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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-16
(54)【発明の名称】乾燥除湿器
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/26 20060101AFI20240808BHJP
【FI】
B01D53/26 220
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023578893
(86)(22)【出願日】2022-06-23
(85)【翻訳文提出日】2024-01-26
(86)【国際出願番号】 EP2022067229
(87)【国際公開番号】W WO2023025433
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】2151015-1
(32)【優先日】2021-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520417908
【氏名又は名称】ムンタース ヨーロッパ アクチエボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】グンナーソン,アーバン
【テーマコード(参考)】
4D052
【Fターム(参考)】
4D052AA08
4D052CB01
4D052DA03
4D052DA06
4D052DB01
4D052FA08
4D052GA04
4D052GB00
(57)【要約】
本発明は、乾燥ロータの中心軸周りを回転可能に配置される乾燥ロータと、乾燥ロータのプロセスセクタを通じてプロセス気流を案内するように配置されたプロセス空気回路と、乾燥ロータの再生セクタを通じて再生気流を案内するように配置された再生空気回路と、乾燥ロータの第1のパージセクタ及び第2のパージセクタを通じてパージ気流を案内するように配置されたパージ空気回路と、乾燥ロータの下流に配置され、再生空気回路内に再生気流及びパージ空気回路内にパージ気流を生成するように構成された空気ファンと、を備える乾燥除湿器に関する。パージ空気回路は、乾燥ロータを通じた第1の方向における第1のパージセクタを通じて、及び、乾燥ロータを通じた第2の方向における第2のパージセクタを通じて、パージ気流を案内するように配置され、第1の方向は第2の方向と反対である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前記乾燥ロータ(1)の中心軸(4)周りに回転可能に配置された乾燥ロータ(2)と、
前記乾燥ロータ(2)のプロセスセクタ(10)を通じてプロセス気流(8)を案内するように配置されたプロセス空気回路(6)と、
前記乾燥ロータ(2)の再生セクタ(16)を通じて再生気流(14)を案内するように配置された再生空気回路(12)と、
前記乾燥ロータ(2)の第1のパージセクタ(22)及び第2のパージセクタ(24)を通じてパージ気流(20)を案内するように配置されたパージ空気回路(18)と、
前記乾燥ロータ(2)の下流に配置され、前記再生空気回路(12)内に前記再生気流(14)及び前記パージ空気回路(18)内に前記パージ気流(20)を生成するように構成された空気ファン(26)と、を備え、
前記パージ空気回路(18)は、前記乾燥ロータ(2)を通じた第1の方向において前記第1のパージセクタ(22)を通じて、及び、前記乾燥ロータ(2)を通じた第2の方向において前記第2のパージセクタ(24)を通じて、前記パージ気流(20)を案内するように配置され、
前記第1の方向は、前記第2の方向とは反対であることを特徴とする、乾燥除湿器(1)。
【請求項2】
前記パージ空気回路(18)は、前記乾燥ロータ(2)の下流で前記再生空気回路(12)に接続される、請求項1に記載の除湿器(1)。
【請求項3】
前記パージ空気回路(18)は、前記乾燥ロータ(2)の上流で前記再生空気回路(12)に接続され、
前記パージ気流(20)は、前記再生空気回路(12)内の前記再生気流(14)から収集されるように構成される、請求項1又は2に記載の除湿器(1)。
【請求項4】
ヒータデバイス(28)は、前記乾燥ロータ(2)の上流且つ前記パージ空気回路(18)が前記再生空気回路(12)に接続された位置の下流で、前記再生空気回路(12)に接続して配置される、請求項3に記載の除湿器(1)。
【請求項5】
前記第1のパージセクタ(22)は、前記再生セクタ(16)の第1の側で前記再生セクタ(16)に隣接して配置され、
前記第2のパージセクタ(24)は、前記再生セクタ(16)の第2の側で前記再生セクタ(16)に隣接して配置される、請求項1から4の何れか一項に記載の除湿器(1)。
【請求項6】
前記再生セクタ(16)の再生セクタ角度(α)と、前記第1及び第2のパージセクタ(22、24)のそれぞれの第1のパージセクタ角度(β1)及び第2のパージセクタ角度(β2)の合計と、の間の比率は、前記再生気流(14)及び前記パージ気流(20)の両方が生成されるように選択される、請求項1から5の何れか一項に記載の除湿器(1)。
【請求項7】
前記再生セクタ(16)の再生セクタ角度(α)と、前記第1及び第2のパージセクタ(22、24)のそれぞれの第1のパージセクタ角度(β1)及び第2のパージセクタ角度(β2)の合計と、の間の比率は、1:1~1.5:1の範囲内である、請求項1から6の何れか一項に記載の除湿器(1)。
【請求項8】
前記再生セクタ(16)の再生セクタ角度(α)と、前記第1及び第2のパージセクタ(22、24)のそれぞれの第1のパージセクタ角度(β1)及び第2のパージセクタ角度(β2)の合計と、の間の比率は、1:1~1.25:1の範囲内である、請求項1から6の何れか一項に記載の除湿器(1)。
【請求項9】
前記再生セクタ(16)の再生セクタ角度(α)は、前記第1及び第2のパージセクタ(22、24)のそれぞれの第1のパージセクタ角度(β1)及び第2のパージセクタ角度(β2)の合計に等しい、請求項1から6の何れか一項に記載の除湿器(1)。
【請求項10】
前記再生セクタ角度(α)は、60°であり、
前記第1のパージセクタ角度(β1)は、30°であり、
前記第2のパージセクタ角度(β2)は、30°である、請求項9に記載の除湿器(1)。
【請求項11】
前記パージ気流(20)は、前記再生セクタ(16)を通じた前記再生気流(14)の前記方向と反対方向に、前記第1のパージセクタ(22)を通じて流れるように構成される、請求項1から10の何れか一項に記載の除湿器(1)。
【請求項12】
前記パージ気流(20)は、前記再生セクタ(16)を通じた前記再生気流(14)の前記方向と同一方向に、前記第1のパージセクタ(22)を通じて流れるように構成される、請求項1から10の何れか一項に記載の除湿器(1)。
【請求項13】
前記第1のパージセクタ(22)は、前記乾燥ロータ(2)の回転方向(R)に対して、前記再生セクタ(16)の後に配置される、請求項1から12の何れか一項に記載の除湿器(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、乾燥ホイールを備える乾燥除湿器に関する。
【背景技術】
【0002】
収着除湿器及び凝縮除湿器などの除湿器は、空気から水分を分離及び除去するために使用される。収着除湿器は、通常、水蒸気を引き寄せて維持するのに効果的な乾燥材料を保持するホイール又はロータの形の除湿要素を備える。除湿器は、乾燥ロータのための2つのセクション、すなわちプロセスセクション及び再生セクションを備え得る。除湿対象の気流であるプロセス空気は、プロセスセクションを通過し、乾燥ロータを通過する。ロータ内の乾燥材料は、プロセス空気から水分を抽出することで、乾燥空気としてロータを離脱可能である。同時に、乾燥ロータがその中心軸周りをゆっくりと回転し得る間、再生セクションを流れる再生気流によって乾燥材料が再生される。空気ファンは、再生セクションを通って再生気流を生成するように構成され得る。プロセス空気の除湿及び乾燥材料の再生を同時に行うことにより、除湿器は連続的に動作可能である。
【0003】
文献US2007056307号は、乾燥ホイールを有する除湿器の一例を開示している。
【0004】
再生プロセスが効果的となるように、ロータ内の乾燥材料の再生に使用される空気流は、比較的高温である必要があり、通常は加熱される必要がある。経済的理由及び気候側面の考慮のために、また除湿ユニットの安定した動作を得るために、除湿プロセスのエネルギー消費を最少化することに引き続き関心が寄せられている。
【0005】
ロータ内の乾燥材料の再生のために、追加の空気流つまりパージ空気流が使用される場合、更に効果的な再生プロセスが達成され得る。
【発明の概要】
【0006】
除湿器の除湿能力は、一般に、プロセス空気流を増減させること、及び/又は、再生エネルギーを増加させること、によって変更することができる。更に、乾燥ロータ用の別個のセクタは、除湿能力を増加させ、非常に低い露点を達成し、結果としてプロセス空気を乾燥させ、熱回収とロータ材料の温度変化とによって加熱エネルギーを節約することができる。パージセクタによって、低い乾燥空気露点と、再生空気流のヒータエネルギーの低減と、が達成される。更に、再生セクションを通る再生気流を生成し、またパージセクタを通るパージ空気流を生成するために、1つのみの空気ファンを使用することで、空気ファンを動作させるための電気エネルギーの低減が達成される。
【0007】
この分野において既知の解決策にもかかわらず、従来技術の欠点の少なくともいくつかを克服又は緩和する乾燥除湿器を開発することが望ましいであろう。
【0008】
本発明の目的は、エネルギー効率を実現する乾燥除湿器を達成することである。
【0009】
本発明の更なる目的は、安定した、信頼性が高く、且つ効果的な空気の処理を可能にし、それによって乾燥除湿器の機能/性能を改善する乾燥除湿器を達成することである。
【0010】
これらの目的は、添付の特許請求の範囲による上述の乾燥除湿器で達成される。
【0011】
本発明の一態様によると、乾燥除湿器が提供される。乾燥除湿器は、乾燥ロータの中心軸周りを回転可能に配置された乾燥ロータと、乾燥ロータのプロセスセクタを通じてプロセス気流を案内するように配置されたプロセス空気回路と、乾燥ロータの再生セクタを通じて再生気流を案内するように配置された再生空気回路と、乾燥ロータの第1のパージセクタ及び第2のパージセクタを通じてパージ気流を案内するように配置されたパージ空気回路と、乾燥ロータの下流に配置され、再生空気回路内に再生気流及びパージ空気回路内にパージ気流を生成するように構成された空気ファンと、を備え、パージ空気回路は、乾燥ロータを通じた第1の方向における第1のパージセクタを通じて、及び、乾燥ロータを通じた第2の方向における第2のパージセクタを通じて、パージ気流を案内するように配置され、第1の方向は第2の方向の反対であることを特徴とする。
【0012】
本発明の利点は、乾燥除湿器により、再生気流及びパージ気流の両方を生成するために1つのみの空気ファンを実現することである。これは、第1のパージセクタを通じたパージ気流の第1の方向が、第2のパージセクタを通じたパージ気流の第2の方向と反対であるときに可能である。このように、再生気流及びパージ気流を生成するための空気ファンがただ1つであるため、エネルギー効率が可能となり、乾燥除湿器の機能及び性能も改善される。
【0013】
本発明の追加の目的、利点、及び新規の特徴は、以下の詳細から、及び本発明の実施を通じて、当業者には明らかであろう。本発明を以下に説明するが、本発明が具体的に説明された詳細に限定され得ないことは明らかである。本明細書の教示にアクセスする当業者は、本発明の範囲内にある、追加の適用、変更、及び他の分野への組み込みを認識するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本開示並びにその更なる目的及び利点をより完全に理解するために、以下に記載する詳細な説明を添付の図面とともに読むべきであり、様々な図面において同じ参照符号は同様の項目を指す。
【0015】
図1】一例による乾燥除湿器の斜視図を概略的に示す。
図2】一例による乾燥除湿器を概略的に示す。
図3】一例による乾燥ロータを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
示された例を参照した詳細な説明は、特定の特徴の組み合わせを含む例として見なされるべきであり、その特徴は上で詳細に説明されている。したがって、追加の例は、本明細書に示されていない例に他の特徴を組み合わせることによって達成され得ることを理解されたい。図面は、例としてみなされるものであり、相互に排他的な組み合わせではない。図示され説明されるすべての図面は概略的に表されており、簡略化のために機械又は類似物の一般部品は示されていないことにも留意されたい。
【0017】
本開示の一態様によると、乾燥除湿器が提供される。乾燥除湿器は、乾燥ロータの中心軸周りを回転可能に配置された乾燥ロータと、乾燥ロータのプロセスセクタを通じてプロセス気流を案内するように配置されたプロセス空気回路と、乾燥ロータの再生セクタを通じて再生気流を案内するように配置された再生空気回路と、乾燥ロータの第1のパージセクタ及び第2のパージセクタを通じてパージ気流を案内するように配置されたパージ空気回路と、乾燥ロータの下流に配置され、再生空気回路内に再生気流及びパージ空気回路内にパージ気流を生成するように構成された空気ファンと、を備え、パージ空気回路は、乾燥ロータを通じた第1の方向における第1のパージセクタを通じて、及び、乾燥ロータを通じた第2の方向における第2のパージセクタを通じて、パージ気流を案内するように配置され、第1の方向は第2の方向の反対であることを特徴とする。
【0018】
乾燥除湿器は、空気から水蒸気などの水分を分離及び除去するために、空気を処理するように構成される。乾燥空気は、乾燥除湿器から、空気中の湿度が制御されるべき空間又は部屋に搬送され得る。
【0019】
乾燥ロータは、水蒸気を引き寄せて維持するのに効果的な乾燥材料を保持する。プロセス気流は、プロセス空気回路内を流れ、乾燥ロータを通過する。メイン乾燥ロータ内の乾燥材料は、プロセス気流中のプロセス空気から水分を抽出することで、プロセス空気が乾燥空気として乾燥ロータを離脱できるようにする。プロセス空気から抽出された水分は、再生空気回路内を乾燥ロータを通じて流れる再生気流によって、乾燥ロータ内の乾燥材料から除去される。乾燥材料から除去された水分は、乾燥ロータの下流の再生空気回路内の再生気流によって、乾燥ロータから搬送される。空気ファンは、乾燥ロータの下流に配置され、再生空気回路内に再生気流を生成するように構成される。
【0020】
プロセス気流及び再生気流に加えて、パージ気流も、乾燥ロータを通過するように構成される。パージ気流は、乾燥除湿器のパージ空気回路内を流れるように配置される。パージ空気回路は、乾燥ロータの第1のパージセクタ及び第2のパージセクタを通じてパージ気流を案内するように配置される。したがって、乾燥除湿器は、乾燥ロータ用の4つのセクションを備える。4つのセクションは、プロセスセクション、再生セクション、第1のパージセクション、及び第2のパージセクションである。再生気流がロータを通過するときに乾燥ロータの温度は上昇する。乾燥ロータ内のプロセス気流からの湿気及び水を効果的に捕捉するために、再生気流が乾燥ロータを通過する乾燥ロータの部分の温度を低下させるという大望がある。したがって、パージ気流は、第1のパージセクタを通じて誘導される。第1のパージセクタを通じて流れるパージ気流は、乾燥ロータを通過する再生気流の温度よりも低い温度を有し得る。したがって、第1のパージセクタを通じて流れるパージ気流は、再生気流が乾燥ロータを通過した乾燥ロータの部分又はセクションの温度を低下させる。再生気流による乾燥ロータの温度上昇により、パージ気流中の空気の温度は、それが第1のパージセクタを流れるときにパージ気流中の空気の温度が上昇する。
【0021】
パージ気流が第1のパージセクタを通過した後、パージ気流は、第2のパージセクタを通じて誘導される。パージ気流中の空気の温度は、第1のパージセクタを通過した後に上昇しているため、パージ気流は、それが第2のパージセクタを通過するときに、乾燥ロータを増加させる。
【0022】
乾燥ロータの中心軸周りの回転中、プロセスセクタ、第1のパージセクタ、再生セクタ、及び第2のパージセクタを連続的に通過する乾燥ロータ。
【0023】
パージ空気回路は、乾燥ロータを通じた第1の方向における第1のパージセクタを通じて、及び、乾燥ロータを通じた第2の方向における第2のパージセクタを通じて、パージ気流を案内するように配置され、第1の方向は第2の方向の反対である。空気ファンは、再生空気回路内及びパージ空気回路内に真空を生成し、この真空により、再生気流及びパージ気流の両方を生成する。
【0024】
乾燥除湿器は、再生気流及びパージ気流の両方を生成するのに1つのみの空気ファンを実現する。これは、第1のパージセクタを通じたパージ気流の第1の方向が、第2のパージセクタを通じたパージ気流の第2の方向と反対であるときに可能である。このように、再生気流及びパージ気流を生成するための空気ファンが1つだけであるが故に、エネルギー効率が可能となり、乾燥除湿器の機能及び性能も改善される。
【0025】
一態様によると、パージ空気回路は、乾燥ロータの下流で再生空気回路に接続される。これにより、結果として、空気ファンが、乾燥ロータの下流で再生空気回路に物理的に接続され得る。空気ファンによって生成される再生空気回路内の真空によって、パージ空気回路内にも真空が生成される。再生気流及びパージ気流の両方を生成する1つのみの空気ファンが、エネルギー効率を実現し、乾燥除湿器の機能及び性能も改善する。
【0026】
一態様によると、パージ空気回路は、乾燥ロータの上流で再生空気回路に接続され、パージ気流は、再生空気回路内の再生気流から収集されるように構成される。この構成により、結果として、パージ空気回路及び再生空気回路への空気の入口が1つのみとなり得る。これにより、乾燥除湿器の設計が容易になり得る。
【0027】
一態様によると、ヒータデバイスは、乾燥ロータの上流且つパージ空気回路が再生空気回路に接続された位置の下流で、再生空気回路に接続して配置される。このヒータデバイスは、再生空気回路内の再生空気の温度を上昇させるように構成される。ヒータデバイスは、パージ空気回路が再生空気回路に接続される位置の下流に配置されるため、パージ空気は、ヒータデバイスによって加熱されない。代わりに、第1のパージセクタを通じて流れるパージ気流は、再生気流が乾燥ロータを通過した乾燥ロータの部分又はセクションの温度を低下させ得る。
【0028】
一態様によると、第1のパージセクタは、再生セクタの第1の側で再生セクタに隣接して配置され、第2のパージセクタは、再生セクタの第2の側で再生セクタに隣接して配置される。セクタのこの構成により、結果として、第1のパージセクタを通じて流れるパージ気流は、再生気流が乾燥ロータを通過した乾燥ロータの部分又はセクションの温度を低下させる。更に、パージ気流は、それが第2のパージセクタを通過するときに、乾燥ロータを増加させる。
【0029】
一態様によると、再生セクタの再生セクタ角度と、第1及び第2のパージセクタのそれぞれの第1のパージセクタ角度及び第2のパージセクタ角度の合計と、の間の比率は、再生気流及びパージ気流の両方が発生するように選択される。再生気流及びパージ気流の両方が共通の空気ファンによって生成されるため、セクタを通じた圧力降下は、セクタ面積間の関係によって影響され得る。上述に従って適切なセクタ角度を選択することにより、セクタを通じた圧力降下が、再生気流及びパージ気流の両方が生成されるような量となり得る。このような比率の選択では、再生気流及びパージ気流を乾燥ロータに搬送するためのチャンネル、パイプ、及び接続の設計をも考慮に入れ得る。異なるチャンネル、パイプ、及び接続によると、圧力降下が異なり得る。
【0030】
一態様によると、再生セクタの再生セクタ角度と、第1及び第2のパージセクタのそれぞれの第1のパージセクタ角度及び第2のパージセクタ角度の合計と、の間の比率は、1:1~1.5:1の範囲内である。この範囲内の比率で、第1及び第2のパージセクタのそれぞれを通じた効果的なパージ気流を生成し得る。
【0031】
一態様によると、再生セクタの再生セクタ角度と、第1及び第2のパージセクタのそれぞれの第1のパージセクタ角度及び第2のパージセクタ角度の合計と、の間の比率は、1:1~1.25:1の範囲内である。この範囲内の比率で、第1及び第2のパージセクタのそれぞれを通じた効果的なパージ気流を生成し得る。
【0032】
一態様によると、再生セクタの再生セクタ角度は、第1及び第2のパージセクタのそれぞれの第1のパージセクタ角度及び第2のパージセクタ角度の合計と等しい。第1及び第2のパージセクタ角度の合計は、再生セクタ角度に等しいものとし得る。これにより、結果として、再生セクタの面積が、第1及び第2のパージセクタの面積の合計と等しくなり得る。これにより、第1及び第2のパージセクタのそれぞれを通じた効果的なパージ気流を生成し得る。
【0033】
一態様によると、再生セクタ角度は60°であり、第1のパージセクタ角度は30°であり、第2のパージセクタ角度は30°である。第1及び第2のパージセクタ角度の合計は、再生セクタ角度が60°であり、第1のパージセクタ角度が30°であり、第2のパージセクタ角度が30°であるときの再生セクタ角度に等しい。これとともに、再生セクタの面積と、第1及び第2のパージセクタの面積と、の合計は180°であり、これはプロセスセクタの面積に等しい。再生セクタ、第1及び第2のパージセクタ、並びにプロセスセクタのこのような構成は、セクタを通じて空気の流れを生成し、乾燥除湿器のエネルギー効率を実現する。更に、安定した、信頼性が高く、且つ効果的な空気の処理が達成される。
【0034】
一態様によると、パージ気流は、再生セクタを通じた再生気流の方向と反対方向に、第1のパージセクタを通じて流れるように構成される。このような構成は、結果として、乾燥ロータから、第1のパージセクタを通じて流れるパージ空気への効果的な熱伝達を生じ得る。
【0035】
一態様によると、パージ気流は、再生セクタを通じた再生気流の方向と同一方向に、第1のパージセクタを通じて流れるように構成される。このような構成は、結果として、パージ空気から、第2のパージセクタを通じて流れる乾燥ロータへの効果的な熱伝達を生じ得る。
【0036】
一態様によると、第1のパージセクタは、乾燥ロータの回転方向に対して、再生セクタの後に配置される。したがって、乾燥ロータは、乾燥ロータが加熱及び再生される再生セクタを最初に通過し得る。その後、乾燥ロータは、第1のパージセクタに入り、ここで乾燥ロータの温度がパージ気流によって低下される。
【0037】
次に、添付の図面とともに乾燥除湿器について説明する。
【0038】
図1は、一例に係る乾燥除湿器1の斜視図を概略的に示す。乾燥除湿器1は、乾燥ロータ2の中心軸4周りを回転可能に配置された乾燥ロータ2を備える。プロセス空気回路6は、乾燥ロータ2のプロセスセクタ10を通じてプロセス気流8を案内するように配置される。再生空気回路12は、乾燥ロータ2の再生セクタ16を通じて再生気流14を案内するように配置される。パージ空気回路18は、乾燥ロータ2の第1のパージセクタ22及び第2のパージセクタ24を通じてパージ気流20を案内するように配置される。空気ファン26は、乾燥ロータ2の下流に配置され、空気ファン26は、再生空気回路12内に再生気流14及びパージ空気回路18内にパージ気流20を生成するように構成される。パージ空気回路18は、乾燥ロータ2を通じた第1の方向における第1のパージセクタ22を通じて、且つ、乾燥ロータ2を通じた第2の方向における第2のパージセクタ24を通じて、パージ気流20を案内するように配置される。第1の方向は第2の方向の反対である。パージ空気回路18は、乾燥ロータ2の下流で再生空気回路12に接続される。パージ空気回路18は、乾燥ロータ2の上流で再生空気回路12に接続され、パージ気流20は、再生空気回路12内の再生気流14から収集されるように構成される。ヒータデバイス28は、乾燥ロータ2の上流且つパージ空気回路18が再生空気回路12に接続された位置30の下流で、再生空気回路12に接続して配置される。モータ32は、トランスミッション34を介して、乾燥ロータ2を回転させるように配置される。プロセス気流8は、乾燥ロータ2内に配置された多数のチャンネル36を通過する。チャンネル36は、乾燥ロータ2の一方側から他方側に延在する。チャンネル36は、乾燥ロータ2の中心軸4に平行であり得る。プロセス気流8は、チャンネル36を第1の方向に通過する。乾燥ロータ2は、乾燥ロータ2のチャンネル36を通過し得るプロセス気流8中の水を減少させることによって、プロセス気流8を処理するように適合される。乾燥ロータ2は、プロセス気流8中のプロセス空気から水分を抽出するように構成された乾燥材料を含むことで、プロセス空気が乾燥空気として乾燥ロータ2を離脱できるようにする。再生セクタ16、第1及び第2のパージセクタ22及び24、並びに、プロセスセクタ10は、仕切り部材38によって構成され、これらは、乾燥ロータ2の両側に配置され得る。仕切り部材38は、乾燥除湿器1内に固定されてもよく、又は互いに調整可能であってもよい。乾燥ロータ2は、仕切り部材38に対して回転するように構成される。乾燥除湿器1の乾燥ロータ2及び他の構成要素は、入口開口42及び44、並びに出口開口46及び48のために設けられたハウジング40内に収容され得る。
【0039】
図2は、一例に係る乾燥除湿器1を概略的に示す。プロセス気流8は、乾燥ロータ2を通じた再生気流14の方向と反対であり得る方向において乾燥ロータ2を通過する。再生気流14及びパージ気流20は、共通の入口42を有する。パージ空気回路18は、ヒータデバイス28の下流で再生空気回路12に接続される。したがって、入口42からの空気は、パージ空気回路18及び再生空気回路12に分割される。パージ気流20及び再生気流14は、互いに分離され、乾燥ロータ2を通過した後、空気ファン26が配置された共通チャンネル50に合流される。パージ気流20及び再生気流14は、出口46を通じて共通チャンネル50を離脱する。
【0040】
図3は、一例による乾燥ロータ2を概略的に示す。再生セクタ16、第1及び第2のパージセクタ22及び24、並びにプロセスセクタ10は、仕切り部材38によって構成される。再生セクタ16の再生セクタ角度αと、第1及び第2のパージセクタ22及び24のそれぞれの第1のパージセクタ角度β1及び第2のパージセクタ角度β2の合計と、の間の比率は、再生気流14及びパージ気流20の両方が生成されるように選択され得る(図1参照)。第1のパージセクタ22は、乾燥ロータ2の回転方向Rに対して、再生セクタ16の後に配置される。回転中、乾燥ロータ2は、最初に、再生セクタ16を通過し、ここで乾燥ロータ2が加熱及び再生される。その後、乾燥ロータ2は、第1のパージセクタ22に入り、乾燥ロータ2の温度がパージ気流20によって低下される。
【0041】
実施形態の前述の説明は、例示及び説明の目的で提供されている。網羅的であることは意図されておらず、又は実施形態を記載の変形例に限定することは意図されていない。当業者には多くの修正及び変形が明らかとなるであろう。原理と実際の適用を最もよく説明し、それによって当業者が、その様々な実施形態の点で、その意図された使用に適用可能な様々な修正とともに本発明を理解できるように、実施形態を選択及び説明してきた。上記で特定された構成要素及び特徴は、本開示の枠組み内で、特定された異なる実施形態間で組み合わせられ得る。
図1
図2
図3
【国際調査報告】