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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-14
(54)【発明の名称】デバイスのエネルギ使用判定
(51)【国際特許分類】
   G06F 9/50 20060101AFI20240806BHJP
   G06F 1/3212 20190101ALI20240806BHJP
   G06F 1/3234 20190101ALI20240806BHJP
【FI】
G06F9/50 120Z
G06F1/3212
G06F1/3234
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024502097
(86)(22)【出願日】2022-07-11
(85)【翻訳文提出日】2024-02-22
(86)【国際出願番号】 US2022036676
(87)【国際公開番号】W WO2023287703
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】17/373,230
(32)【優先日】2021-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.イーサネット
(71)【出願人】
【識別番号】524016644
【氏名又は名称】パッシブロジック,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100173565
【弁理士】
【氏名又は名称】末松 亮太
(72)【発明者】
【氏名】プリシアド,マーチアノ
【テーマコード(参考)】
5B011
【Fターム(参考)】
5B011DA06
5B011DA11
5B011DA13
5B011DC01
5B011DC06
5B011DC07
5B011EA10
5B011HH06
5B011LL05
5B011LL11
(57)【要約】
太陽光発電およびバッテリ電力で作動するデバイスが、直前の1つまたは複数のサイクルにおけるエネルギ蓄積と、直前の1つまたは複数のサイクルにおける想定外支出とを調べる(look)ことによって、現サイクルのエネルギ収支を判定する。次いで、エネルギ収支は、想定外支出をサイクル長に合わせて正規化した値を、エネルギ蓄積から減算した値となる。エネルギ収支に基づいて、動作モードを選択する。動作モードは、特定のアクションを行う頻度を決定する。次いで、デバイスは、動作モードに基づいて、あるサイクル長の間作動する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスであって、
太陽光発電パネルと、
バッテリと、
第1通信媒体と、
メモリを有するプロセッサと、
デバイス・データと、
を備え、前記デバイスが、前記メモリを有するプロセッサを動作可能に使用することができ、
前記デバイス・データを使用して、最後のサイクルからの太陽光発電エネルギ蓄積を識別し、
前記最後のサイクルからの想定外動作エネルギ消費を識別し、
最後のサイクルからの前記太陽光発電エネルギ蓄積と、前記最後のサイクルからの前記想定外動作エネルギ消費とを使用して、エネルギ収支を作成し、
前記エネルギ収支に基づいて動作モードを決定し、
前記動作モードに基づいて、現在の動作パラメータを決定し、
前記現動作パラメータを使用して、現サイクル長の間前記デバイスを作動させる、デバイス。
【請求項2】
請求項1記載のデバイスであって、更に、インデックスと、第1サイクル長と、最大サイクル長とを備え、第2サイクル長が前記第1サイクル長に等しく、前記インデックスがサイクル毎に増分され、第3および後続のサイクルの長さが、後続のサイクル長≦最大サイクル長となるまで、第1サイクル長×(インデックス-2)×2に等しい、デバイス。
【請求項3】
請求項1記載のデバイスにおいて、前記デバイスが、第1通信媒体を使用して近隣ノードからメッセージを受信するために、前記メモリを有するプロセッサを動作可能に使用することができる、デバイス。
【請求項4】
請求項3記載のデバイスにおいて、前記デバイスが、前記太陽光発電パネルから電力読み取り値を取り込み、前記最後のサイクルの太陽光発電エネルギ蓄積が、現サイクルの長さに合わせて引き伸ばした前記センサ読み取り値に等しいと判定することによって、前記エネルギ収支を作成するために、前記メモリを有するプロセッサを動作可能に使用することができる、デバイス。
【請求項5】
請求項4記載のデバイスにおいて、前記デバイスが、前記動作モードに基づいて、前記第1通信媒体の通信範囲を選択するために、前記メモリを有するプロセッサを動作可能に使用することができる、デバイス。
【請求項6】
請求項5記載のデバイスであって、更に、第2通信媒体を備え、前記デバイスが、前記動作モードに基づいて、前記第1通信媒体または前記第2通信媒体を使用して通信することを選択するために、前記メモリを有するプロセッサを動作可能に使用することができる、デバイス。
【請求項7】
請求項6記載のデバイスであって、更に、支出収支を含み、前記支出収支が、前記最後のサイクルからの想定外動作エネルギ消費を現サイクルの長さに合わせて正規化し、前記最後のサイクルからの太陽光発電エネルギ蓄積から、正規化した想定外動作エネルギ消費を減算した値を含む、デバイス。
【請求項8】
請求項1記載のデバイスであって、更に、センサを備え、前記センサが、温度センサ、放射温度センサ、湿度センサ、CO2センサ、揮発性有機化合物センサ、大気圧センサ、光量センサ、専有物マッピング・センサ、占有検出センサ、または占有速度センサを含む、デバイス。
【請求項9】
請求項1記載のデバイスにおいて、前記最後のサイクルの間における太陽光発電パネル・エネルギ蓄積が、前記最後のサイクルにおいて周期的に前記太陽光発電パネルの生電力流入を測定し、測定生電力を生成することを含む、デバイス。
【請求項10】
請求項9記載のデバイスにおいて、前記測定された生電力が、台形規則を使用して推定される、デバイス。
【請求項11】
請求項1記載のデバイスにおいて、前記第1通信媒体が、ワイヤレス送信機、1-Wire通信回線、または専用送信線を含む、デバイス。
【請求項12】
エネルギ管理デバイスであって、
前記デバイス外部の光からエネルギを収穫するように構成されたエネルギ・ハーベスティング部と、
前記エネルギ・ハーベスティング部と関連付けられたエネルギ格納エレメントと、
センサ部と、
前記デバイスからエンティティに情報を送るように構成された送信機と、
コンピュータ・プログラムを含む処理およびメモリ・エレメントと、
を備え、前記コンピュータ・プログラムが、動作可能に、第1サイクル時間中に前記エネルギ・ハーベスティング部によって集められたエネルギの量を判定することができ、
前記コンピュータ・プログラムが、第2サイクル時間に対するエネルギ収支を判定するために、動作可能に、前記第1サイクル時間中に前記エネルギ・ハーベスティング部によって集められたエネルギ量を使用することができ、
前記コンピュータ・プログラムが、前記第2サイクル時間に対する動作モードを決定するために、動作可能に、前記第2サイクル時間に対する前記エネルギ収支を使用することができ、
前記動作モードが、センサ報告間隔、データ報告回数または送信機範囲を含み、
前記コンピュータ・プログラムが、前記第2サイクル時間にわたって作動するために、動作可能に、前記動作モードを使用することができる、デバイス。
【請求項13】
請求項12記載のデバイスであって、更に、前記コンピュータ・プログラムが、動作可能に、第1時間中に前記エネルギ格納エレメントによって格納されたエネルギ量を判定できることを含み、更に、第2時間に対するエネルギ収支を判定するために、前記格納されたエネルギ量を使用することを含む、デバイス。
【請求項14】
請求項13記載のデバイスであって、更に、前記コンピュータ・プログラムが、動作可能に、第1サイクルの間における想定外電力消費量を判定できることを含み、前記コンピュータ・プログラムが、前記第2サイクル時間に対するエネルギ収支を判定するために、動作可能に、前記第1サイクル中に前記エネルギ・ハーベスティング部によって集められたエネルギ量から、前記第1サイクルの間における前記想定外電力消費量を減算することができる、エネルギ管理デバイス。
【請求項15】
請求項14記載のデバイスにおいて、前記コンピュータ・プログラムが、サイクル数=0、およびサイクル数=1のとき、サイクル時間=最短サイクル時間となり、それ以外の場合、サイクル時間=最長サイクル時間となるまで、サイクル時間=最短サイクル時間×(サイクル数-1)×2となるように、後続のサイクル時間を決定するように構成される、デバイス。
【請求項16】
請求項15記載のデバイスであって、更に、高電力センサ部と低電力センサ部とを備え、前記高電力センサ部および前記低電力センサ部が、前記第2サイクル時間に対する動作モードに基づき、別個のセンサ・サンプリング・レートを有する、デバイス。
【請求項17】
1つ以上のメモリを有するコンピュータと1つ以上のプロセッサとによって実装されるデバイスの太陽光エネルギ・バッテリ管理方法であって、
第1時間中にデバイスによって使用された想定外エネルギ消費を検出するステップと、
前記第1時間中に前記デバイスによって格納された太陽光エネルギの量を検出するステップと、
前記デバイスによって格納された太陽光エネルギの量と、前記想定外エネルギ消費とを使用して、運用収支を判定するステップと、
前記運用収支を使用して動作モードを設定するステップと、
前記動作モードを使用して前記デバイスを作動させるステップと、
を含むデバイスの太陽光エネルギ・バッテリ管理方法。
【請求項18】
請求項17記載のデバイスの太陽光エネルギ・バッテリ管理方法において、前記動作モードを設定するステップが、更に、前記デバイスに対してスケジュールを設定するステップを含む、デバイスの太陽光エネルギ・バッテリ管理方法。
【請求項19】
請求項18記載のデバイスの太陽光エネルギ・バッテリ管理方法において、動作モードを設定するステップが、更に、センサ・アクション値を判定するステップを含む、デバイスの太陽光エネルギ・バッテリ管理方法。
【請求項20】
請求項19記載のデバイスの太陽光エネルギ・バッテリ管理方法において、デバイス・アクション値が、デバイス・リブート間隔、検知間隔、報告間隔、ワイヤレス接続間隔、configRX間隔、太陽光発電エネルギ・ポーリング間隔、または太陽光発電中継回数を含む、デバイスの太陽光エネルギ・バッテリ管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(1)本開示は、センサに関し、更に特定すれば、エネルギを効率的に管理するセンサに関する。
【従来技術】
【0002】
(2)センサは、広く使用され、広く有用である。しかしながら、センサのエネルギ消費は、特に、ワイヤレス・センサ・ネットワークでは、電源が限られており、その上エネルギの使用が多いので、相当多くなる可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
(3)この摘要は、詳細な説明の章において以下で更に説明する概念から選択したものを、簡略化した形態で紹介するために設けられている。この摘要は、特許請求する主題に要求される特徴や、必須の特徴を識別するのではない。この技術革新(innovation)は、請求項によって定められ、この摘要が請求項と食い違う場合には、請求項が優先するものとする。
【0004】
(4)一般に、本明細書において説明する技術の一部では、エネルギ効率が高いセンサ(energy efficient sensor)について記載する。
【0005】
(5)実施形態では、デバイスを開示する。このデバイスは、太陽光発電パネルと、バッテリと、第1通信媒体と、メモリを有するプロセッサと、デバイス・データとを備え、このデバイスは、太陽光発電エネルギを識別するために、メモリを有するプロセッサを動作可能に(operationally)使用することができる。ある実施形態では、太陽光発電エネルギ蓄積推定値を、周期的な電力流入(power income)測定値から推定する。ある実施形態では、このデバイスは、最後のサイクルから、想定外動作エネルギ消費を識別する。ある実施形態では、想定外消費はユーザの相互作用から得られる。可能なユーザの相互作用を測定することができ、このような消費をメモリにおいて類別する(catalog)ことができる。ある実施形態では、このデバイスは、最後のサイクルからの太陽光発電エネルギ蓄積と、最後のサイクルからの想定外動作エネルギ消費とを使用して、エネルギ収支(energy budget)を作成し、このエネルギ収支に基づいて動作モードを決定し、この動作モードに基づいて、現在の動作パラメータを決定し、現在の動作パラメータを使用して、現サイクル長の間デバイスを作動させる(run)。
【0006】
(6)ある実施形態では、このデバイスは、更に、インデックスと、第1サイクル長と、最大サイクル長とを備え、第2サイクル長は第1サイクル長と等しく、インデックスをサイクル毎に増分し、第3およびその後のサイクル長は、後続のサイクル長が最大サイクル長以上(≧)となるまで、第1サイクル長×(インデックス-2)×2に等しくする。後続のサイクル長が最大サイクル長以上(≧)となった場合、最大サイクル長を選択する。
【0007】
(7)実施形態では、このデバイスは、第1通信媒体を使用して近隣ノードからメッセージを受信するために、メモリを有するプロセッサを動作可能に使用することができる。
【0008】
(8)実施形態では、このデバイスは、太陽光発電パネルからの電力読み取り値を取り込み、最後のサイクルの太陽光発電エネルギ蓄積が、現在のサイクル長に合わせて引き伸ばしたセンサ読み取り値に等しいと判定することによって、エネルギ収支を作成するために、メモリを有するプロセッサを動作可能に使用することができる。ある実施形態では、このデバイスは、センサ測定値を取り込むに連れ、これらを収集して報告するために、動作可能に他のデバイスとの接続を開始することができる。このデバイスは、電話機、マスタ・コンピュータ、衛星コンピュータ、コントローラ等であってもよい。
【0009】
(9)実施形態では、このデバイスは、動作モードに基づいて、第1通信媒体の通信範囲を選択するために、メモリを有するプロセッサを動作可能に使用することができる。
【0010】
(10)実施形態では、このデバイスは、更に、第2通信媒体を備え、このデバイスは、動作モードに基づいて、第1通信媒体または第2通信媒体のどちらを使用して通信するか選択するために、メモリを有するプロセッサを動作可能に使用することができる。これらの通信媒体は、イーサネットのような有線通信媒体、ワイヤレス通信媒体、ワイヤレス送信機、1-Wire通信回線(1-wire communication line)、または専用送信線であってもよい。
【0011】
(11)実施形態では、このデバイスは、更に、支出収支(expense budget)も含む。支出収支は、最後のサイクルからの太陽光発電エネルギ蓄積から、最後のサイクルからの想定外動作エネルギ消費を減算し、現在のサイクル長に合わせて正規化した値を含む。
【0012】
(12)実施形態では、このデバイスは、更に、センサを備え、このセンサは、温度センサ、放射温度センサ、湿度センサ、CO2センサ、揮発性有機化合物センサ、大気圧センサ、光量センサ、占有物マッピング・センサ(occupant mapping sensor)、占有物検出センサ、または占有速度センサ(occupancy velocity sensor)を含む。
【0013】
(13)実施形態では、最後のサイクルの間における太陽光発電パネル・エネルギ蓄積は、最後のサイクルにおいて周期的に(during intervals)太陽光発電パネルの生電力流入を測定し、測定生電力を生成することを含む。
【0014】
(14)実施形態では、生電力測定値は、台形規則(trapezoidal rule)を使用して推定する。
【0015】
(15)実施形態では、エネルギ管理デバイスを開示する。このデバイスは、デバイス外部の光からエネルギを収穫するように構成されたエネルギ・ハーベスティング部と、エネルギ・ハーベスティング部と関連付けられたエネルギ格納エレメントと、センサ部と、デバイスからエンティティに情報を送るように構成された送信機と、コンピュータ・プログラムを含む処理およびメモリ・エレメントとを備え、コンピュータ・プログラムが、動作可能に、第1サイクル時間中にエネルギ・ハーベスティング部によって集められたエネルギの量を判定することができ、コンピュータ・プログラムが、第2サイクル時間におけるエネルギ収支を判定するために、動作可能に、第1サイクル時間にエネルギ・ハーベスティング部によって集められたエネルギ量を使用することができ、コンピュータ・プログラムが、第2サイクル時間に対する動作モードを決定するために、動作可能に、第2サイクル時間におけるエネルギ収支を使用することができ、動作モードは、センサ報告間隔、データ報告回数(reporting rate)、または送信機距離を含み、コンピュータ・プログラムは、第2サイクル時間にわたって作動させるために、動作可能に、動作モードを使用することができる。
【0016】
(16)実施形態では、このデバイスは、更に、動作可能に、第1時間中にエネルギ格納エレメントによって格納されたエネルギ量を判定することができるコンピュータ・プログラムを備え、更に、第2時間におけるエネルギ収支を判定するために、格納されたエネルギ量を使用することを含む。
【0017】
(17)実施形態では、このデバイスは、更に、動作可能に、第1サイクルの間における想定外電力消費量を判定することができるコンピュータ・プログラムを備え、このコンピュータ・プログラムは、第2サイクル時間におけるエネルギ収支を判定するために、動作可能に、第1サイクル中にエネルギ・ハーベスティング部によって集められたエネルギの量から、第1サイクルの間における想定外電力消費量を減算することができる。
【0018】
(18)実施形態では、コンピュータ・プログラムは、後続のサイクル時間を決定するように構成され、サイクル数=0およびサイクル数=1のときは、サイクル時間=最短サイクル時間となり、それ以外のときは、サイクル時間=最長サイクル時間となるまで、サイクル時間=最短サイクル時間×(サイクル数-1)×2となるように、後続のサイクル時間を決定する。「直前の期間が最長期間以上である場合、期間を2倍にする。」
【0019】
(19)実施形態では、最短サイクル時間は60分未満であり、最長サイクル時間は23時間以上である。
【0020】
(20)実施形態では、このデバイスは、更に、高電力センサ部と低電力センサ部とを備え、高電力センサ部および低電力センサ部は、第2サイクル時間に対する動作モードに基づいて、別個のセンサ・サンプリング・レート(sensor sampling rate)を有する。
【0021】
(21)実施形態では、1つ以上のメモリを有するコンピュータと、1つ以上のプロセッサとによって実装されるデバイス・太陽光エネルギ・バッテリ管理方法を開示する。この方法は、第1時間においてデバイスによって使用された想定外エネルギ消費を検出し、第1時間においてデバイスによって格納された太陽光エネルギの量を検出するステップと、デバイスによって格納された太陽光エネルギの量と、想定外エネルギ消費とを使用して、運用収支(operation budget)を判定するステップと、この運用収支を使用して動作モードを設定するステップと、この動作モードを使用してデバイスを作動させるステップとを含む。想定外エネルギ消費は、ユーザまたは制御デバイスによる想定外アクションを含むことができる。実施形態では、動作モードを設定するステップは、更に、動作モードに基づいてデバイスのアクション値を判定するステップを含む。動作モードは、動作(電力測定、環境検知、報告デバイスへの報告、正味ゼロのエネルギ消費を維持しようとするための動作等)の頻度を決定する。
【0022】
(22)実施形態では、動作モードを設定するステップは、更に、デバイスに対してスケジュールを設定するステップを含む。
【0023】
(23)実施形態では、デバイス・アクション値は、太陽光発電エネルギ・ポーリング(polling)間隔、バッテリ・レベル・ポーリング間隔、デバイス・リブート間隔、センサ待受(listening)間隔、報告間隔、ワイヤレス接続間隔、ワイヤレス接続メッシュ間隔(mesh interval)、または太陽光発電中継回数(solar power relay count)を含む。本発明のこれらおよびその他の態様は、以下の説明および添付図面と関連付けて考慮することによって、更に深く認識および理解されよう。以下の説明は、実施形態の種々の実施形態およびその多数の具体的詳細を示すが、限定ではなく例示として与えるに過ぎない。実施形態の範囲内において、多くの交換、修正、追加、または再構成を行うことができ、実施形態は、このような交換、修正、追加、または再構成の全てを含むものとする。
【0024】
(24)以下の図を参照しながら、本実施形態の非限定的および非網羅的な実施形態について説明する。図において、同様の参照番号は、別段指定されていない限り、種々の図を通じて、同様の部分を指す。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】説明する実施形態の一部と併せて実装することができるセンサのいくつかの特徴の代表的な実施形態を示す機能ブロック図である。
図2】説明する実施形態の一部と併せて実装することができる、センサを作動させる方法を示すフロー・チャートである。
図3】説明する実施形態の一部と併せて実装することができる、サイクル動作プランを決定する方法を示すフロー・チャートである。
図4】説明する実施形態の一部と併せて実装することができる、サイクル長を決定する方法を示すフロー・チャートである。
図5】説明する実施形態の一部と併せて実装することができるサイクル報告データを示す機能ブロック図である。
図6】説明する実施形態の一部と併せて実装することができるサイクル記録データを示す機能ブロック図である。
図7】説明する実施形態の一部と併せて実装することができる、代表的な動作モードを記述する行列である。
図8】説明する実施形態の一部と併せて実装することができるセンサのいくつかの特徴の代表的な実施形態を示す機能ブロック図である。
図9】説明する実施形態の一部と併せて実装することができるプロセッサおよびメモリ・エレメントによって使用することができる方法について説明する。
図10】説明する実施形態の一部と併せて実装することができるエネルギ使用判定デバイスによって使用することができる方法を記述するフロー・チャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(35)対応する参照符号は、図面の様々な図全体を通じて、対応するコンポーネントを示す。当業者は、図におけるエレメントは、わかりやすくそして明確にするために図示されており、必ずしも同じ拡縮比で描かれている訳ではないことを認めよう。例えば、図における一部のエレメントは、その寸法が他のエレメントに対して誇張され、種々の実施形態の理解を高めるのに役立つようにしている場合もある。また、共通するがよく理解されているエレメントは、商業的に実現可能な実施形態において有用または必要であっても、これら種々の実施形態の図を見やすくするために、多くの場合図示されない。
【0027】
(36)以下に開示するのは、方法、コンピュータ読み取り可能媒体、およびシステムの代表的な実施形態であり、特に、自動的に配線図を作成するシステムおよび方法に適用することができる。説明する実施形態は、説明した技術の1つ以上を実現する。
【0028】
(37)以下の説明では、本実施形態の完全な理解を得るために、多数の具体的な詳細を明記する。しかしながら、本実施形態を実施するためには、これらの具体的な詳細を必ず採用しなければならない訳ではないことは、当業者には明白であろう。他の場合では、周知の材料(material)または方法は、本実施形態を曖昧にするのを回避するために、詳細に説明されていない。「一実施形態」(one embodiment)、「実施形態」(an embodiment)、「一例」(one example)、「例」(an example)は、実施形態または例と関連付けて記載される特定の機構(feature)、構造、または特性が、本実施形態の内少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。つまり、本明細書全体を通じて種々の段落に「一実施形態において」、「実施形態において」、「一例」、または「例」という語句が現れても、必ずしも、全てが同じ実施形態または例に言及するわけではない。本明細書において説明するシステム、装置、および方法には、本開示の範囲から逸脱することなく、修正、追加、または省略を加える(made)こともできる。例えば、システムおよび装置のコンポーネントを統合または分離してもよい。更に、本明細書において開示するシステムおよび装置の動作は、もっと多いコンポーネント、もっと少ないコンポーネント、または他のコンポーネントによって実行されてもよく、説明する方法は、もっと多いステップ、もっと少ないステップ、または他のステップを含んでもよい。加えて、ステップは、任意の適した順序で実行してもよい。
【0029】
(38)本開示を説明する際に、便宜上、例えば、左、右、上面、底面、前、後ろ、上位、下位、上、および下、ならびにその他を含む相対的な用語を使用する場合がある。尚、これらの用語は、例示の目的で使用されるに過ぎず、限定する意図は全くないことは理解されてしかるべきである。
【0030】
(39)加えて、本明細書と共に提示される図は、当業者に対する説明だけを目的とすること、そして図面は必ずしも同じ拡縮率で描かれている訳ではないことは認められよう。特許庁、および本願において発行されるあらゆる特許のあらゆる読者が、本明細書に添付される請求項を解釈するのを補助するために、本出願人は、「ための手段」(means for)または「ためのステップ」(step for)という用語が特定の請求項において明示的に使用されなければ、添付する請求項または請求項の要素は、そのいずれもが、35U.S.C112(f)を引き合いに出す意図はないことを注記したく思料する。
【0031】
(40)本実施形態による実施形態は、装置、方法、またはコンピュータ・プログラム製品として実現することができる。したがって、本実施形態は、全体的にハードウェアの実施形態、全体的にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード等を含む)、またはソフトウェアおよびハードウェアの態様を組み合わせた、「システム」と呼ぶこともできる、実施形態という形をなすことができる。更に、本実施形態は、任意の有形媒体内に具体化されたコンピュータ使用可能プログラム・コードを有する表現のコンピュータ・プログラム製品が媒体内に具体化された形をなすこともできる。
【0032】
(41)1つ以上のコンピュータ使用可能媒体またはコンピュータ読み取り可能媒体を、任意の組み合わせで、利用することができる。例えば、コンピュータ読み取り可能媒体は、可搬型コンピュータ・ディスケット、ハード・ディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)デバイス、リード・オンリ・メモリ(ROM)デバイス、消去可能プログラマブル・リード・オンリ・メモリ(EPROMまたはフラッシュ・メモリ)デバイス、可搬型コンパクト・ディスク・リード・オンリ・メモリ(CDROM)、光記憶デバイス、および磁気記憶デバイスの内1つ以上を含むことができる。本実施形態の動作を実行するためのコンピュータ・プログラム・コードは、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで書くことができる。
【0033】
(42)フロー図(flow diagram)におけるフロー・チャート(flowchart)およびブロック図は、本実施形態の種々の実施形態によるシステム、方法、およびコンピュータ・プログラム製品の可能な実施態様のアーキテクチャ、機能、および動作を示す。これに関して、フロー・チャートまたはブロック図における各ブロックは、モジュール、セグメント、またはコード部(portion of code)を表すことができ、特定された論理機能(1つまたは複数)を実装するための1つ以上の実行可能命令を含む。また、ブロック図および/またはフロー・チャート図(illustration)の各ブロック、ならびにブロック図および/またはフロー・チャート図におけるブロックの組み合わせは、指定された機能またはアクトを実行する特殊目的ハードウェア-ベース・システム、または特殊目的ハードウェアおよびコンピュータ命令の組み合わせによって、実装できることも注記しておく。また、これらのコンピュータ・プログラム命令は、コンピュータ読み取り可能媒体に格納することができ、コンピュータまたは他のプログラマブル・データ処理装置に、特定の態様で機能するように指令することができるので、コンピュータ読み取り可能媒体に命令を格納することによって、フロー・チャートおよび/またはブロック図の1つもしくは複数のブロックにおいて指定された機能/アクトを実装する命令手段を含む製品(article of manufacture)が得られる。
【0034】
(43)本明細書において使用する場合、「備える」(comprises)、「備えている」(comprising)、「含む」(include)、「含んでいる」(including)、「有する」(has)、「有している」(having)という用語、またはこれらの任意の他の変形は、非排他的な包含を範囲に含むことを意図する。例えば、エレメントのリストを構成する(comprise)プロセス、物品(article)、または装置は、必ずしもこれらのエレメントのみに限定されるのではなく、明示的に列挙されていない他のエレメント、あるいはこのようなプロセス、物品、または装置に内在的な他のエレメントも含むことができる。
【0035】
(44)更に、明示的に別段の記載がない限り、「または」(or)は、「内包的なまたは」を指し、「排他的なまたは」ではない。例えば、条件AまたはBは、以下の内いずれの1つによっても満たされる。
Aが真(または存在する)であり、Bが偽(または存在しない)である。
Aが偽(または存在しない)であり、Bが真である(または存在する)。
AおよびBが真である(または存在する)。
「プログラム」(program)は、本明細書では、アプリケーション、カーネル、ドライバ、割り込みハンドラ、ファームウェア、状態機械、ライブラリ、ならびにプログラマ(開発者とも呼ばれる)によって書かれるおよび/または自動的に生成される他のコードも含むように、広く使用される。「最適化する」(optimize)は、必ずしも完全にではないが、改良することを意味する。例えば、最適化されたプログラムまたはアルゴリズムに更に改良を加えることが可能な場合もある。
【0036】
(45)加えて、本明細書において示す例または例示(illustration)はいずれも、これらと共に利用される任意の1つまたは複数の用語に対する制約(restriction)とも、限定(limits)とも、明示的な定義とも、決して見なしてはならない。代わりに、これらの例または例示は、特定の一実施形態に関して記載されるものとして、そして例示に過ぎないものとして見なされることとする。尚、これらの例または例示と共に利用される1つまたは複数の用語はいずれも、本明細書において一緒にまたは他の段落で示されるもしくは示されないかもしれない他の実施形態も包含すること、そしてこのような実施形態は全て、1つまたは複数のその用語の範囲内に含まれることを意図することが、当業者には認められよう。このような非限定的な例および例示を指示する文言には、「例えば」(for example)、「実例をあげると」(for instance)、「例えば」(e.g.)、および「一実施形態では」(in one embodiment)が含まれるが、これらに限定されるのではない。
【0037】
(46)本明細書において説明する実施形態の技術的特徴は、当業者には明白であり、広範囲の注意深い読者にも、様々な方法で明白になるであろう。実施形態には、環境において利用可能なエネルギに応じて、コーディングし直す必要なく、柔軟に電力を使用するセンサを提供するというような、コンピューティング技術を起源とする技術的活動に取り組むものもある。これは、実装に必要な作業を大幅に減らし、同様の製品よりもバッテリ交換の頻度がはるかに少ないセンサが得られる。本教示の技術的特性に基づく他の利点も、以下に提示する説明から当業者には明白であろう。
【0038】
I.全体像
(47)センサのような低エネルギ・デバイスは、エネルギ効率的な建物において使用することができる。これらのエネルギ効率的なデバイスは、太陽光によって給電することができ、および/または周囲光を使用して、搭載バッテリ(on-board battery)に再充電できる場合もある。これらのデバイスは、最後のサイクルにおいてどの位エネルギが使用されたか判定し、次いで次のサイクルの間どの位のエネルギが利用可能か判定するために、このエネルギ判定を使用することができる。
【0039】
(48)このデバイスは、コントローラに配線することができ、コントローラは、衛星コントローラ等でもよく、またはワイヤレス接続を有することもできる。ワイヤレス接続は、コントローラ、衛星コントローラ、他のデバイス、デバイスのウェブ(a web of)等に対して行うことができる。デバイスは、センサ、携帯電話、家庭内コントローラ、衛星コントローラ、コントローラ等のような、このような報告を受け入れる任意の種類のデバイスに報告することができる。デバイスは再充電可能なバッテリを有することもできる。バッテリは、周囲光を使用して、自動的に再充電することもできる。バッテリは、このバッテリが完全に充電されているときは、1年分のバックアップ・バッテリ充電、9年のバッテリ寿命、または異なる量のバッテリ寿命を有することができる。
【0040】
(49)デバイスは、バッテリ電力を絶って作動する(run off)こと、および/または太陽光電力のみで作動することができる。この実例では、全ての電力流入は太陽光発電パネルおよび/またはバッテリからとなる。これが意味するのは、デバイスは電力切れにならないように、効率的に振る舞わなければならないということである。デバイスは、どの位の電力が流入しているか指示することができ、一連の「モード」で動作することができる。モードは、電力の欠如によって停止する(die)のを防止するために、または最小限には程遠いバッテリの使用を必要とするのを防止するために、既知の電力収支を有する。デバイスは、最後のサイクルにおいてどの位の電力が集められたか判定し、更に最後のサイクルにおいて想定外イベントによって使用された電力を判定することができる。想定外イベントの電力を、最後のサイクルにおいて集められた電力から減算して、現サイクルに利用可能な電力を示す。要するに、デバイスは、最後のサイクルからの正味の電力を使用し、現サイクルにおいて給電するために使用されるエネルギ収支を生成する。初期化の間、サイクルは長さが異なる場合がある。このような場合、現サイクルの長さに合わせて電力量を正規化する。そのエネルギ収支に基づいて、デバイスはそのアクションを修正することができる。例えば、利用可能な電力収支が低過ぎる場合、デバイスは、特定のセンサを測定する時間間隔(time period)を延長することができる。他の低電力による修正をあげるとすれば、デバイスが報告を送る頻度を減らす、異なる報告を送る等でもよい。
【0041】
II.デバイス環境
(50)図1を参照すると、本明細書において開示する実施形態のいずれにおいても、全体的または部分的に、使用することができるシステムが示されている。デバイス100について開示する。このデバイス100は、建物の快適度(comfort level)を判定する建物制御システムの一部でもよく、散水および他の農業的機能を制御する演芸作業の一部でもよく、科学的体験に対する値を制御することもでき、または異なる使用に供するのでもよい。このデバイスは、太陽光発電パネル105とバッテリ110とを備えることができる。このバッテリは、1年間持続する十分な電力、5年間、10年間、または何らかの月数の間持続する十分な電力等を有することができる。データをどこに送るかというような、特定の判断を下すことができ、計算等も行うことができるプロセッサ115を搭載することができる。プロセッサは、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ・ユニット等でもよい。このプロセッサは、高効率の信号処理、低電力、低コストを兼ね備えることができ、および/または他の特徴を有することもできる。このプロセッサは、メモリ120、および/またはプログラマブル入力/出力周辺素子(peripheral)を備えることができる。メモリ120は、プロセッサから離れて実装されてもよい。
【0042】
(51)このデバイスは、それに関連付けられた1つ以上のセンサ125を有することができる。このデバイスは、内部読み取り値およびセンサ読み取り値を取り込むことができるとよく、特定のアクションが発生したときにタイムスタンプを取り込むことができるとよい。このデバイスに関連付けられたセンサは、空気温度センサ、放射温度センサ、大気圧センサ、音圧センサ、占有(occupancy)マッピング・センサ、占有検出センサ、占有速度センサ、揮発性有機化合物センサでもよい室内空気品質センサ、CO2濃度センサ、光強度センサ等を含むことができる。これらのセンサは、低電力センサと、高電力センサ、即ち、特定のセンサ・データを収集し、センサ読み取り値を取り込む等のために更に高い電力量を必要とするセンサとに分類する(group)こともできる。デバイス・データ130も含むことができる。デバイス・データは、例示的な実施形態では、デバイスがそのセンサを使用して検知し、次いで格納したデータである。検知したデータ全てを格納しなくてもよく、一部を直ちに異なるデバイスに送ってもよい。また、デバイス・データは、特定のイベントが発生したときを記憶する(memorialize)タイムスタンプ、バッテリ・エネルギ読み取り値のようなエネルギ読み取り値、太陽光発電パネル・エネルギ読み取り値、エネルギ蓄積量、想定外エネルギ量等のような、デバイスについての情報も含むことができる。これらのデータは、特定の時間にわたって格納することもできる。デバイス・データは、メモリ120に格納することができる。通信媒体135も含むことができる。この通信媒体135は、有線、ワイヤレス、1-Wire、以上の組み合わせでもよく、または完全に別個の形式であってもよい。通信媒体は、Bluetooth送信機であってもよい。1つのデバイスが複数の送信機を有することもできる。デバイスは、通信媒体を使用して、メッセージを近隣ノードから受信するため、および/またはメッセージを近隣ノードに渡すために、メモリを有するプロセッサを使用することができる。デバイスは、内部読み取り値およびセンサ読み取り値を取り込むことができるとよく、更に特定のアクションが発生したときにタイムスタンプを取り込むことができるとよい。近隣ノードとは、メッシュ・ネットワークにおいて1ジャンプ(またはホップ)離れたデバイスとしてよい。ある実施形態では、近隣ノードは2ジャンプ以上離れていてもよい。
【0043】
(52)図2を参照すると、フロー・チャート200は、本明細書において開示する実施形態において、前述のデバイスによって使用することができる方法を記述する。以下に紹介する方法200の動作は、例示であることを意図している。ある実施形態では、方法200は、説明しない1つ以上の追加の動作と共に実行することができ、および/または論ずる動作の1つ以上を使用せずに実行することもできる。加えて、方法200の動作を図2において示し以下で説明する順序は、限定であることを意図していない。
【0044】
(53)ある実施形態では、方法200は、プロセッサ115においてというように、1つ以上の処理デバイス(例えば、デジタル・プロセッサ、アナログ・プロセッサ、マイクロ処理ユニット、情報を処理するように設計されたデジタル回路、および/または電子的に情報を処理するためのメカニズム)において実装することができる。1つ以上の処理デバイスは、電子記憶媒体上に電子的に格納された命令に応じて、方法200の動作の一部または全部を実行する1つ以上のデバイスを含むことができる。1つ以上の処理デバイスは、ハードウェア、ファームウェア、および/またはソフトウェアによって、方法200の動作の1つ以上の実行に合わせて具体的に設計されるように構成された1つ以上のデバイスを含むことができる。
【0045】
(54)動作205において、デバイスを初期化することができる。デバイスを未だ初期化していない場合、または1サイクルにわたって初期化されていない場合、他の理由で初期化が必要な場合等では、センサは光読み取り値を取り込み、次いでこの光読み取り値はその第1サイクル長全体の間安定したままであろうと判定し、センサに第1エネルギ収支を付与することができる。これは、現サイクル長に合わせて引き伸ばしたセンサ読み取り値を有することによって、判定することができる。
【0046】
(55)ある実施形態では、このデバイスは、デフォルトの第1サイクル・エネルギ収支である値を、メモリに格納しておくことができる。また、センサは、どの程度の電力を現在有するか判定することができる。この現在の電力は、第1エネルギ収支を判定するために使用することもできる。動作210において、サイクルを開始することができる。これは、このサイクルが始まった時点に印を付けるためのタイムスタンプを発行する(provide)ことを伴ってもよい。動作215において、報告を内部に送ることができる。この報告は、発電イベントを収支マネージャに報告することができる。この内部報告は、メモリ120に格納することができ、収支マネージャ(これもメモリ120に格納することができる)に送ること等もできる。この報告は、サイクル240毎に、複数回取り込むことができる。内部報告は、このサイクルの間における流入イベント(1回または複数回)、1回のサイクルの間における臨時支出(ad-hoc expense)イベント報告、および/またはそのサイクルの間における臨時支出回数(ad-hod expense rate)および期間の報告を含むことができる。流入イベントとは、それぞれに1つの電力値を要するイベントである。臨時イベント電力使用は、イベントにかかった時間に応じて異なる。したがって、これらのイベントを正しく特徴付けるためには、期間とイベント支出回数を乗算するとよく、または他の方法を使用してもよい。これらの内部収支値は、デバイスについてエネルギ中立スケジュール(energy neutral schedule)を決定するために使用することができる。このスケジュールは、エネルギ中立であることができなくてもよく、その場合、エネルギ中立に近づくように、スケジュールを作成すればよい。報告を送る直前に、センサ読み取り値のような内部報告イベントを集めることができる。ある実施形態では、サイクル当たり複数回の読み取り240を行うこともできる。この内部報告データについては、図5も参照して論ずる。
【0047】
(56)動作220において、報告を外部デバイスに送ることができる。この報告は、集められたセンサおよび発電状態測定値を含むことができる。この報告は、通信媒体によって、近隣デバイスのような近くにあるデバイス、数ホップ離れた送信および受信デバイスのような、離れたデバイス、コントローラ、衛星コントローラ等に送ることができる。ある実施形態では、サイクル245毎に複数回の読み取りを行うこともできる。ある実施形態では、外部報告220が内部報告215を出させるきっかけとなる(trigger)(250)こともできる。これによって、外部報告回数を、内部報告とは異なる回数で発生させることが可能になり、またはこれらを一緒に結び付ける(tied together)こともできる。動作225において、終了イベントが発生する。この終了イベントは、タイムスタンプを取り込むアクション、および/または他の終了アクションを含むことができる。動作230において、記録イベントを行うことができる。記録することができるデータについては、図6を参照して論ずる。動作230において、次のサイクルの動作計画を引き出すことができる。
【0048】
(57)図3を参照すると、フロー・チャート300は、次のサイクルの動作計画を決定するために使用することができる方法を開示する。以下に提示する方法300の動作は、例示であることを意図している。ある実施形態では、方法300は、説明しない1つ以上の追加の動作と共に実行することもでき、および/または論ずる動作の1つ以上を使用せずに実行することもできる。加えて、方法300の動作を図3において示し以下で説明する順序は、限定することを意図していない。
【0049】
(58)ある実施態様では、方法300は、1つ以上の処理デバイス(例えば、デジタル・プロセッサ、アナログ・プロセッサ、マイクロ処理ユニット、情報を処理するように設計されたデジタル回路、および/または電子的に情報を処理するためのメカニズム)において実装することができる。1つ以上の処理デバイスは、電子記憶媒体上に電子的に格納された命令に応じて、方法300の動作の一部または全部を実行する1つ以上のデバイスを含むことができる。1つ以上の処理デバイスは、ハードウェア、ファームウェア、および/またはソフトウェアによって、方法300の動作の1つ以上の実行に合わせて具体的に設計されるように構成された1つ以上のデバイスを含むことができる。
【0050】
(59)動作305において、現サイクルの長さを決定することができる。サイクル長の決定については、図4を参照して論ずる。動作310において、センサ・データを使用して、最後のサイクルからのエネルギ蓄積を識別する。ある実施態様では、データを記録するとき(225)、最後の発電サイクルにおける蓄積を記録することができる。このような場合、このデータを参照することができる。ある実施態様では、太陽光発電パネルの電流および電力を、最後のサイクルの間周期的に測定し、次いで、動作310の間に、エネルギ蓄積に変換する。図7を参照して論ずる動作モードが、測定すべき太陽光発電エネルギの周期(cycle period)を決定することができる。これは、生の電力エネルギの蓄積をグラフに書き込み(charting)、次いで台形規則を使用して隙間を埋める作業を含むことができる。次いで、流入推定値の総和を求め(integrate)、エネルギに変換する。他の方法を使用してもよい。動作315において、最後のサイクルからの想定外電力支出を識別する。想定外電力支出の例として、ユーザがワイヤレス接続を開始して、予期せぬ電力が引き出されることをあげてもよい。ワイヤレス接続は、誘導不可能接続不要広告(non-directable non-connected advertisement)をメッセージのために使用するBluetooth接続でもよい。Bluetoothメッシュ・プロキシは、デバイス(電話機等)に合わせて接続を適応させることができる(Bluetoothメッシュは、あらゆるメッセージに誘導不可能接続不要広告を使用する)。Bluetooth Low Energyは、対話する(talk back and forth)ときに接続を行わなければならない。電話機は、常時待ち受けているのではない。Bluetoothメッシュ・プロキシは、電話機に合わせて接続を採用し、メッセージを翻訳する、つまり、広告に基づく媒体(advertising based medium)と接続に基づく媒体(connection based medium)との間で橋渡しする。プロキシ・デバイスは、使用することができるが、予想外に電力を引き込む。デバイスは、このデバイスの最後のサイクルの間、記録イベント225中における想定外支出を記録することができる。動作320において、現在のサイクルに対して収支を作成することができる。収支の作成は、収支マネージャの制御の下で行うことができる。収支の作成は、最後のサイクルからのエネルギ蓄積(直前のサイクルでもよい)、および最後のサイクルからの想定外動作のエネルギ消費を使用する作業を含むことができる。初期化中のように、最後のサイクルがないとき、1回のエネルギ読み取りを行い、この読み取り値をサイクルの長さに合わせて引き伸ばし、それをエネルギ収支として使用することによって、エネルギ収支を作成することができる。エネルギ蓄積は、太陽光発電エネルギ蓄積デバイス、様々な太陽光発電エネルギ蓄積デバイス、風力発電のような、異なる種類のエネルギ蓄積デバイス等からでもよい。ある実施形態では、最後のサイクルからの想定外支出を、最後のサイクルからの蓄積エネルギから減算して、エネルギ収支を得る。ときには、起動期間におけるときのように、最後のサイクルが、エネルギの収支を決める現サイクルとは、異なる長さとなることもある。そのようになったときは、異なる時間に対してエネルギ収支を判定するので、現在の時間長に合わせて、現在の収支を正規化すればよい。例えば、最後のサイクルが現サイクルの長さの半分である場合、現在のサイクルの収支は、2×(最後のサイクルの間におけるエネルギ蓄積-最後のサイクルからの想定外支出)となる。
【0051】
(60)動作325において、エネルギ収支を使用して、動作モードを決定する。動作モードは、例えば、リブート間隔、センサ測定間隔、報告間隔、ワイヤレス接続間隔、無線受信構成間隔、太陽光生電力流入ポーリング間隔、無線受信バッファ、中継回数(relay count)、例えば、ノードが近隣ノードから他のノードに受け渡すメッセージの数等の内1つ以上を決定する。ある実施態様では、動作モードを決定する際に、そのエネルギ要求が、2番目に高いモードよりは少ないが、2番目に低いモードよりも多いモードを選択する。静止エネルギ(sleep energy)、種々の間隔、および他の予定されたエネルギ使用アクションによって、1サイクル中に使用される総エネルギが運用収支以下となるように、動作モードを作成することもできる。動作330において、選択した動作モードを使用して、現在の動作パラメータを決定する。ある実施形態では、動作パラメータの決定および動作モードの決定を組み合わせてもよい。動作335において、現在の動作パラメータを使用して、現サイクルの間センサを作動させる。モードは、間隔、バッファ、回数(count)等の値を有することができ、次いで現サイクルの間センサを作動させるときに、これらの値を使用する。モードは、通信媒体がメッセージを近隣ノードから受信することができる回数、および/またはメッセージを近隣ノードに受け渡すことができる回数を決定することができる。
【0052】
(61)図4は、現サイクルの長さを選択する代表的な方法を開示するフロー・チャート400である。例えば、初期化の最中におけるある時点において、最短サイクルおよび最長サイクルを決定する。動作405において、現在のインデックスおよび現サイクルの長さによって、サイクル長の決定を開始する。最初に、例えば、設定フェーズの間に、インデックスを0にセットし、最短サイクルを45分に設定してもよく、最長サイクルを24時間に設定してもよい。決定時点410において、インデックスが0または1であるか判定する。そうである場合、動作415において、サイクル長を初期サイクル長に設定する。判断時点(decision point)420において、直前のサイクル長×2が最大サイクル長以上である場合、サイクル長を最大サイクル長に設定する。それ以外の場合、動作430において、サイクルをサイクル長×(インデックス-1)×2に設定する。つまり、初期サイクル長を45分に設定した場合、3回目のサイクルの長さは、45×(3-2)×2=90分となり、4回目のサイクルは180分となる等となる。動作435において、インデックスを増分する。動作440において、次のサイクル長が必要とされるまで、プログラム部(program portion)は停止する。これは、サイクル長を決定する1つの方法に過ぎない。他のサイクル長方法では、最大サイクル長が設定されるまで、サイクル毎にサイクル長を2倍にするのでもよく、他のサイクル長方法では、各連続サイクルに設定数を加算するのでもよく、サイクル長を1つの値として設定するのでもよい等があげられる。
【0053】
(62)図5は、サイクル報告データ505、即ち、収支マネージャ等に報告することができるデータを開示するブロック図500である。報告については、図2の215を参照して説明した。流入イベント510を報告してもよい。この報告は、収支マネージャに宛てることもでき、収支マネージャは、どの位のエネルギが使用される予定になっているのか、予定されたエネルギがどれ位使用されたか、想定外エネルギ支出がどれ位使用されたか等を追跡する。流入イベントとは、設定量のエネルギを要求するイベントである。流入イベント510の例は、あるシステムでは、センサ測定値、ワイヤレス接続広告メッセージ、センサ設定メッセージ等を含む。臨時支出515は、可変量の時間を要し、したがって、支出回数520および期間525も記録するとよい。ある実施形態では、臨時支出回数520および臨時支出期間525を1つのイベント量として格納することもできる。
【0054】
(63)図6は、デバイスによって記録することができるデータを開示するブロック図600である。これらのデータは、間隔、即ち、センサ待受間隔620、報告間隔630、および発電状態測定間隔635を含むことができる。これらの間隔は、サイクル収支の量に基づいて、変更することもでき、エネルギ収支が小さい程、間隔が長くなる。データ605は、更に、サイクル開始のタイムスタンプ610、サイクル終了のタイムスタンプ615、現報告と直前の報告との間の間隔630、および/またはセンサ待受間隔620も含むことができる。センサ待受間隔620は、センサ読み取り値が取り込まれる間隔を定めることができる。1つのデバイスに複数のセンサが関連付けられる場合、複数のセンサ待受間隔620があってもよい。ある実施形態では、デバイスと関連付けられた各センサが、それ自体のセンサ待受間隔620を有してもよい。ある実施形態では、低電力センサ(温度、湿度、圧力等)は、低電力センサ待受間隔を共有してもよい。ある実施形態では、高電力センサは、高電力センサ待受間隔を共有してもよい。ある実施形態では、太陽光発電パネルを測定する間隔のような、発電状態測定間隔635があってもよい。太陽光発電を報告する別個の間隔、およびバッテリ電力を報告する別個の間隔があるように、異なる発電状態毎に異なる間隔があってもよい。報告間隔630も含めることができる。この報告間隔は、デバイスがそのセンサ・データおよびその他の情報を異なるデバイスに報告する頻度であってもよい。異なるデバイスは、中央コンピュータ、衛星コンピュータ、センサ等でもよい。また、蓄積エネルギ640、最終サイクル測定電力流入(蓄積)645、および最終電力流入タイムスタンプ650等も記録することができる。
【0055】
(64)図7は、代表的な単純動作モード・チャート700である。この動作モードの具体化(instantiation)では、動作モードは電力値705に基づく。電力値は、運用収支であってもよい。サイクルの長さが異なる場合、電力値は正規化した運用収支にすればよい。電力値が0715である場合、間隔(センサ待受間隔、報告間隔、送信構成間隔、および電力蓄積(例えば、LUXまたは他の単位)ポーリング間隔を含むことができる)をもっと高い値に設定する。これは、ポーリング・イベントの回数削減(fewer)、および支出エネルギの低減に繋がる。例えば、Luxポスティング間隔710を60分に設定し(720)、センサ待受間隔を30分に設定する。100725のように、電力値(例えば、エネルギ収支)が大きくなる程、センサ待受間隔を5分に設定する、更にLux(太陽光発電エネルギ)ポール間隔を5分に設定する(730)というように、間隔を短くする。
【0056】
III.デバイスの実施形態
(65)図8の800を参照すると、本明細書において開示する実施形態のいずれにおいても全体的にまたは部分的に使用することができるデバイス805が示されている。このデバイス805は、建物の快適度(comfort level)を判定する建物制御システムの一部でもよく、散水および他の農業的機能を制御する演芸作業の一部でもよく、科学的体験に対する値を制御することもでき、または異なる使用をしてもよい。このデバイスは、エネルギ・ハーベスティング部810を備えることができる。このエネルギ・ハーベスティング部810は、1つ以上の太陽電池、風力ハーベスティング部、電力デバイス上に十分な利用可能な電気があるときにエネルギを産出する(harvest)寄生電気ハーベスティング部等を含むことができる。エネルギ格納エレメント815は、エネルギ・ハーベスティング部が集めたエネルギを格納するように、エネルギ格納エレメント815をエネルギ・ハーベスティング部810と関連付けることができる。エネルギ格納エレメント815はバッテリであってもよい。このバッテリは、1年持続する十分な電力、5年間、10年間、または何らかの月数の間持続する十分な電力等を有することができる。プロセッサおよびメモリ・エレメント830は、プロセッサとメモリとを含むことができる。プロセッサは、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ・ユニット等でもよい。このプロセッサは、高効率の信号処理、低電力、低コスト、および/またはプログラマブル入力/出力周辺素子(peripheral)を兼ね備えることもできる。
【0057】
(66)他の特徴を含ませることもできる。メモリは、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)のような揮発性メモリ、または不揮発性リード・オンリ・メモリ(ROM)であってもよい。RAMは、スタティックRAM、ダイナミックRAM、または異なる種類でもよい。ROMは、マスクROM、PROM(プログラマブル・リード・オンリ・メモリ)、EPROM(消去可能プログラマブル・リード・オンリ・メモリ)、EEPROM(電気的消去可能プログラマブル・リード・オンリ・メモリ)等でもよい。プロセッサおよびメモリ・エレメント830は、データをどこに送るかというような、特定の判断を下すことができ、計算を行うことができる等であるとよいコンピュータ・プログラム835を含むことができる。また、メモリには類別支出(catalogued expense)840も格納することができる。これらの類別支出は、プロビジョニング、種々の行動(behavior)の報告、検知データの収集、検知というような、種々のアクションに必要とされるエネルギの量としてもよい。デバイスは、1つよりも多い検知デバイスを有することができ、個々のセンサは各々、別個のエネルギ使用要件、送信情報、デバイス変更設定値、起動等を有することができる。
【0058】
(67)このデバイスは、それと関連付けられた1つ以上のセンサ部825を有することができる。これらのセンサ部は、空気温度センサ、放射温度センサ、大気圧センサ、音圧センサ、揮発性有機化合物センサでもよい室内空気品質センサ、 CO2濃度センサ、光強度センサ、占有検出センサ、占有マッピング・センサ、占有速度センサ等を含むことができる。送信機部820も含むことができ、有線、ワイヤレス、1-Wire、以上の組み合わせ、または完全に別個の形式でもよい。送信機は、Bluetooth送信機であってもよい。送信機部は、複数の送信機を含んでもよい。送信機は、情報をエンティティに送る、および情報をエンティティから受信するように構成することができ、エンティティとは、センサ、コントローラ、衛星コントローラ、マスタ・コンピュータ等でもよい。
【0059】
(68)図9を参照すると、フロー・チャート900は、本明細書において開示する実施形態におけるデバイスによって使用することができる方法について記述する。以下に提示する方法900の動作は、例示であることを意図している。ある実施形態では、方法900は、説明しない1つ以上の追加の動作と共に実行することもでき、および/または論ずる動作の1つ以上を使用せずに実行することもできる。加えて、方法900の動作を図9において示し以下で説明する順序は、限定することを意図していない。
【0060】
(69)ある実施形態では、方法900は、プロセッサおよびメモリ・エレメント830においてというように、1つ以上の処理デバイス(例えば、デジタル・プロセッサ、アナログ・プロセッサ、マイクロ処理ユニット、情報を処理するように設計されたデジタル回路、および/または電子的に情報を処理するためのメカニズム)において、プロセッサおよびメモリ・エレメントに格納されているプログラム905によって実装することができる。1つ以上の処理デバイスは、電子記憶媒体上に電子的に格納された命令に応じて、方法900の動作の一部または全部を実行する1つ以上のデバイスを含むことができる。1つ以上の処理デバイスは、ハードウェア、ファームウェア、および/またはソフトウェアによって、方法900の動作の1つ以上の実行に合わせて特定的に設計されるように構成された、1つ以上のデバイスを含むことができる。
【0061】
(70)動作910において、サイクル長を決定する。これについては、図4を参照して更に詳細に説明した。動作915において、最後に集めた電力を判定することができる。これは、エネルギ・ハーベスティング部によって集められた電力でもよい。ある実施形態では、設定された間隔で、ある時点において集められた電力量を測定する。次いで、集められた電力は、間隔点(interval points)間において外挿補間することによって測定する。この外挿補間は、台形規則を使用して作成された台形の直下にある面積を判定すること、積分、または何らかの他の方法を含むこともできる。ある実施形態では、数サイクルにわたってこれまでに使用された電力量の平均を取る。ある実施形態では、数サイクルにわたってこれまでに使用された電力量の中央値を計算する。ある実施形態では、数サイクルにわたってこれまでに使用された電力量の平均を計算する。ある形態では、使用されるサイクル数は、例えば、センサがどれ位作動し続けているか、閾値量を上回るまたは下回る何らかの値があるか否か等に応じて、可変である。動作920において、想定外電力消費を最後のサイクルについて判定する。この想定外電力消費は、デバイスのスケジュールの一部ではないイベントにおいて使用された電力を含む。これは、想定外報告、リセット等のような何かをユーザがセンサに要求したことを含んでもよい。ある実施形態では、数サイクルにわたる想定外電力使用の中央値を取る。ある実施形態では、数サイクルにわたる想定外電力使用の平均値を取る。ある実施形態では、使用されるサイクル数は、例えば、センサがどれ位作動し続けているか、閾値量を上回るまたは下回る何らかの値があるか否か等に応じて、可変である。動作925において、ある実施形態では、利用可能なバッテリ電力量を判定する。ある実施形態では、数サイクルにわたるバッテリ電力利用可能性の平均を取る。ある実施形態では、使用されるサイクル数は、例えば、センサがどれ位作動し続けているか、閾値量を上回るまたは下回る何らかの値があるか否か等に応じて、可変である。
【0062】
(71)動作930において、ある実施形態では、現サイクルに対するエネルギ収支を判定する。ある実施形態では、以前に集められた電力量から以前に使用された想定外電力を減算した値がエネルギ収支となる。ある実施形態では、利用可能なバッテリ・電力量が計算に使用される。動作935において、サイクル長を正規化する。現サイクルの長さが、最後のサイクルの長さまたは以前のサイクルの長さとは異なる長さである場合、現サイクルに割り当てられた(allot)エネルギ量を正規化しなければならない。動作940において、動作モードを決定するために、エネルギ収支を使用する。図7を参照すると、運用収支についてもっと多くの情報を発見することができる。動作945において、センサ・サンプリング・レートを決定するために、動作モードを使用する。ある実施形態では、センサ部を高電力センサ部(sensor portion)および低電力検知部(sensing portion)に分けることができる。高電力センサ部および低電力センサ部は、別個のセンサ・サンプリング・レートを有することができる。したがって、動作モードは、それぞれに異なるサンプリング・レートを含むことができる。ある実施形態では、センサを他のグループに分類し、センサ集合毎に異なるサンプリング・レート使用する。
【0063】
IV.方法の実施形態
(72)図10を参照すると、フロー・チャート1000は、本明細書において開示する実施形態におけるデバイスによって使用することができる方法について記述する。以下に提示する方法1000の動作は、例示であることを意図している。ある実施形態では、方法100は、説明しない1つ以上の追加の動作と共に実行することもでき、および/または論ずる動作の1つ以上を使用せずに実行することもできる。加えて、方法1000の動作を図9において示し以下で説明する順序は、限定することを意図していない。
【0064】
(73)ある実施形態では、方法1000は、プロセッサ115およびメモリ120においてというように、1つ以上の処理デバイス(例えば、デジタル・プロセッサ、アナログ・プロセッサ、マイクロ処理ユニット、情報を処理するように設計されたデジタル回路、および/または電子的に情報を処理するためのメカニズム)において実装することができる。1つ以上の処理デバイスは、電子記憶媒体上に電子的に格納された命令に応じて、方法1000の動作の一部または全部を実行する1つ以上のデバイスを含むことができる。1つ以上の処理デバイスは、ハードウェア、ファームウェア、および/またはソフトウェアによって、方法1000の動作の1つ以上の実行に合わせて特定的に設計されるように構成された、1つ以上のデバイスを含むことができる。
【0065】
(74)動作1005において、第1時間中にデバイスによって使用された、想定外エネルギ消費を検出する。想定外エネルギ消費とは、デバイスによって計画されなかったアクションによって使用されたエネルギとしてもよい。これらには、ユーザからの要求、想定外リブート等を含むことができる。第1時間は、現在のサイクルの直前のサイクル、ある回数の以前のサイクルの平均、ある回数の以前のサイクルの中央値、選択されたサイクルでもよく、想定外エネルギ消費が閾値を上回るまたは下回るサイクルは、無視してもよい。また、第1時間を判定するために、他の方法を選択してもよい。1010において、第1時間中にデバイスによって格納された太陽光エネルギの量を判定する。第1時間は、現サイクルの直前のサイクル、ある回数の以前のサイクルの平均、ある回数の以前のサイクルの中央値、選択されたサイクル等でもよい。ある実施形態では、想定外エネルギ消費が閾値を上回るまたは下回るサイクルは、無視してもよい。第1時間を判定するために、他の方法を選択してもよい。動作1015において、デバイスによって格納された太陽光エネルギの量、および想定外エネルギ消費を使用して、運用収支を判定する。ある実施形態では、第1時間からの想定外エネルギ消費を、第1時間中に格納された太陽光エネルギから減算する。運用収支は、サイクル長のような、設定された時間についてであってもよい。このサイクル長は、運用収支を判定するために使用される第1サイクル長とは異なってもよい。このような実例では、時間の差に合わせるために収支量を正規化すればよい。例えば、運用収支のサイクル長が45分であるが、(第1時間)現サイクルの長さ(第2時間)が90分である場合、第1時間を2倍し、次いで第2時間に対する運用収支を2倍にする。動作1020において、運用収支を使用して動作モードを設定する。ある実施形態では、動作モードの設定は、デバイスに対してスケジュールを設定する動作を含む。スケジュールは、センサをサンプリングする間隔または一連の間隔、デバイスが報告する間隔または一連の間隔、太陽光発電のようなエネルギ源出力をサンプリングする間隔または一連の間隔等でもよい。動作1025において、動作モードを使用してデバイスを作動させる。動作1025において、デバイスを作動させる動作は、1つ以上のセンサ・アクション値(sensor action values)を判定する動作を含むこともできる。センサ・アクション値は、デバイス・リブート間隔、検知間隔、報告間隔、ワイヤレス通信間隔、configRX間隔、太陽光発電エネルギ・ポーリング間隔、太陽光発電中継回数 、または異なる間隔もしくは回数を含むことができる。太陽光発電中継回数は、デバイスが、現サイクル中に、1つのデバイスから他のデバイスに渡す(ferry)ことができるメッセージの数を決定する。
【0066】
(75)多くの可能な実施形態において、本技術の原理を応用できることを考慮すると、図示した実施形態は例であり、本発明の範囲に対する限定として捉えてはならないことは、認められてしかるべきである。実例をあげると、本明細書において説明したシステムおよびツールの種々のコンポーネントは、その機能および使用を組み合わせることもできる。したがって、これらの請求項の範囲および主旨に該当する全ての主題を、本発明者の発明として、特許請求する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】