(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-14
(54)【発明の名称】固定フレーム及び可動シートクッションを有するシートアセンブリ
(51)【国際特許分類】
B60N 2/22 20060101AFI20240806BHJP
B60N 2/68 20060101ALI20240806BHJP
B60N 2/64 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
B60N2/22
B60N2/68
B60N2/64
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024505337
(86)(22)【出願日】2022-07-26
(85)【翻訳文提出日】2024-03-29
(86)【国際出願番号】 US2022038336
(87)【国際公開番号】W WO2023009518
(87)【国際公開日】2023-02-02
(32)【優先日】2021-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】507342261
【氏名又は名称】トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【氏名又は名称】河野 努
(72)【発明者】
【氏名】トッド ルパート マック
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ ピー.パターソン
(72)【発明者】
【氏名】ピーター ジェイ.モーグリング
(72)【発明者】
【氏名】マシュー アール.スペック
(72)【発明者】
【氏名】レオン ティー.トマ
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087BD02
3B087DB02
(57)【要約】
キネティックシートアセンブリは、1次シートバックフレームと、2次シートバックフレームと、2次シートバックフレームを1次シートバックフレームに接続した上方旋回機構と、を含む。上方旋回機構は、ブラケットと、ブラケットの相対する側のペアから延びていて、ブラケット及び1次シートバックフレームを相互接続している、旋回可能なリンクと、を含む。旋回可能なリンクの各々の第1の端は、2次シートバックフレームに接続されたブラケットに対して旋回可能に取り付けられており、旋回可能なリンクの各々の反対側の第2の端は、1次シートバックフレームに対して旋回可能に固定されている。旋回可能なリンクにより、ブラケットが1次シートバックフレームに対してキネティックシート垂直方向に移動することが可能になると、2次シートバックフレームは、1次シートバックフレームに対してキネティックシート垂直方向に移動することが可能になる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キネティックシートアセンブリであって、
1次シートバックフレームと、
2次シートバックフレームと、
前記2次シートバックフレームを前記1次シートバックフレームに接続した上方旋回機構と、
を備え、前記上方旋回機構は、
ブラケットと、
前記ブラケットの相対する側のペアの各々から延びていて、前記ブラケット及び前記1次シートバックフレームを相互接続している旋回可能なリンクであって、前記旋回可能なリンクの各々の第1の端は、前記2次シートバックフレームに接続された前記ブラケットに対して旋回可能に取り付けられており、前記旋回可能なリンクの各々の反対側の第2の端は、前記1次シートバックフレームに対して旋回可能に固定されている、旋回可能なリンクと、
を備え、
前記旋回可能なリンクにより、前記ブラケットが前記1次シートバックフレームに対してキネティックシート垂直方向に移動することが可能になると、前記2次シートバックフレームは、前記1次シートバックフレームに対してキネティックシート垂直方向に移動することが可能になる、キネティックシートアセンブリ。
【請求項2】
前記ブラケットは、中間壁、第1の側壁、及び反対側の第2の側壁を含むU形状のブラケットであって、前記第1の側壁及び前記第2の側壁は、前記中間壁に対して垂直に延びている、請求項1に記載のキネティックシートアセンブリ。
【請求項3】
第1のペアの旋回可能なリンクであって、前記第1のペアの旋回可能なリンクの第1の端で前記第1の側壁に対して旋回可能に固定されており、前記第1のペアの旋回可能なリンクの反対側の第2の端で前記1次シートバックフレームに対して旋回可能に固定されている、第1のペアの旋回可能なリンクと、
第2のペアの旋回可能なリンクであって、前記第2のペアの旋回可能なリンクの第1の端で前記第2の側壁に対して旋回可能に固定されており、前記第2のペアの旋回可能なリンクの反対側の第2の端で前記1次シートバックフレームに対して旋回可能に固定されている、第2のペアの旋回可能なリンクと、
を更に備える、請求項2に記載のキネティックシートアセンブリ。
【請求項4】
前記ブラケットの前記中間壁に形成された開口部内に固定された管状部材であって、前記管状部材は、開放された第1の端と、反対側の第2の端と、を有する、管状部材と、
前記管状部材の前記第2の端に提供された裏打ち部材であって、前記裏打ち部材には開口部が形成されている、裏打ち部材と、
前記2次シートバックフレームを前記上方旋回機構に接続したボールジョイントと、
を更に備える、請求項3に記載のキネティックシートアセンブリ。
【請求項5】
前記ボールジョイントは、
前記2次シートバックフレームに固定されたシャフトと、
前記1次シートバックフレームと前記2次シートバックフレームとの間で前記シャフトの端に提供されたボールと、
前記管状部材内に少なくとも部分的に収容されており、前記ボールを収容するボールキャビティを定めている、コネクタと、
を備え、
前記ボールが前記コネクタの前記ボールキャビティ内で回転すると、前記シャフトは、前記コネクタに対して回転することが可能になる、請求項4に記載のキネティックシートアセンブリ。
【請求項6】
前記コネクタは、前記ボールキャビティを定めたハブと、前記シャフトと反対側の方向に前記ハブから延びているピンと、を含み、前記ハブは、前記ピンの外径よりも大きい外径を有し、前記ピンの前記外径は、前記裏打ち部材に形成された前記開口部の直径よりも小さい、請求項5に記載のキネティックシートアセンブリ。
【請求項7】
肩は、前記ピンが前記ハブから延びている前記コネクタに形成されており、
前記キネティックシートアセンブリは、前記裏打ち部材と前記肩との間で前記管状部材内に提供された偏倚部材を更に備える、請求項6に記載のキネティックシートアセンブリ。
【請求項8】
前記コネクタは、雌ねじ孔を定めており、
前記キネティックシートアセンブリは、前記コネクタと反対側の前記裏打ち部材の面と接触する調整デバイスを更に備え、前記調整デバイスは、前記コネクタの前記雌ねじ孔と係り合っている雄ねじシャフトを有し、
第1の方向への前記調整デバイスの回転は、前記調整デバイスに向かう第1の方向に前記コネクタを移動させて、前記偏倚部材の圧縮を増加させ、
反対側の第2の方向への前記調整デバイスの回転は、前記調整デバイスから離れる第2の方向に前記コネクタを移動させて、前記偏倚部材の圧縮を減少させる、請求項7に記載のキネティックシートアセンブリ。
【請求項9】
前記調整デバイスは、手動で調整可能であって、前記2次シートバックフレームと反対側の前記1次シートバックフレームの後方側からアクセス可能である、請求項8に記載のキネティックシートアセンブリ。
【請求項10】
キネティックシートアセンブリであって、
2次シートクッションフレームと、
2次シートバックフレームと、
連結アセンブリと、
を備え、前記連結アセンブリは、
第1の端及び反対側の第2の端を有する接続ブラケットであって、前記第1の端は、前記2次シートクッションフレームに固定されている、接続ブラケットと、
前記接続ブラケットの前方面に固定されたコネクタブラケットであって、前記コネクタブラケットは、前記接続ブラケットの前記前方面に固定されたベース壁と、前記ベース壁の反対側の端から前記ベース壁に対して垂直に延びている側壁のペアと、を含み、開口部は、前記側壁のペアの各側壁に形成されている、コネクタブラケットと、
を備え、
前記2次シートバックフレームは、前記側壁のペアの各側壁に形成された前記開口部で前記コネクタブラケットに対して旋回可能に固定されている、キネティックシートアセンブリ。
【請求項11】
各側壁に形成された前記開口部は、互いに同軸であって、
前記2次シートバックフレームは、前記2次シートバックフレームの下方端に突起を含み、前記突起は、前記側壁のペア間で提供されてキャビティを定めており、
固定部材は、前記2次シートバックフレームを連結アセンブリに対して旋回可能に接続するように、前記キャビティ、及び前記コネクタブラケットの各側壁に形成された前記開口部を通って延びている、請求項10に記載のキネティックシートアセンブリ。
【請求項12】
前記固定部材は、前記2次シートバックフレームが前記2次シートクッションフレームに対して回転するリクライニング軸線を定めている、請求項11に記載のキネティックシートアセンブリ。
【請求項13】
前記第2の端は、前記突起と反対側である前記2次シートバックフレームの側に提供されている、請求項11に記載のキネティックシートアセンブリ。
【請求項14】
前記接続ブラケットの前記第2の端は、反対側のキネティックシート横方向に延びている、互いに離隔したアイレットのペアを定めている、請求項10に記載のキネティックシートアセンブリ。
【請求項15】
前記アイレットのペアの各アイレットは、それぞれの垂直ダンパのボールジョイントを収容する孔を定めている、請求項14に記載のキネティックシートアセンブリ。
【請求項16】
車両であって、
乗客区画と、
前記乗客区画内のキネティックシートアセンブリと、
を備え、前記キネティックシートアセンブリは、
1次シートクッションフレームと、
前記1次シートクッションフレームに対して旋回可能に接続された2次シートクッションフレームと、
1次シートバックフレームと、
前記1次シートバックフレームに対して旋回可能に接続された2次シートバックフレームと、
前記2次シートバックフレームを前記2次シートクッションフレームに相互接続した連結アセンブリであって、前記連結アセンブリは、前記2次シートバックフレーム及び前記2次シートクッションフレームの移動を、互いに同じ位相となるように制限する、連結アセンブリと、
前記1次シートバックフレーム及び前記2次シートバックフレームを旋回可能に接続した上方旋回機構と、
を備える、車両。
【請求項17】
前記上方旋回機構は、
ブラケットと、
前記ブラケットの相対する側のペアの各々から延びていて、前記ブラケット及び前記1次シートバックフレームを相互接続している旋回可能なリンクであって、前記旋回可能なリンクの各々の第1の端は、前記2次シートバックフレームに接続された前記ブラケットに対して旋回可能に取り付けられており、前記旋回可能なリンクの各々の反対側の第2の端は、前記1次シートバックフレームに対して旋回可能に固定されている、旋回可能なリンクと、
を備え、
前記旋回可能なリンクにより、前記ブラケットが前記1次シートバックフレームに対してキネティックシート垂直方向に移動することが可能になると、前記2次シートバックフレームは、前記1次シートバックフレームに対して前記キネティックシート垂直方向に移動することが可能になる、請求項16に記載の車両。
【請求項18】
前記ブラケットの中間壁に形成された開口部内に固定された管状部材であって、前記管状部材は、開放された第1の端と、反対側の第2の端と、を有する、管状部材と、
前記管状部材の前記第2の端に提供された裏打ち部材であって、前記裏打ち部材には開口部が形成されている、裏打ち部材と、
前記2次シートバックフレームを前記上方旋回機構に接続したボールジョイントと、
を更に備える、請求項17に記載の車両。
【請求項19】
前記連結アセンブリは、
第1の端及び反対側の第2の端を有する接続ブラケットであって、前記第1の端は、前記2次シートクッションフレームに固定されている、接続ブラケットと、
前記接続ブラケットの前方面に固定されたコネクタブラケットであって、前記コネクタブラケットは、前記接続ブラケットの前記前方面に固定されたベース壁と、前記ベース壁の反対側の端から前記ベース壁に対して垂直に延びている側壁のペアと、を含み、開口部は、前記側壁のペアの各側壁に形成されている、コネクタブラケットと、
を備え、
前記2次シートバックフレームは、前記側壁のペアの各側壁に形成された前記開口部で前記コネクタブラケットに対して旋回可能に固定されている、請求項17に記載の車両。
【請求項20】
各側壁に形成された前記開口部は、互いに同軸であって、
前記2次シートバックフレームは、前記2次シートバックフレームの下方端に突起を含み、前記突起は、前記側壁のペア間で提供されてキャビティを定めており、
固定部材は、前記2次シートバックフレームを連結アセンブリに対して旋回可能に接続するように、前記キャビティ、及び前記コネクタブラケットの各側壁に形成された前記開口部を通って延びている、請求項19に記載の車両。
【請求項21】
キネティックシートアセンブリであって、
1次シートクッションフレームと、
前記1次シートクッションフレームに対して旋回可能に接続された2次シートクッションフレームと、
1次シートバックフレームと、
前記1次シートバックフレームに対して旋回可能に接続された2次シートバックフレームと、
連結アセンブリであって、
前記2次シートクッションフレームに固定された接続ブラケットと、
前記接続ブラケットに固定されたコネクタブラケットであって、前記コネクタブラケットは、前記2次シートバックフレームに対して旋回可能に固定されている、コネクタブラケットと、を備える、連結アセンブリと、
前記接続ブラケットと前記1次シートバックフレームとの間で延びている垂直ダンパのペアと、
前記1次シートバックフレームと前記2次シートバックフレームとの間で延びている側方ダンパのペアと、
を備える、キネティックシートアセンブリ。
【請求項22】
前記接続ブラケットは、第1の端と、反対側の第2の端と、を有し、前記第1の端は、前記2次シートクッションフレームに固定されている、請求項21に記載のキネティックシートアセンブリ。
【請求項23】
前記コネクタブラケットは、前記接続ブラケットの前方面に固定されたベース壁を含み、側壁のペアは、前記ベース壁の反対側の端から前記ベース壁に対して垂直に延びており、開口部は、前記側壁のペアの各側壁に形成されている、請求項21に記載のキネティックシートアセンブリ。
【請求項24】
前記2次シートバックフレームは、前記側壁のペアの各側壁に形成された前記開口部で前記コネクタブラケットに対して旋回可能に固定されている、請求項23に記載のキネティックシートアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年7月29日に出願された「固定フレーム並びに可動シートクッション及び可動シートバックを有するシートアセンブリ」についての同時係属中の米国仮特許出願第63/227,174号の優先権の利益を主張し、図面を含むその全体の内容を参照により本明細書に援用される。
【0002】
本明細書は概して、車両についてのキネティックシートアセンブリに関し、より具体的には、旋回動作中における乗員の身体の回転を、逆旋回方向にかかる力で適応させる車両についてのキネティックシートアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
車両の運転時、運転者は通常、運転者の胴及び骨盤の回転の繰り返しにより疲労を経験する。加えて、運転者の膝及び頭も、車両の旋回中に回転する。したがって、当該移動は、旋回中の回転に関して連続的に補正するように運転者に要求する。経時的に、運転者の胴、骨盤、膝、及び頭の当該回転は、様々な痛み及び苦痛につながり得、運転者が耐えることができる運転時間の量を制限する。
【0004】
乗員の骨盤及び胴の歩行移動を真似たシートバック及びシートクッションを含むシートアセンブリを提供することが知られている。具体的には、既知のシートアセンブリにより、シートクッションは、クッション旋回軸線で旋回することができ、シートバックは、シートバック旋回軸線で旋回することができ、その結果、シートバック及びシートクッションは、反対方向に旋回する。しかしながら、旋回中における骨盤及び胴の反対方向の回転は、一部の運転者において不快感をもたらし得る。
【0005】
したがって、運転者の頭及び膝の中心位置を維持するように同じ方向への胴回転及び骨盤回転を提供する代替的なキネティックシートアセンブリが必要である。
【発明の概要】
【0006】
一実施形態では、キネティックシートアセンブリは、1次シートバックフレームと、2次シートバックフレームと、2次シートバックフレームを1次シートバックフレームに接続した上方旋回機構と、を含み、上方旋回機構は、ブラケットと、ブラケットの相対する側のペアの各々から延びていて、ブラケット及び1次シートバックフレームを相互接続している旋回可能なリンクであって、旋回可能なリンクの各々の第1の端は、2次シートバックフレームに接続されたブラケットに対して旋回可能に取り付けられており、旋回可能なリンクの各々の反対側の第2の端は、1次シートバックフレームに対して旋回可能に固定されている、旋回可能なリンクと、を含み、旋回可能なリンクにより、ブラケットが1次シートバックフレームに対して車両垂直方向に移動することが可能になると、2次シートバックフレームは、1次シートバックフレームに対して車両垂直方向に移動することが可能になる。
【0007】
別の実施形態では、キネティックシートアセンブリは、2次シートクッションフレームと、2次シートバックフレームと、連結アセンブリと、を含み、連結アセンブリは、第1の端及び反対側の第2の端を有する接続ブラケットであって、第1の端は、2次シートクッションフレームに固定されている、接続ブラケットと、接続ブラケットの前方面に固定されたコネクタブラケットであって、コネクタブラケットは、接続ブラケットの前方面に固定されたベース壁と、ベース壁の反対側の端からベース壁に対して垂直に延びている側壁のペアと、を含み、開口部は、側壁のペアの各側壁に形成されている、コネクタブラケットと、を含み、2次シートバックフレームは、側壁のペアの各側壁に形成された開口部でコネクタブラケットに対して旋回可能に固定されている。
【0008】
更に別の実施形態では、車両は、乗客区画と、乗客区画内のキネティックシートアセンブリと、を含み、キネティックシートアセンブリは、1次シートクッションフレームと、1次シートクッションフレームに対して旋回可能に接続された2次シートクッションフレームと、1次シートバックフレームと、1次シートバックフレームに対して旋回可能に接続された2次シートバックフレームと、2次シートバックフレームを2次シートクッションフレームに相互接続した連結アセンブリであって、連結アセンブリは、2次シートバックフレーム及び2次シートクッションフレームの移動を、互いに同じ位相となるように制限する、連結アセンブリと、1次シートバックフレーム及び2次シートバックフレームを旋回可能に接続した上方旋回機構と、を含む。
【0009】
更に別の実施形態では、キネティックシートアセンブリは、1次シートクッションフレームと、1次シートクッションフレームに対して旋回可能に接続された2次シートクッションフレームと、1次シートバックフレームと、1次シートバックフレームに対して旋回可能に接続された2次シートバックフレームと、連結アセンブリであって、2次シートクッションフレームに固定された接続ブラケットと、接続ブラケットに固定されたコネクタブラケットであって、コネクタブラケットは、2次シートバックフレームに対して旋回可能に固定されている、コネクタブラケットと、を含む、連結アセンブリと、接続ブラケットと1次シートバックフレームとの間で延びている垂直ダンパのペアと、1次シートバックフレームと2次シートバックフレームとの間で延びている側方ダンパのペアと、を含む。
【0010】
本明細書に記載される実施形態によって提供されるこれらの特徴及び追加の特徴は、図面と併せて以下の詳細な説明を考慮すると、より完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図面に記載される実施形態は本質的に、実例的で例示的なものであって、特許請求の範囲によって定められる主題を限定することを意図したものではない。以下の図面と併せて読むと、実例的な実施形態の以下の詳細な説明を理解することができ、当該図面では、同様の構造は、同様の参照番号を用いて示される。
【0012】
【
図1】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、車両において運転席として示されるキネティックシートアセンブリを有する車両についてのシステムを概略的に描写する図である。
【
図2】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図1のキネティックシートアセンブリの正面図を概略的に描写する図である。
【
図3】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図1のキネティックシートアセンブリの背面図を概略的に描写する図である。
【
図4】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図1のキネティックシートアセンブリの背面斜視図を概略的に描写する図である。
【
図5】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図1のキネティックシートアセンブリの別の背面斜視図を概略的に描写する図である。
【
図6】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図1のキネティックシートアセンブリの第1の側面図を概略的に描写する図である。
【
図7】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図1のキネティックシートアセンブリの第2の側面図を概略的に描写する図である。
【
図8】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図1のキネティックシートアセンブリの上面図を概略的に描写する図である。
【
図9】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図1のキネティックシートアセンブリの底面図を概略的に描写する図である。
【
図10】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図1のキネティックシートアセンブリの1次シートバックフレームの正面図を概略的に描写する図である。
【
図11】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図10の1次シートバックフレームの背面図を概略的に描写する図である。
【
図12】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図10の1次シートバックフレームの正面斜視図を概略的に描写する図である。
【
図13】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図10の1次シートバックフレームの別の正面斜視図を概略的に描写する図である。
【
図14】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図1のキネティックシートアセンブリの2次シートバックフレームの正面斜視図を概略的に描写する図である。
【
図15】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図14の2次シートバックフレームの別の正面斜視図を概略的に描写する図である。
【
図16】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図1のキネティックシートアセンブリの前方旋回機構の斜視図を概略的に描写する図である。
【
図17】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図1のキネティックシートアセンブリの上方旋回機構のボールジョイント及び接続の斜視図を概略的に描写する図である。
【
図18】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、第1の位置における
図1のキネティックシートアセンブリの上方旋回機構の正面斜視図を概略的に描写する図である。
【
図19】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、第1の位置における
図18の上方旋回機構の側面図を概略的に描写する図である。
【
図20】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、第2の位置における
図18の上方旋回機構の正面斜視図を概略的に描写する図である。
【
図21】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、第2の位置における
図18の上方旋回機構の側面図を概略的に描写する図である。
【
図22A】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、1次シートバックフレーム及び2次シートバックフレームに取り付けられた、第1の位置における
図8の線22A-22Aに沿って取った
図18の上方旋回機構の断面図を概略的に描写する図である。
【
図22B】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、1次シートバックフレーム及び2次シートバックフレームに取り付けられた、第2の位置における
図18の上方旋回機構の断面図を概略的に描写し、2次シートバックフレームは、1次シートバックフレームに向けて移動する、図である。
【
図23】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図1のキネティックシートアセンブリの2次シートクッションフレームの上面斜視図を概略的に描写する図である。
【
図24】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図23の2次シートクッションフレームの別の上面斜視図を概略的に描写する図である。
【
図25】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図1のキネティックシートアセンブリの連結アセンブリの正面斜視図を概略的に描写する図である。
【
図26】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図25の連結アセンブリの別の正面斜視図を概略的に描写する図である。
【
図27】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図14の2次シートバックフレームに取り付けられた
図23の2次シートクッションフレームの正面斜視図を概略的に描写する図である。
【
図28】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図14の2次シートバックフレームに取り付けられた
図23の2次シートクッションフレームの別の正面斜視図を概略的に描写する図である。
【
図29】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図1のキネティックシートアセンブリの部分背面図を概略的に描写する図である。
【
図30】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、コネクタブラケット及びクランプ間で延びるキネティックシートアセンブリの垂直ダンパの部分側面図を概略的に描写する図である。
【
図31】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図1のキネティックシートアセンブリのチルトバー機構のチルトバー前方部分の正面斜視図を概略的に描写する図である。
【
図32】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図1のキネティックシートアセンブリの1次シートクッションフレーム及びチルトバー機構の部分斜視図を概略的に描写する図である。
【
図33】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図1のキネティックシートアセンブリのクランプのペアの分解斜視図を概略的に描写する図である。
【
図34】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、組み立てられた状態における
図33のクランプのペアの斜視図を概略的に描写する図である。
【
図35】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図32のチルト機構の一部の拡大斜視図を概略的に描写する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、キネティックシートアセンブリを含む車両の実施形態の環境図を概略的に描写する。車両は概して、乗客又は他の乗員が占有する乗客区画を備える。前方運転席、前方客席、及び1つ以上の後方客席を含む複数の車両シートは、車両の乗客区画内で提供され得る。
【0014】
示されているように、キネティックシートアセンブリは、運転席として利用される。しかしながら、複数のキネティックシートアセンブリが車両の複数のシートとして利用され得ることを理解されたい。キネティック車両シートアセンブリは概して、キネティックシートクッションアセンブリと、キネティックシートバックアセンブリと、垂直ダンピング機構と、側方ダンピング機構と、を備える。キネティックシートクッションアセンブリは、1次シートクッションフレームと、2次シートクッションフレームと、1次シートクッションフレームの前方部分を2次シートクッションフレームの前方部分に旋回可能に接続した前方旋回機構と、を含む。キネティックシートバックアセンブリは、1次シートバックフレームと、2次シートバックフレームと、1次シートバックフレームの上方部分を2次シートバックフレームの上方部分に旋回可能に接続した上方旋回機構と、を含む。
【0015】
垂直ダンピング機構は、2次シートクッションフレーム及び2次シートバックフレームが車両垂直方向に移動するときにダンピング効果を提供する。側方ダンピング機構は、2次シートクッションフレームの後方端及び2次シートバックフレームの下方端が車両横方向に移動するときにダンピング効果を提供する。前方旋回機構により、2次シートクッションフレームは、1次シートクッションフレームに対して回転することができる。同様に、上方旋回機構により、2次シートバックフレームは、1次シートバックフレームに対して回転することができ、一部の実施形態では、車両垂直方向に移動することができる。
【0016】
旋回動作中、乗員及びキネティックシートアセンブリは、旋回動作と反対方向に乗員及びキネティックシートアセンブリを押す力を受ける。したがって、旋回機構並びに垂直及び側方ダンピング機構は、2次シートクッションフレーム及び2次シートバックフレームを互いに同じ位相で当該力の方向に回転させる。本明細書で使用される用語「同じ位相」は、2つの物体、例えば、2次シートクッションフレーム及び2次シートバックフレームが同じ方向に互いに同期して移動することを記載する。したがって、本明細書で使用される用語「異なる位相」は、2つの物体、例えば、2次シートクッションフレーム及び2次シートバックフレームが互いに同じ方向に同期して移動していないことを記載する。更に、2つの物体が互いに同じ位相で移動している場合、これらの物体が移動している方向は同様に、互いに同じ位相であることを理解されたい。
【0017】
一部の実施形態では、上方旋回機構及びダンピング機構は、2次シートクッションフレーム及び/又は2次シートバックフレームの移動量を増加又は減少させるために手動又は電子的に調整可能である。
【0018】
一部の実施形態では、車両は、ディスプレイユニットとユーザインターフェースとを含む。車両はまた、プロセッサ及びメモリ構成要素を有する電子制御ユニットを含む車載計算デバイスを含む。したがって、旋回機構及びダンピング機構は、ユーザインターフェースにおいて制御を動作させることにより車両の乗員によって動作可能であり得る。一部の実施形態では、電子制御ユニットはまた、送受信機にインターフェース接続してネットワークに接続するように構成されたネットワークインターフェースハードウェアを含む。ネットワークは、乗員が旋回機構及びダンピング機構を無線で制御することを可能にするために、車両をモバイル計算デバイスに接続する。
【0019】
本明細書で使用される用語「車両長手方向」は、車両の前後方向(すなわち、
図1で描写される+/-車両X方向)を指す。用語「車両横方向」は、車両横断方向(すなわち、
図1で描写される+/-車両Y方向)を指し、車両長手方向に対して横向きである。用語「車両垂直方向」は、車両の上下方向(すなわち、
図1で描写される+/-車両Z方向)を指す。本明細書で使用される「上方」及び「上」は、図面に示される座標軸線のプラスZ方向と定められる。本明細書で使用される「下方」及び「下」は、図面に示される座標軸線のマイナスZ方向と定められる。更に、本明細書で使用される用語「外側」又は「外向き」は、車両中心線に対する構成要素の相対的な場所を指す。本明細書で使用される用語「内側」又は「内向き」は、車両中心線に対する構成要素の相対的な場所を指す。車両構造は概して、車両中心線に関して対称的であり得るため、用語「内側」、「内向き」、「外側」、及び「外向き」の使用が指す方向は、評価構成要素が車両の相対する側に沿って位置する場合、車両中心線に関して鏡映され得る。
【0020】
本明細書で使用される用語「キネティックシート垂直方向」は、車両垂直方向と同じ方向を指す。キネティックシートアセンブリが車両において通常の前向きシートである構成では、用語「キネティックシート長手方向」は、車両長手方向に対して平行な方向を指す。しかしながら、キネティックシート長手方向が垂直である、すなわち、車両横方向に対して平行な方向、又は垂直と平行との間の何らかの他の方向にキネティックシートアセンブリが向いた他の構成が想定されることを理解されたい。
【0021】
また、本明細書で使用される「旋回方向」は、乗員が車両を旋回させている方向を意味することを理解されたい。同様に、「逆旋回方向」は、旋回方向と反対の方向を意味する。
【0022】
ここで、本明細書で記載されるキネティックシートアセンブリの様々な実施形態を詳細に参照し、その例を添付図面に示す。同じ部分又は同様の部分を指すために、可能な限り、図面全体を通じて同じ参照番号を使用する。
【0023】
図1を参照すると、車両が、12で概略的に示されている。車両12は、その内部に提供された乗客区画14を含む。乗客区画14は、乗客又は他の乗員が占有する車両12の内部の一部である。運転席16、前方客席(図示せず)、及び第2列の客席又は第3列の客席などの1つ以上の後方客席18を含む複数の車両シートは、車両12の乗客区画14内に提供されている。
【0024】
図1では、運転席16は、キネティックシートアセンブリ10として提供されている。しかしながら、キネティックシートアセンブリ10は、運転席16に限定されない。実施形態では、運転席16、助手席、及び1つ以上の後方客席18のいずれか1つ又は任意の組合せは、キネティックシートアセンブリ10として提供され得る。
【0025】
図1では、車両12は、クーペ、セダン、ミニバン、トラック、クロスオーバ、ハイブリッド、及びスポーツユーティリティビークルを含む自動車として提供されている。しかしながら、キネティックシートアセンブリ10は、自動車に限定されない。実施形態では、キネティックシートアセンブリ10は、船舶、航空機、又は同種のものなどの任意の車両12に提供され得る。
【0026】
車両12は、車両長手方向に運転席16の前方に配置されたステアリングホイール20を含む。車両12は、ディスプレイユニット22とユーザインターフェース24とを含む。一部の実施形態では、ユーザインターフェース24は、ディスプレイユニット22上に提供された手動ボタン又はタッチスクリーン制御を含む。キネティックシートアセンブリ10が提供された車両12は、ステアリングホイール20が提供されない自律車両であってもよいことが理解される。
【0027】
車両12は、車載計算デバイス26を含む。一部の実施形態では、ネットワーク28は、車両12をモバイル計算デバイス30に接続する。ネットワーク28は、インターネット又はセルラネットワーク(例えば、3G、4G、4G LTE、WiMAXなど)などのワイドエリアネットワークを含み得る。同様に、ネットワーク28は、ローカルエリアネットワーク、例えば、ワイヤレスフィディリティ(Wi-Fi)ネットワーク、Bluetooth(登録商標)ネットワーク、近距離通信ネットワーク、ハードウェア、及び同種のものを含み得る。
【0028】
車両12の車載計算デバイス26は、電子制御ユニット32を含む。一部の実施形態では、車載計算デバイス26は、電子制御ユニット32と電気通信する送受信機34を含み、送受信機34は、車両12をネットワーク28、したがってモバイル計算デバイス30に接続するためにネットワーク28と2方向通信するように構成されている。
【0029】
モバイル計算デバイス30は、携帯電話、タブレット、パーソナルコンピュータ、及び/又は本明細書に記載される機能を行う他のデバイスとして構成され得る。モバイル計算デバイス30は、車両12の運転者若しくは他の乗員又は所有者などの第三者によって動作し得る。
【0030】
依然、
図1を参照して、電子制御ユニット32は、ローカルインターフェース36と、プロセッサ38と、入力/出力ハードウェア40と、データストレージ構成要素42と、プロセッサ38に接続されたメモリ構成要素44と、を含む。
【0031】
ローカルインターフェース36は、電子制御ユニット32の構成要素間の通信を容易にするためのバス又は他の通信インターフェースとして実装される。ローカルインターフェース36は、信号を送信するように構成された任意の媒体で形成されている。非限定的な例として、ローカルインターフェース36は、導電性ワイヤ、導電性トレース、光導波路、又は同種のもので形成される。ローカルインターフェース36はまた、電磁放射及びそれに対応する電磁波が横切る広がりを指し得る。更に、ローカルインターフェース36は、信号を送信するように構成された媒体の組合せで形成され得る。一実施形態では、ローカルインターフェース36は、導電性トレース、導電性ワイヤ、コネクタ、及びバスの組合せを備え、これらは、モバイル計算デバイス30の様々な構成要素間の電気データ信号の送信を可能にするように協働する。更に、用語「信号」は、DC、AC、正弦波、三角波、矩形波、振動、及び同種のものなどの、媒体を通って進むように構成された波形(例えば、電気波形、光波形、磁気波形、機械的波形、又は電磁波形)を意味することに留意されたい。
【0032】
プロセッサ38は、機械可読命令、例えば、データストレージ構成要素42及び/又はメモリ構成要素44に記憶されるものを受信及び実行するように動作可能な処理構成要素を含み得る。非限定的な例として、プロセッサ38は、共有プロセッサ回路、専用プロセッサ回路、又はグループプロセッサ回路のうちの1つであり得る。
【0033】
入力/出力ハードウェア40は、車両12のハードウェア、モバイル計算デバイス30と相互作用する基本入力/出力システム(BIOS)、車両12の特定のデバイス又はモバイル計算デバイス30と相互作用するドライバ、1つ以上のオペレーティングシステム、ユーザアプリケーション、バックグラウンドサービス、バックグラウンドアプリケーションなどを指し得る。一部の実施形態では、入力/出力ハードウェア40は、ディスプレイユニット22、ユーザインターフェース24、及び/又は車両12内の他のハードウェアを含む。
【0034】
データストレージ構成要素42は、プロセッサ38に対して通信可能に接続されている。非限定的な例として、データストレージ構成要素42は、NoSQL、MySQL、Oracle、SQL Server、NewSQL、又は同種のものをサポートする1つ以上のデータベースサーバを含み得る。データストレージ構成要素42は、キネティックシートアセンブリ10の所望の動作モードについてユーザ固有のパラメータ及び特徴を記憶する。
【0035】
メモリ構成要素44は、プロセッサ38に対して通信可能に接続されている。非限定的な例として、メモリ構成要素44は、共有メモリ回路、専用メモリ回路、又はグループメモリ回路のうちの1つであり得る。メモリ構成要素44は、検出ロジック46及び通信ロジック48を記憶する。検出ロジック46及び通信ロジック48は各々、複数個の異なるロジックを含み得、その各々は、コンピュータプログラム、ファームウェア、及び/又はソフトウェア/ハードウェアとして具現化され得る。
【0036】
検出ロジック46は、ユーザインターフェース24などの入力/出力ハードウェア40によって提供される1つ以上の信号を検出するようにプロセッサ38によって実行可能である。通信ロジック48は、検出ロジック46に対応するコマンド及び動作を車載計算デバイス26に実行させるようにプロセッサ38によって実行可能である。一部の実施形態では、検出ロジック46及び通信ロジック48は、ネットワークインターフェースハードウェア50及び/又は送受信機34を通じてネットワーク28と通信してモバイル計算デバイス30と通信する。
【0037】
一部の実施形態では、メモリ構成要素44は、揮発性メモリ及び/又は不揮発性メモリとして構成されており、したがって、ランダムアクセスメモリ(SRAM、DRAM、及び/若しくは他のタイプのRAM)、フラッシュメモリ、セキュアデジタル(SD)メモリ、レジスタ、コンパクトディスク、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、並びに/又は他のタイプの非一時的コンピュータ可読媒体を含み得る。特定の実施形態に応じて、当該非一時的コンピュータ可読媒体は、車載計算デバイス26内に、及び/又は車載計算デバイス26の外部に存在し得る。メモリ構成要素44及びデータストレージ構成要素42は、電子制御ユニット32のメモリユニットとして動作する。
【0038】
上述のように、一部の実施形態では、電子制御ユニット32は、ネットワークインターフェースハードウェア50を含む。ネットワークインターフェースハードウェア50は、ネットワーク28に接続するための送受信機34を含み得るか、又は送受信機34にインターフェース接続するように構成され得る。一例として、ネットワークインターフェースハードウェア50は、アンテナ、モデム、LAN、ワイヤレスフィディリティ(Wi-Fi)カード、WiMAXカード、モバイル通信ハードウェア、並びに/又は他のネットワーク及び/若しくはデバイスと通信する他のハードウェアを含む任意の有線又は無線ネットワークハードウェアと通信するように動作可能である。この接続から、ネットワークインターフェースハードウェア50を使用して送受信機34を通じて通信が行われ、それによって、ネットワーク28を通じて電子制御ユニット32とモバイル計算デバイス30との間の通信が容易になる。
【0039】
上述の構成要素は、電子制御ユニット32内に存在するものとして示されているが、これは、その単なる一例であることを理解されたい。一部の実施形態では、構成要素のうちの1つ以上は、電子制御ユニット32の外部に存在し得る。電子制御ユニット32は、単一のデバイスとして示されているが、これも単なる一例であることも理解されたい。一部の実施形態では、検出ロジック46及び通信ロジック48は、異なる計算デバイス上に存在し得る。その一例として、本明細書に記載される機能及び/又は構成要素のうちの1つ以上は、ネットワーク28を通じて車両12に接続され得るモバイル計算デバイス30によって提供され得る。
【0040】
ここで、
図2~
図9を参照すると、キネティックシートアセンブリ10が概略的に示されており、概して、1次シートクッションフレーム52と、1次シートクッションフレーム52に対して旋回可能に接続された2次シートクッションフレーム54と、1次シートバックフレーム56と、1次シートバックフレーム56に対して旋回可能に接続された2次シートバックフレーム58と、垂直ダンピング機構100と、側方ダンピング機構102と、連結アセンブリ60と、を含む。本明細書でより詳細に述べられるように、垂直ダンピング機構100及び側方ダンピング機構102は、1次シートクッションフレーム52及び1次シートバックフレーム56に対する2次シートクッションフレーム54及び2次シートバックフレーム58間のダンピング効果を提供する。
【0041】
本明細書で使用される用語「ダンピング効果」は、圧縮度合と称される。実施形態では、圧縮は、ばねなどの偏倚部材の長さ、又はオイルなどの流体による圧縮に対する抵抗によって測定され得る。したがって、ダンピング効果は、偏倚部材の端と端との間の移動量、又は流体によって提供される抵抗と直接的に相互に関連付けられる。
【0042】
図3、
図27、及び
図28に示されるように、連結アセンブリ60は、2次シートクッションフレーム54及び2次シートバックフレーム58を相互接続している。連結アセンブリ60は、2次シートクッションフレーム54及び2次シートバックフレーム58が、互いに異なる位相で移動するのを妨げるように構成されている。2次シートクッションフレーム54及び2次シートバックフレーム58の移動は、運転中に乗員及び車両12において生じる力による、キネティックシートアセンブリ10内に着座した乗員の回転によってもたらされることを理解されたい。したがって、2次シートクッションフレーム54及び2次シートバックフレーム58の移動は、任意の電動式の動作、又は他の場合には、電子的にプログラム及び制御された動作の結果ではないことを理解されたい。しかしながら、本明細書でより詳細に述べられるように、移動の度合は、電子プログラム又は制御動作によって制御され得る。キネティックシートアセンブリ10及びキネティックシートアセンブリ10の動作の様々な実施形態は、本明細書でより詳細に記載される。
【0043】
図1に示されるように、2次シートクッションフレーム54は、乗員の臀部及び大腿部などの骨盤をサポートするためのパッド11を含み、2次シートバックフレーム58は、乗員の背中をサポートするためのパッド13を含むことを理解されたい。2次シートクッションフレーム54及び2次シートバックフレーム58上のパッド11、13は、実施形態をより充分に示すために残りの図において省略される。
【0044】
図6、
図7、及び
図9を参照して、1次シートクッションフレーム52は、略矩形形状を有し得る。1次シートクッションフレーム52は、その前方部分の近くに提供された前方部材62と、その後方部分の近くに提供された後方部材64と、を含む。後方部材64は、相対する側方部材のペア66、68間で横断する。1次シートクッションフレーム52はまた、後方部材64の近くに、1次シートクッションフレーム52の相対する側に提供されたリクライナ機構70のペアを含み得る。1次シートクッションフレーム52は、車両12の乗客区画14の床Fに取り付けられた軌道のペア85、87とスライド可能に係り合うレールのペア81、83を含み得る。軌道85、87に沿ってレールのペア81、83をスライドさせることにより、乗員は、車両12のステアリングホイール20に対してキネティックシートアセンブリ10及び乗員を快適な位置にするために、車両長手方向の前方又は後方にキネティックシートアセンブリ10を移動させることができる。加えて、1次シートクッションフレーム52は、床Fに対して下がるか又は上がるようにキネティックシート垂直方向に移動し得ることを理解されたい。
【0045】
ここで、
図10~
図13を参照して、1次シートバックフレーム56は、略台形形状を有し得る。1次シートバックフレーム56は、その上方部分の近くに提供された上方部材76と、その下方部分の近くに提供された下方部材78と、を含む。下方部材78は、相対する側方部材のペア80、82間で横断する。下方部材78は、そこから延びる下方プレート79を含む。下方プレート79は、側方部材80、82間で実質的に中心の場所に提供されている。孔のペア79Aは、下方プレート79に形成されている。本明細書でより詳細に記載されるように、孔のペア79Aは、1次シートバックフレーム56に対する側方ダンピング機構102の接続を容易にするように提供されている。1次シートバックフレーム56はまた、下方部材78の近くに、1次シートバックフレーム56の側方部材80、82に形成された開口部のペア84、86を含む。1次シートクッションフレーム52におけるリクライナ機構70は、1次シートバックフレーム56が1次シートクッションフレーム52に対してリクライニング軸線Rf周りに回転できるように、1次シートバックフレーム56に形成された開口部のペア84、86と係り合う。
【0046】
キネティックシートアセンブリ10の他の実施形態では、代わりに、開口部のペア84、86は、1次シートクッションフレーム52において形成されており、リクライナ機構70のペアは、1次シートバックフレーム56に提供されている。一部の実施形態では、1次シートクッションフレーム52及び1次シートバックフレーム56の両方が、1次シートクッションフレーム52に対するリクライニング軸線Rf周りの1次シートバックフレーム56の回転を容易にするように互いに係り合う、対応するメス及びオスのリクライナ機構などの対となるリクライナ機構を有する。
【0047】
ここで、
図8、
図23、及び
図24を参照して、2次シートクッションフレーム54は、キネティックシートアセンブリ10に着座したときに充分なサポートを提供するために乗員の骨盤に従うような輪郭となる形状を有する。したがって、2次シートクッションフレーム54は、その前方部分の近くに提供された前方端88と、その後方部分の近くに提供された後方端90と、前方端88及び後方端90を相互接続する側方端のペア92、94と、を含む。
【0048】
図6及び
図7に示されるように、2次シートクッションフレーム54は、1次シートクッションフレーム52に対する2次シートクッションフレーム54の旋回及び回転を容易にするように、前方旋回機構98において1次シートクッションフレーム52の上で懸架される。より具体的には、前方旋回機構98は、キネティックシートアセンブリ10に座っている人に対して、反対側のキネティックシート横方向に力がかかると、2次シートクッションフレーム54がキネティックシート横方向において1次シートクッションフレーム52に対して回転するのを可能にする。前方旋回機構98は、最高の度合の回転を容易にするように、2次シートクッションフレーム54の前方部分の近くに提供されている。したがって、2次シートクッションフレーム54の前方端88は、前方旋回機構98によって1次シートクッションフレーム52の前方部材62の上で懸架される。
【0049】
前方旋回機構98は、1次シートクッションフレーム52の上で2次シートクッションフレーム54を懸架するために、1次シートクッションフレーム52と2次シートクッションフレーム54との間で、その前方部分の近くに配置されている。
図16でより詳細に示されるように、前方旋回機構98は、1次シートクッションフレーム52及び2次シートクッションフレーム54の一方に固定される下方の前方旋回機構部分104と、1次シートクッションフレーム52及び2次シートクッションフレーム54の他方に固定される上方の前方旋回機構部分106と、を含み得る。上方の前方旋回機構部分106は、下方の前方旋回機構部分104の端に収容されたボールジョイント108を含む。実施形態では、ボールジョイント108は、上方の前方旋回機構部分106の端に収容された下方の前方旋回機構部分104に提供され得る。
【0050】
ここで、
図8及び
図9を参照して、実施形態では、2次シートクッションフレーム54はまた、2次シートクッションフレーム54の面の温度を調整する加熱及び冷却機構を含み得る。より具体的には、2次シートクッションフレーム54は、2次シートクッションフレーム54の面を冷却する冷却機構116を含み得る。冷却機構116は、例えば、ファン又は空調デバイスを含み得る。冷却機構116によって届けられる空気が2次シートクッションフレーム54を通過し、それによって、そこに着座した乗員を冷却し得るように、孔118が2次シートクッションフレーム54に形成され得る。冷却機構116は電子的に、電子制御ユニット32に接続されており、電子制御ユニット32は、ユーザインターフェース24又はキネティックシートアセンブリ10における制御デバイスなどから信号を受信すると、冷却機構116に信号を送信して、それに従って、例えば、冷却機構116の温度又は送風速度などの冷却機構116のパラメータを調整する。
【0051】
依然、
図8を参照して、2次シートクッションフレーム54は、2次シートクッションフレーム54の面を加熱する加熱機構120を含み得る。加熱機構120は、2次シートクッションフレーム54上に配置された1つ以上の加熱コイル120Aを含み得る。一部の実施形態では、加熱機構120の加熱コイル120Aは、2次シートクッションフレーム54とパッド11との間に位置している。他の実施形態では、加熱コイル120Aは、2次シートクッションフレーム54自体に提供され得る。実施形態では、加熱機構120は、2次シートクッションフレーム54の上向き面に沿ってキネティックシート長手方向に延びる、互いに平行に配置された複数の別々の加熱コイル120Aを含み得る。他の実施形態では、加熱機構120は、2次シートクッションフレーム54の上向き面に沿って提供された正弦曲線の配置で形成された単一の加熱コイル120Aを含み得る。加熱機構120は電子的に、電子制御ユニット32に接続されており、電子制御ユニット32は、ユーザインターフェース24又はキネティックシートアセンブリ10における制御デバイスなどから信号を受信すると、加熱機構120に信号を送信して、それに従って、例えば、加熱機構120の温度などの加熱機構120のパラメータを調整する。
【0052】
ここで、2次シートバックフレーム58に関して
図14及び
図15を参照して、2次シートバックフレーム58は、充分なサポートを提供するために乗員の胴に従うような輪郭となる形状を有する。したがって、2次シートバックフレーム58は、その上方部分の近くに提供された上方端180と、その下方部分の近くに提供された下方端182と、上方端180及び下方端182を相互接続する側方端のペア184、186と、を含む。上方端180は、乗員の頭及び首に対する追加のサポートを提供するために、上方端180と一体的に形成されて上方端180から上向きに延びているヘッドレスト188を含み得る。一部の実施形態では、ヘッドサポートフレーム190が提供されており、2次シートバックフレーム58の側方端184、186から上向きに延びている。ヘッドサポートフレーム190は、2次シートバックフレーム58の側方端184、186に接続されたアームのペア192、194を含む略逆U形状の部材である。以下でより詳細に述べられるように、上方旋回機構212は、ヘッドサポートフレーム190よりも下で2次シートバックフレーム58に接続されている。
【0053】
図6及び
図7に示されるように、2次シートバックフレーム58は、1次シートバックフレーム56に対する2次シートバックフレーム58の旋回及び回転を容易にするように、上方旋回機構212において1次シートバックフレーム56の前方で懸架される。上方旋回機構212は、最高の度合の回転を容易にするように、2次シートバックフレーム58の上方端180の近くに位置している。したがって、2次シートバックフレーム58の上方端180は、本明細書でより詳細に記載される上方旋回機構212によって1次シートバックフレーム56の上方部材76の前方で懸架される。
【0054】
再び
図2を参照して、実施形態では、2次シートバックフレーム58はまた、2次シートバックフレーム58の面の温度を調整する加熱及び冷却機構を含み得る。より具体的には、2次シートバックフレーム58は、2次シートバックフレーム58の面を冷却する冷却機構140を含み得る。冷却機構140は、例えば、ファンを含み得る。冷却機構140によって届けられる空気が2次シートバックフレーム58を通過し、それによって、そこに着座した乗員を冷却し得るように、孔142が2次シートバックフレーム58に形成され得る。冷却機構140は電子的に、電子制御ユニット32に接続されており、電子制御ユニット32は、ユーザインターフェース24又はキネティックシートアセンブリ10における制御デバイスなどから信号を受信すると、冷却機構140に信号を送信して、それに従って、例えば、冷却機構140の温度又は送風速度などの冷却機構140のパラメータを調整する。
【0055】
依然、
図2を参照して、2次シートバックフレーム58は、2次シートバックフレーム58の面を加熱する加熱機構143を含み得る。加熱機構143は、2次シートバックフレーム58上又は2次シートバックフレーム58内に配置された1つ以上の加熱コイル143Aを含み得る。具体的には、加熱コイル143Aは、2次シートバックフレーム58の上方端180、下方端182、又は側方端184、186の一方のうちの1つ以上に提供され得る。一部の実施形態では、加熱機構143の加熱コイル143Aは、2次シートバックフレーム58とパッド13との間に位置している。他の実施形態では、加熱コイル143Aは、2次シートバックフレーム58自体に提供され得る。実施形態では、加熱機構143は、2次シートバックフレーム58の前向き面に沿ってキネティックシート垂直方向に延びる、互いに平行に配置された複数の別々の加熱コイル143Aを含み得る。他の実施形態では、加熱機構143は、2次シートバックフレーム58の前向き面に沿って提供された正弦曲線の配置で形成された単一の加熱コイル143Aを含み得る。加熱機構143は電子的に、電子制御ユニット32に接続されており、電子制御ユニット32は、ユーザインターフェース24又はキネティックシートアセンブリ10における制御デバイスなどから信号を受信すると、加熱機構143に信号を送信して、それに従って、例えば、加熱機構143の温度などの加熱機構143のパラメータを調整する。
【0056】
依然、
図2を参照して、2次シートバックフレーム58は、パワーランバ機構138を含み得る。パワーランバ機構138は、可撓性部材138Aを含み得、パワーランバ機構138の輪郭を大きくするように1次シートバックフレーム56から離れる方向に曲がり、パワーランバ機構138の輪郭を小さくするように1次シートバックフレーム56に向けて曲がるように構成され得る。パワーランバ機構138は、パワーランバ機構138に沿った1つ以上の場所で、本明細書で述べられるようにパワーランバ機構138を曲げるために1つ以上のアクチュエータ138Bを含み得る。実施形態では、複数のアクチュエータ138Bは、ランバ機構138の対応する領域を選択的に曲げるためにキネティックシート垂直方向にパワーランバ機構に沿って延びるように提供され得る。パワーランバ機構138は電子的に、電子制御ユニット32に接続されており、電子制御ユニット32は、ユーザインターフェース24又はキネティックシートアセンブリ10における制御デバイスなどから信号を受信すると、パワーランバ機構138、具体的には可撓性部材138A及び/又は1つ以上のアクチュエータ138Bに信号を送信して、それに従って、パワーランバ機構138の輪郭を調整する。パワーランバ機構138の輪郭を調整することによって、2次シートバックフレーム58は、乗員の背中の形状に従ってより快適なように、より優れて構成され得る。実施形態では、加熱コイル143Aは、パワーランバ機構138に提供され得る。
【0057】
ここで、
図18~
図22Bを参照すると、上方旋回機構212がより詳細に示されている。
図18及び
図19に示されるように、上方旋回機構212は、1次シートバックフレーム56に対して2次シートバックフレーム58を上げる第1の位置に位置している。
図20及び
図21に示されるように、上方旋回機構212は、1次シートバックフレーム56に対して2次シートバックフレーム58を下げる第2の位置に位置している。上方旋回機構212はまた、1次シートバックフレーム56に対して複数の中間垂直位置に2次シートバックフレーム58を配置するように、第1の位置と第2の位置との間の複数の中間位置に配置可能であることを理解されたい。
図22Aに示されるように、上方旋回機構212は、第1の位置にあって、ここで、2次シートバックフレーム58は、1次シートバックフレーム56に対して第1の垂直方向V1に移動し、2次シートバックフレーム58は、1次シートバックフレーム56に向けて第1の長手方向P1に移動する。代替的に、
図22Bに示されるように、上方旋回機構212は、第2の位置にあって、ここで、2次シートバックフレーム58は、第1の垂直方向V1と反対側に、1次シートバックフレーム56に対して第2の垂直方向V2に移動し、2次シートバックフレーム58は、1次シートバックフレーム56から離れる方向に第1の長手方向P1と反対側に、第2の長手方向P2に移動する。
【0058】
ここで、
図18~
図21を参照して、上方旋回機構212は、U形状のブラケット216を含み、U形状のブラケット216は、第1の側壁216Aと、反対側の第2の側壁216Bと、第1の側壁216Aと第2の側壁216Bとの間で延びている中間壁216Cと、を有する。第1の側壁216A及び第2の側壁216Bは、中間壁216Cに対して垂直にキネティックシート長手方向に延びている。中間壁216Cは、内面216C1と、外面216C2と、そこに形成された開口部227と、を有する。旋回可能なリンク218のペアは、第1の側壁216A及び第2の側壁216Bの各々に提供されている。示されているように、旋回可能なリンク218のペアは、第1の側壁216A及び第2の側壁216Bの各々に提供されている。
図22Aに示されるように、各々の旋回可能なリンク218は、U形状のブラケット216に対して回転可能に取り付けられた第1の端218Aと、1次シートバックフレーム56に対して回転可能に取り付けられた反対側の第2の端218Bと、を有する。
【0059】
上方旋回機構212はまた、中間壁216Cにおける開口部227を通って延びている中空管状部材217を含む。
図22Aに示されるように、管状部材217は、開放された第1の端217Aと、裏打ち部材217Cによって封鎖された反対側の第2の端217Bと、を有する。裏打ち部材217Cは、内面217C1と外面217C2とを有する。開口部217C3は、裏打ち部材217Cに形成されており、開口部217C3は、内面217C1と外面217C2との間で延びている。管状部材217は、U形状のブラケット216の中間壁216Cに形成された開口部227内で固定されている。
【0060】
上方旋回機構212は、ボールジョイント240を含み、ボールジョイント240は、2次シートバックフレーム58に固定されたシャフト220と、シャフト220と反対側に延びているコネクタ224のボールキャビティ225内に収容されたボール222と、を含む。コネクタ224は、少なくとも部分的に管状部材217内に収容されており、内部に形成された雌ねじ孔229を有し、裏打ち部材217Cに形成された開口部217C3を通って移動可能に延びるような寸法である。ボールジョイント240は、ロール、ピッチ、及びヨー方向に2次シートバックフレーム58を移動させるために、1次シートバックフレーム56に対してX、Y、及びZ軸線周りに2次シートバックフレーム58が回転するのを可能にする。したがって、コネクタ224内におけるボールジョイント240のボール222の回転、及び1次シートバックフレーム56に対する旋回可能なリンク218の旋回により、2次シートバックフレーム58は、キネティックシート垂直方向に移動可能である。
図17でより詳細に示されているように、ボールジョイント240及びコネクタ224は、ボールジョイント240がコネクタ224の開放端内に収容された状態で示されている。
【0061】
再び
図22Aを参照して、コネクタ224は、ボールキャビティ225を定めたハブ224Bと、ハブ224Bから延びているピン224Cと、を有する。ピン224Cは、雌ねじ孔229を定めている。ハブ224Bは、ピン224Cの外径よりも大きい外径を有する。ピン224Cが裏打ち部材217Cの開口部217C3を通って移動するのを可能にするように、ピン224Cの外径は、裏打ち部材217Cの開口部の直径よりも小さい。肩224Aは、ハブ224B及びピン224C間の直径の差によって定められている。
【0062】
実施形態では、上方旋回機構212は、調整デバイス214を含み、調整デバイス214は、U形状のブラケット216で提供されており、裏打ち部材217Cの外面217C2からアクセス可能である。調整デバイス214は、接触面235を有する頭233と、コネクタ224の雌ねじ孔229と係り合う、相対する雄ねじシャフト231と、を含み得る。実施形態では、調整デバイス214は、締結具、回転可能なノブ、ボタン、又は同種のものである。
【0063】
実施形態では、上方旋回機構212は、電子制御ユニット234Aと、管状部材217内に提供されてコネクタ224が貫通して延びるプレート234Bと、リニアアクチュエータ234Cと、を更に含む。電子制御ユニット234Aは、リニアアクチュエータ234Cと電子通信して、コネクタ224の長さに沿ってキネティックシート車両方向にプレート234Bを移動させる。実施形態では、電子制御ユニット234Aは、調整デバイス214に対して通信可能に接続されている。電子制御ユニット234Aは、電子制御ユニット32に対して電子的に接続され得る。
【0064】
上方旋回機構212は、偏倚部材226を更に含み、偏倚部材226は、管状部材217内に提供されており、コネクタ224に形成された肩224Aとプレート234Bとの間で延びている。したがって、本明細書に記載されるように、キネティックシート長手方向のプレート234Bの移動は、偏倚部材226による2次シートバックフレーム58に対する偏倚力の増加又は減少をもたらす。
【0065】
図22Aに示されるように、使用時、第1の方向における調整デバイス214の回転の結果、リニアアクチュエータ234Cは、第1のモードで動作して、コネクタ224に沿って第1の方向T1にプレート234Bを移動させる。プレート234Bが第1の方向T1に移動すると、偏倚部材226は、プレート234Bとコネクタ224の肩224Aとの間で延びることが可能であって、それによって、2次シートバックフレーム58が1次シートバックフレーム56に向けて第1の長手方向P1に移動するときに、具体的には、コネクタ224が、裏打ち部材217Cに形成された開口部217C3を通って移動するときに、ダンピング効果を増加させる。次いで、
図22Aに示されるように、偏倚部材226は、反対側の第2の長手方向P2に2次シートバックフレーム58を移動させるように、2次シートバックフレーム58に対して偏倚力を提供し、その結果、コネクタ224は、裏打ち部材217Cに形成された開口部217C3外に後退する。
【0066】
代替的に、
図22Bに示されるように、反対側の第2の方向における調整デバイス214の回転の結果、リニアアクチュエータ234Cは、第2のモードで動作して、コネクタ224に沿って第2の方向T2にプレート234Bを移動させる。
図22Bに示されるように、プレート234Bが第2の方向T2に移動すると、偏倚部材226は、プレート234Bとコネクタ224の肩224Aとの間で圧縮されて、それによって、2次シートバックフレーム58が1次シートバックフレーム56に向けて第1の長手方向P1に移動するときに、具体的には、コネクタ224が、裏打ち部材217Cに形成された開口部217C3を通って移動するときに、ダンピング効果を減少させる。次いで、偏倚部材226は、第2の長手方向P2に2次シートバックフレーム58を移動させるように、2次シートバックフレーム58に対して偏倚力を提供し、その結果、コネクタ224は、裏打ち部材217Cに形成された開口部217C3外に後退する。
【0067】
実施形態では、プレート234Bは、1次シートバックフレーム56の後方側から調整デバイス214にアクセスして調整デバイス214を回転させることによって調整デバイス214の手動動作により第1の方向T1若しくは第2の方向T2に移動し得るか、又は電子制御ユニット234A自体と通信することによって電子的に動作し得る。調整デバイス214の手動動作によってプレート234Bを移動させる実施形態では、調整デバイス214の回転は、調整デバイス214の回転移動を、第1の方向T1及び第2の方向T2におけるプレート234Bの直線移動に変換するように、ウォームギア、ベベルギヤ、又は同種のものによってプレート234Bに接続され得る。
【0068】
図27及び
図28で示して上述したように、2次シートクッションフレーム54及び2次シートバックフレーム58はそれぞれ、連結アセンブリ60によって後方端90及び下方端182で互いに接続されている。本明細書で述べられるように、連結アセンブリ60は、2次シートクッションフレーム54及び2次シートバックフレーム58が、互いに同じ位相で、すなわち、同時に同じ方向で移動することを保証する。
【0069】
図23及び
図24に示されるように、連結アセンブリ60は、L形状の接続ブラケット242を含み、L形状の接続ブラケット242は、2次シートクッションフレーム54の後方端90に取り付けられた第1の端242Aと、反対側の第2の端242Bと、を有する。L形状の接続ブラケット242はまた、後方面242Cと、反対側の前方面242Dと、を有する。L形状の接続ブラケット242は、後方面242C及び前方面242Dを貫通して延びている、L形状の接続ブラケット242の反対側に位置する離隔したアイレットのペア244A、244Bを含む。アイレット244A、244Bは、反対側のキネティックシート横方向に延びて孔245A、245Bを定めている。ここで、
図25及び
図26を参照して、連結アセンブリ60は、L形状の接続ブラケット242の前方面242Dに固定して取り付けられたコネクタブラケット244を含む。コネクタブラケット244は、ベース壁246Bと、側壁246Cのペアと、を含む。側壁246Cのペアは、ベース壁246Bに対して実質的に垂直にキネティックシート長手方向に延びており、開口部246Dは、ベース壁246Bと反対側に各側壁246Cの遠位端に形成されている。開口部246Dは、本明細書で述べられるように、リクライニング軸線Rmを定めるように互いに同軸であって、2次シートバックフレーム58は、コネクタブラケット244に対してリクライニング軸線Rm周りに回転する。したがって、2次シートクッションフレーム54及び2次シートバックフレーム58は、リクライニング軸線Rm周りに回転することが可能になる。
【0070】
ここで、
図27及び
図28を参照して、2次シートバックフレーム58は、コネクタブラケット244に対して回転可能に取り付けられている。より具体的には、2次シートバックフレーム58の下方部材78は、ピンなどの固定部材248によってコネクタブラケット244に対して回転可能に取り付けられており、固定部材248は、2次シートバックフレーム58の下方部材78から延びている突起58Bに形成されたキャビティ58A、及びコネクタブラケット244の側壁246Cに形成された開口部246Dを通って延びている。したがって、コネクタブラケット244により、2次シートクッションフレーム54は、2次シートバックフレーム58に対して回転することが可能になり、2次シートバックフレーム58は、接続ブラケット242に対して回転することが可能になる。
【0071】
ここで、
図29を参照すると、コネクタブラケット244のアイレット244A、244Bと、1次シートクッションフレーム52の反対側のレール81、83間で延びている後方ロッド362上に提供されたクランプ360のペアと、の間に垂直ダンピング機構100が示されている。垂直ダンピング機構100は、第1及び第2の垂直ダンパ144、146を含み、第1及び第2の垂直ダンパ144、146は、1次シートクッションフレーム52及び2次シートクッションフレーム54を、それらの間における連結アセンブリ60による接続により相互接続している。
【0072】
各垂直ダンパ144、146は、構造及び動作において同一であって、したがって、
図29を参照して第1の垂直ダンパ144のみが詳細に記載されることを理解されたい。一部の実施形態では、第1の垂直ダンパ144は、外側の管148と内側の管154とを含む。外側の管148は、第1の端150と、反対側の第2の端152と、を含む。内側の管154は、第1の端156と、反対側の第2の端158と、を含む。一部の実施形態では、内側の管154及び外側の管148は、互いに対して回転することが可能になる。更に、内側の管154は、外側の管148から伸縮し得るが、内側の管154は、完全に外側の管148外に後退するのを制限され得る。
【0073】
一部の実施形態では、以下でより詳細に述べられるように、内側の管154は、1次シートクッションフレーム52に対する2次シートバックフレーム58の移動に基づいて第1の垂直ダンパ144の長さを調整するために、外側の管148の第1の端150の内外でスライド可能に移動する。一部の実施形態では、第1の垂直ダンパ144はまた、1次シートクッションフレーム52及び/又は2次シートバックフレーム58に対する第1の垂直ダンパ144の必要な回転を提供するように、第1の垂直ダンパ144の一端又は両端にボールジョイント145を含む。
【0074】
示されていないが、一部の実施形態では、第1の垂直ダンパ144は、内側の管154及び外側の管148間のダンピング効果を提供するばねなどの偏倚部材を含む。他の実施形態では、第1の垂直ダンパ144は、内側の管154及び外側の管148間のダンピング効果を提供する圧縮性流体を含み得る。ダンピング効果の度合は、本明細書でより詳細に述べられるように、手動で又は電子的に調整可能であり得る。
【0075】
第1の垂直ダンパ144の変形体が、本開示の範囲内で想定され得ることを理解されたい。例えば、一部の実施形態では、外側の管148及び内側の管154の向きが切り換えられてもよく、その結果、外側の管148は、2次シートバックフレーム58に接続され、内側の管154は、1次シートクッションフレーム52に接続されることを理解されたい。
【0076】
一部の実施形態では、第1の垂直ダンパ144は、ショックアブソーバである。一部の実施形態では、第1の垂直ダンパ144は、空気圧アクチュエータである。したがって、第1の垂直ダンパ144は、空気供給部に接続される入口304を含む。空気は、ダンピングの度合を制御するために所定量まで、第1の垂直ダンパ144、特に外側の管148に供給される。一部の実施形態では、第1の垂直ダンパ144の入口304は、空気を第1の垂直ダンパ144内に追加するために、車両12内に配置された空気供給部と流体的に通じている。ダンピングの量を低減するために、解放バルブは、第1の垂直ダンパ144内の圧力を解放するように作動し得る。解放バルブは、開放位置、閉鎖位置、及び複数の中間位置間で調整され得る。解放される空気は、車両12に提供された空気供給部に戻って再循環し得るか、又は大気に解放され得る。したがって、2次シートバックフレーム58の垂直移動は、第1の垂直ダンパ144内の圧力量を制御することによって、乗員により必要に応じて低減又は増加し得る。
【0077】
示されていないが、他の実施形態では、各垂直ダンパ144、146は、1次シートクッションフレーム52及び2次シートバックフレーム58間の移動を減衰させる、電気アクチュエータ、液圧アクチュエータ、又は任意の他の好適なアクチュエータであり得ることが理解される。
【0078】
図30に示されるように、コネクタブラケット244及びクランプ360間で接続された第1の垂直ダンパ144の詳細な側面図が示されている。
図30に示され本明細書で述べられる構成要素は、本開示の範囲を限定することなく、例示の単純化のために他の図で描写されない場合があることを理解されたい。加えて、本明細書で述べられ
図30に示される第1の垂直ダンパ144の説明は、第2の垂直ダンパ146にも同様に適用可能であることを理解されたい。しかしながら、第1の垂直ダンパ144の接続のみが、本明細書で詳細に示され記載される。
【0079】
図30に示されるように、第1の垂直ダンパ144は、外側の管148の第2の端152に提供されたボールジョイント145と、内側の管154の第2の端158に提供されたボールジョイント145と、を含む。各ボールジョイント145は、ボール145Aと、ボール145Aを収容するキャビティ145Cを定めた受け部145Bと、を含む。示されているように、第1の垂直ダンパ144は、接続ブラケット242からキネティックシート長手方向に離隔している。接続ブラケット242から離隔した第1の垂直ダンパ144、より具体的には、接続ブラケット242から離隔したボールジョイント145により、外側の管148の第2の端152及び内側の管154の第2の端158の制限されない旋回移動が可能になることを理解されたい。
【0080】
より具体的には、外側の管148の第2の端152は、第1の垂直ダンパ144が接続されたクランプ360のうちの1つから離隔している。実施形態では、示されているように、ボールジョイント380は、クランプ360の上方クランプマウント364Hに提供されている。ボールジョイント380は、ボール380Aと、ボール380Aを収容するキャビティ380Cを定めた受け部380Bと、を含む。シャフト382は、外側の管148の第2の端152をクランプ360から間隔を空けるように、外側の管148の第2の端152におけるボールジョイント145と、クランプ360におけるボールジョイント380との間で延びている。実施形態では、シャフト382は、ボールジョイント380を提供することなく、クランプ360に対して直接的に固定されてもよい。
【0081】
更に、内側の管154の第2の端158は、接続ブラケット242、具体的には、第1の垂直ダンパ144が接続された接続ブラケット242のアイレット244Aから離隔している。実施形態では、示されているように、ボールジョイント390は、接続ブラケット242のアイレット244Aに提供されている。ボールジョイント390は、ボール390Aと、ボール380Aを収容するキャビティ390Cを定めた受け部390Bと、を含む。シャフト392は、内側の管154の第2の端158を接続ブラケット242から間隔を空けるように、内側の管154の第2の端158におけるボールジョイント145と、接続ブラケット242のアイレット244Aにおけるボールジョイント390との間で延びている。実施形態では、シャフト392は、ボールジョイント390を提供することなく、接続ブラケット242に対して直接的に固定されてもよい。したがって、第1の垂直ダンパ144及び第2の垂直ダンパ146は、ボールジョイント380及びボールジョイント390において関節でつながれることが可能になる。これにより、接続ブラケット242及びクランプ360に対して回転する第1の垂直ダンパ144の自由度をより高くすることができる。
【0082】
再び
図29を参照して、第1及び第2の垂直ダンパ144、146は互いに対して、各垂直ダンパ144、146の内側の管154の第2の端158間の距離が各垂直ダンパ144、146の外側の管148の第2の端152間の距離よりも大きくなるような角度で向いている。別の言い方をすると、連結アセンブリ60に接続された各垂直ダンパ144、146の端間の距離は、1次シートクッションフレーム52に接続された各垂直ダンパ144、146の反対側の端間の距離よりも大きい。本構成により、2次シートクッションフレーム54及び2次シートバックフレーム58がキネティックシート垂直方向に移動するときに、垂直ダンパ144、146は、垂直の衝撃を吸収することができ、2次シートクッションフレーム54及び2次シートバックフレーム58は旋回することができる。
【0083】
依然、
図29を参照して、側方ダンピング機構102は、第1及び第2の側方ダンパ258、260を含み、第1及び第2の側方ダンパ258、260は、1次シートバックフレーム56及び2次シートバックフレーム58を相互接続している。各側方ダンパ258、260は、構造及び動作において同一であって、したがって、第1の側方ダンパ258のみが詳細に記載されることを理解されたい。一部の実施形態では、第1の側方ダンパ258は、外側の管262と内側の管268とを含む。外側の管262は、第1の端264と、反対側の第2の端265と、を含む。内側の管268は、第1の端270と、反対側の第2の端272と、を含む。一部の実施形態では、内側の管268及び外側の管262は、互いに対して回転することが可能になる。更に、内側の管268は、外側の管262から伸縮し得るが、内側の管268は、完全に外側の管262外に後退するのを制限され得る。
【0084】
使用時、一部の実施形態では、以下でより詳細に述べられるように、内側の管268は、1次シートバックフレーム56に対する2次シートバックフレーム58の移動に基づいて第1の側方ダンパ258の長さを調整するために、外側の管262の第1の端264の内外でスライド可能に移動する。一部の実施形態では、第1の側方ダンパ258は、1次シートバックフレーム56に対する第1の側方ダンパ258の必要な回転を提供するように、第1の側方ダンパ258の外側の管262の第2の端265にボールジョイント277を含む。ボールジョイント277は、内側の管268の第2の端272にも提供されており、内側の管268を2次シートバックフレーム58に対して回転可能に固定している。
【0085】
一部の実施形態では、第1の側方ダンパ258は、内側の管268及び外側の管262間のダンピング効果を提供するばねなどの偏倚部材を含む。他の実施形態では、第1の側方ダンパ258は、内側の管268及び外側の管262間のダンピング効果を提供する圧縮性流体を含み得る。ダンピング効果の度合は、本明細書でより詳細に述べられるように、手動で又は電子的に調整可能であり得る。
【0086】
一部の実施形態では、第1の側方ダンパ258は、空気圧アクチュエータである。したがって、第1の側方ダンパ258は、空気供給部に接続される入口330を含む。空気は、ダンピングの度合を制御するために所定量まで、第1の側方ダンパ258、特に外側の管262に供給される。一部の実施形態では、第1の側方ダンパ258の入口330は、空気を第1の側方ダンパ258内に追加するために、車両12内に配置された空気供給部と流体的に通じている。ダンピングの量を低減するために、解放バルブは、第1の側方ダンパ258内の圧力を解放するように作動し得る。解放バルブは、開放位置、閉鎖位置、及び複数の中間位置間で調整され得る。解放される空気は、車両12に提供された空気供給部に戻って再循環し得るか、又は大気に解放され得る。したがって、2次シートバックフレーム58の側方移動は、第1の側方ダンパ258内の圧力量を制御することによって、乗員により必要に応じて低減又は増加し得る。
【0087】
示されていないが、側方ダンパ258、260は、電子制御ユニット32と通信して、側方ダンパ258、260内の圧力量を操作するようにユーザインターフェース24を介して動作可能であり得ることが理解される。上述のように、ディスプレイユニット22は、ユーザインターフェース24を含み得、任意の好適な場所、例えば、車両12のダッシュボード上に、又は他の場合には、キネティックシートアセンブリ10におけるダンピングの度合を乗員が制御し得るように乗員が届く範囲内に配置され得る。側方ダンパ258、260は、スポーツモード及び快適モード間で動作可能であり得ることを理解されたい。乗員がスポーツモードを選択すると、外側の管262に対する内側の管268のより多くの伸縮を可能にするために、側方ダンパ258、260から空気が解放され得る。代替的に、乗員が快適モードを選択すると、側方ダンパ258、260内の圧力を増加させて、外側の管262に対する内側の管268の伸縮量を制限するために、側方ダンパ258、260に追加の空気が供給される。
【0088】
示されていないが、他の実施形態では、各側方ダンパ258、260は、1次シートバックフレーム56及び2次シートバックフレーム58間の移動を減衰させる、電気アクチュエータ、液圧アクチュエータ、又は任意の他の好適なアクチュエータであり得ることが理解される。
【0089】
ここで、
図31、
図32、及び
図35を参照して、実施形態では、キネティックシートアセンブリ10は、1次シートクッションフレーム52に対して2次シートクッションフレーム54を傾けるシートクッションチルト機構338を含む。シートクッションチルト機構338は、チルトバー340を含み、チルトバー340は、チルトバー前方部分342と、チルトバー前方部分342の反対側の端からキネティックシート長手方向に後方に延びているチルトバーハンドルのペア344、346と、を含む。チルトバー前方部分342と反対側の各チルトバーハンドル344、346の遠位端344A、346Aは、1次シートクッションフレーム52の側方部材66、68に対して回転可能に取り付けられている。シートクッションチルト機構338はまた、前方ロッド348を含み、前方ロッド348は、1次シートクッションフレーム52の側方部材66、68間で延びており、チルトバーハンドル344、346の下に位置しており、その結果、キネティックシート垂直方向への前方ロッド348の移動は、各チルトバーハンドル344、346の遠位端344A、346A周りにシートクッションチルト機構338を回転させ、その結果、チルトバー前方部分342も、キネティックシート垂直方向に上向きに移動する。
図31に示されるように、前方旋回機構98は、2次シートクッションフレーム54の前方端88に接続されるようにチルトバー前方部分342内に収容されている。したがって、シートクッションチルト機構338、具体的にはチルトバー前方部分342の移動は、2次シートクッションフレーム54の前方端88に関して同様の回転をもたらす。
【0090】
再び
図32を参照して、クランプ360のペアは、1次シートクッションフレーム52のレール81、83間で延びている後方ロッド362に提供されている。本明細書でより詳細に記載されるように、クランプ360は、垂直ダンパ144、146を1次シートクッションフレーム52に対して回転可能に接続して、後方ロッド362が回転するときのキネティックシート垂直方向へのキネティックシートアセンブリ10の移動中における垂直ダンパ144、146のダンピング又は伸張に関する現在の度合を維持するように提供されている。
【0091】
ここで、
図33及び
図34を参照すると、クランプ360は、後方ロッド362から分離されてより詳細に示されている。各クランプ360は、上方クランプ部分364と下方クランプ部分366とを含む。上方クランプ部分364は、外面364Aと内面364Bとを有する。上方クランプ部分364は、開放下方端364Cを有し、内面364Bは、凹状上方溝364Dを定めている。上方クランプ部分364はまた、互いに接合されて凹状上方溝364Dを定めるように協働する前方壁364E及び後方壁364Fを有する。複数の上方クランプ孔364Gは、上方クランプ部分364に形成されており、前方壁364E及び後方壁364F並びに外面364A及び内面364Bを貫通して延びている。上方クランプマウント364Hは、本明細書でより詳細に述べられるように、垂直ダンパ144、146のうちの対応する方を受けるように後方壁364Fで外面364Aに提供されている。上方クランプ部分364は、上方クランプ部分364の側方から延びているクランプ指372を更に含む。示されているように、クランプ指372は、上方クランプ部分364の後方壁364Fから延びている。クランプ指372は、上方クランプ部分364の後方壁364Fから実質的にキネティックシート長手方向に延びているフランジ372Aと、フランジ372Aの遠位端から上方クランプ部分364の後方壁364Fと反対側に延びている受け部372Bと、を含む。本明細書で述べられるように、受け部372Bは、溝372Cを定めており、溝372Cは、1次シートクッションフレーム52の一部と噛み合って後方ロッド362に対するクランプ360の回転を防止するように受け部372Bの端に形成されている。
【0092】
下方クランプ部分366は、外面366Aと内面366Bとを有する。下方クランプ部分366は、開放上方端366Cを有し、内面366Bは、凹状下方溝366Dを定めている。下方クランプ部分366はまた、互いに接合されて凹状下方溝366Dを定めるように協働する前方壁366E及び後方壁366Fを有する。複数の下方クランプ孔366Gは、下方クランプ部分366に形成されており、前方壁366E及び後方壁366F並びに下方クランプ部分366の外面366Aを貫通して延びている。
【0093】
クランプ360の組み立て時、下方クランプ部分366は、上方クランプ部分364の開放下方端364C内に挿入される。凹状下方溝366D及び凹状上方溝364Dは、本明細書でより詳細に記載されるように、後方ロッド362を収容する孔370を定めるように協働する。下方クランプ部分366が上方クランプ部分364内に位置した状態で、下方クランプ孔366Gは、対応する上方クランプ孔364Gと同軸である。上方クランプ部分364及び下方クランプ部分366は、ねじ、リベット、及び同種のものなどの1つ以上の締結具368によって互いに固定されており、1つ以上の締結具368は、上方クランプ孔364G及び下方クランプ孔366Gを通って延びている。示されているように、締結具368のペアは、上方クランプ部分364を下方クランプ部分366に固定するために提供されている。しかしながら、任意の数の締結具368が、上方クランプ部分364及び下方クランプ部分366を互いに固定するために提供されてもよい。組み立てられた状態のとき、上方クランプ部分364及び下方クランプ部分366は、孔370を定めている。
【0094】
図29及び
図32に示されるように、後方ロッド362は、上方クランプ部分364及び下方クランプ部分366によって形成された孔370内に収容されており、クランプ指372は、後方ロッド362の長手方向軸線に沿ってキネティックシート横方向にクランプ360が移動するのを防止するように1次シートクッションフレーム52と係り合っている。クランプ360は、上方クランプ部分364、下方クランプ部分366、及び垂直ダンパ144、146の外側の管148の第2の端152を通って延びている締結具368のうちの1つによって垂直ダンパ144、146に対して回転可能に接続され得る。締結具368のうちの1つが上方クランプ部分364及び下方クランプ部分366を通って完全に延びていない他の実施形態では、クランプ360を垂直ダンパ144、146に対して回転可能に接続するために、別の締結具、例えば、上方クランプ部分364の上方クランプマウント364Hを通って延びている別の締結具が使用され得る。
【0095】
本明細書に記載されるように、キネティックシートアセンブリ10は、床Fに対してキネティックシート垂直方向に移動することが可能になる。キネティックシートアセンブリ10がキネティックシート垂直方向に移動すると、後方ロッド362が回転する。キネティックシートアセンブリ10が移動するときの現在の圧縮量を垂直ダンパ144、146が維持するのを保証するために、クランプ360は、後方ロッド362に対して回転し、垂直ダンパ144、146に対して回転可能に接続されたままにすることが可能になる。代替的に、クランプ360が後方ロッド362に固定された場合、垂直ダンパ144、146の圧縮の度合は、キネティックシート垂直方向へのキネティックシートアセンブリ10の全体的な移動及び後方ロッド362の回転に関連して増加又は減少する。
【0096】
再び
図35を参照すると、シートクッションチルト機構338の一部がより詳細に示されている。具体的には、シートクッションチルト機構338は、固定されたプレート350と、固定されたプレート350から延びている駆動部材352と、を更に含む。駆動部材352は、固定されたプレート350と反対側の駆動部材352の端において旋回プレート354に対して回転可能に接続され得、その結果、固定されたプレート350からの方向E1への駆動部材352の伸張は、旋回プレート354を旋回させ、したがって、前方ロッド348を持ち上げ、これにより、シートクッションチルト機構338のチルトバー340及び2次シートクッションフレーム54の前方端88が持ち上げられる。代替的に、固定されたプレート350への反対方向E2における駆動部材352の収縮の結果、旋回プレート354は、前方ロッド348を下げるように反対方向に回転し、したがって、シートクッションチルト機構338のチルトバー340及び2次シートクッションフレーム54の前方端88を下げる。駆動部材352は、モータによって動作するねじ付きシャフト、アクチュエータ、及び/又は同種のものであり得る。モータは、電子制御ユニット32によって制御され得る。シートクッションチルト機構338により、2次シートクッションフレーム54全体は、1次シートクッションフレーム52に対して傾くことができる。
【0097】
使用時、乗員は、ステアリングホイール20を回転させることによって車両12の旋回方向を制御する。そうする際、乗員の旋回方向側の肩は、逆旋回方向側の肩に対して下方に移動し、旋回方向側の肩は、逆旋回方向側の肩に対して後方に移動する。このとき、乗員が腰椎を旋回方向に曲げて、逆旋回方向側の骨盤と肩との間の距離と比較して、旋回方向側の骨盤と肩との間の距離を縮め、腰椎をねじり、旋回方向側の肩と同じ方向に骨盤を旋回移動させる場合、ステアリング動作は快適に行われ得る。
【0098】
乗員が旋回方向に車両12を向けると、車両12、したがって乗員に対して逆旋回方向に力がかかる。この力を補正して乗員が骨盤又は胴の位置を調整するのを可能にするような移動性を備えていない標準的な車両シートにおいて、乗員は、膝、ウエスト、及び肩を含む自身の関節に対して負担を示す。シートクッションフレーム及びシートバックフレームが反対方向に回転するシートでは、乗員の関節に対する当該負担は強まる。
【0099】
本開示は、キネティックシートアセンブリ10に着座した乗員が旋回中の車両12に対して示される力で回転するのを可能にすることによって、当該関節ストレスを除去しようとしている。したがって、本キネティックシートアセンブリ10は、乗員の骨盤及び胴が旋回の方向において車両12内で重心を維持するために回転するのを可能にする。
【0100】
乗員が車両12を右に旋回させると、乗員は、腰椎を右に曲げるように右肩を下げて体感筋肉を使用する。これにより、乗員に対して、ロール方向の反時計回り、且つヨー方向の時計回りの骨盤の旋回移動がもたらされる。加えて、乗員は、ロール方向の反時計回り、且つヨー方向の時計回りに胴を旋回移動させている。右への旋回中に、乗員に対して左に力がかかる。これは更に、車両12の運動量により乗員の胴及び骨盤の左への回転を容易にする。したがって、2次シートクッションフレーム54及び2次シートバックフレーム58は、連結アセンブリ60によるそれらの接続により、互いに同じ位相で左に移動する。具体的には、
図8に示されるように、右旋回動作中、2次シートクッションフレーム54の後方端90は、第1のシートクッション方向X1に移動し、2次シートバックフレーム58の下方端182は、第1のシートバック方向Y1に移動する。第1のシートクッション方向X1及び第1のシートバック方向Y1は各々、同じキネティックシート横方向に沿って向いている。2次シートクッションフレーム54及び2次シートバックフレーム58が左に移動すると、側方ダンピング機構102は、2次シートクッションフレーム54及び2次シートバックフレーム58が左に移動する力を低減するように制御されたダンピング効果を提供する。代替的に、乗員が車両12を左に旋回させると、2次シートクッションフレーム54及び2次シートバックフレーム58は、互いに同じ位相で右に移動する。具体的には、
図8に示されるように、右旋回動作中、2次シートクッションフレーム54の後方端90は、第1のシートクッション方向X1と反対側の第2のシートクッション方向X2に移動し、2次シートバックフレーム58の下方端182は、第1のシートバック方向Y1と反対側の第2のシートバック方向Y2に移動する。第2のシートクッション方向X2及び第2のシートバック方向Y2は各々、同じキネティックシート横方向に沿って向いている。2次シートクッションフレーム54及び2次シートバックフレーム58が右に移動すると、側方ダンピング機構102は、2次シートクッションフレーム54及び2次シートバックフレーム58が右に移動する力を低減するように制御されたダンピング効果を提供する。
【0101】
再び
図1を参照して、仮想線Lは、前方旋回機構98から上方旋回機構212まで延びている。キネティックシートアセンブリ10に着座した乗員に関して、線Lは概して、乗員の肩及び乗員の膝を通って延びている。したがって、キネティックシートアセンブリ10の使用中、右旋回又は左旋回中の移動を受けているとき、キネティックシートアセンブリ10は、乗員のウエストが上記開示に従って左及び右方向それぞれに移動するのを可能にしつつ、乗員の肩及び乗員の膝が概して、互いに整列されたままであることを保証する。
【0102】
本明細書に記載される実施形態の更なる態様は、以下の節の主題によって提供される。
【0103】
節1.キネティックシートアセンブリであって、1次シートバックフレームと、2次シートバックフレームと、前記2次シートバックフレームを前記1次シートバックフレームに接続した上方旋回機構と、を備え、前記上方旋回機構は、ブラケットと、前記ブラケットの相対する側のペアの各々から延びていて、前記ブラケット及び前記1次シートバックフレームを相互接続している旋回可能なリンクであって、前記旋回可能なリンクの各々の第1の端は、前記2次シートバックフレームに接続された前記ブラケットに対して旋回可能に取り付けられており、前記旋回可能なリンクの各々の反対側の第2の端は、前記1次シートバックフレームに対して旋回可能に固定されている、旋回可能なリンクと、を備え、前記旋回可能なリンクにより、前記ブラケットが前記1次シートバックフレームに対してキネティックシート垂直方向に移動することが可能になると、前記2次シートバックフレームは、前記1次シートバックフレームに対してキネティックシート垂直方向に移動することが可能になる、キネティックシートアセンブリ。
【0104】
節2.前記ブラケットは、中間壁、第1の側壁、及び反対側の第2の側壁を含むU形状のブラケットであって、前記第1の側壁及び前記第2の側壁は、前記中間壁に対して垂直に延びている、節1に記載のキネティックシートアセンブリ。
【0105】
節3.第1のペアの旋回可能なリンクであって、前記第1のペアの旋回可能なリンクの第1の端で前記第1の側壁に対して旋回可能に固定されており、前記第1のペアの旋回可能なリンクの反対側の第2の端で前記1次シートバックフレームに対して旋回可能に固定されている、第1のペアの旋回可能なリンクと、第2のペアの旋回可能なリンクであって、前記第2のペアの旋回可能なリンクの第1の端で前記第2の側壁に対して旋回可能に固定されており、前記第2のペアの旋回可能なリンクの反対側の第2の端で前記1次シートバックフレームに対して旋回可能に固定されている、第2のペアの旋回可能なリンクと、を更に備える、節2に記載のキネティックシートアセンブリ。
【0106】
節4.前記ブラケットの前記中間壁に形成された開口部内に固定された管状部材であって、前記管状部材は、開放された第1の端と、反対側の第2の端と、を有する、管状部材と、前記管状部材の前記第2の端に提供された裏打ち部材であって、前記裏打ち部材には開口部が形成されている、裏打ち部材と、前記2次シートバックフレームを前記上方旋回機構に接続したボールジョイントと、を更に備える、節3に記載のキネティックシートアセンブリ。
【0107】
節5.前記ボールジョイントは、前記2次シートバックフレームに固定されたシャフトと、前記1次シートバックフレームと前記2次シートバックフレームとの間で前記シャフトの端に提供されたボールと、前記管状部材内に少なくとも部分的に収容されており、前記ボールを収容するボールキャビティを定めている、コネクタと、を備え、前記ボールが前記コネクタの前記ボールキャビティ内で回転すると、前記シャフトは、前記コネクタに対して回転することが可能になる、節4に記載のキネティックシートアセンブリ。
【0108】
節6.前記コネクタは、前記ボールキャビティを定めたハブと、前記シャフトと反対側の方向に前記ハブから延びているピンと、を含み、前記ハブは、前記ピンの外径よりも大きい外径を有し、前記ピンの前記外径は、前記裏打ち部材に形成された前記開口部の直径よりも小さい、節5に記載のキネティックシートアセンブリ。
【0109】
節7.肩は、前記ピンが前記ハブから延びている前記コネクタに形成されており、前記キネティックシートアセンブリは、前記裏打ち部材と前記肩との間で前記管状部材内に提供された偏倚部材を更に備える、節6に記載のキネティックシートアセンブリ。
【0110】
節8.前記コネクタは、雌ねじ孔を定めており、前記キネティックシートアセンブリは、前記コネクタと反対側の前記裏打ち部材の面と接触する調整デバイスを更に備え、前記調整デバイスは、前記コネクタの前記雌ねじ孔と係り合っている雄ねじシャフトを有し、第1の方向への前記調整デバイスの回転は、前記調整デバイスに向かう第1の方向に前記コネクタを移動させて、前記偏倚部材の圧縮を増加させ、反対側の第2の方向への前記調整デバイスの回転は、前記調整デバイスから離れる第2の方向に前記コネクタを移動させて、前記偏倚部材の圧縮を減少させる、節7に記載のキネティックシートアセンブリ。
【0111】
節9.前記調整デバイスは、手動で調整可能であって、前記2次シートバックフレームと反対側の前記1次シートバックフレームの後方側からアクセス可能である、節8に記載のキネティックシートアセンブリ。
【0112】
節10.キネティックシートアセンブリであって、2次シートクッションフレームと、2次シートバックフレームと、連結アセンブリと、を備え、前記連結アセンブリは、第1の端及び反対側の第2の端を有する接続ブラケットであって、前記第1の端は、前記2次シートクッションフレームに固定されている、接続ブラケットと、前記接続ブラケットの前方面に固定されたコネクタブラケットであって、前記コネクタブラケットは、前記接続ブラケットの前記前方面に固定されたベース壁と、前記ベース壁の反対側の端から前記ベース壁に対して垂直に延びている側壁のペアと、を含み、開口部は、前記側壁のペアの各側壁に形成されている、コネクタブラケットと、を備え、前記2次シートバックフレームは、前記側壁のペアの各側壁に形成された前記開口部で前記コネクタブラケットに対して旋回可能に固定されている、キネティックシートアセンブリ。
【0113】
節11.各側壁に形成された前記開口部は、互いに同軸であって、前記2次シートバックフレームは、前記2次シートバックフレームの下方端に突起を含み、前記突起は、前記側壁のペア間で提供されてキャビティを定めており、固定部材は、前記2次シートバックフレームを連結アセンブリに対して旋回可能に接続するように、前記キャビティ、及び前記コネクタブラケットの各側壁に形成された前記開口部を通って延びている、節10に記載のキネティックシートアセンブリ。
【0114】
節12.前記固定部材は、前記2次シートバックフレームが前記2次シートクッションフレームに対して回転するリクライニング軸線を定めている、節11に記載のキネティックシートアセンブリ。
【0115】
節13.前記第2の端は、前記突起と反対側である前記2次シートバックフレームの側に提供されている、請求項11に記載のキネティックシートアセンブリ。
【0116】
節14.前記接続ブラケットの前記第2の端は、反対側のキネティックシート横方向に延びている、互いに離隔したアイレットのペアを定めている、節10~13のいずれか1つに記載のキネティックシートアセンブリ。
【0117】
節15.前記アイレットのペアの各アイレットは、それぞれの垂直ダンパのボールジョイントを収容する孔を定めている、節14に記載のキネティックシートアセンブリ。
【0118】
節16.車両であって、乗客区画と、前記乗客区画内のキネティックシートアセンブリと、を備え、前記キネティックシートアセンブリは、1次シートクッションフレームと、前記1次シートクッションフレームに対して旋回可能に接続された2次シートクッションフレームと、1次シートバックフレームと、前記1次シートバックフレームに対して旋回可能に接続された2次シートバックフレームと、前記2次シートバックフレームを前記2次シートクッションフレームに相互接続した連結アセンブリであって、前記連結アセンブリは、前記2次シートバックフレーム及び前記2次シートクッションフレームの移動を、互いに同じ位相となるように制限する、連結アセンブリと、前記1次シートバックフレーム及び前記2次シートバックフレームを旋回可能に接続した上方旋回機構と、を備える、車両。
【0119】
節17.前記上方旋回機構は、ブラケットと、前記ブラケットの相対する側のペアの各々から延びていて、前記ブラケット及び前記1次シートバックフレームを相互接続している旋回可能なリンクであって、前記旋回可能なリンクの各々の第1の端は、前記2次シートバックフレームに接続された前記ブラケットに対して旋回可能に取り付けられており、前記旋回可能なリンクの各々の反対側の第2の端は、前記1次シートバックフレームに対して旋回可能に固定されている、旋回可能なリンクと、を備え、前記旋回可能なリンクにより、前記ブラケットが前記1次シートバックフレームに対してキネティックシート垂直方向に移動することが可能になると、前記2次シートバックフレームは、前記1次シートバックフレームに対してキネティックシート垂直方向に移動することが可能になる、節16に記載の車両。
【0120】
節18.前記ブラケットの中間壁に形成された開口部内に固定された管状部材であって、前記管状部材は、開放された第1の端と、反対側の第2の端と、を有する、管状部材と、前記管状部材の前記第2の端に提供された裏打ち部材であって、前記裏打ち部材には開口部が形成されている、裏打ち部材と、前記2次シートバックフレームを前記上方旋回機構に接続したボールジョイントと、を更に備える、節17に記載の車両。
【0121】
節19.前記連結アセンブリは、第1の端及び反対側の第2の端を有する接続ブラケットであって、前記第1の端は、前記2次シートクッションフレームに固定されている、接続ブラケットと、前記接続ブラケットの前方面に固定されたコネクタブラケットであって、前記コネクタブラケットは、前記接続ブラケットの前記前方面に固定されたベース壁と、前記ベース壁の反対側の端から前記ベース壁に対して垂直に延びている側壁のペアと、を含み、開口部は、前記側壁のペアの各側壁に形成されている、コネクタブラケットと、を備え、前記2次シートバックフレームは、前記側壁のペアの各側壁に形成された前記開口部で前記コネクタブラケットに対して旋回可能に固定されている、節17又は節18に記載の車両。
【0122】
節20.各側壁に形成された前記開口部は、互いに同軸であって、前記2次シートバックフレームは、前記2次シートバックフレームの下方端に突起を含み、前記突起は、前記側壁のペア間で提供されてキャビティを定めており、固定部材は、前記2次シートバックフレームを連結アセンブリに対して旋回可能に接続するように、前記キャビティ、及び前記コネクタブラケットの各側壁に形成された前記開口部を通って延びている、節19に記載の車両。
【0123】
節21.キネティックシートアセンブリであって、1次シートクッションフレームと、前記1次シートクッションフレームに対して旋回可能に接続された2次シートクッションフレームと、1次シートバックフレームと、前記1次シートバックフレームに対して旋回可能に接続された2次シートバックフレームと、連結アセンブリであって、前記2次シートクッションフレームに固定された接続ブラケットと、前記接続ブラケットに固定されたコネクタブラケットであって、前記コネクタブラケットは、前記2次シートバックフレームに対して旋回可能に固定されている、コネクタブラケットと、を備える、連結アセンブリと、前記接続ブラケットと前記1次シートバックフレームとの間で延びている垂直ダンパのペアと、前記1次シートバックフレームと前記2次シートバックフレームとの間で延びている側方ダンパのペアと、を備える、キネティックシートアセンブリ。
【0124】
節22.前記接続ブラケットは、第1の端と、反対側の第2の端と、を有し、前記第1の端は、前記2次シートクッションフレームに固定されている、節21に記載のキネティックシートアセンブリ。
【0125】
節23.前記コネクタブラケットは、前記接続ブラケットの前方面に固定されたベース壁を含み、側壁のペアは、前記ベース壁の反対側の端から前記ベース壁に対して垂直に延びており、開口部は、前記側壁のペアの各側壁に形成されている、節21又は節22に記載のキネティックシートアセンブリ。
【0126】
節24.前記2次シートバックフレームは、前記側壁のペアの各側壁に形成された前記開口部で前記コネクタブラケットに対して旋回可能に固定されている、節23に記載のキネティックシートアセンブリ。
【0127】
節25.キネティックシートアセンブリであって、反対側のレール間で延びている後方ロッドを含む1次シートクッションフレームと、前記1次シートクッションフレームに対して移動可能である2次シートバックフレームと、前記1次シートクッションフレームの前記後方ロッドに提供されたクランプのペアと、前記2次シートバックフレームと前記1次シートクッションフレームにおける前記クランプのペアとの間に接続された垂直ダンパのペアと、を備え、各クランプは、対応する垂直ダンパの端を支えている、キネティックシートアセンブリ。
【0128】
節26.各クランプは、凹状上方溝を定めた上方クランプ部分と、凹状下方溝を定めた下方クランプ部分と、を備え、前記上方クランプ部分及び前記下方クランプ部分が協働して、前記後方ロッドが貫通して延びる孔を定めるように、前記下方クランプ部分は、前記上方クランプ部分の前記凹状上方溝内に挿入可能である、節25に記載のキネティックシートアセンブリ。
【0129】
節27.前記上方クランプ部分は、前方壁と、後方壁と、前記前方壁及び前記後方壁を貫通して延びている上方クランプ孔と、を含み、前記下方クランプ部分は、外面と、内面と、前記外面及び前記内面を貫通して延びている下方クランプ孔と、を含み、前記下方クランプ部分が前記上方クランプ部分の前記上方溝内に挿入されているときに、前記下方クランプ孔は、前記上方クランプ孔と同軸であって、締結具は、前記上方クランプ部分を前記下方クランプ部分に固定するように、前記上方クランプ孔及び前記下方クランプ孔を通って延びている、節26に記載のキネティックシートアセンブリ。
【0130】
節28.前記上方クランプ部分は、前記上方クランプ部分の前記後方壁から延びているクランプ指を更に備え、前記クランプ指は、前記1次シートクッションフレームと係り合うように構成されている、節27に記載のキネティックシートアセンブリ。
【0131】
節29.前記1次シートクッションフレームと係り合っている前記クランプ指は、前記1次シートクッションフレームの前記後方ロッドに対する前記クランプの回転、及び前記1次シートクッションフレームの前記後方ロッドの長手方向に沿った前記クランプの移動を防止する、節28に記載のキネティックシートアセンブリ。
【0132】
節30.前記クランプ指は、前記上方クランプ部分の前記後方壁からキネティックシート長手方向に延びているフランジと、前記フランジの遠位端から前記上方クランプ部分の前記後方壁と反対側に延びている受け部と、を備え、前記受け部は、前記1次シートクッションフレームと噛み合うように前記受け部の端に形成された溝を定めている、節28又は節29に記載のキネティックシートアセンブリ。
【0133】
節31.前記上方クランプ部分は、前記上方クランプ部分の前記後方壁に提供された上方クランプマウントを更に備え、対応する垂直ダンパの前記端は、締結具によって前記上方クランプマウントに対して回転可能に接続されている、節29又は節30に記載のキネティックシートアセンブリ。
【0134】
節32.前記垂直ダンパのペアは、前記2次シートバックフレームが前記1次シートクッションフレームに対してキネティックシート垂直方向に移動するのを可能にする、節25~31のいずれか1つに記載のキネティックシートアセンブリ。
【0135】
節33.前記クランプは、前記後方ロッドに対して回転することが可能になり、前記垂直ダンパのペアが、前記1次シートクッションフレームの前記後方ロッドの回転中に一定の度合の圧縮を維持するように、前記垂直ダンパのペアの各垂直ダンパの下方端は、各垂直ダンパの前記下方端及びそれぞれのクランプを通って延びている締結具によって前記1次シートクッションフレームに接続されている、節25~32のいずれか1つに記載のキネティックシートアセンブリ。
【0136】
節34.キネティックシートアセンブリであって、1次シートバックフレームと、前記1次シートバックフレームに対して移動可能である2次シートバックフレームと、1次シートクッションフレームと、前記1次シートバックフレームに対して移動可能である2次シートバッククッションフレームと、第1の垂直ダンパ及び第2の垂直ダンパと、を備え、前記第1の垂直ダンパ及び前記第2の垂直ダンパは、前記第1の垂直ダンパ及び前記第2の垂直ダンパの第1の端で前記2次シートバックフレームに接続されており、前記第1の垂直ダンパ及び前記第2の垂直ダンパの反対側の第2の端で前記1次シートクッションフレームに接続されており、前記第1の垂直ダンパ及び前記第2の垂直ダンパは、前記第1の垂直ダンパ及び前記第2の垂直ダンパが互いに対して、各垂直ダンパの第1の端間の距離が各垂直ダンパの第2の端間の距離よりも大きくなるような角度で向くようにV形状で配置されている、キネティックシートアセンブリ。
【0137】
節35.前記第1の垂直ダンパ及び前記第2の垂直ダンパは、前記2次シートバックフレーム及び前記1次シートクッションフレーム間のキネティックシート垂直方向の移動を可能にする、節34に記載のキネティックシートアセンブリ。
【0138】
節36.前記第1の垂直ダンパ及び前記第2の垂直ダンパは各々、外側の管と、前記1次シートクッションフレームに対する前記2次シートバックフレームの移動に基づいて前記第1の垂直ダンパ及び前記第2の垂直ダンパの長さを調整するように前記外側の管から伸縮することが可能になる内側の管と、を備える、節35に記載のキネティックシートアセンブリ。
【0139】
節37.前記1次シートクッションフレームは、後方ロッドと、前記後方ロッドに提供されたクランプのペアと、を含み、前記第1の垂直ダンパ及び前記第2の垂直ダンパは各々、前記第1の垂直ダンパ及び前記第2の垂直ダンパを前記2次シートバックフレーム、及び前記1次シートクッションフレームの前記クランプのペアのそれぞれのクランプに対して回転可能に接続するように、前記第1の垂直ダンパ及び前記第2の垂直ダンパの前記第1の端及び前記第2の端に提供されたボールジョイントを含み、シャフトは、前記ボールジョイントを前記2次シートバックフレーム、及び前記1次シートクッションフレームの前記クランプのペアの前記それぞれのクランプから間隔を空けるように前記第1の垂直ダンパ及び前記第2の垂直ダンパの前記ボールジョイントの各々から延びている、節34~26のいずれか1つに記載のキネティックシートアセンブリ。
【0140】
節38.前記第1の垂直ダンパ及び前記第2の垂直ダンパは各々、内側の管及び外側の管間のダンピング効果を提供する圧縮性流体を含む、節36又は節37に記載のキネティックシートアセンブリ。
【0141】
節39.前記第1の垂直ダンパ及び前記第2の垂直ダンパは各々、空気供給部に接続される入口を含み、空気は、前記2次シートバックフレーム及び前記1次シートクッションフレーム間のダンピングの度合を制御するために所定量まで前記第1の垂直ダンパ及び前記第2の垂直ダンパに供給される、節34~38のいずれか1つに記載のキネティックシートアセンブリ。
【0142】
節40.乗客区画と、前記乗客区画内のキネティックシートアセンブリと、を備える車両であって、前記キネティックシートアセンブリは、反対側のレール間で延びている後方ロッドを含む1次シートクッションフレームと、前記1次シートクッションフレームに対して旋回可能に接続された2次シートクッションフレームと、1次シートバックフレームと、前記1次シートバックフレームに対して旋回可能に接続された2次シートバックフレームと、前記1次シートクッションフレームの前記後方ロッドに提供されたクランプのペアと、前記2次シートバックフレームと前記1次シートクッションフレームにおける前記クランプのペアとの間に接続された垂直ダンパのペアと、を備え、各クランプは、対応する垂直ダンパの端を支えている、車両。
【0143】
節41.各クランプは、凹状上方溝を定めた上方クランプ部分と、凹状下方溝を定めた下方クランプ部分と、を備え、前記上方クランプ部分及び前記下方クランプ部分が協働して、前記後方ロッドが貫通して延びる孔を定めるように、前記下方クランプ部分は、前記上方クランプ部分の前記凹状上方溝内に挿入可能である、節40に記載の車両。
【0144】
節42.前記上方クランプ部分は、前方壁と、後方壁と、前記前方壁及び前記後方壁を貫通して延びている上方クランプ孔と、を含み、前記下方クランプ部分は、外面と、内面と、前記外面及び前記内面を貫通して延びている下方クランプ孔と、を含み、前記下方クランプ部分が前記上方クランプ部分の前記上方溝内に挿入されているときに、前記下方クランプ孔は、前記上方クランプ孔と同軸であって、締結具は、前記上方クランプ部分を前記下方クランプ部分に固定するように、前記上方クランプ孔及び前記下方クランプ孔を通って延びている、節41に記載の車両。
【0145】
節43.前記垂直ダンパのペアは、第1の垂直ダンパと第2の垂直ダンパとを含み、前記第1の垂直ダンパ及び前記第2の垂直ダンパは、前記第1の垂直ダンパ及び前記第2の垂直ダンパの第1の端で前記2次シートバックフレームに接続されており、前記第1の垂直ダンパ及び前記第2の垂直ダンパの反対側の第2の端で前記1次シートクッションフレームに接続されており、前記第1の垂直ダンパ及び前記第2の垂直ダンパは、前記第1の垂直ダンパ及び前記第2の垂直ダンパが互いに対して、各垂直ダンパの第1の端間の距離が各垂直ダンパの第2の端間の距離よりも大きくなるような角度で向くようにV形状で配置されている、節40~42のいずれか1つに記載の車両。
【0146】
節44.前記第1の垂直ダンパ及び前記第2の垂直ダンパは各々、前記第1の垂直ダンパ及び前記第2の垂直ダンパを前記2次シートバックフレーム及び前記1次シートクッションフレームに対して回転可能に接続するように、前記第1の垂直ダンパ及び前記第2の垂直ダンパの前記第1の端及び前記第2の端に提供されたボールジョイントを含み、前記第1の垂直ダンパ及び前記第2の垂直ダンパは、前記2次シートバックフレーム及び前記1次シートクッションフレーム間のキネティックシート垂直方向の移動を可能にする、節43に記載の車両。
【0147】
節45.キネティックシートアセンブリであって、1次シートクッションフレームと、前記1次シートクッションフレームに対して移動可能である2次シートクッションフレームと、前記1次シートクッションフレームに対して前記2次シートクッションフレームを傾けるように構成されたチルト機構であって、前記チルト機構は、前記1次シートクッションフレームに取り付けられており、チルトバーを含む、チルト機構と、前記1次シートクッションフレームを前記2次シートクッションフレームに対して回転可能に接続した前方旋回機構と、を備える、キネティックシートアセンブリ。
【0148】
節46.前記チルトバーは、チルトバー前方部分を更に備え、前記前方旋回機構は、前記チルトバー前方部分に提供されている、節45に記載のキネティックシートアセンブリ。
【0149】
節47.前記チルトバーは、前記チルトバー前方部分の反対側の端からキネティックシート長手方向に後方に延びているチルトバーハンドルのペアを更に備え、前記チルトバー前方部分と反対側の各チルトバーハンドルの遠位端は、前記1次シートクッションフレームのそれぞれの側方部材に対して回転可能に取り付けられている、節46に記載のキネティックシートアセンブリ。
【0150】
節48.前記チルト機構は、前方ロッドを更に備え、前記前方ロッドは、前記1次シートクッションフレームの前記側方部材間で延びており、前記チルトバーハンドルの下に位置しており、キネティックシート垂直方向への前記前方ロッドの移動は、前記チルトバー前方部分が前記キネティックシート垂直方向に上向きに移動するように、各チルトバーハンドルの前記遠位端周りに前記チルト機構を回転させる、節47に記載のキネティックシートアセンブリ。
【0151】
節49.前記チルト機構は、固定されたプレートと、前記固定されたプレートから延びている駆動部材と、旋回プレートと、を更に備え、前記駆動部材は、前記固定されたプレートと反対側の前記駆動部材の端において前記旋回プレートに対して回転可能に接続されている、節48に記載のキネティックシートアセンブリ。
【0152】
節50.前記駆動部材の伸張は、前記旋回プレートに対して、キネティックシート垂直方向に前記前方ロッドを持ち上げさせ、前記キネティックシート垂直方向に前記チルトバー及び前記2次シートクッションフレームの前方端を持ち上げる、節49に記載のキネティックシートアセンブリ。
【0153】
節51.前記駆動部材の収縮は、前記旋回プレートに対して、キネティックシート垂直方向に前記前方ロッドを下げさせ、前記キネティックシート垂直方向に前記チルトバー及び前記2次シートクッションフレームの前方端を下げる、節49又は節50に記載のキネティックシートアセンブリ。
【0154】
節52.前記駆動部材は、ねじ付きシャフトを含み、電子制御ユニットによって制御される、節49~51のいずれか1つに記載のキネティックシートアセンブリ。
【0155】
節53.キネティックシートアセンブリであって、1次シートバックフレームと、パワーランバ機構を含む2次シートバックフレームと、前記2次シートバックフレームが前記1次シートバックフレームに対して移動可能であるように、前記1次シートバックフレームを前記2次シートバックフレームに接続した上方旋回機構と、を備える、キネティックシートアセンブリ。
【0156】
節54.前記パワーランバ機構は、キネティックシート長手方向に前記ランバ機構の輪郭を増減させるように曲がるように構成された可撓性部材を備える、節53に記載のキネティックシートアセンブリ。
【0157】
節55.前記ランバ機構は、キネティックシート長手方向に前記ランバ機構の輪郭を増減させるように構成された複数のアクチュエータを備える、節53又は節54に記載のキネティックシートアセンブリ。
【0158】
節56.前記複数のアクチュエータは、キネティックシート垂直方向に前記ランバ機構に沿って延びている、節55に記載のキネティックシートアセンブリ。
【0159】
節57.前記ランバ機構は、電子制御ユニットによって制御される、節53~56のいずれか1つに記載のキネティックシートアセンブリ。
【0160】
節58.キネティックシートアセンブリであって、1次シートクッションフレームと、前記1次シートクッションフレームに対して移動可能である2次シートクッションフレームと、1次シートバックフレームと、前記1次シートバックフレームに対して移動可能である2次シートバックフレームと、前記2次シートバックフレーム及び前記2次シートクッションフレームのうちの少なくとも一方に提供された冷却機構及び加熱機構のうちの少なくとも一方と、を備える、キネティックシートアセンブリ。
【0161】
節59.前記2次シートバックフレーム及び前記2次シートクッションフレームのうちの一方に提供された前記冷却機構を更に備え、前記冷却機構は、前記2次シートバックフレーム及び前記2次シートクッションフレームのうちの前記一方に形成された孔を通じて、前記キネティックシートアセンブリに着座した乗員に冷却空気を向けるファンを備える、節58に記載のキネティックシートアセンブリ。
【0162】
節60.前記冷却機構は、電子制御ユニットに対して電子的に接続されており、前記電子制御ユニットから信号を受信すると、前記冷却機構は、前記冷却機構の温度及び送風速度のうちの少なくとも一方を調整するように動作する、節59に記載のキネティックシートアセンブリ。
【0163】
節61.前記2次シートバックフレーム及び前記2次シートクッションフレームのうちの一方に提供された前記加熱機構を更に備え、前記加熱機構は、1つ以上の加熱コイルを備える、節58~60のいずれか1つに記載のキネティックシートアセンブリ。
【0164】
節62.前記加熱機構は、前記2次シートバックフレーム及び前記2次シートクッションフレームのうちの前記一方の面に沿って延びている複数の加熱コイルを備える、節61に記載のキネティックシートアセンブリ。
【0165】
節63.前記複数の加熱コイルは、前記2次シートバックフレーム及び前記2次シートクッションフレームのうちの前記一方の長手方向に沿って互いに平行に延びている、節62に記載のキネティックシートアセンブリ。
【0166】
節64.前記加熱機構は、電子制御ユニットに対して電子的に接続されており、前記電子制御ユニットから信号を受信すると、前記加熱機構は、前記加熱機構の温度を調整するように動作する、節59~63のいずれか1つに記載のキネティックシートアセンブリ。
【0167】
上記から、旋回などの車両の移動中にシートクッションフレーム及びシートバックフレームが互いに同じ位相で回転する、新しい固有のキネティックシートアセンブリが本明細書に定められていることを理解されたい。その際、車両の運転者又は他の乗員は、キネティック車両シートが運転席以外の車両のシートに取って代わると、乗員の胴及びウエストが一緒に移動する、より快適な運転体験を経験する。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
【
図1】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、車両において運転席として示されるキネティックシートアセンブリを有する車両についてのシステムを概略的に描写する図である。
【
図2】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図1のキネティックシートアセンブリの正面図を概略的に描写する図である。
【
図3】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図1のキネティックシートアセンブリの背面図を概略的に描写する図である。
【
図4】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図1のキネティックシートアセンブリの背面斜視図を概略的に描写する図である。
【
図5】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図1のキネティックシートアセンブリの別の背面斜視図を概略的に描写する図である。
【
図6】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図1のキネティックシートアセンブリの第1の側面図を概略的に描写する図である。
【
図7】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図1のキネティックシートアセンブリの第2の側面図を概略的に描写する図である。
【
図8】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図1のキネティックシートアセンブリの上面図を概略的に描写する図である。
【
図9】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図1のキネティックシートアセンブリの底面図を概略的に描写する図である。
【
図10】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図1のキネティックシートアセンブリの1次シートバックフレームの正面図を概略的に描写する図である。
【
図11】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図10の1次シートバックフレームの背面図を概略的に描写する図である。
【
図12】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図10の1次シートバックフレームの正面斜視図を概略的に描写する図である。
【
図13】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図10の1次シートバックフレームの別の正面斜視図を概略的に描写する図である。
【
図14】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図1のキネティックシートアセンブリの2次シートバックフレームの正面斜視図を概略的に描写する図である。
【
図15】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図14の2次シートバックフレームの別の正面斜視図を概略的に描写する図である。
【
図16】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図1のキネティックシートアセンブリの前方旋回機構の斜視図を概略的に描写する図である。
【
図17】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図1のキネティックシートアセンブリの上方旋回機構のボールジョイント及び接続の斜視図を概略的に描写する図である。
【
図18】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、第1の位置における
図1のキネティックシートアセンブリの上方旋回機構の正面斜視図を概略的に描写する図である。
【
図19】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、第1の位置における
図18の上方旋回機構の側面図を概略的に描写する図である。
【
図20】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、第2の位置における
図18の上方旋回機構の正面斜視図を概略的に描写する図である。
【
図21】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、第2の位置における
図18の上方旋回機構の側面図を概略的に描写する図である。
【
図22A】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、1次シートバックフレーム及び2次シートバックフレームに取り付けられた、第1の位置における
図8の線22A-22Aに沿って取った
図18の上方旋回機構の断面図を概略的に描写する図である。
【
図22B】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、1次シートバックフレーム及び2次シートバックフレームに取り付けられた、第2の位置における
図18の上方旋回機構の断面図を概略的に描写し、2次シートバックフレームは、1次シートバックフレームに向けて移動する、図である。
【
図23】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図1のキネティックシートアセンブリの2次シートクッションフレームの上面斜視図を概略的に描写する図である。
【
図24】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図23の2次シートクッションフレームの別の上面斜視図を概略的に描写する図である。
【
図25】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図1のキネティックシートアセンブリの連結アセンブリの正面斜視図を概略的に描写する図である。
【
図26】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図25の連結アセンブリの別の正面斜視図を概略的に描写する図である。
【
図27】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図14の2次シートバックフレームに取り付けられた
図23の2次シートクッションフレームの正面斜視図を概略的に描写する図である。
【
図28】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図14の2次シートバックフレームに取り付けられた
図23の2次シートクッションフレームの別の正面斜視図を概略的に描写する図である。
【
図29】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、
図1のキネティックシートアセンブリの部分背面図を概略的に描写する図である。
【
図30】本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、コネクタブラケット及びクランプ間で延びるキネティックシートアセンブリの垂直ダンパの部分側面図を概略的に描写する図である。
【
図31】
本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、図1のキネティックシートアセンブリの1次シートクッションフレーム及びチルトバー機構の部分斜視図を概略的に描写する図である。
【
図32】
本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、図1のキネティックシートアセンブリのクランプのペアの分解斜視図を概略的に描写する図である。
【
図33】
本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、組み立てられた状態における図32のクランプのペアの斜視図を概略的に描写する図である。
【
図34】
本明細書で示され記載される1つ以上の実施形態に係る、図31のチルト機構の一部の拡大斜視図を概略的に描写する図である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0089
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0089】
ここで、
図31及び図34を参照して、実施形態では、キネティックシートアセンブリ10は、1次シートクッションフレーム52に対して2次シートクッションフレーム54を傾けるシートクッションチルト機構338を含む。シートクッションチルト機構338は、チルトバー340を含み、チルトバー340は、チルトバー前方部分342と、チルトバー前方部分342の反対側の端からキネティックシート長手方向に後方に延びているチルトバーハンドルのペア344、346と、を含む。チルトバー前方部分342と反対側の各チルトバーハンドル344、346の遠位端344A、346Aは、1次シートクッションフレーム52の側方部材66、68に対して回転可能に取り付けられている。シートクッションチルト機構338はまた、前方ロッド348を含み、前方ロッド348は、1次シートクッションフレーム52の側方部材66、68間で延びており、チルトバーハンドル344、346の下に位置しており、その結果、キネティックシート垂直方向への前方ロッド348の移動は、各チルトバーハンドル344、346の遠位端344A、346A周りにシートクッションチルト機構338を回転させ、その結果、チルトバー前方部分342も、キネティックシート垂直方向に上向きに移動する。
図31に示されるように、前方旋回機構98は、2次シートクッションフレーム54の前方端88に接続されるようにチルトバー前方部分342内に収容されている。したがって、シートクッションチルト機構338、具体的にはチルトバー前方部分342の移動は、2次シートクッションフレーム54の前方端88に関して同様の回転をもたらす。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0090
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0090】
再び
図31を参照して、クランプ360のペアは、1次シートクッションフレーム52のレール81、83間で延びている後方ロッド362に提供されている。本明細書でより詳細に記載されるように、クランプ360は、垂直ダンパ144、146を1次シートクッションフレーム52に対して回転可能に接続して、後方ロッド362が回転するときのキネティックシート垂直方向へのキネティックシートアセンブリ10の移動中における垂直ダンパ144、146のダンピング又は伸張に関する現在の度合を維持するように提供されている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0091
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0091】
ここで、
図32及び図33を参照すると、クランプ360は、後方ロッド362から分離されてより詳細に示されている。各クランプ360は、上方クランプ部分364と下方クランプ部分366とを含む。上方クランプ部分364は、外面364Aと内面364Bとを有する。上方クランプ部分364は、開放下方端364Cを有し、内面364Bは、凹状上方溝364Dを定めている。上方クランプ部分364はまた、互いに接合されて凹状上方溝364Dを定めるように協働する前方壁364E及び後方壁364Fを有する。複数の上方クランプ孔364Gは、上方クランプ部分364に形成されており、前方壁364E及び後方壁364F並びに外面364A及び内面364Bを貫通して延びている。上方クランプマウント364Hは、本明細書でより詳細に述べられるように、垂直ダンパ144、146のうちの対応する方を受けるように後方壁364Fで外面364Aに提供されている。上方クランプ部分364は、上方クランプ部分364の側方から延びているクランプ指372を更に含む。示されているように、クランプ指372は、上方クランプ部分364の後方壁364Fから延びている。クランプ指372は、上方クランプ部分364の後方壁364Fから実質的にキネティックシート長手方向に延びているフランジ372Aと、フランジ372Aの遠位端から上方クランプ部分364の後方壁364Fと反対側に延びている受け部372Bと、を含む。本明細書で述べられるように、受け部372Bは、溝372Cを定めており、溝372Cは、1次シートクッションフレーム52の一部と噛み合って後方ロッド362に対するクランプ360の回転を防止するように受け部372Bの端に形成されている。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0094
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0094】
図29及び
図31に示されるように、後方ロッド362は、上方クランプ部分364及び下方クランプ部分366によって形成された孔370内に収容されており、クランプ指372は、後方ロッド362の長手方向軸線に沿ってキネティックシート横方向にクランプ360が移動するのを防止するように1次シートクッションフレーム52と係り合っている。クランプ360は、上方クランプ部分364、下方クランプ部分366、及び垂直ダンパ144、146の外側の管148の第2の端152を通って延びている締結具368のうちの1つによって垂直ダンパ144、146に対して回転可能に接続され得る。締結具368のうちの1つが上方クランプ部分364及び下方クランプ部分366を通って完全に延びていない他の実施形態では、クランプ360を垂直ダンパ144、146に対して回転可能に接続するために、別の締結具、例えば、上方クランプ部分364の上方クランプマウント364Hを通って延びている別の締結具が使用され得る。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0096
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0096】
再び
図34を参照すると、シートクッションチルト機構338の一部がより詳細に示されている。具体的には、シートクッションチルト機構338は、固定されたプレート350と、固定されたプレート350から延びている駆動部材352と、を更に含む。駆動部材352は、固定されたプレート350と反対側の駆動部材352の端において旋回プレート354に対して回転可能に接続され得、その結果、固定されたプレート350からの方向E1への駆動部材352の伸張は、旋回プレート354を旋回させ、したがって、前方ロッド348を持ち上げ、これにより、シートクッションチルト機構338のチルトバー340及び2次シートクッションフレーム54の前方端88が持ち上げられる。代替的に、固定されたプレート350への反対方向E2における駆動部材352の収縮の結果、旋回プレート354は、前方ロッド348を下げるように反対方向に回転し、したがって、シートクッションチルト機構338のチルトバー340及び2次シートクッションフレーム54の前方端88を下げる。駆動部材352は、モータによって動作するねじ付きシャフト、アクチュエータ、及び/又は同種のものであり得る。モータは、電子制御ユニット32によって制御され得る。シートクッションチルト機構338により、2次シートクッションフレーム54全体は、1次シートクッションフレーム52に対して傾くことができる。
【国際調査報告】