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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-16
(54)【発明の名称】ナットアセンブリ及び電子膨張弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/04 20060101AFI20240808BHJP
【FI】
F16K31/04 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572073
(86)(22)【出願日】2023-02-14
(85)【翻訳文提出日】2024-02-08
(86)【国際出願番号】 CN2023076003
(87)【国際公開番号】W WO2023165331
(87)【国際公開日】2023-09-07
(31)【優先権主張番号】202220483057.1
(32)【優先日】2022-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202220475997.6
(32)【優先日】2022-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202210212550.4
(32)【優先日】2022-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202220481995.8
(32)【優先日】2022-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202220483043.X
(32)【優先日】2022-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202220482293.1
(32)【優先日】2022-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202220476651.8
(32)【優先日】2022-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202210213276.2
(32)【優先日】2022-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】黄 鴻峰
(72)【発明者】
【氏名】▲ザン▼ 少軍
(72)【発明者】
【氏名】趙 俊
【テーマコード(参考)】
3H062
【Fターム(参考)】
3H062AA02
3H062BB31
3H062CC01
3H062HH04
3H062HH08
3H062HH09
(57)【要約】
ナットアセンブリは、互いに接続されたナット本体(11)及び制限板(12)を含み、制限板(12)の径方向寸法はナット本体(11)の径方向寸法よりも大きいナット(10)と、ナット本体(11)に取り外し可能に嵌合され、且つ制限板(12)に当接する接続板(20)と、を含む。ナットアセンブリのナット本体と接続板とが別体に設けられることによって、生産効率が向上すると同時に、ナット本体をより良く二次利用することができるため、ナットアセンブリの構造強度が向上する。このナットアセンブリを含む電子膨張弁を更に開示している。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに接続されたナット本体(11)及び制限板(12)を含み、前記制限板(12)の径方向寸法は前記ナット本体(11)の径方向寸法よりも大きいナット(10)と、
前記ナット本体(11)に取り外し可能に嵌合され、且つ前記制限板(12)に当接する接続板(20)と、
を含む、ナットアセンブリ。
【請求項2】
前記制限板(12)又は前記ナット本体(11)は第1制限構造を有し、前記接続板(20)は第2制限構造を有し、前記接続板(20)及び前記ナット(10)の周方向における相対位置を制限するように、前記第1制限構造は前記第2制限構造に制限係合される、請求項1に記載のナットアセンブリ。
【請求項3】
前記第1制限構造は、前記ナット本体(11)の外壁に設けられる制限突部(31)を含み、前記第2制限構造は、前記接続板(20)の内壁に設けられる制限溝(32)を含み、前記制限突部(31)は前記制限溝(32)内に位置する、請求項2に記載のナットアセンブリ。
【請求項4】
前記制限突部(31)は複数であり、複数の前記制限突部(31)は前記ナット本体(11)を取り囲んで設けられ、前記制限溝(32)は複数であり、複数の前記制限溝(32)は、複数の前記制限突部(31)に一対一に対応して設けられる、請求項3に記載のナットアセンブリ。
【請求項5】
前記ナット本体(11)は、順に接続されたナットセグメント(111)、遷移セグメント(112)及び接続セグメント(113)を含み、前記接続セグメント(113)の径方向寸法は前記ナットセグメント(111)の径方向寸法よりも大きく、前記ナットセグメント(111)内には雌ねじがあり、前記接続セグメント(113)は前記制限板(12)に接続され、前記接続板(20)は前記接続セグメント(113)に取り外し可能に嵌合される、請求項1に記載のナットアセンブリ。
【請求項6】
前記ナット(10)は雌ねじを有し、前記ナット(10)の外周面にはスパイラルガイド溝(13)があり、前記ナットアセンブリは止め輪(70)を更に含み、前記止め輪(70)は、前記スパイラルガイド溝(13)に嵌合され、前記スパイラルガイド溝(13)に沿って回転することができる、請求項1に記載のナットアセンブリ。
【請求項7】
前記ナットアセンブリは第3制限構造を更に含み、前記第3制限構造は、前記ナット本体(11)の外周面に設けられ、前記スパイラルガイド溝(13)の前記接続板(20)から離れた側に位置し、前記止め輪(70)に止め係合される、請求項6に記載のナットアセンブリ。
【請求項8】
前記第3制限構造は第1制限ブロック(411)であり、前記第1制限ブロック(411)は、前記ナット本体(11)の外周面から突出するように設けられ、且つ前記止め輪(70)に止め係合され、前記第1制限ブロック(411)及び前記ナット本体(11)は一体構造である、請求項7に記載のナットアセンブリ。
【請求項9】
前記第3制限構造は制限輪(412)であり、前記制限輪(412)は、弧状部材(4121)、及び前記弧状部材(4121)の両端に設けられる第1フック(4122)、第2フック(4123)を含み、前記第1フック(4122)は、前記弧状部材(4121)の前記止め輪(70)から離れた側に位置し、前記第2フック(4123)は、前記弧状部材(4121)の前記止め輪(70)に向いた側に位置し、前記弧状部材(4121)及び前記第1フック(4122)はいずれも前記ナット本体(11)に接続され、前記第2フック(4123)は前記止め輪(70)に止め係合される、請求項7に記載のナットアセンブリ。
【請求項10】
前記ナット本体(11)の外周面には係合溝(15)があり、前記弧状部材(4121)及び/又は前記第1フック(4122)は前記係合溝(15)に制限係合され、前記係合溝(15)は第1スロット(151)及び第2スロット(152)を含み、前記第1スロット(151)は、弧状溝であり、前記ナット本体(11)の周方向に沿って延在するように設けられ、前記第2スロット(152)は前記ナット本体(11)の軸方向に沿って延在し、前記弧状部材(4121)は前記第1スロット(151)に係止し、前記第1フック(4122)は前記第2スロット(152)に係止する、請求項9に記載のナットアセンブリ。
【請求項11】
前記ナットアセンブリは第2制限ブロック(43)を更に含み、前記第2制限ブロック(43)は、前記ナット本体(11)の外周面から突出するように設けられ、前記スパイラルガイド溝(13)の前記接続板(20)に向いた側に位置し、且つ前記止め輪(70)に止め係合され、前記第2制限ブロック(43)及び前記ナット本体(11)は一体構造である、請求項6に記載のナットアセンブリ。
【請求項12】
前記第3制限構造は、前記ナット本体(11)の外周面から突出した第1止め面(4124)を有し、前記止め輪(70)は前記第1止め面(4124)に止め係合され、
第4制限構造は、前記ナット本体(11)に設けられ、前記ナット本体(11)の外周面から突出した第2止め面(431)を有し、前記止め輪(70)は前記第2止め面(431)に止め係合され、前記スパイラルガイド溝(13)は、前記第3制限構造と前記第4制限構造との間に位置する、請求項7に記載のナットアセンブリ。
【請求項13】
前記止め輪(70)は、螺旋部材(71)、及び前記螺旋部材(71)の両端にそれぞれ設けられる第3フック(72)、第4フック(73)を含み、前記螺旋部材(71)は前記スパイラルガイド溝(13)内に位置し、前記第3フック(72)は前記第3制限構造に止め係合され、前記第4フック(73)は前記第4制限構造に止め係合される、請求項12に記載のナットアセンブリ。
【請求項14】
前記第3フック(72)は、前記ナット本体(11)の外周面から離れる方向に向かって延在し、前記第4フック(73)は、前記螺旋部材(71)の前記第4制限構造に向いた側に位置し、且つ前記ナット本体(11)の軸線方向に沿って延在し、前記第4制限構造は第2制限ブロック(43)であり、前記第2止め面(431)は前記第2制限ブロック(43)の外側壁に位置し、前記止め輪(70)は前記第2制限ブロック(43)の外側壁に止め係合される、請求項13に記載のナットアセンブリ。
【請求項15】
前記接続板(20)と前記ナット(10)との間には均衡化通路(030)があり、前記均衡化通路(030)は前記接続板(20)の両側の領域を連通する、請求項1に記載のナットアセンブリ。
【請求項16】
前記第1制限構造は、前記ナット本体(11)に位置し、且つ第1凹溝(031)を有し、
前記制限板(12)は第2凹溝(032)を有し、前記第1凹溝(031)と前記第2凹溝(032)とは均衡化通路(030)を形成するか、あるいは、
前記第1制限構造は第1凹溝(031)を有し、前記第2制限構造は第3凹溝を有し、前記第1凹溝(031)と前記第3凹溝とは均衡化通路(030)を形成する、請求項2に記載のナットアセンブリ。
【請求項17】
前記ナット本体(11)の外壁には切断面(013)があり、前記均衡化通路(030)は、前記切断面(013)と前記接続板(20)の内壁との間に位置する、請求項15に記載のナットアセンブリ。
【請求項18】
前記ナット本体(11)は、順に接続されたナットセグメント(111)、遷移セグメント(112)、接続セグメント(113)を含み、前記制限板(12)の最大径方向寸法は前記接続セグメント(113)の最大径方向寸法よりも大きく、前記切断面(013)は、順に接続された第3平面(0133)及び第4平面(0134)を含み、前記第3平面(0133)は前記接続セグメント(113)に位置し、前記第4平面(0134)は前記制限板(12)に位置し、前記第3平面(0133)と前記第4平面(0134)とは同一平面上に設けられ、前記均衡化通路(030)は、前記第3平面(0133)と前記接続板(20)の内壁との間に位置する、請求項17に記載のナットアセンブリ。
【請求項19】
前記接続板(20)と前記ナット(10)とは、周方向においてインターフェアランスフィットされ、且つ径方向においてクリアランスフィットされる、請求項1に記載のナットアセンブリ。
【請求項20】
前記ナット本体(11)には第1制限構造が設けられ、前記接続板(20)は、接続輪(021)、及び前記接続輪(021)に設けられる第2制限構造を含み、前記接続輪(021)は、前記ナット本体(11)に嵌合され、且つ前記ナット本体(11)にクリアランスフィットされ、前記第1制限構造と前記第2制限構造とは、前記接続輪(021)の径方向においてクリアランスフィットされ、前記第1制限構造と前記第2制限構造とは、前記接続輪(021)の周方向においてインターフェアランスフィットされる、請求項19に記載のナットアセンブリ。
【請求項21】
前記第1制限構造は、前記ナット本体(11)の外壁に設けられる制限突部(31)を含み、前記第2制限構造は、前記接続板(20)の内壁に設けられる制限溝(32)を含み、前記制限突部(31)は前記制限溝(32)内に位置する、請求項20に記載のナットアセンブリ。
【請求項22】
前記制限突部(31)は、2つの第1制限面(311)、及び2つの前記第1制限面(311)の間に位置する第1係合面(312)を有し、前記制限溝(32)は、2つの第2制限面(321)、及び2つの前記第2制限面(321)の間に位置する第2係合面(322)を有し、前記第1係合面(312)は前記第2係合面(322)にクリアランスフィットされ、2つの前記第1制限面(311)は、2つの前記第2制限面(321)に一対一に対応して制限係合される、請求項21に記載のナットアセンブリ。
【請求項23】
2つの前記第1制限面(311)、2つの前記第2制限面(321)はいずれも平行に設けられ、2つの前記第1制限面(311)の間の距離をL1とし、2つの前記第2制限面(321)の間の距離をL2とすると、L1-L2≧0.03mmであり、
前記第1係合面(312)と前記第2係合面(322)とは同軸に設けられる弧状面であり、前記第1係合面(312)の直径をd3とし、前記第2係合面(322)の直径をd4とすると、d4-d3≧0.1mmであり、
前記ナット本体(11)の最大直径をd1とし、前記接続輪(021)の内径をd2とすると、d2-d1≧0.1mmであり、
前記ナット(10)の軸方向において、前記制限突部(31)の寸法は前記接続板(20)の厚さよりも大きい、請求項22に記載のナットアセンブリ。
【請求項24】
前記ナット(10)と前記接続板(20)との間にはポカヨケ構造が設けられ、前記ポカヨケ構造は、前記接続板(20)の前記ナット(10)上における取り付け位置を限定するために用いられる、請求項1に記載のナットアセンブリ。
【請求項25】
前記ポカヨケ構造は、前記ナット本体(11)に設けられる第1制限部(831)、第2制限部(832)、及び前記接続板(20)に設けられる第3制限部(833)、第4制限部(834)を含み、前記第1制限部(831)は前記第3制限部(833)に制限係合され、前記第2制限部(832)は前記第4制限部(834)に制限係合され、前記接続板(20)はバリ面(201)を有し、前記ポカヨケ構造は、前記バリ面(201)が前記制限板(12)から遠ざかるように制限する、請求項24に記載のナットアセンブリ。
【請求項26】
前記第1制限部(831)は第1制限ブロックを含み、前記第2制限部(832)は第2制限ブロックを含み、前記第3制限部(833)は第1制限溝を含み、前記第4制限部(834)は第2制限溝を含み、前記第1制限ブロックは前記第1制限溝に差し込まれ、前記第2制限ブロックは前記第2制限溝に差し込まれ、前記第1制限ブロックと前記第2制限ブロックとは寸法が異なり、前記ナット(10)の周方向において、前記第1制限ブロックの寸法は前記第2制限ブロックの寸法よりも大きく、前記第1制限溝と前記第2制限溝とは、前記接続板(20)の周方向において夾角Aを有し、0°<A<180°である、請求項25に記載のナットアセンブリ。
【請求項27】
前記ポカヨケ構造は、前記ナット(10)に設けられる第5制限部(35)、及び前記接続板(20)に設けられる第6制限部(36)を更に含み、前記第2制限部(832)は、前記第1制限部(831)と前記第5制限部(35)との間に位置し、前記第4制限部(834)は、前記第3制限部(833)と前記第6制限部(36)との間に位置し、前記第5制限部(35)は前記第6制限部(36)に係合される、請求項25に記載のナットアセンブリ。
【請求項28】
前記第5制限部(35)は第3制限ブロックを含み、前記第6制限部(36)は第3制限溝を含み、前記第3制限ブロックは前記第3制限溝に差し込まれ、前記第1制限部(831)及び前記第5制限部(35)の寸法はいずれも前記第2制限部(832)の寸法よりも大きく、
前記ナット(10)の周方向において、前記第1制限部(831)の径方向寸法は前記第5制限部(35)の寸法よりも小さく、前記第2制限部(832)と前記第1制限部(831)とは、前記接続板(20)の周方向において夾角Bを有し、前記第2制限部(832)と前記第5制限部(35)とは、前記接続板(20)の周方向において夾角Cを有し、B=C=90°であり、
前記第2制限部(832)と前記第1制限部(831)とは、前記接続板(20)の周方向において夾角Bを有し、前記第2制限部(832)と前記第5制限部(35)とは、前記接続板(20)の周方向において夾角Cを有し、0°<B<90°であり、B+C=180°である、請求項27に記載のナットアセンブリ。
【請求項29】
弁体アセンブリ(40)及び請求項1に記載のナットアセンブリを含み、前記ナットアセンブリは前記弁体アセンブリ(40)内に位置し、前記弁体アセンブリ(40)は、互いに接続された弁蓋(41)及び弁座(42)を含み、前記ナット本体(11)の少なくとも一部は前記弁蓋(41)のチャンバ内に位置し、前記制限板(12)は前記弁座(42)のチャンバ内に位置し、前記接続板(20)の外側壁は前記弁座(42)の内側壁に溶接される、電子膨張弁。
【請求項30】
前記弁座(42)は開口を有し、前記接続板(20)は前記開口に設けられ、前記接続板(20)の、前記弁座(42)のチャンバから離れた側と前記開口が位置する平面との間の距離をLとすると、L≧0.02mmであり、前記接続板(20)の厚さをtとすると、L<0.4tである、請求項29に記載の電子膨張弁。
【請求項31】
前記接続板(20)は、均衡化孔又は均衡化溝(21)を有し、前記弁座(42)のチャンバは、前記均衡化孔又は前記均衡化溝(21)によって前記弁蓋(41)のチャンバに連通される、請求項29に記載の電子膨張弁。
【請求項32】
ガイドスリーブ(50)及びスピンドルアセンブリ(60)を更に含み、前記ナット(10)は位置決め孔を有し、前記位置決め孔内には止め面があり、前記ガイドスリーブ(50)の一端は前記位置決め孔に貫入し、前記ガイドスリーブ(50)の端面は前記止め面に当接し、前記スピンドルアセンブリ(60)は、前記ナット本体(11)に螺合され、且つ前記ガイドスリーブ(50)を貫通する、請求項29に記載の電子膨張弁。
【請求項33】
前記弁座(42)の内壁は位置決め突部(421)を有し、前記位置決め突部(421)は弁口(422)を有し、前記位置決め突部(421)は、前記ガイドスリーブ(50)の前記ナット(10)から離れた一端に貫入し、前記位置決め突部(421)、前記ガイドスリーブ(50)、前記位置決め孔及び前記スピンドルアセンブリ(60)は同軸に設けられる、請求項32に記載の電子膨張弁。
【請求項34】
前記ナット(10)の外周面にはスパイラルガイド溝(13)があり、前記ナットアセンブリは止め輪(70)を更に含み、前記止め輪(70)は、前記スパイラルガイド溝(13)に嵌合され、前記電子膨張弁はロータアセンブリ(90)を更に含み、前記ロータアセンブリ(90)は、ロータ接続板(91)、ガイドシート(92)及び筒状の磁気ロータ(93)を含み、前記ロータ接続板(91)は、前記磁気ロータ(93)のチャンバ内に位置し、且つ前記磁気ロータ(93)に固定接続され、前記ガイドシート(92)は、前記磁気ロータ(93)のチャンバ内に位置し、且つ前記ロータ接続板(91)に固定接続され、前記ガイドシート(92)は前記止め輪(70)に制限係合される、請求項32に記載の電子膨張弁。
【請求項35】
前記ロータ接続板(91)は押圧装着溝(94)を有し、前記ガイドシート(92)は、互いに接続された押圧装着セグメント(921)及び制限セグメント(922)を含み、前記押圧装着セグメント(921)と前記制限セグメント(922)とは互いに垂直であり、前記押圧装着セグメント(921)は前記押圧装着溝(94)内に位置し、前記制限セグメント(922)は、前記ナット(10)の軸方向に沿って延在し、且つ前記止め輪(70)に制限係合され、前記電子膨張弁はスピンドルアセンブリ(60)を更に含み、前記スピンドルアセンブリ(60)は、前記ナット本体(11)に螺合され、且つ前記ロータアセンブリ(90)に固定接続される、請求項34に記載の電子膨張弁。
【請求項36】
前記接続板(20)と前記ナット(10)とは、径方向においてクリアランスフィットされ、前記接続板(20)と前記弁座(42)とは、前記ナット(10)の軸方向においてクリアランスフィットされ、前記電子膨張弁はガイドスリーブ(50)を更に含み、前記ガイドスリーブ(50)は前記弁座(42)のチャンバ内に固定して設けられ、前記ガイドスリーブ(50)は前記ナット(10)に挿嵌され、前記ガイドスリーブ(50)と前記ナット(10)とは、軸方向において当接し、且つ径方向においてインターフェアランスフィットされる、請求項29に記載の電子膨張弁。
【請求項37】
前記ナット(10)は位置決め孔(1101)を有し、前記位置決め孔(1101)内には止め面(1102)があり、前記ガイドスリーブ(50)の一端は前記位置決め孔(1101)に貫入し、前記ガイドスリーブ(50)の端面は前記止め面(1102)に当接し、前記ガイドスリーブ(50)の外壁は前記位置決め孔(1101)の内壁にインターフェアランスフィットされるか、
又は、前記ガイドスリーブ(50)は位置決め孔(1101)を有し、前記位置決め孔(1101)内には止め面(1102)があり、前記ナット(10)の一端は前記位置決め孔(1101)に貫入し、前記ナット(10)の端面は前記止め面(1102)に当接し、前記ナット(10)の外壁は前記位置決め孔(1101)の内壁にインターフェアランスフィットされる、請求項36に記載の電子膨張弁。
【請求項38】
前記弁座(42)内に設けられる位置決め突部(421)を更に含み、前記位置決め突部(421)は、前記ガイドスリーブ(50)の前記ナット(10)から離れた一端に挿嵌され、前記位置決め突部(421)と前記ガイドスリーブ(50)とは、軸方向において当接し、且つ径方向においてインターフェアランスフィットされる、請求項36に記載の電子膨張弁。
【請求項39】
前記位置決め突部(421)及び前記弁座(42)は一体構造であるか、又は前記電子膨張弁は弁口部材(040)を含み、前記弁口部材(040)は、前記位置決め突部(421)、及び前記位置決め突部(421)に接続される本体(042)を含み、前記本体(042)及び前記位置決め突部(421)を貫通する弁口を更に有し、前記本体(042)は前記弁座(42)に固定接続され、前記位置決め突部(421)は前記ガイドスリーブ(50)の前記ナット(10)から離れた一端に貫入し、前記位置決め突部(421)は前記ガイドスリーブ(50)にインターフェアランスフィットされ、前記ガイドスリーブ(50)は前記本体(042)に当接する、請求項38に記載の電子膨張弁。
【請求項40】
前記本体(042)は、順に接続された第1軸セグメント(0421)、第2軸セグメント(0422)及び第3軸セグメント(0423)を含み、前記第1軸セグメント(0421)、前記第2軸セグメント(0422)及び前記第3軸セグメント(0423)の外径は順に減少し、前記第1軸セグメント(0421)は前記位置決め突部(421)に接続され、前記弁座(42)は、互いに連通された第1係合孔及び第2係合孔を有し、前記第1係合孔の直径は前記第2係合孔の直径よりも大きく、前記第1軸セグメント(0421)は前記第1係合孔に貫入し、前記第2軸セグメント(0422)は前記第2係合孔を貫通し、前記第3軸セグメント(0423)は前記弁座(42)外に位置する、請求項39に記載の電子膨張弁。
【請求項41】
前記弁座(42)の内側壁には、前記ナット(10)の軸線に平行な第1段差面(4221)、及び前記ナット(10)の軸線に垂直な第2段差面(4222)があり、前記第1段差面(4221)及び前記第2段差面(4222)は段差構造を形成し、前記接続板(20)の外側壁は前記第1段差面(4221)に接続され、前記接続板(20)は前記第2段差面(4222)にクリアランスフィットされ、前記接続板(20)の一部は前記段差構造内に位置し、前記接続板(20)の別の部分は前記段差構造外に位置し、前記接続板(20)は前記弁座(42)に溶接される、請求項36に記載の電子膨張弁。
【請求項42】
前記弁体アセンブリ(40)は弁蓋(41)を更に含み、前記電子膨張弁はロータアセンブリ(90)を更に含み、前記弁蓋(41)は前記弁座(42)に接続され、前記ロータアセンブリ(90)は、前記弁蓋(41)内に設けられ、磁気ロータ(93)、及び前記磁気ロータ(93)内に設けられる回転接続部材を含み、前記回転接続部材は、互いに接続されたロータ接続板(91)及びガイドシート(92)を含み、前記ロータ接続板(91)は前記磁気ロータ(93)に固定接続され、前記ガイドシート(92)は前記ナット(10)の軸方向に沿って延在し、前記ナットアセンブリは、前記ナット(10)に回転可能に設けられる止め輪(70)を更に含み、前記ガイドシート(92)の側壁は前記止め輪(70)に制限係合され、
前記回転接続部材は一体構造であるか、又は前記ロータ接続板(91)、前記ガイドシート(92)は2つの独立した構造であり、前記ガイドシート(92)は前記磁気ロータ(93)の内壁にクリアランスフィットされるか、又は前記ガイドシート(92)は前記磁気ロータ(93)の内壁に密着する、請求項41に記載の電子膨張弁。
【請求項43】
前記接続板(20)と前記第2段差面(4222)との間には隙間t1があり、t1≧0.2mmであり、前記接続板(20)の厚さをt2とすると、t1≦0.3t2である、請求項41に記載の電子膨張弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2022年3月4日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202220483057.1であり、発明創造の名称が「ナットアセンブリ及び電子膨張弁」である特許出願の優先権を主張する。
本出願は、2022年3月4日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202220475997.6であり、発明創造の名称が「ナットアセンブリ及び電子膨張弁」である特許出願の優先権を主張する。
本出願は、2022年3月4日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202210212550.4であり、発明創造の名称が「電子膨張弁」である特許出願の優先権を主張する。
本出願は、2022年3月4日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202220481995.8であり、発明創造の名称が「ナット構造及び電動弁」である特許出願の優先権を主張する。
本出願は、2022年3月4日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202220483043.Xであり、発明創造の名称が「ナットアセンブリ及び電子膨張弁」である特許出願の優先権を主張する。
本出願は、2022年3月4日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202220482293.1であり、発明創造の名称が「電子膨張弁」である特許出願の優先権を主張する。
本出願は、2022年3月4日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202220476651.8であり、発明創造の名称が「ナット構造及び電動弁」である特許出願の優先権を主張する。
本出願は、2022年3月4日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202210213276.2であり、発明創造の名称が「ナットアセンブリ及び電子膨張弁」である特許出願の優先権を主張する。
【0002】
本出願は電子膨張弁の技術分野に関し、具体的には、ナットアセンブリ及び電子膨張弁に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、従来技術における電子膨張弁のナットアセンブリは、接続板とナット本体とが係着によって接続されるのが一般的であり、ナットアセンブリをインサート射出成形する際に、接続板を入れる必要があるため、生産効率が低く、接続板を持つナット本体は二次利用ができない。更に、プロセス上の理由によって、ナット本体と接続板との接続位置にはバリが多く存在し、ナットアセンブリの構造の信頼性及び安定性に影響を与えてしまう。
【発明の概要】
【0004】
本出願は、従来技術におけるナットアセンブリの生産効率及び構造強度を向上させるためのナットアセンブリ及び電子膨張弁を提供している。
【0005】
本出願の一態様によれば、上記の目的を達成するために、本出願は、互いに接続されたナット本体及び制限板を含み、制限板の径方向寸法はナット本体の径方向寸法よりも大きいナットと、ナット本体に取り外し可能に嵌合され、且つ制限板に当接する接続板と、を含む、ナットアセンブリを提供している。
【0006】
更に、制限板又はナット本体は第1制限構造を有し、接続板は第2制限構造を有し、接続板及びナットの周方向における相対位置を制限するように、第1制限構造は第2制限構造に制限係合される。
【0007】
更に、第1制限構造は、ナット本体の外壁に設けられる制限突部を含み、第2制限構造は、接続板の内壁に設けられる制限溝を含み、制限突部は制限溝内に位置する。
【0008】
更に、制限突部は複数であり、複数の制限突部はナット本体を取り囲んで設けられ、制限溝は複数であり、複数の制限溝は、複数の制限突部に一対一に対応して設けられる。
【0009】
更に、ナット本体は、順に接続されたナットセグメント、遷移セグメント及び接続セグメントを含み、接続セグメントの径方向寸法はナットセグメントの径方向寸法よりも大きく、ナットセグメント内には雌ねじがあり、接続セグメントは制限板に接続され、接続板は接続セグメントに取り外し可能に嵌合される。
【0010】
本出願の別の態様によれば、弁体アセンブリ、及び弁体アセンブリ内に位置する上記のナットアセンブリを含む、電子膨張弁を提供している。
【0011】
更に、弁体アセンブリは、互いに接続された弁蓋及び弁座を含み、ナット本体の少なくとも一部は弁蓋のチャンバ内に位置し、制限板は弁座のチャンバ内に位置し、接続板の外側壁は弁座の内側壁に溶接される。
【0012】
更に、弁座は開口を有し、接続板は開口に設けられ、接続板の、弁座のチャンバから離れた側と開口が位置する平面との間の距離をLとすると、L≧0.02mmであり、接続板の厚さをtとすると、L<0.4tである。
【0013】
更に、接続板は、均衡化孔又は均衡化溝を有し、弁座のチャンバは、均衡化孔又は均衡化溝によって弁蓋のチャンバに連通される。
【0014】
更に、電子膨張弁は、ガイドスリーブ及びスピンドルアセンブリを更に含み、ナットは位置決め孔を有し、位置決め孔内には止め面があり、ガイドスリーブの一端は位置決め孔に貫入し、ガイドスリーブの端面は止め面に当接し、スピンドルアセンブリは、ナット本体に螺合され、且つガイドスリーブを貫通する。
【0015】
更に、弁座の内壁は位置決め突部を有し、位置決め突部は弁口を有し、位置決め突部は、ガイドスリーブのナットから離れた一端に貫入し、位置決め突部、ガイドスリーブ、位置決め孔及びスピンドルアセンブリは同軸に設けられる。
【0016】
本出願の技術態様を適用して、互いに接続されたナット本体及び制限板を含み、制限板の径方向寸法はナット本体の径方向寸法よりも大きいナットと、ナット本体に取り外し可能に嵌合され、且つ制限板に当接する接続板と、を含む、ナットアセンブリを提供している。この態様を用いることで、ナットアセンブリのナット本体と接続板とが別体に設けられることによって、接続板がナット本体の外周面に取り外し可能に嵌合され、且つ制限板に当接するため、従来技術において、ナットアセンブリをインサート射出成形する際に、接続板を入れなければならないようになることを回避することによって、ナット本体と接続板とをそれぞれ個別に加工成形してから、組み合わせることができるので、生産効率を向上させると同時に、接続板を持つナット本体が二次利用できないようになることを回避するため、ナット本体をより良く二次利用することができる。更に、このようにすると、従来技術において、ナットアセンブリをインサート射出成形する際に、プロセス上の理由によって、接続板とナット本体との接続位置にバリが多く存在することによって、ナットアセンブリが損傷してしまうことを回避し、ナットアセンブリの信頼性及び安定性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本出願の一部を構成する明細書の図面は、本出願に対する更なる理解を提供するためのものであり、本出願の模式的な実施例及びその説明は、本出願を解釈するためのものであり、本出願を不適切に限定するものではない。
【0018】
図1】本出願の実施例によって提供されるナットアセンブリの構成模式図を示す。
図2図1のナットアセンブリにおけるナット及び制限突部の構成模式図を示す。
図3図1のナットアセンブリの接続板及び制限溝の構成模式図を示す。
図4】本出願の別の実施例によって提供される電子膨張弁の構成模式図を示す。
図5図4の電子膨張弁の断面図を示す。
図6図5で選択された位置の拡大図を示す。
図7】本出願の実施例によって提供される別のナットアセンブリの構成模式図を示す。
図8】本出願の実施例によって提供される別のナットアセンブリの構成模式図を示す。
図9図8における一部構造の模式図を示す。
図10図4におけるロータアセンブリの模式図を示す。
図11図10における一部構造の模式図を示す。
図12図10におけるガイドシートの模式図を示す。
図13】本出願の実施例によって提供される別のナットアセンブリの構成模式図を示す。
図14図13におけるナットの模式図を示す。
図15】本出願の実施例によって提供される別のナットアセンブリの構成模式図を示す。
図16図14の別の視点の図を示す。
図17図16の底面図を示す。
図18図13における接続板の模式図を示す。
図19】本出願の実施例によって提供される別のナットアセンブリの構成模式図を示す。
図20図19のナットアセンブリの上面図を示す。
図21図20のナットの夾角の注釈付きの模式図を示す。
図22】本出願の別の実施例によって提供される電子膨張弁の構成模式図を示す。
図23図22におけるナットの断面図を示す。
図24図22の部分拡大図1を示す。
図25図22の部分拡大図2を示す。
図26図22におけるロータアセンブリの構成模式図を示す。
【0019】
ここで、上記の図面には、以下の符号が含まれる。
10 ナット、11 ナット本体、111 ナットセグメント、112 遷移セグメント、113 接続セグメント、114 離型平面、115 ガイド傾斜面、12 制限板、13 スパイラルガイド溝、15 係合溝、151 第1スロット、152 第2スロット、013 切断面、0131 第1平面、0132 第2平面、0133 第3平面、0134 第4平面、1101 位置決め孔、1102 止め面、
030 均衡化通路、031 第1凹溝、032 第2凹溝、
20 接続板、21 均衡化溝、021 接続輪、201 バリ面、
31 制限突部、311 第1制限面、312 第1係合面、32 制限溝、321 第2制限面、322 第2係合面、
40 弁体アセンブリ、41 弁蓋、42 弁座、421 位置決め突部、422 弁口、040 弁口部材、042 本体、0421 第1軸セグメント、0422 第2軸セグメント、0423 第3軸セグメント、4221 第1段差面、4222 第2段差面、
411 第1制限ブロック、412 制限輪、4121 弧状部材、4122 第1フック、4123 第2フック、4124 第1止め面、43 第2制限ブロック、431 第2止め面、
50 ガイドスリーブ、
60 スピンドルアセンブリ、
70 止め輪、71 螺旋部材、72 第3フック、73 第4フック、
831 第1制限部、832 第2制限部、833 第3制限部、834 第4制限部、35 第5制限部、36 第6制限部、
90 ロータアセンブリ、91 ロータ接続板、92 ガイドシート、921 押圧装着セグメント、922 制限セグメント、93 磁気ロータ、94 押圧装着溝、95 制限部材。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本出願の実施例における図面を参照して、本出願の実施例における技術態様を明瞭に且つ完全に記述するが、記述される実施例は、単に本出願の一部の実施例にすぎず、全ての実施例ではないことは明らかである。本出願における実施例に基づき、当業者が創造的な労力なしに得られた全ての他の実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属するものとする。
【0021】
図1から図3に示すように、本出願の実施例は、互いに接続されたナット本体11及び制限板12を含み、制限板12の径方向寸法はナット本体11の径方向寸法よりも大きいナット10と、ナット本体11に取り外し可能に嵌合され、且つ制限板12に当接する接続板20と、を含む、ナットアセンブリを提供している。
【0022】
本実施例では、ナットアセンブリのナット本体11と接続板20とが別体に設けられることによって、接続板20がナット本体11の外周面に取り外し可能に嵌合され、且つ制限板12に当接するため、従来技術において、ナットアセンブリをインサート射出成形する際に、接続板を入れなければならないようになることを回避することによって、ナット本体11と接続板20とをそれぞれ個別に加工成形してから、組み合わせることができるので、生産効率を向上させると同時に、接続板を持つナット本体が二次利用できないようになることを回避するため、ナットをより良く二次利用することができる。更に、このようにすると、従来技術において、ナットアセンブリをインサート射出成形する際に、プロセス上の理由によって、接続板とナット本体との接続位置にバリが多く存在することによって、ナットアセンブリが損傷してしまうことを回避し、ナットアセンブリの信頼性及び安定性を向上させる。
【0023】
図2及び図3に示すように、制限板12又はナット本体11は第1制限構造を有し、接続板20は第2制限構造を有し、接続板20及びナット10の周方向における相対位置を制限するように、第1制限構造は第2制限構造に制限係合される。このようにすると、第1制限構造と第2制限構造との制限係合が接続板20及びナットの周方向における相対位置を制限することによって、接続板20とナットとが取り付け完了後に相対的に回転することがなくなり、ナットアセンブリの信頼性を確保する。
【0024】
具体的には、第1制限構造は、ナット本体11の外壁に設けられる制限突部31を含み、第2制限構造は、接続板20の内壁に設けられる制限溝32を含み、制限突部31は制限溝32内に位置する。このようにすると、ナット本体11の外壁の制限突部31を接続板20の内壁の制限溝32に差し込んで、接続板20及びナットの周方向における相対位置を制限することによって、接続板20とナットとが取り付け完了後に相対的に回転することがなくなり、ナットアセンブリの信頼性を確保する。同時に、制限突部31と制限溝32とが係止される制限方式を用いるため、制限突部31及び制限溝32に対する加工が容易であり、制限効果が良好である。
【0025】
具体的には、制限突部31は複数であり、複数の制限突部31はナット本体11を取り囲んで設けられ、制限溝32は複数であり、複数の制限溝32は、複数の制限突部31に一対一に対応して設けられる。このようにすると、複数組の制限突部31と制限溝32との制限係合によって、第1制限構造と第2制限構造との制限係合後の構造強度が向上すると同時に、複数の制限溝32と複数の制限突部31との一対一の対応によって、接続板20とナット本体11との相対位置もより良く特定することができるため、接続板20とナット本体11とが偏心して設けられることを防止する。
【0026】
更に、ナット本体11は、順に接続されたナットセグメント111、遷移セグメント112及び接続セグメント113を含み、接続セグメント113の径方向寸法はナットセグメント111の径方向寸法よりも大きく、ナットセグメント111内には雌ねじがあり、接続セグメント113は制限板12に接続され、接続板20は接続セグメント113に取り外し可能に嵌合される。
【0027】
本実施例では、接続板20は、接続セグメント113に嵌合され、且つ制限板12に当接し、制限突部31は、制限板12及び接続セグメント113に設けられ、制限溝32は接続板20の内輪に設けられる。このようにすると、ナットアセンブリを小型化することが容易になると同時に、制限突部31と制限溝32との制限係合が容易になる。
【0028】
図4から図6に示すように、本出願の別の実施例は、弁体アセンブリ40、及び弁体アセンブリ40内に位置する上記のナットアセンブリを含む、電子膨張弁を提供している。
【0029】
図4に示すように、弁体アセンブリ40は、互いに接続された弁蓋41及び弁座42を含み、ナット本体11の少なくとも一部は弁蓋41のチャンバ内に位置し、制限板12は弁座42のチャンバ内に位置し、接続板20の外側壁は弁座42の内側壁に溶接される。
【0030】
本実施例では、ナット本体11のナットセグメント111及び遷移セグメント112はいずれも弁蓋41のチャンバ内に位置し、ナット本体11の接続セグメント113の一部は弁蓋41のチャンバ内に位置し、別の部分は弁座42のチャンバ内に位置し、制限板12は弁座42のチャンバ内に位置する。接続板20の外径はナット本体11の最大外径よりも大きく、接続板20の外側壁は弁座42の内側壁に溶接接続されるため、ナットアセンブリの、弁体アセンブリ40のチャンバ内での移動を防止し、電子膨張弁の信頼性及び安定性を確保する。
【0031】
図5及び図6に示すように、弁座42は開口を有し、接続板20は開口に設けられ、接続板20の、弁座42のチャンバから離れた側と開口が位置する平面との間の距離をLとすると、L≧0.02mmであり、接続板20の厚さをtとすると、L<0.4tである。このようにすると、接続板20の一部は開口を通って弁座42のチャンバ内に位置し、別の部分は弁蓋41のチャンバ内に位置し、L及びtの数値範囲が限定されるため、接続板20と弁座42とが接続された後に環状段差を形成することができることと、接続板20と弁座42とが接続される環状位置に溶接点が形成されることを確保し、接続板20と弁座42との間に形成される段差の高さが低すぎて、溶接が確実でなくなることを回避し、接続板20と弁座42との溶接接続の信頼性を確保する。
【0032】
具体的には、接続板20は、均衡化孔又は均衡化溝21を有し、弁座42のチャンバは、均衡化孔又は均衡化溝21によって弁蓋41のチャンバに連通される。
【0033】
本実施例では、弁座42の開口は弁蓋41のチャンバに連通されるが、ナットアセンブリを取り付けた後に、弁座42のチャンバは、ナットアセンブリによって弁蓋41のチャンバから隔離されるため、接続板20に均衡化孔又は均衡化溝21を設けることによって、弁蓋41のチャンバと弁座42のチャンバとを連通し、弁体アセンブリ40内の圧力バランスを達成し、電子膨張弁の信頼性を確保する。
【0034】
具体的には、電子膨張弁は、ガイドスリーブ50及びスピンドルアセンブリ60を更に含み、ナット10は位置決め孔を有し、位置決め孔内には止め面があり、ガイドスリーブ50の一端は位置決め孔に貫入し、ガイドスリーブ50の端面は止め面に当接し、スピンドルアセンブリ60は、ナット本体11に螺合され、且つガイドスリーブ50を貫通する。
【0035】
本実施例では、スピンドルアセンブリ60はガイドスリーブ50内に移動可能に差し込まれ、スピンドルアセンブリ60のスクリュはナット本体11の雌ねじに螺合され、ナットの位置決め孔はナット全体を貫通するように設けられ、位置決め孔内には止め面があり、ガイドスリーブ50の一端は止め面に当接し、ガイドスリーブ50の外側壁は位置決め孔の内側壁に制限係合される。このようにすると、止め面がガイドスリーブ50に係合されることによって、ナットの位置決めの役割を果たし、ガイドスリーブ50によってナットアセンブリ全体に対して位置決め及び軸方向制限を行うことによって、弁座42とナットアセンブリとの同軸度をより良く確保することができ、電子膨張弁の内部漏れ防止性能が向上する。
【0036】
更に、弁座42の内壁は位置決め突部421を有し、位置決め突部421は弁口422を有し、位置決め突部421は、ガイドスリーブ50のナット10から離れた一端に貫入し、位置決め突部421、ガイドスリーブ50、位置決め孔及びスピンドルアセンブリ60は同軸に設けられる。このようにすると、弁蓋41と弁座42との同軸度を確保して、電子膨張弁の信頼性を確保することができる。
【0037】
選択的には、位置決め突部421及び弁座42は一体構造であるか、あるいは位置決め突部421及び弁座42は別体構造である。
【0038】
具体的には、電子膨張弁はロータアセンブリを更に含み、ロータアセンブリは、弁蓋41のチャンバ内に設けられ、スピンドルアセンブリに接続され、ナットアセンブリに止め係合される。電子膨張弁の取り付け過程は、以下の通りである。接続されたスピンドルアセンブリ60及びナットアセンブリを弁座42に取り付けてから、即ち、ナットの位置決め孔の内側壁とガイドスリーブ50の外側壁とを制限係合してから、接続板20を接続セグメント113に嵌合し、接続板20に制限板12向きの力を加えることによって、接続板20を制限板12に当接させ、止め面がガイドスリーブ50の一端に当接するまで、ナットアセンブリ全体を弁座42のチャンバ内に向けて移動させ、このとき、接続板20と弁座42の側壁との間に段差が形成され、接続板20と弁座42との接続位置を溶接してから、ロータアセンブリとスピンドルアセンブリとを固定接続し、最後に弁蓋41と弁座42とを固定接続して、電子膨張弁の取り付けを完了する。
【0039】
図7から図9に示すように、ナット10は雌ねじを有し、ナット10の外周面にはスパイラルガイド溝13があり、ナットアセンブリは止め輪70を更に含み、止め輪70は、スパイラルガイド溝13に嵌合され、スパイラルガイド溝13に沿って回転することができる。スパイラルガイド溝13を設けることによって、従来技術における、ナット、止め輪及び制限バネの組み付けが複雑であるという問題を回避し、制限バネを更に取り付ける必要がなく、取り付け過程が簡素化され、止め輪70及びナット10の取り付けの自動化を実現することが容易になり、ナットアセンブリの生産効率が更に向上する。
【0040】
ここで、ナットアセンブリは第3制限構造を更に含み、第3制限構造は、ナット本体11の外周面に設けられ、スパイラルガイド溝13の接続板20から離れた側に位置し、止め輪70に止め係合される。このようにすると、止め輪70のスパイラルガイド溝13内での移動を制限することができ、止め輪70がスパイラルガイド溝13内で接続板20から離れる側に向かって移動する場合に、スパイラルガイド溝13から離脱することを防止し、止め輪70の移動の信頼性を確保する。
【0041】
具体的には、第3制限構造は第1制限ブロック411であり、第1制限ブロック411は、ナット本体11の外周面から突出するように設けられ、且つ止め輪70に止め係合され、第1制限ブロック411及びナット本体11は一体構造である。
【0042】
このようにすると、ナットアセンブリの加工が容易になり、第1制限ブロック411によって止め輪70のスパイラルガイド溝13内での移動を制限することによって、止め輪70がスパイラルガイド溝13内で接続板20から離れる側に向かって移動する場合に、スパイラルガイド溝13から離脱することを防止すると同時に、従来技術において、ナットアセンブリ内の制限バネの不具合によって上止めが無効になることを回避することもでき、ナット本体11と第1制限ブロック411との接続の信頼性を確保すると同時に、止め輪70の移動の信頼性を確保する。
【0043】
あるいは、第3制限構造は制限輪412であり、制限輪412は、弧状部材4121、及び弧状部材4121の両端に設けられる第1フック4122、第2フック4123を含み、第1フック4122は、弧状部材4121の止め輪70から離れた側に位置し、第2フック4123は、弧状部材4121の止め輪70に向いた側に位置し、弧状部材4121及び第1フック4122はいずれもナット本体11に接続され、第2フック4123は止め輪70に止め係合される。
【0044】
本実施例では、制限輪412を設けることによって、止め輪70をナット本体11に組み付けてから、制限輪412を取り付けることができる。このようにすると、止め輪70及びナット本体11の取り付けの自動化を実現することが容易になり、ナットアセンブリの生産効率が更に向上する。止め輪70が制限輪412の弧状部材4121に直接止められることを回避し、止め輪70の一端にあるバリ等による弧状部材4121の損傷を防止し、制限輪412の信頼性を確保する。
【0045】
具体的には、ナット本体11の外周面には係合溝15があり、弧状部材4121及び/又は第1フック4122は係合溝15に制限係合され、係合溝15は第1スロット151及び第2スロット152を含み、第1スロット151は、弧状溝であり、ナット本体11の周方向に沿って延在するように設けられ、第2スロット152はナット本体11の軸方向に沿って延在し、弧状部材4121は第1スロット151に係止し、第1フック4122は第2スロット152に係止する。
【0046】
このようにすると、弧状部材4121と第1スロット151との係止によって、制限輪412の、ナット本体11の軸線方向における移動が制限され、第1フック4122と第2スロット152との係止によって、制限輪412の、ナット本体11の周方向における回転が制限され、制限輪412の接続の信頼性が確保される。
【0047】
更に、第3制限構造は、ナット本体11の外周面から突出した第1止め面4124を有し、止め輪70は第1止め面4124に止め係合され、第4制限構造は、ナット本体11に設けられ、ナット本体11の外周面から突出した第2止め面431を有し、止め輪70は第2止め面431に止め係合され、スパイラルガイド溝13は、第3制限構造と第4制限構造との間に位置する。
【0048】
本実施例では、ナット本体11の外周面から突出した第1止め面4124、第2止め面431が設けられ、止め輪70が第1止め面4124、第2止め面431にそれぞれ止め係合されることによって、止め輪70と第1止め面4124との止め位置及び止め輪70と第2止め面431との止め位置がスパイラルガイド溝13から突出するように設けられ、従来技術において、止め輪70と第1止め面との止め位置及び止め輪70と第2止め面との止め位置がスパイラルガイド溝13内又はスパイラルガイド溝13の延長線上に位置することを回避し、止め輪70が止め衝突した後に生じる粉末等がスパイラルガイド溝13に入って、止め輪70が動けなくなることを防止し、止め輪70の移動の信頼性を確保する。
【0049】
具体的には、第3制限構造及び第4制限構造は、止め輪70の、ナット本体11の軸線に沿う2つの方向をそれぞれ制限する。第1止め面4124及び第2止め面431は、いずれもスパイラルガイド溝13又はスパイラルガイド溝13の延長線を避けて設けられる。このようにすると、止め輪70と第1止め面との止め位置及び止め輪70と第2止め面との止め位置がいずれもスパイラルガイド溝13内又はスパイラルガイド溝13の延長線上に位置しないようになることを確保し、止め輪70が止め衝突した後に生じる粉末等がスパイラルガイド溝13に入って、止め輪70が動けなくなることを防止し、止め輪70の移動の信頼性を確保する。
【0050】
ここで、止め輪70は、螺旋部材71、及び螺旋部材71の両端にそれぞれ設けられる第3フック72、第4フック73を含み、螺旋部材71はスパイラルガイド溝13内に位置し、第3フック72は第3制限構造に止め係合され、第4フック73は第4制限構造に止め係合される。
【0051】
本実施例では、第3フック72、第4フック73を設けることによって、従来技術における止め輪の両端止めが両フック止めに変更されて、止め面積を増大させ、止め衝突の過程で粉末が生じないか又は少量の粉末が生じることを確保することができ、ナットアセンブリの性能を確保する。
【0052】
具体的には、第3フック72は、ナット本体11の外周面から離れる方向に向かって延在し、第4フック73は、螺旋部材71の第4制限構造に向いた側に位置し、且つナット本体11の軸線方向に沿って延在する。本実施例では、第3フック72は、ナット本体11の軸線に垂直に設けられ、第4フック73は傾斜して設けられる。このようにすると、止め輪70の止め位置をスパイラルガイド溝13から突出させて設けることが容易になる。
【0053】
ここで、第4制限構造は第2制限ブロック43であり、第2止め面431は第2制限ブロック43の外側壁に位置し、止め輪70は第2制限ブロック43の外側壁に止め係合される。
【0054】
更に、ナット本体11の一端にはガイド傾斜面115があり、ガイド傾斜面115は、制限輪412を組み付ける際にガイドするために用いられる。このようにすると、止め輪70及び制限輪412のナット本体11への取り付けをガイドすることが容易になり、ナットアセンブリの取り付けの自動化を実現することが容易になる。
【0055】
更に、ナットアセンブリは第2制限ブロック43を更に含み、第2制限ブロック43は、ナット本体11の外周面から突出するように設けられ、スパイラルガイド溝13の接続板20に向いた側に位置し、且つ止め輪70に止め係合され、第2制限ブロック43及びナット本体11は一体構造である。
【0056】
このようにすると、ナットアセンブリの加工が容易になり、第2制限ブロック43によって止め輪70のスパイラルガイド溝13内での移動を制限することによって、止め輪70がスパイラルガイド溝13内で接続板20に向いた側に向かって移動する場合に、スパイラルガイド溝13から離脱することを防止すると同時に、従来技術において、ナットアセンブリ内の制限バネの不具合によって下止めが無効になることを回避することもでき、ナット本体11と第2制限ブロック43との接続の信頼性を確保すると同時に、止め輪70の移動の信頼性を確保する。具体的には、第1制限ブロック411及び第2制限ブロック43は、止め輪70の軸方向に移動する2つの方向をそれぞれ制限するため、ナットアセンブリの信頼性を確保する。
【0057】
更に、ナット本体11はナットセグメント111を含み、ナットセグメント111の外周面には対向して設けられる2つの離型平面114があり、離型平面114はナットセグメント111の軸線方向に沿って設けられ、スパイラルガイド溝13は、ナットセグメント111の、2つの離型平面114の間に位置する外周面に設けられる。離型平面114を設けることによって、ナット本体11の加工及び離型が容易になり、ナット本体11の生産の自動化が実現され、ナットアセンブリの生産効率が向上する。
【0058】
図4図10から図12に示すように、電子膨張弁はロータアセンブリ90を更に含み、ロータアセンブリ90は、ロータ接続板91、ガイドシート92及び筒状の磁気ロータ93を含み、ロータ接続板91は、磁気ロータ93のチャンバ内に位置し、且つ磁気ロータ93に固定接続され、ガイドシート92は、磁気ロータ93のチャンバ内に位置し、且つロータ接続板91に固定接続され、ガイドシート92は止め輪70に制限係合される。本実施例では、ロータ接続板91及び磁気ロータ93は、外部コイルの駆動下で同期回転し、ロータ接続板91に固定接続されるガイドシート92を動かして同期回転させ、且つナット本体11の軸線方向に沿って移動させ、ガイドシート92の移動過程で、ガイドシート92は、止め輪70に当接し、更に、止め輪70を動かしてナット本体11上を螺旋移動する。具体的には、ガイドシート92と磁気ロータ93のチャンバの内側壁との間には隙間があるか、又はガイドシート92と磁気ロータ93のチャンバの内側壁との間には隙間がない。選択的には、ガイドシート92と磁気ロータ93との間には隙間がなくてもよく、この場合のガイドシートの材質は、上記のガイドシートの材質と異なる。このようにすると、従来技術において、粉末冶金のロータ接続板とガイドシートとをレーザ溶接する必要があり、溶接後に、黒化やクラック等の不具合が生じやすくなることを回避し、ロータアセンブリ90の信頼性を確保する。
【0059】
ここで、ロータ接続板91は押圧装着溝94を有し、ガイドシート92は、互いに接続された押圧装着セグメント921及び制限セグメント922を含み、押圧装着セグメント921と制限セグメント922とは互いに垂直であり、押圧装着セグメント921は押圧装着溝94内に位置し、制限セグメント922は、ナット10の軸方向に沿って延在し、且つ止め輪70に制限係合され、電子膨張弁はスピンドルアセンブリ60を更に含み、スピンドルアセンブリ60は、ナット本体11に螺合され、且つロータアセンブリ90に固定接続される。押圧装着セグメント921と押圧装着溝94との制限係合によって、ロータ接続板91とガイドシート92との固定接続が実現され、溶接接続が不要となり、加工コストが低下する。選択的には、押圧装着セグメント921は押圧装着溝94にインターフェアランスフィットされ、押圧装着溝94は矩形溝である。
【0060】
図13から図15に示すように、接続板20とナット10との間には均衡化通路030があり、均衡化通路030は接続板20の両側の領域を連通する。本実施例では、均衡化通路030によって接続板20の両側の領域の連通を実現し、更に、接続板20の両側の領域の圧力バランスを達成するため、従来技術において、ナットアセンブリが弁体アセンブリに組み付けられた後に、係合板及びナットが係合板の両側のチャンバ領域を分離して、係合板の両側のチャンバ領域の圧力が均衡でなくなることを回避し、ナットアセンブリが弁体アセンブリに組み付けられた後の作業の信頼性及び安定性を確保する。
【0061】
具体的には、第1制限構造は、ナット本体11に位置し、且つ第1凹溝031を有し、制限板12は第2凹溝032を有し、第1凹溝031と第2凹溝032とは均衡化通路030を形成する。本実施例では、第1凹溝031は第1制限構造に設けられ、第2凹溝032は制限板12に設けられるため、第1制限構造、制限板12の加工を容易にすると同時に、第1制限構造及び制限板12の全体の寸法を減少させ、ナットアセンブリの小型化を確保し、ナットアセンブリの生産効率を向上させる。
【0062】
あるいは、第1制限構造は第1凹溝031を有し、第2制限構造は第3凹溝を有し、第1凹溝031と第3凹溝とは均衡化通路030を形成する。第1凹溝031は第1制限構造に設けられ、第3凹溝は2制限構造に設けられるため、第1制限構造、第2制限構造の加工を容易にすると同時に、第1制限構造及び第2制限構造の全体の寸法を減少させ、ナットアセンブリの小型化を確保し、ナットアセンブリの生産効率を向上させる。具体的には、第3凹溝は制限板12を避けて設ける必要があるため、連通後の第1凹溝031及び第3凹溝は、接続板20の両側の領域を連通することができることを確保し、均衡化通路030の信頼性を確保する。
【0063】
別の実施例では、ナット本体11の外壁には切断面013があり、均衡化通路030は、切断面013と接続板20の内壁との間に位置する。これにより、ナット本体11の加工切断が容易になり、ナット10の生産効率が向上する。具体的には、切断面013の位置は、ナット本体11を型締成形する際の型締線が位置する位置であってよく、均衡化通路030を加工するために、ナット本体11の外周を切断すると同時に、ナット本体11の外周の型締線を除去するため、型締線がナット本体11の周方向周りの止め輪の回転に影響を与えることを防止し、ナットアセンブリの信頼性を確保する。
【0064】
具体的には、ナット本体11は、順に接続されたナットセグメント111、遷移セグメント112、接続セグメント113を含み、制限板12の最大径方向寸法は接続セグメント113の最大径方向寸法よりも大きく、切断面013は、順に接続された第1平面0131、第2平面0132、第3平面0133及び第4平面0134を含み、第1平面0131はナットセグメント111に位置し、第2平面0132は遷移セグメント112に位置し、第3平面0133は接続セグメント113に位置し、第4平面0134は制限板12に位置し、第3平面0133と第4平面0134とは同一平面上に設けられ、均衡化通路030は、第3平面0133と接続板20の内壁との間に位置する。
【0065】
本実施例では、第1平面0131、第2平面0132、第3平面0133及び第4平面0134は順に接続されるため、第1平面0131、第2平面0132、第3平面0133及び第4平面0134を一度に切断成形することができ、ナット本体11の切断加工が容易になり、ナット本体11の加工及び生産効率が向上する。具体的には、第3平面0133と第4平面0134とは同一平面上に設けられるため、第3平面0133と接続板20との間に位置する均衡化通路030が第4平面0134により塞がれることを防止し、均衡化通路030の連通の信頼性を確保する。
【0066】
図13図16から図18に示すように、接続板20とナット10とは、周方向においてインターフェアランスフィットされ、且つ径方向においてクリアランスフィットされる。
【0067】
この態様によって、ナット10上の接続板20は、ナット10の径方向に沿って移動することができるが、ナット10の周方向に沿って回転することができないため、関連技術において、ナットアセンブリが弁体アセンブリに組み付けられる過程で、接続板20と弁体アセンブリとも緊密に係合されることで、ナット10が径方向において所定位置を超えてしまい、ナットアセンブリと弁体アセンブリとの同軸度を確保することができなくなることを回避し、ナットアセンブリと弁体アセンブリとの同軸度を向上させ、ナットアセンブリの加工精度及び加工コストを低減させ、ナットアセンブリの組み付け難易度を低減させ、ナットアセンブリの生産効率を向上させる。
【0068】
ナット本体11には第1制限構造が設けられ、接続板20は、接続輪021、及び接続輪021に設けられる第2制限構造を含み、接続輪021は、ナット本体11に嵌合され、且つナット本体11にクリアランスフィットされ、第1制限構造と第2制限構造とは、接続輪021の径方向においてクリアランスフィットされ、第1制限構造と第2制限構造とは、接続輪021の周方向においてインターフェアランスフィットされる。このようにすると、第1制限構造と第2制限構造との制限係合によって、接続板20とナット10との制限係合が実現され、第1制限構造がナット10に直接設けられ、第2制限構造が接続板20に直接設けられるため、加工を容易にすると同時に、第1制限構造及び第2制限構造の全体の寸法を減少させ、ナットアセンブリの小型化を確保する。
【0069】
具体的には、第1制限構造は、ナット本体11の外壁に設けられる制限突部31を含み、第2制限構造は、接続板20の内壁に設けられる制限溝32を含み、制限突部31は制限溝32内に位置する。本実施例では、第1制限構造と第2制限構造との制限係合を主に制限ブロックと制限溝との制限係合として設計するため、構造が簡単で、加工が容易であり、係合が確実である。
【0070】
制限突部31は、2つの第1制限面311、及び2つの第1制限面311の間に位置する第1係合面312を有し、制限溝32は、2つの第2制限面321、及び2つの第2制限面321の間に位置する第2係合面322を有し、第1係合面312は第2係合面322にクリアランスフィットされ、2つの第1制限面311は、2つの第2制限面321に一対一に対応して制限係合される。
【0071】
本実施例では、第1係合面312と第2係合面322とのクリアランスフィットによって、接続板20がナット本体11の径方向に沿ってわずかに移動することができ、2つの第1制限面311が2つの第2制限面321に一対一に対応して制限係合されることによって、接続板20の、ナット本体11の周方向に沿う回転が制限されるため、接続板20が所定位置を超えてしまうことを回避し、制限突部及び制限溝の加工成形が容易になり、構造が簡単で、係合が確実である。具体的には、2つの第1制限面311は2つの第2制限面321に一対一に対応してインターフェアランスフィットされる。
【0072】
具体的には、2つの第1制限面311、2つの第2制限面321はいずれも平行に設けられ、2つの第1制限面311の間の距離をL1とし、2つの第2制限面321の間の距離をL2とすると、L1-L2≧0.03mmである。このようにすると、ナット本体11の外周面に嵌合される制限溝の幅がナット本体11上の制限ブロックの幅よりも小さくなるため、第1制限面311と第2制限面321とのインターフェアランスフィットの信頼性を確保する。具体的には、L1-L2<0.03mmである場合に、制限ブロックと制限溝とのインターフェアランス量が、接続板20の、ナット本体11の周方向に沿う回転を制限するのに十分でないようになることを回避し、制限ブロックと制限溝とのインターフェアランスフィットの信頼性を確保する。
【0073】
更に、第1係合面312と第2係合面322とは同軸に設けられる弧状面であり、第1係合面312の直径をd3とし、第2係合面322の直径をd4とすると、d4-d3≧0.1mmである。このようにすると、ナット本体11の外周面に嵌合される制限溝の深さがナット本体11上の制限ブロックの長さよりも大きくなるため、第1係合面312と第2係合面322とのクリアランスフィットの信頼性を確保する。具体的には、d4-d3<0.1mmである場合に、制限ブロックと制限溝との間の隙間量が、接続板20をナット本体11の径方向に沿って移動させるのに十分でないようになることを回避し、制限ブロックと制限溝とのクリアランスフィットの信頼性を確保する。
【0074】
ナット本体11の最大直径をd1とし、接続輪021の内径をd2とすると、d2-d1≧0.1mmである。このようにすると、ナット本体11の最大径方向寸法が接続輪021の内径よりも大きくなるため、接続輪021の、ナット本体11の径方向に沿う移動の信頼性を確保する。具体的には、d2-d1<0.1mmである場合に、接続輪021の内側壁がナット本体11の外側壁に密着して、接続板20がナット本体11の径方向に沿って移動することができなくなることを回避し、接続板20とナット10とのクリアランスフィットの信頼性を確保する。
【0075】
ナット10の軸方向において、制限突部31の寸法は接続板20の厚さよりも大きい。このようにすると、接続板20に対する制限突部の制限効果を確保することができる。
【0076】
図19から図21に示すように、別の実施例では、ナット10と接続板20との間にはポカヨケ構造が設けられ、ポカヨケ構造は、接続板20のナット10上における取り付け位置を限定するために用いられる。
【0077】
本実施例では、接続板20とナット10とが別体に設けられることによって、従来技術において、ナットアセンブリをインサート射出成形する際に、接続板を入れなければならないようになることを回避し、生産効率を向上させると同時に、接続板を持つナットが二次利用できないようになることを回避するため、ナットをより良く二次利用することができる。更に、このようにすると、従来技術において、ナットアセンブリをインサート射出成形する際に、プロセス上の理由によって、接続板とナットとの接続位置にバリが多く存在することによって、ナットアセンブリが損傷してしまうことを回避し、ナットアセンブリの構造強度を向上させる。ポカヨケ構造を設けることによって、接続板20とナット10とが唯一の正しい組み付け位置を有するようにすることができ、位置を間違えると、組み付けを完了することができないため、接続板20がナット10に嵌合される過程で、逆に取り付けられることを回避し、ナットアセンブリの組み付け品質を確保する。
【0078】
具体的には、ポカヨケ構造は、ナット本体11に設けられる第1制限部831、第2制限部832、及び接続板20に設けられる第3制限部833、第4制限部834を含み、第1制限部831は第3制限部833に制限係合され、第2制限部832は第4制限部834に制限係合され、接続板20はバリ面201を有し、ポカヨケ構造は、バリ面201が制限板12から遠ざかるように制限する。
【0079】
本実施例では、接続板20は、ナット本体11に取り外し可能に嵌合され、且つ制限板12に当接し、接続板20のバリ面201は、第1制限部831と第3制限部833との制限係合及び第2制限部832と第4制限部834との制限係合によって制限板12から遠ざかるため、従来技術において、作業者が接続板を取り付ける過程で、接続板のバリ面をどちら側に位置させるかを判断することができず、接続板の取り付け完了後に、バリ面が制限板に当接することを回避し、ナットアセンブリの組み付け品質を確保する。
【0080】
ここで、第1制限部831は第1制限ブロックを含み、第2制限部832は第2制限ブロックを含み、第3制限部833は第1制限溝を含み、第4制限部834は第2制限溝を含み、第1制限ブロックは第1制限溝に差し込まれ、第2制限ブロックは第2制限溝に差し込まれ、第1制限ブロックと第2制限ブロックとは寸法が異なり、ナット10の周方向において、第1制限ブロックの寸法は第2制限ブロックの寸法よりも大きく、第1制限溝と第2制限溝とは、接続板20の周方向において夾角Aを有し、0°<A<180°である。
【0081】
このようにすると、第1制限ブロック及び第2制限ブロックの寸法及び位置関係が更に限定されるため、第1制限溝と第2制限溝との間の夾角A=180°である場合に、接続板20が径方向周りに反転した後にも、第1制限ブロックと第1制限溝と、及び第2制限ブロックと第2制限溝とは依然として制限係合することができるが、バリ面201は制限板12に向くことを防止し、接続板20の組み付けの信頼性を確保し、ナットアセンブリの組み付け品質を確保する。
【0082】
あるいは、ポカヨケ構造は、ナット10に設けられる第5制限部35、及び接続板20に設けられる第6制限部36を更に含み、第2制限部832は、第1制限部831と第5制限部35との間に位置し、第4制限部834は、第3制限部833と第6制限部36との間に位置し、第5制限部35は第6制限部36に係合される。
【0083】
本実施例では、ナットアセンブリは、3組の制限部間の異なる位置での制限係合によって、接続板20とナット10との組み付けの信頼性を確保し、ナットアセンブリの組み付け品質を確保する。具体的には、第1制限部831、第2制限部832及び第5制限部35は、ナット10の周方向に沿って間隔をあけて設けられ、第3制限部833、第4制限部834及び第6制限部36は、接続板20の軸方向に沿って間隔をあけて設けられる。
【0084】
具体的には、第5制限部35は第3制限ブロックを含み、第6制限部36は第3制限溝を含み、第3制限ブロックは第3制限溝に差し込まれ、第1制限部831及び第5制限部35の寸法はいずれも第2制限部832の寸法よりも大きい。
【0085】
本実施例では、2つの制限部間の制限係合を主に制限ブロックと制限溝との制限係合として設計しているため、構造が簡単で、加工が容易であり、係合が確実である。第1制限部831及び第5制限部35の寸法はいずれも第2制限部832の寸法よりも大きく、これに対応して、第3制限部833及び第6制限部36の寸法はいずれも第4制限部834よりも大きい。このようにすると、第1制限ブロック又は第3制限ブロックと第2制限ブロックとの寸法が等しい場合に、接続板20が径方向周りに反転した後に、バリ面201は制限板12に向くが、第1制限ブロックと第1制限溝と、及び第2制限ブロックと第2制限溝と、又は、第3制限ブロックと第3制限溝と、及び第2制限ブロックと第2制限溝第とは依然として制限係合することができることを回避するか、あるいは、第1制限ブロック、第2制限ブロック及び第3制限ブロックの寸法がいずれも等しい場合に、接続板20が径方向周りに反転した後に、バリ面201は制限板12に向くが、第1制限ブロックと第1制限溝と、第2制限ブロックと第2制限溝と、及び第3制限ブロックと第3制限溝とが依然として制限係合することができることを回避し、接続板20の組み付けの信頼性を確保し、ナットアセンブリの組み付け品質を確保する。
【0086】
ナット10の周方向において、第1制限部831の径方向寸法は第5制限部35の寸法よりも小さく、第2制限部832と第1制限部831とは、接続板20の周方向において夾角Bを有し、第2制限部832と第5制限部35とは、接続板20の周方向において夾角Cを有し、B=C=90°である。このようにすると、第1制限ブロック、第2制限ブロック及び第3制限ブロックの寸法及び位置関係が更に限定されるため、接続板20の組み付けの信頼性を確保し、ナットアセンブリの組み付け品質を確保する。
【0087】
第2制限部832と第1制限部831とは、接続板20の周方向において夾角Bを有し、第2制限部832と第5制限部35とは、接続板20の周方向において夾角Cを有し、0°<B<90°であり、B+C=180°である。
【0088】
本実施例では、第1制限部831及び第5制限部35の寸法はいずれも第2制限部832の寸法よりも大きく、第1制限部831及び第5制限部35の寸法は同じであり、0°<B<90°であり、B+C=180°であることによって、第1制限部831と第5制限部35との夾角が180°であり、第2制限部832と、第1制限部831及び第5制限部35との夾角がいずれも90°である場合に、バリ面201が下を向くように、接続板20を反転させてから、接続板20を軸方向に沿って一定の角度を回転させた後に、第1制限部831を第6制限部36に制限係合し、第2制限部832を第4制限部834に制限係合し、第3制限部833を第5制限部35に制限係合することで、接続板20が依然として取り付け可能であるようになることを回避し、接続板20の組み付けの信頼性を確保し、ナットアセンブリの組み付け品質を確保する。
【0089】
図22から図26に示すように、別の実施例では、電子膨張弁における接続板20とナット10とは、径方向においてクリアランスフィットされ、弁体アセンブリ40は弁座42を含み、接続板20の外側壁は弁座42に固定接続され、接続板20と弁座42とは、ナット10の軸方向においてクリアランスフィットされ、電子膨張弁はガイドスリーブ50を更に含み、ガイドスリーブ50は弁座42のチャンバ内に固定して設けられ、ガイドスリーブ50はナット10に挿嵌され、ガイドスリーブ50とナット10とは、軸方向において当接し、且つ径方向においてインターフェアランスフィットされる。
【0090】
本実施例では、ガイドスリーブ50とナット10との軸方向及び径方向における相対移動を制限することによって、ガイドスリーブ50とナット10との同軸度を確保し、更に、ナット10とガイドスリーブ50との同軸度が確保された場合に、接続板20とナット10との間、及び接続板20と弁座42との間に十分な調節隙間を与えて、接続板20を取り付ける過程で、所定位置を超えてしまうことで、ナット10とガイドスリーブ50との同軸度に影響を与えることを防止し、ナットアセンブリの同軸度を向上させる。具体的には、接続板20とナット10とは、径方向においてクリアランスフィットされ、ナットアセンブリを取り付ける過程で、ガイドスリーブ50がナット10に当接する場合に、接続板20と弁座42とがナット10の軸方向において隙間を有するため、関連技術において、ガイドスリーブがナットに当接する場合に、接続板と弁座ともナットの軸方向において当接して、ナットが所定位置を超えてしまうことを回避すると同時に、接続板と弁座とがナットの軸方向において当接し、ガイドスリーブはナットに当接せず、ナットアセンブリの位置決めが正確でなくなることも回避し、電子膨張弁におけるナットアセンブリの取り付け精度を向上させ、電子膨張弁の性能を確保する。
【0091】
ここで、ナット10は位置決め孔1101を有し、位置決め孔1101内には止め面1102があり、ガイドスリーブ50の一端は位置決め孔1101に貫入し、ガイドスリーブ50の端面は止め面1102に当接し、ガイドスリーブ50の外壁は位置決め孔1101の内壁にインターフェアランスフィットされるか、又はガイドスリーブ50は位置決め孔1101を有し、位置決め孔1101内には止め面1102があり、ナット10の一端は位置決め孔1101に貫入し、ナット10の端面は止め面1102に当接し、ナット10の外壁は位置決め孔1101の内壁にインターフェアランスフィットされる。このようにすると、ナット10及びガイドスリーブ50の加工が容易になり、電子膨張弁の生産効率が向上する。具体的には、本実施例は、ナット10が位置決め孔1101を有し、ガイドスリーブ50の一端が位置決め孔1101に貫入する場合である。
【0092】
本実施例では、電子膨張弁は、弁座42内に設けられる位置決め突部421を更に含み、位置決め突部421は、ガイドスリーブ50のナット10から離れた一端に挿嵌され、位置決め突部421とガイドスリーブ50とは、軸方向において当接し、且つ径方向においてインターフェアランスフィットされる。このようにすると、位置決め突部421とガイドスリーブ50との制限係合によって、位置決め突部421とガイドスリーブ50との同軸度を確保し、更に、弁座42、ガイドスリーブ50及びナットアセンブリの同軸度を確保し、電子膨張弁の性能を確保する。
【0093】
具体的には、位置決め突部421及び弁座42は一体構造であるか、又は電子膨張弁は弁口部材040を含み、弁口部材040は、位置決め突部421、及び位置決め突部421に接続される本体042を含み、本体042及び位置決め突部421を貫通する弁口を更に有し、本体042は弁座42に固定接続され、位置決め突部421はガイドスリーブ50のナット10から離れた一端に貫入し、位置決め突部421はガイドスリーブ50にインターフェアランスフィットされ、ガイドスリーブ50は本体042に当接する。
【0094】
本実施例では、位置決め突部421及び弁座42は別体構造であり、弁口部材040によってガイドスリーブ50の取り付け位置を位置決めして取り付けるため、ガイドスリーブ50と弁座42との同軸度を確保し、具体的には、弁座42の軸線は弁口の中心を通るように設けられ、これにより、ナットアセンブリと弁口との同軸度を確保し、電子膨張弁の信頼性を確保する。
【0095】
更に、本体042は、順に接続された第1軸セグメント0421、第2軸セグメント0422及び第3軸セグメント0423を含み、第1軸セグメント0421、第2軸セグメント0422及び第3軸セグメント0423の外径は順に減少し、第1軸セグメント0421は位置決め突部421に接続され、弁座42は、互いに連通された第1係合孔及び第2係合孔を有し、第1係合孔の直径は第2係合孔の直径よりも大きく、第1軸セグメント0421は第1係合孔に貫入し、第2軸セグメント0422は第2係合孔を貫通し、第3軸セグメント0423は弁座42外に位置する。このようにすると、本体042と弁座42との接続の信頼性を確保し、本体042と弁座42との同軸度を確保し、更に、ガイドスリーブ50と弁座42との同軸度を確保する。
【0096】
弁座42の内側壁には、ナット10の軸線に平行な第1段差面4221、及びナット10の軸線に垂直な第2段差面4222があり、第1段差面4221及び第2段差面4222は段差構造を形成し、接続板20の外側壁は第1段差面4221に接続され、接続板20は第2段差面4222にクリアランスフィットされる。
【0097】
このようにすると、ナットアセンブリを取り付ける過程で、ガイドスリーブ50が止め面1102に当接する場合に、接続板20と弁座42とがナットの軸方向において隙間を有するため、関連技術において、ガイドスリーブが止め面に当接する場合に、接続板と弁体ともナットの軸方向において当接して、ナットアセンブリが所定位置を超えてしまうことを回避すると同時に、関連技術において、接続板と弁体とがナットの軸方向において当接し、ガイドスリーブは止め面に当接せず、ナットアセンブリの位置決めが正確でなくなることも回避し、電子膨張弁におけるナットアセンブリの取り付け精度を向上させ、ナットアセンブリの位置決めに対するガイドスリーブ50と止め面1102との当接の信頼性を確保し、更に、電子膨張弁の信頼性を向上させる。更に、段差構造によって接続板20を位置決めして取り付けるため、加工及び組み付けの位置決めが容易になる。
【0098】
接続板20の一部は段差構造内に位置し、接続板20の別の部分は段差構造外に位置し、接続板20は弁座42に溶接される。本実施例では、第1段差面4221は弁座42の端面に接続され、接続板20と弁座42との溶接位置は、接続板20の第1段差面4221に当接しない平面(即ち、接続板20の段差構造内に位置しない部分の外側壁)と、第1段差面4221に接続される弁座42の端面との間に形成される密着線の位置である。このようにすると、接続板20と弁座42との溶接のために溶接代を予め残して、接続板20と弁座42との溶接の信頼性を確保する。更に、接続板20は弁座42に溶接接続されるため、接続が安定且つ確実である。
【0099】
弁体アセンブリ40は弁蓋41を更に含み、電子膨張弁はロータアセンブリ90を更に含み、弁蓋41は弁座42に接続され、ロータアセンブリ90は、弁蓋41内に設けられ、磁気ロータ93、及び磁気ロータ93内に設けられる回転接続部材を含み、回転接続部材は、互いに接続されたロータ接続板91及びガイドシート92を含み、ロータ接続板91は磁気ロータ93に固定接続され、ガイドシート92はナット10の軸方向に沿って延在し、ナットアセンブリは、ナット10に回転可能に設けられる止め輪70を更に含み、ガイドシート92の側壁は止め輪70に制限係合される。
【0100】
本実施例では、ロータ接続板91及び磁気ロータ93は、外部コイルの駆動下で同期回転し、ガイドシート92の移動過程で、ガイドシート92は止め輪に当接し、更に、止め輪を動かしてナット10上を螺旋移動する。このようにすると、従来技術において、粉末冶金のロータ接続板とガイドシートとをレーザ溶接する必要があり、溶接後に、黒化やクラック等の不具合が生じやすくなることを回避し、ロータアセンブリ90の信頼性を確保する。
【0101】
回転接続部材は一体構造であるか、又はロータ接続板91、ガイドシート92は2つの独立した構造であり、ガイドシート92は磁気ロータ93の内壁にクリアランスフィットされるか、又はガイドシート92は磁気ロータ93の内壁に密着する。本実施例における回転接続部材は一体構造であるため、回転接続部材の加工が容易であり、ロータアセンブリの生産効率が向上する。同時に、本実施例では、ガイドシート92と磁気ロータ93との間には隙間がなく、この場合のガイドシート92の材質は、両者の間に隙間がある場合のガイドシート92の材質と異なる。
【0102】
具体的には、ロータアセンブリ90は制限部材95を更に含み、ロータ接続板91は押圧装着溝94を有し、制限部材95は押圧装着溝94内に設けられ、ナット10の一部は磁気ロータ93内に設けられ、電子膨張弁はスピンドルアセンブリ60を更に含み、スピンドルアセンブリ60のスクリュは制限部材95に溶接され、スクリュはナット10に螺合される。このようにすると、制限部材95によってスピンドルアセンブリ60とロータ接続板91とが固定接続されるため、加工コストが低下する。同時に、ロータアセンブリ90における各部分が別体に設けられ、回転接続部材が一体構造として設けられるため、従来技術において、インサート取り付けされた粉末冶金のロータアセンブリをスピンドル部件に溶接する際に、熱を受けて、割れ、減磁等の不具合が生じやすくなることを回避し、更に、ロータアセンブリ90の信頼性を確保する。
【0103】
選択的には、制限部材95は押圧装着溝94にインターフェアランスフィットされるか、又は制限部材95は押圧装着溝94と一体に射出成形され、押圧装着溝94は矩形溝であり、制限部材95はスピンドルアセンブリ60のスクリュに溶接接続される。
【0104】
選択的には、ロータ接続板91の材質はPpsであり、Ppsロータ接続板はより良い断熱性能を有するため、制限部材95とスピンドルアセンブリ60のスクリュとを溶接する際に、磁気ロータ93が割れる問題を防止することができる。
【0105】
図25に示すように、接続板20と第2段差面4222との間には隙間t1があり、t1≧0.2mmである。これにより、t1が小さすぎる場合に、止め面1102がガイドスリーブ50を押し付けて、当接する平面がガイドスリーブ50の方向に向かってわずかに移動することによって、t1の隙間量が覆われてしまい、ナットアセンブリが接続板20と弁体アセンブリとの当接によって所定位置を超えてしまうことが生じるのを回避し、ガイドスリーブ50と止め面1102との当接、及びナットアセンブリの位置決めの信頼性を確保する。
【0106】
更に、接続板20の厚さをt2とするとt1≦0.3t2である。このようにすると、t1が大きすぎる場合に、接続板20の外側壁が弁体アセンブリに接続することができなくなることを回避し、ナットアセンブリの位置決めの信頼性を確保すると同時に、ナットアセンブリと弁体アセンブリとの接続の信頼性を確保する。
【0107】
上述したものは本出願の好ましい実施例にすぎず、本出願を制限するためのものではなく、当業者にとって、本出願は様々な変更及び変化が可能である。本出願の精神及び原則の範囲内でなされたいかなる修正、同等の置換、改良等はいずれも本出願の保護範囲内に含まれるべきである。
図1
図2
図3
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図5
図6
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【国際調査報告】