(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-16
(54)【発明の名称】化粧用クッションコンパクトのための不織布材料
(51)【国際特許分類】
A45D 33/34 20060101AFI20240808BHJP
D01F 8/14 20060101ALI20240808BHJP
D01F 8/06 20060101ALI20240808BHJP
D04H 1/4291 20120101ALI20240808BHJP
D04H 1/435 20120101ALI20240808BHJP
D04H 1/55 20120101ALI20240808BHJP
D04H 1/544 20120101ALI20240808BHJP
【FI】
A45D33/34 F
D01F8/14 Z
D01F8/06
D04H1/4291
D04H1/435
D04H1/55
D04H1/544
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024505048
(86)(22)【出願日】2022-07-28
(85)【翻訳文提出日】2024-03-05
(86)【国際出願番号】 US2022038732
(87)【国際公開番号】W WO2023014577
(87)【国際公開日】2023-02-09
(32)【優先日】2021-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513161449
【氏名又は名称】イーエルシー マネージメント エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホームズ-デル マスト、オリヴィア
(72)【発明者】
【氏名】ウォン-パットナム、パメラ
(72)【発明者】
【氏名】ビュエル、セゼン
【テーマコード(参考)】
4L041
4L047
【Fターム(参考)】
4L041AA07
4L041BA02
4L041BA05
4L041BA21
4L041BD11
4L047AA14
4L047AA21
4L047AA27
4L047CC16
(57)【要約】
二成分繊維から形成された不織布材料は、アプリケーターを用いる民生用途のためのハウジング内で、リキッドファンデーションなどの化粧用組成物を保持するための化粧用クッションとして使用され得る。二成分繊維の使用は、化粧用組成物との最大の適合性のために調整され得るコア及びシェルのための様々な天然又は合成材料の利用を可能にし得る。不織布材料を形成する二成分繊維は、ポリエチレンテレフタレート(PET)コア/ポリエチレン(PE)シェル組成物であり得る。このPET/PE組成物は、攻撃的な化学成分と組み合わせて、最大の安定性及び耐薬品性を可能にし得る。これらの不織布材料を使用する化粧用クッションは、消費者にとって感覚的に心地よいと感じ、製品の寿命を通して最良の品質で機能し得る。化粧用クッションはまた、製品で充填されたとき、又は製品で飽和されたとき審美的に心地よく見え得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧用組成物を保持するための化粧用クッションであって、
18~30μmの繊維直径範囲を有する二成分繊維から形成された不織布材料を含み、
前記不織布材料から形成された前記化粧用クッション上の前記化粧用組成物の分布が、非マイクロファイバーから形成されたクッションと比較して、使用中を通してより安定したままである、化粧用クッション。
【請求項2】
前記二成分線維が、
ポリエチレンテレフタレート(PET)コア/ポリエチレン(PE)シェル組成物、ポリプロピレン(PP)/ポリプロピレン(PP)組成物、ポリプロピレン(PP)/ポリエチレン(PE)組成物、ポリエチレンテレフタレート(PET)/ポリプロピレン(PP)組成物、及びそれらのブレンドを含む群から選択される、請求項1に記載の化粧用クッション。
【請求項3】
前記二成分繊維が、
ポリエチレンテレフタレート(PET)コア/ポリエチレン(PE)シェル組成物を含む、請求項1に記載の化粧用クッション。
【請求項4】
前記不織布材料が、少なくとも部分的に、バージン樹脂又は再生樹脂からの繊維から形成されている、請求項1に記載の化粧用クッション。
【請求項5】
約2mm~20mmの厚さを有する、請求項1に記載の化粧用クッション。
【請求項6】
約20~100mmの直径を有する、請求項1に記載の化粧用クッション。
【請求項7】
前記不織布材料が、20~35kg/m^3の密度を有する、請求項3に記載の化粧用クッション。
【請求項8】
前記不織布材料の前記密度及び前記繊維直径が、非マイクロファイバーから形成された化粧用クッションよりも小さい、請求項7に記載の化粧用クッション。
【請求項9】
前記不織布材料の前記密度が、ポリウレタンから形成された化粧用クッションよりも高い、請求項7に記載の化粧用クッション。
【請求項10】
前記不織布材料が、0.0900g/m^2t^5の吸水性を有する、請求項3に記載の化粧用クッション。
【請求項11】
前記不織布材料の前記吸水性が、非マイクロファイバーから形成された化粧用クッションよりも高い、請求項9に記載の化粧用クッション。
【請求項12】
前記不織布材料に添加される1つ以上のバインダー繊維を更に含む、請求項1に記載の化粧用クッション。
【請求項13】
乾燥クッションについて、前記化粧用組成物で充填されたクッションとほぼ同じである6Nの力の適用による圧縮距離を有する、請求項3に記載の化粧用クッション。
【請求項14】
化粧用組成物を保持するための化粧用クッションであって、
18~30μmの繊維直径範囲を有するポリエチレンテレフタレート(PET)コア/ポリエチレン(PE)シェル組成物を有する二成分繊維から形成された不織布材料を含む、化粧用クッション。
【請求項15】
前記不織布材料から形成された前記化粧用クッション上の前記化粧用組成物の分布が、非マイクロファイバーから形成されるクッションと比較して、使用中を通してより安定したままである、請求項14に記載の化粧用クッション。
【請求項16】
前記不織布材料の密度及び前記繊維直径が、非マイクロファイバーから形成された化粧用クッションよりも小さい、請求項14に記載の化粧用クッション。
【請求項17】
前記不織布材料の密度が、ポリウレタンから形成された化粧用クッションよりも高い、請求項14に記載の化粧用クッション。
【請求項18】
前記不織布材料の吸水性が、非マイクロファイバーから形成された化粧用クッションよりも高い、請求項14に記載の化粧用クッション。
【請求項19】
化粧用組成物を保持するための化粧用クッションであって、
ポリエチレンテレフタレート(PET)コア/ポリエチレン(PE)シェル組成物、ポリプロピレン(PP)/ポリプロピレン(PP)組成物、ポリプロピレン(PP)/ポリエチレン(PE)組成物、ポリエチレンテレフタレート(PET)/ポリプロピレン(PP)組成物、及びそれらのブレンドを含む群から選択される二成分繊維から形成された不織布材料を含み、
前記化粧用クッションが、乾燥クッションについて、前記化粧用組成物で充填されたクッションとほぼ同じである6Nの力の適用による圧縮距離を有する、化粧用クッション。
【請求項20】
前記不織布材料の密度及び繊維直径が、非マイクロファイバーから形成された化粧用クッションよりも小さく、
前記不織布材料の吸水性が、非マイクロファイバーから形成された化粧用クッションよりも高い、請求項19に記載の化粧用クッション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、不織布材料に関し、より具体的には、化粧用クッションコンパクトのための不織布材料に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧用ファンデーションは、典型的には、液体化粧用組成物を保持することができる基材、典型的にはクッションを有するコンパクト内に含まれる。基材は、ポリエチレンフォーム、ポリウレタンフォーム、ニトリルブチル若しくはスポンジゴム、又はフォームから形成されてきた。しかしながら、これらの基材は様々な欠点を抱え得る。例えば、ポリウレタンフォームは、かなり狭い粘度プロファイルを有する化粧用組成物に限定される。薄すぎる製品は発泡体によって保持されず、厚すぎる製品は発泡体に効果的に注入されない場合がある。別の例では、ある特定の配合物は、ポリウレタンフォーム、ニトリルブチルゴム、及び類似の材料に注入することができないが、その理由は、それらが、有機日焼け止め活性物質を含む配合物などと不適合性であるためである。それらは紫外線活性物質を吸収し、使用時に十分な日焼け止め指数(SPF)を示さない製品をもたらし得る。合成不織布繊維などの代替材料が、化粧用繊維の基材として用いられてきた。しかしながら、これらのタイプの不織布繊維は、化粧用組成物を吸収し、保持し、均一に分配する能力が低かった。
【発明の概要】
【0003】
本開示の実施形態は、化粧用組成物を保持するための化粧用クッションを提供し得、クッションは、5~40μm、好ましくは、18~30μmの繊維直径範囲を有する二成分繊維から形成された不織布材料を含み、不織布材料から形成された化粧用クッション上の化粧用組成物の分布は、非マイクロファイバーから形成されたクッションと比較して、使用中を通してより安定したままである。二成分線維は、これらに限定されないが、ポリエチレンテレフタレート(PET)コア/ポリエチレン(PE)シェル組成物、ポリプロピレン(PP)/ポリプロピレン(PP)組成物、ポリプロピレン(PP)/ポリエチレン(PE)組成物、ポリエチレンテレフタレート(PET)/ポリプロピレン(PP)組成物、及びそれらのブレンドを含む群から選択され得る。不織布材料は、少なくとも部分的に、バージン樹脂又は再生樹脂からの繊維から形成され得る。クッションは、約2mm~20mm、好ましくは、5mm~15mmの厚さ、及び約20~100mmの直径を有し得る。クッションは、不織布材料に添加された1つ以上のバインダー繊維を含み得る。
【0004】
不織布材料は、ポリエチレンテレフタレート(PET)コア/ポリエチレン(PE)シェル組成物を含み得る二成分繊維から形成され得る。不織布材料は、20~35kg/m^3の密度を有し得る。不織布材料の密度及び繊維直径は、非マイクロファイバーから形成された化粧用クッションよりも小さい場合がある。不織布材料の密度は、ポリウレタンから形成された化粧用クッションよりも高い場合がある。不織布材料は、0.0900g/m^2t^5の吸水性を有し得る。不織布材料の吸水性は、非マイクロファイバーから形成された化粧用クッションよりも高い場合がある。クッションは、乾燥クッションについて、化粧用組成物で充填されたクッションとほぼ同じである6Nの力の適用による圧縮距離を有し得る。
【0005】
本開示の他の実施形態は、化粧用組成物を保持するための化粧用クッションを提供し得、クッションは、5~40μm、好ましくは、18~30μmの繊維直径範囲を有するポリエチレンテレフタレート(PET)コア/ポリエチレン(PE)シェル組成物を有する二成分繊維から形成された不織布材料を含む。化粧用組成物の分布は、不織布材料から形成されたクッションの100~200回の押圧で安定したままであり得る。これは、本開示の実施形態による不織布材料から形成された化粧用クッション上の化粧用組成物の分布が、非マイクロファイバーから形成されたクッションと比較して、使用中を通してより安定したままであることを反映している。不織布材料の密度及び繊維直径は、非マイクロファイバーから形成された化粧用クッションよりも小さい場合がある。不織布材料の密度は、ポリウレタンから形成された化粧用クッションよりも高い場合がある。不織布材料の吸水性は、非マイクロファイバーから形成された化粧用クッションよりも高い場合がある。
【0006】
本開示の更なる実施形態は、化粧用組成物を保持するための化粧用クッションを提供し得、クッションは、これらに限定されないが、ポリエチレンテレフタレート(PET)コア/ポリエチレン(PE)シェル組成物、ポリプロピレン(PP)/ポリプロピレン(PP)組成物、ポリプロピレン(PP)/ポリエチレン(PE)組成物、ポリエチレンテレフタレート(PET)/ポリプロピレン(PP)組成物、及びそれらのブレンドを含む群から選択される二成分繊維から形成された不織布材料を含み、化粧用クッションは、乾燥クッションについて、化粧用組成物で充填されたクッションとほぼ同じである6Nの力の適用による圧縮距離を有し得る。不織材料の密度及び繊維直径は、非マイクロファイバーから形成された化粧用クッションよりも低くてもよく、不織布材料の吸水性は、非マイクロファイバーから形成された化粧用クッションよりも高くてもよい。
【0007】
他の技術的特徴は、以下の図面、説明、及び特許請求の範囲から当業者に容易に明らかであり得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示のより完全な理解のために、添付の図面と併せて以下の説明が参照される。
【
図1】本開示の一実施形態による、充填された化粧用クッションの審美的外観を走査型電子顕微鏡(SEM)画像で示す。
【
図2】本開示の一実施形態による、乾燥材料対充填/飽和材料の6Nの力の適用による圧縮距離のグラフ比較を示す。
【
図3】本開示の一実施形態による、化粧用材料のヒステリシス曲線を示す。
【
図4】本開示の一実施形態による、化粧用クッションの適合性特性を示す。
【
図5】本開示の一実施形態による、6N適用力を伴う適合性圧縮を示す。
【
図6】本開示の一実施形態による、パフ適用力による製品ペイオフを示す。
【
図7】本開示の一実施形態による、会場調査を通した各押圧で取り上げられた量のグラフ比較を示す。
【
図9】本開示の一実施形態による、PET/PE材料のSa試験を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の実施形態は、アプリケーターを用いる民生用途のためのハウジング内で、リキッドファンデーションなどの化粧用組成物を保持するための化粧用クッションとして使用され得る二成分繊維から形成された不織布材料を提供し得る。本開示の実施形態による不織布材料は、様々な組成物とともに使用するために材料構造及び審美性を最適化することができる。本開示の実施形態による不織布材料を使用する化粧用クッションは、消費者にとって感覚的に心地よいと感じ、製品の寿命を通して最良の品質で機能し得る。化粧用クッションはまた、製品で充填されたとき、又は製品で飽和されたとき審美的に心地よく見え得る。
【0010】
不織布材料は、カード法、クロスラッピング法、並びに/又はこれらに限定されないが、熱接着法、ニードルパンチ法、及び/若しくは水流交絡法を含む接着法によって形成された、二成分繊維などの様々な繊維タイプのランダムな交絡である。本開示の実施形態における二成分繊維の使用は、化粧用組成物との最大の適合性のために調整され得るコア及びシェルのための様々な天然又は合成材料の利用を可能にし得る。本開示の実施形態による不織布材料を形成する二成分繊維は、ポリエチレンテレフタレート(PET)コア/ポリエチレン(PE)シェル組成物を含み得る。このPET/PE組成物は、本明細書でより詳細に議論されるように、攻撃的な化学成分と組み合わせて、最大の安定性及び耐薬品性を可能にし得る。PET/PE組成物を有する不織布材料が本開示の実施形態に記載されているが、ポリプロピレン(PP)/ポリプロピレン(PP)、ポリプロピレン(PP)/ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)/ポリプロピレン(PP)、及びそれらのブレンドを含むがこれらに限定されない材料の他の組み合わせは、本開示から逸脱することなく使用されてもよい。本開示から逸脱することなく、より高い又はより低い温度で溶融するバインダー繊維を添加して、構造を変えることができることを理解されたい。
【0011】
例えば、本明細書に記載の分析を通して反映されるように、PET/PE材料などの不織布マイクロファイバーから形成された化粧用クッションは、消費者によって審美的及び感覚的に好まれ得る。本開示の実施形態による化粧用クッションのためのマイクロファイバーダイカット材料は、200~400gsmの坪量及び250~400cfmの通気性を有する配合物を最良に保持し得る。本開示の実施形態による化粧用クッション材料は、厚さが約2mm~20mm、好ましくは、5mm~15mm、及び直径が約20~100mmであり得る。本開示の実施形態による化粧用クッションを形成する材料は、円形であり得るが、しかしながら、材料又はクッション自体は、本開示から逸脱することなく他の形状を想定してもよいことを理解されたい。本開示の実施形態による不織布材料は、より持続可能となるために、バージン樹脂又は再生樹脂からの繊維で作製され得ることも理解されたい。
【0012】
本開示の実施形態によるPET/PE不織布材料の復元力及び吸水性を評価するために、様々な実験的分析を行った。これらの分析は、繊維材料、直径、断面形状、剛性、並びに繊維結合、坪量、及び製造に使用される他のプロセスパラメータを調整することによって行われた。PET/PE不織布材料は、PETからの剛性とPEからの柔軟性とのバランスを可能にし、使用を通してより一貫した構造をもたらす。更に、より大きな細孔を作り出し、多孔性及び吸水性を増加させるために、マイクロファイバーなどの小さな繊維直径が選択された。PET/PE分析を、既存のポリウレタン(PU)発泡体及び既存の化粧用材料(ECM)(すなわち、非マイクロファイバー)と比較した。様々な化粧用クッション材料の特徴付けには、繊維直径(該当する場合)、密度、並びに吸水性の評価が含まれた。PET/PE、PU、及びECMの材料仕様を表1に示す。
【0013】
【0014】
走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して、様々な材料の繊維直径を評価した。
図1は、本開示の一実施形態による、充填された化粧用クッションの審美的外観をSEM画像で示す。PET/PE材料は、上の表1に反映されるように、20~35kg/m^3の密度に対して18~30μmの繊維直径範囲を有する。表1に反映されるように、本開示の実施形態によるPET/PE材料は、PU発泡体よりも高い密度、及びECMよりも高い吸水性を有し、材料がより高い粘度の製品を保持することを可能にする。同様に、PET/PEマイクロファイバー材料の吸水性、すなわち毛管作用によって水を吸収する材料の能力は、ECMよりも大きく、PUにより近い。
【0015】
様々な化粧用クッション材料の復元力を評価するために、圧縮及び回復も評価した。ダイカット材料の全表面積にわたる6Nの力の適用による圧縮距離を、PU、ECM、及びPET/PEについての乾燥材料と充填/飽和材料との比較において評価した。
図2は、本開示の一実施形態による、乾燥材料対充填/飽和材料の6Nの力の適用による圧縮距離のグラフ比較を示す。
図2に反映されるように、乾燥材料及び充填/飽和PET/PE材料の圧縮距離(ミリメートル単位)は、PU(0.90mm対5.67mm)及びECM(2.57mm対5.12mm)と比較して、互いに最も類似していた(4.57mm対4.45mm)。PET/PE材料の圧縮距離の類似性を考慮すると、PU材料又はECMから形成されたクッションと比較して、プロダクトライフサイクル全体を通して(すなわち、クッションが空になるにつれて)、本開示の実施形態によるPET/PE材料から形成されたクッションのより一貫した性能を消費者が経験し得る。
【0016】
会場調査及びシミュレートされた消費者レビューは、本開示の実施形態によるPET/PE材料が、PU材料又はECMと比較して、各押圧で取り上げられたか、又は装填された製品の量の一貫性に関してより良好に機能したことを確認した。ファンデーション分布は、PET/PE材料から形成されたクッションの100~200回の押圧で安定したままであった。したがって、PET/PE材料から形成された化粧用クッション上の化粧用組成物の分布は、非マイクロファイバーから形成されたクッションと比較して、使用中を通してより安定したままである。試験は、PET/PE材料が各押圧で取り上げられた製品の量に対してより小さな変化を有したことを反映しており、PU材料又はECMと比較した場合、取り上げられた量の一貫性に関してより良好な性能を示している。
【0017】
Thwing Albert Compression/Softness Instrumentを使用して、PU及びPET/PE材料についての回復、又は化粧用クッションがその元の厚さに戻る記憶を測定した。圧縮及び回復は、ヒステリシスの形態で記録されてもよい。
図3は、本開示の一実施形態による、PU及びPET/PE材料の化粧用材料のヒステリシス曲線を示す。本明細書に示されるように、曲線は、圧力(1.5psi/17.5Nの力)が適用されたときの材料の厚さ(ミリメートル単位で測定)の変化を測定することから始まる。厚さ変化は、圧力が解放されるにつれて測定され続けてもよく、材料から形成されたクッションは、その元の厚さに戻る。
図3に示される曲線は、PU材料が、圧縮と回復との間により大きな面積を有することを反映しており、これは、「柔らかい」感触及び漸進的な回復時間を表す。対照的に、PET/PEのヒステリシスは、圧縮に対する即時かつ同一の回復を表す(すなわち、PET/PEは、PU材料よりも一貫している)。
【0018】
図4は、本開示の一実施形態による、化粧用クッションの適合性特性を示す。より具体的には、
図4は、化粧品の貯留がクッション内で評価され得る場所を示す。厚さ及び弾力性/復元力はまた、本開示の実施形態において、表面平滑性及び審美性、化学的適合性、並びに/又は充填の容易さ/不均一な充填とともに測定され得る。例えば、日焼け止め成分で飽和させた化粧用クッションの挙動を、合計4週間にわたって材料を調整することによって評価した。各タイプの試料を50℃で調整して、室温試料と比較した。これらの材料の3つ全て(PU、PET/PE、及びECM)は、材料記憶及び吸水性を保持した。いくつかの不適合な特性は、剛性又は顕著な圧縮及び表面上の製品の貯留であろう。
【0019】
各材料の適合性試料を、調整後に6Nの適用力で圧縮について試験した。これらの結果を最初の圧縮結果と比較した。
図5は、本開示の一実施形態による、6N適用力を伴う適合性圧縮の比較を示す。より具体的には、試料(PU、ECM、PET/PE)の圧縮距離(mm)を、それらが充填された時間から、室温で充填して4週間後、及び50℃で4週間後で比較した。
図5に反映されるように、室温及び50℃の両方での初期充填から4週間までの変化率は、PU材料及びECMと比較した場合、PET/PE材料の場合により低い。したがって、これらの結果は、PET/PE材料が製品寿命を通して一貫して機能し得ることを反映している。
【0020】
充填効率は、選択された化粧用クッションを用いた製造にとって重要である。材料を充填する間に観察される目的機械パラメータは、これらに限定されないが、ピストン速度、押圧時間、及び上昇遅延を含む。表2は、本開示の実施形態によるPU材料対PET/PE材料について、これらのパラメータがどのように増加/減少するかを示す。表2に反映されるように、PET/PE材料は、ピストン充填速度及び上昇遅延を増加させ、押圧時間を減少させる。これらのパラメータは、本開示の実施形態によるPET/PE材料がPU材料よりも速く充填されることを反映している。
【0021】
【0022】
適用力による製品ペイオフ及び使用前後の材料比較を、化粧用クッションのシミュレートされた民生用途を通して評価した。製品は、PU材料並びにECM(非マイクロファイバー材料)及びPET/PE材料から形成されたクッション材料から空になった。表3は、使用済み材料と充填された未使用材料(新品)との間の差を反映している。
【0023】
【0024】
表3に示されるように、PU材料の厚さは同等のままであったが、ECMは使用からわずかに圧縮され、完全には回復しなかった。クッション材料から製品を空にするために適用された力は、基材に残った製品が少なくなったため、民生用途とともに増加した。平均して、ECMに適用された力はPU材料よりも大きく、製品ペイオフはより少なかった。しかしながら、会場調査を通した最初の適用及び100/200/300回の押圧後のECM及びPET/PE材料テクスチャ及び外観の間に著しい差はなかった。
【0025】
図6は、本開示の一実施形態による、PU材料、PET/PE材料、及びECMのパフ適用力(N)による製品ペイオフ(g)を示す。
図6に反映されるように、PET/PE材料は、使用を通して一貫した製品負荷を有したが、PU材料は、より大きな変動を有した。
【0026】
図7は、本開示の一実施形態による、会場調査を通した各押圧で取り上げられた量に関する、ECMとPET/PE材料とのグラフ比較を示す。本明細書に反映されるように、使用を通して、製品の取り上げは、ECM(200~250回の押圧にわたって63%の変化)と比較した場合、PET/PE材料(200~250回の押圧にわたって47%の変化)の場合位でより一貫している。これは、シミュレートされた民生用途試験結果と一貫していた。したがって、消費者は、PU材料又はECMと比較して、本開示の実施形態によるPET/PE材料から形成されたクッションを用いて、プロダクトライフサイクル全体にわたって一貫した性能を感じるであろう。
【0027】
更なる試験により、本開示の実施形態によるPET/PE材料から形成されたクッションが、ECMから形成されたクッション(
図9)と比較して、画定された面積(Sa)(
図8)内の各点における高さのより大きな平均値を呈することが確認された(174.32μm対116.69μm)。最も高い点及び最も低い点がより優勢であり、これは、製品充填を低減することが観察される。この試験は、民生用途研究を通して更に確認された。
【0028】
本開示及びその利点を詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本明細書において様々な変更、置換、及び改変を行うことができることを理解されたい。更に、本出願の範囲は、本明細書に記載のプロセス、機械、製造、主題の組成物、手段、方法、及びステップの特定の実施形態に限定されることを意図していない。当業者が本開示から容易に理解するように、本明細書に記載の対応する実施形態と実質的に同じ機能を実行するか、又は実質的に同じ結果を達成する、既存の又は後に開発されるプロセス、機械、製造、主題の組成物、手段、方法、又はステップが、本開示に従って利用され得る。したがって、添付の特許請求の範囲は、そのようなプロセス、機械、製造、主題の組成物、手段、方法、又はステップをその範囲内に含むことが意図される。
【国際調査報告】