(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-15
(54)【発明の名称】ピクセル配列、画像センサ、およびピクセル配列を動作させる方法
(51)【国際特許分類】
H04N 25/57 20230101AFI20240807BHJP
【FI】
H04N25/57
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508622
(86)(22)【出願日】2022-08-10
(85)【翻訳文提出日】2024-02-08
(86)【国際出願番号】 US2022039999
(87)【国際公開番号】W WO2023018833
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】102021120779.7
(32)【優先日】2021-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(32)【優先日】2021-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523367130
【氏名又は名称】エーエムエス・センサーズ・ベルギー・ベーフェーベーアー
(71)【出願人】
【識別番号】524053720
【氏名又は名称】エーエムエス・センサーズ・ユーエスエー・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】デンヴァ―・ロイド
(72)【発明者】
【氏名】スコット・ジョンソン
(72)【発明者】
【氏名】アディ・シャコニ
【テーマコード(参考)】
5C024
【Fターム(参考)】
5C024CX43
5C024GX03
5C024HX17
5C024HX35
(57)【要約】
高感度モード用および低感度モード用にそれぞれ構成されたピクセル配列(10)が提供される。フォトダイオード(20)は、電磁放射線をそれぞれの電荷信号に変換するように構成され、転送ゲート(30)は、それぞれの電荷信号をキャパシタンス(40)に転送するように構成される。リセットゲート(50)は、キャパシタンスをリセットするように構成される。増幅器(60)は、それぞれ低感度信号または高感度信号であるそれぞれの増幅された信号を生成するように構成される。低感度信号および高感度信号は、共通のノイズレベルに基づく。第1のスイッチ(90)に結合された第1のコンデンサ(70)は、高感度信号を記憶するように構成され、第2のスイッチ(100)に結合された第2のコンデンサ(80)は、低感度信号を記憶するように構成される。さらに、画像センサ(200)、光電子デバイス(300)、およびピクセル配列を動作させるための方法が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁放射線をそれぞれ高感度モードおよび低感度モードにおいて変換するように構成されたピクセル配列(10)であって、
- 電磁放射線をそれぞれの電荷信号に変換するように構成された少なくとも1つのフォトダイオード(20)と、
- 前記フォトダイオード(20)とキャパシタンスとの間の、前記それぞれの電荷信号を前記キャパシタンス(40)に転送するための転送ゲート(30)と、
- 前記キャパシタンス(40)に電気的に結合された、前記キャパシタンス(40)をリセットするためのリセットゲート(50)と、
- 前記キャパシタンス(40)に電気的に接続され、前記それぞれの電荷信号と感度モードとに基づいて、それぞれ、低感度信号または高感度信号であるそれぞれの増幅された信号を生成するように構成された増幅器(60)であって、前記低感度信号および前記高感度信号が共通のノイズレベルに基づく、増幅器(60)と、
- 前記高感度信号を記憶するように構成された第1のコンデンサ(70)と、
- 前記低感度信号を記憶するように構成された第2のコンデンサ(80)と、
- 前記増幅器(60)の出力端子(64)と前記第1のコンデンサ(70)との間の第1のスイッチ(90)と、
- 前記増幅器(60)の前記出力端子(64)と前記第2のコンデンサ(80)との間の第2のスイッチ(100)と、
を備える、ピクセル配列(10)。
【請求項2】
前記高感度信号が、前記低感度信号と追加のビデオ信号とを含む、請求項1に記載のピクセル配列(10)。
【請求項3】
- 少なくとも1つのさらなる増幅器(110)であって、前記第1のコンデンサ(70)および/または前記第2のコンデンサ(80)に電気的に接続された入力端子(112)を備え、前記さらなる増幅器(110)の出力端子(114)においてピクセル出力信号を生成するように構成された、少なくとも1つのさらなる増幅器(110)と、
- 前記さらなる増幅器(110)の前記出力端子(114)と列バス(130)との間の、前記ピクセル出力信号を前記列バス(130)に転送するための選択ゲート(120)と
をさらに備える、請求項1または2に記載のピクセル配列(10)。
【請求項4】
前記少なくとも1つのフォトダイオード(20)が、前記高感度モードにおいて第1の電荷信号を生成するための第1のフォトダイオード(20)と、前記低感度モードにおいて第2の電荷信号を生成するための第2のフォトダイオード(20’)とを備える、請求項1から3のいずれか一項に記載のピクセル配列(10)。
【請求項5】
前記リセットゲート(50)と前記キャパシタンス(40)との間に、前記キャパシタンス(40)の終端ノード(42)を第3のコンデンサ(150)の終端ノード(152)と短絡させるための感度ゲート(140)をさらに備える、請求項1から4のいずれか一項に記載のピクセル配列(10)。
【請求項6】
前記第1のコンデンサ(70)および前記第2のコンデンサ(80)が並列に配置されるか、またはカスケード接続されて配置される、請求項1から5のいずれか一項に記載のピクセル配列(10)。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載のピクセル配列(10)によるピクセルのアレイを備える、画像センサ(200)。
【請求項8】
電磁放射線をそれぞれ高感度モードおよび低感度モードにおいて変換するように構成されたピクセル配列(10)を動作させるための方法であって、
- 少なくとも1つのフォトダイオード(20)によって電磁放射線をそれぞれの電荷信号に変換するステップと、
- キャパシタンス(40)をリセットするためのリセット信号(RST)を提供するステップと、
- 前記それぞれの電荷信号を前記少なくとも1つのフォトダイオード(20)から前記キャパシタンス(40)に転送するための転送信号(TX)を提供するステップと、
- 前記それぞれの電荷信号と感度モードとに基づいて、それぞれの増幅された信号を生成するステップであって、前記それぞれの増幅された信号が、それぞれ、低感度信号または高感度信号であり、前記低感度信号および前記高感度信号が共通のノイズレベルに基づく、ステップと、
- 前記それぞれの増幅された信号を、前記高感度信号を記憶するように構成された第1のコンデンサ(70)に転送するための第1のスイッチ信号(S1)を提供するステップと、
- 前記それぞれの増幅された信号を、前記低感度信号を記憶するように構成された第2のコンデンサ(80)に転送するための第2のスイッチ信号(S2)を提供するステップと、
を含む、方法。
【請求項9】
ピクセル露光(T
ex)中の第1のステップにおいて、前記低感度信号が生成され、前記第2のコンデンサ(80)において記憶されるように、前記ピクセル配列(10)が前記低感度モードにおいて動作され、ピクセル露光(T
ex)中の第2のステップにおいて、前記高感度信号が生成され、前記第1のコンデンサ(70)において記憶されるように、前記ピクセル配列(10)が前記高感度モードにおいて動作され、ピクセル露光(T
ex)中の前記第1のステップおよび前記第2のステップが、その間に前記キャパシタンス(40)をリセットすることなく実施される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
電磁放射線をそれぞれの電荷信号に変換するステップが、第1のフォトダイオード(20)によって前記高感度モードにおいて第1の電荷信号を生成するステップと、第2のフォトダイオード(20’)によって前記低感度モードにおいて第2の電荷信号を生成するステップとを含む、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
電磁放射線をそれぞれの電荷信号に変換するステップが、減少した露光時間(T
1)によって前記低感度モードにおいて第1の電荷信号を生成するステップと、増加した露光時間(T
2)によって前記高感度モードにおいて第2の電荷信号を生成するステップとを含む、請求項8または9に記載の方法。
【請求項12】
ピクセル配列(10)を動作させるための方法であって、
- 第1の積分期間(T1)において、フォトダイオード(20)を用いて電荷キャリアを蓄積するステップと、
- 前記第1の積分期間(T1)の終了時に、前記蓄積された電荷キャリアの一部をキャパシタンス(40)に転送するために、転送ゲート(30)を第1の電圧レベル(V1)にパルス化するステップであって、前記一部が、電源電圧(VDD)にドレインされるように構成される、ステップと、
- 第2の積分期間(T2)において、前記フォトダイオード(20)を用いて電荷キャリアを蓄積し続けるステップと、
- 前記第2の積分期間(T2)の終了時に、前記蓄積された電荷キャリアの第1の部分を前記キャパシタンス(40)に転送するために、前記転送ゲート(30)を前記第1の電圧レベル(V1)にパルス化し、前記蓄積された電荷キャリアの前記第1の部分を表す低感度信号を、前記キャパシタンス(40)に電気的に結合された一対のコンデンサ(70、80)のうちの少なくとも第2のコンデンサ(80)において記憶するステップと、
- 第3の積分期間(T3)において、前記フォトダイオード(20)を用いて電荷キャリアを蓄積し続けるステップと、
- 前記第3の積分期間(T3)の終了時に、前記蓄積された電荷キャリアの残りの部分を前記キャパシタンス(40)に転送するために、前記転送ゲート(30)を第2の電圧レベル(V2)にパルス化し、前記蓄積された電荷キャリアの前記残りの部分を表す高感度信号を前記一対のコンデンサ(70、80)のうちの第1のコンデンサ(70)において記憶するステップと、
- 読み出し期間(T
ro)中、前記コンデンサ(70、80)に記憶された前記低感度信号と前記高感度信号とを読み出すステップと、
を含む、方法。
【請求項13】
前記高感度信号が、前記蓄積された電荷キャリアの前記残りの部分に基づく較正レベルを示し、前記方法が、前記較正レベルに基づいて決定されたピクセル固有のニーポイント値に依存して、前記低感度信号と前記高感度信号とに基づいてピクセル出力信号を調整するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の積分期間(T1)が、前記第2の積分期間(T2)よりも長い、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
前記第2の電圧レベル(V2)が、前記第1の電圧レベル(V1)よりも高い、請求項12から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
ピクセル読み出し(T
ro)中の第1のステップにおいて、前記低感度信号が読み出され、読み出し(T
ro)中の第2のステップにおいて、前記高感度信号が読み出され、ピクセル読み出し(T
ro)中の第3のステップにおいて、前記キャパシタンス(40)がリセットされ、リセットレベルが読み出される、請求項8から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記リセットレベルを前記低感度信号のための参照レベルとして使用することによって、ダブルデルタサンプリングを実行するステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記低感度信号を前記高感度信号のための参照レベルとして使用することによって、相関二重サンプリングを実行するステップをさらに含む、請求項8から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
それぞれの振幅レベルに基づいて、さらなる処理のために前記低感度信号と前記高感度信号のどちらを使用するかを決定するステップをさらに含む、請求項8から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記キャパシタンス(40)の終端ノード(42)を第3のコンデンサ(150)の終端ノード(152)と短絡させるための利得信号を印加することによって、変換利得を調整するステップをさらに含む、請求項8から19のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張および相互参照
本特許出願は、参照により全体が本明細書に組み込まれている、2021年11月10日に出願した米国仮出願第63/263,861号、および2021年8月10日に出願した独国出願第102021120779.7号の優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は、ピクセル配列、画像センサ、光電子デバイス、およびピクセル配列を動作させるための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
CMOS画像センサは、カメラモジュール、およびスマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップなどの幅広い用途において使用される。いくつかの用途について、例えば、85dBを超える高ダイナミックレンジ(HDR)が必要とされる。ダイナミックレンジ(DR)は、一方では低照度条件におけるノイズフロアによって、他方では高照度条件における飽和効果によって制限される。
【0004】
飽和の問題に対処するために、いくつかの手法が開発されており、それらは、線形応答手法と非線形応答手法とに分類されることが可能である。例えば、対数圧縮、ニー圧縮、タイムスタンプ変換、光から周波数への変換は、非線形応答手法に属する。線形応答手法は、多重露光手法と単一露光手法とにさらに分類されることが可能である。多重露光手法は、異なる積分時間を有する複数のフレームを用いる方法、または異なる積分時間を有するラインインターリーブもしくはピクセルインターリーブを用いる方法を含む。単一露光手法は、例えば、多重利得読み出しまたは多重感度合成を含む。
【0005】
利用可能なDR技法のほとんどは、ローリングシャッタピクセルのために設計されているが、グローバルシャッタには適していないという問題を有する。ローリングシャッタモードにおいて、ピクセルマトリクスのピクセルは、光源によって照明される。照明中、ピクセルは、順次露光され、行ごとに読み出される。これは、読み出しプロセス全体の間、ピクセルマトリクスが照明されることを意味する。ローリングシャッタモードは、画像センサの高解像度を可能にするが、特に、ローリングシャッタモードが前述のDC技法のうちの1つの組み合わされた場合、長い照明時間、および動的アーティファクトもしくはカラーアーティファクトのような他の欠点が付いてくる可能性がある。
【0006】
グローバルシャッタモードにおいて、ピクセルマトリクスのすべてのピクセルが同じ時間期間中に露光される。したがって、ローリングシャッタモードよりも大幅に短い照明時間が必要とされる。積分時間の終了時に、ピクセルマトリクスのすべての行に対する電荷転送動作が同時に起こる。信号は、ピクセルレベルのメモリ内に記憶され、その後読み出される。前述のDR技法のうちの1つを含む周知のグローバルシャッタピクセル配列は、追加の回路構成要素を必要とし、大きいピクセルピッチを有するという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
達成されるべき目的は、高いダイナミックレンジを有するピクセル配列と、そのようなピクセル配列を動作させるための方法とを提供することである。さらなる目的は、ピクセル配列に従うピクセルのアレイを備える画像センサと、そのような画像センサを備える光電子デバイスとを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これらの目的は、独立請求項の主題によって達成される。さらなる発展および実施形態は、従属請求項において記載される。
【0009】
ここで、および以下において、「ピクセル配列」および「ピクセル」という用語は、他のピクセルとともに、マトリクスとも呼ばれる二次元アレイにおいて配置され得る受光素子を指す。アレイ内のピクセルは、行および列において配置される。「行」および「列」という用語は、ピクセルアレイの向きにのみ依存するので、交換可能に使用される可能性がある。ピクセルは、ピクセルとの間の信号を制御するための回路も含み得る。したがって、ピクセルは、いわゆるアクティブピクセルを形成し得る。ピクセルは、任意の波長範囲における光を受光し得る。「光」という用語は、例えば、赤外線(IR)放射線、紫外線(UV)放射線、および可視(VIS)光を含む電磁放射線一般を指し得る。
【0010】
一実施形態において、ピクセル配列は、電磁放射線をそれぞれ高感度モードおよび低感度モードにおいて変換するように構成される。ピクセルは、少なくとも1つのフォトダイオードを備える。フォトダイオードは、電磁放射線をそれぞれの電荷信号に変換するように構成される。ピクセル配列は、特に、グローバルシャッタピクセルを形成し得る。フォトダイオードは、特に、ピン留めフォトダイオードであり得る。フォトダイオードは、基板、特に半導体基板内に配置され得る。
【0011】
高感度モードおよび低感度モードは、ピクセルの動作モードである。高感度モードおよび低感度モードは、続けて実行され得る。これは、高感度モードおよび低感度モードが1フレーム内で実行されることを意味することができる。特に、低感度モードは、高感度モードよりも先に実行され得る。ピクセルの低感度モードは、高光条件、すなわち高照度のために提供され得る。この場合、フォトダイオードによって生成される電荷信号は、すでに大きく、例えば、高利得、長い露光時間などによって、「人為的に」増加させられる必要はない。そのような電荷信号が、例えば、高変換利得(HCG)によって増加させられた場合、飽和効果が発生する可能性がある。例えば、ピクセル内のフォトダイオードおよび/または記憶素子のポテンシャル井戸が、すべての光誘起電荷キャリアを運ぶのに十分な大きさではないので、飽和が発生する可能性がある。ピクセルの高感度モードは、低光条件、すなわち低照度のために提供され得る。その場合、フォトダイオードによって生成される電荷信号は、小さく、良好な信号対雑音比(SNR)を得るために、例えば、高い利得または長い露光時間によって増加させられるべきである。
【0012】
言い換えれば、低感度モードは、ピクセルの露光時間が短く、特に高感度モードの露光時間よりも短い動作モードであり得る。代替的には、低感度モードにおいて、低変換利得(LCG)が適用される。さらに別の代替案において、電荷信号は、小さいフォトダイオード領域またはそれぞれのフィルタによって小さく保たれる。高感度モードは、ピクセルの露光時間が長く、特に低感度モードの露光時間よりも長い動作モードであり得る。代替的は、高感度モードにおいて、信号利得は、大きい場合がある。さらに別の代替案において、電荷信号は、大きいフォトダイオード領域などによって増加される。さらに別の実施形態において、高感度モードおよび低感度モードは、転送ゲートの障壁変調によって実現される。
【0013】
ピクセル配列は、フォトダイオードとキャパシタンスとの間に配置された少なくとも1つの転送ゲートをさらに備える。転送ゲートは、それぞれの電荷信号をフォトダイオードからキャパシタンスに転送するように構成される。
【0014】
転送ゲートは、転送スイッチとして実装され得る。例えば、転送ゲートは、フォトダイオードに接続された第1の端子と、キャパシタンスに接続された第2の端子とを備える転送トランジスタの一部であり得る。転送信号を転送ゲートに印加することによって、転送トランジスタは、電荷キャリアがフォトダイオードからキャパシタンスに向かって拡散するように導電性になる。したがって、キャパシタンスは、浮動拡散キャパシタンスとして実装され得る。キャパシタンスは、記憶素子を形成する。キャパシタンスは、浮動拡散コンデンサと呼ばれる場合がある。キャパシタンスは、半導体基板内にドープされたウェルを形成し得る。キャパシタンスは、それぞれの電荷信号をそれぞれの電圧信号に変換するように構成され得る。暗電流の理由のために電荷領域ではなく電圧領域において信号を記憶し、ピクセルの寄生光感度(PLS)を低減することが望ましい場合がある。
【0015】
キャパシタンスは、転送ゲートに電気的に結合された終端ノードを備える。したがって、転送ゲートは、フォトダイオードとキャパシタンスの終端ノードとの間に配置される。キャパシタンスの終端ノードは、浮動拡散ノードまたはFDノードまたは拡散ノードと呼ばれる場合がある。キャパシタンスは、接地され得るさらなる終端ノードをさらに備える。
【0016】
キャパシタンスは、拡散ノードのキャパシタンスであり得る。キャパシタンスは、pn接合として実装され得る。一例において、拡散ノードに接続された個別のコンデンサは、存在しない。キャパシタンスは、例えば、少なくとも1つの寄生キャパシタンスからのみ結果として生じる。したがって、「キャパシタンス」および「拡散ノード」という用語は、以下では交換可能に使用される場合がある。
【0017】
ピクセル配列は、キャパシタンスに電気的に結合されたリセットゲートをさらに備える。特に、リセットゲートは、FDノードに電気的に結合される。リセットゲートは、キャパシタンスをリセットするために設けられる。
【0018】
リセットゲートは、リセットスイッチとして実装され得る。例えば、リセットゲートは、ピクセル電源電圧に接続された第1の端子と、FDノードに接続された第2の端子とを備えるリセットトランジスタの一部であり得る。リセット信号をリセットゲートに印加することによって、リセットトランジスタは、ピクセル電源電圧を印加することによって、任意の冗長な電荷キャリアが除去されるように導電性になる。
【0019】
ピクセル配列は、増幅器をさらに備える。増幅器は、キャパシタンス、特にキャパシタンスの終端ノード、すなわちFDノードに電気的に接続される。特に、増幅器の入力端子は、キャパシタンスの終端ノードに電気的に接続される。増幅器は、それぞれの電荷信号と感度モードとに基づいて、それぞれの増幅された信号を生成するように構成される。増幅された信号は、それぞれ、低感度信号および高感度信号のうちの1つである。低感度信号および高感度信号は、共通のノイズレベルに基づく。これは、低感度信号および高感度信号のノイズレベルが相関していることを意味することができる。共通のノイズレベルは、空間領域または時間領域における共通のノイズレベルであることが可能である。特に、共通のノイズレベルは、リセットノイズレベルであることが可能である。
【0020】
高感度信号は、高変換利得(HCG)信号と呼ばれる場合がある。低感度信号は、低変換利得(LCG)信号と呼ばれる場合がある。
【0021】
増幅器は、ソースフォロワとしても知られる共通ドレイン増幅器を形成し得る。ソースフォロワのゲート端子は、FDノードに接続され、増幅器の入力端子として機能する。共通端子は、電源電圧に接続され得る。それぞれの増幅された信号は、増幅器の出力端子において生成される。増幅器は、電圧バッファとして使用され得る。増幅器は、信号をバッファリングし、したがって、FDノードをさらなるピクセル構成要素からから切り離すように構成され得る。増幅器はさらに、光誘起電荷キャリアを増幅するように構成され得る。
【0022】
増幅された信号は、ピクセルがそれぞれの瞬間において動作しているそれぞれの感度モードに応じて、低感度信号または高感度信号のいずれかになり得る。低感度信号は、ビデオ信号とノイズレベルとに基づく。ノイズレベルは、熱ノイズおよびリセットノイズなどの時間ノイズと、固定パターンノイズ(FPN)とを含む。FPNは、特定の空間位置において「固定」されたピクセル間の信号における変動を指す。熱ノイズは、主に、導電体内の電子のランダムに熱的に撹拌された運動によって発生される。リセットノイズは、電荷集積が開始する前にフレームごとにリセットする必要があるFDノードのためのリセット動作を指す。このリセット動作は、サンプリングノイズをもたらす。
【0023】
本開示の一態様によれば、高感度信号は、低感度信号に基づき得る。したがって、高感度信号は、低感度信号と同じノイズレベル、特に、共通のリセットノイズレベルおよび/または共通の固定パターンノイズレベルに基づく。高感度信号は、低感度信号と追加のビデオ信号とを含み得る。言い換えれば、高感度信号のノイズおよび低感度信号のノイズは、相関がある。したがって、高感度信号のノイズが効果的に相殺されることが可能であるように、高感度信号の参照レベルとして低感度信号を使用することが可能である。この動作は、相関二重サンプリング(CDS)と呼ばれる場合がある。したがって、高感度信号は、純粋なビデオ信号が取得されるように、CDSでアクセスされることが可能である。
【0024】
ピクセル配列は、高感度信号を記憶するように構成された第1のコンデンサをさらに備える。第1のコンデンサは、金属酸化物半導体(MOS)コンデンサとして実装され得る。代替的には、第1のコンデンサは、金属-絶縁体-金属(MIM)コンデンサとして形成される。第1のコンデンサは、終端ノードとさらなる終端ノードとを備える。さらなる終端ノードは、接地されるか、またはさらなる電源電圧に接続され得る。
【0025】
ピクセル配列は、低感度信号を記憶するように構成された第2のコンデンサをさらに備える。第2のコンデンサは、MOSコンデンサまたはMIMコンデンサとして実装され得る。第2のコンデンサは、終端ノードとさらなる終端ノードとを備える。さらなる終端ノードは、接地されるか、またはさらなる電源電圧に接続され得る。
【0026】
ピクセル配列は、増幅器の出力端子と第1のコンデンサとの間に配置された第1のスイッチをさらに備える。これは、第1のスイッチが第1のコンデンサの終端ノードを増幅器の出力端子に接続することを意味することができる。第1のスイッチは、それぞれの増幅された信号を第1のコンデンサに転送するために設けられる。第1のスイッチは、第1のスイッチングトランジスタによって形成され得る。第1のスイッチングトランジスタは、増幅された信号が転送されるように、第1のスイッチングトランジスタが導通状態になる第1のスイッチ信号を受信するように構成されたゲート端子を備え得る。第1のスイッチングトランジスタの第1の端子は、増幅器の出力端子に接続される。第1のスイッチングトランジスタの第2の端子は、第1のコンデンサの終端ノードに接続される。
【0027】
ピクセル配列は、増幅器の出力端子と第2のコンデンサとの間に配置された第2のスイッチをさらに備える。これは、第2のスイッチが第2のコンデンサの終端ノードを増幅器の出力端子に接続することを意味することができる。第2のスイッチは、それぞれの増幅された信号を第2のコンデンサに転送するために設けられる。第2のスイッチは、第2のスイッチングトランジスタによって形成され得る。第2のスイッチングトランジスタは、増幅された信号が転送されるように、第2のスイッチングトランジスタが導通状態になる第2のスイッチ信号を受信するように構成されたゲート端子を備え得る。第2のスイッチングトランジスタの第1の端子は、増幅器の出力端子に、または第1のスイッチングトランジスタの第2の端子に接続され得る。第2のスイッチングトランジスタの第2の端子は、第2のコンデンサの終端ノードに接続される。
【0028】
ピクセル配列の説明した機能を実現するために、2つのコンデンサのみが必要とされる。これは、ピクセル配列を小さくすることを可能にする。これは、ピクセルピッチが、HDRを含みながらサイズをスケール化することができることを意味し、そして次に、コストおよびモジュールサイズの削減を可能にする。例えば、ピクセルがマトリックスにおいて配置されている場合、ピクセルピッチは、2μm未満になる可能性がある。それに加えて、提案されたピクセル配置は、多くのHDR技法と互換性がある。有利なことに、2つのコンデンサは、2つの異なる信号、すなわち、高感度信号と低感度信号とを記憶する。したがって、ピクセル配列のダイナミックレンジは、拡大されることが可能である。さらに、高感度信号と低感度信号の両方は、特に熱ノイズおよびリセットノイズからなる共通のノイズレベルに基づき得る。したがって、低感度信号は、高感度信号のための参照レベルとして使用されることが可能である。これは、高感度信号がCDSでアクセスされることが可能であることを意味する。高感度信号は、低光条件において使用されるので、熱ノイズが関連パラメータである。有利なことに、熱ノイズおよびリセットノイズは、CDSによって効果的に抑制されることが可能である。高光条件において、低感度信号は、さらに処理される。高照度レベルでは光子ショットノイズが支配的であるので、ここでは、熱ノイズは、関連性が低い。
【0029】
少なくとも1つのさらなる実施形態において、高感度信号は、低感度信号と追加のビデオ信号とを含む。これは、高感度信号が低感度信号に追加のビデオ信号を加えたものに等しいことを意味することができる。追加のビデオ信号は、ノイズのない純粋なビデオ信号を表し得る。有利なことに、高感度信号のノイズは、CDSが実行されることが可能であるように、低感度信号のノイズと相関する。したがって、高感度信号のノイズは、効果的に相殺されることが可能である。
【0030】
少なくとも1つのさらなる実施形態において、ピクセル配列は、少なくとも1つのさらなる増幅器をさらに備える。さらなる増幅器は、第1および/または第2のコンデンサ、すなわちそれぞれのコンデンサの終端ノードに電気的に接続される入力端子を備える。さらなる増幅器は、さらなる増幅器の出力端子においてピクセル出力信号を生成するように構成される。
【0031】
さらなる増幅器は、さらなる共通ドレイン増幅器、すなわちさらなるソースフォロワを形成し得る。さらなる増幅器のゲート端子は、第1および/または第2のコンデンサの終端ノードに接続される。これは、さらなる増幅器のゲート端子が両方の終端ノードに接続されることが可能であるように、第1および第2のコンデンサが並列に配置されることを意味することができる。代替的には、さらなる増幅器は、第1のコンデンサの終端ノードに接続され、第2のさらなる増幅器は、第2のコンデンサの終端ノードに接続される。また、さらなる増幅器が第2のコンデンサの終端ノードにのみ直接接続されるように、第1および第2のコンデンサがカスケード接続されることも可能である。さらなる増幅器の共通端子は、ピクセル電源電圧に接続される。ピクセル出力信号は、さらなる増幅器の出力端子において印加される。さらなる増幅器は、電圧バッファとして使用され得る。増幅器は、信号をバッファリングし、したがって、コンデンサ段を読み出し回路から切り離すように構成され得る。
【0032】
少なくとも1つのさらなる実施形態において、ピクセル配列は、さらなる増幅器の出力端子と列バスとの間に選択ゲートをさらに備える。選択ゲートは、ピクセル出力信号を列バスに転送するために設けられる。
【0033】
選択ゲートは、選択スイッチとして実装され得る。例えば、選択ゲートは、さらなる増幅器の出力端子に接続された第1の端子と、列バスに接続された第2の端子とを備える選択トランジスタの一部である。選択ゲートに選択信号を印加することによって、選択トランジスタは、ピクセル出力信号が列バスを介して読み出し回路に転送されるように導電性になる。例えば、読み出し回路は、サンプルアンドホールド機能を有するアナログデジタルコンバータ(ADC)を備える。列バスは、ピクセル配列によって含まれる場合もあり、含まれない場合もある。代替的は、列バスの一部のみがピクセルによって構成される。有利なことに、アレイ内の各ピクセルの出力信号は、個別にアクセスされることが可能である。
【0034】
少なくとも1つのさらなる実施形態において、ピクセルは、増幅器の出力端子に電気的に結合されたプリチャージゲートをさらに備える。プリチャージゲートは、第1のコンデンサおよび第2のコンデンサをプリチャージするように構成される。
【0035】
プリチャージゲートは、プリチャージスイッチとして実装され得る。例えば、プリチャージゲートは、増幅器の出力端子に接続された第1の端子と、グランド(GND)に接続された第2の端子とを備えるプリチャージトランジスタの一部である。プリチャージゲートにプリチャージ信号を印加することによって、プリチャージトランジスタは、第1および第2のコンデンサがプリチャージされることが可能であるように、導電性になる。これは特に、第1および第2のコンデンサが、増幅器によってそれらの最終的な値に再充電される前に、各フレームにおいて放電されることを意味することができる。さらに、プリチャージトランジスタは、増幅器にバイアスをかけるために特定のバイアス電流を送達することもできる。プリチャージゲートは、固定電流を供給するように構成された定電流源として実装されることも可能である。
【0036】
少なくとも1つのさらなる実施形態において、少なくとも1つのフォトダイオードは、高感度モードにおいて第1の電荷信号を生成するための第1のフォトダイオードを備える。さらに、少なくとも1つのフォトダイオードは、低感度モードにおいて第2の電荷信号を生成するための第2のフォトダイオードを備える。
【0037】
第1のフォトダイオードおよび第2のフォトダイオードは、異なっていることが可能である。例えば、第1のフォトダイオードは、第2のフォトダイオードよりも多くの電荷キャリアを発生するために、第2のフォトダイオードよりも大きい光活性領域を有する。代替的には、第2のフォトダイオードは、第2の電荷信号を減衰させるためにフィルタが設けられる。第1および第2のフォトダイオードは、共通のFDノード、すなわち同じキャパシタンスを共有することができる。
【0038】
したがって、2つのフォトダイオードは、2つのそれぞれの転送ゲートに割り当てられることが可能であり、第1の転送ゲートは、第1の電荷信号をキャパシタンスの終端ノードに転送するために設けられ、第2の転送ゲートは、第2の電荷信号をキャパシタンスの終端ノードに転送するために設けられる。
【0039】
第1のフォトダイオードの第1の電荷信号は、高感度信号を結果として生じ、第2のフォトダイオードの第2の電荷信号は、低感度信号を結果として生じする。したがって、第1のフォトダイオードと、第1のフォトダイオードとは異なる第2のフォトダイオードとを設けることによって、それぞれの電荷信号は、高ダイナミックレンジを得るために使用されることが可能である。
【0040】
少なくとも1つのさらなる実施形態において、ピクセル配列は、感度ゲートをさらに備える。感度ゲートは、リセットゲートとキャパシタンスの終端ノードとの間に配置される。この実施形態において、ピクセル配列は、終端ノードを備える第3のコンデンサをさらに備える。感度ゲートは、キャパシタンスの終端ノードを第3のコンデンサの終端ノードと短絡させるために設けられる。
【0041】
感度ゲートは、利得スイッチとして実装され得る。感度ゲートは、キャパシタンスの終端ノードに電気的に接続された第1の端子と、第3コンデンサの終端ノードに電気的に接続された第2の端子とを備える感度トランジスタの一部であり得る。利得信号を感度ゲートに印加することによって、感度トランジスタは、FDノードが第3のコンデンサの終端ノードと短絡されるように導電性になる。感度トランジスタは、デュアル変換利得(DCG)トランジスタと呼ばれる場合があり、感度信号は、DCG信号または結合信号と呼ばれる場合がある。
【0042】
第3のコンデンサは、MOSコンデンサまたはMIMコンデンサとして実装され得る。第3のコンデンサの終端ノードは、リセットゲートと感度ゲートとの間に配置される。
【0043】
第3のコンデンサは、接地され得るさらなる終端ノードをさらに備える。
【0044】
FDノードを第3のコンデンサの終端ノードと短絡させることによって、合成キャパシタンスは、FDキャパシタンスの大きさよりも大きくなる。電荷を一定に保つと、これは、減少した電圧信号につながる。したがって、キャパシタンスを大きくすることによって、利得は、減少する。これは、キャパシタンスおよび第3のコンデンサが短絡された場合、ピクセル配列が減少した利得を有することを意味する。言い換えれば、第3のコンデンサが感度ゲートによってキャパシタンスから電気的に切り離された場合、ピクセル配列は、増加した利得を有する。
【0045】
一般に、転送ゲートが非アクティブ化された場合、フォトダイオードは、電位障壁によってキャパシタンスから分離される。同様に、感度ゲートが非アクティブ化された場合、キャパシタンスは、さらなる電位障壁によって第3のコンデンサから分離される。これは、それぞれ、フォトダイオードとキャパシタンスとの間、またはキャパシタンスと第3のコンデンサとの間で、電荷キャリアが拡散するのが防止されることを意味する。しかしながら、いくつかの実施形態において、特に、それぞれフォトダイオードのポテンシャル井戸またはキャパシタンスのポテンシャル井戸が飽和された場合、そのような電荷オーバフローが許容される。このようにして、飽和中であっても光誘起電荷キャリアが失われず、ピクセル配列に増加したダイナミックレンジを提供する。言い換えれば、第3のコンデンサは、過剰な電荷キャリアを蓄積する。さらに、フォトダイオードおよび/またはキャパシタンスは、より小さい寸法にされることが可能である。
【0046】
少なくとも1つのさらなる実施形態において、第1のコンデンサおよび第2のコンデンサは、並列に配置される。第1のスイッチと第2のスイッチの両方は、増幅器の出力端子に電気的に直接接続される。第1のコンデンサの終端ノードは、さらなる増幅器に電気的に接続され得る。第2のコンデンサの終端ノードは、第2のさらなる増幅器に電気的に接続され得る。第1のコンデンサの終端ノードおよび第2のコンデンサの終端ノードは、共通のさらなる増幅器に接続されることも可能である。有利なことに、第1のコンデンサおよび第2のコンデンサは、第1および第2のスイッチによって独立して制御されることが可能である。
【0047】
少なくとも1つのさらなる実施形態において、第1のコンデンサおよび第2のコンデンサは、カスケード接続されて配置される。この場合、第2のスイッチは、第1のスイッチを介して増幅器の出力端子に電気的に接続される。言い換えれば、第2のスイッチは、第1のコンデンサの終端ノードと第2のコンデンサの終端ノードとの間に配置される。有利なことに、コンデンサの並列配置の場合におけるよりも少ない構成要素が必要とされる。
【0048】
さらに、上記の実施形態のうちの1つにおいて説明したようなピクセル配列によるピクセルのアレイを備える画像センサが提供される。これは、ピクセル配列について開示されたすべての特徴が画像センサについても開示され、適用可能であり、その逆も同様であることを意味する。
【0049】
さらに、画像センサを備える光電子デバイスが提供される。これは、画像センサについて開示されたすべての特徴が光電子デバイスについても開示され、適用可能であり、その逆も同様であることを意味する。
【0050】
画像センサは、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップ、またはカメラモジュールなどの光電子デバイスにおいて便利に用いられることが可能である。例えば、カメラモジュールは、写真撮影および/またはビデオ取り込みのために可視領域において動作するように構成される。さらに、ピクセル配列は、信号がピクセルレベルのメモリ、すなわち第1のコンデンサおよび第2のコンデンサに記憶されるので、グローバルシャッタモードにおいて動作するのに特に適している。グローバルシャッタモードは、画像センサデバイスがピクセルと同期される光源をさらに備える赤外線用途に特に適している。したがって、そのような画像センサを備える光電子デバイスは、例えば、3D画像化および/または識別目的のために、赤外線(IR)領域においても機能し得る。赤外線感度を有する画像センサは、ビデオフィードが必要とされる暗い環境において使用されることが可能である。そのような用途は、携帯電話の顔によるロック解除から運転監視システムまで多岐にわたる。両方とも、電話ユーザ/運転者が自分を照らしている光によって目がくらまされないように、短波赤外線(SWIR)スペクトルにおける照明器を配備することができる。
【0051】
さらに、電磁放射線を高感度モードおよび低感度モードにおいてそれぞれ変換するように構成されたピクセル配列を動作させるための方法が提供される。上記で説明したピクセル配列は、本明細書で説明するピクセル配列を動作させるための方法に好ましく用いられることが可能である。これは、ピクセル配列および画像センサについて開示されたすべての特徴がピクセル配列を動作させるための方法についても開示され、その逆も同様であることを意味する。
【0052】
ピクセル配列を動作させるための方法の少なくとも1つの実施形態によれば、方法は、少なくとも1つのフォトダイオードによって電磁放射線をそれぞれの電荷信号に変換するステップを含む。方法は、キャパシタンスをリセットするためのリセット信号を提供するステップをさらに含む。例えば、リセット信号は、キャパシタンスに電気的に結合されたリセットゲートに印加される。例えば、リセット信号を印加することによって、キャパシタンスにおいて蓄積された電荷キャリアが除去されるように、キャパシタンスの終端ノードにピクセル電源電圧が印加される。
【0053】
方法は、それぞれの電荷信号を少なくとも1つのフォトダイオードからキャパシタンスに転送するための転送信号を提供するステップをさらに含む。例えば、転送信号は、フォトダイオードとキャパシタンスの終端ノードとの間の転送ゲートに印加される。
【0054】
方法は、それぞれの電荷信号と感度モードとに基づいて、それぞれの増幅された信号を生成するステップをさらに含む。それぞれの増幅された信号は、それぞれ、低感度信号および高感度信号のうちの1つである。低感度信号および高感度信号は、共通のノイズレベルに基づく。これは、低感度信号のノイズレベルが高感度信号のノイズレベルと相関していることを意味することができる。例えば、それぞれの増幅された信号は、入力端子においてキャパシタンスに電気的に接続された増幅器によって生成される。
【0055】
方法は、それぞれの増幅された信号を第1のコンデンサに転送するための第1のスイッチ信号を提供するステップをさらに含む。第1のコンデンサは、高感度信号を記憶するように構成される。例えば、第1のスイッチ信号は、第1のコンデンサの終端ノードと増幅器の出力端子との間の第1のスイッチに印加される。
【0056】
方法は、それぞれの増幅された信号を第2のコンデンサに転送するための第2のスイッチ信号を提供するステップをさらに含む。第2のコンデンサは、低感度信号を記憶するように構成される。例えば、第2のスイッチ信号は、第2のコンデンサの終端ノードと増幅器の出力端子との間の第2のスイッチに印加される。
【0057】
有利なことに、2つのコンデンサは、高感度信号および低感度信号である2つの異なる信号を記憶する。したがって、ピクセル配列のダイナミックレンジは、拡大されることが可能である。さらに、両方の信号が共通のノイズレベルに基づいているので、低感度信号は、高感度信号のための参照レベルとして使用されることが可能である。これは、例えば、熱ノイズおよびリセットノイズが効果的に相殺されることが可能であるように、高感度信号がCDSでアクセスされることが可能であることを意味する。
【0058】
方法の少なくとも1つのさらなる実施形態において、方法は、ピクセル露光中、ピクセルが低感度モードにおいて動作される第1のステップをさらに含む。低感度モードにおいて、低感度信号が生成され、第2のコンデンサにおいて記憶される。ピクセル露光中の第2のステップにおいて、ピクセルは、高感度信号が生成され、第1のコンデンサにおいて記憶されるように、高感度モードにおいて動作される。ピクセル露光は、フォトダイオードが光に曝露される時間期間を指す。
【0059】
低感度信号は、高感度信号よりも小さい。特に、高感度信号は、低感度信号に追加のビデオ信号を加えたものに等しい。したがって、低感度信号は、高感度信号よりも先に決定される。したがって、有利なことに、高感度信号は、低感度信号に基づくことができる。
【0060】
方法の少なくとも1つのさらなる実施形態において、ピクセル露光中の第1のステップおよび第2のステップは、その間にキャパシタンスをリセットすることなく実施される。キャパシタンスがリセットされた場合、低感度信号に関する情報がFDノードから除去されるので、高感度信号は、低感度信号に基づかない。有利なことに、キャパシタンスは、高感度モードにおいて再利用されることが可能であるように、低感度信号に関する情報を記憶する。有利なことに、追加のノイズが導入されない。
【0061】
方法の少なくとも1つのさらなる実施形態において、低感度信号は、ピクセル読み出し中の第1のステップにおいて読み出される。読み出し中の第2のステップにおいて、高感度信号が読み出される。ピクセル読み出しは、コンデンサにおいて記憶されたアナログ信号がさらに処理される時間期間を指す。例えば、アナログ信号は、列バスを介して読み出し回路に転送され、そこでデジタル信号に変換される。有利なことに、低感度信号は、低感度信号が高感度信号のための参照レベルとして使用されることが可能であるように、高感度信号よりも前に読み出される。
【0062】
高感度信号を読み出すことは、高感度信号が第1のコンデンサから直接読み出されることを意味することができる。しかしながら、高感度信号の減衰されたバージョンが読み出されることを意味することもできる。第1および第2のコンデンサがカスケード接続されて配置された場合、2つのコンデンサは、互いに結合される。例えば、高感度信号を読み出す場合、高感度信号は、第1および第2のコンデンサにおいて再分配され得る。これは、第1のコンデンサにおける電荷が第2のコンデンサにおける電荷と混合されることを意味する。したがって、第1のコンデンサにおける高感度信号は、例えば、第1のコンデンサが第2のコンデンサと等しい場合、2分の1に減衰される。
【0063】
方法の少なくとも1つのさらなる実施形態において、ピクセル読み出し中の第3のステップにおいて、キャパシタンスは、リセットされ、リセットレベルが読み出される。キャパシタンスをリセットすることは、リセット信号を印加することによって実行される。リセットレベルは、ピクセル配列の非ビデオ信号、すなわちフォトダイオードからの電荷信号なしの信号を指す。キャパシタンス、すなわちFDノードをリセットすることによって、高感度信号または低感度信号のノイズとは相関しない追加のノイズが導入される。しかしながら、ピクセル配列のリセットレベルは、固定パターンノイズ(FPN)に関する情報を含む。したがって、有利なことに、ピクセル配列のFPNは、ピクセル読み出し中の第3のステップにおいて決定されることが可能である。
【0064】
少なくとも1つのさらなる実施形態において、方法は、ピクセル読み出し中、リセットレベルを低感度信号のための参照レベルとして使用することによって、ダブルデルタサンプリングを実行するステップをさらに含む。低感度信号は、高照度の場合にさらに処理される。高照度では光子ショットノイズが支配的であるので、ここでは、熱ノイズは、関連性が低い。したがって、ビデオ信号からノイズを除去するための相関二重サンプリングは、必要ない。しかしながら、ビデオ信号からFPNを除去することが望ましい場合がある。ダブルデルタサンプリング(DDS)を実行することによって、すなわちリセットレベルを低感度信号のための参照レベルとして使用することによって、FPNが除去されることが可能である。
【0065】
少なくとも1つのさらなる実施形態において、方法は、ピクセル読み出し中、低感度信号を高感度信号のための参照レベルとして使用することによって、相関二重サンプリングを実行するステップをさらに含む。上述したように、低感度信号および高感度信号は、共通のノイズレベルに基づく。したがって、相関二重サンプリングを実行することによって、すなわち低感度信号を高感度信号のための参照レベルとして使用することによって、ノイズは、高感度信号から効果的に除去されることが可能である。除去されるノイズは、時間ノイズと固定パターンノイズの両方を含む。
【0066】
少なくとも1つのさらなる実施形態において、方法は、ピクセル読み出し中、それぞれの振幅レベルに基づいて、さらなる処理のために低感度信号と高感度信号のどちらを使用するかを決定するステップをさらに含む。高照度の場合、高感度信号は、飽和される場合がある。したがって、低感度信号が、さらなる処理のために使用されるべきである。低照度の場合、低感度信号は、弱く、ノイズの影響を受ける場合がある。したがって、高感度信号が、さらなる処理のために使用されるべきである。それぞれの振幅レベルに基づいて、さらなる処理のために低感度信号と高感度信号のどちらを使用するかを決定するステップは、それぞれの振幅レベルをそれぞれのしきい値と比較するステップを含み得る。有利なことに、現在の照度に応じて、低感度信号または高感度信号のいずれかが使用されることが可能である。したがって、ダイナミックレンジは、拡大される。
【0067】
少なくとも1つのさらなる実施形態において、方法は、低感度モードにおけるピクセル露光中、キャパシタンスの終端ノードを第3のコンデンサの終端ノードと短絡させるための利得信号を印加することによって、変換利得を調整するステップをさらに含む。例えば、利得信号は、キャパシタンスの終端ノードと第3のコンデンサの終端ノードとの間の感度ゲートに印加される。所与の電荷信号においてそれぞれの終端ノードを短絡させることによって、総キャパシタンスが増加され、そして次に、電圧信号を減少させる。したがって、それぞれの電荷信号に関する変換利得は、減少する。したがって、2つの異なる変換利得が提供されることが可能である。
【0068】
方法の少なくとも1つのさらなる実施形態において、電磁放射線をそれぞれの電荷信号に変換するステップは、第1のフォトダイオードによって高感度モードにおいて第1の電荷信号を生成するステップと、第2のフォトダイオードによって低感度モードにおいて第2の電荷信号を生成するステップとを含む。特に、第1のフォトダイオードおよび第2のフォトダイオードは、所々の照度において異なる電荷信号を生成するように異なることができる。例えば、増加した電荷信号を生成するために、大きいフォトダイオードが高感度において使用されることが可能であり、減少した電荷信号を生成し、ピクセル内の記憶素子の飽和を防止するために、より小さいフォトダイオードが低感度モードにおいて使用されることが可能である。2つまたは少なくとも2つのフォトダイオードを使用することによって、ピクセル配列のダイナミックレンジは、増加されることが可能である。
【0069】
方法の少なくとも1つのさらなる実施形態において、電磁放射線をそれぞれの電荷信号に変換するステップは、減少した露光時間によって低感度モードにおいて第1の電荷信号を生成するステップと、増加した露光時間によって高感度モードにおいて第2の電荷信号を生成するステップとを含む。所与の照度におけるそれぞれの電荷信号は、異なる露光時間によって変化させられることが可能である。例えば、増加した電荷信号を生成するために、高感度モードにおいて長い露光時間が使用されることが可能であり、減少した電荷信号を生成し、したがって飽和を防止するために、低感度モードにおいて短い露光時間が使用されることが可能である。2つまたは少なくとも2つの露光時間を使用することによって、ピクセル配列のダイナミックレンジは、拡大されることが可能である。
【0070】
方法のさらなる実施形態は、上記で説明したピクセル配列の実施形態から当業者には明らかになり、その逆も同様である。
【0071】
さらに、ピクセル配列を動作させるための別の方法が提供される。上記で説明した電磁放射線を高感度モードおよび低感度モードにおいて変換するように構成されたピクセル配列も、この動作方法に使用されることが可能である。これは、ピクセル配列および画像センサについて開示されたすべての特徴がピクセル配列を動作させる以下の方法についても開示され、その逆も同様であることを意味する。さらに、上記の方法の態様は、以下の方法にも関連する。したがって、上記の方法の実施形態は、以下の方法についても開示され、適用可能である。
【0072】
少なくとも1つの実施形態において、方法は、第1の積分期間においてフォトダイオードを用いて電荷キャリアを蓄積するステップを含む。方法は、第1の積分期間の終了時に、蓄積された電荷キャリアの一部をキャパシタンスに転送するために、転送デートを第1の電圧レベルにパルス化するステップをさらに含み、前記部分は、電源電圧にドレインされるように構成される。
【0073】
第1の積分期間は、露光期間の一部である。これは、露光期間がいくつかの積分期間、例えば、第1の積分期間、第2の積分期間、および第3の積分期間に細分されることを意味することができる。露光期間は、ピクセル露光中と呼ばれる場合がある。上述したように、キャパシタンスは、拡散モードの(寄生)キャパシタンスであり得る。したがって、言い換えれば、蓄積された電荷キャリアは、転送信号を転送ゲートに印加することによって、拡散ノードに転送される。転送ゲートは、転送トランジスタの一部として実装され得る。第1の電圧レベルは、転送トランジスタのしきい値電圧よりも低い電圧レベルであり得る。これは、第1の電圧レベルが部分電圧レベルであることを意味することができる。例えば、第1の電圧レベルは、0.8Vである。転送ゲートに第1の電圧レベルを印加することによって、フォトダイオードと拡散ノードとの間の電位障壁は、低下する。したがって、過剰な電荷キャリアは、フォトダイオードから拡散ノードに転送されるように、低下した電位障壁を乗り越える場合がある。これらの過剰な電荷キャリアは、蓄積された電荷キャリアの前記部分と呼ばれる。前記部分は、電源電圧にドレインされるように構成される。これは、拡散ノードをリセットすることによって達成されることが可能である。拡散ノードをリセットすることは、前述したように、拡散ノードとピクセル電源端子との間に接続されたリセットトランジスタにリセット信号を印加することによって実現されることが可能である。前記部分のドレインは、例えば、露光期間中、または露光期間の終了時、または露光期間の後に実施され得る。
【0074】
少なくとも1つの実施形態において、方法は、第2の積分期間において、フォトダイオードを用いて電荷キャリアを蓄積し続けるステップをさらに含む。
【0075】
第2の積分期間は、露光期間の一部である。第2の積分期間は、第1の積分期間よりも後である。第2の積分期間は、第1の積分期間の直後に続き得る。露光期間は、第1および第2の積分期間を含み得る。第2の積分期間後にフォトダイオードにおいて蓄積された電荷キャリアは、第1および第2の積分期間中に蓄積された電荷キャリアから、ドレインされる電荷の部分を減算したものを含む。
【0076】
少なくとも1つの実施形態おいて、第2の積分期間の終了時に、方法は、蓄積された電荷キャリアの第1の部分をキャパシタンスに転送するために、転送トランジスタを第1の電圧レベルにパルス化するステップと、蓄積された電荷キャリアの第1の部分を表す低感度信号を、キャパシタンスに電気的に結合された一対のコンデンサのうちの少なくとも第2のコンデンサ(80)において記憶するステップとをさらに含む。
【0077】
低感度信号を記憶するステップは、記憶期間中に実施され得る。記憶期間は、露光期間と重なり得る。これは、記憶期間が露光期間中に開始することを意味することができる。記憶期間は、ピクセルのフレーム記憶中と呼ばれる場合がある。蓄積された電荷キャリアの第1の部分を転送することは、蓄積された電荷キャリアの部分をドレインするために拡散ノード/キャパシタンスをリセットした後に実施され得る。蓄積された電荷キャリアの第1の部分は、蓄積された電荷キャリアの部分とは異なる。しかしながら、第1の電圧レベルは、転送ゲートに再び印加されるので、電位障壁は、同じ量だけ低下する。したがって、蓄積された電荷キャリアの第1の部分は、第2の積分期間中に蓄積された過剰な電荷キャリアに対応する。蓄積された電荷キャリアの第1の部分は、ドレインされず、一対のコンデンサにおいて記憶される。一対のコンデンサは、それぞれ、キャパシタンスまたは拡散ノードに電気的に結合される。一対のコンデンサは、上述したように、第1および第2のコンデンサを備える。コンデンサは、上記で説明したように、ソースフォロワを介して拡散ノードに電気的に結合され得る。コンデンサは、上述したように、並列に配置されるか、またはカスケード接続され得る。コンデンサがカスケード接続されて配置される場合、蓄積された電荷キャリアの第1の部分を表す低感度信号は、両方のコンデンサにおいて分配され得る。コンデンサが並列に配置される場合、低感度信号は、代わりにコンデンサのうちの1つ、例えば第2のコンデンサにおいて記憶され得る。低感度信号を記憶することは、コンデンサに割り当てられたそれぞれのスイッチにスイッチ信号を印加することによって実現され得る。例えば、上記で説明したように、第1のスイッチが第1のコンデンサに割り当てられ、第2のスイッチが第2のコンデンサに割り当てられる。
【0078】
少なくとも1つの実施形態において、方法は、第3の積分期間において、フォトダイオードを用いて電荷キャリアを蓄積し続けるステップをさらに含む。第3の積分期間は、第3の積分期間は、露光期間の一部である。第3の積分期間は、第2の積分期間よりも後である。第3の積分期間は、第2の積分期間の直後に続き得る。露光期間は、第1、第2、および第3の積分期間を含み得る。第3の積分期間後にフォトダイオードにおいて蓄積された電荷キャリアは、第1、第2、および第3の積分期間中に蓄積された電荷キャリアから、ドレインされる電荷キャリアの部分を減算し、少なくとも第2のコンデンサにおいて記憶される電荷キャリアの第1の部分を減算したものを含む。
【0079】
少なくとも1つの実施形態において、第3の積分期間の終了時に、方法は、蓄積された電荷キャリアの残りの部分をキャパシタンスに転送するために、転送トランジスタを第2の電圧レベルにパルス化するステップと、蓄積された電荷キャリアの残りの部分を表す高感度信号を、一対のコンデンサのうちの第1のコンデンサにおいて記憶するステップとをさらに含む。
【0080】
転送トランジスタを第2の電圧レベルにパルス化することは、転送トランジスタを第1の電圧レベルにパルス化した後に実施される。第2の電圧レベルは、全電圧レベルであり得る。第2の電圧レベルは、転送トランジスタのしきい値電圧レベルよりも高い電圧レベルであり得る。例えば、第2の電圧レベルは、2.8Vである。したがって、第2の電圧レベルを印加することによって、転送トランジスタは、導通状態になる。したがって、第2の電圧レベルを印加することによって、フォトダイオードと拡散ノードとの間の電位障壁は、第1の電圧レベルが印加されたときの電位障壁よりも低くなる。特に、電位障壁は、完全に消失される場合がある。したがって、フォトダイオードにおいて蓄積された残りの電荷キャリアは、拡散ノードに転送される。蓄積された電荷キャリアの残りの部分は、第1、第2、および第3の積分期間中に蓄積された電荷キャリアから、ドレインされる電荷キャリアの部分を減算し、少なくとも第2のコンデンサにおいて記憶される電荷キャリアの第1の部分を減算したものに対応する。
【0081】
少なくとも1つの実施形態において、読み出し期間中、方法は、コンデンサにおいて記憶された低感度信号と高感度信号とを読み出すステップをさらに含む。
【0082】
それぞれの信号を読み出すステップは、上述したように、選択トランジスタに選択信号を印加することによって実施され得る。選択信号は、信号が記憶されたコンデンサをピクセルの列バスに接続する。コンデンサは、上記で説明したように、さらなるソースフォロワを介して列バスに電気的に結合され得る。
【0083】
説明した方法は、転送ゲートの障壁変調を含む。障壁変調によって、ピクセル配列のダイナミックレンジは、拡大されることが可能である。特に、ピクセル配列のダイナミックレンジは、高光条件において蓄積された電荷キャリアの一部をドレインすることによって拡大される。高感度信号(高変換利得信号、HCG信号)は、ピクセル出力信号の線形化中に必要とされるニーポイント較正値を含む。特に、第1の積分期間および第2の積分期間のそれぞれの持続時間と、第1の電圧レベルとを知ることで、線形化された信号を再構築することが可能である。各ピクセルの転送トランジスタは、製造プロセスにおけるばらつきおよび変動の影響を受ける。したがって、転送トランジスタのしきい値電圧は、ピクセルごとに異なる。これは、第1の電圧レベルを印加するときに、フォトダイオードと拡散ノードとの間の障壁がピクセルごとに異なることを意味することができる。しかしながら、正確な障壁レベルを知ることは、固定パターンノイズFPNを除去することに関連している。第1の電圧レベル、および(第1の電圧レベルを印加した後に蓄積された電荷キャリアの残りの部分に対応する)ピクセルのHCG信号から、出力信号の障壁への依存性に関する情報が導出されることが可能である。さらに、露光期間中に印加される第1の電圧レベルは、記憶期間中にも印加されるので、第1および第2の積分期間の比率、ならびにHCG信号は、第1の積分期間の終了時にどれくらい多くの量の電荷キャリアが電源電圧にドレインされたかを決定するために使用されることが可能である。この量と、低感度信号(低変換利得信号、LCG信号)とが与えられると、高光条件において使用されるピクセル出力信号が再構築されることが可能である。
【0084】
さらに、両方の信号が共通のノイズレベルに基づいており、LCG信号を記憶するときとHCG信号を記憶するときとの間で拡散ノードがリセットされないので、低感度信号(LCG信号)は、高感度信号(HCG信号)のための参照レベルとして機能し得る。したがって、低光条件において使用されるHCG信号に対してCDSが実行されることが可能である(低光条件では、LCG信号は、ノイズのみを含み、ビデオ情報を含まない)。
【0085】
少なくとも1つの実施形態において、ピクセル配列を動作させるための方法は、第1の積分期間において、フォトダイオードを用いて電荷キャリアを蓄積するステップと、第1の積分期間の終了時に、蓄積された電荷キャリアの一部をキャパシタンスに転送するために、転送ゲートを第1の電圧レベルにパルス化するステップとを含み、前記部分は、電源電圧にドレインされるように構成される。方法は、第2の積分期間において、フォトダイオードを用いて電荷キャリアを蓄積し続けるステップをさらに含む。方法は、第2の積分期間の終了時に、蓄積された電荷キャリアの第1の部分をキャパシタンスに転送するために、転送ゲートを第1の電圧レベルにパルス化するステップと、蓄積された電荷キャリアの第1の部分を表す低感度信号を、キャパシタンスに電気的に結合された一対のコンデンサのうちの少なくとも第2のコンデンサにおいて記憶するステップとをさらに含む。方法は、第3の積分期間(T3)において、フォトダイオード(20)を用いて電荷キャリアを蓄積し続けるステップをさらに含む。方法は、第3の積分期間の終了時に、蓄積された電荷キャリアの残りの部分をキャパシタンスに転送するために、転送ゲートを第2の電圧レベルにパルス化するステップと、蓄積された電荷キャリアの残りの部分を表す高感度信号を一対のコンデンサのうちの第1のコンデンサにおいて記憶するステップとをさらに含む。方法は、読み出し期間中、コンデンサに記憶された低感度信号と高感度信号とを読み出すステップをさらに含む。
【0086】
少なくとも1つの実施形態において、高感度信号は、蓄積された電荷キャリアの残りの部分に基づく較正レベルを示す。
【0087】
少なくとも1つの実施形態において、方法は、較正レベルに基づいて決定されたピクセル固有のニーポイント値に依存して、低感度信号と高感度信号とに基づいてピクセル出力信号を調整するステップをさらに含む。
【0088】
上述したように、蓄積された電荷キャリアの残りの部分は、HCG信号とも呼ばれる高感度信号に対応する。第1の電圧レベルとHCG信号とを知ることで、障壁を形成する転送ゲートに関する情報が推測されることが可能である。したがって、HCG信号は、LCG信号のための較正レベルとして使用されることが可能である。これは、較正レベルがHCG信号であることを意味することができる。言い換えれば、蓄積された電荷キャリアのドレインされた部分に関する情報は、失われず、第1の電圧レベルと、HCG信号と、積分期間とに基づいて再構築されることが可能である。このようにして、ドレインされた電荷キャリアは、考慮に入れられることが可能である。さらに、較正レベルは、転送ゲートにおける変動によって引き起こされるFPNを除去するために、後処理において必要とされる。
【0089】
ピクセル出力信号は、光条件に応じて、LCG信号またはHCG信号に基づき得る。高光条件において、LCG信号は、さらに処理される。LCG信号のさらなる処理は、LCG信号が、較正レベルと、第1および第2の積分期間の関係とによって調整されることを意味し得る。したがって、ピクセル出力信号を調整することは、ピクセルニーポイント較正と呼ばれる場合がある。ピクセルニーポイント較正は、ピクセルごとに個別に実行され得る。さらに、障壁情報がHCG信号内に含まれているので、ピクセル配列は、自己較正される。したがって、追加の読み出しは、必要ない。
【0090】
LCG信号を調整することは、FPNを除去するためのダブルデルタサンプリング(DDS)ルーチンをさらに含み得る。
【0091】
低光条件において、HCG信号は、さらに処理される。HCG信号のさらなる処理は、HCG信号が相関二重サンプリング(CDS)ルーチンによって調整されることを意味し得る。
【0092】
少なくとも1つの実施形態において、第1の積分期間は、第2の積分期間よりも長い。これは、第1の積分期間の持続時間が第2の積分期間の持続時間よりも長いことを意味することができる。例えば、第1の積分期間は、第2の積分期間の1.5倍から3倍の長さである。例えば、第1の積分期間は、第2の積分期間の2倍の長さである。このようにして、飽和の影響が回避されることが可能である。
【0093】
少なくとも1つの実施形態において、第2の電圧レベルは、第1の電圧レベルよりも高い。これは、第2の電圧レベルが転送ゲートに印加された場合、フォトダイオードと拡散ノードとの間の障壁が、第1の電圧レベルが転送ゲートに印加された場合よりも低いことを意味する。したがって、第1の電圧レベルは、部分電圧レベルであることが可能であり、第2の電圧レベルは、全電圧レベルであることが可能である。言い換えれば、第1の電圧レベルは、しきい値電圧レベルよりも低いことが可能であり、第2の電圧レベルは、しきい値電圧レベルよりも高いことが可能である。第1の電圧レベルは、1.0Vよりも低く、例えば0.8Vであることが可能である。例えば、第2の電圧レベルは、2.0Vよりも高く、例えば2.8Vであることが可能である。部分電圧レベルを転送ゲートに印加することによって、蓄積された電荷キャリアの一部のみが拡散ノードに転送される。全電圧レベルを転送ゲートに印加することによって、フォトダイオードは、リセットされることが可能であり、蓄積された電荷キャリアの残りの部分は、拡散ノードに転送されることが可能である。
【0094】
障壁変調を使用する説明した方法は、上記で説明した方法の態様と組み合わされることも可能である。
【0095】
特に、少なくとも1つの実施形態において、ピクセル読み出し(読み出し期間)中の第1のステップにおいて、低感度信号が読み出され得、読み出し中の第2のステップにおいて、高感度信号が読み出され得、ピクセル読み出し中の第3のステップにおいて、キャパシタンスがリセットされ、リセットレベルが読み出される。
【0096】
少なくとも1つのさらなる実施形態において、リセットレベルは、低感度信号のための参照レベルとして使用され得る。これは、DDSを可能にする。
【0097】
少なくとも1つのさらなる実施形態において、低感度信号を高感度信号のための参照レベルとして使用することによって、相関二重サンプリングが実行され得る。
【0098】
少なくとも1つのさらなる実施形態において、さらなる処理のために低感度信号と高感度信号のどちらを使用するかは、それぞれの振幅レベルに基づいて決定され得る。したがって、ピクセル出力信号は、光条件に適合され得、ダイナミックレンジを拡大する。
【0099】
少なくとも1つのさらなる実施形態において、ピクセル配列は、上記で説明したように二重変換利得トランジスタを備え得る。したがって、方法は、キャパシタンスの終端ノード(拡散ノードに対応する)を第3のコンデンサの終端ノードと短絡させるための利得信号を印加することによって、変換利得を調整するステップを含み得る。変換利得を調整するステップは、記憶期間中に実施され得る。
【0100】
ピクセル配列を動作させる上記で説明した方法によって、電圧領域グローバルシャッタ(VGS)ピクセルにおけるHDRは、パイプラインモード、すなわち記憶コンデンサへの信号をパイプライン化することに影響を与えることなく達成されることが可能である。さらに、2つのコンデンサのみが必要とされ、これは、ピクセル配列が小さい面積を有することができることを意味する。後者の方法は、自己較正障壁変調を利用し、これは、較正値が信号のうちの1つ、特にHCG信号内に含まれることを意味する。通常、較正値は、追加の読み出しによって取得されなければならない。
【0101】
方法のさらなる実施形態は、上記で説明したピクセル配列の実施形態から当業者には明らかになり、その逆も同様である。ピクセル配列は、電圧領域グローバルシャッタピクセルを形成し得る。代替的には、ピクセル配列は、ローリングシャッタピクセルを形成する。
【0102】
以下の図の説明は、ピクセル配列およびそのようなピクセル配列を動作させる方法の態様をさらに例示および説明し得る。機能的に同一であるか、または同一の効果を有するピクセル配列の構成要素および部分は、同一の参照符号によって示される。同一または実質的に同一の構成要素および部分について、それらが最初に現れる図に関してのみ説明される場合がある。それらの説明は、必ずしも連続する図において繰り返されない。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【
図1】ピクセル配列のダイナミックレンジを示す図である。
【
図2A】ピクセル配列の例示的な実装形態を示す図である。
【
図2B】
図2Aによるピクセル配列に関する例示的な信号タイミングを示す図である。
【
図3】ピクセル配列の別の例示的な実施形態を示す図である。
【
図4A】ピクセル配列の別の例示的な実施形態を示す図である。
【
図4B】
図4Aによるピクセル配列に関する例示的な信号タイミングを示す図である。
【
図5】ピクセル配列の別の例示的な実施形態を示す図である。
【
図6】ピクセル配列を備える画像センサを備える光電子デバイスの概略図である。
【
図7】
図2Aによるピクセル配列に関する別の例示的な信号タイミングを示す図である。
【
図8】
図2Aによるピクセル配列によって実行される例示的な動作を示す図である。
【
図9】ピクセル配列の例示的な特性を示す図である。
【
図10】
図2Aによるピクセル配列に関する別の例示的な信号タイミングを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0104】
図1は、照度Iに対してプロットされたピクセル配列10(図示せず)の光誘起電荷信号Qを示す。電荷信号Qと照度Iとの間に線形またはほぼ線形の関係が存在することがわかる。電荷信号Qの小さい値について、信号は、ノイズの多い電荷信号Qから使用可能なビデオ信号を取得することが困難であるように、ノイズフロア998によって支配される。電荷信号がノイズフロアレベル998を十分に上回っている場合、使用可能なビデオ信号が決定されることが可能である。しかしながら、高電荷信号Qについて、飽和領域999に到達し得る。これは、それぞれのポテンシャル井戸がより多くの電荷を蓄積するのに十分な大きさではないので、前記ピクセル配列10内のフォトダイオードまたはメモリ素子が、特定の数の光誘起電荷キャリアしか扱えないことを意味する。結果として、典型的なピクセル配列10において、非常に低い光条件および非常に高い光条件に対して適切なビデオ信号が取得されることは可能ではない。その間の光条件、すなわち、適切なビデオ信号が取得されることが可能な光条件は、ピクセル配列10のダイナミックレンジDRを定義する。ピクセル配列10のダイナミックレンジを拡大することが望ましい。
【0105】
図2Aにおいて、ピクセル配列10の例示的な実施形態が示されている。図示のピクセル配列10は、高ダイナミックレンジ(HDR)を達成するように動作されることが可能である。ピクセル配列10は、電磁放射線をそれぞれ高感度モードおよび低感度モードにおいて変換するように構成される。
【0106】
ピクセル配列10は、電磁放射線をそれぞれの電荷信号に変換するように構成された少なくとも1つのフォトダイオード20を備える。フォトダイオード20は、アノード端子とカソード端子とを備える。フォトダイオード20のアノード端子は、グランド(GND)とすることもできる負のピクセル電源電圧VSSに接続される。フォトダイオード20は、任意の波長の光、例えば、可視光、赤外線、および/または紫外線を変換し得る。
【0107】
ピクセルは、フォトダイオード20とキャパシタンス40との間に転送ゲート30をさらに備える。
図1に示す実施形態において、転送ゲート30は、スイッチとして機能する転送トランジスタの一部として実装される。転送トランジスタの第1の端子は、フォトダイオード20のカソード端子に電気的に接続される。転送トランジスタの第2の端子は、キャパシタンス40の終端ノード42に電気的に接続される。終端ノード42は、以下では、(浮遊)拡散(FD)ノード42と命名される。キャパシタンス40は、コンデンサとして実装され得、FDコンデンサと呼ばれる場合がある。転送トランジスタの転送ゲート30は、それぞれの電荷信号をフォトダイオード20からキャパシタンス40に転送するための転送信号TXを受信するように構成される。キャパシタンス40は、それぞれの電荷信号をそれぞれの電圧信号に変換するように構成される。キャパシタンス40のさらなる終端ノード44は、VSSに接続され得る。
【0108】
ピクセル配列10は、キャパシタンス40をリセットするために、キャパシタンス40に電気的に結合されたリセットゲート50をさらに備える。
図1に示す実施形態において、リセットゲート50は、スイッチとして機能するリセットトランジスタの一部として実装される。リセットトランジスタの第1の端子は、ピクセル電源電圧VDDに電気的に接続される。リセットトランジスタの第2の端子は、キャパシタンス40の終端ノード42に電気的に接続される。リセットトランジスタのリセットゲート30は、ピクセル電源電圧VDDを印加することによってキャパシタンス40をリセットし、したがって、任意の冗長な電荷キャリアを除去するためのリセット信号RTSを受信するように構成される。
【0109】
ピクセル配列10は、キャパシタンス40に電気的に接続され、それぞれの電荷信号と感度モードとに基づいて、それぞれの増幅された信号を生成するように構成された増幅器60をさらに備える。それぞれの増幅された信号は、それぞれ、低感度信号または高感度信号である。低感度信号および高感度信号は、共通のノイズレベルに基づく。増幅器60は、
図2に示すように、ソースフォロワとして知られる共通ドレイン増幅器を形成し得る。ソースフォロワのゲート端子62は、FDノード42に接続され、増幅器60の入力端子62として機能する。共通端子が電源電圧VDDに接続される。それぞれの増幅された信号は、増幅器60の出力端子64において生成される。
【0110】
ピクセル配列10は、高感度信号を記憶するように構成された第1のコンデンサ70と、低感度信号を記憶するように構成された第2のコンデンサ80とをさらに備える。第1のコンデンサ70は、終端ノード72とさらなる終端ノード74とを備える。
図1に示すように、さらなる終端ノード74は、VSSに接続され得る。さらに、第2のコンデンサ80は、終端ノード82とさらなる終端ノード84とを備える。
図2に示すように、さらなる終端ノード84は、VSSに接続され得る。
【0111】
ピクセル配列10は、増幅器60の出力端子64と第1のコンデンサ70との間に第1のスイッチ90をさらに備える。第1のスイッチ90は、それぞれの増幅された信号を第1のコンデンサ70に転送するために設けられる。第1のスイッチ90は、第1のスイッチングトランジスタによって形成され得る。第1のスイッチングトランジスタは、第1のスイッチ信号S1を受信するように構成されたゲート端子90を備える。第1のスイッチングトランジスタの第1の端子は、増幅器60の出力端子64に接続される。第1のスイッチングトランジスタ90の第2の端子は、第1のコンデンサ70の終端ノード71に接続される。
【0112】
ピクセル配列10は、増幅器60の出力端子64と第2のコンデンサ80との間に配置された第2のスイッチ100をさらに備える。第2のスイッチ100は、それぞれの増幅された信号を第2のコンデンサ80に転送するために設けられる。第2のステップ100は、第2のスイッチングトランジスタによって形成され得る。第2のスイッチングトランジスタは、第2のスイッチング信号S2を受信するように構成されたゲート端子100を備え得る。第2のスイッチングトランジスタの第1の端子は、第1のスイッチングトランジスタの第2の端子と、第1のコンデンサ70の終端ノード72とに接続される。第2のスイッチングトランジスタの第2の端子は、第2のコンデンサ80の終端ノード82に接続される。
【0113】
図2Aによるピクセル配列10は、以下のように動作されることが可能である。ピクセル露光中の第1のステップにおいて、フォトダイオード20は、第1の電荷信号が生成され、低感度信号に変換されるように、第1の露光時間T
1の間、光に曝露される。それぞれのスイッチ信号S1、S2を印加することによって、低感度信号は、第2のコンデンサ80に転送され、記憶される。ピクセル露光中の第2のステップにおいて、フォトダイオード20は、第2の電荷信号が生成され、高感度信号に変換されるように、第1の露光時間T
1よりも長い第2の露光時間T
2の間、光に曝露される。それぞれのスイッチ信号S1、S2を印加することによって、高感度信号は、第1のコンデンサ70に転送され、記憶される。浮遊拡散キャパシタンス40は、第1のステップと第2のステップとの間にリセットされなくてもよい。したがって、高感度信号は、低感度信号に基づくか、または低感度信号を含む。これは、両方の信号が共通のノイズレベルに基づくことを意味する。したがって、ピクセル読み出し中、低感度信号は、相関二重サンプリング(CDS)が実行されることが可能であるように、高感度信号のための参照レベルとして使用されることが可能である。したがって、高感度信号におけるノイズは、相殺されることが可能である。
【0114】
ピクセル読み出し中のさらなるステップにおいて、リセット信号RTSをリセットゲート50に印加することによって、ピクセル配列10のリセットレベルがサンプリングされる。リセットレベルは、ダブルデルタサンプリング(DDS)が実行されることが可能であるように、低感度信号のための参照レベルとして使用されることが可能である。したがって、低感度信号における固定パターンノイズ(FPN)は、相殺されることが可能である。ピクセル読み出し中、それぞれの振幅レベルに基づいて、さらなる処理のためにDDSによる低感度信号とCDSによる高感度信号のどちらを使用するかが決定され得る。
【0115】
図2Aに示すピクセル配列10は、追加の構成要素を備えるが、他の実施形態では省略されることも可能である。
図2Aによるピクセル配列10は、増幅器60の出力端子64に電気的に結合されたプリチャージゲート160をさらに備える。プリチャージゲート160は、第1のコンデンサ70と第2のコンデンサ80とをプリチャージするために設けられ得、これは、具体的には、新しい信号が記憶される前にコンデンサ70、80が放電されることを意味することができる。
図2Aに示すように、プリチャージゲート160は、増幅器60の出力端子64に接続された第1の端子と、VSSに接続された第2の端子とを備えるプリチャージトランジスタの一部であり得る。プリチャージ信号PCをプリチャージゲート160に印加することによって、プリチャージトランジスタは、第1および第2のコンデンサ70、80が放電されるように導通状態になる。
【0116】
図2Aによるピクセル配列10は、さらなる増幅器110をさらに備え、さらなる増幅器110は、第2のコンデンサ80に電気的に接続された入力端子112を備え、さらなる増幅器110の出力端子114においてピクセル出力信号を生成するように構成される。増幅器60と同様に、さらなる増幅器は、ゲート112が入力端子112として機能し、共通端子がVDDに接続されるソースフォロワとして実装されることが可能である。
【0117】
ピクセル配列10は、さらなる増幅器110の出力端子114と列バス130との間に、ピクセル出力信号を列バス130に転送するための選択ゲート120をさらに備える。図示のように、選択ゲート120は、さらなる増幅器110の出力端子114に接続された第1の端子と、列バス130に接続された第2の端子とを備える選択トランジスタの一部であり得る。選択信号SELを選択ゲート120に印加することによって、ピクセル出力信号は、列バス130に転送される。
【0118】
図2Bにおいて、
図2Aによるピクセル配列10を動作させることが、信号タイミングに関してより詳細に示されている。しかしながら、図示の信号タイミングは、一例であり、変更されることが可能であることが留意されるべきである。さらに、時間間隔のスケーリングは、正確な指標として解釈されるべきではない。
【0119】
ピクセル配列10動作させることは、2つの時間間隔に分割されることが可能であり、第1の時間間隔Texは、ピクセル露光およびフレーム記憶のために提供され、第2の時間間隔Troは、ピクセル読み出しおよび行読み出しのためにそれぞれ提供されることがわかる。この文脈において、行読み出しは、単一行の読み出しを意味することができる。行は、順次読み出されることが可能であり、すべての行は、同じ時間間隔Troを必要とする。ピクセル配列10は、グローバルシャッタピクセルであることが可能であり、ピクセル露光およびフレーム記憶は、グーバル動作であることが可能であり、すなわち、ピクセル露光およびフレーム記憶は、ピクセルのアレイの各ピクセルに同時に影響を与えることができる。しかしながら、ピクセルアレイのピクセルまたは行が次々に読み出されることが可能であるので、ピクセルを読み出すことは、ローカル動作であることが可能である。さらに、図示の実施形態のピクセル配列10において、第1の時間間隔Texは、上記で説明したように、第1の(短い)露光時間T1と第2の(長い)露光時間T2とに細分される。
【0120】
図2Bは、転送信号TX、リセット信号RST、第1のスイッチ信号S1、第2のスイッチ信号S2、プリチャージ信号PC、および選択信号SELのタイミングを示す。これらの信号は、アクティブ化状態(ハイ状態)または非アクティブ化状態(ロー状態)であることが可能である。それぞれの信号を印加することは、信号がアクティブ化状態に切り替えられることを意味することができる。以下において、タイミングについて、図に示す選択された時点t1~t8を使用してより詳細に説明する。
【0121】
第1の露光時間T1の終了時に、転送信号TXは、それぞれの電荷信号がフォトダイオード20からキャパシタンス40に転送されるように、時間t1において印加される。さらに、これは、第1および第2のスイッチ90、100を制御する両方のスイッチ信号S1、S2がアクティブ化状態にあるので、第2のコンデンサ80に転送される低感度信号を結果として生じる。時間t2において第2のスイッチ信号S2を非アクティブ化することによって、低感度信号は、第2のコンデンサ80において記憶される。
【0122】
第2の露光時間T2の終了時に、転送信号TXは、それぞれの電荷信号がフォトダイオード20からキャパシタンス40に転送されるように、時間t3において再び印加される。その場合、これは、スイッチ信号S1が依然としてアクティブ化状態にあるので、第1のコンデンサ70に転送される高感度信号を結果として生じる。時間t4において第1のスイッチ信号S1を非アクティブ化することによって、高感度信号は、第1のコンデンサ70において記憶される。時間t1と時間t3との間、リセット信号RSTは、非アクティブ化されたままであり、これは、高感度信号および低感度信号が共通のノイズレベルに基づくように、キャパシタンス40がリセットされないことを意味することが留意されるべきである。時間t5において、リセット信号RSTは、アクティブ化される。それは、ブルーミングなどの画像化問題を防止するためである。リセット信号RSTは、高感度信号が記憶された後にアクティブ化される。
【0123】
ピクセル読み出しは、時間t6において選択信号SELを印加することによって開始する。この瞬間において、第2のコンデンサ80において記憶された低感度信号は、読み出される。第1のコンデンサ70において記憶された高感度信号は、第2のスイッチ信号S2を印加することによって時間t7において読み出される。時間t8から、リセットレベルは、リセット信号RSTを非アクティブ化することによって読み出される。その後、リセットレベルに対応する信号が読み出し回路に転送され、コンデンサ70、80が放電されるように、第1のスイッチ信号S1、第2のスイッチ信号S2、およびプリチャージ信号PCは、アクティブ化される。その後、ピクセル配列10は、次のフレームのための準備が整う。
【0124】
図3において、ピクセル配列10の別の実施形態が示されている。
図3による実施形態は、コンデンサ70、80がカスケード接続されて配置されず、並列に配置されている点において、
図2による実施形態とは異なる。これは、第2のコンデンサ80に結合された第2のスイッチ100が、増幅器60の出力端子64に直接接続され、
図2におけるように第1のスイッチ90を介して接続されないことを意味する。プリチャージゲート160は、固定電流を提供するように構成された定電流源として実装されることも可能であることが留意されるべきである。さらに、
図3による実施形態は、第2のコンデンサ80に結合された第2のさらなる増幅器110’およびさらなる選択ゲート120’をさらに備え、一方、さらなる増幅器110および選択ゲート120は、第1のコンデンサ70に結合される。しかしながら、図示の実施形態は、単なる例として、コンデンサ70、80の並列配置を示していることが留意されるべきである。他の配置が可能である。例えば、並列に配置されたコンデンサ70、80は、追加のスイッチによって共通のさらなる増幅器110を共有することができる。さらなる構成要素の必要性を犠牲にして、並列配置は、高感度信号および低感度信号が独立して記憶および読み出されることが可能であるという利点を有する。
図2Bに示すような信号タイミングを実装する方法は、当業者によって理解されるであろう。しかしながら、第1のスイッチおよび第2のスイッチが独立して動作されることが可能であるので、信号タイミングは、ピクセル露光中とピクセル読み出し中の両方でわずかに変化する場合がある。
【0125】
図4Aにおいて、ピクセル配列10の別の実施形態が示されている。
図4による実施形態は、ピクセル配列が、第2の転送ゲート30’を介してFDノード42に接続された第2のフォトダイオード20’をさらに備える点において、
図2による実施形態とは異なる。これは、第1のフォトダイオード20および第2のフォトダイオード20’が並列に配置されることを意味する。第1のフォトダイオード20は、高感度モードにおいて第1の電荷信号を生成するように構成され、第2のフォトダイオード20’は、低感度モードにおいて第2の電荷信号を生成するように構成される。第1および第2のフォトダイオード20、20’は、異なることができ、これは、所与の照度においてそれぞれの電荷信号が異なることを意味することができる。そのようなピクセル配列10を動作させる方法は、
図2Aの実施形態におけるものと同様であることが可能であるが、それぞれのフォトダイオード20、20’の露光時間は、等しくすることができる。
【0126】
図4Bにおいて、
図4Aによるピクセル配列10を動作させることは、信号タイミングに関してより詳細に示されている。再び、図示の信号タイミングは、一例であり、変更されることが可能であることが留意されるべきである。時間間隔のスケーリングは、正確な指標として解釈されるべきではない。それぞれの信号のタイミングは、第1の転送信号TX1が第1の転送ゲート30を制御し、第2の転送信号TX2が第2の転送ゲート30’を制御するという違いを除いて、
図2Bの例と同様である。したがって、時間t1において、それぞれの電荷信号は、第2の転送信号TX2をアクティブ化することによって、第2のフォトダイオード20’からキャパシタンス40に転送され、一方、時間t3において、それぞれの電荷信号は、第1の転送信号TX1をアクティブ化することによって、第1のフォトダイオード20からキャパシタンス40に転送される。
図4Bのさらなる説明について、
図2Bに関する上記の説明が参照される。
【0127】
図5において、ピクセル配列10の別の実施形態が示されている。
図5による実施形態は、キャパシタンス40とリセットゲート50との間に感度ゲート140をさらに備えるという点において、
図2Aによる実施形態とは異なる。したがって、この実施形態において、リセットゲート50は、感度ゲート140を介してキャパシタンス40に電気的に結合される。さらに、ピクセル配列10は、第3のコンデンサ150を備える。第3のコンデンサ150は、終端ノード152と、さらなる終端ノード154とを備える。第3のコンデンサ150のさらなる終端ノード154は、図示のようにVSSに接続され得る。感度ゲート140は、キャパシタンス40のFDノード42に接続された第1の端子と、第3のコンデンサ150の終端ノード152に接続された第2の端子とを備える感度トランジスタの一部であり得る。利得信号を感度ゲート140に印加することによって、感度トランジスタは、FDノード42が第3のトランジスタ150の終端ノード152と短絡されるように導通状態になる。したがって、総キャパシタンスが増加されることが可能であり、変換利得が低減されることが可能である。
【0128】
この実施形態の動作モードは、
図2Aによる実施形態の動作モードと同様である。しかしながら、ここでは、ピクセル10は、必ずしも2回露光される必要はない。フォトダイオード20の電荷信号は、まず、感度ゲート140に利得信号を印加することによって低変換利得で変換され、低感度信号につながる。次いで、電荷信号は、利得信号を非アクティブ化することによって高変換利得で変換され、高感度信号につながる。前述の実施形態におけるように、キャパシタンス40は、高感度信号の生成と低感度信号の生成との間でリセットされない。
図2Bおよび
図4Bに示すような信号タイミングを実装する方法は、当業者によって理解されるであろう。しかしながら、信号タイミングは、少なくともピクセル露光中にわずかに変化する場合がある。
【0129】
図6において、ピクセル配列10を備える画像センサ200を備える光電子デバイス300が概略的に示されている。画像センサ200のピクセル10は、
図6に示すように、二次元アレイにおいて配置されることが可能である。光電子デバイス300または画像センサ200は、他の構成要素、例えば、他の回路素子、またがピクセル10と同期される光源を備え得る。ピクセル配列10は、例えば、電圧領域グローバルシャッタピクセル、略してVGSピクセルにおいて使用される。ピクセル配列10は、例えば、ローリングシャッタピクセルとして実装される。
【0130】
図7は、例えば
図2Aに示すピクセル配列10によって実行される別の例示的なタイミング図を示す。しかしながら、小さい変更で、タイミング図は、(第1のスイッチ信号S1を省略する)
図3によるピクセル配列10に適用されることも可能である。以下の信号、転送信号TX、リセット信号RST、第1のスイッチ信号S1、および第2のスイッチ信号S2は、時間の関数として示される。図示の信号タイミングは、一例であり、変更されることが可能であることが留意されるべきである。さらに、時間間隔のスケーリングは、正確な指標として解釈されるべきではない。
【0131】
図7は、リセット期間T
rstと、露光期間T
exと、(フレーム)記憶期間T
FSとを示す。読み出し期間T
roは、示されていない。読み出し期間T
roは、記憶期間T
FSの後に続く。記憶期間T
FSは、露光期間T
exと重なる。露光期間T
exは、リセット期間T
rstの後に続く。
【0132】
露光期間Texは、第1の積分期間T1と、第2の積分期間T2と、第3の積分期間T3とを含む。第3の積分期間は、第2の積分期間の後に続く。第2の積分期間T2は、第1の積分期間T1の後に続く。記憶期間TFSは、第1の記憶段階FS1と第2の記憶段階FS2とを含む。第2の記憶段階FS2は、第1の記憶段階FS1の後に続く。
【0133】
記憶期間TFSは、ピクセルアレイ内の各ピクセルのためのグローバル記憶期間であり得る。読み出し期間Troは、行ごとに個別に実行され得る。したがって、第2の記憶段階FS2と読み出し期間Troとの間に時間のずれが存在する場合がある。
【0134】
リセット期間Trst中、リセット信号RSTおよび転送信号TXが印加される。これは、リセットゲート50および転送トランジスタ30がパルス化され、フォトダイオード20と拡散ノード42とをピクセル電源電圧VDDに接続することによって、任意の冗長な電荷キャリアが除去されることを意味することができる。転送ゲートは、全電圧レベル、すなわち第2の電圧レベルV2にパルス化され得る。リセット信号RSTは、破線によって示すように、第2のTXパルスが第1の電圧レベルV1になるまで、ハイのままであり得る。
【0135】
第1の積分期間T1中に、電荷キャリアは、フォトダイオード20によって蓄積される。蓄積される電荷キャリアの量は、第1の積分期間T1の持続時間に依存する。第1の積分期間T1の終了時に、転送ゲート30は、第1の電圧レベルV1にパルス化される。これは、蓄積された電荷キャリアの一部の、それぞれ、キャパシタンス40または拡散ノード42への転送につながる。前記部分は、ピクセル電源電圧VDDにドレインされるように構成される。これは、拡散ノード42をピクセル電源電圧VDDに接続するために使用されるリセット信号RSTを介して行われる。
【0136】
転送ゲート30の前記パルスの後、電荷キャリアは、フォトダイオード20によって第2の積分期間T2において蓄積され続ける。第2の積分期間T2は、第1の積分期間T1よりも短くてもよい。第2の積分期間T2において蓄積される電荷キャリアの量は、第2の積分期間T2の持続時間に依存する。
【0137】
図示の例において、第2の積分期間T2中にリセットゲート50にリセットパルスRSTが印加される。これは、拡散ノード42から任意の冗長な電荷キャリアを除去し、特に、V1パルス中に転送される蓄積された電荷キャリアの部分を除去する。したがって、前記部分は、ピクセル電源電圧VDDにドレインされる。
【0138】
第2の積分期間T2の終了時に、転送ゲート30は、再び第1の電圧レベルV1にパルス化される。これは、蓄積された電荷キャリアの第1の部分の拡散ノード42への転送につながる。蓄積された電荷キャリアの前記第1の部分を表す低感度信号は、以下に説明するように、コンデンサ(70、80)において記憶されるように構成される。
【0139】
第3の積分期間T3中、電荷キャリアは、フォトダイオード20によって蓄積され続ける。蓄積される電荷キャリアの量は、第3の積分期間T3の持続時間に依存する。第3の積分期間T3の終了時に、転送ゲート30は、第2の電圧レベルV2にパルス化される。これは、蓄積された電荷キャリアの残りの部分の拡散ノード42への転送につながる。蓄積された電荷キャリアの残りの部分を表す高感度信号は、以下に説明するように、コンデンサ(70、80)において記憶されるように構成される。
【0140】
記憶期間TFSの第1の記憶段階FS1は、蓄積された電荷キャリアの第1の部分の、それぞれ、キャパシタンス40または拡散ノード42への転送につながる第1の電圧レベルV1へのパルスを使用した。前記第1の部分は、第2の積分期間T2中に蓄積された電荷キャリアに対応し得る。次いで、第1および第2のスイッチS1、S2は、ソースフォロワ60を介してキャパシタンス40に電気的に結合された一対のコンデンサ70、80において蓄積された電荷キャリアの第1の部分を表す低感度信号を記憶するために印加される。低感度信号は、第1のコンデンサ70および第2のコンデンサにおいて再分配され得る。
【0141】
第2の記憶段階FS2は、蓄積された電荷キャリアの残りの部分の、それぞれ、キャパシタンス40および拡散ノード42への転送につながる第2の電圧レベルV2へのパルスを使用することによって後に続く。前記残りの部分は、(ドレインされた部分と第1の部分とを減算した)第1から第3の積分期間T1~T3中に蓄積された電荷キャリアに対応し得る。第2の電圧レベルV2は、すべての残りの電荷キャリアが転送されるように、全電圧レベルであり得る。次いで、第1のスイッチ信号S1は、蓄積された電荷キャリアの残りの部分を表す高感度信号を第1のコンデンサ70において記憶するために第1のスイッチ90に印加される。代替的には、第1のスイッチ信号S1は、破線によって示すように、第1のパルスから第2のパルスまでハイのままであり得る。
【0142】
図8は、
図2A、
図3、または
図5において示すピクセル配列10によって実行される例示的な動作を示す。
図8において、動作は、ブロックにおいて示されている。ピクセル配列10を動作させるための方法は、例えば、手順またはステップと命名されることが可能な以下のブロックを含む。
【0143】
ブロック350:露光の開始:電磁放射線がフォトダイオード20によって電荷キャリアに変換される。これは、電荷キャリアがフォトダイオード20内に蓄積されることを意味する。この段階は、露光期間Texと呼ばれる場合がある。露光期間Texは、いくつかの後続の積分期間T1およびT2に細分化され得る。積分期間の数は、2であり得る。
【0144】
ブロック351:転送障壁は、システム入力に基づいて変更される:転送トランジスタ30に提供される転送信号TXは、フォトダイオード20とFDノード42との間の障壁を制御する。第1の積分期間T1の終了時に、転送ゲート30は、転送信号TXの第1の電圧レベルV1にパルス化される。転送信号TXの第1の電圧レベルV1は、フォトダイオード20とFDノード42との間の電荷キャリアの流れに対する障壁が低くなるように選択される。これは、蓄積された電荷キャリアの一部がFDノード42に転送されることを意味する。その後、電荷キャリアが蓄積され続ける第2および第3の積分期間T2、T3が続く。
【0145】
蓄積された電荷キャリアの一部は、ピクセル電源電圧にドレインされることになる。前記部分をピクセル電源電圧にドレインすることは、FDノード42がピクセル電源電圧VDDに電気的に接続されるように、リセット信号RST(および該当する場合は結合信号DCG)を印加することによって実施されることが可能である。
【0146】
ブロック352:フォトダイオード20によって蓄積された電荷キャリアの第1の部分のFDノード42への転送。第2の積分期間T2の終了時に、転送ゲート30は、転送信号TXの第1の電圧レベルV1に再びパルス化される。これは、蓄積された電荷キャリアの第1の部分がFDノード42に転送されることを意味する。電荷キャリアの第1の部分は、第2の積分期間T2において蓄積された電荷キャリアに対応する。FDノード42における電荷キャリアは、増幅器60の入力62において容量電圧を生成する。
【0147】
ブロック353:記憶期間TFSの第1の段階FS1において、電荷キャリアの第1の部分を第1および第2のコンデンサ70、80において記憶する:第1および第2のスイッチングトランジスタ90、100は、電荷キャリアの第1の部分をFDノード42から第2のコンデンサ80に転送するために導通状態に設定される。これは、増幅された容量電圧が第1および第2のコンデンサ70、80に印加されることを意味することができる。第2のスイッチ信号S2は、第1および第2のコンデンサ70、80における電圧を等しくするための短いパルスを有し得る。これは、信号が第1および第2のコンデンサ70、80において再分配されることを意味することができる。前記増幅された容量電圧は、低変換利得(LCG)信号に対応する。
【0148】
ブロック354:読み出し期間Troの第1の段階における、第2のコンデンサ80の読み出し:第2のコンデンサ80においてタップされた出力電圧が、さらなる増幅器110によって増幅される。選択トランジスタ120が読み出し期間Troの第1の読み出し段階において導通状態に設定される場合、増幅された出力電圧は、デジタル化のために列ライン130に提供される。第1のデジタル化された値が、例えば評価回路によって、出力電圧の第1の値の関数として生成される。出力電圧の前記第1の値は、LCG信号に対応する。
【0149】
ブロック355:残りの電荷キャリアをFDノード42に転送する:第3の積分期間T3の終了時に、転送ゲート30は、転送信号TXの第2の電圧レベルV2にパルス化される。これは、蓄積された電荷キャリアの残りの部分がFDノード42に転送されることを意味する。したがって、転送ゲート30は、異なる電圧レベルV1、V2にパルス化され、障壁電位を変更する。
【0150】
第2の電圧レベルへのパルスによって、フォトダイオード20とFDノード42との間の障壁は、最小化されるか、または除去される。転送信号の第1の電圧レベルV1は、第2の電圧レベルV2よりも高い障壁を結果として生じる。一例において、V1<V2である。
【0151】
ブロック356:記憶期間TFSの第2の段階FS2において、フォトダイオード20によって蓄積された残りの電荷キャリアを第1のコンデンサ70において記憶する。これは、FDノード42においてタップされた容量電圧VCが増幅器60によって増幅されることを意味することができる。増幅された容量電圧は、第1のスイッチ信号S1のパルスを第1のスイッチングトランジスタ90に提供することによって、第1のコンデンサ70に提供される。前記増幅された容量電圧は、高変換利得(HCG)信号に対応する。
【0152】
ブロック357:読み出し期間Troの第2の段階RO2における、第1のコンデンサ70の読み出し:第2のコンデンサ80における出力電圧がブロック354において第1の読み出し段階RO1において読み出された後、第2のスイッチングトランジスタ100は、導通状態に設定される。したがって、第1のコンデンサ70における電圧および第2のコンデンサ80における電圧は、等しくなる。容量電圧は、増幅器60によって依然として増幅されるので、第2のコンデンサ80における出力電圧は、増幅された容量電圧に等しい。出力電圧は、さらなる増幅器110によって増幅される。選択トランジスタ120が読み出し段階ROの第2の読み出し段階RO2において導通状態に設定されると、増幅された出力電圧は、デジタル化のために列ライン130に提供される。第2のデジタル化された値が、評価回路によって出力電圧の第2の値の関数として生成される。出力電圧の前記第2の値は、HCG信号に対応する。
【0153】
典型的には、ブロック352、353、355、356のステップは、フレーム記憶期間TFSにおいて実行される。ブロック354、357のステップは、読み出し期間Troにおいて実行される。
【0154】
ブロック358:第1のコンデンサ70の電圧または第1のコンデンサ70の電圧のデジタル化された値から、第2のコンデンサ80の電圧または第2のコンデンサ80の電圧のデジタル化された値を減算する:フォトダイオード20の照度ILを表す出力信号は、第1のデジタル化された値(ブロック353から結果として生じる)および第2のデジタル化された値(ブロック357から結果として生じる)の関数である。一例において、第1のデジタル化された値(ブロック353から結果として生じる)は、評価回路によって第2のデジタル化された値(ブロック357から結果として生じる)から減算される。第1の(デジタル化された)値および第2の(デジタル化された)値は、特に熱ノイズおよびリセットノイズを含む共通のノイズレベルに基づいているので、この演算によって、HCG信号は、相関二重サンプリング(CDS)でアクセスされ得る。これは、LCG信号がHCG信号のための参照レベルとして使用されることが可能であることを意味する。HCG信号は、低光条件において使用されるので、熱ノイズが関連パラメータである。したがって、熱ノイズおよびリセットノイズは、CDSによって効果的に抑制されることが可能である。高光条件において、LCG信号は、さらに処理される。ここでは、光子ショットノイズが支配的であるので、熱ノイズは、関連性が低い。
【0155】
ブロック359:LCG信号をゲインアップする。これは、LCG信号が調整されることを意味することができる。特に、LCG信号は、増幅され得る。LCG信号を調整または増幅することは、評価回路によって実行され得る。ピクセル配列10がデュアル変換トランジスタ140と第3のコンデンサ150とを備える場合、このステップは、特に発生し得る。その場合、LCG信号は、ダイナミックレンジを拡大するために、より低い利得でサンプリングされ得る。この利得調整を補正するために、LCG信号は、ブロック359においてゲインアップされる。しかしながら、ピクセル配列10がデュアル変換利得手順を備えていない場合、このステップは、省略され得る。それに加えて、LCG信号は、ダブルデルタサンプリング(DDS)でアクセスされ得る。LCG信号は、高照度の場合に使用され、その場合、光子ショットノイズが支配的であるので、熱ノイズは、関連性が低い。したがって、ビデオ信号からノイズを除去するための相関二重サンプリングは、必要ない。しかしながら、ビデオ信号から固定パターンノイズ(FPN)を除去することが望ましい場合がある。ダブルデルタサンプリング(DDS)を実行することによって、FPNがLCG信号から除去されることが可能である。DDSは、LCG信号からリセットレベルを減算することによって実行されることが可能であり、リセットレベルは、第2の読み出し段階後の読み出し期間Troの第3の段階において読み出されることが可能である。
【0156】
ブロック360:ピクセルごとのニーポイント較正:HCG信号は、しきい値電圧に影響を与える転送トランジスタの変動によって引き起こされるFPNを除去するための後処理において必要な第1の較正レベルを含む。第1の積分期間T1の後にバリア変調のために印加されるのと同じ第1の電圧レベルV1が読み出し中にも印加されるので、HCG信号は、線形化中およびFPN補正に必要なニーポイント較正値を含む。ニーポイント較正は、ピクセルごとに個別に実行される。ブロック360は、オプションである。
【0157】
ブロック361:線形化。線形化されたピクセル出力信号、すなわち、照度レベルに線形に依存するピクセル出力信号を再構成することが可能である。ピクセル出力信号を再構築することは、光条件に依存する場合がある。
【0158】
低光状況において、第1の電圧レベルV1へのパルスのいずれもフォトダイオードの電荷に影響を与えない。再構築は、HCG信号をCDSで読み出すことによって達成されることが可能である。
【0159】
高光状況において、第1の電圧レベルV1への両方のパルスがフォトダイオードの電荷に影響を与える。再構築には、LCG信号は、DDSで使用される。線形化には、露光比T0/T1が乗算され、ここで、T0は、総露光時間を示す。
【0160】
中程度の光状況において、第1の電圧レベルV1への第2のパルスのみがフォトダイオードの電荷に影響を与える。再構築には、HCG信号(CDSあり)およびLCG信号(DDSあり)は、デジタル領域において加算される。
【0161】
転送トランジスタ30の障壁変調のためのパルスの電圧レベルV1は、ピクセル出力信号を再構築するためにオプションで使用され得る。
【0162】
図9は、例えば、
図2Aに示し、
図7および
図8の方法に従って動作されるピクセル配列10の例示的な特性を示す。人工単位における応答信号SIGが、人工単位における照度Iの関数として示されている。信号SIG1(点線)は、第1の積分期間T1から結果として生じる信号である。転送ゲート30を第1の電圧レベルV1にパルス化することは、過剰な電荷キャリアをピクセル電源電圧VDDにドレインさせるので、より高い露光レベルでは飽和する。
【0163】
信号SIG2(破線)は、第2の積分期間T2から結果として生じる信号である。積分期間T2は、積分期間T1よりも短くてもよいので、信号SIG2の傾きは、信号SIG1の傾きよりも急峻ではない。代替的または追加的に、両方の信号が異なる変換利得において取得されるので、信号SIG2の傾きは、信号SIG1の傾きよりも急峻ではない。例えば、信号SIG1(ニーポイントまで)は、高い変換利得において取得される。例えば、信号SIG2は、低い変換利得において取得される。したがって、傾きは、例えば、キャパシタンス40の値、および第3のコンデンサ150の静電容量値に依存する。傾きの差は、利得比に依存する。フォトダイオード20のサイズが小さすぎる場合、信号SIG2は、非常に高い照度レベルに対して飽和する場合がある。
【0164】
出力信号SIG3(実線)は、信号SIG1と信号SIG2との組合せによって取得される信号である。さらに、出力信号SIG3は、信号SIG1、信号SIG2、およびリセット信号(図示せず)の関数であり得る。信号SIG1と信号SIG2とを組み合わせることによって、ピクセル配列10のダイナミックレンジは、拡大されることが可能である。HCG信号は、第1の電圧レベルV1へのパルス後の残りの電荷キャリアに対応するので、信号SIG1の正確な飽和レベルは、HCG信号から決定されることが可能である。
【0165】
図10は、例えば
図2Aに示すピクセル配列10によって実行される別の例示的なタイミング図を示す。
図10によるタイミングは、露光期間が異なって定義されるという点において、
図7によるタイミングとは異なる。特に、露光期間T
exは、記憶期間T
FSと重ならない。
図7に示すように、露光は、第2の積分期間T2の後に停止し得る。これは、露光が、第1および第2の積分期間T1、T2を含むか、またはそれらから構成されることを意味することができる。拡散ノード42から任意の冗長な電荷キャリア、特にV1パルス中に転送された蓄積された電荷キャリアの部分を除去するために、第2の積分期間T2の終了時にリセットパルスRSTが印加される。
【0166】
その実施形態において、ピクセル配列10を動作させるための方法は、露光期間Tex中、第1の積分期間T1において、フォトダイオード20を用いて電荷キャリアを蓄積するステップと、第1の積分期間T1の終了時に、蓄積された電荷キャリアの一部をキャパシタンス40に転送するために、転送ゲート30を第1の電圧レベルV1にパルス化するステップであって、前記一部が電源電圧VDDにドレインされるように構成される、ステップと、第2の積分期間T2において、フォトダイオード20を用いて電荷キャリアを蓄積し続けるステップとを含む。
【0167】
記憶期間TFS中、蓄積された電荷キャリアの第1の部分をキャパシタンス40に転送するために、転送ゲート30を第1の電圧レベルV1にパルス化し、蓄積された電荷キャリアの第1の部分を表す低感度信号を、キャパシタンス40に電気的に結合された一対のコンデンサ70、80において記憶し、蓄積された電荷キャリアの残りの部分をキャパシタンス40に転送するために、転送ゲート30を第2の電圧レベルV2にパルス化し、蓄積された電荷キャリアの残りの部分を表す高感度信号を、一対のコンデンサ70、80のうちの第1のコンデンサ70において記憶する。読み出し期間Tro中、コンデンサ70、80において記憶された低感度信号および高感度信号を読み出す。
【0168】
さらなる詳細について、
図7の説明が参照される。
図7に関連して開示された特徴は、
図10による実施形態にも適用される。
【0169】
本明細書で開示されたピクセル配列10およびそのようなピクセル配列10を動作させる方法の実施形態について、アイデアの新規な態様を読者に習熟させる目的で論じてきた。好ましい実施形態について、図示および説明してきたが、特許請求の範囲から不必要に逸脱することなく、開示された概念の多くの変更、修正、均等物、および置換が当業者によってなされ得る。
【0170】
本開示は、開示された実施形態、および特に上記で示され、説明されたものに限定されないことが理解されるであろう。むしろ、別個の従属請求項または明細書に記載された特徴は、有利なことに組み合わされ得る。さらに、本開示の範囲は、当業者に明らかであり、添付の特許請求の範囲内に入るそれらの変形および修正を含む。
【0171】
「備える」という用語は、特許請求の範囲または明細書本文において使用された限りにおいて、対応する特徴または手順の他の要素またはステップを排除するものではない。「a」または「an」という用語が特徴と組み合わせて使用された場合、それらは、複数のそのような特徴を排除しない。さらに、特許請求の範囲におけるいかなる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0172】
参照符号
10 ピクセル配列
20 フォトダイオード
30 転送ゲート
40 キャパシタンス
42 キャパシタンスの終端ノード
44 キャパシタンスのさらなる終端ノード
50 リセットゲート
60 増幅器
62 増幅器の入力端子
64 増幅器の出力端子
70 第1のコンデンサ
72 第1のコンデンサの終端ノード
74 第1のコンデンサのさらなる終端ノード
80 第2のコンデンサ
82 第2のコンデンサの終端ノード
84 第2のコンデンサのさらなる終端ノード
90 第1のスイッチ
100 第2のスイッチ
110 さらなる増幅器
112 さらなる増幅器の入力端子
114 さらなる増幅器の出力端子
120 選択ゲート
130 列バス
140 感度ゲート
150 第3のコンデンサ
152 第3のコンデンサの終端ノード
154 第3のコンデンサのさらなる終端ノード
160 プリチャージゲート
200 画像センサ
300 光電子デバイス
350~361 ブロック
998 ノイズフロア
999 飽和領域
DR ダイナミックレンジ
FS1、FS2 記憶段階
I 照度
PC プリチャージ信号
Q 電荷
RST リセット信号
S1、S2 スイッチ信号
SIG1~SIG3 信号
SEL 選択信号
t1~t8 時点
T1、T2、T3 積分期間
Tex ピクセル露光、露光期間
TFS 記憶期間
Tro ピクセル読み出し、読み出し期間
Trst リセット期間
TX、TX1、TX2 転送信号
V1、V2 電圧レベル
VSS 負のピクセル電源電圧、GND
VDD ピクセル電源電圧
【符号の説明】
【0173】
10 ピクセル配列、ピクセル
20 フォトダイオード、第1のフォトダイオード
20’ 第2のフォトダイオード
30 転送ゲート、転送トランジスタ
30’ 第2の転送ゲート
40 キャパシタンス、浮遊拡散キャパシタンス
42 終端ノード、(浮遊)拡散(FD)ノード、FDノード
44 さらなる終端ノード
50 リセットゲート
60 増幅器、ソースフォロワ
62 ゲート端子、入力端子
64 出力端子
70 第1のコンデンサ
71 終端ノード
72 終端ノード
74 さらなる終端ノード
80 第2のコンデンサ
82 終端ノード
84 さらなる終端ノード
90 第1のスイッチ、ゲート端子、第1のスイッチングトランジスタ
100 第2のスイッチ、ゲート端子、第2のスイッチングトランジスタ
110 さらなる増幅器
110’ 第2のさらなる増幅器
112 入力端子、ゲート
114 出力端子
120 選択ゲート、選択トランジスタ
120’ さらなる選択ゲート
130 列バス、列ライン
140 感度ゲート、デュアル変換トランジスタ
150 第3のコンデンサ
152 終端ノード
154 さらなる終端ノード
160 プリチャージゲート
200 画像センサ
300 光電子デバイス
998 ノイズフロア、ノイズフロアレベル
999 飽和領域
【手続補正書】
【提出日】2024-02-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピクセル配列(10)を動作させるための方法であって、
- 第1の積分期間(T1)において、フォトダイオード(20)を用いて電荷キャリアを蓄積するステップと、
- 前記第1の積分期間(T1)の終了時に、前記蓄積された電荷キャリアの一部をキャパシタンス(40)に転送するために、転送ゲート(30)を第1の電圧レベル(V1)にパルス化するステップであって、前記一部が、電源電圧(VDD)にドレインされるように構成される、ステップと、
- 第2の積分期間(T2)において、前記フォトダイオード(20)を用いて電荷キャリアを蓄積し続けるステップと、
- 前記第2の積分期間(T2)の終了時に、前記蓄積された電荷キャリアの第1の部分を前記キャパシタンス(40)に転送するために、前記転送ゲート(30)を前記第1の電圧レベル(V1)にパルス化し、前記蓄積された電荷キャリアの前記第1の部分を表す低感度信号を、前記キャパシタンス(40)に電気的に結合された一対のコンデンサ(70、80)のうちの少なくとも第2のコンデンサ(80)において記憶するステップと、
- 第3の積分期間(T3)において、前記フォトダイオード(20)を用いて電荷キャリアを蓄積し続けるステップと、
- 前記第3の積分期間(T3)の終了時に、前記蓄積された電荷キャリアの残りの部分を前記キャパシタンス(40)に転送するために、前記転送ゲート(30)を第2の電圧レベル(V2)にパルス化し、前記蓄積された電荷キャリアの前記残りの部分を表す高感度信号を前記一対のコンデンサ(70、80)のうちの第1のコンデンサ(70)において記憶するステップと、
- 読み出し期間(T
ro)中、前記コンデンサ(70、80)に記憶された前記低感度信号と前記高感度信号とを読み出すステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記高感度信号が、前記蓄積された電荷キャリアの前記残りの部分に基づく較正レベルを示し、前記方法が、前記較正レベルに基づいて決定されたピクセル固有のニーポイント値に依存して、前記低感度信号と前記高感度信号とに基づいてピクセル出力信号を調整するステップをさらに含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の積分期間(T1)が、前記第2の積分期間(T2)よりも長い、請求項
1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の電圧レベル(V2)が、前記第1の電圧レベル(V1)よりも高い、請求項
1に記載の方法。
【請求項5】
ピクセル読み出し(T
ro)中の第1のステップにおいて、前記低感度信号が読み出され、読み出し(T
ro)中の第2のステップにおいて、前記高感度信号が読み出され、ピクセル読み出し(T
ro)中の第3のステップにおいて、前記キャパシタンス(40)がリセットされ、リセットレベルが読み出される、請求項
1に記載の方法。
【請求項6】
前記リセットレベルを前記低感度信号のための参照レベルとして使用することによって、ダブルデルタサンプリングを実行するステップをさらに含む、請求項
5に記載の方法。
【請求項7】
前記低感度信号を前記高感度信号のための参照レベルとして使用することによって、相関二重サンプリングを実行するステップをさらに含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項8】
それぞれの振幅レベルに基づいて、さらなる処理のために前記低感度信号と前記高感度信号のどちらを使用するかを決定するステップをさらに含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項9】
前記キャパシタンス(40)の終端ノード(42)を第3のコンデンサ(150)の終端ノード(152)と短絡させるための利得信号を印加することによって、変換利得を調整するステップをさらに含む、請求項
1に記載の方法。
【国際調査報告】