(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-16
(54)【発明の名称】排ガス内二酸化炭素捕集装置及び工程
(51)【国際特許分類】
F25J 3/02 20060101AFI20240808BHJP
F25J 3/08 20060101ALI20240808BHJP
B01D 53/62 20060101ALI20240808BHJP
B01D 53/74 20060101ALI20240808BHJP
B01D 53/22 20060101ALI20240808BHJP
B01D 71/68 20060101ALI20240808BHJP
B01D 71/64 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
F25J3/02 Z ZAB
F25J3/08
B01D53/62
B01D53/74
B01D53/22
B01D71/68
B01D71/64
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023557423
(86)(22)【出願日】2023-07-25
(85)【翻訳文提出日】2023-09-19
(86)【国際出願番号】 KR2023010747
(87)【国際公開番号】W WO2024025303
(87)【国際公開日】2024-02-01
(31)【優先権主張番号】10-2022-0091596
(32)【優先日】2022-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0185297
(32)【優先日】2022-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0092830
(32)【優先日】2023-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516103208
【氏名又は名称】エオレイン カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】AIRRANE CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】弁理士法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハ ソンヨン
(72)【発明者】
【氏名】イ ソンクン
(72)【発明者】
【氏名】ミン クァンジュン
(72)【発明者】
【氏名】イ チュンソプ
(72)【発明者】
【氏名】イム ジンヒョク
(72)【発明者】
【氏名】ハン サンフン
(72)【発明者】
【氏名】イム チェソン
(72)【発明者】
【氏名】シム ジェフン
【テーマコード(参考)】
4D002
4D006
4D047
【Fターム(参考)】
4D002AA09
4D002BA13
4D002BA20
4D002EA05
4D002GA01
4D002GB04
4D006GA41
4D006JA52Z
4D006JA53Z
4D006JA56Z
4D006JA66Z
4D006JA67Z
4D006KA02
4D006KA52
4D006KA53
4D006KA54
4D006KA55
4D006KA72
4D006KB14
4D006KB18
4D006KB30
4D006KE07R
4D006KE16R
4D006MC58
4D006MC62
4D006PA02
4D006PB19
4D006PB63
4D006PB64
4D006PC31
4D006PC80
4D047AA07
4D047AB00
4D047BA03
4D047BB06
4D047BB09
4D047BB10
4D047DA04
4D047EA00
(57)【要約】
本発明は排ガス内二酸化炭素捕集工程及び装置に関するものであり、本発明は、分離塔による二酸化炭素液化工程の冷熱をそのまま活用して二酸化炭素回収分離膜工程を実施することにより、消費エネルギーを減少させながら分離効率を著しく向上させることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排ガスを含む第1圧縮機供給気体を圧縮させる第1圧縮機と、
前記第1圧縮機で圧縮された気体を含む第1捕集分離膜供給気体を第1捕集分離膜透過気体及び第1捕集分離膜残留気体に分離する第1捕集分離膜と、
前記第1捕集分離膜透過気体を含む第2圧縮機供給気体を圧縮させる第2圧縮機と、
前記第2圧縮機で圧縮された気体を冷却させる液化熱交換器と、
前記液化熱交換器で冷却された気体を高純度二酸化炭素液体及び二酸化炭素含有気体に分離する分離塔と、
前記二酸化炭素含有気体を第1回収分離膜に供給して第1回収分離膜透過気体及び第1回収分離膜残留気体に分離し、前記第1回収分離膜透過気体を前記第1圧縮機、前記第1捕集分離膜または前記第2圧縮機に循環させる第1回収分離膜と、を含む、排ガス内二酸化炭素捕集装置。
【請求項2】
前記第1捕集分離膜透過気体を含む第2捕集分離膜供給気体を第2捕集分離膜透過気体及び第2捕集分離膜残留気体に分離する第2捕集分離膜をさらに含み、
前記第1捕集分離膜透過気体のうち前記第2捕集分離膜透過気体のみが前記第2圧縮機で圧縮されることを特徴とする、請求項1に記載の排ガス内二酸化炭素捕集装置。
【請求項3】
前記第1回収分離膜に供給される気体の温度は-40~0℃であることを特徴とする、請求項1に記載の排ガス内二酸化炭素捕集装置。
【請求項4】
前記第1回収分離膜は、ポリスルホン(PSF)またはポリイミド(PI)のうちのいずれか1種以上の材質からなることを特徴とする、請求項1に記載の排ガス内二酸化炭素捕集装置。
【請求項5】
前記第1圧縮機で圧縮された気体を前記第1捕集分離膜に供給するに先立ち、前記第1捕集分離膜透過気体、前記第1捕集分離膜残留気体、前記二酸化炭素含有気体、前記第1回収分離膜透過気体及び前記第1回収分離膜残留気体のうちのいずれか1種以上と熱交換させて冷却させる第1熱交換網をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の排ガス内二酸化炭素捕集装置。
【請求項6】
前記第1圧縮機で圧縮された気体及び前記第1捕集分離膜透過気体のうちのいずれか1種以上の捕集分離膜供給気体を分離膜に供給するに先立ち、前記第1捕集分離膜透過気体、前記第1捕集分離膜残留気体、前記第2捕集分離膜透過気体、前記第2捕集分離膜残留気体、前記二酸化炭素含有気体、前記第1回収分離膜透過気体及び前記第1回収分離膜残留気体のうちのいずれか1種以上と熱交換させて冷却させる熱交換網をさらに含むことを特徴とする、請求項2に記載の排ガス内二酸化炭素捕集装置。
【請求項7】
前記第2捕集分離膜残留気体を第2-1捕集分離膜に供給して第2-1捕集分離膜透過気体及び第2-1捕集分離膜残留気体に分離する第2-1捕集分離膜と、
前記第1捕集分離膜透過気体と前記第1回収分離膜透過気体とを熱交換させる第2-2熱交換器と、
前記第2-2熱交換器で冷却された第1捕集分離膜透過気体と前記第2-1捕集分離膜透過気体とを熱交換させる第2-3熱交換器と、
前記第2-3熱交換器で冷却された第1捕集分離膜透過気体と前記第2-1捕集分離膜残留気体及び前記第1回収分離膜残留気体のうちのいずれか1種以上とを熱交換させる第2-4熱交換器と、
前記第2-4熱交換器で冷却された第1捕集分離膜透過気体と前記第2捕集分離膜透過気体とを熱交換させる第2-5熱交換器と、
前記第2-5熱交換器で冷却された第1捕集分離膜透過気体と前記二酸化炭素含有気体とを熱交換させる第2-6熱交換器と、をさらに含み、
前記第2-1捕集分離膜透過気体は、前記第1圧縮機、前記第1捕集分離膜または前記第2捕集分離膜に循環することを特徴とする、請求項2に記載の排ガス内二酸化炭素捕集装置。
【請求項8】
前記高純度二酸化炭素液体を受けてドライアイスに転換するチャンバー及び前記ドライアイスに転換されなかった残余二酸化炭素気体が排出される排出部を含むドライアイス生成部をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の排ガス内二酸化炭素捕集装置。
【請求項9】
前記残余二酸化炭素気体は前記第1捕集分離膜に循環することを特徴とする、請求項8に記載の排ガス内二酸化炭素捕集装置。
【請求項10】
前記第1捕集分離膜透過気体を含む第2捕集分離膜供給気体を第2捕集分離膜透過気体及び第2捕集分離膜残留気体に分離する第2捕集分離膜と、
前記第2捕集分離膜残留気体を第2-1捕集分離膜透過気体及び第2-1捕集分離膜残留気体に分離する第2-1捕集分離膜と、
前記第1圧縮機で圧縮された気体を前記第2-1捕集分離膜透過気体と熱交換させる第1-1熱交換器、前記第1-1熱交換器で冷却された第1圧縮機で圧縮された気体を前記第1捕集分離膜透過気体と熱交換させる第1-2熱交換器、及び前記第1-2熱交換器で冷却された第1圧縮機で圧縮された気体を前記第1捕集分離膜残留気体、前記第2-1捕集分離膜残留気体及び前記第1回収分離膜残留気体のうちのいずれか1種以上を含む窒素豊富気体と熱交換させる第1-3熱交換器、を含む第1熱交換網と、
前記第1捕集分離膜透過気体を第2捕集分離膜透過気体と熱交換させる第2-1熱交換器、及び前記第2-1熱交換器で冷却された第1捕集分離膜透過気体を前記第1-2熱交換器で加熱された気体と熱交換させる第2-2熱交換器、を含む第2熱交換網と、をさらに含み、
前記第1捕集分離膜透過気体のうち前記第2捕集分離膜透過気体のみが前記第2圧縮機で圧縮され、
前記第2-1捕集分離膜透過気体は、前記第1圧縮機、前記第1捕集分離膜または前記第2捕集分離膜に循環することを特徴とする、請求項8に記載の排ガス内二酸化炭素捕集装置。
【請求項11】
排ガスを含む第1圧縮機供給気体を第1圧縮機で圧縮する第1圧縮段階と、
前記第1圧縮機で圧縮された気体を含む第1捕集分離膜供給気体を第1捕集分離膜に供給して第1捕集分離膜透過気体及び第1捕集分離膜残留気体に分離する第1捕集段階と、
前記第1捕集分離膜透過気体を含む第2圧縮機供給気体を第2圧縮機で圧縮させる第2圧縮段階と、
前記第2圧縮機で圧縮された気体を液化熱交換器で冷却させる液化段階と、
前記液化熱交換器で冷却された気体を分離塔に供給して二酸化炭素含有気体及び高純度二酸化炭素液体に分離する分離精製段階と、
前記二酸化炭素含有気体を第1回収分離膜に供給し、前記第1回収分離膜を透過する第1回収分離膜透過気体を、前記第1圧縮機、前記第1捕集分離膜または前記第2圧縮機に循環させる第1回収段階と、を含む、排ガス内二酸化炭素捕集工程。
【請求項12】
前記第1捕集分離膜透過気体を含む第2捕集分離膜供給気体を第2捕集分離膜に供給して第2捕集分離膜透過気体及び第2捕集分離膜残留気体に分離する第2捕集段階をさらに含み、
前記第2圧縮段階は、前記第1捕集分離膜透過気体のうちの前記第2捕集分離膜透過気体のみを前記第2圧縮機で圧縮させることを特徴とする、請求項11に記載の排ガス内二酸化炭素捕集工程。
【請求項13】
前記第1回収分離膜は、ポリスルホン(PSF)またはポリイミド(PI)のうちのいずれか1種以上の材質からなることを特徴とする、請求項11に記載の排ガス内二酸化炭素捕集工程。
【請求項14】
前記高純度二酸化炭素液体をドライアイスに転換し、ドライアイスに転換されなかった残余二酸化炭素気体を収得するドライアイス製造段階をさらに含むことを特徴とする、請求項11に記載の排ガス内二酸化炭素捕集工程。
【請求項15】
前記第1圧縮機で圧縮された気体を前記第1捕集分離膜に供給するに先立ち、熱交換網で前記第1捕集分離膜透過気体、前記第1捕集分離膜残留気体、前記二酸化炭素含有気体、前記第1回収分離膜透過気体及び前記第1回収分離膜残留気体のうちのいずれか1種以上と熱交換させる熱交換段階をさらに含むことを特徴とする、請求項11に記載の排ガス内二酸化炭素捕集工程。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は排ガス内二酸化炭素捕集装置及び工程に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、温室ガスによる地球温暖化及び気候変化などの環境問題が台頭するのに伴い、温室ガスのうち二酸化炭素の排出を低減するために二酸化炭素を捕集する技術に対して多くの研究が行われている。二酸化炭素捕集技術は、大別して燃焼後(Post-combustion)、燃焼前(Pre-combustion)及び純酸素燃焼(Oxyfuel combustion)に分類することができる。燃焼後CO2捕集技術は、さらにアミン系またはアンモニア系吸収剤を活用した化学吸収法、既存の吸収溶液の代わりに固体吸収剤を活用した乾式吸収法、及び分離膜を活用した膜分離法などに分類される。
【0003】
二酸化炭素捕集技術のうち、メンブレインを用いた膜分離法は環境に優しい工程という利点があり、二酸化炭素の濃度を高め、貯蔵及び利用容易性を高めるために分離塔を導入して液化した二酸化炭素を収得する技術が提示された。ただ、従来の技術は、液化工程で収得される低温の気体から二酸化炭素を回収するにあたり、加熱または冷熱を回収する工程を経た後、分離膜に透過させるから、追加的なエネルギー消費が必須であった。
【0004】
したがって、本発明者らは、前記問題点を解決するために研究を繰り返えした結果、液化工程で収得される低温の気体を低温状態のままで分離膜に透過させると、追加的な工程なしに二酸化炭素分離効率が向上し、二酸化炭素回収率を高めることができることを見つけて本発明を完成した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2021-0104469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は前述したような問題点を解決するために案出されたものであり、本発明の目的は、二酸化炭素捕集分離膜、分離塔及び二酸化炭素回収分離膜を含み、前記二酸化炭素回収分離膜を用いた二酸化炭素回収工程は前記分離塔による二酸化炭素液化工程の冷熱をそのまま活用することにより、消費されるエネルギーを著しく減少させながら分離効率を著しく向上させることができる排ガス内二酸化炭素捕集工程及び装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面は、排ガスを含む第1圧縮機供給気体を圧縮させる第1圧縮機と、前記第1圧縮機で圧縮された気体を含む第1捕集分離膜供給気体を第1捕集分離膜透過気体及び第1捕集分離膜残留気体に分離する第1捕集分離膜と、前記第1捕集分離膜透過気体を含む第2圧縮機供給気体を圧縮させる第2圧縮機と、前記第2圧縮機で圧縮された気体を冷却させる液化熱交換器と、前記液化熱交換器で冷却された気体を高純度二酸化炭素液体及び二酸化炭素含有気体に分離する分離塔と、前記二酸化炭素含有気体を第1回収分離膜に供給して第1回収分離膜透過気体及び第1回収分離膜残留気体に分離し、前記第1回収分離膜透過気体を前記第1圧縮機、前記第1捕集分離膜または前記第2圧縮機に循環させる第1回収分離膜とを含む排ガス内二酸化炭素捕集装置を提供する。
【0008】
本発明の他の側面は、排ガスを含む第1圧縮機供給気体を第1圧縮機で圧縮する第1圧縮段階と、前記第1圧縮機で圧縮された気体を含む第1捕集分離膜供給気体を第1捕集分離膜に供給して第1捕集分離膜透過気体及び第1捕集分離膜残留気体に分離する第1捕集段階と、前記第1捕集分離膜透過気体を含む第2圧縮機供給気体を第2圧縮機で圧縮させる第2圧縮段階と、前記第2圧縮機で圧縮された気体を液化熱交換器で冷却させる液化段階と、前記液化熱交換器で冷却された気体を分離塔に供給して二酸化炭素含有気体及び高純度二酸化炭素液体に分離する分離精製段階と、前記二酸化炭素含有気体を第1回収分離膜に供給し、前記第1回収分離膜を透過する第1回収分離膜透過気体を、前記第1圧縮機、前記第1捕集分離膜または前記第2圧縮機に循環させる第1回収段階とを含む排ガス内二酸化炭素捕集工程を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の排ガス内二酸化炭素捕集工程及び装置は、分離塔で収得される気体を分離膜を介して回収することにより、排出される二酸化炭素の量を低減させた。
【0010】
また、分離塔(液化工程)で形成された低温状態を用いて分離塔の上部で収得された気体内二酸化炭素を回収することにより、二酸化炭素回収効率を向上させることができる。
【0011】
また、二酸化炭素捕集工程及び装置内で気体の流れを再循環させることにより、排出される二酸化炭素の量を低減させ、二酸化炭素分圧を高めて分離効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施例による排ガス内二酸化炭素捕集工程図である。
【
図2】本発明の他の実施例による第2捕集分離膜を含む排ガス内二酸化炭素捕集工程図である。
【
図3】本発明のさらに他の実施例による第2捕集分離膜及び第2回収分離膜を含む排ガス内二酸化炭素捕集工程図である。
【
図4】本発明のさらに他の実施例による第2捕集分離膜及び第2-1捕集分離膜を含む排ガス内二酸化炭素捕集工程図である。
【
図5】本発明のさらに他の実施例による第2捕集分離膜及び第3捕集分離膜を含む排ガス内二酸化炭素捕集工程図である。
【
図6】本発明のさらに他の実施例による第1-1捕集分離膜、第2捕集分離膜、第2-1捕集分離膜及び第2熱交換網を含む排ガス内二酸化炭素捕集工程図である。
【
図7】本発明のさらに他の実施例による第2捕集分離膜及び第2回収分離膜を含む排ガス内二酸化炭素捕集工程図である。
【
図8】本発明のさらに他の実施例による第1-1捕集分離膜、第2捕集分離膜、第2-1捕集分離膜、第2熱交換網及びドライアイス生成部を含む排ガス内二酸化炭素捕集工程図である。
【
図9】本発明のさらに他の実施例による第2捕集分離膜、第2-1捕集分離膜、第1熱交換網、第2熱交換網及びドライアイス生成部を含む排ガス内二酸化炭素捕集工程図である。
【
図10】本発明のさらに他の実施例による第2捕集分離膜、第2-1捕集分離膜、第2熱交換網及びドライアイス生成部を含む排ガス内二酸化炭素捕集工程図である。
【
図11】本発明のさらに他の実施例による第2捕集分離膜、第2回収分離膜及びドライアイス生成部を含む排ガス内二酸化炭素捕集工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下本発明を添付図面及び実施例に基づいてより具体的に説明する。
【0014】
本発明の一側面は、排ガス1を含む第1圧縮機供給気体2を圧縮させる第1圧縮機101と、前記第1圧縮機で圧縮された気体3を含む第1捕集分離膜供給気体4を第1捕集分離膜透過気体5及び第1捕集分離膜残留気体6に分離する第1捕集分離膜102と、前記第1捕集分離膜透過気体5を含む第2圧縮機供給気体11を圧縮させる第2圧縮機110と、前記第2圧縮機で圧縮された気体15を冷却させる液化熱交換器112と、前記液化熱交換器で冷却された気体17を高純度二酸化炭素液体18及び二酸化炭素含有気体19に分離する分離塔113と、前記二酸化炭素含有気体19を第1回収分離膜115に供給して第1回収分離膜透過気体22及び第1回収分離膜残留気体23に分離し、前記第1回収分離膜透過気体22を前記第1圧縮機101、前記第1捕集分離膜102または前記第2圧縮機110に循環させる第1回収分離膜115と、を含む排ガス内二酸化炭素捕集装置を提供する。
【0015】
本発明は、前記第1捕集分離膜透過気体5を含む第2捕集分離膜供給気体9を第2捕集分離膜透過気体10及び第2捕集分離膜残留気体12に分離する第2捕集分離膜106をさらに含むことができる。ここで、前記第1捕集分離膜透過気体5のうち前記第2捕集分離膜透過気体10のみが前記第2圧縮機110によって圧縮される。本発明が第2捕集分離膜106をさらに含む場合、排ガス内二酸化炭素濃度が低くても優れた二酸化炭素回収率を果たすことができるという点で好ましい。
【0016】
本発明は、前記高純度二酸化炭素液体18を受けてドライアイス20に転換するチャンバー及びドライアイスに転換されなかった残余二酸化炭素気体21が排出される排出部を含むドライアイス生成部114をさらに含むことができる。本発明がドライアイス生成部114をさらに含む場合、高純度二酸化炭素液体18からドライアイス20を生成するときに気体として排出されて捨てられる二酸化炭素をより有用に使用することができる。
【0017】
本明細書で、第1捕集分離膜102、第2捕集分離膜106または第3捕集分離膜118に供給される気体を捕集分離膜供給気体と名付け、前記捕集分離膜供給気体としては、第1圧縮機で圧縮された気体3、第1捕集分離膜供給気体4、第1捕集分離膜透過気体5、第2捕集分離膜供給気体9及び第2捕集分離膜透過気体10などを挙げることができる。
【0018】
本発明は、前記捕集分離膜供給気体を捕集分離膜に供給するに先立ち、工程内の低温の流れと熱交換させて冷却させる熱交換網をさらに含むことができる。本発明が熱交換網をさらに含む場合、工程内の流れとの熱交換によって冷熱を回収して捕集分離膜供給気体の温度を低めることにより、二酸化炭素分離効率を向上させながら工程エネルギーを著しく減少させることができる。
【0019】
本発明の一具現例によれば、前記第1圧縮機で圧縮された気体3及び前記第1捕集分離膜透過気体5のうちいずれか一つ以上の捕集分離膜供給気体を分離膜に供給するに先立ち、前記第1捕集分離膜透過気体5、前記第1捕集分離膜残留気体6、前記第2捕集分離膜透過気体10、前記第2捕集分離膜残留気体12、前記二酸化炭素含有気体19、前記残余二酸化炭素気体21、前記第1回収分離膜透過気体22、前記第1回収分離膜残留気体23、第2回収分離膜透過気体24、及び第2回収分離膜残留気体25のうちのいずれか1種以上と熱交換させて冷却させる熱交換網をさらに含むことができる。
【0020】
本明細書で、前記熱交換網が第1捕集分離膜に供給される第1圧縮機で圧縮された気体3を冷却させるものである場合、第1熱交換網200と名付け、第2捕集分離膜に供給される第1捕集分離膜透過気体5を冷却させるものである場合、第2熱交換網300、400と名付け、第3捕集分離膜118に供給される第2捕集分離膜透過気体10を冷却させるものである場合、第3熱交換網と名付ける。
【0021】
本発明は、前記ドライアイス生成部114及び前記熱交換網のうちのいずれか一方のみを含むことができ、好ましくは両方を含むことができる。
【0022】
本明細書で、排ガス(排気ガス)とは、発電設備、製鉄所、化学工場などから排出される気体(ガス)を意味し、主に化石燃料(炭化水素)の燃焼反応によって生成され、二酸化炭素及び水分を基本的に含有し、酸素含有気体または酸化剤として空気を提供する場合は、窒素、および未使用酸素をさらに含むことができる。また、燃焼工程の原料内の不純物に起因するガス成分、例えば硫化水素、硫黄酸化物、窒素酸化物、塩酸、水銀などの不純物も含有することがあるが、このような不純物は微量で存在するか、または一部は実質的に含有されないこともある。
【0023】
第1圧縮機101は第1圧縮機供給気体2を圧縮させる。前記第1圧縮機供給気体2は排ガス1を含む気体であり、二酸化炭素回収率を高めるために、前記排ガス1と、第1-1捕集分離膜透過気体7、第2捕集分離膜残留気体12、第2-1捕集分離膜透過気体13及び前記第1回収分離膜透過気体22のうちのいずれか1種以上とが混合された気体であり、好ましくは前記排ガス1と、第1-1捕集分離膜透過気体7、第2捕集分離膜残留気体12及び第2-1捕集分離膜透過気体13のうちのいずれか1種以上とが混合された気体であり、より好ましくは排ガス1と第2-1捕集分離膜透過気体13とが混合された気体である。
【0024】
第1圧縮機101は供給される前記第1圧縮機供給気体2を圧縮することで、第1捕集分離膜102で分離工程を実施する圧力比を具現し、具体的には、供給される気体を2~5bar、好ましくは2.2~3.5barの圧力に圧縮することができる。
【0025】
本発明が熱交換網をさらに含む場合、冷熱を回収して分離効率が向上するので、前記第1圧縮機101で圧縮される目標圧力を低めてエネルギー消費量を減少させても優れた分離効率を示すことができるので、前記第1圧縮機101は、供給される気体流れを1.1~3.5bar、好ましくは1.2~2.0barの圧力に圧縮することができる。
【0026】
前記第1捕集分離膜102は、前記第1圧縮機で圧縮された気体3を含む第1捕集分離膜供給気体4を第1捕集分離膜透過気体5及び第1捕集分離膜残留気体6に分離する。
【0027】
本発明で、分離膜による気体の分離工程は溶解-拡散メカニズムによってなされるので、分離膜の二酸化炭素選択度(例えば、CO2/N2)によって分離効率が変わり、分離膜の選択度によって前記第1捕集分離膜透過気体5は相対的に二酸化炭素が豊かであり、前記第1捕集分離膜残留気体6は二酸化炭素が稀である。
【0028】
前記第1捕集分離膜透過気体の透過部に真空ポンプ103をさらに取り付けることによって分離効率を向上させることができる。
【0029】
前記第1捕集分離膜供給気体4は前記第1圧縮機で圧縮された気体3であり得、二酸化炭素回収率を高めるために、これと前記残余二酸化炭素気体21及び前記第1回収分離膜透過気体22のうちのいずれか1種以上とが混合された気体であり得、好ましくは前記第1圧縮機で圧縮された気体3、前記残余二酸化炭素気体21及び前記第1回収分離膜透過気体22が混合された気体である。
【0030】
本発明が前記第2捕集分離膜106を含む場合、前記第1捕集分離膜透過気体5は第2捕集分離膜106に供給され、前記第2捕集分離膜106を含まない場合、前記第2圧縮機110に供給される。
【0031】
本発明は、排出される前記第1捕集分離膜残留気体6の残存二酸化炭素を回収する第1-1捕集分離膜104をさらに含むことができる。
【0032】
本発明の排ガス内二酸化炭素捕集装置が前記第1-1捕集分離膜104を含まない場合、前記第1捕集分離膜残留気体6は二酸化炭素が稀で窒素が豊かな気体であり、外部に排出され得る。
【0033】
前記第1-1捕集分離膜104は、前記第1捕集分離膜残留気体6を相対的に二酸化炭素の豊かな第1-1捕集分離膜透過気体7及び二酸化炭素の稀な第1-1捕集分離膜残留気体8に分離し、前記第1-1捕集分離膜透過気体7を前記第1圧縮機101に循環させることで、前記第1-1捕集分離膜104を含まなければ排出される前記第1捕集分離膜残留気体6の残存二酸化炭素を回収することができる。
【0034】
本発明が第1-1捕集分離膜104をさらに含む場合、前記第1捕集分離膜残留気体6は前記熱交換網で熱交換させず、第1-1捕集分離膜104に供給することが第1-1捕集分離膜104での低温工程によって分離効率を高めることができるという点で好ましい。
【0035】
前記第1-1捕集分離膜残留気体8は二酸化炭素が稀で窒素が豊かな気体であり、外部に排出され得る。
【0036】
前記第1-1捕集分離膜透過気体7の透過部に真空ポンプ105をさらに取り付けて分離効率を向上させることができる。
【0037】
前記第2捕集分離膜106は、前記第1捕集分離膜透過気体5を含む第2捕集分離膜供給気体9を前記第1捕集分離膜透過気体5よりも二酸化炭素濃度が増加した第2捕集分離膜透過気体10及び二酸化炭素が稀な第2捕集分離膜残留気体12に分離する。
【0038】
前記第2捕集分離膜透過気体の透過部に真空ポンプ107をさらに取り付けて分離膜前後の圧力比を高めることで、前記第2捕集分離膜透過気体10を排出させて二酸化炭素分離効率を向上させることができる。
【0039】
前記第2捕集分離膜供給気体9は、二酸化炭素回収率を増加させるために、前記第1捕集分離膜透過気体5と、前記残余二酸化炭素気体21、前記第1回収分離膜透過気体22、前記第2回収分離膜透過気体24及び第3捕集分離膜透過気体28のうちのいずれか1種以上とが混合された気体であり得る。
【0040】
本発明の排ガス内二酸化炭素捕集装置が第3捕集分離膜118を含む場合、前記第2捕集分離膜透過気体10は第3捕集分離膜118に供給され、第3捕集分離膜118を含まない場合、第2圧縮機110に供給され得る。
【0041】
前記第2捕集分離膜残留気体12は外部に排出されるか、または二酸化炭素回収率を高めるために、前記第1圧縮機101または第2-1捕集分離膜108に供給され得る。
【0042】
本発明の一具現例によれば、二酸化炭素回収率を高めるために、第2-1捕集分離膜108をさらに含むことができる。
【0043】
前記第2-1捕集分離膜108は、前記第2捕集分離膜残留気体12を相対的に二酸化炭素濃度の高い第2-1捕集分離膜透過気体13及び二酸化炭素濃度の低い第2-1捕集分離膜残留気体14に分離し、二酸化炭素回収率を増加させるために、前記第2-1捕集分離膜透過気体13を前記第1圧縮機101に循環させる。
【0044】
本発明の排ガス内二酸化炭素捕集装置が第2-1捕集分離膜108を含まない場合、前記第2捕集分離膜残留気体12を前記第1圧縮機101に循環させて二酸化炭素回収率を増加させることができる。第2-1捕集分離膜108を含む場合、前記第2捕集分離膜残留気体12のうち二酸化炭素が濃縮された第2-1捕集分離膜透過気体13のみを前記第1圧縮機101に循環させることができるので、第1圧縮機101に供給される気体の流量が減少し、圧縮時に必要なエネルギーを著しく減少させて工程経済性を向上させることができる。
【0045】
前記第2-1捕集分離膜残留気体14は二酸化炭素が稀で窒素が豊かな気体であり、外部に排出される。前記第1捕集分離膜残留気体6、前記第1-1捕集分離膜残留気体8及び前記第1回収分離膜残留気体23も窒素が豊かな気体である。よって、前記窒素が豊かな気体のうち低温状態の気体とともに混合された後、前記熱交換網を介して冷熱が回収された後、排出され得る。
【0046】
本発明が第2-1捕集分離膜108をさらに含む場合、前記第2捕集分離膜残留気体12を前記第1熱交換網200または前記第2熱交換網300で熱交換させず、第2-1捕集分離膜108に供給することが、第2-1捕集分離膜108が低温での分離工程によって分離効率を高めることができるという点で好ましい。
【0047】
本発明は、排ガス内二酸化炭素濃度によって第2捕集分離膜透過気体10を第3捕集分離膜透過気体27及び第3捕集分離膜残留気体28に分離する第3捕集分離膜118をさらに含むことができる。排ガス内二酸化炭素濃度が非常に低い場合、第2捕集分離膜透過部に第3捕集分離膜118をさらに導入して二酸化炭素回収率を増加させることができ、前記第2捕集分離膜透過気体10のうち第3捕集分離膜透過気体27のみが第2圧縮機110に供給される。
【0048】
前記第2圧縮機110は、第2圧縮機供給気体11を液化工程に要求される圧力である22~50bar、好ましくは22~31barに圧縮する。ここで、前記第2圧縮機供給気体11は、前記第1捕集分離膜透過気体5、第2捕集分離膜透過気体10または第3捕集分離膜透過気体27のうちのいずれか1種を含むことができる。
【0049】
一般的に、圧縮機に水分を除去するクーラーを含み、これを用いて流れ内の水分を除去するが、液化工程で微量の水分が残存して結氷する現象が発生すると、計測器のような機器の損傷及び故障の原因となり得る。これを防止するために、本発明の排ガス内二酸化炭素捕集装置は、液化熱交換器112の前段の気体の水分を除去する乾燥器をさらに含むことができる。乾燥器を通った気体流れの水分含量は、例えば約50ppm以下、好ましくは約30ppm以下、より好ましくは約10ppm以下であり、最も好ましくは水分を実質的に含まない。
【0050】
前記液化熱交換器112は、前記第2圧縮機で圧縮された気体15を分離塔113での分離精製及び二酸化炭素の液化に適した温度、好ましくは-35~-18℃に冷却させる。前記液化熱交換器112の冷媒としては、フレオン、窒素及びプロピレンなどを使用することができる。
【0051】
前記分離塔113は前記液化熱交換器で冷却された気体17を受け、これを分離および精製し、上端で二酸化炭素含有気体19を収得し、下端部で高純度二酸化炭素液体18を収得する。
【0052】
前記下端部で回収される高純度二酸化炭素液体18の二酸化炭素モル濃度は99%以上であり得、二酸化炭素の用途によって99.9%以上であり得る。
【0053】
前記二酸化炭素含有気体19は、第1回収分離膜115に供給されるに先立ち、前記熱交換網で捕集分離膜供給気体と熱交換して前記捕集分離膜供給気体を冷却させることができる。
【0054】
前記ドライアイス生成部114は、前記高純度二酸化炭素液体18を受けてドライアイス20に転換するチャンバー、及び前記高純度二酸化炭素液体18のうちドライアイス20に転換されなかった残余二酸化炭素気体21を排出する排出部を含む。ここで、前記ドライアイス生成部114には製造された高純度二酸化炭素液体18の全部が供給されることもできるが、必要に応じて一部のみが供給され得る。
【0055】
前記チャンバーは前記高純度二酸化炭素液体18を加圧及び冷却することにより、前記高純度二酸化炭素液体18がドライアイス20に転換できる圧力及び温度の範囲を具現する。このときの圧力及び温度は、0.3~1bar及び-80~-45℃、好ましくは0.6~0.8bar及び-78~-48℃であり得る。
【0056】
前記高純度二酸化炭素液体18の100%がドライアイス20に転換されなく、残余二酸化炭素気体21が排出される。ここで、前記残余二酸化炭素気体21の温度は-78~-48℃の非常に低温状態であり、前記捕集分離膜で分離効率を高めるために、前記熱交換網を介して冷熱を回収することができる。
【0057】
したがって、前記熱交換網は、残余二酸化炭素気体21の冷熱を回収する回収熱交換器407をさらに含むことができる。前記残余二酸化炭素気体21は前記回収熱交換器407に供給され、温度が増加した回収熱交換器で加熱された気体55が収得される。前記回収熱交換器で加熱された気体55も約-25~-10℃の低温状態であるので、前記熱交換網で前記捕集分離膜供給気体とさらに熱交換して前記捕集分離膜供給気体を冷却させることができる。
【0058】
前記残余二酸化炭素気体21は二酸化炭素が豊かな気体であり、二酸化炭素を回収するために、前記第1捕集分離膜102、前記第2捕集分離膜106、前記第3捕集分離膜118及び前記第2圧縮機110のうちのいずれか一つ、好ましくは前記第1捕集分離膜102または前記第2捕集分離膜106、最も好ましくは前記第1捕集分離膜102に循環させることができる。
【0059】
前記残余二酸化炭素気体21を前記第1捕集分離膜102、前記第2捕集分離膜106または前記第3捕集分離膜118に循環させることが、捕集分離膜で低温分離工程を実施するのに効果的であるという点で好ましく、前記第1捕集分離膜102に循環させることが、分離膜で分離効率を著しく向上させることができるという点で最も好ましい。
【0060】
前記残余二酸化炭素気体21が前記第1捕集分離膜102、前記第2捕集分離膜106または前記第3捕集分離膜118に回収される場合、前記熱交換網を介して冷熱を回収するよりは冷熱回収なしに前記捕集分離膜に供給することが捕集分離膜供給気体の温度を低める効果が大きいので、冷熱を回収しないことが好ましい。
【0061】
前述した分離膜工程及び分離塔工程によって二酸化炭素を回収したが、二酸化炭素を高純度で回収するのには限界が存在した。よって、本発明は、前記分離塔113を経て上部で収得される二酸化炭素含有気体19の二酸化炭素を高純度で回収する第1回収分離膜115をさらに含むことにより、高純度の二酸化炭素気体を回収しながら、回収される流れの流量を減らして工程効率を向上させた。
【0062】
前記第1回収分離膜115は前記二酸化炭素含有気体19を相対的に二酸化炭素濃度が高い第1回収分離膜透過気体22及び相対的に二酸化炭素濃度が低い第1回収分離膜残留気体23に分離し、前記第1回収分離膜透過気体22を前記第1捕集分離膜102、前記第2捕集分離膜106、前記第3捕集分離膜118または前記第2圧縮機110のうちのいずれか一つ、好ましくは前記第1捕集分離膜102または前記第2捕集分離膜106に、最も好ましくは前記第1捕集分離膜102に循環させる。
【0063】
本発明は、前記分離塔113での二酸化炭素液化工程の後、分離塔113の上部で収得される二酸化炭素含有気体19を低温状態で第1回収分離膜115に供給して分離効率を高めるための追加的な圧縮または冷却工程なしに、二酸化炭素選択度が向上して分離効率が著しく向上することを特徴とする。特に、前記二酸化炭素含有気体19は-40~0℃の低温であり、冷熱が回収された後にも二酸化炭素分離効率が増大する温度範囲を外れないので、前記第1回収分離膜115に供給されるに先立ち、前記熱交換網を介して前記捕集分離膜供給気体と熱交換した後、第1回収分離膜115に供給され得る。
【0064】
前記第1回収分離膜115に供給される気体の温度は-40~0℃であり得る。
【0065】
前記第1回収分離膜透過気体22及び前記第1回収分離膜残留気体23のうちのいずれか1種以上は前記液化熱交換器112で冷却されて低温に維持された状態で前記熱交換網に供給されることにより、前記捕集分離膜供給気体と熱交換することができる。
【0066】
前記第1回収分離膜透過気体22は、前記第1捕集分離膜102、前記第2捕集分離膜106、前記第3捕集分離膜118及び前記第2圧縮機110のうちのいずれか一つ、好ましくは前記第1捕集分離膜102、前記第2捕集分離膜106または前記第3捕集分離膜118、より好ましくは前記第1捕集分離膜102に供給される気体と混合されて循環され得る。これにより、回収される二酸化炭素の量を増大させることができるだけでなく、工程内の気体の二酸化炭素分圧を高めて工程効率を向上させることができる。
【0067】
前記第1回収分離膜透過気体22を前記第1捕集分離膜102、前記第2捕集分離膜106または前記第3捕集分離膜118に循環させるとき、捕集分離膜で低温分離工程を実施するのに効果的であるという点で好ましく、前記第1捕集分離膜102に循環させることが分離膜で分離効率を著しく向上させることができるという点で最も好ましい。
【0068】
前述したように、前記残余二酸化炭素気体21も低温の流れであり、二酸化炭素を回収するために循環するので、前記残余二酸化炭素気体21及び前記第1回収分離膜透過気体22は混合された後、前記第1捕集分離膜102、前記第2捕集分離膜106、前記第3捕集分離膜118または前記第2圧縮機110のうちのいずれか一つ、好ましくは前記第1捕集分離膜102、前記第2捕集分離膜106または前記第3捕集分離膜118、より好ましくは前記第1捕集分離膜102または前記第2捕集分離膜106、最も好ましくは前記第1捕集分離膜102に循環させることができる。
【0069】
また、前記残余二酸化炭素気体21及び前記第1回収分離膜透過気体22が前記第1捕集分離膜102、前記第2捕集分離膜106または前記第3捕集分離膜118に循環する場合、前記熱交換網を介して冷熱を回収するよりは冷熱回収なしに前記捕集分離膜に供給することが温度を低める効果がより大きいので、冷熱を回収しないことが好ましい。
【0070】
前記第1回収分離膜残留気体23は二酸化炭素が稀で窒素が豊かな気体であり、外部に排出される。ここで、外部に排出されるに先立ち、前記熱交換網で熱交換してから排出され得る。また、前記第1捕集分離膜残留気体6、前記第1-1捕集分離膜残留気体8及び前記第2-1捕集分離膜残留気体14は窒素が豊かな気体であるので、これらのうち低温状態の流れは一緒に混合され、前記熱交換網で熱交換してから排出されることもできる。
【0071】
本発明は、前記第1回収分離膜残留気体23を相対的に二酸化炭素濃度の高い第2回収分離膜透過気体24及び二酸化炭素濃度の低い第2回収分離膜残留気体25に分離する第2回収分離膜117をさらに含むことができる。ここで、前記第2回収分離膜透過気体24は、前記第1捕集分離膜102、前記第2捕集分離膜106、前記第3捕集分離膜118または前記第2圧縮機110に循環することができる。
【0072】
前記第2回収分離膜透過気体24及び前記第2回収分離膜残留気体25は前記液化熱交換器112で冷却されて低温に維持された状態で、前記熱交換網を介して前記捕集分離膜供給気体と熱交換して前記捕集分離膜供給気体を冷却させることができる。
【0073】
前記第2回収分離膜117は、前記第1回収分離膜残留気体23に残存する二酸化炭素が濃縮された第2回収分離膜透過気体24を循環させて二酸化炭素回収率を増加させることができる。
【0074】
前記第2回収分離膜残留気体25は前記外部に排出される低温の気体と混合されて外部に排出されることもできる。
【0075】
前記第1回収分離膜115及び前記第2回収分離膜117の材質は互いに同一であるかまたは異なり、ポリスルホン(PSF)またはポリイミド(PI)のうちのいずれか1種以上の材質からなり得る。
【0076】
下記の表1および表2はポリスルホン(PSF)またはポリイミド(PI)材質の分離膜の温度による選択度を示すものである。これを参照すると、ポリスルホン(PSF)またはポリイミド(PI)材質の分離膜は低温で二酸化炭素選択度が大きく増加することが分かる。一方、ポリスルホン(PSF)またはポリイミド(PI)の他のポリアミド(polyamide)またはポリエーテル(polyether)などのような他の材質の分離膜は低温で二酸化炭素選択度の向上効果が小さいから低温工程に適用するのに適しない。
【0077】
【0078】
【0079】
すなわち、前記第1回収分離膜115及び前記第2回収分離膜117は前記液化熱交換器112で冷却された気体が供給され、低温で分離工程が実施されるので、ポリスルホン(PSF)及びポリイミド(PI)分離膜素材の特性を考慮すると、低温で実施すると二酸化炭素分離効率が著しく増加するという点で、ポリスルホン(PSF)及びポリイミド(PI)のうちのいずれか1種以上の材質であることが好ましい。
【0080】
以下では前記熱交換網についてより詳細に説明する。
【0081】
本発明が前記第2捕集分離膜106を含まない場合、前記熱交換網は、前記第1捕集分離膜102に供給される第1圧縮機で圧縮された気体3を冷却させる第1熱交換網200であり得る。
【0082】
以下では、第2捕集分離膜106を含まず、前記熱交換網が第1熱交換網200の場合を説明する。
【0083】
前記第1熱交換網200は、前記第1圧縮機で圧縮された気体3を前記第1捕集分離膜透過気体5、前記第1捕集分離膜残留気体6、前記第1-1捕集分離膜透過気体7、前記第1-1捕集分離膜残留気体8、前記二酸化炭素含有気体19、前記残余二酸化炭素気体21、前記第1回収分離膜透過気体22、前記第1回収分離膜残留気体23、前記第2回収分離膜透過気体24及び前記第2回収分離膜残留気体25のうちのいずれか1種以上と熱交換させて冷却させるものであり得る。
【0084】
本発明が第1熱交換網200を含む場合、前記第1捕集分離膜透過気体5は前記第1熱交換網200を介して冷却されて低温に維持された状態で、前記第1熱交換網200を介して前記第1圧縮機で圧縮された気体3と熱交換した後、前記第2圧縮機110に供給され得る。
【0085】
本発明が第1熱交換網200を含む場合、前記第1捕集分離膜残留気体6は前記第1熱交換網200を介して冷却されて低温に維持された状態で、前記第1捕集分離膜残留気体6が外部に排出されるとき、前記第1熱交換網200を介して前記第1圧縮機で圧縮された気体3と熱交換した後、外部に排出され得る。
【0086】
前記第1捕集分離膜残留気体6が第1-1捕集分離膜104に供給されるとき、前記第1熱交換網200によって冷熱が回収されると、前記第1-1捕集分離膜104による分離工程が低温で行われないので、前記第1捕集分離膜残留気体6の冷熱を回収せず、すぐ前記第1-1捕集分離膜104に供給されることが好ましい。
【0087】
本発明の排ガス内二酸化炭素捕集装置が第2捕集分離膜106をさらに含む場合、前記熱交換網は、第1捕集分離膜102に供給される第1圧縮機で圧縮された気体3を冷却させる第1熱交換網200または第2捕集分離膜106に供給される前記第1捕集分離膜透過気体5を冷却させる第2熱交換網300、400のうちのいずれか一つ以上であり得る。
【0088】
以下では、第2捕集分離膜106を含み、前記熱交換網が第1熱交換網200の場合を説明する。
【0089】
前記第1熱交換網200は、前記第1圧縮機で圧縮された気体3を前記第1捕集分離膜透過気体5、前記第1捕集分離膜残留気体6、前記第1-1捕集分離膜透過気体7、前記第1-1捕集分離膜残留気体8、前記二酸化炭素含有気体19、前記残余二酸化炭素気体21、前記第1回収分離膜透過気体22、前記第1回収分離膜残留気体23、第2回収分離膜透過気体24及び第2回収分離膜残留気体25のうちのいずれか1種以上と熱交換させて冷却させるものであり得る。
【0090】
前記第1捕集分離膜透過気体5は前記第1熱交換網200を介して冷却されて低温に維持された状態で、前記第1熱交換網200を介して前記第1圧縮機で圧縮された気体3と熱交換した後、前記第2捕集分離膜106に供給され得る。
【0091】
前記第1捕集分離膜残留気体6は前記第1熱交換網200を介して冷却されて低温に維持された状態で、前記第1熱交換網200を介して前記第1圧縮機で圧縮された気体3と熱交換した後、外部に排出され得る。ただし、前記第1捕集分離膜残留気体6が第1-1捕集分離膜104に供給される場合、前記第1熱交換網200に供給されず、すぐ前記第1-1捕集分離膜104に供給され得る。
【0092】
一般的に、前記第1捕集分離膜透過気体5は、圧力比を高めて分離効率を高めるために、真空ポンプを介して前記第2捕集分離膜106に供給される。真空ポンプを通った第1捕集分離膜透過気体5は温度が上昇するので、低温状態ではない。したがって、第2熱交換網300を含まない場合、第2捕集分離膜106及び第2-1捕集分離膜108を経た気体流れはいずれも低温状態ではないので、前記熱交換網に供給されないことが好ましい。
【0093】
以下では、第2捕集分離膜106を含み、前記熱交換網が第2熱交換網400の場合を説明する。本発明が第2捕集分離膜106をさらに含む場合、前記熱交換網が第2熱交換網400を含むことが第1熱交換網200のみを含むよりは工程エネルギー減少の側面で好ましい。
【0094】
前記第2熱交換網400は、前記第1捕集分離膜透過気体5を前記第2捕集分離膜透過気体10、前記第2捕集分離膜残留気体12、前記第2-1捕集分離膜透過気体13、前記第2-1捕集分離膜残留気体14、前記二酸化炭素含有気体19、前記残余二酸化炭素気体21、前記第1回収分離膜透過気体22、前記第1回収分離膜残留気体23、第2回収分離膜透過気体24及び第2回収分離膜残留気体25のうちのいずれか1種以上と熱交換させて冷却させるものであり得る。
【0095】
好ましくは、前記第2熱交換網400は、前記第1捕集分離膜透過気体5を前記第2捕集分離膜透過気体10、前記第2-1捕集分離膜透過気体13、前記第2-1捕集分離膜残留気体14、前記二酸化炭素含有気体19、前記第1回収分離膜透過気体22及び前記第1回収分離膜残留気体23の全部と熱交換させて冷却させるものであり得る。より好ましくは、前記第2熱交換網400は、前記第1捕集分離膜透過気体5を前記残余二酸化炭素気体21とさらに熱交換させることができる。
【0096】
より好ましくは、前記第2熱交換網400は、前記第1捕集分離膜透過気体5と前記第1回収分離膜透過気体22とを熱交換させる第2-2熱交換器402と、前記第2-2熱交換器で冷却された第1捕集分離膜透過気体42と前記第2-1捕集分離膜透過気体13とを熱交換させる第2-3熱交換器403と、前記第2-3熱交換器で冷却された第1捕集分離膜透過気体43と前記第2-1捕集分離膜残留気体14及び前記第1回収分離膜残留気体23のうちのいずれか1種以上とを熱交換させる第2-4熱交換器404と、前記第2-4熱交換器で冷却された第1捕集分離膜透過気体44と前記第2捕集分離膜透過気体10とを熱交換させる第2-5熱交換器405と、前記第2-5熱交換器で冷却された第1捕集分離膜透過気体45と前記二酸化炭素含有気体19とを熱交換させる第2-6熱交換器406と、を含むことができる。
【0097】
さらにより好ましくは、前記第2熱交換網400は、前記第1捕集分離膜透過気体5と前記残余二酸化炭素気体21とを熱交換させる第2-1熱交換器401と、前記第2-1熱交換器で冷却された第1捕集分離膜透過気体41と前記第1回収分離膜透過気体22とを熱交換させる第2-2熱交換器402と、前記第2-2熱交換器で冷却された第1捕集分離膜透過気体42と前記第2-1捕集分離膜透過気体13とを熱交換させる第2-3熱交換器403と、前記第2-3熱交換器で冷却された第1捕集分離膜透過気体43と前記第2-1捕集分離膜残留気体14及び前記第1回収分離膜残留気体23のうちのいずれか1種以上とを熱交換させる第2-4熱交換器404と、前記第2-4熱交換器で冷却された第1捕集分離膜透過気体44と前記第2捕集分離膜透過気体10とを熱交換させる第2-5熱交換器405と、前記第2-5熱交換器で冷却された第1捕集分離膜透過気体45と前記二酸化炭素含有気体19とを熱交換させる第2-6熱交換器406と、を含むことができ、最も好ましくは、前記第2-6熱交換器で冷却された第1捕集分離膜透過気体46と前記残余二酸化炭素気体21とを熱交換させる回収熱交換器407をさらに含み、前記第2-1熱交換器401に供給される残余二酸化炭素気体21は前記残余二酸化炭素気体21が前記回収熱交換器で加熱された気体55であり得る。特に、前記熱交換網が前記第2-1~第2-6熱交換器及び回収熱交換器407を含む場合、前記第1捕集分離膜透過気体5を目標値だけ冷却させるのに必要なエネルギーを著しく減少させることができることを確認した。
【0098】
前記第2捕集分離膜透過気体10は前記第2熱交換網400を介して冷却されて低温に維持された状態で、前記第2熱交換網400で冷熱が回収された後、第2圧縮機110または前記第3捕集分離膜118に供給され得る。
【0099】
前記第2捕集分離膜残留気体12は、前記第2熱交換網400を介して冷却されて低温に維持された状態で外部に排出されるとき、前記第2熱交換網400で冷熱が回収された後、外部に排出され得る。ただし、前記第2捕集分離膜残留気体12が前記第2-1捕集分離膜108に供給されるとき、冷熱を回収しないことが好ましい。
【0100】
本発明が第2-1捕集分離膜108をさらに含む場合、前記第2-1捕集分離膜透過気体13及び前記第2-1捕集分離膜残留気体14が低温に維持された状態で、これらのうちのいずれか一つ以上は前記第2熱交換網400を介して前記第1捕集分離膜透過気体5と熱交換して二酸化炭素分離効率を高めることができる。
【0101】
以下では、第2捕集分離膜106を含み、前記熱交換網が第1熱交換網200及び第2熱交換網300の両者を含む場合を説明する。
【0102】
前記第1熱交換網200は、前記第1圧縮機で圧縮された気体3を前記第1捕集分離膜透過気体5、前記第1捕集分離膜残留気体6、前記第1-1捕集分離膜透過気体7、前記第1-1捕集分離膜残留気体8、前記第2捕集分離膜透過気体10、前記第2捕集分離膜残留気体12、前記第2-1捕集分離膜透過気体13、前記第2-1捕集分離膜残留気体14、前記二酸化炭素含有気体19、前記残余二酸化炭素気体21、前記第1回収分離膜透過気体22、前記第1回収分離膜残留気体23、第2回収分離膜透過気体24及び第2回収分離膜残留気体25のうちのいずれか1種以上と熱交換させて冷却させるものであり得る。
【0103】
前記第2熱交換網300は、前記第1捕集分離膜透過気体5を前記第1捕集分離膜残留気体6、前記第1-1捕集分離膜透過気体7、前記第1-1捕集分離膜残留気体8、前記第2捕集分離膜透過気体10、前記第2捕集分離膜残留気体12、前記第2-1捕集分離膜透過気体13、前記第2-1捕集分離膜残留気体14、前記二酸化炭素含有気体19、前記残余二酸化炭素気体21、前記第1回収分離膜透過気体22、前記第1回収分離膜残留気体23、第2回収分離膜透過気体24及び第2回収分離膜残留気体25のうちのいずれか1種以上と熱交換させて冷却させるものであり得る。
【0104】
好ましくは、前記第1熱交換網200は、前記第1圧縮機で圧縮された気体3を前記第1捕集分離膜透過気体5、前記第1捕集分離膜残留気体6、前記第2-1捕集分離膜透過気体13、前記第2-1捕集分離膜残留気体14及び前記第1回収分離膜残留気体23のうちのいずれか1種以上と熱交換させて冷却させるものであり、前記第2熱交換網300は、前記第1捕集分離膜透過気体5を前記第1捕集分離膜残留気体6、前記第2捕集分離膜透過気体10、前記第2-1捕集分離膜残留気体14及び前記第1回収分離膜残留気体23のうちのいずれか1種以上と熱交換させて冷却させるものであり得る。
【0105】
最も好ましくは、前記第1熱交換網200は、前記第1圧縮機で圧縮された気体3を前記第2-1捕集分離膜透過気体13と熱交換させる第1-1熱交換器201と、前記第1-1熱交換器で冷却された、第1圧縮機で圧縮された気体31を前記第1捕集分離膜透過気体5と熱交換させる第1-2熱交換器202と、前記第1-2熱交換器で冷却された、第1圧縮機で圧縮された気体32を前記第1捕集分離膜残留気体6、前記第2-1捕集分離膜残留気体14及び前記第1回収分離膜残留気体23のうちのいずれか1種以上を含む窒素豊富気体35と熱交換させる第1-3熱交換器203と、を含み、前記第2熱交換網300は、前記第1捕集分離膜透過気体5を第2捕集分離膜透過気体10と熱交換させる第2-1熱交換器301と、前記第2-1熱交換器で冷却された第1捕集分離膜透過気体61を前記第1-3熱交換器で加熱された気体38と熱交換させる第2-2熱交換器302と、を含むことができる。特に、前記熱交換網が前記第1-1熱交換器及び第1-2熱交換器を含む第1熱交換網200及び前記第2-1~第2-2熱交換器を含む第2熱交換網300から構成された場合、必要なエネルギーを最小化しながら二酸化炭素分離効率を極大化することができる温度まで追加的なエネルギー消費なしに冷却させることができることを確認した。
【0106】
前記第1捕集分離膜透過気体5は前記第1熱交換網200を介して冷却されて低温に維持された状態で、前記熱交換網を介して冷熱が回収され得る。
【0107】
前記第1捕集分離膜残留気体6は前記第1熱交換網200を介して冷却されて低温に維持された状態で、前記熱交換網に供給されて冷熱が回収された後、外部に排出され得る。ただし、前記第1捕集分離膜残留気体6が第1-1捕集分離膜104に供給される場合、前記熱交換網に供給されず、すぐ前記第1-1捕集分離膜104に供給されることが好ましい。
【0108】
前記第2捕集分離膜透過気体10は前記熱交換網を介して冷却された状態で、前記熱交換網に供給されて冷熱が回収された後、第2圧縮機110に供給され得る。
【0109】
前記第2捕集分離膜残留気体12が外部に排出されるとき、排出に先立ち、前記熱交換網を介して冷熱が回収された後、外部に排出され得る。
【0110】
前記第2捕集分離膜残留気体12が前記第2-1捕集分離膜108に供給されるとき、前記第2捕集分離膜残留気体12の冷熱を回収しないことが好ましい。
【0111】
本発明が第2-1捕集分離膜108をさらに含む場合、前記第2-1捕集分離膜透過気体13及び前記第2-1捕集分離膜残留気体14は低温に維持された状態で、前記第2-1捕集分離膜透過気体13及び前記第2-1捕集分離膜残留気体14のうちのいずれか1種以上は前記第1熱交換網200または前記第2熱交換網300を介して前記捕集分離膜供給気体と熱交換して二酸化炭素分離効率を高めることができる。
【0112】
本発明の排ガス内二酸化炭素捕集装置が第3捕集分離膜118をさらに含む場合、前記熱交換網は前記第1捕集分離膜102に供給される第1圧縮機で圧縮された気体3を冷却させる第1熱交換網200と、前記第2捕集分離膜106に供給される前記第1捕集分離膜透過気体5を冷却させる第2熱交換網300、400と、前記第2捕集分離膜透過気体10を工程内の低温流れと熱交換させて冷却させる第3熱交換とのうちのいずれか一つ以上であり得る。ここで、二酸化炭素回収率の増加のために、第3捕集分離膜118の残留部に分離膜をさらに設けることもできる。
【0113】
一方、前記第1熱交換網200は、前記第1圧縮機で圧縮された気体3を冷媒と熱交換させてさらに冷却させる第1冷却熱交換器204をさらに含むことにより、第1捕集分離膜102に供給される気体を二酸化炭素分離効率が極大化する温度まで冷却させることができる。
【0114】
また、前記第2熱交換網300、400は、前記第1捕集分離膜透過気体5を冷媒と熱交換させてさらに冷却させる第2冷却熱交換器303、408をさらに含むことにより、第2捕集分離膜106に供給される気体を二酸化炭素分離効率が極大化する温度まで冷却させることができる。
【0115】
ここで、前記第1冷却熱交換器204または前記第2冷却熱交換器303、408は前記液化熱交換器112の冷媒容量を増やして増加した容量の一部を使用するものであり得、捕集分離膜で二酸化炭素分離効率を増加させる効果に比べて、液化熱交換器112の容量を増加させることによるエネルギー消費は少ない。
【0116】
前記第1捕集分離膜残留気体6、第2-1捕集分離膜残留気体14及び第1回収分離膜残留気体23のうちのいずれか1種以上を含む窒素豊富気体は前記熱交換網で加熱された後にも充分に低い温度を有するので、前記第1-3熱交換器203及び第2-2熱交換器302で加熱された窒素豊富気体64を前記第2圧縮機で圧縮された気体15と熱交換させて、前記第2圧縮機で圧縮された気体15を冷却させる追加熱交換器111をさらに含むことができ、よって、前記液化熱交換器112で冷却に必要なエネルギーを減少させることができる。
【0117】
本発明が追加熱交換器111をさらに含む場合、前記液化熱交換器112は追加熱交換器で冷却された、第2圧縮機で圧縮された気体16を冷却させることができる。
【0118】
前記第1捕集分離膜102、第1-1捕集分離膜104、第2捕集分離膜106、第3捕集分離膜118及び第2-1捕集分離膜108の材質は互いに同一であるかまたは異なり、ポリスルホン(PSF)またはポリイミド(PI)のうちのいずれか1種以上の材質からなるものであり得る。
【0119】
前述したように、ポリスルホン(PSF)及びポリイミド(PI)の分離膜素材の特性を考慮する場合、低温で実施するときに二酸化炭素分離効率が著しく増加するという点で好ましい。
【0120】
特に、本発明の排ガス内二酸化炭素捕集装置が第1熱交換網200を含む場合は、前記第1捕集分離膜102および前記第1-1捕集分離膜104に供給される気体が低温状態であり、第2熱交換網300、400を含む場合は、前記第2捕集分離膜106及び前記第2-1捕集分離膜108に供給される気体が低温であり、第3熱交換網を含む場合は、前記第3捕集分離膜118に供給される気体が低温である。よって、前記捕集分離膜がポリスルホン(PSF)またはポリイミド(PI)のうちのいずれか1種以上の材質からなることが二酸化炭素分離効率を著しく向上させるという点でより好ましい。
【0121】
より具体的には、本発明の排ガス内二酸化炭素捕集装置が第1熱交換網200を含む場合、前記第1捕集分離膜102及び第1-1捕集分離膜104に供給される気体の温度は-40~10℃であり、最も好ましくは-25~-15℃であり、第2熱交換網300、400を含む場合、前記第2捕集分離膜106及び第2-1捕集分離膜108に供給される気体の温度は-40~0℃であり、最も好ましくは-25~-15℃である。
【0122】
本発明の他の側面は、排ガス1を含む第1圧縮機供給気体2を第1圧縮機101で圧縮する第1圧縮段階と、前記第1圧縮機で圧縮された気体3を含む第1捕集分離膜供給気体4を第1捕集分離膜102に供給して第1捕集分離膜透過気体5及び第1捕集分離膜残留気体6に分離する第1捕集段階と、前記第1捕集分離膜透過気体5を含む第2圧縮機供給気体11を第2圧縮機110で圧縮させる第2圧縮段階と、前記第2圧縮機で圧縮された気体15を液化熱交換器112で冷却させる液化段階と、前記液化熱交換器で冷却された気体17を分離塔に供給して高純度二酸化炭素液体18及び二酸化炭素含有気体19に分離する分離精製段階と、前記二酸化炭素含有気体19を第1回収分離膜115に供給し、前記第1回収分離膜115を透過する第1回収分離膜透過気体22を前記第1圧縮機101、前記第1捕集分離膜102または前記第2圧縮機110に循環させる第1回収段階と、を含む排ガス内二酸化炭素捕集工程を提供する。
【0123】
本発明は、前記第1捕集分離膜透過気体5を含む第2捕集分離膜供給気体9を第2捕集分離膜106に供給して第2捕集分離膜透過気体10及び第2捕集分離膜残留気体12に分離する第2捕集段階をさらに含むことができる。ここで、前記第2圧縮段階は、前記第1捕集分離膜透過気体5のうち前記第2捕集分離膜透過気体10のみを前記第2圧縮機110で圧縮するものである。
【0124】
本発明は、前記高純度二酸化炭素液体18をドライアイス20に転換し、ドライアイス20に転換されなかった残余二酸化炭素気体21を収得するドライアイス製造段階をさらに含むことができる。
【0125】
前記第1圧縮機で圧縮された気体3及び前記第1捕集分離膜透過気体5のうちのいずれか1種以上の捕集分離膜供給気体を分離膜に供給するに先立ち、前記第1捕集分離膜透過気体5、前記第1捕集分離膜残留気体6、前記第2捕集分離膜透過気体10、前記第2捕集分離膜残留気体12、前記二酸化炭素含有気体19、前記残余二酸化炭素気体21、前記第1回収分離膜透過気体22、前記第1回収分離膜残留気体23、前記第2回収分離膜透過気体24及び前記第2回収分離膜残留気体25のうちのいずれか1種以上と熱交換させて冷却させる熱交換段階をさらに含むことができる。
【0126】
本発明の一具現例によれば、前記第1圧縮機で圧縮された気体3を前記第1捕集分離膜102に供給するに先立ち、熱交換網を介して前記第1捕集分離膜透過気体5、前記第1捕集分離膜残留気体6、前記二酸化炭素含有気体19、前記残余二酸化炭素気体21、前記第1回収分離膜透過気体22、前記第1回収分離膜残留気体23、第2回収分離膜透過気体24及び第2回収分離膜残留気体25のうちのいずれか1種以上と熱交換させる熱交換段階をさらに含むことができる。
【0127】
前記第1圧縮段階は、第1圧縮機供給気体2を第1圧縮機101で圧縮して、第1捕集分離膜102での分離工程を実施する圧力比を具現し、より具体的には、前記第1圧縮機供給気体2を2~5bar、好ましくは2.2~3.5barの圧力に圧縮するものであり得る。
【0128】
仮に、本発明が熱交換段階をさらに含む場合、前記第1圧縮機101は、供給される気体流れを1.1~3.5bar、好ましくは1.2~2.0barの圧力に圧縮するものであり得る。
【0129】
前記第1圧縮機供給気体2は排ガス1を含む気体であり、前記排ガス1と第1-1捕集分離膜透過気体7、第2捕集分離膜残留気体12、第2-1捕集分離膜透過気体13及び前記第1回収分離膜透過気体22のうちのいずれか1種以上とが混合された気体であり得、好ましくは前記排ガス1と第1-1捕集分離膜透過気体7、第2捕集分離膜残留気体12及び第2-1捕集分離膜透過気体13のうちのいずれか1種以上とが混合された気体であり、より好ましくは排ガス1と第2-1捕集分離膜透過気体13とが混合された気体である。
【0130】
前記第1捕集段階は、前記第1捕集分離膜供給気体4を第1捕集分離膜102に供給して、相対的に二酸化炭素が豊かな第1捕集分離膜透過気体5及び二酸化炭素が稀な第1捕集分離膜残留気体6に分離する段階である。
【0131】
前記第1捕集分離膜供給気体4は、前記第1圧縮機で圧縮された気体3またはこれと前記残余二酸化炭素気体21及び前記第1回収分離膜透過気体22のうちのいずれか1種以上とが混合された気体、好ましくは前記第1圧縮機で圧縮された気体3、前記残余二酸化炭素気体21及び前記第1回収分離膜透過気体22が混合された気体であり得る。
【0132】
本発明の排ガス内二酸化炭素捕集工程が第2捕集段階をさらに含む場合、前記第1捕集分離膜透過気体5を第2捕集分離膜106に供給し、第2捕集段階を含まない場合、第2圧縮機110に供給する。
【0133】
前記第1捕集分離膜残留気体6は外部に排出されるか、または第1-1捕集分離膜104に供給され得る。
【0134】
本発明は、前記第1捕集分離膜残留気体6の残存二酸化炭素を回収するために、前記第1捕集分離膜残留気体6を第1-1捕集分離膜104に供給して、相対的に二酸化炭素が豊かな第1-1捕集分離膜透過気体7及び二酸化炭素が稀な第1-1捕集分離膜残留気体8に分離し、前記第1-1捕集分離膜透過気体7を前記第1圧縮機101に循環させる第1-1捕集段階をさらに含むことができる。
【0135】
前記第2捕集段階は、前記第1捕集分離膜透過気体5を含む第2捕集分離膜供給気体9を第2捕集分離膜106に供給して、前記第1捕集分離膜透過気体5よりも二酸化炭素濃度が増加した第2捕集分離膜透過気体10及び二酸化炭素が稀な第2捕集分離膜残留気体12に分離する段階である。
【0136】
前記第2捕集分離膜供給気体9は、前記第1捕集分離膜透過気体5またはこれと前記残余二酸化炭素気体21、前記第1回収分離膜透過気体22、前記第2回収分離膜透過気体24及び第3捕集分離膜透過気体28のうちのいずれか1種以上とが混合された気体であり得る。
【0137】
本発明の排ガス内二酸化炭素捕集工程が第3捕集段階をさらに含む場合、前記第2捕集分離膜透過気体10は第3捕集分離膜118に供給され、第3捕集段階を含まない場合、第2圧縮機110に供給され得る。
【0138】
前記第2捕集分離膜残留気体12は外部に排出されるか、または前記第1圧縮機101または第2-1捕集分離膜108に供給され得る。
【0139】
前記第2-1捕集段階は、前記第2捕集分離膜残留気体12を第2-1捕集分離膜108に供給して、相対的に二酸化炭素濃度が高い第2-1捕集分離膜透過気体13及び相対的に二酸化炭素濃度が低い第2-1捕集分離膜残留気体14に分離する段階である。
【0140】
前記第2-1捕集分離膜透過気体13は前記第1圧縮機101に循環させることができ、これにより二酸化炭素回収率が増加する。
【0141】
前記第2-1捕集分離膜残留気体14は二酸化炭素が稀で窒素が豊かな気体であり、外部に排出され、前記第1捕集分離膜残留気体6、前記第1-1捕集分離膜残留気体8及び第1回収分離膜残留気体23も窒素が豊かな気体である。よって、前記窒素が豊かな気体のうち低温状態の気体とともに混合された後、前記熱交換段階で冷熱が回収された後、排出され得る。
【0142】
本発明の排ガス内二酸化炭素捕集工程は、二酸化炭素濃度によって第2捕集分離膜透過気体10を第3捕集分離膜118に供給して、第3捕集分離膜透過気体27及び第3捕集分離膜残留気体28に分離する第3捕集段階をさらに含むことができる。ここで、前記第2捕集分離膜透過気体10のうち第3捕集分離膜透過気体27のみを第2圧縮機110に供給する。
【0143】
前記第2圧縮段階は、第2圧縮機供給気体11を第2圧縮機110で圧縮して、液化工程に要求される圧力、好ましくは22~50bar、好ましくは22~31barに圧縮する段階である。
【0144】
前記第2圧縮機供給気体11は、前記第1捕集分離膜透過気体5、第2捕集分離膜透過気体10または第3捕集分離膜透過気体27を含むものであり得る。
【0145】
前記液化段階は、前記第2圧縮機で圧縮された気体15を液化熱交換器112で冷却させて、分離塔113での分離精製及び二酸化炭素の液化に適した温度、好ましくは-35~-18℃に冷却させる段階である。
【0146】
前記分離精製段階は、前記液化熱交換器で冷却された気体17を分離塔113に供給して分離精製した後、下端で高純度二酸化炭素液体18を収得し、上端で二酸化炭素含有気体19を収得する段階である。
【0147】
前記二酸化炭素含有気体19は、第1回収分離膜115に供給されるに先立ち、前記熱交換段階で捕集分離膜供給気体と熱交換して前記捕集分離膜供給気体を冷却させることができる。
【0148】
前記ドライアイス製造段階は、前記高純度二酸化炭素液体18をドライアイス20に転換させる。
【0149】
前記高純度二酸化炭素液体18は100%がドライアイス20に転換されないので、残余二酸化炭素気体21が収得される。
【0150】
前記残余二酸化炭素気体21は二酸化炭素が豊かな気体であり、二酸化炭素を回収するために、前記第1捕集分離膜102、前記第2捕集分離膜106、前記第3捕集分離膜118及び前記第2圧縮機110のうちのいずれか1種、好ましくは前記第1捕集分離膜102または前記第2捕集分離膜106、最も好ましくは前記第1捕集分離膜102に循環させることができる。
【0151】
前記残余二酸化炭素気体21を前記第1捕集分離膜102、前記第2捕集分離膜106または前記第3捕集分離膜118に回収する場合、前記熱交換網を介して冷熱を回収せず、前記捕集分離膜に供給することが温度を低める効果がより大きいので好ましい。
【0152】
前記残余二酸化炭素気体21の温度は約-78~-48℃の非常に低温状態である。よって、その冷熱を回収するために、回収熱交換器407によって前記捕集分離膜供給気体を前記残余二酸化炭素気体21と熱交換させて前記残余二酸化炭素気体21の冷熱を回収する回収熱交換段階をさらに含むことができる。
【0153】
前記回収熱交換段階で回収熱交換器で加熱された気体55が収得される。前記回収熱交換器で加熱された気体55も約-25~-10℃の低温状態であるので、前記熱交換段階で前記捕集分離膜供給気体とさらに熱交換して前記捕集分離膜供給気体を冷却させることができる。
【0154】
本発明は、前記二酸化炭素含有気体19を第1回収分離膜115に供給して、前記第1回収分離膜115を透過して相対的に二酸化炭素濃度が高い第1回収分離膜透過気体22および前記第1回収分離膜115に残留して相対的に二酸化炭素濃度が低い第1回収分離膜残留気体23に分離する第1回収段階を含むことにより、前記二酸化炭素含有気体19の残存二酸化炭素を回収して高純度の二酸化炭素気体を回収し、排出される二酸化炭素の量を著しく減少させた。
【0155】
特に、前記二酸化炭素含有気体19は-40~0℃の低温であり、冷熱を回収した後にも二酸化炭素分離効率が向上する温度範囲を外れないので、前記第1回収分離膜115に供給されるに先立ち、前記熱交換段階で前記捕集分離膜供給気体と熱交換して冷熱が回収された後、第1回収分離膜115に供給され得る。
【0156】
前記第1回収段階で、前記第1回収分離膜115に供給される気体の温度は-40~0℃であり得る。
【0157】
前記第1回収分離膜透過気体22及び前記第1回収分離膜残留気体23は前記液化段階で冷却されて低温に維持された状態であり、これらのうちのいずれか1種以上は前記熱交換段階で前記捕集分離膜供給気体と熱交換することができる。
【0158】
前記第1回収分離膜透過気体22は、前記第1捕集分離膜102、前記第2捕集分離膜106、前記第3捕集分離膜118及び前記第2圧縮機110のうちのいずれか一つ、好ましくは前記第1捕集分離膜102、前記第2捕集分離膜106または前記第3捕集分離膜118に、最も好ましくは前記第1捕集分離膜102に循環することができる。
【0159】
前記第1回収分離膜透過気体22が前記第1捕集分離膜102、前記第2捕集分離膜106または前記第3捕集分離膜118に循環する場合、前記熱交換段階で冷熱を回収しないことが好ましい。
【0160】
前記第1回収分離膜残留気体23は二酸化炭素が稀な窒素豊富気体であり、外部に排出され、外部に排出されるに先立ち、前記熱交換段階で冷熱が回収された後、排出され得る。また、前述したように、前記第1捕集分離膜残留気体6、前記第1-1捕集分離膜残留気体8及び前記第2-1捕集分離膜残留気体14のうちのいずれか1種以上とともに熱交換してから排出され得る。
【0161】
本発明の一具現例によれば、前記第1回収分離膜残留気体23を第2回収分離膜117に供給して、相対的に二酸化炭素濃度が高い第2回収分離膜透過気体24及び二酸化炭素濃度が低い第2回収分離膜残留気体25に分離し、前記第2回収分離膜透過気体24を前記第1捕集分離膜102、前記第2捕集分離膜106、前記第3捕集分離膜118または前記第2圧縮機110に循環させる第2回収段階をさらに含むことができる。
【0162】
前記第2回収分離膜透過気体24及び前記第2回収分離膜残留気体25のうちのいずれか1種以上は前記捕集分離膜供給気体と熱交換することができる。
【0163】
前記第2回収分離膜残留気体25は外部に排出され得る。
【0164】
前記第1回収分離膜115及び前記第2回収分離膜117は前記液化熱交換器112で冷却された気体が供給され、低温で分離工程が行われるので、ポリスルホン(PSF)及びポリイミド(PI)分離膜素材の特性を考慮すると、低温で実施すると二酸化炭素分離効率が著しく向上するという点で、ポリスルホン(PSF)及びポリイミド(PI)のうちのいずれか1種以上の材質であることが好ましい。
【0165】
本発明の排ガス内二酸化炭素捕集工程が第2捕集段階を含まない場合、前記熱交換段階は、第1熱交換網200によって、前記第1捕集分離膜102に供給される、第1圧縮機で圧縮された気体3を冷却させるものであり得る。
【0166】
以下では、第2捕集段階を含まず、前記熱交換段階が第1熱交換網200によって前記第1圧縮機で圧縮された気体3を冷却させる場合を説明する。
【0167】
前記熱交換段階は、前記第1圧縮機で圧縮された気体3を前記第1捕集分離膜透過気体5、前記第1捕集分離膜残留気体6、前記第1-1捕集分離膜透過気体7、前記第1-1捕集分離膜残留気体8、前記二酸化炭素含有気体19、前記残余二酸化炭素気体21、前記第1回収分離膜透過気体22、前記第1回収分離膜残留気体23、前記第2回収分離膜透過気体24及び前記第2回収分離膜残留気体25のうちのいずれか1種以上と熱交換させて冷却させるものであり得る。
【0168】
前記第1捕集分離膜透過気体5は前記熱交換段階で冷却されて低温に維持された状態で前記熱交換段階で前記第1圧縮機で圧縮された気体3と熱交換した後、前記第2圧縮機110に供給され得る。
【0169】
前記第1捕集分離膜残留気体6は前記熱交換段階で冷却されて低温に維持された状態で外部に排出される場合、前記熱交換段階で前記第1圧縮機で圧縮された気体3と熱交換した後、外部に排出され得る。
【0170】
前記第1捕集分離膜残留気体6が第1-1捕集分離膜104に供給される場合、前記熱交換段階で冷熱が回収されず、すぐ前記第1-1捕集分離膜104に供給されることが好ましい。
【0171】
本発明の排ガス内二酸化炭素捕集工程が第2捕集段階をさらに含む場合、前記熱交換段階は、第1熱交換網200によって、前記第1捕集分離膜102に供給される第1圧縮機で圧縮された気体3を冷却させる段階、および第2熱交換網300、400によって、前記第2捕集分離膜106に供給される第1捕集分離膜透過気体5を冷却させる段階のうちのいずれか一つ以上を含むことができる。
【0172】
以下では、第2捕集段階を含み、前記熱交換段階が第1熱交換網200によって第1圧縮機で圧縮された気体3を冷却させる場合を説明する。
【0173】
前記熱交換段階は、前記第1熱交換網200によって、前記第1圧縮機で圧縮された気体3を前記第1捕集分離膜透過気体5、前記第1捕集分離膜残留気体6、前記第1-1捕集分離膜透過気体7、前記第1-1捕集分離膜残留気体8、前記二酸化炭素含有気体19、前記残余二酸化炭素気体21、前記第1回収分離膜透過気体22、前記第1回収分離膜残留気体23、前記第2回収分離膜透過気体24及び前記第2回収分離膜残留気体25のうちのいずれか1種以上と熱交換させて冷却させるものであり得る。
【0174】
前記第1捕集分離膜透過気体5は前記熱交換段階で冷却されて低温に維持された状態で、前記熱交換段階で前記第1圧縮機で圧縮された気体3と熱交換した後、前記第2捕集分離膜106に供給され得る。
【0175】
前記第1捕集分離膜残留気体6は前記熱交換段階で冷却されて低温に維持された状態で、前記熱交換段階で冷熱が回収された後、外部に排出され得る。ただし、前記第1捕集分離膜残留気体6が第1-1捕集分離膜104に供給されるとき、前記熱交換段階で冷熱が回収されず、すぐ前記第1-1捕集分離膜104に供給されることが好ましい。
【0176】
本発明が第2熱交換網300を含まない場合、第2捕集分離膜106及び第2-1捕集分離膜108を経た気体の流れはいずれも低温状態ではないので、前記熱交換網に供給されないことが好ましい。
【0177】
以下では、第2捕集段階を含み、前記熱交換段階は第2熱交換網400によって第2捕集分離膜106に供給される前記第1捕集分離膜透過気体5を冷却させるものである場合を説明する。
【0178】
前記熱交換段階は、前記第2熱交換網400によって、前記第1捕集分離膜透過気体5を前記第2捕集分離膜透過気体10、前記第2捕集分離膜残留気体12、前記第2-1捕集分離膜透過気体13、前記第2-1捕集分離膜残留気体14、前記二酸化炭素含有気体19、前記残余二酸化炭素気体21、前記第1回収分離膜透過気体22、第1回収分離膜残留気体23、前記第2回収分離膜透過気体24及び前記第2回収分離膜残留気体25のうちのいずれか1種以上と熱交換させて冷却させるものであり得る。
【0179】
好ましくは、前記熱交換段階は、前記第2熱交換網400によって、前記第1捕集分離膜透過気体5を前記第2捕集分離膜透過気体10、前記第2-1捕集分離膜透過気体13、前記第2-1捕集分離膜残留気体14、前記二酸化炭素含有気体19、前記第1回収分離膜透過気体22及び前記第1回収分離膜残留気体23の全部と熱交換させて冷却させるものであり得、より好ましくは、前記第2熱交換網400は前記第1捕集分離膜透過気体5を前記残余二酸化炭素気体21とさらに熱交換させることができる。
【0180】
より好ましくは、前記熱交換段階は、第2-2熱交換器402によって前記第1捕集分離膜透過気体5と前記第1回収分離膜透過気体22とを熱交換させる段階と、第2-3熱交換器403によって前記第2-2熱交換器で冷却された第1捕集分離膜透過気体42と前記第2-1捕集分離膜透過気体13とを熱交換させる段階と、第2-4熱交換器404によって前記第2-3熱交換器で冷却された第1捕集分離膜透過気体43と前記第2-1捕集分離膜残留気体14及び前記第1回収分離膜残留気体23のうちのいずれか1種以上とを熱交換させる段階と、第2-5熱交換器405によって前記第2-4熱交換器で冷却された第1捕集分離膜透過気体44と前記第2捕集分離膜透過気体10とを熱交換させる段階と、第2-6熱交換器406によって前記第2-5熱交換器で冷却された第1捕集分離膜透過気体45と前記二酸化炭素含有気体19とを熱交換させる段階と、を含むことができる。
【0181】
さらにより好ましくは、前記熱交換段階は、第2-1熱交換器401によって前記第1捕集分離膜透過気体5と前記残余二酸化炭素気体21とを熱交換させる第1熱交換段階と、第2-2熱交換器402によって前記第2-1熱交換器で冷却された第1捕集分離膜透過気体41と前記第1回収分離膜透過気体22とを熱交換させる第2熱交換段階と、第2-3熱交換器403によって前記第2-2熱交換器で冷却された第1捕集分離膜透過気体42と前記第2-1捕集分離膜透過気体13とを熱交換させる第3熱交換段階と、第2-4熱交換器404によって前記第2-3熱交換器で冷却された第1捕集分離膜透過気体43と前記第2-1捕集分離膜残留気体14及び前記第1回収分離膜残留気体23のうちのいずれか1種以上とを熱交換させる第4熱交換段階と、第2-5熱交換器405によって前記第2-4熱交換器で冷却された第1捕集分離膜透過気体44と前記第2捕集分離膜透過気体10とを熱交換させる第5熱交換段階と、第2-6熱交換器406によって前記第2-5熱交換器で冷却された第1捕集分離膜透過気体45と前記二酸化炭素含有気体19とを熱交換させる第6熱交換段階と、を含むことができ、最も好ましくは、回収熱交換器407によって前記第2-6熱交換器で冷却された第1捕集分離膜透過気体46と前記残余二酸化炭素気体21とを熱交換させる回収熱交換段階をさらに含み、前記第1熱交換残余二酸化炭素気体21は前記残余二酸化炭素気体21が回収熱交換器で加熱された気体55であり得る。
【0182】
前記第2捕集分離膜透過気体10は前記熱交換段階で冷却されて低温に維持された状態で前記熱交換段階で前記第1捕集分離膜透過気体5と熱交換して前記捕集分離膜供給気体を冷却させた後、第2圧縮機110または前記第3捕集分離膜118に供給され得る。
【0183】
前記第2捕集分離膜残留気体12は前記熱交換段階で冷却されて低温に維持された状態で、外部に排出されるに先立ち、前記熱交換段階で前記捕集分離膜供給気体と熱交換することができる。ただし、前記第2捕集分離膜残留気体12が前記第2-1捕集分離膜108に供給される場合、前記熱交換段階で熱交換しないことが好ましい。
【0184】
本発明が第2-1捕集段階をさらに含む場合、前記第2-1捕集分離膜透過気体13及び前記第2-1捕集分離膜残留気体14は低温に維持された状態で、これらのうちのいずれか1種以上は前記熱交換段階で前記第2熱交換網400によって冷熱が回収され得る。
【0185】
以下では、第2捕集段階を含み、前記熱交換段階が、第1熱交換網200によって第1圧縮機で圧縮された気体3を冷却させる段階と、第2熱交換網300によって前記第1捕集分離膜透過気体5を冷却させる段階と、を含むものである場合を説明する。
【0186】
前記熱交換段階は、第1熱交換網200によって、前記第1圧縮機で圧縮された気体3を前記第1捕集分離膜透過気体5、前記第1捕集分離膜残留気体6、前記第1-1捕集分離膜透過気体7、前記第1-1捕集分離膜残留気体8、前記第2捕集分離膜透過気体10、前記第2捕集分離膜残留気体12、前記第2-1捕集分離膜透過気体13、前記第2-1捕集分離膜残留気体14、前記二酸化炭素含有気体19、前記残余二酸化炭素気体21、前記第1回収分離膜透過気体22、前記第1回収分離膜残留気体23、前記第2回収分離膜透過気体24及び前記第2回収分離膜残留気体25のうちのいずれか1種以上と熱交換させて冷却させる段階と、前記第2熱交換網300によって、前記第1捕集分離膜透過気体5を前記第1捕集分離膜残留気体6、前記第1-1捕集分離膜透過気体7、前記第1-1捕集分離膜残留気体8、前記第2捕集分離膜透過気体10、前記第2捕集分離膜残留気体12、前記第2-1捕集分離膜透過気体13、前記第2-1捕集分離膜残留気体14、前記二酸化炭素含有気体19、前記残余二酸化炭素気体21、前記第1回収分離膜透過気体22、前記第1回収分離膜残留気体23、前記第2回収分離膜透過気体24及び前記第2回収分離膜残留気体25のうちのいずれか1種以上と熱交換させて冷却させる段階と、を含むことができる。
【0187】
好ましくは、前記熱交換段階は、前記第1熱交換網200によって、前記第1圧縮機で圧縮された気体3を前記第1捕集分離膜透過気体5、前記第1捕集分離膜残留気体6、前記第2-1捕集分離膜透過気体13、前記第2-1捕集分離膜残留気体14及び前記第1回収分離膜残留気体23のうちのいずれか1種以上と熱交換させる段階と、前記第2熱交換網300によって前記第1捕集分離膜透過気体5を前記第1捕集分離膜残留気体6、前記第2捕集分離膜透過気体10、前記第2-1捕集分離膜残留気体14及び前記第1回収分離膜残留気体23のうちのいずれか1種以上と熱交換させる段階と、を含むことができる。
【0188】
最も好ましくは、前記熱交換段階は、第1-1熱交換器201によって、前記第1圧縮機で圧縮された気体3を前記第2-1捕集分離膜透過気体13と熱交換させる第1-1熱交換段階と、第1-2熱交換器202によって、前記第1-1熱交換器で冷却された第1圧縮機で圧縮された気体31を前記第1捕集分離膜透過気体5と熱交換させる第1-2熱交換段階と、第1-3熱交換器202によって、前記第1-2熱交換器で冷却された第1圧縮機で圧縮された気体32を前記第1捕集分離膜残留気体6、前記第2-1捕集分離膜残留気体14及び前記第1回収分離膜残留気体23のうちのいずれか1種以上を含む窒素豊富気体35と熱交換させる第1-3熱交換段階と、第2-1熱交換器301によって前記第1捕集分離膜透過気体5を第2捕集分離膜透過気体10と熱交換させる第2-1熱交換段階と、第2-2熱交換器302によって、前記第2-1熱交換器で冷却された第1捕集分離膜透過気体61を前記第1-3熱交換器で加熱された気体38と熱交換させる第2-2熱交換段階と、を含むことができる。
【0189】
前記第1捕集分離膜透過気体5は前記熱交換段階で冷却されて低温に維持された状態で前記第1熱交換網200を介して冷熱が回収され得る。
【0190】
前記第1捕集分離膜残留気体6が前記熱交換段階で冷却されて低温に維持された状態で外部に排出される場合、排出に先立ち、前記熱交換段階で冷熱が回収された後、外部に排出され得る。ただし、前記第1捕集分離膜残留気体6が第1-1捕集分離膜104に供給される場合、前記熱交換段階で冷熱が回収されず、前記第1-1捕集分離膜104に供給され得る。
【0191】
前記第2捕集分離膜透過気体10は前記熱交換段階で冷却されて低温に維持された状態で前記熱交換網に供給され、冷熱が回収された後、前記第2圧縮機110に供給され得る。
【0192】
前記第2捕集分離膜残留気体12が外部に排出される場合、前記熱交換段階で冷熱が回収された後、外部に排出され得る。
【0193】
前記第2捕集分離膜残留気体12が前記第2-1捕集分離膜108に供給される場合、前記熱交換段階で冷熱が回収されないこともある。
【0194】
本発明が第1-1捕集段階をさらに含む場合、前記第1捕集分離膜残留気体6は前記熱交換段階で熱交換せず、第1-1捕集分離膜104に供給されることが第1-1捕集分離膜104での分離効率を高めることができるという点で好ましい。また、本発明が第2-1捕集段階をさらに含む場合、前記第2捕集分離膜残留気体12は前記熱交換段階で熱交換せず、第2-1捕集分離膜108に供給されることが第2-1捕集分離膜108での分離効率を高めることができるという点で好ましい。
【0195】
本発明が第2-1捕集段階をさらに含む場合、前記第2-1捕集分離膜透過気体13及び前記第2-1捕集分離膜残留気体14は低温に維持された状態で、前記第2-1捕集分離膜透過気体13及び前記第2-1捕集分離膜残留気体14のうちのいずれか1種以上は前記熱交換段階で冷熱が回収され得る。
【0196】
本発明の排ガス内二酸化炭素捕集工程が第3捕集段階をさらに含む場合、前記熱交換段階は、前記第1捕集分離膜102に供給される第1圧縮機で圧縮された気体3を冷却させる第1熱交換網200、前記第2捕集分離膜106に供給される前記第1捕集分離膜透過気体5を冷却させる第2熱交換網300、400、及び前記第2捕集分離膜透過気体10を工程内の低温流れと熱交換させて冷却させる第3熱交換網のうちのいずれか一つ以上を用いることができる。
【0197】
一方、前記熱交換段階が前記第1熱交換網200によって前記第1圧縮機で圧縮された気体3を冷却させる場合、前記第1圧縮機で圧縮された気体3を第1冷却熱交換器204で冷媒と熱交換させてさらに冷却させる第1冷却段階をさらに含むことができる。
【0198】
また、前記熱交換段階が前記第2熱交換網300、400によって前記第1捕集分離膜透過気体5を冷却させる場合、前記第1捕集分離膜透過気体5を第2冷却熱交換器303、408で冷媒と熱交換させてさらに冷却させる第2冷却段階をさらに含むことができる。
【0199】
前記第1捕集分離膜残留気体6、第2-1捕集分離膜残留気体14及び第1回収分離膜残留気体23のうちのいずれか1種以上を含む窒素豊富気体が前記熱交換段階で加熱された後にも充分に低い温度を有する場合、追加熱交換器111によって、前記第1-3熱交換器203及び第2-2熱交換器302で加熱された窒素豊富気体64を前記第2圧縮機で圧縮された気体15と熱交換させて、前記第2圧縮機で圧縮された気体15を冷却させる追加冷却段階をさらに含むことができる。
【0200】
本発明が追加冷却段階をさらに含む場合、前記液化熱交換器112は追加熱交換器で冷却された第2圧縮機で圧縮された気体16を冷却させることができる。
【0201】
前記第1捕集分離膜102、第1-1捕集分離膜104、第2捕集分離膜106、第2-1捕集分離膜108及び第1回収分離膜115の材質は互いに同一であるかまたは異なり、ポリスルホン(PSF)またはポリイミド(PI)のうちのいずれか1種以上の材質からなるものであり得る。
【0202】
前記熱交換段階が前記第1圧縮機で圧縮された気体3を冷却させることである場合、前記第1捕集分離膜102及び前記第1-1捕集分離膜104に供給される気体の温度は-40~10℃、最も好ましくは-25~-15℃であり、前記第1捕集分離膜透過気体5を冷却させることである場合、前記第2捕集分離膜106及び前記第2-1捕集分離膜108に供給される気体の温度は-40~0℃、最も好ましくは-25~-15℃である。
【0203】
したがって、前記第1捕集分離膜102、前記第1-1捕集分離膜104、前記第2捕集分離膜106、前記第3捕集分離膜118及び前記第2-1捕集分離膜108のうちのいずれか1種以上がポリスルホン(PSF)またはポリイミド(PI)のうちのいずれか1種以上の材質からなることが二酸化炭素分離効率を著しく向上させるという点でより好ましい。
【0204】
以下、実施例などに基づいて本発明をより詳細に説明する。ただし、以下の実施例などによって本発明の範囲および内容が縮小されるかまたは制限されるものと解釈されてはいけない。
【0205】
実施例1
図3は本発明のさらに他の実施例による第2捕集分離膜及び第2回収分離膜を含む排ガス内二酸化炭素捕集工程図である。
【0206】
実施例1では、
図3に示したように、工程を設計し、各流れに対して下記の表3に示すように排ガス内二酸化炭素を捕集及び液化し、工程結果を下記の表4に示す。ここで、第1捕集分離膜102、第2捕集分離膜106、第1回収分離膜115及び第2回収分離膜117はポリスルホン(PSF)材質を使った。
【0207】
【0208】
【0209】
表4に示すように、本発明の実施例1の排ガス内二酸化炭素捕集装置及び工程は二酸化炭素回収率が91%を果たすことができることが分かる。
【0210】
実施例2
図6は本発明のさらに他の実施例による第1-1捕集分離膜、第2捕集分離膜、第2-1捕集分離膜及び第2熱交換網を含む排ガス内二酸化炭素捕集工程図である。
【0211】
図6のように二酸化炭素捕集装置及び工程を設計し、下記の表5に示すような条件で工程を運営した。ここで、第1捕集分離膜102、第1-1捕集分離膜104、第2捕集分離膜106、第2-1捕集分離膜108及び第1回収分離膜115の材質はポリスルホン(PSF)材質であった。実施例2の二酸化炭素捕集工程で収得される高純度二酸化炭素液体18のモル%は99.9%であり、生産量は200TPD(ton/day)であった。
【0212】
【0213】
実施例3
図7は本発明のさらに他の実施例による第2捕集分離膜及び第2回収分離膜を含む排ガス内二酸化炭素捕集工程図である。
【0214】
図7のように二酸化炭素捕集装置及び工程を設計し、下記の表6に示すような条件で工程を運営した。ここで、第1捕集分離膜102、第2捕集分離膜106、第1回収分離膜115及び第2回収分離膜117の材質はポリスルホン(PSF)材質であった。比較例の二酸化炭素工程で収得される高純度二酸化炭素液体18のモル%は99.9%であり、生産量は200TPD(ton/day)であった。
【0215】
【0216】
実験例2.電気消費量評価
前記実施例2及び実施例3による二酸化炭素捕集工程でかかる電気量を測定して下記の表7に示す。
【0217】
【0218】
表5~表7に示したように、同じ二酸化炭素分率及び生産量を有する実施例2及び実施例3の二酸化炭素捕集装置及び工程において、熱交換網を備えた実施例2の二酸化炭素捕集装置及び工程で電気消費量が著しく小さくなったことが分かる。
【0219】
より具体的には、実施例2で、第1圧縮機で0.5bargの圧力で圧縮されて同じ生産容量を達成するために、第1捕集分離膜供給気体の流量が増加し、冷却熱交換器を導入して冷却機の容量が増加したが、実施例3に比べて、消費されるエネルギーが著しく少ないことが分かる。すなわち、本発明の実施例2は、熱交換網を備えることで、第1圧縮機で圧縮される圧力を減少させるのにもかかわらず優れた二酸化炭素分離効果が現れることにより、同じ生産容量を得るための電気エネルギー消費量を著しく減少させることができ、冷却機(液化熱交換器)の容量を増加させる場合にもこのような容量増加によるエネルギー増加量は前記第1圧縮機の12%程度に相当することから全体的なエネルギー消費量は減少することが分かる。
【0220】
実施例4
図9は本発明のさらに他の実施例による第2捕集分離膜、第2-1捕集分離膜、第1熱交換網、第2熱交換網及びドライアイス生成部を含む排ガス内二酸化炭素捕集工程図である。
【0221】
図9のように二酸化炭素捕集装置及び工程を設計し、下記の表8に示すような条件で工程を運営した。ここで、第1捕集分離膜102、第2捕集分離膜106、第2-1捕集分離膜108及び第1回収分離膜115の材質はポリスルホン(PSF)材質であった。実施例の二酸化炭素工程で収得される高純度二酸化炭素液体18のモル%は99.9%であり、生産量は461TPD(ton/day)であった。
【0222】
【0223】
実施例5
図10は本発明のさらに他の実施例による第2捕集分離膜、第2-1捕集分離膜、第2熱交換網及びドライアイス生成部を含む排ガス内二酸化炭素捕集工程図である。
【0224】
図10のように二酸化炭素捕集装置及び工程を設計し、下記の表9に示すような条件で工程を運営した。ここで、第1捕集分離膜102、第2捕集分離膜106、第2-1捕集分離膜108及び第1回収分離膜115の材質はポリスルホン(PSF)材質であった。実施例の二酸化炭素工程で収得される高純度二酸化炭素液体18のモル%は99.9%であり、生産量は461TPD(ton/day)であった。
【0225】
【0226】
実施例6
図11のように二酸化炭素捕集装置及び工程を設計し、下記の表10に示すような条件で工程を運営した。ここで、第1捕集分離膜102、第2捕集分離膜106、第1回収分離膜115及び第2回収分離膜117の材質はポリスルホン(PSF)材質であった。実施例の二酸化炭素工程の収得される高純度二酸化炭素液体18のモル%は99.9%であった。
【0227】
【0228】
実験例3
前記実施例による二酸化炭素捕集工程でかかる電気量および二酸化炭素回収率を測定して下記の表11に示す。
【0229】
【0230】
表11に示したように、本発明の排ガス内二酸化炭素捕集工程及び装置は、電気消費量が減少するとともに二酸化炭素回収率を高めることができ、ドライアイスも製造することができることが分かる。
【符号の説明】
【0231】
1 排ガス
1’ フィルタリング及び冷却された排ガス
2 第1圧縮機供給気体
3 第1圧縮機で圧縮された気体
31 第1-1熱交換器で冷却された第1圧縮機で圧縮された気体
32 第1-2熱交換器で冷却された第1圧縮機で圧縮された気体
33 第1-3熱交換器で冷却された第1圧縮機で圧縮された気体
34 第1冷却熱交換器供給気体
35 窒素豊富気体
36 第1-1熱交換器で加熱された気体
37 第1-2熱交換器で加熱された気体
38 第1-3熱交換器で加熱された気体
4 第1捕集分離膜供給気体
5 第1捕集分離膜透過気体
5’ 真空ポンプによって圧縮された第1捕集分離膜透過気体
6 第1捕集分離膜残留気体
7 第1-1捕集分離膜透過気体
7’ 真空ポンプによって圧縮された第1-1捕集分離膜透過気体
8 第1-1捕集分離膜残留気体
41 第2-1熱交換器で冷却された第1捕集分離膜透過気体
42 第2-2熱交換器で冷却された第1捕集分離膜透過気体
43 第2-3熱交換器で冷却された第1捕集分離膜透過気体
44 第2-4熱交換器で冷却された第1捕集分離膜透過気体
45 第2-5熱交換器で冷却された第1捕集分離膜透過気体
46 第2-6熱交換器で冷却された第1捕集分離膜透過気体
47 回収熱交換器で冷却された第1捕集分離膜透過気体
48 第2-1熱交換器で加熱された気体
49 第2-2熱交換器で加熱された気体
50 第2-3熱交換器で加熱された気体
51 第2-4熱交換器供給気体
52 第2-4熱交換器で加熱された気体
53 第2-5熱交換器で加熱された気体
54 第2-6熱交換器で加熱された気体
55 回収熱交換器で加熱された気体
9 第2捕集分離膜供給気体
10 第2捕集分離膜透過気体
11 第2圧縮機供給気体
12 第2捕集分離膜残留気体
13 第2-1捕集分離膜透過気体
14 第2-1捕集分離膜残留気体
15 第2圧縮機で圧縮された気体
15’ チラー及び乾燥器を経た第2圧縮機で圧縮された気体
16 追加熱交換器で冷却された第2圧縮機で圧縮された気体
17 液化熱交換器で冷却された気体
18 高純度二酸化炭素液体
19 二酸化炭素含有気体
20 ドライアイス
21 残余二酸化炭素気体
22 第1回収分離膜透過気体
23 第1回収分離膜残留気体
23’ 真空ポンプによって圧縮された第1回収分離膜残留気体
24 第2回収分離膜透過気体
25 第2回収分離膜残留気体
26 第3捕集分離膜供給気体
27 第3捕集分離膜透過気体
28 第3捕集分離膜残留気体
61 第2-1熱交換器で冷却された第1捕集分離膜透過気体
62 第2-2熱交換器で冷却された第1捕集分離膜透過気体
63 第2-1熱交換器で加熱された気体
64 第2-2熱交換器で加熱された気体
101 第1圧縮機
102 第1捕集分離膜
103 真空ポンプ
104 第1-1捕集分離膜
105 真空ポンプ
200 第1熱交換網
201 第1-1熱交換器
202 第1-2熱交換器
203 第1-3熱交換器
204 第1冷却熱交換器
300 第2熱交換網
301 第2-1熱交換器
302 第2-2熱交換器
303 第2冷却熱交換器
400 第2熱交換網
401 第2-1熱交換器
402 第2-2熱交換器
403 第2-3熱交換器
404 第2-4熱交換器
405 第2-5熱交換器
406 第2-6熱交換器
407 回収熱交換器
408 第2冷却熱交換器
106 第2捕集分離膜
107 真空ポンプ
108 第2-1捕集分離膜
109 真空ポンプ
110 第2圧縮機
111 追加熱交換器
112 液化熱交換器
113 分離塔
114 ドライアイス生成部
115 第1回収分離膜
116 バルブ
117 第2回収分離膜
118 第3捕集分離膜
【国際調査報告】