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特表2024-529922振り子及び回転可能な基板保持部を備えた基板走査装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-14
(54)【発明の名称】振り子及び回転可能な基板保持部を備えた基板走査装置
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/20 20060101AFI20240806BHJP
   H01L 21/68 20060101ALI20240806BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
G03F7/20 501
H01L21/68 F
H01L21/68 K
H01L21/304 645A
H01L21/304 648A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503632
(86)(22)【出願日】2022-07-20
(85)【翻訳文提出日】2024-03-18
(86)【国際出願番号】 US2022037757
(87)【国際公開番号】W WO2023003974
(87)【国際公開日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】17/381,743
(32)【優先日】2021-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508151552
【氏名又は名称】ティーイーエル マニュファクチュアリング アンド エンジニアリング オブ アメリカ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】シーフェリング,ケヴィン
(72)【発明者】
【氏名】グルエンハーゲン,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】グウィン,マシュー
【テーマコード(参考)】
2H197
5F131
5F157
【Fターム(参考)】
2H197AA29
2H197CD12
2H197CD18
2H197CD35
2H197CD41
5F131AA02
5F131BA13
5F131CA21
5F131DA33
5F131DA42
5F131EA02
5F131EA24
5F157AB02
5F157AB33
5F157AB90
5F157AB96
5F157BG12
5F157BG85
5F157DB02
5F157DB37
5F157DC51
(57)【要約】
基板を走査する方法は、処理チャンバ内で基板を基板保持部に固定するステップと、第1回転ドライブと第2回転ドライブを同期駆動して、基板を当該基板上の局在化スポットに合焦された処理装置に相対的に移動させることにより、平行なラスタパターンのパスを実行するステップと、を含み、第1回転ドライブは、振り子アームの近位端に結合されており、かつ、第2回転ドライブは、振り子アームの遠位端及び基板保持部に載置されている。パスの最中に、第1回転ドライブを駆動することは、局在化スポットが基板上にある間に、振り子アームを第1円弧運動により、パスの第1部分にわたり移動させ、次いで、局在化スポットが基板上にある間に、振り子アームを反対向きの第2円弧運動により、パスの第2部分にわたり移動させるステップ、を含んでいる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を走査する方法であって、
基板を処理チャンバ内の基板保持部に固定するステップと、
前記基板を前記基板上の局在化スポットに合焦された処理装置に相対的に移動させるように、第1回転ドライブと第2回転ドライブとを同期的に駆動することにより、平行なラスタパターンの第1パスを実行するステップであり、
前記第1回転ドライブは、振り子アームの近位端に結合されており、かつ、前記第2回転ドライブは、前記振り子アームの遠位端で、前記基板保持部に載置されている、
ステップと、を含み、
前記第1パスの最中に、前記第1回転ドライブを駆動することは、
前記局在化スポットが前記基板上にある間に、前記第1パスの第1部分にわたり前記振り子アームを第1円弧運動により移動させること、および、
次いで、前記局在化スポットが前記基板上にある間に、前記第1パスの第2部分にわたり前記振り子アームを反対向きの第2円弧運動により移動させること、を含んでいる、
方法。
【請求項2】
枢動点が、前記基板の中心にある、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、さらに、
前記第1回転ドライブと前記第2回転ドライブを同期的に駆動することにより、前記平行なラスタパターンの第2パスを実行するステップであり、
前記第2パスは、前記第1パスに平行であり、かつ、前記基板の中心を通る、
ステップ、を含み、
前記第2パスの最中に、前記第1回転ドライブを駆動することは、
前記第2パスの最中に、前記振り子アームを1個の連続した円弧運動により移動させること、を含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
枢動点が、前記基板の中心から、前記基板の最大寸法の半分未満のオフセット距離だけ、第1方向にずれている、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記方法は、さらに、
前記局在化スポットが前記基板の少なくとも半分を通過するように、前記第1回転ドライブと前記第2回転ドライブとを同期的に駆動することにより、前記平行なラスタパターンの後続する第2パスを実行するステップと、
前記基板の中心から、前記オフセット距離だけ、前記第1方向とは反対向きの第2方向にずれているように、前記枢動点をシフトするステップと、
前記局在化スポットが前記基板の全領域を通過するように、前記第1回転ドライブと前記第2回転ドライブとを同期的に駆動することにより、前記平行なラスタパターンの後続する第3パスを実行するステップと、
含んでいる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記枢動点をシフトするステップが、
前記基板を、前記基板保持部から持ち上げること、
前記基板を、前記基板保持部に相対的に、新たな位置まで180度回転させること、および、
前記基板を、前記基板保持部の前記新たな位置で固定すること、
を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記枢動点をシフトするステップが、
前記基板を、前記枢動点に相対的に、並進させること、
を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記方法は、さらに、
前記第1回転ドライブと前記第2回転ドライブとを同期的に駆動することによって、前記平行なラスタパターンの第2パスを実行するステップ、を含み、
位置特化処理装置が、前記振り子アームの前記近位端から異なる距離に配置された第1静的処理ノズル及び第2静的処理ノズルを含み、
前記第2パスが、前記第1パスと平行であり、
前記基板が、前記第1パスの最中に、前記第1静的処理ノズルを用いて処理され、かつ、
前記基板が、前記第2パスの最中に、前記第2静的処理ノズルを用いて処理される、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記方法は、さらに、
前記第1回転ドライブと前記第2回転ドライブとを同期的に駆動することにより、前記平行なラスタパターンの第2パスを実行するステップ、を含み、
位置特化処理装置が、前記振り子アームの前記近位端から異なる2個以上の距離の間を並進可能な単一の処理ノズルを含み、
前記第2パスが、前記第1パスと平行であり
前記基板が、前記第1パスの最中に、前記近位端に相対的に第1位置にある前記単一の処理ノズルを用いて処理され、かつ、
前記基板が、前記第2パスの最中に、前記近位端に相対的に第2位置にある前記単一の処理ノズルを用いて処理される、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
真空チャンバと、
前記真空チャンバ内に配置された振り子アームの近位端に結合された第1回転ドライブと、
前記振り子アームの遠位端に載置されているため、前記遠位端と共に移動する第2回転ドライブと、
前記真空チャンバ内に配置されていて、前記第2回転ドライブに枢動点で結合された基板保持部と、
前記第1回転ドライブ及び前記第2回転ドライブに結合されたコントローラであり、
前記第1回転ドライブと前記第2回転ドライブを同期駆動して、固定された位置特化処理装置により、前記基板保持部上に平行なラスタパターンをトレースさせるように構成されている、コントローラと、
を含む、システム。
【請求項11】
前記第1回転ドライブが、前記真空チャンバの外部に配置されており、回転フィードスルー軸を介して、前記振り子アームの前記近位端に結合されている、
請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記枢動点が、基板の中心にある、
請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記位置特化処理装置が、前記振り子アームの前記近位端から異なる距離に配置された、2個以上の静的処理ノズルを含む、
請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記位置特化処理装置が、前記振り子アームの前記近位端から異なる2個以上の距離の間を並進可能な、単一の処理ノズルを含む、
請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記システムは、さらに、
前記基板保持部に配置されており、前記基板保持部から基板を持ち上げて、前記基板を前記基板保持部に相対的に新たな位置まで180度回転させるように構成された、リフト機構を含む、
請求項10に記載のシステム。
【請求項16】
前記システムは、さらに、
前記枢動点に結合されたアクチュエータを含み、
前記アクチュエータが、前記枢動点に相対的に基板を並進させることにより、前記枢動点をシフトするように構成されている、
請求項10に記載のシステム。
【請求項17】
処理チャンバと、
前記処理チャンバ内に配置されており、近位端及び遠位端を含んでいる振り子アームであり、
前記近位端が、前記近位端を中心とする円弧運動により、前記振り子アームを移動させるように構成された第1回転ドライブに結合されている、振り子アームと、
前記処理チャンバ内に配置されており、基板保持部の中心から、前記基板保持部の外半径よりも小さいオフセット距離だけ第1方向にずれた枢動点で、第2回転ドライブに結合された、基板保持部と、を含み、
前記第2回転ドライブが、前記振り子アームの前記遠位端に載置されており、前記振り子アームの円弧運動と同期的に、前記枢動点の回りに前記基板保持部を回転させて、前記基板保持部を、位置特化処理装置に相対的に横方向に移動させる、ように構成されている、
装置。
【請求項18】
前記基板保持部の平面内で測定された前記処理チャンバの主要寸法が、前記振り子アームの長さ、前記オフセット距離、及び、前記基板保持部の外半径の合計に実質的に等しい、
請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記装置は、さらに、
前記基板保持部に配置されており、前記基板保持部から基板を持ち上げて、前記基板を前記基板保持部に相対的に新たな位置まで180度回転させるように構成された、リフト機構を含む、
請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記装置は、さらに、
前記枢動点に結合されたアクチュエータを含み、
前記アクチュエータが、基板を前記枢動点に相対的に並進させることにより、前記枢動点をシフトするように構成されている、
請求項17に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年7月21日出願の米国非仮特許出願第17/381,743号について優先権を主張するものであり、その全文を引用により本明細書に取り込んでいる。
【0002】
本発明は、一般的に、基板走査に関し、特定の実施形態においては、振り子アームの遠位端に取り付けられた回転可能な基板保持部を含む基板を走査する装置、システム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
マイクロエレクトロニクスのワークピース内での素子形成は、一般的に、基板上での多数の材料層の形成、パターニング、及び除去を含む、一連の製造技術を必要とする。多くの基板処理技術は、基板全体を同時に処理するのではなく、基板の選択された部分で実行される。例えば、基板の表面を、当該基板表面よりもはるかに小さいスポットに局在化すべく合焦されたビームに露光することができる。基板走査装置は、基板の位置に特化した処理を施すべく、基板の一部又は全体にわたりラスタパターン(すなわち、走査パターン)で基板又は処理装置を移動させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特徴サイズが小さくなり、且つ、特徴密度が高くなるに従い、基板走査装置は、処理中の基板の位置合わせに際して、益々高い精度及び柔軟性を有していなければならない。様々な2次元走査機構が可能である。しかし、従来の機構は、かさばり、且つ、占有面積が基板サイズよりもはるかに大きい。これらの機構は、処理中に基板と同一の真空環境に置かれる場合が多いため、より大型且つ高価な真空チャンバを必要とする。より小型な従来の機構では、繊細な加法又は減法的位置特化処理に必要な精度を実現できない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態によれば、基板を走査する方法は、処理チャンバ内で基板を基板保持部に固定するステップと、第1回転ドライブと第2回転ドライブを同期駆動して基板を当該基板上の局在化スポットに合焦された処理装置に相対的に移動させることにより平行なラスタパターンの第1パスを実行するステップとを含み、第1回転ドライブは振り子アームの近位端に結合されていて、第2回転ドライブは振り子アームの遠位端及び基板保持部に載置されている。第1パスの最中に、第1回転ドライブを駆動するステップは、局在化スポットが基板上にある間に振り子アームを第1円弧運動により第1パスの第1部分にわたり移動させ、次いで、局在化スポットが基板上にある間に振り子アームを反対向きの第2円弧運動により第1パスの第2部分にわたり移動させるステップを含んでいる。
【0006】
本発明の別の実施形態によれば、システムは、真空チャンバと、真空チャンバ内に配置された振り子アームの近位端に結合された第1回転ドライブと、振り子アームの遠位端に載置されていることにより遠位端と共に移動する第2回転ドライブと、真空チャンバ内に配置されていて枢動点で第2回転ドライブに結合された基板保持部と、第1回転ドライブ及び第2回転ドライブに結合されたコントローラとを含んでいる。コントローラは、第1回転ドライブと第2回転ドライブを同期駆動して、静止位置特化処理装置により基板保持部上で平行なラスタパターンをトレースさせるべく構成されている。
【0007】
本発明の更に別の実施形態によれば、装置は、処理チャンバと、処理チャンバ内に配置された振り子アームと、基板保持部とを含んでいる。振り子アームは、近位端及び遠位端を含んでいる。近位端は、第1回転ドライブに結合されている。第1回転ドライブは、近位端を中心とする円弧運動により振り子アームを移動させるべく構成されている。基板保持部は、処理チャンバ内に配置されていて、且つ基板保持部の中心から基板保持部の外半径よりも小さいオフセット距離だけ第1方向にずれた枢動点で第2回転ドライブに結合されている。第2回転ドライブは、振り子アームの遠位端に載置されていて、基板保持部を振り子アームの円弧運動と同期的に枢動点の回りに回転させて基板保持部を位置特化処理装置に相対的に横方向に移動させるべく構成されている。
【0008】
本発明及びその利点をより完全に理解されるよう、添付図面と合わせて以下の説明を参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態による、振り子アームの遠位端に取り付けられた回転ドライブを含む基板走査装置を、上面から見た3個の模式図を示す。
図2】本発明の一実施形態による、振り子アームの遠位端に取り付けられた回転ドライブを含む基板走査装置を、上面から見た更なる3個の模式図を示す。
図3】本発明の一実施形態による、基板上に重ね合わされた平行なラスタパターンの上面図を示す。
図4】本発明の一実施形態による、振り子アームと基板の動きの模式図を示す。
図5】本発明の一実施形態による、静止位置特化処理装置に相対的な基板の動きの幾何学図を示す。
図6】本発明の一実施形態による、2個以上の静的処理ノズルを含む基板走査装置を、上面から見た模式図を示す。
図7】本発明の一実施形態による、並進処理ノズルを含む基板走査装置を、上面から見た模式図を示す。
図8】本発明の一実施形態による、振り子アームの遠位端に取り付けられた回転ドライブと、基板の中心からずれた枢動点で回転ドライブに取り付けられた基板とを含む基板走査装置を、上面から見た3個の模式図を示す
図9】本発明の一実施形態による、振り子アームの遠位端に取り付けられた回転ドライブと、基板の中心からずれた枢動点で回転ドライブに取り付けられた基板とを含む基板走査装置を、上面から見た更に3個の模式図を示す。
図10】本発明の一実施形態による、基板保持部から基板を持ち上げて180°回転させる基板走査処理を示す。
図11A】本発明の一実施形態による、基板を枢動点に相対的に直線並進させることにより、回転可能な基板の枢動点をシフトする基板走査処理を示す。
図11B】本発明の一実施形態による、基板を枢動点に相対的に回転並進させることにより、回転可能な基板の枢動点をシフトする基板走査処理を示す。
図12】本発明の一実施形態による、基板走査装置を側面から見た模式図を示す。
図13】本発明の一実施形態による、基板走査システムを側面から見た模式図を示す。
図14】本発明の一実施形態による、基板の走査方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
異なる図面の対応する数字及び記号は、別途指示しない限り、一般的に、対応する部分を指す。各図面は、複数の実施形態の関連する態様を明確に示すために描かれており、必ずしも定縮尺で描かれている訳ではない。図各面で描かれた特徴のエッジは、必ずしも当該特徴の範囲の終端を示すものではない。
【0011】
各種の実施形態の作成及び使用について、以下に詳細に述べる。しかし、本明細書に記述する各種の実施形態が、広範様な特定の状況に適用可能であることを理解されたい。記述する具体的な実施形態は、各種の実施形態の作成及び使用する具体的な仕方を図示するものに過ぎず、限定された範囲に解釈すべきではない。
【0012】
1次元方向にのみ走査する基板走査処理も可能であるが、以下の記述は、特に、少なくとも2次元方向に走査する基板処理技術に関する。例えば、処理装置は、所定の時点で(例えば、合焦ビームを用いて)基板の選択された部分(例えば、小領域)のみに影響を与えるべく、構成されていてよい。基板は、処理装置に相対的に横方向に(例えば、ノズルにより生成されたビームに垂直な面内で)移動(すなわち、走査)されてよい。このように、基板の位置特化処理が実現される。
【0013】
基板走査装置を用いて基板の位置特化処理を行うことができる。基板走査装置は、また、集積フォトニクス及び微小電気機械システム(MEMS)等の他の用途だけでなく、撮像(例:走査電子顕微鏡(SEM)及び原子間力顕微鏡(AFM)、等)にも用いられてよい。
【0014】
位置特化処理は、エッチング、剥離、洗浄、粒子除去、堆積、及びイオン注入、等の様々な基板処理技術に適用できる。例えば、位置特化処理は、ガスクラスタイオンビーム(GCIB)処理に有利に適用できる。位置特化処理が有利に適用される、別の、例えば基板の一部だけをエッチングすべく構成された、プラズマエッチング処理がある。位置特化処理の他の用途として、流体又はガスの流れを利用する洗浄処理が含まれる。位置特化処理は、基板の選択された領域に追加又は削減する量を高い精度で有利に調整可能にする。
【0015】
位置特化処理は、GCIB処理に用いられてよい。例えば、GCIB処理ステップの最中に、粒子ビームで基板(例:ウェハ)を貫通走査して、基板表面を粒子ビームに均一に露光させることができる。粒子ビームは、数千~数個の原子/分子(モノマーも)のクラスタの広い分布を含んでいる。粒子ビームの断面は、通常、基板表面の面積に比べて小さい。従って、GCIB処理の最中に、基板走査装置を用いて、基板表面の一部又は基板表面全体を粒子ビームに露光させることができる。GCIB源(例:ノズル)を移動させるのではなく、基板の方を、機械的に静止ビームを通過させて、大電流イオンビームの静電走査中にスポットのサイズ及び形状を制御する際の問題を回避することができる。
【0016】
GCIB処理に使用されるような従来の基板走査装置は、基板側に配置される場合もある大型の機構を有している。例えば、基板は、一端で保持されて、基板の動きを駆動する回転軸から、比較的遠くに張り出していてよい。これら大型の機構は、基板を含む大型の真空チャンバ内に配置されている場合が多い。このような大型チャンバには、小型チャンバと比較して、いくつかの短所がある。大型チャンバは、本質的に、製造コストがより高い。これらは、より大型且つ高価なポンプを必要とする。チャンバのサイズが大きいほど、ツールの設置面積が大きくなり、且つ、ツールの重量が増加する。これらは、マルチチャンバクラスタツール内でウェハを搬送するために、より複雑な自動化スキームを必要とする。チャンバサイズが大きいほど、同じクラスタツール内で、より小型の真空チャンバを利用する他の処理技術と一体化することも困難になる。
【0017】
ラスタパターンも、また、異なる走査機構間で異なり得る。スパイラルラスタパターン、等のいくつかのラスタパターンは、走査機構のサイズを小さくすることにより、チャンバサイズを小さくすることができる。例えば、基板を直線経路に沿って移動させるのとは対照的に、いくつかの基板走査装置の設計で、円弧運動を用いて、円弧に沿って基板を移動させることができる。円弧運動を基板の回転と組み合わせて、基板の一端から中心まで移動しながら、且つ、必要ならば、円弧運動の方向を反転して、基板の同じ側まで戻るか又は回転する基板の中心を通り過ぎて、反対側に進みながら、処理された領域に、スパイラルラスタパターンを効果的に形成することができる。
【0018】
スパイラルラスタパターンに起因して、円弧運動の角速度により制御される横方向の速度を、基板全体にわたり滞留時間を均等にすべく、基板の中心が局在化された処理領域(例:ノズルにより生成された基板表面上のスポット)に向かうに従い、上昇させる。しかし、完全に均等な滞留時間を実現するには、中心を通過する際の角速度を無限大にする必要がある。従って、効果的に制御を行うには、スパイラルラスタパターンに対して、現実的な角速度の上限を設けなければならない。その結果、基板の他の領域と比較して、基板の中心及び近傍での滞留時間が長くなるため、中心で、望ましくない過剰処理が生じ、加法又は減法処理のために高い精度が要求されるいかなる処理でもうまく機能しない。
【0019】
以下の複数の実施形態は、基板の円弧運動を用いて可能になったチャンバサイズの縮小と合わせて、走査機構の大型化による処理精度の向上を有利に実現する。
【0020】
以下に提示する複数の実施形態は、基板走査、特に、振り子アームの遠位端に取り付けられた回転可能な基板保持部を含む、基板走査を行う様々なシステム、装置、及び方法について記述する。以下の記述で、これら複数の実施形態を説明する。図1、2を用いて、一実施形態の基板走査装置を説明する。図3を用いて、一実施形態の平行なラスタパターンを説明する。図4を用いて、一実施形態の基板走査装置の振り子アームの動きの一例を説明する。図5を用いて、一実施形態の基板走査装置の幾何学図を説明する。図6、7を用いて、異なるノズル構成を有する2個の実施形態の基板走査装置を説明する。図8、9を用いて、別の実施形態の基板走査装置を説明する。図10、11A、11Bを用いて、別々の2ステップで基板全体を走査する3個の実施形態の基板走査処理を説明する。図12を用いて、一実施形態の基板走査装置の側面図を示して説明する。図13を用いて、一実施形態の基板走査システムを説明する。図14を用いて、一実施形態の基板走査方法を説明する。
【0021】
図1に、本発明の一実施形態による、振り子アームの遠位端に取り付けられた回転ドライブを含む基板走査装置を上面から見た3個の模式図を示す。
【0022】
図1を参照するに、基板走査装置100は、処理チャンバ110内に配置された基板101を含んでいる。振り子アーム125も、また、処理チャンバ110内に少なくとも部分的に配置されている。振り子アーム125は、近位端123及び遠位端124を含んでいる。近位端123は、第1回転ドライブ121に結合されている。第1回転ドライブは、振り子アーム125の近位端123を中心とする円弧運動150で振り子アーム125を移動させるべく構成されている。
【0023】
基板101は、枢動点127で第2回転ドライブ122に結合されている。いくつかの実施形態において、枢動点127は、(図示するように)基板101の中心105にある。他の実施形態において、枢動点127は基板、101の中心105からずれている。第2回転ドライブ122は、振り子アーム125の遠位端124に載置されていて、振り子アーム125の円弧運動150と同期的に、基板101を(例えば、基板保持部を介して)枢動点127の回りに回転させて、基板101を位置特化装置に相対的に横方向に移動させるべく構成されている。
【0024】
(位置特化処理装置又はラスタ撮像装置、等の)位置特化装置は、基板101上の局在化スポット109に合焦されている。基板101を走査することにより、局在化スポット109を用いる基板101の位置特化処理を行うステップが可能になる。しかし、基板の走査は、また、例えば、撮像技術、等の他の様々な技術に用いられてもよい。撮像等の用途において、処理チャンバ110は、単に、走査チャンバと呼ばれる場合があるが、走査機構が処理チャンバに含まれる場合、説明目的で、処理チャンバを走査チャンバとみなす場合があることに注意されたい。
【0025】
振り子アーム125の円弧運動150と、遠位端124における基板101の回転155との組み合わせは、有利なことに、基板101で局在化スポット109を高精度に制御すること、及び、基板101の表面全体への完全なアクセスを可能にする。例えば、本明細書に記述する実施形態には、基板を正確に走査すること(すなわち、直線135等の平行な経路に沿った走査)を可能にするという利点がある。任意のパターンが可能であるが、平行な直線又は実質的に直線を含む線形走査が、滞留時間、及び、露光領域のサイズと形状の両方において、向上した一貫性、並びに、位置に対するより正確な微細制御、等、多くの理由から望ましい場合がある。図1に示す3個の模式図は、基板走査装置100が、基板101の中心105を通る直線135の全領域に到達する能力を示している。
【0026】
図示するように、局在化スポット109は、基板101の中心105の真上を通過してよいが、これは必須ではない。例えば、局在化スポット109をスポットサイズの半分だけシフトすることにより、真上を通過しなくても、中心105を均一に露出させることもできる。このような構成を、例えば、図3に示している。局在化スポット109は、また、所定の用途の具体的内容に応じて、振り子アーム125の近位端123から遠ざけるか又は近づけてもよい。第1回転ドライブ121及び第2回転ドライブ122に相対的な局在化スポット109の位置は、走査機構に求められる動きの範囲及び基板全体を走査する能力に影響を及ぼし得る。
【0027】
上述のように、基板101は、基板保持部(簡潔のために特定の図では示していない)に固定されていてよい。基板保持部は、任意の適当なサイズであってよいが、別途記述しない限り、基板101と実質的に同延であると仮定してよい。更に、別途記述しない限り、基板101の中心105は、基板保持部の中心である。
【0028】
基板101は、露出表面の走査が望まれる任意の適当な基板(又は、空の基板保持部)であってよい。各種の実施形態において、基板101は、ウェハであって、一実施形態においては、シリコンウェハである。より可能性のある基板としてフラットパネルディスプレイ、フォトリソグラフィマスク、等が含まれる。多くの基板は、円形であるが、基板101が円形であること、又は、ほぼ円形であることさえ必須ではない。例えば、基板101は、円形、正方形、長方形、又は不規則な形状を含む、他のあらゆる所望の形状であってよい。
【0029】
各種の実施形態において、処理チャンバ110は、周囲の大気圧よりも低い圧力を維持できる真空チャンバである。いくつかの実施形態において、処理チャンバ110は、高真空環境を維持すべく構成されていて、一実施形態においては、超高真空を維持すべく構成されている。多くの用途で真空を保持するステップが有利な場合が多いが、処理チャンバ110が一定のレベルの真空を保持する能力に制限はない。しかし、本明細書に記述する複数の実施形態は、有利なことに、走査機構のコンパクトさ及び内部構成により、当該実施形態の処理チャンバの密閉性を向上させると共に、当該実施形態の基板走査装置の動作中の清潔さを向上させることができる。
【0030】
一実施形態においては、振り子アーム125の全体が、処理チャンバ110内に配置されている。他の複数の実施形態においては、振り子アーム125の一部が、処理チャンバ110へのフィードスルーを通過してよい。振り子アーム125は、基板101の半径(又は、非円形基板の最大寸法の半分)よりも長い。図示するように、振り子アーム125が小型であることから、従来のかさばる走査機構と比較して、処理チャンバ110が必要とする占有面積を有利に減少させることができる。いくつかの用途において、(例えば、制御性を向上させる、又は、基板での角速度を低下させるべく)振り子アーム125の長さを伸ばしてよい。しかし、振り子アーム125の円弧運動150と基板101の回転155の組み合わせにより、占有面積を依然として比較的小さく保つことができる。
【0031】
図2に、本発明の一実施形態による、振り子アームの遠位端に取り付けられた回転ドライブを含む基板走査装置を上面から見た、更に3個の模式図を示す。図2の模式図は、図1を用いて上で述べたものと同様の構成の異なるビューで示している。これらの異なるビューは、更に、当該構成が基板の全ての領域に到達する能力を示している。同様にラベル付けされた要素は先に述べた通りである。
【0032】
図2を参照するに、基板走査装置200は、基板101の向きを示すガイド線236と共に示す基板101を含んでいる。以降の説明を簡潔及び明快にすべく、パターン[x00]に付随する要素が各種の実施形態における基板走査装置の関連する実装例であってよい表記を採用していることに注意されたい。例えば、基板走査装置200は、別途言明しない限り基板走査装置100と同様であってよい。また、上述の付番体系と合わせて、明快さのために、類似の用語を用いて、他の要素についても同様の表記を採用している。
【0033】
ガイド線236は、円弧運動及び回転システムの基板101の表面全体へのマッピングを視覚化するのに役立つ。例えば、基板101は、局在化スポット109が基板101の端に来るか、又は、端から外れるまで、円弧運動150により、振るステップがある。基板101が円弧を横断する間、局在化スポット109は、基板101を中心105から端まで連続的に露光する。経路上の任意の点で円弧運動150を停止させるステップができ、基板101の任意の点に到達すべく、基板101を回転155させることができる。
【0034】
図3に、本発明の一実施形態による、基板上に重ね合わされた平行なラスタパターンの上面図を示す。図3の基板は、例えば、図1の基板101、等の本明細書に記述する他の基板の特定の実装例であってよい。
【0035】
図3を参照するに、平行なラスタパターン330が基板300の上に重ねられた状態で示されており、当該パターンが基板300全体をどのように覆うかを示している。平行なラスタパターン330は、全体として、走査対象である基板300の領域全体を覆う一連の平行パスを含んでいる。使用できる特定のパターンに制限は無いが、いくつかの実施形態において、平行なラスタパターンは、図示するように、基板300の一方の側から他方の側に伸長する一連の平行な直線(又は、ほぼ直線)を含む線形ラスタパターンである。基板300の一方の側から他方の側に伸長する平行なラスタパターン330の各区間は、パス333と称する場合がある。平行なラスタパターン330は、(図示するように)基板300を覆う間は方向を変えなくてもよい。厳密な要件ではないが、これは、走査中の基板300の極めて一貫した露光を保証するという利点があり得る。
【0036】
平行なラスタパターンのこの特定の実装例において、平行なラスタパターン330の各連続パスは、先行パスとは逆方向に移動する。例えば、第1パス331は、図示するように、左から右へ走査され、第2パス332は、右から左へ走査されてよく、以下、同様である。平行なラスタパターン330は、経路の終点から開始されてよいが、途中の任意の点から開始されてもよい(例えば、後述のように、基板の半分を一度に走査する場合)。また、平行なラスタパターン330は、スポットサイズが有限(多くの場合、ガウシアン)であるため、基板300の中心305を直接通過しても、しなくてもよいことに注意されたい。
【0037】
平行なラスタパターン330は、基板300全体を覆うように図示及び記述しているが、部分的に覆うだけでなく、部分的な処理も可能である。例えば、基板300の特定の領域だけを処理すべく、処理装置をパターンのいくつかの部分で停止してよい。同様に、基板の様々な部分における処理を基板の他の部分に比べて変化させるべく、基板処理のパラメータ(例:強度、持続時間、等)を走査中にリアルタイムで変更してよい。いくつかのケース(例えば、処理を要する基板上の複数の位置がグループされたか、又は、基板の全面積の比較的小さい部分を表す場合)において部分的なラスタパターンが用いてよい。
【0038】
組み合わせて行う走査が基板の一部しか走査しない状態で処理パラメータを動的に変化させる上述の能力は、有利なことに、(例えば、修正可能な欠陥があると特定された、又は、基板の他の部分を損傷することなく処理する必要がある)基板の特定の領域に狙いを定めた処理を可能にし得る。
【0039】
図4に、本発明の一実施形態による、振り子アームと基板の動きの模式図を示す。図4の基板の模式図は、例えば、図1の基板101、等、本明細書に記述する他の基板の特定の構成を表していてよい。同様にラベル付けされた要素は、先に述べた通りであってよい。
【0040】
図4を参照するに、模式図400は、円弧運動及び回転の様々な位置にある基板101を示している。模式図400は、基板101の中心405を通らない中心から外れた直線437を辿った際に、基板101及び振り子アーム125が、どのように動くかを示している。これまでと同様に、基板101は、振り子アーム125の遠位端に結合されている。中心405を通る直線435が、中心から外れたより太い直線437及び太い矢印と共に描かれていて、基板101が回転する向きを示している。
【0041】
図示する最も低い位置で、局在化スポット109は、中心からずれた直線437上の基板101の縁にある。振り子アーム125の位置により、反時計回りに22.2°の第1回転456が生じて、中心から外れた直線437の終端を局在化スポット109に移動させる。振り子アーム125上の基板101が、第1円弧運動451により、局在化スポット109に向かって移動すると、基板101は、角速度を増しながら反時計回りに回転し続ける。例えば、2個の上側位置の間で、基板101は、小さい(ほぼ)直線運動434を行うに過ぎないが、第2回転457は、大きい角運動438により生じる。
【0042】
上側位置において、局在化スポット109は、中心から外れた直線437の中点439にある。当該点において、円弧運動又は基板の回転の一方が同じ方向で継続できる一方で、他方も同じ方向で継続することができる。円弧運動が当該点を過ぎて継続する場合、回転は、瞬時に停止して、反対方向に回転しなければならない。円弧運動は、中点409に近づくに従い、自然に遅くなるのに対して、回転運動は、円弧運動の減少を補って一定の走査速度を維持するため、これは、代替策よりもはるかに現実的でない恐れがある。
【0043】
結果的に、中心を通過しない平行なラスタパターンの各パスの最中に、円弧運動の方向を変えるステップが有利な場合がある。中心を直接通過する走査により、円弧運動と回転の両方が、各々の方向を維持できるようになる。従って、振り子アーム125は、中心から外れた直線に沿った直線パスを完了すべく、中点439で方向を変えて第2円弧運動452に追随してよい。説明を明快にすべく、基板101はパスの後半を移動するようには示していない。中心から外れた直線437は中心405に極めて近いため、基板101の戻り運動は、かなり対称的である。第2円弧運動452を対称であるように示しているが、これは、非対称であるため近似に過ぎないことに注意されたい。実際、パスが中心405から離れているほど、戻り移動の対称性が低下する。
【0044】
また、円弧運動の方向を変えることは、基板101の半分だけを処理すればよい場合、処理チャンバに要する占有面積が縮小するという、更なる利点を有する場合がある。図10、11A、及び11Bを参照しながら説明するように、同様に、限られた占有面積で基板全体を走査できる構成がある。
【0045】
基板の直径407は、原点から離れるのに必要な円弧運動の範囲に影響を及ぼす。例えば図示する比例関係は150mmの基板半径(300mmの基板直径407)と250mmの振り子アーム125のものである。所与の用途での具体的な比率は、加速度及び速度の制限、処理チャンバの所望又は要求される占有面積、及び処理を要する基板の範囲等、様々な要因に依存する場合がある。一般的に、振り子アームの長さが長いほど円弧運動に必要な角度範囲が小さくなってある次元での占有面積は小さくなるが、振り子アームの伸長に起因して他の次元での占有面積が増大する。
【0046】
本明細書では、走査機構が基板のあらゆる部分に到達して、直線からなるラスタパターンをトレースアウトする能力に注目しているが、本明細書に記述する複数の基板走査実施形態を用いれば、任意のラスタパターンが可能であることに注意されたい。例えば、本明細書に記述する基板走査方法、装置、及びシステムでは、等しく、所与の用途に望まれるように、曲線を含むか又は任意のパターンをトレースアウトする、ラスタパターンを生成可能である。すなわち、ツール占有面積の減少及び精度の向上等、振り子アームを回転可能な基板と組み合わせることで得られる利点は、他のラスタパターンにも等しく適用可能である。
【0047】
図5に、本発明の一実施形態による、静止位置特化処理装置に相対的な基板の動きの幾何学図を示す。図5の基板の幾何学図は、例えば、図1の基板101等、本明細書に記述する他の基板の特定の構成を表すことができる。同様にラベル付けされた要素は、先に述べた通りであってよい。
【0048】
図5を参照するに、幾何学図500は、半径Rの大円の縁にある位置を中心とする基板101を示している。半径Rは、振り子アームの長さである。同様に、半径Rは、基、板の半径である。同図は、点(r,α)を(0,0)の局在化スポット109に移動させるのに必要な円弧運動φと回転θの角度を示している。
【0049】
φは、二等辺三角形の頂角であるため、θ-α=φ/2である。走査したい点の座標(r,α)が既知であると仮定すれば、φ=2arcsin(r/R/2)から回転φを決定し、次いで、先の式を用いて、円弧運動θを解くことができる。例えば、図4の最も低い位置において、(r,α)=(150mm,4.8°)且つR=250mmであるため、φ=34.9°(且つθ=22.2°となる。
【0050】
図4を参照しながら記述するように、基板の角加速度及び速度は、枢動点の中心に近いが通らないが、複数の線の中点付近で劇的に増加する。多くの用途では、これは、問題とならない。しかし、いくつかの用途では、特に、スポットサイズが小さい場合、このような高い角加速度と速度を管理するステップが困難な場合がある。図6~10、11A、11Bは、この潜在的な問題に対処する各種の実施形態を示している。
【0051】
図6に、本発明の一実施形態による、2個以上の静的処理ノズルを含む基板走査装置を上面から見た模式図を示す。図6の基板走査装置は、例えば、図1の基板走査装置等、本明細書に記述する他の基板走査装置の特定の実装例であってもよい。同様にラベル付けされた要素は、先に述べた通りである。
【0052】
図6を参照するに、基板走査装置600は、図1の基板走査装置100と同様に、処理チャンバ610内に配置された基板101を含んでいる。しかし、図1とは対照的に、基板走査装置600は、第1回転ドライブ121~異なる距離667に配置された第1静的処理ノズル661及び第2静的処理ノズル662を含む、2個以上の静的処理ノズルを含んでいる。複数の静的処理ノズルは、有利なことに、基板の中心の過度に近くを走査しないよう、基板の複数の異なる部分を走査すべく、用いられてよい。
【0053】
図7に、本発明の一実施形態による、並進処理ノズルを含む基板走査装置を上面から見た模式図を示す。図7の基板走査装置は、例えば、図1の基板走査装置等、本明細書に記述する、他の基板走査装置の特定の実装例であってよい。同様にラベル付けされた要素は、先に述べた通りである。
【0054】
図7を参照するに、基板走査装置700は、図1の基板走査装置100と同様に、処理チャンバ710内に配置された基板101を含んでいる。しかし、図1とは対照的に、基板走査装置700は、第1回転ドライブ121~異なる距離667の間を移動し得る単一の並進可能処理ノズル763を含んでいる。複数の処理ノズルは、有利なことに、基板の中心の過度に近くを走査しないように、基板の異なる部分を走査すべく、用いられてよい。
【0055】
静的処理ノズルと、処理のある部分にわたり静止するノズルとは、異なることに言及すべきである。本開示の目的のため、静止ノズルは(潜在的に較正及び保守の理由以外では)基板走査装置自体に相対的に移動しないのに対し、静止ノズルは、静止ノズル又は並進(すなわち、可動)ノズルのいずれであってもよい。
【0056】
図8に、本発明の一実施形態による、振り子アームの遠位端に取り付けられた回転ドライブと、基板の中心からずれた枢動点で回転ドライブに取り付けられた基板とを含む基板走査装置を上面から見た3個の模式図を示す。図8の基板走査装置は、例えば、図1の基板走査装置等、本明細書に記述する他の基板走査装置の一般的な実装例であってよい。同様にラベル付けされた要素は、先に述べた通りである。
【0057】
図8を参照するに、基板走査装置800は、第2回転ドライブ822の枢動点827が、基板(及び、基板保持部)の外半径よりも小さいオフセット距離dだけ基板101の中心からずれていること以外は、図1の基板走査装置100と同様である。3個の模式図に示すように、より長いリーチを有する回転855の結果、処理チャンバ810の占有面積が僅かに増加する。しかし、先に説明した軸上実施形態と同様に、軸外構成は、依然として有利なことに、小さい占有面積内で基板101の全ての部分に到達する。
【0058】
オフセット距離dは、処理チャンバの占有面積が小さいことの利点と、所与の処理の角加速度及び速度要件とのバランスをとるべく、適当に選択されていてよい。オフセット距離dは、中心から遠ざかるに従い、線の角速度及び加速度が急激に低下するため、小さい方が有利な場合がある。
【0059】
図9に、本発明の一実施形態による、振り子アームの遠位端に取り付けられた回転ドライブと、基板の中心からずれた枢動点で回転ドライブに取り付けられた基板とを含む基板走査装置を上面から見た、更に3個の模式図を示す。図9の模式図は、図8を用いて上で述べたものと同様の構成の異なるビューを示している。これらの異なるビューは、更に、当該構成が基板の全ての領域に到達する能力を示している。同様にラベル付けされた要素は、先に述べた通りである。
【0060】
図9を参照するに、基板走査装置900は、基板101の向きを示すべくガイド線936と共に描かれた基板101を含んでいる。ガイド線236と同様に、ガイド線936は、円弧運動及び回転システムの基板101の表面全体へのマッピングを視覚化するのに役立つ。
【0061】
図10に、本発明の一実施形態による、基板保持部から基板を持ち上げて180°回転させる基板走査処理を示す。図10の基板走査処理は、例えば、図8の基板走査装置、等、本明細書に記述する基板走査装置を用いて実行できる。同様にラベル付けされた要素は、先に述べた通りである。
【0062】
図10を参照するに、基板走査処理1000は、(a)、(b)、(c1)、(d)、及び(e)とラベル付けされた5個のステップを含んでいる。ステップ(a)においては、第2回転ドライブ822からずれた基板101を含み、且つ、後続のステップにおける回転を示すガイド線1036を含む、処理チャンバ1010を示している。
【0063】
ステップ(b)においては、第1処理領域1011を走査する。第1処理領域1011は、基板101の表面の少なくとも半分を含んでいる。ステップ(c1)において、基板101を基板保持部から(例えば、リフトピン1041、又は、他の物理的に突出可能な支持部、クランプ、アーム、等の持ち上げ機構を用いて)持ち上げる。次いで、基板101を180°だけ基板回転1042させる。次いで、ステップ(d)において、基板101の残りの部分を走査することにより、振り子アーム125が中点を横切ることなく、ステップ(e)に示すように基板の全表面を走査する。従って、有利な点として、処理チャンバの設置面積を増大させることなく、基板101の全表面を走査する。
【0064】
図11Aに、本発明の一実施形態による、基板を枢動点に相対的に直線的に並進させることにより、回転可能な基板の枢動点をシフトする基板走査処理を示す。図11Aの基板走査処理は、例えば、図8の基板走査装置、等、本明細書に記述する基板走査装置を用いて実行することができる。同様にラベル付けされた要素は、先に述べた通りである。
【0065】
図11Aを参照するに、基板走査処理1100は、(a)、(b)、(c2)、(d)、及び(e)とラベル付けされた5個のステップを含んでいる。(c2)以外の全てのステップは、先に述べた通りである。ステップ(c2)においては、基板保持部から基板101を持ち上げて回転させるのではなく、同じ効果が得られるように、基板を枢動点に相対的に直線並進(例えば、スライド)させる。この並進は、振り子アーム125に含まれる線形アクチュエータ、等のアクチュエータを用いて実現できる。位置を変えるために基板を持ち上げないことで、有利に複雑さを低減して、整列性を向上させることができる。
【0066】
図11Bに、本発明の一実施形態による、基板を枢動点に相対的に回転並進させることにより、回転可能な基板の枢動点をシフトする基板走査処理を示す。
【0067】
図11Bを参照するに、基板走査処理1105は、(a)、(b)、(c3)、(c4)、(d)、及び(e)とラベル付けされた6個のステップを含んでいる。(c3)及び(c4)以外の全てのステップは、先に述べた通りである。ステップ(c3)及び(c4)においては、基板保持部から基板101を持ち上げるか又は基板101を物理的に直線並進させるのではなく、同じ効果が得られるように、回転機構1145(例えば、ベルトを用いてもよい)を用いて、基板101を枢動点の回りに回転1147させる。直線並進と同様に、位置を変えるために基板を持ち上げないことで、有利に複雑さを低減して、整列性を向上させることができる。
【0068】
図12に、本発明の一実施形態による、基板走査装置を側面から見た模式図を示す。図12の基板走査装置は、例えば、図1又は8の基板走査装置、等、本明細書に記述する他の基板走査装置の特定の実装例であってもよい。同様にラベル付けされた要素は、先に述べた通りである。
【0069】
図12を参照するに、基板走査装置1200は、処理ノズル1265と排気口1273とを含む、処理チャンバ1210を含んでいる。処理ノズル1265は、基板保持部1203により固定された基板101上に局在化スポットを合焦させるべく構成されている。処理ノズル1265は、単一、且つ、静的であるように示されているが、図6、7の代替的なノズルのうち1個で代替されてもよく、いずれのノズルも実際に基板を処理する間は典型的に静止している。
【0070】
排気口1273は、基板の走査及び処理用の真空環境を実現すべく構成されている。図示するように、枢動点827は、基板保持部1203及び基板101の中心からずれた一般的な位置に配置されているが、枢動点827は、中心と整列していてもよい。枢動点軸1228は、振り子アーム125の遠位端124において第2回転ドライブ122及び基板保持部に結合されている。枢動点軸1228は、第2回転ドライブ122の回転運動を基板保持部1203に結合して、基板101の回転855を促進することができる。
【0071】
同様に、回転フィードスルー軸1229が、振り子アーム125の近位端123に取り付けられていて、第1回転ドライブ121の回転運動を振り子アーム125に結合して、円弧運動150を可能にする。一実施形態において、回転フィードスルー軸1229は、真空フィードスルー口1271で処理チャンバ1210を通過することにより、処理チャンバ1210の設置面積を更に縮小して、走査機構の清浄度を向上させることができる。
【0072】
図13に、本発明の一実施形態による、基板走査システムを側面から見た模式図を示す。図13の基板走査システムは、例えば図1、8、又は12の基板走査装置、等、本明細書に記述する基板走査装置を含んでいてよい。同様にラベル付けされた要素は、上述の通りである。
【0073】
図13を参照するに、基板走査システム1300は、処理チャンバ1310に結合された処理装置1360を含んでいる。処理チャンバ1310は、振り子アーム125、基板保持部1203、及び、基板101を収容する。真空ポンプ1375が、処理チャンバ1310に結合されている。コントローラ1370は、枢動点アクセス1378及び円弧軸1379に動作可能に結合されていて、第1と第2回転ドライブの同時移動を制御すべく構成されている。
【0074】
図14に、本発明の一実施形態による、基板を走査する方法を示す。図14の方法を他の方法と組み合わせて、本明細書に記述するシステム及び装置を用いて実行してもよい。例えば、図14の方法は、図1~13の実施形態のいずれと組み合わせてもよい。
【0075】
図14を参照するに、方法1400は、基板を処理チャンバ内の基板保持部に固定する第1ステップ1401を含んでいる。ステップ1402において、第1回転ドライブと第2回転ドライブを同期的に駆動して、基板を当該基板上の局在化されたスポットに合焦された処理装置に相対的に移動させることにより、平行なラスタパターンの第1パスを実行する。第1回転ドライブは、振り子アームの近位端に結合されていて、第2回転ドライブは、振り子アームの遠位端及び基板保持部に載置されている。例えば、第1パスは、基板から外れた第1位置で開始され、基板上に移動して、基板から外れた第2位置で終了することができる。しかし、いずれの場合も、基板から外れた位置での開始及び終了は要件ではない。
【0076】
ステップ1402は、ステップ1403及びステップ1404を含んでいる。ステップ1403とステップ1404は、順次に実行される。振り子アームは、ステップ1403において、局在化スポットが基板上にある間、第1円弧運動により第1パスの最中に、第1パスの第1部分にわたり移動される。ステップ1404において、振り子アームは、また、局在化スポットが基板上にある間、第1パスの最中に、第1パスの第2部分にわたり、但し、反対向きの第2円弧運動により移動される。ステップ1403及びステップ1404の最中に、基板保持部は、振り子アームの遠位端にある枢動点の回りを単一方向に回転されてよい。
【0077】
本発明の例示的な実施形態を以下に要約する。他の実施形態も、本明細書の全文及び添付する請求項から理解することができる。
【0078】
例1.基板を走査する方法において、当該方法は、基板を処理チャンバ内の基板保持部に固定するステップと、振り子アームの近位端に結合された第1回転ドライブと振り子アームの遠位端及び基板保持部に載置された第2回転ドライブとを同期的に駆動して、基板を当該基板上の局在化されたスポットに合焦された処理装置に相対的に移動させることにより、平行なラスタパターンの第1パスを実行するステップとを含み、第1パスの最中に、第1回転ドライブを駆動するステップが、局在化スポットが基板上にある間に、第1パスの第1部分にわたり振り子アームを第1円弧運動により移動させ、次いで、局在化スポットが基板上にある間に、第1パスの第2部分にわたり振り子アームを反対向きの第2円弧運動により移動させるステップを含んでいる。
【0079】
例2.例1の方法において、枢動点が基板の中心にある。
【0080】
例3.例2の方法において、第1回転ドライブと第2回転ドライブを同期的に駆動することにより、平行なラスタパターンの第2パスであり、第1パス及び基板の中心を通る複数のパスに平行な第2パスを実行するステップ、を更に含み、第2パスの最中に、第1回転ドライブを駆動するステップが、第2パスの最中に、振り子アームを1個の連続的な円弧運動を介して移動させるステップを含んでいる、方法。
【0081】
例4.例1の方法において、枢動点が、基板の中心から基板の最大寸法の半分未満のオフセット距離だけ、第1方向にずれている。
【0082】
例5.例4の方法において、局在化スポットが基板の少なくとも半分を通過するように第1回転ドライブと第2回転ドライブを同期的に駆動することにより、平行なラスタパターンの後続する第2パスを実行するステップと、第1方向とは反対向きの第2方向にオフセット距離だけ基板の中心からずれるように枢動点をシフトするステップと、局在化スポットが基板領域全体を通過するように第1回転ドライブと第2回転ドライブを同期的に駆動することにより、平行なラスタパターンの後続する第3パスを実行するステップと、を更に含んでいる。
【0083】
例6.例5の方法において、枢動点をシフトするステップが、基板保持部から基板を持ち上げるステップと、基板を、基板保持部に相対的に新たな位置まで180度回転させるステップと、基板を、基板保持部上の新たな位置で固定するステップと、を含んでいる。
【0084】
例7.例5の方法において、枢動点をシフトするステップが、基板を、枢動点に相対的に、並進させるステップを含んでいる。
【0085】
例8.例1~7のいずれか一つの方法において、第1回転ドライブと第2回転ドライブを同期的に駆動することにより、平行なラスタパターンの第2パスを実行するステップであり、位置特化処理装置が、振り子アームの近位端から異なる距離に配置された第1静的処理ノズル及び第2静的処理ノズルを含み、第2パスが、第1パスと平行であり、基板が、第1パスの最中に、第1処理ノズルを用いて処理され、かつ、第2パスの最中に、第2ノズルを用いて基板を処理する、ステップを、更に含んでいる。
【0086】
例9.例1~7のいずれか一つの方法において、第1回転ドライブと第2回転ドライブを同期的に駆動することにより、平行なラスタパターンの第2パスを実行するステップであり、位置特化処理装置が、振り子アームの近位端から異なる2個以上の距離の間を並進可能な単一の処理ノズルを含み、第2パスが、第1パスと平行であり、第1パスの最中に、近位端に相対的に第1位置にある単一の処理ノズルを用いて基板を処理し、第2パスの最中に、近位端に相対的に第2位置にある単一の処理ノズルを用いて基板を処理する、ステップを、更に含んでいる。
【0087】
例10.システムにおいて、真空チャンバ、真空チャンバ内に配置された振り子アームの近位端に結合された第1回転ドライブ、遠位端と共に移動するように振り子アームの遠位端に載置された第2回転ドライブ、真空チャンバ内に配置されており、枢動点において第2回転ドライブに結合された基板保持部、および、第1回転ドライブ及び第2回転ドライブに結合されたコントローラであり、第1回転ドライブと第2回転ドライブを同期的に駆動して、静止位置特化処理装置により、基板保持部上に平行なラスタパターンをトレースさせるように構成されているコントローラ、を含んでいる。
【0088】
例11.例10のシステムにおいて、第1回転ドライブが、真空チャンバの外部に配置されており、回転フィードスルー軸を介して、振り子アームの近位端に結合されている。
【0089】
例12.例10及び11のいずれか一つのシステムにおいて、枢動点が基板の中心にある。
【0090】
例13.例12のシステムにおいて、位置特化処理装置が、振り子アームの近位端から異なる距離に配置された2個以上の静的処理ノズルを含んでいる。
【0091】
例14.例12及び13のいずれか一つのシステムにおいて、位置特化処理装置が、振り子アームの近位端から異なる2個以上の距離の間を並進可能な単一の処理ノズルを含んでいる。
【0092】
例15.例10~14のいずれか一つのシステムにおいて、基板保持部に配置されており、基板保持部から基板を持ち上げて、基板を基板保持部に相対的に新たな位置まで180度回転させるように構成された、リフト機構、を更に含んでいる。
【0093】
例16.例10~14のいずれか一つのシステムにおいて、枢動点に結合されたアクチュエータであり、基板を枢動点に相対的に並進させることにより、該枢動点をシフトするように構成された、アクチュエータを、更に含んでいる。
【0094】
例17.装置において、処理チャンバ、処理チャンバ内に配置されており、近位端及び遠位端を含む振り子アームであり、近位端が、振り子アームを近位端を中心とする円弧運動により移動させるように構成された第1回転ドライブに結合されている、振り子アーム、および、処理チャンバ内に配置されており、基板保持部の中心から基板保持部の外半径よりも小さいオフセット距離だけ第1方向にずれた枢動点において、第2回転ドライブに結合された基板保持部であり、第2回転ドライブが振り子アームの遠位端に載置されており、振り子アームの円弧運動と同期的に、枢動点を中心に基板保持部を回転させて、位置特化処理装置に相対的に基板保持部を、横方向に移動させるように構成された、基板保持部、を含んでいる。
【0095】
例18.例17の装置において、基板保持部の平面内で測定された処理チャンバの主要寸法が、振り子アームの長さ、オフセット距離、および、基板保持部の外半径の合計に実質的に等しい。
【0096】
例19.例17及び18のいずれか一つの装置において、基板保持部に配置されており、基板保持部から基板を持ち上げて、基板を基板保持部に相対的に新たな位置まで180度回転させるように構成された、リフト機構、を更に含んでいる。
【0097】
例20.例17及び18のいずれか一つの装置において、枢動点に結合されたアクチュエータであり、基板を枢動点に相対的に並進させることにより、枢動点をシフトするように構成されている、アクチュエータを、更に含んでいる。
【0098】
本発明について、複数の例示的な実施形態を参照しながら記述してきたが、限定的な意味で解釈されることは意図していない。例示的な実施形態の様々な変更及び組み合わせ、並びに、本発明の他の実施形態は、上の記述を参照すれば、当業者には明らかになるだろう。従って、添付の請求項は、そのような変更又は実施形態を包含することを意図している。
図1
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【国際調査報告】