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特表2024-530147モジュール式椅子及び上記モジュール式椅子を実現するための方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-16
(54)【発明の名称】モジュール式椅子及び上記モジュール式椅子を実現するための方法
(51)【国際特許分類】
   A47C 4/02 20060101AFI20240808BHJP
   A47C 7/00 20060101ALI20240808BHJP
   A47C 9/00 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
A47C4/02 Z
A47C7/00 Z
A47C9/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024505527
(86)(22)【出願日】2021-08-12
(85)【翻訳文提出日】2024-03-28
(86)【国際出願番号】 IB2021057441
(87)【国際公開番号】W WO2023017300
(87)【国際公開日】2023-02-16
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522007037
【氏名又は名称】ディーブイエイト アイディー エス.アール.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フリッツ、トーシュテン
【テーマコード(参考)】
3B095
【Fターム(参考)】
3B095AB10
(57)【要約】
拡張軌道(2a)に沿って少なくとも部分的に展開するフレーム(2)を含む支持構造、使用者の支持を可能にするのに好適な支持面(30)、前記フレーム(2)に少なくとも部分的に制約されることが可能な縁部(31)、及び縁部(31)に対応して配置される管状ガイド(32)を含む膜(3)、拡張軌道(2a)に関して少なくとも部分的に平行な延長方向(4a)を定義し、ガイド(32)の少なくとも一部の中に収容されるカーソル(4)を備えるモジュール式椅子(1)が提供され、フレーム(2)は、少なくとも、拡張軌道(2a)に関して入射方向に突出する突出部(20)を含み、スライダ(4)は、少なくとも、少なくとも1つの固定箇所に対応して、フレーム(2)、膜(3)、及びスライダ(4)を固定して制約するように、突出部(20)を少なくとも部分的に収容するように構成された受容部(40)を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュール式椅子であって、
-延長軌道に沿って少なくとも部分的に延びるフレームを含む支持構造、
-使用者を支持するように設計された支持面、前記フレームに少なくとも部分的に取り付けられるように設計された縁部、及び前記縁部に配置された管状ガイドを含む膜、
-前記延長軌道に対して少なくとも部分的に平行な延長方向を定義し、前記管状ガイドの少なくとも一部の中に収容されているスライダ
を備え、
-前記フレームが、前記延長軌道に入射する方向に突出する少なくとも1つの突出部を含み、
-前記スライダが、前記フレーム、前記膜、及び前記スライダを少なくとも1つの固定箇所にしっかりと取り付けるように、前記突出部の少なくとも一部を収容するように構成された少なくとも1つの受容部を含む、椅子。
【請求項2】
前記フレームが三次元的な方法で空間において延在する複雑な曲線経路を決定するように、前記延長軌道が三次元空間において少なくとも2つの主軸を中心として回転する、請求項1に記載の椅子。
【請求項3】
前記延長方向を、任意の軸を中心として回転させることができ、命令に応じて前記延長軌道に対して平行にすることができるように、前記スライダが変形され得る、請求項1又は2に記載の椅子。
【請求項4】
前記スライダは、前記スライダの少なくとも一部の変形、及び、少なくとも、命令に応じた前記延長方向の少なくとも一部の湾曲を可能にするように、前記延長方向に対して垂直な面に沿って延長する複数の周辺ノッチを有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の椅子。
【請求項5】
前記突出部が、前記延長軌道に対して垂直に延長する少なくとも1つの歯を含み、前記スライダが、前記受容部を作り、かつ前記歯及び前記膜の少なくとも一部を収容するように構成された少なくとも1つの孔を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の椅子。
【請求項6】
前記突出部が、前記延長軌道に対して平行に連続的に延在するバーを含み、前記スライダが、前記延長方向に沿って延在し、前記受容部を作る、前記延長方向に対して垂直な面に沿ったC形状のプロファイルを定義し、前記膜の前記バーの少なくとも一部を捕捉するように構成された開放管状要素を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の椅子。
【請求項7】
前記突出部及び前記開放管状要素が互いに対抗する形状である、請求項6に記載の椅子。
【請求項8】
前記スライダが、前記膜によって前記延長方向に沿って引き出されることができるように、前記管状ガイド内でスライド式に結合されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の椅子。
【請求項9】
前記スライダが、前記膜と一体化されており、それが前記膜に対して前記延長方向に沿ってロックされるように前記管状ガイド内に取り付けられている、請求項1から7のいずれか一項に記載の椅子。
【請求項10】
前記膜が、周期的な模様を含み、前記周期的な模様の基部は、メッシュ状に織り込まれた少なくとも1つのメインフィラメントを有し、前記支持面は、少なくとも1つのセカンダリフィラメントが挿入される前記周期的な模様を含む制御された挙動を有する1つ又は複数の部分を有し、前記セカンダリフィラメントは、前記セカンダリフィラメントのタイプ又は数を変動させることによって、制御方式で、前記制御された挙動を有する部分において前記支持面の機械的挙動を変動させるように、所定の軌道に沿って緯糸として配置されている、請求項1から9のいずれか一項に記載の椅子。
【請求項11】
前記セカンダリフィラメントが、前記管状ガイドに対して平行に延在する列を生み出すように、前記管状ガイド内の少なくとも1つの巻取りを定義し、前記列において前記メインフィラメント及び前記セカンダリフィラメントが互いにロックされて接合される、請求項10に記載の椅子。
【請求項12】
前記セカンダリフィラメントが、「イギリス編み」又は「フォルスイングリッシュリブ」となるように、前記管状ガイドにおいて前記周期的な模様内で織り込まれている、請求項10又は11に記載の椅子。
【請求項13】
前記膜が受ける熱に応じて、前記制御された挙動を有する部分の局所的な張力が変動し得るように、前記セカンダリフィラメントが少なくとも1つの熱収縮コンポーネントを含む、請求項10から12のいずれか一項に記載の椅子。
【請求項14】
-延長軌道に沿って延長する少なくとも1つのフレームを含み、前記延長軌道に対する手斜めに突出する少なくとも1つの突出部を含む支持構造を提供する段階
-使用者を支持するように設計された支持面、前記フレームに少なくとも部分的に取り付けられるように設計された縁部、及び前記縁部に配置された管状ガイドを含む膜を提供する段階、
-前記突出部の少なくとも一部を収容するように構成された少なくとも1つの受容部を含むスライダを前記管状ガイド内に挿入する段階
を備え、
-前記フレーム、前記膜、及び前記スライダを少なくとも1つの固定箇所にしっかりと取り付けるように、前記受容部を前記突出部上に引っ掛ける
モジュール式椅子を作るための方法。
【請求項15】
-前記挿入する段階及び前記引っ掛ける段階の間に、前記スライダ及び前記管状ガイドを前記延長方向に沿ってロックするように、前記スライダ及び前記管状ガイドを一緒に取り付ける段階
を備える、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の請求項のプリアンブルにおいて指定されたタイプのモジュール式椅子、及び上記モジュール式椅子を製造する方法に関する。
【0002】
特に、本発明は、使用者が座ることを可能にする任意のデバイスであり、かつ、構成に応じて、オフィス用、家庭用、庭園用、高級品用、又は、例えば自動車、航空機、車椅子等の医療分野における用途、及び子供椅子の分野等を含む様々なタイプの他の用途のための椅子、アームチェア、ソファ、又は他のものからなり得る、モジュール式椅子、又は用語の最も広義での連動に関する。
【背景技術】
【0003】
知られているように、現在の最新技術では、上記椅子が意図される基準市場に応じて、多くの異なるタイプの椅子、例えば、肘掛け、リクライナ、スリングを有するもの、又はアームチェア又はソファ等が生産されている。
【0004】
歴史的に、椅子又はシートは最も単純なベンチを由来とする。後者は、実際、シートが床の上に持ち上げられることを可能にするように設計された少なくとも2つの支柱に対して構造的に制約されるようにシートを定義する単純な支持面を備えている。
【0005】
現在では、椅子は通常、少なくとも1名で好ましくは1名の使用者を、座部と呼ばれる表面で支持することを可能にするように適合されている。椅子の殆どは、背もたれ等の追加の支持要素も有し、肘掛け、及び上肢及び下肢をそれぞれ支持するための支持具も含み得る。
【0006】
普及している様々な最も一般的なタイプの椅子の中で、背もたれを可変の角度でリクライニングすることができ、使用者の所望により座位又は臥位を取ることができる折り畳み式シェーズロングからなる所謂デッキチェア、実質的に十字又はX字形状の構造を有し、場合によりシートの支持のために折り畳み可能である、フォールドスツールとしても開発されたキュアルールシート、全体的に折り畳み式であり歴史的に戦場で使用されたトリポリナ、概してポリマ材料で作られ、屋外環境で、主にケータリング分野で使用される一体型椅子、対象の椅子に典型的なロッキング運動を可能にするよう設計された2つの湾曲した支持具を備えるロッキングチェア、床レベルおよび座部レベルで曲げられ、連続した管によって水平に接続された2本の垂直材のみを備える、非常に一般的に使用されているカンチレバーチェア又はカンチレバーを識別することが可能である。
【0007】
上述の例に加えて、美的必要性、例えば特定の形状に対する市場の需要、又は例えば椅子製品の高い品質レベルを維持しながら生産プロセスを最適化する必要性から生じる技術的必要性を満たすように設計された、多数の他の異なるタイプおよび構造の椅子が存在する。
【0008】
特に、椅子のいくつかの例は、椅子の構造全体に対して支持及び形状を与えるために使用されるフレーム、及び、通常、生地で作られて、シート及び場合によっては背部を生み出すようにフレームに結合されることが可能な少なくとも1つの膜によって実質的に構成される。
【0009】
そのような構成システムを含む椅子の例は、特許文献US2830350A、US2830350A、及びUS3752209Aに記載されている。
【0010】
文献US2830350Aは、実質的に、フック状の部分内で生地の一端を実質的に捕捉するように、スロットに適合するフラップのおかげで、定位置にそれをロックするようにフレーム上に置かれ得る、開放プロファイルを定義するシースの使用を提供する、フレーム及び生地の間の連結機構を説明している。
【0011】
シースは、フレーム全体に対して対抗する形状を有する単純な管状要素であるため、文献US2830350Aは、基本的に、上で説明したものと同じ原理を、さらにより単純化した方法で提示する。
【0012】
最後に、US3752209Aは、以前の文献のシースの進化版を説明しており、ここで、フレーム上及び生地上でのシースの把持を増大させるためにプロファイルの端部において鋸歯状の要素が実装されている。
【0013】
記載される公知技術は、いくつかの重要な欠点を有する。
【0014】
特に、支持膜の発展により、とりわけそれらの機械的挙動が局所的かつ所定の方法で可変である生地の使用のおかげで、より性能の高いシート及び背もたれを生み出すことが可能になったとすると、その内部形態に応じて、前述の特許文献に記載されるもの等の、単純かつ急速な制約の機構は、実質的に、新世代の生地の性能を無効化又は減少させる。
【0015】
実際に、生地をフレームに沿って効果的に均質的に制約することは難しく、さらに、通常使用中、公知技術のシースは、引張応力によって特に応力を受けるいくつかの箇所において生地の解放を伴い、これにより椅子の機能性全体が損なわれる。
【0016】
この文脈において、椅子は、不快であり、さらには、使用者に、体のバランスを損なわせる正しくない姿勢を取らせる場合がある。
【0017】
結論として、引張応力を受ける生地を支持するシースの摩耗の効果は、椅子の実際の破損をもたらして、コンポーネントを交換する必要、及び最悪の場合、シースの一部に部分的にのみ捕捉されたままの生地にさえ破損を生じる場合がある。
【0018】
この状況において、本発明の根底にある技術的課題は、前述の欠点の少なくとも一部を実質的に取り除くことが可能なモジュール式椅子、及び上記モジュール式椅子を製造する方法を考案することである。
【0019】
上記の技術的課題の範囲内で、本発明の重要な目的は、そのような生地の効果を減少、又はしたがって妨げることなく、可変の局所的挙動を有する新世代の生地の殆どを高性能な方法で作ることを可能にするモジュール式椅子、及び関連する製造方法を得ることである。
【0020】
本発明の別の重要な目的は、特にフレーム上での使用のために具体的に設計されている場合に、膜の挙動を変えることがないように、フレームに関して均質的な方法で生地によって決定された膜を制約することを可能にするモジュール式椅子及び関連する製造方法を実現することである。
【0021】
本発明のさらなるタスクは、常に快適な状態を経時的に保ち、使用者による正しい姿勢の採用を容易にする椅子を提供することである。
【0022】
結論として、本発明の目的は、極めて長寿命であり、極めて長寿命であり、すなわち、摩耗の効果に対して影響を受けにくく、交換の減少、及び同時に、高い単純性及び製造コスト有効度を可能にする椅子を提供することである。
【0023】
技術的課題及び指定された目的は、添付の請求項1において主張されるようなモジュール式椅子及び関連する製造方法によって達成される。
【0024】
好ましい技術的解決法は、従属請求項において強調される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明の特徴及び利点は、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施形態の詳細な説明によって以下で明確にされる。
図1】複雑な三次元フレームを用いて実現された、本発明によるモジュール式椅子の一例を示す。
図2図1の椅子の部分断面図を示す。
図3】フレームが歯を含み、カーソルが、歯に対して対抗する形状の孔を含むロッドである、第1の構成にある発明によるモジュール式椅子の連結機構の一例である。
図4a図3の機構のスライダを示す。
図4b図3の機構のフレームを示す。
図5a】フレームがT形状のレールを含み、カーソルが、レールに対して対抗する形状の管状要素である、第1の構成にある本発明によるモジュール式椅子の連結機構の別の例を示す。
図5b】フレームがO形状のレールを含み、スライダが、レールに対して対抗する形状の管状要素である、第1の構成にある本発明によるモジュール式椅子の連結機構のさらなる例である。
図6図5aのスライダと同様のスライダを示し、ノッチが示されており、特に、90℃に等しい又はそれより大きい角度までさらにスライダの折り畳みを可能にするために底部により幅広いノッチがある。
図7】スライダが膜に一体化された管状要素である、第2の構成にある本発明によるモジュール式椅子の連結機構の部品の一例を示す。
図8】レール及びスライダ、及び図7の膜を含むフレームを含む、本発明によるモジュール式椅子の連結機構の上面図を示す。
図9a】本発明によるモジュール式椅子の連結機構の一例であり、フレームは、2列のO形状のレール、及び、各々がレールに対して輪郭形状の管状要素を含む2つの別個のスライダを含む。
図9b図9aの例の変形例であり、突出部は、2つの受容部を含む単一のスライダによって係合されるように構成されている。
図10】特別な支持手段である、本発明によるモジュール式椅子の実施形態の一例を示す。
図11】本発明によるモジュール式椅子の、支持手段、特にテンショナ連結機構の詳細を示す。
図12】本発明による椅子のフレームの好ましい例の概略斜視図である。
図13a】非アクティブ構成又は組立前の、本発明によるモジュール式椅子のフレームヒンジが持つ機構の詳細を表す。
図13b】使用又は組立の構成における、発明による椅子のフレームのヒンジによって実現される機構の詳細を示す。
図14】本発明によるモジュール式椅子のヒンジの詳細を示す。
図15】支持構造の、特に支持手段の膜を被覆する底部を含む、本発明によるモジュール式椅子の正面図である。
図16】フレームの底部に連結デバイスを、及びオフィスの実施形態において支持手段を含む、本発明によるモジュール式椅子の正面図である。
図17】膜が吊り下げられている、代替的な実施形態における発明によるモジュール式椅子の正面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本文書において、測定値、値、形状及び幾何学的言及(例えば、垂直性及び平行性)は、「約」のような単語又は「おおよそ」又は「実質的に」等の他の類似の用語と関連付けられる場合、生産及び/又は製造誤差に起因する測定誤差又は不正確さを除くと考えられるべきであり、とりわけ、それが関連付けられる値、測定値、形状、又は幾何学的言及からの僅かな乖離を除くと考えられるべきである。例えば、これらの用語は、値と関連付けられる場合、好ましくは値の10%以下の乖離を示す。
【0027】
また、使用される場合、「第1」、「第2」、「より高い」、「より低い」、「主な」及び「二次的な」等の用語は、順序、関係又は相対位置の優先順位を必ずしも特定せず、それらの異なるコンポーネントを単に明確に区別するために使用することができる。
【0028】
別段の指定がない限り、以下の論述における結果として、「処理」、「計算」、「判定」、「算出」等の用語、又は類似用語は、コンピュータシステムのレジスタ及び/又はメモリの電子量等の物理量として表されるデータを、コンピュータシステム、レジスタ又は他のストレージ、伝送又は情報表示デバイス内の物理量として同様に表される他のデータにおいて操作及び/又は変換するコンピュータ又は類似の電子計算デバイスの動作及び/又はプロセスを指す。
【0029】
このテキストで報告される測定値及びデータは、別段の指示がない限り、国際標準大気ICAO(ISO 2533:1975)において実行されたものと考えられるべきである。
【0030】
図を参照すると、本発明によるモジュール式椅子が全体的に数字1で示されている。
【0031】
モジュール式椅子1は、好ましくは椅子であるが、使用者が座ることを可能にし、したがって構成に応じて、アームチェア、ソファ等の椅子以外のデバイスからなってもよい、任意のデバイスであってよい。
【0032】
例えば、椅子1はまた、車両の、又は電車又は航空機等の他の手段のためのシートであってよい。
【0033】
さらに、椅子1は、特定の用途及び設計に制約されるものではなく、簡便性に応じて、家庭での用途、オフィスにおいて、又は述べられたもの以外の他の環境等の様々な種類の用途に適合されてよい。
【0034】
例えば、椅子1は、一般タスク用の椅子等の、ジョイントを組み込む椅子であってよい。代替的には、椅子1は、既に述べたように、産業分野における用途のために、特に機械、航空機上で、並びに、医療分野における用途のために、特に車椅子として、又はさらには、子供の椅子の分野において使用されてよい。
【0035】
特に、モジュール式椅子1は、好ましくは、少なくとも1つの支持構造10を備える。
【0036】
支持構造10は、好ましくは、椅子1の支持を可能にするため、特に、椅子1の上に載っている使用者を支持するために適合されている。
【0037】
したがって、様々なコンポーネントを収容するように適合された椅子1の部品が、椅子1の正しい動作を実質的に可能にしている。
【0038】
したがって、支持構造10は支持手段5を含んでよい。
【0039】
支持手段5は、例えば、使用者が上に載る載置部を支持するように構成された脚部又は柄であってよい。代替的には、支持手段5は、以下で説明するような特定の方法で構成されてよい。
【0040】
いずれの場合も、支持構造10は、好ましくは、フレーム2を含む。
【0041】
フレーム2は実質的に、使用者が上に直接載る支持部とインタフェースで連結するように適合された支持構造の部品である。
【0042】
したがって、フレーム2は、1つ又は複数の要素によって作られてよい。これらの要素は接続されて、連続的な構造を生み出してよく、又は、それらは断片化されて不連続であってよい。
【0043】
様々な構成の中でも、必ずしもそうではないが好ましくは、フレーム2は、使用中、又は換言すれば組み立てられたときに、閉じた構造を定義する。
【0044】
好ましくは、フレーム2は、全体として又は部分的に、拡張軌道2aに沿って延長する。
【0045】
拡張軌道は、それに沿ってフレーム2又はフレーム2の部品が延びる方向である。したがって、拡張軌道2aは、直線状であってよく、又は曲線状であってもよい。
【0046】
フレーム2が閉じた構造、例えばなんらかのフレームを定義する場合、曲線状の拡張経路2aは、すべてのリングに生じるように、フレーム2がそれ自体を閉じて、孔を捕捉することを可能にする。
【0047】
当然ながら、フレーム2はまた、実質的に取り外し可能であり、かつ拡張経路2aの外側に展開する肘掛け又は支持部等の追加のコンポーネントを含んでよい。
【0048】
したがって、フレーム2は、伝統的又は従来のタイプのものであってよい。あるいは、平面上の部分によって形成された構造を必ずしも有さなくてよい。
【0049】
好ましくは、フレーム2は、その経路が三次元的な方法で空間に延びる複雑な曲線状である構造を決定してよい。
【0050】
このタイプの複雑な構造は、例えば、複合3D曲線、又は、三次元空間において少なくとも2つの主軸を中心として回転する拡張軌道2aで作られてよい曲線である。
【0051】
したがって、フレーム2は、例えば押出加工されたポリマ材料、又は、同一平面ではない拡張軌道2aを有する中空で連続したプロファイルを生産することを可能にする他の材料で作られてよい。
【0052】
代替的には、フレーム2は、例えば金属コアへのポリマ射出成形等の技術によって、例えばポリマ材料等の異なる材料が被覆された金属コアを含む、又はさらには金属にコアを含まない複合構造体によって作られてよい。
【0053】
しかしながら、非共平面性は、とりわけそれによりもたらされる快適さに関して、椅子1を作る目的のために、必要ではないが好ましい要素として残る。
【0054】
フレーム2は、さらに、地面に関してフレーム2を支持する脚部又はジョイント等の支持手段5等の他のコンポーネントによって制約されて支持されてよい。
【0055】
したがって、フレーム2は、少なくとも突出部20を含む。
【0056】
突出部20は、実質的に、フレーム2の残りから区別されて、以後により良く指定される機能を定義するフレーム2の部品である。
【0057】
上記突出部20は本質的に、好ましくは、拡張軌道2aに関して入射方向に突出する。
【0058】
さらに詳細には、突出部20は、拡張軌道2aに対して垂直に延長する。
【0059】
したがって、突出部20は、複数の異なる構成を実現し得る。
【0060】
第1の実施形態において、例えば、突出部20は少なくとも1つの歯200を含む。したがって、上記歯200は、拡張軌道2aに関して垂直に延長する。
【0061】
当然ながら、好ましくは、フレーム2は、歯200によって定義される場合、複数の突出部20を含む。したがって、そのような突出部20は、フレーム2上の展開経路2aに沿って不連続に分配される。
【0062】
代替的な実施形態において、突出部20はレール201を含む。
【0063】
レール201は、好ましくは、拡張軌道2aに対して平行に連続的に延長する。
【0064】
したがって、レール201は、さらに、異なる方法で構成されてよい。
【0065】
例えば、拡張軌道2aに対して垂直な面に沿って、実質的にT形状を有するセクション領域を実現し得る。
【0066】
あるいは、レール201は、実質的に円形又はO形状を有するセクション領域を定義し得る。
【0067】
さらに、フレーム2は、例えば、互いに平行な列に配置され、拡張経路2aに対して平行に延長する複数の突出部20を含んでよい。
【0068】
当然ながら、例えば図9a~9bに示されるように、突出部20は歯200又はレール201の列を含んでよい。
【0069】
予測されるように、フレーム2は、使用者と直接接触する支持部を支持する目的を有する。
【0070】
この支持部は、特に膜3によって作られる。
【0071】
したがって、椅子1はまた、膜3を含む。
【0072】
したがって、膜3は、全体として又は部分的に、フレーム2全体又はその一部に対して実質的に制約されるように構成されている。
【0073】
膜3は概して、実質的に、任意の材料で作られ得る変形可能なシートである。
【0074】
好ましくは、膜3は、専ら繊維のシートで定義され得る生地で作られている、又は、例えば、サンドイッチ構造を定義するように2枚の生地の間に捕捉されたパッド要素を含んでもよい。
【0075】
いずれの場合も、好ましくは、膜3は、載置面30及び縁部31を定義する。
【0076】
載置面30は、好ましくは、使用中に使用者を支持するように適合されている。したがって、好ましくは、それは、使用者自身のために支持部を定義し、使用者の重力を支持することが可能である。
【0077】
一方、縁部31は、支持面30の周辺ゾーンによって実質的に定義される。換言すれば、縁部31は、支持面30の輪郭領域の少なくとも一部によって実質的に定義される。
【0078】
使用中、好ましくは、フレーム2は、場合によっては張力によって、縁部31の少なくとも一部に対応する膜3を支持することが可能である。
【0079】
膜3は、実際に、全体がその縁部31に沿ってフレーム2に接続されてよく、又は、真空で吊り下げられた膜3の一部を含む椅子1を定義することが意図される場合における例として、その縁部31に沿って部分的にのみ接続されてよい。
【0080】
この最後の詳細はまた、椅子1が異なる膜で作られる場合に好適であり得る。実際に、椅子1は、縁部31においてフレーム2に部分的に制約され、かつ他の剛性又は変形可能な要素に部分的に制約されて、載置部を形成する膜3を含んでよい。
【0081】
特に、フレーム2は、好ましくは、フレーム2自体がとる形状に対して局所的に膜3を引っ張る(tend)。したがって、この意味では、膜3が、少なくとも縁部31に対応して拡張軌道2aをたどることが重要である。
【0082】
さらに、膜3は、生地を含む場合、複合繊維を含んでよく、又はむしろ、その周りに何らかの生地フィラメントがねじられたポリマフィラメントを含んでよい。このタイプの繊維により、生地を強化すること、又はより一般的に、膜3自体の局所的機械的特性を所望に応じて変更することが可能になる。局所的特性とは、軸受面30が、それ自身の機械的特性のそれぞれを定義するより小さい表面のセットと考えられてよく、したがって、表面ごとに可変であってよいことを意味する。
【0083】
基本的に、特に生地における場合、膜3の形態は、例えば、有限要素の理論、又は、表面を離散化して個別の要素の局所的機械的特性を制御することを可能にする他のタイプの方法等の研究及び手順によって達成され得る。
【0084】
膜3は、自動編み機を使用して、特に横編み機として知られる機械で作られてよい。
【0085】
これらの機械を用いると、既に述べたように膜3が、椅子1においてそれと相互作用する構造的要素による所望の特徴を得ることを可能にするように、支持面30の個別の要素の機械的特性を制御することが可能である。
【0086】
膜3は、従来の織機を用いて作ることもできる。
【0087】
この場合、例えば、膜3の生地は、例えば、滴定又は生地の内部で採用された緯糸に応じて、支持面30の内部で異なる機械的特性を呈してよい。
【0088】
さらに、膜3は、コンピュータ化された技術で作られたか、従来のテキスタイル技術で作られたかにかかわらず、局所化された支持要素を含んでよい。例えば、膜3は、支持面30の堅さを局所的に増大させるように、バー又はフィラメント等のそれ自体の金属構造の内部に、膜3において容易に得ることができる、捕捉された又は織り込まれた内部ポケットを含んでよい。この意味で、膜3の生地は、例えば生地自体の構造を強化するのに好適な金属製の、又は、膜3の熱特性を局所的に変性させるために命令に応じて加熱される金属製又は構成されていないフィラメント製の、リブ又はダイアフラムを含む織り込まれた支持面30のように見えてよい。
【0089】
好ましい実施形態において、膜3は、2つの異なる絡み合わせる方法を組み合わせることによって作られる。好ましくは、それは実際に、編み技術を織り込み技術と組み合わせることによって実現される。
【0090】
詳細には、膜3は、その基部が少なくとも1つのメインフィラメント33を含む周期的な模様を含む。
【0091】
メインフィラメントは、好ましくは、メッシュ状に織り込まれている。
【0092】
さらに、載置面30は、制御された挙動30aを有する1つ又は複数の部分を含む。
【0093】
制御された挙動30aを有する部分は、好ましくは、メインフィラメント33によって決定される周期的な織り模様を含み、その内部には少なくとも1つのセカンダリフィラメント34がさらに挿入される。
【0094】
セカンダリフィラメント34は、好ましくは、制御方式で載置面30の機械的挙動を変動させるように、所定の軌道に沿って緯糸に配置される。
【0095】
支持面30の機械的挙動は、セカンダリフィラメント34が織り込まれて含まれている支持面30の領域である、制御された挙動を有する部分30aにおいて実質的に変動され、これによりセカンダリフィラメント34のタイプ又は数が変動される。
【0096】
したがって、実質的に、膜3は、好ましくは、編み技術と組み合わせた織縫の技術を用いて、制御された挙動を有する好適な部分30aにおけるセカンダリフィラメント34が緯糸に挿入されたメッシュ構造を含むハイブリッド生地を含む。
【0097】
これらのセカンダリフィラメント34は、好ましくは、所定の軌道に沿ったメインフィラメント33の少なくとも2つの隣接する列の間に織り込まれるように、メッシュの内部に挿入されている。知られているように、実際に、メッシュを構成する周期的な模様は、必ずしもそうではないが好ましくは、セカンダリフィラメント34とは異なる特性及び特徴を有する少なくとも1つのメインフィラメント33を含む、連続して互いに絡み合った連続的な列によって実質的に定義されてよい。
【0098】
しかしながら、セカンダリフィラメント34の挿入は、織り以外の原理の手段によって実行されてよい。例えば、メインフィラメント33は、二重層を作るように作られてよい。したがって、この状況では、セカンダリフィラメント34は、例えば、編みの2つの層に代替的な方法で絡み合ってよく、又はセカンダリ緯糸フィラメント34は、メッシュに織り込まれないが、メッシュが2つの前後の層を有する場合に層の間に単に挿入されてよい。このタイプの構成は、膜3の層の間へのクッション又はさらにはエアバッグの挿入を容易にし得る。
【0099】
したがって、実質的に、膜3は概して、異なり得る実施形態に従って、緯糸に、又はむしろ所定の軌道に沿って配置された少なくとも1つのセカンダリフィラメント34が内部に挿入されたニット織物を定義する少なくとも1つのメインフィラメント33を含む。
【0100】
微視的な観点から、メッシュのメインフィラメント33の隣接する列は、停止部と呼ばれる、一方向に沿って実質的に配置されたループを定義する。後者は、好ましくは、セカンダリフィラメント34fの所定の軌道を定義する。好ましくは、セカンダリ緯糸フィラメント34は、ループに隣接して配置され、メインフィラメント33および停止部によって定義された織物の間を通る。
【0101】
詳細には、セカンダリフィラメント34は、好ましくは、メインフィラメント33の2つの隣接する列と絡み合ってよく、したがって、メインフィラメント33の隣接する列は、その中をセカンダリフィラメント34が通る織物のメッシュを定義してよい。
【0102】
特に、セカンダリフィラメント34はしたがって、好ましくは、ループごとに、又は2ループごとに、メッシュの前後を通るように、メインフィラメント33と絡み合っている。概して、セカンダリフィラメント34は、好ましくは、メインフィラメント33が行に沿うように織り込まれるが、メインフィラメント33が他の方向に沿うように絡み合ってもよい。
【0103】
もちろん、既に述べたように、緯糸に配置されたセカンダリフィラメント34により、セカンダリフィラメント34のタイプ、又はさらには数を変動させることによって制御された挙動を有する個別の各部分30aの局所的な機械的挙動を変動させることが可能になるため、織物は、例えば、同じ行方向に沿って、又は代替的には、行方向に対して垂直な方向にも沿って、複数のセカンダリフィラメント34を含んでよい。
【0104】
基本的に、膜3の生地のこの構成により、例えば、単に、織り込まれたセカンダリフィラメント34のタイプ又は数をチェックすることによって、例えば使用者のシートのために意図されるより剛性の領域、又は例えば使用者の背中用に意図されるより剛性の少ない領域を生み出すことによって、支持部30の表面全体に沿って不均一な挙動を有する膜3を実現することが可能になる。
【0105】
実践的な観点から、編まれたメッシュにおける緯糸の挿入を得るために、前後の針の位置を交互に変え続けながらセカンダリフィラメント34の周りで、又はむしろ前面及び裏面にそれぞれ対応して編み機でメインフィラメント33を織ることを含むプロセスが提供され得る。このようにして、メインフィラメント33は、それをブロックするようにセカンダリフィラメント34の周りに実質的に巻き付けられたメッシュを形成する。
【0106】
また、詳細には、セカンダリフィラメント34は、スレッドガイドによって、メインフィラメント33により定義されたメッシュの織物の内部に、さらには針の処理と同時に挿入されてよい。したがって、それ自体が当業者に知られているスレッドガイドは、織物が形成される間に、織物の内部にセカンダリフィラメント34を位置付けてよい。
【0107】
既に広く説明されているように、ヤーンガイドも、織物の中に複数のセカンダリフィラメント34を位置付けるように構成されてよい。
【0108】
既に述べたように、セカンダリフィラメント34も、メッシュの2つの層の間に実質的に織り込まれてよい。したがって、セカンダリフィラメント34は、各々が、その基部がメインフィラメント33によって定義されている織物を定義する2つの層の間に組み込まれてよい。さらに、セカンダリフィラメント33は、例えば交互に2つの層に織り込まれてよく、又は、実質的にサンドイッチ構造を定義する2つの層の間に挿入されてよい。事実、メインフィラメント33のメッシュ織物は、その中に1つ又は複数のセカンダリフィラメント34が挿入される複数の管状部分を定義し得る。
【0109】
好ましくは、セカンダリフィラメント34は、メインフィラメント33とは異なる機械的特徴を定義する。例えば、セカンダリフィラメント34は、制御された挙動を有する部分30aに対応して膜3の弾力又は局所的堅さを増大させるように、メインフィラメント33に関してより剛性が高い又は低くてよい。
【0110】
この意味で、膜3、特に軸受面30全体が、制御された挙動を有する、複数の互いに異なる部分30aを含み得ることに留意することが重要である。したがって、制御された挙動部分30aのそれぞれは互いに異なっていてよく、異なる数のセカンダリフィラメント34及び/又は単に異なるタイプのセカンダリフィラメント34も含んでよい。したがって、膜3は、内部に様々な異なるセカンダリフィラメント34を含んでよい。
【0111】
さらに、セカンダリフィラメント34はまた、可変、かつ、メインフィラメント33に関して可変あかつ異なる熱的又は電気的特性を定義し得る。この意味で、例えばセカンダリフィラメント34は、メインフィラメント33と同様の機械的特性を有するが、電流の通過ではなくむしろ熱に対する反応性が高い又は異なるフィラメントであってもよい。例えば、セカンダリフィラメント34は、内部を電流が通過した後に形状を変動させることができる圧電材料、又は、セカンダリフィラメント34が熱の適用もしくは供給中止に比例して延びる又は縮むことを可能にする材料も含み得る。
【0112】
したがって、膜3が受ける熱の機能において、制御された挙動を有する部分30aの局所的電圧を変動させることを可能にするように、膜3は、熱収縮(thermo-shrink)又は熱収縮(heat-shrink)タイプの少なくとも1つのコンポーネントを含む、又はそれからなる少なくとも1つのセカンダリフィラメント34を含んでよい。
【0113】
あるいは、以前に予測されたように、セカンダリフィラメント34は、例えば、制御された挙動部分30aの局所的温度が命令に応じて変動することを可能にするように、熱的に制御されることが可能な材料を含んでよい。
【0114】
セカンダリフィラメント34はまた、熱及び弾性コンポーネントの両方によって制御される収縮を得ることを可能にするように、少なくとも、熱収縮コンポーネント及び弾性コンポーネントを含んでよい。
【0115】
いずれの場合も、好ましくは、膜3の縁部31においてセカンダリフィラメント34及びメインフィラメント33は互いに一体に制約されている。一体に制約されるとは、セカンダリフィラメント34及びメインフィラメント33が、制御された挙動を有する部分30aにおいて定義された絡み合っている又は重なっている領域では互いにスライドする一方で、縁部31では、互いに関して互いに不安定にならないようにそれらが一緒に連結されていることを意味する。この制約は、縁部31に配置された固定箇所においてフィラメント33、34を縫い付ける、貼り付ける、又は熱溶接することによって、又は、他の方法によっても、例えば以下で説明する方法によって得ることができる。
【0116】
この最後の特徴により、メッシュにおける緯糸の作業効率を増大させることが実質的に可能になる。さらに、以下で説明するような構成のおかげで効果がさらに高められる。
【0117】
膜3はまた、実際に、ガイド32を含む。
【0118】
ガイド32は、好ましくは、縁部31に対応して配置された管状要素である。このガイド32は、膜3の縁部31に溶接された、又は縫い付けられた外部要素であってよく、又は、これは膜3によって作られてよい。
【0119】
したがって、ガイド32は、膜3に対応した膜3の巻取りによって定義されてよい。
【0120】
また、膜3の好ましい実施形態において、その基部がメインフィラメント33によって定義される周期的な模様によって定義されるメッシュの1つ又は複数の層に織り込まれたセカンダリフィラメント34の連結は、主にガイド32において生じじる。
【0121】
詳細には、セカンダリフィラメント34は、列又は列3aを形成するように、ガイド32内に少なくとも1つの巻取りを定義する。
【0122】
列3aは、巻取りの閉鎖によって実質的に定義され、それに沿ってフィラメント33、34がこれらの間で一体に制約される固定箇所を含む。
【0123】
したがって、列3aは、ガイド32に対して平行に延び、メインフィラメント33及びセカンダリフィラメント34がこれに対応して互いにロックされて互いに一体となる行を定義する。
【0124】
さらにより詳細には、セカンダリフィラメント34は、ガイド32内で少なくとも1つのほぼ完全な旋回をなすように、膜3の内部に挿入される。
【0125】
特に、また、セカンダリフィラメント34は、ガイド32において完全に又は部分的に巻き付られてよく、これにより、例えば、ガイド32へのセカンダリフィラメント34の進入によって、及び後続の退出によって二重のセカンダリフィラメント34が与えられた緯糸を実質的に定義する。
【0126】
セカンダリフィラメント34の巻取りは、メインフィラメント33及びセカンダリフィラメント34を、ガイド32に対して平行な列3aに対応して互いにロックする非常に重要な効果を有する。
【0127】
緯糸におけるセカンダリフィラメント34の配置も、複数の経路をたどってよい。
【0128】
例えば、セカンダリフィラメント34は、連続的な経路をたどって編まれた基部を有する織物内に配されてよい。
【0129】
経路は、ガイド32内で完全なターンによってそれ自体を巻き、その後、メインフィラメント33によって定義されたニット織物内で進み、第2のガイド32内、又はガイド32の以前の側に関して反対側に配置された、同じガイド32の別の部分内で再び巻くようにセカンダリフィラメント34を配置することによって達成され得る。下側又は上側の列又は行へと通るために、セカンダリフィラメント34は、ガイド32に対して平行に進み、その後、それが開始ガイド32に到達するまで、メインフィラメント33と共に再び巻きつき、再び織り込まれる。当然ながら、このプロセスは、いくつかの行に沿って、第2のセカンダリフィラメント34、又はさらには第3以上のセカンダリフィラメント34の導入も提供し得る。
【0130】
さらにより詳細には、セカンダリフィラメント34は、フィラメント及び編み針の間で通常生じる「イギリス編み(hooked in English)」又は「フォルスイングリッシュリブ(false English rib)」になるように、ガイド32における織物内で織り込まれる。
【0131】
さらに、セカンダリフィラメント34は、ガイド32の隣に引っ張られて一方の停止部から他方に通してよく、又は、それは、ガイド32自体の内部に挿入されてよい。
【0132】
概して、好ましくは、セカンダリフィラメント34は、ガイド32においてメインフィラメント33によって作られる織物に対して固定して制約され;そうでないと、セカンダリフィラメント34は、縁部31又はむしろガイド32とは異なる膜3の領域において織物の内部で自由にスライドする。
【0133】
ガイド32は、いずれの場合も、別の重要な機能を有する。
【0134】
ガイド32は、実際に、少なくとも1つのスライダ4を収容するように構成されている。
【0135】
したがって、椅子1はまた、少なくとも1つのスライダ4を含む。椅子1を取り付けるための機構は、特に、専ら1つ又は複数のスライダ4、膜3、及びフレーム2を含んでよい。この意味で、必ずしもそうではないが好ましくは、機構が、部品間の制約の具現化のために追加のコンポーネントを必要としないことが意図される。
【0136】
図9aに示されるように、いくつかのスライダ4がある場合、それらは、平行な列上の同じフレーム2に制約されてよい。
【0137】
スライダ4は、好ましくは、詳細にはガイド32のおかげで、縁部31において膜3の一部の内部に挿入され得る長尺の要素である。
【0138】
単に例として、スライダ4はまた、スライドバー、又はロッドスライダ、又はガイド32において利用可能な任意の他のスライド要素であってよい。
【0139】
したがって、スライダ4は、延長方向4aを定義する。
【0140】
延長方向4aは、それに沿ってカーソルが主に延びる方向である。特に、この延長方向4aは、好ましくは、拡張軌道2aに関して少なくとも部分的に平行である。
【0141】
実際に、スライダ4は、フレーム2と相互作用するように構成されている。
【0142】
スライダ4は、既に述べたように、好ましくはガイド32内に収容される。
【0143】
したがって、スライダ4は、縁部31全体に沿って、又はその一部に沿って延ビルことができる。
【0144】
さらに、スライダ4は、膜3の縁部31に沿って連続的に作られてよく、又は、膜3は、膜3に含まれる複数の連続したスライダ4を提供してよい。
【0145】
好ましくは、図1~2の実施形態において、フレーム2は、実質的に、以後でより良好に指定されるように、例えば、ガイド32におけるスライダ4の突出部20との連動によって、膜3の生地を上に置くことができる膜3のためのフレームである。
【0146】
スライダ4は、実際に、少なくとも受容部40を含む。
【0147】
受容部40は、スライダ4の一部であってよく、又は、それは、スライダ4自体の形状によって決定されてよい。
【0148】
概して、受容部40は、突出部20を少なくとも部分的に収容するように構成されている。
【0149】
このようにして、フレーム2、膜3、及びスライダ4は、少なくとも1つの固定箇所で固定して制約されている。
【0150】
この制約は、スライダ4がガイド32に挿入されるため、膜3の少なくとも一部がスライダ4及びフレーム2の間でブロック又は捕捉され、これらがさらに受容部40及び突出部20によってブロックされるため、可能になる。
【0151】
椅子1はまた、同じ突出部20に、又は、例えば平行な列に沿って延ビルそれぞれの突出部20にも制約され得る複数のカーソル4を含んでよい。
【0152】
あるいは、同じスライダ4は、例えば歯200によって定義される場合、各々が突出部20又はより多くの突出部20を収容するように構成された2つの、又はさらにより多くの受容部40を含んでよい。
【0153】
したがって、スライダ4は剛性であってよい。この場合、好ましくは、スライダ4は、連結を効率的にするように、拡張軌道2aに対して平行でありそれと重ねることができる延長方向4aを有する。
【0154】
好ましくは、スライダ4は、任意の軸の周りで延長方向4aを回転させることができ、かつ命令に応じて拡張軌道2aに関して平行にすることができるように変形可能である。
【0155】
スライダ4の変形及び延長方向4aの変動を支持するように、好ましくは、スライダ4は複数のノッチ41を含む。
【0156】
ノッチ41は、好ましくは、スライダ4の延長面上に配置された貫通孔又は非貫通孔である。
【0157】
好ましくは、ノッチ41は、周囲にあり、延長方向4aに対して垂直な面に沿って延びる。
【0158】
このようにして、ノッチ41は、スライダ4の少なくとも一部の、及び少なくとも延長方向4aの少なくとも一部の湾曲部の、好ましくは弾性の変形を支持する。さらにより詳細には、ノッチ41は、スライダ4の少なくとも一部を容易に撓ませることを可能にする。
【0159】
また、好ましくは、ノッチ41は、延長方向4aに対して垂直な面に沿ったセクションによって定義されるプロファイルによって局所的に定義された周辺セクションの少なくとも20%に沿って延びる。もちろん、ノッチ41はまた、延長方向4aに対して垂直な面に沿ったセクションによって定義されるプロファイルによって局所的に定義された周辺セクションの、20%より大きい、さらには最大90%に沿って延びてよい。ノッチ41の延長を増大させることによって、概して、スライダ4の湾曲部を説明する可能性が比例して増大する。より大きく又は小さく延びたノッチ41の例が図6に示される。
【0160】
ノッチ41はまた、スライダ4の、延長方向4aに対して平行な2つの反対の側で交互に分配されるように、スライダ4に沿って交互になる方法で作られてよい。この構成は特に、図5に示される。
【0161】
ノッチ41はまた、異なる形状を定義してよい。例えば、それらは、実質的に直線の形状を定義してよく、したがって、延長方向4aに対して垂直な面に沿って直線状の孔を定義してよい。
【0162】
あるいは、ノッチ41のそれぞれが二等辺三角形の形状を定義してよく、二等辺三角形の頂点により変形可能性がさらに増大する。
【0163】
スライダ4は、フレーム2の構成に応じて、異なる形状を定義してよい。
【0164】
例えば、突出部20が歯200である場合、スライダ4はまた、単純なロッドからなってよく、これはガイド32の内部に挿入されてよい。好ましくは、この場合、スライダ4は少なくとも1つの孔42を含んでよい。
【0165】
孔42は、受容部40を実質的に形成する。したがって、それは貫通孔又は非貫通孔であってよい。
【0166】
孔42は、概して、好ましくは、歯200の、及び膜3の少なくとも一部を収容するように構成されている。基本的に、膜3がスライダ4上に適合されているため、孔42は、孔42内で歯200によって押される、又は歯200自体によって部分的に貫通もされた、膜3の一部を含むことが意図される。好ましくは、貫通が予見される場合、セカンダリフィラメント34は、実際に、メッシュを貫通させることによって、例えば、歯200を用いて2つの隣接するメインフィラメント33を分離させることによって実質的に実行される貫通の間に損傷を受けないよう十分に耐性を有する。
【0167】
このようにして、膜3は、この場合は歯200によって決定された少なくとも1つの固定箇所において、スライダ4及びフレーム2に関してしっかり固定される。
【0168】
一方で、突出部20がレール201である場合、スライダ4は、管状要素からなってよい、又はそれを含んでよい。管状要素は、上で説明したロッドと同様に、ガイド32に挿入されるように実質的に構成されている。
【0169】
また、好ましくは、管状要素は、延長4aの方向に沿って延び、したがってプロファイル43を定義する開放管状要素である。プロファイル43は、好ましくは、延長方向4aに対して垂直な面に沿って定義されたC形状のプロファイルである。
【0170】
プロファイル43は、したがって、受容部40を形成する。実際に、プロファイル43は、レール201及び膜3の少なくとも一部を捕捉するように構成されている。
【0171】
この場合も、以前の例と同様に、レール201及び受容部の間に挟まれた膜3は、延長方向4aに沿って延びる複数の固定箇所において実質的に捕捉、又はむしろブロックされる。
【0172】
さらにより詳細には、好ましくは、突出部20及び管状要素は互いに対抗する形状である。
【0173】
いずれの場合も、スライダ4は、ガイド32に関して引き出し可能であってよく、挿入されているときにガイド32に制約されてよく、又はガイドの内部に一体化されてもよい。
【0174】
特に、スライダ4は、膜3から延長方向4aに沿って引き出し可能なようにガイド32内でスライド式に制約されてよい。
【0175】
あるいは、スライダ4は、膜3に関して延長方向4aに沿ってロックされるように、膜3に一体化されて、ガイド32内で制約されてよい。
【0176】
このロックは、機械的デバイス、例えば、スライダ4がガイド32の内部にあるときに作動される拡張を用いて作られてよい。あるいは、それらは、単に、スライダ4の外面から作られてもよい。
【0177】
この意味で、例えば、外面は、スライダ4が膜3、特にガイド32内でスライドすることが困難になるような粗度を有してよい。
【0178】
スライダはまた、例えば、プロファイル43の端に配置され、延長方向4aに沿って延びる金属ケーブル等の強化要素を含んでよい。代替的には、フレーム2上でスライダ4をスライド又はクリップして膜3を捕捉することによって、突出部上でのプロファイル43の把持を堅くし、連結を強化するためにダイアフラムが提供されてよい。
【0179】
いずれの場合も、フレーム2、膜3、及びスライダ4によって決定される連結機構のおかげで、椅子1は少なくとも1つの座部を定義する。さらに、椅子1は、好ましくは、背もたれも定義する。
【0180】
したがって、座部は、支持面30の少なくとも一部によって定義され、概して、例えば背もたれよりも大きな張力を受ける部分である。
【0181】
好ましくはガイド32に含まれるスライダ4を通してフレーム2に制約された膜3は、制御方式でその技術的特徴を表し得る。
【0182】
基本的に、膜3は、少なくとも縁部31に対応して、少なくとも1つの固定箇所において、適合する方法ではなく制約されるようにフレーム2に制約される。そのように実現されたフレーム2及び膜3の間の連結は、制御された挙動を有する部分30aを非局所化し、膜3によって提供される機械的効果を無効にすることによって、膜3がフレーム2上で移動することを防止することを可能にするため、この特徴は重要である。
【0183】
好ましくは、制御された挙動を有する部分30aは、背もたれ及びシートの所定の箇所に配置される。特に、好ましくは、背もたれを形成する膜3は好ましは、下部ではより高い自由度及び柔らかさを、及び上部ではより高い剛性を可能にするように、各々が異なる変形可能性を有するいくつかの制御された挙動を有する部分30aを含む。
【0184】
特に、例えば、制御された挙動を有する第1の部分30aは、セッション中に置かれる使用者の腰領域に対応して配置され、制御された挙動を有する第2の部分30aは、好ましくは、セッション中に使用者の胸部の背骨の上部に配置され、第3の制御された挙動部分30aは、第1及び第2の制御された挙動部分30aの間に配される。
【0185】
特に、好ましくは、制御された挙動を有する第1の部分30a及び制御された挙動を有する第2の部分30aは、上記制御された挙動を有する部分30aがより変形可能になるように、弾性の高い第2のフィラメント34を含む。
【0186】
制御された挙動を有する第3の部分30aは、好ましくは、この制御された挙動を有する部分30aが、少なくとも他の2つの制御された挙動を有する部分30aよりも剛性であり、あまり変形可能性でなくなるように、少なくとも1つの第2の剛性フィラメント34を含む。
【0187】
このようにして、使用者が自身を椅子に置くとき、フレーム2が必ずしもこのように形状付けられることなく、膜3は使用者の体の腰及び背中側の胸部に適合する。実際に、荷重負荷は膜3にかけられ、支持面30の形態は、制御された挙動を有する部分30aにより、例えば少なくとも背もたれに対応して椅子1が取ることができる形状を定義する。
【0188】
同じ論議をシートについても述べることができる。例えば、よりしなやかな縦方向の仕切りがシートに提供されてよく、したがって、制御された挙動を有する部分30a、及び、例えば背もたれの制御された挙動を有する第3の部分30aと同様の、又はそれよりもさらに剛性の高い、例えばより堅いフィラメント34を含む肩部に沿って配置された複数のセカンダリフィラメント34を含むより剛性の中央支持領域が定義される。
【0189】
説明したばかりのスライダ4、フレーム2、及び膜3によって決定される連結システムは、以下で説明する椅子1の一例において特に効果的である。
【0190】
排他的ではないが好ましい実施形態において、フレーム2は、三次元空間において少なくとも2つの主軸の周りで回転する拡張軌道2aに沿ってなされた複合3D曲線又は曲線を定義する。
【0191】
好ましくは、フレーム2は、使用状態、又は、閉じた構造が生み出される組立構成、及び、それが異なる形状をとる休止状態又は組立前構成を定義する。
【0192】
使用中又は組立構成において、好ましくは、フレーム2は、縁部31の少なくとも一部に対応して、張力によって膜3を支持するように適合される。
【0193】
既に述べたように、実際に、膜3は、全体がその縁部31に沿ってフレーム2に接続されてよく、又は、例えば、図17に示されるように、吊り下げられた膜3の一部を含む椅子1を定義することが意図される場合、その縁部31に沿って部分的にのみ接続されてよい。
【0194】
この最後の方策は、3つの異なる膜を用いて椅子1を作ることが意図される場合にも適切であり得る。実際に、椅子1は、周辺部分でフレーム2に部分的に制約され、支持部30を形成するように他の膜3に部分的に制約された膜3を含んでよい。
【0195】
特に、フレーム2は、フレーム2自体がとる形状に対して局所的に膜3を引っ張る。
【0196】
一方、休止状態又は組立前構成では、フレーム2は膜3を解放する。
【0197】
この結果を得るためには、必ずしもそうではないが好ましくは、フレーム2は少なくとも2つの部品22を備える。
【0198】
部品22は、フレーム2によって定義される閉じた構造の部分と実質的に一致し得るフレーム2の部分である。好ましくは、これらは互いに分離されており、2つの固定箇所において適合する方法で互いに制約される。代替的には、これらは、個々の部品22の識別を可能にする部品22間の緩み箇所を定義する、単一部品の部分であってもよい。後者の場合、固定箇所は、緩み箇所に対応する。好ましくは、これらの固定箇所は、部品22の端点に対応するが、他の箇所、例えば中間点が、不規則な縁部を有する環状形状を提供するように設けられてもよい。
【0199】
好ましくは、部品22は、2つのヒンジ23によって、適合する方法で互いに制約される。
【0200】
ヒンジ23は好ましくは、部品22又はフレーム2の、使用(組立)又は休止(組立前)の状態又は構成の切り替えを可能にするために好適な手段である。
【0201】
これらのヒンジ23は、好ましくは機械式である。
【0202】
特に、好ましくは、ヒンジ23は、部品22が実際にフレーム2を形成する使用又は組立の構成、及び部品22が本のように相互に折り畳まれる休止又は組立前の構成を定義する。
【0203】
このようにして、部品22又はフレーム2が休止又は組立前構成にあるとき、フレーム2の全寸法は減少する。
【0204】
ヒンジ23は、好ましくは、各々が回転軸1aを定義する。好ましくは、回転軸1aは、閉じた構造を2つの実質的に同一の部分に分割する矢状面に沿って存在する。使用中、矢状面は、好都合には、縦方向を含む。
【0205】
回転軸1aは、好ましくは、フレーム2の部品22に与えられる自由度のみを定義する。したがって、実質的に、部品22は、好ましくは専らヒンジ23の回転軸1aの周りで回転するように適合されている。
【0206】
好都合には、2つのヒンジ23の回転軸1aは互いに位置合わせされている。したがって、フレーム2は、休止又は組立前構成において、一般的な本に生じるのと同様に実質的に閉じられることが可能であり、フレーム2が膜3を張力下に置く安定した平衡構成に対応する少なくとも1つの使用又は組立構成を識別するために再び開放されることが可能である。
【0207】
特に、フレーム2は、好ましくは部品22が使用構成にあるときにのみ、膜3を張力下に置く。
【0208】
使用又は組立の、又は安定平衡の構成を達成するために、椅子1は、この実施形態例において、好ましくは、専ら一方向での部品22の往復回転を可能にするように構成されている。特に、可能になる往復回転は、好ましくは、フレーム2が、膜3によって定義された支持部の上に置かれた使用者の体の考えられる重力に対抗することが可能にするように、地面とは反対である。
【0209】
地面とは反対の回転とは、フレーム2が本のように開かれたときに、それが、開かれるとそのページが地面に面することを可能にする本のように地面に面することを意味する。
【0210】
この意味で、好ましくは、椅子1は、第1の実施形態おいて、ヒンジ23の特定の構成を提供する。
【0211】
詳細には、図12~14において見られるように、ヒンジ23のそれぞれが干渉部分23aを含む。
【0212】
干渉部分23aは、好ましくは、部品22が使用構成においてフレーム2を形成するときにのみ、互いに干渉する。さらに、それらは、使用者がフレーム2に制約された膜3上に載ったときに、干渉部分23aが使用者の重力に比例した相互干渉力を実現するように配向されている。
【0213】
換言すれば、干渉部分23aは、フレーム2が使用中であり、部品22が安定平衡位置に配置されているときにぶつかることが可能な肩部であってよく、干渉力は、互いに面する干渉23a間で相互作用する制約であってよい。
【0214】
好都合には、部品22は、干渉部分23aのおかげで精度よく安定平衡位置を実現する。
【0215】
より複雑な構成では、ヒンジ23は、機械式ヒンジ、例えば家にあるドアヒンジとして知られるものでない場合があり、部品22の弾性変形が可撓性であることを可能にするために好適なヒンジ23であってよい。
【0216】
この意味で、部品22はさらに、既に述べたように、単一の閉じた部品であってよく、可撓性の特定の固定箇所において折り畳まれることが可能であってよい。これらのような適用例、例えば、ヒンジの許容された変位が構造の機械的接続ではなくむしろ材料の変形に参照され得るベアリングレスシステムに存在する。
【0217】
また、ヒンジ23は、使用又は組立構成のときに、それらが膜3を張力下に保ち続けることを保証するように、部品22を互いにロックするために好適なロック手段も提供してよい。
【0218】
代替的には、ヒンジ23は、弾性要素、例えば、応力を受けていない場合に、使用又は組立構成における部品22を保つように適合されたばねを含んでよい。後者の場合、ロック手段は、休止又は組立前構成において部品22、及びしたがってフレーム2をロックするように構成されていてよい。
【0219】
あるいは、一方で、干渉部分23a自体がロック手段を備えてもよい。例えば、後者は、干渉部分23aがぶつかるとすぐにヒンジ23を中心とする回転をブロックするように適合された圧力ロック式弾性機構を含み得る。さらに、この機構は、再び圧力を受けたときに部品22が解放され、ヒンジ23が解放されることを可能にしてよい。このタイプの一例は、ばね仕掛けのロック機構であってよい。
【0220】
述べられたように、膜3は、好ましくは、スライダ4及び突出部20によって、その縁部31の少なくとも一部に対応してフレーム2に制約される。
【0221】
したがって、部品22は異なっていてよく、又は、それらは互いに同一であって、回転軸1aに関して鏡面反射であってよい。
【0222】
部品22の生産を最適化するために、後者の実施形態がとりわけ好ましい。後者は、実際に、好ましくは三次元押出によってアルミニウムで作られるのが好ましい。当然ながら、部品22はまた、例えばやはり押出されるポリマ材料、又は非共面の展開軌道を有する中空で連続したプロファイルを生成することを可能にする他の材料で作られていてもよい。別のタイプの実施形態において、部品22、及びしたがってフレーム2は、例えば金属コアへのポリマ射出成形等の技術によって、例えばポリマ材料等の異なる材料が被覆された金属コアを含む複合構造体によって作ることができる。
【0223】
支持構造10は、フレーム2に加えて、支持手段5も含む。
【0224】
支持手段5は、好ましくは、吊り下げられたフレーム2を支持するように適合され、地面から安定的に間隔を空けられている。例えば、一般的な椅子に含まれる典型的な支持手段5は、4つ又はそれより少ない支持脚部で構成される。
【0225】
本実施形態において、支持手段5は、好ましくは、フレーム2に接続されることが可能な管状構造で構成されている。より一般的には、支持手段5は引っ掛け手段50を含む。
【0226】
引っ掛け手段50は、好ましくは、取り外し可能に、かつ安定した方法でフレーム2及び支持手段5を制約することが可能である。
【0227】
これらの引っ掛け手段50は、好ましくは、椅子1の支持構造10を実現するために所定の固定された箇所でフレーム2及び支持手段5を接続可能な連動式の制約である。
【0228】
より詳細には、フレーム2はピン21を含む。
【0229】
ピン21は、好ましくは、地面に向かって突出する。基本的に、ピン21は、例えば、他の外部コンポーネントと相互作用するためにフレーム2から突出する円筒状の要素である。
【0230】
したがって、これらのピン21は、好ましくは、同時に、鋲打ち、ボルト止め、又は他のタイプのジョイント等の既知の制約によってフレーム2に制約されている。代替的に、ピン21は、フレーム2上で直接得ることができる。
【0231】
したがって、ピン21は、金属、又は好ましくはポリマ材料で作られてよい。例えば、ピン21は、射出成形技術を用いて作ることができる。
【0232】
したがって、引っ掛け手段50は、ピン21と相互作用するように好適に構成される。特に、好ましくは、引っ掛け手段50は、支持手段5の上にフレーム2を安定的にロックするためにピン21を収容するように構造的に構成されたスロット51を含む。特に、好ましくは、椅子1は、フレーム2の、膜3の、及びスライダ4の、及び場合によってはその上に置かれた人物又は使用者の重量が、互いに制約されて安定的にロックされたフレーム2及び支持手段5を維持するために引っ張られる構成されている。
【0233】
支持手段5は、述べられたように、必ずしも上で説明した構造を定義しないが、この実施形態において、フレーム2及び支持手段5の連結を可能にするために好適な引っ掛け手段50を含む限り、従来のタイプの構成、例えば、カンチレバー式、4本脚を有するもの、又は他のタイプの構成も含んでよい。椅子1の代替的な構成において、例えば図9a~9bに示されるように、部品22は、2つの突出部22を含んでよい。この場合、例えば、椅子1は、2つの異なる膜3を捕捉するように構成されてよく、そのうちの一方が支持面30及び/又は制御された挙動を有する部分30aを形成するように適合され、他方が、図15に明示的に示されるように、椅子の底部を被覆するように適合されてよい。
【0234】
支持手段5は、連結デバイス、場合によっては他間接型の典型的なタスク用椅子も含んでよい。
【0235】
例えば、連結デバイスは、図16に示されるように、地面に関してフレーム2の底部において、それを支持するように利用可能であり、椅子の底部の一部を隠し、かつ支持手段5の任意のコンポーネントに対してフレーム2を可能にする本体であってよい。実際に、連結デバイスは、例えばフレーム2を典型的なオフィス椅子のホイール支持部等の引っ掛け手段5に連結することを可能にするために、例えば金属又はポリマ構造からなることを前提として、それ自体の堅さを有してよい。
【0236】
したがって、連結デバイスは、フレーム2の下部に対して対抗する形状を有してよく、特に、それは、突出部20に対抗する形状の縁部を有してよく、スライダ4を通してフレーム2に制約された膜3の表面がとる最終的な形状に対抗する形状であってよい。当然ながら、連結デバイスは、当技術分野の現状で知られている載置部の連接機構を含み得る。このタイプの機構は、例えば、シンクロチルトという用語で知られている。
【0237】
この実施形態例において、椅子1は、好ましくはテンショナ6を含む。
【0238】
テンショナ6は、支持手段5の一部であって、これらと一体化されてよく、又は、それは外部要素であってよい。
【0239】
好ましくは、テンショナ6は、膜3が少なくとも2つ又はさらにはそれより多くの特定のゾーンを定義するように、所定の固定箇所に沿って載置面30を伸ばすように構成されている。好ましくは、膜3は、伸ばされると、少なくとも背もたれ及び座部を定義する。
【0240】
テンショナ6は、好ましくは管状要素60を含む。
【0241】
したがって、管状要素60は、中空又はさらには中実とすることができる。好ましくは、それはU字形状又はC字形状であり、その延長に沿って支持面30及び/又は制御された挙動を有する部分30aに張力を及ぼすことが可能である。
【0242】
したがって、膜3は、テンショナ6が地面自体に向かって膜3を直接伸ばすように、テンショナ6及び地面の間に配置されてよい。
【0243】
好ましくは、膜3はポケット35を含む。
【0244】
ポケット35は、好ましくは、管状要素60の少なくとも一部を収容するように構成されている。このようにして、管状要素60は、変位を受けると、膜3の一部を一体に移動させる。
【0245】
また、ポケット35の形状に従って、膜3は、ポケット35に対する管状要素60の取り付け箇所に沿って専ら応力を受け、又はポケット35が管状要素60を完全に被覆する場合、膜3は、管状要素60の延長全体に沿って応力を受ける。
【0246】
この構成において、好ましくは、管状要素60は、図10に示されるように、地面に関して膜3の下方、かつ生地自体の上で得られたポケット35の内部に配置される。
【0247】
さらに、支持手段5は第2のピン52を含んでよい。
【0248】
第2のピン52は、好ましくは、ピン21と同じタイプであり、実質的に同じ機能を果たす。
【0249】
実際に、第2のピン52は、好ましくは、管状要素60の内部に収容され、したがって、後者はこれらを収容するように構成される。
【0250】
また、支持手段5は制約手段53を含む。
【0251】
制約手段53は、好ましくは、管状要素60を、地面に向かって、テンショナ6が膜3を連続的な張力に供する所定の位置にロックするように構成されている。
【0252】
好都合には、制約手段53は、実質的には、前述のように、連続的な方法でその作用を及ぼすことによって所定の位置に安定的に配された状態を保つことができるように、テンショナ6の少なくとも一部を捕捉可能な連動手段である。
【0253】
詳細には、テンショナ6は、湾曲部又は地面に対する陥凹部も定義し得る。後者は、実際に、使用者が膜3に載ったら、テンショナ6が制約手段53のロック方向に従って力を及ぼすため、制約手段53間の連結を容易にし、それらの安定性を最大化することができる。
【0254】
シート及び背もたれの具現化は、実施形態のこの例においてテンショナ6のおかげで主に得られる。しかしながら、例えばまた、フレーム2の形状、及び、スライダ4又は複数のスライダ4のおかげでなされたしっかりとした安定的な結合のおかげで膜3がとることができる異なる堅さのおかげで、フレーム2及び膜3の構成も、支持構造10の技術的態様に著しく寄与している。
【0255】
構造的な用語で以前に説明したモジュール式椅子1の動作は、具現化の方法によって実質的に決定される。
【0256】
実際に、本発明は新たな具現化方法を含む。
【0257】
方法は、支持構造が準備される少なくとも1つのフェーズを含む。説明したように、支持構造はフレーム2を含む。
【0258】
さらに、方法は、膜3を調達するフェーズを含む。
【0259】
また、方法は、スライダ4がガイド32に挿入される段階を含む。
【0260】
スライダ4のこの挿入フェーズは、膜3の生産中に実行されてよい。例えば、膜3は、膜3の生地の内部にそれを組み込むように、スライダ4上に直接織り込まれてよい。さらに、ガイド32はそのようにスライダ4の周りに作られ、それは、スライダ4の周りに直接巻き付けられたセカンダリフィラメント34を含んでよい。
【0261】
あるいは、好ましくは、膜3は、独立に作られてよく、スライダ4は、その後、例えば椅子1の組立中にガイド32に挿入されてよい。
【0262】
有利には、方法は、受容部40が突出部20に引っ掛けられるさらなる引っ掛けフェーズを含む。
【0263】
このようにして、フレーム2、膜3、及びスライダ4は、少なくとも1つの固定箇所に対応して一体に制約される。既に述べたように、突出部20が歯200を含む場合、歯200は、孔42に適合し、膜3の一部を孔42へと押し込む。
【0264】
突出部20がレール201である場合、受容部40は、レール201の少なくとも一部に巻き付いてそれを捕捉する。
【0265】
引っ掛けは、特に、受容部40の突出部20をスライドさせることによって、及びまた、受容部40における突出部のクリップ、又はむしろ連動によって行われてよい。
【0266】
したがって、方法はさらなるフェーズを含んでよい。スライダ4がガイド32内で制約される場合、方法は、挿入フェーズ及び引っ掛けフェーズの間に制約フェーズを含んでよい。
【0267】
制約フェーズにおいて、好ましくは、スライダ4及びガイド32は、スライダ4及びガイド32を延長方向4aに沿ってロックするように互いに制約される。
【0268】
本発明によるモジュール式椅子1及び関連する製造方法は重要な利点を達成する。
【0269】
実際に、椅子1及び関連する製造方法により、高性能な方法で、及びしたがって、そのような生地の効果を減少又は無効化することなく、可変の局所的挙動を有する新世代の生地の殆どを作ることが可能になる。
【0270】
実際に、制御された挙動を有する部分は、それらの挙動を決定するセカンダリフィラメント34がスライダ4、フレーム2、及びガイド32により定義される機構によって膜3の縁部31においてブロックされるため、正しく機能することが可能である。
【0271】
基本的に、フレーム2、膜3、及びスライダ4の構成は、例えば、フレーム2の形状のおかげで又はそれとは独立に膜3がとることができる異なる堅さのおかげで、シート及び/又は背もたれの技術的態様に著しく寄与している。
【0272】
述べられたように、機械編みによる膜の製造技術は、メインフィラメント33の密度及び形態を局所的に制御することを可能にする。スライダ4及びフレームの間でロックされたセカンダリフィラメント34の存在は、特に制御された挙動を有する部分30aにおける表面支持部30の機械的制御を大きく高める。
【0273】
さらに、フレーム2の形状は、膜3が縁部31に沿って異なる張力に供されることを可能にすることができ、好ましくはそれを可能にする。
【0274】
特に、フレーム2は、好ましくは、およそ三次元の8の字の形状を取ることができ、背もたれのために確保された部分と比較してより広い部分がシートのために確保される。
【0275】
このようにして、先験的に、膜3は、シートのために確保された領域においてより伸ばされている。したがって、各セクタにおいて制御される支持面30を定義することを可能にするために、膜3、フレーム2、及びスライダ4によって提供される技術的可能性を相乗的に組み合わせることが可能である。
【0276】
好都合には、例えば、シートは、背もたれよりも堅く、したがって、変形可能性がより低い。
【0277】
椅子1及び関連する製造方法のさらなる利点は、それらが、特にフレーム2上での使用のために具体的に設計されている場合に、膜3の挙動を変えることがないように、フレーム2に関して均質的な方法で生地によって決定された膜3を制約することを可能にするということによって与えられる。
【0278】
実際に、当業者に知られている任意の連結機構は、生地の一部を解放することを含み、これは、性能の低下又はさらには生地自体の局所的な破損を引き起こし得る。
【0279】
したがって、椅子1は、常に、経時的快適な状態を保ち、使用者による正しい姿勢の採用を容易にする。
【0280】
説明したような、スライダ4、フレーム2、及び膜3を含む連結機構の採用は、特に、図10~17において例として示され、例示的な形態で以前に説明された椅子1の実施形態において、本発明による椅子1自体を円形の製品にすることによって、椅子1のリサイクル及び解体を支持することを可能にする。
【0281】
結論として、椅子1は、極めて長寿命であり、すなわち、摩耗の効果に対して影響を受けにくく、交換の減少、及び同時に、高い単純性及び製造コスト有効度が可能になる。
【0282】
本発明においては、特許請求の範囲により定義される発明の概念の範囲に属する変形が可能である。
【0283】
この文脈において、すべての詳細を均等要素によって置き換えることができ、材料、形状、及び寸法は任意とすることができる。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5a
図5b
図6
図7
図8
図9a
図9b
図10
図11
図12
図13a
図13b
図14
図15
図16
図17
【国際調査報告】