(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-14
(54)【発明の名称】締め具、監視方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
G01L 5/00 20060101AFI20240806BHJP
【FI】
G01L5/00 103B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500375
(86)(22)【出願日】2022-07-07
(85)【翻訳文提出日】2024-02-29
(86)【国際出願番号】 IB2022056272
(87)【国際公開番号】W WO2023281429
(87)【国際公開日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】102021000018041
(32)【優先日】2021-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】520313415
【氏名又は名称】センス-イン・エッセ・エッレ・エッレ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ミケーレ・ポジポリーニ
【テーマコード(参考)】
2F051
【Fターム(参考)】
2F051AB06
(57)【要約】
第1の端末デバイス(2、2’、2”)および第2の端末デバイス(3、103)を有する監視システム(1)による監視方法であって、前記第1の端末デバイス(2、2’、2”)はコントロールシステムであり、前記第2の端末デバイス(3、103)は、使用の際に、機械装置の2つ以上の構成部品(E、C)を互いに固定する締め具、より詳細にはネジであり、前記第2の端末デバイス(3、103)は、1つまたは複数のセンサ(9)、および無線通信部分(137)を有するプリント基板(12)を備え、第1の端末デバイス(2、2’、2”)および第2の端末デバイス(3、103)は、直接的および/または間接的に、すなわち輸送ネットワーク(T)、より詳細には遠隔通信ネットワークを介してデータを無線で交換する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端末デバイス(2、2’、2”)および第2の端末デバイス(3、103)を備えた監視システム(1)による監視方法であって、前記第2の端末デバイス(3、103)は、使用の際に、機械装置の2つ以上の構成部品(E、C)を共に固定する締め具、より詳細にはネジを備え、前記第2の端末デバイス(3、103)は、1つまたは複数のセンサ(9)、およびマイクロプロセッサ(10)および無線通信部分(137)を有するプリント基板(12)を備え、前記無線通信部分(137)は、直接的および/または間接的に、すなわち輸送ネットワーク(T)、より詳細には遠隔通信ネットワークを介して前記第1の端末デバイス(2、2’、2”)とデータおよび電磁信号(S)を無線で交換するように構成され、前記センサ(9)は、前記第2の端末デバイス(3、103)の前記プリント基板(12)と信号を交換し、前記方法は、機械装置の前記構成部品(E、C)の作動状態に応じて前記センサ(9)により1つまたは複数の信号を生成するステップと、データを生成するために前記プリント基板(12)により前記信号を処理するステップと、直接的および/または間接的に、すなわち輸送ネットワーク(T)、より詳細には遠隔通信ネットワークを介して前記第1の端末デバイス(2、2’、2”)と前記第2の端末デバイス(3、103)の間でデータを無線交換するステップとを含む、方法。
【請求項2】
前記監視システム(1)は、複数の前記第2の端末デバイス(3、103)を備え、各第2の端末デバイス(3、103)は、それぞれの無線通信部分(137)を通して前記第1の端末デバイス(2、2’、2”)とデータを交換する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の端末デバイス(2’)は、第1のNFC送信機/受信機(19’)を備え、より詳細には、前記第1の端末デバイス(2’)は、スマートフォンまたはモバイルデバイス(600)、またはツール、より詳細には、前記第2の端末デバイス(3、103)を締め付けるためのツール(U)内に含まれ、前記第2の端末デバイス(3、103)の前記無線通信部分(137)は、加えて、無線再充電可能電池(11)、および前記再充電可能電池(11)に接続され、前記第1のNFC送信機/受信機(19’)から電磁電力およびデータの両方を受ける第2のNFC送信機/受信機(19)を備え、データを交換する前記ステップは、前記第1の端末デバイス(2’)を介して前記第2の端末デバイス(3、103)に問い合わせるサブステップと、前記第2の端末デバイス(3、103)で前記第1の端末デバイス(2’)に応答するサブステップとを含み、問い合わせるおよび/または応答する前記サブステップ中に、前記第1の端末デバイス(2’)によって生成された前記電磁信号(S)は、前記第2の端末デバイス(3、103)の前記再充電可能電池(11)を無線充電する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記監視システム(1)は、第3のNFC送信機/受信機(19”)を備えた第3の端末デバイス(60、600)を備え、より詳細には、前記第3の端末デバイス(60)は、前記第2の端末デバイス(3、103)を再充電するように構成されたハードウェアプラットフォームを備え、好ましくは、前記ハードウェアプラットフォームはまた、前記第2の端末デバイス(3、103)とデータを交換するように構成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記無線通信部分(137)は、輸送ネットワーク(T)、より詳細には遠隔通信ネットワークのインターフェースアクセスと通信するように構成された、モバイル端末デバイス、より詳細には、Bluetoothまたは実際のまたはバーチャルSIMカード(22)などの無線インターフェースを備え、より詳細には、前記輸送ネットワーク(T)は、固定電話ネットワーク、携帯電話ネットワーク、データネットワーク、インターネットネットワーク、GSM、GPRS、UMTS/EDGE、VSF-Spread、OFDM、GPSの間で選択されたネットワークである、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
各締め具(3、103)は、エネルギー源を電気エネルギーに変換するように構成された環境発電システム(13)を備え、前記プリント基板(12)は、前記環境発電システム(13)によって電気供給され、より詳細には、前記プリント基板(12)は、前記締め具(3、103)のハウジング(7、8)内に少なくとも部分的に配置されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
使用の際に、機械装置の2つ以上の構成部品(E、C)を互いに固定する締め具、より詳細にはネジであって、前記締め具(3、103)は、それぞれ機械装置の前記構成部品(E、C)の作動状態に応じて信号を生成する1つまたは複数のセンサ(9)に接続されたプリント基板(12)を備え、前記プリント基板(12)は、マイクロプロセッサ(10)、無線再充電可能電池(11)、および使用の際に、直接的および/または間接的に、すなわち輸送ネットワーク(T)、より詳細には遠隔通信ネットワークを通して端末デバイス(2、2’、2”)と無線でデータおよび電磁信号(2)を無線で交換するように構成された無線通信部分(137)を備えた、締め具。
【請求項8】
前記無線通信部分(137)は、NFC送信機/受信機(19)を備えている、請求項7に記載の締め具。
【請求項9】
前記無線通信部分(137)は、輸送ネットワーク(T)、より詳細には遠隔通信ネットワークのインターフェースアクセスと通信するように構成された、モバイル端末デバイス、より詳細には、Bluetooth BLEまたは実際のまたはバーチャルSIMカード(22)などの無線インターフェースを備えている、請求項7または8に記載の締め具、より詳細にはネジ。
【請求項10】
前記無線インターフェースは、輸送ネットワーク(T)、より詳細には、固定電話ネットワーク、携帯電話ネットワーク、データネットワーク、インターネットネットワーク、GSM、GPRS、UMTS/EDGE、VSF-Spread、OFDM、GPSの間で選択されたネットワークにアクセスするように構成された、請求項9に記載の締め具、より詳細にはネジ。
【請求項11】
それぞれエネルギー源を電気エネルギーに変換するように構成された、1つまたは複数の環境発電システム(13)を備えた締め具であって、各環境発電システム(13)は、前記センサ(9)および/または前記プリント基板(12)および/または記憶ユニット(11)に電力を供給する、請求項7から10のいずれか一項に記載の締め具。
【請求項12】
長手軸(X)を有するシャンク(4)と、ハウジング(8)を有するヘッド(6)とを備えた締め具であって、前記締め具(3、103)は、前記ハウジング(8)の内側に挿入される、硬い材料で作られ少なくとも部分的に誘電性である密封ケース(50)を備え、前記プリント基板(12)は、前記ケース(50)の内側に挿入され、前記ケース(50)の内側に、1つまたは複数のセンサ(9)、より詳細には加速度計が格納されている、請求項7から11のいずれか一項に記載の締め具。
【請求項13】
前記ケース(50)は、外側から見え、前記プリント基板(12)に内部で接続されたLED(51、52)を備えている、請求項12に記載の締め具。
【請求項14】
前記シャンク(4)は中実である、すなわち、内部キャビティを有していない、請求項12または13に記載の締め具。
【請求項15】
前記締め具は、前記シャンク(4)の内側にキャビティ(7、8)を有し、前記キャビティ(7、8)の内側に、以下のもの、1つまたは複数のセンサ(9)、および/または1つまたは複数の環境発電システム(13)、および/または前記プリント基板(12)が少なくとも部分的に格納されている、請求項7から13のいずれか一項に記載の締め具。
【請求項16】
それぞれ請求項7から15のいずれか一項に記載の締め具である、第1の端末デバイス(2、2’、2”)および1つまたは複数の第2の端末デバイス(3、103)を備えた監視システムであって、前記第1の端末デバイス(2、2’、2”)および各第2の端末デバイス(3、103)は、直接的および/または間接的に、すなわち輸送ネットワーク(T)、より詳細には遠隔通信ネットワークを介してデータおよび電磁信号(S)を無線で交換するように構成されている、監視システム。
【請求項17】
追加のNFC送信機/受信機(19”)を備えた第3の端末デバイス(60、600)を備えた、請求項15に記載の監視システム。
【請求項18】
前記第3の端末デバイス(60)は、前記第2の端末デバイス(3、103)を再充電するように構成されたハードウェアプラットフォームを備え、好ましくは、前記ハードウェアプラットフォームはまた、前記第2の端末デバイス(3、103)とデータを交換するように構成されている、請求項17に記載の監視システム。
【請求項19】
前記第1の端末デバイス(2、2’、2”)は、スマートフォンまたはモバイルデバイス(600)またはツール、より詳細には、前記第2の端末デバイス(3、103)を締め付けるためのツール(U)内に含まれている、請求項16から18のいずれか一項に記載の監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、参照によりその開示全体が本明細書に組み込まれている、2021年7月8日に出願したイタリア特許出願第102021000018041号の優先権を主張するものである。
【0002】
本発明に対する特許出願は、締め具、監視システムおよび方法に関する。
【0003】
有利には、本発明は、機械装置の構成部品を締め付けるその機能に加えて、作動状態、すなわち、締め具と瞬時に交差するあらゆる物理的現象と組み合わせた締め具の瞬時使用状態に基づいて信号(より詳細には、電磁信号)を動的に発生させる機能、および締め具自体の外側にこれらの信号を伝達する機能の両方を保証するように、1つまたは複数のセンサを備えた締め具、より詳細には、ネジに関する。
【0004】
有利には、本発明によると、締め具は、締め具自体の作動状態を動的にコントロールするための監視システムを形成するように、コントロールシステムと遠隔で相互作用する。
【0005】
有利には、本発明によると、複数の締め具は、締め具の複雑なシステムの作動状態を動的にコントロールするための監視システムを形成するように、コントロールシステムと遠隔で相互作用することが可能である。例えば、複数の締め具は、複雑な機械装置(例えば、産業機械またはエンジン)に適用されてもよく、コントロールシステムと相互作用して、機械装置の所定の作動パラメータを瞬時に検出し、あらゆる保守活動を予測し、あらゆる故障を信号で知らせることが可能な複雑な監視システムを形成してもよい。したがって、有利には、本発明によると、機械装置の動作用の予測監視システムが提供される。
【背景技術】
【0006】
機械装置の2つ以上の構成部品を接続するための締め具、より詳細にはネジの使用が知られている。締め具、より詳細にはネジは、多くの機械装置に適用される。
【0007】
概して、締め具は、締め具のタイプによって、接続/保持要素を構成するシャンクを備えている。シャンクは、ヘッドを有してもよい、またはナット、ワッシャ、リングなどの他の構成部品と協働してもよい。
【0008】
締め具のいくつかの例として、スタッドまたは引きネジ(シャンクに加えて、シャンクの外側で軸方向および径方向の両方に突出するヘッドも備えている)が挙げられる。例えば、スタッドまたは特殊張力ロッドなどの他の締め具も知られている。
【0009】
本発明は、好ましくは、鉄鋼より軽く、(概して、自動車および航空宇宙応用例で)高い性能である材料で作られた、締め具、より詳細にはネジに関する。例えば、本発明は、高い機械および熱抵抗を有する材料で作られた、例えば、チタン合金で作られた締め具に関する。
【0010】
また、締め具内に設置されたセンサを提供することが知られ、あらゆる場合で、これらのセンサは電動でなければならない。センサを有する既知のタイプの締め具は、テストで、すなわち、オペレータが締め具に直接アクセスする可能性がある状態で使用される。
【0011】
また、特許文献1から、締付動作中に、加えられる締付トルクを検出するように、締め具と締付ツールの間に配置するセンサを備えたアダプタを使用することが知られている。
【0012】
このタイプのアダプタは、静的締付力、すなわち、締め具がそれで締め付けられた力を判断するように構成されている。
【0013】
センサを備えたこのタイプの知られているアダプタは、締付トルクを検出するようにその本体の内側に配置された複数のセンサを備え、加えて、損傷または変形することなく、締付トルクをツールから締め具に伝達することが可能でなければならない。したがって、不利なことに、締付中に適切な抵抗およびトルク伝達を保証することが可能になるような金属で作られなければならないことを仮定すると、センサを備えたこの既知のタイプのアダプタは特に、かさばり、重い。加えて、センサを備えたこの知られているタイプのアダプタは、特殊な個別の締め具の締付中にのみ締付トルクの検出を可能にする。
【0014】
加えて、あらゆる締め具交換の検出などの、保守および品質コントロール活動のための1回限りの検出測定を行うことが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
締め具、より詳細にはネジは、使用中に、高い機械的および熱的力に曝され、したがって、時間の経過と共に、それらの力が加えられる機械装置の疲労抵抗および正確な動作を保証するように、高い機械抵抗(しばしば、熱抵抗も)有していなければならない。
【0017】
しばしば、締め具、より詳細にはネジは、強い振動に曝される位置に設置されている。例えば、燃焼機関のヘッドで、または航空学または宇宙応用例でのビークルで、または産業機械に設置される。
【0018】
知られているタイプの機械装置(例えば、一片の産業機械)などの複雑なシステムの締め具は、所定の作動状態を動的に検出することができない。
【0019】
知られているタイプの締め具は、機械装置自体の瞬時作動状態に応じて、保守をプログラミングするための予測動作を可能にしない。これに関して、不利なことに、従来の機械装置では、締め具の状態のコントロールが静的にプログラミングされた保守動作中に行われることに留意すべきである。この場合、その後、機械装置は、実際は必要ではない場合でさえ、または最悪の場合(例えば、機械装置が誤って使用された場合)、破断または損傷による動作中に、保守(締め具を再び締め付けるまたは交換するためのコントロール)のために停止させなければならない。
【0020】
有利には、本発明による締め具は、強い動的応力、すなわち、振動および/または熱応力に曝された本体を締め付けるように構成されている。
【0021】
本発明の目的は、所定の作動パラメータの遠隔および動的、すなわち連続検出を可能にする締め具、監視システムおよび方法を提供することである。
【0022】
本発明の目的は、遠隔で、すなわちワイヤ接続なしでコントロールシステムと通信することが可能な締め具を提供することである。
【0023】
本発明の目的は、締め具によって発生される信号を遠隔で検出することができる監視システムを提供し、機械装置の寿命全体の間にテストおよび作動状態の両方で、機械装置の監視を行うことである。
【0024】
本発明の目的は、機械装置の実際の作動状態に応じて保守のための予測活動を行うことができる監視システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明によると、添付の特許請求の範囲に記載されるような監視方法が提供される。
【0026】
本発明によると、添付の特許請求の範囲で請求されるものによる締め具、より詳細にはネジが提供される。
【0027】
本発明によると、添付の特許請求の範囲に記載されるような監視システムが提供される。
【0028】
本発明を次に、その非限定的実施形態を図示する添付の図面を参照して記載する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明による監視システムの略図的および部分的に断面で示す図である。
【
図4】本発明による監視システムの追加の例を示す略図である。
【
図5】本発明による監視システムの詳細の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1では、参照番号1は本発明による監視システムを全体的に示している。
【0031】
監視システム1は、コントロールシステム2および1つまたは複数の締め具3を備えている。
【0032】
有利には、監視システム1は加えて、(以下により良く図示するような)再充電端末60を備えている。
【0033】
「締め具」という表現は、機械装置の2つ以上の機械構成部品E、Cを接続するように構成された要素を意味する。締め具3は、使用中に、強い機械的力に曝されるように構成されている。例えば、締め具3は、強い動的応力、すなわち振動および/または熱的応力に曝される本体を締め付けるように構成されている。
【0034】
有利には、締め具3は、高い温度、より詳細には、例えば1300℃より上の温度などのスチールの融点より上の温度に耐えるように構成されている。
【0035】
有利には、締め具3は、高い機械抵抗を有する材料で作られている。単に非限定的例として、締め具3は、スチール合金、チタン合金、または等価材料などの金属で作られている。
【0036】
図1に図示した略図的例によると、締め具3は、長手軸Xを有するシャンク4を備えたネジである。シャンク4は、基本的に円筒形状であり、ネジ山5を有する。図示した例によると、ネジ山5は外部である、すなわち、シャンク4のそれぞれの外部部分上に作られている。ネジ3は、締付要素と相互作用するように構成されたヘッド6を備えている。
【0037】
一般性を損なうことなく、図示されていない変形形態によると、締め具3は異なる種類であってもよい。例えば、締め具はスタッドまたは張力ロッドであってもよい、またはボルトを形成するようにナットと対になっていてもよい。例えば、本発明によると、以下のリベット、ネジ、タイロッドなどが締め具として考えられてもよい。
【0038】
図1に図示した例によると、締め具3はキャビティ7およびハウジング8を有する。キャビティ7は、シャンク4に沿って作られ、ハウジング8を通してネジ3の外側に面する。キャビティ7は、長手軸Xと同軸である。ハウジング8は主に、ヘッド6の内側に作られている。キャビティ7は、これに限らないが、円形断面を有していることが好ましい。
【0039】
これ以下、一般性を損なうことなく、締め具としてのネジ3に言及する。
【0040】
ネジ3は、加えて、1つまたは複数のセンサ9を備えている。1つまたは複数のセンサ9は、キャビティ7の内側に配置されている。
【0041】
図4は、ネジ3の変更形態を103で示している。
図4では、ネジ3と共通の構成部品は、同じ番号を維持し、(簡潔にするために)これらを繰り返すことなくここに含まれるものと考えられる。ネジ103のシャンク4は中実である、すなわち、キャビティ7を有していない。この場合、センサ9は、ハウジング8の内側に挿入されてもよい、またはネジ103の外側に少なくとも部分的に配置されてもよい。図示しない変更形態によると、1つまたは複数のセンサ9が、ネジ3または103の外側に位置決めされている。
【0042】
ネジ3または103は、マイクロプロセッサ10を備えている。ネジ3または103は、無線再充電可能電池11を備えている。無線再充電可能電池11およびマイクロプロセッサ10は、プリント基板12内に一体化されていることが好ましい。
【0043】
有利には、ネジ3または103は、環境発電システム13を備えている。環境発電システム13は、センサ9および/またはプリント基板12および/または無線再充電可能電池11に直接供給する電力にエネルギー源を変換するように構成されている。エネルギー源の典型的例として、太陽エネルギー(内部または外部光源)、機械エネルギー(振動、音波、電流、人間の移動)、熱エネルギー(温度勾配)、電磁波などが挙げられる。
【0044】
環境発電システム13は、キャビティ7および/またはハウジング8の内側に配置されてもよい。図示しない一変更形態によると、環境発電システム13は、ネジ3の本体の外側に位置決めされていてもよい。
【0045】
有利には、ネジ3は、異なる種類のものを含む、複数の環境発電システム13を備えていてもよい。環境発電システム13は、電力に変換されるエネルギー源のタイプにより異なる環境発電システム13のグループ内から選択されてもよい。例えば、環境発電システム13は、選択によって、以下のエネルギー源、機械エネルギー、より詳細には運動エネルギーおよび/または位置エネルギー、電磁エネルギー、熱エネルギー、化学エネルギー、重力エネルギー、原子エネルギーの1つまたは組合せを変換するためのシステムであってもよい。
【0046】
各環境発電システム13は概して、これにぶつかるエネルギー源を電力に変換するように構成された圧電変換器14を備えている。各環境発電システム13は、複数の圧電変換器14を備えていてもよい。
【0047】
各変換器14は、エネルギー源によって異なる圧電変換器のグループから選択されてもよい。
【0048】
図2および
図3では、圧電変換器14の断面が、非限定的例として、略図的に示されている。
【0049】
圧電変換器14は概して、順に以下の列の構成部品、
基板15、
電極16I、
圧電材料の層17、
追加の電極16II
からなるウェーハ構造を備えている。
【0050】
有利には、基板15は弾性材料で作られており、このように、圧電変換器14は優れた弾性を有する。
【0051】
有利には、基板15は少なくとも部分的に、真鍮および/またはカーボンファイバおよび/またはステンレススチールおよび/または銀を有する真鍮などの非磁気材料で作られている。
【0052】
圧電材料の層17は、無機および/または有機材料で作られていてもよい。無機基板15は、単層または多層セラミックを備えていてもよい。圧電材料の層17は、これらの材料、PZT、ZnO、SnO、PVDF、P(VDF-FrFE)、または他の等価材料の1つまたは複数を備えていてもよい。
【0053】
圧電変換器14が図示するように変形される場合、電位差が、結果として電力を生成するように、2つの電極16Iと16IIの間に生成される。
【0054】
有利には、圧電変換器14が弾性材料で作られたという事実により、圧電変換器14が外部力に曝された場合に独自の自然な方法により振動することを可能にする。これにより、圧電変換器14の作動を生成した外部力が停止する場合を含む、電力の生成を延長させることが可能になる。
【0055】
図3は、二重層圧電変換器14、すなわち、電極16および圧電材料の層17が基板15の両側に配置されていることを示している。
【0056】
圧電変換器14が変形されると、電位差は、結果として電力を生成するように、2つの電極16の間に生成される。
【0057】
有利には、弾性材料で作られた圧電変換器14は、外部力に曝される場合に独自の自然の方法により振動することができる。これにより、圧電変換器14の作動を生成した外部力が停止する場合を含む、電力の生成を延長させることが可能になる。
【0058】
電極16は、導電性材料で少なくとも部分的に作られている。電極16は、直列または並列に互いに接続されていてもよい。
【0059】
図示されていない変更形態によると、圧電変換器14は絶縁材料で作られたコーティングを有していてもよい。絶縁材料は、電気および/または熱絶縁である、および/または防水であってもよい。
【0060】
したがって、このタイプの基板15は、圧電変換器14が強いおよび頻繁な振動に曝される応用例に適切である。加えて、5g/cm3より上、より詳細には6g/cm3より上、好ましくは8g/cm3の密度の値により、より幅広い振動、その結果、使用中の圧電材料の層17のより大きな変形を得ることが可能になる。
【0061】
外部力が上に記載したタイプの圧電変換器14の圧電材料の層17の変形、より詳細には振動を生じさせる場合、電圧の差が電極16の間に生成される。
【0062】
電極16は、(略図的に示した)電気回路18に、およびこれを介して、1つまたは複数のセンサ9および/またはプリント基板12および/または無線再充電可能電池11に接続されてもよい。
【0063】
有利には、各環境発電システム13は、センサ9および/またはプリント基板12および/または無線再充電可能電池11に直接供給する電力を生成することが可能になる。このように有利には、ネジ3は、電力をネジ3に供給するために電池または有線接続を必要としない。このように有利には、上に記載したタイプのネジ3は、機械装置の動的および予想診断および監視の部門での複数の異なる応用例を有していてもよい。
【0064】
有利には、上に記載したタイプのネジ3はまた、アクセスすることが難しい領域に位置決めされた外部センサ9用のブリッジとして働くことができる。このように、ネジ3は、電力を外部センサ9に供給するように、データを無線伝達するための端末デバイスとして動作することができる。
【0065】
有利には、センサ9は、小型化されている。
【0066】
各センサ9は、それぞれの動作パラメータに応じて検出される信号のタイプにより異なるセンサのグループ内から選択されてもよい。例えば、センサ9は、加速度、温度、圧力、電圧、湿度、傾斜、熱流、および等価溶液用であってもよい。各センサ9は、感知要素のタイプにより異なるセンサのグループ内から選択されてもよい。例えば、センサ9は、歪みゲージ、熱電対、湿度センサ、光ファイバセンサおよび等価物であってもよい。
【0067】
光ファイバセンサ9の場合、ネジ3はまた、光ファイバセンサと協働する光源(図示せず)を備えている。有利には、光源は環境発電システム13によって生成された電力が供給される。
【0068】
あらゆる一般性を損なうことなく、プリント基板12は、センサ9および/または環境発電システム13および/または存在する場合、外部蓄電池に接続された電気インターフェース20を備えている。
【0069】
図4および
図5に示した例によると、ネジ103は、プリント基板12および1つまたは複数のセンサ9、より詳細には加速度計が挿入されるケース50を備えていることが好ましい。ケース50はハウジング8の内側に挿入される。ケース50は、ネジ103のヘッド6の内側に全体的に格納されていることが好ましい。あらゆる場合に、一般性を損なうことなく、ケース50は、ハウジング8の外側に少なくとも部分的に突起してもよい。
【0070】
有利には、ケース50は、少なくとも部分的に誘電材料で作られ、例えば、使用中に電磁信号を遮蔽しないように、ポリマー材料で作られている。有利には、ケース50は固く、すなわち、弾性変形可能ではない。
【0071】
ケース50は、他の材料で作られた部分を備えていてもよい。非限定的な例として、ケース50は、(
図1に示すように、ネジ3の上に設置されている場合)シャンク4およびあらゆる外部センサ9に面する金属で作られた部分、およびネジ103の外側に面するポリマー材料の部分を備えていてもよい。
【0072】
図5に示されたものによると、ケース50は、ネジ103の外側から見える1つまたは複数のLED51および52(図示した例によると、2つのLEDがあるが、一般性を損なうことなく、LEDの数および配置はあらゆる種類であってもよい)を備えていてもよい。有利には、LEDは、(スイッチオンされた、スイッチオフされた、充電するなど)プリント基板12のあらゆる所定の状態を外部通信するように構成されている。
【0073】
ケース50は、ユーザとの相互作用の領域53、例えば、ユーザによってアクセス可能なケース50自体の自由表面でさえも有することが好ましい。したがって、ユーザは指でケース50をタップしてもよい。このように、ケース50に加えられた振動は加速度計9によって検出される。有利にはプリント基板12は、RFIDタグ21、または対応するネジ3または103を識別および追跡するように適切にプログラミングされたデバイスを備えていてもよい。
【0074】
有利には、プリント基板12は、電子部品の以下のグループ、
信号を増幅/調整するための電子部品135、および
記憶するための電子部品136
から選択された1つまたは複数の追加の電子部品を備えている。
【0075】
有利には、プリント基板12はまた、無線通信部分137、すなわち無線モードを組み込む。
【0076】
無線通信部分137は、データを交換する、より詳細には、コントロールシステム2で直接的および/または間接的に、すなわち輸送ネットワークTを通してデータおよび電磁信号Sを送受信するように構成されている。
【0077】
「データおよび電磁信号Sを直接的に交換する」という表現は、干渉なしで、すなわち、パブリックまたはプライベート輸送ネットワークTを交差することなく、コントロールシステム2と無線通信部分137の間のデータおよび電磁信号Sの交換を意味する。
【0078】
「データおよび電磁信号Sを間接的に交換する」という表現は、パブリックまたはプライベート輸送ネットワークTを介してコントロールシステム2と無線通信部分137の間のデータおよび電磁信号Sの交換を意味する。
【0079】
プリント基板12の無線通信部分137は、コントロールシステム2、より詳細には
図4に詳細に図示され、以下により良く図示されるようなコントロールシステム2’でのデータおよび電磁信号Sの直接的な交換の近距離無線通信(NFC)基準により製造された送信機/受信機19を備えていることが好ましい。
【0080】
NFC送信機/受信機19は、無線再充電可能電池11に接続され、例えば、コントロールシステム2、より詳細にはコントロールシステム2’(
図4および
図5)によって放出される電磁信号Sによって作動させることができる巻き取りスプール(図示せず)を備えている。
【0081】
プリント基板12の無線再充電可能電池11は、ケーブルまたはコネクタを使用することなく再充電することができる、すなわち、無線である。再充電可能電池11は、プリント基板12およびネジ3または103のセンサ9に電力を供給するための適切な容量を有する。
【0082】
例えば、再充電可能電池11は、30から1000mAhの間の自立範囲を有していてもよい。
【0083】
ネジ3または103のNFC送信機/受信機19は、他のデバイスの他のNFC送信機/受信機19’とデータおよび電磁信号Sを交換することが可能である。有利には、ネジ3または103のNFC送信機/受信機19は、スマートフォン/タブレットまたは同様のデバイス(
図4)のNFC送信機/受信機19’と通信する。
【0084】
概して、ネジ3または103の無線通信部分137は、以下の通信システム:
近接無線(概して、数ミリメートルの空間内で動作する)、例えば(例えば、NFC送信機/受信機19、19’、19”の使用などの)誘導または容量原理によるもの;および/または
無線周波数(概して、最大数メートルにわたる)、例えばより詳細にはBluetooth低エネルギー(BLE)またはwi-fiとして知られるタイプのBluetoothシステム;および/または
光学、例えば赤外線システム;および/または
携帯端末デバイス、すなわち、1つまたは複数の輸送ネットワークT、より詳細には遠隔通信ネットワーク、例えば、固定電話ネットワーク、携帯電話ネットワーク、データネットワーク、インターネットネットワーク、GSM、GPRS、UMTS/EDGE、VSF-Spread、OFDM、GPSにアクセスするための無線インターフェース上の無線電話通信用の無線インターフェース
の1つまたは複数を備えていてもよい。
【0085】
無線通信部分137がモバイル端末デバイスを備えている場合、後者はその後、特定の電話オペレータの輸送ネットワークTにアクセスするおよび/またはインターネットおよびクラウドにアクセスするための実際のまたはバーチャルSIMカード22(eSIM(登録商標)、すなわち埋め込み型SIMとしても商業的に知られる)を備えている。
【0086】
プリント基板12は、センサ9によって受信される信号を収集し、ネジ3の作動状態の関数であるパラメータに言及するデータに変換するように構成されている。プリント基板12は、規定のロジックによりデータを処理することが可能である。
【0087】
プリント基板12は、無線通信部分137を介してコントロールシステム2とデータを交換する。
【0088】
図1に示した例によると、有利には、ネジ3または103の無線通信部分137は、NFC送信機/受信機19および実際のまたはバーチャルSIMカード22(eSIM(登録商標)としても商業的に知られる)の両方を備えている。
【0089】
有利には、制限を課すことなく、ケース50および関連するプリント基板12は、ネジ3または103内に全体的に格納されるように小型化される。図示しない一変更形態によると、ケース50および関連するプリント基板12は、ネジ3または103の外側に少なくとも部分的にまたは完全に突出してもよい。このように、ケース50は、ネジ3内でのその格納を認める限界寸法より下に小型化することができない構成部品を格納することが可能である。締め具3の外側に少なくとも部分的に突起するケース50での解決法は、これらの応用例、例えば、標準的ものより大きい寸法の締め具3を格納することが可能である産業機械上で認められてもよい。
【0090】
コントロールシステム2は、その後、電力を供給するための知られているシステム(例えば、電気ネットワークおよび/または電池および/または別の電子デバイスに接続するためのプラグ)、外側とデータおよび電磁信号38を交換するためのユニット(例えば、接続ポート)、記憶ユニット39、計算ユニット40、および例えばユーザとコントロールシステム2の外側のデータを交換するように構成されたデータ管理ユニット41を備えている。
【0091】
コントロールシステム2内では、記憶ユニット39は、1つまたは複数の締め具3の1つまたは複数の作動パラメータを接続および記憶するように構成されている。作動パラメータは、例えば、締め具に加えられる締付トルク、ネジのシャンクに沿って瞬時に加えられる軸方向圧縮または張力、締付が起こる温度、瞬時動作温度、蓄電ユニットの電気充電レベル、あらゆる動作振動、例えば捩じれおよび/または切断などのネジの長手軸Xに対して横の平面上の瞬時動作力を含むと考えられてもよい。
【0092】
計算ユニット40は、交換されるデータを処理するように構成されている。より詳細には、計算ユニット40は、機械装置の各ネジ3では、各ネジ内で発達する軸力、あらゆる動作振動、ネジ抜きおよび/または過剰屈曲および/または過剰捩じれおよび/または限界動作温度を超えるなどのあらゆる有害な状態の瞬時値を自動的に検出することが可能である。
【0093】
計算ユニット40は、記憶ユニット39およびデータ管理ユニット41とデータを交換する。
【0094】
データ管理ユニット41は、複数の異なる方法で製造されてもよい。
図1に示したものによると、データ管理ユニット41は、ユーザと入力および出力データを交換するための、ユーザインターフェース42、例えば、ディスプレイを備えている。
【0095】
図示しない変更形態によると、ユーザインターフェース42は、より詳細には受信する端末デバイス上にインストールされた、モバイルデバイス用アプリケーション(概して、アプリとしても知られる)である。有利には、データ管理ユニット41はモバイルデバイスである。例えば、データ管理ユニット41は、スマートフォン、タブレットおよび/またはコンピュータである。
【0096】
図4は、コントロールシステム2の変更形態を2’で示している。コントロールシステム2と共通の構成部品は同じ番号を維持し、簡潔にするためにここに含まれるものと考えられる。
【0097】
有利には、
図4に示す例によると、コントロールシステム2’は、既に存在する、あるいはスマートフォン(
図4では番号500で示された例)またはタブレットなどの既存のモバイルデバイス500内に一体化されたNFC送信機/受信機19’を備えている。有利には、コントロールシステム2’は、モバイルデバイス500を介した、このアプリケーションの動作およびユーザとの情報の交換を可能にする専用アプリケーションがインストールされたモバイルデバイス500の電子部品と相互作用する。
図5は、コントロールシステム2の追加の変更形態を2”で示している。コントロールシステム2と共通の構成部品は同じ番号を維持し、簡潔にするためにここに含まれるものと考えられる。
【0098】
有利には、
図5に示す例によると、コントロールシステム2”は、ビークル上または機械装置の近くで容易に輸送および位置決めすることができる、より小さな寸法を有するモバイルデバイス600内に一体化されたNFC送信機/受信機19”を備えている。有利には、コントロールシステム2”を一体化するモバイルデバイス600は、その主な目的として、ネジ3または103の再充電可能電池を再充電することを有してもよい。したがって、モバイルデバイス600は、ユーザインターフェースを有していなくてもよい。有利には、送信機/受信機19”は、少なくとも10Wの再充電電力を有する。
【0099】
使用の際、本発明による1つまたは複数の締め具3は、機械装置の2つ以上の部品を機械結合する機能を行うように、機械装置の基板上に設置されている。
【0100】
機械装置に締め付けられる場合、締め具3は既に、1つまたは複数のセンサ9、環境発電システム13(存在する場合)、およびプリント基板12を備えている。締め具3は外部センサ9を備えたブリッジ要素の機能を行うことが可能である。この場合、外部センサ9および/または環境発電システム13(存在する場合)および/またはプリント基板12との接続は、異なるときに作り出されてもよい。
【0101】
締め具3または103を締め付ける場合、設置パラメータは検出および記憶されてもよい。
【0102】
有利には、プリント基板12は、締め具3の使用の1つまたは複数の状態、より詳細には作動パラメータに関連するデータおよび電磁信号Sをコントロールシステム2と交換する無線通信部分137を備えている。
【0103】
コントロールシステム2は、無線通信部分137およびユーザとデータおよび電磁信号Sを交換する。コントロールシステム2は、データを管理および処理するために、ソフトウェアまたはアプリを一体化してもよい。
【0104】
締め具3または103がモバイル端末デバイス(すなわち、1つまたは複数の輸送ネットワークT、例えば、固定電話ネットワーク、携帯電話ネットワーク、データネットワーク、インターネットネットワーク、GSM、GPRS、UMTS/EDGE、VSF-Spread、OFDM、GPSにアクセスするための無線インターフェース上の無線電話内の通信のための無線インターフェース)を備えている場合、1つまたは複数の輸送ネットワークTを通してコントロールシステム2の受信する端末デバイスと通信することが可能であるSIMカード22を備えている。このように、有利には、各締め具3はコントロールシステム2と遠隔通信することが可能である。
【0105】
このように、有利には、本発明による監視システム1(すなわち、コントロールシステム2と組み合わせたネジ3または103のセット)は、機械装置の基板に設置された締め具3または103の動作を遠隔検出することが可能である。
【0106】
加えて、コントロールシステム2は、動作状態(あらゆるアラーム)を記憶し、作動パラメータを検出し、予測動作を行って、締め具3または103の保守動作をスケジュールすることが可能である。
【0107】
有利には、コントロールシステム2’がスマートフォン500などのモバイルデバイスの一部である場合、ネジ3または103のプリント基板12の作動およびデータおよび電磁信号Sの交換はまた、従来のツールU(
図4に略図的に示す)、例えばトルクレンチでネジ3または103を締め付ける場合に起こってもよい。これにより、ネジ3または103を締め付けるために、一般的に使用され、エンドユーザが既に所有している既知のツールを使用することが可能になる。加えて、これらのツールは監視システム1に取り付けられず、したがって、これらのツールUがユーザによって配置および取り扱われるので、監視システム1の方法および正確な動作の目的に全体的に関係ない。
【0108】
図示しない追加の変更形態によると、コントロールシステム2’は、ネジ3または103を締め付けるために使用されるツールU内に一体化されている。
【0109】
1つまたは複数のネジ3または103の締付の後またはその間に、各ネジ3または103の1つまたは複数の作動パラメータを瞬時に検出することが可能である。
【0110】
有利には、NFC送信機/受信機の応用例は、ネジ3または103とモバイルデバイス500の間で信号の交換を行いながら、再充電可能電池11を無線再充電することを可能にする。
【0111】
有利には、監視システム1は、(同時を含む)1つまたは複数のネジ3または103の再充電可能電池11を無線で再充電するように電磁信号Sを発行することが可能な、再充電端末60、より詳細にはハードウェアプラットフォームを備えている。この場合、機械装置にこれらを締め付ける前に、または必要に応じて再充電端末60でネジ3または103の再充電を行うことが可能である。有利には、再充電端末60はまた、ネジ3または103とデータを交換するように構成され、好ましくは、再充電中に起こる可能性もある。再充電端末60はまた、ネジ3または103と交換されたデータを記憶および管理するように構成されている。
【0112】
ネジ3または103が既に機械装置上に設置され、再充電するためにその位置から取り除くことが容易ではない場合、有利には、スマートフォンまたはタブレットが有していてもよいNFC送信機/受信機19’より大きな再充電電力を有するNFC送信機/受信機19”を備えたモバイルデバイス600を使用することが可能である。モバイルデバイス600のNFC送信機/受信機19”は、少なくとも10Wの電力で電磁再充電信号Sを伝達することが可能であることが好ましく、このように、有利には、モバイルデバイス600は再充電可能電池11を迅速に再充電することが可能である。
【0113】
有利には、ネジ3または103は、NFC送信機/受信機19および実際のまたはバーチャルSIMカード22およびBluetooth無線インターフェース(BLE)の両方を備えていてもよい。この場合、有利には、NFC送信機/受信機19は、再充電可能電池11を再充電し、モバイルデバイス500(例えば、スマートフォンまたはタブレット)と短距離通信することを可能にし、実際のまたはバーチャルSIMカード22および/またはBluetooth(BLE)無線インターフェースは、遠隔コントロールシステム2との通信を可能にする。コントロールのためのこのような二重の可能性は、操作を行うユーザとの短距離通信、および遠隔に配置されたコントロールシステム2(例えば、中央集中コントロールユニット)での同じ片のデータの同時通信および管理の両方を可能にする。
【0114】
存在する場合、有利には、環境発電システム13は、外部エネルギー源をセンサ9および/またはプリント基板12または蓄電ユニット11に直接供給するための電気に変換する。
【0115】
各センサ9は、それぞれの作動状態に関連する信号を検出し、締め具13の電気回路18(略図的に図示)を介して、信号を処理するプリント基板12と信号を交換する。プリント基板12は、例えば、マイクロプロセッサ10、およびセンサ9による入力として送信される信号を管理および処理するための他の電子構成部品を備えている。
【0116】
どのように本発明による監視システム1が連続的にまたは所定の間隔で、または所定の使用状態のみで動作することができるのかを観察すべきである。例えば、特定のエネルギー源が(例えば、振動および/または熱流などの余分が存在する場合の故障などの)特定のイベント中に解放される場合、これらのイベントは環境発電システム13を供給し、その結果、検出された作動パラメータの伝達を潜在的に組み合わせて、警告信号を伝達するためにセンサ9および/または蓄電ユニット11および/またはプリント基板12に供給する電気を生成することが可能である。
【0117】
図示されたものによると、本発明による監視システム1は、ネジ、ボルト、張力ロッド、または等価要素を介して機械結合のために既に考えられたハウジングを利用する機械装置の内側にセンサ9を設置することを可能にする。
【0118】
すなわち、その寸法を増加させる必要なく機械装置にセンサを備える、または締め具と異なり、2つの機械構成部品の間の接続要素の機能を行うことを可能にするためなどの、機械的機構を有していないあらゆるセンサ用の特定のシートを提供することが可能である。
【0119】
これにより、多くの機械装置の設計を単純化し、いくつかの場合では、センサ9を機械装置の重要な点、例えば、ネジが位置決めされる同じ機械結合点で正しく位置決めすることが可能になる。
【0120】
上記に加えて、上に記載したタイプの監視システム1は、ネジ3の外側、および他の方法で到達することが難しい領域に位置決めされてもよいセンサ9と接続するためのブリッジ要素として本発明によるネジ3を使用することを可能にする。すなわち、本発明によるネジ3は有利には、知られている方法により有線伝達することが難しいセンサ信号の供給および伝達を可能にする。
【0121】
上に記載したタイプの監視システム1により、コントロールシステム2および/または外部電気供給ユニットとネジ3を接続するためのワイヤおよびコネクタを完全に取り除くことが可能になる。
【0122】
上に記載したタイプの監視システム1により、機械装置上に設置されたネジ3の複数の瞬時使用パラメータを遠隔でリアルタイムに検出することが可能になる。これにより、所定の作動パラメータの正確な対象コントロールを行い、保守動作を効果的にプログラミングし、あらゆる故障を検出することが可能になる。
【0123】
本発明による監視システム1により、監視システム1を介して検出された動作パラメータに基づいてスケジュールされた動作と静的予測に基づいたスケジュールされた保守動作を交換することが可能になる。このように、有利には、保守の周期および費用を減少させて、再びネジを締め付ける、または交換を必要とする場合のみに動作を限定することができる。
【0124】
上に記載したタイプの監視システム1により、再生可能エネルギーを使用して、電気への1つまたは複数のエネルギー源の変換を介して全てのセンサ9およびプリント基板12を供給することを可能にする。このように、監視システム1は高度に維持可能である。
【0125】
使用される材料が従来のネジと比較して軽い傾向があり、加えて、締め具3がセンサ9、および従来のセンサが使用される解決法と比較して重量、嵩、およびワイヤ構造が減少して小型化されたプリント基板12を組み込むので、監視システム1により、加えて、従来の機械装置の重量を減少させることが可能になる。
【0126】
図4に示した解決法によると、ネジ103は有利には、中実な、すなわちキャビティがないシャンク4を有する。この場合、ネジのシャンク4の抵抗部分は最大であり、特に疲労に対する最大の機械抵抗を保証する。このタイプの応用例は、ネジが強い力、特に疲労に曝されるこれらのコンテキストで好ましい。すなわち、この解決法は、いわゆる「重要な」ネジ、すなわち使用中に強い応力に曝されるネジでの有利な応用例である。
【0127】
有利には、
図4に示す解決法によると、全ての電子構成部品、含まれたセンサ9は、その後、ネジ103のヘッド6内に少なくとも部分的に格納されたケース50の内側に挿入される。ヘッド6が最小の機械的応力を受ける部分であると仮定すると、これにより、例えば、加速度計、温度および圧力センサなどのあらゆる電子構成部品のより大きな抵抗を保証することが可能になる。
【0128】
有利には、
図4に示す解決法は、特に小型で組み立てるのが容易であり、ネジ3がセンサ9または環境発電システム13などの電子構成部品を格納するように穿設されたシャンク4を有する解決法で存在する全ての電気接続の問題を決定的になくす。
【0129】
有利には、本発明によるネジ3または103がコネクタを備えていないという事実が、外部物質に対するより大きな抵抗、および潜在的に、読取装置との電気接続のためのコネクタがある既知の解決法と比較した大気抵抗を保証する。
【符号の説明】
【0130】
1 監視システム
2 コントロールシステム
3 締め具
4 シャンク
5 ネジ山
6 ヘッド
7 キャビティ
8 ハウジング
9 センサ
10 マイクロプロセッサ
11 無線再充電可能電池
12 プリント基板
13 環境発電システム
14 圧電変換器
15 基板
16 電極
17 圧電材料の層
19 送信機/受信機
20 電気インターフェース
21 RFIDタグ
39 記憶ユニット
40 計算ユニット
41 データ管理ユニット
42 ユーザインターフェース
50 ケース
51 LED
52 LED
60 再充電端末
103 ネジ
135 電子部品
136 電子部品
137 無線通信部分
500 モバイルデバイス
600 モバイルデバイス
【手続補正書】
【提出日】2024-03-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端末デバイス(2、2’、2”)および第2の端末デバイス(3、103)を備えた監視システム(1)による監視方法であって、前記第2の端末デバイス(3、103)は、使用の際に、機械装置の2つ以上の構成部品(E、C)を共に固定する締め具、より詳細にはネジを備え、前記第2の端末デバイス(3、103)は、1つまたは複数のセンサ(9)、およびマイクロプロセッサ(10)および無線通信部分(137)を有するプリント基板(12)を備え、前記無線通信部分(137)は、直接的および/または間接的に、すなわち輸送ネットワーク(T)、より詳細には遠隔通信ネットワークを介して前記第1の端末デバイス(2、2’、2”)とデータおよび電磁信号(S)を無線で交換するように構成され、前記センサ(9)は、前記第2の端末デバイス(3、103)の前記プリント基板(12)と信号を交換し、前記方法は、機械装置の前記構成部品(E、C)の作動状態に応じて前記センサ(9)により1つまたは複数の信号を生成するステップと、データを生成するために前記プリント基板(12)により前記信号を処理するステップと、直接的および/または間接的に、すなわち輸送ネットワーク(T)、より詳細には遠隔通信ネットワークを介して前記第1の端末デバイス(2、2’、2”)と前記第2の端末デバイス(3、103)の間でデータを無線交換するステップとを含む、方法。
【請求項2】
前記監視システム(1)は、複数の前記第2の端末デバイス(3、103)を備え、各第2の端末デバイス(3、103)は、それぞれの無線通信部分(137)を通して前記第1の端末デバイス(2、2’、2”)とデータを交換する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の端末デバイス(2’)は、第1のNFC送信機/受信機(19’)を備え、より詳細には、前記第1の端末デバイス(2’)は、スマートフォンまたはモバイルデバイス(600)、またはツール、より詳細には、前記第2の端末デバイス(3、103)を締め付けるためのツール(U)内に含まれ、前記第2の端末デバイス(3、103)の前記無線通信部分(137)は、加えて、無線再充電可能電池(11)、および前記再充電可能電池(11)に接続され、前記第1のNFC送信機/受信機(19’)から電磁電力およびデータの両方を受ける第2のNFC送信機/受信機(19)を備え、データを交換する前記ステップは、前記第1の端末デバイス(2’)を介して前記第2の端末デバイス(3、103)に問い合わせるサブステップと、前記第2の端末デバイス(3、103)で前記第1の端末デバイス(2’)に応答するサブステップとを含み、問い合わせるおよび/または応答する前記サブステップ中に、前記第1の端末デバイス(2’)によって生成された前記電磁信号(S)は、前記第2の端末デバイス(3、103)の前記再充電可能電池(11)を無線充電する、請求項
1に記載の方法。
【請求項4】
前記監視システム(1)は、第3のNFC送信機/受信機(19”)を備えた第3の端末デバイス(60、600)を備え、より詳細には、前記第3の端末デバイス(60)は、前記第2の端末デバイス(3、103)を再充電するように構成されたハードウェアプラットフォームを備え、好ましくは、前記ハードウェアプラットフォームはまた、前記第2の端末デバイス(3、103)とデータを交換するように構成されている、請求項
1に記載の方法。
【請求項5】
前記無線通信部分(137)は、輸送ネットワーク(T)、より詳細には遠隔通信ネットワークのインターフェースアクセスと通信するように構成された、モバイル端末デバイス、より詳細には、Bluetoothまたは実際のまたはバーチャルSIMカード(22)などの無線インターフェースを備え、より詳細には、前記輸送ネットワーク(T)は、固定電話ネットワーク、携帯電話ネットワーク、データネットワーク、インターネットネットワーク、GSM、GPRS、UMTS/EDGE、VSF-Spread、OFDM、GPSの間で選択されたネットワークである、請求項
1に記載の方法。
【請求項6】
各締め具(3、103)は、エネルギー源を電気エネルギーに変換するように構成された環境発電システム(13)を備え、前記プリント基板(12)は、前記環境発電システム(13)によって電気供給され、より詳細には、前記プリント基板(12)は、前記締め具(3、103)のハウジング(7、8)内に少なくとも部分的に配置されている、請求項
1に記載の方法。
【請求項7】
使用の際に、機械装置の2つ以上の構成部品(E、C)を互いに固定する締め具、より詳細にはネジであって、前記締め具(3、103)は、それぞれ機械装置の前記構成部品(E、C)の作動状態に応じて信号を生成する1つまたは複数のセンサ(9)に接続されたプリント基板(12)を備え、前記プリント基板(12)は、マイクロプロセッサ(10)、無線再充電可能電池(11)、および使用の際に、直接的および/または間接的に、すなわち輸送ネットワーク(T)、より詳細には遠隔通信ネットワークを通して端末デバイス(2、2’、2”)と無線でデータおよび電磁信号(2)を無線で交換するように構成された無線通信部分(137)を備えた、締め具。
【請求項8】
前記無線通信部分(137)は、NFC送信機/受信機(19)を備えている、請求項7に記載の締め具。
【請求項9】
前記無線通信部分(137)は、輸送ネットワーク(T)、より詳細には遠隔通信ネットワークのインターフェースアクセスと通信するように構成された、モバイル端末デバイス、より詳細には、Bluetooth BLEまたは実際のまたはバーチャルSIMカード(22)などの無線インターフェースを備えている、請求項
7に記載の締め具、より詳細にはネジ。
【請求項10】
前記無線インターフェースは、輸送ネットワーク(T)、より詳細には、固定電話ネットワーク、携帯電話ネットワーク、データネットワーク、インターネットネットワーク、GSM、GPRS、UMTS/EDGE、VSF-Spread、OFDM、GPSの間で選択されたネットワークにアクセスするように構成された、請求項9に記載の締め具、より詳細にはネジ。
【請求項11】
それぞれエネルギー源を電気エネルギーに変換するように構成された、1つまたは複数の環境発電システム(13)を備えた締め具であって、各環境発電システム(13)は、前記センサ(9)および/または前記プリント基板(12)および/または記憶ユニット(11)に電力を供給する、請求項
7に記載の締め具。
【請求項12】
長手軸(X)を有するシャンク(4)と、ハウジング(8)を有するヘッド(6)とを備えた締め具であって、前記締め具(3、103)は、前記ハウジング(8)の内側に挿入される、硬い材料で作られ少なくとも部分的に誘電性である密封ケース(50)を備え、前記プリント基板(12)は、前記ケース(50)の内側に挿入され、前記ケース(50)の内側に、1つまたは複数のセンサ(9)、より詳細には加速度計が格納されている、請求項
7に記載の締め具。
【請求項13】
前記ケース(50)は、外側から見え、前記プリント基板(12)に内部で接続されたLED(51、52)を備えている、請求項12に記載の締め具。
【請求項14】
前記シャンク(4)は中実である、すなわち、内部キャビティを有していない、請求項
12に記載の締め具。
【請求項15】
前記締め具は、前記シャンク(4)の内側にキャビティ(7、8)を有し、前記キャビティ(7、8)の内側に、以下のもの、1つまたは複数のセンサ(9)、および/または1つまたは複数の環境発電システム(13)、および/または前記プリント基板(12)が少なくとも部分的に格納されている、請求項
7に記載の締め具。
【請求項16】
それぞれ請求項
7に記載の締め具である、第1の端末デバイス(2、2’、2”)および1つまたは複数の第2の端末デバイス(3、103)を備えた監視システムであって、前記第1の端末デバイス(2、2’、2”)および各第2の端末デバイス(3、103)は、直接的および/または間接的に、すなわち輸送ネットワーク(T)、より詳細には遠隔通信ネットワークを介してデータおよび電磁信号(S)を無線で交換するように構成されている、監視システム。
【請求項17】
追加のNFC送信機/受信機(19”)を備えた第3の端末デバイス(60、600)を備えた、請求項
16に記載の監視システム。
【請求項18】
前記第3の端末デバイス(60)は、前記第2の端末デバイス(3、103)を再充電するように構成されたハードウェアプラットフォームを備え、好ましくは、前記ハードウェアプラットフォームはまた、前記第2の端末デバイス(3、103)とデータを交換するように構成されている、請求項17に記載の監視システム。
【請求項19】
前記第1の端末デバイス(2、2’、2”)は、スマートフォンまたはモバイルデバイス(600)またはツール、より詳細には、前記第2の端末デバイス(3、103)を締め付けるためのツール(U)内に含まれている、請求項
16に記載の監視システム。
【国際調査報告】