(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-14
(54)【発明の名称】発光モジュールおよびそれを有するヘッドランプ
(51)【国際特許分類】
H01L 33/50 20100101AFI20240806BHJP
H01L 33/60 20100101ALI20240806BHJP
F21V 9/32 20180101ALI20240806BHJP
F21S 41/143 20180101ALI20240806BHJP
F21S 41/125 20180101ALI20240806BHJP
F21W 102/13 20180101ALN20240806BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240806BHJP
【FI】
H01L33/50
H01L33/60
F21V9/32
F21S41/143
F21S41/125
F21W102:13
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024505604
(86)(22)【出願日】2022-07-25
(85)【翻訳文提出日】2024-01-30
(86)【国際出願番号】 KR2022010910
(87)【国際公開番号】W WO2023008864
(87)【国際公開日】2023-02-02
(32)【優先日】2021-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507194969
【氏名又は名称】ソウル セミコンダクター カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SEOUL SEMICONDUCTOR CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】97-11, Sandan-ro 163 beon-gil, Danwon-gu,Ansan-si,Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヘ・イン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ジュン・フン・ソン
【テーマコード(参考)】
5F142
【Fターム(参考)】
5F142AA01
5F142BA32
5F142CA13
5F142CB22
5F142CB23
5F142CD02
5F142CD18
5F142CD44
5F142CD47
5F142CG03
5F142CG04
5F142CG05
5F142CG24
5F142DA02
5F142DA14
5F142DA61
5F142DA73
(57)【要約】
一実施例にかかる発光モジュールは、基板;前記基板上に配置された複数の発光ダイオードチップ;前記の複数の発光ダイオードチップ上にそれぞれ配置された複数の波長変換器;および前記の複数の発光ダイオードチップおよび前記の複数の波長変換器を囲むホワイトウォールを含み、前記の複数の波長変換器は、それぞれ波長変換器の上面に対して80度以下の傾斜角で傾斜した側面を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板;
前記基板上に配置された複数の発光ダイオードチップ;
前記の複数の発光ダイオードチップ上にそれぞれ配置された複数の波長変換器;および
前記の複数の発光ダイオードチップおよび前記の複数の波長変換器を囲むホワイトウォールを含み、
前記の複数の波長変換器は、それぞれ波長変換器の上面に対して80度以下の傾斜角で傾斜した側面を含む、発光モジュール。
【請求項2】
前記基板は、上面回路パターン、下面回路パターン、および前記上面回路パターンと下面回路パターンを連結するビアを含む、請求項1に記載の発光モジュール。
【請求項3】
前記波長変換器は、それぞれ上面面積が下面面積よりも大きい、請求項1に記載の発光モジュール。
【請求項4】
前記波長変換器の下面面積は、前記発光ダイオードチップの上面面積の95%~105%の範囲内にある、請求項3に記載の発光モジュール。
【請求項5】
前記波長変換器の下面面積は、前記発光ダイオードチップの上面面積よりも小さい、請求項4に記載の発光モジュール。
【請求項6】
前記波長変換器間の間隔は、100um以下である、請求項1に記載の発光モジュール。
【請求項7】
前記波長変換器間の間隔は、70um以下である、請求項6に記載の発光モジュール。
【請求項8】
前記傾斜角は、70度以下である、請求項1に記載の発光モジュール。
【請求項9】
前記波長変換器の厚さは、前記発光ダイオードチップの厚さよりも小さい、請求項1に記載の発光モジュール。
【請求項10】
前記波長変換器の下面間の間隔は、上面間の間隔よりも波長変換器の厚さの1/2倍以上さらに大きい、請求項1に記載の発光モジュール。
【請求項11】
前記波長変換器間の間隔は、100um以下で、
一つの発光ダイオードチップを駆動させて得られる輝度グラフにおいて、前記の一つの発光ダイオードチップに対応する波長変換器の端から250um離れた位置における輝度が、最大輝度の1/250よりも小さい、請求項1に記載の発光モジュール。
【請求項12】
前記波長変換器間の間隔は、100um以下で、
一つの発光ダイオードチップを駆動させて得られる輝度グラフにおいて、最大輝度に対して10%の輝度を表す地点から250um離れた位置における輝度が最大輝度の1/200よりも小さい、請求項1に記載の発光モジュール。
【請求項13】
基板;
前記基板上に配置された複数の発光ダイオードチップ;
前記の複数の発光ダイオードチップ上にそれぞれ配置された複数の波長変換器;および
前記の複数の発光ダイオードチップおよび前記の複数の波長変換器を囲むホワイトウォールを含み、
前記波長変換器間の間隔は、100um以下で、
一つの発光ダイオードチップを駆動させて得られる輝度グラフにおいて、前記の一つの発光ダイオードチップに対応する波長変換器の端から250um離れた位置における輝度が最大輝度の1/250よりも小さい、発光モジュール。
【請求項14】
前記波長変換器間の間隔は、70um以下である、請求項13に記載の発光モジュール。
【請求項15】
前記波長変換器間の間隔は、50um以下である、請求項14に記載の発光モジュール。
【請求項16】
前記波長変換器の厚さは、前記発光ダイオードチップの厚さよりも小さい、請求項13に記載の発光モジュール。
【請求項17】
発光モジュールを含むヘッドランプにおいて、前記発光モジュールは、
基板;
前記基板上に配置された複数の発光ダイオードチップ;
前記の複数の発光ダイオードチップ上にそれぞれ配置された複数の波長変換器;および
前記の複数の発光ダイオードチップおよび前記の複数の波長変換器を囲むホワイトウォールを含み、
前記の複数の波長変換器は、それぞれ波長変換器の上面に対して80度以下の傾斜角で傾斜した側面を含む、ヘッドランプ。
【請求項18】
前記波長変換器間の間隔は、100um以下で、
一つの発光ダイオードチップを駆動させて得られる輝度グラフにおいて、前記の一つの発光ダイオードチップに対応する波長変換器の端から250um離れた位置における輝度が最大輝度の1/250よりも小さい、請求項17に記載のヘッドランプ。
【請求項19】
前記波長変換器間の間隔は、100um以下で、
一つの発光ダイオードチップを駆動させて得られる輝度グラフにおいて、最大輝度に対して10%の輝度を表す地点から250um離れた位置における輝度が、最大輝度の1/200よりも小さい、請求項17に記載のヘッドランプ。
【請求項20】
基板;
前記基板上に配置された単一の発光ダイオードチップ;
前記発光ダイオードチップ上に配置された単一の波長変換器;および
前記発光ダイオードチップおよび前記波長変換器を囲むホワイトウォールを含み、
前記波長変換器の上面の幅は前記発光ダイオードチップの上面の幅よりも大きい、発光モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光モジュールおよびそれを有するヘッドランプに関するものである。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオードチップは、電子と正孔の再結合により発生する光を発する半導体素子として、近年では、ディスプレイ、自動車のライト、一般照明等の様々な分野で使用されている。発光ダイオードチップは、寿命が長く、消費電力が低く、且つ応答速度が速いため、自動車のライト、ディスプレイ装置等の多様な分野に応用されている。
【0003】
自動車のヘッドランプは、車両が進む方向の前方を照らして運転手の前方の認識を助ける。また、ヘッドランプから照射されるビーム(beam)は、反対方向を走行する相手の運転手に眩しさを与えてはならない。このような要求事項を満たすために、ADB(adative driving beam)システムが導入されている。
【0004】
ADBヘッドランプは、通常、選択された局部領域に照射される光を取り除くことができる光学系装置を含む。一般に、多数の発光ダイオードが要求される方向に光を照射するように配列され、それぞれの発光ダイオードがCAN信号によって独立駆動して、選択された領域の光を遮断することができる。ADBシステムを用いることにより、反対方向の運転手や前方車両運転手に対して眩しさを誘発しないと共に、ハイビーム(high beam)を用いることができるため、運転手の夜間の視野を十分に確保することができる。
【0005】
ADBシステムは、相手車両の位置や前方車両の位置を確認するために、カメラセンサーを用いる。ところが、現在のカメラセンサーの信頼度は高くないため、車両の位置に相応する領域よりも相対的に広い領域に照射される光を取り除いている。つまり、光が取り除かれたダークゾーン(dark zone)が不必要に広いという問題がある。しかし、カメラセンサーの信頼度は高くなりつつあり、それによってADBシステムはより精密な制御が必要となる。これにより、現在は数十個の発光ダイオードが配列されたヘッドランプが使用されているが、今後は数千あるいは数万個の発光ダイオードが配列されたピクセル光源が使用されるものと予想される。
【0006】
一方、発光ダイオードチップを稠密に配列する場合、発光ダイオードチップから放出される光のグレアが重要な問題として浮上する。自動車のライトに適用される個別発光ダイオードの側面にグレア(glare)現象が発生すると、自動車のライトから放出される光が前方に照射される明部(bright zone)と、光が取り除かれた暗部(dark zone)の境界線であるカットオフ(Cutoff)線が鮮明ではなくなる。これによって、ダークゾーンを精密に制御することが難しく、運転手が不要な領域に光を照射することになり他の運転手の視野を妨げることになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示が解決しようとする課題は、少なくとも2つ以上の発光ダイオードチップを含む発光モジュールにおいて、発光ダイオードチップのグレアを防止できる発光モジュールを提供することである。
【0008】
本開示が解決しようとするまた別の課題は、ダークゾーンを精密に制御するためのADBシステムに適した発光モジュールおよびそれを含むヘッドランプを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一実施例にかかる発光モジュールは、基板;前記基板上に配置された複数の発光ダイオードチップ;前記の複数の発光ダイオードチップ上にそれぞれ配置された複数の波長変換器;および前記の複数の発光ダイオードチップおよび前記の複数の波長変換器を囲むホワイトウォールを含み、前記の複数の波長変換器は、それぞれ波長変換器の上面に対して80度以下の傾斜角で傾斜した側面を含む。
【0010】
一実施例にかかる発光モジュールは、基板;前記基板上に配置された複数の発光ダイオードチップ;前記の複数の発光ダイオードチップ上にそれぞれ配置された複数の波長変換器;および前記の複数の発光ダイオードチップおよび前記の複数の波長変換器を囲むホワイトウォールを含み、前記波長変換器間の間隔は、100um以下で、一つの発光ダイオードチップを駆動させて得られる輝度グラフにおいて、前記の一つの発光ダイオードチップに対応する波長変換器の端から250um離れた位置における輝度が最大輝度の1/250よりも小さい。
【0011】
一実施例にかかるヘッドランプは、発光モジュールを含み、前記発光モジュールは、基板;前記基板上に配置された複数の発光ダイオードチップ;前記の複数の発光ダイオードチップ上にそれぞれ配置された複数の波長変換器;および前記の複数の発光ダイオードチップおよび前記の複数の波長変換器を囲むホワイトウォールを含み、前記の複数の波長変換器は、それぞれ波長変換器の上面に対して80度以下の傾斜角で傾斜した側面を含む。
【0012】
また別の実施例にかかる発光モジュールは、基板、前記基板上に配置された単一の発光ダイオードチップ、前記発光ダイオードチップ上に配置された単一の波長変換器、および前記発光ダイオードチップおよび前記波長変換器を囲むホワイトウォールを含み、前記波長変換器の上面の幅は前記発光ダイオードチップの上面の幅よりも大きい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1A】
図1Aは、本発明の一実施例にかかる発光モジュールを説明するための概略的な平面図である。
【0014】
【0015】
【
図1C】
図1Cは、本発明の一実施例にかかる発光モジュールの電極構造を説明するための平面図である。
【0016】
【
図1D】
図1Dは、本発明の一実施例にかかる発光モジュールを説明するための背面図である。
【0017】
【
図2】
図2は、
図1Bの切り取り線A-A’に沿って切り取った概略的な断面図である。
【0018】
【
図3】
図3は、本発明のまた別の実施例にかかる発光モジュールを説明するための概略的な断面図である。
【0019】
【
図4】
図4は、本発明のまた別の実施例にかかる発光モジュールを説明するための概略的な断面図である。
【0020】
【
図5A】
図5Aは、発光モジュールのグレアを評価する一つの方法を説明するためのグラフである。
【0021】
【
図5B】
図5Bは、発光モジュールのグレアを評価するまた別の方法を説明するためのグラフである。
【0022】
【
図6A】
図6Aは、本発明の一実施例にかかる発光モジュールのグレア特性を
図5Aの評価方法によって示したグラフである。
【0023】
【
図6B】
図6Bは、本発明の一実施例にかかる発光モジュールのグレア特性を
図5Bの評価方法によって示したグラフである。
【0024】
【
図7】
図7は、本発明のまた別の実施例にかかる発光モジュールを説明するための概略的な平面図である。
【0025】
【
図8】
図8は、
図7の切り取り線B-B’に沿って切り取った概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施例を詳しく説明する。以下に紹介する実施例は、本発明が属する技術分野の通常の技術者に本発明の思想が十分に伝わるようにするために例として提供するものである。よって、本発明は、以下で説明する実施例に限定されるのではなく、他の形態で具体化することもできる。そして、図面において、構成要素の幅、長さ、厚さ等は、便宜のために誇張して表現する場合もある。また、一つの構成要素が別の構成要素の「上部に」または「上に」あると記載されている場合、各部分が他の部分の「直上部」または「直上に」ある場合だけでなく、各構成要素と他の構成要素間にまた別の構成要素が介在する場合も含む。明細書全体に亘って同じ参照番号は同じ構成要素を表す。
【0027】
一実施例にかかる発光モジュールは、基板;前記基板上に配置された複数の発光ダイオードチップ;前記の複数の発光ダイオードチップ上にそれぞれ配置された複数の波長変換器;および前記の複数の発光ダイオードチップおよび前記の複数の波長変換器を囲むホワイトウォールを含み、前記の複数の波長変換器は、それぞれ波長変換器の上面に対して80度以下の傾斜角で傾斜した側面を含む。
【0028】
前記基板は、上面回路パターン、下面回路パターン、および前記上面回路パターンと下面回路パターンを連結するビアを含むことができる。
【0029】
前記波長変換器は、それぞれ上面面積が下面面積よりも大きくなり得る。
【0030】
前記波長変換器の下面面積は、前記発光ダイオードチップの上面面積の95%~105%の範囲内になり得る。
【0031】
前記波長変換器の下面面積は、前記発光ダイオードチップの上面面積よりも小さくなり得る。
【0032】
一方、前記波長変換器間の間隔は、100um以下になり得る。さらに、前記波長変換器間の間隔は、70um以下になり得る。さらに、前記波長変換器間の間隔は、50um以下になり得る。
【0033】
前記傾斜角は、80度以下、さらに、70度以下になり得る。
【0034】
前記波長変換器の厚さは、前記発光ダイオードチップの厚さよりも小さくなり得る。前記波長変換器の厚さは、約120um以下、さらに、約100um以下になり得る。
【0035】
前記波長変換器の下面間の間隔は、上面間の間隔よりも波長変換器の厚さの1/2倍以上さらに大きくなり得る。
【0036】
一実施例において、前記波長変換器間の間隔は、100um以下になり得、一つの発光ダイオードチップを駆動させて得られる輝度グラフにおいて、前記の一つの発光ダイオードチップに対応する波長変換器の端から250um離れた位置における輝度が最大輝度の1/250よりも小さくなり得る。さらに、前記波長変換器間の間隔は、50um以下になり得る。
【0037】
一実施例において、前記波長変換器間の間隔は100um以下になり得、一つの発光ダイオードチップを駆動させて得られる輝度グラフにおいて、最大輝度に対して10%の輝度を表す地点から250um離れた位置における輝度が最大輝度の1/200よりも小さくなり得る。さらに、前記波長変換器間の間隔は50um以下になり得る。
【0038】
一実施例にかかる発光モジュールは、基板;前記基板上に配置された複数の発光ダイオードチップ;前記の複数の発光ダイオードチップ上にそれぞれ配置された複数の波長変換器;および前記の複数の発光ダイオードチップおよび前記の複数の波長変換器を囲むホワイトウォールを含み、前記波長変換器間の間隔は100um以下で、一つの発光ダイオードチップを駆動させて得られる輝度グラフにおいて、前記の一つの発光ダイオードチップに対応する波長変換器の端から250um離れた位置における輝度が最大輝度の1/250よりも小さい。
【0039】
前記波長変換器間の間隔は、70um以下、さらに、50um以下になり得る。
【0040】
前記波長変換器の厚さは、前記発光ダイオードチップの厚さよりも小さくなり得る。一例として、前記波長変換器の厚さは、約120um以下、さらに、100um以下になり得る。
【0041】
一実施例にかかるヘッドランプは、発光モジュールを含み、前記発光モジュールは、基板;前記基板上に配置された複数の発光ダイオードチップ;前記の複数の発光ダイオードチップ上にそれぞれ配置された複数の波長変換器;および前記の複数の発光ダイオードチップおよび前記の複数の波長変換器を囲むホワイトウォールを含み、前記の複数の波長変換器は、それぞれ波長変換器の上面に対して80度以下の傾斜角で傾斜した側面を含む。
【0042】
前記波長変換器間の間隔は、100um以下になり得、一つの発光ダイオードチップを駆動させて得られる輝度グラフにおいて、前記の一つの発光ダイオードチップに対応する波長変換器の端から250um離れた位置における輝度が、最大輝度の1/250よりも小さくなり得る。さらに、前記波長変換器間の間隔は50um以下になり得る。
【0043】
一実施例において、前記波長変換器間の間隔は100um以下になり得、一つの発光ダイオードチップを駆動させて得られる輝度グラフにおいて、最大輝度に対して10%の輝度を表す地点から250um離れた位置における輝度が、最大輝度の1/200よりも小さくなり得る。さらに、前記波長変換器間の間隔は50um以下になり得る。
【0044】
図1Aは本発明の一実施例にかかる発光モジュールを説明するための概略的な平面図で、
図1Bは
図1Aの一部分(点線で表した領域)を拡大図示した平面図で、
図1Cは本発明の一実施例にかかる発光モジュールの電極構造を説明するための平面図で、
図1Dは本発明の一実施例にかかる発光モジュールを説明するための背面図である。一方、
図2は
図1Bの切り取り線A-A’に沿って切り取った概略的な断面図である。
【0045】
図1A~
図1D、および
図2を参照すると、発光モジュール1000は、基板400、複数の発光ダイオードチップ310、波長変換器320、およびホワイトウォール340を含むことができる。発光モジュール1000はまた、回路パターン410;410a,410b,410c、反り防止パターン420、光透過性接着層350およびボンディング材360をさらに含むことができる。
【0046】
基板400は、絶縁性または導電性基板になり得る。前記基板400は、AlNのように熱伝導性に優れたセラミック物質を含むことができる。
【0047】
また、前記基板400は、上面および/または下面に回路パターン410を含むことができる。一例として、前記基板400は、上面回路パターン410a、下面回路パターン410b、およびビア410cを含むことができる。
【0048】
上面回路パターン410aは、発光ダイオードチップの電極311が実装できる構造を有する。発光ダイオードチップのn電極およびp電極が互いに短絡しないように上面回路パターン410aが形成され、それぞれの発光ダイオードチップ310は、上面回路パターン410aの互いに離隔されたパッド上に実装される。
【0049】
下面回路パターン410bは、それぞれの発光ダイオードチップ310に電源を供給するために複数個が設けられる。
図1Dにおいて、パッドが上下に区分されていることを示したが、上下のパッドは互いに連結されてもよい。但し、上下のパッドを互いに離すことにより、発光モジュール1000をヘッドランプに実装する際に接着力を強化することができる。
【0050】
一方、前記ビア410cは、基板400を貫通する貫通ホールを形成した後、導電性物質を満たして形成することができる。ビア410cは、上面回路パターン410aと下面回路パターン410bを電気的に連結する。前記ビア410cは、前記基板400の上面から下面に幅が一定の構造になり得るが、本発明がこれに限定されるのではない。例えば、前記ビア410cは、前記基板400の上面および下面において内部に行くほど幅が狭くなる構造になり得る。
【0051】
前記回路パターン410は、前記基板400上に位置する前記の複数の発光ダイオードチップ310と電気的に連結され得、前記基板400の下部に露出した部分を通じて外部電源と電気的に連結されて前記の複数の発光ダイオードチップ310に電源を供給することができる。
【0052】
前記回路パターン410によって前記の複数の発光ダイオードチップ310は、それぞれ別途の電極に電気的に連結され得る。前記電極に供給される電源を別個に連結して、前記の複数の発光ダイオードチップ310を個別駆動させることができる。但し、本発明がこれに限定されるのではなく、前記電極が互いに電気的に相互連結されてもよい。また、前記発光モジュール1000は別途の制御部をさらに含み、前記制御部によって前記の複数の発光ダイオードチップ310の駆動を制御することができる。
【0053】
反り防止パターン420は、上面回路パターン410aの周囲に配置され得る。反り防止パターン420は、基板400の反りを防止するために上面回路パターン410aにさらに形成することができる。下面回路パターン410bの全体面積が上面回路パターン410aの全体面積よりも大きいと、基板400に反りが発生しやすくなる。前記上面回路パターン410aにさらに反り防止パターン420を基板400上面に形成することにより、基板400の反りを防止することができる。反り防止パターン420は、上面回路パターン410aを囲むように形成することができる。反り防止パターン420は、閉ループを形成するライン状に形成することができるが、
図1Cに示したように、一部が取り除かれた不連続ラインに形成されてもよい。
【0054】
一方、本実施例において、ビア410cが上面回路パターン410aと下面回路パターン410bを連結することを図示および説明するが、本開示がこれに限定されるのではない。例えば、本開示の別の実施例において、前記ビア410cの代わりに基板400の側面に沿って形成された連結パターン(図示せず)を通じて上面および下面回路パターン410a,410bが連結されてもよい。
【0055】
複数の発光ダイオードチップ310が基板400上に実装され、各発光ダイオードチップ310上に波長変換器320が配置される。複数の発光ダイオードチップ310は、同じ色域帯にピーク波長を有することができる。また、複数の発光ダイオードチップ310は、互いに異なるピーク波長を有し得る。本実施例において、18個の発光ダイオードチップ310および波長変換器320がX方向に配置されたことを図示したが、特定個数に限定されるのではなく、2個以上の任意の個数の発光ダイオードチップ310が基板400上に配列され得る。また、本実施例において、発光ダイオードチップ310が一列に配列されたことを図示したが、本開示がこれに限定されるのではない。つまり、X方向およびY方向にそれぞれ複数の発光ダイオードチップ310を配列することができ、よって、発光ダイオードチップ310が複数の行および複数の列を有するマトリックスで配列されてもよい。
【0056】
発光ダイオードチップ310は、成長基板310aと、n型半導体層、p型半導体層およびn型半導体層とp型半導体層間に介在する活性層を含む半導体積層310bを含み得る。また、発光ダイオードチップ310は、前記半導体積層310bの下面に電極311を含み得る。前記電極311は、n型半導体層およびp型半導体層にそれぞれ電気的に連結され得る。これにより、前記電極311を通じて、前記発光ダイオードチップ310に電源が供給されて光が放出され得る。
【0057】
本発明の実施例のように、前記の複数の発光ダイオードチップ310は、前記基板400上にボンディングすることができる。前記の複数の発光ダイオードチップ310の電極311は、それぞれ前記基板400に形成された回路パターン410に連結され得る。前記電極311は、共晶ボンディングによって回路パターン410にボンディングされ得るが、これに限定されるのではなく、はんだボンディング、エポキシボンディング等によって連結されてもよい。前記の複数の発光ダイオードチップ310を前記基板400にボンディングするために、前記基板400の上面回路パターン410aに前記発光ダイオードチップ310を機械的および電気的にボンディングするための導電性ボンディング材360が配置され得る。
【0058】
前記波長変換器320は、前記発光ダイオードチップ310から放出される光を透過させることができ、前記発光ダイオードチップ310から放出する光の波長を変換して、特定色の光が放出されるようにすることができる。また、前記波長変換器320は、それぞれ互いに異なる色の光が放出されるようにすることもできる。一例として、前記波長変換器320は、発光ダイオードチップ310から放出される青色光を黄色光、または緑色光や赤色光に波長変換して発光モジュール1000から白色光が放出されるようにすることができる。
【0059】
前記波長変換器320は、シリコンやエポキシのような透明樹脂、ガラス、セラミック等の材料に光の波長を変換させる波長変換物質が混合されたものになり得る。例えば、透明樹脂は、透明シリコンであり得る。前記波長変換物質は、蛍光体であり得、黄色蛍光体、赤色蛍光体および緑色蛍光体等を使用することができ、さらに、青色蛍光体も使用することができる。
【0060】
前記黄色蛍光体の例としては、530nm~570nmの波長を主波長とするセリウム(Ce)がドーピングされたイットリウム(Y)アルミニウム(Al)ガーネットであるYAG:Ce(T3Al3O12:Ce)系列蛍光体や、シリケート(Silicate)系列の蛍光体になり得る。
【0061】
前記赤色蛍光体の例としては、600nm~700nmの波長を主波長とする酸化イットリウム(Y2O3)とユウロピウム(EU)の化合物からなるUOX(Y2O3:EU)系列の蛍光体、ナイトライド(Nitride)蛍光体またはフッ化物系蛍光体であり得る。具体的に、赤色蛍光体の例としては、窒素含有アルミノシリコンカルシウム(CASNまたはSCASN)系蛍光体(例えば、(Sr,Ca)AlSiN3:Eu)およびマンガン活性フッ化物系蛍光体(一般式(I)A2[M1-aMnaF6]で表される蛍光体、但し、前記一般式(I)中、Aは、K,Li,Na,Rb,CsおよびNH4からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、Mは第4族元素および第14族元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素で、aは0<a<0.2を満たす)を挙げることができる。このマンガン活性フッ化物系蛍光体の代表例としては、マンガン活性フッ化シリコンカリウムの蛍光体(例えばK2SiF6:Mn)がある。また、オキサイドハライド(oxiodohalide)ホスト格子に基づいたマンガン活性蛍光体(一般式(II)(A4-aBa)m/2+n/2X2m[MX4O2]nで表される蛍光体)がある。但し、前記一般式(II)中、Aは水素(H)および/または重水素(D)で、BはLi,Na,K,Rb,Cs,NH4,ND4、および/またはNR4で、ここで、Rはアルキルまたはアリールラジカルで、XはFおよび/またはClで、MはCr,Mo,Wおよび/またはReで、0≦a≦4,0≦m≦10、および1≦n≦10である。
【0062】
前記緑色蛍光体の例としては、500nm~590nmの波長を主波長とするリン酸(PO4)とランタン(La)とテルビウム(Tb)の化合物であるLAP(LaPO4:Ce,Tb)系列の蛍光体またはSiAlON系列の蛍光体を挙げることができる。また、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Y3(Al,Ga)5O12:Ce)、ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Lu3(Al,Ga)5O12:Ce)、テルビウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Tb3(Al,Ga)5O12:Ce)、シリケート系蛍光体(例えば、(Ba,Sr)2SiO4:Eu)、クロロシリケート系蛍光体(例えば、Ca8Mg(SiO4)4Cl2:Eu)、β-サイアロン系蛍光体(例えば、Si6-ZAlZOZN8-Z:Eu(0<z<4.2))、SGS系蛍光体(例えば、SrGa2S4:Eu)等を挙げることができる。イエロー光の蛍光体としては、α-サイアロン系蛍光体(例えば、MZ(Si,Al)12(O,N)16(但し、0<z≦2で、MはLi,Mg,Ca,YおよびLaとCeを除いたランタン族元素)等を挙げることができる。
【0063】
前記青色蛍光体の例としては、420nm~480nmの波長を主波長とするバリウム(Ba)とマグネシウム(Mg)と酸化アルミニウム系列の物質とユウロピウム(EU)の化合物であるBAM(BaMgAl10O17:EU)系列の蛍光体になり得る。
【0064】
図2に示したように、前記波長変換器320の上面の幅W2は、発光ダイオードチップ310の幅W1よりも大きくなり得る。また、波長変換器320の上面の幅W2は、下面の幅よりも大きくなり得る。
【0065】
一方、波長変換器320の下面の幅は、発光ダイオードチップ310の幅W1と大体同じになり得るが、これに限定されるのではなく、発光ダイオードチップ310の幅W1よりも大きくても小さくてもよい。波長変換器320の側面は、上面に対して傾斜角θを有するように傾斜する。波長変換器320の側面が上面に対して成す傾斜角θは、80度以下になり得る。さらに、傾斜角θは76度以下になり得、さらに、70度以下、さらには、68度以下になり得る。傾斜角θの下限は特に限定されるのではないが、傾斜角θが小さすぎると波長変換器320の下面面積が発光ダイオードチップ310よりも小さくなりすぎて発光ダイオードチップ310から放出した光が波長変換されず、損失されやすくなる。波長変換器320の下面面積は、発光ダイオードチップ310の上面面積の95%~105%の範囲内になり得る。波長変換器320の下面面積が発光ダイオードチップ310の上面面積の95%未満にならないようにすると共に、傾斜角θを小さくする必要がある。
【0066】
波長変換器320の側面を傾斜させることにより、波長変換器320間に配置されるホワイトウォール340の厚さを厚くさせることができる。これにより、隣接した波長変換器320間の光干渉を減らすことができ、グレアを防止することができる。
【0067】
波長変換器320間の間隔W3が狭いと、波長変換器320間に配置されたホワイトウォール340の幅が狭くなる。これにより、隣接した波長変換器320または発光ダイオードチップ310と隣り合う波長変換器320間に光漏れが発生する。ホワイトウォール340を通じた光漏れは、ダークゾーンを鮮明に具現できなくする。
【0068】
波長変換器320の間の間隔が100umを超過する場合、ホワイトウォール340は光漏れを防止することができる。しかし、波長変換器間の間隔が100um以下に小さくなると、ホワイトウォール340を通じた光漏れが発生する。
【0069】
本発明の実施例は、波長変換器320間の間隔が100um以下と小さい場合でも、波長変換器320の側面を傾斜するように形成することにより、波長変換器320間のホワイトウォール340部分の幅を相対的に増加させることができ、これによって、光漏れを減少させてグレアを防止することができる。さらに、波長変換器320間の間隔は70um以下になり得、さらに、50um以下になり得る。
【0070】
前記波長変換器320の厚さは、前記発光ダイオードチップ310の厚さよりも厚く形成することができるが、これに限定されるのではなく、前記発光ダイオードチップ310の厚さよりも薄く形成することができる。例えば、波長変換器320の厚さは120um以下になり得、さらに、100um以下にもなり得る。波長変換器320の厚さが薄いほど、傾斜角θを小さくすることができる。波長変換器320の厚さは、一般に発光ダイオードチップ310の厚さよりも厚いが、本実施例において、発光ダイオードチップ310の厚さよりも薄くてもよい。
【0071】
前記波長変換器320は、ガラスに蛍光体が混合されたPIG(Phosphor in Glass)であり得る。PIGは、水分、塵等の外部物質が発光モジュール1000内部に浸透することを効率的に防ぐ。しかし、本発明がこれに限定されるのではなく、前記波長変換器320は、ポリマー樹脂、ガラスのようなセラミックに蛍光体を混合して形成することができる。波長変換器320はエポキシ樹脂またはアクリル樹脂のような樹脂で形成することができ、この場合、発光ダイオードチップ310上に蛍光体を含む樹脂を塗布および硬化させることにより、前記波長変換器320が形成され得る。
【0072】
また、前記波長変換器320は、拡散剤をさらに含むことができる。前記拡散剤は、前記波長変換物質を焼成加工する際、溶けない程度の融点を有する必要があり、例えば、SiO2,TiO2およびAl2O3等であり得る。
【0073】
光透過性接着層350は、波長変換器320と前記発光ダイオードチップ310間に配置することができる。前記光透過性接着層350は、発光ダイオードチップ310で生成された光を透過させ、シリコン樹脂、エポキシ樹脂等の有機接着剤、低融点ガラス等の無機接着剤を用いて形成することができる。
【0074】
図2に示したように、前記光透過性接着層350は、前記発光ダイオードチップ310の成長基板310aの側面の少なくとも一部分を覆うことができる。前記光透過性接着層350は、圧着、焼結、水酸基接合法、表面活性化接合法、原子拡散結合法等の直接接合法等による接合方法を用いて形成することができる。
【0075】
ホワイトウォール340は、前記発光ダイオードチップ310および前記波長変換器320を囲むように形成することができる。また、前記ホワイトウォール340は基板400を覆うことができる。
【0076】
前記ホワイトウォール340の上面は、前記波長変換器320の上面と並ぶことができる。前記ホワイトウォール340の上面は平らになり得るが、これに限定されるのではなく、へこんだり突出したりするように形成することができる。
【0077】
波長変換器320間に位置するホワイトウォール340の幅は、基板400から離れるほど狭くなり得る。例えば、ホワイトウォール340の幅の最小値は、波長変換器320の上面間の間隔W3と同じになる。一方、波長変換器320の下面間の間隔はW3よりも大きく、例えば、W3よりも波長変換器320の厚さの1/2倍以上さらに大きくなり得る。例えば、W3が50umで、波長変換器320の厚さが100umの場合、波長変換器320の下面間の間隔は100um以上になり得る。これにより、波長変換器320の下面間に位置するホワイトウォール340の厚さも、例えば、100um以上に厚くなってもよい。波長変換器320間の領域に位置するホワイトウォール340の幅を増やすことにより、ホワイトウォール340を通じて発生する光漏れを減少させることができる。
【0078】
前記ホワイトウォール340は、反射性および非導電性を有する材質からなり得、弾性が大きい材質で形成することができる。例えば、前記ホワイトウォール340は、エポキシ樹脂、シリコン樹脂およびアクリル樹脂で形成され得る。前記ホワイトウォール340は、前記樹脂の1種以上と散乱または反射性物質を一緒に含んで形成することができる。前記散乱または反射性物質としては、TiO2,SiO2,ZrO2,F6K2Ti,Al2O3,AlNおよびBN等を含み得る。樹脂に含有される物質の特性によって、ホワイトウォール340の反射特性を調節することができる。よって、ホワイトウォール340の反射特性を向上させて光漏れをさらに防止することができる。
【0079】
図3は、本発明のまた別の実施例にかかる発光モジュールを説明するための概略的な断面図である。
【0080】
図3を参照すると、本実施例にかかる発光モジュール2000は、
図2を参照して説明した発光モジュール1000と大体類似しており、但し、波長変換器320の側面の傾斜角θが相対的に小さくなり波長変換器320の下面の面積が発光ダイオードチップ310の上面面積よりも小さい点において違いがある。上で説明したように、波長変換器320の下面面積は発光ダイオードチップ310の上面面積の95%以上になり得る。発光ダイオードチップ310の上面面積の95%以上を維持し、また波長変換器320間の設定された間隔W3下で傾斜角θを小さくしてグレアを防止することができる。
【0081】
図4は、本発明のまた別の実施例にかかる発光モジュールを説明するための概略的な断面図である。
【0082】
図4を参照すると、本実施例にかかる発光モジュール3000は、
図2を参照して説明した発光モジュール1000と大体類似しており、但し、波長変換器320の厚さが相対的に薄いことに違いがある。波長変換器320の厚さを減らすことにより、波長変換器320の上面面積および下面面積を変更しなくても傾斜角θを減らすことができ、グレアを防止することができる。
【0083】
図5Aは発光モジュールのグレアを評価する一つの方法を説明するためのグラフで、
図5Bは発光モジュールのグレアを評価するまた別の方法を説明するためのグラフである。
【0084】
先ず、
図5Aを参照すると、一つの発光ダイオードチップ310を駆動させて輝度を測定し距離による輝度値を求める。
図5Aはログスケールで表した典型的な輝度グラフを示している。最大輝度を1に正規化し、それぞれの輝度の相対値を表したものである。
【0085】
発光モジュールは、波長変換器(例、PIG)が配置された位置において高い輝度を表し、PIGの端から離れるほど輝度が減少する。PIGの端は、グラフにおいて輝度が急激に減少する位置に設定することができる。
【0086】
グレアが少ない場合、PIGの端から離れるほど輝度は急激に減少する。グレアを評価するために、PIGの端から250um離れた位置における輝度を求め、この輝度を最大輝度の1/250と比較する。PIGの端から250um離れた位置における輝度が最大輝度の1/250よりも小さい場合、発光モジュールはグレアが少なく良好であると評価することができる。
【0087】
図5Aの場合、PIGの端から250um離れた位置における輝度を最大輝度の1/250と対比したが、PIGの位置を正確に見つけることが困難だという短所がある。
図5Bの場合、最大輝度の10%になる輝度、つまり、0.1の輝度を表す位置を基準点にして、この位置から250um離れた位置における輝度を最大輝度の1/200と対比する。最大輝度の10%になる位置、つまり、0.1Max地点から250um離れた位置における輝度が最大輝度の1/200よりも小さい場合、発光モジュールはグレアが少なく良好であると評価することができる。
【0088】
図6Aは本発明の一実施例にかかる発光モジュールのグレア特性を
図5Aの評価方法によって表したグラフで、
図6Bは本発明の一実施例にかかる発光モジュールのグレア特性を
図5Bの評価方法によって表したグラフである。
【0089】
比較例1(Ref1)は、波長変換器の側面傾斜角θが90度で、厚さが120umであり、実施例1は、波長変換器の側面傾斜角θが76度で、厚さが120umであり、実施例2は、波長変換器の側面傾斜角θが68度で、厚さが100umである。ここで、波長変換器320間の間隔は、約50umだった。
【0090】
図6Aおよび
図6Bを参照すると、比較例1と実施例1を対比した場合、傾斜角θが小さくなることにより、グレアが減少することを確認することができる。また、実施例1と実施例2を比較すると、傾斜角θと一緒に厚さを減少させることにより、グレアがより減少することを確認することができる。
【0091】
さらに、実施例2は、波長変換器320の端から250um離れた位置における輝度が最大輝度の1/250よりも小さく、また、最大輝度の10%になる輝度を表す位置を基準点(0.1Max point)にして、この位置から250um離れた位置における輝度が最大輝度の1/200よりも小さかった。
【0092】
本発明によると、波長変換器320を100um以下、特に、約50umの間隔で配置し、ホワイトウォール340を用いて輝度を300lm以上に維持しながら、グレアを防止することができる。
【0093】
本開示の実施例によると、波長変換器320の間隔を100um以下に狭く配置しながらグレアを防止することができる。よって、波長変換器320を稠密に配置してピクセル光源に適した発光モジュールを提供することができ、これを用いたADBシステムは、運転手にさらに精密なビームパターンを提供することができる。さらに、ピクセル光源を用いることにより、道路上に文字や絵を表現できるなど、より多くの機能を行うことができるヘッドランプまたは車両用ランプを提供することができる。
【0094】
前の実施例で、発光モジュールが複数の発光ダイオードチップおよび複数の波長変換器を含むことについて説明したが、発光モジュールは単一の発光ダイオードチップおよび単一の波長変換器を含むことができ、このような発光モジュールが複数個配列されてADBシステムの光源として使用することができる。以下では、単一の発光ダイオードチップおよび単一の波長変換器を含む発光モジュール4000について、
図7および
図8を参照して説明する。
【0095】
図7は、本発明のまた別の実施例にかかる発光モジュール4000を説明するための概略的な平面図で、
図8は
図7の切り取り線B-B’に沿って切り取った概略的な断面図である。
【0096】
図7および
図8を参照すると、発光モジュール4000は、基板400、発光ダイオードチップ310、単一の波長変換器320、およびホワイトウォール340を含むことができる。発光モジュール4000はまた、回路パターン410;410a,410b,410c、光透過性接着層350、およびボンディング材360をさらに含むことができる。
【0097】
基板400、回路パターン410、ボンディング材360、発光ダイオードチップ310は、
図2~
図4を参照して説明した実施例と同じため、詳しい説明は省略する。但し、本実施例において、基板400上に単一の発光ダイオードチップ310が実装され、回路パターン410は、前記発光ダイオードチップ310に電源を供給するために、発光ダイオードチップ310のパッド311に電気的に連結される。
【0098】
発光ダイオードチップ310は、成長基板310aと、n型半導体層、p型半導体層、およびn型半導体層とp型半導体層間に介在する活性層を含む半導体積層310bを含むことができる。また、発光ダイオードチップ310は、前記半導体積層310bの下面に電極311を含むことができる。前記電極311は、n型半導体層およびp型半導体層にそれぞれ電気的に連結することができる。前記電極311は、共晶ボンディングによって回路パターン410にボンディングできるが、これに限定されるのではなく、はんだボンディング、エポキシボンディング等によって連結してもよい。一実施例において、前記の複数の発光ダイオードチップ310を前記回路基板400にボンディングするために、前記基板400の上面回路パターン410aに前記発光ダイオードチップ310を機械的および電気的にボンディングするための導電性ボンディング材360が配置され得る。別の実施例において、前記電極311が直接前記上面回路パターン410aに共晶ボンディングされてもよい。
【0099】
前記波長変換器320は、前の実施例で説明したものと類似するため、重複する説明は省略する。特に、波長変換器320の材料および蛍光体の種類、波長変換機能等は前の実施例で説明した通りである。また、波長変換器320の上面の幅W2は、発光ダイオードチップ310の幅W1よりも大きくなり得る。
図7に示したように、波長変換器320の上面面積は、発光ダイオードチップ310の上面面積よりも大きく、発光ダイオードチップ310の上面は全ての波長変換器320によって隠される。
【0100】
一方、本実施例において、波長変換器320の下面の幅は、上面の幅W2よりも小さかったり同じでもよい。波長変換器320の下面の幅は、発光ダイオードチップ310の幅W1よりも大きくなり得る。波長変換器320の下面面積は、発光ダイオードチップ310の上面面積の100%~120%の範囲内になり得る。本実施例において、発光モジュール4000は単一の波長変換器320を含み、ホワイトウォール340は、波長変換器320を囲む。ホワイトウォール340は、波長変換器320の周囲で多様な幅W4,W5,W6,W7を有するように形成することができる。ホワイトウォール340の第1幅W4は、波長変換器320の周囲に配置されたホワイトウォール340の最小幅である。ホワイトウォールの第2幅W5は、第1幅W4を定義するホワイトウォール340領域に対向して配置されたホワイトウォールの幅である。一方、波長変換器320の上下にそれぞれホワイトウォール340の第3幅W6および第4幅W7を定義することができる。
【0101】
発光ダイオードチップ310の幅W1は、約300um以上1100um以下になり得、波長変換器320の幅W2は、約400um以上1200um以下になり得る。ホワイトウォール340の第1幅W4は、波長変換器320の周囲に配置されたホワイトウォール340の幅W4~W7中の最小の幅で形成される。第1幅W4は、約100umを超過し、さらに、200umを超過することができる。ホワイトウォール340の第2幅W5は、ホワイトウォール340の第1幅W4よりも大きく、約300um以上1300um以下になり得る。ホワイトウォール340の第2幅W5は、波長変換器320の幅W2と同じか、それよりも大きくなり得る。第2幅W5は、ホワイトウォール340の幅W1~W4中で最も大きくなり得る。
【0102】
一方、ホワイトウォール340の第3幅W6および第4幅W7は、互いに同じでもよく、異なってもよい。このように、発光モジュール4000は、波長変換器320の周囲に配置されたホワイトウォール340が多様な幅W4,W5,W6,W7を有するように形成することができ、最小幅W4を調節して隣り合う発光モジュール間のグレアを防止することができる。ホワイトウォール340の最小幅W4を用いることにより、波長変換器320の側面が垂直な場合も、波長変換器320から放出される光のグレアを防止することができる。ホワイトウォール340は、回路基板400上に配置され、発光ダイオードチップ310および波長変換器320を囲む。ホワイトウォール340の下面全体面積は、上面全体面積よりも大きくなり得る。
図8に示したように、発光ダイオードチップ310の周囲に形成されたホワイトウォール340の内側面は、ホワイトウォール340の外側面とは異なり傾斜させることができる。前記ホワイトウォール340の内側面は、傾斜角が互いに異なる領域、または曲率が互いに異なる領域を含むことができる。ホワイトウォール340は、発光ダイオードチップ310に接すことができるが、これに限定されるのではない。発光ダイオードチップ310の側面に隣接するホワイトウォール340の内側面の少なくとも一部は、発光ダイオードチップ310の側面から離隔できるが、これによって、発光ダイオードチップ310の側面とホワイトウォール340の内側面間の少なくとも一部の領域に間隙が形成され得る。
【0103】
一実施例において、前記ホワイトウォール340の上面は、前記波長変換器320の上面と並ぶことができる。しかし、本発明がこれに限定されるのではなく、ホワイトウォール340の上面は、波長変換器320の上面よりも低く位置することができる。
【0104】
また、前記ホワイトウォール340の上面は平らになり得るが、これに限定されるのではなく、へこんだり突出したりするように形成することができる。また、前記ホワイトウォール340は、波長変換器320から離れるほど厚さが薄くなり得る。
【0105】
光透過性接着層350は、波長変換器320と発光ダイオードチップ310間に配置され、波長変換器320を発光ダイオードチップ310に付着させる。光透過性接着層350は、波長変換器320と前記発光ダイオードチップ310間に配置され得る。前記光透過性接着層350は、発光ダイオードチップ310で生成された光を透過させ、シリコン樹脂、エポキシ樹脂等の有機接着剤、低融点ガラス等の無機接着剤を用いて形成することができる。さらに、光透過性接着層350は、光拡散剤を含むことができ、例えば、光拡散剤を含む透明樹脂で形成することができる。
【0106】
光透過性接着層350は、発光ダイオードチップ310の側面の少なくとも一部を覆うことができる。光透過性接着層350は、発光ダイオードチップ310の側面とホワイトウォール340の内側面間の間隙を埋めることができる。よって、光透過性接着層350は、発光ダイオードチップ310と波長変換器320間に配置された第1光透過層350a、発光ダイオードチップ310の側面とホワイトウォール340の内側面間に配置された第2光透過層350bを有することができる。第1光透過層350aは、波長変換器320の厚さよりも薄くなる。さらに、第1光透過層350aは、ボンディング材360の厚さよりも薄くなり得る。
【0107】
第2光透過層350bは、上面、下面、上面と下面を連結する連結部を有する。前記連結部の一側面は、ホワイトウォール340の内側面に接することができ、他側面は、発光ダイオードチップ310の側面に接することができる。第2光透過層350bの上面は、波長変換器320の下面に接することができる。第2光透過層350bの上面の幅は、下面の幅よりも大きい。第2光透過層350bの上面の幅は約10um以上35um以下、さらに、15um以上30um以下になり得る。第2光透過層350bの連結部の一側面と他側面の長さは互いに異なり得る。また、連結部の一側面と他側面は互いに異なる傾斜角を有することができ、一側面または他側面の少なくとも一部は屈曲した領域を有することができる。一実施において、一側面または他側面は、傾斜が異なる領域または曲率が異なる領域を含むことができる。
【0108】
以上において、本発明の多様な実施例について説明したが、本発明は前記実施例だけに限定されるのではない。また、一つの実施例について説明した事項や構成要素は、本発明の技術的思想から外れない限り、別の実施例にも適用することができる。
【符号の説明】
【0109】
310 発光ダイオードチップ
310a 成長基板
310b 半導体積層
311 電極、パッド
320 波長変換器
340 ホワイトウォール
350 光透過性接着層
350a 第1光透過層
350b 第2光透過層
360 導電性ボンディング材
400 基板
410 回路パターン
410a 上面回路パターン
410b 下面回路パターン
410c ビア
420 反り防止パターン
1000 発光モジュール
2000 発光モジュール
3000 発光モジュール
4000 発光モジュール
【国際調査報告】