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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-16
(54)【発明の名称】対話型エアロゾル供給システム
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/57 20200101AFI20240808BHJP
   A24F 40/51 20200101ALI20240808BHJP
【FI】
A24F40/57
A24F40/51
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024502501
(86)(22)【出願日】2022-07-13
(85)【翻訳文提出日】2024-03-15
(86)【国際出願番号】 EP2022069533
(87)【国際公開番号】W WO2023006417
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】2110909.5
(32)【優先日】2021-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】モロニー, パトリック
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB14
4B162AC02
4B162AC22
4B162AC34
4B162AD08
4B162AD20
4B162AD23
4B162AD41
(57)【要約】
エアロゾル送達システムが、制御プロセッサと、エアロゾル送達デバイスとを具備し、エアロゾル送達デバイスは、電源と、着脱式に取付け可能な使い捨て部分とを備え、使い捨て部分は、エアロゾル化のためのペイロードと、ペイロードのエアロゾル化のための加熱要素とを備え、加熱要素は、使い捨て部分をエアロゾル送達デバイスに取り付けることによって、電源及び制御プロセッサに電気的に結合されており、制御プロセッサは、初期状態で、電源からヒーターに供給するための電気エネルギーの流れを設定し、空気流がヒーターを冷却することによって引き起こされる加熱要素内の抵抗の次の変化を検出するように構成されており、制御プロセッサは、抵抗の次の変化を検出したとき、ヒーター温度を上昇させるのに十分なまで、電源からヒーターに供給するための電気エネルギーの流れを増大させるための次の状態に入るように構成されている。
【選択図】 図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御プロセッサと、
エアロゾル送達デバイスとを具備し、前記エアロゾル送達デバイスが、
電源と、
着脱式に取付け可能な使い捨て部分とを備え、前記使い捨て部分が、
エアロゾル化のためのペイロードと、
前記ペイロードのエアロゾル化のための加熱要素とを備え、前記加熱要素が、前記使い捨て部分を前記エアロゾル送達デバイスに取り付けることによって、前記電源及び制御プロセッサに電気的に結合されており、
前記制御プロセッサが、初期状態で、前記電源から前記ヒーターに供給するための電気エネルギーの流れを設定し、空気流が前記ヒーターを冷却させることによって引き起こされる前記加熱要素内の抵抗の次の変化を検出するように構成されており、
前記制御プロセッサが、抵抗の前記次の変化を検出したとき、前記ヒーター温度を上昇させるのに十分なだけ前記電源から前記ヒーターに供給するための電気エネルギーの流れを増大させるための次の状態に入るように構成されている、
エアロゾル送達システム。
【請求項2】
前記次の状態で、前記制御プロセッサが、空気流が前記ヒーターを冷却しなくなることによって引き起こされる前記加熱要素内の抵抗のさらなる変化を検出するように構成されており、
前記制御プロセッサが、前記流れの前記さらなる変化を検出したとき、再び前記初期状態に入るように構成されている、
請求項1に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項3】
前記制御プロセッサが、前記抵抗の絶対変化が第1の所定の閾値を超過した場合、前記次の状態へ遷移するように構成されている、
請求項1又は2に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項4】
前記温度の上昇が、前記ペイロードに対する蒸発温度をわずかに下回る温度までである、
請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項5】
前記次の変化が閾値期間にわたって持続した場合、又は変化が前記第1の所定の閾値より大きい第2の所定の閾値を超過した場合、前記温度の上昇が、前記ペイロードに対する蒸発温度までさらに上昇する、
請求項4に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項6】
前記温度の上昇が、前記ペイロードに対する蒸発温度までである、
請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項7】
前記加熱要素が、少なくとも部分的に前記エアロゾル送達デバイスの吸入空気流路内に位置する、
請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項8】
前記加熱要素が、前記エアロゾル送達デバイスの吸入空気流路内に細線部分を備える、
請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項9】
前記加熱要素が、前記エアロゾル送達デバイスの吸入空気流路内に薄膜部分を備える、
請求項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項10】
前記加熱要素が複数の部分を備えており、前記複数の部分のうちの少なくとも1つが、少なくとも部分的に前記エアロゾル送達デバイスの吸入空気流路内に位置する、
請求項1~9のいずれか一項に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項11】
前記制御プロセッサが、前記制御プロセッサが前記電源から前記ヒーターへの電気エネルギーの流れを停止させる遮断状態を備える、
請求項1~10のいずれか一項に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項12】
前記初期状態で、前記制御プロセッサが、少なくとも第1の所定の基準が満たされた場合、前記遮断状態に入るように動作可能である、
請求項11に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項13】
前記所定の基準又は各々の所定の基準が、
i.所定の時間内に前記次の状態に遷移しないこと、
ii.前記遮断状態に入るためのユーザインターフェース命令、
iii.電源レベルが閾値を下回ること、
iv.前記エアロゾル送達システムが閾値期間にわたって前記エアロゾル送達デバイスの動きを検出しないこと、
v.前記エアロゾル送達システムが2要因認証システムにおける第2の要因を検出しないこと、及び
vi.前記エアロゾル送達システムが使用者の近接を検出しないこと
からなるリストから選択されたそれぞれ1つである、請求項12に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項14】
前記遮断状態で、前記制御プロセッサが、少なくとも第1の所定の基準が満たされた場合、前記初期状態に入るように動作可能である、
請求項11に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項15】
前記所定の基準又は各々の所定の基準が、
i.前記初期状態に入るためのユーザインターフェース命令、
ii.使用者による前記送達デバイスの操作、
iii.直後の使用に特有の前記送達デバイスの動き、
iv.直後の使用の2要因認証、及び
v.前記使用者の近接検出
からなるリストから選択されたそれぞれ1つである、請求項14に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項16】
前記遮断状態で、前記制御プロセッサが、少なくとも第1の所定の基準が満たされた場合、前記次の状態に入るように動作可能である、
請求項11に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項17】
前記所定の基準又は各々の所定の基準が、
i.前記次の状態に入るためのユーザインターフェース命令、及び
ii.前記送達デバイスの所定の部分の電気接地
からなるリストから選択されたそれぞれ1つである、請求項16に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項18】
人物がセンサに物理的に接触しなくても前記人物を検出するように構成され、人物が検出されたときは検出信号を出力するように構成された少なくとも1つの近接センサと、
前記検出信号を受信し、少なくとも一部には前記受信した検出信号に基づいて、第1の活動状態と第2の活動状態との間で前記エアロゾル送達デバイスの動作状態を変化させるかどうかを判定するように構成された活動状態プロセッサと
を備える、請求項1~17のいずれか一項に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項19】
前記エアロゾル送達デバイスの次の使用に関係する第1の対話を検出するように構成された第1のセンサと、
前記エアロゾル送達デバイスの次の使用に関係する第2の別個の対話を検出するように構成された第2のセンサと、
前記第1の対話及び前記第2の対話の検出が少なくとも第1の所定の基準を満たすことを計算するように動作可能な2要因検出プロセッサと、
前記第1の対話及び前記第2の対話の前記検出が前記少なくとも第1の所定の基準を満たすことが計算されたことに応答して、前記エアロゾル送達デバイスの動作状態を変化させるように動作可能な制御プロセッサと
を備える、請求項1~18のいずれか一項に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項20】
エアロゾル送達システムを制御する方法であって、前記エアロゾル送達システムが、エアロゾル送達デバイスを具備し、前記エアロゾル送達デバイスが、電源と、着脱式に取付け可能な使い捨て部分とを備え、前記使い捨て部分が、エアロゾル化のためのペイロードと、前記ペイロードのエアロゾル化のための加熱要素とを備え、前記加熱要素が、前記使い捨て部分を前記エアロゾル送達デバイスに取り付けることによって、前記電源に電気的に結合され、前記方法が、
前記電源から前記ヒーターに供給するための電気エネルギーの流れを設定するように初期状態を構成するステップと、
空気流が前記ヒーターを冷却させることによって引き起こされる前記加熱要素内の抵抗の次の変化を検出するステップと、
前記抵抗の次の変化を検出したとき、前記ヒーター温度を上昇させるのに十分なだけ、前記電源から前記ヒーターに供給するための電気エネルギーの流れを増大させるための次の状態に入るステップとを含む、方法。
【請求項21】
少なくとも1つの近接センサを使用して、物理的な接触なく人物を検出するステップと、
人物が検出されたときは検出信号を出力するステップと、
前記検出信号を受信するステップと、
少なくとも一部には前記受信した検出信号に基づいて、第1の活動状態と第2の活動状態との間で前記エアロゾル送達デバイスの動作状態を変化させるかどうかを判定するステップと
を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記エアロゾル送達デバイスの次の使用に関係する第1の対話を検出する第1の検出ステップと、
前記エアロゾル送達デバイスの次の使用に関係する第2の別個の対話を検出する第2の検出ステップと、
前記第1の対話及び前記第2の対話の検出が少なくとも第1の所定の基準を満たすことを計算する計算ステップと、
前記第1の対話及び前記第2の対話の前記検出が前記少なくとも第1の所定の基準を満たすことが計算されたことに応答して、前記エアロゾル送達デバイスの動作状態を変更する制御ステップと
を含む、請求項20又は21に記載の方法。
【請求項23】
コンピュータシステムに、請求項20~22のいずれか一項に記載の方法を実行させるように構成されたコンピュータ実行可能命令を含むコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対話型エアロゾル供給システムに関する。
【背景】
【0002】
本明細書に提供する「背景」の記載は、本開示の内容を全体として提示することを目的とする。この背景の章に記載される範囲の本明細書に名前を挙げる発明者らの取組み、並びにその他の点で出願時に従来技術として適当でないことがある本説明の態様は、本開示に対する従来技術として明白に又は示唆的に認められるものではない。
【0003】
エアロゾル供給システムは、使用者への活性成分(ニコチンなど)の送達を好都合に要求に応じて可能にすることから、使用者の間で人気が高い。
【0004】
エアロゾル供給システムの一例として、電子タバコ(eシガレット)は概して、典型的にはニコチンを含む調合物を収容する原料液体のリザーバを収容し、そこからたとえば熱蒸発によってエアロゾルが生成される。したがって、エアロゾル供給システムのためのエアロゾル源は、たとえばウィッキング/毛管作用によって、リザーバからの原料液体を受け取るように配置された加熱要素を有するヒーターを備えることができる。同様に、植物性物質、又は活性成分及び/又は香料を含むゲルなど、他の原材料を加熱して、エアロゾルを生じさせることもできる。したがってより概略的には、eシガレットは、熱蒸発のためのペイロードを含む又は受け取ると考えることができる。
【0005】
使用者がデバイスで吸入すると、加熱要素に電力が供給され、加熱要素近傍のエアロゾル源(ペイロードの一部分)を気化して、使用者が吸入するためのエアロゾルを生成する。そのようなデバイスは通常、システムのマウスピース端から離れたところに位置する1つ又は複数の空気入口孔を備える。使用者がシステムのマウスピース端に接続されたマウスピースで吸い込むと、空気が入口孔を通ってエアロゾル源を越えて引き込まれる。エアロゾル源とマウスピース内の開口との間を流路が接続しており、したがってエアロゾル源を越えて引き込まれた空気は、エアロゾル源からエアロゾルの一部を同伴しながら、その流路に沿ってマウスピース開口へ進む。エアロゾルを運ぶ空気は、マウスピース開口を通ってエアロゾル供給システムを出て、使用者によって吸入される。
【0006】
通常、使用者がデバイスで吸い込む/吹かすとき、ヒーターに電流が供給される。典型的には、使用者が吸入する/吸い込む/吹かすときの流路に沿った空気流センサの起動に応答して、又は使用者によるボタンの起動に応答して、ヒーター、たとえば抵抗加熱要素に電流が供給される。加熱要素によって生成される熱を使用して、調合物を気化する。解放された蒸気は、吹かしている消費者によってデバイスを通して吸い込まれた空気と混ざり合い、エアロゾルを形成する。別法又は追加として、加熱要素を使用して、タバコなどの植物性物質を典型的には非燃焼式に加熱し、その活性成分を蒸気/エアロゾルとして解放する。
【0007】
そのようなエアロゾル供給システムの確実、効率的、及び/又は適時の動作は、使用者がそのようなシステムと対話する方法に適当に応えることから利益を得ることができる。
【0008】
本発明は、この文脈から得られたものである。
【発明の概要】
【0009】
本発明の様々な態様及び特徴が、添付の特許請求の範囲及び添付の説明の本文に定義される。
【0010】
第1の態様では、請求項1に記載のエアロゾル送達システムが提供される。
【0011】
別の態様では、請求項20に記載のエアロゾル送達システムを制御する方法が提供される。
【0012】
本開示のより完全な理解、及びそれに付随する利点の多くは、以下の詳細な説明を参照して添付の図面と併せて考慮したときによりよく理解されるため、容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本説明の実施形態による送達デバイスの概略図である。
図2】本説明の実施形態による送達デバイスの本体の概略図である。
図3】本説明の実施形態による送達デバイスのカトマイザの概略図である。
図4】本説明の実施形態による送達デバイスの本体の概略図である。
図5】本説明の実施形態による送達エコシステムの概略図である。
図6】本説明の実施形態による送達デバイスの概略図である。
図7】本説明の実施形態による送達デバイスの概略図である。
図8】本説明の実施形態による送達デバイスの概略図である。
図9A】本説明の実施形態によるそれぞれの時間と抵抗の関係を示す概略図である。
図9B】本説明の実施形態によるそれぞれの時間と抵抗の関係を示す概略図である。
図9C】本説明の実施形態によるそれぞれの時間と抵抗の関係を示す概略図である。
図10】本説明の実施形態による方法の流れ図である。
【実施形態の説明】
【0014】
対話型エアロゾル供給システムが開示される。以下の説明では、本開示の実施形態の徹底的な理解を提供するために、複数の具体的な詳細が提示される。しかし、本開示の実施形態を実施するためにこれらの具体的な詳細を用いる必要はないことが、当業者には明らかである。逆に、分かりやすくする目的で、当業者に知られている具体的な詳細は適宜省略する。
【0015】
「対話型エアロゾル供給システム」又は同様に「送達デバイス」という用語は、少なくとも1つの物質を使用者へ送達するシステムを包含することができ、そのようなシステムには、エアロゾル生成材料の組合せを使用してエアロゾルを生成する電子タバコ、タバコ加熱製品、及び複合システムなど、エアロゾル生成材料を燃焼させることなくエアロゾル生成材料から化合物を解放する不燃式エアロゾル供給システム、並びにそれだけに限定されるものではないが、ロゼンジ、ガム、パッチ、吸入可能な粉末を含む物品、及びスヌース若しくは嗅ぎタバコを含む経口タバコなどの経口製品を含む、エアロゾルを形成することなく少なくとも1つの物質を使用者へ経口的、経鼻的、経皮的、若しくは別の方法で送達する無エアロゾル送達システムを含むことができ、少なくとも1つの物質は、ニコチンを含んでも含まなくてもよい。
【0016】
送達されるべき物質は、エアロゾル生成材料であっても、又はエアロゾル化されることが意図されない材料であってもよい。適当な場合、いずれの材料も、1つ若しくは複数の活性成分、1つ若しくは複数の香料、1つ若しくは複数のエアロゾル形成材料、及び/又は1つ若しくは複数の他の機能性材料を含むことができる。
【0017】
現在、そのような送達デバイス又はエアロゾル供給システム(たとえば、不燃式エアロゾル供給システム)の最も一般的な例は、eシガレットなどの電子蒸気供給システム(EVPS)である。以下の説明全体にわたって、時として「eシガレット」という用語が使用されるが、この用語は、別途記載される場合又は文脈上別途示される場合を除いて、送達デバイス又はエアロゾル供給システムと区別なく使用することができる。同様に、「蒸気」及び「エアロゾル」という用語も本明細書では同じ意味で参照される。
【0018】
概して、電子蒸気/エアロゾル供給システムは電子タバコとすることができ、ベイピングデバイス又は電子ニコチン送達デバイス(END)としても知られているが、エアロゾル生成(たとえば、エアロゾル化可能)材料中のニコチンの存在は要件ではないことに留意されたい。いくつかの実施形態では、不燃式エアロゾル供給システムはタバコ加熱システムであり、非燃焼加熱式システムとしても知られている。そのようなシステムの一例がタバコ加熱システムである。いくつかの実施形態では、不燃式エアロゾル供給システムは、エアロゾル生成材料の組合せを使用してエアロゾルを生成する複合システムであり、それらのエアロゾル生成材料のうちの1つ又は複数を加熱することができる。エアロゾル生成材料の各々は、たとえば、固体、液体、又はゲルの形態とすることができ、ニコチンを含んでも含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、複合システムは、液体又はゲルのエアロゾル生成材料と、固体のエアロゾル生成材料とを含む。固体のエアロゾル生成材料は、たとえばタバコ又は非タバコ製品を含むことができる。一方、いくつかの実施形態では、不燃式エアロゾル供給システムは、1つ又は複数のそのようなエアロゾル生成材料からの蒸気/エアロゾルを生成する。
【0019】
典型的には、不燃式エアロゾル供給システムは、不燃式エアロゾル供給デバイスと、不燃式エアロゾル供給システムとともに使用するための物品(そうでない場合、消耗品と呼ばれる)とを備えることができる。しかし、エアロゾル生成構成要素(たとえば、ヒーター、振動メッシュなどのエアロゾル生成器)に動力供給する手段を備えた物品自体が、不燃式エアロゾル供給システムを形成することもできることが想定される。一実施形態では、不燃式エアロゾル供給デバイスは、動力源及びコントローラを備えることができる。動力源は、電源又は発熱動力源とすることができる。一実施形態では、発熱動力源は炭素基板を備えており、炭素基板に通電して、動力を熱の形で発熱動力源に近接するエアロゾル化可能材料又は熱伝達材料へ分散させることができる。一実施形態では、発熱動力源などの動力源は、不燃式エアロゾル供給を形成するように物品内に提供される。一実施形態では、不燃式エアロゾル供給デバイスとともに使用するための物品は、エアロゾル化可能材料を含むことができる。
【0020】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成構成要素は、エアロゾル化可能材料と相互作用してエアロゾル化可能材料から1つ又は複数の揮発性物質を解放してエアロゾルを形成することが可能なヒーターである。一実施形態では、エアロゾル生成構成要素は、加熱することなくエアロゾル化可能材料からエアロゾルを生成することが可能である。たとえばエアロゾル生成構成要素は、エアロゾル化可能材料に熱を印加することなく、たとえば振動、機械、加圧、又は静電手段のうちの1つ又は複数を介して、エアロゾル化可能材料からエアロゾルを生成することが可能であってもよい。
【0021】
いくつかの実施形態では、エアロゾル化可能材料は、活性材料、エアロゾル形成材料、及び任意選択で1つ又は複数の機能性材料を含むことができる。活性材料は、ニコチン(任意選択で、タバコ又はタバコ派生品内に含まれる)、又は1つ若しくは複数の他の非嗅覚生理活性材料を含むことができる。非嗅覚生理活性材料とは、嗅覚による知覚以外の生理的応答を実現するためにエアロゾル化可能材料内に含まれる材料である。エアロゾル形成材料は、グリセリン、グリセロール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エリスリトール、メソエリスリトール、バニリン酸エチル、ラウリン酸エチル、スベリン酸ジエチル、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ジアセチン混合物、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸ベンジル、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリン酸、ミリスチン酸、及び炭酸プロピレンのうちの1つ又は複数を含むことができる。1つ又は複数の機能性材料は、香料、担体、pH調節剤、安定剤、及び/又は酸化防止剤のうちの1つ又は複数を含むことができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、不燃式エアロゾル供給デバイスとともに使用するための物品は、エアロゾル化可能材料、又はエアロゾル化可能材料を受け取るための区域を含むことができる。一実施形態では、不燃式エアロゾル供給デバイスとともに使用するための物品は、マウスピースを備えることができる。エアロゾル化可能材料を受け取るための区域は、エアロゾル化可能材料を貯蔵するための貯蔵区域とすることができる。たとえば、貯蔵区域は、リザーバとすることができる。一実施形態では、エアロゾル化可能材料を受け取るための区域は、エアロゾル生成区域とは別個のものとすることができ、又はエアロゾル生成区域と組み合わせることができる。
【0023】
図面を次に参照すると、いくつかの図全体にわたって、同じ参照番号は同一の又は対応する部分を指しており、図1は、eシガレット10(原寸に比例せず)などの蒸気/エアロゾル供給システムの概略図であり、本開示のいくつかの実施形態による送達デバイスの非限定的な例を提供する。
【0024】
eシガレットは、略円筒形の形状を有し、破線LAによって示す長手方向軸線に沿って延びており、2つの主要構成要素、すなわち本体20及びカトマイザ30を備える。カトマイザは、たとえばニコチンを含む液体などのペイロードのリザーバを収容する内部チャンバと、気化器(ヒーターなど)と、マウスピース35とを含む。以下、「ニコチン」の参照は、単なる一例であるものと理解され、任意の好適な活性成分に置き換えることができる。以下、ペイロードとしての「液体」の参照は、単なる一例であると理解され、植物性物質(たとえば、非燃焼式に加熱されるタバコ)、又は活性成分及び/若しくは香料を含むゲルなどの任意の好適なペイロードに置き換えることができる。リザーバは、気化器へ送達することが必要とされる時間まで液体を保持するための発泡マトリックス又は任意の他の構造とすることができる。液体/流動ペイロードの場合、気化器は、液体を蒸発させるためのものであり、カトマイザ30は、リザーバからの少量の液体を気化器又はその付近の蒸発箇所へ輸送するためのウィック又は類似の機構をさらに含むことができる。以下、気化器の特有の例としてヒーターを使用する。しかし、他の形態の気化器(たとえば、超音波を利用するもの)を使用することもできることが理解され、使用される気化器のタイプは、気化されるべきペイロードのタイプに依存しうることも理解されよう。
【0025】
本体20は、eシガレット10に電力を提供するための再充電可能な電池又はバッテリーと、eシガレットを概して制御するための回路基板とを含む。回路基板によって制御されて、ヒーターがバッテリーから電力を受け取るとき、ヒーターは液体を気化させ、次いでこの蒸気が、マウスピース35を通して使用者によって吸入される。いくつかの特有の実施形態では、本体は、本体の外側に位置する手動起動デバイス265、たとえばボタン、スイッチ、又はタッチセンサをさらに備える。
【0026】
本体20及びカトマイザ30は、図1に示す長手方向軸線LAに平行な方向に分離することによって、互いから取外し可能とすることができるが、デバイス10が使用中であるときは、図1に25A及び25Bとして概略的に示す接続部によってともに接合されて、本体20とカトマイザ30との間に機械的及び電気的な接続性を提供する。カトマイザ30に接続するために使用される本体20の電気コネクタ25Bはまた、本体20がカトマイザ30から取り外されたときは、充電デバイス(図示せず)を接続するためのソケットとしても働く。充電デバイスの他端は、eシガレット10の本体20内の電池を再充電するために、USBソケットに差し込むことができる。他の実装例では、本体20の電気コネクタ25BとUSBソケットとの間の直接接続のためのケーブルを設けることができる。
【0027】
eシガレット10は、空気入口のための1つ又は複数の孔(図1には示さず)を備える。これらの孔は、eシガレット10を通ってマウスピース35に通じる空気通路に接続する。使用者がマウスピース35から吸入したとき、eシガレットの外側に好適に位置する1つ又は複数の空気入口孔を通って、空気がこの空気通路へ吸い込まれる。カートリッジからのニコチンを気化させるようにヒーターが起動されると、空気流は生成された蒸気を通過して、生成された蒸気と混ざり、次いでこの空気流及び生成された蒸気の組合せが、マウスピース35から出て使用者によって吸入される。一度だけ使用できるデバイスを除いて、液体の供給が使い尽くされたとき、カトマイザ30を本体20から取り外して処分することができる(所望される場合は別のカトマイザと交換される)。
【0028】
図1に示すeシガレット10は、例として提示されており、様々な他の実装例を採用することもできることが理解されよう。たとえば、いくつかの実施形態では、カトマイザ30は、2つの分離可能な構成要素、すなわち液体リザーバ及びマウスピースを備えるカートリッジ(リザーバからの液体が使い尽くされたときは交換することができる)、並びにヒーターを備える気化器(概して保持される)として設けられる。別の例として、充電機構は、車のシガレットライタなどの追加又は代替の電源に接続することができる。
【0029】
図2は、本開示のいくつかの実施形態による図1のeシガレット10の本体20の概略的な(簡略化された)図である。図2は概して、eシガレット10の長手方向軸線LAを通る平面内の断面であると考えることができる。たとえば配線及びより複雑な形状などの本体の様々な構成要素及び詳細は、分かりやすくする理由で図2から省略されていることに留意されたい。
【0030】
本体20は、デバイスの使用者による起動に応答して、eシガレット10に電力供給するためのバッテリー又は電池210を含む。加えて、本体20は、eシガレット10を制御するためのコントロールユニット205、たとえば特定用途向け集積回路(ASIC)又はマイクロコントローラなどのチップを含む。マイクロコントローラ又はASICは、CPU又はマイクロプロセッサを含む。CPU及び他の電子構成要素の動作は概して、少なくとも一部には、CPU(又は他の構成要素)上で動作するソフトウェアプログラムによって制御される。そのようなソフトウェアプログラムは、ROMなどの不揮発性メモリ内に記憶することができ、そのようなメモリは、マイクロコントローラ自体に一体化することができ、又は別個の構成要素として提供することができる。CPUは、必要に応じて、ROMにアクセスして個々のソフトウェアプログラムをロード及び実行することができる。マイクロコントローラはまた、本体10内の他のデバイスと適宜通信するための適当な通信インターフェース(及び制御ソフトウェア)を収容する。
【0031】
本体20は、eシガレット10の遠端(遠位端)を封止及び保護するためのキャップ225をさらに含む。典型的には、使用者がマウスピース35で吸入したとき、空気が本体20に入ることを可能にするために、キャップ225内又はその付近に空気入口孔が設けられる。コントロールユニット又はASICは、バッテリー210の一端又はその付近に配置することができる。いくつかの実施形態では、ASICは、マウスピース35での吸入を検出するように、センサユニット215に取り付けられる(又は別法として、ASIC自体にセンサユニット215を設けることができる)。空気入口からeシガレットを通り、空気流センサ215及びヒーター(気化器又はカトマイザ30内)を越えてマウスピース35に通じる空気経路が設けられる。したがって、使用者がeシガレットのマウスピースで吸入したとき、CPUは、空気流センサ215からの情報に基づいて、そのような吸入を検出する。
【0032】
本体20のうちキャップ225とは反対側の端部には、本体20をカトマイザ30に接合するためのコネクタ25Bが設けられる。コネクタ25Bは、本体20とカトマイザ30との間に機械的及び電気的な接続性を提供する。コネクタ25Bは、カトマイザ30への電気的接続(正又は負)のための1つの端子として働くように金属製(いくつかの実施形態では、銀めっきされる)の本体コネクタ240を含む。コネクタ25Bは、第1の端子、すなわち本体コネクタ240とは逆の極性を有するカトマイザ30への電気的接続のための第2の端子を提供する電気接点250をさらに含む。電気接点250は、コイルばね255に取り付けられる。本体20がカトマイザ30に取り付けられるとき、コイルばねを軸線方向に、すなわち長手方向軸線LAに平行な(長手方向軸線LAとともに位置合わせされた)方向に圧縮するような方法で、カトマイザ30上のコネクタ25Aが電気接点250に押し付けられる。ばね255の弾性を考慮すると、この圧縮はばね255を付勢して拡大させ、これは電気接点250をカトマイザ30のコネクタ25Aにしっかりと押し付ける効果があり、以て本体20とカトマイザ30との間の良好な電気接続性を確保するのを助ける。本体コネクタ240及び電気接点250は、これら2つの電気端子間に良好な絶縁を提供するために、不導体(プラスチックなど)から作られたトレッスル260によって分離される。トレッスル260は、コネクタ25A及び25Bの相互機械的係合を支援するような形状である。
【0033】
上述したように、手動起動デバイス265の形態を代表するボタン265が、本体20の外側ハウジングに位置することができる。ボタン265は、たとえば機械式のボタン又はスイッチ、容量性又は抵抗性タッチセンサなど、使用者によって手動で起動されるように動作可能な任意の適当な機構を使用して実装することができる。手動起動デバイス265は、本体20の外側ハウジングではなくカトマイザ30の外側ハウジングに位置することもでき、その場合、手動起動デバイス265は、接続部25A、25Bを介してASICに取り付けることができることも理解されよう。ボタン265はまた、キャップ225の代わりに(又はそれに加えて)、本体20の端部に位置することもできる。
【0034】
図3は、本開示のいくつかの実施形態による図1のeシガレット10のカトマイザ30の概略図である。図3は概して、eシガレット10の長手方向軸線LAを通る平面内の断面であると考えることができる。配線及びより複雑な形状などのカトマイザ30の様々な構成要素及び詳細は、分かりやすくする理由で図3から省略されていることに留意されたい。
【0035】
カトマイザ30は、カトマイザ30を本体20に接合するためにカトマイザ30の中心(長手方向)軸線に沿ってマウスピース35からコネクタ25Aまで延びる空気通路355を含む。空気通路335の周りに、液体リザーバ360が設けられる。このリザーバ360は、たとえば液体に浸した綿又は発泡体を設けることによって実装することができる。カトマイザ30はまた、使用者がeシガレット10で吸入したことに応答して、リザーバ360からの液体を加熱して、空気通路355を通ってマウスピース35から出る蒸気を生成するヒーター365を含む。ヒーター365は、線366及び367を通って電力供給され、線366及び367は、コネクタ25Aを介して、主要本体20のバッテリー210の逆の極性(正及び負、又は逆も同様である)に接続される(電力線366及び367とコネクタ25Aとの間の配線の詳細は、図3から省略した)。
【0036】
コネクタ25Aは内側電極375を含み、内側電極375は、銀めっきすることができ、又は何らかの他の好適な金属若しくは導電性材料から作ることができる。カトマイザ30が本体20に接続されたとき、内側電極375は、本体20の電気接点250に接触して、カトマイザ30と本体20との間に第1の電気経路を提供する。特に、コネクタ25A及び25Bが係合されたとき、内側電極375は電気接点250に押し付けられて、コイルばね255を圧縮し、以て内側電極375と電気接点250との間の良好な電気接触を確保するのを助ける。
【0037】
内側電極375は、絶縁リング372によって取り囲まれており、絶縁リング372は、プラスチック、ゴム、シリコーン、又は任意の他の好適な材料から作ることができる。絶縁リングは、カトマイザコネクタ370によって取り囲まれており、カトマイザコネクタ370は、銀めっきすることができ、又は何らかの他の好適な金属若しくは導電性材料から作ることができる。カトマイザ30が本体20に接続されたとき、カトマイザコネクタ370は、本体20の本体コネクタ240に接触して、カトマイザ30と本体20との間に第2の電気経路を提供する。言い換えれば、内側電極375及びカトマイザコネクタ370は、供給線366及び367を介して本体20内のバッテリー210からの電力をカトマイザ30内のヒーター365へ適宜供給するための正及び負の端子(又は逆も同様である)として働く。
【0038】
カトマイザコネクタ370は、eシガレット10の長手方向軸線から離れて反対の方向に延びる2つのラグ又はタブ380A、380Bを備える。これらのタブは、カトマイザ30を本体20に接続するための本体コネクタ240とのバイオネット嵌合を提供するために使用される。このバイオネット嵌合は、カトマイザ30と本体20との間に確実且つ頑強な接続を提供し、したがってカトマイザ及び本体は、最小の揺れ又は屈曲で互いに対して固定の位置で保持され、いかなる偶発的な切断の可能性は非常に小さくなる。同時に、バイオネット嵌合は、接続の場合は挿入後の回転、切断の場合は(逆方向の)回転後の抜取りによって、簡単且つ急速な接続及び切断を提供する。他の実施形態では、スナップ嵌め又はねじ接続など、本体20とカトマイザ30との間で異なる形態の接続を使用することができることが理解されよう。
【0039】
図4は、本開示のいくつかの実施形態による本体20の端部におけるコネクタ25Bの特定の詳細の概略図である(但し見やすいように、トレッスル260などの図2に示すコネクタの内部構造のほとんどは省略する)。特に、図4は、概して円筒管の形態を有する本体20の外部ハウジング201を示す。この外部ハウジング201は、たとえば金属の内側管を備えることができ、紙などの外側カバーを有することができる。外部ハウジング201はまた、手動起動デバイス265(図4には示さず)を備えることができ、したがって使用者は手動起動デバイス265に容易にアクセス可能である。
【0040】
本体コネクタ240は、本体20のこの外部ハウジング201から延びる。図4に示す本体コネクタ240は、2つの主要部分、すなわち本体20の外部ハウジング201の内側にちょうど嵌るようなサイズの中空の円筒管の形状のシャフト部分241、及びeシガレットの主長手方向軸線(LA)から離れて径方向外方方向に向けられたリップ部分242を備える。シャフト部分が外部ハウジング201に重ならない場合、本体コネクタ240のシャフト部分241を取り囲むようにカラー又はスリーブ290が設けられ、カラー又はカラー290もまた円筒管の形状である。カラー290は、本体コネクタ240のリップ部分242と本体の外部ハウジング201との間で保持されており、これらはともに、軸線方向(すなわち、軸線LAに平行)のカラー290の動きを防止する。しかし、カラー290は、シャフト部分241の周りで(したがって、軸線LAの周りでも)自由に回転する。
【0041】
上述したように、キャップ225は、使用者がマウスピース35で吸入したときに、空気が流れることを可能にする空気入口孔を備える。しかし、いくつかの実施形態では、使用者が吸入したときにデバイスに入る空気の大部分は、図4に2つの矢印によって示すように、カラー290及び本体コネクタ240を通って流れる。
【0042】
図5を次に参照すると、eシガレット10(又はより概略的には、本明細書に別途記載する任意の送達デバイス)は、より広い送達エコシステム1内で動作することができる。より広い送達エコシステム内では、複数のデバイスが、直接的(実線の矢印で示す)又は間接的(破線の矢印で示す)に、互いに通信することができる。
【0043】
図5では、例示的な送達デバイスとして、eシガレット10が、それだけに限定されるものではないが、スマートフォン100、ドック200(たとえば、家庭用補給及び/又は充電ステーション)、自動販売機300、又はウェアラブル400を含む、1つ又は複数の他のクラスのデバイスと直接通信することができる(たとえば、ブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)又はワイファイダイレクト(Wifi Direct)(登録商標)を使用)。上述したように、これらのデバイスは、送達システムを形成するように任意の好適な構成で協働することができる。
【0044】
別法又は追加として、たとえばeシガレット10などの送達デバイスは、インターネット500などのネットワークを介して、たとえばワイファイ(Wifi)(登録商標)、近距離通信、有線リンク、又は総合的な移動データ方式を使用して、これらのクラスのデバイスのうちの1つ又は複数と間接的に通信することができる。この場合も、上述したように、このようにしてこれらのデバイスは、送達システムを形成するように任意の好適な構成で協働することができる。
【0045】
別法又は追加として、たとえばeシガレット10などの送達デバイスは、インターネット500などのネットワークを介して、それ自体がたとえばワイファイを使用することによって、サーバ1000と間接的に通信することができ、又は送達エコシステム内の別のデバイスを介して、たとえばブルートゥース(登録商標)若しくはワイファイダイレクト(登録商標)を使用してスマートフォン100、ドック200、自動販売機300、若しくはウェアラブル400と通信することによって、サーバ1000と間接的に通信することができ、このときスマートフォン100、ドック200、自動販売機300、若しくはウェアラブル400は、eシガレットの通信を中継するために、若しくはeシガレット10とのその通信を報告するために、サーバと通信する。したがって任意選択で、スマートフォン、ドック、又は販売時点情報管理システム/自動販売機などの送達エコシステム内の他のデバイスは、短距離伝送能力しかもたない1つ又は複数の送達デバイスのためのハブとして作用することができる。したがって、そのようなハブは、進行中のワイファイ(登録商標)又は移動データリンクを維持する必要のない送達デバイスのバッテリー寿命を延ばすことができる。異なるタイプのデータを異なるレベルの優先権で伝送することができ、たとえば使用者フィードバックシステムに関係するデータ(本明細書に論じる使用者要因データ又はフィードバック動作データなど)は、より概略的な使用統計より高い優先権で伝送することができ、又は同様に、より短期的な変数に関係するいくつかの使用者要因データ(現在の生理学的データなど)の中には、より長期的な変数(現在の天候又は曜日など)に関係する使用者要因データより高いで優先権で伝送することができるものがあることも理解されよう。より高い且つより低い優先権の伝送を可能にする非限定的な例示的な伝送方式は、LoRaWANである。
【0046】
一方、スマートフォン、ドック、自動販売機(又は任意の他の販売時点情報管理システム)、及び/又はウェアラブルなど、エコシステム内の他のクラスのデバイスもまた、それらの独自の機能の態様を満たすために、又は送達システムの代わりに(たとえば、中継又は同時処理ユニットとして)、インターネット500などのネットワークを介して、サーバ1000と間接的に通信することができる。これらのデバイスはまた、互いに直接的又は間接的に通信することができる。
【0047】
送達エコシステムは、複数の送達デバイス(10)を備えることができ、なぜなら少なくとも一部には、たとえば1人の使用者が複数のデバイスを所有するから(たとえば、異なる活性成分又は香料を容易に切り換えるため)、又は複数の使用者が同じ送達エコシステムを共用するから(たとえば、同居する複数の使用者が1つの充電ドックを共用しながら、各自の電話又はウェアラブルを有することがある)であることが理解されよう。任意選択で、そのようなデバイスは同様に、互いに、並びに/又は共用する送達エコシステム及び/若しくはサーバ内のデバイスと、直接的又は間接的に通信することができる。
【0048】
図1のものに類似した特徴に同様に符号を付けた図6を次に参照すると、次いで手動起動デバイス265に対する別法又は(示されているように)追加として、任意選択で、エアロゾル送達デバイスは、使用者がセンサに物理的に接触しなくても人物を検出するように構成され、人物が検出されたときは検出信号を出力するように構成された少なくとも1つの近接センサ610を備えることができる。
【0049】
エアロゾル送達デバイスの少なくとも1つの近接センサ610に対する別法又は追加として、任意選択で少なくとも1つの近接センサ610は、充電ハブ又は実際には使用者の電話若しくはスマートウォッチなど、コンパニオンデバイス、たとえば送達エコシステム内の密接に関連付けられたデバイスに設けることができる。
【0050】
したがって、エアロゾル送達システム(たとえば、任意選択で電話又はスマートウォッチなどの送達エコシステム内の1つ又は複数の他のデバイスとともに、これらと併せて動作するエアロゾル送達デバイス)は、使用者(又は実際には、異なる場合、検出された人物)が接触することなく、人物(デバイスの通常の使用者であってもなくてもよい)を検出することができることが理解されよう。
【0051】
例示的な近接センサは、それだけに限定されるものではないが、本明細書に別途記載するように、容量センサ、能動及び/又は受動音声センサ、並びに電磁センサを含む。
【0052】
エアロゾル送達システムはまた、検出信号を受信し、少なくとも一部には受信した検出信号に基づいて、第1の活動状態と第2の活動状態との間でエアロゾル送達デバイスの動作状態を変化させるかどうかを判定するように構成された活動状態プロセッサを備える。これらの状態は、エアロゾル送達システムの1つ又は複数の動作パラメータに対する1つ又は複数の設定のそれぞれの分類であると考えることができる。
【0053】
活動状態プロセッサは、たとえば好適なソフトウェア命令下で動作するコントロールユニット205、又は同様に送達エコシステム内の充電ハブ、電話、スマートウォッチ、若しくは他のデバイスのプロセッサ、又はこれらの任意の組合せとすることができる。
【0054】
第2の活動状態は、人物(典型的には、使用者であると想定される)がデバイス又はシステムに近接しているときを提示するように、所望の活動レベルを反映する。一方、第1の活動状態は、人物が近接していないときのためのものである。
【0055】
したがって概して、第2の活動状態と比較したとき、第1の活動状態は、第2の活動状態に対するものに比べて、より低い電力要件、より少ない有効機能、1つ又は複数の機能のためのより低い電力設定、及び代替の機能(たとえば、典型的にはより低い代替電力、及び/又はより小さい侵入的機能、たとえばより静かな警告)のうちの1つ又は複数を有する。
【0056】
たとえば第1の活動状態は、第1の情報集合の表示、第1の情報詳細レベルの表示、より低いデューティーサイクル又はより低電力のデータ伝送、より低いデューティーサイクル又はより低電力の予熱、より低いデューティーサイクル又はより低電力の照明、及びより低いデューティーサイクル又はより低電力の状況認識からなるリストから選択された1つ又は複数を含むことができ、ここで「より低い」とは、第2の状態より低いことである。対照的に、たとえば第2の活動状態は、第2の情報集合(第1の情報集合とは別個、又は第1の情報集合の上位集合)の表示、第2のより高い情報詳細レベルの表示、より高いデューティーサイクル又はより高電力のデータ伝送、より高いデューティーサイクル又はより高電力の加熱、より高いデューティーサイクル又はより高電力の照明、及びより高いデューティーサイクル又はより高電力の状況認識からなるリストから選択された1つ又は複数を含むことができ、ここで「より高い」とは、第1の状態より高いことである。
【0057】
したがって任意選択で、第1の活動状態は、第2の状態と比べて、より低電力の状態、より低い状況認識状態、より低い通知(たとえば、使用者又はコンパニオンデバイスへの通知)状態、より低い覚醒状態、より低いUI情報状態、より静かな状態、より低温の状態などのうちの1つ又は複数として特徴付けることができる。
【0058】
上記の例において、1つの事例では、より低い状況認識状態とは、能動近接センサに対してより遅いデューティーサイクル、又は活動状態プロセッサによるそれほど複雑でないデータ分析、又はデータ融合活動に対してそれほど文脈のないデータの受信などを意味することができる。別法として、より低い状況認識は、スマートウォッチからの無線環境若しくは生物測定更新などの他の情報、又は暦若しくは他の文脈情報の認識を制限する可能性があるが、少なくとも1つの形態の近接検出の感度又はデューティーサイクルを維持し又はさらには増大させることができる。したがって、第1の状態は依然として、より低い全体的な複雑さ/より低い全体的な電力消費を有することが予想されるが、近接検出態様は、第2の状態と同じままとすることができ、又は任意選択で(少なくとも1つの近接センサに対して)より高くすることができる。
【0059】
一方、第1及び第2の情報集合及び情報詳細レベルは、異なる状態及びその時点でのデバイスに対する使用者の起こりうる関与レベルに関連する情報に関係することができる。
【0060】
したがって、たとえば第1の状態で、送達デバイスは、完全にオフ状態に見えることがあり、又はたとえばバックライトなしで、そのバッテリー及びペイロードの状態(たとえば、eリキッドレベル)のみを表示する(又はコンパニオンデバイスに周期的に報告する)ことができる。一方、第2の状態で、送達デバイスは、表示をバックライトで照らすことができ、現在のペイロード香料又は強度、現在の動作モードなど、UI内に他のより詳細な情報を含むことができ、任意選択でヒーターを蒸発前温度に予熱し、これが実現したことを示すことができる。別法として、ヒーターの予熱(比較的大量の電力を使用する)などの動作を、送達デバイスと直接物理的に対話するために使用者が開始した第3の状態の一部としてのみ、任意選択で直後の使用に特有の方法で実行することができる。任意選択で、そのような第3の状態が含まれる場合、第2の状態における機能は、第3の状態の指標に対する能動的な感知を含むことができる。
【0061】
したがって、第1の状態は活動休止又は待機状態として、第2の状態は覚醒又は準備完了状態として、任意選択の第3の状態は準備完了又は使用前状態として特徴付けることができ。
【0062】
第1及び第2の状態によって区別される機能は、特有の送達デバイスと、任意選択で人物の近接及び/又は人物が検出された(又は具体的にその使用者として検出された)信頼度を検出するために使用される特定の近接センサ(複数可)との両方に応じて、変動することがある。
【0063】
近接センサ610に関して、任意選択で近接センサ610は容量センサを備え、容量センサはたとえば、第1のセンサ電極及び絶縁層を備え、絶縁層の上の環境との寄生容量、及び容量センサの電界の近傍にいるときに導体として作用する人物との近接容量を生じさせる。
【0064】
これにより、エアロゾル送達システムは、人物が触れなくてもデバイス又はシステムに近接しているとき、たとえば人物がエアロゾル送達デバイスを収容するポケット若しくはバッグの外側に手を置いたとき、又はテーブルから持ち上げに行ったとき、これを検出することが可能になり、そのような動作は、エアロゾル送達システムを使用する前に行う動作である可能性がある。
【0065】
したがって、エアロゾル送達システム又はデバイスは、第1の状態から第2の状態へ遷移することができ、たとえば本明細書に別途記載するように、UIを起動すること、及び/又はペイロードの蒸発温度をわずかに下回る温度などの準備完了温度まで送達デバイスの蒸発ヒーターを予熱することを引き起こすことができ、したがって必要とされる温度の上昇がより小さくなるため、デバイスは、最初に使用されるときにより高い応答性を有するようになる。
【0066】
同じ原理が、任意の他の好適な近接センサを介して検出が行われるときにも当てはまる。
【0067】
したがって、たとえば近接センサは、人物への近接に特有の音声を検出するように動作可能な音声センサを備えることができる。
【0068】
そのような音声センサは、1つ又は複数のマイクロフォンを備えることができ、これらは、送達エコシステム内の1つ又は複数のデバイスに位置することができる。
【0069】
1つの事例では、音声センサは受動的であり、典型的には使用者などの近くの人物の1つ又は複数の特有の生物測定特徴(複数可)、たとえば心拍数若しくは呼吸数(たとえば、送達デバイスがポケットに入っている場合)、又は実際には呼吸のタイプ(浅い、深い、不規則など)を検出するように動作可能とすることができる。高い心拍数又は呼吸数は、ストレス又は覚醒状態を示すことができ、送達デバイスの直後の使用の可能性が増大していることを示唆することができる。
【0070】
同様に、受動音声センサは、使用者の声、及び任意選択で使用者の声のパターンにおけるストレス若しくは平静の兆候、並びに/又は使用者の語彙、或いは特定の所定のキーワード又は語句などの送達デバイスと対話したいという要望又は意図の他の指標を検出するように動作可能とすることができる。
【0071】
これらの特有の生物測定特徴(複数可)と、その直後(たとえば、所定の期間内)に使用者が送達デバイスと対話する可能性との間の経験的な関連を導出して、たとえば使用者の1つ又は複数の特有の生物測定特徴(複数可)の存在、及びそれらが現在示すものに基づいて、活動状態プロセッサが動作状態を変化させるべきかどうかを判定することができる。
【0072】
別法又は追加として、この事例では、音声センサは能動的であり、すなわち周囲の音ではなく、所定の放出された音源に依拠する。したがってこの場合、音声センサは、むしろSONAR又は音響テープメジャーのように作用することができる。これは、検出された音声と放出された音声との間の相関の遅延を検出するように動作可能な近接センサによって実現することができ、この遅延は、典型的には標的物体からの反射を介した放出器から音声センサまでの伝播時間に応じる。したがって、伝播時間は(知られている音速とともに)、その標的物体までの距離を示す。
【0073】
音声は、送達デバイスによって、又は使用者の移動電話などのコンパニオンデバイスによって放出することができる。同じデバイスが放出器及び音声センサを備えるとき、検出された遅延は、出て行って戻ってくる行程(未知の物体までの行程)に対応するが、推定される距離が使用者の挙動(たとえば、デバイスに近づく)に特有である場合、活動状態プロセッサは、たとえば第1の状態から第2の状態へ変化するように配置することができる。一方、異なるデバイスが放出器及び音声センサを備えるとき、検出された遅延は、これらの間の直接経路距離に対応する。したがって、たとえば使用者の電話が音声を(たとえば、高いピッチ又は超音波チャープとして)放出する場合、使用者までの距離は、直接経路に類似していると想定することができる。この場合、たとえばデバイスが音声を放出することによって伝送される、たとえばブルートゥース(登録商標)又は他の無線同期信号の使用によって、相対的なタイミングを実現することができる。
【0074】
この場合も、活動状態プロセッサは、視距離に応じて状態を変化させるように配置することができる。距離がかなり短い(50~100cm程度)が、長い期間に及ぶ場合、これは、使用者が両方のデバイスを携帯しているためであると想定することができる。この場合、活動状態プロセッサは、第1の活動状態に変化することができ、又はたとえば任意選択でその距離が使用者の状態の変化を示す閾値量より大きく変化するまで、送達デバイスを第1の活動状態で維持することができる。
【0075】
任意選択で、近接センサは、放出された音と検出された音との間の相関の遅延を使用して、エアロゾル送達デバイスが保管部(たとえば、バッグ、ポケット、袖/ポーチ若しくは類似のもの)から取り出されつつある若しくは取り出されようとしているか、又は使用者(特に、使用者の顔)から特有の距離をあけているかなど、特有の事象を検出することができる。この後者の場合、任意選択で、近接センサと、加速度計などから得られた送達デバイスの向きなどの他のセンサデータとの間のデータ融合を使用して、この事象をより高い信頼度で推論することができる。たとえば、特有の距離と向き、又は直前若しくは現在の特有の向きの変化(たとえば、実質的に垂直から水平、典型的には使用者の前腕の半径に類似した半径を有する円弧状)の組合せにより、たとえば揺れているハンドバッグ内の保管部からの直後の使用を区別することができる。
【0076】
任意選択で、近接センサは、放出された音と検出された音との間の相関の遅延を使用して、たとえば検出された経路反射及び経路時間の数に基づいて、送達デバイスが屋内にあると考えられるか、それとも屋外にあると考えられるかなど、他の状況認識を提供することができる。この場合も、任意選択でデータ融合を使用して、屋内又は屋外にいる有意性を判定することができ、使用者は、たとえば特定の時間に定期的な休憩のために職場を出ることがあり、ワイファイ又はGPSを介した位置特定では、使用者がまだ現場にいるが屋外にいることを検出することができないことがあるのに対して、特定の時間と屋外にいるという音響的指標との組合せにより、活動状態プロセッサを第2の状態に切り換えることができる。
【0077】
本明細書に別途記載するように、音声センサ(能動音声センサ及び/又は受動音声センサのいずれも)は、複数のマイクロフォンを備えることができる。任意選択で、これらは、たとえばマイクロフォン間の対応する音声特徴の差分タイミングに基づいて、関連する音の方向(周囲の音か、それとも放出された音か)を検出するように(たとえば、近接センサ及び/又は活動状態プロセッサと併せて)構成することができる。マイクロフォンに対する方向は、有用な情報を提供することができ、たとえば使用者が話をする場合、デバイスが使用者の口に対するその方向関係を判定することを可能にすることができ、そのような方向関係は、直後の使用、したがって活動状態プロセッサが適宜動作状態を変化させる理由を示すことができる。
【0078】
別法又は追加として、任意選択でそのようなマイクロフォンアレイを使用して、音(たとえば、声に出された音)の減衰距離を推定し、したがって使用者の口からデバイスまでの距離を推定することができる。この場合も、距離は、直後の使用、したがって活動状態プロセッサが動作状態を適宜変化させる理由を示すことができる。
【0079】
他の近接センサは、たとえば電磁センサ(たとえば、本明細書に別途記載する音響センサに類似した意味で能動又は受動にかかわらず、赤外又はマイクロ波センサ)を含む。そのようなセンサは、人物の存在を(たとえば、人物による赤外線放出を介して)検出すること、及び/又は任意選択でその人物の1つ若しくは複数の特有の生物測定特徴(複数可)を検出することができる。音声センサと同様に、赤外又はマイクロ波センサは、たとえば近くの心拍を拾うために使用することができる。
【0080】
本明細書におけるデータ融合の参照は、活動状態プロセッサは、検出信号を受信し、少なくとも一部に受信した検出信号だけでなく、任意選択で人物の見た目上の近接にさらなる文脈を提供する他のデータにも基づいて、エアロゾル送達デバイスの動作状態を第1の活動状態と第2の活動状態との間で変化させるかどうかを判定するように構成することができることを認識したものである。例には、加速度計からの送達デバイスの向き、時刻、位置、周囲の明るさレベルなどを含むことができる。
【0081】
任意選択で、そのような2次データ源は、少なくとも第2のセンサからの第2の近接データを含むことができ、第2のセンサは、たとえば送達エコシステムの送達デバイス若しくは他のデバイス上の異なる位置に配置された第1のセンサに類似の近接センサとすることができ、又は本明細書に記載する種類の異なるセンサとすることができる。
【0082】
第1の近接センサ及び任意選択で第2の近接センサからのものを含む2つ以上のデータ源を使用することによって、任意選択で活動状態プロセッサは、検出信号及び少なくとも第2のセンサからの信号を使用して、検出された人物が使用者であり得るかどうかを推定することができる。言い換えれば、より多くのデータ源、特に(必須ではないが)第2の近接センサを使用することによって、システムは、近接している人物が使用者であるか否かをより良好に区別することができる。たとえば、送達デバイスがレストラン内のテーブルに置かれている場合、別の近接検出センサと併せて、使用者の声の方向に関する情報を使用して、他の方向から検出された信号の加重を選択的に無視し又は低減させることができる。
【0083】
複数のセンサの使用は、この用途に限定されるものではない。たとえば、送達デバイスの両側の容量検出器からの近接検出により、接近方向を区別することができ、又はたとえば進行中の近接(ポケット内など)と、一時的、したがって場合により意図的な近接(ポケットへの到達など)とを区別することができる。様々な使用事例に対してセンサ及び配置の組合せを想定することができることが好適であり、これは、デバイスのサイズ、形状、及び重量、並びに/又はその標的市場(たとえば、デバイスがポケットに入れられそうか、見えるところで維持されそうか、それともケース/バッグ内に保管されそうかに影響しうる要因)に依存することができる。
【0084】
任意選択で、第2の(又は実際には第1の)近接センサが容量センサである場合、この近接センサはまた、直接又は直後の接触の検出器として機能することができる。センサが送達デバイスの一区域を(たとえば、個別のセンサのアレイ又は分布として)占有する場合、このセンサはまた、接触時又は接近時に人物の現在又は直後の保持パターンを検出するように構成することができる。保持パターンの面積、形状、及び/又はサイズは、使用者に特有のものとすることができ、又は住宅内などの人々の小さい潜在的な集団の十分に範囲内とすることができる。保持パターンの面積、形状、及び/又はサイズは、同様に、より小さい手を有する子供などの特定の非使用者を区別する働きをすることができる。したがって、この後者の例では、活動状態プロセッサは、第1の状態にとどまることができ、又は別の近接センサによって示される第2の状態に切り換わるための指示を適宜覆すことができ、又は再び第1の状態に即座に切り換わることができる(たとえば、近接がより早い段階で検出された場合、第2の状態への切換えを促すが、次に人物が子供であるように見える)。そのような機構が提供された場合、手の小さい成人に対しては、たとえば処理中のセキュアログ後にアクセス可能な設定を使用して、任意選択でそのような特徴を無効にすることもできる。
【0085】
(任意選択で、他のデータ源とのデータ融合と併せて)活動状態プロセッサが第2の状態に切り換わることを促す近接検出を参照するとき、同様に同じ検出を使用して、すでに第2の状態にある場合に、第2の状態を維持することもできることが理解されよう。逆に、任意選択で所定の期間にわたって、任意選択で他のデータ源からの関連データの欠如と併せて、近接検出が欠如することにより、活動状態プロセッサは、再び第1の状態に切り換わることができる。
【0086】
(たとえば、送達デバイスとの直接の物理的な対話に応答して)第3の状態も使用されるとき、現在第3の状態にある場合、通常は第2の状態をトリガするはずの近接検出を使用して、第3の状態を所定の期間にわたって維持してから、第2の状態に切り換わることができる。したがって、たとえば使用者がデバイスを下に置いた(以て通常は第3の状態を終了する)が、手を近くに置いたままであった場合、デバイスは、使用者がデバイスを再び持ち上げそうであると認識して、5、10、又は30秒などの所定の期間にわたって、第3の状態のままであることができる。
【0087】
したがって、任意選択でエアロゾル送達システムは、人物の検出から所定の時間が経過した後であるが、さらに又は代わりに(たとえば、より早い場合)、エアロゾル送達が完了した後(すなわち、予期された使用が行われ、サイクルをリセットすることが適当である)、及び/又はユーザインターフェース対話(たとえば送達デバイスを2回たたくことによって、又は送達デバイス若しくはコンパニオンデバイスのUIでスヌーズオプションを選択することによって実現される、たとえばスリープへの指示などの関連する対話)が完了した後、再び第2の状態から第1の状態に切り換わるように構成されることが理解されよう。
【0088】
図1のものに類似した特徴に同様に符号を付けた図7を次に参照すると、図6を参照して説明したシステムの特徴に対する別法又は追加として、任意選択でエアロゾル送達デバイスは、所定の対話に応答して信号を生成するように動作可能な少なくとも1つの対話センサ710を備えることができる。所定の対話は、本明細書に別途記載するように、エアロゾル送達デバイスの次の使用に関係するものである。
【0089】
エアロゾル送達デバイスの少なくとも1つの対話センサ710に対する別法又は追加として、任意選択で少なくとも1つの対話センサ710は、本明細書に別途記載するように、典型的には使用者の電話、スマートウォッチ、フィットネストラッカなど、送達エコシステム内の密接に関連付けられたデバイスであるコンパニオンデバイスに設けることができる。
【0090】
しかし全体として、少なくとも合計2つの対話センサが設けられる。
【0091】
それに応じて、本説明の実施形態では、エアロゾル送達システム1は、エアロゾル送達デバイス10と、エアロゾル送達デバイスの次の使用に関係する第1の対話を検出するように構成された第1のセンサ610と、エアロゾル送達デバイスの次の使用に関係する第2の別個の対話を検出するように構成された第2のセンサ610とを備える。
【0092】
加えて、エアロゾル送達システムは、第1の対話及び第2の対話の検出が少なくとも第1の所定の基準を満たすことを計算するように動作可能な2要因検出プロセッサを備える。2要因検出プロセッサは、送達デバイスのコントロールユニット205(好適なソフトウェア命令下で動作する)、及び/又はこの場合も好適なソフトウェア命令下で動作する送達エコシステムのコンパニオンデバイス若しくは別のデバイスのCPUを備えることができる。
【0093】
同様に、エアロゾル送達システムは、第1の対話及び第2の対話の検出が少なくとも第1の所定の基準を満たすことが計算されたことに応答して、エアロゾル送達デバイスの1つ又は複数の動作パラメータを変更するように動作可能な制御プロセッサを備える。
【0094】
この場合も、この制御プロセッサは、好適なソフトウェア命令下で動作する送達デバイスのコントロールユニット205、及び/又は送達エコシステム内のコンパニオンデバイス若しくは別のデバイスのCPUとすることができる。
【0095】
所定の対話に応じて、所与のセンサは、物理センサ又は論理センサとすることができる。物理センサの例には、消耗品ペイロード(たとえば、タバコ加熱製品又はゲルであるが、同様にeリキッド又は類似のもの)の挿入又は物理的調整のための、1つ又は複数の加速度計、1つ又は複数のジャイロスコープ、並びに1つ又は複数のカメラ及び検出器が含まれる。論理センサの例には、ユーザインターフェースを介したペイロードの選択若しくは消耗品ペイロード調合物の調整、又はエアロゾル送達デバイスの次の使用に関連する(たとえば、それを示す)と考えられるエアロゾル送達システムのユーザインターフェースとの任意の他の所定の対話を感知する(たとえば、フラグを立てる)ことが含まれる。
【0096】
したがって、第1及び第2のセンサは、
i.消耗品ペイロードの挿入-たとえば直接、又はカプセル若しくはパッケージ内で、又はカプセル若しくはパッケージに補給することによって、送達デバイスに消耗品ペイロードを物理的に装填すること、
ii.消耗品ペイロードの選択-たとえば異なるゲルのアレイがペイロードとして提供される場合、1つの選択的な加熱を論理的に示すこと、又は1つを加熱領域上へ動かすようにゲルを物理的に調整すること、
iii.消耗品ペイロード調合物の調整-たとえば活性成分及び香料の動的混合若しくはいずれかの濃度を調整すること、又は2つ以上のゲルの相対加熱プロファイルを選択することなど、
iv.電源の係合-たとえばパワーバンクバッテリー、電源充電器を差し込むこと、又は送達デバイスを充電ユニットにつなぐこと、
v.そのような電源の解放、
vi.エアロゾル送達システムのユーザインターフェースとの所定の対話-たとえば残りのペイロード若しくはバッテリー充電の量、又は使用管理方式内に残っている使用量(たとえば、そのように設定されたスケジュールに従って、1日又は1時間内の残りのパフ数を示す)を判定すること、
vii.閾値速度を上回るエアロゾル送達デバイスの向きの変化-たとえばバッグの揺れ又はポケット内の動きではなく、バッグ又はポケットから取り出されたことを示すこと、
viii.使用に特有のものへの向きの変化-たとえば口へ持ち上げられる場合のような垂直から水平への弧状の変化、
ix.使用に特有のものへの持ち方の変化、
x.所定の範囲内の垂直遷移-たとえば背中又はポケットから頭部などまでの40~80cmの範囲内
からなる非限定的なリストから、それぞれの対話を検出することができ、加えて、本明細書に別途記載する近接センサは、第1及び第2のセンサの好適な例であると考えることができる。
【0097】
直後の使用を検出するための機構として、第1及び第2のセンサは、送達デバイスの完全な起動(たとえば、蒸気の送達)を検出する及び/又は引き起こすために使用されるセンサではないことが理解されよう。したがって、たとえばこれらのセンサは、エアロゾル送達デバイスを起動するボタンの押下、及び/又はエアロゾル送達デバイスのマウスピースでの吸入動作を含まない。
【0098】
タバコ加熱製品「THP」及び同様にゲルに対する特定の動作パラメータは、予熱ステップを起動する。THP及びゲルは、蒸発温度まで加熱されるのに比較的長い時間を要し(たとえば、eリキッドと比較)、したがって典型的には、エアロゾルを生成するための使用者による実際の起動を予期して、ペイロードを蒸発温度付近まで加熱するために、より早くより長い予熱ステップが望ましい。
【0099】
しかし、そのような予熱ステップが不必要に引き起こされた場合、これは送達デバイスのバッテリーをより急速に失わせる可能性があり、加熱サイクルがヒーターに影響を及ぼした場合、又はデバイス内でペイロードの少量の蒸発、及び次の凝縮を引き起こした場合、送達デバイスの寿命を潜在的に低減させる可能性がある。その結果、予熱ステップは、直後の使用の可能性が強いときに起動されることが有益であり、直後の使用の上記の2要因認証は、誤検出による起動の数を低減させるための頑強な手段を提供する。
【0100】
この原理は、待機又は休眠状態(たとえば、近接検出を参照して前述の第1の状態)から準備完了又は使用前状態(たとえば、近接検出を参照して前述の第2の状態)への遷移に関連しうるエアロゾル送達システムの任意の態様に拡張することができ、非限定的な例として、
i.情報集合(直前の状態で表示される集合とは別個又はその上位集合)の表示-たとえば待機状態で送達デバイスがバッテリー状態のみを示した場合、第2の使用前状態では残余ペイロード状態も示すことができること、
ii.直前の状態で表示されるものより高い情報詳細レベルの表示-たとえば待機状態で送達デバイスがバッテリー状態のみを示した場合、第2の使用前状態ではバッテリー電力に相当しうるパフ数の予測も示すことができること、
iii.直前の状態より高いデューティーサイクル又はより高電力のデータ伝送-たとえばコンパニオンデバイスとの通信の発生範囲又は頻度を増大させること、
iv.直前の状態より高いデューティーサイクル又はより高電力の加熱-たとえばデューティーサイクルにおけるより高い割合の「オン」及び/又はより多くの電力として、より多くの電力をヒーターへ提供することであり、直前の状態は、より低いデューティーサイクル若しくは電力を有することができ、又は実際には、加熱のための電力をヒーターへまったく供給せず、その場合、これは所定の電力で(たとえば、蒸発前の温度まで)ヒーターをオンにすることに相当することができること、
v.直前の状態より高いデューティーサイクル又はより高電力の照明-たとえば送達デバイスの表示をバックライトで照らすこと、並びに
vi.直前の状態より高いデューティーサイクル又はより高電力の状況認識-たとえばエアロゾル供給システムの1つ又は複数の他のセンサの閾値の感度を起動又は増大させて、たとえば直後及び/又は実際の使用開始により優れた応答性で反応すること
からなるリストから選択された1つ又は複数を含む。
【0101】
したがって、そのような準備完了又は使用前状態は、1つ又は複数の変更された動作パラメータの集合であると考えることができる。
【0102】
2要因認証手法は、直後の使用の誤検出による指示に応答したそのような状態の不必要な起動、又はそのような動作パラメータの変更を回避するのに役立つ。
【0103】
例示的なシナリオは、デバイスへのペイロードの装填又は調整を含む。第1の近似として、これは、新しい又は更新されたペイロードを使用したいという使用者の要望を示すと考えることができる。しかし多くの場合、使用者は単に、後の使用のためにペイロードを事前装填及び携帯する手段、おそらくたとえば通勤する前に行う動作としてデバイスに装填する手段として、送達デバイスを使用している。したがって、たとえばヒーターを予熱するためのバッテリー寿命の観点からは経済的なはずであるが、使用者がペイロードを装填又は修正してからある期間内に送達デバイスを使用することが保証されるものではない。
【0104】
しかし、次いで使用者がデバイスを特有の量(たとえば、40~80cmの範囲内)だけ持ち上げた場合、又はマウスピースで吸入するときに特有の持ち方を採用した場合、これらの事象は、ペイロードの変化と併せて、起こりうる直後の使用を示し、送達デバイスの予熱が有利になる可能性が高い。
【0105】
逆に、使用者が使用時のような持ち方でデバイスを保持しているだけでは、直後の使用の十分な指標であるとは言えない。使用者は、使用するときと同じ位置で携帯した方が容易であるという理由で、デバイスをこのようにして長期間にわたって保持することがある。この理由で、使用間に送達デバイスの予熱を維持することは非効率的なはずである。しかし、デバイスがさらに使用者の顔に近づけられた場合、これは使用時の持ち方で保持されていることと併せて、起こりうる直後の使用を示し、送達デバイスの予熱が有利になる可能性が高い。
【0106】
したがってより概略的には、2要因検出プロセッサは、第1の対話(たとえば、第1のセンサからの信号から)及び第2の対話(たとえば、第2のセンサからの信号から)の検出が少なくとも第1の所定の基準を満たすことを計算するように構成される。その基準は、各対話に対して別個であっても(その場合、両方を満たさなければならない)、組み合わせた基準であってもよい。
【0107】
たとえば、この基準又は各基準は、
i.対話のうちの少なくとも1つの持続時間が持続時間閾値(たとえば、持ち方の持続時間)を超過したこと、
ii.2つの対話が少なくとも所定の期間だけ重複したこと(たとえば、持ち方及び弧状の動き)、並びに
iii.2つの対話が所定の長さの間隔内に発生したこと(たとえば、ペイロードを装填し、次にたとえば15、30、45、又は60秒以内にデバイスを特有の量だけ持ち上げる)
からなるリストから選択されたそれぞれの基準とすることもできる。
【0108】
したがって、制御プロセッサは、第1の対話及び第2の対話の検出が少なくとも第1の所定の基準を満たすことが計算されたことに応答して、エアロゾル送達デバイスを所定の状態にするように動作可能である。
【0109】
対話のいくつかの組合せは、デバイスでの吸入以外の直後の使用を示すことができることが理解されよう。たとえば、デバイスを特定の角度で保持することは、UI、ペイロード、又はバッテリー指標が調べられていることを示すことができる。一方、著しい他の全体的な動きなしに、デバイスをタップすること、又は回す若しくは他の方法でその向きを変化させることによってデバイスをもてあそぶことは、デバイスがより対話的になるという予想を示すことができる。そのような場合、第1及び第2の対話の組合せに基づいて、最も可能性が高い直後の動作に適当な異なる所定の状態が選択される。たとえば、デバイスをもてあそんでいるとき、より多くの情報をUIに示すことができ、又はUIをバックライトで照らすことができる。一方、調べられている場合のように、デバイスが回転させられ、休止され、再び回転させられている場合、より詳細な情報を提示することができ、以下同様である。
【0110】
したがって、任意選択で制御プロセッサは、第1の対話及び第2の対話のそれぞれの組合せの検出が少なくとも第1の所定の基準を満たすことが計算されたことに応答して、エアロゾル送達デバイスをそれぞれの所定の状態にするように動作可能とすることができる。
【0111】
図1のものに類似した特徴に同様に符号を付けた図8を次に参照すると、図6及び図7を参照して説明したシステムの一方又は両方の特徴に対する別法又は追加として、本説明の一実施形態では、エアロゾル送達デバイス10は、電源(たとえば、本明細書に別途記載するバッテリー210)と、制御プロセッサ(たとえば、コントロールユニット205、及び/又は電話などのコンパニオンデバイスのCPU)と、着脱式に取付け可能な使い捨て部分(たとえば、カトマイザ30、又はペイロード補給リザーバ、タバコ加熱製品容器、若しくはゲルパックなどのその交換可能な部分)とを備える。
【0112】
着脱式に取付け可能な使い捨て部分は、本明細書に別途記載するエアロゾル化のためのペイロードと、ペイロードのエアロゾル化のための加熱要素810とを備える。
【0113】
加熱要素は、使い捨て部分をエアロゾル送達デバイスに取り付けることによって、電源(たとえば、ペイロード容器の外側の接点を使用)及び制御プロセッサに電気的に結合される。
【0114】
制御プロセッサは、初期状態で、電源からヒーターに供給するための電気エネルギーの流れを設定し、空気流がヒーターを冷却することによって引き起こされる加熱要素内の抵抗の変化に特有の流れの次の変化を検出するように構成される。
【0115】
制御プロセッサはまた、流れの次の変化を検出したとき、ヒーター温度を上昇させるのに十分なまで、電源からヒーターに供給するための電気エネルギーの流れを増大させるための次の状態に入るように構成される。
【0116】
本明細書に別途記載するように、初期状態を第1の状態とすることができ、次の状態を第2(又は第3)の状態とすることができ、又は初期状態を第2の状態(たとえば、直後の使用及び/又は近接検出の2要因認証後)とすることができ、次の状態を第3の状態とすることができる。
【0117】
したがって、特に吸入のためにペイロードを気化させるために使用されるヒーターは、予熱状態に設定することができ(蒸発温度に近接しているか、それとも単に周囲を上回ると想定されるが所定のより低いレベルかにかかわらない)、制御プロセッサは、空気流がヒーターを冷却することによって引き起こされる加熱要素内の抵抗の次の変化を検出することができる。その結果、制御プロセッサは、別個の空気流センサ215を必要とすることなく、送達デバイス内の空気流を検出することができ、したがって送達デバイスから別個の空気流センサ215を省略することができる。
【0118】
このようにして、ペイロードに付随する使い捨てのヒーター810は、送達デバイスの使用者による吸入動作を検出する目的で、熱線流速計としての2次機能を有することができる。
【0119】
送達デバイスの従来のヒーターは、典型的には、気化されるべきペイロードを加熱するためにそのペイロードに近接しており、必須ではないが、その結果生じる蒸気を運ぶ空気流路にも近接している。したがって、本説明の実施形態では、加熱要素は、少なくとも部分的にエアロゾル送達デバイスの吸入空気流路内に位置するように構成される。この構成は、ヒーターの形状及び/又は位置の変化を必要とすることがある。
【0120】
たとえば、加熱要素は、エアロゾル送達デバイスの吸入空気流路内に細線部分及び/又は薄膜部分を備えることができる。別法又は追加として、加熱要素は複数の部分を備えており、複数の部分のうちの少なくとも1つが、少なくとも部分的にエアロゾル送達デバイスの吸入空気流路内に位置する。この場合、これらの部分はすべて、バッテリーからの電流の印加に応答して加熱されるが、これらは連続していなくてもよく、及び/又はすべてが同じ温度まで加熱されなくてもよい。
【0121】
ヒーターを流速計として使用する利点は、ヒーターが着脱式に取付け可能な使い捨て部分の一部である送達デバイスの使い捨て構成要素であるという点である。その結果、蒸気凝縮液、粒子、塵、又は他の材料は、空気流センサとしてのその2次機能を損なうほど使い捨てのヒーター上に十分に蓄積する時間がなくなる。対照的に、すでに参照した空気流センサ215は、送達デバイスの本体の一部であり、恒久的であり、その結果、材料がその上又は中に蓄積すると、その機能は時間とともに劣化して、送達デバイスの有効寿命を制限する可能性がある。
【0122】
図9A図9Cを次に参照すると、ヒーターに電流(たとえば、バッテリーから)を提供してヒーターを高温にする(又は少なくとも、次の温度降下が発生しうるように周囲温度より十分に高温にする)ことによって、熱線流速計が機能する。次いでヒーターを介して空気が吸い込まれると(たとえば、吸入動作による)、空気は熱線の熱の一部を除去することによって、熱線を冷却する。除去される熱の量は、ヒーターを越える空気の速度に応じ、電気抵抗と温度との関係が分かっているため、送達デバイスによって冷却を検出することができる。したがって、予想される温度Xにおいて、抵抗Yの次の減少は、温度ΔXの降下を示し、これは空気の速度Zを示す。
【0123】
図9Aは、定常状態状況に対するこの原理を示し、y軸線は抵抗(及び代理で温度)に対応し、x軸線は時間に対応する。この場合、予想される抵抗は点線によって示されており、所与の電流を印加することによって引き起こされる所与の電流温度に対して変化しないままであるはずである。しかし、実際の抵抗(実線によって示す)は降下しており、これは空気流がヒーターから熱エネルギーを取り出すことによって引き起こされるヒーター温度の予想外の降下を示す。本明細書に別途記載するように、このとき抵抗の降下は、空気の速度に対して予測可能な関係を有する。その結果、所定の閾値量を超える(任意選択で、雑音の多い信号の場合に誤検出を低減させるため、所定の期間を超える)抵抗の降下は、デバイスで吸入動作が使用者によって開始されたことを示すと考えることができる。
【0124】
図9Bは、たとえばヒーターが加熱されているときも同じ原理が当てはまることを示し、抵抗は温度との所定の関係をたどるべきであり、時間に対する印加電流との関係は分かるようになる。しかしこの場合も、抵抗と時間の関係の逸脱は、空気流がヒーターから熱を除去することを示すことができ、この場合も、閾値の逸脱(任意選択で、閾値期間にわたる)は、吸入動作の開始を示すと考えることができる。
【0125】
同様に、図9Cは、ヒーターを意図的に冷却するために電源がオフにされた(又は電源が低減された)後、空気流がヒーターから熱エネルギーを除去した場合に予想されるより迅速に、再び抵抗が降下しうることを示す。この場合も、閾値の逸脱(任意選択で、閾値期間にわたる)は、吸入動作の開始を示すと考えることができる。
【0126】
実際に、示されている図9B及び図9Cは、図9Aの定常状態の例を反映したものであるが、知られている形で増大又は減少する温度に関するものであることが理解されよう。予想される抵抗又は温度のプロファイルは、示されているように線形であっても、そこからの逸脱が進行するにつれて非線形であってもよい。
【0127】
したがっていずれの場合も、予想される抵抗からの、任意選択で閾値期間にわたる閾値の逸脱は、使用者による吸入動作が開始したことを示すと考えることができる。したがって、制御プロセッサは、抵抗の絶対変化が第1の所定の閾値を超過した場合(実際には、抵抗が降下する)、次の状態へ遷移するように構成することができる。
【0128】
同様に、逸脱が実質的に終了したとき、これは使用者による吸入動作が終了したことを示すと考えることができる。
【0129】
それに応じて、エアロゾル送達デバイスが次の状態にあるとき(たとえば、吸入が検出された後)、制御プロセッサは、空気流がヒーターを冷却しなくなることによって引き起こされる加熱要素内の抵抗のさらなる変化を検出するように構成され、制御プロセッサは、流れのさらなる変化を検出したとき、再び初期状態に入るように構成される。
【0130】
任意選択で、温度の上昇は、ペイロードに対する蒸発温度をわずかに下回る温度までである。これは、たとえば本明細書に記載する第2の状態に典型的である。これにより、エアロゾル送達デバイスが抵抗の見た目上の降下に迅速に応答することが可能になり、場合によりこれは、対応する閾値期間又は第1のより短い閾値期間をかける必要もない。
【0131】
この場合、抵抗の変化が閾値期間にわたって持続した場合、又は抵抗の変化が第1の閾値より大きい第2の所定の閾値を超過した場合、若しくは超過しようとする場合、任意選択で温度の上昇は、ペイロードに対する蒸発温度までさらに上昇する。
【0132】
このようにして、空気流がヒーターを冷却していることを早い段階で示すことで、ヒーター温度を予蒸発温度まで上昇させることができ、その後、抵抗の変化が所定の期間にわたって継続した場合、又は典型的には特定の吸入を示す第2の閾値レベルになった場合、若しくは第2の閾値レベルまで上昇した場合、蒸発温度まで上昇させることができる。
【0133】
図9Bのように、加熱段階中の予想される変化に応じて、抵抗の変化を依然として追跡することができることが理解されよう。所定の期間は、任意選択で、ヒーターが予蒸発温度に到達するのに要する時間に同等のものとすることができ、したがってこの加熱時間は、吸入動作に対する送達デバイスの目に見える全体的な応答性を低減させることなく、誤検出のためのフィルターとして作用する。
【0134】
当然ながら別法として、制御プロセッサは代わりに、単にヒーターを蒸発温度まで加熱して蒸発を開始することもできる。
【0135】
逆に、本明細書に前述のように、吸入が終了したとき、制御プロセッサは、初期状態(典型的には、実装例に応じて、第2若しくは第1の状態、又は類似の低電力状態)に戻ることができる。任意選択で、初期状態は、遮断状態を含むことができ、又は遮断状態をとしてさらに作用することができ、遮断状態において、制御プロセッサは特に、電源からヒーターへの電気エネルギーの流れを停止する。したがって、たとえば初期状態にあるとき、又は初期状態に戻ったとき、制御プロセッサは、少なくとも第1の所定の基準が満たされた場合、遮断状態に入る/遮断状態を組み込むように動作可能とすることができる。そのような所定の基準の例は、所定の期間内に次の状態に遷移しないこと、遮断状態に入るためのユーザインターフェース命令(たとえば、停止若しくは待機ボタン又はUIの起動、或いは動作ボタン又はUIの停止による)、電源レベルが所定の閾値(たとえば、5又は10%)を下回ること、エアロゾル送達システムが閾値期間にわたって動きを検出しないこと、並びにエアロゾル送達システムが閾値期間内に2要因認証のための第2の要因及び/又は使用者の近接を検出しないことのうちのそれぞれ1つである。
【0136】
そのような遮断状態中、これが初期状態又は初期状態よりさらに低い電力状態の修正である場合、制御プロセッサは、少なくとも第1の所定の基準が満たされた場合、初期状態に入るように動作可能とすることができる。そのような所定の基準の例は、初期状態に入るためのユーザインターフェース命令(たとえば、暖機運転ボタン又はオプションの押下)、使用者による送達デバイスの操作(たとえば、接触/電気接地/動き)、直後の使用に特有の送達デバイスの動き(たとえば、水平への弧状の動き)、状態を変化させるための本明細書に別途開示する2要因認証技法のいずれか、及び状態を変化させるための本明細書に別途開示する近接検出技法のいずれかのうちのそれぞれ1つである。
【0137】
同様に、そのような遮断状態中、制御プロセッサは、少なくとも第1の所定の基準が満たされた場合、次の状態(たとえば、予熱又は送達状態)に入るように動作可能とすることができる。この場合、そのような所定の基準の例は、次の状態に入るためのユーザインターフェース命令(たとえば、ヒーター/ベイピングボタン又はオプションの押下)、及び送達デバイスの所定の部分(たとえば、マウスピース)の電気接地のうちのそれぞれ1つであり、任意選択で本明細書に別途記載する2要因認証技法の一部として第2の要因を伴う。
【0138】
本明細書に別途記載するように、流速計としてカトマイザ/ペイロードパッケージ内でヒーターを使用する利点は、これが使い捨てであり、したがって粒子又は他の物質が著しく蓄積する時間がないという点であり、そのような粒子又は他の物質は、送達デバイス内の空気流からヒーターを遮断して、蒸気の生成を引き起こすために使用者が吸入動作を開始することに対する応答性を低減させる可能性がある。
【0139】
しかし、この手法の結果として生じる問題は、このヒーターが典型的には従来の熱線流速計又は他の空気流センサよりはるかに大きく、典型的にはより多くの電力を消費することである。したがって、ヒーターは常時電源投入されないことが好ましい。それにもかかわらず、送達デバイスは、使用者による吸入に対して優れた応答性を有することが依然として望ましい。
【0140】
これに対処するために、次いで本明細書に記載するように、送達システムは、近接検出及び特有の持ち方、動きなどの他の指標を含む、次又は直後の使用を示す対話を検出するために、他のセンサを用いることができる。これらを使用して、ヒーターを初期流速計状態で選択的に起動することができる。任意選択で、誤検出を制限するために、これらを本明細書に別途記載する2要因構成で使用して、ヒーターを初期流速計状態で選択的に起動することができる。
【0141】
したがって、たとえば送達デバイスは、待機状態又は「遮断」状態である前述の第1の状態で動作することができ(ヒーターへの電力供給の目的)、次いで、任意選択で2要因チェックを受ける近接及び/又は他のセンサが、制御プロセッサを初期状態に変化させることができ、この初期状態は前述の第2の状態のようなものとすることができ、この状態でヒーターは、吸入の開始を検出するための流速計モードに入ることができる。本明細書に別途記載するように、任意選択で他のセンサはまた、この場合も任意選択で2要因構成において、指標又は直後の使用を検出することができる。
【0142】
制御プロセッサがこれらのセンサから直後の使用を検出したとき、制御プロセッサは、任意選択で、依然として吸入動作を検出するためにヒーターを使用しながら、ヒーターを予蒸発温度まで加熱することができる。別法又は追加として、制御プロセッサは、本明細書に記載するようにヒーターを使用して吸入動作を検出し、ヒーターを蒸発温度まで(又は、本明細書に別途記載するように、所定の期間より短い時間にわたって検出が継続する間に予蒸発温度まで)加熱することができる。
【0143】
上記の技法は、非燃焼加熱式タバコ加熱製品又はゲルから蒸気を生成する送達デバイスにとって、これらを蒸発温度まで加熱するにはeリキッドより長くかかる可能性があるため、特に有用となりうることがさらに理解されよう。その結果、これらの送達デバイス内のヒーターの比較的より長い予熱時間は、電力消費の点から制限された追加のコストでヒーターを流速計として使用するのに特に適している。
【0144】
最後に、任意選択でエアロゾル送達システムは、蒸発温度より低いが周囲温度を最小量だけ上回る温度でヒーターを維持することができ、したがって吸入は、本明細書に記載する技法を使用して依然として検出可能であり、電力消費は一定のままで、低く且つ持続可能になる。任意選択で、たとえば電源が閾値量を上回る間に、及び/又は最後の吸入から所定の期間(たとえば、5又は10分)にわたって、及び/又は頻繁な使用が分かった期間(たとえば、連続する数日又は数週間にわたって測定される)中に、そのような手法を使用することができる。
【0145】
これらの技法を使用することによって、エアロゾル送達システムは、ペイロードが供給された使い捨てのヒーターを使用して吸入動作を検出しながら、電力消費を制限し、それでもなお使用者に対して優れた応答性を有することが可能になる。
【0146】
図10を次に参照すると、エアロゾル送達システムを制御する方法において、エアロゾル送達システムは、エアロゾル送達デバイスを具備し、エアロゾル送達デバイスは、電源と、着脱式に取付け可能な使い捨て部分とを備え、使い捨て部分は、エアロゾル化のためのペイロードと、ペイロードのエアロゾル化のための加熱要素とを備え、加熱要素は、使い捨て部分をエアロゾル送達デバイスに取り付けることによって(本明細書に別途記載する)、電源に電気的に結合され、この方法は、下記のステップを含む。
【0147】
たとえば本明細書に別途記載する制御プロセッサによって、電源からヒーターに供給するための電気エネルギーの流れを設定するように初期状態を構成する第1のステップs1010と、
この場合もたとえば本明細書に別途記載する制御プロセッサによって、空気流がヒーターを冷却することによって引き起こされる加熱要素内の抵抗の次の変化を検出する第2のステップs1020と、
この場合もたとえば本明細書に別途記載する制御プロセッサによって、抵抗の次の変化を検出したとき、ヒーター温度を上昇させる(たとえば、ヒーターへの電流を増大させて、ヒーターを予蒸発又は蒸発温度まで上昇させる)のに十分なまで、電源からヒーターに供給するための電気エネルギーの流れを増大させるための次の状態に入る第3のステップs1030とを含む。
【0148】
本明細書に記載及び特許請求する装置の様々な実施形態の動作に対応する上記の方法の変更も、本発明の範囲内であると考えられることが、当業者には明らかである。
【0149】
特に、この方法は、本明細書に別途記載するように、少なくとも1つの近接センサを使用して物理的な接触なく人物を検出するステップと、人物が検出されたときは検出信号を出力するステップと、検出信号を受信するステップと、少なくとも一部には受信した検出信号に基づいて、第1の活動状態と第2の活動状態との間でエアロゾル送達デバイスの動作状態を変化させるかどうかを判定するステップとを含むことができる。
【0150】
本明細書に別途記載するように、任意選択でこの場合、第1の活動状態は、遮断状態(又はヒーター遮断を組み込む初期状態)、又は初期状態とすることができ、さらなる活動状態は、それに対応して、初期状態(たとえば、ヒーターがオンの状態で、吸入動作を検出する)、又は次の状態とすることができる。
【0151】
同様に、この方法は、本明細書に別途記載するように、エアロゾル送達デバイスの次の使用に関係する第1の対話を検出する第1の検出ステップと、エアロゾル送達デバイスの次の使用に関係する第2の別個の対話を検出する第2の検出ステップと、第1の対話及び第2の対話の検出が少なくとも第1の所定の基準を満たすことを計算する計算ステップと、第1の対話及び第2の対話の検出が少なくとも第1の所定の基準を満たすことが計算されたことに応答して、エアロゾル送達デバイスの動作状態を変更する制御ステップとを含むことができる。
【0152】
この場合も、この事例では任意選択で、変化された動作状態は、遮断状態(又は、ヒーター遮断を組み込む初期状態)又は初期状態のうちのいずれか1つとすることができ、初期状態又は次の状態に適宜変化することができる。
【0153】
上記の方法は、該当する場合、ソフトウェア命令によって、又は専用のハードウェアの包含若しくは置換えによって、好適に構成された従来のハードウェアで実施することができることも同様に理解されよう。そのような従来のハードウェアの一例は、好適なソフトウェア命令下で制御プロセッサとして機能することができる送達エコシステムの電話100などのコンパニオンデバイスのCPUのコントロールユニット205である。
【0154】
したがって、従来の同等のデバイスの既存部分に対する必要とされる構成は、フロッピーディスク、光ディスク、ハードディスク、固体状態ディスク、PROM、RAM、フラッシュメモリ、又はこれら若しくは他の記憶媒体の任意の組合せなどの非一時的機械可読媒体に記憶されたプロセッサ実装可能命令を含むコンピュータプログラム製品の形態で実装することができ、或いはASIC(特定用途向け集積回路)若しくはFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、又は従来の同等デバイスの構成に使用するのに好適な他の構成可能回路としてハードウェアで実現することができる。これとは別に、そのようなコンピュータプログラムは、イーサネット、無線ネットワーク、インターネット、又はこれら若しくは他のネットワークの任意の組合せなどのネットワーク上で、データ信号を介して伝送することができる。
【0155】
上記の議論は、単に本発明の例示的な実施形態を開示及び記載する。当業者には理解されるように、本発明は、本発明の精神又は本質的な特徴から逸脱することなく、他の特有の形態で実施することができる。したがって、本発明の開示は例示的であり、本発明の範囲並びに他の特許請求の範囲を限定するものではないことが意図される。本明細書の教示のあらゆる容易に認識できる変形形態を含む開示は、一部には、発明の主題が公衆に提供されないように、特許請求の範囲の術語の範囲を定義する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-03-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御プロセッサと、
エアロゾル送達デバイスとを具備し、前記エアロゾル送達デバイスが、
電源と、
着脱式に取付け可能な使い捨て部分とを備え、前記使い捨て部分が、
エアロゾル化のためのペイロードと、
前記ペイロードのエアロゾル化のための加熱要素とを備え、前記加熱要素が、前記使い捨て部分を前記エアロゾル送達デバイスに取り付けることによって、前記電源及び制御プロセッサに電気的に結合されており、
前記制御プロセッサが、初期状態で、前記電源から前記ヒーターに供給するための電気エネルギーの流れを設定し、空気流が前記ヒーターを冷却させることによって引き起こされる前記加熱要素内の抵抗の次の変化を検出するように構成されており、
前記制御プロセッサが、抵抗の前記次の変化を検出したとき、前記ヒーター温度を上昇させるのに十分なだけ前記電源から前記ヒーターに供給するための電気エネルギーの流れを増大させるための次の状態に入るように構成されている、
エアロゾル送達システム。
【請求項2】
前記次の状態で、前記制御プロセッサが、空気流が前記ヒーターを冷却しなくなることによって引き起こされる前記加熱要素内の抵抗のさらなる変化を検出するように構成されており、
前記制御プロセッサが、前記流れの前記さらなる変化を検出したとき、再び前記初期状態に入るように構成されている、
請求項1に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項3】
前記制御プロセッサが、前記抵抗の絶対変化が第1の所定の閾値を超過した場合、前記次の状態へ遷移するように構成されている、
請求項1又は2に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項4】
前記温度の上昇が、前記ペイロードに対する蒸発温度をわずかに下回る温度までである、
請求項1に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項5】
前記次の変化が閾値期間にわたって持続した場合、又は変化が前記第1の所定の閾値より大きい第2の所定の閾値を超過した場合、前記温度の上昇が、前記ペイロードに対する蒸発温度までさらに上昇する、
請求項4に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項6】
前記温度の上昇が、前記ペイロードに対する蒸発温度までである、
請求項1に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項7】
前記加熱要素が、少なくとも部分的に前記エアロゾル送達デバイスの吸入空気流路内に位置する、
請求項1に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項8】
前記制御プロセッサが、前記制御プロセッサが前記電源から前記ヒーターへの電気エネルギーの流れを停止させる遮断状態を備える、
請求項1に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項9】
前記初期状態で、前記制御プロセッサが、少なくとも第1の所定の基準が満たされた場合、前記遮断状態に入るように動作可能である、
請求項に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項10】
前記所定の基準又は各々の所定の基準が、
i.所定の時間内に前記次の状態に遷移しないこと、
ii.前記遮断状態に入るためのユーザインターフェース命令、
iii.電源レベルが閾値を下回ること、
iv.前記エアロゾル送達システムが閾値期間にわたって前記エアロゾル送達デバイスの動きを検出しないこと、
v.前記エアロゾル送達システムが2要因認証システムにおける第2の要因を検出しないこと、及び
vi.前記エアロゾル送達システムが使用者の近接を検出しないこと
からなるリストから選択されたそれぞれ1つである、請求項に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項11】
前記遮断状態で、前記制御プロセッサが、少なくとも第1の所定の基準が満たされた場合、前記初期状態に入るように動作可能である、
請求項に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項12】
前記所定の基準又は各々の所定の基準が、
i.前記初期状態に入るためのユーザインターフェース命令、
ii.使用者による前記送達デバイスの操作、
iii.直後の使用に特有の前記送達デバイスの動き、
iv.直後の使用の2要因認証、及び
v.前記使用者の近接検出
からなるリストから選択されたそれぞれ1つである、請求項11に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項13】
前記遮断状態で、前記制御プロセッサが、少なくとも第1の所定の基準が満たされた場合、前記次の状態に入るように動作可能である、
請求項に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項14】
前記所定の基準又は各々の所定の基準が、
i.前記次の状態に入るためのユーザインターフェース命令、及び
ii.前記送達デバイスの所定の部分の電気接地
からなるリストから選択されたそれぞれ1つである、請求項13に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項15】
人物がセンサに物理的に接触しなくても前記人物を検出するように構成され、人物が検出されたときは検出信号を出力するように構成された少なくとも1つの近接センサと、
前記検出信号を受信し、少なくとも一部には前記受信した検出信号に基づいて、第1の活動状態と第2の活動状態との間で前記エアロゾル送達デバイスの動作状態を変化させるかどうかを判定するように構成された活動状態プロセッサと
を備える、請求項1に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項16】
前記エアロゾル送達デバイスの次の使用に関係する第1の対話を検出するように構成された第1のセンサと、
前記エアロゾル送達デバイスの次の使用に関係する第2の別個の対話を検出するように構成された第2のセンサと、
前記第1の対話及び前記第2の対話の検出が少なくとも第1の所定の基準を満たすことを計算するように動作可能な2要因検出プロセッサと、
前記第1の対話及び前記第2の対話の前記検出が前記少なくとも第1の所定の基準を満たすことが計算されたことに応答して、前記エアロゾル送達デバイスの動作状態を変化させるように動作可能な制御プロセッサと
を備える、請求項1に記載のエアロゾル送達システム。
【請求項17】
エアロゾル送達システムを制御する方法であって、前記エアロゾル送達システムが、エアロゾル送達デバイスを具備し、前記エアロゾル送達デバイスが、電源と、着脱式に取付け可能な使い捨て部分とを備え、前記使い捨て部分が、エアロゾル化のためのペイロードと、前記ペイロードのエアロゾル化のための加熱要素とを備え、前記加熱要素が、前記使い捨て部分を前記エアロゾル送達デバイスに取り付けることによって、前記電源に電気的に結合され、前記方法が、
前記電源から前記ヒーターに供給するための電気エネルギーの流れを設定するように初期状態を構成するステップと、
空気流が前記ヒーターを冷却させることによって引き起こされる前記加熱要素内の抵抗の次の変化を検出するステップと、
前記抵抗の次の変化を検出したとき、前記ヒーター温度を上昇させるのに十分なだけ、前記電源から前記ヒーターに供給するための電気エネルギーの流れを増大させるための次の状態に入るステップとを含む、方法。
【請求項18】
少なくとも1つの近接センサを使用して、物理的な接触なく人物を検出するステップと、
人物が検出されたときは検出信号を出力するステップと、
前記検出信号を受信するステップと、
少なくとも一部には前記受信した検出信号に基づいて、第1の活動状態と第2の活動状態との間で前記エアロゾル送達デバイスの動作状態を変化させるかどうかを判定するステップと
を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記エアロゾル送達デバイスの次の使用に関係する第1の対話を検出する第1の検出ステップと、
前記エアロゾル送達デバイスの次の使用に関係する第2の別個の対話を検出する第2の検出ステップと、
前記第1の対話及び前記第2の対話の検出が少なくとも第1の所定の基準を満たすことを計算する計算ステップと、
前記第1の対話及び前記第2の対話の前記検出が前記少なくとも第1の所定の基準を満たすことが計算されたことに応答して、前記エアロゾル送達デバイスの動作状態を変更する制御ステップと
を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
コンピュータシステムに、請求項1719のいずれか一項に記載の方法を実行させるように構成されたコンピュータ実行可能命令を含むコンピュータプログラム。
【国際調査報告】