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特表2024-529938中空の機械部品の領域における無線信号伝送のための電気カップリング装置
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  • 特表-中空の機械部品の領域における無線信号伝送のための電気カップリング装置 図1
  • 特表-中空の機械部品の領域における無線信号伝送のための電気カップリング装置 図2
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  • 特表-中空の機械部品の領域における無線信号伝送のための電気カップリング装置 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-14
(54)【発明の名称】中空の機械部品の領域における無線信号伝送のための電気カップリング装置
(51)【国際特許分類】
   G01M 13/022 20190101AFI20240806BHJP
   H02K 11/25 20160101ALI20240806BHJP
   F16C 33/20 20060101ALI20240806BHJP
   B60K 1/00 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
G01M13/022
H02K11/25
F16C33/20 Z
B60K1/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503896
(86)(22)【出願日】2022-06-22
(85)【翻訳文提出日】2024-01-22
(86)【国際出願番号】 DE2022100456
(87)【国際公開番号】W WO2023001326
(87)【国際公開日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】102021119115.7
(32)【優先日】2021-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515009952
【氏名又は名称】シェフラー テクノロジーズ アー・ゲー ウント コー. カー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】Schaeffler Technologies AG & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Industriestr. 1-3, 91074 Herzogenaurach, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス メルマン
(72)【発明者】
【氏名】ドミニク エドゲス
(72)【発明者】
【氏名】ディアク ブレックマン
(72)【発明者】
【氏名】アルテム チェルカソフ
【テーマコード(参考)】
2G024
3D235
3J011
5H611
【Fターム(参考)】
2G024AD01
2G024AD21
3D235BB21
3D235CC12
3D235HH12
3J011AA20
3J011BA02
3J011KA02
3J011PA10
3J011QA20
3J011RA10
3J011SC20
5H611AA01
5H611BB01
5H611PP07
5H611QQ04
5H611UA07
(57)【要約】
本発明は、少なくとも部分的に中空の機械部品内のキャビティ(2)の領域における無線信号伝送のための電気カップリング装置であって、キャビティ(2)内に嵌合される送信機端に中空円筒形カップリング要素(3)を備え、機械部品内又は機械部品上に位置するセンサ(5)に接続されており、かつキャビティ内の伝送経路を介して受信機端のピン型カップリング要素(4)と通信する電気カップリング装置に関し、ピン型カップリング要素(4)は、送信機端においてカップリング要素(3)のキャビティ(2)内に位置する中空円筒形部分内に少なくとも部分的に突出している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも部分的に中空の機械部品内のキャビティ(2)の領域における無線信号伝送のための電気カップリング装置であって、前記キャビティ(2)内に嵌合される送信機端に中空円筒形カップリング要素(3)を備え、前記機械部品内又は前記機械部品上に配置された少なくとも1つのセンサ(5)に接続されており、かつ前記キャビティ内の伝送経路を介して受信機端のピン型カップリング要素(4)と通信し、前記ピン型カップリング要素が、前記送信機端において前記カップリング要素(3)の前記キャビティ(2)内に配置された前記中空円筒形部分内に少なくとも部分的に突出している、電気カップリング装置。
【請求項2】
前記送信機端における前記カップリング要素(3)が、管状又はスリーブ形状になるように設計されていることを特徴とする、請求項1に記載の電気カップリング装置。
【請求項3】
前記送信機端における前記カップリング要素(3)が、フィルム又はコーティングとして設計されていることを特徴とする、請求項1に記載の電気カップリング装置。
【請求項4】
前記送信機端における前記カップリング要素(3)が、前記受信機端における前記ピン型カップリング要素(4)と同軸に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の電気カップリング装置。
【請求項5】
前記送信機端における前記カップリング要素(3)が、前記受信機端における前記カップリング要素(4)の遠位端を超えて前方に突出していることを特徴とする、請求項1に記載の電気カップリング装置。
【請求項6】
前記送信機端における前記中空円筒形カップリング要素(3)及び/又は前記受信機端における前記ピン型カップリング要素(4)の長さが、前記信号伝送の動作周波数の波長の倍数であることを特徴とする、請求項1に記載の電気カップリング装置。
【請求項7】
前記受信機端における前記ピン型カップリング要素(4)が、ロッド、チューブ、スリーブ、又はスパイラルとして設計されていることを特徴とする、請求項1に記載の電気カップリング装置。
【請求項8】
前記受信機端における前記ピン型カップリング要素(4)が、少なくとも1つの非磁性及び/又は非電気的軸受要素(8)によって、前記機械部品に対して支持又は電気的に切り離されることを特徴とする、請求項1に記載の電気カップリング装置。
【請求項9】
前記キャビティ(2)を有する前記機械部品が、自動車又は風力タービンのドライブトレインの中空シャフト(1)として設計されていることを特徴とする、請求項1に記載の電気カップリング装置。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の、少なくとも部分的に中空の機械部品内のキャビティ(2)の領域における無線信号伝送のための電気カップリング装置を有する、ハイブリッド車両又は電気車両のトランスミッション及び/又は電気モータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械部品、好ましくは、トランスミッション又は電気モータの領域における無線信号伝送のための電気カップリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の応用分野は、主に自動車工学にまで及ぶ。特にハイブリッド車又は電気自動車では、電気モータ、トランスミッション、及びトランスミッションシャフトなどのドライブトレインコンポーネントは通常、センサベースの状態監視の対象となる。この目的のために、いわゆる状態監視システムの一部として、又は制御プロセスのための制御パラメータとして、通常は外部の信号評価のための電子評価ユニット、並びに/又はリーダなどの送信機及び/若しくは受信機ユニットでそれらを利用することができるようにするために、状態監視センサはギア、軸受、カップリングなどの分野で使用され、主にコンポーネントの温度だけでなく、振動、電圧、トルク、加速度、角度、速度、磁場の強さなども測定する。
【0003】
センサと電子評価ユニットとの間の信号伝送は、干渉防止様態でワイヤを使用して行うことができるが、ただし、相互に移動するコンポーネント間、特に、回転コンポーネント間で信号伝送が行われないことを条件とする。電気接触回転フィードスルーユニットは存在するが、機械的な滑り接触原理により故障の影響を非常に受けやすく、メンテナンスが必要である。本発明は、一方で、無線信号伝送の主題に特化しており、これは、例えば、無線、赤外線などを介して実装することができる。加えて、本発明による解決策は、他のドライブトレイン、例えば、風力タービンにも使用することができる。
【0004】
独国特許出願公開第102014200639号明細書は、センサ及びRFIDリーダを有する少なくとも1つの受動RFIDセンサユニットを備える、トランスミッション、特に遊星トランスミッションの状態データを決定するためのシステムをしている。ここでは、RFIDリーダが第1の伝送部に配置され、RFIDセンサユニットが第1の伝送部に対して移動可能な第2の伝送部に配置されることが一般的に提案されているだけである。この種の無線信号伝送には、隣接するコンポーネント又は外部の影響によって損なわれ得ない、干渉のない無線リンクが必要である。
【0005】
国際公開第2021/1004568号は、センサネットワークを形成するためにいくつかの状態監視センサが装備されている電気駆動機械、トランスミッション、内燃機関、及びそれらの組み合わせを開示している。センサネットワークのセンサは、好ましくは、機械内の異なる位置に配置され、それぞれが物理変数を測定するように設計される。この目的のために、個々のセンサはそれぞれ、センサから無線で受信した信号を処理する電子評価ユニットに無線で電気的に接続される。センサの配置を計画するときは、無線リンクが中断されないように注意する必要もある。
【0006】
しかしながら、実際には、特に相互に回転する機械部品間、及び機械構造へのアクセスが困難である、深い場所からの場合、中断のない無線信号伝送を保証することができるような方法で状態監視センサを機械に組み込むことが常に可能であるとは限らない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、簡単な技術的手段を使用してセンサ信号を外部電子評価ユニットに確実に転送することを保証する、機械部品の領域における無線信号伝送のための電気カップリング装置を作り出すことである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本目的は、請求項1に記載の電気カップリング装置によって達成される。請求項10は、本発明による電気カップリング装置を有するトランスミッション又は電気モータを好ましい用途として指定している。従属請求項は、本発明の有利な更なる発展を対象としている。
【0009】
本発明は、少なくとも部分的に中空の機械部品のキャビティの領域における無線信号伝送のための電気カップリング装置が、キャビティ内に嵌合されており、機械部品内又は機械部品上に配置されたセンサに接続されており、かつ伝送経路、特に空気路又は誘電体としてのオイルを介して、送信機端においてカップリング要素のキャビティ内に配置される、中空円筒形部分内に少なくとも部分的に突出する受信機端におけるピン型カップリング要素と通信する、送信機端にある中空円筒形カップリング要素を備える。これに関連して、本発明による解決策には、送信機端と受信機端の交換も含まれる。好ましくは、センサは、カップリング要素を介して送信機/受信機ユニット/評価ユニットに送信される信号を発する。
【0010】
言い換えれば、本発明による解決策は、したがって、信号が少なくとも部分的に中空の機械部品の内部で送信される、無線信号伝送のための電気カップリング構成を指す。これに関して、機械部品上に配置されたいくつかのセンサのセンサ信号は、キャビティ内に突出するカップリング要素を介して取得できる。複数のセンサを1つのカップリング要素に接続することもできる。したがって、本発明による解決策は、回転コンポーネント上のセンサ信号を取得するのに特に好適である。
【0011】
したがって、特に有利な方法では、本発明による解決策は、例えば、トラクションモータの回転子温度の無線検出に使用することができる。回転子内の温度が高すぎると磁石が減磁し、したがって、電気モータが損傷する。このため、これまでは、このような減磁傾向に対抗するために、より高価な磁性材料が使用されてきた。
【0012】
しかしながら、本発明による解決策を使用すると、温度を磁石で直接測定することができ、最大許容温度を正確に制御することができる。回転子温度の決定に関する別の利点は、電気モータのトルクを計算できることである。電気モータのトルクは通常、回転子温度が重要な影響を与える変数である特性図によって決定される。無線温度センサで測定することができる、回転子温度によって、トルクをより正確に計算できる。また、温度が重要なトランスミッションコンポーネント、特に軸受の温度を監視し、必要に応じて冷却することも可能である。結果として、これは、オイル要件、及びひいては、通常は圧油の潤滑と関連付けられる飛散損失も低減する。
【0013】
本発明による解決策は、例えば、センサネットワークを実装することによって、ほとんど労力をかけずに電気モータ又はトランスミッションの任意の点に多くの温度センサを統合し、中央の電子評価ユニットを介してそれらの測定値を検出し、用途固有の様態で処理することを可能にする。これは、最適なシステム制御が達成されることを可能にする。
【0014】
本発明の好ましい実施形態によれば、送信機端の中空円筒形カップリング要素は、管状又はスリーブ状になるように設計される。この要素は、予め製造し、内壁接触部を有する機械部品の同様に好ましくは円筒形のキャビティ内に挿入し、例えば接着によってそれに取り付けることができる。好ましくは金属、例えば、銅で作製された中空円筒形カップリング要素と、通常は同様に、好ましくは鋼である、導電性材料で作製された機械部品の内壁との間に絶縁層が必要であることに留意すべきであり、これは、例えば非導電性プラスチックで作製することができる。絶縁層は、予め製造された管状又はスリーブ状のカップリング要素の一部とすることができるか、又は別個のスリーブ状要素として設計されて、例えば、その外側面を形成することもできる。これにより、中空円筒形カップリング要素を接着接続又は同様の手段によって中空の機械部品のキャビティ内に固定することができる。このような物質的に接着された接続に加えて、例えば、プレス篏合による力篏合接続もまた、想定可能である。
【0015】
センサ端の中空円筒形カップリング要素の更なる実施形態によれば、それは、フィルム又はコーティングとして設計することもできる。フィルムの場合は、外側に電気絶縁層が適用されている。機械部品のキャビティは、このような多層フィルムで容易に内張りすることができ、接着固定が推奨される。加えて、最初に機械部品の円筒形キャビティを電気絶縁層、例えば、プラスチックでコーティングし、その後、例えば、金属製の導電層を適用することも想定可能である。これは、例えば、真空中での蒸着によって達成することができる。
【0016】
加えて、特にフレキシブル回路基板又はいくつかのセグメントからなる回路基板がこの目的に好適であるため、回路基板材料から中空円筒形カップリング要素を形成することもまた、想定可能である。
【0017】
本発明を改善する更なる手段によれば、送信機端の中空円筒形カップリング要素が受信機端におけるピン型カップリング要素と同軸に配置されることが提案される。これは、特に高い信号品質が達成されることを可能にし、受信機端におけるピン型カップリング要素は機械部品のキャビティ構造内で特に十分に保護された様態で配置される。これは、干渉信号に関する機械的な考慮事項と無線通信との両方に当てはまる。
【0018】
この目的のために、送信機端の中空円筒形カップリング要素が受信機端におけるピン型カップリング要素の遠位端を越えて前方に突出することが更に提案される。好ましくは、ここで特に関心のある自動車用途では、ピン型カップリング要素は中空円筒形カップリング要素よりも5~10mm短くあるべきである。
【0019】
信号伝送を更に改善するために、送信機端の中空円筒形カップリング要素及び/又は受信機端におけるピン型カップリング要素の長さを無線信号伝送の動作周波数の波長の倍数にすることが提案されている。この値は、例えば、波長の4分の1、半分、又は4分の3に従って選択することができる。
【0020】
受信機端におけるピン型カップリング要素は、例えば、ロッド、チューブ、スリーブ、又はスパイラルなどとして設計することができ、例えば、意図しない変形の結果としての、送信機端における中空円筒形カップリング要素との直接の電気接触を回避するために、非導電性コーティングを提供することができる。
カップリング要素がチューブ又はスリーブの形態の場合、ハウジングに接続されたコンポーネント上に配置することができる。ハウジング接続コンポーネントが金属材料でできている場合、管状又はスリーブ状のカップリング要素の内面には絶縁層が提供されるべきである。絶縁層は、予め製造された管状又はスリーブ状のカップリング要素の一部であってもよく、あるいは、別個のスリーブ状の要素として設計されて、例えばその内側面を形成することもできる。
【0021】
本発明を改善する更なる手段によれば、非磁性及び/又は非電気的軸受要素が、受信機端でピン型カップリング要素を取り囲み、中空円筒形カップリング要素に対してそれを支持し、意図しない変形からそれを保護するために提供することができることが提案される。この目的には、中空円筒形カップリング要素の外縁に接着され、その中央開口部からピン型カップリング要素が突出する単純なプラスチックディスクで十分である。
【0022】
無線信号伝送は、本発明による解決策の一部として、SAW又はRFID技術に基づくことができる。13.5MHz、433MHz、868MHz、2.4GHz若しくは5GHzのISM帯域、又は他の標準無線帯域、例えば、SDR帯域が、好ましくは、動作周波数として使用される。
【0023】
好ましい適用形態によれば、少なくとも部分的に中空の機械部品は、自動車又は風力タービンのドライブトレイン内の歯車対の中空シャフト又は駆動シャフトである。この点において、本発明による解決策は、信号伝送に関して機械的に保護され信頼性の高いセンサ接続を作り出すために、主にオイルフィードスルーに使用されるこの機械部品のキャビティ構造を利用する。
【0024】
好ましくは、機械部品は、回転可能に取り付けられ、リーダ端におけるカップリング要素は、固定ハウジングに装着される。アクティブセンサに電力を供給するために、エネルギーハーベスティングモジュールなどを提供することができる。
リーダ端におけるカップリング要素が非常に薄くかつ長い場合は、強化するか又は追加で保持することができる。これは、ハウジングの内側又は外側に配置することができる。
【0025】
受信機端又は送信機端におけるカップリング要素上の電気的切り離し層又はスリーブもまた、有利である。誘電体、空気又は油、特にカップリング要素間の誘電率は、カップリング要素の長さに関係する。送信機端におけるカップリング要素と機械部コンポーネント品との間、又は受信機端におけるカップリング要素とハウジングに固定されたコンポーネントとの間の絶縁層もまた、誘電体とすることができる。この誘電体、又は特に絶縁層の誘電率もまた、カップリング要素の長さと関係し得る。
【0026】
本発明を改善するための更なる方策は、図を使用して、本発明の2つの好ましい例示的な実施形態の説明とともに以下に例解される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の第1の例示的な実施形態による、温度検出のためのセンサを有する中空シャフト上に配置された歯車対の概略縦断面図を示し、このセンサは電気カップリング装置を介して接続されている。
図2】本発明の第2の例示的な実施形態による、温度検出のためのセンサを有する中空シャフト上に配置された歯車対の概略縦断面図を示し、このセンサは電気カップリング装置を介して接続されている。
図3】本発明の第3の例示的な実施形態による、温度検出のためのセンサを有する中空シャフト上に配置された歯車対の概略縦断面図を示し、このセンサは、電気カップリング装置を介して接続されている。
図4】本発明の第4の例示的な実施形態による、温度検出のためのセンサを有する中空シャフト上に配置された歯車対の概略縦断面図を示し、このセンサは、電気カップリング装置を介して接続されている。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1によれば、歯車対を担持する中空シャフト1はキャビティ2を形成し、その中に中空円筒形カップリング要素3が収容され、誘電体としての空気を介してピン型カップリング要素4と相互作用して無線信号伝送経路を形成する。
【0029】
コンポーネント温度を検出するためのセンサ5は、中空シャフト1の外側のギア領域に配置され、誘電体として機能するプラスチック層6を介して送信機端の中空円筒形カップリング要素3に電気的に接続される。受信機端におけるピン型カップリング要素4と連通するピン型カップリング要素4の大部分は、キャビティ2内に配置された送信機端におけるカップリング要素3の中空円筒形部分内に突出している。この点に関して、送信機端における中空円筒形カップリング要素3は、受信機端におけるピン型カップリング要素4の遠位端を長さaだけ超えて前方に突出している。ピン型カップリング要素4は、中空円筒形カップリング要素3と同軸上に配置されている。
【0030】
この例示的な実施形態では、ピン型カップリング要素4は、導電性材料からなるロッドとして設計されている。
【0031】
図2によれば、送信機端の中空円筒形カップリング要素3’は、外側面に電気絶縁プラスチックコーティングが提供されているフィルムとして設計されている。加えて、センサ5は絶縁性のセンサ保護カバー7内に収容されており、この保護カバー7を介して、センサ5は、機械部品の対応する穴にプレスされる。それ以外の点では、この例示的な実施形態は、上で説明される例示的な実施形態に対応する。
【0032】
図3では、最初に説明した例示的な実施形態とは対照的に、受信機端におけるピン型カップリング要素4’はチューブの形態で設計されているため、このピン型カップリング要素4’には、改善された信号伝送のために、中空導波路特性が提供される。それ以外の点では、この例示的な実施形態もまた、最初に説明した例示的な実施形態に対応する。
【0033】
図4によれば、軸受要素8は、ピン型カップリング要素4とそれを同軸的に取り囲む中空円筒形カップリング要素3との間の中間領域に配置されている。軸受要素8は、非磁性かつ非電気のプラスチックで作製されており、ピン型カップリング要素4を支持する役割を果たし、このピン型カップリング要素は、中空シャフト1が高速回転している場合でも、所望の位置を確保するために、この例示的な実施形態では非常に薄い。それ以外の点では、この例示的な実施形態も、最初に説明した例示的な実施形態に対応する。
【0034】
本発明は、上でより詳細に説明される好ましい例示的な実施形態に限定されない。むしろ、以下の特許請求の範囲の保護の範囲内に含まれるそれらからの逸脱も想定可能である。例えば、中空シャフトの代わりに、別の少なくとも部分的に中空の機械部品のキャビティを使用して、本発明による電気カップリング装置を収容することも可能である。
【符号の説明】
【0035】
1 中空シャフト
2 キャビティ
3 中空円筒形カップリング要素
4 ピン型カップリング要素
5 センサ
6 誘電体
7 センサ保護カバー
8 軸受要素
a 凹部長さ
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】