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特表2024-530017TRP関連のビーム障害検出手順およびモビリティシナリオのための方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-14
(54)【発明の名称】TRP関連のビーム障害検出手順およびモビリティシナリオのための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/19 20180101AFI20240806BHJP
   H04W 36/08 20090101ALI20240806BHJP
   H04B 7/022 20170101ALI20240806BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20240806BHJP
   H04W 74/0833 20240101ALI20240806BHJP
【FI】
H04W76/19
H04W36/08
H04B7/022
H04W16/28
H04W74/0833
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506766
(86)(22)【出願日】2021-08-03
(85)【翻訳文提出日】2024-03-05
(86)【国際出願番号】 CN2021110305
(87)【国際公開番号】W WO2023010281
(87)【国際公開日】2023-02-09
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523107950
【氏名又は名称】レノボ・(ベイジン)・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(72)【発明者】
【氏名】リアンハイ・ウー
(72)【発明者】
【氏名】ラン・ユエ
(72)【発明者】
【氏名】ジエ・シ
(72)【発明者】
【氏名】ミン・シュ
(72)【発明者】
【氏名】ジエ・フ
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA26
5K067AA33
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE13
5K067JJ39
5K067KK02
(57)【要約】
本出願の実施形態は、第3世代パートナシッププロジェクト(3GPP)の5Gシステムなどの下での、送受信点(TRP)に関連するビーム障害検出手順およびレイヤ1/レイヤ2(L1/L2)モビリティシナリオとレイヤ3(L3)モビリティシナリオの共存のための方法および装置に関する。本出願の一実施形態によれば、方法はユーザ機器(UE)によって実行することができ、サービングセルから、サービングセルの2つ以上の送受信点(TRP)に関連する設定情報を受信するステップと、2つ以上のTRP内のTRPのビーム障害を検出するステップと、TRPに関連する情報を含むビーム障害回復(BFR)要求を送信するステップと、サービングセルからBFR要求に対する応答を受信する前に、2つ以上のTRP内のさらなるTRPのさらなるビーム障害を検出するステップと、ある期間内で物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を監視するステップとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器(UE)によって実行される方法であって、
サービングセルから、前記サービングセルの2つ以上の送受信点(TRP)に関連する設定情報を受信するステップと、
前記2つ以上のTRP内の第1のTRPの第1のビーム障害を検出するステップと、
前記第1のTRPに関連する情報を含む第1のビーム障害回復(BFR)要求を送信するステップと、
前記サービングセルから前記第1のBFR要求に対する応答を受信する前に、前記2つ以上のTRP内の第2のTRPの第2のビーム障害を検出するステップと、
ある期間内で物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を監視するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記期間が終了したことに応答して、ランダムアクセスチャネル(RACH)手順を実行するステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記RACH手順が、前記サービングセルのBFR手順に関連する設定情報に基づく、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記期間が、時間領域における時間ウィンドウに関連付けられ、前記時間ウィンドウが、前記第1のBFR要求もしくは第2のBFR要求が送信されるときに開始し、前記時間ウィンドウの長さが、前記サービングセルによって設定される、または
前記期間が、タイマに関連付けられ、前記タイマが開始したことに応答して前記期間が開始し、前記タイマが切れたこと、もしくは前記タイマが停止したことに応答して前記期間が終了する、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のBFR要求を送信し、前記第2のビーム障害を検出すること、または、
前記第1のBFR要求を送信すること、または
前記第2のビーム障害を検出し、前記第2のBFR要求を送信すること
に応答して前記タイマが開始する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記サービングセルから前記第1のBFR要求に対する前記応答を受信すること、または
前記サービングセルから第2のBFR要求に対する応答を受信すること
に応答して前記タイマを停止することをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
ユーザ機器(UE)によって実行される方法であって、
サービングセルから、1つまたは複数の候補セルに関連するセル切り替え手順の設定情報を受信するステップであって、前記セル切り替え手順が、前記セル切り替え手順のセル切り替え条件が満たされたこと、または前記セル切り替え手順のアクティブ化インジケーションが受信されたことに基づいて実行される、受信するステップと、
前記サービングセルから、
通常のハンドオーバコマンド、
デュアルアクティブプロトコルスタック(DAPS)ハンドオーバコマンド、および
条件付きハンドオーバ(CHO)手順に関する設定情報
のうちの1つを受信するステップと
を含む、方法。
【請求項8】
前記UEの物理層または媒体アクセス制御(MAC)層によって、前記サービングセルから前記アクティブ化インジケーションを受信するステップであって、前記アクティブ化インジケーションが、
前記1つまたは複数の候補セル内の候補セルの物理層識別子(PCID)、または
前記候補セルのインデックスであって、前記候補セルの前記PCIDまたは前記候補セルのセルグローバル識別子(CGI)に関連付けられる、前記候補セルのインデックス
を含む、受信するステップ
をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記UEの前記物理層または前記MAC層によって前記アクティブ化インジケーションが受信されたことに応答して、かつ前記CHO手順に関する前記設定情報が受信されたことに応答して、前記UEの前記物理層または前記MAC層によって、前記アクティブ化インジケーションを前記UEのRRC層に示すステップ
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記UEの前記RRC層によって、前記UEの前記物理層または前記MAC層から前記アクティブ化インジケーションが受信されたことに応答して、
前記UEの前記RRC層によって、前記CHO手順の前記条件の評価を停止し、前記CHO手順をトリガしないステップ、または
前記CHO手順の前記条件を満たしたことに応答して、
前記セル切り替え手順を優先的に実行するステップ、または
セル切り替えのための前記セル切り替え手順および前記CHO手順からチャネル品質が最良の候補セルを選択するステップ
をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記サービングセルから、無線リソース制御(RRC)再設定メッセージを受信するステップであって、前記RRC再設定メッセージが、前記UEの物理層またはMAC層が前記サービングセルから前記アクティブ化インジケーションを受信した後に前記RRC再設定メッセージが適用可能であることを示すインジケーションを含む、受信するステップ
をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記RRC再設定メッセージを受信したことに応答して、前記受信したRRC再設定メッセージのコンプライアンスをチェックするステップ
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記UEの前記RRC層が前記RRC再設定メッセージに従っていないことに応答して、前記サービングセルにコンプライアンス障害を報告するステップ
をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
プロセッサと、
前記プロセッサに結合されたワイヤレス送受信機と
を備えるユーザ機器(UE)であって、前記プロセッサが、
サービングセルから前記ワイヤレス送受信機を介して、前記サービングセルの2つ以上の送受信点(TRP)に関連する設定情報を受信するステップと、
前記2つ以上のTRP内の第1のTRPの第1のビーム障害を検出するステップと、
前記ワイヤレス送受信機を介して、前記第1のTRPに関連する情報を含む第1のビーム障害回復(BFR)要求を送信するステップと、
前記サービングセルから前記第1のBFR要求に対する応答を受信する前に、前記2つ以上のTRP内の第2のTRPの第2のビーム障害を検出するステップと、
ある期間内で物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を監視するステップと
を行うように構成される、ユーザ機器(UE)。
【請求項15】
プロセッサと、
前記プロセッサに結合されたワイヤレス送受信機と
を備えるユーザ機器(UE)であって、前記プロセッサが、
サービングセルから前記ワイヤレス送受信機を介して、1つまたは複数の候補セルに関連するセル切り替え手順の設定情報を受信するステップであって、前記セル切り替え手順が、前記セル切り替え手順のセル切り替え条件が満たされたこと、または前記セル切り替え手順のアクティブ化インジケーションが受信されたことに基づいて実行される、受信するステップと、
前記サービングセルから前記ワイヤレス送受信機を介して、
通常のハンドオーバコマンド、
デュアルアクティブプロトコルスタック(DAPS)ハンドオーバコマンド、および
条件付きハンドオーバ(CHO)手順に関する設定情報
のうちの1つを受信するステップと
を行うように構成される、ユーザ機器(UE)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願の実施形態は、一般的にワイヤレス通信技術に関し、特に送受信点(TRP:Transmission Reception Point)に関連するビーム障害検出手順およびレイヤ1/レイヤ2(L1/L2)モビリティシナリオとレイヤ3(L3)モビリティシナリオの共存のための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、第3世代パートナシッププロジェクト(3GPP(登録商標、以下同じ))のRAN2は、RAN2#114会合においてシナリオ1とシナリオ2の両方について共通認識で合意した。シナリオ1は、セル間のマルチTRPライクなモデルを指し、シナリオ2は、L1/L2モビリティモデルを指す(すなわち、サービングセル変更を伴う)。
【0003】
特に、シナリオ1はセル間のマルチTRPライクなモデルを指す。シナリオ1では、UEは、サービングセルから、ビーム測定用に異なる物理層識別子(PCID:Physical layer identifier)を持つTRPの同期信号ブロック(SSB:synchronization signal block)の設定、および異なるPCID用のリソースを含むデータ送信またはデータ受信用の無線リソースを使用するために必要な設定を受信する。UEは異なるPCIDを持つTRPに対してビーム測定を実行し、測定結果をサービングセルに報告する。上記の報告に基づき、異なるPCIDを持つTRPに関連する送信設定インジケータ(TCI:Transmission Configuration Indicator)状態が、サービングセルから(L1/L2シグナリングによって)アクティブ化される。TCIは、SSBまたはチャネル状態情報参照信号(CSI-RS:Channel State Information Reference Signal)であってもよい。UEは、異なるPCIDを持つTRP上のUE専用チャネルを使用して送受信する。UEは常にサービングセルのカバレッジ内にいる必要があり、マルチTRPの場合にも、例えば、UEは、サービングセルからの共通チャネルの報知制御チャネル(BCCH:Broadcast Control Channel)、ページング制御チャネル(PCCH:Paging Control Channel)などを使用する必要がある。
【0004】
シナリオ2は、L1/L2モビリティモデルを指す(すなわち、サービングセル変更を伴う)。シナリオ2では、UEはサービングセルから、ビーム測定またはサービングセル変更用に異なるPCIDを持つセルのSSBの設定を受信する。UEは異なるPCIDを持つセルに対してビーム測定を実行し、測定結果をサービングセルに報告する。他のPCIDを持つセルのサービングセル設定は、RRCシグナリングによってUEに提供される。上記の報告に基づき、異なるPCIDを持つセルのTCI状態が、サービングセル変更と併せて(L1/L2シグナリングによって)アクティブ化される。UEはサービングセルを変更し、事前設定のUE専用チャネルおよびTCI状態を使用して、受信を開始または送信を開始する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、シナリオ1とシナリオ2に関連するいくつかの問題は、3GPPの5G技術ではまだ議論されておらず、対応する解決策も規定されていない。本出願の実施形態は、ユーザ機器(UE:User Equipment)が1つまたは複数の候補セルで構成されるシナリオ1とシナリオ2の両方に対する解決策を提供し、これら2つのシナリオにおいて関連する問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本出願のいくつかの実施形態は、UEによって実行される方法を提供する。方法は、サービングセルから、サービングセルの2つ以上の送受信点(TRP)に関連する設定情報を受信するステップと、2つ以上のTRP内のTRPのビーム障害を検出するステップと、TRPに関連する情報を含むビーム障害回復(BFR:Beam Failure recovery)要求を送信するステップと、サービングセルからBFR要求に対する応答を受信する前に、2つ以上のTRP内のさらなるTRPのさらなるビーム障害を検出するステップと、ある期間内で物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control Channel)を監視するステップとを含む。
【0007】
本出願のいくつかの実施形態はまた、UEを提供する。UEは、プロセッサと、プロセッサに結合されたワイヤレス送受信機とを含み、プロセッサは、サービングセルからワイヤレス送受信機を介して、サービングセルの2つ以上のTRPに関連する設定情報を受信するステップと、2つ以上のTRP内のTRPのビーム障害を検出するステップと、ワイヤレス送受信機を介してTRPに関連する情報を含むBFR要求を送信するステップと、サービングセルからBFR要求に対する応答を受信する前に、2つ以上のTRP内のさらなるTRPのさらなるビーム障害を検出するステップと、ある期間内でPDCCHを監視するステップと、を行うように構成される。
【0008】
本出願のいくつかの実施形態は、UEによって実行される方法を提供する。方法は、サービングセルから、1つまたは複数の候補セルに関連するセル切り替え手順の設定情報を受信するステップであって、セル切り替え手順が、セル切り替え手順のセル切り替え条件が満たされたこと、またはセル切り替え手順のアクティブ化インジケーションが受信されたことに基づいて実行される、受信するステップと、サービングセルから、通常のハンドオーバコマンド、デュアルアクティブプロトコルスタック(DAPS:Dual Active Protocol Stack)ハンドオーバコマンド、および条件付きハンドオーバ(CHO:Conditional Handover)手順に関する設定情報のうちの1つを受信するステップと、を含む。
【0009】
本出願のいくつかの実施形態はまた、UEを提供する。UEは、プロセッサと、プロセッサに結合されたワイヤレス送受信機とを含み、プロセッサは、サービングセルからワイヤレス送受信機を介して、1つまたは複数の候補セルに関連するセル切り替え手順の設定情報を受信するステップであって、セル切り替え手順が、セル切り替え手順のセル切り替え条件が満たされたこと、またはセル切り替え手順のアクティブ化インジケーションが受信されたことに基づいて実行される、受信するステップと、サービングセルからワイヤレス送受信機を介して、通常のハンドオーバコマンド、DAPSハンドオーバコマンド、およびCHO手順に関する設定情報のうちの1つを受信するステップと、を行うように構成される。
【0010】
本出願のいくつかの実施形態はまた、ワイヤレス通信のための装置を提供する。装置は、コンピュータ実行可能命令が記憶された非一時的なコンピュータ可読媒体と、受信回路と、送信回路と、非一時的なコンピュータ可読媒体、受信回路、および送信回路に結合されたプロセッサとを含み、コンピュータ実行可能命令は、UEによって実行される上述の方法のいずれかをプロセッサに実行させる。
【0011】
本出願のいくつかの実施形態は、ネットワークノード(例えば、基地局(BS:Base Station))によって実行される方法を提供する。方法は、1つまたは複数の候補セルに関連するセル切り替え手順の設定情報をUEに送信するステップであって、セル切り替え手順が、セル切り替え手順のセル切り替え条件が満たされたこと、またはセル切り替え手順のアクティブ化インジケーションが受信されたことに基づいて実行される、送信するステップと、通常のハンドオーバコマンド、DAPSハンドオーバコマンド、およびCHO手順に関する設定情報のうちの1つをUEに送信するステップとを含む。
【0012】
本出願のいくつかの実施形態はまた、ネットワークノード(例えば、BS)を提供する。ネットワークノードは、プロセッサと、プロセッサに結合されたワイヤレス送受信機とを含み、プロセッサは、ワイヤレス送受信機を介してUEに、1つまたは複数の候補セルに関連するセル切り替え手順の設定情報を送信するステップであって、セル切り替え手順が、セル切り替え手順のセル切り替え条件が満たされたこと、またはセル切り替え手順のアクティブ化インジケーションが受信されたことに基づいて実行される、送信するステップと、ワイヤレス送受信機を介してUEに、通常のハンドオーバコマンド、DAPSハンドオーバコマンド、およびCHO手順に関する設定情報のうちの1つを送信するステップと、を行うように構成される。
【0013】
本出願のいくつかの実施形態はまた、ワイヤレス通信のための装置を提供する。装置は、コンピュータ実行可能命令が記憶された非一時的なコンピュータ可読媒体と、受信回路と、送信回路と、非一時的なコンピュータ可読媒体、受信回路、および送信回路に結合されたプロセッサとを含み、コンピュータ実行可能命令は、ネットワークノード(例えば、BS)によって実行される上述の方法のいずれかをプロセッサに実行させる。
【0014】
1つまたは複数の例の詳細が、添付の図面および以下の発明を実施するための形態において記載される。他の特徴、目的、および利点は、発明を実施するための形態および図面、ならびに請求項から明らかとなろう。
【0015】
本出願の利点および特徴を得ることができる方法を説明するために、本出願の説明を、添付の図面に図示される、その特定の実施形態を参照することによって行う。これらの図面は、単に本出願の例示的な実施形態を描いたものであり、したがって、その範囲を限定するものと考えられてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本出願のいくつかの実施形態による、セル間動作に関するシナリオを示す図である。
図2】3GPP規格文書TS38.321による、BFR MAC CEの例示のフォーマット図である。
図3】3GPP規格文書TS38.321による、BFR MAC CEの例示のフォーマット図である。
図4】本出願のいくつかの実施形態による、BFR要求を送信するための方法のフローチャートである。
図5】本出願のいくつかの実施形態による、セル切り替え手順の設定情報を受信するための方法のフローチャートである。
図6】本出願のいくつかの実施形態による、セル切り替え手順の設定情報を送信するための方法のフローチャートである。
図7】本出願のいくつかの実施形態による、装置の例示的なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
添付の図面の詳細な説明は、本出願の好ましい実施形態の説明が意図されており、本出願が実用化され得る唯一の形態を表現することを意図するものではない。本出願の趣旨および範囲内に包含されることが意図される異なる実施形態によって、同一または同等の機能が達成され得ることが理解されるべきである。
【0018】
次に、本出願のいくつかの実施形態について詳細に説明するが、その例は添付の図面に図示されている。理解を容易にするため、実施形態は、3GPPの5G、3GPPのLTEリリース8など、特定のネットワークアーキテクチャおよび新サービスシナリオの下で提供される。ネットワークアーキテクチャおよび新サービスシナリオの発展に伴い、本出願のすべての実施形態にも、同様の技術的問題が当てはまることが想定される。さらに、本出願において述べられる用語は変更されることがあるが、これは本出願の原理に影響を及ぼすべきではない。
【0019】
図1は、本出願のいくつかの実施形態による、セル間動作に関するシナリオを示す図である。
【0020】
いくつかの事例では、UE1は、サービングセルから、ビーム測定用のPCIDを持つTRP(例えば、TRP#0および/またはTRP#1)のSSBまたはCSI-RSの設定、およびPCIDに関連付けられたデータ送信またはデータ受信用のリソース設定を受信することがある。UE1は、PCIDを持つTRPに対してビーム測定を実行し、測定結果をサービングセルに報告する。上記の報告に基づき、PCIDを持つTRPに関連するTCI状態が、サービングセルから(L1シグナリングまたはL2シグナリングによって)アクティブ化される。TCIは、SSBまたはCSI-RSであってもよい。UE1は、PCIDを持つTRP上のUE専用チャネルを使用して送受信する。UE1は、常にサービングセルのカバレッジ内にいる必要があり、マルチTRPの場合にも、例えば、UE1は、サービングセルからのBCCH、PCCHなどを使用する必要がある。図1に示すように、UE1は、TRP#0およびTRP#1によってサービングされる。UE1は、TRP#0とTRP#1から同時にデータを受信できる。
【0021】
本出願のいくつかの実施形態では、図1に示されるUE1として、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、タブレットコンピュータ、スマートテレビジョン(例えば、インターネット接続のテレビジョン)、セットトップボックス、ゲーム機、セキュリティシステム(セキュリティカメラを含む)、車載コンピュータ、ネットワークノード(例えば、TRP、ルータ、スイッチ、およびモデム)などのコンピューティングデバイスを挙げることができる。本出願の他のいくつかの実施形態では、UE1として、ポータブルのワイヤレス通信デバイス、スマートフォン、携帯電話、フリップフォン、加入者IDモジュールを有するデバイス、パーソナルコンピュータ、選択的着信回路、またはワイヤレスネットワーク上で通信信号を送受信できる任意の他のデバイスを挙げることができる。本出願の他のいくつかの実施形態では、UE1として、スマートウォッチ、フィットネスバンド、光学式ヘッドマウントディスプレイなどのウェアラブルデバイスを挙げることができる。さらに、UE1は、加入者ユニット、モバイル、移動局、ユーザ、端末、移動端末、ワイヤレス端末、固定端末、加入者局、ユーザ端末、もしくはデバイスと呼ばれることがあるか、または当技術分野で使用される他の用語を使用して説明されることがある。
【0022】
現在、シナリオ1とシナリオ2におけるUEの挙動およびBSの挙動に関し、さらなる詳細はあまり明確ではなく、いくつかの共通の問題が解決されないままであり、異なる事例では異なる解決策が必要とされる。本出願のいくつかの実施形態は、シナリオ1における1つのセル内でのマルチTRPの事例のための解決策を提供することを目的とする。本出願のいくつかの実施形態は、ネットワークノードからTRPのビーム障害回復要求(BFRQ:Beam Failure Recovery Request)に対する応答を受信する前に、UEがさらなるTRPのさらなるビーム障害を検出する事例におけるUEの挙動を調べる。
【0023】
本出願のいくつかの実施形態は、シナリオ2においてL1/L2中心モビリティとL3モビリティが共存する場合の解決策を提供することを目的とする。本出願のいくつかの実施形態は、L1/L2中心モビリティとCHO手順の共存のための問題を解決することを目的とする。本出願のいくつかの実施形態は、L1/L2中心モビリティとDAPSハンドオーバ(HO:Handover)手順の共存のための問題を解決することを目的とする。本出願の実施形態に関するさらなる詳細を、添付の図面と併せて以下の文章で説明する。
【0024】
図2および図3は、3GPP規格文書TS38.321による、BFR MAC CEの2つの例示のフォーマット図である。図2および図3の実施形態では、BFR MAC CE中のフィールドは、次のように定義される。
- SP(例えば、図2および図3それぞれの1行目の8列目に示す「SP」):このフィールドは、このMACエンティティのSpCellのビーム障害検出を示す。SPフィールドは、BFR MAC CEがランダムアクセス(RA)手順の一部としてMAC PDUに含められる場合にのみ、SpCellに対してビーム障害が検出されたことを示すために1にセットされ、そうでない場合、0にセットされる。
- Ci(BFR MAC CE)(例えば、図2に示す「C1」~「C7」、および図3に示す「C1」~「C31」):このフィールドは、BFD、および3GPP規格文書TS38.331で規定されるServCellIndex iを持つSCellのACフィールドを含むオクテットの存在を示す。1にセットされたCiフィールドは、ビーム障害が検出され、ACフィールドを含むオクテットがServCellIndex iを持つSCellに対して提示されることを示す。0に設定されたCiフィールドは、ビーム障害が検出されず、ACフィールドを含むオクテットがServCellIndex iを持つSCellに対して提示されないことを示す。ACフィールドを含むオクテットは、ServCellIndexに基づいた昇順に存在する。
- AC(例えば、図2の1列目、2行目から最下行に示す「AC」、および図3の1列目、5行目から最下行に示す「AC」):このフィールドは、このオクテットにおける候補参照信号識別子(RS ID:Reference Signal Identifier)フィールドの存在を示す。candidateBeamRSSCellList内のSSBのうちrsrp-ThresholdBFRを上回るSS-RSRPを持つSSB、またはcandidateBeamRSSCellList内のCSI-RSのうちrsrp-ThresholdBFRを上回るCSI-RSRPを持つCSI-RSのうち、少なくとも1つが利用可能である場合、ACフィールドは1にセットされ、そうでない場合、ACフィールドは0にセットされる。ACフィールドが1にセットされていれば、Candidate RS IDフィールドが存在する。ACフィールドが0にセットされていれば、代わりにRビットが存在する。
- Candidate RS ID(例えば、図2の2行目から最下行に示す「Candidate RS ID」、および図3の5行目から最下行に示す「Candidate RS ID」):このフィールドは、candidateBeamRSSCellList内のSSBのうちrsrp-ThresholdBFRを上回るSS-RSRPを持つSSBのインデックスに、またはcandidateBeamRSSCellList内のCSI-RSのうちrsrp-ThresholdBFRを上回るCSI-RSRPを持つCSI-RSのインデックスにセットされる。SSBまたはCSI-RSのインデックスは、SSBまたはCSI-RSに対応するcandidateBeamRSSCellListのエントリのインデックスである。インデックス0はcandidateBeamRSSCellListの最初のエントリに対応し、インデックス1はリストの第2のエントリに対応し、以下同様である。このフィールドの長さは6ビットである。
- R(例えば、図2の2行目から最下行に示す「R」、および図3の5行目から最下行に示す「R」):このフィールドは予約ビットであり、0にセットされる。
【0025】
3GPP規格文書TS38.321の合意によると、PSCellのBFR手順では、ビーム障害インスタンスのインジケーションが物理層から受信された場合、UEはbeamFailureDetectionTimerを開始または再起動し、BFI_COUNTERを1だけインクリメントする。BFI_COUNTER≧beamFailureInstanceMaxCountであり、かつサービングセルがPSCellまたはPCellである場合、UEはSpCellに対し、RA手順をトリガする。UEはBFR手順を実行するために適切なビームを選択する(BSが特定のビームに専用のRAリソースを提供している場合、UEはそれらのビームを優先する)。RA手続きが完了すると、BFR手続きは完了したものと考える。
【0026】
図4は、本出願のいくつかの実施形態による、BFR要求を送信するための方法のフローチャートである。図4の実施形態における例示的な方法400は、UE、例えば、図1に示し図示されたようなUE1によって実行され得る。UEに関して説明したが、図4に示し図示されたような方法を実行するために、他のデバイスが構成されてもよいことを理解されたい。図4の実施形態の具体例について、以下の実施形態1および2で説明する。
【0027】
図4に示すような例示的な方法400では、動作401において、UEはサービングセルから、サービングセルの2つ以上のTRPに関連する設定情報を受信する。動作402において、UEは、2つ以上のTRP内のTRP(例えば、図1に示されるようなTRP#0)のビーム障害を検出する。動作403において、UEは、第1のBFR要求と命名され得るBFR要求を送信する。第1のBFR要求はTRPに関連する情報を含む。動作404において、サービングセルから第1のBFR要求に対する応答を受信する前に、UEは、2つ以上のTRP内のさらなるTRP(例えば、図1に示されるようなTRP#1)のさらなるビーム障害を検出する。
【0028】
動作405において、UEはある期間内でPDCCHを監視する。いくつかの実施形態によれば、期間は、時間領域における時間ウィンドウに関連付けられる。時間ウィンドウは、第1のBFR要求または第2のBFR要求が送信されるときに開始することができる。時間ウィンドウの長さは、サービングセルによって設定することができる。
【0029】
他のいくつかの実施形態によれば、期間はタイマに関連付けられる。タイマが開始すると、その期間が開始する。タイマが切れるか、またはタイマが停止すると、その期間は終了する。一実施形態では、タイマは以下の場合に開始する。
(1)UEが第1のBFR要求を送信し、さらなるビーム障害を検出する。または、
(2)第1のBFR要求を送信する。または、
(3)UEがさらなるビーム障害を検出し、さらなるBFR要求を送信する。
【0030】
一実施形態において、UEは、サービングセルから第1のBFR要求に対する応答を受信した場合、タイマを停止することができる。別の実施形態では、UEは、サービングセルから、第2のBFR要求と命名され得るさらなるBFR要求に対する応答を受信した場合、タイマを停止することができる。
【0031】
いくつかの実施形態によると、サービングセルは、セカンダリセル(SCell)、プライマリセル(PCell)、またはセカンダリセルグループのプライマリセル(PSCell)である。
【0032】
いくつかの実施形態では、サービングセルがPCellまたはPSCellセルであり、かつUEがPCellまたはPSCellセルのさらなるビーム障害を検出した場合、UEはさらなるBFR手順をトリガすることができる。さらなるBFR手順は、第2のBFR要求を送信することを含む。UEは、第2のBFR要求を送信することができる。第2のBFR要求は、さらなるTRPに関連する情報を含む。
【0033】
一実施形態では、第1のBFR要求または第2のBFR要求は、媒体アクセス制御(MAC)制御エレメント(CE)であってもよい。MAC CEは、サービングセルの2つ以上のTRPに関連するTRPごとの情報を示すフィールドを含む。別の実施形態では、第1のBFR要求または第2のBFR要求は、スケジューリング要求(SR)であってもよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、UEは、以下の場合、動作405における期間内でPDCCHを監視することができる:
(1)第1のBFR要求が、TRP(例えば、図1に示すようなTRP#0)の候補ビームに関連する情報を含む。または、
(2)第2のBFR要求が、さらなるTRP(例えば、図1に示すようなTRP#1)の候補ビームに関連する情報を含む。または、
(3)さらなるビーム障害を検出し、第2のBFR要求を送信する。
【0035】
いくつかの実施形態において、サービングセルがSCellであり、UEがSCellの第2のビーム障害を検出する場合、UEは、第2のBFR要求を送信することを含むさらなるBFR手順をトリガしてもよく、さらなるTRP(例えば、図1に示すようなTRP#1)に関連する情報を含む第2のBFR要求を送信してもよい。一実施形態では、第1のBFR要求または第2のBFR要求は、MAC CEであってもよい。MAC CEは、SCell、例えば、3GPP規格文書TS38.321で規定される図2および図3に示すようなレガシのセルレベルBFR MAC CEに関連する情報を含む。
【0036】
本出願のいくつかの実施形態は、「TRPベースのBFR MAC CE」、「TRP BFR MAC CE」などとも命名され得る、TRPに関連付けられたBFR MAC CEの新しいフォーマットを採用する。
【0037】
本出願の他のすべての実施形態に記載されている詳細(例えば、TRPに関連するビーム障害検出および回復手順に関する詳細)は、図4の実施形態にも適用可能である。さらに、図4の実施形態で説明した詳細は、図1図3および図5図7のすべての実施形態に適用可能である。
【0038】
本出願のいくつかの実施形態では、1つのセル内の複数のTRPを指すシナリオ#1において、2つのTRPに関連する特定のBFR手順を設定することができる。あるTRPについてビーム障害が検出された後、UEはBFR要求、例えばTRPベースのBFR MAC CEまたは特定のSRを送信することができる。応答を受信する前に、他のTRPについてビーム障害が検出されることがある。しかし、UEの挙動が何であるかという問題と、UEが最初のTRP BFR MAC CEに対する応答を受信することが可能かどうかというさらなる問題を解決する必要がある。シナリオ#1では、次の2つのケース、すなわちケースAとケースBが考えられる。
【0039】
ケースA:このケースはSpCell(PCellまたはPSCell)を指す。ケースAでは、1つのセル(例えばPCellまたはPSCell)のすべてのTRPでビーム障害が検出された場合、UEはBFRを目的としてRA手順を実行する。または、障害となったTRPの新しいビームがTRPベースのBFR MAC CEに含まれている場合、UEはある期間内でPDCCHの監視を継続する必要がある。以下の3つのオプションがある。
(1)オプションA-1:1つのセルの2つのTRP内の第2のTRPのビーム障害が検出され、かつセルの2つのTRP内の第1のTRPのBFR要求(例えば、TRPベースのBFR MAC CE)が送信された場合、UEは、ある期間(例えば、時間ウィンドウまたは1つのタイマ)内でPDCCHの監視を継続する。時間ウィンドウが経過するか、またはタイマが切れると、UEはセル用のBFR手順の設定に基づいてRACH手順を実行する。
1)一実施形態では、障害となったTRPの新しいビームがTRPベースのBFR MAC CEに含まれる場合、UEはある期間(例えば、時間ウィンドウまたは1つのタイマ)内でPDCCHの監視を継続することができる。そうでない場合、UEはRACH手順を実行することができる。
(2)オプションA-2:TRPベースのBFR MAC CEの最後の送信からの経過時間が、あるしきい値より大きく、かつ第2のTRPのビーム障害が検出された場合、UEはセルレベルのビーム障害を宣言するか、またはUEはRACH手順を実行する。
(3)オプションA-3:UEは、第2のTRPのビーム障害が検出された後、SCellを介してTRPベースのBFR MAC CEを送信する。UEがSCellを介してTRPベースのBFR MAC CEを送信した後、1つのタイマが開始される。UEがBS(例えば、gNB)から応答を受信すると、UEはタイマを停止する。タイマが切れると、UEはBFRを目的としてRA手順を実行する。
【0040】
ケースB:このケースはSCellを指す。ケースBでは、2つのTRP内の第1のTRPのビーム障害がSCell上で検出される。SCell上の第1のTRPのビーム障害が検出された後、UEは、PCellまたはSCellを介して、BFR要求、例えばTRPベースのBFR MAC CEまたは特定のSRを送信する。BFR要求に対する応答を受信する前に、SCell上の第2のTRPのビーム障害が検出される。UEはTRPベースのBFR MAC CE、例えばさらなるTRPベースのBFR MAC CEを再度送信することができる。障害となった2つのTRPの両方に関する情報、または障害となった第2のTRPだけに関する情報が、さらなるTRPベースのBFR MAC CEに含まれる場合がある。例えば、さらなるTRPベースのBFR MAC CEは、図2および図3に示すようなレガシのBFR MAC CEであってもよいし、TRP情報に関連するフィールドを有する新しいフォーマットのTRPベースのBFR MAC CEであってもよい。
【0041】
以下の文章は、図4に示し図示されたような方法の具体的な実施形態1および2を説明するものである。実施形態1および2によれば、UEおよびBSは、以下の動作を実行することができる。UEは、図1に示し図示されたようなUE1とすることができる。
【0042】
実施形態1:この実施形態は、ケースA、すなわちSpCell(PCellまたはPSCell)のための解決策を指す。
(1)ステップ1:UEは、ネットワーク、例えばPCellにアクセスする。サービングセルはSpCell(PCellまたはPSCell)である。
(2)ステップ2:ネットワーク、例えばPCellは、UEに設定情報を送信する。
- サービングセル用の2つのTRP、例えばTRP#0およびTRP#1が、UEに設定される。
- ビーム障害検出参照信号(BFD-RS:Beam Failure Detection Reference Signal)セットが、各TRPに設定される。各TRPはBFD-RSセットに関連付けられる。例えば、BFD-RSセット#0はTRP#0と、BFD-RSセット#1はTRP#1と関連付けられる。
- TRPごとの新しいビーム識別RS(NBI-RS:New Beam Identification RS)セットが設定されている場合、例えばNBI-RSセット#0およびNBI-RSセット#1などである場合、NBI-RSセットの独立的な設定は、TRPごとである。
- TRP#0には、MAC層のBFDカウンタ#0とタイマ#0の組合せが設定される。TRP#1には、MAC層のBFDカウンタ#1とタイマ#1の組合せが設定される。
- 1つのTRPは、BFD-RSセット以外に1つのCORESETプールで識別できる。例えば、CORESETプール#0はTRP#0である。
(3)ステップ3:UEは、ネットワーク、例えばPCellから設定情報を受信する。
(4)ステップ4:TRP#0に関連付けられたビーム障害インスタンスインジケーションが、UEによって物理層から受信された場合、UEのMACエンティティは、サービングセルごとに、TRP#0に関連付けられたビーム障害検出のためのタイマを、TRP#0に関連付けられたCOUNTERを1インクリメントして、開始または再起動しなければならない。
- (TRPごとの)COUNTERは、最初は0にセットされるビーム障害インスタンスインジケーション用のカウンタである。
(5)ステップ5:あるTRP(例えば、TRP#0)のCOUNTER≧ビーム障害インスタンスの最大カウントであり、かつサービングセルがSpCellである場合、UEは、このTRPの第1のBFR要求をトリガする。このTRPは、障害となった第1のTRP、のように命名されることもある。
- UEは、障害となった第1のTRPのビーム障害を検出したことをトリガに、TRPベースのBFR MAC CEを生成する。
(6)ステップ6:UEは障害となった第1のTRPの第1のBFR要求を送信する。
(7)ステップ7:UEは、障害となった第1のTRPの第1のBFR要求の送信に対する応答を受信する前に、第2のTRP(例えば、TRP#1)のビーム障害を検出することがある。
- (任意選択で)UEは、第2のTRPのBFR手順をトリガする。UEは、第2のBFR要求、例えばTRPベースのBFR MAC CEを送信することができる。一実施形態では、UEは前述のオプションA-3を採用することができる。
- 一実施形態では、第2のBFR要求が送信されないまま、第1のBFR要求が送信される場合、障害となった第1のTRPに関連する新しいビームを、送信される第1のBFR要求に含めることができる。
- 別の実施形態では、第1のBFR要求と第2のBFR要求の両方が送信される場合、障害となった第1のTRPに関連する新しいビームを、送信される第1のBFR要求に含めることができる、および/または障害となった第2のTRPに関連する新しいビームを、送信される第2のBFR要求に含めることができる。
(8)ステップ8:送信されるBFR要求に障害となったTRPの新しいビームが含まれる場合、UEはある期間内でPDCCHを監視することができる。
- 上記オプションA-1の採用
- 上記オプションA-2の採用
- 上記オプションA-3の採用
(9)ステップ9:ある期間内に応答を受信できた場合、UEはBFR手順が成功したと考える。ある期間内に応答が受信されない場合、UEは対応するPCellまたはPSCellに対してRAを実行する。
【0043】
実施形態2:この実施形態は、ケースB、すなわちSCellのための解決策を指す。
(1)ステップ1:UEは、ネットワーク、例えばPCellにアクセスする。サービングセルはSCellである。
(2)ステップ2:ネットワーク、例えばPCellは、UEに設定情報を送信する。
- サービングセル用の2つのTRP、例えばTRP#0およびTRP#1が、設定される。
- BFD-RSセットが、各TRPに設定される。各TRPはBFD-RSセットに関連付けられる。例えば、BFD-RSセット#0はTRP#0と、BFD-RSセット#1はTRP#1とそれぞれ関連付けられる。
- TRPごとの新しいビーム識別RS(NBI-RS)セットが設定されている場合、例えばNBI-RSセット#0およびNBI-RSセット#1などである場合、NBI-RSセットの独立的な設定は、TRPごとである。
- TRP#0には、MAC層のBFDカウンタ#0とタイマ#0の組合せが設定される。TRP#1には、MAC層のBFDカウンタ#1とタイマ#1の組合せが設定される。
- 1つのTRPは、BFD-RSセット以外に1つのCORESETプールで識別できる。例えば、CORESETプール#0はTRP#0である。
(3)ステップ3:UEは、ネットワーク、例えばPCellから設定情報を受信する。
(4)ステップ4:SCellのTRP#0に関連付けられたビーム障害インスタンスインジケーションが、UEによって物理層から受信された場合、UEのMACエンティティは、サービングセルごとに、TRP#0に関連付けられたビーム障害検出のためのタイマを、TRP#0に関連付けられたCOUNTERを1インクリメントして、開始または再起動しなければならない。
- (TRPごとの)COUNTERは、最初は0にセットされるビーム障害インスタンスインジケーション用のカウンタである。
(5)ステップ5:TRP#0のCOUNTER≧ビーム障害インスタンスの最大カウントであり、かつサービングセルがSCellである場合、UEは、このTRP、すなわち障害となった第1のTRPの第1のBFR要求をトリガする。
- UEは、障害となった第1のTRPのビーム障害を検出したことをトリガに、TRPベースのBFR MAC CEを生成する。
(6)ステップ6:UEは障害となった第1のTRPの第1のBFR要求を送信する。
(7)ステップ7:UEは、障害となった第1のTRPの第1のBFR要求の送信に対する応答を受信する前に、第2のTRPのビーム障害を検出することがある。
(8)ステップ8:UEは、第2のTRPのBFR手順をトリガする。
(9)ステップ9:UEは第2のTRPの第2のBFR要求を送信する。
- UEは、このBFR要求を、図2および図3に示すようなレガシのセルレベルBFR MAC CE、またはTRP情報に関連するフィールドを有する新しいフォーマットのTRPベースのBFR MAC CEで送信することができる。
【0044】
図5は、本出願のいくつかの実施形態による、セル切り替え手順の設定情報を受信するための方法のフローチャートである。図5の実施形態における例示的な方法500は、UE、例えば、図1に示し図示されたようなUE1によって実行され得る。UEに関して説明したが、図5に示し図示されたような方法を実行するために、他のデバイスが構成されてもよいことを理解されたい。図5の実施形態の具体例について、以下の実施形態3~5で説明する。
【0045】
図5に示すような例示的な方法500では、動作501において、UEはサービングセルから、1つまたは複数の候補セルに関連するセル切り替え手順の設定情報を受信する。セル切り替え手順は、セル切り替え手順のセル切り替え条件が満たされたこと、またはセル切り替え手順のアクティブ化インジケーションが受信されたことに基づいて実行される。
【0046】
動作502において、UEは、サービングセルから、通常のハンドオーバコマンド、DAPSハンドオーバコマンド、およびCHO手順に関する設定情報のうちの1つを受信する。いくつかの実施形態において、通常のハンドオーバコマンド、DAPSハンドオーバコマンド、および/またはCHO手順に関する設定情報は、さらなる候補セルに関連する。例えば、さらなる候補セルは動作501における1つまたは複数の候補セルに属してもよいし、1つまたは複数の候補セルとは異なるセルであってもよい。
【0047】
いくつかの実施形態によれば、UEの物理層またはMAC層は、サービングセルからセル切り替え手順のアクティブ化インジケーションを受信する。一実施形態では、セル切り替え手順のアクティブ化インジケーションは、1つまたは複数の候補セル内の候補セルのPCIDを含む。さらなる実施形態では、セル切り替え手順のアクティブ化インジケーションは候補セルのインデックスを含み、インデックスは候補セルのPCIDまたは候補セルのセルグローバル識別子(CGI:Cell Global Identifier)に関連付けられる。
【0048】
いくつかの実施形態では、UEの物理層またはMAC層がセル切り替え手順のアクティブ化インジケーションを受信し、かつUEがCHO手順に関する設定情報を受信した場合、UEの物理層またはMAC層は、受信したアクティブ化インジケーションをUEのRRC層に示すことができる。
【0049】
いくつかの実施形態では、UEのRRC層がUEの物理層またはMAC層からセル切り替え手順のアクティブ化インジケーションを受信した後、UEのRRC層はCHO手順の条件の評価を停止し、CHO手順をトリガしないことがある。CHO手順の条件が満たされた場合、UEはセル切り替え手順を優先的に実行してもよいし、セル切り替えのためのセル切り替え手順およびCHO手順からチャネル品質が最良の候補セルを選択してもよい。
【0050】
いくつかの実施形態によれば、サービングセルから無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)再設定メッセージを受信する。RRC再設定メッセージは、UEの物理層またはMAC層がサービングセルからアクティブ化インジケーションを受信した後にRRC再設定メッセージが適用可能であることを示すインジケーションを含む。一実施形態では、UEがRRC再設定メッセージを受信した場合、UEは受信したRRC再設定メッセージのコンプライアンスをチェックすることができる。例えば、UEのRRC層がRRC再設定メッセージに従っていない場合、UEはサービングセルにコンプライアンス障害を報告することができる。
【0051】
いくつかの実施形態では、セル切り替え条件が満たされ、かつUEがCHO手順に関する設定情報を受信した場合、UEの物理層またはMAC層は、セル切り替え条件が満たされたことを示すインジケーションをUEのRRC層に送信することができる。一実施形態では、UEのRRC層がこのインジケーションを受信した後、CHO手順のCHO条件が満たされていない場合、UEのRRC層はCHO条件の評価を停止し、CHO手順をトリガしないことがある。そうではなく、CHO条件が満たされる場合、UEはセル切り替え手順を優先的に実行してもよいし、セル切り替え手順およびCHO手順によりチャネル品質が最良の候補セルに切り替えてもよい。
【0052】
いくつかの実施形態によれば、UEがDAPSハンドオーバコマンドを受信した場合、UEはDAPSハンドオーバ手順を実行することができる。UEのRRC層は、UEの物理層またはMAC層に対して、DAPSハンドオーバ手順を実行するインジケーションを送信することができる。一実施形態では、UEの物理層またはMAC層がこのインジケーションを受信した後、UEの物理層またはMAC層はセル切り替え条件の評価を停止することができる。さらなる実施形態では、UEの物理層またはMAC層がこのインジケーションを受信した後、UEはセル切り替え条件の評価を継続し、セル切り替え条件を満たしたときにセル切り替え手順をトリガしないことがある。
【0053】
本出願の他のすべての実施形態に記載されている詳細(例えば、TRPに関連するビーム障害検出および回復手順に関する詳細)は、図5の実施形態にも適用可能である。さらに、図5の実施形態で説明した詳細は、図1図4図6および図7のすべての実施形態に適用可能である。
【0054】
図6は、本出願のいくつかの実施形態による、セル切り替え手順の設定情報を送信するための方法のフローチャートである。図6の実施形態における例示的な方法600は、ネットワークノード、例えばBSによって実行され得る。ネットワークノードに関して説明したが、図6に示し図示されたような方法を実行するために、他のデバイスが構成されてもよいことを理解されたい。図6の実施形態の具体例について、以下の実施形態3~5で説明する。
【0055】
図6に示すような例示的な方法600では、動作601において、ネットワークノード(例えば、BS)はUE(例えば、図1に示し図示されたようなUE1)に、1つまたは複数の候補セルに関連するセル切り替え手順の設定情報を送信する。セル切り替え手順は、セル切り替え手順のセル切り替え条件が満たされたこと、またはセル切り替え手順のアクティブ化インジケーションが受信されたことに基づいて実行される。
【0056】
動作602において、ネットワークノードはUEに、通常のハンドオーバコマンドまたはDAPSハンドオーバコマンド、またはCHO手順に関する設定情報を送信する。いくつかの実施形態によれば、通常のハンドオーバコマンド、DAPSハンドオーバコマンド、および/またはCHO手順に関する設定情報は、さらなる候補セルに関連する。例えば、さらなる候補セルは動作601における1つまたは複数の候補セルに属してもよいし、1つまたは複数の候補セルとは異なるセルであってもよい。
【0057】
いくつかの実施形態では、ネットワークノードの物理層またはMAC層は、1つまたは複数の候補セル内の候補セルに対するアクティブ化インジケーションをUEに送信する。アクティブ化インジケーションは、(1)1つもしくは複数の候補セル内の候補セルの物理層識別子(PCID)、または(2)候補セルのPCIDもしくは候補セルのCGIに関連付けられる、候補セルのインデックス、を含むことができる。
【0058】
いくつかの実施形態では、ネットワークノードはRRC再設定メッセージをUEに送信する。RRC再設定メッセージは、UEの物理層またはMAC層がネットワークノードからアクティブ化インジケーションを受信した後にRRC再設定メッセージが適用可能であることを示すインジケーションを含むことができる。一実施形態では、ネットワークノードはUEから、UEのRRC層とRRC再設定メッセージとの間のコンプライアンス障害を受信することがある。
【0059】
いくつかの実施形態によれば、ネットワークノードのRRC層がDAPSハンドオーバコマンドを送信する場合、ネットワークノードのRRC層はさらに、ネットワークノードの物理層またはMAC層に、DAPSハンドオーバコマンドを送信するインジケーションを送信することができる。いくつかの実施形態では、ネットワークノードの物理層またはMAC層がこのインジケーションを受信する場合、ネットワークノードの物理層またはMAC層はセル切り替え手順のアクティブ化インジケーションをUEに送信しなくてもよい。
【0060】
本出願の他のすべての実施形態に記載されている詳細(例えば、TRPに関連するビーム障害検出および回復手順に関する詳細)は、図6の実施形態にも適用可能である。さらに、図6の実施形態で説明した詳細は、図1図5および図7のすべての実施形態に適用可能である。
【0061】
以下の文章は、図5および図6に示し図示された方法の特定の実施形態3~5を説明する。実施形態3~5は、L1/L2中心モビリティとL3モビリティの共存シナリオに言及する。実施形態3~5によれば、UEおよびBSは、以下の動作を実行することができる。UEは、図1に示し図示されたようなUE1とすることができる。
【0062】
実施形態3
(1)ステップ1:UEは、ネットワーク、例えばPCellにアクセスする。
(2)ステップ2:ネットワーク、例えばPCellは、UEに設定情報を送信する。
- TRPごとのビーム障害回復のパラメータは、UEに設定することができる。
- 候補セルのRRC設定メッセージは、アクティブ化シグナリングに基づくセル変更手順と関連付けられる。
- UEは、「セル変更のための物理層シグナリングベースのアクティブ化」または「セル変更のためのMAC層シグナリングベースのアクティブ化」または「セル変更のための条件ベースのアクティブ化」をサポートするように構成される。
- L1/L2中心モビリティがreconfigurationWithSync IEを持つRRC再設定メッセージにも含まれる場合、L1/L2関連のアクティブ化インジケーションを受信した後に、このモビリティ情報が適用できることを示す1つのインジケーションが追加されてもよい。この動作により、L1/L2中心モビリティとL3モビリティとの間でハンドオーバコマンドを区別することができる。
- 候補セルのCHO設定は、UEに設定することができる。CHO設定に関連付けられた候補セルは、RRC設定メッセージに関連付けられた上述の候補セルと同じであってもよい(または異なっていてもよい)。
(3)ステップ3:UEは、ネットワーク、例えば、PCellから設定情報を受信する。
- UEのRRC層においてRRC再設定メッセージを受信する場合、UEは、アクティブ化シグナリングに基づくセル変更手順に関連するRRC再設定メッセージを受信すると、コンプライアンスをチェックする。UEがRRC再設定メッセージに含まれる設定のどの部分にも従うことができない場合、UEはコンプライアンスチェックの障害をネットワークに報告することができる。この動作は、アクティブ化ベースのモビリティに関連する、受信したRRC再設定メッセージのコンプライアンスをチェックするタイミングを定義する。
(4)ステップ4:UEは、UEの物理層およびRRC層を含む測定結果をネットワークに報告する。
(5)ステップ5:ネットワーク、例えばPCellまたはPSCellは、物理層またはMAC層を介して、1つの候補セルに関連するアクティブ化インジケーションを送信する。L1/L2シグナリングの内容は以下の通りである。
- オプション1:1つの候補セルのPCID。
- オプション2:設定されたすべての候補セルのうち、1つの候補セルインデックス。
・ソースBS(例えば、gNB)が1つの候補セルの設定を送信すると、設定されたすべてのセルのうち、その候補セルインデックスが追加される。
(6)ステップ6:UEは、物理層またはMAC層を介して、1つの候補セルに関連付けられたアクティブ化インジケーションを受信する。
- L1/L2アクティブ化インジケーションを受信した場合、UEは、アクティブ化シグナリングに基づくセル変更手順に関連するRRC再設定メッセージの受信時に、コンプライアンスをチェックする。UEがRRC再設定メッセージに含まれる設定のどの部分にも従うことができない場合、UEはコンプライアンスチェックの障害をネットワークに報告する。この動作は、アクティブ化ベースのモビリティに関連する、受信したRRC再設定メッセージのコンプライアンスをチェックするタイミングを定義する。
- CHO設定も設定されている場合、UEの下位層は、L1/L2アクティブ化インジケーションを受信するとUEのRRC層に指示する必要がある。その後、UEのRRC層は、UEの下位層のインジケーションを受信した後、CHO条件の評価を停止する必要があり、CHO手順をトリガする必要はない。この動作は、L1/L2シグナリングの内容を定義し、切り替えのためのL1/L2シグナリングをUEが受信するタイミング、およびUEのRRC層に指示するかどうかを定義する。
- L1/L2中心モビリティおよびCHO手順の両方が設定されている場合、UEがL1/L2を介してアクティブ化インジケーションを受信し、同時にCHO条件が満たされると、オプション1および2の以下の基準のいずれかを使用できる。
・オプション1:L1/L2中心モビリティの設定は、優先的に実行されるべきである。
・オプション2:UEは、ハンドオーバのためにチャネル品質が最も良い候補セルを選択する。
(7)ステップ7:UEはセル変更手順を実行する。
【0063】
実施形態4
(1)ステップ1:UEは、ネットワーク、例えばPCellにアクセスする。
(2)ステップ2:ネットワーク、例えばPCellは、UEに設定を送信する。
- TRPごとのビーム障害回復のパラメータは設定することができる。
- 候補セルのRRC設定メッセージは、アクティブ化シグナリングに基づくセル変更手順と関連付けられる。
- UEは、「セル変更のための物理層シグナリングベースのアクティブ化」または「セル変更のためのMAC層シグナリングベースのアクティブ化」または「セル変更のための条件ベースのアクティブ化」をサポートするように構成される。
- L1/L2中心モビリティがreconfigurationWithSync IEを持つRRC再設定メッセージにも含まれる場合、L1/L2関連のアクティブ化インジケーションを受信した後に、このモビリティ情報が適用できることを示す1つのインジケーションが追加されてもよい。この動作により、L1/L2中心モビリティとL3モビリティとの間でハンドオーバコマンドを区別することができる。
- 候補セルのCHO設定は、UEに設定することができる。この候補セルは、RRC設定メッセージに関連付けられた上述の候補セルと同じであってもよい(または異なっていてもよい)。
(3)ステップ3:UEは、ネットワーク、例えばPCellから設定を受信する。
- UEのRRC層においてRRC再設定メッセージを受信すると、UEは、アクティブ化シグナリングに基づくセル変更手順に関連するRRC再設定メッセージの受信時にコンプライアンスをチェックする。UEがRRC再設定メッセージに含まれる設定のどの部分にも従うことができない場合、UEはコンプライアンスチェックの障害をネットワークに報告することができる。この動作は、アクティブ化ベースのモビリティに関連する、受信したRRC再設定メッセージのコンプライアンスをチェックするタイミングを定義する。
(4)ステップ4:UEは、UEの物理層およびRRC層を含む測定結果をネットワークに報告する。
(5)ステップ5:アクティブ化シグナリングに基づくセル変更手順に関連する候補セルの場合、UEは条件を評価する。1つの候補セルに関連する条件が満たされた場合、UEは下位層条件に基づいてセル変更手順を実行する。
- CHO設定も設定されている場合、UEの下位層は、セル変更手順の下位層条件が満たされてしまうと、UEのRRC層にそれを指示する必要がある。その後、UEのRRC層は、下位層からインジケーションを受信した後、CHO条件の評価を停止する必要があり、CHO手順をトリガする必要はない。
- L1/L2条件ベースのモビリティの設定とCHOの両方が設定されている場合、セル変更についてのL1/L2条件が満たされ、同時にCHO条件が満たされると、以下の基準のいずれかを使用できる。
・オプション1:L1/L2中心モビリティの設定は、優先的に実行されるべきである。
・オプション2:UEは、ハンドオーバのためにチャネル品質が最も良い候補セルを選択する。
(6)ステップ6:UEはセル変更手順を実行する。
【0064】
実施形態5
(1)ステップ1:UEは、ネットワーク、例えばPCellにアクセスする。
(2)ステップ2:ネットワーク、例えばPCellは、UEに設定を送信する。
- TRPごとのビーム障害回復のパラメータは、UEに設定することができる。
- 候補セルのRRC設定メッセージは、アクティブ化シグナリングに基づくセル変更手順と関連付けられる。
- UEは、「セル変更のための物理層シグナリングベースのアクティブ化」または「セル変更のためのMAC層シグナリングベースのアクティブ化」または「セル変更のための条件ベースのアクティブ化」をサポートするように構成される。
- L1/L2中心モビリティがreconfigurationWithSync IEを持つRRC再設定メッセージにも含まれる場合、L1/L2アクティブ化インジケーションを受信した後に、このモビリティ情報が適用できることを示す1つのインジケーションが追加されてもよい。
(3)ステップ3:UEは、ネットワーク、例えばPCellから設定を受信する。
- UEのRRC層においてRRC再設定メッセージを受信すると、UEは、アクティブ化シグナリングに基づくセル変更手順に関連するRRC再設定メッセージの受信時にコンプライアンスをチェックする。UEがRRC再設定に含まれる設定のどの部分にも従うことができない場合、UEはコンプライアンスチェックの障害をネットワークに報告する。
(4)ステップ4:UEは、物理層およびRRC層を含む測定結果をネットワークに報告する。
(5)ステップ5:ネットワーク、例えばPCellは、UEにDAPSハンドオーバコマンドを送信する。
- ネットワークのRRC層、例えばPCellは、DAPSハンドオーバコマンドが送信されたことをネットワークの物理層またはMAC層に通知する。その後、ネットワークの物理層またはMAC層は、セル切り替え手順のアクティブ化インジケーションをUEに送信することはない。
(6)ステップ6:UEはDAPSハンドオーバコマンドを受信し、DAPSハンドオーバ手順を実行する。
- UEのRRC層は、UEの下位層に通知する必要がある。その後、下位層は条件の評価を停止する。任意選択的に、UEは条件の評価を継続できるが、条件が満たされてもUEが条件ベースの切り替え手順をトリガすることはない。この動作は、UEがDAPSハンドオーバ手順を実行するタイミング、およびUEのRRC層がUEのMAC層または物理層に指示する必要があるかどうかを定義する。
【0065】
図7は、本出願のいくつかの実施形態による、装置の例示的なブロック図である。図7に示すように、装置700は、少なくとも1つのプロセッサ704と、プロセッサ704に結合された少なくとも1つの送受信機702とを含むことができる。装置700は、UEまたはネットワークノード(例えば、BS)であってもよい。
【0066】
この図では、少なくとも1つの送受信機702およびプロセッサ704などの要素は単数形で記載されているが、単数形への限定が明示的に述べられない限り、複数形が想定される。本出願のいくつかの実施形態では、送受信機702は、受信回路および送信回路などの2つのデバイスに分割されてもよい。本出願のいくつかの実施形態では、装置700は、入力デバイス、メモリ、および/または他の構成要素をさらに含むことができる。
【0067】
本出願のいくつかの実施形態では、装置700はUEであってもよい。UE内の送受信機702は、サービングセルから、サービングセルの2つ以上のTRPに関連する設定情報を受信するように構成され得る。プロセッサ704は、2つ以上のTRP内のTRPのビーム障害を検出するように構成され得る。UE内の送受信機702は、TRPに関連する情報を含むBFR要求を送信するようにさらに構成され得る。プロセッサ704は、サービングセルからBFR要求に対する応答を受信する前に、2つ以上のTRP内のさらなるTRPのさらなるビーム障害を検出し、ある期間内でPDCCHを監視するようにさらに構成され得る。
【0068】
本出願のいくつかの実施形態は、装置700はUEであってもよい。UE内の送受信機702は、サービングセルから、1つまたは複数の候補セルに関連するセル切り替え手順の設定情報を受信することであって、セル切り替え手順が、セル切り替え手順のセル切り替え条件が満たされたこと、またはセル切り替え手順のアクティブ化インジケーションが受信されたことに基づいて実行される、受信することと、サービングセルからワイヤレス送受信機を介して、通常のハンドオーバコマンド、DAPSハンドオーバコマンド、およびCHO手順に関する設定情報のうちの1つを受信することと、を行うように構成することができる。
【0069】
本出願のいくつかの実施形態は、装置700はネットワークノード(例えば、BS)であってもよい。ネットワークノード内の送受信機702は、UEに、1つまたは複数の候補セルに関連するセル切り替え手順の設定情報を送信することであって、セル切り替え手順が、セル切り替え手順のセル切り替え条件が満たされたこと、またはセル切り替え手順のアクティブ化インジケーションが受信されたことに基づいて実行される、送信することと、ワイヤレス送受信機を介してUEに、通常のハンドオーバコマンド、DAPSハンドオーバコマンド、およびCHO手順に関する設定情報のうちの1つを送信することと、を行うように構成することができる。
【0070】
本出願のいくつかの実施形態では、装置700は、少なくとも1つの非一時的なコンピュータ可読媒体をさらに含むことができる。本開示のいくつかの実施形態では、非一時的なコンピュータ可読媒体は、上述のように、UEまたはネットワークノード(例えば、BS)に関して本方法をプロセッサに実行させるためのコンピュータ実行可能命令を記憶することができる。例えば、コンピュータ実行可能命令は、実行されると、例えば図4図6のいずれかの観点から説明される方法の動作を実行するために、プロセッサ704に送受信機702と対話させる。
【0071】
本開示は、その具体的な実施形態を用いて説明されてきたが、多くの代替形態、修正形態、および変形形態が当業者には明らかであろうことは明白である。例えば、他の実施形態において、実施形態の様々な構成要素を交換、追加、または置換することができる。また、各図の要素のすべてが、開示された実施形態の動作に必要なものではない。例えば、当技術分野の当業者は、単に独立請求項の要素を採用することにより、本開示の教示を製造し使用することが可能になる。したがって、本明細書に記載される本開示の実施形態は、限定的なものではなく、例示的なものであることが意図される。本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な変更を加えることができる。
【0072】
本文書では、用語「含む(include)」、「含む(including)」、またはそのあらゆる他の変形は、非排他的な包含を範囲としており、それによって要素の列挙を含む処理、方法、物品または装置が、これらの要素を含むだけでなく、明示的に列挙されない他の要素、またはそのような処理、方法、物品、もしくは装置に固有の他の要素をさらに含んでもよいことを意図している。「a」、「an」などで始まる要素は、さらなる制約を伴わない場合、その要素を含む処理、方法、物品、または装置における追加的な同一要素の存在を排除するものではない。また、用語「別の(another)」は、少なくとも2つ目のもの、またはそれ以上のものと定義される。本明細書で使用される場合、用語「有する(having)」などは、「含む(including)」と定義される。
【符号の説明】
【0073】
700 装置
702 送受信機
704 プロセッサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-08-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信のためのユーザ機器(UE)であって、
少なくとも1つのメモリと、
前記少なくとも1つのメモリに結合された少なくとも1つのプロセッサと、を備え、前記少なくとも1つのプロセッサは前記UEに、
サービングセルから、前記サービングセルの2つ以上の送受信点(TRP)に関連する設定情報を受信することと、
前記2つ以上のTRP内の第1のTRPの第1のビーム障害を検出することと、
前記第1のTRPに関連する情報を含む第1のビーム障害回復(BFR)要求を送信することと、
前記サービングセルから前記第1のBFR要求に対する応答を受信する前に、前記2つ以上のTRP内の第2のTRPの第2のビーム障害を検出することと、
ある期間内で物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を監視することと、
を行わせるように構成される、UE。
【請求項2】
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記UEに、
前記期間が終了したことに応答して、ランダムアクセスチャネル(RACH)手順を実行させるように構成される、
請求項1に記載のUE。
【請求項3】
前記RACH手順が、前記サービングセルのBFR手順に関連する設定情報に基づく、請求項2に記載のUE。
【請求項4】
前記期間が、時間領域における時間ウィンドウに関連付けられ、前記時間ウィンドウが、前記第1のBFR要求もしくは第2のBFR要求が送信されるときに開始し、前記時間ウィンドウの長さが、前記サービングセルによって設定される、または
前記期間が、タイマに関連付けられ、前記タイマが開始したことに応答して前記期間が開始し、前記タイマが切れたこと、もしくは前記タイマが停止したことに応答して前記期間が終了する、
のうちの1つまたは両方である、
請求項1に記載のUE。
【請求項5】
前記タイマは、
前記第1のBFR要求を送信し、前記第2のビーム障害を検出すること、または、
前記第1のBFR要求を送信すること、または
前記第2のビーム障害を検出し、前記第2のBFR要求を送信すること、
のうちの1つまたは複数に応答して開始するように構成される、
請求項4に記載のUE。
【請求項6】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記サービングセルから前記第1のBFR要求に対する前記応答を受信すること、または
前記サービングセルから第2のBFR要求に対する応答を受信すること、
のうちの1つまたは両方に応答して、前記UEに前記タイマを停止させるように構成される、
請求項4に記載のUE。
【請求項7】
無線通信のためのユーザ機器(UE)であって、
少なくとも1つのメモリと、
前記少なくとも1つのメモリに結合された少なくとも1つのプロセッサと、を備え、前記少なくとも1つのプロセッサは前記UEに、
サービングセルから、1つまたは複数の候補セルに関連するセル切り替え手順の設定情報を受信するステップであって、前記セル切り替え手順が、前記セル切り替え手順のセル切り替え条件が満たされたこと、または前記セル切り替え手順のアクティブ化インジケーションが受信されたことに基づいて実行される、受信することと、
前記サービングセルから、
通常のハンドオーバコマンド、
デュアルアクティブプロトコルスタック(DAPS)ハンドオーバコマンド、または
条件付きハンドオーバ(CHO)手順に関する設定情報、
のうちの少なくとも1つを受信することと、
を行わせるように構成される、UE。
【請求項8】
前記少なくとも1つのプロセッサは前記UEに、
前記UEの物理層または媒体アクセス制御(MAC)層によって、前記サービングセルから前記アクティブ化インジケーションを受信することであって、前記アクティブ化インジケーションが、
前記1つまたは複数の候補セル内の候補セルの物理層識別子(PCID)、または
前記候補セルのインデックスであって、前記候補セルの前記PCIDまたは前記候補セルのセルグローバル識別子(CGI)に関連付けられる、前記候補セルのインデックス
のうちの1つまたは複数を含む、受信すること
を行わせるように構成される、請求項7に記載のUE。
【請求項9】
前記少なくとも1つのプロセッサは前記UEに、
前記UEの前記物理層または前記MAC層によって前記アクティブ化インジケーションが受信されたことに応答して、かつ前記CHO手順に関する前記設定情報が受信されたことに応答して、前記UEの前記物理層または前記MAC層のうちの1つまたは複数によって、前記アクティブ化インジケーションを前記UEのRRC層に示すこと
を行わせるように構成される、請求項8に記載のUE。
【請求項10】
前記少なくとも1つのプロセッサは前記UEに、
前記UEの前記RRC層によって、前記UEの前記物理層または前記MAC層のうちの1つまたは複数から前記アクティブ化インジケーションが受信されたことに応答して、
前記UEの前記RRC層によって、前記CHO手順の前記条件の評価を停止し、前記CHO手順をトリガしないこと、または
前記CHO手順の前記条件を満たしたことに応答して、
前記セル切り替え手順を優先的に実行すること、または
セル切り替えのための前記セル切り替え手順および前記CHO手順からチャネル品質が最良の候補セルを選択すること、のうちの1つまたは複数
を行わせるように構成される、請求項9に記載のUE。
【請求項11】
前記少なくとも1つのプロセッサは前記UEに、
前記サービングセルから、無線リソース制御(RRC)再設定メッセージを受信することであって、前記RRC再設定メッセージが、前記UEの物理層またはMAC層が前記サービングセルから前記アクティブ化インジケーションを受信した後に前記RRC再設定メッセージが適用可能であることを示すインジケーションを含む、受信すること
を行わせるように構成される、請求項7に記載のUE。
【請求項12】
前記少なくとも1つのプロセッサは前記UEに、
前記RRC再設定メッセージを受信したことに応答して、前記受信したRRC再設定メッセージのコンプライアンスをチェックすること
を行わせるように構成される、請求項11に記載のUE。
【請求項13】
前記少なくとも1つのプロセッサは前記UEに、
前記UEの前記RRC層が前記RRC再設定メッセージに従っていないことに応答して、前記サービングセルにコンプライアンス障害を報告すること
を行わせるように構成される、請求項12に記載のUE。
【請求項14】
無線通信のためのプロセッサであって、
少なくとも1つのメモリに結合された少なくとも1つのコントローラを備え、前記少なくとも1つのコントローラは前記プロセッサに、
サービングセルから、前記サービングセルの2つ以上の送受信点(TRP)に関連する設定情報を受信することと、
前記2つ以上のTRP内の第1のTRPの第1のビーム障害を検出することと、
前記第1のTRPに関連する情報を含む第1のビーム障害回復(BFR)要求を送信することと、
前記サービングセルから前記第1のBFR要求に対する応答を受信する前に、前記2つ以上のTRP内の第2のTRPの第2のビーム障害を検出することと、
ある期間内で物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を監視することと、
を行わせるように構成される、プロセッサ。
【請求項15】
前記少なくとも1つのコントローラは前記プロセッサに、
前記期間が終了したことに応答して、ランダムアクセスチャネル(RACH)手順を実行させるように構成される、
請求項14に記載のプロセッサ。
【請求項16】
前記RACH手順が、前記サービングセルのBFR手順に関連する設定情報に基づく、請求項15に記載のプロセッサ。
【請求項17】
前記期間が、時間領域における時間ウィンドウに関連付けられ、前記時間ウィンドウが、前記第1のBFR要求もしくは第2のBFR要求が送信されるときに開始し、前記時間ウィンドウの長さが、前記サービングセルによって設定される、または
前記期間が、タイマに関連付けられ、前記タイマが開始したことに応答して前記期間が開始し、前記タイマが切れたこと、もしくは前記タイマが停止したことに応答して前記期間が終了する、
のうちの1つまたは両方である、
請求項14に記載のプロセッサ。
【請求項18】
前記タイマは、
前記第1のBFR要求を送信し、前記第2のビーム障害を検出すること、または、
前記第1のBFR要求を送信すること、または
前記第2のビーム障害を検出し、前記第2のBFR要求を送信すること、
のうちの1つまたは複数に応答して開始するように構成される、
請求項17に記載のプロセッサ。
【請求項19】
前記少なくとも1つのコントローラは、
前記サービングセルから前記第1のBFR要求に対する前記応答を受信すること、または
前記サービングセルから第2のBFR要求に対する応答を受信すること、
のうちの1つまたは両方に応答して、前記プロセッサに前記タイマを停止させるように構成される、
請求項17に記載のプロセッサ。
【請求項20】
無線通信のためのプロセッサであって、
少なくとも1つのメモリに結合された少なくとも1つのコントローラを備え、前記少なくとも1つのコントローラは前記プロセッサに、
サービングセルから、1つまたは複数の候補セルに関連するセル切り替え手順の設定情報を受信することであって、前記セル切り替え手順が、前記セル切り替え手順のセル切り替え条件が満たされたこと、または前記セル切り替え手順のアクティブ化インジケーションが受信されたことに基づいて実行される、受信することと、
前記サービングセルから、
通常のハンドオーバコマンド、
デュアルアクティブプロトコルスタック(DAPS)ハンドオーバコマンド、または
条件付きハンドオーバ(CHO)手順に関する設定情報
のうちの少なくとも1つを受信することと、
を行わせるように構成される、プロセッサ。
【国際調査報告】