きな光学輝度差異を有するという問題を最大限に改善し、該発光装置によって接合して形成されたタイルドディスプレイにおいて、継ぎ目の幅が十分に小さく且つ人間の目にはほとんど検出できない場合、隣接する2つの発光装置の間の区域に光学的に暗い区域が存在せず、それにより、タイルドディスプレイの表示効果を大幅に向上させる。
【0138】
前文に記載のアレイ基板については、周辺区域Bにおけるベース1には反射層20が設置されるため、一方では、通常のカッターホイール正面切断プロセスでアレイ基板のマザー板正面から切断してアレイ基板を生成する場合、
図8cに示すように、切断カッターホイール302がカッターホイール治具301に固定されるため、カッターホイール治具301によるアレイ基板における封止部14のすり傷を引き起こし、かつ封止部14に
図8aに示されるかき傷を引き起こす。他方では、切断カッターホイール302が反射層20に直接切断するため、反射層20に
図8a及び
図8bに示されたカッターマークを引き起こし、それにより、局所的な反射層20が剥離し、剥離した反射層20の破片が反射層20に落ち、反射層20の反射効果に影響を与える。他の態様では、カッターホイール正面切断プロセスを用いると、反射層20を切断し、反射層20の影響により、切断カッターホイール302がベース1の表面に直接切断することは困難であり、切断失敗を引き起こす。
【0139】
図8dはカッターホイール正面切断プロセスの模式図である。切断すべき基板は切断機テーブル305に位置し、カッターホイール正面切断プロセスを用いると、切断成功を確保するように、以下の条件を満たす必要がある。先ず、反射層20と切断カッターホイール302の軸線(カットラインが位置する位置)との間の距離d1が0.7mm以上であると、カッターホイール302がベース1の表面に直接切断することができる。そして、カッターホイールの治具301と封止部104との間の距離d2が0mmよりも大きいと、カッターホイールの治具301による封止部104のすり傷が発生しないと確保することができる。実際の応用で採用されたカッターホイールについては、軸線と治具301の一側のエッジとの間の距離が約3mmであり、封止部14の半径rが1.25mmであり、切断プロセスの変動範囲が0.25mmである場合、切断カッターホイール302の軸線と封止部14のマザーベース板400上での正投影の幾何中心との間の距離d3がd3≧3mm+1.25mm+0.25=4.5mmを満たす。しかしながら、カッターホイール正面切断プロセスで得たアレイ基板は、反射層20が周辺区域Bに延伸していないため、周辺区域Bがデバイス区域Aに比べて比較的大きな光学輝度差異を有する問題がある。
【0140】
そのため、本願の実施例はアレイ基板の製造方法を提供し、上記アレイ基板の製造に適用され、
図9に示すように、該方法は以下のステップを含む。
【0141】
S901、
図10又は
図11に示されたマザーベース板400を提供し、マザーベース板400は少なくとも1つのデバイス区域Aと、デバイス区域Aに隣接する切断区域Cとに区画される。
【0142】
説明する必要がある点として、切断区域Cにおけるカットライン以外の区域C1を切除した後、周辺区域Bを得ることができる。
【0143】
例示的に、
図10に示されたマザーベース板400をカットラインに沿って切断し、マザーベース板400のC1区域を除去した後、少なくとも1つのベース1を得ることができる。
【0144】
S902、マザーベース板400のデバイス区域Aに層間誘電体層30を形成する。
【0145】
S903、マザーベース板400のデバイス区域A及び切断区域Cに反射層20を形成する。
【0146】
反射層20はマザーベース板400に垂直な方向に沿う複数の透かし区域Lを有し、層間誘電体層30は少なくともマザーベース板400と反射層20との間に位置し、デバイス区域Aに位置する反射層20の一部のマザーベース板400上での正投影は層間誘電体層30のマザーベース板400上での正投影と部分的に重なっており、切断区域Cに位置する反射層20の一部はマザーベース板400の切断区域Cを被覆する。
【0147】
S904、マザーベース板400のデバイス区域Aに複数のデバイス12を結びつけ、デバイス12は透かし区域L内に位置する。
【0148】
デバイス区域Aにはアレイ状に配置された複数種のデバイス12が設置され、デバイス12は発光デバイスを含み、且つセンサデバイス、コンパクト駆動チップ又は他のタイプのデバイスのうちのいずれか1つをさらに含む。
【0149】
層間誘電体層30が少なくともベース1と反射層20との間に位置する意味については、
図1aに示すように、アレイ基板のデバイス12が設置されていない区域に、層間誘電体層30がベース1と反射層20との間に位置し、透かし区域Lにおいて、導電パターンの間(導電性パッド71と72との間)の一部の区域には一部の層間誘電体層30が設置され、且つ該一部の層間誘電体層30がベース1とデバイス12との間に位置する。
【0150】
図10、
図1aに示すように、層間誘電体層30はマザーベース板400に垂直な方向に沿う複数の第1開口部K1及び複数の第2開口部K2を有する。第1開口部K1及び/又は第2開口部K2のベースへの正投影は透かし区域Lのベースへの正投影範囲内に位置する。
【0151】
層間誘電体層30における第1開口部K1はベース1に設置された導電パターン71を露出し、層間誘電体層30における第2開口部K2はベース1に設置された導電パターン72を露出し、それにより、デバイス12がそれぞれ導電パターン71及び導電パターン72と接続され、導電パターンが外部信号源回路と接続され、それにより電気信号を受信する。
【0152】
デバイス区域A及び切断区域Cにはいずれも反射層20が設置され、例示的に、
図10又は
図11に示すように、アレイ基板のマザー板におけるデバイス12が設置された透かし区域L以外のすべての区域には、いずれも一層の反射層20が設置される。
【0153】
いくつかの実施例では、バッファ層2、第2導電層3、第2絶縁層4、第2平坦層5、第3絶縁層6、第1導電層7、第1絶縁層8、及び第1平坦層9のうちの少なくとも1つのフィルム層は切断区域Cまで延伸することができ、実際の設計に基づいて決定することができ、ここで制限しない。
【0154】
S905、マザーベース板400の裏面からカットラインに沿って切断して、少なくとも1つのアレイ基板を得て、カットラインは切断区域Cに位置し、裏面はマザーベース板400のデバイス12から離れる表面である。
【0155】
【0156】
いくつかの実施例では、
図12aに示すように、マザーベース板400の裏面からカットラインに沿って切断する場合、アレイ基板のマザー板は切断機テーブル305に位置し、切断カッターホイール302はマザーベース板400の裏面に設置される。また、マザーベース板400の切断区域の付近に切断機テーブル305によって支持されておらず、宙吊り状態にあり、切断カッターホイール302に対向するアレイ基板のマザー板の他側には、切断カッターホイール302がマザーベース板400の裏面から切断するときに生じた切断圧力を相殺するように、ローラ306がさらに設置される。
【0157】
マザーベース板400の裏面に反射層20が設置されていないため、切断ニーズに応じて切断区域の任意の位置に切断することができ、このように、切断するとき、切断カッターホイール302の軸線と反射層20のエッジとの間の距離を考慮する必要がなく、切断カッターホイール302の治具301による封止部14に対するすり傷及び摩耗問題の可能性を考慮する必要もなく、且つ裏面を切断するため、切断カッターホイール302はマザーベース板400の裏面に直接接触することができ、反射層20の影響による切断失敗の問題が存在しない。
【0158】
説明する必要がある点として、
図12a、
図13a、及び
図14aにおいて、マザーベース板400には反射層20、デバイス12及び封止部14が作成され、アレイ基板のマザー板に含まれた他の構造はいずれも作成されておらず、アレイ基板のマザー板に含まれた他の構造はアレイ基板に含まれた構造と類似し、具体的に前文でアレイ基板の構造についての説明を参照すればよく、ここでは詳しい説明は省略する。
【0159】
図12bは
図12aにおけるアレイ基板のマザー板のカットライン位置の模式図を示す。
図12bでは、破線によってマークされた位置はカットラインが位置する位置であり、カットラインに沿ってカットライン以外の区域C1を切断した後、アレイ基板を得ることができる。アレイ基板のマザー板のカットライン以外の区域C1にも反射層20が設置され、しかしながら、裏面切断プロセスを採用するため、反射層20は切断過程に影響を与えない。
【0160】
いくつかの実施例では、
図13aは、別の裏面切断プロセスの模式図を示す。
図13aでは、カットラインは2つのアレイ基板のマザー板の中央位置に位置し、切断カッターホイール302を設置するための空間を残すように、切断機テーブル305の中央位置がくり抜かれた。
図13bは
図13aにおけるアレイ基板のマザー板のカットライン位置の模式図を示す。二枚のカットラインの中央区域は切断する必要があるC1区域である。
【0161】
いくつかの実施例では、
図14に示すように、切断カッターホイール302の裏面の切断時の切断効率を向上させるために、複数のカッターホイールで同時に切断する方式で切断することができる。
図14では、切断カッターホイール302が設置された位置に対応するアレイ基板の各マザー板において、反射層20のマザーベース板400から離れる側にはいずれもローラ306が設置され、それにより、切断カッターホイール302が切断するときに生じた切断圧力のバランスをとる。
【0162】
本願の実施例は
図18に示された真空チャック500を提供し、該真空チャック500はソフトノズルチャックであり、非平坦な表面を有するアレイ基板に対して良好な吸着作用を有し、切断時にアレイ基板のマザー板又はアレイ基板を運搬して移動することに用いられる。
【0163】
図15aに示すように、存在する可能性のある突起、欠け又は微小亀裂によるアレイ基板のエッジへの破損の確率を低減させ、アレイ基板の信頼性を向上させるように、切断した後にさらにアレイ基板のエッジを研削できる。
【0164】
ベベル研削プロセスにおいて、アレイ基板を研削盤テーブル307に置き、研削カッターホイール308が反時計回り方向に沿って回転し、それにより、研削カッターホイール308が先に反射層20を研削し、そして、ベース1を研削し、先にベース1を研削するとき、反射層20を引くことに起因する反射層20の局所剥離を回避する。ベベル研削プロセスでは、研削するとき、研削カッターホイール308とアレイ基板との初期研削点は
図15aに示された反射層20の表面とベース1の側面との接合部であり、研削が終了した後、アレイ基板は
図15cに示された研削区域(ベベルが位置する区域)を生成し、該区域に対して顕微鏡でテストすると、研削区域G1の幅が
図15bに示された約150umであり、該区域内に反射層20がないことを把握でき、これはアレイ基板の光学性能に深刻に影響する。
【0165】
そのため、本願のいくつかの実施例では、マザーベース板400の裏面からカットラインに沿って切断して、少なくとも1つのアレイ基板を得るステップの後、該製造方法は以下のステップをさらに含む。
【0166】
S906、垂直研削プロセスでアレイ基板のエッジを研削する。
【0167】
本願のいくつかの実施例では、垂直研削プロセスでアレイ基板のエッジを研削するステップS906は以下のステップを含む。
【0168】
S9061、
図16に示すように、アレイ基板100に垂直な方向に、アレイ基板のベース1の側面と反射層20の側面とを同時に研削し、ベース1の側面と反射層20の側面とは同一平面に位置する。
【0169】
説明する必要がある点として、
図16では、ベース1と反射層20との間の他のフィルム層はいずれも作成されておらず、具体的に前文の説明を参照すればよい。
【0170】
いくつかの実施例では、垂直研削プロセスでアレイ基板を研削する過程は
図16に示すとおりであり、研削カッターホイール308の初期研削点はアレイ基板の側面であり、具体的には、研削カッターホイール308は反時計回り方向に沿って回転し、かつベース1の側面と反射層20の側面とを同時に研削し、それによりアレイ基板のエッジの反射層20の摩耗程度とベース1の摩耗程度との差を最大限に減少させることができ、更に研削区域G2の研削幅を縮小し、垂直研削プロセスで研削したアレイ基板の研削区域G2の研削幅は約100umであり、垂直研削プロセスは、アレイ基板のエッジ位置の光学性能を最大限に向上させる。
【0171】
本願のいくつかの実施例では、マザーベース板400のデバイス区域A及び切断区域Cに反射層20を形成するステップS903は、
マザーベース板400上での正投影がデバイス区域A及び切断区域C内に位置する第1サブ反射層10を形成するステップS9031と、
マザーベース板400上での正投影がデバイス区域A内に位置する第2サブ反射層11を形成するS9032と、を含むか、
又は、マザーベース板400上での正投影がデバイス区域A及び切断区域C内に位置する第1サブ反射層10を形成するステップと、
デバイス区域A及び切断区域Cに、マザーベース板400上での正投影がデバイス区域A及び切断区域C内に位置する第2サブ反射層11を形成するステップと、を含む。
【0172】
いくつかの実施例では、いくつかの実施例では、
図10に示すように、第1サブ反射層10はベース1のエッジを被覆し、第2サブ反射層11はデバイス区域A内へ後退し、それにより、第2サブ反射層11のエッジとおベース1のエッジ(カットライン)との間の距離H1の範囲を0.2~2mmの間に制御する。
【0173】
例示的に、第2サブ反射層11のエッジとベース1のエッジとの間の距離H1は0.2mm、0.4mm、0.5mm、0.8mm、1mm、1.5mm、1.8mm又は2mmであってもよく、第2サブ反射層11のエッジとベース1のエッジとの間の距離H1の具体的な値はアレイ基板の設計の異なり、アレイ基板製造プロセス又は切断プロセスの異なりによって決定することができ、ここで限定しない。
【0174】
いくつかの実施例では、第1サブ反射層10と第2サブ反射層11が含む材料は異なってもよく、例えば、第1サブ反射層10の材料は白色インクを含んでもよく、第2サブ反射層11の材料はシリコンベースの白色接着剤を含んでもよい。又は、第1サブ反射層10と第2サブ反射層11が含む材料は同じであってもよく、例えば、第1サブ反射層10と第2サブ反射層11の材料はいずれも白色インクを含む。第1サブ反射層10と第2サブ反射層11の材料は白色インク又はシリコンベースの白色接着剤を含む場合、スクリーン印刷プロセスで、それぞれ第1サブ反射層10及び第2サブ反射層11を印刷して形成することができる。
【0175】
例示的に、第1サブ反射層10の厚さ範囲は25μm~35μmであってもよく、例えば、25μm、28μm、30μm、32μm又は35μmであってもよい。
【0176】
例示的に、第2サブ反射層11の厚さ範囲は25μm~35μmであってもよく、例えば、25μm、28μm、30μm、32μm又は35μmであってもよい。
【0177】
本願のいくつかの実施例では、マザーベース板400のデバイス区域Aに複数のデバイス12を結びつけるステップの後、且つマザーベース板400の裏面からカットラインに沿って切断して、少なくとも1つのアレイ基板を得るステップの前、方法は、
層間誘電体層30に反射層20と接続される補助反射部13を形成するステップをさらに含む。
【0178】
いくつかの実施例では、複数回のスクリーン印刷プロセスで反射層20を製造する場合、透かし区域Lのエッジにある反射層20は階段状を呈することができ、透かし区域Lのエッジにある反射層20から層間誘電体層30の一部の区域が露出され、この場合、層間誘電体層30に補助反射部13を設置することで、透かし区域Lのエッジにある反射層20によって露出された一部の層間誘電体層30を被覆し、このように、一部の層間誘電体層30に反射層20が被覆されていないという問題を解決し、それにより、アレイ基板のベース1が位置する平面に垂直な方向に沿う光出射量を更に増加し、それにより、アレイ基板の光出射効率を向上させる。
【0179】
いくつかの実施例では、反射層20の透かし区域Lの側壁に補助反射部13を設置すると、透かし区域Lの半径方向サイズを減少させ、透かし区域Lのサイズ精度を向上させることができる。
【0180】
説明する必要がある点として、透かし区域のエッジを取り囲んでスプレー塗装プロセスで補助反射部13を製造することができ、且つ
図2bに示すように、補助反射部13の層間誘電体層30に接触する表面と、補助反射部13の層間誘電体層30から離れる表面との間の距離T2は、反射層20の層間誘電体層30に接触する表面と、反射層20の層間誘電体層30から離れる表面との間の距離T1よりも大きい。
【0181】
いくつかの実施例では、補助反射部13の材料はシリコンベースの白色接着剤を含み、シリコンベースの白色接着剤の色は白色であり、それにより、補助反射部13の色が反射層20の色とほぼ同じであり、その結果、補助反射部13の光線に対する反射率が反射層20の光線に対する反射率に近いことを確保することができる。
【0182】
本願の実施例はそれぞれタンジェントプロセス及びバックカットプロセスで切断したアレイ基板によって形成されたタイルドディスプレイの構造模式図を提供する。
図17aはタンジェントプロセスで切断したアレイ基板によって形成されたタイルドディスプレイの構造模式図を示す。
図17bはバックカットプロセスで切断したアレイ基板によって形成されたタイルドディスプレイの構造模式図を示す。
【0183】
図17aに示されたタイルドディスプレイでは、発光装置を形成するためのアレイ基板はタンジェントプロセスで得られ、発光装置において反射層が設置されていない区域は20Nとしてマークされ、タイルドディスプレイは2つの発光装置を含み、各発光装置では、反射層20のエッジから発光装置のエッジまでの距離が0.7mmであり、タイルドディスプレイの継ぎ目の幅d5=0.9mmである場合、隣接する2つの発光装置の中央の、反射層が設置されていない区域の幅d6=d5+0.7mm*2=2.3mmである。すなわち、タイルドディスプレイにおいて隣接する2つの発光装置の表示区域の間の距離が2.3mmであり、タイルドディスプレイが画面を表示する場合、画面を表示しない幅2.3mmの区域(非表示区域)は存在するため、タイルドディスプレイの表示効果が大幅に低下する。
【0184】
図17bに示されたタイルドディスプレイでは、発光装置を形成するためのアレイ基板はバックカットプロセスで得られる。タイルドディスプレイは2つの発光装置を含む、各発光装置では、接合用の各発光装置に反射層のない区域が存在しない場合、隣接する2つの発光装置の中央の、反射層が設置されていない区域の幅d6=d5=0.9mmであり、タンジェントプロセスによって得られたタイルドディスプレイに比べて、バックカットプロセスによって得られたタイルドディスプレイにおいて隣接する2つの発光装置の間に比較的小さな非表示区域を有するため、タイルドディスプレイの表示効果を最大限に向上させる。
【0185】
上記は、本願の具体的な実施形態に過ぎず、本願の保護範囲はこれに制限されず、当業者であれば、本願の開示されている技術範囲内で、容易に想到できる変化又は置換は、いずれも本願の保護範囲内に属すべきである。従って、本願の保護範囲は前記請求項の保護範囲を基準とすべきである。
【符号の説明】
【0186】
1 ベース
2 バッファ層
3 第2導電層
4 第2絶縁層
5 第2平坦層
6 第3絶縁層
7 第1導電層
8 第1絶縁層
9 第1平坦層
10 第1サブ反射層
11 第2サブ反射層
12 デバイス
13 補助反射部
14 封止部
20 反射層
【国際調査報告】