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特表2024-529988心臓、呼吸器又は心肺の状態のモニタリングに適した人間の患者のビデオをキャプチャするための装置、システム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-14
(54)【発明の名称】心臓、呼吸器又は心肺の状態のモニタリングに適した人間の患者のビデオをキャプチャするための装置、システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/00 20060101AFI20240806BHJP
   A61B 5/021 20060101ALI20240806BHJP
   A61B 5/02 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
A61B5/00 102E
A61B5/021
A61B5/02 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024505517
(86)(22)【出願日】2022-08-02
(85)【翻訳文提出日】2024-03-11
(86)【国際出願番号】 CA2022051177
(87)【国際公開番号】W WO2023010208
(87)【国際公開日】2023-02-09
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.PYTHON
(71)【出願人】
【識別番号】524037890
【氏名又は名称】ジェイアールエーエス メディカル インコーポレーテッド ディー/ビー/エー ジェイブイピーラブス
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スミス,アンドリュー エム.エル.
(72)【発明者】
【氏名】スミス,アンドリュー ジェイ.
【テーマコード(参考)】
4C017
4C117
【Fターム(参考)】
4C017AA08
4C017AB06
4C017AC40
4C017EE15
4C117XB01
4C117XB04
4C117XD10
4C117XD21
4C117XE13
4C117XE14
4C117XE15
4C117XE17
4C117XE23
4C117XE26
4C117XE28
4C117XE29
4C117XE37
4C117XE42
4C117XE52
4C117XH12
4C117XJ45
(57)【要約】
心臓、呼吸器又は心肺の状態のモニタリングに適した人間の患者のビデオをキャプチャするための装置が、電子撮像装置を含む。撮像装置は、患者の首の電子ビデオをキャプチャすることができるように患者の首を基準にして位置づけ可能である。装置は、患者の身体の外部の位置指示物も含み、位置指示物は、患者の胴体の解剖学的部位を基準にして患者の身体上に繰り返し安定して位置づけ可能な構造とされ、位置指示物は撮像装置に接続されている。装置は基準要素も含み、基準要素は位置指示物の位置づけによって患者の首を基準にして位置づけ可能である。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
心臓、呼吸器又は心肺の状態のモニタリングに適した人間の患者のビデオをキャプチャするための装置であって、
前記患者の首の電子ビデオをキャプチャすることができるように、前記患者の前記首を基準にして位置づけ可能な電子撮像装置と、
前記患者の身体の外部の位置指示物であって、前記患者の胴体上の解剖学的部位を基準にして前記患者の前記身体上に繰り返し安定して位置づけ可能な構造とされ、前記撮像装置に接続された、位置指示物と、
前記位置指示物を位置づけることによって前記患者の前記首を基準にして位置づけ可能な基準要素とを含む、装置。
【請求項2】
前記位置指示物が前記患者の前記胴体上の前記解剖学的部位を基準にして前記患者の前記身体上に配置されると前記患者の前記首と前記基準要素の少なくとも一部との両方が同時に、前記撮像装置の移動なしに前記撮像装置によって前記ビデオ内にキャプチャ可能であるように、前記位置指示物が前記撮像装置に接続されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記位置指示物が前記患者の前記胴体上の前記解剖学的部位を基準にして前記患者の前記身体上に配置されると前記患者の前記首と前記基準要素の全体の両方が同時に、前記撮像装置の移動なしに前記撮像装置によって前記ビデオ内にキャプチャ可能であるように、前記位置指示物が前記撮像装置に接続されている、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記基準要素が前記位置指示物である、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記基準要素が、前記患者の前記首上に投影される構造化電磁(EM)放射である、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記構造化EM放射が前記位置指示物から投影される、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記構造化EM放射が、前記位置指示物に固定して機械的に連結されたプロジェクタから投影される、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記基準要素が、前記位置指示物に直接取り付けられた物理的構造体である、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記基準要素が、前記位置指示物に固定して機械的に連結された物理的構造体である、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記患者の前記首が、前記患者の内頸静脈と外頸静脈とのうちの少なくとも一方を含み、前記位置指示物が前記患者の前記胴体の前記解剖学的部位を基準にして前記患者の前記身体上に位置づけされると、
(i)前記患者の前記内頸静脈と前記外頸静脈とのうちの少なくとも一方に重なる前記首の皮膚の領域と、
(ii)前記基準要素の前記少なくとも一部と、
の両方が同時に前記撮像装置の移動なしに前記ビデオ内にキャプチャ可能であるように、記位置指示物が前記撮像装置に接続されている、請求項2から9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記患者の前記胴体の前記解剖学的部位が、前記患者の胸骨と胸骨角と胸骨柄と鎖骨頭と頸切痕とのうちの少なくとも一つである、請求項1から10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記位置指示物と前記撮像装置との前記接続が機械的接続である、請求項1から11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記位置指示物と前記撮像装置との前記接続が固定されている、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記位置指示物と前記撮像装置との前記接続が、前記位置指示物に固定して取り付けられた部材を含み、前記部材が、前記患者の前記胴体上の前記解剖学的部位を基準にした前記位置指示物の位置づけ時に前記患者の前記胴体の標認点と位置合わせ可能である、請求項12又は13に記載の装置。
【請求項15】
前記位置指示物と前記撮像装置との前記接続が電子接続を含む、請求項1から14に記載の装置。
【請求項16】
前記電子接続がコンピュータプロセッサを介する、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記電子接続が無線接続を含む、請求項15又は16に記載の装置。
【請求項18】
前記位置指示物が、前記患者の少なくとも一つの生理学的パラメータを検知するためのセンサーを含み、前記センサーが前記撮像装置と電子通信する、請求項1から17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
前記センサーからのデータが前記撮像装置からのデータと同期される、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記センサーが、接触センサーと心電図(ECG)電極とパルス酸素濃度計とのうちの少なくとも一つである、請求個18又は19に記載の装置。
【請求項21】
前記位置指示物が、前記患者の頸切痕と接触する寸法とされた球状部を有する、請求項1から20のいずれか一項に記載の装置。
【請求項22】
前記位置指示物が、交換可能な患者接触要素を有する、請求項1から21のいずれか一項に記載の装置。
【請求項23】
前記位置指示物が、少なくとも一つの調整可能な患者接触要素を有する、請求項1から22のいずれか一項に記載の装置。
【請求項24】
前記位置指示物が、測定スケールを提供するマーキングを有する、請求項1から23のいずれか一項に記載の装置。
【請求項25】
前記位置指示物が、複数の測定スケールを提供するマーキングを有する、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記位置指示物が前記患者の前記胴体の前記解剖学的部位を基準にして前記患者の前記身体上に安定して位置づけられると前記位置指示物の傾斜の角度の判定に関する情報を提供するセンサーをさらに含む、請求項1から25のいずれか一項に記載の装置。
【請求項27】
前記センサーが、前記位置指示物を基準にして向きが固定されている加速度計とジャイロスコープとのうちの少なくとも一方である、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記装置が、前記ビデオのキャプチャで使用されているときに前記患者の前記胴体上に載るような構造とされている、請求項1から27のいずれか一項に記載の装置。
【請求項29】
前記装置の一部が、前記装置が前記ビデオのキャプチャで使用されているときに前記患者の前記胴体の一部に載るように、前記患者の前記胴体の前記一部に沿う形状とされている、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
ベースステーションに可動式に接続された第1の端と前記撮像装置に可動式に接続された第2の端とを有する関節アームをさらに含む、請求項1から29のいずれか一項に記載の装置。
【請求項31】
心電図(ECG)信号を発生するために前記患者の皮膚に接触するための少なくとも二つの電極をさらに含む、請求項1から30のいずれか一項に記載の装置。
【請求項32】
前記少なくとも二つの電極のうちの第1の一つが前記位置指示物上にあり、前記少なくとも二つの電極のうちの第2の一つが前記位置指示物から離隔されたハンドグリップ上にある、請求項31に記載の装置。
【請求項33】
前記撮像装置と電子通信するコンピュータプロセッサと、
前記コンピュータプロセッサと電子通信する情報記憶媒体と、
前記コンピュータプロセッサと電子通信する無線送受信器とをさらに含む、請求項1から32のいずれか一項に記載の装置。
【請求項34】
マイクロフォンをさらに含む、請求項1から33のいずれか一項に記載の装置。
【請求項35】
スピーカをさらに含む、請求項1から34のいずれか一項に記載の装置。
【請求項36】
前記撮像装置によるビデオキャプチャを制御するために前記撮像装置に動作可能に接続されたユーザ作動センサー要素をさらに含む、請求項1から35のいずれか一項に記載の装置。
【請求項37】
少なくとも近赤外線(NIR)スペクトル内の電磁放射を供給する電磁放射源と、
前記撮像装置へのNIRスペクトル内の電磁放射の選択的通過を可能にするフィルタとをさらに含む、請求項1から36のいずれか一項に記載の装置。
【請求項38】
前記電子撮像装置が第1の電子撮像装置であり、
前記第1の電子撮像装置を基準にして位置が固定された第2の電子撮像装置をさらに含む、請求項1から37のいずれか一項に記載の装置。
【請求項39】
前記第1の電子撮像装置がNIRスペクトル撮像装置であり、前記第2の電子撮像装置が可視光スペクトル撮像装置である、請求項38に記載の装置。
【請求項40】
前記基準要素が、キャプチャされた前記電子ビデオからコンピュータプロセッサによって判定可能な、前記患者の胸骨角と前記患者の胴体の別の肉眼的に不動の解剖学的特徴とのうちの少なくとも一方を基準にした前記患者の頸静脈中の血液のカラムの高さを表現する所定の寸法を有する、請求項1から39のいずれか一項に記載の装置。
【請求項41】
前記患者の胴体の別の肉眼的に不動の解剖学的特徴が、患者の鎖骨頭と頸切痕と胸骨とのうちの少なくとも一つである、請求項40に記載の装置。
【請求項42】
前記患者の胸骨角と前記患者の上半身の別の肉眼的に不動の解剖学的特徴とのうちの少なくとも一方を基準にした前記患者の前記頸静脈中の血液の前記カラムの前記高さが、前記患者の前記首の異なる画像を参照せず、かつ、前記電子ビデオがキャプチャされた時点での前記患者の前記首を基準にした正確な位置に前記撮像装置が固定されていたことを必要とせずに、キャプチャされた前記電子ビデオから前記コンピュータプロセッサによって判定可能である、請求項40又は41に記載の装置。
【請求項43】
前記撮像装置が前記患者に直接接触しない、請求項1から42のいずれか一項に記載の装置。
【請求項44】
前記撮像装置が、前記患者への接続によって固定位置に保持されない、請求項1から43のいずれか一項に記載の装置。
【請求項45】
装置によって心臓、呼吸器又は心肺の状態をモニタリングするのに適した人間の患者の電子ビデオをキャプチャする方法であって、
前記装置が、
前記患者の首の電子ビデオをキャプチャすることができるように、前記患者の前記首を基準にして位置づけ可能な電子撮像装置と、
前記患者の前記身体の外部の位置指示物であって、前記患者の胴体上の解剖学的部位を基準にして前記患者の前記身体上に繰り返し安定して位置づけ可能な構造とされ、前記撮像装置に接続された、位置指示物と、
前記位置指示物を位置づけることによって前記患者の前記首を基準にして位置づけ可能な基準要素とを含み、
前記方法が、
前記撮像装置が前記患者の前記首の前記電子ビデオをキャプチャすることができるように前記患者の前記首を基準にして位置づけ可能なように、前記装置を前記患者を基準にして位置づけることと、
前記位置指示物を前記患者の前記胴体の前記解剖学的部位を基準にして前記患者の前記身体上の安定した位置に位置づけ、それによって、前記撮像装置の移動なしに前記患者の前記首と前記基準要素の少なくとも一部とを同時に前記撮像装置によって前記電子ビデオ内にキャプチャすることができるように前記基準要素と前記撮像装置とのうちの少なくとも一方を、前記患者の前記首を基準にして位置づけさせることと、
前記撮像装置によって前記ビデオをキャプチャさせることとを含む、方法。
【請求項46】
前記位置指示物を前記患者の前記胴体の前記解剖学的部位を基準にして前記患者の前記身体上の安定した位置に位置づけることが、前記患者の前記首と前記基準要素の少なくとも一部とが、前記撮像装置の移動なしに前記撮像装置によって前記電子ビデオ内に同時にキャプチャ可能なように、前記基準要素と前記撮像装置の両方を前記患者の前記首を基準にして位置づけさせる、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
患者の頸切痕内に収まるように構成された位置決め要素と、
既知の大きさを有する基準要素と、
前記位置決め要素に結合され、前記位置決め要素から離隔された撮像アセンブリであって、少なくとも患者の首の一部と前記基準要素の一部との撮像データをキャプチャするように構成された、撮像アセンブリと、
前記撮像アセンブリに動作可能に結合され、前記撮像データと前記基準要素の前記既知の大きさとに基づいて、前記患者の前記首に関連付けられた頸静脈圧(JVP)又は高さ情報を判定するように構成されたプロセッサと、を含む装置。
【請求項48】
前記位置決め要素が前記基準要素を含む、請求項47に記載の装置。
【請求項49】
前記位置決め要素が、前記患者の頸切痕内に収まるように構成された球状部を含む、請求項47又は48に記載の装置。
【請求項50】
前記位置決め要素が第1の位置決め要素を含み、前記装置が、患者の胸部の一部に寄りかかるように構成された第2の位置決め要素をさらに含む、請求項47から49のいずれか一項に記載の装置。
【請求項51】
前記位置決め要素と前記基準要素と前記撮像アセンブリとが検知デバイス上に配置され、前記プロセッサがベース内に配置され、
前記ベースが、前記検知デバイスの一部を受け入れ、前記ベースの表面上で前記検知デバイスを安定して支持するように構成された、一組の構造体を含む前記表面を含む、請求項47から50のいずれか一項に記載の装置。
【請求項52】
前記位置決め要素が前記頸切痕内に位置づけられると前記撮像アセンブリが少なくとも前記患者の前記首の前記一部と前記基準要素の前記一部との撮像データをキャプチャするように位置づけられることが可能なように、前記撮像アセンブリが前記位置決め要素に結合されている、請求項47から51のいずれか一項に記載の装置。
【請求項53】
前記撮像アセンブリが、前記患者の前記首に向けて近赤外線(NIR)光を放射するように構成されたNIR光源と、前記患者の前記首から反射されたNIR光をキャプチャするように構成されたNIRカメラとを含む、請求項47から52のいずれか一項に記載の装置。
【請求項54】
前記撮像アセンブリが第1及び第2のカメラを含み、前記第1及び第2のカメラのそれぞれが異なる波長範囲における光をキャプチャするように構成されている、請求項47から53のいずれか一項に記載の装置。
【請求項55】
前記第1のカメラが可視光をキャプチャするように構成され、前記第2のカメラがNIR光をキャプチャするように構成されている、請求項54に記載の装置。
【請求項56】
前記撮像アセンブリが、立体視を提供するために同じ波長範囲における光をキャプチャするように構成された第1及び第2のカメラを含む、請求項47から53のいずれか一項に記載の装置。
【請求項57】
前記プロセッサが、
前記画像データ内にキャプチャされた前記基準要素の前記一部に基づいて、前記撮像データの画素と距離の物理測定値との差との間の変換を判定することによって、
前記患者の前記首に関連づけられた前記JVP又は高さ情報を判定するように構成されている、請求項47から56のいずれか一項に記載の装置。
【請求項58】
前記プロセッサが、
前記画像データ内にキャプチャされた前記基準要素の前記一部に基づいて、前記撮像データの画素と距離の物理測定値との差との変換を判定することと、
前記撮像データから、前記患者の内頸静脈(IJV)の拍動の最高点を判定することと、
前記撮像データの前記画素と距離の前記物理測定値との間の変換に少なくとも基づいて、前記患者の胸骨角と前記IJVの前記拍動の前記最高点との間の垂直高さを判定することと、によって、
前記患者の前記首に関連づけられた前記JVP又は高さ情報を判定するように構成されている、請求項47から56のいずれか一項に記載の装置。
【請求項59】
水平面に対して相対的な患者の首の向きを測定するように構成された、加速度計又はジャイロスコープのうちの少なくとも一方をさらに含み、
前記垂直高さの前記判定が、前記首の測定された前記向きに基づいて判定された前記患者の前記首の傾斜の角度にさらに基づく、請求項58に記載の装置。
【請求項60】
前記プロセッサが、
前記患者の前記首の前記一部と前記装置の一部との静止画像に基づいて、前記装置の角度に対して相対的な前記首の長手方向軸の角度を判定することと、
前記撮像画像から、前記患者の内頸静脈(IJV)の拍動の最高点を判定することと、
前記首の前記長手方向軸の前記角度と前記IJVの前記拍動の前記最高点とに基づいて、前記患者の胸骨角と前記IJVの前記拍動の前記最高点との間の垂直高さを判定することと、によって、
前記患者の前記JVPを判定するように構成されている、請求項47から56のいずれか一項に記載の装置。
【請求項61】
前記撮像データをキャブチャするように前記プロセッサに前記撮像アセンブリを作動させるために、前記患者によって作動させられるように構成されたアクチュエータをさらに含む、請求項47から60のいずれか一項に記載の装置。
【請求項62】
心電図センサー、光電脈波センサー、皮膚電位センサー又は温度センサーのうちの少なくとも一つを含む一つ以上のセンサーをさらに含む、請求項47から61のいずれか一項に記載の装置。
【請求項63】
前記患者が前記頸切痕に対して相対的な前記位置決め要素の位置づけのために本体を握ると前記患者の手の一部が前記一つ以上のセンサーによる測定を容易にするために前記一つ以上のセンサーと接触するように、前記一つ以上のセンサーが前記撮像アセンブリと前記位置決め要素とに結合された前記本体に配置されている、請求項62に記載の装置。
【請求項64】
前記位置づけ要素が前記頸切痕に対して相対的に位置づけられると前記一つ以上のセンサーが前記一つ以上のセンサーによる測定を容易にするために前記患者の皮膚と接触するように、前記一つ以上のセンサーが前記撮像アセンブリと前記位置決め要素とに結合された本体上に配置されている、請求項62に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年7月31日に出願された「Apparatus and Method for Capturing a Video of a Human Patient Suitable for Monitoring a Cardiac, Respiratory, or Cardiorespiratory condition」という名称の米国仮特許出願第63/228,071号の優先権及び利益を主張し、参照によりその開示全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本技術は、患者における心臓、呼吸器又は心肺の状態のモニタリングのための装置及び方法に関し、一部の実施形態では、頸静脈圧高さをモニタリングするために患者の画像データをキャプチャするシステム及びデバイスを含むことができる。
【背景技術】
【0003】
頸動脈圧(JVP)又はJVP高さは、心不全(HF)及び心臓にかかる容量負荷のアセスメントを含む様々な用途のために評価される臨床兆候である。
【0004】
内頸静脈(IJV)は、下顎角から胸鎖乳突筋の後縁における鎖骨の中央まで下る。IVJは、血液を脳、頭蓋、顔及び首から上大静脈と最終的には心臓の右心房まで送る。身体、頭部及び首が、水平に対して特定の角度にあるときにIJVを膨張させる血液カラムを観察することによって、頸動脈圧(JVP)と右心房圧のアセスメントを行うことができる。JVPの評価は、患者の身体検査の一環として医師によって実施される、臨床環境における標準手法である。検査時、胸骨角とIJVの拍動点の上部との間の垂直距離が測定される。場合によっては、肝頸静脈逆流検査が、例えば、より多くの血液を右心房に流入させ、JVPを上昇させるために腹部の右上腹部、肝臓の上を圧迫することによって行われることがある。肝頸静脈逆流は、(例えば、応答としてIJVの上方移動を認めることによって)頸静脈伸長点を確認するために使用することができる。
【0005】
胸骨角とIJVの拍動点の頂上との間の垂直距離を測定するには、最高IJV拍動点から、ルイの胸骨角を通って地面に対して垂直に直立した垂直線と交差するように水平な線が形成される。典型的には、これらの「線」は、通常、定規などの容易に利用可能な直線状の物からなる。胸骨角とこれらの2本の線の交差点との間の距離が、垂直線に沿って測定される。この測定距離に、(患者が30度の角度にあるときに測定された場合)患者の身体の外面と右心房の中点との固定した関係のために義務的に加算される5cmを足した合計が、患者の平均JVPを表す。例えば、図1にリクライニング角度A(例えば約30度)でベッドに横たわる患者の図10を示す。胸骨角(HSA)とIJVにおける血液カラムの高さ(HIJV)との間の垂直距離+5cmがJVP(図1のHJVP)である。
【0006】
上述のように求められた正常な平均頸静脈圧(すなわち、5cm+胸骨角の上の単位cmの垂直高さ)は、6cmから8cm H2Oである。この正常範囲からの逸脱は、例えば循環血液量減少(すなわち、平均静脈圧が例えば約5cm H2O未満)又は循環血液量過多(すなわち、平均上脈圧が例えば約8cm H2Oを超える)を反映している可能性がある。熟練医師によってアセスメントされたJVP上昇は、早期容量過負荷を示唆しており、臨床的悪化を予知し、HFにおける治療決定の助けとなり得る。
【0007】
現在、上述のようなJVPは臨床環境においてのみ判定可能である。事実上、これは外来患者のJVPを測定することができる定期性を限定し、したがって患者は通常、頻繁には臨床環境に戻ろうとしない。そうすることの不便さに加えて、典型的には、より高頻度のJVPモニタリングを受けることが必要になる患者は高齢であり、加齢に関係するか又はその他による移動上の問題を有する。それでも、一部のそのような患者にとっては、臨床環境に定期的に来診するよりもより頻繁に患者のJVPをモニタリングさせることがより有益となり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、人のJVPの判定を可能にする情報を収集するために(少なくとも)臨床環境の外部で使用することができるシステム、デバイス及び方法を有することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本明細書に記載のシステム、デバイス及び方法は、例えばJVPを含む患者の様々な状態のモニタリングを可能にする。実施形態によっては、このようなモニタリングは臨床環境の外部で行うことができるが、他の場合には、このようなモニタリングは病院又は臨床環境、あるいはその他の適切な環境で行うことができる。
【0010】
実施形態によっては、患者の心臓、呼吸器又は心肺の状態のモニタリングのための装置が、電子撮像装置又は撮像デバイスを含むことができる。撮像装置は、患者の首の電子ビデオをキャプチャすることができるように患者の首を基準にして位置づけ可能である。装置は、患者の身体の外部に位置指示物も含み、位置指示物は、患者の胴体上の解剖学的部位を基準にして患者の身体上に繰り返し安定して位置づけ可能な構造とされる。位置指示物は、撮像装置に接続されている。装置は、基準要素も含み、基準要素は位置指示物の位置決めによって患者の首を基準にして位置づけ可能である。
【0011】
実施形態によっては、心臓、呼吸器又は心肺の状態のモニタリング方法が、患者の首の電子ビデオをキャプチャすることができるように患者の首を基準にして位置づけ可能な電子撮像装置又は撮像デバイスと、患者の胴体上の解剖学的部位を基準にして患者の身体上に繰り返し安定して位置づけ可能な構造とされ、撮像装置に接続された患者の身体の外部の位置指示物と、位置指示物の位置決めによって患者の首を基準にして位置づけ可能な基準要素とを含むことができ、撮像装置が、患者の首の電子ビデオをキャプチャすることができるように患者の首を基準にして位置づけ可能なように、患者を基準にして装置を位置づけることを含む。方法は、患者の胴体上の解剖学的部位を基準にして患者の身体上の安定した位置に位置指示物を位置づけ、それによって、撮像装置の移動なしに患者の首と基準要素の少なくとも一部とが撮像装置によって電子ビデオ内にキャプチャ可能なように、基準要素と撮像装置のうちの少なくとも一方が患者の首を基準にして位置づけられるようにすることを含む。方法は、撮像装置によって電子ビデオをキャプチャさせることをさらに含む。
【0012】
本明細書に記載のシステム、デバイス及び方法について、主として患者のJVPのモニタリングに言及しながら説明するが、このようなシステム、デバイス及び方法は、JVPのモニタリング(判定を含む)には限定されず、例えば心拍数、呼吸数、血圧傾向、酸素飽和度又は頸動脈(動脈)拍動を含む、患者の他の生理学的状態を測定するためにも使用することができることを理解されたい。本技術のその他の実施形態は、呼吸努力(例えば正常及び/又は窮迫)のモニタリングにも適する。実施形態によっては、本明細書に記載のシステム、デバイス及び方法は、うっ血性心不全(CHF)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、CHFとCOPDの両方の合併、喘息、透析(例えば腹膜透析及び血液透析)の状態を有する患者のモニタリングに使用することもできる。また、本技術の一部の実施形態は、心臓タンポナーデ、心内圧上昇を生じさせる状態、過剰循環血液量が問題である事例(例えば、静脈内(IV)輸液による容量蘇生後の敗血性ショック)などの状態を有する患者のモニタリングに使用することもできる。
【0013】
実装形態によっては、本明細書に記載の実施形態は、(i)電子撮像装置と、(ii)患者の身体の外部の位置指示物と、(iii)基準要素とを含む。電子撮像装置の一般的目的は、モニタリングされる状態のモニタリングに適合する画像(例えば首の画像)をキャプチャすることである。位置指示物の一般的目的は、カメラのフレーム内に、撮像装置によってキャプチャされるモニタリングされる状態のモニタリングに適する対象(例えば患者の首)があるように、カメラのフレームを正しく位置づけるのを支援することである。基準要素の一般的目的は、モニタリングされる状態に関連する一つ以上の数学計算を行うことができるようにする既知の特性(例えば大きさ、形状、距離など)を有する基準を提供することである。当業者ならわかるように、上記の要素のそれぞれが上記の一般的目的以外の目的を有してもよい。
【0014】
実施形態によっては、JVPをモニタリングする場合、装置は以下の方式で使用され、機能する。患者(又は患者を手助けする人)が、モニタリングセッションが行われる場所を設定することによって(例えば、場所が、前回モニタリングが行われた時の適正な設定のままではなかった場合)、モニタリングセッションの準備をする。例えば、患者(又は患者を手助けする人)は、ベッドなどの平坦な場所に30度ウェッジ枕を置くことができる。患者(又は患者を手助けする人)は次に、本技術の装置を患者の胴体上部付近(例えば患者の肩付近)の平坦な面に置く。装置に電源が投入されると、患者(又は患者を手助けする人)は次に、位置指示物を取り出し、その位置指示物を患者の胴体上の特定の解剖学的部位(例えば患者の頸切痕)上に置く。実施形態によっては、位置指示物は、例えば臨床医によってなど、事前にその患者に合わせてカスタマイズ(例えば患者に合わせてキャリブレーション)されていてもよい。
【0015】
実施形態によっては、位置指示物、基準要素及び電子撮像装置は、例えば装置の可動アーム上で、互いに機械的に連結されるか、互いに結合されるか、又は単一のアセンブリとして一体化されている。位置指示物をその正しい位置又は所望の位置に移動させると、基準要素と電子撮像装置もそれぞれの正しい位置又は所望の位置に移動する。正しい位置又は所望の位置において、電子撮像装置は、電子撮像装置が患者の首の頸静脈の怒張が見える領域のビデオをキャプチャすることができるように、患者の首を基準にして位置づけることができる。正しい位置において、基準要素は、(i)基準要素も電子撮像装置のフレーム内にあり、(ii)ビデオにキャプチャすることができ、(iii)患者のJVPを計算するためにキャプチャされたビデオから数学計算を行うことができるように、患者の首を基準にして位置づけることができる。
【0016】
本明細書に示す実施形態の一つの利点は、モニタリングセッションが行われるたびに装置が同じ場所に厳密に位置づけられる必要がないことである。位置指示物の使用と、装置の他の構成要素との位置指示物の接続は、各モニタリングセッション時に電子撮像装置によってキャプチャされたビデオが、装置自体は前のモニタリングセッションと同じ位置にない可能性があるという事実にもかかわらずJVPを計算するために使用することができることを意味する。これは、基準要素がそのような計算を可能する既知の基準を提供するためである。
【0017】
本明細書に記載の実施形態の他の利点は、モニタリングセッション時に臨床医がいる必要がないこと、及び/又は、モニタリングセッションが臨床環境で行われる必要がないことである。装置の設計は、構成要素のそれぞれが確実に正しく位置づけされるようにする。セッションからキャプチャされたビデオは、例えばJVPを判定するために、コンピュータにより、又は人間による手作業で処理可能である。この処理は、モニタリングセッションが行われる場所(例えば患者の住居)で行われる必要はない。キャプチャされたビデオは、任意の従来の方法及び/又はデバイスによって、それを処理し、JVPを判定することが可能な場所に送信することができる。この点から見て、モニタリングセッションは、患者がモニタリングセッションのたびに臨床環境まで出かける必要がある場合よりもはるかに高頻度で行うことができる。
【0018】
電子撮像装置は、一般に、大きさ、形状及び動作原理が(以下で説明するような)装置の他の部分とその他の点で適合する、電子画像撮影可能な任意の撮像装置とすることができる。例えば、実施形態によっては、従来のスマートフォンカメラデバイス(又は同様のデバイス若しくは同じ原理で動作するデバイス)を使用することができる。デバイスが患者のJVPをモニタリングするために使用される文脈では、電子撮像装置は、患者の首の電子ビデオをキャプチャすることができるように(患者のIJVの怒張をキャプチャすることができるように)患者の首を基準にして位置づけ可能である。このような位置づけの一例については上記で説明した。
【0019】
位置指示物は、患者の胴体上の解剖学的部位を基準にして患者の身体上に繰り返し安定して位置づけ可能な構造とすることができる。多くの場合、これは、位置指示物の少なくとも一部を患者の身体の特定の解剖学的部位の大きさ及び形状と合わせることができる大きさ及び形状にすることによって実現される。そのような解剖学的部位の例は、患者の胸骨、胸骨角、胸骨柄、鎖骨頭、及び頸切痕(又は一般に胸骨上切痕と呼ばれる)である。したがって、例えば、解剖学的部位が患者の頸切痕である場合、位置指示物はその頸切痕内にぴったり収まる寸法とされた球状部を有してもよい。実施形態によっては、位置指示物は、交換可能な患者接触要素を有し、したがって、位置指示物を患者の胴体上に繰り返し安定して位置づけやすくするために、位置指示物を(例えば、患者間での大きさの変化、解剖学的部位の変化に対応するように)患者に合わせてカスタマイズすることを可能にする。これに加えて、又はこれに代えて、実施形態によっては、位置指示物は少なくとも一つの調整可能な患者接触要素を有する。調整可能な患者接触要素がある場合、調整可能な患者接触要素も位置指示物を患者の胴体上に繰り返し安定して位置づけるのを支援することができる。他の実施形態では、上記に加えて、又は上記に代えて、位置指示物全体が、例えば同様の目的に適うような交換可能な要素であってもよい。
【0020】
実施形態によっては、位置指示物は撮像装置に接続される。この接続は、正しい要素をビデオ上にキャプチャすることができるように、(少なくとも部分的に)撮像装置にそれらの要素を撮像装置のフレーム内で撮像させる、撮像装置への位置指示物の接続とすることができる。そのような要素は、例えば患者の身体の特定の一部又は部分(例えば患者の首)及び(例えば、基準要素の設計及び/又は構造に応じて)基準要素の一部又は部分あるいは全体であってもよい。そのような要素は、例えば、位置指示物自体の一部又は部分あるいは全体、又は装置の設計、用途、動作も含んでもよい。例えば、実施形態によっては、位置指示物は、数学計算において基準要素と共に使用することができる。
【0021】
この実施形態の文脈では、位置指示物は、デバイスの他の構造及びデバイスの機能と他の点で不適合ではない任意の数の方式で撮像装置に接続することができる。例えば、様々な実施形態において、位置指示物と撮像装置との接続は、機械的接続、電子的接続、電気機械的接続、磁気的接続、接着剤によるものなどうちの一つであってよい。一例として、実施形態によっては、この二つの間の接続は、位置指示物を物理的に移動すると撮像装置が移動するような単純な機械的接続であってもよい。そのような場合、例えば、装置は、位置指示物が患者の胴体上の解剖学的部位に物理的に移動され、その後安定して適切に位置づけられると、撮像装置が位置指示物と共にほぼ同時に移動し、その後、位置指示物自体が最終的に適切に位置づけられると、キャプチャする必要があるビデオをキャプチャするのに適切な位置で停止するような構造とされる。この場合も、例として、そのような場合、実施形態によってはこの二つは互いに単純に固定して接続され、一方、他の実施形態では、この二つはより複雑な可動式の機械的連結を介して互いに接続されてもよい。
【0022】
実施形態によっては、機械的接続に加えて、又はそれに代えて、位置指示物と撮像装置は互いに電子的に(例えば、コンピュータプロセッサによって直接又は間接的に)接続されてもよい。例えば、位置指示物は、その空間的位置を突き止め又は判定することを可能にすることになる電子信号を送信することができ、撮像装置は適切なモータによって適切な位置まで移動させることができる。このような電子信号は、有線又は無線で送信可能である。別の実施例では、患者に、例えば、(例えば位置指示物上の)患者作動スイッチによって、位置指示物が正しく位置づけられているという信号を送信させるようにすることができ、撮像装置が(計算デバイスのプロセッサと共に)、撮像装置自体を位置づけるためにマシンビジョンと人工知能を使用することができる。実施形態によっては、高解像度及び広視野のカメラなどの撮像デバイスを壁に取り付けることができる。広視野は、患者の首をキャプチャすることができる。患者又はユーザが、位置指示物及び/又は基準物を患者の胸骨上切痕に置き、撮像デバイスを作動させるボタンを押すことができる。撮像デバイスの広視野があれば撮像デバイスは移動する必要がなく、基準物を撮像しながらJVPを推定することができる。
【0023】
実施形態によっては、位置指示物と撮像装置との接続は、位置指示物に固定して取り付けられた部材を含む。この部材は、患者の胴体上の解剖学的部位を基準にした位置指示物の位置づけ時に、患者の胴体の標認点を基準にして位置合わせ可能とすることができる。このようにして、この部材は位置指示物を正しく位置づけやすくすることができる。例えば、この部材は直線的であるか又は直線部を有してもよく、位置指示物の正しい位置づけ時に、この部材又はその直線部を、患者の胸骨に沿って中心部に長手方向に位置づけられるように位置合わせすることができる。このような構成については図12を参照しながら図示及び詳述する。
【0024】
実施形態によっては、基準要素は位置指示物の位置づけによって患者の首を基準にして位置づけ可能である。実施形態によっては、基準要素は既知の大きさ及び形状である。これらの特性がわかっていることで、キャプチャされた画像に対して処理(例えば数学及び/又は幾何計算)を(例えば計算デバイスのプロセッサによって自動的に)行うことが可能となる。例えば、モニタリングされるのが患者のJVPである場合、基準要素は、本技術により撮像装置によってキャプチャされたビデオからJVPの判定を可能にするような構造とされる。
【0025】
実施形態によっては、基準要素は物理的物体又は物理的物体の一部である。例えば、患者のJVPがモニタリングされる実施形態では、基準要素は既知の寸法及び間隔の3本の平行なロッドであってもよい。
【0026】
異なる実施形態では、位置指示物に対する基準要素の関係は変動し得る。実施形態によっては、基準要素は位置指示物から分離している(ただし、位置指示物自体が接続されている装置の異なる部分に接続されていてもよい)。実施形態によっては、基準要素は位置指示物に物理的に接続されている。実施形態によっては、基準要素は位置指示物である。実施形態によっては、基準要素は位置指示物から延びている。実施形態によっては、基準要素は、その他により位置指示物に機械的に連結されている。使いやすいように、実施形態によっては、基準要素は、位置指示物が患者の胴体上の解剖学的部位を基準にして正しく位置づけられると、正しく位置づけられる。他の実施形態では、基準要素は、位置指示物が位置づけられた後で位置づけを必要としてもよい。
【0027】
実施形態によっては、基準要素は物理的物体である必要はない。例えば、基準要素は、例えば患者の首に投影される構造化電磁放射とすることができる。患者のJVPがモニタリングされる一実施形態では、基準要素は、患者の首の適切な領域に投影される可視光の3本の平行な線であってもよい。上述のように、基準要素と位置指示物との関係は実施形態ごとに異なる。例えば、ある実施形態では、基準要素は位置指示物自体から投影されてもよく、他の実施形態では、基準要素は装置の別の部分から、又は別個の連係デバイスからでも投影可能である。別の実施形態では、基準要素は、位置指示物に機械的に連結されたデバイスから投影されてもよい。
【0028】
実施形態によっては、基準要素は、行われる数学計算を容易にすることができるマーキングを有してもよい。例えば、実施形態によっては、基準要素上のマーキングは一つ以上の測定スケール(例えばセンチメートル)であってもよい。実施形態によっては、マーキングは数字を含んでもよい。実施形態によっては、マーキングは、構造化電磁放射における異なるパターン、色又はその他の区別を含んでもよい。
【0029】
大部分の実施形態では、モニタリングされるものが患者のJVPである場合、位置指示物は、位置指示物が患者の胴体上の解剖学的部位を基準にして患者の身体上に位置づけられると、撮像装置の移動なしに撮像装置によって患者の首と基準要素の少なくとも一部の両方を同時にビデオにキャプチャすることができるように撮像装置に接続される。そのような一部の実施形態では、JVPの判定において考慮に入れるべき撮像装置の移動がないため、これにより、そのような判定をより簡単にすることができる。実施形態によっては、撮像装置はビデオキャプチャ中に(例えばわずかな円弧に沿って移動するように)移動してもよく、それらの判定においてそのような移動を考慮に入れることによって、又はそのような移動を無視することによって、JVPの必要な判定を実施することができてもよい。実施形態によっては、精密な判定は必要ではなく、例えば、JVPを推定するのに近似又は単純化で十分な場合がある。
【0030】
実施形態によっては、撮像装置は、ビデオ内の基準要素のより多くをキャプチャすることができ、そのような場合、基準要素のより大きいキャプチャはJVPのより正確な判定を可能にすることができる。
【0031】
実施形態によっては、患者の胴体上の解剖学的部位を基準にして位置指示物が患者の身体に位置づけられると、位置指示物は、撮像装置の移動なしに撮像装置によって患者の首と基準要素の全体の両方をビデオに同時にキャプチャすることができるように撮像装置に接続される。実施形態によっては、JVPの必要な判定を行うために基準要素の全体がビデオ中にキャプチャされなくてもよい場合がある。他の実施形態では、JVPの判定を容易にするために基準要素の全体がビデオ中にキャプチャされる必要がある場合がある。
【0032】
本明細書に記載のシステム、デバイス及び方法は、単一の撮像装置、単一の位置指示物、及び/又は単一の基準要素を有する装置には限定されない。実施形態によっては、本技術の装置は複数の撮像装置、複数の位置指示物、及び/又は複数の基準要素を有してもよい。
【0033】
例えば図1を参照しながら上述したように、患者の首は患者のIJVと外頸静脈(EJV)を含む。患者のJVPがモニタリングされる場合、位置指示物は、位置指示物が患者の胴体上の解剖学的部位を基準にして患者の身体に位置づけられると、(i)患者のIJVとEJVのうちの少なくとも一方に重なる首の皮膚の領域と、(ii)基準要素の(例えば、JVPを判定するために基準要素に対して相対的なIVJ及び/又はEJVの位置を判定するのに十分な)少なくとも一部の両方が、撮像装置の移動なしに撮像装置によってビデオ中に同時にキャプチャ可能なように、撮像装置に接続することができる。
【0034】
実施形態によっては、位置指示物は患者の少なくとも一つの生理学的パラメータを検知するためのセンサーを有する。本技術の文脈では、センサーは、任意の数のタイプ及び種類のセンサーのうちの一つ以上とすることができる。一部の非限定的な実施例は、接触センサー、心電図(ECG)電極、パルス酸素濃度計(PPG)、温度センサー、皮膚電位センサーなどを含む。例えば、位置指示物が患者の身体に位置づけられたという信号を送信するために、接触センサーを使用してもよい。実施形態によっては、接触センサーは、位置指示物が移動している(したがって、接触センサーが信号を送信中であるにもかかわらず、患者の身体上でまだ安定して位置づけられていない)か否かを判定するために使用することができる信号を有する加速度計と共に備えられてもよい。実施形態によっては、装置は、接触センサー及び/又は加速度計から適切な信号を受信したことに基づいてビデオのキャプチャを自動的に開始するようにプログラムされたプロセッサを有するか、そのようなプロセッサに動作可能に結合することができる。したがって、実施形態によっては、センサーは撮像装置と電子通信する。別の実施形態では、加速度計は、水平基準軸を基準にした患者の角度を判定するために使用することができる。
【0035】
実施形態によっては、センサーは、撮像装置からのデータと同期可能である。したがって、実施形態によっては、キャプチャされたビデオとセンサーからのデータが連係される。非限定的な実施例では、センサーがECG電極又はパルス酸素濃度計である場合、撮像装置はセンサーからの信号と同期してデータを収集することができる。
【0036】
実施形態によっては、センサーデータが記録される時点と、撮像装置からの画像(例えばビデオ)データが記録される時点は両方とも、既知であるか又は装置によって絶対時間及び/又は相対時間で判定可能である。例えば、実施形態によっては、撮像装置をゲート制御するためにセンサーのクロックを使用することができる(又はその逆も可能)。他の実施形態では、プロセッサが、撮像装置とセンサーの両方をゲート制御するクロック信号を発生することができる。さらに他の実施形態では、同じクロック信号を使用して画像データとセンサーデータの両方にタイムスタンプが付けられ、このデータが後処理ステップで時間的に揃えられる。
【0037】
実施形態によっては、センサー(又は複数のセンサーが存在する場合は複数のセンサー)のサンプリングレートは、撮像装置のサンプリングレートの倍数であってもよい。一例として、実施形態によっては、センサーデータサンプリングレートと撮像装置データサンプリングレートとの比は2:1である。したがって、センサーデータは、T1、T2、T3、T4、T5などにおいてサンプリングされることになり、一方、撮像装置データは、T1、T3、T5などにおいてのみサンプリングされることになる(各TnとTn+1の間の間隔は一定である)。このような実施例では、センサーデータは撮像装置データを解釈するのを支援するために使用可能である。他の実施形態では、異なるセンサーサンプリングレートの他の比、例えば、約0.5:1、約1:1、約2:1、約3:1、約4:1、約5:1、約10:1を、すべての部分範囲及びその間の値を含めて使用することができる。
【0038】
実施形態によっては、装置は、位置指示物が患者の胴体上の解剖学的部位を基準にして患者の身体に安定して位置づけられたときの位置指示物の傾斜の角度の判定に関する情報を提供するセンサーを有する。一部のそのような実施形態では、センサーは、位置指示物を基準にして向きが固定された加速度計及び/又はジャイロスコープのうちの少なくとも一つである。また、一部のそのような実施形態では、センサーは、位置指示物自体内に配置され、装置のプロセッサ(又はリモートプロセッサ)と電子通信する。上述のように、JVPを測定するとき、患者を特定の既知の角度(例えば、水平から約10度から約90度、又は水平から約30度から約60度)に傾斜させてもよい。実施形態によっては、この角度は、例えば設定角度を有するウェッジ形状の枕に患者を横たわらせることによって、患者のJVPがモニタリングされるたびに概ね一定に維持される。他の実施形態では、この角度は一定である必要はなく、JVPはデータが収集される時点での患者の現在の角度を考慮に入れて(例えば、三角法及び/又はジャイロスコープ及び/又は加速度計によって収集されたデータを使用して)計算される(又は推定される)。実施形態によっては、水平に対する患者の首の長軸の角度が患者の身体の角度と異なる場合もある。したがって、実施形態によっては、例えば画像処理と共に首の静止画像を使用して、首の長軸を判定することができ、首のこの角度を、JVPのより正確な推定値を提供するために身体の角度と組み合わせることができる。
【0039】
実施形態によっては、装置は使用時及びビデオをキャプチャするときに、患者の胴体に載るような構造とされる。一部のそのような実施形態では、例えば、装置が(上述のように)患者の上に繰り返し安定して位置づけられる場合、患者の角度は(例えばジャイロスコープ及び/又は加速度データによって)装置の角度から(場合によって)計算又は推定することができる。加速度計及び/又はジャイロスコープは、装置内(例えば患者の身体上に位置づけられる部分内の任意の場所)に配置可能である。
【0040】
実施形態によっては、装置の一部は、装置がビデオをキャプチャするために使用中であるときに患者の胴体の一部に載っているように、患者の胴体のその部分に従う形状とされる。一部のそのような実施形態では、そのような構造とされた装置は、(上述のように)装置を繰り返し安定して位置づけやすくし、これによりデータの信頼性を向上させることができる。
【0041】
実施形態によっては、装置は、ベースステーションに可動式に接続された第1の端と、撮像装置に可動式に接続された第2の端とを有する関節アームをさらに含む。
【0042】
実施形態によっては、装置は、心電図(ECG)信号を発生するために患者の皮膚に接触させるための少なくとも二つの電極をさらに含む。実施形態によっては、電極のうちの一つ以上の電極が、装置の他の要素のうちの一つの位置づけにより、患者の皮膚と接触してもよい。例えば、実施形態によっては、電極は、位置指示物が患者の身体上に正しく位置づけられると、電極がその人の皮膚と接触するように位置指示物上に位置づけることができる。実施形態によっては、電極のうちの一つ以上の電極が、使用時に(例えば画像データのキャプチャ時)に患者が接触可能なように装置上に位置づけられる。例えば、実施形態によっては、電極のうちの一つが位置指示物から離隔したハンドグリップ上にあってもよく、画像データをキャプチャするために患者が位置指示物を位置づける(例えばハンドグリップを握る)と患者の手がその電極に接触することができる。
【0043】
実施形態によっては、装置はマイクロフォンを含む。マイクロフォンは、例えば、患者が話している時に患者の声の音声をキャプチャするために使用されてもよい。実施形態によっては、これは、例えば装置が、距離を隔てた別の人物(例えば臨床医)との通話を可能にする適切なハードウェア及びソフトウェアを含む場合である。これに加えて、又はこれに代えて、装置は、患者にコンピュータ制御音声指示を与えるため、及び患者によって発話で返された情報を記録又はその他により処理するための、適切なハードウェア及びソフトウェアを含んでもよい。これに加えて、又はこれに代えて、マイクロフォン(又は装置が複数のマイクロフォンを有する場合はマイクロフォンのうちの一つ)が、患者の身体の皮膚と接触し、患者の身体によって発せられる音(例えば、心臓弁の開閉によるものなどの心音、肺に出入りする空気からなどの呼吸音、及び/又は、血管中及び/又は弁を通って流れる血液からの血流音)をキャプチャするために使用することができる。マイクロフォンは、例えばキャプチャされた音の記憶、及び/又は通信リンクを介したそのような音の送信のために、プロセッサと電子通信してもよい。
【0044】
実施形態によっては、装置はスピーカを含む。実施形態によっては、これは、例えば装置が距離を隔てた別の人物(例えば臨床医)との通話を可能にする適切なハードウェア及びソフトウェアを含む場合であり得る。これに加えて、又はこれに代えて、装置は、患者にコンピュータ制御音声及び/又はその他による可聴指示を与えるための適切なハードウェア及びソフトウェアを含んでもよい。これに加えて、又はこれに代えて、患者がマイクロフォンによってキャプチャされる身体の音を聞くことを可能にするためにスピーカ(又は複数ある場合は複数のスピーカ)を使用することができる。
【0045】
実施形態によっては、装置は、例えば撮像装置によるビデオキャプチャを制御するために撮像装置に動作可能に接続された、患者作動(又はユーザ作動)センサー要素をさらに含む。実施形態によっては、例えば患者作動センサー要素は、患者がモニタリングセッションを開始する準備ができていることを示すために患者が押すボタンであってもよい。一部のそのような実施形態では、ボタンはモニタリングセッションを直接開始させてもよく、他の実施形態では、ボタンはモニタリングセッションを(例えば時間が来れば、例えば所定時間後に、モニタリングセッションを開始するコンピュータプロセスを開始することによって)間接的に開始させてもよい。非限定的な一実施例として、患者作動センサー要素は、例えば位置指示物上、可動部上、又はベース上など、装置上の任意の適切な場所に配置可能であり、(直接又はプロセッサを介して間接的に)互いに電子通信することができる。
【0046】
実施形態によっては、装置は、(i)撮像装置と電子通信するプロセッサと、(ii)プロセッサと電子通信する情報記憶媒体と、(iii)プロセッサと電子通信する無線送受信器とをさらに含む。一部のこのような実施形態では、装置は、例えば、Ethernetポートを介した有線接続により、及び/又は移動体通信(セルラー)ネットワーク又はWI-FI(商標)により、例えばインターネットなどのネットワークに接続することができてもよい。
【0047】
実施形態によっては、装置は、(i)少なくとも近赤外(NIR)スペクトル内の電磁放射を供給する電磁放射源と、(ii)撮像装置へのNIRスペクトル内の電磁放射の選択的通過を可能にするフィルタとを含む。このような一部の実施形態では、このような構造とされた装置は、人工アンビエント照明に付随する問題を低減するのに役立つ。例えば、人工アンビエント照明は、ちらつきに起因して信号にノイズをもたらす可能性がある。
【0048】
実施形態によっては、電子撮像装置は第1の電子撮像装置であり、装置は第1の電子撮像装置を基準にして所定位置に固定された第2の電子撮像装置をさらに含む。一部のそのような実施形態では、固定され、互いから既知の距離だけ離隔された二つの撮像装置を有することで、例えば視差マップ(又は差マップ)の計算によって、立体視又は深度検知を可能にすることができる。これは、撮像される構造(例えば首)の3Dモデルの生成を可能にすることができる。
【0049】
また、一部のそのような実施形態では、第1の電子撮像装置は近赤外線(NIR)スペクトル撮像装置とすることができ、第2の電子撮像装置は可視光スペクトル撮像装置とすることができる。一部のそのような実施形態では、NIRスペクトル撮像装置は画像をグレースケールでキャプチャし、一方、可視光スペクトル撮像装置は画像をカラーでキャプチャする。したがって、二つの撮像装置は、画像処理、セグメンテーション、及び/又は特徴識別に有用となり得る異なる情報を提供する。例えば、異なるスペクトルから異なる画像を生成することができ、これは画像データ内の異なる特徴を評価するのに有用となり得る(例えば、一つの特徴がNIRによってよりよくキャプチャされ、別の特徴が可視光によってよりよりよくキャプチャされる場合がある)。NIR情報と組み合わさったカラー情報は、特徴識別及び/又は異なる物体の(例えば皮膚から衣服、背景から身体の輪郭の)セグメンテーションに役立ち得る。
【0050】
患者のJVPがモニタリングされる一部の実施形態では、基準要素は、キャプチャされた電子ビデオからコンピュータプロセッサによって判定可能な、患者の胸骨角と患者の胴体の肉眼的に不動の解剖学的特徴とのうちの少なくとも一つを基準にした患者の頸静脈内の血液のカラムの高さを表現する所定の寸法を有する。一部のそのような実施形態では、患者の胴体の肉眼的に不動の解剖学的特徴は、患者の鎖骨頭、頸切痕、及び胸骨のうちの一つである。実施形態によっては、患者の胸骨角と患者の上半身の肉眼的に不動の解剖学的特徴とのうちの少なくとも一方を基準にした頸静脈内の血液のカラムの高さは、電子ビデオがキャプチャされた時点で患者の首の異なる画像を参照せずに、及び/又は撮像装置を患者の首を基準にした正確な位置に固定している必要なしに、キャプチャされた電子ビデオからプロセッサによって判定可能である。一実施例では、JVPの高さの判定は、基準要素が既知の大きさであることに依存することができる。既知の大きさにより、これは(例えば撮像装置によってキャプチャされたビデオの)画素と物理的距離との間での変換を可能にする。臨床医がそのビデオを調べ、IJVにおける拍動の位置を判定することができる。距離又は垂直高さは、画素の数と(例えば装置の加速度計によって測定された)患者の角度とを使用して計算することができる。これは、別の画像(例えば、画像内の様々な要素間の距離のすべてがわかっている、以前にキャプチャされた画像)を参照せずに、キャプチャされたビデオを使用してJVPのアセスメントが行われるたびに行うことができる。
【0051】
実施形態によっては、撮像装置は患者に直接接触しない。実施形態によっては、撮像装置は患者の身体への機械的接続によって固定位置に保持されない。
【0052】
別の態様では、本技術の実装形態は、(a)患者の首の電子ビデオをキャプチャすることができるように患者の首を基準にして位置づけ可能な電子撮像装置と、(b)患者の身体の外部の位置指示物であって、患者の胴体上の解剖学的部位を基準にして患者の身体に繰り返し安定して位置づけ可能な構造とされ、撮像装置に接続された位置指示物と、(c)位置指示物を位置づけることによって患者の首を基準にして位置づけ可能な基準要素とを含む装置によって、心臓、呼吸器又は心肺の状態のモニタリングに適した人間の患者の電子ビデオをキャプチャする方法であって、(i)患者の首の電子ビデオをキャプチャすることができるように撮像装置が患者の首を基準にして位置づけ可能なように、患者を基準にして装置を位置づけることと、(ii)患者の胴体上の解剖学的部位を基準にして患者の身体上の安定した位置に位置指示物を位置づけ、それによって基準要素と撮像装置のうちの少なくとも一方を、患者の首と、基準要素の少なくとも一部とを撮像装置の移動なしに撮像装置によって電子ビデオ内に同時にキャプチャすることができるように、患者の首を基準にして位置づけさせることと、(iii)撮像装置によって電子ビデオをキャプチャさせることとを含む、方法を提供する。
【0053】
一部の実装形態では、患者の胴体上の解剖学的部位を基準にして患者の身体上の安定した位置に位置指示物を位置づけることは、撮像装置の移動なしに患者の首と基準要素の少なくとも一部とを同時に撮像装置によって電子ビデオ内にキャプチャすることができるように、基準要素と撮像装置の両方を患者の首を基準にして位置づけさせる。
【0054】
本技術及び本技術のその他の態様及びさらなる特徴をよりよく理解することができるように、添付図面と併せて用いられる以下の説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0055】
図1】角度をなしてベッドに横たわる患者の図を示し、患者のJVP高さを判定するために使用することができる、患者のIJV上の胸骨角に対して相対的な垂直距離を示す図である。
図2A】一実施形態による、患者のJVPを測定するためのシステムを示す概略ブロック図である。
図2B】一実施形態による、患者のJVPを測定するためのシステムを示す概略ブロック図である。
図3A】実施形態による、JVPを測定するためのシステムの検知デバイスとベースの様々な構成を示す概略図である。
図3B】実施形態による、JVPを測定するためのシステムの検知デバイスとベースの様々な構成を示す概略図である。
図3C】実施形態による、JVPを測定するためのシステムの検知デバイスとベースの様々な構成を示す概略図である。
図4】一実施形態による、患者の頸切痕(SN)上に配置された患者のJVPを測定するための検知装置を示す概略ブロック図である。
図5】一実施形態による、検知デバイスとベースとを含むシステムを使用して患者のJVPを測定する方法を示す概略フローチャートである。
図6】一実施形態による、患者のJVPをモニタリングするのに適した、人間の患者の首のビデオをキャプチャするためのデバイスを示す等角図である。デバイスは、格納形態で示されている。この等角図は、デバイスの上面、前面及び右面を捉えたものである。
図7】デバイスの上面、前面及び左面を捉えた、図6に示すデバイスの等角図である。
図8】デバイスの上面、背面及び右面を捉えた、図6に示すデバイスの等角図である。
図9】デバイスが動作形態で示されている、図6のデバイスの上面、前面及び右面の等角図である。
図10図9に示す動作形態の図6のデバイスの上面、前面及び左面を示す等角図である。
図11】カメラ及びライトユニットの上面、右面、背面から捉えた、図6のデバイスのカメラ及びライトユニットを示す等角クローズアップ図である。
図12】第1の角度から捉えた、適切な動作位置における胴体上に図6のデバイスのカメラ及びライドユニットを有する患者を示す概略図である。
図13】一実施形態による、患者のJVPを測定するための検知デバイスを示す前面図である。
図14A図13の検知デバイスを示す下面図である。
図14B図13の検知デバイスを示す背面図である。
図15A】一実施形態による、患者のJVPを測定するための検知デバイスを示す前面等角図である。
図15B】一実施形態による、患者の手で把持されている図15Aの検知デバイスを示す上面図である。
図16】一実施形態による、患者のJVPを測定するために使用される検知デバイスを受け入れるためのベースを示す前面等角図である。
図17A図16のベースを示す上面図である。
図17B図16のベースを示す背面立面図である。
図18】検知デバイスが通信可能に結合された、図17A図17Bのシステムを示す等角図である。
図19A】一実施形態による、ベースに動作可能に結合され、ベースに載っている検知デバイスを含む、患者のJVPを測定するためのシステムを示す、それぞれ前面等角図及び背面等角図である。
図19B】一実施形態による、ベースに動作可能に結合され、ベースに載っている検知デバイスを含む、患者のJVPを測定するためのシステムを示す、それぞれ前面等角図及び背面等角図である。
図20図19A図19Bのベースを示す分解図である。
図21】一実施形態による、検知デバイスとベースとを含む、患者のJVPを測定するためのシステムを示す概略ブロック図である。
図22】一実施形態による、検知デバイスとベースとを含む、患者のJVPを測定するためのシステムを示す概略ブロック図である。
図23】一実施形態による、静止画像面における首の可変回転と線との関係を概略的に図示する、患者のJVPを測定するためのシステムの撮像アセンブリによって生成された静止画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
本明細書に記載のシステム、デバイス及び方法は、例えばJVPを含む患者の様々な状態のモニタリングを可能にする。実施形態によっては、システム、デバイス及び方法は、例えば患者の家など、診療所の外部の環境でのモニタリングを可能にするように構成可能である。
【0057】
図を参照すると、図2Aは、一実施形態による、患者のJVP及び/又はその他の生理学的パラメータ又は状態を測定するためのシステム100の概略ブロック図である。システム100は、撮像アセンブリ112と位置決め要素118と任意により加速度計又はジャイロスコープ114及び/又は一つ以上の追加のセンサー116とを含むことができる検知デバイス110を含む。システム100は、メモリ122とプロセッサ124と通信インターフェース126と入力/出力(I/O)デバイス128とを含むことができるベース120を含む。検知デバイス110は、患者のJVPを測定するように構成されている。検知デバイス110は、ベース120に動作可能に結合されてもよく、本明細書に記載のように、ベースから受信した作動信号に基づいてJVPを測定し、測定されたJVPに対応する信号をベース120に送信するように構成可能である。
【0058】
患者のJVPを測定するように構成されるものとして説明するが、実施形態によっては、システム100又は本明細書に記載のいずれかの他のシステム又は検知デバイスは、頸動脈(動脈)拍動、呼吸努力(正常及び/又は窮迫)を測定又はモニタリングするように構成されてもよく、あるいはCHF、COPD、喘息、透析(腹膜透析と血液透析の両方)、心臓タンポナーデ、心内圧上昇を生じさせる状態、過剰循環血液量が問題である事例(例えば、IV輸液による容量蘇生後の敗血性ショック)、又は任意のその他の疾患若しくは状態に罹患している患者のモニタリングに使用することもできる。このようなすべての測定、判定又は診断が企図されており、本開示の範囲内に含まれるとみなされるべきである。
【0059】
検知デバイス110は、中に検知デバイスの構成要素、例えば撮像アセンブリ112、加速度計又はジャイロスコープ114、センサー及び/又は位置決め要素118を配置、結合、一体化、又は一体形成可能なハウジング(図示せず)を含んでもよい。撮像アセンブリ112は、患者の身体の一部(例えば患者の首)の単一の画像、一組の画像及び/又はビデオをキャプチャするように構成されている。例えば、撮像アセンブリ112は、患者のJVPを判定するためにIJVの怒張が見える首の領域における患者の首の画像、一組の画像、又はビデオをキャプチャするために使用されてもよい。様々な実施形態において、撮像アセンブリ112は、例えば患者の身体の一部の画像及び/又はビデオをキャプチャするように構成された荷電結合素子(CCD)カメラなどの一つ以上の撮像装置を含んでもよい。実施形態によっては、撮像アセンブリ112は、一つ以上のレンズ(例えば凹レンズ及び/又は凸レンズ)、及び/又は(例えば異なる波長での)画像のキャプチャを容易にし、ノイズを低減し、及び/又は結像焦点を大きくするための、一つ以上のフィルタ(例えば光学フィルタ、ハイパスフィルタ、ローパスフィルタ、バンドパスフィルタなどのソフトウェアフィルタ)も含んでもよい。撮像アセンブリ112は、患者のIJVの怒張をキャプチャし、それによって患者のJVPをキャプチャすることができるように、患者の画像及び/又はビデオをキャプチャすることが可能なように、患者の首を基準にして位置づけ可能とすることができる。撮像アセンブリ112は、キャプチャされた画像を示す信号を生成し、その信号をベース120(例えばベース120に含まれるプロセッサ124)に伝達してもよい。
【0060】
実施形態によっては、撮像アセンブリ112は、患者の身体の一部(例えば首)を照明するための光源又は照明機構(例えば一つ以上の発光ダイオード(LED)などの電磁放射源)も含んでもよい。光源は、患者の身体を撮像するために撮像アセンブリ112のカメラのための十分な照明を生じさせるように構成することができる。実施形態によっては、照明機構は、一つ以上の画像又はビデオをキャプチャするための光を発生するように構成することができる。例えば、照明機構は、光学的撮像のための領域を照明するように構成することができる。
【0061】
実施形態によっては、照明機構は、(例えば一つ以上の数学計算により)例えばJVPの判定を可能にすることができる既知の特性(例えば大きさ、形状、距離など)を有する基準を提供するための基準要素を発生するように構成されてもよい。例えば、照明機構は、例えば撮像アセンブリ112に含まれる撮像装置の視野内にある患者の首に対して、基準画像又は基準要素の形態の電磁放射(例えば可視光、赤外線又は紫外線(UV)光)を投影するように構成されてもよい。実施形態によっては、基準画像は患者の首の適切な領域に対する投影光の一つ以上の線(例えば3本の平行な線又はその他の適切なマーキング)を含んでもよい。実施形態によっては、基準画像は、行われる数学計算を容易にすることができるマーキングを有してもよい。例えば、実施形態によっては、基準要素上のマーキングは一つ以上の測定スケール(例えばセンチメートル)であってもよい。実施形態によっては、マーキングは数字を含んでもよい。実施形態によっては、マーキングは、構造化電磁放射の異なるパターン、色又は、その他の区別を含んでも含まなくてもよい。
【0062】
他の実施形態では、基準要素は、撮像アセンブリ112によって患者の首を撮像する前に、患者、介護者又は医師によって患者の首に位置づけることができる別個の物理要素であってもよい。動作時、患者の首の静脈の怒張が見える領域のビデオをキャプチャすることを可能にするために、患者の首を基準にして所望の向きに撮像装置アセンブリ112が位置づけられるように、検知デバイス110を患者の身体に配置することができる。正しい位置では、基準要素は、(i)基準要素も電子撮像装置のフレーム内にあり、(ii)撮像アセンブリ112によって記録されるビデオ上にキャプチャ可能であり、(iii)患者のJVPを計算するために、キャプチャされたビデオから数学計算を行うことができるように、患者の首を基準にして位置づけられる。
【0063】
実施形態によっては、撮像アセンブリ112は、少なくとも近赤外線(NIR)スペクトル内の電磁放射を供給する電磁放射源として実装された照明機構と、NIRスペクトル内の電磁放射を撮像アセンブリ112に含まれる撮像装置まで選択的に通過させるフィルタとを含んでもよい。一部のそのような実施形態では、そのような構造とされた装置は、アンビエント照明に付随する問題を低減する助けとなる。例えば、人工アンビエント照明が、ちらつきに起因して信号にノイズをもたらす可能性がある。NIRスペクトル内の専用光源と、NIRスペクトル内の電磁放射のみを通過させるフィルタとを有することで、ちらつきに起因するノイズ又はその他の光学的照明ノイズを実質的に低減することができる。NIR撮像は、画像処理に与える肌の色合いの影響も低減することができる。
【0064】
実施形態によっては、撮像アセンブリ112は、複数の撮像装置を含んでもよい。例えば、撮像アセンブリ112は、第1の電子撮像装置と、第1の電子撮像装置を基準にして所定位置に固定された第2の電磁撮像装置とを含んでもよい。固定され、既知の距離だけ離隔した二つの撮像装置を有することで、視差マップ又は差マップの計算による立体視又は深度検知を可能にすることができる。これは、撮像される患者の構造体(例えば首)の3Dモデルの生成を可能にすることができる。実施形態によっては、第1の電子撮像装置がNIRスペクトル撮像装置であってもよく、第2の電子撮像装置が可視光スペクトル撮像装置であってもよい。一部のそのような実施形態では、NIRスペクトル撮像装置が画像をグレースケールでキャプチャし、一方、可視光スペクトル撮像装置は画像をカラーでキャプチャする。したがって、二つの撮像装置は、画像処理、セグメンテーション及び特徴識別に有用となり得る異なる情報を提供する。NIR情報と組み合わさったカラー情報は、特徴識別及び/又は異なる物を互いから(例えば皮膚から衣服、又は背景から身体の輪郭)セグメンテーションするのを支援することができる。
【0065】
患者のJVPがモニタリングされる一部の実施形態では、撮像アセンブリ112に含まれるか又は検知デバイスの別の部分に(例えば位置決め要素又は位置指示物内に)含まれる照明機構(例えば可視又はNIR電磁放射源)によって発生可能な基準要素は、例えば、患者の首又は首の一部と位置指示物(例えば位置決め要素118)のキャプチャされた画像又はビデオからプロセッサ124によって判定可能な、患者の胸骨角及び/又は患者の胴体の別の肉眼的に不動の解剖学的特徴のうちの少なくとも一つを基準にした患者の静脈内の血液のカラムの高さを提供する所定の寸法を有してもよい。一部のそのような実施形態では、患者の胴体の別の肉眼的に不動な解剖学的特徴は、患者の鎖骨頭、頸切痕及び胸骨のうちの一つである。
【0066】
実施形態によっては、患者の胸骨角と患者の上半身の別の肉眼的に不動の解剖学的特徴のうちの少なくとも一方を基準にした患者の静脈内の血液のカラムの高さは、患者の首の異なる画像を参照せずに、及び/又は、電子ビデオがキャプチャされた時点において患者の首を基準にした正確な位置に撮像装置が固定されていたことを必要とせずに、キャプチャされた電子ビデオからプロセッサ124によって判定可能である。例えば、基準要素が既知の大きさであることはJVPの測定を容易にすることができる。例えば、基準の既知の大きさは、(例えば撮像装置によってキャプチャされたビデオの)画素と物理的距離との間の変換を可能にすることができる。実施形態によっては、臨床医がビデオを調べ、IJV内の拍動の頂点の位置を判定することが可能であってもよい。これに代えて、又はこれに加えて、プロセッサ124が、ビデオデータの処理によって、IJVの拍動の頂点の位置を識別するように構成可能である。画素数と(例えば加速度計又はジャイロスコープ114によって測定された)患者の角度とを使用して距離(例えば垂直距離)を計算することができる。
【0067】
加速度計又はジャイロスコープ114は、例えば、マイクロエレクトロメカニカル(MEMS)加速度計、圧電加速度計、ピエゾ抵抗加速度計、容量性加速度計、回転ジャイロスコープ、振動ジャイロスコープ、光学ジャイロスコープ、任意のその他の適切な加速度計又は加速度検知デバイス、あるいはこれらの組合せを含み得る。実施形態によっては、加速度計又はジャイロスコープ114は、撮像アセンブリ112が例えば検知デバイス110(例えば検知デバイス110の位置決め要素118)が本明細書に記載のように患者の身体に安定して位置づけられていないことに起因して移動しているか否かを判定するために使用されてもよい。実施形態によっては、ベース120に含まれるプロセッサ124が、加速度計又はジャイロスコープ112から信号を受信し、その加速度計又はジャイロスコープ信号に基づいて、撮像アセンブリ112が患者の身体のその部分の鮮明な画像又はビデオをキャプチャするように検知デバイス110が患者の身体に十分に安定して配置されている(例えば静止しているか又は所定の量又は割合未満で移動している)との判定に基づいて、撮像アセンブリ112を作動させるように構成されてもよい。
【0068】
別の実施例では、加速度計又はジャイロスコープ114は、水平軸を基準にした患者の角度を判定するためにも使用することができる。例えば、患者のJVPを測定するときに、患者の胴体及び首が水平に対して傾斜している角度が約30度から約60度の間であってもよい。患者の傾斜の特定の角度に応じて、胸骨角とIJVの拍動点の頂点との間の垂直高さ又は距離が、例えば図1を参照しながら上述したように変化する場合がある。したがって、加速度計又はジャイロスコープ114は、傾斜の角度を測定し、それをベース120のプロセッサ124に伝達するように構成されてもよい。実施形態によっては、プロセッサ124は、患者が約30と約60度の間の角度で傾斜し、検知デバイス110が患者の身体に安定して配置されている場合、撮像アセンブリ112を作動させるように構成されてもよい。実施形態によっては、プロセッサ124は、加速度計又はジャイロスコープ114によって取得された角度データを、例えばJVPを判定するために胸骨角とIJVの拍動点の頂点との垂直距離を判定する際に使用することができる。
【0069】
検知デバイス110は、患者の少なくとも一つの生理学的パラメータを検知するように構成可能な一つ以上のセンサー116も含んでもよい。実施形態によっては、患者の身体の一部(例えば患者の胸骨又は胸部、又は患者の手)に接触して、患者の一つ以上の生理学的パラメータを測定することができるように、センサー116の少なくとも一部が、検知デバイス110のハウジングから外側に突出するか、又はハウジングを通して全体的にアクセス可能であってもよい。実施形態によっては、センサー116は、接触センサー、ECG電極、PPGセンサー、任意のその他の適切なセンサー、又はこれらの組合せを含んでもよい。実施形態によっては、センサー116は、患者の皮膚、例えば患者の胸骨又は胴体の皮膚と接触するように構成されるか、又は患者のJVP(又は本明細書に記載のいずれかの他の生理学的パラメータ)を測定するために患者が検知デバイスを握ると患者の手又は1本以上の指の皮膚と接触するように検知デバイス110のハウジング上に画定されたグリップ上に設けられてもよい。実施形態によっては、センサー116は、ECG信号をキャプチャするように患者の皮膚と接触するための少なくとも二つの電極を含んでもよい。実施形態によっては、検知デバイス110が(例えば撮像アセンブリ112による)画像キャプチャのために患者の上に正しく位置づけられると、電極のうちの一つ以上の電極が患者の皮膚に接触してもよい。例えば、実施形態によっては、電極のうちの一つが位置指示物(例えば位置決め要素118)上にあり、位置指示物が患者の身体に正しく位置づけられると電極が患者の皮膚と接触するように、位置指示物上に配置されてもよい。
【0070】
実施形態によっては、センサー116は、検知デバイス110が患者の身体に位置づけられたという信号を送信するために使用されてもよい。実施形態によっては、センサー116からの信号が、検知デバイス110が所定の閾値を超える速度で(例えば間のすべての部分範囲及び値を含む0.01mm/秒又は約1mm/秒を超える速度で)移動しており、したがって患者の身体上にまだ安定して位置づけられていないか否かを判定するためにその信号を使用することができる加速度計112からの信号と組み合わせられる。実施形態によっては、プロセッサ124は、センサー116及び/又は加速度計又はジャイロスコープ114から、例えば検知デバイス110が安定して位置づけられていることと、患者の胴体及び首の傾斜が患者のJVPを判定するための範囲内にあることとを示す適切な信号を受信したことに基づいて、ビデオのキャプチャを自動的に開始するように構成されてもよい。
【0071】
実施形態によっては、センサー116は、例えば(通信インターフェース126を介して)ベース120に含まれるプロセッサ124又はシステム100に動作可能に結合された何らかの他のプロセッサによって、撮像アセンブリ112からの撮像データと同期可能である。したがって、実施形態によっては、キャプチャされたビデオとセンサー116からのデータとが連係又は同期される。非限定的な一実施例では、センサー116がECG電極又はパルス酸素濃度計を含む場合、撮像アセンブリ112はセンサー116からの信号と同期してデータを収集してもよい。例えば、センサー116データが記録される時点と、撮像装置からの画像(ビデオ)データが記録される時点は、既知であるか又はプロセッサ124によって絶対時間及び/又は相対時間で判定可能とすることができる。例えば、実施形態によっては、撮像装置をゲート制御するためにセンサー116及び/又は加速度計114のクロックを使用することができる(又はその逆も可能)。実施形態によっては、プロセッサ124が、撮像アセンブリ112とセンサー116の両方をゲート制御するクロック信号を発生する。実施形態によっては、画像データとセンサーデータの両方に同じクロック信号を使用してタイムスタンプが付けられ、データは後処理ステップで例えばプロセッサ124又はリモートプロセッサ(例えば携帯電話、タブレット、ラップトップコンピュータ又はデスクトップコンピュータなどのユーザデバイス、あるいはリモートサーバ)によって時間的に揃えられる。
【0072】
実施形態によっては、センサー116のサンプリングレートは撮像アセンブリ112のサンプリングレートの倍数であってもよい。例えば、実施形態によっては、センサー116データサンプリングレートと撮像アセンブリ112データサンプリングレートとの比は、約0.5:1から約10:1とすることができ、約2:1を含むその間のすべての値及び部分範囲を含む。比が2:1である場合、センサー116データはT1、T2、T3、T4、T5などにおいてサンプリングされることになり、一方、撮像アセンブリ112データは、T1、T3、T5などにおいてのみサンプリングされることになる(各TnTn+1の間の間隔は一定である)。このような実施例では、センサー116データは撮像アセンブリ112データを解釈するのを支援するために使用可能である。
【0073】
実施形態によっては、センサー116は、マイクロフォン又はその他の音声キャプチャデバイスを含むことができる。音声キャプチャデバイスは、例えば、患者が話しているときに患者の声の音声をキャプチャするか、又は患者によって発せられたその他の音(例えば呼吸、心音など)をキャプチャするために使用されてもよい。例えば、音声キャプチャデバイスは、患者の皮膚に接触可能であり、患者の身体によって発せられる音、例えば(例えば心臓弁の開閉からの)心音、(例えば肺を出入りする空気からの)呼吸音、及び/又は血管内及び/又は弁を通って流れる血液からの血流音をキャプチャするために使用することができる。
【0074】
位置決め要素118は、例えば、患者の状態の測定又はモニタリングのために患者の身体の一部(例えば患者の首)に対して相対的な正しい位置又は所望の位置に撮像アセンブリ112を位置づけるように、患者の身体(例えば胴体又は胸骨)上への検知デバイス110の正しい位置づけ又は所望の位置づけを容易にするように構成され、又はそのような構造とされてもよい。例えば、実施形態によっては、位置決め要素118は、検知デバイス110が位置決め要素118による誘導に従って患者の上で位置決めしているときに患者の身体の一部(例えば患者の首)が撮像アセンブリ112の撮像装置の視野内にあるように、検知デバイス110の位置づけを容易にするように構成することができる。これは、撮像アセンブリがJVP又は任意のその他の状態、又は本明細書に記載の患者の生理学的パラメータの適切なモニタリングを行うことができるようにするために望ましい場合がある。
【0075】
実施形態によっては、位置決め要素118は、位置指示物を含むか又は位置指示物として実装可能である。例えば、位置指示物として実装された位置決め要素118は、患者の解剖学的部位を基準にして患者の身体上に位置づけ可能な構造とされてもよい。実装形態によっては、これは、位置決め要素118の少なくとも一部を、患者の身体の特定の解剖学的部位の大きさ及び形状と合わせることができる大きさ及び形状とすることによって実現されてもよい。そのような解剖学的部位の例は、患者の胸骨、胸骨角、胸骨柄、鎖骨頭、及び頸切痕である。例えば、解剖学的部位が患者の頸切痕である実装形態では、位置決め要素118は、頸切痕内にぴったり収まるような寸法とされた球状部分(例えば、検知デバイス110のハウジングのベースに結合された、又はハウジングのベースに一体形成された、半球形突起)を有してもよい。実施形態によっては、位置決め要素118は、交換可能又は調整可能な患者接触要素を含んでもよく、それによって、位置決め要素118を患者の胴体上で位置づけるのを助け、それによって患者の身体の一部(例えば首)に対して相対的に撮像アセンブリ112を正しく位置づけるために、位置決め要素が患者に合わせてカスタマイズされること(例えば患者間での大きさの変化、解剖学的部位の変化などに対応すること)を可能にする。位置指示物として実装された位置決め要素118は、撮像アセンブリ(又は撮像アセンブリの撮像装置)が位置決めと解析(例えば数学計算)によって固定基準点(例えば胸骨角)を判定するのを助けることができる。これは、画像処理、又は撮像装置と位置指示物との間に機械的連結があれば機械的測定によって実現可能である。したがって、位置指示物は、解剖学的標認点の判定を可能にすることによってもデバイスの位置決めを助ける。
【0076】
上記に加えて又は上記に代えて、実施形態によっては、位置決め要素118は少なくとも一つの調整可能な患者接触要素を有する。調整可能な患者接触要素がある場合、それも患者の胴体上に位置決め要素118を位置づける際に助けとなり得る。他の実施形態では、上記に加えて、又は上記に代えて、位置決め要素118は、例えば同様の目的に適う交換可能要素であってもよい。実施形態によっては、検知デバイス110は、患者の身体の第1の部分に位置づけられるように構成された第1の位置決め要素(例えば、頸切痕に位置づけられるように構成された球形要素又は部分)と、第1の位置決め要素から離隔され、患者の身体の別個の部分上に(例えば胸筋又は胸部上に)位置づけられるように構成された第2の位置決め要素とを含んでもよい。複数の位置決め要素118を設けることによって、患者の胴体上の検知デバイス110のより実質的に安定した正しい位置決めを可能にすることができる。
【0077】
検知デバイス110はベース120に動作可能に結合される。実施形態によっては、ベース120は、溝、切り欠き、空洞、台などを含むか、又はその他により検知デバイス110のハウジングの一部を第1の形態(例えば、検知デバイス110が使用中でない格納形態又は充電形態)でその上に配置することができるベースハウジング(図示せず)を含んでもよい。実施形態によっては、ベース120のベースハウジングは、検知デバイス110を第1の形態でその上に配置することができる、ベースハウジング内に突出、突起、結合又はその他により形成された台を含んでもよい。
【0078】
実施形態によっては、ベースハウジングは、位置決め要素118を第1の形態でその中に配置可能な一つ以上の溝又は空洞を含むか又は画定してもよい。例えば、ベースハウジングは、検知デバイスの第1の位置決め要素118(例えば、胸骨位置合わせ手段内に含まれる球状部分)を受け入れるように構成された第1の溝又は空洞と、第1の形態で第2の位置決め要素(例えば、検知デバイスハウジングに結合されるか又は一体形成された第2の突起又はアーム)を受け入れるように構成された第2の溝又は空洞を画定してもよい。実施形態によっては、ベースハウジングは、一つ以上の溝を画定することができて、第1の形態で検知デバイスハウジングの一部を受け入れ及び/又は支持するように構成可能な、アームも含むことができる。使用時、検知デバイス110は、ベース120から取り外すことができ、例えば第2の形態で患者の上に置くことができる。第2の形態では、検知デバイス110は、患者の一つ以上の生理学的パラメータの所望の測定を行うように構成することができる。
【0079】
実施形態によっては、検知デバイス110は、連結アセンブリ(図示せず)を介してベース120に物理的に結合されてもよい。例えば、連結アセンブリは、検知デバイス110をベース120に物理的に結合する一つ以上のアーム(例えば関節アーム)を含んでもよい。実施形態によっては、連結アセンブリは、ベースハウジングにヒンジ式結合、旋回式結合又はその他により回転可能に結合された第1のアームと、第1のアームに遠位端においてヒンジ式結合、旋回式結合又はその他により回転可能に結合され、検知デバイス110の検知デバイス本体にも近位端においてヒンジ式結合、旋回式結合又はその他により回転可能に結合された第2のアームとを含むことができる。このような連結アセンブリは、患者の身体上での検知デバイス110の正しい位置づけ又は所望の位置づけを容易にするように、検知デバイス110に広範囲な運動(例えば360度の運動自由度)を与えることができると共に、患者が患者の胴体上の安定した位置に検知デバイス110を維持するのを助けることができる。また、検知デバイス110をベース120(又は通信インターフェース126を介してプロセッサ124)に通信可能に結合するため、及び/又は、検知デバイス110がベース120から電力を受電することができるようにするために、通信導線(例えば電気導線)を一つ以上のアームを通して引き回すことができる。
【0080】
実施形態によっては、連結アセンブリは、検知デバイス110をベース120に(又はベース120の通信インターフェース126を介してベース120のプロセッサ124に)物理的及び通信可能に結合する電気導線、電気配線、フラットコード、コイルコード又は任意のその他の適切な電気導線などの一つ以上の導体を含むことができる。電気導線は、検知デバイス110及び/又はベース120に永久的に接続されてもよく、又は取り外し可能に接続されてもよい。このような電気導線は、患者による検知デバイス120の完全な運動自由度を可能にし、それによって患者の身体(例えば胴体)上での検知デバイス110の正しい位置づけを容易にすると共に、システム100の重量と可動性を低減することによって可搬性を向上させる。
【0081】
実施形態によっては、検知デバイス110は、ベース120に通信可能にのみ結合され、物理的にはベース120に結合されていなくてもよい。例えば、検知デバイス110は、ベース120との間で信号(例えば、作動信号、停止信号、画像又はビデオデータ信号、加速度計114データ信号、センサー116データ信号、又はシステム100の動作に関する任意のその他の信号)を送信及び/又は受信するための無線送受信器(例えば、半二重送受信器、全二重送受信器、RF送受信器、光送受信器、BLUETOOTH(登録商標)送受信器、WI-FI(登録商標)送受信器、近距離無線通信(NFC)送受信器、任意のその他の適切な無線送受信器又はこれらの組合せ)を含むことができる。実施形態によっては、検知デバイス110は、電源(図示せず)と、ベース120の通信インターフェース126に含めることができる対応する無線充電機構(例えば対応する無線充電コイル)から電磁充電信号を受信するように構成された無線充電機構(例えば無線充電コイル)を含んでもよい。
【0082】
前述のように、ベース120は、メモリ122とプロセッサ124と通信インターフェース126とI/Oデバイス128とを含み、検知デバイス110の動作を容易にするための追加の構成要素も含んでもよい。メモリ122は、データ、情報、コンピュータコード又は命令(本明細書に記載のものなど)及び/又は同様のものを記憶するように構成された任意の適切なメモリデバイスとすることができる。実施形態によっては、メモリ122は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、スタティックRAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、メモリバッファ、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能読み出し専用メモリ(EEPROM)、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、これらの組合せなどのうちの一つ以上とすることができ、及び/又はそれを含むことができる。実施形態によっては、メモリ122は、撮像アセンブリ112によってキャプチャされた画像又はビデオ、加速度計114データ、センサー116データなどを解析するためのモデル、計算、又はその他のアルゴリズムなど、システム100に関連するモジュール、プロセス及び/又は機能をプロセッサ124に実行させる命令を記憶することができる。実施形態によっては、メモリ122は、例えば、画像及び/又はビデオデータ、加速度計114データ、及び/又はセンサー116データを、そのデータがユーザデバイス又はリモートサーバに送信されるまで少なくとも一時的に記憶するように構成されてもよい。
【0083】
プロセッサ124は、命令のセット又はコードを可動させ、及び/又は実行するように構成された任意の適切な処理デバイスとすることができる。例えば、プロセッサ124は、一つ以上のデータプロセッサ、イメージプロセッサ、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)、物理処理ユニット、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、アナログシグナルプロセッサ、混合信号プロセッサ、機械学習プロセッサ、深層学習プロセッサ、有限状態マシン(FSM)、圧縮プロセッサ(例えば、データレート及び/又はメモリ所要量を削減するためのデータ圧縮)、(例えば、無線データ及び/又は送電を安全にするための)暗号化プロセッサ及び/又は同様のものとすることができる及び/又はこれらを含むことができる。プロセッサ124は、例えば汎用プロセッサ、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、プロセッサボード、仮想プロセッサ及び/又は同様のものとすることができる。プロセッサ124は、システム100に関連するアプリケーションプロセス及び/又はその他のモジュール、プロセス及び/又は機能を可動させ、及び/又は実行するように構成することができる。基礎となるデバイス技術は、様々なコンポーネントタイプ、例えば、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)のような金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)技術、敵対的生成ネットワーク(GAN)のような二極技術、ポリマー技術(例えばシリコン共役ポリマー及び金属共役ポリマー-金属構造体)、アナログ及びデジタル混合及び/又は同様のもので提供されてもよい。実施形態によっては、プロセッサ124は、一つ以上のセンサー、撮像アセンブリ、又は検知デバイス110のその他の構成要素からデータを受信し、例えば患者のJVP高さ又はその他の生理学的パラメータを判定するためにそのデータを処理するように構成可能である。これに代えて、又はこれに加えて、プロセッサ124は、一つ以上のセンサー、撮像アセンブリ又は検知デバイス110のその他の構成要素からのデータを、さらなる処理及び/又は解析のために(ネットワーク又はクラウドを介して)一つ以上のリモートデバイスに送信するように構成することができる。
【0084】
通信インターフェース126は、検知デバイス110(例えば、検知デバイス110に関して上述したデバイス、センサー及び/又はデータソース、及び/又はこれらの任意の組合せ又は一部のいずれか)、ネットワーク(例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)又はクラウド)、又は外部デバイス(例えば、携帯電話、タブレット、ラップトップ又はデスクトップコンピュータなどのユーザデバイス)と通信することができる任意の適切なデバイス及び/又はインターフェースとすることができる。また、通信インターフェース126は、例えばEthernetインターフェース、光搬送波(OC)インターフェース及び/又は非同期転送モード(ATM)インターフェースなど、一つ以上の有線及び/又は無線インターフェースを含むことができる。実施形態によっては、通信インターフェース126は、例えば、少なくともEthernetポート及び/又は無線(例えばWI-FI(登録商標)無線、BLUETOOTH(登録商標)無線、3G、4G、5Gなどのセルラー、802.11X Zigbeeなど)を含み得る、ネットワークインターフェースカード及び/又は同様のものとすることができる。実施形態によっては、通信インターフェース126は、一つ以上の衛星、WI-FI、BLUETOOTH又はセルラーアンテナを含むことができる。実施形態によっては、通信インターフェース126は、一つ以上の衛星、WI-FI、BLUETOOTH、又はセルラーアンテナ、又はバッテリ若しくはソーラーパネルなどの電源を含む、外部デバイス(例えば外部プロセッサ)に通信可能に結合することができる。実施形態によっては、通信インターフェース126は、撮像アセンブリ112からの撮像信号又はビデオ信号、加速度計又はジャイロスコープ114からの移動信号又は位置決め信号、及び/又はセンサー116からのセンサーデータを受信するように構成することができる。実施形態によっては、通信インターフェース126は、検知デバイス110に信号、例えば撮像アセンブリ112(例えば撮像アセンブリ112に含まれる一つ以上の撮像装置及び/又は電磁放射源)、加速度計又はジャイロスコープ114、及び/又はセンサー116を作動させるための作動信号を伝達するように構成することもできる。
【0085】
I/Oデバイス128は、ユーザからの入力を受け取り、又は患者又はユーザに出力を伝達するための任意の適切なデバイスを含んでもよい。実施形態によっては、I/Oデバイス128は、検知デバイス110をオンにするか又はその他により作動させるために、又はユーザが情報、要求情報を入力するか又はセンサデバイス110の様々なパラメータ(例えば、画像キャプチャレート、ビデオビットレート、光強度など)を設定することができるようにするために、作動機構又はその他によるユーザ作動要素(例えばタッチボタン、押しボタン、スイッチ、タッチパッドなど)を含んでもよい。実施形態によっては、I/Oデバイス128は、患者又はユーザに情報を表示するための視覚表示器(例えばLEDライト、ディスプレイなど)を含んでもよい。そのような情報には、患者のJVP、患者の血中酸素、心拍数、血圧、体温などのその他の患者の生理学的パラメータ、時刻、通信インターフェース状況(例えばWI-FI(登録商標)接続状況)、又は任意のその他の適切な情報あるいはこれらの組合せが含まれ得るが、これらには限定されない。
【0086】
実施形態によっては、I/Oデバイス128はマイクロフォンを含んでもよい。マイクロフォンは、例えば、患者が話しているときに患者の声の音声をキャプチャするために使用することができる。これは、例えばベース120が、距離を隔てた別の人(例えば臨床医)との通話を可能にする適切なハードウェア及びソフトウェアを含むことができる場合とすることができる。これに加えて、又はこれに代えて、ベース120は、患者にコンピュータ制御音声指示を与えるためと、患者によって返された発話情報を記録又はその他により処理を行うための適切なハードウェア及びソフトウェアを含んでもよい。これに加えて、又はこれに代えて、マイクロフォンは(又はI/Oデバイス128が複数のマイクロフォンを有する場合はマイクロフォンのうちの一つ)が患者の皮膚に接触可能であり、患者の身体により発せられる音、例えば(例えば心臓弁の開閉からの)心音、(例えば肺に出入りする空気からの)呼吸音、及び/又は、血管中及び/又は弁を通って流れる血液からの血流音をキャプチャするために使用することができる。このような実施形態では、マイクロフォンは、検知デバイス110に設けられてもよい(例えば検知デバイス110のセンサー116に含まれてもよい)。マイクロフォンは、例えばキャプチャされた音の記憶、及び/又は通信リンクを介したそのような音の送信のために、プロセッサ126と電子通信してもよい。
【0087】
実施形態によっては、I/Oデバイス128はスピーカを含んでもよい。実施形態によっては、これは、例えば、ベース120が、距離を隔てた別の人(例えば臨床医)との通話を可能にするためのハードウェア及びソフトウェアを含む場合とすることができる。これに加えて、又はこれに代えて、ベース120又は検知デバイス110は、患者にコンピュータ制御音声及び/又はその他による可聴指示を与えるための適切なハードウェア及びソフトウェアを含んでもよい。これに加えて、又はこれに代えて、患者がマイクロフォンによってキャプチャされている自分の身体音を聞くことができるようにするために、スピーカ(又は複数ある場合は複数のスピーカ)を使用することができる。実施形態によっては、スピーカは、例えばJVPを測定するために患者の上に検知デバイス110を位置づけるための指示をユーザに与えるために使用することができる。実施形態によっては、加速度計又はジャイロスコープ114、センサー116及び/又は撮像アセンブリ112から受信した信号に応じて、ベース120のプロセッサ124は、ユーザが検知デバイス110の誤った位置づけ又は使用を修正するのを助けるために、ユーザ(例えば患者)のための指示を発生するように構成することができる。例えば、加速度計又はジャイロスコープ114がプロセッサ124にデータを提供し、それによってプロセッサ124が、患者がJVPを測定するための適切な角度になっていないことを検出した場合、プロセッサ124はスピーカ又は他のI/Oデバイス124を介してユーザにそのような誤った位置づけを知らせる(例えば音を発する、ライトをオンにするか又は光らせるなど)ことができ、及び/又は、ユーザに自分の位置づけを修正する方法を指示することができる。
【0088】
プロセッサ124は、検知デバイス110に関して詳細に前述したように、患者の一つ以上の生理学的パラメータを測定するため、及び/又はそのようなパラメータを他のリモートデバイスに伝達するための、任意の適切な動作を行うように構成可能である。実施形態によっては、プロセッサ124は、作動機構がユーザによって把持されることに応答して、検知デバイス110を作動させるため、例えば検知デバイス110に含まれる様々な構成要素に電力を供給するために、検知デバイス110に作動信号を伝達するように構成されてもよい。実施形態によっては、プロセッサ124は、患者の胴体の傾斜角度又はリクライニング角度、患者の身体の標的部分(例えば患者の首)に対して相対的な撮像アセンブリ112の位置、及び/又は検知デバイス110の移動の速度又はその他による速度を判定するために、加速度計から信号を受信するように構成されてもよい。
【0089】
患者の胴体の傾斜の角度が所定範囲内(例えば約30度と約60を含む約30度から約60度の範囲内)にあり、患者の身体の標的部分(例えば患者の首)が撮像アセンブリ112の撮像装置の視野内にあり、及び/又は、検知デバイスが移動していないか又は閾値速度(例えば0.5mm/秒未満)の速度で移動されているとの判定に応答して、プロセッサ124は患者の身体の標的部分の撮像又はビデオキャプチャを開始するように撮像アセンブリに命令するように構成することができる。実施形態によっては、プロセッサ124は、患者の身体の標的部分を照明するため、及び/又は、前述のように標的部分に基準要素を投影するために、本明細書で前述したように撮像アセンブリ112に含まれ得る電磁放射源を作動させるように構成することもできる。
【0090】
実施形態によっては、患者の一つ以上の生理学的パラメータを測定するためのシステムが、ベースを持たないポータブルユニットとすることができる。例えば、図2Bは、一実施形態による患者のJVP及び/又はその他の生理学的パラメータを測定するための別のシステム100'を示す概略ブロック図である。システム100'は、撮像アセンブリ112'、位置決め要素118'、及び任意により加速度計又はジャイロスコープ114'、及び/又は一つ以上のセンサー116'を含み得る、検知デバイス110'を含む。撮像アセンブリ112'、加速度計又はジャイロスコープ114'、センサー116'及び位置決め要素118'は、それぞれ、図2Aに関して説明した撮像アセンブリ112、加速度計又はジャイロスコープ114、センサー116及び位置決め要素118と実質的に類似していてもよく、したがってここでは詳細には説明しない。
【0091】
システム100とは異なり、システム100'はベースを含まない。その代わりに、検知デバイス110'が、検知デバイス110'のハウジング内に配置可能で、撮像アセンブリ112'、加速度計114'、及び/又はセンサー116'に通信可能に結合可能な、メモリ122'とプロセッサ124'と通信インターフェース126とI/Oデバイス128'とバッテリ129'とを含む。メモリ122'、プロセッサ124'、通信インターフェース126'、及びI/Oデバイス128'は、図2Aで説明したメモリ122、プロセッサ124、通信インターフェース126、及びI/Oデバイス128と実質的に類似していてもよい。バッテリ129'は、充電式バッテリ(例えばLiイオン、NiCadなど)、又は使い捨てバッテリを含んでもよく、撮像アセンブリ112'、加速度計114'、センサー116'、メモリ122'、プロセッサ124'、通信インターフェース126'、及び/又はI/Oデバイス128'に電力を供給するように構成可能である。バッテリ129'が充電式バッテリである一部の実施形態では、システム100'は、バッテリ129'に充電するために電気導線を介して外部電源、例えば壁コンセントに差し込まれるように構成された電気ソケット又はジャックを含んでもよい。検知デバイス110'にメモリ122'とプロセッサ124'と通信インターフェース126'とI/Oデバイス128'とを組み込むことで、システム100'の可搬性が増し、例えばそれによってシステム100'が、患者が移動中に携行するための小型パッケージに収まるようにし、患者が選択した場所で患者がシステム100'を使用する柔軟性を持たせることができ、患者が検知デバイス110'を患者の身体に位置づけるのをより容易にする。
【0092】
図3A図3B及び図3Cは、様々な実施形態による、患者のJVP又はその他の生理学的パラメータを測定するためのシステムのベースに検知デバイスを動作可能に結合するための様々な構成を示す概略図である。例えば、図3Aは、検知デバイス210をベース220に結合するように構成された結合機構230の概略ブロック図である。検知デバイス210及びベース220は、前述の検知デバイス110及びベース120と実質的に類似していてもよく、したがってここでは詳細に説明しない。実施形態によっては、結合機構230は、関節運動可能であって、X軸、Y軸及び/又はZ軸を中心に約180度より大きい(例えば最大約360度まで)運動又は回転自由度を提供することができる連結アームを含むことができる。例えば、結合機構230は、近位端において検知デバイス210に結合された第1のアーム232を含んでもよい。実施形態によっては、第1のアーム232の近位端は、少なくとも一つの軸(例えばX軸)を中心にした第1のアーム232に対して相対的な検知デバイス220の回転を可能にするように、(例えばボールソケット継手、ヒンジ、回転継手などを介して)検知デバイス210に旋回式、ヒンジ式及び/又は回転式に結合されてもよい。
【0093】
第1のアーム232の遠位端が、結合機構230に含まれる第2のアーム234の近位端に継手236を介して結合されている。継手236は、例えば、少なくとも二つの軸を中心にした少なくとも180度の運動自由度を可能にするように、第1のアームが少なくとも二つの軸(例えばX軸とY軸)を中心に回転することを可能にする任意の適切な継手(例えば回転継手、ボールソケット継手など)を含んでもよい。第2のアーム234の近位端はベース220に結合されている。実施形態によっては、第1のアーム234の遠位端は(例えばボールソケット結合、回転継手などを介して)ベースに回転可能に結合され、それによって第2のアーム234が少なくとも一つの軸(例えばY軸)を中心に回転することができるようにしてもよい。したがって、結合機構は、検知デバイスが第1のアーム232に対して相対的に少なくとも一つの軸を中心に回転することと、少なくとも二つの軸を中心とした第2のアーム234の周りの第1のアーム232の回転と、少なくとも一つの軸を中心にしたベース230の周りの第2のアーム234の回転を可能にすることによって、検知デバイス210の運動の様々な度合い又は方向を与えることができる(例えば、検知デバイスを患者のJVPの測定のために患者の上に配置し、測定が完了した後はベース220に戻すことができるようにするための、X軸、Y軸及び/又はZ軸を中心とした少なくとも180度の角度の回転と、検知デバイス210のベース220の近位及び遠位への移動)。
【0094】
図3Bは、一実施形態による、検知デバイス210をベース220に通信可能に結合するように構成された結合機構230'の概略ブロック図である。結合機構230'は、検知デバイス210をベース220に物理的及び通信可能に結合するように構成された電気導線、電気配線、フラットコード、コイルコード又は任意のその他の適切な配線を含んでもよい。したがって、結合機構230'は、(例えば固定電話の送受話器をベースから移動させるのと同様に)患者が検知デバイス210をベース220に対して相対的に自由に移動することを可能にするように柔軟性を高くすることができる。このような構成は、検知デバイス210とベース220とを含むシステムの重量を軽くすることができ、それによって可搬性と患者による使い勝手とを向上させることができる。
【0095】
図3Cは、一実施形態による、検知デバイス210をベース220に通信可能に結合するように構成された結合機構230''"の概略ブロック図である。結合機構230及び230'とは異なり、この結合機構は、(例えば電話のベースに通信可能に結合された固定電話の無線送受話器と同様に)検知デバイス210をベース220に通信可能に結合するが、物理的には結合されない、無線結合を含む。実施形態によっては、結合機構230"は、ベース220との間で信号(例えば、作動信号、停止信号、画像データ、加速度計114データ、センサーデータ、又は任意のその他のデータ)を送信及び/又は受信するための、無線送受信器(例えば半二重送受信器、全二重送受信器、RF送受信器、光送受信器、Ethernet送受信器、WI-FI(登録商標)送受信器、NFC送受信器、任意のその他の適切な無線送受信器、又はこれらの組合せ)を含み得る。実施形態によっては、検知デバイス220は、電源(図示せず)と、ベース220に含まれてもよい対応する無線充電機構(例えば対応する充電コイル)から電磁充電信号を受信するように構成された無線充電機構(例えば無線充電コイル)を含んでもよい。無線結合は、例えば患者が移動中にベース220を携帯する必要なしに検知デバイス210を携行することができるようにして、可搬性をさらに向上させることができる。
【0096】
図4は、一実施形態による、患者の頸切痕SN上に配置された、患者のJVPを測定するための検知デバイス310の概略ブロック図である。実施形態によっては、検知デバイス310は、結合機構(例えば本明細書に記載のいずれかの結合機構)を使用してベース(例えば本明細書に記載のいずれかのベース)に物理的及び/又は通信可能に結合することができる。図4に示すように、検知デバイス310は、本体と撮像アセンブリ311と胸骨位置合わせ手段318aと、任意により身体支持部318bとを含む。
【0097】
さらに詳しく説明すると、本体311は、検知デバイス310を操作するために患者によって本体を握りやすくするような人間工学的形状とされてもよい。例えば、本体311は、患者が本体311、したがって検知デバイス310を、把持又はその他により本体311を握るための人間工学的グリップを設けるために、一つ以上の複数の湾曲部、溝、切り欠き、窪みなどを画定する細長い部材を含んでもよい。本体311は、検知デバイス310の少なくとも一部の構成要素を中に配置することができる内部容積を画定してもよい。例えば、図4に示すように、検知デバイスは、内部容積内に配置された、加速度計又はジャイロスコープ314と、センサー316と、通信インターフェース315とを含んでもよい。実施形態によっては、本体311は、任意により、アーム継手313を含むか、画定するか、又は結合されていてもよい。
【0098】
加速度計又はジャイロスコープ314とセンサー316は、検知デバイス110に関して説明した、それぞれ加速度計又はジャイロスコープ114及びセンサー116と実質的に類似しており、したがってここでは詳述しない。通信インターフェース315は、ベース(例えば本明細書に記載のベースのいずれか)、ネットワーク(例えばLAN、WAN、又はクラウド)、又は外部デバイス(例えば、携帯電話、タブレット、ラップトップ又はデスクトップコンピュータなどのユーザデバイス)と通信可能な任意の適切なデバイス及び/又はインターフェースとすることができる。また、通信インターフェース315は、例えばEthernetインターフェース、光搬送波(OC)インターフェース及び/又は非同期転送モード(ATM)インターフェースなど、一つ以上の有線及び/又は無線インターフェースを含むことができる。
【0099】
実施形態によっては、通信インターフェース315は、例えば、少なくともEthernetポート及び/又は無線(例えばWI-FI(登録商標)無線、BLUETOOTH(登録商標)無線、3G、4G、5Gなどのセルラー、802.11X Zigbeeなど)を含み得る、ネットワークインターフェースカード及び/又は同様のものとすることができる。実施形態によっては、通信インターフェース315は、一つ以上の衛星、WI-FI、BLUETOOTH又はセルラーアンテナを含むことができる。実施形態によっては、通信インターフェース315は、1つ以上の衛星、WI-FI、BLUETOOTH又はセルラーアンテナ、あるいはバッテリ又はソーラーパネルなどの電源を含む、外部デバイスに通信可能に結合可能である。実施形態によっては、通信インターフェース315は、撮像アセンブリ312からの撮像信号又はビデオ信号、加速度計314からの移動信号又は位置決め信号、及び/又はセンサー316からのセンサーデータを受信するように構成することができる。実施形態によっては、通信インターフェース315は、撮像アセンブリ312に、例えば撮像アセンブリ112(例えば撮像アセンブリ312に含まれる一つ以上の光源312a又はカメラ312bを作動させる)、加速度計314及び/又はセンサー316を作動させるための信号,例えば作動信号を伝達するようにも構成可能である。
【0100】
撮像アセンブリ312は、本体311の遠位端(例えば患者の頸切痕SNに位置づけるための端)に結合、設置、又はその他により配置されている。撮像アセンブリ312は、カメラ312bと、一つ以上のレンズ312cと、任意により光源312a及び/又はフィルタ312(d)を含む。光源312aは、例えば患者の身体の標的部分(例えば患者の首)に、電磁放射、例えば可視光、赤外線、NIR光、紫外線(UV)光、又はこれらの任意の適切な組合せを投影する任意の光源を含み得る。光源312aは、本明細書で前述したように、患者の身体の標的部分を照明し、及び/又は、標的部分に基準画像を投影するように構成されてもよい。
【0101】
カメラ312bは、患者の身体の一部の画像及び/又はビデオをキャプチャするように構成された任意の適切な画像キャプチャデバイス、例えばCCDカメラを含み得る。実施形態によっては、レンズ312cは、標的部分のより鮮明な画像をキャプチャするために、カメラ312bによってユーザの身体の標的部分の光学焦点調節を可能にするように構成された、一つ以上の凹レンズ及び/又は凸レンズを含んでもよい。フィルタ312dは、一つ以上の物理フィルタ、例えばレンズ312cの表面を被う光学フィルタ(例えば吸収フィルタ又は干渉フィルタ)及び/又はソフトウェアフィルタを含んでもよく、患者の身体の一部の鮮明な画像又はビデオのキャプチャを可能にし、ノイズをフィルタ除去する、ハイパスフィルタ、ローパスフィルタ、バンドパスフィルタなどを含んでもよい。
【0102】
実施形態によっては、検知デバイス310は、任意により身体支持部318bを含んでもよい。実施形態によっては、身体支持部318bは、任意により撮像アセンブリ312に結合されてもよい。あるいは、一つ以上の身体支持部318bが検知デバイス310の本体311の長さに沿った一つ以上の位置に結合されてもよい。実施形態によっては、身体支持部318bは、例えば患者の身体上で検知デバイス310を支持及び/又は位置づけるのを容易にするために、患者の身体に接触して置くことができる支持構造体を含むことができる。例えば、身体支持部318bは、検知デバイス310(したがってさらに検知デバイス310の撮像アセンブリ及び他の構成要素)が、例えば手術のために患者の上に正しく位置づけられると、患者の胸部に載るような大きさ及び/又は形状とすることができる、患者チェストレストを含むことができる。実施形態によっては、身体支持部318bは、一つ以上のセンサー(例えば、患者の一つ以上の生理学的パラメータ又はその他の状態を測定するためのセンサー316)を含むことができる。実施形態によっては、身体支持部318bは、本体311の遠位端に結合された(例えばそこにねじ留め、スナップ嵌め、又は摩擦嵌めされた)リング状の構造体を含んでもよい。身体支持部31bは、任意の適切な丈夫な剛体材料、例えば金属、プラスチック、ポリマーなどからなってもよい。
【0103】
胸骨位置合わせ手段318aは、本体311の近位端に結合又は形成され、患者の脛切痕SN上への検知デバイス318の位置づけを容易にするように構成される。実施形態によっては、胸骨位置合わせ手段318aは、脛切痕内に収まる寸法とされた球状部(例えば、本体311に結合されるか又は本体311に一体形成された半球形の突起)を含むか、有するか、又は画定してもよい。実施形態によっては、胸骨位置合わせ手段318aは、例えば、患者の頸切痕SN上に胸骨位置合わせ手段318aを位置づけるのを助けるために、患者に合わせて(例えば患者間の大きさの変化、解剖学的部位の変化などに対応するように)カスタマイズ可能な、交換可能又は調整可能な患者接触要素を含んでもよい。胸骨位置合わせ手段318aが頸切痕SN内に位置づけられた状態で検知デバイス310が患者の上に正しく位置づけられると、撮像アセンブリ312は、例えば患者のJVPを判定するために使用可能なビデオをキャプチャするために、患者の身体の一部(例えば首)に対して相対的に適切に位置づけることができる。
【0104】
上記に加えて、又は上記に代えて、実施形態によっては、胸骨位置合わせ手段318aは、少なくとも一つの調整可能な患者接触要素を有する。調整可能な患者接触要素がある場合、調整可能な患者接触要素は患者の胴体上で位置指示物を位置づけるのを助けることも可能である。他の実施形態では、これに加えて、又はこれに代えて、胸骨位置合わせ手段318a全体が、例えば同様の目的に適うような交換可能要素であってもよい。
【0105】
患者の頸切痕SN上に胸骨位置合わせ手段318aを位置づけると、例えば、患者のIJVの怒張及びそれによって患者のJVPをキャプチャすることができるように撮像アセンブリ312が患者の画像及び/又はビデオをキャプチャすることを可能にするために、撮像アセンブリ312が患者の標的部分(例えば首)を基準にして所望の位置又は向きに位置づけられる。撮像アセンブリ312は、画像をキャプチャすることができ、例えば通信インターフェース315を介してベース(例えばベース120)にその画像を伝達することができる。
【0106】
実施形態によっては、本体311、身体支持部318b及び/又は胸骨位置合わせ手段318aは、それに結合された基準要素(例えば本明細書で前述したいずれかの基準要素)も含んでもよい。例えば、本体311、身体支持部318b及び/又は胸骨位置合わせ手段318aは、撮像アセンブリ312が患者のIVJの画像キャプチャのために位置づけられると、撮像アセンブリ312の視野内に位置づけられる(又は位置づけ可能な)部分を含んでもよい。実施形態によっては、胸骨位置合わせ手段318aが基準要素として機能することができる。実施形態によっては、本体311、身体支持部318b及び/又は胸骨位置合わせ手段318aのうちの少なくとも一つが、伸縮可能又は調整可能要素(例えばアーム)を含むことができる。調整可能要素は、検知デバイス310が患者の胴体上に配置されると、調整可能要素の少なくとも一部を患者の首の近傍及び撮像アセンブリ312の視野内に位置づけるために調整可能要素の長さが調整され得るように、調整可能とすることができる。
【0107】
図5は、一実施形態による、検知デバイス(例えば、検知デバイス110、110'、210、310又は本明細書に記載のいずれかの他の検知デバイス)及び/又はベース(例えば、ベース120、220又は本明細書に記載のいずれかの他のベース)を含む、モニタリングシステム(例えば、システム100、100'又は本明細書に記載のいずれかの他のシステム)を使用して患者のJVPを測定する方法400の概略フローチャートである。方法400について検知デバイス110とベース120とを含むシステム100の特定の構成に関して説明するが、これらは本明細書に記載のいずれかの検知デバイス又はベースを含む任意の他のシステムにも等しく適用可能である。そのようなすべての実施形態が企図され、本開示の範囲に含まれるものと理解されるべきである。
【0108】
実施形態によっては、事前設定スケジュールに基づいて本明細書に記載のモニタリングシステムを使用してモニタリングを行うことができる。例えば、モニタリングは、1日1回、1日2回、1日3回、1時間に1回などで行うことができる。特定の用途に応じて、臨床医又はその他の医療従事者が、患者が(例えばJVPの)モニタリングを行うスケジュールを規定することができる。
【0109】
402で、患者がモニタリングシステム100の近くのリクライニング位置に座ることができる。例えば、患者の胴体を、例えば約30度と約60度の間など、間のすべての部分範囲又は値を含む約10度から約90度の範囲の角度でリクライニングさせることができる。404で、モニタリングシステム100が電源投入される。例えば、患者又はモニタリングシステムの操作者が、システム100をオンにするために作動ボタン又はスイッチを把持してもよい。実施形態によっては、システムに電源投入すると、任意により、システム100が電源投入されて準備が整ったことを患者に示す表示器(例えば音声及び/又はLEDライト又はディスプレイなどの視覚表示器)もオンにされる。
【0110】
任意により、検知デバイス110が調整可能アームを含む連結アセンブリを介してベースに結合される一部の実施形態では、方法400は406で調整可能アームをロック解除することを含む。調整可能アームは、関節アーム230又はモニタリングシステム100に関して説明したような任意の他の関節アームを含むことができる。調整可能アームは、例えば患者、ユーザ又はモニタリングシステムの操作者によって、検知デバイス110を患者の胴体の近傍まで移動するためにロック解除され、操作されてもよい。実施形態によっては、調整可能アームは、操作者、例えば医師によってリモート操作可能、及び/又はプロセッサによって(例えば事前プログラムされた命令に基づいて自律的に)操作可能な、ロボットアームとすることができる。408で、本明細書で前述したように、検知デバイス110の胸骨位置合わせ手段(例えば胸骨位置合わせ手段318a)が、患者又は操作者によって患者の頸切痕上に位置づけられる。これにより、本明細書で前述したように患者のIJVが撮像アセンブリ112の視野内にあるように、システム100の撮像アセンブリも患者の首に位置合わせされる。実施形態によっては、検知デバイス110の配置のために検知デバイス110が患者によって保持されると、検知デバイス110を保持する患者の手が一つ以上のセンサー(例えばECG、PPGなど)と接触することができる。患者の手は、そのようなセンサーに接触している間、検知デバイス110を所定位置に維持することができる。
【0111】
410で、患者の首のビデオデータをキャプチャするために検知デバイス110が作動させられる。例えば、検知デバイス110のプロセッサ124が、加速度計114及び/又はセンサー116から受信したデータに基づいて、検知デバイス110が患者の胴体に適切に位置づけられている(例えば安定して位置づけられ、及び/又は適切な角度で位置づけられている)ことを検出し、したがって画像及び/又はビデオのキャプチャを開始するように構成されてもよい。実施形態によっては、データをキャプチャするように検知デバイスを作動させるために、ユーザが患者作動(又はユーザ作動)スイッチを作動させることができる。412で、検知デバイス110が、撮像アセンブリ112、センサー116、及び/又は加速度計又はジャイロスコープ114を使用してデータをキャプチャする。このようなデータには、本明細書で前述したように、ECGデータ、加速度計又はジャイロスコープデータ、撮像データなどが含まれ得るが、これらには限定されない。
【0112】
図2図5を参照しながら上述したように、実施形態によっては、撮像アセンブリ112、センサー116、及び/又は加速度計又はジャイロスコープ114を、例えばオンボードプロセッサ(例えばプロセッサ124'など、検知デバイスに搭載されたプロセッサ)又はリモートプロセッサ(例えばベース又はその他のリモート計算デバイス内のプロセッサ)などのプロセッサにデータ(例えば撮像データ、ECGデータ、加速度計又はジャイロスコープデータ)を送信するように構成することができる。プロセッサは、患者の様々な生理学的パラメータを判定するためにそのデータを使用するように構成することができる。実施形態によっては、プロセッサは、上述のように患者のJVP高さを判定するように構成することができる。具体的には、一実施形態におけるプロセッサは、例えば撮像データに基づいて、患者の首の長手方向軸又は長軸を特定し、首の長軸の角度を判定(例えば概算)するように構成することができる。首の長軸の角度は、検知デバイス(例えば検知デバイス110、110'など)の角度、又は検知デバイスの一部(例えば基準要素又は位置決め要素)の角度に対して相対的に判定することができる。垂直に対する検知デバイスの角度は既知であるか、又は例えば撮像データ及び/又は加速度計又はジャイロスコープデータに基づいて判定することができる。したがって、垂直に対する首の長軸の角度を判定することができる。プロセッサは、例えば撮像データと、検知デバイスが正しく位置づけられたとわかっていることとに基づいて、患者の胸骨角の位置及びIJVの拍動の最高点の位置を判定するようにも構成することができる。次に、例えば三角法計算を使用してJVPの垂直高さを計算することができる。首の長軸の角度とJVPの垂直高さの判定の詳細については図23を参照しながら説明する。
【0113】
実施形態によっては、方法400は、任意により、414でユーザ又は患者にシステム100のモニタリング状況をアラートすることを含んでもよい。アラートは、任意の適切なアラート、例えば光源(例えばLEDランプ)を使用した視覚アラート、又は(例えばスピーカを使用した)音声アラートを含み得る。アラートは、ユーザに、モニタリング又は測定セッションが完了したことを示すことができる。実施形態によっては、アラートは、ユーザに、モニタリング又は測定セッションにエラーがあることも示すことができ、例えば、それによってユーザに、410~412におけるデータキャプチャを再開するためにシステムの検知デバイス及び/又はその他の構成要素の位置づけを調整するように促すことができる。416で、検知デバイス110がベース120上に戻される。例えば、プロセッサ124が、患者のJVPを確実に測定するために十分なデータがキャプチャされたと判定した後は、プロセッサ124は、ユーザが検知デバイス110をベース120に戻すことができるように、患者又はユーザに、データがキャプチャされ、測定セッションが終了したことを通知するためにアラートを発生するように構成されてもよい。実施形態によっては、例えば図2Bに示す検知デバイス110'など、検知デバイスはベースと共に動作しなくてもよく、したがって検知デバイスはユーザによってベースには戻されず、ユーザは検知デバイスを安全な面(例えばテーブル)に置くことができる。
【0114】
図6図12を参照すると、一実施形態による、例えば、患者のJVPをモニタリングするのに適した人間の患者の首のビデオをキャプチャするためのデバイス500が示されている。デバイス500は、例えば本明細書に記載のモニタリングシステム(例えばモニタリングシステム100、100'など)のいずれかなどのモニタリングシステムの一例とすることができる。したがって、デバイス500は、例えばシステム100、100'などを含む、本明細書に記載の他のシステムのものと構造的及び/又は機能的に類似した構成要素又は要素を含むことができる。
【0115】
デバイス500は、ベース502と位置決めアーム520とカメラ及びライトユニット534の、三つの一般構成要素を有する。これらの構成要素のそれぞれについて以下、順に詳述する。
【0116】
図に示すように、ベース502はほぼ立方形であり、したがって前面502と背面510と右面506と左面508と上面512と底面514とを有する。ベース502は、ベース502の底面514から下方に延びる脚部516の平坦な水平面に載るように設計されている。図には示されていないが、当業者にはわかるように、ベース502は(本明細書に記載のように)デバイス500の正常動作時に所定位置に留まるように十分な重量を有する。すなわち、ベース502は、カメラ及びライトユニット534(又は撮像アセンブリ)が、(i)患者のJVPのモニタリングを行うために格納位置から患者の胴体上の適切な動作位置に移動中であるとき、(ii)その適切な動作位置にあるとき、及び(iii)その位置から格納位置に戻されるときに、ベース502が移動するか不安定になるか又は傾くことがないように十分に重い。
【0117】
ベース502は、例えばメンテナンス及び/又は修理のために背面510からアクセス可能とすることができる内部空洞を内部に有する。デバイス500の正常動作中は、ベース502の内部空洞にはアクセスの必要がない。空洞の内部には以下の構成要素が収容される。すなわち、電源、(例えばプロセッサ124と同様の)コンピュータプロセッサ及び関連要素、(例えばメモリ122と同様の)コンピュータメモリ、配線、例えばセルラー、WI-FI(登録商標)、BLUETOOTH(登録商標)、NFCなどを含む(例えば通信インターフェース126と同様の)無線通信デバイス、センサー、及び現在電子デバイスで使用されている任意のその他の必要であるか又は望ましい従来の構成要素(例えばセルラー及び/又はWI-FIアンテナ)である。当業者には従来の医療デバイスの設計の詳細がわかるように、この列挙は例示であり限定的ではない。実施形態によっては、ベース502の背面510には、例えばUSB/Thunderbolt(商標)ポート、電源コードの端を受け入れるためのソケットなど、電力及び通信用の標準コネクタを配置することができる凹部があってもよい。実施形態によっては、ベース502は内部金属フレームを備えたプラスチック外装を有する。あるいは、ベース502は、中に構成要素を収容するための十分な剛性を与える任意の適切な構造体からなる外装を含むことができる。
【0118】
ベース502の前面504には、電源ボタン及び電源表示器518がある。電源表示器は、電源ボタン518を囲む点灯円である。点灯円は、デバイス500に電源が投入されると点灯する。ベース502の前面504には、前面504から延びる棚536もある。棚536は、カメラ及びライトユニット534が格納形態であるときに、カメラ及びライトユニット534を適切に位置づけ、支持するための場所を提供する(図6から図12ではカメラ及びライトユニット534は格納形態で示されている)。
【0119】
デバイス500のベース502の右面506と左面508は、平らで凹凸がない(これは、本技術のすべての実施形態には当てはまらない)。
【0120】
デバイス500のベース502の上面512には可動旋回アーム520が取り付けられ、そこから延びている。可動旋回アーム520は、二つの主要部材である、下部アーム部材522と上部アーム部材524を有する。アーム部材522、524のそれぞれは、概ね矩形の断面を有して細長い。下部アーム部材522は前方端522aと後方端522bを有する。上部アーム部材524も前方端524aと後方端524bを有する。(アーム部材522、524の(それぞれ)前方端522a、524a及び後方端522b、524bは、図6から図12に示す、旋回アーム520が格納形態であるときに一貫して画定される)。
【0121】
図6から図12でわかるように、下部アーム部材522の前方端522aは、ベース502の上面512に旋回可能に取り付けられている。この旋回可能取り付けは、旋回アーム522が格納形態の状態で、ベース502を上から見たときに、下部アーム部材522がを中心に時計回りと反時計回りの両方向に旋回することを可能にする。
【0122】
下部アーム部材522の後方端522bは、旋回部材128に旋回可能に取り付けられている。この旋回可能な取り付けは、旋回アーム520が格納形態である状態で上から見たときに、旋回部材528が位置520を中心に時計回りと反時計回りの両方向に旋回することを可能にする。
【0123】
上部アーム部材524の後方端524bも、旋回部材528に旋回可能に取り付けられている。この旋回可能な取り付けは、旋回アーム502が格納形態である状態でベース502を左面508又は右面506から見たときに、上部アーム部材524が時計回りと反時計回りに旋回することを可能にする。したがって、この旋回部材528の存在と構造のため、下部アーム部材522の後端522bを基準にして、上部アーム部材522の後端524bが同時に二つの異なる旋回軸を中心にして旋回することができる。
【0124】
上部アーム部材524の前方端524aは、カメラ及びライトユニット534の一部である接続部材566の所定位置に旋回可能に取り付けられている。この旋回可能な取り付けは、カメラ及びライトユニット534が、旋回アーム520が格納形態の状態でベース502を左面508又は右面506から見たときに、上部アーム部材524の前方端524aを基準にして時計回り及び反時計回りに旋回することを可能にする
【0125】
カメラ及びライトユニット534は、患者接触端538とカメラ端540の二つの端を有する細長い主水平部材542を有する。患者接触端538は主水平部材542の右面542aにある。カメラ端542は主水平部材542の左面542bにある。図6から図12でわかるように、旋回アーム520とカメラ及びライトユニット534が格納形態であるとき、カメラ及びライトユニット534の主水平部材542はベース502の前面504から延びる棚536に載っている。
【0126】
主水平部材542の患者接触端538は、胸骨位置合わせ手段546を有する。胸骨位置合わせ手段546は、主水平部材542の右面542aから外側及び下方に延びる取り付けアーム544を介して主水平部材542に接続されている(例えば図10参照)。胸骨位置合わせ手段546は、取り付けアーム544及び主水平部材542に対して垂直に延びる。したがって、胸骨位置合わせ手段546は、ベース502の前面504からベースの背面506に向かって延びる(例えば図3)。カメラ及びライトユニット534が動作形態に移行するとき、胸骨位置合わせ手段546は、胸骨位置合わせ手段546を使用してカメラ及びライトユニット534を正しく位置づけるために使用される。これに関して、胸骨位置合わせ手段547の下側は、要素の輪郭がデバイス500を使用する特定の患者に沿うように選択された交換可能な曲線状の患者接触要素547を有する。要素547の前方端550は、患者の頸切痕594(図12)にぴったり収まる大きさとされた球状部548を有する。したがって、本技術のこの実施形態では、曲線状の患者接触要素547の前方端550の球状部548が、上述したような位置指示物又は位置決め要素の役割を果たす。前方端550の後方の曲線状要素547の部分も、(球状部548が患者の頸切痕SN内に収まった状態で)患者の矢状(長手)面と平行になるように位置合わせ手段546が正しく位置合わせされたときに、患者の例えば頸切痕の下の胸骨に合うように曲線状である。
【0127】
図10でわかるように、曲線状の患者接触要素547の前方端550の球状部548の下側がセンサーユニット580を有する。センサーユニット580は、二つのセンサー、内側円形PPGセンサーと、PPGセンサーを囲む外側リング状ECG電極とを有する。球状部548が患者の頸切痕SN内にぴったりと収まると、センサーユニット580のセンサーが患者の皮膚と接触し、患者の一つ以上の生理学的パラメータ又は状態を測定することができる。センサーユニット580は、デバイス500のベース502内のコンピュータプロセッサと電子通信する。
【0128】
図11でわかるように、位置合わせ手段546の上面に第2のECG電極582が配置可能である。カメラ及びライトユニット534が動作位置で患者の胴体上に正しく位置づけられると(図12)、患者の皮膚がECG電極582と接触した状態で患者Pの手Hが胸骨位置合わせ手段上に置かれることになることが予測される。したがって、デバイス500が動作可能であるときに、センサーユニット580のECG電極と位置合わせ手段546の上面のECG電極582の両方が患者の皮膚に接触し、デバイス500によってECG読み取り値を得ることが可能になる。ECG電極582は、デバイス500のベース502内のコンピュータプロセッサと電子通信する(配線は図示せず)。
【0129】
主水平部材542のカメラ端540は、患者チェストレストとカメラ560を有する。患者チェストレスト554は、カメラ及びライトユニット534の主水平部材542の左面542bから下方に延びる取り付け部材552に取り付けられている。患者チェストレスト554は、カメラ及びライトユニット534を位置づけ、その安定性を維持するのを助けるように、動作位置(例えば図12)にあるときにカメラ及びライトユニット534が患者の胴体上で正しく位置づけられると、患者の胸部に載る大きさ及び形状とされている。したがって、患者チェストレスト554は、第2の位置決め要素の役割を果たすことができる。
【0130】
カメラ560は、カメラ及びライトユニット560の主水平部材542部材の左面542bから外側及び上方に延びる取り付けアーム558を介して主水平部材542に接続されている。カメラ560は、取り付けアーム558の端に旋回可能に取り付けられている。カメラ560は、それを通して画像が撮られるアパーチャ562を有する。カメラ560は、アパーチャ562を囲むリングの形態のライト又はNIR発光器を備えてもよい。NIR発光器が使用される一部の実施形態では、ユーザに見えないときにユーザにNIRがオン又は稼働中であることを示す表示を提供するために、(例えばリングの形態の)可視光発光器を組み込むことができる。カメラ160(ある場合は及びライト/NIR発光器も)は、デバイス500のベース502内のコンピュータプロセッサと電子通信する。
【0131】
主水平部材542から後方に上記で言及した接続部材566が延びている。接続部材566は、主水平部材542を基準にして旋回可能であり、それによってカメラ及びライトユニット534が上から見たときに時計回り及び反時計回りに旋回することを可能にする。
【0132】
カメラ及びライトユニット534内に加速度計及び/又はジャイロスコープ(図示せず)が配置され、デバイス500のベース502内のコンピュータプロセッサと電子通信する。加速度計及び/又はジャイロスコープからの信号が、水平基準軸又は面を基準にしたカメラ及びライトユニット534の角度(したがって患者の角度も)を判定するために使用される。
【0133】
デバイス500は、臨床医又はその他の熟練医療従事者によって、最初に使用される前にセットアップ可能である。セットアッププロセスの一環として、臨床医は、患者Pの特定の解剖学的構造体に合わせて適切な大きさ及び形状とされた適切な交換可能な曲線状の患者接触要素547(例えば、球状部548が患者の頸切痕SN内にぴったり収まるように適切な大きさとされる(図12参照))を選択することができる。また、臨床医は、患者の首Nと胸骨位置合わせ手段546の前方端650(球状部548を含む)の両方が確実にカメラのフレーム内にあるように(例えば、カメラ560によって撮られた画像/ビデオが両方を示すように)必要に応じてカメラ560を(例えば旋回位置を中心に)旋回させる。臨床医は次に、患者Pによって不注意で変更されないように、カメラの位置を所定位置にロックする。
【0134】
デバイス500において、胸骨位置合わせ手段546の前方端550の球状部548は、既知の大きさ及び形状のものである。したがって、上述のような位置指示物の役割を果たすことに加えて、球状部548は上述のような基準要素としての役割も果たす。図には示されていないが、実施形態によっては、球状部548は、基準要素としての利用をしやすくするために(例えば、患者の解剖学的特徴(頸切痕SN及びIJV)の相対的位置決めの計算を容易にするために)、測定スケールをその上に有してもよい。
【0135】
家庭(又は、デバイス500を使用したJVPモニタリングが行われることになる任意のその他の場所)で、デバイス500が平坦な面に置かれ(例えば図12)、電源コンセントに差し込まれる。次に、デバイス500が置かれた平坦な面の隣の傾斜位置に患者が座る。患者は次に、電源ボタン518を押し、デバイス500に電源が投入されて使用準備が整っていることを示すために表示器が点灯する。
【0136】
図12を参照すると、次に、患者Pがカメラ及びライトユニット534を握ることができる。典型的には、患者Pは、カメラ及びライトユニット534を移動させるとき、胸骨位置合わせ手段546を握るが、主水平部材542の他の部分も握られてもよい。これにより、患者Pは、旋回アーム520及び上述の様々な他の旋回可能及び/又は可動構成要素を旋回させ、位置づけ直すことにより、カメラ及びライトユニット534を格納形態(図6図8)から移動することができる。
【0137】
図9及び図12で、旋回アーム520が旋回させられ、その適切な動作位置/形態になるように位置づけ直される。患者Pが、胸骨位置合わせユニット546の前方端550の球状部548が患者の頸切痕SN内にぴったり収まり、胸骨位置合わせユニット546が(上述のように)患者Pの胸骨598と位置合わせされるまで、カメラ及びライトユニット534を空中で移動させることによってこれを行う。臨床医によるデバイスのセットアップ時のカメラ及びライトユニット534の正しい位置づけにより、カメラ560は、患者Pがカメラ及びライトユニット534を適切な動作位置に正しく位置づけると患者の首Nと球状部548の画像/ビデオを撮るための正しい位置に適切に位置づけられる。患者Pはカメラ560を調整しない。
【0138】
患者Pがカメラ及びライトユニット534を適切に位置づけた後、患者Pは次に、図12に示す位置においてECG電極582上に手Hを置く。電源が投入されているデバイス500が、センサーユニット580と、ECG電極582と、カメラ及びライトユニット534内の加速度計とからの入力をモニタリングする。デバイス500が加速度計から、カメラ及びライトユニット534が移動していないという入力を受信し、センサーユニット580とECG電極582から患者PのPPG及びECGをモニタリングすることが可能であるという適切な入力を受信すると、デバイス500は、モニタリングセッションを開始し、カメラ560からビデオをキャプチャし、そのビデオをデバイスのコンピュータメモリに記憶する。あるいは、検知デバイスが適切に位置づけられるとユーザ(例えば患者)が、患者又はユーザ作動スイッチを作動させることができ、デバイスは所定時間(例えば約1秒から約10秒の間)待機してから、センサー及び/又は撮像装置を使用して記録又は測定を開始するために撮像装置を作動させることができる。デバイス500は、モニタリングセッション(及び記録)が開始されたとき、及び、モニタリングセッション(及び記録)が終了したとき、スピーカから可聴信号を発して、モニタリングセッションが正常に開始され、完了したことを患者に知らせるように構成されてもよい。モニタリングセッションが終了した後、患者Pはカメラ及びライトユニット534を握り、それを格納形態に戻し、デバイス500をオフにするために電源ボタン518を押す。
【0139】
記憶されたビデオはその後、任意の従来の手段、例えば、通信インターフェース(例えば通信インターフェース126)を介するか、デバイス500がそのように構成されてインターネットに接続されている場合はインターネットを介するか、デバイス500からのビデオの取り出しによるか、スマートフォン(又はその他のデバイス)とその後のインターネットを介した臨床医への送信によるか、解析のために臨床医に物理的に渡されるか又は送られるUSB鍵付きデバイス500からのビデオの取り出しなどにより、解析のために臨床医に送ることができる。上記に代えて、又は上記に加えて、記憶されたビデオは処理され、JVP信号が抽出され、(例えば画像、ビデオなどとして)閲覧のために臨床医に対して表示することができる。
【0140】
その後、臨床医によって規定されたスケジュールに従って患者、例えばPによってモニタリングプロセスが繰り返される。
【0141】
図13図14Bは、一実施形態による別の検知デバイス610の様々な図である。実施形態によっては、検知デバイス610は、患者のJVPのモニタリングを目的として人間の患者の首のビデオをキャプチャするために使用可能とすることができる。実施形態によっては、検知デバイス610は、少なくとも、ベース(例えば本明細書に記載のベースのいずれか)に通信可能に結合可能である。検知デバイス610は、例えば検知デバイス110、210などを含む、本明細書に記載の他の検知デバイスと構造的及び/又は機能的に類似していてもよい。例えば、検知デバイス610は、検知デバイス610の本体611の第1の端(例えば近位端)に配置された胸骨位置合わせ手段618aと、検知デバイス110の本体611の第2の端610b(例えば遠位端)に配置された撮像アセンブリ612とを含む。
【0142】
撮像アセンブリ612は、本明細書に記載のように、検知デバイス610が患者の胴体上に正しく位置づけられると患者の首の一つ以上の画像又はビデオをキャプチャするように構成されたカメラ612bを含む。カメラ612bは、カメラ312b又は本明細書に記載のいずれかの他のカメラ、撮像装置、若しくは撮像デバイスと実質的に類似していてもよい。撮像アセンブリ612は、光撮像アセンブリ612bの近位端に配置され、電磁放射(例えば、可視光、赤外線光、NIR光、任意の適切な電磁放射、又はこれらの組合せ)を患者の首に投影するように構成された光源612aも含み、LED光源又は任意のその他の光源を含んでもよい。図13図14Bに示すように、光源612aはリングの形状とされてもよいが、他の実施形態では光源612aは任意の適切な形状又は大きさを有してもよい。実施形態によっては、光源612aは、本明細書に記載のように、ユーザの首に基準要素(例えば基準画像)を投影するように構成されてもよい。光源612aは、光源312a又は本明細書で前述したいずれかの他の光源と実質的に類似していてもよい。
【0143】
実施形態によっては、撮像アセンブリ612bの近位端(例えば、本体611のカメラ612aが中に配置される部分)に開口617が画定されてもよい。開口617は、光がそこを通ってカメラ612aの検知面まで伝達することができるようにする。実施形態によっては、一つ以上のレンズ及び/又はフィルタ(例えば、それぞれ、レンズ312c又はフィルタ312d、あるいは本明細書に記載のいずれかの他のレンズ及び/又はフィルタ)が、カメラ612bの上流に配置されてもよく、電磁放射をカメラ612b上に集束させ、及び/又は、本明細書で前述したようにノイズをフィルタリングするように構成されてもよい。実施形態によっては、NIR光を通過させてカメラによってキャプチャすることができるようにする一方、例えば他の光をフィルタリング除去する、NIRフィルタなどのフィルタを撮像アセンブリ612のカメラハウジング中に成形することができる。これにより、NIR光のみがカメラまで通過するようにすることができると共に、アンビエント照明の(人工照明のちらつきからの)影響を低減することができる。
【0144】
実施形態によっては、撮像アセンブリ612は、継手615において本体611に結合されてもよい。継手615は、撮像アセンブリ612を少なくとも一つの軸(例えばX軸、Y軸及び/又はZ軸)を中心に回転し、及び/又は、本体611に対して相対的に直線的に移動させることを可能にするように構成された、ヒンジ、滑り継手、回転継手、ボールソケット継手、又は任意のその他の適切な継手を含み得る。実施形態によっては、継手615は、例えば、使用時に首及び基準要素のキャプチャを容易にするように、例えば医師が、撮像アセンブリ612と検知デバイス610の残りの部分との間の角度を設定することによって、特定の患者に合わせて検知デバイス610をキャリブレーションするために使用することができる。医師が撮像アセンブリ612の角度を設定した後は、医師は、例えば患者がキャリブレーションされた検知デバイス610を変更するのを防止するために、その角度をロックすることができる。
【0145】
本体611は、ユーザの手によって把持されるように構成される。本体611には、患者の親指、人差し指及び/又は親指と人差し指の間の水かきを少なくともその一部の周りで受け入れるような形状及び大きさとされた、隆起613が画定されてもよい。本体611(例えば、撮像アセンブリ612が結合されている本体611の上面又は本体611の細長い部分)が、患者の手に沿うか又は患者の手によって握られるように構成された一つ以上の湾曲部も備えてもよい。したがって、隆起及び/又は一つ以上の湾曲部は、患者が本体611を握ることができるようにするか、又は患者の手を本体611上で所望の位置又は所望の向きに位置づけることを可能にするための、人間工学的な操作機構の役割を果たすことができる。
【0146】
胸骨位置合わせ手段618aは、患者の胴体上での検知デバイス610の正しい位置づけを可能にするように構成される。例えば、胸骨位置合わせ手段618aは、本明細書で前述したように、患者の頸切痕に配置されるように構成された、本体611の近端618aにおいて底面から延びるかそこに結合されるか又はその他により一体形成された球状部又は半球状部を含んでもよい。実施形態によっては、胸骨位置合わせ手段618aは、球状部に対して近位の本体611の底面に設けられた位置センサー619(例えば電極)も含んでもよい。位置センサー619は、球状部が頸切痕に配置されるとユーザの皮膚に接触し、検知デバイス610又は患者に、検知デバイス610が正しく位置づけられていることを示す信号を発生するように構成されてもよい。実施形態によっては、胸骨位置合わせ手段618aは、上述のような基準要素として機能することができる。
【0147】
実施形態によっては、検知デバイス610は、本体611の底面から延びるか、底面に結合されるか又はその他により一体形成された、第2の位置決め手段618bも含んでもよい。第2の位置決め手段618bは、撮像アセンブリ612に対して近位に配置されるように、胸骨位置合わせ手段618aから離隔されている。第2の位置決め手段618bは、患者の胴体上の検知デバイス610の正しい位置づけを容易にするように、患者の胸部(例えば右胸筋)上に位置づけられるように構成されてもよい。
【0148】
図示していないが、実施形態によっては、例えば異なる領域(例えば可視光、NIR、及び/又はその他の周波数)における画像データをキャプチャするために、複数の光源と複数のカメラを使用することができる。したがって、実施形態によっては、標的領域(例えば患者の首)に光を投影するために二つ以上の光源が使用されてもよく、標的領域からの反射光をキャプチャするために撮像アセンブリ内に二つ以上のカメラを配置することができる。そのような実施形態では、異なる光源とカメラは、解剖学的特徴の3Dデータ及び/又はより情報量の多いデータをキャプチャするのに有用となり得る、異なる種類の画像データのキャプチャを容易にすることができる。
【0149】
図15A及び図15Bに、実施形態による、例えばJVPを測定するための検知デバイス710の別の実施例を示す。図15Aは一実施形態による検知デバイス710の前面等角図であり、図15Bは、患者の手Hによって把持されている図15Aの検知デバイス710の上面図である。検知デバイス710は、例えば検知デバイス110、210、610などを含む、本明細書に記載の他の検知デバイスと構造的及び/又は機能的に類似したものとすることができる。
【0150】
検知デバイス710は、検知デバイス710の本体711の遠位端に配置された撮像アセンブリ712を含む。撮像アセンブリ712は、光源712aと、カメラ712bと、撮像アセンブリ712の近位端に画定された開口717も含むことができる。検知デバイス712は、本体711の近位端に配置された胸骨位置合わせ手段718aと、胸骨位置合わせ手段718aから離隔された第2の位置決め要素718bも含む。本体711は、検知デバイス610について画定されている隆起613と実質的に類似した隆起713も画定する。本体711、撮像アセンブリ712、胸骨位置合わせ手段718a及び第2の位置決め要素718bは、検知デバイス610に関して説明した本体611、撮像アセンブリ612、胸骨位置合わせ手段618a及び第2の位置決め手段618bと実質的に類似していてもよく、したがってここでは詳述しない。実施形態によっては、検知デバイス710は、検知デバイス710をベース(例えば本明細書に記載のベースのいずれか)に少なくとも通信可能に結合するように構成された通信導線729(例えばコイルコード)も含んでもよい。
【0151】
検知デバイス610とは異なり、検知デバイス710は、隆起713の近位に配置された本体711の上面に配置された、又は位置する第1のセンサー716aと一対の第2のセンサー716bも含む。実施形態によっては、第1のセンサー716aは、患者のPPGデータを測定するように構成されたPPGセンサーを含み得る。一対の第2のセンサー716b(以下、「第2のセンサー716b」)は、第1のセンサー716aに隣接して位置してもよい。第2のセンサー716bは、互いから離隔し、患者のECGを測定するように構成された互いに平行な電極を含み得る。実施形態によっては、例えば、患者の血中酸素濃度を測定するように構成された血中酸素センサー、患者の皮膚温を測定するように構成された温度センサー、患者の皮膚電位データを測定するように構成された皮膚電位センサーなどを含む、追加のセンサーも含まれてもよい。
【0152】
図15Bに、患者の親指が隆起713の少なくとも一部の周囲に位置づけられ、患者の手Hの手のひらの一部が第1のセンサー716aと第2のセンサー716b上に配置され、接触するように、本体711の上面に配置された患者の手Hを示す。隆起713は、JVP測定を行うための適切な位置づけのために、検知デバイス710を握った状態で、検知デバイス710上での患者の手Hの位置づけを容易にするような大きさ及び形状とすることができる。具体的には、患者は図15Bに示すように検知デバイス710を握り、患者の胴体上の正しい位置に検知デバイス710を配置することができ、それによって検知デバイス710が患者のJVPを測定することと、同時に患者の脈拍、ECG、血中酸素などを測定することを可能にする。
【0153】
図16図17Bは、ベース820の様々な図であり、図18は、一実施形態による、ベース820と、ベース820に通信可能に結合された検知デバイス810とを含むシステム800の等角図である。検知デバイス810は、検知デバイス610又は710(又は本明細書に記載の他の検知デバイス)と実質的に類似していてもよく、したがってここでは詳述しない。ベース820は、(例えば格納、充電などのために)その上に検知デバイス810を受け入れるような構造とされたハウジング821を含む。実施形態によっては、ハウジング821は、中にベース820の様々な構成要素を配置することができる内部容積を画定するように、下部に結合可能な上部を含んでもよい。
【0154】
ハウジング821の上面は、検知デバイス810の第2の位置決め手段(例えば、第2の位置決め手段618b、718b又は本明細書に記載のいずれかの他の第2の位置決め手段)を受け入れるような大きさ及び形状とされた第1の空洞823と、検知デバイス810がベース820上に配置されると、検知デバイス810の胸骨位置合わせ手段(例えば、胸骨位置合わせ手段618a、718a又は本明細書に記載のいずれかの他の胸骨位置合わせ手段)を受け入れるような大きさ及び形状とされた第2の空洞825とを画定する。ベース820は、検知デバイス810の本体の少なくとも一部、例えば検知デバイス810の撮像アセンブリが結合される検知デバイス810の本体の一部(例えば、検知デバイス810の本体の細長い首部分)を支持するように構成された、ハウジング821から上方に延びる支持アーム827も含む。支持アーム827は、検知デバイス810の本体の少なくとも一部を受け入れる形状及び大きさとされた溝を画定してもよい。検知デバイス810の本体の細長い部分は、検知デバイス810の重心を偏らせ、それによって検知デバイス810を転倒しやすくする可能性がある。したがって、支持アーム827は検知デバイス810の本体に支持を与え、それによって、検知デバイス810がベース820に配置されたときに検知デバイス810がベース820上に安定して載ることができるようにする。
【0155】
ベース820は、ハウジング821の第1の側壁(例えばハウジング821の前部側壁)に配置されるか又は設けられた表示ランプ828aを含んでもよい。表示ランプ828aは、ベース820が電源に結合されているか又は作動させられていること、及び/又は検知デバイス820の撮像アセンブリが画像又はビデオデータをキャプチャ中であることを患者に示すために作動する(例えば点灯又は照光する)ように構成可能な光源(例えばLEDライト)を含んでもよい。ベース820は、第1の側壁とは反対側のハウジング821の第2の側壁上に、又は第2の側壁を貫通して配置された、電源ソケット828bを含んでもよい。電源ソケット828bは、電源コードから電力を受電するために電源コードを受け入れるように構成され、ベース820及び/又は検知デバイス810に含まれる様々な構成要素に給電するため、及び/又は、ベース820及び/又は検知デバイス810に含まれる電源(例えば充電式バッテリ)に充電するために、電力を使用するように構成可能である。
【0156】
ベース820は、第1の通信インターフェース又はポート828bと第2の通信インターフェース又はポート828cを含むことができる。通信インターフェース828b、828cは、検知デバイス810(例えば、検知デバイス810に関して上述したデバイス、センサー及び/又はデータソースのいずれか、及び/又はその任意の組合せ又は一部)、ネットワーク(例えば、LAN、(WAN又はクラウド)、又は外部デバイス(例えば、携帯電話、タブレット、ラップトップ又はデスクトップコンピュータなどのユーザデバイス)と通信することができる、適切なデバイス及び/又はインターフェースを含むか又はそれに結合されてもよい。また、通信インターフェース828b、828cは、例えば、Ethernetインターフェース、光搬送波(OC)インターフェース及び/又は非同期転送モード(ATM)インターフェースなど、一つ以上の有線及び/又は無線インターフェースを含むか又はそれに結合することができる。実施形態によっては、通信インターフェース828b、828cは、例えば、少なくともEthernetポート及び/又は無線(例えばWI-FI(登録商標)無線、BLUETOOTH(登録商標)無線、セルラー、802.11X Zigbeeなど)を含み得る、ネットワークインターフェースカード及び/又は同様のものとすることができる。実施形態によっては、ベース820は、一つ以上の通信デバイス、例えば衛星、WI-FI、BLUETOOTH又はセルラーアンテナを含むことができる。実施形態によっては、ベース820は、一つ以上の衛星、WI-FI、BLUETOOTH、又はセルラーアンテナ、又はバッテリ若しくはソーラーパネルなどの電源を含む、外部デバイスに(例えば通信インターフェース828b、828cを介して)に通信可能に結合することができる。
【0157】
図18に示すように、検知デバイスとベースが調整可能アームを介して互いに結合されている、図12を参照しながら説明したデバイス500の実施形態とは異なり、検知システム810とベース820はワイヤ接続を介して互いに結合されている。このような接続により、上記で図3Bを参照しながら説明したようなベース820に対して相対的な検知デバイス810の位置決めにおいて、より大きい調整可能性が実現可能である。この柔軟性ワイヤ接続は、例えば検知デバイス810の位置づけ及び/又は調整時に、ベース820にかかる重量及び/又は力も低減することができ、それによってベース820の望ましくない移動(例えば傾き、滑りなど)のリスクを低減することができる。したがって、ベース820の重量及び/又はフォームファクタも削減可能である。実施形態によっては、検知デバイス810は、例えば検知デバイス810からワイヤ接続のプラグを抜くことによって、ワイヤ接続から取り外すこともできる。そのような構成では、検知デバイス810は、例えば上記で図3Cを参照しながら説明したものと同様の、オンボード電源(例えばバッテリ)、ベース820から信号及びデータを送信及び/又は受信するための通信インターフェース、及び/又は充電接続(例えば接触電極、無線、ポート、プラグなど)を含んでもよい。この柔軟性ワイヤ接続は、例えばデバイス500と比較して、システム800のより高い可搬性をもたせやすくすることができる。
【0158】
図19A及び図19Bは、一実施形態による、ベース920に動作可能に結合され、ベース920上に載っている検知デバイス910を含む、患者のJVPを測定するためのシステム900の、それぞれ前面等角図及び背面等角図である。システム900は、例えば上述のモニタリングシステム800を含む、本明細書に記載の他のモニタリングシステムと類似したものとすることができる。検知デバイス910は、ベース920に載るように構成された本体911を含む。検知デバイス910は、本体911の第1の端(例えば遠位端)に配置された撮像アセンブリ910と、本体の第2の端(例えば近位端)に配置された胸骨位置合わせ手段918aを含む。検知デバイス910は、胸骨位置合わせ手段918aから離隔した第2の位置決め手段918bも含む。胸骨位置合わせ手段918aと第2の位置決め手段918bは、検知デバイス910の下面又は底面に配置されてもよい。本体911、撮像アセンブリ912、胸骨位置合わせ手段918a及び第2の位置決め手段918bは、本体611/711、撮像アセンブリ612/712、胸骨位置合わせ手段618a/718a及び第2の位置決め手段618b/718bと実質的に同様であってもよく、したがってここでは詳述しない。検知デバイス910は、通信導線929(例えばコイルコード)を介してベース920に通信可能に結合されている。例えば、図19Aに示すように、通信導線929の第1の端929aがベース920に結合され、通信導線929の第2の端929bが検知デバイス910に結合される。
【0159】
次に、ベース920の分解図を示す図20も参照すると、ベース920は、検知デバイス910が使用中でないか又はその他により後で使用するためにしまい込まれている形態で、検知デバイス910をその上に受け入れるような構造とされたハウジング921を含む。図20に示すように、ハウジング921は、内部にベース920の様々な構成要素が配置される内部容積を画定するように、ハウジング下部921bに(例えば摩擦嵌めにより、スナップ嵌めにより、又はねじ、ナット、ボルト、リベットなどの結合部材により)取り外し可能に結合されるか、又は(例えば接着剤又は融着により)固定的に結合されるように構成された、ハウジング上部921aを含む。
【0160】
ハウジング921の上面は、検知デバイス910の第2の位置決め手段918bを受け入れるような大きさ及び形状とされた第1の空洞923と、検知デバイス910がベース920の上に配置されると検知デバイス910の胸骨位置合わせ部材918aを受け入れるような大きさ及び形状とされた第2の空洞925とを画定する。ベース920は、本明細書で前述したように、検知デバイス910の本体911の少なくとも一部を支持するように構成された、ハウジング921から上方に延びる支持アーム927も含む。支持アーム927は、検知デバイス910の本体911に支持を与えるように、検知デバイス910の本体911の少なくとも一部を受け入れるような形状及び大きさとされた溝を画定してもよい。
【0161】
第1の空洞923と支持アーム927は、ベース820の空洞823及び支持アーム827とは形状及び構成が異なるものとすることができる。具体的には、第1の空洞923は第1の空洞823より大きく(例えばより広く及び/又はより深く)することができる。これにより、検知デバイス910が空洞923内によりしっかりと位置することを可能にすることができる。支持アーム927は、支持アーム827より小さく(例えばより狭く、より短く)することができる。実施形態によっては、支持アーム927は、空洞923のより大きい構造を前提としてより小さくすることができ、例えば、空洞923が検知デバイス910により大きい支持を与えるため、支持アーム927をより小さくすることができる。実施形態によっては、より大きい大きさとされた第1の空洞923は、第2の位置決め手段918bがその中に位置づけられる、より大きな挿入面積を提供することができ、それによってベース920上に検知デバイス910を所望の向きで置きやすくすることができる。
【0162】
ベース920は、ハウジング921aの第1の側壁に配置されるか又は設けられた表示ランプ928aも含んでもよい。表示ランプ928aは、ベース920が電源に結合されているか又は作動させられていること、及び/又は検知デバイス820の撮像アセンブリが画像又はビデオデータをキャプチャ中であることを患者に示すために作動する(例えば点灯又は照光する)ように構成可能な光源(例えばLEDライト)を含んでもよい。ベース920は、第1の側壁とは反対側のハウジング921の第2の側壁上に、又は第2の側壁を貫通して配置された、電源ソケット828bも含んでもよい。電源ソケット928bは、電源コードから電力を受電するために電源コードを受け入れるように構成され、ベース920及び/又は検知デバイス910に含まれる様々な構成要素に電力を供給することができる。
【0163】
ベース920は、ハウジング921内に配置された、本明細書で前述したようなメモリ122及びプロセッサ124と実質的に同様とすることができるメモリ922とプロセッサ924を含んでもよい。さらに、ベース920は、ハウジングの第2の部分921bに含まれる第2の側壁に設けられるか又は配置された通信インターフェース928cも含んでもよい。通信インターフェース928cは、検知デバイス910(例えば、検知デバイス910に関して上述したデバイス、センサー及び/又はデータソースのいずれか、又はその組合せ若しくは一部)、ネットワーク(例えばLAN、(WAN、又はクラウド)、又は外部デバイス(例えば携帯電話、タブレット、ラップトップ又はデスクトップコンピュータなどのユーザデバイス)と通信することができる、適切なデバイス及び/又はインターフェースを含んでもよい。また、通信インターフェース928cは、例えば、Ethernetインターフェース、光搬送波(OC)インターフェース及び/又は非同期転送モード(ATM)インターフェースなど、一つ以上の有線及び/又は無線インターフェースを含むことができる。実施形態によっては、通信インターフェース928cは、例えば、少なくともEthernetポート及び/又は無線(例えばWI-FI(登録商標)無線、BLUETOOTH(登録商標)無線、セルラー、802.11X Zigbeeなど)を含み得る、ネットワークインターフェースカード及び/又は同様のものとすることができる。実施形態によっては、ベース920は、一つ以上の通信デバイス、例えば衛星、WI-FI、BLUETOOTH又はセルラーアンテナを含むことができる。例えば、図20に示すように、ベース920は、ベース920と外部デバイス(例えば、ユーザデバイス、ローカルサーバ、リモートサーバ、クラウドなど)との間の通信を提供するために、第1のアンテナ929a(例えば水平アンテナ)と第2のアンテナ929b(例えば垂直アンテナ)を含んでもよい。実施形態によっては、ベース820は、(例えば通信インターフェース928cを介して)一つ以上の衛星、WI-FI、BLUETOOTH、又はセルラーアンテナを含む外部デバイス、或いはバッテリ又はソーラーパネルなどの電源に、通信可能に結合することができる。
【0164】
本明細書に記載のモニタリングシステムの検知デバイス及びベース内の要素の異なる構成も可能である。例えば、図21に、一実施形態による、ベース1020に通信可能に結合された検知デバイス1010を含むシステムの一つの構成を概略的に示す。検知デバイス1010及びベース1020は、例えば検知デバイス110、210、310、610、710など、及びベース120、220、720などを含む、本明細書に記載の他の検知デバイス及びベースと構造的及び/又は機能的に類似したものとすることができる。検知デバイス1010は、本明細書で前述したように、ユーザのJVPを測定するように構成可能である。検知デバイス1010は、メモリ及び/又はプロセッサ(及びその他の関連回路)を含み得るPCB1019を含む。検知デバイスは、それぞれ光源312a及び312b、又は本明細書に記載のいずれかの他の光源又はカメラと実質的に類似していてもよい、LED1012aとして実装された光源とカメラ1012bを含む。例えば、LED1012aは、一つ以上の照明LEDを含むことができ、検知デバイス1010においてライトリング又はその他の構造体として実装可能である。LED1012aとカメラ1012bは、PCB1019に通信可能に結合され、LED1012aをオン/オフするため、及び/又はカメラ1012bによる画像及び/又はビデオキャプチャを開始又は停止するために、PCB1019を介してベース1020から作動/停止信号を受信するように構成されている。
【0165】
検知デバイス1010は、一つ以上のセンサーも含んでもよい。実施形態によっては、検知デバイス1010は、ECGセンサー1016aとPPGセンサー1016bと、ジャイロスコープ1014a又は加速度計1014bのうちの少なくとも一方とを含む。ECGセンサー1016aは、互いから離隔され、センサーが患者の皮膚と接触すると患者のECGをキャプチャするように構成された、二つ以上の電極を含んでもよい。PPGセンサー1016bは、患者のPPGデータ(例えば、脈拍、心拍数、酸素飽和度、血圧又は血圧傾向、呼吸数、SpO2、呼吸努力など)を測定するように構成されてもよい。ジャイロスコープ1014a及び加速度計1014bは、検知デバイス110の位置又は移動を検知し、患者が適切な向きにリクラインイングされているか、検知デバイス1010が患者の胴体の正しい部位に位置づけられているか、及び/又は患者の胴体に置かれた後で検知デバイス1010が比較的静止しているか否かを判定するために使用可能なデータを生成してもよい。ジャイロスコープ1014a及び加速度計1014bからのデータは、例えばPCB1019及び/又はベース1020のプロセッサに送信することができ、次にそれが光源1012a及び/又はカメラ1012bの作動を開始及び/又は停止させることができる。ECGセンサー1016a、パルス酸素濃度センサー1016b、ジャイロスコープ1014a及び加速度計1014bは、PCB1019を介してベース1020に通信可能に結合されてもよい。実施形態によっては、PCB1019は、センサーからのデータをベース1020に渡す前に、例えばデータの時間整合及び/又はデータのクリーニングのために、センサーからのデータの前処理を行うことができる。
【0166】
ベース1020は、ディスクストレージ1022とセンサー作動モジュール1024aとデータ解析モジュール1024bとネットワークモジュール1026とを含む。ディスクストレージ1022は、メモリ(例えば、ベース120に関して説明したメモリ122又は本明細書に記載のいずれかの他のメモリ)を含んでもよく、カメラ1012b、ジャイロスコープ1014a、加速度計1014b、ECGセンサー1016a、及びPPGセンサー1016bからの生データ又は部分的に処理されたデータを受け取り、少なくとも一時的に記憶するように構成される。ディスクストレージ1022は、生データを、そのデータを処理し、処理されたデータを少なくとも一時的な記憶のためにデータストレージ1022に伝達するように構成可能な、データ解析モジュール1024b(例えば、ベース120に関して説明したプロセッサ124などのプロセッサ又は本明細書に記載のいずれかの他のプロセッサ)に伝達するように構成される。
【0167】
実施形態によっては、データ解析モジュール1024bは、ネットワークモジュール1026からデータ(例えば患者データ、履歴データ又はその他のデータ)を受信するように構成されてもよく、PCB1019を介して検知デバイス1010から受信したデータを処理するためにそのデータを使用してもよい。ネットワークモジュール1026は、外部デバイス(例えば、ユーザデバイス、リモートサーバ、健康データベース、クラウドなど)と通信するように構成されたWI-FI(登録商標)カード1026a及び/又はEthernetポート1026bを含んでもよい。実施形態によっては、ベース1020は、ネットワークモジュール1026を介して(健康データベースなどのワークリストから投入された)患者データを受け取るように構成されてもよい。患者データは、ネットワークを介してベース1020に接続されたリモート計算デバイス、例えばデータベース、サーバ又はその他の計算デバイスからもたらされてもよい。実施形態によっては、患者データを受信するための接続は有線接続とすることができ、他の実施形態では、患者データを受信するための接続は無線接続とすることができる。ネットワークモジュール1026は、患者データに基づいて照合データを生成するか、又は、患者データを検知デバイス1010から受信したデータの処理及び/又は解析のために使用するように構成可能なデータ解析モジュール1024bに、患者データを送信してもよい。実施形態によっては、ネットワークモジュール1026は、ディスクストレージモジュール1022からの送信を受信するようにも構成可能である。送信には、処理済みデータ、生データ及び/又は任意のその他のデータが含まれてもよく、ネットワークモジュール1026は、送信を示し、ネットワークモジュール1026によって外部デバイス(例えばベース1020の外部の計算デバイス)に伝達される、出力(例えば出力信号)を生成するように構成されてもよい。例えば、ネットワークモジュール1026は、出力を外部サーバ又はデータベースに送信するためのアンテナ又はその他の通信要素を含むことができる。
【0168】
実施形態によっては、ベース1020は、(例えば上述のような患者作動スイッチと同様の)作動ボタン1028bも含んでもよい。作動ボタン1028bは、ベース1020及びそれによって検知デバイス1010を作動/停止させるために、患者、ユーザ、又は介護者によって把持(例えば押圧)されるように構成されてもよい。作動ボタン1028bが把持されることに応答して、センサー作動モジュール1024aにトリガ収集信号又はその他による作動/停止信号が送信される。実施形態によっては、センサー作動モジュール1024aは、オン/オフするためにLED1012aに、及び、画像又はビデオキャプチャを開始/停止するためにカメラ1012bに作動/停止信号を送信するように構成された、プロセッサ又はコントローラを含んでもよい。
【0169】
図22に、一実施形態による、ベース1120に通信可能に結合された検知デバイス1110を含む検知システムの別の構成を概略的に示す。検知デバイス1110及びベース1120は、本明細書に記載の他の検知デバイス及びベースと構造的及び/又は機能的に類似したものとすることができる。例えば、検知デバイス1110及びベース1120は、(図21に示すような)検知デバイスにおけるPCBの代わりに、検知デバイス1110の様々な要素をベース1120内の関連する処理モジュール及び要素に結合するUSBインターフェース1115及び/又は入力/出力又はGPIO1119がある点を除いて、検知デバイス1010及びベース1020と同様のものとすることができる。具体的には、センサーのうちの一つ以上のセンサー(例えば、カメラ1112b、ECGセンサー1116a、PPGセンサー1116b、ジャイロスコープ1114a、加速度計1114a)を、USBインターフェース1115及び/又はGPIO1119を介してベース1120に結合することができる。LED1112aも、USBインターフェース1115及び/又はGPIO1119を介してベース1120に結合することができる。図22に示すシステム構成の他の態様は、図21に示すシステム構成に関して説明したものと同様であり、したがってここでは繰り返さない。
【0170】
実施形態によっては、患者の首の一つ以上の静止画像をその上に位置づけられた検知デバイス(又は検知デバイスの少なくとも一部)とともに、本明細書に記載の撮像デバイスのいずれか(例えばカメラ、撮像装置など)を使用してキャプチャすることができる。図23に、実施形態によるそのような静止画像の一例を示す。図23に示すように、位置決め要素1218を含む検知デバイス1210の一部をキャプチャすることができる。位置決め要素1218は、患者の頸切痕に位置づけられる部分を有する位置指示物として実装可能である。この静止画像において、頸切痕に位置づけられた位置決め要素1218の端はわかっており、すなわち固定した点(X,Y)にある。患者の首の長軸は、この固定位置(X,Y)を中心に回転することができる。したがって、患者の首の長軸を判定することができ、次にその固定点(X,Y)との関係を検知デバイス1210の角度に対する首の角度を判定するために使用することができる。検知デバイス1210の角度を垂直に対して相対的に知ることができるので、垂直に対する首の長軸の角度を判定することができ、三角法計算を使用してJVPの垂直高さを判定することができる。図23において、線1202~1208を使用して概略的に示されているように、静止画像をセグメント化することができる。首の長軸は、これらの線1202~1208のうちの1本を使用してもっともよく近似することができる。4本の線が示されているが、画像をセグメント化するために任意の数の線を使用することができ、首の長軸を最もよく近似する線を判定することができることがわかる。また、画像中の首の長軸及び/又はその他の解剖学的特徴を特定するために、例えば標準画像処理技術により、画像をセグメント化する他の方法も使用可能であることがわかる。首の長軸をそれに最も近い線と位置合わせすることができ、その線に付随する角度を、首の長軸の角度を近似するために使用することができ、これをその後、上述のようにJVPの垂直高さを判定するために使用することができる。
【0171】
本技術は、上記の説明に記載されているか又は図面に示されている構成要素の構造及び構成の詳細への適用には限定されない。本技術は、他の実施形態も可能であり、様々な方式で実施又は実行可能である。また、本明細書で使用されている表現及び用語は、説明を目的としたものであり、限定とみなされるべきではない。
【0172】
本明細書に記載の特定のシステム、デバイス及び/又は方法は、(ハードウェア上で実行される)ソフトウェア、ハードウェア、又はこれらの組合せで行われてもよい。ハードウェアモジュールは、例えば、汎用プロセッサ(又はマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラ)、フィールドプログラマブルアレイ(FPGA)、及び/又は特定用途向け集積回路(ASIC)を含み得る。(ハードウェア上で実行される)ソフトウェアモジュールは、C、C++、Java(登録商標)、Python、Ruby、Visual Basic(登録商標)及び/又はその他のオブジェクト指向、手続き型又はその他のプログラミング言語及び開発ツールを含む、様々なソフトウェア言語(例えばコンピュータコード)で表現可能である。コンピュータコードの例には、マイクロコード又はマイクロ命令、コンパイラによって作成されるものなどのマシン命令、ウェブサービスを作成するために使用されるコード、及びインタープリタを使用してコンピュータによって実行される高水準命令を含むファイルが含まれるが、これらには限定されない。コンピュータコードのその他の例には、制御信号、暗号化コード及び圧縮コードが含まれるが、これらには限定されない。
【0173】
本明細書における「含む(including)」、「含む(comprising)」又は「有する(having)」、「含む(containing)」、「伴う(involving)」及びこれらの変形の使用は、その前に列挙されている項目と、任意により追加の項目とを包含することが意図されている。説明では、同じ参照番号は同様の要素を指す。
【0174】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されている単数形の「a」、「an」及び「the」は、文脈が明確に他の解釈を要求していない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。
【0175】
本明細書で使用されている、所与の値又は範囲(直接か間接かを問わず、例えば「概ね一直線に」、「概ね位置合わせされ」、「概ね平行」など)の文脈における「約」又は「概ね」という用語は、その所与の値又は範囲の20%以内、好ましくは10%以内、より好ましくは5%以内を指す。
【0176】
本明細書で使用されている、「及び/又は」という用語は、他方を伴うか又は伴わずに二つの10の指定されている特徴又は構成要素のそれぞれの具体的な開示とみなされるべきである。例えば、「A及び/又はB」は、(i)A、(ii)B、及び(iii)AとBのそれぞれが本明細書に個別に記載されているかのように、それぞれの具体的な開示とみなされるべきである。
【0177】
本技術の上記の実装形態の修正及び改良が、当業者には明らかになる可能性がある。上記の説明は、限定ではなく例示であることが意図されている。したがって、本技術の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることが意図されている。
【0178】
本明細書の文脈で、「第1」、「第2」、「第3」などの語は、それらが修飾している名詞を互いに区別することができるようにすることのみを目的とした形容詞として使用されており、これらの名詞間のいかなる特定の関係も記述することを目的としていない。したがって、例えば、「第1のユニット」及び「第3のユニット」という用語の使用は、(例えば)それらのユニットの/間のいかなる特定の種類、階層又は序列も含意することが意図されていないことを理解されたい。これらの(単独での)使用も、所与の状況においていかなる「第2のユニット」も必ず存在する必要があることを含意することは意図されていない。
【0179】
本明細書の文脈において、「実施形態」という語は、本技術の物理的な実現形態を指す場合に一般的に使用されており、「実装形態」という語は、本技術に包含される方法(一般には本技術の物理的実現形態も伴う)を指す場合に一般に使用されている。これらの異なる用語の使用は、本技術の範囲の限定又は限定的なものであることは意図されていない。これらの異なる用語は、単に、読者が長い本明細書を読んでいるときに状況をよりよく判断することができるようにするために使用されている。
【0180】
本明細書で使用されている「実質的に」という用語及び同様の用語は、一般的な、本開示の主題が属する技術の当業者によって受け入れられている用法と一致する広い意味を有することが意図されている。例えば、「実質的に平坦な」という用語は、それがなければ平坦である表面に存在する製造上のばらつきに起因して、わずかな量の表面変動又は起伏が存在し得ることを意味することになる。本開示を精査する当業者は、これらの用語が、記載され、特許請求される特定の特徴の範囲を、示されている厳密な構成及び/又は数値範囲に制限せずに、それらの特徴の説明を可能にすることが意図されていることを理解されたい。したがって、これらの用語は、記載され、特許請求される主題の、実質的ではないか又は重要でない修正又は変更が、添付の特許請求の範囲に記載されている本発明の範囲に含まれるものとみなされることを示していると解釈されるべきである。
【0181】
本明細書で使用されている「結合される」などの用語は、二つの部材が直接又は間接的に互いにつなぎ合わされていることを意味する。そのようなつなぎ合わせは、固定している(例えば永久的)か、又は可動(例えば取り外し可能又は解放可能)であってもよい。そのようなつなぎ合わせは、二つの部材又は二つの部材と任意の追加の中間部材が互いに単一の単一体として一体形成されるか、又は二つの部材又は二つの部材と任意の追加の中間部材が互いに対して取り付けられることによって実現可能である。
【0182】
様々な例示の実施形態の構造及び構成は例示に過ぎないことに留意されたい。本開示では少数の実施形態のみについて詳細に説明しているが、本開示を精査する当業者は、本明細書に記載されている主題の新規な教示及び利点から実質的に逸脱することなく、多くの修正(例えば、様々な要素の大きさ、寸法、構造、形状及び比率、パラメータの値、取り付け構成、材料の使用、色、向きなどの変形)が可能であることが容易にわかるであろう。本発明の範囲から逸脱することなく、様々な例示の実施形態の設計、動作条件及び構成には、その他の置換、修正、変更及び省略も行うことができる。
【0183】
本明細書には多くの具体的な実装形態の詳細が含まれるが、これらはいずれの発明又は特許請求され得るものの範囲に対する限定とも解釈されるべきではなく、むしろ特定の発明の特定の実装形態に固有の特徴の説明とみなされるべきである。別々の実装形態の文脈で本明細書に記載されている特定の特徴は、単一の実装形態において組み合わせて実装することもできる。逆に、単一の実装形態の文脈で記載されている様々な特徴は、複数の実装形態において別々に、又は任意の適切なサブコンビネーションで実装することもできる。また、上記では特徴について特定の組合せで作用するものとして説明され、さらに最初にそのようなものとして特許請求されている場合もあるが、特許請求されている組合せのうちの一つ以上の特徴が、場合によってはその組合せから除外可能であり、特許請求される組合せはサブコンビネーション又はサブコンビネーションの変形を対象とし得る。
【0184】
以上、本発明の特定の実装形態について説明した。他の実装形態も以下の特許請求の範囲に含まれる。場合によっては、特許請求の範囲に記載されている動作は、異なる順序で行うことができ、その場合でも望ましい結果が得られる。さらに、添付図面に図示されているプロセスは、望ましい結果を得るために必ずしもその特定の順序又は順次的順序を必要としているわけではない。特定の実装形態では、マルチタスキング及び並列処理が有利な場合がある。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4
図5
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図9
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図11
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図14A
図14B
図15A
図15B
図16
図17A
図17B
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図19B
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【国際調査報告】