(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-14
(54)【発明の名称】ピリミジン誘導体、その製造方法およびそれを活性成分として含む癌の阻止または処置のための医薬組成物
(51)【国際特許分類】
C07D 239/48 20060101AFI20240806BHJP
A61K 31/505 20060101ALI20240806BHJP
C07D 401/12 20060101ALI20240806BHJP
A61K 31/506 20060101ALI20240806BHJP
C07D 403/12 20060101ALI20240806BHJP
C07D 403/14 20060101ALI20240806BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20240806BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240806BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240806BHJP
C07D 401/14 20060101ALI20240806BHJP
A61K 31/5377 20060101ALI20240806BHJP
A61K 31/542 20060101ALI20240806BHJP
C07D 417/12 20060101ALI20240806BHJP
A23L 33/10 20160101ALI20240806BHJP
【FI】
C07D239/48 CSP
A61K31/505
C07D401/12
A61K31/506
C07D403/12
C07D403/14
A61K45/00
A61P35/00
A61P43/00 121
C07D401/14
A61K31/5377
A61K31/542
C07D417/12
A23L33/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024507181
(86)(22)【出願日】2022-08-01
(85)【翻訳文提出日】2024-03-29
(86)【国際出願番号】 KR2022011322
(87)【国際公開番号】W WO2023014022
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】10-2021-0102838
(32)【優先日】2021-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0093706
(32)【優先日】2022-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】305026873
【氏名又は名称】コリア リサーチ インスティテュート オブ ケミカル テクノロジー
(71)【出願人】
【識別番号】524047534
【氏名又は名称】ヨンセイ・ユニバーシティ,インダストリー-アカデミック・コーオペレイション・ファウンデーション
【氏名又は名称原語表記】INDUSTRY-ACADEMIC COOPERATION FOUNDATION, YONSEI UNIVERSITY
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100150500
【氏名又は名称】森本 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100176474
【氏名又は名称】秋山 信彦
(72)【発明者】
【氏名】イ,ガンホ
(72)【発明者】
【氏名】ドゥギララ,クリシュナ バブ
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ギルドン
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ジョンハク
(72)【発明者】
【氏名】チョン,ミョンウン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ユジン
(72)【発明者】
【氏名】チョ,ビョンチョル
【テーマコード(参考)】
4B018
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4B018LB10
4B018LE01
4B018LE02
4B018LE03
4B018LE05
4B018MD18
4B018ME08
4B018ME14
4B018MF01
4B018MF04
4B018MF06
4B018MF14
4C084AA19
4C084MA02
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZB261
4C084ZB262
4C084ZC751
4C084ZC752
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086AA04
4C086BC42
4C086BC48
4C086BC73
4C086GA07
4C086GA12
4C086MA01
4C086MA04
(57)【要約】
本発明は、ピリミジン誘導体、その製造方法およびそれを活性成分として含む癌の阻止または処置のための医薬組成物に関する。本発明のピリミジン誘導体はEGFR変異およびHER2変異に対する高阻害能を有し、故に、EGFR変異およびHER2変異が生じている癌の処置に有効に使用され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の式1の化合物、その異性体、その溶媒和物、その水和物またはその薬学的に許容される塩:
【化1】
〔式中、
Aは-SO
2-または-CO-であり;
R
1は水素、ハロゲン、シアノ、非置換または1以上のハロゲン、カルボキシもしくはC
1-10アルコキシカルボニルで置換されているC
1-10アルキルであり;そして
R
2は-OR
aまたは-NR
b1R
b2であり、
ここで、R
aはNR
b1R
b2で置換されているC
1-6アルキルであり、R
b1およびR
b2は互いに独立して水素、非置換またはNR
c1R
c2で置換されているC
1-6アルキルであるかまたはR
b1およびR
b2は、それらが結合している窒素と一体となって、N、OおよびSからなる群から選択される1以上のヘテロ原子を含む、非置換またはC
1-6アルキルもしくはNR
c1R
c2で置換されている3~8原子のヘテロシクロアルキルを形成し、
R
c1およびR
c2は互いに独立して水素、C
1-6アルキルであるかまたはR
c1およびR
c2は、それらが結合している窒素と一体となって、N、OおよびSからなる群から選択される1以上のヘテロ原子を含む、非置換またはC
1-6アルキルで置換されている3~8原子のヘテロシクロアルキルを形成し;
R
3は
【化2】
であり、
ここで、W、X、YおよびZは互いに独立して水素、ハロゲンまたは非置換またはNR
d1R
d2で置換されているC
1-6アルキルであり、
R
d1およびR
d2は互いに独立して水素またはC
1-6アルキルであり;
Zは水素であり;
R
4~R
7は互いに独立して水素、ハロゲン、C
1-10アルキル、C
5-10
【化3】
であり、ここで、
【化4】
の1以上の単結合は二重結合で置換されていてよく、残りの2個は互いに独立して水素またはC
1-6アルキルであり、
nは0~3の整数であり、そして
ヘテロシクロアルキルは少なくとも1個のNを含む。〕
【請求項2】
Aが-SO
2-または-CO-であり;
R
1が水素、ハロゲン、シアノ、非置換またはハロゲン、カルボキシもしくはC
1-6アルコキシカルボニルの1以上で置換されているC
1-6アルキルであり;そして
R
2が-OR
aまたは-NR
b1R
b2であり、
ここで、R
aがNR
b1R
b2で置換されているC
1-4アルキルであり、R
b1およびR
b2が互いに独立して水素、非置換またはNR
c1R
c2で置換されているC
1-4アルキルであるかまたはR
b1およびR
b2がそれらが結合している窒素と一体となって、N、OおよびSからなる群から選択される1以上のヘテロ原子を含む、非置換またはC
1-4アルキルもしくはNR
c1R
c2で置換されている5~8原子のヘテロシクロアルキルを形成し、
R
c1およびR
c2が互いに独立して水素、C
1-3アルキルであるかまたはR
c1およびR
c2がそれらが結合している窒素と一体となって、N、OおよびSからなる群から選択される1以上のヘテロ原子を含む、非置換またはC
1-4アルキルで置換されている3~6原子のヘテロシクロアルキルを形成し;
R
3が
【化5】
であり、
ここで、W、XおよびZが独立して水素、ハロゲンまたはC
1-4アルキルであり、
Yが水素または非置換もしくはNR
d1R
d2で置換されているC
1-4アルキルであり、
R
d1およびR
d2が互いに独立して水素またはC
1-4アルキルであり;
R
4~R
7が次の1)~4)の何れかであり、ここで:
1)R
4~R
7が各々独立して水素、ハロゲン、C
1-6アルキルまたは非置換もしくはC
1-6アルキルで置換されているC
6-10アリールであり;
2)R
4およびR
5が一体となって
【化6】
を形成し、R
6およびR
7が水素であり;
3)R
5およびR
6が一体となって
【化7】
を形成し、R
4およびR
7が互いに独立して水素またはC
1-4アルキルであり、ここで、
【化8】
の1以上の単結合が1以上の二重結合で置換されていてよく;
4)R
6およびR
7が一体となって
【化9】
を形成し、R
4およびR
5が互いに独立して水素またはC
1-4アルキルであり;
nが1~3の整数であり、そして
ヘテロシクロアルキルが少なくとも1個のNを含む、
請求項1の化合物、その異性体、その溶媒和物、その水和物、その薬学的に許容される塩。
【請求項3】
Aが-SO
2-または-CO-であり;
R
1が水素、ハロゲン、シアノ、非置換またはハロゲン、カルボキシもしくはC
1-3アルコキシカルボニルの1以上で置換されているC
1アルキルであり;そして
R
2が-OR
aまたは-NR
b1R
b2であり、
ここで、R
aがNR
b1R
b2で置換されているC
1-3アルキルであり、
R
b1およびR
b2が互いに独立して水素、非置換もしくはNR
c1R
c2で置換されているC
1-3アルキルであるかまたはR
b1およびR
b2がそれらが結合している窒素と一体となって、NおよびOからなる群から選択される1以上のヘテロ原子を含む、非置換またはメチルもしくはNR
c1R
c2で置換されている4~6原子のヘテロシクロアルキルを形成し;そして
R
c1およびR
c2が互いに独立して水素、メチル、イソプロピルであるかまたはR
c1およびR
c2がそれらが結合している窒素と一体となって、NおよびOからなる群から選択される1以上のヘテロ原子を含む、非置換またはメチルで置換されている4~6原子のヘテロシクロアルキルを形成し;
R
3が
【化10】
であり、
ここで、Wがメチルであり、
Xが水素またはフッ素であり、
Yが水素またはNR
d1R
d2で置換されているメチルであり、
R
d1およびR
d2が互いに独立して水素またはメチルであり、
Zが水素であり;
R
4~R
7が次の1)~4)の何れかであり、ここで:
1)R
4~R
7が互いに独立して水素、ハロゲン、C
1-3アルキル、非置換またはC
1-3アルキルで置換されているフェニルであり;
2)R
4およびR
5が一体となって
【化11】
を形成し、R
6およびR
7が水素であり;
3)R
5およびR
6が一体となって
【化12】
を形成し、R
4およびR
7が互いに独立して水素またはメチルであり、ここで、
【化13】
における単結合が1以上の二重結合で置換されていてよく;
4)R
6およびR
7が一体となって
【化14】
を形成し、R
4およびR
5が互いに独立して水素またはメチルであり;
nが1~3の整数であり、そして
ヘテロシクロアルキルが少なくとも1個のNを含む、
請求項1の化合物、その異性体、その溶媒和物、その水和物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
Aが-SO
2-または-CO-であり;
R
1が水素、塩素、フッ素、メチル、シアノ、CF
3、
【化15】
であり;
R
2が
【化16】
であり;
R
3が
【化17】
であり;そして
R
4~R
7が次の1)~4)の何れかであり、ここで:
1)R
4~R
7が互いに独立して水素、塩素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、フェニルまたはトルイルであり;
2)R
4およびR
5が一体となって
【化18】
を形成し、R
6およびR
7が水素であり;
3)R
5およびR
6が一体となって
【化19】
を形成し、R
4およびR
7が互いに独立して水素またはメチルであり;そして
4)R
6およびR
7が一体となって
【化20】
を形成し、R
4およびR
5が互いに独立して水素またはメチルである、
請求項1の化合物、その異性体、その溶媒和物、その水和物、その薬学的に許容される塩。
【請求項5】
上記式1の化合物が次の化合物からなる群から選択される何れかである、請求項1の化合物、その異性体、その溶媒和物、その水和物、その薬学的に許容される塩:
<1>N-(5-((5-クロロ-4-((2-(プロピルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<2>N-(5-((5-クロロ-4-((2-(フェニルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<3>N-(5-((5-クロロ-4-((2-((4-メチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<4>N-(5-((5-クロロ-4-((2-(エチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<5>N-(5-((5-クロロ-4-((2-((1-メチルエチル)スルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<6>N-(2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシ-5-((4-((2-(フェニルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)アクリルアミド;
<7>N-(2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシ-5-((4-((2-(メチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)アクリルアミド;
<8>N-(2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシ-5-((4-((2-(プロピルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)アクリルアミド;
<9>N-(2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシ-5-((4-((2-((4-メチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)アクリルアミド;
<10>N-(2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-5-((4-((2-(エチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<11>N-(2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-5-((5-フルオロ-4-((2-(メチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<12>N-(2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-5-((4-((2-(エチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)-5-フルオロピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<13>N-(2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-5-((5-フルオロ-4-((2-(プロピルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<14>N-(2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-5-((5-フルオロ-4-((2-(フェニルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<15>N-(2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-5-((5-フルオロ-4-((2-((4-メチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<16>N-(2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシ-5-((5-メチル-4-((2-(メチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)アクリルアミド;
<17>N-(2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシ-5-((5-メチル-4-((2-((4-メチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)アクリルアミド;
<18>N-(2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシ-5-((5-メチル-4-((2-(プロピルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)アクリルアミド;
<19>N-(2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-5-((4-((2-(エチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<20>N-(2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシ-5-((5-メチル-4-((2-(フェニルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)アクリルアミド;
<21>N-(5-((5-クロロ-4-((2-(メチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-(メチル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)アミノ)フェニル)アクリルアミド;
<22>N-(5-((5-クロロ-4-((2-(メチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-(2-(ピロリジン-1-イル)エトキシ)フェニル)アクリルアミド;
<23>N-(5-((5-クロロ-4-((2-(メチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-(メチル(2-(ピペリジン-1-イル)エチル)アミノ)フェニル)アクリルアミド;
<24>N-(5-((5-クロロ-4-((2-(メチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(イソプロピルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<25>N-(5-((5-クロロ-4-((2-(メチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-(メチル(2-(メチルアミノ)エチル)アミノ)フェニル)アクリルアミド;
<26>(E)-N-(5-((5-クロロ-4-((2-(メチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-モルホリノフェニル)-4-(ジメチルアミノ)ブテン-2-アミド;
<27>(E)-N-(5-((5-クロロ-4-((2-(メチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-4-(ジメチルアミノ)ブテン-2-アミド;
<28>(E)-N-(5-((5-クロロ-4-((2-(メチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)-4-(ジメチルアミノ)ブテン-2-アミド;
<29>N-(5-((5-クロロ-4-((2-(N-メチルメチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<30>N-(5-((5-クロロ-4-((2-(N-メチルエチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<31>N-(5-((5-クロロ-4-((2-(N-エチルメチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<32>N-(5-((5-クロロ-4-((2-(N-イソプロピルメチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<33>N-(5-((5-クロロ-4-((2-(N-エチルエチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<34>N-(5-((5-クロロ-4-((3-クロロ-2-(メチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<35>N-(5-((5-クロロ-4-((3-クロロ-2-(N-メチルメチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<36>N-(5-((5-クロロ-4-((3-メチル-2-(メチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<37>N-(5-((5-クロロ-4-((3-イソプロピル-2-(N-メチルメチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<38>N-(5-((5-クロロ-4-((3-メチル-2-(N-メチルメチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<39>N-(5-((5-クロロ-4-((2-(N-エチルメチルスルホンアミド)-3-メチルフェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<40>N-(5-((5-クロロ-4-((3-エチル-2-(メチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<41>N-(5-((5-クロロ-4-((3-エチル-2-(N-メチルメチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<42>N-(5-((5-クロロ-4-((3-エチル-2-(エチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<43>N-(5-((5-クロロ-4-((3,4-ジメチル-2-(N-メチルメチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<44>N-(5-((5-クロロ-4-((3,4-ジメチル-2-(メチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<45>N-(5-((5-クロロ-4-((4-メチル-2-(N-メチルメチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<46>N-(5-((5-クロロ-4-((4-メチル-2-(メチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<47>N-(5-((5-クロロ-4-((1-(メチルスルホニル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-8-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<48>N-(5-((5-クロロ-4-((1-(メチルスルホニル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-8-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-(メチル(2-(メチルアミノ)エチル)アミノ)フェニル)アクリルアミド;
<49>N-(5-((5-クロロ-4-((1-(メチルスルホニル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-8-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-(4-(ジメチルアミノ)ピペリジン-1-イル)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<50>N-(5-((5-クロロ-4-((1-(メチルスルホニル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-8-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド;
<51>メチル2-((5-アクリルアミド-4-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-2-メトキシフェニル)アミノ)-4-((1-(メチルスルホニル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-8-イル)アミノ)ピリミジン-5-カルボキシラート;
<52>イソプロピル2-((5-アクリルアミド-4-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-2-メトキシフェニル)アミノ)-4-((1-(メチルスルホニル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-8-イル)アミノ)ピリミジン-5-カルボキシラート;
<53>N-(5-((5-クロロ-4-((1-(メチルスルホニル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-8-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-(メチル(2-モルホリノエチル)アミノ)フェニル)アクリルアミド;
<54>N-(5-((5-クロロ-4-((1-(メチルスルホニル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-8-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)-2-フルオロアクリルアミド;
<55>N-(5-((5-クロロ-4-((1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<56>N-(5-((5-クロロ-4-((1-(エチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<57>N-(5-((5-クロロ-4-((1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-(メチル(2-(メチルアミノ)エチル)アミノ)フェニル)アクリルアミド;
<58>N-(5-((5-クロロ-4-((1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-(4-(ジメチルアミノ)ピペリジン-1-イル)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<59>N-(5-((5-クロロ-4-((1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド;
<60>メチル2-((5-アクリルアミド-4-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-2-メトキシフェニル)アミノ)-4-((1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-5-カルボキシラート;
<61>イソプロピル2-((5-アクリルアミド-4-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-2-メトキシフェニル)アミノ)-4-((1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-5-カルボキシラート;
<62>N-(5-((5-シアノ-4-((1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<63>N-(5-((5-クロロ-4-((1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-(2-(ジメチルアミノ)エトキシ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<64>N-(5-((5-クロロ-4-((1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-(メチル(2-モルホリノエチル)アミノ)フェニル)アクリルアミド;
<65>N-(2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシ-5-((4-((1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)アクリルアミド;
<66>N-(5-((5-クロロ-4-((1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)-2-フルオロアクリルアミド;
<67>N-(5-((5-クロロ-4-((1-(メチルスルホニル)-1H-インドール-7-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<68>N-(5-((5-クロロ-4-((5-(N-メチルメチルスルホンアミド)キノキサリン-6-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<69>N-(6-((5-クロロ-2-((4-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-2-メトキシフェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)キノキサリン-5-イル)メタンスルホンアミド;
<70>N-(5-((5-クロロ-4-((2-(1,1-ジオキシドイソチアゾリジン-2-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<71>N-(5-((5-クロロ-4-((2-(1,1-ジオキシド-1,2-チアzinan-2-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<72>N-(5-((5-クロロ-4-((1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-(メチル(2-(ピペリジン-1-イル)エチル)アミノ)フェニル)アクリルアミド;
<73>N-(5-((5-クロロ-4-((1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-(メチル(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)アミノ)フェニル)アクリルアミド;
<74>N-(5-((5-クロロ-4-((1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-(メチル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)アミノ)フェニル)アクリルアミド;
<75>N-(5-((5-クロロ-4-((1-(エチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-(メチル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)アミノ)フェニル)アクリルアミド;
<76>N-(5-((5-クロロ-4-((4-メチル-2-(N-メチルメチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-(メチル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)アミノ)フェニル)アクリルアミド;
<77>N-(5-((5-クロロ-4-((1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-(2-モルホリノエトキシ)フェニル)アクリルアミド;
<78>N-(5-((5-クロロ-4-((1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-(2-(ピペリジン-1-イル)エトキシ)フェニル)アクリルアミド;
<79>N-(5-((5-クロロ-4-((1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-(2-(ピロリジン-1-イル)エトキシ)フェニル)アクリルアミド;
<80>N-(2-((2-(アゼチジン-1-イル)エチル)(メチル)アミノ)-5-((5-クロロ-4-((1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<81>N-(2-((2-(アゼチジン-1-イル)エチル)(メチル)アミノ)-5-((5-クロロ-4-((1-(エチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<82>N-(2-((2-(アゼチジン-1-イル)エチル)(メチル)アミノ)-5-((5-クロロ-4-((4-メチル-2-(N-メチルメチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<83>N-(5-((5-クロロ-4-((3,4-ジメチル-2-(N-メチルアセトアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<84>N-(5-((4-((2-アセトアミド-3,4-ジメチルフェニル)アミノ)-5-クロロピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<85>N-(5-((5-クロロ-4-((3-メチル-2-(N-メチルアセトアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<86>N-(5-((4-((2-アセトアミド-3-メチルフェニル)アミノ)-5-クロロピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<87>N-(5-((5-クロロ-4-((4-メチル-2-(N-メチルアセトアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<88>N-(5-((4-((2-アセトアミド-4-メチルフェニル)アミノ)-5-クロロピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<89>N-(5-((5-クロロ-4-((2-(N-メチルアセトアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<90>N-(5-((4-((2-アセトアミドフェニル)アミノ)-5-クロロピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<91>N-(5-((4-((1-アセチルインドリン-7-イル)アミノ)-5-クロロピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<92>N-(5-((4-((1-アセチルインドリン-7-イル)アミノ)-5-クロロピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-(メチル(2-(メチルアミノ)エチル)アミノ)フェニル)アクリルアミド;
<93>N-(5-((5-クロロ-4-((1-プロピオニルインドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<94>N-(5-((5-クロロ-4-((1-プロピオニル-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-8-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<95>N-(5-((4-((1-アセチル-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-8-イル)アミノ)-5-クロロピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<96>N-(5-((5-クロロ-4-((1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)ブト-2-インアミド;
<97>N-(5-((4-((1-アセチルインドリン-7-イル)アミノ)-5-クロロピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)ブト-2-インアミド;
<98>N-(5-((5-クロロ-4-((4-メチル-2-(N-メチルメチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)ブト-2-インアミド;
<99>N-(5-((4-((1-アセチルインドリン-7-イル)アミノ)-5-シアノピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<100>N-(5-((4-((1-アセチルインドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;および
<101>N-(5-((4-((1-アセチルインドリン-7-イル)アミノ)-5-フルオロピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド。
【請求項6】
請求項1の式1の化合物を製造する方法であって、下記反応スキーム1に示すとおり、式1の化合物を製造するために式2の化合物と式3の化合物を反応させることを含む、方法:
【化21】
〔ここで、上記反応スキーム1において、A、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6およびR
7は請求項1の式1に定義するとおりである。〕。
【請求項7】
請求項1の式1の化合物、その異性体、その溶媒和物、その水和物またはその薬学的に許容される塩を活性成分として含む、癌の阻止または処置のための医薬組成物。
【請求項8】
請求項1の式1の化合物、その異性体、その溶媒和物、その水和物またはその薬学的に許容される塩が上皮細胞増殖因子受容体(EGFR)変異またはHER2変異を阻害する、医薬組成物。
【請求項9】
EGFR変異がV769_D770insASVまたはD770_N771insSVDを含み得る;および
HER2変異がA775_G776insYVMAまたはG776delinsVCを含み得る、
請求項8の医薬組成物。
【請求項10】
癌が偽粘液腫、肝内胆管癌、肝芽腫、肝臓癌、甲状腺癌、結腸癌、精巣癌、骨髄異形成症候群、神経膠芽腫、口腔癌、口唇癌、菌状息肉、急性骨髄性白血病、急性リンパ球性白血病、基底細胞癌、卵巣上皮癌、卵巣胚細胞癌、男性乳癌、脳癌、下垂体腺腫、多発性骨髄腫、胆嚢癌、胆管癌、結腸直腸癌、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、網膜芽細胞腫、脈絡膜黒色腫、ファーター膨大部癌、膀胱癌、腹膜癌、副甲状腺癌、副腎癌、副鼻腔癌、非小細胞肺癌、舌癌、星状細胞腫、小細胞肺癌、小児脳癌、小児リンパ腫、小児白血病、小腸癌、髄膜腫、食道癌、神経膠腫、腎盂癌、腎臓癌、心臓癌、十二指腸癌、悪性軟組織癌、悪性骨癌、悪性リンパ腫、悪性中皮腫、悪性黒色腫、眼癌、外陰癌、輸尿管癌、尿道癌、原発部位不明癌、胃リンパ腫、胃癌、胃カルチノイド、消化器間質癌、ウィルムス癌、乳癌、肉腫、陰茎癌、咽頭癌、妊娠絨毛性疾患、子宮頸癌、子宮内膜癌、子宮肉腫、前立腺癌、転移骨癌、転移脳癌、縦隔癌、直腸癌、直腸カルチノイド、膣癌、脊髄癌、聴神経腫瘍、膵臓癌、唾液腺癌、カポジ肉腫、パジェット病、扁桃癌、扁平上皮細胞癌、肺腺癌、肺癌、肺扁平上皮細胞癌、皮膚癌、肛門部癌、横紋筋肉腫、喉頭癌、胸膜癌および胸腺癌からなる群から選択される1以上である、請求項7の医薬組成物。
【請求項11】
抗癌剤と組み合わせた共投与により抗癌効果を改善する、請求項7の医薬組成物。
【請求項12】
請求項1の式1の化合物、その異性体、その溶媒和物、その水和物またはその薬学的に許容される塩を活性成分として含む、癌の阻止または改善のための健康機能性食品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピリミジン誘導体、その製造方法およびそれを活性成分として含む癌の阻止または処置のための医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
癌発生は、化学物質、放射線およびウイルスを含む種々の環境因子ならびに癌遺伝子、腫瘍抑制遺伝子、アポトーシスおよびDNA修復に関連する遺伝子の変化などと関連し、癌の分子機構の近年の解明により、標的癌療法のための新規治療アプローチに繋がっている。
【0003】
標的療法剤は、一般に効果を発揮できるように癌細胞が特徴的に有する分子を標的とするよう製造され、分子標的となるのは、シグナル伝達経路、血管形成、マトリクス、細胞周期制御因子、アポトーシスなどに関与する遺伝子である。現在処置に使用されている重要な標的療法の例は、チロシンキナーゼ阻害剤を含むチロシン「シグナル伝達経路阻害剤」および「血管形成阻害剤」である。
【0004】
タンパク質チロシンキナーゼは、多くの悪性腫瘍で重要な役割を有することが知られている。特に、erbBファミリーの受容体チロシンキナーゼである上皮細胞増殖因子受容体(EGFR)チロシンキナーゼは、非小細胞肺癌(NSCLC)、乳癌、神経膠腫、頭頸部扁平上皮細胞癌、結腸癌、腸癌、頭頸部癌、胃癌および前立腺癌を含む多くの上皮細胞腫瘍で異常に活性化され、EGFRチロシンキナーゼの活性化が永続性細胞増殖、周囲組織への侵襲、遠位転移、血管形成および細胞生存増加をもたらすことが知られている。
【0005】
具体的に、ErbBチロシンキナーゼ受容体ファミリー(EGFR、HER-2、ErbB-3およびErbB-4)の一つであるEGFRは、細胞外リガンド結合ドメインおよびチロシンキナーゼドメインを含む細胞内ドメインを有する膜貫通チロシンキナーゼである。リガンドが、ホモ二量体またはヘテロ二量体からなる受容体に結合したとき、細胞のチロシンキナーゼは活性化される。EGFRにより刺激されたシグナルが、それ自体ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ(PI3K)/AKT/mTOR、RAS/RAF/MAPKおよびJAK/STATシグナル伝達経路を活性化する(Nat Rev Cancer 2007; 7: 169-81)。
【0006】
EGFRが特に非小細胞肺癌(NSCLC)の半分超で過剰発現されているため、処置標的としてEGFRを使用する多くの研究が実施されている。GFRチロシンキナーゼ活性を阻害するEGFRチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)が開発されており、代表的薬剤はゲフィチニブ(イレッサTM)、エルロチニブ(タルセバTM)およびラパチニブ(タイケルブTM、TYVERBTM)を含む。
【0007】
HER2/neuまたはErbB2として知られる細胞におけるヒトEGFR2(HER2)は、ヒト上皮細胞増殖因子受容体(HER/EGFR/ERBB)ファミリーに属するチロシンキナーゼ受容体であり、通常、細胞増殖および分化を誘導するシグナル伝達経路に参加する。HER2は、他の3個のEGFRファミリーメンバー(HER1、HER3およびHER4)と極めて高い構造類似性を示す。
【0008】
しかしながら、他の抗癌標的と異なり、ヒト上皮細胞増殖因子2(Her2)の場合、それに結合するリガンドは未だ知られておらず、Her2は、リガンドに結合する他のHER受容体との連携によりヘテロ二量体を形成することによって、種々のシグナル経路を介する細胞周期増加、細胞増殖、分化および生存の制御に関与する。Her2をターゲティングする抗体の場合、IgG2型の抗体処置が開発されかつ上市されており、主治療効果は、抗体依存性細胞傷害(ADCC)または補体依存性細胞傷害(CDC)ではなく、抗体による中和活性である。
【0009】
そこで、EGFR変異およびHER2変異を阻害する癌処置開発に尽力しているなかにおいて、本発明のピリミジン誘導体が、EGFR変異およびHER2変異に対する高阻害能を示し、よって、該ピリミジン誘導体が癌の阻止または処置に有効に使用し得ることが判明し、それにより、本発明を完成させた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、抗癌活性を有する新規ピリミジン誘導体の提供である。
【0011】
本発明の他の目的は、抗癌活性を有する新規ピリミジン誘導体を活性成分として含む、癌の阻止または処置のための医薬組成物の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、ある態様により、本発明は、次の式(1)の化合物、その異性体、その溶媒和物、その水和物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【化1】
〔式中、
Aは-SO
2-または-CO-であり;
R
1は水素、ハロゲン、シアノ、非置換または1以上のハロゲン、カルボキシもしくはC
1-10アルコキシカルボニルで置換されているC
1-10アルキルであり;そして
R
2は-OR
aまたは-NR
b1R
b2であり、
ここで、R
aはNR
b1R
b2で置換されているC
1-6アルキルであり、
R
b1およびR
b2は互いに独立して水素、非置換またはNR
c1R
c2で置換されているC
1-6アルキルであるかまたはR
b1およびR
b2は、それらが結合している窒素と一体となって、N、OおよびSからなる群から選択される1以上のヘテロ原子を含む、非置換またはC
1-6アルキルもしくはNR
c1R
c2で置換されている3~8原子のヘテロシクロアルキルを形成し、
R
c1およびR
c2は互いに独立して水素、C
1-6アルキルであるかまたはR
c1およびR
c2は、それらが結合している窒素と一体となって、N、OおよびSからなる群から選択される1以上のヘテロ原子を含む、非置換またはC
1-6アルキルで置換されている3~8原子のヘテロシクロアルキルを形成してよく;
R
3は
【化2】
であり、
ここで、W、X、YおよびZは互いに独立して水素、ハロゲンまたは非置換またはNR
d1R
d2で置換されているC
1-6アルキルであり、
R
d1およびR
d2は互いに独立して水素またはC
1-6アルキルであり、
Zは水素であり;
R
4~R
7は互いに独立して水素、ハロゲン、C
1-10アルキル、非置換またはC
1-10アルキルで置換されているC
5-10アリールであるかまたはR
4~R
7の任意の2個の隣接するものは
【化3】
を形成し、ここで、
【化4】
の1以上の単結合は二重結合で置換されていてよく、残りの2個は互いに独立して水素またはC
1-6アルキルであり、
nは0~3の整数であり、そして
ヘテロシクロアルキルは少なくとも1個のNを含む。〕
【0013】
さらに、下の反応スキーム1に示すとおり、本発明は、式1の化合物を製造するために式2の化合物と式3の化合物を反応させることを含む、式1の化合物の製造法を提供する:
【化5】
(上記反応スキーム1において、A、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6およびR
7は、上記式1において定義したとおりである。)。
【0014】
他の態様により、本発明は、上記式1の化合物、その異性体、その溶媒和物、その水和物またはその薬学的に許容される塩を活性成分として含む、癌の阻止または処置のための医薬組成物を提供する。
【0015】
さらに他の態様において、本発明は、上記式1の化合物、その異性体、その溶媒和物、その水和物またはその薬学的に許容される塩を活性成分として含む、癌の阻止または改善のための健康機能性食品を提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明のピリミジン誘導体がEGFR変異およびHER2変異に対する高阻害能を示すため、EGFR変異およびHER2変異が発現される癌の処置に有効に使用され得る。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を詳細に記載する。
【0018】
ある態様において、本発明は、下式1の化合物、その異性体、その溶媒和物、その水和物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【化6】
〔式中、
Aは-SO
2-または-CO-であり;
R
1は水素、ハロゲン、シアノ、非置換または1以上のハロゲン、カルボキシもしくはC
1-10アルコキシカルボニルで置換されているC
1-10アルキルであり;そして
R
2は-OR
aまたは-NR
b1R
b2であり、
ここで、R
aはNR
b1R
b2で置換されているC
1-6アルキルであり、
R
b1およびR
b2は互いに独立して水素、非置換またはNR
c1R
c2で置換されているC
1-6アルキルであるかまたはR
b1およびR
b2は、それらが結合している窒素と一体となって、N、OおよびSからなる群から選択される1以上のヘテロ原子を含む、非置換またはC
1-6アルキルもしくはNR
c1R
c2で置換されている3~8原子のヘテロシクロアルキルを形成し、
R
c1およびR
c2は互いに独立して水素、C
1-6アルキルであるかまたはR
c1およびR
c2は、それらが結合している窒素と一体となって、N、OおよびSからなる群から選択される1以上のヘテロ原子を含む、非置換またはC
1-6アルキルで置換されている3~8原子のヘテロシクロアルキルを形成でき;
R
3は
【化7】
であり、
ここで、W、X、YおよびZは互いに独立して水素、ハロゲンまたは非置換またはNR
d1R
d2で置換されているC
1-6アルキルであり、
R
d1およびR
d2は互いに独立して水素またはC
1-6アルキルであり;
R
4~R
7は互いに独立して水素、ハロゲン、C
1-10アルキル、非置換またはC
1-10アルキルで置換されているC
5-10アリールであるかまたはR
4~R
7の任意の2個の隣接するものは
【化8】
を形成し、ここで、
【化9】
の1以上の単結合は二重結合で置換されていてよく、残りの2個は互いに独立して水素またはC
1-6アルキルであり、
nは0~3の整数であり、そして
ヘテロシクロアルキルは少なくとも1個のNを含む。〕
【0019】
本発明の他の実施態様において、
Aは-SO
2-または-CO-であり;
R
1は水素、ハロゲン、シアノ、非置換またはハロゲン、カルボキシもしくはC
1-6アルコキシカルボニルの1以上で置換されているC
1-6アルキルであり;そして
R
2は-OR
aまたは-NR
b1R
b2であり、
ここで、R
aはNR
b1R
b2で置換されているC
1-4アルキルであり、
R
b1およびR
b2は互いに独立して水素、非置換またはNR
c1R
c2で置換されているC
1-4アルキルであるかまたはR
b1およびR
b2は、それらが結合している窒素と一体となって、N、OおよびSからなる群から選択される1以上のヘテロ原子を含む、非置換またはC
1-4アルキルもしくはNR
c1R
c2で置換されている5~8原子のヘテロシクロアルキルを形成し、
R
c1およびR
c2は互いに独立して水素、C
1-3アルキルであるかまたはR
c1およびR
c2は、それらが結合している窒素と一体となって、N、OおよびSからなる群から選択される1以上のヘテロ原子を含む、非置換またはC
1-4アルキルで置換されている5~8原子のヘテロシクロアルキルを形成してよく;
R
3は
【化10】
であり、
ここで、W、XおよびZは独立して水素、ハロゲンまたはC
1-4アルキルであり、
Yは水素またはNR
d1R
d2で置換されているC
1-4アルキルであり、
R
d1およびR
d2は互いに独立して水素またはC
1-4アルキルであり;
R
4~R
7は、次の1)~4)の何れかであり、ここで:
1)R
4~R
7は各々独立して水素、ハロゲン、C
1-6アルキルまたは非置換もしくはC
1-6アルキルで置換されているC
6-10アリールであり;
2)R
4およびR
5は一体となって
【化11】
を形成し、R
6およびR
7は水素であり;
3)R
5およびR
6は一体となって
【化12】
を形成し、R
4およびR
7は互いに独立して水素またはC
1-4アルキルであり、ここで、
【化13】
の1以上の単結合は二重結合で置換されていてよく;
4)R
6およびR
7は一体となって
【化14】
を形成し、R
4およびR
5は互いに独立して水素またはC
1-4アルキルであり;
nは1~3の整数であり、そして
ヘテロシクロアルキルは少なくとも1個のNを含む。
【0020】
本発明のさらに他の実施態様において、
Aは-SO
2-または-CO-であり;
R
1は水素、ハロゲン、シアノ、非置換またはハロゲン、カルボキシもしくはC
1-3アルコキシカルボニルの1以上で置換されているC
1アルキルであり;そして
R
2は-OR
aまたは-NR
b1R
b2であり、
ここで、R
aはNR
b1R
b2で置換されているC
1-3アルキルであり、
R
b1およびR
b2は互いに独立して水素、非置換もしくはNR
c1R
c2で置換されているC
1-3アルキルであるかまたはR
b1およびR
b2は、それらが結合している窒素と一体となって、NおよびOからなる群から選択される1以上のヘテロ原子を含む、非置換またはメチルもしくはNR
c1R
c2で置換されている4~6原子のヘテロシクロアルキルを形成し;そして
R
c1およびR
c2は互いに独立して水素、メチル、イソプロピルであるかまたはR
c1およびR
c2は、それらが結合している窒素と一体となって、NおよびOからなる群から選択される1以上のヘテロ原子を含む、非置換またはメチルで置換されている4~6原審おヘテロシクロアルキルを形成し;
R
3は
【化15】
であり、
ここで、Wはメチルであり、
Xは水素またはフッ素であり、
Yは水素またはNR
d1R
d2で置換されているメチルであり、
R
d1およびR
d2は互いに独立して水素またはメチルであり、
Zは水素であり;
R
4~R
7は、次の1)~4)の何れかであり、ここで:
1)R
4~R
7は互いに独立して水素、ハロゲン、C
1-3アルキル、非置換またはC
1-3アルキルで置換されているフェニルであり;
2)R
4およびR
5は一体となって
【化16】
を形成し、R
6およびR
7は水素であり;
3)R
5およびR
6は一体となって
【化17】
を形成し、R
4およびR
7は互いに独立して水素またはメチルであり、ここで、
【化18】
における単結合は1以上の二重結合で置換されていてよく;
4)R
6およびR
7は一体となって
【化19】
を形成し、R
4およびR
5は互いに独立して水素またはメチルであり;
nは1~3の整数であり、そして
ヘテロシクロアルキルは少なくとも1個のNを含む。
【0021】
本発明のさらに他の実施態様において、
R
1は水素、塩素、フッ素、メチル、シアノ、CF
3、
【化20】
であり;
R
2は
【化21】
であり;
R
3は
【化22】
であり;そして
R
4~R
7は、次の1)~4)の何れかであり、ここで:
1)R
4~R
7は互いに独立して水素、塩素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、フェニルまたはトルイルであり;
2)R
4およびR
5は一体となって
【化23】
を形成し、R
6およびR
7は水素であり;
3)R
5およびR
6は一体となって
【化24】
を形成し、R
4およびR
7は互いに独立して水素またはメチルであり;そして
4)R
6およびR
7は一体となって
【化25】
を形成し、R
4およびR
5は互いに独立して水素またはメチルである。
【0022】
本発明の上記式1の化合物の例は、次の化合物を含む。
<1>N-(5-((5-クロロ-4-((2-(プロピルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<2>N-(5-((5-クロロ-4-((2-(フェニルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<3>N-(5-((5-クロロ-4-((2-((4-メチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<4>N-(5-((5-クロロ-4-((2-(エチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<5>N-(5-((5-クロロ-4-((2-((1-メチルエチル)スルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<6>N-(2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシ-5-((4-((2-(フェニルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)アクリルアミド;
<7>N-(2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシ-5-((4-((2-(メチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)アクリルアミド;
<8>N-(2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシ-5-((4-((2-(プロピルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)アクリルアミド;
<9>N-(2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシ-5-((4-((2-((4-メチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)アクリルアミド;
<10>N-(2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-5-((4-((2-(エチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<11>N-(2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-5-((5-フルオロ-4-((2-(メチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<12>N-(2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-5-((4-((2-(エチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)-5-フルオロピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<13>N-(2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-5-((5-フルオロ-4-((2-(プロピルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<14>N-(2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-5-((5-フルオロ-4-((2-(フェニルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<15>N-(2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-5-((5-フルオロ-4-((2-((4-メチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<16>N-(2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシ-5-((5-メチル-4-((2-(メチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)アクリルアミド;
<17>N-(2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシ-5-((5-メチル-4-((2-((4-メチルフェニル)スルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)アクリルアミド;
<18>N-(2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシ-5-((5-メチル-4-((2-(プロピルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)アクリルアミド;
<19>N-(2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-5-((4-((2-(エチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<20>N-(2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシ-5-((5-メチル-4-((2-(フェニルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)アクリルアミド;
<21>N-(5-((5-クロロ-4-((2-(メチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-(メチル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)アミノ)フェニル)アクリルアミド;
<22>N-(5-((5-クロロ-4-((2-(メチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-(2-(ピロリジン-1-イル)エトキシ)フェニル)アクリルアミド;
<23>N-(5-((5-クロロ-4-((2-(メチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-(メチル(2-(ピペリジン-1-イル)エチル)アミノ)フェニル)アクリルアミド;
<24>N-(5-((5-クロロ-4-((2-(メチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(イソプロピルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<25>N-(5-((5-クロロ-4-((2-(メチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-(メチル(2-(メチルアミノ)エチル)アミノ)フェニル)アクリルアミド;
<26>(E)-N-(5-((5-クロロ-4-((2-(メチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-モルホリノフェニル)-4-(ジメチルアミノ)ブテン-2-アミド;
<27>(E)-N-(5-((5-クロロ-4-((2-(メチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)-4-(ジメチルアミノ)ブテン-2-アミド;
<28>(E)-N-(5-((5-クロロ-4-((2-(メチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)-4-(ジメチルアミノ)ブテン-2-アミド;
<29>N-(5-((5-クロロ-4-((2-(N-メチルメチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<30>N-(5-((5-クロロ-4-((2-(N-メチルエチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<31>N-(5-((5-クロロ-4-((2-(N-エチルメチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<32>N-(5-((5-クロロ-4-((2-(N-イソプロピルメチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<33>N-(5-((5-クロロ-4-((2-(N-エチルエチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<34>N-(5-((5-クロロ-4-((3-クロロ-2-(メチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<35>N-(5-((5-クロロ-4-((3-クロロ-2-(N-メチルメチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<36>N-(5-((5-クロロ-4-((3-メチル-2-(メチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<37>N-(5-((5-クロロ-4-((3-イソプロピル-2-(N-メチルメチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<38>N-(5-((5-クロロ-4-((3-メチル-2-(N-メチルメチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<39>N-(5-((5-クロロ-4-((2-(N-エチルメチルスルホンアミド)-3-メチルフェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<40>N-(5-((5-クロロ-4-((3-エチル-2-(メチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<41>N-(5-((5-クロロ-4-((3-エチル-2-(N-メチルメチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<42>N-(5-((5-クロロ-4-((3-エチル-2-(エチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<43>N-(5-((5-クロロ-4-((3,4-ジメチル-2-(N-メチルメチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<44>N-(5-((5-クロロ-4-((3,4-ジメチル-2-(メチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<45>N-(5-((5-クロロ-4-((4-メチル-2-(N-メチルメチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<46>N-(5-((5-クロロ-4-((4-メチル-2-(メチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<47>N-(5-((5-クロロ-4-((1-(メチルスルホニル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-8-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<48>N-(5-((5-クロロ-4-((1-(メチルスルホニル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-8-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-(メチル(2-(メチルアミノ)エチル)アミノ)フェニル)アクリルアミド;
<49>N-(5-((5-クロロ-4-((1-(メチルスルホニル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-8-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-(4-(ジメチルアミノ)ピペリジン-1-イル)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<50>N-(5-((5-クロロ-4-((1-(メチルスルホニル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-8-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド;
<51>メチル2-((5-アクリルアミド-4-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-2-メトキシフェニル)アミノ)-4-((1-(メチルスルホニル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-8-イル)アミノ)ピリミジン-5-カルボキシラート;
<52>イソプロピル2-((5-アクリルアミド-4-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-2-メトキシフェニル)アミノ)-4-((1-(メチルスルホニル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-8-イル)アミノ)ピリミジン-5-カルボキシラート;
<53>N-(5-((5-クロロ-4-((1-(メチルスルホニル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-8-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-(メチル(2-モルホリノエチル)アミノ)フェニル)アクリルアミド;
<54>N-(5-((5-クロロ-4-((1-(メチルスルホニル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-8-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)-2-フルオロアクリルアミド;
<55>N-(5-((5-クロロ-4-((1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<56>N-(5-((5-クロロ-4-((1-(エチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<57>N-(5-((5-クロロ-4-((1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-(メチル(2-(メチルアミノ)エチル)アミノ)フェニル)アクリルアミド;
<58>N-(5-((5-クロロ-4-((1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-(4-(ジメチルアミノ)ピペリジン-1-イル)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<59>N-(5-((5-クロロ-4-((1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド;
<60>メチル2-((5-アクリルアミド-4-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-2-メトキシフェニル)アミノ)-4-((1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-5-カルボキシラート;
<61>イソプロピル2-((5-アクリルアミド-4-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-2-メトキシフェニル)アミノ)-4-((1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-5-カルボキシラート;
<62>N-(5-((5-シアノ-4-((1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<63>N-(5-((5-クロロ-4-((1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-(2-(ジメチルアミノ)エトキシ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<64>N-(5-((5-クロロ-4-((1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-(メチル(2-モルホリノエチル)アミノ)フェニル)アクリルアミド;
<65>N-(2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシ-5-((4-((1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)アクリルアミド;
<66>N-(5-((5-クロロ-4-((1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)-2-フルオロアクリルアミド;
<67>N-(5-((5-クロロ-4-((1-(メチルスルホニル)-1H-インドール-7-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<68>N-(5-((5-クロロ-4-((5-(N-メチルメチルスルホンアミド)キノキサリン-6-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<69>N-(6-((5-クロロ-2-((4-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-2-メトキシフェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)キノキサリン-5-イル)メタンスルホンアミド;
<70>N-(5-((5-クロロ-4-((2-(1,1-ジオキシドイソチアゾリジン-2-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<71>N-(5-((5-クロロ-4-((2-(1,1-ジオキシド-1,2-チアzinan-2-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<72>N-(5-((5-クロロ-4-((1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-(メチル(2-(ピペリジン-1-イル)エチル)アミノ)フェニル)アクリルアミド;
<73>N-(5-((5-クロロ-4-((1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-(メチル(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)アミノ)フェニル)アクリルアミド;
<74>N-(5-((5-クロロ-4-((1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-(メチル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)アミノ)フェニル)アクリルアミド;
<75>N-(5-((5-クロロ-4-((1-(エチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-(メチル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)アミノ)フェニル)アクリルアミド;
<76>N-(5-((5-クロロ-4-((4-メチル-2-(N-メチルメチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-(メチル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)アミノ)フェニル)アクリルアミド;
<77>N-(5-((5-クロロ-4-((1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-(2-モルホリノエトキシ)フェニル)アクリルアミド;
<78>N-(5-((5-クロロ-4-((1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-(2-(ピペリジン-1-イル)エトキシ)フェニル)アクリルアミド;
<79>N-(5-((5-クロロ-4-((1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-(2-(ピロリジン-1-イル)エトキシ)フェニル)アクリルアミド;
<80>N-(2-((2-(アゼチジン-1-イル)エチル)(メチル)アミノ)-5-((5-クロロ-4-((1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<81>N-(2-((2-(アゼチジン-1-イル)エチル)(メチル)アミノ)-5-((5-クロロ-4-((1-(エチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<82>N-(2-((2-(アゼチジン-1-イル)エチル)(メチル)アミノ)-5-((5-クロロ-4-((4-メチル-2-(N-メチルメチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<83>N-(5-((5-クロロ-4-((3,4-ジメチル-2-(N-メチルアセトアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<84>N-(5-((4-((2-アセトアミド-3,4-ジメチルフェニル)アミノ)-5-クロロピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<85>N-(5-((5-クロロ-4-((3-メチル-2-(N-メチルアセトアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<86>N-(5-((4-((2-アセトアミド-3-メチルフェニル)アミノ)-5-クロロピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<87>N-(5-((5-クロロ-4-((4-メチル-2-(N-メチルアセトアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<88>N-(5-((4-((2-アセトアミド-4-メチルフェニル)アミノ)-5-クロロピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<89>N-(5-((5-クロロ-4-((2-(N-メチルアセトアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<90>N-(5-((4-((2-アセトアミドフェニル)アミノ)-5-クロロピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<91>N-(5-((4-((1-アセチルインドリン-7-イル)アミノ)-5-クロロピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<92>N-(5-((4-((1-アセチルインドリン-7-イル)アミノ)-5-クロロピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-(メチル(2-(メチルアミノ)エチル)アミノ)フェニル)アクリルアミド;
<93>N-(5-((5-クロロ-4-((1-プロピオニルインドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<94>N-(5-((5-クロロ-4-((1-プロピオニル-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-8-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<95>N-(5-((4-((1-アセチル-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-8-イル)アミノ)-5-クロロピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<96>N-(5-((5-クロロ-4-((1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)ブト-2-インアミド;
<97>N-(5-((4-((1-アセチルインドリン-7-イル)アミノ)-5-クロロピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)ブト-2-インアミド;
<98>N-(5-((5-クロロ-4-((4-メチル-2-(N-メチルメチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)ブト-2-インアミド;
<99>N-(5-((4-((1-アセチルインドリン-7-イル)アミノ)-5-シアノピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;
<100>N-(5-((4-((1-アセチルインドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド;および
<101>N-(5-((4-((1-アセチルインドリン-7-イル)アミノ)-5-フルオロピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド。
【0023】
本発明において、アルキルは飽和炭化水素をいい、特に限定されない限り、全直鎖または分岐鎖飽和炭化水素を含む。分岐鎖飽和炭化水素は、3以上の炭化水素を有する飽和炭化水素に適用される。アルキルの例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t-ブチル、ペンチル、ヘキシルなどを含む。
【0024】
本発明において、環構造を有する炭化水素化合物であるシクロアルキルは、特に断らない限り、完全飽和環構造を有する炭化水素化合物をいう。例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキサルなどを含む。
【0025】
本発明において、ヘテロシクロアルキルは、シクロアルキルにおいて、環を形成する1以上の炭素が、ヘテロ原子、例えば、N、O、S、Pなどから選択されるヘテロ原子で置換され、1以上の炭素がヘテロ原子で置換されてよく、1以上の炭素は同一または異なるヘテロ原子で置換されてよい。例は、アジリジン、オキシラン、チイラン、アゼチジン、オキセタン、チエタン、ジアゼチジン、ピロリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、ピラゾリジン、ジオキソラン、オキサチオラン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、テトラヒドロピラン、ジオキサンなどを含む。ヘテロシクロアルキルは、環化合物単環、二環および三環を含み、架橋または縮合した複数環の化合物を含み得る。
【0026】
本発明の上の式1の化合物を薬学的に許容される塩の形態で使用してよく、塩として、薬学的に許容される遊離酸により形成される酸付加塩が有用である。酸付加塩は、無機酸(例えば、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、亜硝酸酸、リン酸など)、非毒性有機酸(例えば、脂肪族モノおよびジカルボン酸、フェニル置換アルカン酸、ヒドロキシアルカン酸およびアルカン二酸、芳香族酸、脂肪族および芳香族スルホン酸など)および有機酸(例えば、トリフルオロ酢酸、酢酸、安息香酸、クエン酸、乳酸、マレイン酸、グルコン酸、メタンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸、酒石酸、フマル酸など)から得られる。これらのタイプの薬学的に非毒性塩は、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩 塩化物、臭化物、ヨウ化物、フッ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプリン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオール酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン-1,4-二酸塩、ヘキサン-1,6-二酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、テレフタル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、クロロベンゼンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、β-ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン-1-スルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、マンデル酸塩などを含む。
【0027】
本発明の酸付加塩は、慣用法で製造でき、例えば、式1の誘導体を有機溶媒(例えば、メタノール、エタノール、アセトン、塩化メチレン、アセトニトリルなど)に溶解し、有機または無機酸を添加し、得られた沈殿を濾過および乾燥させることにより製造できまたは溶媒および過剰量の酸を減圧下蒸留し、得られたものを乾燥させ、得られたものを有機溶媒中で沈殿させることにより製造できる。
【0028】
さらに、薬学的に許容される金属塩を、塩基を使用して、製造できる。アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩を、例えば、化合物を過剰量のアルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物溶液に溶解し、不溶性化合物塩を濾過し、濾液を蒸発および乾燥させることにより、製造し得る。この場合、金属塩としてナトリウム、カリウムまたはカルシウム塩を製造するのが薬学的に適切である。さらに、対応する塩は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩と適当な陰性塩(例えば、硝酸銀)の反応により得られる。
【0029】
さらに、本発明は、式1の化合物およびその薬学的に許容される塩だけでなく、それらから製造され得る溶媒和物、光学異性体、水和物などを含む。
【0030】
用語「水和物」は、非共有結合分子間力により結合した化学量論または非化学量論量の水を含む、本発明の化合物またはその塩をいう。式1により示される本発明の化合物の水和物は、非共有結合分子間力により結合した化学量論または非化学量論量の水を含み得る。水和物は、1当量以上の水、好ましくは1~5当量の水を含む。このような水和物は、水または水含有溶媒から式1により示される本発明の化合物、その異性体またはその薬学的に許容される塩を結晶化することにより、製造し得る。
【0031】
用語「溶媒和物」は、非共有結合分子間力により結合した化学量論または非化学量論量の溶媒を含む、本発明の化合物またはその塩をいう。そのための好ましい溶媒は、揮発性、非毒性および/またはヒトへの投与に適当な溶媒を含む。
【0032】
用語「異性体」は、同じ化学式または分子式を有するが、構造的または立体的に異なる、本発明の化合物またはその塩をいう。このような異性体は、互変異性体、立体異性体を含む、構造異性体を含む。立体異性体は、1以上の不斉炭素中心を有することにより出現する光学異性体(エナンチオマー)およびジアステレオマーおよび幾何異性体(trans、cis)の全てを含む。これら異性体およびそれらの混合物の全ても、本発明の範囲内に含まれる。
【0033】
他の態様において、本発明は、下の反応スキーム1により示される、式1の化合物を製造するために式2の化合物と式3の化合物を反応させることを含む、式1の化合物の製造法を提供する:
【化26】
〔ここで、上記反応スキーム1において、A、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6およびR
7は上記式1において定義したとおりである。〕。
【0034】
上記反応スキームにおいて、式2と式3の間の反応は、求核的置換反応であり、反応条件は、n-BuOH、テトラヒドロフラン、DMF、DMSO、アセトン、ジクロロメタンおよびクロロホルムなどの有機溶媒を含む、通常の有機溶媒条件下で実施され、反応温度は特に限定されないが、反応を0℃~100℃、10℃~50℃の範囲で実施でき、室温で実施できる。
【0035】
他の態様において、本発明は、上記式1の化合物、その異性体、その溶媒和物、その水和物またはその薬学的に許容される塩を活性成分として含む、癌の阻止または処置のための医薬組成物を提供する。
【0036】
特に、癌は、偽粘液腫、肝内胆管癌、肝芽腫、肝臓癌、甲状腺癌、結腸癌、精巣癌、骨髄異形成症候群、神経膠芽腫、口腔癌、口唇癌、菌状息肉、急性骨髄性白血病、急性リンパ球性白血病、基底細胞癌、卵巣上皮癌、卵巣胚細胞癌、男性乳癌、脳癌、下垂体腺腫、多発性骨髄腫、胆嚢癌、胆管癌、結腸直腸癌、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、網膜芽細胞腫、脈絡膜黒色腫、ファーター膨大部癌、膀胱癌、腹膜癌、副甲状腺癌、副腎癌、副鼻腔癌、非小細胞肺癌、舌癌、星状細胞腫、小細胞肺癌、小児脳癌、小児リンパ腫、小児白血病、小腸癌、髄膜腫、食道癌、神経膠腫、腎盂癌、腎臓癌、心臓癌、十二指腸癌、悪性軟組織癌、悪性骨癌、悪性リンパ腫、悪性中皮腫、悪性黒色腫、眼癌、外陰癌、輸尿管癌、尿道癌、原発部位不明癌、胃リンパ腫、胃癌、胃カルチノイド、消化器間質癌、ウィルムス癌、乳癌、肉腫、陰茎癌、咽頭癌、妊娠絨毛性疾患、子宮頸癌、子宮内膜癌、子宮肉腫、前立腺癌、転移骨癌、転移脳癌、縦隔癌、直腸癌、直腸カルチノイド、膣癌、脊髄癌、聴神経腫瘍、膵臓癌、唾液腺癌、カポジ肉腫、パジェット病、扁桃癌、扁平上皮細胞癌、肺腺癌、肺癌、肺扁平上皮細胞癌、皮膚癌、肛門部癌、横紋筋肉腫、喉頭癌、胸膜癌、血液癌および胸腺癌からなる群から選択される1以上であり、癌はEGFR、HER2、ALK、FAK、FLT3、JAK3、KITおよびPLK4からなる群から選択される1以上の遺伝子の変異を発現する癌であってよく、ある実施態様において、癌はEGFRまたはHER2に関して変異が発現されているものである。
【0037】
さらに、化合物、その異性体、その溶媒和物、その水和物またはその薬学的に許容される塩は上皮細胞増殖因子受容体(EGFR)の変異を阻害し得て、この阻害を介して、癌の阻止、改善または処置の活性を有し、特に、EGFR変異は、EGFR del19、EGFR A763_Y764insFHEA、EGFR V769_D770insASV、EGFR D770_N771insSVD、Ba/F3 EGFR V769_D770insASV、Ba/F3 EGFR d770_N771insSVDなどを含み得る。特に、癌は上記のとおりである。
【0038】
さらに、化合物、その異性体、その溶媒和物、その水和物またはその薬学的に許容される塩はHER2変異を阻害し得て、この阻害を介して、癌の阻止、改善または処置の活性を有し、特に、HER2変異は、HER2 A775_G776insYVMA、Ba/F3 HER2 A775_G776insYVMA、Ba/F3 HER2 G776delinsVCなどを含み得る。特に、癌は上記のとおりである。
【0039】
化合物、その異性体、その溶媒和物、その水和物またはその薬学的に許容される塩は、上記のEGFR変異および/またはHER2変異を発現する細胞であり得る変異体癌細胞に対する増殖阻害活性を有し得て、ある実施態様において、EGFR V769_D770insASV、EGFR D770_N771insSVD、HER2 A775_G776insYVMA、HER2 G776delinsVCなどの何れかが発現されている癌細胞であり得る。
【0040】
さらに、上記式1の化合物、その異性体またはその薬学的に許容される塩を活性成分として含む癌の阻止または処置のための医薬組成物を、個別の処置として投与するかまたは使用中の他の抗癌薬物と組み合わせて使用してよい。
【0041】
さらに、上記式1の化合物、その異性体またはその薬学的に許容される塩を活性成分として含む癌の阻止または処置のための医薬組成物は、抗癌剤と組み合わせて投与することにより、抗癌効果を増強し得る。
【0042】
上記式1の化合物またはその薬学的に許容される塩を、臨床投与において、種々の経口および非経腸投与形態で投与してよい。製剤化されるとき、一般に使用される充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤および界面活性剤などの希釈剤または添加物を使用して、製造する。経口投与のための固体調製物は、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤などを含み、これらの固体調製物は、1以上の化合物とデンプン、炭酸カルシウム、スクロースまたはラクトースおよびゼラチンなどの1以上の添加物の混合により製造される。単純な添加物に加えて、ステアリン酸マグネシウムおよびタルクなどの滑沢剤も使用される。経口投与のための液体調製物は、懸濁液、内服用液体調製物、エマルジョンおよびシロップを含み、水および液体パラフィンなどの一般に使用される単純な希釈剤に加えて、湿潤剤、甘味剤、芳香剤および防腐剤などの種々の添加物が含まれ得る。非経腸投与のための調製物は、滅菌水溶液、非水性溶媒、懸濁液およびエマルジョンを含む。非水性溶媒および懸濁液は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油(例えば、オリーブ油)および注射用エステル(例えば、オレイン酸エチル)を含み得る。
【0043】
式1の化合物またはその薬学的に許容される塩を活性成分として含む医薬組成物を非経腸的に投与してよく、非経腸投与は、皮下注射、静脈内注射、筋肉内注射または胸腔内注射の方法により実施される。
【0044】
特に、非経腸投与のための製剤を製造するために、式1の化合物またはその薬学的に許容される塩を、水中安定剤または緩衝液と混合して、溶液または懸濁液を製造し得て、アンプルまたはバイアル単位剤形で製造し得る。組成物は無菌であるおよび/またはアジュバント(例えば、防腐剤、安定化剤、湿潤剤または乳化加速剤、浸透圧調整用塩および/または緩衝液)および他の治療に有用な物質を含んでよく、慣用の混合、造粒またはコーティング方法により製剤化され得る。
【0045】
経口投与のための製剤は、例えば、錠剤、丸剤、硬/軟カプセル剤、溶液剤、懸濁液剤、乳化剤、シロップ剤、顆粒剤、エリキシル剤、トローチ剤などを含み、これらの製剤は、活性成分に加えて希釈剤(例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロースおよび/またはグリシン)、滑沢剤(例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸およびそのマグネシウムまたはカルシウム塩および/またはポリエチレングリコール)を含む。錠剤は、結合剤(例えば、ケイ酸アルミニウム・マグネシウム、デンプンペースト、ゼラチン、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースおよび/またはポリビニルピロリジンなど)を含み得て、ある場合、崩壊剤(例えば、デンプン、寒天、アルギン酸またはそのナトリウム塩など)または沸騰混合物および/または吸収剤、着色剤、風味剤および甘味剤を含み得る。
【0046】
本発明のさらに他の態様は、上記式1の化合物、その異性体、その溶媒和物、その水和物またはその薬学的に許容される塩を活性成分として含む、癌の阻止または改善のための健康機能性食品を提供する。この場合、癌は上記のとおりである。
【0047】
本発明の上記式1の化合物を、直接食品に添加するかまたは他の食品または食品成分と共に使用してよく、慣用法により適切に使用され得る。活性成分の混合量は、使用目的(阻止または改善)に応じて適切に決定され得る。一般に、健康食品における化合物の量は、食品の総重量の0.1重量部~90重量部であり得る。しかしながら、健康および衛生目的または健康管理のための長期摂取の場合、量は上記範囲を下回ってよく、安全性に関する問題がないため、活性成分を上記範囲を超える量で使用してよい。
【0048】
本発明のなお他の態様は、上記式1の化合物、その異性体、その溶媒和物、その水和物またはその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与することを含む、癌の阻止、改善または処置のための方法を提供する。
【0049】
本発明のさらに他の態様は、癌の阻止、改善または処置における、上記式1の化合物、その異性体、その溶媒和物、その水和物またはその薬学的に許容される塩の使用または利用を提供する。
【0050】
本発明の上記式1の化合物、その立体異性体、その溶媒和物、その水和物またはその薬学的に許容される塩または医薬組成物は、「薬学的に有効量」で投与される。本発明において、用語「薬学的に有効量」は、医学的処置または改善に適用可能な合理的利益/リスク比で状態を処置するのに十分な量をいい、有効用量レベルは、対象のタイプおよび感受性、年齢、性別、薬物の活性、薬物に対する感受性、投与時間、投与経路および排泄速度、処置期間、同時使用薬物および医学分野で周知の他の因子を含む因子に依存して、決定され得る。例えば、0.001mg/kg~1,000mg/kg、0.01mg/kg~100mg/kgまたは0.1mg/kg~20mg/kgまたは0.1mg/kg~500mg/kgの有効量が含まれ得る。本発明の医薬組成物の量は、当業者により適切な範囲内に選択され、実施され得る。
【実施例】
【0051】
以下、本発明を実施例および実験例により詳細に記載する。
【0052】
しかしながら、次の実施例および実験例は本発明を説明するだけであり、本発明の範囲は以下の実施例および実験例によって限定されない。
【0053】
以下、実施例の化合物の製造のための製造例を開示する。
【0054】
<製造例1~3>
下のスキームに従い製造した。
【化27】
【0055】
<製造例1>2,5-ジクロロ-N-(2-ニトロフェニル)ピリミジン-4-アミンの製造
NaH(3.47g、144.8mmol)を、0℃で、DMF(100mL)に溶解した2-ニトロアニリン(10g、72.4mmol)の溶液に添加し、混合物を30分間撹拌した。次いで、2,4,5-トリクロロピリミジン(16.0g、86.8mmol)を0℃でそれに添加した。得られた混合物を室温に温め、14時間維持した。TLCにより反応をモニターした。反応混合物を冷水(300mL)で冷却し、15分間撹拌した。沈殿した固体を濾取し、減圧下乾燥させて、所望の製造例1を黄色固体(17g、85%)として得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 10.23 (s, 1 H), 8.49 (s, 1 H), 8.10 (dd, J = 8.2, 1.4 Hz, 1 H), 7.91 - 7.71 (m, 2 H), 7.53 - 7.43 (m, 1 H)
【0056】
<製造例2>N1-(2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)ベンゼン-1,2-ジアミンの製造
鉄粉(16.6g、298mmol)およびNH4Cl(15.9g、298.1mmol)を、THF/H2O=1/1(300mL)に溶解した製造例1(17g、59.6mmol)の撹拌中の溶液に添加した。得られた混合物を65℃で5時間加温した。TLCにより反応をモニターした。反応混合物を室温に冷却し、セライトで濾過し、酢酸エチルで洗浄した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下蒸発させて、所望の生成物製造例2を黄色固体(10g、65%)として得た。LCMS: 256.8 [M+H+]
【0057】
<製造例3>N-(2-((2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)プロパン-1-スルホンアミドの製造
Et3N(5mL、35.0mmol)を、室温でDCM(50mL)に溶解した製造例2(3g、11.5mmol)の撹拌中の溶液に添加した。反応混合物を0℃に冷却し、1-プロパンスルホニルクロライド(2.2mL、23.0mmol)を滴下した。得られた混合物を室温に温め、14時間維持した。TLCにより反応をモニターした。反応混合物を飽和NaHCO3(30mL)でクエンチし、DCM(30mL)で抽出した。有機層を水および塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下蒸発させた。得られた粗製物質をメタノール(50mL)に溶解し、K2CO3(2.0g)をそれに添加し、混合物を12時間撹拌した。得られた混合物を減圧下蒸発させた。得られた粗製物質をH2O(100mL)で希釈し、DCM(100mL)で抽出した。水層を分離し、1N HClで酸性化し(約pH4~pH5)、DCMで抽出した。有機層を分離し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下濃縮して、所望の生成物製造例3を淡赤色固体(2.5g、64%)として得た。LCMS: 361.2 [M+H+]
【0058】
<製造例4~8>
下のスキームに従い製造した。
【化28】
【0059】
<製造例4>tert-ブチル(4-フルオロ-2-メトキシ-5-ニトロフェニル)カルバメートの製造
(Boc)2O(5.8g、26.2mmol)を、0℃で、DCMに溶解したフルオロ-2-メトキシ-5-ニトロアニリン(4.5g、24.1mmol)およびDMAP(300mg、2.41mmol)の撹拌中の溶液に添加した。反応混合物を室温にゆっくり温め、12時間維持した。反応混合物をDCMで希釈し、飽和NaHCO3溶液でクエンチした。分離した有機層を水および塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下蒸発させた。得られた粗製物質をクロマトグラフィーで、ヘキサン/酢酸エチル(7:3)を溶離剤として使用して精製して、所望の生成物製造例4を黄色固体(4.0g、58%)として得た。LCMS: 287.2 [M+H+]
【0060】
<製造例5>tert-ブチル(4-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-2-メトキシ-5-ニトロフェニル)カルバメートの製造
N1,N1,N2-トリメチルエタン-1,2-ジアミン(106mg、1.04mmol)および炭酸セシウム(183mg、1.56mmol)を、室温で、DMF(5mL)に溶解した製造例4(300mg、1.04mmol)の溶液に添加した。得られた混合物を70℃で一夜撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、冷水でクエンチした。沈殿した固体を濾取し、減圧下乾燥させて、所望の製造例5を黄色固体(250mg、65%)として得た。LCMS: 369.0 [M+H+]
【0061】
<製造例6>tert-ブチル(5-アミノ-4-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-2-メトキシフェニル)カルバメートの製造
10%Pd/C(6.8mg、0.06mmol)を、アルゴン雰囲気下、メタノール(15mL)に溶解した製造例5(250mg、0.64mmol)の溶液に添加した。得られた混合物を、1気圧水素雰囲気下、4時間撹拌した。反応混合物をセライトで濾過し、減圧下濃縮して、所望の製造例6を褐色固体(210mg、91%)として得た。LCMS: 339.2 [M+H+]
【0062】
<製造例7>tert-ブチル(5-アクリルアミド-4-((2-(ジメチルアミノ)エチル(メチル)アミノ)-2-メトキシフェニル)カルバメートの製造
塩化アクリロイル(0.047ml、0.59mmol)を、-30℃で、撹拌中の製造例6(200mg、0.59mmol)およびトリエチルアミン(0.16mL、1.18mmol)のDCM溶液に添加した。反応混合物を室温にゆっくり温め、3時間維持した。反応混合物をDCMで希釈し、飽和NaHCO3溶液でクエンチした。有機層を分離し、水および塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下蒸発させた。得られた粗製物質をクロマトグラフィーで、DCM/MeOH(9.5:0.5)を溶離剤として使用して精製して、所望の生成物製造例7を灰白色固体(150mg、65%)として得た。LCMS: 393.0 [M+H+]
【0063】
<製造例8>N-(5-アミノ-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミドトリフルオロ酢酸塩の製造
DCM(1mL)に溶解した25%TFAを、室温で、DCMに溶解した製造例7(150.0mg、0.38mmol)の撹拌中の溶液に添加した。得られた混合物を室温で12時間撹拌した。反応混合物をTLCでモニターした。完了後、粗製物質を減圧下濃縮し、さらに精製することなく次工程に進んだ。LCMS: 293.2 [M+H+]
【0064】
<製造例13>N
1-(2-クロロピリミジン-4-イル)ベンゼン-1,2-ジアミンの製造
【化29】
DIPEA(16.15mL、92.4mmol)および2,4-ジクロロピリミジン(6.9g、46.2mmol)を、室温で、エタノール(100mL)に溶解したベンゼン-1,2-ジアミン(5.0g、46.2mmol)の撹拌中の溶液に添加した。得られた混合物を4時間加熱し、TLCでモニターした。反応混合物を室温に冷却し、沈殿した固体を濾取し、エタノールで洗浄し、減圧下乾燥させて、所望の純粋化合物N
1-(2-クロロピリミジン-4-イル)ベンゼン-1,2-ジアミンを灰白色固体(80%)として得た。LCMS: 221.2 [M+H
+]
【0065】
<製造例36>N-(2-((2-((5-アミノ-2-メトキシ-4-モルホリノフェニル)アミノ)-5-クロロピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)メタンスルホンアミドの製造
【化30】
鉄粉(50.7mg、0.90mmol)およびNH
4Cl(48.6mg、0.90mmol)を、THF/H
2O[1:1](5mL)に溶解したN-(2-((5-クロロ-2-((2-メトキシ-4-モルホリノ-5-ニトロフェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)メタンスルホンアミド(100mg、0.18mmol)に添加した。得られた混合物を65℃で5時間加熱した。反応混合物を冷却し、セライト床で濾過した。濾液を酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、減圧下蒸発させて、所望の製造例36を純粋灰白色固体(85%)として得た。LCMS: 519.8 [M+H
+]
【0066】
下表Aは、上記製造例に基づき製造した製造例1~82を要約する。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】
【表12】
【0067】
<製造例83~86>
下のスキームに従い製造した。
【化31】
【0068】
<製造例83>N-(2,3-ジメチル-6-ニトロフェニル)アセトアミドの製造
NaH(0.8g、36.3mmol)および酢酸無水物(1.7mL、18.1mmol)を、0℃で、撹拌中の2,3-ジメチル-6-ニトロアニリン(2.0g、12.1mmol)のDMF溶液に添加した。得られた混合物を室温に温め、3時間撹拌した。反応混合物を氷水に浸漬し、沈殿した固体を濾取し、水で洗浄し、ジエチルエーテルで磨砕し、乾燥させて、製造例83を得た。LCMS: 208.4 [M+H+]
【0069】
<製造例84>N-(2,3-ジメチル-6-ニトロフェニル)-N-メチルアセトアミドの製造
ヨウ化メチル(0.9mL、14.0mmol)および炭酸カリウム(580.0mg、4.20mmol)を、0℃で、DMFに溶解した製造例83(290mg、1.40mmol)の撹拌中の溶液に添加した。得られた混合物を室温に温め、4時間撹拌した。反応混合物を水に浸漬し、酢酸エチルで抽出した。混合した抽出有機層を水および塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、減圧下蒸発させて、製造例84を得た。LCMS: 222.3 [M+H+]
【0070】
<製造例85>N-(6-アミノ-2,3-ジメチルフェニル)-N-メチルアセトアミドの製造
鉄粉(1.3g、24.2mmol)およびNH4Cl(1.3g、24.2mmol)を、室温で、20mLのTHF/H2O(1:1)に溶解した製造例84(1.08g、4.84mmol)の撹拌中の溶液に添加した。得られた混合物を65℃に加熱し、14時間撹拌した。反応混合物を減圧下、セライトで濃縮濾過した。得られた物質を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、減圧下濃縮して、製造例85を得た。LCMS: 192.4 [M+H+]
【0071】
<製造例86>N-(6-((2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)アミノ)-2,3-ジメチルフェニル)-N-メチルアセトアミドの製造
ジイソプロピルエチルアミン(1.9mL、11.4mmol)および2,4,5-トリクロロピリミジン(1.2g、6.82mmol)を、室温で、n-BuOH(5mL)に溶解した製造例85(1.00g、5.67mmol)の撹拌中の溶液に添加した。得られた混合物を90℃で14時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、減圧下濃縮した。得られた物質を濾取し、n-BuOHで洗浄して、製造例86を得た。LCMS: 340.0 [M+H+]
【0072】
<製造例94~96>
下のスキームに従い製造した。
【化32】
【0073】
<製造例94>1-(7-ニトロインドリン-1-イル)エタン-1-オンの製造
NaH(0.8g、36.3mmol)および酢酸無水物(1.7mL、18.1mmol)を、0℃で、DMFに溶解した7-ニトロインドリン(2.0g、12.1mmol)の撹拌中の溶液にゆっくり添加した。得られた混合物を室温に加熱し、3時間撹拌した。反応混合物を氷水で冷却し、沈殿した固体を濾過し、水で洗浄し、ジエチルエーテルで精製して、製造例94を黄色固体(71%)として得た。LCMS: 207.2 [M+H+]
【0074】
<製造例95>1-(7-アミノインドリン-1-イル)エタン-1-オンの製造
鉄粉(1.3g、24.24mmol)およびNH4Cl(1.3g、24.24mmol)を、室温で、20mlのTHF/H2O(1:1)に溶解した製造例94(1.0g、4.84mmol)の撹拌中の溶液に添加した。得られた混合物を65℃に加熱し、14時間撹拌した。反応混合物を減圧下、濃縮セライトで濾過した。得られた物質を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した。有機相を分離し、塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、減圧下濃縮して、製造例95を褐色固体(90%)として得た。LCMS: 177.8 [M+H+]
【0075】
<製造例96>1-(7-((2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)アミノ)インドリン-1-イル)エタン-1-オンの製造
ジイソプロピルエチルアミン(1.9mL、11.35mmol)および2,4,5-トリクロロピリミジン(1.2g、6.82mmol)を、室温で、n-BuOH(5mL)に溶解した製造例95(1.0g、5.67mmol)の撹拌中の溶液に添加した。得られた混合物を90℃で14時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、減圧下濃縮した。得られた物質を濾過し、n-BuOHで洗浄して、製造例96を暗緑色固体(80%)として得た。LCMS: 324.8 [M+H+]
【0076】
下表Bは、上記製造例に基づき製造した製造例83~104を要約する。
【表13】
【表14】
【表15】
【0077】
<実施例化合物の製造>
<実施例1>N-(5-((5-クロロ-4-((2-(プロピルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミドの製造
【化33】
製造例8(71.5mg、0.3mmol)を、室温で、n-ブタノール(30mL)に溶解した1N TFA中の製造例1(100mg、0.3mmol)に添加した。反応チューブをテフロン被覆キャップで密封し、反応混合物を90℃で一夜撹拌した。混合物を減圧下濃縮した。残渣をDCMに溶解し、飽和NaHCO
3、水および塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下蒸発させた。得られた粗製物質をカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH/9:1~8.5:1.5)で精製して、純粋実施例1を灰白色固体(31%)として得た。
【0078】
<実施例24>N-(5-((5-クロロ-4-((2-(メチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(イソプロピルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミドの製造
【化34】
6N HCl(1.0mL)に溶解した製造例33(50.0mg、0.06mmol)を、還流下、1時間加熱した。得られた混合物を室温に冷却し、減圧下濃縮した。得られた粗製物質をHPLC(緩衝液として0.1%TFAのH
2O溶液および0.1%TFAのACN溶液)で精製して、所望の生成物実施例24を灰白色固体(40%)として得た。
【0079】
<実施例26>(E)-N-(5-((5-クロロ-4-((2-(メチルスルホンアミド)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-モルホリノフェニル)-4-(ジメチルアミノ)ブテン-2-アミドの製造
【化35】
DIPEA(0.1mL、0.60mmol)、(2E)-4-(ジメチルアミノ)ブト-2-エン酸塩酸塩(38.2mg、0.23mmol)およびHATU(114.0mg、0.3mmol)を、DMF(5mL)に溶解した製造例36(100mg、0.20mmol)の撹拌中の溶液に添加した。得られた混合物を14時間撹拌した。反応混合物を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、水および塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、減圧下蒸発させた。得られた粗製物質をカラムクロマトグラフィー(溶離剤として5~9%MeOHのDCM溶液)で精製して、純粋実施例26を灰白色固体(35%)として得た。
【0080】
<実施例48>N-(5-((5-クロロ-4-((1-(メチルスルホニル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-8-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-(メチル(2-(メチルアミノ)エチル)アミノ)フェニル)アクリルアミドの製造
【化36】
TFA(0.1mL)を、室温でDCMに溶解した製造例58(50mg、0.07mmol)に添加し、混合物を12時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、HPLC(緩衝液として0.1%TFAのH
2O溶液および0.1%TFAのACN溶液)を使用して精製して、純粋実施例48を灰白色固体(46%)として得た。
【0081】
<実施例57>N-(5-((5-クロロ-4-((1-(メチルスルホニル)インドリン-7-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-4-メトキシ-2-(メチル(2-(メチルアミノ)エチル)アミノ)フェニル)アクリルアミドの製造
【化37】
TFA(0.1mL)を、DCMに溶解した製造例67(50mg 0.07mmol)の撹拌中の溶液に添加し、得られた混合物を12時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、HPLC(緩衝液として0.1%TFAのH
2O溶液および0.1%TFAのACN溶液)を使用して精製して、純粋実施例57を灰白色固体(39%)として得た。
【0082】
<実施例91>N-(5-((4-((1-アセチルインドリン-7-イル)アミノ)-5-クロロピリミジン-2-イル)アミノ)-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミドの製造
N-(5-アミノ-2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシフェニル)アクリルアミド(TFA塩)(0.90g、3.10mmol)を、室温で、1N TFAのn-BuOH(15mL)溶液に溶解した(1-(7-((2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)アミノ)インドリン-1-イル)エタン-1-オン(1.0g、3.10mmol)の撹拌中の溶液に添加した。得られた混合物を90℃で16時間加熱した。反応混合物を冷却し、減圧下濃縮した。残渣をCH2Cl2で希釈し、飽和重炭酸ナトリウムを添加して、中和した。有機相を分離し、水相をCH2Cl2で抽出した。有機層を合併し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、減圧下濃縮した。得られた物質を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで、溶離剤として1~10%メタノールとDCMを使用して、精製した。メタノールでの磨砕によりさらに精製して、純粋実施例91(30%)を得た。
【0083】
下表Cは、本発明により製造した実施例1~101の化合物の構造式を要約する。
【表16】
【表17】
【表18】
【表19】
【表20】
【表21】
【表22】
【表23】
【表24】
【表25】
【表26】
【表27】
【表28】
【表29】
【表30】
【表31】
【表32】
【表33】
【表34】
【表35】
【表36】
【表37】
【表38】
【表39】
【表40】
【0084】
<実験例1>EGFR変異体酵素に対する本発明の式1の化合物の阻害性活性の測定
本発明の式1の化合物のEGFR変異体酵素に対する阻害性活性を確認するために、次の実験を実施した。結果を下表1に示す。
本発明の化合物のEGFR変異体酵素に対する活性を、次のとおりCisbioから購入したHTRFシステムを使用して、測定した。EGFR変異体酵素について、それぞれ、EGFR del19酵素はCarna Biosciencesから購入した組み換えタンパク質であり、EGFR A763_Y764insFHEA酵素はSignalChemから購入した組み換えタンパク質であった。
【0085】
活性測定に使用したアッセイ緩衝液の組成は、50mM tris-HCl pH7.5、100mM NaCl、7.5mM MgCl2、3mM KCl、0.01%tween 20、0.1%BSAおよび1mM DTTであった。酵素反応を、50mM濃度のATPおよび0.5mM濃度のビオチンで標識したペプチド基質を使用して実施した。化合物のEGFR活性に対する阻害効果の分析を、次の方法により実施した。
成分1:4μLのEGFR変異体酵素
成分2:2μLの化合物溶液
成分3:4μLのATPおよびビオチン標識ペプチド
【0086】
まず、成分1と成分2を混合し、次いで成分3をそれに添加することにより、酵素反応を開始する。37℃で2時間反応後、Cisbioから購入したストレプトアビジン-XL665およびユウロピウム標識抗ホスホチロシン抗体からなる10mLの測定溶液を酵素反応溶液に添加し、室温で1時間反応させた。最後に、615nmおよび665nmでの蛍光値の比をPerkin-ElmerのEnvision装置を使用して測定し、酵素活性を計算して、化合物の阻害能を確認した。7化合物濃度での測定値を、Prismプログラム(version 5.01, Graphpad Software, Inc.)を使用して分析し、化合物の阻害性活性の指標であるIC50(μM)値を計算した。
【0087】
【0088】
表1に示すとおり、本発明の実施例化合物の、EGFR変異であるEGFR del19およびEGFR A763_Y764insFHEA変異に対する阻害活性が確認された。
【0089】
<実験例2>HER2変異に対する本発明の式1の化合物の阻害性活性
HER2変異に対する本発明の式1の化合物の阻害能を測定するために、次の実験を実施した。結果を下表2に示す。
HER変異体酵素に対する本発明の化合物の活性を、次のとおりCisbioから購入したHTRFシステムを使用して、測定した。HER2変異体酵素について、HER2 A775_G776insYVMA変異体酵素を、Carna Biosciencesにより提供された組み換えタンパク質を購入して使用した。
【0090】
活性測定に使用したアッセイ緩衝液の組成は、50mM tris-HCl pH7.5、100mM NaCl、7.5mM MgCl2、3mM KCl、0.01%tween 20、0.1%BSAおよび1mM DTTであった。それに加えて、酵素反応を、50mM濃度のATPおよび0.5mM濃度のビオチンで標識したペプチド基質を使用して実施した。HER2 A775_G776insYVMA変異に対する化合物の阻害性効果活性の分析を、次の方法で実施した。
成分1:4μLのHER2 A775_G776insYVMA変異体酵素
成分2:2μLの化合物溶液
成分3:4μLのATPおよびビオチン標識ペプチド
【0091】
まず、成分1と成分2を混合し、次いで成分3をそれに添加することにより、酵素反応を開始する。37℃で2時間反応後、Cisbioから購入したストレプトアビジン-XL665およびユウロピウム標識抗ホスホチロシン抗体からなる10mLの測定溶液を酵素反応溶液に添加し、室温で1時間反応させた。最後に、615nmおよび665nmでの蛍光値の比をPerkin-ElmerのEnvision装置を使用して測定し、酵素活性を計算して、化合物の阻害能を確認した。7化合物濃度での測定値を、Prismプログラム(version 5.01, Graphpad Software, Inc.)を使用して分析し、化合物の阻害性活性の指標であるIC50(μM)値を計算した。
【0092】
【0093】
表2に示すとおり、本発明の実施例化合物の、HER2 A775_G776insYVMA変異に対する阻害活性が確認された。
【0094】
<実験例3>本発明の式1の化合物によるEGFR変異を有するBa/F3細胞の増殖阻害。
Ba/F3 EGFR変異体細胞の増殖に対する本発明の式1の化合物の阻害能を確認するために、次の実験を実施した。結果を下表3に示す。
Ba/F3 EGFR V769_D770insASVおよびBa/F3 EGFR d770_N771insSVD変異体細胞株に対する本発明の化合物の活性を、次のとおりPromegaから購入したCellTiter-Gloシステムを使用して、測定した。CellTiter-Gloアッセイは、細胞に存在するATPのモニタリングにより細胞生存能を測定する方法である。Ba/F3 EGFR V769_D770insASVおよびBa/F3 EGFR d770_N771insSVD変異体細胞株を、Crown Biosciencesから購入した。Ba/F3 EGFR V769_D770insASVおよびBa/F3 EGFR d770_N771insSVD変異体細胞株を、1μg/mLのピューロマイシンと共に10%FBSおよび1%ペニシリン-ストレプトマイシンを含むRPMIで、5%CO2インキュベーターで37℃で培養した。
【0095】
化合物がEGFR変異体細胞の増殖を阻害する能力の分析は、次の方法により実施した。1,000細胞/100μLを96ウェル細胞培養プレートに播種し、24時間後、式1の化合物を0μM、0.01μM、0.03μM、0.1μM、0.3μM、1μM、3μMおよび10μMで処理した。72時間インキュベーション後、化合物で処理したプレートを室温で30分間静置し、100μLの試薬をさらにそれに添加し、次いで室温で10分間振盪した。最後に、装置を使用して、70nmの蛍光値の比率を測定して、化合物の細胞増殖阻害能を確認した。8化合物濃度で測定した値を、Prismプログラム(version 5.01, Graphpad Software, Inc.)を使用して分析し、化合物の阻害能の指標であるIC50(μM)値を計算した。
【0096】
【表45】
* A<10、10<B<30、30<C<50、50<D<100、100<E
【0097】
表3に示すとおり、本発明の実施例化合物が、Ba/F3 EGFR V769_D770insASVおよびBa/F3 EGFR d770_N771insSVD変異体細胞の増殖を阻害することが確認された。
【0098】
<実験例4>本発明の式1の化合物によるHER2変異を有するBa/F3細胞の増殖阻害。
Ba/F3細胞株におけるHER2変異体細胞の増殖に対する本発明の式1の化合物の阻害能を確認するため、次の実験を実施した。結果を下表4に示す。
Ba/F3 HER2 A775_G776insYVMAおよびBa/F3 HER2 G776delinsVC変異体細胞株に対する本発明の化合物の活性を、次のとおりPromegaから購入したCellTiter-Gloシステムを使用して、測定した。CellTiter-Gloアッセイは、細胞に存在するATPのモニタリングにより細胞生存能を測定する方法である。Ba/F3 HER2 A775_G776insYVMAおよびBa/F3 HER2 G776delinsVC変異体細胞株を、Crown Biosciencesから購入した。Ba/F3 HER2 A775_G776insYVMAおよびBa/F3 HER2 G776delinsVC変異体細胞株を、1μg/mLのピューロマイシンと共に10%FBSおよび1%ペニシリン-ストレプトマイシンを含むRPMIで、CO2インキュベーターで37℃で培養した。
【0099】
化合物がHER2変異体細胞の増殖を阻害する能力の分析は、次の方法により実施した。1,000細胞/100μLを96ウェル細胞培養プレートに播種し、24時間後、式1の化合物を0μM、0.01μM、0.03μM、0.1μM、0.3μM、1μM、3μMおよび10μMで処理した。72時間反応後、化合物で処理したプレートを室温で30分間静置し、100μLの試薬をそれに添加し、次いで室温で10分間振盪した。最後に、装置を使用して、70nmの蛍光値の比率を測定して、化合物の細胞増殖阻害能を確認した。8化合物濃度で測定した値を、Prismプログラム(version 5.01, Graphpad Software, Inc.)を使用して分析し、化合物の阻害能の指標であるIC50(μM)値を計算した。
【0100】
【表46】
* A<10、10<B<30、30<C<50、50<D<100、100<E
【0101】
表4に示すとおり、本発明の実施例化合物が、Ba/F3 HER2 A775_G776insYVMAおよびBa/F3 HER2 G776delinsVC変異体細胞の増殖を阻害することが確認された。
【0102】
したがって、本発明の式1の化合物がEGFR変異体酵素に対する高阻害性活性を有するだけでなく、EGFR変異を有する細胞に対する高増殖阻害能を有し、この結果から、EGFR del19、EGFR A763_Y764insFHEA、Ba/F3 EGFR V769_D770insASVおよびBa/F3 EGFR d770_N771insSVDなどのEGFR変異を有する癌の処置選択肢であり得ることを確認することができた。
【0103】
さらに、本発明の式1の化合物がHER変異酵素に対する高阻害性活性を有するだけでなく、HER2変異を有する細胞に対する高増殖阻害能を有し、この結果から、HER2 A775_G776insYVMA、Ba/F3 HER2 A775_G776insYVMAおよびBa/F3 HER2 G776delinsVCなどのHER2変異が発現される癌の処置に有効に使用され得ることを確認することができた。
【0104】
上記結果から、本発明のピリミジン誘導体化合物が有効にEGFRおよびHER2変異を阻害でき、故に、癌の阻止または処置のための医薬組成物として有効に使用され得ることを理解することができる。
【国際調査報告】