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特表2024-530085スピーカー及び巻取り可能な電子機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-16
(54)【発明の名称】スピーカー及び巻取り可能な電子機器
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/02 20060101AFI20240808BHJP
   H04R 1/28 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
H04R1/02 101D
H04R1/28 310C
H04R1/02 101B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022574311
(86)(22)【出願日】2022-08-11
(85)【翻訳文提出日】2022-12-01
(86)【国際出願番号】 CN2022111773
(87)【国際公開番号】W WO2024021168
(87)【国際公開日】2024-02-01
(31)【優先権主張番号】202221946538.8
(32)【優先日】2022-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517409583
【氏名又は名称】エーエーシー マイクロテック(チャンヂョウ)カンパニー リミテッド
【住所又は居所原語表記】No.3 changcao road, Hi-TECH Industrial Zone, Wujin District, Changzhou City, Jiangsu Province, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100199819
【弁理士】
【氏名又は名称】大行 尚哉
(74)【代理人】
【識別番号】100087859
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 秀治
(72)【発明者】
【氏名】楊虎虎
(72)【発明者】
【氏名】魏威
(72)【発明者】
【氏名】印兆宇
【テーマコード(参考)】
5D017
【Fターム(参考)】
5D017AD17
(57)【要約】
【課題】本発明は、スピーカー及びこのスピーカーを備える巻取り可能な電子機器を提供する。
【解決手段】このスピーカーは、ハウジング、スピーカーユニット及びインバータチューブを備え、ハウジングは、収納チャンバと、収納チャンバと連通する第1放音孔及び導通孔とが設けられ、第1放音孔と導通孔の開口方向が異なり、スピーカーユニットは収納チャンバ内に設けられ、音波を発することができ、インバータチューブは、ハウジングの外に位置し、先端がハウジングの外壁に接続されるとともに、導通孔を介して収納チャンバに連通し、末端がハウジングの外壁に接続されるとともに、第1放音孔の存在する側に向かう第2放音孔を設け、先端と末端との間に折り曲げセグメントを有し、インバータチューブの少なくとも一部は、インバータチューブを閉塞状態または導通状態とするように、ハウジングの外壁に近づく方向に沿って圧縮され、またはハウジングの外壁から離れる方向に沿って引張されることができる。このように設置すると、インバータチューブが圧縮または引張されることにより、スピーカーの音響性能を変更し、より良い音響体験を実現することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納チャンバ(11)と、前記収納チャンバ(11)と連通する第1放音孔(12)及び導通孔(13)とが設けられ、前記第1放音孔(12)と前記導通孔(13)の開口方向が異なるハウジング(1)と、
前記収納チャンバ(11)内に設けられ、音波を発することができるスピーカーユニット(2)と、
前記ハウジング(1)の外に位置し、先端(31)が前記ハウジング(1)の外壁に接続されるとともに、前記導通孔(13)を介して前記収納チャンバ(11)に連通し、末端(32)が前記ハウジング(1)の外壁に接続されるとともに、前記第1放音孔(12)の存在する側に向かう第2放音孔(321)を設け、前記先端(31)と前記末端(32)との間に折り曲げセグメント(33)を有するインバータチューブ(3)と、
を備え、
前記インバータチューブ(3)の少なくとも一部は、前記インバータチューブ(3)を閉塞状態または導通状態とするように、前記ハウジング(1)の外壁に近づく方向に沿って圧縮され、または前記ハウジング(1)の外壁から離れる方向に沿って引張されることができる、
ことを特徴とするスピーカー。
【請求項2】
前記先端(31)と前記末端(32)との間に、複数の延在セグメント(34)をさらに有し、前記先端(31)と前記延在セグメント(34)とは、共に第1方向(X)に沿って延伸し、
前記折り曲げセグメント(33)は、第1折り曲げセグメント(331)と第2折り曲げセグメント(332)とを有し、前記第1折り曲げセグメント(331)が、前記第2折り曲げセグメント(332)に対して前記ハウジング(1)の外壁から離れ、
前記先端(31)と一つの前記延在セグメント(34)とは、前記第1折り曲げセグメント(331)によって接続され、隣り合う前記延在セグメント(34)は、前記第1折り曲げセグメント(331)または前記第2折り曲げセグメント(332)によって接続され、
前記第1折り曲げセグメント(331)と前記第2折り曲げセグメント(332)とが交互に設けられ、前記第2折り曲げセグメント(332)が前記ハウジング(1)の外壁に接続され、
前記延在セグメント(34)における前記第1折り曲げセグメント(331)から離れた側が折り曲げられて前記末端(32)を形成し、
前記先端(31)、前記延在セグメント(34)、前記第1折り曲げセグメント(331)、前記第2折り曲げセグメント(332)、及び前記末端(32)は、いずれも前記第1方向(X)に沿って圧縮または引張されることができる、
ことを特徴とする請求項1に記載のスピーカー。
【請求項3】
前記ハウジング(1)の外壁には、前記第1放音孔(12)が貫通する突出部(14)が設けられ、
前記突出部(14)における前記収納チャンバ(11)から離れた側には、前記ハウジング(1)の高さ方向(Z)に対して傾斜する斜面(141)が設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載のスピーカー。
【請求項4】
前記第1放音孔(12)の断面積は、前記第1放音孔(12)が前記収納チャンバ(11)から離れる方向に沿って徐々に大きくなっている、
ことを特徴とする請求項1に記載のスピーカー。
【請求項5】
前記第1放音孔(12)は、前記ハウジング(1)の高さ方向(Z)に沿って、間隔をあけて設けられた第1壁面(121)と第2壁面(122)とを有し、
前記第1壁面(121)及び前記第2壁面(122)は、いずれも前記収納チャンバ(11)の頂壁面(15)に対して傾斜して設けられ、かつ、前記第1放音孔(12)が前記収納チャンバ(11)から離れる方向に沿って、前記第1壁面(121)と前記第2壁面(122)との間の距離が徐々に大きくなっている、
ことを特徴とする請求項4に記載のスピーカー。
【請求項6】
前記収納チャンバ(11)内には、前記スピーカーユニット(2)を取り付けて位置決めするための第1位置決め階段(16)が設けられ、
前記第1放音孔(12)は、対向して設置された第1側壁(123)と第2側壁(124)を有し、前記第1位置決め階段(16)の一部を形成するように、前記第1側壁(123)と前記第2側壁(124)は、共に前記収納チャンバ(11)内に延伸する、
ことを特徴とする請求項1に記載のスピーカー。
【請求項7】
前記ハウジング(1)は、本体部(17)とカバープレート(18)とを備え、
前記本体部(17)には、開口が設けられ、前記スピーカーユニット(2)は、前記開口を介して前記本体部(17)に入り込むことができ、
前記カバープレート(18)は、前記本体部(17)に被せられ、前記本体部(17)に対して着脱可能に接続される、
ことを特徴とする請求項1に記載のスピーカー。
【請求項8】
前記本体部(17)の内壁には、前記カバープレート(18)を取り付けて位置決めするための第2位置決め階段(171)が設けられている、
ことを特徴とする請求項7に記載のスピーカー。
【請求項9】
前記インバータチューブ(3)は、角管である、
ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載のスピーカー。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載のスピーカーと、
前記ハウジング(1)が取り付けられる固定部分と、
前記固定部分に巻取り収納され、または前記固定部分の外に引き出されることができる巻取り部分と、を備え、
前記インバータチューブ(3)は、前記巻取り部分に接続され、
前記インバータチューブ(3)を閉塞状態とするように、前記インバータチューブ(3)は、前記巻取り部分が前記固定部分に巻取り収納される過程で、前記巻取り部分によって動かされ、前記ハウジング(1)の外壁に近づく方向に沿って圧縮されることができ、
前記インバータチューブ(3)を導通状態とするように、前記インバータチューブ(3)は、前記巻取り部分が前記固定部分の外に引き出される過程で、前記巻取り部分によって動かされ、前記ハウジング(1)の外壁から離れる方向に沿って引張されることができる、
ことを特徴とする巻取り可能な電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子製品の技術分野に関し、特に、スピーカー及び巻取り可能な電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電子製品の放送機能は、一般的にスピーカー構造により実現され、例えば、携帯電話や電子リーダ内にスピーカーが設けられている。従来のスピーカーは、音孔が固定されて音響性能も一定になっていたが、このようなスピーカーをリールタイプ(折りたたみ式)携帯電話やリールタイプ電子リーダなどの製品に適用した場合、ユーザがリール部を引き出して使用すると、電子製品の既存の体積が大きくなってしまうが、スピーカーの音響性能が一定で変更ないため、ユーザの音響体験に影響する。
【0003】
そのため、上記の技術的課題を解決するための新たなスピーカーを提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、インバータチューブが引張されたり圧縮されたりすることによって、スピーカーの音響性能を変えることができ、さらに巻取り可能な電子機器がより良好な音響体験を実現するのに有利なスピーカー及び巻取り可能な電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の技術案は、以下の通りである。
【0006】
第1態様では、本発明によるスピーカーは、収納チャンバと、前記収納チャンバと連通する第1放音孔及び導通孔とが設けられ、前記第1放音孔と前記導通孔の開口方向が異なるハウジングと、前記収納チャンバ内に設けられ、音波を発することができるスピーカーユニットと、前記ハウジングの外に位置し、先端が前記ハウジングの外壁に接続されるとともに、前記導通孔を介して前記収納チャンバに連通し、末端が前記ハウジングの外壁に接続されるとともに、前記第1放音孔の存在する側に向かう第2放音孔を設け、前記先端と前記末端との間に折り曲げセグメントを有するインバータチューブと、を備え、前記インバータチューブの少なくとも一部は、前記インバータチューブを閉塞状態または導通状態とするように、前記ハウジングの外壁に近づく方向に沿って圧縮され、または前記ハウジングの外壁から離れる方向に沿って引張されることができる。
【0007】
一つの可能な設計において、前記先端と前記末端との間に、複数の延在セグメントをさらに有し、前記先端と前記延在セグメントとは、共に第1方向に沿って延伸し、前記折り曲げセグメントは、第1折り曲げセグメントと第2折り曲げセグメントとを有し、前記第1折り曲げセグメントが、前記第2折り曲げセグメントに対して前記ハウジングの外壁から離れ、前記先端と一つの前記延在セグメントとは、前記第1折り曲げセグメントによって接続され、隣り合う前記延在セグメントは、前記第1折り曲げセグメントまたは前記第2折り曲げセグメントによって接続され、前記第1折り曲げセグメントと前記第2折り曲げセグメントとが交互に設けられ、前記第2折り曲げセグメントが前記ハウジングの外壁に接続され、前記延在セグメントにおける前記第1折り曲げセグメントから離れた側が折り曲げられて前記末端を形成し、前記先端、前記延在セグメント、前記第1折り曲げセグメント、前記第2折り曲げセグメント、及び前記末端は、いずれも前記第1方向に沿って圧縮または引張されることができる。
【0008】
一つの可能な設計において、前記ハウジングの外壁には、前記第1放音孔が貫通する突出部が設けられ、前記突出部における前記収納チャンバから離れた側には、前記ハウジングの高さ方向に対して傾斜する斜面が設けられている。
【0009】
一つの可能な設計において、前記第1放音孔の断面積は、前記第1放音孔が前記収納チャンバから離れる方向に沿って徐々に大きくなっている。
【0010】
一つの可能な設計において、前記第1放音孔は、前記ハウジングの高さ方向に沿って、間隔をあけて設けられた第1壁面と第2壁面とを有し、前記第1壁面及び前記第2壁面は、いずれも前記収納チャンバの頂壁面に対して傾斜して設けられ、かつ、前記第1放音孔が前記収納チャンバから離れる方向に沿って、前記第1壁面と前記第2壁面との間の距離が徐々に大きくなっている。
【0011】
一つの可能な設計において、前記収納チャンバ内には、前記スピーカーユニットを取り付けて位置決めするための第1位置決め階段が設けられ、前記第1放音孔は、対向して設置された第1側壁と第2側壁を有し、前記第1位置決め階段の一部を形成するように、前記第1側壁と前記第2側壁は、共に前記収納チャンバ内に延伸する。
【0012】
一つの可能な設計において、前記ハウジングは、本体部とカバープレートとを備え、前記本体部には、開口が設けられ、前記スピーカーユニットは、前記開口を介して前記本体部に入り込むことができ、前記カバープレートは、前記本体部に被せられ、前記本体部に対して着脱可能に接続される。
【0013】
一つの可能な設計において、前記本体部の内壁には、前記カバープレートを取り付けて位置決めするための第2位置決め階段が設けられている。
【0014】
一つの可能な設計において、前記インバータチューブは角管である。
【0015】
第2態様では、本発明による巻取り可能な電子機器は、上述したスピーカーと、前記ハウジングが取り付けられる固定部分と、前記固定部分に巻取り収納され、または前記固定部分の外に引き出されることができる巻取り部分と、を備え、前記インバータチューブは、前記巻取り部分に接続され、前記インバータチューブを閉塞状態とするように、前記インバータチューブは、前記巻取り部分が前記固定部分に巻取り収納される過程で、前記巻取り部分によって動かされ、前記ハウジングの外壁に近づく方向に沿って圧縮されることができ、前記インバータチューブを導通状態とするように、前記インバータチューブは、前記巻取り部分が前記固定部分の外に引き出される過程で、前記巻取り部分によって動かされ、前記ハウジングの外壁から離れる方向に沿って引張されることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の有益な効果は、以下の通りである。
【0017】
本発明によって提供されるスピーカー及び巻取り可能な電子機器では、スピーカーは、ハウジング、スピーカーユニット及びインバータチューブを備え、ハウジングは、収納チャンバと、収納チャンバと連通する第1放音孔及び導通孔とが設けられ、スピーカーユニットは収納チャンバ内に取り付けられ、インバータチューブはハウジングの外壁に接続され、先端が導通孔を介して収納チャンバに連通し、末端がハウジングの外壁に接続されるとともに、第1放音孔の存在する側に向かう第2放音孔を設け、先端と末端との間に折り曲げセグメントを有し、インバータチューブは、インバータチューブを導通状態とするように、ハウジングの外壁から離れる方向に沿って引張されることができ、また、インバータチューブを閉塞状態とするように、ハウジングの外壁に近づく方向に沿って圧縮されることもできる。インバータチューブが導通状態にあると、音波の位相の反転が可能となり、低周波特性が増加する。このような巻取り可能な電子機器は、固定部分と、巻取り部分と、上述のようなスピーカーとを備え、巻取り部分が固定部分の外に引き出されるにつれて、インバータチューブを導通させることができ、これにより、巻取り可能な電子機器の体積が大きくなった後に、より良好な音響体験を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本発明によるスピーカーの一つの具体的な実施例における構成を示す図である。
図2図2は、図1におけるハウジングとスピーカーユニットの分解図である。
図3図3は、インバータチューブが閉塞状態にある図1の底面図である。
図4図4は、インバータチューブが導通状態にある図1の底面図である。
図5図5は、図4のA―Aに沿った断面図である。
図6図6は、図2における本体部の構成を示す図である。
図7図7は、図2におけるI箇所の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面および実施形態に基づいて本発明をさらに説明する。
【0020】
図1に示すように、本実施例は、スピーカー及びこのスピーカーを備える巻取り可能な電子機器を提供し、スピーカーは、電気信号を音響信号に変換するトランスデューサであり、このような巻取り可能な電子機器は、リールタイプ(折りたたみ式)携帯電話、リールタイプ電子リーダなどであってもよい。
【0021】
図1図4に示すように、このスピーカーは、ハウジング1、スピーカーユニット2及びインバータチューブ3を備え、ハウジング1は、収納チャンバ11と、収納チャンバ11と連通する第1放音孔12及び導通孔13とが設けられ、第1放音孔12と導通孔13の開口方向が異なり、スピーカーユニット2は収納チャンバ11内に設けられ、音波を発することができ、インバータチューブ3は、ハウジング1の外に位置し、インバータチューブ3の先端31がハウジング1の外壁に接続されるとともに、導通孔13を介して収納チャンバ11に連通し、インバータチューブ3の末端32がハウジング1の外壁に接続されるとともに、第1放音孔12の存在する側に向かう第2放音孔321を設け、先端31と末端32との間に折り曲げセグメント33を有しており、そのうち、インバータチューブ3の少なくとも一部は、インバータチューブ3を閉塞状態または導通状態とするように、ハウジング1の外壁に近づく方向に沿って圧縮され、またはハウジング1の外壁から離れる方向に沿って引張されることができる。
【0022】
スピーカーユニット2が動作すると、スピーカーユニット2は音波を発することができ、音波は第1放音孔12を通じてハウジング1の外部へ伝搬し、音波は導通孔13を通じてインバータチューブ3内に入り込むことも可能となり、インバータチューブ3の第2放音孔321の少なくとも一部は第1放音孔12の存在する側に向かうため、第2放音孔321から伝搬した音波と第1放音孔12から伝搬した音波は、ハウジング1の同じ側に向かって外部に伝搬することができ、さらに音波の位相の反転を実現し、位相反転型スピーカーを形成し、低周波数特性を増加した。
【0023】
インバータチューブ3は、フレキシブルチューブであり、インバータチューブ3の少なくとも一部がハウジング1の外壁に近づく方向に沿って圧縮された後、インバータチューブ3を閉塞状態とすることができ、このとき、スピーカーユニット2から発せられた音波は、インバータチューブ3を介して伝搬することがなくなり、第1放音孔12のみから外部に伝搬し、すなわち、このときのスピーカーは密閉型スピーカーとなる。インバータチューブ3がハウジング1の外壁から離れる方向に沿って引張された後、インバータチューブ3が閉塞状態から導通状態に切り換わると、スピーカーユニット2から発せられた音波は、インバータチューブ3に入り、第2放音孔321から外部に伝達することができ、音波は第1放音孔121から外部に伝達することもでき、すなわち、このときのスピーカーは位相反転型スピーカーであり、低周波数特性が増加され、ユーザの音響体験を向上させるのに有利となる。
【0024】
本実施例における巻取り可能な電子機器は、固定部分と巻取り部分とをさらに有し、巻取り部分は、固定部分に巻取り収納され、または固定部分の外に引き出されることができ、スピーカーのハウジング1は、固定部分に取り付けられ、インバータチューブ3は、巻取り部分に接続されている。巻取り部分を使用する必要があるときは、巻取り部分を固定部分の外に引き出し、この動作は、モータなどの駆動装置により操作したり、人力で引き出したりすることができ、巻取り部分が引き出されるにつれて、スピーカーのインバータチューブ3は、ハウジング1の外壁から離れる方向に沿って引張されることができ、これによりインバータチューブ3を導通状態とし、スピーカーユニット2から発せられた音波は、インバータチューブ3を介して外界に伝達でき、低周波特性を増加して、巻取り可能な電子機器が大きくなった後、より良好な音響体験を実現する。巻取り部分を使用する必要がないときは、巻取り部分が固定部分に巻取り収納されるように巻取り部分を押し戻し、この動作は、モータなどの駆動装置により操作したり、人力で引き出したりすることができ、巻取り部分が固定部分に巻取り収納されるにつれて、インバータチューブ3は、ハウジング1の外壁に近づく方向に沿って圧縮されることができ、これによりインバータチューブ3を閉塞状態とし、このとき、巻取り可能な電子機器は、変形していない状態に戻り、スピーカーユニット2から発せられた音波は、インバータチューブ3を通ることなく、ハウジング1の第1放音孔12を通って外界に伝達され、スピーカーが発する音は、巻取り可能な電子機器の変形していない状態での使用ニーズに応えることができる。
【0025】
また、スピーカーユニット2は、本分野の従来技術であり、その内部の具体的な構成については説明を省略する。
【0026】
一つの具体的な実施例では、図1に示すように、先端31と末端32との間に、複数の延在セグメント34をさらに有し、先端31と延在セグメント34とは、共に第1方向Xに沿って延伸し、折り曲げセグメント33は、第1折り曲げセグメント331と第2折り曲げセグメント332とを有し、第1折り曲げセグメント331が第2折り曲げセグメント332に対してハウジング1の外壁から離れ、先端31と一つの延在セグメント34とは、第1折り曲げセグメント331によって接続され、隣り合う延在セグメント34は、第1折り曲げセグメント331または第2折り曲げセグメント332によって接続され、第1折り曲げセグメント331と第2折り曲げセグメント332とが交互に設けられ、第2折り曲げセグメント332がハウジング1の外壁に接続され、延在セグメント34における第1折り曲げセグメント331から離れた側が折り曲げられて末端32を形成しており、そのうち、先端31、延在セグメント34、第1折り曲げセグメント331、第2折り曲げセグメント332、及び末端32は、いずれも第1方向Xに沿って圧縮または引張されることができる。
【0027】
図1を例にとると、インバータチューブ3は、三つの延在セグメント34と、二つの第1折り曲げセグメント331と、一つの第2折り曲げセグメント332とを有し、先端31がハウジング1の外壁に接続され、先端31とそれに隣接する一つ目の延在セグメントとは、一つ目の第1折り曲げセグメントによって接続され、一つ目の延在セグメントと二つ目の延在セグメントとは、第2折り曲げセグメントによって接続され、第2折り曲げセグメントはハウジング1の外壁に接続され、三つ目の延在セグメントと二つ目の延在セグメントとは、二つ目の第1折り曲げセグメントによって接続され、三つ目の延在セグメントにおける二つ目の第1折り曲げセグメントから離れた側が折り曲げられて末端32を形成している。
【0028】
インバータチューブ3が圧縮されると、例えば図3に示すように、先端31と延在セグメント34は、共に第1方向に沿って圧縮され、第1方向Xにおいて、第1折り曲げセグメント331、第2折り曲げセグメント332および末端32は、いずれも押し潰されて、インバータチューブ3を閉塞状態とする。インバータチューブ3が引張されると、例えば図4に示すように、先端31と延在セグメント34とは、共に第1方向Xに沿って引張され、第1方向Xにおいて、第1折り曲げセグメント331、第2折り曲げセグメント332および末端32は、押し潰し状態から正常状態に切り換えられて、インバータチューブ3を導通状態とする。
【0029】
本実施例におけるインバータチューブ3は角管であり、圧縮時における閉塞状態と引張時における導通状態を比較的容易に実現する。他の実施例では、インバータチューブ3は円管であってもよい。
【0030】
一つの具体的な実施例では、図1に示すように、ハウジング1の外壁には突出部14が設けられ、第1放音孔12が突出部14を貫通することで、第1放音孔12を通じて外部に音波が伝搬されるのを容易にし、ユーザの音響体験を向上させるのに有利となる。
【0031】
ここで、図4図5に示すように、突出部14における収納チャンバ11から離れた側には、ハウジング1の高さ方向Zに対して傾斜する斜面141が設けられ、かつ、第1放音孔12が突出部14を貫通しており、第1放音孔12から出た音波を所望の領域に集中的に伝搬させるのに有利となる。
【0032】
具体的には、図5に示すように、第1放音孔12が収納チャンバ11から離れる方向に沿って、第1放音孔12の断面積が徐々に大きくなり、音波が第1放音孔12の内壁を介して反射でき、さらに音波の伝搬方向が比較的集中するようになる。
【0033】
より具体的には、第1放音孔12は、ハウジング1の高さ方向Zに沿って、間隔をあけて設けられた第1壁面121と第2壁面122とを有し、第1壁面121及び第2壁面122は、いずれも収納チャンバ11の頂壁面15に対して傾斜して設けられ、かつ、第1放音孔12が収納チャンバ11から離れる方向に沿って、第1壁面121と第2壁面122との間の距離が徐々に大きくなっており、音波が第1放音孔12に伝搬すると、音波は、第1壁面121及び第2壁面122による反射を経て、その伝搬方向が比較的集中するようになる。
【0034】
一つの具体的な実施例では、図2図6図7に示すように、スピーカーユニット2を収納チャンバ11内に取り付けるのを容易にするために、収納チャンバ11内には、スピーカーユニット2を取り付けて位置決めするための第1位置決め階段16が設けられている。第1放音孔12は、対向して設置された第1側壁123と第2側壁124とを有し、第1位置決め階段16の一部を形成するように、第1側壁123と第2側壁124は共に収納チャンバ11内に延伸し、すなわち、収納チャンバ11の頂壁が収納チャンバ11内に向けて延びる部分と、第1側壁123及び第2側壁124が収納チャンバ11内に向けて延びる部分とが、共同して第1位置決め階段16を構成している。スピーカーユニット2が第1位置決め階段16に当接すると、スピーカーユニット2は、対応する取付位置に到達し、第1放音孔12の第1側壁123及び第2側壁124が共に収納チャンバ11内に延伸して第1位置決め階段16の一部を形成するので、スピーカーユニット2の取付位置を第1放音孔12により近づけることができ、スピーカーユニット2から発せられた音波を第1放音孔12から外部へ伝搬することがより容易になる。
【0035】
一つの具体的な実施例では、図2に示すように、ハウジング1は、本体部17とカバープレート18とを備え、本体部17には開口が設けられ、スピーカーユニット2は開口を介して本体部17に入り込むことができ、カバープレート18は、本体部17に被せられ、本体部17に対して着脱可能に接続される。スピーカーユニット2の交換やメンテナンスが必要な場合には、カバープレート18を本体部17から取り外して、スピーカーユニット2の持ち出しを容易にすることができる。
【0036】
具体的には、カバープレート18の取り付けを容易にするために、本体部17の内壁には、カバープレート18を取り付けて位置決めするための第2位置決め階段171が設けられている。
【0037】
より具体的には、ハウジング1の高さ方向Zに沿って、第2位置決め階段171の投影は、カバープレート18の投影の辺縁形状と同じであり、すなわち、カバープレート18が本体部17に取り付けられると、カバープレート18の周囲に第2位置決め階段171が設けられることとなり、カバープレート18の取り付け安定性を向上させるのに有利である。
【0038】
図1に示すように、本実施例におけるハウジング1は、第1方向Xに沿って対向設置された二つの第1壁体19と、第2方向Yに沿って対向設置された二つの第2壁体110とを有し、第1壁体19と第2壁体110とが接続され、第1方向Xと第2方向Yとが直交し、第1方向Xがハウジング1の幅方向であってもよく、第2方向Yがハウジング1の長さ方向であってもよい。一方の第1壁体19には、導通孔13が設けられ、一方の第2壁体110には、第1放音孔12が設けられ、インバータチューブ3の先端31は、第1壁体19に接続され、導通孔13を介して収納チャンバ11に連通し、インバータチューブ3の末端32は、第1壁体19に接続され、末端32に設けられた第2放音孔321は第2方向Yに開口している。インバータチューブ3は、インバータ管3が閉塞状態になるように、第1方向Xに沿って圧縮されてもよく、インバータ管3が導通状態になるように、第1方向Xに沿って引張されてもよい。
【0039】
そのうち、第2壁体110の一部及びハウジング1の頂壁の一方の側辺は、収納チャンバ11の外に延伸して突出部14を形成し、第1放音孔12が突出部14を貫通する。第1放音孔12は、第1方向Xに沿って、対向設置された第1側壁123と第2側壁124を有し、第1側壁123及び第2側壁124は、収納チャンバ11に近い側が第2方向Yに沿って延伸して、第1位置決め階段16の一部を形成する。第1放音孔12は、ハウジングの高さ方向Zに沿って、間隔をあけて設けられた第1壁面121と第2壁面122を有し、第1壁面121及び第2壁面122は、ハウジング1の頂壁面15に対して傾斜して設けられている。
【0040】
以上に述べたのは、本発明の実施形態のみであり、ここでは、当業者にとっては、本発明の創造思想から逸脱することなく改良を行うことができるが、これらは全て本発明の保護範囲に属するものであることを指摘すべきである。
【符号の説明】
【0041】
1 :ハウジング
11 :収納チャンバ
12 :第1放音孔
121:第1壁面
122:第2壁面
123:第1側壁
124:第2側壁
13 :導通孔
14 :突出部
141:斜面
15 :頂壁面
16 :第1位置決め階段
17 :本体部
171:第2位置決め階段
18 :カバープレート
19 :第1壁体
110:第2壁体
2 :スピーカーユニット
3 :インバータチューブ
31 :先端
32 :末端
321:第2放音孔
33 :折り曲げセグメント
331:第1折り曲げセグメント
332:第2折り曲げセグメント
34 :延在セグメント
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】