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特表2024-530066高周波システムにおけるデジタル信号処理を改善するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-15
(54)【発明の名称】高周波システムにおけるデジタル信号処理を改善するための方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 19/25 20060101AFI20240807BHJP
   G06N 3/06 20060101ALI20240807BHJP
【FI】
G01R19/25
G06N3/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579754
(86)(22)【出願日】2022-06-24
(85)【翻訳文提出日】2024-02-19
(86)【国際出願番号】 EP2022067360
(87)【国際公開番号】W WO2023274878
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】21183476.7
(32)【優先日】2021-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.MATLAB
2.SIMULINK
3.PYTHON
(71)【出願人】
【識別番号】509337160
【氏名又は名称】コメット アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】シュベルグ,ニコライ
(72)【発明者】
【氏名】シュリーフ,ローランド
(72)【発明者】
【氏名】グリデ,アンドレ
(72)【発明者】
【氏名】グリューナー,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ラバンク,アントン
(72)【発明者】
【氏名】フィンク,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ヴォア デム ブローク,マニエル
【テーマコード(参考)】
2G035
【Fターム(参考)】
2G035AA13
2G035AD20
2G035AD28
2G035AD51
2G035AD55
2G035AD65
(57)【要約】
本発明は高周波システム(1)、特に、高周波電力供給システム(1)におけるデジタル信号処理を改善するための方法であって、好ましくは高周波システム(1)の高周波信号に関連する少なくとも1つの入力信号(210)を提供すること(101)と、処理プロシージャ(102)を実行すること(310)であって、前記少なくとも1つの入力信号(210)は、処理の少なくとも1つの構成可能なパラメータを使用してプログラマブル回路(10)によって反復処理され、少なくとも1つのパラメータの構成は、前記少なくとも1つの入力信号(210)の処理ごとに変更されて、それぞれの処理結果(220)を取得することと、処理結果(220)に基づいて、構成の最適化のための少なくとも1つのパラメータ結果(240)を決定すること(103)と、改善されたデジタル信号処理のための少なくとも1つの決定されたパラメータ結果を提供すること(104)と、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高周波システム(1)、特に高周波電力供給システム(1)におけるデジタル信号処理を改善するための方法であって、
好ましくは高周波システム(1)の高周波信号に関連する少なくとも1つの入力信号(210)を提供すること(101)と、
処理プロシージャ(102)を実行すること(310)であって、前記少なくとも1つの入力信号(210)は、処理の少なくとも1つの構成可能なパラメータを使用してプログラマブル回路(10)によって反復処理され、少なくとも1つのパラメータの構成は、前記少なくとも1つの入力信号(210)の処理ごとに変更されて、それぞれの処理結果(220)を取得することと、
前記処理結果(220)に基づいて、前記構成の最適化のための少なくとも1つのパラメータ結果(240)を決定すること(103)と、
改善されたデジタル信号処理のための少なくとも1つの決定されたパラメータ結果を提供すること(104)と、を含む、方法。
【請求項2】
前記プログラマブル回路(10)は、プログラマブル集積回路(10)、好ましくはデジタル信号プロセッサ(DSP)、複合プログラマブルロジックデバイス(CPLD)、またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)として構成されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1つの決定されたパラメータ結果を用いて同じ又は別のプログラマブル回路(10)をパラメータ化すること(105)と、
前記高周波システム(1)の高周波信号を感知すること(106)と、
パラメータ化された回路(10)による感知された高周波信号の処理を少なくとも部分的に用いてデジタル信号処理を実行すること(107)と、
感知(106)及びデジタル信号処理を繰り返し実行すること(102)によって高周波信号をモニタリングすることと、をさらに含み、
前記処理プロシージャ(310)は、入力信号(210)を既存のトレーニング入力信号(210)として使用する処理のトレーニングモードにおいてプログラマブル回路(10)のパラメータ化(105)を実行するためのトレーニングプロシージャとして使用され、一方、モニタリングは、高周波信号がリアルタイム入力信号(230)として感知及び処理される処理のリアルタイムモードで実行されることと特徴とする、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
前記処理プロシージャ(310)において処理される前記少なくとも1つの入力信号(210)は、少なくとも1つのトレーニング入力信号(210)として構成され、前記方法は、さらに、
予め決定されたパラメータ結果を使用して少なくとも1つのパラメータを構成することによって、プログラマブル回路(10)のパラメータ化(105)を確定することであって、その構成はその後に固定されることと、
トレーニングモードからリアルタイムモードへ処理を切り替えることであって、リアルタイムモードではリアルタイム入力信号が特にリアルタイム入力信号のフィルタリングのために、固定された構成を使用してリアルタイムでプログラマブル回路(10)によって処理され、好ましくは前記リアルタイム入力信号が、少なくとも1つのセンサ(20)によって感知された高周波信号を少なくとも1つのリアルタイム入力信号に変換する少なくとも1つのアナログ-デジタル変換器(30)から受信された実際に測定された信号として構成されることと、
リアルタイムモードからトレーニングモードへ処理を切り替えることであって、トレーニングモードでは少なくとも1つの追加のトレーニング入力信号(210)をトレーニング入力信号(210)として再度使用して前記処理プロシージャ(310)を実行して少なくとも1つのパラメータ結果を新たに決定することによって、既存の以前に固定された構成がさらに最適化され、新たに決定されたパラメータ結果と以前に決定されたパラメータ結果との比較に応じて、プログラマブル回路(10)の再パラメータ化は新たに決定されたパラメータ結果を使用して少なくとも1つのパラメータを構成することによって実行されることと、を含む、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの入力信号(210)の反復処理は、反復処理ステップによって実行され、各ステップについて、少なくとも1つの入力信号(210)は前記少なくとも1つのパラメータの変更された構成を使用しながら、同じプログラマブル回路(10)によって処理され、その結果、それぞれの処理結果(220)は前記変更された構成に固有であり、及び/又は割り当てられ、
少なくとも1つの入力信号(210)は、1つまたは複数の所定の参照入力信号(210)として提供され、そのそれぞれについて、対応する入力信号(210)の処理の所望の結果を表す参照結果が提供され、処理結果(220)に基づいて構成の最適化のための少なくとも1つのパラメータ結果を決定すること(103)は、
少なくとも1つの参照入力信号(210)について得られた処理結果(220)の各々を対応する参照結果と比較することによって、変化した構成を評価することであって、前記評価は、処理結果(220)と参照結果とのマッチングに依存することを含む、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記処理結果(220)に基づいて前記構成を最適化するための前記少なくとも1つのパラメータ結果を決定すること(103)は、
最も高い評価を有する少なくとも1つの構成を、少なくとも1つの決定されたパラメータ結果として選択することを含み、
さらに、改善されたデジタル信号処理のための少なくとも1つの決定されたパラメータを提供すること(104)は、
少なくとも1つの選択された構成を使用して同じまたは別のプログラマブル回路(10)をパラメータ化すること(105)であって、好ましくは前記少なくとも1つの所定の参照入力信号(210)および対応する参照結果が、デジタル信号処理の異なるアプリケーションに対する複数の所定の参照入力信号(210)および対応する参照結果を含み、その結果、処理結果(220)に基づいて構成を最適化するための前記少なくとも1つのパラメータ結果を決定することはアプリケーションごとに別々に実行され、少なくとも1つの決定されたパラメータ結果を提供すること(104)は、選択された構成をメモリ(70)に記憶することを含み、同じまたは別のプログラマブル回路(10)をパラメータ化することは、アプリケーションに応じて、記憶された構成から使用する構成を選択することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの入力信号(210)は、多数の既存の入力信号(210)として構成され、前記処理プロシージャ(310)は反復処理ステップを含み、それぞれの処理ステップは、
同じ入力信号(210)を次々に処理することと、
制御回路(80)によって、前記処理ステップにおいて使用される少なくとも1つのパラメータの構成を設定することと、を含み、
前記方法は、さらに、
それぞれの処理ステップの後に、制御回路(80)による処理結果(220)の所定の参照結果からの偏差を評価することと、
各評価の後に、前記評価に基づいて、次の処理ステップのために使用される少なくとも1つのパラメータの構成を修正するステップであって、制御回路(80)は、プログラマブル回路(10)に電気的に接続され、プログラマブル回路(10)とは別個に構成され、使用される少なくとも1つのパラメータの構成は改善されたデジタル信号処理のための構成を反復的に最適化するために、様々な処理ステップに対して変化することと、を含むことを特徴とする、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記処理プロシージャ(310)は、前記高周波システム(1)のアプリケーションにおける異なる特定の状況のための反復方式で前記構成を最適化するためのトレーニングプロシージャとして構成され、その結果、前記異なる状況について決定された前記パラメータ結果はこれらの異なる状況のための異なる最適化されたパラメータセットとして構成されることを特徴とする、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの入力信号(210)が時間信号経路、好ましくは瞬間値および履歴値、特に高周波信号の測定値を含み、前記処理結果は前記信号経路の処理によって得られ、前記信号経路における特定のパターンの検出の可能性を示すことを特徴とする、先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つの入力信号(210)の前記プログラマブル回路(10)へのアップロードを実行するために電子インターフェースが提供され、前記少なくとも1つの入力信号(210)が、アップロード後にメモリ(70)に記憶される複数の入力信号(210)として構成されることを特徴とする、先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つの入力信号(210)は少なくとも1000または少なくとも100万の異なる入力信号(210)として構成され、前記入力信号の各々は前記高周波信号に関連する少なくとも1つの波形を表し、前記処理は前記パラメータ構成に応じて前記波形を評価することを目的とし、それによって、前記それぞれの処理結果(220)は前記評価の結果を含むことを特徴とする、先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
前記プログラマブル回路(10)はアルゴリズムを用いて前記入力信号(210)を振幅および位相に分解するためのロジック要素を備え、前記アルゴリズムは前記変更された構成によってパラメータ化されることを特徴とする、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記変更された構成の評価は、前記変更された構成に関連する前記処理結果(220)の各々を所定の参照結果と比較することによって実行され、前記所定の参照結果は前記プログラマブル回路(10)によって実行されるアルゴリズムの所定の理想的な結果を含むことを特徴とする、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
電子インターフェース(90)を介して、特にプログラマブル回路(10)または制御部(80)またはメモリ(70)に既存の構成をアップロードすることと、
前記既存の構成を使用して前記プログラマブル回路(10)をパラメータ化すること(105)と、を含むことを特徴とする、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記アップロードされた既存の構成が同じメモリ(80)に、及び/又は異なるメモリに記憶され、及び/又は前記アップロードされた既存の構成が、請求項1~13のいずれか一項に記載の構成のいずれかを上書きすることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
システム、特に高周波システム、好ましくは高周波電力供給システム(1)または高周波発生器または高周波プラズマシステムのためのRF測定システムであって、
高周波システム(1)の高周波信号を感知するための少なくとも1つのセンサ(20)、特に方向性結合器または電流-電圧センサまたはプラズマセンサと、
少なくとも1つの感知された高周波信号を少なくとも1つの入力信号(210、230)に変換するための少なくとも1つのアナログ-デジタル変換器(30)と、
前記少なくとも1つの入力信号(210、230)のデジタル信号処理のための回路(10)と、を含み、
前記回路(10)は、先行する請求項のいずれかに記載の方法に従って決定された少なくとも1つのパラメータ結果によってパラメータ化されることを特徴とする、システム。
【請求項17】
前記システムは、既存の構成を前記プログラマブル回路(10)または制御部(80)または前記回路(10)をパラメータ化するためのメモリ(70)にアップロードするための電子インターフェース(90)をさらに備えることを特徴とする、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
電子インターフェース(90)は、直接データ転送を用いてアップロードを行うための制御部(80)またはメモリ(70)またはプログラマブル回路(10)と電子的に接続されていることを特徴とする請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
先行する請求項のいずれかに記載の方法に従って決定された少なくとも1つのパラメータ結果(240)を搬送するデータキャリア信号(240)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波システムにおけるデジタル信号処理を改善するための方法に関する。さらに、本発明は、システムならびにデータキャリア信号に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル信号処理、略して「DSP」は、システムの特有の状態のフィルタリング及び/又は検出のような様々な用途のための高周波システムにおいて使用することができる。処理および性能を向上させるために、DSPは少なくとも部分的には例えば、集積回路、略して「IC」によって、ハードウェアで実行することができる。しかしながら、集積回路のパラメータ化は時間がかかり、技術的に複雑であることが判明する場合がある。前述のパラメータ化プロセスの複雑さは、多くの望ましくない方法でデジタル信号処理に影響を及ぼす可能性がある。その一つが、集積回路における部分的なDSPの効率の低下である。
【0003】
プラズマ電力供給システムでは、高周波の短いRF信号を測定することができる。一般的なRF測定は、順方向電力および逆方向電力、ならびにプラズマ電力供給システム内の様々な点におけるRF電流および電圧を含む。測定された信号は一般に、周波数、振幅、雑音、またはスプリアス成分およびパルス長において変化し得る。周波数などの一部の変動は電力供給システムの良好な制御下にあり得るが、他の変動は特に、RF電力をプラズマ処理チャンバに供給するとき、制御されない場合がある。変動により、測定されたRF信号に様々な種類の干渉が発生する可能性がある。例えば、干渉の一形態としての高調波は、プラズマ自体の非線形性によって生成され得る。別の形態の干渉は、RF信号の生成のために使用される異なる周波数によって生じる可能性がある。高度なプラズマシステムでは、異なる周波数を有する複数のRF発生器がプラズマ励起のために使用される場合がある。しかしながら、意図された周波数の組の所望の生成に加えて、基本周波数とそれらの高調波との加算または減算の組合せのような混合生成物も生成される場合がある。
【0004】
測定されたRF信号で見つかった多くの干渉は、測定されたRF信号をデジタル化する前に適切なフィルタを使用することによって抑制または少なくとも低減することができる。それにもかかわらず、ベース周波数に近い望ましくない側波帯が発生する可能性があり、DSPによる更なるフィルタリングを必要とする場合や、フィルタリングに更なる要件が課される場合がある。実際の入力信号は、信号源、伝送路、または測定装置によって引き起こされる、避けられない歪みまたは他のアーチファクトを必ず含むので、決して理想的ではない。フィルタまたはフィルタパラメータの最適化は、ネットワークを安定して調整するための歪みのない、理想的な入力信号を再構成するために重要である。しかしながら、各フィルタは、有利な特性と不利な特性を有する。例えば、フィルタリングによる信号遅延が大きくなりすぎると、制御は、意図された電力レベルからの逸脱に対してタイムリーに応答することができなくなる。したがって、これらの特性のバランスをとり、最適な性能を実現するために、フィルタタイプだけでなく、そのパラメータ構成も注意深く選択する必要がある。
【0005】
一般に、干渉の低減が不十分であると、RF発生器の出力電力の測定に変動が生じる可能性がある。これらの変動は、「測定アーチファクト」として理解することができる。測定は出力電力レベルの制御のような様々な用途に使用され得るので、これらの用途は欠陥のある測定信号に依存する可能性がある。制御の例に関して、出力電力レベルが正確な測定ではなく誤って測定アーチファクトに従う可能性がある。
【0006】
US20060262889A1は、制御装置からの駆動信号によって駆動されるときに信号を生成することができる電源を開示している。高周波では、同期アンダーサンプリングまたは同期オーバーサンプリングのいずれかが当てはまり得る。
【0007】
DE102015212242A1/US20180122625A1では、干渉を除去するためにサンプリング周波数が変更されている。
【0008】
両方の刊行物は、機械学習、特に機械学習プロシージャによるフィルタパラメータの最適化ではなく、サンプリング周波数の適応を含む干渉周波数を補正するための特定の方法を記載している。
【0009】
さらに、従来技術から、プラズマ処理中の特定の状況を検出するためのインテリジェントシステムが存在することが知られている。しかしながら、検出には多くの場合、現象の完了前に修正措置を開始するための信頼性及び処理スピードを欠いている。
【0010】
プラズマ処理における特定の状況の検出のための専用溶液の使用は、先行技術、例えばUS8989888B2において報告されている。
【0011】
従来技術、例えば、WO2007095574A1又はDE102011103861A1から、プログラマブル回路、特に、シミュレーションを加速するためのフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)の一般的な使用が公知である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、本発明の目的は、上述の欠点を少なくとも部分的に克服することである。特に、RFシステムにおけるデジタル信号処理を改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述の目的は、請求項1の特徴を有する方法、請求項16の特徴を有するシステム、及び請求項19の特徴を有するデータキャリア信号によって解決される。本発明の更なる特徴及び詳細は、それぞれの従属請求項、明細書及び図面に開示されている。本発明による方法に関連して説明される特徴および詳細は本発明によるシステムならびに本発明によるデータキャリア信号にも当てはまり、それぞれの場合においてその逆も同様であり、その結果、本発明の個々の態様に関する開示に関しては、常に相互に参照することができる。
【0014】
従来技術における先行技術の刊行物とは対照的に、本発明の方法、システムおよび搬送信号は、特に高周波システムにおいて、デジタル信号処理を最適化することができる。この目的のために、処理プロシージャが、特に本発明のシステムのトレーニングのために使用できることが、特に本発明の思想である。トレーニングはプログラマブル回路及び/又はアルゴリズムの最適化されたパラメータ化が決定されるように、トレーニングモードで基準データを用いて実行されてもよく、次いで、本発明のシステムは、最適化されたパラメータ化がリアルタイムで関連する入力信号の処理のために使用されるアプリケーションモードに切り替えられてもよい。このプログラマブル回路は、アルゴリズムを実行することによって入力信号を処理するためのFPGAのようなプログラマブル信号処理回路であってもよい。
【0015】
従来技術に対する本発明の方法、システム、および搬送信号のさらなる利点は、同じシステム上でトレーニングおよびリアルタイム動作モードを実行することによっても達成され得る。さらに、トレーニングデータの新しいセットを用いたさらなるトレーニング、すなわち、新しい状況の機械学習を、後の時点で有利に実行することができ、既存のパラメータ化をさらに最適化することができる(以下、これは、特に、「リアルタイムモードからトレーニングモードへの処理の切り替え」と呼ばれる)。加えて、最適化されたパラメータ化の、同じ種類の他のシステムへの転送は例えば、ユーザインターフェースを使用することによって可能である。
【0016】
有利なことに、トレーニングモードおよびアプリケーションモードの両方のための同じハードウェアコンポーネント(FGPA、制御、メモリ)を使用することにより、システム間のパラメータの転送が容易になり、未だ知られていない新しい状況に合わせてプラズマ処理システムを将来アップグレードできるようになる。トレーニングは、例えば、現場で使用されているシステム上に記録され既存の入力信号を使用して、テストベンチシステムまたはラボラトリプラズマ処理システム上で行うことができる。これらの信号の変動性は、スケーリング、フィルタリング、重ね合わせなどによって数値的に増加させることができる。そして、最適化されたパラメータは、現場でトレーニングシステムからプラズマ処理システムに容易に転送することができる。
【0017】
さらに、メモリからの既存の入力信号を使用することによって、様々な状況におけるRFシステムの機能性を、例えばRFシステムのファクトリー・アクセプタンス・テストにおいてテストすることができる。この場合、入力信号がADCデータの代わりに、またはADCデータと組み合わされて、メモリの手段によって供給され、システム挙動、例えば、調節ループの性能、高周波信号のフィルタリング、パターン認識、ならびに任意の応答動作、例えば、警報またはインターロックが完全に動作可能なシステムで検証され得る。
【0018】
本目的は特に、好ましくは高周波システム、特に高周波電力供給システムにおいて、デジタル信号処理を改善するための方法によって解決され(特に、次々に、または任意の順序で実行される):
好ましくは高周波システムの高周波信号に、及び/又はプラズマチャンバからの信号に、及び/又は高周波システムにおいて測定された光信号に、及び/又は外部源の信号に関連する少なくとも1つの入力信号を提供すること、
処理プロシージャを実行することであって、前記少なくとも1つの入力信号は前記処理の少なくとも1つの構成可能なパラメータを使用して、回路、好ましくはプログラマブル回路によって繰り返し処理され、前記少なくとも1つのパラメータの構成は前記少なくとも1つの入力信号の処理ごとに変更され、特に修正され、それぞれの処理結果を取得し、
処理結果に基づく構成の最適化のために、特に変更された構成の選択を含む、少なくとも1つのパラメータ結果を決定すること、
少なくとも1つの決定されたパラメータを、改善されたデジタル信号処理のために、特に、選択を使用する回路のパラメータ化のために提供することを含む。
【0019】
本発明による方法は、使用されるパラメータの構成にそれぞれ特有の複数の処理結果が利用可能となり、その結果、処理結果に基づいて様々な構成から最良の構成を選択することができるという利点を有する。言い換えれば、パラメータは、構成を変化させる(「パラメータを変化させる」とも呼ばれる)ことによって最適化することができる。したがって、パラメータ結果の選択は、処理プロシージャ内で最良の処理結果をもたらす様々な構成のうちの少なくとも1つを含むことができる。パラメータ結果を回路のパラメータ化に使用することにより、デジタル信号処理(DSP)の向上を実現することができる。
【0020】
処理工程は回線による反復処理、特にデジタル信号処理を含んでもよいが、以下により詳しく説明するように、構成の評価及び/又は変形のようなさらなるステップを含んでもよい。さらに、処理プロシージャは少なくとも部分的に、機械学習プロシージャとみなすことができる。言い換えれば、処理プロシージャは、機械学習プロシージャを含むことができる。機械学習プロシージャは、(少なくとも)決定されたパラメータ結果の評価及び/又はメモリへの保存、及び/又はパラメータ結果の決定及び/又は提供、及び/又は構成の学習及び/又は最適化、好ましくはパラメータ値及び/又はニューラルネットワークの少なくとも1つの重みを含むことができる。
【0021】
本発明の開示の文脈において、不定冠詞または数値表示、例えば、「1つ」、「2つ」などは、特に明記しない限り、「少なくとも」表示として理解されるべきである。「少なくとも」または類似の明示的表示からでさえ、例えば、「正確に1つ」という意味での制限はこの明示的表示なしに、冠詞または数値表示の別の単純な使用によって暗示されるべきであると結論付けられてはならない。さらに、プロセスパラメータ及び/又はデバイスパラメータの数値表示ならびに表示は技術的な意味で、すなわち、通常の公差を有するものとして理解されるべきである。
【0022】
「最良の処理結果」という用語の使用は:
デジタル信号処理の最適条件、例えば、不要電波の極大抑圧、
RF電力供給システムに関連する測定パラメータの最適結果、例えば、変動が最も小さいRF電力出力、
測定された信号のうちの1つにおける特定のパターンの最適な検出、
プラズマ処理に関連する測定パラメータ、例えば、DC自己バイアスまたはイオン濃度の最適結果、および
プラズマ処理チャンバ内で処理される品目の特性、例えば、成膜層の厚さに関連する測定パラメータの最適結果を指す。
【0023】
処理プロシージャの実行は、少なくとも1つの入力信号を提供するためにプログラマブル回路に電気的に接続された制御回路(以下では「制御」とも呼ばれる)によって開始され、制御することができる。さらに、決定および提供は、制御回路によって実行されてもよい。
【0024】
「デジタル信号処理」という語は一般に、デジタル信号の処理を意味すると理解される。具体的には、本発明によるデジタル信号処理が少なくとも1つのセンサによって検出され、その後、リアルタイムでRFシステムのアナログ-デジタル変換器、略してADCによってデジタル信号に変換された後のRF信号の処理を含むことができる。デジタル信号とは対照的に、「処理プロシージャ」は実際にリアルタイムで感知される入力信号を使用しないトレーニングプロシージャとみなすことができる(代わりに、入力信号は事前に記録またはコンピュータによってシミュレートされる)。処理プロシージャ内およびデジタル信号処理内の処理のために使用されるアルゴリズムは、同じであってもよい。しかしながら、アルゴリズムの構成は、最初に処理プロシージャ内でトレーニングされ、その後にのみデジタル信号処理内で適用される。
【0025】
用語「RFシステム」は、少なくとも1つの電気RF信号を出力するシステムを指す。さらに、RF装置は、RF発生器を備えてもよく、またはその一部であってもよい。高周波電力供給システムという用語は、RFシステムの特定の構成であってもよく、プラズマシステム、特にプラズマ発生器システムのための電源を指す。プラズマシステムは、プラズマ処理、好ましくはプラズマエッチング又はプラズマ成膜に使用されるプラズマを生成するのに適している。当業者にはよく知られているように、プラズマ処理アプリケーションはガスを適切にイオン化し、プラズマ処理チャンバ内でプラズマを生成するために、一般的には、100W以上の(増幅された)電力信号、しばしばまた1kWを超える電力信号で電力供給される。しかしながら、これらの高電力信号を制御することに関与する制御信号ははるかに低電力の信号を含むことがあり、低電力の信号処理技術に従って処理されることがある。高電力信号の特性の感知には、様々な種類のセンサが必要であり、高電力信号の振幅のわずかな部分を含む、その信号の特徴量をピックアップすることを含む場合がある。
【0026】
「少なくとも1つの入力信号」は、好ましくは高周波システムの高周波信号に関連するデジタル信号であってもよい。特に、このことは、少なくとも1つの入力信号はRF信号に特有であり、及び/又はRF信号を感知、特に測定することによって取得され得ることを意味する。したがって、RF信号は、RFシステムのまたはRFシステム内の実際の電気出力である高周波範囲内の物理的信号であってもよい。RF範囲は、20kHz~300GHz、好ましくは300kHz~300MHz(中周波数帯域、高周波帯域および超高周波帯域)の周波数範囲とすることができる。また、入力信号はRF信号から導出され、低周波で変化し得るDC信号、例えば、パルス印加アプリケーション、例えば、プラズマチャンバ内に存在する測定されたDCバイアス電圧、測定された順方向及び/又は反射電力、反射係数、RF電圧と電流との間の位相、または外部センサからのスカラ信号であってもよい。
【0027】
特に、RF範囲は、300kHz~500kHz、または1MHz~3MHz、または10MHz~16MHz、または24MHz~30MHz、または37MHz~43MHz、または57MHz~63MHz、または77MHz~83MHz、または159~165MHzの範囲であってもよい。例えば、10MHz~16MHzのRF範囲では、高周波信号の特定の周波数は13.56MHzとすることができる。上記の周波数帯は特に、プラズマアプリケーション及び/又はRF発生器に使用される。
【0028】
この処理プロシージャにおいて、少なくとも1つの入力信号が回路によって繰り返し処理される。この回路は、少なくとも1つのパラメータの構成に応じて、少なくとも1つの入力信号を処理するためのアルゴリズムを実行するのに適している可能性がある。したがって、パラメータは、アルゴリズムのパラメータであってもよい。フィルタリングの場合、アルゴリズムはフィルタアルゴリズムとすることができ、パラメータはフィルタパラメータ及び/又はフィルタ係数とすることができる。さらに、回路は、ニューラルネットワークを適用するのに好適であり得る。この場合、パラメータは、ニューラルネットワークの少なくとも1つの重みであってもよい。回路は、少なくとも1つのパラメータの構成が変更され得るという意味で、少なくともプログラム可能であり得る。
【0029】
「反復処理」は、同じアルゴリズムを使用しながらも異なった構成を使用して、同じ少なくとも1つの入力信号を反復して処理することを意味すると理解され得る。したがって、少なくとも1つのパラメータの構成は、少なくとも1つの入力信号の処理ごとに変更され、それぞれの処理結果を得る。言い換えれば、それぞれの処理結果は、それぞれの構成で実行されたときのアルゴリズムのそれぞれの結果であってもよい。
【0030】
有利には、少なくとも1つのパラメータは、処理結果に影響を与える処理パラメータであってもよい。処理が少なくとも1つの入力信号のフィルタリングを含む場合は、少なくとも1つのパラメータが少なくとも1つのフィルタパラメータを含むことができる。例えば、少なくとも1つのパラメータは、調整可能なカットオフ周波数及び/又は閾値等を含むことができる。
【0031】
「少なくとも1つのパラメータ結果を決定すること」は、最良の処理結果をもたらす(したがって、処理結果に基づく)様々な構成のうちの少なくとも1つまたは正確に1つを選択することとして理解することができる。これは、パラメータ構成の最適化を可能にする。「改善されたデジタル信号処理のために少なくとも1つの決定されたパラメータを提供すること」は、選択された構成を使用する回路のパラメータ化として理解され得る。
【0032】
パラメータ結果は様々な構成から選択された特定の構成を含むことができ、選択は、処理結果に応じて行うことができる。例えば、処理結果の各々を評価するために使用される測定基準または参照結果のような基準を提供することができる。各処理結果は、その処理結果を得るために用いられた構成に対応する。結果として、処理結果の各々を使用して、構成、特に速度を評価することができる。したがって、最良の評価または最良の評価の処理結果に対応する正確な構成を選択することができる。すなわち、対応する処理結果と基準との差が最小となるように構成が最適化される。「構成の最適化」は「少なくとも1つのパラメータの最適化」と呼ばれることもあり、少なくとも1つの最適化されたパラメータ(すなわち、選択された構成)は、その後、高周波システムの「現場」または「リアルタイム」動作または「アプリケーションモード」のための(または別の)プログラマブル回路をパラメータ化するために使用され得る。これらの用語は、以下では同義語として使用される。
【0033】
「評価」は、処理結果と、理想的な処理結果などの基準との比較として理解され得る。処理結果および参照一致が良好であればあるほど、対応する構成の評価が良好になる。評価は、制御回路によって、またはプログラマブル回路の専用部分によって実行されてもよい。評価のために使用することができる多くの異なる最新の方法、例えば、信号評価のための統計的方法、多変量統計的技術、または経験的比較時系列分析がある。
【0034】
一実施形態では、少なくとも1つのパラメータ結果がDSPの異なるアプリケーションに対する少なくとも2つの異なるパラメータ結果を含む。代替的に、または追加的に、DSPおよび信号処理は、構成によってパラメータ化されるフィルタリングを備え得る。フィルタリングの構成の選択は、RF信号における干渉低減に著しい影響を及ぼす。しかしながら、1つの特定の構成は多周波数アプリケーションにおけるRF電力レベルのすべての組み合わせに対して機能するとは限らず、場合によってはプラズマシステムのプラズマチャンバ内で実行されるすべてのプロセスに対しても機能するとは限らない。したがって、異なるプラズマ処理条件のための最適化された構成を決定する必要があり得る。これは、異なるアプリケーションのための複数のパラメータ結果を使用することによって実現することができる。アプリケーションごとに、トレーニング処理中に異なる組の入力信号が提供され、処理プロシージャのために別々に使用することができるため、異なるパラメータ結果が得られる。
【0035】
プラズマ処理レシピのステップにおける異なるプロセス条件のシーケンスに応じて、プロセス条件が例えばリアルタイム動作中に変更されるとき、異なる構成間の高速切り替えが有利になる場合がある。したがって、異なるパラメータ結果が高速切り替えのためにメモリに保存される可能性がある。
【0036】
デジタル信号処理及び/又は処理プロシージャ内で、少なくとも1つの入力信号は例えば、トレーニング入力信号として、または基準入力信号として機能する、既にデジタル化された信号を提供することによって、予め定義されてもよい。既にデジタル化された信号は、既存の信号であってもよく、事前に記録された信号、または、例えば、シミュレートされた信号であってもよい。したがって、ADCは、必ずしも処理に必要ではない。しかしながら、リアルタイム動作では、ADCがアナログで感知されたRF信号を信号のデジタル表現(以下、リアルタイム入力信号と称する)に変換することができる。トレーニングモードでは、少なくとも1つの予め定義された入力信号が処理プロシージャのための所望の特性および特徴を用いて予め定義され、したがって、実際の高周波信号のみを「表す」ことができる。しかし、リアルタイムモードでは、プログラマブル回路が所定の入力信号の代わりに、感知された高周波信号からのリアルタイム入力信号を処理することができる。
【0037】
RFシステムは、プラズマシステムにRF電力を供給するために使用されるRF信号の検出、特に測定を実行するための少なくとも1つのセンサを備えることができる。測定は、特にRFシステム内の様々な点で、順方向および逆方向電力及び/又はRF電流及び/又はRF電圧の形態でRF信号を測定することを含むことができる。RF発生器の出力電力を調整することも意図されており、この目的のために、特に発生器の出力におけるRF波形の形態のRF信号がセンサによって測定される。方向性結合器を使用して、順方向波形および逆方向波形をセンサに提供することができる。したがって、RF信号はアナログ信号である可能性があり、その後、特定のサンプリングレートを有するADCによって変換され、デジタルリアルタイム入力信号が提供される。同様に、他のセンサ、例えば、インピーダンス整合ネットワーク内の、例えば、位相及び大きさセンサ、電圧-電流センサ、又はDCバイアスセンサや、直接的にプラズマチャンバに設けられた、例えば、ラングミュアプローブ、又は光学センサは、高周波電圧及び電流、プラズマのDC自己バイアス、又はプラズマスペクトルにおける特定のスペクトル線の強さのような様々なパラメータを測定することができる。これらの測定値は、プラズマへの電力伝達を最大にするために同調可能素子を制御するために使用されるか、またはプラズマ特性を特徴付けるために使用される。測定されたパラメータは、リアルタイム入力信号として提供されてもよく、またはトレーニング入力信号として表されてもよい。
【0038】
RF信号に存在するRF周波数に応じて、信号がデジタル化される、すなわち、ADCによって変換されるとき、エイリアシング及び/又は相互変調効果が生じる可能性がある。これらの効果は、サンプリングレートおよび周波数に応じて、高周波成分を混合すること及び/又はより低帯域に折り返すことを含むことができる。さらに、混合及び/又は低帯域への折り返しは、RF発生器のパルスモジュレーション及び/又は周波数チューニングによって変化し得る。その結果、動作周波数における供給されるRF電力の測定が影響を受ける可能性があり、この測定に依存する発電機のフィードバックレギュレーションにより、不正確な、または不安定な、あるいは変動する電力レベルが供給される可能性がある。同様に、RF発生器の不安定な出力または整合ネットワークの離調のような不適切な反応を引き起こす可能性がある。しかしながら、プログラマブル回路による処理、特に、例えば適切なローパスフィルタを介したフィルタリングを使用することによって、問題が軽減される可能性がある。例えば、フィルタリングを用いることにより、ナイキスト限界(つまり、サンプリング周波数の半分)を超える高周波成分を除去することができる。不要な加算または減算周波数相互変調積は例えば、RF信号を周波数領域に変換した後に、例えば高速フーリエ変換によって、特定の周波数または周波数領域を抑制することによって除去することができる。これにより、パラメータ結果は、少なくとも1つのパラメータのための少なくとも1つの(最適化された)構成を含むことができる。したがって、フィルタリングの場合、この構成はフィルタ構成と呼ばれることがある。
【0039】
デジタル化及び/又は混合後のフィルタの最も正確な測定結果に必要なタイプおよびレイアウト、ならびにフィルタ係数は振幅変調信号に対して、特に、マルチレベルパルスパターンの特定の時間特性、例えば、パルス立ち上がりおよび立ち下がり時間、レベル間の電力差、パルス周波数などによって、変化し得る。パルスパターンの特定のグループに対して機能するフィルタ係数の1つのセットは、著しく高速または低速のパルスパターンには適切でない場合がある。各パルスパターンに対して個別に最適化されたフィルタ構成を使用することによって、不要なエイリアシング及び/又は相互変調積を様々なパルスパターンに対して抑制することができる。周波数同調の場合、例えば、可変プラズマ負荷に適応させるため、およびプラズマシステムに供給される電力を最大化するために、可変基本周波数に依存するフィルタ係数が正確な測定値を得るため、およびRF発生器の安定した出力電力を維持するために必要とされることがある。フィルタコンポーネントおよび最適化されたパラメータをプログラマブル回路、すなわち特にプログラマブルロジックデバイス、例えばデジタル信号プロセッサ(DSP)、複合プログラマブルロジックデバイス(CPLD)、またはFPGAに実装することによって、エイリアシング及び/又は相互変調積をリアルタイムで除去または低減することができる。エイリアシング及び/又は相互変調積を除去することは、プログラマブル回路、特にFPGAの内部でのみ、ある程度まで可能である。さらに、実装されたフィルタ構成は、異なる動作条件に対して最適化された別の構成に高速に切り替えられ得る。さらに、後の時点で、改善されたフィルタ構成が開発される場合、ハードウェアを変更することなく容易に実装することができる。この文脈において、エイリアシング及び/又は相互変調効果は、サンプリング周波数を信号ベース周波数に適応させることによってアンダーサンプリング効果が回避されるように信号をサンプリングすることによってバイパスされることが既に知られている。対照的に、処理、特にフィルタリングのための特定の構成の本発明の使用はより高い周波数を除去することを可能にし、一方、ベース周波数は依然として十分に高いレートでサンプリングすることができる。さらに、プログラマブル回路への実装は例えば、特定の用途または状況に応じて、異なる構成間で高速に切り替えることを可能にする。所与のアプリケーションケースのための最適化されたパラメータセットは例えば、参照波形を含むことができる少なくとも1つのトレーニング入力信号と、それらの予想される参照結果とを用いてシステムを教示することによって取得することができる。次いで、設定可能なパラメータ、例えばフィルタパラメータは、最適値に達するまで変化させることができる。なお、ADCの前に配置されるアンチエイリアシングフィルタは、アナログ回路である。このアンチエイリアシングフィルタは制御可能なアナログコンポーネントを使用して可変にすることができるが、FPGAに実装することはできない。
【0040】
少なくとも1つの入力信号は複数の事前に定義された、または複数の既存の入力信号群(すなわち、事前に記録された、または、例えば、シミュレートされた信号群)を含んでもよい。入力信号の各々は高周波(RF)信号に関連することができ、すなわち、実際のRF信号又はシミュレートされたRF信号に固有の場合もあれば、それを表す場合もある。また、例えば、測定されたRF信号からデジタル表現を生成することによって、測定されたRF信号から簡単に導出することもできる。さらに、各入力信号は既知のパターンを含むことができ、対応する参照結果はこの既知のパターンを示すことができ、これについては、以下でより詳しく説明する。既存の入力信号は特定の特徴を含むことができ、及び/又は対応する参照結果を提供することができるので、参照群または参照信号とみなすことができる。構成の最適化、すなわち、プログラマブル回路の最適パラメータ化の学習は、参照結果を処理結果と比較することによって達成することができる。参照結果は、目標波形又は目標周波数又は所望のパターン検出結果を含むことができる。比較は、参照結果と処理結果との間の不一致の程度を示す適切な測定基準を使用することによって達成することができる。
【0041】
少なくとも1つの入力信号を、入力信号群の形態で、すなわち、(少なくとも)第1の入力信号および第2の入力信号、特に、少なくとも10または100または1000のさらなる入力信号を用いて提供した後、トレーニングプロシージャと呼ぶこともできる処理プロシージャは、以下の処理フローを備えることができる:
第1の処理ステップでは、第1の構成を用いて第1の入力信号を処理し、第1の構成を用いて第2の入力信号を処理し、また第1の構成を用いてさらなる入力信号を処理することにより、第1の構成に対する第1の処理結果を得ること、
第2の処理ステップでは、第2の構成を用いて第1の入力信号を処理し、第2の構成を用いて第2の入力信号を処理し、また第2の構成を用いてさらなる入力信号を処理することにより、第1の構成についての第2の処理結果を得ること、
さらなる処理ステップでは、さらなる構成を使用して第1の入力信号を処理し、さらなる構成を使用して第2の入力信号を処理し、またさらなる構成を使用してさらなる入力信号を処理し、それによって、さらなる構成の各々について対応する処理結果を得ること。
【0042】
このため、異なるパラメータ構成に対して処理を繰り返すことで、各処理の構成を変更することができる。トレーニングプロシージャのために、構成の変化(したがって、パラメータの変化)は確立された方法、例えば、勾配降下法または誤差逆伝播法によって行うことができる。
【0043】
プログラマブル回路がプログラマブル集積回路、好ましくはデジタル信号プロセッサ(DSP)、複合プログラマブルロジックデバイス(CPLD)、またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)として構成されている場合には、有利である。または、特定用途向け集積回路(ASIC)等の固定回路として構成してもよいし、他の集積回路としてもよい。一般に、任意のコンピュータまたはコントローラ(例えば、PC、マイクロコントローラ、DSP、CLPD、FPGAなど)を、特に機械学習プロシージャによって機械学習のために使用することができる。特に、高速リアルタイムデジタル信号に適しており、機械学習プロシージャを高速化できる。さらに、プログラマブル回路、特にFPGAの使用は、柔軟で自動化されたトレーニングを可能にする。プラズマアプリケーションのような高周波システムの多くのアプリケーションは様々な方法で発展し、FPGAソリューションは適応処理を必要とする将来のアプリケーション、例えば、まだ知られていないフィルタ設計を、同じハードウェアアーキテクチャで依然として処理できるという利点を有する。対照的に、固定回路、例えばASICは、修正されるか、又は完全に再設計される必要がある。これにより、作業量もコストも増えてしまう。本発明による方法は、好ましくはより高度なフィルタ構成を含み得るソフトウェアアップグレードを介して、簡単に新しい構成を追加することを可能にする。次いで、ユーザは、新しい用途のためにこれらの構成のうちの1つを選択することができる。
【0044】
さらに、本方法がさらに含むことは、本発明の範囲内で任意に可能である:
少なくとも1つの決定されたパラメータ結果を使用して、同じまたは別のプログラマブル回路をパラメータ化することと、
高周波システムの高周波信号を感知し、
前記パラメータ化された回路によって、少なくとも部分的に感知された前記検出された高周波信号の処理を使用して前記デジタル信号処理を実行し、
感知およびデジタル信号処理を繰り返し実行することによって高周波信号をモニタリングすること、好ましくは処理プロシージャが既存の信号をトレーニング入力信号として使用する処理のトレーニングモードにおいてプログラマブル回路のパラメータ化を実行するために使用されるトレーニングプロシージャと呼ばれることができ、及び/又は処理プロシージャがメモリから取り出され、トレーニングモードにおいて事前に決定された可能性があるパラメータ化を用いて構成されることができ、一方、特に、モニタリングはリアルタイム処理モードにおいて実行され、高周波信号がリアルタイム入力信号として感知および処理される。
【0045】
これは、実際に高周波システムを実用的にリアルタイムで使用することができ、トレーニングモードからリアルタイムモードに切り替えることができることを意味する。
【0046】
後の時点で、高周波システムは、リアルタイムモードからトレーニングモードに切り戻されてもよく、パラメータ化は追加の既存の信号、例えば、以前に記録またはシミュレートされた信号の反復処理によってさらに最適化されてもよい。
【0047】
特に、プログラマブル回路はリアルタイム処理のための最適な構成を決定するために、既存のトレーニング信号を反復処理することによって、入力信号のリアルタイム処理と、装置のトレーニングとの両方を可能にすることが、本発明の利点である。既存の信号は事前に記録された信号、または、例えば、コンピュータシミュレーションされた信号であってもよい。
【0048】
これらの2つの機能により、RFシステムは非常に汎用性が高くなり、ハードウェアおよびアルゴリズムの変更を必要とせずに、新しいプラズマ処理条件を処理するか、または新しい状況を検出するようにトレーニングできるようになり、プログラマブル回路のパラメータ化のみが変更される。測定された信号を分析し、改善された構成を決定するために外部コンピュータを使用しなければならない代わりに、実際のRFシステムをトレーニングモードに切り替えることで、そのような最適化された構成を実際のRFシステム自体で決定することができる。このようにして、RFシステムのプログラマブル回路は機械学習が可能なシステムの特性、またはオンデバイス推論フレームワークの特性を備えており、両方とも新しいアプリケーションに適応することができる。
【0049】
使用されるプログラマブル回路、特にFPGAが、標準的なコンピュータ及びMatlab/Simulinkのようなツールを使用する標準的なモデルシミュレーションと比較して、デジタル信号処理を実行する際にはるかに高速であり、例えば10,000~100,000倍高速であることは、本発明のさらなる利点といえる。
【0050】
パラメータ結果は、最適化されたパラメータセット、すなわち、処理プロシージャを使用して最適化された少なくとも1つのパラメータの各々の構成を含むことができるため、プログラマブル回路は、パラメータ結果のこのパラメータセットを使用してパラメータ化することができる。その結果、本発明による方法は、第1のステップにおいて少なくとも1つのパラメータの高度に加速された最適化を使用することによって、改善されたデジタル信号処理を達成する。リアルタイム動作の第2のステップでは、処理プロシージャおよびプログラマブル回路が使用され、これにより、デジタル信号処理のためのパラメータセットのより高速かつ賢明な選択肢が得られる。リアルタイム動作中の感知された高周波信号のデジタル信号処理のために、プログラマブル回路は、感知された高周波信号からアナログ-デジタル変換器によって変換された少なくとも1つのリアルタイム入力信号を受信することができる。
【0051】
さらに、少なくともパラメータの最適化のための回路は、高周波システムのリアルタイム動作における最終アプリケーションのための回路と同じであり得る。
【0052】
さらに、本発明の範囲内で、処理プロシージャにおいて処理される少なくとも1つの入力信号が、少なくとも1つのトレーニング入力信号として構成され、該方法はさらに以下のステップを含む:
予め決定されたパラメータ結果を使用して少なくとも1つのパラメータを構成することによって、プログラマブル回路のパラメータ化を確定し、好ましくは、その構成がその後に固定され、
処理をトレーニングモードからリアルタイムモードに切り替え、特にリアルタイムモードでは、リアルタイム入力信号が固定された構成を使用してリアルタイムでプログラマブル回路によって処理され、特にリアルタイム入力信号のフィルタリングのための処理がなされ、好ましくはリアルタイム入力信号が、少なくとも1つのセンサによって感知された高周波信号を少なくとも1つのリアルタイム入力信号に変換する少なくとも1つのアナログデジタル変換器から受信された実際に測定された信号として構成され、
処理をリアルタイムモードからトレーニングモードに切り替え、好ましくは、トレーニングモードでは、少なくとも1つの追加のトレーニング入力信号を処理済みトレーニング入力信号として使用して処理プロシージャを再度実行して、少なくとも1つのパラメータ結果を新たに決定することによって、既存の以前に固定された構成がさらに最適化され、ここで、新たに決定されたパラメータ結果と以前に決定されたパラメータ結果との比較に応じて、プログラマブル回路の再パラメータ化が新たに決定されたパラメータ結果を使用して少なくとも1つのパラメータを構成することによって実行される。
【0053】
これは、既存のパラメータセットのさらなる最適化を可能にする。ユーザはより多くの参照入力信号と、既存の構成の参照結果とをロードするために、トレーニングモードに再度切り替えるべきかどうかを決定することができる。ロードまたはアップロードは、電子インターフェースまたはユーザインターフェースを介して実行することができる。これに代えて、又はこれに加えて、追加の参照入力信号及び参照結果は、RFシステム自身によって記録され、リアルタイム動作で記憶装置に直接的にロードされて、後にトレーニングモードで使用されてもよい。その後、パラメータ構成の古いセットおよび新しいセットが評価され、その後、より良いパラメータセットがメモリに記憶される。さらに、リアルタイムモードからトレーニングモードへの切り替えは、後の時点での新しい状況のトレーニングを可能にする、つまり、トレーニングモードへ切り替え、新しい参照入力信号および参照結果をメモリにロードし、最適化されたパラメータセットを決定し、およびそれをメモリに記憶する。
【0054】
また、ユーザは新たな参照入力データを用いたトレーニングの結果が既存のパラメータ構成を最適化するために使用される場合、すなわち、既存の構成を最適化された構成で上書きするために使用される場合、または最適化されたパラメータ構成が新たなアプリケーションのために使用され、特に、新たなアプリケーションのために使用されるために、メモリ内の別個のパラメータ構成として記憶されるために使用される場合に、電子インターフェースを介してRFシステムに命令することも可能である。
【0055】
本発明の別の実施形態によれば、少なくとも1つの入力信号の反復処理は反復処理ステップによって実行され、各ステップについて、少なくとも1つの入力信号は少なくとも1つのパラメータの変更された構成を使用しながら、同じプログラマブル回路によって処理され、その結果、それぞれの処理結果は変更された構成に固有であり、及び/又は割り当てられ、特に、少なくとも1つの入力信号は、1つまたは複数の所定の参照入力信号として提供され、そのそれぞれについて、対応する入力信号の処理の所望の結果を表す参照結果が提供され、処理結果に基づいて、構成の最適化のための少なくとも1つのパラメータ結果を決定することは:
少なくとも1つの参照入力信号について得られた処理結果の各々を対応する参照結果と比較することによって、変化した構成を評価することであって、好ましくは、評価が処理結果と参照結果とのマッチングに依存し、特に、処理結果と参照結果との間の偏差を識別することを含む。言い換えれば、パラメータは、構成を変更することによって最適化することができる。同じ少なくとも1つの入力信号の反復処理が使用され、これは、異なるパラメータ値の意味で異なる構成を適用することができる。これは、おそらくわずかにだが、異なる処理結果をもたらす。処理結果の各々は、前記処理結果を得るために使用された特定の構成の性能を評価するために使用することができる。
【0056】
特に、参照群、参照入力信号及び/又は本発明に関連して言及される参照結果は、参照データとも呼ばれる。
【0057】
さらに、評価を使用することによって、パラメータ結果が、すべての参照入力信号について参照結果からの逸脱が最も少ない処理結果をもたらすパラメータセットを含むことができるという意味で、構成の最適化を提供することができる。構成の最適化は、パラメータ最適化と呼ばれることもある。したがって、処理プロシージャは、トレーニング及び/又は最適化プロシージャと呼ばれることがある。少なくとも1つの所定の参照入力信号および対応する参照結果は、トレーニングデータとして参照されてもよい。その後、決定された少なくとも1つのパラメータ結果は、第2の組の参照データ(新しい入力信号および対応する参照結果を含む)について処理および処理結果の評価を再度実行することによって検証され得る。このようにして、パラメータ構成をトレーニングデータにオーバーフィッティングする問題が回避される。
【0058】
本発明の範囲内で、処理結果に基づいて構成を最適化するための少なくとも1つのパラメータ結果を決定することは:
最も高い評価を有する少なくとも1つの構成を、少なくとも1つの決定されたパラメータ結果として選択し、
特に、改善されたデジタル信号処理のための少なくとも1つの決定されたパラメータを提供することは:
少なくとも1つの選択された構成を使用して、同じまたは別のプログラマブル回路をパラメータ化することと、
好ましくは前記少なくとも1つの所定の参照入力信号および対応する参照結果が、デジタル信号処理の異なるアプリケーションに対する複数の所定の参照入力信号および対応する参照結果を含み、その結果、処理結果に基づいて構成を最適化するための前記少なくとも1つのパラメータ結果を決定することはアプリケーションごとに別個に実行され、好ましくは少なくとも1つの決定されたパラメータ結果を提供することは選択された構成をメモリに記憶することを含み、同じまたは別のプログラマブル回路をパラメータ化することはアプリケーションに応じて、記憶された構成から使用する構成を選択することを含む。
【0059】
言い換えれば、異なるトレーニングデータセットが、異なるデジタル信号処理アプリケーションのために提供され得る。これは、異なるアプリケーションのためのパラメータセット間の切り替えを可能にする。
【0060】
さらなる可能性では少なくとも1つの入力信号が多数の既存の入力信号(「信号群」)として構成され、好ましくは処理プロシージャが反復処理ステップを含み、それぞれの処理ステップは:
同じ入力信号を次々に処理し、
制御回路により、このステップで使用される少なくとも1つのパラメータの構成を設定し、
前記方法は:
前記制御回路による所定の参照結果からの前記処理結果の偏差を前記処理ステップ毎に評価し、
各評価の後に、前記評価に基づいて、次の処理ステップのために使用される少なくとも1つのパラメータの構成を修正することを含み、
好ましくは、制御回路がプログラマブル回路に電気的に接続され、プログラマブル回路とは別個に構成され、
特に、使用される少なくとも1つのパラメータの構成は、異なる処理ステップ毎に変更され、デジタル信号処理を改善するために構成を反復的に最適化する。
【0061】
制御回路または制御部は、トレーニングデータ、例えば少なくとも1つの入力信号及び/又は多数の存在する入力信号及び/又は対応する参照結果を含むメモリへの接続を有する、プログラマブル回路とは別の追加の制御プロセッサとして構成されてもよい。既存の入力信号は事前に記録された信号、または、例えば、シミュレートされた信号とすることができる。制御回路は、プログラマブル回路上に実装することもできる。プログラマブル回路は、FPGAとすることができる。少なくとも1つの入力信号を提供すること、特に、(例えば、トレーニングされるべきアプリケーションに基づいて)処理プロシージャのためのトレーニングデータの選択、及び/又は処理プロシージャ内の構成の変更は、プログラマブル回路自身によって直接行われるのではなく、制御回路によって行われてもよい。例えば、処理の反復毎に、制御回路は、入力信号及び/又は変更された構成をプログラマブル回路に供給することができる。その後、制御回路は評価を実行することができ、したがって、評価に応じて構成の次回の変更を決定する。また、評価はトレーニングプロシージャを加速するために、プログラマブル回路によって少なくとも部分的に実施されることも可能である。
【0062】
代替的に、または追加的に、プログラマブル回路は共有メモリへの直接接続を有することができ、またはメモリの少なくとも一部は、プログラマブル回路によって実装され得る。このとき、制御回路は、メモリのどのアドレス範囲からトレーニングデータをロードするかをプログラマブル回路に指示することができる。そして、プログラマブル回路はメモリに直接アクセスし、トレーニングデータを次々にロードして処理し、処理結果を評価することができる。この方法は、メモリからの読み出しを著しく加速するという利点を有する。
【0063】
本発明の文脈において、処理プロシージャが高周波システムの適用における異なる特定の状況のための反復方式で構成を最適化するためのトレーニングプロシージャとして構成され、その結果、異なる状況について決定されたパラメータ結果がこれらの異なる状況のための異なる最適化されたパラメータセットとして構成されることがさらに提供され得る。様々な状況は、デジタル信号処理の様々な用途であり得る。異なるパラメータセットは、これらの異なる状況に適合された異なる構成を含むことができる。これにより、特定の状況に応じて、パラメータセット間を柔軟に切り替えることができる。したがって、トレーニングプロシージャにより、異なる状況のトレーニングが可能になり、異なる状況に応じて最適化されたパラメータセットが得られる。
【0064】
別の好適な実施形態では少なくとも1つの入力信号が時間信号経路、好ましくは瞬間値および履歴値、特に高周波信号またはその導出された信号の測定値を含み、処理結果は信号経路の処理によって得られ、信号経路内の特定のパターンが検出される可能性を示す。したがって、入力信号の瞬間値を考慮するだけでなく、直前の時間間隔からの一連の値を処理し、検波の確率、すなわち期待値を算出することができる。トレーニングモードでは、瞬間値および履歴値が事前に定義及び/又は事前に記録され得る。しかし、リアルタイムモードでは、リアルタイム入力信号が時間信号経路、好ましくは瞬間値および履歴値、特に高周波信号またはそれから導出された信号の測定値を含むこともできる。すなわち、リアルタイムモードでは、高周波信号の瞬間的な測定値だけでなく、直前の測定点の所定の時間間隔からの一連の値も考慮する。これは、確率的評価のような、異なるアプリケーションでの処理の使用を可能にする。
【0065】
少なくとも1つの入力信号、すなわち、トレーニング入力信号及び/又はリアルタイム入力信号は、少なくとも1つのデジタル信号として構成され得る。デジタル信号は、感知されたアナログRF信号をデジタル信号に変換するアナログ-デジタル変換器によって提供され得る。デジタル信号は感知されたRF信号のデジタル化された表現とすることができ、したがって、測定されたRF信号の瞬間的な振幅を記述するデータポイントの1次元配列として扱うことができる。経時的な連続測定の場合、最新のデータポイントが最新の測定値を表すように、アレイをさらに拡張することができる。測定の時間的測定レート、したがってアレイの拡張の時間的測定レートは、デジタル-アナログ変換器のサンプリングレートに依存する可能性がある。常に最新のデータポイントで終わる特定の長さの時間枠を選択することによって、古いデータポイントを一方の端からずらし、アレイの他方の端に新しいデータポイントを追加することによって、デジタル-アナログ変換器の測定レートまたはサンプリングレートで更新される1次元配列のシーケンスを得ることができる。
【0066】
特に、リアルタイム測定では、危機的な状況を特定し、実際に望ましくない現象に発展する前にそれらに対処する必要もある。このような方法は特に、電子機器における過電圧又は過電流状態の処理、又は、プラズマ処理中のアーク現象の処理に有効である。結果として、特定のパターンの存在に関する測定データのストリームの連続的な分析が必要になる場合がある。
【0067】
有利には、本発明による方法は、感知された高周波信号及び/又は少なくとも1つの入力信号における少なくとも1つのパターンの検出をさらに含む。特定の状況の検出の信頼性を改善するために、複数のセンサによって測定された高周波信号は、各信号において少なくとも1つのパターンが特定の時点に存在するように組み合わせて使用することができる。例えば、現象の検出に成功するには、2つの高周波信号において、特定のパターンが同じ時点で、またはその間に特定の時間遅延を伴って検出されることを必要とする場合がある。測定アーチファクトまたは干渉による偽陽性検出は、このように回避することができる。
【0068】
特に、「パラメータ化された回路によって感知された高周波信号の処理を少なくとも部分的に使用することによってデジタル信号処理を実行すること」及び/又は「少なくとも1つの入力信号が処理の少なくとも1つの構成可能なパラメータを使用してプログラマブル回路によって繰り返し処理される処理プロシージャを実行すること」は、それぞれ、感知された高周波信号及び/又は少なくとも1つの入力信号における少なくとも1つのパターンの検出を含む。感知された高周波信号は、リアルタイム入力信号として、したがって、上記のようなデジタル信号表現として構成され得る。したがって、少なくとも1つの入力信号は、処理プロシージャ内でも使用され、トレーニング入力信号として、したがって、上述のようにデジタル信号表現としても構成され得る。両方の場合において、処理は、好ましくはパターン認識の形態で、少なくとも1つのパターンの検出を提供するように設計されてもよい。したがって、この構成はパターン検出のための構成、特に、パターンマッチングアルゴリズムまたはパターン認識アルゴリズムの構成、及び/又はニューラルネットワークの個々のニューロンの重みであり得る。パターンマッチングアルゴリズムまたはパターン認識アルゴリズムには、ニューラルネットワークよりも技術的に複雑でないという利点がある。しかしながら、ニューラルネットワークは、複数の状況において、単純なパターンマッチングよりも、ノイズの多いまたは変動する信号においてより確実にパターンを検出することができる。両方の組み合わせも可能である。したがって、構成可能なパラメータは、ニューラルネットワークのアルゴリズムまたはニューロンのパラメータとして構成することができる。処理プロシージャはまた、機械学習及び/又はニューラルネットワークのトレーニングのための機械学習プロシージャとして構成されてもよく、またはそれを備えてもよく、またはその一部であってもよく、デジタル信号処理は、トレーニングされたニューラルネットワークのアプリケーションに関連してもよい。構成の最適化のための少なくとも1つのパラメータ結果は、ニューロンの重みのセットの形態のトレーニング結果としてさらに構成され得る。現象の発生が、少なくとも1つのパターンの検出に基づいて検出及び/又は予測されることが提供されてもよい。
【0069】
さらに、検出または予測に基づいてアクションが開始されることが提供され得る。特に、パターン検出の結果は、パターンの発生確率である。加えて、または代替的に、検出に基づく検出及び/又は予測は、現象の発生確率の決定を含む。アクションの開始は、この確率と閾値との比較に依存し得る。これは、特に、現象の終了前に動作を開始することを可能にする。アクションは現象の発生を打ち消すための修正アクション、例えば、RFシステムのシャットダウンであってもよい。
【0070】
より進んだ実施形態では、現象の確率的検出または予測が複数の条件に基づくことができる。これは、一定期間にわたる現象の発生の可能性の推移をモニタリングすることによって実施することができる。単に瞬間的な確率値をしきい値と比較することによって現象を検出するのではなく、より信頼性の高い検出のための追加条件として、例えば次のようなものがある:
指定された期間、指定された閾値を一貫して上回る確率値;
指定された期間、指定された閾値を超える平均確率値;
確率値が指定された閾値を超えた後に確率値を増加させること;
閾値を超える指定された期間内の確率値の微分;
複数のモニタリング信号について決定された確率値の相関;
上記およびさらなる条件の1つまたは複数の任意の組み合わせ。
【0071】
より複雑な条件の助けを借りて、現象の検出は、より信頼性が高く、確率の瞬間的な変動への依存を少なくすることができる。有利には、確率値のモニタリング期間は、動作を開始することによって、その終了前に現象が依然として抑制されるように、十分に短く選択することができる。したがって、システムのトレーニングは、できるだけ早期の現象の検出及び/又はできるだけ正確な現象の分類に関するパラメータ化を含むことができる。次いで、この結果は、パラメータ化においてより高い重み付けを受けることができる。
【0072】
少なくとも1つのデジタル信号において、特に上述のようなラインアレイの形態において、特定のパターンを検出することができるようにしてもよい。好ましくは、パターンの検出は、トレーニング入力信号をデジタル信号として使用してトレーニングされ、及び/又はリアルタイム入力信号をデジタル信号として使用してリアルタイムで実行される。これにより、パターンの検出に基づいて、RFシステムの動作中に現象を特定することができる。本現象は、RFシステム又はプラズマ処理システムにおいて発生し、RFシステムのシャットダウンなどの動作を必要とするトラブルに関連している可能性がある。さらに、本現象は、RFシステムまたはプラズマ処理システムの特定のコンポーネントの劣化を示す場合もある。本現象は例えば、電子またはユーザインターフェースを介して提供することができる特定のアナログ信号またはデジタル信号を介してユーザに通知することによって、ユーザは追加の修正措置で状況に対応したり、後の時点で修理及び/又は予防メンテナンスをスケジュールしたりすることができる。
【0073】
特定のパターンは、上述のような干渉及び/又は不規則性及び/又は特性変化を含んでもよい。これらのパターンは、プラズマ処理、プラズマ処理システム、またはRF電力供給システムにおける特定の現象に関連している可能性がある。RF信号が連続的な測定によって繰り返し検出される場合、デジタル信号は連続的に検出された信号を表す。デジタル信号、特に結果として得られる1次元配列のシーケンスを連続的に処理することによって、特定のパターンの経時的変化をモニタリングすることができる。
【0074】
さらに、人工ニューラルネットワークを使用することによって、完全に進化した特定のパターンの検出は個々のニューロンの重みを最適化することによって学習することができ、最適化された重みのセットを用いて、ネットワークは、特定のパターンの発生をリアルタイムで認識することができる。現象が完全に終了する前に現象を検出するために、リアルタイム入力信号またはデータストリーム内の特定のパターンの確率を生成する、ニューラルネットワークの適切な出力関数を選択することができる。
【0075】
参照パターンと実際に測定された信号データのストリームとの間の相互相関を計算することによって同じ結果が得られる。参照パターンは、信号波形に対して時間的に連続的にシフトされる。
【0076】
現象が完全に展開していれば、パターンは1に近い確率で認識される。しかしながら、その時点の前に、計算された確率は、0から1に向かって徐々に増加している。確率が特定のユーザ調整可能な閾値、または上述のような複数の条件の組合せを超えるとすぐに、実際の終了前に現象を報告することができる。このようにして、望ましくない、またはさらには悲惨な現象と相関する測定データのストリームの不規則性に、現象の発生前にフラグを立てることができる。この場合、現象の完全な展開を回避し深刻な結果を低減及び/又は抑制するために、対策を開始することができる。上記のような確率閾値およびさらなる条件は、現象の種類ごとに個別に設定することができる。例えば、壊滅的な現象は低い閾値で処理することができ、一方、小さな不規則性は、より高い閾値で処理することができる。深刻な不規則性に対してより低い閾値を使用することの利点は、現象が完全に展開する前に修正処置を実行するための時間が長くなる点である。一方、閾値を高くすると、より高い精度で現象を分類することができる。
【0077】
例えば、プラズマ処理システムにおける半導体ウェハの表面上のアーク放電は、ウェハ上の1つ以上のチップの深刻な欠陥及び損失を引き起こす可能性がある。アークが十分に強い場合、プラズマ処理シーケンスは強く乱され、その結果、ウェハ全体が廃棄される可能性がある。したがって、このような壊滅的なアーク現象では、低確率閾値が有益であり、その結果、現象を早期に抑制することができる。別の例では、重大度の低い現象に対しては高確率閾値の方が適切である可能性がある。成膜処理に使用されるプラズマ処理チャンバでは、半導体ウェハだけでなく、プラズマチャンバの一部も、成膜層でコーティングされる。多くのウェハを処理した後、これらのチャンバ部品は、粒子が落ちる可能性がある成膜材料のますます厚くなる層で覆われる。プラズマ処理中、このような粒子は、プラズマの不規則性を引き起こす可能性があるが、ある程度まで許容することができる。それにもかかわらず、粒子関連現象の数が閾値を超えた場合に、予防メンテナンス、この場合は、プラズマチャンバの洗浄を開始できるように、すべての粒子関連現象を正確に分類してカウントすることが重要である。この場合、高確率の閾値により粒子関連現象を他の不規則性から分離することができるため、誤った粒子現象のカウントによって引き起こされるチャンバの早すぎる洗浄を回避することができる。
【0078】
ニューラルネットワークのすべての部分を対応するロジックコンポーネントに転送できるので、最適化されたニューラルネットワークをプログラマブルロジックデバイス、例えばFPGAへ実装することは簡単であり得る。同様に、パターンマッチングアルゴリズムは、シフトレジスタおよび単純な論理演算を使用することによって、FPGAに容易に実装することができる。ニューラルネットワークの構成及び/又はサイズの変更、またはパターンマッチングアルゴリズムの修正は、ハードウェアを変更することなく、新しい構成をFPGAにロードすることによって行うことができる。
【0079】
アプリケーションが複数のパターンクラスの検出を必要とする場合、特定のクラスごとに最適化された複数の並列ニューラルネットワークまたはパターンマッチングアルゴリズムを設定することができる。1つの共通のニューラルネットワークまたはパターンマッチングアルゴリズムを使用して、複数のパターンクラスを検出することも可能である。この場合、ネットワークの出力としての1つの確率値の代わりに、クラスごとに1つの確率の配列が生成される。更なるパターンクラス検出は、後で追加することができる。必要に応じて、ニューラルネットワークまたはパターンマッチングアルゴリズムのパラメータ化は、追加の教示によって最適化することができる。
【0080】
これにより、異なるアプリケーションに対して異なる構成を保存することができ、状況に応じて起動することができる。特に、異なる構成間で高速に切り替えることが可能であり、例えば、異なる連続するプロセスステップに対して次々に作動させることができる。続いて、インストールされたシステム上で教示モードを起動することにより、既存の構成のさらなる最適化、または追加の参照データを用いた新しい状況の学習が可能になる場合がある。したがって、パターンが完全に展開される前であっても、複数のパターンタイプに並列(同時)分類を適用することによって、測定された信号における確率的パターン認識も可能である。
【0081】
さらに、少なくとも1つの入力信号または既存の構成を、本発明の装置に、特にプログラマブル回路に、または制御部に、またはメモリにアップロードするために、電子インターフェースが提供されてもよい。次に、本発明の方法は、アップロードされた既存の構成を使用して、プログラマブル回路をさらにパラメータ化する。入力信号が制御部にアップロードされる場合、制御部は信号をプログラマブル回路に供給する前にメモリにロードすることができる。少なくとも1つの入力信号は、アップロード後にメモリに記憶される複数の入力信号として構成することができる。
【0082】
電子インターフェースはユーザが少なくとも1つの入力信号及び/又はユーザ入力信号及び/又はユーザ構成をアップロードすることを可能にするユーザインターフェースとして構成されてもよく、及び/又は、制御信号がプログラマブル回路のパラメータ化のためにメモリに記憶された特定の構成を使用するために、システムをトレーニングモードからリアルタイムモードに切り替えることを可能にする。アップロードされた入力信号は一般的に定式化されており、トレーニングデータは直接的にまたは制御部を介してプログラマブル回路に供給されてもよく、またはそれらは直接的にまたは制御部を介して、メモリに記憶されてもよい。ユーザ入力信号は、ユーザからの少なくとも1つの入力信号を指す。ユーザ構成は、ユーザが例えばクラウドまたはオンサイトストレージを介してインターフェースにロードする、既存の構成とすることができる。ユーザ構成は、ユーザ入力信号に対して本発明の方法を使用することによって作成された構成であってもよい。一般に、トレーニングデータは、少なくとも1つの入力信号と、対応する参照結果とを含むことができる。トレーニングデータは特にトレーニングプロシージャのための既存の(以前に記録された、またはシミュレートされた)データとして構成することができ、最初にメモリにロードされ、最適化されたパラメータセットが見つかるまで、(様々な反復において)1つずつ処理することができる。アップロードされた既存の構成は同じメモリに、及び/又は異なるメモリに記憶することができ、及び/又はアップロードされた既存の構成は、上述の任意の方法に従って既に実装された構成を上書きすることができる。アップロードされた既存の構成が同じメモリに記憶されるとき、それは、プログラマブル回路の補足的/追加的なパラメータ化として作用することができる。アップロードされた構成が異なるメモリまたはメモリ空間に記憶される利点は、バックアップ構成が常に手元にあることである。また、ユーザによって実行されない任意の構成へのアクセスを制限できることは、製造業者にとっても有利であり得る。この場合、構成のいずれかを安心で信頼できるメモリ空間にロードするオプションもある。他の構成をアップロードすることによってプログラマブル回路の構成を上書きする利点は、プログラマブル回路の新しいパラメータ化および必要なメモリ空間の削減である。
【0083】
電子インターフェースが、パラメータ構成及び/又は固定構成及び/又は少なくとも1つの入力信号及び/又はデータを、メモリ及び/又はプログラマブル回路及び/又は制御部からアクセスするために提供されてもよい。しかしながら、例えば、特定のデータ及び/又はアルゴリズム又はニューラルネットワークの読み出し及び/又は上書き及び/又は交換が禁止されるように、電子インターフェースを介したアクセスが制限されることも可能である。したがって、メモリ及び/又はプログラマブル回路及び/又は制御部に記憶されたデータまたは情報の一部は、例えば暗号化方法を使用することによってロックすることができる。言い換えれば、電子インターフェースを使用して、特定のアプリケーションで使用するためにメモリに記憶される構成のアップロードを実行することが可能である。これらの構成は、適切なトレーニングデータを有する類似の回路上で実行されるトレーニングプロシージャの結果であり得る。特に、製造業者は構成のユーザへのアップロードを可能にすることができるが、同時に、基本的な工場構成、ならびにアルゴリズムまたはニューラルネットワーク自体を、ユーザによるアクセスから保護することができる。これは、ユーザが満足できない場合、またはシステムがもはや新しい構成で動作していない場合、ユーザが工場出荷時の構成に依然として戻すことができるという利点を有する。
【0084】
プログラマブル回路、ユーザインターフェース、メモリ、および制御のみをトレーニングベンチとして使用することによって、回路のパラメータ化のための最適なパラメータセットのトレーニングおよび決定を実行することが可能である。完全な無線周波数システムのトレーニングモードと同様に、既にデジタル化されたトレーニングデータがメモリから読み出され、制御によってデジタル信号処理のための入力信号として提供される。パラメータの変化及び処理の結果の評価も、完全なRFシステムと同じ方法で実行される。一般的な市販のFPGAを有するこのトレーニングベンチシステムは、標準的なコンピュータおよびMatlab/Simulinkのようなツールを使用する標準的なモデルシミュレーションと比較して、はるかに短い時間、例えば10,000~100,000倍速い時間で、最適化されたパラメータ結果を決定することができる。
【0085】
高周波システムで使用される一般的なフィルタリングアルゴリズムの最適なパラメータ化は、Matlab/Simulinkシミュレーションを使用する場合は数時間または数日かかる実行時間と比較して、上述のトレーニングベンチシステムを使用して数分以内に決定することができる。
【0086】
例えば500~1000層に配置された数千のニューロンを有する大規模なニューラルネットワークの場合でも、トレーニングベンチシステムは、数時間以内にニューロンパラメータの最適なセットを決定することができる。さらにより複雑なアルゴリズムまたはニューラルネットワークのために、及び/又は非常に大きなトレーニング入力データセットのために、プログラマブル回路の最適な構成の決定は、専用の高性能スーパーコンピュータ上で実行することができる。
【0087】
RFシステムそのもの、トレーニングベンチシステム、シミュレーションツールを使用する標準的なコンピュータ、または高性能スーパーコンピュータ上の最適な構成を決定する上記の可能性とは独立して、決定された構成はユーザインターフェースを介してRFシステムのメモリに制御によってアップロードされ、特定の用途に対してプログラマブル回路をパラメータ化するために使用され、次いで、それは、リアルタイムでRFシステムの入力信号を処理することができる。
【0088】
同様に、1つのRFシステムで決定された構成は、ユーザインターフェースを介してエクスポートされ、プログラマブル回路のパラメータ化に使用される類似のRFシステムにアップロードされてもよい。このように、第1のRFシステムから同じ種類の第2のシステム上に既存の構成を実装することによって、第2のシステムの個々のトレーニングを回避することができる。したがって、既に最適化された構成のコピーを複数のシステム上で使用することができ、これは、新しいシステムをセットアップするときに時間を節約するという利点を有する。
【0089】
システム間の避けられない小さな変化によっては、新しいRFシステムのパラメータ化をさらに最適化することが必要とされる場合がある。それにもかかわらず、パラメータのこの最適化は、完全に新しいアプリケーションの場合に起こり得るデフォルトのパラメータ構成から開始することと比較して、既に良好であることが分かっている構成から開始する方が、通常はより速く収束するはずである。
【0090】
少なくとも1つの入力信号は、所定の参照入力信号として構成されてもよく、そのそれぞれについて、処理の所望の結果が対応する所定の参照結果として提供される。トレーニングデータは、所定の参照入力信号および対応する所定の参照結果も含むことができる。
【0091】
回路は、少なくとも1つの入力信号の処理を提供するために、回路の少なくとも1つの構成可能なパラメータによってパラメータ化されるアルゴリズムを実行することができる。インターフェース、特にユーザインターフェースはプロセスが開始される前に、パラメータのための適切な構成の選択のために使用されてもよい。代替的に、または追加的に、インターフェースは、アプリケーションまたはリアルタイム動作モードからトレーニングモードへの切り替えのために使用されてもよい。処理プロシージャは、構成の最適化のための学習サイクルとして構成されてもよい。ユーザが参照入力信号及び/又は参照結果及び/又はトレーニングデータをメモリ、特に高周波発生器のメモリにロードするように、及び/又は学習サイクルを実行するように、及び/又は後にアプリケーションモードで使用するために新しいパラメータ構成をメモリに記憶するように、インターフェースを制御することもできる。トレーニングモードでは、メモリを使用して、アプリケーションモードからのアナログ-デジタル変換器からの連続データストリームをシミュレートすることができる。したがって、メモリは、制御回路に接続されてもよく、制御回路はメモリから少なくとも1つの入力信号を読み取り、それをトレーニングモードでプログラマブル回路に提供することができる。また、プログラマブル回路は、処理を加速するために、少なくとも1つの入力信号をメモリから直接的に読み取って、信号処理を実行することもできる。一方、アプリケーションまたはリアルタイム動作モードでは、プログラマブル回路がリアルタイム入力として入力信号を受信するために、アナログ-デジタル変換器に直接的に接続することができる。
【0092】
少なくとも1つの入力信号が少なくとも1000または少なくとも100万の異なる入力信号として構成されることはさらなるオプションであり、ここで、入力信号の各々は高周波信号に関連する少なくとも1つの波形を表し、ここで、処理はパラメータ構成に応じて波形を評価することを目的としており、それぞれの処理結果は前記評価の結果を含む。これにより、処理の性能をさらに向上させることができる。さらに、例えば制御回路によって制御される自動トレーニングは、少なくとも1つのパラメータの最適化を加速することができる。
【0093】
別の有利な実施形態では、プログラマブル回路がアルゴリズムを使用して入力信号を振幅および位相に分解するためのロジック要素を備え、アルゴリズムは様々な構成によってパラメータ化される。したがって、IQ復調またはGoertzelアルゴリズムまたは離散フーリエ変換などのアルゴリズムは、多くのパラメータに依存する。例えば、IQ復調の場合、パラメータは、デジタルフィルタの係数とすることができる。したがって、パラメータの構成は、これらのパラメータのために選択される具体的な値である。さらなる詳細は、以下の図3の説明に見ることができる。
【0094】
さらに、様々な構成の評価は様々な構成に関連する処理結果の各々を所定の参照結果と比較することによって実行され、所定の参照結果はプログラマブル回路によって実行されるアルゴリズムの所定の理想的な結果を含むことが考えられる。したがって、所定の理想的な結果は、現在設定されている構成の品質の基準である。パラメータ構成の変化は、参照結果と比較することができる異なる処理結果を生成することを可能にする。処理結果と参照結果との偏差は使用された構成の性能を示し、これは、構成の評価として理解され得る。
【0095】
本発明の別の態様はシステム、特に、高周波システム、好ましくは、高周波電力供給システムまたはRF発生器または高周波プラズマシステムのための高周波測定システムであって:
高周波システムの高周波信号を感知するための少なくとも1つのセンサ、特に方向性結合器または電圧-電流(「V/I」)センサ、
少なくとも1つの検出された高周波信号を少なくとも1つの入力信号に変換するための少なくとも1つのアナログ-デジタル変換器、および
少なくとも1つの入力信号のデジタル信号処理のための回路、特にプログラマブル回路。本回路は本発明による方法に従って決定された少なくとも1つのパラメータ結果によってパラメータ化されてもよい。
【0096】
したがって、本発明によるシステムは、本発明による方法を参照して詳細に説明したのと同じ利点をもたらす。この装置はまた、アナログアンチエイリアシングフィルタ及び/又は整合回路を備えてもよい。高周波システムは特に、高周波電力供給システムとして構成することができる。高周波電力供給システムは、プラズマシステム、特にプラズマ電力供給システムの電源としてさらに構成されてもよい。アナログ-デジタル変換器は、電源のために使用され、高周波システムのセンサによって感知される感知された高周波信号を変換するために提供されてもよい。
【0097】
この装置は既存の構成をプログラマブル回路に、または回路のパラメータ化のために制御部に、またはメモリにアップロードするための電子インターフェースをさらに備えることができる。インターフェースを用いたアップロード及び/又は書き込み及び/又は読み出しは、データ転送を用いて実行することができる。電子インターフェースは(特に直接の)データ転送を使用してアップロードを実行するために、制御部またはメモリまたはプログラマブル回路と電子的に接続されてもよい。電子インターフェースは、コンピュータのような別の電子デバイスと接続することができるシリアルインターフェースのようなデータインターフェースとして構成することができる。電子インターフェースが、データ転送を可能にするためのコンピュータプログラムを実行することも可能である。コンピュータプログラムは、ローカルエリアネットワーク、ワイヤレスローカルエリアネットワーク、またはブルートゥース(登録商標)のような、より洗練されたインターフェーステクノロジを提供することができる。電子インターフェースは、制御部またはメモリまたはプログラマブル回路を介してアクセス可能である。
【0098】
本発明によるシステムは本発明による方法の上述の特徴のいずれかを特徴とすることができ、上述された有利な特徴をさらに示す。
【0099】
本発明の別の態様は、本発明による方法に従って決定された少なくとも1つのパラメータ結果を搬送しているデータキャリア信号である。したがって、本発明によるデータキャリア信号は、本発明による方法およびシステムについて詳細に説明される対応する特徴と同じ利点をもたらす。データキャリア信号は、ハードディスクまたはフラッシュメモリなどのデータキャリアの信号であり得る。さらに、データキャリア信号は、ダウンロードなどにより実装することができる。本発明のさらなる可能な態様は、本発明による方法に従って決定されたパラメータ結果を含むコンピュータプログラム、及び/又は本発明による方法に従って決定されたパラメータ結果を含むコンピュータプログラム、及び/又はコンピュータプログラムに記憶されたコンピュータ可読データキャリアである。データキャリア信号はユーザ側でソフトウェアアップグレードを実行するために、すなわち、データキャリア信号の決定されたパラメータ結果を使用してプログラマブル回路をパラメータ化するために、提供されてもよい。あるいは、データキャリア信号はプログラマブル回路のパラメータ化/構成の読み取りを実行するために提供されてもよく、その結果、構成はRFシステムのメモリに記憶されてもよく、またはRFシステムのユーザインターフェースに接続された取り外し可能なデータキャリア媒体上にエクスポートされてもよく、すなわち、記憶されてもよい。次いで、取外し可能データキャリア媒体はエクスポートされた構成をアップロードし、第2のRFシステムのプログラマブル回路のパラメータ化のためにそれを使用するために、第2のRFシステムまたはトレーニングベンチシステムに接続されてもよい。
【0100】
本発明のさらなる利点、特徴および詳細は、本発明の実施形態が図面を参照して詳細に説明される以下の説明から明らかになるのであろう。これに関連して、特許請求の範囲及び明細書において言及される特徴は、それぞれ、個々に又は任意の組み合わせにおいて本発明に不可欠であり得る。
【図面の簡単な説明】
【0101】
図1a】本発明のRF測定システム1および本発明のデータキャリア信号の実施形態を示す。
図1b】本発明のRF測定システム1を使用するプラズマ電力システムの実施形態を示す。
図2】本発明の高周波システムにおけるDSPを改善するための本発明の方法の一実施形態を示す。
図3】DSPに使用される本発明のプログラマブル回路における動作原理を示す。
図4】トレーニングモード構成における本発明のRF測定システムの実施形態を示す。
図5】アプリケーション(リアルタイム動作)モードにおける本発明のRF測定システムの実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0102】
以下の図面では、異なる実施例の場合であっても、同一の技術的特徴に対して同一の参照符号が使用される。
【0103】
図1aは、高周波発生器、好ましくは高周波電力供給システム1、又は高周波発生器又は高周波プラズマシステムの本発明のRF測定システム1の実施形態を示す。システムは、高周波システム1の高周波信号を感知するための少なくとも1つのセンサ20、特に方向性結合器または電圧-電流センサまたはプラズマセンサ32を備える。方向性結合器20は例えば、電力供給回路において高周波信号を探査するために一般に使用されるタイプのセンサである。しかしながら、他のセンサを実装することもできる。図1aは高周波RF電力信号伝送ライン60および2つの分岐をさらに示し、上部分岐は、センサ20によってピックアップされたRF電力信号の反射電力を表す順方向電力および下部分岐を表すことができる。本明細書に記載の本発明のシステム1の構造は、測定された順方向電力もしくは反射電力のいずれか、またはその両方に適していることができる。本明細書に記載される本発明のシステム1の構造は、RF電圧、RF電流、反射係数(Γまたは「ガンマ値」)、または測定されたDCバイアス、またはRF位相とAC電流(測定された順方向電力もしくは反射電力、または両方)およびDCバイアスと反射係数との任意の組合せにも適し得る。
【0104】
システム1は、少なくとも1つのアナログ-デジタル変換器と、少なくとも1つの感知された高周波信号を少なくとも1つの入力信号230に変換するためのADC30とをさらに備える。ADCは、時間連続および値連続、別名アナログ信号を、時間離散および値離散、別名デジタル信号に変換する。アナログ信号は、方向性結合器20によってピックアップされたものとすることができる。1秒当たりのサンプル数はサンプリングレートによって与えられ、異なる値の数はADC30のビット数によって与えられる。システム1は、アナログアンチエイリアシングフィルタ50と、センサとADC30との間の整合回路40とをさらに備えることができる。
【0105】
システム1はデジタル信号処理のために、好ましくはプログラマブルな回路10を備える。回路10は、少なくとも1つの入力信号230のデジタル信号処理に適している。入力信号230は、RF発生器、すなわちリアルタイムモード信号230の動作中の測定信号とすることができる。この回路はさらに、メモリ70に記憶された少なくとも1つの入力信号210のデジタル信号処理に適している。入力信号230または記憶された入力信号210のいずれかは、電力供給系の高周波信号に関連する信号であり得る。したがって、それらは、直接的に測定された信号またはシミュレートされた信号であり得る。記憶された入力信号210は、回路10に入る前に制御装置または制御回路80によってさらに処理することができる。回路10は、図2に記載された本発明の方法に従って決定された少なくとも1つのパラメータ結果によってさらにパラメータ化することができる。パラメータ化は、任意の入力信号210または230が回路10に到達するまでに行うことができる。そして、パラメータ化された回路10は、入力信号(メモリ210又はリアルタイムモード230からの入力信号)に従って、処理結果220を出力する。次いで、処理結果220は制御回路80を通過し、パラメータ結果240としてメモリ70に記憶することができる。
【0106】
図1aはまた、処理結果220から決定された少なくとも1つのパラメータ結果240を搬送するデータキャリア信号240を示す。データキャリア信号240は、認可された人または任意の第三者がダウンロードできるデータパッケージとすることができる。次いで、データキャリア信号を使用して、プログラマブル回路10、特にFPGA10をパラメータ化することができる。パラメータ結果240に使用される処理結果220は、本明細書で説明される方法のうちの少なくとも1つに従って、本発明の方法から決定することができる。このシステムはプログラマブル回路10に、または制御部80に、または回路10のパラメータ化のためにメモリ70に、既存の構成をアップロードするための電子インターフェース90をさらに備えることができる。前記電子インターフェース90はダイレクトデータ転送を用いてアップロードを実行するために、制御部80、メモリ70、またはプログラマブル回路10と電子的に接続することができる。さらに、電子インターフェース90は、ダウンロードを実行するために、例えば、構成を同様のアプリケーションのための異なるRFシステムに転送するために使用することもできる。電子インターフェース90は、ユーザインターフェースとすることができる。
【0107】
図1bは、本発明のRF測定システム1を使用するプラズマ電力システム5の実施形態を示す。特に、プラズマ電力システム5はRF発生器2と、整合ネットワーク4と、プラズマ処理システム3、例えば、RF電力が供給される電極を有するプラズマチャンバ31とを備える。
【0108】
RF発生器2は、センサ20と、アナログ-デジタル変換器30と、プログラマブル回路10と、制御部80と、メモリ70と、ユーザインターフェース90とも呼ばれる電子インターフェース90とを備えるRF測定システム1を備える。さらに、RF発生器2は、信号生成部16、例えば、直流電源21から電力が供給されるダイレクトデジタル合成(DDS)回路および電力増幅段23を備え、信号生成部16は、プログラマブル回路10内に実装することができる。なお、本発明の範囲内で、信号生成部16は、プログラマブル回路10の外部に設けられた別個の回路またはチップであってもよい。
【0109】
整合ネットワーク4は、入力センサ41、例えば、位相及び大きさ検出器、一般的には可変であり得るインダクタ及びキャパシタを含むインピーダンス整合回路40、整合制御部42、及び任意選択的に、出力センサ43、例えば、電圧-電流センサ又は直流バイアスセンサを含む。整合ネットワーク4の機能はRF発生器2の出力インピーダンス、一般的には50オームを、プラズマに結合されたRF電力が最大化され、プラズマ処理システム3から反射されて戻される電力が最小化されるように、プラズマ処理システム3の可変インピーダンスに適応させることである。
【0110】
プラズマ処理システム3は、整合ネットワーク4からのRF電力が供給されるプラズマチャンバ31を備える。プラズマチャンバ31内では、供給されるRF電力によって、ガスまたはガス混合物が励起され、部分的にイオン化される。RF電力のプラズマへの電気的結合はRF電力を電極、例えば、アースに接続された同様のプレートとは反対側の金属プレートに接続することによって達成することができる。このようにして、プラズマは、2つの電極に容量結合される。あるいは、プラズマが誘導的に結合されるように、RF電力をプラズマチャンバ31の周りに配置されたインダクタに接続することができる。
【0111】
一般的には、半導体ウェハは、プラズマチャンバ31内に装填され、特定の時間RFプラズマに曝露され、ウェハの最上層から材料がエッチングされるか、またはウェハの最上層に材料が成膜される。
【0112】
整合ネットワーク4およびプラズマ処理システム3は、RF信号またはプラズマ処理の特性に特徴的な信号を測定するセンサ41、43、32を備えることができる。このようなセンサ信号はRF発生器2の専用センサポートに接続され、アナログ-デジタル変換器(ADC)30、例えば、単一チャネル及び/又はマルチチャネルADCによってデジタル表現に変換され、プログラマブル回路10によって実行されるデジタル信号処理のための入力信号として使用され得る。
【0113】
図2は、本発明の高周波システム、特に高周波電力供給システム1におけるDSPを改善するための本発明の方法の実施形態を示す。該方法は高周波システム1の高周波信号に関連する少なくとも1つの入力信号210の提供101と、処理プロシージャ310の実行102とを含み、少なくとも1つの入力信号210は、処理の少なくとも1つの設定可能なパラメータを使用して、プログラマブル回路10によって繰り返し処理される。これによる少なくとも1つのパラメータの構成は、少なくとも1つの入力信号210のそれぞれの処理に対して変更または特に修正されて、それぞれの処理結果220を得ることができる。該方法は処理結果220に基づく、構成の最適化のための少なくとも1つのパラメータ結果(例えば、特に、変化するパラメータからの最適化されたパラメータ)の決定103と、改善されたデジタル信号処理のための(特に、回線のパラメータ化のための)少なくとも1つの決定されたパラメータ結果の提供104とをさらに含む。本発明によれば、プログラマブル回路10はプログラマブル集積回路10として構成することができ、好ましくはFPGとして構成することができる。
【0114】
本発明は少なくとも1つの決定されたパラメータを使用して同じ又は別のプログラマブル回路10のパラメータ化105を更に含むことができ、パラメータ化105は、高周波システム1の高周波信号の感知106と、少なくとも部分的にパラメータ化された回路10による感知された高周波信号の処理を使用することによるデジタル信号処理の実行107とを含む。本発明は、102において、感知106およびデジタル信号処理を繰り返し実行することによって、高周波信号をモニタリングすることをさらに含むことができる。回路10のパラメータ化105の細部にかかわらず、プログラマブル回路10の処理プロシージャ310は既存の(例えば、以前に記録またはシミュレートされた)トレーニング入力信号210として入力信号210を使用する処理のトレーニングモードでプログラマブル回路10のパラメータ化105を実行するためのトレーニングプロシージャとして構成することができ、一方、モニタリングは、高周波信号がリアルタイム入力信号230として感知および処理される処理のリアルタイムモードで実行される。
【0115】
処理プロシージャ310において処理される少なくとも1つの入力信号210は、少なくとも1つのトレーニング入力信号210として構成され得る。本発明の方法は、(1)少なくとも1つのパラメータを、以前に決定されたパラメータ結果を使用して構成することによって、プログラマブル回路10のパラメータ化105を終了することをさらに含むことができ、ここで、構成は後で固定され、(2)トレーニングモードからリアルタイムモードへの処理の切り替えを含むことができ、リアルタイムモードではリアルタイム入力信号230は、特にリアルタイム入力信号230のフィルタリングのために、固定構成を使用してプログラマブル回路10によってリアルタイムで処理され、ここで、リアルタイム入力信号は、少なくとも1つのセンサ20によって感知された高周波信号を少なくとも1つのリアルタイム入力信号に変換する少なくとも1つのアナログ-デジタル変換器30から受信された実際に測定された信号として構成され、(3)リアルタイムモードからトレーニングモードへの処理の切り替えを含むことができ、トレーニングモードでは、少なくとも1つの追加のトレーニング入力信号210を処理済みトレーニング入力信号210として使用して、少なくとも1つのパラメータ結果を新たに決定するために、処理プロシージャ310を再度実行することによって、既存の、及び以前に固定された構成をさらに最適化することができ、ここで、新たに決定されたパラメータ結果と以前に決定されたパラメータ結果との比較に応じて、プログラマブル回路10の再パラメータ化が新たに決定されたパラメータ結果を使用して少なくとも1つのパラメータを構成することによって実行される。
【0116】
少なくとも1つの入力信号210の反復処理は反復処理ステップによって実行することができ、各ステップについて、少なくとも1つの入力信号210は少なくとも1つのパラメータの変更された構成を使用しながら、同じプログラマブル回路10によって処理され、その結果、それぞれの処理結果220は変更された構成に固有であり、及び/又は、変更された構成に割り当てられる。少なくとも1つの入力信号210は1つまたは複数の所定の参照入力信号257として構成することができ、そのそれぞれについて、対応する入力信号210の所望の結果を表す参照結果が提供される。処理結果220に基づく構成の最適化のための少なくとも1つのパラメータ結果の決定103は少なくとも1つの参照入力信号257についての取得された処理結果220の各々を対応する参照結果と比較することによって、変更された構成の評価をさらに含むことができ、評価は、処理結果220と参照結果との一致または処理結果220と参照結果との間の偏差に依存する。処理結果220に基づいて構成を最適化するための少なくとも1つのパラメータ結果の決定103は、少なくとも1つの決定されたパラメータ結果として最も高い評価を有する少なくとも1つの構成を選択することをさらに含むことができる。参照結果は、ユーザによって提供される、例えば、ユーザインターフェース90を使用してアップロードされることが可能である。したがって、ユーザは、評価のためにどの基準が使用されるかをいつでも定義することができる。また、入力信号、したがってトレーニングデータはユーザによって定義され、例えば、その理由のためにユーザインターフェース90を介してアップロードされてもよい。改善されたデジタル信号処理のための少なくとも1つの決定されたパラメータの提供104は、少なくとも1つの選択された構成を使用する同じまたは別のプログラマブル回路10のパラメータ化105をさらに含むことができる。好ましくは前記少なくとも1つの所定の参照入力信号257および対応する参照結果が複数の所定の参照入力信号257と、デジタル信号処理の様々なアプリケーションに対する対応する参照結果とを含み、その結果、処理結果220に基づいて構成を最適化するための前記少なくとも1つのパラメータ結果を決定することはアプリケーションごとに別個に実行される。少なくとも1つの決定されたパラメータ結果の提供104は選択された構成をメモリに記憶することをさらに含むことができ、同じまたは別のプログラマブル回路10をパラメータ化することは、アプリケーションに応じて、記憶された構成から使用する構成を選択することを含む。
【0117】
少なくとも1つの入力信号210は、多数の既存の入力信号210として構成することができる。既存の信号は事前に記録されてもよく、または、例えば、シミュレートされてもよい。処理プロシージャ310は反復処理ステップを含むことができ、それぞれの処理ステップは、同じ入力信号210を次々に処理することと、制御回路80による、この処理ステップで使用される少なくとも1つのパラメータの構成を設定することとを含むことができる。本発明は各処理ステップの後に、制御回路80による処理結果220の所定の参照結果からの逸脱を評価するステップと、各評価の後に、前記評価に基づいて、次の処理ステップのために使用される少なくとも1つのパラメータの構成を修正するステップとをさらに含むことができる。これにより、制御回路80をプログラマブル回路10に電気的に接続し、プログラマブル回路とは別体に構成することができる。
【0118】
使用される少なくとも1つのパラメータの構成は、改善されたデジタル信号処理のための構成を反復的に最適化するために、様々な処理ステップについて変化することができる。
【0119】
処理プロシージャ310は高周波システム1の適用における異なる特定の状況のための反復方式で構成を最適化するためのトレーニングプロシージャとして構成することができ、したがって、異なる状況について決定されたパラメータ結果は、これらの異なる状況のための異なる最適化されたパラメータセットとして構成される。
【0120】
少なくとも1つの入力信号210は、好ましくは瞬間値および履歴値からの、特に高周波信号の測定値からの、時間信号経路を備えることができる。処理結果220は、信号経路の処理によって得られ、信号経路における特定のパターンが検出される確率を示すことができる。
【0121】
少なくとも1つの入力信号210のプログラマブル回路10へのアップロードを実行するために、電子インターフェース90をさらに設けることができる。これにより、少なくとも1つの入力信号210は、アップロード後にメモリに記憶される複数の入力信号210として構成することができる。
【0122】
少なくとも1つの入力信号210は、少なくとも1000または少なくとも100万の異なる入力信号210として構成することができ、ここで、入力信号の各々は高周波信号に関連する少なくとも1つの波形を表す。ここでの処理は、パラメータ構成に応じて波形を評価することを目的とすることができる。それぞれの処理結果220は、前記評価の結果を含むことができる。
【0123】
既存の構成は、電子インターフェース90を介して、特にプログラマブル回路10内に、または制御部80内に、またはメモリ70内にアップロードすることもできる。次いで、プログラマブル回路10のパラメータ化は、既存の構成を使用する。アップロードされた既存の構成は、同じメモリ80及び/又は異なるメモリに記憶することができる。アップロードされた既存の構成は、本発明の方法を使用して計算された構成のいずれかを上書きすることができ、または本発明の方法を使用して計算され、または以前にアップロードされてメモリに記憶された任意の他の構成に加えて、メモリに記憶することができる。
【0124】
プログラマブル回路10は、アルゴリズムを使用して入力信号210を同相および直交成分(I/Q復調)または振幅および位相に分解するためのロジック要素を備えることができ、アルゴリズムは、様々な構成によってパラメータ化することができる。
【0125】
変更された構成の評価は、変更された構成に関連する処理結果220の各々を所定の参照結果と比較することによって実行することができる。所定の参照結果は、プログラマブル回路10によって実行されるアルゴリズムの所定の理想的な結果を含むことができる。
【0126】
図3は、本発明によるプログラマブル回路10としてFPGAに実装することができるIQ復調器のデータフローグラフを示す。デジタル入力信号210、230に対して数学的演算を実行することを可能にするロジック要素を提供する。デジタル信号210、230はロジック素子を配置することにより、振幅と位相とに分解することができる。分解は、IQ復調、Goertzelアルゴリズム、または離散フーリエ変換(DFT)などの異なるアルゴリズムを介して実行することができる。図3に示す実例は、IQ復調を用いたデジタル入力信号210、230の分解を示しており、これは点Iにおいて信号の同相部が利用可能になり、点Qにおいて位相外れ(または直交)信号が利用可能になることをもたらす。基本演算は元の信号210、230の振幅を再構成し、点Aにおいてそれを提供するためのデジタル信号の二乗14および和15であり得る。ここで、同相信号の二乗値と位相外れ信号の二乗値との和は振幅の二乗値に等しい。FPGA10はさらに、所与の周波数および位相で内部生成されたデジタル信号を提供する局部発振器11を備える。例えば、局部発振器11は、f(t)=sin(ω1t)の値を提供することができる。FPGAはプログラム可能であるので、0とサンプル周波数の半分との間の任意の周波数ω1をナイキスト定理に従って局部発振器11によって生成することができる。周波数はまた、連続する時間間隔中に、ある値から別の値に掃引され得る。そして、I復調のために、局部発振器11から内部生成されたデジタル信号と、入力デジタル信号210または230との乗算12aを行う。Q復調の場合、FPGAは、デジタル入力信号210または230と、オフセットφ=90°で局部発振器11から内部生成されたデジタル信号との乗算12bを実行する。このオフセットは、I復調のための乗算12aがサイン関数で行われる場合、Q復調のための乗算12bは対応するコサイン関数で行われることを保証する。乗算12a、12bによって得られた生成値は、次に、デジタルフィルタ13で処理される。フィルタは例えば、カットオフ周波数を超えて作用するフィルタの傾斜を調整するために、調整可能なパラメータを有することができる。分解アルゴリズムのいずれも、複数のパラメータに依存する。IQ復調の場合、デジタルフィルタの係数は上述のものである。情報を抽出するためにデジタル信号上で実行される動作は、デジタル信号処理の所望の結果に応じて、経時的な平均値、標準偏差、または様々な他の統計情報を明らかにすることができる。さらに、Pythonのような汎用プログラミング言語、またはMatlab-Simulinkのザイリンクスアドオンシステムジェネレータのような特殊なツールを使用して、コンピュータ上でシミュレートすることができる。標準的なコンピュータでの計算時間はシミュレーション時間を何桁も超える。したがって、プログラマブル回路、特にFPGAを使用する上述の発明の方法は、シミュレーションの実行時間を大幅に短縮することができる。
【0127】
図4は、例えばトレーニングベンチシステムとして、トレーニングモードで動作するように設定された本発明のRF測定システム1の実施形態を示す。システム1の動作モード253は、ユーザインターフェース90を介してトレーニングモードに設定することができる。
【0128】
以下、符号17で示す「信号処理回路」とは、プログラマブル回路10のうち、信号処理を行うための専用の部分を指す。プログラマブル回路10はさらなる回路、例えば、処理結果220と参照結果との間の偏差を決定するためのトレーニングモードで使用される評価回路18を備えることができる。リアルタイムモード中に使用されるさらなる回路はプログラマブル回路10内に実装されてもよいが、トレーニングモードでは非アクティブ化することができる。
【0129】
トレーニングモードにあるとき、システム1の電力増幅段23、インピーダンス整合ネットワーク4、およびプラズマ処理システム3への接続は必須ではない。RF発生器2、整合ネットワーク4、またはプラズマ処理システム3内のセンサによって提供されるリアルタイム入力信号の代わりに、システム1は、メモリ70に記憶されるか、またはユーザインターフェース90を介してアップロードされる、既存の参照入力信号257を処理することができる。さらに、参照結果256はメモリ70に記憶することができ、またはユーザインターフェース90を介して提供することができる。これらの参照結果は、参照入力信号257の信号処理の予想される結果を示す。また、信号処理回路17をパラメータ化するために使用できるパラメータ構成254は、メモリ70に記憶するか、またはユーザインターフェース90を介して提供することもできる。
【0130】
さらに、プログラマブル回路10に実装され得る、例えばニューラルネットワークのデジタル信号処理または回路レイアウト255のためのアルゴリズムも、メモリ70に記憶することができる。一般的にはユーザインターフェース90を介したアルゴリズムおよび回路レイアウト255のアップロード、ならびにプログラマブル回路10へのそれらの実装は製造業者のために制限され、システム1の通常ユーザはアクセスできない。
【0131】
トレーニングモードでは、制御部80がユーザパラメータセット251、ユーザ参照結果252a、及びユーザ参照入力信号252bをユーザインターフェース90から読み出し、それらをメモリ70に記憶するように設定することができる。さらに、制御部80は、記憶されたパラメータセット254をメモリ70から読み出し、それに応じてプログラマブル回路10をパラメータ化することによって、プログラマブル回路10をパラメータ化するように設定することができる。
【0132】
さらに、制御部80は参照入力信号257をメモリ70またはユーザインターフェース90から読み出し、入力信号210として信号処理回路17に提供するように設定することができる。あるいは、信号処理回路17がメモリ70に直接アクセスし、パラメータ構成254およびトレーニングデータ、すなわち、参照入力信号257および参照結果256を直接読み取り、トレーニングデータの読み取りおよび処理が加速されるようにしてもよい。
【0133】
さらに、図4に示されるような評価回路18はプログラマブル回路10内に実装することもでき、あるいは制御部80内のソフトウェアアルゴリズムとして実装することもできる。評価の結果、すなわち最適化されたパラメータセット254はプログラマブル回路10からそれを取り出し、制御部80を介してメモリ70に書き込むことによって、またはプログラマブル回路10からのダイレクトメモリアクセスによって、メモリ70に記憶されてもよい。
【0134】
さらに、図4の構成の代替として、制御部80の少なくとも一部及び/又はメモリ70の少なくとも一部をプログラマブル回路10に実装することができることに留意されたい。これには、参照入力信号257及び参照結果256をメモリ70から読み出し、及びその後の参照入力信号257の信号処理及び参照結果256に対する処理結果220の評価を大幅に加速することができるという利点がある。
【0135】
図5は、アプリケーション(リアルタイム動作)モードにおける本発明のRF測定システム1の実施形態を示す。アプリケーションモードでは、信号処理回路17が前のトレーニングでメモリ70に記憶された、またはユーザインターフェース90を介してメモリ70にアップロードされた、既存のパラメータセット254でパラメータ化される。ユーザインターフェース90を介して提供され得るプロセスレシピ258に応じて、各レシピステップについて、専用パラメータ構成がメモリ70から、またはユーザインターフェース90から制御80を介して信号処理回路17にロードされ得る。このようにパラメータ化された信号処理回路17は、RFシステムから、例えばRF発生器2、インピーダンス整合ネットワーク4、またはプラズマ処理システム3内のセンサから連続的に供給され、ADC30内でデジタル化される入力信号を、リアルタイムで処理する。
【0136】
プログラマブル回路10内に実装されたアルゴリズムまたはニューラルネットワークに応じて、信号処理の結果は信号生成部16、例えば、DDSコア、またはさらなる回路19を制御するために使用され得る。信号生成部16は例えば、デジタル-アナログ変換器(DAC)22及び電力増幅段23によってRF電力信号に変換される高周波信号の振幅、周波数及び位相等を調整するために用いられる。次いで、RF発生器2の出力で得られたRF電力信号は、インピーダンス整合ネットワーク4を介してプラズマ処理システム3に提供され得る。このようにして、例えば、RF発生器2の出力における方向性結合器20からの入力信号210のフィルタリングの結果は、例えばプラズマに供給されるRF電力が安定化され、プラズマからの反射電力が最小化されるように、RF電力信号を適応させるために直接的に使用することができる。
【0137】
加えて、信号処理回路17はまた、入力信号210を、特定の現象または望ましくない状況、例えば、プラズマ処理システム3における高電圧放電、またはプラズマ処理に関連するハードウェアコンポーネントの劣化、例えば、プラズマシステム内の粒子の蓄積、またはプラズマチャンバ31の洗浄または他の予防メンテナンスが必要とされ得ることを示すプラズマインピーダンスのドリフトを示すパターンについてモニタリングするように構成され得る。このような現象は、ユーザインターフェース90を介してユーザにフラグを立てる(259)か、または修正動作250をトリガすることができるプログラマブル回路10内のさらなる回路19によって直接作用させることができる。例えば、アーク現象や高電圧放電の場合、あるいはこのような現象が発生する可能性が高いと判断された場合、プログラマブル回路10は一定期間、RF電力の低減または完全なオフを開始することができる。これは、例えば、信号生成部16において生成されるRF信号の振幅を減少させることによって、またはDAC22を無効にすることによって、またはDAC22と電力増幅段23との間の接続を一定時間中断することによって達成することができる。
【0138】
プログラマブル回路10の回路レイアウトまたはプログラマブル回路10によって使用されるアルゴリズムは、メモリ70に記憶されてもよく、用途に応じて、異なる回路レイアウト255がプログラマブル回路10に実装されてもよい。
【0139】
トレーニングモードについて前述したように、アプリケーションモードにおいても、制御部80の少なくとも一部及び/又はメモリ70の一部は、プログラマブル回路10内に実装され得る。これは、信号処理回路17の異なる構成間の切り替えを大幅に加速することができるという利点を有する。
【0140】
実施形態の前述の説明は、実施例に基づいてのみ本発明を説明したものである。もちろん、各実施形態の各特徴は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、技術的に合理的である限り、互いに自由に組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0141】
1:システム、2:RF発生器、3:プラズマ処理装置、4:整合ネットワーク、5:プラズマ電力システム、10:回路、11:局部発振器、12:乗算、13:デジタルフィルタ、14:要素演算二乗、15:要素演算加算、16:信号生成部、17:信号処理回路、18:評価回路、19:追加回路、20:センサ、21:直流電源、22:デジタル-アナログ変換器(DAC)、23:電力増幅段(PA)、30:アナログ-デジタル変換器(ADC)、31:プラズマチャンバ、32:プラズマセンサ、40:インピーダンス整合回路、41:入力センサ、42:整合制御部、43:出力センサ、V/Iセンサ、50:アンチエイリアシングフィルタ、60:送電線、70:メモリ、80:制御回路、90:電子インターフェース、ユーザインターフェース、101:少なくとも1つの入力信号の提供、第1の方法ステップ、102:第2の方法ステップの実行、103:第3の方法ステップの決定、104:少なくとも1つの決定されたパラメータ結果の提供、第4の方法ステップ、105:パラメータ化、第5の方法ステップ、106:感知、第6の方法ステップ、107:実行、第7の方法ステップ、210:(保存された/既存の)入力信号、220:処理結果、230:(リアルタイム)入力信号、240:パラメータ結果、250:修正措置、251:ユーザパラメータセット、252a:ユーザ参照結果、252b:ユーザ参照入力信号、253:動作モード、254:パラメータセット、255:回路レイアウト、256:参照結果、257:記録された測定データセット、参照入力信号、258:プロセスレシピ、259:現象フラグ、310:処理プロシージャ、A:振幅、I:信号の同相部分、Q:信号の位相がずれた部分、φ:位相オフセット
図1a
図1b
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】