(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-16
(54)【発明の名称】ガス収着システム
(51)【国際特許分類】
B01D 53/26 20060101AFI20240808BHJP
F24F 3/044 20060101ALI20240808BHJP
F24F 3/16 20210101ALI20240808BHJP
F24F 8/108 20210101ALI20240808BHJP
F24F 8/15 20210101ALI20240808BHJP
【FI】
B01D53/26 220
F24F3/044
F24F3/16
F24F8/108 230
F24F8/15
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579500
(86)(22)【出願日】2022-06-23
(85)【翻訳文提出日】2024-02-15
(86)【国際出願番号】 EP2022067264
(87)【国際公開番号】W WO2023025435
(87)【国際公開日】2023-03-02
(32)【優先日】2021-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520417908
【氏名又は名称】ムンタース ヨーロッパ アクチエボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】アーネル,ロバート
【テーマコード(参考)】
3L053
4D052
【Fターム(参考)】
3L053BD02
4D052AA08
4D052CB00
4D052CB04
4D052DA02
4D052DA06
4D052DB01
4D052GA01
4D052GB02
4D052HA03
(57)【要約】
本発明は、空気から水分、二酸化炭素、アンモニア、硫化水素、揮発性有機化合物又はそれらの混合物を除去するためのガス収着システムに関する。ガス収着システムは、主収着ユニットと、主収着ユニット内の主収着ロータを通して主処理空気流を導くように構成された主処理空気回路と、主収着ユニット内の主収着ロータを通して主再生空気流を導くように構成された主再生空気回路と、主再生空気流と同じ方向に主収着ロータを通って流れるように構成されるパージ空気流を、主収着ユニット内の主収着ロータを通して導くように構成されたパージ空気回路と、を備える。ガス収着システムは更に、主収着ユニットの上流で主再生空気回路に接続されたプレ処理ユニットを備え、プレ処理ユニットは、主収着ユニットの上流で主再生空気流を加熱及び/又は除湿するように構成される。本発明は、制御デバイスにより実行される、ガス収着システムを制御するための方法にも関する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主収着ユニット(2)と、
前記主収着ユニット(2)内の主収着ロータ(6)を通して主処理空気流(14)を導くように構成された主処理空気回路(32)と、
前記主収着ユニット(2)内の前記主収着ロータ(6)を通して主再生空気流(28)を導くように構成された主再生空気回路(34)と、
前記主再生空気流(28)と同じ方向に前記主収着ロータ(6)を通って流れるように構成されるパージ空気流(30)を、前記主収着ユニット(2)内の前記主収着ロータ(6)を通して導くように構成されたパージ空気回路(36)と、
を備えたガス収着システム(1)であって、
前記ガス収着システム(1)が更に、
前記主収着ユニット(2)の上流で前記主再生空気回路(34)に接続されたプレ処理ユニット(4)を備え、前記プレ処理ユニット(4)が、前記主収着ユニット(2)の上流で前記主再生空気流(28)を加熱及び/又は除湿するように構成されることを特徴とする、ガス収着システム(1)。
【請求項2】
前記プレ処理ユニット(4)が、蒸発器(40)及び凝縮器(42)を備えたヒートポンプ(38)を備え、
前記主再生空気回路(34)が、前記主収着ユニット(2)の上流で前記ヒートポンプ(38)の前記凝縮器(42)に接続される、請求項1のシステム(1)。
【請求項3】
前記パージ空気回路(36)が、前記主収着ユニット(2)の下流で前記主処理空気回路(32)に接続されており、
前記パージ空気流(30)が、前記主処理空気回路(32)内の前記主処理空気流(14)から収集されるように構成される、請求項1又は2に記載のシステム(1)。
【請求項4】
前記パージ空気回路(36)及び再生空気回路(34)が、前記主収着ユニット(2)の下流で前記主処理空気回路(32)に接続されており、
前記パージ空気流(30)及び再生空気流(28)が、前記主処理空気回路(32)内の前記主処理空気流(14)から収集されるように構成される、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム(1)。
【請求項5】
前記主収着ユニット(2)の下流の前記パージ空気回路(36)が、前記ヒートポンプ(38)の前記凝縮器(42)に接続されており、
前記主再生空気流(28)が、前記パージ空気回路(36)内の前記パージ空気流(30)から収集される、請求項2のシステム(1)。
【請求項6】
前記システムが更に、前記処理空気が前記主収着ユニット(2)に入る前に、前記主処理空気を第1の冷却器(46)において冷却するように構成された冷却流体(C)を含む中間流体回路(44)を備えており、
前記中間流体回路(44)が、流体ポンプ(48)と、前記第1の冷却器(46)及び前記ヒートポンプ(38)の前記蒸発器(40)を通して冷却流体(C)を導くように構成された流体導管(50)と、を備える、請求項2から5のいずれか一項に記載のシステム(1)。
【請求項7】
前記プレ処理ユニット(4)が、
プレ収着ユニット(54)と、
前記プレ収着ユニット(54)内のプレ収着ロータ(60)を通してプレ処理空気流(58)を導くように構成されたプレ処理空気回路(56)と、
前記プレ収着ユニット(54)内の前記プレ収着ロータ(60)を通して再生空気流を導くように構成されたプレ再生空気回路(62)と、を備えており、
前記プレ処理空気回路(56)が、前記プレ処理空気流(58)を前記主再生空気回路(34)に導くために、前記主収着ロータ(6)の上流で前記主再生空気回路(34)に接続される、請求項1のシステム(1)。
【請求項8】
前記プレ処理空気回路(56)が、前記プレ処理空気流(58)を前記パージ空気回路(36)に導くために、前記主収着ロータ(6)の上流で前記パージ空気回路(36)に接続される、請求項7のシステム(1)。
【請求項9】
前記プレ収着ロータ(60)が、前記パージ空気回路(36)を介して前記プレ処理空気流(58)を前記主再生空気回路(34)に導くように構成される、請求項7のシステム(1)。
【請求項10】
前記ヒートポンプ(38)の前記凝縮器(42)が、前記プレ収着ロータ(60)の下流で前記プレ処理空気回路(56)に、前記主収着ロータ(6)の上流で前記主再生空気回路(34)に接続される、請求項2及び7のシステム(1)。
【請求項11】
前記システム(1)が更に、前記処理空気が前記主収着ユニット(2)に入る前に、前記処理空気を第1の冷却器(46)において冷却するように構成された冷却流体(C)を含む中間流体回路(44)を備えており、
前記中間流体回路(44)が、流体ポンプ(48)と、前記第1の冷却器(46)及び前記ヒートポンプ(38)の前記蒸発器(40)を通して冷却流体(C)を導くように構成された流体導管(50)と、を備える、請求項10のシステム(1)。
【請求項12】
制御デバイス(100)により実行される、ガス収着システム(1)を制御する方法であって、前記ガス収着システム(1)が、
主収着ユニット(2)と、
前記主収着ユニット(2)内の主収着ロータ(6)を通して主処理空気流(14)を導くように構成された主処理空気回路(32)と、
前記主収着ユニット(2)内の前記主収着ロータ(6)を通して主再生空気流(28)を導くように構成された主再生空気回路(34)と、
前記主再生空気流(28)と同じ方向に前記主収着ロータ(6)を通って流れるように構成されるパージ空気流(30)を、前記主収着ユニット(2)内の前記主収着ロータ(6)を通して導くように構成されたパージ空気回路(36)と、
前記制御デバイスと、を備え、
前記ガス収着システム(1)が更に、前記主収着ユニット(2)の上流で前記主再生空気回路(34)に接続されたプレ処理ユニット(4)を備え、
前記プレ処理ユニット(4)が、前記主収着ユニット(2)の上流で前記主再生空気流(28)を加熱及び/又は除湿するように構成され、
前記方法が、
前記主収着ユニット(2)の下流の前記主処理空気流(14)中の前記主処理空気の特性に応じて前記主収着ユニット(2)を制御するステップ(s101)と、
前記主収着ユニット(2)の上流の前記主再生空気流(28)中の前記主再生空気の特性に応じて前記プレ処理ユニット(4)を制御するステップ(s102)と、
を含む、方法。
【請求項13】
コンピュータ(100;500)によって実行されるときに、前記コンピュータ(100;500)に請求項12に記載の方法を実行させる命令を含む、コンピュータプログラム(P)。
【請求項14】
コンピュータ(100;500)によって実行されるときに、前記コンピュータ(100;500)に請求項12に記載の方法を実行させる命令を含む、コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ガス収着システム、及びガス収着システムを制御する方法に関する。空気から除去する対象となるガスは、水分、二酸化炭素、アンモニア、硫化水素、揮発性有機化合物である可能性がある。本開示はまた、コンピュータプログラム及びコンピュータ可読媒体にも関する。
【背景技術】
【0002】
収着除湿器や凝縮除湿器などの除湿器は、空気中から水分を分離及び除去するのに使用される。収着除湿器は通常、水蒸気を引き付け保持するのに効果的なデシカント材料を保持するホイール又はロータの形をした除湿素子を備える。除湿器は、デシカントロータのための2つのセクション、すなわち処理セクション及び再生セクションを備えることがある。除湿される空気流である処理空気は、処理セクションを通過し、デシカントロータを通過することになる。ロータ内のデシカント材料は処理空気から水分を抽出し、その結果、乾燥空気としてロータを出ることができる。同時に、デシカントロータがその長手方向軸の周りをゆっくりと回転する間中、再生セクションを通って流れる別の空気流によってデシカント材料が再生される。処理空気の除湿とデシカント材料の再生を同時に行うことによって、除湿器を連続運転することができる。US2007056307は、デシカントホイールを有する除湿器の一例を開示している。
【0003】
再生プロセスが効果的であるためには、ロータ内のデシカント材料の再生に使用される空気流は比較的高い温度である必要があり、通常は加熱される必要がある。冷却によって水分を除去するために、除湿器入口の前で処理空気を冷却することが有利である場合がある。冷却中に処理空気流から取り除かれた熱は、除湿システムにヒートポンプを設けることによって再生空気流に伝達することができる。US2005/0050906A1はこの例を示しており、処理空気が除湿器入口の前のヒートポンプの蒸発器によって冷却され、再生空気がヒートポンプの凝縮器によって加熱される。
【0004】
経済的な理由から及び気候側面を考慮して、除湿プロセスのエネルギー消費を最小限に抑えること、及び除湿ユニットの安定した動作を得ることに継続的な関心が集まっている。
【0005】
ロータ内におけるデシカント材料の再生に追加の空気流、つまりパージ空気流を使用する場合に、更にいっそう効果的な再生プロセスが実現されることがある。更に、2つのデシカントロータが直列に配置されている場合に、収着除湿器から供給される処理空気の低い露点が提供されることがある。文献JP4990443B2には、第1のロータ及び第2のロータで構成される2段除湿デバイスが開示されている。各ロータには処理空気、再生空気、パージ空気の通路が設けられている。第1のロータの下流の処理空気通路は、第2のロータの上流で処理空気通路に接続されている。
【0006】
水分以外のガスを対象とする収着システムの動作原理は、ホイール又はロータに異なる収着剤が使用されることを除いて、除湿システムの動作原理と同様である。したがって、除湿システムのデシカントロータを、二酸化炭素、アンモニア、硫化水素及び揮発性有機化合物(VOC)を除去するための収着ロータに置き換えることが適切である。製造又は他の産業プロセスのためのシステムは、多くの場合、揮発性有機化合物などのガス状大気汚染物質を含み得る微粒子及び煙又は排蒸気を副産物として排出する。環境上及び健康上の理由から、また環境法を遵守するために、煙を大気に排出する前にVOCを除去することが望ましい。VOCの除去のための媒体を保持するロータ要素が設けられたVOC低減装置が、産業プロセスガス中のVOCの削減に用いられている。特定の既知のVOC削減システムは、VOCの除去のための媒体を保持するロータ要素を利用する。そのような媒体の一例としてはゼオライトがある。ゼオライトは、VOCを吸着するのに適した特性を有する無機結晶である。ロータ要素が制御された速度で回転するとき、VOCを含有する処理空気流が、装置の規定された吸着ゾーンを通るように誘導され、ゼオライトが処理空気流からVOCの大部分を吸着し除去するときに、実質的に清浄な空気として離脱する。そして、清浄化された空気を大気に安全に排出することができる。ロータ要素は回転し続け、VOCを吸着したロータ要素のゼオライト部分は、規定された脱着又は再生ゾーンに移動される。ロータ要素により吸着されたVOCを除去するために、加熱された再生空気が、VOC低減装置の再生ゾーンにおいてロータ要素を通って誘導される。除去されたVOCは、更なる処理のためにロータから離れるように濃縮空気流で運ばれる。このように、ロータ要素が継続的に回転することで、吸着されたVOCが吸着ゾーンから再生ゾーンに移動され、そこでVOCがロータ要素から除去され、次いでロータの再生済みセクタは、処理空気流が連続プロセスでロータ要素を通って流れる吸着ゾーンに戻る。VOCの濃縮空気流は、VOCが水蒸気及び二酸化炭素(CO2)などの副生成物に転換される酸化剤及び/又は触媒に送ることができる。そのようなゼオライトロータ要素は、1つ以上のロータ要素及び対応する駆動モータ並びに様々なモータ駆動ファンを備えるより複雑なシステムに組み込むことができる。文献US2018154303A1は、ロータ要素を備える、処理ガス流から特定の物質を除去するための装置を開示している。
【発明の概要】
【0007】
除湿器の除湿能力は、一般に処理空気流の増減及び/又は再生エネルギーの増加によって変更することができる。更に、デシカントロータの別個のセクタは、除湿能力を向上させ、非常に低い露点を達成し、乾燥した処理空気をもたらし、ロータ材料の熱回収と温度変化によって加熱エネルギーを節約することができる。処理及び再生セクタに加えて、パージ空気セクタもデシカントロータに配置されることがある。パージ空気セクタによって、低い乾燥空気露点、再生空気流のヒータエネルギーの削減、及びデシカントロータの下流における処理空気温度の冷却エネルギーの削減が達成される。水分以外のガスを対象とした収着システムの動作原理は、除湿システムの動作原理と同様であるため、ホイール又はロータに異なる収着剤が使用されている場合、本文中の除湿に関する記述は全て、二酸化炭素、アンモニア、硫化水素及び揮発性有機化合物の収着及び除去にも当てはまる。
【0008】
この分野の既知の解決策にもかかわらず、従来技術の欠点の少なくとも一部を克服又は軽減するガス収着システム、及びガス収着システムを制御する方法を開発することが望ましい。
【0009】
本発明の目的は、低露点ひいては乾燥した空気を可能にするガス収着システム、及びガス収着システムを制御する方法を得ることである。
【0010】
本発明の更なる目的は、二酸化炭素、アンモニア、硫化水素及び揮発性有機化合物の収着及び除去を可能にするガス収着システム、及びガス収着システムを制御する方法を得ることである。
【0011】
本発明の更なる目的は、エネルギー効率を考慮したガス収着システム、及びガス収着システムを制御する方法を得ることである。
【0012】
本発明の更なる目的は、空気の安定した信頼性の高い効果的な処理を可能にし、それによってガス収着システムの機能/性能を改善するガス収着システム、及びガス収着システムを制御する方法を得ることである。
【0013】
これらの目的は、添付の特許請求の範囲に記載の上述のガス収着システム、及びガス収着システムを制御する方法によって達成される。これらの目的は、添付の特許請求の範囲に記載の上述のコンピュータプログラム及びコンピュータ可読媒体によっても達成される。
【0014】
本発明のある態様によれば、ガス収着システムが提供される。ガス収着システムは、主収着ユニットと、主収着ユニット内の主収着ロータを通して主処理空気流を導くように構成された主処理空気回路と、主収着ユニット内の主収着ロータを通して主再生空気流を導くように構成された主再生空気回路と、主再生空気流と同じ方向に主収着ロータを通って流れるように構成されるパージ空気流を、主収着ユニット内の主収着ロータを通して導くように構成されたパージ空気回路と、を備えており、ガス収着システムが更に、主収着ユニットの上流で主再生空気回路に接続されたプレ処理ユニットを備え、プレ処理ユニットが、主収着ユニットの上流で主再生空気流を加熱及び/又は除湿するように構成されることを特徴とする。
【0015】
本発明の更なる態様によれば、制御デバイスにより実行される、ガス収着システムを制御する方法が提供される。ガス収着システムは、主収着ユニットと、主収着ユニット内の主収着ロータを通して主処理空気流を導くように構成された主処理空気回路と、主収着ユニット内の主収着ロータを通して主再生空気流を導くように構成された主再生空気回路と、主再生空気流と同じ方向に主収着ロータを通って流れるように構成されるパージ空気流を、主収着ユニット内の主収着ロータを通して導くように構成されたパージ空気回路と、制御デバイスと、を備え、ガス収着システムが更に、主収着ユニットの上流で主再生空気回路に接続されたプレ処理ユニットを備え、プレ処理ユニットが、主収着ユニットの上流で主再生空気流を加熱及び/又は除湿するように構成され、方法が、主収着ユニットの下流の主処理空気流中の主処理空気の特性に応じて主収着ユニットを制御するステップと、主収着ユニットの上流の主再活性化空気流中の主再活性化空気の特性に応じてプレ処理ユニットを制御するステップと、を含む。
【0016】
本発明のある態様によれば、コンピュータプログラムが提供され、コンピュータプログラムは、プログラムがコンピュータによって実行されるときに、コンピュータに方法を実行させる命令を含む。また、コンピュータ可読媒体が提供され、コンピュータ可読媒体は、コンピュータによって実行されるときに、コンピュータに方法を実行させる命令を含む。これには、方法を、方法を利用するのに適したシステムの制御デバイスに実装され得る、予めプログラムされたソフトウェアに含められ得るという利点がある。
【0017】
本発明の利点は、ガス収着システム、及びガス収着システムを制御する方法が、低露点、ひいては乾燥した空気を可能にすることである。低露点、特に超低露点には、ロータを非常に乾燥した状態に再生し、その後ロータのパージセクタでロータを再冷却することによって達する。パージセクタは、厚みの厚いロータでも収着ロータの全潜在能力を活用できるように再生効率を向上させる。本発明の更なる利点は、ガス収着システム、及びガス収着システムを制御する方法が、二酸化炭素、アンモニア、硫化水素及び揮発性有機化合物の収着及び除去を可能にすることである。本発明の更なる利点は、ガス収着システム、及びガス収着システムを制御する方法がエネルギー効率を考慮することである。これによって、直径が小さく線流量がより高いロータを使用して、低露点ひいては乾燥した空気を得ることが可能になり、同時に再活性化空気流の低温要求によるエネルギー削減も達成可能になる。本発明の更なる利点は、ガス収着システム、及びガス収着システムを制御する方法によって、空気の安定した信頼性の高い効果的な処理が可能になり、それによってガス収着システムの機能/性能を改善できることである。
【0018】
再生空気流で運ばれる、除去された二酸化炭素、アンモニア、硫化水素及び揮発性有機化合物は、ガス収着システムで処理される場合に濃縮されることになる。二酸化炭素、アンモニア、硫化水素及び揮発性有機化合物の濃縮物は、二酸化炭素、アンモニア、硫化水素及び揮発性有機化合物を酸化コンバータでの酸化により水蒸気やCO2などの副生成物に変換する、又は二酸化炭素、アンモニア、硫化水素及び揮発性有機化合物を冷却コンバータでの凝縮又は沈殿コンバータでの沈殿などの他の手段によって副生成物に変換するコンバータに送られることがある。
【0019】
本発明の更なる目的、利点及び新規な特徴は、以下の詳細から、また本発明を実施することによって当業者に明らかとなるであろう。本発明を以下に説明するが、本発明が具体的に説明された詳細に限定され得ないことは明らかである。当業者は、本明細書の教示を利用すれば、本発明の範囲内にある追加の応用、修正、及び他の分野への組み込みを認識するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本開示及びその更なる目的及び利点をより完全に理解するために、以下に記載する詳細な説明を添付の図面とともに読むべきであり、様々な図において同じ参照符号は同様の項目を示す。
【0021】
【
図1】ある例に係るガス収着システムの斜視図を概略的に示す。
【
図2】様々な例に係るガス収着システムを概略的に示す。
【
図3】様々な例に係るガス収着システムを概略的に示す。
【
図4】様々な例に係るガス収着システムを概略的に示す。
【
図5】様々な例に係るガス収着システムを概略的に示す。
【
図6】様々な例に係るガス収着システムを概略的に示す。
【
図8】ある例に係るデバイス又はコンピュータを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
示された例を参照した詳細な説明は、特定の特徴の組み合わせを含む例としてみなされるべきであり、その特徴は以上で詳細に説明されている。したがって、本明細書に示されていない例に他の特徴を組み合わせることによって追加の例を実現し得ることを理解されたい。これらの図は相互に排他的な組み合わせではなく、例としてみなされるべきである。また、図示され説明される全ての図は概略的に表されており、簡略化のために機械などの一般的な部品は示されていないことにも留意されたい。
【0023】
本開示のある態様によれば、ガス収着システムが提供される。ガス収着システムは、主収着ユニットと、主収着ユニット内の主収着ロータを通して主処理空気流を導くように構成された主処理空気回路と、主収着ユニット内の主収着ロータを通して主再生空気流を導くように構成された主再生空気回路と、主再生空気流と同じ方向に主収着ロータを通って流れるように構成されるパージ空気流を、主収着ユニット内の主収着ロータを通して導くように構成されたパージ空気回路と、を備えており、ガス収着システムが更に、主収着ユニットの上流で主再生空気回路に接続されたプレ処理ユニットを備え、プレ処理ユニットが、主収着ユニットの上流で主再生空気流を加熱及び/又は除湿するように構成されることを特徴とする。
【0024】
除湿の場合、ガス収着システムは、空気から水蒸気などの水分を分離及び除去するために空気を処理するように構成される。空気から水分の全て又はほとんどが除去される場合、非常に乾燥した空気又は超乾燥した空気が得られることがある。このような乾燥空気は、周囲の空間で乾燥空気に対する大きな需要がある製造プロセスなどの作業が行われる乾燥空間又は乾燥室に運ばれることがある。ガス収着システムは、二酸化炭素、アンモニア、硫化水素、揮発性有機化合物、更にはこれらの物質の混合物を処理し空気から除去するように構成されることもある。
【0025】
主収着ユニットは、除湿用の主デシカントロータを備えることがある。主デシカントロータは、水蒸気を引き付け保持するのに効果があるデシカント材料を保持する。主処理空気流は、主処理空気回路内を流れ、主デシカントロータを通過することになる。主デシカントロータ内のデシカント材料は、主処理空気流中の主処理空気から水分を抽出し、それによって主処理空気は乾燥空気として主デシカントロータから出ることができる。主処理空気から抽出された水分は、主再生空気回路内を流れ、主デシカントロータを通過する主再生空気流によって、主デシカントロータ内のデシカント材料から除去される。デシカント材料から除去された水分は、主デシカントロータの下流の主再生空気回路内の主再生空気流によって主デシカントロータから運ばれる。
【0026】
主処理空気流及び主再生空気流に加えて、パージ空気流も主デシカントロータを通過するように構成される。パージ空気流は、主収着除湿器ユニットのパージ空気回路内を流れるように構成される。したがって、主収着除湿器ユニットは、主デシカントロータ用の3つのセクションで構成される。3つのセクションは、主処理セクション、主再生セクション及びパージセクションである。主再生空気流がロータを通過するとき、主デシカントロータの温度が上昇することになる。主デシカントロータ内の主処理空気流から水分及び水を効果的に捕捉するために、主デシカントロータの主再生空気流が主デシカントロータを通過する部分の温度を低下させるという野望がある。したがって、パージ空気流はパージセクタを通して誘導される。パージ空気流は、主デシカントロータを通過する主再生空気流の温度よりも低い温度を有することがある。したがって、パージ空気流は、主デシカントロータの主再生空気流が主デシカントロータを通過する部分又はセクションの温度を低下させることになる。パージ空気流は、パージ入口空気がプロセス入口空気よりも乾燥するように構成される。パージ空気流は、主再生空気流と同じ方向に主デシカントロータを通過するように構成される。これによって、主デシカントロータ内にまだ存在する水分がパージ空気流によって主デシカントロータから押し出されることになる。したがって、パージ空気流は、主再生空気流及び従来技術のパージ構成で可能なものよりも主デシカントロータに深く作用することになる。
【0027】
プレ処理ユニットは、主収着除湿器ユニットの上流で主再生空気流を加熱するように構成されることがある。主デシカントロータ内のデシカント材料から水分を除去することは、主デシカントロータを通過する主再生空気流の温度を上昇させることによって行われる。したがって、主再生空気流の高温によって、主デシカントロータ内のデシカント材料が加熱される。その結果、水分がデシカント材料から抽出され、主再生空気流によって主デシカントロータから運ばれることになる。
【0028】
プレ処理ユニットは、主収着除湿器ユニットの上流で主再生空気流を除湿するように構成されることがある。主デシカントロータ内のデシカント材料から水分を除去することは、主デシカントロータを通過する主再生空気流中の水分の存在を減少させることによって行われる。したがって、主再生空気流中の水分の存在が少ないと、デシカント材料から水分が抽出され、主再生空気流によって主デシカントロータから水分が運ばれることになる。
【0029】
プレ処理ユニットは、主収着除湿器ユニットの上流で主再生空気流を加熱及び除湿するように構成されることがある。主デシカントロータ内のデシカント材料から水分を除去することは、主再生空気流の温度を上昇させることによって、及び主デシカントロータを通過する主再生空気流中の水分の存在を減少させることによって行われる。したがって、主再生空気流の温度が高く、主再生空気流中の水分の存在が少ないと、主デシカントロータ内のデシカント材料が加熱され、デシカント材料から水分が抽出されることになる。その結果、水分がデシカント材料から抽出され、主再生空気流によって主デシカントロータから運ばれることになる。
【0030】
ガス収着システムの全てのコンポーネントは制御デバイスに接続されることがある。制御デバイスは、空気から水蒸気などのガスを分離及び除去するために、空気の処理のためのガス収着システムを制御するように構成されることがある。
【0031】
ある態様によれば、プレ処理ユニットは蒸発器及び凝縮器を備えるヒートポンプを備え、主再生空気回路は主収着ユニットの上流でヒートポンプの凝縮器に接続される。
【0032】
ヒートポンプ蒸発器内の冷却流体から取り除かれた熱は、ヒートポンプの冷媒回路及び凝縮器を介して入口再生空気に伝達することができる。
【0033】
電気ヒータが、主デシカントロータの上流の主再生空気流回路に備えられ、必要に応じて主入口再生空気流を任意に加熱するように構成されることがある。
【0034】
ある態様によれば、パージ空気回路は、主収着ユニットの下流で主処理空気回路に接続され、パージ入口空気流は、主処理空気回路内の主プロセス出口空気流から収集されるように構成される。
【0035】
主収着ユニットの下流、ひいては主デシカントロータの下流の主処理空気流は非常に乾燥している。主処理空気回路内の乾燥した主処理空気流からパージ空気流を収集することは、主デシカントロータを通過する主再生空気流の温度よりも低い温度を有する、主デシカントロータを通過するパージ空気流を提供することになる。したがって、パージ空気流は、主デシカントロータの主再生空気流が主デシカントロータを通過する部分又はセクションの温度を低下させることになる。パージ空気流は主デシカントロータの下流の乾燥した主処理空気流に残るため、乾燥したパージ空気流は主デシカントロータ内にまだ存在する水分を抽出し、主デシカントロータから押し出すことになる。
【0036】
ある態様によれば、パージ空気回路及び再生空気回路は、主収着ユニットの下流で主処理空気回路に接続され、パージ空気流及び再生空気流は、主処理空気回路内の主処理空気流から収集されるように構成される。
【0037】
主収着ユニットの下流、ひいては主デシカントロータの下流のパージ空気流は乾燥していて暖かい。これは、パージ空気流が、主デシカントロータの直前に暖かい主再生空気流が主デシカントロータを通過したエリアを通過するためである。したがって、乾燥したパージ空気流の温度は、主デシカントロータを通過するときに上昇することになる。
【0038】
したがって、主収着ユニットの下流のパージ空気流は乾燥して暖かくなり、主再活性化空気流に使用することができる。これによって、主再活性化空気流が再活性化空気流ヒータでの加熱が少なくて済み、追加の除湿が必要ないため、エネルギー節約がもたらされる。
【0039】
ある態様によれば、主収着除湿器ユニットの下流のパージ空気回路はヒートポンプの凝縮器に接続され、主再生空気流はパージ空気回路内のパージ空気流から収集される。
【0040】
ある態様によれば、システムは更に、処理空気が主収着ユニットに流入する前に第1の冷却器内で主処理空気を冷却するように構成された冷却流体Cを含む中間流体回路を備え、中間流体回路は流体ポンプと、冷却流体Cを第1の冷却器を通してまたヒートポンプの蒸発器を通して導くように構成された流体導管と、を備える。
【0041】
ヒートポンプ蒸発器内の冷却流体から取り除かれた熱は、ヒートポンプの冷媒回路及び凝縮器を介して主入口再生空気流に伝達することができる。すなわち、第1の冷却器内の主処理空気流から取り除かれた熱は、中間流体回路及びヒートポンプの冷媒回路を介して主入口再生空気流を加熱するのに利用することができる。
【0042】
制御デバイスは、第1の冷却器内の主入口処理空気流及び第1の冷却器内の主出口再生空気流から取り除かれた熱が、主収着ユニットの主再生空気流入口で所定の温度に達するために、ヒートポンプの凝縮器内の主入口再生空気流に伝達するのに必要な熱に実質的に相当することによって、電気ヒータによる追加の加熱の必要性を実質的に排除するように、中間流体回路内の冷却液の流れを制御するように構成される点で有利である。
【0043】
当技術分野では様々なヒートポンプ装置が利用可能であり、蒸発器や凝縮器などのその構成要素は、中間流体回路の選択された設定に従って選択される。したがって、蒸発器及び凝縮器の異なる構造が適切である場合があり、蒸発器及び/又は凝縮器の複数のユニットを直列又は並列に配置して使用し得ることも考えられる。同じことは冷却器とヒータにも当てはまり、様々な熱交換器設計と複数のユニットを必要に応じて使用することができる。
【0044】
ある態様によれば、プレ処理ユニットは、プレ収着ユニットと、プレ処理空気流をプレ収着ユニット内のプレ収着ロータを通して導くように構成されたプレ処理空気回路と、プレ収着ユニット内のプレ収着ロータを通して再生空気流を導くように構成されたプレ再生空気回路と、を備え、プレ処理空気回路は、プレ処理空気流を再生空気回路に導くために主収着ロータの上流で主再生空気回路に接続される。
【0045】
除湿の場合、プレ収着ユニットはプレロータを備える。プレデシカントロータは、水蒸気を引き付け保持する効果のあるデシカント材料を保持する。プレ処理空気流はプレ処理空気回路を流れ、プレデシカントロータを通過する。プレデシカントロータ内のデシカント材料は、プレ処理空気流中のプレ処理空気から水分を抽出し、その結果、プレ処理空気は乾燥空気としてプレデシカントロータから出ることができる。プレ処理空気から抽出された水分は、プレ再生空気回路に入ってプレデシカントロータを流れるプレ再生空気流によって、プレデシカントロータ内のデシカント材料から除去される。デシカント材料から除去された水分は、プレデシカントロータの下流のプレ再生空気回路内のプレ再生空気流によってプレデシカントロータから運ばれる。プレ収着ユニットは主収着ユニットに再生空気を提供する。これは、プレ処理空気回路が主デシカントロータの上流で主再生空気回路に接続されているために可能である。したがって、プレ処理空気流は、主収着ユニットの主再生空気流の入口に運ばれる。この構成の利点は、再生に必要な乾燥空気が、主収着除湿器の処理出口空気からではなく、プレ収着除湿器から取り込まれることである。したがって、より多くの乾燥空気を生成することができる。
【0046】
主再生空気流の体積流量は、主デシカントロータを通過する主処理空気流の体積流量よりも小さく、プレデシカントロータからのプレ処理空気流は主再生空気流として主デシカントロータに運ばれるため、プレデシカントロータのサイズは主デシカントロータよりも小さい可能性がある。この構成の利点は、プレ収着ユニットの全体のサイズが主収着ユニットよりも小さい場合があり、したがって、プレ収着ユニットと主収着ユニットを合わせた全体のサイズが小さくなる場合があることである。これによって、ガス収着システムの設置に必要なスペースが削減されることがある。
【0047】
ある態様によれば、プレ処理空気回路は、プレ処理空気流をパージ空気回路に導くために主収着ロータの上流でパージ空気回路に接続される。
【0048】
プレ処理空気回路を主デシカントロータの上流で主再生空気回路に接続することに加えて、プレ処理空気回路を主デシカントロータの上流でパージ空気回路に接続することもある。したがって、プレ収着ユニットは主収着ユニットに再生空気とパージ空気を供給する。これは、プレ処理空気回路が主デシカントロータの上流で主再生空気回路に、同様にパージ空気回路に接続されているために可能である。したがって、プレ処理空気流は、主再生空気流の入口及び主収着ユニットのパージ空気流の入口に運ばれる。
【0049】
ある態様によれば、プレ収着ロータは、パージ空気回路を介してプレ処理空気流を主再生空気回路に導くように構成される。
【0050】
主デシカントロータの下流のパージ空気回路は、主デシカントロータの上流で主再生空気回路に接続されることがある。更に、主デシカントロータの上流のパージ空気回路は、プレデシカントロータの下流でプレ処理空気回路に接続されることがある。この構成の結果として、プレデシカントロータは、パージ空気回路を介して主再生空気回路にプレ処理空気流を導くように構成されることがある。これは、プレ処理空気流が最初にパージ空気として主デシカントロータを通過し、その後パージ空気が主再生空気として再び主デシカントロータを通過することを意味する。
【0051】
ある態様によれば、ヒートポンプの凝縮器は、プレ収着ロータの下流でプレ処理空気回路に接続され、主収着ロータの上流で主再生空気回路に接続される。
【0052】
ヒートポンプの凝縮器をプレ収着ユニットと主収着ユニットの間に配置することによって、主デシカントロータを通過する前に、主再生空気流の温度が上昇することになる。代替的に、プレデシカントロータは、パージ空気回路を介して主再生空気回路にプレ処理空気流を導くように構成され、ヒートポンプの凝縮器は主ロータの上流の主再生空気回路に位置付けられる。
【0053】
ある態様によれば、システムは更に、処理空気が主ユニットに流入する前に、第1の冷却器内で処理空気を冷却するように構成された冷却流体を含む中間流体回路を備え、中間流体回路は、流体ポンプと、冷却流体Cを第1の冷却器及びヒートポンプの蒸発器を通して導くように構成された流体導管と、を備える。
【0054】
ヒートポンプ蒸発器内の冷却流体から取り除かれた熱は、ヒートポンプの冷媒回路及び凝縮器を介して主入口再生空気流に伝達することができる。すなわち、第1の冷却器内の主処理空気流から取り除かれた熱は、中間流体回路及びヒートポンプの冷媒回路を介して主入口再生空気流を加熱するのに利用することができる。ヒートポンプの凝縮器はプレデシカントロータの下流でプレ処理空気回路に接続され、主デシカントロータの上流で主再生空気回路に接続されているため、プレ処理空気流、ひいては主入口再生空気流は乾燥している。したがって、乾燥した主入口再生空気流は、主デシカントロータを通過する前にヒートポンプの凝縮器によって加熱されることになる。
【0055】
本開示の更なる態様によれば、制御デバイスにより実行される、ガス収着システムを制御する方法が提供される。ガス収着システムは、主収着ユニットと、主収着ユニット内の主収着ロータを通して主処理空気流を導くように構成された主処理空気回路と、主収着ユニット内の主収着ロータを通して主再生空気流を導くように構成された主再生空気回路と、主再生空気流と同じ方向に主収着ロータを通って流れるように構成されるパージ空気流を、主収着ユニット内の主収着ロータを通して導くように構成されたパージ空気回路と、制御デバイスと、を備えており、ガス収着システムが更に、主収着ユニットの上流で主再生空気回路に接続されたプレ処理ユニットを備え、プレ処理ユニットが、主収着ユニットの上流で主再生空気流を加熱及び/又は除湿するように構成され、方法が、主収着ユニットの下流の主処理空気流中の主処理空気の特性に応じて主収着ユニットを制御するステップと、主収着ユニットの上流の主再活性化空気流中の主再活性化空気の特性に応じてプレ処理ユニットを制御するステップと、を含む。
【0056】
主収着ユニットの下流の主処理空気流中の主処理空気の特性に応じて主収着ユニットを制御する方法ステップは、主収着ロータを通過する主処理空気流の流量を制御すること、及び/又は主再生空気流及び/又はパージ空気流における再生エネルギーを制御すること、及び/又は主収着ロータの回転速度を制御すること、を含むことがある。
【0057】
主収着ユニットの上流の主再活性化空気流中の主再活性化空気の特性に応じてプレ処理ユニットを制御する方法ステップは、プレ再生空気流中の再生エネルギー及びプレ処理デシカントロータの回転速度を制御することを含むことがある。
【0058】
更に、ロータの上流及び下流の冷却器に供給される冷却エネルギーを制御して、空気流から凝縮される水分の量を設定することができる。
【0059】
本開示はまた、プログラムがコンピュータによって実行されるときに、コンピュータに以上に開示された方法を実行させる命令を含むコンピュータプログラムにも関する。本発明は更に、コンピュータによって実行されるときに、コンピュータに以上に開示された方法を実行させる命令を含むコンピュータ可読媒体に関する。この方法は、予めプログラムされたソフトウェアに含まれることがあり、このソフトウェアは、この方法を利用するのに適したシステムの制御デバイスに実装されることがある。予めプログラムされたソフトウェアは、制御デバイスに記憶されることがある。代替的に、又は組み合わせて、ソフトウェアは、制御デバイスから離れたところにあるメモリ又はコンピュータに記憶されることがある。
【0060】
これより添付図面とともに、除湿システムに係るガス収着システム、方法、コンピュータプログラム及びコンピュータ可読媒体について説明する。
【0061】
図1は、ある例に係る除湿システム1であり得るガス収着システム1の斜視図を概略的に示している。除湿システム1は、主収着除湿器ユニット2であり得る主収着ユニット2を備える。除湿システム1はプレ処理ユニット4も備える。制御デバイス100が、主収着除湿器ユニット2及びプレ処理ユニット4に接続されることがある。主収着除湿器ユニット2は、主収着ロータ6を備え、主収着ロータ6は主デシカントロータ6である場合があり、中心軸8の周りを回転するように構成される。モータ10が、主デシカントロータ6を、伝動装置12を介して回転させるように構成される。主処理空気流14が、主デシカントロータ6内に配置される多数のチャネル16を通過することになる。チャネル16は、主デシカントロータ6の一方の側から他方の側まで延びる。チャネル16は主デシカントロータ6の中心軸8に平行である場合がある。主処理空気流14は、第1の方向にチャネル16を通過する。主デシカントロータ6は、主デシカントロータ6のチャネル16を通過し得る主処理空気流14中の水を減らすことによって主処理空気流14を処理するように適合される。主デシカントロータ6は、主処理空気流14中の主処理空気から水分を抽出するように構成されるデシカント材料を含むため、主処理空気は乾燥空気として主デシカントロータ6から出ることができる。
【0062】
第1のV字型仕切部材18が、主デシカントロータ6のパイ状部分を残りの部分から分離して、主デシカントロータ6の主再生セクション20を画定する。第2のV字型仕切部材22が、主デシカントロータ6のパイ状部分を残りの部分から分離して、主デシカントロータ6のパージセクション24を画定する。主デシカントロータ6の残りの部分は、主処理セクション26を画定する。
【0063】
除湿対象の主処理空気流14は、主デシカントロータ6内のチャネル16を通って流れることができる。同時に、加熱された主再生空気流28が、主デシカントロータ6の主再生セクション20を逆流で通過することができる。再生空気流28は、主デシカントロータ6の下流で主処理空気流14から出ることがある。
【0064】
主再生空気流28は、主デシカントロータ6の温度を上昇させ、その結果、主デシカントロータ6内のデシカント材料が乾燥され、その水分が放出され、その後、主再生空気流28によって運び去られる。主デシカントロータ6内の乾燥したデシカント材料は、主処理セクション26に回転され、そこで再び主処理空気流14から水分を吸収する。
【0065】
主再生空気流28が主デシカントロータ6を通過するとき、主デシカントロータ6の温度は上昇することになる。主デシカントロータ6の主処理セクション26において主処理空気流14から水分及び水を効果的に捕捉するために、主再生セクション20を出た後、主処理セクション26内の温度は低下しなければならない。したがって、パージ空気流30がパージセクション24を通って導かれる。パージ空気流30は、主デシカントロータ6の下流で主処理空気流14から出ることがある。したがって、パージ空気流30は、主デシカントロータ6の温度を低下させることになる。乾燥した主処理空気流14を得るために、パージ空気流30は、主再生空気流28と同じ方向に主デシカントロータ6を通って誘導される。その結果、主デシカントロータ6内に依然として存在する水分がパージ空気流30によって主デシカントロータ6から押し出されることになる。したがって、パージ空気流30は主デシカントロータ6の奥深くに作用することになる。プレ処理ユニット4は、主収着除湿器ユニット2の上流で主再生空気流28を加熱及び/又は除湿するように構成される。
【0066】
図2は、ある例に係る除湿システム1を概略的に示している。除湿システム1は、主収着除湿器ユニット2と、主収着除湿器ユニット2内の主デシカントロータ6を通して主処理空気流14を導くように構成された主処理空気回路32と、を備える。主再生空気回路34が、主収着除湿器ユニット2内の主デシカントロータ6を通して主再生空気流28を導くように構成される。パージ空気回路36が、主収着除湿器ユニット2の主デシカントロータ6を通してパージ空気流30を導くように構成され、パージ空気流30は、主再生空気流28と同じ方向に主デシカントロータ6を通って流れるように構成される。パージ空気回路36は、主収着除湿器ユニット2の下流で主処理空気回路32に接続される。パージ空気流30は、主処理空気回路32における主処理空気流14から収集されるように構成される。主デシカントロータ6の下流のパージ空気流30は、周囲の大気に放出されることがある。再生空気は周囲空間から取り込まれる。処理空気は周囲空間から取り込まれる。
【0067】
除湿システム1は更に、主収着除湿器ユニット2の上流で主再生空気回路34に接続されるプレ処理ユニット4を備える。プレ処理ユニット4は、主収着除湿器ユニット2の上流で主再生空気流28を加熱するように構成される。プレ処理ユニット4は、蒸発器40及び凝縮器42を備えたヒートポンプ38を備える。主再生空気回路34は、主収着除湿器ユニット2の上流でヒートポンプ38の凝縮器42に接続される。
【0068】
除湿システム1は更に、処理空気が主収着除湿器ユニット2に流入する前に、第1の冷却器46内で主処理空気を冷却するように構成された冷却流体Cを含む中間流体回路44を備える。中間流体回路44は、流体ポンプ48と、第1の冷却器46及びヒートポンプ38の蒸発器40を通して冷却流体Cを導くように構成された流体導管50と、を備える。流体制御弁51を流体導管50内に配置することがある。中間流体回路44は、制御デバイス100に接続されることがある。制御デバイス100は、中間流体回路44内の冷却流体Cの流れを制御するように構成されることがある。
【0069】
蒸発器40内の冷却流体Cから取り除かれた熱は、ヒートポンプ38の冷媒回路52及び凝縮器42を介して、主再生空気流28に伝達することができる。すなわち、第1の冷却器46内の主処理空気流14から取り除かれた熱は、中間流体回路44及びヒートポンプ38の冷媒回路52を介して、主再生空気を加熱するのに利用することができる。第1のヒータ76が、主収着除湿器ユニット2の上流の主再生空気回路34に含まれることがあり、必要に応じて主再生空気流28を任意選択で加熱するように構成される。
【0070】
主再生空気流28が主デシカントロータ6を通過するとき、主再生空気流28の水分含量が増加し、温度が低下する。主再生空気流28は周囲に放出されることがあるが、ロータ6のある範囲の回転速度で、大部分の熱及び水分がパージ30流によって抽出されることになる一方、ロータの下流の再生空気流28は、冷却器74の上流の空気よりも低温にかつ乾燥することになる。したがって、この空気の少なくとも一部を主処理空気流14に回収することが有利である場合がある。第1の冷却器46は、中間流体回路44に組み込まれており、主デシカントロータ6の下流で主再生空気流28を冷却するように、中間流体回路44のヒートポンプ38の蒸発器40の上流に配置されており、したがって、ロータ6の上流で主処理空気回路32から熱を抽出する。第1の冷却器46での冷却中にロータ6の上流の主処理空気回路32の温度が低下するとき、ロータ6内のデシカントがより効率的に水分を引き付けることになる。その後、主再生空気流28は、主処理空気流14とともに主デシカントロータ6を通過し、水分が主デシカントロータ6によって抽出される。
【0071】
主処理空気流14は、主デシカントロータ6の上流で主処理空気回路32に配置された第1のファン70によって生成される。主再生空気は、主デシカントロータ6の下流で主再生空気回路34に配置された第2のファン72によって生成される。追加のファンをロータ6の下流のパージ空気流30中に配置して、好ましい静圧を提供することがある。第2の冷却器74が、第1のファン70の上流で主処理空気回路32に配置されることがある。主デシカントロータ6の下流の主処理空気流14は、乾燥室80に運ばれる前に第2のヒータ78を通過することがある。乾燥室80からの排気は、主デシカントロータ6の上流で主処理空気回路32に運ばれる。更に、主デシカントロータ6の下流の主再生空気流28は、主デシカントロータ6の上流で主処理空気回路32に運ばれる。第3の冷却器82が、ヒートポンプ38の凝縮器42の上流で主再生空気回路34内に配置される。中間流体回路44を第1の冷却器46に接続する代わりに、中間流体回路44を第2の冷却器74に接続することが可能である。
【0072】
図3は、ある例に係る除湿システム1を概略的に示している。この例に係る除湿システム1は、
図2の例に係る除湿システム1と同様である。ただし、この例によれば、主デシカントロータ6の下流のパージ空気回路36は、ヒートポンプ38の凝縮器42の上流で主再生空気回路34に接続される。したがって、主デシカントロータ6の下流のパージ空気流30は、主デシカントロータ6の上流に運ばれ、主デシカントロータ6の下流のパージ空気流は主再生空気流28として使用される。主デシカントロータ6の下流の主再生空気流28は周囲の大気に放出されることがある。中間流体回路44を第1の冷却器46に接続する代わりに、中間流体回路44を第2の冷却器74に接続することが可能である。
【0073】
図4は、ある例に係る除湿システム1を概略的に示している。除湿システム1は、主収着除湿器ユニット2と、主収着除湿器ユニット2内の主デシカントロータ6を通して主処理空気流14を導くように構成された主処理空気回路32と、を備える。主再生空気回路34が、主収着除湿器ユニット2内の主デシカントロータ6を通して主再生空気流28を導くように構成される。パージ空気回路36が、主収着除湿器ユニット2内の主デシカントロータ6を通してパージ空気流30を導くように構成され、パージ空気流30は主再生空気流28と同じ方向に主デシカントロータ6を通って流れるように構成される。パージ空気回路36は、主収着除湿器ユニット2の下流で主再生空気回路34に接続される。主デシカントロータ6の下流の主再生空気流28及びパージ空気流30は、周囲の大気に放出されることがある。
【0074】
除湿システム1は更に、主収着除湿器ユニット2の上流で主再生空気回路34及びパージ空気回路36に接続されるプレ処理ユニット4を備える。プレ処理ユニット4は、主収着除湿器ユニット2の上流で主再生空気流28及びパージ空気流30を除湿するように構成される。プレ処理ユニット4は、プレ収着除湿ユニット54であり得るプレ収着ユニット54を備える。プレ処理空気回路56が、プレ処理空気流58を、プレ収着除湿器ユニット54のプレデシカントロータ60であり得るプレ収着ロータ60を通して導くように構成される。プレ再生空気回路62が、プレ再生空気流64をプレ収着除湿器ユニット54のプレデシカントロータ60を通して導くように構成される。プレ処理空気回路56は、プレ処理空気流58を主再生空気回路34に導くために主デシカントロータ6の上流で主再生空気回路34に接続される。更に、プレ処理空気回路56は、プレ処理空気流58をパージ空気回路36に導くために主デシカントロータ6の上流でパージ空気回路36に接続される。プレ再生空気が周囲の空間から取り込まれる。プレ処理空気が周囲空間から取り込まれる。
【0075】
プレパージ空気回路66が、プレデシカントロータ60の上流でプレ処理空気回路56に接続される。プレパージ空気は、プレ処理空気回路56内のプレ処理空気流58から収集される。プレ処理ユニット4では、プレパージ空気流68は、プレデシカントロータ60を通るプレ再生空気流64と比較して反対方向に誘導される。
【0076】
第3のファン73及び第4の冷却器84が、プレ処理空気回路56にプレデシカントロータ60の上流で配置される。第5の冷却器86が、プレ再生空気回路62にプレデシカントロータ60の上流で配置される。第3のヒータ88がプレ再生空気回路62にプレデシカントロータ60の上流で配置される。第4のファン90が、プレデシカントロータ60の下流でプレ再生空気回路62に配置される。
【0077】
図5は、ある例に係る除湿システム1を概略的に示している。この例に係る除湿システム1は、
図4の例に係る除湿システム1と同様である。ただし、この例によれば、プレデシカントロータ60は、パージ空気回路36を介してプレ処理空気流58を主再生空気回路34に導くように構成される。主デシカントロータ6の下流のパージ空気回路36は、主デシカントロータ6の上流で主再生空気回路34に接続される。更に、主デシカントロータ6の上流のパージ空気回路36は、プレデシカントロータ60の下流でプレ処理空気回路56に接続されることがある。第5のファン91が、プレ処理空気回路56にプレデシカントロータ60の上流で配置される。
【0078】
図6は、ある例に係る除湿システム1を概略的に示している。この例に係る除湿システム1は、
図4の例に係る除湿システム1と同様である。ただし、この例によれば、
図2及び
図3の例に係るヒートポンプ38は、プレ収着除湿ユニット54とともにプレ処理ユニット4内に配置される。主再生空気回路34は、ヒートポンプ38の凝縮器42に主収着除湿器ユニット2の上流で接続される。ヒートポンプ38、及びヒートポンプ38に接続された構成要素は、
図2及び
図3に示した例で参照される。同様に、ヒートポンプ38が、
図3のようにヒートポンプを組み込むことによって、
図5の設計に追加される可能性がある。つまり、ヒートポンプは、主処理回路の上流から主パージ回路の下流に熱を伝達することになる。中間流体回路44を第1の冷却器46に接続する代わりに、中間流体回路44を第2の冷却器74に接続することが可能である。
【0079】
図7は、ある例に係る方法のフローチャートを示している。この方法は、除湿システム1を制御するための制御デバイス100によって実行される。この方法は、
図1から
図7に開示された除湿システム1に関する。したがって、空気除湿システム1は、主収着除湿器ユニット2と、主収着除湿器ユニット2内の主デシカントロータ6を通して主処理空気流14を導くように構成された主処理空気回路32と、主収着除湿器ユニット2内の主デシカントロータ6を通して主再生空気流28を導くように構成された主再生空気回路34と、主再生空気流28と同じ方向に主デシカントロータ6を通って流れるように構成されるパージ空気流30を主収着除湿器ユニット2内の主デシカントロータ6を通して導くように構成されたパージ空気回路36と、制御デバイスと、を備え、除湿システム1は更に、主収着除湿器ユニット2の上流で主再生空気回路34に接続されたプレ処理ユニット4を備え、プレ処理ユニット4は、主収着除湿器ユニット2の上流で主再生空気流28を加熱及び/又は除湿するように構成されており、方法は、主収着除湿器ユニット2を、主収着除湿器ユニット2の下流の主処理空気流14中の主処理空気の特性に応じて制御するステップ(s101)と、主収着除湿器ユニット2の上流の主再生空気流28中の主再生空気の特性に応じてプレ処理ユニット4を制御するステップ(s102)と、を含む。
【0080】
図8は、ある例に係るデバイス500又はコンピュータを概略的に示している。
図2から
図6を参照して説明した制御デバイス100は、あるバージョンではデバイス500を備えることがある。デバイス500は、不揮発性メモリ520、データ処理ユニット510及び読み出し/書き込みメモリ550を備える。不揮発性メモリ520は、デバイス500の機能を制御するためのコンピュータプログラム、例えばオペレーティングシステムが記憶される第1のメモリ要素530を有する。デバイス500は更に、バスコントローラ、シリアル通信ポート、I/O手段、A/Dコンバータ、日時入力及び転送ユニット、イベントカウンタ並びに割込みコントローラ(図示せず)を備える。不揮発性メモリ520は第2のメモリ要素540も有する。
【0081】
上述の方法を実行するための命令を含むコンピュータプログラムPが提供される。プログラムPは、メモリ560及び/又は読み出し/書き込みメモリ550に実行可能な形式又は圧縮された形式で記憶されることがある。データ処理ユニット510がある機能を実行するものと説明される場合、それは、データ処理ユニット510がメモリ560に記憶されているプログラムのある部分、又は読み出し/書き込みメモリ550に記憶されているプログラムのある部分を実行することを意味する。データ処理デバイス510は、データバス515を介してデータポート599と通信することができる。不揮発性メモリ520は、データバス512を介してデータ処理ユニット510と通信することが意図されている。別個のメモリ560は、データバス511を介してデータ処理ユニット510と通信することが意図されている。読み出し/読み書きメモリ550は、データバス514を介してデータ処理ユニット510と通信するように適合される。
【0082】
データは、データポート599で受信されるときに、第2のメモリ要素540に一時的に記憶される。受信された入力データが一時的に記憶されたときに、データ処理ユニット510は、以上で説明したようにコード実行を行う準備が整う。本明細書で説明される方法の一部は、メモリ560又は読み出し/書き込みメモリ550に記憶されているプログラムを実行するデータ処理ユニット510によってデバイス500によって実行されることがある。デバイス500がプログラムを実行するとき、本明細書で説明される方法が実行される。
【0083】
実施形態の前述の説明は、例示及び説明を目的として提供されたものである。これは網羅的であることを意図したものではなく、実施形態を説明した変形例に限定することを意図したものでもない。当業者には多くの修正及び変形が明白であろう。実施形態は、原理及び実際の応用を最もよく説明するために選択され、説明されており、それによって、当業者が、その様々な実施形態及びその意図された用途に適用可能な様々な修正に関して本発明を理解できるようにする。以上で特定された構成要素及び特徴は、本開示の枠組み内で、特定された異なる実施形態間で組み合わされることがある。
【手続補正書】
【提出日】2022-12-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主収着ユニット(2)と、
前記主収着ユニット(2)内の主収着ロータ(6)を通して主処理空気流(14)を導くように構成された主処理空気回路(32)と、
前記主収着ユニット(2)内の前記主収着ロータ(6)を通して主再生空気流(28)を導くように構成された主再生空気回路(34)と、
前記主再生空気流(28)と同じ方向に前記主収着ロータ(6)を通って流れるように構成されるパージ空気流(30)を、前記主収着ユニット(2)内の前記主収着ロータ(6)を通して導くように構成されたパージ空気回路(36)と、
前記主収着ユニット(2)の上流で前記主再生空気回路(34)に接続されたプレ処理ユニット(4)であって、前記主収着ユニット(2)の上流で前記主再生空気流(28)を加熱及び/又は除湿するように構成されるプレ処理ユニット(4)と、
を備えたガス収着システム(1)であって、
前記パージ空気回路(36)及び再生空気回路(34)が前記主収着ユニット(2)の下流で前記主処理空気回路(32)に接続されており、前記パージ空気流(30)及び主再生空気流(28)が前記主処理空気回路(32)内の前記主処理空気流(14)から収集されるように構成されることによって、前記主デシカントロータ(6)の下流の前記パージ空気流(30)が前記主再生空気流(28)として使用される、又は
前記プレ処理ユニット(4)が、プレ収着ユニット(54)と、前記プレ収着ユニット(54)内のプレ収着ロータ(60)を通してプレ処理空気流(58)を導くように構成されたプレ処理空気回路(56)と、前記プレ収着ユニット(54)内の前記プレ収着ロータ(60)を通して再生空気流を導くように構成されたプレ再生空気回路(62)と、を備えており、前記プレ処理空気回路(56)が、前記プレ処理空気流(58)を前記主再生空気回路(34)に導くために、前記主収着ロータ(6)の上流で前記主再生空気回路(34)に接続され、前記プレ処理空気回路(56)が、前記プレ処理空気流(58)を前記パージ空気回路(36)に導くために、前記主収着ロータ(6)の上流で前記パージ空気回路(36)に接続され、前記プレ収着ロータ(60)が、前記パージ空気回路(36)を介して前記プレ処理空気流(58)を前記主再生空気回路(34)に導くように構成される、
ことを特徴とする、ガス収着システム(1)。
【請求項2】
前記プレ処理ユニット(4)は、蒸発器(40)及び凝縮器(42)を備えたヒートポンプ(38)を備え、
前記主再生空気回路(34)は、前記主収着ユニット(2)の上流で前記ヒートポンプ(38)の前記凝縮器(42)に接続される、請求項1のシステム(1)。
【請求項3】
前記主収着ユニット(2)の下流の前記パージ空気回路(36)は、前記ヒートポンプ(38)の前記凝縮器(42)に接続されており、
前記主再生空気流(28)は、前記パージ空気回路(36)内の前記パージ空気流(30)から収集される、請求項2のシステム(1)。
【請求項4】
前記システムは、前記処理空気が前記主収着ユニット(2)に入る前に、前記主処理空気を第1の冷却器(46)において冷却するように構成された冷却流体(C)を含む中間流体回路(44)を更に備えており、
前記中間流体回路(44)は、流体ポンプ(48)と、前記第1の冷却器(46)及び前記ヒートポンプ(38)の前記蒸発器(40)を通して冷却流体(C)を導くように構成された流体導管(50)と、を備える、請求項2又は3に記載のシステム(1)。
【請求項5】
前記ヒートポンプ(38)の前記凝縮器(42)は、前記プレ収着ロータ(60)の下流で前記プレ処理空気回路(56)に、前記主収着ロータ(6)の上流で前記主再生空気回路(34)に接続される、請求項2に記載のシステム(1)。
【請求項6】
前記システム(1)は、前記処理空気が前記主収着ユニット(2)に入る前に、前記処理空気を第1の冷却器(46)において冷却するように構成された冷却流体(C)を含む中間流体回路(44)を更に備えており、
前記中間流体回路(44)は、流体ポンプ(48)と、前記第1の冷却器(46)及び前記ヒートポンプ(38)の前記蒸発器(40)を通して冷却流体(C)を導くように構成された流体導管(50)と、を備える、請求項5に記載のシステム(1)。
【請求項7】
制御デバイス(100)により実行される、請求項1に記載のガス収着システム(1)を制御する方法であって、
前記主収着ユニット(2)の下流の前記主処理空気流(14)中の前記主処理空気の特性に応じて前記主収着ユニット(2)を制御するステップ(s101)と、
前記主収着ユニット(2)の上流の前記主再生空気流(28)中の前記主再生空気の特性に応じて前記プレ処理ユニット(4)を制御するステップ(s102)と、
を含む、方法。
【請求項8】
コンピュータ(100;500)によって実行されるときに、前記コンピュータ(100;500)に請求項7に記載の方法を実行させる命令を含む、コンピュータプログラム(P)。
【請求項9】
コンピュータ(100;500)によって実行されるときに、前記コンピュータ(100;500)に請求項7に記載の方法を実行させる命令を含む、コンピュータ可読媒体。
【国際調査報告】