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特表2024-529963生鮮品のセットを監視するための方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-14
(54)【発明の名称】生鮮品のセットを監視するための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20240806BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
H04Q9/00 311J
H04M11/00 301
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024504889
(86)(22)【出願日】2022-07-25
(85)【翻訳文提出日】2024-03-04
(86)【国際出願番号】 EP2022070781
(87)【国際公開番号】W WO2023006658
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】CH070100/2021
(32)【優先日】2021-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.LoRa
(71)【出願人】
【識別番号】515172005
【氏名又は名称】ベーリンガー・ウント・コンパニー・アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】BERLINGER & CO. AG
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シェル,ロギーア
(72)【発明者】
【氏名】ベーバー,マヌエル
(72)【発明者】
【氏名】ベーア,マリーナ
(72)【発明者】
【氏名】ファン・ホーセル,ローデベイク
【テーマコード(参考)】
5K048
5K201
【Fターム(参考)】
5K048BA34
5K048DB01
5K048DC01
5K048EB10
5K048EB12
5K048FB08
5K048HA04
5K048HA06
5K048HA21
5K201AA08
5K201BA02
5K201CB10
5K201CC08
5K201EA05
5K201EB06
5K201EC06
5K201ED09
5K201FA03
(57)【要約】
製品(P)のセットを監視するための方法は、第1のデバイス(D1)を提供することであって、それらの各々は、製品(P)のそれぞれのサブセットに関連付けられ、センサを備える第1の検知ユニット(S1)を備える、提供することと、1つまたは複数の第2のデバイス(D2)を提供することと、第1のデバイス(D1)の各々によって、それぞれの1つまたは複数のセンサによって、前記製品のそれぞれのサブセットがさらされていると想定される物理的および/または環境的条件を検知することと、検知された物理的および/または環境的条件に関連するデータを含むそれぞれの測定データを生成することと、第2のデバイス(D2)のうちの1つに第1の通信ネットワークを介して前記測定データを含む第1のデータセットを送信することと、第2のデバイス(D2)の各々が、第1の通信ネットワークを介して第1のデータセットのうちの1つまたは複数を受信することと、そのように受信された第1のデータセットの各々から、それぞれの第2のデータセットを導出することと、第2の通信ネットワークを介してインターネット(www)に第2のデータセットの各々を送信することとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品のセットを監視するための方法であって、
1つまたは複数の第1のデバイスを提供することであって、前記第1のデバイスの各々は、
前記製品のそれぞれのサブセットに関連付けられ、
1つまたは複数のセンサを備える第1の検知ユニットを備える、提供することと、
1つまたは複数の第2のデバイスを提供することと、
前記第1のデバイスの各々によって、
前記それぞれの1つまたは複数のセンサによって、前記製品のそれぞれのサブセットがさらされていると想定される物理的および/または環境的条件を検知することと、
前記検知された物理的および/または環境的条件に関連するデータを含むそれぞれの測定データを生成することと、
前記第2のデバイスのうちの1つに第1の通信ネットワークを介して前記測定データを含む第1のデータセットを送信することと、
前記第2のデバイスの各々が、
前記第1の通信ネットワークを介して前記第1のデータセットのうちの1つまたは複数を受信することと、
そのように受信された前記第1のデータセットの前記各々から、それぞれの第2のデータセットを導出することと、
第2の通信ネットワークを介してインターネットに前記第2のデータセットの各々を送信することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記測定データを生成することは暗号化工程を実行することを含み、前記測定データは暗号化データであり、前記第2のデータセットの各々は、前記それぞれの第1のデータセットから導出された、前記それぞれの第1のデバイスを識別するデバイスIDデータを含み、前記方法は、
インターネットに接続されたサーバシステムによって前記第2のデータセットの各々を受信することであって、サーバアプリケーションが前記サーバシステム上で動作する、受信することと、
前記サーバアプリケーションが、各受信された第2のデータセットについて、
前記それぞれの第2のデータセットに含まれる前記デバイスIDデータを用いて、復号データを取得することと、
前記復号データを用いて、前記第2のデータセットに含まれる前記測定データを復号することと、
前記復号された測定データの少なくとも一部を、特に前記サーバシステム上に、記憶することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2のデータセットの各々は、前記それぞれの第1のデータセットから導出された、インターネットリソースを識別するユニフォームリソースロケータデータを含むURLデータを含み、前記第2のデータセットの各々は、それに含まれる前記URLデータによって識別される前記インターネットリソースに、特に前記それぞれの第2のデバイスによって、送信される、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2のデータセットの各々について、それに含まれる前記URLデータは、前記それぞれの第1のデバイスを識別するデバイスIDデータを含み、特に、前記方法は、前記第2のデバイスの各々によって実行される、前記それぞれの第1のデータセットから導出された前記デバイスIDデータを用いて前記それぞれのURLデータを導出することを含み、特に、前記導出することは、前記URLデータに前記デバイスIDデータを含めることを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
製品のセットを保管するための方法であって、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法に従って前記製品のセットを監視することを含む、方法。
【請求項6】
製品のセットを出荷するための方法であって、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法に従って前記製品のセットを監視することを含む、方法。
【請求項7】
製品のセットを監視するためのシステムであって、前記システムは、
1つまたは複数の第1のデバイスであって、前記第1のデバイスの各々が前記製品のそれぞれのサブセットに関連付けられている、1つまたは複数の第1のデバイスと、
1つまたは複数の第2のデバイスと
を備え、
前記第1のデバイスの各々は第1の機能ユニットを備え、前記第1の機能ユニットは、
前記製品のそれぞれのサブセットがさらされていると想定される物理的および/または環境的条件を検知するための1つまたは複数のセンサを備える第1の検知ユニットと、
第1の通信ネットワークを介して通信するための第1の通信ユニットと
を備え、
前記第2のデバイスの各々は1つまたは複数の第2の機能ユニットを備え、前記第2の機能ユニットは、
前記第1の通信ネットワークを介して通信し、さらに第2の通信ネットワークを介して通信するための第2の通信ユニットを備え、
前記第1のデバイスの各々は、
前記検知された物理的および/または環境的条件に関連するデータを含む測定データを生成し、
前記第1の通信ネットワークを介して前記測定データを含む第1のデータセットを送信する
ように構成され、
前記第2のデバイスの各々は、
前記第1の通信ネットワークを介して前記第1のデバイスのそれぞれによって送信された前記第1のデータセットのうちの1つまたは複数を前記第1の通信ネットワークを介して受信し、
そのように受信された前記第1のデータセットの前記各々から、それぞれの第2のデータセットを導出し、
前記第2の通信ネットワークを介してインターネットに前記第2のデータセットの各々を送信する
ように構成される、システム。
【請求項8】
前記第2のデータセットの各々は、前記それぞれの第1のデータセットから導出された、前記それぞれの第1のデバイスを識別するデバイスIDデータを含み、特に、前記デバイスIDデータは、非暗号化形式で、より詳細には非暗号化形式および暗号化形式の両方で、前記第2のデータセットに含まれる、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記測定データを生成することは暗号化工程を実行することを含み、前記測定データは暗号化データである、請求項7または8に記載のシステム。
【請求項10】
前記インターネットに接続されたサーバシステムと、前記サーバシステム上で動作するサーバアプリケーションとをさらに備え、前記第2のデバイスの各々は、前記第2の通信ネットワークを介して前記インターネットに前記第2のデータセットを前記送信することが、
前記第2の通信ネットワークを介して前記サーバシステムに前記第2のデータセットを送信すること
を含むように構成され、前記サーバシステムは、
前記第2のデバイスの各々から前記第2のデータセットの各々を受信するように構成され、
前記サーバアプリケーションは、前記受信された第2のデータセットの各々について、
前記第2のデータセットに含まれる前記デバイスIDデータを用いて、復号データを取得し、
前記復号データを使用して、前記第2のデータセットに含まれる前記測定データを復号し、
前記復号された測定データの少なくとも一部を、特に前記サーバシステム上に、記憶する
ように構成される、請求項8および請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記第2のデータセットの各々は、前記それぞれの第1のデータセットから導出された、インターネットリソースを識別するユニフォームリソースロケータデータを含むURLデータを含み、前記第2のデバイスの各々は、前記第2の通信ネットワークを介して前記インターネットに前記第2のデータセットを前記送信することが、
前記それぞれの第2のデータセットに含まれる前記URLデータによって識別される前記インターネットリソースに前記第2のデータセットの各々を送信すること
を含むように構成される、請求項7~10のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1のデバイスの各々は、電気エネルギーを提供するための、第1のエネルギー貯蔵部を備える第1のエネルギー供給ユニットを備え、前記第2のデバイスの各々は、電気エネルギーを提供するための、第2のエネルギー貯蔵部を備える第2のエネルギー供給ユニットを備える、請求項7~11のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
前記第2のエネルギー貯蔵部の各々は、充電式エネルギー貯蔵部である、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
請求項7~13のいずれか1項に記載のシステムを備え、前記製品のセットをさらに備える出荷ユニットであって、特に、前記第1のデバイスの各々は、前記関連付けられたサブセットの前記製品に近接して配置される、出荷ユニット。
【請求項15】
請求項7~13のいずれか1項に記載のシステムを備え、製品のセットをさらに備えるストックであって、特に、前記第1のデバイスの各々は、前記関連付けられたサブセットの前記製品に近接して配置される、ストック。
【請求項16】
1つまたは複数の製品を監視するための第1のデバイスであって、第1の機能ユニットを備え、前記第1の機能ユニットは、
前記1つまたは複数の製品がさらされていると想定される物理的および/または環境的条件を検知するための1つまたは複数のセンサを備える第1の検知ユニットと、
第1の通信ネットワークを介して通信するための第1の通信ユニットと
を備え、前記第1のデバイスは、
前記検知された物理的および/または環境的条件に関連するデータを含む測定データを生成し、
前記第1の通信ネットワークを介して前記測定データを含む第1のデータセットを送信する
ように構成され、
前記測定データは、前記第1のデバイスを識別する、特に一意的に識別する第1のデバイスIDデータを含み、前記測定データは暗号化データであり、前記測定データを前記生成することは暗号化工程を実行することを含み、前記第1のデータセットは、前記それぞれの第1のデバイスを識別する、特に一意的に識別する第2のデバイスIDデータを非暗号化形式でさらに含む、第1のデバイス。
【請求項17】
前記第1のデバイスIDデータは、前記第2のデバイスIDデータと同一である、請求項16に記載の第1のデバイス。
【請求項18】
前記第1の通信ネットワークは、前記第1のデバイスが通信することができる唯一の通信ネットワークである、請求項16または請求項17に記載の第1のデバイス。
【請求項19】
前記第1のデバイスは、TCP/IPプロトコルを介して通信するための手段を欠いている、請求項16~18のいずれか1項に記載の第1のデバイス。
【請求項20】
1つまたは複数の製品を監視する際に使用するための第2のデバイスであって、第2の機能ユニットを備え、前記第2の機能ユニットは、
第1の通信ネットワークを介して通信し、さらに第2の通信ネットワークを介して通信するための第2の通信ユニットを備え、
前記第2のデバイスは、
第1のデバイスによって検知された物理的および/または環境的条件に関連するデータと、前記第1のデバイスを識別する第1のデバイスIDデータとを含む測定データであって、前記測定データは暗号化データである、測定データと、さらに、
非暗号化形式での、前記第1のデバイスを識別する第2のデバイスIDデータと
を含む第1のデータセットを前記第1の通信ネットワークを介して受信し、
前記そのように受信された第1のデータセットから第2のデータセットを導出する
ように構成され、
前記第2のデータセットを前記導出することは、
インターネットリソースを識別するユニフォームリソースロケータデータを含むURLデータを生成することであって、前記URLデータは、前記第2のデバイスIDデータまたはそれから導出されたデータを含む、生成すること
を含み、
前記第2のデータセットは、
前記測定データと、
前記URLデータと
を含み、
前記第2のデバイスは、
前記第2の通信ネットワークを介してインターネットに前記第2のデータセットを送信し、
特に、
前記第2の通信ネットワークを介して、前記URLデータによって識別される前記インターネットリソースに前記第2のデータセットを送信する
ように構成される、第2のデバイス。
【請求項21】
前記第1のデバイスIDデータは、前記第2のデバイスIDデータと同一である、請求項20に記載の第2のデバイス。
【請求項22】
前記URLデータを前記生成することは、インターネットドメインを特徴付けるドメインデータを前記URLデータに含めることを含む、請求項20または請求項21に記載の第2のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品の監視、特に医薬品などの物理的および/または環境的条件に敏感な製品の監視の分野に関する。より具体的には、本発明は、タグ(データロガーなど)を使用した製品の完全性(無傷性/健全性)の監視に関する。特に、本発明は、一緒に輸送される製品のセットまたは一緒に保管される製品のセットなどの製品のセットを監視することに関する。監視は、例えば、前記輸送中および前記保管中にそれぞれ行うことができる。
【0002】
本発明は、請求項の冒頭部分に記載の方法および装置(システム、組合せ、デバイスなど)に関する。それは、例えばコールドチェーン監視において用途を見出すことができる。
【背景技術】
【0003】
欧州特許第3017402号から、シリンジ内の製品の完全性を監視するためのタグ(データロガー)が知られている。タグは、前記完全性に関するデータを表示するためのディスプレイを備える表示ユニットを備える。
【0004】
対応するセンサ保持タグによって生成された、製品が(おそらく)さらされた検知された物理的および/または環境的条件に関連するデータを含むインターネット測定データに通信することが有利な可能性があり、特に、製品の輸送または保管中などの監視中に既にそうすることができる。
【0005】
このようにして、測定データは、インターネットに接続されたサーバシステムなどの明確で安全な場所に保存することができる。したがって、インターネットおよびサーバシステムにそれぞれ送信されたタグからの測定データは、例えばタグが失われた場合でも保護される。
【0006】
また、実質的にどこからでも、特に製品から離れた場所から測定データにアクセスすることができる。このようにして、製品の完全性について知るために、タグおよび製品にそれぞれ近づく必要はない。このようにして、実際にリアルタイム監視を実現することが可能である。
【0007】
また、これにより、最初の保管時、後続の輸送中、および最終保管中など、異なるシステムおよび/またはデバイスが異なる時間に使用された場合でも、1つの同じ製品(または製品のセット)を(集中的に)監視できるように、簡単な方法で監視を拡張すること(および任意選択で処理/評価も)が可能になる。
【0008】
また、特定の輸送レーンまたは特定の保管場所に関する分析は、同じ輸送レーンまたは同じ保管場所で同時に使用されている2つ以上の異なるシステムおよび/またはデバイスからデータを収集することなどによって、比較的簡単な方法で達成することができる。
【0009】
また、データを、天候および/または(道路、水上、航空)交通に関するデータなどのさらなるデータと相互に関連付けることも可能である。
【0010】
さらに、例えば製品がまだ無傷であると仮定できるか否かを判定するためのデータの評価などのための測定データの処理は、「クラウド内」で、すなわちインターネットに接続されたサーバシステムを使用して達成することができる。このようにして、そのようなデータ処理は、必ずしもタグ自体によって達成される必要はなく、より単純で費用効果の高い方法で構築することができる。また、タグの電力消費量をより低くすることができるため、タグのエネルギー源(例えば、バッテリ)をより小さくすることができる。
【0011】
したがって、1つまたは複数のセンサを備え、1つまたは複数のセンサによって検知された物理的および/または環境的条件に関連するデータを含む測定データをインターネットに送信するためのインターネット接続性を有するタグを企図することは理にかなっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
このようにして、上記で示した利点を達成することができる。さらに、少なくとも異なるタグ内の異なるセンサに対する可能な要求を無視する場合、単一のタイプのタグのみを使用(および製造)すれば十分である。
【0013】
しかしながら、本発明者らは、製品を監視する改善された方法、より具体的には製品のセットを監視する改善された方法をさらに考え、企図した。彼らは、製品のセットを監視するために2つの異なるタイプのデバイスを使用することが有利であり得ることを企図しており、第1のタイプのデバイス(第1のデバイス)は、(1つまたは複数のセンサを備える)検知ユニットを備え、第2のタイプのデバイス(第2のデバイス)は、第1のデバイスとは対照的に、インターネット接続性を有する。また、第1のデバイスは、インターネット接続性を提供する通信ネットワーク(第2の通信ネットワーク)とは異なる通信ネットワーク(第1の通信ネットワーク)を介して、第2のデバイスと通信することができる。このようにして、多くの第1のデバイスが、第2のデバイスを介して、それぞれの検知ユニットから生じるデータなどのデータをインターネットに通信することができる。したがって、第1のデバイスは、インターネットにデータを送信するためのハードウェアおよびソフトウェアがない可能性があるため、比較的小型で費用効率が高い可能性がある。
【0014】
したがって、センサユニットおよびインターネット接続性を有する多くのデバイスを使用する代わりに、第1および第2のデバイスを導入することが提案され、第1のデバイスは、「Bluetooth Low-Energy」規格などによる第1の通信ネットワークを介して、第2のデバイスと通信することができる。第2のデバイスのみが、「WiFi」規格に従って、またはセルラ通信ネットワークを使用するなど、第2の通信ネットワークを介してインターネットにデータを送信することができる。第2のデバイスは各々、第1のデバイスのうちの1つまたは複数のためのインターネットへのゲートウェイとして機能することができる。
【0015】
第2のデバイスは、いくつかの実施態様では、物理的および/または環境的条件を監視するための検知ユニットを欠いており、いくつかの他の実施態様では、第2のデバイスも各々、物理的および/または環境的条件を監視するための検知ユニットを備える。
【0016】
特に、多くの製品を別々に監視しなければならない場合、またはいくつかのセンサを製品のセットの異なる位置に配置する必要がある場合、少数の第2のデバイスとともに多数の比較的単純な第1のデバイスを使用することは、製品のセットを監視する非常に費用効果の高い方法であり得る。
【0017】
本発明のバージョンの可能な利点の別の例は、検知結果に関連するデータの安全な取り扱いを可能にすることである。
【0018】
本発明のバージョンの可能な利点の別の例は、検知結果に関連するデータの耐タンパ取り扱いを可能にすることである。
【0019】
本発明のバージョンの可能な利点の別の例は、第1のデバイス自体が通信できる範囲を超えて、第1のデバイスからのデータの通信、特に送信を可能にすることである。
【0020】
本発明のバージョンの可能な利点の別の例は、第2のデバイスに技術的欠陥がある場合、および/または第2のデバイスを介したインターネットへのアクセスが不可能である場合などの困難な状況であっても、特に検知結果に関連するデータへのアクセスを可能にするために、検知結果に関連するデータの特に堅牢な取り扱いを可能にすることである。
【0021】
さらなる目的および利点は、上記および下記の説明および実施形態から明らかになる。
【課題を解決するための手段】
【0022】
これらの目的またはこれらの利点の少なくとも1つは、特許請求の範囲による装置(例えば、システム、デバイス)および方法によって少なくとも部分的に達成される。
【0023】
特に、製品のセットを監視するための方法は、
-1つまたは複数の第1のデバイスを提供することであって、第1のデバイスの各々は、
-製品のそれぞれのサブセットに関連付けられ、特にまた近接して配置され、
-1つまたは複数のセンサを備える第1の検知ユニットと、
-任意選択的に、第1の記憶ユニットとを備える、提供することと、
-1つまたは複数の第2のデバイス、特に2つ以上の第2のデバイスを提供することと、
-第1のデバイスの各々によって、
-それぞれの1つまたは複数のセンサによって、製品のそれぞれのサブセットがさらされていると想定される物理的および/または環境的条件を検知することと、
-検知された物理的および/または環境的条件に関連するデータを含むそれぞれの測定データを生成することと、
-第2のデバイスのうちの1つに第1の通信ネットワークを介して測定データを含む第1のデータセットを送信することと、
-第2のデバイスの各々が、
-第1の通信ネットワークを介して第1のデータセットのうちの1つまたは複数を受信することと、
-そのように受信された第1のデータセットの各々から、それぞれの第2のデータセットを導出することと、
-第2の通信ネットワークを介してインターネットに第2のデータセットの各々を送信することと
を含む。
【0024】
これは、特にセンサおよび第1のデバイスがそれぞれ多くの異なる位置に(製品のセットに、またはその近くに)配置される必要がある場合に、高い費用対効果をもたらすことができる。
【0025】
特定の観点では、方法は、製品の物理的および/または環境的条件への曝露から評定される、製品のセットの状態、特に完全性を監視するための方法と考えることができる。前記完全性は、これに関して、それぞれの製品の完全性または健全性を指すことができる。サブセットの各々について、それぞれのステータス(または完全性)が、すなわちそれぞれの第1のデバイスによって監視される。
【0026】
システムは、特に、製品のセットを監視するためのシステムであることができ、これは、
-1つまたは複数の第1のデバイスであって、第1のデバイスの各々が製品のそれぞれのサブセットに関連付けられている、1つまたは複数の第1のデバイスと、
-1つまたは複数の第2のデバイスと
を備え、
第1のデバイスの各々は第1の機能ユニットを備え、第1の機能ユニットは、
-製品のそれぞれのサブセットがさらされていると想定される物理的および/または環境的条件を検知するための1つまたは複数のセンサを備える第1の検知ユニットと、
-第1の通信ネットワークを介して通信するための第1の通信ユニットと、任意選択的に、
-データ記憶のための第1の記憶ユニットと
を備え、
第2のデバイスの各々は1つまたは複数の第2の機能ユニットを備え、第2の機能ユニットは、
-第1の通信ネットワークを介して通信し、さらに第2の通信ネットワークを介して通信するための第2の通信ユニットを備え、
第1のデバイスの各々は、
-検知された物理的および/または環境的条件に関連するデータを含む測定データを生成し、
-第1の通信ネットワークを介して測定データを含む第1のデータセットを送信する
ように構成され、
第2のデバイスの各々は、
-第1の通信ネットワークを介して第1のデバイスのそれぞれによって送信された第1のデータセットのうちの1つまたは複数を第1の通信ネットワークを介して受信し、
-そのように受信された第1のデータセットの各々から、それぞれの第2のデータセットを導出し、
-第2の通信ネットワークを介してインターネットに第2のデータセットの各々を送信する
ように構成される。
【0027】
システムは、特定の観点では、組合せ(部品の組合せ)と考えることができる。
一般に、方法およびシステムは、類似の特徴、したがって対応する技術的効果および利点を有することができる。
【0028】
本発明は、製品のセットを保管するための方法であって、これは、記載された方法に従って製品のセットを監視することを含む、方法と、製品のセットを出荷するための方法であって、これは、記載された方法に従って製品のセットを監視することを含む、方法とをさらに含むことができる。
【0029】
また、本発明はまた、記載されたシステムを備え、製品のセットをさらに備える出荷ユニットであって、特に、第1のデバイスの各々は、関連付けられたサブセットの製品に近接して配置される、出荷ユニットと、記載されたシステムを備え、製品のセットをさらに備えるストック(例えば、製品のストック、在庫)であって、特に、第1のデバイスの各々は、関連付けられたサブセットの製品に近接して配置される、ストックとを含むことができる。
【0030】
したがって、システムはまた、特にセンサおよび第1のデバイスがそれぞれ多くの異なる位置に(製品のセットに、またはその近くに)配置される必要がある場合に、高い費用対効果をもたらすことができる。また、特定の観点では、システムは、製品の物理的および/または環境的条件への曝露から評定される、製品のセットの状態、特に完全性を監視するためのシステムと考えることができる。
【0031】
いくつかの実施形態では、各第2のデバイスは、物理的および/または環境的条件を検知するための1つまたは複数のセンサを備える検知ユニット(第2の検知ユニット)を備える。より具体的には、第2のデバイスの各々は、製品のそれぞれのサブセットに関連付けることができ、第2の検知ユニットは、製品のそれぞれのサブセットがさらされると想定される物理的および/または環境的条件を検知するための1つまたは複数のセンサを備えることができる。第2のデバイスの各々は、製品のそれぞれのサブセットに関連付けられることができ、特に近接して配置されることもできる。
【0032】
物理的および/または環境的条件は、通常、
-温度と、
-湿度と、
-加速度と、
-圧力、特に周囲圧力と、
-光強度と
のうちの1つまたは複数を含む。
【0033】
対応して、1つまたは複数のセンサの各々は、例えば、
-温度センサ、
-湿度センサ、
-加速度センサ、
-圧力センサ、特に周囲圧力センサ、または
-光強度センサ
であり得る。
【0034】
監視は、特に、出発地から目的地までの製品のセットの輸送時間中、または保管場所における製品の保管中などの時間スパン中、例えば、製品が保管場所に入った時点から製品が保管場所から出る時点までに遂行することができる。
【0035】
製品のセットは、例えば、一緒に保管される複数の製品、または一緒に輸送される複数の製品であり得る。保管および輸送は、例えば、温度制御された環境、例えば冷却された環境で行うことができる。
【0036】
各第1のデバイスを製品のそれぞれの関連付けられたサブセットに近接して配置するオプションは、検知の結果に基づいて、製品のそれぞれのサブセットがさらされる物理的および/または環境的条件の評定の精度の向上をもたらすことができる。
【0037】
方法は、場合によっては、製品のセットのコールドチェーン監視のための方法と考えることもできる。
【0038】
製品は、特に生鮮品、例えば温度感受性製品であり得る。
製品は、例えば、温度感受性および/または湿度感受性および/または衝撃感受性および/または光感受性であり得る。
【0039】
製品は、特に、例えば、医薬品または人体もしくは人体排泄物から採取された試料、または動物の体もしくは動物の排泄物から採取された試料であり得る。
【0040】
したがって、各第1のデバイスは、(製品のサブセットを形成する)製品のうちの1つまたは複数に関連付けることができる。第1のデバイスによって検知された物理的および/または環境的条件は、それぞれの関連付けられた(または割り当てられた)製品に起因する可能性がある。それぞれのサブセットは分離していることができるが、そうである必要はなく、すなわち、それらは重複することができる。サブセットは、製品のうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0041】
典型的には、いずれのサブセットもセットと同一ではない。
いくつかの実施形態では、各第1のデバイスはハウジングを備え、より具体的には、その第1の機能ユニットは各々、第1の検知ユニットの一部をハウジングの外部に配置することができるという任意選択の例外を除いて、ハウジングに対して固定位置に配置することができる。第1の検知ユニットの前記一部は、例えば、第1の検知ユニットのセンサ(外部センサ)のうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0042】
いくつかの実施形態では、各第2のデバイスはハウジングを備え、より具体的には、その第2の機能ユニットは各々、第2の検知ユニット(第2のデバイスに含まれる場合)の一部をハウジングの外部に配置することができるという任意選択の例外を除いて、ハウジングに対して固定位置に配置することができる。第2の検知ユニットの前記一部は、例えば、第2の検知ユニットの1つまたは複数のセンサを含むことができる。
【0043】
第1のデバイスおよび第2のデバイスは、別個のデバイスであり、例えば、各第1のデバイスおよび各第2のデバイスは、それ自体の別個のハウジングを有する。
【0044】
測定データは、より具体的には、検知された物理的および/または環境的条件から導出されたデータ、例えば、検知された物理的および/または環境的条件を示す、または表す(代表する)データを含むことができる。
【0045】
測定データは、検知結果と同等のデータを含むことができる。
測定データは、例えば、生の検知データまたは処理された検知データを含むことができる。後者の場合、第1のデバイスは、処理された検知データを得るために生の検知データを処理するなど、データを処理することができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、第2のデータセットの各々は、特に暗号化形式で、それぞれの第1のデバイスの1つまたは複数のセンサによる物理的および/または環境的条件の検知が行われた時間に関連するタイムスタンプデータを含む。特に、タイムスタンプデータは、受信した第1のデータセットから(第2のデバイスによって)導出することができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、タイムスタンプデータは、特に暗号化形式で測定データに含まれ、測定データは暗号化データである。言い換えれば、検知された物理的および/または環境的条件に関連するデータは、タイムスタンプデータとともに暗号化される。したがって、測定データは、検知された物理的および/または環境的条件(例えば、タイムスタンプされた測定データ)に関連するタイムスタンプ付きデータを含むと考えることができる。
【0048】
測定データは、いくつかの実施形態では、暗号化データ、例えば、デジタルキーデータを使用して、検知された物理的および/または環境的条件に関連するデータを含むデータをデジタル暗号化することによって得られたバイナリデータである。これにより、通信、特にそれぞれの第1のデバイスとインターネットおよびサーバとの間の通信をより耐タンパ性にすることができる。例えば、第2のデバイスが測定データを復号するために構成される手段を欠いている場合などに、第2のデバイスのいずれかによる測定データへのアクセスをこのように阻止(防止)することができる。
【0049】
通常、第1のデバイスの各々は、少なくとも1つの第2のデバイスに関連付けられ、特に一時的に関連付けられ、その第1のデータセットを、それが関連付けられている第2のデバイスのうちの1つに送信する。第1のデバイスと第2のデバイスとの間の関連付けは、特に、それぞれの第1のデバイスとそれぞれの第2のデバイスとが第1の通信ネットワークを介して互いに通信できることを含むことができる。これは、例えば、第1のネットワークの有効範囲が第1のネットワークを介して2つのデバイス間の通信を可能にするのに十分であるように、2つのデバイスが位置しているか否かに依存し得る。
【0050】
場合によっては、各第1のデバイスは、第2のデバイスのうちの1つのみにそれぞれの第1のデータセットを送信することができ、それはさらに、第1のデバイスのうちの任意の他のデバイスがそのそれぞれの第1のデータセットを送信することができるすべての第2のデバイスとは異なるが、通常、第1のデバイスのうちのいくつかは、それらのそれぞれの第1のデータセットを1つの同じ第2のデバイスに送信することができる。
【0051】
いくつかの実施形態では、2つ以上の第2のデバイスが提供され、1つ以上の第1のデバイスのうちの少なくとも1つは、第1の通信ネットワークを介して、2つ以上の第2のデバイスのうちの1つに1つの第1のデータセットを送信し、2つ以上の第2のデバイスのうちの他の1つに他の第1のデータセットを送信する。より具体的には、第1のデバイスが2つ以上の第2のデバイスのうちの1つに第1のデータセットを送信するか、他の1つに第1のデータセットを送信するかは状況に依存する。言い換えれば、第1のデバイスと2つ以上の第2のデバイスの1つまたは他の1つとのそれぞれの関連付けは、時間とともに変化し得る。これは、例えば、第1のデバイスに対する第2のデバイスの可用性(例えば、近さ、第1の通信ネットワークへのアクセス、無欠陥性)、および/または第2の通信ネットワークを介して通信するそれぞれの第2のデバイスの能力に応じて行うことができる。
【0052】
第1のデータセットを2つ以上の異なる第2のデバイスに送信する可能性を有することにより、特に第2のデバイスのうちの1つに技術的欠陥があり、かつ/または第2の通信ネットワークを介してアクセスまたは通信することが一時的に不可能である場合に、測定データのインターネットおよびサーバへのそれぞれの送信、特に適時の送信をより確実にすることができる。これにより、方法(およびシステム)がより堅牢になる。
【0053】
したがって、システムに関して、いくつかの実施形態では、システムは2つ以上の第2のデバイスを備え、1つまたは複数の第1のデバイスのうちの少なくとも1つは、状況に応じて、第1のデータセットを第1の通信ネットワークを介して第2のデバイスのうちの1つに、または第2のデバイスのうちの他の1つに送信するように構成される。
【0054】
典型的には、第2のデバイスの各々は、第1の通信ネットワークを介して複数の第1のデータセットを受信し、第1のデータセットは、第1のデバイスのうちの1つの同じデバイスによって、またはむしろいくつかのデバイスによって送信することができる。単一の第2のデバイスのみが提供される(システムが単一の第2のデバイスのみを備える)のでない限り、各第2のデバイスは、通常、第1のデータセットの部分(一部)のみを受信する。
【0055】
第2のデータセットの導出は自明なプロセスである可能性があり、第2のデータセットの各々は、(同一に)導出された第1のデータセットと同一であり得る。しかしながら、これは単なるオプションであり、第2のデバイスによって実行されるタスクを単純化または低減することができるオプションである。一般に(そして典型的には)、第2のデータセットは、それが導出された第1のデータセットとは異なる可能性があり、例えば、第2のデータセットはさらなるデータを含むことができ、または、第1のデータセットに含まれるデータの変更バージョンを含むことができる。
【0056】
第2のデータセットの各々は、特に、検知された物理的および/または環境的条件に関連するデータ、例えば、検知された物理的および/または環境的条件を示す、または表すデータを含むことができる。特に、第2のデータセットの各々は、測定データを含むことができる。
【0057】
したがって、いくつかの実施形態では、第2のデバイスは、第1のデータセットから自明な手法で測定データを導出し、言い換えれば、第2のデータセットもそれぞれの測定データを含む。
【0058】
第2のデータセットの各々は、検知された物理的および/または環境的条件から導出されたデータを含むことができる。
【0059】
既に上述したように、いくつかの実施形態では、第2のデータセットの各々は、それぞれの第1のデバイスから第1の通信ネットワークを介して受信された測定データを含み、すなわち、同一の(改変されていない)測定データを含む。例えば、各第2のデバイスは、それぞれの第1のデバイスから第1の通信ネットワークを介して受信した測定データを変更することができないように構成することができる。言い換えれば、各第2のデバイスは、それぞれの第1のデバイスから第1の通信ネットワークを介して受信した測定データを変更するための手段を欠くことができる。したがって、第2のデバイスのいずれかによる測定データの変更、例えば処理は不可能になる。一方では、これは方法およびシステムを単純にし、他方では、測定データをインターネットに送信する間のセキュリティおよび耐タンパ性の向上が達成される。
【0060】
同様に、いくつかの実施形態では、第2のデータセットを導出することは、それぞれの受信した第1のデータセットに含まれるものと同様に、それぞれの第2のデータセットにそれぞれの測定データを組み込むことを含むことができる。また、より具体的には、第2のデータセットは、測定データを正確に1回のみ含み、すなわち、第2のデータセットは、測定データの2つ以上のコピーまたはバージョン(場合によっては変更されたもの)を含まない。
【0061】
上述したように、測定データは暗号化データとすることができ、オプションとして、暗号化は、第2のデバイスのいずれかによる測定データの変更を防止(阻止)することができる。
【0062】
第2の通信ネットワークを介したインターネットへの第2のデータセットの送信は、特に、TCP/IPプロトコルを介して、すなわちインターネットプロトコルスイート(TCP/IPプロトコルスイートとしても知られる)のプロトコルを介して通信することを含むことができる。例えば、それは、伝送制御プロトコル(TCP)、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)、またはストリーム制御伝送プロトコル(SCTP)を使用して通信することを含むことができる。したがって、第2のデバイス(より詳細には、第2の通信ユニット)は、TCP/IPプロトコルによって通信する手段を備えることができ、それらは、TCP/IPプロトコルを使用して(第2の通信ネットワークを介して)通信するように構成することができる。
【0063】
これとは対照的に、第1のデータセットの送信は、TCP/IPプロトコルを介して通信することなく達成されることが提供され得る。第1のデバイス(より詳細には、第1の通信ユニット)は、TCP/IPプロトコルによって通信するための手段を欠くことが提供され得る。これにより、比較的簡単で費用効果の高い方法で第1のデバイスを構築することを容易にすることができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、第1のデバイスの各々は、第1の通信ネットワーク以外の他の通信ネットワークを介して通信する能力を欠く。
【0065】
典型的には、第1の通信ネットワークのネットワークプロトコルは、第2の通信ネットワークのネットワークプロトコルとは異なる。例えば、第1の通信ネットワークを介した通信は、「Bluetooth Low Energy」(BLE)規格などの「Bluetooth」規格によるプロトコルを介して実行することができるが、第2の通信ネットワークを介した通信は、TCP/IPプロトコルを使用して実行することができる。
【0066】
いくつかの実施形態では、第1の通信ネットワークは、「Bluetooth」通信ネットワーク、より具体的には「Bluetooth Low Energy」通信ネットワークである。
【0067】
「Bluetooth」規格の代替は、例えば、「ZibBee」規格、「LoRa」(長距離)規格、「6LoWPAN」(「IPv6 over Low power Wireless Personal Area Network」)規格であり、これらは、TCP/IPプロトコルスイートには含まれていない。
【0068】
いくつかの実施形態では、第1および第2の通信ネットワークはワイヤレス通信ネットワークである。
【0069】
いくつかの実施形態では、第1の通信ネットワークは無線周波数範囲で動作する。
いくつかの実施形態では、第2の通信ネットワークは無線周波数範囲で動作する。
【0070】
通常、第1および第2の通信ネットワークは両方とも無線周波数範囲で動作する。
無線周波数ベースの通信ネットワークを介したネットワーク通信は、特に第1の通信ネットワークに適用される、十分なデータ帯域幅および目的のための十分な範囲で低エネルギー消費でのワイヤレス通信を可能にすることができる。
【0071】
いくつかの実施形態では、第1の通信ネットワークは、第2の通信ネットワークの範囲よりも小さい範囲を有する。
【0072】
ここで通信ネットワークの「範囲」とは、例えば、理論的な最大放射電力および最大受信機感度で理論的に達成可能な自由電界範囲ではなく、具体的な第1および第2のデバイスで達成可能な自由電界範囲、特に第1および第2のデバイスによって事実上提供される実際の放射電力および受信機感度におけるものを指す。
【0073】
いくつかの実施形態では、第1の通信ネットワークは、50mより小さい、特に20mより小さい、より詳細には10mより小さい範囲を有する。
【0074】
いくつかの実施形態では、第2の通信ネットワークは、少なくとも50m、特に少なくとも100m、より詳細には少なくとも400mの範囲を有する。
【0075】
いくつかの実施形態では、第2の通信ネットワークはセルラネットワーク、特に携帯電話ネットワークである。
【0076】
いくつかの実施形態では、第2の通信ネットワークはWi-Fi規格に従って動作する。
いくつかの実施形態では、第1のデバイスの各々は、(異なる時点で)以下のステップ、すなわち、
-それぞれの1つまたは複数のセンサによって、製品のそれぞれのサブセットがさらされていると想定される物理的および/または環境的条件を検知することと、
-検知された物理的および/または環境的条件に関連するデータを含むそれぞれの測定データを生成することと、
-第2のデバイスのうちの1つに第1の通信ネットワークを介して測定データを含む第1のデータセットを送信することと
を繰り返し実行する。
【0077】
測定データを生成することは、測定データにタイムスタンプデータ(上述)を含めることを含むことができる。
【0078】
いくつかの実施形態では、方法は、第1のデバイスの各々を関連付けられたサブセットの製品に近接して配置することを含む。
【0079】
いくつかの実施形態では、第1のデバイスの各々は、第1の記憶ユニットを備え、検知された物理的および/または環境的条件に関連するデータ、例えば測定データをその第1の記憶装置に記憶するように構成される。これにより、これらの重要なデータをそれぞれのデバイスにも保存することが可能になる。
【0080】
第1の記憶ユニットは、例えば、コンピュータメモリチップなどのデジタルデータ記憶装置とすることができる。
【0081】
いくつかの実施形態では、機能ユニットは、特に外部デバイスが例えばケーブルを介してハードウェアコネクタに接続されている場合に、ハードウェアコネクタを介して第1のデータセットのコピーの出力を可能にするように構成された、ハードウェアコネクタを備えるデータ出力ユニットを備える。これは、第1のデータセット、したがって測定データを送信する追加の方法を提供し、これは、測定データをインターネットおよびサーバにそれぞれ送信する代替手法を提供することができる。そのような代替案は、例えば、製品のセット、または少なくとも第1のデバイスおよび第2のデバイスが、少なくとも第2の通信ネットワークを介さずに、インターネットへのアクセスがない領域に位置する場合に、非常に有益であり得る。外部デバイスは、例えば、スマートフォンまたはコンピュータまたは他のコンピューティングデバイスとすることができ、第1のデータセットを異なる経路を使用してインターネットおよびサーバにそれぞれ送信するために使用することができ、経路は、第1の通信ネットワーク→第2の通信ネットワーク→インターネット/サーバの前述の経路から区別される。経路は、第1のデバイス→(ハードウェアコネクタを介して)外部デバイス→インターネット/サーバを含むことができる。したがって、外部デバイスは、インターネットにアクセスすることができ、ユーザは、外部デバイスを使用して、第1のデータセット(より正確には、そのコピー)をインターネットおよびサーバにそれぞれ送信することができる。
【0082】
ハードウェアコネクタを介して第1のデータセットのコピーを外部デバイスに出力する可能性を有することにより、測定データのインターネットおよびサーバへの送信、特に適時の送信をより確実にすることができる。これは、特に、第2のデバイスのうちの1つまたは複数が技術的欠陥を有し、かつ/または、一時的に、第2のネットワーク接続を介してアクセスまたは通信することができない場合に有用であり得る。これにより、システム(および方法)がより堅牢になる。
【0083】
当然ながら、データ出力ユニットを有する実施形態は、測定データが暗号化データである実施形態とうまく組み合わせることができ、これは、これが測定データの保護を提供し、耐タンパ性を高めるからである。
【0084】
同様に、本方法では、第1のデバイスの各々は、ハードウェアコネクタを備えるデータ出力ユニットを備え、方法は、第1のデバイスの少なくとも1つによって、
-ハードウェアコネクタを介して第1のデータセットのコピーを出力することを含む。
【0085】
方法は、特に、
-ユーザが、例えばケーブルを介して、外部デバイスをハードウェアコネクタに接続することと、
-ユーザが、データ出力ユニットを制御して、ハードウェアコネクタを介して外部デバイスに第1のデータセットのコピーを出力することと、
-ユーザが、第1のデータセットまたは第1のデータセットから導出されたデータセット、特に測定データを含むデータセットを、外部デバイスからインターネットおよびサーバにそれぞれ送信することと
を含むことができる。
【0086】
いくつかの実施形態では、データ出力ユニットは、USB(「ユニバーサルシリアルバス」)規格、例えばUSB2またはUSB3規格によるインターフェースを備える。ハードウェアコネクタは、例えば、USBコネクタとすることができる。
【0087】
記載された種類のファイル転送(ハードウェアコネクタを使用する)は、技術的な問題にもかかわらず、インターネット/サーバへの測定データの送信を確実にするために、困難な状況において非常に有用であり得る。
【0088】
いくつかの実施形態では、第1のデバイスの各々は、電気エネルギーを供給するための、特に第1の機能ユニットに電気エネルギーを供給するための、第1のエネルギー貯蔵部を備える第1のエネルギー供給ユニットを備え、第2のデバイスの各々は、電気エネルギーを供給するための、特に1つまたは複数の第2の機能ユニットに電気エネルギーを供給するための、第2のエネルギー貯蔵部を備える第2のエネルギー供給ユニットを備える。
【0089】
第1のエネルギー貯蔵部は、例えば、電池を備えることができる。
第2のエネルギー貯蔵部は、例えば、電池を備えることができる。
【0090】
いくつかの実施形態では、第2のデバイスの各々は、例えば充電式バッテリを備える充電式の第2のエネルギー貯蔵部を備える第2のエネルギー供給ユニットを備える。
【0091】
いくつかの実施形態では、第1のデバイスの各々は、例えば非充電式バッテリを備える非充電式の第1のエネルギー貯蔵部を備える第1のエネルギー供給ユニットを備える。より詳細には、第1のデバイスの各々について、そのすべての第1のエネルギー供給ユニットのすべての第1のエネルギー貯蔵部は、充電式の(第1の)エネルギー貯蔵部を欠いている。
【0092】
いくつかの実施形態では、第1のエネルギー貯蔵部の貯蔵容量は、第2のエネルギー貯蔵部の貯蔵容量よりも小さく、特に、第2のエネルギー貯蔵部の貯蔵容量の50%未満、より詳細には25%未満になる。
【0093】
いくつかの実施形態では、測定データを生成することは、暗号化工程を実行することを含み、その結果、測定データは暗号化データである。これにより、測定データ、ひいては検知結果に関するデータを安全に送信することができる。例えば、対称暗号化を実施することができる。この手法は、第1のデバイスが第1のデータセットを送信した先の第2のデバイスが、第1のデータセットで受信した測定データを変更することができることを防止(阻止)する1つの可能な手法であり、それにより、同一の(変更されていない)測定データが、第2のデバイスによって、第2のデータセットにおいて、インターネットおよびサーバにそれぞれ送信される。いくつかの実施形態では、暗号化された測定データの生成に使用される暗号化データ(デジタルキーデータなど)は、第1のデバイスの各々に固有である。このようにして、例えば、特定の第1のデバイスに特有のデジタルキーデータは、異なる第1のデバイスによって暗号化されたデータ、例えば測定データを復号するために使用することができない。
【0094】
いくつかの実施形態では、第2のデータセットの各々は、それぞれの第1のデータセットから導出された、それぞれの第1のデバイスを識別するデバイスIDデータを含む。このようにして、第1のデータセットおよび第2のデータセットがそれぞれ第1のデバイスのいずれから発生したかを知ることができる。
【0095】
特に、デバイスIDデータは、それぞれの第1のデバイスを一意的に識別する。デバイスIDデータは一意の識別子であるため、個々の第1のデバイスの明瞭な識別を可能にする。
【0096】
いくつかの実施形態では、デバイスIDデータは、非暗号化形式で第2のデータセットに含まれる。このようにして、それらは、例えば、以下でより詳細に説明するURLデータの一部として使用することができる。
【0097】
いくつかの実施形態では、デバイスIDデータは、暗号化形式で第2のデータセットに含まれ、特にそれらは測定データに含まれることができ、測定データは暗号化データである。言い換えれば、検知された物理的および/または環境的条件に関連するデータは、デバイスIDデータとともに、この場合には暗号化される。当然ながら、暗号化された測定データは、さらに、上述のタイムスタンプデータを含むこともできる。
【0098】
これにより、デバイスIDデータも不正から保護され、暗号化された測定データから(したがって、安全な方法で)、測定データの発信元の個々の第1のデバイスを識別することが可能になる。
【0099】
いくつかの実施形態では、デバイスIDデータは、暗号化形式および非暗号化形式で第2のデータセットに含まれる。これは、デバイスIDデータを記憶する2つの形式の利点を組み合わせる。
【0100】
いくつかの実施形態では、第2のデバイスは、第1のデータセットから自明な手法でデバイスIDデータを導出し、言い換えれば、第1のデータセットもそれぞれのデバイスIDデータを含む。
【0101】
しかしながら、いくつかの他の実施形態では、第2のデバイスは、デバイスIDデータと同一ではないそれぞれの第1のデータセットに含まれる前駆体データからデバイスIDデータを導出する。しかしながら、通常、前駆体データは、デバイスIDデータを含むか、またはデバイスIDデータと同等のデータを含む。
【0102】
いくつかの実施形態では、デバイスIDデータまたは任意選択的に前駆体データ(デバイスIDデータを含むか、またはデバイスIDデータと同等のデータを含む)は、非暗号化形式で第1のデータセットに含まれる。このようにして、第2のデバイスは、デバイスIDデータを読み取るためにデータを復号することができる必要はない。したがって、第2のデバイスは、例えば、以下に説明するように、URLデータを導出するために、デバイスIDデータ(または前駆体データ)に迅速かつ容易にアクセスすることができる。
【0103】
いくつかの実施形態では、システムは、インターネットに接続されたサーバシステムと、サーバシステム上で動作するサーバアプリケーションとをさらに備え、第2のデバイスの各々は、第2の通信ネットワークを介してインターネットに第2のデータセットを送信することが、
-第2の通信ネットワークを介してサーバシステムに第2のデータセットを送信することを含むように構成され、
サーバシステムは、
-第2のデバイスの各々から第2のデータセットの各々を受信するように構成される。
【0104】
サーバシステムは、例えば、通常は1つまたは複数の大容量記憶デバイスを含む、1つまたは複数の相互接続されたコンピュータとすることができる。
【0105】
さらに、サーバアプリケーションは、受信した第2のデータセットの各々について、
-第2のデータセットに含まれるデバイスIDデータを用いて、復号データを取得し、
-復号データを使用して第2のデータセットに含まれる測定データを復号し、
-復号された測定データの少なくとも一部を、例えばサーバシステム上に記憶するように構成されるものとすることができる。
【0106】
対応して、いくつかの実施形態では、測定データの生成は暗号化工程を実行することを含み、測定データは暗号化データであり、第2のデータセットの各々は、それぞれの第1のデータセットから導出された、それぞれの第1のデバイスを識別するデバイスIDデータを含む。また、方法は、
-インターネットに接続されたサーバシステムによって第2のデータセットの各々を受信することであって、サーバアプリケーションがサーバシステム上で動作する、受信することと、
サーバアプリケーションが、各受信した第2のデータセットについて、
-それぞれの第2のデータセットに含まれるデバイスIDデータを用いて、復号データを取得することと、
-復号データを用いて第2のデータセットに含まれる測定データを復号することと、
-復号された測定データの少なくとも一部を、特にサーバシステム上に記憶することと
をさらに含むことができる。
【0107】
したがって、デバイスIDデータは、復号プロセス、特に、(それぞれの第2のデータセットに含まれる)それぞれの測定データを復号するためのプロセスなどの、デバイスIDデータによって識別されるそれぞれの第1のデバイスに関連する暗号化データを復号するためのプロセスで使用することができる。
【0108】
暗号化は、第2のデータセットなどのデータの耐タンパ性および安全な送信を提供することができる。(第1のデバイスからサーバアプリケーションへの)エンドツーエンド暗号化を実施することができる。
【0109】
復号データは、デジタルキーデータ(「キー」)を含むことができる。
いくつかの実施形態では、対称暗号化が実施される。言い換えれば、(それぞれの第1のデバイスによる)暗号化および(例えば、サーバアプリケーションによる)復号のために、1つの同じキーが使用される(すなわち、同一のデジタルキーデータが使用される)。
【0110】
暗号化された測定データなどの暗号化されたデータは、例えば、バイナリデータとすることができる。
【0111】
復号データの取得は、例えばルックアップテーブルを使用して達成することができる。例えば、各デバイスIDデータについて、サーバアプリケーションは、ルックアップテーブルを介して、デバイスIDデータによって識別され、したがってそれぞれの第2のデータセットに含まれる測定データと関連付けられた第1のデバイスに関連付けられたデジタルキーデータを見つける。
【0112】
したがって、各第1のデバイスについて、それぞれの第1のデバイスによって生成されたすべての測定データは、1つの同じ復号データ、例えば、1つの同じデジタルキーデータを使用して復号することができる(そして、任意選択的に、暗号化工程を含めて生成されている)ことを適用することができる。
【0113】
復号データは、通常、第1のデバイスの各々に固有である。
サーバシステムによって、第2のデータセット、特に測定データは、例えば製品がまだ無傷であると想定できるか否かを判定するためなどに、記憶および/または処理されてもよい。このようにして、第1のデバイスは、比較的少ない処理電力で動作することができ、その結果、第1のデバイスは、単純で費用効果の高いデバイスとすることができる。
【0114】
いくつかの実施形態では、第2のデータセットの各々は、それぞれの第1のデータセットから導出された、インターネットリソースを識別するユニフォームリソースロケータデータを含むURLデータを含み、第2のデバイスの各々は、第2の通信ネットワークを介してインターネットに第2のデータセットを送信することが、
-それぞれの第2のデータセットに含まれるURLデータによって識別されるインターネットリソースに第2のデータセットの各々を送信すること
を含むように構成される。
【0115】
特に、サーバシステムに関連付けられたリソースは、URLデータによって識別することができ、および/またはインターネットリソースは、サーバシステムに関連付けられたリソースとすることができる。
【0116】
例えば、URLデータは、例えば、httpプロトコルまたはhttpsプロトコルに従って、サーバシステムのIPアドレスを含むことができ、それらは、サーバシステムのインターネットドメインを特徴付けるデータを含むことができる。
【0117】
いくつかの実施形態では、URLデータは、デバイスIDデータを、特に非暗号化形式で含む。URLデータに含まれるデバイスIDデータにより、第2のデータセットを適切なインターネットリソースに転送すること、特に、デバイスIDデータによって識別されるそれぞれの第1のデバイスに一意的に関連付けられたインターネットリソースに転送することを容易にすることができる。
【0118】
各第1のデバイスが(それぞれの第1のデータセットを介して)、その測定データが送信されるインターネットリソースを完全にまたは部分的にのみ指定できるようにすることができる。
【0119】
いくつかの実施形態では、URLデータは、第1のデータセットの各々に含まれる。言い換えれば、それらは第1のデータセットから自明に/同一に導出される。
【0120】
しかしながら、例えば、URLデータの一部のみがそれぞれの第1のデータセットから生じる実施形態では、より大きな柔軟性が提供される。例えば、URLデータは、デバイスIDデータを含むことができ、URLデータのさらなるデータ、例えば、サーバシステムのインターネットドメインなどのインターネットドメインを特徴付けるデータなどが、第2のデバイスによって提供される(第1のデータセットに由来しない)。
【0121】
したがって、いくつかの実施形態では、それぞれの第1のデータセットからのURLデータの導出は、第1のデータセットからURLデータの一部のみ、より詳細にはデバイスIDデータを導出することを含む。特に、URLデータの他の部分は、サーバシステムのインターネットドメインを特徴付けるデータを含む。
【0122】
このようにして、例えば、サーバシステムがそこに移動されるため、または(その異なるインターネットドメインで)新しいサーバシステムが第2のデータセットを受信するため、第2のデータセットを異なるインターネットドメインに送信することが決定されるとき、柔軟性が得られる。そのような改変は、第1のデバイスを変更することなく、例えば単に第2のデバイスを変更することによって達成することができ、これはさらに、第2のデバイスがインターネット接続性を有するので比較的簡単であり得る。
【0123】
したがって、いくつかの実施形態では、本方法は、第2のデータセットの各々について、それに含まれるURLデータが、それぞれの第1のデバイスを識別するデバイスIDデータを含むことを含み、特に、本方法は、第2のデバイスの各々によって実行され、それぞれの第1のデータセットから導出されたデバイスIDデータを用いてそれぞれのURLデータを導出することを含み、より詳細には、導出することは、URLデータにデバイスIDデータを含めることを含む。
【0124】
デバイスIDデータがそれぞれの第1のデバイスを一意的に識別するとき、URLデータを介して、異なる第1のデバイスから生じる第2のデータセットが常に異なるインターネットリソースに送信されることを可能にすることができる。
【0125】
本発明はまた、記載されたシステムの一部であるかもしくは記載されたシステムで使用することができる、および/または記載された方法で使用する第1のデバイスである、第1のデバイスを含むことができる。
【0126】
特に、第1のデバイスは、第1の機能ユニットを備える1つまたは複数の製品を監視するための第1のデバイスとすることができ、第1の機能ユニットは、
-1つまたは複数の製品がさらされていると想定される物理的および/または環境的条件を検知するための1つまたは複数のセンサを備える第1の検知ユニットと、
-第1の通信ネットワークを介して通信するための第1の通信ユニットと
を備え、
第1のデバイスは、
-検知された物理的および/または環境的条件に関連するデータを含む測定データを生成し、
-第1の通信ネットワークを介して測定データを含む第1のデータセットを送信する
ように構成され、
測定データは、第1のデバイスを識別する、特に第1のデバイスを一意的に識別する第1のデバイスIDデータを含み、測定データは暗号化データであり、測定データを生成することは暗号化工程を実行することを含み、第1のデータセットは、非暗号化形式で、それぞれの第1のデバイスを識別する、特にそれぞれの第1のデバイスを一意的に識別する第2のデバイスIDデータをさらに含む。
【0127】
第1および第2のデバイスIDデータは同一であり得る。
第1のデバイスのいくつかの実施形態では、第1の通信ネットワークは、第1のデバイスが通信することができる唯一の通信ネットワークである。
【0128】
いくつかの実施形態では、第1のデバイスは、第1の通信ネットワーク以外の他の通信ネットワークを介して通信する能力を欠く。
【0129】
いくつかの実施形態では、第1のデバイスは、ハードウェアコネクタを介して第1のデータセットのコピーの出力を可能にするように構成された、ハードウェアコネクタを備えるデータ出力ユニットを備える。以上、データ出力ユニットおよびその機能についてより詳細に説明した。
【0130】
本発明はまた、記載されたシステムの一部であるかもしくは記載されたシステムで使用することができる、および/または記載された方法で使用する第2のデバイスである、第2のデバイスを含むことができる。
【0131】
特に、第2のデバイスは、第2の機能ユニットを備える、1つまたは複数の製品を監視する際に使用するための第2のデバイスとすることができ、第2の機能ユニットは、
-第1の通信ネットワークを介して通信し、さらに第2の通信ネットワークを介して通信するための第2の通信ユニットを備え、
第2のデバイスは、
-第1の通信ネットワークを介して第1のデータセットを受信し、第1のデータセットは、
-第1のデバイスによって検知された、検知された物理的および/または環境的条件に関連するデータと、第1のデバイスを識別する第1のデバイスIDデータとを含む測定データであって、測定データは暗号化データである、測定データと、さらに、
-非暗号化形式で、第1のデバイスを識別する第2のデバイスIDデータと
を含み、
-そのように受信された第1のデータセットから、第2のデータセットを導出する
ように構成され、
第2のデータセットの導出は、
-インターネットリソースを識別するユニフォームリソースロケータデータを含むURLデータを生成することであって、URLデータは、第2のデバイスIDデータまたはそれから導出されたデータを含む、生成することを含み、
第2のデータセットは、
-測定データと、
-URLデータと
を含み、
第2のデバイスは、
-第2の通信ネットワークを介してインターネットに第2のデータセットを送信する
ように構成される。
【0132】
特に、第2のデバイスは、
-第2の通信ネットワークを介してURLデータによって識別されるインターネットリソースに第2のデータセットを送信する
ように構成されることができる。
【0133】
特に、第2のデバイスは、測定データを変更するための手段が欠けるように構成することができ、より詳細には、測定データは暗号化データとすることができる(第2のデバイスは測定データを復号することができない)。
【0134】
上記から明らかになるように、本発明には、大雑把に言えば、2つのタイプのデバイス(第1のデバイスおよび第2のデバイス)および2つの異なる通信ネットワークを提供するという基本的な態様以外に、さらなる態様がある。
【0135】
一態様は、URLデータの導出における、(通常は第2のデータセット内の非暗号化形式の)デバイスIDデータ、および場合によっては(通常は第1のデータセット内の非暗号化形式の)その前駆体データの使用に関する。これにより、各第1のデバイスは、第2のデータセット(特に測定データ)が送信されるインターネットリソースの決定に寄与することができ、例えば、その場合、それらはすべて、それぞれの第1のデバイスの一意のURL特性に送信され、したがって、他の第1のデバイスに関連付けられた第2のデータセットが送信されるすべてのURLとは異なる。これにより、サーバシステムによるデータ処理を大幅に簡素化することができる。
【0136】
他の態様は、暗号化に関する。ここで、デバイスIDデータの送信(特に、非暗号化形式でのその送信)は、測定データの復号のための復号データを取得するために(サーバアプリケーションによって)使用されることから、顕著である。このようにして、特に対称暗号化を用いて、簡単なエンドツーエンド暗号化を達成することができる。
【0137】
さらに他の態様は、測定データを改ざんするために第2のデバイスを使用することがほぼ不可能であるように、第2のデバイスが測定データを変更することができないことに関する。
【0138】
さらに他の態様は、少なくとも2つの第2のデバイスの提供、および状況に応じて、第1のデータセットを第2のデバイスの一方または他方に送信する第1のデバイスの少なくとも1つの能力に関し、例えば、第2のデバイスの一方が技術的問題を有する場合、方法およびシステムをより堅牢にする。
【0139】
最後に、他の態様は、第2の通信ネットワークを介したインターネットアクセスが(例えば、一時的に)不可能である場合などの技術的問題の場合に方法およびシステムをより堅牢にする測定データ(通常は暗号化形式、第1の通信ネットワークを介して通常に送信されたのと少なくとも同じ形式)のコピーに、データ出力ユニットを介してアクセスすることが可能であるように、各第1のデバイスにおけるハードウェアベースのインターフェースの提供に関する。
【0140】
もちろん、これらの態様は、別々に実施されることが可能であるが、組み合わせて、例えば、ペアごとに実施されることも可能であり、また、これらの態様のうちの3つ以上が組み合わされることも可能である。
【0141】
注:項目が工程を実行するように「構成」されると記載される場合、これは、項目が工程を実行することを事実上可能にする具体的な措置が取られていることを意味する。例えば、プログラムコードが実行されるときに項目が工程を実行することを可能にする専用プログラムコードが実装される。したがって、これは、例えば、専用のプログラムコードのないコンピュータの場合のように、項目に工程を実行させる(場合によっては)単なる適合性を含まない。
【0142】
容易に理解されるように、方法に関して本明細書で言及される特徴は、記載された装置(例えば、システム、デバイス)にも同様に適用することができる。また、逆もまた同様であり、装置(例えば、システム、デバイス)に関して本明細書で述べた特徴は、記載された方法にも同様に適用することができる。達成可能な効果は互いに対応する。
【0143】
したがって、本発明は、本発明による対応する方法の特徴を有する装置(例えば、システム、デバイス)を含み、逆もまた同様であり、本発明による対応する装置(例えば、システム、デバイス)の特徴を有する方法も含む。
【0144】
さらなる実施形態および利点は、以下の説明および添付の図面ならびに従属請求項から明らかになる。
【0145】
以下、実施例および添付図面を用いて本発明をより詳細に説明する。図面において、同じ参照番号は、同じまたは類似の要素を指す。以下のように図式的に図に示す。
【図面の簡単な説明】
【0146】
図1】製品のセットを監視するためのシステムの概略図である。
図2】製品のセットを監視するためのシステムの他の概略図であり、システムの第1および第2のデバイスを強調している。
図3】データ送信の詳細および復号プロセスの詳細の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0147】
記載された実施形態は、例として、または本発明を明確にするためのものであり、本発明を限定するものではない。
【0148】
図1は、製品のセットを監視するためのシステムの概略図を示し、図2は、例えば図1のシステムの製品のセットを監視するためのシステムの他の概略図を示し、システムの第1および第2のデバイスを強調している。製品のうちのいくつかは、図1ではPとラベル付けされている。図1のPとラベル付けされた項目の各々は、製品のサブセットなどの1つまたは複数の製品、例えばワクチンを含む複数のバイアルを含むことも可能である。
【0149】
システムは、1つまたは複数の第1のデバイスD1および1つまたは複数の第2のデバイスD2を備える。図1では、12個の第1のデバイスD1および2個の第2のデバイスD2が示されている。各第1のデバイスD1は、点線によって象徴されるように、第1の通信ネットワークを使用して、第2のデバイスD2のうちの1つまたは複数の関連付けられたものと通信することができる。例えば、ハッチングを付した第1のデバイスD1は、両方の第2のデバイスD2(図1には具体的に示されていない)と通信することが可能であり得るが、それは、例えば、これらの第2のデバイスD2の両方の通信範囲内に位置するためである。特定の第1のデバイスD1が、原則として(例えば、それらが互いに遠すぎる場合を除き)、第2のデバイスD2のいずれかと通信することができる可能性があれば、例えば、第2のデバイスD2のうちの1つが機能不全に陥った場合、または、第2のデバイスD2のうちの1つのインターネットwwwへの接続が喪失した場合、第1のデバイスD1は、依然として他の第2のデバイスD2と通信することができるため、通信は非常に堅牢である。
【0150】
第1のデバイスD1および第2のデバイスD2は、それぞれ通信ユニットC1およびC2を備え、両方とも、「Bluetooth Low Energy」規格を使用するなど、第1の通信ネットワークを介して通信することを可能にする。第2のデバイスの通信ユニットC2は、他の通信ネットワークを使用して通信を可能にし、例えば、セルラ通信ネットワークまたはWi-Fi規格による通信ネットワークを使用して、インターネットwwwへの接続を提供する。各第1のデバイスD1は、第2のデバイスD2のうちの1つまたは複数を、インターネットwwwへのゲートウェイとして使用することができる。特に、システムは、各第1のデバイスD1からのデータ(または、むしろ、それから導出されたデータ)を(第2のデバイスD2を介して)サーバシステムCに送信することができるように、インターネットwwwに接続されたサーバシステムCを備えることもできる。
【0151】
第1のデバイスD1および第2のデバイスD2は、バッテリなどのエネルギー供給ユニットB1およびB2をそれぞれ備えることができる。特に、第2のデバイスD2のエネルギー供給ユニットB2は、充電式バッテリなどの充電式エネルギー貯蔵部を備えることができる。
【0152】
第1のデバイスD1および第2のデバイスD2は、例えばコンピュータメモリチップなどのデジタルデータストレージのための記憶ユニットM1およびM2と、図示されていないマイクロプロセッサなどのデジタル処理ユニットとをそれぞれ備えることができる。
【0153】
第1のデバイスD1は、特に監視される製品Pが温度感受性製品である場合に、温度などの物理的および/または環境的条件を検知するための検知ユニットS1を各々備える。
【0154】
任意選択的に、第2のデバイスD2は、特に監視される製品Pが温度感受性製品である場合に、温度などの物理的および/または環境的条件を検知するための検知ユニットS2を各々備えることができる。
【0155】
ここで、データ送信の詳細および復号プロセスの詳細の概略図を示す図3も参照すると、例えば測定データMDに含まれる検知の結果は、特にサーバシステムCを使用して、例えばこれらを記憶および処理、例えば評価するために、インターネットwwwに送信することができる。このようにしてリアルタイム監視を達成することができる。
【0156】
各第1のデバイスD1は、それぞれの第1のデバイスD1を一意的に識別するデバイスIDデータと、検知結果に関連するまたは検知結果を示すデータを含む検知データSDを含む測定データMDと、任意選択的に、検知の時刻を示すタイムスタンプデータ(図示せず)とを含む第1のデータセットDS1を生成することができる。
【0157】
各第1のデバイスD1は、これが、例えば、検知結果が得られた後のたびに起こる(また、第1のデータセットDS1の送信も行われる)ように構成することができ、これは通常、状況に応じて、例えば、10分ごとまたは6時間ごとなど、定期的に繰り返し行われる。
【0158】
測定データMDは暗号化することができ、デバイスIDデータIDを含むこともでき、デバイスIDデータIDは、第1のデータセットDS1に、暗号化されていない場合と暗号化されている場合との2回含めることができる。したがって、第1のデバイスD1は、測定データMDを生成する際に、デジタルキーデータを適用するなどして暗号化工程を実行することができる。
【0159】
第1のデバイスD1は(第1の通信ネットワークを介して)、第1のデータセットDS1を第2のデバイスD2に送信し、第2のデバイスD2から第2のデータセットDS2を導出する。暗号化された測定データMDは、(復号工程を遂行することができず、および/または適切なデジタルキーデータにアクセスできない)第2のデバイスD2によって改変されないままであるが、第2のデバイスは、第1のデータセットDS1から、より正確には暗号化されていないデバイスIDデータIDから、URLデータUを導出することができる。
【0160】
URLデータUは、サーバシステムCに関連付けられたインターネットリソースなどのインターネットリソースを識別するユニフォームリソースロケータデータを含む。例えば、第2のデバイスは、ユニフォームリソースロケータデータに、サーバシステムCのドメインを識別するデータを提供することができる。第2のデバイスD2は、(第2の通信ネットワークを介して)このインターネットリソースに第2のデータセットDS2を送信することができる。
【0161】
第1のデバイスD2の各々は、これが第1のデータセットDS1の受信後に毎回遂行されるように構成することができる。
【0162】
インターネットwwwでは、サーバシステムCなどによって、第2のデバイスD2から受信した第2のデータセットDS2に含まれる暗号化された測定データMDを、すなわちURLデータUを利用することによって、より正確にはそこに含まれるデバイスIDデータに基づいて復号することができる。
【0163】
注:第1のデータセットDS1および第2のデータセットDS2内のデバイスIDデータが同一であることは単なるオプションである。例えば、第2のデバイスは、受信したデバイスIDデータIDを変更し、受信したデバイスIDデータセットIDの変更バージョンを第2のデータセットDS2に含めることができる。しかしながら、物理的および/または環境的条件を検知したそれぞれの第1のデバイスD1が、例えばサーバシステムCによって、デバイスIDデータIDに基づいて(明瞭に)識別され得ることが重要である。
【0164】
復号に適したキー(デジタルキーデータ)は、例えば、受信されたデバイスIDデータIDに基づいて、例えばサーバシステムCに関連付けられたルックアップテーブルLUTを介して取得することができる。そのキーは、暗号化のために第1のデバイスDS1によって使用されるキーと同一であり得る。
【0165】
したがって、(測定データMDの)復号によって、検知データSD(ならびに以前の暗号化されたデバイスIDデータおよび任意選択的なタイムスタンプデータ)を非暗号化形式で導出することができる。
【0166】
さらなる詳細は、上記で説明されている。
明らかになるように、製品の監視において機密データを取り扱い保護する比較的堅牢で安全な方法は、記載された方法およびシステムによって実現することができる。
【0167】
実施形態の態様は、機能ユニットに関して説明されている。容易に理解されるように、別段の指定がない限り、これらの機能ユニットは、指定された機能を実行するように適合された実質的に任意の数のハードウェアおよび/またはソフトウェア構成要素で実現され得る。
【0168】
特に明記しない限り、かつ論理的に不可能でない限り、本方法のステップは、ステップの同時実行を含む任意の順序(シーケンス)で実行してもよい。
図1
図2
図3
【国際調査報告】