(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-16
(54)【発明の名称】エアロゾル供給デバイスとともに使用する消耗品
(51)【国際特許分類】
A24F 40/70 20200101AFI20240808BHJP
A24F 40/465 20200101ALI20240808BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20240808BHJP
【FI】
A24F40/70
A24F40/465
A24F40/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503939
(86)(22)【出願日】2022-08-04
(85)【翻訳文提出日】2024-03-22
(86)【国際出願番号】 EP2022071999
(87)【国際公開番号】W WO2023012299
(87)【国際公開日】2023-02-09
(32)【優先日】2021-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2021-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ギブソン, ポール
(72)【発明者】
【氏名】オークリー, バーナビー
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB21
4B162AB28
4B162AC13
4B162AC22
4B162AE02
4B162AE03
(57)【要約】
不燃性エアロゾル供給システムとともに使用する消耗品(124)を製造する方法が提供される。この消耗品は、支持部(30)及びエアロゾル生成材料(32A、32B)を備える。この方法は、支持部を用意するステップと、少なくとも1つの増強エリア(40A、40B)を支持部上に形成するステップと、少なくとも1つの増強エリアの少なくとも一部に対応する少なくとも1つの位置において、エアロゾル生成材料を支持部に適用するステップと、を含む。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不燃性エアロゾル供給システムとともに使用する消耗品であって、支持部及びエアロゾル生成材料を備える消耗品を製造する方法であって、
前記支持部を用意するステップと、
少なくとも1つの増強エリアを前記支持部上に形成するステップと、
前記少なくとも1つの増強エリアの少なくとも一部に対応する少なくとも1つの位置において、前記エアロゾル生成材料を前記支持部に適用するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
増強エリアが、前記支持部の剛性が、増強されていない前記支持部のエリアにおける前記支持部の剛性よりも高くなるように増強されたエリアであり、前記少なくとも1つの増強エリアを形成するステップが、少なくとも1つの増強エリアの少なくとも一部において前記支持部の剛性を高くすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
増強エリアが、前記エリアの前記表面の少なくとも一部が成形されて増強されたエリアであり、前記少なくとも1つの増強エリアを形成するステップが、少なくとも1つの増強エリアの少なくとも一部において前記支持部をエンボス加工又はデボス加工することを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
増強エリアが、前記支持部の熱伝達率が、増強されていない前記支持部のエリアにおける前記支持部の熱伝達率よりも高くなるように増強されたエリアであり、前記少なくとも1つの増強エリアを形成するステップが、少なくとも1つの増強エリアの少なくとも一部の熱伝達率を高くすることを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
増強エリアが、前記支持部の厚さが、増強されていない前記支持部のエリアにおける前記支持部の厚さよりも大きくなるように増強されたエリアであり、前記少なくとも1つの増強エリアを形成するステップが、前記少なくとも1つの増強エリアの少なくとも一部において前記支持部の厚さを大きくすることを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
増強エリアが、前記エリアがサセプタを含んで増強されたエリアであり、前記少なくとも1つの増強エリアを形成するステップが、サセプタを少なくとも1つの増強エリアの少なくとも一部に適用することを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
サセプタを少なくとも1つの増強エリアの少なくとも一部に適用することが、サセプタの1つ又は複数の予備成形部を適用することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記サセプタを少なくとも1つの増強エリアの少なくとも一部に適用することが、サセプタのシートを前記支持部に適用し、前記サセプタをキスカットして少なくとも1つの予め定められた閉切断線を前記サセプタに形成した後、閉切断線外の前記サセプタの部分を除去することを含み、前記切断線が、少なくとも1つの増強エリアの前記周囲に一致するか、又は、前記周囲に含まれる、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記サセプタが、金属又は合金を含む、請求項6~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記サセプタを少なくとも1つの増強エリアの少なくとも一部に適用することが、熱圧箔押し技術を使用することを含む、請求項6~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも1つの増強エリアが、2つ以上の増強を含む、請求項2~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つの増強エリアを形成するステップが、少なくとも2つの別個の増強エリアを形成することを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも2つの別個の増強エリアのうちの少なくとも2つの別個の増強エリアが、人間又は自動観測器によって互いに識別可能である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記エアロゾル生成材料を適用するステップが、前記支持部の各増強エリアの少なくとも一部に適用し、増強エリアを形成していない前記支持部の部分には前記エアロゾル生成材料を適用しないことである、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記エアロゾル生成材料を適用するステップが、前記支持部の各増強エリアの全体に適用し、増強エリアを形成していない前記支持部の部分には前記エアロゾル生成材料を適用しないことである、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記エアロゾル生成材料を適用するステップが、前記支持部の各増強エリアの全体及び各増強エリアを囲む前記支持部の少なくとも一部に適用し、増強エリアを形成していない前記支持部の残りの部分には前記エアロゾル生成材料を適用しないことである、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
各増強エリアを囲む前記支持部の前記少なくとも一部が、前記増強エリアの前記周囲から1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、8mm、又は10mm未満だけ延びているゾーンである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記エアロゾル生成材料を適用するステップが、エアロゾル生成材料を前記支持部の実質的に全体に適用することである、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記エアロゾル生成材料を適用するステップが、転写ホイールを使用してエアロゾル生成材料を適用することを含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記エアロゾル生成材料が、エアロゾル生成材料スラリーとして前記支持部の表面に適用される、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記エアロゾル生成材料スラリーの硬化を許容するステップ又は硬化を引き起こすステップであって、前記エアロゾル生成材料スラリーが硬化してエアロゾル生成材料になるステップをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記エアロゾル生成材料が、硬化したエアロゾル生成材料として適用される、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記エアロゾル生成材料を適用するステップが、前記エアロゾル生成材料を前記支持部に熱圧押しすることを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記エアロゾル生成材料が、エアロゾル生成膜である、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記少なくとも1つの増強エリアを前記支持部上に形成するステップ及び前記エアロゾル生成材料を適用するステップが、実質的に同時に発生する、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記支持部が、第1及び第2の表面を有するシートを備え、
少なくとも1つの増強エリアを形成するステップが、前記少なくとも1つの増強エリアを前記支持部の前記第1及び第2の表面の一方又は両方に形成することを含み、
前記エアロゾル生成材料を適用するステップが、エアロゾル生成材料を
(i)前記少なくとも1つの増強エリアの少なくとも一部と、
(ii)他方の表面上の前記少なくとも1つの増強エリアの位置に位置的に対応する一方の表面の部分の少なくとも一部と、
の一方又は両方に適用することである、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記支持部が、第1及び第2の表面を有するシートを備え、少なくとも1つの増強エリアを形成するステップが、少なくとも1つの増強エリアを前記支持部の前記第1及び第2の表面に形成することを含む、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
不燃性エアロゾル供給システムとともに使用する消耗品であって、支持部と、前記支持部上の少なくとも1つの増強エリアと、少なくとも1つの増強エリアの少なくとも一部に対応する少なくとも1つの位置において前記支持部に支持されているエアロゾル生成材料と、を備える、消耗品。
【請求項29】
前記支持部の少なくとも1つの増強エリアにおける増強として、少なくとも1つの増強エリアの少なくとも一部が、前記増強エリアの部分以外の前記支持部の部分よりも高い剛性を有する、請求項28に記載の消耗品。
【請求項30】
前記支持部の少なくとも1つの増強エリアにおける増強として、少なくとも1つの増強エリアの少なくとも一部が、増強エリアの部分以外の前記支持部の部分よりも高い熱伝達率を有する、請求項28又は29に記載の消耗品。
【請求項31】
前記支持部の少なくとも1つの増強エリアにおける増強として、少なくとも1つの増強エリアの少なくとも一部が、エンボス加工又はデボス加工されている、請求項28~30のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項32】
前記支持部の少なくとも1つの増強エリアにおける増強として、少なくとも1つの増強エリアの少なくとも一部が、増強エリアの部分以外の前記支持部の部分よりも大きな厚さを有する、請求項28~31のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項33】
前記支持部の少なくとも1つの増強エリアにおける増強として、少なくとも1つの増強エリアが、サセプタを含む、請求項28~32のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項34】
前記サセプタが、金属又は合金を含む、請求項33に記載の消耗品。
【請求項35】
前記サセプタが、前記サセプタが適用されている前記増強エリアの前記周囲の形状及び寸法に一致する外周を有する、請求項33又は34に記載の消耗品。
【請求項36】
前記サセプタが、前記増強エリアの少なくとも一部を覆い、前記増強エリアの前記外周が、前記サセプタを囲む、請求項33~35のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項37】
少なくとも1つの増強エリアが、2つ以上の増強を含む、請求項28~36のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項38】
少なくとも2つの別個の増強エリアが存在する、請求項28~37のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項39】
前記少なくとも2つの別個の増強エリアのうちの少なくとも2つの別個の増強エリアが、人間又は自動観測器によって互いに識別可能である、請求項38に記載の消耗品。
【請求項40】
エアロゾル生成材料が、各増強エリアの少なくとも一部に支持されており、増強エリアを形成していない前記支持部の部分にはエアロゾル生成材料が支持されていない、請求項28~39のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項41】
各増強エリアの全体が、エアロゾル生成材料を支持しており、増強エリアを形成していない前記支持部の部分にはエアロゾル生成材料が支持されていない、請求項28~39のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項42】
各増強エリアの全体及び周囲ゾーンが、エアロゾル生成材料を支持しており、増強エリアも周囲ゾーンも形成していない前記支持部の部分にはエアロゾル生成材料が支持されていない、請求項28~39のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項43】
前記周囲ゾーンが、前記増強エリアの前記周囲から1mm未満、2mm未満、3mm未満、4mm未満、5mm未満、6mm未満、8mm未満、又は10mm未満だけ延びているゾーンである、請求項42に記載の消耗品。
【請求項44】
前記支持部の実質的に全体が、前記エアロゾル生成材料を支持している、請求項28~39のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項45】
前記エアロゾル生成材料が、エアロゾル生成膜又はゲルを含む、請求項28~44のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項46】
前記支持部が、第1及び第2の表面を有するシートを備え、少なくとも1つの増強エリアが、前記支持部の前記第1及び第2の表面の一方又は両方に配置され、エアロゾル生成材料が、(i)前記少なくとも1つの増強エリアの少なくとも一部と、(ii)他方の表面上の前記少なくとも1つの増強エリアの位置に位置的に対応する一方の表面の部分の少なくとも一部と、の一方又は両方に支持されている、請求項28~45のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項47】
前記支持部が、第1及び第2の表面を有するシートを備え、少なくとも1つの増強エリアが、前記支持部の前記第1及び第2の表面それぞれに配置されている、請求項28~45のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項48】
請求項28~47のいずれか一項に記載の消耗品とともに使用するエアロゾル供給デバイスであって、前記消耗品に支持されている前記エアロゾル生成材料の少なくとも一部を加熱するように構成されているエアロゾル生成器を備える、エアロゾル供給デバイス。
【請求項49】
請求項48に記載のエアロゾル供給デバイスと、請求項28~47のいずれか一項に記載の消耗品と、を備えるエアロゾル供給システム。
【請求項50】
使用時、請求項28~47のいずれか一項に記載の消耗品を燃焼させずに加熱するように配設されている少なくとも1つのエアロゾル生成器を備えるエアロゾル生成デバイスを使用して、前記消耗品からエアロゾルを生成する方法であって、少なくとも1つのエアロゾル生成器が、抵抗ヒーター要素又は磁場生成器及びサセプタである、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、不燃性エアロゾル供給システムの分野、特に、エアロゾル供給デバイスとともに使用する消耗品、エアロゾル供給デバイスとともに使用する消耗品を製造する方法、並びに消耗品及びエアロゾル供給デバイスを含むエアロゾル供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
シガレット、シガー等の喫煙品は、使用中にタバコを燃焼させて、タバコ煙を生成する。これらの種類の物品の代替物は、燃焼を伴わない加熱によって基板材料から化合物を放出させることにより、吸引可能なエアロゾル又は蒸気を放出させる。これらを不燃性喫煙品、エアロゾル生成アセンブリ、又はエアロゾル供給デバイスと称する場合もある。
【0003】
このような製品の一例は、固体エアロゾル生成材料と称する場合もあるエアロゾル化可能材料を燃焼させずに加熱することによって化合物を放出させる加熱デバイスである。この固体エアロゾル生成材料は、場合によりタバコ材料を含み得る。加熱によって、材料の少なくとも1つの成分が揮発することにより、通常は吸引可能なエアロゾルを構成する。これらの製品を非燃焼加熱式デバイス、タバコ加熱デバイス、又はタバコ加熱製品と称する場合もある。固体エアロゾル生成材料の少なくとも1つの成分を揮発させる種々異なる構成体が知られている。
【0004】
別の例として、混成デバイスが存在する。これらの混成デバイスは、加熱により気化して吸引可能な蒸気又はエアロゾルを生成する液体源(ニコチンを含んでいてもよいし、又は含んでいなくてもよい)を含む。また、このデバイスは、固体エアロゾル生成材料(タバコ材料を含んでいてもよいし、又は含んでいなくてもよい)を含み、この材料の成分が吸引可能な蒸気又はエアロゾルに取り込まれて吸引媒体を生成する。
【発明の概要】
【0005】
本開示の第1の態様によれば、不燃性エアロゾル供給システムとともに使用する消耗品であり、支持部及びエアロゾル生成材料を備える、消耗品を製造する方法であって、
支持部を用意するステップと、
少なくとも1つの増強エリアを支持部上に形成するステップと、
少なくとも1つの増強エリアの少なくとも一部に対応する少なくとも1つの位置において、エアロゾル生成材料を支持部に適用するステップと、
を含む、方法が提供される。
【0006】
本開示の第2の態様によれば、不燃性エアロゾル供給システムとともに使用する消耗品であって、支持部と、支持部上の少なくとも1つの増強エリアと、少なくとも1つの増強エリアの少なくとも一部に対応する少なくとも1つの位置において支持部に支持されているエアロゾル生成材料と、を備える、消耗品が提供される。
【0007】
本開示の第3の態様によれば、本開示の第2の態様による消耗品とともに使用するエアロゾル供給デバイスであって、消耗品に支持されているエアロゾル生成材料の少なくとも一部を加熱するように構成されているエアロゾル生成器を備える、エアロゾル供給デバイスが提供される。
【0008】
本開示の第4の態様によれば、エアロゾル供給デバイスと、本開示の第2の態様による消耗品と、を備えるエアロゾル供給システムが提供される。
【0009】
本開示の第5の態様によれば、使用時、本開示の第2の態様による消耗品を燃焼させずに加熱するように配設されている少なくとも1つのエアロゾル生成器を備えるエアロゾル生成デバイスを使用して、消耗品からエアロゾルを生成する方法であって、少なくとも1つのエアロゾル生成器が、抵抗ヒーター要素又は磁場生成器及びサセプタである、方法が提供される。
【0010】
本開示の別の特徴及び利点については、本開示の実施形態に関する以下の説明から明らかとなるであろうが、これは、添付の図面を参照しつつ、一例として示しているに過ぎない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の方法の第一の実施形態に従って製造されたエアロゾル供給デバイスの一実施形態及び消耗品の一実施形態の模式図である。
【
図2】
図1の消耗品の製造に用いられる支持部の第1の実施形態を示す図である。
【
図3】第1の実施形態の増強エリアが形成された
図2の支持部を示す図である。
【
図4】エアロゾル生成材料が支持部に適用された後の
図3の支持部を示す図である。
【
図5】第2の実施形態の増強エリアの形成中の
図2の支持部を示す図である。
【
図6】第2の実施形態の増強エリアの形成中の
図2の支持部を示す図である。
【
図7】エアロゾル生成材料が支持部に適用された後の
図5及び
図6の支持部を示す図である。
【
図8】エアロゾル生成材料が支持部に適用された後の
図5及び
図6の第2の実施形態の支持部を示す図である。
【
図9】第3の実施形態の増強エリアの形成中の
図2の支持部を示す図である。
【
図10】第3の実施形態の増強エリアの形成中の
図2の支持部を示す図である。
【
図11】第3の実施形態の増強エリアの形成に使用可能なサセプタの部分を示す図である。
【
図12】エアロゾル生成材料が支持部に適用された後の
図9及び
図10の支持部を示す図である。
【
図13】
図1の消耗品の製造に用いられる第2の実施形態の支持部を示す図である。
【
図14】
図1の消耗品の製造に用いられる第2の実施形態の支持部を示す図である。
【
図19】エアロゾル生成材料が支持部に適用された後の
図13~
図18の支持部を示す図である。
【
図20】エアロゾル生成材料が支持部に適用された後の
図13~
図18の支持部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書の消耗品は、代替として物品と称する場合もある。
【0013】
いくつかの実施形態において、消耗品は、エアロゾル生成材料を含む。消耗品は、エアロゾル生成材料格納エリア、エアロゾル生成材料移動コンポーネント、エアロゾル生成器、エアロゾル生成エリア、ハウジング、ラッパー、エアロゾル変性剤、1つ若しくは複数の活性構成物質、1つ若しくは複数の香料、1つ若しくは複数のエアロゾル形成材料、及び/又は1つ若しくは複数の他の機能材料を備えていてもよい。
【0014】
消耗品がともに使用されるエアロゾル生成材料を加熱するための装置は、不燃性エアロゾル供給システムの一部である。不燃性エアロゾル供給システム(電子タバコ、タバコ加熱製品、及びエアロゾル生成材料の組み合わせによってエアロゾルを生成する混成システム等)は、燃焼なしにエアロゾル生成材料から化合物を放出させる。
【0015】
本開示によれば、「不燃性」エアロゾル供給システムは、少なくとも1つの物質のユーザへの送達を容易化するために、当該エアロゾル供給システムの構成物質であるエアロゾル生成材料(又は、その成分)が燃焼されないものである。
【0016】
いくつかの実施形態において、送達システムは、給電式不燃性エアロゾル供給システム等の不燃性エアロゾル供給システムである。
【0017】
いくつかの実施形態において、不燃性エアロゾル供給システムは、ベーピングデバイス又は電子ニコチン送達システム(END)としても知られる電子タバコであるが、エアロゾル生成材料中のニコチンの存在は要件ではない。
【0018】
いくつかの実施形態において、不燃性エアロゾル供給システムは、非燃焼加熱式システムとしても知られるエアロゾル生成材料加熱システムである。このようなシステムの一例は、タバコ加熱システムである。
【0019】
いくつかの実施形態において、不燃性エアロゾル供給システムは、エアロゾル生成材料(これらのうちの1つが加熱されるようになっていてもよいし、又は複数が加熱されるようになっていてもよい)の組み合わせによってエアロゾルを生成する混成システムである。エアロゾル生成材料はそれぞれ、例えば固体、液体、又はゲルの形態であってもよく、ニコチンを含んでいてもよいし、又は含んでいなくてもよい。いくつかの実施形態において、混成システムは、液体又はゲルエアロゾル生成材料及び固体エアロゾル生成材料を含む。固体エアロゾル生成材料は、例えばタバコ又は非タバコ製品を含んでいてもよい。
【0020】
通常、不燃性エアロゾル供給システムは、不燃性エアロゾル供給デバイスと、不燃性エアロゾル供給デバイスとともに使用する消耗品と、を備えていてもよい。
【0021】
いくつかの実施形態において、本開示は、エアロゾル生成材料を含み、不燃性エアロゾル供給デバイスとともに用いられるように構成されている消耗品に関する。本開示の全体を通して、これらの消耗品を物品と称する場合がある。
【0022】
いくつかの実施形態において、不燃性エアロゾル供給システム(その不燃性エアロゾル供給デバイス等)は、動力源及びコントローラを備えていてもよい。動力源は、例えば電力源であってもよいし、又は発熱動力源であってもよい。いくつかの実施形態において、発熱動力源は、当該発熱動力源に近接するエアロゾル生成材料又は熱伝達材料に対して、熱の形の動力を供給するようにエネルギー供給可能な炭素基板を備える。
【0023】
いくつかの実施形態において、不燃性エアロゾル供給システムは、消耗品を受容するためのエリア、エアロゾル生成器、エアロゾル生成エリア、ハウジング、マウスピース、フィルタ、及び/又はエアロゾル変性剤を備えていてもよい。
【0024】
いくつかの実施形態において、不燃性エアロゾル供給デバイスとともに使用する消耗品は、エアロゾル生成材料、エアロゾル生成材料格納エリア、エアロゾル生成材料移動コンポーネント、エアロゾル生成器、エアロゾル生成エリア、ハウジング、ラッパー、フィルタ、マウスピース、及び/又はエアロゾル変性剤を備えていてもよい。
【0025】
本開示の第1の態様によれば、不燃性エアロゾル供給システムとともに使用する消耗品であり、支持部及びエアロゾル生成材料を備える、消耗品を製造する方法であって、
支持部を用意するステップと、
少なくとも1つの増強エリアを支持部上に形成するステップと、
少なくとも1つの増強エリアの少なくとも一部に対応する少なくとも1つの位置において、エアロゾル生成材料を支持部に適用するステップと、
を含む、方法が提供される。
【0026】
上記実施形態の一実施形態において、エアロゾル生成材料は、エアロゾル生成材料のスラリーとして支持部の表面に適用される。
【0027】
エアロゾル生成材料は、例えば加熱、照射、又はその他任意の方法でエネルギー供給された場合にエアロゾルを生成可能な材料である。エアロゾル生成材料は、例えば固体、液体、又は半固体(ゲル等)の形態であってもよく、活性物質及び/又は香味料を含んでいてもよいし、又は含んでいなくてもよい。
【0028】
エアロゾル生成材料は、1つ又は複数の活性物質及び/又は香料、1つ又は複数のエアロゾル形成材料、並びに任意選択として、1つ又は複数の他の機能材料を含んでいてもよい。
【0029】
エアロゾル生成材料は、ゲル化剤等のバインダ及びエアロゾル形成剤を含んでいてもよい。また、任意選択として、送達される物質及び/又は充填剤が存在していてもよい。また、任意選択として、水等の溶媒が存在していてもよく、エアロゾル生成材料の1つ又は複数の他の成分が溶媒に溶解可能であってもよいし、又は溶解可能でなくてもよい。いくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料は、実質的に植物性物質を含まない。特に、いくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料は、実質的にタバコを含まない。
【0030】
エアロゾル生成材料は、エアロゾル生成膜を含んでいてもよいし、又はエアロゾル生成膜の形態であってもよい。エアロゾル生成膜は、ゲル化剤等のバインダ及びエアロゾル形成剤を含んでいてもよい。また、任意選択として、送達される物質及び/又は充填剤が存在していてもよい。エアロゾル生成膜は、実質的に植物性物質を含んでいなくてもよい。特に、いくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料は、実質的にタバコを含まない。
【0031】
エアロゾル生成膜は、約0.015mm~約1mmの厚さを有していてもよい。例えば、厚さは、約0.05mm、0.1mm、又は0.15mm~約0.5mm又は0.3mmの範囲であってもよい。
【0032】
エアロゾル生成膜は、ゲル化剤等のバインダを水、エアロゾル形成剤、及び1つ又は複数の他の成分(例えば、1つ又は複数の送達物質)等の溶媒と組み合わせてスラリーを構成した後、スラリーを加熱して溶媒の少なくとも一部を揮発させることにより形成されていてもよい。
【0033】
スラリーは、加熱によって、溶媒の少なくとも約60wt%、70wt%、80wt%、85wt%、又は90wt%が除去されるようになっていてもよい。
【0034】
エアロゾル生成材料は、「アモルファス固体」を含んでいてもよいし、又は「アモルファス固体」であってもよい。いくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料は、アモルファス固体であるエアロゾル生成膜を含む。アモルファス固体は、「モノリシック固体」であってもよい。アモルファス固体は、実質的に非繊維質であってもよい。いくつかの実施形態において、アモルファス固体は、乾燥ゲルであってもよい。アモルファス固体は、液体等の何らかの流体を内部の保持可能な固体材料である。いくつかの実施形態において、アモルファス固体は、例えば約50wt%、60wt%、又は70wt%~約90wt%、95wt%、又は100wt%のアモルファス固体を含んでいてもよい。
【0035】
アモルファス固体は、実質的に植物性物質を含んでいなくてもよい。アモルファス固体は、実質的にタバコを含んでいなくてもよい。
【0036】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、この方法は、エアロゾル生成材料のスラリーの硬化を許容するステップ又は硬化を引き起こすステップをさらに含む。エアロゾル生成材料のスラリーは、エアロゾル生成材料スラリーを硬化させるための既知の技術を使用して硬化させるようにしてもよい。
【0037】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、エアロゾル生成材料のスラリーは、エアロゾル生成膜の形態のエアロゾル生成材料として硬化する。
【0038】
支持部は、基板の構成に適した材料であってもよい。支持部は、例えば紙、ボール紙、板紙、厚紙、再生材料、プラスチック材料、セラミック材料、複合材、ガラス、金属、又は合金であってもよいし、又はこれらの材料を含んでいてもよい。
【0039】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、支持部は、不燃性エアロゾル供給デバイスにおいて通常生じる温度に耐え得るプラスチック材料を含む。いくつかの実施形態において、支持部は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を含む。このような実施形態には、支持部を再利用可能であり、構造上の目的から吸着材料を使用する支持部を備える消耗品と比較して、不燃性エアロゾル供給デバイスにおける凝縮の影響を消耗品が受けにくい、という利点がある。
【0040】
支持部の表面上の増強エリアは、(i)支持部の表面上の非増強エリア及び/若しくは(ii)増強前の支持部の表面上のエリアの同等特性よりも望ましい特性又は同等特性と異なる特性を有する支持部のエリアである。
【0041】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、増強エリアは、支持部の剛性が、増強されていない支持部のエリアにおける支持部の剛性よりも高くなるように増強されたエリアであり、少なくとも1つの増強エリアを形成するステップは、少なくとも1つの増強エリアの少なくとも一部において支持部の剛性を高くすることを含む。いくつかの実施形態において、支持部の剛性は、少なくとも1つの増強エリアの実質的に全体で高くなる。
【0042】
少なくとも1つの増強エリアの少なくとも一部の剛性を高くすることの利点として、このようなエリアは、支持部の低剛性の非増強部よりも、時間とともに撓んだり又は歪んだりする可能性が低い。結果として、このような増強エリアに適用されたエアロゾル生成材料は、支持部の低剛性の非増強部に適用される場合よりも、支持部から剥離(分離)する可能性が低い。これにより、本開示に従って製造された消耗品の耐用期間が長くなる。
【0043】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、増強エリアは、当該エリアの表面の少なくとも一部が成形されて増強されたエリアであり、少なくとも1つの増強エリアを形成するステップは、少なくとも1つの増強エリアの少なくとも一部において支持部をエンボス加工又はデボス加工することを含む。いくつかの実施形態において、支持部のエンボス加工又はデボス加工は、少なくとも1つの増強エリアの実質的に全体に及ぶ。
【0044】
支持部をエンボス加工又はデボス加工することの利点として、滑らかな非成形面よりも、成形面(エンボス加工又はデボス加工により生成された表面等)の場合に、支持部に対するエアロゾル生成材料の接着が良好すなわち強力になる。別の利点として、増強エリアの剛性が高くなる。これは、上述の利点をもたらす。
【0045】
少なくとも1つの増強エリアの少なくとも一部において支持部をエンボス加工又はデボス加工することの考え得る別の利点として、消耗品の使用時にエアロゾル生成材料を加熱するための1つ又は複数の手段に対して、エンボス加工又はデボス加工エリアに適用されたエアロゾル生成材料を配置する際の補助となり得る。エンボス加工又はデボス加工を行うと、例えばエアロゾル生成材料が支持部の他の部分よりも加熱手段に近くなる可能性がある。これには、エアロゾル生成材料が加熱器から離れている場合よりも、エアロゾル生成材料の加熱がより効率的になる利点がある。さらに、エアロゾル生成材料の周囲には、エアロゾル生成材料と加熱器との間よりも大きな空間があり、生成されたエアロゾルがエアロゾル生成材料から離れ、エアロゾルの所望の到達先に向かって移動可能となる。
【0046】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、増強エリアは、支持部の熱伝達率が、増強されていない支持部のエリアにおける支持部の熱伝達率よりも高くなるように増強されたエリアであり、少なくとも1つの増強エリアを形成するステップは、少なくとも1つの増強エリアの少なくとも一部の熱伝達率を高くすることを含む。いくつかの実施形態において、支持部の熱伝達率は、少なくとも1つの増強エリアの実質的に全体で高くなる。
【0047】
増強エリアにおける熱伝達率を高くすることの利点として、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するのが望ましい場合に、増強エリアに適用されたエアロゾル生成材料を加熱する効率が高くなる。
【0048】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、熱伝達率は、少なくとも1つの増強エリアの少なくとも一部における支持部の表面の少なくとも一部に関して高くなる。
【0049】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、増強エリアは、支持部の厚さが、増強されていない支持部のエリアにおける支持部の厚さよりも大きくなるように増強されたエリアであり、少なくとも1つの増強エリアを形成するステップは、少なくとも1つの増強エリアの少なくとも一部において支持部の厚さを大きくすることを含む。いくつかの実施形態において、支持部の厚さは、少なくとも1つの増強エリアの実質的に全体で大きくなる。
【0050】
少なくとも1つの増強エリアの少なくとも一部において支持部を厚くすることの利点として、消耗品の使用時にエアロゾル生成材料を加熱するための1つ又は複数の手段に対して、厚いエリアに適用されたエアロゾル生成材料を配置する際の補助となり得る。厚くすると、例えばエアロゾル生成材料が支持部の他の部分よりも加熱手段に近くなる可能性がある。これには、エアロゾル生成材料が加熱器から離れている場合よりも、エアロゾル生成材料の加熱がより効率的になる利点がある。さらに、エアロゾル生成材料の周囲には、エアロゾル生成材料と加熱器との間よりも大きな空間があり、生成されたエアロゾルがエアロゾル生成材料から離れ、エアロゾルの所望の到達先に向かって移動可能となる。
【0051】
支持部を厚くすることの別の利点として、上述の理由により、支持部の剛性が高くなる。
【0052】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、増強エリアは、当該エリアがサセプタを含んで増強されたエリアであり、少なくとも1つの増強エリアを形成するステップは、サセプタを少なくとも1つの増強エリアの少なくとも一部に適用することを含む。
【0053】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、少なくとも1つの増強エリアを形成するステップは、少なくとも1つの増強エリアの少なくとも一部においてサセプタを支持部の表面に適用することを含む。本実施形態において、サセプタは、増強エリアの部分以外の支持部の部分には適用されない。
【0054】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、サセプタは、少なくとも1つの増強エリアの実質的に全体に適用される。
【0055】
サセプタを1つ又は複数の増強エリアの一部又は全部に適用することには、消耗品の使用時にサセプタを加熱させた場合に、加熱が意図される支持部の部分すなわちサセプタが適用されている増強エリアの部分のみにサセプタによる加熱が制限される利点がある。これにより、加熱が意図されない支持部の部分は加熱されないため、消耗品の加熱の効率が高くなる。
【0056】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、サセプタを支持部に適用することは、サセプタの1つ又は複数の予備成形部を適用することを含む。サセプタの予備成形部は、支持部への適用に先立って、1つ又は複数の予め定められた形状となるように切断或いは予備形成されている。いくつかの実施形態においては、サセプタのすべての予備成形部が同じ形状である。他の実施形態において、サセプタの予備成形部はそれぞれ、多くの(2つ以上の)異なる形状のうちの1つである。
【0057】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、サセプタの予備成形部は、予め定められたパターンで支持部に適用されている。いくつかの実施形態において、予め定められたパターンは、支持部の同じ増強エリアに適用されたサセプタの2つ以上の予備成形部を含むものである。
【0058】
支持部の表面上のサセプタの1つ又は複数の予備成形部の構成は、支持部に適用されたエアロゾル生成材料の予め定められたレベルの加熱を実現するのに必要なエネルギーを最小限に抑えるように最適化可能である。
【0059】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、サセプタを支持部に適用することは、サセプタのシートを支持部に適用し、サセプタをキスカットして少なくとも1つの予め定められた閉切断線をサセプタに形成した後、閉切断線外のサセプタの部分を除去することを含み、切断線は、少なくとも1つの増強エリアの周囲に一致するか、又は、周囲に含まれる。切断線は、終点も始点もない場合に閉じた状態となる。例えば、円を表す線は、始点も終点もないため、閉じた状態である。いくつかの実施形態において、サセプタのキスカットには、閉切断線が規定するエリア内に配置されている1つ又は複数の他の切断線を含んでいてもよい。
【0060】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、サセプタは、金属又は合金を含む。いくつかの実施形態において、サセプタは、金属又は合金の箔又は膜である。例えば、アルミニウム箔又は膜である。
【0061】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、サセプタを少なくとも1つの増強エリアの少なくとも一部に適用することは、熱圧箔押し技術を使用することを含む。このような熱圧箔押し技術の使用によれば、箔の正確な配置が可能となる結果、サセプタの適用における不正確さを考慮してサセプタを過大にする必要性が少なくなるため都合が良い。これにより、使用するサセプタが少なくなる結果として、経済面及び環境面での節約がもたらされる。
【0062】
熱圧箔押し技術を使用する別の利点として、エンボス加工又はデボス加工により増強エリアが生成される実施形態においては、熱圧箔押しも実行するようにエンボス加工又はデボス加工ツールを適応させることによって、エンボス加工/デボス加工を熱圧箔押しと同時に実行可能となる。このような構成では、エンボス加工又はデボス加工とサセプタの適用とが同時に発生するため、エンボス加工又はデボス加工エリアに対してサセプタを別途位置合わせする必要がなくなる、という別の恩恵もある。
【0063】
サセプタは、交番磁場等の変動磁場の侵入により加熱可能な材料である。サセプタは、変動磁場の侵入によって、渦電流の結果としての抵抗加熱により当該サセプタの誘導加熱が生じるように、導電性材料であってもよい。サセプタは、変動磁場の侵入によって当該サセプタの磁気ヒステリシス加熱が生じるように、磁性材料であってもよい。サセプタは、導電性及び磁性の両加熱メカニズムで加熱可能となるように、両特性であってもよい。変動磁場を生成するように構成されているデバイスは、磁場生成器と称する。
【0064】
サセプタは、強磁性金属(鉄等)又は鉄合金(鋼等)若しくは鉄ニッケル合金を含んでいてもよい。いくつかの例示的な強磁性金属は、410グレードのステンレス鋼、420グレードのステンレス鋼、430グレードのステンレス鋼、又は同様のグレードのステンレス鋼等、400シリーズのステンレス鋼である。或いは、サセプタは、アルミニウム等の好適な非磁性、特に常磁性の導電性材料を含んでいてもよい。常磁性の導電性材料においては、渦電流による抵抗加熱のみで誘導加熱が生じる。或いは、サセプタは、非導電性のフェリ磁性セラミック等、非導電性のフェリ磁性材料を含んでいてもよい。この場合は、ヒステリシス損のみで熱が生成される。サセプタは、Phytherm 230(50wt%のNi、10wt%のCr、及びそれ以外のFeを含む組成(重量%=wt%単位))又はPhytherm 260(50wt%のNi、9wt%のCr、及びそれ以外のFeを含む組成)のような市販の合金を含んでいてもよい。
【0065】
上記実施形態のいずれかのいくつかの実施形態において、サセプタは、金属箔、任意選択としてアルミニウム箔であってもよいし、又は鉄箔であってもよい。或いは、上記実施形態のいずれかのいくつかの実施形態において、サセプタは、支持部を構成する材料への噴霧又は蒸着も可能な如何なる導電体であってもよい。
【0066】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、少なくとも1つの増強エリアは、2つ以上の増強を含む。
【0067】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、少なくとも1つの増強エリアを形成するステップは、少なくとも2つの別個の増強エリアを形成することを含む。
【0068】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、上記少なくとも2つの別個の増強エリアのうちの少なくとも2つの別個の増強エリアは、人間又は自動観測器によって互いに識別可能である。この背景においては、人間は、色覚異常又は類似の症状を患っていない平均的な視力の人間であることが了解される。いくつかの実施形態において、各増強エリアは、異なる形状又は色である。
【0069】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、エアロゾル生成材料を適用するステップは、支持部の各増強エリアの少なくとも一部に適用し、増強エリアを形成していない支持部の部分にはエアロゾル生成材料を適用しないことである。
【0070】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、エアロゾル生成材料を適用するステップは、支持部の各増強エリアの全体に適用し、増強エリアを形成していない支持部の部分にはエアロゾル生成材料を適用しないことである。
【0071】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、エアロゾル生成材料を適用するステップは、支持部の各増強エリアの全体及び各増強エリアを囲む支持部の少なくとも一部に適用し、増強エリアを形成していない支持部の残りの部分にはエアロゾル生成材料を適用しないことである。この構成の利点として、各増強エリアを囲む支持部上のエアロゾル生成材料は、増強エリアに適用され、伝導により増強エリアから出ていく熱を利用することになる。これにより、増強エリアに適用された熱エネルギーのジュール(J)当たりのエアロゾル生成量が最大になる。
【0072】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、各増強エリアを囲む支持部の少なくとも一部は、増強エリアの周囲から1mm未満、2mm未満、3mm未満、4mm未満、5mm未満、6mm未満、8mm未満、又は10mm未満だけ延びているゾーンである。
【0073】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、エアロゾル生成材料を適用するステップは、エアロゾル生成材料を支持部の実質的に全体に適用することである。この構成には、各増強エリアの場所に一致するように支持部の表面上でエアロゾル生成材料を正確に配置する必要がなくなる、という利点がある。
【0074】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、エアロゾル生成材料を適用するステップは、転写ホイールを使用してエアロゾル生成材料を適用することを含む。
【0075】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、エアロゾル生成材料は、エアロゾル生成材料スラリーとして支持部の表面に適用される。
【0076】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、この方法は、エアロゾル生成材料スラリーを硬化させ得るステップ又は硬化させるステップであって、エアロゾル生成材料スラリーが硬化してエアロゾル生成材料になる、ステップをさらに含む。エアロゾル生成材料は、既知のエアロゾル生成材料硬化技術を使用して硬化させるようにしてもよい。
【0077】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、エアロゾル生成材料は、硬化したエアロゾル生成材料として適用される。
【0078】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、エアロゾル生成材料を適用するステップは、エアロゾル生成材料を支持部に熱圧押しすることを含む。熱圧押しは、既知の熱圧押し技術を使用して実行される。いくつかの実施形態において、熱圧押しの温度は、エアロゾル生成材料のエアロゾル化が始まる温度よりも低い。
【0079】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、エアロゾル生成材料は、エアロゾル生成膜である。
【0080】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、少なくとも1つの増強エリアを支持部上に形成するステップ及びエアロゾル生成材料を適用するステップは、実質的に同時に発生する。いくつかの実施形態においては、エアロゾル生成材料が支持部に熱圧押しされるが、この熱圧押しによって、支持部上に1つ又は複数の増強エリアも形成される。
【0081】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、支持部は、第1及び第2の表面を有するシートを備え、少なくとも1つの増強エリアを形成するステップは、少なくとも1つの増強エリアを支持部の第1及び第2の表面の一方又は両方に形成することを含み、エアロゾル生成材料を適用するステップは、エアロゾル生成材料を(i)少なくとも1つの増強エリアの少なくとも一部と、(ii)他方の表面上の少なくとも1つの増強エリアの位置に位置的に対応する一方の表面の部分の少なくとも一部と、の一方又は両方に適用することである。この構成には、支持部の片面又は両面にエアロゾル生成材料を適用できる利点がある。エアロゾル生成材料が支持部の第1及び第2の両面に適用された場合には、エアロゾル生成材料が支持部の一方の表面にのみ適用される場合よりも多くのエアロゾル生成材料が増強エリアと関連付けられ得る。
【0082】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、支持部は、第1及び第2の表面を有するシートを備え、少なくとも1つの増強エリアを形成するステップは、少なくとも1つの増強エリアを支持部の第1及び第2の表面に形成することを含む。
【0083】
本開示の第2の態様によれば、不燃性エアロゾル供給システムを加熱するための装置とともに使用する消耗品であって、支持部と、支持部上の少なくとも1つの増強エリアと、少なくとも1つの増強エリアの少なくとも一部に対応する少なくとも1つの位置において支持部に支持されているエアロゾル生成材料と、を備える、消耗品が提供される。
【0084】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、エアロゾル生成材料は、エアロゾル生成膜の形態を有する。
【0085】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、支持部の少なくとも1つの増強エリアにおける増強として、支持部の少なくとも1つの増強エリアの少なくとも一部は、増強エリアの部分以外の支持部の部分よりも高い剛性を有する。
【0086】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、支持部の少なくとも1つの増強エリアにおける増強として、少なくとも1つの増強エリアの少なくとも一部は、増強エリアの部分以外の支持部の部分よりも高い熱伝達率を有する。
【0087】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、支持部の少なくとも1つの増強エリアにおける増強として、少なくとも1つの増強エリアの少なくとも一部は、エンボス加工又はデボス加工されている。
【0088】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、支持部の少なくとも1つの増強エリアにおける増強として、少なくとも1つの増強エリアの少なくとも一部は、増強エリアの部分以外の支持部の部分よりも大きな厚さを有する。
【0089】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、支持部の少なくとも1つの増強エリアにおける増強として、少なくとも1つの増強エリアは、サセプタを含む。
【0090】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、サセプタは、金属又は合金である。いくつかの実施形態において、サセプタは、金属又は合金の箔又は膜である。例えば、アルミニウム箔又は膜である。
【0091】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、サセプタは、当該サセプタが適用されている増強エリアの周囲の形状及び寸法に一致する外周を有する。
【0092】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、サセプタは、増強エリアの少なくとも一部を覆い、増強エリアの外周は、サセプタを囲む。
【0093】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、少なくとも1つの増強エリアは、2つ以上の増強を含む。
【0094】
上記実施形態のいずれかの一実施形態においては、少なくとも2つの別個の増強エリアが存在する。
【0095】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、上記少なくとも2つの別個の増強エリアのうちの少なくとも2つの別個の増強エリアは、人間又は自動観測器によって互いに識別可能である。
【0096】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、エアロゾル生成材料は、各増強エリアの少なくとも一部に支持されており、増強エリアを形成していない支持部の部分にはエアロゾル生成材料が支持されていない。
【0097】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、各増強エリアの全体は、エアロゾル生成材料を支持しており、増強エリアを形成していない支持部の部分にはエアロゾル生成材料が支持されていない。
【0098】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、各増強エリアの全体及び周囲ゾーン又は各増強エリアを囲む支持部の少なくとも一部は、エアロゾル生成材料を支持しており、増強エリアも周囲ゾーンも形成していない支持部の部分にはエアロゾル生成材料が支持されていない。
【0099】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、各増強エリアを囲む支持部の少なくとも一部は、増強エリアの周囲から1mm未満、2mm未満、3mm未満、4mm未満、5mm未満、6mm未満、8mm未満、又は10mm未満だけ延びているゾーンである。
【0100】
上記実施形態のいずれかの一実施形態においては、支持部の実質的に全体がエアロゾル生成材料を支持している。この背景において、支持部の実質的に全体は、1つ若しくは複数の増強エリアが支持部の一方の表面にのみ形成されている場合には当該表面の全体を表し、又は1つ若しくは複数の増強エリアが支持部の2つ以上の表面に形成されている場合にはこれら表面の全体を表すことが了解されるものとする。
【0101】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、エアロゾル生成材料は、エアロゾル生成ゲルを含む。
【0102】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、支持部は、第1及び第2の表面を有するシートを備え、少なくとも1つの増強エリアは、支持部の第1及び第2の表面の一方又は両方に配置され、エアロゾル生成材料は、(i)少なくとも1つの増強エリアの少なくとも一部と、(ii)他方の表面上の増強エリアの位置に位置的に対応する一方の表面の部分の少なくとも一部と、の一方又は両方に支持されている。
【0103】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、支持部は、第1及び第2の表面を有するシートを備え、少なくとも1つの増強エリアは、支持部の第1及び第2の表面それぞれに配置されている。
【0104】
上記実施形態のいずれかの一実施形態において、エアロゾル生成材料は、活性物質を含む。
【0105】
本明細書において使用する活性物質は、生理学的活性材料(生理学的反応の実現又は増強が意図される材料)であってもよい。活性物質は、例えば栄養補助食品、向精神薬、精神活性剤から選択されるようになっていてもよい。活性物質は、自然に存在するものであってもよいし、又は合成して得られるものであってもよい。活性物質は、例えばニコチン、カフェイン、タウリン、非カンナビノイド起源のテルペン、テイン、B6、B12、若しくはC等のビタミン類、メラトニン、カンナビノイド、又はこれらの構成物質、誘導体、若しくは組み合わせを含んでいてもよい。活性物質は、タバコ、大麻、又は別の植物の1つ又は複数の構成物質、誘導体、又は抽出物を含んでいてもよい。
【0106】
活性物質は、1つ又は複数のカンナビノイド又はテルペン等の大麻の1つ又は複数の構成物質、誘導体、又は抽出物を含んでいてもよい。
【0107】
いくつかの実施形態において、活性物質は、ニコチンを含む。いくつかの実施形態において、活性物質は、カフェイン、メラトニン、又はビタミンB12を含む。
【0108】
活性物質は、1つ若しくは複数の植物性物質若しくは構成物質、その誘導体若しくは抽出物を含んでいてもよいし、又はこれらに由来していてもよい。本明細書において、用語「植物性物質(botanical)」は、草木に由来する任意の材料を含んでいてもよく、抽出物、葉、樹皮、繊維、茎、根、種子、花、果実、花粉、殻、さや等が挙げられるが、これらに限定されない。或いは、この材料は、植物中に自然に存在し、合成して得られる活性化合物を含んでいてもよい。この材料は、液体、気体、固体、粉末、粉塵、粉砕粒子、顆粒、ペレット、細片、ストリップ、シート等の形態であってもよい。例示的な植物は、タバコ、ユーカリ、スターアニス、麻、ココア、大麻、ウイキョウ、レモングラス、ペパーミント、スペアミント、ルイボス、カモミール、亜麻、ジンジャー、イチョウ葉、ハシバミ、ハイビスカス、ローレル、リコリス(甘草)、抹茶、マテ、オレンジスキン、パパイヤ、ローズ、セージ、緑茶若しくは紅茶等の茶、タイム、クローブ、シナモン、コーヒー、アニシード(アニス)、バジル、ベイリーフ、カルダモン、コリアンダー、クミン、ナツメグ、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、ラベンダー、レモンピール、ミント、ジュニパー、ニワトコ、バニラ、ウィンターグリーン、シオガマギク、クルクマ、ターメリック、ビャクダン、シラントロ、ベルガモット、オレンジの花、ギンバイカ、カシス、バレリアン、ピメント、メース、ダミエン、マジョラム、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、カルビ、バーベナ、タラゴン、ゼラニウム、クワ、高麗人参、テアニン、テアクリン、マカ、アシュワガンダ、ダミアナ、ガラナ、クロロフィル、バオバブ、又はこれらの任意の組み合わせである。ミントは、Mentha Arventis、Mentha c.v.、Mentha niliaca、Mentha piperita、Mentha piperita citrata c.v.、Mentha piperita c.v、Mentha spicata crispa、Mentha cardifolia、Memtha longifolia、Mentha suaveolens variegata、Mentha pulegium、Mentha spicata c.v.、Mentha suaveolensといったミントの品種から選定可能である。
【0109】
いくつかの実施形態において、活性物質は、1つ若しくは複数の植物性物質若しくは構成物質、その誘導体若しくは抽出物を含むか、又は、これらに由来し、その植物はタバコである。
【0110】
いくつかの実施形態において、活性物質は、1つ若しくは複数の植物性物質若しくは構成物質、その誘導体若しくは抽出物を含むか、又は、これらに由来し、その植物は、ユーカリ、スターアニス、ココア、及び麻から選択される。
【0111】
いくつかの実施形態において、活性物質は、1つ若しくは複数の植物性物質若しくは構成物質、その誘導体若しくは抽出物を含むか、又は、これらに由来し、その植物は、ルイボス及びフェンネルから選択される。
【0112】
いくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料は、香料又は香味料を含む。
【0113】
本明細書において、用語「香料(flavour)」及び「香味料(flavourant)」は、地域の規制が許す場合に、大人の消費者向けの製品において所望の風味、香り、又は他の体感を生成するのに使用可能な材料を表す。これらには、自然に存在する香味材料、植物性物質、植物性物質の抽出物、合成して得られた材料、又はこれらの組み合わせ(例えば、タバコ、大麻、甘草(リコリス)、アジサイ、オイゲノール、ホオノキの葉、カモミール、フェヌグリーク、クローブ、メープル、抹茶、メンソール、ハッカ、アニシード(アニス)、シナモン、ターメリック、インドスパイス、アジアスパイス、ハーブ、ウィンターグリーン、チェリー、ベリー、レッドベリー、クランベリー、桃、りんご、オレンジ、マンゴー、クレメンティーン、レモン、ライム、熱帯フルーツ、パパイヤ、ダイオウ、ぶどう、ドリアン、ドラゴンフルーツ、キュウリ、ブルーベリー、マルベリー、柑橘類、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウィスキー、ジン、テキーラ、ラム、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、アロエベラ、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、チャット、ナスワール、キンマ、シーシャ、パイン、ハニーエッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、オレンジの花、桜の花、カッシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、ウイキョウ、ワサビ、ピーマン、ジンジャー、コリアンダー、コーヒー、麻、ハッカ属の任意種のミント油、ユーカリ、スターアニス、ココア、レモングラス、ルイボス、亜麻、イチョウ葉、ハシバミ、ハイビスカス、ローレル、マテ、オレンジスキン、ローズ、緑茶又は紅茶等の茶、タイム、ジュニパー、ニワトコ、バジル、ベイリーフ、クミン、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、レモンピール、ミント、シオガマギク、クルクマ、シラントロ、ギンバイカ、カシス、バレリアン、ピメント、メース、ダミエン、マジョラム、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、カルビ、バーベナ、タラゴン、リモネン、チモール、カンフェン)、香味強化剤、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容体部位活性化因子若しくは刺激因子、糖類及び/若しくは代替糖(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、チクロ、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、又はマンニトール)、並びにチャコール、クロロフィル、ミネラル、植物性物質、又は息清涼剤等の他の添加物を含む。これらは、模造品、合成若しくは天然成分、又はこれらの混合であってもよい。これらは、例えば油等の液体、粉末等の固体、又はゲル等、任意好適な形態であってもよい。
【0114】
いくつかの実施形態において、香料は、メンソール、スペアミント、及び/又はペパーミントを含む。いくつかの実施形態において、香料は、キュウリ、ブルーベリー、柑橘類、及び/又はレッドベリーの香味成分を含む。いくつかの実施形態において、香料は、オイゲノールを含む。いくつかの実施形態において、香料は、タバコから抽出された香味成分を含む。いくつかの実施形態において、香料は、大麻から抽出された香味成分を含む。
【0115】
いくつかの実施形態において、香料は、嗅覚神経又は味覚神経の追加又は代替として、通例化学的に誘導され、第5脳神経(三叉神経)の刺激によって知覚される体感の実現が意図される知覚物質を含んでいてもよく、これらには、加熱、冷却、うずき、麻痺効果をもたらす薬剤を含み得る。好適な熱効果剤は、バニリルエチルエーテルであってもよいが、これに限定されない。また、好適な冷却剤は、ユーカリプトール、WS-3であってもよいが、これらに限定されない。
【0116】
エアロゾル生成材料は、エアロゾル生成剤を含む。いくつかの実施形態において、エアロゾル生成剤は、エアロゾルを形成可能な1つ又は複数の構成物質を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、エアロゾル生成剤は、グリセロール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エリスリトール、メソ-エリスリトール、バニリン酸エチル、ラウリン酸エチル、ジエチル硫酸塩、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ジアセチン混合物、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸ベンジル、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリン酸、ミリスチン酸、及び炭酸プロピレンのうちの1つ又は複数を含んでいてもよい。特定の例において、エアロゾル生成剤は、グリセロールを含む。
【0117】
いくつかの実施形態において、エアロゾル生成剤は、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、及びグリセリン等の1つ若しくは複数の多価アルコール、グリセロールモノアセテート、ジアセテート、若しくはトリアセテート等の多価アルコールのエステル、並びに/又はジメチルドデカンジオエート及びジメチルテトラデカンジオエート等のモノカルボン酸、ジカルボン酸、若しくはポリカルボン酸の脂肪族エステルを含む。
【0118】
いくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料は、約0.1wt%、0.5wt%、1wt%、3wt%、5wt%、7wt%、又は10wt%~約50wt%、45wt%、40wt%、35wt%、30wt%、又は25wt%(すべて、乾燥重量ベースで計算)のエアロゾル生成剤を含んでいてもよい。エアロゾル生成剤は、可塑剤として作用し得る。例えば、エアロゾル生成材料は、0.5~40wt%、3~35wt%、又は10~25wt%のエアロゾル生成剤を含んでいてもよい。
【0119】
いくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料は、約5wt%、10wt%、20wt%、25wt%、27wt%、又は30wt%~約60wt%、55wt%、50wt%、45wt%、40wt%、又は35wt%のエアロゾル生成剤(DWB)を含んでいてもよい。例えば、エアロゾル生成材料は、10~60wt%、20~50wt%、25~40wt%、又は30~35wt%のエアロゾル生成剤を含んでいてもよい。
【0120】
いくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料は、約40~80wt%、40~75wt%、50~70wt%、又は55~65wt%等、最大約80wt%のエアロゾル生成剤(DWB)を含んでいてもよい。
【0121】
また、エアロゾル生成材料は、ゲル化剤を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、ゲル化剤は、親水コロイドを含む。いくつかの実施形態において、ゲル化剤は、アルギン酸塩、ペクチン、デンプン(及び、誘導体)、セルロース(及び、誘導体)、ガム、シリカ又はシリコーン化合物、粘土、ポリビニルアルコール、及びこれらの組み合わせを含む群から選択される1つ又は複数の化合物を含む。例えば、いくつかの実施形態において、ゲル化剤は、アルギン酸塩、ペクチン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、プルラン、キサンタンガム、グアーガム、カラギーナン、アガロース、アカシアガム、ヒュームドシリカ、PDMS、ケイ酸ナトリウム、カオリン、及びポリビニルアルコールのうちの1つ又は複数を含む。場合により、ゲル化剤は、アルギン酸塩及び/又はペクチンを含み、エアロゾル生成材料の形成時に、硬化剤(カルシウム源等)と組み合わされるようになっていてもよい。場合により、エアロゾル生成材料は、カルシウム架橋アルギン酸塩及び/又はカルシウム架橋ペクチンを含んでいてもよい。
【0122】
いくつかの実施形態において、ゲル化剤は、セルロースゲル化剤、非セルロースゲル化剤、グアーガム、アカシアガム、及びこれらの混合物から選択される1つ又は複数の化合物を含む。
【0123】
いくつかの実施形態において、セルロースゲル化剤は、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース、エチルセルロース、酢酸セルロース(CA)、酢酸酪酸セルロース(CAB)、酢酸プロピオン酸セルロース(CAP)、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される。
【0124】
いくつかの実施形態において、ゲル化剤は、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース、グアーガム、又はアカシアガムのうちの1つ又は複数を含む(又は、これらのうちの1つ又は複数である)。
【0125】
いくつかの実施形態において、ゲル化剤は、1つ又は複数の非セルロースゲル化剤を含み(又は、1つ若しくは複数の非セルロースゲル化剤であり)、寒天、キサンタンガム、アラビアガム、グアーガム、ローカストビーンガム、ペクチン、カラギーナン、デンプン、アルギン酸塩、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。好適な実施形態において、非セルロース系ゲル化剤は、アルギン酸塩又は寒天である。
【0126】
いくつかの実施形態において、ゲル化剤は、アルギン酸塩を含み、アルギン酸塩は、エアロゾル生成材料の10~30wt%(乾燥重量ベースで計算)の量でエアロゾル生成材料中に存在する。いくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料中に存在するゲル化剤は、アルギン酸塩のみである。他の実施形態において、ゲル化剤は、アルギン酸塩と、ペクチン等の少なくとも1つの別のゲル化剤と、を含む。
【0127】
いくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料は、約1wt%、5wt%、10wt%、15wt%、20wt%、又は25wt%~約60wt%、50wt%、45wt%、40wt%、又は35wt%(すべて、乾燥重量ベースで計算)のゲル化剤を含む。例えば、エアロゾル生成材料は、1~50wt%、5~45wt%、10~40wt%、又は20~35wt%のゲル化剤を含んでいてもよい。
【0128】
いくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料は、約20wt%、22wt%、24wt%、又は25wt%~約30wt%、32wt%、又は35wt%(すべて、乾燥重量ベースで計算)のゲル化剤を含む。例えば、エアロゾル生成材料は、20~35wt%又は25~30wt%のゲル化剤を含んでいてもよい。
【0129】
場合により、エアロゾル生成材料は、約1wt%、5wt%、10wt%、15wt%、又は20%~約60wt%、50wt%、40wt%、30wt%、又は25wt%のゲル化剤(DWB)を含んでいてもよい。例えば、エアロゾル生成材料は、10~40wt%、15~30wt%、又は20~25wt%のゲル化剤(DWB)を含んでいてもよい。
【0130】
例として、エアロゾル生成材料は、ゲル化剤及び充填剤を併せて、当該エアロゾル生成材料の約10wt%、20wt%、25wt%、30wt%、又は35%~約60wt%、55wt%、50wt%、又は45wt%の量で含む。例として、エアロゾル生成材料は、ゲル化剤及び充填剤を併せて、当該エアロゾル生成材料の約20~60wt%、25~55wt%、30~50wt%、又は35~45wt%の量で含む。
【0131】
例として、エアロゾル生成材料は、当該エアロゾル生成材料の約5wt%、10wt%、15wt%、20wt%、25wt%、30wt%、又は35%~約60wt%、55wt%、50wt%、又は45wt%の量でゲル化剤を含む(すなわち、充填剤の量を考慮に入れない)。例として、エアロゾル生成材料は、当該エアロゾル生成材料の約5~60wt%、20~60wt%、25~55wt%、30~50wt%、又は35~45wt%の量でゲル化剤を含む(すなわち、充填剤の量を考慮に入れない)。
【0132】
いくつかの例において、アルギン酸塩は、エアロゾル生成材料の約5~40wt%又は15~40wt%の量でゲル化剤に含まれている。すなわち、エアロゾル生成材料は、乾燥重量で当該エアロゾル生成材料の約5~40wt%又は15~40wt%の量でアルギン酸塩を含む。いくつかの例において、エアロゾル生成材料は、当該エアロゾル生成材料の約20~40wt%又は約15wt%~35wt%の量でアルギン酸塩を含む。
【0133】
いくつかの例において、ペクチンは、エアロゾル生成材料の約3~15wt%の量でゲル化剤に含まれている。すなわち、エアロゾル生成材料は、乾燥重量で当該エアロゾル生成材料の約3~15wt%の量でペクチンを含む。いくつかの例において、エアロゾル生成材料は、当該エアロゾル生成材料の約5~10wt%の量でペクチンを含む。
【0134】
いくつかの例において、グアーガムは、エアロゾル生成材料の約3~40wt%の量でゲル化剤に含まれている。すなわち、エアロゾル生成材料は、乾燥重量で当該エアロゾル生成材料の約3~40wt%の量でグアーガムを含む。いくつかの例において、エアロゾル生成材料は、当該エアロゾル生成材料の約5~10wt%の量でグアーガムを含む。いくつかの例において、エアロゾル生成材料は、当該エアロゾル生成材料の約15~40wt%、又は約20~40wt%、又は約15~35wt%の量でグアーガムを含む。
【0135】
例として、アルギン酸塩は、ゲル化剤の少なくとも約50wt%の量で存在する。例として、エアロゾル生成材料は、アルギン酸塩及びペクチンを含み、ペクチンに対するアルギン酸塩の比は、1:1~10:1である。ペクチンに対するアルギン酸塩の比は通常、1:1よりも大きい。すなわち、アルギン酸塩は、ペクチンの量よりも多く存在する。例として、ペクチンに対するアルギン酸塩の比は、約2:1~8:1、若しくは約3:1~6:1、又は約4:1である。
【0136】
エアロゾル生成材料は、(a)当該エアロゾル生成材料又はその前駆体の成分を含むスラリーを構成し、(b)スラリーの層を形成し、(c)スラリーを硬化させてゲルを構成し、(d)乾燥させてエアロゾル生成材料を構成することにより形成されるようになっていてもよい。
【0137】
(b)スラリーの層の形成は通常、スラリーの噴霧、成型、又は押し出しを含む。例として、スラリー層は、スラリーのエレクトロスプレーにより形成される。例として、スラリー層は、スラリーの成型により形成される。
【0138】
いくつかの例においては、(b)、及び/又は(c)、及び/又は(d)が少なくとも部分的に、(例えば、エレクトロスプレーにおいて)同時に発生する。いくつかの例においては、(b)、(c)、及び(d)が順次発生する。
【0139】
いくつかの例において、スラリーは、支持部に適用される。層が支持部上に形成されるようになっていてもよい。
【0140】
例として、スラリーは、ゲル化剤、エアロゾル形成材料、及び活性物質を含む。スラリーは、エアロゾル生成材料の組成に関する本明細書に記載の割合のいずれかにて、これらの成分を含んでいてもよい。例えば、スラリーは、(乾燥重量ベースで)
ゲル化剤及び任意選択としての充填剤(ゲル化剤及び充填剤の量を併せて、当該スラリーの約10~60wt%である)と、
当該スラリーの約40~80wt%の量のエアロゾル形成材料と、
任意選択として、当該スラリーの最大約20wt%の量の活性物質と、
を含んでいてもよい。
【0141】
ゲルの硬化(c)は、硬化剤をスラリーに供給することを含んでいてもよい。例えば、スラリーは、ゲル前駆体としてアルギン酸ナトリウム、カリウム、又はアンモニウムを含んでいてもよく、カルシウム源(塩化カルシウム等)を含む硬化剤のスラリーへの添加によって、アルギン酸カルシウムゲルを構成するようにしてもよい。
【0142】
例として、硬化剤は、酢酸カルシウム、ギ酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素カルシウム、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、若しくはこれらの組み合わせを含むか、又は、酢酸カルシウム、ギ酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素カルシウム、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、若しくはこれらの組み合わせから成る。いくつかの例において、硬化剤は、ギ酸カルシウム及び/若しくは乳酸カルシウムを含むか、又は、ギ酸カルシウム及び/若しくは乳酸カルシウムから成る。特定の例において、硬化剤は、ギ酸カルシウムを含むか、又は、ギ酸カルシウムから成る。本発明者らは、ギ酸カルシウムを硬化剤として採用した場合には通常、エアロゾル生成材料の引張り強度及び伸長抵抗が高くなることを確認した。
【0143】
カルシウム源等の硬化剤の総量は、0.5~5wt%(乾燥重量ベースで計算)であってもよい。好適には、総量が約1wt%、2.5wt%、又は4wt%~約4.8wt%又は4.5wt%であってもよい。本発明者らは、硬化剤の添加量が少な過ぎると、エアロゾル生成材料の成分が安定せず、これらの成分がエアロゾル生成材料から脱落する可能性があることを見出した。また、本発明者らは、硬化剤の添加量が多過ぎると、エアロゾル生成材料の粘着性が非常に高くなる結果、取り扱いが困難になることを見出した。
【0144】
エアロゾル生成材料がタバコを含まない場合は、より多くの硬化剤を適用することが必要となり得る。したがって、場合により、硬化剤の総量は、乾燥重量ベースで計算して、0.5~12wt%(5~10wt%等)であってもよい。好適には、総量が約5wt%、6wt%、又は7wt%~約12wt%又は10wt%であってもよい。この場合、エアロゾル生成材料は一般的に、タバコを一切含まないことになる。
【0145】
一例として、硬化剤のスラリーへの供給は、スラリーの上面等、スラリーへの硬化剤の噴霧を含む。
【0146】
アルギン酸塩はアルギン酸の誘導体であり、通常は高分子量ポリマー(10~600kDa)である。アルギン酸は、β-D-マンヌロン酸(M)及びα-L-グルロン酸(G)単位(ブロック)が(1,4)-グリコシド結合により一体化されて多糖類を構成する共重合体である。カルシウムカチオンを加えると、アルギン酸塩は架橋してゲルを構成する。G単量体含有量が多いアルギン酸塩は、カルシウム源の添加によって、より容易にゲルを構成することが分かっている。したがって、場合により、ゲル前駆体は、アルギン酸共重合体中のモノマー単位の少なくとも約40%、45%、50%、55%、60%、又は70%がα-L-グルクロン酸(G)単位であるアルギン酸塩を含んでいてもよい。
【0147】
例としては、乾燥(d)によって、スラリー中の約50wt%、60wt%、70wt%、80wt%、又は90wt%~約80wt%、90wt%、又は95wt%(WWB)の水が除去される。例としては、乾燥(d)によって、成型材料の厚さが少なくとも80%、好適には85%又は87%だけ減少する。例えば、スラリーは、2mmの厚さで成型され、結果としての乾燥エアロゾル生成材料は、0.2mmの厚さを有する。
【0148】
いくつかの例において、スラリー溶媒は、水から本質的に成るか、又は、水から成る。いくつかの例において、スラリーは、約50wt%、60wt%、70wt%、80wt%、又は90wt%の溶媒を含む(WWB)。
【0149】
溶媒が水から成る例において、スラリーの乾燥重量含有量は、エアロゾル生成材料の乾燥重量含有量に一致していてもよい。これにより、固体成分に関する本明細書の議論は、本発明のスラリーの態様との組み合わせで明確に開示される。
【0150】
エアロゾル生成材料は、香料を含んでいてもよい。エアロゾル生成材料は、最大約80wt%、70wt%、60wt%、55wt%、50wt%、又は45wt%の香料を含んでいてもよい。場合により、エアロゾル生成材料は、少なくとも約0.1wt%、1wt%、10wt%、20wt%、30wt%、35wt%、又は40wt%(すべて、乾燥重量ベースで計算)の香料を含んでいてもよい。例えば、エアロゾル生成材料は、1~80wt%、10~80wt%、20~70wt%、30~60wt%、35~55wt%、又は30~45wt%の香料を含んでいてもよい。場合により、香料は、メンソールを含むか、メンソールから本質的に成るか、又はメンソールから成る。
【0151】
エアロゾル生成材料は、充填剤を含んでいてもよい。
【0152】
いくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料は、1wt%~60wt%、又は5wt%~50wt%、又は5wt%~30wt%、又は10wt%~20wt%等、60wt%未満の充填剤を含む。
【0153】
他の実施形態において、エアロゾル生成材料は、20wt%未満、好適には10wt%未満又は5wt%未満の充填剤を含む。場合により、エアロゾル生成材料は、1wt%未満の充填剤を含み、場合によっては充填剤を含まない。
【0154】
場合によっては、エアロゾル生成材料が少なくとも1wt%の充填剤(例えば、少なくとも5wt%、少なくとも10wt%、少なくとも20wt%、少なくとも30wt%、少なくとも40wt%、又は少なくとも50wt%の充填剤)を含む。いくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料は、5~25wt%の充填剤を含む。
【0155】
充填剤は、存在する場合、炭酸カルシウム、パーライト、バーミキュライト、珪藻土、コロイド状シリカ、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、及び分子篩等の好適な無機吸着剤のような1つ又は複数の無機充填材料を含み得る。充填剤は、木材パルプ、セルロース、及びセルロース誘導体(例えば、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、及びカルボキシメチルセルロース(CMC))等の1つ又は複数の有機充填材料を含んでいてもよい。特定の場合に、エアロゾル生成材料は、チョーク等の炭酸カルシウムを含まない。
【0156】
充填剤を含む特定の実施形態において、充填剤は、繊維質である。例えば、充填剤は、木材パルプ、麻繊維、セルロース、又はセルロース誘導体(例えば、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、及びカルボキシメチルセルロース(CMC))等の繊維質有機充填材料であってもよい。
【0157】
理論に縛られることなく、繊維質の充填剤をエアロゾル生成材料に含む場合は、材料の引張り強度が高くなり得ると考えられる。これは、エアロゾル生成材料シートがエアロゾル化可能材料のロッドの境界を定める場合等、エアロゾル生成材料がシートとして提供される例において特に好都合となり得る。
【0158】
いくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料は、タバコ繊維を含まない。特定の実施形態において、エアロゾル生成材料には、繊維質材料を含まない。
【0159】
エアロゾル生成材料は、1つ又は複数の活性物質及び/又は香料、1つ又は複数のエアロゾル形成材料、並びに任意選択として、1つ又は複数の他の機能材料を含んでいてもよい。
【0160】
また、いくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料は、活性物質を追加で含む。例えば、場合により、エアロゾル生成材料は、タバコ材料及び/又はニチコンを追加で含む。いくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料は、粉末状タバコ、及び/又はニコチン、及び/又はタバコ抽出物を含む。
【0161】
場合により、エアロゾル生成材料は、5~60wt%(乾燥重量ベースで計算)のタバコ材料及び/又はニコチンを含んでいてもよい。場合により、エアロゾル生成材料は、約1wt%、5wt%、10wt%、15wt%、20wt%、又は25wt%~約70wt%、60wt%、50wt%、45wt%、40wt%、35wt%、又は30wt%(乾燥重量ベースで計算)の活性物質を含んでいてもよい。場合により、エアロゾル生成材料は、約1wt%、5wt%、10wt%、15wt%、20wt%、又は25wt%~約70wt%、60wt%、50wt%、45wt%、40wt%、35wt%、又は30wt%(乾燥重量ベースで計算)のタバコ材料を含んでいてもよい。例えば、エアロゾル生成材料は、10~50wt%、15~40wt%、又は20~35wt%のタバコ材料を含んでいてもよい。場合により、エアロゾル生成材料は、約1wt%、2wt%、3wt%、又は4wt%~約20wt%、18wt%、15wt%、又は12wt%(乾燥重量ベースで計算)のニコチンを含んでいてもよい。例えば、エアロゾル生成材料は、1~20wt%、2~18wt%、又は3~12wt%のニコチンを含んでいてもよい。
【0162】
場合により、エアロゾル生成材料は、タバコ抽出物等の活性物質を含む。場合により、エアロゾル生成材料は、5~60wt%(乾燥重量ベースで計算)のタバコ抽出物を含んでいてもよい。場合により、エアロゾル生成材料は、約5wt%、10wt%、15wt%、20wt%、又は25wt%~約60wt%、50wt%、45wt%、40wt%、35wt%、又は30wt%(乾燥重量ベースで計算)のタバコ抽出物を含んでいてもよい。例えば、エアロゾル生成材料は、10~50wt%、15~40wt%、又は20~35wt%のタバコ抽出物を含んでいてもよい。タバコ抽出物は、エアロゾル生成材料が1wt%、1.5wt%、2wt%、又は2.5wt%~約6wt%、5wt%、4.5wt%、又は4wt%(乾燥重量ベースで計算)のニコチンを含むような濃度でニコチンを含んでいてもよい。場合によっては、タバコ抽出物からのニコチン以外、エアロゾル生成材料中にニコチンが存在していなくてもよい。
【0163】
いくつかの実施形態においては、エアロゾル生成材料がタバコ材料を含まず、ニコチンを含む。場合により、エアロゾル生成材料は、約1wt%、2wt%、3wt%、又は4wt%~約20wt%、18wt%、15wt%、又は12wt%(乾燥重量ベースで計算)のニコチンを含んでいてもよい。例えば、エアロゾル生成材料は、1~20wt%、2~18wt%、又は3~12wt%のニコチンを含んでいてもよい。
【0164】
場合により、活性物質及び/又は香料の総含有量は、少なくとも約0.1wt%、1wt%、5wt%、10wt%、20wt%、25wt%、又は30wt%であってもよい。場合により、活性物質及び/又は香料の総含有量は、約90wt%、80wt%、70wt%、60wt%、50wt%、又は40wt%未満(すべて、乾燥重量ベースで計算)であってもよい。場合により、タバコ材料、ニコチン、及び香料の総含有量は、少なくとも約0.1wt%、1wt%、5wt%、10wt%、20wt%、25wt%、又は30wt%であってもよい。場合により、活性物質及び/又は香料の総含有量は、約90wt%、80wt%、70wt%、60wt%、50wt%、又は40wt%未満(すべて、乾燥重量ベースで計算)であってもよい。
【0165】
エアロゾル生成組成物は、1つ又は複数の活性物質を含んでいてもよい。いくつかの例において、エアロゾル生成材料は、1つ又は複数の活性物質(例えば、当該エアロゾル生成材料の最大約20wt%)を含む。例として、エアロゾル生成材料は、当該エアロゾル生成材料の約1wt%、5wt%、10wt%、又は15%~約20wt%、15wt%、15wt%、又は5wt%の量で活性物質を含む。
【0166】
活性物質は、生理学的及び/又は嗅覚的反応を実現するため、エアロゾル生成組成物に含まれる生理学的及び/又は嗅覚的活性物質を含んでいてもよい。
【0167】
タバコ材料は、約50~95wt%、又は約60~90wt%、又は約70~90wt%、又は約75~85wt%の量でエアロゾル生成組成物中に存在していてもよい。
【0168】
タバコ材料は、如何なる形態で存在していてもよいが、通常は細切り(例えば、切断による細片)である。細切タバコ材料は、エアロゾル生成材料との混合により、全体にタバコ材料及びエアロゾル生成材料が一様に分散したエアロゾル生成組成物を提供し得るため都合が良い。
【0169】
例として、タバコ材料は、挽きタバコ、タバコ繊維、刻みタバコ、押出タバコ、タバコステム、再生タバコ、及び/又はタバコ抽出物のうちの1つ又は複数を含む。驚くべきことに、本発明者らは、比較的大量のラミナタバコをエアロゾル生成組成物において使用可能であり、不燃性エアロゾル供給システムにより加熱された場合でも依然として、許容範囲のエアロゾルを提供可能であることを確認した。ラミナタバコは通常、優れた感覚特性をもたらす。例として、タバコ材料は、当該タバコ材料の少なくとも約50wt%、60wt%、70wt%、80wt%、85wt%、90wt%、又は95wt%の量でラミナタバコを含む。特定の例において、タバコ材料は、当該タバコ材料の少なくとも約50wt%、60wt%、70wt%、80wt%、85wt%、90wt%、又は95wt%の量で刻みタバコを含む。
【0170】
タバコ材料の生成に用いられるタバコは、単一のグレード若しくはブレンド、カットラグ若しくはホールリーフ等の任意の好適なタバコであってもよく、Virginia、及び/又はBurley、及び/又はOrientalを含む。
【0171】
いくつかの実施形態において、1つ又は複数の他の機能材料は、pH調整剤、着色剤、防腐剤、バインダ、充填剤、安定剤、及び/又は酸化防止剤のうちの1つ又は複数を含んでいてもよい。
【0172】
場合により、エアロゾル生成材料は、製造時に溶融香料を乳化する乳化剤を追加で含んでいてもよい。例えば、エアロゾル生成材料は、約5wt%~約15wt%、好適には約10wt%(乾燥重量ベースで計算)の乳化剤を含んでいてもよい。乳化剤は、アカシアガムを含んでいてもよい。
【0173】
いくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料は、ヒドロゲルであり、湿重量ベースで計算して約20wt%未満の水を含む。場合により、ヒドロゲルは、湿重量ベースで計算して約15wt%、12wt%、又は10wt%未満の水を含んでいてもよい。場合により、ヒドロゲルは、少なくとも約1wt%、2wt%、又は少なくとも約5wt%の水を含んでいてもよい(WWB)。
【0174】
エアロゾル生成材料は、1wt%~15wt%等、任意好適な含水量であってもよい。好適には、エアロゾル生成材料の含水量が約5wt%、7wt%、又は9wt%~約15wt%、13wt%、又は11wt%(WWB)、最も好適には約10wt%である。エアロゾル生成材料の含水量は、例えばKarl-Fischer滴定又はGas Chromatography with Thermal Conductivity Detector(GC-TCD)によって決まり得る。
【0175】
場合により、エアロゾル生成材料は、ゲル化剤、水、エアロゾル生成剤、香料、及び任意選択としての活性物質から本質的に成っていてもよいし、又はこれらの材料から成っていてもよい。
【0176】
場合により、エアロゾル生成材料は、ゲル化剤、水、エアロゾル生成剤、香料、並びに任意選択としてのタバコ材料及び/若しくはニコチン源から本質的に成っていてもよいし、又はこれらの材料から成っていてもよい。
【0177】
例として、エアロゾル生成材料は、ゲル化剤、エアロゾル生成剤、活性物質、及び水から本質的に成っていてもよいし、又はこれらの材料から成っていてもよい。例として、エアロゾル生成材料は、ゲル化剤、エアロゾル生成剤、及び水から本質的に成っていてもよいし、又はこれらの材料から成っていてもよい。
【0178】
例として、エアロゾル生成材料は、香味料を含まない、特定の例において、エアロゾル生成材料は、活性物質を含まない。
【0179】
いくつかの実施形態において、上記エアロゾル生成材料は、
1~60wt%のゲル化剤と、
0.1~50wt%のエアロゾル生成剤と、
0.1~80wt%の香料と、
を含み、
これらの重量が、乾燥重量ベースで計算されている、エアロゾル生成材料を含む。
【0180】
いくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料は、1~80wt%(乾燥重量ベース)の香料を含む。
【0181】
いくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料は、
1~50wt%のゲル化剤と、
0.1~50wt%のエアロゾル生成剤と、
30~60wt%の香料と、
を含み、
これらの重量は、乾燥重量ベースで計算されている。
【0182】
代替実施形態において、エアロゾル生成材料は、
1~60wt%のゲル化剤と、
5~60wt%のエアロゾル生成剤と、
10~60wt%のゲル化剤と、
を含み、
これらの重量は、乾燥重量ベースで計算されている。
【0183】
いくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料は、
1~60wt%のゲル化剤と、
20~60wt%のエアロゾル生成剤と、
10~60wt%のタバコ抽出物と、
を含み、
これらの重量は、乾燥重量ベースで計算されている。
【0184】
いくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料は、20~35wt%のゲル化剤と、10~25wt%のエアロゾル形成材料と、5~25wt%の繊維含有充填剤と、35~50wt%の香味料及び/又は活性物質と、を含む。
【0185】
場合により、エアロゾル生成材料は、ゲル化剤、エアロゾル生成剤、タバコ抽出物、水、及び任意選択としての香料から本質的に成っていてもよいし、又はこれらの材料から成っていてもよい。場合により、エアロゾル生成材料は、グリセロール、アルギン酸塩及び/若しくはペクチン、タバコ抽出物、並びに水から本質的に成っていてもよいし、又はこれらの材料から成っていてもよい。
【0186】
いくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料は、以下のような組成物(DWB)、すなわち、約5wt%~約40wt%、又は約10wt%~30wt%、又は約15wt%~約25wt%の量のゲル化剤(アルギン酸塩を含むのが好ましい)と、約30wt%~約60wt%、又は約40wt%~55wt%、又は約45wt%~約50wt%の量のタバコ抽出物と、約10wt%~約50wt%、又は約20wt%~約40wt%、又は約25wt%~約35wt%(DWB)の量のエアロゾル生成剤(グリセロールを含むのが好ましい)と、を有していてもよい。
【0187】
一実施形態において、エアロゾル生成材料は、約20wt%のアルギン酸ゲル化剤と、約48wt%のVirginiaタバコ抽出物と、約32wt%のグリセロールと、を含む(DWB)。
【0188】
エアロゾル生成材料の「厚さ」は、第1の表面と第2の表面との間の最短距離を表す。エアロゾル生成材料がシートの形態の実施形態において、エアロゾル生成材料の厚さは、シートの第1の平面とシートの第1の平面の反対のシートの第2の表面との間の最短距離である。
【0189】
場合により、エアロゾル形成用エアロゾル生成材料層の厚さは、約0.015mm~約1.5mm、好適には約0.05mm~約1.5mm又は0.05mm~約1.0mmである。好適には、厚さが約0.1mm又は0.15mm~約1.0mm、0.5mm、又は0.3mmの範囲であってもよい。
【0190】
場合により、エアロゾル生成材料は、約0.015mm~約1.0mmの厚さを有していてもよい。好適には、厚さが約0.05mm、0.1mm、又は0.15mm~約0.5mm又は0.3mmの範囲であってもよい。
【0191】
厚さ0.2mmの材料が特に好適である。エアロゾル生成材料は、2つ以上の層を備えていてもよく、本明細書に記載の厚さは、これらの層の合計厚さを表す。
【0192】
エアロゾル生成材料が厚過ぎると、加熱効率が落ちてしまうことが分かっている。これは、使用時の電力消費に悪影響を及ぼす。逆に、エアロゾル生成材料が薄過ぎると、製造及び取り扱いが困難になる。材料が非常に薄くなると、成型がより困難で脆弱になる可能性もあり、使用時のエアロゾル形成が損なわれる。
【0193】
本明細書に規定の厚さは、材料の平均厚さである。場合により、エアロゾル生成材料の厚さは、25%、20%、15%、10%、5%、又は1%以下の変動を伴い得る。
【0194】
いくつかの例において、シート形態のエアロゾル生成材料は、200N/m前後~900N/m前後の引張り強度を有していてもよい。エアロゾル生成材料が充填剤を含まないようないくつかの例において、エアロゾル生成材料は、200N/m~400N/m、又は200N/m~300N/m、又は約250N/mの引張り強度を有していてもよい。
【0195】
このような引張り強度は、エアロゾル生成材料がシートとして形成された後、細断され、エアロゾル生成物品に組み込まれる実施形態に特に好適と考えられる。エアロゾル生成材料が充填剤を含むようないくつかの例において、エアロゾル生成材料は、600N/m~900N/m、又は700N/m~900N/m、又は800N/m前後の引張り強度を有していてもよい。このような引張り強度は、好適にはチューブの形態のロールシートとしてエアロゾル生成材料がエアロゾル生成物品/アセンブリに含まれる実施形態に特に好適と考えられる。
【0196】
いくつかの例において、シート形態のエアロゾル生成材料は、200N/m前後~2600N/m前後の引張り強度を有していてもよい。いくつかの例において、エアロゾル生成材料は、600N/m前後~2000N/m、又は700N/m~1500N/m、又は1000N/m前後の引張り強度を有していてもよい。このような引張り強度は、エアロゾル生成材料を含むエアロゾル生成材料が形成され、シートとしてエアロゾル生成消耗品に組み込まれる実施形態に特に好適と考えられる。
【0197】
エアロゾル生成材料を含むエアロゾル生成材料は、30g/m2~120g/m2等の任意好適な面密度を有していてもよい。場合により、シートの単位面積当たりの質量は、80~120g/m2、又は約70~110g/m2、又は、特に、約90~110g/m2、又は、好適には約100g/m2であってもよい(これにより、刻みラグタバコと同様の密度を有し、これらの物質の混合物は容易に分離しなくなる)。場合により、シートの単位面積当たりの質量は、約30~70g/m2、40~60g/m2、又は25~60g/m2であってもよく、また、タバコ等のエアロゾル化可能材料を包むために使用されるようになっていてもよい。
【0198】
本明細書に記載のすべての重量パーセント(wt%と表記)は、別段の明示的な記述のない限り、乾燥重量基準で計算したものである。また、すべての重量比についても、乾燥重量基準で計算したものである。乾燥重量基準で引用する重量は、水分以外の抽出物、又はスラリー、又は材料の全体を表し、グリセロール等、室温及び室内圧力ではそれ自体が液体である成分を含み得る。これに対して、湿重量基準で引用する重量パーセントは、水分を含むすべての成分を表す。
【0199】
エアロゾル生成材料は、着色料を含んでいてもよい。着色料の添加によって、エアロゾル生成材料の視覚的外観が変えることができる。エアロゾル生成材料に着色料が存在すると、エアロゾル生成材料の視覚的外観が向上し得る。着色料をエアロゾル生成材料に添加することにより、エアロゾル生成材料は、当該エアロゾル生成材料の他のコンポーネント又は当該エアロゾル生成材料を含む物品の他のコンポーネントに色が整合し得る。
【0200】
エアロゾル生成材料の望ましい色に応じて、多様な着色料が用いられるようになっていてもよい。エアロゾル生成材料の色は、例えば白色、緑色、赤色、紫色、青色、茶色、又は黒色であってもよい。他の色も考えられる。天然又は合成染料、食品グレードの着色料及び医薬品グレードの着色料等、天然又は合成着色料が用いられるようになっていてもよい。特定の実施形態においては、着色料がカラメルであり、エアロゾル生成材料に茶色の外観を与えることができる。このような実施形態において、エアロゾル生成材料の色は、当該エアロゾル生成材料の他のコンポーネント(タバコ材料等)の色に類似していてもよい。いくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料に着色料を添加すると、エアロゾル生成材料中の他の成分と視覚的に区別できなくなる。
【0201】
着色料は、エアロゾル生成材料の形成時(例えば、エアロゾル生成材料を構成する材料を含むスラリーの形成時)に組み込まれるようになっていてもよいし、又はエアロゾル生成材料の形成後に(例えば、エアロゾル生成材料への噴霧により)適用されるようになっていてもよい。
【0202】
上記実施形態のいずれかのいくつかの実施形態においては、エアロゾル生成材料の少なくとも1つの離散部の露出面にタルク粉末、炭酸カルシウム粉末、又は他の粉末が適用される。これにより、エアロゾル生成材料の粘着性又は接着性のレベルが低下し得る。
【0203】
以下、添付の図面に関する議論において、2つ以上の実施形態に同じ要素が存在する場合は、全体を通して当該要素に同じ参照番号を使用し、類似要素が存在する場合は、類似する参照番号(同じ数字に100の倍数を加えたもの)を使用する。
【0204】
図1を参照して、エアロゾル供給デバイス2は、加熱アセンブリ6が内部に配置されているケーシング4を備える。加熱アセンブリ6は、加熱チャンバ8及び加熱器10で構成されている。加熱器10としては、電気抵抗加熱器又はサセプタとともに使用する磁場生成器が可能である。
【0205】
加熱チャンバ8は、当該加熱チャンバ8の第1の端部に開口又は口部12を規定する。加熱チャンバ8の反対端には、開口部14がある。開口部14は、導管18を介してマウスピース16と流体連通している。
【0206】
また、ケーシング4内には、加熱器10と電子的に連通してその機能を制御するコントローラ20が配置されている。コントローラ20は、加熱器10の動作に関する1つ又は複数のテーブルが格納され得るメモリ(図示せず)を具備していてもよい。加熱器10及びコントローラ20は、電源22により給電される。電源22は、充電式バッテリである。他の実施形態において、電源は、他の適当な電力源であってもよい。
【0207】
エアロゾル生成デバイス2は、消耗品24との併用に適している。消耗品24は、当該消耗品24の第1の表面28に1つ又は複数のエアロゾル生成材料離散部32が支持されている。エアロゾル生成材料離散部32は、正方形格子パターンにて表面28に支持されている。消耗品24の図示しない他の実施形態では、単一のエアロゾル生成材料部32を含めて、
図1に示すよりも多いエアロゾル生成材料離散部32を含んでいてもよいし、又は
図1に示すよりも少ないエアロゾル生成材料離散部32を含んでいてもよく、これらの部分は、表面28上で如何なるパターンにて分布していてもよい。エアロゾル生成材料離散部32は、
図1においては略円形状を有するように示しているが、他の実施形態においては他の形状であってもよい。消耗品24の生成又は製造方法の例については後述する。
【0208】
図2を参照して、消耗品24の製造を開始するため、支持部30が用意される。支持部30は、長手方向に延びる材料シートを備え、図示の実施形態においては、支持部30は、ボール紙シート34である。図示していない他の実施形態において、この材料は、別の好適な材料(例えば、紙、ボール紙、板紙、厚紙、再生材料、プラスチック材料、セラミック材料、複合材、又はガラス)であってもよい。
図2に示すような支持部30の長さ及び幅は、説明を目的としているに過ぎない。支持部30は、本開示の範囲から逸脱することなく、異なる長さ及び幅を有していてもよい。
【0209】
ボール紙34は、2つの主面(第1の表面36及び第2の表面38)を有する。第1及び第2の表面36、38間の距離が厚さtである。
【0210】
支持部30の第1の表面36は、第1及び第2の増強エリア40A、40Bを有するものと指定されている。
【0211】
図3を参照して、支持部30は、雄型及び雌型(図示せず)によるエンボス加工によって、増強エリア40A、40Bを横切って延びる複数の平行山部42(明瞭化のため、そのうちの2つだけに番号付与している)を構成する。雄型及び雌型はそれぞれ、支持部30の第2の面38及び第1の面36に隣り合って配置されている。金型は、その雄型及び雌型のプロファイルが互いに一致するように配向させた後、互いに押し付けることによって、支持部30のエンボス加工/山部42の形成を行っている。
【0212】
山部42を支持部30に形成することにより、エンボス加工されていない支持部30と比較して、増強エリア40A、40Bの剛性又は少なくとも(
図2に示す)Y軸周りの耐曲げ性が向上する。
【0213】
図4を参照して、支持部30のエンボス加工の後は、異なるエアロゾル生成材料部32A、32Bが増強エリア40A、40Bに適用される。エアロゾル生成材料32A、32Bは、増強エリア40A、40B及び山部42の全体を覆う。山部42は、支持部30に対するエアロゾル生成材料の付着に役立つ。増強エリア40A、40Bを除いて、エアロゾル生成材料は支持部30に適用されない。
【0214】
図2~
図4に示す本開示の実施形態において、エアロゾル生成材料32A、32Bの部分は、スラリーの形態で増強エリア40A、40Bに適用される。支持部30及びエアロゾル生成材料部32A、32Bが消耗品24として機能し得るようになるには、増強エリア40A、40Bに適用されたスラリーを乾燥又は乾燥させ得る必要がある。支持部30及びエアロゾル生成材料部32A、32Bは単に、時間とともに乾燥させることも可能であるが、このような手法では、媒体及びエアロゾル生成材料部32、232、332の生成が非効率となる可能性がある。したがって、エアロゾル生成材料スラリーを乾燥させる既知の方法によりエアロゾル生成材料部32A、32Bを乾燥可能である。
【0215】
乾燥したら、消耗品24の使用により、エアロゾル供給デバイス2を用いてエアロゾルを生成可能である。
【0216】
本開示の図示していない代替例において、支持部30のエンボス加工は、雄型及び雌型により実行可能であり、少なくとも雌型が加熱され、エアロゾル生成材料のシートが少なくとも増強エリア40A、40Bにおいて、支持部30の表面36を覆う。雌型の加熱により、金型の構成の結果として山部42が形成されるのと同時に、増強エリア40A、40Bを覆うエアロゾル生成材料シートの部分が支持部30の表面36に付着する。その後、増強エリア40A、40Bに付着していないエアロゾル生成材料シートを支持部30の表面36から除去可能である。
【0217】
図5を参照して、消耗品124を製造する本開示の方法の第2の実施形態においては、
図2の支持部30の第1の表面36にサセプタ材料の層44が載せられている。サセプタ層44は、金属箔又は膜(例えば、アルミニウム箔又は膜)である。サセプタ層は、適当な固定材料(図示せず)によって、支持部30に可逆的に固定される。
【0218】
図示しないキスカッターによって、サセプタ層44に閉切断線46A、46Bが切り込まれる。閉切断線46A、46Bは、増強エリア40A、40Bの外周と一致する。図示していない他の実施形態において、閉切断線46A、46Bは、増強エリア40A、40Bの外周の内側にある。
【0219】
図6を参照して、閉切断線46A、46Bが形成されたら、閉切断線46A、46Bの外側にあるサセプタ層44の部分が支持部30から除去されることにより、増強エリア40A、40Bを覆う第1及び第2のサセプタ部44A、44Bが支持部30上に残る。
【0220】
図7を参照して、次に、異なるエアロゾル生成材料部32A、32Bがサセプタ部44A、44B及び周囲ゾーン又はエリア48A、48Bに適用される。周囲ゾーン48A、48Bは、増強エリア40A、40Bの周囲に延びる第1の表面36のゾーンである。したがって、エアロゾル生成材料32A、32Bは、増強エリア40A、40Bに対向していないサセプタ部44A、44Bの表面をすべて覆う。本開示のいくつかの例において、ゾーン48A、48Bはそれぞれ、増強エリア40A、40Bの周囲から1mm未満、2mm未満、3mm未満、4mm未満、5mm未満、6mm未満、8mm未満、又は10mm未満だけ延びている。
【0221】
図8を参照して、この図は、支持部30及びサセプタ部44A、44Bの使用の代替例を示している。本例においては、エアロゾル生成材料32が第1の表面36及びサセプタ部44A、44Bの全体に適用されている。エアロゾル生成材料32は、転写ホイール(図示せず)によって、第1の表面36及びサセプタ部44A、44Bに適用されている。
【0222】
図7及び
図8においては、
図2~
図4との関連で論じたエアロゾル生成材料の適用と同様に、エアロゾル生成材料部32A、32B/32がスラリーの形態で、サセプタ部44A、44B及びゾーン48A、48B/第1の表面36及びサセプタ部44A、44Bに適用される。エアロゾル生成材料部32A、32B/32のスラリーが乾燥したら、消耗品124の使用により、エアロゾル供給デバイス2を用いてエアロゾルを生成可能である。
【0223】
消耗品124のサセプタ部44A、44Bは、消耗品と併用するエアロゾル供給デバイス2の性質に応じて、当該消耗品24において異なる機能を有する。
【0224】
エアロゾル供給デバイス2が誘導加熱によって消耗品124を加熱するものである場合は、エアロゾル生成器10が磁場生成器であり、サセプタ部44A、44Bは、磁場生成器からの磁場により加熱されるサセプタである。そして、この熱により、エアロゾル生成材料部32A、32Bがエアロゾルを生成する。
【0225】
エアロゾル供給デバイス2が抵抗加熱によって消耗品124を加熱するものである場合は、エアロゾル生成器10が抵抗加熱器であり、サセプタ部44A、44Bは、増強エリア40A、40Bを横切って熱エネルギーを伝導することにより、増強エリア40A、40Bの熱伝達率を高くする。
【0226】
図9を参照して、消耗品224を製造する本開示の方法の第3の実施形態においては、
図2の支持部30の増強エリア40A、40Bに増厚要素50A、50Bが適用されている。増厚要素50A、50Bは、不活性材料により形成され、
図9に示す例においては、増強エリア40A、40Bの全体で一様の厚さではない。図示していない他の例において、増厚要素50A、50Bは、増強エリア40A、40Bの全部又は一部において一様の厚さである。増厚要素50A、50Bの不活性材料は、消耗品224が使用される温度において不活性であり、例えば木質繊維のマトリックス及び好適なバインダにより形成されていてもよい。
【0227】
図9及び
図10を参照して、増厚要素50A、50Bは、支持部30に対向していない表面52A、52Bを有する。増厚要素50A、50Bの表面52A、52Bには、適当な固定手段によって、サセプタ材料部54A、54Bが取り付けられている。サセプタ部54A、54Bは、金属箔又は膜(例えば、アルミニウム箔又は膜)により形成されている。
【0228】
図10及び
図11を参照して、サセプタ部54A、54Bは、裏当てシート56に取り付けられた状態で異なる形状(それぞれ三角形及び矩形)に切断されたものである。サセプタ部54A、54Bは、それぞれの裏当てシート56から分離され、表面52A、52Bにそれぞれ取り付けられる。
【0229】
図12を参照して、次に、異なるエアロゾル生成材料部132A、132Bがサセプタ部54A、54B並びにサセプタ部54A、54Bを囲む増厚要素50A、50Bの表面52A、52Bの部分に適用される。したがって、エアロゾル生成材料132A、132Bは、増厚要素50A、50Bの表面52A、52Bに対向していないサセプタ部54A、54Bの表面の全体を覆う。
【0230】
エアロゾル生成材料部132A、132Bは、上記
図2~
図4との関連で論じたエアロゾル生成材料の適用と同様に、サセプタ部54A、54B及び増厚要素50A、50Bの表面52A、52Bの一部にスラリーの形態で適用される。エアロゾル生成材料部132A、132Bのスラリーが乾燥したら、消耗品224の使用により、エアロゾル供給デバイス2を用いてエアロゾルを生成可能である。
【0231】
図13及び
図14を参照して、消耗品324を製造する本開示の方法の第4の実施形態においては、支持部130が用意される。支持部130は、長手方向に延びる材料シートを備え、図示の実施形態においては、ボール紙シートである。図示していない他の実施形態において、この材料は、別の好適な材料(例えば、紙、ボール紙、板紙、厚紙、再生材料、プラスチック材料、セラミック材料、複合材、又はガラス)であってもよい。
図13及び
図14に示すような支持部130の長さ及び幅は、説明を目的としているに過ぎない。支持部130は、本開示の範囲から逸脱することなく、異なる長さ及び幅を有していてもよい。
【0232】
支持部130は、2つの主面(第1の表面36及び第2の表面38)を有する。
【0233】
支持部130の第1の表面36は、第1及び第2の増強エリア140A、140Bを有するものと指定されている。支持部130の第2の表面38は、第3及び第4の増強エリア140C、140Dを有するものと指定されている。第1及び第3の増強エリア140A、140Cは、支持部130の第1及び第2の面36、38の同じ位置に配置されているため、互いに対応する。同様に、第2及び第4の増強エリア140B、140Dは、支持部130の第1及び第2の面36、38の同じ位置に配置されているため、互いに対応する。
【0234】
図15及び
図16を参照して、支持部130の第1の表面36にサセプタ材料の第1の層44が載せられている。サセプタ層44は、金属箔又は膜(例えば、アルミニウム箔又は膜)である。サセプタ層は、適当な固定材料(図示せず)によって、支持部130に可逆的に固定される。
【0235】
図示しないキスカッターによって、第1のサセプタ層44に閉切断線146A、146Bが切り込まれる。閉切断線146A、146Bは、増強エリア140A、140Bの外周と一致する。その後又は同時に、支持部130の第2の表面38にサセプタ材料の第2の層44が載せられる。各サセプタ層44は、金属箔又は膜(例えば、アルミニウム箔又は膜)である。サセプタ層は、適当な固定材料(図示せず)によって、支持部130に可逆的に固定される。
【0236】
図示しないキスカッターによって、第2のサセプタ層44に閉切断線146C、146Dが切り込まれる。閉切断線146C、146Dは、増強エリア140C、140Dの外周と一致する。
【0237】
図17及び
図18を参照して、閉切断線146A、146B、146C、146Dが形成されたら、閉切断線146A、146B、146C、146Dの外側にある第1及び第2のサセプタ層44の部分が支持部130から除去されることにより、増強エリア140A、140B、140C、140Dを覆う第1、第2、第3、及び第4のサセプタ部144A、144B、144C、144Dが支持部130上に残る。
【0238】
図19及び
図20を参照して、次に、異なるエアロゾル生成材料部232A、232B、232C、232Dがサセプタ部144A、144B、144C、144D及び周囲ゾーン又はエリア148A、148B、148C、148Dに適用される。周囲ゾーン148A、148Bは、増強エリア140A、140Bの周囲に延びる第1の表面36のゾーンである。周囲ゾーン148C、148Dは、増強エリア140C、140Dの周囲に延びる第2の表面38のゾーンである。
【0239】
したがって、エアロゾル生成材料部232A、232B、232C、232Dは、増強エリア140A、140B、140C、140Dに対向していないサセプタ部144A、144B、144C、144Dの表面をすべて覆う。本開示のいくつかの例において、周囲ゾーン148A、148B、148C、148Dはそれぞれ、増強エリア140A、140B、140C、140Dの周囲から1mm未満、2mm未満、3mm未満、4mm未満、5mm未満、6mm未満、8mm未満、又は10mm未満だけ延びている。
【0240】
エアロゾル生成材料部232A、232B、232C、232Dは、
図2~
図4との関連で論じたエアロゾル生成材料の適用と同様に、サセプタ部144A、144B、144C、144D及びゾーン148A、148B、148C、148Dにスラリーの形態で適用される。エアロゾル生成材料部232A、232B、232C、232Dのスラリーが乾燥したら、消耗品324の使用により、エアロゾル供給デバイス2を用いてエアロゾルを生成可能である。
【0241】
本明細書に記載の種々実施形態は、特許請求の範囲に係る特徴の理解及び教示の補助としてのみ提示している。これらの実施形態は、実施形態の代表的なサンプルとして与えており、網羅的及び/又は排他的なものではない。本明細書に記載の利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、及び/又は他の態様は、特許請求の範囲により規定される本発明の範囲に対する制限とも、特許請求の範囲の同等物に対する制限とも考えるべきではなく、また、特許請求の範囲に係る発明の範囲から逸脱することなく、他の実施形態の利用及び改良が可能であることが了解されるものとする。本発明の種々実施形態は、本明細書において具体的に記載した以外の開示の要素、構成要素、特徴、部分、ステップ、手段等の適当な組み合わせを好適に含んでいてもよいし、適当な組み合わせから成っていてもよいし、又は適当な組み合わせから本質的に成っていてもよい。また、本開示は、現時点では請求されていないものの、将来的に請求され得る他の発明を含んでいてもよい。
【国際調査報告】