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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-15
(54)【発明の名称】折り畳み式表示装置とその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20240807BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20240807BHJP
   H05B 33/14 20060101ALI20240807BHJP
   H10K 77/10 20230101ALI20240807BHJP
   H10K 59/80 20230101ALI20240807BHJP
   H10K 59/95 20230101ALI20240807BHJP
   H10K 59/128 20230101ALI20240807BHJP
   H10K 59/60 20230101ALI20240807BHJP
   H10K 71/00 20230101ALI20240807BHJP
   H10K 59/40 20230101ALI20240807BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20240807BHJP
【FI】
G09F9/00 350Z
G06F3/041 660
G06F3/041 400
G09F9/00 366A
G09F9/00 338
H05B33/14 Z
H10K77/10
H10K59/80
H10K59/95
H10K59/128
H10K59/60
H10K71/00
H10K59/40
G09F9/30 308Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500390
(86)(22)【出願日】2022-06-30
(85)【翻訳文提出日】2024-01-05
(86)【国際出願番号】 KR2022009450
(87)【国際公開番号】W WO2023282542
(87)【国際公開日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】10-2021-0089445
(32)【優先日】2021-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】弁理士法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】キム,ミンジ
(72)【発明者】
【氏名】イ,ヨンヒョク
(72)【発明者】
【氏名】チョ,ヒョンジュン
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107AA05
3K107BB01
3K107CC41
3K107DD17
3K107EE63
3K107EE68
3K107FF15
3K107GG14
3K107GG28
3K107GG54
5C094AA47
5C094BA03
5C094BA27
5C094DA06
5C094EB01
5C094GB01
5G435AA06
5G435BB05
5G435EE13
5G435EE49
5G435GG41
5G435KK05
5G435KK10
(57)【要約】
本発明は電子ペンを用いるタッチ入力の感度が低下しないとともに表示パネルを支持できるパネル支持部材を含む折り畳み式表示装置とその製造方法に関するものである。一実施形態による折り畳み式表示装置の製造方法は、レーザを用いてパネル支持部材の縁を加工する段階、前記レーザを用いて前記パネル支持部材の折り畳み領域に格子パターンを形成する段階、前記パネル支持部材の一面上にデジタイザ部材を取り付ける段階、および前記パネル支持部材を表示パネルの一面上に取り付ける段階を含む。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り畳み領域、前記折り畳み領域の第1側に配置される第1非折り畳み領域、および前記折り畳み領域の第1側と対向する第2側に配置される第2非折り畳み領域、を含む表示パネルと、
前記表示パネルの一面上に配置され、第1方向に延びる複数のスリットを含むパネル支持部材と、を備え、
前記パネル支持部材は、
前記第1方向と交差する第2方向に延びる第1繊維原糸を有する第1層と、
前記第1方向に延びる第2繊維原糸を有する第2層と、
前記第2方向に延びる第3繊維原糸を有する第3層と、を含む、折り畳み式表示装置。
【請求項2】
前記第2層の厚さは前記第1層の厚さおよび前記第3層の厚さより厚い、請求項1に記載の折り畳み式表示装置。
【請求項3】
前記第2方向は前記折り畳み領域と前記第1非折り畳み領域の境界に相当する第1折曲線および前記折り畳み領域と前記第2非折り畳み領域の境界に相当する第2折曲線と平行である、請求項1に記載の折り畳み式表示装置。
【請求項4】
前記複数のスリットは前記折り畳み領域に配置される、請求項1に記載の折り畳み式表示装置。
【請求項5】
前記複数のスリットは、
第1列に配置される第1スリットと、
第2列に配置される第2スリットと、
第3列に配置される第3スリットと、を含み、
前記第2スリットは前記第1スリットと前記第3スリットに比べて前記第1方向にシフトして配置される、請求項4に記載の折り畳み式表示装置。
【請求項6】
前記第1スリットのうちいずれか一つの第1スリットの下半分、前記第2スリットのうちいずれか一つの第2スリットの上半分、および前記第3スリットのうちいずれか一つの第3スリットの下半分は前記第2方向で重なり合う、請求項5に記載の折り畳み式表示装置。
【請求項7】
アライメントマークを含む表示パネルと、
前記表示パネルの一面上に配置され、前記表示パネルの厚さ方向に延びるノッチ部を含むパネル支持部材と、を備え、
前記パネル支持部材は、
第1方向と交差する第2方向に延びる第1繊維原糸を有する第1層と、
前記第1方向に延びる第2繊維原糸を有する第2層と、
前記第2方向に延びる第3繊維原糸を有する第3層と、を含み、
前記アライメントマークは前記表示パネルの厚さ方向で前記ノッチ部と重なる、折り畳み式表示装置。
【請求項8】
前記ノッチ部は、
前記パネル支持部材の側面が凹んだ窪みまたは溝の形状を有する、請求項7に記載の折り畳み式表示装置。
【請求項9】
光を感知する光学装置をさらに備え、
前記表示パネルは前記表示パネルの厚さ方向で前記光学装置と重なる光透過領域を含み、
前記パネル支持部材は前記表示パネルの厚さ方向で前記光透過領域と重なる貫通孔を含む、請求項7に記載の折り畳み式表示装置。
【請求項10】
前記光透過領域の面積は前記貫通孔の面積より大きい、請求項9に記載の折り畳み式表示装置。
【請求項11】
レーザを用いてパネル支持部材の縁を加工する段階と、
前記レーザを用いて前記パネル支持部材の折り畳み領域に格子パターンを形成する段階と、
前記パネル支持部材の一面上にデジタイザ部材を取り付ける段階と、
前記パネル支持部材を表示パネルの一面上に取り付ける段階と、を含む、折り畳み式表示装置の製造方法。
【請求項12】
前記レーザのパルス期間は数ナノ秒ないし数百ナノ秒、数ピコ秒ないし数百ピコ秒、または数フェムト秒ないし数百フェムト秒である、請求項11に記載の折り畳み式表示装置の製造方法。
【請求項13】
前記レーザがUVレーザであり、前記レーザのパルス期間が数ナノ秒ないし数百ナノ秒である場合、前記レーザのスキャン速度は800mm/s以下であり、前記レーザのパルス繰り返し率は200kHz以下であり、前記レーザの出力は13W以下である、請求項11に記載の折り畳み式表示装置の製造方法。
【請求項14】
前記レーザがUVレーザであり、前記レーザのパルス期間が数ピコ秒ないし数百ピコ秒または数フェムト秒ないし数百フェムト秒である場合、前記レーザのスキャン速度は5000mm/s以下であり、前記レーザのパルス繰り返し率は3000kHz以下であり、前記レーザの出力は50W以下である、請求項11に記載の折り畳み式表示装置の製造方法。
【請求項15】
前記レーザがIRレーザであり、前記レーザのパルス期間が数ピコ秒ないし数百ピコ秒または数フェムト秒ないし数百フェムト秒である場合、前記レーザのスキャン速度は1000mm/s以下であり、前記レーザのパルス繰り返し率は2000kHz以下であり、前記レーザの出力は20W以下である、請求項11に記載の折り畳み式表示装置の製造方法。
【請求項16】
前記レーザを用いて前記パネル支持部材を貫通する貫通孔を形成する段階をさらに含む、請求項11に記載の折り畳み式表示装置の製造方法。
【請求項17】
前記レーザを用いて前記パネル支持部材の縁を加工する段階は、
前記パネル支持部材の一側面に配置される少なくとも一つのノッチ部を加工することである、請求項11に記載の折り畳み式表示装置の製造方法。
【請求項18】
前記格子パターンは複数のバーにより定義され、第1方向に延びる複数のスリットを含む、請求項11に記載の折り畳み式表示装置の製造方法。
【請求項19】
前記複数のスリットは前記第1方向と交差する第2方向に配置される第1スリット、第2スリット、および第3スリットを含み、
前記レーザを用いて前記パネル支持部材の前記折り畳み領域に前記格子パターンを形成する段階は、
前記第1スリットを加工し、前記第2スリットをスキップして、前記第3スリットを加工する段階を含む、請求項18に記載の折り畳み式表示装置の製造方法。
【請求項20】
前記複数のスリットは前記第1方向に配置される複数の第1スリットを含み、
前記レーザを用いて前記パネル支持部材の折り畳み領域に格子パターンを形成する段階は、
前記第1スリットのうちいずれか一つの第1スリットを加工し、前記第1スリットのうち加工した前記第1スリットと前記第1方向で隣り合う第1スリットをスキップして、スキップした前記第1スリットと前記第1方向で隣り合う第1スリットを加工する段階を含む、請求項18に記載の折り畳み式表示装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は折り畳み式表示装置とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
情報化社会の発展につれて映像を表示するための表示装置に対する要求が多様な形態で増加している。例えば、表示装置はスマートフォン、デジタルカメラ、ノートブックコンピュータ、ナビゲーション、およびスマートテレビのような多様な電子機器に適用されている。
【0003】
最近では表示装置の携帯性を高めると同時に広い表示画面を提供するために、表示領域が曲がることができる折り曲げ可能な表示装置(bendable display device)または表示領域を折り畳むことができる折り畳み式表示装置(foldable display device)が発売されている。
【0004】
また、表示装置はユーザの身体の一部(例えば、指)を用いるタッチ入力と共に電子ペン(例えば、スタイラスペン(stylus pen))を用いるタッチ入力をサポートしている。表示装置は電子ペンを用いるタッチ入力を用いることによってユーザの身体の一部を用いるタッチ入力のみを用いる場合よりも精密にタッチ入力を感知することができる。この場合、折り畳み式表示装置の表示パネルを支持する金属支持部材を用いる場合、金属支持部材によって電子ペンを用いるタッチ入力の感度が低下し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、電子ペンを用いるタッチ入力の感度が低下しないとともに表示パネルを支持できるパネル支持部材を含む折り畳み式表示装置を提供することにある。
【0006】
本発明が解決しようとする他の課題は、電子ペンを用いるタッチ入力の感度が低下しないとともに表示パネルを支持できるパネル支持部材を含む折り畳み式表示装置の製造方法を提供することにある。
【0007】
本発明の課題は以上で言及した課題に制限されず、言及されていないまた他の技術的課題は以下の記載から当業者に明確に理解されるものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するための一実施形態による折り畳み式表示装置は、折り畳み領域、前記折り畳み領域の第1側に配置される第1非折り畳み領域、および前記折り畳み領域の第1側に対向する第2側に配置される第2非折り畳み領域を含む表示パネルと、前記表示パネルの一面上に配置され、第1方向に延びる複数のスリットを含むパネル支持部材と、を備える。前記パネル支持部材は前記第1方向と交差する第2方向に延びる第1繊維原糸を有する第1層、前記第1方向に延びる第2繊維原糸を有する第2層、および前記第2方向に延びる第3繊維原糸を有する第3層を含む。
【0009】
前記第2層の厚さは前記第1層の厚さおよび前記第3層の厚さより厚くてもよい。
【0010】
前記第2方向は前記折り畳み領域と前記第1非折り畳み領域の境界に相当する第1折曲線および前記折り畳み領域と前記第2非折り畳み領域の境界に相当する第2折曲線と平行であってもよい。
【0011】
前記複数のスリットは前記折り畳み領域に配置され得る。
【0012】
前記複数のスリットは第1列に配置される第1スリット、第2列に配置される第2スリット、および第3列に配置される第3スリットを含み得る。前記第2スリットは前記第1スリットと前記第3スリットに比べて前記第1方向にシフトして配置され得る。
【0013】
前記第1スリットのうちいずれか一つの第1スリットの下半分、前記第2スリットのうちいずれか一つの第2スリットの上半分、および前記第3スリットのうちいずれか一つの第3スリットの下半分は前記第2方向で重なり合ってもよい。
【0014】
前記課題を解決するためのまた他の実施形態による折り畳み式表示装置は、アライメントマークを含む表示パネル、前記表示パネルの一面上に配置され、前記表示パネルの厚さ方向に延びるノッチ部を含むパネル支持部材を備える。前記パネル支持部材は第1方向と交差する第2方向に延びる第1繊維原糸を有する第1層、前記第1方向に延びる第2繊維原糸を有する第2層、および前記第2方向に延びる第3繊維原糸を有する第3層を含む。前記アライメントマークは前記表示パネルの厚さ方向で前記ノッチ部と重なる。
【0015】
前記ノッチ部は前記パネル支持部材の側面が凹んだ窪みまたは溝の形状を有し得る。
【0016】
光を感知する光学装置をさらに備え得る。前記表示パネルは前記表示パネルの厚さ方向で前記光学装置と重なる光透過領域を含み、前記パネル支持部材は前記表示パネルの厚さ方向で前記光透過領域と重なる貫通孔を含み得る。
【0017】
前記光透過領域の面積は前記貫通孔の面積より大きくてもよい。
【0018】
前記課題を解決するための一実施形態による折り畳み式表示装置の製造方法は、レーザを用いてパネル支持部材の縁を加工する段階と、前記レーザを用いて前記パネル支持部材の折り畳み領域に格子パターンを形成する段階と、前記パネル支持部材の一面上にデジタイザ部材を取り付ける段階と、前記パネル支持部材を表示パネルの一面上に取り付ける段階と、を含む。
【0019】
前記レーザのパルス期間は数ナノ秒ないし数百ナノ秒、数ピコ秒ないし数百ピコ秒、または数フェムト秒ないし数百フェムト秒であり得る。
【0020】
前記レーザがUVレーザであり、前記レーザのパルス期間が数ナノ秒ないし数百ナノ秒である場合、前記レーザのスキャン速度は800mm/s以下であり、前記レーザのパルス繰り返し率は200kHz以下であり、前記レーザの出力は13W以下であり得る。
【0021】
前記レーザがUVレーザであり、前記レーザのパルス期間が数ピコ秒ないし数百ピコ秒または数フェムト秒ないし数百フェムト秒である場合、前記レーザのスキャン速度は5000mm/s以下であり、前記レーザのパルス繰り返し率は3000kHz以下であり、前記レーザの出力は50W以下であり得る。
【0022】
前記レーザがIRレーザであり、前記レーザのパルス期間が数ピコ秒ないし数百ピコ秒または数フェムト秒ないし数百フェムト秒である場合、前記レーザのスキャン速度は1000mm/s以下であり、前記レーザのパルス繰り返し率は2000kHz以下であり、前記レーザの出力は20W以下であり得る。
【0023】
前記レーザを用いて前記パネル支持部材を貫通する貫通孔を形成する段階をさらに含み得る。
【0024】
前記レーザを用いて前記パネル支持部材の縁を加工する段階は前記パネル支持部材の一側面に配置される少なくとも一つのノッチ部を加工することであり得る。
【0025】
前記格子パターンは複数のバーにより定義され、第1方向に延びる複数のスリットを含み得る。
【0026】
前記複数のスリットは前記第1方向と交差する第2方向に配置される第1スリット、第2スリット、および第3スリットを含み得る。前記レーザを用いて前記パネル支持部材の前記折り畳み領域に前記格子パターンを形成する段階は前記第1スリットを加工し、前記第2スリットをスキップして、前記第3スリットを加工する段階を含み得る。
【0027】
前記複数のスリットは前記第1方向に配置される複数の第1スリットを含み得る。前記レーザを用いて前記パネル支持部材の折り畳み領域に格子パターンを形成する段階は前記第1スリットのうちいずれか一つの第1スリットを加工し、前記第1スリットのうち前記第1スリットと前記第1方向で隣り合う第1スリットをスキップして、スキップした第1スリットと前記第1方向で隣り合う第1スリットを加工する段階を含み得る。
【0028】
その他実施形態の具体的な内容は詳細な説明および図面に含まれている。
【発明の効果】
【0029】
実施形態による表示装置とその製造方法によれば、表示パネルの背面上に配置され、外部からの圧力により形状や体積が変わりにくい剛性部材であるパネル支持部材を含む。パネル支持部材は炭素繊維またはガラス繊維を含むポリマーで形成されるので、デジタイザ部材の磁場または電磁信号を通過させることができる。したがって、デジタイザ部材のタッチ感度が低下しないとともに表示パネルを安定的に支持することができる。
【0030】
実施形態による表示装置とその製造方法によれば、レーザのパルス期間、レーザのスキャン速度、レーザのパルス繰り返し率、およびレーザの出力を調整することによって、パネル支持部材に加えられるレーザのエネルギを減らすことができる。これにより、パネル支持部材の切断面に発生する熱エネルギを減らすことができるので、熱エネルギによる繊維原糸を保持するレジンの脱落やクラックの発生を防止することができる。したがって、パネル支持部材の切断面で繊維原糸の切断された一部が副産物として残ることを防止することができる。
【0031】
実施形態による表示装置とその製造方法によれば、パネル支持部材の折り畳み領域に格子パターンを形成する際、第1方向と第2方向で隣り合うスリットを連続して加工しないようにスリットの加工順序を定めることができる。これにより、スリットを定義する複数のバーでレーザによる熱エネルギが蓄積する領域をなくすことができる。したがって、熱エネルギによる繊維原糸を保持するレジンの脱落やクラックの発生を防止することができる。したがって、パネル支持部材の切断面で繊維原糸の切断された一部が副産物として残ることを防止することができる。
【0032】
実施形態による効果は、以上で例示した内容によって制限されず、より多様な効果が本明細書内に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1a】一実施形態による表示装置を示す斜視図である。
図1b】一実施形態による表示装置を示す斜視図である。
図2a】また他の実施形態による表示装置を示す斜視図である。
図2b】また他の実施形態による表示装置を示す斜視図である。
図3】一実施形態による表示装置を示す分解斜視図である。
図4】一実施形態による表示装置を示す側面図である。
図5図3図4の表示パネルの一例を詳細に示す断面図である。
図6図3図4のパネル支持部材の一例を示す斜視図である。
図7図3図4のパネル支持部材の一例を示す平面図である。
図8図7のI-I’に沿って切断したパネル支持部材の一例を示す断面図である。
図9】一実施形態による表示パネルのアライメントマークとパネル支持部材のノッチ部を示す例示図である。
図10図7のパネル支持部材の格子パターンの一例を詳細に示す平面図である。
図11】一実施形態による表示装置の製造方法を示す流れ図である。
図12】一実施形態によるパネル支持部材の縁の加工順序を示す例示図である。
図13図12のA領域におけるパネル支持部材の第3層の繊維原糸の延長方向とレーザの移動方向による副産物を示す一例示図である。
図14図13のB領域におけるパネル支持部材の第2層の繊維原糸の延長方向とレーザの移動方向による副産物を示す一例示図である。
図15】レーザのスキャン速度によるレーザのスボットを示す一例示図である。
図16】レーザのパルス期間によりレーザにより発生した熱エネルギ領域を示す一例示図である。
図17】一実施形態によるパネル支持部材の格子パターンの加工順序を示す例示図である。
図18】一実施形態によるパネル支持部材の格子パターンのバーの平面と一側面を示すイメージである。
図19】また他の実施形態によるパネル支持部材の格子パターンの加工順序を示す平面図である。
図20】また他の実施形態によるパネル支持部材の格子パターンのバーの平面と一側面を示すイメージである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明の利点および特徴、並びにこれらを達成する方法は添付する図面と共に詳細に後述する実施形態を参照すると明確になる。しかし、本発明は、以下に開示する実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で実現することができ、本実施形態は、単に本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供するものであり、本発明は請求項の範疇によってのみ定義される。
【0035】
素子(elements)または層が他の素子または層の「上(on)」と称される場合は他の素子のすぐ上または中間に他の層または他の素子が介在する場合をすべて含む。明細書全体にわたって同一参照符号は同一構成要素を指すものとする。実施形態を説明するための図面に開示された形状、大きさ、比率、角度、個数などは例示的なものであるため、本発明は図示した事項に限定されるものではない。
【0036】
第1、第2などが多様な構成要素を叙述するために使われるが、これらの構成要素はこれらの用語によって制限されないことは言うまでもない。これらの用語は単に一つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用する。したがって、以下で言及される第1構成要素は本発明の技術的思想内で第2構成要素であり得ることは言うまでもない。
【0037】
本発明の様々な実施形態のそれぞれの特徴を部分的にまたは全体的に互いに結合または組み合わせることが可能であり、技術的に多様な連動および駆動が可能であり、各実施形態は互いに対して独立して実施することもでき、互いに連携して実施することもできる。
【0038】
以下、添付する図面を参照して具体的な実施形態について説明する。
【0039】
図1aと図1bは一実施形態による折り畳み式表示装置を示す斜視図である。
【0040】
図1aには折曲線FL1,FL2で折り畳まれずに展開している折り畳み式表示装置10の第1状態が示されており、図1bには折曲線FL1,FL2で折り畳まれた折り畳み式表示装置10の第2状態が示されている。
【0041】
図1aと図1bを参照すると、一実施形態による折り畳み式表示装置10は、動画や静止映像を表示する装置であって、モバイルフォン(mobile phone)、スマートフォン(smart phone)、タブレットPC(tablet personal computer)、スマートウォッチ(smart watch)、ウォッチフォン(watch phone)、移動通信端末機、電子手帳、電子ブック、PMP(portable multimedia player)、ナビゲーション、UMPC(Ultra Mobile PC)などのような携帯用電子機器だけでなく、テレビ、ノートパソコン、モニター、広告板、モノのインターネット(internet of things,IOT)装置などの多様な製品の表示画面として使用することができる。
【0042】
図1aと図1bで、第1方向DR1は平面視において表示装置10の一辺と平行な方向であり、例えば表示装置10の横方向であり得る。第2方向DR2は平面視において表示装置10の一辺と接する他辺と平行な方向であり、表示装置10の縦方向であり得る。第3方向DR3は表示装置10の厚さ方向であり得る。
【0043】
表示装置10の平面形状は長方形のような四角形の形状を有することができる。表示装置10のコーナーそれぞれは直角の平面形状またはラウンドの平面形状を有することができる。表示装置10の前面は第1方向DR1に配置された2個の短辺と第2方向DR2に配置された2個の長辺を含み得る。
【0044】
表示装置10は表示領域DAと非表示領域NDAを含む。表示領域DAの平面形状は表示装置10の形状に追従し得る。例えば、表示装置10の平面形状が長方形である場合、表示領域DAの平面形状も長方形であり得る。しかし、本明細書の実施形態はこれに限定されず、表示領域DAの平面形状は表示装置10の形状に追従しなくてもよい。
【0045】
表示領域DAは複数の画素を含んで画像を表示する領域であり得る。非表示領域NDAは画素を含まないため画像を表示しない領域であり得る。非表示領域NDAは表示領域DAの周辺に配置される。非表示領域NDAは表示領域DAを囲むように配置されるが、本明細書の実施形態はこれに限られない。表示領域DAは非表示領域NDAにより部分的に囲まれ得る。
【0046】
表示装置10は展開した状態である第1状態と折り畳まれた状態である第2状態の両方を維持することができる。表示装置10は図1bのように表示領域DAが互いに対向するようにインフォールディング(in-folding)方式で折り畳まれることができる。この場合、表示装置10の前面は折り畳み時互いに対向し得る。または、表示装置10は背面が互いに対向するようにアウトフォールディング(out-folding)方式で折り畳まれることができる。
【0047】
表示装置10は折り畳み領域FDA、第1非折り畳み領域NFA1、および第2非折り畳み領域NFA2を含み得る。折り畳み領域FDAは表示装置10が曲がるか折り畳まれる領域であり、第1非折り畳み領域NFA1と第2非折り畳み領域NFA2は表示装置10が曲がらないか折り畳まれない領域であり得る。すなわち、第1非折り畳み領域NFA1と第2非折り畳み領域NFA2は表示装置10の平坦な領域であり得る。
【0048】
第1非折り畳み領域NFA1は折り畳み領域FDAの一つの側、例えば右側に配置される。第2非折り畳み領域NFA2は折り畳み領域FDAの他の側、例えば左側に配置される。折り畳み領域FDAは第1折曲線FL1と第2折曲線FL2により定義される領域であり、表示装置10が所定の曲率で曲がる領域であり得る。第1折曲線FL1は折り畳み領域FDAと第1非折り畳み領域NFA1の境界であり、第2折曲線FL2は折り畳み領域FDAと第2非折り畳み領域NFA2の境界であり得る。
【0049】
第1折曲線FL1と第2折曲線FL2は図1aおよび図1bのように第1方向DR1に延び、この場合、表示装置10は第2方向DR2に折り畳まれ得る。これにより、表示装置10の第2方向DR2の長さは概ね半分に減るので、ユーザが表示装置10を携帯するのに便利である。
【0050】
第1折曲線FL1と第2折曲線FL2が図1aおよび図1bのように第2方向DR2に延びる場合、折り畳み領域FDAの第2方向DR2の長さは第1方向DR1の長さより長くてもよい。また、第1非折り畳み領域NFA1の第2方向DR2の長さは第1非折り畳み領域NFA1の第1方向DR1の長さより長くてもよい。第2非折り畳み領域NFA2の第2方向DR2の長さは第2非折り畳み領域NFA2の第1方向DR1の長さより長くてもよい。
【0051】
表示領域DAと非表示領域NDAそれぞれは折り畳み領域FDA、第1非折り畳み領域NFA1、および第2非折り畳み領域NFA2のうち少なくとも一つに重なり得る。図1aおよび図1bでは表示領域DAと非表示領域NDAそれぞれが折り畳み領域FDA、第1非折り畳み領域NFA1、および第2非折り畳み領域NFA2に重なることを例示した。
【0052】
図2aと図2bはまた他の実施形態による表示装置を示す斜視図である。図2aはまた他の実施形態による表示装置が展開した状態を示す斜視図である。図2bはまた他の実施形態による表示装置が折り畳まれた状態を示す斜視図である。
【0053】
図2aおよび図2bの実施形態は、第1折曲線FL1と第2折曲線FL2が第1方向DR1に延び、表示装置10が第2方向DR2に折り畳まれるので、表示装置10の第2方向DR2の長さは概ね半分に減る点だけが図1aおよび図1bの実施形態と異なる。したがって、図2aおよび図2bでは図1aおよび図1bの実施形態と重複する説明は省略する。
【0054】
図2aおよび図2bを参照すると、第1非折り畳み領域NFA1は折り畳み領域FDAの一つの側、例えば下側に配置される。第2非折り畳み領域NFA2は折り畳み領域FDAの他の側、例えば上側に配置される。第1折曲線FL1と第2折曲線FL2が図2aおよび図2bのように第1方向DR1に延びる場合、折り畳み領域FDAの第1方向DR1の長さは第2方向DR2の長さより長くてもよい。
【0055】
図3は一実施形態による表示装置を示す分解斜視図である。図4は一実施形態による表示装置を示す側面図である。
【0056】
図3図4を参照すると、一実施形態による表示装置10は、上部保護部材100、ウィンドウ部材200、第1接着部材300、表示パネル400、パネル保護部材500、パネル下部部材600、パネル支持部材700、第2接着部材800、デジタイザ部材900、金属支持部材1000、緩衝部材1100、および第3接着部材1200を含み得る。
【0057】
表示パネル400は画像を表示するパネルであり得る。表示パネル400は有機発光層を含む有機発光表示パネル、量子ドット発光層を含む量子ドット発光表示パネル、発光素子として無機半導体素子を用いる無機発光表示パネル、および発光素子として超小型発光ダイオード(micro light emitting diode)を用いる超小型発光表示パネルであり得る。以下では、表示パネル400が有機発光表示パネルである場合を中心に説明するが、これに限られない。
【0058】
表示パネル400は第3方向DR3で光学装置OPDと重なる光透過領域LTAを含み得る。光学装置OPDは光を感知する光学センサとして、例えばカメラセンサ、近接センサ、および照度センサであり得る。光透過領域LTAは表示領域DAの一部分であり得る。
【0059】
光透過領域LTAは光を透過させる透過領域を含み得る。または、光透過領域LTAは表示パネルを貫通する貫通孔であり得る。光透過領域LTAの光透過度は光透過領域LTAを除いた表示領域DAの光透過度より高くてもよい。また、光透過領域LTAの透過領域により、光透過領域LTAでの画素の密度または集積度は光透過領域LTAを除いた表示領域DAでの画素の密度または集積度より低くてもよい。例えば、光透過領域LTAでの単位面積あたりの画素の個数は光透過領域LTAを除いた表示領域DAでの単位面積あたりの画素の個数より小さくてもよい。または、光透過領域LTAでのPPI(Pixels Per Inch)は光透過領域LTAを除いた表示領域DAでのPPIより小さくてもよい。
【0060】
ウィンドウ部材200は第1接着部材300により表示パネル400の前面上に取り付けられる。ウィンドウ部材200は透明な物質からなり、例えばガラスやプラスチックであり得る。例えば、ウィンドウ部材200は厚さが0.1mm以下の超薄膜ガラス(Ultra Thin Glass、UTG)であるか、透明なポリイミド(polyimide)フィルムであり得る。第1接着部材300は透明な接着フィルムであるか透明な接着レジンであり得る。
【0061】
上部保護部材100はウィンドウ部材200の前面上に配置される。上部保護部材100はウィンドウ部材200の前面に取り付けられる。上部保護部材100はウィンドウ部材200の飛散防止、衝撃吸収、打痕防止、指紋防止、グレア防止のうち少なくとも一つの機能をすることができる。
【0062】
上部保護部材100の背面には遮光パターンが形成されることができる。遮光パターンは上部保護部材100の縁または縁に隣接するように配置される。遮光パターンは光を遮断できる遮光物質を含むことができる。例えば、遮光パターンはカーボンブラックなどの無機黒色顔料、有機黒色顔料(organic black pigment)、または不透明な金属物質であり得る。
【0063】
パネル保護部材500は表示パネル400の背面上に配置される。パネル保護部材500は表示パネル400を支持し、表示パネル400の背面を保護する役割をすることができる。パネル保護部材500はポリエチレンテレフタレート(PET)またはポリイミド(polyimide)のようなプラスチックであり得る。図3図4ではパネル保護部材500が表示装置10の折り畳み領域FDAに配置される場合を例示したが、本明細書の実施形態はこれに限られない。例えば、パネル保護部材500は表示装置10が円滑に折り畳まれるようにするために表示装置10の折り畳み領域FDAから除去されてもよい。
【0064】
パネル下部部材600はパネル保護部材500の背面上に配置される。パネル下部部材600は外部から入射される光を吸収するための遮光層、外部からの衝撃を吸収するための緩衝層、および表示パネル400の熱を効率的に放出するための放熱層のうち少なくとも一つを含み得る。
【0065】
遮光層は光の透過を阻止して遮光層の下部に配置された構成、例えばデジタイザ部材900などが表示パネル400の上部で視認されることを防止する。遮光層はブラック顔料やブラック染料などのような光吸収物質を含むことができる。
【0066】
緩衝層は外部衝撃を吸収して表示パネル400が破損することを防止する。緩衝層は単一層または複数層からなる。例えば、緩衝層は、ポリウレタン(polyurethane)、ポリカーボネート(polycarbonate)、ポリプロピレン(polypropylene)、ポリエチレン(polyethylene)などのような高分子樹脂で形成されてもよく、ゴム、ウレタン系物質、またはアクリル系物質を発泡成形したスポンジなど弾性を有する物質を含んでいてもよい。
【0067】
放熱層はグラファイトやカーボンナノチューブなどを含む第1放熱層と、電磁波を遮蔽することができ、熱伝導性に優れる銅、ニッケル、フェライト、銀のような金属箔膜で形成された第2放熱層と、を含み得る。
【0068】
パネル支持部材700はパネル下部部材600の背面上に配置される。パネル支持部材700は外部からの圧力により形状や体積が変わりにくい剛性部材であり得る。例えば、パネル支持部材700は炭素繊維またはガラス繊維を含むポリマーであり得る。パネル支持部材700は折り畳み領域FDAで容易に曲がるように折り畳み領域FDAに配置される格子パターンを含み得る。
【0069】
パネル支持部材700は第3方向DR3で光学装置OPDと重なる貫通孔STHを含み得る。貫通孔STHは第3方向DR3で表示パネル400の光透過領域LTAと重なり得る。貫通孔STHの面積は光透過領域LTAの面積より小さくてもよい。光学装置OPDは光透過領域LTAと貫通孔STHを介して表示装置10の前面から入射される光を感知し得る。
【0070】
パネル支持部材700は図6ないし図11を参照して詳細に説明される。
【0071】
デジタイザ部材900は第1デジタイザ部材910と第2デジタイザ部材920を含み得る。第1デジタイザ部材910と第2デジタイザ部材920はパネル支持部材700の背面上に配置される。第1デジタイザ部材910と第2デジタイザ部材920は第2接着部材800によりパネル支持部材700の背面に取り付けられる。第2接着部材800は感圧粘着剤であり得る。
【0072】
第1デジタイザ部材910と第2デジタイザ部材920は表示装置10のフォールディングストレス(folding stress)を減らすために折り畳み領域FDAに配置されなくてもよい。第1デジタイザ部材910は第1非折り畳み領域NFA1に配置され、第2デジタイザ部材920は第2非折り畳み領域NFA2に配置される。第1デジタイザ部材910と第2デジタイザ部材920の間のギャップは折り畳み領域FDAと重なり、折り畳み領域FDAの幅より小さくてもよい。折り畳み領域FDAの幅は第2方向(Y軸方向)での折り畳み領域FDAの長さであり得る。
【0073】
第1デジタイザ部材910と第2デジタイザ部材920は、電磁誘導方式(electromagnetic resonance,EMR)を支援するスタイラスペン(stylus pen)のような電子ペンの接近または接触を感知するための電極パターンを含み得る。第1デジタイザ部材910と第2デジタイザ部材920は、電極パターンに基づいて電子ペンから放出された磁場または電磁信号を感知し、感知された磁場または電磁信号が最も大きい地点をタッチ座標として判断する。
【0074】
第1デジタイザ部材910の背面と第2デジタイザ部材920の背面には磁性金属粉末(magnetic metal powder)が配置されてもよい。この場合、第1デジタイザ部材910と第2デジタイザ部材920を通過した磁場または電磁信号が磁性金属粉末の内部に流れるようにすることができる。したがって、磁性金属粉末によって、第1デジタイザ部材910と第2デジタイザ部材920の磁場または電磁信号が表示装置10の背面に放出されることを減らすことができる。
【0075】
金属支持部材1000は第1金属支持部材1010と第2金属支持部材1020を含み得る。第1金属支持部材1010は第1デジタイザ部材910の背面上に配置され、第2金属支持部材1020は第2デジタイザ部材920の背面上に配置される。
【0076】
第1金属支持部材1010と第2金属支持部材1020は表示装置10のフォールディングストレスを減らすために折り畳み領域FDAに配置されなくてもよい。第1金属支持部材1010は第1非折り畳み領域NFA1に配置され、第2金属支持部材1020は第2非折り畳み領域NFA2に配置される。第1金属支持部材1010と第2金属支持部材1020の間のギャップは折り畳み領域FDAと重なり、折り畳み領域FDAの幅より小さくてもよい。
【0077】
第1金属支持部材1010と第2金属支持部材1020は第1デジタイザ部材910と第2デジタイザ部材920を支持するために高い剛性を有する物質を含むことができる。例えば、第1金属支持部材1010と第2金属支持部材1020はSUS316のようなステンレススチールを含むことができる。
【0078】
緩衝部材1100は第1緩衝部材1110と第2緩衝部材1120を含み得る。第1緩衝部材1110と第2緩衝部材1120は外部衝撃を吸収してパネル支持部材700およびデジタイザ部材900が破損することを防止する。第1緩衝部材1110と第2緩衝部材1120はゴム、ウレタン系物質、またはアクリル系物質を発泡成形したスポンジなど弾性を有する物質を含むことができる。
【0079】
第1緩衝部材1110は第1金属支持部材1010の背面上に配置され、第2緩衝部材1120は第2金属支持部材1020の背面上に配置される。第1緩衝部材1110と第2緩衝部材1120は表示装置10のフォールディングストレスを減らすために折り畳み領域FDAに配置されなくてもよい。第1緩衝部材1110は第1非折り畳み領域NFA1に配置され、第2緩衝部材1120は第2非折り畳み領域NFA2に配置される。第1緩衝部材1110と第2緩衝部材1120の間のギャップは折り畳み領域FDAと重なり、前記ギャップの幅は折り畳み領域FDAの幅より小さくてもよい。
【0080】
第3接着部材1200は第1金属支持部材1010の背面と第2金属支持部材1020の背面上に配置される。第3接着部材1200は第1金属支持部材1010の縁と第2金属支持部材1020の縁に配置される。第3接着部材1200は第1緩衝部材1110と第2緩衝部材1120を囲むように配置される。第3接着部材1200は金属支持部材1000の背面を緩衝部材1100の背面に配置されるフレームの前面に取り付ける防水テープまたは防水部材であり得る。これにより、第3接着部材1200により表示装置10に水分や粉塵が浸透することを防止することができる。すなわち、防水および防塵が可能な表示装置10を提供することができる。
【0081】
または、第3接着部材1200は第1緩衝部材1110と第2緩衝部材1120を囲まず、表示装置10の折り畳み(folding)を維持するための磁石と第3方向DR3で重なるように配置されることができる。この場合、第3接着部材1200は磁石の磁性によりデジタイザ部材900または表示パネル400が影響を受けることを防止するために磁性を遮蔽できる磁性遮蔽部材としての役割をすることができる。
【0082】
図3および図4のように、パネル支持部材700は表示パネル400の背面上に配置され、外部からの圧力により形状や体積が変わりにくい剛性部材であるから、表示パネル400を支持することができる。また、パネル支持部材700は炭素繊維またはガラス繊維を含むポリマーで形成されるので、デジタイザ部材900の磁場または電磁信号を通過させることができる。したがって、デジタイザ部材900のタッチ感度が低下しないとともに表示パネル400を支持できるパネル支持部材700を提供することができる。
【0083】
また、パネル支持部材700は折り畳み領域FDAに配置される格子パターンを含むことによって、表示装置10の折り畳み時にパネル支持部材700が容易に曲がることができる。
【0084】
図5図3図4の表示パネルの一例を詳細に示す断面図である。
【0085】
図5を参照すると、基板SUB上には表示層DISLが配置される。表示層DISLは薄膜トランジスタ層TFTL、発光素子層EML、および封止層TFELを含み得る。
【0086】
基板SUB上には薄膜トランジスタ層TFTLが配置される。薄膜トランジスタ層TFTLはバリア膜BR、薄膜トランジスタTFT1、第1キャパシタ電極CAE1、第2キャパシタ電極CAE2、第1アノード連結電極ANDE1、第2アノード連結電極ANDE2、ゲート絶縁膜130、第1層間絶縁膜141、第2層間絶縁膜142、第1平坦化膜160、および第2平坦化膜180を含み得る。
【0087】
基板SUBは高分子樹脂などの絶縁物質からなる。例えば、基板SUBはポリイミド(polyimide)からなる。基板SUBはベンディング(bending)、フォールディング(folding)、ローリング(rolling)などが可能なフレキシブル(flexible)基板であり得る。
【0088】
基板SUB上にはバリア膜BRが配置される。バリア膜BRは透湿に弱い基板SUBを介して浸透する水分から薄膜トランジスタ層TFTLの薄膜トランジスタと発光素子層EMLの発光層172を保護するための膜である。バリア膜BRは交互に積層された複数の無機膜からなる。例えば、バリア膜BRはシリコンナイトライド層、シリコンオキシナイトライド層、シリコンオキシド層、チタンオキシド層、およびアルミニウムオキシド層のうち一つ以上の無機膜が交互に積層された多重膜で形成されることができる。
【0089】
バリア膜BR上には薄膜トランジスタTFT1が配置される。バリア膜BR上には薄膜トランジスタTFT1のアクティブ層ACT1が配置される。薄膜トランジスタTFT1のアクティブ層ACT1は多結晶シリコン、単結晶シリコン、低温多結晶シリコン、非晶質シリコン、または酸化物半導体を含むことができる。
【0090】
アクティブ層ACT1はチャネル領域CHA1、ソース領域S1、およびドレイン領域D1を含み得る。チャネル領域CHA1は基板SUBの厚さ方向である第3方向DR3でゲート電極G1と重なる領域であり得る。ソース領域S1はチャネル領域CHA1の一つの側に配置され、ドレイン領域D1はチャネル領域CHA1の他の側に配置される。ソース領域S1とドレイン領域D1は第3方向DR3でゲート電極G1と重ならない領域であり得る。ソース領域S1とドレイン領域D1はシリコン半導体または酸化物半導体にイオンまたは不純物がドープされて導電性を有する領域であり得る。
【0091】
薄膜トランジスタTFT1のアクティブ層ACT1上にはゲート絶縁膜130が配置される。ゲート絶縁膜130は無機膜、例えばシリコンナイトライド層、シリコンオキシナイトライド層、シリコンオキシド層、チタンオキシド層、またはアルミニウムオキシド層で形成されることができる。
【0092】
ゲート絶縁膜130上には薄膜トランジスタTFT1のゲート電極G1と第1キャパシタ電極CAE1が配置される。ゲート電極G1は第3方向DR3でアクティブ層ACT1と重なり得る。図5ではゲート電極G1と第1キャパシタ電極CAE1が互いに離れて配置された場合を示したが、ゲート電極G1と第1キャパシタ電極CAE1は互いに連結されて一体に形成されることができる。ゲート電極G1と第1キャパシタ電極CAE1は、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)および銅(Cu)のいずれか一つまたはこれらの合金からなる単一層または多重層で形成されることができる。
【0093】
薄膜トランジスタTFT1のゲート電極G1と第1キャパシタ電極CAE1上には第1層間絶縁膜141が配置される。第1層間絶縁膜141は無機膜、例えばシリコンナイトライド層、シリコンオキシナイトライド層、シリコンオキシド層、チタンオキシド層、またはアルミニウムオキシド層で形成されることができる。第1層間絶縁膜141は複数の無機膜で形成されることができる。
【0094】
第1層間絶縁膜141上には第2キャパシタ電極CAE2が配置される。第2キャパシタ電極CAE2は第3方向DR3で薄膜トランジスタTFT1の第1キャパシタ電極CAE1と重なり得る。また、ゲート電極G1と第1キャパシタ電極CAE1が一体に形成される場合、第2キャパシタ電極CAE2は第3方向DR3でゲート電極G1と重なり得る。第1層間絶縁膜141が所定の誘電率を有するので、第1キャパシタ電極CAE1、第2キャパシタ電極CAE2、およびこれらの間に配置された第1層間絶縁膜141によりキャパシタが形成されることができる。第2キャパシタ電極CAE2は、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)および銅(Cu)のいずれか一つまたはこれらの合金からなる単一層または多重層で形成されることができる。
【0095】
第2キャパシタ電極CAE2上には第2層間絶縁膜142が配置される。第2層間絶縁膜142は無機膜、例えばシリコンナイトライド層、シリコンオキシナイトライド層、シリコンオキシド層、チタンオキシド層、またはアルミニウムオキシド層で形成されることができる。第2層間絶縁膜142は複数の無機膜で形成されることができる。
【0096】
第2層間絶縁膜142上には第1アノード連結電極ANDE1が配置される。第1アノード連結電極ANDE1はゲート絶縁膜130、第1層間絶縁膜141、および第2層間絶縁膜142を貫通する第1連結コンタクトホールANCT1を介して薄膜トランジスタTFT1のドレイン領域D1に連結され得る。第1アノード連結電極ANDE1は、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)および銅(Cu)のいずれか一つまたはこれらの合金からなる単一層または多重層で形成されることができる。
【0097】
第1アノード連結電極ANDE1上には薄膜トランジスタTFT1による段差を平坦化するための第1平坦化膜160が配置される。第1平坦化膜160は、アクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)、ポリイミド樹脂(polyimide resin)などの有機膜で形成されることができる。
【0098】
第1平坦化膜160上には第2アノード連結電極ANDE2が配置される。第2アノード連結電極ANDE2は第1平坦化膜160を貫通する第2連結コンタクトホールANCT2を介して第1アノード連結電極ANDE1に連結され得る。第2アノード連結電極ANDE2は、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)および銅(Cu)のいずれか一つまたはこれらの合金からなる単一層または多重層で形成されることができる。
【0099】
第2アノード連結電極ANDE2上には第2平坦化膜180が配置される。第2平坦化膜180は、アクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)、ポリイミド樹脂(polyimide resin)などの有機膜で形成されることができる。
【0100】
第2平坦化膜180上には発光素子LELとバンク190を含む発光素子層EMLが配置される。発光素子LELそれぞれは画素電極171、発光層172、および共通電極173を含む。
【0101】
画素電極171は第2平坦化膜180上に配置される。画素電極171は第2平坦化膜180を貫通する第3連結コンタクトホールANCT3を介して第2アノード連結電極ANDE2に連結され得る。
【0102】
発光層172を基準として共通電極173方向に発光するトップエミッション(top emission)構造において、画素電極171はアルミニウム(Al)とチタン(Ti)の積層構造(Ti/Al/Ti)、アルミニウム(Al)とITO(Indium Tin Oxide)の積層構造(ITO/Al/ITO)、銀(Ag)とITO(Indium Tin Oxide)の積層構造(ITO/Ag/ITO)、APC合金、およびAPC合金とITOの積層構造(ITO/APC/ITO)のような反射率が高い金属物質で形成されることができる。APC合金は銀(Ag)、パラジウム(Pd)、および銅(Cu)の合金である。
【0103】
バンク190は第1発光部EA1、第2発光部EA2、第3発光部EA3、および第4発光部EA4を定義するために、第2平坦化膜180上で画素電極171を画するように形成されることができる。バンク190は画素電極171の縁を覆うように配置される。バンク190は、アクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)、ポリイミド樹脂(polyimide resin)などの有機膜で形成されることができる。
【0104】
第1発光部EA1、第2発光部EA2、第3発光部EA3、および第4発光部EA4それぞれは画素電極171、発光層172、および共通電極173が順次積層されて画素電極171からの正孔と共通電極173からの電子が発光層172で再結合することによって発光する領域を示す。
【0105】
画素電極171とバンク190上には発光層172が配置される。発光層172は有機物質を含んで所定の色を発光することができる。例えば、発光層172は正孔輸送層(hole transporting layer)、有機物質層、および電子輸送層(electron transporting layer)を含む。
【0106】
共通電極173は発光層172上に配置される。共通電極173は発光層172を覆うように配置される。共通電極173は第1発光部EA1、第2発光部EA2、第3発光部EA3、および第4発光部EA4に共通して形成される共通層であり得る。共通電極173上にはキャッピング層(capping layer)が形成されてもよい。
【0107】
トップエミッション構造における共通電極173は、光を透過させ得るITO、IZOのような透明な金属物質(TCO,Transparent Conductive Material)、またはマグネシウム(Mg)、銀(Ag)、またはマグネシウム(Mg)と銀(Ag)の合金のような半透過金属物質(Semi-transmissive Conductive Material)で形成されることができる。共通電極173が半透過金属物質で形成される場合、マイクロキャビティ(micro cavity)により光出射効率が高くなる。
【0108】
バンク190上にはスペーサ191が配置される。スペーサ191は発光層172を製造する製造工程中にマスクを支持する役割をすることができる。スペーサ191は、アクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)、ポリイミド樹脂(polyimide resin)などの有機膜で形成されることができる。
【0109】
共通電極173上には封止層TFELが配置される。封止層TFELは発光素子層EMLに酸素または水分が浸透することを防止するために少なくとも一つの無機膜を含む。また、封止層TFELはゴミのような異物から発光素子層EMLを保護するために少なくとも一つの有機膜を含む。例えば、封止層TFELは第1封止無機膜TFE1、封止有機膜TFE2、および第2封止無機膜TFE3を含む。
【0110】
第1封止無機膜TFE1は共通電極173上に配置され、封止有機膜TFE2は第1封止無機膜TFE1上に配置され、第2封止無機膜TFE3は封止有機膜TFE2上に配置される。第1封止無機膜TFE1と第2封止無機膜TFE3はシリコンナイトライド層、シリコンオキシナイトライド層、シリコンオキシド層、チタンオキシド層、およびアルミニウムオキシド層のうち一つ以上の無機膜が交互に積層された多重膜で形成されることができる。封止有機膜TFE2は、アクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)、ポリイミド樹脂(polyimide resin)などの有機膜であり得る。
【0111】
封止層TFEL上にはタッチ感知層TDLが配置される。タッチ感知層TDLは第1タッチ絶縁膜TINS1、連結電極BE、第2タッチ絶縁膜TINS2、駆動電極TE、感知電極RE、および第3タッチ絶縁膜TINS3を含む。
【0112】
第1タッチ絶縁膜TINS1は封止層TFEL上に配置される。第1タッチ絶縁膜TINS1は無機膜、例えばシリコンナイトライド層、シリコンオキシナイトライド層、シリコンオキシド層、チタンオキシド層、またはアルミニウムオキシド層で形成されることができる。
【0113】
第1タッチ絶縁膜TINS1上には連結電極BEが配置される。連結電極BEは、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)および銅(Cu)のいずれか一つまたはこれらの合金からなる単一層または多重層で形成されることができる。
【0114】
連結電極BE上には第2タッチ絶縁膜TINS2が配置される。第2タッチ絶縁膜TINS2は無機膜、例えばシリコンナイトライド層、シリコンオキシナイトライド層、シリコンオキシド層、チタンオキシド層、またはアルミニウムオキシド層で形成されることができる。または、第2タッチ絶縁膜TINS2は、アクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)、ポリイミド樹脂(polyimide resin)などの有機膜で形成されることができる。
【0115】
第2タッチ絶縁膜TINS2上には駆動電極TEと感知電極REが配置される。また、駆動電極TEと感知電極REだけでなく、図4に示すダミーパターンDE、第1タッチ駆動配線TL1、第2タッチ駆動配線TL2、およびタッチ感知配線RLが第2タッチ絶縁膜TINS2上に配置される。駆動電極TEと感知電極REは、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)および銅(Cu)のいずれか一つまたはこれらの合金からなる単一層または多重層で形成されることができる。
【0116】
駆動電極TEと感知電極REは第3方向DR3で連結電極BEと重なり得る。駆動電極TEは第1タッチ絶縁膜TINS1を貫通するタッチコンタクトホールTCNT1を介して連結電極BEに連結され得る。
【0117】
駆動電極TEと感知電極RE上には第3タッチ絶縁膜TINS3が形成される。第3タッチ絶縁膜TINS3は駆動電極TE、感知電極RE、および連結電極BEにより形成された段差を平坦化する役割をすることができる。第3タッチ絶縁膜TINS3は、アクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)、ポリイミド樹脂(polyimide resin)などの有機膜で形成されることができる。
【0118】
図6図3図4のパネル支持部材の一例を示す斜視図である。図7図3図4のパネル支持部材の一例を示す平面図である。図8図7のA-A’に沿って切断したパネル支持部材の一例を示す断面図である。図9は一実施形態による表示パネルのアライメントマークとパネル支持部材のノッチ部を示す例示図である。図10図7のパネル支持部材の格子パターンの一例を詳細に示す平面図である。
【0119】
図6ないし図10を参照すると、パネル支持部材700は炭素繊維またはガラス繊維とレジンを含むポリマーであり得る。パネル支持部材700が炭素繊維を含む場合、レジンはエポキシ、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリブチレン、またはビニルエステルであり得る。パネル支持部材700がガラス繊維を含む場合、レジンはエポキシ、ポリエステル、ポリアミド、またはビニルエステルであり得る。
【0120】
パネル支持部材700は図8のように第1層L1、第2層L2、および第3層L3を含み得る。第1層L1は第2方向DR2に延びる第1繊維原糸CF1を含むプリプレグであり得る。第2層L2は第1方向DR1に延びる第2繊維原糸CF2を含むプリプレグであり得る。第3層L3は第2方向DR2に延びる繊維原糸CF3を含むプリプレグであり得る。第1繊維原糸CF1、第2繊維原糸CF2、および第3繊維原糸CF3それぞれは炭素繊維原糸またはガラス繊維原糸であり得る。第1繊維原糸CF1、第2繊維原糸CF2、および第3繊維原糸CF3それぞれの幅は概ね7μm~10μmであり得るが、本明細書の実施形態はこれに限られない。第1層L1、第2層L2、および第3層L3は熱圧プレスまたはオートクレーブ(auto clave)により積層されることができる。第1方向DR1と第2方向DR2は直交する方向であり得る。また、第1方向DR1は第1折曲線FL1および第2折曲線FL2と平行な方向であり得る。
【0121】
第2層L2の第2繊維原糸CF2の延長方向と折曲線FL1,FL2の延長方向は第1方向DR1で、同一であるため、第2層L2は表示装置10を折り畳む際に容易に折り畳まれることができる。しかし、パネル支持部材700が第2繊維原糸CF2を有する第2層L2のみを含む場合、パネル支持部材700が第1方向DR1で反るか曲がり得る。すなわち、パネル支持部材700が第2繊維原糸CF2を有する第2層L2のみを含む場合、パネル支持部材700の平坦度と剛性は低い。
【0122】
パネル支持部材700は第2層L2だけでなく、第2方向DR2に延びる第1繊維原糸CF1を有する第1層L1と第2方向DR2に延びる第3繊維原糸CF3を有する第3層L3をさらに含むことによって、パネル支持部材700が第1方向DR1に反るか曲がることを防止できるだけでなく、パネル支持部材700の剛性を高めることができる。
【0123】
ただし、パネル支持部材700は折り畳み方向を考慮すると、第2層L2の厚さTh2は第1層L1の厚さTh1および第3層L3の厚さTh3より厚くてもよい。第1層L1の厚さTh1と第3層L3の厚さTh3は実質的に同じであり得るが、本明細書の実施形態はこれに限られない。例えば、第2層L2の厚さTh2は概ね120μmであり、第1層L1の厚さTh1と第3層L3の厚さTh3は概ね20~30μmであり得る。
【0124】
図3および図4のように、パネル支持部材700の厚さはデジタイザ部材900の厚さより厚くてもよい。また、図3および図4のようにパネル支持部材700の厚さは表示パネル400の厚さより厚くてもよい。例えば、パネル支持部材700の厚さは概ね100μm~300μmであり得る。
【0125】
パネル支持部材700は格子パターン710、第1平坦部720、および第2平坦部730を含む。格子パターン710は折り畳み領域FDAに配置され、第1平坦部720は第1非折り畳み領域NFA1に配置され、第2平坦部730は第2非折り畳み領域NFA2に配置される。
【0126】
格子パターン710は複数のバー(BAR)によって定義される複数のスリットSLTを含み得る。複数のスリットSLTそれぞれは第3方向DR3でパネル支持部材700を貫通する孔(hole)であり得る。
【0127】
複数のスリットSLTそれぞれは第1方向DR1に延び得る。すなわち、複数のスリットSLTそれぞれの第1方向DR1の長さは第2方向DR2の長さより長くてもよい。格子パターン710は複数のスリットSLTを含むことによって柔軟性を有することができる。すなわち、格子パターン710は表示装置10の折り畳み時に第2方向DR2に延伸されることができる。
【0128】
図10では格子パターン710の一例として、第1ないし第11列C1~C11に配置される複数のスリットSLTを例示した。第1列C1に配置されるスリットSLTそれぞれは第1スリットSLT1と定義され、第2列C2に配置されるスリットSLTそれぞれは第2スリットSLT2と定義され、第3列C3に配置されるスリットSLTそれぞれは第3スリットSLT3と定義されることができる。第4列C4に配置されるスリットSLTそれぞれは第4スリットSLT4と定義され、第5列C5に配置されるスリットSLTそれぞれは第5スリットSLT5と定義され、第6列C6に配置されるスリットSLTそれぞれは第6スリットSLT6と定義されることができる。第7列C7に配置されるスリットSLTそれぞれは第7スリットSLT7と定義され、第8列C8に配置されるスリットSLTそれぞれは第8スリットSLT8と定義され、第9列C9に配置されるスリットSLTそれぞれは第9スリットSLT9と定義されることができる。第10列C10に配置されるスリットSLTそれぞれは第10スリットSLT10と定義され、第11列C11に配置されるスリットSLTそれぞれは第11スリットSLT11と定義されることができる。
【0129】
複数のバー(BAR)は第1ないし第10垂直バーVBAR1~VBAR10と第1ないし第11水平バーHBAR1~HBAR11を含み得る。
【0130】
第1垂直バーVBAR1は第1スリットSLT1と第2スリットSLT2の間に配置され、第2垂直バーVBAR2は第2スリットSLT2と第3スリットSLT3の間に配置され、第3垂直バーVBAR3は第3スリットSLT3と第4スリットSLT4の間に配置され、第4垂直バーVBAR4は第4スリットSLT4と第5スリットSLT5の間に配置され、第5垂直バーVBAR5は第5スリットSLT5と第6スリットSLT6の間に配置される。第6垂直バーVBAR6は第6スリットSLT6と第7スリットSLT7の間に配置され、第7垂直バーVBAR7は第7スリットSLT7と第8スリットSLT8の間に配置され、第8垂直バーVBAR8は第8スリットSLT8と第9スリットSLT9の間に配置され、第9垂直バーVBAR9は第9スリットSLT9と第10スリットSLT10の間に配置され、第10垂直バーVBAR10は第10スリットSLT10と第11スリットSLT11の間に配置され、第11垂直バーVBAR11は第11スリットSLT11と第12スリットSLT12の間に配置される。
【0131】
第1水平バーHBAR1は第1方向DR1で隣り合う第1スリットSLT1の間に配置され、第2水平バーHBAR2は第1方向DR1で隣り合う第2スリットSLT2の間に配置され、第3水平バーHBAR3は第1方向DR1で隣り合う第3スリットSLT3の間に配置される。第4水平バーHBAR4は第1方向DR1で隣り合う第4スリットSLT4の間に配置され、第5水平バーHBAR5は第1方向DR1で隣り合う第5スリットSLT5の間に配置され、第6水平バーHBAR6は第1方向DR1で隣り合う第6スリットSLT6の間に配置される。第7水平バーHBAR7は第1方向DR1で隣り合う第7スリットSLT7の間に配置され、第8水平バーHBAR8は第1方向DR1で隣り合う第8スリットSLT8の間に配置され、第9水平バーHBAR9は第1方向DR1で隣り合う第9スリットSLT9の間に配置され、第10水平バーHBAR10は第1方向DR1で隣り合う第10スリットSLT10の間に配置される。また、第11水平バーHBAR11は第1方向DR1で隣り合う第11スリットSLT11の間に配置される。
【0132】
第1スリットSLT1、第2スリットSLT2、第3スリットSLT3、および第4スリットSLT4は第2方向DR2で順次配置される。第2方向DR2で順次配置される第1スリットSLT1、第2スリットSLT2、第3スリットSLT3、第4スリットSLT4のうち第2スリットSLT2と第4スリットSLT4は第1スリットSLT1と第3スリットSLT3に比べて第1方向DR1にシフトして配置される。したがって、第1スリットSLT1の下半分、第2スリットSLT2の上半分、第3スリットSLT3の下半分、および第4スリットSLT4の上半分が第1方向DR1で重なり得る。または、第1スリットSLT1の上半分、第2スリットSLT2の下半分、第3スリットSLT3の上半分、および第4スリットSLT4の下半分が第1方向DR1で重なり得る。
【0133】
また、第1水平バーHBAR1と第3水平バーHBAR3は第2方向DR2と平行に配置され、第2水平バーHBAR2と第4水平バーHBAR4は第2方向DR2と平行に配置される。さらに、第2水平バーHBAR2は第1スリットSLT1と第3スリットSLT3の間に配置され、第3水平バーHBAR3は第2スリットSLT2と第4スリットSLT4の間に配置される。
【0134】
第1平坦部720と第2平坦部730それぞれの前面は平坦に形成される。第1平坦部720と第2平坦部730の側面それぞれには少なくとも一つのノッチ部NTHが配置される。ノッチ部NTHは第3方向DR3で延びる窪みまたは溝の形状に形成されることができる。ノッチ部NTHは第1平坦部720または第2平坦部730の側面が凹んだ形状を有することができる。
【0135】
ノッチ部NTHは図9のように第3方向DR3で表示パネル400の前面に配置されるアライメントマークAKと重なり得る。したがって、整列カメラAC、ノッチ部NTH、およびアライメントマークAKは第3方向DR3で整列することができる。したがって、表示パネル400の背面に配置されるアライメントマークAKがノッチ部NTHを介して整列カメラACにより撮影されることができる。したがって、整列カメラACにより表示パネル400のアライメントマークAKを他の構成(例えば、デジタイザ部材900)のアライメントマークと整列することによって、表示パネル400を他の構成(例えば、デジタイザ部材900)と整列することができる。
【0136】
また、第1平坦部720にはパネル支持部材700を貫通する貫通孔STHが配置される。貫通孔STHは第1平坦部720の一つの側の縁に隣接するように配置される。
【0137】
図11は一実施形態による表示装置の製造方法を示す流れ図である。以下では、図11を参照して一実施形態による表示装置の製造方法について詳細に説明する。
【0138】
第一に、レーザ装置のレーザを用いて未加工のパネル支持部材700_1を加工することによって、表示装置10の表示パネル400に適した縁を有するパネル支持部材700を形成する。例えば、前記加工によりパネル支持部材700は第3方向DR3で表示パネル400のアライメントマークAKを覆わずに露出するためのノッチ部NTHを含み得る(図11のS100)。
【0139】
図12を参照すると、レーザ装置は第1加工ラインPL1に沿ってレーザを出力してから、第2加工ラインPL2に沿ってレーザを出力する。それから、レーザ装置は第3加工ラインPL3に沿ってレーザを出力してから、第4加工ラインPL4に沿ってレーザを出力する。レーザ装置は第1ないし第4加工ラインPL1,PL2,PL3,PL4に沿って数ないし数十回レーザを出力し、これによりパネル支持部材700の縁が加工されることができる。レーザ装置のレーザ出力回数はレーザのエネルギによって変わり得る。
【0140】
第1加工ラインPL1は平面視においてパネル支持部材700の第1辺(例えば、左側辺)を形成するためのラインであり得る。第1加工ラインPL1によりパネル支持部材700の左側面が形成されることができる。第1加工ラインPL1はノッチ部NTHを除いては第1方向DR1に延び得る。
【0141】
第2加工ラインPL2は平面視においてパネル支持部材700の第2辺(例えば、上側辺)を形成するためのラインであり得る。第2加工ラインPL2によりパネル支持部材700の上側面が形成されることができる。第2加工ラインPL2はノッチ部NTHを除いては第2方向DR2に延び得る。
【0142】
第3加工ラインPL3は平面視においてパネル支持部材700の第3辺(例えば、右側辺)を形成するためのラインであり得る。第3加工ラインPL3によりパネル支持部材700の右側面が形成されることができる。第3加工ラインPL3はノッチ部NTHを除いては第1方向DR1に延び得る。
【0143】
第4加工ラインPL4は平面視においてパネル支持部材700の第4辺(例えば、下側辺)を形成するためのラインであり得る。第4加工ラインPL4によりパネル支持部材700の下側面が形成されることができる。第4加工ラインPL4はノッチ部NTHを除いては第2方向DR2に延び得る。
【0144】
第1ないし第4加工ラインPL1,PL2,PL3,PL4に沿ってパネル支持部材700の縁を完成した後に、レーザ装置は第5加工ラインPL5に沿って数ないし数十回レーザを出力し、これによりパネル支持部材700の貫通孔STHが加工されることができる。第5加工ラインPL5は貫通孔STHの平面形状と実質的に同一であり得る。
【0145】
一方、図13を参照すると、A領域ではパネル支持部材700の第3層L3の第3繊維原糸CF3は第1方向DR1に延び、第1加工ラインPL1も第1方向DR1に延びる。しかし、第1加工ラインPL1の延長方向と第3繊維原糸CF3の延長方向は完全に一致しないこともある。これにより、レーザを用いて第1加工ラインPL1に沿ってパネル支持部材700を加工または切断する場合、第3繊維原糸CF3がちゃんと切断されず、第3繊維原糸CF3の切断された一部が副産物(BURR)の形態で残り得る。一方、図13では説明の便宜上、A領域で未加工のパネル支持部材700_1が第1加工ラインPL1に沿って切断されることによって除去される第3繊維原糸CF3を点線で図示した。
【0146】
また、A領域ではパネル支持部材700の第1層L1の第1繊維原糸CF1の延長方向も第1方向DR1に延び得る。しかし、第1加工ラインPL1の延長方向と第1繊維原糸CF1の延長方向も完全に一致しないこともある。これにより、レーザを用いて第1加工ラインPL1に沿ってパネル支持部材700を加工または切断する場合、第1繊維原糸CF1がちゃんと切断されず、第1繊維原糸CF1の切断された一部も副産物(BURR)の形態で残り得る。
【0147】
さらに、A領域と同様に、C領域ではパネル支持部材700の第1繊維原糸CF1または第3繊維原糸CF3の切断された一部が副産物(BURR)の形態で残り得る。
【0148】
図14を参照すると、B領域ではパネル支持部材700の第2層L2の第2繊維原糸CF2は第2方向DR2に延び、第2加工ラインPL2も第2方向DR2に延びる。しかし、第2加工ラインPL2の延長方向と第2繊維原糸CF2の延長方向は完全に一致しないこともある。これにより、レーザを用いて第2加工ラインPL2に沿ってパネル支持部材700を加工または切断する場合、第2繊維原糸CF2がちゃんと切断されず、第2繊維原糸CF2の切断された一部が副産物(BURR)の形態で残り得る。一方、図14では説明の便宜上、B領域で未加工のパネル支持部材700_1が第2加工ラインPL2に沿って切断されることによって除去される第2繊維原糸CF2を点線で図示した。
【0149】
さらに、B領域と同様に、D領域ではパネル支持部材700の第2繊維原糸CF2の切断された一部が副産物(BURR)の形態で残り得る。
【0150】
図13および図14のように、A領域で第1繊維原糸CF1または第3繊維原糸CF3の切断された一部が副産物(BURR)として残り、B領域で第2繊維原糸CF2の切断された一部が副産物(BURR)として残り得る。より具体的に説明すると、パネル支持部材700の縁加工のための工程時間を減らすためにレーザ装置が高いエネルギのレーザを出力する場合、レーザにより切断される切断面に高い熱エネルギが発生し得る。熱エネルギによりパネル支持部材700で繊維原糸CF1,CF2,CF3を保持するレジンが脱落することによって、パネル支持部材700の切断面で第1繊維原糸CF1、第2繊維原糸CF2、または第3繊維原糸CF3の切断された一部が外部に突出して副産物(BURR)として残り得る。
【0151】
この場合、図9のように整列カメラACを用いて表示パネル400のアライメントマークAKを撮影する時、副産物(BURR)によりアライメントマークAKが正しく認識されないことがある。また、AまたはB領域で第1繊維原糸CF1、第2繊維原糸CF2、または第3繊維原糸CF3の切断された一部が副産物(BURR)として残る場合、パネル支持部材700の側面をモニタリングする工程でアラームの発生により工程時間が増える。したがって、パネル支持部材700の側面で第1繊維原糸CF1、第2繊維原糸CF2、または第3繊維原糸CF3の切断された一部が副産物(BURR)として残らないようにするためには、レーザ装置で出力されるレーザのエネルギを低くする必要がある。
【0152】
パネル支持部材700の加工に用いられるレーザはUVレーザまたはIRレーザであり得る。UVレーザは紫外線波長のエネルギを有する光を放出するレーザを示し、IRレーザは赤外線波長のエネルギを有する光を放出するレーザを示す。紫外線波長は概ね10nm~400nmの赤外線波長は概ね750nm~1mmであり得る。
【0153】
レーザのエネルギはレーザのスキャン速度、レーザのパルス期間、レーザのパルス繰り返し率(pulse repetition rate)、およびレーザの出力により調整されることができる。本発明の発明者らは、実験を重ねることによりパネル支持部材700の側面で第1繊維原糸CF1、第2繊維原糸CF2、または第3繊維原糸CF3の切断された一部が副産物(BURR)として残らないようにするためのレーザのスキャン速度、レーザのパルス期間、レーザのパルス繰り返し率、およびレーザの出力を表1のように算出した。
【0154】
【表1】
【0155】
表1で、レーザの波長帯域は紫外線波長帯域と赤外線波長帯域に区分できる。レーザのスキャン速度、レーザのパルス期間、レーザのパルス繰り返し率、およびレーザの出力はレーザの波長帯域によって異なる。また、レーザのスキャン速度、レーザのパルス繰り返し率、およびレーザの出力はレーザのパルス期間によって異なる。
【0156】
レーザのパルス期間はレーザが所定のパルスのように周期的な波形で出力される時のレーザが出力される期間を示す。図16のようにパルス期間PSの間にはレーザが出力されない休止期間PAPが配置される。UVレーザの場合、パルス期間はナノ秒(nano second,ns)単位であるかピコ秒(pico second,ps)またはフェムト秒(femto second,fs)単位であり得る。IRレーザの場合、レーザのパルス期間はピコ秒(pico second,ps)またはフェムト秒(femto second,fs)単位であり得る。ナノ秒単位は数ないし数百ナノ秒を示し、ピコ秒単位は数ないし数百ピコ秒を示し、フェムト秒単位は数ないし数百フェムト秒を示す。
【0157】
レーザのスキャン速度はレーザを出力するレーザ装置が加工方向に移動する速度を示す。すなわち、レーザのスキャン速度はレーザ装置が第1ないし第4加工ラインPL1,PL2,PL3,PL4に沿って移動してレーザを発散する速度を示す。
【0158】
レーザのパルス繰り返し率はレーザ装置で毎秒伝送されるパルスの数を示す。
【0159】
図15のように、レーザ装置が加工方向に沿って移動しながらレーザを出力する場合、レーザのパルス期間によってレーザのスポットSPが定義されることができる。レーザのスポットSPそれぞれは円形の平面形状を有し得、この場合、レーザのスポットSPそれぞれの直径は概ね20μmであり得るが、本明細書の実施形態はこれに限られない。レーザのパルス繰り返し率が一定であれば、レーザのスキャン速度が300mm/sである場合のレーザのスボットSPの重畳率OVA1はレーザのスキャン速度が800mm/sである場合のレーザのスポットSPの重畳率OVA2に比べて大きい。また、レーザのスキャン速度が一定の場合、レーザのパルス繰り返し率が高いほどレーザのスボットSPの重畳率が高くなる。レーザのスポットSPの重畳率が大きいほどレーザのスポットSPの重畳面積が大きくなるので、レーザのエネルギが高くなり、レーザにより切断される面により高い熱エネルギが発生し得る。したがって、レーザのスボットSPの重畳率を低くする場合、レーザのエネルギを減らすことができる。したがって、レーザのスキャン速度を高めたりレーザのパルス繰り返し率を低くする場合、レーザのエネルギを減らすことができる。
【0160】
図16の(a)にはナノ秒(ns)単位を有するパルス期間PSの間のレーザLRを出力するレーザ装置LDが示されている。図16の(b)にはピコ秒(ps)単位を有するパルス期間PSの間のレーザLRを出力するレーザ装置LDが示されている。図16の(c)にはフェムト秒(fs)単位を有するパルス期間PSの間のレーザLRを出力するレーザ装置LDが示されている。
【0161】
図16のように、レーザLRのパルス期間PSが長いほど高いエネルギを有するレーザLRが出力されるので、レーザLRによりパネル支持部材700に加えられる熱エネルギが大きい。これにより、レーザLRによりパネル支持部材700に加えられる熱エネルギ領域HEAが広くなる。したがって、レーザLRのパルス期間PSを減らすほどレーザのエネルギを減らすことができる。したがって、レーザのエネルギを減らすためには、レーザLRのパルス期間PSがナノ秒(ns)単位である場合、ピコ秒(ps)単位またはフェムト秒(fs)単位である場合よりレーザのスキャン速度を高めるか、レーザのパルス繰り返し率を低くするのが好ましい。
【0162】
表1のように、第1繊維原糸CF1、第2繊維原糸CF2、または第3繊維原糸CF3の切断された一部が副産物(BURR)として残らないようにするために、パルス期間がナノ秒(nano second,ns)単位であるUVレーザの場合、レーザのスキャン速度は800mm/s以下であり、レーザのパルス繰り返し率は200kHz以下であり、レーザの出力は13W以下であり得る。また、パルス期間がピコ秒(pico second,ps)またはフェムト秒(femto second,fs)単位であるUVレーザの場合、レーザのスキャン速度は5000mm/s以下であり、レーザのパルス繰り返し率は3000kHz以下であり、レーザの出力は50W以下であり得る。さらに、パルス期間がピコ秒(pico second,ps)またはフェムト秒(femto second,fs)単位であるIRレーザの場合、レーザのスキャン速度は1000mm/s以下であり、レーザのパルス繰り返し率は2000kHz以下であり、レーザの出力は20W以下であり得る。
【0163】
第二に、レーザ装置のレーザを用いてパネル支持部材700の折り畳み領域FDAに格子パターン710を加工する。格子パターンLPは複数のバー(BAR)によって定義される複数のスリットSLTを含み得る(図11のS200)。
【0164】
図17のようにレーザを用いて第2方向DR2に配置される第1ないし第11スリットSLT1~SLT11を順次加工し得る。例えば、レーザを用いて第1スリットSLT1を加工してから、第2方向DR2で第1スリットSLT1と隣り合う第2スリットSLT2を加工し得る。それから、第2方向DR2で第2スリットSLT2と隣り合う第3スリットSLT3を加工し得る。この場合、第1スリットSLT1と第2スリットSLT2の間に配置される第1垂直バーVBAR1の領域HAにはレーザによる熱エネルギが蓄積され得る。また、第2スリットSLT2と第3スリットSLT3の間に配置される第2垂直バーVBAR2の領域HAにもレーザによる熱エネルギが蓄積され得る。
【0165】
同様に、第3スリットSLT3と第4スリットSLT4の間に配置される第3垂直バーVBAR3の領域HA、第4スリットSLT4と第5スリットSLT5の間に配置される第4垂直バーVBAR4の領域HA、第5スリットSLT5と第6スリットSLT6の間に配置される第5垂直バーVBAR5の領域HA、および第6スリットSLT6と第7スリットSLT7の間に配置される第6垂直バーVBAR6の領域HAにもレーザによる熱エネルギが蓄積され得る。また、第7スリットSLT7と第8スリットSLT8の間に配置される第7垂直バーVBAR7の領域HA、第8スリットSLT8と第9スリットSLT9の間に配置される第8垂直バーVBAR8の領域HA、第9スリットSLT9と第10スリットSLT10の間に配置される第9垂直バーVBAR9の領域HA、および第10スリットSLT10と第11スリットSLT11の間に配置される第10垂直バーVBAR10の領域HAにもレーザによる熱エネルギが蓄積され得る。
【0166】
図18の(a)と(b)には格子パターンの平面図が示されており、(c)と(d)には格子パターンの側面図または断面図が示されている。レーザによる熱エネルギが蓄積する領域HAでは、図18のように繊維原糸CF1,CF2,CF3を保持するレジンが脱落するか、レジンにクラックが発生することによって、第1繊維原糸CF1、第2繊維原糸CF2、または第3繊維原糸CF3の切断された一部が外部に突出して副産物(BURR)として残り得る。
【0167】
第1方向DR1と第2方向DR2で隣り合うスリットSLTを連続して加工しないようにスリットSLTの加工順序を図19のように変更することによって、第1繊維原糸CF1、第2繊維原糸CF2、または第3繊維原糸CF3の切断された一部が外部に突出して副産物(BURR)として残ることを防止することができる。
【0168】
例えば、第1スリットSLT1のうちいずれか一つの第1スリットSLT1を最初に加工してから、第2方向DR2で最初に加工した第1スリットSLT1と重なる第3スリットSLT3、第5スリットSLT5、第7スリットSLT7、第9スリットSLT9、および第11スリットSLT11を順次加工し得る(図19の○1ないし○6を参照)。すなわち、第1スリットSLT1を加工し、第2スリットSLT2をスキップして、第3スリットSLT3を加工し、第4スリットSLT4をスキップして、第5スリットSLT5を加工し、第6スリットSLT6をスキップして、第7スリットSLT7を加工し、第8スリットSLT8をスキップして、第9スリットSLT9を加工し、第10スリットSLT10をスキップして、第11スリットSLT11を加工し得る。この場合、1番目ないし6番目に加工した奇数列のスリットSLT1,SLT3,SLT5,SLT7,SLT9,SLT11のうち互いに隣り合うスリットの間には偶数列のスリットSLT2/SLT4/SLT6/SLT8/SLT10が配置される。したがって、複数のバー(BAR)のいずれもレーザによる熱エネルギが蓄積されない。
【0169】
また、第11スリットSLT11を6番目に加工してから、第11スリットSLT11と第1方向DR1で重なるまた他の第11スリットSLT11を7番目に加工し得る。この場合、6番目に加工した第11スリットSLT11と7番目に加工した第11スリットSLT11は互いに隣り合わなくてもよい。すなわち、6番目に加工した第11スリットSLT11と第1方向DR1で隣り合う第11スリットSLT11をスキップして、スキップした第11スリットSLT11と第1方向DR1で隣り合う第11スリットSLT11を加工し得る。
【0170】
それから、第2方向DR2で7番目に加工した第11スリットSLT11と重なる第9スリットSLT9、第7スリットSLT7、第5スリットSLT5、第3スリットSLT3、および第1スリットSLT1を順次加工し得る。(図19の○7ないし○12を参照)この場合、7番目ないし12番目に加工した奇数列のスリットSLT1,SLT3,SLT5,SLT7,SLT9,SLT11のうち互いに隣り合うスリットの間には偶数列のスリットSLT2/SLT4/SLT6/SLT8/SLT10が配置される。したがって、複数のバー(BAR)のいずれもレーザによる熱エネルギが蓄積されない。
【0171】
また、第1スリットSLT1を12番目に加工してから、最初に加工した第1スリットSLT1と第2方向DR2で隣り合う第2スリットSLT2を13番目に加工し得る。それから、第2方向DR2で13番目に加工した第2スリットSLT2と重なる第4スリットSLT4、第6スリットSLT6、第8スリットSLT8、および第10スリットSLT10を順次加工し得る(図19の○13ないし○17を参照)。この場合、13番目ないし17番目に加工した偶数列のスリットSLT2,SLT4,SLT6,SLT8,SLT10のうち互いに隣り合うスリットの間には奇数列のスリットSLT3/SLT5/SLT7/SLT9が配置される。したがって、複数のバー(BAR)のいずれもレーザによる熱エネルギが蓄積されない。
【0172】
また、第10スリットSLT10を17番目に加工してから、17番目に加工した第10スリットSLT10と第2方向DR2で重なるまた他の第10スリットSLT10を18番目に加工し得る。この場合、17番目に加工した第10スリットSLT10と18番目に加工した第10スリットSLT10は互いに隣り合わなくてもよい。18番目に加工した第10スリットSLT10は7番目に加工した第11スリットSLT11と第1方向DR1で隣り合う。それから、第2方向DR2で18番目に加工した第10スリットSLT10と重なる第8スリットSLT8、第6スリットSLT6、第4スリットSLT4、および第2スリットSLT2を順次加工し得る(図19の○18ないし○22を参照)。この場合、18番目ないし22番目に加工した偶数列のスリットSLT2,SLT4,SLT6,SLT8,SLT10のうち互いに隣り合うスリットの間には奇数列のスリットSLT3/SLT5/SLT7/SLT9が配置される。したがって、複数のバー(BAR)のいずれもレーザによる熱エネルギが蓄積されない。
【0173】
また、第2スリットSLT2を22番目に加工してから、最も初めに加工した第1スリットSLT1と12番目に加工した第1スリットSLT1の間に配置される第1スリットSLT1を23番目に加工し得る。それから、第2方向DR2で23番目に加工した第1スリットSLT1と重なる第3スリットSLT3、第5スリットSLT5、第7スリットSLT7、第9スリットSLT9、および第11スリットSLT11を順次加工し得る(図19の○23ないし○28を参照)。この場合、23番目ないし28番目に加工した奇数列のスリットSLT1,SLT3,SLT5,SLT7,SLT9,SLT11のうち第2方向DR2で互いに隣り合うスリットの間には偶数列のスリットSLT2/SLT4/SLT6/SLT8/SLT10が配置される。したがって、複数のバー(BAR)のいずれもレーザによる熱エネルギが蓄積されない。
【0174】
また、第11スリットSLT11を28番目に加工してから、6番目に加工した第11スリットSLT11と第2方向DR2で重なる第10スリットSLT10を29番目に加工し得る。それから、第2方向DR2で29番目に加工した第10スリットSLT10と重なる第8スリットSLT8、第6スリットSLT6、第4スリットSLT4、および第2スリットSLT2を順次加工し得る(図19の○29ないし○33を参照)。この場合、29番目ないし33番目に加工した偶数列のスリットSLT2,SLT4,SLT6,SLT8,SLT10のうち互いに隣り合うスリットの間には奇数列のスリットSLT3/SLT5/SLT7/SLT9が配置される。したがって、複数のバー(BAR)のいずれもレーザによる熱エネルギが蓄積されない。
【0175】
最後に、第2スリットSLT2を33番目に加工してから、第1方向DR1で13番目に加工した第2スリットSLT2と22番目に加工した第2スリットSLT2の間に配置される第2スリットSLT2を34番目に加工し得る。それから、第2方向DR2で34番目に加工した第2スリットSLT2と重なる第4スリットSLT4、第6スリットSLT6、第8スリットSLT8、および第10スリットSLT10を順次加工し得る(図19の○34ないし○38を参照)。この場合、34番目ないし38番目に加工した偶数列のスリットSLT2,SLT4,SLT6,SLT8,SLT10のうち互いに隣り合うスリットの間には奇数列のスリットSLT3/SLT5/SLT7/SLT9が配置される。したがって、複数のバー(BAR)のいずれもレーザによる熱エネルギが蓄積されない。
【0176】
図19のように、第1方向DR1と第2方向DR2で隣り合うスリットSLTを連続して加工しないようにスリットSLTの加工順序を定める場合、複数のバー(BAR)でレーザによる熱エネルギが蓄積する領域をなくすことができる。
【0177】
図20の(a)には格子パターンの平面図が示されており、(b)には前記格子パターンの側面図または断面図が示されている。レーザによる熱エネルギが蓄積する領域がないので、図20のように繊維原糸CF1,CF2,CF3を保持するレジンが脱落するかレジンにクラックが発生しない。したがって、第1繊維原糸CF1、第2繊維原糸CF2、または第3繊維原糸CF3の切断された一部が外部に突出して副産物(BURR)として残ることを防止することができる。
【0178】
第三に、完成されたパネル支持部材700の一面上にパネル下部部材600を取り付け、パネル支持部材700の他面上にデジタイザ部材900を取り付ける(図11のS300)。
【0179】
図3図4を参照して説明すると、パネル支持部材700の一面は前面であり、他面は背面であり得る。
【0180】
パネル下部部材600とパネル支持部材700を互いに取り付けるために、パネル下部部材600とパネル支持部材700の間には別途の接着部材が配置されてもよい。この場合、別途の接着部材は感圧粘着剤であり得る。
【0181】
デジタイザ部材900の第1デジタイザ部材910と第2デジタイザ部材920は第2接着部材800によりパネル支持部材700の背面に取り付けられる。第2接着部材800は感圧粘着剤であり得る。
【0182】
第1デジタイザ部材910と第2デジタイザ部材920は表示装置10のフォールディングストレスを減らすために折り畳み領域FDAに配置されなくてもよい。第1デジタイザ部材910は第1非折り畳み領域NFA1に配置され、第2デジタイザ部材920は第2非折り畳み領域NFA2に配置される。
【0183】
この場合、金属支持部材1000の第1金属支持部材1010は第1デジタイザ部材910の背面上に配置され、第2金属支持部材1020は第2デジタイザ部材920の背面上に配置される。また、緩衝部材1100の第1緩衝部材1110は第1金属支持部材1010の背面上に配置され、第2緩衝部材1120は第2金属支持部材1020の背面上に配置される。さらに、第3接着部材1200は第1金属支持部材1010の背面と第2金属支持部材1020の背面上に配置される。すなわち、第3接着部材1200は第1金属支持部材1010の縁と第2金属支持部材1020の縁に配置され、第1緩衝部材1110と第2緩衝部材1120を囲むように配置されることができる。第3接着部材1200は第1金属支持部材1010の背面を緩衝部材1100の背面に配置されるフレームの前面に取り付ける防水テープまたは防水部材であり得る。
【0184】
第四に、ウィンドウ部材200を表示パネル400の前面に取り付ける(図11のS400)。
【0185】
ウィンドウ部材200は第1接着部材300により表示パネル400の前面上に取り付けられる。第1接着部材300は透明な接着フィルムであるか透明な接着レジンであり得る。この場合、上部保護部材100はウィンドウ部材200の前面上に配置される。
【0186】
第五に、パネル下部部材600を表示パネル400の背面に取り付ける(図11のS500)。
【0187】
パネル保護部材500は表示パネル400の背面上に配置される。パネル下部部材600は表示パネル400の背面に取り付けられる。
【0188】
以上、添付する図面を参照して本発明の実施形態について説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は、本発明のその技術的思想や必須の特徴を変更せず、他の具体的な形態で実施できることを理解することができる。したがって、上記一実施形態はすべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。
図1a
図1b
図2a
図2b
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
【国際調査報告】