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特表2024-529918結腸直腸がんの検出のための組成物および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-14
(54)【発明の名称】結腸直腸がんの検出のための組成物および方法
(51)【国際特許分類】
   C12Q 1/02 20060101AFI20240806BHJP
   C12Q 1/6862 20180101ALI20240806BHJP
   G01N 33/574 20060101ALI20240806BHJP
   C12Q 1/6851 20180101ALI20240806BHJP
【FI】
C12Q1/02
C12Q1/6862 Z ZNA
G01N33/574 Z
C12Q1/6851
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503595
(86)(22)【出願日】2022-07-21
(85)【翻訳文提出日】2024-03-18
(86)【国際出願番号】 US2022037931
(87)【国際公開番号】W WO2023004077
(87)【国際公開日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】63/224,378
(32)【優先日】2021-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.PYTHON
(71)【出願人】
【識別番号】521375346
【氏名又は名称】マーシー バイオアナリティクス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】セドラック, ジョゼフ チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】ウィン-ディーン, エミリー スーザン
(72)【発明者】
【氏名】グーセンライトナー, ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】クービロン, アンソニー デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ボートリン, ローラ テレサ
(72)【発明者】
【氏名】セイラム, ダニエル パーカー
(72)【発明者】
【氏名】ビエット, ケリー
(72)【発明者】
【氏名】バネルジー, サンチャリ
【テーマコード(参考)】
4B063
【Fターム(参考)】
4B063QA01
4B063QA19
4B063QQ03
4B063QQ52
4B063QQ79
4B063QR08
4B063QR20
4B063QR32
4B063QR42
4B063QR62
4B063QS25
4B063QS32
4B063QS33
(57)【要約】
本開示は、一態様では、結腸直腸がんの検出、例えば、結腸直腸がんの早期検出のための技術を提供する。別の態様では、本明細書に提供される技術は、結腸直腸がんを有するか、もしくはそれに罹患しやすいと決定された対象に投与される処置を選択するため、および/またはモニタリングするため、および/またはその有効性を評価するために有用である。一部の実施形態では、本明細書に提供される技術は、例えば、治療薬と併せて腫瘍負荷および腫瘍負荷の変化を測定することによるコンパニオン診断の開発のために有用である。一部の実施形態では、本明細書に提供される技術は、例えば、治療応答と関連する対象の体液試料(例えば、血液試料)中のバイオマーカーを同定することによるコンパニオン診断の開発のために有用である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)対象から体液由来試料(例えば、血液由来試料)を提供するまたは得るステップ;
(b)前記体液由来試料(例えば、血液由来試料)において、第1の標的バイオマーカーシグネチャーを発現する細胞外小胞(「第1の標的バイオマーカーシグネチャー発現細胞外小胞」)を検出するステップであって、前記第1の標的バイオマーカーシグネチャーが、
少なくとも1つの細胞外小胞関連表面バイオマーカー、ならびに
表面バイオマーカー、小胞内バイオマーカー、および小胞内RNAバイオマーカーからなる群から選択される少なくとも1つの標的バイオマーカー
を含み、
前記表面バイオマーカーが、(i)以下のヒト遺伝子:ACSL5、ACVR2B、ALDH18A1、ALG5、AP1M2、ATP1B1、B3GNT3、BCAP31、CASK、CD133、CDH1、CDH17、CDH3、CEACAM5、CEACAM6、CFB、CFTR、CHDH、CHMP4B、CISD2、CLIC1、COPG2、CYP2S1、DPEP1、DSG2、EDAR、EPCAM、EPHB2、EPHB3、ERMP1、FERMT1、GALNT3、GNPNAT1、GOLIM4、GPA33、GPCR5A、HACD3、HEPH、HKDC1、IHH、ILDR1、ITGA2、KCNQ1、KEL、KPNA2、LAD1、LAMC2、LBR、LMNB1、LMNB2、LSR、MAP7、MARCKSL1、MLEC、MUC1、MUC13、NCEH1、NDUFS6、NLN、NOX1、NUP210、OCIAD2、PGAM5、PIGR、PIGT、PTK7、RAB25、RAP2A、RAP2B、RCC2、RNF43、RPN1、RPN2、RPS3、RUVBL2、S100P、SLC12A2、SLC25A6、SLC2A1、SMIM22、SNTB1、SORD、SSR4、ST14、STOML2、STT3B、SYAP1、TM9SF2、TMED2、TMPO、TOMM22、TOMM34、AMHR2、CLDN1、DLL4、EGFR、ERBB2、FAP、FGFR4、FOLR1、GUCY2C、IGF1R、IL1A、ITGAV、KRT8、LGR5、LPR6、MET、MST1R、MUC5AC、TNFRSF10B、VEGFA、およびその組合せによってコードされるポリペプチド;ならびに/または(ii)以下の炭水化物依存性マーカー:CanAg(MUC1のグリコフォーム)、Lewis Y/B抗原、Lewis B抗原、シアリルテトラオシル炭水化物、Tn抗原、シアリルTn(sTn)抗原、トムセン-フリーデンライヒ(T,TF)抗原、Lewis Y抗原(CD174としても公知)、シアリルLewis X(sLex)抗原(シアリルSSEA-1(SLX)としても公知)、シアリルLewis A抗原(CA19-9としても公知)、SSEA-1(Lewis X抗原としても公知)、NeuGcGM3(N-グリコリルGM3ガングリオシド)、およびその組合せから選択され;
前記小胞内バイオマーカーが、以下のヒト遺伝子:AGMAT、AGR2、AGR3、ANKS4B、AP1M2、ARSE、ASCL2、BSPRY、C10orf99、C15orf48、C1orf106、C9orf152、CBLC、CCL24、CDCA7、CDX1、CDX2、DDC、DSG2、EHF、ELF3、EPS8L3、ESRP1、ESRP2、ETV4、EVPL、FABP1、FAM3D、FAM83E、FAM84A、FERMT1、FOXA2、FOXA3、FOXQ1、GPX2、GRB7、HKDC1、HMGCS2、HNF4A、HOXB9、KCNN4、KLK1、KRT20、KRT23、KRT8、LGALS4、METTL7B、MISP、MUC2、MYB、MYBL2、MYO1A、PHGR1、PITX1、PKP3、PLAC8、PLEK2、PLS1、PPP1R14D、PRR15、PTK6、S100A14、S100P、SAPCD2、SERPINB5、SPDEF、TRIM15、TRIM31、USH1C、VIL1、およびその組合せによってコードされるポリペプチドから選択され;
前記小胞内RNAバイオマーカーが、以下のヒト遺伝子:AGMAT、AGR2、AGR3、ANKS4B、ANO9、AP1M2、ARSE、ASCL2、ATP10B、B3GNT3、BIK、BSPRY、C10orf99、C15orf48、C1orf106、C1orf210、C9orf152、CA12、CBLC、CCL24、CD24、CDCA7、CDH1、CDH17、CDH3、CDHR1、CDHR5、CDX1、CDX2、CEACAM5、CEACAM6、CEACAM7、CFTR、CLDN2、CLDN3、CLDN4、CLDN7、CLRN3、COL17A1、CRB3、CYP2S1、DDC、DPEP1、DSG2、EHF、ELF3、EPCAM、EPHB3、EPS8L3、ERN2、ESRP1、ESRP2、ETV4、EVPL、FA2H、FABP1、FAM3D、FAM83E、FAM84A、FAT1、FERMT1、FOXA2、FOXA3、FOXQ1、FUT2、FUT3、FXYD3、GCNT3、GGT6、GJB1、GJB3、GPA33、GPR160、GPR35、GPX2、GRB7、GUCY2C、HKDC1、HMGCS2、HNF4A、HOXB9、IHH、ITLN1、KCNN4、KIAA1324、KLK1、KRT20、KRT23、KRT8、LGALS4、LGR5、LY6G6D、MEP1A、METTL7B、MISP、MUC13、MUC2、MYB、MYBL2、MYO1A、NOX1、PDZK1IP1、PHGR1、PIGR、PITX1、PKP3、PLAC8、PLEK2、PLS1、POF1B、PPP1R14D、PROM1、PRR15、PRSS8、PTK6、RAB25、RNF128、RNF186、RNF43、S100A14、S100P、SAPCD2、SERPINB5、SLC26A3、SLC39A5、SLC44A4、SLC5A1、SMIM22、SPDEF、ST6GALNAC1、TJP3、TM4SF5、TMC5、TMEM45B、TMPRSS2、TMPRSS4、TNS4、TRABD2A、TRIM15、TRIM31、TSPAN1、TSPAN8、UGT2B17、UGT8、USH1C、VIL1、およびその組合せによってコードされるRNA転写物(例えば、mRNA転写物)から選択される、ステップ;
(c)前記体液由来試料(例えば、血液由来試料)における前記第1の標的バイオマーカーシグネチャー発現細胞外小胞のレベルを示す試料情報を、第1の参照閾値レベルを含む参照情報と比較するステップ;
(d)前記体液由来試料(例えば、血液由来試料)が、前記第1の参照閾値レベルを参照する分類カットオフと比べて、第1の標的バイオマーカーシグネチャー発現細胞外小胞のレベルの上昇を示す場合に、結腸直腸がんを有するか、またはそれに罹患しやすいとして前記対象を分類するステップ
を含む方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの標的バイオマーカーが、前記表面バイオマーカーのうちの1つまたは複数から選択される場合に、前記選択された表面バイオマーカーおよび前記少なくとも1つの細胞外小胞関連表面バイオマーカーが、異なる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記(b)および(c)のステップが、少なくとも第2の標的バイオマーカーシグネチャーについて繰り返され、前記分類カットオフが、前記第1の参照閾値レベル、および前記少なくとも第2の標的バイオマーカーシグネチャーに対応する少なくとも第2の参照閾値レベルを参照する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記細胞外小胞関連表面バイオマーカーが、以下のヒト遺伝子:FERMT1、EPCAM、EPHB2、CEACAM6、CEACAM5、CDH17、MARCKSL1、TOMM34、S100P、EPHB3、CDH1、MUC13、SLC12A2、RAB25、LAMC2、もしくはその組合せによってコードされるポリペプチドであるか、またはそれを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1および/または第2の標的バイオマーカーシグネチャーが、少なくとも1つの細胞外小胞関連表面バイオマーカー、ならびに表面バイオマーカー、小胞内バイオマーカー、および小胞内RNAバイオマーカーからなる群から選択される少なくとも2つのバイオマーカーを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも2つのバイオマーカーが、以下の組合せ:
-少なくとも2つの別個の表面バイオマーカー;
-少なくとも2つの別個の小胞内バイオマーカー;
-少なくとも2つの別個の小胞内RNAバイオマーカー;
-表面バイオマーカーおよび小胞内バイオマーカー;
-表面バイオマーカーおよび小胞内RNAバイオマーカー;ならびに
-小胞内バイオマーカーおよび小胞内RNAバイオマーカー
のうちの1つを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1または第2の参照閾値レベルが、非がん対象の集団由来の比較可能な試料において観察される標的バイオマーカーシグネチャー発現細胞外小胞のレベルによって決定される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記非がん対象の集団が、以下の対象集団:健康な対象、良性腫瘍と診断された対象、結腸関連疾患(例えば、クローン病、潰瘍性大腸炎、炎症性腸疾患など)を有する対象、ならびに非結腸関連疾患、障害、および/または状態を有する対象のうちの1つまたは複数を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記体液由来試料(例えば、血液由来試料)が、サイズ排除クロマトグラフィーに供されて、(例えば、細胞外小胞を含む目的のサイズ範囲を有する前記体液由来試料(例えば、血液由来試料)のナノ粒子から直接的に)単離されている、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記検出するステップが、捕捉アッセイを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記捕捉アッセイが、前記体液由来試料(例えば、血液由来試料)を、前記少なくとも1つの細胞外小胞関連表面バイオマーカーに結合する標的捕捉部分を含む捕捉剤と接触させるステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記捕捉剤が、それらにコンジュゲートされた前記標的捕捉部分を含む固体基材であるか、またはそれを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記固体基材が、磁気ビーズを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記標的捕捉部分が、抗体剤であるか、またはそれを含む、請求項11~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記検出するステップが、検出アッセイを含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記検出するステップが、捕捉アッセイおよび検出アッセイを含み、前記捕捉アッセイが、前記検出アッセイの前に行われる、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記第1および/または第2の標的バイオマーカーシグネチャーが、少なくとも1つの小胞内RNAバイオマーカーを含む場合に、前記検出アッセイが、逆転写qPCRを含む、請求項15~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記第1および/または第2の標的バイオマーカーシグネチャーが、少なくとも1つの小胞内バイオマーカーを含む場合に、前記標的バイオマーカーシグネチャー発現細胞外小胞が、前記検出アッセイの前に、固定および/または透過処理により処理される、請求項15~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記第1および/または第2の標的バイオマーカーシグネチャーが、少なくとも1つの表面バイオマーカーおよび/または小胞内バイオマーカーを含む場合に、前記検出アッセイが、イムノアッセイ(例えば、イムノPCR、および/または近接ライゲーションアッセイを含む)を含む、請求項15~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記検出アッセイが、近接ライゲーションアッセイを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記近接ライゲーションアッセイが、
(a)前記少なくとも1つの細胞外小胞関連表面バイオマーカーを発現する前記標的バイオマーカーシグネチャー発現細胞外小胞(「細胞外小胞関連表面バイオマーカー発現細胞外小胞」)を、前記標的バイオマーカーシグネチャーの標的バイオマーカーをそれぞれ対象にする検出プローブのセットと接触させるステップであって、そのセットが、前記細胞外小胞および前記検出プローブのセットを含む組合せが作成されるように、少なくとも2つの検出プローブを含み、
前記検出プローブが、
(i)前記標的バイオマーカーシグネチャーの前記標的バイオマーカーを対象にする標的結合部分;ならびに
(ii)前記標的結合部分にカップリングされたオリゴヌクレオチドドメインであって、前記オリゴヌクレオチドドメインが、二本鎖部分、および前記オリゴヌクレオチドドメインの一方の末端から伸びた一本鎖オーバーハング部分を含み、
前記検出プローブの前記一本鎖オーバーハング部分が、前記検出プローブが同じ細胞外小胞に結合する場合に、それらが互いにハイブリダイズすることができることを特徴とする、オリゴヌクレオチドドメイン
をそれぞれ含む、ステップ;
(b)前記組合せを、前記少なくとも2つの検出プローブが、前記標的バイオマーカーシグネチャーを発現する前記同じ細胞外小胞に結合して、二本鎖複合体を形成することができるように、前記検出プローブのセットの前記細胞外小胞上のそれらの個々の標的への結合を可能にする条件下で維持するステップ;
(c)前記二本鎖複合体を、核酸リガーゼと接触させて、ライゲーションされた鋳型を作成するステップ;
(d)前記ライゲーションされた鋳型を検出するステップであって、前記ライゲーションされた鋳型の存在が、前記標的バイオマーカーシグネチャー発現細胞外小胞の体液由来試料(例えば、血液由来試料)における存在を示す、ステップ;ならびに
(e)必要に応じて、オルソゴナルな標的バイオマーカーシグネチャーを使用して、少なくともさらに1回、ステップa~dを繰り返すステップ
を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記少なくとも2つの検出プローブの前記標的結合部分が、同じ標的バイオマーカーを対象にする、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記少なくとも2つの検出プローブの前記オリゴヌクレオチドドメインが、異なる、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記捕捉アッセイの前記標的捕捉部分が、前記少なくとも1つの細胞外小胞関連表面バイオマーカーを対象にする少なくとも1つの抗体剤であるか、またはそれを含む、請求項14~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記対象における初期結腸直腸がん、末期結腸直腸がん、または再発性結腸直腸がんについてスクリーニングするために行われる、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記対象が、以下の特徴:
(i)結腸直腸がんに罹患しやすい(例えば、平均集団リスク(すなわち、遺伝的リスクなし)の、または結腸直腸がんについての遺伝的リスクを有する)無症候性対象;
(ii)結腸直腸がんの家族歴を有する対象(例えば、結腸直腸がんの病歴を有する1人または複数人の第一度近親者を有する対象);
(iii)喫煙者であるか、または喫煙者であった、対象;
(iv)肥満である対象;
(v)過剰量のアルコールを摂取する対象;
(vi)40歳またはそれを超える対象;
(vii)結腸直腸がんの1つまたは複数の非特異的症状を有する対象であって、必要に応じて、前記非特異的症状のうちの少なくとも1つが、非がん性疾患、障害、または状態と関連する1つまたは複数の一般的な消化器症状に類似する、対象;
(viii)イメージング、例えば、X線、CTスキャン、または低線量CTスキャンが推奨される対象;
(ix)イメージングで確認される結腸直腸腫瘤と診断された対象;
(x)良性結腸腫瘍を有する対象;
(xi)結腸直腸がんについて以前に処置された対象;
(xii)炎症性腸疾患を有すると決定された対象;
(xiii)慢性潰瘍性大腸炎またはクローン病を有すると決定された対象;
(xiv)多量の現在または過去のアルコール摂取を有する対象;
(xv)遺伝性ポリポーシス症候群と関連する遺伝子および/または遺伝性結腸がん症候群と関連する遺伝子に遺伝性突然変異を有する対象;ならびに
(xvi)放射線療法および/または化学療法に曝露された対象
のうちの少なくとも1つまたは複数を有する、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
以下の健康評価および/または診断アッセイ:
(i)前記対象の1年に1回の健康診断;
(ii)イメージング検査(例えば、X線、CTスキャン、または低線量CTスキャン);
(iii)直腸診;
(iv)循環腫瘍DNAおよび/またはがんと関連するタンパク質バイオマーカーにおける遺伝子突然変異について血漿をスクリーニングするための遺伝学的アッセイ;
(v)細胞表現型およびマーカー発現を同定するための免疫蛍光染色と、それに続く増幅および次世代シークエンシングによる解析を含むアッセイ;
(vi)免疫便潜血検査(FTI);ならびに
(vii)血清バイオマーカー
のうちの1つまたは複数と組み合わせて使用される、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記結腸直腸がんが、結腸直腸腺癌である、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
抗結腸直腸がん療法(例えば、外科手術、放射線療法、化学療法、放射線手術、標的化薬物療法、免疫療法)の処置への応答についておよび/またはがんの再発/転移について、結腸直腸がん患者をモニタリングするために行われる、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記方法が、ヒト体液由来試料(例えば、血液由来試料)由来のインタクト細胞外小胞の表面上で、少なくとも2つのバイオマーカーの共局在を検出するステップであって、その組み合わされた発現レベルが、がんと関連すると決定される、ステップ;前記検出された共局在レベルを、前記決定されたレベルと比較するステップ;および前記検出された共局在レベルが、前記決定されたレベルであるか、またはそれを上回る場合に、がんを検出するステップを含む、がんを検出するための請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記方法が、細胞外小胞を含む試料を、前記細胞外小胞上の表面バイオマーカーに特異的に結合する検出プローブのセットと接触させて、95%~100%の範囲内の特異度および30%~100%の範囲内の感度で、前記試料中のがん関連細胞外小胞を検出するステップを含む、がんを検出するための請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記細胞外小胞上のがん特異的表面バイオマーカーと選択的に相互作用する捕捉剤を用いて、生体試料から細胞外小胞を捕捉するステップ;前記捕捉された細胞外小胞を、前記細胞外小胞上の表面バイオマーカーとそれぞれ選択的に相互作用する少なくとも2つの検出プローブの少なくとも1つのセットと接触させるステップ;および前記セットの前記少なくとも2つの検出プローブが、十分に近接している場合に形成される生成物を検出するステップであって、そのような検出が、前記表面バイオマーカーの共局在を示す、ステップを含む、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
細胞外小胞を含む試料を、前記細胞外小胞上の表面バイオマーカーに特異的に結合するプローブのセットと接触させて、前記試料中のがん関連細胞外小胞を検出するステップであって、(i)前記セット中のそれぞれのプローブが前記細胞外小胞上の表面バイオマーカーを対象にする標的結合部分を含み;(ii)前記セットが、少なくとも1つの捕捉プローブおよび少なくとも2つの検出プローブを含み、それぞれの検出プローブが、検出部分をさらに含む、ステップを含む、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
ヒト対象からの細胞外小胞上の表面バイオマーカーシグネチャーを検出する近接アッセイを行うステップであって、前記行うステップが、以前のアッセイを行った後の期間に行われて、前記ヒト対象からの細胞外小胞上の前記表面バイオマーカーシグネチャーを検出する、ステップ;および前記行われたアッセイの結果を、前記以前のアッセイの結果と比較するステップを含む、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
細胞外小胞を、少なくとも2つの検出プローブと接触させるステップであって、それぞれの検出プローブが、(i)結合部分;および(ii)オリゴヌクレオチド実体を含み、前記結合部分が、同じであり、前記オリゴヌクレオチド実体が、互いに相補的である、ステップを含む、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
細胞外小胞表面上でのマーカー近接性を検出するするステップであって、前記細胞外小胞を、結合部分および近接部分をそれぞれ含む結合剤の少なくとも一対と接触させるステップを含む改善を含み、前記結合部分が、同じであり、前記近接部分が、互いに相補的である、ステップ;ならびに前記近接部分間の相互作用を検出するステップを含む、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
結腸直腸がんの検出のためのキットであって、
(a)細胞外小胞関連表面バイオマーカーを対象にする標的捕捉部分を含む捕捉剤;ならびに
(b)検出プローブの少なくとも1つのセットであって、そのセットが、結腸直腸がんのための標的バイオマーカーシグネチャーの標的バイオマーカーをそれぞれ対象にする少なくとも2つの検出プローブを含み、前記検出プローブが、
(i)結腸直腸がんのための前記標的バイオマーカーシグネチャーの前記標的バイオマーカーに対する標的結合部分;ならびに
(ii)前記標的結合部分にカップリングされたオリゴヌクレオチドドメインであって、前記オリゴヌクレオチドドメインが、二本鎖部分、および前記オリゴヌクレオチドドメインの一方の末端から伸びた一本鎖オーバーハング部分を含み、
前記少なくとも2つの検出プローブの前記一本鎖オーバーハング部分が、前記少なくとも2つの検出プローブが同じ細胞外小胞に結合する場合に、それらが互いにハイブリダイズすることができることを特徴とする、オリゴヌクレオチドドメイン
をそれぞれ含み;
結腸直腸がんのための前記標的バイオマーカーシグネチャーが、
少なくとも1つの細胞外小胞関連表面バイオマーカー、ならびに
表面バイオマーカー、小胞内バイオマーカー、および小胞内RNAバイオマーカーからなる群から選択される少なくとも1つの標的バイオマーカー
を含み、
前記表面バイオマーカーが、(i)以下のヒト遺伝子:ACSL5、ACVR2B、ALDH18A1、ALG5、AP1M2、ATP1B1、B3GNT3、BCAP31、CASK、CD133、CDH1、CDH17、CDH3、CEACAM5、CEACAM6、CFB、CFTR、CHDH、CHMP4B、CISD2、CLIC1、COPG2、CYP2S1、DPEP1、DSG2、EDAR、EPCAM、EPHB2、EPHB3、ERMP1、FERMT1、GALNT3、GNPNAT1、GOLIM4、GPA33、GPCR5A、HACD3、HEPH、HKDC1、IHH、ILDR1、ITGA2、KCNQ1、KEL、KPNA2、LAD1、LAMC2、LBR、LMNB1、LMNB2、LSR、MAP7、MARCKSL1、MLEC、MUC1、MUC13、NCEH1、NDUFS6、NLN、NOX1、NUP210、OCIAD2、PGAM5、PIGR、PIGT、PTK7、RAB25、RAP2A、RAP2B、RCC2、RNF43、RPN1、RPN2、RPS3、RUVBL2、S100P、SLC12A2、SLC25A6、SLC2A1、SMIM22、SNTB1、SORD、SSR4、ST14、STOML2、STT3B、SYAP1、TM9SF2、TMED2、TMPO、TOMM22、TOMM34、AMHR2、CLDN1、DLL4、EGFR、ERBB2、FAP、FGFR4、FOLR1、GUCY2C、IGF1R、IL1A、ITGAV、KRT8、LGR5、LPR6、MET、MST1R、MUC5AC、TNFRSF10B、VEGFA、およびその組合せによってコードされるポリペプチド;ならびに/または(ii)以下の炭水化物依存性マーカー:CanAg(MUC1のグリコフォーム)、Lewis Y/B抗原、Lewis B抗原、シアリルテトラオシル炭水化物、Tn抗原、シアリルTn(sTn)抗原、トムセン-フリーデンライヒ(T,TF)抗原、Lewis Y抗原(CD174としても公知)、シアリルLewis X(sLex)抗原(シアリルSSEA-1(SLX)としても公知)、シアリルLewis A抗原(CA19-9としても公知)、SSEA-1(Lewis X抗原としても公知)、NeuGcGM3(N-グリコリルGM3ガングリオシド)、およびその組合せから選択され;
前記小胞内バイオマーカーが、以下のヒト遺伝子:AGMAT、AGR2、AGR3、ANKS4B、AP1M2、ARSE、ASCL2、BSPRY、C10orf99、C15orf48、C1orf106、C9orf152、CBLC、CCL24、CDCA7、CDX1、CDX2、DDC、DSG2、EHF、ELF3、EPS8L3、ESRP1、ESRP2、ETV4、EVPL、FABP1、FAM3D、FAM83E、FAM84A、FERMT1、FOXA2、FOXA3、FOXQ1、GPX2、GRB7、HKDC1、HMGCS2、HNF4A、HOXB9、KCNN4、KLK1、KRT20、KRT23、KRT8、LGALS4、METTL7B、MISP、MUC2、MYB、MYBL2、MYO1A、PHGR1、PITX1、PKP3、PLAC8、PLEK2、PLS1、PPP1R14D、PRR15、PTK6、S100A14、S100P、SAPCD2、SERPINB5、SPDEF、TRIM15、TRIM31、USH1C、VIL1、およびその組合せによってコードされるポリペプチドから選択され;
前記小胞内RNAバイオマーカーが、以下のヒト遺伝子:AGMAT、AGR2、AGR3、ANKS4B、ANO9、AP1M2、ARSE、ASCL2、ATP10B、B3GNT3、BIK、BSPRY、C10orf99、C15orf48、C1orf106、C1orf210、C9orf152、CA12、CBLC、CCL24、CD24、CDCA7、CDH1、CDH17、CDH3、CDHR1、CDHR5、CDX1、CDX2、CEACAM5、CEACAM6、CEACAM7、CFTR、CLDN2、CLDN3、CLDN4、CLDN7、CLRN3、COL17A1、CRB3、CYP2S1、DDC、DPEP1、DSG2、EHF、ELF3、EPCAM、EPHB3、EPS8L3、ERN2、ESRP1、ESRP2、ETV4、EVPL、FA2H、FABP1、FAM3D、FAM83E、FAM84A、FAT1、FERMT1、FOXA2、FOXA3、FOXQ1、FUT2、FUT3、FXYD3、GCNT3、GGT6、GJB1、GJB3、GPA33、GPR160、GPR35、GPX2、GRB7、GUCY2C、HKDC1、HMGCS2、HNF4A、HOXB9、IHH、ITLN1、KCNN4、KIAA1324、KLK1、KRT20、KRT23、KRT8、LGALS4、LGR5、LY6G6D、MEP1A、METTL7B、MISP、MUC13、MUC2、MYB、MYBL2、MYO1A、NOX1、PDZK1IP1、PHGR1、PIGR、PITX1、PKP3、PLAC8、PLEK2、PLS1、POF1B、PPP1R14D、PROM1、PRR15、PRSS8、PTK6、RAB25、RNF128、RNF186、RNF43、S100A14、S100P、SAPCD2、SERPINB5、SLC26A3、SLC39A5、SLC44A4、SLC5A1、SMIM22、SPDEF、ST6GALNAC1、TJP3、TM4SF5、TMC5、TMEM45B、TMPRSS2、TMPRSS4、TNS4、TRABD2A、TRIM15、TRIM31、TSPAN1、TSPAN8、UGT2B17、UGT8、USH1C、VIL1、およびその組合せによってコードされるRNA転写物(例えば、mRNA転写物)から選択される、検出プローブの少なくとも1つのセット
を含むキット。
【請求項38】
前記少なくとも1つの標的バイオマーカーが、前記表面バイオマーカーのうちの1つまたは複数から選択される場合に、前記選択された表面バイオマーカーおよび前記少なくとも1つの細胞外小胞関連表面バイオマーカーが、異なる、請求項37に記載のキット。
【請求項39】
前記細胞外小胞関連表面バイオマーカーが、以下のヒト遺伝子:FERMT1、EPCAM、EPHB2、CEACAM6、CEACAM5、CDH17、MARCKSL1、TOMM34、S100P、EPHB3、CDH1、MUC13、SLC12A2、RAB25、LAMC2、もしくはその組合せによってコードされる少なくとも1つのポリペプチドであるか、またはそれを含む、請求項37または38に記載のキット。
【請求項40】
前記少なくとも2つの検出プローブの前記標的結合部分が、前記標的バイオマーカーシグネチャーの同じ標的バイオマーカーをそれぞれ対象にする、請求項37~39のいずれか一項に記載のキット。
【請求項41】
前記少なくとも2つの検出プローブの前記オリゴヌクレオチドドメインが、異なる、請求項37~39のいずれか一項に記載のキット。
【請求項42】
前記少なくとも2つの検出プローブの前記標的結合部分が、前記標的バイオマーカーシグネチャーの別個の標的バイオマーカーをそれぞれ対象にする、請求項37~39のいずれか一項に記載のキット。
【請求項43】
少なくとも1つの追加試薬(例えば、リガーゼ、固定剤、および/または透過処理剤)をさらに含む、請求項37~42のいずれか一項に記載のキット。
【請求項44】
検出プローブの少なくとも2つのセット(例えば、少なくとも3つのセットを含む)を含み、そのそれぞれのセットが、結腸直腸がんのための別個の標的バイオマーカーシグネチャーの標的バイオマーカーをそれぞれ対象にする少なくとも2つの検出プローブを含む、請求項37~43のいずれか一項に記載のキット。
【請求項45】
(a)標的捕捉部分を含む第1の捕捉剤;
(b)標的捕捉部分を含む第2の捕捉剤;
(c)検出プローブの少なくとも2つのセットであって、前記検出プローブが、
(i)標的表面バイオマーカーに対する標的結合部分;ならびに
(ii)前記標的結合部分にカップリングされたオリゴヌクレオチドドメインであって、前記オリゴヌクレオチドドメインが、二本鎖部分、および前記オリゴヌクレオチドドメインの一方の末端から伸びた一本鎖オーバーハング部分を含み、
前記少なくとも2つの検出プローブの前記一本鎖オーバーハング部分が、前記少なくとも2つの検出プローブが同じ細胞外小胞に結合する場合に、それらが互いにハイブリダイズすることができることを特徴とする、オリゴヌクレオチドドメイン
をそれぞれ含む、検出プローブの少なくとも2つのセット
を含む、請求項37~39のいずれか一項に記載のキット。
【請求項46】
(a)標的捕捉部分を含む第1の捕捉剤;
(b)標的捕捉部分を含む第2の捕捉剤;
(c)標的捕捉部分を含む第3の捕捉剤;
(d)検出プローブの少なくとも3つのセットであって、前記検出プローブが、
(i)標的表面バイオマーカーに対する標的結合部分;ならびに
(ii)前記標的結合部分にカップリングされたオリゴヌクレオチドドメインであって、前記オリゴヌクレオチドドメインが、二本鎖部分、および前記オリゴヌクレオチドドメインの一方の末端から伸びた一本鎖オーバーハング部分を含み、
前記少なくとも2つの検出プローブの前記一本鎖オーバーハング部分が、前記少なくとも2つの検出プローブが同じ細胞外小胞に結合する場合に、それらが互いにハイブリダイズすることができることを特徴とする、オリゴヌクレオチドドメイン
をそれぞれ含む、検出プローブの少なくとも3つのセット
を含む、請求項37~39のいずれか一項に記載のキット。
【請求項47】
(a)結腸直腸がんのための標的バイオマーカーシグネチャーを発現する細胞外小胞であって、前記標的バイオマーカーシグネチャーが、
少なくとも1つの細胞外小胞関連表面バイオマーカー、ならびに
表面バイオマーカー、小胞内バイオマーカー、および小胞内RNAバイオマーカーからなる群から選択される少なくとも1つの標的バイオマーカーを含み、
前記表面バイオマーカーが、(i)以下のヒト遺伝子:ACSL5、ACVR2B、ALDH18A1、ALG5、AP1M2、ATP1B1、B3GNT3、BCAP31、CASK、CD133、CDH1、CDH17、CDH3、CEACAM5、CEACAM6、CFB、CFTR、CHDH、CHMP4B、CISD2、CLIC1、COPG2、CYP2S1、DPEP1、DSG2、EDAR、EPCAM、EPHB2、EPHB3、ERMP1、FERMT1、GALNT3、GNPNAT1、GOLIM4、GPA33、GPCR5A、HACD3、HEPH、HKDC1、IHH、ILDR1、ITGA2、KCNQ1、KEL、KPNA2、LAD1、LAMC2、LBR、LMNB1、LMNB2、LSR、MAP7、MARCKSL1、MLEC、MUC1、MUC13、NCEH1、NDUFS6、NLN、NOX1、NUP210、OCIAD2、PGAM5、PIGR、PIGT、PTK7、RAB25、RAP2A、RAP2B、RCC2、RNF43、RPN1、RPN2、RPS3、RUVBL2、S100P、SLC12A2、SLC25A6、SLC2A1、SMIM22、SNTB1、SORD、SSR4、ST14、STOML2、STT3B、SYAP1、TM9SF2、TMED2、TMPO、TOMM22、TOMM34、AMHR2、CLDN1、DLL4、EGFR、ERBB2、FAP、FGFR4、FOLR1、GUCY2C、IGF1R、IL1A、ITGAV、KRT8、LGR5、LPR6、MET、MST1R、MUC5AC、TNFRSF10B、VEGFA、およびその組合せによってコードされるポリペプチド;ならびに/または(ii)以下の炭水化物依存性マーカー:CanAg(MUC1のグリコフォーム)、Lewis Y/B抗原、Lewis B抗原、シアリルテトラオシル炭水化物、Tn抗原、シアリルTn(sTn)抗原、トムセン-フリーデンライヒ(T,TF)抗原、Lewis Y抗原(CD174としても公知)、シアリルLewis X(sLex)抗原(シアリルSSEA-1(SLX)としても公知)、シアリルLewis A抗原(CA19-9としても公知)、SSEA-1(Lewis X抗原としても公知)、NeuGcGM3(N-グリコリルGM3ガングリオシド)、およびその組合せから選択され;
前記小胞内バイオマーカーが、以下のヒト遺伝子:AGMAT、AGR2、AGR3、ANKS4B、AP1M2、ARSE、ASCL2、BSPRY、C10orf99、C15orf48、C1orf106、C9orf152、CBLC、CCL24、CDCA7、CDX1、CDX2、DDC、DSG2、EHF、ELF3、EPS8L3、ESRP1、ESRP2、ETV4、EVPL、FABP1、FAM3D、FAM83E、FAM84A、FERMT1、FOXA2、FOXA3、FOXQ1、GPX2、GRB7、HKDC1、HMGCS2、HNF4A、HOXB9、KCNN4、KLK1、KRT20、KRT23、KRT8、LGALS4、METTL7B、MISP、MUC2、MYB、MYBL2、MYO1A、PHGR1、PITX1、PKP3、PLAC8、PLEK2、PLS1、PPP1R14D、PRR15、PTK6、S100A14、S100P、SAPCD2、SERPINB5、SPDEF、TRIM15、TRIM31、USH1C、VIL1、およびその組合せによってコードされるポリペプチドから選択され;
前記小胞内RNAバイオマーカーが、以下のヒト遺伝子:AGMAT、AGR2、AGR3、ANKS4B、ANO9、AP1M2、ARSE、ASCL2、ATP10B、B3GNT3、BIK、BSPRY、C10orf99、C15orf48、C1orf106、C1orf210、C9orf152、CA12、CBLC、CCL24、CD24、CDCA7、CDH1、CDH17、CDH3、CDHR1、CDHR5、CDX1、CDX2、CEACAM5、CEACAM6、CEACAM7、CFTR、CLDN2、CLDN3、CLDN4、CLDN7、CLRN3、COL17A1、CRB3、CYP2S1、DDC、DPEP1、DSG2、EHF、ELF3、EPCAM、EPHB3、EPS8L3、ERN2、ESRP1、ESRP2、ETV4、EVPL、FA2H、FABP1、FAM3D、FAM83E、FAM84A、FAT1、FERMT1、FOXA2、FOXA3、FOXQ1、FUT2、FUT3、FXYD3、GCNT3、GGT6、GJB1、GJB3、GPA33、GPR160、GPR35、GPX2、GRB7、GUCY2C、HKDC1、HMGCS2、HNF4A、HOXB9、IHH、ITLN1、KCNN4、KIAA1324、KLK1、KRT20、KRT23、KRT8、LGALS4、LGR5、LY6G6D、MEP1A、METTL7B、MISP、MUC13、MUC2、MYB、MYBL2、MYO1A、NOX1、PDZK1IP1、PHGR1、PIGR、PITX1、PKP3、PLAC8、PLEK2、PLS1、POF1B、PPP1R14D、PROM1、PRR15、PRSS8、PTK6、RAB25、RNF128、RNF186、RNF43、S100A14、S100P、SAPCD2、SERPINB5、SLC26A3、SLC39A5、SLC44A4、SLC5A1、SMIM22、SPDEF、ST6GALNAC1、TJP3、TM4SF5、TMC5、TMEM45B、TMPRSS2、TMPRSS4、TNS4、TRABD2A、TRIM15、TRIM31、TSPAN1、TSPAN8、UGT2B17、UGT8、USH1C、VIL1、およびその組合せによってコードされるRNA転写物(例えば、mRNA転写物)から選択され;
前記細胞外小胞が、前記細胞外小胞関連表面バイオマーカーを対象にする標的捕捉部分を含む固体基材上に固定化される、細胞外小胞;
(b)前記細胞外小胞にそれぞれ結合した第1の検出プローブおよび第2の検出プローブであって、それぞれの検出プローブが、
(i)前記腫瘍標的バイオマーカーシグネチャーの前記標的バイオマーカーのうちの1つを対象にする標的結合部分;ならびに
(ii)前記標的結合部分にカップリングされたオリゴヌクレオチドドメインであって、前記オリゴヌクレオチドドメインが、二本鎖部分、および前記オリゴヌクレオチドドメインの一方の末端から伸びた一本鎖オーバーハング部分を含み、
前記第1および第2の検出プローブの前記一本鎖オーバーハング部分が、互いにハイブリダイズする、オリゴヌクレオチドドメイン
を含む、第1の検出プローブおよび第2の検出プローブ
を含む複合体。
【請求項48】
前記少なくとも1つの標的バイオマーカーが、前記表面バイオマーカーのうちの1つまたは複数から選択される場合に、前記選択された表面バイオマーカーおよび前記少なくとも1つの細胞外小胞関連表面バイオマーカーが、異なる、請求項47に記載の複合体。
【請求項49】
前記細胞外小胞関連表面バイオマーカーが、以下のヒト遺伝子:FERMT1、EPCAM、EPHB2、CEACAM6、CEACAM5、CDH17、MARCKSL1、TOMM34、S100P、EPHB3、CDH1、MUC13、SLC12A2、RAB25、LAMC2、もしくはその組合せによってコードされる少なくとも1つのポリペプチドであるか、またはそれを含む、請求項47または48に記載の複合体。
【請求項50】
前記少なくとも2つの検出プローブの前記標的結合部分が、前記標的バイオマーカーシグネチャーの同じ標的バイオマーカーをそれぞれ対象にする、請求項47~49のいずれか一項に記載の複合体。
【請求項51】
前記少なくとも2つの検出プローブの前記オリゴヌクレオチドドメインが、異なる、請求項50に記載の複合体。
【請求項52】
前記少なくとも2つの検出プローブの前記標的結合部分が、前記標的バイオマーカーシグネチャーの別個の標的バイオマーカーをそれぞれ対象にする、請求項47~49のいずれか一項に記載の複合体。
【請求項53】
前記固体基材が、磁気ビーズを含む、請求項47~52のいずれか一項に記載の複合体。
【請求項54】
前記標的捕捉部分が、抗体剤であるか、またはそれを含む、請求項47~53のいずれか一項に記載の複合体。
【請求項55】
(a)その表面上に少なくとも1つの標的バイオマーカーを有するエキソソーム;ならびに(b)前記エキソソームにそれぞれ結合した第1の検出プローブおよび第2の検出プローブであって、前記第1の検出プローブおよび前記第2の検出プローブのそれぞれが、(i)前記エキソソームによって発現される標的バイオマーカーを対象にする標的結合部分;ならびに(ii)前記標的結合部分にカップリングされたオリゴヌクレオチドドメインであって、前記オリゴヌクレオチドドメインが、二本鎖部分、および前記オリゴヌクレオチドドメインの一方の末端から伸びた一本鎖オーバーハング部分を含み、前記第1および第2の検出プローブの前記一本鎖オーバーハング部分が、互いにハイブリダイズする、オリゴヌクレオチドドメインを含む、第1の検出プローブおよび第2の検出プローブを含む、請求項47~54のいずれか一項に記載の複合体。
【請求項56】
少なくとも2つのプローブのセットに結合したヒト体液由来試料(例えば、血液由来試料)由来の細胞外小胞を含み、そのそれぞれが、バイオマーカー結合部分およびオリゴヌクレオチドドメインを含み、2つまたはそれよりも多くの結合したプローブが、それらのオリゴヌクレオチドドメインが互いにハイブリダイズして、ライゲーション可能なハイブリッドを形成するように、互いに近位にある、請求項47~54のいずれか一項に記載の複合体。
【請求項57】
(a)がん関連標的バイオマーカーシグネチャーを含むエキソソーム;ならびに(b)前記エキソソームにそれぞれ結合した少なくとも第1の検出プローブおよび第2の検出プローブであって、前記検出プローブのそれぞれが、(i)前記標的バイオマーカーシグネチャーを対象にする標的結合部分;ならびに(ii)前記標的結合部分にカップリングされたオリゴヌクレオチドドメインであって、前記オリゴヌクレオチドドメインが、二本鎖部分、および前記オリゴヌクレオチドドメインの一方の末端から伸びた一本鎖オーバーハング部分を含み、前記検出プローブの前記一本鎖オーバーハング部分が、少なくとも部分的に相補的である、オリゴヌクレオチドドメインを含む、少なくとも第1の検出プローブおよび第2の検出プローブを含む、請求項47~54のいずれか一項に記載の複合体。
【請求項58】
プローブのそれぞれのセットが、(a)がん細胞由来の細胞外小胞上の表面バイオマーカーに特異的に結合するバイオマーカー結合部分;ならびに(b)オリゴヌクレオチドドメインであって、前記セット内のプローブの前記オリゴヌクレオチドドメインが、前記プローブがそれらの標的バイオマーカーに結合する場合に、それらのオリゴヌクレオチドドメインが、互いにハイブリダイズして、前記標的バイオマーカーが互いに近位にある場合にのみライゲーション可能なハイブリッドを形成するように、配列および構築される、オリゴヌクレオチドドメインを含む、請求項1~54のいずれか一項に記載の方法、キット、または複合体における使用のためのプローブのセット。
【請求項59】
(a)対象の体液由来試料(例えば、血液由来試料)から単離された、約30nm~約1000nmの範囲内のサイズを有するナノ粒子を含む試料を提供するまたは得るステップ;
(b)前記ナノ粒子の表面上で、その組み合わされた発現レベルが結腸直腸がんと関連すると決定されている少なくとも2つの表面バイオマーカーの共局在を検出するステップであって、前記表面バイオマーカーが、(i)以下のヒト遺伝子:ACSL5、ACVR2B、ALDH18A1、ALG5、AP1M2、ATP1B1、B3GNT3、BCAP31、CASK、CD133、CDH1、CDH17、CDH3、CEACAM5、CEACAM6、CFB、CFTR、CHDH、CHMP4B、CISD2、CLIC1、COPG2、CYP2S1、DPEP1、DSG2、EDAR、EPCAM、EPHB2、EPHB3、ERMP1、FERMT1、GALNT3、GNPNAT1、GOLIM4、GPA33、GPCR5A、HACD3、HEPH、HKDC1、IHH、ILDR1、ITGA2、KCNQ1、KEL、KPNA2、LAD1、LAMC2、LBR、LMNB1、LMNB2、LSR、MAP7、MARCKSL1、MLEC、MUC1、MUC13、NCEH1、NDUFS6、NLN、NOX1、NUP210、OCIAD2、PGAM5、PIGR、PIGT、PTK7、RAB25、RAP2A、RAP2B、RCC2、RNF43、RPN1、RPN2、RPS3、RUVBL2、S100P、SLC12A2、SLC25A6、SLC2A1、SMIM22、SNTB1、SORD、SSR4、ST14、STOML2、STT3B、SYAP1、TM9SF2、TMED2、TMPO、TOMM22、TOMM34、AMHR2、CLDN1、DLL4、EGFR、ERBB2、FAP、FGFR4、FOLR1、GUCY2C、IGF1R、IL1A、ITGAV、KRT8、LGR5、LPR6、MET、MST1R、MUC5AC、TNFRSF10B、VEGFA、およびその組合せによってコードされるポリペプチド;ならびに/または(ii)以下の炭水化物依存性マーカー:CanAg(MUC1のグリコフォーム)、Lewis Y/B抗原、Lewis B抗原、シアリルテトラオシル炭水化物、Tn抗原、シアリルTn(sTn)抗原、トムセン-フリーデンライヒ(T,TF)抗原、Lewis Y抗原(CD174としても公知)、シアリルLewis X(sLex)抗原(シアリルSSEA-1(SLX)としても公知)、シアリルLewis A抗原(CA19-9としても公知)、SSEA-1(Lewis X抗原としても公知)、NeuGcGM3(N-グリコリルGM3ガングリオシド)、およびその組合せから選択される、ステップ;
(c)前記検出された共局在レベルを、前記決定されたレベルと比較するステップ;ならびに
(d)前記検出された共局在レベルが、前記決定されたレベルであるか、またはそれを上回る場合に、結腸直腸がんを有するか、またはそれに罹患しやすいとして前記対象を分類するステップ
を含む方法。
【請求項60】
前記表面上で検出するステップが、それらの表面上の前記表面バイオマーカーのうちの少なくとも1つを標的にする親和性捕捉によって、前記試料の他の構成要素から分離されたナノ粒子を分析するステップを含む、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記表面上で検出するステップが、前記ナノ粒子を、前記表面バイオマーカーのうちの少なくとも1つをそれぞれ対象にする検出プローブの少なくとも1つのセットと接触させるステップであって、そのセットが、第1の表面バイオマーカーのための少なくとも第1の検出プローブおよび第2の表面バイオマーカーのための第2の検出プローブを含み、前記第1の表面バイオマーカーおよび前記第2の表面バイオマーカーが、同じまたは異なる、ステップを含む、請求項59または60に記載の方法。
【請求項62】
前記第1の検出プローブが、前記第1の表面バイオマーカーに対する第1の標的結合部分、および前記第1の標的結合部分にカップリングされた第1のオリゴヌクレオチドドメインを含み、前記第1のオリゴヌクレオチドドメインが、第1の二本鎖部分、および前記第1のオリゴヌクレオチドドメインの一方の末端から伸びた第1の一本鎖オーバーハングを含み;
前記第2の検出プローブが、前記第2の表面バイオマーカーに対する第2の標的結合部分、および前記第2の標的結合部分にカップリングされた第2のオリゴヌクレオチドドメインを含み、前記第2のオリゴヌクレオチドドメインが、第2の二本鎖部分、および前記第2のオリゴヌクレオチドドメインの一方の末端から伸びた第2の一本鎖オーバーハングを含み、前記第2の一本鎖オーバーハングが、前記第1の一本鎖オーバーハングの少なくとも一部分と相補的なヌクレオチド配列を含み、それによって、前記第1の一本鎖オーバーハングにハイブリダイズすることができる、
請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記第1の一本鎖オーバーハングおよび/または前記第2の一本鎖オーバーハングが、4ヌクレオチドの長さである、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記第1の一本鎖オーバーハングまたは前記第2の一本鎖オーバーハングが、GAGTのヌクレオチド配列を有する、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記第1のオリゴヌクレオチドドメインおよび前記第2のオリゴヌクレオチドドメインが、前記第1および第2の表面バイオマーカーが前記ナノ粒子上に同時に存在し、前記検出プローブのセットの前記プローブが前記ナノ粒子上のそれらの個々の表面バイオマーカーに結合する場合に、前記第1の一本鎖オーバーハングおよび前記第2の一本鎖オーバーハングが、一緒にハイブリダイズし、二本鎖複合体を形成することができるような、合計の長さを有する、請求項62~64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
前記二本鎖複合体を、核酸リガーゼと接触させて、前記第1の二本鎖部分の鎖および前記第2の二本鎖部分の鎖を含むライゲーションされた鋳型を作成するステップをさらに含む、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記核酸リガーゼが、DNAリガーゼ(例えば、T4またはT7 DNAリガーゼ)であるか、またはそれを含む、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記第1の表面バイオマーカーおよび前記第2の表面バイオマーカーが、同じ標的バイオマーカーである、請求項61に記載の方法。
【請求項69】
前記表面上で検出するステップが、前記共局在と関連する生成物を増幅するステップ、および前記増幅された生成物の存在を検出するステップをさらに含む、請求項59~68のいずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
前記増幅するステップが、定量的ポリメラーゼ連鎖反応であるか、またはそれを含む、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記表面上で検出するステップが、固体基材上にナノ粒子を固定化するステップを含む、請求項59~70のいずれか一項に記載の方法。
【請求項72】
前記固体基材が、ビーズであるか、またはそれを含む、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記ビーズが、磁気ビーズである、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
前記固体基材が、表面であるか、またはそれを含む、請求項71に記載の方法。
【請求項75】
前記表面が、フィルター、マトリックス、膜、プレート、管、および/またはウェルの捕捉表面である、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記表面バイオマーカーのうちの少なくとも1つが、(i)以下のヒト遺伝子:ACVR2B、B3GNT3、CD133、CDH17、CDH3、CEACAM5、CEACAM6、CFB、CFTR、CYP2S1、DLL4、EDAR、EPCAM、EPHB2、EPHB3、ERBB2、FAP、GPCR5A、IHH、ILDR1、ITGAV、KCNQ1、KEL、MARCKSL1、MST1R、MUC1、MUC5AC、NOX1、OCIAD2、RNF43、SMIM22、およびその組合せによってコードされるポリペプチド;ならびに/または(ii)以下の炭水化物依存性マーカー:Lewis Y抗原(CD174としても公知)、シアリルTn(sTn)抗原、シアリルLewis X(sLex)抗原(シアリルSSEA-1(SLX)としても公知)、T抗原、Tn抗原、およびその組合せから選択される、請求項59~75のいずれか一項に記載の方法。
【請求項77】
前記少なくとも2つの表面バイオマーカーが、(i)ヒト遺伝子MUC1によってコードされるポリペプチドのうちの少なくとも1つ;および/または(ii)以下の炭水化物依存性マーカー:Lewis Y抗原(CD174としても公知)、シアリルTn(sTn)抗原、シアリルLewis X(sLex)抗原(シアリルSSEA-1(SLX)としても公知)、T抗原、Tn抗原、もしくはその組合せのうちの少なくとも1つ;ならびに
以下のヒト遺伝子:ACVR2B、B3GNT3、CD133、CDH17、CDH3、CEACAM5、CEACAM6、CFB、CFTR、CYP2S1、DLL4、EDAR、EPCAM、EPHB2、EPHB3、ERBB2、FAP、GPCR5A、IHH、ILDR1、ITGAV、KCNQ1、KEL、MARCKSL1、MST1R、MUC1、MUC5AC、NOX1、OCIAD2、RNF43、SMIM22、およびその組合せによってコードされるポリペプチドのうちの少なくとも1つ
を含む、請求項59~76のいずれか一項に記載の方法。
【請求項78】
前記ナノ粒子が、約50nm~約500nmの範囲内のサイズを有する、請求項59~77のいずれか一項に記載の方法。
【請求項79】
前記ナノ粒子が、細胞外小胞を含む、請求項59~78のいずれか一項に記載の方法。
【請求項80】
前記ナノ粒子が、サイズ排除法によって、体液由来試料(例えば、血液由来試料)から単離されている、請求項59~79のいずれか一項に記載の方法。
【請求項81】
結腸直腸がんの検出のためのキットであって、
(a)第1の表面バイオマーカーを対象にする標的捕捉部分を含む捕捉剤;ならびに
(b)検出プローブの少なくとも1つのセットであって、そのセットが、第2の表面バイオマーカーをそれぞれ対象にする少なくとも2つの検出プローブを含み、前記検出プローブが、
(i)前記第2の表面バイオマーカーに対する標的結合部分;ならびに
(ii)前記標的結合部分にカップリングされたオリゴヌクレオチドドメインであって、前記オリゴヌクレオチドドメインが、二本鎖部分、および前記オリゴヌクレオチドドメインの一方の末端から伸びた一本鎖オーバーハング部分を含み、
前記少なくとも2つの検出プローブの前記一本鎖オーバーハング部分が、前記少なくとも2つの検出プローブが約30nm~約1000nmの範囲内のサイズを有する同じナノ粒子に結合する場合に、それらが互いにハイブリダイズすることができることを特徴とする、オリゴヌクレオチドドメイン
をそれぞれ含む、検出プローブの少なくとも1つのセット
を含み、
少なくとも前記第1の表面バイオマーカーおよび前記第2の表面バイオマーカーが、結腸直腸がんと関連すると決定された標的バイオマーカーシグネチャーを形成し、前記第1および第2の表面バイオマーカーが、(i)以下のヒト遺伝子:ACSL5、ACVR2B、ALDH18A1、ALG5、AP1M2、ATP1B1、B3GNT3、BCAP31、CASK、CD133、CDH1、CDH17、CDH3、CEACAM5、CEACAM6、CFB、CFTR、CHDH、CHMP4B、CISD2、CLIC1、COPG2、CYP2S1、DPEP1、DSG2、EDAR、EPCAM、EPHB2、EPHB3、ERMP1、FERMT1、GALNT3、GNPNAT1、GOLIM4、GPA33、GPCR5A、HACD3、HEPH、HKDC1、IHH、ILDR1、ITGA2、KCNQ1、KEL、KPNA2、LAD1、LAMC2、LBR、LMNB1、LMNB2、LSR、MAP7、MARCKSL1、MLEC、MUC1、MUC13、NCEH1、NDUFS6、NLN、NOX1、NUP210、OCIAD2、PGAM5、PIGR、PIGT、PTK7、RAB25、RAP2A、RAP2B、RCC2、RNF43、RPN1、RPN2、RPS3、RUVBL2、S100P、SLC12A2、SLC25A6、SLC2A1、SMIM22、SNTB1、SORD、SSR4、ST14、STOML2、STT3B、SYAP1、TM9SF2、TMED2、TMPO、TOMM22、TOMM34、AMHR2、CLDN1、DLL4、EGFR、ERBB2、FAP、FGFR4、FOLR1、GUCY2C、IGF1R、IL1A、ITGAV、KRT8、LGR5、LPR6、MET、MST1R、MUC5AC、TNFRSF10B、VEGFA、およびその組合せによってコードされるポリペプチド;ならびに/または(ii)以下の炭水化物依存性マーカー:CanAg(MUC1のグリコフォーム)、Lewis Y/B抗原、Lewis B抗原、シアリルテトラオシル炭水化物、Tn抗原、シアリルTn(sTn)抗原、トムセン-フリーデンライヒ(T,TF)抗原、Lewis Y抗原(CD174としても公知)、シアリルLewis X(sLex)抗原(シアリルSSEA-1(SLX)としても公知)、シアリルLewis A抗原(CA19-9としても公知)、SSEA-1(Lewis X抗原としても公知)、NeuGcGM3(N-グリコリルGM3ガングリオシド)、およびその組合せからそれぞれ独立して選択される、キット。
【請求項82】
前記第1の表面バイオマーカーおよび前記第2の表面バイオマーカーが、異なる、請求項81に記載のキット。
【請求項83】
前記第1の表面バイオマーカーおよび前記第2の表面バイオマーカーが、(i)以下のヒト遺伝子:ACVR2B、B3GNT3、CD133、CDH17、CDH3、CEACAM5、CEACAM6、CFB、CFTR、CYP2S1、DLL4、EDAR、EPCAM、EPHB2、EPHB3、ERBB2、FAP、GPCR5A、IHH、ILDR1、ITGAV、KCNQ1、KEL、MARCKSL1、MST1R、MUC1、MUC5AC、NOX1、OCIAD2、RNF43、SMIM22、およびその組合せによってコードされるポリペプチド;ならびに/または(ii)以下の炭水化物依存性マーカー:Lewis Y抗原(CD174としても公知)、シアリルTn(sTn)抗原、シアリルLewis X(sLex)抗原(シアリルSSEA-1(SLX)としても公知)、T抗原、Tn抗原、およびその組合せからそれぞれ独立して選択される、請求項81または82に記載のキット。
【請求項84】
前記第1の表面バイオマーカーが、(i)ヒト遺伝子MUC1によってコードされるポリペプチドのうちの1つもしくは複数;および/または(ii)以下の炭水化物依存性マーカー:シアリルTn(sTn)抗原、シアリルLewis X(sLex)抗原(シアリルSSEA-1(SLX)としても公知)、T抗原、Tn抗原、もしくはその組合せのうちの1つもしくは複数であるか、あるいはそれを含む、請求項81~83のいずれか一項に記載のキット。
【請求項85】
前記第2の表面バイオマーカーが、(i)以下のヒト遺伝子:ACVR2B、B3GNT3、CD133、CDH17、CDH3、CEACAM5、CEACAM6、CFB、CFTR、CYP2S1、DLL4、EDAR、EPCAM、EPHB2、EPHB3、ERBB2、FAP、GPCR5A、IHH、ILDR1、ITGAV、KCNQ1、KEL、MARCKSL1、MST1R、MUC1、MUC5AC、NOX1、OCIAD2、RNF43、SMIM22、およびその組合せによってコードされるポリペプチド;ならびに/または(ii)以下の炭水化物依存性マーカー:Lewis Y抗原(CD174としても公知)、シアリルTn(sTn)抗原、シアリルLewis X(sLex)抗原(シアリルSSEA-1(SLX)としても公知)、T抗原、Tn抗原、およびその組合せから選択される、請求項84に記載のキット。
【請求項86】
少なくとも2つの検出プローブの前記標的結合部分が、前記標的バイオマーカーシグネチャーの同じ標的表面バイオマーカーをそれぞれ対象にする、請求項81~85のいずれか一項に記載のキット。
【請求項87】
前記少なくとも2つの検出プローブの前記オリゴヌクレオチドドメインが、異なる、請求項81~86のいずれか一項に記載のキット。
【請求項88】
少なくとも2つの検出プローブの前記標的結合部分が、前記標的バイオマーカーシグネチャーの別個の標的表面バイオマーカーをそれぞれ対象にする、請求項81~87のいずれか一項に記載のキット。
【請求項89】
少なくとも1つの追加試薬(例えば、リガーゼ、固定剤、および/または透過処理剤)をさらに含む、請求項81~88のいずれか一項に記載のキット。
【請求項90】
検出プローブの少なくとも2つのセット(例えば、少なくとも3つのセットを含む)を含み、そのそれぞれのセットが、結腸直腸がんのための別個の標的バイオマーカーシグネチャーの標的表面バイオマーカーをそれぞれ対象にする少なくとも2つの検出プローブを含む、請求項81~89のいずれか一項に記載のキット。
【請求項91】
(a)標的捕捉部分を含む第1の捕捉剤;
(b)標的捕捉部分を含む第2の捕捉剤;
(c)検出プローブの少なくとも2つのセットであって、前記検出プローブが、
(i)標的表面バイオマーカーに対する標的結合部分;ならびに
(ii)前記標的結合部分にカップリングされたオリゴヌクレオチドドメインであって、前記オリゴヌクレオチドドメインが、二本鎖部分、および前記オリゴヌクレオチドドメインの一方の末端から伸びた一本鎖オーバーハング部分を含み、
前記少なくとも2つの検出プローブの前記一本鎖オーバーハング部分が、前記少なくとも2つの検出プローブが同じナノ粒子に結合する場合に、それらが互いにハイブリダイズすることができることを特徴とする、オリゴヌクレオチドドメイン
をそれぞれ含む、検出プローブの少なくとも2つのセット
を含む、請求項81~90のいずれか一項に記載のキット。
【請求項92】
(a)標的捕捉部分を含む第1の捕捉剤;
(b)標的捕捉部分を含む第2の捕捉剤;
(c)標的捕捉部分を含む第3の捕捉剤;
(d)検出プローブの少なくとも3つのセットであって、前記検出プローブが、
(i)標的表面バイオマーカーに対する標的結合部分;ならびに
(ii)前記標的結合部分にカップリングされたオリゴヌクレオチドドメインであって、前記オリゴヌクレオチドドメインが、二本鎖部分、および前記オリゴヌクレオチドドメインの一方の末端から伸びた一本鎖オーバーハング部分を含み、
前記少なくとも2つの検出プローブの前記一本鎖オーバーハング部分が、前記少なくとも2つの検出プローブが同じナノ粒子に結合する場合に、それらが互いにハイブリダイズすることができることを特徴とする、オリゴヌクレオチドドメイン
をそれぞれ含む、検出プローブの少なくとも3つのセット
を含む、請求項81~90のいずれか一項に記載のキット。
【請求項93】
前記ナノ粒子が、約50nm~約500nmの範囲内のサイズを有する、請求項81~92のいずれか一項に記載のキット。
【請求項94】
前記ナノ粒子が、細胞外小胞(例えば、エキソソーム)を含む、請求項81~93のいずれか一項に記載のキット。
【請求項95】
前記ナノ粒子が、サイズ排除法によって、体液由来試料(例えば、血液由来試料)から単離されている、請求項81~94のいずれか一項に記載のキット。
【請求項96】
(a)約30nm~約1000nmの範囲内のサイズを有し、その表面上に少なくとも第1の表面バイオマーカーおよび第2の表面バイオマーカーを含むナノ粒子であって、その組合せが、結腸直腸がんのための標的バイオマーカーシグネチャーであると決定されており、前記第1の表面バイオマーカーおよび前記第2の表面バイオマーカーが、(i)以下のヒト遺伝子:ACSL5、ACVR2B、ALDH18A1、ALG5、AP1M2、ATP1B1、B3GNT3、BCAP31、CASK、CD133、CDH1、CDH17、CDH3、CEACAM5、CEACAM6、CFB、CFTR、CHDH、CHMP4B、CISD2、CLIC1、COPG2、CYP2S1、DPEP1、DSG2、EDAR、EPCAM、EPHB2、EPHB3、ERMP1、FERMT1、GALNT3、GNPNAT1、GOLIM4、GPA33、GPCR5A、HACD3、HEPH、HKDC1、IHH、ILDR1、ITGA2、KCNQ1、KEL、KPNA2、LAD1、LAMC2、LBR、LMNB1、LMNB2、LSR、MAP7、MARCKSL1、MLEC、MUC1、MUC13、NCEH1、NDUFS6、NLN、NOX1、NUP210、OCIAD2、PGAM5、PIGR、PIGT、PTK7、RAB25、RAP2A、RAP2B、RCC2、RNF43、RPN1、RPN2、RPS3、RUVBL2、S100P、SLC12A2、SLC25A6、SLC2A1、SMIM22、SNTB1、SORD、SSR4、ST14、STOML2、STT3B、SYAP1、TM9SF2、TMED2、TMPO、TOMM22、TOMM34、AMHR2、CLDN1、DLL4、EGFR、ERBB2、FAP、FGFR4、FOLR1、GUCY2C、IGF1R、IL1A、ITGAV、KRT8、LGR5、LPR6、MET、MST1R、MUC5AC、TNFRSF10B、VEGFA、およびその組合せによってコードされるポリペプチド;ならびに/または(ii)以下の炭水化物依存性マーカー:CanAg(MUC1のグリコフォーム)、Lewis Y/B抗原、Lewis B抗原、シアリルテトラオシル炭水化物、Tn抗原、シアリルTn(sTn)抗原、トムセン-フリーデンライヒ(T,TF)抗原、Lewis Y抗原(CD174としても公知)、シアリルLewis X(sLex)抗原(シアリルSSEA-1(SLX)としても公知)、シアリルLewis A抗原(CA19-9としても公知)、SSEA-1(Lewis X抗原としても公知)、NeuGcGM3(N-グリコリルGM3ガングリオシド)、およびその組合せからそれぞれ独立して選択される、ナノ粒子;
(b)前記第1の表面バイオマーカーを対象にする標的捕捉部分を含む固体基材であって、前記標的捕捉部分が、前記ナノ粒子が前記固体基材上に固定化されるように、前記ナノ粒子の前記第1の表面バイオマーカーに結合する、固体基材;ならびに
(c)前記ナノ粒子にそれぞれ結合した少なくとも第1の検出プローブおよび第2の検出プローブであって、それぞれの検出プローブが、
(i)前記第2の表面バイオマーカーを対象にする標的結合部分;ならびに
(ii)前記標的結合部分にカップリングされたオリゴヌクレオチドドメインであって、前記オリゴヌクレオチドドメインが、二本鎖部分、および前記オリゴヌクレオチドドメインの一方の末端から伸びた一本鎖オーバーハング部分を含み、
前記第1および第2の検出プローブの前記一本鎖オーバーハング部分が、互いにハイブリダイズする、オリゴヌクレオチドドメイン
を含む、少なくとも第1の検出プローブおよび第2の検出プローブ
を含む複合体。
【請求項97】
前記第1の表面バイオマーカーおよび前記第2の表面バイオマーカーが、異なる、請求項96に記載の複合体。
【請求項98】
前記第1の表面バイオマーカーおよび前記第2の表面バイオマーカーが、(i)以下のヒト遺伝子:ACVR2B、B3GNT3、CD133、CDH17、CDH3、CEACAM5、CEACAM6、CFB、CFTR、CYP2S1、DLL4、EDAR、EPCAM、EPHB2、EPHB3、ERBB2、FAP、GPCR5A、IHH、ILDR1、ITGAV、KCNQ1、KEL、MARCKSL1、MST1R、MUC1、MUC5AC、NOX1、OCIAD2、RNF43、SMIM22、およびその組合せによってコードされるポリペプチド;ならびに/または(ii)以下の炭水化物依存性マーカー:Lewis Y抗原(CD174としても公知)、シアリルTn(sTn)抗原、シアリルLewis X(sLex)抗原(シアリルSSEA-1(SLX)としても公知)、T抗原、Tn抗原、およびその組合せからそれぞれ独立して選択される、請求項96または97に記載の複合体。
【請求項99】
前記第1の表面バイオマーカーが、(i)ヒト遺伝子MUC1によってコードされるポリペプチドのうちの1つもしくは複数;および/または(ii)以下の炭水化物依存性マーカー:シアリルTn(sTn)抗原、シアリルLewis X(sLex)抗原(シアリルSSEA-1(SLX)としても公知)、T抗原、Tn抗原、もしくはその組合せのうちの1つもしくは複数であるか、あるいはそれを含む、請求項96~98のいずれか一項に記載の複合体。
【請求項100】
前記少なくとも1つの標的表面バイオマーカーが、(i)以下のヒト遺伝子:ACVR2B、B3GNT3、CD133、CDH17、CDH3、CEACAM5、CEACAM6、CFB、CFTR、CYP2S1、DLL4、EDAR、EPCAM、EPHB2、EPHB3、ERBB2、FAP、GPCR5A、IHH、ILDR1、ITGAV、KCNQ1、KEL、MARCKSL1、MST1R、MUC1、MUC5AC、NOX1、OCIAD2、RNF43、SMIM22、およびその組合せによってコードされるポリペプチド;ならびに/または(ii)以下の炭水化物依存性マーカー:Lewis Y抗原(CD174としても公知)、シアリルTn(sTn)抗原、シアリルLewis X(sLex)抗原(シアリルSSEA-1(SLX)としても公知)、T抗原、Tn抗原、およびその組合せから選択される、請求項99に記載の複合体。
【請求項101】
少なくとも2つの検出プローブの前記標的結合部分が、前記標的バイオマーカーシグネチャーの同じ標的表面バイオマーカーをそれぞれ対象にする、請求項96~100のいずれか一項に記載の複合体。
【請求項102】
前記少なくとも2つの検出プローブの前記オリゴヌクレオチドドメインが、異なる、請求項101に記載の複合体。
【請求項103】
前記少なくとも2つの検出プローブの前記標的結合部分が、前記標的バイオマーカーシグネチャーの別個の標的バイオマーカーをそれぞれ対象にする、請求項96~100のいずれか一項に記載の複合体。
【請求項104】
前記固体基材が、磁気ビーズを含む、請求項96~103のいずれか一項に記載の複合体。
【請求項105】
前記標的捕捉部分が、抗体剤であるか、またはそれを含む、請求項96~104のいずれか一項に記載の複合体。
【請求項106】
前記ナノ粒子が、細胞外小胞(例えば、エキソソーム)であるか、またはそれを含む、請求項96~105のいずれか一項に記載の複合体。
【請求項107】
前記ナノ粒子が、対象から取得された体液試料(例えば、血液試料)から単離された、請求項96~106のいずれか一項に記載の複合体。
【請求項108】
前記ナノ粒子が、サイズ排除法によって、対象の体液試料(例えば、血液試料)から単離された、請求項96~107のいずれか一項に記載の複合体。
【請求項109】
前記対象が、ヒト対象である、請求項107または108に記載の複合体。
【請求項110】
前記複合体の形成が、結腸直腸がん関連ナノ粒子を示す、請求項96~109のいずれか一項に記載の複合体。
【請求項111】
前記第1および第2の検出プローブの前記一本鎖オーバーハング部分が、少なくとも部分的に相補的である、請求項96~110のいずれか一項に記載の複合体。
【請求項112】
前記ナノ粒子が、約50nm~約500nmの範囲内のサイズを有する、請求項96~111のいずれか一項に記載の複合体。
【請求項113】
プローブのそれぞれのセットが、(a)約300nm~約1000nmの範囲内のサイズを有するナノ粒子上の表面バイオマーカーに特異的に結合し、がん対象の試料において見出される、バイオマーカー結合部分;ならびに(b)オリゴヌクレオチドドメインであって、前記セット内のプローブの前記オリゴヌクレオチドドメインが、前記プローブがそれらの標的バイオマーカーに結合する場合に、それらのオリゴヌクレオチドドメインが、互いにハイブリダイズして、前記標的バイオマーカーが互いに近位にある場合にのみライゲーション可能なハイブリッドを形成するように、配列および構築され、前記標的バイオマーカーが、(i)以下のヒト遺伝子:ACSL5、ACVR2B、ALDH18A1、ALG5、AP1M2、ATP1B1、B3GNT3、BCAP31、CASK、CD133、CDH1、CDH17、CDH3、CEACAM5、CEACAM6、CFB、CFTR、CHDH、CHMP4B、CISD2、CLIC1、COPG2、CYP2S1、DPEP1、DSG2、EDAR、EPCAM、EPHB2、EPHB3、ERMP1、FERMT1、GALNT3、GNPNAT1、GOLIM4、GPA33、GPCR5A、HACD3、HEPH、HKDC1、IHH、ILDR1、ITGA2、KCNQ1、KEL、KPNA2、LAD1、LAMC2、LBR、LMNB1、LMNB2、LSR、MAP7、MARCKSL1、MLEC、MUC1、MUC13、NCEH1、NDUFS6、NLN、NOX1、NUP210、OCIAD2、PGAM5、PIGR、PIGT、PTK7、RAB25、RAP2A、RAP2B、RCC2、RNF43、RPN1、RPN2、RPS3、RUVBL2、S100P、SLC12A2、SLC25A6、SLC2A1、SMIM22、SNTB1、SORD、SSR4、ST14、STOML2、STT3B、SYAP1、TM9SF2、TMED2、TMPO、TOMM22、TOMM34、AMHR2、CLDN1、DLL4、EGFR、ERBB2、FAP、FGFR4、FOLR1、GUCY2C、IGF1R、IL1A、ITGAV、KRT8、LGR5、LPR6、MET、MST1R、MUC5AC、TNFRSF10B、VEGFA、およびその組合せによってコードされるポリペプチド;ならびに/または(ii)以下の炭水化物依存性マーカー:CanAg(MUC1のグリコフォーム)、Lewis Y/B抗原、Lewis B抗原、シアリルテトラオシル炭水化物、Tn抗原、シアリルTn(sTn)抗原、トムセン-フリーデンライヒ(T,TF)抗原、Lewis Y抗原(CD174としても公知)、シアリルLewis X(sLex)抗原(シアリルSSEA-1(SLX)としても公知)、シアリルLewis A抗原(CA19-9としても公知)、SSEA-1(Lewis X抗原としても公知)、NeuGcGM3(N-グリコリルGM3ガングリオシド)、およびその組合せからそれぞれ独立して選択される、オリゴヌクレオチドドメインを含む、請求項59~112のいずれか一項に記載の方法、キット、または複合体における使用のためのプローブのセット。
【請求項114】
前記標的バイオマーカーが、(i)以下のヒト遺伝子:ACVR2B、B3GNT3、CD133、CDH17、CDH3、CEACAM5、CEACAM6、CFB、CFTR、CYP2S1、DLL4、EDAR、EPCAM、EPHB2、EPHB3、ERBB2、FAP、GPCR5A、IHH、ILDR1、ITGAV、KCNQ1、KEL、MARCKSL1、MST1R、MUC1、MUC5AC、NOX1、OCIAD2、RNF43、SMIM22、およびその組合せによってコードされるポリペプチド;ならびに/または(ii)以下の炭水化物依存性マーカー:Lewis Y抗原(CD174としても公知)、シアリルTn(sTn)抗原、シアリルLewis X(sLex)抗原(シアリルSSEA-1(SLX)としても公知)、T抗原、Tn抗原、およびその組合せからそれぞれ独立して選択される、請求項59~113のいずれか一項に記載の方法、キット、または複合体における使用のためのプローブのセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2021年7月21日に出願された米国仮出願第63/224,378号に基づく利益を主張し、その内容は、その全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
背景
がんの早期検出は、処置の成功の機会を大いに増加させる。しかしながら、結腸直腸がんを含む多くのがんは、効果的なスクリーニングの推奨またはそのような推奨を用いる患者コンプライアンスのいずれかを依然として欠いている。がんスクリーニング検査のための典型的な課題としては、限定的な感度および特異度が挙げられる。高い偽陽性率の結果は、それが、望ましくない副作用を潜在的に有し得る抗がん療法を不必要に投与したくない(または受けたくない)臨床医および患者に対する困難な管理上の判断を作り出し得るので、特に関心事であり得る。逆に、高い偽陰性率の結果は、療法を必要とする患者が見逃され、処置の遅延およびその結果として成功の可能性の低減をもたらすので、スクリーニング検査の目的を満たすことができない。
【発明の概要】
【0003】
要旨
本開示は、数ある中でも、生体試料からの有効な結腸直腸がんスクリーニングを達成するための洞察および技術を提供する。一部の実施形態では、そのような生体試料は、体液由来試料、例えば、一部の実施形態では、血液由来試料であるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、本開示は、数ある中でも、結腸直腸腺癌スクリーニングのために特に有用である洞察および技術を提供する。一部の実施形態では、提供される技術は、初期結腸直腸がん(例えば、結腸直腸腺癌)の検出に有効である。一部の実施形態では、提供される技術は、無症候性個体を含むか、またはそれからなる集団に適用される場合でさえ有効である(例えば、十分に高い感度および/または低い偽陽性率および/または偽陰性率の結果に起因する)。一部の実施形態では、提供される技術は、結腸直腸がん(例えば、結腸直腸腺癌)の発生における遺伝的リスクなしの個体(例えば、無症候性個体)を含むか、またはそれからなる集団に適用される場合に有効である。一部の実施形態では、提供される技術は、症候性個体(例えば、結腸直腸がんの1つまたは複数の症状を患っている個体)を含むか、またはそれからなる集団に適用される場合に有効である。一部の実施形態では、提供される技術は、結腸直腸がんについてのリスクがある個体(例えば、結腸直腸がんについての遺伝性および/または生活歴関連リスク因子を有する個体)を含むか、またはそれからなる集団に適用される場合に有効である。一部の実施形態では、提供される技術は、本明細書に提供される開示を読む当業者に明らかであろうように、1つまたは複数の組成物(例えば、分子実体または複合体、系、細胞、コレクション、組合せ、キットなど)および/もしくは方法(例えば、作製する、使用する、査定する方法など)であり得るか、またはそれを含み得る。
【0004】
一部の実施形態では、本開示は、例えば、結腸直腸がんの検出および診断に対するある特定の従来のアプローチを含む、ある特定の以前の技術による課題の起源を同定する。例えば、本開示は、多くの従来の診断アッセイ、例えば、大腸内視鏡検査、検便、CTスキャニング、および/もしくは無細胞核酸に基づく分子検査、血清バイオマーカー、ならびに/または細胞外小胞のバルク分析は、時間がかかり、高価で、ならびに/または信頼できる総合的な診断査定を提供するのに十分な感度および/または特異度を欠き得ることを認識する。一部の実施形態では、本開示は、そのような課題を、数ある中でも、個々の細胞外小胞における結腸直腸がんの標的バイオマーカーシグネチャーの共局在を検出することによって解決する技術(システム、組成物、および方法を含む)を提供し、これは、少なくとも1つの細胞外小胞関連表面バイオマーカー、ならびに表面バイオマーカー、内部バイオマーカー、およびRNAバイオマーカーからなる群から選択される少なくとも1つの標的バイオマーカーを含む。一部の実施形態では、本開示は、そのような課題を、数ある中でも、個々の細胞外小胞における少なくとも2つまたはそれよりも多くの標的実体(例えば、標的バイオマーカーシグネチャー)の相互作用および/または共局在に基づく、出願人によって開発され、両方とも2020年2月28日に出願され、「標的実体検出のためのシステム、組成物、および方法」という名称の米国特許出願第16/805,637号(US2020/0299780号として公開;US11,085,089号として発行)および国際出願第PCT/US2020/020529号(WO2020180741号として公開)に記載された標的実体検出アプローチを使用して、結腸直腸がんのそのような標的バイオマーカーシグネチャーを検出することによって解決する技術(システム、組成物、および方法を含む)を提供する。
【0005】
一部の実施形態では、本明細書に記載される検出のための細胞外小胞は、サイズ排除に基づく方法によって、対象の体液から単離することができる。当業者によって理解されるであろうように、一部の実施形態では、サイズ排除に基づく方法は、細胞外小胞を含む目的のサイズ範囲を有するナノ粒子を含む試料を提供し得る。したがって、一部の実施形態では、本開示の提供される技術は、細胞外小胞を含む目的のサイズ範囲(例えば、一部の実施形態では、約30nm~約1000nm)を有する個々のナノ粒子において、結腸直腸がんの標的バイオマーカーシグネチャーを形成する少なくとも2つまたはそれよりも多くの表面バイオマーカー(例えば、本明細書に記載される通り)の共局在化の検出を包含する。本開示を読む当業者は、「細胞外小胞」の文脈で本明細書に記載されるさまざまな実施形態が、本明細書に記載される「ナノ粒子」の文脈においても適用可能であり得ることを理解するであろう。
【0006】
一部の実施形態では、本開示は、数ある中でも、無症候性個体のスクリーニング、例えば、症状の発生前、またはそうでなければその非存在下での定期的なスクリーニングが、結腸直腸がん(例えば、一部の実施形態では、結腸直腸腺癌)の有効な管理(例えば、処置の成功)のために有益であり、さらに重要であり得るという洞察を提供する。一部の実施形態では、本開示は、初期がん、一部の実施形態では、無症候性個体における初期がんを含む、結腸直腸がん(例えば、一部の実施形態では、結腸直腸腺癌)を検出するために実行され得る、結腸直腸がんのスクリーニングシステムを提供する。一部の実施形態では、提供される技術は、無症候性個体の定期的なスクリーニングを達成するために実行される。本開示は、例えば、1人または複数人の個体(例えば、症候性または無症候性個体)の定期的な検査を含む戦略を含む、組成物(例えば、試薬、キット、構成要素など)、ならびにそれらを提供するおよび/または使用する方法を提供する。本開示は、そのようなシステムの有用性を規定し、それらを実行するための組成物および方法を提供する。
【0007】
一部の実施形態では、提供される技術は、提供される技術の単回および/または定期的(例えば、周期的)査定への有用な適用を可能にするのに適切な感度および/または特異度(例えば、偽陽性率および/または偽陰性率の結果)を伴う、結腸直腸がんの1つまたは複数の特色(例えば、発生率、進行、療法に対する応答性、再発など)の検出(例えば、早期検出、例えば、無症候性個体および/または集団における早期検出)を達成する。一部の実施形態では、提供される技術は、定期的な検診、例えば、限定されるものではないが、健康診断、一般開業医の訪問、コレステロール/脂質血液検査、糖尿病(2型)スクリーニング、血圧スクリーニング、甲状腺機能検査、前立腺がんスクリーニング、マンモグラム、HPV/Papスメア、結腸直腸がんスクリーニング、および/またはワクチン接種と併せて有用である。一部の実施形態では、提供される技術は、処置レジメンと併せて有用であり、一部の実施形態では、提供される技術は、そのような処置レジメンの1つまたは複数の特徴(例えば、許容されるパラメーターによる成功率)を改善し得る。
【0008】
一部の態様では、結腸直腸がん(例えば、一部の実施形態では、結腸直腸腺癌)を有するか、またはそれに罹患しやすいとして対象(例えば、無症候性対象)を分類する使用のための技術が提供される。一部の実施形態では、本開示は、結腸直腸がん(例えば、一部の実施形態では、結腸直腸腺癌)を有するか、またはそれに罹患しやすいとして対象(例えば、無症候性対象)を分類するための方法またはアッセイを提供する。一部の実施形態では、提供される方法またはアッセイは、(a)それを必要とする対象からの体液由来試料(例えば、限定されるものではないが、血液由来試料、便由来試料など)において、結腸直腸がん(例えば、一部の実施形態では、結腸直腸腺癌)の標的バイオマーカーシグネチャーを発現する細胞外小胞を検出するステップであって、標的バイオマーカーシグネチャーが、少なくとも1つの細胞外小胞関連表面バイオマーカー、ならびに表面バイオマーカー(本明細書に記載される通り)、小胞内バイオマーカー(本明細書に記載される通り)、および小胞内RNAバイオマーカー(本明細書に記載される通り)からなる群から選択される少なくとも1つの標的バイオマーカーを含む、ステップ;(b)体液由来試料(例えば、限定されるものではないが、血液由来試料、便由来試料など)における標的バイオマーカーシグネチャー発現細胞外小胞のレベルを示す試料情報を、参照閾値レベルを含む参照情報と比較するステップ;ならびに(c)体液由来試料(例えば、限定されるものではないが、血液由来試料、便由来試料など)が、参照閾値レベルを参照する分類カットオフと比べて、標的バイオマーカーシグネチャー発現細胞外小胞のレベルの上昇を示す場合に、結腸直腸がん(例えば、一部の実施形態では、結腸直腸腺癌)を有するか、またはそれに罹患しやすいとして対象を分類するステップを含む。
【0009】
一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーに含まれ得る1つまたは複数の表面バイオマーカーは、(i)以下のヒト遺伝子:ACSL5、ACVR2B、ALDH18A1、ALG5、AP1M2、ATP1B1、B3GNT3、BCAP31、CASK、CD133、CDH1、CDH17、CDH3、CEACAM5、CEACAM6、CFB、CFTR、CHDH、CHMP4B、CISD2、CLIC1、COPG2、CYP2S1、DPEP1、DSG2、EDAR、EPCAM、EPHB2、EPHB3、ERMP1、FERMT1、GALNT3、GNPNAT1、GOLIM4、GPA33、GPCR5A、HACD3、HEPH、HKDC1、IHH、ILDR1、ITGA2、KCNQ1、KEL、KPNA2、LAD1、LAMC2、LBR、LMNB1、LMNB2、LSR、MAP7、MARCKSL1、MLEC、MUC1、MUC13、NCEH1、NDUFS6、NLN、NOX1、NUP210、OCIAD2、PGAM5、PIGR、PIGT、PTK7、RAB25、RAP2A、RAP2B、RCC2、RNF43、RPN1、RPN2、RPS3、RUVBL2、S100P、SLC12A2、SLC25A6、SLC2A1、SMIM22、SNTB1、SORD、SSR4、ST14、STOML2、STT3B、SYAP1、TM9SF2、TMED2、TMPO、TOMM22、TOMM34、AMHR2、CLDN1、DLL4、EGFR、ERBB2、FAP、FGFR4、FOLR1、GUCY2C、IGF1R、IL1A、ITGAV、KRT8、LGR5、LPR6、MET、MST1R、MUC5AC、TNFRSF10B、VEGFA、およびその組合せによってコードされるポリペプチド;ならびに/または(ii)以下の炭水化物依存性マーカー:CanAg(MUC1のグリコフォーム)、Lewis Y/B抗原、Lewis B抗原、シアリルテトラオシル炭水化物、Tn抗原、シアリルTn(sTn)抗原、トムセン-フリーデンライヒ(T,TF)抗原、Lewis Y抗原(CD174としても公知)、シアリルLewis X(sLex)抗原(シアリルSSEA-1(SLX)としても公知)、シアリルLewis A抗原(CA19-9としても公知)、SSEA-1(Lewis X抗原としても公知)、NeuGcGM3(N-グリコリルGM3ガングリオシド)、およびその組合せから選択される。
【0010】
一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーに含まれ得る1つまたは複数の表面バイオマーカーは、(i)以下のヒト遺伝子:ACVR2B、B3GNT3、CD133、CDH17、CDH3、CEACAM5、CEACAM6、CFB、CFTR、CYP2S1、DLL4、EDAR、EPCAM、EPHB2、EPHB3、ERBB2、FAP、GPCR5A、IHH、ILDR1、ITGAV、KCNQ1、KEL、MARCKSL1、MST1R、MUC1、MUC5AC、NOX1、OCIAD2、RNF43、SMIM22、およびその組合せによってコードされるポリペプチド;ならびに/または(ii)以下の炭水化物依存性マーカー:Lewis Y抗原(CD174としても公知)、シアリルTn(sTn)抗原、シアリルLewis X(sLex)抗原(シアリルSSEA-1(SLX)としても公知)、T抗原、Tn抗原、およびその組合せから選択される。
【0011】
一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーに含まれ得る1つまたは複数の小胞内バイオマーカーは、以下のヒト遺伝子:AGMAT、AGR2、AGR3、ANKS4B、AP1M2、ARSE、ASCL2、BSPRY、C10orf99、C15orf48、C1orf106、C9orf152、CBLC、CCL24、CDCA7、CDX1、CDX2、DDC、DSG2、EHF、ELF3、EPS8L3、ESRP1、ESRP2、ETV4、EVPL、FABP1、FAM3D、FAM83E、FAM84A、FERMT1、FOXA2、FOXA3、FOXQ1、GPX2、GRB7、HKDC1、HMGCS2、HNF4A、HOXB9、KCNN4、KLK1、KRT20、KRT23、KRT8、LGALS4、METTL7B、MISP、MUC2、MYB、MYBL2、MYO1A、PHGR1、PITX1、PKP3、PLAC8、PLEK2、PLS1、PPP1R14D、PRR15、PTK6、S100A14、S100P、SAPCD2、SERPINB5、SPDEF、TRIM15、TRIM31、USH1C、VIL1、およびその組合せによってコードされるポリペプチドから選択される。一部の実施形態では、本明細書に記載される小胞内バイオマーカーは、少なくとも1つの翻訳後改変を含んでいてもよい。
【0012】
一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーに含まれ得る1つまたは複数の小胞内RNA(例えば、mRNA)は、以下のヒト遺伝子:AGMAT、AGR2、AGR3、ANKS4B、ANO9、AP1M2、ARSE、ASCL2、ATP10B、B3GNT3、BIK、BSPRY、C10orf99、C15orf48、C1orf106、C1orf210、C9orf152、CA12、CBLC、CCL24、CD24、CDCA7、CDH1、CDH17、CDH3、CDHR1、CDHR5、CDX1、CDX2、CEACAM5、CEACAM6、CEACAM7、CFTR、CLDN2、CLDN3、CLDN4、CLDN7、CLRN3、COL17A1、CRB3、CYP2S1、DDC、DPEP1、DSG2、EHF、ELF3、EPCAM、EPHB3、EPS8L3、ERN2、ESRP1、ESRP2、ETV4、EVPL、FA2H、FABP1、FAM3D、FAM83E、FAM84A、FAT1、FERMT1、FOXA2、FOXA3、FOXQ1、FUT2、FUT3、FXYD3、GCNT3、GGT6、GJB1、GJB3、GPA33、GPR160、GPR35、GPX2、GRB7、GUCY2C、HKDC1、HMGCS2、HNF4A、HOXB9、IHH、ITLN1、KCNN4、KIAA1324、KLK1、KRT20、KRT23、KRT8、LGALS4、LGR5、LY6G6D、MEP1A、METTL7B、MISP、MUC13、MUC2、MYB、MYBL2、MYO1A、NOX1、PDZK1IP1、PHGR1、PIGR、PITX1、PKP3、PLAC8、PLEK2、PLS1、POF1B、PPP1R14D、PROM1、PRR15、PRSS8、PTK6、RAB25、RNF128、RNF186、RNF43、S100A14、S100P、SAPCD2、SERPINB5、SLC26A3、SLC39A5、SLC44A4、SLC5A1、SMIM22、SPDEF、ST6GALNAC1、TJP3、TM4SF5、TMC5、TMEM45B、TMPRSS2、TMPRSS4、TNS4、TRABD2A、TRIM15、TRIM31、TSPAN1、TSPAN8、UGT2B17、UGT8、USH1C、VIL1、およびその組合せによってコードされるRNA転写物(例えば、mRNA転写物)から選択される。
【0013】
一部の実施形態では、本明細書に記載される方法またはアッセイは、もう1つの追加標的バイオマーカーシグネチャー(例えば、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、またはそれよりも多くの追加標的バイオマーカーシグネチャーを含む)のために行われてもよい。一部のそのような実施形態では、分類カットオフは、それぞれの追加標的バイオマーカーシグネチャーに対応する追加参照閾値レベルを参照してもよい。
【0014】
一部の実施形態では、本明細書で使用および/または記載される結腸直腸がんの標的バイオマーカーシグネチャーにおける使用のための細胞外小胞関連表面バイオマーカーは、腫瘍特異的バイオマーカーおよび/もしくは組織特異的バイオマーカー(例えば、結腸および/または直腸組織特異的バイオマーカー)であってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、そのような細胞外小胞関連表面バイオマーカーは、非特異的マーカーであってもよく、またはそれを含んでいてもよく、例えば、これは、1つもしくは複数の非標的腫瘍および/または1つもしくは複数の非標的組織に存在する。一部の実施形態では、そのような細胞外小胞関連表面バイオマーカーは、以下のヒト遺伝子:ACSL5、ACVR2B、ALDH18A1、ALG5、AP1M2、ATP1B1、B3GNT3、BCAP31、CASK、CD133、CDH1、CDH17、CDH3、CEACAM5、CEACAM6、CFB、CFTR、CHDH、CHMP4B、CISD2、CLIC1、COPG2、CYP2S1、DPEP1、DSG2、EDAR、EPCAM、EPHB2、EPHB3、ERMP1、FERMT1、GALNT3、GNPNAT1、GOLIM4、GPA33、GPCR5A、HACD3、HEPH、HKDC1、IHH、ILDR1、ITGA2、KCNQ1、KEL、KPNA2、LAD1、LAMC2、LBR、LMNB1、LMNB2、LSR、MAP7、MARCKSL1、MLEC、MUC1、MUC13、NCEH1、NDUFS6、NLN、NOX1、NUP210、OCIAD2、PGAM5、PIGR、PIGT、PTK7、RAB25、RAP2A、RAP2B、RCC2、RNF43、RPN1、RPN2、RPS3、RUVBL2、S100P、SLC12A2、SLC25A6、SLC2A1、SMIM22、SNTB1、SORD、SSR4、ST14、STOML2、STT3B、SYAP1、TM9SF2、TMED2、TMPO、TOMM22、TOMM34、AMHR2、CLDN1、DLL4、EGFR、ERBB2、FAP、FGFR4、FOLR1、GUCY2C、IGF1R、IL1A、ITGAV、KRT8、LGR5、LPR6、MET、MST1R、MUC5AC、TNFRSF10B、VEGFA、もしくはその任意の組合せによってコードされる1つもしくは複数の表面タンパク質;および/または(ii)1つもしくは複数の以下の炭水化物依存性マーカー:CanAg(MUC1のグリコフォーム)、Lewis Y/B抗原、Lewis B抗原、シアリルテトラオシル炭水化物、Tn抗原、シアリルTn(sTn)抗原、トムセン-フリーデンライヒ(T,TF)抗原、Lewis Y抗原(CD174としても公知)、シアリルLewis X(sLex)抗原(シアリルSSEA-1(SLX)としても公知)、シアリルLewis A抗原(CA19-9としても公知)、SSEA-1(Lewis X抗原としても公知)、NeuGcGM3、およびその組合せであってもよく、あるいはそれを含んでいてもよい。
【0015】
一部の実施形態では、細胞外小胞関連表面バイオマーカーは、(i)ヒト遺伝子MUC1によってコードされるポリペプチドのうちの1つもしくは複数;および/または(ii)以下の炭水化物依存性マーカー:Lewis Y抗原(CD174としても公知)、シアリルTn(sTn)抗原、シアリルLewis X(sLex)抗原(シアリルSSEA-1(SLX)としても公知)、T抗原、Tn抗原、もしくはその組合せのうち1つもしくは複数であってもよく、あるいはそれを含んでいてもよい。
【0016】
一部の実施形態では、結腸直腸がん(例えば、結腸直腸腺癌)の標的バイオマーカーシグネチャーは、細胞外小胞関連表面バイオマーカー(例えば、本明細書に記載されるもの)および少なくとも1つ(例えば、1、2、3つ、またはそれよりも多くを含む)の追加標的表面バイオマーカーを含んでいてもよく、これは、一部の実施形態では、以下のヒト遺伝子:ACSL5、ACVR2B、ALDH18A1、ALG5、AP1M2、ATP1B1、B3GNT3、BCAP31、CASK、CD133、CDH1、CDH17、CDH3、CEACAM5、CEACAM6、CFB、CFTR、CHDH、CHMP4B、CISD2、CLIC1、COPG2、CYP2S1、DPEP1、DSG2、EDAR、EPCAM、EPHB2、EPHB3、ERMP1、FERMT1、GALNT3、GNPNAT1、GOLIM4、GPA33、GPCR5A、HACD3、HEPH、HKDC1、IHH、ILDR1、ITGA2、KCNQ1、KEL、KPNA2、LAD1、LAMC2、LBR、LMNB1、LMNB2、LSR、MAP7、MARCKSL1、MLEC、MUC1、MUC13、NCEH1、NDUFS6、NLN、NOX1、NUP210、OCIAD2、PGAM5、PIGR、PIGT、PTK7、RAB25、RAP2A、RAP2B、RCC2、RNF43、RPN1、RPN2、RPS3、RUVBL2、S100P、SLC12A2、SLC25A6、SLC2A1、SMIM22、SNTB1、SORD、SSR4、ST14、STOML2、STT3B、SYAP1、TM9SF2、TMED2、TMPO、TOMM22、TOMM34、AMHR2、CLDN1、DLL4、EGFR、ERBB2、FAP、FGFR4、FOLR1、GUCY2C、IGF1R、IL1A、ITGAV、KRT8、LGR5、LPR6、MET、MST1R、MUC5AC、TNFRSF10B、VEGFAによってコードされる1つもしくは複数のポリペプチド;および/または1つもしくは複数の以下の炭水化物マーカー:CanAg(MUC1のグリコフォーム)、Lewis Y/B抗原、Lewis B抗原、シアリルテトラオシル炭水化物、Tn抗原、シアリルTn(sTn)抗原、トムセン-フリーデンライヒ(T,TF)抗原、Lewis Y抗原(CD174としても公知)、シアリルLewis X(sLex)抗原(シアリルSSEA-1(SLX)としても公知)、シアリルLewis A抗原(CA19-9としても公知)、SSEA-1(Lewis X抗原としても公知)、NeuGcGM3、もしくはその組合せであってもよく、あるいはそれを含んでいてもよい。
【0017】
一部の実施形態では、結腸直腸がん(例えば、結腸直腸腺癌)の標的バイオマーカーシグネチャーは、細胞外小胞関連表面バイオマーカー(例えば、本明細書に記載されるもの)および少なくとも1つ(例えば、1、2、3つ、またはそれよりも多くを含む)の追加表面バイオマーカーを含んでいてもよく、これは、(i)以下のヒト遺伝子:ACVR2B、B3GNT3、CD133、CDH17、CDH3、CEACAM5、CEACAM6、CFB、CFTR、CYP2S1、DLL4、EDAR、EPCAM、EPHB2、EPHB3、ERBB2、FAP、GPCR5A、IHH、ILDR1、ITGAV、KCNQ1、KEL、MARCKSL1、MST1R、MUC1、MUC5AC、NOX1、OCIAD2、RNF43、SMIM22、およびその組合せによってコードされるポリペプチド;ならびに/または(ii)以下の炭水化物依存性マーカー:Lewis Y抗原(CD174としても公知)、シアリルTn(sTn)抗原、シアリルLewis X(sLex)抗原(シアリルSSEA-1(SLX)としても公知)、T抗原、Tn抗原、およびその組合せから選択される。
【0018】
一部の実施形態では、結腸直腸がん(例えば、結腸直腸腺癌)の標的バイオマーカーシグネチャーは、細胞外小胞関連表面バイオマーカー(例えば、本明細書に記載されるもの)および少なくとも1つの標的小胞内RNAバイオマーカーを含んでいてもよく、これは、一部の実施形態では、以下のヒト遺伝子:AGMAT、AGR2、AGR3、ANKS4B、ANO9、AP1M2、ARSE、ASCL2、ATP10B、B3GNT3、BIK、BSPRY、C10orf99、C15orf48、C1orf106、C1orf210、C9orf152、CA12、CBLC、CCL24、CD24、CDCA7、CDH1、CDH17、CDH3、CDHR1、CDHR5、CDX1、CDX2、CEACAM5、CEACAM6、CEACAM7、CFTR、CLDN2、CLDN3、CLDN4、CLDN7、CLRN3、COL17A1、CRB3、CYP2S1、DDC、DPEP1、DSG2、EHF、ELF3、EPCAM、EPHB3、EPS8L3、ERN2、ESRP1、ESRP2、ETV4、EVPL、FA2H、FABP1、FAM3D、FAM83E、FAM84A、FAT1、FERMT1、FOXA2、FOXA3、FOXQ1、FUT2、FUT3、FXYD3、GCNT3、GGT6、GJB1、GJB3、GPA33、GPR160、GPR35、GPX2、GRB7、GUCY2C、HKDC1、HMGCS2、HNF4A、HOXB9、IHH、ITLN1、KCNN4、KIAA1324、KLK1、KRT20、KRT23、KRT8、LGALS4、LGR5、LY6G6D、MEP1A、METTL7B、MISP、MUC13、MUC2、MYB、MYBL2、MYO1A、NOX1、PDZK1IP1、PHGR1、PIGR、PITX1、PKP3、PLAC8、PLEK2、PLS1、POF1B、PPP1R14D、PROM1、PRR15、PRSS8、PTK6、RAB25、RNF128、RNF186、RNF43、S100A14、S100P、SAPCD2、SERPINB5、SLC26A3、SLC39A5、SLC44A4、SLC5A1、SMIM22、SPDEF、ST6GALNAC1、TJP3、TM4SF5、TMC5、TMEM45B、TMPRSS2、TMPRSS4、TNS4、TRABD2A、TRIM15、TRIM31、TSPAN1、TSPAN8、UGT2B17、UGT8、USH1C、VIL1、もしくはその組合せによってコードされる少なくとも1つのRNA転写物(例えば、mRNA転写物)であってもよく、またはそれを含んでいてもよい。
【0019】
一部の実施形態では、結腸直腸がんの標的バイオマーカーシグネチャーは、細胞外小胞関連表面バイオマーカー(例えば、本明細書に記載されるもの)および少なくとも1つの追加標的小胞内バイオマーカーを含んでいてもよく、これは、一部の実施形態では、以下のヒト遺伝子:AGMAT、AGR2、AGR3、ANKS4B、AP1M2、ARSE、ASCL2、BSPRY、C10orf99、C15orf48、C1orf106、C9orf152、CBLC、CCL24、CDCA7、CDX1、CDX2、DDC、DSG2、EHF、ELF3、EPS8L3、ESRP1、ESRP2、ETV4、EVPL、FABP1、FAM3D、FAM83E、FAM84A、FERMT1、FOXA2、FOXA3、FOXQ1、GPX2、GRB7、HKDC1、HMGCS2、HNF4A、HOXB9、KCNN4、KLK1、KRT20、KRT23、KRT8、LGALS4、METTL7B、MISP、MUC2、MYB、MYBL2、MYO1A、PHGR1、PITX1、PKP3、PLAC8、PLEK2、PLS1、PPP1R14D、PRR15、PTK6、S100A14、S100P、SAPCD2、SERPINB5、SPDEF、TRIM15、TRIM31、USH1C、VIL1、もしくはその組合せによってコードされる少なくとも1つのポリペプチドであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、本明細書に記載される小胞内バイオマーカーは、少なくとも1つの翻訳後改変を含んでいてもよい。
【0020】
一部の実施形態では、本明細書に記載される提供される方法またはアッセイにおける使用のための参照閾値レベルは、非結腸直腸がん対象の集団からの比較可能な試料において観察された標的バイオマーカーシグネチャー発現細胞外小胞のレベルによって決定される。
【0021】
一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーに含まれる細胞外小胞関連表面バイオマーカーは、親和性剤(例えば、限定されるものではないが、抗体に基づく薬剤)を使用して検出されてもよい。一部の実施形態では、細胞外小胞関連表面バイオマーカーは、抗体に基づく薬剤を含む捕捉アッセイを使用して検出されてもよい。例えば、一部の実施形態では、細胞外小胞における細胞外小胞関連表面バイオマーカーの存在を検出するための捕捉アッセイは、細胞外小胞を含む体液由来試料(例えば、限定されるものではないが、血液由来試料、便由来試料など)を、そのような細胞外小胞関連表面バイオマーカーを対象にする捕捉剤と接触させるステップを含んでいてもよい。一部の実施形態では、そのような捕捉剤は、細胞外小胞関連表面バイオマーカーを対象にする結合部分(例えば、本明細書に記載されるもの)を含んでいてもよく、これは、必要に応じて、固体基材にコンジュゲートされていてもよい。限定されないが、細胞外小胞関連表面バイオマーカーのための例示的な捕捉剤は、固体基材(例えば、磁気ビーズ)および細胞外小胞関連表面バイオマーカーを対象にする結合部分(例えば、抗体剤)であってもよく、またはそれを含んでいてもよい。
【0022】
一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーに含まれる標的バイオマーカーは、当技術分野において公知の適切な方法を使用して検出されてもよく、これは、検出される分析物の種類(例えば、表面分析物対小胞内分析物;ならびに/またはポリペプチドおよび/もしくはグリコフォーム対炭水化物対RNA)により変わり得る。例えば、本開示を読む当業者は、一部の実施形態では、表面バイオマーカーおよび/または小胞内バイオマーカーが、親和性剤(例えば、抗体に基づく薬剤)を使用して検出されてもよい一方で、一部の実施形態では、小胞内RNA(例えば、限定されるものではないが、mRNA、および例えば、オーファンノンコーディングRNA、長鎖ノンコーディングRNA、piwi相互作用RNA、マイクロRNA、環状RNAなどのようなノンコーディングRNA)は、核酸に基づく薬剤を使用して、例えば、定量的逆転写PCRを使用して、検出されてもよいことを認識するであろう。
【0023】
例えば、標的バイオマーカーが、表面バイオマーカーおよび/または小胞内マーカーであるか、またはそれを含む一部の実施形態では、そのような標的バイオマーカーは、例えば、細胞外小胞関連表面バイオマーカー(例えば、本明細書で使用されるものおよび/または記載されるもの)を提示する細胞外小胞を捕捉するための捕捉アッセイ(例えば、本明細書に記載されるもの)後に、近接ライゲーションアッセイを含んで、検出されてもよい。一部の実施形態では、そのような近接ライゲーションアッセイは、細胞外小胞を含む体液由来試料(例えば、限定されるものではないが、血液由来試料、便由来試料など)を、標的バイオマーカーをそれぞれ対象にする検出プローブのセットと接触させるステップであって、そのセットが、細胞外小胞および検出プローブのセットを含む組合せが作成されるように、少なくとも2つの別個の検出プローブを含み、2つの検出プローブが、(i)表面バイオマーカーおよび/または小胞内バイオマーカーを対象にする結合部分;ならびに(ii)結合部分にカップリングされたオリゴヌクレオチドドメインであって、オリゴヌクレオチドドメインが、二本鎖部分、およびオリゴヌクレオチドドメインの一方の末端から伸びた一本鎖オーバーハング部分を含む、オリゴヌクレオチドをそれぞれ含む、ステップを含んでいてもよい。検出プローブのそのような一本鎖オーバーハング部分は、検出プローブが同じ細胞外小胞に結合する場合に、それらが互いとハイブリダイズすることができることを特徴とする。細胞外小胞および検出プローブのセットを含むそのような組合せは、次いで、それらのオリゴヌクレオチドドメインが、アニールして、二本鎖複合体を形成するのに十分に近接するように、検出プローブのセットの細胞外小胞上のそれらの個々の標的への結合を可能にする条件下で維持される。そのような二本鎖複合体は、二本鎖複合体を、核酸リガーゼと接触させて、ライゲーションされた鋳型を作成するステップ;およびライゲーションされた鋳型を検出するステップによって検出することができる。一部の実施形態では、ライゲーションされた鋳型は、定量的PCRを使用して検出することができる。そのようなライゲーションされた鋳型の存在は、結腸直腸がん(例えば、結腸直腸腺癌)の標的バイオマーカーシグネチャーについて陽性である細胞外小胞の存在を示す。そのような近接ライゲーションアッセイは、他の既存の近接ライゲーションアッセイよりも良好に、例えば、より高い特異度および/または感度で行われ得るが、本開示を読む当業者は、当技術分野において公知である他の形態の近接ライゲーションアッセイが代わりに使用されてもよいことを認識するであろう。
【0024】
標的バイオマーカーが、小胞内RNA(例えば、限定されるものではないが、mRNA、および例えば、オーファンノンコーディングRNA、長鎖ノンコーディングRNA、piwi相互作用RNA、マイクロRNA、環状RNAなどのようなノンコーディングRNA)マーカーであるか、またはそれを含む一部の実施形態では、そのような標的バイオマーカーは、核酸検出アッセイを含んで、検出されてもよい。一部の実施形態では、例示的な核酸検出アッセイは、逆転写PCRであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。
【0025】
標的バイオマーカーが、小胞内バイオマーカーおよび/または小胞内RNA(例えば、限定されるものではないが、mRNA、および例えば、オーファンノンコーディングRNA、長鎖ノンコーディングRNA、piwi相互作用RNA、マイクロRNA、環状RNAなどのようなノンコーディングRNA)バイオマーカーであるか、またはそれを含む一部の実施形態では、そのような標的バイオマーカーは、検出アッセイ(例えば、本明細書に記載される近接ライゲーションアッセイ)の前に、その後の検出のために細胞外小胞内のそのようなバイオマーカーを曝露する試料の処理(例えば、固定および/または透過処理)により検出されてもよい。
【0026】
本開示は、数ある中でも、単一細胞外小胞の分解能においてよりもむしろ、バルク試料(例えば、細胞外小胞のバルク試料)に基づく多数の結腸直腸がん関連バイオマーカーの検出が、典型的には、その試料が得られた対象が、結腸直腸がんを患っているか、またはそれに罹患しやすい可能性があるかどうかの決定において、十分な特異度および/または感度を提供しないことを認識する。本開示は、数ある中でも、例えば、検出のための個々の細胞外小胞が、少なくとも1つまたは複数の細胞外小胞関連表面バイオマーカーおよび少なくとも1つまたは複数の標的バイオマーカーの組合せを含む標的バイオマーカーシグネチャーの存在によって特徴付けられることを特異的に必要とすることによってを含む、そのような課題を解決する、システム、組成物、および/または方法を含む技術を提供する。特定の実施形態では、本開示は、結腸直腸がん(例えば、結腸直腸腺癌)のそのような標的バイオマーカーシグネチャーの存在によって(例えば、発現によって)特徴付けられるそのような個々の細胞外小胞を必要とする技術を教示するが、標的バイオマーカーシグネチャーを含まない細胞外小胞は、検出可能なシグナル(例えば、参照レベルを上回る、例えば、少なくとも10%またはそれよりも高く上回るレベル、ここで、一部の実施形態では、参照レベルは、そのような標的バイオマーカーシグネチャーを含む個々の細胞外小胞が存在しない試料などの陰性対照試料において観察されるレベルであってもよい)を生じない。
【0027】
当業者に理解されるであろうように、一部の実施形態では、細胞外小胞を含む試料はまた、細胞外小胞を含む目的のサイズ範囲を有するナノ粒子を含んでいてもよい。そのため、一部の実施形態では、本開示の提供される技術は、細胞外小胞の文脈において、細胞外小胞を含む目的のサイズ範囲を有するナノ粒子の検出にも適用可能である、したがって、一部の実施形態では、本開示は、数ある中でも、細胞外小胞を含む目的のサイズ範囲(例えば、一部の実施形態では、約30nm~約1000nm)を有する個々のナノ粒子において、結腸直腸がんの標的バイオマーカーシグネチャーを形成する少なくとも2つまたはそれよりも多くの表面バイオマーカー(例えば、本明細書に記載される通り)の共局在化の検出のための技術を提供する。
【0028】
一部の実施形態では、本開示は、(a)対象の体液由来試料(例えば、限定されるものではないが、血液由来試料、便由来試料など)から単離された、約30nm~約1000nmの範囲内のサイズを有するナノ粒子を含む試料を提供するまたは得るステップ;(b)ナノ粒子の表面上で、その組み合わされた発現レベルが結腸直腸がんと関連すると決定されている少なくとも2つの表面バイオマーカーの共局在を検出するステップであって、表面バイオマーカーが、(i)以下のヒト遺伝子:ACSL5、ACVR2B、ALDH18A1、ALG5、AP1M2、ATP1B1、B3GNT3、BCAP31、CASK、CD133、CDH1、CDH17、CDH3、CEACAM5、CEACAM6、CFB、CFTR、CHDH、CHMP4B、CISD2、CLIC1、COPG2、CYP2S1、DPEP1、DSG2、EDAR、EPCAM、EPHB2、EPHB3、ERMP1、FERMT1、GALNT3、GNPNAT1、GOLIM4、GPA33、GPCR5A、HACD3、HEPH、HKDC1、IHH、ILDR1、ITGA2、KCNQ1、KEL、KPNA2、LAD1、LAMC2、LBR、LMNB1、LMNB2、LSR、MAP7、MARCKSL1、MLEC、MUC1、MUC13、NCEH1、NDUFS6、NLN、NOX1、NUP210、OCIAD2、PGAM5、PIGR、PIGT、PTK7、RAB25、RAP2A、RAP2B、RCC2、RNF43、RPN1、RPN2、RPS3、RUVBL2、S100P、SLC12A2、SLC25A6、SLC2A1、SMIM22、SNTB1、SORD、SSR4、ST14、STOML2、STT3B、SYAP1、TM9SF2、TMED2、TMPO、TOMM22、TOMM34、AMHR2、CLDN1、DLL4、EGFR、ERBB2、FAP、FGFR4、FOLR1、GUCY2C、IGF1R、IL1A、ITGAV、KRT8、LGR5、LPR6、MET、MST1R、MUC5AC、TNFRSF10B、VEGFA、およびその組合せによってコードされるポリペプチド;ならびに/または(ii)以下の炭水化物依存性マーカー:CanAg(MUC1のグリコフォーム)、Lewis Y/B抗原、Lewis B抗原、シアリルテトラオシル炭水化物、Tn抗原、シアリルTn(sTn)抗原、トムセン-フリーデンライヒ(T,TF)抗原、Lewis Y抗原(CD174としても公知)、シアリルLewis X(sLex)抗原(シアリルSSEA-1(SLX)としても公知)、シアリルLewis A抗原(CA19-9としても公知)、SSEA-1(Lewis X抗原としても公知)、NeuGcGM3(N-グリコリルGM3ガングリオシド)、およびその組合せから選択される、ステップ;(c)検出された共局在レベルを、決定されたレベルと比較するステップ;ならびに(d)検出された共局在レベルが、決定されたレベルであるか、またはそれを上回る場合に、結腸直腸がんを有するか、またはそれに罹患しやすいとして対象を分類するステップを含む方法を記載する。
【0029】
一部の実施形態では、第1の表面バイオマーカーおよび第2の表面バイオマーカーは、(i)以下のヒト遺伝子:ACVR2B、B3GNT3、CD133、CDH17、CDH3、CEACAM5、CEACAM6、CFB、CFTR、CYP2S1、DLL4、EDAR、EPCAM、EPHB2、EPHB3、ERBB2、FAP、GPCR5A、IHH、ILDR1、ITGAV、KCNQ1、KEL、MARCKSL1、MST1R、MUC1、MUC5AC、NOX1、OCIAD2、RNF43、SMIM22、およびその組合せによってコードされるポリペプチド;ならびに/または(ii)以下の炭水化物依存性マーカー:Lewis Y抗原(CD174としても公知)、シアリルTn(sTn)抗原、シアリルLewis X(sLex)抗原(シアリルSSEA-1(SLX)としても公知)、T抗原、Tn抗原、およびその組合せからそれぞれ独立して選択される。
【0030】
したがって、一部の実施形態では、本明細書に提供される技術は、対象および/または対象の集団全体における結腸直腸がんの発生または再発の検出のために有用であり得る。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、結腸直腸がんの検出のために選択されてもよい。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、例えば、限定されるものではないが、結腸直腸腺癌を含む、結腸直腸がんの特異的なカテゴリーの検出のために選択されてもよい。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、例えば、限定されるものではないが、結腸直腸腺癌を含む、初期(例えば、ステージIおよび/またはステージII)結腸直腸がんの検出のために選択されてもよい。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、例えば、限定されるものではないが、結腸直腸腺癌を含む、末期(例えば、ステージIIIおよび/またはステージIV)結腸直腸がんの検出のために選択されてもよい。一部の実施形態では、本明細書に提供される技術を、周期的に(例えば、毎年)使用して、初期結腸直腸がんまたは結腸直腸がんの再発について、ヒト対象またはヒト対象の集団全体をスクリーニングすることができる。
【0031】
一部の実施形態では、結腸直腸がん(例えば、結腸直腸腺癌)の発生または再発の検出のための本明細書に提供される技術に適した対象は、無症候性ヒト対象および/または無症候性集団全体であってもよい。そのような無症候性対象は、結腸直腸がんの家族歴を有する対象、結腸直腸がんについて対象を増加したリスクにさらす生活歴を有する対象、結腸直腸がんについて以前に処置された対象、がん処置後に結腸直腸がん再発のリスクがある対象、および/または結腸直腸がん処置後に寛解にある対象であってもよい。一部の実施形態では、そのような無症候性対象は、例えば、大腸内視鏡検査、検便、CTスキャニング、および/または分子検査から、例えば、および/または無細胞核酸に基づいて、正常な医療診断結果を有すると決定されている対象であってもよい。一部の実施形態では、そのような無症候性対象は、非結腸直腸がん対象および/または正常な健康な対象において典型的に観察される結果と比較した場合に、例えば、大腸内視鏡検査、検便、CTスキャニング、および/または分子検査から、例えば、無細胞核酸に基づいて、異常な医療診断結果を有すると決定されている対象であってもよい。あるいは、一部の実施形態では、無症候性対象は、結腸直腸がんについて以前にスクリーニングされていない対象、結腸直腸がんについて診断されていない対象、および/または結腸直腸がん療法を以前に受けていない対象であってもよい。
【0032】
一部の実施形態では、対象または対象の集団は、年齢、人種、地理的位置、遺伝歴、個人歴および/または病歴(例えば、喫煙、アルコール、薬物、発がん物質、食事、肥満、糖尿病、身体活動、日光曝露、放射線曝露、結腸の慢性炎症、および/または職業上の危険)などの1つまたは複数の特徴に基づいて選択されてもよい。
【0033】
一部の実施形態では、本明細書に提供される技術は、結腸直腸がん(例えば、結腸直腸腺癌)を患っているか、それに罹患しやすい対象に対して、外科手術または療法を選択するために有用であり得る。一部の実施形態では、結腸直腸がんの外科手術、療法、および/または補助療法は、本明細書に提供される技術に基づく知見を考慮して選択することができる。
【0034】
一部の実施形態では、本明細書に提供される技術は、対象(例えば、結腸直腸がん対象)に投与される療法の有効性をモニタリングおよび/または評価するために有用であり得る。
【0035】
一部の実施形態では、本開示は、例えば、1人もしくは複数人の個々の対象および/または対象の集団全体について、患者ケアを管理するための技術を提供する。いくつかの例を挙げるが、一部の実施形態では、本開示は、スクリーニング(例えば、時間的にもしくは偶発的に動機付けられたスクリーニングおよび/または非時間的にもしくは偶発的に動機付けられたスクリーニング、例えば、周期的スクリーニング、1年に1回、1年に2回、2年に1回、またはいくつかの他の頻度による)において利用され得る技術を提供する。例えば、一部の実施形態では、時間的に動機付けられたスクリーニングにおける使用のための提供される技術は、ある特定の年齢よりも高齢(例えば、40、45、50、55、60、65、70歳を超える、またはそれよりも高齢)である1人もしくは複数人の個々の対象または対象の集団(例えば、無症候性対象)全体をスクリーニングするために有用であり得る。一部の実施形態では、時間的に動機付けられたスクリーニングにおける使用のための提供される技術は、40~90歳の範囲の年齢である1人もしくは複数人の個々の対象または対象の集団(例えば、無症候性対象)全体をスクリーニングするために有用であり得る。一部の実施形態では、時間的に動機付けられたスクリーニングにおける使用のための提供される技術は、45~85歳の範囲の年齢である1人もしくは複数人の個々の対象または対象の集団(例えば、無症候性対象)全体をスクリーニングするために有用であり得る。一部の実施形態では、偶発的に動機付けられたスクリーニングにおける使用のための提供される技術は、本明細書に記載される結腸直腸がんについてのスクリーニングを動機付ける出来事または事象を経験した可能性がある個々の対象をスクリーニングするために有用であり得る。例えば、一部の実施形態では、がんまたはがんへの易罹患性の1つまたは複数の指標の決定に関する偶発的な動機付けは、例えば、それらの家族歴に基づく出来事(例えば、血族などの近親者が以前に結腸直腸がんと診断された)、結腸直腸がんと関連する1つまたは複数のリスク因子(例えば、限定されるものではないが、喫煙、アルコール、食事、肥満、職業上の危険などを含む、生活歴リスク因子)の同定、および/または遺伝子検査(例えば、ゲノムシークエンシング)からの以前の偶発的な所見、および/またはイメージング診断検査(例えば、超音波、コンピューター断層撮影(CT)および/または磁気共鳴イメージング(MRI)スキャン)、結腸直腸がんの1つもしくは複数の徴候または症状の特徴(例えば、便潜血などの異常な医学的結果、および/または結腸直腸がんを潜在的に示す症状など)の発生であってもよく、あるいはそれを含んでいてもよい。
【0036】
一部の実施形態では、患者ケアを管理するために提供される技術は、処置および/または支払い(例えば、処置についての払い戻し)の判断および/または行動に情報を与えることができる。例えば、一部の実施形態では、提供される技術は、個々の対象が、結腸直腸がんの発生または再発の1つまたは複数の指標を有するかどうかの決定を提供し、それによって、そのような所見を考慮して、医師および/または患者に、いつ療法を開始するかの情報を与えることができる。加えて、または代替的に、一部の実施形態では、提供される技術は、例えば、特異的応答性バイオマーカー(例えば、結腸直腸がん応答性バイオマーカー)の所見に基づいて、医師および/または患者に、処置の選択の情報を与えることができる。一部の実施形態では、提供される技術は、例えば、結腸直腸がんと関連する分子標的の1つまたは複数のレベルの変化の所見に基づいて個々の対象が現在の処置に応答性であるかどうかの決定を提供し、それによって、そのような所見を考慮して、医師および/または患者に、そのような療法の有効性および/または療法を維持もしくは変更する判断の情報を与えることができる。
【0037】
一部の実施形態では、提供される技術は、例えば、(1)スクリーニングそれ自体のために(例えば、周期的/定期的なスクリーニングのためにのみ利用可能な、または時間的および/もしくは偶発的に動機付けられたスクリーニングのためにのみ利用可能な払い戻し);ならびに/または(2)提供される技術による所見を考慮して、療法を開始する、維持する、および/もしくは変更するために、健康保険提供者が払い戻しを行う(または行わない)かどうかに関する判断を行うのに情報を提供することができる。例えば、一部の実施形態では、本開示は、(a)本明細書に記載されるスクリーニングの結果を受け取ること、ならびにスクリーニングのおよび/または特定の治療レジメンの払い戻しの請求も受け取ること;(b)スクリーニングが適切なスケジュールまたは関連する出来事に対する応答に従って対象に対して行われた場合にスクリーニングの払い戻しを承認すること、および/または受け取ったスクリーニング結果を考慮して、適切な処置を表す場合に治療レジメンの払い戻しを承認すること;ならびに必要に応じて、(c)払い戻しを実行すること、または払い戻しが拒否された通知を提供することに関する方法を提供する。一部の実施形態では、治療レジメンは、受け取ったスクリーニング結果が関連する治療レジメンについて承認されたバイオマーカーを表すバイオマーカーを検出する場合に、受け取ったスクリーニング結果を考慮して、充当される(例えば、処方情報ラベルで、および/または承認されたコンパニオン診断を介して述べられ得る通り)。代替的に、または加えて、本開示は、本明細書に記載されるスクリーニング結果および/または払い戻し判断の報告および/または処理を許可または容易にする報告システム(例えば、適切な電子デバイスおよび/または通信システムを介して実行される)を企図する。
【0038】
本明細書に提供される一部の態様は、提供される技術における使用のためのシステムおよびキットに関する。一部の実施形態では、システムまたはキットは、結腸直腸がんの腫瘍バイオマーカーシグネチャーのための検出剤(例えば、本明細書に記載されるもの)を含んでいてもよい。
【0039】
一部の実施形態では、そのようなシステムまたはキットは、結腸直腸がんと関連する細胞外小胞に存在する細胞外小胞関連表面バイオマーカーのための捕捉剤(例えば、本明細書で使用されるものおよび/または記載されるもの);ならびに(b)結腸直腸がんの標的バイオマーカーシグネチャーの1つまたは複数の標的バイオマーカーを対象にする少なくとも1つまたは複数の検出剤であって、追加表面バイオマーカー(例えば、本明細書で使用されるものおよび/または記載されるもの)、小胞内バイオマーカー(例えば、本明細書で使用されるものおよび/または記載されるもの)、および/または小胞内RNA(例えば、限定されるものではないが、mRNA、および例えば、オーファンノンコーディングRNA、長鎖ノンコーディングRNA、piwi相互作用RNA、マイクロRNA、環状RNAなどのようなノンコーディングRNA)バイオマーカー(例えば、本明細書で使用されるものおよび/または記載されるもの)であってもよく、またはそれを含んでいてもよい、検出剤を含んでいてもよい。
【0040】
一部の実施形態では、システムおよび/またはキットに含まれる捕捉剤は、細胞外小胞関連表面バイオマーカーを対象にする結合部分(例えば、本明細書に記載されるもの)を含んでいてもよい。一部の実施形態では、そのような結合部分は、固体基材にコンジュゲートされていてもよく、これは、一部の実施形態では、固体基材であってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、そのような固体基材は、磁気ビーズであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、提供されるシステムおよび/またはキットに含まれる例示的な捕捉剤は、固体基材(例えば、磁気ビーズ)、およびそれにコンジュゲートされた細胞外小胞関連表面バイオマーカーを対象にする親和性試薬(例えば、限定されるものではないが、抗体剤)であってもよく、またはそれを含んでいてもよい。
【0041】
標的バイオマーカーが表面バイオマーカーおよび/または小胞内バイオマーカーを含む一部の実施形態では、システムおよび/またはキットは、近接ライゲーションアッセイを行うための検出剤(例えば、本明細書に記載されるもの)を含んでいてもよい。一部の実施形態では、近接ライゲーションアッセイを行うためのそのような検出剤は、標的バイオマーカーシグネチャーの標的バイオマーカーをそれぞれ対象にする検出プローブのセットを含んでいてもよく、このセットは、少なくとも2つの検出プローブを含み、2つの検出プローブは、(i)標的バイオマーカーを対象にするポリペプチド結合部分;ならびに(ii)結合部分にカップリングされたオリゴヌクレオチドドメインであって、オリゴヌクレオチドドメインが、二本鎖部分、およびオリゴヌクレオチドドメインの一方の末端から伸びた一本鎖オーバーハング部分を含み、検出プローブの一本鎖オーバーハング部分が、検出プローブが同じ細胞外小胞に結合する場合に、それらが互いにハイブリダイズすることができることを特徴とする、オリゴヌクレオチドドメインをそれぞれ含む。
【0042】
一部の実施形態では、提供されるシステムおよび/またはキットは、多数(例えば、2、3、4、5、またはそれよりも多く)の検出プローブのセットを含んでいてもよく、そのそれぞれのセットは、2つまたはそれよりも多く(例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20またはそれよりも多く)の検出プローブを含む。一部の実施形態では、検出プローブの少なくとも1つのセットは、結腸直腸がんの検出を対象にするものであってもよい。例えば、一部の実施形態では、提供されるシステムおよびキットは、結腸直腸がんの検出のための検出プローブについての少なくとも1つのセット、および異なるがん(例えば、膵臓がん)の検出のための検出プローブの少なくとも1つのセットを含んでいてもよい。一部の実施形態では、2つまたはそれよりも多くの検出プローブは、結腸直腸がんの異なるカテゴリー(例えば、結腸直腸腺癌を含む)を対象にしていてもよい。一部の実施形態では、2つまたはそれよりも多くのセットは、異なるステージの結腸直腸がんの検出を対象にしていてもよい。一部の実施形態では、2つまたはそれよりも多くのセットは、同じステージの結腸直腸がんの検出を対象にしていてもよい。
【0043】
一部の実施形態では、提供されるキットにおける検出プローブは、容器中の単一の混合物として提供されてもよい。一部の実施形態では、検出プローブの複数のセットは、別々の容器中の個々の混合物として提供されてもよい。一部の実施形態では、それぞれの検出プローブは、別々の容器中で個々に提供される。
【0044】
標的バイオマーカーが小胞内RNA(例えば、限定されるものではないが、mRNA、および例えば、オーファンノンコーディングRNA、長鎖ノンコーディングRNA、piwi相互作用RNA、マイクロRNA、環状RNAなどのようなノンコーディングRNA)バイオマーカーを含む一部の実施形態では、そのようなシステムおよび/またはキットは、核酸検出アッセイを行うための検出剤を含んでいてもよい。一部の実施形態では、そのようなシステムおよび/またはキットは、定量的逆転写PCRを行うための検出剤を含んでいてもよく、例えば、これは、小胞内RNA(例えば、限定されるものではないが、mRNA、および例えば、オーファンノンコーディングRNA、長鎖ノンコーディングRNA、piwi相互作用RNA、マイクロRNA、環状RNAなどのようなノンコーディングRNA)標的を対象にするプライマーを含んでいてもよい。
【0045】
本開示を読む当業者は、細胞外小胞の検出のためのシステムまたはキットを用いて、細胞外小胞を含む目的のサイズ範囲を有するナノ粒子を検出することもできることを理解するであろう。したがって、一部の実施形態では、システムまたはキットは、(i)細胞外小胞を含む目的のサイズ範囲を有するナノ粒子の表面上に存在する結腸直腸がん関連バイオマーカーシグネチャーの第1の表面バイオマーカーのための捕捉剤(例えば、本明細書に記載される通り);および(ii)結腸直腸がん特異的バイオマーカーシグネチャーの第2の表面バイオマーカーを対象にする少なくとも1つまたは複数の検出剤を含んでいてもよい。一部の実施形態では、そのようなナノ粒子は、約30nm~約1000nmの範囲内のサイズを有する。
【0046】
一部の実施形態では、本開示は、結腸直腸がんの検出のためのキットであって、(a)第1の表面バイオマーカーを対象にする標的捕捉部分を含む捕捉剤;ならびに(b)検出プローブの少なくとも1つのセットであって、そのセットが、第2の表面バイオマーカーをそれぞれ対象にする少なくとも2つの検出プローブを含み、検出プローブが、(i)第2の表面バイオマーカーに対する標的結合部分;および(ii)標的結合部分にカップリングされたオリゴヌクレオチドドメインであって、オリゴヌクレオチドドメインが、二本鎖部分、およびオリゴヌクレオチドドメインの一方の末端から伸びた一本鎖オーバーハング部分を含み、少なくとも2つの検出プローブの一本鎖オーバーハング部分が、少なくとも2つの検出プローブが約30nm~約1000nmの範囲内のサイズを有する同じナノ粒子に結合する場合に、それらが互いにハイブリダイズすることができることを特徴とする、オリゴヌクレオチドドメインをそれぞれ含む、検出プローブの少なくとも1つのセットを含み;少なくとも第1の表面バイオマーカーおよび第2の表面バイオマーカーが、結腸直腸がんと関連すると決定された標的バイオマーカーシグネチャーを形成し、第1および第2の表面バイオマーカーが、(i)以下のヒト遺伝子:ACSL5、ACVR2B、ALDH18A1、ALG5、AP1M2、ATP1B1、B3GNT3、BCAP31、CASK、CD133、CDH1、CDH17、CDH3、CEACAM5、CEACAM6、CFB、CFTR、CHDH、CHMP4B、CISD2、CLIC1、COPG2、CYP2S1、DPEP1、DSG2、EDAR、EPCAM、EPHB2、EPHB3、ERMP1、FERMT1、GALNT3、GNPNAT1、GOLIM4、GPA33、GPCR5A、HACD3、HEPH、HKDC1、IHH、ILDR1、ITGA2、KCNQ1、KEL、KPNA2、LAD1、LAMC2、LBR、LMNB1、LMNB2、LSR、MAP7、MARCKSL1、MLEC、MUC1、MUC13、NCEH1、NDUFS6、NLN、NOX1、NUP210、OCIAD2、PGAM5、PIGR、PIGT、PTK7、RAB25、RAP2A、RAP2B、RCC2、RNF43、RPN1、RPN2、RPS3、RUVBL2、S100P、SLC12A2、SLC25A6、SLC2A1、SMIM22、SNTB1、SORD、SSR4、ST14、STOML2、STT3B、SYAP1、TM9SF2、TMED2、TMPO、TOMM22、TOMM34、AMHR2、CLDN1、DLL4、EGFR、ERBB2、FAP、FGFR4、FOLR1、GUCY2C、IGF1R、IL1A、ITGAV、KRT8、LGR5、LPR6、MET、MST1R、MUC5AC、TNFRSF10B、VEGFA、およびその組合せによってコードされるポリペプチド;ならびに/または(ii)以下の炭水化物依存性マーカー:CanAg(MUC1のグリコフォーム)、Lewis Y/B抗原、Lewis B抗原、シアリルテトラオシル炭水化物、Tn抗原、シアリルTn(sTn)抗原、トムセン-フリーデンライヒ(T,TF)抗原、Lewis Y抗原(CD174としても公知)、シアリルLewis X(sLex)抗原(シアリルSSEA-1(SLX)としても公知)、シアリルLewis A抗原(CA19-9としても公知)、SSEA-1(Lewis X抗原としても公知)、NeuGcGM3(N-グリコリルGM3ガングリオシド)、およびその組合せからそれぞれ独立して選択される、キットを記載する。
【0047】
一部の実施形態では、第1の表面バイオマーカーおよび第2の表面バイオマーカーは、(i)以下のヒト遺伝子:ACVR2B、B3GNT3、CD133、CDH17、CDH3、CEACAM5、CEACAM6、CFB、CFTR、CYP2S1、DLL4、EDAR、EPCAM、EPHB2、EPHB3、ERBB2、FAP、GPCR5A、IHH、ILDR1、ITGAV、KCNQ1、KEL、MARCKSL1、MST1R、MUC1、MUC5AC、NOX1、OCIAD2、RNF43、SMIM22、およびその組合せによってコードされるポリペプチド;ならびに/または(ii)以下の炭水化物依存性マーカー:Lewis Y抗原(CD174としても公知)、シアリルTn(sTn)抗原、シアリルLewis X(sLex)抗原(シアリルSSEA-1(SLX)としても公知)、T抗原、Tn抗原、およびその組合せからそれぞれ独立して選択される。
【0048】
一部の実施形態では、提供されるシステムおよび/またはキットは、少なくとも1つの化学試薬、例えば、試料を処理するための化学試薬、および/またはその中のナノ粒子(例えば、一部の実施形態では、細胞外小胞を含む)を含んでいてもよい。一部の実施形態では、提供されるシステムおよび/またはキットは、例えば、限定されるものではないが、固定剤、透過処理剤、および/またはブロッキング剤を含む、試料中のナノ粒子(例えば、一部の実施形態では、細胞外小胞を含む)を処理するための少なくとも1つの化学試薬を含んでいてもよい。一部の実施形態では、提供されるシステムおよび/またはキットは、核酸リガーゼおよび/または核酸ポリメラーゼを含んでいてもよい。一部の実施形態では、提供されるシステムおよび/またはキットは、1つまたは複数のプライマーおよび/またはプローブを含んでいてもよい。一部の実施形態では、提供されるシステムおよび/またはキットは、例えば、PCR、例えば、定量的PCR(qPCR)反応のための1つまたは複数のプライマーの対を含んでいてもよい。一部の実施形態では、提供されるシステムおよび/またはキットは、例えば、一部の実施形態では、qPCRの特異性を増加させるように設計され得る加水分解プローブ(例えば、TaqManプローブ)などの1つまたは複数のプローブを含んでいてもよい。一部の実施形態では、提供されるシステムおよび/またはキットは、例えば、同時または並行qPCR反応が用いられる場合(例えば、読み取りを容易にするか、または改善するため)に有用であり得るので、1つまたは複数のマルチプレックス化プローブを含んでいてもよい。
【0049】
一部の実施形態では、提供されるシステムおよび/またはキットは、結腸直腸がんの検出(例えば、早期検出)のための個体(例えば、無症候性または症候性対象)のスクリーニング(例えば、定期的なスクリーニング)および/または他の査定のために使用することができる。一部の実施形態では、提供されるシステムおよび/またはキットは、結腸直腸がんに罹患しやすい個体(例えば、公知の遺伝的リスク、環境リスク、または経験リスクなどを有する個体)のスクリーニングおよび/または他の査定のために使用することができる。一部の実施形態では、提供されるシステムおよび/またはキットは、以前に処置された対象における結腸直腸がんの再発のモニタリングのために使用することができる。一部の実施形態では、提供されるシステムおよび/またはキットは、結腸直腸がんを患っている対象のための療法と組み合わせて、コンパニオン診断として使用することができる。一部の実施形態では、提供されるシステムおよび/またはキットは、結腸直腸がんを患っている対象に投与される療法の有効性をモニタリングまたは評価するために使用することができる。一部の実施形態では、提供されるシステムおよび/またはキットは、結腸直腸がんを患っている対象のための療法を選択するために使用することができる。一部の実施形態では、提供されるシステムおよび/またはキットは、結腸直腸がんと関連する1つまたは複数の症状(例えば、非特異的症状)を有する対象のために、療法の判断を行うおよび/または療法を選択するために使用することができる。
【0050】
本明細書に記載される方法を行うことならびに/または本明細書に記載されるシステムおよび/もしくはキットを使用することによって形成される複合体も、本開示の範囲内である。例えば、一部の実施形態では、複合体は、標的バイオマーカーシグネチャーを発現する細胞外小胞を含み、これは、少なくとも1つの細胞外小胞関連表面バイオマーカー、ならびに表面バイオマーカー(例えば、本明細書に記載されるもの)、小胞内バイオマーカー(例えば、本明細書に記載されるもの)、および小胞内RNAバイオマーカー(例えば、本明細書に記載されるもの)からなる群から選択される少なくとも1つの標的バイオマーカーを含み、細胞外小胞は、そのような細胞外小胞関連表面バイオマーカーを対象にする結合部分を含む固体基材上に固定化される。一部の実施形態では、そのような複合体は、細胞外小胞に存在する標的バイオマーカーシグネチャーの少なくとも1つの標的バイオマーカーを対象にする少なくとも2つの検出プローブをさらに含み、それぞれの検出プローブは、個々の標的バイオマーカーに結合し、(i)標的バイオマーカーを対象にする結合部分;ならびに(ii)結合部分にカップリングされたオリゴヌクレオチドドメインであって、オリゴヌクレオチドドメインが、二本鎖部分、およびオリゴヌクレオチドドメインの一方の末端から伸びた一本鎖オーバーハング部分を含み、検出プローブの一本鎖オーバーハング部分が、互いにハイブリダイズする、オリゴヌクレオチドドメインをそれぞれ含む。
【0051】
一部の実施形態では、複合体を形成する細胞外小胞に存在する細胞外小胞関連表面バイオマーカーは、1つまたは複数の本明細書に記載される表面バイオマーカーを含んでいてもよい。一部の実施形態では、そのような細胞外小胞関連バイオマーカーは、(i)以下のヒト遺伝子:ACSL5、ACVR2B、ALDH18A1、ALG5、AP1M2、ATP1B1、B3GNT3、BCAP31、CASK、CD133、CDH1、CDH17、CDH3、CEACAM5、CEACAM6、CFB、CFTR、CHDH、CHMP4B、CISD2、CLIC1、COPG2、CYP2S1、DPEP1、DSG2、EDAR、EPCAM、EPHB2、EPHB3、ERMP1、FERMT1、GALNT3、GNPNAT1、GOLIM4、GPA33、GPCR5A、HACD3、HEPH、HKDC1、IHH、ILDR1、ITGA2、KCNQ1、KEL、KPNA2、LAD1、LAMC2、LBR、LMNB1、LMNB2、LSR、MAP7、MARCKSL1、MLEC、MUC1、MUC13、NCEH1、NDUFS6、NLN、NOX1、NUP210、OCIAD2、PGAM5、PIGR、PIGT、PTK7、RAB25、RAP2A、RAP2B、RCC2、RNF43、RPN1、RPN2、RPS3、RUVBL2、S100P、SLC12A2、SLC25A6、SLC2A1、SMIM22、SNTB1、SORD、SSR4、ST14、STOML2、STT3B、SYAP1、TM9SF2、TMED2、TMPO、TOMM22、TOMM34、AMHR2、CLDN1、DLL4、EGFR、ERBB2、FAP、FGFR4、FOLR1、GUCY2C、IGF1R、IL1A、ITGAV、KRT8、LGR5、LPR6、MET、MST1R、MUC5AC、TNFRSF10B、VEGFA、もしくはその組合せによってコードされる少なくとも1つのポリペプチド;および/または(ii)少なくとも1つの以下の炭水化物依存性マーカー:CanAg(MUC1のグリコフォーム)、Lewis Y/B抗原、Lewis B抗原、シアリルテトラオシル炭水化物、Tn抗原、シアリルTn(sTn)抗原、トムセン-フリーデンライヒ(T,TF)抗原、Lewis Y抗原(CD174としても公知)、シアリルLewis X(sLex)抗原(シアリルSSEA-1(SLX)としても公知)、シアリルLewis A抗原(CA19-9としても公知)、SSEA-1(Lewis X抗原としても公知)、NeuGcGM3、もしくはその組合せであってもよく、あるいはそれを含んでいてもよい。
【0052】
一部の実施形態では、細胞外小胞関連バイオマーカーは、(i)ヒト遺伝子MUC1によってコードされるポリペプチドのうちの1つもしくは複数;および/または(ii)以下の炭水化物依存性マーカー:Lewis Y抗原(CD174としても公知)、シアリルTn(sTn)抗原、シアリルLewis X(sLex)抗原(シアリルSSEA-1(SLX)としても公知)、T抗原、Tn抗原、もしくはその組合せのうち1つもしくは複数であってもよく、あるいはそれを含んでいてもよい。
【0053】
一部の実施形態では、複合体を形成する細胞外小胞に存在する表面バイオマーカーは、(i)以下のヒト遺伝子:ACSL5、ACVR2B、ALDH18A1、ALG5、AP1M2、ATP1B1、B3GNT3、BCAP31、CASK、CD133、CDH1、CDH17、CDH3、CEACAM5、CEACAM6、CFB、CFTR、CHDH、CHMP4B、CISD2、CLIC1、COPG2、CYP2S1、DPEP1、DSG2、EDAR、EPCAM、EPHB2、EPHB3、ERMP1、FERMT1、GALNT3、GNPNAT1、GOLIM4、GPA33、GPCR5A、HACD3、HEPH、HKDC1、IHH、ILDR1、ITGA2、KCNQ1、KEL、KPNA2、LAD1、LAMC2、LBR、LMNB1、LMNB2、LSR、MAP7、MARCKSL1、MLEC、MUC1、MUC13、NCEH1、NDUFS6、NLN、NOX1、NUP210、OCIAD2、PGAM5、PIGR、PIGT、PTK7、RAB25、RAP2A、RAP2B、RCC2、RNF43、RPN1、RPN2、RPS3、RUVBL2、S100P、SLC12A2、SLC25A6、SLC2A1、SMIM22、SNTB1、SORD、SSR4、ST14、STOML2、STT3B、SYAP1、TM9SF2、TMED2、TMPO、TOMM22、TOMM34、AMHR2、CLDN1、DLL4、EGFR、ERBB2、FAP、FGFR4、FOLR1、GUCY2C、IGF1R、IL1A、ITGAV、KRT8、LGR5、LPR6、MET、MST1R、MUC5AC、TNFRSF10B、VEGFA、もしくはその組合せによってコードされる少なくとも1つのポリペプチド;および/または(ii)少なくとも1つの以下の炭水化物依存性マーカー:CanAg(MUC1のグリコフォーム)、Lewis Y/B抗原、Lewis B抗原、シアリルテトラオシル炭水化物、Tn抗原、シアリルTn(sTn)抗原、トムセン-フリーデンライヒ(T,TF)抗原、Lewis Y抗原(CD174としても公知)、シアリルLewis X(sLex)抗原(シアリルSSEA-1(SLX)としても公知)、シアリルLewis A抗原(CA19-9としても公知)、SSEA-1(Lewis X抗原としても公知)、NeuGcGM3、もしくはその組合せであってもよく、あるいはそれを含んでいてもよい。
【0054】
一部の実施形態では、複合体を形成する細胞外小胞に存在する表面バイオマーカーは、(i)以下のヒト遺伝子:ACVR2B、B3GNT3、CD133、CDH17、CDH3、CEACAM5、CEACAM6、CFB、CFTR、CYP2S1、DLL4、EDAR、EPCAM、EPHB2、EPHB3、ERBB2、FAP、GPCR5A、IHH、ILDR1、ITGAV、KCNQ1、KEL、MARCKSL1、MST1R、MUC1、MUC5AC、NOX1、OCIAD2、RNF43、SMIM22、もしくはその組合せによってコードされるポリペプチドのうちの1つもしくは複数;および/または(ii)以下の炭水化物依存性マーカー:Lewis Y抗原(CD174としても公知)、シアリルTn(sTn)抗原、シアリルLewis X(sLex)抗原(シアリルSSEA-1(SLX)としても公知)、T抗原、Tn抗原、もしくはその組合せのうちの1つもしくは複数であってもよく、あるいはそれを含んでいてもよい。
【0055】
一部の実施形態では、複合体を形成する細胞外小胞に存在する小胞内バイオマーカーは、ヒト遺伝子:AGMAT、AGR2、AGR3、ANKS4B、AP1M2、ARSE、ASCL2、BSPRY、C10orf99、C15orf48、C1orf106、C9orf152、CBLC、CCL24、CDCA7、CDX1、CDX2、DDC、DSG2、EHF、ELF3、EPS8L3、ESRP1、ESRP2、ETV4、EVPL、FABP1、FAM3D、FAM83E、FAM84A、FERMT1、FOXA2、FOXA3、FOXQ1、GPX2、GRB7、HKDC1、HMGCS2、HNF4A、HOXB9、KCNN4、KLK1、KRT20、KRT23、KRT8、LGALS4、METTL7B、MISP、MUC2、MYB、MYBL2、MYO1A、PHGR1、PITX1、PKP3、PLAC8、PLEK2、PLS1、PPP1R14D、PRR15、PTK6、S100A14、S100P、SAPCD2、SERPINB5、SPDEF、TRIM15、TRIM31、USH1C、VIL1、もしくはその組合せによってコードされる少なくとも1つのポリペプチドであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、本明細書に記載される小胞内バイオマーカーは、少なくとも1つの翻訳後改変を含んでいてもよい。
【0056】
一部の実施形態では、複合体を形成する細胞外小胞に存在する小胞内RNAバイオマーカーは、ヒト遺伝子:AGMAT、AGR2、AGR3、ANKS4B、ANO9、AP1M2、ARSE、ASCL2、ATP10B、B3GNT3、BIK、BSPRY、C10orf99、C15orf48、C1orf106、C1orf210、C9orf152、CA12、CBLC、CCL24、CD24、CDCA7、CDH1、CDH17、CDH3、CDHR1、CDHR5、CDX1、CDX2、CEACAM5、CEACAM6、CEACAM7、CFTR、CLDN2、CLDN3、CLDN4、CLDN7、CLRN3、COL17A1、CRB3、CYP2S1、DDC、DPEP1、DSG2、EHF、ELF3、EPCAM、EPHB3、EPS8L3、ERN2、ESRP1、ESRP2、ETV4、EVPL、FA2H、FABP1、FAM3D、FAM83E、FAM84A、FAT1、FERMT1、FOXA2、FOXA3、FOXQ1、FUT2、FUT3、FXYD3、GCNT3、GGT6、GJB1、GJB3、GPA33、GPR160、GPR35、GPX2、GRB7、GUCY2C、HKDC1、HMGCS2、HNF4A、HOXB9、IHH、ITLN1、KCNN4、KIAA1324、KLK1、KRT20、KRT23、KRT8、LGALS4、LGR5、LY6G6D、MEP1A、METTL7B、MISP、MUC13、MUC2、MYB、MYBL2、MYO1A、NOX1、PDZK1IP1、PHGR1、PIGR、PITX1、PKP3、PLAC8、PLEK2、PLS1、POF1B、PPP1R14D、PROM1、PRR15、PRSS8、PTK6、RAB25、RNF128、RNF186、RNF43、S100A14、S100P、SAPCD2、SERPINB5、SLC26A3、SLC39A5、SLC44A4、SLC5A1、SMIM22、SPDEF、ST6GALNAC1、TJP3、TM4SF5、TMC5、TMEM45B、TMPRSS2、TMPRSS4、TNS4、TRABD2A、TRIM15、TRIM31、TSPAN1、TSPAN8、UGT2B17、UGT8、USH1C、VIL1、もしくはその組合せによってコードされる少なくとも1つのRNA転写物(例えば、mRNA転写物)であってもよく、またはそれを含んでいてもよい。
【0057】
一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーに含まれる細胞外小胞関連表面バイオマーカーおよび/または表面バイオマーカーは、FERMT1ポリペプチドであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーに含まれる細胞外小胞関連表面バイオマーカーおよび/または表面バイオマーカーは、EPCAMポリペプチドであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーに含まれる細胞外小胞関連表面バイオマーカーおよび/または表面バイオマーカーは、EPHB2ポリペプチドであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーに含まれる細胞外小胞関連表面バイオマーカーおよび/または表面バイオマーカーは、 CEACAM6ポリペプチドであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーに含まれる細胞外小胞関連表面バイオマーカーおよび/または表面バイオマーカーは、CEACAM5ポリペプチドであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーに含まれる細胞外小胞関連表面バイオマーカーおよび/または表面バイオマーカーは、CDH17ポリペプチドであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーに含まれる細胞外小胞関連表面バイオマーカーおよび/または表面バイオマーカーは、MARCKSL1ポリペプチドであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーに含まれる細胞外小胞関連表面バイオマーカーおよび/または表面バイオマーカーは、TOMM34ポリペプチドであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーに含まれる細胞外小胞関連表面バイオマーカーおよび/または表面バイオマーカーは、S100Pポリペプチドであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーに含まれる細胞外小胞関連表面バイオマーカーおよび/または表面バイオマーカーは、EPHB3ポリペプチドであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーに含まれる細胞外小胞関連表面バイオマーカーおよび/または表面バイオマーカーは、CDH1ポリペプチドであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーに含まれる細胞外小胞関連表面バイオマーカーおよび/または表面バイオマーカーは、MUC13ポリペプチドであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーに含まれる細胞外小胞関連表面バイオマーカーおよび/または表面バイオマーカーは、SLC12A2ポリペプチドであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーに含まれる細胞外小胞関連表面バイオマーカーおよび/または表面バイオマーカーは、RAB25ポリペプチドであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーに含まれる細胞外小胞関連表面バイオマーカーおよび/または表面バイオマーカーは、LAMC2ポリペプチドであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーに含まれる細胞外小胞関連表面バイオマーカーおよび/または表面バイオマーカーは、DSG2ポリペプチドであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーに含まれる細胞外小胞関連表面バイオマーカーおよび/または表面バイオマーカーは、CASKポリペプチドであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーに含まれる細胞外小胞関連表面バイオマーカーおよび/または表面バイオマーカーは、LMNB2ポリペプチドであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。
【0058】
一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーに含まれる細胞外小胞関連表面バイオマーカーおよび/または表面バイオマーカーは、MUC1ポリペプチドであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーに含まれる細胞外小胞関連表面バイオマーカーおよび/または表面バイオマーカーは、ルイスY抗原であってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーに含まれる細胞外小胞関連表面バイオマーカーおよび/または表面バイオマーカーは、sTn抗原であってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーに含まれる細胞外小胞関連表面バイオマーカーおよび/または表面バイオマーカーは、sLex抗原であってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーに含まれる細胞外小胞関連表面バイオマーカーおよび/または表面バイオマーカーは、T抗原であってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーに含まれる細胞外小胞関連表面バイオマーカーおよび/または表面バイオマーカーは、Tn抗原であってもよく、またはそれを含んでいてもよい。
【0059】
細胞外小胞を含む目的のサイズ範囲を有し、結腸直腸がん特異的バイオマーカーシグネチャーを含む、ナノ粒子を含む複合体も本開示の範囲内であり、これは、少なくとも2つの本明細書に記載される表面バイオマーカーを含み、ナノ粒子は、結腸直腸がん特異的バイオマーカーシグネチャーの第1の表面バイオマーカーを対象にする結合部分を含む固体基材上に固定化される。一部の実施形態では、そのような複合体は、結腸直腸がん特異的バイオマーカーシグネチャーの表面バイオマーカー(同じまたは異なる表面バイオマーカーであり得る)をそれぞれ対象にする少なくとも2つの検出プローブにも結合し、それぞれの検出プローブは、個々の表面バイオマーカーに結合し、(i)表面バイオマーカーを対象にする結合部分;ならびに(ii)結合部分にカップリングされたオリゴヌクレオチドドメインであって、オリゴヌクレオチドドメインが、二本鎖部分、およびオリゴヌクレオチドドメインの一方の末端から伸びた一本鎖オーバーハング部分を含み、検出プローブの一本鎖オーバーハング部分が、互いにハイブリダイズする、オリゴヌクレオチドドメインをそれぞれ含む。
【0060】
一部の実施形態では、本開示は、(a)約30nm~約1000nmの範囲内のサイズを有し、その表面上に少なくとも第1の表面バイオマーカーおよび第2の表面バイオマーカーを含むナノ粒子であって、その組合せが、結腸直腸がんのための標的バイオマーカーシグネチャーであると決定されており、第1の表面バイオマーカーおよび第2の表面バイオマーカーが、(i)以下のヒト遺伝子:ACSL5、ACVR2B、ALDH18A1、ALG5、AP1M2、ATP1B1、B3GNT3、BCAP31、CASK、CD133、CDH1、CDH17、CDH3、CEACAM5、CEACAM6、CFB、CFTR、CHDH、CHMP4B、CISD2、CLIC1、COPG2、CYP2S1、DPEP1、DSG2、EDAR、EPCAM、EPHB2、EPHB3、ERMP1、FERMT1、GALNT3、GNPNAT1、GOLIM4、GPA33、GPCR5A、HACD3、HEPH、HKDC1、IHH、ILDR1、ITGA2、KCNQ1、KEL、KPNA2、LAD1、LAMC2、LBR、LMNB1、LMNB2、LSR、MAP7、MARCKSL1、MLEC、MUC1、MUC13、NCEH1、NDUFS6、NLN、NOX1、NUP210、OCIAD2、PGAM5、PIGR、PIGT、PTK7、RAB25、RAP2A、RAP2B、RCC2、RNF43、RPN1、RPN2、RPS3、RUVBL2、S100P、SLC12A2、SLC25A6、SLC2A1、SMIM22、SNTB1、SORD、SSR4、ST14、STOML2、STT3B、SYAP1、TM9SF2、TMED2、TMPO、TOMM22、TOMM34、AMHR2、CLDN1、DLL4、EGFR、ERBB2、FAP、FGFR4、FOLR1、GUCY2C、IGF1R、IL1A、ITGAV、KRT8、LGR5、LPR6、MET、MST1R、MUC5AC、TNFRSF10B、VEGFA、およびその組合せによってコードされるポリペプチド;および/または(ii)以下の炭水化物依存性マーカー:CanAg(MUC1のグリコフォーム)、Lewis Y/B抗原、Lewis B抗原、シアリルテトラオシル炭水化物、Tn抗原、シアリルTn(sTn)抗原、トムセン-フリーデンライヒ(T,TF)抗原、Lewis Y抗原(CD174としても公知)、シアリルLewis X(sLex)抗原(シアリルSSEA-1(SLX)としても公知)、シアリルLewis A抗原(CA19-9としても公知)、SSEA-1(Lewis X抗原としても公知)、NeuGcGM3(N-グリコリルGM3ガングリオシド)、およびその組合せからそれぞれ独立して選択される、ナノ粒子;(b)第1の表面バイオマーカーを対象にする標的捕捉部分を含む固体基材であって、標的捕捉部分が、ナノ粒子が固体基材上に固定化されるように、ナノ粒子の第1の表面バイオマーカーに結合する、固体基材;ならびに(c)ナノ粒子にそれぞれ結合した少なくとも第1の検出プローブおよび第2の検出プローブであって、それぞれの検出プローブが、(i)第2の表面バイオマーカーを対象にする標的結合部分;および(ii)標的結合部分にカップリングされたオリゴヌクレオチドドメインであって、オリゴヌクレオチドドメインが、二本鎖部分、およびオリゴヌクレオチドドメインの一方の末端から伸びた一本鎖オーバーハング部分を含み、第1および第2の検出プローブの一本鎖オーバーハング部分が、互いにハイブリダイズする、オリゴヌクレオチドドメインを含む、少なくとも第1の検出プローブおよび第2の検出プローブを含む複合体を記載する。
【0061】
一部の実施形態では、第1の表面バイオマーカーおよび第2の表面バイオマーカーは、(i)以下のヒト遺伝子:ACVR2B、B3GNT3、CD133、CDH17、CDH3、CEACAM5、CEACAM6、CFB、CFTR、CYP2S1、DLL4、EDAR、EPCAM、EPHB2、EPHB3、ERBB2、FAP、GPCR5A、IHH、ILDR1、ITGAV、KCNQ1、KEL、MARCKSL1、MST1R、MUC1、MUC5AC、NOX1、OCIAD2、RNF43、SMIM22、およびその組合せによってコードされるポリペプチド;ならびに/または(ii)以下の炭水化物依存性マーカー:Lewis Y抗原(CD174としても公知)、シアリルTn(sTn)抗原、シアリルLewis X(sLex)抗原(シアリルSSEA-1(SLX)としても公知)、T抗原、Tn抗原、およびその組合せからそれぞれ独立して選択される。
【0062】
本開示に包含されるこれらのおよび他の態様を、より詳細に下記および特許請求の範囲に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0063】
図1図1は、個々の細胞外小胞(EV)をプロファイリングする例示的なワークフローを示す模式図である。図は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を使用する血漿からのEVの精製、および特異的EV関連表面マーカーを提示するEVの免疫親和性捕捉(パネルA);本明細書に記載される一部の実施形態による標的実体検出アッセイを使用する、捕捉されたEV上の共局在化標的マーカー(例えば、小胞内バイオマーカーまたは表面バイオマーカー)の検出(パネルB)を示す。
【0064】
図2図2は、本明細書に記載される一部の実施形態による標的実体検出アッセイを示す模式図である。一部の実施形態では、標的実体検出アッセイは、検出プローブの組合せを使用し、この組合せは、がんの検出に特異的である。一部の実施形態では、二重システムは、生物学的実体(例えば、細胞外小胞)を含む試料に添加された、標的バイオマーカー1のための第1の検出プローブおよび標的バイオマーカー2のための第2の検出プローブを含む。一部の実施形態では、検出プローブは、オリゴヌクレオチドドメインにカップリングされた標的結合部分(例えば、親和性剤、例えば、標的バイオマーカーに対する抗体剤など)をそれぞれ含み、これは、二本鎖部分、およびオリゴヌクレオチドドメインの一方の末端から伸びた一本鎖オーバーハングを含む。第1および第2の検出プローブの別個の標的結合部分(例えば、親和性剤、例えば、それぞれ、標的バイオマーカー1および標的バイオマーカー2に対する抗体剤など)は、対応する一本鎖オーバーハングが互いにハイブリダイズし、このようにして、それらのオリゴヌクレオチドドメインのライゲーションが起こるように、近接して同じ生物学的実体(例えば、細胞外小胞)に局在する場合に、検出シグナルが発生する。例えば、対照実体(例えば、健康な対象試料由来の生物学的実体)は、標的バイオマーカー1および標的バイオマーカー2の一方または両方を発現せず、その結果、検出のシグナルは発生できない。しかしながら、がん試料(例えば、結腸直腸がん試料)由来の生物学的実体が、標的バイオマーカー1および標的バイオマーカー2を発現し、標的バイオマーカーが、同じ生物学的実体(例えば、細胞外小胞)において互いに十分に短い距離内に存在する場合、検出シグナルは発生する。
【0065】
図3図3は、本明細書に記載される一部の実施形態による標的実体検出アッセイを示す模式図である。図は、例示的な三重標的実体検出システムを示し、ここで、一部の実施形態では、標的バイオマーカーそれぞれのための3つまたはそれよりも多くの検出プローブは、生物学的実体(例えば、細胞外小胞)を含む試料に添加することができる。一部の実施形態では、検出プローブは、オリゴヌクレオチドドメインにカップリングされた標的結合部分(例えば、親和性剤、例えば、標的バイオマーカーに対する抗体剤など)をそれぞれ含み、これは、二本鎖部分、およびオリゴヌクレオチドドメインの一方の末端から伸びた一本鎖オーバーハングを含む。3つまたはそれよりも多くの検出プローブのすべての対応する一本鎖オーバーハングが、互いにハイブリダイズして、線状二本鎖複合体を形成し、二本鎖複合体の少なくとも1つの鎖のライゲーションが起こり、このようにして、ライゲーションされた得られた生成物が検出されるのを可能にする場合に、検出シグナルは発生する。
【0066】
図4図4は、それらの個々の一本鎖オーバーハングのハイブリダイゼーションにより線状配置で互いに接続された4つの検出プローブを含む二本鎖複合体の非限定的な例である。
【0067】
図5図5は、本明細書に記載される例示的な実施形態の標的実体検出アッセイを示す模式図である。一部の実施形態では、別個の標的それぞれのための多数の検出プローブは、生物学的実体(例えば、細胞外小胞)を含む試料に添加される。一部の実施形態では、検出プローブは、オリゴヌクレオチドドメインにカップリングされた標的結合部分(例えば、抗体剤)をそれぞれ含み、これは、二本鎖部分、およびオリゴヌクレオチドドメインの一方の末端から伸びた一本鎖オーバーハングを含む。すべての検出プローブが、同じ生物学的実体(例えば、細胞外小胞または分析物)に近接して局在し、その結果、対応する一本鎖オーバーハングが、ハイブリダイズして、線状二本鎖複合体を形成し、得られた線状二本鎖複合体の少なくとも1つの鎖のライゲーションが起こり、このようにして、ライゲーションされた生成物が検出されるのを可能にする場合に、検出シグナルは発生する。
【0068】
図6図6は、SEER Summary Stage 2000によるSEER 18 2010-2016、All Races、Both Sexesから取られた結腸直腸がんの診断のステージによる5年相対生存率を示す棒グラフを表す。
【0069】
図7図7は、結腸直腸がんについて、どのポイントで診断が行われるかをパーセンテージ(局在性、領域性、遠隔転移、および不明)で示す円グラフを表す。一般に、診断は、がんが最も致死的である遠隔転移ステージで行われる。SEER Summary Stage 2000によるSEER 18 2010-2016、All Races、Both Sexes。
【0070】
図8-1】図8は、少なくとも2つの表面バイオマーカーを発現する結腸直腸がん特異的細胞株において、および陰性対照群において、本明細書に記載される方法および/またはアッセイ(例えば、本明細書に記載される標的実体検出システム)を使用した、ある特定の例示的なバイオマーカーの組合せの特徴からのCt値を示す。パネルAは、BCAP31およびEPCAMのバイオマーカーの組合せを示し、パネルBは、BCAP31およびLeX抗原のバイオマーカーの組合せを示し、パネルCは、BCAP31およびsLex抗原のバイオマーカーの組合せを示し、パネルDは、CDH1およびsTn抗原のバイオマーカーの組合せを示し、パネルEは、CEACAM5およびLeX抗原のバイオマーカーの組合せを示し、パネルFは、CEACAM5およびLEY抗原のバイオマーカーの組合せを示し、パネルGは、CEACAM5およびsLex抗原のバイオマーカーの組合せを示し、パネルHは、CEACAM5およびsTn抗原のバイオマーカーの組合せを示し、パネルIは、CEACAM5およびT抗原のバイオマーカーの組合せを示し、パネルJは、CEACAM6およびLeX抗原のバイオマーカーの組合せを示し、パネルKは、CEACAM6およびLEY抗原のバイオマーカーの組合せを示し、パネルLは、CEACAM6およびsLex抗原のバイオマーカーの組合せを示し、パネルMは、CEACAM6およびsTn抗原のバイオマーカーの組合せを示し、パネルNは、EPCAMおよびLeX抗原のバイオマーカーの組合せを示し、パネルOは、EPCAMおよびsLex抗原のバイオマーカーの組合せを示し、パネルPは、LeX抗原およびLeX抗原のバイオマーカーの組合せを示し、パネルQは、LeX抗原およびsLex抗原のバイオマーカーの組合せを示し、パネルRは、LEY抗原およびMETのバイオマーカーの組合せを示し、パネルSは、LEY抗原およびsLex抗原のバイオマーカーの組合せを示し、パネルTは、LEY抗原およびsTn抗原のバイオマーカーの組合せを示し、パネルUは、LEY抗原およびTNFRSF10Bのバイオマーカーの組合せを示し、パネルVは、sLex抗原およびsTn抗原のバイオマーカーの組合せを示し、パネルWは、ERBB2およびMUC5Aのバイオマーカーの組合せを示し、パネルXは、DLL4およびITGAVのバイオマーカーの組合せを示し、パネルYは、ERBB2およびITGAVのバイオマーカーの組合せを示し、パネルZは、ITGAVおよびMUC5Aのバイオマーカーの組合せを示し、パネルAAは、DLL4およびMUC5Aのバイオマーカーの組合せを示す。
図8-2】同上。
図8-3】同上。
図8-4】同上。
図8-5】同上。
【0071】
図9図9は、OVCAR-3(陽性細胞株)およびSK-MEL-1(陰性細胞株)EVについてのEPCAM標的化免疫親和性捕捉後のMIF RT-PCRシグナル(45-Ct)を示す。複数の界面活性剤(Tween(登録商標)-20)濃度を評価し、0%のTween(登録商標)は、より大きいデルタCt値を示した。
【発明を実施するための形態】
【0072】
ある特定の定義
投与すること:本明細書で使用される場合、「投与すること」または「投与」という用語は、典型的には、薬剤それ自体または組成物に含まれる薬剤の標的部位または処置される部位への送達を達成するための組成物の対象への投与を指す。当業者は、適切な状況で、対象、例えば、ヒトへの投与に利用され得る各種の経路を承知しているであろう。例えば、一部の実施形態では、投与は、非経口であってもよい。一部の実施形態では、投与は、経口であってもよい。一部の実施形態では、投与は、単回用量のみを含んでいてもよい。一部の実施形態では、投与は、固定された数の用量の適用を含んでいてもよい。一部の実施形態では、投与は、断続的な(例えば、時間的に隔たりがある多数回の用量)および/または周期的(例えば、一般的な時間の隔たりがある個々の用量)な投薬である投薬を含み得る。一部の実施形態では、投与は、少なくとも選択された期間の継続的な投薬(例えば、灌流)を含み得る。
【0073】
親和性剤:「親和性剤」という用語は、本明細書で使用される場合、本明細書に記載される標的結合部分であるか、またはそれを含み、したがって、目的の標的(例えば、バイオマーカーまたはエピトープなどの目的の分子標的)に結合する、実体を指す。多くの実施形態では、本開示による親和性剤は、本明細書に記載されるバイオマーカーと特異的に結合する。多くの実施形態では、本開示による親和性剤は、本明細書に記載されるタンパク質バイオマーカーと特異的に結合する。一部の実施形態では、本開示による親和性剤は、本明細書に記載される炭水化物依存性バイオマーカーと特異的に結合する。一部の実施形態では、親和性剤は、抗体剤(例えば、抗体、またはその抗原結合部分であるか、もしくはそれを含む他の実体)であってもよく、またはそれを含んでいてもよい。代替的に、または加えて、一部の実施形態では、親和性剤は、アフィマー、アプタマー、レクチン、シアル酸結合免疫グロブリン型レクチン(siglecs)、およびその組合せ、ならびに/またはリガンドと考えられ得る別の結合剤からなる群から選択されてもよい。一部の実施形態では、親和性剤の標的(例えば、バイオマーカー標的)は、1つまたは複数のポリペプチド、核酸、炭水化物、および/もしくは脂質部分、および/もしくは実体であるか、またはそれを含む。
【0074】
薬剤:一般に、「薬剤」という用語は、本明細書で使用される場合、実体(例えば、脂質、金属、核酸、ポリペプチド、多糖、低分子など、またはその複合体、組合せ、混合物または系[例えば、細胞、組織、器官])、または現象(例えば、熱、電流または電場、磁力または磁場など)を指すために使用される。適切な状況では、当業者には文脈から明らかであろうように、この用語は、細胞もしくは器官、またはその画分、抽出物、もしくは構成要素であるか、あるいはそれを含む実体を指すために利用され得る。代替的に、または加えて、文脈が明らかにするであろうように、この用語は、天然で見出されるおよび/または天然から得られる天然産物を指すために使用され得る。一部の実例では、再び文脈から明らかであろうように、この用語は、人間の手作業により設計され、操作され、および/もしくは生成された、ならびに/または天然で見出されないという点で、人工的に作られた1つまたは複数の実体を指すために使用され得る。一部の実施形態では、薬剤は、単離または精製された形態で利用されてもよく、一部の実施形態では、薬剤は、粗製形態で利用されてもよい。一部の実施形態では、可能性のある薬剤は、例えば、それら内の活性な薬剤を同定または特徴付けるためにスクリーニングされ得る、コレクションまたはライブラリーとして提供されてもよい。一部の事例では、「薬剤」という用語は、ポリマーであるか、またはそれを含む、化合物または実体を指し得、一部の事例では、この用語は、1つまたは複数のポリマー部分を含む化合物または実態を指し得る。一部の実施形態では、「薬剤」という用語は、ポリマーではないか、ならびに/あるいは任意のポリマーおよび/または1つもしくは複数の特定のポリマー部分を実質的に含まない、化合物または実体を指し得る。一部の実施形態では、この用語は、任意のポリマー部分を欠くか、またはそれを実質的に含まない、化合物または実体を指し得る。
【0075】
増幅:「増幅」および「増幅する」という用語は、その初期の量および/またはレベルと比べて、核酸分子の量および/またはレベルの増加をもたらす温度依存性プロセスを指す。温度依存性プロセスは、一般に、プライマー分子の温度依存性伸長を含むプロセスであり、核酸の新たに合成された鎖の配列は、相補的塩基対形成の周知のルール(例えば、Watson, J. D. et al., In: Molecular Biology of the Gene, 4th Ed., W. A. Benjamin, Inc., Menlo Park, Calif. (1987)を参照されたい;本明細書に記載される目的のために、参照により本明細書に組み込まれる)によって表される。
【0076】
抗体剤:本明細書で使用される場合、「抗体剤」という用語は、特定の抗原に特異的に結合する薬剤を指す。一部の実施形態では、抗体剤は、特定の標的抗原への特異的結合を付与するのに十分な標準的な免疫グロブリン配列エレメントを含むポリペプチドを指す。当技術分野において公知であるように、天然で生成するインタクト抗体は、「Y型」構造と一般に称される互いと会合する2つの同一の重鎖ポリペプチド(それぞれ約50kD)および2つの同一の軽鎖ポリペプチド(それぞれ約25kD)から構成されるおよそ150kDの四量体剤である。それぞれの重鎖は、アミノ末端可変(VH)ドメイン(Y構造の先端に位置する)と、それに続く3つの定常ドメイン:CH1、CH2、およびカルボキシ末端CH3(Yの幹の根元に位置する)の少なくとも4つのドメイン(それぞれ約110アミノ酸長)から構成される。「スイッチ」として公知の短い領域は、重鎖可変領域および定常領域を接続する。「ヒンジ」は、CH2およびCH3ドメインを抗体の残部に接続する。このヒンジ領域における2つのジスルフィド結合は、インタクト抗体において2つの重鎖ポリペプチドを互いに接続する。それぞれの軽鎖は、別の「スイッチ」によって互いから分離された、アミノ末端可変(VL)ドメインと、それに続くカルボキシ末端定常(CL)ドメインの2つのドメインから構成される。インタクト抗体四量体は、重鎖および軽鎖が単一のジスルフィド結合によって互いに連結された、2つの重鎖-軽鎖二量体から構成され、2つの他のジスルフィド結合は、二量体が互いに接続され、四量体が形成されるように、重鎖ヒンジ領域を互いに接続する。天然に生成される抗体はまた、典型的には、CH2ドメイン上でグリコシル化されている。天然抗体におけるそれぞれのドメインは、圧縮された逆平行ベータバレルにおいて互いに対してパッキングされた2つのベータシート(例えば、3、4または5本鎖シート)から形成される「免疫グロブリンフォールド」によって特徴付けられた構造を有する。それぞれの可変ドメインは、「相補性決定領域」として公知の3つの超可変ループ(CDR1、CDR2、およびCDR3)および4つのいくらか不変の「フレームワーク」領域(FR1、FR2、FR3、およびFR4)を含有する。天然抗体がフォールドすると、FR領域は、ドメインに構造フレームワークを提供するベータシートを形成し、重鎖および軽鎖の両方由来のCDRループ領域は、それらがY構造の先端に位置する単一の超可変抗原結合部位を生じるように、三次元空間で一緒に集まる。天然に存在する抗体のFc領域は、補体系のエレメントに、そしてまた、例えば、細胞傷害性を媒介するエフェクター細胞を含むエフェクター細胞上の受容体に結合する。当技術分野において公知であるように、Fc受容体に対するFc領域の親和性および/または他の結合特質は、グリコシル化または他の改変によりモジュレートすることができる。一部の実施形態では、本発明に従って生成および/または利用される抗体は、グリコシル化のような改変または操作されたFcドメインを含む、グリコシル化Fcドメインを含む。本発明の目的のために、ある特定の実施形態では、天然抗体において見出される十分な免疫グロブリンドメイン配列を含む任意のポリペプチドまたはポリペプチドの複合体は、そのようなポリペプチドが、天然に生成される(例えば、抗原に反応する生物によって作成される)か、あるいは組換え工学、化学合成、または他の人工の系もしくは方法論によって生成されるかにかかわらず、「抗体」を指すことができ、および/または「抗体」として使用することができる。一部の実施形態では、抗体は、ポリクローナルであり、一部の実施形態では、抗体は、モノクローナルである。一部の実施形態では、抗体は、ウサギ、げっ歯類(例えば、マウス、ラット、ハムスターなど)、ラクダ類(例えば、ラマ、アルパカ)、ヒツジ、ヤギ、ウシ、ウマ、ニワトリ、ロバ、サメ、霊長類、ヒト、またはin vitro誘導化(例えば、酵母、ファージ)抗体に特徴的である定常領域配列を有する。一部の実施形態では、抗体配列エレメントは、当技術分野において公知であるように、ヒト化、霊長類化、キメラなどである。また、「抗体」という用語は、本明細書で使用される場合、適切な実施形態では(他に述べられているか、または文脈から明らかでない限り)、代替的な提示において抗体の構造および機能的特色を利用するための当技術分野で公知のまたは開発された構築物またはフォーマットのいずれかを指すことができる。例えば、一部の実施形態では、本発明に従って利用される抗体は、限定されるものではないが、IgA、IgG、IgEまたはIgM抗体;二重または多重特異性抗体(例えば、Zybodies(登録商標)など);抗体断片、例えば、Fab断片、Fab断片、F(ab’)2断片、Fd断片、および単離されたCDRまたはそのセット;一本鎖Fv;ポリペプチド-Fc融合物;シングルドメイン抗体、代替的なスキャフォールドまたは抗体ミメティック(例えば、アンチカリン、FN3モノボディ、Affibodies、Affilins、Affimers、Affitins、Alphabodies、Avimers、Fynomers、Im7、VLR、VNAR、Trimab、CrossMab、Trident);ナノボディ、ビナノボディ、di-sdFv、シングルドメイン抗体、三機能性抗体、ダイアボディ、およびミニボディなどから選択されるフォーマットである。一部の実施形態では、関連するフォーマットは、Adnectins(登録商標);Affibodies(登録商標);Affilins(登録商標);Anticalins(登録商標);Avimers(登録商標);BiTE(登録商標);ラクダ化抗体;Centyrins(登録商標);アンキリンリピートタンパク質またはDARPINs(登録商標);二重親和性再標的化(DART)剤;Fynomers(登録商標);サメシングルドメイン抗体、例えば、IgNAR;がんに対する免疫動員モノクローナルT細胞受容体(ImmTACs);KALBITOR(登録商標);MicroProteins;Nanobodies(登録商標)ミニボディ;マスク化抗体(例えば、Probodies(登録商標));小モジュラー免疫医薬(Small Modular ImmunoPharmaceuticals)(「SMIPs(商標)」);一本鎖もしくはタンデムダイアボディ(TandAb(登録商標));TCR様抗体;Trans-bodies(登録商標);TrimerX(登録商標);VHHであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、抗体は、天然に生成された場合に有するであろう共有結合性改変(例えば、グリカンの付着)を欠いていてもよい。一部の実施形態では、抗体は、共有結合性改変(例えば、グリカン、ペイロード[例えば、検出可能部分、治療薬部分、触媒部分など]または他のペンダント基[例えば、ポリエチレングリコールなど]の付着)を含有していてもよい。
【0077】
抗原:本明細書で使用される場合、「抗原」という用語は、1つまたは複数のエピトープを含み、したがって、親和性剤(例えば、抗体、アフィマー、またはアプタマー)を認識し、結合する、実体(例えば、分子または分子構造、例えば、ペプチドもしくはタンパク質、炭水化物、脂質粒子、オリゴヌクレオチド、化学分子、またはその組合せなど)を指す。
【0078】
およそまたは約:本明細書で使用される場合、「およそ」または「約」という用語は、目的の1つまたは複数の値に適用される場合、述べられた参照値に類似する値を指す。一般に、文脈に精通している当業者は、その文脈における「約」または「およそ」によって包含される変動の関連する程度を認識するであろう。例えば、一部の実施形態では、「およそ」または「約」という用語は、参照値の25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、またはそれ未満以内である値の範囲を包含し得る。
【0079】
アプタマー:本明細書で使用される場合、「アプタマー」という用語は、典型的には、特異的な標的分子(例えば、エピトープ)に結合する、核酸分子またはペプチド分子を指す。一部の実施形態では、核酸アプタマーは、ヌクレオチド配列によって記載されてもよく、典型的には、約15~60ヌクレオチドの長さである。核酸アプタマーは、一本鎖および/もしくは二本鎖構造であってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、核酸アプタマーは、DNAであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、核酸アプタマーは、RNAであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。任意の理論に縛られることを望まないが、アプタマー中のヌクレオチドの鎖が分子を複合体三次元形状にフォールドする分子内相互作用を形成し、この三次元形状が、アプタマーがその標的分子の表面に緊密に結合することを可能にすることが企図される。一部の実施形態では、ペプチドアプタマーは、タンパク質スキャフォールドによって提示される可変配列の1つまたは複数のペプチドループを有すると記載されることがある。ペプチドアプタマーは、コンビナトリアルライブラリーから単離することができ、多くの場合に、その後、定方向突然変異、または可変領域変異誘発および選択のラウンドによって改善することができる。すべての可能なヌクレオチドおよび/またはペプチド配列のユニバース内に存在する分子形状の桁外れの多様性を考慮すると、アプタマーは、タンパク質および低分子を含む幅広い分子標的について得られ得る。高い特異性に加えて、アプタマーは、典型的には、それらの標的について非常に高い親和性(例えば、タンパク質またはポリペプチドについて、ピコモルから低ナノモルの範囲の親和性)を有する。アプタマーは、典型的には、合成分子であるので、アプタマーは、各種の改変に適しており、これは、それらの機能を特定の適用のために最適化することができる。
【0080】
と関連する:この用語が本明細書で使用される場合、一方の存在、レベルおよび/または形態が、他方のそれらと相関する場合に、2つの事象または実体は、互いと「関連」している。例えば、特定の生物学的現象(例えば、特異的バイオマーカーの発現)は、その存在が結腸直腸がん(例えば、関連する集団全体)の発生および/または易罹患性と相関する場合、結腸直腸がん(例えば、結腸直腸がん(例えば、結腸直腸腺癌)の特異的な種類および/または結腸直腸がんのステージ)と関連していると考えられる。
【0081】
生物学的実体:適切な状況では、当業者には文脈から明らかであろうように、「生物学的実体」という用語は、一部の実施形態では、細胞または生物、例えば、動物またはヒトであり得るか、もしくはそれを含み得る、または一部の実施形態では、生体組織または生体液であり得るか、もしくはそれを含み得る、例えば、一部の実施形態では、対象に由来するか、またはそこから得られる生体試料中に存在する実体もしくは構成要素を指すために利用され得る。一部の実施形態では、生物学的実体は、細胞もしくは微生物、またはその画分、抽出物、もしくは構成要素(例えば、細胞内構成要素、および/または細胞もしくは微生物によって分泌される分子を含む)であるか、あるいはそれを含む。例えば、一部の実施形態では、生物学的実体は、細胞であるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、生物学的実体は、約30nm~約1000nmの範囲内のサイズを有するナノ粒子であるか、またはそれを含み、これは、一部の実施形態では、対象の体液試料(例えば、限定されるものではないが、血液試料、便試料など)から得られる。一部の実施形態では、そのようなナノ粒子は、例えば、一部の実施形態では、グリカン、および/もしくは細胞外小胞を含む、タンパク質凝集体であってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、そのようなナノ粒子は、約30nm~約1000nm、約50nm~約500nm、または約75nm~約500nmの範囲内のサイズを有していてもよい。一部の実施形態では、生物学的実体は、細胞外小胞であるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、生物学的実体は、生物学的分析物(例えば、代謝産物、炭水化物、タンパク質またはポリペプチド、酵素、脂質、細胞小器官、サイトカイン、受容体、リガンド、およびその任意の組合せ)であるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、試料中に存在する生物学的実体は、ネイティブ状態にある(例えば、タンパク質またはポリペプチドは、天然に存在するコンフォメーション構造で保持される)。一部の実施形態では、生物学的実体は、例えば、試料から単離すること、または天然に存在する生物学的実体から誘導体化することによって処理される。例えば、生物学的実体を、本明細書に提供される技術を利用して検出するためにより望ましいものであるように、1つまたは複数の化学剤で処理することができる。単に例として、生物学的実体は、固定剤(例えば、限定されるものではないが、メタノールおよび/またはホルムアルデヒド)と接触して、細胞または細胞外小胞に存在するタンパク質および/またはペプチドの架橋の形成を引き起こす、細胞または細胞外小胞であってもよい。一部の実施形態では、生物学的実体は、単離された形態または純粋な形態である(例えば、血液、血清、血漿、または便試料などのような、例えば、体液試料から単離される)。一部の実施形態では、生物学的実体は、複合マトリックス(例えば、血液、血清、血漿、または便試料などのような、例えば、体液試料)中に存在していてもよい。
【0082】
バイオマーカー:「バイオマーカー」という用語は、典型的には、その存在、レベル、程度、種類、および/または形態が、特定の生物学的事象または目的の状態と相関し、その結果、その事象または状態の「マーカー」であると考えられている、実体、事象、または特徴を指す。いくつかの例を挙げれば、一部の実施形態では、バイオマーカーは、特定の疾患状態、または特定の疾患、障害もしくは状態が発生し、起こり、もしくは再発し得る可能性についてのマーカーであってもよく、あるいはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、バイオマーカーは、特定の疾患もしくは治療成績、またはその可能性についてのマーカーであってもよく、あるいはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、バイオマーカーは、特定の組織(例えば、限定されるものではないが、脳、乳房、結腸、卵巣および/または女性生殖系と関連する他の組織、膵臓、前立腺および/または男性生殖系と関連する他の組織、肝臓、肺、ならびに皮膚)についてのマーカーであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。特定の組織についてのそのようなマーカーは、一部の実施形態では、健康な組織に特異的であってもよく、罹患組織に特異的であってもよく、または一部の実施形態では、正常な健康な組織および罹患組織(例えば、腫瘍)に存在していてもよく、本開示を読む当業者は、それぞれのそのような種類のバイオマーカーについての適切な状況を認識するであろう。一部の実施形態では、バイオマーカーは、がん特異的マーカー(例えば、特定のがんに特異的であるマーカー)であってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、バイオマーカーは、非特異的がんマーカー(例えば、少なくとも2つまたはそれよりも多くのがんに存在するマーカー)であってもよく、またはそれを含んでいてもよい。非特異的がんマーカーは、一部の実施形態では、がんについての一般的なマーカー(例えば、組織の種類にかかわらず、がんに典型的に存在するマーカー)、または一部の実施形態では、特異的な組織(例えば、限定されるものではないが、脳、乳房、結腸、卵巣および/または女性生殖系と関連する他の組織、膵臓、前立腺および/または男性生殖系と関連する他の組織、肝臓、肺、および皮膚)のがんについてのマーカーであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。そのため、一部の実施形態では、バイオマーカーは、予測的であり、一部の実施形態では、バイオマーカーは、予後的であり、一部の実施形態では、バイオマーカーは、目的の関連する生物学的事象または状況について診断的である。バイオマーカーは、任意の化学クラスの実体であってもよく、またはそれを含んでいてもよく、実体の組合せであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。例えば、一部の実施形態では、バイオマーカーは、核酸、ポリペプチド、脂質、炭水化物、低分子、無機剤(例えば、金属またはイオン)、もしくはその組合せであってもよく、またはそれらを含んでいてもよい。一部の実施形態では、バイオマーカーは、特定の分子、複合体、もしくは構造の一部分であるか、またはそれを含み、例えば、一部の実施形態では、バイオマーカーは、エピトープであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、バイオマーカーは、結腸直腸がん(例えば、結腸直腸腺癌)と関連する細胞外小胞の表面マーカー(例えば、表面タンパク質マーカー)である。一部の実施形態では、バイオマーカーは、小胞内(例えば、細胞外小胞内に存在するタンパク質またはRNAマーカー)である。一部の実施形態では、バイオマーカーは、遺伝的もしくはエピジェネティックシグネチャーであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、バイオマーカーは、遺伝子発現シグネチャーであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、本開示に従う使用のために適切な「バイオマーカー」は、標的マーカーに存在する分子実体(例えば、エピトープ)の存在、レベル、および/または形態を指し得る。例えば、一部の実施形態では、分子実体としての2つまたはそれよりも多くの「バイオマーカー」(例えば、エピトープ)は、同じ標的マーカー(例えば、マーカータンパク質、例えば、細胞外小胞に存在する表面タンパク質)上に存在していてもよい。
【0083】
血液由来試料:「血液由来試料」という用語は、本明細書で使用される場合、それを必要とする対象の血液試料(すなわち、全血試料)に由来する試料を指す。血液由来試料の例としては、限定されるものではないが、血漿(例えば、新鮮凍結血漿を含む)、血清、血液画分、血漿画分、血清画分、赤血球(RBC)、血小板、白血球などを含む血液画分、およびその画分を含む細胞溶解物(例えば、細胞、例えば、赤血球、白血球などは、細胞溶解物を得るために回収および溶解され得る)が挙げられる。一部の実施形態では、本明細書に記載される方法、システム、および/またはキットで使用される血液由来試料は、血漿試料である。
【0084】
がん:「がん」という用語は、本明細書では、一般に、目的の組織の細胞が、相対的に異常な、無制御の、および/または自律的な成長を示し、その結果、それらが、細胞増殖の制御の著しい喪失によって特徴付けられる異常な成長表現型を示す、疾患または状態を指すために使用される。一部の実施形態では、がんは、前がん状態(例えば、良性)、悪性、転移前、転移性、および/または非転移性である細胞を含み得る。本開示は、結腸直腸がん(例えば、結腸直腸腺癌を含む)の検出のための技術を提供する。
【0085】
捕捉アッセイ:本明細書で使用される場合、「捕捉アッセイ」という用語は、目的の生物学的実体を、試料(例えば、一部の実施形態では、体液由来試料)から単離するまたは分離するプロセスを指す。一部の実施形態では、目的の生物学的実体は、本明細書に記載される捕捉プローブを使用して、試料(例えば、一部の実施形態では、体液由来試料)から単離または分離される。一部の実施形態では、本明細書に記載される捕捉プローブに結合する目的の生物学的実体は、本明細書に記載される検出アッセイに供される。一部の実施形態では、本明細書に記載される捕捉アッセイに適した目的の生物学的実体は、細胞外小胞を含む目的のサイズ範囲を有するナノ粒子であるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、そのようなナノ粒子は、約30nm~約1000nm、約50nm~約500nm、または約75nm~約500nmの範囲内のサイズを有していてもよい。一部の実施形態では、本明細書に記載される捕捉アッセイに適した目的の生物学的実体は、目的の細胞外小胞(例えば、一部の実施形態では、エキソソーム)であるか、またはそれを含む。
【0086】
捕捉プローブ:本明細書で使用される場合、「捕捉プローブ」という用語は、目的の生物学的実体を、試料(例えば、一部の実施形態では、体液由来試料)から捕捉するための捕捉剤を指す。本明細書に記載される多くの実施形態では、捕捉剤は、目的の生物学的実体の表面ポリペプチドに結合する少なくとも1つの標的捕捉部分を含む。一部の実施形態では、そのような目的の生物学的実体は、細胞外小胞を含む目的のサイズ範囲を有するナノ粒子であるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、そのようなナノ粒子は、約30nm~約1000nm、約50nm~約500nm、または約75nm~約500nmの範囲内のサイズを有していてもよい。一部の実施形態では、そのような目的の生物学的実体は、細胞外小胞(例えば、一部の実施形態では、エキソソーム)を含む。一部の実施形態では、捕捉剤は、例えば、細胞外小胞(例えば、一部の実施形態では、エキソソーム)を含む、約30nm~約1000nmの範囲内のサイズを有するナノ粒子の表面バイオマーカー(例えば、本明細書に記載されるもの)に結合する少なくとも1つの標的部分を含む。一部の実施形態では、捕捉剤の標的捕捉部分は、本明細書に記載される親和性剤であるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、捕捉剤の標的捕捉部分は、抗体剤であるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、捕捉剤の標的捕捉部分は、レクチンもしくはシアル酸結合免疫グロブリン型レクチンであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、捕捉剤は、その標的捕捉部分がそれらに固定化されるように、固体基材を含んでいてもよい。一部の実施形態では、例示的な固体基材は、ビーズ(例えば、磁気ビーズ)である。一部の実施形態では、捕捉プローブは、本明細書に記載される表面バイオマーカーに特異的に結合する標的捕捉部分を含む磁気ビーズの集団であるか、またはそれを含む。
【0087】
分類カットオフ:本明細書で使用される場合、「分類カットオフ」という用語は、例えば、集団の2つまたはそれよりも多くのサブセット(例えば、正常な健康な対象および炎症状態を有する対象対結腸直腸腺癌対象)の中で1つまたは複数の境界線を規定することによって、疾患または状態(例えば、結腸直腸腺癌)についての対象のリスクを予測するために使用される、レベル、値、もしくはスコア、または値のセット、または指標を指す。一部の実施形態では、分類カットオフは、必要に応じて、他の適切な変数、例えば、対象の年齢、生活歴関連リスク因子、遺伝的因子、身体的および/または医学的状態と組み合わせて、本明細書に記載される標的バイオマーカーシグネチャーについての少なくとも1つの参照閾値レベル(例えば、参照カットオフ)を参照して決定されてもよい。分類が単一の標的バイオマーカーシグネチャー(例えば、本明細書に記載される通り)に基づく一部の実施形態では、分類カットオフは、単一の標的バイオマーカーシグネチャーについて事前に決定された参照閾値(例えば、カットオフ)と同じであってもよい。分類が2つまたはそれよりも多く(例えば、2、3、4、またはそれよりも多く)の標的バイオマーカーシグネチャーに基づく一部の実施形態では、分類カットオフは、対応する標的バイオマーカーシグネチャーについてそれぞれ個々に事前に決定された2つまたはそれよりも多くの参照閾値(例えば、カットオフ)を参照してもよく、必要に応じて、1つまたは複数の適切な変数、例えば、対象の年齢、生活歴関連リスク因子、遺伝的因子、身体的および/または医学的状態を組み込んでよい。一部の実施形態では、分類カットオフは、必要に応じて、他の適切な変数、例えば、対象の年齢、生活歴関連リスク因子、遺伝的因子、身体的および/または医学的状態と組み合わせて、本明細書に記載される標的バイオマーカーシグネチャーについての少なくとも1つの参照閾値レベル(例えば、参照カットオフ)を参照するコンピューターアルゴリズム媒介解析を介して決定されてもよい。
【0088】
近接:「近接」という用語は、本明細書で使用される場合、検出プローブ間の相互作用(例えば、個々のオリゴヌクレオチドドメインによる)がおそらく起こると予測されるように十分に近い2つの検出プローブ(例えば、一対における2つの検出プローブ)間の距離を指す。例えば、一部の実施形態では、ある期間にわたって2つの検出プローブが互いと相互作用する(例えば、個々のオリゴヌクレオチドドメインによる)確率は、既定の条件下(例えば、検出プローブが細胞外小胞において個々の標的に結合する場合)で互いに十分に近接している場合に、例えば、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、またはそれよりも高いを含んで、少なくとも50%またはそれよりも高い。一部の実施形態では、2つの検出プローブ間の距離は、それらが互いに十分に近接している場合に、およそ0.1~1000nmの間、または0.5~500nmの間、または1~250nmの間の範囲であってもよい。一部の実施形態では、2つの検出プローブ間の距離は、それらが互いに十分に近接している場合に、およそ0.1~10nmの間、またはおよそ0.5~5nmの間であってもよい。一部の実施形態では、2つの検出プローブ間の距離は、それらが互いに十分に近接している場合に、例えば、90nm未満、80nm未満、70nm未満、60nm未満、50nm未満、40nm未満、30nm未満、20nm未満、10nm未満、5nm未満、1nm未満、またはそれよりも短いものを含んで、100nm未満またはそれよりも短くてもよい。一部の実施形態では、2つの検出プローブ間の距離は、それらが互いに十分に近接している場合に、およそ40~1000nmの間、または40nm~500nmの間の範囲であってもよい。
【0089】
比較可能な:本明細書で使用される場合、「比較可能な」という用語は、互いに同一でなくてもよいが、それらの間の比較を可能にするのに十分に類似しており、その結果、当業者が、観察される相違または類似性に基づいて結論を合理的に導き出し得ると認識するであろう、2つまたはそれよりも多くの薬剤、実体、状況、条件のセットなどを指す。一部の実施形態では、条件、状況、個体、または集団の比較可能なセットは、多数の実質的に同一の特色および種々の特色のうちの1つまたは少ない数によって特徴付けられる。当業者は、文脈において、任意の所与の状況で2つまたはそれよりも多くのそのような薬剤、実体、状況、条件のセットなどが比較可能と考えられるのにどの程度の同一性が必要とされるかを理解するであろう。例えば、当業者は、状況、個体、または集団の異なるセット下で得られた結果、またはそれを用いて観察された現象の相違が、変化した特色における変動によって引き起こされるか、またはそれを示すという合理的な結論を保証するために十分な数および種類の実質的に同一の特色によって特徴付けられた場合に、状況、個体、または集団のセットは互いに比較可能であると認識するであろう。
【0090】
相補的:本明細書で使用される場合、核酸塩基対形成の文脈における「相補的」という用語は、塩基対形成規則によって関連付けられるオリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションを指す。例えば、配列「C-A-G-T」は、配列「G-T-C-A」に相補的である。相補性は、部分的または全体的であり得る。そのため、任意の程度の部分的相補性は、部分的相補性がオリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションを許容するという条件で、「相補的」という用語の範囲内に含まれることが意図される。部分的相補性は、1つまたは複数の核酸塩基が、塩基対形成規則に従ってマッチしない場合である。核酸間の全体的または完全相補性は、ありとあらゆる核酸塩基が、塩基対形成規則の下で別の塩基とマッチする場合である。特定のがんの検出のためのバイオマーカーの組合せを同定する文脈では、「相補性」という用語は、本明細書において、異なる情報内容(例えば、別個の、実質的に重複しない対象のサブグループにおけるがんを検出する能力)を有するバイオマーカーのセットを参照して使用される。例えば、セット1およびセット2のバイオマーカーの2つのセットは、例えば、セット1が、集団中の対象の群(例えば、群A)においてがんを検出し、セット2が、群Aにおいてではなく、同じ集団中の対象の実質的に別々のおよび重複しない群(例えば、群B)においてがんを検出する場合に、互いに「相補的」であると言われる。同様に、セット1は、群B中のかなりの数の対象においてがんを検出しない。
【0091】
検出すること:「検出すること」という用語は、本明細書において、結腸直腸がん(例えば、結腸直腸腺癌)の標的バイオマーカーシグネチャーを発現する細胞外小胞またはそのような細胞外小胞を示す測定の任意の形態の存在または非存在を決定する適切な手段を含むように広く使用される。そのため、「検出すること」は、任意の方法で標的バイオマーカーシグネチャーの部分に対応する目的の実体(例えば、表面バイオマーカー、小胞内バイオマーカー、または小胞内RNAバイオマーカー)の存在もしくは非存在、レベル、量、および/または場所を決定すること、測定すること、査定すること、またはアッセイすることを含み得る。一部の実施形態では、「検出すること」は、目的の実体(例えば、表面バイオマーカーおよび/もしくは小胞内バイオマーカーを示すライゲーションされた鋳型、または小胞内mRNAを示すPCR増幅産物)を示す測定の形態を決定すること、測定すること、査定すること、または定量化することを含み得る。半定量的を含んで、定量的および定性的な決定、測定または査定が含まれる。そのような決定、測定または査定は、例えば、目的の実体(例えば、表面バイオマーカー、小胞内バイオマーカー、または小胞内RNAバイオマーカー)またはそれを示す測定の形態が、対照参照、または絶対的なものと比べて検出される場合に、相対的であり得る。そのため、「定量化すること」という用語は、目的の実体(例えば、表面バイオマーカー、小胞内バイオマーカー、または小胞内RNAバイオマーカー)またはそれを示す測定の形態を定量化する文脈において使用される場合、絶対的または相対的定量化を指し得る。絶対的定量化は、目的の実体(例えば、表面バイオマーカー、小胞内バイオマーカー、または小胞内RNAバイオマーカー)の検出されたレベルまたはそれを示す測定の形態を、公知の対照標準に相関させることによって(例えば、標準曲線の作成により)達成されてもよい。あるいは、相対的定量化は、2つまたはそれよりも多くの異なる目的の実体(例えば、異なる表面バイオマーカー、小胞内バイオマーカー、または小胞内RNAバイオマーカー)間で検出されたレベルまたは量を比較して、目的の2つまたはそれよりも多くの異なる実体のそれぞれの、すなわち、互いと比べた、相対的定量化を提供することによって達成することができる。
【0092】
検出標識:「検出標識」という用語は、本明細書で使用される場合、検出可能である、任意の元素、分子、官能基、化合物、断片または部分を指す。一部の実施形態では、検出標識は、単独で提供または利用される。一部の実施形態では、検出標識は、別の薬剤との会合(例えば、接合させる)において、提供および/または利用される。検出標識の例としては、限定されるものではないが、さまざまなリガンド、放射性核種(例えば、H、14C、18F、19F、32P、35S、135I、125I、123I、64Cu、187Re、111In、90Y、99mTc、177Lu、89Zrなど)、蛍光色素、化学発光剤(例えば、アクリジニウムエステル、安定化ジオキセタンなどのような)、生物発光剤、スペクトル分解可能な無機蛍光半導体ナノ結晶(すなわち、量子ドット)、金属ナノ粒子(例えば、金、銀、銅、白金など)ナノクラスター、常磁性金属イオン、酵素、比色標識(例えば、色素、コロイド金などのような)、ビオチン、ジゴキシゲニン、ハプテン、および抗血清またはモノクローナル抗体が利用可能であるタンパク質が挙げられる。
【0093】
検出プローブ:「検出プローブ」という用語は、典型的には、特異的標的の検出および/または定量化を対象にするプローブを指す。一部の実施形態では、検出プローブは、特異的標的のレベルを表す指標を提供する定量化プローブである。本開示によれば、検出プローブは、オリゴヌクレオチドドメインに直接的または間接的にカップリングした標的結合実体を含む組成物を指し、ここで、標的結合実体は、個々の標的(例えば、分子標的)に特異的に結合し、オリゴヌクレオチドドメインの少なくとも一部分は、別個の標的のための別の検出プローブのオリゴヌクレオチドドメインの一部分とのハイブリダイゼーションを可能にするように設計される。多くの実施形態で、本開示による使用のために適切なオリゴヌクレオチドドメインは、二本鎖部分、および少なくとも1つの一本鎖オーバーハングを含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドドメインは、二本鎖部分、および二本鎖部分のそれぞれの末端の一本鎖オーバーハングを含んでいてもよい。一部の実施形態では、検出プローブの標的結合実体は、本明細書に記載される親和性剤であるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、検出プローブの標的結合実体は、抗体剤であるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、検出プローブの標的結合実体は、レクチンもしくはシアル酸結合免疫グロブリン型レクチン(siglec)であるか、またはそれを含む。
【0094】
二本鎖:本明細書で使用される場合、オリゴヌクレオチドドメインの文脈における「二本鎖」という用語は、一対のオリゴヌクレオチドが、水素結合したらせん配置で、典型的には、例えば、DNAなどの核酸と会合して存在していることが当業者によって理解される。二本鎖オリゴヌクレオチドの100%相補的形態に加えて、「二本鎖」という用語は、本明細書で使用される場合、ミスマッチ(例えば、部分的相補性)および/またはバルジ、ループ、もしくはヘアピンとしての構造的特色を含むそれらの形態を指すことも意味する。
【0095】
二本鎖複合体:本明細書で使用される場合、「二本鎖複合体」という用語は、典型的には、検出プローブの相補的一本鎖オーバーハングのハイブリダイゼーションにより線状配置で互いに接続またはカップリングされた標的(同じ標的または別個の標的であり得る)をそれぞれ対象にする少なくとも2つまたはそれよりも多く(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、またはそれよりも多くを含む)の検出プローブ(例えば、本明細書で提供されるおよび/または利用される通り)を含む複合体を指す。一部の実施形態では、そのような二本鎖複合体は、細胞外小胞を含んでいてもよく、検出プローブの個々の標的結合部分は、細胞外小胞に同時に結合している。
【0096】
エピトープ:本明細書で使用される場合、「エピトープ」という用語は、親和性剤(例えば、限定されるものではないが、抗体、アフィマー、および/またはアプタマー)によって特異的に認識される任意の部分を含む。一部の実施形態では、エピトープは、抗原上の多数の化学原子または基から構成される。一部の実施形態では、そのような化学原子または基は、抗原が関連する三次元コンフォメーションを採用する場合に、表面に露出する。一部の実施形態では、そのような化学原子または基は、抗原がそのようなコンフォメーションを採用する場合に、空間において、物理的に互いに近い。一部の実施形態では、基である少なくとも一部のそのような化学原子は、抗原が代替コンフォメーションを採用する(例えば、線状化されている)場合に、物理的に互いから分離されている。
【0097】
細胞外小胞:本明細書で使用される場合、「細胞外小胞」という用語は、典型的には、例えば、細胞によって分泌される、細胞の外側の小胞を指す。分泌される小胞の例としては、限定されるものではないが、エキソソーム、微小小胞体、マイクロ粒子、エクトソーム、オンコソーム、およびアポトーシス小体が挙げられる。理論に縛られることを望まないが、エキソソームは、多胞性エンドソーム(MVE)の境界膜の内側への出芽によって形成され得る細胞内起源のナノメートルサイズの小胞体(例えば、40nm~120nm)である一方で、微小小胞体は、典型的には、細胞表面から出芽し、それらのサイズは、50nm~1000nmで変わり得る。一部の実施形態では、細胞外小胞は、エキソソームおよび/もしくは微小小胞体であるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、細胞外小胞を含む試料は、アポトーシス小体を実質的に含まない。一部の実施形態では、細胞外小胞を含む試料は、1つまたは複数の組織(例えば、がん性組織および/または非がん性もしくは健康な組織)から脱落するか、またはそれに由来する細胞外小胞を含んでいてもよい。一部の実施形態では、試料中の細胞外小胞は、結腸直腸がん(例えば、結腸直腸腺癌)腫瘍から脱落するか、またはそれに由来していてもよく、一部の実施形態では、細胞外小胞は、非結腸直腸がん(例えば、非結腸直腸腺癌)の腫瘍から脱落するか、またはそれに由来する。一部の実施形態では、細胞外小胞は、健康な組織から脱落するか、またはそれに由来する。一部の実施形態では、細胞外小胞は、良性結腸直腸腫瘍から脱落するか、またはそれに由来する。一部の実施形態では、細胞外小胞は、結腸直腸がん(例えば、結腸直腸腺癌)と関連する症状(例えば、非特異的症状)を有する対象の組織から脱落するか、またはそれに由来する。
【0098】
細胞外小胞関連膜結合ポリペプチド:本明細書で使用される場合、そのような用語は、細胞外小胞の膜に存在するポリペプチドを指す。一部の実施形態では、そのようなバイオマーカーは、膜の細胞外側と関連していてもよい。一部の実施形態では、そのようなポリペプチドは、腫瘍特異的であってもよい。一部の実施形態では、そのようなポリペプチドは、組織特異的(例えば、結腸組織特異的または直腸組織特異的)であってもよい。一部の実施形態では、そのようなポリペプチドは、非特異的であってもよく、例えば、これは、1つもしくは複数の非標的腫瘍、および/または1つもしくは複数の非標的組織に存在する。
【0099】
ハイブリダイゼーション:本明細書で使用される場合、「ハイブリダイズすること」、「ハイブリダイズする」、「ハイブリダイゼーション」、「アニールすること」、または「アニールする」という用語は、ハイブリダイズ複合体を形成する塩基対形成により核酸のある鎖が相補鎖に接合される任意のプロセスを使用する相補的核酸の対形成に言及する際に、互換的に使用される。ハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼーションの強さ(例えば、核酸間の会合の強さ)は、例えば、核酸間の相補性の程度、関与する条件のストリンジェンシー、形成されるハイブリダイゼーション複合体の融解温度(T)、および核酸内のG:C比を含むさまざまな因子によって影響を受ける。
【0100】
小胞内タンパク質バイオマーカー:本明細書で使用される場合、「小胞内タンパク質バイオマーカー」という用語は、生物学的実体(例えば、細胞または細胞外小胞)内に存在するポリペプチドの状態(例えば、存在、レベル、および/または活性)を示すマーカーを指す。多くの実施形態では、小胞内タンパク質バイオマーカーは、細胞外小胞と会合しているか、またはその中に存在する。多くの実施形態では、小胞内タンパク質バイオマーカーは、可逆的な(例えばリン酸化)または不可逆的な(例えば、切断)様式で、翻訳後に改変されていてもよい。一部の実施形態では、小胞内タンパク質バイオマーカーは、リン酸化ポリペプチドであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、小胞内タンパク質バイオマーカーは、突然変異ポリペプチドであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。
【0101】
小胞内RNAバイオマーカー:本明細書で使用される場合、「小胞内RNAバイオマーカー」という用語は、生物学的実体(例えば、細胞または細胞外小胞)内に存在するRNAの状態(例えば、存在および/またはレベル)を示すマーカーを指す。多くの実施形態では、小胞内RNAバイオマーカーは、細胞外小胞と会合しているか、またはその中に存在する。一部の実施形態では、小胞内RNAバイオマーカーは、がんと関連するか、またはがんに特異的である。一部の実施形態では、小胞内RNAバイオマーカーは、mRNA転写物であるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、小胞内RNAバイオマーカーは、ノンコーディングRNAであるか、またはそれを含む。例示的なノンコーディングRNAとしては、限定されるものではないが、核内低分子RNA、マイクロRNA(miRNA)、核小体低分子RNA(snoRNA)、環状RNA(circRNA)、長鎖ノンコーディングRNA(lncRNA)、小型ノンコーディングRNA、piwi相互作用RNAなどが挙げられ得る。がんのためのある特定のRNAバイオマーカーは、先行技術、例えば、Xi et al. "RNA Biomarkers: Frontier of Precision Medicine for Cancer" Noncoding RNA (2017) 3:9に記載されており、その内容は、本明細書に記載される目的のために、参照により本明細書に組み込まれる。一部の実施形態では、小胞内RNAバイオマーカーは、オーファンノンコーディングRNA(oncRNA)であるか、またはそれを含む。がん特異的である、ある特定のoncRNAは、例えば、Teng et al. "Orphan noncoding RNAs: novel regulators and cancer biomarkers" Ann Transl Med (2019) 7:S21;Fish et al. "Cancer cells exploit an orphan RNA to drive metastatic progression" Nature Medicine (2018) 24: 1743-1751;国際特許公開第WO2019/094780号に記載されているように、参考文献で同定および記載されており、そのそれぞれは、本明細書に記載される目的のために、参照により本明細書に組み込まれる。一部の実施形態では、小胞内RNAバイオマーカーは、長鎖ノンコーディングRNAであるか、またはそれを含む。がんのためのある特定のノンコーディングRNAバイオマーカーは、例えば、Qian et al. "Long Non-coding RNAs in Cancer: Implications for Diagnosis, Prognosis, and Therapy" Front. Med. (2020) Volume 7, Article 612393に記載されているように、当技術分野で記載されており、その内容は、本明細書に記載される目的のために、参照により本明細書に組み込まれる。一部の実施形態では、小胞内RNAバイオマーカーは、piwiRNAであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、小胞内RNAバイオマーカーは、miRNAであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、小胞内RNAバイオマーカーは、snoRNAであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、小胞内RNAバイオマーカーは、circRNAであるか、またはそれを含む。
【0102】
リガーゼ:本明細書で使用される場合、「リガーゼ」または「核酸リガーゼ」という用語は、核酸をライゲーションする使用のための酵素を指す。一部の実施形態では、リガーゼは、ポリヌクレオチドの3’末端をポリヌクレオチドの5’末端にライゲーションする使用のための酵素である。一部の実施形態では、リガーゼは、付着末端ライゲーションを行う使用のための酵素である。一部の実施形態では、リガーゼは、平滑末端ライゲーションを行う使用のための酵素である。一部の実施形態では、リガーゼは、DNAリガーゼであるか、またはそれを含む。
【0103】
生活歴関連リスク因子:本明細書で使用される場合、「生活歴リスク因子」という用語は、そのような活動、経験、病歴、および/または曝露をそれらの生活において有さない個体と比べて、ある状態、例えば、結腸直腸腺癌などのがんについての個体のリスクを直接的または間接的に増加させ得るそれらの生活における個体の活動、経験、病歴、および/または曝露を指す。一部の実施形態では、生活歴関連リスク因子の非限定的な例としては、喫煙、アルコール、薬物、発がん物質、食事、肥満、糖尿病、身体活動、日光曝露、放射線曝露、瀝青煙曝露、ウイルスおよび細菌などの感染病原体への曝露、ならびに/または職業上の危険が挙げられる(Reid et al., 2017;これは、本明細書に記載される目的のために、参照により本明細書に組み込まれる)。当業者は、がん(例えば、結腸直腸腺癌)易罹患性に寄与する生活歴関連リスク因子の上記のリストが、網羅的ではなく、絶えず進化していることを認識する。
【0104】
ライゲーション:本明細書で使用される場合、「ライゲーションする」、「ライゲーションすること」または「ライゲーション」という用語は、2つのオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドを接合するための当技術分野において公知の方法または組成物を指す。ライゲーションは、付着末端ライゲーションもしくは平滑末端ライゲーションであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、提供される技術に関与するライゲーションは、付着末端ライゲーションであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、ライゲーションは、ポリヌクレオチドの3’末端をポリヌクレオチドの5’末端に接合することを指す。一部の実施形態では、ライゲーションは、核酸リガーゼの使用によって容易にされる。
【0105】
ナノ粒子:「ナノ粒子」という用語は、検出アッセイ(例えば、本明細書に記載される通り)のための試料の文脈で使用される場合、約30nm~約1000nmの範囲のサイズを有する粒子を指す。一部の実施形態では、ナノ粒子は、約30nm~約750nmの範囲のサイズを有する。一部の実施形態では、ナノ粒子は、約50nm~約750nmの範囲のサイズを有する。一部の実施形態では、ナノ粒子は、約30nm~約500nmの範囲のサイズを有する。一部の実施形態では、ナノ粒子は、約50nm~約500nmの範囲のサイズを有する。一部の実施形態では、ナノ粒子は、例えば、一部の実施形態では、サイズ排除に基づく方法(例えば、一部の実施形態では、サイズ排除クロマトグラフィー)によって、対象の体液試料から得られる。一部の実施形態では、ナノ粒子は、分析物凝集体であるか、またはそれを含み、これは、一部の実施形態では、タンパク質もしくはムチン凝集体であってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、ナノ粒子は、タンパク質多量体であるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、ナノ粒子は、細胞外小胞であるか、またはそれを含む。
【0106】
非がん対象:本明細書で使用される場合、「非がん対象」という用語は、一般に、非良性結腸直腸がん、より具体的には、結腸直腸腺癌を有さない対象を指す。例えば、一部の実施形態では、非がん対象は、健康な対象である。一部の実施形態では、非がん対象は、55歳より下の健康な対象である。一部の実施形態では、非がん対象は、55歳またはそれを超える健康な対象である。一部の実施形態では、非がん対象は、非結腸関連の健康上の疾患、障害、または状態を有する対象である。一部の実施形態では、非がん対象は、結腸直腸腔および周辺の領域に良性腫瘍を有する対象である。
【0107】
核酸/オリゴヌクレオチド:本明細書で使用される場合、「核酸」という用語は、少なくとも10のヌクレオチドまたはそれよりも多くのヌクレオチドのポリマーを指す。一部の実施形態では、核酸は、DNAであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、核酸は、RNAであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、核酸は、ペプチド核酸(PNA)であるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、核酸は、一本鎖核酸であるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、核酸は、二本鎖核酸であるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、核酸は、一本鎖部分および二本鎖部分の両方を含む。一部の実施形態では、核酸は、1つまたは複数のホスホジエステル連結を含む骨格を含む。一部の実施形態では、核酸は、ホスホジエステルおよび非ホスホジエステル連結の両方を含む骨格を含む。例えば、一部の実施形態では、核酸は、例えば、「ペプチド核酸」においてのように、1つもしくは複数のホスホロチオエートもしくは5’-N-ホスホラミダイト連結、および/または1つもしくは複数のペプチド結合を含む骨格を含んでいてもよい。一部の実施形態では、核酸は、1つもしくは複数、またはすべての天然残基(例えば、アデニン、シトシン、デオキシアデノシン、デオキシシチジン、デオキシグアノシン、デオキシチミジン、グアニン、チミン、ウラシル)を含む。一部の実施形態では、核酸は、1つもしくは複数、またはすべての非天然残基を含む。一部の実施形態では、非天然残基は、ヌクレオシドアナログ(例えば、2-アミノアデノシン、2-チオチミジン、イノシン、ピロロ-ピリミジン、3-メチルアデノシン、5-メチルシチジン、C-5プロピニル-シチジン、C-5プロピニル-ウリジン、2-アミノアデノシン、C5-ブロモウリジン、C5-フルオロウリジン、C5-ヨードウリジン、C5-プロピニル-ウリジン、C5-プロピニル-シチジン、C5-メチルシチジン、2-アミノアデノシン、7-デアザアデノシン、7-デアザグアノシン、8-オキソアデノシン、8-オキソグアノシン、6-O-メチルグアニン、2-チオシチジン、メチル化塩基、インターカレート化塩基、およびその組合せ)を含む。一部の実施形態では、非天然残基は、天然残基におけるものと比較して、1つまたは複数の改変糖(例えば、2’-フルオロリボース、リボース、2’-デオキシリボース、アラビノース、およびヘキソース)を含む。一部の実施形態では、核酸は、RNAまたはポリペプチドなどの機能性遺伝子産物をコードするヌクレオチド配列を有する。一部の実施形態では、核酸は、1つまたは複数のイントロンを含むヌクレオチド配列を有する。一部の実施形態では、核酸は、天然起源からの単離、酵素的合成(例えば、in vivoもしくはin vitroでの、例えば、相補的鋳型に基づく重合、組換え細胞もしくは系における再生産、または化学合成によって調製されてもよい。一部の実施形態では、核酸は、少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、600、700、800、900、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000、5500、6000、6500、7000、7500、8000、8500、9000、9500、10,000、10,500、11,000、11,500、12,000、12,500、13,000、13,500、14,000、14,500、15,000、15,500、16,000、16,500、17,000、17,500、18,000、18,500、19,000、19,500、もしくは20,000、またはそれよりも多くの残基またはヌクレオチド長である。
【0108】
ヌクレオチド:本明細書で使用される場合、「ヌクレオチド」という用語は、その当技術分野において認識される意味を指す。ヌクレオチドの数が、例えば、オリゴヌクレオチドのサイズの指標として使用される場合に、ヌクレオチドのある特定の数は、例えば、オリゴヌクレオチドの一本鎖上のヌクレオチドの数を指す。
【0109】
患者:本明細書で使用される場合、「患者」という用語は、疾患もしくは障害もしくは状態を患っているか、そのリスクを有する任意の生物を指す。典型的な患者としては、動物(例えば、哺乳類、例えば、マウス、ラット、ウサギ、非ヒト霊長類、および/またはヒト)が挙げられる。一部の実施形態では、患者は、ヒトである。一部の実施形態では、患者は、1つもしくは複数の疾患またもしくは障害もしくは状態を患っているか、またはそれに罹患しやすい。一部の実施形態では、患者は、疾患または障害または状態の1つまたは複数の症状を示す。一部の実施形態では、患者は、1つまたは複数の疾患または障害または状態を有すると診断されている。一部の実施形態では、提供される技術に適した疾患または障害または状態は、がん、または1つもしくは複数の腫瘍の存在であるか、あるいはそれを含む。一部の実施形態では、患者は、疾患、障害、もしくは状態を診断するためのおよび/または処置するためのある特定の療法を受けているか、あるいは受けていた。
【0110】
ポリペプチド:「ポリペプチド」という用語は、本明細書で使用される場合、典型的には、少なくとも3つのアミノ酸またはそれよりも多くのアミノ酸のポリマーの、その当技術分野において認識される意味を有する。当業者は、「ポリペプチド」という用語が、本明細書で列挙される完全な配列を有するポリペプチドを包含するだけでなく、そのような完全なポリペプチドの機能的な、生物学的に活性な、または特徴的な断片、部分もしくはドメイン(例えば、少なくとも1つの活性を保持している断片、部分、またはドメイン)を表すポリペプチドも包含するように十分に一般的であることが意図されることを認識するであろう。一部の実施形態では、ポリペプチドは、L-アミノ酸、D-アミノ酸、もしくはその両方を含んでいてもよく、および/または当技術分野において公知の各種のアミノ酸改変もしくはアナログのいずれかを含有していてもよい。有用な改変としては、例えば、末端アセチル化、アミド化、グリコシル化、メチル化などが挙げられる。一部の実施形態では、ポリペプチドは、天然アミノ酸、非天然アミノ酸、合成アミノ酸、およびその組合せを含んでいてもよい(例えば、ペプチドミメティックであってもよく、またはそれを含んでいてもよい)。
【0111】
防止する、または防止:本明細書で使用される場合、「防止する」または「防止」は、疾患、障害、および/または状態の発生に関連して使用される場合、疾患、障害および/もしくは状態が発生するリスクを低減すること、ならびに/または疾患、障害もしくは状態の1つもしくは複数の特徴もしくは症状の開始を遅延させることを指す。防止は、疾患、障害または状態の開始が事前に規定された期間、遅延されている場合に、完全と考えられ得る。
【0112】
プライマー:本明細書で使用される場合、「プライマー」という用語は、核酸鎖に相補的であるプライマー伸長産物の合成が誘導される条件下(例えば、ヌクレオチドおよび誘導剤、例えば、DNAポリメラーゼの存在下、ならびに適切な温度およびpHに)置いた場合に、合成の開始点として作用することができるオリゴヌクレオチドを指す。プライマーは、好ましくは、増幅における最大効率のために一本鎖である。プライマーは、誘導剤の存在下、伸長産物の合成をプライムするために十分に長くなければならない。プライマーの正確な長さは、多くの因子、例えば、所望のアニーリング温度などに依存し得る。
【0113】
参照:本明細書で使用される場合、「参照」は、比較が行われるものに対する標準または対照を記載する。例えば、一部の実施形態では、目的の薬剤、動物、個体、集団、試料、配列または値は、参照または対照の薬剤、動物、個体、集団、試料、配列または値と比較される。一部の実施形態では、参照または対照は、目的の試験または決定と実質的に同時に、試験および/または決定される。一部の実施形態では、参照または対照は、必要に応じて、有形媒体中で具現化される歴史的参照または対照である。一部の実施形態では、標的の参照レベルの文脈における参照または対照は、正常で健康な対象または正常で健康な対象の集団における標的のレベルを指す。一部の実施形態では、標的の参照レベルの文脈における参照または対照は、処置前の対象における標的のレベルを指す。典型的には、当業者によって理解されるであろうように、参照または対照は、査定中のものに対して、比較可能な条件または状況下で、決定または特徴付けられる。一部の実施形態では、細胞株由来細胞外小胞が、参照または対照として使用される。当業者は、特定の可能な参照または対照に対する信頼性および/またはそれとの比較を正当化するために十分な類似性が存在する場合を認識するであろう。
【0114】
リスク:文脈から理解されるであろうように、疾患、障害、および/または状態の「リスク」は、特定の個体が、疾患、障害、および/または状態を発生する可能性を指す。一部の実施形態では、リスクは、パーセンテージとして表される。一部の実施形態では、リスクは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90から最高で100%までである。一部の実施形態では、リスクは、参照試料または参照試料の群と関連するリスクと比べたリスクとして表される。一部の実施形態では、参照試料または参照試料の群は、疾患、障害、状態および/または事象の公知のリスクを有する。一部の実施形態では、参照試料または参照試料の群は、特定の個体と比較可能な個体由来である。一部の実施形態では、相対的リスクは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれよりも高い。
【0115】
試料:本明細書で使用される場合、「試料」という用語は、典型的には、目的の起源から得られたか、またはそれに由来する材料のアリコートを指す。一部の実施形態では、試料は、目的の生物源(例えば、組織または生物または細胞培養物)から得られるか、またはそれに由来する。一部の実施形態では、目的の起源は、細胞もしくは生物、例えば、動物もしくはヒトであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、目的の起源は、生体組織もしくは生体液であるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、生体組織または生体液は、羊水、房水、腹水、胆汁、骨髄、血液、母乳、脳脊髄液、耳垢、乳糜、チャイム(chime)、射精液、内リンパ、滲出液、便、胃酸、胃液、リンパ、粘液、心膜液、外リンパ、腹腔液、胸水、膿汁、粘膜分泌物、唾液、皮脂、精液、血清、恥垢、痰、滑液、汗、涙液、尿、膣分泌物、硝子体液、嘔吐物、および/またはその組合せもしくは構成要素であってもよく、あるいはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、生体液は、細胞内液、細胞外液、小胞内液(血漿)、間質液、リンパ液、および/もしくは細胞透過液であってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、生体組織または生体試料は、例えば、吸引液、生検(例えば、微細針または組織生検)、スワブ(例えば、口腔、経鼻、皮膚、または膣スワブ)、擦過、外科手術、洗浄または潅注(例えば、気管支肺胞、管、鼻、眼、口腔、子宮、膣、または他の洗浄または潅注)によって得てもよい。一部の実施形態では、生体試料は、体液試料もしくは体液由来試料であるか、またはそれを含む。体液の例としては、限定されるものではないが、羊水、胆汁、血液、母乳、気管支肺胞洗浄液(BAL)、脳脊髄液、透析液、便、唾液、精液、滑液、涙液、尿などが挙げられる。一部の実施形態では、生体試料は、リキッドバイオプシーであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、生体試料は、個体から得られた細胞であるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、試料は、任意の適切な手段によって目的の起源から直接的に得られた「一次試料」である。一部の実施形態では、文脈から明確であると予想されるように、「試料」という用語は、一次試料を処理することによって(例えば、1つもしくは複数の構成要素を除去することによって、および/または1つもしくは複数の薬剤を添加することによって)得られる調製物を指す。例えば、試料は、目的の生物学的実体を他の非標的実体から分離するために半透膜、または抗体に基づく方法のような親和性に基づく方法を使用することによって処理された調製物である。そのような「処理された試料」は、例えば、一部の実施形態では、細胞外小胞を含んでいてもよいが、一部の実施形態では、試料から抽出された核酸および/またはタンパク質などを含んでいてもよい。一部の実施形態では、処理された試料は、一次試料を1つまたは複数の技法、例えば、核酸の増幅または逆転写、ある特定の構成要素の単離および/または精製などに付すことによって得ることができる。
【0116】
選択的または特異的:「選択的」または「特異的」という用語は、活性を有する薬剤に関して本明細書で使用される場合、薬剤が潜在的な標的実体、状態、または細胞間を識別することを意味することが当業者に理解される。例えば、一部の実施形態では、薬剤が1つまたは複数の競合する代替標的の存在下で、その標的と優先的に結合する場合、薬剤は、その標的に「特異的に」結合すると言われる。多くの実施形態では、特異的相互作用は、標的実体(例えば、エピトープ、間隙、結合部位)の特定の構造的特色の存在に依存する。特異性が絶対的である必要がないことが理解されるべきである。一部の実施形態では、特異性は、1つまたは複数の他の潜在的な標的実体(例えば、競合因子)について、標的結合部分の特異性と比べて評価されてもよい。一部の実施形態では、特異性は、参照特異的結合部分の特異性と比べて評価される。一部の実施形態では、特異性は、参照非特異的結合部分の特異性と比べて評価される。一部の実施形態では、標的結合部分は、その標的実体に結合する条件下で、競合する代替標的に検出可能に結合しない。一部の実施形態では、標的結合部分は、競合する代替標的と比較して、より高いオンレート、より低いオフレート、増加した親和性、減少した解離、および/または増加した安定性で、その標的実体に結合する。
【0117】
低分子:本明細書で使用される場合、「低分子」という用語は、低分子量の有機および/または無機化合物を意味する。一般に、「低分子」は、約5キロダルトン(kD)未満のサイズである分子である。一部の実施形態では、低分子は、約4kD、3kD、約2kD、または約1kD未満である。一部の実施形態では、低分子は、約800ダルトン(D)、約600D、約500D、約400D、約300D、約200D、または約100D未満である。一部の実施形態では、低分子は、約2000g/mol未満、約1500g/mol未満、約1000g/mol未満、約800g/mol未満、または約500g/mol未満である。一部の実施形態では、低分子は、ポリマーではない。一部の実施形態では、低分子は、ポリマー部分を含まない。一部の実施形態では、低分子は、タンパク質またはポリペプチドではない(例えば、オリゴペプチドまたはペプチドではない)。一部の実施形態では、低分子は、ポリヌクレオチドではない(例えば、オリゴヌクレオチドではない)。一部の実施形態では、低分子は、多糖ではない。一部の実施形態では、低分子は、多糖を含まない(例えば、糖タンパク質、プロテオグリカン、糖脂質などではない)。一部の実施形態では、低分子は、脂質ではない。一部の実施形態では、低分子は、生物学的に活性である。一部の実施形態では、好適な低分子は、化合物の大きなライブラリーのスクリーニング(Beck- Sickinger & Weber (2001) Combinational Strategies in Biology and Chemistry (John Wiley & Sons, Chichester, Sussex);核磁気共鳴による構造活性相関(Shuker et al. (1996) "Discovering high-affinity ligands for proteins: SAR by NMR." Science 274: 1531-1534);コードされた自己集合化学ライブラリー(Melkko et al. (2004) "Encoded self-assembling chemical libraries. "Nature Biotechnol. 22: 568-574);DNA鋳型化学(Gartner et al. (2004) "DNA-templated organic synthesis and selection of a library of macrocycles." Science 305: 1601-1605);動的コンビナトリアル化学(Ramstrom & Lehn (2002) "Drug discovery by dynamic combinatorial libraries." Nature Rev. Drug Discov. 1: 26-36);テザリング(Arkin & Wells (2004) "Small-molecule inhibitors of protein-protein interactions: progressing towards the dream." Nature Rev. Drug Discov. 3: 301-317);およびスピードスクリーニング(Muckenschnabel et al. (2004) "SpeedScreen: label-free liquid chromatography-mass spectrometry-based high- throughput screening for the discovery of orphan protein ligands." Anal. Biochem. 324: 241-249)などの方法によって同定されてもよい。一部の実施形態では、低分子は、ナノモル範囲の標的に対する解離定数を有していてもよい。
【0118】
特異的結合:本明細書で使用される場合、「特異的結合」という用語は、結合が起こっている環境において、可能な結合パートナー間を識別する能力を指す。他の潜在的な標的が存在する場合に、1つの特定の標的と相互作用する標的結合部分は、それが相互作用する標的に「特異的に結合する」と言われる。一部の実施形態では、特異的結合は、標的結合部分とそのパートナーとの間の会合を検出すること、またはその程度を決定することによって査定され、一部の実施形態では、特異的結合は、標的結合部分-パートナー複合体の解離を検出すること、またはその程度を決定することによって査定され、一部の実施形態では、特異的結合は、そのパートナーと別の実体との間の代替の相互作用と競合する標的結合部分の能力を検出することまたは決定することによって査定される。一部の実施形態では、特異的結合は、ある範囲の濃度にわたってそのような検出または決定を行うことによって査定される。
【0119】
がんのステージ:本明細書で使用される場合、「がんのステージ」という用語は、がん(例えば、結腸直腸腺癌)の進行のレベルの定性的または定量的査定を指す。一部の実施形態では、がんのステージを決定するために使用される基準としては、限定されるものではないが、がんが身体中に位置する場所、腫瘍サイズ、がんがリンパ節に広がっているかどうか、がんが1つまたは複数の異なる身体部分に広がっているかどうかなどのうちの1つまたは複数が挙げられ得る。一部の実施形態では、がんは、AJCC病期分類システムを使用してステージ分類されてもよい。AJCC病期分類システムは、がん患者における疾患進行の程度を記載するためにAmerican Joint Committee on Cancerによって開発された分類システムであり、これは一部では、TNMスコアリングシステム:腫瘍サイズ、罹患しているリンパ節、転移を利用する。一部の実施形態では、がんは、TNMスコアリングシステムを一部では含む分類システムを使用してステージ分類されてもよく、これによれば、Tは、通常、原発腫瘍と呼ばれる主要な腫瘍のサイズおよび程度を指し、Nは、がんを有する近接リンパ節の数を指し、Mは、がんが転移しているかどうかを指す。一部の実施形態では、がんは、ステージ0(異常な細胞が存在するが、近くの組織に広がっておらず、粘膜内癌またはCISとも呼ばれ;CISは、がんではないが、がんになり得る)、ステージI~III(がんが存在し;数字が大きくなると、腫瘍は大きく、近くの組織により広がっている)、またはステージIV(がんが身体の遠位部分に広がっている)と称され得る。一部の実施形態では、がんは、in situ(異常な細胞は存在するが、近くの組織に広がっていない);局在性(がんが、出発した場所に限定されており、広がっている徴候がない);領域性(がんが、近くのリンパ節、組織、または器官に広がっている):遠隔転移(がんが、身体の遠位部分に広がっている);および不明(ステージを把握するための情報が十分にない)からなる群から選択されるステージに指定され得る。
【0120】
対象:本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、例えば、実験、診断、予防、および/または治療目的で、試料が得られる生物を指す。典型的な対象としては、動物(例えば、哺乳類、例えば、マウス、ラット、ウサギ、非ヒト霊長類、飼育ペットなど)およびヒトが挙げられる。一部の実施形態では、対象は、ヒト対象、例えば、ヒト男性または女性対象である。一部の実施形態では、対象は、結腸直腸がん(例えば、結腸直腸腺癌)を患っている。一部の実施形態では、対象は、結腸直腸がん(例えば、結腸直腸腺癌)に罹患しやすい。一部の実施形態では、対象は、結腸直腸がん(例えば、結腸直腸腺癌)の1つまたは複数の症状または特徴を示す。一部の実施形態では、対象は、結腸直腸がん(例えば、結腸直腸腺癌)の1つまたは複数の非特異的症状を示す。一部の実施形態では、対象は、結腸直腸がん(例えば、結腸直腸腺癌)の任意の症状も特徴も示さない。一部の実施形態では、対象は、結腸直腸がん(例えば、結腸直腸腺癌)に対する易罹患性またはそのリスクに特徴的な1つまたは複数の特色を有する対象である。一部の実施形態では、対象は、患者である。一部の実施形態では、対象は、診断および/または療法が投与される、および/または投与された、個体である。一部の実施形態では、対象は、無症候性対象である。そのような無症候性対象は、平均集団リスクがあるか、または遺伝的リスクを有する対象であってもよい。例えば、そのような無症候性対象は、がんの家族歴を有する対象、がんについて以前に処置された対象、がん処置後にがん再発のリスクがある対象、がん処置後に寛解にある対象、および/または少なくとも1つのがんバイオマーカーの存在について以前にもしくは周期的にスクリーニングされている対象であってもよい。あるいは、一部の実施形態では、無症候性対象は、がんについて以前にスクリーニングされていない対象、がんについて診断されていない対象、および/またはがん療法を以前に受けていない対象であってもよい。一部の実施形態では、提供される技術に適した対象は、年齢、人種、地理的位置、遺伝歴、病歴、個人歴(例えば、喫煙、アルコール、薬物、発がん物質、食事、肥満、身体活動、日光曝露、放射線曝露、ウイルスなどの感染病原体への曝露、および/または職業上の危険)などの1つまたは複数の特徴に基づいて選択された個体である。
【0121】
患っている:疾患、障害、および/または状態を「患っている」個体は、疾患、障害、および/または状態の1つまたは複数の症状を有すると診断され、および/またはそれを示している。
【0122】
表面分析物:本明細書で使用される場合、「表面分析物」は、生物学的実体(例えば、生体試料由来の細胞またはナノ粒子)の表面上に存在する分析物を指す。一部の実施形態では、表面分析物は、表面ポリペプチドもしくは表面タンパク質であるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、表面分析物は、グリカンであるか、またはそれを含む。
【0123】
表面バイオマーカー:本明細書で使用される場合、「表面バイオマーカー」は、生物学的実体(例えば、一部の実施形態では、分析物凝集体(例えば、タンパク質またはムチン凝集体)および/または細胞外小胞を含む、例えば、細胞またはナノ粒子)の表面分析物(例えば、本明細書に記載される通り)の状態(例えば、存在、レベル、および/または活性)を示すマーカーを指す。一部の実施形態では、表面バイオマーカーは、表面タンパク質バイオマーカーであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、表面バイオマーカーは、炭水化物依存性マーカーであるか、またはそれを含む。
【0124】
表面ポリペプチドまたは表面タンパク質:本明細書において互換的に使用されるように、「表面ポリペプチド」および「表面タンパク質」という用語は、直接的または間接的相互作用により、生物学的実体(例えば、一部の実施形態では、分析物凝集体(例えば、タンパク質またはムチン凝集体)および/または細胞外小胞などを含む、例えば、細胞またはナノ粒子)の表面中に、および/またはその上に存在するポリペプチドまたはタンパク質を指す。当業者に理解されるであろうように、表面タンパク質は、一部の実施形態では、例えば、限定されるものではないが、グリコシル化を含む、翻訳後改変を含んでいてもよい。一部の実施形態では、表面ポリペプチドまたはタンパク質は、膜結合ポリペプチドであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、膜結合ポリペプチドは、生物学的実体(例えば、細胞、細胞外小胞など)の膜の表面中に、またはその上に存在する1つまたは複数のドメインまたは領域を有するポリペプチドまたはタンパク質を指す。一部の実施形態では、膜結合ポリペプチドは、生物学的実体(例えば、細胞、細胞外小胞など)の細胞膜に及ぶおよび/またはそれと会合した、1つまたは複数のドメインまたは領域を含んでいてもよい。一部の実施形態では、膜結合ポリペプチドは、生物学的実体(例えば、細胞、細胞外小胞など)の細胞膜に及ぶおよび/またはそれと会合し、また細胞内および/または小胞内空間に突出している、1つまたは複数のドメインまたは領域を含んでいてもよい。一部の実施形態では、膜結合ポリペプチドは、例えば、1つまたは複数の非ペプチド連結を介して(例えば、グリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)アンカーもしくは脂質化により、または非共有結合性相互作用により)生物学的実体(例えば、細胞、細胞外小胞など)の細胞膜と会合した1つまたは複数のドメインまたは領域を含んでいてもよい。一部の実施形態では、膜結合ポリペプチドは、生物学的実体(例えば、細胞、細胞外小胞など)の細胞膜のいずれかの側に固定された1つまたは複数のドメインまたは領域を含んでいてもよい。一部の実施形態では、表面タンパク質は、ナノ粒子(例えば、本明細書に記載される通り)の表面と会合するか、またはその上に存在する。一部の実施形態では、表面タンパク質は、細胞外小胞と会合するか、またはその内に存在する。一部の実施形態では、表面タンパク質は、結腸直腸腺癌関連細胞外小胞(例えば、結腸直腸腺癌を患っているか、もしくはそれに罹患しやすい対象の体液由来試料(例えば、限定されるものではないが、血液由来試料、便由来試料など)から得られるまたはそれに由来する細胞外小胞)と会合していてもよく、またはその内に存在していてもよい。当業者に理解されるであろうように、細胞外小胞上/内の表面ポリペプチドまたは表面タンパク質の少なくとも一部分の存在の検出は、対象からの生体試料(例えば、血液試料または血液由来試料)由来の結腸直腸腺癌関連細胞外小胞の分離および/または単離を容易にし得る。一部の実施形態では、表面ポリペプチドまたは表面タンパク質の存在の検出は、そのような表面ポリペプチドまたは表面タンパク質の小胞内部分(例えば、小胞内エピトープ)の検出であってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、表面ポリペプチドまたは表面タンパク質の存在の検出は、そのような表面ポリペプチドまたは表面タンパク質の膜に及ぶ部分の検出であってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、表面ポリペプチドまたは表面タンパク質の存在の検出は、そのような表面ポリペプチドまたは表面タンパク質の小胞外部分の検出であってもよく、またはそれを含んでいてもよい。
【0125】
表面タンパク質バイオマーカー:本明細書で使用される場合、「表面タンパク質バイオマーカー」という用語は、生物学的実体(例えば、一部の実施形態では、分析物凝集体(例えば、タンパク質またはムチン凝集体)および/または細胞外小胞を含む、例えば、細胞またはナノ粒子)の表面タンパク質(例えば、本明細書に記載される通り)の状態(例えば、存在、レベル、および/または活性)を示すマーカーを指す。一部の実施形態では、表面タンパク質は、生物学的実体(例えば、細胞または細胞外小胞)の膜の表面中に、またはその上に位置する1つまたは複数のドメインまたは領域を有する、ポリペプチドまたはタンパク質を指す。一部の実施形態では、表面タンパク質バイオマーカーは、膜の内側(小胞内)もしくは外側(小胞外)上に存在するエピトープであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、表面タンパク質バイオマーカーは、細胞外小胞と会合するか、またはその中に存在する。一部の実施形態では、表面タンパク質バイオマーカーは、突然変異したポリペプチドであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、表面タンパク質バイオマーカーは、翻訳後改変(例えば、限定されるものではないが、グリコシル化、リン酸化など)されていてもよい。一部の実施形態では、表面タンパク質バイオマーカーは、翻訳後処理されてもよく、例えば、タンパク質切断の結果として、トランケートされたポリペプチドの形態で存在していてもよい。一部の実施形態では、表面タンパク質バイオマーカーは、ナノ粒子の外部表面上に存在するエピトープであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。
【0126】
に罹患しやすい:疾患、障害、および/または状態「に罹患しやすい」個体は、一般人のメンバーよりも、疾患、障害、および/または状態を発生するより高いリスクを有する個体である。一部の実施形態では、疾患、障害、および/または状態に罹患しやすい個体は、疾患、障害、および/または状態と診断されていなくてもよい。一部の実施形態では、疾患、障害、および/または状態に罹患しやすい個体は、疾患、障害、および/または状態の症状を示していてもよい。一部の実施形態では、疾患、障害、および/または状態に罹患しやすい個体は、疾患、障害、および/または状態の症状を示していなくてもよい。一部の実施形態では、疾患、障害、および/または状態に罹患しやすい個体は、疾患、障害、および/または状態を将来発生する。一部の実施形態では、疾患、障害、および/または状態に罹患しやすい個体は、疾患、障害、および/または状態を将来発生しない。
【0127】
標的結合部分:一般に、「標的結合部分」および「結合部分」という用語は、目的の標的(例えば、目的の分子標的、例えば、バイオマーカーまたはエピトープ)に結合する任意の実体または部分を指すために本明細書で互換的に使用される。多くの実施形態では、目的の標的結合部分は、特定の相互作用の文脈において、その標的を他の潜在的な結合パートナーから識別する点で、その標的(例えば、標的バイオマーカー)と特異的に結合するものである。一般に、標的結合部分は、任意の化学クラス(例えば、ポリマー、非ポリマー、低分子、ポリペプチド、炭水化物、脂質、核酸など)の実体または部分であってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、標的結合部分は、単一の化学的実体である。一部の実施形態では、標的結合部分は、非共有結合的な相互作用によって、関連する条件下で互いと会合した2つまたはそれよりも多くの別個の化学的実体の複合体である。例えば、当業者は、一部の実施形態では、標的結合部分が、一般的結合部分パートナーに連結される「一般的」結合部分(例えば、ビオチン/アビジン/ストレプトアビジンおよび/またはクラス特異的抗体ののうちの1つ)および「特異的」結合部分(例えば、特定の分子標的との抗体またはアプタマー)を含み得ることを認識するであろう。一部の実施形態では、そのようなアプローチは、異なる特異的結合部分と一般的結合部分パートナーとの連結により、複数の標的結合部分のモジュールアセンブリーを可能にし得る。
【0128】
標的バイオマーカーシグネチャー:「標的バイオマーカーシグネチャー」という用語は、本明細書で使用される場合、(例えば、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、またはそれよりも多くを含んで、例えば、少なくとも2またはそれよりも多く)のバイオマーカーの組合せを指し、この組み合わせは、目的の特定の生物学的事象または状態と相関し、その結果、当業者は、これが、その事象または状態の「シグネチャー」であると適切に考え得ることを認識するであろう。いくつかの例を挙げれば、一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、特定の疾患もしくは疾患状態と、および/または特定の疾患、障害もしくは状態が発生し、起こり、もしくは再発し得る可能性と相関してもよい。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、特定の疾患もしくは治療成績、またはその可能性と相関してもよい。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、特異的がんおよび/またはそのステージと相関してもよい。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、結腸直腸がん(例えば、結腸直腸腺癌)、ならびに/またはそのステージおよび/もしくはサブタイプと相関してもよい。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、結腸直腸がん(例えば、結腸直腸腺癌)、またはそのサブタイプおよび/もしくは疾患状態に一緒に特異的である、(例えば、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、またはそれよりも多くを含んで、例えば、少なくとも2またはそれよりも多く)のバイオマーカーの組合せを含むが、そのような組合せにおける1つまたは複数のバイオマーカーは、結腸直腸がん(例えば、結腸直腸腺癌)に特異的ではない標的(例えば、表面バイオマーカー、小胞内バイオマーカー、および/または小胞内RNA)を対象にしていてもよい。例えば、一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、結腸直腸腺癌、またはそのステージおよび/もしくはサブタイプに特異的な少なくとも1つのバイオマーカー(すなわち、結腸直腸腺癌特異的標的)を含んでいてもよく、結腸直腸腺癌に必ずしもまたは完全に特異的ではない(例えば、細胞、細胞外小胞などのような、例えば、一部または全部の生物学的実体においても見出され得る、がん性ではない、関連するがんのものではない、ならびに/または目的の特定のステージおよび/もしくはサブタイプのものではない)バイオマーカーをさらに含んでいてもよい。すなわち、本明細書を読む当業者に認識されるであろうように、標的バイオマーカーシグネチャーにおいて利用されるバイオマーカーの組合せが、目的の関連する標的生物学的実体(例えば、目的の結腸直腸腺癌細胞、または結腸直腸腺癌細胞によって分泌される細胞外小胞)に一緒に特異的である(すなわち、検出のための関連する標的生物学的実体(例えば、目的の結腸直腸腺癌細胞、または結腸直腸腺癌細胞によって分泌される細胞外小胞)を、検出のための目的ではない他の生物学的実体から十分に識別する)多数のバイオマーカーであるか、またはそれを含む限り、そのようなバイオマーカーの組合せは、本開示のある特定の実施形態による有用な標的バイオマーカーシグネチャーである。
【0129】
治療剤:本明細書において互換的に使用される場合、「治療剤」または「療法」という語句は、対象または患者に投与された場合に、治療効果を有する、ならびに/または所望の生物学的および/もしくは薬理学的効果を誘発する薬剤または介入を指す。一部の実施形態では、治療剤または療法は、疾患、障害、および/または状態の1つまたは複数の症状または特色を軽減する、寛解する、和らげる、阻害する、防止する、その開始を遅延させる、その重症度を低減する、および/またはその発生率を低減するために使用することができる任意の物質である。一部の実施形態では、治療剤または療法は、疾患、障害、および/または状態の1つまたは複数の症状または特色を軽減する、和らげる、阻害する、防止する、その開始を遅延させる、その重症度を低減する、および/またはその発生率を低減するために行うことができる医学的介入(例えば、外科手術、放射線、光線療法)である。
【0130】
閾値レベル(例えば、カットオフ):本明細書で使用される場合、「閾値レベル」という用語は、測定の結果、例えば、アッセイにおいて得られた測定の結果に対する情報を得る、および/またはそれを分類するための参照として使用されるレベルを指す。例えば、一部の実施形態では、閾値レベル(例えば、カットオフ)は、集団の2つのサブセット(例えば、正常および/または非結腸直腸腺癌対結腸直腸腺癌)間の境界線を規定するアッセイにおいて測定された値を意味する。そのため、閾値レベルに等しいまたはそれよりも高い値は、集団の一方のサブセットを規定し、閾値レベルよりも低い値は、集団の他方のサブセットを規定する。閾値レベルは、1つもしくは複数の対照試料、または対照試料の集団全体に基づいて決定することができる。閾値レベルは、目的の測定値を得る前に、それと同時的に、またはその後に決定することができる。一部の実施形態では、閾値レベルは、値の範囲であり得る。
【0131】
処置する:本明細書で使用される場合、「処置する」、「処置」、または「処置すること」という用語は、疾患、障害、および/または状態の1つまたは複数の症状または特色を、部分的にまたは完全に、軽減する、寛解する、和らげる、阻害する、防止する、その開始を遅延させる、その重症度を低減する、および/またはその発生率を低減するために使用される任意の方法を指す。処置は、疾患、障害、および/または状態の徴候を示していない対象に投与されてもよい。一部の実施形態では、処置は、例えば、疾患、障害、および/または状態と関連する病態を発生するリスクを減少させる目的で、疾患、障害、および/または状態の早期徴候のみを示している対象に投与されてもよい。一部の実施形態では、処置は、疾患、障害、および/または状態の後期ステージの対象に投与されてもよい。
【0132】
標準的な技術を、組換えDNA、オリゴヌクレオチド合成、ならびに組織培養および形質転換(例えば、電気穿孔、リポフェクション)のために使用してもよい。酵素反応および精製技法は、製造業者の仕様書に従って、または当技術分野で通常達成されるようにして、または本明細書に記載されるようにして、行ってもよい。上述の技法および手順は、一般に、当技術分野において周知の従来の方法に従って、および本明細書全体を通して引用および論じられるさまざまな一般的でより具体的な参考文献に記載されるようにして、行ってもよい。例えば、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual (2d ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y. (1989))を参照されたく、これは、本明細書に記載される目的のために、参照により本明細書に組み込まれる。
ある特定の実施形態の詳細な説明
【0133】
結腸直腸がんは、2010~2016年の64.6%の5年相対生存率で、2020年において推定53,200人の死亡および147,950人の新規症例の原因であった(新規症例はSEER 13からである。死亡はU.S.Mortalityからである。)。これらの死亡の大部分は、診断の遅れに起因する。診断時に局在性疾患を有する患者は、90.2%の5年生存率を有していたが、しかしながら、患者の大部分は、遠隔転移が既に形成されていたときに最初の診断を受け、それらの患者は、およそ14.3%の悲惨な5年生存率を有する。
【0134】
結腸直腸がんの大部分は、典型的には、結腸および直腸を滑らかにする粘液を作る細胞において開始する腺癌である。結腸直腸がん(例えば、結腸直腸腺癌)は、通常、結腸または直腸の内壁上の成長物またはポリープから大きくなる。一部のポリープは、がん性になるが、他のものはそうではなく、しかしながら、がんへの進行は、多くの時間がかかり得、ポリープの種類に依存する。腺腫性ポリープは、がんに変わることができ、前がん性と考えられる。3種類の腺腫は、管状、絨毛状、および腺管繊毛状を含む。
【0135】
がん性ポリープが形成されると、それらは、多くの層を通して、結腸または直腸の壁へ成長し得る。がん細胞が結腸または直腸の壁中に存在する場合に、それらが、次いで、血管またはリンパ管に成長し、身体の他の部分に移動し得るので、これは問題になる。
【0136】
結腸直腸がんスクリーニングのための現在の方法論は、大腸内視鏡検査を含み、これは、医師が、患者を鎮静させ、次いで、照明付きの管(例えば、結腸鏡)を使用して、精査を行うことによって、ポリープについて物理的に調べることを可能にする。スクリーニングの他の方法としては、検便およびCTスキャンが挙げられる。しかしながら、現在、血液試料の使用および/または前ポリープ状態で情報を得ることによる、結腸直腸がんを検出するための、安価なまたは広く利用可能なスクリーニングは存在しない。大腸内視鏡検査などの侵襲的スクリーニングを回避する能力は、患者の時間、お金、ならびに鎮静されるおよび/または長時間の検査プロセスによる精神的トラウマを救うであろう。加えて、無症候性スクリーニングは、簡単に利用可能ではない。
【0137】
本開示は、数ある中でも、例えば、結腸直腸がんの検出および診断に対するある特定の従来のアプローチを含む、ある特定の以前の技術による課題の起源を同定する。例えば、本開示は、多くの従来の診断アッセイ、例えば、大腸内視鏡検査、検便、および/またはCTスキャニングは、時間がかかり、高価で、ならびに/または信頼できる総合的な診断査定を提供するのに十分な感度および/または特異度を欠き得ることを認識する。一部の実施形態では、本開示は、数ある中でも、バイオインフォマティクス分析に基づいて結腸直腸がんに対して高い感度および特異度を示すと予測されるバイオマーカーの組合せの同定によって、そのような課題を解決する技術(システム、組成物、および方法を含む)を提供する。一部の実施形態では、本開示は、そのような課題を、個々の細胞外小胞における結腸直腸がんの標的バイオマーカーシグネチャーの共局在(例えば、バイオインフォマティクス分析によって同定される)を検出することによって解決する技術(システム、組成物、および方法を含む)を提供し、これは、少なくとも1つの細胞外小胞関連表面バイオマーカー、ならびに結腸直腸がんと関連する細胞外小胞に存在する表面バイオマーカー、内部タンパク質バイオマーカー、およびRNAバイオマーカーからなる群から選択される少なくとも1つの標的バイオマーカーを含む。一部の実施形態では、本開示は、そのような課題を、数ある中でも、個々の細胞外小胞における標的バイオマーカーシグネチャーの相互作用および/または共局在に基づく、出願人によって開発され、両方とも2020年2月28日に出願され、「標的実体検出のためのシステム、組成物、および方法」という名称の米国特許出願第16/805,637号(US2020/0299780号として公開;US11,085,089号として発行)および国際出願第PCT/US2020/020529号(WO2020180741号として公開)に記載された標的実体検出アプローチを使用して、結腸直腸がんのそのような標的バイオマーカーシグネチャーを検出することによって解決する技術(システム、組成物、および方法を含む)を提供する。前述の開示のそれぞれの内容は、それらの全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0138】
一部の実施形態では、本明細書に記載される検出のための細胞外小胞は、サイズ排除に基づく方法によって、対象の体液から単離することができる。当業者によって理解されるであろうように、一部の実施形態では、サイズ排除に基づく方法は、細胞外小胞を含む目的のサイズ範囲を有するナノ粒子を含む試料を提供し得る。したがって、一部の実施形態では、本開示の提供される技術は、細胞外小胞を含む目的のサイズ範囲(例えば、一部の実施形態では、約30nm~約1000nm)を有する個々のナノ粒子において、結腸直腸がんの標的バイオマーカーシグネチャーを形成する少なくとも2つまたはそれよりも多くの表面バイオマーカー(例えば、本明細書に記載される通り)の共局在化の検出を包含する。本開示を読む当業者は、「細胞外小胞」の文脈で本明細書に記載されるさまざまな実施形態(例えば、個々の細胞外小胞および/または提供される「細胞外小胞関連表面バイオマーカー」を検出するためのアッセイ)が、本明細書に記載される「ナノ粒子」の文脈においても適用可能であり得ることを理解するであろう。
【0139】
本開示は、数ある中でも、例えば、限定されるものではないが、結腸直腸腺癌を含む、例えば、結腸直腸がんの早期検出のための有効な結腸直腸がんスクリーニングを達成するための洞察および技術を提供する。一部の実施形態では、本開示は、結腸直腸がんと関連するもう1つの症状を経験していることがある対象における結腸直腸がんの早期検出のための技術を提供する。一部の実施形態では、本開示は、結腸直腸がんについて遺伝的リスクがある対象における結腸直腸がんの早期検出のための技術を提供する。一部の実施形態では、本開示は、結腸直腸がんの遺伝的リスクがあり得るか、および/またはそれと関連する1つもしくは複数の症状を経験していることがある対象における結腸直腸がんの早期検出のための技術を提供する。一部の実施形態では、本開示は、生活歴リスク因子を有し得る対象における結腸直腸がんの早期検出のための技術を提供する。一部の実施形態では、本開示は、個体、例えば、初期結腸直腸がん(例えば、結腸直腸腺癌)についてのある特定のリスク(例えば、遺伝的リスク、生活歴関連リスク、または平均リスク)を有する個体をスクリーニングするための技術を提供する。結腸がんは、他のがん型と比べて、比較的一般的であり、ここで、症例の22%は、進行したステージの転移ステージで検出される(SEER Summary Stage 200によるSEER 18 2010-2016、All Races、Both Sexes;図7を参照されたい)。一部の実施形態では、提供される技術は、初期結腸直腸がん(例えば、結腸直腸腺癌)の検出に有効である。一部の実施形態では、提供される技術は、結腸直腸がんと関連し得る1つまたは複数の症状を有する個体を含むか、またはそれからなる集団に適用される場合に有効である。一部の実施形態では、提供される技術は、無症候性または症候性個体を含むか、またはそれからなる集団に適用される場合でさえ有効である(例えば、十分に高い感度および/または低い偽陽性率および/または偽陰性率の結果に起因する)。一部の実施形態では、提供される技術は、結腸直腸がんを発生する遺伝的リスクおよび/または生活歴関連リスクなしの個体(例えば、無症候性または症候性個体)を含むか、またはそれからなる集団に適用される場合に有効である。一部の実施形態では、提供される技術は、結腸直腸がんを発生する遺伝的リスクを有する個体(例えば、無症候性または症候性個体)を含むか、またはそれからなる集団に適用される場合に有効である。一部の実施形態では、提供される技術は、結腸直腸がんに罹患しやすい個体(例えば、公知の遺伝的リスク、環境リスク、または経験リスクなどを有する個体)を含むか、またはそれからなる集団に適用される場合に有効である。一部の実施形態では、提供される技術は、本明細書に提供される開示を読む当業者に明らかであるように、1つまたは複数の組成物(例えば、分子複合体、系、コレクション、組合せ、キットなど)および/もしくは方法(例えば、作製する、使用する、査定する方法など)であってもよく、またはそれを含んでいてもよい。
【0140】
一部の実施形態では、提供される技術は、提供される技術の単回および/または定期的(例えば、周期的)査定への有用な適用を可能にするのに適切な感度および/または特異度(例えば、偽陽性率および/または偽陰性率の結果)を伴う、結腸直腸がんの1つまたは複数の特色(例えば、発生率、進行、療法に対する応答性、再発など)の検出(例えば、早期検出、例えば、無症候性個体および/または集団における早期検出)を達成する。一部の実施形態では、提供される技術は、個体の定期的な検診、例えば、限定されるものではないが、健康診断、一般開業医の訪問、コレステロール/脂質血液検査、検便、糖尿病(2型)スクリーニング、大腸内視鏡検査、血圧スクリーニング、甲状腺機能検査、結腸直腸がんスクリーニング、マンモグラム、HPV/Papスメア、および/またはワクチン接種と併せて有用である。一部の実施形態では、提供される技術は、処置レジメンと併せて有用であり、一部の実施形態では、提供される技術は、そのような処置レジメンの1つまたは複数の特徴(例えば、許容されるパラメーターによる成功率)を改善し得る。
【0141】
一部の実施形態では、本開示は、数ある中でも、無症候性個体のスクリーニング、例えば、症状の発生前、またはそうでなければその非存在下での定期的なスクリーニングが、結腸直腸がんの有効な管理(例えば、処置の成功)のために有益であり、さらに重要であり得るという洞察を提供する。一部の実施形態では、本開示は、初期がん、一部の実施形態では、無症候性個体(例えば、結腸直腸がんにおける遺伝的および/または生活歴関連リスクなし)における初期がんを含む、結腸直腸がんを検出するために実行され得る、結腸直腸がんのスクリーニングシステムを提供する。一部の実施形態では、提供される技術は、無症候性個体(例えば、結腸直腸がんにおける遺伝的リスクありまたはなし)の定期的なスクリーニングを達成するために実行される。一部の実施形態では、提供される技術は、症候性個体(例えば、結腸直腸がんにおける遺伝的リスクおよび/または生活歴関連リスクありまたはなし)の定期的なスクリーニングを達成するために実行される。本開示は、例えば、1人または複数人の個体(例えば、無症候性個体)の定期的な検査を含む戦略を含む、組成物(例えば、試薬、キット、構成要素など)、ならびにそれらを提供するおよび/または使用する方法を提供する。本開示は、そのようなシステムの有用性を規定し、それらを実行するための組成物および方法を提供する。
I.結腸直腸がん検出
【0142】
今日、平均リスクの無症候性個体をスクリーニングするためのCDCまたは米国防医療タスクフォース(USPSTF)が推奨している任意の種類の結腸直腸がん血液スクリーニング検査は存在しないが、米国では、結腸直腸がんの年齢調整発生率は、2017年では、1年あたり男性100,000人あたり42.4人および女性100,000人あたり32.9人であった。結腸直腸がんは、最も一般的ながん型の1つであり、一部の他のがん型よりも致死性は低いが、5年間にわたる生存率が90.2%の初期がん(局在性ステージ)においても致死性のままである(図6)。2020年単独では、結腸直腸がんの推定147,950人の新規症例および推定53,200人の死亡があった。総死亡数および新規症例は、過去数年にわたってわずかに減少しているが、しかしながら、依然として大きな問題を残している。(U.S.Mortality;https://seer.cancer.gov/statfacts/html/pancreas.htmlからのSEER 13.Deathsからの新規症例は、本明細書に記載される目的のために、参照により本明細書に組み込まれる)。局在性ステージについての5年相対生存率は、90.2%であり、領域性ステージは、71.8%であり、遠隔転移ステージは、14.3%である。したがって、早期スクリーニングを用いてさえ、患者の約10人に1人は最初の5年間に死亡する(図6)。現在のところ、検出範囲は、むしろ悲惨で、結腸直腸がん症例の38%が局在性ステージにおける間に検出され、症例の35%が領域性ステージにおいて検出され、症例の22%が遠隔転移ステージにおいて検出されている(図7)。
【0143】
2000年~2017年のSurveillance、Epidemiology and End Results(SEER)データは、米国における結腸直腸がんの有病率および疫学について広く報告している。SEERは、報告した。2017年に、米国における65歳以上の結腸直腸がんについて、個体100,000人あたり163人の症例があり、50~64歳について、個体100,000人あたり70.1人の症例があり、50歳未満では、個体100,000人あたりわずか8.5人の症例があった。男性の率は、女性における率よりも平均して高かった。2017年に、男性について、個体100,000人あたり42.4人の症例があり、女性について、個体100,000人あたり32.9人の症例があった。この相違は、遺伝性、食事関連であり得るか、または未知の原因と関連し得る。すべての症例において、5年の期間にわたる転帰は、見込みがない。本明細書に開示される技術は、スクリーニング技術における現在の欠点に対処するために設計されている。
【0144】
アメリカがん協会によれば、結腸直腸がんについての制御可能なリスク因子としては、例えば、他のがん型よりも顕著な影響を有する、体重、食事、および運動が挙げられる。より多くの穀物、果物、および野菜を含む食事は、十分なビタミンDを有することに加えて、結腸直腸がんの割合を減少させ得る。アルコールおよびタバコの使用も、結腸直腸がんの発生について、個体のリスクを増加させる。ある特定の高いリスク因子としては、限定されるものではないが、慢性炎症、および/または炎症性腸疾患(IBD)の個人歴が挙げられる。
【0145】
国際がん研究機関(IARC)は、タバコの煙中で少なくとも50の公知の発がん物質を同定している。そのような発がん物質の例としては、限定されるものではないが、タバコの処理の間および喫煙の間のニコチンのニトロソ化によって形成されるタバコ特異的N-ニトロソアミン(TSNA)が挙げられる。化学物質の4-(メチルニトロソアミノ)-1(3-ピリジル)-1-ブタノン(NNK)は、実験動物において結腸直腸がん(例えば、結腸直腸腺癌)を誘導することが公知である。NNKは、DNAに結合し、DNA付加体を作出し、DNA損傷をもたらすことが公知である。この損傷の修復の失敗は、永続的突然変異をもたらし得る。NNKは、ヒト結腸直腸がんにおいて検出されるK-ras癌遺伝子の活性化をもたらすDNA突然変異と関連する。
【0146】
一部の実施形態では、本開示は、遺伝的リスクがある個体、または生活歴関連リスクを有する個体における結腸直腸がんの有効なスクリーニングのための技術を提供する。一部の実施形態では、本開示は、平均リスクの個体における結腸直腸がんの有効なスクリーニングのための技術を提供する。一部の実施形態では、本開示は、結腸直腸がんと関連する1つまたは複数の症状を有する個体における結腸直腸がんの有効なスクリーニングのための技術を提供する。一部の実施形態では、本開示は、無症候性個体における結腸直腸がんの有効なスクリーニングのための技術を提供する。男性および女性の両方で比較的一般的であるにもかかわらず、現在、対象の血液試料に基づき、無症候性および/または平均リスクの個体(例えば、55歳より下の個体、または55歳を超える個体)をスクリーニングするために意図される、非侵襲性の推奨される結腸直腸がんのスクリーニングツールは存在しない。これは、一部では、費用、限定的な利用可能性、潜在的な副作用、および/または既存の結腸直腸がんおよび結腸直腸がんスクリーニング技術の不十分な性能(例えば、高い偽陽性率、または無効果)に起因する。平均リスク個体における結腸直腸がんの発生率を考慮すると、不適切な検査の特異度(<99.5%)は、真陽性の数を1桁超上回る偽陽性の結果をもたらすことができる。これは、医療制度、および擬陽性結果とスクリーニングされた個体に、かなりの負担をかけ、追加検査、不必要な外科手術、および感情的/身体的苦痛をもたらす(Wu et al., 2016)。一部の実施形態では、本開示は、特に有用な結腸直腸がんスクリーニング検査が、ステージIおよびII結腸直腸がん(すなわち、予後が最も有利である場合)について、(1)擬陽性の数を最小化する超高特異度(>99.5%)、および(2)高い感度(>40%)によって特徴付けられるであろうという洞察を提供する。
【0147】
一部の実施形態では、本開示は、特に有用な結腸直腸がんスクリーニング検査が、ステージIおよびII結腸直腸がん(すなわち、予後が最も有利である場合)について、(1)擬陽性の数を最小化する超高特異度(>98%)、および(2)高い感度(>40%)によって特徴付けられ得るという洞察を提供する。例えば、一部の実施形態では、特に有用な結腸直腸がんスクリーニング検査は、例えば、ステージIおよびII結腸直腸がんについて、>98%の特異度および>50%の感度によって特徴付けられてもよい。一部の実施形態では、特に有用な結腸直腸がんスクリーニング検査は、例えば、ステージIおよびII結腸直腸がんについて、>98%の特異度および>60%の感度によって特徴付けられてもよい。一部の実施形態では、特に有用な結腸直腸がんスクリーニング検査は、例えば、ステージIおよびII結腸直腸がんについて、>98%の特異度および>70%の感度によって特徴付けられてもよい。一部の実施形態では、特に有用な結腸直腸がんスクリーニング検査は、例えば、ステージIおよびII結腸直腸がんについて、>99.5%の特異度および>65%の感度によって特徴付けられてもよい。一部の実施形態では、特に有用な結腸直腸がんスクリーニング検査は、例えば、ステージIおよびII結腸直腸がんについて、>99.5%の特異度、および>60%の感度によって特徴付けられてもよい。一部の実施形態では、特に有用な結腸直腸がんスクリーニング検査は、99%またはそれよりも高い特異度、および>10%またはそれよりも高い(例えば、>15%、>20%、>25%を含む)の感度によって特徴付けられてもよい。一部の実施形態では、特に有用な結腸直腸がんスクリーニング検査は、99%またはそれよりも高い特異度および50%またはそれよりも高い感度によって特徴付けられてもよい。一部の実施形態では、特に有用な結腸直腸がんスクリーニング検査は、90%またはそれよりも高い特異度、および50%またはそれよりも高い感度によって特徴付けられてもよい。
【0148】
一部の実施形態では、本開示は、バイオマーカーの組合せの2つ以上のセット(例えば、本明細書に記載される少なくとも2つのオルソゴナルなバイオマーカーの組合せ)を含む結腸直腸がんスクリーニング検査が、バイオマーカーの組合せの1つのセットによって達成されるものと比較して、そのようなアッセイの特異度および/または感度を増加させることができるという洞察を提供する。例えば、一部の実施形態では、少なくとも2つのオルソゴナルなバイオマーカーの組合せを含む結腸直腸がんスクリーニング検査は、少なくとも98%の特異度および少なくとも50%の感度を達成することができる。一部の実施形態では、少なくとも2つのオルソゴナルなバイオマーカーの組合せを含む結腸直腸がんスクリーニング検査は、少なくとも98%の特異度および少なくとも60%の感度を達成することができる。一部の実施形態では、少なくとも2つのオルソゴナルなバイオマーカーの組合せを含む結腸直腸がんスクリーニング検査は、99%の特異度および50%またはそれよりも高い感度を達成することができる。
【0149】
一部の実施形態では、本開示は、特に有用な結腸直腸がんスクリーニング検査が、経済的に正当な費用で許容される陽性予測値(PPV)によって特徴付けられ得るという洞察を提供する。PPVは、患者が、陽性の検査後に疾患を有する可能性であり、感度、特異度、および/または疾患有病率によって影響を受ける。一部の実施形態では、本明細書に記載されるアッセイは、例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、またはそれよりも高いを含んで、少なくとも70%またはそれよりも高い特異度カットオフで、例えば、15%超、20%超、もしくは25%超、またはそれよりも高いを含んで、10%超またはそれよりも高いPPVを達成する早期結腸直腸がん検出のために有用であり得る。一部の実施形態では、本明細書に記載されるアッセイは、例えば、少なくとも90%、少なくとも95%、またはそれよりも高いを含んで、少なくとも85%またはそれよりも高い特異度カットオフ(例えば、結腸直腸がんについて遺伝的リスクがある対象について、少なくとも98%の特異度カットオフ、または結腸直腸がんと関連する1つまたは複数の症状を経験している対象について、少なくとも99.5%の特異度カットオフ)で、例えば、15%超、20%超、もしくは25%超、またはそれよりも高いを含んで、10%超またはそれよりも高いPPVを達成する早期結腸直腸がん検出のために特に有用である。
【0150】
一部の実施形態では、本明細書に記載されるアッセイは、早期結腸直腸がん検出のための一次スクリーニング検査として特に有用である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるアッセイから陽性の検査結果を受けた対象は、フォローアップ検査、例えば、大腸内視鏡検査を受けることを推奨される。一部のそのような実施形態では、本明細書に記載されるアッセイは、例えば、3%超、4%超、5%超、6%超、7%超、8%超、9%超、10%超、15%超、20%超、もしくは25%超、またはそれよりも高いを含んで、2%超またはそれよりも高いPPVを達成する早期結腸直腸がん検出のために有用であり得る。一部の実施形態では、本明細書に記載されるアッセイは、例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、またはそれよりも高いを含んで、少なくとも70%またはそれよりも高い特異度カットオフを達成することができる。一部のそのような実施形態では、本明細書に記載されるアッセイは、例えば、少なくとも90%、少なくとも95%、またはそれよりも高いを含んで、少なくとも85%またはそれよりも高い特異度カットオフ(例えば、結腸直腸がんについて遺伝的リスクがある対象について、少なくとも98%の特異度カットオフ、または結腸直腸がんと関連する1つまたは複数の症状を経験している対象について、少なくとも99.5%の特異度カットオフ)を達成することができる。
【0151】
循環腫瘍DNA(ctDNA)、循環腫瘍細胞(CTC)、バルクタンパク質、および細胞外小胞(EV)を含むいくつかの異なるバイオマーカークラスが、結腸直腸がんリキッドバイオプシーアッセイのために研究されている。EVは、ctDNAおよびCTCと比べて、血流におけるそれらの存在量および安定性に起因して特に有望であり、初期がんについての改善された感度を示唆する。また、EVは、同じ細胞が起源のカーゴ(すなわち、タンパク質、RNA、代謝産物)を含有し、バルクタンパク質の測定を上回る優れた特異度を提供する。診断有用性EVが研究されているが、この研究の多くは、バルクEV測定またはロースループット単一EV分析に関している。
II.結腸直腸がんの検出のための提供されるバイオマーカーおよび/または標的バイオマーカーシグネチャー
【0152】
本開示は、数ある中でも、結腸直腸がんのためのさまざまな標的バイオマーカーまたはその組合せ(例えば、標的バイオマーカーシグネチャー)を提供する。結腸直腸がんについて高い感度および特異度を示すと予測されるそのような標的バイオマーカーシグネチャーは、多方面にわたるバイオインフォマティクス分析および生物学的アプローチによって発見され、これは、例えば、一部の実施形態では、機械学習および/またはコンピューター計算モデリングによる、例えば、一部の実施形態では、シークエンシングデータ、発現データ、質量分析法、組織診、翻訳後改変データ、ならびに/またはin vitroおよび/もしくはin vivo実験データのうちの1つまたは複数を含むデータの多用なセットのコンピューター解析を含む。
【0153】
一部の実施形態では、結腸直腸がんの標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも1つまたは複数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、またはそれよりも多く)の表面バイオマーカー(例えば、一部の実施形態では、結腸直腸がんと関連する細胞外小胞に存在する表面ポリペプチド;「細胞外小胞関連表面バイオマーカー」)ならびに表面バイオマーカー、小胞内バイオマーカー、および小胞内RNAバイオマーカーからなる群から選択される少なくとも1つまたは複数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、またはそれよりも多く)の標的バイオマーカーを含み、その結果、そのような表面バイオマーカーおよびそのような標的バイオマーカーの組合せは、(a)偽陽性の数を最小化する高い特異度(例えば、98%超またはそれよりも高い、例えば、99%超、または99.5%超)、および(b)予後が最も有利であるステージIおよびII結腸直腸がんについて高い感度(例えば、40%超、50%超、60%超、70%超、80%超)を提供する、結腸直腸がんの標的バイオマーカーシグネチャーを提示する。
【0154】
一部の実施形態では、本開示は、ある特定の実施形態では、異なる結腸直腸がんリスクレベルを有する対象についての感度の比率および特異度の比率は、主治医および/または関心のある医療組合によって示されたガイドラインのリスク許容性に応じて変わり得ることを認識する。一部の実施形態では、より低い特異度および/または感度は、結腸直腸がんについてより低いリスクを有する患者についてのものと比較して、結腸直腸がんのより高いリスクがある患者(例えば、生活歴関連リスク因子を有する患者、症候性患者、または結腸直腸がんの家族歴を有する患者など)をスクリーニングするために使用されてもよい。例えば、一部の実施形態では、結腸直腸がんの検出に有用な本明細書に記載されるバイオマーカーの組合せは、例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99.5%、またはそれよりも高いを含んで、少なくとも70%の特異度を提供し得る。加えてまたは代替的に、一部の実施形態では、結腸直腸がんの検出に有用な本明細書に記載されるバイオマーカーの組合せは、例えば、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99.5%、またはそれよりも高いを含んで、少なくとも50%の感度を提供し得る。
【0155】
ある特定の実施形態では、結腸直腸がんのリスクがある対象は、85%またはそれよりも高い特異度の比率(例えば、少なくとも90%、少なくとも95%、またはそれよりも高い特異度の比率を含む)で、50%またはそれよりも高い感度(例えば、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、またはそれよりも高い感度を含む)で供され得る。ある特定の実施形態では、生活歴関連リスク因子を有する対象は、85%またはそれよりも高い特異度の比率(例えば、少なくとも90%、少なくとも95%、またはそれよりも高い特異度の比率を含む)で、50%またはそれよりも高い感度(例えば、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、またはそれよりも高い感度を含む)で供され得る。ある特定の実施形態では、症候性対象は、85%またはそれよりも高い特異度の比率(例えば、少なくとも90%、少なくとも95%、またはそれよりも高い特異度の比率を含む)で、50%またはそれよりも高い感度(例えば、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、またはそれよりも高い感度を含む)で供され得る。ある特定の実施形態では、非症候性対象は、85%またはそれよりも高い特異度の比率(例えば、少なくとも90%、少なくとも95%、またはそれよりも高い特異度の比率を含む)で、50%またはそれよりも高い感度(例えば、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、またはそれよりも高い感度を含む)で供され得る。ある特定の実施形態では、結腸直腸がんのリスクがある対象は、99.5%の特異度の比率と70%の感度、または98%の特異度の比率と80%の感度で供され得る。ある特定の実施形態では、生活歴関連リスク因子を有する対象は、99.5%の特異度の比率と70%の感度、または98%の特異度の比率と80%の感度で供され得る。一部の実施形態では、リスクがある対象(例えば、生活歴関連リスク因子を有する)における結腸直腸がんの検出のための本明細書に記載されるアッセイは、例えば、70%未満、60%未満、50%未満、またはそれよりも低い感度の比率を含んで、80%未満の感度であるセット感度の比率を有していてもよい。ある特定の実施形態では、非症候性対象は、99.5%の特異度の比率と70%の感度、または98%の特異度の比率と80%の感度で供され得る。一部の実施形態では、非症候性対象における結腸直腸がんの検出のための本明細書に記載されるアッセイは、例えば、70%未満、60%未満、50%未満、またはそれよりも低い感度の比率を含んで、80%未満の感度であるセット感度の比率を有していてもよい。一部の実施形態では、症候性対象における結腸直腸がんの検出のための本明細書に記載される技術および/またはアッセイは、無症候性対象における結腸直腸がんの検出のためのものよりも低い感度および/または特異度の要件を有していてもよい。一部の実施形態では、症候性対象における結腸直腸がんの検出のための本明細書に記載されるアッセイは、例えば、99%未満の感度、95%未満、90%未満、または85%未満の特異度の比率を含んで、99.5%未満の特異度であるセット特異度の比率を有していてもよい。一部の実施形態では、症候性対象における結腸直腸がんの検出のための本明細書に記載されるアッセイは、例えば、70%未満、または60%未満の感度の比率を含んで、80%未満の感度であるセット感度の比率を有していてもよい。
【0156】
一部の実施形態では、本開示は、数ある中でも、2%またはそれよりも高い陽性予測値(PPV)を提供する結腸直腸がんのバイオマーカーシグネチャーが、結腸直腸がんについてのリスクがある個体をスクリーニングするために有用であり得ることを認識する。一部の実施形態では、結腸直腸がんの標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも1つの表面バイオマーカー(例えば、結腸直腸がんと関連する細胞外小胞の表面上に存在する表面バイオマーカー)、ならびに表面バイオマーカー、小胞内バイオマーカー、および小胞内RNAバイオマーカーからなる群から選択される少なくとも1つの標的バイオマーカーを含み、その結果、そのような表面バイオマーカーおよびそのような標的バイオマーカーの組合せは、高リスク集団において、例えば、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%またはそれよりも高い、少なくとも15%またはそれよりも高い、少なくとも20%またはそれよりも高い、少なくとも25%またはそれよりも高い、および/または少なくとも30%またはそれよりも高いを含んで、少なくとも2%またはそれよりも高い陽性予測値(PPV)を提供する結腸直腸がんの標的バイオマーカーシグネチャーを提示する。
【0157】
一般に、本明細書で使用される遺伝子識別子は、UniProt Consortium(UniProt.org)によって分類されたGene Identificationを指し、当業者は、ある特定の遺伝子が、複数の名称によって公知であり得、そのような複数の名称も容易に認識することを理解するであろう。
【0158】
一般に、本明細書で使用される炭水化物識別子は、Kegg Cancer-associated Carbohydratesデータベース(genome.jp/kegg/disease/br08441.html)を指し、当業者は、ある特定の炭水化物が、複数の名称によって公知であり得、そのような複数の名称も容易に認識することを理解するであろう。
【0159】
一部の実施形態では、結腸直腸がんの標的バイオマーカーシグネチャーに含まれる標的バイオマーカーは、長鎖脂肪酸-CoAリガーゼ5(ACSL5)ポリペプチド、アクチビン受容体2B型(ACVR2B)ポリペプチド、デルタ-1-ピロリン-5-カルボン酸シンターゼ(ALDH18A1)ポリペプチド、ドリチル-リン酸ベータ-グルコシルトランスフェラーゼ(ALG5)ポリペプチド、AP-1複合体サブユニットミュー-2(AP1M2)ポリペプチド、ナトリウム/カリウム輸送ATPaseサブユニットベータ-1(ATP1B1)ポリペプチド、N-アセチルラクトサミニドベータ-1,3-N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ3(B3GNT3)ポリペプチド、B細胞受容体関連タンパク質31(BCAP31)ポリペプチド、末梢細胞膜タンパク質CASK(CASK)ポリペプチド、プロミニン-1(CD133)ポリペプチド、カドヘリン-1(CDH1)ポリペプチド、カドヘリン-17(CDH17)ポリペプチド、カドヘリン-3(CDH3)ポリペプチド、癌胎児性抗原関連細胞接着分子5(CEACAM5)ポリペプチド、癌胎児性抗原関連細胞接着分子6(CEACAM6)ポリペプチド、補体因子B(CFB)ポリペプチド、嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)ポリペプチド、コリンデヒドロゲナーゼ、ミトコンドリア(CHDH)ポリペプチド、荷電多胞体タンパク質4b(CHMP4B)ポリペプチド、CDGSH鉄-硫黄ドメイン含有タンパク質2(CISD2)ポリペプチド、塩素細胞内チャネルタンパク質1(CLIC1)ポリペプチド、コートマーサブユニットガンマ-2(COPG2)ポリペプチド、チトクロムP450 2S1(CYP2S1)ポリペプチド、ジペプチダーゼ1(DPEP1)ポリペプチド、デスモグレイン-2(DSG2)ポリペプチド、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバーEDAR(EDAR)ポリペプチド、上皮細胞接着分子(EPCAM)ポリペプチド、エフリンB型受容体2(EPHB2)ポリペプチド、エフリンB型受容体3(EPHB3)ポリペプチド、小胞体メタロペプチダーゼ1(ERMP1)ポリペプチド、フェルミチンファミリーホモログ1(FERMT1)ポリペプチド、ポリペプチドN-アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼ3(GALNT3)ポリペプチド、グルコサミン6-リン酸N-アセチルトランスフェラーゼ(GNPNAT1)ポリペプチド、ゴルジ内在性膜タンパク質4(GOLIM4)ポリペプチド、細胞表面A33抗原(GPA33)ポリペプチド、レチノイン酸誘導タンパク質3(GPCR5A)ポリペプチド、超長鎖(3R)-3-ヒドロキシアシル-CoAデヒドラターゼ3(HACD3)ポリペプチド、ヘファエスチン(HEPH)ポリペプチド、ヘキソキナーゼHKDC1(HKDC1)ポリペプチド、インディアンヘッジホッグタンパク質(IHH)ポリペプチド、免疫グロブリン様ドメイン含有受容体1(ILDR1)ポリペプチド、インテグリンアルファ-2(ITGA2)ポリペプチド、カリウム電位依存性チャネルサブファミリーKQTメンバー1(KCNQ1)ポリペプチド、Kell式血液型糖タンパク質(KEL)ポリペプチド、インポーチンサブユニットアルファ-1(KPNA2)ポリペプチド、ラジニン-1(LAD1)ポリペプチド、ラミニンサブユニットガンマ-2(LAMC2)ポリペプチド、デルタ(14)-ステロールレダクターゼLBR(LBR)ポリペプチド、ラミニン-B1(LMNB1)ポリペプチド、ラミニン-B2(LMNB2)ポリペプチド、リポリーシス刺激リポタンパク質受容体;(LSR)ポリペプチド、エンスコンシン(MAP7)ポリペプチド、MARCKS関連タンパク質(MARCKSL1)ポリペプチド、マレクチン(MLEC)ポリペプチド、ムチン-1(MUC1)ポリペプチド、ムチン-13(MUC13)ポリペプチド、中性コレステロールエステルヒドロラーゼ1(NCEH1)ポリペプチド、NADHデヒドロゲナーゼ[ユビキノン]鉄-硫黄タンパク質6、ミトコンドリア(NDUFS6)ポリペプチド、ニューロリシン、ミトコンドリア(NLN)ポリペプチド、NADPHオキシダーゼ1(NOX1)ポリペプチド、核膜孔膜糖タンパク質210(NUP210)ポリペプチド、OCIAドメイン含有タンパク質2(OCIAD2)ポリペプチド、セリン/トレオニン-タンパク質ホスファターゼPGAM5、ミトコンドリア(PGAM5)ポリペプチド、多量体免疫グロブリン受容体(PIGR)ポリペプチド、GPIトランスアミダーゼコンポーネントPIG-T(PIGT)ポリペプチド、不活性チロシン-プロテインキナーゼ7(PTK7)ポリペプチド、Ras関連タンパク質Rab-25(RAB25)ポリペプチド、Ras関連タンパク質Rap-2a(RAP2A)ポリペプチド、Ras関連タンパク質Rap-2b(RAP2B)ポリペプチド、タンパク質RCC2(RCC2)ポリペプチド、E3ユビキチン-タンパク質リガーゼRNF43(RNF43)ポリペプチド、ドリチル-ジホスホオリゴ糖--タンパク質グリコシルトランスフェラーゼサブユニット1(RPN1)ポリペプチド、ドリチル-ジホスホオリゴ糖--タンパク質グリコシルトランスフェラーゼサブユニット2(RPN2)ポリペプチド、40Sリボソームタンパク質S3(RPS3)ポリペプチド、RuvB様2(RUVBL2)ポリペプチド、タンパク質S100-P(S100P)ポリペプチド、溶質輸送体ファミリー12メンバー2(SLC12A2)ポリペプチド、ADP/ATPトランスロカーゼ3(SLC25A6)ポリペプチド、溶質輸送体ファミリー2、促進性グルコース輸送体メンバー1(SLC2A1)ポリペプチド、小型内在性膜タンパク質22(SMIM22)ポリペプチド、ベータ-1-シントロフィン(SNTB1)ポリペプチド、ソルビトールデヒドロゲナーゼ(SORD)ポリペプチド、トランスロコン関連タンパク質サブユニットデルタ(SSR4)ポリペプチド、腫瘍原性14タンパク質抑制剤(ST14)ポリペプチド、ストマチン様タンパク質2、ミトコンドリア(STOML2)ポリペプチド、ドリチル-ジホスホオリゴ糖--タンパク質グリコシルトランスフェラーゼサブユニットSTT3B(STT3B)ポリペプチド、シナプス関連タンパク質1(SYAP1)ポリペプチド、9回膜貫通型スーパーファミリーメンバー2(TM9SF2)ポリペプチド、膜貫通型emp24ドメイン含有タンパク質2(TMED2)ポリペプチド、ラミナ関連ポリペプチド2、アイソフォームアルファ(TMPO)ポリペプチド、ミトコンドリア輸入受容体サブユニットTOM22ホモログ(TOMM22)ポリペプチド、ミトコンドリア輸入受容体サブユニットTOM34(TOMM34)ポリペプチド、抗ミュラー管ホルモン2型受容体(AMHR2)ポリペプチド、CanAg(MUC1のグリコフォーム)、クローディン-1(CLDN1)ポリペプチド、デルタ様タンパク質4(DLL4)ポリペプチド、上皮増殖因子受容体(EGFR)ポリペプチド、受容体チロシン-プロテインキナーゼerbB-2(ERBB2)ポリペプチド、プロリルエンドペプチダーゼFAP(FAP)ポリペプチド、線維芽細胞増殖因子受容体4(FGFR4)ポリペプチド、葉酸受容体アルファ(FOLR1)ポリペプチド、熱安定性エンテロトキシン受容体(GUCY2C)ポリペプチド、インスリン様増殖因子1受容体(IGF1R)ポリペプチド、インターロイキン-1アルファ(IL1A)ポリペプチド、インテグリンアルファ-V(ITGAV)ポリペプチド、ケラチン、II型細胞骨格8(KRT8)ポリペプチド、Lewis Y/B抗原、Lewis B抗原、ロイシンリッチリピート含有G-タンパク質共役受容体5(LGR5)ポリペプチド、(LPR6)ポリペプチド、肝細胞増殖因子受容体(MET)ポリペプチド、マクロファージ刺激タンパク質受容体(MST1R)ポリペプチド、ムチン-5AC(MUC5AC)ポリペプチド、シアリルテトラオシル炭水化物、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー10B(TNFRSF10B)ポリペプチド、血管内皮増殖因子A(VEGFA)ポリペプチド、Tn抗原、シアリルTn(sTn)抗原、トムセン-フリーデンライヒ(T,TF)抗原、Lewis Y抗原(CD174としても公知)、シアリルLewis X(sLex)抗原(シアリルSSEA-1(SLX)としても公知))、シアリルLewis A抗原(CA19-9としても公知)、SSEA-1(Lewis X抗原としても公知)、NeuGcGM3、およびその組合せからなる群から選択される表面バイオマーカーであるか、またはそれを含む。
【0160】
一部の実施形態では、結腸直腸がんの標的バイオマーカーシグネチャーに含まれる標的バイオマーカーは、アクチビン受容体2B型(ACVR2B)ポリペプチド、N-アセチルラクトサミニドベータ-1,3-N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ3(B3GNT3)ポリペプチド、プロミニン-1(CD133)ポリペプチド、カドヘリン-17(CDH17)ポリペプチド、カドヘリン-3(CDH3)ポリペプチド、癌胎児性抗原関連細胞接着分子5(CEACAM5)ポリペプチド、癌胎児性抗原関連細胞接着分子6(CEACAM6)ポリペプチド、補体因子B(CFB)ポリペプチド、嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)ポリペプチド、チトクロムP450 2S1(CYP2S1)ポリペプチド、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバーEDAR(EDAR)ポリペプチド、上皮細胞接着分子(EPCAM)ポリペプチド、エフリンB型受容体2(EPHB2)ポリペプチド、エフリンB型受容体3(EPHB3)ポリペプチド、レチノイン酸誘導タンパク質3(GPCR5A)ポリペプチド、インディアンヘッジホッグタンパク質(IHH)ポリペプチド、免疫グロブリン様ドメイン含有受容体1(ILDR1)ポリペプチド、カリウム電位依存性チャネルサブファミリーKQTメンバー1(KCNQ1)ポリペプチド、Kell式血液型糖タンパク質(KEL)ポリペプチド、MARCKS関連タンパク質(MARCKSL1)ポリペプチド、ムチン-1(MUC1)ポリペプチド、NADPHオキシダーゼ1(NOX1)ポリペプチド、OCIAドメイン含有タンパク質2(OCIAD2)ポリペプチド、E3ユビキチン-タンパク質リガーゼRNF43(RNF43)ポリペプチド、小型内在性膜タンパク質22(SMIM22)ポリペプチド、デルタ様タンパク質4(DLL4)ポリペプチド、受容体チロシン-プロテインキナーゼerbB-2(ERBB2)ポリペプチド、プロリルエンドペプチダーゼFAP(FAP)ポリペプチド、インテグリンアルファ-V(ITGAV)ポリペプチド、マクロファージ刺激タンパク質受容体(MST1R)ポリペプチド、ムチン-5AC(MUC5AC)ポリペプチド、Lewis Y抗原、シアリルTn(sTn)抗原、シアリルLewis X(sLex)抗原(シアリルSSEA-1(SLX)としても公知))、T抗原、Tn抗原、およびその組合せからなる群から選択される表面バイオマーカーであるか、またはそれを含む。
【0161】
一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、ACSL5ポリペプチド、ACVR2Bポリペプチド、ALDH18A1ポリペプチド、ALG5ポリペプチド、AP1M2ポリペプチド、ATP1B1ポリペプチド、B3GNT3ポリペプチド、BCAP31ポリペプチド、CASKポリペプチド、CDH1ポリペプチド、CD133ポリペプチド、CDH17ポリペプチド、CDH3ポリペプチド、CEACAM5ポリペプチド、CEACAM6ポリペプチド、CFBポリペプチド、CFTRポリペプチド、CHDHポリペプチド、CHMP4Bポリペプチド、CISD2ポリペプチド、CLIC1ポリペプチド、COPG2ポリペプチド、CYP2S1ポリペプチド、DPEP1ポリペプチド、DSG2ポリペプチド、EDARポリペプチド、EPCAMポリペプチド、EPHB2ポリペプチド、EPHB3ポリペプチド、ERMP1ポリペプチド、FERMT1ポリペプチド、GALNT3ポリペプチド、GNPNAT1ポリペプチド、GPCR5Aポリペプチド、GOLIM4ポリペプチド、GPA33ポリペプチド、HACD3ポリペプチド、HEPHポリペプチド、HKDC1ポリペプチド、IHHポリペプチド、ILDR1ポリペプチド、ITGA2ポリペプチド、KCNQ1ポリペプチド、KELポリペプチド、KPNA2ポリペプチド、LAD1ポリペプチド、LAMC2ポリペプチド、LBRポリペプチド、LMNB1ポリペプチド、LMNB2ポリペプチド、LSRポリペプチド、MAP7ポリペプチド、MARCKSL1ポリペプチド、MLECポリペプチド、MUC1ポリペプチド、MUC13ポリペプチド、NCEH1ポリペプチド、NDUFS6ポリペプチド、NLNポリペプチド、NOX1ポリペプチド、NUP210ポリペプチド、OCIAD2ポリペプチド、PGAM5ポリペプチド、PIGRポリペプチド、PIGTポリペプチド、PTK7ポリペプチド、RAB25ポリペプチド、RAP2Aポリペプチド、RAP2Bポリペプチド、RCC2ポリペプチド、RNF43ポリペプチド、RPN1ポリペプチド、RPN2ポリペプチド、RPS3ポリペプチド、RUVBL2ポリペプチド、S100Pポリペプチド、SLC12A2ポリペプチド、SLC25A6ポリペプチド、SLC2A1ポリペプチド、SMIM22ポリペプチド、SNTB1ポリペプチド、SORDポリペプチド、SSR4ポリペプチド、ST14ポリペプチド、STOML2ポリペプチド、STT3Bポリペプチド、SYAP1ポリペプチド、TM9SF2ポリペプチド、TMED2ポリペプチド、TMPOポリペプチド、TOMM22ポリペプチド、TOMM34ポリペプチド、AMHR2ポリペプチド、CanAg(MUC1のグリコフォーム)、CLDN1ポリペプチド、DLL4ポリペプチド、EGFRポリペプチド、ERBB2ポリペプチド、FAPポリペプチド、FGFR4ポリペプチド、FOLR1ポリペプチド、GUCY2Cポリペプチド、IGF1Rポリペプチド、IL1Aポリペプチド、ITGAVポリペプチド、KRT8ポリペプチド、Lewis Y/B抗原、Lewis B抗原、LGR5ポリペプチド、LPR6ポリペプチド、METポリペプチド、MST1Rポリペプチド、MUC5ACポリペプチド、シアリルテトラオシル炭水化物、TNFRSF10Bポリペプチド、VEGFAポリペプチド、Tn抗原、シアリルTn(sTn)抗原、トムセン-フリーデンライヒ(T,TF)抗原、Lewis Y抗原(CD174としても公知)、シアリルLewis X(sLex)抗原(シアリルSSEA-1(SLX)としても公知)、シアリルLewis A抗原(CA19-9としても公知)、SSEA-1(Lewis X抗原としても公知)、NeuGcGM3、およびその組合せからなるリストからそれぞれ独立して選択される1つもしくは複数の細胞外小胞関連表面バイオマーカーおよび/または1つもしくは複数の表面バイオマーカーを含む。
【0162】
一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、ACVR2Bポリペプチド、B3GNT3ポリペプチド、CD133ポリペプチド、CDH17ポリペプチド、CDH3ポリペプチド、CEACAM5ポリペプチド、CEACAM6ポリペプチド、CFBポリペプチド、CFTRポリペプチド、CYP2S1ポリペプチド、EDARポリペプチド、EPCAMポリペプチド、EPHB2ポリペプチド、EPHB3ポリペプチド、GPCR5Aポリペプチド、IHHポリペプチド、ILDR1ポリペプチド、KCNQ1ポリペプチド、KELポリペプチド、MARCKSL1ポリペプチド、MUC1ポリペプチド、NOX1ポリペプチド、RNF43ポリペプチド、SMIM22ポリペプチド、DLL4ポリペプチド、ERBB2ポリペプチド、FAPポリペプチド、ITGAVポリペプチド、MST1Rポリペプチド、MUC5ACポリペプチド、Lewis Y抗原、シアリルTn(sTn)抗原、シアリルLewis X(sLex)抗原(シアリルSSEA-1(SLX)としても公知)、T抗原、Tn抗原、およびその組合せからなるリストからそれぞれ独立して選択される1つもしくは複数の細胞外小胞関連表面バイオマーカーおよび/または1つもしくは複数の表面バイオマーカーを含む。
【0163】
一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、PIGTポリペプチド、FERMT1ポリペプチド、EPCAMポリペプチド、CYP2S1ポリペプチド、EPHB2ポリペプチド、CEACAM6ポリペプチド、CEACAM5ポリペプチド、CDH17ポリペプチド、MARCKSL1ポリペプチド、TOMM34ポリペプチド、S100Pポリペプチド、AP1M2ポリペプチド、EPHB3ポリペプチド、CDH1ポリペプチド、LSRポリペプチド、MAP7ポリペプチド、HEPHポリペプチド、MUC13ポリペプチド、SLC12A2ポリペプチド、RAB25ポリペプチド、GALNT3ポリペプチド、LAMC2ポリペプチド、PGAM5ポリペプチド、RPN2ポリペプチド、DSG2ポリペプチド、CASKポリペプチド、ALG5ポリペプチド、LAD1ポリペプチド、HACD3ポリペプチド、LMNB2ポリペプチド、およびその組合せからなるリストからそれぞれ選択される1つもしくは複数の細胞外小胞関連表面バイオマーカーおよび/または1つもしくは複数の表面バイオマーカーを含む。
【0164】
一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、PIGTポリペプチド、FERMT1ポリペプチド、EPCAMポリペプチド、CYP2S1ポリペプチド、EPHB2ポリペプチド、CEACAM6ポリペプチド、CEACAM5ポリペプチド、CDH17ポリペプチド、MARCKSL1ポリペプチド、TOMM34ポリペプチド、S100Pポリペプチド、AP1M2ポリペプチド、EPHB3ポリペプチド、CDH1ポリペプチド、LSRポリペプチド、およびその組合せからなるリストからそれぞれ選択される1つもしくは複数の細胞外小胞関連表面バイオマーカーおよび/または1つもしくは複数の表面バイオマーカーを含む。
【0165】
一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、ACVR2Bポリペプチド、B3GNT3ポリペプチド、CD133ポリペプチド、CDH17ポリペプチド、CDH3ポリペプチド、CEACAM5ポリペプチド、CEACAM6ポリペプチド、CFBポリペプチド、CFTRポリペプチド、CYP2S1ポリペプチド、EDARポリペプチド、EPCAMポリペプチド、EPHB2ポリペプチド、EPHB3ポリペプチド、GPCR5Aポリペプチド、IHHポリペプチド、ILDR1ポリペプチド、KCNQ1ポリペプチド、KELポリペプチド、MARCKSL1ポリペプチド、MUC1ポリペプチド、NOX1ポリペプチド、RNF43ポリペプチド、SMIM22ポリペプチド、DLL4ポリペプチド、ERBB2ポリペプチド、FAPポリペプチド、ITGAVポリペプチド、MST1Rポリペプチド、MUC5ACポリペプチド、Lewis Y抗原、シアリルTn(sTn)抗原、シアリルLewis X(sLex)抗原(シアリルSSEA-1(SLX)としても公知)、T抗原、Tn抗原、およびその組合せからなるリストからそれぞれ独立して選択される1つもしくは複数の細胞外小胞関連表面バイオマーカーおよび/または1つもしくは複数の表面バイオマーカーを含む。
【0166】
一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、FERMT1ポリペプチド、EPCAMポリペプチド、EPHB2ポリペプチド、CEACAM6ポリペプチド、CEACAM5ポリペプチド、CDH17ポリペプチド、MARCKSL1ポリペプチド、TOMM34ポリペプチド、S100Pポリペプチド、EPHB3ポリペプチド、CDH1ポリペプチド、MUC13ポリペプチド、SLC12A2ポリペプチド、RAB25ポリペプチド、LAMC2ポリペプチド、およびその組合せからなるリストからそれぞれ選択される1つもしくは複数の細胞外小胞関連表面バイオマーカーおよび/または1つもしくは複数の表面バイオマーカーを含む。
【0167】
一部の実施形態では、結腸直腸がんの標的バイオマーカーシグネチャーにおける標的バイオマーカーは、AGMATポリペプチド、AGR2ポリペプチド、AGR3ポリペプチド、ANKS4Bポリペプチド、AP1M2ポリペプチド、ARSEポリペプチド、ASCL2ポリペプチド、BSPRYポリペプチド、C10orf99ポリペプチド、C15orf48ポリペプチド、C1orf106ポリペプチド、C9orf152ポリペプチド、CBLCポリペプチド、CCL24ポリペプチド、CDCA7ポリペプチド、CDX1ポリペプチド、CDX2ポリペプチド、DDCポリペプチド、DSG2ポリペプチド、EHFポリペプチド、ELF3ポリペプチド、EPS8L3ポリペプチド、ESRP1ポリペプチド、ESRP2ポリペプチド、ETV4ポリペプチド、EVPLポリペプチド、FABP1ポリペプチド、FAM3Dポリペプチド、FAM83Eポリペプチド、FAM84Aポリペプチド、FERMT1ポリペプチド、FOXA2ポリペプチド、FOXA3ポリペプチド、FOXQ1ポリペプチド、GPX2ポリペプチド、GRB7ポリペプチド、HKDC1ポリペプチド、HMGCS2ポリペプチド、HNF4Aポリペプチド、HOXB9ポリペプチド、KCNN4ポリペプチド、KLK1ポリペプチド、KRT20ポリペプチド、KRT23ポリペプチド、KRT8ポリペプチド、LGALS4ポリペプチド、METTL7Bポリペプチド、MISPポリペプチド、MUC2ポリペプチド、MYBポリペプチド、MYBL2ポリペプチド、MYO1Aポリペプチド、PHGR1ポリペプチド、PITX1ポリペプチド、PKP3ポリペプチド、PLAC8ポリペプチド、PLEK2ポリペプチド、PLS1ポリペプチド、PPP1R14Dポリペプチド、PRR15ポリペプチド、PTK6ポリペプチド、S100A14ポリペプチド、S100Pポリペプチド、SAPCD2ポリペプチド、SERPINB5ポリペプチド、SPDEFポリペプチド、TRIM15ポリペプチド、TRIM31ポリペプチド、USH1Cポリペプチド、VIL1ポリペプチド、およびその組合せからなる群から選択される小胞内バイオマーカーであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、本明細書に記載される小胞内バイオマーカーは、少なくとも1つの翻訳後改変を含んでいてもよい。
【0168】
一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、AGMAT RNA、AGR2 RNA、AGR3 RNA、ANKS4B RNA、ANO9 RNA、AP1M2 RNA、ARSE RNA、ASCL2 RNA、ATP10B RNA、B3GNT3 RNA、BIK RNA、BSPRY RNA、C10orf99 RNA、C15orf48 RNA、C1orf106 RNA、C1orf210 RNA、C9orf152 RNA、CA12 RNA、CBLC RNA、CCL24 RNA、CD24 RNA、CDCA7 RNA、CDH1 RNA、CDH17 RNA、CDH3 RNA、CDHR1 RNA、CDHR5 RNA、CDX1 RNA、CDX2 RNA、CEACAM5 RNA、CEACAM6 RNA、CEACAM7 RNA、CFTR RNA、CLDN2 RNA、CLDN3 RNA、CLDN4 RNA、CLDN7 RNA、CLRN3 RNA、COL17A1 RNA、CRB3 RNA、CYP2S1 RNA、DDC RNA、DPEP1 RNA、DSG2 RNA、EHF RNA、ELF3 RNA、EPCAM RNA、EPHB3 RNA、EPS8L3 RNA、ERN2 RNA、ESRP1 RNA、ESRP2 RNA、ETV4 RNA、EVPL RNA、FA2H RNA、FABP1 RNA、FAM3D RNA、FAM83E RNA、FAM84A RNA、FAT1 RNA、FERMT1 RNA、FOXA2 RNA、FOXA3 RNA、FOXQ1 RNA、FUT2 RNA、FUT3 RNA、FXYD3 RNA、GCNT3 RNA、GGT6 RNA、GJB1 RNA、GJB3 RNA、GPA33 RNA、GPR160 RNA、GPR35 RNA、GPX2 RNA、GRB7 RNA、GUCY2C RNA、HKDC1 RNA、HMGCS2 RNA、HNF4A RNA、HOXB9 RNA、IHH RNA、ITLN1 RNA、KCNN4 RNA、KIAA1324 RNA、KLK1 RNA、KRT20 RNA、KRT23 RNA、KRT8 RNA、LGALS4 RNA、LGR5 RNA、LY6G6D RNA、MEP1A RNA、METTL7B RNA、MISP RNA、MUC13 RNA、MUC2 RNA、MYB RNA、MYBL2 RNA、MYO1A RNA、NOX1 RNA、PDZK1IP1 RNA、PHGR1 RNA、PIGR RNA、PITX1 RNA、PKP3 RNA、PLAC8 RNA、PLEK2 RNA、PLS1 RNA、POF1B RNA、PPP1R14D RNA、PROM1 RNA、PRR15 RNA、PRSS8 RNA、PTK6 RNA、RAB25 RNA、RNF128 RNA、RNF186 RNA、RNF43 RNA、S100A14 RNA、S100P RNA、SAPCD2 RNA、SERPINB5 RNA、SLC26A3 RNA、SLC39A5 RNA、SLC44A4 RNA、SLC5A1 RNA、SMIM22 RNA、SPDEF RNA、ST6GALNAC1 RNA、TJP3 RNA、TM4SF5 RNA、TMC5 RNA、TMEM45B RNA、TMPRSS2 RNA、TMPRSS4 RNA、TNS4 RNA、TRABD2A RNA、TRIM15 RNA、TRIM31 RNA、TSPAN1 RNA、TSPAN8 RNA、UGT2B17 RNA、UGT8 RNA、USH1C RNA、VIL1 RNA、CLDN6 RNA、CRABP2 RNA、KLK7 RNA、MIF RNA、S100A1 RNA、PRAME RNA、およびその組合せからなるリストから選択される1つまたは複数の小胞内RNAバイオマーカーを含む。
【0169】
一部の実施形態では、結腸直腸がんのための標的バイオマーカーシグネチャーは、細胞外小胞を含む目的のサイズ範囲を有するナノ粒子、例えば、一部の実施形態では、約30nm~約1000nmの範囲内のサイズを有するナノ粒子の表面上に存在する、少なくとも2つまたはそれよりも多く(例えば、2、3、4、5、6、7、8、またはそれよりも多く)の表面バイオマーカー(例えば、本明細書に記載されるもの)を含む。一部の実施形態では、2つまたはそれよりも多くの表面バイオマーカーは、同じである。一部の実施形態では、2つまたはそれよりも多くの表面バイオマーカーは、別個である。
【0170】
一部の実施形態では、結腸直腸がんのための標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも1つまたは複数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、またはそれよりも多く)の細胞外小胞関連表面バイオマーカー(例えば、本明細書に記載されるもの)、および少なくとも1つまたは複数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、またはそれよりも多く)の表面バイオマーカー(例えば、本明細書に記載されるもの)を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの細胞外小胞関連表面バイオマーカーおよび少なくとも1つの表面バイオマーカーは、同じである。
【0171】
一部の実施形態では、結腸直腸がんのための標的バイオマーカーシグネチャーの少なくとも1つの細胞外小胞関連表面バイオマーカーおよび少なくとも1つの表面バイオマーカーは、別個である。例えば、一部の実施形態では、結腸直腸がんのための標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも1つの細胞外小胞関連表面バイオマーカーおよび少なくとも1つの表面バイオマーカーを含む。
【0172】
一部の実施形態では、結腸直腸がんのための標的バイオマーカーシグネチャーは、細胞外小胞を含む目的のサイズ範囲を有するナノ粒子、例えば、一部の実施形態では、約30nm~約1000nmの範囲内のサイズを有するナノ粒子の表面上に存在する、少なくとも1つまたは複数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、またはそれよりも多く)の表面バイオマーカー(例えば、本明細書に記載されるもの)、および少なくとも1つまたは複数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、またはそれよりも多く)の小胞内バイオマーカー(例えば、本明細書に記載されるもの)を含む。一部のそのような実施形態では、表面バイオマーカーおよび小胞内バイオマーカーは、同じ遺伝子によってコードされ得るが、前者は、ナノ粒子の表面上に存在し、後者は、細胞外小胞内に含有される(例えば、カーゴ)。一部のそのような実施形態では、表面バイオマーカーおよび小胞内バイオマーカーは、異なる遺伝子によってコードされ得る。
【0173】
一部の実施形態では、結腸直腸がんのための標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも1つまたは複数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、またはそれよりも多く)の細胞外小胞関連表面バイオマーカー(例えば、本明細書に記載されるもの)および少なくとも1つまたは複数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、またはそれよりも多く)の小胞内バイオマーカー(例えば、本明細書に記載されるもの)を含む。一部のそのような実施形態では、細胞外小胞関連表面バイオマーカーおよび小胞内バイオマーカーは、同じ遺伝子によってコードされ得るが、前者は、細胞外小胞の膜において発現され、後者は、細胞外小胞内に含有される(例えば、カーゴ)。一部のそのような実施形態では、細胞外小胞関連表面バイオマーカーおよび小胞内バイオマーカーは、異なる遺伝子によってコードされ得る。
【0174】
一部の実施形態では、結腸直腸がんのための標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも1つまたは複数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、またはそれよりも多く)の表面バイオマーカー(例えば、本明細書に記載されるもの)および少なくとも1つまたは複数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、またはそれよりも多く)の小胞内RNA(例えば、mRNA)バイオマーカー(例えば、本明細書に記載されるもの)を含む。一部のそのような実施形態では、表面バイオマーカーおよび小胞内RNA(例えば、限定されるものではないが、mRNA、および例えば、オーファンノンコーディングRNA、長鎖ノンコーディングRNA、piwi相互作用RNA、マイクロRNA、環状RNAなどのようなノンコーディングRNA)バイオマーカーは、同じ遺伝子によってコードされ得る。一部のそのような実施形態では、表面バイオマーカーおよび小胞内RNA(例えば、限定されるものではないが、mRNA、および例えば、オーファンノンコーディングRNA、長鎖ノンコーディングRNA、piwi相互作用RNA、マイクロRNA、環状RNAなどのようなノンコーディングRNA)バイオマーカーは、異なる遺伝子によってコードされ得る。
【0175】
一部の実施形態では、結腸直腸がんのための標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも1つまたは複数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、またはそれよりも多く)の細胞外小胞関連表面バイオマーカー(例えば、本明細書に記載されるもの)および少なくとも1つまたは複数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、またはそれよりも多く)の小胞内RNA(例えば、mRNA)バイオマーカー(例えば、本明細書に記載されるもの)を含む。一部のそのような実施形態では、細胞外小胞関連表面バイオマーカーおよび小胞内RNA(例えば、mRNA)バイオマーカーは、同じ遺伝子によってコードされ得る。一部のそのような実施形態では、細胞外小胞関連表面バイオマーカーおよび小胞内RNA(例えば、mRNA)バイオマーカーは、異なる遺伝子によってコードされ得る。
【0176】
一部の実施形態では、提供されるバイオマーカーのいずれか1つは、野生型形態のタンパク質および/またはRNA(例えば、mRNA)発現レベルによって検出および/または測定され得る。
【0177】
一部の実施形態では、提供されるバイオマーカーのいずれか1つは、突然変異形態のタンパク質および/またはRNA(例えば、mRNA)発現レベルによって検出および/または測定され得る。そのため、一部の実施形態では、提供されるバイオマーカー(例えば、タンパク質および/または例えば、mRNAなどのRNA)の突然変異体特異的検出が含まれ得る。
【0178】
本明細書で述べられるように、一部の実施形態では、バイオマーカーは、1つもしくは複数のポリペプチドもしくはタンパク質(例えば、プロ型、トランケート形態、改変形態、例えば、グリコシル化、リン酸化、アセチル化、メチル化、ユビキチン化、脂質化形態など)の特定の形態であるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、そのような形態の検出は、その形態で存在する多数(および、一部の実施形態では、実質的にすべて)のポリペプチド(例えば、特定の改変、例えば、特定のグリコシル化、例えば、シアリル-Tn(sTn)グリコシル化、例えば、GalNAc α-O-Ser/Thrに連結されたシアル酸α-2,6を含有するトランケートされたO-グリカンなどを含有する)を検出する。
【0179】
したがって、一部の実施形態では、表面バイオマーカーは、グリコシル化部分(例えば、sTn抗原部分、Tn抗原部分、またはT抗原部分)であってもよく、またはそれを含んでいてもよい。トムセン-ヌーベル(Tn)抗原は、広範囲の腫瘍と関連すると考えられているO連結グリカンである。Tnは、主要なO連結グリコシル化経路の最初のステップとして、SerまたはThrに付加された単一のアルファ連結GalNAcである。当業者は、ある特定の実施形態では、T抗原が、典型的には、構造Galβ1-3GalNAc-を有するO連結グリカンを指すことを理解するであろう。
【0180】
一部の実施形態では、表面タンパク質バイオマーカーは、腫瘍関連翻訳後改変であってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、そのような翻訳後改変は、最初のGalNAc(例えば、Tn)で異常にトランケートされたグリカンを有するムチンなどの腫瘍特異的グリコシル化パターン、もしくはその組合せであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、表面タンパク質バイオマーカーは、変更されたスプライシングおよび/または翻訳(アイソフォーム)もしくはタンパク質分解(異常な切断生成物において生じるがん特異的プロテアーゼ活性)から得られるムチンの腫瘍特異的プロテオフォームであり得るか、またはそれを含み得る。
【0181】
一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーの組合せを含み、この組合せは、以下:CYP2S1ポリペプチドおよびFERMT1ポリペプチド;もしくはHKDC1ポリペプチドおよびTOMM34ポリペプチド;もしくはCYP2S1ポリペプチドおよびS100Pポリペプチド;もしくはCEACAM6ポリペプチドおよびHKDC1ポリペプチド;もしくはCYP2S1ポリペプチドおよびNLNポリペプチド;もしくはCEACAM6ポリペプチドおよびHACD3ポリペプチド;もしくはFERMT1ポリペプチドおよびS100Pポリペプチド;もしくはCASKポリペプチドおよびS100Pポリペプチド;もしくはCYP2S1ポリペプチドおよびLBRポリペプチド;もしくはCYP2S1ポリペプチドおよびLMNB1ポリペプチド;もしくはCEACAM6ポリペプチドおよびNLNポリペプチド;もしくはCEACAM6ポリペプチドおよびCHMP4Bポリペプチド;もしくはALG5ポリペプチドおよびCYP2S1ポリペプチド;もしくはCEACAM6ポリペプチドおよびPGAM5ポリペプチド;もしくはCEACAM6ポリペプチドおよびRPS3ポリペプチド;もしくはBCAP31ポリペプチドおよびCEACAM6ポリペプチド;もしくはFERMT1ポリペプチドおよびTOMM22ポリペプチド;もしくはCYP2S1ポリペプチドおよびPGAM5ポリペプチド;もしくはCEACAM6ポリペプチドおよびITGA2ポリペプチド;もしくはHKDC1ポリペプチドおよびS100Pポリペプチド;もしくはCYP2S1ポリペプチドおよびRAP2Aポリペプチド;もしくはCYP2S1ポリペプチドおよびSLC25A6ポリペプチド;もしくはHEPHポリペプチドおよびTOMM34ポリペプチド;もしくはDSG2ポリペプチドおよびTOMM34ポリペプチド;もしくはEPHB3ポリペプチドおよびHKDC1ポリペプチド;もしくはCEACAM5ポリペプチドおよびDPEP1ポリペプチド;もしくはCEACAM6ポリペプチドおよびFERMT1ポリペプチド;もしくはCHDHポリペプチドおよびEPHB2ポリペプチド;もしくはCHMP4BポリペプチドおよびCYP2S1ポリペプチド;もしくはCEACAM6ポリペプチドおよびLAD1ポリペプチド;もしくはMARCKSL1ポリペプチドおよびS100Pポリペプチド;もしくはCDH1ポリペプチドおよびFERMT1ポリペプチド;もしくはEPHB2ポリペプチドおよびHACD3ポリペプチド;もしくはFERMT1ポリペプチドおよびTOMM34ポリペプチド;もしくはEPHB2ポリペプチドおよびLSRポリペプチド;もしくはEPHB3ポリペプチドおよびFERMT1ポリペプチド;もしくはEPHB2ポリペプチドおよびMARCKSL1ポリペプチド;もしくはEPHB2ポリペプチドおよびLAMC2ポリペプチド;もしくはEPHB2ポリペプチドおよびSORDポリペプチド;もしくはHKDC1ポリペプチドおよびLAMC2ポリペプチド;もしくはEPHB3ポリペプチドおよびS100Pポリペプチド;もしくはACSL5ポリペプチドおよびLAMC2ポリペプチド;もしくはEPCAMポリペプチドおよびPGAM5ポリペプチド;もしくはHKDC1ポリペプチドおよびSNTB1ポリペプチド;もしくはMAP7ポリペプチドおよびS100Pポリペプチド;もしくはDPEP1ポリペプチドおよびSNTB1ポリペプチド;もしくはCHMP4BポリペプチドおよびEPHB2ポリペプチド;もしくはFERMT1ポリペプチドおよびSNTB1ポリペプチド;もしくはBCAP31ポリペプチドおよびEPCAMポリペプチド;もしくはFERMT1ポリペプチドおよびLAMC2ポリペプチド;もしくはDPEP1ポリペプチドおよびTOMM34ポリペプチド;もしくはCEACAM5ポリペプチドおよびITGA2ポリペプチド;もしくはFERMT1ポリペプチドおよびRAP2Aポリペプチド;もしくはLAMC2ポリペプチドおよびS100Pポリペプチド;もしくはGALNT3ポリペプチドおよびTOMM34ポリペプチド;もしくはDPEP1ポリペプチドおよびMARCKSL1ポリペプチド;もしくはACSL5ポリペプチドおよびTOMM34ポリペプチド;もしくはDSG2ポリペプチドおよびMARCKSL1ポリペプチド;もしくはAP1M2ポリペプチドおよびS100Pポリペプチド;もしくはEPCAMポリペプチドおよびLAMC2ポリペプチド;もしくはBCAP31ポリペプチドおよびEPHB2ポリペプチド;もしくはCASKポリペプチドおよびEPHB2ポリペプチド;もしくはATP1B1ポリペプチドおよびS100Pポリペプチド;もしくはEPCAMポリペプチドおよびRPN2ポリペプチド;もしくはCDH17ポリペプチドおよびSORDポリペプチド;もしくはLSRポリペプチドおよびMARCKSL1ポリペプチド;もしくはCEACAM5ポリペプチドおよびHACD3ポリペプチド;もしくはEPCAMポリペプチドおよびSNTB1ポリペプチド;もしくはEPCAMポリペプチドおよびTOMM34ポリペプチド;もしくはCEACAM5ポリペプチドおよびSNTB1ポリペプチド;もしくはCHDHポリペプチドおよびTOMM34ポリペプチド;もしくはACSL5ポリペプチドおよびEPHB3ポリペプチド;もしくはALG5ポリペプチドおよびEPCAMポリペプチド;もしくはCLIC1ポリペプチドおよびEPCAMポリペプチド;もしくはACSL5ポリペプチドおよびMARCKSL1ポリペプチド;もしくはEPCAMポリペプチドおよびRPS3ポリペプチド;もしくはCEACAM5ポリペプチドおよびMARCKSL1ポリペプチド;もしくはCEACAM5ポリペプチドおよびRAP2Aポリペプチド;もしくはCEACAM5ポリペプチドおよびSTT3Bポリペプチド;もしくはCDH17ポリペプチドおよびEPHB3ポリペプチド;もしくはMARCKSL1ポリペプチドおよびTOMM34ポリペプチド;もしくはCEACAM5ポリペプチドおよびPTK7ポリペプチド;もしくはCEACAM5ポリペプチドおよびSLC12A2ポリペプチド;もしくはEPHB3ポリペプチドおよびLSRポリペプチド;もしくはCEACAM5ポリペプチドおよびRCC2ポリペプチド;もしくはDSG2ポリペプチドおよびLAMC2ポリペプチド;もしくはCHDHポリペプチドおよびMARCKSL1ポリペプチド;もしくはCDH17ポリペプチドおよびPTK7ポリペプチド;もしくはCLIC1ポリペプチドおよびMARCKSL1ポリペプチド;もしくはDSG2ポリペプチドおよびPGAM5ポリペプチド;もしくはDPEP1ポリペプチドおよびEPHB3ポリペプチド;もしくはEPHB3ポリペプチドおよびLAMC2ポリペプチド;もしくはSLC2A1ポリペプチドおよびSNTB1ポリペプチド;もしくはDPEP1ポリペプチドおよびPGAM5ポリペプチド;もしくはCDH17ポリペプチドおよびRPN2ポリペプチド;もしくはCDH17ポリペプチドおよびSNTB1ポリペプチド;もしくはHKDC1ポリペプチドおよびSLC2A1ポリペプチド;もしくはCDH17ポリペプチドおよびITGA2ポリペプチド;もしくはDPEP1ポリペプチドおよびSORDポリペプチド;もしくはCDH17ポリペプチドおよびLAMC2ポリペプチド;もしくはCEACAM6ポリペプチドおよびRAP2Bポリペプチド;もしくはCEACAM6ポリペプチドおよびCLIC1ポリペプチド;もしくはCEACAM6ポリペプチドおよびSYAP1ポリペプチド;もしくはCDH1ポリペプチドおよびCEACAM6ポリペプチド;もしくはEPHB2ポリペプチドおよびSLC12A2ポリペプチド;もしくはFERMT1ポリペプチドおよびRAB25ポリペプチド;もしくはFERMT1ポリペプチドおよびHKDC1ポリペプチド;もしくはDPEP1ポリペプチドおよびS100Pポリペプチド;もしくはEPHB2ポリペプチドおよびS100Pポリペプチド;もしくはEPHB2ポリペプチドおよびTOMM34ポリペプチド;もしくはRCC2ポリペプチドおよびS100Pポリペプチド;もしくはEPCAMポリペプチドおよびSORDポリペプチド;もしくはEPCAMポリペプチドおよびITGA2ポリペプチド;もしくはLSRポリペプチドおよびTOMM34ポリペプチド;もしくはHEPHポリペプチドおよびMARCKSL1ポリペプチド;もしくはCEACAM5ポリペプチドおよびPGAM5ポリペプチド;もしくはMARCKSL1ポリペプチドおよびSYAP1ポリペプチド;もしくはDPEP1ポリペプチドおよびLMNB1ポリペプチド;もしくはCDH17ポリペプチドおよびSLC12A2ポリペプチド;もしくはHEPHポリペプチドおよびLAMC2ポリペプチド;もしくはACSL5ポリペプチドおよびSNTB1ポリペプチド;もしくはDSG2ポリペプチドおよびRPN2ポリペプチド;もしくはDPEP1ポリペプチドおよびRUVBL2ポリペプチド;もしくはHACD3ポリペプチドおよびHEPHポリペプチド;もしくはEPHB3ポリペプチドおよびSNTB1ポリペプチド;もしくはCEACAM6ポリペプチドおよびRAB25ポリペプチド;もしくはCEACAM6ポリペプチドおよびS100Pポリペプチド;もしくはEPHB2ポリペプチドおよびFERMT1ポリペプチド;もしくはFERMT1ポリペプチドおよびITGA2ポリペプチド;もしくはBCAP31ポリペプチドおよびFERMT1ポリペプチド;もしくはS100PポリペプチドおよびSLC12A2ポリペプチド;もしくはFERMT1ポリペプチドおよびSLC12A2ポリペプチド;もしくはCDH17ポリペプチドおよびS100Pポリペプチド;もしくはS100PポリペプチドおよびSORDポリペプチド;もしくはEPHB2ポリペプチドおよびLMNB2ポリペプチド;もしくはLMNB2ポリペプチドおよびS100Pポリペプチド;もしくはEPHB2ポリペプチドおよびRAP2Bポリペプチド;もしくはCDH17ポリペプチドおよびTOMM34ポリペプチド;もしくはCEACAM5ポリペプチドおよびEPHB3ポリペプチド;もしくはCEACAM5ポリペプチドおよびTOMM34ポリペプチド;もしくはST14ポリペプチドおよびTOMM34ポリペプチド;もしくはCDH1ポリペプチドおよびTOMM34ポリペプチド;もしくはEPCAMポリペプチドおよびNLNポリペプチド;もしくはEPCAMポリペプチドおよびEPHB3ポリペプチド;もしくはCASKポリペプチドおよびCEACAM5ポリペプチド;もしくはCEACAM5ポリペプチドおよびSORDポリペプチド;もしくはCEACAM5ポリペプチドおよびRPS3ポリペプチド;もしくはCDH17ポリペプチドおよびSLC2A1ポリペプチド;もしくはEPHB3ポリペプチドおよびTOMM34ポリペプチド;もしくはBCAP31ポリペプチドおよびCEACAM5ポリペプチド;もしくはBCAP31ポリペプチドおよびCDH17ポリペプチド;もしくはCDH17ポリペプチドおよびRPS3ポリペプチド;もしくはEPHB3ポリペプチドおよびSLC2A1ポリペプチド;もしくはCLIC1ポリペプチドおよびDSG2ポリペプチド;もしくはDSG2ポリペプチドおよびLMNB2ポリペプチド;もしくはEPHB3ポリペプチドおよびGPA33ポリペプチド;もしくはATP1B1ポリペプチドおよびEPHB3ポリペプチド;もしくはCDH1ポリペプチドおよびEPHB3ポリペプチド;もしくはCASKポリペプチドおよびDSG2ポリペプチド;もしくはGPA33ポリペプチドおよびSLC2A1ポリペプチド;もしくはDSG2ポリペプチドおよびRUVBL2ポリペプチド;またはならびにその組合せから選択することができる。一部の実施形態では、前述の組合せにおける標的バイオマーカーは、本明細書に記載されるアッセイの捕捉プローブの標的および/または検出プローブの標的として使用されてもよい。
【0182】
一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、CYP2S1ポリペプチドおよびFERMT1ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、HKDC1ポリペプチドおよびTOMM34ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、CYP2S1ポリペプチドおよびS100Pポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、CEACAM6ポリペプチドおよびHKDC1ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、CYP2S1ポリペプチドおよびNLNポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、CEACAM6ポリペプチドおよびHACD3ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、FERMT1ポリペプチドおよびS100Pポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、CASKポリペプチドおよびS100Pポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、CYP2S1ポリペプチドおよびLBRポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、CYP2S1ポリペプチドおよびLMNB1ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、CEACAM6ポリペプチドおよびNLNポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、CEACAM6ポリペプチドおよびCHMP4Bポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、ALG5ポリペプチドおよびCYP2S1ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、CEACAM6ポリペプチドおよびPGAM5ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、CEACAM6ポリペプチドおよびRPS3ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、BCAP31ポリペプチドおよびCEACAM6ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、CEACAM6ポリペプチドおよびRAP2Bポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、CEACAM6ポリペプチドおよびLAD1ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、CEACAM6ポリペプチドおよびCLIC1ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、CEACAM6ポリペプチドおよびSYAP1ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、EPCAMポリペプチドおよびSNTB1ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、CDH1ポリペプチドおよびCEACAM6ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、HKDC1ポリペプチドおよびS100Pポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、EPHB3ポリペプチドおよびFERMT1ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、FERMT1ポリペプチドおよびTOMM34ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、CEACAM6ポリペプチドおよびITGA2ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、CEACAM6ポリペプチドおよびRAB25 polypeptide. ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、DSG2ポリペプチドおよびTOMM34 polypeptide. ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、CEACAM6ポリペプチドおよびS100Pポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、CEACAM6ポリペプチドおよびFERMT1ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、前述の組合せにおける標的バイオマーカーは、本明細書に記載されるアッセイの捕捉プローブの標的および/または検出プローブの標的として使用されてもよい。
【0183】
一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、MUC1ポリペプチドおよびACVR2Bポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、MUC1ポリペプチドおよびB3GNT3ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、MUC1ポリペプチドおよびCD133ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、MUC1ポリペプチドおよびCDH17ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、MUC1ポリペプチドおよびCDH3ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、MUC1ポリペプチドおよびCEACAM5ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、MUC1ポリペプチドおよびCEACAM6ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、MUC1ポリペプチドおよびCFBポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、MUC1ポリペプチドおよびCFTRポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、MUC1ポリペプチドおよびCYP2S1ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、MUC1ポリペプチドおよびDLL4ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、MUC1ポリペプチドおよびEDARポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、MUC1ポリペプチドおよびEPCAMポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、MUC1ポリペプチドおよびEPHB2ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、MUC1ポリペプチドおよびEPHB3ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、MUC1ポリペプチドおよびERBB2ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、MUC1ポリペプチドおよびFAPポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、MUC1ポリペプチドおよびGPCR5Aポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、MUC1ポリペプチドおよびIHHポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、MUC1ポリペプチドおよびILDR1ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、MUC1ポリペプチドおよびITGAVポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、MUC1ポリペプチドおよびKCNQ1ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、MUC1ポリペプチドおよびKELポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、MUC1ポリペプチドおよびMARCKSL1ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、MUC1ポリペプチドおよびMST1Rポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、MUC1ポリペプチドおよびMUC5ACポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、MUC1ポリペプチドおよびNOX1ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、MUC1ポリペプチドおよびOCIAD2ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、MUC1ポリペプチドおよびRNF43ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、MUC1ポリペプチドおよびSMIM22ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、前述の組合せにおける標的バイオマーカーは、本明細書に記載されるアッセイの捕捉プローブの標的および/または検出プローブの標的として使用されてもよい。
【0184】
一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sTn抗原およびACVR2Bポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sTn抗原およびB3GNT3ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sTn抗原およびCD133ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sTn抗原およびCDH17ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sTn抗原およびCDH3ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sTn抗原およびCEACAM5ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sTn抗原およびCEACAM6ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sTn抗原およびCFBポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sTn抗原およびCFTRポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sTn抗原およびCYP2S1ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sTn抗原およびDLL4ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sTn抗原およびEDARポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sTn抗原およびEPCAMポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sTn抗原およびEPHB2ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sTn抗原およびEPHB3ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sTn抗原およびERBB2ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sTn抗原およびFAPポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sTn抗原およびGPCR5Aポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sTn抗原およびIHHポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sTn抗原およびILDR1ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sTn抗原およびITGAVポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sTn抗原およびKCNQ1ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sTn抗原およびKELポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sTn抗原およびMARCKSL1ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sTn抗原およびMST1Rポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sTn抗原およびMUC5ACポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sTn抗原およびNOX1ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sTn抗原およびOCIAD2ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sTn抗原およびRNF43ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sTn抗原およびSMIM22ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、前述の組合せにおける標的バイオマーカーは、本明細書に記載されるアッセイの捕捉プローブの標的および/または検出プローブの標的として使用されてもよい。
【0185】
一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sLex抗原およびACVR2Bポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sLex抗原およびB3GNT3ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sLex抗原およびCD133ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sLex抗原およびCDH17ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sLex抗原およびCDH3ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sLex抗原およびCEACAM5ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sLex抗原およびCEACAM6ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sLex抗原およびCFBポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sLex抗原およびCFTRポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sLex抗原およびCYP2S1ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sLex抗原およびDLL4ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sLex抗原およびEDARポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sLex抗原およびEPCAMポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sLex抗原およびEPHB2ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sLex抗原およびEPHB3ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sLex抗原およびERBB2ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sLex抗原およびFAPポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sLex抗原およびGPCR5Aポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sLex抗原およびIHHポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sLex抗原およびILDR1ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sLex抗原およびITGAVポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sLex抗原およびKCNQ1ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sLex抗原およびKELポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sLex抗原およびMARCKSL1ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sLex抗原およびMST1Rポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sLex抗原およびMUC5ACポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sLex抗原およびNOX1ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sLex抗原およびOCIAD2ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sLex抗原およびRNF43ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み、これは、sLex抗原およびSMIM22ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、前述の組合せにおける標的バイオマーカーは、本明細書に記載されるアッセイの捕捉プローブの標的および/または検出プローブの標的として使用されてもよい。
【0186】
一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーの組合せを含み、この組合せは、以下:CYP2S1ポリペプチド、EPHB2ポリペプチド、およびS100Pポリペプチド;もしくはEPHB2ポリペプチド、FERMT1ポリペプチド、およびS100Pポリペプチド;もしくはCYP2S1ポリペプチド、EPHB2ポリペプチド、およびFERMT1ポリペプチド;もしくはCYP2S1ポリペプチド、FERMT1ポリペプチド、およびTOMM34ポリペプチド;もしくはCYP2S1ポリペプチド、FERMT1ポリペプチド、およびMARCKSL1ポリペプチド;もしくはCEACAM6ポリペプチド、CYP2S1ポリペプチド、およびFERMT1ポリペプチド;もしくはCEACAM6ポリペプチド、FERMT1ポリペプチド、およびS100Pポリペプチド;もしくはCEACAM5ポリペプチド、CYP2S1ポリペプチド、およびFERMT1ポリペプチド;もしくはCYP2S1ポリペプチド、DSG2ポリペプチド、およびFERMT1ポリペプチド;もしくはDPEP1ポリペプチド、FERMT1ポリペプチド、およびS100Pポリペプチド;もしくはCEACAM6ポリペプチド、FERMT1ポリペプチド、およびLAMC2ポリペプチド;もしくはCEACAM6ポリペプチド、CYP2S1ポリペプチド、およびMARCKSL1ポリペプチド;もしくはCYP2S1ポリペプチド、EPHB2ポリペプチド、およびTOMM34ポリペプチド;もしくはCEACAM6ポリペプチド、CYP2S1ポリペプチド、およびEPHB2ポリペプチド;もしくはEPHB2ポリペプチド、EPHB3ポリペプチド、およびS100Pポリペプチド;もしくはEPHB2ポリペプチド、MARCKSL1ポリペプチド、およびS100Pポリペプチド;もしくはCEACAM6ポリペプチド、DPEP1ポリペプチド、およびS100Pポリペプチド;もしくはCEACAM6ポリペプチド、EPHB2ポリペプチド、およびS100Pポリペプチド;もしくはEPHB2ポリペプチド、LAMC2ポリペプチド、およびS100Pポリペプチド;もしくはCDH17ポリペプチド、EPHB3ポリペプチド、およびS100Pポリペプチド;もしくはCEACAM6ポリペプチド、MARCKSL1ポリペプチド、およびTOMM34ポリペプチド;もしくはCDH17ポリペプチド、EPHB3ポリペプチド、およびSLC2A1ポリペプチド;もしくはCEACAM5ポリペプチド、EPHB3ポリペプチド、およびTOMM34ポリペプチド;もしくはCDH17ポリペプチド、EPHB3ポリペプチド、およびTOMM34ポリペプチド;もしくはCDH17ポリペプチド、SLC2A1ポリペプチド、およびSNTB1ポリペプチド;もしくはCDH17ポリペプチド、SLC2A1ポリペプチド、およびTOMM34ポリペプチド;もしくはCEACAM5ポリペプチド、SNTB1ポリペプチド、およびTOMM34ポリペプチド;もしくはEPCAMポリペプチド、EPHB3ポリペプチド、およびTOMM34ポリペプチド;もしくはCEACAM5ポリペプチド、EPHB3ポリペプチド、およびLAMC2ポリペプチド;もしくはCEACAM5ポリペプチド、EPHB3ポリペプチド、およびMARCKSL1ポリペプチド;もしくはEPCAMポリペプチド、EPHB3ポリペプチド、およびMARCKSL1ポリペプチド;もしくはCEACAM5ポリペプチド、EPHB3ポリペプチド、およびSLC25A6ポリペプチド;もしくはDPEP1ポリペプチド、MARCKSL1ポリペプチド、およびSNTB1ポリペプチド;もしくはGPA33ポリペプチド、SLC2A1ポリペプチド、およびSNTB1ポリペプチド;もしくはDPEP1ポリペプチド、LAMC2ポリペプチド、およびSNTB1ポリペプチド;もしくはLSRポリペプチド、SLC25A6ポリペプチド、およびST14ポリペプチド;もしくはGPA33ポリペプチド、HACD3ポリペプチド、およびSLC2A1ポリペプチド;もしくはDSG2ポリペプチド、LAMC2ポリペプチド、およびLMNB1ポリペプチド;もしくはDPEP1ポリペプチド、PGAM5ポリペプチド、およびSNTB1ポリペプチド;もしくはLAMC2ポリペプチド、LMNB1ポリペプチド、およびLSRポリペプチド;もしくはDSG2ポリペプチド、LAMC2ポリペプチド、およびSORDポリペプチド;もしくはHACD3ポリペプチド、MUC13ポリペプチド、およびSLC2A1ポリペプチド;もしくはLAMC2ポリペプチド、MUC13ポリペプチド、およびSNTB1ポリペプチド;もしくはDSG2ポリペプチド、GALNT3ポリペプチド、およびLAMC2ポリペプチド;もしくはHKDC1ポリペプチド、LSRポリペプチド、およびSLC2A1ポリペプチド;もしくはAP1M2ポリペプチド、LSRポリペプチド、およびRUVBL2ポリペプチド;もしくはAP1M2ポリペプチド、LSRポリペプチド、およびSLC25A6ポリペプチド;もしくはGALNT3ポリペプチド、LAMC2ポリペプチド、およびLMNB1ポリペプチド;もしくはDPEP1ポリペプチド、RPN2ポリペプチド、およびSNTB1ポリペプチド;もしくはGPA33ポリペプチド、SLC12A2ポリペプチド、およびSLC2A1ポリペプチド;もしくはMUC13ポリペプチド、SLC2A1ポリペプチド、およびSNTB1ポリペプチド;もしくはDSG2ポリペプチド、MAP7ポリペプチド、およびNUP210ポリペプチド;もしくはAP1M2ポリペプチド、LMNB2ポリペプチド、およびLSRポリペプチド;もしくはAP1M2ポリペプチド、SLC25A6ポリペプチド、およびST14ポリペプチド;もしくはDSG2ポリペプチド、GALNT3ポリペプチド、およびSORDポリペプチド;もしくはGPA33ポリペプチド、PTK7ポリペプチド、およびSLC2A1ポリペプチド;もしくはDPEP1ポリペプチド、HACD3ポリペプチド、およびSNTB1ポリペプチド;もしくはDPEP1ポリペプチド、RUVBL2ポリペプチド、およびSLC25A6ポリペプチド;もしくはDPEP1ポリペプチド、PGAM5ポリペプチド、およびRUVBL2ポリペプチド;もしくはDPEP1ポリペプチド、HACD3ポリペプチド、およびLMNB2ポリペプチド;もしくはGPA33ポリペプチド、RPS3ポリペプチド、およびSLC25A6ポリペプチド;もしくはLSRポリペプチド、RUVBL2ポリペプチド、およびST14ポリペプチド;もしくはDSG2ポリペプチド、GALNT3ポリペプチド、およびGNPNAT1ポリペプチド;もしくはDSG2ポリペプチド、LMNB1ポリペプチド、およびSLC12A2ポリペプチド;もしくはCHDHポリペプチド、LMNB2ポリペプチド、およびLSRポリペプチド;もしくはHKDC1ポリペプチド、LSRポリペプチド、およびSLC25A6ポリペプチド;もしくはDSG2ポリペプチド、GALNT3ポリペプチド、およびITGA2ポリペプチド;もしくはGPA33ポリペプチド、HACD3ポリペプチド、およびSLC12A2ポリペプチド;もしくはCASKポリペプチド、CDH1ポリペプチド、およびRPN2ポリペプチド;もしくはGPA33ポリペプチド、PTK7ポリペプチド、およびSLC25A6ポリペプチド;もしくはATP1B1ポリペプチド、LMNB1ポリペプチド、およびMAP7ポリペプチド;もしくはDSG2ポリペプチド、GALNT3ポリペプチド、およびNUP210ポリペプチド;もしくはCLIC1ポリペプチド、HEPHポリペプチド、およびRAB25ポリペプチド;もしくはHKDC1ポリペプチド、SLC25A6ポリペプチド、およびST14ポリペプチド;もしくはCDH1ポリペプチド、GOLIM4ポリペプチド、およびPGAM5ポリペプチド;もしくはCHMP4Bポリペプチド、HKDC1ポリペプチド、およびRAB25ポリペプチド;もしくはPIGRポリペプチド、SLC12A2ポリペプチド、およびSORDポリペプチド;もしくはCASKポリペプチド、CDH1ポリペプチド、およびKPNA2ポリペプチド;もしくはCDH1ポリペプチド、MLECポリペプチド、およびRPN2ポリペプチド;もしくはCDH1ポリペプチド、HKDC1ポリペプチド、およびRAP2Bポリペプチド;もしくはCHDHポリペプチド、PGAM5ポリペプチド、およびST14ポリペプチド;もしくはCDH1ポリペプチド、GOLIM4ポリペプチド、およびRPN2ポリペプチド;もしくはCDH1ポリペプチド、HACD3ポリペプチド、およびLMNB1ポリペプチド;もしくはCLIC1ポリペプチド、HEPHポリペプチド、およびST14ポリペプチド;もしくはACSL5ポリペプチド、ATP1B1ポリペプチド、およびKPNA2ポリペプチド;もしくはALG5ポリペプチド、CDH1ポリペプチド、およびRPN2ポリペプチド;もしくはCHDHポリペプチド、RPN2ポリペプチド、およびST14ポリペプチド;もしくはCHDHポリペプチド、LMNB1ポリペプチド、およびRPS3ポリペプチド;もしくはCASKポリペプチド、ITGA2ポリペプチド、およびMLECポリペプチド;もしくはCASKポリペプチド、CISD2ポリペプチド、およびITGA2ポリペプチド;もしくはCASKポリペプチド、ITGA2ポリペプチド、およびSTT3Bポリペプチド;もしくはCHDHポリペプチド、CLIC1ポリペプチド、およびTMPOポリペプチド;もしくはACSL5ポリペプチド、COPG2ポリペプチド、およびRPN1ポリペプチド;もしくはALDH18A1ポリペプチド、GOLIM4ポリペプチド、およびRPN1ポリペプチド;もしくはACSL5ポリペプチド、CHDHポリペプチド、およびPTK7ポリペプチド;もしくはLAD1ポリペプチド、RAP2Bポリペプチド、およびSSR4ポリペプチド;もしくはACSL5ポリペプチド、ATP1B1ポリペプチド、およびRCC2ポリペプチド;もしくはACSL5ポリペプチド、CHDHポリペプチド、およびCLIC1ポリペプチド;もしくはACSL5ポリペプチド、GNPNAT1ポリペプチド、およびLAD1ポリペプチド;もしくはALDH18A1ポリペプチド、ATP1B1ポリペプチド、およびRCC2ポリペプチド;またはならびにその組合せから選択され得る。一部の実施形態では、前述の組合せにおける少なくとも1つの標的バイオマーカーは、捕捉プローブの標的として使用されてもよく、少なくとも2つのバイオマーカーは、検出プローブの標的として使用されてもよい。
【0187】
一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、CYP2S1ポリペプチド、EPHB2ポリペプチド、およびS100Pポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、EPHB2ポリペプチド、FERMT1ポリペプチド、およびS100Pポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、CYP2S1ポリペプチド、EPHB2ポリペプチド、およびFERMT1ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、CYP2S1ポリペプチド、FERMT1ポリペプチド、およびTOMM34ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、CYP2S1ポリペプチド、FERMT1ポリペプチド、およびMARCKSL1ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、CEACAM6ポリペプチド、CYP2S1ポリペプチド、およびFERMT1ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、CEACAM6ポリペプチド、FERMT1ポリペプチド、およびS100Pポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、CEACAM5ポリペプチド、CYP2S1ポリペプチド、およびFERMT1ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、CYP2S1ポリペプチド、DSG2ポリペプチド、およびFERMT1ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、DPEP1ポリペプチド、FERMT1ポリペプチド、およびS100Pポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、CEACAM6ポリペプチド、FERMT1ポリペプチド、およびLAMC2ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、EPHB2ポリペプチド、FERMT1ポリペプチド、およびTOMM34ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、CEACAM6ポリペプチド、FERMT1ポリペプチド、およびMARCKSL1ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、EPHB2ポリペプチド、FERMT1ポリペプチド、およびLAMC2ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、EPHB2ポリペプチド、EPHB3ポリペプチド、およびS100Pポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、EPHB2ポリペプチド、MARCKSL1ポリペプチド、およびS100Pポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、EPCAMポリペプチド、FERMT1ポリペプチド、およびTOMM34ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、CEACAM6ポリペプチド、FERMT1ポリペプチド、およびTOMM34ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、CEACAM6ポリペプチド、DPEP1ポリペプチド、およびS100Pポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、CEACAM6ポリペプチド、EPHB3ポリペプチド、およびFERMT1ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、CEACAM6ポリペプチド、EPHB2ポリペプチド、およびS100Pポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、CEACAM5ポリペプチド、FERMT1ポリペプチド、およびTOMM34ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、CDH17ポリペプチド、FERMT1ポリペプチド、およびTOMM34ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、CEACAM5ポリペプチド、EPHB3ポリペプチド、およびFERMT1ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、CDH17ポリペプチド、EPHB3ポリペプチド、およびS100Pポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、BCAP31ポリペプチド、CEACAM6ポリペプチド、およびFERMT1ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、EPHB2ポリペプチド、S100Pポリペプチド、およびSLC12A2ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、CASKポリペプチド、EPHB2ポリペプチド、およびS100Pポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、CEACAM6ポリペプチド、EPHB2ポリペプチド、およびTOMM34ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、CDH17ポリペプチド、EPHB3ポリペプチド、およびSLC2A1ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、CEACAM6ポリペプチド、FERMT1ポリペプチド、およびPIGTポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、EPHB2ポリペプチド、PIGTポリペプチド、およびS100Pポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、FERMT1ポリペプチド、MARCKSL1ポリペプチド、およびPIGTポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、EPCAMポリペプチド、FERMT1ポリペプチド、およびPIGTポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、EPHB2ポリペプチド、FERMT1ポリペプチド、およびPIGTポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、CYP2S1ポリペプチド、EPHB2ポリペプチド、およびPIGTポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、FERMT1ポリペプチド、LSRポリペプチド、およびPIGTポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、CEACAM5ポリペプチド、CYP2S1ポリペプチド、およびPIGTポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、CEACAM6ポリペプチド、CYP2S1ポリペプチド、およびPIGTポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、CDH17ポリペプチド、FERMT1ポリペプチド、およびPIGTポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、CEACAM5ポリペプチド、FERMT1ポリペプチド、およびPIGTポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、ACSL5ポリペプチド、FERMT1ポリペプチド、およびPIGTポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、DSG2ポリペプチド、FERMT1ポリペプチド、およびPIGTポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、FERMT1ポリペプチド、HKDC1ポリペプチド、およびPIGTポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、CEACAM6ポリペプチド、MARCKSL1ポリペプチド、およびPIGTポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、FERMT1ポリペプチド、HEPHポリペプチド、およびPIGTポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、EPHB2ポリペプチド、FERMT1ポリペプチド、およびS100Pポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、EPCAMポリペプチド、PIGTポリペプチド、およびTOMM34ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、CDH17ポリペプチド、PIGTポリペプチド、およびTOMM34ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、CEACAM6ポリペプチド、FERMT1ポリペプチド、およびS100Pポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、EPHB2ポリペプチド、FERMT1ポリペプチド、およびTOMM34ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、EPHB2ポリペプチド、EPHB3ポリペプチド、およびS100Pポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、EPCAMポリペプチド、FERMT1ポリペプチド、およびTOMM34ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、CEACAM6ポリペプチ

ド、FERMT1ポリペプチド、およびTOMM34ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、CEACAM6ポリペプチド、EPHB3ポリペプチド、およびFERMT1ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、CEACAM6ポリペプチド、EPHB2ポリペプチド、およびS100Pポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、CEACAM5ポリペプチド、FERMT1ポリペプチド、およびTOMM34ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、CDH17ポリペプチド、FERMT1ポリペプチド、およびTOMM34ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み、これは、CEACAM5ポリペプチド、EPHB3ポリペプチド、およびFERMT1ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、前述の組合せにおける少なくとも1つの標的バイオマーカーは、捕捉プローブの標的として使用されてもよく、少なくとも2つのバイオマーカーは、検出プローブの標的として使用されてもよい。
III.結腸直腸がんのための提供されるマーカーおよび/または標的バイオマーカーシグネチャーを検出する例示的な方法
【0188】
一般に、本開示は、それを必要とする対象からの細胞外小胞を含む体液由来試料(例えば、限定されるものではないが、血液由来試料、便由来試料など)において標的バイオマーカーシグネチャーが分析および/または査定されることによる技術を提供し、一部の実施形態では、診断または治療の判断は、そのような分析および/または査定に基づいて行われる。
【0189】
一部の実施形態では、標的バイオマーカーシグネチャーを検出する方法は、タンパク質、グリカン、またはプロテオグリカン(例えば、限定されるものではないが、炭水化物またはグリカン部分を有するタンパク質を含む)として標的バイオマーカーシグネチャーの1つまたは複数の提供されるマーカーを検出するための方法を含む。1つまたは複数の提供されるマーカーを検出する例示的なタンパク質に基づく方法としては、限定されるものではないが、近接ライゲーションアッセイ、質量分析法(MS)および免疫沈降などのイムノアッセイ、ウエスタンブロット、ELISA、免疫組織化学、免疫細胞化学、フローサイトメトリー、ならびにイムノPCRが挙げられる。一部の実施形態では、イムノアッセイは、化学発光イムノアッセイであり得る。一部の実施形態では、イムノアッセイは、ハイスループットおよび/または自動イムノアッセイプラットフォームであり得る。
【0190】
一部の実施形態では、試料においてタンパク質、グリカン、またはプロテオグリカン(例えば、限定されるものではないが、炭水化物またはグリカン部分を有するタンパク質を含む)として1つまたは複数の提供されるマーカーを検出する方法は、試料を、目的の提供されるマーカーを対象にする1つまたは複数の抗体剤と接触させるステップを含む。一部の実施形態では、そのような方法は、試料を、1つまたは複数の検出標識と接触させるステップも含む。一部の実施形態では、抗体剤は、1つまたは複数の検出標識で標識される。
【0191】
一部の実施形態では、目的のバイオマーカーと目的のバイオマーカーのための抗体剤との間の結合の検出は、1つまたは複数の検出剤についての吸光度値または発光値を決定するステップを含む。例えば、吸光度値または発光値は、細胞外小胞によって発現される目的のバイオマーカーの量および/または濃度を示す(例えば、より高い吸光度は、細胞外小胞によって発現される目的のバイオマーカーのより高いレベルを示す)。一部の実施形態では、検出剤についての吸光度値または発光値は、閾値を上回る。一部の実施形態では、検出剤についての吸光度値または発光値は、閾値よりも、少なくとも1.3、少なくとも1.4、少なくとも1.5、少なくとも1.6、少なくとも1.7、少なくとも1.8、少なくとも1.9、少なくとも2.0、少なくとも2.5、少なくとも3.0、少なくとも3.5倍、またはそれよりも高い。一部の実施形態では、閾値は、対照または参照群の集団(例えば、非がん対象)全体で決定される。
【0192】
一部の実施形態では、1つまたは複数の提供されるマーカーを検出する方法は、核酸として1つまたは複数の提供されるマーカーを検出するための方法を含む。1つまたは複数の提供されるマーカーを検出する例示的な核酸に基づく方法としては、限定されるものではないが、核酸増幅方法、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)、転写-媒介増幅(TMA)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、ストランド置換増幅(SDA)、および核酸配列に基づく増幅(NASBA)を行うステップを含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の提供されるマーカーを検出する核酸に基づく方法は、1つまたは複数の核酸プローブと目的のバイオマーカーをコードする1つまたは複数のヌクレオチド配列との間のハイブリダイゼーションを検出するステップを含む。一部の実施形態では、核酸プローブは、目的のバイオマーカーをコードする1つまたは複数のヌクレオチド配列のうちの1つの少なくとも一部分に対してそれぞれ相補的である。一部の実施形態では、目的のバイオマーカーをコードするヌクレオチド配列は、DNA(例えば、cDNA)を含む。一部の実施形態では、目的のバイオマーカーをコードするヌクレオチド配列は、RNAを含む。一部の実施形態では、目的のバイオマーカーをコードするヌクレオチド配列は、mRNAであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、目的のバイオマーカーをコードするヌクレオチド配列は、マイクロRNAであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、目的のバイオマーカーをコードするヌクレオチド配列は、ノンコーディングRNAであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。例えば、一部の実施形態では、目的のバイオマーカーをコードするヌクレオチド配列は、オーファンノンコーディングRNA(oncRNA)であってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、目的のバイオマーカーをコードするヌクレオチド配列は、長鎖ノンコーディングRNA(lncRNA)であってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、目的のバイオマーカーをコードするヌクレオチド配列は、piwi相互作用RNA(piwiRNA)であってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、目的のバイオマーカーをコードするヌクレオチド配列は、環状RNA(circRNA)であってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、目的のバイオマーカーをコードするヌクレオチド配列は、核小体低分子RNA(snoRNA)であってもよく、またはそれを含んでいてもよい。
【0193】
一部の実施形態では、1つまたは複数の提供されるマーカーを検出する方法は、近接ライゲーション-免疫定量的ポリメラーゼ連鎖反応(pliq-PCR)を含む。pliq-PCRは、EVをプロファイリングするための他の技術を上回るある特定の利点を有し得る。例えば、pliq-PCRは、他の標準的なイムノアッセイ、例えば、ELISAよりも3桁高い感度を有し得る(Darmanis et al., 2010;これは、本明細書に記載される目的のために、参照により本明細書に組み込まれる)。一部の実施形態では、pliq-PCR反応は、痕跡レベルの腫瘍由来EV、例えば、1mLあたり1000までのEVを検出することを可能にする、極めて低いLODを有するように設計することができる。
【0194】
一部の実施形態では、1つまたは複数の提供されるマーカーを検出するための方法は、例えば、それぞれ、約10および約10EVのLODが報告されている(Shao et al., 2018;これは、本明細書に記載される目的のために、参照により本明細書に組み込まれる)、Nanoplasmic Exosome(nPLEX)センサー(Im et al., 2014;これは、本明細書に記載される目的のために、参照により本明細書に組み込まれる)およびIntegrated Magnetic-Electrochemical Exosome(iMEX)センサー(Jeong et al., 2016;これは、本明細書に記載される目的のために、参照により本明細書に組み込まれる)を含む、EVを検出するための他の技術を含んでいてもよい。
【0195】
一部の実施形態では、細胞外小胞における1つまたは複数の提供されるバイオマーカーを検出するための方法は、バルクEV試料分析に基づくことができる。
【0196】
一部の実施形態では、細胞外小胞における1つまたは複数の提供されるバイオマーカーを検出するための方法は、個々のEVをプロファイリングすること(例えば、単一EVプロファイリングアッセイ)に基づくことができ、これは、下記の「細胞外小胞(EV)を含む目的のサイズ範囲を有する個々のナノ粒子をプロファイリングするための例示的な方法」という表題のセクションでさらに論じられる。
【0197】
本開示を読む当業者は、個々のEVを検出するまたはプロファイリングするための本明細書に記載されるアッセイを、細胞外小胞(例えば、本明細書に記載される通り)を含む目的のサイズ範囲を有するナノ粒子(例えば、本明細書に記載される通り)の表面上でバイオマーカーの組合せを検出するために使用することもできることを理解するであろう。
【0198】
一部の実施形態では、試料における細胞外小胞を含む目的のサイズ範囲を有するナノ粒子は、本開示に従って1つまたは複数の提供されるバイオマーカーを検出する前に、固体基材上で捕捉または固定化されてもよい。一部の実施形態では、細胞外小胞を含む目的のサイズ範囲を有するナノ粒子は、例えば、吸着を含む非特異的相互作用によって、固体基材表面上で捕捉されてもよい。一部の実施形態では、細胞外小胞を含む目的のサイズ範囲を有するナノ粒子は、固体基材表面上に選択的に捕捉されてもよい。例えば、一部の実施形態では、固体基材表面は、細胞外小胞を含む目的のサイズ範囲を有するナノ粒子に特異的に結合する薬剤(例えば、そのようなナノ粒子、例えば、結腸直腸がんと関連するナノ粒子を特異的に標的にする抗体剤)でコーティングされていてもよい。一部の実施形態では、固体基材表面は、親和性結合対のメンバーでコーティングされていてもよく、捕捉される目的の実体(例えば、細胞外小胞)は、親和性結合対の相補的メンバーにコンジュゲートされていてもよい。一部の実施形態では、例示的な親和性結合対としては、例えば、限定されるものではないが、ビオチンおよびアビジン様分子、例えば、ストレプトアビジンが挙げられる。当業者に理解されるであろうように、他の適切な親和性結合対を、固体基材表面への目的の実体の捕捉を容易にするために使用することもできる。一部の実施形態では、目的の実体は、例えば、その両方が、本明細書に記載される目的のために、参照により本明細書に組み込まれ、その両方が、未希釈ヒト血液または血漿試料から細胞外小胞を単離するための交流動電マイクロアレイチップデバイスの使用を記載している、Ibsen et al. ACS Nano., 11: 6641-6651 (2017)およびLewis et al. ACS Nano., 12: 3311-3320 (2018)に記載されるように、電流の適用によって固体基材表面上で捕捉されてもよい。
【0199】
固体基材は、細胞外小胞を含み、下流での取り扱い、処理、および/または検出を妨げない、目的のサイズ範囲を有するナノ粒子を捕捉するために好適な形態で提供されてもよい。例えば、一部の実施形態では、固体基材は、ビーズ(例えば、磁気ビーズ)であってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、固体基材は、表面であってもよく、またはそれを含んでいてもよい。例えば、一部の実施形態では、そのような表面は、アッセイチャンバーの捕捉表面(例えば、管、ウェル、マイクロウェル、プレート、フィルター、膜、マトリックスなどを含む)であってもよい。したがって、一部の実施形態では、本明細書に記載される方法は、試料において提供されるバイオマーカーを検出する前に、細胞外小胞を含む目的のサイズ範囲を有するナノ粒子を固体基材上に捕捉するステップまたはそれを固定化するステップを含む。
【0200】
一部の実施形態では、試料は、細胞外小胞を含む目的のサイズ範囲を有するナノ粒子を固体基材表面上に捕捉する前に、例えば、望ましくない実体、例えば、細胞デブリまたは細胞を除去するために処理されてもよい。例えば、一部の実施形態では、そのような試料は、例えば、細胞デブリ、細胞、および/または他の粒子を除去するために、遠心分離に供されてもよい。加えて、または代替的に、一部の実施形態では、そのような試料は、サイズ排除に基づく精製または濾過に供されてもよい。さまざまなサイズ排除に基づく精製または濾過は、当技術分野において公知であり、当業者は、一部の事例では、試料が、特異的な分子量または粒子径カットオフに基づくスピンカラム精製に供されてもよいことを認識するであろう。当業者は、精製目的のための適切な分子量または粒子径カットオフを、例えば、細胞外小胞のサイズに基づいて選択することができることも認識するであろう。例えば、一部の実施形態では、サイズ排除分離方法は、ある特定のサイズ(例えば、30nm超および1000nm以下、または70nm超および200nm以下)の細胞外小胞を含むナノ粒子の画分を単離するために、細胞外小胞を含む試料に適用されてもよい。典型的には、細胞外小胞は、30nm~数マイクロメートルの直径の範囲であってもよい。例えば、本明細書に記載される目的のために、参照により本明細書に組み込まれるChuo et al., "Imaging extracellular vesicles: current and emerging methods" Journal of Biomedical Sciences 25: 91 (2018)を参照されたく、これは、異なる細胞外小胞(EV)サブタイプについてのサイズの情報:ミグラソーム(0.5~3μm)、微小小胞体(0.1~1μm)、オンコソーム(1~10μm)、エキソマー(<50nm)、小エキソソーム(60~80nm)、および大エキソソーム(90~120nm)を提供する。一部の実施形態では、約30nm~1000nmのサイズ範囲を有するナノ粒子は、例えば、一部の実施形態では、検出アッセイのために、1つまたは複数のサイズ排除分離方法によって単離されてもよい。一部の実施形態では、特異的EVサブタイプは、例えば、一部の実施形態では、検出アッセイのために、1つまたは複数のサイズ排除分離方法によって単離されてもよい。
【0201】
一部の実施形態では、試料における細胞外小胞を含む目的のサイズ範囲を有するナノ粒子は、結腸直腸がんのための標的バイオマーカーシグネチャーの1つまたは複数の提供されるバイオマーカーを検出する前に、処理されてもよい。異なる試料の処理および/または調製は、例えば、検出される細胞外小胞を含む目的のサイズ範囲を有するナノ粒子において標的(例えば、標的バイオマーカー)を安定化するために、および/または標的(例えば、小胞内タンパク質および/またはmRNAなどのRNA)の検出アッセイ(例えば、本明細書に記載される通り)への曝露を容易にするために、および/または非特異的結合を低減するために、行うことができる。そのような試料の処理および/または調製の例は、当技術分野において公知であり、限定されるものではないが、分子標的の架橋(例えば、固定)、生物学的実体(例えば、細胞または細胞外小胞を含む目的のサイズ範囲を有するナノ粒子)の透過処理、および/または非特異的結合部位の遮断が挙げられる。
【0202】
一態様では、本開示は、結腸直腸がんの標的バイオマーカーシグネチャーが、一部の実施形態では、細胞外小胞を含む目的のサイズ範囲を有するナノ粒子を含む生体試料(例えば、限定されるものではないが、血液由来試料、便由来試料など)であり得るそれを必要とする対象からの生体試料中に存在するか、または存在しないかどうかを検出するための方法を提供する。一部の実施形態では、そのような方法は、(a)対象からの生体試料、例えば、血液由来試料(例えば、血漿試料)において、結腸直腸がんの標的バイオマーカーシグネチャーを有する目的の生物学的実体(例えば、細胞外小胞を含む目的のサイズ範囲を有するナノ粒子を含む)を検出するステップ;および(b)生体試料(例えば、血液由来試料)における目的の標的バイオマーカーシグネチャー発現生物学的実体(例えば、細胞外小胞を含む目的のサイズ範囲を有するナノ粒子)のレベルを示す試料情報を、参照閾値レベルを含む参照情報と比較するステップを含む。一部の実施形態では、参照閾値レベルは、参照対象、例えば、非がん対象の集団からの比較可能な試料におけるそのような標的バイオマーカーシグネチャーを発現する目的の生物学的実体(例えば、細胞外小胞を含む目的のサイズ範囲を有するナノ粒子)のレベルに対応する。一部の実施形態では、例示的な非がん対象としては、健康な対象(例えば、55歳より下または55歳より上などの、例えば、既定の年齢範囲の健康な対象)、非結腸関連の健康上の疾患、障害、または状態を有する対象(例えば、肺がん、卵巣がんなどのような非結腸直腸がんを有する対象、または炎症性腸疾患もしくは障害の症状を有する対象を含む)、良性結腸直腸腫瘍を有する対象、およびその組合せが挙げられる。
【0203】
一部の実施形態では、試料は、本明細書に記載されるアッセイにおける利用の前に、ある特定の特徴について事前スクリーニングされる。一部の実施形態では、ある特定の事前スクリーニング基準を満たす試料は、事前スクリーニング基準を満たしていない試料よりも、診断適用のためにより好適である。例えば、一部の実施形態では、試料は、例えば、正常、溶血(赤色)、黄疸(黄色)、および/または脂肪(白っぽい/濁った)の試料である、公知の標準を使用して、外観について視覚的に検査される。一部の実施形態では、次いで、試料は、公知の標準的なスケール(例えば、1、2、3、4、5)で格付けすることができ、結果が記録される。一部の実施形態では、試料は、溶血(例えば、ヘム)について視覚的に検査され、1~5のスケールで格付けされ、ここで、外観検査は、公知の濃度と相関し、例えば、1は、およそ0mg/dLを示し、2は、およそ50mg/dLを示し、3は、およそ150mg/dLを示し、4は、およそ250mg/dLを示し、5は、およそ525mg/dLを示す。一部の実施形態では、試料は、黄疸レベル(例えば、ビリルビン)が視覚的に検査され、1~5のスケールで格付けされ、ここで、外観検査は、公知の濃度と相関し、例えば、1は、およそ0mg/dLを示し、2は、およそ1.7mg/dLを示し、3は、およそ6.6mg/dLを示し、4は、およそ16mg/dLを示し、5は、およそ30mg/dLを示す。一部の実施形態では、試料は、濁度(例えば、脂質)について視覚的に検査され、1~5のスケールで格付けされ、ここで、外観検査は、公知の濃度と相関し、例えば、1は、およそ0mg/dLを示し、2は、およそ125mg/dLを示し、3は、およそ250mg/dLを示し、4は、およそ500mg/dLを示し、5は、およそ1000mg/dLを示す。
【0204】
一部の実施形態では、1つまたは複数の測定基準におけるある特定のレベル未満、例えば、4のスコアに等しいまたはそれ未満にスコア化される試料は、本明細書に記載されるアッセイにおいて利用されてもよい。一部の実施形態では、1つまたは複数の測定基準におけるある特定のレベル未満、例えば、3のスコアに等しいまたはそれ未満にスコア化される試料は、本明細書に記載されるアッセイにおいて利用されてもよい。一部の実施形態では、1つまたは複数の測定基準におけるある特定のレベル未満、例えば、2のスコアに等しいまたはそれ未満にスコア化される試料は、本明細書に記載されるアッセイにおいて利用されてもよい。一部の実施形態では、3つすべての測定基準(例えば、溶血、黄疸、および脂肪血症)におけるある特定のレベル未満、例えば、2のスコアに等しいまたはそれ未満にスコア化される試料は、本明細書に記載されるアッセイにおいて利用されてもよい。一部の実施形態では、溶血、ビリルビン、および/または脂肪血などの事前スクリーニング基準における低い外観検査スコア(例えば、2のスコアに等しいまたはそれ未満)は、本明細書に記載されるアッセイにおいて生じる診断特性(例えば、Ct値)に対する明らかな効果を有していなくてもよい(例えば、それと相関しなくてもよい)。
【0205】
一部の実施形態では、試料が、参照閾値レベル(例えば、本明細書に記載されるもの)と比べて、それらの表面上で標的バイオマーカーシグネチャーを提示するナノ粒子(細胞外小胞を含む目的のサイズ範囲を有する)のレベルの上昇を示す場合に、試料は、標的バイオマーカーシグネチャー(例えば、本明細書に記載されるもの)の存在について陽性であると決定される。一部の実施形態では、そのレベルが、参照閾値レベルと比較して、例えば、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%またはそれよりも高いを含んで、少なくとも30%またはそれよりも高い場合に、試料は、標的バイオマーカーシグネチャーの存在について陽性であると決定される(例えば、標的バイオマーカーシグネチャー発現細胞外小胞のレベルによって反映される通り)。一部の実施形態では、そのレベルが、参照閾値レベルと比較して、例えば、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも9倍、少なくとも10倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、少なくとも250倍、少なくとも500倍、少なくとも750倍、少なくとも1000倍、少なくとも2500倍、少なくとも5000倍、またはそれよりも高いを含んで、少なくとも2倍またはそれよりも高い場合に、試料は、標的バイオマーカーシグネチャーの存在について陽性である(例えば、標的バイオマーカーシグネチャー発現細胞外小胞のレベルによって反映される通り)と決定される。
【0206】
一部の実施形態では、2項分類システムを使用して、試料が標的バイオマーカーシグネチャーの存在について陽性であるかどうかを決定されてもよい。例えば、一部の実施形態では、試料は、そのレベルが参照閾値レベル、例えば、カットオフ値であるか、またはそれを上回る場合に、標的バイオマーカーシグネチャーの存在について陽性であると決定される(例えば、標的バイオマーカーシグネチャー発現細胞外小胞のレベルによって反映される通り)。一部の実施形態では、そのような参照閾値レベル(例えば、カットオフ値)は、結腸直腸がん検出アッセイ(例えば、本明細書に記載されるもの)の所望の感度および/または特異度が達成され得るように、対照対象から得られた平均値から離れたある特定の数の標準偏差を選択することによって決定されてもよい。一部の実施形態では、そのような参照閾値レベル(例えば、カットオフ値)は、結腸直腸がん検出アッセイ(例えば、本明細書に記載されるもの)の所望の感度および/または特異度が達成され得るように、対照対象から得られた最大アッセイシグナルから離れたある特定の数の標準偏差を選択することによって決定されてもよい。一部の実施形態では、そのような参照閾値レベル(例えば、カットオフ値)は、結腸直腸がん検出アッセイ(例えば、本明細書に記載されるもの)の所望の感度および/もしくは特異度が達成され得るように、(i)対照対象から得られた平均値から離れたある特定の数の標準偏差、または(ii)対照対象から得られた最大アッセイシグナルから離れたある特定の数の標準偏差のいずれかのより制限的ではないものを選択することによって決定されてもよい。一部の実施形態では、参照閾値レベル(例えば、カットオフ値)の決定のための対照対象としては、限定されるものではないが、健康な対象、炎症状態(例えば、クローン病、潰瘍性大腸炎、炎症性腸疾患など)を有する対象、良性腫瘍を有する対象、およびその組合せが挙げられ得る。一部の実施形態では、健康な対象および炎症状態(例えば、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、またはクローン病)を有する対象は、参照閾値レベル(例えば、カットオフ値)の決定に含まれる。一部の実施形態では、良性腫瘍を有する対象は、参照閾値レベル(例えば、カットオフ値)の決定に含まれない。一部の実施形態では、参照閾値レベル(例えば、カットオフ値)は、結腸直腸がん検出アッセイ(例えば、本明細書に記載されるもの)の所望の特異度(例えば、少なくとも95%またはそれよりも高い特異度[例えば、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、またはそれよりも高い特異度を含む]、例えば、一部の実施形態では、少なくとも99.8%の特異度)が達成され得るように、(i)対照対象から得られた平均値、または(ii)対照対象から得られた最大アッセイシグナルから離れた少なくとも1.5またはそれよりも大きい標準偏差(SD)(例えば、少なくとも1.6、少なくとも1.7、少なくとも1.8、少なくとも1.9、少なくとも2、少なくとも2.1、少なくとも2.2、少なくとも2.3、少なくとも2.4、少なくとも2.5、少なくとも2.6、少なくとも2.7、少なくとも2.8、少なくとも2.9、少なくとも3、少なくとも3.1、少なくとも3.2、少なくとも3.3、少なくとも3.4、少なくとも3.5、少なくとも3.6、またはそれよりも大きいSDを含む)を選択することによって決定されてもよい。一部の実施形態では、参照閾値レベル(例えば、カットオフ値)は、結腸直腸がん検出アッセイ(例えば、本明細書に記載されるもの)の所望の特異度(例えば、少なくとも99%、またはそれよりも高い特異度)が達成され得るように、(i)対照対象から得られた平均値、または(ii)対照対象から得られた最大アッセイシグナルから離れた少なくとも2.9SD(例えば、少なくとも2.93SD)を選択することによって決定されてもよい。一部の実施形態では、参照閾値レベル(例えば、カットオフ値)は、結腸直腸がん検出アッセイ(例えば、本明細書に記載されるもの)の所望の特異度(例えば、少なくとも99%、またはそれよりも高い特異度)が達成され得るように、(i)対照対象から得られた平均値、または(ii)対照対象から得られた最大アッセイシグナルのより制限的ではないものから離れた少なくとも2.9SD(例えば、少なくとも2.93SD)を選択することによって決定されてもよい。一部の実施形態では、そのような参照閾値レベル(例えば、カットオフ値)は、目的の特異度および/または感度(例えば、本明細書に記載される通り)が達成され得るように、正常な健康な組織対結腸直腸がん試料における標的バイオマーカーの発現レベル(例えば、転写レベル)に基づいて決定されてもよい。一部の実施形態では、参照閾値レベル(例えば、カットオフ値)は、例えば、結腸直腸がんのステージおよび/もしくはサブタイプ、ならびに/または患者の特徴、例えば、患者の年齢、結腸直腸がんについてのリスク因子(例えば、遺伝的リスク対平均リスク、生活歴関連リスク因子)、症候性/無症候性状態、ならびにその組合せに応じて変わり得る。
【0207】
一部の実施形態では、参照閾値レベル(例えば、カットオフ値)は、健康な対象(例えば、既定の年齢範囲の対象)、および必要に応じて、炎症状態(例えば、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、またはクローン病)を有する対象の全体での対数正規分布、ならびに目的の特異度を達成するために必要なレベルの選択に基づいて、例えば、結腸直腸がんまたはそのサブタイプ(例えば、限定されるものではないが、結腸直腸腺癌を含む)の有病率に基づいて、決定されてもよい。一部の実施形態では、目的の特異度は、例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、またはそれよりも高いを含んで、少なくとも70%であってもよい。
【0208】
本開示は、数ある中でも、例えば、細胞外小胞を含む目的のサイズ範囲を有するナノ粒子を含む試料から、対象が、結腸直腸がんを有するか、またはそれに罹患しやすいかどうかを決定するための技術も提供する。例えば、一部の実施形態では、それを必要とする対象からの体液由来試料(例えば、限定されるものではないが、血液由来試料、便由来試料など)が、参照閾値レベル、例えば、カットオフ値(例えば、本開示に従って決定される通り)であるか、またはそれを上回る標的バイオマーカーシグネチャー発現細胞外小胞のレベルを示す場合に、対象は、結腸直腸がんを有するか、またはそれに罹患しやすいとして分類される。一部のそのような実施形態では、参照閾値レベル(例えば、カットオフ値)は、健康な対象(例えば、既定の年齢範囲の対象)、および必要に応じて、炎症状態(例えば、炎症性腸疾患)を有する対象の全体での対数正規分布、ならびに目的の特異度を達成するために必要なレベルの選択に基づいて、例えば、結腸直腸がんまたはそのサブタイプ(例えば、結腸直腸腺癌)の有病率に基づいて、決定されてもよい。一部の実施形態では、目的の特異度は、例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、またはそれよりも高いを含んで、少なくとも70%であってもよい。
【0209】
一部の実施形態では、参照閾値レベル(例えば、カットオフ値)は、目的の特異度および/または感度(例えば、本明細書に記載される通り)が達成され得るように、正常な健康な組織対結腸直腸がん試料における標的バイオマーカーシグネチャーの個々の標的バイオマーカーの発現レベル(例えば、転写レベル)に基づいて決定されてもよい。一部の実施形態では、参照閾値レベル(例えば、カットオフ値)は、例えば、結腸直腸がんのステージおよび/もしくはサブタイプ、ならびに/または患者の特徴、例えば、患者の年齢、結腸直腸がんについてのリスク因子(例えば、遺伝的リスク対平均リスク、生活歴関連リスク因子)、症候性/無症候性状態、およびその組合せに応じて変わり得る。
【0210】
一部の実施形態では、それを必要とする対象からの生体試料が、参照閾値レベルを満足するバイオマーカーの組合せのレベルを示す場合に、対象は、結腸直腸がんを有するか、またはそれに罹患しやすいとして分類される。例えば、一部の実施形態では、それを必要とする対象からの体液由来試料(例えば、限定されるものではないが、血液由来試料、便由来試料など)が、参照閾値レベルと比べて、標的バイオマーカーシグネチャー発現細胞外小胞のレベルの上昇を示す場合に、対象は、結腸直腸がんを有するか、またはそれに罹患しやすいとして分類される。
【0211】
一部の実施形態では、それを必要とする対象は、対象の体液由来試料(例えば、限定されるものではないが、血液由来試料、便由来試料など)が、参照閾値レベルと比較して、例えば、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、またはそれよりも高いを含んで、少なくとも30%またはそれよりも高い標的バイオマーカーシグネチャー発現細胞外小胞のレベルを示す場合に、結腸直腸がんを有するか、またはそれに罹患しやすいとして分類される。一部の実施形態では、それを必要とする対象は、対象の体液由来試料(例えば、限定されるものではないが、血液由来試料、便由来試料など)が、参照閾値レベルと比較して、例えば、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも9倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも30倍、少なくとも40倍、少なくとも50倍、少なくとも60倍、少なくとも70倍、少なくとも80倍、少なくとも90倍、少なくとも100倍、少なくとも250倍、少なくとも500倍、少なくとも750倍、少なくとも1000倍、またはそれよりも高いを含んで、少なくとも2倍またはそれよりも高い標的バイオマーカーシグネチャー発現細胞外小胞のレベルを示す場合に、結腸直腸がんを有するか、またはそれに罹患しやすいとして分類される。
【0212】
それを必要とする対象からの生体試料が、参照閾値レベルと比較可能なレベルを示す場合に、対象は、結腸直腸がんを多分有さないか、または多分それに罹患しやすくないとして分類される。一部のそのような実施形態では、参照閾値レベルは、参照対象、例えば、非がん対象の集団からの比較可能な試料における標的バイオマーカーシグネチャーを発現する細胞外小胞のレベルに対応する。一部の実施形態では、例示的な非がん対象としては、健康な対象(例えば、55歳より下または55歳より上などの、例えば、既定の年齢範囲の健康な対象)、非結腸関連の健康上の疾患、障害、または状態を有する対象(例えば、肺がん、卵巣がんなどのような非結腸直腸がんを有する対象、または炎症性腸疾患もしくは障害の症状を有する対象を含む)、良性結腸直腸腫瘍を有する対象、およびその組合せが挙げられる。
IV.細胞外小胞(EV)を含む目的のサイズ範囲を有する個々のナノ粒子をプロファイリングするための例示的な方法
【0213】
一部の実施形態では、個々の細胞外小胞をプロファイリングするためのアッセイ(例えば、単一EVプロファイリングアッセイ)を使用して、結腸直腸がんのための1つまたは複数の標的バイオマーカーシグネチャーの1つまたは複数の提供されるバイオマーカーを検出することができる。例えば、一部の実施形態では、そのようなアッセイは、(i)結腸直腸がんのための標的バイオマーカーシグネチャーの1つまたは複数の提供されるマーカーを標的にすることによる捕捉アッセイ、および(ii)結腸直腸がんのためのそのような標的バイオマーカーシグネチャーの少なくとも1つまたは複数の追加の提供されるマーカーについての検出アッセイを含んでいてもよく、そのような捕捉アッセイは、そのような検出アッセイの前に行われる。
【0214】
本開示を読む当業者は、個々の細胞外小胞を検出するまたはプロファイリングするための本明細書に記載されるアッセイが、細胞外小胞を含む目的のサイズ(例えば、一部の実施形態では、約30nm~約100nmの範囲内のサイズ)を有するナノ粒子の表面上に存在する表面バイオマーカーを検出することもできることを理解するであろう。
【0215】
一部の実施形態では、捕捉アッセイは、それを必要とする対象の体液由来試料(例えば、限定されるものではないが、血液由来試料、便由来試料など)から、細胞外小胞(例えば、結腸直腸腫瘍関連細胞外小胞)を含む目的のサイズ範囲を有する腫瘍関連ナノ粒子を選択的に捕捉するために行われる。一部の実施形態では、捕捉アッセイは、細胞外小胞を含むある特定のサイズ範囲および/またはある特定の特徴のナノ粒子、例えば、結腸直腸がんと関連する細胞外小胞を選択的に捕捉するために行われる。一部のそのような実施形態では、捕捉アッセイの前に、体液由来試料(例えば、限定されるものではないが、血液由来試料、便由来試料など)は、事前に処理されて、例えば、限定されるものではないが、可溶性タンパク質および妨げる実体、例えば、細胞デブリなどを含む、夾雑物が除去されてもよい。例えば、一部の実施形態では、細胞外小胞を含む目的のサイズ範囲を有するナノ粒子は、サイズ排除クロマトグラフィーを使用して、対象の体液由来試料(例えば、限定されるものではないが、血液由来試料、便由来試料など)から精製される。一部のそのような実施形態では、細胞外小胞を含む目的のサイズ範囲を有するナノ粒子は、一部の実施形態では、少なくとも90%またはそれよりも多く(例えば、少なくとも93%、95%、97%、99%またはそれよりも多くを含む)の可溶性タンパク質および他の妨げる薬剤、例えば、細胞デブリなどを除去し得るサイズ排除クロマトグラフィーを使用して、体液由来試料(例えば、限定されるものではないが、血液由来試料、便由来試料など)から直接的に精製することができる。
【0216】
一部の実施形態では、捕捉アッセイは、体液由来試料(例えば、限定されるものではないが、血液由来試料、便由来試料など)を、結腸直腸がんのための標的バイオマーカーシグネチャーの少なくとも1つまたは複数の提供されるバイオマーカーに結合する標的捕捉部分を含む少なくとも1つの捕捉剤と接触させるステップを含む。一部の実施形態では、捕捉アッセイは、マルチプレックス化されてもよく、これは、体液由来試料(例えば、限定されるものではないが、血液由来試料、便由来試料など)を、捕捉剤のセットと接触させるステップであって、それぞれの捕捉剤が、結腸直腸がんのための標的バイオマーカーシグネチャーの別個の提供されるバイオマーカーに結合する標的捕捉部分を含む、ステップを含む。一部の実施形態では、標的捕捉部分は、細胞外小胞関連表面バイオマーカーまたは表面バイオマーカー(例えば、本明細書で記載されるおよび/または利用されるもの)を対象にする。
【0217】
一部の実施形態では、そのような標的捕捉部分は、固体基材上に固定化されていてもよい。したがって、一部の実施形態では、捕捉アッセイにおいて用いられる捕捉剤は、それにコンジュゲートされた少なくとも1つもしくは複数(例えば、1、2、3、4、5、またはそれよりも多く)の標的捕捉部分を含み、それぞれの標的捕捉部分が、細胞外小胞関連表面バイオマーカーおよび/もしくは表面バイオマーカー(例えば、本明細書で記載されるおよび/または利用されるもの)を対象にする、固体基材であるか、またはそれを含む。固体基材は、細胞外小胞を含み、下流での取り扱い、処理、および/または検出を妨げない、目的のサイズ範囲を有するナノ粒子を捕捉するために好適な形態で提供されてもよい。例えば、一部の実施形態では、固体基材は、ビーズ(例えば、磁気ビーズ)であってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、固体基材は、表面であってもよく、またはそれを含んでいてもよい。例えば、一部の実施形態では、そのような表面は、アッセイチャンバーの捕捉表面(例えば、管、ウェル、マイクロウェル、プレート、フィルター、膜、マトリックスなどを含む)であってもよい。一部の実施形態では、捕捉剤は、それにコンジュゲートされた標的捕捉部分を含む磁気ビーズであるか、またはそれを含む。
【0218】
一部の実施形態では、検出アッセイは、捕捉アッセイによって捕捉された細胞外小胞を含む目的のサイズ範囲を有するナノ粒子(例えば、上記に記載される通り)において、結腸直腸がんのための標的バイオマーカーシグネチャー(例えば、捕捉アッセイにおいて標的にされるものとは異なるもの)の1つまたは複数の提供されるバイオマーカーを検出するために行われる。一部の実施形態では、検出アッセイは、イムノPCRを含んでいてもよい。一部の実施形態では、イムノPCRは、結腸直腸がんのための標的バイオマーカーシグネチャーの単一の提供されるバイオマーカー(例えば、本明細書に記載されるもの)を標的にする少なくとも1つのプローブを含んでいてもよい。一部の実施形態では、イムノPCRは、標的バイオマーカーシグネチャーの同じバイオマーカー(例えば、本明細書に記載されるもの)の異なるエピトープを対象にする、多数の(例えば、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、またはそれよりも多く)のプローブを含んでいてもよい。一部の実施形態では、イムノPCRは、本明細書に記載される異なる提供されるバイオマーカーをそれぞれ対象にする、多数(例えば、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、またはそれよりも多く)のプローブを含んでいてもよい。
【0219】
一部の実施形態では、検出アッセイは、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)を含んでいてもよい。一部の実施形態では、RT-PCRは、本明細書に記載される単一の提供されるバイオマーカーを標的とする少なくとも1つのプライマー/プローブセットを含んでいてもよい。一部の実施形態では、RT-PCRは、それぞれのセットが本明細書に記載される異なる提供されるバイオマーカーを対象にする、多数(例えば、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、またはそれよりも多く)のプライマー/プローブセットを含んでいてもよい。
【0220】
一部の実施形態では、検出アッセイは、例えば、細胞外小胞を含む目的のサイズ範囲を有するナノ粒子(例えば、少なくとも1つの細胞外小胞関連表面バイオマーカーを発現する捕捉された細胞外小胞)内の結腸直腸がんのための標的バイオマーカーシグネチャーの1つまたは複数の提供されるバイオマーカーの共局在化を決定するために、近接ライゲーション-イムノ定量的ポリメラーゼ連鎖反応(pliq-PCR)を含んでいてもよい。
【0221】
一部の実施形態では、検出アッセイは、一部では、個々の細胞外小胞における標的バイオマーカーシグネチャーの相互作用および/または共局在に基づく、出願人によって開発され、両方とも2020年2月28日に出願され、「標的実体検出のためのシステム、組成物、および方法」という名称の米国特許出願第16/805,637号(US2020/0299780号として公開;US11,085,089号として発行)、および国際出願第PCT/US2020/020529号(WO2020180741号として公開)(「’089特許」および「’529出願」;その両方とも、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載される標的実体検出システムを用いる。例えば、そのような標的実体検出システム(’089特許および’529出願に記載され、および「提供される標的実体検出システムおよびそれを含む方法」という表題のセクションで下記にもさらに記載される通り)は、試料(例えば、生体試料、環境試料、または他の試料)において、一部の実施形態では、単一実体レベルで、少なくとも1つまたは複数(例えば、少なくとも2つまたはそれよりも多く)の標的(例えば、分子標的)を含む目的の実体(例えば、目的の生物学的または化学的実体、例えば、細胞外小胞または分析物)を検出することができる。本開示を読む当業者は、提供される標的実体検出システムが、例えば、結腸直腸がんの検出のためを含んで、多種多様な適用および/または目的のために有用であることを認識するであろう。例えば、一部の実施形態では、提供される標的実体検出システムは、医学的適用および/または目的に有用であり得る。一部の実施形態では、提供される標的実体検出システムは、疾患または状態(例えば、結腸直腸がん)について、個体(例えば、一部の実施形態では、無症候性個体であってもよく、または一部の実施形態では、結腸直腸がんと関連する1つもしくは複数の症状を経験している個体であってもよく、または一部の実施形態では、喫煙および/もしくは肥満の個体を含む、結腸直腸がんについてリスクがある個体、例えば、結腸直腸がんについての遺伝的リスクおよび/もしくは生活歴関連危険因子を有する個体などであってよい)をスクリーニングする(例えば、定期的にスクリーニングする)ために有用であり得る。一部の実施形態では、提供される標的実体検出システムは、異なる種類のがんについて(例えば、そのうちの1つが結腸直腸がんであり得る多数の異なるがんについて)、個体(例えば、一部の実施形態では、無症候性個体であってもよく、または一部の実施形態では、結腸直腸がんと関連する1つもしくは複数の症状を経験している個体であってもよく、または一部の実施形態では、喫煙および/もしくは肥満の個体を含む、結腸直腸がんについてリスクがある個体、例えば、結腸直腸がんについての遺伝的リスクおよび/もしくは生活歴関連危険因子を有する個体などであってよい)をスクリーニングする(例えば、定期的にスクリーニングする)ために有用であり得る。一部の実施形態では、提供される標的実体検出システムは、無症候性個体を含むか、またはその個体からなる集団に適用される場合にも、有効である(例えば、十分に高い感度および/または低い擬陽性率および/または偽陰性率の結果に起因する)。一部の実施形態では、提供される標的実体検出システムは、疾患処置(例えば、結腸直腸がんの処置)と併せたコンパニオン診断として有用であり得る。
【0222】
一部の実施形態では、多数(例えば、少なくとも2つまたはそれよりも多く)の検出アッセイは、細胞外小胞を含む目的のサイズ範囲を有するナノ粒子、例えば、捕捉アッセイによって捕捉されたもの(例えば、上記に記載される通り)において、結腸直腸がんのための1つまたは複数の標的バイオマーカーシグネチャー(例えば、捕捉アッセイにおいて標的にされるものとは異なるもの)の多数のバイオマーカー(例えば、少なくとも2つまたはそれよりも多く)を検出するために行われてもよい。例えば、一部の実施形態では、多数の検出アッセイは、(i)提供される標的実体検出システム、または’089特許および’529出願に記載されるか、ならびに/もしくは本明細書に記載されるシステム;ならびに(ii)イムノPCRを含んでいてもよい。一部の実施形態では、多数の検出アッセイは、(i)提供される標的実体検出システム、または’637出願および’529出願に記載されるか、ならびに/もしくは本明細書に記載されるシステム;ならびに(ii)RT-PCRを含んでいてもよい。
【0223】
例えば、一部の実施形態では、細胞外小胞を含む対象の試料は、最初に、標的実体検出システム、または’089特許および’529出願に記載されるか、ならびに/もしくは本明細書に記載されるシステムを使用する、表面バイオマーカー(例えば、本明細書に記載される通り)の検出に供され、次いで、小胞内分析物を放出させるために溶解緩衝液に、それに続いて、1つまたは複数の小胞内RNAバイオマーカーの検出のための核酸アッセイ(例えば、一部の実施形態では、RT-qPCR)に供されてもよい。一部の実施形態では、1つまたは複数の小胞内RNAバイオマーカーは、本明細書に記載されるバイオマーカー遺伝子によってコードされるmRNA転写物であってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、1つまたは複数の小胞内RNAバイオマーカーは、マイクロRNAであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、1つまたは複数の小胞内RNAバイオマーカーは、オーファンノンコーディングRNAであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、1つまたは複数の小胞内RNAバイオマーカーは、長鎖ノンコーディングRNAであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、1つまたは複数の小胞内RNAバイオマーカーは、piwi相互作用RNAであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、1つまたは複数の小胞内RNAバイオマーカーは、環状RNAであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、1つまたは複数の小胞内RNAバイオマーカーは、核小体低分子RNAであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。
V.提供される標的実体検出システムおよびそれを含む方法
【0224】
一部の実施形態では、結腸直腸がんのための1つまたは複数の標的バイオマーカーシグネチャーの1つまたは複数の提供されるバイオマーカーのための検出アッセイにおいて有用であり得る標的実体検出システムは、それぞれ特異的標的(例えば、標的バイオマーカーシグネチャーの提供されるバイオマーカー)のための多数の検出プローブを含む。一部の実施形態では、そのようなシステムは、それぞれ特異的標的(例えば、標的バイオマーカーシグネチャーの提供されるバイオマーカー)のための少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、またはそれよりも多くの検出プローブを含んでいてもよい。一部の実施形態では、そのようなシステムは、それぞれ特異的標的(例えば、標的バイオマーカーシグネチャーの提供されるバイオマーカー)のための2~50の検出プローブを含んでいてもよい。一部の実施形態では、そのようなシステムは、それぞれ特異的標的(例えば、標的バイオマーカーシグネチャーの提供されるバイオマーカー)のための2~30の検出プローブを含んでいてもよい。一部の実施形態では、そのようなシステムは、それぞれ特異的標的(例えば、標的バイオマーカーシグネチャーの提供されるバイオマーカー)のための2~25の検出プローブを含んでいてもよい。一部の実施形態では、そのようなシステムは、それぞれ特異的標的(例えば、標的バイオマーカーシグネチャーの提供されるバイオマーカー)のための5~30の検出プローブを含んでいてもよい。一部の実施形態では、そのようなシステムは、それぞれ特異的標的(例えば、標的バイオマーカーシグネチャーの提供されるバイオマーカー)のための5~25の検出プローブを含んでいてもよい。一部の実施形態では、セットにおけるそのような検出プローブのうちの少なくとも2つは、標的バイオマーカーシグネチャーの同じバイオマーカーを対象にしていてもよい。一部の実施形態では、セットにおけるそのような検出プローブのうちの少なくとも2つは、標的バイオマーカーシグネチャーの同じバイオマーカーの同じエピトープを対象にしていてもよい。一部の実施形態では、セットにおけるそのような検出プローブのうちの少なくとも2つは、標的バイオマーカーシグネチャーの同じバイオマーカーの異なるエピトープを対象にしていてもよい。
【0225】
一部の実施形態では、本明細書に提供される標的実体検出システムにおける使用のために適切な検出プローブは、単一の疾患または状態、例えば、結腸直腸がんの検出のために使用されてもよい。一部の実施形態では、本明細書に提供される標的実体検出システムにおける使用のために適切な検出プローブは、例えば、そのうちの1つが結腸直腸がんである、少なくとも2つまたはそれよりも多くの疾患または状態の検出を可能にし得る。一部の実施形態では、本明細書に提供される標的実体検出システムにおける使用のために適切な検出プローブは、限定されるものではないが、例えば、結腸直腸腺癌を含む、ある特定のサブタイプの結腸直腸がん、および当技術分野において公知の他の既定された種類のがん(SEER Cancer Statistics Review 1975-2017)の検出を可能にし得る。一部の実施形態では、本明細書に提供される標的実体検出システムにおける使用のために適切な検出プローブは、例えば、ステージI、ステージII、ステージIII、および/またはステージIVを含む、ある特定のステージの結腸直腸がんの検出を可能にし得る。したがって、一部の実施形態では、本明細書に提供される標的実体検出システムにおける使用のために適切な検出プローブは、多数(例えば、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、またはそれよりも多く)のセットの検出プローブを含んでいてもよく、それぞれのセットは、異なる疾患、または異なる種類の疾患もしくは状態の検出を対象にする。例えば、一部の実施形態では、本明細書に提供される標的実体検出システムにおける使用のために適切な検出プローブは、多数(例えば、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、またはそれよりも多く)のセットの検出プローブを含んでいてもよく、一部の実施形態では、それぞれのセットは、そのうちの1つが結腸直腸がんである異なる種類のがんの検出を対象にするか、または一部の実施形態では、それぞれのセットは、さまざまなサブタイプの結腸直腸がん(例えば、結腸直腸腺癌)および/またはステージの検出を対象にする。
検出プローブ
【0226】
一部の実施形態では、本明細書で提供されるおよび/または利用される検出プローブは、標的結合部分、および標的結合部分にカップリングされたオリゴヌクレオチドドメインを含む。一部の実施形態では、標的結合部分にカップリングされたオリゴヌクレオチドドメインは、二本鎖部分、およびオリゴヌクレオチドドメインの少なくとも一方の末端から伸びた一本鎖オーバーハングを含んでいてもよい。一部の実施形態では、標的結合部分にカップリングされたオリゴヌクレオチドドメインは、二本鎖部分、およびオリゴヌクレオチドドメインのそれぞれの末端から伸びた一本鎖オーバーハングを含んでいてもよい。一部の実施形態では、検出プローブは、近接ライゲーション-免疫定量的ポリメラーゼ連鎖反応(pliq-PCR)に好適であり得、pliq-PCR検出プローブと称され得る。
A.標的結合部分
【0227】
オリゴヌクレオチドドメインにカップリングされた標的結合部分は、標的(例えば、標的バイオマーカーシグネチャーの提供されるバイオマーカー;当業者は、標的バイオマーカーが特定の形態または部分/構成要素である場合に、標的結合部分がその形態または部分/構成要素に特異的に結合することを認識するであろう)に特異的に結合する実体または薬剤である。一部の実施形態では、標的結合部分は、標的(例えば、分子標的)について、少なくとも約10-4M、少なくとも約10-5M、少なくとも約10-6M、少なくとも約10-7M、少なくとも約10-8M、少なくとも約10-9M、またはそれよりも低い結合親和性(例えば、解離定数によって測定される通り)を有していてもよい。当業者は、一部の事例では、結合親和性(例えば、解離定数によって測定される通り)が、2つの分子間の非共有結合的な分子間相互作用、例えば、水素結合、静電相互作用、疎水性およびファンデルワールス力によって影響を受け得ることを認識するであろう。代替的に、または加えて、リガンドとその標的分子との間の結合親和性は、他の分子の存在によって影響を受けてもよい。当業者は、例えば、限定されるものではないが、ELISA、表面プラスモン共鳴(SPR)アッセイ、ルミネックス単一抗原(LSA)アッセイ、バイオレイヤー干渉法(BLI)(例えば、Octet)アッセイ、グレーティング結合干渉法、および分光学的アッセイを含む、本開示に従って結合親和性および/または解離定数を測定するための各種の技術に精通しているであろう。
【0228】
一部の実施形態では、標的結合部分は、オフターゲット相互作用について査定される。一部の実施形態では、標的結合部分は、免疫捕捉、それに続いて質量分析を使用して査定される(例えば、複雑な試料においてオフターゲット結合事象を明らかにするため)。一部の実施形態では、標的結合部分は、例えば、数千のヒトタンパク質またはグリカンが、チップ上に配列され、抗体の結合が、すべての利用可能な標的にわたってプロファイリングされる(例えば、特異的抗体は、目的の標的にのみ結合する)、タンパク質またはグリカンアレイを使用して査定される。一部の実施形態では、標的結合部分は、従来のイムノアッセイ、例えば、ウエスタンブロットを使用して査定される。一部の実施形態では、標的結合部分は、一般的なオフターゲット非特異的結合(例えば、他の抗体、DNA、脂質などへの結合)について査定される。一部の実施形態では、そのような一般的なオフターゲット非特異的結合は、偽陽性シグナルを同定するための陰性対照を使用して(例えば、1つまたは複数の抗体が非特異的に結合し、標的には結合しないことを示唆する)、測定および同定されてもよい。
【0229】
一部の実施形態では、標的結合部分は、例えば、炭水化物、核酸、脂質、金属、ポリペプチド、低分子などのような任意の化学クラスの薬剤、および/もしくはその組合せであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、標的結合部分は、親和性剤、例えば、抗体、アフィマー、アプタマー、レクチン、siglecなどであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、標的結合部分は、抗体剤、例えば、標的もしくはそのエピトープ、例えば、結腸直腸がんのための標的バイオマーカーシグネチャーの提供されるバイオマーカーもしくはそのエピトープに特異的に結合する抗体剤であるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的結合部分は、本明細書に提供される炭水化物依存性マーカーに特異的に結合するレクチンもしくはsiglecであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、提供されるバイオマーカーのための標的結合部分は、市販のものであってもよい。一部の実施形態では、提供されるバイオマーカーのための標的結合部分は、本明細書に記載されるアッセイにおける使用の目的のために設計および作出されていてもよい。一部の実施形態では、標的結合部分は、アプタマー、例えば、標的もしくはそのエピトープ、例えば、結腸直腸がんのための標的バイオマーカーシグネチャーの提供されるバイオマーカーもしくはそのエピトープに特異的に結合するアプタマーであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、標的結合部分は、標的もしくはそのエピトープ、例えば、結腸直腸がんのための標的バイオマーカーシグネチャーの提供されるバイオマーカーもしくはそのエピトープに特異的に結合するアフィマー分子であるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、そのようなアフィマー分子は、対応する抗体の特異性および親和性と類似する特異性および親和性で、標的もしくはそのエピトープ(例えば、本明細書に記載される通り)に結合するペプチドもしくはポリペプチドであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、標的は、結腸直腸がんと関連する標的であってもよく、またはそれを含んでいてもよい。例えば、一部のそのような実施形態では、がん関連標的は、2つ以上のがん(すなわち、少なくとも2つまたはそれよりも多くのがん)と関連する標的であり得るか、またはそれを含み得る。一部の実施形態では、がん関連標的は、典型的には、がんと関連する標的であり得るか、またはそれを含み得る。一部の実施形態では、がん関連標的は、特異的組織のがん、例えば、結腸直腸がんと関連する標的であり得るか、またはそれを含み得る。一部の実施形態では、がん関連標的は、特定のがん、例えば、特定の結腸直腸がん、より具体的には、結腸直腸腺癌に特異的である標的であり得るか、またはそれを含み得る。
【0230】
一部の実施形態では、標的結合部分は、生物学的実体(例えば、限定されるものではないが、細胞および/または細胞外小胞を含む)に存在する標的を認識し、それに特異的に結合する。例えば、一部の実施形態では、標的結合部分は、腫瘍関連抗原またはそのエピトープを認識し、それに特異的に結合してもよい。一部の実施形態では、腫瘍関連抗原は、がん、例えば、皮膚がん、脳がん(例えば、神経膠芽腫を含む)、乳がん、結腸直腸がん(例えば、結腸直腸腺癌)、肝臓がん、肺がん、卵巣がん、膵臓がん、前立腺がん、および皮膚がんなどと関連する抗原であってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、標的結合部分は、結腸直腸がん(例えば、結腸直腸腺癌)と関連する腫瘍抗原を認識してもよい。一部の実施形態では、標的結合部分は、結腸直腸腺癌と関連する腫瘍抗原を認識してもよい。
【0231】
一部の実施形態では、標的結合部分は、小胞内標的、例えば、提供される小胞内タンパク質またはRNA(例えば、mRNA)に特異的に結合してもよい。一部の実施形態では、標的結合部分は、細胞外小胞を含む目的のサイズ範囲を有するナノ粒子上/内に存在する表面標的、例えば、結腸直腸がん関連細胞外小胞上に存在する膜結合ポリペプチドに特異的に結合してもよい。
【0232】
一部の実施形態では、標的結合部分は、特異的な状態または疾患(例えば、がん)のためのバイオマーカーを対象にし、このバイオマーカーは、例えば、そのようなバイオマーカー(例えば、予測バイオマーカー)を同定するために、患者生検および/または患者データの集団またはライブラリー(例えば、10、100、1000、10000、100000、またはそれよりも多い)を分析することによって決定されるか、または決定されている。
【0233】
一部の実施形態では、関連するバイオマーカーは、例えば、データ解析を介して、同定されたものおよび/または特徴付けられたものであってもよい。一部の実施形態では、例えば、多様なデータのセット(例えば、一部の実施形態では、バルクRNAシークエンシング、単一細胞RNA(scRNA)シークエンシング、質量分析、組織診、翻訳後改変データ、in vitroおよび/またはin vivo実験データのうちの1つまたは複数を含む)は、疾患または状態(例えば、がん)に非常に特異的であるバイオマーカー(例えば、予測マーカー)を同定するために、機械学習および/またはコンピューター計算モデルにより解析することができる。
【0234】
一部の実施形態では、標的結合部分は、組織特異的標的、例えば、特異的組織、例えば、脳、乳房、結腸、卵巣および/または女性生殖系と関連する他の組織、膵臓、前立腺および/または男性生殖系と関連する他の組織、肝臓、肺、ならびに皮膚などと関連する標的を対象にする。一部の実施形態では、そのような組織特異的標的は、正常な健康な組織および/または罹患組織、例えば腫瘍と関連していてもよい。一部の実施形態では、標的結合部分は、対象の正常で健康な状態と特異的に関連する標的を対象にする。
【0235】
一部の実施形態では、多数の検出プローブ(例えば、本明細書で記載されるおよび/または利用される通り)において利用される個々の標的結合実体は、異なる標的を対象にする。一部の実施形態では、そのような異なる標的は、異なるマーカータンパク質またはポリペプチドとなってもよい。一部の実施形態では、そのような異なる標的は、同じマーカータンパク質またはポリペプチドの異なるエピトープとなってもよい。一部の実施形態では、多数の検出プローブ(例えば、本明細書で記載されるおよび/または利用される通り)において利用される2つまたはそれよりも多くの個々の標的結合実体は、同じ標的を対象にしていてもよい。
【0236】
一部の実施形態では、結腸直腸がんの検出のための多数の検出プローブにおいて利用される個々の標的結合実体は、結腸直腸がんのための標的バイオマーカーシグネチャー(例えば、上記の「結腸直腸がんの検出のための提供されるバイオマーカーおよび/または標的バイオマーカーシグネチャー」いう表題のセクションに記載されるもの)の異なる標的バイオマーカーを対象にしていてもよい。
【0237】
一部の実施形態では、結腸直腸がんの検出のための多数の検出プローブにおいて利用される個々の標的結合実体は、結腸直腸がんのための標的バイオマーカーシグネチャー(例えば、上記の「結腸直腸がんの検出のための提供されるバイオマーカーおよび/または標的バイオマーカーシグネチャー」いう表題のセクションに記載されるもの)の同じ標的バイオマーカーを対象にしていてもよい。一部の実施形態では、そのような標的結合実体は、結腸直腸がんのためのそのような標的バイオマーカーシグネチャーの同じ標的バイオマーカーの同じまたは異なるエピトープを対象にしていてもよい。
B.オリゴヌクレオチドドメイン
【0238】
一部の実施形態では、本開示に従った使用のためのオリゴヌクレオチドドメイン(例えば、標的結合部分にカップリングされていてもよい)は、二本鎖部分、およびオリゴヌクレオチドドメインの一方または両方の末端から伸びた一本鎖オーバーハングを含んでいてもよい。オリゴヌクレオチドドメインがそれぞれの末端から伸びた一本鎖オーバーハングを含む一部の実施形態では、一本鎖オーバーハングは、二本鎖部分の異なる鎖から伸びている。オリゴヌクレオチドドメインがオリゴヌクレオチドドメインの一方の末端から伸びた一本鎖オーバーハングを含む一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドドメインの他方の末端は、平滑末端であってもよい。
【0239】
一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドドメインは、ワトソン-クリック型または類似の塩基対相互作用、およびその任意の組合せに関与することができる、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、合成ヌクレオチド残基を含んでいてもよい。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドドメインは、DNAであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドドメインは、ペプチド核酸(PNA)であるか、またはそれを含む。
【0240】
一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、例えば、少なくとも一部では、例えば、検出される目的の実体(例えば、生物学的実体、例えば、細胞外小胞)の物理的特徴、ならびに/または検出される目的の実体(例えば、生物学的実体、例えば、細胞外小胞)における分子標的の選択および局在によって決定される長さを有していてもよい。一部の実施形態では、検出プローブのオリゴヌクレオチドドメインは、第1の検出プローブおよび第2の検出プローブが、目的の実体(例えば、生物学的実体、例えば、細胞外小胞)に結合する場合に、第1の一本鎖オーバーハングおよび第2の一本鎖オーバーハングが、一本鎖オーバーハング間の相互作用(例えば、ハイブリダイゼーション)を可能にするのに十分に近接しているような長さを有するように構成される。例えば、目的の実体(例えば、生物学的実体)が、細胞外小胞(例えば、エキソソーム)である場合、検出プローブのオリゴヌクレオチドドメインは、それらの個々の一本鎖オーバーハングが、対応する検出プローブが同じ細胞外小胞に結合した場合に互いにアニールするか、または相互作用するのに十分に近接するような長さをそれぞれ独立して有していてもよい。例えば、一部の実施形態では、細胞外小胞(例えば、エキソソーム)を検出する使用のための検出プローブのオリゴヌクレオチドドメインは、約20nm~約200nm、約40nm~約500nm、約40nm~約300nm、または約50nm~約150nmの長さをそれぞれ独立して有していてもよい。一部の実施形態では、細胞外小胞(例えば、エキソソーム)を検出する使用のための検出プローブのオリゴヌクレオチドドメインは、約20nm~約200nmの長さをそれぞれ独立して有していてもよい。一部の実施形態では、セットにおける検出プローブのオリゴヌクレオチドドメインの長さは、それらが同じ目的の実体に同時に結合する場合に、それらが互いを見出す確率を増加させるおよび/または最大化するためにそれぞれ独立して変更することができる。細胞外小胞を検出するための検出プローブにおける使用のために設計されたそのようなオリゴヌクレオチドドメインは、細胞外小胞を含む目的のサイズ範囲を有するナノ粒子を検出するための検出プローブにおいて使用することもできる。
【0241】
したがって、一部の実施形態では、本明細書に提供される技術における使用のためのオリゴヌクレオチドドメインは、約20から最大で約1000ヌクレオチドまでの範囲の長さを有していてもよい。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドドメインは、約30から最大で約1000ヌクレオチドまでの範囲の長さを有していてもよい。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドドメインは、約30~約500ヌクレオチド、約30~約250ヌクレオチド、約30~約200ヌクレオチド、約30~約150ヌクレオチド、約40~約150ヌクレオチド、約40~約125ヌクレオチド、約40~約100ヌクレオチド、約40~約60ヌクレオチド、約50~約90ヌクレオチド、約50~約80ヌクレオチドの範囲の長さを有していてもよい。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドドメインは、例えば、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも750、少なくとも1000、またはそれよりも長いヌクレオチドを含んで、少なくとも20またはそれよりも長いヌクレオチドの長さを有していてもよい。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドドメインは、例えば、900以下、800以下、700以下、600以下、500以下、400以下、300以下、200以下、100以下、90以下、80以下、70以下、60以下、50以下、40ヌクレオチド以下、30ヌクレオチド以下、20以下、またはそれよりも短いヌクレオチドを含んで、1000以下またはそれよりも短いヌクレオチドの長さを有していてもよい。
【0242】
一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドドメインは、約20nm~約500nmの長さを有していてもよい。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドドメインは、約20nm~約400nm、約30nm~約200nm、約50nm~約100nm、約30nm~約70nm、または約40nm~約60nmの長さを有していてもよい。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドドメインは、例えば、少なくとも約30nm、少なくとも約40nm、少なくとも約50nm、少なくとも約60nm、少なくとも約70nm、少なくとも約80nm、少なくとも約90nm、少なくとも約100nm、少なくとも約200nm、少なくとも約300nm、少なくとも約400nm、またはそれよりも長いを含んで、少なくとも約20nmまたはそれよりも長い長さを有していてもよい。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドドメインは、例えば、900nm以下、800nm以下、700nm以下、600nm以下、500nm以下、400nm以下、300nm以下、200nm以下、100nm以下、またはそれよりも短いを含んで、1000nm以下またはそれよりも短い長さを有していてもよい。
【0243】
一部の実施形態では、本明細書に提供される技術における使用のためのオリゴヌクレオチドドメインの二本鎖部分は、約30から最大で約1000ヌクレオチドまでの範囲の長さを有していてもよい。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドドメインの二本鎖部分は、約30~約500ヌクレオチド、約30~約250ヌクレオチド、約30~約200ヌクレオチド、約30~約150ヌクレオチド、約40~約150ヌクレオチド、約40~約125ヌクレオチド、約40~約100ヌクレオチド、約50~約90ヌクレオチド、約50~約80ヌクレオチドの範囲の長さを有していてもよい。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドドメインの二本鎖部分は、例えば、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも750、少なくとも1000、またはそれよりも長いヌクレオチドを含んで、少なくとも30またはそれよりも長いヌクレオチドの長さを有していてもよい。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドドメインの二本鎖部分は、例えば、900以下、800以下、700以下、600以下、500以下、400以下、300以下、200以下、100以下、90以下、80以下、70以下、60以下、50以下、40以下、またはそれよりも短いヌクレオチドを含んで、1000以下またはそれよりも短いヌクレオチドの長さを有していてもよい。
【0244】
一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドドメインの二本鎖部分は、約20nm~約500nmの長さを有していてもよい。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドドメインの二本鎖部分は、約20nm~約400nm、約30nm~約200nm、約50nm~約100nm、約30nm~約70nm、または約40nm~約60nmの長さを有していてもよい。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドドメインの二本鎖部分は、例えば、少なくとも約30nm、少なくとも約40nm、少なくとも約50nm、少なくとも約60nm、少なくとも約70nm、少なくとも約80nm、少なくとも約90nm、少なくとも約100nm、少なくとも約200nm、少なくとも約300nm、少なくとも約400nm、またはそれよりも長いを含んで、少なくとも約20nmまたはそれよりも長い長さを有していてもよい。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドドメインの二本鎖部分は、例えば、900nm以下、800nm以下、700nm以下、600nm以下、500nm以下、400nm以下、300nm以下、200nm以下、100nm以下、またはそれよりも短いを含んで、1000nm以下またはそれよりも短い長さを有していてもよい。
【0245】
一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドドメインの二本鎖部分は、検出プローブが、個々の相補的一本鎖オーバーハング(例えば、本明細書で記載されるおよび/または利用される通り)のハイブリダイゼーションにより互いに接続される場合に、個々のオリゴヌクレオチドドメインの合計の長さ(もしあれば、標的結合部分をオリゴヌクレオチドドメインに連結するリンカーを含む)が、個々の標的結合実体が目的の実体(例えば、細胞外小胞)の完全に特徴的な長さ(例えば、直径)に実質的に及ぶのを可能にするために十分に長いことを特徴とする。例えば、細胞外小胞が目的の実体である一部の実施形態では、検出プローブのオリゴヌクレオチドドメインの合計の長さ(もしあれば、標的結合部分をオリゴヌクレオチドドメインに連結するリンカーを含む)は、検出プローブが互いに完全に接続される場合、およそ50~200nmであってもよい。
【0246】
一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドドメインの二本鎖部分は、プライマーのための結合部位を含んでいてもよい。一部の実施形態では、プライマーのためのそのような結合部位は、ミスプライミングまたはプライマー二量体の可能性を低減するか、または最小化するように設計されたヌクレオチド配列を含んでいてもよい。そのような特色は、一部の実施形態では、検出下限を減少させ、したがって、本明細書に提供されるシステムの感度を増加させることができる。一部の実施形態では、プライマーのための結合部位は、別のプライマー結合部位と類似のアニーリング温度を有するように設計されたヌクレオチド配列を含んでいてもよい。
【0247】
一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドドメインの二本鎖部分は、対象(例えば、ヒト対象)のゲノムおよび/または遺伝子転写物(例えば、ゲノムDNAおよび/またはRNA、例えば遺伝子のmRNA)と典型的に関連する核酸配列(例えば、DNAおよび/またはRNA配列)との重複を低減するか、または最小化するように設計されたヌクレオチド配列を含んでいてもよい。そのような特色は、一部の実施形態では、検出の間に、試料中に(例えば、夾雑物として)存在し得る対象の任意のゲノムDNAおよび/またはmRNA転写物の干渉を低減してもよく、または最小化してもよい。
【0248】
一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドドメインの二本鎖部分は、自己二量体、ホモ二量体、またはヘテロ二量体の形成を低減するか、または最小化するように設計されたヌクレオチド配列を有していてもよい。
【0249】
一部の実施形態では、本明細書に提供される技術における使用のためのオリゴヌクレオチドドメインの一本鎖オーバーハングは、約2~約20ヌクレオチドの長さを有していてもよい。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドドメインの一本鎖オーバーハングは、約2~約15ヌクレオチド、約2~約10ヌクレオチド、約3~約20ヌクレオチド、約3~約15ヌクレオチド、約3~約10ヌクレオチドの長さを有していてもよい。一部の実施形態では、一本鎖オーバーハングは、少なくとも1~5ヌクレオチドの長さを有し得る。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドドメインの一本鎖オーバーハングは、例えば、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも20ヌクレオチド、またはそれよりも長いを含んで、少なくとも2またはそれよりも長いヌクレオチドの長さを有していてもよい。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドドメインの一本鎖オーバーハングは、例えば、15以下、14以下、13以下、12以下、11以下、10以下、9以下、8以下、7以下、6以下、5以下、4以下、またはそれよりも短いヌクレオチドを含んで、20以下またはそれよりも短いヌクレオチドの長さを有していてもよい。
【0250】
一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドドメインの一本鎖オーバーハングは、約1nm~約10nmの長さを有していてもよい。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドドメインの一本鎖オーバーハングは、約1nm~約5nmの長さを有していてもよい。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドドメインの一本鎖オーバーハングは、例えば、少なくとも約1nm、少なくとも約1.5nm、少なくとも約2nm、少なくとも約3nm、少なくとも約4nm、少なくとも約5nm、少なくとも約6nm、少なくとも約7nm、少なくとも約8nm、少なくとも約9nm、少なくとも約10nm、またはそれよりも長いを含んで、少なくとも約0.5nmまたはそれよりも長い長さを有していてもよい。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドドメインの一本鎖オーバーハングは、例えば、9nm以下、8nm以下、7nm以下、6nm以下、5nm以下、4nm以下、3nm以下、2nm以下、1nm以下、またはそれよりも短いを含んで、10nm以下またはそれよりも短い長さを有していてもよい。
【0251】
オリゴヌクレオチドドメインの一本鎖オーバーハングは、相補的一本鎖オーバーハングのハイブリダイゼーションにより、第1の検出プローブおよび第2の検出プローブを含む二本鎖複合体が形成され得るように、第2の検出プローブの一本鎖オーバーハングの少なくとも一部分と相補的であるヌクレオチド配列を含むように設計される。一部の実施形態では、相補的一本鎖オーバーハングのヌクレオチド配列は、適切な核酸リガーゼの存在下での最適なライゲーション効率のために選択される。一部の実施形態では、一本鎖オーバーハングは、目的の特異的な核酸リガーゼ(例えば、DNAリガーゼ、例えば、T4またはT7リガーゼ)による効率的なライゲーションのために優先的に選択されるヌクレオチド配列を有する。例えば、そのような一本鎖オーバーハングは、例えば、本明細書に記載される目的のために、参照により本明細書に組み込まれるSong et al., "Enzyme-guided DNA sewing architecture" Scientific Reports 5: 17722 (2015)に記載されているように、GAGTのヌクレオチド配列を有していてもよい。
【0252】
2つの検出プローブが、個々の相補的一本鎖オーバーハングのハイブリダイゼーションにより一緒にカップリングする場合、ハイブリダイズした一本鎖オーバーハングを含むそれらの個々のオリゴヌクレオチドドメインは、一部の実施形態では、目的の実体(例えば、生物学的実体)の特徴的な長さ(例えば、直径)の約90%~110%または約95%~105%の合計の長さを有し得る。例えば、生物学的実体がエキソソームである一部の実施形態では、合計の長さは、約50nm~約200nm、または約75nm~約150nm、または約80nm~約120nmであり得る。
C.標的結合部分とオリゴヌクレオチドドメインとの間のカップリング
【0253】
オリゴヌクレオチドドメインおよび標的結合部分は、共有結合的な連結によって、および/または非共有結合的な会合(例えば、タンパク質間相互作用、例えば、ストレプトアビジン-ビオチン相互作用および/またはイオン相互作用など)によって、検出プローブにおいて一緒にカップリングされ得る。一部の実施形態では、本開示に従った使用のために適切な検出プローブは、標的結合部分およびオリゴヌクレオチドドメインを含むコンジュゲート分子であり、2つの構成要素は、典型的には、例えば、結合により直接的に、または1つもしくは複数のリンカーにより間接的に、互いに共有結合的にカップリングされる。一部の実施形態では、標的結合部分は、共有結合的な連結(例えば、結合により直接的に、または1つもしくは複数のリンカーにより間接的に)、および/または非共有結合的な会合(例えば、タンパク質間相互作用、例えば、ストレプトアビジン-ビオチン相互作用および/またはイオン相互作用など)によって、オリゴヌクレオチドドメインの2つの鎖のうちの一方にカップリングされる。
【0254】
リンカーが用いられる場合、一部の実施形態では、リンカーは、選択されたリンカーによりオリゴヌクレオチドドメインの一方または両方の鎖への標的結合部分の共有結合的な付着を提供するように選択される。一部の実施形態では、リンカーは、オリゴヌクレオチドドメインの一方または両方の鎖への標的結合部分の得られる共有結合的な付着が、その標的に対する標的結合部分の所望の結合親和性を維持するように、選択される。一部の実施形態では、リンカーは、その標的に対する標的結合部分の結合特異性を増強するように選択される。目的のリンカーおよび/またはコンジュゲーション方法は、標的結合部分、例えば、そのサイズおよび/または電荷に応じて広く変わり得る。一部の実施形態では、リンカーは、生物学的に不活性である。
【0255】
標的結合部分をオリゴヌクレオチドにカップリングするための各種のリンカーおよび/または方法は、当業者に公知であり、本開示に従って使用することができる。一部の実施形態では、リンカーは、標的結合部分に共有結合的に付着することができるいずれかの末端の反応性官能基とともに、いずれかの末端にスペーサー基を含むことができる。リンカーにおいて使用することができるスペーサー基の例としては、限定されるものではないが、脂肪族および不飽和炭化水素鎖(例えば、C4、C5、C6、C7、C8、C9、C10、C11、C12、C13、C14、C15、C16、C17、C18、C19、C20、またはそれよりも長いものを含む)、酸素(例えば、エーテル、例えば、ポリエチレングリコール)または窒素(ポリアミン)などのヘテロ原子を含有するスペーサー、ペプチド、炭水化物、ヘテロ原子を含有し得る環式または非環式系が挙げられる。共有結合的な付着を容易にする反応性官能基の非限定的な例としては、求核性官能基(例えば、アミン、アルコール、チオール、および/またはヒドラジド)、求電子性官能基(例えば、アルデヒド、エステル、ビニルケトン、エポキシド、イソシアネート、および/またはマレイミド)、環化付加反応、ジスルフィド結合の形成、または金属への結合が可能な官能基が挙げられる。一部の実施形態では、例示的な反応性官能基は、限定されるものではないが、第一級および第二級アミン、ヒドロキサム酸、N-ヒドロキシスクシンイミジル(NHS)エステル、ジベンゾシクロオクチン(DBCO)-NHSエステル、アジド-NHSエステル、アジド酢酸NHSエステル、プロパルギル-NHSエステル、トランス-シクロオクテン-NHSエステル、N-ヒドロキシスクシンイミジルカルボネート、オキシカルボニルイミダゾール、ニトロフェニルエステル、トリフルオロエチルエステル、グリシジルエーテル、ビニルスルホン、マレイミド、アジドベンゾイルヒドラジド、N-[4-(p-アジドサリチルアミノ)ブチル]-3’-[2’-ピリジルジチオ]プロピオンアミド)、ビス-スルホスクシンイミジルスベレート、ジメチルアジピミデート、ジスクシンイミジルタータレート、N-マレイミドブチリルオキシスクシンイミドエステル、N-ヒドロキシスルホスクシンイミジル-4-アジドベンゾエート、N-スクシンイミジル[4-アジドフェニル]-1,3’-ジチオプロピオネート、N-スクシンイミジル[4-ヨードアセチル]アミノベンゾエート、グルタルアルデヒド、およびスクシンイミジル4-[N-マレイミドメチル]シクロヘキサン-1-カルボキシレート、3-(2-ピリジルジチオ)プロピオン酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(SPDP)、4-(N-マレイミドメチル)-シクロヘキサン-1-カルボン酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(SMCC)、ならびにその任意の組合せである。
【0256】
一部の実施形態では、標的結合部分(例えば、標的結合抗体剤)は、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステル化学を使用して、オリゴヌクレオチドドメインの一方または両方の鎖にカップリングまたはコンジュゲートされる。NHSエステルは、遊離第一級アミンと反応し、安定な共有結合的な付着をもたらす。一部の実施形態では、第一級アミノ基は、スペーサー基、例えば、限定されるものではないが、脂肪族および不飽和炭化水素鎖(例えば、C6またはC12スペーサー基)とともに、末端に位置することができる。
【0257】
一部の実施形態では、標的結合部分(例えば、標的結合親和性剤)は、例えば、コンジュゲートされた標的結合部分(例えば、コンジュゲートされた標的結合親和性剤)の結合特異性を増強するために、当技術分野において公知の部位特異的コンジュゲーション方法を使用して、オリゴヌクレオチドドメインの一方または両方の鎖にカップリングまたはコンジュゲートすることができる。部位特異的コンジュゲーション方法の例としては、限定されるものではないが、ジスルフィド結合、C末端、炭水化物残基もしくはグリカン、および/または非天然アミノ酸標識化によるカップリングまたはコンジュゲーションが挙げられる。標的結合部分が親和性剤であるか、またはそれを含む一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、標的結合部分に存在する少なくとも1つまたは複数の遊離アミン基を介して、標的結合部分にカップリングまたはコンジュゲートすることができる。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、標的結合部分に存在する少なくとも1つまたは複数の反応性チオール基を介して、親和性剤であるか、またはそれを含む標的結合部分にカップリングまたはコンジュゲートすることができる。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、標的結合部分に存在する少なくとも1つまたは複数の炭水化物残基を介して、抗体剤もしくはペプチドアプタマーであるか、またはそれを含む標的結合部分に、カップリングまたはコンジュゲートすることができる。
【0258】
一部の実施形態では、多数のオリゴヌクレオチド(例えば、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、またはそれよりも多く)は、標的結合部分(例えば、標的結合抗体剤)にカップリングまたはコンジュゲートすることができる。
例示的な二重標的実体検出システム
【0259】
一部の実施形態では、本開示によって提供される(および、例えば、結腸直腸がんと関連する細胞外小胞を、例えば、単一実体レベルで検出するために有用である)標的実体検出システムは、提供される標的バイオマーカー(例えば、本明細書に記載されるもの)のための第1の検出プローブ(例えば、本明細書で記載されるおよび/または利用される通り)の第1の集団、および提供される標的バイオマーカー(例えば、本明細書に記載されるもの)のための第2の検出プローブ(例えば、本明細書で記載されるおよび/または利用される通り)の第2の集団を含んでいてもよい。一部の実施形態では、第1の検出プローブおよび第2の検出プローブは、同じ提供される標的バイオマーカーを対象にする。一部の実施形態では、第1の検出プローブおよび第2の検出プローブは、異なる提供される標的バイオマーカーを対象にする。
【0260】
図2は、(i)その発現レベルが、同じ標的(例えば、結腸直腸がんのための標的バイオマーカーシグネチャーの提供されるバイオマーカー)の2つの分子が近接して見出されるように十分に高い、少なくとも1つの標的(例えば、結腸直腸がんのための標的バイオマーカーシグネチャーの提供されるバイオマーカー)、または(ii)少なくとも2つまたはそれよりも多くの別個の標的(例えば、結腸直腸がんのための標的バイオマーカーシグネチャーの提供されるバイオマーカー)を含む、目的の実体(例えば、生物学的実体、例えば、細胞外小胞)を単一実体レベルで検出するための例示的な二重標的実体検出システムを図示する。第1の検出プローブは、第1の標的結合部分(例えば、標的がんマーカー1を対象にする)、および第1の標的結合部分にカップリングされた第1のオリゴヌクレオチドドメインを含み、第1のオリゴヌクレオチドドメインは、第1の二本鎖部分、および第1のオリゴヌクレオチドドメインの一方の末端から伸びた第1の一本鎖オーバーハングを含む。図2に示されるように、第1のオリゴヌクレオチドドメインは、より長い鎖(鎖3)およびより短い鎖(鎖1)のハイブリダイゼーションから生じ、それによって、二本鎖部分、および一方の末端で一本鎖オーバーハングを形成してもよい。一部の実施形態では、第1の標的結合部分(例えば、標的がんマーカー1を対象にする)は、第1のオリゴヌクレオチドドメインの鎖(例えば、鎖1)の5’末端または3’末端にカップリングされる(例えば、共有結合的にカップリングされる)。一部の実施形態では、第1の標的結合部分にカップリングされた鎖の5’末端または3’末端は、リンカーで改変されていてもよい(例えば、スペーサー基ありまたはなしで、本明細書で記載されるおよび/または利用される通り)。一部の実施形態では、第1のオリゴヌクレオチドドメインの別の鎖(例えば、鎖3)の5’末端は、遊離リン酸基を有する。
【0261】
図2に表される実施形態では、第2の検出プローブは、第2の標的結合部分(例えば、標的がんマーカー2を対象にする)、および第2の標的結合部分にカップリングされた第2のオリゴヌクレオチドドメインを含み、第2のオリゴヌクレオチドドメインは、第2の二本鎖部分、および第2のオリゴヌクレオチドドメインの一方の末端から伸びた第2の一本鎖オーバーハングを含む。図2に示されるように、第2のオリゴヌクレオチドドメインは、より長い鎖(鎖4)およびより短い鎖(鎖2)のハイブリダイゼーションから生じ、それによって、二本鎖部分、および一方の末端で一本鎖オーバーハングを形成してもよい。一部の実施形態では、第2の標的結合部分(例えば、標的がんマーカー2を対象にする)は、第2のオリゴヌクレオチドドメインの鎖(例えば、鎖2)の5’末端にカップリングされる(例えば、共有結合的にカップリングされる)。一部の実施形態では、第2の標的結合部分にカップリングされた鎖の5’末端は、リンカーで改変されていてもよい(例えば、スペーサー基ありまたはなしで、本明細書で記載されるおよび/または利用される通り)。一部の実施形態では、第2のオリゴヌクレオチドドメインの別の鎖(例えば、鎖4)の5’末端は、遊離リン酸基を有する。
【0262】
第1の一本鎖オーバーハングおよび第2の一本鎖オーバーハングの少なくとも一部分は、それらが十分に近接している場合に、例えば、第1の検出プローブおよび第2の検出プローブが同じ目的の実体(例えば、生物学的実体、例えば、細胞外小胞)に同時に結合する場合に、それらがハイブリダイズして、二本鎖複合体を形成することができるように、互いに相補的である。一部の実施形態では、第1の一本鎖オーバーハングおよび第2の一本鎖オーバーハングは、それらがハイブリダイズして二本鎖複合体を形成する場合に、それらの個々のオリゴヌクレオチドドメイン間にギャップ(ライゲーションするためのニック以外)が存在せず、それぞれ個々の標的結合部分が、二本鎖複合体の反対側の末端に位置するように、等しい長さを有する。例えば、一部の実施形態では、ライゲーションが起こる前に、二本鎖複合体は形成され、二本鎖複合体は、それらの個々の一本鎖オーバーハング(例えば、4ヌクレオチドの長さを有する)の直接ハイブリダイゼーションにより互いにカップリングされた第1の検出プローブおよび第2の検出プローブを含み、それぞれ個々の標的結合部分(例えば、それぞれ、標的がんマーカー1および標的がんマーカー2を対象にする)は、二本鎖複合体の反対側の末端に存在する。そのような実施形態では、二本鎖複合体の両方の鎖(個々のオリゴヌクレオチドドメイン間にニックを含む)は、例えば、増幅および検出のためにライゲーション可能である。一部の実施形態では、二本鎖複合体は(例えば、ライゲーションが起こる前)、目的の実体(例えば、生物学的実体、例えば、細胞外小胞)を含むことができ、第1の標的結合部分(例えば、標的がんマーカー1を対象にする)および第2の標的結合部分(例えば、標的がんマーカー2を対象にする)は、目的の実体に同時に結合する。
【0263】
結腸直腸がん(例えば、結腸直腸腺癌)の検出のための二重標的実体検出システムの一部の実施形態では、第1の検出プローブの第1の標的結合部分は、第1の標的表面バイオマーカー(例えば、「結腸直腸がんの検出のための提供されるバイオマーカーおよび/または標的バイオマーカーシグネチャー」という表題のセクションに提供されるもの)を対象にしていてもよい一方で、第2の検出プローブの第2の標的結合部分は、第2の標的表面バイオマーカー(例えば、「結腸直腸がんの検出のための提供されるバイオマーカーおよび/または標的バイオマーカーシグネチャー」という表題のセクションにおいて提供されるもの)を対象にしていてもよい。一部の実施形態では、第1の検出プローブの第1の標的結合部分は、第1の標的小胞内バイオマーカー(例えば、「結腸直腸がんの検出のための提供されるバイオマーカーおよび/または標的バイオマーカーシグネチャー」という表題のセクションに提供されるもの)を対象にしていてもよい一方で、第2の検出プローブの第2の標的結合部分は、第2の標的小胞内バイオマーカー(例えば、「結腸直腸がんの検出のための提供されるバイオマーカーおよび/または標的バイオマーカーシグネチャー」という表題のセクションにおいて提供されるもの)を対象にしていてもよい。一部の実施形態では、第1の標的結合部分および第2の標的結合部分は、同じ標的表面バイオマーカーまたは同じ標的小胞内バイオマーカーの同じまたは異なるエピトープを対象にしていてもよい。一部の実施形態では、第1の標的結合部分および第2の標的結合部分は、異なる標的表面バイオマーカーまたは異なる標的小胞内バイオマーカーを対象にしていてもよい。一部の実施形態では、第1のオリゴヌクレオチドドメインおよび第2のオリゴヌクレオチドドメインの二本鎖部分は、同じであってもよい。一部の実施形態では、第1のオリゴヌクレオチドドメインおよび第2のオリゴヌクレオチドドメインの二本鎖部分は、異なっていてもよい。
【0264】
一部の実施形態では、結腸直腸がん(例えば、結腸直腸腺癌)の検出のための二重標的実体検出システムは、検出プローブの少なくとも2つの別個のセットを含んでいてもよい。例えば、一部の実施形態では、それぞれのセットは、1つまたは複数の標的バイオマーカー(例えば、本明細書に記載されるもの)を含む別個の標的バイオマーカーシグネチャーを対象にしていてもよい。
【0265】
一部の実施形態では、検出プローブの少なくとも2つの別個のセットを含む二重標的実体検出システムはまた、細胞外小胞関連表面バイオマーカーを対象にする捕捉剤を含む捕捉アッセイを含んでいてもよい。
【0266】
一部の実施形態では、本明細書に記載される捕捉プローブまたは検出プローブを含むバイオマーカープローブ(例えば、バイオマーカーシグネチャー)の任意の組合せは、本明細書に記載される捕捉プローブまたは検出プローブを含むバイオマーカープローブ(例えば、バイオマーカーシグネチャー)の任意の他のセットと組み合わせて利用されてもよい。
例示的な三重または多重(n≧3)標的実体検出システム
【0267】
一部の実施形態では、本開示によって提供される(および例えば、単一実体レベルで例えば、結腸直腸がんと関連する細胞外小胞を検出するために有用な)標的実体検出システムは、別個の検出プローブ(例えば、本明細書で記載されるおよび/または利用される通り)のn集団を含んでいてもよく、ここで、n≧3である。例えば、一部の実施形態では、n=3である場合に、標的実体検出システムは、第1の標的のための第1の検出プローブ(例えば、本明細書で記載されるおよび/または利用される通り)、第2の標的のための第2の検出プローブの集団(例えば、本明細書で記載されるおよび/または利用される通り)、および第3の標的のための第3の検出プローブの集団(例えば、本明細書で記載されるおよび/または利用される通り)を含んでいてもよい。
【0268】
図3は、単一実体レベルで、3つの別個の分子標的を含む目的の実体(例えば、生物学的実体、例えば、細胞外小胞)を検出するための例示的な三重標的実体検出システムを図示する。第1の検出プローブは、第1の標的結合部分(例えば、抗がんマーカー1抗体剤)、および第1の標的結合部分にカップリングされた第1のオリゴヌクレオチドドメインを含み、第1のオリゴヌクレオチドドメインは、第1の二本鎖部分、および第1のオリゴヌクレオチドドメインの一方の末端から伸びた第1の一本鎖オーバーハングを含む。図3に示されるように、第1のオリゴヌクレオチドドメインは、より長い鎖(鎖8)およびより短い鎖(鎖1)のハイブリダイゼーションから生じ、それによって、二本鎖部分、および一方の末端で一本鎖オーバーハングを形成してもよい。一部の実施形態では、第1の標的結合部分(例えば、抗がんマーカー1抗体剤)は、第1のオリゴヌクレオチドドメインの鎖(例えば、鎖1)の5’末端にカップリングされる(例えば、共有結合的にカップリングされる)。一部の実施形態では、第1の標的結合部分にカップリングされた鎖の5’末端は、リンカーで改変されていてもよい(例えば、スペーサー基ありまたはなしで、本明細書で記載されるおよび/または利用される通り)。一部の実施形態では、第1のオリゴヌクレオチドドメインの別の鎖(例えば、鎖8)の5’末端は、遊離リン酸基を有する。
【0269】
図3に表される実施形態では、第2の検出プローブは、第2の標的結合部分(例えば、抗がんマーカー3抗体剤)、および第2の標的結合部分にカップリングされた第2のオリゴヌクレオチドドメインを含み、第2のオリゴヌクレオチドドメインは、第2の二本鎖部分、および第2のオリゴヌクレオチドドメインの一方の末端から伸びた第2の一本鎖オーバーハングを含む。図3に示されるように、第2のオリゴヌクレオチドドメインは、より長い鎖(鎖4)およびより短い鎖(鎖2)のハイブリダイゼーションから生じ、それによって、二本鎖部分、および一方の末端で一本鎖オーバーハングを形成してもよい。一部の実施形態では、第2の標的結合部分(例えば、抗がんマーカー3抗体剤)は、第2のオリゴヌクレオチドドメインの鎖(例えば、鎖2)の5’末端にカップリングされる(例えば、共有結合的にカップリングされる)。一部の実施形態では、第2の標的結合部分にカップリングされた鎖の5’末端は、リンカーで改変されていてもよい(例えば、スペーサー基ありまたはなしで、本明細書で記載されるおよび/または利用される通り)。一部の実施形態では、第2のオリゴヌクレオチドドメインの別の鎖(例えば、鎖4)の5’末端は、遊離リン酸基を有さない。
【0270】
第3の検出プローブは、第3の標的結合部分(例えば、抗がんマーカー2抗体剤)、および第3の標的結合部分にカップリングされた第3のオリゴヌクレオチドドメインを含み、第3のオリゴヌクレオチドドメインは、第3の二本鎖部分、および第3のオリゴヌクレオチドドメインのそれぞれの末端から伸びた一本鎖オーバーハングを含む。例えば、一本鎖オーバーハングは、第3のオリゴヌクレオチドドメインの鎖の一方の末端から伸びている一方で、別の一本鎖オーバーハングは、第3のオリゴヌクレオチドドメインの異なる鎖の反対側の末端から伸びている。図3に示されるように、第3のオリゴヌクレオチドドメインは、2つの鎖(例えば、鎖9および10)の部分のハイブリダイゼーションから生じ、それによって、二本鎖部分、およびそれぞれの末端で一本鎖オーバーハングを形成してもよい。例えば、一本鎖オーバーハング(3A)は、第3の検出プローブの鎖9の5’末端で形成され、鎖9の5’末端は、遊離リン酸基を有する。加えて、一本鎖オーバーハング(3B)は、同じ第3の検出プローブの鎖10の5’末端で形成され、第3の標的結合部分(例えば、抗標的2抗体剤)も、鎖10の5’末端にカップリングされる(例えば、共有結合的にカップリングされる)。一部の実施形態では、第3の標的結合部分にカップリングされた鎖(例えば、鎖10)の5’末端は、リンカーで改変されていてもよい(例えば、スペーサー基ありまたはなしで、本明細書で記載されるおよび/または利用される通り)。
【0271】
3つすべての検出プローブが、十分に近接している場合、例えば、3つすべての検出プローブが、同じ目的の実体(例えば、生物学的実体)に同時に結合する場合、(i)第3の検出プローブの一本鎖オーバーハング(例えば、3A)の少なくとも一部分は、第2の検出プローブの一本鎖オーバーハングの対応する相補的部分にハイブリダイズし、(ii)第3の検出プローブの別の一本鎖オーバーハング(例えば、3B)の少なくとも一部分は、第1の検出プローブの一本鎖オーバーハングの対応する相補的部分にハイブリダイズする。結果として、線状配置で互いにカップリングした3つすべての検出プローブを含む二本鎖複合体が、対応する一本鎖オーバーハングの直接ハイブリダイゼーションによって形成される。例えば、図3を参照されたい。
【0272】
提供される技術における少なくとも3つまたはそれよりも多く(n≧3)の検出プローブの使用を含む一部の実施形態では、検出プローブの一本鎖オーバーハングがそれぞれ個々のパートナーにアニールして、二本鎖複合体を形成する場合、少なくとも(n-2)の標的結合部分が、二本鎖複合体の内部部分に存在する。そのような実施形態では、二本鎖複合体の別の鎖が、任意の内部標的結合部分を含有せず、したがって、例えば、増幅および検出のために、ライゲーションされた鋳型を形成するためにライゲーション可能であるように、二本鎖複合体の一本鎖に存在する内部標的結合部分を有することが望ましい。例えば、図3(3つの検出プローブを使用する)、図4(4つの検出プローブを使用する)、および図5(nの検出プローブを使用する)を参照されたい。
【0273】
二本鎖複合体の鎖が少なくとも1つまたは複数の内部標的結合部分を含む一部の実施形態では、鎖は、内部標的結合部分がカップリングされた検出プローブのオリゴヌクレオチド鎖の末端と、別の検出プローブのオリゴヌクレオチド鎖の末端との間にギャップを含む。ギャップのサイズは、鎖が核酸リガーゼの存在下でライゲーション不可能になるのに十分に大きい。一部の実施形態では、ギャップは、2~8ヌクレオチドのサイズまたは2~6ヌクレオチドのサイズであってもよい。一部の実施形態では、ギャップは、6ヌクレオチドのサイズである。一部の実施形態では、重複(一本鎖オーバーハング間のハイブリダイゼーション領域)は、2~15ヌクレオチドの長さまたは4~10ヌクレオチドの長さであり得る。一部の実施形態では、重複(一本鎖オーバーハング間のハイブリダイゼーション領域)は、8ヌクレオチドの長さである。ギャップおよび/またはハイブリダイゼーション領域のサイズは、ライゲーションされた鋳型(内部標的結合部分を含まない)およびライゲーションされていない鋳型(少なくとも1つの内部標的結合部分を含む)から最適なシグナル分離を提供するように選択される。図3~5は、目的の実体(例えば、生物学的実体)への検出プローブの結合を示していないが、二本鎖複合体(例えば、ライゲーションが起こる前)が、目的の実体(例えば、生物学的実体、例えば、細胞外小胞)を含むことができ、少なくとも3つまたはそれよりも多くの標的結合部分が、目的の実体に同時に結合することに留意すべきである。
【0274】
一部の実施形態では、本明細書に提供される標的実体検出システム(例えば、本明細書に記載される二重、三重または多重標的実体検出システム)における使用のための検出プローブの組合せ(例えば、セット)の選択(例えば、検出プローブおよび/または特異的バイオマーカーの数)は、例えば、特定の適用に最適であると思われる所望の特異度および/または所望の感度に基づく。例えば、一部の実施形態では、検出プローブの組合せは、結腸直腸がんの検出(例えば、ステージI、II、III、またはIVについて)のために、例えば、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.7%、少なくとも99.8%、またはそれよりも高いを含んで、少なくとも95%またはそれよりも高い特異度を提供するように選択される。一部の実施形態では、検出プローブの組合せは、結腸直腸がんの検出(例えば、ステージI、II、III、またはIVについて)のために、例えば、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、またはそれよりも高いを含んで、少なくとも30%またはそれよりも高い感度を提供するように選択される。一部の実施形態では、検出プローブの組合せは、結腸直腸がんの検出(例えば、ステージI、II、III、またはIVについて)のために、例えば、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、またはそれより高いを含んで、少なくとも8%またはそれよりも高い陽性予測値を提供するように選択される。一部の実施形態では、検出プローブの組合せは、結腸直腸がん(例えば、結腸直腸腺癌)の検出(例えば、ステージI、II、III、またはIVについて)のために、例えば、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、またはそれよりも高いを含んで、少なくとも2%またはそれよりも高い陽性予測値を提供するように選択される。一部の実施形態では、検出プローブの組合せは、結腸直腸がんの検出(例えば、ステージI、II、III、またはIVについて)のために、例えば、7×10EV/mL試料未満、6×10EV/mL試料未満、5×10EV/mL試料未満、4×10EV/mL試料未満、3×10EV/mL試料未満、2×10EV/mL試料未満、1×10EV/mL試料未満、またはそれよりも低いを含んで、1×10EV/mL試料未満またはそれ未満の検出限界(LOD)を提供するように選択される。一部の実施形態では、そのような結腸直腸がん検出アッセイは、例えば、結腸直腸腺癌および当技術分野において公知の他の既定された種類の結腸直腸がん(SEER Cancer Statistics Review 1975-2017)を含む、結腸直腸がんの異なるサブタイプを検出するために使用されてもよい。一部の実施形態では、そのような結腸直腸がん検出アッセイは、上皮起源の結腸直腸がんを検出するために使用されてもよい。一部の実施形態では、そのような結腸直腸がん検出アッセイは、結腸直腸腺癌を検出するために使用されてもよい。
【0275】
一部の実施形態では、個々の検出プローブではなく、検出プローブの組合せ(例えば、セット)は、疾患、障害、または状態(例えば、本明細書に記載される特定の結腸直腸がん(例えば、結腸直腸腺癌)および/または結腸直腸がんのステージ)の検出に対する特異度を付与し、例えば、1つまたは複数の個々のプローブは、それ自身が、結腸直腸がんに特異的ではない標的を対象にしていてもよい。例えば、一部の実施形態では、本明細書に提供される標的実体検出システム(例えば、本明細書に記載される二重、三重または多重標的実体検出システム)における検出プローブの有用な組合せは、関連する疾患、障害、または状態に特異的な標的(すなわち、関連する疾患、障害、または状態に特異的な標的)を対象にする少なくとも1つの検出プローブを含んでいてもよく、関連する疾患、障害、または状態に、必ずしもまたは完全に特異的ではない(例えば、健康である一部または全部の細胞においても見出され得る、特定の疾患、障害、もしくは状態のものではない、および/または目的の特定の疾患ステージのものではない)標的を対象にする少なくとも1つの検出プローブをさらに含んでいてもよい。すなわち、本明細書を読む当業者に認識されるであろうように、本発明に従って利用される検出プローブのセットが、関連する疾患、障害、もしくは状態の検出について一緒に特異的である(すなわち、関連する疾患、障害、または状態と関連する検出のための生物学的実体を、検出のための目的ではない他の生物学的実体から十分に識別する)多数の個々の検出プローブであるか、またはそれを含む限り、セットは、本開示のある特定の実施形態に従って有用である。
【0276】
一部の実施形態では、本明細書に提供される標的実体検出システム(例えば、本明細書に記載される二重、三重または多重標的実体検出システム)は、少なくとも1つまたは複数の(例えば、少なくとも2つまたはそれよりも多く)の対照プローブを、(例えば、一部の実施形態では、疾患特異的バイオマーカー、例えば、がん特異的バイオマーカーおよび/または組織特異的バイオマーカーを認識するために、例えば、本明細書において記載されるおよび/または利用される、標的特異的検出プローブに加えて)含み得る。一部の実施形態では、対照プローブは、目的の実体(例えば、生物学的実体)へのその結合が、検出シグナルの生成を阻害する(完全に、または部分的に)ように設計される。
【0277】
一部の実施形態では、対照プローブは、対照結合部分、および対照結合部分にカップリングされたオリゴヌクレオチドドメイン(例えば、本明細書で記載されるおよび/または利用される通り)を含み、オリゴヌクレオチドドメインは、二本鎖部分、およびオリゴヌクレオチドドメインの一方の末端から伸びた一本鎖オーバーハングを含む。対照結合部分は、対照参照に結合する実体または部分である。一部の実施形態では、対照参照は、正常で健康な細胞に優先的に会合するバイオマーカーであり得るか、またはそれを含み得る。一部の実施形態では、対照参照は、非標的組織から優先的に会合するバイオマーカーであり得るか、またはそれを含み得る。一部の実施形態では、対照プローブの包含は、偽陽性(例えば、対照参照を、必要に応じて、検出される1つまたは複数の標的と組み合わせて含む目的の実体)から生成する検出可能なシグナルを選択的に除去または最小化することができる。それぞれの出願の内容全体が、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる、両方とも2020年2月28日に出願され、「標的実体の検出のためのシステム、組成物、および方法」という名称の米国特許出願第16/805,637号(US2020/0299780号として公開;US11,085,089号として発行)、および国際出願PCT/US2020/020529号(WO2020180741号として公開)に記載される他の対照プローブは、提供される標的実体検出システムにおいて有用であり得る。
【0278】
一部の実施形態では、本開示は、数ある中でも、本明細書で記載されるまたは利用される検出プローブが、固体基材表面に非特異的に結合し得、それらの一部が、任意の過剰なまたは未結合検出プローブを除去するための複数回の洗浄の後でさえアッセイ試料中に残り得る、およびそのような非特異的に結合した検出プローブが、ライゲーション反応において、固体基材表面から外れ、浮遊性になり得、このようにして、それらが互いと相互作用して、望ましくないバックグラウンドシグナルを生成する非特異的なライゲーションされた鋳型を生成することを可能にするという洞察を提供する。したがって、一部の実施形態では、本明細書に提供される標的実体検出システム(例えば、本明細書に記載される二重、三重、または多重標的実体検出)は、目的の実体に結合しないが、ライゲーション反応において遊離薬剤として残る残った検出プローブを捕捉し、それによって、そのような浮遊性検出プローブが、他の浮遊性相補的検出プローブと相互作用して、望ましくないバックグラウンドシグナルを生成することを防止するように設計された、少なくとも1つまたは複数(例えば、少なくとも2つまたはそれよりも多く)の阻害剤オリゴヌクレオチドを含み得る。一部の実施形態では、阻害剤オリゴヌクレオチドは、検出プローブ(例えば、本明細書に記載されるまたは利用されるもの)の一本鎖オーバーハングのための結合ドメインを含む一本鎖もしくは二本鎖オリゴヌクレオチドであってもよく、またはそれを含んでいてもよく、阻害剤オリゴヌクレオチドは、プライマー結合部位を含まない。阻害剤オリゴヌクレオチドにおけるそのようなプライマー結合部位の非存在は、阻害剤オリゴヌクレオチドへの検出可能なプローブのライゲーションから生じる非特異的なライゲーションされた鋳型にプライマーが結合するのを防止し、それによって、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応による、非特異的なライゲーションされた鋳型の増幅および/または検出を低減または阻害する。
【0279】
一部の実施形態では、阻害剤オリゴヌクレオチドは、検出プローブ(例えば、本明細書で記載されるまたは利用される通り)の一本鎖オーバーハングのための結合ドメインを含み、結合ドメインは、相補的一本鎖オーバーハングを有する遊離の未結合検出プローブが阻害剤オリゴヌクレオチドの結合ドメインに結合することができるように、検出プローブの一本鎖オーバーハングに実質的に相補的であるヌクレオチド配列であるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、阻害剤オリゴヌクレオチドは、一方の末端にヘアピンを有していてもよい。一部の実施形態では、阻害剤オリゴヌクレオチドは、一方の末端に検出プローブの一本鎖オーバーハングのための結合ドメインを含む一本鎖オリゴヌクレオチドであってもよく、一本鎖オリゴヌクレオチドの一部分は、自己ハイブリダイズして、別の末端でヘアピンを形成することができる。
【0280】
一部の実施形態では、本明細書に提供される標的実体検出システム(例えば、本明細書に記載される二重、三重または多重標的実体検出システム)は、検出プローブのオリゴヌクレオチドドメインを別の検出プローブのオリゴヌクレオチドドメインと会合させるコネクターオリゴヌクレオチドを含まない。一部の実施形態では、コネクターオリゴヌクレオチドは、それらが目的の実体に結合した場合に、そうでなければ互いと相互作用しないであろう任意の2つの検出プローブのオリゴヌクレオチドドメインを架橋するように設計される。一部の実施形態では、コネクターオリゴヌクレオチドは、検出プローブのオリゴヌクレオチドドメインの少なくとも一部分、および別の検出プローブのオリゴヌクレオチドドメインの少なくとも一部分とハイブリダイズするように設計される。コネクターオリゴヌクレオチドは、一本鎖、二本鎖、またはその組合せであってもよい。コネクターオリゴヌクレオチドは、任意の標的結合部分(例えば、本明細書で記載されるおよび/または利用される通り)または対照結合部分を含まない。少なくとも一部の実施形態では、コネクターオリゴヌクレオチドは、検出プローブのオリゴヌクレオチドドメインを間接的に接続するために必ずしも必要ではなく、一部の実施形態では、一部では、本明細書で提供されるおよび/または利用される検出プローブが、それらが十分に近接している場合に、例えば、検出プローブが目的の実体(例えば、生物学的実体、例えば、細胞外小胞)に同時に結合する場合に、それらの個々のオリゴヌクレオチドドメインが互いに到達し、相互作用するような十分な長さを有するように設計されていることを理由として、そのようなコネクターオリゴヌクレオチドは利用されない。
提供される標的実体検出システムを使用する方法
【0281】
提供される標的実体検出システムは、結腸直腸がんの検出と関連するさまざまな適用および/または目的のために、試料において(例えば、生体試料、環境試料、または他の試料において)、目的の実体(例えば、生物学的実体、例えば、細胞外小胞)を検出するのに有用である。したがって、本明細書に提供される一部の態様は、本開示に従った使用のために適切な多数(例えば、少なくとも2、少なくとも3、またはそれよりも多く)の検出プローブを使用する方法に関する。一部の実施形態では、方法は、試料(例えば、ヒト対象からの血液試料または血液由来試料)における目的の実体(例えば、生物学的実体、例えば、細胞外小胞)を、少なくとも2またはそれよりも多く(例えば、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、またはそれよりも多くを含む)の本明細書で記載されるおよび/または利用される検出プローブを含む検出プローブのセットと接触させるステップを含む。一部の実施形態では、方法は、目的の実体(例えば、生物学的実体、例えば、細胞外小胞)を含む試料を、標的実体検出システム(例えば、本明細書に提供される通り)に付すステップを含む。多数の検出プローブ(例えば、少なくとも2つまたはそれよりも多い)を、目的の実体(例えば、生物学的実体、例えば、細胞外小胞)を含む試料に、同じ時に、または異なる時に(例えば、連続的に)添加することができる。一部の実施形態では、方法は、多数の検出プローブと接触させる前に、目的の実体を含む試料を、細胞外小胞関連表面バイオマーカーを対象にする少なくとも1つの捕捉剤と接触させるステップを含んでいてもよい。
【0282】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される方法における使用のための提供される標的実体検出システムは、検出プローブ(例えば、本明細書に記載される通り)の多数(例えば、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、またはそれよりも多く)の別個のセット(例えば、組合せ)を含んでいてもよい。一部の実施形態では、方法は、試料(例えば、ヒト対象からの血液試料または血液由来試料)における目的の実体(例えば、生物学的実体、例えば、細胞外小胞)を、検出プローブの多数のセットと接触させるステップを含み、それぞれのセットは、少なくとも2またはそれよりも多く(例えば、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、またはそれよりも多くを含む)の本明細書で記載されるおよび/または利用される検出プローブを含んでいてもよい。一部の実施形態では、方法は、目的の実体(例えば、生物学的実体、例えば、細胞外小胞)を含む試料を、標的実体検出システム(例えば、本明細書に提供される通り)に付すステップを含む。多数の検出プローブおよび/または検出プローブの組合せ(例えば、少なくとも2つまたはそれよりも多い)を、目的の実体(例えば、生物学的実体、例えば、細胞外小胞)を含む試料に、同じ時に、または異なる時に(例えば、連続的に)添加することができる。一部の実施形態では、方法は、多数の検出プローブと接触させる前に、目的の実体を含む試料を、細胞外小胞関連表面バイオマーカーを対象にする少なくとも1つの捕捉剤と接触させるステップを含んでいてもよい。
【0283】
一部の実施形態では、試料における1つまたは複数のバイオマーカーの組合せのプロファイリングからの結果(例えば、Ct値および/またはライゲーションされた核酸鋳型(例えば、ライゲーションされたDNA鋳型)の相対数)間の関係を、臨床情報(例えば、限定されるものではないが、患者の年齢、過去の病歴などを含む)および/または他の情報と組み合わせて、結腸直腸がんを有するか、またはそのリスクがある患者をより良好に分類することができる。さまざまな分類アルゴリズムを使用して、複数の変数間の関係を解釈して、アッセイの感度および/または特異度を増加させることができる。一部の実施形態では、そのようなアルゴリズムとしては、限定されるものではないが、ロジスティック回帰モデル、サポートベクターマシン、勾配ブースティングマシン、ランダムフォレストアルゴリズム、Naive Bayesアルゴリズム、K近傍アルゴリズム、およびその組合せが挙げられる。一部の実施形態では、本明細書に記載されるアッセイの性能(例えば、精度)は、例えば、バイオマーカーの組合せの選択(例えば、本明細書に記載される通り)、アルゴリズムを含む他の因子もしくは変数(例えば、臨床情報および/または生活様式情報)の選択、および/またはアルゴリズム自体の種類の選択によって改善することができる。
【0284】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される技術は、本明細書に記載されるデータセットを使用して訓練および検証される予測アルゴリズムを利用する。ある特定の実施形態では、本明細書に記載される技術は、バイオマーカーシグネチャー(例えば、本明細書に記載される通り)を含む、少なくとも2つ、例えば、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または5つよりも多くの別々のアッセイからの結果を考慮して設計される試料の訓練から作出されるアルゴリズムを使用して、リスクスコアを作成するために利用される。ある特定の実施形態では、アルゴリズム作成リスクスコアは、少なくとも一部では、少なくとも1つの個々のアッセイ(例えば、個々のバイオマーカーシグネチャー)からの診断データ(例えば、生および/または正規化Ct値)を使用して作成することができる。ある特定の実施形態では、参照閾値は、リスクスコア内に含まれ得る。ある特定の実施形態では、結腸直腸がんリスクの複数の異なる程度を表す複数の閾値レベルが、リスクスコアに含まれていてもよい。一部の実施形態では、別々の標的バイオマーカーシグネチャーアッセイは、一連のアッセイにおいて個々のアッセイとして行われてもよく、個々のアッセイは、予測アルゴリズムにおいて、等しくまたは異なって重み付けされてもよい。一部の実施形態では、例えば、アルゴリズムにおいて組み合わされる個々のアッセイ(例えば、バイオマーカーアッセイのコホート)の重み付けは、限定されるものではないが、個々のアッセイの感度、個々のアッセイの特異度、個々のアッセイの再現性、個々のアッセイの変動性、個々のアッセイの陽性予測値、および/または特異的なアッセイの検出下限を含む、いくつかの因子によって決定されてもよい。一部の実施形態では、バイオマーカーアッセイのコホートは、特徴(例えば、感度、特異度、検出下限など)に従ってランク付けされてもよく、次いで、バイオマーカーアッセイは、それらの相対ランクに基づいて重み付けされてもよい。
【0285】
一部の実施形態では、アルゴリズム(本明細書に記載される通り)によって作成されたリスクスコアを、好適な様式で、例えば、名目上のスケールで、例えば、限定されるものではないが、対象が結腸直腸がんを有する可能性、対象が結腸直腸がんを発生する可能性、および/または結腸直腸がんの可能性があるステージを含む、例えば、いくつかの可能性を反映する0~100のスケールで表すことができる。一部の実施形態では、より高いリスクスコアは、疾患の病状の可能性の増加が存在することを実証することができ、例えば、より低い値からより高い値に、健康な対照、良性対照、ステージI、ステージII、ステージIII、およびステージIVの結腸直腸がんを反映し得る。一部の実施形態では、リスクスコアは、他のがん型と比較される場合に、本明細書に記載される技術の交差反応性の可能性を低減するために利用することができる。
【0286】
一部の実施形態では、リスクスコアは、年齢、生活歴、MRI結果、CTスキャニング、軟性S状結腸鏡検査、便バイオマーカー検査結果、他の血液バイオマーカー検査結果、またはその任意の組合せなどの他の適用可能な診断データと組み合わせた、本明細書に記載されるアッセイに由来するデータの組合せから作成されてもよい。一部の実施形態では、リスクスコアは、従来の標準治療診断アッセイの予測値を上回り、それを超える予測値、例えば、単独で、または別の診断アッセイとの組み合わせで利用される、腹部スキャン、軟性S状結腸鏡検査、または他の結腸直腸がんスクリーニングアッセイによって提供される予測値よりも高い予測値を提供する。一部の実施形態では、結腸直腸がん(例えば、結腸直腸腺癌)について高い特異度を有し、他のがんについて低い感度を有するリスクスコアが作成され得る。
【0287】
一部の実施形態では、リスクスコアは、結腸直腸がんの検出のための関連臨床カットオフを有していてもよい。例えば、一部の実施形態では、検出のためのリスクスコアの臨床カットオフは、初期および末期結腸直腸がんの両方の検出のために少なくとも40%、例えば、少なくとも50%、少なくとも60%、またはそれより高い感度をもたらし、一般的に健康な対象の集団(例えば、40~85歳)において、または遺伝的リスクを有する対象の集団において、最低でも90%の特異度、例えば、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、またはそれより高い特異度を有する、アッセイを必要とし得る。一部の実施形態では、感度および特異度の標的は、標的にされる77%の感度および99.5%の特異度での両側95%信頼区間の近似下限である。
【0288】
一部の実施形態では、訓練研究は、リスクスコアアルゴリズムをプログラムするために要求される必要なデータを提供するために行われる。一部の実施形態では、そのような訓練研究は、少なくとも商業的供給者、バイオバンク、目的駆動研究、および/または医師を含む、ある範囲の供給者からの試料のコホートを含んでいてもよい。一部の実施形態では、訓練研究は、結腸直腸がん患者(例えば、ステージI、ステージII、ステージIII、および/またはステージIV)からの陽性試料、結腸直腸がん細胞株からの陽性対照試料、良性結腸直腸腫瘍患者からの陰性試料、非結腸直腸がん患者(例えば、脳がん、乳がん、卵巣がん、子宮内膜がん、肺腺癌、黒色腫、非ホジキンリンパ腫、膵臓がん、皮膚がんなど)からの陰性試料、炎症状態患者(例えば、クローン病、炎症性腸疾患、II型糖尿病、紅斑性狼瘡、膵炎、関節リウマチ、潰瘍性大腸炎など)からの陰性試料、健康な患者からの陰性試料、またはその任意の組合せを含んでいてもよい。一部の実施形態では、訓練研究は、任意の適切な年齢範囲、例えば、<31歳、31~40歳、41~50歳、51~60歳、61~70歳、71~80歳、または>80歳の患者からの試料を含んでいてもよい。一部の実施形態では、訓練研究は、任意の人種/民族/血統(例えば、白人、アフリカ系、アジア系など)の患者からの試料を含んでいてもよい。
【0289】
一部の実施形態では、検証研究は、リスクスコアアルゴリズムの有用性を確認するために要求される必要なデータを提供するために行われる。一部の実施形態では、そのような検証研究は、少なくとも商業的供給者、バイオバンク、目的駆動研究、および/または医師を含む、ある範囲の供給者からの試料のコホートを含んでいてもよい。一部の実施形態では、検証研究は、結腸直腸がん患者(例えば、ステージI、ステージII、ステージIII、および/またはステージIV)からの陽性試料、結腸直腸がん細胞株からの陽性対照試料、良性結腸直腸腫瘍患者からの陰性試料、非結腸直腸がん患者(例えば、脳がん、乳がん、卵巣がん、子宮内膜がん、肺腺癌、黒色腫、非ホジキンリンパ腫、膵臓がん、皮膚がんなど)からの陰性試料、炎症状態患者(例えば、クローン病、炎症性腸疾患、II型糖尿病、紅斑性狼瘡、膵炎、関節リウマチ、潰瘍性大腸炎など)からの陰性試料、健康な患者からの陰性試料、またはその任意の組合せを含んでいてもよい。一部の実施形態では、検証研究は、任意の適切な年齢範囲、例えば、<31歳、31~40歳、41~50歳、51~60歳、61~70歳、71~80歳、または>80歳の患者からの試料を含んでいてもよい。一部の実施形態では、検証研究は、任意の人種/民族/血統(例えば、白人、アフリカ系、アジア系など)の患者からの試料を含んでいてもよい。
【0290】
ある特定の実施形態では、少なくとも1つの表面バイオマーカー(例えば、細胞外小胞関連表面バイオマーカー)および少なくとも1つ(例えば、少なくとも2つ、またはそれよりも多くを含む)の標的バイオマーカー(本明細書に記載される表面バイオマーカー、本明細書に記載される小胞内バイオマーカー、および/または本明細書に記載される小胞内RNAバイオマーカーのいずれかから選択され得る)を含む少なくとも1つの標的バイオマーカーシグネチャーは、結腸直腸がん検出アッセイにおいて具現化されてもよい。一部のそのような実施形態では、少なくとも1つの捕捉剤は、表面バイオマーカーを対象にし、検出プローブの少なくとも1つのセットは、本明細書に記載されるそのような標的バイオマーカーの1つまたは複数を対象にする。
【0291】
ある特定の実施形態では、少なくとも1つの表面バイオマーカー(例えば、細胞外小胞関連表面バイオマーカー)および少なくとも1つ(例えば、少なくとも2つ、またはそれよりも多くを含む)の標的バイオマーカー(本明細書に記載される表面バイオマーカー、本明細書に記載される小胞内バイオマーカー、および/または本明細書に記載される小胞内RNAバイオマーカーのいずれかから選択され得る)をそれぞれ含む少なくとも2つ(例えば、少なくとも3つまたはそれよりも多くを含む)の別個の標的バイオマーカーシグネチャーは、結腸直腸がん検出アッセイにおいて具現化されてもよい。
【0292】
一部の実施形態では、それぞれ別個の標的バイオマーカーシグネチャーは、試料が結腸直腸がんについて陽性であるかどうかを個々に決定するための異なる事前に決定されたカットオフ値を有していてもよい。一部の実施形態では、アッセイ読み取りが、多数(例えば、少なくとも2またはそれよりも多く)の標的バイオマーカーシグネチャーについてのカットオフ値のうちの少なくとも1つを上回る場合に、試料は、結腸直腸がんについて陽性であると決定される。一部の実施形態では、診断値またはリスクスコアカットオフは、多数(例えば、少なくとも2、少なくとも3、またはそれよりも多く)の標的バイオマーカーシグネチャーに基づいて決定することができる。
【0293】
したがって、一部の実施形態では、試料は、異なる捕捉剤および/または検出プローブの異なるセット(例えば、別個の疾患または状態の検出をそれぞれ対象にする)を異なるアリコートに添加することができるように、アリコートに分割することができる。そのような実施形態では、提供される技術は、同時に1つのアリコートで、または同時に複数のアリコートで(例えば、スループットを増加させるために平行アッセイのために)実行することができる。
【0294】
一部の実施形態では、試料に添加される検出プローブの量は、検出プローブが、目的の実体(例えば、生物学的実体)への結合の非存在下で、少なくともあまり大きなまたは実質的な程度ではなく、互いと無作為に近接しないことを保証するために、混合物における検出プローブの十分に低い濃度を提供する。そのため、多くの実施形態では、検出プローブが、検出プローブの個々の標的結合部分と目的の実体(例えば、生物学的実体)の結合部分との間の結合相互作用により、同じ目的の実体(例えば、生物学的実体)に同時に結合する場合に、検出プローブは、二本鎖複合体(例えば、本明細書に記載される通り)を形成するために互いに十分に近接する状態になる。一部の実施形態では、試料との組合せ後の混合物における検出プローブの濃度は、約1fM~1μM、例えば、約1pM~約100nMを含めて、約1pM~約1nMの範囲であってもよい。
【0295】
一部の実施形態では、試料における目的の実体(例えば、生物学的実体)の濃度は、個々の検出プローブの同じ目的の実体(例えば、生物学的実体)への結合の非存在下で、ある目的の実体(例えば、生物学的実体)に結合する検出プローブが、別の目的の実体(例えば、生物学的実体)に結合する別の検出プローブと、少なくともあまり大きなまたは実質的な程度ではなく、互いと無作為に近接しないように、十分に低い。単に例として、試料における目的の実体(例えば、生物学的実体)の濃度は、目的の非標的実体(例えば、非がん性生物学的実体、例えば、第1の標的を含む細胞外小胞)に結合している第1の標的検出プローブが、目的の別の非標的実体(例えば、非がん性生物学的実体、例えば、細胞外小胞)に結合する別の異なる標的検出プローブと、少なくともあまり大きなまたは実質的な程度ではなく、無作為に近接せず、偽陽性の検出可能なシグナルを生成しないように、十分に低い。
【0296】
試料における目的の実体(例えば、生物学的実体)を検出プローブのセットと接触させた後、そのような混合物は、検出プローブが、存在する場合、目的の実体における対応する標的(例えば、分子標的)に結合して、二本鎖複合体(例えば、本明細書に記載される通り)を形成するために十分な時間にわたってインキュベートされてもよい。一部の実施形態では、そのような混合物は、約30分~約2時間を含んで、約5分~約5時間の範囲の時間、約20℃~約37℃を含んで、約10~約50℃の範囲の温度でインキュベートされる。
【0297】
次いで、二本鎖複合体(目的の実体、例えば、生物学的実体を検出プローブと接触させるステップから生じる)を、その後、核酸リガーゼと接触させて、検出プローブのオリゴヌクレオチド鎖の遊離3’末端ヒドロキシルおよび5’末端リン酸末端の核酸ライゲーションを行い、それによって、少なくとも2つまたはそれよりも多くの検出プローブのオリゴヌクレオチド鎖を含むライゲーションされた鋳型を作成することができる。一部の実施形態では、二本鎖複合体を含むアッセイ試料を核酸リガーゼと接触させる前に、阻害剤オリゴヌクレオチドが、そうでなければライゲーション反応の間に互いと相互作用し得る任意の残った浮遊性検出プローブを捕捉することができるように、少なくとも1つまたは複数の阻害剤オリゴヌクレオチド(例えば、本明細書に記載される通り)をアッセイ試料に添加することができる。
【0298】
当技術分野において公知であるように、リガーゼは、2つのすぐ隣接する核酸が、それらが相補的である第3の核酸配列にアニールまたはハイブリダイズされる場合に、それらの並置された3’-ヒドロキシルと5’-リン酸末端との間でのホスホジエステル結合の形成を触媒する。限定されるものではないが、温度感受性および/または熱安定性リガーゼを含む、任意の公知の核酸リガーゼ(例えば、DNAリガーゼ)が用いられてもよい。温度感受性リガーゼの非限定的な例としては、バクテリオファージT4 DNAリガーゼ、バクテリオファージT7リガーゼ、およびE.coliリガーゼが挙げられる。熱安定性リガーゼの非限定的な例としては、Taqリガーゼ、Tthリガーゼ、およびPfuリガーゼが挙げられる。熱安定性リガーゼは、限定されるものではないが、原核生物、真核生物、または古細菌生物を含む、好熱性または超好熱性生物から得てもよい。一部の実施形態では、核酸リガーゼは、DNAリガーゼである。一部の実施形態では、核酸リガーゼは、RNAリガーゼであり得る。
【0299】
一部の実施形態では、ライゲーションステップでは、必要であり、および/または望ましい好適な核酸リガーゼ(例えば、DNAリガーゼ)および任意の試薬を反応混合物と混ぜ合わせ、ハイブリダイズされたライゲーションオリゴヌクレオチドのライゲーションが起こるのに十分な条件下で維持する。ライゲーション反応条件は、当業者に周知である。ライゲーションの間、反応混合物は、一部の実施形態では、約20℃~約45℃、例えば、約25℃~約37℃の範囲の温度で、約5分~約16時間、例えば、約1時間~約4時間の範囲の時間、維持されてもよい。さらに他の実施形態では、反応混合物は、約35℃~約45℃、例えば約37℃~約42℃の範囲の温度、例えば、38℃、39℃、40℃もしくは41℃、または約38℃、39℃、40℃もしくは41℃の温度で、約5分~約16時間、例えば、約2~約8時間を含んで、約1時間~約10時間の範囲の時間、維持されてもよい。
【0300】
そのようなライゲーションされた鋳型の検出は、試料における目的の実体(例えば、生物学的実体)が、検出プローブが対象にする標的について陽性または陰性であるかどうかのような情報を提供することができる。例えば、そのようなライゲーションされた鋳型の検出可能なレベルは、目的の標的(例えば、分子標的)を含む試験された目的の実体(例えば、生物学的実体)を示す。一部の実施形態では、検出可能なレベルは、参照レベルを、例えば、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、またはそれよりも高くを含んで、例えば、少なくとも10%またはそれよりも高く上回るレベルである。一部の実施形態では、参照レベルは、陰性対照試料、例えば、そのような標的を含む目的の実体が存在しない試料において観察されるレベルであってもよい。逆に、そのようなライゲーションされた鋳型の検出不可能なレベル(例えば、検出可能なレベルの閾値を下回るレベル)は、目的の標的(例えば、分子標的)の少なくとも1つが、試験された目的の実体(例えば、生物学的実体)に存在しないことを示す。当業者は、検出可能なレベルを検出不可能なレベルから分離する閾値が、例えば、それぞれの適用および/または目的に最適であると思われる所望の感度レベル、および/または所望の特異度レベルに基づいて決定されてもよいことが認識されるであろう。例えば、一部の実施形態では、99.7%の特異度は、本明細書に提供されるシステムを使用して、例えば、参照レベル(例えば、陰性対照試料、例えば、1つまたは複数の正常で健康な個体に由来する試料などにおいて観察されるレベル)を3標準偏差上回る閾値を設定することによって達成され得る。加えて、または代替的に、当業者は、検出可能なレベル(例えば、検出シグナル強度によって反映される通り)の閾値が参照レベルを1~100倍上回り得ることを認識するであろう。
【0301】
一部の実施形態では、本明細書に提供される方法は、ライゲーション後、ライゲーションされた鋳型を、例えば、試料における目的の実体の存在および/または量の尺度として検出するステップを含む。さまざまな実施形態では、ライゲーションされた鋳型の検出は、定性的または定量的であり得る。そのため、検出が定性的である一部の実施形態では、方法は、少なくとも2つまたはそれよりも多くの標的(例えば、分子標的)を含む目的の実体(例えば、生物学的実体)が、アッセイされる試料に存在するか否かの読み取りまたは評価、例えば、査定を提供する。他の実施形態では、方法は、少なくとも2つまたはそれより多くの標的(例えば、分子標的)を含む目的の実体(例えば、生物学的実体)が、アッセイされる試料に存在するかどうかの定量的検出、例えば、アッセイされる試料に少なくとも2つまたはそれよりも多くの標的(例えば、分子標的)を含む目的の実体(例えば、生物学的実体)の実際の量の評価または査定を提供する。一部の実施形態では、そのような定量的検出は、絶対的または相対的であり得る。
【0302】
本明細書に提供される技術を使用することによって形成されるライゲーションされた鋳型は、当技術分野において公知の適切な方法によって検出されてもよい。当業者は、適切な検出方法が、例えば、所望の感度レベルおよび/または方法が実行されている適用に基づいて選択され得ることを認識するであろう。一部の実施形態では、ライゲーションされた鋳型は、任意の増幅なしで、直接的に検出することができる一方で、他の実施形態では、ライゲーションされた鋳型は、ライゲーションされた鋳型のコピー数が、例えば、特定のアッセイの感度を増強するために、増加するように、増幅されてもよい。増幅なしで検出が実行可能である場合、ライゲーションされた鋳型は、いくつかの異なる方法で検出され得る。例えば、検出プローブ(例えば、本明細書で記載されるおよび/または利用される通り)のオリゴヌクレオチドドメインは、ライゲーションされた鋳型が直接的に標識されるように、直接的に標識されてもよく、例えば、蛍光または放射性同位体標識されてもよい。例えば、一部の実施形態では、検出プローブ(例えば、本明細書で記載されるおよび/または利用される通り)のオリゴヌクレオチドドメインは、検出可能な標識を含んでいてもよい。検出可能な標識は、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的、電気的、光学的または化学的手段によって検出可能な組成物であってもよい。そのような標識としては、標識されたストレプトアビジンコンジュゲートで染色するためのビオチン、磁気ビーズ(例えば、Dynabeads(登録商標))、蛍光色素(例えば、フルオレセイン、テキサスレッド、ローダミン、緑色蛍光タンパク質など)、放射標識(例えば、H、125I、34S、14C、または32P)、酵素(例えば、ELISAにおいて通常使用される、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼなど)、およびコロイド金、または着色ガラスもしくはプラスチック(例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ラテックスなど)ビーズなどの熱量標識が挙げられる。一部の実施形態では、直接的に標識された、ライゲーションされた鋳型は、ライゲーションされた鋳型を検出するために、ライゲーションされていない直接的に標識されたライゲーションオリゴヌクレオチドを含む反応混合物の残りからサイズ分離されてもよい。
【0303】
一部の実施形態では、ライゲーションされた鋳型の検出は、例えば、アッセイの感度を増強するために、ライゲーションされた核酸のコピー数を増加させる増幅ステップを含み得る。増幅は、所望により、線形または指数関数的であってもよく、増幅としては、限定されるものではないが、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、定量的PCR、等温増幅、NASBA、デジタルドロップレットPCRなどが挙げられ得る。
【0304】
PCR増幅を達成するためのさまざまな技術が当技術分野において公知であり、当業者は、PCR技術の各種の実施形態に十分に精通しており、本明細書に提供される技術を使用して作成されるライゲーションされた鋳型を増幅するために好適なものを容易に選択することができるであろう。例えば、一部の実施形態では、ライゲーションされた鋳型を含む反応混合物は、プライマー伸長反応において用いられる1つまたは複数のプライマー、例えば、PCRプライマー(幾何学的(または指数関数的)増幅において用いられるフォワードおよびリバースプライマー、または線形増幅において用いられる単一プライマーなど)と混ぜ合わされる。1つまたは複数のライゲーションされた鋳型と接触されるオリゴヌクレオチドプライマーは、適切なアニーリング条件下で相補的鋳型DNAへのハイブリダイゼーションを提供するのに十分な長さのものでなければならない。プライマーは、典型的には、例えば、少なくとも15bpの長さ、少なくとも20bpの長さ、少なくとも25bpの長さ、少なくとも30bpの長さ、またはそれよりも長いを含んで、少なくとも10bpの長さである。一部の実施形態では、プライマーの長さは、典型的には、約15~50bpの長さ、約18~30bpの長さ、または約20~35bpの長さの範囲であり得る。ライゲーションされた鋳型は、鋳型DNAのプライマー伸長、線形、または指数関数的増幅が所望されるかどうかに応じて、単一のプライマーまたは2つのプライマーのセット(フォワードおよびリバースプライマー)と接触されてもよい。
【0305】
上記の構成要素に加えて、ライゲーションされた鋳型を含む反応混合物は、典型的には、ポリメラーゼおよびデオキシリボヌクレオシド三リン酸(dNTP)を含む。所望のポリメラーゼ活性は、1つまたは複数の別個のポリメラーゼ酵素によって提供されてもよい。反応混合物を調製する際に、例えば、ライゲーションされた鋳型の増幅のために、さまざまな構成成分は、任意の便利な順序で混ぜ合わされてもよい。例えば、適切な緩衝液が、1つもしくは複数のプライマー、1つもしくは複数のポリメラーゼ、および検出されるライゲーションされた鋳型と混ぜ合わされてもよく、またはさまざまな構成成分のすべてが、同時に混ぜ合わされて、反応混合物が生成されてもよい。
VI.使用
【0306】
一部の実施形態では、結腸直腸がんのための1つまたは複数の標的バイオマーカーシグネチャーの1つまたは複数の提供されるバイオマーカーは、例えば、本明細書に記載される検出する方法および/またはアッセイを使用して、生物学的実体(例えば、細胞、循環腫瘍細胞、無細胞DNA、細胞外小胞などを含む)を含む試料において検出することができる。一部の実施形態では、結腸直腸がんのための1つまたは複数の標的バイオマーカーシグネチャーの1つまたは複数の提供されるバイオマーカーは、例えば、本明細書に記載される検出する方法および/またはアッセイを使用して、細胞外小胞を含む目的のサイズ範囲を有するナノ粒子を含む試料において検出することができる。
【0307】
一部の実施形態では、試料は、生体試料であってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、生体試料は、対象(例えば、ヒト対象)の体液試料である。一部の実施形態では、生体試料は、そのようなアッセイを必要とする対象(例えば、ヒト対象)の血液試料または血液由来試料に由来し得る。一部の実施形態では、生体試料は、そのようなアッセイを必要とする対象(例えば、ヒト対象)由来の一次試料(例えば、組織試料または腫瘍試料)であり得るか、またはそれを含み得る。一部の実施形態では、生体試料は、目的の非標的実体から1つもしくは複数の目的の実体(例えば、生物学的実体)を分離するために、および/または1つもしくは複数の目的の実体(例えば、生物学的実体)を濃縮するために、処理することができる。一部の実施形態では、試料に存在する目的の実体は、生物学的実体、例えば、細胞、もしくは細胞外小胞を含む目的のサイズ範囲を有するナノ粒子(例えば、エキソソーム)であってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、そのような生物学的実体(例えば、細胞外小胞)は、例えば、生物学的実体におけるアッセイされる標的(例えば、提供される標的バイオマーカー)を安定化および/もしくは架橋するために、ならびに/または検出プローブとの非特異的結合を低減するために、処理されてもよく、または化学試薬と接触されてもよい。一部の実施形態では、生物学的実体は、細胞であるか、またはそれを含み、これは、必要に応じて、例えば、標的(例えば、分子標的)を安定化および/もしくは架橋するための、ならびに/または非特異的結合を低減するための化学試薬で処理されてもよい。一部の実施形態では、生物学的実体は、細胞外小胞(例えば、エキソソーム)であるか、またはそれを含み、これは、必要に応じて、例えば、標的(例えば、分子標的)を安定化および/もしくは架橋するための、ならびに/または非特異的結合を低減するための化学試薬で処理されてもよい。
【0308】
一部の実施形態では、本明細書に提供される技術は、例えば、1人もしくは複数人の個々の対象および/または対象の集団全体について、患者ケアを管理するために有用であり得る。単に例として、一部の実施形態では、提供される技術は、例えば、周期的に、例えば、1年に1回、1年に2回、2年に1回、または当業者が適切であると考えるいくつかの他の頻度で行われ得るスクリーニングにおいて利用されてもよい。一部の実施形態では、そのようなスクリーニングは、時間的に動機付けられてもよく、または偶発的に動機付けられてもよい。例えば、一部の実施形態では、提供される技術は、ある特定の年齢よりも高齢(例えば、40、45、50、55、60、65、70、75、80歳を超える、またはそれよりも高齢)である1人もしくは複数人の個々の対象または対象の集団(例えば、無症候性対象)全体についての時間的に動機付けられたスクリーニングにおいて利用されてもよい。当業者に認識されるであろうように、一部の実施形態では、スクリーニングの年齢および/または頻度は、例えば、限定されるものではないが、疾患、障害、または状態(例えば、がん、例えば、結腸直腸がん)の有病率に基づいて決定されてもよい。一部の実施形態では、提供される技術は、特定の疾患、障害、または状態(例えば、がん、例えば、結腸直腸がん)についてのスクリーニングを動機付ける出来事または事象を経験し得る個々の対象のための偶発的に動機付けられたスクリーニングにおいて利用されてもよい。例えば、一部の実施形態では、疾患、障害、もしくは状態(例えば、がん、例えば、結腸直腸がん)またはそれに対する易罹患性の1つまたは複数の指標の決定と関連する偶発的動機付けは、当業者に認識されるであろうように、例えば、それらの家族歴(例えば、血族などの近親者が以前にそのような疾患、障害、または状態、例えば、結腸直腸がんと診断された)、疾患、障害、もしくは状態(例えば、結腸直腸がん)についての1つもしくは複数の生活歴関連リスク因子の同定、ならびに/または遺伝子検査(例えば、ゲノムシークエンシング)からの以前の偶発的所見、ならびに/またはイメージング診断検査(例えば、超音波、コンピューター断層撮影(CT)ならびに/または磁気共鳴イメージング(MRI)スキャン)、特定の疾患、障害、もしくは状態(例えば、慢性炎症性疾患、例えば、クローン病)に特徴的な1つもしくは複数の徴候または症状の発生、良性結腸直腸腫瘍/ポリープおよびその組合せを有する対象、ならびに/または他の出来事もしくは事象に基づく出来事であってもよく、あるいはそれを含んでいてもよい。
【0309】
一部の実施形態では、患者ケアを管理するために提供される技術は、処置および/または支払い(例えば、処置についての払い戻し)の判断および/または行動に情報を与えることができる。例えば、一部の実施形態では、提供される技術は、個々の対象が、疾患、障害、または状態(例えば、がん、例えば、結腸直腸がん)のリスク、発生または再発の1つまたは複数の指標を有するかどうかの決定を提供し、それによって、そのような所見を考慮して、医師および/または患者に、いつ治療的もしくは予防的推奨を提供/受けるのか、および/またはそのような療法をいつ開始するかの情報を与えることができる。一部の実施形態では、そのような個々の対象は、定期的な頻度(例えば、1年に1回、1年に2回、2年に1回、または当業者が適切であると考える他の頻度)で、スクリーニングするように一時的に動機付けられ得るか、または偶発的に動機付けられ得る、無症候性対象であってもよい。一部の実施形態では、そのような個々の対象は、定期的な頻度(例えば、1年に1回、1年に2回、2年に1回、または当業者が適切であると考える他の頻度)で、スクリーニングするように一時的に動機付けられ得るか、または偶発的に動機付けられ得る、結腸直腸がんと関連し得る1つまたは複数の症状を経験していてもよい。一部の実施形態では、そのような個々の対象は、定期的な頻度(例えば、1年に1回、1年に2回、2年に1回、または当業者が適切であると考える他の頻度)で、スクリーニングするように一時的に動機付けられ得るか、または偶発的に動機付けられ得る、良性結腸直腸腫瘍/ポリープおよび/または慢性炎症状態を有する対象であってもよい。一部の実施形態では、そのような個々の対象は、定期的な頻度(例えば、1年に1回、1年に2回、2年に1回、または当業者が適切であると考える他の頻度)で、スクリーニングするように一時的に動機付けられ得るか、または偶発的に動機付けられ得る、結腸直腸がんについて遺伝的リスクがある対象であってもよい。一部の実施形態では、そのような個々の対象は、定期的な頻度(例えば、1年に1回、1年に2回、2年に1回、または当業者が適切であると考える他の頻度)で、スクリーニングするように一時的に動機付けられ得るか、または偶発的に動機付けられ得る、生活歴関連リスクを有する対象であってもよい。一部の実施形態では、そのような個々の対象は、定期的な頻度(例えば、1年に1回、1年に2回、2年に1回、または当業者が適切であると考える他の頻度)で、スクリーニングするように一時的に動機付けられ得るか、または偶発的に動機付けられ得る、肥満および/または喫煙対象(例えば、30を超えるBMIおよび/またはヘビースモーカー)であってもよい。一部の実施形態では、そのような肥満および/または喫煙対象は、腹痛を経験していてもよい。
【0310】
加えて、または代替的に、一部の実施形態では、提供される技術は、例えば、特異的応答性バイオマーカー(例えば、がん応答性バイオマーカー)の所見に基づいて、医師および/または患者に、処置の選択の情報を与えることができる。一部の実施形態では、提供される技術は、例えば、疾患と関連する分子標的の1つまたは複数のレベルの変化の所見に基づいて、個々の対象が現在の処置に応答性であるかどうかの決定を提供し、それによって、そのような所見を考慮して、医師および/または患者に、そのような療法の有効性および/または療法を維持もしくは変更する判断の情報を与えることができる。一部の実施形態では、提供される技術は、個々の対象が、例えば、個々の対象に対する推奨される処置の治療効果を予測する分子標的(例えば、結腸直腸がん(例えば、結腸直腸腺癌)のための1つまたは複数の標的バイオマーカーシグネチャーの提供されるバイオマーカー)の所見に基づいて、推奨される処置に応答する可能性があるかどうかの決定を提供し、それによって、そのような所見を考慮して、医師および/または患者に、そのような療法の潜在的有効性および/または療法を投与もしくは変更する判断の情報を与えることができる。
【0311】
一部の実施形態では、提供される技術は、例えば、(1)スクリーニングそれ自体のために(例えば、周期的/定期的なスクリーニングのためにのみ利用可能な、または時間的および/もしくは偶発的に動機付けられたスクリーニングのためにのみ利用可能な払い戻し);ならびに/または(2)提供される技術による所見を考慮して、療法を開始する、維持する、および/もしくは変更するために、健康保険提供者が払い戻しを行う(または行わない)かどうかに関する判断を行うのに情報を提供することができる。例えば、一部の実施形態では、本開示は、(a)提供される技術を用いるスクリーニングの結果を受け取ること、ならびにスクリーニングおよび/または特定の治療レジメンの払い戻しの請求も受け取ること;(b)スクリーニングが適切なスケジュールまたは関連する出来事に対する応答に従って(例えば、ある特定の年齢よりも高齢であるなどのスクリーニング年齢、例えば、40、45、50、55、60、65、70、75、80歳を超える、もしくはそれよりも高齢、および/またはスクリーニング頻度、例えば、3か月ごと、6か月ごと、毎年、2年ごと、3年ごと、もしくはいくつかの他の頻度などに基づいて)対象に対して行われた場合にスクリーニングの払い戻しを承認すること、および/または受け取ったスクリーニング結果を考慮して、適切な処置を表す場合に治療レジメンの払い戻しを承認すること;ならびに必要に応じて、(c)払い戻しを実行すること、または払い戻しが拒否された通知を提供することに関する方法を提供する。一部の実施形態では、治療レジメンは、受け取ったスクリーニング結果が関連する治療レジメンについて承認されたバイオマーカーを表すバイオマーカーを検出する場合に、受け取ったスクリーニング結果を考慮して、適切である(例えば、処方情報ラベルで、および/または承認されたコンパニオン診断を介して述べられ得る通り)。
【0312】
代替的に、または加えて、本開示は、本明細書に記載されるスクリーニング結果(例えば、本開示に従って作成される通り)および/または払い戻し判断の報告および/または処理を許可または容易にする報告システム(例えば、適切な電子デバイスおよび/または通信システムを介して実行される)を企図する。さまざまな報告システムが、当技術分野において公知であり、当業者は、各種のそのような実施形態に十分に精通しており、実施に好適なものを容易に選択することができるであろう。
例示的な使用
A.結腸直腸がんの発生または再発の検出
【0313】
本開示は、数ある中でも、単一生物学的実体(例えば、個々の細胞外小胞)の分解能においてよりもむしろ、バルク試料に基づく生物学的実体(例えば、細胞外小胞)または多数のがん関連バイオマーカーにおける単一のがん関連バイオマーカーの検出が、典型的には、その生物学的実体が得られた対象が、がん(例えば、結腸直腸がん)を患っているか、またはそれに罹患しやすい可能性があるかどうかの決定において、十分な特異度および/または感度を提供しないことを認識する。本開示は、数ある中でも、例えば、検出のための実体(例えば、細胞外小胞を含む目的のサイズ範囲を有するナノ粒子)が少なくとも2つまたはそれよりも多くの標的(例えば、結腸直腸がんのための標的バイオマーカーシグネチャーの少なくとも2つまたはそれよりも多くの提供されるバイオマーカー)の組合せの存在によって特徴付けられることを特異的に必要とすることによることを含む、そのような課題を解決する組成物および/または方法を含む技術を提供する。特定の実施形態では、本開示は、そのような実体(例えば、細胞外小胞を含む目的のサイズ範囲を有するナノ粒子)が、がんに特異的である分子標的(すなわち、関連するがん、例えば、結腸直腸がんの「標的バイオマーカーシグネチャー」)の組合せの存在によって(例えば、発現によって)特徴付けられる一方で、標的化組合せ(例えば、標的バイオマーカーシグネチャー)を含まない生物学的実体(例えば、細胞外小胞を含む目的のサイズ範囲を有するナノ粒子)が、検出可能なシグナルを生成しないことを必要とする技術を教示する。したがって、一部の実施形態では、本明細書に提供される技術は、対象におけるがんのリスク、発生、および/または再発の検出のために有用であり得る。一部のそのような実施形態では、本明細書に提供される技術は、対象における結腸直腸がんのリスク、発生、および/または再発の検出のために有用である。例えば、一部の実施形態では、2つまたはそれよりも多くの提供されるバイオマーカーの組合せは、特異的がん(例えば、結腸直腸がん)またはさまざまながん(その1つに結腸直腸がんが含まれる)の検出のために選択される。一部の実施形態では、結腸直腸がんの検出のための提供されるバイオマーカーの特異的組合せは、そのような予測組合せを同定するために、結腸直腸がん患者生検および/または患者データの集団またはライブラリー(例えば、10、100、1000、10000、100000、またはそれより多い)を分析することによって決定することができる。一部の実施形態では、関連するバイオマーカーの組合せは、例えば、データ解析を介して、同定されたおよび/または特徴付けられたものであってもよい。例えば、一部の実施形態では、データ解析は、例えば、実施例6~8に記載されるように、バイオインフォマティクス分析を含んでいてもよい。一部の実施形態では、例えば、多様な結腸直腸がん関連データのセット(例えば、一部の実施形態では、バルクRNAシークエンシング、単一細胞RNA(scRNA)シークエンシング、質量分析、組織診、翻訳後改変データ、in vitroおよび/またはin vivo実験データのうちの1つまたは複数を含む)は、結腸直腸がんに非常に特異的である予測マーカーの組合せを同定するために、機械学習および/またはコンピューター計算モデルにより解析することができる。一部の実施形態では、がん(例えば、結腸直腸がん)のステージを識別するための予測マーカーの組合せは、異なるステージのがん(例えば、結腸直腸がん)に関する多様なデータ(例えば、一部の実施形態では、バルクRNAシークエンシング、scRNAシークエンシング、質量分析、組織診、翻訳後改変データ、in vitroおよび/またはin vivo実験データを含む)を比較することおよび解析することに基づいて、in silicoで決定することができる。例えば、一部の実施形態では、本明細書に提供される技術は、結腸直腸がん対象を、例えば、健康な対象、良性腫瘍または胸部腫瘤を有すると診断された対象、および非結腸関連疾患、障害、および/または状態を有する対象(例えば、非結腸直腸がんを有する対象、または炎症状態、例えば、クローン病、潰瘍性大腸炎を有する対象)を含む非結腸直腸がん対象から識別するために使用することができる。一部の実施形態では、本明細書に提供される技術は、結腸直腸がんの早期検出、例えば、ステージIまたはステージIIの結腸直腸がんの検出のために有用であり得る。一部の実施形態では、本明細書に提供される技術は、例えば、結腸直腸腺癌および当技術分野において公知の他の既定された種類の結腸直腸がん(SEER Cancer Statistics Review 1975-2017)を含む、1つまたは複数の結腸直腸がんのサブタイプの検出のために有用であり得る。一部の実施形態では、本明細書に提供される技術は、初期結腸直腸がん(例えば、結腸直腸腺癌)についての遺伝的リスク、生活歴関連リスク、または平均リスクがある個体をスクリーニングするために有用であり得る。
【0314】
一部の実施形態では、本明細書に提供される技術は、単一アッセイにおいて、特異的ながんのリスク、発生、または再発について対象をスクリーニングするために有用であり得る。例えば、一部の実施形態では、本明細書に提供される技術は、結腸直腸がんのリスク、発生、または再発について対象をスクリーニングするために有用である。一部の実施形態では、本明細書に提供される技術は、単一アッセイにおいて、特異的ながんまたは多数(例えば、少なくとも2、少なくとも3、またはそれよりも多く)のがんのリスクまたは発生について対象をスクリーニングするために使用することができる。例えば、一部の実施形態では、本明細書に提供される技術は、単一アッセイにおいて、その1つが、結腸直腸がんが含まれ、スクリーニングされる他のがんが、脳がん(例えば、神経膠芽腫を含む)、乳がん、卵巣がん、膵臓がん、前立腺がん、肝臓がん、肺がん、および皮膚がんからなる群から選択され得る、多数のがんについて対象をスクリーニングするために使用することができる。
【0315】
一部の実施形態では、提供される技術は、結腸直腸がん(例えば、初期結腸直腸がん)またはがんの再発について、ヒト対象をスクリーニングするために、周期的に(例えば、毎年、2年ごと、3年ごとなど)使用することができる。一部の実施形態では、そのようなスクリーニングに適したヒト対象は、成人または高齢者であってもよい。一部の実施形態では、そのようなスクリーニングに適したヒト対象は、既定の年齢よりも高齢、例えば、45歳およびそれよりも上、55歳およびそれよりも上、65歳およびそれよりも上、70歳およびそれよりも上、少なくとも75歳およびそれよりも上、または80歳およびそれよりも上であってもよい。一部の実施形態では、そのようなスクリーニングに適したヒト対象は、約50歳またはそれよりも上の年齢を有していてもよい。一部の実施形態では、そのようなスクリーニングに適したヒト対象は、50歳またはそれよりも下の年齢を有していてもよい。一部の実施形態では、そのようなスクリーニングに適したヒト対象は、35歳を超える年齢を有していてもよい。一部の実施形態では、結腸直腸がんに対する遺伝的素因を有すると決定されているヒト対象は、家族歴リスクを有さないヒト対象よりも若い年齢でスクリーニングされてもよい。
【0316】
一部の実施形態では、結腸直腸がんの発生または再発の検出について提供される技術に適した対象は、一部の実施形態では、結腸直腸がんまたはそのサブセット(例えば、結腸直腸腺癌)と関連する1つまたは複数の症状を経験し得る、喫煙または肥満歴を有するヒト対象(例えば、ヘビースモーカーおよび/または30を超えるBMI)であってもよい。一部の実施形態では、結腸直腸がんの発生または再発の検出について提供される技術に適した対象は、少なくとも45歳であり、良性結腸直腸腫瘍および/または1つもしくは複数の慢性炎症状態(例えば、炎症性腸疾患)を有すると決定されているヒト対象であってもよい。一部の実施形態では、結腸直腸がんの発生または再発の検出について提供される技術に適した対象は、結腸直腸がんの家族歴を有する対象(例えば、結腸直腸がん歴を有する1人または複数人の第一度近親者を有する対象)、がん(例えば、結腸直腸がん、例えば、結腸直腸腺癌)について以前に処置された対象、がん処置後に結腸直腸がん再発のリスクがある対象、結腸直腸がん処置後に寛解にある対象、および/または例えば、少なくとも1つの結腸直腸がんバイオマーカー(例えば、本明細書に記載される通り)の存在についてのスクリーニングによって、結腸直腸がんについて以前にもしくは周期的にスクリーニングされている対象であってもよい。
【0317】
一部の実施形態では、本開示は、数ある中でも、本明細書で記載されるおよび/または利用される技術が、対象、例えば、結腸直腸がんを発生するより高い易罹患性の対象のある特定の集団をスクリーニングするために特に有用であり得るという洞察を提供する。一部の実施形態では、本開示は、数ある中でも、結腸直腸がん(例えば、結腸直腸腺癌)検出について本明細書で記載されるおよび/または利用される技術の得られるPPVが、結腸直腸がんの傾向があるか、または易罹患性の集団において、より高くあり得ることを認識する。一部の実施形態では、本開示は、数ある中でも、喫煙または肥満個体のスクリーニング、例えば、症状の発生前、またはそうでなければその非存在下での定期的なスクリーニングが、結腸直腸がんの有効な管理(例えば、処置の成功)のために有益であり、さらに重要であり得るという洞察を提供する。一部の実施形態では、本開示は、初期がん、一部の実施形態では、肥満および/または喫煙個体(例えば、結腸直腸がんにおける遺伝的および/もしくは生活歴関連リスクありもしくはなし、ならびに/または結腸直腸がんと関連する症状ありもしくはなし)における初期がんを含む、結腸直腸がんを検出するために実行され得る、結腸直腸がんのスクリーニングシステムを提供する。一部の実施形態では、提供される技術は、肥満および/または喫煙個体(例えば、結腸直腸がんにおける遺伝的および/もしくは生活歴関連リスクありもしくはなし、ならびに/または結腸直腸がんと関連する症状ありもしくはなし)の定期的なスクリーニングを達成するために実行することができる。一部の実施形態では、提供される技術は、提供される技術の単回および/または定期的(例えば、周期的)査定への有用な適用を可能にするのに適切な感度および/または特異度(例えば、偽陽性率および/または偽陰性率の結果)を伴う、結腸直腸がんの1つまたは複数の特色(例えば、発生率、進行、療法に対する応答性、再発など)の検出(例えば、早期検出、例えば、症候性もしくは無症候性個体および/または集団における早期検出)を達成する。一部の実施形態では、提供される技術は、対象の周期的な健康診断(例えば、毎年、1年おき、または主治医によって承認された間隔)と併せて有用である。一部の実施形態では、提供される技術は、処置レジメンと併せて有用であり、一部の実施形態では、提供される技術は、そのような処置レジメンの1つまたは複数の特徴(例えば、許容されるパラメーターによる成功率)を改善し得る。
【0318】
一部の実施形態では、結腸直腸がんの発生または再発の検出のための提供される技術に適した対象は、無症候性ヒト対象および/または無症候性の対象の集団全体であってもよい。そのような無症候性対象および/または無症候性の対象の集団全体は、乳がんおよび/もしくは卵巣がん、白血病、および/もしくは結腸直腸がんなどのがんの家族歴を有する対象(例えば、遺伝的リスク因子と関連することが公知のがんの病歴を有する1人または複数人の第一度近親者を有する個体)、がん(例えば、結腸直腸がん)について以前に処置された対象、がん処置後に結腸直腸がん再発のリスクがある対象、結腸直腸がん処置後に寛解にある対象、ならびに/または例えば、大腸内視鏡検査もしくは他の手段(例えば、X線イメージング、低線量CTスキャニング、および/または無細胞核酸に基づく分子検査、血清バイオマーカー)を介した少なくとも1つの結腸直腸がんバイオマーカーの存在についてのスクリーニングによって、結腸直腸がんについて以前にもしくは周期的にスクリーニングされている対象であってもよい。あるいは、一部の実施形態では、無症候性対象は、結腸直腸がんについて以前にスクリーニングされていない対象、結腸直腸がんについて診断されていない対象、および/または結腸直腸がん療法を以前に受けていない対象であってもよい。一部の実施形態では、無症候性対象は、良性結腸腫瘍を有する対象であってもよい。一部の実施形態では、無症候性対象は、結腸直腸がんに罹患しやすい(例えば、平均集団リスクの、上昇した生活歴関連リスクの、または結腸直腸がんについて遺伝的リスクを有する)対象であってもよい。
【0319】
一部の実施形態では、結腸直腸がんの検出のための提供される技術に適した対象または対象の集団は、年齢、人種、地理的位置、遺伝歴、病歴、個人歴(例えば、喫煙、アルコール、薬物、発がん物質、食事、肥満、身体活動、日光曝露、放射線曝露、および/または職業上の危険)などの1つまたは複数の特徴に基づいて選択されてもよい。例えば、一部の実施形態では、結腸直腸がんの検出のための提供される技術に適した対象または対象の集団は、現在、喫煙者であるか、もしく喫煙者であった(例えば、巻きタバコ、葉巻タバコ、パイプ、および/またはフーカー)、または肥満であるか、もしくは肥満であったと決定された、対象または対象の集団であってもよい。
【0320】
一部の実施形態では、結腸直腸がんの検出のための提供される技術に適した対象または対象の集団は、遺伝性ポリポーシス症候群と関連する遺伝子(APC、MUTYH、POLE、POLD1、NTHL1、BMPR1A、またはSMAD4)および/または遺伝性結腸がん症候群と関連する遺伝子(MLH1、MSH2、MSH6、PMS2、EPCAM、PTEN、またはSTK11)、ならびにその組合せにおける1つまたは複数の生殖細胞系列突然変異を有すると決定された対象または対象の集団であってもよい。
【0321】
一部の実施形態では、結腸直腸がんの検出のための提供される技術に適した対象または対象の集団は、イメージングで確認される結腸直腸腫瘤と診断された対象または対象の集団であってもよい。
【0322】
一部の実施形態では、結腸直腸がんの検出のための提供される技術に適した対象または対象の集団は、生検、大腸内視鏡検査、および/または外科的手順(例えば、結腸直腸切除)を受ける前の、遺伝的リスクまたは生活歴関連リスクがある対象または対象の集団であってもよい。
【0323】
一部の実施形態では、結腸直腸がんの検出のための提供される技術に適した対象または対象の集団は、炎症性腸疾患を有すると決定された対象または対象の集団であってもよい。一部の実施形態では、結腸直腸がんの検出のための提供される技術に適した対象または対象の集団は、慢性腸疾患の病歴または他の消化管の問題を有する対象または対象の集団であってもよい。一部の実施形態では、結腸直腸がんの検出のための提供される技術に適した対象または対象の集団は、現在または昔の多量のアルコール摂取を有する対象または対象の集団であってもよい。一部の実施形態では、結腸直腸がんの検出のための提供される技術に適した対象または集団は、平均よりも多くの量または赤身肉を摂取する対象または対象の集団(例えば、米国に居住している人々)であってもよい。一部の実施形態では、結腸直腸がんの検出のための提供される技術に適した対象または対象の集団は、遺伝性ポリポーシス症候群と関連する遺伝子(APC、MUTYH、POLE、POLD1、NTHL1、BMPR1A、またはSMAD4)および/または遺伝性結腸がん症候群と関連する遺伝子(MLH1、MSH2、MSH6、PMS2、EPCAM、PTEN、またはSTK11)における遺伝的突然変異を有すると決定された対象または対象の集団であってもよい。一部の実施形態では、結腸直腸がんの検出のための提供される技術に適した対象または対象の集団は、放射線療法および/または化学療法に曝露された対象または対象の集団であってもよい。
【0324】
一部の実施形態では、結腸直腸がんの検出のための提供される技術に適した対象または対象の集団は、結腸直腸がんの1つまたは複数の非特異的症状を有する対象または対象の集団であってもよい。一部の実施形態では、結腸直腸がんの例示的な非特異的症状としては、慢性腸疾患のものに類似する症状、および/または血便、過敏性腸症候群、もしくは慢性の消化の問題などの症状が挙げられ得る。一部の実施形態では、結腸直腸がんの例示的な非特異的症状としては、血便、用便習慣の変化、便秘、細い便、過剰量のガスの通過、貧血、疲労、腹部の不快感もしくは痛み、および/または計画外の体重減少が挙げられ得る。
【0325】
一部の実施形態では、結腸直腸がんの検出のための提供される技術に適した対象または対象の集団は、アジア人、アフリカ系アメリカ人、白人、ハワイもしくは他の太平洋諸島の先住民、ヒスパニック系もしくはラテン系、アメリカ先住民もしくはアラスカ先住民、非ヒスパニック系黒人、または非ヒスパニック系白人などの多様な血統の対象または対象の集団であってもよい。一部の実施形態では、結腸直腸がんの検出のための提供される技術に適した対象または対象の集団は、アジア太平洋諸島の住民、ヒスパニック系、アメリカ先住民/アラスカ先住民、非ヒスパニック系黒人、または非ヒスパニック系白人などの多様な血統の対象または対象の集団であってもよい。一部の実施形態では、結腸直腸がんの検出のための提供される技術に適した対象または対象の集団は、任意の人種および/または任意の民族の対象または対象の集団であってもよい。
【0326】
一部の実施形態では、結腸直腸がんの検出のための提供される技術に適した対象または対象の集団は、大腸内視鏡検査、低線量CTスキャニング、および/または無細胞核酸に基づく分子検査、および/または血清バイオマーカーに以前に供されていてもよい。一部の実施形態では、そのような対象は、そのような診断検査から結腸直腸がん(例えば、結腸直腸腺癌)の陰性表示を受けていてもよい。一部の実施形態では、そのような対象は、そのような診断検査から、結腸直腸がんの陽性表示を受けていてもよい。
【0327】
一部の実施形態では、本明細書に提供される技術は、例えば、限定されるものではないが、(i)身体検査、一般開業医訪問、コレステロール/脂質血液検査、検便、糖尿病(2型)スクリーニング、大腸内視鏡検査、血圧スクリーニング、甲状腺機能検査、前立腺がんスクリーニング、マンモグラム、HPV/Papスメア、結腸直腸がんスクリーニング、および/またはワクチン接種;(ii)軟性S状結腸鏡検査、腹部CTスキャニング、および/または血液もしくは便由来の無細胞核酸に基づく分子検査、および/または血清バイオマーカー;(iii)循環腫瘍DNAおよび/またはがんと関連するタンパク質バイオマーカーにおける遺伝子突然変異についての血漿をスクリーニングするための遺伝的アッセイ;(iv)細胞表現型およびマーカー発現を同定するための免疫蛍光染色を含むアッセイと、それに続く次世代シークエンシングによる増幅および解析;ならびに(v)生殖細胞系列突然変異および体細胞突然変異アッセイ、または無細胞腫瘍DNA、リキッドバイオプシー、血清バイオマーカー、無細胞DNA、便バイオマーカー、および/もしくは循環腫瘍細胞を含むアッセイを含む、他の診断アッセイと組み合わせて使用することができる。
B.がん療法(例えば、結腸直腸がん療法)の選択
【0328】
一部の実施形態では、提供される技術は、がん患者(例えば、結腸直腸がんを患っているか、またはそれに罹患しやすい患者)のための適切な処置を選択するために使用することができる。例えば、本明細書に提供される一部の実施形態は、がん療法(例えば、結腸直腸がんおよび/または補助処置)についての患者の分類のためのコンパニオン診断アッセイに関し、これは、本明細書に提供される技術を使用する、提供されるバイオマーカーの選択された組合せの患者試料(例えば、結腸直腸がん患者由来の血液試料または血液由来試料)における査定を含む。そのようなアッセイ結果に基づいて、がん療法(例えば、5-フルオロウラシル、ベバシズマブ、カペシタビン、セツキシマブ、イリノテカン、オキサリプラチン、パニツムマブ、またはレゴラフェニブを含む、例えば、結腸直腸がん療法および/または補助療法)に応答する可能性がより高いと決定された患者に、そのような療法を投与することができるか、または特異的なそのような療法に非応答性であると決定された患者に、異なる療法を投与することができる。
C.処置有効性(例えば、がん処置有効性)の評価
【0329】
一部の実施形態では、本明細書に提供される技術は、がん患者(例えば、結腸直腸がん患者)に投与される抗がん療法の有効性をモニタリングするおよび/または評価するために使用することができる。例えば、体液試料(例えば、限定されるものではないが、血液試料、便試料など)は、第1の時点で、抗がん療法(例えば、5-フルオロウラシル、ベバシズマブ、カペシタビン、セツキシマブ、イリノテカン、オキサリプラチン、パニツムマブ、レゴラフェニブ)の前、またはそれを受けている結腸直腸がん患者から収集して、例えば、結腸直腸がんの検出に特異的であるバイオマーカーの選択された組合せを含む細胞外小胞を含む目的のサイズ範囲のナノ粒子の存在または量を検出することによって、腫瘍負荷を検出または測定することができる。処置期間後、第2の体液試料(例えば、限定されるものではないが、血液試料、便試料など)は、同じ結腸直腸がん患者から収集して、例えば、結腸直腸がんの検出に特異的であるバイオマーカーの選択された組合せを含む細胞外小胞を含む目的のサイズ範囲を有するナノ粒子の非存在またはその量の低減を検出することによって、腫瘍負荷の変化を検出することができる。処置の過程にわたる腫瘍負荷のレベルおよび/または変化をモニタリングすることによって、適切な一連の行動、例えば、治療剤の用量の増加もしくは減少、および/または異なる治療剤の投与を行うことができる。
VII.キット
【0330】
上記に記載される技術を実施する際に使用されるキットも提供される。一部の実施形態では、キットは、多数の検出プローブ(例えば、本明細書で記載されるおよび/または利用される通り)を含む。一部の実施形態では、提供されるキットは、2つまたはそれよりも多く(例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、またはそれよりも多く)の検出プローブを含んでいてもよい。一部の実施形態では、個々の検出プローブは、異なる標的に対するものであってもよい。一部の実施形態では、2つまたはそれよりも多くの個々の検出プローブは、同じ標的を対象にしていてもよい。一部の実施形態では、提供されるキットは、異なる標的に対する2つまたはそれよりも多くの異なる検出プローブを含み、必要に応じて、別の検出プローブが対象にする標的にも対する少なくとも1つの追加の検出プローブを含んでいてもよい。一部の実施形態では、提供されるキットは、そのそれぞれが同じ標的に対する2つまたはそれよりも多くの検出プローブを含む、検出プローブの多数のサブセットを含む。一部の実施形態では、多数の検出プローブは、容器中の混合物として提供されてもよい。一部の実施形態では、検出プローブの複数のサブセットは、別々の容器中の個々の混合物として提供されてもよい。一部の実施形態では、それぞれの検出プローブは、別々の容器中で個々に提供される。
【0331】
一部の実施形態では、結腸直腸がんの検出のためのキットは、(a)細胞外小胞関連表面バイオマーカーを対象にする標的捕捉部分を含む捕捉剤;ならびに(b)検出プローブのセットであって、このセットが、結腸直腸がんのための標的バイオマーカーシグネチャーの標的バイオマーカーをそれぞれ対象にする少なくとも2つの検出プローブを含み、検出プローブが、(i)結腸直腸がんのための標的バイオマーカーシグネチャーの標的バイオマーカーを対象にする標的結合部分;ならびに(ii)標的結合部分にカップリングされたオリゴヌクレオチドドメインであって、オリゴヌクレオチドドメインが、二本鎖部分、およびオリゴヌクレオチドドメインの一方の末端から伸びた一本鎖オーバーハング部分を含み、少なくとも2つの検出プローブの一本鎖オーバーハング部分が、少なくとも2つの検出プローブが同じ細胞外小胞に結合する場合に、それらが互いにハイブリダイズすることができることを特徴とする、オリゴヌクレオチドドメインをそれぞれ含む、検出プローブのセットを含む。
【0332】
一部の実施形態では、本開示は、結腸直腸がんの検出のためのキットであって、(a)第1の表面バイオマーカーを対象にする標的捕捉部分を含む捕捉剤;ならびに(b)検出プローブの少なくとも1つのセットであって、そのセットが、第2の表面バイオマーカーをそれぞれ対象にする少なくとも2つの検出プローブを含み、検出プローブが、(i)第2の表面バイオマーカーに対する標的結合部分;および(ii)標的結合部分にカップリングされたオリゴヌクレオチドドメインであって、オリゴヌクレオチドドメインが、二本鎖部分、およびオリゴヌクレオチドドメインの一方の末端から伸びた一本鎖オーバーハング部分を含み、少なくとも2つの検出プローブの一本鎖オーバーハング部分が少なくとも2つの検出プローブが約30nm~約1000nmの範囲内のサイズを有する同じナノ粒子に結合する場合に、それらが互いにハイブリダイズすることができることを特徴とする、オリゴヌクレオチドドメインをそれぞれ含む、検出プローブの少なくとも1つのセットを含み;少なくとも第1の表面バイオマーカーおよび第2の表面バイオマーカーが、結腸直腸がんと関連すると決定された標的バイオマーカーシグネチャーを形成し、第1および第2の表面バイオマーカーが、(i)以下のヒト遺伝子:ACSL5、ACVR2B、ALDH18A1、ALG5、AP1M2、ATP1B1、B3GNT3、BCAP31、CASK、CD133、CDH1、CDH17、CDH3、CEACAM5、CEACAM6、CFB、CFTR、CHDH、CHMP4B、CISD2、CLIC1、COPG2、CYP2S1、DPEP1、DSG2、EDAR、EPCAM、EPHB2、EPHB3、ERMP1、FERMT1、GALNT3、GNPNAT1、GOLIM4、GPA33、GPCR5A、HACD3、HEPH、HKDC1、IHH、ILDR1、ITGA2、KCNQ1、KEL、KPNA2、LAD1、LAMC2、LBR、LMNB1、LMNB2、LSR、MAP7、MARCKSL1、MLEC、MUC1、MUC13、NCEH1、NDUFS6、NLN、NOX1、NUP210、OCIAD2、PGAM5、PIGR、PIGT、PTK7、RAB25、RAP2A、RAP2B、RCC2、RNF43、RPN1、RPN2、RPS3、RUVBL2、S100P、SLC12A2、SLC25A6、SLC2A1、SMIM22、SNTB1、SORD、SSR4、ST14、STOML2、STT3B、SYAP1、TM9SF2、TMED2、TMPO、TOMM22、TOMM34、AMHR2、CLDN1、DLL4、EGFR、ERBB2、FAP、FGFR4、FOLR1、GUCY2C、IGF1R、IL1A、ITGAV、KRT8、LGR5、LPR6、MET、MST1R、MUC5AC、TNFRSF10B、VEGFA、およびその組合せによってコードされるポリペプチド;ならびに/または(ii)以下の炭水化物依存性マーカー:CanAg(MUC1のグリコフォーム)、Lewis Y/B抗原、Lewis B抗原、シアリルテトラオシル炭水化物、Tn抗原、シアリルTn(sTn)抗原、トムセン-フリーデンライヒ(T,TF)抗原、Lewis Y抗原(CD174としても公知)、シアリルLewis X(sLex)抗原(シアリルSSEA-1(SLX)としても公知)、シアリルLewis A抗原(CA19-9としても公知)、SSEA-1(Lewis X抗原としても公知)、NeuGcGM3(N-グリコリルGM3ガングリオシド)、およびその組合せからそれぞれ独立して選択されるキットを記載する。
【0333】
一部の実施形態では、第1および第2の表面バイオマーカーは、(i)以下のヒト遺伝子:ACVR2B、B3GNT3、CD133、CDH17、CDH3、CEACAM5、CEACAM6、CFB、CFTR、CYP2S1、DLL4、EDAR、EPCAM、EPHB2、EPHB3、ERBB2、FAP、GPCR5A、IHH、ILDR1、ITGAV、KCNQ1、KEL、MARCKSL1、MST1R、MUC1、MUC5AC、NOX1、OCIAD2、RNF43、SMIM22、およびその組合せによってコードされるポリペプチド;ならびに/または(ii)以下の炭水化物依存性マーカー:Lewis Y抗原(CD174としても公知)、シアリルTn(sTn)抗原、シアリルLewis X(sLex)抗原(シアリルSSEA-1(SLX)としても公知)、T抗原、Tn抗原、およびその組合せからそれぞれ独立して選択される。一部の実施形態では、第1および第2の表面バイオマーカーは、異なる。一部の実施形態では、第1および第2の表面バイオマーカーは、同じである(同じまたは異なるエピトープを有する)。
【0334】
本明細書に記載される多くの実施形態では、結腸直腸がんのための標的バイオマーカーシグネチャーは、
少なくとも1つの細胞外小胞関連表面バイオマーカー、ならびに表面バイオマーカー、小胞内バイオマーカー、および小胞内RNAバイオマーカーからなる群から選択される少なくとも1つの標的バイオマーカーを含み、
・表面バイオマーカーは、(i)以下のヒト遺伝子:ACSL5、ACVR2B、ALDH18A1、ALG5、AP1M2、ATP1B1、B3GNT3、BCAP31、CASK、CD133、CDH1、CDH17、CDH3、CEACAM5、CEACAM6、CFB、CFTR、CHDH、CHMP4B、CISD2、CLIC1、COPG2、CYP2S1、DPEP1、DSG2、EDAR、EPCAM、EPHB2、EPHB3、ERMP1、FERMT1、GALNT3、GNPNAT1、GOLIM4、GPA33、GPCR5A、HACD3、HEPH、HKDC1、IHH、ILDR1、ITGA2、KCNQ1、KEL、KPNA2、LAD1、LAMC2、LBR、LMNB1、LMNB2、LSR、MAP7、MARCKSL1、MLEC、MUC1、MUC13、NCEH1、NDUFS6、NLN、NOX1、NUP210、OCIAD2、PGAM5、PIGR、PIGT、PTK7、RAB25、RAP2A、RAP2B、RCC2、RNF43、RPN1、RPN2、RPS3、RUVBL2、S100P、SLC12A2、SLC25A6、SLC2A1、SMIM22、SNTB1、SORD、SSR4、ST14、STOML2、STT3B、SYAP1、TM9SF2、TMED2、TMPO、TOMM22、TOMM34、AMHR2、CLDN1、DLL4、EGFR、ERBB2、FAP、FGFR4、FOLR1、GUCY2C、IGF1R、IL1A、ITGAV、KRT8、LGR5、LPR6、MET、MST1R、MUC5AC、TNFRSF10B、VEGFA、およびその組合せによってコードされるポリペプチド;ならびに/または(ii)以下の炭水化物依存性マーカー:CanAg(MUC1のグリコフォーム)、Lewis Y/B抗原、Lewis B抗原、シアリルテトラオシル炭水化物、Tn抗原、シアリルTn(sTn)抗原、トムセン-フリーデンライヒ(T,TF)抗原、Lewis Y抗原(CD174としても公知)、シアリルLewis X(sLex)抗原(シアリルSSEA-1(SLX)としても公知)、シアリルLewis A抗原(CA19-9としても公知)、SSEA-1(Lewis X抗原としても公知)、NeuGcGM3(N-グリコリルGM3ガングリオシド)、およびその組合せから選択され;
・小胞内バイオマーカーは、以下のヒト遺伝子:AGMAT、AGR2、AGR3、ANKS4B、AP1M2、ARSE、ASCL2、BSPRY、C10orf99、C15orf48、C1orf106、C9orf152、CBLC、CCL24、CDCA7、CDX1、CDX2、DDC、DSG2、EHF、ELF3、EPS8L3、ESRP1、ESRP2、ETV4、EVPL、FABP1、FAM3D、FAM83E、FAM84A、FERMT1、FOXA2、FOXA3、FOXQ1、GPX2、GRB7、HKDC1、HMGCS2、HNF4A、HOXB9、KCNN4、KLK1、KRT20、KRT23、KRT8、LGALS4、METTL7B、MISP、MUC2、MYB、MYBL2、MYO1A、PHGR1、PITX1、PKP3、PLAC8、PLEK2、PLS1、PPP1R14D、PRR15、PTK6、S100A14、S100P、SAPCD2、SERPINB5、SPDEF、TRIM15、TRIM31、USH1C、VIL1、およびその組合せによってコードされるポリペプチドから選択され;一部の実施形態では、本明細書に記載される小胞内バイオマーカーは、少なくとも1つの翻訳後改変を含んでいてもよく;
・小胞内RNAバイオマーカーは、以下のヒト遺伝子:AGMAT、AGR2、AGR3、ANKS4B、ANO9、AP1M2、ARSE、ASCL2、ATP10B、B3GNT3、BIK、BSPRY、C10orf99、C15orf48、C1orf106、C1orf210、C9orf152、CA12、CBLC、CCL24、CD24、CDCA7、CDH1、CDH17、CDH3、CDHR1、CDHR5、CDX1、CDX2、CEACAM5、CEACAM6、CEACAM7、CFTR、CLDN2、CLDN3、CLDN4、CLDN7、CLRN3、COL17A1、CRB3、CYP2S1、DDC、DPEP1、DSG2、EHF、ELF3、EPCAM、EPHB3、EPS8L3、ERN2、ESRP1、ESRP2、ETV4、EVPL、FA2H、FABP1、FAM3D、FAM83E、FAM84A、FAT1、FERMT1、FOXA2、FOXA3、FOXQ1、FUT2、FUT3、FXYD3、GCNT3、GGT6、GJB1、GJB3、GPA33、GPR160、GPR35、GPX2、GRB7、GUCY2C、HKDC1、HMGCS2、HNF4A、HOXB9、IHH、ITLN1、KCNN4、KIAA1324、KLK1、KRT20、KRT23、KRT8、LGALS4、LGR5、LY6G6D、MEP1A、METTL7B、MISP、MUC13、MUC2、MYB、MYBL2、MYO1A、NOX1、PDZK1IP1、PHGR1、PIGR、PITX1、PKP3、PLAC8、PLEK2、PLS1、POF1B、PPP1R14D、PROM1、PRR15、PRSS8、PTK6、RAB25、RNF128、RNF186、RNF43、S100A14、S100P、SAPCD2、SERPINB5、SLC26A3、SLC39A5、SLC44A4、SLC5A1、SMIM22、SPDEF、ST6GALNAC1、TJP3、TM4SF5、TMC5、TMEM45B、TMPRSS2、TMPRSS4、TNS4、TRABD2A、TRIM15、TRIM31、TSPAN1、TSPAN8、UGT2B17、UGT8、USH1C、VIL1、およびその組合せによってコードされるRNA転写物(例えば、mRNA転写物)から選択される。
【0335】
一部の実施形態では、結腸直腸がんの検出のためのキットは、(a)細胞外小胞関連表面バイオマーカーを対象にする標的捕捉部分を含む捕捉剤;ならびに(b)検出プローブのセットであって、このセットが、結腸直腸がんのための標的バイオマーカーシグネチャーの標的バイオマーカーをそれぞれ対象にする少なくとも2つの検出プローブを含み、検出プローブが、(i)結腸直腸がんのための標的バイオマーカーシグネチャーの標的バイオマーカーを対象にする標的結合部分;ならびに(ii)標的結合部分にカップリングされたオリゴヌクレオチドドメインであって、オリゴヌクレオチドドメインが、二本鎖部分、およびオリゴヌクレオチドドメインの一方の末端から伸びた一本鎖オーバーハング部分を含み、少なくとも2つの検出プローブの一本鎖オーバーハング部分が、少なくとも2つの検出プローブが同じ細胞外小胞に結合する場合に、それらが互いにハイブリダイズすることができることを特徴とする、オリゴヌクレオチドドメインをそれぞれ含む、検出プローブのセットを含む。これらの実施形態では、結腸直腸がんのためのそのような標的バイオマーカーシグネチャーは、少なくとも1つの細胞外小胞関連表面バイオマーカー(例えば、本明細書に記載される通り)、ならびに表面バイオマーカー(例えば、本明細書に記載される通り)、小胞内バイオマーカー(例えば、本明細書に記載される通り)、および小胞内RNAバイオマーカー(例えば、本明細書に記載される通り)からなる群から選択される少なくとも1つの標的バイオマーカーを含む。一部の実施形態では、提供されるキットにおいて利用される1つまたは複数の表面バイオマーカーは、(i)以下のヒト遺伝子:ACSL5、ACVR2B、ALDH18A1、ALG5、AP1M2、ATP1B1、B3GNT3、BCAP31、CASK、CD133、CDH1、CDH17、CDH3、CEACAM5、CEACAM6、CFB、CFTR、CHDH、CHMP4B、CISD2、CLIC1、COPG2、CYP2S1、DPEP1、DSG2、EDAR、EPCAM、EPHB2、EPHB3、ERMP1、FERMT1、GALNT3、GNPNAT1、GOLIM4、GPA33、GPCR5A、HACD3、HEPH、HKDC1、IHH、ILDR1、ITGA2、KCNQ1、KEL、KPNA2、LAD1、LAMC2、LBR、LMNB1、LMNB2、LSR、MAP7、MARCKSL1、MLEC、MUC1、MUC13、NCEH1、NDUFS6、NLN、NOX1、NUP210、OCIAD2、PGAM5、PIGR、PIGT、PTK7、RAB25、RAP2A、RAP2B、RCC2、RNF43、RPN1、RPN2、RPS3、RUVBL2、S100P、SLC12A2、SLC25A6、SLC2A1、SMIM22、SNTB1、SORD、SSR4、ST14、STOML2、STT3B、SYAP1、TM9SF2、TMED2、TMPO、TOMM22、TOMM34、AMHR2、CLDN1、DLL4、EGFR、ERBB2、FAP、FGFR4、FOLR1、GUCY2C、IGF1R、IL1A、ITGAV、KRT8、LGR5、LPR6、MET、MST1R、MUC5AC、TNFRSF10B、VEGFA、およびその組合せによってコードされるポリペプチド;ならびに/または(ii)以下の炭水化物依存性マーカー:CanAg(MUC1のグリコフォーム)、Lewis Y/B抗原、Lewis B抗原、シアリルテトラオシル炭水化物、Tn抗原、シアリルTn(sTn)抗原、トムセン-フリーデンライヒ(T,TF)抗原、Lewis Y抗原(CD174としても公知)、シアリルLewis X(sLex)抗原(シアリルSSEA-1(SLX)としても公知)、シアリルLewis A抗原(CA19-9としても公知)、SSEA-1(Lewis X抗原としても公知)、NeuGcGM3(N-グリコリルGM3ガングリオシド)、およびその組合せから選択される。
【0336】
一部の実施形態では、提供されるキットにおいて利用される1つまたは複数の表面バイオマーカーは、(i)以下のヒト遺伝子:ACVR2B、B3GNT3、CD133、CDH17、CDH3、CEACAM5、CEACAM6、CFB、CFTR、CYP2S1、DLL4、EDAR、EPCAM、EPHB2、EPHB3、ERBB2、FAP、GPCR5A、IHH、ILDR1、ITGAV、KCNQ1、KEL、MARCKSL1、MST1R、MUC1、MUC5AC、NOX1、OCIAD2、RNF43、SMIM22、およびその組合せによってコードされるポリペプチド;ならびに/または(ii)以下の炭水化物依存性マーカー:Lewis Y抗原(CD174としても公知)、シアリルTn(sTn)抗原、シアリルLewis X(sLex)抗原(シアリルSSEA-1(SLX)としても公知)、T抗原、Tn抗原、およびその組合せから選択される。
【0337】
一部の実施形態では、提供されるキットにおいて利用される第1の表面バイオマーカーは、(i)ヒト遺伝子MUC1によってコードされるポリペプチド;ならびに/または(ii)以下の炭水化物依存性マーカー:Lewis Y抗原(CD174としても公知)、シアリルTn(sTn)抗原、シアリルLewis X(sLex)抗原(シアリルSSEA-1(SLX)としても公知)、T抗原、Tn抗原、およびその組合せから選択され、提供されるキットにおいて利用される第2の表面バイオマーカーは、以下のヒト遺伝子:ACVR2B、B3GNT3、CD133、CDH17、CDH3、CEACAM5、CEACAM6、CFB、CFTR、CYP2S1、DLL4、EDAR、EPCAM、EPHB2、EPHB3、ERBB2、FAP、GPCR5A、IHH、ILDR1、ITGAV、KCNQ1、KEL、MARCKSL1、MST1R、MUC1、MUC5AC、NOX1、OCIAD2、RNF43、SMIM22、およびその組合せによってコードされるポリペプチドから選択される。
【0338】
一部の実施形態では、提供されるキットにおいて利用される1つまたは複数の小胞内バイオマーカーは、以下のヒト遺伝子:AGMAT、AGR2、AGR3、ANKS4B、AP1M2、ARSE、ASCL2、BSPRY、C10orf99、C15orf48、C1orf106、C9orf152、CBLC、CCL24、CDCA7、CDX1、CDX2、DDC、DSG2、EHF、ELF3、EPS8L3、ESRP1、ESRP2、ETV4、EVPL、FABP1、FAM3D、FAM83E、FAM84A、FERMT1、FOXA2、FOXA3、FOXQ1、GPX2、GRB7、HKDC1、HMGCS2、HNF4A、HOXB9、KCNN4、KLK1、KRT20、KRT23、KRT8、LGALS4、METTL7B、MISP、MUC2、MYB、MYBL2、MYO1A、PHGR1、PITX1、PKP3、PLAC8、PLEK2、PLS1、PPP1R14D、PRR15、PTK6、S100A14、S100P、SAPCD2、SERPINB5、SPDEF、TRIM15、TRIM31、USH1C、VIL1、およびその組合せによってコードされるポリペプチドから選択される。一部の実施形態では、本明細書に記載される小胞内バイオマーカーは、少なくとも1つの翻訳後改変を含んでいてもよい。一部の実施形態では、提供されるキットにおいて利用される1つまたは複数の小胞内RNAバイオマーカーは、以下のヒト遺伝子:AGMAT、AGR2、AGR3、ANKS4B、ANO9、AP1M2、ARSE、ASCL2、ATP10B、B3GNT3、BIK、BSPRY、C10orf99、C15orf48、C1orf106、C1orf210、C9orf152、CA12、CBLC、CCL24、CD24、CDCA7、CDH1、CDH17、CDH3、CDHR1、CDHR5、CDX1、CDX2、CEACAM5、CEACAM6、CEACAM7、CFTR、CLDN2、CLDN3、CLDN4、CLDN7、CLRN3、COL17A1、CRB3、CYP2S1、DDC、DPEP1、DSG2、EHF、ELF3、EPCAM、EPHB3、EPS8L3、ERN2、ESRP1、ESRP2、ETV4、EVPL、FA2H、FABP1、FAM3D、FAM83E、FAM84A、FAT1、FERMT1、FOXA2、FOXA3、FOXQ1、FUT2、FUT3、FXYD3、GCNT3、GGT6、GJB1、GJB3、GPA33、GPR160、GPR35、GPX2、GRB7、GUCY2C、HKDC1、HMGCS2、HNF4A、HOXB9、IHH、ITLN1、KCNN4、KIAA1324、KLK1、KRT20、KRT23、KRT8、LGALS4、LGR5、LY6G6D、MEP1A、METTL7B、MISP、MUC13、MUC2、MYB、MYBL2、MYO1A、NOX1、PDZK1IP1、PHGR1、PIGR、PITX1、PKP3、PLAC8、PLEK2、PLS1、POF1B、PPP1R14D、PROM1、PRR15、PRSS8、PTK6、RAB25、RNF128、RNF186、RNF43、S100A14、S100P、SAPCD2、SERPINB5、SLC26A3、SLC39A5、SLC44A4、SLC5A1、SMIM22、SPDEF、ST6GALNAC1、TJP3、TM4SF5、TMC5、TMEM45B、TMPRSS2、TMPRSS4、TNS4、TRABD2A、TRIM15、TRIM31、TSPAN1、TSPAN8、UGT2B17、UGT8、USH1C、VIL1、およびその組合せによってコードされるRNA転写物(例えば、mRNA転写物)から選択される。
【0339】
一部の実施形態では、少なくとも1つの標的バイオマーカーが、提供される表面バイオマーカーのうちの1つまたは複数から選択される場合に、選択された表面バイオマーカーおよび少なくとも1つの細胞外小胞関連表面バイオマーカーは、異なる。一部の実施形態では、少なくとも1つの標的バイオマーカーが、提供される表面バイオマーカーのうちの1つまたは複数から選択される場合に、選択された表面バイオマーカーおよび少なくとも1つの細胞外小胞関連表面バイオマーカーは、同じである(同じまたは異なるエピトープを有する)。
【0340】
一部の実施形態では、キットにおいて提供される捕捉剤は、細胞外小胞関連表面バイオマーカーを対象にする標的捕捉部分を含み、これは、(i)以下のヒト遺伝子:ACSL5、ACVR2B、ALDH18A1、ALG5、AP1M2、ATP1B1、B3GNT3、BCAP31、CASK、CD133、CDH1、CDH17、CDH3、CEACAM5、CEACAM6、CFB、CFTR、CHDH、CHMP4B、CISD2、CLIC1、COPG2、CYP2S1、DPEP1、DSG2、EDAR、EPCAM、EPHB2、EPHB3、ERMP1、FERMT1、GALNT3、GNPNAT1、GOLIM4、GPA33、GPCR5A、HACD3、HEPH、HKDC1、IHH、ILDR1、ITGA2、KCNQ1、KEL、KPNA2、LAD1、LAMC2、LBR、LMNB1、LMNB2、LSR、MAP7、MARCKSL1、MLEC、MUC1、MUC13、NCEH1、NDUFS6、NLN、NOX1、NUP210、OCIAD2、PGAM5、PIGR、PIGT、PTK7、RAB25、RAP2A、RAP2B、RCC2、RNF43、RPN1、RPN2、RPS3、RUVBL2、S100P、SLC12A2、SLC25A6、SLC2A1、SMIM22、SNTB1、SORD、SSR4、ST14、STOML2、STT3B、SYAP1、TM9SF2、TMED2、TMPO、TOMM22、TOMM34、AMHR2、CLDN1、DLL4、EGFR、ERBB2、FAP、FGFR4、FOLR1、GUCY2C、IGF1R、IL1A、ITGAV、KRT8、LGR5、LPR6、MET、MST1R、MUC5AC、TNFRSF10B、VEGFA、もしくはその組合せによってコードされるポリペプチドのうちの1つもしくは複数;および/または(ii)以下の炭水化物依存性マーカー:CanAg(MUC1のグリコフォーム)、Lewis Y/B抗原、Lewis B抗原、シアリルテトラオシル炭水化物、Tn抗原、シアリルTn(sTn)抗原、トムセン-フリーデンライヒ(T,TF)抗原、Lewis Y抗原(CD174としても公知)、シアリルLewis X(sLex)抗原(シアリルSSEA-1(SLX)としても公知)、シアリルLewis A抗原(CA19-9としても公知)、SSEA-1(Lewis X抗原としても公知)、NeuGcGM3(N-グリコリルGM3ガングリオシド)、もしくはその組合せのうちの1つもしくは複数であるか、またはそれを含む。
【0341】
一部の実施形態では、キットにおいて提供される少なくとも2つの検出プローブの標的結合部分は、標的バイオマーカーシグネチャーの同じ標的バイオマーカーをそれぞれ対象にする。一部のそのような実施形態では、そのような少なくとも2つの検出プローブのオリゴヌクレオチドドメインは、異なる。
【0342】
一部の実施形態では、キットにおいて提供される少なくとも2つの検出プローブの標的結合部分は、標的バイオマーカーシグネチャーの別個の標的バイオマーカーをそれぞれ対象にする。
【0343】
一部の実施形態では、検出プローブの標的結合部分は、親和性剤であってもよく、またはそれを含んでいてもよく、これは、一部の実施形態では、抗体(例えば、モノクローナル抗体)であってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、検出プローブの標的結合部分は、親和性剤であってもよく、またはそれを含んでいてもよく、これは、一部の実施形態では、レクチンもしくはsiglecであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。
【0344】
一部の実施形態では、キットは、少なくとも1つの酵素および/または化学試薬、例えば、酵素、固定剤、透過処理剤、および/またはブロッキング剤を含んでいてもよい。
【0345】
一部の実施形態では、キットは、1つまたは複数の核酸ライゲーション試薬(例えば、核酸リガーゼ、例えば、DNAリガーゼおよび/または緩衝溶液)を含んでいてもよい。
【0346】
一部の実施形態では、キットは、少なくとも1つまたは複数の増幅試薬、例えば、PCR増幅試薬を含んでいてもよい。一部の実施形態では、キットは、1つもしくは複数の核酸ポリメラーゼ(例えば、DNAポリメラーゼ)、プライマーの1つもしくは複数の対、ヌクレオチド、および/または緩衝溶液を含んでいてもよい。
【0347】
一部の実施形態では、キットは、目的の実体(例えば、生物学的実体)を捕捉するための固体基材を含んでいてもよい。例えば、そのような固体基材は、ビーズ(例えば、磁気ビーズ)であってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、そのような固体基材は、表面であってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、表面は、例えば、フィルター、マトリックス、膜、プレート、管、ウェル(例えば、限定されるものではないが、マイクロウェル)などのようなアッセイチャンバーの捕捉表面(例えば、実体捕捉表面)であってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、固体基材の表面(例えば、捕捉表面)は、目的の実体(例えば、生物学的実体)のための捕捉剤(例えば、親和性剤)でコーティングすることができる。
【0348】
一部の実施形態では、キットにおいて提供される検出プローブのセットは、結腸直腸がんの診断のために選択されてもよい。
【0349】
一部の実施形態では、キットにおいて提供される検出プローブのセットは、結腸直腸腺癌の診断のために選択されてもよい。
【0350】
一部の実施形態では、キットは、検出プローブの多数のセットを含んでいてもよく、検出プローブのそれぞれのセットは、特異的がんの検出を対象とし、少なくとも2つまたはそれよりも多くの検出プローブを含む。例えば、そのようなキットは、単一アッセイにおいて、その1つが、結腸直腸がん(例えば、結腸直腸腺癌)である一方で、他のがんが、皮膚がん、肺がん、乳がん、卵巣がん、膵臓がん、前立腺がん、脳がん、および肝臓がんから選択され得る、さまざまながんについて、対象をスクリーニングするために使用することができる。
【0351】
一部の実施形態では、本明細書に提供されるキットは、本明細書に記載される方法を実施するための指示を含んでいてもよい。これらの指示は、各種の形態でキット中に存在していてもよく、そのうちの1つまたは複数は、キット中に存在していてもよい。これらの指示が存在し得る1つの形態は、キットの包装、添付文書などにおいて、好適な媒体または基材上の印刷された情報、例えば、情報が印刷された1つまたは複数の紙片としてである。さらに別の手段は、指示情報が記録されたコンピューター可読媒体、例えば、ディスケット、CD、USBドライブなどであってもよい。存在し得るさらに別の手段は、インターネットを介して指示情報にアクセスするために使用され得るウェブサイトアドレスである。任意の好都合な手段が、キット中に存在していてもよい。
【0352】
キットがコンパニオン診断としての使用のためである一部の実施形態では、そのようなキットは、治療剤に応答する可能性がある患者を同定するための指示(例えば、治療剤に対する患者応答性を示すバイオマーカーの同定)を含んでいてもよい。一部の実施形態では、そのようなキットは、コンパニオン診断検査とのタンデムでの使用のための治療剤を含んでいてもよい。
【0353】
本発明の他の特色は、例示的な実施形態の以下の記載の過程で明らかになり、これは、本発明の説明のために与えられ、それを限定することを意図するものではない。
【実施例
【0354】
(実施例1)
結腸直腸がんと関連する個々の細胞外小胞における例示的な標的バイオマーカーシグネチャーの検出
本実施例は、標的結合部分、およびその標的結合部分にカップリングされたオリゴヌクレオチドドメイン(二本鎖部分および一本鎖オーバーハングを含む)をそれぞれ含む、標的(例えば、標的バイオマーカー)のための検出プローブの合成を記載する。本実施例は、2つまたはそれよりも多くの別個の標的を含む生物学的実体(例えば、細胞外小胞)の存在または非存在を検出するためのそのような検出プローブの使用をさらに実証する。
【0355】
一部の実施形態では、検出プローブは、一方の末端に標的がんバイオマーカーに特異的な抗体剤、および別の末端に一本鎖オーバーハングを有する二本鎖オリゴヌクレオチドを含むことができる。2つまたはそれよりも多くの検出プローブが、同じ生物学的実体(例えば、細胞外小胞)に結合する場合、検出プローブの一本鎖オーバーハングは、それらが互いにハイブリダイズして、その後にライゲーションされ、検出のために増幅され得る二本鎖複合体を形成することができるように、近接している。
【0356】
この研究は、セットにおいて少なくとも2つの検出プローブを用いた。一部の実施形態では、そのような少なくとも2つの検出プローブは、同じ標的バイオマーカーを対象にする。一部の実施形態では、同じ標的を対象にするそのような少なくとも2つの検出プローブは、同じ標的の異なるエピトープまたは同じ標的の同じエピトープを対象にしていてもよい。一部の実施形態では、そのような少なくとも2つの検出プローブは、別個の標的を対象にする。本開示を読む当業者は、2つの検出プローブが、異なる標的バイオマーカーを対象にし得ること、または別個の標的タンパク質をそれぞれ対象にする3つもしくはそれよりも多くの検出プローブが使用されてもよいことを理解するであろう。さらに、この実施例に記載される組成物および方法は、異なる生体試料(例えば、細胞外小胞を含む)における適用に拡大することができる。
例示的アッセイの概観
【0357】
一部の実施形態では、本明細書に記載される標的実体検出システムは、二重システムである。一部の実施形態では、そのような二重システムは、例えば、図2に図示されるように、異なるエピトープをそれぞれ認識する2つの抗体を利用する。対形成した二本鎖鋳型DNAも、qPCRにおいて利用され、そのそれぞれは、そのパートナー上の5’オーバーハングに相補的な特異的4塩基5’オーバーハングを有する。それぞれの抗体は、2つの二本鎖DNA鋳型の一方とコンジュゲートされ得る。抗体がそれらの標的エピトープに結合すると、個々の鋳型の付着末端は、ハイブリダイズし得る。次いで、これらの付着末端は、PCR増幅前に、T7リガーゼによって一緒にライゲーションされ得る。2つのDNA鋳型間のハイブリダイゼーションが起こるために、2つの抗体は、互いに十分に近く結合する必要がある(50~60nm以内のDNAリンカーおよび抗体の長さ)。結合しているが、ライゲーションされていないままである任意の鋳型は、図2に示されるように、PCR産物を生成しない。
例示的方法:
オリゴヌクレオチド
【0358】
一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、以下の配列構造および改変を有することができる。下記の鎖番号が、図2に示される鎖と関連する数値に対応することに留意されたい。
鎖1 v1
/5AzideN/CAGTCTGACACAGCAGTCGTTAATCGTCGCTGCTACCCTTGACATCCGTGACTGGCTAGACAGAGGTGT(ここで、/5AzideN/は、NHSエステルリンカーを介して5’オリゴヌクレオチド末端に連結されたアジド基を指す)、または
/5AmMC12/CAGTCTGACACAGCAGTCGTTAATCGTCGCTGCTACCCTTGACATCCGTGACTGGCTAGACAGAGGTGT(ここで、/5AmMC12/は、12炭素スペーサーを介して5’オリゴヌクレオチド末端に連結されたアミン基(例えば、第一級アミノ基)を指す)、または
/5ThiolMC6/CAGTCTGACACAGCAGTCGTTAATCGTCGCTGCTACCCTTGACATCCGTGACTGGCTAGACAGAGGTGT(ここで、/5ThiolMC6/は、6炭素スペーサーを介して5’オリゴヌクレオチド末端に連結されたチオールを指す)。
鎖2 v1:
/5AzideN/GACCTGACCTACAGTGACCATAGCCTTGCCTGATTAGCCACTGTCCAGTTTGGCTCCTGGTCTCACTAG(ここで、/5AzideN/は、NHSエステルリンカーを介して5’オリゴヌクレオチド末端に連結されたアジド基を指す)、または
/5AmMC12/GACCTGACCTACAGTGACCATAGCCTTGCCTGATTAGCCACTGTCCAGTTTGGCTCCTGGTCTCACTAG(ここで、/5AmMC1/は、12炭素スペーサーを介して5’オリゴヌクレオチド末端に連結されたアミン基(例えば、第一級アミノ基)を指す)、または
/5ThiolMC6/GACCTGACCTACAGTGACCATAGCCTTGCCTGATTAGCCACTGTCCAGTTTGGCTCCTGGTCTCACTAG(ここで、/5ThiolMC6/は、6炭素スペーサーを介して5’オリゴヌクレオチド末端に連結されたチオールを指す)
鎖3 v1:
/5Phos/GAGTACACCTCTGTCTAGCCAGTCACGGATGTCAAGGGTAGCAGCGACGATTAACGACTGCTGTGTCAGACTG(ここで、/5Phos/は、5’オリゴヌクレオチド末端に連結されたリン酸基を指す)
鎖4 v1:
/5Phos/ACTCCTAGTGAGACCAGGAGCCAAACTGGACAGTGGCTAATCAGGCAAGGCTATGGTCACTGTAGGTCAGGTC(ここで、/5Phos/は、5’オリゴヌクレオチド末端に連結されたリン酸基を指す)
鎖5 v1:
CAGTCTGACACAGCAGTCGT
鎖6 v1:
GACCTGACCTACAGTGACCA
鎖7(プローブ)v1:
/56-FAM/TGGCTAGAC/ZEN/AGAGGTGTACTCCTAGTGAGA/3IABkFQ/(ここで、/56-FAM/は、5’オリゴヌクレオチド末端のフルオレセイン(例えば、6-FAM)を指し、/3IABkFQ/は、3’オリゴヌクレオチド末端のフルオレセインクエンチャーを指す)
【0359】
一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、以下の配列構造および改変を有することができる。下記の鎖番号が、図2に示される鎖と関連する数値に対応することに留意されたい。
鎖1 v2:
/5AzideN/CAGTCTGACTCACCACTCGTTAATCGTCGCTGCTACCCTTGACATCCGTGACTGGCTAGACAGAGGTGT(ここで、/5AzideN/は、NHSエステルリンカーを介して5’オリゴヌクレオチド末端に連結されたアジド基を指す)、または
/5AmMC12/CAGTCTGACTCACCACTCGTTAATCGTCGCTGCTACCCTTGACATCCGTGACTGGCTAGACAGAGGTGT(ここで、/5AmMC12/は、12炭素スペーサーを介して5’オリゴヌクレオチド末端に連結されたアミン基(例えば、第一級アミノ基)を指す)、または
/5ThiolMC6/CAGTCTGACTCACCACTCGTTAATCGTCGCTGCTACCCTTGACATCCGTGACTGGCTAGACAGAGGTGT(ここで、/5ThiolMC6/は、6炭素スペーサーを介して5’オリゴヌクレオチド末端に連結されたチオールを指す)
鎖2 v2:
/5AzideN/CACCAGACCTACGAAGTCCATAGCCTTGCCTGATTAGCCACTGTCCAGTTTGGCTCCTGGTCTCACTAG(ここで、/5AzideN/は、NHSエステルリンカーを介して5’オリゴヌクレオチド末端に連結されたアジド基を指す)、または
/5AmMC12/CACCAGACCTACGAAGTCCATAGCCTTGCCTGATTAGCCACTGTCCAGTTTGGCTCCTGGTCTCACTAG(ここで、/5AmMC1/は、12炭素スペーサーを介して5’オリゴヌクレオチド末端に連結されたアミン基(例えば、第一級アミノ基)を指す)、または
/5ThiolMC6/CACCAGACCTACGAAGTCCATAGCCTTGCCTGATTAGCCACTGTCCAGTTTGGCTCCTGGTCTCACTAG(ここで、/5ThiolMC6/は、6炭素スペーサーを介して5’オリゴヌクレオチド末端に連結されたチオールを指す)
鎖3 v2:
/5Phos/GAGTACACCTCTGTCTAGCCAGTCACGGATGTCAAGGGTAGCAGCGACGATTAACGAGTGGTGAGTCAGACTG(ここで、/5Phos/は、5’オリゴヌクレオチド末端に連結されたリン酸基を指す)
鎖4 v2:
/5Phos/ACTCCTAGTGAGACCAGGAGCCAAACTGGACAGTGGCTAATCAGGCAAGGCTATGGACTTCGTAGGTCTGGTG(ここで、/5Phos/は、5’オリゴヌクレオチド末端に連結されたリン酸基を指す)
鎖5 v2:
CAGTCTGACTCACCACTCGT
鎖6 v2:
CACCAGACCTACGAAGTCCA
鎖7(プローブ)v2:
/56-FAM/TGGCTAGAC/ZEN/AGAGGTGTACTCCTAGTGAGA/3IABkFQ/(ここで、/56-FAM/は、5’オリゴヌクレオチド末端のフルオレセイン(例えば、6-FAM)を指し、/3IABkFQ/は、3’オリゴヌクレオチド末端のフルオレセインクエンチャーを指す)
【0360】
一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、以下の配列構造および改変を有することができる。下記の鎖番号が、図2に示される鎖と関連する数値に対応することに留意されたい。
鎖1 v1-med:
/5AzideN/CAGTCTGACACAGCAGTCGTGACTGGCTAGACAGAGGTGT(ここで、/5AzideN/は、NHSエステルリンカーを介して5’オリゴヌクレオチド末端に連結されたアジド基を指す)、または
/5AmMC12/CAGTCTGACACAGCAGTCGTGACTGGCTAGACAGAGGTGT(ここで、/5AmMC12/は、12炭素スペーサーを介して5’オリゴヌクレオチド末端に連結されたアミン基(例えば、第一級アミノ基)を指す)、または
/5ThiolMC6/CAGTCTGACACAGCAGTCGTGACTGGCTAGACAGAGGTGT(ここで、/5ThiolMC6/は、6炭素スペーサーを介して5’オリゴヌクレオチド末端に連結されたチオールを指す)。
鎖2 v1-med:
/5AzideN/GACCTGACCTACAGTGACCATTGGCTCCTGGTCTCACTAG(ここで、/5AzideN/は、NHSエステルリンカーを介して5’オリゴヌクレオチド末端に連結されたアジド基を指す)、または
/5AmMC12/GACCTGACCTACAGTGACCATTGGCTCCTGGTCTCACTAG(ここで、/5AmMC1/は、12炭素スペーサーを介して5’オリゴヌクレオチド末端に連結されたアミン基(例えば、第一級アミノ基)を指す)、または
/5ThiolMC6/GACCTGACCTACAGTGACCATTGGCTCCTGGTCTCACTAG(ここで、/5ThiolMC6/は、6炭素スペーサーを介して5’オリゴヌクレオチド末端に連結されたチオールを指す)
鎖3 v1-med:
/5Phos/GAGTACACCTCTGTCTAGCCAGTCACGACTGCTGTGTCAGACTG(ここで、/5Phos/は、5’オリゴヌクレオチド末端に連結されたリン酸基を指す)
鎖4 v1-med:
/5Phos/ACTCCTAGTGAGACCAGGAGCCAATGGTCACTGTAGGTCAGGTC(ここで、/5Phos/は、5’オリゴヌクレオチド末端に連結されたリン酸基を指す)
鎖5 v1:
CAGTCTGACACAGCAGTCGT
鎖6 v1:
GACCTGACCTACAGTGACCA
鎖7(プローブ)v1:
/56-FAM/TGGCTAGAC/ZEN/AGAGGTGTACTCCTAGTGAGA/3IABkFQ/(ここで、/56-FAM/は、5’オリゴヌクレオチド末端のフルオレセイン(例えば、6-FAM)を指し、/3IABkFQ/は、3’オリゴヌクレオチド末端のフルオレセインクエンチャーを指す)。
抗体-オリゴヌクレオチド(例えば、抗体-DNA)コンジュゲーション:
【0361】
25~100μgの範囲の抗体アリコートを、オリゴヌクレオチド鎖とコンジュゲートし得る。例えば、60μgの抗体のアリコートを、例えば、銅不含クリックケミストリーを使用して、ハイブリダイズされた鎖1+3および2+4とコンジュゲートし得る。第1のステップは、アジド改変オリゴヌクレオチドドメイン(例えば、DNAドメイン)とのコンジュゲーション反応に関与するDBCO官能化抗体を調製することであり得る。これは、抗体をDBCO-PEG5-NHSヘテロ二官能性架橋剤と反応させることにより開始し得る。NHSエステルと利用可能なリシン基との間の反応を、室温で2時間行い得、その後、未反応の架橋剤を、遠心限外濾過を使用して除去し得る。コンジュゲーションを完了するために、アジド改変オリゴヌクレオチドドメイン(例えば、DNAドメイン)およびDBCO官能化抗体を、室温で終夜反応させ得る。コンジュゲートされた抗体の濃度を、例えば、Qubitタンパク質アッセイを使用して測定し得る。
細胞培養
【0362】
陰性対照細胞(例えば、非結腸直腸がん細胞、例えば、黒色腫細胞または健康な細胞)を、10%のエキソソーム不含FBSおよび1mLあたり50単位のペニシリン/ストレプトマイシンを有するイーグル最小必須培地(EMEM)中で成長させ得る。結腸直腸がん細胞を、10%のエキソソーム不含FBSおよび1mLあたり50単位のペニシリン/ストレプトマイシンを有するRoswell Park Memorial Institute(RPMI 1640)中で成長させ得る。現在、少なくとも、数ダースの結腸直腸がんの検出のためのアッセイを開発するために有用であり得る例示的な結腸直腸がん細胞株がある。細胞株を、細胞株の供給業者または発明者の推奨に従い、エキソソーム依存性ウシ胎仔血清を補充した完全培地中で成長させ得る。
細胞培養培地からの細胞外小胞の精製
【0363】
一部の実施形態では、結腸直腸がん細胞および陰性対照細胞を、それらが約80%のコンフルエンスに達するまで、それらの個々の培地中で成長させ得る。細胞培養培地を、収集し、300RCFで5分間、室温(RT)でスピンさせて、細胞およびデブリを除去し得る。次いで、上清を、収集し、本明細書に記載されるようにしてアッセイにおいて使用し得るか、または-80℃で凍結し得る。
解凍
【0364】
使用前に、試料が-80℃で貯蔵されていた場合、それらを解凍する。簡潔には、凍結条件付け培地を含有する50mLの管を、プラスチックラックに置き、ラックを空のアイスバケットに置く。室温(RT)の水を添加し、試料を、解凍を促進するために周期的に反転/振とうして、解凍させる。管を、それぞれの細胞株についてのすべての管が同じ体積であるように、固定する。典型的な精製体積は、細胞株あたりおよそ200mLの使用済み培地である。より大きなバッチが所望される場合、この体積は増加させることができる。
清澄化
【0365】
一部の実施形態では、試料を、使用前に清澄化する。培地の清澄化は、細胞およびデブリを除去する役割を果たす。簡潔には、1)1300RCFで10分間スピンし;ピペットを使用して、上清を新しい50mLのコニカル管に移し、約1cmの培地を残し(ペレットを乱すのを回避するため)、残った培地をデカンテーションしない;2)2000RCFで30分間スピンし;ピペットを使用して、上清を新しい50mLのコニカル管に移し、約1cmの培地を残し(ペレットを乱すのを回避するため)、残った培地をデカンテーションしない。
培地を濃縮する
【0366】
一部の実施形態では、試料は濃縮される。簡潔には、1)単一の15mLのAmicon 10kDa MWCOフィルターを、およそ100mLの培地のために使用する(例えば、200mLのバッチのために、2つの10kDa MWCO限外濾過管が必要である)。一部の実施形態では、同じ限外濾過カラムを、連続して加え、再スピンして、大体積の培地の濃縮を可能にし得る。一般に、カラムは、製造業者のプロトコールに従って利用した。カラムを、最大スピード(2500~4,300RCF)で、各回10~12分間スピンする。2)同じ使用済み培地を含有する2つの管のそれぞれが約1500uLに達したら、2つの管を1つに合わせ、すぐに、空になったAmicon管をバランスとして利用してもよい。3)濃縮された培地を除去する場合、濃縮チャンバーの側面を流して、捕捉されたEVを可能な限り多く放出させ、起泡を回避しながら、強化培地を、1mL残るまで濃縮することができる。4)培地を、1.5mLのprotein LoBind管に移し、1mLの線をマークし、必要な場合、体積を、20nmで濾過された1×PBSで1mLに補正する。
最終清澄化スピン
【0367】
任意の残ったデブリを除去するために、濃縮された培地を、卓上エッペンドルフ遠心分離機において、10,000RCFで10分間、21℃で遠心分離することができる。
濃縮された培地を調製されたIZONカラムに流す
【0368】
Izonカラムを、製造業者によって記載されたようにして洗浄し、20nmで濾過された1×PBSを使用して、カラムを洗浄し試料を回収することができる。1mLの濃縮された使用済み培地をカラムに流すことができ、画分を、製造業者のプロトコールに従って、5mLのエッペンドルフフリップキャップ管に収集することができる(例えば、画分7、8、および9)。
粒子カウント:
【0369】
粒子カウントは、65~1000nmのナノ粒子範囲を測定するために、例えば、TS400チップを使用するSpectraDyne粒子計数器を使用して、得られ得る。一部の実施形態では、65nmよりも小さいか、または1000nmよりも大きい粒子径が望ましくあり得る。
患者血漿プールの作成:
【0370】
一部の実施形態では、プールされた患者血漿プールを利用し得る。簡潔には、1mLの患者血漿のアリコートを、室温で少なくとも30分間解凍し得る。管を、短時間、ボルテックスし、スピンダウンして、血漿をそれぞれの管の底部に固定し得る。所与の患者コホートからの血漿試料を、適切にサイジングされた容器中で合わせ、転倒混合によって完全に混合し得る。それぞれの血漿プールを、Protein Lo-bindの1.5mLのエッペンドルフ管中、1mLのアリコートに分け、-80℃で再凍結し得る。
全血漿清澄化(必要に応じた):
【0371】
一部の実施形態では、EV精製の前に、試料は、試料の取り扱いに関与しないであろう人によって盲検化され得る。患者同定情報は、実験が完了して、データ解析が可能になった後にのみ、明らかにされ得る。全血漿の1mLのアリコートを、-80℃での貯蔵から取り出し、3回の清澄化スピンに付して、細胞、血小板、およびデブリを除去し得る。
清澄化された血漿からのEVのサイズ排除クロマトグラフィー精製:
【0372】
それぞれの清澄化された血漿試料(個々の試料またはプールされた試料)を、使い捨てのサイズ排除精製カラムに流して、EVを単離し得る。約65nm~約1000nmのサイズ範囲を有するナノ粒子を、それぞれの試料について収集し得る。一部の実施形態では、65nmよりも小さいか、または1000nmよりも大きい粒子径が望ましくあり得る。
磁気捕捉ビーズへの捕捉-抗体コンジュゲーション:
【0373】
抗体を、磁気ビーズ(例えば、エポキシ官能化Dynabeads(商標))にコンジュゲートし得る。簡潔には、ビーズを、無菌環境下で秤量し、緩衝液に再懸濁し得る。抗体を、ビーズ1mgあたりおよそ8μgのAbで官能化ビーズと混合し得、コンジュゲーション反応を、転倒混合で、37℃で終夜、行い得る。ビーズを、コンジュゲーションキットによって提供された洗浄緩衝液を使用して数回洗浄し得、提供された貯蔵緩衝液中4℃で、またはグリセロールベースの貯蔵緩衝液中-20℃で、貯蔵し得る。
抗体-コンジュゲート化磁気ビーズを使用する精製された血漿EVの直接捕捉:
【0374】
バイオマーカー捕捉のために、精製された血漿EVの希釈試料を、個々の抗体とコンジュゲートされた磁気ビーズとともに、適切な時間、適切な温度、例えば、室温でインキュベートし得る。
磁気捕捉ビーズ上に結合したEVへの抗体-オリゴヌクレオチドコンジュゲートの結合:
【0375】
抗体-オリゴヌクレオチドコンジュゲートを、適切な緩衝液中、それらの最適な濃度で希釈し得る。抗体プローブを、磁気捕捉ビーズ上に結合したEVを含む試料と相互作用させ得る。
結合後洗浄:
【0376】
一部の実施形態では、試料を、適切な緩衝液中で、例えば、複数回洗浄し得る。
ライゲーション:
【0377】
洗浄して未結合抗体-オリゴヌクレオチドコンジュゲートを除去した後、結合した細胞外小胞および結合した抗体-オリゴヌクレオチドコンジュゲートを有するビーズを、ライゲーションミックスと接触させ得る。混合物を、次いで、室温で20分間、インキュベートし得る。
PCR:
【0378】
ライゲーション後、結合した細胞外小胞および結合した抗体-オリゴヌクレオチドコンジュゲートを有するビーズを、PCRミックスと接触させ得る。PCRを、96ウェルプレートにおいて、例えば、Quant Studio 3において、以下の例示的なPCRプロトコールを用いて行い得る:95℃で1分間保持し、95℃で5秒間および62℃で15秒間の50サイクルを行う。温度変化の速度を、標準(例えば、1秒あたり2℃)であるように選択し得る。単一qPCR反応を、それぞれの実験反復について行い得、ROXを、qPCRシグナルを正規化するためのパッシブ参照として使用し得る。次いで、データを、Quant Studio 3 machineからダウンロードし、Python 3.7において解析し、プロットし得る。
データ解析:
【0379】
一部の実施形態では、2項分類システムを、データ解析のために使用することができる。一部の実施形態では、検出アッセイからのシグナルを、参照シグナルに基づいて正規化し得る。例えば、一部の実施形態では、単一抗体二重鎖についての正規化シグナルを、参照試料を選択することによって計算し得る。一部の実施形態では、任意の試料iについての正規化シグナルを計算するために使用された式を下記に示し、ここで、シグナルmaxは、最高濃度の細胞株EV標準からのシグナルである。
【数1】
議論:
【0380】
本実施例は、図1および2に記載されるアッセイにおけるバイオマーカーの組合せの使用(例えば、二重アッセイと組み合わせて使用されるバイオマーカー)を記載する。アッセイは、>99%の特異度で、結腸直腸がんを検出することが可能であり得る。一部の実施形態では、バイオマーカーの組合せは、捕捉プローブおよび検出プローブを含む。一部の実施形態では、アッセイにおける2つまたはそれよりも多くのバイオマーカーの組合せの使用は、アッセイの特異度を増加させ得る。
【0381】
一部の実施形態では、抗体あたり合計で16の鎖のオリゴヌクレオチドドメイン(例えば、DNA)になり得るデンドロンを、例えば、シグナル対ノイズを増強するために、抗体あたり1つまたは2つの鎖のDNAの代わりに使用することができる。
(実施例2)
細胞外小胞(EV)表面バイオマーカーの結腸直腸がんバイオマーカーとしての査定
【0382】
一部の実施形態では、結腸直腸がん検出は、細胞外小胞の免疫親和性捕捉後の少なくともEV表面バイオマーカーの検出を含む。
【0383】
一部の実施形態では、細胞外小胞上に存在する1つまたは複数の表面バイオマーカーまたは細胞外膜バイオマーカー(「捕捉バイオマーカー」)を、結腸直腸がん関連細胞外小胞の免疫親和性捕捉のために使用することができる。そのような捕捉バイオマーカーの例としては、限定されるものではないが、(i)以下のヒト遺伝子:ACSL5、ACVR2B、ALDH18A1、ALG5、AP1M2、ATP1B1、B3GNT3、BCAP31、CASK、CD133、CDH1、CDH17、CDH3、CEACAM5、CEACAM6、CFB、CFTR、CHDH、CHMP4B、CISD2、CLIC1、COPG2、CYP2S1、DPEP1、DSG2、EDAR、EPCAM、EPHB2、EPHB3、ERMP1、FERMT1、GALNT3、GNPNAT1、GOLIM4、GPA33、GPCR5A、HACD3、HEPH、HKDC1、IHH、ILDR1、ITGA2、KCNQ1、KEL、KPNA2、LAD1、LAMC2、LBR、LMNB1、LMNB2、LSR、MAP7、MARCKSL1、MLEC、MUC1、MUC13、NCEH1、NDUFS6、NLN、NOX1、NUP210、OCIAD2、PGAM5、PIGR、PIGT、PTK7、RAB25、RAP2A、RAP2B、RCC2、RNF43、RPN1、RPN2、RPS3、RUVBL2、S100P、SLC12A2、SLC25A6、SLC2A1、SMIM22、SNTB1、SORD、SSR4、ST14、STOML2、STT3B、SYAP1、TM9SF2、TMED2、TMPO、TOMM22、TOMM34、AMHR2、CLDN1、DLL4、EGFR、ERBB2、FAP、FGFR4、FOLR1、GUCY2C、IGF1R、IL1A、ITGAV、KRT8、LGR5、LPR6、MET、MST1R、MUC5AC、TNFRSF10B、VEGFA、およびその組合せによってコードされるポリペプチド;ならびに/または(ii)以下の炭水化物依存性マーカー:CanAg(MUC1のグリコフォーム)、Lewis Y/B抗原、Lewis B抗原、シアリルテトラオシル炭水化物、Tn抗原、シアリルTn(sTn)抗原、トムセン-フリーデンライヒ(T,TF)抗原、Lewis Y抗原(CD174としても公知)、シアリルLewis X(sLex)抗原(シアリルSSEA-1(SLX)としても公知)、シアリルLewis A抗原(CA19-9としても公知)、SSEA-1(Lewis X抗原としても公知)、NeuGcGM3(N-グリコリルGM3ガングリオシド)、およびその組合せが挙げられ得る。
【0384】
一部の実施形態では、EVイムノアッセイ方法論(例えば、本明細書、例えば、実施例1に記載されるもの)およびバイオマーカー検証プロセス(例えば、本明細書、例えば、実施例1に記載されるもの)を使用して、結腸直腸がんのためのバイオマーカーとして、追加の表面バイオマーカーを査定することができる。一部の実施形態では、捕捉バイオマーカー(例えば、結腸直腸がん関連EV上に存在する表面バイオマーカー)を対象にする抗体を、磁気ビーズにコンジュゲートし、必要に応じて、最初に細胞株EV、次いで、患者試料で、特異的標的バイオマーカーに結合するその能力について評価する。抗体コーティングビーズを、結腸直腸がん関連EVを捕捉するその能力について査定し、抗体コーティングビーズによって捕捉されたEVを、標的実体検出システム(例えば、捕捉バイオマーカーとは別個の標的マーカーをそれぞれ対象にする2つの検出プローブ(例えば、本明細書に記載される通り)のセットを含む本明細書に記載される二重システム)を使用して読み取る。
【0385】
一部の実施形態では、捕捉されたEVは、少なくとも1つ(例えば、1、2、3、またはそれよりも多く)の表面バイオマーカーを使用して読み取ることができ、これは、(i)以下のヒト遺伝子:ACSL5、ACVR2B、ALDH18A1、ALG5、AP1M2、ATP1B1、B3GNT3、BCAP31、CASK、CD133、CDH1、CDH17、CDH3、CEACAM5、CEACAM6、CFB、CFTR、CHDH、CHMP4B、CISD2、CLIC1、COPG2、CYP2S1、DPEP1、DSG2、EDAR、EPCAM、EPHB2、EPHB3、ERMP1、FERMT1、GALNT3、GNPNAT1、GOLIM4、GPA33、GPCR5A、HACD3、HEPH、HKDC1、IHH、ILDR1、ITGA2、KCNQ1、KEL、KPNA2、LAD1、LAMC2、LBR、LMNB1、LMNB2、LSR、MAP7、MARCKSL1、MLEC、MUC1、MUC13、NCEH1、NDUFS6、NLN、NOX1、NUP210、OCIAD2、PGAM5、PIGR、PIGT、PTK7、RAB25、RAP2A、RAP2B、RCC2、RNF43、RPN1、RPN2、RPS3、RUVBL2、S100P、SLC12A2、SLC25A6、SLC2A1、SMIM22、SNTB1、SORD、SSR4、ST14、STOML2、STT3B、SYAP1、TM9SF2、TMED2、TMPO、TOMM22、TOMM34、AMHR2、CLDN1、DLL4、EGFR、ERBB2、FAP、FGFR4、FOLR1、GUCY2C、IGF1R、IL1A、ITGAV、KRT8、LGR5、LPR6、MET、MST1R、MUC5AC、TNFRSF10B、VEGFA、もしくはその組合せによってコードされるポリペプチドのうちの1つもしくは複数;および/または(ii)以下の炭水化物依存性マーカー:CanAg(MUC1のグリコフォーム)、Lewis Y/B抗原、Lewis B抗原、シアリルテトラオシル炭水化物、Tn抗原、シアリルTn(sTn)抗原、トムセン-フリーデンライヒ(T,TF)抗原、Lewis Y抗原(CD174としても公知)、シアリルLewis X(sLex)抗原(シアリルSSEA-1(SLX)としても公知)、シアリルLewis A抗原(CA19-9としても公知)、SSEA-1(Lewis X抗原としても公知)、NeuGcGM3(N-グリコリルGM3ガングリオシド)、もしくはその組合せのうちの1つもしくは複数であるか、あるいはそれを含む。一部の実施形態では、捕捉されたEVは、検出プローブのセット(例えば、本明細書で利用されるおよび/または記載される通り)を使用して読み取ることができ、そのうちの少なくとも2つは、1つまたは複数(例えば、1、2、3、またはそれよりも多く)の表面バイオマーカーを対象にし、これは、(i)以下のヒト遺伝子:ACSL5、ACVR2B、ALDH18A1、ALG5、AP1M2、ATP1B1、B3GNT3、BCAP31、CASK、CD133、CDH1、CDH17、CDH3、CEACAM5、CEACAM6、CFB、CFTR、CHDH、CHMP4B、CISD2、CLIC1、COPG2、CYP2S1、DPEP1、DSG2、EDAR、EPCAM、EPHB2、EPHB3、ERMP1、FERMT1、GALNT3、GNPNAT1、GOLIM4、GPA33、GPCR5A、HACD3、HEPH、HKDC1、IHH、ILDR1、ITGA2、KCNQ1、KEL、KPNA2、LAD1、LAMC2、LBR、LMNB1、LMNB2、LSR、MAP7、MARCKSL1、MLEC、MUC1、MUC13、NCEH1、NDUFS6、NLN、NOX1、NUP210、OCIAD2、PGAM5、PIGR、PIGT、PTK7、RAB25、RAP2A、RAP2B、RCC2、RNF43、RPN1、RPN2、RPS3、RUVBL2、S100P、SLC12A2、SLC25A6、SLC2A1、SMIM22、SNTB1、SORD、SSR4、ST14、STOML2、STT3B、SYAP1、TM9SF2、TMED2、TMPO、TOMM22、TOMM34、AMHR2、CLDN1、DLL4、EGFR、ERBB2、FAP、FGFR4、FOLR1、GUCY2C、IGF1R、IL1A、ITGAV、KRT8、LGR5、LPR6、MET、MST1R、MUC5AC、TNFRSF10B、VEGFA、もしくはその組合せによってコードされる1つもしくは複数のポリペプチド;および/または(ii)1つもしくは複数の以下の炭水化物依存性マーカー:CanAg(MUC1のグリコフォーム)、Lewis Y/B抗原、Lewis B抗原、シアリルテトラオシル炭水化物、Tn抗原、シアリルTn(sTn)抗原、トムセン-フリーデンライヒ(T,TF)抗原、Lewis Y抗原(CD174としても公知)、シアリルLewis X(sLex)抗原(シアリルSSEA-1(SLX)としても公知)、シアリルLewis A抗原(CA19-9としても公知)、SSEA-1(Lewis X抗原としても公知)、NeuGcGM3(N-グリコリルGM3ガングリオシド)、もしくはその組合せであるか、あるいはそれを含む。一部の実施形態では、検出プローブのセットは、同じ表面バイオマーカーをそれぞれ対象にする2つの検出プローブを含む。一部の実施形態では、検出プローブのセットは、別個の表面バイオマーカーをそれぞれ対象にする2つの検出プローブを含む。
(実施例3)
結腸直腸がんバイオマーカーとしての細胞外小胞におけるmRNA(小胞内mRNA)の査定
【0386】
一部の実施形態では、結腸直腸がんの検出は、細胞外小胞の免疫親和性捕捉後の少なくとも小胞内mRNAの検出を含む。
【0387】
一部の実施形態では、細胞外小胞上に存在する1つまたは複数の表面タンパク質または細胞外膜タンパク質(「捕捉タンパク質」)を、結腸直腸がん関連細胞外小胞の免疫親和性捕捉のために使用することができる。そのような捕捉タンパク質バイオマーカーの例としては、限定されるものではないが、実施例2に記載されるヒト遺伝子によってコードされるポリペプチド、および実施例2に記載される炭水化物依存性マーカーが挙げられ得る。
【0388】
一部の実施形態では、EV核酸検出アッセイ(例えば、プライマー-プローブセットを使用する逆転写PCR)およびバイオマーカー検証プロセス(例えば、本明細書、例えば、実施例1に記載されるもの)を使用して、結腸直腸がんについてのmRNAバイオマーカー候補を査定することができる。一部の実施形態では、捕捉バイオマーカー(例えば、結腸直腸がん関連EVに存在する表面バイオマーカー)を対象にする抗体を、磁気ビーズにコンジュゲートし、必要に応じて、最初に細胞株EV、次いで、患者試料において、特異的標的バイオマーカーに結合するその能力について評価する。抗体コーティングビーズを、結腸直腸がん関連EVを捕捉するその能力について査定し、抗体コーティングビーズによって捕捉されたEVを、それらのmRNA内容物について、例えば、1ステップ定量的逆転写PCR(RT-qPCR)マスターミックスを使用してプロファイリングする。
【0389】
一部の実施形態では、捕捉されたEVは、以下のヒト遺伝子:AGMAT、AGR2、AGR3、ANKS4B、ANO9、AP1M2、ARSE、ASCL2、ATP10B、B3GNT3、BIK、BSPRY、C10orf99、C15orf48、C1orf106、C1orf210、C9orf152、CA12、CBLC、CCL24、CD24、CDCA7、CDH1、CDH17、CDH3、CDHR1、CDHR5、CDX1、CDX2、CEACAM5、CEACAM6、CEACAM7、CFTR、CLDN2、CLDN3、CLDN4、CLDN7、CLRN3、COL17A1、CRB3、CYP2S1、DDC、DPEP1、DSG2、EHF、ELF3、EPCAM、EPHB3、EPS8L3、ERN2、ESRP1、ESRP2、ETV4、EVPL、FA2H、FABP1、FAM3D、FAM83E、FAM84A、FAT1、FERMT1、FOXA2、FOXA3、FOXQ1、FUT2、FUT3、FXYD3、GCNT3、GGT6、GJB1、GJB3、GPA33、GPR160、GPR35、GPX2、GRB7、GUCY2C、HKDC1、HMGCS2、HNF4A、HOXB9、IHH、ITLN1、KCNN4、KIAA1324、KLK1、KRT20、KRT23、KRT8、LGALS4、LGR5、LY6G6D、MEP1A、METTL7B、MISP、MUC13、MUC2、MYB、MYBL2、MYO1A、NOX1、PDZK1IP1、PHGR1、PIGR、PITX1、PKP3、PLAC8、PLEK2、PLS1、POF1B、PPP1R14D、PROM1、PRR15、PRSS8、PTK6、RAB25、RNF128、RNF186、RNF43、S100A14、S100P、SAPCD2、SERPINB5、SLC26A3、SLC39A5、SLC44A4、SLC5A1、SMIM22、SPDEF、ST6GALNAC1、TJP3、TM4SF5、TMC5、TMEM45B、TMPRSS2、TMPRSS4、TNS4、TRABD2A、TRIM15、TRIM31、TSPAN1、TSPAN8、UGT2B17、UGT8、USH1C、VIL1、およびその組合せによってコードされる以下のmRNAバイオマーカーの少なくとも1つ(例えば、1、2、3、またはそれよりも多く)の検出によって読み取ることができる。
【0390】
一部の実施形態では、捕捉されたEVは、少なくとも1つ(例えば、1、2、3、またはそれよりも多く)の小胞内RNAバイオマーカー(例えば、上記に記載されるmRNAバイオマーカー);および少なくとも1つ(例えば、1、2、3、またはそれよりも多く)の表面バイオマーカー(例えば、実施例2に記載される通り)の検出によって読み取ることができる。そのようなバイオマーカーの組合せは、結腸直腸がん特異的である。例えば、一部の実施形態では、小胞内RNAバイオマーカーは、本明細書に記載されるヒト遺伝子によってコードされるmRNA転写物であってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、小胞内RNAバイオマーカーは、マイクロRNAであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、小胞内RNAバイオマーカーは、長鎖ノンコーディングRNAであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、小胞内RNAバイオマーカーは、piwi相互作用RNAであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、小胞内RNAバイオマーカーは、環状RNAであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、小胞内RNAバイオマーカーは、核小体低分子RNAであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。一部の実施形態では、小胞内RNAバイオマーカーは、オーファンノンコーディングRNAはであってもよく、またはそれを含んでいてもよい。
【0391】
一部の実施形態では、捕捉されたEVは、(i)RT-qPCRを使用する本明細書に記載される1つまたは複数(例えば、1、2、3、またはそれよりも多く)の小胞内RNAバイオマーカーの検出によって(「小胞内バイオマーカー検出);および(ii)検出プローブのセット(例えば、本明細書で利用されるおよび/または記載される通り)であって、その少なくとも1つが、実施例2に記載されるEV表面バイオマーカーの1つまたは複数(例えば、1、2、3、またはそれよりも多く)を対象にする、検出プローブのセットを使用することによって(「表面バイオマーカー検出」)、読み取ることができる。一部の実施形態では、小胞内バイオマーカー検出は、表面バイオマーカー検出後に行われる。例えば、一部の実施形態では、小胞内バイオマーカー検出後の捕捉されたEVを、溶解剤と接触させて、検出および分析のための小胞内分析物(例えば、小胞内RNAバイオマーカーを含む)を放出させることができる。
【0392】
表面バイオマーカー検出のための一部の実施形態では、検出プローブのセットは、EV表面バイオマーカーを対象にする少なくとも1つの検出プローブを含む。一部のそのような実施形態では、検出プローブのセットは、同じEV表面バイオマーカー(同じまたは異なるエピトープを有する)を対象にする少なくとも2つの検出プローブを含む。一部のそのような実施形態では、検出プローブのセットは、別個のEV表面バイオマーカーを対象にする少なくとも2つの検出プローブを含む。
【0393】
一部の実施形態では、検出プローブのセットは、EV表面バイオマーカーを対象にする少なくとも1つの検出プローブを含む。一部のそのような実施形態では、検出プローブのセットは、同じEV表面バイオマーカー(同じまたは異なるエピトープを有する)を対象にする少なくとも2つの検出プローブを含む。一部のそのような実施形態では、検出プローブのセットは、別個のEV表面バイオマーカーを対象にする少なくとも2つの検出プローブを含む。一部の実施形態では、EV表面バイオマーカーおよび小胞内mRNAを含む試料を、抗EV表面バイオマーカー親和性剤が、EV表面バイオマーカーに結合する一方で、コンジュゲートされた一本鎖オリゴヌクレオチドが、同じ試料に存在する小胞内mRNAバイオマーカーとハイブリダイズするように、小胞内mRNAバイオマーカー(例えば、実施例3に記載される通り)に対する対の2つのプライマーの1つとして機能する一本鎖オリゴヌクレオチド(例えば、DNA)にコンジュゲートされた抗EV表面バイオマーカー親和性剤(例えば、実施例2に記載されるEV表面バイオマーカーを対象にする抗体)と接触させることができる。次いで、対の第2のプライマーおよびRT-qPCRプローブを添加して単一試料中の小胞内mRNAおよびEV表面バイオマーカーの存在の検出のためにRT-qPCRを行う。
【0394】
一部の実施形態では、捕捉されたEVは、上記に記載される少なくとも1つ(例えば、1、2、3、またはそれよりも多く)のmRNAバイオマーカー;および実施例4に記載される少なくとも1つ(例えば、1、2、3、またはそれよりも多く)のEV小胞内バイオマーカーの検出によって読み取ることができる。一部のそのような実施形態では、捕捉されたEVは、(i)1つまたは複数(例えば、1、2、3、またはそれよりも多く)のmRNAの検出によって;および(ii)検出プローブのセット(例えば、本明細書で利用されるおよび/または記載される通り)であって、その少なくとも1つが、実施例4に記載される1つまたは複数(例えば、1、2、3、またはそれよりも多く)の小胞内バイオマーカーを対象にする、検出プローブのセットを使用することによって、読み取ることができる。一部の実施形態では、検出プローブのセットは、小胞内バイオマーカー(例えば、本明細書に記載される通り)を対象にする少なくとも1つの検出プローブを含む。一部の実施形態では、検出プローブのセットは、同じ小胞内バイオマーカー(例えば、同じエピトープまたは異なるエピトープを有する)をそれぞれ対象にする少なくとも2つの検出プローブを含む。一部の実施形態では、検出プローブのセットは、別個の小胞内バイオマーカー(例えば、本明細書に記載される通り)をそれぞれ対象にする少なくとも2つの検出プローブを含む。一部の実施形態では、EV小胞内バイオマーカーおよび小胞内mRNAを含む試料を、抗EV小胞内バイオマーカー親和性剤が、EV小胞内バイオマーカーに結合する一方で、コンジュゲートされた一本鎖オリゴヌクレオチドが、同じ試料に存在する小胞内mRNAバイオマーカーとハイブリダイズするように、小胞内mRNAバイオマーカー(例えば、実施例4に記載される通り)に対する対の2つのプライマーの1つとして機能する一本鎖オリゴヌクレオチド(例えば、DNA)にコンジュゲートされた抗EV小胞内バイオマーカー親和性剤(例えば、実施例5に記載されるEV小胞内バイオマーカーを対象にする抗体)と接触させることができる。次いで、対の第2のプライマーおよびRT-qPCRプローブを添加して単一試料中の小胞内mRNAおよび小胞内バイオマーカーの存在の検出のためにRT-qPCRを行う。
【0395】
本実施例は、がん細胞株に由来する細胞外小胞における少なくとも1つ(例えば、1、2、3、またはそれよりも多く)の小胞内RNAバイオマーカーの検出のための例示的な方法をさらに実証する。一部の実施形態では、そのような方法は、本明細書に記載される細胞外小胞の免疫親和性捕捉(例えば、表面結合タンパク質、例えば、本明細書に記載される表面バイオマーカーを介した)と、それに続く例えば、逆転写qPCR(RT-qPCR)による小胞内RNAの検出を含む。一部の実施形態では、細胞外小胞は、例えば、一部の実施形態では、抗体官能化固体基材(例えば、磁気ビーズ)を使用する、がん関連表面バイオマーカーによって捕捉される。一部の実施形態では、捕捉された細胞外小胞を、小胞内RNAの検出の前に、溶解して、それらの核酸カーゴを放出させる。一部の実施形態では、小胞内RNAは、mRNAであるか、またはそれを含む。
【0396】
一部の実施形態では、がん(例えば、特定のがん型)が起源の、またはそれと関連する細胞株を選択した。一部の実施形態では、結腸/結腸直腸がん、白血病、黒色腫、卵巣がん、もしくは肉腫(例えば、ラブドイド腫瘍)が起源の、またはそれと関連するそのような細胞株を選択した。一部の実施形態では、G-401、K562、NIH:OVCAR-3、SK-MEL-1、またはT84細胞株を選択した。
【0397】
一部の実施形態では、細胞外小胞を、本明細書に記載される(例えば、実施例1に記載される)方法を介して、条件付け細胞培養培地から精製し、カウントし、免疫親和性捕捉し、洗浄した。
【0398】
それぞれのRT-qPCR反応混合物は、PCR反応混合物(例えば、50%(体積)のLuna One-Step反応ミックス、5%(体積)のLuna WarmStart RT酵素ミックス、5%(体積)のプライマー-TaqManプローブミックス)、ならびに水、捕捉された細胞外小胞、および溶解剤の可変の組合せを含んでいた。RT-qPCRを、例えば、Quant Studio 3において、例えば、55℃で10分間保持、95℃で1分間保持、95℃で5秒間および62℃で15秒間の50サイクル、ならびに標準的な融解曲線を行う、好適なPCRプロトコールで行った。温度変化の速度を、標準(1秒あたり2℃)であるように選択した。すべてのqPCRを、二反復または三反復で行い、ROXを、qPCRシグナルを正規化するためのパッシブ参照として使用した。次いで、データを、Quant Studio 3 machineからダウンロードし、Python 3.7において解析し、プロットした。それぞれの遺伝子についてのプライマーおよびTaqManプローブは、20倍濃度として、Integrated DNA Technologies(IDT)から購入した。
【0399】
最初の実験として、MIF mRNAは、1%のIGEPALで溶解した5e7のバルク細胞外小胞において検出されることを見出した。表1は、異なる細胞株からの100万あたりの転写物(TPM)でのMIF発現を示す。
【0400】
表1: がん細胞株についてのMIF mRNA発現の要約。種々の遺伝子発現を用いるバルク細胞株EVのパネルについてのMIF RT-PCRシグナル(45-Ct)。試料を単一検体において試験し、反応あたり5e7のEVを使用した。
【表1】
【0401】
類似の実験を行って、異なる小胞内RNAバイオマーカーにわたりこのアプローチをさらに実証した。表2は、異なる細胞株由来の5e7のバルク細胞外小胞におけるmRNA転写物の発現レベルを示し、mRNAが、細胞遺伝子発現に依存するレベルで、細胞株EVにおいて検出可能であることを示す。
【0402】
表2: がん細胞株についての4つの異なるmRNA転写物の発現の要約
【表2】
【0403】
加えて、実験を行って、少なくとも1つの小胞内RNAバイオマーカーと少なくとも1つの表面バイオマーカー(例えば、細胞外小胞と関連する表面マーカー)との共局在を検出した。一部の実施形態では、細胞外小胞を、細胞外小胞の表面上に存在する表面バイオマーカーを対象にする抗体官能化ビーズを使用して捕捉する。例えば、本実施例では、EPCAM標的化ビーズを使用して、細胞外小胞を捕捉した。結合した細胞外小胞を溶解し、MIF mRNA含有量を、RT-qPCRを介して定量化した。結果を図9に示す。一部の実施形態では、捕捉のための表面バイオマーカーおよび/または検出のための小胞内RNAバイオマーカーを発現する陽性対照細胞株が選択される(例えば、EPCAM+、MIF+)一方で、捕捉および/または検出のための標的バイオマーカーを発現しない陰性対照発現系が選択される(例えば、EPCAM-、MIF+)。NIH:OVCAR-3を、陽性対照細胞株として選択し、SK-MEL-1を、陰性対照細胞株として選択した。複数の界面活性剤条件も、この実験において査定して、アッセイ性能に対する界面活性剤(例えば、Tween(登録商標)-20)の濃度の効果を査定した。これらのデータは、界面活性剤(例えば、Tween(登録商標)-20)濃度を低減することで、アッセイ性能を改善することができることを示す。特定の理論に縛られることを望まないが、この効果は、Tween(登録商標)-20が膜を透過性にし得るので、細胞外小胞捕捉の間に膜の完全性の保存に起因する可能性があり得る。
【0404】
本実施例は、小胞内RNAをRT-qPCRを介して検出することができることを実証する。特に、本実施例は、細胞外小胞における表面バイオマーカーおよび小胞内RNAの共局在が、表面バイオマーカーを介した免疫親和性捕捉と、それに続く小胞内RNAのRT-qPCR分析によって検出することができることを実証する。
(実施例4)
結腸直腸がんバイオマーカーとしての小胞内バイオマーカーの査定
【0405】
一部の実施形態では、結腸直腸がん検出は、細胞外小胞の免疫親和性捕捉後の少なくとも小胞内タンパク質の検出を含む。
【0406】
一部の実施形態では、細胞外小胞上に存在する1つまたは複数の表面タンパク質または細胞外膜バイオマーカー(「捕捉バイオマーカー」)を、結腸直腸がん関連細胞外小胞の免疫親和性捕捉のために使用することができる。そのような捕捉バイオマーカーの例としては、限定されるものではないが、実施例2に記載されるヒト遺伝子によってコードされるポリペプチド、および実施例2に記載される炭水化物バイオマーカーが挙げられ得る。
【0407】
一部の実施形態では、EVイムノアッセイ方法論(例えば、本明細書、例えば、実施例1に記載されるもの)およびバイオマーカー検証プロセス(例えば、本明細書、例えば、実施例1に記載されるもの)を使用して、結腸直腸がんのためのバイオマーカーとして、小胞内タンパク質を査定することができる。一部の実施形態では、捕捉バイオマーカー(例えば、結腸直腸がん関連EVに存在する表面タンパク質)を対象にする抗体を、磁気ビーズにコンジュゲートし、最初に細胞株EV、次いで、患者試料において、特異的標的タンパク質バイオマーカーに結合するその能力について評価する。抗体コーティングビーズを、結腸直腸がん関連EVを捕捉するその能力について査定し、抗体コーティングビーズによって捕捉されたEVを、標的実体検出システム(例えば、捕捉タンパク質とは別個の標的マーカーをそれぞれ対象にする2つの検出プローブのセットを含む本明細書に記載される二重システム)を使用して、それらの小胞内タンパク質についてプロファイリングする前に、固定および/または透過処理する。
【0408】
一部の実施形態では、固定および/または透過処理後の捕捉されたEVを、以下のヒト遺伝子:AGMAT、AGR2、AGR3、ANKS4B、AP1M2、ARSE、ASCL2、BSPRY、C10orf99、C15orf48、C1orf106、C9orf152、CBLC、CCL24、CDCA7、CDX1、CDX2、DDC、DSG2、EHF、ELF3、EPS8L3、ESRP1、ESRP2、ETV4、EVPL、FABP1、FAM3D、FAM83E、FAM84A、FERMT1、FOXA2、FOXA3、FOXQ1、GPX2、GRB7、HKDC1、HMGCS2、HNF4A、HOXB9、KCNN4、KLK1、KRT20、KRT23、KRT8、LGALS4、METTL7B、MISP、MUC2、MYB、MYBL2、MYO1A、PHGR1、PITX1、PKP3、PLAC8、PLEK2、PLS1、PPP1R14D、PRR15、PTK6、S100A14、S100P、SAPCD2、SERPINB5、SPDEF、TRIM15、TRIM31、USH1C、VIL1、もしくはその組合せによってコードされるポリペプチドであるか、またはそれを含む、少なくとも1つ(例えば、1、2、3、またはそれよりも多く)の小胞内バイオマーカーを使用して読み取ることができる。一部の実施形態では、本明細書に記載される小胞内バイオマーカーは、少なくとも1つの翻訳後改変を含んでいてもよい。一部の実施形態では、固定および/または透過処理後の捕捉されたEVは、その少なくとも2つが、上記に記載される1つまたは複数(例えば、1、2、3、またはそれよりも多く)の小胞内バイオマーカーを対象にする検出プローブのセット(例えば、本明細書で利用されるおよび/または記載される通り)を使用して読み取ることができる。一部の実施形態では、検出プローブのセットは、同じ小胞内バイオマーカーをそれぞれ対象にする2つの検出プローブを含む。一部の実施形態では、検出プローブのセットは、別個の小胞内バイオマーカーをそれぞれ対象にする2つの検出プローブを含む。
【0409】
一部の実施形態では、固定および/または透過処理後の捕捉されたEVは、(i)上記に記載される少なくとも1つ(例えば、1、2、3、またはそれよりも多く)の小胞内マーカー;および(ii)実施例2に記載される少なくとも1つ(例えば、1、2、3、またはそれよりも多く)のEV表面バイオマーカーを使用して読み取ることができる。一部の実施形態では、固定および/または透過処理後の捕捉されたEVは、検出プローブのセット(例えば、本明細書で利用されるおよび/または記載される通り)であって、(i)上記に記載される1つまたは複数(例えば、1、2、3、またはそれよりも多く)の小胞内マーカーを対象にする第1の検出プローブ;および(ii)実施例2に記載される1つまたは複数(例えば、1、2、3、またはそれよりも多く)のEV表面バイオマーカーを対象にする第2の検出プローブを含む、検出プローブのセットを使用して読み取ることができる。一部の実施形態では、固定および/または透過処理後の捕捉されたEVは、上記の実施例3に記載されるように、単一試料中で一緒にEV小胞内マーカーおよびEV小胞内mRNAを検出することによって、読み取ることができる。
(実施例5)
結腸直腸がんリキッドバイオプシーアッセイの開発
【0410】
本実施例は、例えば、遺伝的リスクおよび平均リスクの個体をスクリーニングするための、結腸直腸がんリキッドバイオプシーアッセイの開発を記載する。結腸直腸がんの診断のための大腸内視鏡検査の成功にもかかわらず、臨床的有用性を提供する2つの特色:(1)偽陽性の数を最小化する非常に高い特異度(>99.5%)、および(2)予後が最も好ましいステージIおよびII結腸直腸がんについて高い感度(>40%)を示し得る、血液からの非侵襲的な結腸直腸がんスクリーニング検査を開発することが望ましくあり得る。そのような検査の開発は、毎年、何万人のもの命を救う可能性を有する。
【0411】
循環腫瘍DNA(ctDNA)、循環腫瘍細胞(CTC)、バルクタンパク質、および細胞外小胞(EV)を含むいくつかの異なるバイオマーカークラスが、結腸直腸がんリキッドバイオプシーアッセイのために研究されている。EVは、ctDNAおよびCTCと比べて、血流におけるそれらの存在量および安定性に起因して特に有望であり、初期がんについての改善された感度を示唆する。また、EVは、同じ細胞が起源のカーゴ(例えば、タンパク質、RNA、代謝産物)を含有し、バルクタンパク質の測定を上回る優れた特異度を提供する。診断有用性EVが研究されているが、この作業の多くは、バルクEV測定またはロースループット単一EV分析に関している。
【0412】
この本実施例は、ヒト血漿における個々の細胞外小胞(EV)のプロファイリングにより、初期結腸直腸がん検出のための例示的なアプローチの一態様を記載する。エキソソームおよび微小小胞体を含むEVは、それらの起源の細胞を表す共局在タンパク質、RNA、代謝産物、および他の化合物を含有する(Kosaka et al., 2019;本明細書に記載される目的のために、参照により本明細書に組み込まれる)。単一EV内での戦略的に選択された共局在マーカーの検出は、がん細胞を正常な組織から識別する能力を含む、非常に高い特異度で、細胞型の同定を可能にし得る。血液に入るバイオマーカー(すなわち、cfDNA)に対する細胞死に依拠する他のがん診断アプローチとは逆に、EVは、細胞を機能させることによって、高率で放出される。単一細胞は、in vitroで1日あたり10,000程度の多くのEVを放出することが示されている(Balaj et al., 2011;本明細書に記載される目的のために、参照により本明細書に組み込まれる)。加えて、がん細胞が、健康な細胞よりも高率でEVを放出することが広く認められている(Bebelman et al. 2018;本明細書に記載される目的のために、参照により本明細書に組み込まれる)。
【0413】
一態様では、本開示は、出願人の独占所有権があるバイオインフォマティクスバイオマーカー発見プロセスを使用して、健康な組織に対して結腸直腸がんにおいて上方調節される遺伝子の同定を含む洞察および技術を提供する。上方調節されるバイオマーカーのリストから、結腸直腸がんに対して高い感度および特異度を示すと予測されるバイオマーカーの組合せを設計する。例示的な個々のEVアッセイ(例えば、図1もしくは2に例示されるおよび/または本明細書に記載されるものを参照されたい)を使用して、個々の小胞におけるそのようなバイオマーカーの共局在が検出され得、バイオマーカーのグルーピングが、同じ細胞が起源であったことを示す。これは、多くの上方調節されたがんバイオマーカーが1つまたは複数の健康な組織によって発現されることを考慮すると、バルクEVアッセイを含むバルクバイオマーカー測定よりも優れた特異度を提供する。バイオマーカーの組合せの注意深い設計により、結腸直腸がんに密接に関連するものを含む競合する組織からのシグナルを、低減または排除することができる。一部の実施形態では、本開示は、疾患の有病率が低く、高い陽性予測値(>10%)が必要とされる、結腸直腸がんスクリーニング検査として特に有益である非常に高い特異度を有する技術を提供する(Seltzer et al., 1995;本明細書に記載される目的のために、参照により本明細書に組み込まれる)。
バイオマーカー発見
【0414】
一部の実施形態では、バイオマーカー発見プロセスは、大きなデータベースのバイオインフォマティクス分析ならびに結腸直腸がんおよび細胞外小胞の生態の理解を活用する。
個々の細胞外小胞分析
【0415】
血液における腫瘍由来EVの検出は、多様な範囲の健康な組織からの10億のEVのバックグラウンドにおいて血漿1ミリリットルあたり比較的少ない腫瘍由来EVを検出するために、十分な選択性および感度を有するアッセイを必要とする。本開示は、数ある中でも、この課題に対処する技術を提供する。例えば、一部の実施形態では、個々の細胞外小胞分析のためのアッセイは、図1に図示され、これは、下記に概要を述べる3つの重要なステップで行われる:
1.EVを、可溶性タンパク質および他の干渉性化合物の99%超を除去するサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を使用して、患者血漿から精製する。
2.腫瘍特異的EVを、膜関連表面バイオマーカーに特異的な抗体官能化磁気ビーズを使用して捕捉する。
3.近接ライゲーション-免疫定量的ポリメラーゼ連鎖反応(pliq-PCR)の改変バージョンを行って、捕捉されたEV上またはその内に含有される追加のバイオマーカーの共局在を決定する。
【0416】
pliq-PCRアッセイの改変バージョンの多くの実施形態では、2つまたはそれよりも多くの異なる抗体-オリゴヌクレオチドコンジュゲートを、抗体官能化磁気ビーズによって捕捉されたEVに添加し、抗体は、その後、それらのバイオマーカー標的に結合する。オリゴヌクレオチドは、相補的である一本鎖オーバーハングを有するdsDNAから構成され、そのため、近接した場合に(すなわち、対応するバイオマーカー標的が同じEV上に位置する場合に)、ハイブリダイズすることができる。未結合抗体-オリゴヌクレオチド種を洗い流した後、隣接して結合した抗体-オリゴヌクレオチド種を、標準的なDNAリガーゼ反応を使用してライゲーションする。ライゲーションされた鋳型鎖のその後のqPCRは、共局在バイオマーカー種の検出および相対的定量化を可能にする。一部の実施形態では、2~20の別個の抗体-オリゴヌクレオチドプローブを、例えば、両方とも任意の目的のためにそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれる、両方とも2020年2月28日に出願され、「標的実体の検出のためのシステム、組成物、および方法」という名称の米国特許出願第16/805,637号(US2020/0299780号として公開;US11,085,089号として発行)、および国際出願PCT/US2020/020529号(WO2020180741号として公開)に記載されるように、そのようなアッセイに組み込むことができる。
【0417】
pliq-PCRは、EVをプロファイリングするための他の技術を上回る多数の利点を有する。例えば、pliq-PCRは、他の標準的なイムノアッセイ、例えば、ELISAよりも3桁高い感度を有する(Darmanis et al., 2010;これは、本明細書に記載される目的のために、参照により本明細書に組み込まれる)。十分に最適化されたpliq-PCR反応の非常に低いLODは、1mLあたり1000のEVまで下がる痕跡レベルの腫瘍由来EVの検出を可能にする。これは、それぞれ、約10および約10EVのLODが報告されている(Shao et al., 2018;これは、本明細書に記載される目的のために、参照により本明細書に組み込まれる)、Nanoplasmic Exosome (nPLEX)センサー(Im et al., 2014;これは、本明細書に記載される目的のために、参照により本明細書に組み込まれる)およびIntegrated Magnetic-Electrochemical Exosome(iMEX)センサー(Jeong et al., 2016;これは、本明細書に記載される目的のために、参照により本明細書に組み込まれる)を含む、他の新たに出現したEV分析技術とも有利に匹敵する。また、一部の実施形態では、pliq-PCRアプローチの改変バージョンは、煩雑な設備を必要とせず、個々のEV上の複数のバイオマーカーの共局在を固有に検出することができる。
【0418】
一部の実施形態では、個々のEVプロファイリングアッセイの感度および特異度をさらに改善するために、他のクラスのEVバイオマーカーは、mRNAおよび小胞内タンパク質(EV表面バイオマーカーに加えて)を含み、それをアッセイで同定することができ、アッセイに含めることができる。
予備的作業
【0419】
予備的研究により、バイオマーカー候補がEVに存在し、市販の抗体またはmRNAプライマー-プローブセットによって検出することができることを検証するワークフローを開発した。目的の所与のバイオマーカーについて、目的のバイオマーカーを発現する(陽性対照)および発現しない(陰性対照)1つまたは複数の細胞株を培養して、それらの細胞培養培地を濃縮し、目的のサイズ範囲を有するナノ粒子を単離するための精製(例えば、SECを使用する)を行うことにより、それらのEVを回収することができる。典型的には、細胞外小胞は、30nm~数マイクロメートルの直径の範囲であってもよい。例えば、本明細書に記載される目的のために、参照により本明細書に組み込まれるChuo et al., "Imaging extracellular vesicles: current and emerging methods" Journal of Biomedical Sciences 25: 91 (2018)を参照されたく、これは、異なる細胞外小胞(EV)サブタイプについてのサイズの情報:ミグラソーム(0.5~3μm)、微小小胞体(0.1~1μm)、オンコソーム(1~10μm)、エキソマー(<50nm)、小エキソソーム(60~80nm)、および大エキソソーム(90~120nm)を提供する。一部の実施形態では、約30nm~1000nmのサイズ範囲を有するナノ粒子を、検出アッセイのために単離し得る。一部の実施形態では、特異的EVサブタイプを、検出アッセイのために単離し得る。
【0420】
結腸直腸がんの検出のための例示的な単一EVプロファイルアッセイ(例えば、本明細書に記載されるもの)の性能をさらに改善するために、一部の実施形態では、膜結合タンパク質および小胞内mRNA/タンパク質を含む追加のバイオマーカー候補を同定することができる。
【0421】
一部の実施形態では、バルク中の精製された細胞株EVを使用するEV-mRNA検出の実行可能性が本出願人によって既に実証された。膜結合タンパク質マーカーの免疫親和性捕捉により、このアプローチは、2つの共局在バイオマーカーの検出を可能にする。また、免疫親和性捕捉の直後に、RT-qPCRを行うことができるので、EV-mRNA検出はより簡単なプロトコールを必要とする。一部の実施形態では、EVを使用するmRNA検出は、捕捉プローブ(例えば、本明細書に記載される通り)を使用してEVを捕捉すること、および特定の結腸直腸がんmRNAバイオマーカーを検出することによって行うことができる。捕捉プローブマーカーおよび結腸直腸がんmRNAバイオマーカーの両方を発現するEVが選択的に検出される。
(実施例6)
バイオインフォマティクスで同定されたバイオマーカーおよびバイオマーカーの組合せ
【0422】
本実施例は、結腸直腸がん診断に有用であり得るある特定のバイオマーカーおよびバイオマーカーの組合せの同定のための例示的なバイオインフォマティクス駆動アプローチを示す。
バイオインフォマティクスのフィルタリング
【0423】
Genotype-Tissue Expression(GTEx)データベース(例えば、正常な組織遺伝子発現についての一次データ源)およびCancer Genome Atlas(TCGA)データベース(例えば、がん組織遺伝子発現についての一次データ源)に集められた55,000よりも多くの転写物がある。結腸直腸がんの検出に有用であるバイオマーカーを同定するために、2つのフィルタリングステップをデータに適用した。
【0424】
一部の実施形態では、UniProtフィルターを使用した。バイオマーカータンパク質が膜と会合していることが見出された証拠を含む、有効なUniProtエントリーを有するバイオマーカーを、分析において考慮した(例えば、膜と会合している証拠がないタンパク質を、必要に応じて、フィルタリングで除いた)。そのようなフィルタリングステップは、必要に応じて、目的の異なる膜または提供される証拠の信頼度のレベルの間を識別し得る。
【0425】
一部の実施形態では、Vesiclepediaフィルターを使用した。Vesiclepedia(細胞外小胞刊行物のリポジトリー)を、結果をフィルタリングするために使用した。Vesiclepediaは、それぞれの遺伝子について公開されたEVの数の関連参考文献をリストしている(例えば、Entrez)。これらの参考文献を、EV中またはEV上の所与のバイオマーカーの存在についての代理として使用した。EV関連刊行物が所与のバイオマーカーについて存在しない場合には、実際のEVバイオマーカーである可能性が低く、そのため、さらなる考慮のためのバイオマーカーのリストからフィルタリングした。
最小発現および差別化フィルタリング
【0426】
一部の実施形態では、バイオマーカーの最小発現レベルを考慮する。低いバイオマーカー発現は、確率的ノイズを生じ、強固なシグナル検出を、困難かつ信頼不可能なものにし得る。この課題を克服するために、以下の発現フィルターのうちの1つまたは複数(そのすべてを含む)を適用した。特定の実施形態では、4つの発現フィルターを適用した。
目的のがんにおける最小発現
【0427】
一部の実施形態では、示差的遺伝子発現プロファイルを有する可能性があるサブタイプの発見についての余地を残しながら、最小数の試料を使用して、目的のがんにおいて検出可能であった発現レベルを示した。このフィルターを達成するために、一部の実施形態では、目的のTCGAがん(例えば、結腸直腸がん)における遺伝子発現の80パーセンタイルを計算し、一部の実施形態では、80パーセンタイルで>15の100万あたりの転写物(TPM)値を有するバイオマーカーを考慮した。
最小発現関連細胞株
【0428】
一部の実施形態では、バイオインフォマティクスで予測されたバイオマーカーに対する抗体を試験するために、陽性対照細胞株を利用した。一部の実施形態では、>1000の細胞株プロファイルを含有するCancer Cell Line Encyclopedia(CCLE)遺伝子発現セットを利用して、バイオマーカーリストを、目的のバイオマーカーを発現する細胞株が存在するものに低減した。一部の実施形態では、がん特異的細胞株にわたるそれぞれのバイオマーカーについての発現の90パーセンタイルを計算し、一部の実施形態では、90パーセンタイルで>15のTPMを有するバイオマーカーを考慮した。
タンパク質レベルでの目的のがんにおける最小発現
【0429】
発現されるすべての遺伝子が、最終的にタンパク質に翻訳されるわけではないことを当業者は理解するであろう。したがって、一部の実施形態では、Clinical Proteomic Tumor Analysis Consortium(CPTAC)からの質量分析データを利用して、タンパク質発現遺伝子をフィルタリングした。一部の実施形態では、10超のスペクトルカウントを有するバイオマーカーを、発現されていると考慮した。
正常な組織に対する最小差別化
【0430】
一部の実施形態では、本明細書に記載されるアッセイは、同じ細胞外小胞上に、少なくとも2つのバイオマーカー、一部の実施形態では、少なくとも3つのバイオマーカーの共発現を必要とすることによって、優れた特異度を達成した。正常な組織の単純な示差的遺伝子発現は、多すぎる偽陰性値を生じた。代わりに、一部の実施形態では、バイオマーカーシグネチャーは、それらが追加の識別力(例えば、高度に組織特異的および/または高度にがん特異的)を提供する他のバイオマーカーと対形成した場合にのみ、複数の組織型において高度に発現されたバイオマーカーを含み得るバイオマーカーの組合せを含む。しかしながら、そのような分析は、遍在発現され、したがって、識別バイオマーカーとして必ずしも有用ではなかったGAPDHなどのハウスキーピング遺伝子を捕捉することができた。そのようなマーカーを除去するために、一部の実施形態では、所与のバイオマーカーについてGTExにおけるがん性組織(例えば、結腸直腸がん)およびあらゆる組織型を比較するzスコアを計算した。一部の実施形態では、少なくとも1つの正常組織型において、80パーセンタイルで5のzスコアを有するバイオマーカーを選択した(例えば、少なくとも1つの正常な組織をバイオマーカー候補によって明確に除外した)。
シミュレーションおよび確率的サンプリング
【0431】
少なくとも2つまたはそれよりも多く(例えば、少なくとも3つまたはそれよりも多くを含む)のバイオマーカーを含むバイオマーカーシグネチャー候補またはバイオマーカーの組合せ候補の識別力は、正常な対象(例えば、結腸直腸がんを有しないと決定された対象)におけるそのようなバイオマーカーシグネチャー候補の発現をシミュレーションすること、およびそれをがん対象のものと比較することによって決定することができる。少なくとも2つおよび少なくとも3つのバイオマーカーの組合せを、フィルタリングされたバイオマーカーセットに基づいて作成した。プロファイリングされた組織によって生じたEVの数を推定するEVスコアを、所与の組合せにおいてすべてのマーカーのTPM値を掛けることによって、所与の組合せについて計算した。
【0432】
正常な対象の集団をシミュレーションするために、5000人の「健康な個体」からの5000の血漿試料のコホートを作出した。個々の試料を、GTExデータベースにおける54の組織のそれぞれから組織試料を無作為に選択すること、および健康な個体に基づくそれぞれの器官のグラムでの推定重量を用いて、発現された遺伝子のTPM値を掛けることによって作出した。次いで、EVスコアを、全組織で、個体について合計して、個体をシミュレーションした。次いで、EVスコアを、シミュレーションされた個体について全組織で合計した。健康なコホートに加えて、「がん個体」からの5000試料を、TCGAから無作為に選択された結腸直腸がん(例えば、結腸直腸腺癌)試料のEVスコアを加える追加のステップを伴うが、「健康な」プール作成技術を繰り返すこと、1g、10g、または100gの腫瘍に対応して試料に1、10、または100を掛けることによって作出した。「健康」および「がん」個体のこれら2つの試料プールを使用して、99%の特異度で、それぞれのバイオマーカーの組合せ候補の感度を計算した。次いで、この測定基準を使用して、バイオマーカーの組合せ候補をランク付けした。
【0433】
最初のバイオマーカーシグネチャー選択のために、一部の実施形態では、3つのバイオマーカーの100万の組合せを無作為にサンプリングし、一部の実施形態では、100gの腫瘍、ならびにがんおよび健康プールのそれぞれにおいて1000人の個体を使用してシミュレーションを実施した。一部の実施形態では、次いで、バイオマーカーの組合せを、99%の特異度で、それらの感度値に基づいてランク付けした。一部の実施形態では、次いで、単一バイオマーカーを、組合せリストにおけるそれらのランクのトップ0.5パーセンタイルに基づいてランク付けした。
(実施例7)
バイオインフォマティクスで同定されたバイオマーカーおよびバイオマーカーの組合せと当技術分野において公知の経路との相関
【0434】
本実施例は、ある特定のバイオインフォマティクスで予測されたバイオマーカーと公開された遺伝子経路との間の重複の決定のための遺伝子セットエンリッチメント解析を記載する。当業者は、ある特定のケースでは、単一遺伝子のリストを適切に解釈することが困難であり得ることを認識するであろう。幸いにも、例えば、同じ生化学経路または現象の構成要素であるタンパク質をコードする遺伝子のリストなどの遺伝子の機能性リストを提供するリソースがある。バイオインフォマティクスで同定されたバイオマーカーのリストを公知の遺伝子セットおよび生化学経路と比較することで、構造をバイオマーカーのリストに与えることができる。
【0435】
表3は、Broad Institute製のMolecular Signature Database Category 2 - Cannonical pathways(v.7.4.)においてすべての遺伝子セットと比較した場合の、ある特定のバイオインフォマティクスで同定されたバイオマーカーのエンリッチメント解析を示す。このデータベースは、リソースのなかでも、KEGG、Biocarta、およびReactomeのデータを含む。それぞれのp値は、カイ二乗検定の結果であり、ある特定のバイオインフォマティクスで同定されたバイオマーカーのリストを有する特定の遺伝子セットを、MSigDB C2-CPデータベース中のすべての遺伝子のバックグラウンドに対して比較する。バイオマーカーを、最大の重複で1位にランク付けし、一部の実施形態では、0.05の名目上のp値との重複を考慮した。
【0436】
表3は、バイオインフォマティクスで同定されたバイオマーカーのリストにおいてエンリッチされたある特定の分子経路を示し、複数の検定についての補正後、いくつかの分子経路が、0.05未満の偽発見率(FDR)を示した。そのような分子経路は、生物学的主題を、ある特定のバイオインフォマティクスで同定されたバイオマーカーに提供する。
表3 - ある特定のバイオインフォマティクスで同定されたバイオマーカーのエンリッチメント解析
【表3-1】
【表3-2】
【表3-3】
【表3-4】
(実施例8)
バイオインフォマティクスで同定されたバイオマーカーおよびバイオマーカーの組合せと臨床共変量および公知の体細胞突然変異ドライバーとの相関。
【0437】
本実施例は、公知の結腸直腸がん臨床共変量とある特定のバイオインフォマティクスで予測されたバイオマーカーとの間の潜在的な関連、および公知の結腸直腸がん突然変異ドライバーとある特定のバイオインフォマティクスで予測されたバイオマーカーとの間の潜在的な関連を示す。
【0438】
一部の実施形態では、1つまたは複数の臨床共変量を、ある特定のバイオインフォマティクスで同定されたバイオマーカーの遺伝子発現に加えて考慮した。そのような解析は、病期分類、リンパ節転移、マイクロサテライト不安定性(MSI)などを含む潜在的なサブグループに対する指標を提供するのに有用であり得る。
【0439】
一部の実施形態では、臨床共変量は、リンパ節転移(例えば、n0、n1、n2)、がんステージ、および/または結腸ポリープ歴を含んでいた。一部の実施形態では、がんステージは、ステージI、ステージII、ステージIII、またはステージIVがんを含んでいた。
【0440】
この臨床共変量解析は、TCGA試料内で任意の強いエンリッチメントを同定せず、ある特定のバイオインフォマティクスで同定されたバイオマーカーの組合せが、特定の臨床共変量にかかわらず、結腸直腸がん試料(例えば、結腸直腸腺癌試料)を同定するために特に有用であり得ることを実証した(データは示さない)。
【0441】
一部の実施形態では、ある特定のバイオインフォマティクスで同定されたバイオマーカーの遺伝子発現に加えて、1つまたは複数の体細胞突然変異ドライバー(例えば、突然変異および変化プロファイルのコピー数を含む)を考慮した。例えば、結腸直腸がんのある特定の主要な公知の突然変異ドライバーとしては、限定されるものではないが、TP53、SMAD4、PIK3CA、KRAS、APCにおける突然変異、またはその組合せが挙げられる。これらのドライバーのそれぞれについて、がん関連突然変異としては、コピー数変化(CNA;例えば、限定されるものではないが、増幅および/または欠失を含む)、および/または突然変異(例えば、限定されるものではないが、インフレーム突然変異、ミスセンス突然変異、スプライス、および/または短縮突然変異を含む)が挙げられ得る。クラスタリング解析を、結腸直腸がんのバイオインフォマティクスで予測されたバイオマーカー、バイオマーカーの組合せ、およびある特定の主要な突然変異ドライバーの間の関連を同定するために行った。
【0442】
この突然変異ドライバー解析は、TCGA試料内で任意の強いエンリッチメントを同定せず、ある特定のバイオインフォマティクスで予測されたバイオマーカーおよび/またはバイオマーカーの組合せが、特定の突然変異ドライバーにかかわらず、結腸直腸がん試料(例えば、結腸直腸腺癌試料)を同定するために特に有用であり得ることを実証した(データは示さない)。
(実施例9)
本明細書に記載される標的実体検出システムのための捕捉プローブおよび/または検出プローブのための標的としてのある特定の表面バイオマーカーおよびその組合せの査定
【0443】
本実施例は、本明細書に記載されるアッセイにおける使用のため(例えば、結腸直腸がん、例えば、一部の実施形態では、結腸直腸腺癌の検出のため)の表面バイオマーカーの例示的な特徴付けを記載する。一部の実施形態では、表面バイオマーカーを、本明細書に記載されるアッセイの捕捉プローブのための標的として査定した。一部の実施形態では、表面バイオマーカーを、本明細書に記載されるアッセイの検出プローブのための標的として査定した。
【0444】
表面バイオマーカーを本明細書に記載されるアッセイの捕捉プローブのための標的として査定したこの実施例では、目的の特定の表面バイオマーカーに結合する標的捕捉部分(例えば、一部の実施形態では、抗体剤)を、固体基材上に固定化して、捕捉プローブを形成した。次いで、捕捉プローブを、選択された細胞株からの条件付け培地に添加して、(i)細胞外小胞を含む目的のサイズ範囲(例えば、約30nm~約1000nm)を有する、および(ii)それらの表面上に目的の特定の表面バイオマーカーを有する、ナノ粒子を捕捉した。次いで、細胞外小胞を含んでいた捕捉されたナノ粒子を、標準的なエキソソームマーカーをそれぞれ対象とする検出プローブのセット(本明細書に記載される通り)によって読み取った。例えば、CD63、CD81、およびCD9は、複数の組織および細胞株において高度に発現される標準的なエキソソームマーカーである(例えば、参照により本明細書に組み込まれるBobrie et al., Journal of extracellular vesicles 1.1, 2012を参照されたい)。非条件付け培地(例えば、細胞外小胞を含む目的のサイズ範囲(例えば、約30nm~約1000nm)を有するナノ粒子を含有しない緩衝液または培地)を、陰性対照として使用した。
【0445】
表面バイオマーカーを本明細書に記載されるアッセイの検出プローブのための標的として査定したこの実施例では、標準的なエキソソームマーカー(例えば、一部の実施形態では、CD63またはCD81)に結合する標的捕捉部分(例えば、一部の実施形態では、抗体剤)を、固体基材上に固定化して、捕捉プローブを形成した。次いで、捕捉プローブを、選択された細胞株からの条件付け培地に添加して、(i)細胞外小胞を含む目的のサイズ範囲(例えば、約30nm~約1000nm)を有する、および(ii)それらの表面上に目的の特定のバイオマーカーを有する、ナノ粒子を捕捉した。次いで、細胞外小胞を含んでいた捕捉されたナノ粒子を、目的の特定の表面バイオマーカーをそれぞれ対象とする検出プローブのセット(本明細書に記載される通り)によって読み取った。非条件付け培地(例えば、細胞外小胞を含む目的のサイズ範囲(例えば、約30nm~約1000nm)を有するナノ粒子を含有しない緩衝液または培地)を、陰性対照として使用した。
【0446】
一部の実施形態では、目的の標的バイオマーカーを発現する陽性細胞株を選択する一方で、目的の標的バイオマーカーを発現しない陰性細胞株を選択する。一部の実施形態では、特定のがん型が起源の、またはそれと関連するそのような陽性および陰性細胞株を選択する。一部の実施形態では、乳がん、結腸/結腸直腸がん、肺がん、リンパ腫、卵巣がん、膵臓がん、肉腫(例えば、ラブドイド腫瘍)、もしくは皮膚がんが起源の、またはそれと関連するそのような細胞株を選択した。一部の実施形態では、A549、AsPC-1、AU565、BT-20、BxPC-3、COLO 201、COR-L95、COV413A、COV644、G-401、HCC4006、HCT 116、HT-1080、HT-29、MCF7、NCI-H146、NCI-H1781、NCI-H1819、NCI-H441、NCI-H520、NIH:OVCAR-3、OVKATE、SK-MEL-1、SK-MES-1、SK-OV-3、SU-DHL-1、またはSW 900細胞株を選択した。
【0447】
表4は、捕捉プローブのための標的として個々にアッセイされたある特定の表面バイオマーカーについての絶対およびデルタCt値を示す。Ct値を、qPCRから読み、ここで、数値は、PCRサイクルの数に対応する(すなわち、より高い値は、より低いシグナルを示す)。CD63、CD81、またはCD9を、検出プローブのための標的として使用した。表4に示されるように、ある特定の表面バイオマーカーは、本明細書に記載されるアッセイにおける捕捉プローブのための標的として特に有用であり得る。例えば、高いデルタCt値(例えば、3超、4超、5超、またはそれよりも高いを含んで、例えば、2超のデルタCt値)を有する表面バイオマーカーは、捕捉プローブのための標的として特に有用であり得る。同様に、そのような特徴は、捕捉プローブとして特に有用である標的捕捉部分の同定においても有益であり得る。一部の実施形態では、表面バイオマーカーMUC1および他のムチン(例えば、MUC4およびMUC16)は、捕捉プローブのための特に有用な標的である。一部の実施形態では、グリコシル化を含む表面バイオマーカー、例えば、sTn抗原、sLex抗原は、捕捉プローブのための特に有用な標的である。
【0448】
表4 - 捕捉プローブのための標的として個々のある特定の表面バイオマーカーの特徴付け。dCt:陽性細胞株と陰性細胞株との間のデルタCt; abs Ct: 絶対Ct; (+): 陽性細胞株; (-): 陰性細胞株。
【表4】
【0449】
表5は、検出プローブのための標的として個々にアッセイされたある特定の表面バイオマーカーについての絶対およびデルタCt値を示す。Ct値を、qPCRから読み、ここで、数値は、PCRサイクルの数に対応する(すなわち、より高い値は、より低いシグナルを示す)。CD63またはCD81を、捕捉プローブのための標的として使用した。表5に示されるように、ある特定の表面バイオマーカーは、本明細書に記載されるアッセイにおける検出プローブのための標的として特に有用であり得る。例えば、高いデルタCt値(例えば、3超、4超、5超、またはそれよりも高いを含んで、例えば、2超のデルタCt値)を有する表面バイオマーカーは、検出プローブのための標的として特に有用であり得る。同様に、そのような特徴は、検出プローブとして特に有用である標的捕捉部分の同定においても有益であり得る。一部の実施形態では、表5に示される表面バイオマーカーを、検出プローブのための標的として使用することができる。
【0450】
表5 - 検出プローブのための標的として個々の標的バイオマーカーについてのスクリーニング。dCt:陽性細胞株と陰性細胞株との間のデルタCt; abs Ct: 絶対Ct; (+): 陽性細胞株; (-): 陰性細胞株。
【表5】
【0451】
それぞれの標準的なエキソソームマーカーは、エキソソーム(例えば、特異的試料に由来するエキソソーム)にわたる発現レベルが変わり得るので、複数の標準的なエキソソームマーカーを、本明細書に示されるそれぞれの表面バイオマーカーの特徴付けのために使用した。例えば、ある特定のエキソソームは、高レベルのCD63を発現し得るが、CD81もしくはCD9ではそうではなく、または逆もまた同様であり得る。したがって、表4および5に示されるように、Ct値は、所与の表面バイオマーカーについて、標準的なエキソソームマーカー間で変わり得る。
【0452】
一部の実施形態では、ある特定の表面バイオマーカーを、本明細書に記載されるアッセイの捕捉プローブ(例えば、本明細書に記載される通り)のための標的として、および検出プローブ(本明細書に記載される通り)のための標的として、組合せにおいて特徴付けた。例えば、表面バイオマーカーのBCAP31およびEPCAMを含むバイオマーカーの組合せは、BCAP31が、捕捉プローブのための標的であり、EPCAMが、検出プローブのための標的である組合せ;およびまた、EPCAMが、捕捉プローブのための標的であり、BCAP31が、検出プローブのための標的である組合せを包含する。そのような2つのバイオマーカーの組合せは、結腸直腸がん(例えば、一部の実施形態では、結腸直腸腺癌)の検出のために有用であり得る。
【0453】
本実施例では、図8に示されるある特定のバイオマーカーの組合せを、結腸直腸がん特異的細胞株において査定した。そのようなバイオマーカーの組合せは、少なくとも2つの表面バイオマーカーを含み、これは、(BCAP31、EPCAM)、(BCAP31、LeX抗原)、(BCAP31、sLex抗原)、(CDH1、sTn抗原)、(CEACAM5、LeX抗原)、(CEACAM5、LEY抗原)、(CEACAM5、sLex抗原)、(CEACAM5、sTn抗原)、(CEACAM5、T抗原)、(CEACAM6、LeX抗原)、(CEACAM6、LEY抗原)、(CEACAM6、sLex抗原)、(CEACAM6、sTn抗原)、(EPCAM、LeX抗原)、(EPCAM、sLex抗原)、(LeX抗原、LeX抗原)、(LeX抗原、sLex抗原)、(LEY抗原、MET)、(LEY抗原、sLex抗原)、(LEY抗原、sTn抗原)、(LEY抗原、TNFRSF10B)、(sLex抗原、sTn抗原)、(ERBB2、MUC5A)、(DLL4、ITGAV)、(ERBB2、ITGAV)、(ITGAV、MUC5A)、および(DLL4、MUC5A)である。一部の実施形態では、バイオマーカーの組合せの特徴付けのために利用される結腸直腸がん特異的細胞株は、結腸直腸腺癌が起源であったか、またはそれと関連した。一部の実施形態では、バイオマーカーの組合せの特徴付けのために利用される結腸直腸がん特異的細胞株は、T84であった。
【0454】
図8は、結腸直腸がん特異的細胞株および陰性対照群(例えば、細胞外小胞なし)におけるある特定の2つのバイオマーカーの組合せの特徴付けからのCt値を示す。Ct値を、qPCRから読み、ここで、数値は、PCRサイクルの数に対応する(すなわち、より高い値は、より低いシグナルを示す)。図8に示されるように、ある特定の2つのバイオマーカーの組合せは、結腸直腸がんの検出のために特に有用であり得る。例えば、結腸直腸がん特異的細胞株と陰性対照群との間の高いデルタCt値(例えば、3超、4超、5超、またはそれよりも高いを含んで、例えば、2超のデルタCt値)を有する表面バイオマーカーは、結腸直腸がんの検出のために特に有用であり得る。一部の実施形態では、図8に示されるバイオマーカーの組合せは、結腸直腸がんの検出のために有用であり得る。
引用された参考文献
【化1】
均等物
【0455】
当業者は、ルーチンを超えない実験を使用して、本明細書に記載される本発明の具体的な実施形態に対する多くの均等物を認識するか、またはそれを確認することができるであろう。他に指示されない限り、または矛盾もしくは不一致が生じるであろうことが当業者に明らかでない限り、本発明は、列挙された請求項のうちの一項または複数の項からの1つまたは複数の限定、要素、項目、記述用語などが、同じ基礎請求項(または、関連する任意の他の請求項として)に従属する別の請求項に導入される、すべての変形形態、組合せ、および置換を包含することが理解されるべきである。さらに、具体的な除外が本明細書に挙げられているかどうかにかかわらず、本発明の任意の実施形態または態様は、特許請求の範囲から明らかに除外され得ることも理解されるべきである。本発明の範囲は、上記の記載に限定されることを意図するものではなく、むしろ続く特許請求の範囲に示される通りである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8-1】
図8-2】
図8-3】
図8-4】
図8-5】
図9
【国際調査報告】