(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-16
(54)【発明の名称】放射線透過性マット及びそれを含む受像体アセンブリ
(51)【国際特許分類】
A61B 6/04 20060101AFI20240808BHJP
【FI】
A61B6/04 507
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561155
(86)(22)【出願日】2022-08-15
(85)【翻訳文提出日】2023-10-03
(86)【国際出願番号】 US2022040319
(87)【国際公開番号】W WO2023034011
(87)【国際公開日】2023-03-09
(32)【優先日】2021-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523377139
【氏名又は名称】アリエル ビアリク
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】アリエル ビアリク
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA03
4C093CA16
4C093ED19
(57)【要約】
本発明は、放射線透過性マットに関する。該放射線透過性マットは、放射線透過性マットを受像体に対して固定するように構成された、ストラップシステムと、本体部であって、本体部の直交する長手方向及び幅方向に沿って延在し、かつ、主要表面を備え、該主要表面は受像体から離れる方向を向くように構成された、本体部と、を含む。上記の上部主要表面は、受像体の活性領域に対応する上部主要表面の領域を線で描く、1つ以上の第1可視標識を含む。本発明は、受像体アセンブリにも関する。該受像体アセンブリは、上記の放射線透過性マットと、活性領域を有する放射線撮影用受像体と、を含む。上記の本体部は、本体部及び受像体が長手方向及び幅方向に沿って互いに実質的に同一の広がりを持つように、受像体上に配置される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線透過性マットであって、前記放射線透過性マットが、
前記放射線透過性マットを受像体に対して固定するように構成された、ストラップシステムと、
本体部であって、前記本体部が、前記本体部の直交する長手方向及び幅方向に沿って延在し、かつ、上部主要表面を有し、前記上部主要表面は前記受像体から離れる方向を向くように構成された、本体部と、を含み、前記上部主要表面が、前記受像体の活性領域に対応する前記上部主要表面の領域を線で描く、1つ以上の第1可視標識を含み、前記ストラップシステムが、
前記本体部の第1側部から延びる第1ストラップと、
前記第1ストラップを受けるための第1コネクタであって、前記第1側部の反対側である前記本体部の第2側部に隣接して配置された、第1コネクタと、を含み、前記第1側部及び前記第2側部が、前記長手方向に沿って延在し、かつ、前記幅方向に沿って離隔され、前記ストラップシステムが、さらに、
前記本体部の前記第1側部及び前記第2側部のうち一方から延びる第2ストラップと、
前記第2ストラップを受けるための第2コネクタであって、前記第1側部及び前記第2側部のうち他方に隣接して配置された、第2コネクタと、を含み、前記第1ストラップ及び前記第2ストラップが、前記本体部のそれぞれ第1位置及び第2位置から延び、前記第1位置及び前記第2位置は、前記長手方向に沿った前記本体部の長さの0.3倍よりも大きく、前記長手方向に沿って離隔され、前記ストラップシステムが、さらに、
前記本体部の第3側部から延びる第3ストラップと、
前記第3ストラップを受けるための第3コネクタであって、前記第3側部の反対側である前記本体部の第4側部に隣接して配置された、第3コネクタと、を含み、前記第3側部及び前記第4側部が、前記幅方向に沿って延在し、かつ、前記長手方向に沿って離隔され、前記ストラップシステムが、さらに、
前記本体部の前記第3側部及び前記第4側部のうち一方から延びる第4ストラップと、
前記第4ストラップを受けるための第4コネクタであって、前記第3側部及び前記第4側部のうち他方に隣接して配置された、第4コネクタと、を含み、前記第3ストラップ及び前記第4ストラップが、前記本体部のそれぞれ第3位置及び第4位置から延び、前記第3位置及び前記第4位置は、前記幅方向に沿った前記本体部の幅の0.3倍よりも大きく、前記幅方向に沿って離隔された、放射線透過性マット。
【請求項2】
前記本体部が、5.08mm(0.2インチ)から20.32mm(0.8インチ)の範囲の平均厚さを有する、請求項1記載の放射線透過性マット。
【請求項3】
前記第1位置の、前記長手方向に沿った、前記第3側部からの最大離隔距離、及び、前記第2位置の、前記長手方向に沿った、前記第4側部からの最大離隔距離、の各々が、前記本体部の前記長さの0.3倍未満である、請求項1記載の放射線透過性マット。
【請求項4】
前記第3位置の、前記幅方向に沿った、前記第1側部からの最大離隔距離、及び、前記第4位置の、前記幅方向に沿った、前記第2側部からの最大離隔距離、の各々が、前記本体部の前記幅の0.3倍未満である、請求項1記載の放射線透過性マット。
【請求項5】
前記本体部が、クッション材を含み、前記クッション材はカバーの内部に配置され、前記第1ストラップから前記第4ストラップ、及び前記第1コネクタから前記第4コネクタが、前記カバーに取付けられる、請求項1記載の放射線透過性マット。
【請求項6】
前記クッション材が、高分子発泡体を含む、請求項5記載の放射線透過性マット。
【請求項7】
前記カバーが、高分子繊維を含む、請求項5記載の放射線透過性マット。
【請求項8】
前記放射線透過性マットが、1つ以上の第2可視標識をさらに含み、前記1つ以上の第2可視標識は、前記本体部上に配置されており、かつ、前記上部主要表面上に配置された少なくとも1つの標識を含んでおり、前記1つ以上の第2可視標識は前記活性領域の向きを示す、請求項1記載の放射線透過性マット。
【請求項9】
前記1つ以上の第2可視標識が、前記上部主要表面の反対側である前記本体部の底部主要表面上に配置された、少なくとも1つの標識を含む、請求項8記載の放射線透過性マット。
【請求項10】
前記放射線透過性マットが、前記上部主要表面上に配置された1つ以上の第3可視標識をさらに含み、第3可視標識の各々は、第1可視標識及び第2可視標識の各々とは異なっており、少なくとも、前記1つ以上の第3可視標識は、前記上部主要表面と底部主要表面を区別する、請求項8記載の放射線透過性マット。
【請求項11】
放射線透過性マットであって、前記放射線透過性マットが、
前記放射線透過性マットを受像体に対して固定するように構成された、ストラップシステムと、
本体部であって、前記本体部が、前記本体部の直交する長手方向及び幅方向に沿って延在し、かつ、上部主要表面を含み、前記上部主要表面は前記受像体から離れる方向を向くように構成された、本体部と、を含み、前記上部主要表面が、前記受像体の活性領域に対応する前記上部主要表面の領域を線で描く、1つ以上の第1可視標識を含み、前記ストラップシステムが、
第1ストラップであって、前記第1ストラップは、前記本体部の第1側部の第1位置から延び、前記第1位置は、実質的に、前記長手方向に沿った前記第1側部の中心に位置する、第1ストラップと、
前記第1ストラップを受けるための第1コネクタであって、前記第1側部の反対側である前記本体部の第2側部に隣接して配置された、第1コネクタと、を含み、前記第1側部及び前記第2側部が、前記長手方向に沿って延在し、かつ、前記幅方向に沿って離隔され、前記ストラップシステムが、さらに、
前記本体部の第3側部から延びる第2ストラップと、
前記第2ストラップを受けるための第2コネクタであって、前記第3側部の反対側である前記本体部の第4側部に隣接して配置された、第2コネクタと、を含み、前記第3側部及び前記第4側部が、前記幅方向に沿って延在し、かつ、前記長手方向に沿って離隔され、前記ストラップシステムが、さらに、
前記本体部の前記第3側部及び前記第4側部のうち一方から延びる第3ストラップと、
前記第3ストラップを受けるための第3コネクタであって、前記第3側部及び前記第4側部のうち他方に隣接して配置された、第3コネクタと、を含み、前記第2ストラップ及び前記第3ストラップが、前記本体部のそれぞれ第2位置及び第3位置から延び、前記第2位置及び前記第3位置は、前記幅方向に沿った前記本体部の幅の0.3倍よりも大きく、前記幅方向に沿って離隔された、放射線透過性マット。
【請求項12】
受像体アセンブリであって、前記受像体アセンブリが、
放射線透過性マットであって、前記放射線透過性マットが本体部を含み、前記本体部は、前記本体部の直交する長手方向及び幅方向に沿って延在する、放射線透過性マットと、
活性領域を有する放射線撮影用受像体と、を含み、前記本体部が、前記本体部及び前記受像体が前記長手方向及び前記幅方向に沿って互いに実質的に同一の広がりを持つように、前記受像体上に配置され、前記放射線透過性マットが、ストラップシステムを含み、前記ストラップシステムは、前記放射線透過性マットを前記受像体に対して固定し、かつ、前記放射線透過性マットが前記長手方向及び前記幅方向の各々に沿って前記受像体に対して相対運動することを防止する、ストラップシステムであり、前記本体部は、前記受像体から離れる方向を向く上部主要表面を含み、前記上部主要表面が、前記受像体の前記活性領域に対応する前記上部主要表面の領域を線で描く、1つ以上の可視標識を含み、前記上部主要表面の前記領域は前記受像体の前記活性領域よりも小さい、受像体アセンブリ。
【請求項13】
前記本体部が、前記長手方向及び前記幅方向に直交する厚さ方向に平均厚さを有し、前記上部主要表面の前記領域が、少なくとも1つの境界を有し、前記境界は、前記受像体の前記活性領域の対応する境界から前記上部主要表面の前記領域の内部に向かって、前記平均厚さの0.1倍から0.3倍の範囲の距離だけずれた境界である、請求項12記載の受像体アセンブリ。
【請求項14】
前記本体部が、前記長手方向及び前記幅方向に直交する厚さ方向に平均厚さを有し、前記受像体の前記活性領域、及び前記上部主要表面の前記の前記領域が、それぞれ第1矩形領域及び第2矩形領域であり、前記第1矩形領域及び前記第2矩形領域の各々が4つの辺を有し、前記第2矩形領域の各辺が、前記第1矩形領域の対応する辺から前記第1矩形領域の内部に向かって、前記平均厚さの0.1倍から0.3倍の範囲の距離だけずれた、請求項12記載の受像体アセンブリ。
【請求項15】
前記本体部の前記平均厚さが、5.08mm(0.2インチ)から20.32mm(0.8インチ)の範囲である、請求項14記載の受像体アセンブリ。
【請求項16】
前記ストラップシステムが、
前記本体部の第1側部の第1位置から延びる第1ストラップであって、前記第1位置は、実質的に、前記長手方向に沿った前記第1側部の中心に位置する、第1ストラップと、
第1コネクタであって、前記第1ストラップを受け、かつ、前記第1側部の反対側である前記本体部の第2側部に隣接して配置された、第1コネクタと、を含み、前記第1側部及び前記第2側部が、前記長手方向に沿って延在し、かつ、前記幅方向に沿って離隔され、前記ストラップシステムが、さらに、
前記本体部の第3側部から延びる第2ストラップと、
第2コネクタであって、前記第2ストラップを受け、かつ、前記第3側部の反対側である前記本体部の第4側部に隣接して配置された、第2コネクタと、を含み、前記受像体が前記本体部と前記第2ストラップの間に配置され、前記第3側部及び前記第4側部が、前記幅方向に沿って延在し、かつ、前記幅方向に沿って離隔され、前記ストラップシステムが、さらに、
前記本体部の前記第3側部及び前記第4側部のうち一方から延びる第3ストラップと、
第3コネクタであって、前記第3ストラップを受け、かつ、前記第3側部及び第4側部のうち他方に隣接して配置された、第3コネクタと、を含み、前記受像体が前記本体部と前記第3ストラップの間に配置され、前記第2ストラップ及び前記第3ストラップが、前記本体部のそれぞれ第3位置及び第4位置から延び、前記第3位置及び前記第4位置は、前記幅方向に沿った前記本体部の幅の0.3倍よりも大きく、前記幅方向に沿って離隔された、請求項12記載の受像体アセンブリ。
【請求項17】
前記ストラップシステムが、
前記本体部の第1側部から延びる第1ストラップと、
第1コネクタであって、前記第1ストラップを受け、かつ、前記第1側部の反対側である前記本体部の第2側部に隣接して配置された、第1コネクタと、を含み、前記受像体が前記本体部と前記第1ストラップの間に配置され、前記第1側部及び前記第2側部が、前記長手方向に沿って延在し、かつ、前記幅方向に沿って離隔され、前記ストラップシステムが、さらに、
前記本体部の前記第1側部及び前記第2側部のうち一方から延びる第2ストラップと、
第2コネクタであって、前記第2ストラップを受け、かつ、前記第1側部及び前記第2側部のうち他方に隣接して配置された、第2コネクタと、を含み、前記受像体が前記本体部及び前記第2ストラップの間に配置され、前記第1ストラップ及び前記第2ストラップが、前記本体部のそれぞれ第1位置及び第2位置から延び、前記第1位置及び前記第2位置は、前記長手方向に沿った前記本体部の長さの0.3倍よりも大きく、前記長手方向に沿って離隔され、前記ストラップシステムが、さらに、
前記本体部の第3側部から延びる第3ストラップと、
第3コネクタであって、前記第3ストラップを受け、かつ、前記第3側部の反対側である前記本体部の第4側部に隣接して配置された、第3コネクタと、を含み、前記受像体が前記本体部と前記第3ストラップの間に配置され、前記第3側部及び前記第4側部が、前記幅方向に沿って延在し、かつ、前記幅方向に沿って離隔され、前記ストラップシステムが、さらに、
前記本体部の前記第3側部及び前記第4側部のうち一方から延びる第4ストラップと、
第4コネクタであって、前記第4ストラップを受け、かつ、前記第3側部及び前記第4側部のうち他方に隣接して配置された、第4コネクタと、を含み、前記受像体が前記本体部と前記第4ストラップの間に配置され、前記第3ストラップ及び前記第4ストラップが、前記本体部のそれぞれ第3位置及び第4位置から延び、前記第3位置及び前記第4位置は、前記幅方向に沿った前記本体部の幅の0.3倍よりも大きく、前記幅方向に沿って離隔された、請求項12記載の受像体アセンブリ。
【請求項18】
前記受像体が、デジタル・ラジオグラフィ用デジタル受像体を含む、請求項12記載の受像体アセンブリ。
【請求項19】
前記受像体が、コンピューテッド・ラジオグラフィ用輝尽性蛍光体プレートを含む、請求項12記載の受像体アセンブリ。
【請求項20】
前記受像体が、フィルム放射線撮影用受像体を含む、請求項12記載の受像体アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
乳児の骨格検査、及び、その他の乳児の撮像処置は、乳児を受像体の上に直接乗せることにより、実行され得る。
【発明の概要】
【0002】
本明細書の幾つかの態様においては、放射線透過性マットが提供される。該放射線透過性マットは、該放射線透過性マットを受像体に対して固定するように構成された、ストラップシステムと、本体部であって、該本体部が、該本体部の直交する長手方向及び幅方向に沿って延在し、かつ、上部主要表面を有し、その上部主要表面は受像体から離れる方向を向くように構成された、本体部と、を含む。上部主要表面は、受像体の活性領域に対応する上部主要表面の領域を線で描く、1つ以上の第1可視標識を含み得る。上記のストラップシステムが、本体部の第1側部から延びる第1ストラップと、その第1ストラップを受けるための第1コネクタであって、第1側部の反対側である本体部の第2側部に隣接して配置された、第1コネクタと、を含み、第1側部及び第2側部が、長手方向に沿って延在し、かつ、幅方向に沿って離隔され、ストラップシステムが、さらに、本体部の第1側部及び第2側部のうち一方から延びる第2ストラップと、その第2ストラップを受けるための第2コネクタであって、第1側部及び第2側部のうち他方に隣接して配置された、第2コネクタと、を含み、第1ストラップ及び第2ストラップが、本体部のそれぞれ第1位置及び第2位置から延び、第1位置及び第2位置は、長手方向に沿った本体部の長さの0.3倍よりも大きく、長手方向に沿って離隔され、ストラップシステムが、さらに、本体部の第3側部から延びる第3ストラップと、その第3ストラップを受けるための第3コネクタであって、第3側部の反対側である本体部の第4側部に隣接して配置された、第3コネクタと、を含み、第3側部及び第4側部が、幅方向に沿って延在し、かつ、長手方向に沿って離隔され、ストラップシステムが、さらに、本体部の第3側部及び第4側部のうち一方から延びる第4ストラップと、その第4ストラップを受けるための第4コネクタであって、第3側部及び第4側部のうち他方に隣接して配置された、第4コネクタと、を含み、第3ストラップ及び第4ストラップが、本体部のそれぞれ第3位置及び第4位置から延び、第3位置及び第4位置は、幅方向に沿った本体部の幅の0.3倍よりも大きく、幅方向に沿って離隔される。
【0003】
本明細書の幾つかの態様においては、放射線透過性マットが提供される。該放射線透過性マットは、該放射線透過性マットを受像体に対して固定するように構成された、ストラップシステムと、本体部であって、該本体部が、該本体部の直交する長手方向及び幅方向に沿って延在し、かつ、上部主要表面を含み、上部主要表面は受像体から離れる方向を向くように構成された、本体部と、を含む。上部主要表面は、受像体の活性領域に対応する上部主要表面の領域を線で描く、1つ以上の第1可視標識を含む。上記のストラップシステムが、第1ストラップであって、該第1ストラップは、本体部の第1側部の第1位置から延び、その第1位置は、実質的に、長手方向に沿った第1側部の中心に位置する、第1ストラップと、その第1ストラップを受けるための第1コネクタであって、第1側部の反対側である本体部の第2側部に隣接して配置された、第1コネクタと、を含み、第1側部及び第2側部が、長手方向に沿って延在し、かつ、幅方向に沿って離隔され、ストラップシステムが、さらに、本体部の第3側部から延びる第2ストラップと、その第2ストラップを受けるための第2コネクタであって、第3側部の反対側である本体部の第4側部に隣接して配置された、第2コネクタと、を含み、第3側部及び第4側部が、幅方向に沿って延在し、かつ、長手方向に沿って離隔され、ストラップシステムが、さらに、本体部の第3側部及び第4側部のうち一方から延びる第3ストラップと、その第3ストラップを受けるための第3コネクタであって、第3側部及び第4側部のうち他方に隣接して配置された、第3コネクタと、を含み、第2ストラップ及び第3ストラップが、本体部のそれぞれ第2位置及び第3位置から延び、第2位置及び第3位置は、幅方向に沿った本体部の幅の0.3倍よりも大きく、幅方向に沿って離隔される。
【0004】
本明細書の幾つかの実施形態においては、受像体アセンブリが提供される。該受像体アセンブリは、放射線透過性マットであって、該放射線透過性マットが本体部を含み、その本体部は、該本体部の直交する長手方向及び幅方向に沿って延在する、放射線透過性マットと、活性領域を有する放射線撮影用受像体と、を含む。本体部は、該本体部及び受像体が長手方向及び幅方向に沿って互いに実質的に同一の広がりを持つように、受像体上に配置される。放射線透過性マットは、ストラップシステムを含み、該ストラップシステムは、放射線透過性マットを受像体に対して固定し、かつ、放射線透過性マットが長手方向及び幅方向の各々に沿って受像体に対して相対運動することを防止する。本体部は、受像体から離れる方向を向く、上部主要表面を含む。上部主要表面は、受像体の活性領域に対応する上部主要表面の領域を線で描く、1つ以上の可視標識を含み得る。上部主要表面の該領域は、受像体の活性領域よりも小さくてよい。
【0005】
これらの態様及び他の態様は、以下の詳細な説明から、明らかになるだろう。しかしながら、いかなる場合においても、この簡単な要約が請求可能な主題を限定すると解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、本発明の幾つかの実施形態に係る、放射線透過性マットの、概略的な平面図である。
【
図2】
図2は、本発明の幾つかの実施形態に係る、放射線透過性マットの、概略的な平面図である。
【
図3】
図3は、本発明の幾つかの実施形態に係る、放射線透過性マットの、概略的な下面図である。
【
図4】
図4は、本発明の幾つかの実施形態に係る、放射線透過性マットの、概略的な下面図である。
【
図5】
図5は、本発明の幾つかの実施形態に係る、放射線透過性マットの、概略的な下面図である。
【
図6】
図6は、本発明の幾つかの実施形態に係る、可視標識の、概略的な平面図である。
【
図7】
図7は、本発明の幾つかの実施形態に係る、放射線透過性マットの、概略的な横断面図である。
【
図8】
図8は、本発明の幾つかの実施形態に係る、受像体アセンブリの、概略的な横断面図である。
【
図9】
図9は、本発明の幾つかの実施形態に係る、受像体上に配置された放射線透過性マットの本体部分の、概略的な平面図である。
【
図10】
図10は、本発明の幾つかの実施形態に係る、受像体アセンブリの、概略的な下面図である。
【
図11】
図11は、本発明の幾つかの実施形態に係る、受像体アセンブリの、概略的な下面図である。
【
図12】
図12は、本発明の幾つかの実施形態に係る、受像体アセンブリの、概略的な下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の記載においては、添付図面に対する参照が行われる。添付図面は、本明細書の一部を形成しており、かつ、その中では各種実施形態が図示によって示されている。図面は、必ずしも縮尺どおりではない。本明細書の範囲又は精神から逸脱することなく、他の実施形態が創出され、そして製作され得ることを、理解されたい。従って、以下の詳細な説明は、限定する意味で捉えられるべきものではない。
【0008】
放射線写真(X線写真)を実施し、かつ捉えるための、卓上での乳児の骨格検査及びその他の乳児の撮像処置(例えば、卓上に配置された放射線撮影用受像体上に乳児を直接乗せること)は、多くの放射線写真撮影環境において一般的に見られる。しかしながら、受像体(例えば、デジタル・ラジオグラフィ(digital radiography)用デジタル受像体、又はコンピューテッド・ラジオグラフィ(computed radiography)用輝尽性蛍光体プレート、又はフィルム放射線撮影(film radiography)用受像体)は、典型的には、しっかりとした硬い表面を有する。乳児が、受像体の表面のようなしっかりとした硬い表面の上に乗せられたときには、多くの場合、その乳児は、撮像プロセスの間、泣きだし、叫び、かつ暴れる。このような硬い表面の上に横たわっている乳児の不快感及び協調性の欠如は、典型的には、硬い表面上での撮像プロセスが進行するにつれて増大する。多くの場合、乳児の骨格検査は、数十以上の撮像位置と、その結果としての放射線写真と、を含む、長時間のプロセスである。撮像処置中の乳児の思わぬ動きは、乳児の協調性の欠如と同様に、多くの不必要な繰り返しを引き起こし得る。これらの繰り返しは、乳児が(例えば、わずかに)クッション性のある表面上に横たわっていたならば、防ぎ得るものである。従って、骨格検査及び他の乳児の撮像処置は、その乳児が硬い受像体表面上に横たわることによる不快感を覚えているときには、多くの場合、完了までにより長い時間を要する。さらに、乳児が硬い受像体の上に横たわっているとき、非協力的な乳児の動きを制限及び制約するプロセスによって、撮影者に対して暴れている乳児が自らを傷つけてしまうという場合がある。しかしながら、従来のテーブルパッド(例えば、一般的に大人用の市販のテーブルパッド)を受像体の上に置くことは、典型的に、他の問題を生じる。例えば、受像体の活性領域に対して、パッド上のどこに乳児を乗せるべきかを決定することが困難になり得る。この問題は、撮像プロセス中にパッドが受像体に対して動くことによって悪化する場合もある。他の例として、従来のテーブルパッドは、そのテーブルパッドの厚さに起因する、物像間距離(object to image distance、OID)の増加から生じる拡大により、得られる画像の空間解像度の低下を生じさせる場合がある。
【0009】
本明細書の幾つかの実施形態によれば、放射線透過性マットが提供される。該放射線透過性マットは、受像体の堅い表面に、又は受像体の上に配置された従来のテーブルマット上に、乳児を乗せることに関連付けられた多くの問題がなく、乳児の撮像処置に適したものである。幾つかの実施形態においては、放射線透過性マットは、ストラップシステムであって、該放射線透過性マットを受像体に対して固定するためのストラップシステムを含んでおり、かつ、場合によっては、1つ以上の可視標識をさらに含み、該可視標識は、受像体の活性領域に対応する放射線透過性マットの本体部の上部主要表面の領域を線で描く。該本体部は、受像体に整列しているとよい。例えば、本体部及び受像体が、マットの(少なくとも3つの、又は4つすべての)縁部が、本体部の長手方向及び幅方向に沿って、受像体の対応する縁部に整列するように、互いに実質的に同一の広がりを持っている(例えば、本体部の面積の少なくとも80%又は90%が、受像体の面積の少なくとも80%又は90%と同一の広がりを持っていてよく、又は、受像体がオプションの取っ手(複数可)を本体部に覆われずに備え得ることを除いて、本体部は受像体と同一の広がりを持っていてもよい)。ストラップシステムは、マットを受像体に対して固定し、マットが本体部の長手方向及び幅方向の各々に沿って受像体に対して動くことを防止できる。ストラップシステムは、マットを受像体に対して安定的に固定するように(例えば、適切に離隔されて)配置された、少なくとも3つのストラップを含み得る。その際、患者にX線を照射する撮影者は、受像体はマットの直下にあることと、マットの縁部が受像体の縁部に対応していることと、を知ることができるだろう。上記の1つ以上の可視標識は、受像体の活性領域に対応するマットの領域を確実に示すことができる。さらに、幾つかの実施形態によれば、マットの本体部の厚さは、撮像に用いられている従来のテーブルマットよりも薄くてよく、これにより、その厚さに由来するOIDの増加を減らすことができる。本体部の厚さを通過する、放射線源(例えば、X線管)からの放射の、典型的な発散を考慮すると、1つ以上の可視標識によって線で描かれるマットの領域が、対応する受像体の活性領域よりも小さくてもよい。
【0010】
図1及び2は、幾つかの実施形態に係る、放射線透過性マット100及び100´の、概略的な平面図である。
図3及び4は、幾つかの実施形態に係る、放射線透過性マット100及び100´の、概略的な底面図である。
図5は、幾つかの実施形態に係る、放射線透過性マット100´´の、概略的な底面図である。放射線透過性マット100、100´、100´´は、本体部101及びストラップシステム120、120´、120´´を含み、ストラップシステム120、120´、120´´は、放射線透過性マットを受像体に対して固定するように構成される(例えば、
図8で概略的に図示された受像体250を参照)。放射線透過性マット100、100´、100´´は、従来の受像体の幅及び長さに対応し得るW1×L1の寸法を有する本体部を含む。例えば、W1が約330.2mm(13インチ)から482.6mm(19インチ)であり、かつ、L1が約431.8mm(17インチ)から508mm(20インチ)である、という場合がある(例えば、従来のフルサイズの受像体のためである)。他の例として、W1が、約228.6mm(9インチ)から330.2mm(13インチ)、又は約254mm(10インチ)から304.8mm(12インチ)であり、かつ、L1が、約254mm(10インチ)から431.8mm(17インチ)、又は約304.8mm(12インチ)から355.6mm(14インチ)である、という場合もある(例えば、乳児の移動撮像に用いることができる、かつ/又は、ベビーベッドにはめ込むことができる、可搬型受像体のためである)。幾つかの実施形態においては、放射線透過性マットは、本体部を有し、該本体部は、受像体であって、約355.6mm(14インチ)から431.8mm(17インチ)×約431.8mm(17インチ)の活性領域を有するか、又は、約228.6mm(9インチ)から279.4mm(11インチ)×約304.8mm(12インチ)から355.6mm(14インチ)の活性領域を有する、受像体と実質的に同一の広がりを持つような、寸法を有する。
【0011】
幾つかの実施形態においては、放射線透過性マット100、100´、100´´は、該放射線透過性マットを受像体に対して固定するように構成されたストラップシステム120、120´、120´´と、本体部101と、を含み、該本体部101は、本体部101の直交する長手方向(y方向)及び幅方向(x方向)に沿って延在する。本体部101は、受像体から離れる方向を向くように構成された上部主要表面151と、反対側の底部主要表面152と、を含む。
【0012】
幾つかの実施形態において、ストラップシステム120、120´は、本体部101の第1側部102から延びる第1ストラップ121と、第1ストラップを受けるための第1コネクタ131であって、第1側部102の反対側である本体部101の第2側部104に隣接して配置された、第1コネクタ131と、を含んでおり、ここで、第1側部102及び第2側部104は、長手方向に沿って延在し、かつ、幅方向に沿って離隔されている。該ストラップシステム120、120´は、さらに、本体部101の第1側部及び第2側部のうち一方から延びる第2ストラップ122と(ストラップシステム120については、第2ストラップ122は第1側部102から延び、かつ、ストラップシステム120´については、第2ストラップ122は第2側部104から延びる)、第2ストラップを受けるための第2コネクタ132であって、本体部の第1側部及び第2側部のうち他方に隣接して配置された、第2コネクタ132と、を含んでいる。該ストラップシステム120、120´は、さらに、本体部の第3側部106から延びる第3ストラップ123と、第3ストラップを受けるための第3コネクタ133であって、第3側部106の反対側である本体部の第4側部108に隣接して配置された、第3コネクタ133と、を含んでいる。ここで、第3側部106及び第4側部108は、幅方向に沿って延在し、かつ、長手方向に沿って離隔されている。該ストラップシステム120、120´は、さらに、本体部101の第3側部及び第4側部のうち一方から延びる第4ストラップ124と(ストラップシステム120については、第4ストラップ124は第3側部106から延び、かつ、ストラップシステム120´については、第4ストラップ124は第4側部108から延びる)、第4ストラップを受けるための第4コネクタ134であって、本体部の第3側部及び第4側部のうち他方に隣接して配置された第4コネクタ134と、を含んでいる。
【0013】
幾つかの実施形態においては、ストラップシステム120、120´は、
図1ないし4で概略的に示されているように、ストラップを4つのみ有している。他の実施形態においては、異なる数のストラップ(例えば、
図5に示されているように3つのストラップ、又は4つよりも多くのストラップ)が用いられる場合もある。ストラップシステムは、一般的には、長手方向に沿って少なくとも1つのストラップ(例えば、長手方向に沿って実質的に中央に配置された1つのストラップ、又は、長手方向に沿って離隔された2つ以上のストラップ)を含み、かつ、幅方向に沿って少なくとも1つのストラップ(例えば、幅方向に沿って実質的に中央に配置された1つのストラップ、又は、幅方向に沿って離隔された2つ以上のストラップ)を含む。例えば、ストラップシステムは、長手方向に沿って配置された3つ以上のストラップのセットと、幅方向に沿って配置された2つ以上のストラップのセットと、を含んでもよい。マットが本体部の長手方向及び幅方向の各々に沿って受像体に対して動くことを防止するために、合計で少なくとも3つのストラップが、一般的には好ましい。幾つかの実施形態においては、例えば長手方向及び幅方向の各々に沿って単一のストラップを用いるよりもより強固かつ安定的に、マットを受像体に対して固定できるように、長手方向及び幅方向の各々に沿って少なくとも2つのストラップを含むことが好ましい場合がある。一方で、他の実施形態においては、例えば受像体の幾何学的形状により、より少ない数のストラップが好ましい場合もある(例えば、
図12を参照)。
【0014】
例えば
図5で概略的に示されているように、幾つかの実施形態においては、ストラップシステム120´´は、長手方向に沿って1つのみのストラップ121を含む。長手方向に沿って単一のストラップが、幾つかの受像体にとっては望ましい場合があり、それは、その受像体が、長手方向に沿ってストラップを1つより多く設置することに支障をきたす可能性がある取っ手を備えている場合である(例えば、
図12を参照)。幾つかの実施形態においては、ストラップシステム120´´は、本体部の第1側部102の第1位置141から延びる第1ストラップ121と、第1ストラップ121を受けるための第1コネクタ131であって、第1側部102の反対側である本体部101の第2側部104に隣接して配置された、第1コネクタ131と、を含んでおり、ここで、第1側部102及び第2側部104は、長手方向に沿って延在し、かつ、幅方向に沿って離隔されている。該ストラップシステム120´´は、さらに、本体部101の第3側部106から延びる第2ストラップ123と、第2ストラップ123を受けるための第2コネクタ133であって、第3側部106の反対側である本体部101の第4側部108に隣接して配置された、第2コネクタ133と、を含んでおり、ここで、第3側部106及び第4側部108は、幅方向に沿って延在し、かつ、長手方向に沿って離隔されている。該ストラップシステム120´´は、さらに、本体部の第3側部及び第4側部のうち一方から(例えば、
図5で概略的に示されているように第3側部106から、又は
図4で示されているように第4側部108から)延びる第3ストラップ124と、第3ストラップ124を受けるための第3コネクタ134であって、第3側部及び第4側部のうち他方に隣接して配置された、第3コネクタ134と、を含んでおり、ここで、第2ストラップ及び第3ストラップは、本体部の第2位置143及び第3位置144のそれぞれから延び、第2位置143及び第3位置144は、幅方向に沿った本体部の幅の0.3倍よりも大きく、幅方向に沿って離隔されている。幾つかの実施形態においては、第1位置141は、長手方向に沿った第1側部102の実質的に中央に配置されている(例えば、第3側部106及び第4側部108のいずれかよりも、長手方向に沿った第1側部102の中央に、より近い)。同様にして、幾つかの実施形態においては、第1コネクタは長手方向に沿った第2側部104の実質的に中央に配置されている。幾つかの実施形態においては、第1位置141の、長手方向に沿った第3側部106からの最大離隔距離s1は、第1位置141の、長手方向に沿った第4側部108からの最大離隔距離s2の、25%以内、又は20%以内、又は15%以内、又は10%以内、又は5%以内である。放射線透過性マット100´´は、場合によっては、例えば
図2及び4で概略的に示されているように、本体部101の反対側の側部から延びるストラップ123及び124を含み得る。放射線透過性マット100´´は、場合によっては、
図1ないし4で概略的に示されているように、標識112、112´、114のいずれかを含み得る。
【0015】
当業者に公知である任意の適当なストラップ及びコネクタのシステムが用いられてよい。例えば、ストラップ及びバックルのシステムが用いられ得る。幾つかの実施形態においては、ストラップシステムは、ひとたび、本体部が受像体上に配置され、かつ、本体部の縁部が受像体の対応する縁部に整列させられると、撮影者が、受像体の下でストラップそれぞれを引っ張り、そして、ストラップを本体部の反対側の側部上のコネクタに対して取付けることができる、ように構成される(例えば、
図10ないし12を参照)。典型的には、撮影者はその後、ストラップを締付け、マットが受像体の上部で前後に滑らないようにすることができ、加えて、マットの縁部が対応する受像体の縁部に確実に整列するようにすることもできる。
【0016】
幾つかの実施形態においては、第1ストラップ121と第2ストラップ122の間には、長手方向に沿って顕著な離隔があり、かつ/又は第3ストラップ123と第4ストラップ124(
図5で概略的に示されているように、ストラップ122が省略されているときには、第2ストラップ及び第3ストラップを指す)の間には、幅方向に沿って顕著な離隔がある。そのような離隔によって、ストラップシステムは、マットを受像体に対して安定的に固定できるようになり、かつ、マットが受像体に対して長手方向及び幅方向の各々に沿って動くことを防止できるようにもなる。幾つかの実施形態においては、第1ストラップ121及び第2ストラップ122は、本体部の第1位置及び第2位置(例えば、
図3、4で概略的に示されている位置141及び142を参照)それぞれから延びており、第1位置及び第2位置は、長手方向に沿って、本体部の長さL1の0.3倍、0.4倍、0.5倍、0.6倍、0.65倍、0.7倍、又は0.75倍よりも大きく、長手方向に沿って(距離L0だけ)離隔されている。幾つかの実施形態においては、第3ストラップ123及び第4ストラップ124は、本体部の第3位置及び第4位置(例えば、
図3ないし5で概略的に示されている位置143及び144を参照)それぞれから延びており、第3位置及び第4位置は、幅方向に沿って、本体部の幅W1の0.3倍、0.4倍、0.5倍、0.6倍、0.65倍、0.7倍、又は0.75倍よりも大きく、幅方向に沿って(距離W0だけ)離隔されている。
【0017】
同様にして、ストラップ123及び124のための放射線透過性マット100又は100´又は100´´の幾つかの実施形態においては、各ストラップは、側部上の位置から延びており、該位置は、隣接する側部の縁部に近接している。幾つかの実施形態においては、第1位置141の、長手方向に沿った第3側部106からの最大離隔距離s1、及び、第2位置142の、長手方向に沿った第4側部108からの最大離隔距離s2、の各々は、本体部101の長さL1の0.3倍、0.25倍、0.2倍、0.15倍、又は0.1倍よりも小さい。幾つかの実施形態においては、第3位置143の、幅方向に沿った第1側部102からの最大離隔距離s3、及び、第4位置144の、幅方向に沿った第2側部104からの最大離隔距離s4、の各々は、本体部の幅W1の0.3倍、0.25倍、0.2倍、0.15倍、又は0.1倍よりも小さい。
【0018】
幾つかの実施形態においては、上部主要表面151は、受像体の活性領域に対応する上部主要表面151の領域171を線で描く、1つ以上の第1可視標識110を含む。この1つ以上の第1可視標識110は、例えば、領域171の輪郭を描く上部主要表面151上の矩形ボックスであってもよいし、又は、例えば、該矩形領域の側部を線で描く線分であるか、又はその線分を含んでもよい。本明細書の他の箇所でさらに説明されるように、マット100、100´、100´´は、場合によっては、標識112、112´及び/又は114をさらに備え得る。標識110、112、112´及び/又は114のいずれかは、本体部101の主要表面に対して、例えば印刷されてよく、又は貼付されてもよい。標識は、例えば、本体部101の外装カバー上に印刷され得る。
【0019】
放射線撮影用受像体250は、X線を捉えることがない周辺領域によって取り囲まれた活性領域251を有し得る(例えば、
図8、9を参照)。活性領域251は、活性領域251の上側領域及び下側領域が得られる画像のそれぞれ上側領域及び下側領域となるような、向きを有してもよい。幾つかの実施形態においては、放射線透過性マット100、100´、100´´は、1つ以上の第2可視標識112、112´(
図2ないし4を参照)を含んでおり、該1つ以上の第2可視標識112、112´は、本体部101上に配置され、かつ、上部主要表面151上に配置された少なくとも1つの標識112を含んでおり、該1つ以上の第2可視標識112、112´は、活性領域251の向きを示している。例えば、1つ以上の第2可視標識112、112´は、上記の向きを示すための1つ以上の矢印を含んでもよい。1つ以上の第2可視標識112、112´の各々は、1つ以上の第1可視標識110の各々とは異なる。幾つかの実施形態においては、1つ以上の第2可視標識112、112´は、上部主要表面151の反対側である本体部101の底部主要表面152上に配置された、少なくとも1つの標識112´を含む。1つ以上の可視標識112、112´を用いることにより、撮影者は、受像体の上側領域をこれらのシンボルに関して整列させることができ、結果として得られる写真は、(例えば、コンピュータの)イメージングシステム上で、上から下まで解剖学的に正しく表示され、イメージングシステム上で反転又は垂直方向に逆転される必要はない。
【0020】
幾つかの実施形態においては、マット100、100´、100´´は、上部主要表面151上に配置された1つ以上の第3可視標識114をさらに含む(例えば、
図2を参照)。ここで、第3可視標識114の各々は、第1可視標識及び第2可視標識の各々とは異なっており、かつ、少なくとも、該1つ以上の第3可視標識は、上部主要表面151と底部主要表面152を区別する。
【0021】
図6は、可視標識116a、116b、及び116cの概略的な図である。例えば、可視標識112又は114は、可視標識116a、116b、116cのうち、いずれか1つを、又は2つを、又は3つを(例えば、
図2において図示された標識112及び114と列を成して隣接するような配置で)、含み得る。可視標識116a、116b、及び116cは、例えば、乳児又は乳児の身体部位(複数可)の、受像体の上側領域に対する適切な向きを示し得る。例えば、可視標識116aは、乳児の頭部が向くべき、受像体の(例えば、上側)領域を示し得る。可視標識116bは、乳児の手(複数可)が向くべき、受像体の(例えば、上側)領域を示し得る(例えば、図示された手の指が、概して上側領域の方向を指し示し得る)。可視標識116cは、乳児の足が向くべき、受像体の(例えば、上側)領域を示し得る(例えば、図示された足の爪先が、概ね上側領域の方向を指し示し得る)。幾つかの実施形態においては、
図2の可視標識112及び114は、例えば、上向き矢印(例えば、112)、顔(例えば、114、116a)、手(例えば、116b)、及び足(例えば、116c)の各々を含む。
【0022】
図7は、幾つかの実施形態に係る、放射線透過性マット100、100´、100´´の概略的な横断面図である。図示された横断面は、x´-z平面であり、x-z平面又はy-z平面に対応し得る。ストラップ220及びコネクタ230が、
図7に概略的に図示されている。ストラップ220は、ストラップ121-124のいずれかに対応し得るのであり、かつ、コネクタ230は、いずれかの対応するコネクタ131-134に対応し得る。幾つかの実施形態においては、本体部101は、クッション材161を含み、該クッション材161はカバー165の内部に配置されている。第1ストラップ121から第4ストラップ124、及び第1コネクタ131から第4コネクタ134は、縫い合わせる(縫製する)こと及び/又は(例えば、接着剤を通じて)接着することを通じ、カバー165に対して取付けられ得る。クッション材161は、例えば、高分子発泡体162であってよく、又は高分子発泡体162を含んでいてもよい。カバー165は、例えば、高分子繊維166であってよく、又は高分子繊維166を含んでいてもよい。
【0023】
放射線透過性マット100、100´、100´´は、十分に放射線透過性であり(例えば、x線に対して透明であり)、撮像に顕著な支障をきたすことはない。クッション材161及びカバー165のための材料は、当技術分野において公知である放射線透過性素材の中から選択されてよい。例えば、特定のタイプのプラスチック(例えば、非充填ポリマ)は、一般的に放射線透過性である。幾つかの実施形態においては、カバー165及び/又はクッション材161は、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ナイロン、ビニル、ポリカーボネート、ポリケトン、又はそれらの組み合わせ、を含む。
【0024】
図8は、幾つかの実施形態に係る、受像体アセンブリ200の概略的な横断面図である。受像体アセンブリ200は、放射線透過性マット300を含み、放射線透過性マット300は、放射線透過性マット100、100´、100´´に対応してよく、かつ、本体部101を含む。本体部101は、本体部101の直交する長手方向(例えば、y´方向)及び幅方向(例えば、x´方向)に沿って延在する。受像体アセンブリ200は、活性領域251を有する放射線撮影用受像体250を含む。本体部101は、本体部101及び受像体250が互いに長手方向及び幅方向に沿って実質的に同一の広がりを持つように、受像体250上に配置され得る(例えば、
図9を参照)。マット300は、(例えば、120、120´、120´´のいずれかに対応する)ストラップシステムを含み、該ストラップシステムは、該マットを受像体250に対して固定し、かつ、該マットが長手方向及び幅方向の各々に沿って該受像体に対して相対運動することを防止する。本体部101は、受像体250から離れる方向を向く上部主要表面151を含み、この際、上部主要表面151は、受像体250の活性領域251に対応する上部主要表面の領域171を線で描く、1つ以上の可視標識110を含む(例えば、
図1、2を参照)。受像体250は、当技術分野において公知である任意の受像体であってよく、又はそのような受像体を含んでもよい。例えば、受像体250は、デジタル・ラジオグラフィ用デジタル受像体、又はコンピューテッド・ラジオグラフィ用輝尽性蛍光体プレート、又はフィルム放射線撮影用受像体、であってよく、又はそれらを含んでもよい。
図8に概略的に示されたストラップ220は、受像体250の周囲で締付けられ、かつ、コネクタ230内に受け入れられ、マット300を所定の位置に固定する。
【0025】
図8はまた、放射線源307をも示している。放射線源307は、x線管、線源像間距離(source to image distance)SID(多くのシステムにおいては、約100cm又は40インチ(1016mm)である)、及び典型的な物像間距離OID(例えば、撮影される骨格と活性領域251の間の距離)、であってよく、又はそれらを含んでもよい。幾つかの実施形態においては、上部主要表面151の領域171は、受像体250の活性領域251よりも小さい。領域171は、放射線源307から発せられた放射線の拡散308を考慮すると、活性領域251よりも小さくてよいのである。
【0026】
本体部101は、平均厚さtを有する。幾つかの実施形態においては、乳児に十分なクッション性を提供するために、例えば、平均厚さtは、少なくとも5.08mm(0.2インチ)、6.35mm(0.25インチ)、又は7.62mm(0.3インチ)であるとよい。幾つかの実施形態においては、マットによる物像間距離OIDの増加を最小限にするために、例えば、平均厚さtは、20.32mm(0.8インチ)、17.78mm(0.7インチ)、又は15.24mm(0.6インチ)以下であるとよい。例えば、平均厚さtは、5.08mm(0.2インチ)から20.32mm(0.8インチ)、又は6.35mm(0.25インチ)から17.78mm(0.7インチ)、又は7.62mm(0.3インチ)から15.24mm(0.6インチ)であってよい。
【0027】
図9は、幾つかの実施形態に係る、受像体250上に配置された放射線透過性マットの本体部101の、概略的な平面図である。活性領域251の境界252が示されている。1つ以上の標識110が、上部主要表面151の領域171を線で描く。幾つかの実施形態においては、本体部101は、長手方向(y方向)及び幅方向(x方向)に直交する厚さ方向(z方向)に、平均厚さtを有し、かつ、上部主要表面151の領域171は、少なくとも1つの境界を有し、該境界は、受像体の活性領域の対応する境界から上部主要表面の上記領域の内部に向かって、平均厚さの0.1倍から0.3倍の範囲の距離dだけずれた、境界である。幾つかの実施形態においては、本体部101は、長手方向及び幅方向に直交する厚さ方向に、平均厚さtを有し、この際、受像体250の活性領域251及び上部主要表面151の領域171は、それぞれ、
図9に概略的に示されているような、第1矩形領域及び第2矩形領域である。第1矩形領域及び第2矩形領域の各々は4つの辺を有し、この際、第2矩形領域(例えば、領域171)の各辺は、第1矩形領域(例えば、領域251)の対応する辺から第1矩形領域の内部に向かって、平均厚さtの0.1倍から0.3倍の範囲の距離dだけずれている。
【0028】
幾つかの実施形態においては、受像体250は、オプションの取っ手333を備える。幾つかの実施形態においては、取っ手333は長手方向に沿ったストラップの設置を妨げ、従って、長手方向に沿って単一のストラップが用いられる(例えば、
図12を参照)。他の実施形態においては、取っ手333が含まれている場合であってさえも、2つ(又はそれより多くの)ストラップが、長手方向に沿って用いられる(例えば、
図10、11を参照)。
【0029】
図10ないし12は、幾つかの実施形態に係る、受像体アセンブリ200、200´、200´´の概略的な下面図である。幾つかの実施形態においては、本明細書の他の箇所でさらに記述されるように、放射線透過性マット100、100´、100´´は、ストラップシステムを備え、該ストラップシステムは、本体部101の第1側部102から延びる第1ストラップ121と、第1コネクタ131であって、第1ストラップ121を受け、かつ、第1側部102の反対側である本体部の第2側部104に隣接して配置された、第1コネクタ131と、を含む。ここで、受像体250は、本体部101と第1ストラップ121の間に配置されている。さらに、第1側部及び第2側部は、長手方向(y方向)に沿って延在し、かつ、幅方向(x方向)に沿って離隔されている。ストラップシステムは、さらに、本体部の第1側部及び第2側部のうち一方から延びる第2ストラップ122と、第2コネクタ132であって、第2ストラップ122を受け、かつ、第1側部及び第2側部のうち他方に隣接して配置された、第2コネクタ132と、を含む。ここで、受像体250は、本体部101と第2ストラップ122の間に配置されている。さらに、第1ストラップ121及び第2ストラップ122は、本体部のそれぞれ第1位置及び第2位置から延び、この第1位置及び第2位置は、長手方向に沿った本体部の長さの0.3倍よりも大きく、長手方向に沿って離隔されている。ストラップシステムは、さらに、本体部101の第3側部106から延びる第3ストラップ123と、第3コネクタ133であって、第3ストラップ123を受け、かつ、第3側部106の反対側である本体部の第4側部108に隣接して配置された、第3コネクタ133と、を含む。ここで、受像体250は、本体部101と第3ストラップ123の間に配置されている。さらに、第3側部及び第4側部は、幅方向に沿って延在し、かつ、幅方向に沿って離隔されている。ストラップシステムは、さらに、本体部の第3側部及び第4側部のうち一方から延びる第4ストラップ124と、第4コネクタ134であって、第4ストラップ124を受け、かつ、第3側部及び第4側部のうち他方に隣接して配置された、第4コネクタ134と、を含む。ここで、受像体250は、本体部101と第4ストラップ124の間に配置されている。さらに、第3ストラップ123及び第4ストラップ124は、本体部のそれぞれ第3位置及び第4位置から延び、この第3位置及び第4位置は、幅方向に沿った本体部の長さの0.3倍よりも大きく、幅方向に沿って離隔されている。
【0030】
幾つかの実施形態においては、本明細書の他の箇所でさらに記述されるように、放射線透過性マット100´´は、ストラップシステム120´´を備え得る。該ストラップシステムは、本体部の第1側部102の第1位置141から延びる第1ストラップ121であって、該第1位置141は、実質的に、長手方向に沿った第1側部102の中心に位置する、第1ストラップ121と、第1コネクタ131であって、第1ストラップ121を受け、かつ、第1側部102の反対側である本体部101の第2側部104に隣接して配置された、第1コネクタ131と、を含む。ここで、第1側部102及び第2側部104は、長手方向に沿って延在し、かつ、幅方向に沿って離隔されている。該ストラップシステムは、さらに、本体部101の第3側部106から延びる第2ストラップ123と、第2コネクタ133であって、第2ストラップ123を受け、かつ、第3側部106の反対側である本体部101の第4側部108に隣接して配置された、第2コネクタ133と、を含む。ここで、第3側部106及び第4側部108は、幅方向に沿って延在し、かつ、長手方向に沿って離隔されている。該ストラップシステムは、さらに、本体部の第3側部及び第4側部のうち一方から(例えば、
図5に概略的に示されたように第3側部106から、又は、
図4に概略的に示されたように第4側部108から)延びる第3ストラップ124と、第3コネクタ134であって、第3ストラップ124を受け、かつ、第3側部及び第4側部のうち他方に隣接して配置された、第3コネクタ134と、を含む。ここで、第2ストラップ及び第3ストラップは、本体部のそれぞれ第2位置143及び第3位置144から延び、この第2位置143及び第3位置144は、幅方向に沿った本体部の幅の0.3倍よりも大きく、幅方向に沿って離隔されている。
【0031】
図中の要素に関する記述は、特記がない限り、他の図における対応する要素に対しても同様に適用されるものと理解されるべきである。本明細書においては、特定の実施形態が図示され、かつ記述されてきたが、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な代替的な実施形態及び/又は同等の実施形態が、図示及び記述された特定の実施形態に代えられ得ることが、当業者には理解されるであろう。本出願は、本明細書で論じた特定の実施形態のあらゆる適合、又は変型、又は組み合わせに及ぶことが意図される。従って、本開示は、請求項及びその均等物によってのみ限定されることが意図される。
【国際調査報告】