(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-14
(54)【発明の名称】改善された撮像システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61B 6/00 20240101AFI20240806BHJP
A61B 6/40 20240101ALI20240806BHJP
A61B 6/42 20240101ALI20240806BHJP
A61B 6/46 20240101ALI20240806BHJP
【FI】
A61B6/00 520Z
A61B6/40 500D
A61B6/42 500X
A61B6/46 502
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024505475
(86)(22)【出願日】2022-07-21
(85)【翻訳文提出日】2024-03-29
(86)【国際出願番号】 US2022074019
(87)【国際公開番号】W WO2023015110
(87)【国際公開日】2023-02-09
(32)【優先日】2021-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521148603
【氏名又は名称】オクソス メディカル,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】ラフ,エヴァン
(72)【発明者】
【氏名】コロヴィチ,グレゴリー
(72)【発明者】
【氏名】マンダヴィア,デヴ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィシュヴァカルマ,ドルヴァ
(72)【発明者】
【氏名】ザムリンスキー,イゴール
(72)【発明者】
【氏名】ドラン,シーン
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA01
4C093AA25
4C093CA17
4C093EB17
4C093EC21
4C093EE02
4C093EE16
4C093FA03
4C093FA15
4C093FA22
4C093FA35
4C093FF35
4C093FF42
4C093FG13
(57)【要約】
X線および蛍光透視画像捕捉のための方法およびシステム、特に、ターゲットの非侵襲的画像を捕捉するように動作可能な手持ち式X線エミッタと、ターゲットの静的X線および動的蛍光透視画像を捕捉するように動作するステージと、X線画像を取得する安全性を向上させ、X線画像の品質を向上させるための、X線放射の追跡および位置決めのためのシステムと、を組み込んだ汎用マルチモード撮像システムのための方法およびシステム。デバイスは、X線放射の場を自動的に制限することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査領域に隣接して配置された撮像センサを有する非侵襲的撮像中にオペレータを支援する方法であって、前記撮像センサは、前記撮像センサに対して固定的に配置された複数の位置追跡器具に隣接する検出周囲を含み、前記方法は、
カメラシステムと、位置追跡装置と、エネルギー放射を通過させるように構成された絞り開口部とを含む放射装置を前記撮像センサから距離を置いて配置することと、
前記絞り開口部が前記検査領域に面するように前記放射装置を配向させることと、
前記撮像センサに対する前記放射装置のリアルタイム位置決めデータを生成するために、前記位置追跡装置を使用して前記複数の位置追跡器具のうちの1つまたは複数を検出することと、
前記リアルタイム位置決めデータを使用して、前記検出周囲の第1の仮想表現および前記エネルギー放射の第2の仮想表現を生成することと、
前記カメラシステムを使用してディスプレイ上に前記検査領域のリアルタイム画像を表示することと、
前記オペレータが前記ディスプレイを使用して前記検出周囲の位置および前記エネルギー放射の位置を確認することを可能にするために前記検査領域の前記リアルタイム画像を表示しながら、前記検出周囲の前記第1の仮想表現と前記エネルギー放射の前記第2の仮想表現とを前記ディスプレイに重ね合わせることと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記カメラシステムは、第1のカメラデバイスおよび第2のカメラデバイスを備え、前記複数の位置追跡器具のうちの1つまたは複数を検出することは、前記第1のカメラデバイスを使用することを含み、前記ディスプレイ上に前記検査領域の前記リアルタイム画像を表示することは、前記第2のカメラデバイスを使用することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2のカメラデバイスは、前記絞り開口部に隣接して配置された少なくとも2つの画像センサを備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2のカメラデバイスは、前記絞り開口部に隣接して配置される、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のカメラデバイスは赤外線カメラデバイスを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記検査領域の前記リアルタイム画像を表示しながら、前記検出周囲の前記第1の仮想表現および前記エネルギー放射の前記第2の仮想表現を前記ディスプレイ上に重ね合わせた後に、前記放射装置からの前記エネルギー放射を送達することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記放射装置を配向させることは、前記放射装置を前記検査領域内の物体に向けて配向させることを含み、前記放射装置と前記物体との間の距離が最小距離よりも大きくない限り、前記エネルギー放射を送達することが防止される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記リアルタイム位置決めデータを使用して前記絞り開口部に隣接する絞りのサイズを変更することをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記リアルタイム位置決めデータを使用して前記エネルギー放射の前記第2の仮想表現を生成することは、前記絞り開口部が撮像センサに対して直交する向きからオフセットされていることに応答して前記第2の仮想表現を変更することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記リアルタイム画像はリアルタイムビデオを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記リアルタイム画像は、少なくとも1つの非ビデオ画像を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記リアルタイム画像は、デジタル化画像または虚像を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記エネルギー放射はX線エネルギー放射を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記ディスプレイは、前記放射装置上に配置され、グリップによってエミッタ本体から分離され、前記絞り開口部は、前記エミッタ本体上に配置され、前記放射装置は、前記ディスプレイに向かって配置された第1のトリガと、前記エミッタ本体に向かって配置された第2のトリガとをさらに含み、前記方法は、前記オペレータの指で前記第1のトリガを作動させること、または前記オペレータの親指で前記第2のトリガを作動させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
検査領域内に位置する物体の配置を確認するための非侵襲的撮像システムであって、
非侵襲的撮像センサであって、前記物体が前記非侵襲的撮像センサ上または前記非侵襲的撮像センサに隣接して配置されたときに前記物体の非侵襲的画像の生成を可能にする放射エネルギーを受け取るように構成された検出周囲を有する、非侵襲的撮像センサと、
前記非侵襲的撮像センサに対して固定的に位置決めされた複数の位置追跡器具と、
前記放射エネルギーを放射プロファイルで放射するように構成された絞り開口部を有する放射装置であって、位置決め信号を生成するように構成された位置追跡装置と、画像信号を生成するように構成されたカメラシステムとをさらに含み、前記位置決め信号は、前記複数の位置追跡器具のうちの1つまたは複数を検出すると生成される、放射装置と、
前記画像信号を受信して、前記絞り開口部からの視点を有するリアルタイム画像を生成するように構成されたディスプレイと、
前記位置決め信号を前記非侵襲的撮像センサに対する前記放射装置の複数の位置決めデータに変換するように構成された制御システムであって、前記制御システムは、前記位置決めデータを使用して、前記検出周囲の第1の虚像および前記放射プロファイルの第2の虚像を生成するようにさらに構成されており、前記制御システムは、前記ディスプレイ上に前記リアルタイム画像と共に前記第1の虚像および前記第2の虚像を表示するようにさらに構成されている、制御システムと、
を備える、非侵襲的撮像システム。
【請求項16】
前記制御システムは、前記放射装置が前記放射エネルギーを放射する前に、前記リアルタイム画像を有する前記第1の虚像および前記第2の虚像を前記ディスプレイに表示するように構成されている、請求項15に記載の非侵襲的撮像システム。
【請求項17】
前記位置追跡装置は、前記位置決め信号を生成するために前記複数の位置追跡器具のうちの1つまたは複数を検出するように構成された前記カメラシステム内の第1のカメラデバイスを備え、前記カメラシステムは、前記画像信号を生成するように構成された第2のカメラデバイスを備える、請求項15に記載の非侵襲的撮像システム。
【請求項18】
前記第2のカメラデバイスは、前記絞り開口部に隣接して配置された少なくとも2つの画像センサを備える、請求項17に記載の非侵襲的撮像システム。
【請求項19】
前記第2のカメラデバイスは、前記絞り開口部に隣接して配置されている、請求項17に記載の非侵襲的撮像システム。
【請求項20】
前記第1のカメラデバイスは赤外線カメラデバイスを含む、請求項17に記載の非侵襲的撮像システム。
【請求項21】
前記放射装置に結合された距離センサをさらに備え、前記制御システムは、前記距離センサが前記物体までの最小距離を検出するまで、前記放射装置が前記放射エネルギーを放射するのを防止する、請求項15に記載の非侵襲的撮像システム。
【請求項22】
前記制御システムは、前記位置決めデータに応答して、前記絞り開口部に隣接する絞りのサイズまたはプロファイルを変更するように構成されている、請求項15に記載の非侵襲的撮像システム。
【請求項23】
前記カメラシステムは、前記リアルタイム画像の向きを変更するために前記位置決めデータに応答して移動するように構成されている、請求項15に記載の非侵襲的撮像システム。
【請求項24】
前記リアルタイム画像はリアルタイムビデオを含む、請求項15に記載の非侵襲的撮像システム。
【請求項25】
前記リアルタイム画像は少なくとも1つの非ビデオ画像を含む、請求項15に記載の非侵襲的撮像システム。
【請求項26】
前記リアルタイム画像は、デジタル化画像または虚像を含む、請求項15に記載の非侵襲的撮像システム。
【請求項27】
前記放射エネルギーはX線エネルギー放射を含む、請求項15に記載の非侵襲的撮像システム。
【請求項28】
前記ディスプレイは、前記放射装置上に配置され、グリップによってエミッタ本体から分離され、前記絞り開口部は、前記エミッタ本体上に配置され、前記放射装置は、前記ディスプレイに向けて配置された第1のトリガと、前記エミッタ本体に向けて配置された第2のトリガとをさらに含み、前記第1のトリガは、オペレータの指で操作するように構成され、前記第2のトリガは、前記オペレータの親指で操作するように構成されている、請求項15に記載の非侵襲的撮像システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
【0002】
本出願は、2022年4月12日に出願された米国特許出願第17/658,897号の優先権を主張し、同出願は、2021年9月21日に出願された米国特許出願第17/480,929号の優先権を主張し、同出願は、2021年8月2日に出願された米国仮出願第63/203,864号の優先権を主張しており、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
X線および蛍光透視画像捕捉、特にターゲットの画像を捕捉するように動作する汎用X線エミッタのための改善された方法およびシステムであって、システムは、X線放射を使用してX線画像を生成する画像センサに対してX線放射を追跡および位置決めするように構成される。本方法およびデバイスは、リアルタイム位置決めデータを使用して、画像センサの検出周囲の第1の仮想表現およびエネルギー放射の第2の仮想表現を生成することを可能にする。これらの仮想表現は、オペレータが検出周囲の位置およびX線放射の位置を確認することができるようにするために検査領域のリアルタイム画像を表示しながら、検出周囲の第1の仮想表現がエネルギー放射の第2の仮想表現と重ね合わされる検査領域のリアルタイム画像上に表示することができる。
【背景技術】
【0004】
整形外科手術用の現在の蛍光透視装置は、大型の固定された「cアーム」によって放射線源を蛍光増培管に繋ぐ。これらのより大きく、携帯性の低い機械の操作は困難であり、時間がかかる。達成可能な視野に適合するように対象を再配置することがしばしば必要であり、これは処置の敏感な段階で問題となり得る。したがって、cアームは、脊椎およびより大きな関節の外科的治療に人間工学的に適しているが、既存のユニットは重く、手/手首/腕および足/足首/脚部の手術に関して面倒であり、関連する解剖学的構造はより小さく、外科医によってより移動可能である。既存の蛍光透視装置も高価であり、大量の放射線を放射する。多くの場合、これらのより大きな放射線量は、例えば、患者および外科医をこれらのより高い線量に不必要にさらすため、四肢に対するより繊細な処置には必要とされない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、X線オペレータまたは外科医が機器を再配置することなくX線を捕捉することを可能にする小型で軽量のシステムおよび方法が非常に必要とされている。同時に、そのようなシステムは、X線エミッタの操作性および画像センサに対するエミッタの追跡を可能にし、得られた位置決めデータを使用してX線システムの安全性を改善し、検出器に対するX線エミッタの不適切な位置決めに起因して複数のX線画像を取得する必要性を低減する必要がある。
【0006】
また、X線または蛍光透視撮影の品質を改善する必要があり、その品質は被検体の多くの物理的属性に関連する。これらの要素は、放射線源の放射特性を制御する一連の技術的要因(例えば、電力、電流、時間)を決定する。患者を過剰な放射線にさらすことなく、解釈者が必要な視覚要素を見ることができるような組み合わせでこれらの要因を設定することは、デバイスオペレータの責任である。
【0007】
これらの技術的要因の設定は複雑であり得る。オペレータがこれらの技術を手動で設定する負担を軽減するために、既存の蛍光透視デバイスは自動処理を実装している。典型的な手法は、放射線が露光に加えられるにつれて徐々に充填するプレート上のソフトウェアまたはハードウェア線量検出器を使用する。この手法にはいくつかの問題がある。
【0008】
露光計算に必要な物理的要素の数を直接測定することができ、これらの改良されたシステムを使用して医療従事者が最適な放射線画像を得るのを支援する学習アルゴリズムを適用することができる、複雑なセンサアレイを有する新世代のシステムの能力を適用する必要性が依然として存在する。
【0009】
改善されたシステムおよび被験者の全範囲にわたるセンサ、ならびにロバストな機械学習技術を利用することにより、患者が放射線エネルギーにさらされる前に必要な技術を計算することが可能であり、これにより、モーションアーチファクトを排除し、放射線画像の優れた捕捉を生成することができ、同時に露光量を低減することができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、改善された多用途のマルチモード放射線撮影システムおよび方法に関し、これにより、外科医は、干渉なしに患者を手術することができ、装置、被検体、または外科医を再配置することなく静的および動的X線ならびに他の静止画像およびビデオ画像を捕捉することができる。
【0011】
X線エミッタおよび検出器の両方が記載されている。新規エミッタの一変形例は、エミッタの可搬型制御を可能にする。そのようなエミッタは、軽量で極めて操作しやすい可能性がある。変形例は、手持ち式ユニットである可搬型エミッタを含む。あるいは、可搬型エミッタは、ユーザがエミッタを常に保持するのを防ぐために、自動化/制御可能であるか、または単にエミッタの重量を支える取り付け構造に取り付けることができる。さらなる変形例では、エミッタは、取り付け構造と解放可能に結合可能であるように設計することができ、必要に応じて可搬性を向上させ、必要に応じて取り付け構造に結合することを可能にする。エミッタは、X線エミッタと、診断、外科、および非外科的介入を支援する目的で、患者の視覚画像、熱画像、および赤外線画像を生成するためのデジタルカメラなどの少なくとも1つの追加の撮像モダリティの両方を含むことができる。明らかに、本明細書に記載のシステムおよび方法は、非侵襲的撮像が望ましい非医療用途に使用することができる。
【0012】
人間工学的な制御は、画像の取得をより容易かつ迅速にし、内蔵ディスプレイは、使いやすい制御機能を容易にする。デバイスは、被検体からの距離を感知し、X線管が安全な距離にない場合、すなわち患者に近すぎる場合、放射線の活性化および放射を阻止する。最小距離は、ソフトウェアで定義することができ、意図される用途および他の要因に基づいて調整可能である。システムは、慣性測定ユニット(IMU:inertial measurement unit)および様々なタイミング構成要素の実装および使用によって、その電力状態を自動的かつインテリジェントに管理する。
【0013】
X線エミッタは、利用可能な任意のX線検出器と共に使用することができる。1つの選択肢は、従来のcアームと同様に、エミッタを適切に位置合わせされた検出器プレートを含む固定具に取り付けることであるが、はるかに小さく、より有能である。代替的な変形例が本明細書に記載されており、詳細に開示されている別個のX線捕捉ステージを有するエミッタの使用を含み、これは、露出、品質、および安全性を最大にするために自動的に旋回し、配向し、エミッタと位置合わせする。
【0014】
本発明のX線ステージは、手術の開始時に配置され、X線センサ、X線センサ位置決めシステム、エミッタ追跡システム、遮蔽システム、および制御ユニットを含む開放空洞を有する静的に固定されたプラットフォームを備える。任意選択的に、システムは、外部ディスプレイモニタまたは捕捉画像を検討するための任意の他の方法を利用することができる。
【0015】
一変形例では、本開示の改良されたX線システムは、非侵襲的撮像中にオペレータを支援する方法を可能にし、X線システムは、検査領域に隣接して配置された撮像センサを含み、撮像センサは、撮像センサに対して固定的に配置された複数の位置追跡器具に隣接する検出周囲を含み、方法は、撮像センサから離れて放射装置を配置することであって、放射装置は、カメラシステム、位置追跡装置、およびエネルギー放射を通過させるように構成された絞り開口部を含む、ことと、絞り開口部が検査領域に面するように放射装置を配向させることと、画像検出器に対する放射装置のリアルタイムの位置決めデータを生成するために、位置追跡装置を使用して複数の位置追跡器具のうちの1つまたは複数を検出することと、リアルタイム位置決めデータを使用して、検出周囲の第1の仮想表現およびエネルギー放射の第2の仮想表現を生成することと、カメラシステムを使用して検査領域のリアルタイム画像をディスプレイに表示することと、オペレータがディスプレイを使用して検出周囲の位置およびX線放射の位置を確認することを可能にするために検査領域のリアルタイム画像を表示しながら、検出周囲の第1の仮想表現およびエネルギー放射の第2の仮想表現をディスプレイに重ね合わせることと、を含む。本方法は、1つまたは複数の追加のディスプレイを含むことができる。例えば、放射装置上に第1のディスプレイを配置することができ、第2またはそれ以上のディスプレイをオペレータに隣接してまたは遠隔地に配置することができる。
【0016】
検査領域内に配置された物体の配置を確認するための非侵襲的撮像システムの一例は、物体が非侵襲的撮像センサ上またはそれに隣接して配置されたときに物体の非侵襲的画像の生成を可能にする放射エネルギーを受け取るように構成された検出周囲を有する非侵襲的撮像センサ(例えば、X線撮像センサ)と、非侵襲的撮像センサに対して固定的に配置された複数の位置追跡器具(視線センサおよび/または非視線センサ)と、放射プロファイルで放射エネルギーを放射するように構成された絞り開口部を有する放射装置であって、位置決め信号を生成するように構成された位置追跡装置と、画像信号を生成するように構成されたカメラシステムとをさらに含み、位置決め信号は、複数の位置追跡器具のうちの1つまたは複数を検出すると生成される、放射装置と、画像信号を受信して、絞り開口部からの視点を有するリアルタイム画像を生成するように構成されたディスプレイと、位置決め信号を非侵襲的撮像センサに対する放射装置の複数の位置決めデータに変換するように構成された制御システムであって、制御システムは、位置決めデータを使用して、検出周囲の第1の虚像および放射プロファイルの第2の虚像を生成するようにさらに構成され、制御システムは、ディスプレイ上にリアルタイム画像と共に第1の虚像および第2の虚像を表示するようにさらに構成される、制御システムと、を含む。
【0017】
本明細書に記載の方法およびシステムの変形例は、第1のカメラデバイスおよび第2のカメラデバイスを備えるカメラシステムを含み、複数の位置追跡器具のうちの1つまたは複数を検出することは、第1のカメラデバイスを使用することを含み、ディスプレイ上に検査領域のリアルタイム画像を表示することは、第2のカメラデバイスを使用することを含む。
【0018】
カメラデバイスおよび/またはカメラシステムは、任意の数のカメラまたは画像センサを使用することができる。システムの変形例では、画像センサ(複数可)は、走査されている物体の画像を取得するときに絞り開口部の視野に一致するようにX線絞り開口部に隣接して配置される。実際には、絞り開口部に隣接してカメラを配置することは、放射されたエネルギーの通過を制御する絞りとは対照的に、放射装置の面内の絞り開口部に隣接してカメラを配置することを含む。カメラシステムは、静止画像ならびにリアルタイムビデオを撮影するように構成することができる。一変形例では、カメラデバイスは赤外線カメラを含むことができる。さらに、リアルタイム画像は、デジタル画像、アナログ画像、デジタル化画像、虚像、およびそれらの組み合わせを含むことができる。
【0019】
本明細書に記載の方法およびシステムの変形例は、検査領域のリアルタイム画像を表示しながら、検出周囲の第1の仮想表現およびエネルギー放射の第2の仮想表現をディスプレイに重ね合わせた後に、放射装置からのエネルギー放射を送達することを含むことができる。
【0020】
システムおよび方法は、検査領域内の物体に向かって放射装置を配向するときの安全機能をさらに含むことができ、放射装置と物体との間の距離が最小距離よりも大きくない限り、エネルギー放射の送達が防止される。
【0021】
本明細書に記載のシステムおよび方法はまた、リアルタイム位置決めデータを使用して絞り開口部に隣接する絞りのサイズを変更することができる。
【0022】
方法およびシステムのさらなる変形例は、絞り開口部が撮像センサに対して直交する向きからオフセットされていることに応答して、第2の仮想表現を変更することを含む。
【0023】
システムの変形例は、物体の位置決めを可能にする平面を有するプラットフォームを含むことができる。あるいは、プラットフォームは、自由空間に配置された物体の一部が物体の周囲全体または実質的に周囲のいずれかで観察または検査され得るように、自由空間上に物体を固定することを可能にする支持フレームを含むことができる。
【0024】
エミッタおよびセンサをアライメントまたは動作アライメントに位置決めする本明細書に記載のシステム、デバイス、および方法では、アライメントの程度は、アライメントを規定する任意の業界仕様を含むことができる。例えば、医療用途では、本明細書に記載のシステムおよび方法のアライメントは、健康および人間サービスの食品および薬物投与部門(例えば、参照により本明細書に組み込まれる21 CFR part 1020)に適用される米国連邦規則に準拠するために必要なアライメントの程度を含むことができる。例えば、21 CFRの下では、画像レセプタ(センサ)の平面内のX線場の長さも幅も、画像レセプタ(センサ)の可視領域の長さも、線源-画像レセプタ間距離(SID)の3%超および過剰長さの合計を超えてはならず、過剰幅はSIDの4%以下でなければならず、位置合わせの誤差は、画像レセプタの可視領域の中心を通過するX線場の長さおよび幅寸法に沿って決定されるものとする。他のアプリケーションまたは代替の管轄区域では、本明細書で説明するアライメントは、それぞれの要件を満たすように変化し得る。あるいは、システム、デバイス、および方法の変形は、エミッタとレセプタとの間のほぼ直交する位置決めを得るなどのメトリックを含むことができる。
【0025】
アライメントと同様に、エミッタとレセプタとの間の最小距離または最大距離は、業界標準によって確立することができる。一例では、上記のFDA規制を使用して、45cm未満の最大線源-画像受容体距離および線源-皮膚距離を19cm以上に制限する手段を提供するものとする。
【0026】
使用時に、ステージは、X線放射の位置および角度を正確に追跡し、埋め込まれたセンサを正確に位置決めおよび傾斜させて、正確で高品質のX線画像を捕捉する。ステージは、より少ない電力を使用し、発光の歪みまたは遠近を補正し、被検体を所定の位置に留めることを可能にし、外科医のワークフローを中断することなく継続することを可能にする。
【0027】
「臨床」実施形態では、X線捕捉ステージは静的に位置決めされ、エミッタは、捕捉ステージの活性領域によって放射が積極的に捕捉され得るときにのみ放射が発射されることを保証するために位置決めを使用する。この陽性捕捉の取得が失われた場合にも直ちに焼成を終了する。
【0028】
本出願は、2018年9月18日に発行された米国特許第10076302号明細書および2021年5月18日に発行された米国特許第11006921号明細書、2021年3月15日に出願された米国特許出願第17/201,981号、2021年2月1日に出願された米国特許出願第17/163,878号、(米国特許出願公開第20210169438号)、2020年3月12日に出願された米国特許出願第16/817,337号、(米国特許出願公開第20200289207号)、2020年3月13日に出願された米国特許出願第16/818,561号、(米国特許出願公開第20200289208号)に関連し、これらの出願はそれぞれの全体が参照により組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1A】四肢症例の標準的な手術においてX線撮像システムを使用するための手術室レイアウトの一例を示す図である。
【
図1B】患者の領域へのアクセスを改善する専用の手術台を有する撮像システムを使用するための手術室レイアウトの代替例を示す図である。
【
図1C】患者の領域へのアクセスを改善する専用の手術台を有する撮像システムを使用するための手術室レイアウトの代替例を示す図である。
【
図2】本発明によるX線エミッタの簡略化された概略図である。
【
図3】エミッタと共に使用するための制御パネルの一実施形態を示す図である。
【
図4】X線エミッタの安全ロックアウト手順を示す図である。
【
図5】エミッタ電力管理のための代表的なシーケンスを示す図である。
【
図6】デバイスがユーザの要求に応じて同時画像を取り込む処理を示す図である。
【
図7】捕捉ステージの変形例の全体的な構成要素を示す図である。
【
図8B】赤外線(IR)位置決めタイルを示す図である。
【
図9】上方から見たセンサトレイのx、y移動を示す図である。
【
図10A】バンドで操作される画像捕捉ステージを示す斜視図である。
【
図10B】重要な構成要素の識別を伴う帯域動作段の概略図である。
【
図11B】センサパンニング動作を示す側面図である。
【
図12A】エミッタが画像ステージプラットフォーム上に設けられる必要がない配置を示す図である。
【
図12B】テーブルの平面上を移動することによって側面図を捕捉するようにセンサを構成することができる撮像システムの追加の構成を示す図である。
【
図13】三次元空間における相対位置計算を可能にする5点から赤外線を放射する赤外線放射デバイスの図である。
【
図14】エミッタの配置に基づく捕捉ステージの安全ロックアウトを示す図である。
【
図16】最も広い円錐部を形成する開口を有するX線放射デバイスを示す図である。
【
図17】狭い円錐部を形成する開口を有するX線放射デバイスを示す図である。
【
図18】絞りおよび円錐部を調整するように動作する制御ユニットを示す図である。
【
図20】放射装置が撮像センサのプロファイルを超えるエネルギープロファイルを放射する状況を示す図である。
【
図21A】エミッタがセンサと動作可能に位置合わせされていないように、放射プロファイルがセンサを越えて延びる状況を表す図である。
【
図21B】放射プロファイルが撮像センサの周囲内に留まるようにスケーリングされ、センサと動作可能に位置合わせされている状況を表す図である。
【
図22A】撮像センサの周囲内に留まるようにスケーリングおよび/または回転される調整された放射プロファイルを生成するための調整可能なコリメータの効果の一例を示す図である。
【
図22B】撮像センサの周囲内に留まるようにスケーリングおよび/または回転される調整された放射プロファイルを生成するための調整可能なコリメータの効果の一例を示す図である。
【
図23】放射装置内または放射装置と共に使用することができる調整可能なコリメータの変形例を示す図である。
【
図24A】調整可能なコリメータの一例の分解図である。
【
図24B】
図24Aの調整可能なコリメータの構成要素のいくつかの正面図を示す図である。
【
図24C】
図24Aの調整可能なコリメータの構成要素のいくつかの背面図を示す図である。
【
図25A】調整可能なコリメータを有するエミッタの例を示す図である。
【
図25B】調整可能なコリメータを有するエミッタの例を示す図である。
【
図26A】本明細書で論じるコリメータの検証方法の一例を示す図である。
【
図26B】本明細書で論じるコリメータの検証方法の一例を示す図である。
【
図26C】本明細書で論じるコリメータの検証方法の一例を示す図である。
【
図26D】本明細書で論じるコリメータの検証方法の一例を示す図である。
【
図26E】本明細書で論じるコリメータの検証方法の一例を示す図である。
【
図26F】本明細書で論じるコリメータの検証方法の一例を示す図である。
【
図26G】本明細書で論じるコリメータの検証方法の一例を示す図である。
【
図26H】本明細書で論じるコリメータの検証方法の一例を示す図である。
【
図26I】本明細書で論じるコリメータの検証方法の一例を示す図である。
【
図26J】本明細書で論じるコリメータの検証方法の一例を示す図である。
【
図27】従来の自動露出処理の一例を示す図である。
【
図28A】放射線画像の露光設定を決定するための機械学習を提供するために1つまたは複数のデータベースに依存する改善されたシステムを示す図である。
【
図28B】本明細書に記載のシステムからのフィードバックを使用して自動曝露処理およびデータベースを改善する処理を示す図である。
【
図29】電磁追跡センサなどの見通し外追跡要素を使用するX線システムの追加の変形例を示す図である。
【
図30】可搬型X線エミッタおよびモニタを使用して、X線画像の取得を支援するために1つまたは複数の虚像を表示する、本明細書に記載の撮像システムの別の変形例を示す図である。
【
図31A】不明瞭な画像感知ハウジングの画像センサに隣接する個々の患者のX線画像を捕捉しようとする試みの初期段階を示す図である。
【
図31B】不明瞭な画像感知ハウジングの画像センサに隣接する個々の患者のX線画像を捕捉しようとする試みの初期段階を示す図である。
【
図32】ディスプレイ上の撮像センサの境界の第1の仮想表現のディスプレイを表す図である。
【
図33A】撮像センサの境界の虚像でオーバーレイされた画像の追加の例を示す図である。
【
図33B】撮像センサの境界の虚像でオーバーレイされた画像の追加の例を示す図である。
【
図34A】2つの構成におけるエミッタの動作およびモニタの観察を可能にするスクリーンを有するエミッタの別の変形例を示す図である。
【
図34B】2つの構成におけるエミッタの動作およびモニタの観察を可能にするスクリーンを有するエミッタの別の変形例を示す図である。
【
図34C】2つの構成におけるエミッタの動作およびモニタの観察を可能にするスクリーンを有するエミッタの別の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1Aは、四肢症例の標準的な手術において撮像システムを使用するための手術室レイアウトの例を示す図である。この例では、外科医102は患者の左手で手術している。患者104は、仰臥位で横たわっており、左上肢は外転位置でハンドテーブル105上に準備されドレープされている。外科医は、患者の側方に隣接して着座し、手術助手106は、患者の頭部に隣接するハンドテーブルを横切って着座する。手術器具および機器は、手術助手のすぐ後ろのバックテーブル108に配置される。
【0031】
一変形例では、撮像システムはX線撮像を使用する。したがって、本発明による滅菌X線エミッタ110は、使用のために外科用ハンドテーブル105上に配置される。モニタ112は、ハンドテーブルに直接隣接するスタンド上に配置され、それによってX線、蛍光透視、熱、およびデジタル画像をX線撮像システムから外科医が見るための画面に無線で転送することができる。エミッタ110は、外科医が一方でドリルなどの別の器具を操作しながら他方でそれを保持することを可能にする。本発明によれば、検出器ステージをテーブル105上またはテーブル内に配置して、デバイス112などの外部モニタ上に格納および/または見るための放射線画像を収集することができる。本明細書で説明するように、エミッタは手持ち式であってもよく、または自動化/制御可能であるか、または単にユーザがエミッタを常に保持するのを防ぐためにエミッタの重量を支える取り付け構造に取り付けられてもよい。
【0032】
図1Bは、専用の手術台300と共に使用するためのセンサ706およびエミッタ710を含むシステムのさらなる変形例を示す。図示のように、手術台300は、臓器の一部が自由空間に吊り下げられているため、患者の臓器の周りへのアクセスを増加させながら患者を安定させる構造302を含む。この変形例では、(後述するように)センサ706を含むシェル707は、第1のブームまたはアーム716に結合されている。アーム/ブーム716は、センサ706の移動を可能にする。代替の変形例では、ブーム716は、センサ706が制御可能なブーム716に直接結合されるように自動化することができる。同様に、エミッタ710は、壁、天井、または可搬型フレーム構造に取り付けることができる第2のアームまたはブーム714に結合される。
図1Cは、エミッタ710がオペレータまたは医療施術者によって所望されるように位置決めされ得るように、患者104の身体部分に隣接するセンサ706およびブーム716の位置決めを示す。システムの変形例では、ブームまたはアームはまた、ヒートシンク、電源などのデバイスの構成要素を収容することができ、エミッタをよりコンパクトかつ容易に操作することを可能にする。さらに、いずれかのブームは、医師が処置を実行するのを助けるための特徴を備えて設計することができる。例えば、ブームは、医師がセンサ706および/またはエミッタ710のいずれかを位置決めし、次いで関連するブームを所定の位置にロックすることができるように、ロックシステムを組み込むことができる。さらに、または組み合わせて、ブームは、処置を実行するときに医師の邪魔にならないように自動的に移動するように、ブームが手術空間から所定の位置に自動的に後退することができるようにメモリ位置決めを組み込むことができる。さらに、メモリ位置は、エミッタまたはセンサの「最後の位置」を含むことができ、システムは、手術空間から離れる前にそれらの最後の位置に構成要素を自動的に再配置することができる。
【0033】
本明細書で説明するように、本明細書に記載のシステムは、画像センサおよび/または手術台または作業領域の他の領域に配置された1つまたは複数の距離センサ708を含むことができる。距離センサ708は、画像センサ、手術台、および/または作業領域に配置された身体部分または解剖学的構造の間の任意の空間の測定を可能にする。以下に述べるように、そのような追加の測定は、画像センサ、手術台、および/または作業領域と本体構造との間にギャップまたは空間がある場合、本体構造の厚さの正確な測定を可能にする。
【0034】
図2は、本発明によるX線エミッタの簡略化された概略図である。デバイスの一般的な構成は、手持ち式であり、軽量であり、極めて携帯可能である。デバイスは、好ましくは、外科医の手に人間工学的に適合するように丸みを帯びた輪郭のハンドルを有し、X線透視、デジタルおよび熱画像を四肢および手術野により良好に向ける。
【0035】
一変形例では、エミッタ110の背面は、少なくとも3つの異なる動作モード、すなわち、蛍光透視モード、デジタルピクチャモード、または赤外線熱撮像モードを起動することができる制御パネルを含むことができる。起動されると、各モードはトリガ202によってデバイスの前面で制御される。トリガを一度押すと、デバイスが作動して単一の画像を撮影する(すなわち、単一のX線またはデジタル画像)。異なる動作モードが異なるように起動されてもよい。一例として、トリガ12を下に保持することにより、ライブ蛍光透視法、デジタルビデオ、または赤外線熱撮像を起動することができる。
図2はまた、電源221に結合されているエミッタ110を示している。電源は、エミッタ110から遠隔に、またはエミッタ内に配置されたバッテリ221とすることができる。代替的に、または組み合わせて、電源221は、エミッタ110と電源221との間の配線を介して結合することができる。さらなる変形例では、バッテリ221は、エミッタ110内に配置され、リモート電源221に加えて使用することができ、エミッタ110を外部電源から一時的に切断し、内部バッテリ221を使用して電力を供給することができる。
【0036】
図3は、エミッタと共に使用するための制御パネルの一実施形態を示す図である。制御パネルは、排出ハンドルの後部に配置され、システムの様々な入力および出力を制御する。制御パネルは、ユーザにとって容易にアクセス可能であり、エミッタの操作を容易にするように人間工学的に設計されている。制御パネルは、大きなクリア画面204(すなわち、LCDまたはOLED)と、ユニットの左側に配置された制御ボタン302と、ユニットの右側に配置された制御ボタン304と、中央に配置された中央のクリック可能な切り替えボタン206とを備える。
【0037】
表示画面204は、透視、デジタルカメラ、および赤外線設定を制御するための画像およびデジタル制御パネルを表示する。制御パネルは、タッチスクリーンを含むことができる。切り替えボタン206は、蛍光透視モードおよび赤外線モードでの電力入力、ならびに写真モードでのデジタルズームを制御する。エミッタ構成の一変形例は、動的X線コリメート円錐部210、デジタルカメラレンズ212、赤外線カメラ214、および距離センサ216を収容する。デジタルカメラおよび赤外線カメラは、電荷結合素子(CCD)技術を使用することが好ましい。距離センサは、赤外線、音響、または近接および距離測定の当業者に知られている他の動作技術であってもよい。センサ216は、患者からの距離を連続的に感知し、X線管が近すぎる場合、例えば患者から直接19センチメートル未満の場合、放射線の活性化および放射を阻止する。さらに、システムは、医師またはシステムのユーザがセンサが許容可能な距離内にあるか、または発射する準備ができていると判定することを可能にするために、任意の数の聴覚、視覚、または触覚インジケータを含むことができる。さらなる変形例では、聴覚、視覚、および/または触覚インジケータは、ユーザが検査されている物体から焦点を外す必要なしにシステムの動作状態を識別できるように配置される。一例では、可視インジケータ(例えば、1つまたは複数のLED)がエミッタ上に配置され、距離、位置合わせ、またはシステムの任意の他の動作条件に関する明確に区別可能なフィードバックを提供する。
【0038】
ハンドル200は、高電圧電源218、外部充電ポート220、およびバッテリドッキングステーション222を収容することができるデバイスの底部に向かって先細になっている。X線モードまたは蛍光透視モードでトリガ202が起動されると、電源218からの高電圧が高電圧コネクタアセンブリ228を介してX線発生ユニット230に供給される。電源218によって生成された電力は、X線発生ユニット230によって使用され得る適切な入力電圧に変換される。この電力は、1kV~120kVの範囲であるが、典型的には、臨床用途に関連して30kV~90kVの範囲である。
【0039】
X線発生ユニット230は、既存の高電圧エミッタに基づいているが、本用途に必要な小型サイズに合わせてカスタム設計されている。放射損失を防止し、良好なビーム品質を維持するために、適切な厚さの電気絶縁材料が高電圧電源218、コネクタアセンブリ228およびX線発生ユニット230を取り囲む。高電圧漏れおよびシステム内の低電圧構成要素との起こり得る干渉を最小限に抑えるために、3つの構成要素218、228、230はすべて互いに直接隣接して配置される。代替的な実施形態では、構成要素218、228、230は、外部制御ユニット(図示せず)に配置されてもよい。
【0040】
放射損失を遮蔽し、X線管の動作によって発生する高温を放散させるために、シリコーンゴムとエポキシとの適切な層状の組み合わせがX線発生ユニット230を封入する(X線がコリメータ内に放射される場合を除く)。放射線は、X線管によって生成され、デバイスのヘッドのコリメート円錐部210を介して伝達される。蛍光透視設定は、ピークキロ電圧(kV)、アンペア数(mA)、およびデジタル輝度を含み、頸部後方のデジタル制御パネルによって制御される。
【0041】
デジタルカメラレンズ212および赤外線熱カメラ214は、コリメート円錐部210に直接隣接しており、これらの構成要素も絶縁によって遮蔽されている。デジタルカメラ214は、制御盤を用いてデジタルモードにすることで制御される。画像は、デバイスハンドル上に配置されたトリガ202を介して生成される。
【0042】
同様に、赤外線熱カメラ214は、制御パネルを使用してデバイスを赤外線モードにすることによって制御される。ライブ赤外線熱画像は、トリガを下に保持することによって生成される。デジタルX線、従来のデジタル可視画像および熱画像は、
図1に示す外部スクリーン112上に転写および表示することができる。本明細書に記載のエミッタと検出器との間の協働のレベルに応じて、X線画像は、見るために外部モニタに直接転送されてもよい。メモリ233は、任意のタイプの収集された画像を記憶するために使用されてもよく、そのような画像は、同時係属中の米国特許出願第15/466,216号に従って捕捉時に暗号化されてもよく、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。音声ピックアップ235は、処置記憶または他の目的のために提供されてもよく、記録はまた、任意選択的に暗号化された形態でメモリ233に記憶されてもよい。
【0043】
デバイスは、外部充電ポート220を有する外部プラグイン電源によって電力供給される。デジタルディスプレイ、制御インターフェース、およびトリガは、低電圧電力増幅器システム234によって電力供給される制御システムマイクロプロセッサ電子制御ユニット232を介して制御される。低電圧増幅システム234およびマイクロプロセッサ制御システム232はまた、干渉をさらに最小限に抑えるために、高電圧電源から好都合に離れて配置される。
【0044】
以下の表は、
図3の制御パネル上のボタンおよび切り替えスイッチを使用するエミッタに関連する様々な制御モードを列挙している。
【0045】
【0046】
実用的および認証の両方の様々な理由のために、被検体とX線発生器との間の最小距離を維持することが重要である。この距離は、いくつかの要因に応じて変化する可能性があり、エミッタのソフトウェアで構成することができる。
図4は、デバイスがX線エミッタの安全ロックアウト手順を管理する処理を示す。安全ロックアウトを決定する処理は以下の通りである。
【0047】
402.ユーザは、X線モードにある間にトリガを押すことによってX線放射処理を開始する。これは、蛍光透視または静止X線画像のいずれかであり得る。
【0048】
404.距離設定は、エミッタの距離設定データベースから取得される。
【0049】
405.距離測定ユニットが起動され、エミッタの端部とエミッタのすぐ前の被写体との間の距離を取り込む。
【0050】
406.距離設定および距離測定値は、エミッタのECU計算ユニットに中継される。
【0051】
408.408において、ECU計算ユニットは、距離測定値、距離設定、および内部発電機オフセットを使用して、エミッタが発射すべきかどうかを判定する。
【0052】
410.410における火災/警告決定は、ECUによって決定され、ハードウェアユニットに中継される。
【0053】
412.412で、被写体がエミッタに近すぎるとECUが判断した場合、ユニットは警告手順を起動し、LCDパネルにメッセージを表示し、ロックアウト警告灯を起動する。
【0054】
414.414で、被検体が安全な距離にあるとECUが判断した場合、エミッタはX線生成および放射処理を開始し、すべての内部および外部構成要素をシグナリングする。
【0055】
デバイスが3次元空間で自由に動くことができるという事実により、X線エミッタから投影された円錐のサイズは、ターゲットまでの距離に基づいて変化する。このように、本発明は、ステージ上に配置されたセンサからのX線放射デバイスの距離に基づいて円錐部サイズの管理された制御を可能にする。
【0056】
図16は、アノード1602およびカソード1604を含む適用可能なX線源の簡略図を示す。アノードは、典型的には、タングステンまたはモリブデンターゲット1606を含む。アノードとカソードとの間の高電圧は、ターゲットでX線を発生させ、ケーシング1612の絞り1610を通って出る円錐部1608を形成する。
【0057】
本発明の一態様は、絞りおよびセンサの方向に配置された伸縮チャンバを含む。X線源から出力開口までの距離は、ねじ付き内部マウントに沿って外部チャンバを回転させることによって増減することができる。
図17に示すように、絞りを光源に近づけると角度が広くなり、光源から遠ざかると角度が小さくなる。
【0058】
図18を参照すると、手持ち式エミッタの制御ユニット1802は、伸縮開口を制御する。以下の処理に基づいて、制御ユニット1802はねじ付きシャフト1804を回転させ、その結果、ねじ山は伸縮チャンバ1614の溝1806と係合し、絞り1610をX線源に向かっておよびX線源から離れるようにする。
【0059】
図19は、制御方法を示す図である。最初に、デバイスのX線原点とX線センサとの間の距離が計算される。距離がX線放射の許容範囲外である場合、X線は放射されない。しかしながら、X線原点とセンサ(d
s)との間の距離が許容範囲内にある場合、絞りは所定の位置に自動的に移動される。次いで、X線原点と開口(d
a)との間の距離が計算され、制御ユニットは開口室を正しい距離に回転させる。
【0060】
Rsがセンサに接触するときのX線放射の半径を表す場合、センサプレートの正規化されたベクトルと分散円錐との間の角度は、θ=tan-1(Rs/ds)として表すことができる。X線の正しい分散を放射するために放射原点から開口が位置する必要がある距離は、da=Ra/tan(θ)として計算することができ、式中、Raは開口の半径を表す。次いで、制御ユニットは、X線放射デバイスに、円錐を角度θでセンサ上に投影するX線を放射させる。
【0061】
図16~
図19を参照して説明した伸縮円錐部調整機構は改善された絞りであるが、当業者であれば、代わりにより従来的な調整可能な絞り(すなわち、並進可能なX線吸収または遮断ブレードを有する)を使用できることを理解するであろう。上記で使用されたのと同じ数学が、この実施形態にも適用可能である。すなわち、距離がX線放射の許容範囲外である場合、X線は放射されない。逆に、X線原点とセンサ(d
s)との間の距離が許容範囲内にある場合、源の発射を容易にするために絞りが自動的に開閉される。
【0062】
異なる市場は異なる安全要件を有する。さらに、対象(高齢者、小児、それ以外は健康)に応じて、排出に関連する安全上の問題がないことを保証するためにロックアウトを調整することができる。デバイスはまた、好ましくは、慣性測定ユニット(IMU)、距離センサユニット、ならびにオペレータ開始コマンド入力を利用することによって電力をインテリジェントに節約する能力を含む。ユニットの電力段の様々な持続時間は、デバイスがユーザの特定のスタイルおよびケイデンスに適合するようにユーザが構成可能である。
【0063】
本明細書に記載のシステムおよび方法はまた、エラー訂正および/または位置決めを改善するために複数のセンサを使用することができる。例えば、エミッタおよび検出器/センサが所与の位置にあり、システムがプラットフォーム上の1つまたは複数のセンサの追跡を失う場合。通常、追跡の損失は、出力画像のフレーム毎秒(FPS)の減少を引き起こす可能性がある。この状況に対処するために、エミッタは、特に必要なときに、介在フレームを調整するためにエミッタの動きを追跡することができる1つまたは複数の慣性測定ユニットを含むことができる。次いで、IMUは、出力のFPSを増加させるために介在フレームを調整するために使用される。いくつかの変形例では、十分な精度のIMUを用いて、プラットフォーム上のセンサの代わりに、またはそれに加えてIMUを使用することができる。
【0064】
【0065】
502.ユーザは、エミッタの物理ボタン(すなわち、
図2の208)を押すことによってデバイスの電源シーケンスを開始する。これにより、デバイスの電子機器が係合し、デバイスがONモードになる。
【0066】
504.デバイスのピックアップは、エミッタ内のIMUによって検出され、電力レベルを直ちに待機状態に上げる。この待機状態は、すべての電力系統を初期化し、電源の電荷を中レベルまで上昇させる。
【0067】
505.ユーザがデバイスをダウンに設定するか、またはエミッタの移動または制御パネルもしくは制御コンピュータでの開始のいずれかによって他の方法で相互作用されない場合、デバイスは、t0の持続時間の後にオフ段階に自動的にパワーダウンする。
【0068】
506.ユーザは、制御パネル自体の設定を変更することによって、または搭載された距離センサによって検出された被写体の範囲内にデバイスを持ち込むことによって、ユニットを取り上げ、ユニットを使用した。これは、電力システムを完全に充電してデバイスが発射する準備ができた状態にし、デバイスをレディモードにすることによって、デバイスの電力レベルをさらに上昇させる。
【0069】
507.ユニットを能動的に係合させずにt1の持続時間の後、エミッタはそれ自体を待機レベルまで電源ダウンする。
【0070】
510.ユーザは、エミッタ上のトリガ202を押すことによってX線撮影を開始する。他のすべての安全チェックがクリアされていると仮定すると、これは電源とさらに係合し、511の状態まで被検体でX線光子のストリームを放射し、その時点で放射が完了する。しかしながら、デバイスがレディモードに戻ると、ユーザは510’、511’でX線光子を無期限に放射し続けることができる。
【0071】
511.エミッタが発射されていない期間t2の後、デバイスは520で自動的に自身の電源をSTANDBYレベルに下げる。
【0072】
点508、522、524で示すように、デバイスは、電源状態を維持または変更するために、積極的な係合なしに様々な持続時間が経過するにつれて、上記のタイミングに従ってデバイスをオン段階から最終的にオフ段階に移行させる。これらのステップを利用することにより、デバイスは、ユーザからの対話なしに準備状態を維持しながら電力を節約することができる。
【0073】
図6は、デバイスがユーザの要求に応じて同時画像を取り込む処理を示す。エミッタの制御画面上の設定を使用して、または制御ユニット内の同時捕捉を指定することによって、エミッタは、X線、従来のデジタルおよび/または熱画像の任意の組み合わせを捕捉する処理を開始する。画像を取り込む処理は以下の通りである。
【0074】
602.ユーザは、エミッタのトリガを引くことによってデバイス上で捕捉シーケンスを開始する。これにより、どのようなセンサのグループ化が有効にされていても、捕捉処理および同時撮像処理が開始される。
【0075】
604.エミッタは直ちにX線待機モードに入り、X線発生器を発射する準備をする。
【0076】
604’.同時に、有効になっている場合、従来のカメラコンポーネントは所望の被写体に焦点を合わせる。これは、トリガが押されるとすぐに起こることが好ましい。
【0077】
604”.同時に、有効になっている場合、熱カメラの電源がオンになり、その開始シーケンスを開始する。これはまた、好ましくは、トリガが押されるとすぐに起こる。
【0078】
606.
図4に示すように、X線システムは安全性チェックを開始する。
【0079】
608.デジタル撮像カメラは、被写体の従来の画像を取り込む。画像は、好ましくは、外部モニタに表示するために制御ユニットに自動的に転送される。
【0080】
610.熱カメラは被写体の熱画像を取り込む。画像は、好ましくは、外部モニタに表示するために制御ユニットに自動的に転送される。
【0081】
620.一変形例では、608と610の両方が完了し、606からのすべての安全チェックが検証された後、X線ユニットは発光を発射し、センサ内にX線画像を生成する。画像は、好ましくは、外部モニタに表示するために制御ユニットに自動的に転送される。したがって、X線システムは、動作上の干渉を最小限に抑えるために他のすべてのシステムが実行された後にのみ、X線を充電し、安全性を検証し、放電する。
【0082】
X線検出器の実装
【0083】
本明細書に記載のエミッタは、X線画像を収集するためにX線検出器と共に使用されなければならない。エミッタは、検出器技術に関して限定されず、任意の利用可能なフラットパネル検出器、さらにはフィルムと共に使用することができる。しかしながら、エミッタの完全な可搬性を考慮すると、スプリアスまたは望ましくないX線放射を回避しながら鮮明な画像を収集するために、エミッタが検出器に対して適切に配向されることを確実にするためのステップがとられるべきである。1つの選択肢は、従来のcアームのように、エミッタを適切に位置合わせされた検出器プレートを含む固定具に取り付けることであるが、はるかに小さく、より可能である。しかしながら、別の選択肢は、後述するX線捕捉ステージを有するエミッタを使用することであり、そのうちの1つは、露光品質および安全性を最大にするためにエミッタと自動的に旋回し、配向し、位置合わせする埋め込みセンサを含む。
【0084】
X線捕捉ステージの一変形例は、X線センサ、X線センサ位置決めシステム、エミッタ追跡システム、遮蔽システム、および制御ユニットを収容する内部空洞を有する、手術の開始時に位置決めされる静的に固定されたプラットフォームを含む。X線捕捉ステージは、本明細書に記載の可搬型手持ち式ユニットを含む別個のエミッタデバイスからのX線放射を受け取るように適合される。X線捕捉ステージは、好ましくは、外部ディスプレイモニタ上の捕捉されたX線もしくは蛍光透視画像、または外部記憶装置を含む捕捉された画像のための任意の他の構成のレビューを可能にする無線(または有線)通信機能も組み込む。
【0085】
捕捉段階の実施形態は、大きく2つ存在する。臨床実施形態では、ステージは発光を追跡し、それが一列に並んでいない場合、X線発射を単にロックアウトする。追跡ステージの実施形態はまた、位置合わせに従って放射を可能にするかまたはロックアウトするが、X線放射の位置および角度を正確に追跡し、埋め込みセンサを位置決めおよび傾斜させて正確で高品質のX線画像を捕捉する。この配置は、より少ない電力を使用し、放射の歪みまたは遠近を補正し、被検体を所定の位置に保つことを可能にし、それにより、外科医のワークフローが中断されることなく継続し、機器、被検体または外科医を再配置することなくX線を捕捉することを可能にする。
【0086】
図7は、埋め込まれたセンサ706を含む中空空洞を有するプラットフォーム702を含むX線捕捉ステージの変形例の簡略図である。一構成では、ステージは脚部703を有し、テーブルとして使用され得る。別の構成では、ステージは、バッグに包まれ、患者の下に配置されてもよい。したがって、プラットフォーム702を滅菌ドレープで包むことができ、
図1のテーブル105などのプラットフォーム上で外科的処置を実行することができる。
【0087】
捕捉ステージは、別個のX線放射デバイス710と協働する。上記で詳細に説明した手持ち式ユニット以外に、壁に取り付けられたもの、アーマチュアに取り付けられたもの、および床に取り付けられたものを含む、X線放射デバイスのいくつかの異なる構成および実装形態がある。エミッタの電子システムが動作可能なX線ステージの中央制御ユニットのインターフェースと通信して、旋回、配向、または整列を提供することができる限り、いずれの実装も動作可能なX線ステージと互換性がある。
【0088】
プラットフォーム702は、中央制御ユニット704と電気的に連通している。制御ユニット704に電子的に接続されたディスプレイモニタ712は、画像を表示し、システム全体の制御を提供するために使用することができる。一般に、ユーザはエミッタ710と対話する。しかしながら、場合によっては、ユーザは、画像を操作し、特定の取り込みシナリオを設定し、パラメータを制御し、または他の設定を調整するために、中央制御ユニット704と直接対話することができる。システムはまた、表示目的のために中央制御ユニットに電子的に接続されたタブレット、携帯電話、または任意の他の表示デバイスを使用することができる。中央制御ユニット704およびディスプレイは、ラップトップコンピュータまたは他のモバイルコンピューティングデバイスなどの単一のデバイスに組み合わせることができる。任意選択的に、中央制御ユニットは、教育または他の目的のために複数の表示ユニットに電子的に接続することができる。
【0089】
図8Aは、本発明によるX線捕捉ステージの斜視図である。特定の一構成では、ステージは、約20インチ(約50.8センチメートル)×30インチ(約76.2センチメートル)の中空のシールされたシェルを備えるが、本発明の全体的なサイズは、他の外科用途に適合するように変更することができる。シェルは、X線エミッタからのX線放射を捕捉するように動作するX線検出センサ706を収容する空洞800を形成する。適切なX線センサは、様々な商業的製造業者から入手可能である。センサ706は、空洞内でセンサをパンおよび傾斜させるために使用される電動移動システムに取り付けられる。この電動システムは、センサが最大画質および捕捉ビューのために正確に位置決めされることを保証する。
【0090】
X線センサ706は、好ましくは、空洞800内を制御された移動下で移動する可動トレイ802に取り付けられる。トレイおよびセンサは、以下に説明するように、x-y方向に移動し、両方の軸に沿って傾斜することができる。
図9は、捕捉ステージを上から見た図である。トレイ802内のセンサ706は、一連の電動レール720、722上を並進するように取り付けられ、センサがシェル内のx軸およびy軸に沿った任意の場所にそれ自体を配置することを可能にする。xトラックおよびyトラックの少なくとも一方は、例えばねじ付きロッドであってもよく、各々は、x次元およびy次元におけるトレイ802の正確な横方向移動のためにモータによって駆動される。さらなる代替として、トレイのx-y移動は、
図10Aのバンド1002、1004で制御することができる。そのようなバンドは、ロッド1006、1008によって正確に制御され、トレイ支持体1110、1112にトレイ808を並進させる。
図9には4つのトレイ支持体902、904が示されているが、
図10Aに示すように単一の支持体1110、1112が代わりに使用されてもよいことに留意されたい。
【0091】
エミッタ830は、手持ち式ユニット710上の点810からステージ上の3つ(またはそれ以上)の固定点830までの距離を測定するために使用される。これらの距離は、
図8AにおいてD
1、D
2およびD
3として示されている。これらの距離に基づいて、システムは追跡方法を使用して、センサ706上の中心点801および光源からプラットフォームへの放射の角度(θ
5)を正確に位置決めする。この追跡システムの例示的な実装形態は、プラットフォームおよび手持ち式ユニット内の赤外線センサの組み合わせ、ならびに角度θ
5を検出するためのステージおよび手持ち式ユニット内のジャイロスコープを含む。
【0092】
検出器の位置決めは、いくつかのセンサを協調して使用する。ユーザが手持ち式ユニットを持ち上げると、システムは準備状態に入る。テーブルの角の赤外線ビーコンが点灯する。手持ち式ユニット上の測位追跡カメラは、140度の視野内で捕捉された赤外線スペクトルの分析を直ちに開始する。カメラは赤外光のパターンを探索している。各角830は、手持ち式ユニット内の赤外線カメラがステージのどの角を見ているかを決定する特定のパターンを有する。
【0093】
図8Bを参照すると、IR位置決めエミッタタイル850が、動作段階または臨床段階の各角に位置する。この図は、4つの固有のタイルの例である。取り付けられた位置決めビーコンを使用する場合、パターンは異なる。これらのタイルは、特定のパターンで配置された多数の赤外線エミッタ852、通常は5つの個々のエミッタを含む。各タイルは、5つのIRエミッタの異なるパターンを含む。オペレータがステージの周りでX線エミッタを移動させると、IR位置決めカメラがタイルからのIR放射を取り込み、分析する。各タイルは固有のパターンを有するので、カメラはテーブルに対してその正確な位置を決定することができる。さらに、各タイルは複数の光の固有のパターンを有するので、システムは、XYZ空間内のタイルから正確な位置を決定することができる。
【0094】
任意選択的に、またはこの固有のIRレイアウトに加えて、IRエミッタは、シンコペート方式で点滅することができる。フラッシュの周波数を変調することにより、各タイルに追加の一意性署名を追加することが可能であり、多数のタイルを有するシナリオでパターンを繰り返すことができる。この固有の配置のために、システムが完全に機能することを可能にするために、ユニットの単一の角、または単一の位置決めビーコンのみがエミッタに見える必要がある。すなわち、パターンのレイアウトにより、カメラは、各角に対する空間内のその位置を三角測量することができる。三角測量データ、ならびにエミッタ上のIMUユニットからの配向データを使用することにより、システムは放射の中心点を決定することができる。次いで、ステージは、中心点をステージのその領域に移動させ、検出器を発光に対して可能な限り垂直になるように傾ける。センサが所定の位置に移動している間、エミッタ上のコリメータは、ビームの出力を調整して、ビームが検出器パネルのみを照射していることを確実にする。
【0095】
センサ830の組み合わせからの位置情報は、生のセンサデータをプラットフォーム上の目標点に補間する制御ユニット(すなわち、
図7の704)を介してルーティングされる。次いで、プラットフォームは、センサトレイ802を指定された地点に移動させる。次いで、プラットフォームは、センサを正しい向き(θ
5)に傾けて、可能な限り多くの歪みを除去する。言い換えれば、エミッタ710内のX線源が軸803に対して放射線を放射すると仮定すると、目標は、軸803をセンサの中心点801に可能な限り近づけて配置することであり、センサの平面は、歪みを最小限に抑えるために軸201に対して可能な限り垂直である。
【0096】
すべての段階の実施形態において、プラットフォームまたはシェルの上部カバーは、放射線透過性材料(すなわち、
図10Aの1018)で覆われる。ただし、プラットフォーム(すなわち、
図10Aの1020)の下底は、鉛などのX線吸収材料で被覆されていることが好ましい。このコーティングは、過剰なX線が電界を貫通してエミッタのオペレータによって吸収されるのを防ぐ。このX線吸収下塗りはまた、過剰なX線放射が床から跳ね返って施設全体に飛散するのを防ぐ。プラットフォームの側面はまた、放射線不透過性材料から構成されてもよい。
【0097】
図10Bは、重要な構成要素の識別を伴う帯域動作段の概略図である。X線検出器は1030で示され、検出器キャリアは1032で示されている。この特定の実施形態は、H字形ベルト1040によって駆動される。アイテム1042および1044は、それぞれ小型および大型のオフセット軸受である。ベルトは、モータ1050、1052によって駆動される。ステージハウジングは1060で示されており、電力はケーブル1062を介してもたらされる。検出器傾斜モータは、1070、1072で示されている。
図8Bを参照して説明したIR位置決めタイルおよびIRエミッタは、それぞれ850および852で示されている。本明細書に記載の典型的なIRエミッタは、エミッタの位置を決定するのを助けるためにエミッタによって受信される信号またはエネルギーを能動的に放射するので、アクティブビーコンである。あるいは、または組み合わせて、本明細書に記載の方法、システム、およびデバイスのさらなる変形例は、エミッタの向きを決定するのを助けるための受動マーキングまたは物体を含むことができる。システム、デバイス、および方法は、単に特定のパターン(例えば、QR記号またはクロック、テーブル、固定具などの手術領域内の何らかの固有の物体)を記録するカメラまたはエミッタを含むことができる。そして、システムは、エミッタの位置を決定するためにIRビーコンの代わりに、またはIRビーコンと組み合わせてこれらのパターンを使用するためにコンピュータに依存する。この後者の場合、エミッタ位置は、コンピュータまたは他の処理ユニットによって計算される。
【0098】
図11A、
図11Bは、パンおよび傾斜機構を示す図である。
図11Aでは、センサトレイ802は空洞内に配置され、センサ706はy軸を中心に傾斜している。
図11Bでは、センサトレイ802は、x軸およびy軸の両方に沿って傾斜している。このパンおよび傾斜は、放射デバイスのオフセット角度によって生じる歪みを最小限に抑えながら、X線画像を捕捉するためにセンサを正確に配置することを可能にする。すなわち、捕捉ステージおよびX線エミッタは、スキューを最小にし、X線および蛍光透視画像の両方の捕捉を最大にするように調整される。ステージ内でセンサを移動させることにより、ユーザは、鮮明で使用可能なX線または蛍光透視画像を得るために被検体を再配置する必要がない。
【0099】
放射デバイスが段から物理的に切り離されている手持ち式エミッタの場合、品質および安全上の理由から、エミッタに対してセンサを位置決めすることが重要である。この目的を達成するために、異なる技術が使用されてもよい。
図8および
図10に示すように、複数の位置追跡器具830をトレイの端部または角部に取り付けることができる。これらの器具は四隅すべてで使用することができるが、正確な三角測量に必要なのは1つだけである。これらの器具は、超音波トーン発生または赤外線放射に基づくことができる。これらの実施形態では、プラットフォームで生成された音響または赤外線信号がエミッタデバイスによって検出され、センサを並進および傾斜させて取り込みを最大にする。さらなる実施形態は、トレイおよびX線センサを配向するために、外科手術ナビゲーションに使用されるタイプの磁気位置および配向センサおよび検出器を利用することができる。
【0100】
トレイおよびセンサのx、y、パンおよび傾斜位置決めは、システムのプラットフォーム部分に位置エミッタなしで達成することができる。
図12Aおよび
図13は、テーブルに埋め込まれた位置エミッタを有することの依存性を除去する位置計算の代替のシステムおよび方法を示す。代わりに、捕捉ステージおよびX線検出センサに対するX線エミッタの位置は、外部位置エミッタに基づいて計算することができる。上述したように、エミッタは、施術者が自由空間内でエミッタを移動させることを可能にするために純粋に手持ち式であり得る。あるいは、エミッタは、医師がエミッタを連続的に保持する必要なく、エミッタを物体に対して定位置に維持する支持構造で移動可能(または結合可能)であり得る。
【0101】
本実施形態によるX線放射デバイスの位置を決定する処理は以下の通りである。
【0102】
外部位置放射デバイス(複数可)は、固定位置に設置され、一連の赤外線エミッタを収容する。この放射デバイスは、立方体の物体1202の5つの側面から赤外線パターンを放射し、わずかに異なる起源から赤外線エネルギーが送出される。
【0103】
ステージは、赤外線パターンを検出し、ステージから各赤外線エミッタの3次元空間における中心までの相対位置を算出する。この位置は、[xsi、ysi、zsi]=[-xei、-yei、-zei]とみなされ、sはステージを表し、eは赤外線放射デバイスを表し、iは赤外線放射デバイスのインデックスを表す(複数の赤外線エミッタを利用する場合)。
【0104】
X線放射デバイスは、赤外線信号パターンを連続的に検出し、空間内の各赤外線エミッタの中心に対する放射デバイスの相対位置を決定する。この相対位置は、エミッタ毎に放射位置制御ユニットに中継される。この位置は、[xhi、yhi、zhi]=[-xei、-yei、-zei]と考えることができ、hはX線放射デバイスを表し、eは赤外線放射デバイスを表し、iは赤外線放射デバイスのインデックスを表す。
【0105】
放射位置制御ユニットは、X線放射デバイス([xhi、yhi、zhi])の相対位置を受け取る。これらの相対位置を用いて、X線照射デバイスのステージに対する相対位置を放射位置制御ユニットで算出すると(
図13)、[xhi-xsi、yhi-ysi、zhi-zsi]となる。この操作を各赤外線放射デバイス(i)について行い、これを用いて誤差のマージンを推定することができる。
【0106】
原出願で述べたように、ステージが他のデータと共に位置を適用した後、ステージはX線センサプレートを正しい位置に移動および回転させてX線画像を撮影する。
【0107】
図12Bは、エミッタ710が、本明細書で説明するように移動するように構成されたセンサ/検出器706にエネルギーを印加することができるが、横方向画像を可能にするために移動することもできる変形例を示す。図示の変形例では、センサ/検出器706は、患者104の側面図を捕捉するためにテーブル105の中心X軸の外側に移動する。しかしながら、センサ706の変形例は、テーブルが非平面であり、患者が位置決めされる平面の上方にセンサ706を受け入れるように構成される構成を含むことができる。
図12Bはまた、本明細書で説明するように複数の検出器706が使用される追加の概念を示す。そのような変形例では、センサ706は本明細書で説明するように移動されるが、最良の動作アライメントを有するセンサが信号を生成するために使用される。
【0108】
安全ロック手順
【0109】
エミッタからの放射を特定の目標距離に制限することが重要であるのと同様に、実際的および認証の両方の様々な理由で、エミッタが捕捉段階に適切に向けられたときにのみX線発生器を発射することが重要である。X線発生器がステージに向けられていない間に光子を放射することを防止することによって、システムの安全性が向上し、エミッタの性能が向上する。
図14は、デバイスがエミッタの安全ロックアウトを管理し、X線画像を取り込む処理を示す図であり、番号は
図14の番号に対応する。
【0110】
1.ユーザは、典型的にはトリガを押すことによって、放射デバイス110を介して信号を送ることによって捕捉処理を開始する。エミッタは、捕捉の要求、距離測定値(d1、d2、...)、およびエミッタの角度を含むデータパケット(D)をコントローラに送信する。
【0111】
2a.コントローラは、エミッタが安全な向きにあることを確認する。
【0112】
2b.コントローラが、エミッタが安全な有効な向きにないことを発見した場合、コントローラは、エミッタにエラーメッセージを送信する。これにより、エミッタが発火することが防止され、問題があることをユーザに知らせる。
【0113】
3.ステージは、エミッタの位置に従ってセンサを位置決めする。ステージは、鮮明な画像を捕捉するために正しい向きになるようにセンサを傾ける。配向は、可能な限り発光の相補角に近い。
【0114】
4.ステージはその後、位置が確立された後にコントローラに確認メッセージを送信する。
【0115】
5.コントローラは、開始メッセージをエミッタに転送する。次いで、エミッタは、任意の追加の安全または準備タスクを実行する。環境が安全に発射できるとエミッタが考えた場合、エミッタはX線を発射する。
【0116】
6a.エミッタは、要求された時間量の間、その段階でX線光子のパルスを発射する。
【0117】
6b.X線光子ストリームの放射中、エミッタは、位置および角度の更新を中央コントローラに常にストリーミングする。
【0118】
6c.コントローラは、これらの位置更新を記録し、それらをステージに中継する。
【0119】
6d.ステージは、X線画像を光学的に安定させるために、センサの位置および角度を迅速かつ絶えず更新する。
【0120】
7.センサは、エミッタからのX線光子の放射を捕捉し、画像を構築する。
【0121】
8.X線放射が完了すると、センサはデータを制御ユニットに中継する。
【0122】
9.次いで、制御ユニットは、様々な既知の光学強化技術を使用してセンサからの画像を清掃する。該当する場合、制御ユニットは、エミッタからの記憶された移動データを利用して出力をさらに向上させる。
【0123】
上記の処理により、エミッタは、他の任意のターゲットとは対照的に、放射がセンサおよびステージに向けられることを確実にすることができる。センサを放射ターゲットの下の定位置に移動させることにより、ユーザは、被写体を再配置する必要なく、被写体の正確な所望の部分の解像度のある柔軟な画像を作成することができる。
【0124】
図15は、デバイスが蛍光透視画像を取り込む処理を示す。蛍光透視画像を取り込む処理は、静的X線画像を取り込むことと非常に類似している。しかしながら、蛍光透視処理は、動画を作成するためにいくつかの発光および画像捕捉を繰り返す。
図15の番号に対応する番号を有する、安全な放射を保証すると共に蛍光透視画像を捕捉するための処理:
【0125】
1.ユーザは、通常はトリガを押すことによって、排出ハンドルを介してシグナリングすることによって取得処理を開始する。エミッタは、捕捉の要求、距離測定値(d1、d2、...)、およびエミッタの角度を含むデータパケット(D)をコントローラに送信する。
【0126】
2a.コントローラは、エミッタが安全な向きにあることを確認する。
【0127】
2b.コントローラが、エミッタが安全な有効な向きにないことを発見した場合、コントローラは、エミッタにエラーメッセージを送信する。これにより、エミッタが発火することが防止され、問題があることをユーザに通知する。
【0128】
3.ステージは、エミッタの位置に従ってセンサを位置決めする。ステージは、鮮明な画像を捕捉するために正しい向きになるようにセンサを傾ける。配向は、可能な限り発光の相補角に近い。
【0129】
4.ステージはその後、位置決め後にコントローラに確認メッセージを送信する。
【0130】
5.コントローラは、開始メッセージをエミッタに転送する。次いで、エミッタは、任意の追加の安全または準備タスクを実行する。
【0131】
蛍光透視モードでは、以下のように、エミッタデバイスが追加の蛍光透視フレームを要求し続ける間、エミッタは以下のステップを繰り返す。
【0132】
6a.エミッタは、要求された時間量の間、その段階でX線光子のパルスを発射する。
【0133】
6b.X線光子ストリームの放射中、エミッタは、位置および角度の更新を中央コントローラに常にストリーミングする。蛍光透視法処理中のいずれかの時点で、発光がステージに向けられていないことを動作ステージが検出した場合、ステージは終了信号を発光デバイスに送信し、直接ステップ9にスキップする。
【0134】
6c.コントローラは、これらの位置更新を記録し、それらをステージに中継する。
【0135】
6d.ステージは、センサの位置および角度を迅速かつ連続的に更新して、X線画像を光学的に安定させる。
【0136】
7.センサは、エミッタからのX線光子の放射を捕捉し、画像を構築する。
【0137】
8.センサは、画像を制御ユニットに直ちに転送する。このとき、簡単なクリーンアップ処理が実行され、外部の視聴機器に画像が表示される。この蛍光透視フレームはメモリに保存される。
【0138】
この処理を絶えず繰り返すことにより、外部ディスプレイ上に動画像が作成される。処理は、ユーザが放射デバイスのトリガを解除するまで繰り返される。
【0139】
9.ユーザが放射デバイスのトリガを解除すると、制御ユニットは、様々な既知の強化技術を使用してセンサから格納されたフレームを「クリーンアップ」する。該当する場合、制御ユニットはまた、出力をさらに向上させるために、エミッタからの任意の記憶された移動データを適用する。次に、制御ユニットは、繰り返し再生のために蛍光透視フレームを単一のビデオに結合する。
【0140】
上記の処理は、ユーザがリアルタイムで対象のライブ透視図を見ることを可能にする。捕捉が完了した後に画像を保存して再処理することにより、デバイスは、後で表示およびレビューするための高品質の単一の蛍光透視ビデオを作成することができる。
【0141】
自己調整コリメータ
【0142】
上述したように、本開示のシステムは、放射装置を物体に対する位置に移動させ、少なくとも1つの位置追跡要素に対する放射装置の位置を決定することを可能にし、少なくとも1つの位置追跡要素は、放射装置と物体との間の距離を測定し、距離が所定の距離未満になるまで放射エネルギーを防止する。本明細書に記載のシステムの変形例は、センサの作業面上への放射のプロファイルまたは境界を最適化する自動調整コリメータを使用することができる。本明細書に記載の他の変形例と同様に、これらのシステムは、撮像センサを放射装置と動作可能に位置合わせするように調整するモータシステムに放射装置の位置を中継することができ、放射装置の位置を中継することは、放射装置を使用して、放射装置の配向データを提供し、複数の追跡要素のそれぞれからの距離を決定することを含む。しかしながら、自動調整コリメータの使用は、撮像センサ上の発光プロファイルの自動最大化を可能にする。
【0143】
調整可能なコリメータの利点を説明するために、
図20は、内部に配置された撮像センサ(図示せず)を有するテーブル114に向けられたX線エミッタ110の図を示す。撮像センサの作業領域116の周囲は、X線放射への曝露時に画像を生成する領域を示すために示されている。図示のように、X線エミッタ110からのX線放射120のプロファイルは、撮像センサの作業領域116の周囲を超えて延在し、X線エミッタをセンサと動作可能に位置合わせしないようにする。そのような場合、本明細書に記載のシステムは、X線エミッタ110の発射または初期化を可能にしない。
図20の図は、システムが動作時に位置合わせされていない概念を示すことを意図している。本明細書で述べるように、撮像センサをモータシステムに結合して、センサを発光プロファイル120と整列するように移動させることができる。あるいは、テーブル(または動作表面)114は、非移動センサまたはセンサの作業領域116に対するエミッタ110の位置および距離の決定を可能にする複数の位置追跡要素(
図20には図示せず)を含むことができる。
【0144】
図21Aは、エミッタがセンサ116と動作可能に位置合わせされていないように、放射プロファイル120がセンサ116を越えて延びる状況を表す。例示の目的のために、
図21Aおよび
図21Bに示すセンサ116は静止しており、追跡要素118は、システムがセンサ116に対するエミッタ(図示せず)の相対的な位置、向き、および距離を決定することを可能にする。また、放射プロファイル120は、エミッタによって提供される放射の境界の表現として示されている。例示の目的のために、図示のプロファイル120は、エミッタの軸がセンサ116に対して垂直である場合に生じるプロファイルである。
【0145】
本明細書で述べるように、
図21Aに示す状態を考慮してシステムが動作アライメントを確立できない場合、オペレータはエミッタの位置を調整するように促される。いくつかの変形例では、システムは、非整列の可聴または視覚インジケータなどのフィードバックを提供することができる。
図21Bは、放射プロファイル120がセンサ116の境界内に入るようにエミッタを再配置した後の状況を示す。しかしながら、図示のように、この放射プロファイル120は、センサ116の寸法に対して最大化されない。センサに対して放射プロファイル120を最大化することができないと、オペレータは、より小さなプロファイルに調整するために対象の追加の放射線画像を撮影する必要があり得る。
【0146】
図22Aは、調整可能なコリメータの効果を示す図である。ここでも、説明のために、示されている放射プロファイルは、センサに垂直なエミッタによる照明を表す。
図22Aは、プロファイル120によって境界付けられた発光領域の一部がセンサ116の外側にあると仮定すると、通常は撮像センサ116との動作上の整列から外れていると考えられる未調整の発光プロファイル120を示す。しかしながら、本明細書に記載のシステムの変形例は、エミッタの向きおよびエミッタとセンサ116との間の距離などの位置情報を決定するために、位置追跡素子118ならびにエミッタに取り付けられた構成要素(上述のような)に依存する。システムは、位置情報を使用してエミッタ上のコリメータを調整し、エミッタによる放射を回転および/またはスケーリングして、調整された放射プロファイル122を生成する。図示のように、この変形例では、調整された排出プロファイル122はサイズが縮小され(矢印126で示す)、また回転されて(矢印124で示す)、排出プロファイル120を、撮像センサへの曝露を最大にする調整された排出プロファイル122にスケーリングする。調整された放射プロファイルは、必要に応じてスケーリングまたは回転することができることに留意されたい。さらに、システムの変動は、センサ118に対するエミッタのリアルタイム移動中に調整されたプロファイルを生成する。
【0147】
図22Bは、調整されていない排出プロファイル120を調整された排出プロファイル122と共に示しており、どちらの場合も、排出経路の軸がセンサ116に対して垂直または垂直ではないため、プロファイルは等脚台形に似ている。しかしながら、この変形例では、システムは、位置情報を使用して、画像センサ116上の露光領域を最大化する調整プロファイル122を生成する。
【0148】
本明細書に開示される変形例は、(本明細書に記載されるように)放射ユニット内の追跡要素118ならびにセンサに依存する。調整された放射プロファイルを生成するシステムの変形はまた、放射装置と撮像センサとの間の相対運動を決定するために、外部カメラ、センサ、または機械的支持体から導出される位置データと共に使用することができる。
【0149】
図23は、放射装置(
図23には図示せず)内でまたは放射装置と共に使用することができる調整可能なコリメータ130の変形例を示す。図示のように、調整可能なコリメータ130は、(
図20~
図22Bで説明したように)撮像センサ上に調整された発光プロファイルを生成するために、開口または発光窓132を回転および/またはスケーリングすることができる。調整可能なコリメータ130のこの変形例は、開口132の向きを調整するために移動および回転することができるいくつかのブレードまたはリーフ134を使用する。ブレード134は、エネルギーが開口または放射窓132を通過するように制限されるように、放射されたエネルギーの通過を防止する。
【0150】
ブレードの移動および回転は、任意の数のモータまたはドライブによって駆動することができる。図示の変形例では、調整可能なコリメータ130は、近位旋回軸受152に結合された第1の駆動装置138と、遠位旋回軸受に結合された第2の駆動装置136とを有するモータアセンブリを含む。駆動装置136および138は、ブレード134の回転ならびに絞り132のサイズを調整する。例えば、モータ136および138の反対方向への回転は、旋回軸受の反対方向への回転を引き起こし、ブレード134の動きを生じさせて開口132の開閉を引き起こす。図示の例では、第1の駆動装置138が時計回り方向に移動し、第2の駆動装置136が反時計回り方向に移動する場合、ブレード134は互いに向かって移動し、絞り132のサイズを減少させる。同様に、第1の駆動装置138が反時計回り方向に移動し、第2の駆動装置136が時計回り方向に移動する場合、ブレード134は互いから離れるように移動し、絞り132のサイズを増大させる。駆動装置138および136が同じ方向に移動する場合、これは近位および遠位旋回軸受150および152を同じ方向に回転させ、ブレードを回転させ、絞り134を回転させる。
【0151】
調整可能なコリメータ130は、ブレード134のすべてが移動して開口のサイズを調整するので、ほぼ正方形の形状を有する開口132を維持する。デバイスのさらなる変形例は、ブレードの角度方向も制御するための任意の数の追加のモータまたはアクチュエータを含むことができる。このような場合、開口134は、正方形の輪郭に限定されず、等脚台形状をとることができる。そのような特徴は、撮像センサへの放射エネルギーの軸の向きにかかわらず、正方形の放射プロファイル(
図22Aに示すものなど)を維持するのを助けることができる。
【0152】
図23に示す調整可能なコリメータ230の変形例はまた、モータ136、138によって駆動されるギア144の動きをブレードの回転および動きに変換する駆動機構(例えば、軸受、プーリ144、ベルト146などである)を収容するシャーシまたはハウジング140を含む。さらに、調整可能なコリメータ230は、システムが絞りのサイズおよび回転方向に関する情報を維持することを可能にする任意の数の位置決め追跡システムを含む。例えば、任意の従来の光源、センサ、マスク、および光センサ(例えば、フォトダイオード)を使用することができる光学エンコーダシステムの一部として、第1の可動ディスク(またはエンコーダホイール)142が示されている。
【0153】
図24Aは、ブレード134によって形成された開口132を回転およびスケーリングするために使用される機構の変形例を示すための調整可能なコリメータ130の一例の分解図を示す。図示のように、モータ136および138に結合されたプーリ144は、カム/ピンアセンブリ148に結合されたベルト146を回転させる。ブレード134はカム/ピンアセンブリ148内に収容されているが、説明のために、カム/ピンアセンブリ148はブレードなしで示されている。アセンブリ148は、ベルトシステム146を介してそれぞれのモータ136および138にそれぞれ結合されたカムホイール150および近位旋回軸受152を備える。ブレード134は、旋回軸受150および152のアセンブリ148内の1つまたは複数のピン154に結合され、旋回軸受150および152の回転が上述のように絞り132のスケーリングを引き起こす。このスケーリングは、ブレード142がより近くまたはより遠くに移動することによって引き起こされる。開口132の回転は、旋回軸受150および152の同じ方向への回転によって引き起こされる。
【0154】
図24Bは、調整可能なコリメータ130の構成要素のいくつかの正面図を示す(例示のためにいくつかの構成要素が除去されている)。図示のように、絞り134は、ブレード134によって囲まれた領域によって画定される。各ブレードは、一端でピン154に結合される。ブレード134の反対側の端部は、スロット156内にベアリング158を含む。モータ138の作動は、ブレード134がピン154の周りを枢動する間にスロット156内のベアリング158の移動を引き起こし、これにより、ブレードが絞り132で(回転方向に応じて)互いに近づくか、またはより遠くに移動して、絞り132のスケーリングを生成する。絞り132の回転は、モータ136がカムホイール150(
図24Aに示す)を回転させるときに生じる。上述したように、開口132の回転は、旋回軸受150および152の同じ方向への回転を必要とする。
【0155】
図24Cは、調整可能なコリメータ130の構成要素のいくつかの背面図を示す(例示のためにいくつかの構成要素が除去されている)。図示のように、コリメータ130は、ブレード134の動きを追跡するために任意の従来の光源、センサ、マスク、および光センサ(例えば、フォトダイオード)を使用することができる光学エンコーダシステムの一部として示されている第2の可動ディスク(またはエンコーダホイール)160を含む。
【0156】
図25Aおよび
図25Bは、上述のような調整可能なコリメータ130を有するエミッタ164の例を示す。図示のように、調整可能なコリメータは、システムの位置追跡要素からのエミッタの距離および向きに関する情報に基づいて、絞り132を回転およびスケーリングすることができる。絞り132のスケーリングおよび回転は、自動であってもよく、または要求に応じて行われてもよい。
図25Aおよび
図25Bは、ケーブル配線166を有するエミッタの変形例を示す。他の変形例では、エミッタおよび調整可能なコリメータは、本明細書に記載のように完全に可搬型のエミッタで使用することができる。
【0157】
図24Cの光学エンコーダ160は、患者の安全を確保するためのリーフまたはブレードの位置決めを保証する。エンコーダ160はまた、故障状態を生成する可能性がある任意の数の状態を判定するのを支援することができ、例えば、エンコーダは、以下を含むがこれらに限定されない状態を検出することができる:歯車の歯をスキップする駆動ベルト、駆動ベルトの破損または張力の喪失、モータの誤動作、破損したリングギア、破損したリーフピンなど。そのような故障状態の検出は、放射源がトリガされて患者またはオペレータが過剰な放射線にさらされるのを回避するのを防ぐことができる。
【0158】
図26A~
図26Jは、本明細書で説明するコリメータの検証方法の一例を示す。ローリングコリメータは、デバイスの機械的動作および位置合わせを検証するために実行される2つの処理を有する。X線管からの電離放射線の放射のために、デバイスの機械的機能が使用前に検証され、オペレータを追加の放射線にさらす前に物理的損傷を発見することが不可欠である。デバイスの自由に移動可能な非接続設計は、コリメータにさらなる課題をもたらし、X線検出器の任意の位置合わせに対して車輪の位置を割り出す。コリメータは、ホーミング処理を実行して、デバイスの最小/最大開口位置および0°位置を決定する。ホーミング処理は、コリメータ開口制御に必要なゼロ配向基準を確立する。リーフ検出処理は、開口サイジングの全範囲を検証することによってデバイスの物理的動作を検証する。
【0159】
図26Aは、コリメータデバイスのリーフのランダムな位置を示す。この位置は、前の操作、前の手順、または任意の他のシナリオ後のデバイスの向きであり得る。デバイスは、ホーミング処理の後まで開口または向きの知識を持たない。デバイスは、(1)(2)(3)リーフの位置を監視するための光学センサと、(4)(5)遠位スルーリング(12)を駆動するためのモータと、一対のベルト(10)(11)によって接続された近位スルーリング(13)とからなる。4つのコリメーションリーフ(6)(7)(8)(9)は、対でスルーリングに接続される。
【0160】
光学センサ(1)(2)(3)は、センサの直前でリーフ材の有無を検知することで動作する。センサの前に材料がない場合、センサは開いているとみなされる。物質の存在が検出された場合、それは閉じていると考えられる。
【0161】
ホーミング手順:
【0162】
ステップ1:開位置-ホーミング手順は、デバイスの電源がオンになったとき、デバイスがアイドル状態になったとき、またはデバイスがドリフトを検出したときに実行される。デバイスは、デバイスが連結によって遠位リング内の動きを検出するまで近位リングを回転させることによって開始する。
図26Bは、ホームキー溝(14)の視認性によって示される、このシナリオの非確定位置を示す。この位置合わせは、キー溝がセンサの真正面にあるときに光学センサ1が開放状態を検出することを可能にする。これは、コリメータの全開位置である。
【0163】
ステップ2:0度位置、最大開口-
図26Cは、0度、最大開口位置を示す。全開位置が決定されると、デバイスは近位および遠位リングを同時に回転させ、リーフアセンブリを回転させる。システムは、センサレジスタが開く(15)まで光学センサ1の状態を監視する。この開放信号は、キーウェイが全開位置でセンサの位置に回転したことを示す。次いで、システムはこれを全開0度位置として記録した。
【0164】
ステップ3:0度位置、最小開口-次いで、デバイスは、近位スルーリング内の動きを検出するような時間まで遠位スルーリングを回転させる。この移動が検出されると、システムは、
図26Dに示すように、0度の最小開口位置を記録する。
【0165】
これらの位置は、その後、現在の動作セッションに対して登録される。モータ位置が記録されると、デバイスは、任意の他の必要な位置へのモータおよびスルーリングの相対運動を計算することができる。
【0166】
損傷検出手順:
【0167】
上述したように、完全に動作可能で損傷のないコリメータは、コリメーションシステムの安全性および性能にとって不可欠である。さらに、任意の放射がデバイスを通って放射される前に、任意の損傷またはドリフトを検出することが重要である。性能を保証するために、デバイスは、各リーフの位置決め状態を連続的にチェックする。
【0168】
最低でも、各リーフの単一のチェックが必要である。しかしながら、この処理の安全性のために、例示的なデバイスは3位置チェックを使用する。光センサアレイ(1)(2)(3)は、個々のリーフ性能を検証するために使用されるが、処理を実行するために任意の数のセンサを使用することができる。検査の順序は様々であり得る。最初のリーフ(16)について三段階処理が完了すると、処理は、リーフ2(17)、リーフ3(18)、およびリーフ4(19)を検証するために進む。この処理は、任意の数のリーフに適用可能である。
【0169】
ステップ1:最大絞り検証-ホーミング処理が完了した後しばらくすると、デバイスは、必要に応じて近位リングと遠位リングの両方を移動させて完全に開いた絞りを形成することにより、リーフアセンブリを光学センサ1の閉位置(20)
図26Eにロールする。次いで、デバイスは、
図26Fの絞りを縮小するためにリングを移動させることによって、光学センサ1の開位置に直ちに移動する。デバイスの計算された動きが光学センサ1の物理的フィードバックと一致する場合(21)、デバイスは、リーフ1の最大開口位置を検証している(16)。
【0170】
ステップ2:開口中央値検証-ホーミング処理が完了した後しばらくすると、デバイスは、必要に応じて近位リングと遠位リングの両方を移動させて開口中央値を作成することにより、リーフアセンブリを光学センサ2の閉位置(22)
図26Gにロールする。次いで、デバイスは、
図26Hの絞りを縮小するためにリングを移動させることによって、光学センサ2の開位置に直ちに移動する。デバイスの計算された動きが光学センサ2の物理的フィードバックと一致する場合(23)、デバイスは、リーフ1の最大開口位置を検証している(16)。
【0171】
ステップ3:最小開口検証-ホーミング処理が完了した後しばらくすると、デバイスは、必要に応じて近位リングと遠位リングの両方を移動させて最小開口を形成することにより、リーフアセンブリを光学センサ3の閉位置(24)
図26Iにロールする。次いで、デバイスは、
図26Jの絞りを縮小するためにリングを移動させることによって光学センサ3の開位置に直ちに移動する。デバイスの計算された動きが光学センサ3の物理的フィードバックと一致する場合(25)、デバイスは、リーフ1の最大開口位置を検証している(16)。
【0172】
リーフ1についてステップ3が完了すると、デバイスは各リーフについて手順を繰り返し、各リーフが期待される位置にあることを保証する。
【0173】
図27および
図28A~
図28Bは、本明細書に記載のセンサ構成を有する放射線システムがX線または蛍光透視撮影の品質を改善することができる別の態様を示す。
【0174】
X線または蛍光透視撮影の質は、被検体のいくつかの物理的属性に関連する。これらの要素は、放射線源/エミッタの放射特性を制御する一連の技術的要因(例えば、電力、電流、時間などである)を決定する。放射線画像を見る個人が、過剰な放射線に被検体をさらすことなく必要な視覚要素を識別できるような組み合わせでこれらの要因を設定することは、デバイスオペレータの責任である。
【0175】
これらの技術的要因の設定は複雑であり得る。オペレータがこれらの技術を手動で設定する負担を軽減するために、既存の蛍光透視デバイスは自動処理を実装している。典型的な手法は、放射線が露光に加えられるにつれて徐々に充填するプレート上のソフトウェアまたはハードウェア線量検出器を使用する。この従来の手法にはいくつかの問題がある。
【0176】
従来の手法の1つの主要な問題は動きである。放射線は長期間にわたって被検体を露出させるので、被検体、オペレータ、機械、被検体内の血管系などのいずれかにおける任意の動きは、画像を著しく劣化させる運動アーチファクトを生成する。
【0177】
別の問題は、曝露前に浸透要件が知られていないことである。したがって、線源が所与の電力レベル(kV)で放射線を放射するとき、画像をレンダリングするのに十分な浸透がないことが多い。画像をレンダリングするこの失敗は、有用な放射線画像を生成することなく、患者、オペレータ、およびスタッフを放射線にさらす。そのような場合、これらの個体は、いかなる臨床目的にも役立たない過剰な放射線にさらされる。
【0178】
本明細書に記載のシステムを含むがこれに限定されない蛍光透視デバイス空間の革新は、曝露計算に必要な物理的要素の数を直接測定することができる複雑なセンサアレイを有する新世代の機械を生み出す。
【0179】
デバイスおよび被験者の全範囲にわたってこれらのセンサ、ならびに堅牢な機械学習技術を利用することにより、すべて線量を低減しながら、露光前に必要な技術を計算し、モーションアーチファクトを排除し、顕著な捕捉を作成することが可能である。
【0180】
以下の説明は、本発明の理解を提供するために、本発明の例示的な詳細を提供する。これらの詳細を使用することなく、本発明を実施するために小さな工学的調整を使用することができる。本発明は、外科的目的のためのX線撮像に使用するために記載されているが、それだけに限らないが、一般的な医療撮像、獣医学、および骨密度測定を含む他の医療用途に使用することができる。それは、産業用撮像、金属疲労検査、溶接検査、セキュリティ検査などの非医療用途に使用することができる。
【0181】
図27は、自動X線露光処理のための従来の方法の一例の図を示す。医師またはオペレータは、X線の撮影を要求することによって露光を開始する(ステップ1)。次いで、X線デバイスは、検出器を評価し(ステップ2)、撮像センサプレート上で受けた放射線の量を追跡する。X線機の内部測定により、このエネルギーが画像を生成するのに十分な露光量であるかどうかが判定される(ステップ3)。デバイスは、適切な量の放射線が収集されたと判定した場合(ステップ4a)、露光が完了したとみなし、X線を表示する。ユーザがX線をキャンセルするか、または線量が長時間蓄積している場合、機械は露光をキャンセルする(ステップ4b)。そうでなければ(ステップ4c)、デバイスは放射線を放射し続け、画像が作成されるか、タイムアウトするか、またはユーザが露光をキャンセルするまで評価ステップに戻る。
【0182】
従来の処理にはいくつかの欠点がある。最大の2つは、画像が現れる保証なしに露光が開始されること、および露光を評価するのにかかる時間が最終画像に動きアーチファクトを導入し、使用できないX線を生成することである。いずれの場合も、患者、オペレータ、およびスタッフは不要な放射線にさらされ、これは安全上の大きな危険である。
【0183】
図28Aおよび
図28Bは、
図27に記載された従来の方法論に対する改善された手法を示す。改善されたアプローチは、オペレータ、スタッフ、および患者を不要なまたは過剰な放射線にさらすことなく、確実で効果的な放射線画像を作成するための最適な技術的要因を決定することができる。包括的なセンサアレイおよび機械学習技術の企業規模の適用を有する放射線撮像デバイスを利用することにより、システム20は、任意の放射線が放射される前に技術を計算および改良することができる。これにより、オペレータはデバイスを正確に位置合わせし、機械が解剖学的構造を撮像できるかどうかを理解することができる。
【0184】
図28Bは、
図28Aの撮像処理で使用するために統計データをどのようにコンパイルすることができるかの例を示す。実際には、いくつかの統計モデルが中央サーバ(
図28Bに示す)からシステム20に送信される。コンピュータビジョン分類器(1a)および推定器更新(1b)と称されるこれらのモデルは、機械にローカルに記憶され、オペレータが曝露を要求する前に使用する準備が整う。
【0185】
図28Aを参照すると、処理は、オペレータが捕捉を開始すること(2)から開始することができる。次いで、オペレータは、デバイスの位置決めシステムを使用してエミッタと解剖学的構造を位置合わせし(3)、安全性チェックを完了し、次いで自動技法検出を実行する(上述のように)。X線システムの正確なトポグラフィに応じて、CPTコード情報(4a)および/または生体情報(4b)は、オペレータによって入力されてもよく、または自動手段によって別のシステムから抽出されてもよい。
【0186】
システムがX線または蛍光透視撮影のためのエネルギーを放射する準備をすると、2つの同時測定収集、すなわち、オンデバイスセンサ収集(5a)およびコンピュータビジョン分類(5b)が行われる。
【0187】
センサ収集部は、限定はしないが、X線源-皮膚間距離(SSD:source-to-skin distance)、X線源-検出器間距離(SDD:source to detector distance)、入射角、周囲、X線管およびデバイス温度などを含む多数の入力パラメータを収集するためにデバイス上のアレイを使用する。これらのパラメータはすべて推論実行関数に供給される(6)。
【0188】
コンピュータビジョン分類器は、デバイス上の撮像カメラを利用して対象の解剖学的構造の写真を捕捉する。これらの画像は、取り込まれた画像と、中央サーバによって提供されるデバイスにローカルに記憶されたCV分類器データとを使用して、CV解析機能に渡される。これらの処理は、捕捉の対象に関する判定を行い、その推奨を推論実行エンジンに渡す。
【0189】
デバイスの様々なサブシステムから入力が収集されると、それらの値は、中央サーバによって提供される推定器更新と共に、デバイスの推論実行エンジンに対して実行される(6a)。その関数ファミリーの出力は、決定されたX線技術:時間、kVおよびビーム電流である(7)。
【0190】
デバイス出力が計算値に設定され、所与の設定に対して放射線が放射され(8)、画像が取り込まれ処理され(9)、画像がユーザに表示される(10)。
【0191】
X線がオペレータに表示されるとすぐに、システムは、相互作用監視システムにおけるオペレータ相互作用の監視を直ちに開始する(11)。このシステムは、オペレータが画像と有するすべての相互作用を記録し、輝度、鮮明度、コントラスト、位置、ズーム、回転などの変化を含む。オペレータがX線または蛍光透視撮影の検査に費やす時間も記録される。
【0192】
ステップ12a~12dにおいて、システムは、捕捉データを中央処理システムに提出する。提出されたデータは、捕捉の4つの主要な構成要素を含む:(12a)SSD、温度などの直接測定情報。(12b)輝度の変化または捕捉の検査に費やされた時間などの相互作用ヒューリスティック。(12c)生体情報、任意の関連するCPTコード、ならびにコンピュータビジョン捕捉および結果として得られる分類出力などの外科的詳細を含む。(12d)検出器自体からの生の取り込みデータ、ならびに機械の詳細、ソフトウェアバージョンなどの関連情報を取り込むことを含む。
【0193】
この捕捉情報は、将来の処理のためにそれぞれのデータベース13aおよび13bの中央処理システムに格納される。
【0194】
予定された時間に、中央処理システムは、高度な回帰分析を使用して推定器ラベル(14)を訓練する。センサデータと、普遍的に捕捉されたX線の大部分にわたる捕捉データと手術データとの間の統計的関係、ならびに以前の推定器生成(14a)の結果を調べることによって、システムはデータをより正確なラベルに適合させることができる。訓練ステップの出力は、新しい推定器(17)である。
【0195】
ラベル訓練ステップ(14)と同様に、X線および蛍光透視撮影データ、手術詳細データおよび分類器データは、分類器改良処理(15)を使用して訓練される。この処理は、より正確な分類器(16)を作成するために、膨大な数の入力X線からの大きな捕捉断面を使用する。
【0196】
現場のX線装置のトポグラフィに応じて、中央処理システムは、新しい推定器(18)および分類器(19)を可能な限り早くデバイスに送信する。次いで、これらの更新をデバイスローカルストレージ(1a)および(1b)にロードし、新しいアルゴリズムを適用して精度をさらに向上させ、自動露出の線量を低減する。
【0197】
図29は、電磁追跡センサ252などの見通し外追跡要素を使用するX線システムの追加の変形例を示す。
図29の例は4つのセンサ252を示しているが、必要に応じて任意の数のセンサ252を使用することができる。システムは単一のセンサ252で動作することができるが、冗長性のために追加のセンサを使用することができる。動作中、電磁センサ252は、電磁界を生成して、X線センサ254の周囲の周りの画定された領域(例えば、手術台スペース250)内に追跡空間を作成する。エミッタ110は、センサ252によって生成された磁場と誘導結合する1つまたは複数のレシーバを含む。センサ252はエミッタ110の見通し外追跡を可能にするので、センサ252は作業空間250内に配置することができる。あるいは、センサ252を見ることができ、あるいはそれらの位置を作業空間250の上または周囲にマークすることができる。見通し外追跡の能力は、全身撮像用途を可能にする。さらに、見通し外追跡は、X線センサ254を収容する構造体のサイズを縮小することを可能にする。上述した追跡エミッタの代わりに、またはそれに加えて、任意の数の電磁追跡フィールドエミッタおよびセンサを使用することができる。
【0198】
電磁センサおよびその動作は、米国特許第4,054,881号明細書、第6,762,600号明細書、第6,624,626号明細書、第6,400,139号明細書、第6,377,041号明細書、および第6,369,564号明細書に記載されており、その各々の全体が参照により組み込まれる。そのような電磁追跡システムは、Polhemus(米国バーモント州)およびNDI(オンタリオ州、カナダ)から入手可能である。
【0199】
電磁追跡システム(EMシステム)は、一般的な金属物体または誘導モータからの干渉に対して非常に敏感であり得る。したがって、EMシステムを使用するX線システムの変形例は、1つまたは複数の慣性測定ユニット(IMU)をさらに含む。使用中、EM追跡を伴うX線システムは、較正された状態で開始する。この較正は、以前の使用から維持されるか、または工場から直接較正される。X線システムが使用されているとき、X線検出器に対するX線エミッタの追跡は、EMセンサと任意のIMUの両方によって達成される。典型的には、1つまたは複数のIMUがX線エミッタに配置され、(任意選択的に)IMUがX線検出器に配置される。IMUによって供給されるEM追跡および差分測位データは、一般に整列する。いずれかの時点で両方のデータセットが整列していない場合、システムはEMシステム内の過渡干渉を推測し、エラー状態をシグナリングすることができる。このエラー状態の間、システムはIMUデータを使用して干渉を平滑化し、最も可能性の高い測位状態を生成することができる。通常、この推論は、EMデータを平滑化し、システム機能を維持するのに十分である。一時的な干渉が収まるにつれて、IMUデータおよびEMセンサデータは整列に戻る。
【0200】
さらなる変形例では、EM追跡を伴うX線システムは、較正を能動的かつ連続的に更新するためにX線放射を使用することができる。そのような場合、エミッタからのX線放射のコリメーション/ビーム角は、放射がコンピュータ処理によって放射されたときのX線エミッタの真の位置の識別を可能にする。次いで、システムは、放射から計算された真の位置を使用して、EM位置決めシステムへのオフセットが必要かどうかを判定することができる。
【0201】
図30は、可搬型X線エミッタ110を使用する、本明細書に記載の撮像システムの別の変形例を示す。X線エミッタ110は、自立型とすることができ、または最大6自由度を可能にするブーム型構造に取り付けることができる。上述したように、X線エミッタ110は、エミッタ110からのX線放射を受け取り、X線画像を生成する撮像センサ262の周囲に配置された任意の数の位置追跡要素264を使用する位置決めシステムで構成される。撮像センサ262は、撮像される物体の位置決めのための作業領域を含むハウジング260内に配置することができる。あるいは、センサ262は、上述のようにテーブル構造または他の構造に配置することができる。
【0202】
位置追跡要素264は、画像センサ262およびエミッタ110の相対位置を決定するように構成されたX線位置決め制御システム266と通信する。X線位置決めシステム266は、本明細書に記載の位置決めシステムを含むがこれに限定されない様々な位置決めシステムのいずれかとすることができ、視線エミッタ、非視線センサ、またはそれらの組み合わせを使用することができる。
【0203】
図30に示すシステムはまた、エミッタ110を、エミッタウィンドウ280に隣接する1つまたは複数のカメラ282を有するものとして示している。システムの変形例は、エミッタウィンドウ280の周りに配置された二重立体カメラ282、284を有するエミッタ110を含むことができる。あるいは、単一のカメラ282または284を使用することができる。図示のように、エミッタ110は、追加の位置決め、撮像、および深度検知機能のためのライダセンサ286、ならびに本明細書に開示される任意の追加のセンサを任意選択的に含むことができる。
【0204】
カメラ282および/または284は、カメラ信号を使用してエミッタ110からの視野の画像を生成する処理ユニット268に信号を送信する。処理ユニット268はまた、位置決めシステムコントローラ266からの位置決めデータを使用して、撮像センサ262の第1の仮想表現を生成するように構成され、後述するように、エミッタ110からの視野の画像上にこの画像をオーバーレイする。撮像センサ262の画像および第1の仮想表現は、1つまたは複数の表示ユニット270上で見ることができる。一変形例では、表示ユニット270は、エミッタ110の一部にスクリーンを備える。あるいは、または組み合わせて、表示ユニットは検査領域内のモニタとすることができる。また、処理ユニット268は、仮想化画像をブロードキャスト可能とすることで、仮想化画像を遠隔から閲覧可能とすることができる。さらなる変形例では、X線位置決めシステム266は、処理ユニット268と組み合わせることができる。
【0205】
図31Aおよび
図31Bは、画像検知ハウジング260の画像センサ262に隣接する個々の患者104のX線画像を捕捉しようとする試みの初期段階を示し、個々の患者104は、ハウジング260および/または画像センサプロファイル262の大部分を隠す。示されている図は、同じ原理が適用される説明目的のためであり、得られた画像が本体部分(例えば、脚、肩、胴体などである)であった場合、本体部分は画像センサ262を覆い隠し、X線のオペレータは、ハウジング260上の本体/本体部分の画像センサ輪郭262との位置合わせを視覚的に確認することができない。
図31Bは、X線放射290の投影が個体104上の放射投影領域292を生成する場所を示す。しかしながら、いくつかの変形例では、X線システムは、オペレータがエミッタ110によって生成された光照射野を使用して投影領域292の輪郭を決定することを可能にする。これにより、オペレータは、X線放射を発生させることなくX線放射の面積を視覚化することができる。
【0206】
図31Bに示すように、X線検出器ハウジング260/センサ262が患者の胴体104によって覆い隠されているため、オペレータは、Xエミッタ110を不注意に誤って配置し、それにより、放射投影領域292/光照射野が、知らないうちに、画像センサ262と位置ずれする可能性がある。この位置ずれは、投影領域292の視野が損なわれたX線画像をもたらす。エミッタウィンドウ280に隣接してカメラ282を配置することにより、カメラはエミッタウィンドウ280と同様の視野を得ることができる。システムの変形例では、カメラ282は、画像安定化またはアクチュエータを使用して、カメラ画像が常に画像センサに対して垂直に表示されるように、カメラ画像の視点をシフトすることができる。
【0207】
図32は、ディスプレイ270上の撮像センサ262の境界の第1の仮想表現274の表示を表す。図示のように、画像272は、X線ユーザが、撮像センサ262と位置合わせされた個体104の領域を観察することを可能にする。画像272は、エミッタからX線エネルギーを放射する前にユーザが設定を作動させたときの静止捕捉画像、リアルタイムビデオ、またはビデオセグメントとすることができる。図示のように、カメラ282の視点は、画像272の視点が最終的なX線画像に対応するように、放射窓280の視点に一致するか、または十分に近くなる。
図32に示すシステムはまた、エミッタからのX線放射を放射する前に、患者104上の(
図31Bに示すような)光照射野、ならびにモニタ270上の光照射野/X線投影領域の仮想表現を任意選択的に示すことができる。
【0208】
図33Aおよび
図33Bは、撮像センサの境界の虚像274でオーバーレイされた画像272の追加の例を示す。
図33Aおよび
図33Bはまた、エミッタから放射され、個人および画像センサに入射するX線放射の領域を表す第2の虚像276を示す。システムがエミッタからの光照射野投影を使用する場合、第2の虚像276は患者への光照射野投影に対応することができる。このようにして、オペレータは、虚像274および276の両方を使用して、X線画像の意図された物体が重複領域内にあることを確実にすることができる。
図33Aは、エミッタ(
図33Aには図示せず)が物体および画像センサに対して垂直方向にある状態を示す。
図33Bは、エミッタ上のカメラの移動または画像のデジタル処理のいずれかによって、カメラ画像272が患者および画像センサに正常に見えるように斜視図でシフトされるシステムの変形例を示す。しかしながら、
図33Bは、X線放射領域を表す第2の虚像276のスキューによる投影されたX線投影領域のスキューを示す。この特徴により、ユーザは、モニタ270を見たときにエミッタが物体に対して法線方向に配置されていないことを認識することができる。
【0209】
図34Aは、上述したように、電磁追跡センサ252などの見通し外追跡要素と見通し内要素264の両方を使用するX線システムの別の変形例を示す。ここでも、本明細書に開示されるシステムの任意の変形例は、非視線追跡要素、視線追跡要素、または要素の組み合わせのいずれかを含むことができる。
図34Aはまた、ユニットのハードウェアおよび放射装置を運ぶ本体111とは反対側のユニット110の端部にスクリーン270を有するX線エミッタ110を示す。そのような例では、エミッタウィンドウは、290で示すように、放射またはカメラの視野290が本体111から離れるように向けられるように、本体111の底面に配置される。エミッタ110は、本明細書で説明するように動作し、必要に応じて任意の数のセンサ252および/または264を使用することができる。動作中、センサ252および/または264は、システム266が画像センサ254に対するエミッタ110の相対位置を決定することを可能にする。上述したように、エミッタ110は、信号を処理ユニット268に送信する1つまたは複数のカメラ(34Aには図示せず)を含み、処理ユニットは、モニタ270を介してまたは別個のモニタ上でエミッタ110に表示することができるカメラ信号を使用して、エミッタ110からの視野の画像を生成する。
図34Aに示すエミッタ110の変形例では、エミッタは、必要なX線画像に応じて異なる構成でユーザがエミッタを把持することを可能にする第1のトリガ113および第2のトリガ115を含む。さらに、エミッタ110は、X線放射がエミッタ110を出る場所を示す物理的視覚インジケータを提供するために、任意の数の機構(例えば、側面輪郭、グラフィックなどである)を含むことができる。
【0210】
図34Bおよび
図34Cは、
図34Aに示すエミッタ110を示し、エミッタ110のグリップ部分119は、本体111とモニタ270との間に配置されている。この構成は、2つの異なる構成でのエミッタ110の動作を可能にする。
図34Bは、放射およびカメラの視野290が底方向に出るように、エミッタ110が物体/患者の上に保持される構成を示す。このような場合、オペレータは、制御スイッチ306を使用しながら、画像センサの虚像274だけでなく画像272もモニタ270上で見ることができる。第1の作動トリガ(
図34Aに示す)は、グリップ部分119を把持する同じ手によってアクセスすることができる。
図34Cでは、オペレータは、視野290によって示されるように、本体110の底部を撮像されている物体の方向に向ける。この変形例では、オペレータは、親指で第2のトリガ115にアクセスしながら、モニタ270を見て制御ノブ306を調整することができる。
図34A~
図34Cに示すモニタは、
図33Aまたは
図33Bに示すものと同じ情報を提供することができることに留意されたい。
【0211】
上記の説明は、本発明の理解を提供するために本発明の例示的な詳細を提供するが、本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく本発明を実施するために日常的な工学的調整を使用することができる。さらに、本発明は、外科的目的のためのX線撮像に使用するために記載されているが、一般的な医療撮像、獣医学、および骨密度測定などの他の医療用途に使用することができる。本システムおよび方法は、工業用撮像、金属疲労検査、溶接検査、セキュリティ検査などの非医療用途にも使用することができる。
【国際調査報告】