(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-14
(54)【発明の名称】少なくとも1つの工作ヘッドのモーションコントロールのための方法、システム、およびデバイス
(51)【国際特許分類】
B23Q 15/12 20060101AFI20240806BHJP
G06T 7/60 20170101ALI20240806BHJP
G06T 7/12 20170101ALI20240806BHJP
B23Q 17/20 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
B23Q15/12 Z
G06T7/60 200Z
G06T7/12
B23Q17/20 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024505145
(86)(22)【出願日】2022-07-21
(85)【翻訳文提出日】2024-01-26
(86)【国際出願番号】 CN2022107038
(87)【国際公開番号】W WO2023005790
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】202110853667.6
(32)【優先日】2021-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521312237
【氏名又は名称】ゼジャン・ハーレイ・テクノロジー・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】シャン・ジョウ
(72)【発明者】
【氏名】カイ・ワン
(72)【発明者】
【氏名】ユ・リウ
(72)【発明者】
【氏名】ル・ジョウ
(72)【発明者】
【氏名】ミン・リ
【テーマコード(参考)】
3C001
3C029
5L096
【Fターム(参考)】
3C001KA01
3C001KB04
3C001TA02
3C001TB03
3C001TC02
3C029BB06
3C029BB10
5L096AA09
5L096BA20
5L096FA06
5L096FA08
5L096FA18
5L096FA64
5L096FA66
5L096FA67
5L096FA69
(57)【要約】
本開示は、少なくとも1つの工作ヘッドのモーションコントロールのための方法を提供する。方法は、高精度測定デバイスのスキャンに基づいて対象物の目標領域を取得するステップを含み得る。方法はまた、目標領域に基づいて目標領域に対応する深さ情報を決定するステップを含み得る。方法はさらに、深さ情報に基づいて少なくとも1つの工作ヘッドの運動軌跡を決定するステップを含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの工作ヘッドのモーションコントロールのための方法であって、
高精度測定デバイスのスキャンに基づいて対象物の目標領域を取得するステップと、
前記目標領域に基づいて前記目標領域に対応する深さ情報を決定するステップと、
前記深さ情報に基づいて前記少なくとも1つの工作ヘッドの運動軌跡を決定するステップと
を備える、方法。
【請求項2】
エンコーダのコーディング情報に基づいて前記高精度測定デバイスのスキャン情報を決定するステップと、
前記スキャン情報に基づいて前記深さ情報を決定するステップと
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記深さ情報に基づいて前記少なくとも1つの工作ヘッドの運動軌跡を決定する前記ステップが、
前記深さ情報に基づいて前記少なくとも1つの工作ヘッドの運動領域を決定するステップと、
前記運動領域に基づいて前記運動軌跡を決定するステップと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記運動領域に基づいて前記運動軌跡を決定する前記ステップが、
前記運動領域および運動方向に基づいて前記少なくとも1つの工作ヘッドの運動参照経路を決定するステップと、
前記運動参照経路に基づいて前記運動軌跡を決定するステップと
を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記運動参照経路が、前記運動領域の中心線経路または前記運動領域の中の前記中心線経路に平行な経路を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記運動領域が複数の部分領域を含み、
前記運動領域に基づいて前記運動軌跡を決定する前記ステップが、
前記複数の部分領域のうちの2つの隣接する部分領域が前記運動方向において連続的であるかどうかを決定するステップと、
前記複数の部分領域のうちの前記2つの隣接する部分領域が前記運動方向において連続的であるかどうかの決定に基づいて転回軌跡を追加するかどうかを決定するステップと
を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記複数の部分領域のうちの前記2つの隣接する部分領域が前記運動方向において連続的であるかどうかの決定に基づいて転回軌跡を追加するかどうかを決定する前記ステップが、
前記複数の部分領域のうちの前記2つの隣接する部分領域が前記運動方向において連続的ではないとの決定に応答して、前記2つの隣接する部分領域間の逸脱領域において前記転回軌跡を追加するステップを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの工作ヘッドの前記運動軌跡に基づいて動くように前記少なくとも1つの工作ヘッドを制御するステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの工作ヘッドが第1の工作ヘッドおよび第2の工作ヘッドを含み、
前記第1の工作ヘッドと前記第2の工作ヘッドとの間の距離が一定であり、
前記少なくとも1つの工作ヘッドの前記運動軌跡に基づいて動くように前記少なくとも1つの工作ヘッドを制御する前記ステップが、
前記第1の工作ヘッドの前記運動軌跡に基づいて動くように前記第1の工作ヘッドおよび前記第2の工作ヘッドを制御するステップを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの工作ヘッドが第1の工作ヘッドおよび第2の工作ヘッドを含み、
前記少なくとも1つの工作ヘッドの前記運動軌跡が前記第1の工作ヘッドの第1の運動軌跡および前記第2の工作ヘッドの第2の運動軌跡を含み、
前記少なくとも1つの工作ヘッドの前記運動軌跡に基づいて動くように前記少なくとも1つの工作ヘッドを制御する前記ステップが、
前記第1の運動軌跡に基づいて動くように前記第1の工作ヘッドを制御するステップと、
前記第2の運動軌跡に基づいて動くように前記第2の工作ヘッドを制御するステップと
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記対象物の前記目標領域に基づいて前記目標領域の点群データを取得するステップと、
前記目標領域の前記点群データに基づいて前記目標領域の終点のセットを決定するステップと
を備え、
前記深さ情報が前記点群データおよび終点の前記セットを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記目標領域の前記点群データに基づいて前記目標領域の終点のセットを決定する前記ステップが、
第1の点群データからの距離が第1の距離である第2の点群データおよび第3の点群データを決定するステップであって、前記点群データの中の前記第1の点群データが始点として指定される、ステップと、
第1のベクトルと第2のベクトルとの間の角度を決定することによってベクトル角を取得するステップであって、前記第1のベクトルが前記第1の点群データおよび前記第2の点群データから構成され、前記第2のベクトルが前記第1の点群データおよび前記第3の点群データから構成される、ステップと、
前記点群データを走査することによってベクトル角のセットを取得するステップと、
ベクトル角の前記セットに基づいて終点の第1のセットおよび終点の第2のセットを決定するステップであって、終点の前記第1のセットおよび終点の前記第2のセットが終点の前記セットに属する、ステップと
を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記目標領域の前記点群データに基づいて前記目標領域の終点のセットを決定する前記ステップが、
前記第1の点群データからの距離が第1の距離である第2の点群データおよび第3の点群データを決定するステップであって、前記点群データの中の前記第1の点群データが始点として指定される、ステップと、
第1のベクトルと第2のベクトルとの間の角度を決定することによってベクトル角を取得するステップであって、前記第1のベクトルが前記第1の点群データおよび前記第2の点群データから構成され、前記第2のベクトルが前記第1の点群データおよび前記第3の点群データから構成される、ステップと、
前記点群データを走査することによってベクトル角のセットを取得するステップと、
ベクトル角の前記セットに基づいて終点の第1のセットおよび終点の第2のセットを決定するステップと、
終点の前記第1のセットおよび終点の前記第2のセットに基づいて中心点のセットを決定するステップであって、中心点の前記セットが終点の前記セットに属する、ステップと
を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
ベクトル角の前記セットに基づいて終点の第1のセットおよび終点の第2のセットを決定する前記ステップが、
ベクトル角の前記セットにおいて、正接値が第1の閾値よりも大きいベクトル角のサブセットを取得するステップと、
ベクトル角の前記サブセットに対応する点群データにおいて、間隔が距離閾値条件を満たす点群データを決定することによって、終点の第1の候補セットを取得するステップと、
終点の前記第1の候補セットにおいて、高さの差が第2の閾値未満であるベクトル角に対応する点群データを決定することによって、終点の第2の候補セットを取得するステップと、
終点の前記第2の候補セットの中の前記点群データに対応する前記ベクトル角の方向情報に基づいて、終点の前記第2の候補セットに含まれる終点の前記第1のセットおよび終点の前記第2のセットを決定するステップと
を含む、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
終点の前記セットの中の終点の座標が前記運動方向において連続的であるかどうかを決定するステップと、
終点の前記セットの中の終点の前記座標が前記運動方向において連続的ではないとの決定に応答して、終点の前記セットにおいて連続的ではない2つの隣接する終点の座標に基づいて前記2つの隣接する終点間で少なくとも1つの転回点を決定するステップであって、前記少なくとも1つの転回点が前記転回軌跡を決定するように構成される、ステップと
をさらに備える、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
終点の前記セットにおいて連続的ではない前記2つの隣接する終点の座標に基づいて前記2つの隣接する終点間で少なくとも1つの転回点を決定する前記ステップが、
前記運動方向における前記2つの隣接する終点の前記座標間の距離を決定するステップと、
前記距離に対応する画像フレームの数に基づいて前記少なくとも1つの転回点の数を決定するステップと、
前記距離および前記少なくとも1つの転回点の前記数に基づいて前記少なくとも1つの転回点の座標を決定するステップと
を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記距離に対応する画像フレームの数に基づいて前記少なくとも1つの転回点の数を決定する前記ステップが、
前記2つの隣接する終点にそれぞれ対応する第1のフレーム識別子および第2のフレーム識別子を決定するステップと、
前記第1のフレーム識別子および前記第2のフレーム識別子に基づいて前記距離に対応する画像フレームの前記数を決定するステップと、
前記少なくとも1つの転回点の前記数が画像フレームの前記数に等しいと決定するステップと
を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記距離および前記少なくとも1つの転回点の前記数に基づいて前記少なくとも1つの転回点の座標を決定する前記ステップが、
前記2つの隣接する終点から構成される線分上の前記少なくとも1つの転回点の前記数に対応する前記少なくとも1つの転回点を決定するステップを含み、
前記少なくとも1つの転回点が前記2つの隣接する終点の間に位置し、前記運動方向における前記少なくとも1つの転回点のうちの2つの隣接する転回点の間の前記距離が等しい、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つの転回点に基づく方向変化を伴って動くように前記少なくとも1つの工作ヘッドを制御するステップをさらに備える、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つの変化点に基づく方向変化を伴って動くように前記少なくとも1つの工作ヘッドを制御する前記ステップが、
前記少なくとも1つの転回点の各々に対応するフレーム識別子を決定するステップと、
前記フレーム識別子に対応する前記目標領域をスキャンするようにエンコーダが前記高精度測定デバイスをトリガするとき、前記少なくとも1つの転回点に基づく方向変化を伴って動くように前記少なくとも1つの工作ヘッドを制御するステップと
を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
少なくとも1つの工作ヘッドのモーションコントロールのためのシステムであって、
高精度測定デバイスのスキャンに基づいて対象物の目標領域を取得するように構成される取得モジュールと、
前記目標領域に基づいて前記目標領域に対応する深さ情報を決定するように構成される情報決定モジュールと、
前記深さ情報に基づいて前記少なくとも1つの工作ヘッドの運動軌跡を決定するように構成される軌跡決定モジュールと
を備える、システム。
【請求項22】
前記情報決定モジュールが、
エンコーダのコーディング情報に基づいて前記高精度測定デバイスのスキャン情報を決定することと、
前記スキャン情報に基づいて前記深さ情報を決定することと
を行うようにさらに構成される、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記深さ情報に基づいて前記少なくとも1つの工作ヘッドの運動軌跡を決定するために、前記軌跡決定モジュールが、
前記深さ情報に基づいて前記少なくとも1つの工作ヘッドの運動領域を決定することと、
前記運動領域に基づいて前記運動軌跡を決定することと
を行うようにさらに構成される、請求項21に記載のシステム。
【請求項24】
前記運動領域に基づいて前記運動軌跡を決定するために、前記軌跡決定モジュールが、
前記運動領域および運動方向に基づいて前記少なくとも1つの工作ヘッドの運動参照経路を決定することと、
前記運動参照経路に基づいて前記運動軌跡を決定することと
を行うようにさらに構成される、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記運動参照経路が、前記運動領域の中心線経路または前記運動領域の中の前記中心線経路に平行な経路を含む、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記運動領域が複数の部分領域を含み、前記運動領域に基づいて前記運動軌跡を決定するために、前記軌跡決定モジュールが、
前記複数の部分領域のうちの2つの隣接する部分領域が前記運動方向において連続的であるかどうかを決定することと、
前記複数の部分領域のうちの前記2つの隣接する部分領域が前記運動方向において連続的であるかどうかの決定に基づいて転回軌跡を追加するかどうかを決定することと
を行うようにさらに構成される、請求項23に記載のシステム。
【請求項27】
前記複数の部分領域のうちの前記2つの隣接する部分領域が前記運動方向において連続的であるかどうかの決定に基づいて転回軌跡を追加するかどうかを決定するために、前記軌跡決定モジュールが、
前記複数の部分領域のうちの前記2つの隣接する部分領域が前記運動方向において連続的ではないとの決定に応答して、前記2つの隣接する部分領域間の逸脱領域において前記転回軌跡を追加するようにさらに構成される、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記少なくとも1つの工作ヘッドの前記運動軌跡に基づいて動くように前記少なくとも1つの工作ヘッドを制御するように構成されるモーションコントロールモジュールをさらに備える、請求項21に記載のシステム。
【請求項29】
前記少なくとも1つの工作ヘッドが第1の工作ヘッドおよび第2の工作ヘッドを含み、
前記第1の工作ヘッドと前記第2の工作ヘッドとの間の距離が一定であり、
前記少なくとも1つの工作ヘッドの前記運動軌跡に基づいて動くように前記少なくとも1つの工作ヘッドを制御するために、前記モーションコントロールモジュールが、
前記第1の工作ヘッドの前記運動軌跡に基づいて動くように前記第1の工作ヘッドおよび前記第2の工作ヘッドを制御するようにさらに構成される、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記少なくとも1つの工作ヘッドが第1の工作ヘッドおよび第2の工作ヘッドを含み、
前記少なくとも1つの工作ヘッドの前記運動軌跡が前記第1の工作ヘッドの第1の運動軌跡および前記第2の工作ヘッドの第2の運動軌跡を含み、
前記少なくとも1つの工作ヘッドの前記運動軌跡に基づいて動くように前記少なくとも1つの工作ヘッドを制御するために、前記モーションコントロールモジュールが、
前記第1の運動軌跡に基づいて動くように前記第1の工作ヘッドを制御することと、
前記第2の運動軌跡に基づいて動くように前記第2の工作ヘッドを制御することと
を行うようにさらに構成される、請求項28に記載のシステム。
【請求項31】
前記取得モジュールが、前記対象物の前記目標領域に基づいて前記目標領域の点群データを取得するようにさらに構成され、
前記情報決定モジュールが、前記目標領域の前記点群データに基づいて前記目標領域の終点のセットを決定するようにさらに構成され、
前記深さ情報が前記点群データおよび終点の前記セットを含む、請求項21に記載のシステム。
【請求項32】
前記目標領域の前記点群データに基づいて前記目標領域の終点のセットを決定するために、前記情報決定モジュールが、
前記第1の点群データからの距離が第1の距離である第2の点群データおよび第3の点群データを決定することであって、前記点群データの中の前記第1の点群データが始点として指定される、決定することと、
第1のベクトルと第2のベクトルとの間の角度を決定することによってベクトル角を取得することであって、前記第1のベクトルが前記第1の点群データおよび前記第2の点群データから構成され、前記第2のベクトルが前記第1の点群データおよび前記第3の点群データから構成される、取得することと、
前記点群データを走査することによってベクトル角のセットを取得することと、
ベクトル角の前記セットに基づいて終点の第1のセットおよび終点の第2のセットを決定することであって、終点の前記第1のセットおよび終点の前記第2のセットが終点の前記セットに属する、決定することと
を行うようにさらに構成される、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記目標領域の前記点群データに基づいて前記目標領域の終点のセットを決定するために、前記情報決定モジュールが、
前記第1の点群データからの距離が第1の距離である第2の点群データおよび第3の点群データを決定することであって、前記点群データの中の前記第1の点群データが始点として指定される、決定することと、
第1のベクトルと第2のベクトルとの間の角度を決定することによってベクトル角を取得することであって、前記第1のベクトルが前記第1の点群データおよび前記第2の点群データから構成され、前記第2のベクトルが前記第1の点群データおよび前記第3の点群データから構成される、取得することと、
前記点群データを走査することによってベクトル角のセットを取得することと、
ベクトル角の前記セットに基づいて終点の第1のセットおよび終点の第2のセットを決定することと、
終点の前記第1のセットおよび終点の前記第2のセットに基づいて中心点のセットを決定することであって、中心点の前記セットが終点の前記セットに属する、決定することと
を行うようにさらに構成される、請求項31に記載のシステム。
【請求項34】
ベクトル角の前記セットに基づいて終点の第1のセットおよび終点の第2のセットを決定するために、前記情報決定モジュールが、
ベクトル角の前記セットにおいて、正接値が第1の閾値よりも大きいベクトル角のサブセットを取得することと、
ベクトル角の前記サブセットに対応する点群データにおいて、間隔が距離閾値条件を満たす点群データを決定することによって、終点の第1の候補セットを取得することと、
終点の前記第1の候補セットにおいて、高さの差が第2の閾値未満であるベクトル角に対応する点群データを決定することによって、終点の第2の候補セットを取得することと、
終点の前記第2の候補セットの中の前記点群データに対応する前記ベクトル角の方向情報に基づいて、終点の前記第2の候補セットに含まれる終点の前記第1のセットおよび終点の前記第2のセットを決定することと
を行うようにさらに構成される、請求項32または33に記載のシステム。
【請求項35】
前記軌跡決定モジュールが、
終点の前記セットの中の終点の座標が前記運動方向において連続的であるかどうかを決定することと、
終点の前記セットの中の終点の前記座標が前記運動方向において連続的ではないとの決定に応答して、終点の前記セットにおいて連続的ではない2つの隣接する終点の座標に基づいて前記2つの隣接する終点間で少なくとも1つの転回点を決定することであって、前記少なくとも1つの転回点が前記転回軌跡を決定するように構成される、決定することと
を行うようにさらに構成される、請求項31に記載のシステム。
【請求項36】
終点の前記セットにおいて連続的ではない2つの隣接する終点の座標に基づいて前記2つの隣接する終点間で少なくとも1つの転回点を決定するために、前記軌跡決定モジュールが、
前記運動方向における前記2つの隣接する終点の前記座標間の距離を決定することと、
前記距離に対応する画像フレームの数に基づいて前記少なくとも1つの転回点の数を決定することと、
前記距離および前記少なくとも1つの転回点の前記数に基づいて前記少なくとも1つの転回点の座標を決定することと
を行うようにさらに構成される、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
前記距離に対応する画像フレームの数に基づいて前記少なくとも1つの転回点の数を決定するために、前記軌跡決定モジュールが、
前記2つの隣接する終点にそれぞれ対応する第1のフレーム識別子および第2のフレーム識別子を決定することと、
前記第1のフレーム識別子および前記第2のフレーム識別子に基づいて前記距離に対応する画像フレームの前記数を決定することと、
前記少なくとも1つの転回点の前記数が画像フレームの前記数に等しいと決定することと
を行うようにさらに構成される、請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
前記距離および前記少なくとも1つの転回点の前記数に基づいて前記少なくとも1つの転回点の座標を決定するために、前記軌跡決定モジュールが、
前記2つの隣接する終点から構成される線分上の前記少なくとも1つの転回点の前記数に対応する前記少なくとも1つの転回点を決定するようにさらに構成され、
前記少なくとも1つの転回点が前記2つの隣接する終点の間に位置し、前記運動方向における前記少なくとも1つの転回点のうちの2つの隣接する転回点の間の前記距離が等しい、請求項37に記載のシステム。
【請求項39】
前記軌跡決定モジュールが、
前記少なくとも1つの転回点に基づく方向変化を伴って動くように前記少なくとも1つの工作ヘッドを制御するようにさらに構成される、請求項35に記載のシステム。
【請求項40】
前記少なくとも1つの変化点に基づく方向変化を伴って動くように前記少なくとも1つの工作ヘッドを制御するために、前記軌跡決定モジュールが、
前記少なくとも1つの転回点の各々に対応するフレーム識別子を決定することと、
前記フレーム識別子に対応する前記目標領域をスキャンするようにエンコーダが前記高精度測定デバイスをトリガするとき、前記少なくとも1つの転回点に基づく方向変化を伴って動くように前記少なくとも1つの工作ヘッドを制御することと
を行うようにさらに構成される、請求項39に記載のシステム。
【請求項41】
実行可能命令を記憶するように構成されるメモリと、
前記メモリに記憶されている実行可能命令を実行するときに請求項1から20のいずれか一項に記載の方法を実施するように構成されるプロセッサと
を備える、電子デバイス。
【請求項42】
プロセッサによって実行されると、請求項1から20のいずれか一項に記載の方法を実施するように構成される実行可能命令を記憶する、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項43】
少なくとも1つの工作ヘッドのためのモーションコントロールデバイスであって、
オペレーションプラットフォームと、
前記オペレーションプラットフォーム上に配置された高精度測定デバイスと、
少なくとも1つの工作ヘッドと、
前記高精度測定デバイスのスキャン情報に基づいて前記少なくとも1つの工作ヘッドの運動軌跡を制御するように構成される制御アセンブリと
を備える、モーションコントロールデバイス。
【請求項44】
前記高精度測定デバイスが3次元(3D)ラインレーザー測定機器を含み、
前記3Dラインレーザー測定機器が、前記オペレーションプラットフォームの幅方向に沿って前記オペレーションプラットフォームの一端または両端に配置される、請求項43に記載のモーションコントロールデバイス。
【請求項45】
前記少なくとも1つの工作ヘッドが、前記オペレーションプラットフォームの前記幅方向に沿って前記オペレーションプラットフォームの一端または両端に配置される、請求項43に記載のモーションコントロールデバイス。
【請求項46】
前記少なくとも1つの工作ヘッドが第1の工作ヘッドおよび第2の工作ヘッドを含み、
前記第1の工作ヘッドおよび前記第2の工作ヘッドがそれぞれ、前記オペレーションプラットフォームの前記幅方向に沿って前記オペレーションプラットフォームの前記両端に配置される、請求項45に記載のモーションコントロールデバイス。
【請求項47】
前記オペレーションプラットフォームの前記幅方向に沿った前記第1の工作ヘッドと前記第2の工作ヘッドとの間の距離が一定であり、
前記高精度測定デバイスが前記オペレーションプラットフォームの前記幅方向に沿って前記オペレーションプラットフォームの一端に配置される、請求項46に記載のモーションコントロールデバイス。
【請求項48】
前記第1の工作ヘッドおよび前記第2の工作ヘッドが前記オペレーションプラットフォームの前記幅方向に沿って独立に動き、
前記高精度測定デバイスが前記オペレーションプラットフォームの前記幅方向に沿って前記オペレーションプラットフォームの前記両端に配置される、請求項46に記載のモーションコントロールデバイス。
【請求項49】
前記モーションコントロールデバイスが、対象物の位置情報を検出するためのエンコーダをさらに備える、請求項43に記載のモーションコントロールデバイス。
【請求項50】
前記エンコーダが、前記オペレーションプラットフォーム、前記対象物を支持するための台、または前記少なくとも1つの工作ヘッドの駆動モーターに配置される、請求項49に記載のモーションコントロールデバイス。
【請求項51】
前記モーションコントロールデバイスが前記オペレーションプラットフォーム上に配置される制限板をさらに備え、
前記制限板が前記対象物の位置を制限するように構成される、請求項43に記載のモーションコントロールデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年7月28日に出願された中国特許出願第202110853667.6号の優先権を主張し、その内容の全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、画像処理の分野に関し、具体的には、少なくとも1つの工作ヘッド(working head)のモーションコントロールのための方法、システム、およびデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
工作ヘッドは、ある加工動作(たとえば、切削、塗布、溶接など)を直接完了し得る、またはそれを完了するために特定の工具と協調し得るデバイスである。一般に、工作ヘッドは、工作ヘッドにより加工される製品がある加工要件を満たすように、運動プロセスの間にその運動状態(たとえば、運動軌跡、方向を変えるかまたは変えないか)を制御することが必要である。たとえば、一部の製品は、製造の間に異なる幅または長さの粗い縁を有することがある。工作ヘッドは、製造の間に生じる粗い縁を切削することがあり、切削された後の製品の切削面は滑らかである必要がある。したがって、工作ヘッドの運動軌跡、および工作ヘッドの運動が方向を変える必要があるかどうかを決定するために、工作ヘッドのモーションコントロール方式を提供することが特に重要であり、それにより、製品はより効率的かつ正確に加工され得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の一態様は、少なくとも1つの工作ヘッドのモーションコントロールのための方法を提供し得る。方法は、高精度測定デバイスのスキャンに基づいて対象物の目標領域を取得するステップと、目標領域に基づいて目標領域に対応する深さ情報を決定するステップと、深さ情報に基づいて少なくとも1つの工作ヘッドの運動軌跡を決定するステップとを含み得る。
【0005】
いくつかの実施形態では、方法は、エンコーダのコーディング情報に基づいて高精度測定デバイスのスキャン情報を決定するステップと、スキャン情報に基づいて深さ情報を決定するステップとをさらに含み得る。
【0006】
いくつかの実施形態では、深さ情報に基づいて少なくとも1つの工作ヘッドの運動軌跡を決定するステップは、深さ情報に基づいて少なくとも1つの工作ヘッドの運動領域を決定するステップと、運動領域に基づいて運動軌跡を決定するステップとを含み得る。
【0007】
いくつかの実施形態では、運動領域に基づいて運動軌跡を決定するステップは、運動領域および運動方向に基づいて少なくとも1つの工作ヘッドの運動参照経路を決定するステップと、運動参照経路に基づいて運動軌跡を決定するステップとを含み得る。
【0008】
いくつかの実施形態では、運動参照経路は、運動領域の中心線経路または運動領域の中の中心線に平行な経路を含み得る。
【0009】
いくつかの実施形態では、運動領域は複数の部分領域を含んでもよく、運動領域に基づいて運動軌跡を決定するステップは、複数の部分領域のうちの2つの隣接する部分領域が運動方向において連続的であるかどうかを決定するステップと、複数の部分領域のうちの2つの隣接する部分領域が運動方向において連続的であるかどうかの決定に基づいて転回軌跡を追加するかどうかを決定するステップとを含み得る。
【0010】
いくつかの実施形態では、複数の部分領域のうちの2つの隣接する部分領域が運動方向において連続的であるかどうかの決定に基づいて転回軌跡を追加するかどうかを決定するステップは、複数の部分領域のうちの2つの隣接する部分領域が運動方向において連続的ではないとの決定に応答して、2つの隣接する部分領域の間の逸脱領域において転回軌跡を追加するステップを含み得る。
【0011】
いくつかの実施形態では、方法は、少なくとも1つの工作ヘッドの転回軌跡に基づいて動くように少なくとも1つの工作ヘッドを制御するステップをさらに含み得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの工作ヘッドは第1の工作ヘッドおよび第2の工作ヘッドを含んでもよく、第1の工作ヘッドと第2の工作ヘッドとの間の距離は一定であってもよく、少なくとも1つの工作ヘッドの運動軌跡に基づいて動くように少なくとも1つの工作ヘッドを制御するステップは、第1の工作ヘッドの運動軌跡に基づいて動くように第1の工作ヘッドおよび第2の工作ヘッドを制御するステップを含んでもよい。
【0013】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの工作ヘッドは第1の工作ヘッドおよび第2の工作ヘッドを含んでもよく、少なくとも1つの工作ヘッドの運動軌跡は、第1の工作ヘッドの第1の運動軌跡および第2の工作ヘッドの第2の運動軌跡を含んでもよく、少なくとも1つの工作ヘッドの運動軌跡に基づいて動くように少なくとも1つの工作ヘッドを制御するステップは、第1の運動軌跡に基づいて動くように第1の工作ヘッドを制御するステップと、第2の運動軌跡に基づいて動くように第2の工作ヘッドを制御するステップとを含んでもよい。
【0014】
いくつかの実施形態では、方法は、対象物の目標領域に基づいて目標領域の点群データを取得するステップと、目標領域の点群データに基づいて目標領域の終点のセットを決定するステップとをさらに含んでもよく、深さ情報は点群データおよび終点のセットを含んでもよい。
【0015】
いくつかの実施形態では、目標領域の点群データに基づいて目標領域の終点のセットを決定するステップは、第1の点群データからの距離が第1の距離である第2の点群データおよび第3の点群データを決定するステップであって、点群データの中の第1の点群データが始点として指定される、ステップと、第1のベクトルと第2のベクトルとの間の角度を決定することによってベクトル角を取得するステップであって、第1のベクトルが第1の点群データおよび第2の点群データから構成されてもよく、第2のベクトルが第1の点群データおよび第3の点群データから構成されてもよい、ステップと、点群データを走査することによってベクトル角のセットを取得するステップと、ベクトル角のセットに基づいて終点の第1のセットおよび終点の第2のセットを決定するステップとを含んでもよく、終点の第1のセットおよび終点の第2のセットは終点のセットに属していてもよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、目標領域の点群データに基づいて目標領域の終点のセットを決定するステップは、第1の点群データからの距離が第1の距離である第2の点群データおよび第3の点群データを決定するステップであって、点群データの中の第1の点群データが始点として指定される、ステップと、第1のベクトルと第2のベクトルとの間の角度を決定することによってベクトル角を取得するステップであって、第1のベクトルが第1の点群データおよび第2の点群データから構成されてもよく、第2のベクトルが第1の点群データおよび第3の点群データから構成されてもよい、ステップと、点群データを走査することによってベクトル角のセットを取得するステップと、ベクトル角のセットに基づいて終点の第1のセットおよび終点の第2のセットを決定するステップと、終点の第1のセットおよび終点の第2のセットに基づいて中心点のセットを決定するステップであって、中心点のセットは終点のセットに属していてもよい、ステップとを含んでもよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、ベクトル角のセットに基づいて終点の第1のセットおよび終点の第2のセットを決定するステップは、ベクトル角のセットにおいて、正接値が第1の閾値よりも大きいベクトル角のサブセットを取得するステップと、ベクトル角のサブセットに対応する点群データにおいて、間隔が距離閾値条件を満たす点群データを決定することによって、終点の第1の候補セットを取得するステップと、終点の第1の候補セットにおいて、高さの差が第2の閾値未満であるベクトル角に対応する点群データを決定することによって、終点の第2の候補セットを取得するステップと、終点の第2の候補セットの中の点群データに対応するベクトル角の方向情報に基づいて、終点の第2の候補セットに含まれる終点の第1のセットおよび終点の第2のセットを決定するステップとを含み得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、方法は、終点のセットの中の終点の座標が運動方向において連続的であるかどうかを決定するステップと、終点のセットの中の終点の座標が運動方向において連続的ではないとの決定に応答して、終点のセットの中の連続的ではない2つの隣接する終点の座標に基づいて2つの隣接する終点の間で少なくとも1つの転回点を決定するステップであって、少なくとも1つの転回点は、転回軌跡を決定するように構成されてもよい、ステップとをさらに含んでもよい。
【0019】
いくつかの実施形態では、終点のセットの中の連続的ではない2つの隣接する終点の座標に基づいて2つの隣接する終点の間で少なくとも1つの転回点を決定するステップは、運動方向における2つの隣接する終点の座標の間の距離を決定するステップと、距離に対応する画像フレームの数に基づいて少なくとも1つの転回点の数を決定するステップと、距離および少なくとも1つの転回点の数に基づいて少なくとも1つの転回点の座標を決定するステップとを含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、距離に対応する画像フレームの数に基づいて少なくとも1つの転回点の数を決定するステップは、2つの隣接する終点にそれぞれ対応する第1のフレーム識別子および第2のフレーム識別子を決定するステップと、第1のフレーム識別子および第2のフレーム識別子に基づいて距離に対応する画像フレームの数を決定するステップと、少なくとも1つの転回点の数が画像フレームの数に等しいと決定するステップとを含み得る。
【0021】
いくつかの実施形態では、距離および少なくとも1つの転回点の数に基づいて少なくとも1つの転回点の座標を決定するステップは、2つの隣接する終点から構成される線分上の少なくとも1つの転回点の数に対応する少なくとも1つの転回点を決定するステップを含んでもよく、少なくとも1つの転回点は2つの隣接する終点の間に位置していてもよく、運動方向における少なくとも1つの転回点のうちの2つの隣接する転回点の間の距離は等しくてもよい。
【0022】
いくつかの実施形態では、方法は、少なくとも1つの転回点に基づく方向変化を伴って動くように少なくとも1つの工作ヘッドを制御するステップをさらに含み得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの変化点に基づく方向変化を伴って動くように少なくとも1つの工作ヘッドを制御するステップは、少なくとも1つの転回点の各々に対応するフレーム識別子を決定するステップと、フレーム識別子に対応する目標領域をスキャンするようにエンコーダが高精度測定デバイスをトリガするとき、少なくとも1つの転回点に基づく方向変化を伴って動くように少なくとも1つの工作ヘッドを制御するステップとをさらに含み得る。
【0024】
本開示の別の態様は、少なくとも1つの工作ヘッドのモーションコントロールのためのシステムを提供し得る。システムは、高精度測定デバイスのスキャンに基づいて対象物の目標領域を取得するように構成される取得モジュールと、目標領域に基づいて目標領域に対応する深さ情報を決定するように構成される情報決定モジュールと、深さ情報に基づいて少なくとも1つの工作ヘッドの運動軌跡を決定するように構成される軌跡決定モジュールとを含み得る。
【0025】
いくつかの実施形態では、システムは、少なくとも1つの工作ヘッドの運動軌跡に基づいて動くように少なくとも1つの工作ヘッドを制御するように構成されるモーションコントロールモジュールをさらに含み得る。
【0026】
本開示の別の態様は電子デバイスを提供し得る。電子デバイスは、実行可能命令を記憶するように構成されるメモリと、メモリに記憶されている実行可能命令を実行するときに本開示の実施形態のいずれか1つの方法を実施するように構成されるプロセッサとを含み得る。
【0027】
本開示の別の態様は、プロセッサによって実行されると、本開示の実施形態のいずれか1つの方法を実施するように構成される実行可能命令を記憶する、コンピュータ可読記憶媒体を提供し得る。
【0028】
本開示の別の態様は、少なくとも1つの工作ヘッドのためのモーションコントロールデバイスを提供し得る。モーションコントロールデバイスは、オペレーションプラットフォームと、オペレーションプラットフォーム上に配置された高精度測定デバイスと、少なくとも1つの工作ヘッドと、高精度測定デバイスのスキャン情報に基づいて少なくとも1つの工作ヘッドの運動軌跡を制御するように構成される制御アセンブリとを含み得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、高精度測定デバイスは3次元(3D)ラインレーザー測定機器を含んでもよく、3Dラインレーザー測定機器は、オペレーションプラットフォームの幅方向に沿ってオペレーションプラットフォームの一端または両端に配置される。
【0030】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの工作ヘッドは、オペレーションプラットフォームの幅方向に沿ってオペレーションプラットフォームの一端または両端に配置され得る。
【0031】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの工作ヘッドは第1の工作ヘッドおよび第2の工作ヘッドを含んでもよく、第1の工作ヘッドおよび第2の工作ヘッドはそれぞれ、オペレーションプラットフォームの幅方向に沿ってオペレーションプラットフォームの両端に配置されてもよい。
【0032】
いくつかの実施形態では、オペレーションプラットフォームの幅方向に沿った第1の工作ヘッドと第2の工作ヘッドとの間の距離は一定であり、高精度測定デバイスはオペレーションプラットフォームの幅方向に沿ってオペレーションプラットフォームの一端に配置される。
【0033】
いくつかの実施形態では、第1の工作ヘッドおよび第2の工作ヘッドはオペレーションプラットフォームの幅方向に沿って独立に動いてもよく、高精度測定デバイスはオペレーションプラットフォームの幅方向に沿ってオペレーションプラットフォームの両端に配置されてもよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、モーションコントロールデバイスは、対象物の位置情報を検出するためのエンコーダをさらに含み得る。
【0035】
いくつかの実施形態では、エンコーダは、対象物を支持するための台であるオペレーションプラットフォームに、または少なくとも1つの工作ヘッドの駆動モーターに配置され得る。
【0036】
いくつかの実施形態では、モーションコントロールデバイスは、オペレーションプラットフォーム上に配置された制限板をさらに含んでもよく、制限板は対象物の位置を制限するように構成される。
【0037】
本開示は模範的な実施形態に関してさらに例示され、これらの模範的な実施形態は図面に関して詳しく説明される。これらの実施形態は限定的ではない。これらの実施形態では、同じ番号は同じ構造物を示す。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】本開示のいくつかの実施形態による、模範的な3次元(3D)ウォールステッカーを示す図である。
【
図2】本開示のいくつかの実施形態による、少なくとも1つの工作ヘッドのモーションコントロールのための模範的なシステムを示すデバイス図である。
【
図3】本開示のいくつかの実施形態による、少なくとも1つの工作ヘッドのモーションコントロールのための模範的な方法を示すフローチャートである。
【
図4】本開示のいくつかの実施形態による、少なくとも1つの工作ヘッドのモーションコントロールのための模範的な方法を示す別のフローチャートである。
【
図5】本開示のいくつかの実施形態による、画像の模範的な点群データを示す概略図である。
【
図6】本開示のいくつかの実施形態による、目標領域の中心点のセットを決定するための模範的なプロセスを示すフローチャートである。
【
図7】本開示のいくつかの実施形態による、目標領域に含まれる終点の第1のセットおよび終点の第2のセットを決定するための模範的なプロセスを示すフローチャートである。
【
図8】本開示のいくつかの実施形態による、目標領域に含まれる終点の第1のセットおよび終点の第2のセットを決定するための別の模範的なプロセスを示すフローチャートである。
【
図9】本開示のいくつかの実施形態による、縁遷移ゾーンを含む2つのウォールステッカーを示す概略図である。
【
図10】本開示のいくつかの実施形態による、少なくとも1つの転回点を決定するための模範的なプロセスを示すフローチャートである。
【
図11】本開示のいくつかの実施形態による、運動方向における中心点の座標を決定するための模範的なプロセスを示すフローチャートである。
【
図12】本開示のいくつかの実施形態による、少なくとも1つの転回点を決定するための別の模範的なプロセスを示すフローチャートである。
【
図13】本開示のいくつかの実施形態による、対象物に対する少なくとも1つの工作ヘッドの模範的な運動軌跡を示す概略図である。
【
図14】本開示のいくつかの実施形態による、対象物に対していくつかの動作を実行するためのプロセスを示すフローチャートである。
【
図15】本開示のいくつかの実施形態による、更新機能を使用することによって動作点の座標を送信するためのプロセスを示すフローチャートである。
【
図16】本開示のいくつかの実施形態による、第1の機能を使用することによってフレームの終点の座標を認識するためのプロセスを示すフローチャートである。
【
図17】本開示のいくつかの実施形態による、第2の機能を使用することによって終点の座標を記憶するためのプロセスを示すフローチャートである。
【
図18】本開示のいくつかの実施形態による、第3の機能を使用することによって中心点の座標を決定するためのプロセスを示すフローチャートである。
【
図19】本開示のいくつかの実施形態による、少なくとも1つの工作ヘッドの運動軌跡を制御するための模範的なシステムを示すブロック図である。
【
図20】本開示のいくつかの実施形態による、電子デバイスの模範的なハードウェア組成を示す構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本開示の実施形態に関する技術的な方策を例示するために、実施形態の説明において参照される図面の簡単な紹介が以下で与えられる。以下の説明される図面は、本開示のいくつかの例または実施形態にすぎないことが明らかである。当業者は、さらなる創造的な努力なしで、これらの図面に従って他の類似するシナリオに本開示を適用し得る。別段述べられていない限り、または文脈から明らかでない限り、図面における同じ参照番号は同じ構造物および動作を指す。
【0040】
本明細書で使用される「システム」、「デバイス」、「ユニット」、および/または「モジュール」という用語は、異なるレベルの異なるコンポーネント、要素、部分、セクション、またはアセンブリを昇順で区別するための1つの方法であることが理解されるだろう。しかしながら、これらの用語は、同じ目的を達成し得る場合、他の表現により置き換えられ得る。
【0041】
本開示および請求項において示されるように、文脈が明確に例外を示さない限り、「a」、「an」、「one」、および/または「the」という語は特に単数を指すのではなく、複数も含み得る。「含む」および「備える」という用語は、明確に特定されたステップおよび要素が含まれることを示唆するだけであり、これらのステップおよび要素は排他的なリストを構成せず、方法またはデバイスは他のステップまたは要素も含み得る。
【0042】
本開示において使用されるフローチャートは、本開示の実施形態に従ってシステムによって実行される動作を示し得る。フローチャートの前の動作または後の動作は、正確に順序通りに実施されなくてもよいことを理解されたい。逆に、様々な動作が逆の順序で、または同時に実施されてもよい。その上、他の動作がフローチャートに追加されてもよく、1つまたは複数の動作がフローチャートから取り除かれてもよい。
【0043】
本開示における1つまたは複数の実施形態は、少なくとも1つの工作ヘッドのモーションコントロールのための方法およびシステムを提供する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの工作ヘッドのモーションコントロールのためのシステムは、高精度測定デバイスを使用することによって対象物の目標領域を取得し、目標領域に基づいて目標領域に対応する深さ情報を決定し得るので、少なくとも1つの工作ヘッドの運動軌跡が、目標領域の深さ情報に基づいて決定され得る。目標領域は、加工される必要のある対象物の領域(たとえば、切削領域、塗布領域、溶接領域など)を指し得る。深さ情報は、点群データ情報などの目標領域の場所情報、または場所地点の座標情報を含み得る。さらに、少なくとも1つの工作ヘッドのモーションコントロールのためのシステムはまた、対応する動作を実施するために、工作ヘッドの運動軌跡に基づいて動くように工作ヘッドを制御し得る。本開示の実施形態において提供される少なくとも1つの工作ヘッドのモーションコントロールのためのシステムは、工具による切削、接着剤の塗布、マニピュレータによる溶接などのような応用シナリオに適用され得る。たとえば、工作ヘッドは工具(たとえば、切削器)を含んでもよく、これは、所定の運動軌跡に基づいて動き、運動の間に対象物を切削してもよい。別の例として、工作ヘッドは接着剤ジョイントまたは溶接工具と協働してもよい。工作ヘッドが所定の運動軌跡に基づいて動くとき、接着剤ジョイントまたは溶接工具も同期して動き、対象物がその運動の間に塗布または溶接され得る。
【0044】
少なくとも1つの工作ヘッドのモーションコントロールのためのシステムは、工作ヘッドが工具であり、対象物がウォールステッカーであり、工具がウォールステッカーを切削するシナリオを例にとり示される。
図1は、本開示のいくつかの実施形態による、模範的な3次元(3D)ウォールステッカーを示す図である。いくつかの実施形態では、ウォールステッカーは、家の装飾においてますます重要な役割を果たし得る。3Dウォールステッカーは、ポリエチレン(XPE)の化学的な架橋結合でできており、これには、蓄熱、耐湿、および衝突保護の機能がある。さらに、ウォールステッカーの表面の3Dの線が、ウォールステッカーの外観を良くすることもある。3Dウォールステッカーの応用図が
図1に示されている。一般に、工場により生産される3Dウォールステッカーは、幅が広く平らではない粗い縁を有することが多い。販売の前に、それらの幅が広く平らではない粗い縁は、手動でまたは切削デバイスによって自動で切削されて取り除かれる必要がある。したがって、それらの縁を切削するとき、切削のための工具の滑らかな転回経路、および3Dウォールステッカーの切削パターンなしでの高い精度が必要とされる(たとえば、縁を切削する精度は少なくとも0.5mmであることが必要とされる)。
【0045】
いくつかの実施形態では、対応する動作輪郭曲線上の平面点の深さ情報が、対応する動作輪郭曲線(たとえば、切削の場合は切削輪郭曲線、塗布の場合は塗布輪郭曲線、または溶接の場合は溶接輪郭曲線)上の離散的な点から左カメラおよび右カメラにより撮られる画像への視差に基づいて決定され得る。次いで、動作座標系における対応する動作輪郭曲線の中の特徴点の3D座標が決定され得る。少なくとも1つの工作ヘッドは、3D座標の誘導に基づいて対応する動作(切削、塗布、または溶接など)を実施し得る。
【0046】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの工作ヘッドの動作領域の3D点群データは、測定デバイス(たとえば、レーザーデバイス)のパラメータを決定した後に取得され得る。3D再構築データは、tin差分、ノイズ除去、または縁の平滑化によって得られてもよく、動作領域の深さ、面積、および体積が決定されてもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの工作ヘッドのモーションコントロールのための方法の複雑さをさらに下げ、少なくとも1つの工作ヘッドの工作の間の動作の正確さを改善するために、本開示の実施形態は、動作の運動軌跡を決定するための少なくとも1つの工作ヘッドのモーションコントロールのための方法、システム、およびデバイスを提供し得るので、対象物は効率的かつ正確に加工され得る。詳細な説明は
図2~
図18および関連する説明を参考にすることができる。
【0048】
図2は、本開示のいくつかの実施形態による、少なくとも1つの工作ヘッドのモーションコントロールのための模範的なシステムを示すデバイス図である。
図2に示されるように、少なくとも1つの工作ヘッドのモーションコントロールのためのデバイス200は、オペレーションプラットフォーム210、高精度測定デバイス220、少なくとも1つの工作ヘッド230、および制御アセンブリを含み得る。高精度測定デバイス220はオペレーションプラットフォーム210上に配置されてもよく、高精度測定デバイス220は対象物(たとえば、ウォールステッカー1)をスキャンしてスキャン情報を取得してもよい。制御アセンブリは、高精度測定デバイス220のスキャン情報に基づいて少なくとも1つの工作ヘッド230の運動軌跡を制御するように構成され得る。
【0049】
いくつかの実施形態では、オペレーションプラットフォーム210は、オペレーションプラットフォーム210を支持するための台211を含み得る。いくつかの実施形態では、他の構造物および/またはデバイス、たとえば異なるタイプのサーボモーターがオペレーションプラットフォーム210上に設けられ得る。サーボモーターは、異なる動作を完了するための制御アセンブリの行動のもとで動くように少なくとも1つの工作ヘッド230を制御し得る。いくつかの実施形態では、異なるデバイスが、少なくとも1つの工作ヘッドのモーションコントロールのためのシステムの異なる応用シナリオに基づいて異なる機能を実装するために、オペレーションプラットフォーム210上に配置され得る。少なくとも1つの工作ヘッドのモーションコントロールのためのシステムをウォールステッカーの切削に応用することを例として用いると、オペレーションプラットフォーム210は、サーボモーターコントローラ、ウォールステッカーを巻くためのサーボモーター212、少なくとも1つの工作ヘッドを動かすためのサーボモーター213、切削のためのサーボモーター、巻き付け台214、および押圧板を含み得る。1はウォールステッカーを指し、2は切削されたウォールステッカーを指す。押圧板は、上下の変動により高精度測定デバイス220の視野からウォールステッカーが外れる可能性がないことを確実にするために、加工中の3Dウォールステッカーを押圧するように構成され得るので、動作の安定性が改善され得る。少なくとも1つの工作ヘッド230によってウォールステッカーを切削するプロセスは次の通りであり得る。制御アセンブリが、ウォールステッカーを巻くためのサーボモーター212によって前に(たとえば、運動方向に沿って)動くように巻き付け台214上のウォールステッカーを制御し、少なくとも1つの工作ヘッドを動かすためのサーボモーター213によって少なくとも1つの工作ヘッド230の切削位置を制御する。次いで、少なくとも1つの工作ヘッド230が、ウォールステッカーを切削するために、少なくとも1つの工作ヘッドの切削のためのサーボモーターにより回転するように制御され得る。いくつかの実施形態では、オペレーションプラットフォーム210はキャビネットオペレーションプラットフォームであってもよく、キャビネットオペレーションプラットフォームは、モーションコントロールのためのデバイス200の動的信頼性を改善するために地面に置かれ得る。
【0050】
いくつかの実施形態では、高精度測定デバイス220は、オペレーションプラットフォーム210の幅方向に沿ってオペレーションプラットフォーム210の一端または両端に設けられ得る。高精度測定デバイス220は、対象物をスキャンしてスキャン情報を取得し得る。いくつかの実施形態では、高精度測定デバイス220は3Dラインレーザー測定機器を含んでもよく、3Dラインレーザー測定機器によって生成されるレーザーラインは、加工中の3Dウォールステッカーに照射してスキャン情報を取得し得る。いくつかの実施形態では、3Dラインレーザー測定機器によって生成されるレーザーは青色光であり得る。青色光は周辺光に対して強い抵抗性を有するので、光の補償または遮光などの追加の光学環境の補償は必要ではないことがある。したがって、少なくとも1つの工作ヘッドの信頼性が改善され得る。他の実施形態では、3Dラインレーザー測定機器によって生成されるレーザーラインは、赤色光などの他の色の光であってもよい。いくつかの実施形態では、高精度測定デバイス220は、立体照明、スペックル、エリアアレイカメラなどの、測定することが可能な他のデバイスを含み得る。いくつかの実施形態では、高精度測定デバイスの数は1以上であり得る。たとえば、オペレーションプラットフォーム210の幅方向に沿った対象物の両側の領域(たとえば、ウォールステッカーの粗い縁)の大きさは同じであり、高精度測定デバイスの数は1であり得る。このとき、高精度測定デバイス220は、幅方向に沿ってオペレーションプラットフォーム210の一端に配置され得る。別の例として、オペレーションプラットフォーム210の幅方向に沿った対象物の両側の領域のサイズが異なるとき、高精度測定デバイスの数は2であり得る。このとき、2つの高精度測定デバイスは幅方向に沿ってオペレーションプラットフォーム210の両側に配置されてもよく、オペレーションプラットフォーム210の幅方向に沿った対象物の両側の領域がそれぞれスキャンされてもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの工作ヘッドのモーションコントロールのためのシステムは、高精度測定デバイス220のスキャン情報に基づいて少なくとも1つの工作ヘッド230の運動軌跡を決定し得る。
【0051】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの工作ヘッド230は、運動軌跡に基づいて対象物に対して動作を実施し得る。たとえば、切削、塗布、溶接などの動作が対象物に対して実施され得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの工作ヘッド230の数は1以上であってもよく、1つ以上の工作ヘッドが幅方向に沿ってオペレーションプラットフォーム210の一端または両端に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、オペレーションプラットフォーム210の幅方向に沿った対象物の一端のみが加工を必要とするとき、少なくとも1つの工作ヘッド230の数は1であってもよく、1つの工作ヘッドが幅方向に沿ってオペレーションプラットフォーム210の一端に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、オペレーションプラットフォーム210の幅方向に沿った対象物の両側が加工を必要とするとき、少なくとも1つの工作ヘッド230の数は2であり得る。2つの工作ヘッドは第1の工作ヘッドおよび第2の工作ヘッドを含んでもよく、これらは、幅方向に沿ってオペレーションプラットフォーム210の両側にそれぞれ配置されてもよい。いくつかの実施形態では、オペレーションプラットフォーム210の幅方向に沿った第1の工作ヘッドと第2の工作ヘッドとの間の距離は一定であり得る。たとえば、オペレーションプラットフォーム210の幅方向に沿った対象物の両側の領域の大きさが同じであるとき、第1の工作ヘッドおよび第2の工作ヘッドの運動軌跡は同じであってもよく、第1の工作ヘッドおよび第2の工作ヘッドは同じ運動軌跡に基づいて同期して動いてもよい。この場合、第1の工作ヘッドおよび第2のジョイントの運動軌跡は高精度測定デバイス220のスキャン情報に基づいて取得されてもよく、高精度測定デバイス220は幅方向に沿ってオペレーションプラットフォーム210の一端に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の工作ヘッドおよび第2のジョイントはまた、オペレーションプラットフォーム210の幅方向に沿って独立に動いてもよい。たとえば、オペレーションプラットフォーム210の幅方向に沿った両側の領域の大きさが異なるとき、第1の工作ヘッドの運動軌跡(第1の運動軌跡としても知られている)および第2の工作ヘッドの運動軌跡(第2の運動軌跡としても知られている)は異なってもよく、第1の工作ヘッドおよび第2の工作ヘッドは独立に動いてもよい。すなわち、第1の工作ヘッドは第1の運動軌跡に基づいて動いてもよく、第2の工作ヘッドは第2の運動軌跡に基づいて動いてもよい。この場合、2つの高精度測定デバイスは幅方向に沿ってオペレーションプラットフォーム210の両端に配置されてもよく、2つの高精度測定デバイスは第1の工作ヘッドおよび第2の工作ヘッドにそれぞれ対応してもよい。第1の工作ヘッドの第1の運動軌跡は、第1の工作ヘッドに対応する高精度測定デバイスのスキャン情報に基づいて取得されてもよく、第2の工作ヘッドの第2の運動軌跡は、第2の工作ヘッドに対応する別の高精度測定デバイスのスキャン情報に基づいて取得されてもよい。
【0052】
いくつかの実施形態では、制御アセンブリは、高精度測定デバイス220のスキャン情報に基づいて少なくとも1つの工作ヘッド230の運動軌跡を制御するように構成され得る。いくつかの実施形態では、制御アセンブリは、高精度測定デバイス220のスキャン情報に基づいて2つの工作ヘッドの運動軌跡を同期して制御してもよく、オペレーションプラットフォーム210の幅方向に沿った2つの工作ヘッド間の距離は一定であってもよい。いくつかの実施形態では、制御アセンブリは、2つの高精度測定デバイスのスキャン情報にそれぞれ基づいて、第1の工作ヘッドの第1の運動軌跡および第2の工作ヘッドの第2の運動軌跡を制御し得る。いくつかの実施形態では、制御アセンブリは産業用コンピュータを含み得る。
【0053】
いくつかの実施形態では、モーションコントロールのためのデバイス200は、対象物の位置を制限するための、オペレーションプラットフォーム210上に配置される制限板240も含み得る。たとえば、少なくとも1つの工作ヘッドのモーションコントロールのためのシステムが、ウォールステッカーを切削するための切削工具に適用されるとき、制限板240は、ウォールステッカーを巻くためのサーボモーター212により駆動されてウォールステッカーが前に動くときに、左右のオフセットにより高精度測定デバイス220の視野からウォールステッカーが外れる可能性がないことを確実にして、3Dウォールステッカーの縁の切削領域(たとえば、溝領域)が高精度測定デバイス220の視野の中に位置することを確実にするために、オペレーションプラットフォーム210上のウォールステッカーの位置を制限し得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、モーションコントロールのためのデバイス200は、対象物の位置情報を検出するためのエンコーダ250も含み得る。高精度測定デバイス220は、エンコーダ250によって検出される位置情報に基づいて目標領域に対応する深さ情報を決定し得る。深さ情報は、少なくとも1つの工作ヘッド230の運動軌跡を決定するように構成され得る。いくつかの実施形態では、エンコーダ250は、エンコーダ250の回転部品(たとえば、ローラー)の回転数を記録することによってトリガ信号を送信してもよく、対象物の画像を取得するように高精度測定デバイス220をトリガするために、制御アセンブリを通じて高精度測定デバイス220にトリガ信号が送信されてもよい。いくつかの実施形態では、エンコーダ250の回転部品はアンチスキッドローラーであり得る。いくつかの実施形態では、エンコーダ250は、オペレーションプラットフォーム210、対象物を支持するための台(すなわち、巻き付け台214)、少なくとも1つの工作ヘッド230の駆動モーター(たとえば、少なくとも1つの工作ヘッドの切削のためのサーボモーター)などに配置され得る。いくつかの実施形態では、エンコーダ250の回転部品(たとえば、アンチスキッドローラー)が対象物に押圧され得る。ウォールステッカーを巻くためのサーボモーター212により駆動されて対象物が前に動くとき、アンチスキッドローラーが続いて回転し得るので、トリガ信号が特定の間隔で送信され得る。いくつかの実施形態では、エンコーダ250の回転部品(たとえば、アンチスキッドローラー)の回転軸は、対象物の運動方向に垂直に配置され得る。したがって、対象物が運動方向に沿って動くとき、回転部品は回転軸の周りで回転し得る。
【0055】
少なくとも1つの工作ヘッドのためのモーションコントロールのためのデバイス200は例示のためのものにすぎず、本開示の適用の範囲を限定しないことに留意されたい。当業者のために、本開示の誘導のもとで、様々な修正および変更がモーションコントロールのためのデバイス200に行われ得る。たとえば、少なくとも1つの工作ヘッドのモーションコントロールのためのシステムが異なる場面に適用されるとき、異なる機能を実装するために、オペレーションプラットフォーム210上の構造コンポーネントが追加され、削除され、または置換され得る。しかしながら、これらの修正および変更はそれでも本開示の範囲内にある。
【0056】
本開示の実施形態によって提供される少なくとも1つの工作ヘッドのモーションコントロールのための方法は、
図2に示される少なくとも1つの工作ヘッドのモーションコントロールのためのデバイス200と組み合わせて以下で説明され得る。
【0057】
いくつかの実施形態では、高精度測定デバイス220および少なくとも1つの工作ヘッド230は、
図2に示されるモーションコントロールのためのデバイス200を使用して動作を実施する前に較正され得る。較正のプロセスは、高精度測定デバイス220に対応するカメラ座標系と少なくとも1つの工作ヘッド230に対応する工作ヘッド座標系との間で対応付けを実施することとしても言及され得る。具体的には、高精度測定デバイス220は、3D対象物をスキャンすることによって、カメラ座標系における3D対象物の点群データを取得し得る。少なくとも1つの工作ヘッド230は、特定の動作(たとえば、異なる幅でバリを切削すること)を実施するとき、位置を変える(すなわち、少なくとも1つの工作ヘッドの方向を変える)必要があることがある。少なくとも1つの工作ヘッド230は、工作ヘッド座標系における座標情報(または位置情報)を特定するだけであり得るので、高精度測定デバイス220および少なくとも1つの工作ヘッド230を較正することが必要である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの工作ヘッド230の原点の位置および正の方向が最初に決定され得る。少なくとも1つの工作ヘッド230の原点の位置は少なくとも1つの工作ヘッド230の初期位置として参照されてもよく、原点の位置は位置を変更するときの全体の範囲の中心であってもよい。対象物の運動方向の反対の方向(
図2の運動方向の左側)が、位置を変更するときの正の方向であるとき、および少なくとも1つの工作ヘッドが左を向くとき、X軸上の少なくとも1つの転回点の座標の値はより大きくなり得る。そして、高精度測定デバイス220の位置が決定され得る。具体的には、
図2に示されるように、高精度測定デバイス220は、運動方向に沿った少なくとも1つの工作ヘッド230の初期位置のすぐ前に置かれてもよく、高精度測定デバイス220によって生成されるレーザーラインと少なくとも1つの工作ヘッド230の動作点との間の距離も決定されてもよい。この距離は、300ミリメートルなど、実際の設置場面に基づいて柔軟に調整され得る。最後に、カメラ座標系が工作ヘッド座標系と対応付けられ得る。具体的には、高精度測定デバイス220が少なくとも1つの工作ヘッド230の初期位置のすぐ前に置かれるので、座標を変換した後の高精度測定デバイス220の視野の中心点の3D座標は、少なくとも1つの工作ヘッド230の原点の座標に対応し得る。実際の動作では、X軸における座標の値は、左または右に動く(すなわち、オペレーションプラットフォーム210の幅方向に沿って動く)ように少なくとも1つの工作ヘッド230を制御することによって変更され得る。したがって、少なくとも1つの転回点のX軸座標を決定した後、少なくとも1つの工作ヘッドの動作点のX軸座標は、少なくとも1つの転回点のX軸座標から固定された値を差し引くことによって決定され得る。固定された値は、X軸方向における高精度測定デバイス220の視野の中心点の座標の値であり得る。一方、少なくとも1つの工作ヘッドの運動は、
図2に示されるモーションコントロールのためのデバイス200を使用することによって手動の操作なしで運動軌跡に基づいて自動的に完了され得るので、手動の操作と比較して作業効率が改善する。一方、対象物は、運動軌跡に基づいて動くように少なくとも1つの工作ヘッドを制御することによって正確に加工され得る。
【0058】
図3は、本開示のいくつかの実施形態による、少なくとも1つの工作ヘッドのモーションコントロールのための模範的なプロセスを示すフローチャートである。
図3に示されるように、プロセス300は動作310から340を含み得る。
【0059】
310において、対象物の目標領域が取得され得る。目標領域は、高精度測定デバイスのスキャンに基づいて取得され得る。
【0060】
いくつかの実施形態では、動作310は、取得モジュール1910または高精度測定デバイスによって実施され得る。対象物は、少なくとも1つの工作ヘッドによる特定の動作で加工されることになる対象物であり得る。たとえば、対象物は、切削されることになるウォールステッカー、溶接されることになる製品、塗布されることになる製品などを含み得る。目標領域は、対象物において加工されることになる領域を指し得る。たとえば、対象物がウォールステッカーであるとき、目標領域は、ウォールステッカーのパターン領域、溝領域、またはバリ領域を含み得る。パターン領域は、ウォールステッカーの非切削領域であると見なされ得る。溝領域は切削領域であると見なされ得る。バリ領域は、ウォールステッカーから取り除かれる必要のある除去領域であると見なされ得る。いくつかの実施形態では、3Dラインレーザー測定機器などの高精度測定デバイスはレーザーラインを生成してもよく、これは対象物に照射してもよく、それにより対象物の目標領域を取得する。
【0061】
320において、目標領域に対応する深さ情報が目標領域に基づいて決定され得る。
【0062】
いくつかの実施形態では、動作320は情報決定モジュール1920またはプロセッサによって実施され得る。深さ情報は、対象物の深さ方向に沿った目標領域の情報を指し得る。
図2に示されるモーションコントロールのためのデバイス200と組み合わると、対象物の深さ方向はオペレーションプラットフォーム210の幅方向と平行であり得る。いくつかの実施形態では、目標領域の深さ情報は、点群データ情報および座標情報などの目標領域の位置情報を含み得る。座標情報は、カメラ座標系における座標情報であり得る。さらに、上の較正方法によれば、工作ヘッド座標系における座標情報は、カメラ座標系における座標情報に基づいて決定され得るので、少なくとも1つの工作ヘッドの運動軌跡は、工作ヘッド座標系における座標情報に基づいて決定されてもよい。
【0063】
いくつかの実施形態では、異なる目標領域に対応する深さ情報は、異なる目標領域に基づいて決定され得る。いくつかの実施形態では、対象物は複数の目標領域を含み得る。たとえば、対象物がウォールステッカーであるとき、ウォールステッカーは順番に接続される複数のウォールステッカーユニットから構成され得る。各ウォールステッカーユニットは、パターン領域、溝領域、およびバリ領域を有し得る。情報決定モジュールは、目標領域に基づいて目標領域に対応する深さ情報を決定し得る。たとえば、各ウォールステッカーユニットに基づいて、パターン領域に対応する深さ情報、溝領域に対応する深さ情報、および対応するウォールステッカーユニットのバリ領域に対応する深さ情報がそれぞれ決定され得る。
【0064】
いくつかの実施形態では、高精度測定デバイスのスキャン情報はエンコーダの符号化情報に基づいて決定されてもよく、目標領域に対応する深さ情報はスキャン情報に基づいて決定されてもよい。いくつかの実施形態では、対象物が動いているとき、エンコーダの回転部品(たとえば、アンチスキッドローラー)が対象物とともに動き得るので、エンコーダは、対象物をスキャンする(たとえば、複数の単一フレームスキャン)ように高精度測定デバイスをトリガするように駆動されることがあり、それにより、対象物の複数の画像が取得され得る。いくつかの実施形態では、終点の座標情報などの目標領域に対応する深さ情報は、高精度測定デバイスによって取得される複数の画像に基づいて決定され得る。いくつかの実施形態では、エンコーダがスキャンのために高精度測定デバイスをトリガするとき、エンコーダは、1つまたは複数のスキャンのために高精度測定デバイスをトリガするように1回転し得る。いくつかの実施形態では、高精度測定デバイス(たとえば、3Dラインレーザー測定機器)のフレームレートは毎秒5000フレームであり得るので、運動速度が1.5m/sである対象物の動作要件を満たす。
【0065】
目標領域に対応する深さ情報を決定することについてのさらなる情報は、本開示の
図4~
図8およびそれらの関連する説明を参考にすることができる。
【0066】
330において、少なくとも1つの工作ヘッドの運動軌跡が深さ情報に基づいて決定され得る。
【0067】
いくつかの実施形態では、動作330は、軌跡決定モジュール1930またはプロセッサによって実施され得る。少なくとも1つの工作ヘッドの運動軌跡は、少なくとも1つの工作ヘッドが工作しているときの運動軌跡であり得る。たとえば、少なくとも1つの工作ヘッドが切削しているとき、運動軌跡は少なくとも1つの工作ヘッドの切削軌跡である。いくつかの実施形態では、運動軌跡は、切削軌跡、塗布軌跡、溶接軌跡などを含み得る。
【0068】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの工作ヘッドの運動領域は、目標領域に対応する深さ情報に基づいて決定され得る。そして、少なくとも1つの工作ヘッドの運動軌跡は運動領域に基づいて決定され得る。少なくとも1つの工作ヘッドの運動領域は、少なくとも1つの工作ヘッドが動くように動作させられる領域であり得る。いくつかの実施形態では、運動領域は、切削領域(たとえば、ウォールステッカーの溝領域)、塗布領域、溶接領域などを含み得る。いくつかの実施形態では、対象物の目標領域の中の運動領域は、動作することを少なくとも1つの工作ヘッドに許容する領域であり得るが、他の領域は、すなわち、動作することを少なくとも1つの工作ヘッドに許容しない非運動領域であり得る。たとえば、ウォールステッカーの目標領域の中のパターン領域は、少なくとも1つの工作ヘッドによる動作が許容されない。少なくとも1つの工作ヘッドは、ウォールステッカーの加工要件を確保するために、溝領域において切削する必要がある。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの工作ヘッドの運動領域は、標的領域の中の各位置点の座標情報(たとえば、終点の座標情報)に基づいて決定され得る。たとえば、対象物の深さ情報において、その座標値および/または座標差が所定の条件(たとえば、座標差が所定の範囲(たとえば、5mm)以内である)を満たす点クラスタにより形成される領域が、少なくとも1つの工作ヘッドの運動領域として指定され得る。
【0069】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの工作ヘッドの運動参照経路は、対象物の運動領域および運動方向に基づいて決定され得る。少なくとも1つの工作ヘッドの運動軌跡は、運動参照経路に基づいて決定され得る。いくつかの実施形態では、運動参照経路は、運動領域の中心線経路および運動領域における中心線に平行な経路を含み得る。運動領域における中心線に平行な経路は、運動領域に基づいて決定される運動軌跡であり得る。たとえば、運動領域における中心線に平行な経路は、三等分線、運動領域の象限、または運動領域の縁から所定の距離をおいた経路であり得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの工作ヘッドの運動参照経路におけるあらゆる経路が、少なくとも1つの工作ヘッドの運動軌跡として指定され得る。
【0070】
いくつかの実施形態では、運動領域は複数の部分領域を含んでもよく、運動領域に基づいて運動軌跡を決定することは、複数の部分領域のうちの2つの隣接する部分領域が運動方向において連続的であるかどうかを決定することと、複数の部分領域のうちの2つの隣接する部分領域が運動方向において連続的であるかどうかの決定に基づいて転回軌跡を加えるかどうかを決定することとを含み得る。
【0071】
いくつかの実施形態では、運動領域は、運動方向に沿って複数の部分領域を連続して接続することによって形成される領域であり得る。たとえば、ウォールステッカーの分野では、2つの隣接する部分領域は、2つの隣接するウォールステッカーの切削領域(溝領域など)を指し得る。2つの隣接する部分領域が運動方向において連続的であるかどうかは、2つの隣接する部分領域の各々の深さ方向における2つの側が運動方向と揃っているかどうか(すなわち、ずれがあるかどうか)を指し得る。たとえば、ウォールステッカーの分野では、複数のウォールステッカーを順番に継ぎ合わせることによって、ウォールステッカーロールが形成される。2つの隣接するウォールステッカー上の粗い縁領域が揃っていない場合、2つの隣接するウォールステッカーに対応する2つの隣接する溝領域が揃わないことがある。これは、
図11に示される2つの隣接するウォールステッカー、すなわちステッカーパターンシート1およびステッカーパターンシート2と組み合わせて理解され得る。ステッカーパターンシート1のステッカー縁は、ステッカーパターンシート2のステッカー縁と揃っていない。このとき、2つのステッカー縁に対応する溝領域は揃っていない。いくつかの実施形態では、複数の部分領域のうちの2つの隣接する部分領域が運動方向において連続的であるかどうかの決定は、2つの部分領域における隣接する縁の終点の座標情報に基づいて決定され得る。たとえば、隣接する縁の終点の座標値が運動方向に沿って連続的であるとき、2つの隣接する部分領域は運動方向において連続的であり得る。隣接する縁の終点の座標値が運動方向に沿って連続的ではないとき、2つの隣接する部分領域は運動方向において連続的ではないことがある。
【0072】
転回軌跡は、少なくとも1つの工作ヘッドの方向が変更される軌跡を指し得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの工作ヘッドの運動軌跡が正確であり対象物が損傷する可能性がないことを確実にするために、転回軌跡を追加するかどうかは、2つの隣接する部分領域が運動方向において連続的であるかどうかの決定に基づいて決定され得る。
【0073】
いくつかの実施形態では、2つの隣接する部分領域が運動方向において連続的であるとき、2つの隣接する部分領域の間に逸脱領域はないことがあり、少なくとも1つの工作ヘッドの運動軌跡に転回軌跡が追加されなくてもよい。
【0074】
いくつかの実施形態では、2つの隣接する部分領域が運動方向において連続的ではないとき、2つの隣接する部分領域の間に逸脱領域があることがある。したがって、転回軌跡が逸脱領域に追加され得る。逸脱領域は、2つの隣接する部分領域の間の接続ゾーンの中のずれ領域を指し得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの転回点は、連続的ではない2つの隣接する終点の座標に基づいて2つの隣接する終点の間で決定され得るので、転回軌跡は少なくとも1つの転回点に基づいて決定され得る。たとえば、運動方向における逸脱領域の距離(すなわち、運動方向における、2つの隣接する部分領域にそれぞれ位置する2つの隣接する終点を結ぶ線の投影の距離)が決定されてもよく、少なくとも1つの転回点の数がその距離に対応する画像フレームの数に基づいて決定されてもよいので、少なくとも1つの転回点の座標が、少なくとも1つの転回点の数および運動方向における逸脱領域の距離に基づいて決定されてもよい。少なくとも1つの転回点および転回軌跡を決定するためのより多くの情報は、
図4、
図10~
図12、およびそれらの関連する説明を参考にすることができる。
【0075】
340において、少なくとも1つの工作ヘッドが、少なくとも1つの工作ヘッドの運動軌跡に基づいて動くように制御され得る。
【0076】
いくつかの実施形態では、動作340は運動制御モジュール1940または制御アセンブリによって実施され得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの工作ヘッドの運動軌跡が決定された後、少なくとも1つの工作ヘッドは対象物を加工するために動くように制御され得る。たとえば、少なくとも1つの工作ヘッドの切削軌跡に基づいて、切削動作が少なくとも1つの工作ヘッドによって対象物に対して実施され得る。別の例として、少なくとも1つの工作ヘッドの塗布軌跡に基づいて、塗布動作が少なくとも1つの工作ヘッドによって対象物に対して実施され得る。さらに別の例として、少なくとも1つの工作ヘッドの溶接軌跡に基づいて、溶接動作が少なくとも1つの工作ヘッドによって対象物に対して実施され得る。
【0077】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの工作ヘッドは第1の工作ヘッドおよび第2の工作ヘッドを含んでもよく、第1の工作ヘッドと第2の工作ヘッドとの間の距離は一定であってもよい。このとき、少なくとも1つの工作ヘッドの運動軌跡に基づいて、動くように少なくとも1つの工作ヘッドを制御することは、第1の工作ヘッドの運動軌跡に基づいて動くように第1の工作ヘッドおよび第2の工作ヘッドを制御することを含み得る。いくつかの実施形態では、対象物の深さ方向の両側の運動領域の大きさが同じであるとき、第1の工作ヘッドおよび第2の工作ヘッドの運動軌跡は同じであってもよく、第1の工作ヘッドおよび第2の工作ヘッドは、対象物に対して動作を実施するために同じ運動軌跡に基づいて同期して動いてもよい。
【0078】
いくつかの実施形態では、対象物の深さ方向の両側の運動領域の大きさが異なるとき、第1の工作ヘッドおよび第2の工作ヘッドは、対象物の深さ方向の両側で異なる軌跡にて動作を実施するために異なる運動軌跡に基づいて動き得る。少なくとも1つの工作ヘッドの運動軌跡は、第1の工作ヘッドの第1の運動軌跡および第2の工作ヘッドの第2の運動軌跡を含み得る。このとき、少なくとも1つの工作ヘッドの運動軌跡に基づいて、動くように少なくとも1つの工作ヘッドを制御することは、第1の運動軌跡に基づいて動くように第1の工作ヘッドを制御することと、第2の運動軌跡に基づいて動くように第2の工作ヘッドを制御することとを含み得る。第1の運動軌跡および第2の運動軌跡は、異なる高精度測定デバイスのスキャン情報に基づいて決定され得る。
【0079】
プロセス300の上の説明は例示のためのものにすぎず、本開示の適用の範囲を限定しないことに留意されたい。当業者のために、本開示の誘導のもとで、様々な修正および変更がプロセス300に行われ得る。たとえば、動作310および320は1つの動作に統合されてもよい。しかしながら、これらの修正および変更はそれでも本開示の範囲内にある。
【0080】
図4は、本開示のいくつかの実施形態による、少なくとも1つの工作ヘッドのモーションコントロールのための模範的なプロセスを示すフローチャートである。いくつかの実施形態では、
図4に示されるように、プロセス400は動作410から450を含み得る。
【0081】
410において、目標領域の点群データが対象物の目標領域に基づいて取得され得る。
【0082】
いくつかの実施形態では、動作410は、取得モジュール1910または高精度測定デバイスによって実施され得る。いくつかの実施形態では、目標領域の点群データは、高精度測定デバイス(たとえば、3Dラインレーザー測定機器)によって対象物の目標領域をスキャンすることによって取得され得る。たとえば、点群データは対象物の縁構造の点群データであり得る。縁構造は、対象物の中の加工されることになる構造であり得る(すなわち、縁構造は少なくとも1つの工作ヘッドの運動領域の位置である)。縁構造は、切削構造、塗布構造、溶接構造などを含み得る。ウォールステッカーを例として用いると、縁構造はウォールステッカーの溝領域であり得る。ウォールステッカーの縁の溝領域を切り落とすことによって、ウォールステッカーの縁は滑らかできれいになり得る。
【0083】
いくつかの実施形態では、高精度測定デバイスは、対象物をスキャンして縁構造の単一フレーム画像の点群データを取得し得る。画像フレームの点群データは、縁構造の深さ情報の一部分であり得る。
図5は、本開示のいくつかの実施形態による、画像の模範的な点群データを示す概略図である。いくつかの実施形態では、
図1に示される3Dウォールステッカーを例として用いると、3Dラインレーザー測定機器によって出力されたレーザーラインはウォールステッカーの縁構造に入射し、
図5に示されるように、画像フレームの点群データが取得され得る。
図5に示される画像フレームは、溝の左終点と溝の右終点から構成される溝領域を含み得る。ウォールステッカーを切り落とすための切削点は、溝領域の中点、溝領域の左終点、右終点、または溝領域の左終点と右終点の間の任意の点であり得る。
【0084】
420において、目標領域の終点のセットが、目標領域の点群データに基づいて決定され得る。
【0085】
いくつかの実施形態では、動作420は情報決定モジュール1920またはプロセッサによって実施され得る。いくつかの実施形態では、目標領域(たとえば、縁構造)の終点のセットから構成される直線が、対象物の縁構造を加工するための動作点として使用され得る。たとえば、縁構造の終点のセットによって形成される直線は、対象物の縁構造を切削するための切削点、塗布するための塗布点、または溶接するための溶接点として使用され得る。すなわち、縁構造の終点のセットによって形成される直線は、少なくとも1つの工作ヘッドの運動軌跡として決定され得る。いくつかの実施形態では、縁構造の終点のセットは、縁構造の左終点のセット、縁構造の右終点のセット、または縁構造の左終点のセットと右終点のセットとの間の任意の終点のセット(たとえば、左終点のセットと右終点のセットとの間の中心点のセット)であり得る。ウォールステッカーを例として用いると、縁構造はウォールステッカーの溝領域であってもよく、縁構造の中心点のセットは溝の左終点の中心点および溝の右終点の中心点から構成されるセットであってもよい。
【0086】
いくつかの実施形態では、動作420は、
図6に示されるようなプロセス600に従って実施され得る。
図6は、本開示のいくつかの実施形態による、目標領域の点群データに基づいて目標領域の中心点のセットを決定するためのプロセスを示すフローチャートを示す。
【0087】
610において、目標領域の終点の第1のセットおよび終点の第2のセットは、目標領域の点群データに基づいて決定され得る。いくつかの実施形態では、点群データの中の複数の点群データは、ベクトルおよびベクトル角のセットを構築するように構成されてもよく、ベクトル角のセットの中の点群データが除外されてもよく、点群データの断片が削除されてもよく、終点の第1のセットおよび終点の第2のセットが決定されてもよい。たとえば、ある点群データが始点として指定されてもよく、その点群データおよびその点群データから同じ距離にある別の2つの点群データが2つのベクトルを形成してもよく、そして、ベクトル角のセットを取得するために点群データが同様に走査されてもよい。終点の第1のセットおよび終点の第2のセットを決定するためのさらなる情報は、
図7から
図8およびそれらの関連する説明を参考にすることができる。
【0088】
620において、目標領域の中心点のセットが、終点の第1のセットおよび終点の第2のセットに基づいて決定され得る。
【0089】
いくつかの実施形態では、独立した対象物の目標領域(たとえば、縁構造)は連続性を有することがあり、2つの対象物の接続部における縁構造は連続的ではないことがある。いくつかの実施形態では、独立した対象物の縁構造が複数の部分構造を含む(すなわち、上で説明された運動領域が複数の部分領域を含み得る)とき、複数の部分構造のうちの2つの隣接する部分構造は連続的であることもまたは連続的でないこともある。例として、2つのウォールステッカーを2つの対象物として、縁構造を溝として用いて、遷移ゾーンを含む2つのウォールステッカーの概略図が
図9に示されている。一方のウォールステッカーはステッカーパターンシート1であってもよく、ステッカーパターンシート1と接続されている別のウォールステッカーはステッカーパターンシート2であってもよい。ステッカーパターンシート1の溝は連続的であり、ステッカーパターンシート2の溝も連続的である。ステッカーパターンシート1とステッカーパターンシート2の接続部は遷移ゾーンと呼ばれることがあり(逸脱ゾーンとも呼ばれる)、遷移ゾーンは終点の第1のセットおよび終点の第2のセットを含まないことがある。
【0090】
いくつかの実施形態では、終点の第1のセットおよび終点の第2のセットは、縁構造の両端に位置し互いに対応する終点の2つのセットであり得る。中心点のセットは、終点の第1のセットおよび終点の第2のセットの中の2つの対応する終点によって形成される線の中点を数えることによって取得され得る。中心点のセットの中の点群データが連続的である場合、中心点のセットは対象物(または部分構造)に対応し得る。代替として、中心点のセットは複数の対象物(または複数の部分構造)に対応することがあり、複数の対象物の接続部における縁構造は連続的であることがある。中心点のセットの中の点群データが連続的ではない場合、中心点のセットは2つ以上の対象物(または部分構造)に対応することがある。
【0091】
いくつかの実施形態では、終点の第1のセットおよび終点の第2のセットは、複数の画像フレームの点群データに対応し得る。終点の第1のセットおよび終点の第2のセットは、ある対象物に対応する両側の終点のセット、または2つ以上の対象物に対応する両側の終点のセットであり得る。具体的には、終点の第1のセットの中の点群データの連続性および/または終点の第2のセットの中の点群データの連続性は、終点の第1のセットおよび終点の第2のセットが1つまたは複数の対象物に対応すると決定するために使用され得る。
【0092】
点群データが連続的であるということは、3D座標系における座標軸上の点群データの座標値が連続的であることを指し得る。いくつかの実施形態では、連続的な座標値は、1つの座標軸上の2つの隣接する点群データの座標値間の差が所定の閾値未満であることを指し得る。いくつかの実施形態では、所定の閾値の範囲は0.05mm~0.1mmの範囲にあり得る。
【0093】
430において、終点のセットの中の終点の座標が運動方向において連続的であるかどうかが決定され得る。
【0094】
いくつかの実施形態では、動作430は、軌跡決定モジュール1930またはプロセッサによって実施され得る。いくつかの実施形態では、運動方向は、高精度測定デバイスのスキャン方向またはスキャン方向の反対の方向であり得る。終点のセットの中の終点の座標が運動方向において連続的であるかどうかは、終点のセットの中の終点の座標がスキャン方向において連続的であるかどうか、および終点のセットの中の終点の座標がスキャン方向の反対の方向において連続的であるかどうかを含み得る。このシナリオでは、終点のセットの中の終点の座標が運動方向において連続的ではないことは、運動方向における2つの隣接する終点の座標間の距離が運動方向における任意の他の2つの終点の座標間の距離よりも大きいことを指し得る。
【0095】
他の実施形態では、運動方向は、高精度測定デバイスのスキャン方向に垂直な方向であり得る。このシナリオでは、運動方向において連続的ではない終点の座標は、2つの隣接する終点の座標が運動方向において異なることを指し得る。
【0096】
440において、終点のセットの中の終点の座標が運動方向において連続的ではないとの決定に応答して、2つの隣接する終点間の少なくとも1つの転回点が、終点のセットの中の連続的ではない2つの隣接する終点の座標に基づいて決定され得る。
【0097】
いくつかの実施形態では、動作440は、軌跡決定モジュール1930またはプロセッサによって実施され得る。少なくとも1つの転回点は、転回軌跡を決定するように構成され得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの転回点は、運動方向における2つの隣接する終点の座標の座標情報に基づいて決定され得る。たとえば、運動方向における2つの隣接する終点の座標の第1の座標情報および第2の座標情報が決定され得るので、運動方向における2つの隣接する終点の座標の距離が、第1の座標情報および第2の座標情報に基づいて決定され得る。さらに、少なくとも1つの転回点の数は、距離に対応する画像フレームの数に基づいて決定されてもよく、少なくとも1つの転回点の座標が決定されてもよい。少なくとも1つの転回点を決定するためのさらなる情報は、
図10~
図12およびそれらの関連する説明を参考にすることができる。
【0098】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの転回点の数および少なくとも1つの転回点の座標が決定された後、少なくとも1つの工作ヘッドの転回軌跡が、少なくとも1つの転回点の数および少なくとも1つの転回点の座標に基づいて決定され得る。
【0099】
450において、少なくとも1つの工作ヘッドが、少なくとも1つの転回点に基づく方向変化を伴って動くように制御され得る。
【0100】
いくつかの実施形態では、動作450は、モーションコントロールモジュール1940または制御アセンブリによって実施され得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの工作ヘッドの動作位置は、遷移ゾーン上で動作を実施するために転回点において変更され得る。
【0101】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの転回点に対応する少なくとも1つのフレーム識別子が決定されてもよく、少なくとも1つの工作ヘッドは、高精度測定デバイスが少なくとも1つのフレーム識別子に対応する画像を取得するとき、少なくとも1つの転回点において動作を実施するように制御され得る。このようにして、少なくとも1つの工作ヘッドは遷移ゾーンにおいて滑らかに方向変化を伴って動くことがあり、少なくとも1つの工作ヘッドの滑らかな遷移が実現されることがあり、動作の間に鋭い縁がないことが確実にされることがある。
【0102】
たとえば、エンコーダのアンチスキッドローラーが1回転で長さP回転し、2つの隣接する画像フレーム間でQ個のパルスが生成される場合、エンコーダのステップ長はP/Qであり得る。2つの転回点の間の水平方向の距離Sは、2つの転回点に対応する2つのフレーム識別子間の距離をエンコーダのステップ長と乗じることによって取得され得る。少なくとも1つの工作ヘッドが1つの転回点において動作を完了した後、制御アセンブリ(たとえば、産業用コンピュータ)は、少なくとも1つの工作ヘッドを水平方向に距離Sだけ動くように駆動するために、少なくとも1つの工作ヘッドを動かすためのサーボモーターを制御し得るので、隣接する転回点における動作が実施され得る。具体的には、産業用コンピュータは、少なくとも1つの転回点の座標および少なくとも1つの転回点のエンコーダ識別子(ID)を制御し得る。少なくとも1つの転回点のエンコーダIDを制御することによって、どの遷移中心点が加工されるべきかが決定されてもよく、少なくとも1つの転回点の座標を制御することによって、動作位置が決定されてもよい。
【0103】
いくつかの実施形態では、高精度測定デバイスは、最も近い転回点を特定するために、少なくとも1つの工作ヘッドのすぐ前に配置され得る。対象物が少なくとも1つの工作ヘッドに向かって動くとき、産業用コンピュータは、最も近い転回点の座標情報をサーボモーターコントローラに送信してもよく、サーボモーターコントローラは、左または右に動くように、少なくとも1つの工作ヘッドを動かすためのサーボモーターを制御し得る。しかしながら、複数の対象物の縁構造が平らではないことがあるので、少なくとも1つの工作ヘッドを動かすためのサーボモーターが時間内に少なくとも1つの転回点において左または右に動かされない場合、動作位置のエラーまたは滑らかではない動作が生じることがある。ウォールステッカーが連続的に巻き上げられるような例を用いると、巻き上げ台上のウォールステッカーが太くなり続けることがあり、ウォールステッカーの線速度が非線形に増大することがあり、線速度によって計算されるウォールステッカーの加工距離が正確ではないことがある。したがって、ウォールステッカーの加工距離は、本開示の実施形態ではエンコーダIDに基づいて決定され得る。エンコーダのアンチスキッドローラーは1回転で長さP回転し、初期のエンコーダIDは知られている。現在のエンコーダIDから初期のエンコーダIDを差し引くことによって得られる値が、結果を得るために長さPと乗じられてもよく、次いで、高精度測定デバイスと少なくとも1つの工作ヘッドとの間の水平方向の距離にその結果が加算されてもよく、ウォールステッカーの加工距離が正確に決定され得る。
【0104】
プロセス400の上の説明は例示のためのものにすぎず、本開示の適用の範囲を制限しないことに留意されたい。当業者のために、本開示の誘導のもとで、様々な修正および変更がプロセス400に行われ得る。たとえば、動作430および440は1つの動作へと組み合わせられ得る。しかしながら、これらの修正および変更はそれでも本開示の範囲内にある。
【0105】
図7は、本開示のいくつかの実施形態による、目標領域に含まれる終点の第1のセットおよび終点の第2のセットを決定するための模範的なプロセスを示すフローチャートである。いくつかの実施形態では、動作610は
図7のプロセス700に従って実施され得る。
【0106】
710において、第1の点群データからの距離が第1の距離である第2の点群データおよび第3の点群データが決定され得る。点群データの中の第1の点群データが始点として指定され得る。
【0107】
いくつかの実施形態では、第1の点群データは、点群データの中の任意の位置における点データであり得る。いくつかの実施形態では、第1の点群データはランダムに決定され得る。いくつかの実施形態では、深さ方向に沿った縁構造の深さは、点群データから決定され得る。いくつかの実施形態では、第1の距離は、縁構造の深さの半分に等しいことがある。
【0108】
いくつかの実施形態では、第1の点群データ、第2の点群データ、および第3の点群データは、同じ画像フレームに対応する点群データであり得る。第2の点群データおよび第3の点群データは、それぞれ第1の点群データの前側と後側に位置し得る。
【0109】
720において、ベクトル角が、第1のベクトルと第2のベクトルとの間の角度を決定することによって取得され得る。第1のベクトルは第1の点群データおよび第2の点群データから構成されてもよく、第2のベクトルは第1の点群データおよび第3の点群データから構成されてもよい。
【0110】
いくつかの実施形態では、第1のベクトルおよび第2のベクトルに対してクロス積乗算が実施されてもよく、クロス積乗算の結果は第1のベクトルと第2のベクトルとの間のベクトル角であってもよい。
【0111】
730において、ベクトル角のセットが点群データを走査することによって取得され得る。
【0112】
いくつかの実施形態では、高精度測定デバイスによって収集される各画像フレームに対して、画像フレームの中のすべての点群データが走査されてもよく、点群データと点群データの前の点群データとによって形成されるベクトルと、点群データと点群データの後の点群データとによって形成される別のベクトルとの間の角度が決定されてもよく、したがって、ベクトル角のセットが取得され得る。
【0113】
たとえば、動作710および720の後で、点群データの中の第3の点群データが始点として指定されてもよく、第3の点群データからの距離が第1の距離である第1の点群データおよび第4の点群データが決定され得る。第1の点群データおよび第3の点群データによって形成されるベクトルと、第3の点群データおよび第4の点群データによって形成されるベクトルとのクロス積乗算を行ってもよく、したがって、ベクトル角が取得され得る。同様に、画像フレームのベクトル角のセットが取得され得る。
【0114】
740において、終点の第1のセットおよび終点の第2のセットが、ベクトル角のセットに基づいて決定され得る。
【0115】
いくつかの実施形態では、ベクトル角のセットが除外され得る。たとえば、点群データの断片が、ベクトル角のセットのベクトル角に対応する頂点が連続的であるかどうかの決定に基づいて除外され得る。ベクトル角のセットのベクトル角に対応する頂点が、ベクトル角に対応する頂点の座標および他のベクトル角に対応する他の頂点の座標に基づいて、ベクトル角のセットの他のベクトル角に対応する他の頂点と連続的ではない場合、頂点は点群データの断片であることがあり、頂点から形成されるベクトルに対応する点群データは削除されてもよい。同じように、画像フレームにおける連続的な領域(たとえば、2つの隣接する部分領域が連続的であるかどうか)が決定され得る。いくつかの実施形態では、ベクトル角および/またはベクトル角のセットの中のベクトルに対応する点群データが、終点の第1のセットおよび終点の第2のセットを決定するために除外され得る。たとえば、ベクトル角のセットの中のベクトル角の正接値が、角度条件を満たすベクトル角のサブセットを取得するために除外され得る。別の例として、ベクトル角のサブセットに対応する点群データは、距離条件を満たす終点の候補セットを取得するために除外され得る。ベクトル角のセットに基づいて終点の第1のセットおよび終点の第2のセットを決定するための詳細な説明は、
図8およびその関連する説明を参考にすることができる。
【0116】
動作610の部分動作の上の説明は例示のためのものにすぎず、本開示の適用の範囲を限定しないことに留意されたい。当業者のために、本開示の誘導のもとで、様々な修正および変更が動作610に行われ得る。しかしながら、これらの修正および変更はそれでも本開示の範囲内にある。
【0117】
図8は、本開示のいくつかの実施形態による、目標領域に含まれる終点の第1のセットおよび終点の第2のセットを決定するための別の模範的なプロセスを示すフローチャートである。動作740は、
図8に示されるようにプロセス800に従って実施され得る。
【0118】
810において、正接値が第1の閾値よりも大きい、ベクトル角のセットの中のベクトル角のサブセットが取得され得る。
【0119】
いくつかの実施形態では、ベクトル角のセットは角度に基づいて除外され得る。溝である縁構造を例として用いると、溝の底の終点におけるベクトル角は90°よりも大きく90°に近く、すなわち、溝の底の終点におけるベクトル角の正弦値は1に近く、正接値は無限大に近い。正接値が第1の閾値よりも大きいベクトル角のセットの中のベクトル角は、ベクトル角のサブセットを構成し得る。適切な第1の閾値を設定することによって、溝の底の終点にないいくつかの点群データから構成されるベクトル角が除外され得る。いくつかの実施形態では、第1の閾値の範囲は0.5~1であり得る。たとえば、第1の閾値の範囲は0.5~0.8の範囲にあり得る。
【0120】
820において、終点の第1の候補セットが、ベクトル角のサブセットに対応する点群データにおいて、間隔が距離閾値条件を満たす点群データを決定することによって取得され得る。
【0121】
いくつかの実施形態では、縁構造はある深さ範囲を有し得る。その縁構造がウォールステッカーであるような溝を例として用いると、溝の深さ範囲は普通は3mmから5mmである。したがって、溝の底の終点の間の距離は約3mmから5mmであってもよく、距離閾値条件は溝の深さ範囲であってもよい。
【0122】
いくつかの実施形態では、点群データの間隔は、ベクトル角のサブセットに対応する点群データ間の間隔を計算することによって取得され得る。その間隔が距離閾値条件を満たす点群データは終点の第1の候補セットから構成されてもよく、終点の第1の候補セットの中のデータは溝の両側の底の終点であってもよい。
【0123】
830において、終点の第2の候補セットが、終点の第1の候補セットにおいて、高さの差が第2の閾値未満であるベクトル角に対応する点群データを決定することによって取得され得る。
【0124】
いくつかの実施形態では、溝である縁構造を例として用いると、溝の底は水平であり、溝の2つの底の角は同じ水平方向の線上に位置し、溝の2つの底の角の間の高さの差は0であり、または0に近い。したがって、終点の第1の候補セットに対応する点群データは、2つのベクトル角の間の高さの差を比較することによって除外され得る。2つのベクトル角の間の高さの差が第2の閾値未満である場合、2つのベクトル角は溝の底の角度であってもよく、高さの差が第2の閾値未満であるベクトル角に対応する点群データが終点の第2の候補セットを構成してもよい。いくつかの実施形態では、第2の閾値は実際の用途に基づいて柔軟に設定され得る。たとえば、第2の閾値の範囲は0.1~0.5mmの範囲内にあり得る。たとえば、第2の閾値は、0.1mm、0.2mmなどとして設定され得る。
【0125】
840において、終点の第2の候補セットに含まれる終点の第1のセットおよび終点の第2のセットが、終点の第2の候補セットの中の点群データに対応するベクトル角の方向情報に基づいて決定され得る。
【0126】
いくつかの実施形態では、終点の第2の候補セットの中の点群データは、終点の第2の候補セットの中の点群データに対応するベクトル角の方向情報に基づいて分類されてもよく、方向が同じであるベクトル角に対応する点群データは、終点の第1のセットおよび終点の第2のセットを取得するために終点のセットへと分割されてもよい。終点の第1のセットの中の点群データおよび終点の第2のセットの中の点群データはそれぞれ、溝の両側の底の終点に対応し得る。ベクトル角の方向情報は、ベクトル角の幾何学的特徴情報を指し得る。たとえば、方向情報は、溝の頂部から溝の底への方向、または溝の底から溝の頂部への方向であり得る。
【0127】
いくつかの実施形態では、独立した対象物に対応する終点の任意のセットの中の点群データの3D座標値は、2次元では変化しないことがある。たとえば、Z軸方向およびY軸方向における溝の左終点のセットの中の点群データの座標値は変化しないままであることがあり、X軸方向における溝の左終点のセットの中の点群データの座標値は連続的に変化することがある。Z軸方向およびY軸方向における溝の右終点のセットの中の点群データの座標値は変化しないままであることがあり、X軸方向における溝の右終点のセットの中の点群データの座標値は連続的に変化することがある。Y軸方向における溝の左終点および右終点の座標値は異なり得る。したがって、点群データに対応する3D座標の連続性に基づいて、終点の第1のセットおよび終点の第2のセットも特定され得る。X軸方向およびY軸方向における2つの点群データの座標値が異なる場合、2つの点群データは終点の2つの異なるセットに属し得る。
【0128】
いくつかの実施形態では、画像フレームに対応する点群データは、点群データを含む方向ベクトルの方向情報に基づいて、終点の第1のセットおよび終点の第2のセットへと分類され得る。複数の画像フレームに対応する終点の第1のセットはまた、点群データを含む方向ベクトルの方向情報に基づいて終点の第1のセットと融合されてもよく、複数の画像フレームに対応する終点の第2のセットは、終点の第2のセットと融合されてもよい。
【0129】
いくつかの実施形態では、画像フレームに対応する点群データはまた、点群データを含む方向ベクトルの方向情報に基づいて、終点の第1のセットおよび終点の第2のセットへと分類され得る。次いで、複数の画像フレームに対応する終点の第1のセットは、クラスタリングによって終点の第1のセットへとクラスタリングされてもよく、複数の画像フレームに対応する終点の第2のセットは、終点の第2のセットへとクラスタリングされてもよい。クラスタリングの過程で、各画像フレームに対応する終点の第1のセットおよび終点の第2のセットに含まれる冗長な点群データが除かれ得る。ウォールステッカーを例として用いると、冗長な点群データは、ウォールステッカーの縁の粗い縁に対応する点群データであり得る。
【0130】
動作740の上の説明は例示のためのものにすぎず、本開示の適用の範囲を限定しないことに留意されたい。当業者のために、本開示の誘導のもとで、様々な修正および変更が動作740に行われ得る。たとえば、動作840は省略されてもよく、終点の第1の候補セットおよび終点の第2の候補セットが終点の第1のセットおよび終点の第2のセットと見なされてもよい。しかしながら、これらの修正および変更はそれでも本開示の範囲内にある。
【0131】
図10は、本開示のいくつかの実施形態による、少なくとも1つの転回点を決定するための模範的なプロセスを示すフローチャートである。いくつかの実施形態では、
図4の動作440は、
図10に示されるようなプロセス1000に従って実施され得る。
【0132】
1010において、運動方向における2つの隣接する終点の座標の第1の座標情報および第2の座標情報が決定され得る。
【0133】
いくつかの実施形態では、終点のセットの中の各終点の座標が運動方向において非連続である場合、少なくとも2つの対象物の縁構造(または同じ縁構造の2つの隣接する部分構造)の間に遷移ゾーンがあり得る。第1の座標情報および第2の座標情報は、運動方向において遷移ゾーンに隣接する2つの対象物の縁構造(または同じ縁構造の2つの隣接する部分構造)の終点または中心点の座標値を指し得る。
図11に示されるように、第1の座標情報は、ステッカーパターンシート1の縁構造の中心点のセットの中で、運動方向において遷移ゾーンに最も近い中心点の座標値を含み得る。第2の座標情報は、ステッカーパターンシート2の縁構造の中心点のセットの中で遷移ゾーンに最も近い中心点の運動方向における座標値を含み得る。
【0134】
1020において、運動方向における2つの隣接する終点の座標間の距離が決定され得る。
【0135】
いくつかの実施形態では、
図11に示されるように、2つの隣接する終点の座標は、それぞれ第1の座標情報および第2の座標情報であり得る。運動方向における第1の座標情報と第2の座標情報との間の距離は、Lにより表され得る。
【0136】
1030において、少なくとも1つの転回点の数が、その距離に対応する画像フレームの数に基づいて決定され得る。
【0137】
いくつかの実施形態では、2つの隣接する終点に対応する第1のフレーム識別子および第2のフレーム識別子がそれぞれ決定され得る。その距離に対応する画像フレームの数は、第1のフレーム識別子および第2のフレーム識別子に基づいて決定され得る。したがって、少なくとも1つの転回点の数は画像フレームの数に等しくてもよい。
【0138】
いくつかの実施形態では、2つの隣接する終点に対応する第1のフレーム識別子および第2のフレーム識別子は、スキャンにおいて終点に対応する画像のフレーム識別子、または終点に対応する画像をスキャンするように高精度測定デバイス(たとえば、3Dラインレーザー測定機器)をトリガするエンコーダの識別子であり得る。
【0139】
1040において、少なくとも1つの転回点の座標が、距離および少なくとも1つの転回点の数に基づいて決定され得る。
【0140】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの転回点の座標は、それぞれ2つの隣接する終点に対応するフレーム識別子に基づいて決定され得る。たとえば、距離に対応する画像フレームの数は、2つの隣接する終点に対応する第1のフレーム識別子および第2のフレーム識別子に基づいて決定され得るので、2つの隣接する終点から構成される線分上の画像フレームの数に対応する少なくとも1つの転回点が決定され得る。距離および少なくとも1つの転回点の数に基づいて少なくとも1つの転回点の座標を決定するためのさらなる説明は、
図12およびその関連する説明を参考にすることができる。
【0141】
動作440の上の説明は例示のためのものにすぎず、本開示の適用の範囲を限定しないことに留意されたい。当業者のために、本開示の誘導のもとで、様々な修正および変更が動作440に行われ得る。しかしながら、これらの修正および変更はそれでも本開示の範囲内にある。
【0142】
図12は、本開示のいくつかの実施形態による、少なくとも1つの転回点を決定するための別のプロセスを示すフローチャートである。いくつかの実施形態では、
図10の動作1040は、
図12に示されるようなプロセス1200に従って実施され得る。
【0143】
1210において、2つの隣接する終点に対応する第1のフレーム識別子および第2のフレーム識別子がそれぞれ決定され得る。
【0144】
いくつかの実施形態では、
図11に示されるように、運動方向に方向変化のある終点のセットの中のある終点が、ステッカーパターン1において遷移ゾーンに最も近い中心点であり得る。運動方向に変化のある終点のセットの中の他の終点は、ステッカーパターン2において遷移ゾーンに最も近い中心点であり得る。
【0145】
いくつかの実施形態では、エンコーダのアンチスキッドローラーが一回転するごとにフレーム識別子でマークすることによって、トリガ信号が送信されてもよく、トリガ信号は、対象物の縁構造をスキャンするように高精度測定デバイスをトリガするために、制御アセンブリに基づいて高精度測定デバイスに送信され得る。したがって、エンコーダのIDが一度変化すると、高精度測定デバイスは画像フレームを収集し得る。画像のフレーム識別子は、前のフレーム識別子に基づいて1だけ増やされてもよく、エンコーダのIDもそれに従って1だけ増やされてもよい。エンコーダのIDおよび画像のフレーム識別子は、同期して変更されてもよい。
【0146】
1220において、距離に対応する画像フレームの数は、第1のフレーム識別子および第2のフレーム識別子に基づいて決定され得る。
【0147】
いくつかの実施形態では、第1のフレーム識別子と第2のフレーム識別子との差は、2つの隣接する終点間の画像フレームの数であってもよく、2つの隣接する終点間の画像フレームの数は、遷移ゾーンに含まれる画像フレームの数とも呼ばれることがある。
【0148】
1230において、少なくとも1つの転回点の数に対応する少なくとも1つの転回点が、2つの隣接する終点から構成される線分上で決定され得る。
【0149】
いくつかの実施形態では、運動方向において非連続の座標をもつ2つの隣接する終点は、線分を形成するように構成されてもよく、運動方向における線分の長さは、第1のフレーム識別子および第2のフレーム識別子に基づいて決定される画像フレームの数に従って分割されてもよいので、少なくとも1つの転回点の数がMとして決定されてもよく、M個の転回点が遷移転回点のセットを形成してもよい。2つの隣接する終点間のM個の転回点は、同じ間隔で運動方向において分布してもよい。いくつかの実施形態では、その座標が運動方向において非連続である2つの隣接する終点から構成される線分は、円弧、多角形などの曲線であってもよい。
【0150】
プロセス1200の上の説明は例示のためのものにすぎず、本開示の適用の範囲を限定しないことに留意されたい。当業者のために、本開示の誘導のもとで、様々な修正および変更がプロセス1200に行われ得る。しかしながら、これらの修正および変更はそれでも本開示の範囲内にある。
【0151】
修正の実施形態において提供されるモーションコントロールのための方法を適用するとき、素晴らしい結果を達成するために、少なくとも1つの工作ヘッドの運動軌跡(および転回軌跡)が、高精度測定デバイスによってスキャンされる対象物の縁構造の深さマップ上で決定され得る。具体的には、高精度測定デバイスによって収集される各画像フレームの点群データが記憶されてもよく、対象物に対応するすべての点群データを取得するために、エンコーダのIDが対象物の運動方向において累算されてもよい。そして、すべての点群データが深さマップに投影されてもよい。そして、対象物の少なくとも1つの転回点が深さマップに投影されてもよく、少なくとも1つの転回点がマークされてもよい。最後に、隣接する転回点が接続されてもよく、対象物に対する少なくとも1つの工作ヘッドの運動軌跡および転回軌跡が取得されてもよい。対象物に対する少なくとも1つの工作ヘッドの運動軌跡が
図13に示され得る。
【0152】
図14は、本開示のいくつかの実施形態による、対象物を処理するためのプロセスを示すフローチャートを示す。対象物の点群データが取得された後、点群データは、点群データが有効なデータであるかどうかを決定するために検証され得る。点群データを検証することは、点群データの数が妥当であるかどうか(たとえば、点群データの数が0であるかどうか、点群データの数が0であるという決定は妥当ではない)を決定すること、点群データのポインタが空であるかどうかを決定することなどを含み得る。検証が失敗する場合、プロセスを終了するためにエラーコードが返され得る。検証が成功する場合、フレーム画像の終点の座標が第1の機能に基づいて特定され得る。第2の機能は終点の座標を記憶し得るので、対象物の動作点が少なくとも1つの工作ヘッドの下に達すると、動作点の終点の座標が送信され得る。画像フレームの数が所定の最大値に達すると、第3の機能が終点の座標に基づいて中心点の座標を構築し得る。
【0153】
いくつかの実施形態では、現在記憶されている縁構造の中心点データは、更新機能に基づいて現在記憶されている縁構造の中心点データを更新することによって出力されて並べ替えられ得る。そして、少なくとも1つの工作ヘッドが切削点に達すると、動作点に対応するデータが送信され得る。たとえば、
図15は、本開示のいくつかの実施形態による、更新機能を使用することによって動作点に対応する座標を送信するためのプロセスを示すフローチャートを示す。終点の座標は更新機能に基づいて取得されてもよく、画像フレームの数が所定の最大値に達するかどうかが決定されてもよい。所定の最大値に達する場合、動作プロセスが開始されてもよく、最初の中心点の座標が出力されてもよく、中心点の記憶されている座標が順番に前に動かされてもよい。少なくとも1つの工作ヘッドが動作点に達すると、最初の中心点の記憶されている座標が出力されてもよく、最初の中心点を除く他の中心点の記憶されている座標の記憶順序が順番に前に動かされてもよい。
【0154】
たとえば、
図16は、本開示のいくつかの実施形態による、画像フレームの終点の座標を特定するために、第1の機能を使用するためのプロセスを示すフローチャートを示す。ベクトル角の変化を伴う対象物の数が1よりも多いかどうかは、画像フレームの点群データを決定するとき、画像フレームの点群データの中の頂点としてのある点群データを伴う方向ベクトルのベクトル角のセットに基づいて決定され得る。ベクトル角の変化を伴う対象物の数が1よりも多い場合、画像の点群データの連続性が決定され得る。そして、連続性条件を満たす対象物の数が1以上である場合、ベクトル角は高さに基づいて判断され得る。高さが同じであるベクトル角がある場合、終点の座標のセットが出力され得る。
【0155】
いくつかの実施形態では、
図17は、本開示のいくつかの実施形態による、終点の座標を記憶するために第2の機能を使用するためのプロセスを示すフローチャートを示す。終点の数が2に等しくない場合、特定された縁中心点の数が0よりも多いかどうかがさらに決定され得る。特定された縁中心点の数が0よりも多いとき、縁中心点のセットが構築され得る。具体的には、カウンタcount1が始動され得る。縁中心点が特定されるたびに、カウンタcount1の値が1だけ増大し得る。終点の数が2に等しい場合、現在のフレームのデータが記憶され得る。カウンタcounter1の値が所定の値N以上であるとき、中心点の座標を決定するために第3の機能が始動され得る。
【0156】
いくつかの実施形態では、
図18は、本開示のいくつかの実施形態による、第3の機能を使用することによって中心点の座標を決定するプロセスを示すフローチャートである。異常値を取り除くために、それぞれ2つの終点から構成される終点データの2つのセットが除外され得る。中心点の座標は終点データの2つのセットに基づいて決定されてもよく、中心点の座標は対応するフレームデータ構造に記憶されてもよい。すべての記憶されているフレームデータ構造パッケージが走査されてもよく、すべての終点データの中心点の座標が決定されてもよい。
【0157】
本開示の実施形態は、縁構造の中点としての動作点を例として用い、実際の動作点は縁構造の終点または幾何学的な特性をもつ他の点であってもよいことに留意されたい。本開示の実施形態では、対象物の画像は、3D点群データを取得するために高精度測定デバイスによって収集され得る。遷移中心点は3D点群データに基づいて決定されてもよく、遷移中心点の座標情報の測定精度は0.05mmであり得る。同時に、少なくとも1つの工作ヘッドが対象物に対して動作を実行するとき、動作の輪郭曲線が事前に準備される必要はないことがある。対象物がある幾何学的特徴を有する限り、画像取得動作が実施され、幾何学的特徴の動作点が特定され得る。
【0158】
図19は、本開示のいくつかの実施形態による、少なくとも1つの工作ヘッドの運動軌跡を制御するための模範的なシステムを示すブロック図である。
【0159】
いくつかの実施形態では、
図19に示されるように、少なくとも1つの工作ヘッドのモーションコントロールのためのシステム1900は、取得モジュール1910、情報決定モジュール1920、および軌跡決定モジュール1930を含み得る。取得モジュール1910は、高精度測定デバイスのスキャンに基づいて対象物の目標領域を取得するように構成され得る。情報決定モジュール1920は、目標領域に基づいて目標領域に対応する深さ情報を決定するように構成され得る。軌跡決定モジュール1930は、深さ情報に基づいて少なくとも1つの工作ヘッドの運動軌跡を決定するように構成され得る。
【0160】
いくつかの実施形態では、情報決定モジュール1920は、エンコーダのコーディング情報に基づいて高精度測定デバイスのスキャン情報を決定するように構成され得る。スキャン情報に基づいて、深さ情報が決定され得る。いくつかの実施形態では、情報決定モジュール1920は、深さ情報に基づいて少なくとも1つの工作ヘッドの運動領域を決定するように構成され得る。運動軌跡は運動領域に基づいて決定され得る。いくつかの実施形態では、情報決定モジュール1920は、運動領域および運動方向に基づいて少なくとも1つの工作ヘッドの運動参照経路を決定することと、運動参照経路に基づいて運動軌跡を決定することとをするように構成され得る。いくつかの実施形態では、運動参照経路は、運動領域の中心線経路または運動領域における中心線に平行な経路を含み得る。いくつかの実施形態では、軌跡決定モジュール1930は、複数の部分領域のうちの2つの隣接する部分領域が運動方向において連続的であるかどうかを決定することと、複数の部分領域のうちの2つの隣接する部分領域が運動方向において連続的であるかどうかの決定に基づいて、転回軌跡を追加するかどうかを決定することとをするように構成され得る。いくつかの実施形態では、複数の部分領域のうちの2つの隣接する部分領域が運動方向において連続的ではないとの決定に応答して、転回軌跡が2つの隣接する部分領域の間の逸脱領域において追加され得る。
【0161】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの工作ヘッドのモーションコントロールのためのシステム1900は、少なくとも1つの工作ヘッドの運動軌跡に基づいて動くように少なくとも1つの工作ヘッドを制御するように構成される、モーションコントロールモジュール1940も含み得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの工作ヘッドは第1の工作ヘッドおよび第2の工作ヘッドを含んでもよく、第1の工作ヘッドと第2の工作ヘッドとの間の距離は一定である。少なくとも1つの工作ヘッドの運動軌跡に基づいて動くように少なくとも1つの工作ヘッドを制御することは、第1の工作ヘッドの運動軌跡に基づいて動くように第1の工作ヘッドおよび第2の工作ヘッドを制御することを含み得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの工作ヘッドは第1の工作ヘッドおよび第2の工作ヘッドを含んでもよく、少なくとも1つの工作ヘッドの運動軌跡は第1の工作ヘッドの第1の運動軌跡および第2の工作ヘッドの第2の運動軌跡を含んでもよい。少なくとも1つの工作ヘッドの運動軌跡に基づいて動くように少なくとも1つの工作ヘッドを制御することは、第1の運動軌跡に基づいて動くように第1の工作ヘッドを制御することと、第2の運動軌跡に基づいて動くように第2の工作ヘッドを制御することとを含み得る。
【0162】
いくつかの実施形態では、取得モジュール1910は、対象物の目標領域に基づいて目標領域の点群データを取得するように構成されてもよく、情報決定モジュール1920は、目標領域の点群データに基づいて目標領域の終点のセットを決定するように構成されてもよく、深さ情報は点群データおよび終点のセットを含んでもよい。
【0163】
いくつかの実施形態では、目標領域の点群データに基づいて目標領域の終点のセットを決定することは、第1の点群データからの距離が第1の距離である第2の点群データおよび第3の点群データを決定することであって、点群データの中の第1の点群データが始点として指定される、決定することと、第1のベクトルと第2のベクトルとの間の角度を決定することによってベクトル角を取得することであって、第1のベクトルが第1の点群データおよび第2の点群データから構成されてもよく、第2のベクトルが第1の点群データおよび第3の点群データから構成されてもよい、取得することと、点群データを走査することによってベクトル角のセットを取得することと、ベクトル角のセットに基づいて終点の第1のセットおよび終点の第2のセットを決定することであって、終点の第1のセットおよび終点の第2のセットは終点のセットに属することがある、決定することとを含んでもよい。
【0164】
いくつかの実施形態では、目標領域の点群データに基づいて目標領域の終点のセットを決定することは、第1の点群データからの距離が第1の距離である第2の点群データおよび第3の点群データを決定することであって、点群データの中の第1の点群データが始点として指定される、決定することと、第1のベクトルと第2のベクトルとの間の角度を決定することによってベクトル角を取得することであって、第1のベクトルが第1の点群データおよび第2の点群データから構成されてもよく、第2のベクトルが第1の点群データおよび第3の点群データから構成されてもよい、取得することと、点群データを走査することによってベクトル角のセットを取得することと、ベクトル角のセットに基づいて終点の第1のセットおよび終点の第2のセットを決定することと、終点の第1のセットおよび終点の第2のセットに基づいて中心点のセットを決定することであって、中心点のセットは終点のセットに属する、決定することとを含んでもよい。
【0165】
いくつかの実施形態では、ベクトル角のセットに基づいて終点の第1のセットおよび終点の第2のセットを決定することは、ベクトル角のセットにおいて、正接値が第1の閾値よりも大きいベクトル角のサブセットを取得することと、ベクトル角のサブセットに対応する点群データにおいて、間隔が距離閾値条件を満たす点群データを決定することによって、終点の第1の候補セットを取得することと、終点の第1の候補セットにおいて、高さの差が第2の閾値未満であるベクトル角に対応する点群データを決定することによって、終点の第2の候補セットを取得することと、終点の第2の候補セットの中の点群データに対応するベクトル角の方向情報に基づいて、終点の第2の候補セットに含まれる終点の第1のセットおよび終点の第2のセットを決定することとを含み得る。
【0166】
いくつかの実施形態では、軌跡決定モジュール1930は、終点のセットの中の終点の座標が運動方向において連続的であるかどうかを決定することと、終点のセットの中の終点の座標が運動方向において連続的ではないとの決定に応答して、終点のセットの中の連続的ではない2つの隣接する終点の座標に基づいて2つの隣接する終点間で少なくとも1つの転回点を決定することであって、少なくとも1つの転回点は転回軌跡を決定するように構成される、決定することとをするように構成されてもよい。
【0167】
いくつかの実施形態では、終点のセットの中の連続的ではない2つの隣接する終点の座標に基づいて2つの隣接する終点間で少なくとも1つの転回点を決定することは、運動方向における2つの隣接する終点の座標間の距離を決定することと、距離に対応する画像フレームの数に基づいて少なくとも1つの点の数を決定することと、距離および少なくとも1つの転回点の数に基づいて少なくとも1つの転回点の座標を決定することとを含み得る。いくつかの実施形態では、距離に対応する画像フレームの数に基づいて少なくとも1つの転回点の数を決定することは、2つの隣接する終点にそれぞれ対応する第1のフレーム識別子および第2のフレーム識別子を決定することと、第1のフレーム識別子および第2のフレーム識別子に基づいて距離に対応する画像フレームの数を決定することと、少なくとも1つの転回点の数が画像フレームの数に等しいと決定することとを含み得る。いくつかの実施形態では、距離および少なくとも1つの転回点の数に基づいて少なくとも1つの転回点の座標を決定することは、2つの隣接する終点から構成される線分上の少なくとも1つの転回点の数に対応する少なくとも1つの転回点を決定することを含んでもよく、少なくとも1つの転回点は2つの隣接する終点の間に位置していてもよく、運動方向における少なくとも1つの転回点のうちの2つの隣接する転回点間の距離は等しくてもよい。
【0168】
いくつかの実施形態では、軌跡決定モジュール1940は、少なくとも1つの転回点に基づく方向変化を伴って動くように少なくとも1つの工作ヘッドを制御するように構成され得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの変化点に基づく方向変化を伴って動くように少なくとも1つの工作ヘッドを制御することは、少なくとも1つの転回点の各々に対応するフレーム識別子を決定することと、フレーム識別子に対応する目標領域をスキャンするようにエンコーダが高精度測定デバイスをトリガするとき、少なくとも1つの転回点に基づく方向変化を伴って動くように少なくとも1つの工作ヘッドを制御することとを含み得る。
【0169】
図20は、本開示のいくつかの実施形態による、電子デバイスの模範的なハードウェア組成を示す構造図である。
【0170】
本開示の実施形態は電子デバイスを提供し得る。電子デバイスは、実行可能命令を記憶するように構成されるメモリと、メモリに記憶されている実行可能命令を実行するときに本開示の実施形態において提供される方法を実施するように構成されるプロセッサとを含み得る。
【0171】
たとえば、
図20に示されるように、電子デバイス200は、少なくとも1つのプロセッサ2100、メモリ2200、および少なくとも1つのネットワークインターフェース2300を含み得る。電子デバイス2000の中の様々なアセンブリはバスシステム2400によって結合され得る。バスシステム2400は、これらのアセンブリの間の通信を実現するために使用されることが理解されるべきである。バスシステム2400は、データバスに加えて、電力バス、制御バス、ステータス信号バスなど、またはこれらの組合せを含み得る。
【0172】
メモリ2200は揮発性メモリまたは不揮発性メモリであってもよく、揮発性メモリおよび不揮発性メモリを含んでもよいことが理解されるべきである。不揮発性メモリは、読み取り専用メモリ(ROM)、プログラム可能読み取り専用メモリ(PROM)、消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(EPROM)、電子的消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(EEPROM)、磁気ランダムアクセスメモリ(FRAM(登録商標))、フラッシュメモリ、磁気面メモリ、光ディスク、またはコンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)であってもよい。磁気面メモリは、磁気ディスクメモリまたは磁気テープメモリであってもよい。揮発性メモリは、外部キャッシュとして使用されるランダムアクセスメモリ(RAM)であってもよい。単なる例として、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、シンクロナススタティックランダムアクセスメモリ(SSRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、シンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)、ダブルデータレートシンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(DDRSDRAM)、エンハンストシンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(ESDRAM)、シンクリンクダイナミックランダムアクセスメモリ(SLDRAM)、ダイレクトランバスランダムアクセスメモリ(DRRAM)などの、多くの形態のRAMが利用可能であってもよい。本開示の実施形態において説明されるメモリ2200は、限定はされないが、これらのタイプのメモリまたは任意の他のタイプのメモリを含み得る。
【0173】
本開示の実施形態におけるメモリ2200は、電子デバイス2000の動作をサポートするために様々なタイプのデータを記憶するように構成され得る。データは、電子デバイス2000で実装するための、プログラム2210などの任意のコンピュータプログラムを含み得る。本開示の実施形態の方法を実施するためのプログラムが、プログラム2210に含まれ得る。
【0174】
本開示の実施形態において開示される方法は、プロセッサ2100に適用され、またはプロセッサ2100によって実施され得る。プロセッサ2100は、信号処理能力をもつ集積回路チップであり得る。方法を実施する過程で、上記の方法の各動作は、ハードウェアの集積論理回路またはプロセッサ2100の中のソフトウェアの形態の命令によって実施され得る。プロセッサ2100は、汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、または他のプログラム可能ロジックデバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタロジックデバイス、ディスクリートハードウェアコンポーネントなどであり得る。プロセッサ2100は、本開示の実施形態において開示される方法、動作、および論理ブロックを実施または実行し得る。汎用プロセッサはマイクロプロセッサまたは任意の従来のプロセッサであり得る。本開示の実施形態と組み合わせて開示される方法の動作は、ハードウェア復号プロセッサの、または復号プロセッサの中のハードウェアモジュールとソフトウェアモジュールの組合せの実行完了において直接反映され得る。ソフトウェアモジュールは記憶媒体に位置していてもよく、記憶媒体はメモリ2200に位置していてもよく、プロセッサ2100は、メモリ2200の中の情報を読み取り、上記の方法の動作をハードウェアと組み合わせて実施してもよい。
【0175】
ある模範的な実施形態では、電子デバイス2000は、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、DSP、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、コンプレックスプログラマブルロジックデバイス(CPLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、汎用プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラユニット(MCU)、マイクロプロセッサユニット(MPU)、または上記の方法を実施するための他の電子部品によって実装され得る。
【0176】
本開示の実施形態は、コンピュータ可読記憶媒体にコンピュータ命令を記憶する、コンピュータプログラム製品またはコンピュータプログラムを提供し得る。コンピュータデバイスのプロセッサは、コンピュータ可読記憶媒体からコンピュータ命令を読み取ってもよく、プロセッサは、本開示の実施形態において説明されるモーションコントロールのための方法をコンピュータデバイスに実施させるためにコンピュータ命令を実行してもよい。
【0177】
本開示の実施形態は、プロセッサによって実行されると、本開示の実施形態において提供される方法、たとえば、
図1から
図18に示される少なくとも1つの工作ヘッドのモーションコントロールのための方法を実施するように構成される、実行可能命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体を提供し得る。
【0178】
いくつかの実施形態では、コンピュータ可読記憶媒体は、FRAM(登録商標)、ROM、PROM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、磁気面メモリ、光ディスク、もしくはCD-ROMなどのメモリであってもよく、または、上記のメモリの1つもしくは任意の組合せを含む様々なデバイスであってもよい。
【0179】
いくつかの実施形態では、コンピュータ命令は、ソフトウェア、ソフトウェアモジュール、スクリプトまたはコードの形態などの、任意の形態のプログラミング言語(コンパイル型言語もしくはインタプリタ型言語、または宣言型言語もしくは手続型言語を含む)で書かれてもよく、スタンドアロンプログラムとして展開されること、または、モジュール、コンポーネント、サブルーチン、もしくはコンピューティング環境において使用するのに適した他のユニットとして展開されることを含めて、任意の形態で展開されてもよい。
【0180】
たとえば、コンピュータ命令は、必ずではないが、ファイルシステムの中のファイルに対応することがあり、他のプログラムまたはデータを、たとえばハイパーテキストマークアップ言語(HTML)の1つまたは複数のスクリプトとして、対象のプログラムに専用の単一のファイルとして、または複数の協調ファイル(たとえば、1つまたは複数のモジュール、サブルーチン、またはコードの部分を記憶するファイル)として保持する、ファイルの一部分に記憶されることがある。
【0181】
たとえば、コンピュータ命令は、1つのコンピューティングデバイスで、または1つの位置に位置する複数のコンピューティングデバイスで、または複数の位置に分散しており通信ネットワークによって相互接続される複数のコンピューティングデバイスで実行されるように展開され得る。
【0182】
このように基本的な概念を説明してきたが、この詳細な開示を読んだ後、前述の詳細な開示は例として提示されるものであり限定的ではないことが、むしろ当業者には明らかであり得る。本明細書で明確に述べられてはいないが、様々な改変、改善、および修正があってもよく、当業者に対して意図される。これらの改変、改善、および修正は、本開示によって示唆されることが意図され、本開示の模範的な実施形態の趣旨および範囲内にある。
【0183】
一方、いくつかの用語が本開示の実施形態を説明するために使用された。たとえば、「一実施形態」、「ある実施形態」、および/または「いくつかの実施形態」という用語は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書の様々な部分における「ある実施形態」または「一実施形態」または「代替の実施形態」への2回以上の言及は、必ずしもすべてが同じ実施形態に言及するとは限らないことが強調され、理解されるべきである。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、本開示の1つまたは複数の実施形態において適切であるものとして組み合わせられ得る。
【0184】
さらに、本開示の態様は、任意の新しい有用なプロセス、機械、製造物、もしくは組成物、またはこれらの任意の新しい有用な改善を含む、多数の特許可能な分類または文脈のいずれかで本明細書において例示され説明され得ることが、当業者により理解されるだろう。したがって、本開示の態様は、全体がハードウェアで、全体がソフトウェア(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)で、またはすべてが「データブロック」、「モジュール」、「エンジン」、「ユニット」、「コンポーネント」、もしくは「システム」と本明細書で全般に呼ばれることがあるソフトウェアの実装形態とハードウェアの実装形態の組合せで実装され得る。さらに、本開示の態様は、コンピュータ可読プログラムコードが具現化されている1つまたは複数のコンピュータ可読媒体において具現化されるコンピュータプログラム製品の形態であり得る。
【0185】
コンピュータ可読信号媒体は、たとえばベースバンドにおいて、または搬送波の一部として、コンピュータ可読プログラムコードが具現化されている伝播されるデータ信号を含み得る。そのような伝播される信号は、電磁信号、光信号など、またはこれらの任意の適切な組合せを含む、種々の形態のいずれかであり得る。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体ではなく、かつ、命令実行システム、装置、もしくはデバイスにより使用される、またはそれらに関連するプログラムを、通信し、伝播し、または輸送し得る、任意のコンピュータ可読媒体であり得る。コンピュータ可読信号媒体に具現化されるプログラムコードは、ワイヤレス、有線、光ファイバケーブル、RFなど、または上記の任意の適切な組合せを含む、任意の適切な媒体を使用して送信され得る。
【0186】
本開示の態様のための動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java、Scala、Smalltalk、Eiffel、JADE、Emerald、C++、C#、VB.NET、Pythonなどのオブジェクト指向プログラミング言語、「C」プログラミング言語、Visual Basic、Fortran 2003、Perl、COBOL 2002、PHP、ABAPなどの従来の手続型プログラミング言語、Python、RubyおよびGroovyなどのダイナミックプログラミング言語、または他のプログラミング言語を含む、1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組合せで書かれ得る。プログラムコードは、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして、全体が運用者のコンピュータ上で、一部が運用者のコンピュータ上で、一部が運用者のコンピュータ上でかつ一部がリモートコンピュータ上で、または全体がリモートコンピュータもしくはサーバ上で実行され得る。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)もしくはワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを通じて運用者のコンピュータに接続されてもよく、または、(たとえば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを通じて)外部コンピュータに対して、もしくはクラウドコンピューティング環境において接続が行われてもよく、またはSoftware as a Service(SaaS)などのサービスとして接続が提供されてもよい。
【0187】
さらに、加工要素もしくは手順の記載された順序、または数字、文字、もしくは他の称号の使用はしたがって、請求項において指定され得る場合を除き、特許請求されるプロセスおよび方法をどのような順序にも限定しないものとする。上記の開示は、何が本開示の種々の有用な実施形態であるものと現在考えられるかを様々な例を通じて論じるが、そのような詳細はそれを目的とするだけであり、添付の請求項は開示される実施形態に限定されず、逆に、開示される実施形態の趣旨および範囲内にある修正と等価な構成を包含することが意図されることが理解されるべきである。たとえば、上で説明された様々なコンポーネントの実装は、ハードウェアデバイスにおいて具現化され得るが、それは、ソフトウェアのみの方策として、たとえば既存のサーバまたはモバイルデバイスにインストールされるものとしても実装され得る。
【0188】
同様に、本開示の実施形態の上述の説明において、本開示を能率的にして様々な実施形態の1つまたは複数の理解を助ける目的で、単一の実施形態、図面、またはそれらの説明において様々な特徴が一緒にグループ化されることがあることを理解されたい。しかしながら、本開示は、本開示の目的が請求項において言及される特徴よりも多くの特徴を必要とすることを意図しない。むしろ、特許請求される主題は、単一の前述の開示された実施形態のすべてよりも少ない特徴にあり得る。
【0189】
いくつかの実施形態では、本出願のいくつかの実施形態を説明して特許請求するために使用される、構成要素、特性などの量を表す数は、いくつかの事例では「約」、「およそ」、または「実質的に」という用語により修飾されるものと理解されるべきである。たとえば、「約」、「およそ」、または「実質的に」は、別段述べられていない限り、それが記述する値の±20%の変動を示し得る。したがって、いくつかの実施形態では、書かれた説明および添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータセットは、特定の実施形態が得ようとする望ましい特性に応じて変化し得る近似である。いくつかの実施形態では、数値パラメータは、報告される有効桁の数を考慮して、普通の丸め技法を適用することによって解釈されるべきである。本出願の広範囲のいくつかの実施形態を記述する数値範囲およびパラメータは近似であるが、特定の例に記載される数値は実用上可能な限り正確に報告される。
【0190】
本明細書において参照される、特許、特許出願、特許出願の公開、および、記事、文献、仕様書、刊行物、文書などの他の材料の各々の内容は、本文書と一貫しない、もしくは矛盾する出願手続書類の履歴を除き、または、請求項の最も広い範囲を限定する効果を有し得る書類(今または後で本開示と関連付けられる)を除き、参照によって本明細書に組み込まれる。本開示の添付の材料において使用される説明、定義、および/または用語が、本開示において説明される内容と一貫しない、または矛盾する場合、本開示の説明、定義、および/または用語の使用が優先されるべきであることに留意されたい。
【0191】
最後に、本開示において説明される実施形態は、本開示の実施形態の原理を示すものにすぎないことが理解されるべきである。他の修正が本開示の範囲内にあり得る。したがって、限定ではなく例として、本開示の実施形態の代替の構成が本開示の教示と一貫していると見なされ得る。したがって、本開示の実施形態は、本開示によって明確に紹介され説明される実施形態に限定されない。
【符号の説明】
【0192】
1 ウォールステッカー
200 デバイス
210 オペレーションプラットフォーム
211 台
212 サーボモーター
213 サーボモーター
214 巻き付け台
220 高精度測定デバイス
230 工作ヘッド
240 制限板
250 エンコーダ
1900 システム
1910 取得モジュール
1920 情報決定モジュール
1930 軌跡決定モジュール
1940 モーションコントロールモジュール
2000 電子デバイス
2100 プロセッサ
2200 メモリ
2210 プログラム
2300 ネットワークインターフェース
2400 バスシステム
【手続補正書】
【提出日】2024-01-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの工作ヘッドのモーションコントロールのための方法であって、
高精度測定デバイスのスキャンに基づいて対象物の目標領域を取得するステップと、
前記目標領域に基づいて前記目標領域に対応する深さ情報を決定するステップと、
前記深さ情報に基づいて前記少なくとも1つの工作ヘッドの運動軌跡を決定するステップと
を備える、方法。
【請求項2】
エンコーダのコーディング情報に基づいて前記高精度測定デバイスのスキャン情報を決定するステップと、
前記スキャン情報に基づいて前記深さ情報を決定するステップと
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記深さ情報に基づいて前記少なくとも1つの工作ヘッドの運動軌跡を決定する前記ステップが、
前記深さ情報に基づいて前記少なくとも1つの工作ヘッドの運動領域を決定するステップと、
前記運動領域および運動方向に基づいて前記少なくとも1つの工作ヘッドの運動参照経路を決定するステップと、
前記運動参照経路に基づいて前記運動軌跡を決定するステップと
を含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項4】
前記運動領域が複数の部分領域を含み、
前記運動領域に基づいて前記運動軌跡を決定する前記ステップが、
前記複数の部分領域のうちの2つの隣接する部分領域が前記運動方向において連続的であるかどうかを決定するステップと、
前記複数の部分領域のうちの前記2つの隣接する部分領域が前記運動方向において連続的であるかどうかの決定に基づいて転回軌跡を追加するかどうかを決定するステップと
を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の部分領域のうちの前記2つの隣接する部分領域が前記運動方向において連続的であるかどうかの決定に基づいて転回軌跡を追加するかどうかを決定する前記ステップが、
前記複数の部分領域のうちの前記2つの隣接する部分領域が前記運動方向において連続的ではないとの決定に応答して、前記2つの隣接する部分領域間の逸脱領域において前記転回軌跡を追加するステップを含む、請求項
4に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの工作ヘッドが第1の工作ヘッドおよび第2の工作ヘッドを含み、
前記第1の工作ヘッドと前記第2の工作ヘッドとの間の距離が一定であり、
前記方法が、前記少なくとも1つの工作ヘッドの前記運動軌跡に基づいて動くように前記少なくとも1つの工作ヘッドを制御するステップをさらに含み、
前記少なくとも1つの工作ヘッドの前記運動軌跡に基づいて動くように前記少なくとも1つの工作ヘッドを制御する前記ステップが、
前記第1の工作ヘッドの前記運動軌跡に基づいて動くように前記第1の工作ヘッドおよび前記第2の工作ヘッドを制御するステップを含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの工作ヘッドが第1の工作ヘッドおよび第2の工作ヘッドを含み、
前記少なくとも1つの工作ヘッドの前記運動軌跡が前記第1の工作ヘッドの第1の運動軌跡および前記第2の工作ヘッドの第2の運動軌跡を含み、
前記方法が、前記少なくとも1つの工作ヘッドの前記運動軌跡に基づいて動くように前記少なくとも1つの工作ヘッドを制御するステップをさらに含み、
前記少なくとも1つの工作ヘッドの前記運動軌跡に基づいて動くように前記少なくとも1つの工作ヘッドを制御する前記ステップが、
前記第1の運動軌跡に基づいて動くように前記第1の工作ヘッドを制御するステップと、
前記第2の運動軌跡に基づいて動くように前記第2の工作ヘッドを制御するステップと
を含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項8】
前記対象物の前記目標領域に基づいて前記目標領域の点群データを取得するステップと、
前記目標領域の前記点群データに基づいて前記目標領域の終点のセットを決定するステップと
を備え、
前記深さ情報が前記点群データおよび終点の前記セットを含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項9】
前記目標領域の前記点群データに基づいて前記目標領域の終点のセットを決定する前記ステップが、
第1の点群データからの距離が第1の距離である第2の点群データおよび第3の点群データを決定するステップであって、前記点群データの中の前記第1の点群データが始点として指定される、ステップと、
第1のベクトルと第2のベクトルとの間の角度を決定することによってベクトル角を取得するステップであって、前記第1のベクトルが前記第1の点群データおよび前記第2の点群データから構成され、前記第2のベクトルが前記第1の点群データおよび前記第3の点群データから構成される、ステップと、
前記点群データを走査することによってベクトル角のセットを取得するステップと、
ベクトル角の前記セットに基づいて終点の第1のセットおよび終点の第2のセットを決定するステップであって、終点の前記第1のセットおよび終点の前記第2のセットが終点の前記セットに属
するか、または、終点の前記第1のセットおよび終点の前記第2のセットに基づいて決定される中心点のセットが終点の前記セットに属する、ステップと
を含む、請求項
8に記載の方法。
【請求項10】
ベクトル角の前記セットに基づいて終点の第1のセットおよび終点の第2のセットを決定する前記ステップが、
ベクトル角の前記セットにおいて、正接値が第1の閾値よりも大きいベクトル角のサブセットを取得するステップと、
ベクトル角の前記サブセットに対応する点群データにおいて、間隔が距離閾値条件を満たす点群データを決定することによって、終点の第1の候補セットを取得するステップと、
終点の前記第1の候補セットにおいて、高さの差が第2の閾値未満であるベクトル角に対応する点群データを決定することによって、終点の第2の候補セットを取得するステップと、
終点の前記第2の候補セットの中の前記点群データに対応する前記ベクトル角の方向情報に基づいて、終点の前記第2の候補セットに含まれる終点の前記第1のセットおよび終点の前記第2のセットを決定するステップと
を含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項11】
終点の前記セットの中の終点の座標
が運動方向において連続的であるかどうかを決定するステップと、
終点の前記セットの中の終点の前記座標が前記運動方向において連続的ではないとの決定に応答して、終点の前記セットにおいて連続的ではない2つの隣接する終点の座標に基づいて前記2つの隣接する終点間で少なくとも1つの転回点を決定するステップであって、前記少なくとも1つの転回点
が転回軌跡を決定するように構成される、ステップと
をさらに備える、請求項
8に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つの転回点の各々に対応するフレーム識別子を決定するステップと、
前記フレーム識別子に対応する前記目標領域をスキャンするようにエンコーダが前記高精度測定デバイスをトリガするとき、前記少なくとも1つの転回点に基づく方向変化を伴って動くように前記少なくとも1つの工作ヘッドを制御するステップと
を含む、前記少なくとも1つの変化点に基づく方向変化を伴って動くように前記少なくとも1つの工作ヘッドを制御するステップをさらに含む、請求項
11に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1つの工作ヘッドのモーションコントロールのためのシステムであって、
高精度測定デバイスのスキャンに基づいて対象物の目標領域を取得するように構成される取得モジュールと、
前記目標領域に基づいて前記目標領域に対応する深さ情報を決定するように構成される情報決定モジュールと、
前記深さ情報に基づいて前記少なくとも1つの工作ヘッドの運動軌跡を決定するように構成される軌跡決定モジュールと
を備える、システム。
【請求項14】
実行可能命令を記憶するように構成されるメモリと、
前記メモリに記憶されている実行可能命令を実行するときに請求項1から
12のいずれか一項に記載の方法を実施するように構成されるプロセッサと
を備える、電子デバイス。
【請求項15】
少なくとも1つの工作ヘッドのためのモーションコントロールデバイスであって、
オペレーションプラットフォームと、
前記オペレーションプラットフォーム上に配置された高精度測定デバイスと、
少なくとも1つの工作ヘッドと、
前記高精度測定デバイスのスキャン情報に基づいて前記少なくとも1つの工作ヘッドの運動軌跡を制御するように構成される制御アセンブリと
を備える、モーションコントロールデバイス。
【国際調査報告】