(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-14
(54)【発明の名称】端末装置により実行される方法及びネットワーク装置により実行される方法
(51)【国際特許分類】
H04W 72/23 20230101AFI20240806BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20240806BHJP
【FI】
H04W72/23
H04W16/28
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501867
(86)(22)【出願日】2021-07-14
(85)【翻訳文提出日】2024-03-12
(86)【国際出願番号】 CN2021106350
(87)【国際公開番号】W WO2023283844
(87)【国際公開日】2023-01-19
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ワン ガン
(72)【発明者】
【氏名】ガオ ユーカイ
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE10
5K067KK02
(57)【要約】
本開示の実施形態は、通信の方法、装置及びコンピュータ記憶媒体に関する。端末装置は、ランダムリソース選択に関する設定を受信する。端末装置は、ネットワーク装置に、端末装置とネットワーク装置との間の送信のためのTCI状態の第1のセット内のターゲットTCI状態に関する情報を送信する。TCI状態の第1のセットは、既にアクティブ化されたTCI状態の第2のセットと少なくとも部分的に重複しない。ターゲットTCI状態は、TCI状態の第2のセットの外にある。その後、端末装置は、少なくともTCI状態の第1のセット内のターゲットTCI状態をアクティブとしてセットする。その結果、MAC CEアクティブ化は必要とされない。したがって、シグナリングオーバーヘッド及び遅延が低減される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置により実行される方法であって、
前記端末装置とネットワーク装置との間の送信のためのTCI状態の第1のセット内のターゲット送信設定インジケータ(TCI:transmission configuration indicator)状態であって、前記TCI状態の第1のセットと少なくとも部分的に重複しない既にアクティブ化されたTCI状態の第2のセットの外である前記ターゲットTCI状態に関する情報を前記ネットワーク装置に送信することと、
少なくとも前記TCI状態の第1のセット内の前記ターゲットTCI状態をアクティブとしてセットすることと、
を含む方法。
【請求項2】
前記ターゲットTCI状態に関する情報を送信することは、
前記ターゲットTCI状態に関連付けられる第1のチャネル品質が閾値品質よりも高いことと、
前記TCI状態の第2のセット内の現在のTCI状態に関連付けられた第2のチャネル品質よりも前記第1のチャネル品質が高く、前記現在のTCI状態を有するチャネルが前記端末装置により監視されていることと、
前記第1のチャネル品質が前記第2のチャネル品質よりオフセットで高いことと、
前記第1のチャネル品質が前記第2のチャネル品質よりオフセットで複数回高いことと、
のうちの少なくとも1つが満たされた場合、前記ターゲットTCI状態に関する情報を送信する
ことを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ターゲットTCI状態に関する情報を送信することは、
物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)、
物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)、又は
物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)
のうちの少なくとも1つにおける報告リソースにおいて前記ターゲットTCI状態に関する情報を送信すること
を含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ターゲットTCI状態に関する前記情報の受信に関する確認を前記ネットワーク装置から受信すること
をさらに含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記報告リソースは、ビーム報告、CSI報告、又はビーム障害回復要求(BFRQ:beam failure recovery request)のためのリソースとともに多重化されるか、又は
前記報告リソースは、前記ターゲットTCI状態に関する前記情報を送信するための前記端末装置のために保留された専用リソースである
請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記ターゲットTCI状態に関する情報を送信することは、
前記ターゲットTCI状態に関する同期信号/物理ブロードキャストチャネルブロックリソースインジケータ(SSBRI:synchronization signals/physical broadcast channel block resource indicator)又はチャネル状態情報参照信号(CSI-RS)リソースインジケータ(CRI)を送信すること、
前記ターゲットTCI状態に関するSSBRI又はCRIをビーム切替のための指示とともに送信すること、又は
前記TCI状態の第1のセットに関する情報を送信すること、
のうちの少なくとも1つを含む
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ターゲットTCI状態に関する情報を送信することは、
チャネル取得プロシージャ又はファインチューニングプロシージャのうちの少なくとも1つをトリガするために、前記情報を送信することを含み、
前記チャネル取得プロシージャは、
前記チャネル取得のための端末装置報告に関連付けられたサウンディング参照信号(SRS)、又は
前記チャネル取得を報告する端末装置に関連付けられたチャネル状態情報(CSI)報告
のうちの1つを含み、
前記ファインチューニングプロシージャは、ファインチューニングのための追跡参照信号(TRS)送信を含む
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも前記TCI状態の第1のセット内の前記ターゲットTCI状態をアクティブとしてセットすることは、
前記ターゲットTCI状態を有する物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を監視すること
を含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも前記TCI状態の第1のセット内の前記1つのターゲットTCI状態をアクティブとしてセットすることは、
前記ターゲットTCI状態が将来の送信のために使用されるとの確認を前記ネットワーク装置から受信したことに応じて、前記ターゲットTCI状態を有する物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)の監視を開始すること
を含む請求項1に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも前記TCI状態の第1のセット内の前記ターゲットTCI状態をアクティブとしてセットすることは、
前記TCI状態の第1のセット内の前記ターゲットTCI状態をアクティブとしてセットすることと、
TCI状態識別子と、ダウンリンク制御情報(DCI)内のTCIコードポイントとのマッピング関係を、前記ターゲットTCI状態の識別子で更新することと
を含む請求項1に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも前記TCI状態の第1のセット内の前記ターゲットTCI状態をアクティブとしてセットすることは、
前記TCI状態の第1のセット内の各TCI状態をアクティブとしてセットすることと、
TCI状態識別子と、ダウンリンク制御情報(DCI)内のTCIコードポイントとの間のマッピング関係を、前記TCI状態の第1のセット内の各TCI状態の識別子で更新することと
を含む請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記TCI状態の第2のセット内の少なくとも1つのTCI状態を非アクティブとしてセットすること
をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記TCI状態の第1のセットと前記TCI状態の第2のセットとは重複せず、前記方法は、
少なくとも前記TCI状態の第1のセットと前記TCI状態の第2のセットとを示すTCI状態セット設定を前記ネットワーク装置から受信すること
をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記ネットワーク装置から、少なくとも前記TCI状態の第1のセットと前記TCI状態の第2のセットとを示すTCI状態セット設定を受信することをさらに含み、
第1のTCI状態が前記TCI状態の第1のセットに関連付けられ、第2のTCI状態が前記TCI状態の第2のセットに関連付けられている
請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記ネットワーク装置から、少なくとも前記TCI状態の第1のセットと前記TCI状態の第2のセットとを示すTCI状態セット設定のルールに関する指示を受信すること
をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記TCI状態の第1のセット内の第1のTCI状態に関するビーム障害検出(BFD)参照信号(RS)を監視することであって、前記第1のTCI状態を有するチャネルが前記端末装置により監視されることと、
前記TCI状態の第1のセット内の前記第1のTCI状態以外の各状態に関する候補ビーム検出(CBD)RSを監視することと、
をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記ターゲットTCI状態に関する情報を送信する前に、
前記TCI状態の第2のセット内の第2のTCI状態に関するビーム障害検出(BFD)参照信号(RS)を監視することであって、前記第2のTCI状態を有するチャネルが前記端末装置により監視されることと、
前記TCI状態の第2のセット内の前記第2のTCI状態以外の各状態に関する候補ビーム検出(CBD)RSを監視することと、
をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項18】
ネットワーク装置により実行される方法であって、
端末装置と前記ネットワーク装置との間の送信のための送信設定インジケータ(TCI)状態の第1のセットに属するターゲットTCI状態であって、前記TCI状態の第1のセットと少なくとも部分的に重複しない既にアクティブ化されたTCI状態の第2のセットの外であるターゲットTCI状態に関する情報を前記端末装置から受信することと、
少なくとも前記TCI状態の第1のセットに基づいて前記端末装置との通信を実行することと、
を含む方法。
【請求項19】
前記ターゲットTCI状態に関する前記情報を受信することは、
物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)、
物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)、又は
物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)
のうちの少なくとも1つにおける報告リソースにおいて前記ターゲットTCI状態に関する情報を受信すること
を含む請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ターゲットTCI状態に関する前記情報の受信に関する確認を前記端末装置に送信すること
をさらに含む請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記報告リソースは、ビーム報告、CSI報告、又はビーム障害回復要求BFRQのためのリソースとともに多重化されるか、又は
前記報告リソースは、前記ターゲットTCI状態に関する前記情報を送信するための前記端末装置のために保留された専用リソースである
請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記ターゲットTCI状態に関する情報を受信することは、
前記ターゲットTCI状態に関する同期信号/物理ブロードキャストチャネルブロックリソースインジケータ(SSBRI)又は(チャネル状態情報参照信号)CSI-RSリソースインジケータ(CRI)を受信すること、
前記ターゲットTCI状態に関するSSBRI又はCRIをビーム切替の指示とともに受信すること、又は
前記TCI状態の第1のセットに関する情報を受信すること、
のうちの少なくとも1つを含む請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記ターゲットTCI状態に関する情報を受信することは、
チャネル取得プロシージャ又はファインチューニングプロシージャのうちの少なくとも1つをトリガするために、前記情報を受信することを含み、
前記チャネル取得プロシージャは、
前記チャネル取得のための端末装置報告に関連付けられたサウンディング参照信号(SRS)、又は
前記チャネル取得を報告する端末装置に関連付けられたチャネル状態情報(CSI)報告
のうちの1つを含み、
前記ファインチューニングプロシージャは、ファインチューニングのための追跡参照信号(TRS)送信を含む
請求項18に記載の方法。
【請求項24】
前記ネットワーク装置に、少なくとも前記TCI状態の第1のセットと前記TCI状態の第2のセットとを示すTCI状態セット設定を送信すること
をさらに含む請求項18に記載の方法。
【請求項25】
前記TCI状態の第1のセットと前記TCI状態の第2のセットとは重複せず、
前記TCI状態セット設定は、前記ネットワーク装置により、
少なくとも前記TCI状態の第1のセットと前記TCI状態の第2のセットの各TCI状態に関連付けられた位置、又は
少なくとも前記TCI状態の第1のセットと前記TCI状態の第2のセットの各TCI状態に関連付けられたTCI状態遷移に関する情報、
のうちの少なくとも1つに基づいて決定される
請求項24に記載の方法。
【請求項26】
第1のTCI状態に関連付けられたTCI状態遷移に関する情報に基づいて、前記TCI状態の第1のセットを設定することと、
第2のTCI状態に関連付けられたTCI状態遷移に関する情報に基づいて、前記TCI状態の第2のセットを設定することと、
をさらに含む請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記端末装置に、少なくとも前記TCI状態の第1のセットと前記TCI状態の第2のセットとを示すTCI状態セット設定のルールに関する指示を送信すること
をさらに含む請求項18に記載の方法。
【請求項28】
TCI状態識別子と、ダウンリンク制御情報(DCI)内のTCIコードポイントとのマッピング関係を、前記ターゲットTCI状態の識別子で更新すること
をさらに含む請求項18に記載の方法。
【請求項29】
TCI状態識別子と、ダウンリンク制御情報(DCI)内のTCIコードポイントとの間のマッピング関係を、前記TCI状態の第1のセット内の各TCI状態の識別子で更新すること
をさらに含む請求項18に記載の方法。
【請求項30】
端末装置により実行される方法であって、
ネットワーク装置から、前記端末装置と前記ネットワーク装置との間の送信のための送信設定インジケータ(TCI)状態の第1のセットであって、既にアクティブ化されたTCI状態の第2のセットと少なくとも部分的に重複しないTCI状態の第1のセット内のターゲットTCI状態に関する情報を受信することと、
少なくとも前記TCI状態の第1のセット内の前記ターゲットTCI状態をアクティブとしてセットすることと、
を含む方法。
【請求項31】
少なくとも前記TCI状態の第1のセット内の前記ターゲットTCI状態をアクティブとしてセットすることは、
前記ターゲットTCI状態を有する物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を監視すること
を含む請求項30に記載の方法。
【請求項32】
少なくとも前記TCI状態の第1のセット内の前記ターゲットTCI状態をアクティブとしてセットすることは、
前記TCI状態の第1のセット内の前記ターゲットTCI状態をアクティブとしてセットすることと、
TCI状態識別子と、(ダウンリンク制御情報)DCI内のTCIコードポイントとのマッピング関係を、前記ターゲットTCI状態の識別子で更新すること
を含む請求項30に記載の方法。
【請求項33】
少なくとも前記TCI状態の第1のセット内の前記ターゲットTCI状態をアクティブとしてセットすることは、
前記TCI状態の第1のセット内の各TCI状態をアクティブとしてセットすることと、
TCI状態識別子と、ダウンリンク制御情報(DCI)内のTCIコードポイントとの間のマッピング関係を、前記TCI状態の第1のセット内の各TCI状態の識別子で更新することと
を含む請求項30に記載の方法。
【請求項34】
前記TCI状態の第2のセット内の少なくとも1つのTCI状態を非アクティブとしてセットすること
をさらに含む請求項30に記載の方法。
【請求項35】
前記ネットワーク装置から、TCI状態セット設定のルールに関する指示を受信すること
をさらに含む請求項30に記載の方法。
【請求項36】
前記TCI状態セット設定のルールは、スライディングウィンドウに関する情報を含む
請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記ターゲットTCI状態に関する情報を受信することは、
前記ネットワーク装置から、前記ターゲットTCI状態についてのTCI状態識別子を受信すること
を含む請求項30に記載の方法。
【請求項38】
前記ターゲットTCI状態についての前記TCI状態識別子を受信することは、ダウンリンク制御情報(DCI)を介して前記TCI状態識別子を受信すること、又は
メディアアドレス制御(MAC)制御要素(CE)を介して前記TCI状態識別子を受信すること
を含む請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記TCI状態の第1のセット内の第1のTCI状態に関するビーム障害検出(BFD)参照信号(RS)を監視することであって、前記第1のTCI状態を有するチャネルが前記端末装置により監視されることと、
前記TCI状態の第1のセット内の前記第1のTCI状態以外の各状態に関する候補ビーム検出(CBD) RSを監視することと、
をさらに含む請求項30に記載の方法。
【請求項40】
前記ターゲットTCI状態に関する情報を受信する前に、
前記TCI状態の第2のセット内の第2のTCI状態に関するビーム障害検出(BFD)参照信号(RS)を監視することであって、前記第2のTCI状態を有するチャネルが前記端末装置により監視されることと、
前記TCI状態の第2のセット内の前記第2のTCI状態以外の各状態に関する候補ビーム検出(CBD) RSを監視することと、
をさらに含む請求項30に記載の方法。
【請求項41】
ネットワーク装置により実行される方法であって、
端末装置に、前記端末装置と前記ネットワーク装置との間の送信のための送信設定インジケータ(TCI)状態の第1のセットであって、既にアクティブ化されたTCI状態の第2のセットと少なくとも部分的に重複しないTCI状態の第1のセットに属するターゲットTCI状態に関する情報を送信することと、
少なくとも前記TCI状態の第1のセットに基づいて前記端末装置との通信を実行することと、
を含む方法。
【請求項42】
前記端末装置に、TCI状態セット設定のルールに関する指示を送信すること
をさらに含む請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記TCI状態セット設定のルールは、スライディングウィンドウに関する情報を含む
請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記ターゲットTCI状態に関する情報を送信することは、
前記端末装置に、前記ターゲットTCI状態についてのTCI状態識別子を送信すること
を含む請求項42に記載の方法。
【請求項45】
前記ターゲットTCI状態についての前記TCI状態識別子を送信することは、
ダウンリンク制御情報(DCI)を介して前記TCI状態識別子を送信すること、又は
メディアアドレス制御(MAC)制御要素(CE)を介して前記TCI状態識別子を送信すること
を含む請求項44に記載の方法。
【請求項46】
端末装置により実行される方法であって、
TCI状態のセット内の第1のTCI状態に関するビーム障害検出(BFD)参照信号(RS)を監視することであって、前記第1のTCI状態を有するチャネルが前記端末装置により監視されることと、
前記TCI状態のセット内の前記第1のTCI状態以外の各TCI状態に関する候補ビーム検出(CBD) RSを監視することと、
を含む方法。
【請求項47】
前記CBD RSを監視することは、
前記第1のTCI状態に関連付けられたTCI状態遷移に関する情報に基づいて、前記第1のTCI状態がある期間中に使用不可となる確率が第1の閾値より高いか否かを決定することと、
確率が第1の閾値よりも高いとの決定に従って、前記CBD RSを監視することと、
を含む請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記第1のTCI状態に関連付けられたTCI状態遷移に関する情報に基づいて、前記第1のTCI状態がある期間中に使用不可となる確率が第2の閾値より低いか否かを決定することと、
確率が第2の閾値よりも低いとの決定に従って、前記BFD RS及び/又は前記CBD RSの監視をスキップすることと、
をさらに含む請求項46に記載の方法。
【請求項49】
ネットワーク装置から、ビーム障害回復(BFR)についての設定であって、少なくとも前記TCI状態のセットを示す設定を受信すること
をさらに含む請求項46に記載の方法。
【請求項50】
端末装置により実行される方法であって、
ネットワーク装置から、ビーム障害検出(BFD)中断の指示を受信することと、
ビーム障害インスタンス(BFI)のカウンタの増加を停止することと、
BFD中断後、BFIのカウンタを再開することと、
を含む方法。
【請求項51】
前記BFD中断の指示を受信することは、
BFDのためのダウンリンク(DL)参照信号(RS)の設定を介して前記BFD中断の指示を受信すること、
メディアアドレス制御(MAC)制御要素(CE)指示を介して前記BFD中断の指示を受信すること、又は
ダウンリンク制御情報(DCI)指示を介して前記BFD中断の指示を受信すること
を含む請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記BFDのためのDL RSの設定は、
前記BFD中断に関連付けられた周期的なDL RSに関する少なくとも1つの時間領域位置、又は
前記BFD中断のスロット番号又はフレーム番号、
のうちの1つを含む請求項50に記載の方法。
【請求項53】
ネットワーク装置により実行される方法であって、
端末装置に、ビーム障害検出(BFD)中断の指示を送信すること
を含む方法。
【請求項54】
前記BFD中断の指示を送信することは、
BFDのためのダウンリンク(DL)参照信号(RS)の設定を介して前記BFD中断の指示を送信すること、
メディアアドレス制御(MAC)制御要素(CE)指示を介して前記BFD中断の指示を送信すること、又は
ダウンリンク制御情報(DCI)指示を介して前記BFD中断の指示を送信すること
を含む請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記BFDのためのDL RSの設定は、
前記BFD中断に関連付けられた周期的なDL RSに関する少なくとも1つの時間領域位置、又は
前記BFD中断のスロット番号又はフレーム番号、
のうちの1つを含む請求項53に記載の方法。
【請求項56】
他の端末装置の報告、
センシング又はカメラからの補助情報、又は
前記ネットワーク装置における計画、
のうちの少なくとも1つに基づいて、前記BFD中断の指示を決定すること
をさらに含む請求項53に記載の方法。
【請求項57】
請求項1~17の何れか一項、又は請求項30~40の何れか一項、又は請求項46~49の何れか一項、又は請求項50~52の何れか一項に記載の方法を実行するように設定された回路を備える
端末装置。
【請求項58】
請求項18~29の何れか一項、又は請求項41~45の何れか一項、又は請求項53~56の何れか一項に記載の方法を実行するように設定された回路を備える
ネットワーク装置。
【請求項59】
少なくとも一つのプロセッサ上で実行された場合、前記少なくとも一つのプロセッサに、請求項1~17の何れか一項、又は請求項18~29の何れか一項、又は請求項30~40の何れか一項、又は請求項41~45の何れか一項、又は請求項46~49の何れか一項、又は請求項50~52の何れか一項、又は請求項53~56の何れか一項に記載の方法を実行させる命令を記憶した
コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、全体として電気通信の分野に関し、特に、ビーム管理拡張のための方法、装置及びコンピュータ記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
モバイル通信は、端末装置とネットワーク装置との間の送信を含む。最近の通信システム、例えばNRシステム又はNRネットワークとも称されるNew Radioアクセスシステムでは、端末装置とネットワーク装置とは、複数のビームを介して通信することができる。このために、端末装置とネットワーク装置との間の送信を拡張するビーム管理を使用することが提案されている。ビーム管理は、送信用及び受信用のビームのセットを取得及び維持し、且つ/又はビーム障害を検出し、送信用のビームを回復するためのメカニズムである。ビーム管理拡張を導入する作業が進行中である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
全体として、本開示の例示的な実施形態は、ビーム管理拡張のための方法、装置及びコンピュータ記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の態様において、端末装置により実行される方法が提供される。前記方法は、前記端末装置と前記ネットワーク装置との間の送信のためのTCI状態の第1のセット内のターゲット送信設定インジケータ(TCI:transmission configuration indicator)状態であって、前記TCI状態の第1のセットと少なくとも部分的に重複しない既にアクティブ化されたTCI状態の第2のセットの外であるターゲットTCI状態に関する情報をネットワーク装置に送信することと、少なくとも前記TCI状態の第1のセット内の前記ターゲットTCI状態をアクティブとしてセットすることと、を含む。
【0005】
第2の態様において、ネットワーク装置により実行される方法が提供される。前記方法は、端末装置から、前記端末装置と前記ネットワーク装置との間の送信のためのTCI状態の第1のセットに属するTCI状態であって、前記TCI状態の第1のセットと少なくとも部分的に重複しない既にアクティブ化されたTCI状態の第2のセットの外であるターゲットTCI状態に関する情報を受信することと、少なくとも前記TCI状態の第1のセットに基づいて前記端末装置との通信を実行することと、を含む。
【0006】
第3の態様において、端末装置により実行される方法が提供される。前記方法は、ネットワーク装置から、前記端末装置と前記ネットワーク装置との間の送信のための送信設定インジケータTCI状態の第1のセットであって、既にアクティブ化されたTCI状態の第2のセットと少なくとも部分的に重複しないTCI状態の第1のセット内のターゲットTCI状態に関する情報を受信することと、少なくとも前記TCI状態の第1のセット内の前記ターゲットTCI状態をアクティブとしてセットすることと、を含む。
【0007】
第4の態様において、ネットワーク装置により実行される方法が提供される。前記方法は、端末装置に、前記端末装置と前記ネットワーク装置との間の送信のための送信設定インジケータTCI状態の第1のセットであって、既にアクティブ化されたTCI状態の第2のセットと少なくとも部分的に重複しないTCI状態の第1のセットに属するターゲットTCI状態に関する情報を送信することと、少なくとも前記TCI状態の第1のセットに基づいて前記端末装置との通信を実行することと、を含む。
【0008】
第5の態様において、端末装置により実行される方法が提供される。前記方法は、TCI状態のセット内の第1のTCI状態に関するビーム障害検出BFD参照信号RSを監視することであって、該第1のTCI状態を有するチャネルが端末装置により監視されることと、TCI状態セット内の第1のTCI状態以外の各TCI状態に関する候補ビーム検出CBD RSを監視することと、を含む。
【0009】
第6の態様において、端末装置により実行される方法が提供される。前記方法は、ネットワーク装置から、ビーム障害検出BFD中断の指示を受信することと、ビーム障害インスタンスBFIのカウンタの増加を停止することと、BFD中断後、BFIのカウンタを再開する。
【0010】
第7の態様において、ネットワーク装置により実行される方法が提供される。前記方法は、ビーム障害検出BFD中断の指示を端末装置に送信してもよい。
【0011】
第8の態様において、端末装置が提供される。前記端末装置は、プロセッサと、メモリとを備える。前記メモリは、前記プロセッサに結合され且つ命令を記憶する。前記命令は、前記プロセッサにより実行される場合、前記端末装置に、本開示の第1、第3、第5及び第6の態様の何れかの態様にかかる方法を実行させる。
【0012】
第9の態様において、ネットワーク装置が提供される。前記ネットワーク装置は、プロセッサと、メモリとを備える。前記メモリは、前記プロセッサに結合され且つ命令を記憶する。前記命令は、前記プロセッサにより実行される場合、前記ネットワーク装置に、本開示の第2、第4及び第7の態様の何れかの態様にかかる方法を実行させる。
【0013】
第10の態様において、命令を記憶したコンピュータ可読媒体が提供される。前記命令は、少なくとも1つのプロセッサ上で実行された場合、前記少なくとも一つのプロセッサに、本開示の前記第1、第2、第3、第4、第5、第6及び第7の態様の何れかの態様に記載の方法を実行させる。
【0014】
発明の概要部分は、本開示の実施形態の重要又は基本的な特徴を特定することも、本開示の範囲を限定することも意図していないことを理解すべきである。本開示のその他の特徴は、以下の説明により容易に理解できるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
添付図面において本開示のいくつかの実施形態をさらに詳細に説明することで、本開示の上述の及びその他の目的、特徴及び利点を、さらに明らかにする。
【0016】
【
図1】本開示の実施形態を実施可能な例示的な通信ネットワークを示す図である。
【0017】
【
図2】本開示のいくつかの例示的な実施形態にかかる、通信のためのシグナリングフローを示す図である。
【0018】
【
図3】本開示のいくつかの実施形態にかかるいくつかの例示的なTCI状態のセットを示す図である。
【0019】
【
図4】本開示のいくつかの例示的な実施形態にかかる、位置に基づいて設定されたいくつかの例示的なTCI状態のセットを示す図である。
【0020】
【
図5】本開示のいくつかの例示的な実施形態にかかる、通信のための別のシグナリングフローを示す図である。
【0021】
【
図6】本開示のいくつかの例示的な実施形態にかかる、いくつかの別の例示的なTCI状態のセットを示す図である。
【0022】
【
図7】本開示のいくつかの例示的な実施形態にかかる、通信のための別のシグナリングフローを示す図である。
【0023】
【
図8】本開示のいくつかの例示的な実施形態にかかる、通信のための別のシグナリングフローを示す図である。
【0024】
【
図9】本開示のいくつかの実施形態にかかる例示的な方法のフローチャートである。
【0025】
【
図10】本開示のいくつかの実施形態にかかる例示的な方法の別のフローチャートである。
【0026】
【
図11】本開示のいくつかの実施形態にかかる例示的な方法の別のフローチャートである。
【0027】
【
図12】本開示のいくつかの実施形態にかかる例示的な方法の別のフローチャートである。
【0028】
【
図13】本開示のいくつかの実施形態にかかる例示的な方法の別のフローチャートである。
【0029】
【
図14】本開示のいくつかの実施形態にかかる例示的な方法の別のフローチャートである。
【0030】
【
図15】本開示のいくつかの実施形態にかかる例示的な方法の別のフローチャートである。
【0031】
【
図16】本開示の実施形態を実装するのに適した装置の概略ブロック図である。
【0032】
図中、同一又は類似の参照番号は、同一又は類似の要素を表す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
ここで、いくつかの例示的実施形態を参照して、本開示の原理を説明する。これらの実施形態は、説明のためにのみ記載され、当業者が本開示を理解し、実施するのを助けるものであり、本開示の範囲に関するいかなる限定も示唆しないことを理解すべきである。本明細書で説明される開示内容は、以下で説明される方法とは異なる様々な方法で実施することができる。
【0034】
以下の説明及び特許請求の範囲において、別途定義されていない限り、本文で使用される全ての技術的及び科学的用語は、本開示の当業者が一般に理解するものと同一の意味を有する。
【0035】
本文で使用される「ネットワーク装置」又は「基地局」(BS:base station)という用語は、端末装置が通信可能なセル又はカバレッジを提供又はホストすることのできる装置を意味する。ネットワーク装置の例としては、ノードB(NodeB又はNB)、進化型ノードB(eNodeB又はeNB)、New Radio(NR)アクセスのノードB(gNB)、リモートラジオユニット(RRU)、ラジオヘッド(RH)、リモートラジオヘッド(RRH)、フェムトノード、ピコノードなどの低電力ノードなどを含むが、これらに限定されない。以下、説明のために、ネットワーク装置の例として、gNBを参照していくつかの実施形態を説明する。
【0036】
本明細書で使用されるように、用語「端末装置」は、無線又は有線の通信能力を有する任意の装置を意味する。端末装置の例としては、ユーザ装置(UE)、パーソナルコンピュータ、デスクトップコンピュータ、携帯電話、セルラーホン、スマートフォン、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ポータブルコンピュータ、タブレット、ウェアラブル装置、モノのインターネット(IoT)装置、あらゆるモノのインターネット(IoE)装置、マシンタイプ通信(MTC)装置、V2X通信のための車載装置などを含むが、これらに限定されず、V2Xの「X」は歩行者、車両又はインフラストラクチャ/ネットワーク、あるいはデジタルカメラなどの画像キャプチャー装置、ゲーム装置、音楽保存及び再生装置、あるいは無線又は有線のインターネットアクセス及び閲覧を可能とするインターネット家電などを表す。
【0037】
本明細書で使用されるように、用語「リソース」、「送信リソース」、「リソースブロック」、「物理リソースブロック」(PRB:physical resource block)、「アップリンクリソース」、又は「ダウンリンクリソース」は、時間領域におけるリソース、周波数領域におけるリソース、空間領域におけるリソース、コード領域におけるリソース、又は通信を可能にする他の任意のリソースなど、端末装置とネットワーク装置との間の通信などの通信を実行するための任意のリソースを指すことができる。以下では、周波数領域と時間領域との両方におけるリソースは、本開示のいくつかの例示的な実施形態を説明するための送信リソースの例として使用される。本開示の例示的な実施形態は、他の領域の他のリソースにも同様に適用できることに留意されたい。
【0038】
本明細書で使用される用語「回路」は、ハードウェア回路及び/又はハードウェア回路とソフトウェアとの組み合わせを意味することができる。例えば、回路は、アナログ及び/又はデジタルハードウェア回路とソフトウェア/ファームウェアとの組み合わせであってもよい。さらに別の例として、回路は、端末装置又はネットワーク装置のような装置に様々な機能を実行させるために協働する、デジタル信号プロセッサ、ソフトウェア及び一つ又は複数のメモリを含むソフトウェアを有するハードウェアプロセッサの任意の部分であってもよい。さらに別の例において、回路は、オペレーションのためにソフトウェア/ファームウェアを必要とするハードウェア回路及び/又はマイクロプロセッサ又はその一部のようなプロセッサであってもよいが、オペレーションのために必要でない場合、ソフトウェアは存在しなくてもよい。本明細書で使用されるように、用語「回路」は、ハードウェア回路又は1つ又は複数のプロセッサのみ、又はハードウェア回路又は1つ又は複数のプロセッサの一部、及びその(又はそれらの)付随するソフトウェア及び/又はファームウェアの実装も含む。
【0039】
本明細書で使用される単数形「1つ(a/an)」、及び「前記(the)」は、文脈に明示的に示されていない限り、複数形も含まれる。用語「含む」及びその変型は、「含むが、これらに限定されるものではない」を意味するオープンエンド用語として理解されるべきである。「に基づく」という用語は、「に少なくとも部分的に基づく」と理解されるべきである。用語「一実施形態」及び「実施形態」は、「少なくとも1つの実施形態」と理解されるべきである。用語「別の実施形態」は、「少なくとも1つの他の実施形態」と理解されるべきである。「第1」、「第2」などの用語は、異なる又は同一の対象を指してもよい。以下では、その他の明示的及び暗黙的な定義を含む場合がある。
【0040】
いくつかの例において、値、プロシージャ、又は機器は、「最良」、「最低」、「最高」、「最小」、又は「最大」などと称される。このような説明は、多くの使用される機能的代替案の中から選択することができることを示すことを意図されており、そして、このような選択は、他の選択より良く、より小さく、より高い必要がなく、又はそのほかの点でより好ましい必要はないことが、理解できるはずである。
【0041】
いくつかの実施形態において、用語「送信」、「送信オケージョン」及び「反復」は、互換的に使用されてもよい。用語「プリコーダ」、「プリコーディング」、「プリコーディングマトリクス」、「ビーム」、「空間関係情報」、「空間領域送信フィルタ」、「空間領域フィルタ」、「空間パラメータ」、「空間関係情報」、「空間関係インフォ」、「TPMI」、「プリコーディング情報」、「プリコーディング情報及び層数」、「プリコーディングマトリクスインジケータ(PMI:precoding matrix indicator)」、「プリコーディングマトリクスインジケータ」、「送信プリコーディングマトリクス支持」、「プリコーディングマトリクス指示」、「TCI状態」、「送信設定インジケータ」、「準コロケーション(QCL:quasi co-location)」、「準-コロケーション」、「QCLパラメータ」及び「空間関係」は、互換的に使用されてもよい。用語「SRI」、「SRSリソースセットインデックス」、「UL TCI」、「UL空間領域フィルタ」、「ULビーム」、「結合されたTCI」は、互換的に使用されてもよい。用語「ビーム」及び「リンク」は、互換的に使用されてもよい。
【0042】
一実施形態において、端末装置は、通信ネットワーク内の端末装置と通信してもよい。端末装置についての設定に関する情報は、通信ネットワーク内のネットワーク装置から送信されてもよいし、予め設定されていてもよい。この情報は、無線リソース制御(RRC)シグナリング、メディアアクセス制御(MAC)制御要素(CE)、ダウンリンク制御情報(DCI)又は事前設定のうちのいずれかを介して送信されてもよい。
【0043】
図1は本開示の実施形態を実施可能な例示的な通信ネットワーク100を示す。ネットワーク100は、ネットワーク装置110と、ネットワーク装置110によりサービングされる端末装置120とを含む。ネットワーク100は、端末装置120をサービングするために、少なくとも1つのサービングセル130を提供してもよい。ネットワーク装置、端末装置及びサービングセルの数は、説明の目的でのみ与えられ、いかなる限定も暗示しないことを理解すべきである。ネットワーク100は、本開示の実施形態を実施するのに適した任意の適切な数のネットワーク装置、端末装置及びサービングセルを含んでもよい。なお、用語「セル」、「サービングセル」、「キャリアコンポーネント(CC:carrier component)」、及び「帯域幅パート(BWP)」は、本明細書において互換的に使用されてもよい。
【0044】
通信ネットワーク100において、ネットワーク装置110は、端末装置120にデータ及び制御情報を通信することができ、端末装置120も、ネットワーク装置110にデータ及び制御情報を通信することができる。ネットワーク装置110から端末装置120へのリンクをダウンリンク(DL)又は順方向リンクと称し、端末装置120からネットワーク装置110へのリンクをアップリンク(UL)又は逆方向リンクと称する。DLは、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH:physical downlink control channel)、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH:physical downlink shared channel)及び物理ブロードキャストチャネル(PBCH:physical broadcast channel)を含むが、これらに限定されない1つ又は複数の論理チャネルを含む。ULは、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH:physical uplink control channel)、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH:physical uplink shared channel)及び物理ランダムアクセスチャネル(PRACH:physical random access channel)を含むが、これらに限定されない1つ又は複数の論理チャネルを含む。
【0045】
ネットワーク100における通信は、ロングタームエボリューション(LTE)、LTE-Evolution、LTE-Advanced(LTE-A)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA)、符号分割多元接続(CDMA)及びモバイル通信のためのグローバルシステム(GSM)などを含むがこれらに限定されない、任意の適切な規格に準拠してもよい。さらに、通信は、現在知られている、又は将来開発される任意の世代の通信プロトコルに従って実行されてもよい。通信プロトコルの例は、第1世代(1G)、第2世代(2G)、2.5G、2.75G、第3世代(3G)、第4世代(4G)、4.5G、第5世代(5G)、5G-advanced通信プロトコルを含むが、これらに限定されない。
【0046】
一実施形態において、ネットワーク装置110は、ビームフォーミング技術を実現し、複数のビームを介して端末装置120に信号を送信するように設定されている。端末装置120は、ネットワーク装置110により複数のビームを介して送信された信号を受信するように設定されている。端末装置120とネットワーク装置110との間には、送信用の異なるビームがあってもよい。
図1に示すように、DLビーム140-1、140-2及び140-3は、送信用に設定されている。説明の便宜上、DLビーム140-1、140-2及び140-3はまとめて又は個別にDLビーム140又はビーム140と称される。ビームの数は、説明の目的でのみ与えられ、いかなる限定も暗示されていないことを理解すべきである。
【0047】
上述したように、端末装置とネットワーク装置との間の送信を拡張するためにビーム管理が使用されてきた。ビーム管理は通常、ビーム指示、ビーム障害検出(BFD:beam failure detection)、候補ビーム検出(CBD:candidate beam detection)及びビーム障害回復(BFR:beam failure recovery)などを含む。本開示の原理及び例示的な実施形態をよりよく理解するために、ビーム指示についての簡単な紹介が以下で説明される。BFD、CBD及びBFRについては後述する。
【0048】
ビーム指示は通常、送信にどのビームを使用するかについてビーム情報を端末装置に提供するためにネットワーク装置により使用される。従来、DLについて、送信設定インジケータ(TCI:transmission configuration indicator)状態に基づくビーム指示が使用されていた。ULについて、ビーム指示は「空間関係」に基づく。DLとULとの両方についてUL TCI又は結合されたTCIを使用することが提案されている。
【0049】
「QCL」構想を採用することも提案されている。例えば、2つのアンテナポートは、空間受信(Rx)パラメータに関して「QCLed」又は「QCL’d」であるとは、端末装置の視点から、これら2つのアンテナポートからの送信が同じRxビームを共有すべきであることを意味する。PDSCHの復調参照信号(DM-RS)ポートとCSI-RSリソースのCSI-RSポートとの間のQCL関係は、PDSCHがCSI-RSと同じビームを使用することを示す。
【0050】
TCI状態は、ネットワーク装置により設定されてもよい。例えば、TCI状態のリストは、CCごとに、BWPごとに、又はCCグループごとに設定されてもよい。TCI状態設定は、RRCを介して端末装置に送信されてもよい。TCI状態設定は、対応する識別子(ID)、QCLタイプ及び対応する参照信号(RS)を含んでもよい。一例として、QCL属性は、例えば、遅延スプレッド、平均遅延、ドップラースプレッド、ドップラーシフト、空間受信(RX)であってもよい。QCLタイプAは、ドップラースプレッド、ドップラーシフト、遅延スプレッド及び/又は平均遅延を表し、QCLタイプDは、空間RXを表す。現在では、QCLタイプは以下のように定義されている。
- 「QCL-TypeA」:{ドップラーシフト、ドップラースプレッド、平均遅延、遅延スプレッド}
- 「QCL-TypeB」:{ドップラーシフト、ドップラースプレッド}
- 「QCL-TypeC」:{ドップラーシフト、平均遅延}
- 「QCL-TypeD」:{空間受信パラメータ}
【0051】
例えば、TCI状態シグナリング及びQCL情報シグナリングは、以下のように示されてもよい。
【0052】
TCI設定後、端末装置は、MAC CEを使用して、端末装置についてTCI状態のサブセットをアクティブ化する。例えば、MAC CEは、無線リソース制御(RRC)により設定されたTCI状態のサブセットをアクティブ化してもよい。代替として、MAC CEは、RRCにより設定されたTCI状態を示してもよい。MAC CEアクティブ化は、PDSCH TCI状態について使用されてもよい。MAC CEアクティブ化は、TCI状態識別子をダウンリンク制御情報(DCI)内のTCIフィールドのコードポイントにマッピングするためにも使用されてもよい。DCI内のTCIフィールドは、TCI状態のアクティブ化されたサブセットからのPDSCHについてTCI状態を示してもよい。DCI内にTCIフィールドが存在しない場合、PDSCHビームはPDCCHに従う。
【0053】
以下で使用されるように、用語「アクティブ化」という用語は、対応するアクティブ化されたTCI状態について、端末装置が、そのRxビーム、時間/周波数同期などを含むRxパラメータを、該TCI状態がDCIのTCIフィールド内で示されている場合に該TCI状態を使用して直ちに受信する準備が整えているようにチューニングする必要があることを意味する。以下で使用されるように、用語「トラッキング」は、単に参照信号受信電力(RSRP)又は信号対干渉雑音比(SINR)を測定するよりも大きな電力及び複雑さを意味する。
【0054】
以下で使用されるように、TCI状態がアクティブ化されたTCI状態である場合、TCI状態は「既知TCI状態」と称されてもよい。追加として、端末装置が既にTCI状態に関する情報を送信した場合、該TCI状態を「既知TCI状態」と称してもよい。TCI状態が非アクティブTCI状態である場合、TCI状態は「不明TCI状態」と称されてもよい。
【0055】
アクティブ化されたTCI状態を示すDCIをスロットnにおいて端末装置が受信する場合、端末装置は、スロットn+T1の後の第1のスロットにおいてTCI状態の切り替えが発生するサービングセル又はサービングセルグループのTCI状態を有するPDSCH/PDCCH/CSI-RS/PUSCH/PUCCH/SRSを送信又は受信することができる可能性がある。ここで、T1は、PDCCH受信を実行し、空間パラメータを適用するために端末装置により必要とされる時間を少なくとも含む。
【0056】
非アクティブTCI状態を示すDCIをスロットnにおいて端末装置が受信する場合、端末装置は、スロットn+T2の後の第1のスロットにおいてTCI状態の切り替えが発生するサービングセル又はサービングセルグループのTCI状態を有するPDSCH/PDCCH/CSI-RS/PUSCH/PUCCH/SRSを送信又は受信することができる可能性がある。ここで、T2は、PDCCH受信を実行し、該TCI状態をアクティブされたとしてセットし、空間パラメータを適用するために端末装置により必要とされる時間を少なくとも含む。
【0057】
しかしながら、高速列車内の端末装置などの移動中の端末装置については、頻繁なMAC CEアクティブ化が必要とされる。このような頻繁なMAC CEアクティブ化は、送信の性能に影響する遅延及びシグナリングオーバーヘッドを引き起こす。
【0058】
端末装置について連続的な送信ビームのための複数のTCI状態を示すことが提案されている。ビームをタイムスロットに関連付けることにより、適用される一連のビームを拡張することも提案されている。しかしながら、これらの方法は、速度又は位置が変化する可能性のある端末装置からの保護又は確認を提供することができない。そのため、プリセットされたビームパターンはあまり役に立たないことになる。
【0059】
上述したように、ビーム管理、特にビーム指示を拡張することは非常に困難である。本開示の実施形態によれば、上記のいずれかの問題に対処するために、ビーム管理強化のための解決策が提案される。ターゲットTCI状態が既にアクティブ化されたTCI状態の第2のセットの外にある場合、端末装置は、ターゲットTCI状態に関する情報をネットワーク装置に送信する。次に、端末装置は、TCI状態の第2のセットと少なくとも部分的に重複しないTCI状態の第1のセット内の少なくともターゲットTCI状態をアクティブとしてセットする。少なくともターゲットTCI状態をアクティブとして端末装置によりセットすることにより、ネットワーク装置からのMAC CEアクティブ化が不要となり、遅延及びシグナリングオーバーヘッドが低減される。
【0060】
以上では、ビーム指示について説明したが、以下では、BFD、CBD及びBFRに関する情報について説明する。一般的には、端末装置は、BFDを実行することにより、1つ又は複数の物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)リンクが障害状態にあると見なされるときを検出する。端末装置がビームの障害を検出すると、端末装置はCBDを実行することにより、候補ビームと称される新たな潜在的ビームを検出する。端末装置はまた、BFRを実行することにより、ビーム障害を回復してもよい。
【0061】
本開示において、BFD、CBD及びBFRを改善するいくつかの方法も提案されており、これらの方法については後で詳細に説明する。
【0062】
ビーム管理拡張のための解決策をよりよく理解するために、
図2~
図15を参照し、いくつかの実施形態についてこれから説明する。
ビーム指示拡張
【0063】
図2は本開示のいくつかの例示的な実施形態にかかる、通信のためのシグナリングフロー200を示す図である。
図2に示すように、シグナリングフロー200には、
図1に示されるような端末装置120と、ネットワーク装置110とが関与する。説明のために、1つの端末装置と1つのネットワーク装置とが
図2に示されている。シグナリングフロー200には、より多くの端末装置又はより多くのネットワーク装置が関与してもよく、
図2に示された端末装置又はネットワーク装置の数は、説明のためだけに使用され、いかなる限定も示唆しないことを、理解すべきである。
【0064】
オペレーション中、ネットワーク装置110は、TCI状態セット設定を端末装置120に送信してもよい(205)。例えば、TCI状態セット設定は、RRC、MAC CE、DCIのうちのいずれかを介して送信されるか、又は事前設定されてもよい。TCI状態セット設定は、少なくともTCI状態の第1のセット及びTCI状態の第2のセットを示してもよい。追加として、いくつかの例示的な実施形態において、端末装置120は、TCI状態セット設定が完了したことを示す確認応答をネットワーク装置120に送信してもよい。
【0065】
図3は、本開示にかかるいくつかの例示的なTCI状態セットを示す。
図3に示すように、TCI状態セット300は、TCI状態セット310とTCI状態セット320とを含む。TCI状態セット310は、図示された識別子1、2、3及び4を持つTCI状態を含み、TCI状態セット320は、図示された識別子5、6、7及び8を持つTCI状態を含む。TCI状態セット300内では、TCI状態セット310とTCI状態セット320とは重複しない。TCI状態セット300は、TCI状態セット310及びTCI状態セット320以外のより多くのTCI状態セットを含んでもよいことを理解すべきである。TCI状態セット300内では、全てのTCI状態は、重複しないTCI状態セットにグループ化されてもよい。
【0066】
図3に示すように、TCI状態セット350は、TCI状態セット360とTCI状態セット370とを含む。TCI状態セット360は、図示された識別子4、3、5及び6を持つTCI状態を含み、TCI状態セット370は、図示された識別子7、6、8及び9を持つTCI状態を含む。TCI状態セット350内では、TCI状態セット360とTCI状態セット370とは部分的に重複しない。識別子4を持つTCI状態は、TCI状態セット360に関連付けられ、識別子7を持つTCI状態は、TCI状態セット370に関連付けられる。TCI状態セット350内の各TCI状態について、それぞれのTCI状態セットはネットワーク装置110により設定されてもよい。
図3に示されるように、識別子4を持つTCI状態について、関連付けられるTCI状態セット360は、識別子4、3、5及び6を持つTCI状態を含んでもよく、一方、識別子7を持つTCI状態について、関連付けられるTCI状態セット370は、識別子7、6、8及び9を持つTCI状態を含んでもよい。TCI状態のセット360及びセット370は説明のためのものだけであって、TCI状態セット350は、TCI状態セット360及びTCI状態セット370以外のより多くのTCI状態セットを含んでもよいことを理解すべきである。
【0067】
TCI状態セット300及びTCI状態セット350の例は、例示のためにだけ示され、本開示の範囲についてのいかなる限定も示唆しない。TCI状態セットは、他の適切なルールを使用して設定されてもよい。
【0068】
いくつかの例示的な実施形態において、TCI状態セットは、位置、予測、又は他の事前設定されたルールのいずれかに基づいて、ネットワーク装置110により設定されてもよい。例えば、ネットワーク装置110は、TCI状態-位置関連付けに基づいて、TCI状態セットを設定してもよい。
図4は、位置に基づいて設定されたいくつかのTCI状態セットを示す。TCI状態セット400内では、端末装置120は軌跡410に沿って移動中であり、例えば、端末装置120は高速道路又は鉄道上にある。TCI状態セット400は、軌跡410に基づいて設定されてもよい。図示のように、TCI状態セット420は、識別子1、2、3及び4を持つTCI状態を含み、一方、TCI状態セット425は、識別子5、6、7及び8を持つTCI状態を含む。
図4に示すように、端末装置120は、TCI状態セット420内の識別子4を持つTCI状態に関連付けられた場所に位置し、TCI状態セット425内の識別子5を持つTCI状態に関連付けられた場所に移動する。例えば、端末装置120は、識別子4を持つTCI状態に対応するビームのカバレッジエリア内に位置し、識別子5を持つTCI状態に対応するビームのカバレッジエリア内の場所に移動する。
【0069】
TCI状態セット450において、端末装置120は、軌跡460に沿って移動中である。TCI状態セット400は、軌跡410に基づいて設定されてもよい。図示のように、TCI状態セット470は、識別子1、2、3及び4を持つTCI状態を含み、一方、TCI状態セット475は、識別子5、6、7及び8を持つTCI状態を含む。
図4に示すように、端末装置120は、TCI状態セット470内の識別子4を持つTCI状態に関連付けられた場所に位置し、TCI状態セット475内の識別子5を持つTCI状態に関連付けられた場所に移動する。TCI状態セットのこれらの例は、例示のためにのみ説明され、本開示の範囲についてのいかなる限定も示唆していないことを、理解すべきである。
【0070】
いくつかの例示的な実施形態において、TCI状態セットは、予測に基づいて、ネットワーク装置110により設定されてもよい。例えば、ネットワーク装置は、TCI状態遷移確率に基づいて、TCI状態セットを設定してもよい。TCI状態遷移確率は、他の端末装置から収集された統計データ又は報告(例えば履歴データ)により算出されてもよい。現在のTCI状態が、時点tにおいて識別子「x」を持つ場合、遷移確率は、端末装置が、識別子「y」を持つTCI状態によりt+Tの継続時間でサービングされる確率を表す。ここで、Tは、ネットワーク装置110により決定されるか、端末装置120により報告されるか、又は事前設定されるか若しくは事前定義される継続時間である。以下の表1は、識別子4を持つTCI状態の遷移確率を示す。表1が識別子4を持つTCI状態の遷移確率のみを示しているが、表1は、他のTCI状態の遷移確率をさらに含んでもよいことを、理解すべきである。
【0071】
表1に示すように、ネットワーク装置110は、遷移確率に基づいてTCI状態セットを設定してもよい。例えば、
図3に示されるTCI状態セット300内では、同じTCI状態セット内の2つのTCI状態はより高い遷移確率を有し、例えば、識別子4を持つTCI状態から識別子1、2、3、4を持つTCI状態への遷移確率が相対的に高い(表1に示される0.10、0.20、0.30及び0.40)が、異なるTCI状態セットからの2つのTCI状態はより低い遷移確率を有し、例えば、識別子4を持つTCI状態から識別子5、6、7又は8を持つTCI状態への遷移確率が相対的に低い(表1に示される0.05、0.05、0.00、0.00)。
【0072】
別の例について、より高い遷移確率を有するTCI状態は1つのTCI状態セット内に設定されてもよく、より低い遷移確率の低いTCI状態は別のTCI状態セット内に設定されてもよい。ネットワーク装置110はまた、0.10などの閾値確率をセットしてもよく、遷移確率が確率閾値より高いTCI状態(識別子1、2、3及び4を持つTCI状態)は1つのTCI状態セット内に設定されてもよく、遷移確率が確率閾値より低いTCI状態(識別子5、6、7及び8を持つTCI状態)は別のTCI状態セット内にセットされてもよい。閾値確率は、ネットワーク装置110により決定されるか、端末装置120により報告されるか、又は事前設定又は事前定義されてもよい。
【0073】
例えば、TCI状態セット350内では、1つのTCI状態セットに関連付けられた各TCI状態は、確率閾値よりも高い確率を有する。いくつかの例示的な実施形態において、ネットワーク装置110は、あるTCI状態の、関連付けられるTCI状態セット内の各TCI状態への遷移確率に関する情報を端末装置120に送信してもよい。例えば、ネットワーク装置110は、あるTCI状態の、関連付けられるTCI状態セット内の各TCI状態への遷移確率を端末装置120に送信してもよい。代替として、ネットワーク装置110は、関連付けられるTCI状態セット内のTCI状態を遷移確率の昇順/降順に順位付けしてもよい。次に、ネットワーク装置110は、該TCI状態セットに関する情報を昇順/降順に送信してもよい。このように、端末装置120には、該TCI状態セット内の各TCI状態の遷移確率情報が通知される。
【0074】
上述したように、TCI状態セットは、位置又は予測に基づいて、ネットワーク装置110により設定されてもよい。追加として又は代替として、TCI状態セットは、後で詳細に説明するいくつかの設定又は事前設定されたルールに基づいて、ネットワーク装置110により設定されてもよい。TCI状態セットが、事前定義又は事前設定されたルールに基づいて設定されてもよい場合、ネットワーク装置110はさらに、TCI状態セット設定のルールに関する指示を端末装置120に送信してもよい。
【0075】
次に、もう一度
図2を参照する。ネットワーク装置110は、DL参照信号(RS)を端末装置120に送信してもよい(210)。代替として、端末装置120は、DL RS測定を実行してもよい。例えば、DL RSは、端末装置120が現在のTCI状態を追跡するためのRSと、端末装置120が新しいTCI状態を報告するためのRSとを含んでもよい。いくつかの例示的な実施形態において、RSは、例えばQCLタイプDを有する、referenceSignalを介して設定された1つのRSを含んでもよい。代替として、RSは、referenceSignalを介して設定された1つのRSに関連付けられるか、又はタイプD QCLedである他のRSであってもよい。いくつかの例示的な実施形態において、DL RS送信又は測定が周期的に実行されてもよい。
【0076】
いくつかの例示的な実施形態において、端末装置120は、現在のTCI状態の第1のティアネイバー(tier neighbors)に関するRSのみを測定してもよい。TCI状態セット350の例において、現在のTCI状態が識別子4を持つTCI状態である場合、端末装置120は、TCI状態セット360内のTCI状態に関するRSのみを測定してもよい、即ち、識別子4、3、5及び6を持つTCI状態について測定してもよい。
【0077】
端末装置120は、TCI状態決定を実行してもよい(215)。例えば、端末装置120は、現在のTCI状態を含むセット内の全てのTCI状態を追跡してもよい。例えば、現在のTCI状態が識別子4を持つTCI状態である場合、現在のTCI状態を含むセットは、
図3に示すようなTCI状態セット310であってもよい。この場合、端末装置120は、識別子1、2、3及び4を持つTCI状態を追跡してもよい。TCI状態セット310内の全てのTCI状態はアクティブとしてセットされてもよい。TCI状態からDCI内のTCIコードポイントへのマッピングは、次の表2内で自動的に更新されてもよい。
【0078】
表2に示すように、DCI内のTCIフィールドは3ビットに固定されてもよく、そして、マッピングは、TCI状態識別子(ID)により順序付けされてもよい(例えば、一番低いIDから)。代替として、DCI内のTCIフィールドは、各TCI状態の遷移確率の昇順/降順に順序付けされてもよい。DCI内のTCIフィールドの幅は、例えば、ceil(log2(N))のように、TCI状態セットサイズNに依存してもよく、ここで、ceil()はシーリング関数(ceiling function)を表す。対応するTCI状態セット内のTCI状態は、端末装置120とネットワーク装置110との間のアラインメントされたルールで、DCI内のTCIコードポイントに自動的にマッピングされてもよい。ネットワーク装置120は、DCI内の従来のTCIフィールドを使用して、現在のTCI状態セット内の適用されたTCI状態を端末装置120に通知してもよい。
【0079】
いくつかの例示的な実施形態において、セット内の全てのTCI状態がアクティブ化され、さらなるチューニングは必要ないので、適用タイミングは、DCIに基づくTCI状態切替のための従来の定義に従ってもよい。最初に、「現在のTCI状態」=「初期TCI状態」として、「初期TCI状態」は、デフォルト動作により定義されるか、又は従来の方法によりシグナリングされてもよい。これにより、MAC CEアクティブ化が不要となるため、遅延及びシグナリングオーバーヘッドが低減される。
【0080】
端末装置120は、ネットワーク装置110に、端末装置120とネットワーク装置110との間の送信のためのTCI状態の第1のセット内のターゲットTCI状態に関する情報を送信する(220)。TCI状態の第1のセットは、既にアクティブ化されたTCI状態の第2のセットと少なくとも部分的に重複しない。ターゲットTCI状態は、TCI状態の第2のセットの外にある。例えば、既にアクティブ化されたTCI状態の第2のセットが、
図3に示されるようなTCI状態セット310である場合、識別子5を持つターゲットTCI状態は、TCI状態セット310の外であり、TCI状態セット320内にある。端末装置120は、ネットワーク装置に、TCI状態セット320内の識別子5を持つターゲットTCIセットに関する情報を送信してもよい。いくつかの実施形態において、端末装置120は、送信のためのTCI状態の第1のセット内のいくつかのターゲットTCI状態に関する情報を送信してもよいことを、理解すべきである。
【0081】
いくつかの例示的な実施形態において、端末装置120は、ターゲットTCI状態に関連付けられる第1のチャネル品質が閾値品質よりも高いことと、TCI状態の第2のセット内の現在のTCI状態に関連付けられた第2のチャネル品質よりも第1のチャネル品質が高く、該現在のTCI状態を有するチャネルが端末装置により監視されていることと、第1のチャネル品質が第2のチャネル品質よりもオフセットで高いことと、第1のチャネル品質が第2のチャネル品質よりもオフセットで複数回高いことと、のうちの少なくとも1つが満たされた場合、ターゲットTCI状態に関する情報を送信してもよい。チャネル品質の例は、参照信号受信電力(RSRP)、参照信号受信品質(RSRQ)、又は信号対干渉雑音比(SINR)を含むが、これらに限定されない。
【0082】
いくつかの例示的な実施形態において、端末装置120は、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)、又は物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)のうちの少なくとも1つ上の報告リソースにおいてターゲットTCI状態に関する情報を送信してもよい。追加として又は代替として、報告リソースは、ビーム報告、CSI報告、又はビーム障害回復要求BFRQのためのリソースとともに多重化されてもよい。代替として、報告リソースは、ターゲットTCI状態に関する情報を送信するために、端末装置のために保留された(reserve)専用リソースであってもよい。
【0083】
いくつかの例示的な実施形態において、端末装置120は、ターゲットTCI状態に関する同期信号/物理ブロードキャストチャネルブロックリソースインジケータ(SSBRI:synchronization signals/physical broadcast channel block resource indicator)又はチャネル状態情報参照信号(CSI-RS:channel state information reference signal)リソースインジケータ(CRI)を送信してもよい。代替として、端末装置120は、ターゲットTCI状態に関するSSBRI又はCRIをビーム切替の指示とともに送信してもよい。代替として又は追加として、端末装置120は、ターゲットTCI状態に関するSSBRI又はCRIをTCI状態アクティブ化の指示とともに送信してもよい。代替として、端末装置120は、TCI状態の第1のセットに関する情報を送信してもよい。例えば、TCI状態の第1のセットに関する情報は、TCI状態の第1のセットの識別子及び/又はTCI状態の第1のセット内の状態の識別子を含んでもよい。
【0084】
いくつかの例示的な実施形態において、端末装置120は、チャネル取得プロシージャ又はファインチューニングプロシージャのうちの少なくとも1つをトリガするために、ターゲットTCI状態に関する情報を送信してもよい。以下で使用されるように、用語「ファインチューニング」は、端末装置がターゲットTCI状態に関する時間又は周波数又は空間又は電力領域パラメータを測定又は取得又は計算することを表してもよい。より具体的には、時間又は周波数又は空間又は電力領域パラメータは、平均遅延、遅延速度、ドップラーシフト、ドップラースプレッド、平均利得、空間領域Rxなどを含んでもよい。例えば、チャネル取得プロシージャは、チャネル取得のための端末装置報告に関連付けられたサウンディング参照信号(SRS)、又はチャネル取得のための端末装置報告に関連付けられたCSI報告のうちの1つを含んでもよい。ファインチューニングプロシージャは、ファインチューニングのための追跡参照信号(TRS:tracking reference signal)送信を含んでもよい。いくつかの例示的な実施形態において、SRS、CSI報告、TRSの時間/周波数/空間領域リソースが情報に関連付けられる。追加として、端末装置120について、SRS送信のための空間領域送信フィルタと送信電力とがターゲットTCI状態に関する。ネットワーク装置110について、CSI報告のためのCSIリソースのための空間領域送信フィルタは、ターゲットTCI状態に関連付けられる。端末装置120の場合、CSI報告のためのCSIリソースのためのQCLタイプD参照信号は、ターゲットTCI状態に関する。例えば、TRS送信及びCSI報告は、非周期的であってもよく、又は代替として、繰り返されてもよく、又は半周期的であってもよい。
【0085】
端末装置120がターゲットTCI状態に関する情報を送信(220)した後、端末装置120は、少なくともTCI状態の第1のセット内のターゲットTCI状態をアクティブとしてセットする(225)。例えば、端末装置120は、TCI状態の第1のセット内のターゲットTCI状態をアクティブとしてセットしてもよい。また、端末装置120は、TCI状態識別子と、DCI内のTCIコードポイントとのマッピング関係を、ターゲットTCI状態の識別子で更新してもよい。
【0086】
追加として又は代替として、端末装置120は、TCI状態の第1のセット内の各TCI状態をアクティブとしてセットしてもよい。端末装置120はさらに、TCI状態識別子とDCI内のTCIコードポイントとの間のマッピング関係を、TCI状態の第1のセット内の各TCI状態の識別子で更新してもよい。例えば、継続時間Xの後に、TCI状態の第1のセット内の一部又は全てのTCI状態をアクティブとしてセットしてもよい。継続時間Xは、0又は他の適切な継続時間に等しくてもよい。TCI状態の第1のセット内の各TCI状態についての継続時間Xは異なってもよい。
【0087】
例えば、TCI状態識別子とDCI内のTCIコードポイントとの間の更新されたマッピング関係を以下の表3に示される。
【0088】
表3において、DCI内のTCIコードポイントは、表2と同様に固定ビット又は可変ビット幅であってもよい。表3はまた、後述するDCI内の保留TCIコードポイント(すなわち111)を示している。
【0089】
追加として又は代替として、端末装置120は、TCI状態の第2のセット内の少なくとも1つのTCI状態を非アクティブとしてセットしてもよい。例えば、ターゲットTCI状態が識別子5を持つTCI状態であり、TCI状態の第2のセットが
図3に示すTCI状態セット310である例において、継続時間Yの後に、TCI状態セット310内のいくつかのTCI状態又は全てのTCI状態を非アクティブとしてセットしてもよい。継続時間Yは、0又は他の適切な継続時間に等しくてもよい。TCI状態の第2のセット内の各TCI状態についての継続時間Yは異なってもよい。継続時間X及びYは、ネットワーク装置110により設定又は事前設定されるか、端末装置120により報告されるか、又は事前設定又は事前定義されてもよいことを、理解すべきである。継続時間Yは、継続時間X以上であってもよい。継続時間Yが継続時間Xよりも大きい場合、端末装置120は、継続時間Y-Xの間にTCI状態の2つのセットをアクティブとしてセットしてもよい。継続時間X及びYは、端末装置120がターゲットTCI状態に関する情報をネットワーク装置220に送信してから、カウントされてもよい。ターゲットTCI状態に関する情報がネットワーク装置により受信されたことを示す確認を端末装置120がネットワーク装置から受信する時、継続時間X及びYをカウントしてもよい。代替として、継続時間X及びYは、チャネル取得プロシージャ及び/又はファインチューニングプロシージャの完了からカウントされてもよい。例えば、継続時間X及びYは、SRSの完了、CSI報告の送信の完了、又はTRSの送信の完了からカウントされてもよい。
【0090】
追加として、PRACH/PUCCH/PUSCHの正しい受信を保証するために、端末装置報告はネットワーク装置110により確認されてもよい。送信がPUSCHを介して行われる場合、PUSCHをACKするための従来の方法、例えば、同じHARQプロセスID及びトグル新しいデータインジケータ(NDI:new data indicator)を搬送するDCIを再利用してもよい。送信がPUCCH/PRACHを介して行われる場合、確認を受信するために、専用のPDCCH/RNTIを考慮してもよく、例えば、専用の制御リソースセット(CORESET)/探索空間/無線ネットワーク一時識別子(RNTI)を設定してもよい。
【0091】
いくつかの例示的な実施形態において、端末装置120は、ターゲットTCI状態を有するPDCCHを監視してもよい。例えば、端末装置120は、識別子5を持つターゲットTCI状態を有するPDCCHを監視してもよい。追加として、DCIマッピングにおいて、TCIコードポイント111などの保留TCIコードポイントを有する保留状態は、識別子4を持つTCI状態などの最新のTCI状態にマッピングされてもよい。この場合、ネットワーク装置110は、ターゲットTCI状態の監視を拒否し、最新のTCI状態の監視に戻ることに関する指示を送信してもよい。例えば、ターゲットTCI状態の監視を拒否することに関する指示は、DCI内の保留されたTCIコードポイントを含んでもよい。
【0092】
追加として又は代替として、端末装置120は、最新のTCI状態、例えば、識別子4を持つTCI状態を有するPDCCHを監視してもよい。この場合、識別子4を持つTCI状態は非アクティブとしてセットされなくてもよい。そして、端末装置120は、ターゲットTCI状態、例えば、識別子5を持つTCI状態が将来の送信に使用されるとの確認をネットワーク装置110から受信してもよい。この場合、DCIマッピングにおいて、TCIコードポイント111などの保留TCIコードポイントを有する保留状態は、識別子5を持つTCI状態などのターゲット状態にマッピングされてもよい。保留状態は、TCI状態の新しいセットがアクティブ化されたことを確認するために、ネットワーク装置110のために使用されてもよい。端末装置120は、さらに、TCI状態識別子と、DCI内のTCIコードポイントとのマッピング関係を更新してもよい。この場合、DCIマッピング内の更新されたTCI状態からTCIコードポイントは、以下の表4に示される。この場合、識別子4を持つTCI状態がアクティブである場合、識別子5を持つTCI状態をアクティブとしてセットするタイミングは、例えば、端末装置能力timeDurationForQCLに基づく閾値継続時間X1であってもよい。識別子4を持つTCI状態が非アクティブであり、且つ、ネットワーク装置110が、識別子5を持つTCI状態などの保留TCI状態が将来の送信のために使用するとの確認を送信する場合、識別子5を持つTCI状態をアクティブとしてセットするタイミングは、例えば、X1以上の閾値継続時間X2であってもよい。例えば、X1にアクティブ化遅延についての時間を加算することによりX2をセットしてもよい。
【0093】
いくつかの例示的な実施形態において、TCI状態の第1のセット内のいくつか又は全てのTCI状態をアクティブとしてセットした後、端末装置120は、TCI状態の第1のセット内の第1のTCI状態に関するBFD RSを監視してもよい。第1のTCI状態を有するチャネルは端末装置120により監視されてもよい。端末装置120はまた、TCI状態の第1のセット内の第1のTCI状態以外の各状態に関するCBD RSを監視してもよい。
【0094】
ターゲットTCI状態に関する情報を送信(220)する前に、端末装置120は、TCI状態の第2のセット内の第2のTCI状態に関するBFD RSを監視してもよい。第2のTCI状態を有するチャネルは端末装置120により監視されてもよい。端末装置120はまた、TCI状態の第2のセット内の第2のTCI状態以外の各状態に関するCBD RSを監視してもよい。
【0095】
これにより、端末装置120は、CBDのための全ての設定されたDL RSを測定する必要がないため、端末装置120の複雑さ及び電力消費が低減される。本開示にかかるBFD及びCBDに関する詳細は、
図7を参照して後述する。
【0096】
いくつかの例示的な実施形態において、端末装置120は、端末装置120が上記プロセスをサポートする能力を有するか否かに関する通知、及び/又は、1つのTCI状態セット内のTCI状態の最大数とTCI状態セットの最大数とのうちの少なくとも1つに関する情報、ターゲットTCI状態に関する情報を送信する条件に関する情報、又はULリソースに関する情報をネットワーク装置110に送信してもよい。上記のプロセスは、予測に基づくビーム指示、又は端末装置により開始/補助されるビーム指示と称されてもよい。ネットワーク装置110は、専用及び/又は明示的なシグナリング、例えばRRC情報要素(IE)を介して、従来のビーム指示方法と予測に基づくビーム指示との間で切り替えてもよい。
【0097】
少なくともターゲットTCI状態をアクティブとしてセットした後、ビーム測定及び/又は報告は、端末装置120とネットワーク装置110との間で実行されてもよい。いくつかの例示的な実施形態において、報告されたTCI状態はPDCCH/PDSCHに適用される。例えば、報告されたTCI状態はPDSCHにのみ適用されてもよい。代替として、端末装置120は、特定のチャネル/RSについてのTCI状態、例えば、PDCCHについての識別子xを持つTCI状態及びPDSCHについての識別子yを持つTCI状態に関する情報を報告してもよい。
【0098】
いくつかの例示的な実施形態において、ネットワーク装置110は、新しいTCI状態のセットに変更するように設定してもよい。ネットワーク装置110は、アクティブなTCI状態内で更新し、TCI状態のDCI指示を端末装置120に送信してもよい。そして、端末装置120は、示されたTCI状態を適用してもよい。代替として、ネットワーク装置110は、TCI状態セットを再設定する必要があり得る。そして、ネットワーク装置110は、再設定されたTCI状態セット設定を端末装置120に送信してもよい。
【0099】
このような予測に基づくビーム指示により、MAC CEアクティブ化は必要とされないため、遅延及びシグナリングオーバーヘッドを低減することができる。これにより、ビーム指示が改善される。
【0100】
いくつかの例示的な実施形態において、結合されたTCIがDLとULとの両方に適用されてもよい場合、上述したビーム指示プロセスはULにも適用されてもよい。追加として、端末装置120は、設定されたTCI状態セットにおいてUL電力制御のための経路損失を維持又は取得してもよい。代替として、結合されたTCIを用いることなく、上記のビーム指示プロセスがULに適用されてもよい。この場合、ターゲットTCI状態に関する情報を送信する端末装置120は、「空間関係」又は「UL TCI」の「アクティブ化」として使用されてもよい。この場合、MAC CEシグナリングが必要とされるかもしれない。これにより、本開示にかかるビーム指示はDLとULとの両方に適用されてもよいため、遅延及びシグナリングオーバーヘッドを低減することができる。
【0101】
予測に基づくビーム指示についての詳細は、
図2~4を参照して既に説明された。本開示にかかるビーム指示の別の例示的な実施形態について、
図5~6参照して以下で説明する。
【0102】
図5は本開示のいくつかの例示的な実施形態にかかる、通信のためのシグナリングフロー500を示す図である。
図5に示すように、シグナリングフロー500には、
図1に示されるような端末装置120と、ネットワーク装置110とが関与する。説明のために、1つの端末装置と1つのネットワーク装置とが
図5に示されている。シグナリングフロー500には、より多くの端末装置又はより多くのネットワーク装置が関与してもよく、
図5に示された端末装置又はネットワーク装置の数は、説明のためだけに使用され、いかなる限定も示唆しないことを、理解すべきである。
【0103】
オペレーション中、ネットワーク装置110は、TCI状態セット設定のルールに関する指示を端末装置120に送信してもよい(505)。例えば、TCI状態セット設定及び/又はTCI状態セット設定のルールに関する指示は、RRC、MAC CE、DCIのうちのいずれかを介して送信されるか、又は事前設定されてもよい。ネットワーク装置110は、スライディングウィンドウ又は他の適切なルールに従って、TCI状態セットを設定してもよい。ネットワーク装置110と端末装置120との双方がルールを知っていてもよい。例えば、TCI状態セット設定のルールは、スライディングウィンドウに関する情報を含んでもよい。
【0104】
図6はスライディングウィンドウにより設定されるいくつかの例示的なTCI状態のセットを示す。
図6に示すように、TCI状態セット600は、1次元(1D)スライディングウィンドウにより設定されたTCI状態セットを示す。1Dスライディングウィンドウのルールは、識別子nを有するTCI状態について、識別子n-1、n、n+1及びn+2を有するTCI状態が、識別子nを有するTCI状態についてのTCI状態セットを形成してもよいとのルールであってもよい。
図6に示すように、識別子5を持つTCI状態について、TCI状態セット620は、識別子4、5、6及び7を有するTCI状態で形成される。TCI状態のセット610及びセット630は同様に形成される。
【0105】
図6はまた、2次元(2D)スライディングウィンドウの例を示す。TCI状態セット650内では、TCI状態セット660、セット670及びセット680は、設定又は事前設定された2Dスライディングウィンドウに基づいて形成される。ネットワーク装置110は、任意の適切なルール又はスライディングウィンドウを使用してTCI状態セットを設定してもよく、例示的なTCI状態セット600及び650は、説明のためのみに使用され、いかなる限定も示唆しないことを、理解すべきである。
【0106】
次に、
図5を参照する。ネットワーク装置110は、DL参照信号(RS)を端末装置120に送信してもよい(510)。端末装置120は、DL-RS測定を行ってもよい。例えば、DL RSは、端末装置120が現在のTCI状態を追跡するためのRSと、端末装置120が新しいTCI状態を報告するためのRSとを含んでもよい。いくつかの例示的な実施形態において、RSは、例えばQCLタイプDを有する、referenceSignalを介して設定された1つのRSであってもよい。代替として、RSは、referenceSignalを介して設定された1つのRSに関連付けられるか、又はタイプD QCLedである他のRSであってもよい。いくつかの例示的な実施形態において、DL RS送信又は測定が周期的に実行されてもよい。
【0107】
端末装置120は、TCI状態決定を実行してもよい(515)。例えば、端末装置120は、現在のTCI状態を含むセット内の全てのTCI状態を追跡してもよい。例えば、現在のTCI状態が識別子4を持つTCI状態である場合、現在のTCI状態を含むセットは、
図6に示すようなTCI状態セット610であってもよい。この場合、端末装置120は、識別子3、4、5及び6を持つTCI状態を追跡してもよい。TCI状態セット610内の全てのTCI状態はアクティブとしてセットされてもよい。TCI状態からDCI内のTCIコードポイントへのマッピングは、自動的に更新されてもよい。
【0108】
いくつかの例示的な実施形態において、セット内の全てのTCI状態がアクティブ化され、さらなるチューニングは必要ないので、適用タイミングは、DCIに基づくTCI状態切替のための従来の定義に従ってもよい。最初に、「現在のTCI状態」=「初期TCI状態」として、「初期TCI状態」は、デフォルト動作により定義されるか、又は従来の方法によりシグナリングされてもよい。これにより、MAC CEアクティブ化が不要となるため、遅延及びシグナリングオーバーヘッドが低減される。
【0109】
ネットワーク装置110は、端末装置120に、端末装置120とネットワーク装置110との間の送信のためのTCI状態の第1のセット内のターゲットTCI状態に関する情報を送信する(520)。TCI状態の第1のセットは、既にアクティブ化されたTCI状態の第2のセットと少なくとも部分的に重複しない。例えば、ネットワーク装置110は、TCI状態セット620内の識別子5を持つターゲットTCIセットに関する情報を送信してもよい。いくつかの実施形態において、ネットワーク装置110は、送信のためのTCI状態の第1のセット内のいくつかのターゲットTCI状態に関する情報を送信してもよいことを、理解すべきである。
【0110】
いくつかの例示的な実施形態において、ネットワーク装置110は、ターゲットTCI状態についてのTCI状態識別子を端末装置120に送信してもよい。例えば、ネットワーク装置110は、DCIを介して、又はMAC CEを介して、ターゲットTCI状態についてのTCI状態識別子を送信してもよい。
【0111】
ネットワーク装置110がターゲットTCI状態に関する情報を送信(520)した後、端末装置120は、少なくともTCI状態の第1のセット内のターゲットTCI状態をアクティブとしてセットする(525)。例えば、端末装置120は、TCI状態の第1のセット内のターゲットTCI状態をアクティブとしてセットしてもよい。また、端末装置120は、TCI状態識別子と、DCI内のTCIコードポイントとのマッピング関係を、ターゲットTCI状態の識別子で更新してもよい。
【0112】
追加として又は代替として、端末装置120は、TCI状態の第1のセット内の各TCI状態をアクティブとしてセットしてもよい。端末装置120はさらに、TCI状態識別子とDCI内のTCIコードポイントとの間のマッピング関係を、TCI状態の第1のセット内の各TCI状態の識別子で更新してもよい。例えば、継続時間Xの後に、TCI状態の第1のセット内の一部又は全てのTCI状態をアクティブとしてセットしてもよい。継続時間Xは、0又は他の適切な継続時間に等しくてもよい。TCI状態の第1のセット内の各TCI状態についての継続時間Xは異なってもよい。例えば、ターゲットTCI状態が識別子5を持つTCI状態であり、TCI状態の第2のセットが
図6に示すTCI状態のセット620である例において、ネットワーク装置110がターゲットTCI状態に関する情報を送信してからX継続時間の後に、識別子7を持つTCI状態はアクティブとして設定される。
【0113】
追加として又は代替として、端末装置120は、TCI状態の第2のセット内の少なくとも1つのTCI状態を非アクティブとしてセットしてもよい。例えば、ターゲットTCI状態が識別子5を持つTCI状態であり、TCI状態の第2のセットが
図6に示すTCI状態セット610である例において、継続時間Yの後に、TCI状態セット610内のいくつかのTCI状態又は全てのTCI状態、例えば識別子4を持つTCI状態を非アクティブとしてセットしてもよい。継続時間Yは、0又は他の適切な継続時間に等しくてもよい。TCI状態の第2のセット内の各TCI状態についての継続時間Yは異なってもよい。継続時間X及びYは、ネットワーク装置110により設定又は事前設定されるか、端末装置120により報告されるか、又は事前設定又は事前定義されてもよいことを、理解すべきである。継続時間Yは、継続時間X以上であってもよい。ターゲットTCI状態に関する情報がネットワーク装置により受信されたことを示す確認を端末装置120がネットワーク装置から受信する時、継続時間X及びYをカウントしてもよい。代替として、継続時間X及びYは、チャネル取得プロシージャ及び/又はファインチューニングプロシージャの完了からカウントされてもよい。
【0114】
いくつかの例示的な実施形態において、端末装置120は、ターゲットTCI状態を有するPDCCHを監視してもよい。例えば、端末装置120は、識別子5を持つターゲットTCI状態を有するPDCCHを監視してもよい。追加として、DCIマッピングにおいて、TCIコードポイント111などの保留TCIコードポイントは、最新のTCI状態例えば識別子4を持つTCI状態にマッピングされてもよい。この場合、ネットワーク装置110は、ターゲットTCI状態の監視を拒否し、最新のTCI状態の監視に戻ることに関する指示を送信してもよい。
【0115】
追加として又は代替として、端末装置120は、ターゲットTCI状態、例えば、識別子5を持つTCI状態が将来の送信に使用されるとの確認をネットワーク装置110から受信してもよい。確認を受信したことに応じて、端末装置120は、ターゲットTCI状態を有するPDCCHの監視を開始してもよい。この場合、DCIマッピングにおいて、保留TCIコードポイント、例えばTCIコードポイント111は、識別子5を持つTCI状態などのターゲット状態にマッピングされてもよい。保留状態は、TCI状態の新しいセットがアクティブ化されたことを確認するために、ネットワーク装置110のために使用されてもよい。
【0116】
いくつかの例示的な実施形態において、TCI状態の第1のセット内のいくつか又は全てのTCI状態をアクティブとしてセットした後、端末装置120は、TCI状態の第1のセット内の第1のTCI状態に関するBFD RSを監視してもよい。第1のTCI状態を有するチャネルは端末装置120により監視されてもよい。端末装置120はまた、TCI状態の第1のセット内の第1のTCI状態以外の各状態に関するCBD RSを監視してもよい。
【0117】
ターゲットTCI状態に関する情報を受信(520)する前に、端末装置120は、TCI状態の第2のセット内の第2のTCI状態に関するBFD RSを監視してもよい。第2のTCI状態を有するチャネルは端末装置120により監視されてもよい。端末装置120はまた、TCI状態の第2のセット内の第2のTCI状態以外の各状態に関するCBD RSを監視してもよい。
【0118】
これにより、端末装置120は、CBDのための全ての設定されたDL RSを測定する必要がないため、端末装置120の複雑さ及び電力消費が低減される。本開示にかかるBFD及びCBDに関する詳細は、
図7を参照して後述する。
【0119】
いくつかの例示的な実施形態において、端末装置120は、端末装置120が上記プロセスをサポートする能力を有するか否かに関する通知、及び/又は、1つのTCI状態セット内のTCI状態の最大数とTCI状態セットの最大数とのうちの少なくとも1つに関する情報、ターゲットTCI状態に関する情報を送信する条件に関する情報、又はULリソースに関する情報をネットワーク装置110に送信してもよい。上記のプロセスは、予測に基づくビーム指示、又は端末装置により開始/補助されるビーム指示と称されてもよい。ネットワーク装置110は、専用及び/又は明示的なシグナリング、例えばRRC情報要素(IE)を介して、従来のビーム指示方法と予測に基づくビーム指示との間で切り替えてもよい。
【0120】
少なくともターゲットTCI状態をアクティブとしてセットした後、ビーム測定及び/又は報告は、端末装置120とネットワーク装置110との間で実行されてもよい。いくつかの例示的な実施形態において、報告されたTCI状態はPDCCH/PDSCHに適用される。例えば、報告されたTCI状態はPDSCHにのみ適用されてもよい。代替として、端末装置120は、特定のチャネル/RSについてのTCI状態、例えば、PDCCHについての識別子xを持つTCI状態及びPDSCHについての識別子yを持つTCI状態に関する情報を報告してもよい。
【0121】
いくつかの例示的な実施形態において、ネットワーク装置110は、新しいTCI状態のセットに変更するように設定してもよい。ネットワーク装置110は、アクティブなTCI状態内で更新し、TCI状態のDCI指示を端末装置120に送信してもよい。そして、端末装置120は、示されたTCI状態を適用してもよい。代替として、ネットワーク装置110は、TCI状態セットを再設定する必要があるかもしれない。そして、ネットワーク装置110は、再設定されたTCI状態セット設定を端末装置120に送信してもよい。
【0122】
このような予測に基づくビーム指示により、MAC CEアクティブ化は必要とされないため、遅延及びシグナリングオーバーヘッドを低減することができる。これにより、ビーム指示が改善される。
【0123】
いくつかの例示的な実施形態において、結合されたTCIがDLとULとの両方に適用されてもよい場合、上述したビーム指示プロセスはULにも適用されてもよい。追加として、端末装置120は、設定されたTCI状態セットにおいてUL電力制御のための経路損失を維持又は取得してもよい。代替として、結合されたTCIを用いることなく、上記のビーム指示プロセスがULに適用されてもよい。この場合、ターゲットTCI状態に関する情報を送信する端末装置120は、「空間関係」又は「UL TCI」の「アクティブ化」として使用されてもよい。この場合、MAC CEシグナリングが必要とされるかもしれない。これにより、本開示にかかるビーム指示はDLとULとの両方に適用されてもよいため、遅延及びシグナリングオーバーヘッドを低減することができる。
【0124】
予測に基づくビーム指示についての詳細は、
図2~6を参照して既に説明された。以降、
図7を参照し、BFD及びCBDに関する拡張について説明する。
BFD及びCBD拡張
【0125】
ネットワーク装置は、リンクの品質を監視するための参照信号(RS)セットを有するように端末装置を設定してもよい。このRSセットは、Q0又はビーム障害検出RS(BFD-RS)と称されてもよい。典型的には、BFD-RSは、PDCCH復調参照信号(DMRS)と空間的にQCLedであるように設定される。すなわち、これらのRSは、PDCCHのために使用されるダウンリンクビームに対応する。ダウンリンクビームは、RSにより、同期信号(SS)/物理ブロードキャストチャネル(PBCH)ブロックインデックス(時間的位置インデックス)又はチャネル状態情報参照信号(CSI-RS)リソース(セット)インデックスにより識別される。ネットワーク装置は、無線リソース制御(RRC)シグナリングを使用して、又は組み合わされたRRC及びメディアアクセス制御(MAC)制御要素(CE)シグナリングにより、BFD-RSリストを設定してもよい。
【0126】
物理層は、Q0セット内のBFD-RSに基づいて無線リンクの品質を周期的に評価する。評価は、BFD-RSごとに行われ、ビーム障害検出セット内の各BFD-RSの無線リンク状態が障害状態にあると考えられる場合、ビーム障害インスタンス(BFI:beam failure instance)指示が上位層、例えばMAC層に提供される。評価と指示とは周期的に行われてもよい。
【0127】
MAC層は、物理層からのBFI指示をカウントするカウンタを実現し、BFIカウンタが(ネットワーク装置により設定された)最大値に達した場合、ビーム障害を宣言する。このカウンタは、MACが下位層からBFI指示を受信するたびにタイマが開始されるように、タイマにより管理されるように設定されてもよい。タイマが満了すると、BFIカウンタはリセットされる(カウンタ値はゼロにセットされる)。
【0128】
ネットワーク装置は、専用の信号を用いて示すことができる回復のための候補RSのリストを端末装置に提供してもよい。候補ビームL1参照信号受信電力(RSRP)測定は、新しい候補ビームの選択を実行し、新しい候補ビームをネットワーク装置に示すためにアップリンクリソースを決定するMAC層に提供されてもよい。ネットワーク装置は、候補ビームに特有の無競合ランダムアクセス(CFRA:contention free random access)リソース、専用PUCCH、PUCCH-SR、PUSCHなどの専用シグナリングリソースを有するように端末装置を設定してもよく、例えば、端末装置は、プリアンブルを送信することにより、又は新しい候補ビームに関する情報を含むチャネルを送信することにより、新しい候補ビームを示してもよい。候補RSは、SSB及び/又はCSI-RSを含んでもよい。
【0129】
ビーム障害回復プロシージャは、端末装置がビーム障害を宣言した場合、及び/又は端末装置がL1測定(例えば、L1-RSRP)に基づいて1つ又は複数の新しい候補ビームを検出した場合に開始される。候補ビーム又は言い換えれば、ダウンリンクRS(参照信号、SSB又はCSI-RS)により識別されるビームを示すために使用可能な専用信号はビーム障害回復の目的で(例えばPRACHプールから)設定されてもよい。この専用信号は、BFRリソース又はCFRAリソースと称されてもよく、また、プリアンブル受信へのgNB応答については、CFRA信号を使用するビーム回復プロシージャは、ランダムアクセス(RA)プロセスとはわずかに異なることに注意すべきである。専用プリアンブルは、Candidate-Beam-RS-List内の各候補RSについて設定されてもよい。特定の閾値を、(例えばL1-RSRP測定に基づく)新しいビーム候補のうちのいずれかが該閾値よりも高い場合に、専用信号(セットQ1内のリソースのセット又は候補ビームのリスト)を使用してこれらの新しい候補ビームを示すことができるように、設定してもよい。端末装置は、最初に、該セットから候補ビームを選択し、設定された閾値よりも高いビームがない場合、端末装置は、競合に基づくシグナリングを利用して、新しい候補ビームを示す。競合に基づくランダムアクセス(CBRA)プリアンブルリソースは、特定のダウンリンクRS(SSB又はCSI-RS)にマッピングされる。
【0130】
(RARウィンドウと同様の)ビーム回復応答ウィンドウの間に、端末装置は、回復信号を送信するために使用される同じビームアライメント(すなわち、送信(TX)のために使用される同じビーム方向がRXのために使用される)を使用して、BFRR(又はBFRQ)へのネットワーク応答を監視する。端末装置は、ネットワーク装置が、示されたダウンリンク参照信号と空間的にQCLedであるビームを使用して応答を提供することを期待する。
【0131】
本開示は、上述したBFD及びCBDを改良するいくつかの方法を提案する。BFD及びCBD拡張に関する詳細については、
図7を参照して詳細に説明する。
【0132】
次に、
図7を参照する。
図7は本開示のいくつかの例示的な実施形態にかかる、通信のためのシグナリングフロー700を示す図である。
図7に示すように、シグナリングフロー700には、
図1に示されるような端末装置120と、ネットワーク装置110とが関与する。説明のために、1つの端末装置と1つのネットワーク装置とが
図7に示されている。シグナリングフロー700には、より多くの端末装置又はより多くのネットワーク装置が関与してもよく、
図7に示された端末装置又はネットワーク装置の数は、説明のためだけに使用され、いかなる限定も示唆しないことを、理解すべきである。
【0133】
オペレーション中、ネットワーク装置110は、RRC又はMAC CE又はDCIを介して、BFRについての設定を端末装置120に送信してもよい(705)。この設定は、第1のTCI状態を含むTCI状態セットを少なくとも示してもよい。ネットワーク装置110は、各リンクについてのBFD及び/又はCBDのためにDL RSを送信してもよい(710)。
【0134】
端末装置120は、TCI状態セット内の第1のTCI状態に関するBFD RSを監視する(715)。第1のTCI状態を有するチャネルは端末装置120により監視されてもよい。端末装置120は、TCI状態のセット内の第1のTCI状態以外の各TCI状態に関するCBD RSを監視する(720)。例えば、
図3に示すように、第1のTCI状態が識別子5を持つTCI状態であり、TCI状態セットがTCI状態セット320である場合、端末装置120は、識別子5を持つTCI状態に関するBFD RSを監視し、識別子6、7及び8を有するTCI状態に関するCBD RSを監視する。ネットワーク装置110は、各リンクについて周期的にDL RSを端末装置120に送信(725)してもよいことを、理解すべきである。端末装置120は、第1のTCI状態に関するBFD RSを監視(730)し、TCI状態セット内の第1のTCI状態以外の各状態に関するCBD RSを周期的に監視する。
【0135】
これにより、端末装置120は、ネットワーク装置110により設定された各TCI状態に関するCBD RSを監視する必要がなくなる。端末装置120は、第1のTCI状態を含むTCI状態セット内の第1のTCI状態以外の各状態に関するCBD RSのみを監視してもよい。これにより、端末装置の複雑さと電力消費が低減される。
【0136】
いくつかの例示的な実施形態において、端末装置120は、第1のTCI状態に関連付けられたTCI状態遷移に関する情報に基づいて、第1のTCI状態が事前決定又は設定された期間中に使用不可(out of service)となる確率が第1の閾値より高いか否かを決定してもよい。確率が第1の閾値よりも高いとの決定に従って、端末装置120はCBD RSを監視する。例えば、端末装置120は、第1のTCI状態そのものを含まないセットのTCI状態を監視するか、又は最下位に順位付けされた第1のTCI状態を有するTCI状態セットを監視してもよい。確率が第1の閾値よりも低い場合、端末装置120はCBD RSを監視しない。例えば、端末装置120は、第1のTCI状態を含むTCI状態セットを監視しなくてもよく、第1のTCI状態は、該TCI状態セットのトップ又は先頭に順位付けされてもよい。第1の閾値を設定又は事前設定される。これにより、端末装置120は、より少ないCBDを実行してもよいため、端末装置の複雑さ及び消費電力がさらに低減される。
【0137】
いくつかの例示的な実施形態において、端末装置120は、第1のTCI状態に関連付けられたTCI状態遷移に関する情報に基づいて、第1のTCI状態がある期間中に使用不可となる確率が第2の閾値より低いか否かを決定してもよい。確率が第2の閾値よりも低いとの決定に従って、端末装置120は、BFD RS及び/又はCBD RSの監視をスキップしてもよい。これにより、端末装置120は、より少ないBFD及び/又はCBDを実行してもよいため、端末装置の複雑さ及び消費電力が低減される。
【0138】
図7を参照し、BFD及びCBDについての拡張について説明してきた。以降、
図8を参照し、BFD及びBFRについての拡張について説明する。
BFD及びBFRについての拡張
【0139】
従来、BFDにおいて、無線リンク品質が閾値Qout,LRよりも、セル上のSS/PBCHブロック及び/又は端末装置が無線リンク品質を評価するために使用するセットq0内の周期的CSI-RS設定間の最短周期と2msとのうちの最大値により決定される周期だけ悪い場合、物理層は上位層に通知してもよい。BFI_COUNTER≧beamFailureInstanceMaxCountである場合、ビーム障害が宣言され、BFRQがトリガされる。
【0140】
しかしながら、いくつかのシナリオにおいては、障害物が周期的に移動するため、偽障害を引き起こす。本明細書で使用されるように、用語「偽障害」は、ネットワーク装置がブロッキングを認識しているので、ネットワーク装置が端末装置に送信しない可能性があることを意味する。しかしながら、従来の手順に従う端末装置は失敗を宣言し、BFRQを開始する。偽障害や不必要なBFRQプロシージャは、端末装置の電力とULリソースをさらに浪費することになる。このために、本開示にかかるBFD及びBFRを改善することにより上記の問題を解決するいくつかの方法が提案される。
図8を参照し、BFD及びBFRについての拡張について説明する。
【0141】
次に、
図8を参照する。
図8は本開示のいくつかの例示的な実施形態にかかる、通信のためのシグナリングフロー800を示す図である。
図8に示すように、シグナリングフロー800には、
図1に示されるような端末装置120と、ネットワーク装置110とが関与する。説明のために、1つの端末装置と1つのネットワーク装置とが
図8に示されている。シグナリングフロー800には、より多くの端末装置又はより多くのネットワーク装置が関与してもよく、
図8に示された端末装置又はネットワーク装置の数は、説明のためだけに使用され、いかなる限定も示唆しないことを、理解すべきである。
【0142】
オペレーション中、ネットワーク装置110は、BFD中断の指示を端末装置120に送信する(805)。例えば、ネットワーク装置110は、予測ブロッキング障害又は他のルールに基づいてBFD中断を決定してもよい。BFD中断を決定するためのルールは、他の端末装置からの報告、例えばセンシング、カメラからの他の補助情報、又はネットワーク装置側における計画などを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0143】
いくつかの例示的な実施形態において、ネットワーク装置110は、BFDのためのDL RSの設定を介して、BFD中断の指示を送信してもよい。例えば、BFDのためのDL RSの設定は、BFD中断に関連付けられた周期的DL RSに関する少なくとも1つの時間領域位置、又はBFD中断のスロット番号又はフレーム番号、のうちの1つを含んでもよい。例えば、時間領域位置は、該周期性DS RSのn個ごとの送信オケージョン、又は該周期性DL RSのn1又はn2又はni個ごとの送信オケージョンであってもよい。n、n1、n2、及びn2は、任意の適切な数であってもよいことを、理解すべきである。例えば、BFD中断は、X(Xは任意の適切な数であってもよい)個ごとの時間単位を含んでもよい。時間単位は、ms/フレーム/スロット/ミニスロット/シンボルなどであってもよい。
【0144】
いくつかの例示的な実施形態において、ネットワーク装置110は、MAC CE又はDCI指示を介してBFD中断の指示を送信してもよい。MAC CE又はDCI指示は、次のいくつかのRS測定値をカウントしないように端末装置120に通知してもよい。追加として、MAC CE又はDCI指示は、BFD中断が終了したことを端末装置120に通知してもよい。
【0145】
BFD中断の指示を受信した後、端末装置120は、ビーム障害インスタンス(BFI)のカウンタの増加を停止する(810)。例えば、端末装置120は、BFD中断により示される時間領域位置、又はスロット番号又はフレーム番号において、BFIのカウンタの増加を停止してもよい。いくつかの例示的な実施形態において、端末装置120は、BFIのカウンタを0にセットしてもよい。
【0146】
端末装置120は、BFD中断後、BFIのカウンタを再開する(815)。例えば、端末装置120は、MAC CE又はDCI指示により示されるBFD中断の終了の後に、BFIのカウンタを再開してもよい。
【0147】
上述したプロセスを利用することにより、端末装置は、BFD中断の指示に基づいて、BFIのカウンタを増加させなくてもよいため、周期的なブロッキングによる偽障害が回避される。これにより、不必要なBFRQプロシージャが回避され、端末装置の電力消費が低減され、ULリソースが節約される。
例示的な方法及び装置
【0148】
次に、
図9を参照する。
図9は本開示のいくつかの実施形態にかかる例示的な方法900のフローチャートである。方法900は、
図1に示すような端末装置120において実現できる。方法900は、図示されていない追加のブロックを含んでもよく、且つ/又は図示されているいくつかのブロックを省略してもよく、本開示の範囲はこの点において限定されないことを、理解すべきである。説明のために、端末装置120の視点から
図1を参照して方法900を説明する。
【0149】
ブロック910において、端末装置120は、ネットワーク装置110に、端末装置120とネットワーク装置110との間の送信のためのTCI状態の第1のセット内のターゲットTCI状態に関する情報を送信する。TCI状態の第1のセットは、既にアクティブ化されたTCI状態の第2のセットと少なくとも部分的に重複しない。ターゲットTCI状態は、TCI状態の第2のセットの外にある。ブロック920において、端末装置120は、少なくともTCI状態の第1のセット内のターゲットTCI状態をアクティブとしてセットする。
【0150】
いくつかの例示的な実施形態において、ターゲットTCI状態に関する情報を送信することは、ターゲットTCI状態に関連付けられる第1のチャネル品質が閾値品質よりも高いことと、TCI状態の第2のセット内の現在のTCI状態に関連付けられた第2のチャネル品質よりも第1のチャネル品質が高く、該現在のTCI状態を有するチャネルが端末装置により監視されていることと、第1のチャネル品質が第2のチャネル品質よりもオフセットで高いことと、第1のチャネル品質が第2のチャネル品質よりもオフセットで複数回高いことと、のうちの少なくとも1つが満たされた場合、ターゲットTCI状態に関する情報を送信することを含む。
【0151】
いくつかの例示的な実施形態において、ターゲットTCI状態に関する情報を送信することは、PUCCH、PUSCH又はPRACHのうちの少なくとも1つ上の報告リソースにおいてターゲットTCI状態に関する情報を送信することを含む。
【0152】
いくつかの例示的な実施形態において、方法900は、ネットワーク装置110から、ターゲットTCI状態に関する情報の受信に関する確認を受信することをさらに含む。
【0153】
いくつかの例示的な実施形態において、報告リソースは、ビーム報告、CSI報告、又はビーム障害回復要求BFRQのためのリソースとともに多重化されるか、又は、報告リソースは、ターゲットTCI状態に関する情報を送信するために端末装置により保留された専用リソースである。
【0154】
いくつかの例示的な実施形態において、ターゲットTCI状態に関する情報を送信することは、ターゲットTCI状態に関するSSBRI又はCRIを送信すること、ターゲットTCI状態に関するSSBRI又はCRIをビーム切替のための指示とともに送信すること、又はTCI状態の第1のセットに関する情報を送信すること、のうちの少なくとも1つを含む。
【0155】
いくつかの例示的な実施形態において、ターゲットTCI状態に関する情報を送信することは、チャネル取得プロシージャ又はファインチューニングプロシージャのうちの少なくとも1つをトリガするために、情報を送信することを含み、チャネル取得プロシージャは、チャネル取得のための端末装置報告に関連付けられたSRS、又はチャネル取得を報告する端末装置に関連付けられたCSI報告のうちの1つを含み、ファインチューニングプロシージャは、ファインチューニングのための追跡参照信号TRS送信を含む。
【0156】
いくつかの例示的な実施形態において、少なくともTCI状態の第1のセット内のターゲットTCI状態をアクティブとしてセットすることは、ターゲットTCI状態を有するPDCCHを監視することを含む。
【0157】
いくつかの例示的な実施形態において、TCI状態の第1のセット内の少なくとも1つのターゲットTCI状態をアクティブとしてセットすることは、ターゲットTCI状態が将来の送信のために使用されるとの確認をネットワーク装置110から受信したことに応じて、ターゲットTCI状態を有するPDCCHの監視を開始することを含む。
【0158】
いくつかの例示的な実施形態において、少なくともTCI状態の第1のセット内のターゲットTCI状態をアクティブとしてセットすることは、TCI状態の第1のセット内のターゲットTCI状態をアクティブとしてセットすることと、TCI状態識別子とダウンリンク制御情報DCI内のTCIコードポイントとのマッピング関係を、ターゲットTCI状態の識別子で更新することと、を含む。
【0159】
いくつかの例示的な実施形態において、少なくともTCI状態の第1のセット内のターゲットTCI状態をアクティブとしてセットすることは、TCI状態の第1のセット内の各TCI状態をアクティブとしてセットすることと、TCI状態識別子とダウンリンク制御情報DCI内のTCIコードポイントとのマッピング関係を、TCI状態の第1のセット内の各TCI状態の識別子で更新することと、を含む。
【0160】
いくつかの実施形態において、方法900は、TCI状態の第2のセット内の少なくとも1つのTCI状態を非アクティブとしてセットすることをさらに含む。
【0161】
いくつかの例示的な実施形態において、TCI状態の第1のセットとTCI状態の第2のセットとは重複しない。方法900は、ネットワーク装置110から、少なくともTCI状態の第1のセットとTCI状態の第2のセットとを示すTCI状態セット設定を受信することをさらに含む。
【0162】
いくつかの例示的な実施形態において、方法900は、ネットワーク装置110から、少なくともTCI状態の第1のセットとTCI状態の第2のセットとを示すTCI状態セット設定を受信することをさらに含み、第1のTCI状態がTCI状態の第1のセットに関連付けられ、第2のTCI状態がTCI状態の第2のセットに関連付けられている。
【0163】
いくつかの例示的な実施形態において、方法900は、ネットワーク装置110から、少なくともTCI状態の第1のセットとTCI状態の第2のセットとを示すTCI状態セット設定のルールに関する指示を受信することをさらに含む。
【0164】
いくつかの例示的な実施形態において、方法900は、TCI状態の第1のセット内の第1のTCI状態に関するBFD RSを監視することであって、該第1のTCI状態を有するチャネルが端末装置120により監視されることと、TCI状態の第1のセット内の第1のTCI状態以外の各状態に関するCBD RSを監視することと、をさらに含む。
【0165】
いくつかの例示的な実施形態において、方法900は、ターゲットTCI状態に関する情報を送信する前に、TCI状態の第2のセット内の第2のTCI状態に関するBFD RSを監視することであって、該第2のTCI状態を有するチャネルが端末装置120により監視されることと、TCI状態の第2のセット内の第2のTCI状態以外の各状態に関するCBD RSを監視することと、をさらに含む。
【0166】
図10は本開示のいくつかの実施形態にかかる例示的な方法1000のフローチャートである。方法1000は、
図1に示すようなネットワーク装置110において実現できる。方法1000は、図示されていない追加のブロックを含んでもよく、且つ/又は図示されているいくつかのブロックを省略してもよく、本開示の範囲はこの点において限定されないことを、理解すべきである。説明のために、ネットワーク装置110の視点から
図1を参照して方法1000を説明する。
【0167】
ブロック1010において、ネットワーク装置110は、端末装置120から、端末装置120とネットワーク装置110との間の送信のためのTCI状態の第1のセットに属するターゲットTCI状態に関する情報を受信する。TCI状態の第1のセットは、既にアクティブ化されたTCI状態の第2のセットと少なくとも部分的に重複しない。ターゲットTCI状態は、TCI状態の第2のセットの外にある。ブロック1020において、ネットワーク装置110は、少なくともTCI状態の第1のセットに基づいて端末装置120との通信を実行する。
【0168】
いくつかの例示的な実施形態において、ターゲットTCI状態に関する情報を受信することは、PUCCH、PUSCH又はPRACHのうちの少なくとも1つ上の報告リソースにおいてターゲットTCI状態に関する情報を受信することを含む。
【0169】
いくつかの例示的な実施形態において、方法1000は、端末装置に、ターゲットTCI状態に関する情報の受信に関する確認を送信することをさらに含む。
【0170】
いくつかの例示的な実施形態において、報告リソースは、ビーム報告、CSI報告、又はビーム障害回復要求BFRQのためのリソースとともに多重化されるか、又は、報告リソースは、ターゲットTCI状態に関する情報を送信するために端末装置により保留された専用リソースである。
【0171】
いくつかの例示的な実施形態において、ターゲットTCI状態に関する情報を受信することは、ターゲットTCI状態に関するSSBRI又はCRIを受信すること、ターゲットTCI状態に関するSSBRI又はCRIをビーム切替のための指示とともに受信すること、又はTCI状態の第1のセットに関する情報を受信すること、のうちの少なくとも1つを含む。
【0172】
いくつかの例示的な実施形態において、ターゲットTCI状態に関する情報を受信することは、チャネル取得プロシージャ又はファインチューニングプロシージャのうちの少なくとも1つをトリガするために、情報を受信することを含み、チャネル取得プロシージャは、チャネル取得のための端末装置報告に関連付けられたサウンディング参照信号SRS、又はチャネル取得を報告する端末装置に関連付けられたチャネル状態情報CSI報告のうちの1つを含み、ファインチューニングプロシージャは、ファインチューニングのための追跡参照信号TRS送信を含む。
【0173】
いくつかの例示的な実施形態において、方法1000は、ネットワーク装置に、少なくともTCI状態の第1のセットとTCI状態の第2のセットとを示すTCI状態セット設定を送信することをさらに含む。
【0174】
いくつかの例示的な実施形態において、TCI状態の第1のセットとTCI状態の第2のセットとは重複せず、TCI状態セット設定は、ネットワーク装置により、少なくともTCI状態の第1のセットとTCI状態の第2のセットの各TCI状態に関連付けられた位置、又は少なくともTCI状態の第1のセットとTCI状態の第2のセットの各TCI状態に関連付けられたTCI状態遷移に関する情報、のうちの少なくとも1つに基づいて決定される。
【0175】
いくつかの例示的な実施形態において、方法1000は、第1のTCI状態に関連付けられたTCI状態遷移に関する情報に基づいて、TCI状態の第1のセットを設定することと、第2のTCI状態に関連付けられたTCI状態遷移に関する情報に基づいて、TCI状態の第2のセットを設定することと、をさらに含む。
【0176】
いくつかの例示的な実施形態において、方法1000は、端末装置に、少なくともTCI状態の第1のセットとTCI状態の第2のセットとを示すTCI状態セット設定のルールに関する指示を送信することをさらに含む。
【0177】
いくつかの例示的な実施形態において、方法1000は、TCI状態識別子と、ダウンリンク制御情報DCI内のTCIコードポイントとのマッピング関係を、ターゲットTCI状態の識別子で更新することをさらに含む。
【0178】
いくつかの例示的な実施形態において、方法1000は、TCI状態識別子と、ダウンリンク制御情報(DCI)内のTCIコードポイントとの間のマッピング関係を、TCI状態の第1のセット内の各TCI状態の識別子で更新することをさらに含む。
【0179】
次に、
図11を参照する。
図11は本開示のいくつかの実施形態にかかる例示的な方法1100のフローチャートである。方法1100は、
図1に示すような端末装置120において実現できる。方法1100は、図示されていない追加のブロックを含んでもよく、且つ/又は図示されているいくつかのブロックを省略してもよく、本開示の範囲はこの点において限定されないことを、理解すべきである。説明のために、端末装置120の視点から
図1を参照して方法1100を説明する。
【0180】
ブロック1110において、端末装置120は、ネットワーク装置110から、端末装置120とネットワーク装置110との間の送信のためのTCI状態の第1のセット内のターゲットTCI状態に関する情報を受信する。TCI状態の第1のセットは、既にアクティブ化されたTCI状態の第2のセットと少なくとも部分的に重複しない。ブロック1120において、端末装置120は、少なくともTCI状態の第1のセット内のターゲットTCI状態をアクティブとしてセットする。
【0181】
図12は本開示のいくつかの実施形態にかかる例示的な方法1200のフローチャートである。方法1200は、
図1に示すようなネットワーク装置110において実現できる。方法1200は、図示されていない追加のブロックを含んでもよく、且つ/又は図示されているいくつかのブロックを省略してもよく、本開示の範囲はこの点において限定されないことを、理解すべきである。説明のために、ネットワーク装置110の視点から
図1を参照して方法1200を説明する。
【0182】
ブロック1210において、ネットワーク装置110は、端末装置120に、端末装置120とネットワーク装置110との間の送信のためのTCI状態の第1のセットに属するターゲットTCI状態に関する情報を送信する。TCI状態の第1のセットは、既にアクティブ化されたTCI状態の第2のセットと少なくとも部分的に重複しない。ブロック1220において、ネットワーク装置110は、少なくともTCI状態の第1のセットに基づいて端末装置120との通信を実行する。
【0183】
次に、
図13を参照する。
図13は本開示のいくつかの実施形態にかかる例示的な方法1300のフローチャートである。方法1300は、
図1に示すような端末装置120において実現できる。方法1300は、図示されていない追加のブロックを含んでもよく、且つ/又は図示されているいくつかのブロックを省略してもよく、本開示の範囲はこの点において限定されないことを、理解すべきである。説明のために、端末装置120の視点から
図1を参照して方法1300を説明する。
【0184】
ブロック1310において、端末装置120は、TCI状態セット内の第1のTCI状態に関するビーム障害検出BFD参照信号RSを監視する(1310)。第1のTCI状態を有するチャネルは端末装置120により監視されてもよい。ブロック1320において、端末装置120は、TCI状態のセット内の第1のTCI状態以外の各TCI状態に関する候補ビーム検出CBD RSを監視する。
【0185】
次に、
図14を参照する。
図14は本開示のいくつかの実施形態にかかる例示的な方法1400のフローチャートである。方法1400は、
図1に示すような端末装置120において実現できる。方法1400は、図示されていない追加のブロックを含んでもよく、且つ/又は図示されているいくつかのブロックを省略してもよく、本開示の範囲はこの点において限定されないことを、理解すべきである。説明のために、端末装置120の視点から
図1を参照して方法1400を説明する。
【0186】
ブロック1410において、端末装置120は、ネットワーク装置110から、ビーム障害検出BFD中断の指示を受信する。ブロック1420において、端末装置120は、ビーム障害インスタンスBFIのカウンタの増加を停止する。ブロック1430において、端末装置120は、中断後にBFIのカウンタを回復する。
【0187】
図15は本開示のいくつかの実施形態にかかる例示的な方法1500のフローチャートである。方法1500は、
図1に示すようなネットワーク装置110において実現できる。方法1500は、図示されていない追加のブロックを含んでもよく、且つ/又は図示されているいくつかのブロックを省略してもよく、本開示の範囲はこの点において限定されないことを、理解すべきである。説明のために、ネットワーク装置110の視点から
図1を参照して方法1500を説明する。
【0188】
ブロック1510において、ネットワーク装置110は、端末装置120に、ビーム障害検出BFD中断の指示を送信する。
【0189】
本開示にかかるビーム管理拡張の詳細は、
図1~
図15を参照して説明されてきた。次に、端末装置120の例示的な実現について後述する。いくつかの実施形態において、端末装置(例えば、端末装置120)は回路を備え、前記回路は、前記端末装置と前記ネットワーク装置との間の送信のためのTCI状態の第1のセット内のターゲット送信設定インジケータ(TCI:transmission configuration indicator)状態であって、前記TCI状態の第1のセットと少なくとも部分的に重複しない既にアクティブ化されたTCI状態の第2のセットの外であるターゲットTCI状態に関する情報をネットワーク装置に送信するように設定されている。少なくともTCI状態の第1のセット内のターゲットTCI状態をアクティブとしてセットするように設定されている。
【0190】
いくつかの例示的な実施形態において、ターゲットTCI状態に関する情報を送信する際に、回路は、ターゲットTCI状態に関連付けられる第1のチャネル品質が閾値品質よりも高いことと、TCI状態の第2のセット内の現在のTCI状態に関連付けられた第2のチャネル品質よりも第1のチャネル品質が高く、該現在のTCI状態を有するチャネルが端末装置により監視されていることと、第1のチャネル品質が第2のチャネル品質よりもオフセットで高いことと、第1のチャネル品質が第2のチャネル品質よりもオフセットで複数回高いことと、のうちの少なくとも1つが満たされた場合、ターゲットTCI状態に関する情報を送信するように設定されている。
【0191】
いくつかの例示的な実施形態において、ターゲットTCI状態に関する情報を送信する際に、前記回路は、PUCCH、PUSCH又はPRACHのうちの少なくとも1つ上の報告リソースにおいて前記ターゲットTCI状態に関する情報を送信するように設定されている。
【0192】
いくつかの例示的な実施形態において、前記回路はさらに、前記ネットワーク装置から、前記ターゲットTCI状態に関する情報の受信に関する確認を受信するように設定されている。
【0193】
いくつかの例示的な実施形態において、報告リソースは、ビーム報告、CSI報告、又はビーム障害回復要求BFRQのためのリソースとともに多重化されるか、又は、報告リソースは、ターゲットTCI状態に関する情報を送信するために端末装置により保留された専用リソースである。
【0194】
いくつかの例示的な実施形態において、ターゲットTCI状態に関する情報を送信する際に、前記回路は、ターゲットTCI状態に関するSSBRI又はCRIを送信すること、ターゲットTCI状態に関するSSBRI又はCRIをビーム切替のための指示とともに送信すること、又はTCI状態の第1のセットに関する情報を送信すること、のうちの少なくとも1つを実行するように設定されている。
【0195】
いくつかの例示的な実施形態において、ターゲットTCI状態に関する情報を送信する際に、前記回路は、チャネル取得プロシージャ又はファインチューニングプロシージャのうちの少なくとも1つをトリガするために、前記情報を送信するように設定されており、チャネル取得プロシージャは、チャネル取得のための端末装置報告に関連付けられたSRS、又はチャネル取得を報告する端末装置に関連付けられたCSI報告のうちの1つを含み、ファインチューニングプロシージャは、ファインチューニングのための追跡参照信号TRS送信を含む。
【0196】
いくつかの例示的な実施形態において、少なくともTCI状態の第1のセット内のターゲットTCI状態をアクティブとしてセットする際に、前記回路は、前記ターゲットTCI状態を有するPDCCHを監視するように設定されている。
【0197】
いくつかの例示的な実施形態において、TCI状態の第1のセット内の少なくとも1つのターゲットTCI状態をアクティブとしてセットする際に、前記回路は、ターゲットTCI状態が将来の送信のために使用されるとの確認をネットワーク装置から受信したことに応じて、ターゲットTCI状態を有するPDCCHの監視を開始するように設定されている。
【0198】
いくつかの例示的な実施形態において、少なくともTCI状態の第1のセット内のターゲットTCI状態をアクティブとしてセットする際に、前記回路は、TCI状態の第1のセット内のターゲットTCI状態をアクティブとしてセットし、TCI状態識別子とダウンリンク制御情報DCI内のTCIコードポイントとのマッピング関係を、ターゲットTCI状態の識別子で更新するように設定されている。
【0199】
いくつかの例示的な実施形態において、少なくともTCI状態の第1のセット内のターゲットTCI状態をアクティブとしてセットする際に、前記回路は、TCI状態の第1のセット内の各TCI状態をアクティブとしてセットし、TCI状態識別子とダウンリンク制御情報DCI内のTCIコードポイントとのマッピング関係を、TCI状態の第1のセット内の各TCI状態の識別子で更新するように設定されている。
【0200】
いくつかの実施形態において、前記回路はさらに、TCI状態の第2のセット内の少なくとも1つのTCI状態を非アクティブとしてセットするように設定されている。
【0201】
いくつかの例示的な実施形態において、TCI状態の第1のセットとTCI状態の第2のセットとは重複しない。前記回路はさらに、前記ネットワーク装置から、少なくともTCI状態の第1のセットとTCI状態の第2のセットとを示すTCI状態セット設定を受信するように設定されている。
【0202】
いくつかの例示的な実施形態において、前記回路はさらに、前記ネットワーク装置から、少なくとも第1のTCI状態に関連付けられた前記TCI状態の第1のセットと第2のTCI状態に関連付けられた前記TCI状態の第2のセットとを示すTCI状態セット設定を受信するように設定されている。
【0203】
いくつかの例示的な実施形態において、前記回路はさらに、ネットワーク装置から、少なくともTCI状態の第1のセットとTCI状態の第2のセットとを示すTCI状態セット設定のルールに関する指示を受信するように設定されている。
【0204】
いくつかの例示的な実施形態において、前記回路はさらに、TCI状態の第1のセット内の第1のTCI状態に関するBFD RSを監視し、該第1のTCI状態を有するチャネルが端末装置により監視され、TCI状態の第1のセット内の第1のTCI状態以外の各状態に関するCBD RSを監視するように設定されている。
【0205】
いくつかの例示的な実施形態において、前記回路はさらに、前記ターゲットTCI状態に関する情報を送信する前に、TCI状態の第2のセット内の第2のTCI状態に関するBFD RSを監視し、該第2のTCI状態を有するチャネルが端末装置により監視され、TCI状態の第2のセット内の第2のTCI状態以外の各状態に関するCBD RSを監視するように設定されている。
【0206】
いくつかの実施形態において、ネットワーク装置(例えば、ネットワーク装置110)は回路を備え、前記回路は、端末装置から、前記端末装置120と前記ネットワーク装置110との間の送信のためのTCI状態の第1のセットに属するターゲットTCI状態であって、前記TCI状態の第1のセットと少なくとも部分的に重複しない既にアクティブ化されたTCI状態の第2のセットの外であるターゲットTCI状態に関する情報を受信するように設定されている。少なくとも前記TCI状態の第1のセットに基づいて前記端末装置120との通信を実行するように設定されている。
【0207】
いくつかの例示的な実施形態において、ターゲットTCI状態に関する情報を受信する際に、前記回路は、PUCCH、PUSCH又はPRACHのうちの少なくとも1つ上の報告リソースにおいて前記ターゲットTCI状態に関する情報を受信するように設定されている。
【0208】
いくつかの例示的な実施形態において、前記回路はさらに、端末装置120に、ターゲットTCI状態に関する情報の受信に関する確認を送信するように設定されている。
【0209】
いくつかの例示的な実施形態において、報告リソースは、ビーム報告、CSI報告、又はビーム障害回復要求BFRQのためのリソースとともに多重化されるか、又は、報告リソースは、ターゲットTCI状態に関する情報を送信するために端末装置により保留された専用リソースである。
【0210】
いくつかの例示的な実施形態において、ターゲットTCI状態に関する情報を受信する際に、前記回路は、ターゲットTCI状態に関するSSBRI又はCRIを受信すること、ターゲットTCI状態に関するSSBRI又はCRIをビーム切替のための指示とともに受信すること、又はTCI状態の第1のセットに関する情報を受信すること、のうちの少なくとも1つを実行するように設定されている。
【0211】
いくつかの例示的な実施形態において、ターゲットTCI状態に関する情報を受信する際に、前記回路は、チャネル取得プロシージャ又はファインチューニングプロシージャのうちの少なくとも1つをトリガするために、前記情報を受信するように設定されており、チャネル取得プロシージャは、チャネル取得のための端末装置報告に関連付けられたサウンディング参照信号SRS、又はチャネル取得を報告する端末装置に関連付けられたチャネル状態情報CSI報告のうちの1つを含み、ファインチューニングプロシージャは、ファインチューニングのための追跡参照信号TRS送信を含む。
【0212】
いくつかの例示的な実施形態において、前記回路はさらに、ネットワーク装置に、少なくともTCI状態の第1のセットとTCI状態の第2のセットとを示すTCI状態セット設定を送信するように設定されている。
【0213】
いくつかの例示的な実施形態において、TCI状態の第1のセットとTCI状態の第2のセットとは重複せず、TCI状態セット設定は、ネットワーク装置により、少なくともTCI状態の第1のセットとTCI状態の第2のセットの各TCI状態に関連付けられた位置、又は少なくともTCI状態の第1のセットとTCI状態の第2のセットの各TCI状態に関連付けられたTCI状態遷移に関する情報、のうちの少なくとも1つに基づいて決定される。
【0214】
いくつかの例示的な実施形態において、前記回路はさらに、第1のTCI状態に関連付けられたTCI状態遷移に関する情報に基づいて、TCI状態の第1のセットを設定し、第2のTCI状態に関連付けられたTCI状態遷移に関する情報に基づいて、TCI状態の第2のセットを設定するように設定されている。
【0215】
いくつかの例示的な実施形態において、前記回路はさらに、端末装置に、少なくともTCI状態の第1のセットとTCI状態の第2のセットとを示すTCI状態セット設定のルールに関する指示を送信するように設定されている。
【0216】
いくつかの例示的な実施形態において、前記回路はさらに、TCI状態識別子と、ダウンリンク制御情報(DCI)内のTCIコードポイントとのマッピング関係を、ターゲットTCI状態の識別子で更新するように設定されている。
【0217】
いくつかの例示的な実施形態において、前記回路はさらに、TCI状態識別子と、ダウンリンク制御情報DCI内のTCIコードポイントとの間のマッピング関係を、TCI状態の第1のセット内の各TCI状態の識別子で更新するように設定されている。
【0218】
いくつかの実施形態において、端末装置(例えば、端末装置120)は回路を備え、前記回路は、ネットワーク装置から、前記端末装置と前記ネットワーク装置との間の送信のためのTCI状態の第1のセットであって、既にアクティブ化されたTCI状態の第2のセットと少なくとも部分的に重複しないTCI状態の第1のセット内のターゲットTCI状態に関する情報を受信し、少なくともTCI状態の第1のセット内のターゲットTCI状態をアクティブとしてセットするように設定されている。
【0219】
いくつかの例示的な実施形態において、少なくともTCI状態の第1のセット内のターゲットTCI状態をアクティブとしてセットする際に、前記回路は、前記ターゲットTCI状態を有する物理ダウンリンク制御チャネルPDCCHを監視するように設定されている。
【0220】
いくつかの例示的な実施形態において、少なくともTCI状態の第1のセット内のターゲットTCI状態をアクティブとしてセットする際に、前記回路は、TCI状態の第1のセット内のターゲットTCI状態をアクティブとしてセットし、TCI状態識別子とダウンリンク制御情報DCI内のTCIコードポイントとのマッピング関係を、ターゲットTCI状態の識別子で更新するように設定されている。
【0221】
いくつかの例示的な実施形態において、少なくともTCI状態の第1のセット内のターゲットTCI状態をアクティブとしてセットする際に、前記回路は、TCI状態の第1のセット内の各TCI状態をアクティブとしてセットし、TCI状態識別子とダウンリンク制御情報DCI内のTCIコードポイントとのマッピング関係を、TCI状態の第1のセット内の各TCI状態の識別子で更新するように設定されている。
【0222】
いくつかの実施形態において、前記回路はさらに、TCI状態の第2のセット内の少なくとも1つのTCI状態を非アクティブとしてセットするように設定されている。
【0223】
いくつかの例示的な実施形態において、前記回路はさらに、前記ネットワーク装置から、TCI状態セット設定のルールに関する指示を受信するように設定されている。
【0224】
いくつかの実施形態において、TCI状態セット設定のルールは、スライディングウィンドウに関する情報を含む。
【0225】
いくつかの例示的な実施形態において、前記ターゲットTCI状態に関する情報を受信する際に、前記回路は、前記ネットワーク装置から、前記ターゲットTCI状態についてのTCI状態識別子を受信するように設定されている。
【0226】
いくつかの例示的な実施形態において、前記ターゲットTCI状態についてのTCI状態識別子を受信する際に、前記回路は、ダウンリンク制御情報DCIを介して前記TCI状態識別子を受信するか、又はメディアアドレス制御(MAC)制御要素(CE)を介して前記TCI状態識別子を受信するように設定されている。
【0227】
いくつかの例示的な実施形態において、前記回路はさらに、前記TCI状態の第1のセット内の第1のTCI状態に関するビーム障害検出BFD参照信号RSを監視し、前記第1のTCI状態を有するチャネルが前記端末装置により監視され、前記TCI状態の第1のセット内の前記第1のTCI状態以外の各状態に関する候補ビーム検出CBD RSを監視するように設定されている。
【0228】
いくつかの例示的な実施形態において、前記回路はさらに、前記ターゲットTCI状態に関する情報を受信する前に、前記TCI状態の第2のセット内の第2のTCI状態に関するビーム障害検出BFD参照信号RSを監視し、前記第2のTCI状態を有するチャネルが前記端末装置により監視され、TCI状態の第2のセット内の第2のTCI状態以外の各状態に関する候補ビーム検出CBD RSを監視するように設定されている。
【0229】
いくつかの実施形態において、ネットワーク装置(例えば、ネットワーク装置110)は回路を備え、前記回路は、端末装置に、前記端末装置120と前記ネットワーク装置110との間の送信のためのTCI状態の第1のセットであって、既にアクティブ化されたTCI状態の第2のセットと少なくとも部分的に重複しないTCI状態の第1のセットに属するターゲットTCI状態に関する情報を送信し、少なくとも前記TCI状態の第1のセットに基づいて前記端末装置120との通信を実行するように設定されている。
【0230】
いくつかの例示的な実施形態において、前記回路はさらに、前記端末装置に、TCI状態セット設定のルールに関する指示を送信するように設定されている。
【0231】
いくつかの実施形態において、TCI状態セット設定のルールは、スライディングウィンドウに関する情報を含む。
【0232】
いくつかの例示的な実施形態において、前記ターゲットTCI状態に関する情報を送信する際に、前記回路は、前記端末装置に、前記ターゲットTCI状態についてのTCI状態識別子を送信するように設定されている。
【0233】
いくつかの例示的な実施形態において、前記ターゲットTCI状態についてのTCI状態識別子を送信する際に、前記回路は、ダウンリンク制御情報DCIを介して前記TCI状態識別子を送信するか、又はメディアアドレス制御MAC制御要素CEを介して前記TCI状態識別子を送信するように設定されている。
【0234】
いくつかの実施形態において、端末装置(例えば、端末装置120)は回路を備え、前記回路は、TCI状態のセット内の第1のTCI状態に関するビーム障害検出BFD参照信号RSを監視し、該第1のTCI状態を有するチャネルが端末装置により監視され、TCI状態セット内の第1のTCI状態以外の各TCI状態に関する候補ビーム検出CBD RSを監視するように設定されている。
【0235】
いくつかの例示的な実施形態において、前記CBD RSを監視する際に、前記回路は、第1のTCI状態に関連付けられたTCI状態遷移に関する情報に基づいて、第1のTCI状態が事前決定された期間中に使用不可(out of service)となる確率が第1の閾値より高いか否かを決定し、確率が第1の閾値よりも高いとの決定に従って、前記CBD RSを監視するように設定されている。
【0236】
いくつかの例示的な実施形態において、前記回路はさらに、第1のTCI状態に関連付けられたTCI状態遷移に関する情報に基づいて、第1のTCI状態が事前決定された期間中に使用不可(out of service)となる確率が第2の閾値より低いか否かを決定し、確率が第2の閾値よりも低いとの決定に従って、前記BFD RS及び/又は前記CBD RSの監視をスキップするように設定されている。
【0237】
いくつかの例示的な実施形態において、前記回路はさらに、ネットワーク装置から、ビーム障害回復BFRについての設定であって、少なくとも前記TCI状態のセットを示す設定を受信するように設定されている。
【0238】
いくつかの実施形態において、端末装置(例えば、端末装置120)は回路を備え、前記回路は、ネットワーク装置から、ビーム障害検出BFD中断の指示を受信し、ビーム障害インスタンスBFIのカウンタの増加を停止するように設定されている。前記BFD中断後、前記BFIのカウンタを再開するように設定されている。
【0239】
いくつかの例示的な実施形態において、前記BFD中断の指示を受信する際に、前記回路は、BFDのためのダウンリンクDL参照信号RSの設定を介して前記BFD中断の指示を受信し、メディアアドレス制御MAC制御要素CEを介して前記BFD中断の指示を受信し、又はダウンリンク制御情報DCI指示を介して前記BFD中断の指示を受信するように設定されている。
【0240】
いくつかの実施形態において、BFDのためのDL RSの設定は、BFD中断に関連付けられた周期的DL RSに関する少なくとも1つの時間領域位置、又はBFD中断のスロット番号又はフレーム番号、のうちの1つを含む。
【0241】
いくつかの実施形態において、ネットワーク装置(例えば、ネットワーク装置110)は回路を備え、前記回路は、端末装置に、ビーム障害検出BFD中断の指示を送信するように設定されている。
【0242】
いくつかの例示的な実施形態において、前記BFD中断の指示を送信する際に、前記回路は、BFDのためのダウンリンクDL参照信号RSの設定を介して前記BFD中断の指示を送信し、メディアアドレス制御MAC制御要素CEを介して前記BFD中断の指示を送信し、又はダウンリンク制御情報DCI指示を介して前記BFD中断の指示を送信するように設定されている。
【0243】
いくつかの実施形態において、BFDのためのDL RSの設定は、BFD中断に関連付けられた周期的DL RSに関する少なくとも1つの時間領域位置、又はBFD中断のスロット番号又はフレーム番号、のうちの1つを含む。
【0244】
いくつかの例示的な実施形態において、前記回路はさらに、他の端末装置の報告、センシング又はカメラからの補助情報、又は前記ネットワーク装置における計画、のうちの少なくとも1つに基づいて、前記BFD中断の指示を決定するように設定されている。
【0245】
図16は本開示の実施形態を実装するのに適した装置1600の概略ブロック図である。装置1600は、
図1に示すネットワーク装置110又は端末装置120の別の例示的な実施態様として考えられる。したがって、装置1600は、ネットワーク装置110又は端末装置120において、或いはそれらの少なくとも一部として実現することができる。
【0246】
図示されるように、装置1600は、プロセッサ1610と、プロセッサ1610に結合されたメモリ1620と、プロセッサ1610に結合された適切な送信機(TX)及び受信機(RX)1640と、TX/RX1640に結合された通信インターフェースとを備える。メモリ1610は、プログラム1630の少なくとも一部を記憶する。TX/RX1640は双方向通信に用いられる。TX/RX1640は、通信を容易にするために少なくとも一つのアンテナを有するが、本明細書に言及されたアクセスノードは、実際には複数のアンテナを有してもよい。通信インターフェースは、eNB間の双方向通信のためのX2インターフェース、モビリティ管理エンティティ(MME)/サービングゲートウェイ(S-GW)とeNBとの間の通信のためのS1インターフェース、eNBと中継ノード(RN)との間の通信のためのUnインターフェース、又はeNBと端末装置との間の通信のためのUuインターフェースなど、他のネットワーク要素との通信に必要な任意のインターフェースを表してもよい。
【0247】
プログラム1630は、
図1~
図15を参照して本明細書で説明したように、関連付けられるプロセッサ1610により実行された場合、装置1600が本開示の実施形態に従って動作することを可能にするプログラム命令を含むと想定される。本文の実施形態は、装置1600のプロセッサ1610により実行可能なコンピュータソフトウェアにより、又はハードウェアにより、又はソフトウェアとハードウェアとの組合せにより実現されてもよい。プロセッサ1610は、本開示の様々な実施形態を実施するように設定されてもよい。さらに、プロセッサ1610とメモリ1620との組み合わせは、本開示の様々な実施形態を実現するのに適したプロセッシング手段1650を形成してもよい。
【0248】
メモリ1620は、ローカル技術ネットワークに適した任意のタイプであってもよく、また、非限定的な例として、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体、半導体に基づくメモリ装置、磁気メモリ装置及びシステム、光学メモリ装置及びシステム、固定メモリ及びリムーバブルメモリなど、任意の適切なデータ記憶技術を使用して実現されてもよい。装置1600内には1つのメモリ1620のみが示されているが、装置1600内にはいくつかの物理的に異なるメモリモジュールが存在してもよい。プロセッサ1610は、ローカル技術ネットワークに適した任意のタイプであってもよく、非限定的な例として、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、及びマルチコアプロセッサアーキテクチャに基づくプロセッサのうちの一つ又は複数を含んでもよい。装置1600は、複数のプロセッサ、例えば、メインプロセッサを同期化するクロックに時間的に従属する特定用途向け集積回路チップを有してもよい。
【0249】
全体として、本開示の様々な実施形態は、ハードウェア又は専用回路、ソフトウェア、論理、又はそれらの任意の組み合わせで実現されてもよい。いくつかの態様は、ハードウェアで実現されてもよく、他の態様は、コントローラ、マイクロプロセッサ、又は他のコンピューティング装置により実行できるファームウェア又はソフトウェアで実現されてもよい。本開示の実施形態の様々な態様は、ブロック図、フローチャート又は他の何らかの絵画的表現を用いて図示及び説明されているが、本明細書に記載されたブロック、機器、システム、技術、又は方法は、非限定的な例として、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、専用回路又は論理、汎用ハードウェア又はコントローラ又は他のコンピューティング装置、又はそれらの何らかの組み合わせで実装されてもよいことを理解すべきである。
【0250】
本開示はまた、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体上に有形的に記憶された少なくとも一つのコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品は、
図9~
図15の何れか一つ又はそれらの任意の組み合わせを参照して上述したプロセス又は方法を実行するために、対象の実プロセッサ又は仮想プロセッサ上の装置内で実行される、プログラムモジュールに含まれる命令などのコンピュータ実行可能な命令を含む。一般に、プログラムモジュールには、特定のタスクを実行するか、又は特定の抽象データタイプを実装するルーチン、プログラム、ライブラリ、オブジェクト、クラス、コンポーネント、データ構造などが含まれる。様々な実施形態において、プログラムモジュールの機能は、必要に応じて、プログラムモジュール間で結合又は分割されてもよい。プログラムモジュールのマシンが実行可能な命令は、ローカル又は分散型装置内で実行されてもよい。分散型装置において、プログラムモジュールは、ローカル記憶媒体及びリモート記憶媒体内の両方に配置されていてもよい。
【0251】
本開示の方法を実行するためのプログラムコードは、一つ又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されてもよい。これらのプログラムコードは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラマブルデータプロセッシング機器のプロセッサ又はコントローラに提供され、プロセッサ又はコントローラにより実行された場合、プログラムコードで、フローチャート及び/又はブロック図に指定された機能/動作を実現させる。プログラムコードは、完全にマシン上で、部分的にマシン上で、独立したソフトウェアパッケージとして、部分的にマシン上でかつ部分的にリモートマシン上で、又は完全にリモートマシン又はサーバ上で実行してもよい。
【0252】
上述のプログラムコードは、マシン可読媒体上で実装されてもよく、マシン可読媒体は、命令実行システム、機器、又は装置により利用されるか、又はそれらに関連するプログラムを含むか又は記憶することができる任意の有形媒体であってもよい。マシン可読媒体は、マシン可読信号媒体又はマシン可読記憶媒体であってもよい。マシン可読媒体は、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線若しくは半導体のシステム、機器若しくは装置、又は前述の媒体の任意の適切な組み合せを含むことができるが、これらに限定されない。マシン可読記憶媒体のより具体的な例は、一つ又は複数のワイヤを有する電気接続、ポータブルコンピュータディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)、光学的記憶装置、磁気記憶装置、又は上述の任意の適切な組合せを含んでもよい。
【0253】
なお、動作について特定の順序で説明を行ったが、所望の結果を得るために、こうした動作を、示された特定の順序で実行するか若しくは連続した順序で実行し、又は、説明された全ての動作を実行することが求められる、と理解されるべきではない。場合によっては、マルチタスクや並列処理が有利になることもある。同様に、いくつかの特定の実装の詳細が上記の議論に含まれているが、これらは、本開示の範囲に対する限定として解釈されるべきではなく、特定の実施形態に固有となり得る特徴の説明として解釈されるべきである。個々の実施形態の文脈で説明されたいくつかの特徴は、単一の実施形態において組み合わされて実現されてもよい。逆に、単一の実施形態の文脈で説明された様々な特徴は、複数の実施形態において別々に、又は任意の適切なサブコンビネーションで実装されてもよい。
【0254】
本開示は、構造的特徴及び/又は方法論的動作に特有の言語で説明されてきたが、添付の特許請求の範囲において定義された本開示は、必ずしも上記の特定の特徴又は動作に限定されないことを理解すべきである。むしろ、上述した特定の特徴及び動作は、特許請求の範囲を実施する例示的な形態として開示されている。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置により実行される方法であって、
前記端末装置とネットワーク装置との間の送信のためのTCI状態の第1のセット内のターゲット送信設定インジケータ(TCI:transmission configuration indicator)状態であって、前記TCI状態の第1のセットと少なくとも部分的に重複しない既にアクティブ化されたTCI状態の第2のセットの外である前記ターゲットTCI状態に関する情報を前記ネットワーク装置に送信することと、
少なくとも前記TCI状態の第1のセット内の前記ターゲットTCI状態をアクティブとしてセットすることと、
を含む方法。
【請求項2】
前記ターゲットTCI状態に関する情報を送信することは、
前記ターゲットTCI状態に関連付けられる第1のチャネル品質が閾値品質よりも高いことと、
前記TCI状態の第2のセット内の現在のTCI状態に関連付けられた第2のチャネル品質よりも前記第1のチャネル品質が高く、前記現在のTCI状態を有するチャネルが前記端末装置により監視されていることと、
前記第1のチャネル品質が前記第2のチャネル品質よりオフセットで高いことと、
前記第1のチャネル品質が前記第2のチャネル品質よりオフセットで複数回高いことと、
のうちの少なくとも1つが満たされた場合、前記ターゲットTCI状態に関する情報を送信する
ことを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ターゲットTCI状態に関する情報を送信することは、
物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)、
物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)、又は
物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)
のうちの少なくとも1つにおける報告リソースにおいて前記ターゲットTCI状態に関する情報を送信すること
を含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ターゲットTCI状態に関する前記情報の受信に関する確認を前記ネットワーク装置から受信すること
をさらに含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記報告リソースは、ビーム報告、CSI報告、又はビーム障害回復要求(BFRQ:beam failure recovery request)のためのリソースとともに多重化されるか、又は
前記報告リソースは、前記ターゲットTCI状態に関する前記情報を送信するための前記端末装置のために保留された専用リソースである
請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記ターゲットTCI状態に関する情報を送信することは、
前記ターゲットTCI状態に関する同期信号/物理ブロードキャストチャネルブロックリソースインジケータ(SSBRI:synchronization signals/physical broadcast channel block resource indicator)又はチャネル状態情報参照信号(CSI-RS)リソースインジケータ(CRI)を送信すること、
前記ターゲットTCI状態に関するSSBRI又はCRIをビーム切替のための指示とともに送信すること、又は
前記TCI状態の第1のセットに関する情報を送信すること、
のうちの少なくとも1つを含む
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ターゲットTCI状態に関する情報を送信することは、
チャネル取得プロシージャ又はファインチューニングプロシージャのうちの少なくとも1つをトリガするために、前記情報を送信することを含み、
前記チャネル取得プロシージャは、
前記チャネル取得のための端末装置報告に関連付けられたサウンディング参照信号(SRS)、又は
前記チャネル取得を報告する端末装置に関連付けられたチャネル状態情報(CSI)報告
のうちの1つを含み、
前記ファインチューニングプロシージャは、ファインチューニングのための追跡参照信号(TRS)送信を含む
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも前記TCI状態の第1のセット内の前記ターゲットTCI状態をアクティブとしてセットすることは、
前記ターゲットTCI状態を有する物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を監視すること
を含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも前記TCI状態の第1のセット内の前
記ターゲットTCI状態をアクティブとしてセットすることは、
前記ターゲットTCI状態が将来の送信のために使用されるとの確認を前記ネットワーク装置から受信したことに応じて、前記ターゲットTCI状態を有する物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)の監視を開始すること
を含む請求項1に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも前記TCI状態の第1のセット内の前記ターゲットTCI状態をアクティブとしてセットすることは、
前記TCI状態の第1のセット内の前記ターゲットTCI状態をアクティブとしてセットすることと、
TCI状態識別子と、ダウンリンク制御情報(DCI)内のTCIコードポイントとのマッピング関係を、前記ターゲットTCI状態の識別子で更新することと
を含む請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記TCI状態の第1のセットと前記TCI状態の第2のセットとは重複せず、前記方法は、
少なくとも前記TCI状態の第1のセットと前記TCI状態の第2のセットとを示すTCI状態セット設定を前記ネットワーク装置から受信すること
をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記TCI状態の第1のセット内の第1のTCI状態に関するビーム障害検出(BFD)参照信号(RS)を監視することであって、前記第1のTCI状態を有するチャネルが前記端末装置により監視されることと、
前記TCI状態の第1のセット内の前記第1のTCI状態以外の各状態に関する候補ビーム検出(CBD)RSを監視することと、
をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項13】
ネットワーク装置により実行される方法であって、
端末装置と前記ネットワーク装置との間の送信のための送信設定インジケータ(TCI)状態の第1のセットに属するターゲットTCI状態であって、前記TCI状態の第1のセットと少なくとも部分的に重複しない既にアクティブ化されたTCI状態の第2のセットの外であるターゲットTCI状態に関する情報を前記端末装置から受信することと、
少なくとも前記TCI状態の第1のセットに基づいて前記端末装置との通信を実行することと、
を含む方法。
【請求項14】
前記ターゲットTCI状態に関する前記情報を受信することは、
物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)、
物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)、又は
物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)
のうちの少なくとも1つにおける報告リソースにおいて前記ターゲットTCI状態に関する情報を受信すること
を含む請求項
13に記載の方法。
【請求項15】
前記ターゲットTCI状態に関する前記情報の受信に関する確認を前記端末装置に送信すること
をさらに含む請求項
14に記載の方法。
【国際調査報告】