(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-16
(54)【発明の名称】分散性薬剤を取集及び分注するためのホッパー、出口弁、前記ホッパーを含む分注デバイス及び方法
(51)【国際特許分類】
B65B 39/00 20060101AFI20240808BHJP
F16K 1/20 20060101ALI20240808BHJP
A61J 3/00 20060101ALI20240808BHJP
A61J 3/06 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
B65B39/00 C
F16K1/20 D
B65B39/00 Z
A61J3/00 310F
A61J3/06 P
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024505448
(86)(22)【出願日】2022-07-29
(85)【翻訳文提出日】2024-03-28
(86)【国際出願番号】 EP2022071457
(87)【国際公開番号】W WO2023007004
(87)【国際公開日】2023-02-02
(32)【優先日】2021-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595090635
【氏名又は名称】ヴェーエムイー ホーランド ベー. ヴェー.
【氏名又は名称原語表記】VMI HOLLAND B. V.
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヨヘムセン,コルネリス ヤン
【テーマコード(参考)】
3E055
3H052
4C047
【Fターム(参考)】
3E055AA08
3E055BA10
3E055BB01
3E055BB08
3E055CA01
3E055DA07
3E055DA15
3E055EA09
3E055EB08
3H052AA01
3H052BA03
3H052BA35
3H052CC01
3H052EA07
4C047JJ01
4C047JJ12
(57)【要約】
本発明は、ホッパー、出口弁、分注デバイス、並びに分散性薬剤を取集及び分注するための方法に関し、ホッパーが、ホッパー入口、ホッパー出口、並びに、ホッパー出口における出口弁であって、出口弁がホッパー出口を通じホッパーを出る分散性薬剤の通過を阻む閉位置と、出口弁が落下方向におけるホッパー出口を通じホッパーを出る分散性薬剤の通過を可能にする開位置との間で可動である、ホッパー出口における出口弁を含み、出口弁が、弁本体であって、出口弁が閉位置にあるときにホッパー出口における分散性薬剤を支持する弁本体の側に保持面を画定する弁本体を有し、前記保持面が、分散性薬剤を受けるための断面を有する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分散性薬剤(9)を取集及び分注するためのホッパー(1、101)であって、
前記ホッパー(1)が、ホッパー入口(2)と、ホッパー出口(3)と、前記ホッパー出口(3)における出口弁(4、104)であって、前記ホッパー出口(3)を通じ前記ホッパー(1、101)を出る前記分散性薬剤(9)の通過を前記出口弁(4、104)が阻む閉位置と、落下方向(D)において前記ホッパー出口(3)を通じ前記ホッパー(1、101)を出る前記分散性薬剤(9)の通過を前記出口弁(4、104)が可能にする開位置との間で可動である、前記ホッパー出口(3)中の出口弁(4、104)とを含み、前記出口弁(4、104)が、弁本体(40、140)であって、前記出口弁(4、104)が前記閉位置にあるときに前記ホッパー出口(3)において前記分散性薬剤(9)を支持する前記弁本体(40、140)の側に保持面(V1、V2)を画定する、弁本体(40、140)を有し、前記保持面(V1、V2)が前記分散性薬剤(9)を受けるための断面(C1、C2)を有し、前記断面(C1、C2)が樋形であり、
前記ホッパーが、前記出口弁(4、104)の前記開位置及び/又は前記閉位置を検出するための弁位置センサ(6)をさらに含む、
ホッパー(1、101)。
【請求項2】
前記出口弁(4、104)が、弁軸(S)を中心として前記閉位置と前記開位置との間で回転可能であり、前記断面(C1、C2)が前記弁軸(S)に平行である、
請求項1に記載のホッパー(1、101)。
【請求項3】
前記弁本体(40、140)が、中央平面(M)の両側から収束する前記落下方向(D)において収束する第1半部(41、141)と第2半部(42、142)とを含む、
請求項1又は2に記載のホッパー(1、101)。
【請求項4】
前記第1半部(41、141)及び前記第2半部(42、142)が前記中央平面(M)に関して対称である、
請求項3に記載のホッパー(1、101)。
【請求項5】
前記出口弁(4、104)が、弁軸(S)を中心として前記閉位置と前記開位置との間で回転可能であり、前記中央平面(M)が前記弁軸(S)に垂直に延在する、
請求項3又は4に記載のホッパー(1、101)。
【請求項6】
前記弁位置センサ(6)が、検出領域(A)の第1端に送信器(60)及び受信器(61)並びに前記第1端の反対側の前記検出領域(A)の第2端に反射器(62)を含み、前記閉位置にある前記出口弁(4、104)が前記検出領域(A)において少なくとも部分的に延在し、前記開位置においては前記検出領域(A)に無い、
請求項1~5のいずれか一項に記載のホッパー。
【請求項7】
前記送信器(60)が、水平検出方向(E)において光線(B)を放射するように構成される、
請求項6に記載のホッパー。
【請求項8】
前記断面(C2)が少なくとも部分的に凹形である、
請求項1~5のいずれか一項に記載のホッパー(101)。
【請求項9】
前記断面(C1、C2)において、前記保持面(V1、V2)が、幅(W)と、前記幅(W)の少なくとも半分の深さ(H)とを有する、
請求項1~8のいずれか一項に記載のホッパー(1、101)。
【請求項10】
前記保持面(V1、V2)が、前記出口弁(4、104)が前記閉位置にあるときに、前記水平面に対して斜角(K)をなす長手方向(L)を有する、
請求項1~9のいずれか一項に記載のホッパー(1、101)。
【請求項11】
前記ホッパー(1、101)にピン(38)が設けられ、前記出口弁(4、104)が、前記閉位置と前記開位置との間で前記ピン(38)を中心として回転可能であり、前記ピン(38)の位置の前記出口弁(4、104)に、前記ピン(38)を受けるために強化ブッシング(48)が設けられる、
請求項1~10のいずれか一項に記載のホッパー(1、101)。
【請求項12】
前記強化ブッシング(48)が、前記強化ブッシング(48)の直接周辺の弁本体(40、140)より厚い、前記ピン(38)に平行な軸方向における厚さ(T)を有する、
請求項11に記載のホッパー(1、101)。
【請求項13】
前記出口弁(4、104)が、前記出口弁(4、104)を前記閉位置と前記開位置との間で移動させるために作動可能であるレバー(44)をさらに含む、
請求項1~12のいずれか一項に記載のホッパー(1、101)。
【請求項14】
前記位置センサ(6)が、前記レバー(44)の前記位置に基づき前記出口弁が前記開位置にあるか前記閉位置にあるかを検出する、
請求項13に記載のホッパー。
【請求項15】
分散性薬剤(9)を取集及び分注するためのホッパー(1、101)を含む分注デバイスであって、
前記ホッパー(1)が、ホッパー入口(2)と、ホッパー出口(3)と、前記ホッパー出口(3)における出口弁(4、104)であって、前記ホッパー出口(3)を通じ前記ホッパー(1、101)を出る前記分散性薬剤(9)の通過を前記出口弁(4、104)が阻む閉位置と、落下方向(D)において前記ホッパー出口(3)を通じ前記ホッパー(1、101)を出る前記分散性薬剤(9)の通過を前記出口弁(4、104)が可能にする開位置との間で可動である、前記ホッパー出口(3)における出口弁(4、104)とを含み、前記出口弁(4、104)が、弁本体(40、140)であって、前記出口弁(4、104)が前記閉位置にあるときに前記ホッパー出口(3)における前記分散性薬剤(9)を支持する前記弁本体(40、140)の側に保持面(V1、V2)を画定する弁本体(40、140)を有し、前記保持面(V1、V2)が、前記分散性薬剤(9)を受けるための断面(C1、C2)を有し、前記断面(C1、C2)が樋形であり、
前記分注デバイスが、前記出口弁(4、104)を前記閉位置から前記開位置へ移動させるための弁オープナー(5)と、前記弁オープナー(5)に作動的に接続された制御ユニット(8)とをさらに含み、前記制御ユニット(8)が、前記出口弁(4、104)を前記閉位置から前記開位置に向かって前記重力加速度よりも速く加速させるために前記弁オープナー(5)を制御するように構成される、
分注デバイス。
【請求項16】
前記出口弁(4、104)が9.81m/s
2超で加速される、
請求項15に記載の分注デバイス。
【請求項17】
前記分注デバイスが、前記出口弁(4、104)の前記開位置及び/又は前記閉位置を検出するための弁位置センサ(6)を含む、
請求項15又は16に記載の分注デバイス。
【請求項18】
前記弁位置センサ(6)が、検出領域(A)の第1端に送信器(60)及び受信器(61)、並びに前記第1端の反対側の前記検出領域(A)の第2端に反射器(62)を含み、前記閉位置における前記出口弁(4、104)が前記検出領域(A)において少なくとも部分的に延在し、前記開位置においては前記検出領域(A)に無い、
請求項17に記載の分注デバイス。
【請求項19】
前記送信器(60)が、水平検出方向(E)において光線(B)を放射するように構成される、
請求項18に記載の分注デバイス。
【請求項20】
前記出口弁(4、104)が、前記出口弁(4、104)を前記閉位置と前記開位置との間で移動させるために作動可能であるレバー(44)をさらに含み、前記位置センサ(6)が、前記レバー(44)の前記位置に基づき前記出口弁が前記開位置にあるか前記閉位置にあるかを検出する、
請求項17~19のいずれか一項に記載の分注デバイス。
【請求項21】
請求項1~14のいずれか一項に記載のホッパー(1、101)を使用して分散性薬剤(9)を取集及び分注するための方法であって、前記方法が、
前記ホッパー出口(3)を通じ前記ホッパー(1、101)を出る前記分散性薬剤(9)の通過を阻むように前記出口弁(4、104)を前記閉位置に位置付けるステップと、
前記ホッパー出口(3)における前記分散性薬剤(9)を、前記出口弁(4、104)の前記保持面(V1、V2)で支持するステップと、
前記ホッパー出口(3)を通じ前記ホッパー(1、101)を出る前記分散性薬剤(9)の通過を可能にするために、前記出口弁(4、104)を前記閉位置から前記開位置に向かって移動させるステップと、
を含む方法。
【請求項22】
前記出口弁(4、104)の前記閉位置から前記開位置に向かっての前記移動中、前記出口弁(4、104)が前記重力加速度よりも速く加速される、
請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記出口弁(4、104)が9.81m/s
2超で加速される、
請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記方法が、前記出口弁(4、104)の前記開位置及び/又は前記閉位置を検出するステップをさらに含む、
請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記開位置及び/又は前記閉位置が水平検出方向(E)において検出される、
請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記検出のステップが前記出口弁(4、104)のレバーの位置を検出することを含む、
請求項24又は25に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、分散性薬剤を取集及び分注するためのホッパー、前記ホッパーにおける使用のための出口弁、前記ホッパーを含む分注デバイス、並びに分散性薬剤を取集及び分注するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第10,457,427B2号明細書は、固体物質を分注するための装置を開示しており、装置は、複数の供給装置ユニットを備えた供給装置セクションと、複数の供給装置ユニットより下に位置する複数のホッパーを備えた取集セクションとを含む。複数のホッパーは、前記供給装置ユニットの1つ又は複数から固体物質を受けるための供給装置ユニットに対して回転可能である。各ホッパーには、固体物質を下にある包装ユニットに分注するためのホッパー出口と、ホッパー出口の分注弁であって、ホッパー出口の開閉のための開位置と閉位置との間で可動であるホッパー出口の分注弁とが設けられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
既知のホッパーの欠点は、それらが、複数の供給装置ユニットに沿って高速の段階的回転で動かされるホッパーの円形配列の一部であるという点である。結果として、ホッパー出口に取集された固体物質は、当該固体物質に予想のつかない挙動をさせる突然の水平方向の力を繰り返し受ける。特に、固体物質は、互いに及びホッパーの内部表面に跳ね返る傾向がある。分散性薬剤は結果として損傷を受け得る。
【0004】
さらに、分注弁が、それぞれのホッパーの、包装ユニットより上の包装位置への段階的移動のすぐ後に開位置へ移動されると、分注弁のすぐ上のホッパー出口に含まれる固体物質の一部は、依然として跳ね返っていることがあり、すぐには落下しない。さらに、固体物質の軌道は、跳ね返りの結果として予測不可能となる。一部の固体物質は、包装ユニットの受け入れ漏斗の外側に落下し得る。
【0005】
したがって、追加的なセンサ又はより長い待ち時間などの予防措置が、ホッパーに取集された全ての固体物質が正しく分注されることを確実にするために取られなければならない。
【0006】
分散性薬剤を取集及び分注するためのホッパー、前記ホッパーにおける使用のための出口弁、前記ホッパーを含む分注デバイス、並びにホッパーからの分散性薬剤の分注の信頼性を向上させ得る方法を提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1態様によると、分散性薬剤を取集及び分注するためのホッパーが提供され、ホッパーは、ホッパー入口と、ホッパー出口と、ホッパー出口における出口弁であって、ホッパー出口を通じホッパーを出る分散性薬剤の通過を出口弁が阻む閉位置と、落下方向においてホッパー出口を通じホッパーを出る分散性薬剤の通過を出口弁が可能にする開位置との間で可動である、ホッパー出口における出口弁とを含み、出口弁は、弁本体であって、出口弁が閉位置にあるときにホッパー出口における分散性薬剤を支持する弁本体の側に保持面を画定する、弁本体を有し、前記保持面は、分散性薬剤を受けるための断面を有し、前記断面は樋形である。ホッパーは、出口弁の開位置及び/又は閉位置を検出するための弁位置センサをさらに含む。
【0008】
落下している分散性薬剤の運動エネルギーは、分散性薬剤が、それらが分注前に信頼性のあるやり方で支持され得る保持面の底部に到達する前に、樋形断面の下向きに角度が付いた又は先細の側により吸収され得る。したがって、分散性薬剤は、樋形断面から跳ね返って戻ってくる可能性が低い。
【0009】
さらに、ホッパーは、複数の供給装置位置及び/又は1つ又は複数の包装位置に沿って回転する分注デバイスにおけるホッパーの円形配列の一部として、保持面に支持された分散性薬剤に水平及び遠心力の両方を生じ得る、速い、段階的な横移動を繰り返し受ける。樋形断面は、複数の分散性薬剤を密に詰められたやり方で受けることができる凹んだ容積を形成し、それにより分散性薬剤が跳ね返る及び/又は互いに損害を与える機会を減らす。より具体的には、樋形断面は、ホッパーの回転する円形配列によりかけられた遠心力により付勢された分散性薬剤が、保持面の樋形断面の底部に可能な限り密に入れ子になることを可能にし、それによりホッパーの各段階的移動で分散性薬剤にかけられた水平方向の力が予測不可能な跳ね返り及び/又は損傷を引き起こすのを最小限にする又は防ぐ。
【0010】
センサによる弁の開位置及び/又は閉位置の検出は、動作中の出口弁に起こっている正しい動作及び/又は何らかの故障の洞察を提供し得る。特に、例えば分散性薬剤の少なくとも一部が出口弁とホッパー出口との間に詰まったために出口弁が閉位置に完全に戻らない場合が検出され得る。
【0011】
前述の技術的効果は、分散性薬剤が、分注時に、互いに及び/又はホッパーに対して比較的静止していることをさらに確実にする。結果として、分散性薬剤は、均一に及び/又は実質的な遅れ無しに、特に、前記分散性薬剤間の大幅な軌道変更接触の機会がより少ない状態で落下し得る。
【0012】
一実施形態において、出口弁は、弁軸を中心として閉位置と開位置との間で回転可能であり、断面は弁軸に平行である。換言すると、出口弁は、出口弁が開位置に向かって回転すると、保持面が、溝形が先細になっている方向において分散性薬剤の下から落下し得るように、弁軸に垂直な方向に延在する溝形を有し得る。
【0013】
さらなる実施形態において、弁本体は、中央平面の両側から収束する落下方向(D)において収束する第1半部と第2半部とを含む。前記半部は、分散性薬剤を、それらが保持面の下部分に向かって落下する際に効果的に偏向させることができ、分散性薬剤の運動エネルギーを途中で吸収し得る。
【0014】
任意選択的に、第1半部及び第2半部は前記中央平面に関して対称である。結果として、分散性薬剤は、半部のうちのいずれの1つに接触しているときも同様に挙動し得る。
【0015】
追加的に又は代替的に、出口弁は、弁軸を中心として閉位置と開位置との間で回転可能であり、中央平面は弁軸に垂直に延在する。この場合も、出口弁が開位置に向かって回転すると、保持面は、半部が先細になっている方向において分散性薬剤の下から落下し得る。
【0016】
さらなる実施形態において、弁本体は、第1半部及び第2半部を相互結合する谷部をさらに含み、谷部は直線的に延在する。分散性薬剤は、開位置に向かって移動したときによりそれらが均一に落下され得るように、保持面に均一に、例えば程度の差はあるが一列に受け止められ得る。
【0017】
特定の一実施形態において、断面は少なくとも部分的にV字形である。V字形断面の傾斜した側壁は、分散性薬剤を保持面の底部に向かって効果的に偏向させることができ、及び/又は前記分散性薬剤の運動エネルギーを吸収することができる。
【0018】
代替的に、断面は少なくとも部分的に凹形である。V字形断面と同様に、凹形断面の凹形側壁は、分散性薬剤を偏向させる及び/又はその運動エネルギーを吸収するために同様に好適であり得る。
【0019】
別の実施形態において、断面において、保持面は、幅と、幅の少なくとも半分の深さとを有する。断面はしたがって、複数の分散性薬剤を、分散性薬剤が前記断面内に画定された容積から跳ね返る又はそこから出る機会が減少した状態で受けるのに十分深いか又は急であり得る。
【0020】
別の実施形態において、保持面は、出口弁が閉位置にあるときに、水平面に対して斜角をなす長手方向を有する。保持面の斜めの向きは、特にホッパーの配列の回転中に受ける前述の遠心力の影響下での分散性薬剤のその樋形断面におけるネスティングを促し得る。特に、ホッパーは、保持面が遠心力に対して鈍角で又は垂直になるような方法でホッパーの配列において位置付けられる。
【0021】
別の実施形態において、ホッパーにピンが設けられ、出口弁は、閉位置と開位置との間で前記ピンを中心として回転可能であり、ピンの位置の出口弁にはピンを受けるために強化ブッシングが設けられる。強化ブッシングは、出口弁が早期に摩耗し、出口弁の繰り返しの開閉の期間後にピンから外れるのを防ぐことによりホッパーの寿命を延ばし得る。
【0022】
任意選択的に、強化ブッシングは、前記強化ブッシングの直接周辺の弁本体より厚い、ピンに平行な軸方向における厚さを有する。弁本体の残りの部分は、ピンに対して摩耗を受けないので、強化される必要は無い。したがって、厚さを単に局所的に増大させることによって、出口弁の全重量が最小に保たれ得る。
【0023】
別の実施形態において、出口弁は、出口弁を閉位置と開位置との間で移動させるために作動可能であるレバーをさらに含む。レバーは手動で又はアクチュエータにより作動され得る。アクチュエータは、ホッパーの一部であっても、分注デバイスの包装位置のうちの1つなど、前記ホッパーの外側に位置してもよい。
【0024】
第2態様によると、ホッパーのホッパー出口における使用のための出口弁が提供され、出口弁が、弁本体であって、使用中、出口弁が閉位置にあるときにホッパー出口において分散性薬剤を支援する弁本体の側に保持面を画定する、弁本体を有し、前記保持面は、分散性薬剤を受けるための断面を有し、前記断面は樋形である。
【0025】
出口弁は、ホッパーの一部として上述の出口弁に対応し、したがって、同じ技術的利点を有し、このことは以降で繰り返されない。出口弁は従来のホッパーに組み込まれ得る。
【0026】
一実施形態において、弁本体は、中央平面の両側から落下方向に収束する第1半部及び第2半部を含む。
【0027】
任意選択的に、第1半部及び第2半部は前記中央平面に関して対称である。
【0028】
別の実施形態において、弁本体は第1半部及び第2半部を相互結合する谷部をさらに含み、谷部は直線的に延在する。
【0029】
別の実施形態において、断面は少なくとも部分的にV字形である。
【0030】
代替的に、断面は少なくとも部分的に凹形である。
【0031】
別の実施形態において、断面において、保持面は、幅と、幅の少なくとも半分の深さとを有する。
【0032】
別の実施形態において、出口弁は、開位置との間で弁軸を中心として回転可能であり、弁軸の位置の出口弁には強化ブッシングが設けられる。
【0033】
任意選択的に、強化ブッシングは、前記強化ブッシングの直接周辺の弁本体より厚い弁軸に平行な軸方向における厚さを有する。
【0034】
さらなる実施形態において、出口弁は、出口弁を閉位置と開位置との間で移動させるために作動可能であるレバーをさらに含む。
【0035】
第3態様によると、本発明の第2態様の実施形態による出口弁の使用は、分散性薬剤を取集及び分注するためのホッパーにおいて提供される。
【0036】
第4態様によると、第1態様の実施形態のいずれか1つによるホッパーを含む分注デバイスが提供され、分注デバイスは、出口弁を閉位置から開位置へ移動させるための弁オープナーと弁オープナーに作動的に接続された制御ユニットとをさらに含み、制御ユニットは、出口弁を閉位置から開位置に向かって重力加速度よりも速く加速させるために弁オープナーを制御するように構成され。好ましくは、出口弁は9.81m/s2超で加速される。
【0037】
保持面はしたがって、出口弁が閉位置から開位置に向かって移動し始めた瞬間から分散性薬剤が自由に落下できるように、分散性薬剤の下から、重力より速く落下され得る。分散性薬剤は、したがって、前記ホッパーの下の包装ユニットのシュート内に垂直に又は実質的に垂直に落下し得る。特に、出口弁が閉位置から開位置に向かって移動し始めた後に出口弁が分散性薬剤の軌道と干渉することが防がれ得る。
【0038】
第5態様によると、本発明の第1態様の実施形態のいずれかによるホッパーを含む分注デバイスが提供され、分注デバイスは、出口弁の開位置及び/又は閉位置を検出するための弁位置センサを含む。
【0039】
開位置及び/又は閉位置の検出は、正しい動作及び/又は動作中に出口弁に生じている何らかの故障の洞察を提供し得る。特に、例えば分散性薬剤が出口弁とホッパー出口との間に詰まっているため出口弁が閉位置に完全に戻らない場合が検出され得る。
【0040】
前述の分注デバイスの実施形態において、弁位置センサは、検出領域(A)の第1端に送信器及び受信器並びに第1端の反対側の検出領域の第2端に反射器を含み、閉位置における出口弁は検出領域Aにおいて少なくとも部分的に延在し、開位置においては検出領域に無い。信号又は前記信号の中断を検出することにより、出口弁の現在の位置についての情報が得られ得る。
【0041】
任意選択的に、送信器は、水平検出方向において光線を放射するように構成される。弁位置センサは、三角法で測ることも補間することも必要無しに、前記水平方向における出口弁の位置を確実に検出できる。特に、弁位置センサは単に、それぞれの弁位置を示す前記水平方向における信号の存在又は不在を検出し得る。
【0042】
第6態様によると、本発明の第1態様の実施形態のいずれか1つによるホッパーの使用で分散性薬剤を取集及び分注するための方法が提供され、方法は、
- ホッパー出口を通じホッパーを出る分散性薬剤の通過を阻むように出口弁を閉位置に位置付けるステップ、
- ホッパー出口における分散性薬剤を、出口弁の保持面で支持するステップ、及び
- ホッパー出口を通じた、ホッパーを出る分散性薬剤の通過を可能にするために、出口弁を閉位置から開位置に向かって移動させるステップ
を含む。
【0043】
方法は、本発明の第1態様によるホッパーの実用的な実装形態に関し、したがって同じ技術的利点を有し、これは以下繰り返されない。
【0044】
方法の一実施形態において、出口弁の閉位置から開位置に向かっての移動中、出口弁は重力加速度よりも速く加速される。
【0045】
任意選択的に、出口弁は9.81m/s2超で加速される。
【0046】
さらなる実施形態において、方法は、出口弁の開位置及び/又は閉位置を検出するステップをさらに含む。
【0047】
任意選択的に、開位置及び/又は閉位置は水平検出方向において検出される。
【0048】
さらに任意選択的に、検出のステップは出口弁のレバーの位置を検出することを含む。これは、センサが弁自体の移動の道から外れていることを確実にすることができるとともに、完全な閉位置からの少しのオフセットでさえ正確に検出し得る。
【0049】
明細書において説明及び図示された様々な態様及び特徴は、可能な限り個別に適用され得る。これらの個々の態様、特に添付の従属クレームにおいて説明された態様及び特徴は、分割特許出願の主題とされ得る。
【0050】
本発明は、添付の図面に示された例示的実施形態に基づき解明される。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【
図1】
図1は、ホッパーであって、前記ホッパーにおいて集められた分散性薬剤を分注するための出口弁を備えた、本発明の第1例示的実施形態によるホッパーの等角図を示す。
【
図2】
図2は、
図1における線II-IIによるホッパーの断面図を示す。
【
図3】
図3は、出口弁がホッパーの残りの部分から分解された、ホッパーの等角図を示す。
【
図4】
図4は、出口弁が閉位置にある
図1における線IV-IVによるホッパーの断面図を示す。
【
図5】
図5は、出口弁が開位置にある、
図4によるホッパーの断面図を示す。
【
図6】
図6は、出口弁が閉位置に戻っている、
図4によるホッパーの断面図を示す。
【
図7】
図7は、本発明の第2例示的実施形態による代替的ホッパーの断面を示す。
【
図8】
図8は、
図4によるホッパーの断面図を示すとともに、さらに、前記ホッパーより上にある複数の供給装置ユニット及びカメラを示す。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図1~6は、医療用途のための分散性薬剤、分散性固体薬剤、調剤又は固形物、物品又は物質90、例えばピル、タブレット、カプセルなどを取集及び分注するための本発明の第1実施形態によるホッパー1を示す。分散性薬剤9は
図4及び5にのみ示されている。薬剤は、それらがホッパー1において1つずつ、個別に、別個に又は用量単位で、ユニットに集められ得るという意味において「分散性」である。
【0053】
ホッパー1は、ここに参照により組み込まれる米国特許第10,457,427B2号明細書に開示された装置と同様の分注デバイスに挿入可能なように構成される。分注デバイスにおいて、ホッパー1は、複数の供給装置位置に沿った段階的回転で動かされるホッパーの円形配列の一部を形成し、前記供給装置位置において位置付けられた供給装置ユニットから分散性薬剤を受ける。
【0054】
図1及び2において最もよく見られるとおり、ホッパー1はホッパー入口2とホッパー出口3とを含む。ホッパー入口2は頂部で比較的幅広く開いているとともに、ホッパー出口3に向かって落下方向Dにおいて先細になっている。この例示的実施形態において、落下方向Dは垂直又は実質的に垂直である。ホッパー入口2は2つの入口側壁21、22を含む。ホッパー入口2にはさらに、互いに向かって先細になっているとともに2つの入口側壁21、22を相互接続する入口後壁23と入口前壁24とが設けられている。入口前壁24は、ホッパー1が分注デバイスに置かれるとき、ホッパーの円形配列の外側の方を向いている。前壁24には、分注デバイスからホッパー1を手動で挿入する及び/又は取り出すためにハンドル又は把持部(図示せず)が設けられ得る。
【0055】
ホッパー出口3は、ホッパー入口2の先細端に位置するとともに、前記ホッパー入口2と開放連通しており、前記ホッパー入口2により集められた分散性薬剤9を受ける。ホッパー出口3は、ホッパー1から分散性薬剤9を分注又は排出するために落下方向Dにおいて開いている。ホッパー出口3は、2つの出口側壁31、32を相互結合する2つの出口側壁31、32と出口後壁33とを含む。
【0056】
ホッパー出口3にはさらに、後壁33においてダスト排出チャネル34とダスト排出開口35とが設けられ、前記後壁33を通じたホッパー出口3からのダスト又は小粒子の抽出を可能にする。ホッパー出口3はまた、ホッパー1をきれいにする真空源に接続するための吸引格子36を含む。
【0057】
この例示的実施形態において、
図2に示されるとおり、ホッパー出口3、及び実際はホッパー1全体は、中央平面Mに関して対称又は実質的に対称であるが、これは異なるホッパーにおいては異なり得る。
【0058】
ホッパー1にはさらに、前記ホッパー出口3を開閉するために、ホッパー出口3に又はホッパー出口3中に出口ドア、シャッタ又は弁4が設けられる。特に、出口弁4は、出口弁4が、ホッパー出口3を通じた、ホッパー1を出る分散性薬剤9の通過を阻む
図4及び6に示される閉位置と、出口弁4が、落下方向Dにおいて、ホッパー出口3を通じた、ホッパー1を出る分散性薬剤9の通過を可能にする
図5に示される開位置との間で可動である。この例示的実施形態において、出口弁4は、弁軸Sを中心として回転可能である。弁軸Sは中央平面Mに垂直又は実質的に垂直に延在する。
【0059】
図3において最もよく見られるとおり、出口弁4は、弁本体40であって、弁本体40の、出口弁4が閉位置にあるときにホッパー出口4における分散性薬剤9を支持する側に保持面を画定する弁本体40を有する。換言すると、保持面V1は、出口弁4が閉位置にあるときに弁本体の上方に向いている側である。
【0060】
図4に示されるとおり、弁本体40は、長手方向Lにおいて長尺状である。保持面V1は、前記長手方向Lに平行に、実質的に平行に、又は前記長手方向Lに延在する。出口弁4の閉位置において、弁本体40は水平面に対して斜角Kで配置される。特に、弁本体40は、ホッパー出口3の後壁33に向かって斜め下に延在する。
【0061】
図2は、出口弁4が閉位置にあるときの弁本体40の断面C1を示す。断面C1は弁軸Sに平行な平面におけるものである。より具体的には、本例において、断面C1は、弁軸Sに平行な垂直平面のものである。断面C1はまた、長手方向Lに垂直な平面のものであってもよかった。断面C1は樋形である。本発明との関連において、「樋形」という用語は、分散性薬剤9を凹んだやり方で受ける及び支持するために上向き方向に開いている弁本体40における凹んだ容積を画定する断面として解釈されるべきである。特に、断面C1は、弁本体40の長手方向Lにおける長くて狭い、チャネル状容積を画定する。断面C1は多面、凹形又はその組合せであってもよい。
【0062】
この例示的実施形態において、断面C1はV字形又は実質的にV字形である。特に、弁本体40は、中央平面Mの両側から落下方向Dにおいて収束する第1半部41と第2半部42とを含む。第1半部41及び第2半部42は好ましくは、比較的鋭い、例えば45度以下の中央平面Mに対する角度で延在する。第1半部41及び第2半部42は、前記中央平面Mに関して対称又は実質的に対称であることに留意されたい。
【0063】
図4に示されるとおり、弁本体40は、第1半部41及び第2半部42を相互結合する谷部43をさらに含む。前記谷部43は、直線的に、好ましくは中央平面Mにおいて若しくは中央平面Mに平行に、及び/又は弁本体40の長手方向Lに平行に延在する。谷部43は後壁33におけるダスト排出開口35とホッパー出口3の後壁33の反対側のダスト排出チャネル34と整列していることに留意されたい。
【0064】
図2において最もよく見られるとおり、保持面V1は、弁軸Sに平行な方向における幅Wと落下方向Dにおける高さ又は深さHとを有する。幅Wは、弁本体40が出口側壁31、32の間にきちんと適合するように選択される。深さHは典型的には、幅Wの少なくとも半分になるよう選択される。したがって、保持面V1は幅Wに比べて比較的深い。
【0065】
図3に示されるとおり、ホッパー1には、弁軸Sを中心とした出口弁4の回転を円滑にするためにピン38が設けられる。ピン38の位置に、出口弁4には、ピン38を中心とした回転を受けるために強化リング又はブッシング48が設けられる。強化ブッシング48は、前記強化ブッシング48の直接周辺の弁本体40より厚いピン38に平行な軸方向における厚さTを有する。この例示的実施形態において、強化ブッシング48の厚さTは、前記強化ブッシング48の直接周辺の弁本体の厚さの約2倍である。強化ブッシング48は好ましくは、弁本体40の残りの部分と一体的に形成される。
【0066】
図3においてさらに示されているとおり、出口弁4は、出口弁4を閉位置と開位置との間で移動させるために作動可能なレバー44をさらに含む。レバー44は、レバー軸Sの、弁本体40の反対側にある側で互いに平行に延在する第1レバー側部45と第2レバー側部46とを含む。本例において、レバー側部45、46はアームとして形成される。レバー44は、前記レバー44の先端でレバー側部45、46を相互結合するレバー端47をさらに含む。
【0067】
図5は、ホッパー1であって、前記ホッパー1の外にある弁オープナー5と相互作用するホッパー1を示す。弁オープナー5は、ホッパー1が置かれている分注デバイスの一部であってもよい。弁オープナー5は、出口弁4を開閉するために、レバー44、より具体的にはレバー端47と相互作用するアクチュエータ、例えばステッパモータを含み得る。弁オープナー5は、分注位置、特に包装ユニットに戦略的に位置付けられて、ホッパー1が前記包装ユニットよりほぼ又は直接上にあるときに出口弁4を作動させる。分注デバイスは、弁オープナー5に作動的に及び/又は電子的に接続されて前記弁オープナー5を制御する制御ユニット8をさらに含む。
【0068】
制御ユニット8は、出口弁4を
図4に示される閉位置から、
図5に示される開位置に向かって、回転矢印Rで、重力加速度よりも速く、すなわち、9.81m/s
2超で加速するように弁オープナー5を制御するためにプログラムされる、配置される及び/又は構成される。結果として、保持面V1は、分散性薬剤9がホッパー出口3から自由に落下し得ることを確実にするために、重力よりも速く分散性薬剤9の下から落下又は引き離され得る。他の実施形態において、出口弁4は、出口弁4が落下を案内する及び/又は遅くするのを助けるように、よりゆっくりと移動され得る。
【0069】
図6に示されるとおり、ホッパー1にはさらに、弁オープナー5が出口弁4を開位置から解放したときに出口弁4を閉位置へ戻すために、戻し部材7、好ましくは付勢要素、例えばばねが設けられる。これは、例えば、ホッパーの円形配列が別のステップにわたって回転されるとともに、包装位置の直接上に及び前記包装位置と関連する弁オープナー5に予め位置付けられたホッパー1が今や弁オープナー5から離れて包装位置の下流の後続の位置へ移動されるときに生じ得る。
【0070】
前記後続の位置において、出口弁4が閉位置に正しく戻されたかどうか確認するために、分注デバイスにはさらに弁位置センサ6が設けられ得る。出口弁4は、分散性薬剤9又は薬剤の、時間内にホッパー出口3から出て落下しなかった部分など、何かが出口弁4とホッパー1との間に詰まっているとき、正しく戻らない場合がある。弁位置センサ6は、検出領域Aの第1端に送信器60及び受信器61を、並びに第1端の反対側の検出領域Aの第2端に反射器62を含む。送信器60は、光線B、例えば赤外線又はレーザー光を放射するように構成され得る。受信器61は、光線Bのスペクトルに敏感である光電セルであってもよい。
【0071】
図6において破線で示された開位置において、出口弁4は検出領域Aから離れて延在する。その場合、光線Bは送信器60から反射器62へ及び受信器61に向かって戻るように移動し中断され得る。しかしながら、
図6において実線で示された閉位置において、出口弁4は、検出領域Aにおいて少なくとも部分的に延在する。出口弁4、特にそのレバー44は、光線Bと交差するとともに光線Bを反射器62から離れるように偏向させる。したがって、信号は検出されず、このことは出口弁4が閉位置に正しく戻されていることを示す。
【0072】
弁位置センサ6の動作は代替的に、例えば、出口弁4が完全に閉鎖されたときに信号が検出され、出口弁4が少なくとも部分的に開いているときに信号が検出されないように、送信器60、反射器61及び受信器62を位置付けることにより、逆にされてもよい。
【0073】
送信器60及び反射器62は、閉位置からの僅かなオフセットでさえレバー44を光線Bの経路から少なくとも部分的に外れるように移動させるように、位置付けられる。したがって、出口弁4が完全に閉鎖されていないときに信号が検出される。任意選択的に、検出方向Eは水平又は実質的に水平である。換言すると、光線Bは水平に又は実質的に水平に放射及び反射される。
【0074】
制御ユニット8は、前記弁位置センサ6により生成された信号(又はそれが無いこと)を受信及び処理するため、並びに適切な行動をとる、例えば分注動作を止める及び/又はオペレータに警告するために、弁位置センサ6に作動的に及び/又は電子的に接続される。
【0075】
図7は、本発明の第2実施形態による代替的ホッパー101であって、その出口弁104が凹形断面C2を備えた代替的保持面V2を画定する弁本体140を有するという点で前に検討されたホッパー1とは異なる、代替的ホッパー101を示す。特に、弁本体140の2つの半部141、142は弓形であるとともに、中央平面Mの両側から互いに向かって収束する又は先細になっている。そのV字形対応部と同様に、凹形保持面V2は前記中央平面Mに関して対称である。この場合も、これは幅Wの半分と少なくとも等しい深さHを有する。したがって、代替的保持面V2は、分散性薬剤9を凹みにより受けるのに同様に良好に好適である。
【0076】
図8は前述のホッパー1を、それより上にある供給装置ユニットFとの関係において示す。供給装置ユニットFは、分散性薬剤9を、ホッパー入口2内へ個別に及び/又は選択的に導き得る。ホッパー1には任意選択的に、ホッパー入口2を通じたそれらのそれぞれの落下軌道を最適化するために、ホッパー入口2の中央領域において分散性薬剤を偏向させ得るホッパー入口2における偏向部材200が設けられる。このような方法で、分散性薬剤9の一部が他のものよりも長い軌道を移動することが防がれ得る。特に、偏向部材3の形状は、全ての分散性薬剤9が、それが由来する供給装置ユニットFの位置にかかわらず、実質的に同じ時にホッパー出口3に到達することを確実にするように最適化される。任意選択的に、偏向部材200は、容易な洗浄及びホッパー入口2及び偏向部材200の両方の積み重ねを円滑にするために、ホッパー入口2から取り外し可能である。
【0077】
偏向部材200は、水平面に対して斜めの偏向角度Xで延在する第1偏向面201と第2偏向面202とを含む。偏向角度Xは30~60度の範囲、より具体的には40~50度の範囲で選択される。本例において、偏向角度Xは約45度である。偏向面201、202は、逆さにされたV字形のように、ホッパー入口2の中心から離れるように逆に角度が付けられている。本例において、偏向面201、202は単一の本体の一部である。代替的に、偏向部材200は2つ以上の別個の部品により形成され得、各々それ自体の偏向面201、202を有する。偏向面201、202は、分散性薬剤9の落下を中断させ得る。斜めの偏向角度Xは、前記分散性薬剤9に対する損傷を最小化又は防止し得る。
【0078】
偏向部材200にはさらに、ホッパー1より上に位置するカメラCと出口弁4との間にはっきりとした視線Zを提供する貫通孔203が設けられる。本例において、視線Zは垂直又は実質的に垂直である。換言すると、カメラCは出口弁4より上で垂直に整列される。本例において、貫通孔203は偏向面201、202の間に位置する。任意選択的に、貫通孔203の寸法は、カメラCの視野より大きい、カメラCの視野と一致する又は実質的に一致するように選択される。カメラCは、出口弁4が正しく開かれたか若しくは閉じられたかを決定するために、又はホッパー出口3に残っている分散性薬剤9若しくは他の材料があるかどうか決定するために使用され得る。
【0079】
カメラCは、供給装置ユニットF間の専用カメラ位置に配置されてもよく、又はそれは、供給装置ユニットFにより通常は占められている位置のうちの1つに挿入されるように構成されてもよい。特に、カメラCは、そのような供給装置ユニットFのためのドッキングベースに合うように適合され得、視線は分散性薬剤9をそれぞれの供給装置ユニットFからホッパー1内へ導くために通常は使用される孔を通じて移動する。代替的に、カメラCは、その視線が上向きに向いている状態で、ホッパー出口3より下に位置付けられ得る。その場合、ホッパー1の頂部にバックライトが提供され得る。
【0080】
前述のホッパー1、101のうちの任意の1つを使用した分散性薬剤9を取集及び分注するための方法が、
図4~6を参照して手短に解明される。
【0081】
図4は、ホッパー出口3を通じた、ホッパー1を出る分散性薬剤9の通過を阻むように出口弁4が閉位置において位置付けられた状況を示す。複数の分散性薬剤9が保持面V1で支持される。特に、
図2に示される樋形断面C1を理由として、保持面V1は、複数の分散性薬剤9を密に詰められた状態で又は入れ子状に受けることができ、それにより、前記分散性薬剤9が跳ねて互いに損害を与える機会を減らす。
【0082】
図5は、出口弁4が、ホッパー出口3を通じた、ホッパー1、101を出る分散性薬剤9の通過を可能にするように閉位置から開位置に向かって移動された後の状況を示す。先に述べたとおり、出口弁4は重力加速度よりも速く加速される。このような方法で、出口弁4が閉位置から開位置に向かって移動し始めた後で、出口弁4が分散性薬剤9の軌道と干渉することが防がれ得る。
図5において観察され得るとおり、保持面V1で予め支持された分散性薬剤9のグループは、保持面VIでのそれらの元の相対的位置と同様に互いに比較的密に近接している状態のまま、それらの自由落下を開始している。分散性薬剤9間の相対的移動がほとんど又は全く無いと、分散性薬剤9間の軌道を変える接触が可能な限り防がれ得る。
【0083】
図6は、出口弁4が閉位置に戻った後の状況を示し、弁位置センサ6は上述のとおりの方法で前記正しい閉鎖を検出する。
【0084】
上記は、好ましい実施形態の動作を図示するために含まれており本発明の範囲を限定することを意味しないことを理解されたい。上の議論から、本発明の趣旨及び範囲により包含されていない多くの変更形態が当業者には明らかである。
【符号の説明】
【0085】
1 ホッパー
2 ホッパー入口
21 入口側壁
22 入口側壁
23 入口後壁
24 入口前壁
3 ホッパー出口
31 出口側壁
32 出口側壁
33 出口後壁
34 ダスト排出チャネル
35 ダスト排出開口
36 吸引格子
38 ピン
4 出口弁
40 弁本体
41 第1半部
42 第2半部
43 谷部
44 レバー
45 第1レバー側部
46 第2レバー側部
47 レバー端
48 強化ブッシング
5 弁オープナー
6 弁位置センサ
60 送信器
61 受信器
62 反射器
7 戻し部材
8 制御ユニット
9 分散性薬剤
101 代替的ホッパー
104 出口弁
140 弁本体
141 第1半部
142 第2半部
200 偏向部材
201 第1偏向面
202 第2偏向面
203 貫通孔
A 検出領域
B 光線
C カメラ
C1 断面
C2 代替的断面
D 落下方向
E 検出方向
F 供給装置ユニット
G 重力
H 深さ
K 斜角
L 長手方向
M 中央平面
R 回転
S 弁軸
T 厚さ
V1 保持面
V2 代替的保持面
W 幅
X 偏向角度
Z 視線
【手続補正書】
【提出日】2024-03-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分散性薬剤(9)を取集及び分注するためのホッパー(1、101)であって、
前記ホッパー(1)が、ホッパー入口(2)と、ホッパー出口(3)と、前記ホッパー出口(3)における出口弁(4、104)であって、前記ホッパー出口(3)を通じ前記ホッパー(1、101)を出る前記分散性薬剤(9)の通過を前記出口弁(4、104)が阻む閉位置と、落下方向(D)において前記ホッパー出口(3)を通じ前記ホッパー(1、101)を出る前記分散性薬剤(9)の通過を前記出口弁(4、104)が可能にする開位置との間で可動である、ホッパー出口(3)における出口弁(4、104)とを含み、
前記出口弁(4、104)が、
前記出口弁(4、104)を前記閉位置と前記開位置との間で移動させるように作動可能であるレバー(44)と、弁本体(40、140)であって、前記出口弁(4、104)が前記閉位置にあるときに前記ホッパー出口(3)における前記分散性薬剤(9)を支持する前記弁本体(40、140)の側に保持面(V1、V2)を画定する、弁本体(40、140)とを有し、前記保持面(V1、V2)が前記分散性薬剤(9)を受けるための断面(C1、C2)を有し、前記断面(C1、C2)が樋形であり、
前記ホッパーが、
前記レバー(44)の位置に基づき前記出口弁(4、104)の前記開位置及び/又は前記閉位置を検出するための弁位置センサ(6)をさらに含
み、
前記弁位置センサ(6)が、検出領域(A)の第1端に送信器(60)と受信器(61)とを含み、前記閉位置における前記レバー(44)が、前記検出領域(A)内に少なくとも部分的に延在して前記送信器からの光線と交差するとともに光線を偏向させ、開位置においては前記検出領域(A)に無い、
ホッパー(1、101)。
【請求項2】
前記出口弁(4、104)が、弁軸(S)を中心として前記閉位置と前記開位置との間で回転可能であり、前記断面(C1、C2)が前記弁軸(S)に平行である、
請求項1に記載のホッパー(1、101)。
【請求項3】
前記弁本体(40、140)が、中央平面(M)の両側から収束する前記落下方向(D)において収束する第1半部(41、141)と第2半部(42、142)とを含む、
請求項1又は2に記載のホッパー(1、101)。
【請求項4】
前記第1半部(41、141)及び前記第2半部(42、142)が前記中央平面(M)に関して対称である、
請求項3に記載のホッパー(1、101)。
【請求項5】
前記出口弁(4、104)が、弁軸(S)を中心として前記閉位置と前記開位置との間で回転可能であり、前記中央平面(M)が前記弁軸(S)に垂直に延在する、
請求項
3に記載のホッパー(1、101)。
【請求項6】
送信器(60)
がレーザー光を放射する、
請求項1
又は2に記載のホッパー。
【請求項7】
前記送信器(60)が、水平検出方向(E)において光線(B)を放射するように構成される、
請求項
1又は2に記載のホッパー。
【請求項8】
前記断面(C2)が少なくとも部分的に凹形である、
請求項
1又は2に記載のホッパー(101)。
【請求項9】
前記断面(C1、C2)において、前記保持面(V1、V2)が、幅(W)と、前記幅(W)の少なくとも半分の深さ(H)とを有する、
請求項1
又は2に記載のホッパー(1、101)。
【請求項10】
前記保持面(V1、V2)が、前記出口弁(4、104)が前記閉位置にあるときに
、水平面に対して斜角(K)をなす長手方向(L)を有する、
請求項1
又は2に記載のホッパー(1、101)。
【請求項11】
前記ホッパー(1、101)にピン(38)が設けられ、前記出口弁(4、104)が、前記閉位置と前記開位置との間で前記ピン(38)を中心として回転可能であり、前記ピン(38)の位置の前記出口弁(4、104)に、前記ピン(38)を受けるために強化ブッシング(48)が設けられる、
請求項1
又は2に記載のホッパー(1、101)。
【請求項12】
前記強化ブッシング(48)が、前記強化ブッシング(48)の直接周辺の弁本体(40、140)より厚い、前記ピン(38)に平行な軸方向における厚さ(T)を有する、
請求項11に記載のホッパー(1、101)。
【請求項13】
分散性薬剤(9)を取集及び分注するためのホッパー(1、101)を含む分注デバイスであって、
前記ホッパー(1)が、ホッパー入口(2)と、ホッパー出口(3)と、前記ホッパー出口(3)における出口弁(4、104)であって、前記ホッパー出口(3)を通じ前記ホッパー(1、101)を出る前記分散性薬剤(9)の通過を前記出口弁(4、104)が阻む閉位置と、落下方向(D)において前記ホッパー出口(3)を通じ前記ホッパー(1、101)を出る前記分散性薬剤(9)の通過を前記出口弁(4、104)が可能にする開位置との間で可動である、前記ホッパー出口(3)における出口弁(4、104)とを含み、前記出口弁(4、104)が、弁本体(40、140)であって、前記出口弁(4、104)が前記閉位置にあるときに前記ホッパー出口(3)における前記分散性薬剤(9)を支持する前記弁本体(40、140)の側に保持面(V1、V2)を画定する弁本体(40、140)を有し、前記保持面(V1、V2)が、前記分散性薬剤(9)を受けるための断面(C1、C2)を有し、前記断面(C1、C2)が樋形であり、
前記分注デバイスが、前記出口弁(4、104)を前記閉位置から前記開位置へ移動させるための弁オープナー(5)と、前記弁オープナー(5)に作動的に接続された制御ユニット(8)とをさらに含み、前記制御ユニット(8)が、前記出口弁(4、104)を前記閉位置から前記開位置に向かっ
て重力加速度よりも速く加速させるために前記弁オープナー(5)を制御するように構成される、
分注デバイス。
【請求項14】
前記出口弁(4、104)が9.81m/s
2超で加速される、
請求項
13に記載の分注デバイス。
【請求項15】
前記分注デバイスが、前記出口弁(4、104)の前記開位置及び/又は前記閉位置を検出するための弁位置センサ(6)を含む、
請求項
13又は14に記載の分注デバイス。
【請求項16】
前記弁位置センサ(6)が、検出領域(A)の第1端に送信器(60)及び受信器(61)、並びに前記第1端の反対側の前記検出領域(A)の第2端に反射器(62)を含み、前記閉位置における前記出口弁(4、104)が前記検出領域(A)において少なくとも部分的に延在し、前記開位置においては前記検出領域(A)に無い、
請求項
15に記載の分注デバイス。
【請求項17】
前記送信器(60)が、水平検出方向(E)において光線(B)を放射するように構成される、
請求項
16に記載の分注デバイス。
【請求項18】
前記出口弁(4、104)が、前記出口弁(4、104)を前記閉位置と前記開位置との間で移動させるために作動可能であるレバー(44)をさらに含み、前記
弁位置センサ(6)が、前記レバー(44)
の位置に基づき前記出口弁が前記開位置にあるか前記閉位置にあるかを検出する、
請求項
15に記載の分注デバイス。
【請求項19】
請求項
1に記載のホッパー(1、101)を使用して分散性薬剤(9)を取集及び分注するための方法であって、前記方法が、
前記ホッパー出口(3)を通じ前記ホッパー(1、101)を出る前記分散性薬剤(9)の通過を阻むように前記出口弁(4、104)を前記閉位置に位置付けるステップと、
前記ホッパー出口(3)における前記分散性薬剤(9)を、前記出口弁(4、104)の前記保持面(V1、V2)で支持するステップと、
前記ホッパー出口(3)を通じ前記ホッパー(1、101)を出る前記分散性薬剤(9)の通過を可能にするために、前記出口弁(4、104)を前記閉位置から前記開位置に向かって移動させるステップと、
を含む方法。
【請求項20】
前記出口弁(4、104)の前記閉位置から前記開位置に向かって
の移動中、前記出口弁(4、104)
が重力加速度よりも速く加速される、
請求項
19に記載の方法。
【請求項21】
前記出口弁(4、104)が9.81m/s
2超で加速される、
請求項
20に記載の方法。
【請求項22】
前記方法が、前記出口弁(4、104)の前記開位置及び/又は前記閉位置を検出するステップをさらに含む、
請求項
19に記載の方法。
【請求項23】
前記開位置及び/又は前記閉位置が水平検出方向(E)において検出される、
請求項
19に記載の方法。
【請求項24】
前記検出のステップが前記出口弁(4、104)のレバーの位置を検出することを含む、
請求項
22に記載の方法。
【国際調査報告】