(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-14
(54)【発明の名称】エアロゾル生成装置用断熱材、その製造方法、及び該エアロゾル生成装置用断熱材を含むエアロゾル生成装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/40 20200101AFI20240806BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20240806BHJP
C04B 35/16 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/20
C04B35/16
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501226
(86)(22)【出願日】2022-06-20
(85)【翻訳文提出日】2024-01-23
(86)【国際出願番号】 KR2022008710
(87)【国際公開番号】W WO2023008742
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】10-2021-0100132
(32)【優先日】2021-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0180850
(32)【優先日】2021-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジェオン、ジョン セオン
(72)【発明者】
【氏名】ゴ、ギョウン ミン
(72)【発明者】
【氏名】バエ、ヒュン ジン
(72)【発明者】
【氏名】セオ、ジャン ウォン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、チュル ホ
(72)【発明者】
【氏名】ジュン、ジン チュル
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA06
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB14
4B162AB23
4B162AC10
4B162AC12
4B162AC22
(57)【要約】
エアロゾル生成装置用断熱材は、複数の中空型ビード、及び複数の中空型ビードを結合するバインダを含む。上記中空型ビードは、シリカ、アルミナ、ガラスバブル(glass bubble)及びパーライトからなる群のうちから選択された1種以上のセラミックスを含むものでもある。上記中空型ビードの直径は、10μmから500μmでもある。上記バインダは、ポリイミド(PI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリフェニルスルフィド(PPS)、ポリフェニルスルホン(PPSU)、ポリスルホン(PSU)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)からなる群のうちから選択された1種以上の材料を含むものでもある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成装置用断熱材において、
複数の中空型ビードと、
前記複数の中空型ビードを結合するバインダと、を含む、エアロゾル生成装置用断熱材。
【請求項2】
前記中空型ビードは、シリカ、アルミナ、ガラスバブル及びパーライトからなる群のうちから選択された1種以上のセラミックスを含む、請求項1に記載のエアロゾル生成装置用断熱材。
【請求項3】
前記中空型ビードの直径は、10μmから500μmである、請求項1に記載のエアロゾル生成装置用断熱材。
【請求項4】
前記バインダは、ポリイミド(PI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリフェニルスルフィド(PPS)、ポリフェニルスルホン(PPSU)、ポリスルホン(PSU)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)からなる群のうちから選択された1種以上の材料を含む、請求項1に記載のエアロゾル生成装置用断熱材。
【請求項5】
前記バインダは、前記エアロゾル生成装置用断熱材の全体体積を基準に、20から50体積%含まれる、請求項1に記載のエアロゾル生成装置用断熱材。
【請求項6】
エアロゾル生成装置用断熱材の製造方法において、
複数の中空型ビード及びバインダを混合し、混合物を製造する段階と、
前記混合物を成形し、成形物を製造する段階と、
前記成形物を乾燥させ、エアロゾル生成装置用断熱材を製造する段階と、を含む、エアロゾル生成装置用断熱材の製造方法。
【請求項7】
前記中空型ビードは、シリカ、アルミナ、ガラスバブル及びパーライトからなる群のうちから選択された1種以上のセラミックスを含む、請求項6に記載のエアロゾル生成装置用断熱材の製造方法。
【請求項8】
前記中空型ビードの直径は、10μmから500μmである、請求項6に記載のエアロゾル生成装置用断熱材の製造方法。
【請求項9】
前記バインダは、ポリイミド(PI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリフェニルスルフィド(PPS)、ポリフェニルスルホン(PPSU)、ポリスルホン(PSU)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)からなる群のうちから選択された1種以上の材料を含む、請求項6に記載のエアロゾル生成装置用断熱材の製造方法。
【請求項10】
前記混合物は、前記複数の中空型ビード及び前記バインダを、0.5から5:1の重量比で含む、請求項6に記載のエアロゾル生成装置用断熱材の製造方法。
【請求項11】
前記乾燥は、10℃から500℃の温度でなされる、請求項6に記載のエアロゾル生成装置用断熱材の製造方法。
【請求項12】
エアロゾル生成装置において、
エアロゾル生成物品が挿入される収容空間と、
前記収容空間に収容される前記エアロゾル生成物品を加熱するヒータと、
前記ヒータの外側に配され、前記ヒータで生じる熱が前記収容空間の外部に移動することを遮断する断熱材と、を含み、
前記断熱材は、複数の中空型ビード、及び前記複数の中空型ビードを結合するバインダを含む、エアロゾル生成装置。
【請求項13】
前記断熱材は、前記ヒータと、前記エアロゾル生成装置の外部ハウジングとの間に配され、
前記ヒータと前記断熱材は、互いに離隔されて配される、請求項12に記載のエアロゾル生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル生成装置用断熱材、その製造方法、及び前記エアロゾル生成装置用断熱材を含むエアロゾル生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的なシガレットの短所を克服する代替方法を求める需要が増大している。例えば、シガレットを燃焼させてエアロゾルを生成させる方法ではなく、エアロゾル生成物質を加熱させ、エアロゾルを生成させる方法を求める需要が増大している。それにより、加熱式エアロゾル生成装置に対する研究が活発に進められている。
【0003】
一部の加熱式エアロゾル生成装置は、エアロゾル生成装置のヒータで発生する熱が外部に移動することを遮断し、エネルギー効率を高めるための方便として断熱材が適用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のエアロゾル生成装置には、セラクウール(cerakwool)、エアロゲル(aerogel)などを含む断熱材が適用される。そのような断熱材は、エアロゾル生成装置内部において液滴化された副流煙を吸収することにより、熱伝導率がだんだんと高くなり、結局、断熱材としての機能を喪失するという問題点がある。
【0005】
それにより、本実施形態が解決しようとする課題は、すぐれた断熱効果を有すると共に、エアロゾル生成装置内において液滴化された副流煙を吸収することにより、断熱性能が低下されるという問題を防止することができるエアロゾル生成装置用断熱材及びその製造方法を提供するところにある。
【0006】
本実施形態を介して解決しようとする課題は、前述の課題に制限されるものではなく、言及されていない課題は、本明細書及び添付図面から、本実施形態が属する技術分野において通常の知識を有する者に明確に理解されうるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態に係わるエアロゾル生成装置用断熱材は、複数の中空型ビード(bead)、及び該複数の中空型ビードを結合するバインダを含む。
【0008】
他の実施形態に係わるエアロゾル生成装置用断熱材の製造方法は、複数の中空型ビード及びバインダを混合し、混合物を製造する段階、該混合物を成形し、成形物を製造する段階、及び該成形物を乾燥させ、エアロゾル生成装置用断熱材を製造する段階を含む。
【0009】
さらに他の実施形態に係わるエアロゾル生成装置は、エアロゾル生成物品が挿入される収容空間、該収容空間に収容されるエアロゾル生成物品を加熱するヒータ、及び該ヒータの外側に配され、該ヒータで生じる熱が、該収容空間の外部に移動することを遮断する断熱材を含み、該断熱材は、複数の中空型ビード、及び該複数の中空型ビードを結合するバインダを含む。
【0010】
課題の解決手段は、前述のところには制限されるものではなく、本明細書全体において、通常の技術者によって類推されうる事項をいずれも含むものでもある。
【発明の効果】
【0011】
本実施形態に係わるエアロゾル生成装置用断熱材、及びそれを含むエアロゾル生成装置によれば、すぐれた断熱効果を有すると共に、エアロゾル生成装置内部で液滴化された副流煙が断熱材に吸収される問題を事前に防止し、すぐれた断熱性能を持続的に維持することができる。
【0012】
他の実施形態に係わるエアロゾル生成装置用断熱材の製造方法によれば、高温の焼成工程を経ないので、製造工程が単純化され、製造コストが節減されうる。
【0013】
本実施形態の効果は、前述のところには限定されるものではなく、後述する構成から、類推可能な効果をいずれも含むものでもある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】一実施形態に係わるエアロゾル生成装置用断熱材の例を概略的に図示した断面図である。
【
図2】一実施形態によるエアロゾル生成装置用断熱材の製造方法を示すフローチャートである。
【
図3】一実施形態に係わるエアロゾル生成装置用断熱材を含むエアロゾル生成装置の例を概略的に図示した断面図である。
【
図4】
図3に図示された実施形態に係わるエアロゾル生成装置に、エアロゾル生成物品が挿入された例を図示した断面図である。
【
図5A】一実施形態によって製造されたエアロゾル生成装置用断熱材のイメージを示す図面である。
【
図5B】一実施形態によって製造されたエアロゾル生成装置用断熱材のイメージを示す図面である。
【
図5C】一実施形態によって製造されたエアロゾル生成装置用断熱材のイメージを示す図面である。
【
図5D】一実施形態によって製造されたエアロゾル生成装置用断熱材の外面を、顕微鏡を介して確認したイメージである。
【
図6】一実施形態に係わるエアロゾル生成装置用断熱材の断熱性能を測定するために、経時的温度変化を測定した結果を示したグラフである。
【
図7】エアロゾル生成物品の一例を概略的に図示した図面である。
【
図8】エアロゾル生成物品の他例を概略的に図示した図面である。
【
図9】エアロゾル生成物品のさらに他の例を概略的に図示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
一実施形態に係わるエアロゾル生成装置用断熱材は、複数の中空型ビード(bead)、及び該複数の中空型ビードを結合するバインダを含む。
【0016】
前記中空型ビードは、シリカ、アルミナ、ガラスバブル(glass bubble)及びパーライトからなる群のうちから選択された1種以上のセラミックスを含むものでもある。
【0017】
前記中空型ビードの直径は、10μmから500μmでもある。
【0018】
前記バインダは、ポリイミド(PI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリフェニルスルフィド(PPS)、ポリフェニルスルホン(PPSU)、ポリスルホン(PSU)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)からなる群のうちから選択された1種以上の材料を含むものでもある。
【0019】
前記バインダは、前記エアロゾル生成装置用断熱材の全体体積を基準に、20から50体積%含まれるものでもある。
【0020】
他の実施形態に係わるエアロゾル生成装置用断熱材の製造方法は、複数の中空型ビード及びバインダを混合し、混合物を製造する段階、該混合物を成形し、成形物を製造する段階、及び該成形物を乾燥させ、エアロゾル生成装置用断熱材を製造する段階を含む。
【0021】
前記中空型ビードは、シリカ、アルミナ、ガラスバブル(glass bubble)及びパーライトからなる群のうちから選択された1種以上のセラミックスを含むものでもある。
【0022】
前記中空型ビードの直径は、10μmから500μmでもある。
【0023】
前記バインダは、ポリイミド(PI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリフェニルスルフィド(PPS)、ポリフェニルスルホン(PPSU)、ポリスルホン(PSU)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)からなる群のうちから選択された1種以上の材料を含むものでもある。
【0024】
前記混合物は、前記複数の中空型ビード及び前記バインダを、0.5から5:1の重量比で含むものでもある。
【0025】
前記乾燥は、10℃から500℃の温度によってもなされる。
【0026】
さらに他の実施形態に係わるエアロゾル生成装置は、エアロゾル生成物品が挿入される収容空間、該収容空間に収容されるエアロゾル生成物品を加熱するヒータ、及び該ヒータの外側に配され、該ヒータで生じる熱が、該収容空間の外部に移動することを遮断する断熱材を含み、該断熱材は、複数の中空型ビード、及び該複数の中空型ビードを結合するバインダを含む。
【0027】
前記断熱材は、前記ヒータと、前記エアロゾル生成装置の外部ハウジングとの間に配され、前記ヒータと前記断熱材は、互いに離隔されて配されうる。
【0028】
本実施形態で使用される用語は、本開示における機能を考慮しながら、可能な限り、現在広く使用される一般的な用語を選択したが、それらは、当分野に従事する技術者の意図、判例、または新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分において、詳細にその意味を記載する。従って、本開示で使用される用語は、単純な用語の名称ではなく、その用語が有する意味と、本開示の全般にわたる内容とを基に定義されなければならない。
【0029】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特別に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むものでもあるということを意味する。また、明細書に記載された「~部」、「~モジュール」というような用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、それは、ハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、あるいはハードウェアとソフトウェアとの結合によっても具現される。
【0030】
本明細書で使用されているように、「少なくともいずれか1つの」というような表現が、配列された構成要素の前にあるとき、配列されたそれぞれの構成ではなく、全体構成要素を修飾する。例えば、「a、b及びcのうち少なくともいずれか一つ」という表現は、a、b、c、a及びb、a及びc、b及びc、またはa、b及びcを含むと解釈されるのである。
【0031】
また、本明細書で使用される「第1」または「第2」のように、序数を含む用語は、多様な構成要素について説明するのに使用されうるが、該構成要素は、該用語によって限定されるものではない。該用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみに使用される。
【0032】
明細書全体において、「エアロゾル生成装置」は、ユーザの口を介し、ユーザの肺に直接吸入可能なエアロゾルを発生させるために、エアロゾル生成物質を利用し、エアロゾルを生成する装置でもある。
【0033】
明細書全体において、「エアロゾル生成物品」は、喫煙をするのに利用される物品を意味する。例えば、該エアロゾル生成物品は、点火されて燃焼される方式によって利用される一般燃焼式シガレットでもあり、または、エアロゾル生成装置によって加熱される方式によって利用される加熱式シガレットでもある。他の例示として、該エアロゾル生成物品は、カートリッジに含有された液状が加熱される方式によって利用される物品でもある。
【0034】
以下においては、添付図面を参照し、本開示の実施形態につき、本開示が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳細に説明する。しかし、本開示は、さまざまに異なる形態に具現されるが、ここで説明される実施形態に限定されるものではない。
【0035】
以下においては、図面を参照し、本実施形態について詳細に説明する。
【0036】
図1は、一実施形態に係わるエアロゾル生成装置用断熱材10の例を概略的に図示した断面図である。
【0037】
図1を参照すれば、エアロゾル生成装置用断熱材10は、複数の中空型ビード11、及び複数の中空型ビード11を結合するバインダ12を含む。ただし、それに制限されるものではなく、
図1に図示される要素以外に、他の要素がエアロゾル生成装置用断熱材10にさらに含まれるものでもある。
図1は、シート形状のエアロゾル生成装置用断熱材10の断面図を図示しているが、それは、例示に過ぎず、エアロゾル生成装置用断熱材10は、断熱材10が配される位置、断熱材10の用途、エアロゾル生成装置のヒータの種類、エアロゾル生成装置のヒータの形状などにより、適切な形状に選択されうる。例えば、エアロゾル生成装置用断熱材10は、嵌め込み式、円筒状、チューブ型、シート型などの形状でありうるが、それらに制限されるのではない。
【0038】
中空型ビード11は、内部に中空11aを含むものでもある。中空型ビード11の中空11aは、内部に空気を含むものでもあるが、それに制限されるものではなく、中空型ビード11の中空11aには、真空が形成されうる。エアロゾル生成装置用断熱材10は、複数の中空型ビード11の内部に、空きスペースを含むことにより、内部に中空を含まないビードを含む場合に比べ、熱伝導度が低くもなる。また、複数の中空型ビード11が、内部空きスペースを有することにより、内部に中空を含まないビードを含む場合に比べ、低い質量を有することができる。
【0039】
エアロゾル生成装置用断熱材10に含まれる複数の中空型ビード11は、規則的に、スフィアパッキング(sphere packing)されもするが、それに制限されるのではない。例えば、エアロゾル生成装置用断熱材10に含まれる複数の中空型ビード11は、不規則な形態に凝集されもする。
【0040】
中空型ビード11は、熱伝導性が低いセラミックスを含むものでもある。例えば、中空型ビード11は、シリカ、アルミナ、ガラスバブル(glass bubble)及びパーライトからなる群のうちから選択された1種以上のセラミックスを含むものでもある。ただし、それらに制限されるものではなく、熱伝導性が低い他素材の中空型ビード11を使用することもできる。
【0041】
中空型ビード11の直径は、約10μmから約500μmでもある。望ましくは、中空型ビード11の直径は、約50μmから約450μm、約100μmから約450μm、または約150μmから約400μmでもある。中空型ビード11の直径は、約10μm以上でることが望ましいが、中空型ビード11の直径が大きくなるほど、内部の中空11aの直径も増大し、エアロゾル生成装置用断熱材10の断熱性能が向上するためである。また、中空型ビード11の直径は、約500μm以下であることが望ましいが、中空型ビード11のサイズが大きくなるほど、表面の屈曲が大きくなり、均一厚の断熱材10を形成することが困難になり、断熱材10の耐久性が低下されうるためである。
【0042】
エアロゾル生成装置用断熱材10が、全体領域にわたって均一な断熱性能を有するために、複数の中空型ビード11の直径分布は、平均直径対比で、約30%以内の誤差範囲を有しうる。望ましくは、複数の中空型ビード11の直径分布は、約25%以内、約23%以内または約21%以内の誤差範囲を有しうる。さらに望ましくは、複数の中空型ビード11の直径分布は、約20%以内、約18%以内、約16%以内、約14%以内、約12%以内または約10%以内の誤差範囲を有しうる。さらに望ましくは、複数の中空型ビード11の直径分布は、約8%以内、約6%以内または約5%以内の誤差範囲を有しうる。
【0043】
バインダ12は、複数の中空型ビード11間に配され、複数の中空型ビード11を結合することができる。バインダ12は、複数の中空型ビード11間に配され、中空型ビード11が充填することができない空間を埋め合わせることにより、熱の移動を遮断することができる。また、バインダ12は、複数の中空型ビード11の表面に、水分が接触することを遮断し、エアロゾル生成装置用断熱材10の性能低下問題を防止することができる。
【0044】
バインダ12は、接着力及び耐熱性がある物質を使用することができる。例えば、バインダ12は、ポリイミド(PI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリフェニルスルフィド(PPS)、ポリフェニルスルホン(PPSU)、ポリスルホン(PSU)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)からなる群のうちから選択された1種以上の高分子材料を含むものでもある。ただし、それらに制限されるものではなく、一定レベル以上の温度(例えば、300℃以上)において耐熱性を有し、複数の中空型ビード11を結合することができる十分な接着性を有する物質であるならば、制限なしに使用されうる。
【0045】
バインダ12は、エアロゾル生成装置用断熱材10の全体体積を基準に、約20から約50体積%含まれるものでもある。バインダ12が、エアロゾル生成装置用断熱材10の体積を基準に、約20体積%未満含まれる場合、複数の中空型ビード11間の結合力が低下され、エアロゾル生成装置用断熱材10の耐久性が不足してしまう。なお、約50体積%を超える場合、バインダ12が、複数の中空型ビード11間の気孔を埋め合わせることにより、エアロゾル生成装置用断熱材10の断熱性能が低下されうる。エアロゾル生成装置用断熱材10の適切な耐久性と断熱性能とを達成するために、望ましくは、約25から約30体積%のバインダ12が含まれるものでもある。
【0046】
エアロゾル生成物品で生成された主流煙は、ユーザの口部を介して吸入される。なお、エアロゾル生成物品の上流側端部においては、副流煙が発生する。該副流煙は、ユーザによって吸入されえず、エアロゾル生成装置内部で液滴化されうる。液滴化された副流煙は、エアロゾル生成装置内に設けられた断熱材に吸収され、断熱材の断熱性能を低下させる問題が発生しうる。一実施形態によるエアロゾル生成装置用断熱材10は、複数の中空型ビード11間にバインダ12が配され、液滴化された副流煙が吸収されることを防止することができるので、断熱材10の性能を持続的に維持することができる。さらには、エアロゾル生成装置の断熱材10を介し、ヒータの熱がエアロゾル生成物品に効果的に集中されることによって生成されるエアロゾルの喫味が向上され、ヒータの予熱時間と消費電力とが低減されうる。
【0047】
エアロゾル生成装置用断熱材10の外面は、防水膜が配されうる。例えば、該防水膜は、ガラス膜、ポリイミドコーティング膜、撥水コーティング膜、またはそれらの組み合わせを含むものでもある。ただし、それらに制限されるものではなく、防水(または、防湿)機能が具備された他種類のコーティング膜を含みもする。
【0048】
図2は、一実施形態によるエアロゾル生成装置用断熱材の製造方法を示すフローチャートである。
【0049】
図2を参照すれば、一実施形態によるエアロゾル生成装置用断熱材の製造方法は、複数の中空型ビード及びバインダを混合し、混合物を製造する段階(S10)、該混合物を成形し、成形物を製造する段階(S20)、及び該成形物を乾燥させ、エアロゾル生成装置用断熱材を製造する段階を含む。ただし、それらに制限されるものではなく、
図2に図示される段階以外に、他の段階がエアロゾル生成装置用断熱材の製造方法に含まれるものでもある。
【0050】
段階S10において、複数の中空型ビードとバインダとを混合し、混合物を製造することができる。ただし、それに制限されるものではなく、該混合物には、複数の中空型ビード及びバインダ以外の添加剤が選択的に混合されうる。
【0051】
混合物には、複数の中空型ビード及びバインダを、約0.5から約5:1の重量比で混合することができる。望ましくは、該混合物に含まれる中空型ビード及びバインダの重量比は、約0.7から約3:1の重量比、または約0.8から約2:1の重量比でもある。該混合物に含まれる複数の中空型ビードが、約0.5:1重量比未満に混合する場合、該バインダが、複数の中空型ビード間の気孔を埋め合わせることにより、エアロゾル生成装置用断熱材の断熱性能が低下されうる。また、該混合物に含まれる複数の中空型ビードが、約5:1の重量比を超える場合、複数の中空型ビード間の結合力が低下され、エアロゾル生成装置用断熱材の耐久性が不足してしまう。製造されるエアロゾル生成装置用断熱材の適切な耐久性と断熱性能とを達成するために、望ましくは、複数の中空型ビード及びバインダは、約1から約1.5:1の重量比で混合されうる。
【0052】
段階S20は、混合物を成形し、成形物を製造することができる。該成形物は、最終的に製造しようとするエアロゾル生成装置用断熱材の形状と一致しうる。例えば、該成形物の形状は、嵌め込み式、円筒状、チューブ型、シート型のような形状でありうるが、それらに制限されるものではなく、断熱材が配される位置、エアロゾル生成装置のヒータの種類、エアロゾル生成装置のヒータの形状などにより、適切な形状が選択されうる。
【0053】
混合物を成形する方法には、当技術分野に知られた多様な方法の成形が適用されるが、例えば、圧縮成形、射出成形、押出成形、熱成形、熱溶融成形、積層成形、ロール成形などの成形方法が適用されうる。
【0054】
S30段階は、成形物を乾燥させ、エアロゾル生成装置用断熱材を製造することができる。該S30段階は、該成形物、特に、該成形物に含まれたバインダを乾燥させることができ、乾燥がなされる温度は、該成形物に含まれたバインダの種類によって適切に変更されうる。例えば、該乾燥は、約10から約500℃の温度でなされうる。また、該乾燥は、約50から約400℃の温度、約70から約300℃の温度、または約90から約200℃の温度でなされうる。
【0055】
一実施形態によるエアロゾル生成装置用断熱材の製造方法は、従来のエアロゾル生成装置用断熱材の製造方法と異なり、高温(約600から約1,200℃)の焼成工程を経ず、単に、成形物に含まれたバインダを乾燥させることによって製造が完了されうるので、製造工程が単純化され、製造コストが節減されうる。
【0056】
S30段階は、成形物を乾燥させる段階は、乾燥の温度及び時間が異なる複数の段階を含むものでもある。該S30段階が複数の段階を含むことにより、製造されるエアロゾル生成装置用断熱材が完全に乾燥され、断熱材の耐久性が向上されうる。例えば、該S30段階は、成形物を約10から約120℃の温度で、約1分から約1時間乾燥させる段階、約120℃から約200℃の温度で、約1分から約1時間乾燥させる段階、及び約200℃から約500℃の温度で、約10秒から30分間乾燥させる段階を含むものでもある。他例として、該S30段階は、該成形物を、約50℃から約100℃の温度で、約5分から約30分間乾燥させる段階、約140℃から180℃の温度で、約5分から約30分間乾燥させる段階、及び約250℃から約350℃の温度で、約30秒から約3分間乾燥させる段階を含むものでもある。
【0057】
図3は、一実施形態に係わるエアロゾル生成装置用断熱材10を含むエアロゾル生成装置100の例を概略的に図示した断面図である。
【0058】
図3を参照すれば、エアロゾル生成装置100は、バッテリ110、制御部120、ヒータ130及びエアロゾル生成装置用断熱材10を含む。ただし、それに制限されるものではなく、
図3に図示される要素以外に、他の要素がエアロゾル生成装置100にさらに含まれるものでもある。エアロゾル生成装置100の設計により、バッテリ110、制御部120及びヒータ130の配置は、変更されうる。
【0059】
バッテリ110は、エアロゾル生成装置100が動作するのに利用される電力を供給する。例えば、バッテリ110は、ヒータ130に交流電流が印加されうるように、電力を供給することができ、制御部120が動作するのに必要な電力を供給することができる。また、バッテリ110は、エアロゾル生成装置100に設けられたディスプレイ、センサ、モータなどが動作するのに必要な電力を供給することができる。
【0060】
制御部120は、エアロゾル生成装置100の動作を全般的に制御する。具体的には、制御部120は、バッテリ110及びヒータ130だけではなく、エアロゾル生成装置100に含まれた他の構成の動作を制御する。また、制御部120は、エアロゾル生成装置100の構成要素のそれぞれの状態を確認し、エアロゾル生成装置100が動作可能な状態であるか否かということを判断することもできる。
【0061】
制御部120は、少なくとも1つのプロセッサを含むものでもある。該プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイによっても具現され、汎用的なマイクロプロセッサと、該マイクロプロセッサで実行されうるプログラムが保存されたメモリとの組み合わせによっても具現される。また、他形態のハードウェアによっても具現されるということは、本実施形態が属する技術分野において通常の知識を有する者であるならば、理解することができるであろう。
【0062】
ヒータ130は、バッテリ110から供給された電力によって加熱されうる。例えば、エアロゾル生成物品200がエアロゾル生成装置100に挿入されれば、ヒータ130は、エアロゾル生成物品200の外部に位置することができる。従って、加熱されたヒータ130は、エアロゾル生成物品200内のエアロゾル生成物質の温度を上昇させることができる。
【0063】
ヒータ130は、電気抵抗性ヒータでもある。例えば、ヒータ130には、導電性トラック(track)を含み、該導電性トラックに電流が流れることにより、ヒータ130が加熱されうる。しかしながら、ヒータ130は、前述の例に限定されるものではなく、希望温度まで加熱されうるものであるならば、制限なしに当該しうる。ここで、該希望温度は、エアロゾル生成装置100に既設定のものでもあり、ユーザにより、所望する温度に設定されもする。
【0064】
例えば、ヒータ130は、管型加熱要素、板型加熱要素、針型加熱要素または棒型加熱要素を含むものでもあり、該加熱要素の形態により、エアロゾル生成物品200の内部または外部を加熱することができる。
【0065】
また、エアロゾル生成装置100には、ヒータ130が複数個配されもする。このとき、複数個のヒータ130は、エアロゾル生成物品200の内部に挿入されるようにも配され、エアロゾル生成物品200の外部にも配される。また、複数個のヒータ130のうち一部は、エアロゾル生成物品200の内部に挿入されるように配され、残りは、エアロゾル生成物品200の外部に配されうる。また、ヒータ130の形状は、
図3に図示された形状に限定されるものではなく、多様な形状に作製されうる。
【0066】
なお、他例として、ヒータ130は、誘導加熱式ヒータでもある。具体的には、ヒータ130には、エアロゾル生成物品200を誘導加熱方式で加熱するための導電性コイルを含むものでもあり、エアロゾル生成物品200は、誘導加熱式ヒータによって加熱されうるサセプタを含むものでもある。該誘導加熱方式は、外部磁場によって発熱する磁性体に、周期的に方向が変わる交番磁場(alternating magnetic field)を印加し、磁性体を発熱させる方式を意味しうる。
【0067】
磁性体に交番磁場が印加される場合、該磁性体には、渦流損(eddy current loss)及びヒステリシス損(hysteresis loss)によるエネルギー損失が発生し、損失されるエネルギーが熱エネルギーとして磁性体から放出されうる。該磁性体に印加される交番磁場の振幅または周波数が大きいほど、該磁性体から多くの熱エネルギーが放出されうる。エアロゾル生成装置100は、該磁性体に交番磁場を印加することにより、該磁性体から熱エネルギーを放出させることができ、該磁性体から放出される熱エネルギーをエアロゾル生成物品200に伝達することができる。
【0068】
外部磁場によって発熱する磁性体は、サセプタ(susceptor)でもある。該サセプタは、切片、薄片またはストリップなどの形状でエアロゾル生成装置100に具備されうる。例えば、エアロゾル生成装置100の内部に配されるヒータ130の少なくとも一部が、サセプタ物質によって形成されうる。
【0069】
サセプタ物質の少なくとも一部は、強磁性体(ferromagnetic substance)によっても形成される。例えば、該サセプタ物質は、金属または炭素を含むものでもある。該サセプタ物質は、フェライト(ferrite)、強磁性合金(ferromagnetic alloy)、ステンレス鋼(stainless steel)及びアルミニウム(Al)のうち少なくとも一つを含むものでもある。また、該サセプタ物質は、黒鉛(graphite)、モリブデン(molybdenum)、シリコーンカーバイド(silicon carbide)、ニオブ(niobium)、ニッケル合金(nickel alloy)、金属フィルム(metal film)、ジルコニア(zirconia)のようなセラミックス、ニッケル(Ni)やコバルト(Co)のような遷移金属、ホウ素(B)やリン(P)のような半金属のうち少なくとも一つを含みもする。
【0070】
エアロゾル生成装置100は、エアロゾル生成物品200を収容することができる。エアロゾル生成装置100には、エアロゾル生成物品200を収容するための収容空間102が形成されうる。エアロゾル生成物品200を収容するための空間には、ヒータ130が配されうる。例えば、ヒータ130は、内部に、エアロゾル生成物品200を収容するための円筒形状の収容空間102を有しうる。従って、エアロゾル生成物品200が、エアロゾル生成装置100に収容される場合、エアロゾル生成物品200は、ヒータ130の収容空間102に収容されうる。
【0071】
ヒータ130は、エアロゾル生成装置100に収容されたエアロゾル生成物品200の外側面の少なくとも一部を取り囲むことができる。例えば、ヒータ130は、エアロゾル生成物品200に含まれたタバコ媒質を取り囲むことができる。それにより、ヒータ130からタバコ媒質に、熱がさらに効率的に伝達されうる。
【0072】
ヒータ130は、エアロゾル生成装置100に収容されたエアロゾル生成物品200を加熱することができる。前述のように、ヒータ130は、誘導加熱方式でエアロゾル生成物品200を加熱することができる。ヒータ130は、外部磁場によって発熱するサセプタ物質を含むものでもあり、エアロゾル生成装置100は、ヒータ130に、交番磁場を印加することができる。
【0073】
図3には、図示されていないが、コイルは、エアロゾル生成装置100に具備されうる。該コイルは、ヒータ130に交番磁場を印加することができる。エアロゾル生成装置100からコイルに電力が供給される場合、コイル内部に磁場が形成されうる。該コイルに交流電流が印加される場合、該コイル内部に形成される磁場の方向は、持続的に変更されうる。ヒータ130がコイル内部に位置し、周期的に方向が変わる交番磁場に露出される場合、ヒータ130が発熱することができ、ヒータ130の収容空間102に収容されたエアロゾル生成物品200が加熱されうる。
【0074】
コイルは、ヒータ130の外側面に沿って巻線されうる。また、該コイルは、エアロゾル生成装置100の外部ハウジング101の内面に沿って巻線されうる。該コイルが巻線されて形成される内部空間に、ヒータ130が位置しうる。該コイルに電力が供給される場合、該コイルによって生成される交番磁場がヒータ130に印加されうる。
【0075】
コイルは、エアロゾル生成装置100の長手方向に延長されうる。該コイルは、長手方向に沿って適正な長さに延長されうる。例えば、該コイルは、ヒータ130の長さに対応する長さに延長され、あるいはヒータ130の長さより長く延長されうる。
【0076】
コイルは、ヒータ130に交番磁場を印加するのに適する位置に配されうる。例えば、該コイルは、ヒータ130に対応する位置に配されうる。そのようなコイルの大きさ及び配置により、コイルの交番磁場がヒータ130に印加される効率が向上されうる。
【0077】
コイルによって形成される交番磁場の振幅または周波数が変更される場合、ヒータ130が、エアロゾル生成物品200を加熱する程度も変更されうる。コイルによる磁場の振幅または周波数は、コイルに印加される電力によって変更されうるので、エアロゾル生成装置100は、コイルに印加される電力を調整することにより、エアロゾル生成物品200の加熱を制御することができる。例えば、エアロゾル生成装置100は、コイルに印加される交流電流の振幅及び周波数を制御することができる。
【0078】
1つの例示として、コイルは、ソレノイド(solenoid)によっても具現される。該コイルは、エアロゾル生成装置100の外部ハウジング101の内面に沿って巻線されるソレノイドでもあり、該ソレノイドの内部空間に、ヒータ130及び生成物品200が位置しうる。該ソレノイドを構成する導線の材質は、銅(Cu)でもある。ただし、それに制限されるものではなく、銀(Ag)、金(Au)、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、亜鉛(Zn)及びニッケル(Ni)のうちいずれか一つ、または少なくとも一つを含む合金が、ソレノイドを構成する導線の材質にもなる。
【0079】
図3には、図示されていないが、エアロゾル生成装置100は、蒸気化器をさらに含むものでもある。該蒸気化器は、液状組成物を加熱し、エアロゾルを生成することができ、生成されたエアロゾルは、エアロゾル生成物品200を通過し、ユーザに伝達されうる。言い換えれば、蒸気化器によって生成されたエアロゾルは、エアロゾル生成装置100の気流通路に沿って移動することができ、該気流通路は、蒸気化器によって生成されたエアロゾルが、エアロゾル生成物品200を通過し、ユーザに伝達されるように構成されうる。
【0080】
例えば、蒸気化器は、液体保存部、液体伝達手段及び加熱要素を含むものでもあるが、それらに限定されるものではない。例えば、該液体保存部、該液体伝達手段及び該加熱要素は、独立したモジュールとして、エアロゾル生成装置100に含まれうる。
【0081】
液体保存部は、液状組成物を保存することができる。例えば、該液状組成物は、揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体でもあり、非タバコ物質を含む液体でもある。該液体保存部は、蒸気化器から/に脱着/付着するようにも作製されるが、蒸気化器と一体に作製されもする。
【0082】
例えば、液状組成物は、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤またはビタミン混合物を含むものでもある。該香料は、メントール、ペパーミント、スぺアミントオイル、各種果物の香り成分などを含むものでもあるが、それらに制限されるものではない。該香味剤は、ユーザに多様な香味または風味を提供することができる成分を含むものでもある。該ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC及びビタミンEのうち少なくとも一つが混合されたものでもあるが、それらに制限されるものではない。また、該液状組成物は、グリセリン及びプロピレングリコールのようなエアロゾル形成剤を含むものでもある。
【0083】
液体伝達手段は、液体保存部の液状組成物を加熱要素に伝達することができる。例えば、該液体伝達手段は、綿繊維、セラミック繊維、ガラスファイバ、多孔性セラミックスのような芯(wick)にもなるが、それらに限定されるものではない。
【0084】
加熱要素は、液体伝達手段によって伝達される液状組成物を加熱するための要素である。例えば、該加熱要素は、金属熱線、金属熱板、セラミックヒータなどにもなるが、それらに限定されるものではない。また、該加熱要素は、ニクロム線のような伝導性フィラメントによって構成され、液体伝達手段に巻かれる構造に配されうる。該加熱要素は、電流供給によって加熱され、該加熱要素と接触された液体組成物に熱を伝達し、該液体組成物を加熱することができる。その結果、エアロゾルが生成されうる。
【0085】
例えば、蒸気化器は、カトマイザ(cartomizer)または霧化器(atomizer)とも称されるが、それらに限定されるものではない。
【0086】
図4は、
図3に図示された実施形態に係わるエアロゾル生成装置100に、エアロゾル生成物品200が挿入された例を図示した断面図である。
【0087】
図4を参照するとき、断熱材10は、ヒータ130の外側に配され、ヒータ130で生じる熱が、収容空間102の外部に移動することを遮断することができる。断熱材10は、外部ハウジング101とヒータ130との間に配され、エアロゾル生成装置100の熱損失を防止することができる。
図4には、チューブ型ヒータ130の外側に、チューブ型断熱材10が配された例示が図示されているが、それに制限されるものではない。断熱材10は、ヒータ130で発生した熱が、収容空間102の外部に移動することを遮断することができる形態であるならば、制限されずに適用されうる。
【0088】
断熱材10は、ヒータ130によって生じた熱が、エアロゾル生成物品200に集中されるようにすることにより、ヒータ130の加熱効率を向上させることができ、エアロゾル生成物品200の喫味感も向上させることができる。それだけではなく、断熱材10は、エアロゾル生成装置100の予熱時間を短縮させ、消費電力を低減させることができる。
【0089】
断熱材10は、ヒータ130と、エアロゾル生成装置100の外部ハウジング101との間に配され、ヒータ130と断熱材10は、互いに離隔されて配されうる。ヒータ130と断熱材10とが互いに離隔されて形成された空間には、空気層が形成されるので、ヒータ130で生成された熱の移動を遮断する性能が向上されうる。特に、ヒータ130がエアロゾル生成物品200の外面を取り囲む円筒形態である場合、ヒータ130の広い面積が、エアロゾル生成装置100の外部ハウジング101と隣接して配されるために、ヒータ130で生成された熱が、エアロゾル生成装置100の外部に容易に伝達され、ユーザが熱感を感じたり、他の構成要素に望ましくない影響を及ぼしたりしてしまう。ヒータ130と断熱材10とが互いに離隔されることにより、ヒータ130で生成された熱が、断熱材10に直接伝達されないので、断熱性能がさらに向上されうる。
【0090】
実施例1-1.エアロゾル生成装置用断熱材の製造(厚み0.8mm、内径8.5mm)
ガラスバブルとポリイミドバインダとを1.2:1の重量比で混合し、混合物を製造した。該混合物を、壁厚が0.8mm、内径が8.5mmであるチューブ形態に成形して成形物を製造した。該成形物を、80℃の温度で10分間一次乾燥、160℃の温度で10分間二次乾燥、300℃の温度で1分間三次乾燥させ、エアロゾル生成装置用断熱材を製造した。
【0091】
図5Aから
図5Cは、実施例1-1によって製造されたエアロゾル生成装置用断熱材のイメージを示す図面である。
図5Aは、実施例1-1によって製造されたエアロゾル生成装置用断熱材の全体的な外観に係わるイメージであり、
図5Bは、エアロゾル生成装置用断熱材を長手方向から見たイメージであり、
図5Cは、エアロゾル生成装置用断熱材の長手方向に対して垂直な方向から見たイメージである。
図5Dは、実施例1-1によって製造されたエアロゾル生成装置用断熱材の外面を顕微鏡を介して確認したイメージである。
【0092】
図5Aから
図5Dを参照すれば、エアロゾル生成装置用断熱材は、複数の中空型ビード間にバインダが結合され、チューブ形状を維持していることを確認することができる。
【0093】
実施例1-2.エアロゾル生成装置用断熱材の製造(厚み0.8mm、内径9.0mm)
内径が9.0mmである成形物を製造したことを除いては、実施例1-1と同一に実施し、エアロゾル生成装置用断熱材を製造した。
【0094】
実施例2-1.エアロゾル生成装置用断熱材の製造(厚み1.0mm、内径8.1mm)
壁厚が1.0mm、内径が8.1mmである成形物を製造したことを除いては、実施例1-1と同一に実施し、エアロゾル生成装置用断熱材を製造した。
【0095】
実施例2-2.エアロゾル生成装置用断熱材の製造(厚み1.0mm、内径8.5mm)
壁厚が1.0mm、内径が8.5mmである成形物を製造したことを除いては、実施例1-1と同一に実施し、エアロゾル生成装置用断熱材を製造した。
【0096】
実施例2-3.エアロゾル生成装置用断熱材の製造(厚み1.0mm、内径9.0mm)
壁厚が1.0mm、内径が9.0mmである成形物を製造したことを除いては、実施例1-1と同一に実施し、エアロゾル生成装置用断熱材を製造した。
【0097】
実験例1.エアロゾル生成装置用断熱材の断熱効果測定
実施例1-1から実施例2-3によって製造されたチューブ形態のエアロゾル生成装置用断熱材の内面に、電気抵抗性のチューブ型フィルムヒータ(0.700±0.035Ω)を設け、フィルムヒータの内面には、SUSパイプを設け、断熱効果測定用モジュールを製造した。該チューブ型フィルムヒータに、2.5Vの電圧を印加し、平均飽和温度が290℃になるように加熱し、該SUSパイプの温度変化を経時的に測定した。
【0098】
図6は、実験例1によって測定された経時的温度変化を測定した結果を示したグラフである。
図6のグラフは、断熱効果測定用モジュールに使用されているエアロゾル生成装置用断熱材の種類によって温度変化を示したものである。比較例は、エアロゾル生成装置用断熱材が使用されていないモジュールを意味する。
【0099】
図6を参照すれば、本実施形態は、平均飽和温度が比較例対比で、約30℃上昇したことを確認することができた。また、0.8mmの壁厚を有する実施例1-1及び実施例1-2の平均飽和温度は、約322℃と測定された一方、1.0mmの壁厚を有する実施例2-1から実施例2-3の平均飽和温度は、約335℃と測定された。
【0100】
従って、断熱材を含む実施形態の場合、断熱材を含んでいない比較例に比べ、平均飽和温度が高く測定され、すぐれた断熱効果を有するということを確認することができた。また、該断熱材の厚みが増大することにより、断熱性能が向上されることを確認することができた。
【0101】
以下においては、
図7から
図9を参照し、一実施形態によるエアロゾル生成装置に使用されうるエアロゾル生成物品の例について、図面を参照して説明する。
【0102】
図7は、エアロゾル生成物品200の一例を概略的に図示した図面である。
図7を参照すれば、エアロゾル生成物品200は、タバコロッド210及びフィルタロッド220を含む。
図7には、フィルタロッド220が単一セグメントとして図示されているが、それに限定されるものではない。言い換えれば、フィルタロッド220は、複数のセグメントで構成されもする。例えば、フィルタロッド220は、エアロゾルを冷却する第1セグメント、及びエアロゾル内に含まれた所定成分をフィルタリングする第2セグメントを含むものでもある。また必要により、フィルタロッド220には、他の機能を遂行する少なくとも1つのセグメントをさらに含むものでもある。
【0103】
エアロゾル生成物品200は、少なくとも1枚のラッパ240によって包装されうる。ラッパ240には、外部空気が流入されるか、あるいは内部気体が流出される少なくとも1つの孔(hole)が形成されうる。一例として、エアロゾル生成物品200は、1枚のラッパ240によって包装されうる。他例として、エアロゾル生成物品200は、2以上のラッパ240によって重畳的に包装されもする。例えば、第1ラッパ241によってタバコロッド210が包装され、ラッパ242,243,244により、フィルタロッド220が包装されうる。そして、単一ラッパ245により、エアロゾル生成物品200全体がさらに包装されうる。もしフィルタロッド220が複数のセグメントによって構成されているならば、それぞれのセグメントが、ラッパ242,243,244によって包装されうる。
【0104】
タバコロッド210は、エアロゾル生成物質を含む。例えば、該エアロゾル生成物質は、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びオレイルアルコールのうち少なくとも一つを含むものでもあるが、それらに限定されるものではない。また、タバコロッド210は、風味剤、湿潤剤及び/または有機酸(organic acid)のような他の添加物質を含むものでもある。また、タバコロッド210には、メントールまたは保湿剤のような加香液が、タバコロッド210に噴射されることによっても添加される。
【0105】
タバコロッド210は、多様に作製されうる。例えば、タバコロッド210は、シート(sheet)によっても作製され、ストランド(strand)によっても作製される。また、タバコロッド210は、タバコシートが細かく刻まれた刻みタバコによっても作製される。また、タバコロッド210は、熱伝導物質によっても取り囲まれる。例えば、該熱伝導物質は、アルミニウムホイルのような金属ホイルでもあるが、それに限定されるものではない。一例として、タバコロッド210を取り囲む熱伝導物質は、タバコロッド210に伝達される熱を等しく分散させ、タバコロッド210に加えられる熱伝導率を向上させることができ、それにより、タバコ味を向上させることができる。また、タバコロッド210を取り囲む熱伝導物質は、誘導加熱式ヒータによって加熱されるサセプタとしての機能を行うことができる。このとき、図面に図示されていないが、タバコロッド210は、外部を取り囲む熱伝導物質以外にも、追加のサセプタをさらに含むものでもある。
【0106】
フィルタロッド220は、酢酸セルロースフィルタでもある。なお、フィルタロッド220の形状には、制限がない。例えば、フィルタロッド220は、円柱型ロッドでもあり、内部に中空を含むチューブ型ロッドでもある。また、フィルタロッド220は、リセス型ロッドでもある。もしフィルタロッド220が複数のセグメントによって構成されている場合、複数のセグメントのうち少なくとも一つが異なる形状に作製されもする。
【0107】
フィルタロッド220は、香味が発生されるように作製されもする。一例として、フィルタロッド220に、加香液が噴射され、加香液が塗布された別途の繊維が、フィルタロッド220の内部に挿入されもする。
【0108】
また、フィルタロッド220には少なくとも1つのカプセル230が含まれるものでもある。ここで、カプセル230は、香味またはエアロゾルを発生させることができる。例えば、カプセル230は、香料を含む液体を被膜で覆い包んだ構造でもある。カプセル230は、球形または円筒状の形状を有しうるが、それらに制限されるものではない。
【0109】
もしフィルタロッド220に、エアロゾルを冷却するセグメントが含まれる場合、該冷却セグメントは、高分子物質または生分解性高分子物質によって製造されうる。例えば、該冷却セグメントは、純粋なポリ乳酸(PLA)だけによっても作製されるが、それに限定されるものではない。または、該冷却セグメントは、複数の孔があいた酢酸セルロースフィルタによっても作製される。しかしながら、該冷却セグメントは、前述の例に限定されるものではなく、エアロゾルが冷却する機能を遂行することができるならば、制限なしに当該しうる。
【0110】
図8は、エアロゾル生成物品200の他例を概略的に図示した図面である。
図8を参照すれば、エアロゾル生成物品200は、前端プラグ250をさらに含むものでもある。前端プラグ250は、タバコロッド210において、フィルタロッド220に反対となる一側に位置することができる。前端プラグ250は、タバコロッド210が外部に離脱されることを防止することができ、喫煙中、タバコロッド210から液状化されたエアロゾルが、エアロゾル生成装置に流れて込むことを防止することができる。
【0111】
フィルタロッド220は、第1セグメント221及び第2セグメント222を含むものでもある。ここで、第1セグメント221は、
図7のフィルタロッド220の第1セグメントに対応し、第2セグメント222は、
図7のフィルタロッド220の第2セグメントに対応しうる。
【0112】
エアロゾル生成物品200の直径及び全体長は、
図7のエアロゾル生成物品200の直径及び全体長に対応しうる。例えば、前端プラグ250の長さは、約7mm、タバコロッド210の長さは、約15mm、第1セグメント221の長さは、約12mm、第2セグメント222の長さは、約14mmでもあるが、それらに限定されるものではない。
【0113】
エアロゾル生成物品200は、少なくとも1枚のラッパ240によって包装されうる。ラッパ240には、外部空気が流入されるか、あるいは内部気体が流出される少なくとも1つの孔が形成されうる。例えば、第1ラッパ241により、前端プラグ250が包装され、第2ラッパ242により、タバコロッド210が包装され、第3ラッパ243により、第1セグメント221が包装され、第4ラッパ244により、第2セグメント222が包装されうる。そして、第5ラッパ245により、エアロゾル生成物品200全体がさらに包装されうる。
【0114】
また、第5ラッパ245には、少なくとも1つの穿孔246が形成されうる。例えば、穿孔246は、タバコロッド210を取り囲む領域に形成されうるが、それに制限されるものではない。穿孔246は、ヒータによって形成された熱を、タバコロッド210の内部に伝達する役割を行うことができる。
【0115】
また、第2セグメント222には、少なくとも1つのカプセル230が含まれるものでもある。ここで、カプセル230は、香味またはエアロゾルを発生させることができる。例えば、カプセル230は、香料を含む液体を被膜で覆い包んだ構造でもある。カプセル230は、球形または円筒状の形状を有しうるが、それらに制限されるものではない。
【0116】
図9は、エアロゾル生成物品200のさらに他の例を概略的に図示した図面である。
図9を参照すれば、エアロゾル生成物品200は、第1部分260、第2部分270、第3部分280及び第4部分290を含むものでもある。具体的には、第1部分260、第2部分270、第3部分280及び第4部分290は、それぞれエアロゾル生成要素、タバコ要素、冷却要素及びフィルタ要素を含むものでもある。一例として、第1部分260は、エアロゾル生成物質を含むものでもあり、第2部分270は、タバコ物質及び保湿剤を含むものでもあり、第3部分280は、第1部分260及び第2部分270を通過する気流を冷却させることができ、第4部分290は、フィルタ物質を含むものでもある。
【0117】
図9を参照すれば、第1部分260、第2部分270、第3部分280及び第4部分290は、エアロゾル生成物品200の長手方向を基準に、順に整列されうる。ここで、エアロゾル生成物品200の長手方向は、エアロゾル生成物品200の長さが延長される方向でもある。例えば、エアロゾル生成物品200の長手方向は、第1部分260から第4部分290に向かう方向でもある。それにより、第1部分260及び第2部分270のうち少なくとも一つで生じるエアロゾルが第1部分260、第2部分270、第3部分280及び第4部分290を順に通過して気流を形成することができ、それにより、喫煙者は、第4部分290からエアロゾルを吸入することができる。
【0118】
第1部分260は、エアロゾル生成要素を含むものでもある。また、風味剤、湿潤剤及び/または有機酸(organic acid)のような他の添加物質を含むものでもあり、メントールまたは保湿剤のような加香液を含むものでもある。ここで、該エアロゾル生成要素は、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びオレイルアルコールのうち少なくとも一つを含むものでもある。
【0119】
第1部分260は、巻縮されたシートを含むものでもあり、エアロゾル生成要素は、巻縮されたシートに含侵された状態で、第1部分260に含まれるものでもある。また、風味剤、湿潤剤及び/または有機酸(organic acid)のような他の添加物質及び加香液は、巻縮されたシートに吸収された状態でもって、第1部分260に含まれるものでもある。
【0120】
巻縮されたシートは、高分子素材によって構成されたシートでもある。例えば、該高分子素材は、紙、酢酸セルロース、リヨセル(lyocell)、ポリ乳酸(PLA)のうち少なくとも一つを含むものでもある。例えば、巻縮されたシートは、高温に加熱されても熱による異臭が生じない紙シートでもある。ただし、それらに制限されるのではない。
【0121】
第1部分260は、エアロゾル生成物品200の末端から約7から約20mm地点まで延長され、第2部分270は、第1部分260が終わる地点から約7から約20mm地点まで延長されうる。ただし、そのような数値範囲に、必ずしも制限されるものではなく、第1部分260及び第2部分270のそれぞれ延長される長さは、通常の技術者が容易に変更することができる範囲において、適切に調節されうる。
【0122】
第2部分270は、タバコ要素を含むものでもある。該タバコ要素は、特定形態のタバコ物質でもある。例えば、該タバコ要素は、刻みタバコ、タバコ粒子(particle)、タバコシート(sheet)、タバコビード(beads)、タバコ顆粒(granule)、タバコ粉末(powder)またはタバコ抽出物の形態を有しうる。また、該タバコ物質は、例えば、タバコ葉、タバコ葉脈、膨化タバコ、切断された刻みタバコ、板状葉刻みタバコ及び再構成タバコのうち一種以上を含むものでもある。
【0123】
第3部分280は、第1部分260及び第2部分270を通過する気流を冷却させることができる。第3部分280は、高分子物質または生分解性高分子物質によって製造され、冷却機能を有しうる。例えば、第3部分280は、ポリ乳酸(PLA)繊維によって作製されうるが、それに限定されるものではない。または、第3部分280は、複数の孔があいた酢酸セルロースフィルタによっても作製されうる。しかしながら、第3部分280は、前述の例示に限定されるものではなく、エアロゾルが冷却する機能を遂行する物質は、制限なしにそれに当該しうる。例えば、第3部分280は、中空を含むチューブフィルタまたは紙管フィルタでもある。
【0124】
第4部分290は、フィルタ物質を含むものでもある。例えば、第4部分290は、酢酸セルロースフィルタでもある。なお、第4部分290の形状には、制限がない。例えば、第4部分290は、円柱型ロッドでもあり、内部に中空を含むチューブ型ロッドでもある。また、第4部分290は、リセス型ロッドでもある。もし第4部分290が複数のセグメントによって構成されている場合、複数のセグメントのうち少なくとも一つが異なる形状に作製されもする。
【0125】
第4部分290は、香味が生じるように作製されもする。一例として、第4部分290に加香液が噴射され、該加香液が塗布された別途の繊維が、第4部分290の内部に挿入されもする。
【0126】
エアロゾル生成物品200は、第1部分260から第4部分290のうち少なくとも一部を覆い包むラッパ240を含むものでもある。また、エアロゾル生成物品200は、第1部分260から第4部分290の全部を覆い包むラッパ240を含むものでもある。ラッパ240は、エアロゾル生成物品200の最外郭に位置し、ラッパ240は、単一ラッパでもあるが、複数枚のラッパの組み合わせでもある。
【0127】
一例として、エアロゾル生成物品200の第1部分260は、エアロゾル生成物質を含む巻縮されたしわのあるシートを含み、第2部分270は、タバコ物質として、板状葉刻みタバコ、及び保湿剤としてグリセリンを含むものでもあり、第3部分280は、紙管を含み、第4部分290は、酢酸セルロース繊維を含むものでもあるが、それらに必ず制限されるものではない。
【0128】
本実施形態と係わる技術分野において通常の知識を有する者であるならば、前述の本質的な特性から外れない範囲で変形された形態に具現されうるということを理解することができるであろう。従って、開示された方法は、限定的な観点ではなく、説明的な観点から考慮されなければならない。発明の範囲は、前述の説明ではなく、特許請求の範囲に開示されており、それと同等な範囲内にある全ての差異は、発明に含まれたものであると解釈されなければならないのである。
【国際調査報告】